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平成28年2月25日
平成28年 田村市議会3月定例会会議録
(第3号)
平成28年田村市議会3月定例会会議録
(第3号)
癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩
○会
議
月
日
平成28年2月25日(木曜日)
癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩
○出
席
議
員(19名)
1番
遠
藤
雄
一
2番
安
瀬
信
一
3番
渡
邉
照
雄
4番
土
屋
省
一
5番
吉
田
文
夫
6番
大
橋
幹
一
7番
白
石
恒
次
8番
菊
地
武
司
9番
大和田
博
10番
遠
藤
正
德
橋
本
紀
一
11番
石
井
忠
治
12番
13番
木
村
高
雄
14番
15番
半
谷
理
孝
16番
照
山
成
信
17番
猪
瀬
明
18番
宗
像
公
一
19番
箭
内
一
20番
長谷川
元
行
仁
欠
員
癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩
○欠
席
議
員
(なし)
癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩
○説明のため出席した者の職氏名
市
副
市
長
冨
塚
宥
茉
副
長
志
村
和
俊
総
市
務
部
長
鈴
木
喜
治
長
渡
辺
清
徳
市
民
部
長
七
海
茂
保健福祉部長
兼福祉事務所長
大和田
益
弘
産
業
部
長
赤石沢
晶
建
大河原
孝
志
設
部
長
滝根行政局長
遠
藤
祥
司
大越行政局長
松
本
伊勢夫
都路行政局長
松
本
広
行
常葉行政局長
坪
井
日
良
会 計 管 理 者
助
川
豊
総
総
部
長
大
内
康
栄
総
務
部
協働まちづくり課長
大
友
弘
市民部原子力
災害対策課長
斎
藤
忠
一
勝
務
務
-57-
課
誠
産
業
部
農 林 課 長
門
馬
吉
喜
宏
一
教 育 委 員 会
教
育
長
助
川
弘
道
田
正
明
教 育 委 員 会
教育総務課長
上遠野
伸
一
田
庫
一
選挙管理委員会
事 務 局 長
大
内
康
栄
久保田
光
義
保 健 福 祉 部
介護福祉課長
塚
原
建設部参事兼
都市計画課長
泉
登
教 育 委 員 会
教 育 部 長
和
選挙管理委員会
委
員
長
本
代表監査委員
橋
本
光
義
監
事
査
務
委
局
員
長
農業委員会会長
村
上
好
徳
農業委員会事務局長
兼 総 務 課 長
水道事業所長
山
口
白
鳥
宏
栄
癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩
○事務局出席職員職氏名
事
務
局
長
柳
沼
課 長 補 佐
兼 総 務 係 長
渡
辺
覚
治
総
務
課
長
宗
形
常
美
武
癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩
○議
事
日
程
日程第
1
諸般の報告
日程第
2
一般質問
癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩
○本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩
午前10時00分
○議長(長谷川元行)
開議
皆さん、おはようございます。会議に先立ち申し上げます。
携帯電話をお持ちの方は、議事進行の妨げになりますので、電源を切るようお願いいた
します。
ただいまの出席議員数は19名であります。定足数に達しておりますので、これより本日
の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付した議事日程(第3号)のとおりであります。
-58-
癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩
日程第1
諸般の報告
○議長(長谷川元行)
日程第1、諸般の報告を行います。
本日は、説明のため、財政課長秋元
力君にかえて協働まちづくり課長大友勝弘君が、
社会福祉課長吉田英一君にかえて介護福祉課長塚原
誠君が、商工観光課長先﨑徳政君に
かえて農林課長門馬吉喜君がそれぞれ出席しておりますので報告いたします。
以上で、諸般の報告を終わります。
癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩
日程第2
一般質問
○議長(長谷川元行)
日程第2、一般質問を行います。
質問者に対して申し上げます。再質問、再々質問を行うときは、必ず宣告してから発言
してください。
また、質問は答弁に対する内容の再質問、再々質問でありますよう御留意願います。
通告の順序により、5番吉田文夫君の発言を許します。5番吉田文夫君。
(5番
○5番(吉田文夫)
吉田文夫
登壇)
市民の声と心を代表し、勇気と奮起を持って通告により質問します。
まず、第1問、防災対策についてです。
2013年10月に伊豆大島土砂災害、2014年8月には広島土砂災害が発生し、昨年9月、関
東・東北豪雨においては都路地区で500ミリの集中豪雨があり、災害に見舞われていること
から、その教訓から学ぶことが大切だと思います。
そこで、防災マップは、法的に避難対策の事前情報が目的とされていることから、地域
的な危険性の有無のみ提示される内容であります。災害対策は、未然防止、予防、応急、
復旧、復興の各対策があり、特に未然防止対策に役立たせるためには、自然的要件や社会
的要件に関する危険要因が理解できる情報を提示し、誰もが危険性を改善、除去する方策
が必要と思われることから、以下の質問をします。
まず、(1)です。防災マップ作成・公表後の防災対策については、防災マップは、そ
の目的が災害の発生するおそれがある場合あるいは発生した場合の迅速な避難行動のため
の事前情報の提供に置かれています。このため、自治体は、防災マップを作成し、避難計
画を整備すれば、防災対策は完了と考えている傾向があります。
また、大雨、大雪、洪水等の災害の種類により、土砂災害、浸水区域の変更や追加に対
-59-
する市の対策について伺います。
2問目は、急傾斜地の崖、擁壁の改善対策についてです。
急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律、急傾斜地災害防止法では、急傾斜地崩
壊危険区域、これは傾斜度30度以上、斜面の高さが5メートル以上、人家が5戸以上の指
定を受け、区域内の土地の所有者、管理者、または占有者は区域内における傾斜地の崩壊
が生じないよう努めなければいけないとされており、その際、所有者等による施行が、費
用及び技術力等の理由から、困難または不適当と認められる場合には、都道府県が急傾斜
地崩壊防止工事を施行するとなっています。急傾斜地法では、著しく利益を受ける者に工
事費の一部を負担させるともなっています。その際、県の条例との関係や、これまでとこ
れからの市の対策について伺います。
(3)です。公共施設・住宅等の対策についても伺います。
1995年、地震防災対策特別措置法が制定され、知事が5カ年計画を策定して、重要防災
施設、庁舎、学校、病院、福祉施設等の耐震化改修推進をすることが制度化されました。
しかし、自治体の財政難から、第1期、第2期では大きな進展は見られませんでしたが、
学校施設、病院等への国の補助金がかさ上げされるようになった第3期、2006年からは、
全国的に重要施設等の耐震化の進捗率は大きく向上しています。防災拠点ともなる公共施
設の耐震化対策を伺います。
また、住民の耐震化対策は、1995年の阪神・淡路大震災で犠牲者の8割が住宅の倒壊に
原因があったことから、改めてその安全対策の必要性が認識され、建築物の耐震改修の促
進に関する法律、耐震改修促進法が制定され、2006年1月に同法が改正され、可能な限り
全ての市町村において耐震化改修促進計画を策定することが望ましいとする国交省の基本
方針が示されました。市の対策についても伺います。
4番目です。福祉避難所の役割(指定)と設置について伺います。
田村市の指定緊急避難所の場所は73カ所指定されていますが、災害対策基本法に、被災
者の心身の健康の確保、居住の場所の確保、高齢者、障害者、乳幼児その他特に配慮を要
する者に対する必要な措置に福祉避難所及び福祉仮設住宅が制度上の施設になりました。
福祉避難所は、従来の一般避難所では高齢者、障害者、乳幼児等の災害時要援護者にとっ
て必ずしも適切な救助の措置ができなかったという過去の経験から、制度化されたもので
す。市の福祉避難所の指定の手順と設置運営について伺います。
続いて、5番目です。防災面からの河川の土砂堆積の除去についても伺います。
-60-
県は、原発事故による避難区域を中心とした県の70の管理河川で、川床に土砂が大量に
たまっている場所が確認され、堆積量や放射性濃度の調査を開始し、結果をもとに除去す
る場所を決めています。特に、都路の高瀬川につながる古道川、南川、山口川流域は、昨
年9月の降雨量500ミリの集中豪雨で、氾濫、浸水の危険を高めました。地元では、特に防
災面から土砂の除去を求める声が強くなりました。市の対策を伺います。
6番目です。事前防災行動計画(タイムライン)の取り組みについて伺います。
昨年9月の関東・東北豪雨を教訓に、災害時の行動を、いつ、誰が、何をするかを時間
軸に沿って関係者で合意したもので、自治体では避難勧告や避難所開設、消防団への連絡
などに活用しています。市の対応について伺います。
○議長(長谷川元行)
○市民部長(七海
当局の答弁を求めます。七海市民部長。
茂)
5番、吉田文夫議員の防災対策についての御質問にお答えいたし
ます。
田村市防災マップは、県が指定した急傾斜地や土石流などの危険区域をはじめ、避難経
路、避難所等を示した土砂災害ハザードマップと想定浸水区域図を一体的に盛り込んで作
成し、災害発生時の被害低減と拡大防止を図るため、昨年9月に行政区長を通じて全戸に
配布したところでございます。
マップ公表後の防災対策につきましては、災害の発生しやすい土石流特別警戒区域や急
傾斜地崩壊特別警戒区域などの対策が重要でありますことから、危険度の高い箇所から早
急に対策を講じるよう関係機関に強く求めるとともに、昨年6月に策定した田村市地域防
災計画に盛り込んだ災害減災計画や災害応急対策などの各施策の履行に努めているところ
であります。
次に、急傾斜地の崖・擁壁の改善対策につきましては、急傾斜地は、福島県が実施して
いる土砂災害防止法に基づく基礎調査により、田村市内の土砂災害警戒区域指定箇所が平
成31年度までに全て指定される予定となっており、この指定により、土砂災害防止工事や
警戒避難体制の整備、新規住宅等の立地抑制などが行われることとなりますので、特に危
険度が高いと想定される箇所については、早急に対策を講じるよう県に要望してまいりま
す。
次に、公共施設・住宅等の耐震化対策につきましては、阪神・淡路大震災の教訓を踏ま
えて平成7年に制定された「建築物の耐震改修の促進に関する法律」と、その一部改正を
受け、田村市では平成20年3月に「田村市耐震改修促進計画」を策定し、計画に基づき耐
-61-
震診断や耐震改修を実施してまいりました。
田村市が管理する昭和56年5月以前の旧耐震基準により建築された特定建築物の公共施
設は33施設で、耐震診断を実施済みが27施設、未実施が6施設であります。このうち、耐
震改修が不要な施設は16施設、既に改修済みが2施設、現在改築中が3施設、未改修施設
が12施設であります。
今後は、建物の用途や規模に応じて、用途廃止や統廃合を含めながら計画的に耐震化を
図り、防災上重要な役割を果たす公共施設の維持管理に努めてまいります。
また、一般住宅の耐震化対策につきましては、平成17年度から福島県が耐震診断補助を、
平成26年度からは田村市木造住宅耐震診断者派遣事業と田村市木造住宅耐震改修支援事業
を実施し、木造住宅の耐震診断及び改修の推進に努めてまいりました。
本年度までの耐震診断の受診実績は41件でありますが、引き続き制度の活用について広
く周知し、耐震化の推進を図ってまいります。
次に、福祉避難所の役割と設置状況につきましては、災害発生時において行動にハンデ
ィを有し、一般の避難所では生活に支障を来す高齢者、乳幼児、傷病者や障害者等を対象
としたバリアフリー化や多機能型トイレが設置された避難所であり、市内に12カ所を指定
いたしております。
次に、河川の堆積除去につきましては、福島県県中建設事務所と毎年開催しております、
「まちづくり意見交換会」などの機会を捉え要望しておりますが、残土捨て場の確保が難
しいため、着手できない状況と伺っております。豪雨などによる災害を誘発する原因とな
るおそれもありますことから、引き続き県に対して要望してまいります。
次に、事前防災行動計画の取り組みにつきましては、事前防災行動計画は、大型台風や
豪雪など、事前にある程度見通しがつく自然災害に有効と考えられ、関係機関等との連携
を軸に、発生前から、いつ、誰が、何を、どのようにするかを具体的かつ時系列に整理し
た計画であります。
田村市といたしましては、先ほど申し上げましたように、昨年6月に策定いたしました
地域防災計画に盛り込んだ各種施策を確実に履行することが最も重要と考えており、この
ことが災害の拡大防止と低減につながるものと認識いたしておりますことから、この履行
状況や効果等を勘案しながら検討してまいりたいと考えております。
○議長(長谷川元行)
○5番(吉田文夫)
吉田文夫君の再質問を許します。
ただいま答弁がありました。その中で土砂災害あるいは浸水区域の変
-62-
更や追加に対する市民への対策ですか、それについて伺います。
○議長(長谷川元行)
○市民部長(七海
当局の答弁を求めます。七海市民部長。
茂)
再質問にお答えいたします。
変更のあった場合の市民への周知という部分につきましては、私どもも、変更のあった
時点で計画の変更あるいはマップの更新等を通じて広く周知してまいりたいと考えており
ます。
○議長(長谷川元行)
○5番(吉田文夫)
吉田文夫君の再々質問を許します。
田村市では、例えば滝根町では夏井川と滝根川あるいは大滝根川、都
路地区では高瀬川と、水系の違いがあります。そんな中で、降雨量の違いやその他の条件
によって災害の違いが出てくると思うんですね。そこら辺の災害の違い、要するに降雨量
なんか、降雪量とか、その違いの際の基準等はあるんでしょうか、それについて伺います。
それぞれの水系の基準量。
○議長(長谷川元行)
○市民部長(七海
当局の答弁を求めます。七海市民部長。
茂)
再々質問にお答えいたします。
流域によっての違いという判断はしておりませんが、そのエリアにおける降水量の量に
よって周知を図ってまいります。
○議長(長谷川元行)
○5番(吉田文夫)
吉田文夫君。
いずれにしても、防災対策は市民の命と財産を守る大切な対策です。
今後ともよろしく点検をお願いして、次の質問に移ります。
2番目です。「生涯活躍のまち」構想についてです。
東京など大都市圏に住む高齢者の地方移住を推進する構想が動き出しています。政府は、
自治体と民間が連携して移住者を受け入れるまちづくりに向け、法整備や政策面での支援
を提言し、「老後は地方で」というライフスタイルを広めることは、首都圏の医療・介護
不足と、今後余力が生じる地方のギャップを是正する点からも有益だと思います。
政府は、施設整備などの対策をして、現実的で細やかな移住支援をする気であります。
医療・介護保険の住所地特例も拡大されるということから、首都圏などから移り住み、医
療や介護が必要になってからも暮らし続けるまちづくりを政府は「生涯活躍のまち」構想
として、地方創生の重点目標に位置づけています。
提言では、厚生年金で老後を暮らす50代以上の人を主な対象に設定しています。移住先
のまちづくりについて、改修した空き家などを活用して地域に溶け込んで生活できるよう
-63-
支援する方式と、見守りなどサービス機能がついた高齢者向け住宅の拠点を区域内で集中
整備する方式を示しました。
東京都と千葉・神奈川・埼玉3県では、2025年までに高齢者が175万人増えます。一方で、
高齢化がピークを越す地方も医療・介護体制の維持を迫られています。東京よりも家賃や
物価が安いので、第二の人生を検討する人も多いと思います。地方創生重点事業の同構想
は、地方への新しい人の流れをつくることを基本として、既に金沢、柏、宇部市など260の
自治体が取り組み、手を挙げています。
政府は、近くモデル地域を指定し、自治体のプランづくりを後押しする計画と新型交付
金の検討をしています。市の人口減少対策として、この移住促進策に取り組むべきであり
ます。その条件となるための以下の内容について伺います。
1番目です。空き家の活用と現況について、高齢者向けの住宅の現況について、賃貸住
宅、戸数、空き状況について伺います。
○議長(長谷川元行)
○総務部長(渡辺清徳)
当局の答弁を求めます。渡辺総務部長。
「生涯活躍のまち」構想についての御質問にお答えいたします。
初めに、空き家の活用と現況について申し上げます。
空き家の活用につきましては、新政たむら、石井忠治議員の代表質問にお答えいたしま
したように、田村市への定住希望者の住宅・宅地需要に応え、人口減少に対応するため、
空き家・空き地情報バンクとして、市ホームページでの発信を開始したところであります。
空き家の現況につきましては、現地調査により空き家と思われる物件は688件あり、所有
者へのアンケート調査により、現時点で111件が空き家であることが確認されております。
次に、高齢者向け住宅の現況につきましては、老人福祉法に基づくケアハウスとして、
田村福祉会が設置した「ふねひき福寿荘」が27戸で、現在25戸入居しており、医療法人健
山会が設置した3施設が62戸で、現在38戸入居されております。
次に、賃貸住宅の状況につきましては、平成25年度に総務省統計局が実施した「住宅・
土地統計調査」によりますと、市内における賃貸住宅は1,040戸となっております。
空き状況については把握しておりませんが、原発事故に伴う避難者による借り上げ住宅
や、復旧・復興に伴う作業員等の宿舎として、相当数利用されていると聞いております。
なお、市営住宅につきましては、952戸中、2月現在の空き状況は11戸となっております。
高齢者が地域住民や多世代と交流しながら健康な生活を送り、必要に応じて医療・介護
を受けることができるよう、空き家・空き地情報バンクを活用し、地域包括ケアシステム
-64-
と連携したまちづくりを推進してまいりたいと考えております。
○議長(長谷川元行)
○5番(吉田文夫)
吉田文夫君。
今、答弁がありました。私は、全国的に問題になっている、この人口
減少、そのために田村市も何かをしなければと、将来のためにと思い、この問題を質問い
たしました。これからも人口減少については、自分なりに地域の人たちと真剣に考えてい
きたいと思います。
次の質問に移ります。復旧、復興支援策についてです。
(1)番です。原発事故による避難区域の医療・介護保険、固定資産税等の減免及び高
速道路料金の免除の継続について伺います。
(2)番目です。旧緊急時避難準備区域における県補助金5億円の交付の確定の際には、
住民帰還、生活再建を基本に、住民の要望を聞いて支援策を講ずるべきだと思います。市
の対応について伺います。
(3)番目です。小規模高齢化集落癩癩いわゆる限界集落です、老々の世帯、ひとり暮
らしの世帯に対して、代読、代筆等の支援策を含め生活支援策について伺います。
4番目、里山再生のための除染事業についても伺います。
○議長(長谷川元行)
○市長(冨塚宥苙)
当局の答弁を求めます。冨塚市長。
復旧、復興支援策についての御質問にお答えいたします。
初めに、原発事故により避難を余儀なくされた方々の支援につきましては、これまで国
が示す基準に基づき、旧避難指示解除準備区域等に係る国民健康保険税等の減免や、医療
機関窓口での一部負担金の免除などを実施してまいりました。
来年度につきましては、詳細な内容は示されておりませんが、政府予算の成立を前提と
しながら継続する考えであると伺っております。
また、旧避難指示解除準備区域の固定資産税につきましても、地方税法の規定に基づき、
本年度から3年間、2分の1を減額して課税することとしておりますので、来年度も引き
続き実施してまいります。
高速道路料金の無料措置につきましては、今月19日に国は、来年3月末まで継続すると
の方針を明らかにしたところであります。
次に、旧緊急時避難準備区域における県補助金の対応について申し上げます。
たむら志政会、大和田博議員の代表質問にもお答えいたしましたように、県は、住民が
安心して帰還や生活再建へと踏み出せるよう、きめ細やかな取り組みを柔軟に展開するこ
-65-
とができるよう、市町村を支援する予算を措置するとの新聞報道がありましたが、現在、
県において支援の内容や規模について検討していると伺っておりますことから、支援制度
の詳細が判明次第、住民の帰還促進や生活再建を推進できる事業に活用してまいりたいと
考えております。
次に、老々世帯、ひとり暮らし世帯の生活支援策について申し上げます。
田村市では、おおむね65歳以上の単身世帯、高齢者のみの世帯、身体障害者であって疾
病等の理由で調理が困難な方を対象とした配食サービスを、外出時の援助、食事・食材の
確保、家の周りの手入れなどの援助が必要な方を対象とした生活援助及び65歳以上で日常
生活を営むのに支障がある方で要介護認定及び要支援認定を受けた方を除く方を対象に
ホームヘルパーを派遣し、家事援助や安否確認等を行う生活支援事業を実施しております。
昨年4月の介護保険法の制度改正により、2025年度までに地域の実情に応じて、高齢者
が可能な限り住みなれた地域で、その能力に応じて自立した生活を営むことができるよう、
住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」の
構築を目指しております。
多様な生活支援サービス等を開発・発掘・創造するため協議体の設立準備を進めており、
今後は「地域包括ケアシステム」構築に向け、日常生活で支援が必要となる高齢者等を、
世代を超えて支え合う体制づくりを進めてまいります。
次に、里山再生のための除染事業につきましては、これまで、環境省や林野庁等で構成
する環境回復検討会において検討してまいりましたが、昨年12月に開催された第16回環境
回復検討会において、これまでの取り組みの成果が報告され、森林における放射性物質は
既に4割程度減衰し、現状ではその大部分が土壌表層部に滞留していることから、仮に落
ち葉など堆積物の除去を行っても生活圏の空間線量低減にはほとんど効果がなく、むしろ
堆積物を除去することによって表土の流出量が約3倍程度大きくなり、自然災害の危険性
が増す可能性もあることなどの状況を踏まえ、人の立ち入りが少ない森林については、流
出・拡散防止対策や森林整備、再生の観点から施策を進める旨の方向性が示されたところ
であります。
また、今月5日に、復興大臣、環境大臣及び農林水産大臣が出席した「福島の森林・林
業の再生のための関係省庁プロジェクトチーム」の初会合が開かれ、いわゆる里山の環境
回復を推進する方向性を確認し、3月にも対策案をまとめる方針が示されております。
今後は、このプロジェクトチームにおいて、里山の範囲や定義のほか、具体的な施策の
-66-
検討を進めることになりますが、田村市といたしましては、これまで実施してきた生活圏
域における除染と同様に実施することは困難であると考えており、森林の再生による生産
意欲の回復など林業の復興を進めるため、引き続き国、県の動向を注視しながら必要な施
策を検討してまいりたいと考えております。
○議長(長谷川元行)
○5番(吉田文夫)
吉田文夫君。
2番目の旧緊急時避難準備区域における県の補助金、これは老々世帯、
ひとり暮らしの世帯から、「何とか生活支援策に重点を置いてもらえねえかな」というふ
うな強い要望があります。ぜひともそういうふうな要望を入れてもらいたいと思います。
次の質問に移ります。4番目です。介護保険についてです。
1番目、介護報酬のマイナス改定2.27%により、事業経営と人材確保についてです。
2015年度から介護報酬がマイナス2.27%の内訳は、介護職員の処遇改善プラス1.65%、
介護サービスの充実プラス0.65%です。ですが、その他のマイナスが4.48%と、大幅に引
き下げられた影響で、介護事業所の年間倒産件数が過去最高となった調査があります。
また、介護職員の育成、確保では、厚生省が2020年代初頭には約25万人不足すると推計
しているほど深刻です。最大の要因は低賃金にあり、全労働者平均より月10万円近くも低
く、職員不足のために入所制限する特養などが増えています。それにもかかわらず、介護
報酬をしたことに対して批判の声が多く上がっています。
そこで、介護保険の仕組みを運営する保険者としての市の役割について伺います。
2番目です。福祉用具の貸与と販売の利用状況についてです。
まず、必要な福祉用具の保険を使っての貸与ですが、要介護の状態の利用者がベッドや
車椅子等の福祉用具を必要とする場合、その貸与が保険給付の対象となっております。車
椅子、介護電動車椅子、特殊寝台、床ずれ予防用具癩癩エアーマットですね、体位変換器、
手すり、スロープ、歩行器、歩行補助づえ、認知症老人徘回感知器、移動用リフト、特殊
尿器の場合は、自己負担は1割で、区分支給限度基準に含まれております。それらの利用
状況について伺います。
また、3番目です。福祉用具の販売について伺います。
福祉用具の利用は原則貸与となるのですが、それになじまないものは特定福祉用具とし
て購入費用が保険給付の対象になります。福祉用具の販売の対象品目は、腰かけ便座、水
洗式腰かけ便座、特殊尿器、入浴補助用具、簡易浴槽、移動用リフトのつり具の部分、昨
年の改正で福祉用具貸与の品目に介助型電動椅子、特定福祉用具に水洗式ポータブルトイ
-67-
レが追加され、販売の利用状況、また福祉用具貸与価格情報の公開の取り組みについても
伺います。
3番目です。住宅改修費の利用状況について伺います。
介護保険の住宅改修には、事業者指定や登録制度はなく、事業者によって対応に差があ
ったり、市町村が指導、助言を行いにくいといった問題がありましたが、今回の改正では、
市町村の判断、選択により住宅改修の給付対象とする事業者を登録して、指導、助言を行
うことができるようになりました。
改正では、便器の位置変更、向き変更が追加され、手すりの設置や段差の解消など、支
給限度額上限20万、原則1回のみとなっていますが、利用状況について伺います。
続いて、4番目です。介護認定審査会の審査の手順と内容について伺います。
失礼しました。5番目です。長期間癩癩五、六年以上です、要介護2、軽度の介護を要
する状態から、要介護5、最重度の介護を要する状態に認定された例があります。審査内
容について伺います。
これは12月の議会でも質問しました。そこで、12月の議会の答弁は、さまざまな要因が
考えられ、身体機能、生活機能及び認知機能が低下するなどの理由により、介護度を分類
する目安となる時間、要介護認定等基準時間が増えたとのことの答弁でした。また、要介
護認定では、定められた統一基準による認定調査と主治医の診断書をもとに、介護認定審
査会での客観的な、かつ公平な判定を行っているという答弁です。
なぜ私はこの質問をしますかというと、私は被保険者を知っています。姉のしゅうとだ
からです。そして、ことしの11月には100歳を迎えます。何とか100歳まで頑張ってもらい
たいと家族は願っています。被保険者は身体機能も認知機能も段階的に上がっていったと、
私は自信を持って言えます。だから、質問にありました要介護2から要介護5に、3、
4を飛び越して、その認定に私は疑問を持っているんです。被保険者を知っているからゆ
えです。だから、再質問したんです。答弁を求めます。
○議長(長谷川元行)
当局の答弁を求めます。大和田保健福祉部長。
○保健福祉部長兼福祉事務所長(大和田益弘)
介護保険についての御質問にお答えいたし
ます。
初めに、介護報酬のマイナス改定による事業経営への影響と人材確保について申し上げ
ます。
介護報酬のマイナス改定が介護事業経営に与えた影響について把握することを目的に、
-68-
昨年8月に独立行政法人福祉医療機構が、特別養護老人ホーム3,057施設を対象に実施した
「平成27年度介護報酬改定等の影響に関するアンケート調査結果」によりますと、事業所
の約7割が前年度と比べてサービス活動収益が減収し、ほぼ全事業所で介護報酬改定が影
響したと回答しております。
このマイナス2.27%の改定幅には、介護従事者の処遇改善加算1.65%と、中重度の要介
護者や認知症高齢者等への介護サービスの充実分0.56%のプラス改定も含まれていること
から、それ以外は4.48%の引き下げを余儀なくされており、事業所は厳しい経営状況が続
くものと思われます。
また、人材確保につきましては、介護報酬改定により介護職員処遇改善加算が拡充され、
月額で1万2,000円、率にして1.65%の引き上げがされておりますが、人材確保問題を解消
するためには、短期的な処遇改善にとどまらず、職員の定着や確保を図るための望ましい
方策を戦略的に捉えていく必要があると考えます。
次に、福祉用具の貸与利用状況につきましては、介護保険で利用できる福祉用具は、車
椅子、車椅子附属品、特殊寝台、特殊寝台附属品、床ずれ防止用具、体位変換器、徘回感
知器、移動用リフト、手すり、スロープ、歩行器、歩行補助つえ及び自動排せつ処理装置
の13品目であります。
田村市での利用状況は、車椅子、特殊寝台、床ずれ防止用具、手すり及び歩行器で全体
の9割を占めており、本年1月までの利用実績は、要介護者が月平均544件、介護給付費が
740万1,000円、要支援者が月平均51件、介護予防給付費が20万8,000円であります。
また、福祉用具の購入状況につきましては、ポータブルトイレ、シャワーベンチ、浴槽
台、浴槽手すり等で、本年1月までの利用実績は、要介護者が月平均10.5件、介護給付費
が33万円、要支援者が月平均3.3件、介護予防給付費が9万3,000円であります。
次に、住宅改修費の利用状況について申し上げます。
住宅改修は、手すりの取りつけ、段差の解消、引き戸への扉の取りかえ、和式から洋式
便器への取りかえなどが主なもので、本年1月までの利用実績は、要介護者が月平均8.4件、
介護給付費84万9,000円、要支援者が月平均2.6件、介護予防給付費21万4,000円であります。
次に、介護認定審査会の審査の手順と内容について申し上げます。
審査手順につきましては、被保険者からの認定申請を受け、全国一律の基準に基づき、
職員や介護調査員が訪問による聞き取り調査を行い、あわせて市からの依頼により、かか
りつけ医師が心身の状況について意見書を作成いたします。
-69-
認定調査結果や主治医意見書に基づき、一次判定用ソフトによって分析・判定を行った
上で、介護認定審査会を開催し、一次判定結果や主治医による意見書の内容をもとに、介
護の手間、状態の維持、改善可能に係る審査等について審査・判定し、要介護度を決定い
たします。市は、介護認定審査会の判定に基づき要介護認定を行い、被保険者へ通知して
おります。
次に、長期間、要介護2の状態から要介護5に認定された例について申し上げます。
本年度12月末までの介護認定で、要介護2から要介護5へ認定された件数は14件で、脳
梗塞、心不全、肺炎などの病気の発症により入院されたことによる区分変更等であります。
介護認定を受けている高齢者の方は、肺炎などの疾患から状態が急激に悪化して入院とな
るケースがあり、状態の変化によっては、介護に要する時間、吉田議員が指摘されました
要介護認定等基準時間、これは省令に基づいて決まっているものでありますが、この時間
に基づいて介護に要する時間が著しく増えたことにより審査で判定されたものであります。
○議長(長谷川元行)
吉田文夫議員の持ち時間が過ぎておりますので、これにて5番吉田
文夫君の質問を終結します。
○5番(吉田文夫)
議長の命令が出ましたので、終わります。
○議長(長谷川元行)
ここで暫時休憩いたします。再開は午前11時15分といたします。
午前11時01分
休憩
癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩
午前11時14分
○議長(長谷川元行)
再開
休憩前に引き続き会議を再開します。
次の質問者、15番半谷理孝君の発言を許します。15番半谷理孝君。
(15番
○15番(半谷理孝)
半谷理孝
登壇)
15番、半谷でございます。通告のとおり一般質問をさせていただきま
す。
1つ目に、原子力災害への対応について、3項目お尋ねをいたします。
シイタケ原木や木の葉の利用ができなくなり、30キロ圏外から採取された平成27年度産
野生シイタケから2万ベクレル近い数値が検出されるなど、人が山に入らなくなったこと
により荒廃が続いています。環境復元が求められる中、国による里山再生事業をどのよう
に活用されようとしているか、また里山の定義は民有林全てを含むべきであり、対象が20
キロ圏内など限定されるべきではないと考えるところでありますが、見解を伺います。
-70-
2つとして、国や原子力学会は、木の葉を取り除くことにより土砂が流出するなどと山
林除染ができない理由にしています。市内においてそのような土砂崩れ等の実態があった
のかどうかについて報告を求め、土を疼がず、木の葉5年分だけでも除去すべきと思うと
ころでありますが、見解を伺います。
3つとして、国は、県内90%の地域で木材の出荷が可能としています。現在、パルプ材
として流通しておりますが、シイタケ原木や栽薪に比べ価格は10分の1程度であります。
原木が出荷できる時期について見解を伺います。
なお、針葉樹ではなく、今回は広葉樹林を対象としておりますので、よろしくお願い申
し上げます。
○議長(長谷川元行)
○市民部長(七海
当局の答弁を求めます。七海市民部長。
茂)
15番、半谷理孝議員の原子力災害への対応についての御質問にお
答えいたします。
初めに、国による里山再生事業につきましては、5番、吉田文夫議員の一般質問にお答
えしましたように、今後、里山の定義のほか具体的な対策案の検討が進められる予定であ
りますが、田村市といたしましては、いわゆる里山の定義をはじめ具体的な対策が明らか
でない現時点では、明確な方針をお示しすることはできませんが、これまでの生活圏域に
おける除染と同様に実施することは困難と考えており、今後のプロジェクトチームにおけ
る具体策等の検討状況を注視してまいります。
なお、範囲が20キロ圏内に限定されるのでは、との御懸念につきましては、今回の関係
省庁による作業チームの設置が県内市町村からの森林除染方針の再検討要請に基づくもの
でありますことから、当然20キロ圏外も含まれるものと考えており、関係省庁との協議を
通じて、限定しないよう働きかけてまいります。
次に、市内の除染における土砂の流出につきましては、市内の除染は、線量に応じて生
活圏域の林縁、おおむね20メートルまでを対象に、木の葉を取り除く森林の除染作業、い
わゆる堆積物除去を行うこととして進めてまいりました。
急傾斜地や崩落のおそれのあるのり面等につきましては、作業の危険性や土砂の流出が
懸念されることから、所有者と協議した上で、状況に応じて除染作業を見合わせたケース
もありましたことから、市内の除染において林縁等から大規模に土砂が流出した事例はあ
りません。
また、土を疼がずに木の葉を5年分だけでも除去すべきとのおただしにつきましては、
-71-
堆積物除去を行っても生活圏の空間線量低減にはほとんど効果がないことと、堆積物を除
去することによって表土の流出を促進させ、自然災害の誘発や、流出した土壌とともに放
射性物質が生活圏域に近づく危険性もあるなどの知見も示されております。
これらのことから、現時点では、林地において5年間の木の葉だけを選別して除去する
ことは非常に困難であり、放射性物質の流出・飛散による影響を防止する効果は低いと考
えております。
次に、シイタケ原木の出荷再開につきましては、現在、国が定めている出荷自粛指標値
は50ベクレルとされており、福島県からの情報では、会津、南会津及び県南地方の一部か
ら産出される原木には指標値未満のものが多いことが判明しておりますが、現時点では出
荷自粛の状況が続いております。
福島県は、シイタケ原木の全量検査に向け非破壊検査機導入による体制整備を検討して
おりますが、田村市においてその体制整備がいつになるのか不明でありますことから、現
時点では原木の出荷が可能となる時期を明確に示せる状況にはございません。
○議長(長谷川元行)
○15番(半谷理孝)
半谷理孝君の再質問を許します。
ただいまの答弁は、お手元にお持ちなのかなというふうに思うんです
が、森林の放射性物質対策について、平成28年2月、環境省の資料をお読みになったんで
はないでしょうね、まさか。
それはいいんですが、実は先ほど同じ質問、吉田文夫議員からもありました。5年が経
過して空間線量が40%減ったということでありますが、不思議なことにキノコの線量は減
ってないんですね。ということになった場合、その因果関係について、ここでは説明は求
めませんが、私はその辺が不思議だと思ってるんですね。
そして、環境省も、農林水産省、復興庁、そのトップの皆さんが立派なことは言うんで
すが、予算がねばってきている実態が見えてないんですね。そこで、福島県森林組合連合
会、これは秋元会長さん、それから福島県木材協同組合の連合会、朝田会長さん、福島県
の復興のためには森林除染の徹底が必要だというような訴えをしているわけでありまして、
官民一体となってこの辺は推進すべきだろうと思うわけでありますが、その辺について再
度当局の見解を伺いたいというふうに思います。
また、除染をやらないことによって風評の悪化がこれから先も継続していくのではない
のかなと考えられますので、事務レベルではなくて、政治的な判断も必要かと思いますが、
その点についても答弁をいただきたいというふうに思います。
-72-
以上、2つ答弁をお願い申し上げます。
○議長(長谷川元行)
○市民部長(七海
当局の答弁を求めます。七海市民部長。
茂)
再質問にお答えいたします。
除染の実施に対する見解というおただしでございますが、先ほども申し上げましたよう
に、国のそれぞれの機関の職員からなるプロジェクトチームでの検討がまさにされて、
3月を目途にその見解が示されるという状況でございますので、先ほどと重ねた答弁にな
りますが、それらの見解を踏まえて検討してまいりたいと考えております。
また、2番目の風評被害というところにつきましても、それらの見解を見きわめた上で
適切な対策を講じてまいりたいと考えております。
○議長(長谷川元行)
○15番(半谷理孝)
半谷理孝君の再々質問を許します。
この5年間、国はやる気、言葉だけでは示しているようでありますが、
実態をしっかりと把握する上で市独自の実証実験というようなもの、山林について、山林
除染の実証実験、そういったことを多少たりとも行った実績があるのかどうか、それから、
これから先、そういった実証実験ですか、行おうとする意思というか、お考えがあるのか
どうか、その件について答弁を求めます。
○議長(長谷川元行)
○産業部長(赤石沢
当局の答弁を求めます。赤石沢産業部長。
晶)
再々質問にお答えいたします。
実証事業についてのこれまでの経過についてでございますが、まず市としては実証は行
ってございません。ただ、国が森林再生に向けた実証事業といたしまして、これまで田村
市都路町の8区の小滝沢、それから9区の荻田地区において、ただいま森林の除染にかか
わる実証作業を行っております。
その内容につきましては、これまでの保育の仕方によってどう変わるか、それから流出
防止対策についての検討、それから流出防止対策に伴って、沢沿いに流れる放射性物質の
検証を行っているところでございます。
なお、福島県におきましては、福島県、それから国、それから関係市町村、森林組合等
を交えまして、旧避難指示区域等における森林・林業再生検討会を実施してございます。
これによって、間もなくそちらの方向性も出されると思ってございます。それらの知見を
踏まえまして、田村市で今後、独自に森林の除染実証をするかどうかについては、検討し
てまいりたいと考えております。
○議長(長谷川元行)
半谷理孝君。
-73-
○15番(半谷理孝)
国の話を一方的に聞くよりは、こちらのほうから発信するということ
も重要かなと思いますので、検討をいただきたいと思います。
今回通告はしておりませんでしたが、河川に堆積した泥とか砂とか、そういったものも、
市内各地で川の草刈り等をしている場合、何かお荷物になっているというようなお話も聞
いておりますので、あわせて検討いただきたいというふうに思います。
次に移ります。UDCTについてお尋ねいたします。
業務の内容、契約の期間、支払われた予算の総額及び成果について報告を求め、いつま
で継続されるのか、伺います。
○議長(長谷川元行)
○総務部長(渡辺清徳)
当局の答弁を求めます。渡辺総務部長。
UDCTについての御質問にお答えいたします。
UDCT田村地域デザインセンターの業務内容につきましては、平成19年度に船引町で
の「田村市中心市街地のまちづくりに対する基本方針」の策定を皮切りに、滝根町、大越
町、都路町及び常葉町の地域住民を主体としたまちづくりの基本方針などを策定し、社会
実験による検証を通じて地域住民みずからが参画するまちづくり組織が各地域に設立され
活動しております。
契約の期間につきましては、毎年単年度の契約となっており、平成26年度までの決算額
と平成27年度予算額の9年間の総額は1億8,780万円であります。
このほか、本年度は、復興庁の「新しい東北先導モデル事業」を活用し、1,000万円の事
業費で、神俣駅周辺を中心としたまちづくり構想の検討や、(仮称)田村中央スマートイ
ンターチェンジを拠点とした地域振興のための拠点化構想の協議を進めております。
成果につきましては、船引地域では、「船引まちづくり協議会」が設立され、船引駅前
周辺のにぎわい創出を目指した「田村の五月祭」、「駅前通りイルミネーション」、「栄
町つるし雛まつり」など、一年を通した活動が定着しております。
滝根地域では、「菅谷まちづくり実行委員会」が設立され、「菅谷駅のトイレ改修やイ
ルミネーション設置」、「分水界モニュメントの作成」などが実現いたしました。
大越地域では、「大越まちづくり協議会」が設立され、「旧大越娯楽場の活用」、「ふ
れあいウオーキング」、「秋の三世代交流会」などが恒例行事として地域に浸透しつつあ
ります。
都路地域では、「都路町まちづくり協議会」が設立され、都路町住生活基本構想の実現
に向けて取り組んでおります。
-74-
常葉地域では、「かえる未来ときわ実行委員会」が設立され、交流拠点である「ハイリ
ャンセ」が各種団体のサークル活動や講習会などに利用されております。
これらのまちづくり活動の成果が目に見える形となってあらわれるまでには、まだ時間
を要するものと思われますが、市民が主体的にまちづくりに取り組む意識が醸成されつつ
あることが、UDCTのこれまでの成果であると認識しております。
継続の期間につきましては、平成19年の設立から来年度で10年目の節目となることから、
昨年来、数次にわたり市の関係課と東京大学とで打ち合わせを行い、今後のまちづくりの
進め方や、UDCTの今後の存続を含めたあり方について協議を進めてまいりました。
市民が自立して運営していくためのかかわり方を協議する中で、まちづくりの中間支援
組織としての機能を含めた法人化をはじめ、自主財源の確保や民間資金を最大限に活用し
た取り組みなど、いつまでもUDCTに依存しない持続可能な市民主体の実践組織として
いくことが重要との意見を共有いたしましたので、来年度中に、その終期も含めて、あり
方を判断してまいりたいと考えております。
○議長(長谷川元行)
○15番(半谷理孝)
半谷理孝君。
このUDCTについては、費用対効果も含め、その存在についても市
民の間では余り知られていないんですね。ですから、成果等についても、何らかの形で市
民に公表というんですか、お示しをいただければいいのかなというふうに思います。
次に移ります。中心市街地の整備について2項目お尋ねをいたします。
1つには、288号国道及び349号国道のうち、船引市街地の区間における交通渋滞、歩行
者の安全及び景観について整備をする計画があれば、伺いたいと思います。
2つとして、本庁舎周辺に整備された公用車専用駐車場を買い物などで市民が使用した
場合の対応、または罰則規定等についてお尋ねをいたします。
○議長(長谷川元行)
○市長(冨塚宥苙)
当局の答弁を求めます。冨塚市長。
中心市街地の整備についての御質問にお答えいたします。
初めに、国道288号及び349号のうち船引市街地の区間における交通渋滞、歩行者の安全、
景観について整備する計画について申し上げます。
交通渋滞や歩行者の安全、景観整備についての具体的な計画はありませんが、田村市総
合計画後期基本計画の基本方針である「快適な生活環境の整備」の中に、道路・交通ネッ
トワークの整備が示されております。
具体的には、交通渋滞の解消に効果的な施策として、国道288号と349号の整備促進の関
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係機関への積極的な働きかけと、主要な市道の整備の推進を掲げ、現在、国道288号船引バ
イパス第2工区と、それに接続する市道の整備が進められております。
また、歩行者の安全確保につきましては、通学路や市街地・集落内道路の歩道整備とバ
リアフリー化を進めることとしており、船引中心市街地内の国道288号では、平成21年から
平成24年までに、「安心・安全なまちづくり事業」により、歩道への安全柵、ガードパイ
プを設置し、歩行者の安全確保を図っております。
景観につきましては、現時点では景観に特化した計画はありませんが、田村市総合計画
実施計画の見直し機会等を捉え、地域の特色を生かした景観づくりの仕組みの構築を検討
してまいります。
次に、公用車駐車場の対応について申し上げます。
本庁舎敷地内の駐車台数に限りがあるため、市役所に隣接する市有地を活用して、商工
会入り口の第1駐車場に22台、駅前通りに面した第2駐車場に14台の2カ所、計36台の公
用車駐車場を確保しております。
公用車駐車場は、空きスペースがないことと出入りが多いことから、指定車両に限定し
ているため、開放はしておりません。
指定車両以外の駐車があった場合には、口頭もしくは文書等により御理解いただいてお
り、特に罰則規定等は設けておりません。
○議長(長谷川元行)
○15番(半谷理孝)
半谷理孝君。
再質問ではありませんが、特に外部から田村市に入ってくる皆さんか
らの声なんですが、駅のほうには入っていかないで、まちを通過するんですね。288号線な
んかは特に田村市のメーンストリートっぽい印象を与えてるのかなというふうに感じてお
りますので、ぜひ検討いただきたいというふうに思います。
それから、駐車場の件、これは市民から電話なんかをいただいたりしたんですが、少し
は、5分、10分程度、空きスペースがあった場合、その辺はやっぱり黙認をいただければ
ありがたいなというふうに思うんですが、よろしくお願い申し上げます。
次に移ります。拡大する荒廃農地について。
荒廃農地の実態について報告を求め、将来の利活用案があれば伺います。
また、植林やソーラー発電など用途外の需要も考えられるところでありますが、対応を
伺います。
○議長(長谷川元行)
当局の答弁を求めます。村上農業委員会会長。
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○農業委員会会長(村上好徳)
15番、半谷理孝議員の拡大する荒廃農地についての御質問
にお答えいたします。
初めに、荒廃農地の実態と将来の利活用について申し上げます。
人口の減少や高齢化の進行とともに、農業従事者の高齢化に伴う離農等による農地の荒
廃や、担い手不足による生産基盤の脆弱化が急速に進行しております。
世界農林業センサスによれば、田村市の耕作放棄地は、2010年には1,399ヘクタールであ
りましたが、2015年には2,002ヘクタールとなり、5年の間に603ヘクタール増加をしてお
ります。農地保全の観点からも大変懸念をしております。
農業委員会といたしましても、農地利用の最適化を図るために、担い手への農地利用の
集積と集約化、荒廃農地の発生防止と解消、新規参入の促進を重点目標に、来年度から対
象地区を選定をしまして、段階的に調査をしてまいります。
具体的には、市内の農地の利用状況調査を行い、「1年以上耕作されておらず、今後も
耕作される見込みのない農地」や、「周辺地域の農地と比較して利用の程度が著しく劣っ
ている農地」等の所有者に対しまして、「みずから耕作するか」、「中間管理事業を利用
するか」、「誰かに貸し付けるか」等の意向調査を行い、荒廃農地の解消に向けて農地流
動化の支援を行ってまいります。
次に、植林やソーラー発電等、用途外需要への対応について申し上げます。
農地を農地以外に利用するには、農業振興地域整備計画の農用地であれば、農業振興地
域からの除外と、農地法に基づく農地転用の許可を得る必要があり、植林については、周
辺農地に日照不足等の影響を及ぼさない限り転用が見込まれます。太陽光発電については、
農業振興地域及び第1種農地の優良農地については転用が認められませんので、第2種農
地と第3種農地について申請受付を行っております。
本年度は、植林への転用が4件、太陽光発電への転用が5件あり、いずれも農地法の基
準に基づき県知事に進達を行い、転用許可を得ております。
○議長(長谷川元行)
○15番(半谷理孝)
半谷理孝君。
再質問ではありませんが、農業生産が盛りのころですか、山なんかを
畑にしたりして農地を増やしてきたわけであります。その利用をする必要がなくなったと
いうことであれば、山林に戻すなり、あるいは福島県の場合には、特に原子力災害等を経
験しておりますから、再生可能エネルギーなんていうようなこともありますから、ぜひそ
ういった農業以外の活用にも神経を使っていただきたいというふうに思います。
-77-
次に移ります。動物愛護について2項目お尋ねをいたします。
市における犬や猫の殺処分の件数について報告を求め、避妊や去勢の実態を伺います。
2つとして、避妊等の費用の支援、または協力医との契約による費用軽減をサポートす
る考えがないのかについてお尋ねをいたします。
○議長(長谷川元行)
○市民部長(七海
当局の答弁を求めます。七海市民部長。
茂)
動物愛護についての御質問にお答えいたします。
初めに、市内の犬や猫の殺処分件数及び避妊や去勢の実態について申し上げます。
市内で捕獲された犬や猫につきましては、市が一時的に預かった上で、福島県県中保健
所に収容し、抑留期限が過ぎても飼い主や新たな飼い主があらわれない場合には、殺処分
することとなります。
本年度、殺処分された件数は、1月末現在で犬が35頭、猫は20頭であります。また、犬
猫の避妊や去勢の実態につきましては、飼い主が獣医師を通じて直接行っているため、現
在のところ把握はいたしておりません。
次に、避妊手術等の費用に係る支援について申し上げます。
飼い主には適切な飼育を行う義務があり、その責任において避妊手術等を行うべきもの
と考えますが、福島県獣医師会では、県内の保健所から譲渡を受けた犬猫を対象に「譲渡
犬猫愛護支援事業」を実施し、不妊や去勢手術等の助成を行っておりますので、この状況
を踏まえながら、事業の必要性について検討してまいりたいと考えております。
○議長(長谷川元行)
○15番(半谷理孝)
半谷理孝君の再質問を許します。
我々も、捨て犬、捨て猫、非常に迷惑をこうむることがあるわけであ
ります。そんな中、市では55頭ですか、報告いただきましたが、福島県全体だと、3,054匹
ということになっております。
それで、千葉県の四街道市の実態なんですが、1頭当たり3,000円、去勢なんかに補助金
を出してるんですね。調査をしたところ、その四街道ばかりでなくて、関東地方の場合は、
ほとんどの自治体がこういう動物愛護というようなことに神経を使っておいでになるとい
うことであります。
この四街道市の場合、畜犬登録というのは5,180頭、その中で避妊及び去勢の件数が平成
25年325、平成26年336、平成27年300、そして平成28年ですか、ちょっと経費がかかったり
するということで200頭分に限定するというようなことでありますが、ちょっと計算してみ
ますと、300で計算しても6%なんですね。登録されている犬の6%がそういった補助金を
-78-
受けているというようなことになります。
さらには、通常、獣医師さんによって値段が違うらしいんですが、1頭当たり3万円か
ら4万円ぐらいかかるというお話でありますが、そういった経費を軽減するために、行政
がそういった獣医師さんと、組合があれば組合でもいいんですが、お話をし、行政が窓口
になった場合このぐらいにしてくれませんかという、2割引きとか、そういうサービスを
行っているという自治体もあるそうです。
そういったことを参考に、これから先、定住促進なんかも進めなければならないわけで
ありますので、田村市というのは本当にいいことをやってるんだというようなイメージア
ップにもつながっていくのかなというふうに考えますので、前向きな検討をされるお考え
があるのかどうか、その辺について答弁をいただきたいと思います。
○議長(長谷川元行)
○市民部長(七海
当局の答弁を求めます。七海市民部長。
茂)
再質問にお答えいたします。
積極的な導入を検討というおただしでございますけれども、御質問の趣旨は十分御理解
させていただきますが、動物の愛護及び管理に関する法律、いわゆる動物愛護法では、所
有者の責務は当然掲げておりますが、その中でも犬及び猫の繁殖制限というものを掲げて
おりまして、みだりに繁殖しないための生殖を不能とする手術等の措置を講じるよう努め
なければならないということを明確にうたっております。
ただ、これまで、それらの皆さんの、ただ単に動物が好きだ、あるいはかわいいから飼
うという認識に加えて、そういう制限も加わってるんだよという周知がまだされてなかっ
たのも事実でございますので、この法律の趣旨に沿った指導の徹底も行いながら、先ほど
申し上げたように、獣医師会の支援事業の活用状況も踏まえながら検討してまいりたいと
考えております。
○議長(長谷川元行)
○15番(半谷理孝)
半谷理孝君。
田村市の場合は、先ほどの報告によれば50頭ということでありまして、
例えば関東圏の自治体並みに住民サービスを行ったとしても、15万円ですね。ですから、
その15万円で市のイメージがアップするというふうに考えれば、そんなに高いお値段では
ないのかなというふうに考えるところでございます。
私の質問は以上で終わりますが、合併、そして大きな震災等、退職される職員の皆さん
と一緒にお時間を共有できたことについて感謝を申し上げ、質問を終りといたします。あ
りがとうございました。
-79-
○議長(長谷川元行)
これにて、15番半谷理孝君の質問を終結します。
ここで昼食のため暫時休憩いたします。再開は午後1時といたします。
午前11時54分
休憩
癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩
午後
○議長(長谷川元行)
0時59分
再開
休憩前に引き続き会議を再開します。
次の質問者、2番安瀬信一君の発言を許します。2番安瀬信一君。
(2番
○2番(安瀬信一)
安瀬信一
登壇)
2番、安瀬信一であります。議長の発言を許可いただきましたので、
さきの通告のとおり、移住者対策について3点、福祉避難所について3点、子どもの貧困
対策について4点、3項目10点について、通告の順に従って質問をさせていただきます。
まず、1項目めでございます。移住者対策についてでありますが、県は平成28年度、県
外からの移住者促進対策を強化するとしており、移住者向けの廃校を利用した交流拠点整
備には、補助制度が新設され、県内市町村の廃校、古民家など、短期の滞在や貸事務所用
途のための改修補助について、国から交付の地方創生交付金を活用し、補助率は事業費の
4分の3で補助、上限2,500万円程度で調整するとしており、年間で3カ所から5カ所での
拠点整備を進め、平成31年までに20カ所まで広める計画であります。
当面は、中山間地の多い県南、県中、会津を中心に取り組む方針といたしております。
高齢化と東日本大震災、原発事故の影響で、県の人口は戦後最少となり、県外からの移
住者を呼び込む考えであります。
そのためには、働く場と住居の安定確保や、農業法人や民間企業などの就業先とあわせ
て、市町村で求める人材を把握し、仕事を持った移住者の受け入れを進め、県内からの呼
び込みを行い、人口増につなげるとしております。
これは、田村市におきましても同等の現象であります。自然減、震災減を含む社会減に
より、平成27年度は10年前よりも6,433人の減少、そして、これから未来10年後6,334人の
減少というふうに田村市の人口ビジョンで試算をされております。
田村市の地域創生総合戦略で掲げる「まち・ひと・しごと・創生」の好循環の確立とい
う基本的な考え方、そして、産業振興戦略、定住雇用戦略、少子化子育て戦略の3本の柱
から来る転出人口の削減、出生向上を図り、人口増に導くということは、平成52年度の目
標人口3万3,000人という目標をぜひ達成したいというふうに考えております。
-80-
今申し上げましたような県の事業、移住者は県の事業ではありますが、この田村市が抱
える問題と大変共通点があります。この事業は利用させていただけるという観点から質問
をさせていただきます。
県の抱えておりますこの交流拠点整備計画及び市内における働く場としての兼業先と住
居など、情報発信等の計画について伺います。
2点目であります。県の考えでは、移住者促進には基幹産業の農業従事者を増やすこと
が必要として掲げていますが、市内において新規就農者を含む移住者の安定的な生活まで
の支援について伺います。
3点目になります。移住者がさまざまな候補地の中からこの田村市に移住をするという
ふうに決断をするに当たり、意思決定をするまでにはコーディネートがあり仲人が必要と
思います。この移住者希望者とのマッチングについて伺います。
以上、3点を伺います。
○議長(長谷川元行)
当局の答弁を求めます。渡辺総務部長。
○総務部長(渡辺清徳)
2番、安瀬信一議員の移住対策についての御質問にお答えいたし
ます。
初めに、交流拠点の整備計画、働く場としての兼業先及び住居などの情報発信等の計画
について申し上げます。
交流拠点整備につきましては、現時点では予定しておりませんが、田村市地域創生総合
戦略に盛り込んだグリーン・ツーリズムを活用した田村市での体験を通した交流人口の拡
大や、若者や女性の起業を支援し、新たな地域ビジネスの創出を目指すなど、短期の滞在
施設や貸オフィスなど交流拠点としての空き家の有効利用を検討してまいりたいと考えて
おります。
働く場としての兼業先につきましては、働く場と住居の安定的な確保が課題となってお
りますことから、新規就農や企業誘致、既存企業の雇用拡大への支援など、福島県や関係
機関と連携して推進することとしております。
住居などの情報発信計画につきましては、今月から空き家及び空き地などの売却や賃貸
情報を、空き家・空き地情報バンクとして、市ホームページで発信を開始しており、この
情報バンクを最大限に活用し運用してまいりたいと考えております。
次に、市の新規就農者を含む移住者の生活安定までの支援について申し上げます。
新規に就農を希望される方につきましては、住居や生活資金に加え、就農前の技術の習
-81-
得や経営に当たって農地や農機具・施設の確保が必要となります。特にIターンは、U
ターンより多くの資金が必要なことから、さらに特段の支援が必要であると考えておりま
す。
市では、就農前のチャレンジ体験も必要と考え、就農前の住居、研修の場を準備、事前
に研修を受けていただく体制をつくることも視野に、研修から就農までを支援する体制づ
くりや就農後の経営安定や定着を促す支援を充実し、就農希望者の不安を軽減させること
が必要と考えております。
田村農業改良普及所やJAなどの関係機関団体と連携し、ワンストップ相談窓口を設け
るとともに、各種制度を活用し、支援に努めてまいります。
次に、移住希望者とのマッチング体制につきましては、空き家・空き地情報バンク制度
と田村市地域創生総合戦略などの各種施策を発信するパンフレットを活用して、首都圏の
「ふるさと回帰支援センター」や「総務省
移住・交流情報ガーデン」などでPRに努め
るとともに、「ふるさと回帰フェア」などの相談会で移住希望者個々の相談に応じる体制
を構築し、情報を提供することにより定住の促進を図ってまいりたいと考えております。
○議長(長谷川元行)
○2番(安瀬信一)
安瀬信一君の再質問を許します。
このマッチングについては、いろんな形でのマッチングをいたしてい
ただければ大変ありがたいというところでありますが、この農業従事者を増やすというこ
との考え方からして、Iターン、Uターン、この2つの支援、IターンはUターンよりも
余計お金がかかるということでございます。
そして、農業を体験しながら改めてチャレンジしたいというような方がおって、この田
村市に住んでいただくと、そうなったときに、農業で生活をするというのは、そう簡単な
ものではありません。始まってから何年もかかってきちんとした収益があるような形にな
ろうと思います。
それまでの支援も必要なんですが、このはじめの方で出てきます「兼業先」という言葉
があるんですが、農業を始めて、農業だけで生活が難しい、そういったときに、その兼業
を、仕事ということになります。これは民間の事業ということにおおむねなろうかと思い
ますが、農業をしながら、実を言うと民間の企業に仕事を一緒にするというのはなかなか
難しいものがあります。
そういった中で、例えばですが、農業法人ですとか、直接自分がやっている仕事に関連
した形での兼業ができるような主体、そういったもののバックアップ体制、そういったも
-82-
のを準備しながら方法的にできないものかどうか、検討があるかどうかにつきましてもお
答えいただきたいと思います。
○議長(長谷川元行)
○産業部長(赤石沢
当局の答弁を求めます。赤石沢産業部長。
晶)
再質問にお答えいたします。
兼業先について、民間企業、あるいは法人とかの関連企業とのバックアップ体制につい
てということでございますが、当然、農業関連法人との関連企業への就職とのマッチング
について、当然体制はあるべきだと考えています。
なお、これまで平成21年から新規就農者として手続きがとられております市内の就農者
は、27年度現在、ただいま15名いらっしゃいます。そのうち、これまでも支援してまいり
ました新規就農者に対する補助、これを利用された方は2名ございます。それらも含めて
今後、拡充していきたいというふうに考えております。
○議長(長谷川元行)
○2番(安瀬信一)
安瀬信一君。
ありがとうございます。田村市が掲げるこれらの人口ビジョン、人口
増へつなげるには、さまざまな施策が必要なんだろうと思います。よそから人を呼び込む
ということは、奪ってくるというようなイメージはあるわけですが、人口流出以上に人を
呼び込むということは、いろんな施策の中でそういったこともしなくてはいけないのかと
思います。
そういった中で、地方の産業としては、農業が基幹産業でございます。就農者が増えて
いただいて、農地利用も増えて、人口も増えればなおありがたいところでございます。当
局にはさらなる努力をお願いして終わります。
それでは、続けて2つ目の項目に移ります。
田村市内に指定された福祉避難所について伺います。
切迫した災害の危険から逃げるための避難所と、災害により家に戻ることができなくな
った住民が、避難生活を送るための避難所があり、これは明確に区別されていなかったた
め、東日本大震災の津波被害拡大の大きな要因だったということから区別されたものでご
ざいます。
緊急避難所と指定避難所が明確になりました。そして、福祉避難所は災害対策基本法及
び災害救助法により市長が設置するものと認識しておりますが、東日本大震災原発事故に
伴い、災害福祉避難所の重要性は、当市においても大変重要なものと改めて認識をしたと
ころであります。
-83-
災害発生時の避難において、高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児など、一般的避難所では
生活に支障を来す弱者のため、二次的な避難所が必要とのことから、災害福祉避難所の指
定が進み、県内自治体の7割が福祉避難所を指定しております。
福祉避難所は、指定避難所と違い、避難弱者を滞在させる場所であり、指定するにはさ
まざまな要件があります。そして、それを全てクリアするには大変ハードルが高いと見受
けられます。
そのような中で指定されたこの田村市の福祉避難所の箇所と、その選定の経緯について
伺います。
2点目になります。市の福祉避難所の指定には、日本赤十字のガイドラインがモデルに
なっていると思われますが、要支援者の受け入れには買い物用品や薬品、衛生用品、また、
複数の車椅子、携帯トイレなど、多種に及ぶ備品、また、飲料水を含む物資の準備が必要
と思いますが、備品・物資の備蓄の対応について伺います。
3点目になります。市民には、避難所と福祉避難所の区別が認識されておらず、福祉避
難所とは何かさえ、そのものを知らない市民も多いですが、内容やサービスということを
含め、いざというとき支援を必要とする方が生活弱者、そして、介護者への周知について
伺います。
以上、3点を伺います。
○議長(長谷川元行)
当局の答弁を求めます。大和田保健福祉部長。
○保健福祉部長兼福祉事務所長(大和田益弘)
福祉避難所についての御質問にお答えいた
します。
初めに、田村市内指定福祉避難所の箇所及び選定の経緯について申し上げます。
県は、東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、災害発生時等に
一般避難所での生活が困難な高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児などの特別な配慮を必要と
する要配慮者を受け入れる福祉避難所の指定を、平成26年度末までに全市町村において
1カ所以上指定することを求めました。
田村市では、平成26年4月に耐震、耐火構造の建築物であること、施設内における要配
慮者の安全性が確保できるバリアフリー構造であること、避難スペースとして一定の面積
が確保されていることなどの要件を満たす施設を、福祉避難所として滝根町3カ所、大越
町2カ所、都路町1カ所、常葉町3カ所、船引町3カ所の合計12カ所を指定いたしました。
次に、要支援者受け入れのための備品や物資の備蓄について申し上げます。
-84-
福祉避難所の備品や物資の備蓄につきましては、県が平成25年12月に策定しました「福
島県福祉避難所指定・運営ガイドライン」を参考にしながら、現在、市が策定準備を進め
ております災害発生時の避難に際して支援を必要とする高齢者や障害者等への支援体制を
確立するための「田村市災害時避難行動要支援者支援プラン」、この中で、平常時に必要
な物資・器材の備蓄や災害時に必要となる物資・器材等の確保について検討してまいりま
す。
次に、福祉避難所の周知について申し上げます。
市は、緊急避難所として、田村市防災マップや市ホームページで周知をしておりますが、
福祉避難所であることの区分が明記されておりませんので、今後、市のホームページや、
たむら市政だよりを通じて、わかりやすい方法で周知を図ってまいります。
○議長(長谷川元行)
○2番(安瀬信一)
安瀬信一君の再質問を許します。
田村市の指定された福祉避難所、各地区にあるということでございま
す。そして、その箇所が選定された理由についても今お答えをいただきました。そういっ
た中には、耐震ですとか、安全性、バリアフリーですとか、一定の面積ですとか、さまざ
まな要件などをクリアしながら指定されたものというふうに認識をしているところでござ
います。
しかしながら、その場所が指定されましたが、いざ、例えば支援が必要な方がそこに避
難をするといったときのことを想定しながらお話をさせていただければ、そこに避難する
支援を必要な人の中には、例えば薬が必要な方もおろうと思います。
そして、中には酸素ボンベなんかも欲しい人がいるかと思います。そういった方がそう
いうとこに避難をした場合には、なかなか困難な生活が送ることが余儀なくされると思い
ます。
そういった中ですが、例えば、事例での話になりますが、全国の中では指定避難所を指
定しながら、そして、さらなる追加的な指定という形をとりながら、例えば医療機関を利
用したような、例えば特養の施設ですとか、特老の施設、ちょっと大きめの規模のものを
想定すると思いますが、そういうところを指定していくところがございます。
確かにそういったところを利用することにより、大きい支援が必要な方にとっては、近
くにそういうものがあったり、そこにできれば一番ありがたいということでございますが、
この田村市においても各地区全部にあるわけではありませんが、一部のエリアにはそうい
う施設もあろうかと思います。
-85-
そういう施設をこれから追加的な指定という形で指定していくような考えがあるのかど
うか、これには、恐らく民間企業でございますから、大変な協議が必要になろうかと思い
ますが、もしそれができるということであれば、これから協議していきたいので伺います。
そして、今、各地区にそういった指定避難所が指定されたということでございますが、
その地区その地区に、例えばどのような支援が必要な人がいるのか、それが何人いるのか、
そういったことの情報の収集ですとか、例えばバックアップ体制、恐らく長年のうちには
亡くなる方もおったり、そして、新たに出てきたりするかと思いますので、そういった情
報のバックアップの体制、そして、あちこちに指定避難所ができますから、そうなったと
きには、避難したときには、今度支援というか、サービスをする方といったほうがいいん
ですか、そういったことの手配ですとか、そういったことはどういうふうに考えているの
か、わかるところ、考えているところがありましたら、答弁をいただきたいと思います。
○議長(長谷川元行)
当局の答弁を求めます。大和田保健福祉部長。
○保健福祉部長兼福祉事務所長(大和田益弘)
再質問にお答えいたします。
まず、1点目の薬を常用する方、あるいは酸素ボンベを必要とする方等とのいわゆる医
療を必要をするような要配慮者の方が福祉避難所に収容される場合、福祉避難所だけで十
分な対応ができない場合の特養、あるいは医療機関との連携とのおただしだと思いますが、
先ほど申し上げました災害時避難行動要支援者支援プランの中では、福祉避難所のほかに
おただしのような老人福祉施設等との連携についても協議するように求めておりますので、
この新プラン策定の中で関係機関と協議をしながら体制を整えていきたいと考えておりま
す。
それから、地区ごとの要配慮者の把握、それから、その方々に対する個々のバックアッ
プ体制につきましても、同じようにこの避難支援プランの中で、まずは一定程度要件、い
わゆる身体障害者手帳の保持者であるとか、ひとり暮らしの老人、あるいは老人のみの世
帯であるとか、そういった要配慮者リストというものをまずリストアップいたします。
それをもとに、対象となる方々に民生委員等との方々の御協力を得ながら、具体的に
「こういった支援プランの中での支援を希望しますか」という意思の確認、それから、そ
の方が、家族との同居であっても日中は1人になるというような場合もございますので、
そういった個々への対応、生活対応も加味しながら、どういった支援体制が組めるかとい
うことについて検討をしてまいる考えであります。
ただ、具体的には、一人一人の支援、誰がその方を、例えば福祉避難所まで誘導をする
-86-
のかというところまで踏み込んで検討をいたしますと、例えば、日中は1人だけども、夜
間であれば同居の家族がいる、あと、週末であれば同居の家族がいると、個人一人一人の
要配慮者についても24時間、1週間、そういった中では置かれている立場が変わってきま
すので、なかなか具体的に細かいところまでの体制整備は、実際に県と進めていく中で障
害にぶつかってくると思いますので、そこは最大公約数的なものにとどまるかとは思いま
すが、極力その方々が日ごろ心配のない日常生活が送れるような体制を組んでいきたいと
考えております。
○議長(長谷川元行)
○2番(安瀬信一)
安瀬信一君の再々質問を許します。
今の答弁をいただきました内容のことについてなんですが、この福祉
のサービス、人材の確保等、関係についてということになりますが、支援をしてほし方に
ついて、この福祉サービスをする方がいるわけですが、例えば日中は、今、家族の方がお
るときというようないろいろな事例を言われました。
その支援を受けたい人と支援をしなくてはいけない人がいるわけですが、この福祉避難
所というのは、支援をするのは、これは家族も含めてですが、そういった方が一緒に生活
をするような場所であり、そのスタイルというふうに考えてよろしいのかどうか、そうい
うことも含めて周知がされているのかどうかについてお尋ねいたします。
○議長(長谷川元行)
当局の答弁を求めます。大和田保健福祉部長。
○保健福祉部長兼福祉事務所長(大和田益弘)
再々質問にお答えいたします。
福祉避難所に避難をする際に、当然介護を必要とする要配慮者の方が大半でありますの
で、その方々が、第三者の方ではなくて、家族と一緒に避難するという場合には、その介
護する家族の方も福祉避難所に避難していただくようになります。
それから、そういった体制ですよという周知については、先ほど申し上げましたように、
まず、田村市の福祉避難所がどこに何カ所あってということまで明確に市民の方々にお知
らせしておりませんので、今後、避難所の位置等についてお知らせするとともに、実際に
福祉避難所に、災害発生時に、福祉避難所に入らなくてはならない、対象となる方々につ
いては、家族も含めて個別具体的にお知らせして周知をはかっていく必要があると認識し
ております。
○議長(長谷川元行)
○2番(安瀬信一)
安瀬信一君。
福祉避難所については指定していただきました。そして、この施設は
利用をされないということが一番でありますが、いざ使用をしなくてはいけなくなったと
-87-
きに限り、万全の体制の中で計画を立てていただければというふうに思っております。
それでは、続きまして、3項目めに移ります。子どもの貧困対策について伺います。
平成25年6月に子ども貧困対策の推進に関する法律が国会で成立しまして、26年1月よ
り施行、8月には子ども貧困対策大綱が閣議決定をいたしました。この短い期間の中で法
律が制定され、大綱の閣議決定をするには、この問題というのは既に社会問題化している
というふうに考えなくてはいけません。
全国で子ども貧困の問題が重視され、この現象のタイムラグをもって、今後、この地方
においても大きな問題になることは間違いないというふうに思われます。
貧困状態にあると想定すれば、子どもについては、いじめですとか、それに伴ってさま
ざまな不利を与えるばかりではなく、社会的に孤立して、必要な支援を受けられず、一層
困難な状況に置かれることが明確であります。
また、子ども貧困家庭は、生活保護世帯であることも想定し、義務教育支援、また、社
会的にも高等学校の就学率も高くなっているということも加味しますと、高等学校、専修
学校などへの就学、そして、貧困を理由とした中退は防ぐべく行政が大いにかかわらなく
てはいけないというふうに考えます。
全国のデータでは、日本の子ども貧困率は16.3%、うちひとり親家庭の子ども貧困率は
56.6%と、2人に1人は貧困というデータでございます。そのひとり親家庭の貧困率が重
大というふうに考えるところであります。
そして、関東圏を含む中央と地方では、収入も異なれば物価も、その生活水準も異なっ
てきます。田村市における子どもの貧困にあるという状態と判断する基準について伺いま
す。
2点目になります。少子化が進む中、日本の子ども6人に1人が子どもの貧困であると
いうデータでの発表でありますが、田村市の子どもの貧困の実態、例えば、わかれば人数、
世帯数を伺います。
3点目になります。子ども貧困状態にあると判断する個人に対し、どのような支援がで
きるのか、田村市として、また、今後計画があれば伺います。
4点目になります。貧困の連鎖を防ぐためには、教育が必要と思われます。日本は教育
にお金がかかる国ゆえ、保護者が裕福だと子どもの学力も高く、収入が低いと学力が低い
という傾向が出ております。そして、子どもへの虐待があった家庭のうち、生活保護、所
得税非課税の低所得世帯で65%というふうに出しております。
-88-
子どもたちの生まれ育った環境がそのままブラック連鎖させないためにも、教育は欠か
せないものと思われますが、市の貧困家庭と、子ども貧困状態と思わる子どもへの教育の
支援について伺います。
以上、4点についてお尋ねいたします。
○議長(長谷川元行)
○市長(冨塚宥苙)
当局の答弁を求めます。冨塚市長。
子どもの貧困対策についての御質問にお答えいたします。
初めに、田村市の子ども貧困と判断する基準について申し上げます。
子どもの貧困対策の推進に関しましては、子どもの将来が生まれ育った環境によって左
右されないよう、すこやかに育成される環境を整備し、教育の機会均等を図るため、平成
25年6月に制定された「子どもの貧困対策の推進に関する法律」に基づき、翌年、貧困対
策の基本的な方針や指標、改善施策等、具体的な取り組みを示した「子供の貧困対策に関
する大綱」が示されたところであります。
法令では、貧困の定義を等価可処分所得の中央値の半分に満たない所得の世帯に属する
18歳未満の子どもと規定しております。具体的には、大綱で示された生活保護世帯の子ど
もの高校進学率や、ひとり親家庭の進学率・就職率、親の就職率など13の指標をそれぞれ
の地域の実情やニーズ等を把握して判断の基準とするよう通知されております。
今後、県が策定する貧困対策計画や実態把握調査等に基づき、福島県の地域性等を反映
した判断基準が示される見込みであり、田村市といたしましても福祉・教育・保健・労政
など、関係部署の調査・連携により、田村市としての基準を示してまいりたいと考えてお
ります。
次に、田村市の貧困と思われる子どもの人数について申し上げます。
ただいま申し上げましたように、現在のところ子どもの貧困と判断する基準がございま
せんので、その実数は把握いたしておりません。
また、メディアで報じられております子どもの貧困率16.3%、6人に1人を貧困と推計
した平成24年の国民生活基礎調査は、田村市は調査対象となっておりませんでしたので、
調査値からの推計も行うことができません。
次に、子どもの貧困状態の支援について申し上げます。
これまでも生活保護や就学援助のほか、経済力が厳しいとされているひとり親世帯への
児童扶養手当の支給や医療費助成、保護者の資格取得を援助する自立支援給付金、保育
所・幼稚園保育料の無償化や多子世帯への減免などの経済的支援、また、精神的な支援と
-89-
しては民生・児童委員や家庭児童相談員、スクールカウンセラーやスクールソーシャル
ワーカーによる相談支援に加え、本年度からは生活困窮者自立支援事業にも取り組み、生
活支援や就労支援も実施しているところであります。
子供の貧困対策に関する大綱では、これら従来からある支援を事業分野別に個々に支援
していくのではなく、関係機関相互の密接な連携のもと総合的な取り組みとして行わなけ
ればならないとしておりますことから、市といたしましても関連部署が一体となって、子
どもたちが夢と希望を持って成長していけるよう、教育支援、生活支援、保護者の就労支
援、経済支援を実施してまいります。
次に、貧困の連鎖を防ぐための教育の必要性と教育支援について申し上げます。
貧困の連鎖を防ぐためには、一人ひとりの社会的・職業的自立に向け、必要な基盤とな
る能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育が必要であると認識してお
ります。
各学校では、全ての子どもが確かな学力を身につけられるように、教員が授業改善に取
り組むとともに、学級生活満足度・学校生活意欲調査を小学校3年生以上に実施し、その
結果をもとに、一人ひとりが学習意欲を持ち、将来の夢を持つことにつながる自己肯定感
をはぐくむための指導に力を入れているところであります。
また、社会人として自立した人を育てる観点から、基本的な生活習慣を確立するととも
に、正しい勤労観を持ち、社会の一員として活躍することの大切さを理解して、人間関係
形成能力や将来設計能力が育てられるように、社会体験やボランティア活動、職業体験等
にも力を入れております。
今後さらに、一人一人のキャリア発達を促す教育に力を入れ、教育相談を実施しながら、
望ましい生活習慣・勤労観の形成に努めてまいります。
具体的な経済支援につきましては、市では、就学援助費交付要綱に基づき、低所得家庭
等に対して、学用品費、修学旅行費、学校給食費等の義務教育に必要な経費の一部を補助
しており、経済的な理由による高校や大学等での就学が困難な場合のために、奨学資金貸
付制度を設けております。
○議長(長谷川元行)
○2番(安瀬信一)
安瀬信一君。
御答弁ありがとうございます。この教育問題には、この田村市の未来
がかかっているというふうに考えます。子どもは、この田村市においても未来の宝でござ
います。市民一丸となって育てていかなくていけないというふうに感じています。
-90-
そして、この貧困データにある子どもという表現の中には、生活困窮者、そして、生活
保護をいただかなくてはいけない家庭ということが恐らく前提にあろうと思います。
市民の生活者の中には、例えば格好が悪いとか、それこそ社会的な批判を浴びるとか、
そういったことから生活保護を申請しないような家庭が、例えば事例としてこの家という
ふうにはなかなか申し上げられないところでありますが、そういったところもきちんと救
い上げて、これから子どもたちに影響が出ないように、ひとつ温かい心で御支援をいただ
ければというふうに思っております。
最後になりますが、田村市を本年度で退職される職員の皆様、長い間大変御苦労さまで
ございました。そして、お疲れさまでございました。私は議員として2年足らずのおつき
合いでございましたが、退職される皆様には今後とも田村市のために御指導をいただきな
がら、私どもも頑張っていきたいというふうに考えております。大変お疲れさまでした。
感謝とお礼を申し上げながら安瀬信一の一般質問を終わります。
○議長(長谷川元行)
これにて、2番安瀬信一君の質問を終結します。
ここで、暫時休憩いたします。再開は午後1時55分といたします。
午後1時42分
休憩
癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩
午後1時54分
○議長(長谷川元行)
再開
休憩前に引き続き、会議を再開します。
次の質問者、3番渡邉照雄君の発言を許します。3番渡邉照雄君。
(3番
○3番(渡邉照雄)
渡邉照雄
登壇)
3番、渡邉照雄でございます。
ただいま、議長のお許しを得ましたので通告に従い5項目10点について、順次質問いた
します。
1番、18歳選挙権についてであります。
昨年、6月19日に公布された改正選挙法の施行日は、1年後となる、本年、6月19日か
らとなり、夏の参議院選挙から適用されることになり、高校3年生も含めた18歳、19歳の
約240万人の若人が新たに有権者となります。
昭和20年以来の70年ぶりの参政権の拡大となり、マスコミ各紙も次のような18歳選挙権
の実現を歓迎しております。
政治参加の窓口を広げ、若い世代の声を政治により反映させる、大きな意義のある改革
-91-
であり、歓迎したい。これは朝日新聞でございます。
若者の政治参加が進んでいけば、政治のあり方を変える大きな力となり、高校生を含め
た十八、十九歳の若者が政党や候補者を吟味し、1票を投じる意味は決して小さくない。
これ毎日新聞でございます。
世界では、18歳以上の選挙権が圧倒的に主流、日本も遅ればせながら仲間入りをする。
全有権者の2%とはいえ、高校生らが選挙に参加することは、社会に重要な変化を及ぼす
可能性がある。これ読売。等々の論議を掲げております。
公明党は45年以上も前から18歳選挙権の実現を訴えてきました。その最大の目的は、各
紙がそろって期待を寄せている未来を担う若者の声を政治に反映させることにあります。
18歳選挙権の流れは、1969年、昭和44年4月に議会制民主主義発祥地であるイギリスが、
21歳以上を18歳以上に引き下げたのが皮切りとなり、次いで旧西ドイツ、アメリカ、フラ
ンス、イタリアと実現し、今日では、国会、国立図書館が調べたところの調査可能な199カ
国地域のうち、9割以上、176カ国地域が18歳以上で、18歳選挙権がもはや国会照準であり、
世界の照準となっているところであります。
18歳選挙権の実現は、日本の政治を活性化する突破口にしていけるかどうかはこれから
にかかっていると言われております。
そこで、共同通信社は6月の17日と18日の両日、インターネットを通じ、17歳、18歳を
対象に実施したアンケート調査によると、夏の参院選で投票に行くは、29.2%、行くつも
りだが、36.5%の数字が出ているが、実際に18歳、19歳の若者が投票所に足を運ばなけれ
ば選挙年齢を引き下げても投票に行かない有権者を増やすだけになってしまう。
では、どうすれば若者の政治参加意識を高めているのか、喫緊の課題では、学校現場に
おける主権者教育の充実にあると言われております。政治的中立性を確保する政治や、民
主主義における選挙の意義について、生きた学知をどう進めるかにかかっていると言われ
ております。
主権者教育について、松山大学の甲斐朋香主任教授は、学校の中で新たに主権者教育が
必要となるならば、地域の人材を活用するのもいい手だ。政治の役割の大切さは、政治家
だけでなく、福祉などの社会問題に携わるその話からも実感できると語られております。
田村市にも船引高校がありますが、7月までにはまだ時間がありますので、主権者教育
の観点からも実施すべきと考えます。このような観点から2点について伺います。
田村市において、6月19日時点での、十九、十八歳の有権者数は何名となるのでしょう。
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現時点では推定とはなると思いますが。
2番目に歴史的な18歳選挙権の行使達成に向け、田村市としてどのような支援方策を講
じるのか、現段階で実施しているものがありましたら紹介していただきたいと考えます。
よろしくお願いします。
○議長(長谷川元行)
当局の答弁を求めます。本田選挙管理委員会委員長。
○選挙管理委員会委員長(本田庫一)
3番、渡邉照雄議員の18歳選挙権についての御質問
にお答えいたします。
初めに、18歳及び19歳の有権者数について申し上げます。
本年1月末現在の年齢別人口のうち、満18歳が389人、満19歳が406人、合計795人であり
ますが、3カ月居住などの選挙人名簿登録要件による減少率を約10%として推計すると、
約700人と見込んでおります。
今後、選挙人名簿のシステム改修を行い、この夏の参議院議員選挙における選挙時登録
により新規有権者が決定されることとなります。
次に、市の支援策について申し上げます。
来月4日に船引高等学校で、2年生を対象に県選挙管理委員会と連携いたしまして模擬
選挙を行うことを予定しております。
引き続き、田村市明るい選挙推進協議会と連携を図り、若者の投票率向上のため、「声
かけ運動」など、適時適切な啓蒙活動を行ってまいります。
○議長(長谷川元行)
○3番(渡邉照雄)
渡邉照雄君。
今、回答をいただきまして模擬投票等についても出てありましたが、
改めてその主権者教育、そういったものについてはやらないということだと思います。こ
れからは、例えば選挙じゃなくて今700人とこういう話を耳にします。実際700人が政治に
参加して、田村市の議員の人数が変わる可能性もあるわけですね。そういう意味で、これ
から田村市のために頑張っていただきたいと、そういただけるような指導をよろしくお願
いしたいと思います。
次に、認知症について質問します。
国の推計では、認知症の高齢者が25年に最大730万人、5人に1人の割合と言われており
ます。
また、認知症は早期診断と対応が症状の軽減の面につながると言われております。その
ような観点から認知症の人のその家族、専門家、地域住民が集い、お茶やコーヒーを飲み
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ながらくつろぐ認知症カフェが全国で広がっています。
東京都品川区にある、きたいちカフェでは、飲み物代100円を支払い、コーヒーや紅茶な
どを味わいながらおしゃべりを楽しむ。きたいちカフェは、小規模多機能型居宅介護事業
おもてなしが運営に携わり、地元町内会の協力で、毎月第2、第4木曜日にカフェを開い
ております。
地元クリニックの医師のほか、育児中の母親や子供が集まり、医師から助言を聞いたり、
認知症の人が子供と触れ合ったりしているのを当カフェのスタッフはおもてなしの職員の
ほか、専門家や町内会のメンバー、在宅介護支援センターやこの職員などで構成されてい
るところでございます。
必要に応じて相談に乗り、医師、介護の橋渡しをしています。
おもてなしの管理責任者は本人や家族のいこいの場、また医療機関にかかっていない人
の早期受診、診断につながる、また晩婚化による出産年齢の上昇に加え、育児や介護を手
伝ってくれる兄弟、姉妹、親族の減少といった家族関係の変化や、子育ての忙しいときに
親の介護が重なる人が増えて、ダブルケアと呼ばれる状態が健在化してる。ある研究では
6歳未満の子を持つ母親の1割が介護にも携わっているとのデータがあり、共働き世帯で、
その負担は女性に集中しているとみられ、当事者からは誰に相談してよいのかわからない
といった悩みがよく聞かれるそうであります。
品川区では現在、NPO法人や、社会福祉法人など5団体が認知症カフェを運営し、精
力的に開催しています。認知症は誰にとっても無縁ではない。こうした活動は正しい理解
を深める役割を担っております。
田村市でも認知症カフェ等の導入の考えがあるかについて伺います。
次に、1年間に認知症が原因で行方不明になったとき、家族などから警察に届けられた
のは前年より461人多い、1万783人、2年連続で1万人を超えます。警視庁の担当者が届
け出は、以前1万人を超えており、うち168人は行方不明のままになっており、発見、保護
のために関係機関と連携を深めたいとしております。
山形県酒田市では、昨年の6月から、ITを活用した見守りシステムの実証実験を開始
しております。市町中心部の商店や公衆トイレなどに受信機を設置し、電波を発する小型
端末を持つ高齢者が前を通ると、一斉に位置情報をメールする仕組みになっています。
認知症高齢者の位置情報をサーバーに蓄積し、移動した方向を複数の受信機で割り出す。
データは機械的に処理し、個人情報漏れを防ぎます。また、小型端末は、ペンダント型
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などで4種類があり、1つ2,000円から5,000円程度、ボタン電池1個で最長2年作動し、
維持費も安く済みます。
市や警察に家族のメールアドレスを登録し、端末を連動させればすぐに利用できる、と
のことであります。
また、福島県内でも、会津美里町では、QRコードを使って認知症などで行方不明にな
った人の身元判明できる会津美里町かえるNETシステムの運用を行っています。
システムは、高齢者の安否確認、サービスなどを行っているアイネットが開発したもの
で、認知症高齢者の行方がわからなくなり、警察や消防などで保護された場合、服などに
貼りつけたQRコードを携帯電話で読み取る。アイネット緊急センターの電話番号と、そ
の人の認証番号が示されます。
緊急センターへ連絡すると、その人の名前と年齢、住所、連絡先が判明し、センターか
ら家族に連絡が入ります。
緊急センターは24時間対応です。
QRコードがあれば、認知症番号しかわからないため、利用者のプライバシーも守られ
る。
町に申請すれば無料で利用でき、申し込むと衣類やつえなどに貼れるQRコードのシー
ルが十数枚もらえます。
町、保健課は県内1、認知症に優しい町を目指して、認知症の方も、その家族も住みな
れた町で過ごせるようにしていきたいと話しております。
福島県内では認知症が原因で行方不明になったとして、警察に届けられたのは152人、そ
のうち20人の方が死亡しています。
田村市においても、1名の方が昨年突然行方不明となり、現在も続いております。
1日も早く見つかることを願っております。
認知症高齢者の徘徊の見守りについて、田村市としてはどのような対策をしていくのか
について伺います。
○議長(長谷川元行)
○市長(冨塚宥苙)
当局の答弁を求めます。冨塚市長。
認知症についての御質問にお答えいたします。
初めに、認知症カフェ等の導入について申し上げます。
国が、昨年1月に策定いたしました、新オレンジプランでは、認知症の方や家族、支援
する人たちが参加する認知症カフェを普及させ、経験者の話を聞いたり、悩みを打ち明け
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たりできる機会を設けて介護者への支援をすることとしております。
また、認知症カフェには、医療機関、介護サービス事業所や地域の支援機関をつなぐ連
携支援や認知症の人や、その家族を支援する相談業務等を行う認知症地域支援推進員を平
成30年度までに配置し、取り組みを推進することとしております。
田村市地域包括支援センターと共催で、昨年5月から認知症カフェの役割を担う、「認
知症介護者ほっとサロン」を開催し、認知症の方を介護している家族が集い、悩みなどを
話し合うなど家族の支援に努めております。引き続き、認知症の方を介護する家族の会な
どの設立について検討しながら、家族の支援強化に努めてまいります。
次に、認知症高齢者の徘徊見守り支援対策について申し上げます。
昨年7月に設置した田村市地域包括ケア推進担当者会議において、認知症高齢者が徘徊
や迷子により家に戻れなくなったとき、早期発見できるよう市内の関係機関等が連携して
捜査に当たる、仮称、「たむら徘徊安心ネットワーク」の構築を目指して協議いたしてお
ります。
おただしのように、認知症高齢者が地域見守り支援体制の先進地である山形県酒田市、
あるいは寒河江市、そして福島県の会津美里町等々が御指摘ありました。
これを、徘徊見守り支援による取り組みなどを参考にしながら、市民の協力を得られる
ならば、取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(長谷川元行)
○3番(渡邉照雄)
渡邉照雄君。
今、市長より報告がありました。ほっとサロンという形で認知症カフ
ェを構築していく、また国としては30年ということでございますが、田村市にも生涯学習
複合施設等ができる、そういう意味では、目立つ場所といいますか、そういうところにも
一つ設けていただければなとこのように思います。
また、2月8日でしたか、市長と市内の居宅者に徘徊に関して協力体制ができたという
ことはすばらしいことだと思います。ぜひ、そういったものを活用したうえで、お願いし
たいと思います。
また郡山でも、新たに本年からQRコードシステムというような、新聞でも出ました。
田村市としてもさらにそれだけではなくて、市独自の何か、考えていただければ、常葉の
ような問題も起こらなくて済むのかなと、こういう思いでございます。
次に、胃がん対策について、ヘリコバクター・ピロリ菌の検査について質問をします。
日本の3大疾病の一つであるがんのうち肺がんに続いて多いのが胃がんと言われており
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ます。胃がんの主な原因は、ヘリコバクター・ピロリ菌と言われるピロリ菌です。ピロリ
菌の除菌は、胃潰瘍と、十二指腸潰瘍に限り保険が適用されていましたが、25年の2月か
ら慢性胃炎の場合のピロリ菌除菌にも保険が適用されるようになり、胃がん撲滅に向け、
ピロリ菌除菌必要性を訴えてきた北海道大学医学部の浅香正博教授は、ピロリ菌が胃に感
染すると100%慢性胃炎になることがわかっている。今回、保険適用拡大は胃がん撲滅に向
けてノーベル賞に匹敵するほどの画期的な出来事です。
ことしを胃がん撲滅元年と位置づけたいと話しています。またピロリ菌による慢性胃炎
は2回以上やる、委縮性胃炎、胃がんなど、いろいろな病気を起こすことはわかっていま
す。その原因さえ治療すれば多くの病気を抑制できるとなっています。
大阪府茨木市では、25年度から胃がんになりやすいかどうかを調べる血液検査が、胃が
んリスク検診を始めます。それは、胃粘膜の委縮程度がわかるペプシノゲン検査とピロリ
菌の有無を調べるピロリ菌抗体検査を合わせたものです。
判定は、4つに分類され、Aは異常なし、B、Cではいずれも要検査、精密検査、B判
定の人は3年に1度、C判定の人は2年に1度、A判定の人は毎年内視鏡検査が推奨され
ております。
4月1日時点で、40歳、45、50、55、60、65歳の市民が対象となっているということで
ございます。
平成25年度より、各種がん検診等のお知らせハガキを持参し、400円の検査費用で市保健
医療センターなどで受信できる体制になっているそうであります。
テレビの健康番組で、胃潰瘍、胃炎の多い都道府県ランキングを発表しています。福島
県は全国で3番目に多いということです。いわゆるワースト3であります。第2次田村市
健康増進計画の中に主要死因としてがんが1位を占めており、男女ともの中で最も多いの
が胃がんであります。この現状を何とか打開しなければならないと思います。
特定健診受診率アップのために努力をされていると思いますが、胃がんリスク検診を導
入することで一歩進んだ胃がん対策ができると考えます。
そこで、2点について伺います。
1番に、田村市の市民健診においてがん検診受診率について伺います。
2番に、胃がんの大きな原因の一つである、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染検査を田
村市として導入する考えがあるかについて伺います。
○議長(長谷川元行)
当局の答弁を求めます。大和田保健福祉部長。
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○保健福祉部長兼福祉事務所長(大和田益弘)
市民検診についての御質問にお答えいたし
ます。
初めに、がん検診の受診率について申し上げます。
本年度、田村市が実施した各種がん検診の受診率は、肺がん38.5%、胃がん23.7%、大
腸がん33.1%、子宮頸がん27.0%、乳がん27.1%、前立腺がん37.7%でありました。
県平均と比較が可能な平成25年度の結果によりますと、本市は2.1から6.9ポイント高い
状況にありますが、本年度からスタートした第2次田村市健康増進計画においては、早期
発見、早期治療により、がんによる死亡者を1人でも減らすため、5年後の各種がん検診
の受診率の目標を40%とし、保健委員会等地区組織を通じた受診の呼びかけや、未受診者
への個別通知による勧奨及びクーポン券を利用した受診勧奨など、受診率の向上に努めて
おります。
次に、ピロリ菌の感染検査について申し上げます。
市が行う各種がん検診は、本年2月4日付で改正された、国の「がん予防重点健康教育
及びがん検診実施のための指針」に基づいて実施しております。胃がん検診については、
胃部エックス線検査または胃内視鏡検査のいずれかを実施することとなっており、ピロリ
菌の感染検査は同指針に含まれておりません。
国立がん研究センターがん予防・検診研究センターの「有効性評価に基づく胃がん検診
ガイドライン2014年度版」では、ピロリ菌の除染について、胃がん抑制の傾向はみられる
ものの、死亡率減少効果を示す明確な科学的根拠がないため、ピロリ菌検査を推奨してお
りません。
なお、現在、市の胃がん検診は、エックス線検査のみとなっておりますことから、同指
針に基づき、内視鏡検査の導入について田村医師会と協議し、実施体制の整備を進めてま
いります。
○議長(長谷川元行)
○3番(渡邉照雄)
渡邉照雄君。
ただいまの報告ですね。
がん検診については、肺がんのほうが38%、受診率が多い、それでもまだ40%に満たな
い状態であります。1つの例ですけども、ピロリ菌について捉え方なんですが、2月3日
の新聞に、中学3年生全員ピロリ菌検査、全国初、佐賀県が新年度から除菌の治療費を全
額助成、約5%がピロリ菌除染と予測し、予算計上とあります。
これは県を上げてそういう営みをしてるという経緯であります。
-98-
ピロリ菌を除菌したら100%胃がんにならないとは限りません、生活習慣であったり、ス
トレスであったりとか、さまざまな要因がありますが、それでも大きな要因の一つである
ピロリ菌の除菌は、胃がん撲滅に向けて大きな前進となります。
また、いろいろな人に聞きますと、やっぱりやったということで、除菌したということ
で安心感、そういったものも大きくあります。
私もがん撲滅推進委員の立場から、しっかりとそういった部分で検討していただければ
と思っております。
よろしくお願いします。
続きまして、4番のエネルギーでございます。
地域で電気を作り、地域のために使おう、静岡県長泉町では、市街地を流れる農業用水
路へ昨年度3月小水力発電装置を設置したそうでございます。
直径3メートルの水車の回転力を利用し、最大出力は毎時8キロワット、年間約4万
9,000キロワット、一般家庭4軒分を発電してます。出力は小さいものの、この発電装置が
威力を発揮するのは災害のときであり、地域で停電が発生した際には、2つの方法で発電
した電気を無償で住民に提供します。
1つは発電装置と配線をつなぐ給電ステーション、炊飯器4台、携帯電話なら150台分を
充電する能力があるほか、半径300メートルまで移動可能であります。
周辺に避難施設、場所などにも展示がちょいちょいできます。
もう1つは、小型携帯式バッテリーパックです。発電装置は6台内蔵されており、人工
呼吸器など在宅医療機器の利用者や、ひとり暮らしの要援護者らの支援に役立てられます。
要援護者らの安否確認をしながら電気を届けられる。発電装置を設置した一般社団法人、
自然エネルギー利用推進協議会によると、通常の医療機器は、停電から約40分が稼働の限
界、バッテリーなら2ないし、3時間もつので救急対応までつながるとしております。
小水力発電は昼夜を問わず、天候に左右されず、長時間の停電も安定的に対応できます。
そしてこの発電装置は、民間主導で設置されているため、税金は使われておらず、住民
の負担はありません。設置費用は売電益で回収できるとのこと、製造、積み立て、塗装は
地元企業が請負、地域振興にもつながっている。最大のネックとなった水利権問題や、複
雑な法的許可の手続も2年かかった末解決。
同協議会は一昨年10月、地元の水利組合と協議書を交わし、売電益の一部を地域づくり
の協力基金として還元すると決めたと。設置を許可した町も、昨年2月災害時における電
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力の供給に関する協定を同協議会と結びました。
全国的にも例がない地域共生型の小水力発電は、運転を始めて以来全国各地から視察が
相次いでいるそうでございます。
原発に頼らない、地産地消の自然エネルギーとして、また災害時といった防災にも役立
たせられる、小水力発電について、田村市の考えについてお伺いいたします。
○議長(長谷川元行)
当局の答弁を求めます。渡辺総務部長。
○総務部長(渡辺清徳)
小水力発電についての御質問にお答えいたします。
田村市内の出力が1万キロワットまでの小水力発電施設は、東北電力が運営する古道川
発電所のみで、出力は2,490キロワットであります。
現在、新たな小水力発電の設置計画はございませんが、船引町の移地区において、福島
県が可能性調査をしていると伺っております。
小水力発電のメリットは、24時間発電可能であり、災害時に有効なエネルギー供給源と
考えられますが、一方で、安定した水量の確保などから施設の設置地点が限られることや、
河川法などの法的な規制が課題となっておりますことから、引き続き既に導入している他
の施設や可能性調査の結果などを参考に、導入の可能性を検討してまいりたいと考えてお
ります。
○議長(長谷川元行)
○3番(渡邉照雄)
渡邉照雄君。
現在、2,490キロワットの電力発電があるいうことと、あらかじめ移地
区がそういう検討をされているということがこの機会に加えられている。また、他の地区
の方もそういういろんな水力発電についていろんな考えを持っている人がいることを田村
市内の方に多くおられます。
次に、田村市内の県道整備についてお伺いします。
市内各行政局管内のアクセス道路の中で、主要市道については整備されておりますがい
まだ県道については整備されたとはなっていないのが現状です。地域の要望等を田村市が
受け、その要望をさらに県へと強く働きかけをいただいておりますが、県道柳渡戸・常葉
線、通告書で常葉線となっておりますが、訂正をしていただきたいと思います。柳渡戸・
常葉線であります。ここの関本地内の神明前の街道工事は今年度の開通との予定と聞いて
おり、また、下部工については、今年度の予算が計上されたと思いますが、いまだに着工
されておりません。今後の進行状況と対応についてお伺いします。
次に、県道あぶくま洞・都路線の黒川地内1.5キロの幅員2.5路線についてでありますが、
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この地域は、昨年、県より第2次避難道路として指定を受けました。これを受け行政とし
て関係者、受益者の署名にて市長へ要望いたしました。その要望を受けたその県中事務所、
三春土木事務所より3名の県職員、地元行政局長、産業課長、田代区長、黒川区長、私の
計7名で現地確認を昨年の5月7日に行い市長より直接要望していただきました。
県ではその後、通行利用状況も確認しておりますので、今後の進展が期待されるところ
でございますが、今後の対応を伺います。
次に、県道富岡・大越線の柳渡戸地内のコンクリート橋の拡幅についてでありますが、
橋が狭いため一方通行の状態が長年にわたってかわっておりません。地域では数年前には
川内への避難者の要望を受け、支障木を行政区の環境整備事業で除伐を実施しました。
また、行政区より行政局、直接市長へと要望し、県の機会あるごとに強く要望をかけて
いただいておりますが、以前、進展していない現状です。
その後のコンクリート橋の拡幅について伺います。
以上、3点の県道整備状況について伺います。
○議長(長谷川元行)
当局の答弁を求めます。大河原建設部長。
○建設部長(大河原孝志)
田村市内の県道整備についての御質問にお答えいたします。
初めに、県道柳渡戸・常葉線の関本地内の進捗状況と今後の対応について申し上げます。
平成12年度に着工した、県道柳渡戸・常葉線の関本工区、延長640メートルは、平成29年
度の竣工を見込まれております。
本年度までに約460メートル区間の改良工事が実施されており、平成28年度に橋梁の下部
工及び上部工、平成29年度に未改良区間の約180メートルの改良工事及び260メートルの舗
装工事を実施し、工区の完了を目指していると伺っております。
次に、県道あぶくま洞・都路線の黒川地内の対応について申し上げます。
県道あぶくま洞・都路線の常葉町堀田字大平地内から五月平地内の延長約1.5キロメート
ルは、幅員が2.5メートルと狭く、待機所もないことから、車のすれ違いが困難な状況であ
るため、昨年6月に福島県土木部長へ要望書を提出するなど、機会あるごとに働きかけて
まいりました。
県では、昨年11月に交通量調査を実施、今後は待避所の設置など現道対策について各種
調査を進めると伺っております。
次に、県道富岡・大越線の柳渡戸地内のコンクリート橋について申し上げます。
県道富岡・大越線の常葉町八升栗地内のコンクリート橋につきましては、幅員が狭く、
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車が交差できない状況でありますことから、平成26年4月に県に要望書を提出いたしまし
た。
本路線の常葉町早稲川地内の狭隘部については、本年度に現地調査を実施し、路肩拡幅
の事業化に向けて各種調査を進めると伺っておりますことから、本箇所についても引き続
き要望してまいります。
○議長(長谷川元行)
渡邉照雄君。
○3番(渡邉照雄)
堀田辺地の県道でございますが、今、状況聞きましたけど、実際に先
程も言ったように下部工が28年ぐらいで、27年度の予算で行う予定だったんですが、なか
なか進展してないということで、28年度には下部工までいくのかな。そういう今、思いを
強くしたところでございます。
また、黒川地内のことについて、退避所というよりは、どちらかスタートしていただけ
れば終わりが見えるわけですけれども、そういった思いも地域としては強く持っていると
ころでございます。
また、今、建設部長より大越早稲川と常葉早稲川の境ですか、それについても設計をさ
れるということは近い将来必ずや拡張されるものと思います。
コンクリートの橋については、通行量の非常に多いところなんで、優先とまではいかな
いにしても、順次やっていただければそういう思いを託して今回の質問を終わらせていた
だきます。ありがとうございました。
○議長(長谷川元行)
これにて、3番渡邉照雄君の質問を終結します。
次の質問者、13番木村高雄議員の発言を許します。13番木村高雄君。
(13番
○13番(木村高雄)
木村高雄
登壇)
通告しておりました3項目について、一般質問を行います。
まず、第1点目はTPPの大筋合意についてであります。
今、農業、特に米づくり農家は、ここ数年続く生産者価格の暴落に悲鳴を上げています。
スーパーなどの米の販売価格は、5キロ1,500円以下が主流で、お茶碗1杯のご飯は、たっ
た20円にしかなりません。缶ジュース1本100円ですから、米がどれだけ安くなっているか
わかります。
1俵60キロの生産費は、約1万6,000円かかり、ここから流通業者の経費や肥料代などの
経費を差し引くと、農家の手元には約9,000円しか残りません。幾ら農家が頑張っても、も
う米づくりができない、まさに米つくって、飯食えないという深刻な状況であります。
-102-
その中で、TPPの大筋合意が政府から発表されました。全輸入品の95%で関税を撤廃
する内容であります。TPP発行直後には、農林水産物で既にゼロになっているものを含
めて全体の51%が関税ゼロになり、最終16年目には81%の関税が撤廃されてしまいます。
TPP協定は、農家が困るだけではありません。消費者の食の安全を脅かす不安があり
ます。遺伝子組み換えによってつくられたある種の成長ホルモンを投与した乳牛から搾っ
た乳で製造した乳製品は、発がんリスクがアメリカ国内でも指摘されています。
このようなものまでも日本に入って、きかねないといいます。
専業農家の方と話をしましたが、原発の風評で米の値段は下がり、イノシシも暴れ放題、
その上TPP問題があり農業を継ぐ人の展望が持てないと怒り心頭であります。
そこで3点について質問いたします。
第1番目は、共同通信社のTPPに関する全国首長アンケートについて、市長はどのよ
うに回答したのか。
2番目に、農林水産省は5年ごとに農林業を営んでいる全ての農家などを対象に調査を
実施した農業センサスを発表していますが、本市の農業者の平均年齢の水稲就農者数、若
手の就農者数の推移は幾らか。また、耕作放棄地の推移はどのようになっているか答弁を
求めます。
第3番目に、農業者などからは市内の農業にどれほどの影響をするのか試算結果を示し
てほしいという声が聞かれますが、TPPによる本市農業への影響額は幾らか。
この3点について質問をいたします。答弁を求めます。
○議長(長谷川元行)
○市長(冨塚宥苙)
当局の答弁を求めます。冨塚市長。
13番、木村高雄議員のTPP大筋合意について御質問にお答えいたし
ます。
初めに、共同通信社が実施したTPPに関する全国首長アンケートの回答内容について
申し上げます。
アンケートは5問からなり、選択肢から1つ選び、回答欄に番号を記入するものであり
ます。
1問目は、TPP大筋合意について、合意内容に賛成か反対かの問いであり、この回答
については、どちらとも言えないと回答いたしました。
2問目は、賛成、反対のそれぞれの理由の問いであり、回答はいたしておりません。
3問目の1、TPPによる自治体へ直接どのような影響について、でありますが、プラ
-103-
スとマイナス、それぞれの影響があると答えて回答いたしました。
3の2、TPPによる自治体で最も影響を受けることが予想される生産物については、
農産品から工業製品までの37項目の中から、自動車関連部品を選択しております。
3の3、TPPの影響に対する自治体独自の対策については、現時点で検討の予定はな
いと答えております。
4問目は、TPPは農業分野に大きな影響を与えるとみられており、政府の対策につい
て最優先するものについてであり、農業経営の法人化や、大規模化による生産性向上支援
を選択しております。
最後に、5問目は、TPPに対する意見を自由に記載するものであり、「TPPを契機
として、田村市を含む日本の農業は集約化・法人化、6次化等、国際競争力の強化が重要
な課題となる。所得の向上など、次世代を担う若者が農業に将来性のある仕事として選択
するよう、担い手の育成に向けた環境整備を期待したい。」と回答いたしました。
次に、本市農業者の平均年齢、就労者数、若手の就農者及び耕作放棄地の推移について
申し上げます。
農林業センサスによりますと、田村市における農業就業人口の平均年齢は、2005年63.9
歳、2010年67.0歳、2015年の速報値では69.3歳と高齢化が進んでおります。
就農者数は、2005年6,619人、2010年5,515人、2015年3,173人と大幅に減少しており、若
手の就農者数も29歳以下の従事者が2005年は386人、2010年181人、2015年19人と大幅に減
少しております。また、耕作放棄地の面積は、2005年745ヘクタール、2010年1,399ヘク
タール、2015年2,002ヘクタールと増加いたしております。
次に、TPPによる本市農業への影響額について申し上げます。
国は、本年1月TPPの大筋合意内容と総合的なTPP関連政策大綱に基づく政策対応
を考慮し、試算した影響額を公表いたしました。
試算の結果は、関税削減等の影響で価格低下による生産額の減少は生じるものの、体質
強化対策によるコスト低減・品質向上や経営安定対策などの国内対策により、引き続き生
産や農家所得が確保され、国内生産量の維持がされるものと見込み、農林水産物の生産減
少額が1,300億円から2,100億円と見込んでおり、特に牛肉や豚肉、乳製品が多く影響を受
けるとされております。
また、福島県は今月、国と同様の条件のもと試算した結果、平成22年を基数にした場合
では、17億1,000万円から32億4,000万円生産額が減少すると見込んでおりますが、市独自
-104-
の農業への影響額は、基数となる作物等の統計値が県単位となっており、市町村ごとの資
産が困難なため行っておりません。
畜産が盛んな田村市では、牛肉などの畜産品について影響が大きいとされていることか
ら危惧いたしておりますが、特に盛んな繁殖和牛の生産については、「和牛、交雑種牛肉
は、品質、価格面で輸入牛肉と差別化されており、競合の度合いは小さいのではないかと
見込まれており、当面、輸入の急増は見込み難い」とされていることから、影響は少ない
と思われますが、長期的には輸入牛肉と競合する乳用種牛肉の価格下落の影響を受け、牛
肉全体の価格下落も懸念されますことから、生産コストの削減など経営体質強化を図って
いく必要があるものと考えております。
また、米は、国が輸入量に相当する国産米を備蓄米として買い入れる対策をとること、
野菜や果物では関税撤廃が決まったものでも国産と外国産で差別化やすみ分けができてい
るため影響が少ないとされておりますが、さらなる競争力の強化が必要とされていること
から、生産コストの削減や品質向上に向け、国・県などと連携して支援に努めてまいりた
いと考えております。
○議長(長谷川元行)
○13番(木村高雄)
木村高雄君の再質問を許します。
再質問、2つほどあるんですけども、まず、今、首長アンケートの回
答の結果について答弁いただいたんですけれども、どちらとも言えないというのが回答の
一番最初であったというふうに思うんです。
それから関連産業については、自動車部品も去ることながら、やはり田村市中山間農業、
中山間地帯っていうことで、やはり農業にもかなり影響があると私は思います。この首長
アンケートについて、報道によりますと北海道のある首長は、農作物のコスト低減はもは
や限界、価格競争で争うことができないと答えました。
また、大阪府のある首長は消費者には物価の値下がりで、負担軽減になり、企業には輸
出面で追い風になるという意見もありましたが、ある首長は1次産業からの離職や、後継
者不足に拍車をかけて、自治体の崩壊や地域経済の衰退につながりかねない、政府の掲げ
る地方創生に逆行するとした、まさにこうした回答はまさに的を得た私は指摘だと思いま
す。
そこで、質問の第1番目なんですけれども、影響額について、田村市独自の試算はでき
ないということであったかと思いますけれども、これ農民新聞というのが11日、30日発行
されて、その報道によりますと、長野県は東京農大の鈴木宣弘教授がTPPに長野県の農
-105-
林業の関連産業に及ぼす影響の推計結果をまとめ、JA中央会に報告を行ったとしており
ます。
これによりますと、長野県の影響額は392億円程度、全産業では717億円も減少するとし
ています。
また就農人口も影響が大きく、農林水産業で約1万5,000人、全産業では1万7,000人の
雇用の減少が見込まれるという試算もしているわけであります。
福島県でも、この鈴木宣弘教授に試算をしていただいて、推計結果の概要については、
農林水産業の生産減少額は、平成25年度をベースにすると農業で319億円、全体で340億円
ということを推定されるというふうにやっています。
また、震災直前の平成20年度をベースとする納入で380億円、さらに全体で420億円程度
と推定されるとしています。
全産業の減少額は603億円と推定され、就業人口は農林水産業で1万7,000人、そして全
産業では1万8,000人の雇用の減少が見込まれると、こういった試算をして、JAの全中に
届けたわけでありますけれども、こうした雇用の減少によって農村地域が崩壊する危険が
私はますます大きくなり、地域経済に与えるものだと思います。
こういった観点から、県との連携をとり、こういったデータをもとにしながらも、早急
に本市への影響額を試算する手立てをとるべきではないかと思いますが、質問を求めます。
再質問の2番目でありますが、農業者からは日増しに不安の声が上がっているわけであ
りますけども、そういう中で、自民党がTPP大綱を発表いたしました。発表された政策
大綱のうち、農業分野についてどのように受けとめているのか答弁を求めます。
○議長(長谷川元行)
○市長(冨塚宥苙)
当局の答弁を求めます。冨塚市長。
再質問にお答えいたします。
先ほど、田村市の試算はできないということをお伝えいたしました。県のほうの試算が
あれば、県のほうに問いただし、そして田村市の影響額については確認したいと思います。
第2点、その自民党、TPPのことでありますが、この分野については、私のほうでは自
民党のやり方でそれ決まったのかどうか、私わかりませんが、そういうことになるとこれ
一つ一つ自民党であろうと、民主党であろうと、公明党であろうと、維新の党であろうと、
それぞれの分野で国が関与していることでありますので、私の立場では今のところ何とも
言えません。
○議長(長谷川元行)
木村高雄君の再々質問を許します。
-106-
○13番(木村高雄)
1点になるかと思いますけれども、今、自民党の政策大綱ということ
で、答弁いただけなかったわけなんですけども、要は、この中身の大半というのが攻めの
農業への転換というものでメーンになっているということだと思います。
攻めるにしても若い農業者が減っている状況では、これは困難かなというふうに思われ
るわけであります。
そして、TPPの大綱を受けたJA中央会は対策には、具体策はない、実効性も不明で
いいか悪いか判断ができない。県内には、若い担い手もいないし、中山間地の多い地域コ
ミュニティーが崩壊しないようなさまざまな施策を望む、こう語っているわけであります。
また、平成28年度の田村市農業委員会の建議書がこれ市長のところにも届いていると思
いますけれども、そういう内容になってます。
TPP交渉について、政府は国民や業界団体の説明不十分なまま聖域なき関税撤廃が前
提ではないとして、TPP交渉に参加しました。米、麦、牛肉、豚肉、乳製品、甘味資源
作物の5品目の関税が段階的に緩和され、農作物の輸入枠が拡大することになりました。
農業の衰退は食糧需給率の低下に直結することを強く認識し、TPP参加による農業への
悪影響を配慮した農業振興策の拡充を御要望いたしますということで建議書が上がってい
るかと思います。
そこで、市長にお尋ねいたしますが、共同通信社で行ったTPPの首長アンケートには、
どちらとも言えないという回答をしていますが、やはり地域経済を守る、農業者を守ると
いう立場からきっぱりと反対を表明するべきではないか、答弁を求めます。
○議長(長谷川元行)
○市長(冨塚宥苙)
当局の答弁を求めます。冨塚市長。
再々質問にお答えいたします。
共同通信社の首長へのアンケートでございますが、どちらとも言えないというのは、一
方がよくなれば、一方が悪くなる、これは、私のほうで決めることでなくて、国のほうで
まずやっとります。
そして、いろんな農協、全国農協団体等々が、反対運動をいたしました。しかしそれも
実際にはTPP交渉が世界の動きの中で行われているとすると、私のほうでこれやめろと
か、あるいは反対しろといって、じゃあ一方のほうの分野のほうからいうとどうなるかと
いうことから、どちらとも言えないというふうに回答しました。
その共同通信社について、どちらとも言えないということからその質問の中で市長は反
対すべきだということのおただしでありますが、私も今のところこれが本当に一部の報道
-107-
ですよ、テレビでも、農業をやっている方で賛同する人もいる、一方の農業者。
それから農業団体でも反対する人と賛成する人もいる。それから、国会議員の中でも自
民党、与野党問わず賛成、反対の人もお聞きいたしております。
そうすると、これ本当にどちらが正しいのか私わかりません。ですから、どちらとも言
えないということから再質問で反対すべきというおただしでありますが、今のところどち
らとも言えないというのが現実でありますので、反対という意志表示はいたしませんので、
よろしくお願いします。
○議長(長谷川元行)
○13番(木村高雄)
木村高雄君。
TPPの大筋合意といたしましても、合意といいましても、調印基準
を経て発効するまでには多くの手続があるわけであります。国政の問題は地方自治体に大
きく影響していきます。今、必要なのはTPP大筋合意と協定案の全体交渉の経過などの
情報を全面的に公開し、国会、国民の中で徹底的に議論することが大事なのではないでし
ょうか。
国会決議に違反していないか、日本の経済と、国民の暮らしはどう影響するのかを検証
するべきだということを申し上げて次の質問に移らせていただきます。
次に、本市の臨時・非常勤職員について質問いたします。
現在、臨時・非常勤職員は、全国の地方自治体で70万人、公立学校20万人と推計されて
います。地方自治体で働く職員のうち、3人に1人が臨時職員、または非常勤職員です。
週当たりの勤務時間が正規職員の4分の3以上で、非常勤職員の7割が年間200万以下と
いう低賃金です。
臨時非常勤職員は、一般行政職のほか、教職員、保育士、学童保育の指導員、学校給食
調理員、看護師、各種相談員、図書館職員など、多くの分野で働いています。
臨時・非常勤職員が増えてきたのは、国が進めた行政改革によって、地方自治体の5年
間に行革推進法に基づいて具体的な削減目標を掲げた集中改革プランの策定を地方自治体
に要請したことが背景にあるわけであります。
今、求められているのは、暮らしと働く権利を守るということです。本市に雇用されて
いる職員にも雇用条件の充実が求められます。
昨年、7月総務省から臨時・非常勤職員及び任期付任用職員などという通知が出されて
いますが、これに関わって幾つか質問したいと思います。
第1番目に、本市の臨時・非常勤職員の雇用形態は田村市賃金支弁職員雇用等管理規程
-108-
で、嘱託職員、日々雇用職員、パート職員とされてますが、それぞれの職員数、職務内容、
勤務条件はどのようになっているか答弁を求めます。
2番目は、昨年7月の総務省通知では、臨時・非常勤職員の任用、勤務条件の再度の任
用などについて述べていますが、その内容はどのようなもので、今後改善にどのように取
り組んでいくか、この2点について答弁を求めます。
○議長(長谷川元行)
当局の答弁を求めます。渡辺総務部長。
○総務部長(渡辺清徳)
本市の臨時・非常勤職員についての御質問についてお答えいたし
ます。
初めに、嘱託・日々雇用及びパートタイムの職員数、職務内容、勤務条件について申し
上げます。
本年1月現在の職員数は、嘱託17人、日々雇用150人、パートタイム34人の合計201人で
あります。
嘱託職員の職務内容及び内訳は、出張所事務補助7人、税徴収2人、地域安全パトロー
ル3人、家庭児童相談2人、介護認定調査1人、水道事業所宿直2人であります。
日々雇用職員の職務内容及び内訳は、各課事務補助25人、食品等放射能測定10人、都路
診療所バス運転1人、都路歯科診療所歯科衛生士3人、保育所・こども園・幼稚園等の保
育士・児童厚生員・講師48人、小中学校等の用務員24人、道路作業員等20人、小中学校等
の特別支援教育支援員19人であります。
パートタイム職員の職務内容及び内訳は、本庁舎清掃員3人、夜間診療所看護師4人、
保育所・こども園等の保育士・児童厚生員14人、食品等放射能測定2人、船引公民館バス
運転2人、調理補助5人、事務・管理等が4人であります。
次に、勤務条件でありますが、賃金につきましては、嘱託は月17日以内の勤務で、職種
により月額11万5,000円から、17万円、日々雇用は職種により日額4,500円から7,600円、
パートタイムにつきましては、職種により日々雇用の7.75分の1の時給賃金となっており
ます。
また、基準に基づき有給休暇及び特別休暇が付与され、職員に準じて職務に専念する義
務の特例を適用するとともに、健康保険や厚生年金保険、雇用保険に加入しております。
次に、昨年7月の総務省通知の内容と今後改善への取り組みについて申し上げます。
総務省通知の内容は、職務の内容や責任に応じた適切な報酬等の決定、任期・勤務条件
の明示や、労働関係法令の適切な適用、任期付短時間勤務職員制度の活用に加えて、労働
-109-
基準法や地方公務員育児休業法、育児・介護休業法等の改正に基づいた各種休暇・休業の
整備、法律の適用要件にのっとった社会保険や労働保険への加入、募集にあたっての応募
機会の均等性の確保、さらには、フルタイム任期付職員の活用を促進することなどが主な
内容となっております。
多様化・高度化する行政需要に対応するため、事務の種類や性質に応じ、組織において
最適と考える任用・勤務形態を常に検討し、応募の機会の公平・公正性を確保しつつ、効
果的な行政サービスの提供に向け、総務省通知に沿って任期付職員の活用を促進、任用の
改善を図るとともに、労働関係法令の適切な運用に努めてまいります。
○議長(長谷川元行)
○13番(木村高雄)
木村高雄君の再質問を許します。
再質問2点ほどあります。
今、答弁があったんですけれども、きのう職員の数、四百十何人っていう、その中の200
名っていうことになるかと思いますけど、かなりやっぱり非常勤職員がかなり多いなと感
じるところであります。
総務省のこの数値の内容について、答弁があったわけなんですけれども、これについて
も私こう感じることを申し上げてみたいと思うんですけども、この通知には待遇改善が生
かされる内容が盛り込まれているということです。
例えば、雇用では契約更新を繰り返してきた臨時保育士の雇いどめなど、これまで問題
になってきた特別職、非常勤について職務内容が補助的、定期的、一般職の職員と同一、
労働者性が高い場合は一般職として任用するよう強調しています。
また、再任用をめぐっては、非正規職員の置きかえに対する批判を逃れようとして、次
の再任用までの間に空白期間を設けているため、健康保険や厚生年金から脱退させられ、
医療費負担増や、年金減少となることが問題になっています。
今回の通知では、空白期間の根拠について、地方公務員法を初めとした関連法において
存在しないと明記しました。事実上、使用関係が存続している場合は、資格を喪失される
ことなく取り扱う必要があるとの厚労省通知を紹介し、勤務の実態に即した判断でするよ
う求めているというものであります。
そこで、質問の第1点目なんですけれども、田村市は、福島県市町村職員総合事務組合
に加入していますが、その退職手当の条例によれば職員について定められている勤務時間
以上、勤務した日が18日以上ある月が引き続いて、12月を超えるに至ったもので、その超
えるに至った日以後引き続き当該勤務時間により勤務することとされているのが、職員と
-110-
みなしてこの条例の規制をするとなっていますが、日々雇用職員、嘱託職員についてもこ
の条例に当てはまるのか答弁をお願いします。
質問の2番目ですけども、田村市賃金支弁職員雇用等管理規程で、日々雇用職員及び
パートタイム職員の雇用期間は、1会計年度内6カ月以内とする。ただし、さらに雇用の
必要があると認めたときは、当初の雇用の日から通算して11月を超えない期間の範囲で、
その雇用を更新することができるということでありますけども、このことは1カ月間空白
をおくということですが、その理由についてはなぜか、この2点について答弁を求めます。
○議長(長谷川元行)
当局の答弁を求めます。渡辺総務部長。
○総務部長(渡辺清徳)
再質問にお答えいたします。
まず最初に、先ほど御答弁申しました200余名の臨時職員では、昨日の質問の中にあった
職員数の内書きではございませんので、外数でございますので、その点、御理解いただき
たいと思います。
再質問にお答えをいたします。
1点目、田村市が加入している福島県市町村総合事務組合の条例であります、市町村職
員退職手当に関する条例の規程に、日々雇用職員、あるいは嘱託職員が該当するかという
ふうなおただしでございますが、御指摘のような条項は、この条例の第2章にございます
が、この条例につきましては、地方公務員法に基づく人事管理のもとでは該当しないとさ
れております。
田村市の日々雇用職員等につきましては、地方公務員法第22条に定める臨時的任用職員
として採用し、人事管理を行っておりますことから、本条例に基づく退職手当は支給され
ないとなります。
次に、田村市賃金支弁職員雇用等管理規程において11カ月雇用と、11カ月以内の雇用と
いうふうになっている根拠でございますが、地方公務員法第22条の職員として採用してい
るというふうにただ今申し上げましたが、この臨時的職員につきましては、1年超えて任
用することはできないとふうにされております。
こういったことから福島県においても同様に11カ月以内の雇用に努めておりまして、田
村市においても順次11カ月以内雇用として、採用しているものであります。
○議長(長谷川元行)
○13番(木村高雄)
木村高雄君の再々質問を許します。
今、答弁がありましたが、この1カ月の雇用空白期間があるというの
が、実は、日々雇用職員の場合問題であると思います。
-111-
そういう規定になっているからこそ、日々雇用職員は退職手当の最初から除外されてい
る仕組みになっていると思います。
昨年7月の総務省の通知は、再度の任用の場合であっても、新たな任期と、前の任期に
一定の期間を置くことを直接求める規定は地方公務員法を初めとした関連法において、存
在しないと指摘しているわけであります。
この通知は、空白期間は設ける必要がないと言ってることで、田村市の日々雇用職員の
あり方とは絶対中身があってないということになるんではないんでしょうか。
この総務省の通知が出される背景には、国会の議論があったわけですが、群馬県のある
市が嘱託職員の勤務形態の一覧表において、嘱託職員に対して退職手当は支給しないとの
記述があり、1日の勤務時間が7.75時間以上で1カ月の勤務時間が18日以上の月が12カ月
以上継続しないことと随意で説明しているわけであります。
臨時・非常勤職員に退職手当を支給しないというやり方を指摘しています。
これに対し、原口国務大臣は退職手当を支給しないために、勤務条件を逆算してつくる
ということは法の趣旨からすると反対だと思います。
人よ、人よの権利を守るような形で運用が行われるよう、総務省としてもしっかり助言
していきたいと答弁しているわけであります。
こういう国会のやり取りで、総務省からの通知が発せられたわけであります。
今、貧困と格差社会問題にもなっており、働く人がまともに食べ、家族が持てるように
していくことが何よりも今求められているわけであります。
本市の臨時・非常勤職員の労働条件の改善について検討するべきではないか、答弁を求
めます。
○議長(長谷川元行)
当局の答弁を求めます。渡辺総務部長。
○総務部長(渡辺清徳)
昨年7月に総務省から発せられた通知につきましては、先ほど申
し上げましたようにそれぞれの勤務形態、これに応じて有益な雇用形態を採用するように
と言うことを申し述べているというようなことも先ほど答弁させていただきました。
その中で、任期付職員、こういったものについての活用を図るべきというふうな通知内
容でもあります。
そういったことを踏まえて先ほど申し上げましたように、組織において最適と考える、
任用、勤務形態を常に検討しながら、それぞれの公平性、公正性を確保しつつ、これから
も労働関係の法令の適用に努めてまいりたいと考えます。
-112-
○議長(長谷川元行)
○13番(木村高雄)
木村高雄君。
労働関連法では、若者の収入を不安定にしやすい賃金で使うことが可
能にする改定が進んでいます。さきの国会で採決された、改正労働者派遣法では、業務ご
との期間制限をなくして、切れ目なく受け入れを可能にすることなどが内容とされ、不安
定雇用で低賃金の労働者を繰り出す事実上の解約が進められています。
安倍政権は、一億総活躍社会を目指すと打ち上げました。そのために必要なのは、働く
人がまともに食べ、まともに家族が持てるようにしていくことで、労働法制で労働者を保
護したり、社会保障の拡大で活躍の前提となる生活の安定を図ることが大切であるという
ことを申し上げまして次の質問に移ります。
3点目は、国民健康保険制度についてであります。
平成26年度末、田村市の国民健康保険加入世帯は、総世帯が1万2,549世帯のうち、
6,170世帯であります。構成率は49%、市民の約5割が加入する国民健康保険であります。
国の資料によりますと、国保加入世帯の職業構成は平成19年度は無職の方が55.4%、平
成27年度には57%まで増えると推計しております。
国民健康保険は、全ての国民全員が医療保険に加入するためには、他の医療保険に入る
ことのできない無職者、高齢者、病人など全てを抱え込む医療制度として昭和34年、1959
年に遂行いたしました。
そういう意味から国民健康保険に加入している人の所得は、決して多くはないというの
が現状であります。
そこで、お尋ねいたします。
加入者の年齢構成、所得水準はどのようになっていますか。
2点目については、法定軽減額、2割、5割、7割とありますが、この法定軽減を受け
ている世帯数及び割合は幾らになるのか答弁を求めます。
3点目は、平成28年度の国保税額はどのように推移するのか、予想されるのか、この
3点について答弁求めます。
○議長(長谷川元行)
○市民部長(七海
茂)
当局の答弁を求めます。七海市民部長。
国民健康保険制度についての御質問にお答えいたします。
初めに、加入者の年齢構成と所得水準について申し上げます。
厚生労働省の実態調査による昨年9月末日の一般及び退職被保険者を合わせた加入世帯
数は6,032世帯、被保険者数は1万1,070人となっており、年齢構成は20歳未満が10.4%、
-113-
20歳以上40歳未満が14.0%、40歳以上60歳未満が24.8%、60歳から75歳未満が50.8%であ
ります。
また、世帯別の所得水準は、昨年6月末の加入世帯数は6,117世帯、被保険者数は1万
1,364人で、所得のない世帯が36.9%、200万円未満が47.4%、200万円以上400万未満が
11.0%、400万以上600万未満が2.5%、600万以上が2.2%であります。
次に、法定軽減を受けている世帯数及び割合につきましては、加入世帯6,117世帯のうち、
法定軽減を受けている世帯数は3,073世帯で50.2%であり、内訳は7割軽減が1,551世帯
25.4%、5割軽減が840世帯13.7%、2割軽減が682世帯11.1%であります。
次に、平成28年度の国保税の推移につきましては、昨年5月の国民健康保険法の改正に
より、平成30年度から都道府県が財政運営や効率的な運営に中心的な役割を担い、制度の
安定化を図ることとしており、これに伴い国は国民健康保険に対して、抜本的な財政基盤
の強化を図るための財政支援を講じることとしております。
田村市の来年度の国民健康保険特別会計の予算編成にあたりましては、直近3カ年の医
療費の平均伸び率や動向等を勘案するとともに、国の定率国庫負担をはじめ、調整交付金、
市町村への地方財政支援制度など、国の示す算定方法により積算しておりますが、特にた
だいま申し上げました国の支援策を見込み、保険料の軽減対象となる低所得者数に応じた
保険者支援分として、保険基盤安定繰入金に前年度当初予算と比較して、約5,500万円増の
7,830万円を計上いたしております。
一方、国民健康保険税につきましては、社会保険への移行者や、後期高齢者医療保険へ
の移行者の増加により、加入者数は減少傾向にありますことから、被保険者数を約700人の
減と見込み、前年度当初予算に対し9,040万円減の13億2,315万円を計上したところであり
ます。
国保税の課税にあたりましては、課税限度額の改正や前年度所得金額の確定による本算
定を基本に、前年度繰越金や保険給付費支払準備基金の活用も視野に入れながら、国保税
の負担縮減に配慮した上で、6月補正予算に改めて御提案申し上げる考えでございます。
○議長(長谷川元行)
○13番(木村高雄)
木村高雄君の再質問を許します。
今、答弁がありましたが、私前段に申しましたが、国保の加入世帯、
決して所得が多い人は少ないっていうことを裏づけたような内容だったと思うんですけれ
ど、再質問については、例えばこのリアルにわかりやすくするためだと思うんですけれど
も、例えば給与収入が年間200万円っていう、それで夫婦2人の場合、そしてこの夫婦が40
-114-
歳から65歳未満の場合について、健康保険税額は幾らになるか答弁を求めます。
○議長(長谷川元行)
○市民部長(七海
当局の答弁を求めます。七海市民部長。
茂)
再質問にお答えいたします。
今のお話の条件ですと、給与収入が200万、そして夫婦2名の被保険者である、そして年
齢は40歳以上65歳未満というような条件、金額とこの人数等で単純な計算になりますが、
単純に試算しますと約28万1,500円程度になります。
ただ、この条件ですと2割軽減の該当になりますので、実質的な税負担は22万5,200円程
度と見込まれます。
○議長(長谷川元行)
○13番(木村高雄)
木村高雄君の再々質問を許します。
2割軽減っていうことで、22万5,200円っていうことだと思うんですけ
ど、ただ、給与収入が200万ということは、所得にすると大体160万から170万ぐらいになる
のかなというふうに思って、給料所得に置きかえると。
そういった中で、22万何がしの国保税、つまり、実感的に高いというふうなことを感じ
がするわけであります。
そして、やはり私はこういった事柄を見れば、あらゆる手立てを尽くして、市民の加入
者の負担軽減を図るために、やはり国保税を引き下げるために検討しなければならないと
強く思うところであります。
これについては、先ほど部長が答弁した内容とだぶっちゃうかもわかんないんですけど、
来年度の国民健康保険税については、引き下げを発表する自治体が多いと聞いてるんです
けれども、その辺の背景の一つに、国が2015年に、平成27年度から保険者への財政支援
1,700億円を確保したことにあるというふうに報じられているわけでありますけれども、田
村市に対してどのように配分され、この使い道についてはちょっと答弁がだぶっちゃうか
もしれないんですけども、再度答弁をお願いします。
○議長(長谷川元行)
○市民部長(七海
茂)
当局の答弁を求めます。七海市民部長。
再々質問にお答えいたします。
今、お話のありました国の支援制度、平成27年度から実施されておりますが、その約
1,700億に対して田村市に対する歳入は、約5,000万円と見込んでおります。
平成27年度の今の現状でいきますと、調整交付金に5,000万の上乗せになっているという
ことで見込んでおりますので、それらについては当然国保特別会計の中で医療給付費、あ
るいは高額療養費等の医療給付に充当して軽減に努めていくという考えでございます。
-115-
○議長(長谷川元行)
○13番(木村高雄)
木村高雄君。
その活用については、医療給付費とか、高額医療費に回すということ
で、支出は抑えられるというようになります。ですから、来年度に向けてはこのまま引き
下げに大いに引き下げができるということになるとぜひ引き下げのほうで検討していただ
きたいと思います。
最後に、一言述べたいと思います。
国民健康保険が1959年、昭和34年につくられました。そして、今もある国民健康保険の
第6条に国民皆保険というのを盛り込んだわけであります。他の医療保険に加入できない
人全てが、国民健康保険の被保険者になったわけであります。
そうすると、国民健康保険税の窓口負担も払えない人を、必ず囲い込むということを初
めから国はわかっていたので一部負担金の減免、国民健康保険税減免を市町村が独自でで
きるように定めたものであります。
そして国は、創設当初から被保険者の困難性を十分に意識して、今、盛んに言われてい
る年齢構成が高く、医療費の水準が高い、無職、失業者、非正規労働者等の低所得者が多
く、所得水準が低い国民健康保険税の負担が重いということを十分にわかっていたから、
国庫負担の医療費の45%に設定したのだということではないでしょうか。
しかしその後、自民党政治は国民負担を増やし、医療費を削る、まさに国民不在の政治
であります。こんなときだから、市民の立場で健康で、本当に田村市民でよかったとする
ためには安心して医療が受けられるために、国保の基金なども活用して、健康保険税を引
き下げて、そしてきちんと保険証も持てる、そういったことをすることが自治体の役割で
あると思います。
以上申し上げまして、私の一般質問を終わります。
○議長(長谷川元行)
これにて、13番木村高雄君の質問を終結します。
癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩癩
○議長(長谷川元行)
以上をもちまして、本日の日程は全部終了いたしました。
本日はこれをもって散会といたします。
午後3時30分
散会
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