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交通環境対策アクションプラン

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交通環境対策アクションプラン
平成28年度
交通環境対策アクションプラン
人と地球に優しい交通環境をめざして
eco
平成28年8月
北海道運輸局
は
じ
め
に
地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号)においては、地球温暖化が地球
全体の環境に深刻な影響を及ぼすものであり、すべての者が、自主的かつ積極的に地球温暖化を防止
するという課題に取り組むことにより、地球温暖化対策の推進を図ることが求められています。
2015年7月17日、気候変動枠組条約事務局へ提出された、2020年以降の温室効果ガス削
減に向けた我が国の約束草案では、国内の排出削減・吸収量の確保により、2030年度に、201
3年度比▲26.0%(2005年度比▲25.4%)の水準にすることとしています。
また、2015年11月30日から12月13日まで、フランス・パリで開催された気候変動枠組
条約第21回締約国会議(COP21)では、全ての国が参加する、公平で実効的な2020年以降
の法的枠組の合意を目指した交渉が行われ、その成果として『パリ協定』が採択されたところです。
さらに、こうした状況を踏まえ、新たに「日本国政府が、その事務及び事業に関し、温室効果ガス
の排出の抑制等のため実行すべき措置について定める計画」
(
「政府実行計画」
)が、2016年5月1
3日に策定されました。
そこで、北海道運輸局においても、平成28年度の取組みを体系的・具体的に取りまとめた『交通
環境政策アクションプラン』を明らかにすることにより、引き続き「低公害車の普及促進」
、「物流の
効率化」
、「公共交通の利用促進」等による地球温暖化対策に積極的に取り組むとともに、地球温暖化
対策以外にも「大気汚染問題」
、
「循環型社会の形成」
、「海洋汚染対策」等に取り組んで行きます。
目
次
1 地球温暖化対策に対する取組
(1) 我が国の温室効果ガス排出量の現状
································· 1
(2) 自動車交通対策
··················································· 2
①低公害車の普及状況
②低公害車普及促進のための具体的な対策・施策
······················· 3
・CNG車の普及促進
・地域交通のグリーン化を通じた電気自動車の加速度的普及促進
・超小型モビリティの導入
・環境対応車普及促進対策
・環境性能に優れた自動車に対する優遇税制
③安全・環境先導車を活用した環境及び安全対策 ··························· 6
④エコドライブの推進
··············································· 7
・エコドライブ体験講習会
・エコドライブ推進月間等の啓発活動
(3) 環境にやさしい交通体系の構築
···································· 9
①物流のグリーン化の推進
・グリーン物流の促進
・グリーン物流事例の公表
②公共交通機関の利用促進等
······································· 11
・公共交通の確保維持改善
・モビリティ・マネジメント(MM)の推進
③交通バリアフリー施策の推進
····································· 13
・鉄道施設等のバリアフリー化の推進
④出前講座の開催
················································· 14
⑤環境にやさしい事業活動等の推進
································· 15
・グリーン経営の推進
・改正省エネ法に基づく輸送事業者への省エネ推進
2 大気汚染問題への取組
(1) 現状及び基本的対策の方向性
①自動車排出ガス規制の強化
②次世代低公害車の開発・普及等
(2) 自動車の点検・整備の推進
······································ 17
······································· 20
(3)海洋における取組 ··················································· 21
①NOX の規制
②CO2 の放出抑制
③海洋汚染防止対策
・外国船舶の監督
・船主責任保険(PI 保険の)加入確認
3 循環型社会の形成に向けた取組
・FRP船リサイクルの推進
········································ 23
4 優良事業者表彰等の取組
(1) 交通関係環境保全優良事業者等表彰
································· 24
(2) 優良事業者等利用促進キャンペーンの実施 ····························· 24
※「環境パネル」の貸出について
····································· 25
1. 地球温暖化対策に対する取組
取組
(1)我が国の温室効果ガス排出量
排出量の現状
[交通政策部]
平成26年度の我が国の温室効果
温室効果ガス排出量は、13億6,400万
万トン(基準年(平
成2年)度比+7.3%、前年
前年度比-3.1%)であり、前年度と比べて
べて排出量が減少
した要因としては、電力消費量
消費量の減少に伴う電力由来のCO2排出量が
が減少したこと、2
005年度と比べて排出量が減少
減少した要因としては、産業部門や運輸部門
運輸部門におけるエネ
ルギー起源のCO2排出量が減少
減少したことが挙げられる。
また、平成26年度における
における日本のCO2排出量のうち、運輸部門の
のCO2排出量は、
2億1,700万トン(基準年
基準年度比+5.3%、前年度比-3.7%)
%)となっている。
1
(2)自動車交通対策
①低公害車の普及状況
[自動車交通部、自動車技術安全部、交通政策部]
平成26年度末における、全国の低公害車普及台数(保有車両数)は約390万台で、
内訳としては、ハイブリッド車が約381万台と、全体の約98%を占めている。
また、全国の低公害車普及台数(保有車両数)が占める割合は、約4.8%であるが、
北海道での全保有車両数に占める低公害車の普及割合は、約3.3%と、全国と比較す
ると低い割合となっている。
平成28年度においても、低公害車普及促進に係る支援制度や税制等について、北海道
運輸局のホームページを活用して、積極的な広報を行う。
低公害車種別
北海道
ハイブリッド
プラグインハイブリッド
電気自動車
圧縮水素
CNG
メタノール
合計
全保有車両数
120,473
1,186
900
0
609
0
123,168
全
国
全国比
3,813,185
30,193
39,168
46
19,042
9
3,901,643
3.16%
3.93%
2.30%
0.00%
3.20%
0.00%
3.16%
3,717,467 80,670,393
4.61%
※一般財団法人 自動車検査登録情報協会 HP より
【平成27年度の結果・評価・課題】
近年、「自動車グリーン税制」「環境対応車の購入等に対する補助制度」「エコカー減税」等により、低公害車は急
速に普及している。
更に低公害車の普及促進を図るためには、その燃料を供給するインフラを整備することが不可欠であり、CNGスタ
ンド設置、電気自動車の充電施設の設置等に係る初期投資や安定的な運営について、関係者間で議論を深めていく。
2
②低公害車普及促進のための具体的な対策・施策
・CNG車の普及促進
[自動車交通部、交通政策部]
環境にやさしく、エネルギー多様化
になるCNG車の更なる普及促進を
図るためには、その燃料を供給するイ
ンフラを整備することが不可欠であ
り、CNGスタンドの拡充が望まれて
いる。
そのため、CNGスタンド設置の初
期投資や安定的なスタンド運営につ
いて、関係者間で議論を深めていく必
要がある。
北海道運輸局では、政府施策の方向
及び道内関係者の意向の把握に努め、
道内関係者への情報提供を行う。
また、CNG車の普及に向け、自動
車運送事業者や石油販売事業者等の
関係者と連携し、CNGスタンドの設
置支援策及び安定的なスタンド運営
についての検討を行う。
CNGトラック
CNG車及びCNGスタンド
【平成27年度の結果・評価・課題】
○平成27年度、実績なし。
引き続き、関係者と連携し、CNGスタンドの設置支援策及び安定的なスタンド経営等について、検討を行って
いく。
3
・地域交通のグリーン化を通
通じた電気自動車の加速度的普及促進
[自動車交通部]
ゼロエミッション自動車※として
として、環境性能が特に優れた電気自動車
電気自動車の普及を効果的
に加速し、地域交通事業のグリーン
のグリーン化、低炭素まちづくり、地域防災
地域防災への活用等を推進
する。
また、電気自動車を活用した
した新しい街づくり等を通じ、地域活力の
の維持・拡大を図る
観点から、地域や事業者による
による電気自動車の集中的導入等について、
、他の地域や事業者
による導入を誘発・促進する先駆的取組
先駆的取組みを、重点的に支援する。
※ゼロエミッション自動車:走行中
走行中にCO2やNOx、粒子状物質等を排出しない
しない自動車
【平成27年度の結果・評価・課題】
○平成27年度、実績なし。
引き続き、補助制度等の情報提供を
を行い、電気自動車の普及促進を図っていく。
4
・超小型モビリティの導入
[自動車技術安全部、観光部
観光部、交通政策部]
超小型モビリティ※等をはじめとす
をはじめとす
る電気自動車等(環境対応車)は
は、低炭素
社会の実現に資するとともに
するとともに、人口減
少、高齢化時代に対応するコンパクトな
するコンパクトな
まちづくりにも適した交通手段
交通手段として
期待されている。
国土交通省では、このような
このような観点か
ら、超小型モビリティ等の環境対応車
環境対応車の
普及の取組みと、都市の低炭素化
低炭素化、集約
型都市構造の実現、高齢化社会への対応
高齢化社会
等、持続可能なまちづくりに向
向けた取組
日産「ニューモビリティコンセプト
ニューモビリティコンセプト」
みを一体的に推進する。
これらを実現するため、平成
平成24年度から、超小型モビリティの公道走行
公道走行を可能とす
る認定制度を創設し、また、地方自治体
地方自治体、観光·流通関係事業者等の主導
主導による、超小型
モビリティの先導·試行導入の
の優れた取組みを重点的に支援する補助制度
補助制度を合わせて創
設し、平成27年度には2回の
の公募を実施した。
今後も継続して、超小型モビリティの
モビリティの特性·魅力を引き出し、かつ、
、創意工夫にあふれ
る優れた取組みを選定し、重点的
重点的に支援を行う。
※超小型モビリティ:自動車よりコンパクトで
よりコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れ
れ、地域の手軽な移動
の足となる1人~2人乗り程度の
の車両
・環境対応車普及促進対策
[自動車交通部]
自動車分野における地球温暖化対策及
地球温暖化対策及び大気汚染防止対策を推進する
する観点から、自動
車運送事業者等の環境対応
車への買替え・購入を促進
することにより、環境対策
を強力に推進する。
【平成27年度の結果・評価・課題】
○バ
ス
○トラック
ハイブリッド・ノンステップバス
ハイブリッド・ノンステップバス導入実績なし。
優良ハイブリッドトラック
ハイブリッドトラック24台導入。
5
・環境性能に優れた自動車に対する優遇税制
[自動車技術安全部]
国土交通省では、自動車等に起因する大都市等における大気汚染問題を解決するとと
もに、地球温暖化の防止に資するため、排出ガス低減や燃費性能に優れた自動車に対し
て、自動車税の税率を軽減し、新車新規登録から一定年数以上を経過した自動車に対し
ては、税率を重くする自動車税のグリーン化や、自動車取得税の特例措置を講じている。
また、税制改正により、平成21年度から一定の排出ガス性能、燃費性能等を備えた
自動車に係る、自動車重量税、自動車取得税の時限的な免除・軽減措置(いわゆる「エ
コカー減税」)を創設して効果を上げ、平成24年度には、制度の見直し·拡充を行い、
新たに「新エコカー減税」として、3年間の延長がなされた。
更に、平成26年度には車体課税の見直しを行い、その適用期限を2年延長し、制度
の拡充と経年車に対する課税の引き上げを行い、低公害車の更なる普及促進が図られて
いる。
③安全・環境先導車を活用した環境及び安全対策
[総務部、自動車交通部、交通政策部]
平成19年2月、北海道運輸局、環境省北海道地方環境事務所、北海道、北海道警察、
公益社団法人北海道トラック協会、一般社団法人日本路線トラック連盟北海道地区連盟
の6組織は、全国に先駆けて、安全・環境先導車推進団体を設立した。
プロドライバーとして、勤続年数や無事故無違反などの条件を満たす「優良運転者」
を推進団体が指定し、この「優良運転者」が路上で実際に模範を示し、後続の運転者が、
模範運転を倣えば、街全体の交通事故防止とCO2排出量削減につながる。
「優良運転者」は、平成28年3月末までに、延べ1,194名が指定されている。
平成28年度は、引き続きトラック運送事業者の協力を得ながら「優良運転者」の新
規指定を行い、また、事業の推進に当たっては、一般市民及び一般ドライバーの方々に
広く認知されるよう、パネル展示や出発式、標章授与式等のセレモニーを実施する。
このセレモニーの概要は、北海道運輸局ホームページに掲載する。
安全・環境先導車標章授与式
プレートが掲示された車両
【平成27年度の結果・評価・課題】
○新たに優良運転者64名を指定し、ホームページに平成 27年度「優良指定運転者名簿」を追加した。
○7月14日、北見市において「安全・環境先導車」の標章授与式を実施した。
地区トラック協会との更なる連携強化が重要であり、広く一般市民に認知されるよう、引き続き、計画的な広報活
動を進めて行く。
6
④エコドライブの推進
・エコドライブ体験講習会
[交通政策部]
エコドライブとは、加減速の少ない運転や車内冷暖房の適切使用など、環境負荷の軽
減に配慮した、自動車の使用方法のことである。
北海道運輸局は、平成21年度より、ハイヤー・タクシー事業の運行管理者等指導的
立場にある方々を対象とした「エコドライブ体験講習会」を開催し、実感した効果を乗
務員の指導教育時に活用していただき、エコドライブ、安全運行の更なる推進を図って
いる。
平成28年度は、前年同様、旭川市において、一般社団法人旭川地区ハイヤー協会及
びJAF北海道本部と共催で「エコドライブ体験講習会」を開催し、エコドライブの推
進に取り組む。
座学講習の様子
走行体験の様子
【平成27年度の結果・評価・課題】
平成27年9月、旭川市運転免許試験場において、7回目の「エコドライブ体験講習会」を開催し、ハイヤー・タ
クシー事業者の運行管理者等15名が参加した。
参加者の燃費を、受講の前後で計測・比較したところ、平均22.2%の改善が見られた。
受講者からは、「講習が分かりやすかった。」との評価もいただいたことから、本講習会について、北海道運輸局の
ホームページに掲載した。
・エコドライブ推進月間等の啓発活動
[自動車技術安全部、交通政策部]
平成15年6月、環境に配慮した自動車使用促進のため、警察庁、経済産業省、国土
交通省及び環境省の4省庁にて「エコドライブ普及連絡会」が設置され、この連絡会で
は、毎年11月を『エコドライブ推進月間』としている。
北海道運輸局は、推進月間において、自動車の検査・登録に訪れる一般市民に広く啓
発すべく、運輸支局の窓口等にポスターを掲示し、また、街頭検査実施時などのイベン
ト開催時に、チラシの配布を行っている。
更に、北海道運輸局メールマガジンにより広く周知を行い、北海道運輸局ホームペー
ジに掲載している動画「エコドライブ10のすすめ」の活用を通して、エコドライブの
推進を図っている。
【平成27年度の結果・評価・課題】
北海道運輸局のホームページに掲載した動画「エコドライブ10のすすめ」の活用等により、エコドライブの徹底
を図った。
引き続き、エコドライブの推進についてPRしていく。
7
8
(3)環境にやさしい交通体系の構築
①物流のグリーン化の推進
・グリーン物流の促進
[鉄道部、自動車交通部、海事振興部、交通政策部]
グリーン物流とは、モーダルシフト、共同輸配送、拠点集約化等物流の総合化・効率
化を図ることにより、物流分野におけるCO2の排出量を削減する取組みである。
北海道運輸局は、荷主企業及び物流事業者等、物流に係る関係者によって構成される
協議会が実施するモーダルシフト等の取組みを、「モーダルシフト等推進事業」(補助
事業)により支援する。
「モーダルシフト等推進事業」は、北海道運輸局のホームページを活用するなど積極
的に広報し、公募する。特に、複数荷主による共同積載と帰り荷を活用した「次世代型
モーダルシフト」を、重点的に広報する。
また、物流を総合的かつ効率的に実施することにより、物流コストの削減や環境負荷
の低減等を図る「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律(物流総合効率化法)」
は、あらゆる機会を捉え、周知する。
モーダルシフト等推進事業
荷主企業、物流事業者等、物流に係る関係者によって構成される協議会が策定する、モーダルシフト等推進事業計
画に基づく事業に要する経費の一部を補助することにより、CO2排出原単位の小さい輸送手段への転換を図るモーダ
ルシフトを推進するとともに、温室効果ガスの削減による地球温暖化の防止並びに低炭素型の物流体系の構築を図る。
現状
満載
(X地区)
駅
駅
単独荷主による
鉄道輸送のため、
低積載の可能性
あり
現状の問題点
(Y地区)
①
企業A
仕入先
満載
②
荷量が少なく、ト
ラック輸送のまま
企業B
次世代型モーダルシフト
コンテナの空いてい
たスペースに企業B
の荷量を積載するこ
とで、物流効率向上
(CO2,物流費等)。
(X地区)
満載
駅
駅
(Y地区)
企業A
仕入先
CO2削減
企業B
①1コンテナを単独の荷主の貨物で積載しているた
め、低積載で輸送している。
→荷主あたりの物流費が高い
②一定の荷量が確保できない荷主は、モーダルシ
フトを実施できない。
→モーダルシフトの裾野が広がらない
モーダルシフト等推進事業計画
国の支援
荷主企業、物流事業
者等で構成される協
議会により、モーダル
シフト等推進事業計画
を策定、実施
運行経費に
対して補助
(最大1/2)
次世代型モーダルシフト案件に予算を重点配分
国の役割
・複数の企業間での共同積載によるモーダルシフト(次世代型モーダルシフト)を支援
・共同積載によるコスト削減効果やCO2排出削減効果の見える化等を通じて取組みを検証し、普及啓発を実施
9
-グリーン物流事例-
【平成27年度の結果・評価・課題】
○「モーダルシフト等推進事業」については、北海道運輸局管内では3協議会から応募があり、3事業が採択され、
そのうち1件が「共同積載による次世代型モーダルシフト」であった。
○「物流総合効率化法」に基づく総合効率化計画の認定については、今年度は1件認定となった。
引き続き、「物流総合効率化法」「モーダルシフト等推進事業」等についての周知活動を、積極的に進める。
・グリーン物流事例の公表
[交通政策部]
荷主企業・物流事業者や消費者の環境問題に対する意識の向上を図るため、「グリー
ン物流の事例公表」を行い、平成27年度に採択された「モーダルシフト等推進事業」
を北海道運輸局のホームページに掲載する。
【平成27年度の結果・評価・課題】
○平成27年度、事例公表の実績なし。
10
②公共交通機関の利用促進等
利用促進等
・公共交通の確保維持改善
[交通政策部]
地域の多様な関係者が協働した
した、地域の公共交通の確保・維持、利便性
利便性の向上等の取
組みや、
「コンパクト+ネットワーク
ネットワーク」の実現にとって不可欠な、地域公共交通
地域公共交通ネットワ
ークの再構築に向けた取組を支援
支援する。
【平成27年度の結果・評価・課題】
○地域公共交通確保維持改善事業において
において、地域間幹線系統確保維持費国庫補助として25
25社171系統、地域内
フィーダー系統確保維持費国庫補助として
として61者190系統に支援した。
○地域公共交通網形成計画策定に係る
る調査については5協議会、再編実施計画の策定に係る
る調査については2協議
会が実施しており、地域公共交通ネットワーク
ネットワーク再構築に向けた取組を支援している。
11
・モビリティ・マネジメント(MM)の推進
[交通政策部]
運輸部門からのCO2排出量に占める自家用乗用車の割合は、39.0%(平成2年度)
から47.5%(平成26年度)へと上昇しており、自家用自動車からCO2排出量の少
ない交通モード等への転換が求められている。
北海道運輸局は、過度に自動車に依存するライフスタイルから、電車・バスなどの公
共交通の利用や、徒歩・自転車など、環境に配慮した交通行動への自発的な転換を促す、
「モビリティ・マネジメント(MM)」の取組みを推進している。
地域の実情に応じ、交通事業者の意向を踏まえた自治体や企業等を訪問し、マイカー
による通勤を、公共交通による通勤に転換することを働きかけるとともに、「エコ通勤
優良事業所認証制度」の紹介を行う。
【平成27年度の結果・評価・課題】
○平成27年度はMMの推進の一環として「北海道における『地域の足』啓発活動」により、自治体に対してプロモ
ーションを展開した。
○小樽市・岩見沢市を訪問し、自治体が率先して MM に取り組むことで、地域内の意識の醸成が見込まれることか
ら、各自治体の現状について協議を行い、協力依頼をおこなった。
○平成 27年10月、『第29回 EST 創発セミナー』を札幌市で開催し、次世代の MM につながる新たなモビリテ
ィというテーマに関し、全国的動向などを検討するため、有識者等を招き、講演・パネルディスカッションを行った。
EST 創発セミナー(札幌市)
12
③交通バリアフリー施策の推進
・鉄道施設等のバリアフリー化の推進
[鉄道部、交通政策部]
「移動等円滑化の促進に関する基本方針」により、1日当たりの利用者数が3,00
0人以上である鉄軌道駅等、下記の旅客施設については、平成32年度までに、原則と
してすべてについて段差の解消、視覚障がい者誘導用ブロックの整備、障がい者対応型
便所の設置等、移動の円滑化が促進されるよう目標が定められている。
北海道運輸局では、このような目標を踏まえ、地域の要請及び支援の下、鉄軌道駅の
構造等の制約条件を勘案し、可能な限りの整備が行われるよう、関係鉄軌道事業者の指
導・支援を行う。
平成28年度は、JR北海道では、銭函駅でエレベーターや多機能トイレの設置等の
バリアフリー化に取り組むこととしており、また、札幌市では、地下鉄東豊線全駅にホ
ーム柵の設置を予定している。
また、函館市では、中央病院前電停の改良により、手すりやスロープの設置、有効幅
員の確保等を予定している。
旅客施設
車両等
-北海道におけるバリアフリー化の現状-
平成27年3月末
施 設 等
対象数
適合数
割 合
鉄軌道駅
95
76
80%
バスターミナル
9
9
100%
旅客船ターミナル
0
0
航空旅客ターミナル
1
1
100%
鉄軌道車両
1,353
513
37.9%
乗合バス 低床バス
1,056
28.2%
乗合全車両
3,747
370
9.9%
うちノンステップバス
旅客船
26
2
7.7%
航空機
3
3
100%
※1日あたりの平均的な利用者数が3,000人以上のもの
【平成27年度の結果・評価・課題】
平成27年度は、函館市路面電車において、「五稜郭公園前」電停のバリアフリー化を実施した。
鉄軌道駅のバリアフリー化については多額の事業費を要することから、国の支援の拡充のみならず、関係自治体等
の理解と協力が必要不可欠である。
13
④出前講座の開催
[交通政策部]
国民生活に身近な問題である、交通と環境の問題を広く国民に情報提供し、環境負荷
の小さい交通体系の重要性に気付いていただくため、一般市民や小学生を対象とした、
「出前講座」を開催している。
平成28年度においても、交通環境問題への関心を高めるとともに、公共交通機関の
利用拡大等を図るため、自治体、バス事業者等と連携して、小学生を対象とした「出前
講座」を開催する。
CO2を使った地球温暖化実験
ハイブリッドバスを体験(室蘭市の小学校)
【平成27年度の結果・評価・課題】
○室蘭市役所、バス事業者(道南バス)と連携し、地球温暖化と運輸をテーマにした講義、専用キットを使った地球
温暖化実験、「暮らしの中での地球温暖化対策を考えるカード」を使ったゲーム、室蘭市で新しく導入した電気自動
車の充電体験の他、ハイブリッドバスの体験乗車を実施した。(小学校4校、184名)
○帯広市役所、バス事業者(十勝バス、北海道拓殖バス)、バイオ燃料の製造販売業者(エコERC)と連携し、地
球温暖化と運輸をテーマにした講義、BDF(バイオディーゼル燃料)バスの体験乗車等を実施した。
(小学校6校、高齢者学級講座(計1回)、380名)
引き続き、自治体・交通事業者等と連携し、計画的に開催する。
14
⑤環境にやさしい事業活動等の推進
・グリーン経営の推進
[自動車交通部、海事振興部、交通政策部]
グリーン経営とは、環境負荷の少ない事業運営を意味し、自主的・計画的に環境対策
を進めながら、経営面での向上を図っていく経営のことをいう。
運輸事業における具体的な取組みでは、燃費を向上することによってコストの削減を
図る「エコドライブの推進」や、「低公害車の導入」等である。
中小規模の事業者でも、環境改善に向けた取組みの目標設定とその
評価が容易になることから、公益財団法人「交通エコロジー・モビリ
ティ財団」では、一定のレベル以上の取組みを行っている事業者に対
して、グリーン経営の認証・登録を行っている。
北海道運輸局は、運輸関係事業者に対するグリーン経営の周知と認
証取得の促進を図るため、道内複数箇所で『グリーン経営認証取得講
習会』を開催するほか、パンフレットの配布、ホームページでの事業
紹介等の広報活動を行う。
グリーン経営認証登録事業所数(平成 28年4月20日現在)
北海道
全 国
トラック(H15.10 開始)
193事業所
5,654事業所
13事業所
317事業所
2事業所
457事業所
旅 客 船(H17. 7 開始)
0 事業所
12 事業所
内航海運(同
上)
3事業所
35事業所
港湾運送(同
上)
1 事業所
81事業所
倉
上)
21事業所
620事業所
233事業所
7,176事業所
バ
ス(H16. 4 開始)
タクシー(同
上)
庫(同
合
計
【平成27年度の結果・評価・課題】
○平成27年7月、札幌市において、トラック事業者を対象にした「グリーン経営認証取得講習会」を、公益財団
法人「交通エコロジー・モビリティ財団」と共同で開催した。
○ここ数年講習会が開催されていない地区トラック協会に対し、制度説明を行うとともに、開催協力を要請した。
グリーン経営認証登録事業所は、全国と比較すると北海道は取得が進んでいないため、引き続き、制度説明の強化
を図っていくことにより、登録事業所数の増加をめざす。
15
・改正省エネ法に基づく輸送事業者への省エネ推進
[自動車交通部、海事振興部、交通政策部]
エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する法律(改正省エネ法)が平
成18年4月に施行され、一定規模以上の輸送能力を有する事業者は、「特定輸送事業
者」に指定された年度の翌年度以降、毎年度、地方運輸局へ「中長期計画書」及び「定
期報告書」の提出が義務付けられている。
「中長期計画書」は、3~5年程度の期間をもって取り組む省エネ対策についての計
画書であり、また、「定期報告書」は、エネルギー使用量、エネルギー使用の状況(エ
ネルギー使用効率等)、省エネ対策の実施状況等に関する報告書である。
北海道運輸局では、「中長期計画書」及び「定期計画書」を基に、各特定輸送事業者
の取組みを調査分析し、他の輸送事業者にも参考となる、省エネ対策の優良事例(ベス
トプラクティス)を抽出し、国土交通本省に報告する。
平成28年度も、事業者を選定し、直接事業所に赴いて、実態調査を実施する。
-特定輸送事業者の範囲-
輸送機関
鉄
基
準
貨
車両数
道
物
旅
300 両以上
客
300 両以上
バス 200 台以上
台
数
200 台以上
タクシー350 台以上
自動車
船
2 万総トン以
総船腹量
舶
上
総最大離陸重量
航空機
2 万総トン以上
9,000 トン以上
―北海道における特定輸送事業者の指定状況―
平成 28年 3 月 31 日現在
貨
物
旅
事業用自動車
自家用自動車
10
2
鉄
道
バ
2
ス
4
客
合
タクシー
1
船
計
舶
1
20
【平成27年度の結果・評価・課題】
○平成28年2~3月において、トラック・ハイタク・自家物流事業者の計8社に対して、実態調査を実施した。
これらの事業者は、燃料消費の少ない車両への代替など、積極的に省エネ対策に取り組んでいる。
各特定輸送事業者に対しては、ベストプラクティスやグリーン経営認証制度を紹介するなど、更なる省エネが進む
よう指導する。
16
2. 大気汚染問題への取組
(1)現状及び基本的対策の方向性
[自動車技術安全部]
自動車排出ガス規制の強化等、種々の大気汚染防止対策が講じられ、大都市地域を中
心に厳しい状況にあった二酸化窒素(NO2)及び浮遊粒子状物質(SPM)の大気汚染
状況については、改善傾向にある。
一方、「自動車 NOx・PM 法」に基づく対策地域の一部(東京都、千葉県、神奈川県、
愛知県、三重県)において、環境基準が達成されていない測定局が存在している。
また、光化学オキシダントについては、依然として環境基準の達成状況は、極めて低
い水準となっている。
このような状況を踏まえ、自動車から排出される大気汚染物質のうち、呼吸器系に悪
影響を与える窒素酸化物(NOx)、光化学オキシダントの原因物質の一つである炭化
水素(HC)、発ガン性の原因物質との疑いのある粒子状物質(PM)の排出抑制対策
を、着実に進める必要がある。
このため、自動車から排出されるNOxやPM等によって生じる大気汚染について、
①規制の強化を図るとともに、②次世代低公害車の開発・普及等が必要となっている。
①自動車排出ガス規制の強化
[自動車技術安全部]
自動車の排出ガス規制は、昭和41年から開始し、年々強化されてきた。
ガソリン車については、平成12年、13年、14年規制(新短期規制)として、C
O、HC、NOxの排出基準の強化、車載式故障診断(OBD)システムの装備義務付
け等を実施し、ディーゼル車についても、平成14年、15年、16年規制(新短期規
制)として、NOx、PM等の規制強化を実施してきた。
平成17年規制等(新長期規制)では、ガソリン車、ディーゼル車とも排出ガス試験
法を見直すとともに、世界一厳しい排出基準の強化を実施し、自動車の排出ガス低減を
図ってきた。
平成21年10月より、更なる排出ガス規制の強化(ポスト新長期規制)が行われ、
新車のディーゼル車等に対し、順次適用されている。
また、大型特殊自動車及び小型特殊自動車については、平成15年規制において、初
めて排出ガス規制が導入され、年々、規制強化が行われている。
更に、PM等の規制値の強化と新試験方法が導入され、新車のディーゼル特殊自動車
に順次適用されており、公道を走らないオフロードの特殊自動車に対しても、同じレベ
ルの排出ガス規制が始まっている。
17
②次世代低公害車の開発・普及等
[自動車技術安全部]
大型ディーゼル車に代替する、次世代低公害車の開発・実用化を促進するため、平成
14年度より安全上、環境保全上の技術指針等を策定し、その普及環境の整備を行って
いる。
平成19年度には、開発された車両のうち、DME(ジメチルエーテル)自動車、非
接触給電(IPT)ハイブリッドバス、大型圧縮天然ガス(CNG)自動車について、
試作車を、実際の運送事業者が使用して走行評価を行う「実証モデル事業」を実施した。
平成21年4月からは、非接触給電(IPT)ハイブリッドバスについて、「東京都
交通局」の路線バスとして、実際の営業運行に使用しての実証走行試験を、また、平成
21年11月にはDME(ジメチルエーテル)自動車について、新潟地域(新潟県を中
心に)及び関東地域(千葉、鴻巣間及び埼玉県周辺)の2地域において、燃料製造事業
者、燃料充填事業者、運送事業者及び地方公共団体等の協力を得て、実証運行試験が行
われている。
スーパークリーンディーゼル自動車、液化天然ガス(LNG)自動車、合成軽油(F
TD)自動車については「実証走行試験」が実施され、水素エンジン自動車については、
「公道走行試験」等が実施されている。
―次世代低公害車の概要―
■ジメチルエーテル(DME)トラック
○DMEは、低い圧力で液化し燃料タンクに充填可能
○ディーゼルエンジンなみの低燃費でPMがほぼゼロ
○触媒等の排出ガス等発散防止装置によるNOxの大幅低減が図れる
○長距離・高速輸送用大型トラックへの導入·普及に期待される
■IPTハイブリッドバス
○燃料機関と電気モーターを動力源とするハイブリッド車は低公害、
低燃費
○IPTバスは、非接触外部電力供給システムと組み合わせることに
より電気自動車として目的別、効率的に使用可能
■大型天然ガス(CNG)トラック
○PMを排出しないクリーンな自動車
○天然ガスは豊富にあること等、エネルギーセキュリティーに優れて
いる
○ターボにより高出力化が可能
○触媒等の装置により更なる排出ガスの低減化が図れる
18
■スーパークリーンディーゼルエンジン
○吸排気系、燃料噴射系等に各種最新技術を駆使して、燃費の改善と
排出ガスを大幅に削減した次世代ディーゼルエンジン
■LNGトラック
○CNG車の利点を生かしたまま燃料を液化することで、その搭載量
を増やし、航続距離を長くした自動車
■FTDトラック
■FTDトラック
○FTD 燃料は天然ガス、バイオマス等を合成した燃料
○PMの排出が少ない
○燃料特性に合ったディーゼルエンジンの開発が必要
■水素エンジン
○CO2、PMの排出が、ほぼゼロ
○排出ガス等発散防止装置によるNOxの大幅低減が図れる
○高圧水素直接噴射燃焼方式により、高出力・低燃費が期待できる
○次世代低公害車用エンジンとして有望
19
(2)自動車の点検・整備の推進
[自動車技術安全部]
国土交通省では、車両の安全な運行はもとより、環境保全の観点から「自動車点検整備
推進運動」を全国的に展開しており、北海道運輸局管内では、各種研修や運輸支局窓口
等あらゆる機会を活用し推進する一方で、各関係団体の取り組む各種イベントに参加し、
自動車保守管理意識の高揚と環境保全の呼びかけを行う。
中でも、「エコ整備」を行うことにより車の燃費が改善され、社会問題でもある排出
ガスによる大気汚染の抑止に繋がるため、自動車の使用者に対して、適切な点検·整備の
必要性を促すとともに、確実な実施を推進する。
また、不正改造車を排除する運動を通じて、「不正軽油の排除」及び「燃料噴射ポン
プの封印の取り外し禁止」の広報活動も行い、ディーゼル自動車から排出される大気汚
染物質等の低減に向け、啓発活動を行う。
マイカー点検フェア 2015(Ario 札幌)
2015ふれ愛フェスティバル (釧路)
【平成27年度の結果・評価・課題】
○「不正改造車を排除する運動」及び「自動車点検整備推進運動」期間中など、平成27年度、街頭検査を50回
(検査台数5,300台)実施し、チラシなどの配布により、不正改造車の排除及び点検整備の重要性を啓発した。
○運輸支局構内の駐車車両827台について、構内検査を実施した。
「不正改造車を排除する運動」(6月)及び「自動車点検整備推進運動」(9月、10月)については、強化月間
を設け実施しているが、基本的に通年の運動でもあることから、強化月間の意識が薄れる傾向にあり、これを打破し、
運動を強化していくため各地域でのイベント等への参画を行っているが、今後の啓発の継続と拡大が課題である。
20
(3)海洋における取組
[海上安全環境部]
海洋汚染防止条約(MARPOL
(MARPOL条約)附属書Ⅵ(船舶による大気汚染
大気汚染の防止のための
規則)では、船舶から放出される
される二酸化炭素や窒素酸化物等による大気汚染
大気汚染の防止のため、
必要な規制を定めており、我が
が国は、これを国内法令に取り入れ、平成
平成17年から規制を
実施している。
その後、平成22年、平成27
27年の改正を経て現在に至っている。
①NOxの規制
・規制対象範囲:130kW
130kWを超えるディーゼルエンジンを搭載する
する船舶。
・規制のしくみ:エンジンの
エンジンの定格出力当たりのNOx排出量(g/kWh
g/kWh)が、エンジン
の定格回転数
定格回転数に応じて定められた基準値を満足すること
すること。
現在は2
2次規制と呼ばれる規制段階。
(法定検査)
・船舶に設置された原動機等
原動機等を大気汚染防止検査対象設備として、
、法定検査の対象と
する。
・検査に合格した船舶に対
対しては、「海洋汚染等防止証書」を交付
交付し、外航船舶に対
しては「条約証書」を交付
交付している。
・原動機については、NO
、NOxの放出量が基準に適合することを確認
確認しており、放出量確
認を受けた者に対し、遵守
遵守すべき事項等を記載した「原動機取扱手引書
原動機取扱手引書」(テクニ
カルファイル)を承認している
している。
②CO2の放出抑制
外航海運から放出されるCO
CO2は、荷主国、出入港国、寄港国等が複雑
複雑に絡んでおり、
その放出を特定の国に帰属させることが
させることが困難であることから、「京都議定書
京都議定書」の枠組みに
おける国別削減目標の枠外とされている
とされている。
国際海事機関(IMO)は、船籍
船籍を容易に変更できる外航海運の特徴等
特徴等を踏まえ、国レベ
ルの枠組みではなく、個々の船舶
船舶に対して、国際的に統一されたCO2の放出抑制に係る
規制の条約を改正し、我が国においても
においても、平成25年から規制を行っている
っている。
二酸化炭素放出抑制対象船舶
二酸化炭素放出抑制対象船舶には、エネルギー効率設計指標(EEDI
EEDI)を定めることを
義務付けるとともに、排他的経済水域
排他的経済水域を超えて航行する日本船舶に対
対しては、海洋汚染
防止法(以下「海防法」という
という。)に基づく検査を実施する一方、寄港
寄港する外国船舶に対
して、立入検査を実施している
している。
21
③海洋汚染防止対策
・外国船舶の監督
[海上安全環境部]
北海道運輸局管内の各港には、世界各地より、年間約 3,500 隻の外国船舶が来港して
いる。
これらの外国船舶に対しては、日本周辺海域における安全航行の確保と海洋環境の保
全を目的として、外国船舶監督(立入検査)を実施し、船舶の構造・設備及び海洋汚染
防止設備、乗組員の労働環境及び資格証明書等に関する国際基準への適合性を確認して
いる。
【平成 27 年度の結果・評価・課題】
○外国船舶の監督数
342 隻
過去に、数多くの不適合が指摘されている船舶を中心として
監督を実施することにより、国際基準に適合していない船舶
(サブスタンダード船)の、積極的な排除に努めた。
また、外国船舶監督においては、海洋汚染防止設備の状態及
び操作要件についても「MARPOL 条約」(海洋汚染防止条約)
への適合性確認を行い、海洋環境の保全を図った。
しかしながら、依然として多くのサブスタンダード船が入港
しており、今後も、継続的かつ積極的に監督を実施する。
外国船舶に対する監督(航海計器の動作確認)の様子
・船主責任保険(PI保険)の加入確認
[海上安全環境部]
船舶が座礁等の海難事故を起こし、油濁損害、
座礁船の放置が発生した場合における被害者保
護のため、外航船舶には「PI保険」の加入を
義務付けている。
これらの保障契約情報等の通報に対し、通報
内容、保険契約等の確認を行い、関係機関と連
携し、無保険船舶の排除を効率的に進める。
座礁した外国船舶
【平成27年度の結果・評価・課題】
○我が国の港に入港する、100トン以上の外航船舶に義務付けられた保障契約情報等の通報に対し、的確な確認
を行った。
○272隻の船舶に対し、立入検査を実施しており、船舶保障契約を締結していない船舶は1隻、保障契約証明書
等の本紙を、船内に備え置いていない船舶は1隻あった。
引き続き、保障契約情報等の通報に対し、的確な確認及び立入検査を実施し、法令遵守の徹底を図るとともに、関
係機関と連携しつつ、無保険船舶の排除に努める。
22
3.循環型社会の形成に向けた取組
・FRP船リサイクルの推進
[海事振興部]
FRP船は高強度で寿命が長いといった製品特性等のメリットがある反面、廃船処理
が困難であるという理由から、社会問題化している不法投棄の要因の一つになっている。
このような背景を踏まえ、国土交通省では、平成12年から4年間かけて、FRP船
リサイクルシステムの調査研究を行い、実証実験等により、最終的にセメント工場にお
いて燃料・原料として再利用する、リサイクル技術を確立した。
このリサイクルシステムは、製造事業者の団体である一般社団法人「日本マリン事業
協会」が主体となり、平成17年11月から地域を限定した形で運用を開始し、その後、
順次対象地域を拡大し、平成19年度には北海道を含め、全国に展開している。
FRP船リサイクルシステムは、北海道でも、平成28年1月から廃船処理の受付・
搬入が通年となり、利用の促進が図られた。
北海道運輸局は、窓口でのポスター掲示やリーフレット備置きのほか、ホームページ
を活用して、リサイクルシステムに関する情報提供を実施し、7月には、札幌市におい
て「北海道地区廃船処理協議会」を開催するなど、関係機関との連携強化を図っている。
【平成27年度の結果・評価・課題】
○道内4地区の一般ユーザーや自治体から、12隻が本システムを活用し、廃船処理された。
○本システムの普及・周知のためリーフレットを作成し、道内自治体・漁業組合へ配布及び自治体広報誌への掲載
を依頼し、9自治体から協力を得た。
運用開始以降、本システムについては一定の普及が見られるが、更なる普及促進、社会への定着に向け、各水域管
理者等関係機関と連携した、広報活動の継続が求められる。
23
4.優良事業者表彰等の取組
(1)交通関係環境保全優良事業者等表彰
[総務部、自動車技術安全部、交通政策部]
北海道運輸局関係功労者等表彰内規に基づき、
以下に掲げる、環境保全に関しその功績が顕著な
交通関係事業者等に対して表彰を行うとともに、
ホームページにおいて、被表彰者を公表する。
(1)低公害車の導入又は普及促進
(2)環境に配慮した鉄道車両、船舶等の開発・
導入・運行(運航)等
(3)物流分野における地球温暖化対策
(4)公共交通機関の利用促進
観光及び自動車関係功労者等表彰式(H27.6.1)
(5)安全・環境先導車の運行又は普及促進
(6)その他環境保全に配慮した事業等
【平成27年度の結果・評価・課題】
○低公害車の導入、普及促進による表彰
タクシー事業(1事業所)、トラック事業(1事業所)
○廃棄物の削減又は適正処理による表彰
整備事業(32事業場)
○安全・環境先導車の運行又は普及促進による感謝状
○安全性優良事業所の認定による表彰
トラック事業(3営業所)、指定運転者(3人)
トラック事業者(11事業所)
(2)優良事業者等利用促進キャンペーンの実施
[交通政策部]
優良事業者等利用促進キャンペーンとは、利用者に対して、安全面や環境面に優れた
事業者(優良事業者)の認定・認証制度について、広く周知を図るとともに、情報を提
供することにより、優良事業者の選択を容易にし、その積極的な利用を促進するもので
ある。
北海道運輸局が、全国に先駆けて行ったものであり、対象とする認定・認証制度は、
全運輸モードにわたり、現在13制度である。
その中には、「グリーン経営の認証制度」「安全・環境先導車事業」など、環境に関係
するものも含まれている。
キャンペーンでは、優良事業者の積極的活用を呼びかけるとともに、優良事業者とし
て認定・認証を受けた事業者名と行政処分を受けた事業者名を、当局のホームページに
公開している。
優良事業者等利用促進キャンペーンの詳細
http://wwwtb.mlit.go.jp/hokkaido/press/campaign/campaign.html
24
環境パネル貸出します!
北海道運輸局では、運輸部門における地球
温暖化対策に係る普及・啓発を目的として、
展示用パネルを制作しています。パネルは
北海道内において環境対策イベントを行う
主催者等に対し、貸出しを行っていますの
で、御希望の場合は、お問合せ下さい。
○「環境パネル」貸出しの詳細は、北海道運輸局ホームページトップページから「その
他の施策」をクリックするとバナーがありますので、御覧下さい。
↓
http://wwwtb.mlit.go.jp/hokkaido/bunyabetsu/kankyou/paneru/index.html
25
平成28年度交通環境対策アクションプラン
(お問い合わせ先)
北海道運輸局 交通政策部 環境・物流課
〒060-0042 北海道札幌市中央区大通西10丁目
TEL:011-290-2726
FAX:011-290-2716
E-mail: [email protected]
URL: http://wwwtb.mlit.go.jp/hokkaido/
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