...

ロシアNIS経済速報 - 一般社団法人 ロシアNIS貿易会

by user

on
Category: Documents
11

views

Report

Comments

Transcript

ロシアNIS経済速報 - 一般社団法人 ロシアNIS貿易会
ロシアNIS経済速報
2015年(平成27年)1月25日号 No.1650
毎月5日・15日・25日発行(ただし1月5日、5月5日、8月15日は休刊)
ROTOBO
Connecting Markets
ISSN 1881-4417
ロシアNIS経済速報
一般社団法人 ロシアNIS貿易会
2015年(平成27年)1月25日号 No.1650
目
次
2014年 のロシアの乗 用 車 販 売 動 向 ................................................................................... 1
モスクワほっとニュース ...........................................................................................................................................
日本食材店「NIPPON」社長インタビュー/4
『ロシアNIS調査月報』2015年2月号のご紹介 .......................................................................................
キーパーソン ...............................................................................................................................................................
コビャコフ・ベラルーシ首相の経歴(訂正)/7
トピックス ...................................................................................................................................................................
横浜ゴム・ロシア工場で新車装着用タイヤ生産/7
4
6
7
7
2014年 のロシアの乗 用 車 販 売 動 向
はじめに
『経済速報』では、欧州ビジネス協会(AEB)が毎月発表しているロシアの乗用車販売データを、抜
粋のうえ「統計速報」のコーナーで定期的に紹介している。AEBは1月15日、2014年通年のロシアの
乗用車販売データを発表したので、今回の速報ではいつもよりも図表を拡充して、AEB発表のロシア
乗用車販売データをご紹介する。なお、当会では後日、『ロシアNIS調査月報』において、より詳しい
解説記事を掲載する予定である。
AEBの発表によれば、ロシアにおける乗用車(新車に限り、小型商用車を含む)の販売台数は、図
表1のように推移している。2014年の販売台数は249万台で、前年比10.3%減少した。2012年に
過去最大の294万台を記録した後、2年連続で低下した形となった。
しかし、図表2に見る月別の販売動向は、奇妙な軌跡を描いている。春から夏にかけては不振一
色となったものの、リセッションやルーブル下落が顕著になった秋以降、むしろ販売が盛り返し、12月
にはついに過去2年間の実績すら上回ったのである。巷間言われているように、通貨ルーブルの下
落に見舞われたロシア国民が、資産防衛的な目的で乗用車の駆け込み的な購入に走ったことが主
原因と見られる。
ブランド別の販売台数を図表3に、主要モデルの販売台数を図表4にまとめた。これを見ると、赤く
網掛けした日系ブランドの数字は決して悪くなく、むしろ多くのブランドが販売増を達成していたことが
確認できる。
1
ロシアNIS経済速報
2015年(平成27年)1月25日号 No.1650
図表1 ロシアにおける乗用車販売台数の推移(1,000台)
4,000
3,000
2,939
2,897
2,778
2,653
2,491
1,913
2,000
1,466
1,000
0
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
(注)新車のみ。小型商用車を含む。以下の図表も同様。
(出所)欧州ビジネス協会。以下の図表も同様。
図表2 ロシアにおける月別の乗用車販売台数の推移(台)
300,000
200,000
100,000
0
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
2012年 154,613 207,304 253,100 266,597 261,461 272,600 255,926 259,051 259,962 254,020 240,577 253,579
2013年 162,077 210,663 244,030 245,265 229,506 241,072 234,365 231,915 246,895 234,481 232,059 264,307
2014年 152,662 206,476 243,335 226,526 201,487 199,398 180,767 172,015 197,233 211,365 229,439 270,653
2
ロシアNIS経済速報
2015年(平成27年)1月25日号 No.1650
図表3 ロシアにおけるブランド別の乗用車販売台数(台)
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
-
2013
2014
456,309
198,018
210,099
181,153
146,319
154,812
156,247
174,649
87,456
78,747
82,395
106,734
81,421
43,179
51,624
44,376
60,829
42,071
36,150
34,055
27,467
21,030
33,862
25,741
28,961
27,724
15,768
27,263
19,855
16,831
15,017
19,954
15,915
5,247
8,677
5,250
8,001
3,790
4,838
2,800
3,375
1,710
1,513
1,594
401
213
2,777,547
387,307
195,691
194,531
179,631
162,010
161,954
128,071
123,175
84,437
80,134
69,388
65,966
64,985
50,716
49,844
49,165
37,695
35,504
34,014
25,010
23,619
21,148
21,102
20,655
20,075
19,931
19,149
18,828
18,139
17,557
15,421
15,005
12,612
11,414
11,020
8,983
8,221
8,102
4,707
2,164
1,750
1,641
1,628
1,324
1,144
1,106
1,082
1,009
955
766
2,491,404
ブランド
Lada
KIA
Renault
Hyundai
Nissan
Toyota
VW
Chevrolet
Škoda
Mitsubishi
GAZ LCV
Ford
Opel
Mazda
UAZ
Mercedes-Benz
Daewoo
BMW
Audi
SsangYong
Lifan
Land Rover
Peugeot
Honda
Citroёn
Suzuki
Lexus
Geely
Chery
Subaru
Volvo
Great Wall
VW vans
Datsun
Mercedes-Benz Vans
Infiniti
Jeep
FIAT
Porsche
FAW
MINI
SEAT
Jaguar
Cadillac
Changan
Acura
BAW
Haima
Brilliance
Isuzu
Total
3
前年比増減率(%)
▲ 15.1
▲ 1.2
▲ 7.4
▲ 0.8
10.7
4.6
▲ 18.0
▲ 29.5
▲ 3.5
1.8
▲ 15.8
▲ 38.2
▲ 20.2
17.5
▲ 3.4
10.8
▲ 38.0
▲ 15.6
▲ 5.9
▲ 26.6
▲ 14.0
0.6
▲ 37.7
▲ 19.8
▲ 30.7
▲ 28.1
21.4
▲ 30.9
▲ 8.6
4.3
2.7
▲ 24.8
▲ 20.8
110.0
3.5
56.6
1.3
24.2
▲ 55.3
▲ 37.5
▲ 51.4
▲ 4.8
▲ 12.5
▲ 32.1
151.6
259.6
▲ 10.3
ロシアNIS経済速報
2015年(平成27年)1月25日号 No.1650
図表4 ロシアにおける主要モデルの販売台数(台)
順位
モデル
2013
ブランド
2014
前年比増減率(%)
1
Granta
Lada
166,951
152,810
▲ 8.5
2
Solaris
Hyundai
113,991
114,644
0.6
3
New Rio
KIA
89,788
93,648
4.3
4
Duster
Renault
83,702
76,138
▲ 9.0
5
Kalina
Lada
67,960
65,609
▲ 3.5
6
Largus
Lada
57,641
65,156
13.0
7
Logan
Renault
50,894
60,434
18.7
8
Polo
VW
72,565
58,953
▲ 18.8
9
Priora
Lada
57,683
47,818
▲ 17.1
10
Almera
Nissan
15,704
46,225
194.4
11
Niva
Chevrolet
53,344
43,441
▲ 18.6
12
4x4
Lada
51,693
42,932
▲ 16.9
13
RAV 4
Toyota
39,885
38,919
▲ 2.4
14
Sandero
Renault
43,737
36,849
▲ 15.7
15
Octavia A7
Skoda
13,663
35,292
158.3
16
ix35
Hyundai
31,706
34,814
9.8
17
Camry
Toyota
32,895
34,117
3.7
18
Qashqai
Nissan
40,739
31,710
▲ 22.2
19
Sportage
KIA
33,451
30,606
▲ 8.5
20
New Cee'd
KIA
34,981
29,758
▲ 14.9
21
Cruze
Chevrolet
54,367
29,640
▲ 45.5
22
Outlander
Mitsubishi
26,542
28,969
9.1
23
Focus
Ford
67,142
27,860
▲ 58.5
24
Corolla
Toyota
30,644
27,704
▲ 9.6
25
CX-5
Mazda
19,725
24,953
26.5
モスクワほっとニュース
◇日本食材店「NIPPON」社長インタビュー
モスクワに居住している方であれば、一度は足を運んだ方も多いであ
ろう、日本食材店「NIPPON」。店内にはロシアでは珍しい日本製の食材
や日用品がバリエーション豊かに陳列されている。2012年12月の一
号店開店から2年が経過したが、この度同社のロマン・ファデエフ社長
とお会いし、インタビューにお答えいただくことができた。
弱冠27歳のファデエフ社長
4
ロシアNIS経済速報
2015年(平成27年)1月25日号 No.1650
-現在の展開状況は?
2014年12月現在、モスクワに2店舗、カザンに2店舗を展開しているとともに、ネット通販も手がけ
ている。ネット通販は店舗管理のコストが発生しないことが利点である一方、消費者が気軽に利用で
きるようサービス向上に不断の努力が必要である。2015年3月にはモスクワ3号店の開店を予定し
ており、物件の選定段階である。ご期待いただきたい。
-客層と人気商品は?
顧客の大半は比較的裕福なロシア人消費者であり、客層に占める日本人の割合は3%程度となっ
ている。ロシア人の間で人気を博しているのは醤油、味噌、ワサビなど。日本人にはこれらの他にうど
ん、そばといった麺類が好評である。最近では納豆(冷凍3パックで300ルーブル程度)も仕入れ始
めたので、納豆好きの皆様には是非ともお試しいただきたい。酒類についてはライセンス取得義務の
問題から現状取り扱っていないが、今後消費者からの要望があれば検討したい。
-貴社のビジネスにおける困難な点は?
困難な点といえば、何と言っても税関および物流である。ロシアへの輸入にかかる税関システムが
非常に煩雑であることはご存知の方も多いだろう。当地の脆弱な物流インフラも悩みの種であり、食
材によっては賞味期限内に仕入れ、または受注後の宅配を行うことが難しいといったケースも多々
ある。
-今般の対ロ経済制裁およびルーブル暴落の影響は?
日本製品の仕入れは円建てであるため、イメージほど大きな打撃を被ってはおらず、モスクワ東部
に所在する自社倉庫には現状十分な商品ストックが備蓄されている。年明けに情勢が回復すること
を期待するが、1~2月の様子を観察し、場合によっては商品価格を値上げする可能性もある。
-今後の目標は?
対ロ制裁により外国食材の輸入が難化したが、もともと私自身が日本食材好きであることから始め
たビジネスであり、ロシア市場により多くの日本食材を提供できるよう、今後も品揃えを充実させるべく
努力していきたい。
(モスクワ事務所 大渡 耕三)
■日本食材店「NIPPON」:http://www.nippononline.ru/
●モスクワ1号店:クラフチェンコ通り4‐1
(最寄り地下鉄駅・・・プロスぺクト・ヴェルナツコヴォ駅)
●モスクワ2号店:ツヴェトノイ・ブリヴァル通り7
(最寄り地下鉄駅・・・ツヴェトノイ・ブリヴァル駅)
5
ロシアNIS経済速報
2015年(平成27年)1月25日号 No.1650
『ロシアNIS調査月報』2015年2月号のご紹介
特集◆ロシアの地域経済と沿ヴォルガ
イントロダクション
沿ヴォルガ連邦管区の経済概況
ロシアNIS経済研究所
部長
調査レポート
ロシア極東・東シベリアの石油ガス開発と輸送
データバンク
ロシアの最新地域統計
データバンク
2013~2014年版ロシア地域別投資環境ランキング
ミニ・レポート
ニジェゴロド州経済の概要と発展動向(服部
ミニ・レポート
サマラ州:多様なポテンシャルを活かせるか?(中馬
ミニ・レポート
ヴォルガ上流のトヴェリ州を訪問して(高橋
ミニ・レポート
復活を目指す沿海地方の水産業(鳴沢
INSIDE RUSSIA
モスクワ便り
ロシア極東羅針盤
地域クローズアップ
産業・技術トレンド
エネルギー産業の話題
自動車産業時評
ロジスティクス・ナビ
ロシアNIS経済研究所
瑞貴)
政志)
倫卓)
孝文)
大輔)
「ミニ・ロシア」のタタルスタン共和国(中馬
瑞貴)
ウリヤノフスクの港湾特区 ―抜群の企画力―(渡邊
オレンブルグ州の石油ガス産業(坂口
光太郎)
泉)
カリーニングラード州自動車産業の特異性(坂口
泉)
久子)
イベント・レポート
プスコフ州投資プレゼンテーション(芳地
イベント・レポート
モスクワ市プレゼンテーション(鳴沢
キーパーソンに訊く
隆之)
政志)
ベラルーシの安定は寛容さの賜物
駐日ベラルーシ共和国特命全権大使
ビジネス最前線
研究所長随想
ウクライナ情報交差点
中央アジア情報バザール
シネマ見比べ隊!!
業界トピックス
通関統計
S.ラフモノフ
日ロ交流が生んだ奇跡のショッピングセンター
賛栄商事㈱
ビジネス最前線
坂口 泉
浩)
ウドムルト共和国:カラシニコフと自動車(中居
2014年の北極海航路(辻
部長
倫卓)
不思議な発展を遂げるモルドヴィア共和国(服部
極東新型特区と日本企業(齋藤
服部 倫卓
代表取締役社長
西川 昌伸さん
アドバンストマテリアルジャパン㈱ 代表取締役社長
中村 繁夫さん
逆境下のレアメタル・ビジネスチャンス
ソ連ガス工業省と深い絆で結ばれて ―日ソ貿易外史(2)―(遠藤
ウクライナ鉄道車両産業の苦境(服部
倫卓)
2014年カザフスタン地域別投資環境ランキング(中馬
国の独立と不条理劇(佐藤
千登勢)
2014年12月の動き
◆ロシア製ビールのワールドカップ効果に期待
2014年1~11月の輸出入通関実績
6
瑞貴)
寿一)
ロシアNIS経済速報
2015年(平成27年)1月25日号 No.1650
キーパーソン
◇コビャコフ・ベラルーシ首相の経歴(訂正)
前回掲載の「ベラルーシで大掛かりな政権人事」の記事の中に、誤りがありました。コビャコフ首相
の略歴を紹介した箇所で、名前が誤って「エモマリ・ラフモン」となっておりました。お詫び申し上げると
ともに、訂正を入れた略歴を改めて掲載します。
コビャコフ・ベラルーシ共和国首相略歴
名
前:アンドレイ・コビャコフ(KOBYAKOV, Andrey Vladimirovich)
生年月日:1960 年 11 月 21 日(モスクワ生まれ)
。
学
歴:モスクワ航空大学卒業、ベラルーシ国立国民経済大学卒業。
職
歴:
1991~1995 年 「Diaproyektor」工場計画経済部長、経済担当副工場長
1995~1996 年 ベラルーシ共和国大統領管理局副局長
1996~1998 年 ベラルーシ共和国国家管理委員会副議長
1998 年6~12 月
ベラルーシ軽工業製品生産・販売公社社長
1998 年 12 月~2000 年
ベラルーシ共和国国家管理国家委員会議長
2000 年~2001 年9月
ベラルーシ共和国第一副首相
2001 年9月~2010 年 12 月 ベラルーシ共和国副首相
2002 年7月~2003 年 12 月 ベラルーシ共和国副首相兼経済大臣
2006 年5月~2009 年5月 ベラルーシ共和国副首相
2009 年5月~2010 年 12 月 ベラルーシ共和国副首相兼 CIS 問題ベラルーシ代表国家調整役
ベラルーシ共和国大統領府副長官
2010 年 12 月~2011 年 11 月
2011 年 11 月~2012 年8月 駐ロシア特命全権大使兼ユーラシア経済共同体付属ベラルーシ常任代表
2012 年8月~2014 年 12 月 ベラルーシ共和国大統領府長官
2014 年 12 月
ベラルーシ共和国首相就任。
トピックス
◇横浜ゴム・ロシア工場で新車装着用タイヤ生産
横浜ゴム株式会社は1月15日、同社のロシアの乗用車用タイヤ生産販売会社であるLLC ヨコハ
マR.P.Z.が、2014年11月に新車装着用タイヤ(OEタイヤ)の生産を開始したと発表した。11月から日
産ロシア製造会社が生産するSUV「エクストレイル」に「GEOLANDAR G91」を、12月からはセダン「テ
ィアナ」に「BluEarth E75」を納入している。LLC ヨコハマR.P.Z.は2008年12月に設立し、2011年末
に日本のタイヤメーカーとして初めてロシアに乗用車用タイヤ工場を操業した。現在の年間生産能
力は操業開始当時(2012年)の2.3倍にあたる160万本に拡大している。
発行所 一般社団法人 ロシアNIS貿易会 http://www.rotobo.or.jp
〒104-0033 東京都中央区新川1-2-12 金山ビル Tel(03)3551-6215
編集担当部署 ロシアNIS経済研究所 Tel(03)3551-6218 Fax(03)3555-1052
*
*
*
*
*
年間購読料 eメール配信 18,000円 ハードコピーの郵送 23,000円
購読のお問い合わせ・お申し込みは
ロシアNIS経済研究所 Tel(03)3551-6218
[email protected](本アドレスは購読のお問い合わせ・お申し込み専用です)
*
*
*
*
*
Copyright©ロシアNIS貿易会 2015 掲載記事の無断転載を禁じます
7
Fly UP