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資料番号1 英語と日本語の音声の違い p pʲ b bʲ t tʲ d dʲ k kʲ ɡ ɡʲ
英語と日本語の音声の違い 資料番号1 日本語の子音 英語と日本語の音声の違い 2006/12/28 2007/04/13 ABE Fujio 以下の説明は、「英語の発音ノート」(数研出版)をベースに安倍が資料を追加して作成した。 1 音の数が違う 母音の数 日本語5 vs 英語21 (英語は非常に多い) 子音の数 日本語24 vs 英語24 (同じ! でも質が違う) 出典:wikipedia p pʲ b bʲ t tʲ d dʲ k kʲ ɡ ɡʲ 鼻音 m mʲ n nʲ ŋ ŋʲ · heard · right hard light どちらも「ハード」と言ったら区別できないですね。 どちらも「ライト」と言ったら区別できないですね。 ɸ s z ɕ ʑ ʨ h ɰ ʥ ɺ ɺʲ l lʲ 出典:大修館英語学辞典 歯茎 歯茎後方 口蓋歯茎 口蓋 軟口蓋 破裂音 破擦音 摩擦音 鼻 音 側 音 中央近接 半母音 5つの場所を確認。逆さまの m は非円心の/u/を表現している。 「あいうえお」の5つの音が発音記号で表記されている。 基本となる短母音だけを表示すると、このようになる。ちょうど日本語の倍の10個ある。 ʣ ç j 歯 日本人学習者にとって、つまずきの原因は、3(異なる音)ではなくて、2(似ている音)です。 英語の母音 ɴ 唇歯 日英の音を比較すると、1 同じ音、 2 似ているけど違い音、 3 まったく異なる音があります。 出典は wikipedia から「日本語の音韻」 声門音 両唇 2 音の質が違う 日本語の母音 ʦ 破擦音 側面はじき 音 側面接近 音 英語の子音 口蓋 垂音 ɽ ɽʲ はじき音 日本語の母音は「アイウエオ」の5つ。 英語の母音は20以上もある。(人によって区別が異なるので断定できない) ここでは一応21個としておきます。 子音も日本語にはない音が英語にはある。(逆に英語になくて日本語にだけある子音もある) したがって、むりにカタカナで当てはめると、英語の発音にならないし、英語が区別できなくなる。だから丁寧に英語の音を 勉強しなければならない。 軟口蓋音 破裂音 接近音 · · · · 硬口蓋音 歯茎 摩擦音 そり舌音 歯茎 硬口蓋音 両唇 日本語の子音の特徴 出典:wikipedia「日本語」より 「か行・さ行・た行・な行・は行・ま行・や行・だ行・ば行・ぱ行」の音 基本的に「か行」は[k]、「さ行」は[s](まれに無声歯摩擦音[θ]を用いる話者もいる)、「た行」は[t]、「な行」は[n]、「は行」は[h]、 「ま行」は[m]、「や行」は[j]、「わ行」は[ɰ]、「だ行」は[d]、「ば行」は[b]、「ぱ行」は[p]を用いる。 「ら行・ん・わ行」の音 「ら行」は語頭では[ɺ]を、語中では[ɽ]を、「ん」の後は[l]を用いる場合が多い。語中では歯茎はじき音[ɾ]を用いる話者もいる。 「わ行」は話者によっては、両唇軟口蓋接近音[w]を用いることがある。「わ」の音以外には、外来音「ウィ」「ウェ」「ウォ」に使われる ことがある。ただし、「ウィ」は「ウイ」、「ウェ」は「ウエ」、「ウォ」は「ウオ」と発音する話者も多い。 「が行」の音 「が行」は語頭では[ɡ]を用いるが、語中では[ŋ](「が行」鼻音、いわゆる鼻濁音)を用いることが一般的だった。今日、この[ŋ] の音は次第に失われつつある。 「ざ行」の音 出典は英語版の wikipedia vowels を安倍が改編 「ざ行」は語頭や「ん」の後では破擦音([ʣ]等)を用いるが、語中では摩擦音([z]等)を用いる場合が多い。話者によっては、ほと んどの場合破擦音を用いることがあるが、「手術(しゅじゅつ)」などの語では破擦音を用いると発音が難しいため摩擦音にするケ ースが多い。なお、「だ行」の「ぢ」「づ」は、一部方言を除いて「ざ行」の「じ」「ず」と同音に帰しており、発音方法は同じである。 母音「い」が後続する子音は、独特の音色を呈する。いくつかの子音では口蓋化が起こる。例えば「か行」の子音は[k]を用いるが、 「き」は[kʲ]を用いるといった具合である。口蓋化した子音の後ろに母音「あ」「う」「お」が来るときは、表記上は「い段」の仮名の後 ろに「ゃ」「ゅ」「ょ」の仮名を用いて「きゃ」「きゅ」「きょ」、「みゃ」「みゅ」「みょ」のように記す。後ろに母音「え」が来るときは「ぇ」の仮 名を用いて「きぇ」のように記すが、外来語等にしか使われない。 Page 1 of 2 英語と日本語の音声の違い 日本語のアクセントについての解説 「さ行」「ざ行」「た行」「は行」の「い段」音の子音も独特の音色であるが、これは単なる口蓋化でなく、調音点が硬口蓋に移動し た音である。「し」「ち」の子音には[ɕ] [ʨ]が用いられる。これらの音は、それぞれの行の子音が古くそのように発音された名残りと 考えられている。ただし、外来音「スィ」「ティ」の子音には、口蓋化した[sʲ] [tʲ]が用いられる。「ひ」の子音は[h]ではなく硬口蓋音 [ç]である。 また、一部の話者は「に」等に硬口蓋鼻音[ɲ]を用いている場合がある。同様に、「り」等に硬口蓋はじき音を用いる話者や、「ち」 等に無声硬口蓋破裂音[c]を用いる話者もいる。「じ」および「ぢ」は、語頭および「ん」の後ろで[ʥ]、語中で[ʑ]を用いる。外来音 「ディ」「ズィ」には口蓋化した音[dʲ ] [ʣʲ ]および[zʲ ]が用いられる。 「ふ」の子音には[ɸ]を用いるが、これは「は行」が[p]、[ɸ]、[h]と変化してきた名残りである。外来語には無声唇歯摩擦音[f]を用 いる話者もいる。「つ」の子音には、[ʦ]が用いられる。これらの子音に母音「あ」「い」「え」「お」が続くのは主として外来語の場合で あり、仮名では「ァ」「ィ」「ェ」「ォ」を添えて「ファ」「ツァ」のように記す(「ツァ」は「おとっつぁん」「ごっつぁん」などでも用いられる)。 「フィ」「ツィ」は子音に口蓋化が起こる。また「ツィ」は多く「チ」などに言い換えられる。「トゥ」「ドゥ」([tɯ] [dɯ])は、外国語の [t] [tu] [du] などの音に近く発音しようとするときに用いることがある(例、tree, tool, do を「トゥリー」「トゥール」「ドゥー」)。語末の [t] を写すときは「ト」([to])の発音が用いられる。 促音「っ」(音素記号では /Q/)および撥音「ん」(/N/)と呼ばれる音は、音韻論上の概念であって、前節で述べた長音と合わ せて特殊モーラと扱う。実際の音声としては、「っ」は [-kk-] [-ss-] [-ɕɕ-] [-tt-] [-tʦ-] [-tʨ-] [-pp-] などの子音連続となる。ま た、「ん」は、後続の音によって[ɴ] [m] [n] [ŋ] などの子音となる(ただし、母音の前では鼻母音となる)。文末などでは[ɴ]を用いる 話者が多い。 日本語のアクセントは、高低アクセントが主流である。アクセントは語ごとに定まっている。同音語をアクセントの違いによって弁別 できる場合も少なくない。たとえば、東京方言の場合、「雨」「飴」はそれぞれ「ア\メ」(頭高型)「ア/メ」(平板型)のように、異な ったアクセントで発音される(今、ピッチの上がり目を/で、下がり目を\で示す)。「端を」「箸を」「橋を」はそれぞれ「ハ/シオ」 「ハ\シオ」「ハ/シ\オ」となる。 アクセントの高低は、歌でいえば音階の高低に相当する。かつての作曲家の中には、詞に曲をつけるとき、言葉のアクセントを 踏まえる人が多かった。たとえば、山田耕筰は「からたちの花が咲いたよ」(北原白秋作詞「からたちの花」)を、「カ/ラタチノ ハ /ナ\ガ サ/イタヨ」というアクセントを生かして作曲している。その結果、「花が」の部分が「鼻が」(ハ/ナガ)に聞こえるような ことが避けられる。 もっとも、このことは、アクセントが違えばただちに別語になることを意味しない。「教育」「財政」は東京アクセントでは「キョ/ーイ ク」「ザ/イセー(ザ/イセイ)」であるが、専門家によってしばしば「キョ\ーイク」「ザ\イセー」と発音されることがある。また、年代 が若くなるに従ってアクセントの平板化が進み、「電車」「映画」が「デ\ンシャ」「エ\ーガ(エ\イガ)」から「デ/ンシャ」「エ/ー ガ」になるというように変化してきている。それでも意味が変化しているわけではない。 アクセント体系は、関東と関西で異なると一般に考えられているが、細かく見れば、分布はもう少し複雑である。すなわち、およ そ愛知・岐阜・長野・新潟以東は東京式アクセントであり、それ以西の近畿・四国などの地方は京阪式アクセントと分かれるが、さ らに中国地方・九州地方まで行くと、再び東京式アクセントが現れる。すなわち、近畿地方を中心とした京阪式アクセントを東京 式アクセントが挟む形になっている。また、九州地方の一部や北関東から南東北地方にかけての一帯などでは、すべての語が 同じアクセントで発音される一型式アクセントや、特にどこを高く発音するという決まりのない無アクセントが見られる。さらに、それ ぞれの体系の中間型や別派などが多数存在する。 2 音のつながり方が違う (=音節構造が違う 4 リズムが違う 他の特徴 日本語 Syllable-timed Rhythm (音節リズム) 日本語はCV(開音節) 各音節に均等の時間をかける。発音にかける時間が、音節の数にほぼ正比例するもの。 英語はCVC(閉音節)が基本構造 英 · 日本語では基本的に子音の後には母音が続きます(例外は「ん」)。子音を C と母音を V と略せば、日本語の基本的な音 の単位は CV です。これに対して英語は子音が連続したり、子音で終わることがよくあります。英語の基本的な音の単位は CVC です。 · ベルト 英語は belt /belt/ CVCC で一音節。 日本語は「ベルト」/beruto/ CVCVCV で3音節。 · ドライブ 英語は drive /draiv/で CCVC で1音節。 日本語は「ドライブ」/doraibu/ CVCVCVCV で4音節。 · 英語では日本語のようにいちいち母音を入れて発音しないように注意する必要があります。 · 最も日本人にとって難しい発音は、r と l の区別や th の発音ではなく、この子音連続にあると言う人もいます。 · 世界の言語を広く調査したところでは、基本型としては CV 型が絶対的に多い(新英語学辞典 研究社) 語 Stress-timed Rhythm (強勢リズム) 音節に関係がなく強音節と弱音節を等間隔に発音するもの · 日本語の文を読むときは普通はすべての文字をほぼ同じ長さで発音します。 · 一方英語では文中のアクセントが日本語とは違うリズムを生んでいます。 · 日本語の「さるがバナナを食べる」は長さを□で表現すると さ る が バ ナ ナ を た べ る となり、1文字1拍ですから、全体で10拍分の長さがあります。 · ところが、英語では Monkeys eat bananas.も The monkeys will eat some bananas.も 3 アクセントが違う 時間的には同じ長さになります。 (これは大変なことですね。) 日本語は高低アクセント(pitch accent) 理由はアクセントがどちらも3箇所しかありませんから、3箇所がぴったり一致するように読むことになります。 英語は強弱アクセント(stress accent) · 日本語のアクセントは高低の違いで表現されます。英語のアクセントは強弱で表現されます。 (例) paper アクセントのある pa の部分を強く長めに発音する (例) 神かみ 紙かみ 「か」「み」の強さ、長さは同程度。高低だけが違う。高低で意味の違いを表現している。 · このため日本語のアクセントを musical accent(音楽のようなアクセント)と言う人もいるくらいです。きっと外国人には日本語 は音楽のように聞こえるのでしょう。 · 一方、英語を話す人の会話を聞いたことがありますか?私たち日本人からするとまるでケンカをしているかのような勢い(強 弱アクセント)がありますね。 · アクセントが単語ごとに決まっているのに対し、イントネーションは場合によって変化して平叙文・疑問文の区別などを表 す。 アクセントのある場所を□で囲むと次のようになります。 Monkeys The monkeys eat will eat bananas. some bananas. 従って · 読むときは、そこだけ強く長く読んで他の単語は弱く短く読むことになります。 · この単語を速く、弱く、短く読むことによって英語独特の音変化が生じることになります。 · 音変化については別のプリントを参考にして下さい。 まとめ 日本語と英語の音は、「数が違う、質が違う、音節構造が違う、アクセントが違う、リズムが違う」と5つの違いがあります。 根本的に異なるので、「日本語らしい英語」はおかしいのであって、「日本人にとって英語は異様に聞こえ」なければなり ません Page 2 of 2