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高齢者むけ「ふるさと元気」支援事業 実施報告書(概要版)
高齢者むけ「ふるさと元気」支援事業 実施報告書(概要版) 平成 23年 23年 2月 目次 1.本事業の概要 2.本事業の目的 3.本事業の成果 4.高齢者向けふるさと元気端末の開発 5.高齢者向けふるさと元気端末の提供 6.ICT普及人材の育成方法 7.ICT普及人材の育成成果 8.地域ICTリーダー育成プログラム 9.地域ICTリーダー育成プログラム成果 10.本事業総括 Page 2 1.本事業の概要 ・事業名:高齢者むけ「ふるさと元気」支援事業 ・事業対象地域:豊川市、蒲郡市、新城市、 事業対象地域:豊川市、蒲郡市、新城市、 設楽町、 設楽町、 東栄町、豊根村 ・実施期間:平成22年8月27日~平成23年2月28日 (本事業は平成22年8月27日から平成22年12月31日までの事業期間で 当初始まったが、国の交付金事業期間を平成23年2月 当初始まったが、国の交付金事業期間を平成23年2月28 2月28日まで期間延長 28日まで期間延長 したことにより、あわせて実施期間を延長した したことにより、あわせて実施期間を延長した。) ことにより、あわせて実施期間を延長した。) ・事務局:豊川市 ・事業実施場所:愛知県豊川市一宮町栄212番地 ふるさと元気センター ・利活用したICT ・利活用したICT端末:スマートフォン(iPhone4) ICT端末:スマートフォン(iPhone4) Page 3 ここへ本 編のP8 iphone4 の写真を 掲載する 2.本事業の目的 ICTを利活用した取り組みを促進・支援することにより、地域公共サービスの維 持・向上を図るとともに、新たな地域雇用を創出することを目的として、豊川市、蒲 郡市、新城市、設楽町、東栄町、豊根村(以下「関係市町村」といいます。)が連携 郡市、新城市、設楽町、東栄町、豊根村(以下「関係市町村」といいます。)が連携 して本事業を実施するものである。 して本事業を実施するものである ここへ本編の P20の元気セ ンターの写真 を掲載する また、本事業は、一般的に情報弱者と呼ばれる高齢者(65歳以上)を対象とし、 加齢による視力、聴力などの身体的な状況を考慮する中で、行政情報、安否確 認、生きがいの創出などの高齢者特有の課題を、ICTを利活用することにより解 決し、高齢者福祉をより一層充実させることを目的に、運営主体を株式会社ウェッ ブアイ(受託者)と選定して実施した。 Page 4 3.本事業の成果 本事業は、下記の表にあるように、当初の目標を十分に達成した。 本事業は、下記の表にあるように、当初の目標を十分に達成した。 極めて短期間で必要とする「ふるさと元気端末」を開発し、949名の高齢者に対して、本端 末(iP 末(iPhone4)を配付し、利用調査分析を実施できた。 地域別の配付状況 : 豊川市 388名 設楽町 56名 蒲郡市 278名 新城市 159名 東栄町 豊根村 65名 3名 加えて、下記の評価表の中には表現されていないが、本事業が地域の高齢者を中心とし た住民のICT利用レベルを一気に向上させたのみならず、住民参加型の地域再生プログ ラムへのモチベーションを生みだしたことは、質的な面からみて極めて大きな効果であった。 ラムへのモチベーションを生みだしたことは、質的な面からみて極めて大きな効果であった。 Page 5 4.高齢者向けふるさと元気端末の開発 4.高齢者向けふるさと元気端末の開発 1.情報配信サービス 必要とさせる様々なソフトウェアコンテンツを開発した。 役所からの情報 災害情報 安否確認 インフルエンザ情報 天気予報_東三河地域 3.趣味の集い企画サービス 高齢者がネット上でコミュニティを形成し、 孤独感を感じない生活を実現 地域のニュース 今日は何の日 元気センターからの毎日 配信情報 4.テレビ電話サービス 今日の格言 テレビ電話相手の登録 無線ランFONの設置 2.助けてコールサービス 24時間サポート助けてコール対応 (緊急連絡先、警察、消防への代理連絡) (コール先への緊急救援) 5.簡単電話登録サービス 電話番号を登録出来ない高齢者に代わり センターが電話番号を登録 Page 6 4.高齢者向けふるさと元気端末の開発 4.高齢者向けふるさと元気端末の開発 情報配信サービス( 情報配信サービス(安否確認) 安否確認) 毎日確認を行うことにより、連絡等がない 場合には、本人の状況を確認することが 出来る。 2 2 2 Page 7 ※生存・安否確認は体調確認とほぼ同じ 4.高齢者向けふるさと元気端末の開発 4.高齢者向けふるさと元気端末の開発 助けてコールサービス 緊急の場合は、タッチをした 緊急の場合は、タッチをした消防か警察 タッチをした消防か警察に、 消防か警察に、 直接電話がかかる。 直接電話がかかる。 「サポートセンター」 は、緊急ではない が困ったことが起き た場合に24時間対 応のこのコールサ ービスを利用する。 サポートセンターに連絡したのち、 職員が必要だと判断したら周りの状況を 「写真を送る」で現場写真を送付してもらう。 応答内容はユーザー管理画面で記録した。 Page 8 4.高齢者向けふるさと元気端末の開発 4.高齢者向けふるさと元気端末の開発 趣味の集い企画サービスー趣味の集い(投稿) 趣味の集い企画サービスー趣味の集い(投稿)(作る) (投稿)(作る) 仲間、友達づくりなどサークルの作成や参加することにより、高齢者 に多く見られる引きこもりなどが解消される。 メッセージ入れ、画像を選んで投稿する 入会している友の集いの 一番下に投稿ボタンに触れる 名前を入力して登録する。 Page 9 5.高齢者向けふるさと元気端末の提供 豊川iphone教室 新城iphone教室 蒲郡iphone教室 東栄iphone教室 開催数:10回 開催数: 5回 開催数:17回 開催数: 2回 Page 10 参加人数: 48名 参加人数: 30名 参加人数:246名 参加人数: 36名 5.高齢者向けふるさと元気端末の提供 高齢者利用者・利用者家族・高齢者福祉組織へのアンケート実施 集計・まとめ(1/2) ふるさと元気端末の使いやすさ年齢別 60 56 54 50 46 39 40 30 使いやすい 使いにくい 26 20 12 12 8 10 0 65~69才 70~74才 75~79才 80才以上 タッチパネル操作を使いにくいと感じる高齢者が多い。 Page 11 5.高齢者向けふるさと元気端末の提供 高齢者利用者・利用者家族・高齢者福祉組織へのアンケート実施 集計・まとめ(2/2) 友の集い利用比率 元気端末で良かったメニューの比率 60% 50% 3% 4% 40% 12% 30% テロップ 20% 18% お知らせ 10% 応答対応 0% 情報交換 24% 利用した 未記入 助けて! かんたん電話 10% 利用しなかった 24時間電話応答対応必要性比率 自治体情報 個人情報 困ったら 8% 11% 10% 40% 35% 30% 25% 20% 15% 10% 5% 0% 必要だと思う Page 12 あった方がよい 必要ないと思う 未記入 6.ICT普及人材の育成方法 a.ICT人材の育成人数(新規雇用) ふるさと元気センター :15名 15名 b.ICT人材の育成方法 ふるさと元気センタースタッフに関しては、株式会社ウェッブアイのICT専門育成担当者により下 記のプログラムにて育成が遂行した。また、ネットを利用したeラーニング手法を含める講義形式及 びワークショップから構成されるプログラムを実施した。 <育成プログラム内容> ・プロジェクト・マネジメントスキル リーダークラスに必要な知識・スキル ・IT支援実践スキル IT支援実践スキル IT基礎知識 IT基礎知識 提供するハード/ソフトへの基礎知識 IT支援に関する基礎的なスキル(サポートスキル) IT支援に関する基礎的なスキル(サポートスキル) ・コミュニケーション実践スキル 高齢者の理解 高齢者に対してのコミュニケーションスキル 一連の育成プログラムを適用、育成内容に関しては、下記「育成のための教材」を参照。 「育成のための教材」 ・プロジェクトマネジャ育成教材 ・基礎的な高齢者との接し方(ケア)教材 ・ITアーキテクト育成教材 ITアーキテクト育成教材 ・ICT内部統制マネジャ育成教材 ICT内部統制マネジャ育成教材 ・情報セキュリティマネジャ育成教材 ・ICT戦略マネジャ育成教育 ICT戦略マネジャ育成教育 ・ICTシステム構築マネジャ育成教材 システム構築マネジャ育成教材 ・「ふるさと元気端末」の利用方法教材 Page 13 ・本事業で開発したシステムの利用方法教材 7.ICT普及人材の育成成果 c.ICT人材育成成果<システム運用> ・ふるさと元気サービス用コンテンツ作成、配信業務 ・顧客データベース作成・更新業務 ・端末へのアプリインストール業務 についての技術を習得した。 d.ICT人材育成成果<サービス運営> ・端末操 ・端末操作説明及び 説明及び事 及び事業内容説明 業内容説明業務 説明業務 ・端末操 ・端末操作教室 作教室企画・運営業務 ・地域ICT 地域ICTリーダー育成 ICTリーダー育成勉強 リーダー育成勉強会企画・運営業務 勉強会企画・運営業務 ・電話による 電話による質問 による質問対応業務 質問対応業務 についてコミュニケーション能力 についてコミュニケーション能力を習得した。 能力を習得した。 Page 14 8.地域ICTリーダー人材育成プログラム 高齢者端末利用者に対する地域ICTリーダーとして人材育成プログラムの実施 地域ICTリーダー育成勉強会を計4回実施 講師:佐藤 唯行 氏(東京大学生産技術研究所研究員) 第一回勉強会 回勉強会(全地域対象) 「地域のつながりを 地域のつながりを大事 のつながりを大事にする 大事にする事 にする事業について考え 業について考える」 考える」 45名 45名の参加者により開催 の参加者により開催 第二回勉強会 第二回勉強会(全地域対象) 「ふるさと元気プログラムが地域 「ふるさと元気プログラムが地域にもたらす 地域にもたらす価値 にもたらす価値」 価値」 40名の参加者により開 0名の参加者により開催 の参加者により開催 Page 15 8.地域ICTリーダー人材育成プログラム 全地域から個別地域への事例発展 経緯:全地域から個別地域(東栄町)へ、勉強会の地域を絞った理由は、第1,2回勉強会への参加したモニター者から、高齢化率が 40%超で人口減少率が高くこれから先の生活に危機感を持っているとの話題が出て、自分達の地域でその問題点を広く共有 して具体的な解決策を出す作業を行いたいというリクエストが出た。そこで第3・4回勉強会の場を東栄町に設定した。 第三回勉強会 第三回勉強会(個別地域対象) 第四回勉強会 第四回勉強会(個別地域対象) 「高齢化 「高齢化社会を見据え 社会を見据えた 据えた地域の 地域の未来構想 来構想」 15名 15名の参加者により開催 の参加者により開催 「高齢化 「高齢化社会に直面した地域 社会に直面した地域の現状 地域の現状把握 の現状把握」 把握」 21名 21名の参加者により開催 の参加者により開催 Page 16 9.地域ICTリーダー人材育成プログラムの成果 地域ICTリーダー育成勉強会(ワークショップ)で議論された内容から、地域 の課題をICTを利用して解決していく複数の具体案を作成した。 Page 17 10.本事業総括 本事業主旨を要約すると「高齢者の情報格差解消を目的とした双方向情報基盤の確立」と「地域に貢献するICT活 用を促進する人材の育成」である。 双方向情報基盤とは、高齢者の身体的特徴を考慮したユーザーインターフェースとコンテンツである。ユーザーインタ ーフェースは、身体的特徴すなわち若者に比べて年齢を重ねることで誰にでも起こるハンディキャップを補えるように 設計しなければならなかった。技術面だけでなく、人的な活動も重要であった。 高齢者の行動的特徴の一つに、一人で説明書等を読んで新たな取組みに向けた行動を起こしづらいことが挙げら れる。これは、1,000名の高齢者モニター募集時の活動にて多く聞かれたことから言えることである。まず、ICT活用 という大きな課題ではなく、iPhone4とふるさと元気アプリケーションの基本的活用ができることをゴールに、iPhone 教室を4拠点で実施し、参加者は延べ360名に達した。結果としての利用実態は、平成22年12月の実績を分析する と、700名のモニターユーザーの利用パケット数が、55,125(パケット使い放題の限界:これ以上の利用だとパケッ ト使い放題を利用していてメリットがある数字)を超過した。 このことからも、今回の事業の中で、モニター高齢者が予想以上にふるさと元気端末を活用していたことがうかがえ る。すなわち、使いやすいユーザーインターフェースと適切なサービスを融合し、継続的な育成計画を実行すれば、ほ ぼすべての高齢者がスマートフォンを利用して、インターネット環境から情報を入手、発信することにより、情報格差を なくすことができることが立証されたといえる。 地域ICTリーダー育成勉強会を計4回実施したことにより、現実の姿とあるべき姿のギャップを明確にし、地域が抱え る課題を共有できた。これら課題は単独のものではなく、それぞれ連携していることを認識し取りかかり易い課題に落 とし込んでプロジェクト化し、レベルの違うプロジェクトを複数作成しそれらが一つのプログラムとして実施されることに より最終目標「高齢者が活き活きと暮らせる地域社会の確立」を達成するという思考プロセスを地域ICTリーダーが身 に着けた。これにより今後ICTが課題解決プロジェクトで有効に活用されると考えられる。 ふるさと元気センターのスタッフとして地域雇用者は、当初10名を予定していたが、最終的には15名雇用でき、全 員にICT教育を実施できた。その結果、地域ICTリーダー育成勉強会の企画・運営業務、ふるさと元気サービスの情 報コンテンツ作成・更新業務、iPhone4へのふるさと元気アプリケーションのインストール・トラブル対応業務、iPhone 4教室の企画・運営業務を実行できる能力を備え、平成23年3月以降の民間自立運営組織の一員となる人材となっ たと考えられる。 Page 18