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第10回 学習心理学
今回の内容 心理学が「科学」になるまで 学習心理学 近代:実証的に心を究明する ヴント:心理現象を実験的に捉えるため意識を要素 行動主義の考え方 に分解し、実験操作の結果を内観させて分析した 条件付け ワトソン:外部から客観的に観察可能な行動だけで, レスポンデント条件付け 心の働きをすべて解明することができる オペラント条件付け ⇒ 行動 主義の誕生 強化と罰 正の強化 負の強化 正の罰 負の罰 http://ameblo.jp/akahiyo/ ヒトの「行動」を科学する ヒトの「行動」を科学する 行動主義の考え方 連合理論(S-R理論) レスポンデント行動 観察可能な刺激(S: stimulus)と反応(R: response) 刺激に誘発される行動(例:猫だまし⇒目を閉じる) 反射と呼ばれることもある ヒトや動物に生得的に備わっている だけを扱い、それ以外は主観的であるとする われわれの行動は 学習 によって説明できる 刺激 環境 明らか ヒト 不明 Black Box オペラント行動 反応 行動 自発される行動(例:羽ばたく、鳴声を出す) ヒトの行動の大部分は、オペラント行動 ★行動の発生頻度を変化させる手続きを 条件付け という 明らか ヒトの「行動」を科学する レスポンデント行動とオペラント行動 ヒトの「行動」を科学する レスポンデント条件付け レスポンデント条件付けの手続き 条件刺激と無条件刺激を対提示する パブロフによる条件反射の発見 無条件反射:無条件刺激と無条件反応で成立 条件反射:条件刺激と条件反応で成立 同時条件付け 条件 刺激 無条件 刺激 条件 反応 無条件 反応 遅延条件付け 痕跡条件付け 逆行条件付け 例:条件刺激に音の出るオモチャを使った青年 時間条件付け 1 ヒトの「行動」を科学する ヒトの「行動」を科学する アルバート坊やの嫌悪条件付け ネズミを見ても泣かなくするためのアイディア 白いネズミだけを出し、怖い音を出さない 怖い音(白いネズミ)を出し続ける 条件反応 条件刺激 白いネズミの直前に怖い音を出す 無条件刺激 怖い音を楽しい音に変える 無条件反応 白いネズミのおもちゃと、お菓子を同時に出す 白いタオルなどから順に白いネズミに慣れさせる 条件刺激は「白いネズミ」のオモチャ 怖い音と同時に、他のおもちゃを出して慣れさせる (注意!! 「怖い音」は無条件刺激) 条件反応は「泣く」という行動 怖い音を連続で出しておき、ネズミを出すと止める ★ 条件刺激と無条件刺激の「繋がり」を消したり、 他の刺激と結びつけるのが「消去」 ヒトの「行動」を科学する レスポンデント条件付けの消去法いろいろ ヒトの「行動」を科学する オペラント条件付け ソーンダイク(Thorndike)による問題箱実験 条件刺激の中性化 条件刺激を「普通にあるもの」にする 条件刺激だけを出す(無条件刺激を出さない) 例)ネズミを見せるが、怖い音を出さない 反対条件付け(拮抗条件付け) 嫌いなものを好きに、好きなものを嫌いにする 条件刺激の後に、これまでと逆の無条件刺激を出す 例)ネズミの後に楽しい音やお菓子などを出す 禁煙やアルコール依存の治療にも使われる 例)酒を飲むと気分が悪くなる薬を処方する ヒトの「行動」を科学する ★ 効果 の法則:個体が起こした反応の結果で、 その結果に先立つ反応が変わる ⇒ ある目的のために、行動を 道具 として使う ヒトの「行動」を科学する 強化スケジュール オペラント条件付け スキナー(Skinner)によるスキナー箱実験 完全強化と部分強化 完全強化:反応すると、毎回必ず強化する すぐに強化するのを 即時 強化という 複雑な行動を習得させる 漸次接近 法で よく用いられる(スモールステップの原理) 例) 犬に「おじぎ」をさせる スキナー箱の例 ★個体は、好きなときに好きな行動を自発できる ⇒ 反応と餌の関係(スケジュール)だけに注目できる 部分強化:反応のうち、一部だけを強化する 「10%の確率で強化する」のような強化を 変率 強化(VR: variable ratio)という 2 ヒトの「行動」を科学する われわれの「習慣」と強化スケジュール 「強化を与えない」などの消去が始まってから、 形成された行動がなくなるまでの時間 長い時間がかかるほど、「消えにくい」行動 完全強化と部分強化の形成と消去抵抗 完全強化 反応と強化の関係がわかりやすいので、 行動を形成する速度が速い 同じ理由で、消去抵抗が低い (例.お小遣い目当てのお手伝い) 強化と罰 に失敗することもある 「強化が無い」ことが頻繁にあるので、消去抵抗 が強い (例.ギャンブルや迷信、問題行動) ヒトが習慣として持っている行動は、変率強化に よって形成されたものが多い 消去抵抗が強いので、消去 するにはよりも、その行動に 拮抗するような別の行動を 形成するのが有効 行動制御の特訓 強化?罰? 強化と罰 強化:反応に後続する刺激が、その反応を強める 正の強化:何かを与えることで反応が強くなる 例) レバー押し⇒餌、パチンコ⇒出球 負の強化:何かを除去することで反応が強くなる 例) 薬を飲む⇒頭痛が治まる 部分強化 行動を形成する速度が遅く、場合によっては形成 消去抵抗 ヒトの「行動」を科学する 強化:「嬉しいこと」で行動を起こさせる あげる:もの、言葉、しぐさ、権利 軽減する:苦労、負担、痛み、苦しみ 罰:「嫌なこと」で行動を押さえ込む 罰 :反応に後続する刺激が、その反応を弱める くらわす:チカラ、言葉、しぐさ、ペナルティー 正の罰:何かを与えることで反応が弱くなる 例) 宿題をサボる⇒グラウンド10周 負の罰:何かを除去することで反応が弱くなる 例) 宿題をサボる⇒テレビを見せてもらえない 奪い取る:もの、権利、楽しみ、好きなもの 行動制御の特訓 ★ 実際にやってみよう 行動制御の特訓 強化には○を、罰には△を付ける ・ 頭をたたく ・ お菓子をあげる ・ 荷物を持ってあげる ・ ゲーム機を取り上げる ・ 頭をなでる ・ 食事を与えない ・ 痛いの痛いの飛んでいけ ・ しかりつける ・ 運転免許を停止する ・ 悩みごとを聞く ・ 怒った顔を見せる ・ お昼ご飯をおごる 正?負? 正:無いところに付け加える あげる:もの、言葉、しぐさ、権利 くらわす:チカラ、言葉、しぐさ、ペナルティー 負:あったところから取り去る 軽減する:苦労、負担、痛み、苦しみ 奪い取る:もの、権利、楽しみ、好きなもの ★ 実際にやってみよう 3 学習心理学 行動制御の特訓 正には+を、負には-を付ける ・ 頭をたたく ・ お菓子をあげる ・ 荷物を持ってあげる ・ ゲーム機を取り上げる ・ 頭をなでる ・ 食事を与えない 参考書 1. 松田隆夫・八木保樹・土田宣明・福原浩之・ 藤健一・星野裕司・柴田直峰 (1997). 心理学 概説―心と行動の理解.培風館 2. 斉藤稔正 (1990). 教育心理学. 法律文化社 ・ 痛いの痛いの飛んでいけ ・ しかりつける ・ 運転免許を停止する ・ 悩みごとを聞く ・ 怒った顔を見せる ・ お昼ご飯をおごる 4