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第16回CRCと臨床試験のあり方を考える会議 2016 in 大宮

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第16回CRCと臨床試験のあり方を考える会議 2016 in 大宮
第16回CRCと臨床試験のあり方を考える会議2016 IN 大宮
品質改善を目的とした、
「ISO9001 2008」のSMO業務への導入
を通じての効果・課題等の検討
所
属:株式会社コスメックス
本演題発表に関連して、開示すべきCOI関係にある企業等はありません。
1
目的
当社は2013年8月にSMO業務に対して、品質マネジメントシステムの国際
規格である「ISO9001 2008」の認証を取得した
昨今の治験のグローバル化の進展に伴い、依頼者側の品質保証体制を検
証するための、QMS調査の実施、RBM(Risk Based Monitoring)という
品質保証に基づいた新しいモニタリング手法も進みつつあります
これら治験環境の変化に対応すべく、治験実施施設に対する支援業務を
担うSMOの立場からGCPの規定のもとで、ISO9001認証に基づく、品質
改善活動を通じて得られた治験施設支援業務に対する効果・問題等の検
討を行ったので報告する
図1:認証取得範囲について・ISO9001とICH-GCP対比
2
図1:認証取得範囲・ISO9001/ICH-GCP対比
・SMO業務に対して「ISO9001 2008」の認証取得:2013年
治験依頼者
治験依頼
実施施設
SMO
医療スタッフ
CRC
治験手順書
運用技術
ISO9001認証範囲
・GCPとISO9001はそれぞれの規格改訂により共通性が増す
症例GCP
ISO9001 2008
=
改正ICH GCP
リスクマネジメント・プロセス管理
ISO9001 2015
3
方法
ISO9001に定められている品質に対する要求事項の中でのマネージメン
トレビュー、監視・分析機能のプロセスを通じてその有効性に対して定量的
に分析を行った
まず顧客満足度を上げるための指標として苦情並びに逸脱等の分析を行
い、また是正措置・再発防止を狙った予防措置を講じ得られたデータを基
に、その効果、問題点を検討した
さらに施設治験手順書とSMO側企業手順書の整合性を取るための検討
も同時に行った
1)品質目標策定・文書体系整備
2)品質改善活動
4
1):品質目標策定・文書体系整備
・品質方針・数値目標を策定 苦情処理・顧客満足度調査実施
■品質方針
治験依頼者への正確なサービス提供、取引医療機関への適切なサポート
の実施、継続的な改善により、新薬開発のスピードアップに貢献する
■品質目標
SOPに沿った業務を行うことにより、CRC間の業務のバラつきを軽減し、
顧客からの苦情を前年の5%減らし顧客満足度を向上させる
・ISO9001要求事項に基づき品質マニュアル・手順書(文書)体系を整備
GCP(外部文書)
実施施設
SMO
IRB
ISO9001
施設側
QMS
品質マニュアル
施設治験手順書
SMO手順書
IRB手順書
5
2):品質改善活動
・品質目標に基づき計画策定・苦情処理等を随時行った
・ISO9001は治験施設体制の品質保証支援の基盤になった
モニタリング結果
治験依頼者
逸脱・苦情
Action
是正・予防
Plan
品質目標
PDCA
SMO
サイクル
実施施設
フィードバック
プロセス管理(ISO9001)
Do
苦情収集
Check
監視機能
6
結果
2013年の認証取得以来半年ごとに苦情・逸脱件数を集計
・2013年/後半:20件
・2014年/前半:17件(対前期比15%減)、後半:11件(対前期比35.3%減)
・2015年/前期:6件(対前期比45.5%減)、後半:3件(対前期比50%減)
一定の効果が得られた
またCRCがPDCCAサイクルを実際の業務に生かし実践することで品質
保証の本質を理解できそれに基づく行動を取れるようになった
課題としては、複数のSMOが入っている施設で、当社以外の治験施設手
順書で稼働している場合、当社PDCAサイクルでの再発防止策を得るた
めの施設手順書の改訂を申し出ても改定を受け入れられず、SMO一社の
取組みで治験支援施設の品質全体を外部から完全に保証すること は困
難であった
図2:逸脱・アクシデント・苦情トレンド
図3:課題
7
図2:逸脱・アクシデント・苦情トレンド
・苦情件数はISO9001認証取得後一貫して減少傾向を示した
・逸脱・アクシデントは稼働症例数に比例するが減少傾向はみられた
逸脱・アクシデント・苦情トレンド
50
18
45
16
40
14
35
12
30
10
25
8
20
6
15
4
10
5
2
0
0
Jul-Dec '13
Jan-Jun '14
平均実施例数
Jul-Dec '14
Jan-Jun '15
逸脱・アクシデント
Jul-Dec'15
苦情
Jan-Jun'16
合計
8
図3:課題
・手順書体系が一体でない・改訂権限がない・PDCAサイクルが機能しない
・施設品質保証体系の構築にはSMO業界全体での取り組みが必要
医療機関手順書
×
連携なし(SMO設置時)
実施施設
×
施設治験手順書
×
改訂権限なし
SMO(その他)
改訂管理
SMO(施設手順書設置会社)
×
改訂権限なし
×
SMO(その他)
SMO手順書(各社)
9
考察
品質保証で重要なPDCAサイクルを定着させるには一定の時間を要する
が、定着すると効果が現れることが検証できた SMO設置の施設治験手
順書は、医療機関の病院内の手順書と連動していない場合が多く形骸
化が散見される
この部分をさらにSMO側企業手順書と完全に整合性をとることはSMO
一社では困難である SMO業界全体として施設治験手順書を基軸とした
一貫した施設品質保証体制の整備・運用を検討する必要があると考える
追伸
「ISO9001 2015」は今後活用が進むRBMとの共通性も非常に高く、治験
実施施設の品質保証体制支援のための有効な手段となることが予想さ
れる コスメックスは、2017年内にこの規格改定の認証取得予定である
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