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NTTソフトウェアが 営業力を強化できた理由?

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NTTソフトウェアが 営業力を強化できた理由?
LEARNING
INNOVATION
VOL.1
2
0
0
9
年
2
月
1
日
発
行
発
行
人
菊
野
ひ
と
し
NTTソフトウェアが
営業力を強化できた理由?
わ け
「提案力」強化の鍵は、
システムにあり!
●
●
ジェスチャーに頼らない英会話をeラーニングで実現
●
韓国特許庁がアジア圏でeラーニングを開始
FREE
上場企業の
経営トップ並びに
人事部へ配布して
いる雑誌です
編集・発行 株式会社イオマガジン 〒107-0061 東京都港区北青山3-5-17 R&M2F TEL:03-3746-0997 本誌に関する問い合わせは、[email protected]までお願い致します。
Printed in Japan
VOL.1
eラーニング最 前線 vo l . 1
「提案力」強化の鍵は、システムにあり!
日本イーラーニングコンソシアム会長・小松秀圀氏
P R O F I L E
C O N T E N T S
小松 秀圀氏
NTTラーニングシステムズ㈱ 総合研
修事業部 企画調査室長。日本の教
育のシステム化ビジネスに携わるとともに、
eラーニング最前線vol.1
十数年アメリカの教育事業を調査。近
2-3 「提案力」強化の鍵は、
システムにあり!
4-8 NTTソフトウェアが
営業力を強化できた理由
9
Learning News
学ぶためのレシピvol.1
10
テレビなしのススメ
広告
11
エム・アイ・アソシエイツ株式会社
表4
サムトータル・システムズ株式会社
年ではeラーニングの普及をはじめ、企業
内教育を改善する社会活動を行っている。
あるカリキュラムの学習をしたいと申
れたコンピテンシー(能力)をすべて
索エンジン内にある「Know Whoエ
このようなエンタープライズ型ナレッジ・
請した時に許可して良いのか、予算
学習しなさいという教育モデルでした。
ンジン」で「この内容について社内の
プラットフォームが環境として職場に
はあるのかなど、上司がすべての条
しかし、人によっては既知の内容や
エキスパートは誰?」と訊けばすぐに
定 着 することによって、変 化 する情
アメリカでは「教育は投資」と考え
件を踏まえて判断しなければならない。
個人毎の仕事の違いなどもあり、定
答えが出てくる。そういうシステム環
報やニーズ、社会環境に対応するこ
る経営者が多い。人材育成、すなわ
すると結果的に「NO」を出さざるを
められたことをすべて学ぶというコン
境を整備しました。
とができるからです。
ち社員の力を強化することは会社の
得ない確率が高くなり、せっかくの人
セプトは無駄な学習時間を強制する
これによってインストラクターの仕事
カントリーワイド・ファイナンシャル ・
競争力の強化に繋がるからです。
材 育 成の機 会を潰してしまいます 。
ことになる。無駄を省くために教育対
は従来の教える仕事(Teaching)
コーポレーションも、以前は技術やソ
情報化社会における競争力の原
学習の仕組みがあらかじめシステム
象を「マス」でとらえるのではなく「個」
から一人ひとりをコーチングでサポー
フトウェアが新しくなったときに対応で
点はオフィスの生産性、もっと言えば
化されていれば上司も部下の学習を
を中心に考え、効率のよい教育モデ
トする仕事(Coaching)になった。
きない者は解雇していましたが、シス
提案力の向上にあります。工業化社
認めやすく、部下が成長する機会を
ルに変えようと考えたのです。
つまり人材の自立的な成長を助け、
テムの導入により社員も効率的に学
会は良い物を安く大量に売れば儲か
阻むことはありません。システムの良
そのコンセプトは「20/30/50アプロ
さらにネットワークを通じて同じような
習し、安心して継続して働けるように
る時代だった。その背景にはお客さ
さは自立 的な教 育そのものをも押し
ーチ」です。企業内教育のうち「集団」
仕事をしている人たちのコミュニティ
なったといいます。
まが同じようなものを欲しがる状況が
上げるのです。
で学ぶ集合教育を全教育量の20%
も作れたのです。
同社の教育システムは、従来の e
「個客」に対応する
提案力を身につけるには?
あった。しかし、今は安くて良くても
人と同じ物は嫌という人が増えてきた。
顧客を「個客」と書き例えるほどにい
02
Learning Innovation
「個」の力を強化して、
会社の能力を上げる
とし、あとは「個」を中心に、30%をe
ラーニングや資料、専門書による学
習などで、残りの50%を仕事に直結
非構造化情報のサポートに
システム環境の整備は不可欠
ラーニングシステムにSNSと検索エン
ジンを付けてエンタープライズ型とし
て規 模を大きくしたもの。日本でも、
まは顧客の異なるニーズに的確に応
教育システム環境を整備するには、
した情報をコンピュータシステムから
この取り組みには背景があります。
一部のeラーニングシステムや、SNS
えていくことが重要な能力になってき
具 体 的に何をすれば良いのか 。全
入手するパフォーマンス・ サポート・
情 報 化 社 会では、仕 事で必 要な情
のSaaSビジネスを提供する会社など
ている。そのためには、豊富で良質
米最大手の住宅金融会社「カントリ
システム(以下PSS)による学習に充
報の8割は非構造化情報と一般的に
が eラーニングとSNSをむすびつける
な情報を加工することにより得られる
ーワイド・ファイナンシャル ・コーポレー
てました。
いわれています。本や教材には載っ
ようなサービスを提供し始めてきて、
提案力が重要なのです。
ション」の事例をご紹介しましょう。
PSSとは仕事をするのに必要なあ
ていない、なおかつ発生しては消え、
ゆっくりではありますが eラーニングの
提案力をつけるには、創案に必要
結論から言うと、同社では社員が
らゆる情報が管理されている情報シ
人に教えるようには加工されていない
ビジネスモデルが前進しています。
な情報を引き出せるシステム環境と、
必要な時に必要な学習ができるシス
ステムのアプリケーションのことで、業
非構造化情報を、いかに上手に使え
今後はeラーニングとナレッジの共有
人の知恵やネットを通じたコミュニティ
テム環境を整備し「個」の力を強化
務遂行に必要な情報が入手できます。
るようにするか。そのためには、組織
として非構造化情報をいかに活かし
環境が必要になります。
していました。
情報がない場合はSNS(ソーシャル
が持つ情報を共有したり、職場の知
てゆけるかが、日本の企業内教育の
また人材育成の機能をシステム化
以前は教育する対象を「マス」で
ネットワーキングサイト)で質問をすれ
恵をコミュニケーションできるネットワー
正常な進化の鍵を握っていると考え
した環境が整っていないと、部下が
見て、この仕事をするのなら定めら
ば仲間から答えてもらえる。また、検
クも含めたシステムが不可欠なのです。
ています(談)。
Learning Innovation
03
特集「NTTソフトウェアの営業強化の取り組み」
∼N T Tソフトウェア の 取り組 み∼
営業スキル診断(プロセス別比較)
営業力強化を
「見える化」で実現!
部門平均
プランニング
100.0
個人スキル
・プランニングのスキルがない? ⇒ 研修
・プランニングを立てていない? ⇒ 実践
前年度
75.0
顧客満足度向上
リレーション
50.0
25.0
昨年、厚生労働省が発表した能力開発基本調査によると、
従業員の能力開発や人材育成に「問題がある」と
0.0
答えた事業所は8割近くに及んだ。
しかし、問題認識はあるものの旧態依然とした体制をどうするか?
アフターケア
ニーズ把握
その解決策のひとつが、NTTソフトウェア㈱が取り組む「見える化」にあった。
前年度比較でスキルが
延びていない理由はなぜ?
個々の営 業スキルを「見える化」で細
NTTソフトウェア㈱
営業推進本部の渡辺浩一氏
かく分析したスキル診断結果のグラフ。
プランニング、プレゼンテーションなど項
目別で、前年度と比較することや、部門
平均とも比較でき、
まさに「見える化」
Learning Innovation
プレゼンテーション
開 発 部 隊 のなかでも営 業センスの
長 するというボトムアップによるアプ
った。主要ソリューションなどに対す
あるスタッフが 、自らの 部 隊の 技 術
ローチだ。
る技 術スキルを診 断 するコンテンツ
個人依存の
営業からの脱却! を売り込み、営 業 職 専 門のスタッフ
営業を個人技に頼っている限り、
はいなかった。
過当競争を生き残るのは難しい。
開 発 部 隊の一員が 営 業を担うメ
I T 企 業にとって、多 様 化した顧
リットはある。しかし、全 社 的なソリ
「当 初は営 業自体の 活 動 が 見え
何を勉 強 す べきかを自覚できるよう
客ニーズに対 応 するためには営 業
ューションができるかというと疑問が
ない状 態でしたから、まずはそこか
になった。
スキルに加えて技術力も不可欠。と
残る。
ら着手しました」
(渡辺氏)
こうした 手 法に ついて 、青 山 学
はいえ従 来の人 材 育 成では、個 人
「 お客さまの 要 望は 個 別 案 件に
営業管理支援システムを導入し、
院 大 学 総 合 研 究 所 eラーニング人
の性格や特性を伸ばす研修が主な
留まらず 多 方 面にわたるので 、全
営 業日報 、案 件 情 報 、顧 客 情 報を
材 育 成 研 究センター・権 藤 俊 彦 氏
のもまた事実だ。
社 的な製 品やソリューションでお応
部 内で共 有した。さらに日報にまと
は次のように語る。
そんな営 業 マネジメントのあり方
えしていくの が ベストだと考え、営
められた進 捗 状 況に見 込み金 額を
「 現 在 、国 内で eラーニングを作
を「 見える化 」という手 法で打 破し
業 推 進 本 部ができたのです 」とは、
入 力 することで、売 上 げの 先 行 指
る際の手法として脚光を浴びている
た会社がある。NTTソフトウェア㈱だ。
NTTソフトウェア㈱営業推進本部・
標 が 見えるようになり、営 業プロセ
のがインストラクショナルデザイン( 以
紆 余 曲 折 はあったもの の 、現 在 、
渡辺浩一氏。
ス全体が明確になった。
下、ID)です。IDの基本モデルの代
現 場 主 導 の 営 業 力 強 化 が 実 現さ
営業推進本部として、営業スタイ
「単に挨拶回りだけをしている人や、
表的なものとして、分析、設計、開発、
れている。
ルを統 一し 、品 質を整え、強い 営
滞 在 時 間は長くても商 談に結びつ
実 施 、評 価の 5 つのプロセスがあり、
営業活動の問題点を
「見える化」できた!
を独自に 制 作 。知 識レベルを明 確
化することで、各 営 業が自らのレベ
ルと平均値を比較して強みや弱み、
業 組 織 の 確 立を目指した。そのた
かない人 がいること。逆にそういう
めに必 要なのは、マネジメント体 制
人たちとハイパフォーマー( 高 度な
N T Tソフトウェアの手 法は『 分 析 』
の仕組みを構築すること。
成 果を打ち出す 人 材 )とのギャップ
からはじめるI Dと同じく理に適って
N T Tソフトウェア㈱は、1 9 8 5 年
そこで試みたのは、各 種 情 報の
が 見え、何を強 化 す べきか がわか
いると言えます 。分 析をするための
に N T T 研 究 所などからの出向メン
「 見える化 」だった。課 題を抽 出・
りました(上図を参照)」
(渡辺氏)
情 報 収 集にシステムを使ったのも、
バーでスタートした。数 年 前までは
分 析し、上 司と部 下 が 共に考え成
技 術 面のスキル向 上も同 時に行
功を奏しています」。
「見える化」で
課題を抽出・分析
04
クロージング
『 見える化 』で 問 題 点を洗 い 出 す
Learning Innovation
05
特集「NTTソフトウェアの営業強化の取り組み」
以 下のように階 層 的な体 制に変わ
った( 右の図を参照 )。
・人 事 部 及び 総 務 部では、基 本 行
動や理念などに関わる研修を行う。
・スキルマネジメント部 門では、全
社 的な専 門スキル 向 上に関わる研
修を行う。
「上司なら誰でもよいのではなく
育成能力のある上司を選んで実施」
・企 画 部 門では、個 別 事 業 領 域に
関わる育 成を行う。
この人 材 育 成 体 制について、同
社スキルマネジメント部 門の田中 悦
人材育成体制
子氏は言う。
「‘自立と自律で自ら成 長し 続け
る人 材の 育 成 ’をモットーとする当
“ 人材育成 ”を明確に
ミッションとして持つ
専門
OJT
社では、各人の主体的なスキルアッ
※上司−部下にて実施
各組織
(企画部門)
プを重 視しています 。なかでも、各
組織固有の課題やニーズについては、
個別事業領域に関わる育成施策
現場に近い各組織の企画部門との
※各組織にて実施
(各企画部門)
連 携は欠か せません。企 画 部 門に
よる育 成の 機 会 提 供は、現 場に近
いからこそできる実 践 的な取り組み
全社的な専門スキル向上に関わる研修
が多く、私たち全社教育部門にとっ
テクノロジ
メソドロジ
プロジェクト・マネジメント
ビジネス/インダストリ
パーソナル
てもメリットだと思っています」。
権 藤 氏によると、N T Tソフトウェ
ア㈱ 同 様 、現 場における人 材 育 成
上司から部下への
フィードバックが
あってこその「見える化」
06
用されるの かわからなけれ ば 入 力
は各企業で増えているという。
して日報を読んだ感 想や指 示を必
効率を考えた階層的な
人材育成ミッション
ずフィードバックするよう呼びかけた。
「 見える化 」によって得たデータ
コンピテンシー( 能 力 )と、特 定 の
権 藤 氏によると、システムを利 用
最 初の 1 、2 年は難しかったが 、上
は P D C A サイクルをともなった営 業
職 種 や 業 種 で 成 果を出 す ために
して営 業 力強 化の課 題に取り組ん
司 がフィードバックすることで 部 下
人 材 育 成にも活 用された。
発 揮される専 門 知 識に分けられる
だ事 例は他にもあるが 、結 果 が 伴
は日報に 情 報を入 力し 、徐 々にサ
短 期および中・長 期でスキルアッ
ことがわ かってきました 。今 後 は 、
わないケースも多いと指摘する。
「多
イクルは回り始めた。
プ計 画を作 成し( P l a n )、日々の
人 事と現 場 で 人 材 育 成 の 役 割 分
忙でシステムに入 力 する時 間 が 取
「 全 社での 営 業 組 織になる前は
OJT(コーチング)や営業独自研修・
担 が 進む 企 業 が 増えることが 考え
れ ない 」というの が そ の 理 由 だ 。
各 職 場で独自のやり方をしてきまし
勉 強 会で実 践( D o )。その 後 、本
られます 」。
N T Tソフトウェア㈱ でも、情 報 入
たから、営 業スタイルを統 一 すると
人申告 や 上 司 判 定によるスキル診
さらに、権 藤 氏は N T Tソフトウェ
力に対する抵抗はあった。
いう面 でも苦 労 はありました 」
(渡
断をし( C h e c k )、結 果を分 析して
ア㈱ が 取り入れたシステムはナレッ
「 営 業にか ける時 間よりもシステ
辺氏)
行 動 する( A c t i o n )という流れを
ジマネジメント( 個 人の持 つ知 識や
ムに情 報を入 力 する時 間 のほうが
トップダウンで「この営 業スタイル
確立したのだ。
情 報を組 織 全 体で共 有し、全 体の
多くなっては 本 末 転 倒 で す から、
で統 一しろ」と言っても、現 場の一
「 ハイパフォーマーの 下に部 下を
創 造 性を向 上させるための経 営 手
書き方のガイドラインを作るなどして
人ひとりが 納 得しない限りは浸 透し
配 置し、肌で感じながら育 つ 環 境
法 )の一 種だと見ている。
無 駄を省き、入 力の 負担を極 力軽
にくい 。そこでも「 見える化 」は 役
作りもしています 。ただ 、上 司なら
「 eラーニングという言 葉は、体 系
減させ 、各 種 情 報 が 見 易くなる工
立った。結 果を元にディスカッション
誰でもよいのではなく、育 成 能 力の
化された 技 術 や 知 識を効 率よく習
夫 はしました 。ただ 、それ 以 上 に
できるからだ 。互いの 提 案 や 意 見
ある上 司を選んで実 施しています 」
得させるツールという狭い 意 味と、
が 面 倒になる。だから、上 司に 対
「 社員の 能 力は、ビジネスパーソ
大 切なのは、上 司が 部 下に対して
を聞き、議 論をしながら解 決 策 が
フィードバックすることだと実 感しま
ロジカルに 練 れる。そうして出てき
N T Tソフトウェア㈱では、そもそ
した」
( 渡辺 氏 )
た答えだからこそ、一 人ひとりが 納
も企 業 内 教 育は、人 事などの 人 材
前までは実 践の事 例は狭い方ばか
部 下からすれば、情 報が 何に利
得して実 践するのだ。
育 成・教 育 部 門 が 担っていたが 、
りだったのです が 、最 近になって、
Learning Innovation
(渡辺氏)
基本行動に関わる研修
共通
ンとして 全 員 が 持 つ べき普 遍 的な
全社教育部門
(スキルマネジメント部門)
ex) 企業倫理研修、人権研修、
メンタルヘルス研修等
人事部・
総務部
共通の能力開発およびマネジメントに関わる研修
ex) 新入社員研修、階層別研修・セミナ等
教育をマネジメントする部門が階層的に分けられた人事教育体制図
営業研修体系
スキル診断
階層別研修
部門長
部門長研修
管理職
営業マネジメント
研修(選抜)
中堅
営
業
ス
キ
ル
診
断
ス
キ
ル
診
断
営業リーダコース
(選抜)
教育部門研修
全社研修
・ヒューマンスキル
・法務・財務
・セールス基礎
勉強会
各
種
営
業
勉
強
会
(ITSS)
若手
営業基礎研修
新入社員
営業新人研修
ナレッジマネジメントまで含む広い意
味で使われることがあります 。少し
:独自
:教育部門
Learning Innovation
07
Learning News
特集「NTTソフトウェアの営業強化の取り組み」
「部下の強みや弱みがわかると、
コミュニケーションが増した」
ジェスチャーに頼らない英会話を
eラーニングで実現!
年
々高まる、企業における語学教育のニ
ルリッツ・ジャパン マーケティング部 中川淳さん)
ーズ。スキルが違う社員に適切な英語
また、㈱アルクでもPodcastによる英語番組の
教育を行うために、eラーニングでの学
配信を開始した。ITunesからiPodなどへダウンロ
習も多様化してきている。
ードできるため、通勤中など、すきまの時間を活用
ユ ニークな の が ベ ルリッツ・ジャパン ㈱ の
して学ぶことができる。
~Berlitz Virtual Classroom(略称 BVC)~。ライ
なかでも「速攻ビジネス英会話 日向直人のス
ブレッスンをオンラインで行うスタイルだが、講 師
キ ル アップ・イングリッシュ 」は 、2 0 0 8 年 末
の顔は写らず、ジェスチャーに頼らない会話力を育
iTunesストアの 3 位にランクイン。
「声を出して練
む仕組み。この BVCに加え、セルフスタディ教材
習できるコーナーもあって、身近なビジネス英語の
~Berlitz Online(略称 BO)~を組み合わせての利
フレーズが耳に残るので、仕 事 上でのとっさのシ
用もできる。
ーンで役立ちそう」と、利用者の反応も上々。
「BVCが、電話やネット会議などで通用するコミ
語学に関しては企業内研修だけに留まらず、個々
ュニケーション力を身につけられるとすれば、BOは、
のスキルアップを目指すビジネスマンも多いので、
あらゆる社員の語学力をスキルに合わせて学習す
効果的で効率的なeラーニングの今後をうらなう意
ることで、低コストで効果的な学習が可能です」
(ベ
味でも目が離せない。
Language
08
韓国特許庁がアジア圏で
eラーニングを開始!
eラーニングを語る文脈でナレッジマ
育 つ 開 発 部 門と比 較 すると、営 業
「今後は、システムの改善や営業
ネジメントが 登 場 する事 例が 増えて
は 個 人 商 店 型になりや すく、部 下
プロセスの 更なる標 準 化 の 課 題に
きました」。
育成など全体のコーチングやマネジ
向けて取り組んでいきます」
(渡辺氏)
情報共有に関する研究事例はこ
メントの部分が弱かった。顧客の前
こ2、3年で増加し、ブログやSNS(ソ
では流 暢に話 せても部 下とのコミュ
ーシャルネットワーキングサイト)など
ニケーションが 下 手な者も珍しくな
8割の会社が人材育成に
問題あり!と回答
社 内イントラネットでシステムを導 入
かった。
昨年、厚生労働省が発表した能
業を行うと発表した。
いか、と思います。
このIP Xpediteは、民間での特許情報活用を
韓
国特許庁は、eラーニングシステムを使
状は、欧州が進んでおり、これまでコンテンツ充実
い、アジア太平洋地域における「特許
が遅れていた環太平洋地域にAPEC、各国特許
情報の活用」についての人材育成事
庁が協力して、eラーニングを立ち上げたのではな
する事例は多く見られるようになった。
ところが 、
「 見える化 」で部 下の
力 開 発 基 本 調 査によると、従 業 員
韓国特許庁のeラーニングサービス「IP Xpedite」
インフォーマルラーニング、いわゆる
強 みや弱 みがわかると、コミュニケ
の能力開発や人材育成に「問題が
がそれで、研究者や特許業務従事者が対象のコース。
意識して作られていて、各種特許データベースの
教室などフォーマルな環境ではない
ーションが増すようになった。
ある」と答えた事 業 所は 8 割 近くに
韓国発明振興会が韓国特許庁とAPECからの
特徴、比較を行なっている点や、パテントマップ・
学びの 場 が 浸 透してきたと権 藤 氏
また、問題点が見えることで若手
及んだ。
「 問 題 がある」と認 識しな
出資を受けて、日本・米国・オーストラリアの各特
特許分析に言及している点などが特徴的です。英
は言う。
のモチベーションや問題意識が高ま
がらも、旧 態 依 然とした 企 業 内 教
許庁の協力下で開発したものだ。画面・音声とも
語での情報発信ということ、入門∼中級者にわか
モチベーションと
営業効率がアップ
り、何を改善すべきか 、何に取り組
育に甘んずるか 、新たな試 みで問
英 語で構 成されており、特 許 検 索に関 連する基
りやすい良質な内容ですから、今後、他の地域か
めばより良い成 果 が 出るか が 積 極
題を打破するか。
礎 的な情 報から、実 際の利 用 方 法 、分 析までを
らの利用・アクセスも流入するのではないでしょうか。」
的に議論されるようになった。
企 業 成 長の 鍵 がどちらにあるか
網羅している。これにより、APECに加盟する21
(特許調査 スマートワークス(株)酒井美里さん)
「 今 回の取り組みで大きく変わっ
さらに 、案 件 動 向 がデータ分 析
は 言うまでもない 。ことに 企 業 力を
カ国 600 人を対象に、特許情報の活用に関する
特許のような国を超える情報こそ、今後、一国
たのは、コミュニケーション力と若 手
によって見えるので、着手中の案件
左右する営業人材の育成について
教育をオンライン上で実施する。
だけでなくグローバルで共通したコンテンツが求め
「特許関連の eラーニングコンテンツ展開の現
られる、と言えるのではないだろうか。
のモチベーション、営業効率が上が
について乖 離 す べき時 期を見 極め
は、経 済 環 境が 変 化し、競 争が 激
ったことです」
(渡辺氏)
る判 断 力が 付き、営 業 効 率の向 上
化している今こそ早 急に着 手 す べ
プロジェクトのなかでリーダーが
に繋がった。
き問題ではないだろうか。
Learning Innovation
Glob al
Learning Innovation
09
学 ぶ た め のレシピ v o l . 1
山崎繭加
テレビなしのススメ
去年の6月から、テレビがない生活を送っている。
アメリカの大学院に通っていた頃、
拘束時間のない自由と勉強のストレスが相まったのか、文字通り「壮絶」にテレビを見た。
一日13時間見て、最後は自己嫌悪と目が回るのとで、吐きそうになったこともある。
でもその時はうまい言い訳があった。
「これは英語の勉強だ」と。
日本ではその言い訳も通用しない。
そこで引っ越しのタイミングで思い切って、テレビなしの生活を始めた。
半年たって思うこと。
すごくいい。
本当にいい。
マスメディアの中でもテレビは特に、過剰なまでのプライオリティづけをして、情報を流してくる。
人はテレビがつけるプライオリティが、自分の中の基準になっていく。
そしてその情報につけられたアナウンサーやコメンテーターによる修飾語が、自分の考えになっていく。
ほとんど気づかないうちに。
テレビがないと、自分が意識的に情報を選択し、それを理解するようになる。
知らなくてもいいこと、騒がなくていいことが、テレビには氾濫している。
その氾濫に接さないと、頭がとてもすっきりしてくる。
確かに情報量は減るが、かえって本質を感じ取りやすくなる。
そして、さらにいいのは、
家に帰ってからの時間はすべて自分のものになる、ということ。
テレビの前で人は限りなく受動的。だらける。
それに慣れると、能動的に何かをやるのが次第に面倒くさくなる。
エネルギーの流れが外から中へ動くようになる。
テレビがない。
すると帰っても部屋は「しん」としている。
自分から何かをやらない限り何も起きない。
P R O F I L E
山崎繭加 (やまざきまゆか)
そこで、まず本を読む。
感じたことがあればそれを書き付ける。
頭の動きが活発になると、バランスを取るために体を動かしたくなる。
そこで外を走る...。
マッキンゼー・アンド・カンパニーにて、組
織変革、人材育成、米企業日本進出など
のコンサルティングプロジェクトに従事。そ
の後東京大学先端科学技術研究センター
特任助手を経て、2006年秋よりハーバード・
ビジネス・スクールのリサーチ・アソシエイト
エネルギーが自分から外に向かっていく。
として、日本の企業、リーダーについての
ケース・スタディを書く仕事を行っている。
東京大学経済学部、ジョージタウン大学
自分が生活の始点になる。
国際関係大学院卒。
編集及びライティング●高澤一美、斉藤ようこ、飯野高之
カメラマン●中島剛
デザイン●広告農場(紺谷宏明)
広告●渡辺滋
発行人●菊野ひとし
発行元●株式会社 イオマガジン
http://www.io-maga.com
広告についての問い合わせは、
下記までお願いします。
「ラーニングイノべーション」は、現在、上場企業のCEO並びに人事部・
総務部、教育関係者の方、約4000人へ配布しているフリーペーパーで
TEL:03-3746-0997
す。新たな時代に即応するための企業内教育を、柔軟に、新たな視点
[email protected]
で取材してゆければと考えております。次号は、2009年初夏に発行予定。
本誌掲載記事の無断転載を禁じます。
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Learning Innovation
Learning Innovation
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Fly UP