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経営革新承認 企業訪問 No.17 - 公益財団法人 福岡県中小企業振興

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経営革新承認 企業訪問 No.17 - 公益財団法人 福岡県中小企業振興
経営革新承認
企業訪問 No.17
有限会社
メイク
未来への扉を開く
多くの人が利用するビルや公共施設のトイレ。その個室の囲いはドアを含めトイレブースと呼ばれ
る。最近は使いやすさなどの機能性はもちろん、居住性やデザイン性も不可欠な要素になりつつある。
それに応えようと大手から中小まで、たくさんのメーカーが多種多様な製品を世に出している。その
メーカーの一つであるメイクは九州一円の建設業者や設備業者を販売先とするブースメーカー。現社
長の古川初男氏が 1991 年に興した施工会社を徐々にメーカーに変貌させた会社だ。
モノづくりに憧れ
古川社長は起業以前、大手運送会社に勤め、仕事
スの企画開発も手がけるようになり、会社はメー
は順調だったが、漠然と独立の憧れは抱いていた。 カー色を強めていく。01 年には木製建具の販売を
そこで宮崎県野尻町(現在は小林市)に三富商事を
中止。アルミ型材、樹脂型材を使ったトイレブース
設立した。そこで古川社長はブースやパーティー
の製作を始めた。
ション(間仕切り)などの建材と出会った。
現在はあちこちに見られる、角が丸いトイレブー
古川社長は、トイレブースやドアのほか木製建具
スを古川社長は、今から10年以上前に製品化した。
の施工技術を身に付け、職人としても働いた。しか
ぶつかってけがをするのを防ぐためで、当時は珍し
し「人生の先が見えてしまい、敷かれたレールの上
かった。そんなトイレの普及を見るにつけ古川社長
を走るようで嫌だった」。そこで 96 年「ずっとモノ
は「自分は間違ってなかったな」と誇らしい気持ち
づくりに憧れていた」という古川社長は「作る」を
になる。
意味する「メイク」に社名変更。徐々にトイレブー
人の縁に恵まれ
経営革新計画の承認を受けたのは 15 年2月。内
いて、
「シンクロムーブ」の可能性を認められると
容は「
『シンクロムーブ』(開閉同時両開きドア)の
ともに、実現に向けての課題を指摘された同社は、
開発」。14 年1月から 18 年 12 月を計画期間とし 「フクオカ成長企業応援隊派遣」を利用して「経営
ている。発端は 14 年度に「ものづくり補助金」を
革新計画」立案に取組むこととなった。
受けたこと。補助金申請を支援した金融機関の紹介
古川社長は、ものづくり補助金申請から経営革新
で活用したのが福岡県中小企業振興センターが運営
計画承認までに至った経緯を「人の縁に恵まれてい
する「フクオカ成長企業評価制度」
。
た」と振り返る。
中小企業の技術力や経営力を評価する同制度にお
8
BUSINESS SUPPORT FUKUOKA 2015.4
指挟み事故防止ドアも開発
「シンクロムーブ」は両開きドアの片方を開けると、 示会には、経営革新計画とは別に開発してきた、指挟
もう片方のドアも開くというもの。ドアの上部に動きを
みによるけがを防ぐドアも出す。これは縁にゴムを付け
伝える機構を組み込んで構成する。設置場所や目的に
たもので医療介護施設や幼稚園、保育園での利用も見
応じてドアを別の方向に開けることも可能だ。仕組み
込んでいる。
自体は完成しており、現在は完成度を上げることと部
人口減少で住宅着工数の大幅な増加が期待できない
材の見直しによるコストダウンに取り組んでいる。
国内市場。そこで古川社長が狙うのはリフォーム需要。
完成度のアップで古川社長が重視しているのが施工
片手で弱い力でも開けられることからバリアフリー化で
のしやすさ。施工の経験から「職人に嫌われる製品は
の採用も見込む。また、仕組みを小型化すれば収納家
ヒットしない」と確信。経験を生かして部材を組み立
具や仏壇にも使える可能性がある。
てやすい形状に変えるなどの改良を続ける。コスト削
「シンクロムーブ」とゴム縁ドアについて古川社長は
減では部品の素材や調達先の見直しをネジ1本につい
自社製造や自社ブランドにはこだわっていない。
「自社
ても行っている。
製品でなくても自分が考えたモノが多くの人に役立て
「シンクロムーブ」は7月に東京で開かれる建具関連
ばうれしい」と複数社への生産委託やOEM(相手先
の展示会に出品予定。そこで得られた感想や意見を改
ブランド)供給にも対応する方針だ。
良に生かし、16 年には試験発売するつもりだ。この展
「
『シンクロムーブ』は扉を同じ方向だけでなく逆にも開ける」
「指を挟んでもけがをしない扉は、子供の
多い場所での利用も見込む」
企業概要
古川初男 社長
お問い合わせ
企 業 名
代 表 者
所 在 地
T E L
F A X
E メール
U R L
社 員 数
事業内容
有限会社 メイク
古川 初男
福岡県糟屋郡篠栗町篠栗 4887 の8
092- 948- 0038
092- 948- 0338
[email protected]
http://make1991.jp
3人
トイレブース、パーティーションの製作、販売
経営革新センター TEL:092-622-5432
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