2号機原子炉建屋における3Dレーザスキャン計測の実施について（PDF

1/2号機原子炉建屋における
3Dレーザスキャン計測の
実施について
2013年12月26日
東京電力株式会社
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1．背景及び目的
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背 景
原子炉建屋内で作業を行なう際には、準備作業として作業員が直接、建屋内に
入域し、現場調査を実施している。このため、現場調査による負担を減らすことが、
作業員の被ばく低減へ寄与する。
レーザスキャン技術は、建屋内設備イメージ化が可能な技術であり、H24年度に
データ化した現場情報の3D-CAD化を検証済み。
今後、1～3号機では、原子炉建屋1階の除染・遮へい設置作業やPCV調査・補
修等を計画しており、アクセスルートや作業エリアの干渉物の情報が必要となる。
今回、1/2号機について作業計画がまとまったことから、計画を報告する。
目 的
今後計画している1/2号機原子炉建屋内での作業を行う上で必要と
なる干渉物評価、除染・遮へい設置計画に活用するため、原子炉建
屋内3Dデータを取得すること。
原子炉建屋1階・・・・干渉物調査＋除染・遮へい設置作業のため
原子炉建屋地下階（トーラス室、三角コーナー）・・・・干渉物調査のため
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2．計測作業の概要
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計測機器を搭載した遠隔操作装置を自走させて3Dレーザスキャンを行う。
遠隔操作装置の運搬や自走アクセスが難しい箇所は、有人による計測（作業員
が計測装置のみを運搬して測定）を行う（1階の一部、三角コーナー）。
作業エリア
 1号機原子炉建屋 地上1階、トーラス室※
※1号機トーラス室については、今年度に国PJで製作するS/C上部調査装置
（下図参照）を使い来年度（H26年度）以降に計測を行う予定。
 2号機原子炉建屋 地上1階、トーラス室、中地下階（三角コーナー）
計測装置： FARO社製3Dレーザ計測装置
計測装置を使い3D点群データを取得する。
遠隔操作装置：1/2号機で計測時期が重なることから、別々に準備
撮影画像例
ズームカメラ
（雲台付）
伸縮マスト
本体重量約5Kg
幅24.0cm×奥行き10.0cm
×高さ24.0cm
※写真は2号機用
3Dレーザ計測装置
900mm
約500mm ～
3000mm
クローラ
トーラス調査
フリッパ
調査ロボット
S/C上部調査装置の概要
遠隔操作装置（2号機）
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3-1．遠隔操作装置の概要（1号機）
R/B1階低所部の計測では、レーザス
キャンを搭載したロボットを自走し行う。
高所部の計測では、移動クレーン装
置を用いて、計測装置を高所まで持
ち上げて行う。
いずれの装置も中継用ロボットを用い
て、無線通信にて遠隔操作する。
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原子炉建屋内
免震重要棟
低所計測
ノートPC
（スキャンロボット用）
3Dスキャナ
ノートPC
（中継ロボット用）
LAN
ノートPC
（３Ｄスキャナ用）
1階床面
スキャンロボット
レーザスキャン搭載ロボット
中継ロボット
中継ロボット
中継機アンテナ
１Ｆ構内ネットワーク設備
（東電殿設備）
3Dスキャナ
原子炉建屋内
R/B１階低所部の計測では、
「総務省 委託研究
ライフサポート型ロボット
技術に関する研究開発」で
開発した調査ロボットを使用
免震重要棟
高所計測
ノートPC
（中継ロボット用）
ノートPC
（３Ｄスキャナ用）
モニタ
LAN
遠隔操作装置
（レーザスキャン搭載ロボット）の外観
移動クレーン装置用
（改造かにｸﾚｰﾝ用）
操作ユニット
（改造かにｸﾚｰﾝ用）
1階床面
改造かにクレーン
移動クレーン装置
中継ロボット
中継ロボット
中継機アンテナ
１Ｆ構内ネットワーク設備
（東電殿設備）
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3-2．遠隔操作装置の概要（2号機）
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Survey RunnerⅡ（トピー工業社製）に3Dレーザ計測装置を搭
載して走行できるように改造し、遠隔操作により計測を行う。
伸縮自在マスト搭載
計測器を任意の高さに昇降させられる機
構を持つ。地上１階の計測に利用。
3Dレーザ計測装置
収納
伸縮自在マスト治具
１軸回転アーム治具搭載
階段昇降時に計測器を搭載する治具を
回転させて重心バランスを調整する機構
を持つ。
階段昇降を伴うトーラス室の計測に利用。
3Dレーザ計測装置
折りたたみ
１軸回転アーム治具
Survey RunnerⅡ
Survey RunnerⅡ
計測
計測
走行
計測時の状態
高さ 最大300cm(可変)
走行
走行時の状態
計測時の状態
高さ 約120cm
走行時の状態
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4-1．調査対象エリア（1号機R/B1階；低所計測）
原子炉建屋内を遠隔操作装
置で走行する際に干渉する
可能性のあるガレキや仮置
物等については、事前に片付
け整理作業を行う。片付け作
業完了後に遠隔操作装置を
走行させて計測を行う。
北～北東エリアについては、
PCVガス管理配管が布設さ
れており狭隘なため、有人運
搬計測を行う。
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※測定位置・数等は計画段階での
ものであり、現場状況によっては
若干変わる可能性もある
遮へい体
凡例
遠隔操作装置による計測
低所計測の計測点
低所計測の計測点（高所計測時に測定）
有人運搬計測
有人運搬計測の計測点
遠隔操作装置で計測するエリア
有人運搬計測で計測するエリア
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北
4-2．調査対象エリア（1号機R/B1階;高所計測）
PCV周辺の測定箇所（図中番号付記）
計測エリア
No.
1
南東側（HCU近傍）
2
南西側（ステージ近傍）
3
大物搬入口
4
大物搬入口
5
エアロック北側
6
北西側（機器ハッチ近傍）
7
北西側（HCU近傍）
8
北側（HCU近傍）
9
北東側
測定手段
7
今後、高所の干渉物データが必要とな
るPCV周辺他について計測を実施。
北
遮へい体
遠隔操作
装置
有人計測
凡例
遠隔操作装置による計測
高所計測の計測点
有人運搬計測
有人運搬計測の計測点
※測定位置・数等は計画段階での
ものであり、現場状況によっては
若干変わる可能性もある
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4-3．調査対象エリア（2号機R/B1階）
1階南側のPCVガス管理配管
周辺は、有人運搬計測を行い、
設備への影響を防止する。
それ以外の重要設備について
は、架空処置完了後に遠隔操
作装置を走行させて計測を行う。
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北
遠隔操作装置
凡例
遠隔操作装置による計測
低所計測の計測点（高さ約1.8m以下を計測） ケーブル類
中所計測の計測点（高さ約5.0m以下を計測）
室内計測の計測点
1軸回転アームを使う計測点
有人運搬計測
有人運搬計測の計測点
伸縮自在マストを搭載して計測するエリア
1軸回転アームを搭載して計測するエリア
有人運搬計測で計測するエリア
※測定位置・数等は計画段階での
ものであり、現場状況によっては
若干変わる可能性もある
PCVガス管理配管
原子炉建屋地上1階
有人運搬
計測
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4-4．調査対象エリア（2号機R/B三角ｺｰﾅｰ、ﾄｰﾗｽ室）
1階から北東三角コーナー階
段より、遠隔操作装置を昇降
させてトーラス室へアクセスし、
計測を行う。トーラス室では、
S/C外側キャットウォーク上よ
り計測を行う。
北西・南西・南東三角コーナー
については、有人計測を行う。
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※測定位置・数等は計画段階での
ものであり、現場状況によっては
若干変わる可能性もある
北
凡例
遠隔操作装置による計測
低所計測の計測点（高さ約1.8m以下を計測）
中所計測の計測点（高さ約5.0m以下を計測）
室内計測の計測点
1軸回転アームを使う計測点
有人運搬計測
有人運搬計測の計測点
伸縮自在マストを搭載して計測するエリア
1軸回転アームを搭載して計測するエリア
有人運搬計測で計測するエリア
障害物
障害物
トーラス室・三角コーナー
アクセスルート
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5-1．工程（案）【1号機】
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12/16より原子炉建屋1階低所部の3Dレーザスキャン計測（有人計測）を実施。１月以降に
遠隔操作装置による1階低所部の計測を実施。
国PJ「建屋内遠隔除染装置の開発」で計画している高所部線量調査実施後に原子炉建屋
1階高所部の3Dレーザスキャン計測を実施
※高所部の3Dレーザスキャン計測で使用する移動クレーン装置を高所部線量調査でも使用するため
国PJで製作するS/C上部調査装置を使いH26年度以降にﾄｰﾗｽ室の計測を実施。
項目
11月
4週
12月
１週
2週
3週
H26年
4週
１月上
5週
1月下
12/26 時点
準備作業
3月
：検討
12/16
12/19
1/7
1/18
（データ合成含む）
高所部線量調査
（国PJ）
準備作業
4月
：現場作業
（干渉物片付け作業を含む）
3Dレーザ計測
（1階低所部）
1階3D-CAD化
2月
実施済み
（移動クレーン装置製作他）
3Dレーザ計測
（1階高所部）
高所除染装置の
開発（国PJ）
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5-2．工程（案）【2号機】
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12/9より有人による3Dレーザスキャン計測（1階、三角コーナー）を実施
有人による作業完了後、遠隔操作装置による1階の残りの箇所の計測を実施
※1階の未計測箇所（1箇所）については、トーラス室の計測完了後に実施予定
1月以降に、遠隔操作装置によるトーラス室の計測を実施
2号機について計測完了後、3号機（1階、三角コーナー、トーラス室）も2号機と同様の方
法で計測を行う（2月以降～）
項目
11月
4週
12月
１週
モックアップ・訓練
（5号機）
準備作業
3Dレーザ計測
（1階、三角コーナー）
3Dレーザ計測
（トーラス室）
1階3D-CAD化
（データ合成含む）
トーラス室3D-CAD化
（データ合成含む）
2号機遠隔除染作業
2週
3週
H26年1月
4週
5週
１週
2週
3週
12/26 時点
2月
4週
：現場作業
：検討
12/9
12/24
1/7
実施済み
床面除染
1/22
予備日
中所部除染
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参考： 1～3号機原子炉建屋内レーザスキャンの活用例
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活用例１：モックアップ計画へのデータ活用例（例：高所台車）
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レーザーデータを活用したイメージ
従来の現場調査イメージ
高所台車アクセススペース
作業エリア確認（干渉物確認、装置設計のための
寸法測定等）は、人が現場に立ち入りメージャ－等
で実測
レーザスキャンで取得した計測データから、設備を明確に識別
・計測
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活用例１：モックアップ計画へのデータ活用例（例：高所台車）
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レーザーデータから３ＤＣＡＤ化したイメージ
３ＤＣＡＤデータよりモックアップ設備を製作
作業前に周辺構造物の３ＤＣＡＤ化を行う
ことで、現場環境が明確になり、詳細なモッ
クアップ設備の準備が可能となる。
レーザスキャンの特徴
・暗所においても設備を明確に識別できる
・計測点から距離５ｍの２０Ａ配管ルートの取得が可能
・測定点から１０ｍの範囲では、測定誤差が約５mm
作業用リフト
高所作業台車
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活用例２ 作業前の事前シュミレーション
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2号機PCV格納容器内調査・計測装置挿入検討の事例
●PCV内データ（震災前データ）と組み合わせ、常設温度計設置工事の干渉物や作業性の評価に利用
仮設遮へい
送り装置
凡例
■配管・ダクト ■ケーブルトレイ ■躯体（床・壁・生体しゃへい）
□（白）：レーザスキャンデータ
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