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事業持ち株会社における戦略的グループ経営
『プロジェクト研究 高橋研究室』 0851101021K 本田武弘 0851101020B 楠永太郎 0851101065K 河原木尚克 0851101101J 岡部牧人 0851101003C 小林伸介 1 Copyright(c):2009 CBS TAKAHASHI’s Office . All Rights Reserved 1.会社概要 創業年月日 1909年 5月20日 設立年月日 1925年12月17日 資本金 79,863百万円 (2009年3月31日現在) 発行済株式総数 700,032,654株(日系金融機関持ち分 36.43%) 経営執行体制 代表取締役会長 1名 代表取締役社長最高経営責任者 1名 その他 取締役 13名 (内 社外取締役 2名) 監査役 5名 (内 社外監査役 3名) 執行役員(全員が取締役) 11名 連結会社 子会社 133社, 関連会社 20社 従業員 単体 3,733名 連結 26,869名 (2009年3月31日現在) 2009年3月決算 連結売上高 1兆 1,904億円 連結当期利益 △102億円 2 2.会社の沿革 100年の歩み=多角化の歴史 1908 ‒ 池田菊苗博士がグルタミン酸ナトリウムの製造法特許取得 1909 ‒ うまみ調味料「味の素」一般発売開始(中瓶30gで50銭だった) 1917 ‒ ニューヨーク事務所開設、海外進出 1925 ‒ ㈱鈴木商店と合資会社鈴木商店を統合し、㈱鈴木商店を新設 1946 - 味の素株式会社に社名変更 1956 ‒ 必須アミノ酸発売。アミノ酸事業に着手 1962 ‒ 米ケロッグ社と提携 1963 ‒ 米コーンプロダクツ社と提携。現 クノール食品㈱発足 1967 ‒ 本社に化成品部を設置。化成品事業に本格着手 1970 - 「ほんだし」発売 1973 ‒ 米ゼネラルフーズ社と提携。味の素ゼネラルフーズ㈱発足 1979 ‒ 「アルギンZ」発売。飲料事業に着手 1980 ‒ 仏ジェルべ・ダノン社と提携。味の素ダノン㈱設立 1981 - 「エレンタール」発売。医薬事業に参入 1982 ‒ アスパルテーム輸出開始。甘味事業に着手 1991 - カルピス食品工業(現・カルピス)の第三者割当増資を引き受け、味の素グループ傘下におさめる 1999 ‒ ヘキスト・マリオン・ルセル社の輸液・栄養医薬品事業を買収。味の素ファルマ㈱を発足 2000 - 冷凍食品事業を分社。味の素冷凍食品㈱に統合 2001 - 油脂事業を分社化。味の素製油㈱に統合 (現 J-オイルミルズ) 2002 ‒ 社内カンパニー制を導入 2006 ‒ ㈱ギャバンを子会社化 2007 ‒ カルピス株式会社を完全子会社化 2009年5月20日 - 創業100周年 3 3.事業区分と主要子会社 - ① ☆印は持分法適用会社 事業区分 製品区分 調味料・加工食品 1. 国内食品 冷凍食品 クノール食品㈱ ☆ヤマキ㈱ 味の素ベーカリー㈱ ㈱ギャバン (JASDAQ上場) 味の素冷凍食品㈱ 油脂 ☆㈱J-オイルミルズ (1部上場) 飲料・チルド乳製品 カルピス㈱ ☆味の素ゼネラルフーヅ 2. 海外食品 調味料・加工食品 4 主要な会社 ☆日清味の素アリメントス社 タイ味の素カルピスビバレッジ社 3.事業区分と主要子会社 - ② 事業区分 製品区分 加工用うま味調味料 欧州味の素食品社 アジネックス・インターナショナル社 味の素トレーディング㈱ 飼料用アミノ酸 味の素ユーロリジン社 味の素ビオラティーナ社 味の素ハートランド社 医薬用・食品用アミノ酸 味の素ヘルシーサプライ㈱ 味の素アミノサイエンス社 甘味料 欧州味の素甘味料社 医薬中間体 味の素オムニケム社 化成品 味の素ファインテクノ㈱ ジーノ㈱ 3. アミノ酸 5 主要な会社 3.事業区分と主要子会社 - ③ 事業区分 製品区分 4. 医薬 医薬・医療食 味の素メディカ㈱ 味の素ファルマ㈱ 包材 フジエース社 物流 味の素物流㈱ サービス他 味の素エンジニアリング㈱ ㈱味の素コミュニケーションズ 味の素-ジェネチカ・リサーチ・ インスティチュート社 5. その他 6 主要な会社 4.主要グループ会社の統合形態 味の素 J-オイルミルズ (2002年子会社統合・合併/油脂/売上2,232億/27%) 味の素ゼネラルフーズ (1973年合弁事業/飲料・チルド/売上1,329億/50%) カルピス (2007年買収/飲料・チルド/売上1,122億/100%) 味の素冷凍食品 (2000年冷凍事業分社/飲料・チルド/売上不明/100%) 味の素ベーカリー (2003年ベーカリー事業分社統合/飲料・チルド/売上不明/100%) クノール食品 (1958年設立/調味料・加工食品/売上不明/100%) ギャバン (2003年業務提携/調味料・加工食品/売上70億/55.2%) ヤマキ (2007年業務提携/調味料・加工食品/売上438億/33.4%) ( )内は、味の素グループへの参加年度および参加時の編入形態、事業分野、売上、味の素の株式持ち分比率 7 Copyright(c):2009 CBS TAKAHASHI’s Office . All Rights Reserved 5.グループ経営戦略 - ① 【グループビジョン】 お客様に役立つ独自の価値を創出し続ける「グローバル健康貢献企業グループ」 1.世界No.1の調味料事業を中核とするグローバル食品企業グループへ 2.世界No.1のアミノ酸技術で人類に貢献するグローバルアミノサイエンス企業グループへ 3.おいしさと健康を科学する健康創造企業(アミノ酸関連、食品、医薬)グループへ グローバルな事業展開 アジア、北米、南米、欧州各地で独自な 事業展開。現地化推進 価値のあるブランド育成 トップブランド、ストロングセカンド ブランドの育成 M&A戦略 選択と集中と拡大 98年から04年まで60件の事業再編 (買収・提携・撤退) 8 グループ力の活用 研究開発力、生産革新、コストダウン Copyright(c):2009 CBS TAKAHASHI’s Office . All Rights Reserved 5.グループ経営戦略 - ② 味の素のPLC ポスト「集中と選択」の戦略は、既存事業の強化と拡大に留 まっている 集中と選択 ギャバン 既存事業の強化・拡大 ヤマキ J-オイルミルズ カルピス 食品多角化 アミノ酸 海外事業の拡大 1907∼創業期 9 20世紀中葉∼ 1997∼江頭体制 2003∼山口体制 Copyright(c):2009 CBS TAKAHASHI’s Office . All Rights Reserved 6.グループガバナンス体制 15名(社外2名) 取締役会は、原則として毎月1 回開催するほか、必要に応じ て臨時取締役会を開催 取締役会 監査役会 12名 経営会議は、原則として毎月3回 開催するほか、必要に応じて臨時 経営会議を開催 経営会議 5名(社外3名) 監査役会は、毎月定期的 に開催 経営・監督 業務執行 経営に関する基 本方針の決定 重要事項の決定 経営機構検討委員会 味の素グループの持続的成長と企業価値の 向上を実現する経営機構のあり方を検討 カンパニー以外 執行役員 医薬カンパニー 最高執行責任者 食品カンパニー 最高執行責任者 アミノ酸カンパニー 最高執行責任者 コーポレート部門 執行役員 関係会社 関係会社 関係会社 関係会社 関係会社 監査部 10 企業行動倫理 委員会 リスクマネジメ ント委員会 投融資・事業審 査委員会 業務執行 内部統制 リスク管理 Copyright(c):2009 CBS TAKAHASHI’s Office . All Rights Reserved 7.財務状況 - ① 戦略の転換期、国内食品企業のM&Aに着手した2005年度以降、総資 産や売上高の非効率な拡大が進む 億円 億円 集中と選択 11 コア事業の世界的成長 Copyright(c):2009 CBS TAKAHASHI’s Office . All Rights Reserved 7.財務状況 - ② M&A中心で総資産は肥大化し、ROAは低下。同時に売上高伸長 に反して、ROEは下がる一方で、収益性の低下が目立つ。 →2009年度より、新規投資・撤退基準を損益指標か ら、ROA、IRR、資本コスト等のキャッシュベースへ移行 外部成長を組み込んだPLCは、商品群の抜本的な高 付加価値化につながっていない。研究開発体制との ミスマッチ。 子会社のグループ貢献度が低い 資産のグループ内価値配分が低い(親会社集中) 12 Copyright(c):2009 CBS TAKAHASHI’s Office . All Rights Reserved 8.子会社のパフォーマンスとガバナンス構造 ガバナンス(権限/責任/モニタリング)と パフォーマンス(売上高営業利益率)の関係 日本企業変革期の選択 [伊藤・菊谷・林田] 権限 補完 責任 補完 モニタリング P(権限大(小)+責任大(小)) > P(権限小(大)+責任大(小)) モニタリング(小)→権限小+責任小のガバナンス構造がパフォーマンス大 モニタリング(大)→権限大+責任大のガバナンス構造がパフォーマンス大 味の素のガバナンス構造 →カンパニー制による大幅な権限委譲 →「味の素」社名のモニタリング強化(その他は相対的にモニタリング小) 国内食品は主要なM&A企業を中心にモニタリング小 モニタリング強化 パフォーマンスは小→権限と責任が大になりすぎか 親会社の権限強化 アミノ酸・医薬は「味の素」冠する企業が多くモニタリング大 パフォーマンスは大→権限と責任が大となっている 現状堅持 13 9.メッセージ メッセージⅠ 3つの柱に固有の課題解決で、収益力UP 国内食品(調味料含む) 医薬 海外アミノ酸 用途開発と付加価値商品開発 グローバル展開とブランドの育成 各事業の役割を明確にして、専門性、効率性を高めることで 企業グループ価値の最大化を実現する メッセージⅡ 川上(原料)の垂直統合と有力最終商品の創造(M&A) 契約的結合(販売契約アライアンス等)を活用した戦略的提携の推進 メッセージⅢ 子会社への適正なグループ資産活用の徹底によるグループ経営強化 主力の国内食品分野における親会社のモニタリング強化もしくは親会社 の権限強化 14 Copyright(c):2009 CBS TAKAHASHI’s Office . All Rights Reserved 10.「旭化成」と「味の素」の比較 (純粋持ち株会社形態) (事業持ち株会社形態) 比較 旭化成 味の素 主な特徴 • 純粋持ち株会社 • 内部成長方式 • 事業持ち株会社 • 外部成長方式 類似点 • グローバル志向(国内市場の縮小) • グループ経営 • 歴史ある日本企業 • 選択と集中 差異点 競争環境 • 激しい • 緩い グローバル対応 • 対応力低 • 対応力高(その国に溶け込む) 規模の経済性 • 広い • 狭い 各事業の距離 • 遠い • 近い 技術革新の出現 • 連続的 15 • 漸進的 研究開発費 • 高い • (比較的)低い ブランド力 • (比較的)低い • 高い 知財対応 • 放出(事業化出来ないものは売却) • 保持 機関設計 • 分離 • 非分離(経営と執行を兼務) Copyright(c):2009 CBS TAKAHASHI’s Office . All Rights Reserved