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共通利用可能な分野横断リスク関連知識

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共通利用可能な分野横断リスク関連知識
科学技術未来戦略ワークショップ
共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
エグゼクティブサマリー
科学技術振興機構(JST)/ 研究開発戦略センター(CRDS)は、JST の研究開発戦略
を立案するとともに、我が国の研究開発の推進に資する基礎データおよび知見の収集とそ
れに基づく戦略的研究分野の提言を行っている。平成 24 年度に「社会的潜在リスクの発見」
について事前調査を行った中で、検討すべき研究分野として「リスクの相互関係の構造化」
が取り上げられ、リスクの構造化チームが発足した。
平成 23 年度に策定された第 4 期科学技術基本計画においては、我が国のリスクマネジ
メントと危機管理の不備が指摘され、科学技術の可能性と潜在リスクに関する情報共有の
在り方が議論されている。しかし、この課題を担う国家レベルの研究プロジェクトはいま
だ存在していない。
リスクの概念は一般に、生起する事象の確からしさと、それによって引き起こされる負
の結果の組み合わせで定義されるが、社会経済システムに大きな影響を与える「システミッ
ク・リスク」は、認知バイアスのために「確からしさ」の正確な測定と「負の結果」に対
する公平な評価が困難である。「システミック・リスク」を単独の原理原則で見通すこと
は不可能であり、分野をまたがる複雑な因果関係を考慮した対策が必要となる。その一方、
現状は、環境・医療・金融・IT などさまざまな分野において研究の蓄積があるが、分野
ごとに主要概念の意味の違いが存在し、分野横断的な、概念の翻訳やデータ・知識の互換
性を保証するシステムは存在しない。
ここで使用している「システミック・リスク」という用語は、通常金融分野に限って使
用することが多い。一つの現象が分野を超えて全体に影響するという意味で「全体リスク」
という訳を与えることが多いが、今回のテーマにおいても、リスク全体を考えるという意
味で金融に限らずこの用語を使用する。
また、社会に目を向けると信頼性工学・リスク学・レジリエンス工学等の最近の研究成
果が普及していない現状がある。リスクの全体像を効率的かつ的確に把握し、リスクと総
体的に向き合う対策を確立するためには、様々なリスクを分野横断的な共通フォーマット、
共通モデル、共通言語で俯瞰、議論できるような、
「分野横断リスク関連知識プラットフォー
ム」の構築が必須である。そして、このプラットフォーム上で、リスク概念を管理し、シ
ステミック・リスクに関するシナリオ分析を可能とする運用組織の構築が望まれる。
リスクマネジメント関連の研究・報告は世界各国の研究機関や国連の機関などで実施さ
れている。また、リスクマネジメントを主導し、その関連情報を国民に提供する国家組織
をもつ国々も多い。しかし、このようなプラットフォーム構築に関する研究開発プロジェ
クトは存在しない。
リスク構造化チームでは、以上の検討結果に基づいて、平成 25 年 7 月 25 日(木)に「共
通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制」ワークショップを開
催し、有識者の意見を伺うこととした。本ワークショップでは、当該研究分野の立ち上げ
について、これまでの研究の紹介と考えられる研究課題の検討を行った。また、各専門分
野のリスク研究の紹介を目的に金融分野、品質管理分野、環境分野の専門家による講演と、
プラットフォーム構築の理論的・方法論的根拠の紹介を目的に、レジリエンス、知識共有
の専門家による講演を行った。これは、リスク関連知識の意義を各専門分野から俯瞰する
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科学技術未来戦略ワークショップ
共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
ための議論と、それらの知識を分野横断的に纏めるための議論の両方をカバーする目的で
あった。さらに、縦横2つの軸に関する議論を深めるために、システム科学分野に造詣の
深い専門家をコメンテータとして招待した。
本ワークショップの主要な結論は次のとおりである。当該研究を国が主導することは有
意義であり、1)本プラットフォームの実現が分野横断的にリスクについてコミュニケー
ションを取るにあたって有効なこと、2)本プラットフォームのもとで、リスク研究から
分野共通の構造や対策法が発見できる可能性があることが示唆された。さらに、本研究の
推進にあたっての重要な課題として以下の2つの点が指摘された。1)個別の専門分野研
究とこのプラットフォームとの関係、プラットフォームを実現する方策を明確にすること。
2)本プラットフォームの有用性を示すため、ステークホルダーの関わり方やアウトプッ
トイメージも明確にすべきこと。
本報告書は、ワークショップにおける講演および議論をまとめるとともに、今後更に検
討を要する事項について整理したものである。
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科学技術未来戦略ワークショップ
共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
目 次
エグゼクティブサマリー
1.開催概要…………………………………………………………………………………………… 1
2.講演概要…………………………………………………………………………………………… 4
3.全体討論概要…………………………………………………………………………………… 12
4.発表資料………………………………………………………………………………………… 22
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共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
1
1 開催概要
1.開催概要
1-1.背景と目的
科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)は、わが国の研究開発戦略、並
びに研究開発活動の推進に資する提案の作成を主たるミッションとして活動している。
環境問題や金融問題など社会全般に影響を及ぼす全体リスク(システミック・リスク)への
対応は現代社会において焦眉の課題である。平成 24 年度に発足した「リスクの構造化チーム」
きる関連知識プラットフォームを実現することが必要との認識に至った。
リスクの概念は一般に、生起する事象の確からしさと、それによって引き起こされる負の結
果の組み合わせで定義されるが、社会経済システムに大きな影響を与えうるシステミック・リ
3 全体討論概要
スクは、認知バイアスのために「確からしさ」の正確な測定と「負の結果」に対する公平な評
価が困難である。
「システミック・リスク」を単独の原理原則で見通すことは不可能であり、
分野をまたがる複雑な因果関係を考慮した対策が必要となる。
その一方、現状としては、環境・医療・金融・IT などさまざまな分野において、ある程度
の研究の蓄積は存在する。しかし、分野ごとに主要概念の意味合いの違いが存在し、分野横断
的な、概念の翻訳やデータ・知識の交換可能性を保証するシステムはない。また、信頼性工学・
リスク学・レジリエンス工学等の最近の研究成果が個々の分野のリスク研究に普及していない
のが現状である。
したがって、このようなリスクの全体像を効率的かつ的確に把握するためには、様々なリス
クを分野横断的な共通フォーマット、共通モデルで俯瞰、議論できるプラットフォームの構築
が必須である。そして、このプラットフォーム上で、リスク概念を管理し、システミック・リ
スクに関するシナリオ分析を可能とする運用組織の構築が望まれる。
海外では専門家によるアンケートベースのリスクの構造化プロジェクトが継続しており、ま
た、国内においても個別分野に限ったリスクの構造化が実施されている。しかしながら、これ
2 講演概要
では、これに対応するための調査研究を実施してきた。その中で、システミック・リスクを明
確に把握するための、分野横断的な共通フォーマットを開発し、共通モデルで俯瞰・議論がで
らの研究開発は部分的なものにとどまっている。根拠に基づくリスク評価を可能とする分野横
断的なプラットフォームを構築するためには、まずは共通に使用できるリスク分野の用語の体
系の整備が必要である。
本ワークショップでは、上記の分野横断的なプラットフォームの実現手法、研究提案におけ
トフォームの構築は適切な手段か、日本の研究開発やビジネスにどのような貢献ができるか等
を論点とした。
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4 発表資料
るリスク評価を課題として提示し、有識者との議論を通じ、プラットフォームの必要性及び実
現可能性、また研究開発推進の課題を探ることを目的とした。公的資金を投入する意義を明確
にするため、リスクの構造化によって解決が期待できる社会的課題は何か、分野横断的なプラッ
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1-2.日時・場所
日 時:平成 25 年 7 月 25 日(木)13 時~ 17 時 45 分
場 所:JST 東京本部別館 2 階会議室 A-1
1-3.参加者
講演者(敬称略、五十音順)
江守 正多 (独)国立環境研究所地球環境研究センター 室長
北村 正晴 (株)テムス研究所 代表取締役・所長、東北大学名誉教授
鈴木 和幸 電気通信大学大学院情報理工学研究科総合情報学専攻 教授
高安 美佐子 東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻 准教授
橋田 浩一 東京大学大学院情報理工学系研究科ソーシャル ICT 研究センター 教授
コメンテータ
兼田 敏之 名古屋工業大学大学院創造シミュレーション工学専攻 教授
高橋 真吾 早稲田大学創造理工学部経営システム工学科 教授
高橋 信 東北大学大学院工学研究科 技術社会システム専攻 教授
田名部 元成 横浜国立大学大学院国際社会科学研究院 教授
出口 弘 東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻 教授
増田 耕一 (独)海洋研究開発機構 地球環境変動領域 主任研究員
コメンテータ(CRDS)
鈴木 久敏 システム科学ユニット 特任フェロー
舩橋 誠壽 システム科学ユニット 特任フェロー
本間 弘一 システム科学ユニット 特任フェロー
豊内 順一 システム科学ユニット フェロー
松尾 敬子 政策ユニット フェロー
事務局
CRDS リスクの構造化チーム
木村 英紀 システム科学ユニット 上席フェロー
寺野 隆雄 システム科学ユニット フェロー
シンジャワ システム科学ユニット フェロー
富川 弓子 システム科学ユニット フェロー
西村 佑介 ライフサイエンス・臨床医学ユニット フェロー
藤井 新一郎 システム科学ユニット フェロー
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オープニング
13:00 ~ 13:05 開催挨拶 木村上席フェロー
1 開催概要
1-4.プログラム
13:05 ~ 13:20 趣旨説明 寺野フェロー
セッション 1
「リスク研究についての講演」
13:50 ~ 14:20 鈴木教授「リスクモードに着目した未然防止とそのシステム」
14:20 ~ 14:50 江守室長「地球規模の気候変動リスク管理戦略の構築に関する総合的
研究 ICA-RUS /イカロス」
14:50 ~ 15:20 北村所長「レジリエンスとリスク」
15:20 ~ 15:50 橋田教授「データ共有と自立分散協調型社会」
2 講演概要
司会:寺野フェロー
13:20 ~ 13:50 高安教授「システミックリスク 統計物理学の視点から」
15:50 ~ 16:05 (休 憩)
おわりに
17:00
今後の方向性等 寺野フェロー
閉会挨拶
木村上席フェロー
3 全体討論概要
セッション2
「全体討論」
司会:寺野フェロー
16:05 ~ 17:00 全体討論
4 発表資料
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2.講演概要
2-1.「システミックリスク 統計物理学の視点から」(高安教授)
• ICT の進歩によって、人間の行動・社会・経済の現象が、構成要素の特徴や相互作用に法
則性を見いだせる科学の土俵にのせられるようになり、統計物理学で研究されてきた。
• 複雑な現象の本質を横断的に理解するための数理の一つは、べき分布の発生メカニズムの研
究であり、金融市場のリスクや災害規模などに見いだされる。
• もう一つは、複雑なネットワークの科学であり、人や物の複雑なつながりにもつながり構造
の類似性が見られ、べき乗則にしたがう現象が数多く見られる。
• これらの背後にあるダイナミクスもわかってきた。ランダム乗算過程や注入凝集系、相転移
現象、自己組織臨界現象などである。
• システムのロバストネスをシステムの脆弱性が持つ普遍性から捉える。物理化学の相転移と
同様な破壊現象が社会システムでも観測される。定量化できるとストレステストが可能にな
り、特定企業の除去・合併や、ある地域が被災した場合の変化をシミュレーションできる。
• このようなモデル化は企業からも引き合いがある。今後は統合した社会システムの中で相互
作用を考えながら、複雑なネットワークの記載をしていく。
<質疑>
• モデルは、時間的に変わってしまうことがあるか。(舩橋)
• 時間的に若干変わっているし、業種ごとでも違っている。(高安)
• システミックリスクの発生原理としてランダム乗算過程、注入凝集系を掲げ、そのマスター
方程式を表示したスライドがあった。このような原理は、他にもたくさんあるのか。(寺野)
• これらの複合現象は存在し、大枠はこれだけのモデルで表現できる。まず、実際の現象がど
れにあたるか観測をしながら、あたりをつけて詳細に見ていく。これでほとんどのシステム
が築ける。
(高安)
• モデルの使い方に関するメタ的な考え方を進化させていかなければならない。社会実装を含
む形でモデルの理念型の考え方を発展させていくことは、非常に重要である。(出口)
• 正規分布の発生原因は中心極限定理だが、それに対応するようなものがあるのか。(木村)
• ここで示した原理は中心極限定理を拡張したものになる。(高安)
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• 将来起こりうる事象を絞り込むことができれば、未然防止の策を考えることができる。これ
を想定するには、過去に起こったものを一般化する帰納的アプローチと、ニーズからどう達
1 開催概要
2-2.リスクモードに着目した未然防止とそのシステム(鈴木教授)
成していけばいいかを考えるシステム的アプローチとがある。
• 帰納的アプローチには、トラブル情報の共有、個別トラブル事象の普遍化とその仕組み、プ
ロセスへの PDCA、インシデント情報の活用がある。
• システム的アプローチでは、外部・内部ストレス、故障のメカニズム、故障モード・トップ
て考えられる。このうち故障モード、トップ事象モードをリスクモードと呼ぶ。
• 故障モードとは、製品・システムの構成要素中の好ましくない現象あるいは事象を、できる
だけ多くの構成要素に対し、その不具合事象を容易に予測しうるよう、抽象化・一般化を図っ
たものである。
2 講演概要
事象モードの 3 段階に着目する。特に、故障のメカニズムまでを危険因子(ハザード)の
潜在領域として捉えれば、ハザード、故障モード、トップ事象モード、影響の 4 本柱とし
• トップ事象モードとは、重大事故・重大危害発生のシーケンスに着目し、これらの事故・危
害に至る直前の事象をできるだけ多くのシステム・製品・構造物等に適用しうるよう汎用化
したものである。
• 信頼性工学の分野で培われてきた手法は未然防止につながる。いろいろな分野で、リスクモー
ドに対して考えていけば、かなりのものは共通的に取り扱えるのではないか。定量的な構造
化に取り組んでいきたい。
示したときに、言語的な伝え方以外にリスクの構造を共有するための方法というのは、信頼
性工学の中で何か議論されているのか。(田名部)
• 例えば、外部・内部ストレス、故障のメカニズム、故障モード・トップ事象モードの 3 つ
のメカニズムの概念は、日立製作所が利用している。これまで経験した問題をデータベース
に加え、これに近い対象についてはキーワード検索することができる。例えば対象とするア
• 市民レベルになると、いくらこれが危険とかこれを読んでくださいといっても、なかなか伝
達できない。文章的な理解というのがあるとすると、そのほうが実は伝達しやすいのではな
いか。また、ロールプレーのような体験で伝えることもあると思う(田名部)
• NITE の事故データを見ても同じことばかり起こっている。情報共有、伝達モードは重要な
観点である。(鈴木)
• 組織間の情報共有については、体系の中ではどのように扱われるのか。企業間の技術秘密が
あるので情報共有は難しい。(高橋(真))
• ものづくりをしていくときに、負の側面というのは共有すべきである。何か共通の仕組みを
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4 発表資料
イテム、部品とストレスを入れて検索する。これによって、事象検索にかかっていた時間が
4 分の 1 になり、見つかる故障モードが 2.5 倍になったという報告がある。(鈴木)
3 全体討論概要
<質疑>
• 過去経験がない物理現象、あるいは過去経験のない人的現象に対しては、このリストアップ
するという方法でどのように防ぐのか。(高橋(真))
• 信頼性工学の中で過去に分析されたものが、知識として構造化されているが、結局これを提
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つくっていくという骨格づくりというのはわれわれがやらなければいけないのではないかと
思う。(鈴木)
• 具体的な事例を解析する際に、自動的に推定する方法はないか、テキストマイニングが使え
ないかと思った。例えば、形態素解析にかけて、言葉の分類や相関からクラスタ構造を抽出
し、クラスタ分析にかけてとか、自動的に解析できればもっと大きなシステムの問題に対し
てもできるのではないか?(高安)
• 私たちのグループではコンピューターを使った演繹・遡源的な方法により、専門知の集約に
よるリスク事象の発見にも努めている。(鈴木)
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ICA-RUS/ イカロス」(江守室長)
1 開催概要
2-3.「地球規模の気候変動リスク管理戦略の構築に関する総合的研究 • この研究でのリスク構造化の目的は、近未来よりも長期のリスク発現確率を左右する意思決
定、合意形成の支援である。気候変動枠組条約 COP16 の合意にもかかわらず、目標の達成・
影響の見通し、根拠、確実性には、対策積極派と慎重派の間で論争がある。こうした気候変
動政策を検討するには、気候変動影響リスクと、対策に伴うリスクとのリスクトレードオフ
を考えなければならず、リスク構造を明確にする必要がある。「イカロス」という名には、
こうしたリスクトレードオフの象徴としての意味も込められている。
<質疑>
• 定量的に分析する試みは?(高安)
3 全体討論概要
安易につくらないこと。将来の変化による随時見直しを前提とすること。科学的合理性のみ
では最終的な回答が得られず、社会的な価値判断を伴う必要があることを前提とすること。
• ICA-RUS では 5 つのテーマで活動している。空間スケールは地球規模、時間スケールは
100 年規模であり、自明な意思決定主体やリスク管理主体が存在しない問題を扱う。これを
考慮して、リスク管理については、International Risk Governance Council(IRGC)のリ
スクガバナンスの枠組みを参考にしている。
• 項目の羅列としてのインベントリだけでなく、手作業に基づいてソフトウエアでリスク因果
関係のグラフ化を行っている。例えば、気温が上がり、強い雨が降ると、洪水が起きて、直
接の被害が発生し、さらに二次災害的に感染症が流行する、といった関係の連鎖が取り扱え
る。
• リスクの構造化のプロセスでは、知識集積だけでなく信頼構築の観点からも、ステークホル
ダーのフィードバックを得て、偏りや抜けを無くしていくプロセスが重要である。
2 講演概要
•「リスク管理」については、次のようなフォーカスを行っている。不確実下の意思決定とし
て問題を扱うこと。最大限利用可能な包括的・中立的な情報に基づくこと。想定外のものを
• モデリングを行って、定量的な数字で出すということを試みている。(江守)
• 科学的不確実性が結構あると思うが、科学的不確実性があるような因果関係については、ど
のように表現するのか。(高橋(真))
• グループ内のコミュニケーションツールと認識共有のためのリストアップ。それと、外部に
対しての成果公表。(江守)
• ステークホルダーごとの内部モデルの差を含む形で、意思決定を重層的に扱うようにするよ
うなことができないかどうか。(出口)
• 整理できていないと認識していて、課題として今後検討したい。(江守)
• イベントツリー解析のような形でシナリオ解析するのか、その戦略はどうか?(出口)
• 気象モデルの気象変化結果を使って、例えば水資源とか、農業とか、健康とかの影響モデル
を操作する。その結果に基づいてシナリオを整理していくやり方を考えている。例えば、あ
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• 不確実性の大きい問題もあるが、主に、因果関係の存在が少なくとも定性的には明らかな問
題を扱っている。(江守)
• グラフとか表が研究全体の中でどう位置付けられているのか。(橋田)
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る温度変化を制御するためには排出量をどのように決定しなければならないか、また、その
ときにはエネルギー技術のレベルはどうならなくてはいけないかなどという社会経済対策の
シナリオを書くことになる。すでに我々の分野では、エネルギー経済のモデルを使ってたく
さんシナリオを書いてきた。今後は、対策に伴うリスクも含めたトレードオフの構造をシナ
リオとして提示したい。(江守)
• 総合的研究のこのテーマ 5 の「社会的合理性」という言葉は何か特別な意味合いをもたせ
ているのか。(兼田)
• ある意思決定がなされたときに、どれぐらい社会における多様な関係者がそれについて考え
て関与して、それがどんなかたちで反映されて、それにみんながどのぐらい納得しているか
とか、そういう関係のことを呼んでいる。(江守)
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• 安全学の分野では大規模人工物システムは固定的でなく変化することを基本認識とする。こ
の変化に対応しつつ動作を継続・復帰できることがレジリエンスの要件となる。
1 開催概要
2-4.レジリエンスとリスク(北村所長)
• 従来型の「安全」の難点は、
「安全」を追求した結果の脆弱さであり、東日本大震災でも実
例が見られた。より望ましい特性としての「安全」を考えると、従来型の「安全」を超えた
安全性の再定義も要請される。
• 第 1 種の安全性と第 2 種の安全性とを区別したほうがよい。第 1 種の安全性は、望ましい
認識を前提とする。
• レジリエンスエンジニアリング(RE)では、大規模システムを次のような特性を持つもの
として捉える。変化が常態であること。そのため完全な情報を獲得することはできないこと。
3 全体討論概要
動作の継続最優先であり、安全最優先が目的ではないこと。ただし安全は動作の継続の最重
要要件であるから、この目的設定でも安全は十分に重視されること。失敗・危険へのドリフ
トが常に存在すること。ドメインによっては極めて高い安全性が要求されること。
• システムをレジリエントにする基本方策は、対処、監視、予見、学習が主要な 4 能力である。
補完する重要な能力として、変化への気づき、資源の確保、失敗だけでなく成功事例を対象
とした学習、自己認識の 4 つも挙げられる。これを単純化すると「容易でない状態を常に
計測しつづける」という言い方になる。
• 組織は、問題点を現場に集中しがちでトップの状態を無視しがちある。
•「リスクの構造化と利用」という観点からは、リスクの否定表現としての安全性の定義は妥
当とはいえない。リスクマネジメントスキームの導入と、事前処方の提案の導入が必要であ
る。
• 本質的には、具体例問題解決法を求めるだけでなく、学術的背景の把握が求められる。
2 講演概要
状態を固定的に定義する。これに対し第 2 種の安全性は、動的な失敗の回避と復旧を目指し、
システムは変化こそが常態であり、システムと環境についての知識は常に不完全であるとの
<質疑>
• レジリエンスエンジニアリング(RE)といったときに、単なるリストのチェックでとどま
らず、方法論、認識論がいるように感じた。また、想定除外に関して、モデル設定の根源に
もどって、社会的なある種のゆがみみたいなものとかを RE で今議論できるか。(出口)
どの鈴木先生のような、故障とか異常のご専門の方、ヒューマンファクターの専門、組織マ
ネジメントの方、それと現場をよく知っている人たちというのが、チーム構成として本当は
やらなくてはいけないと思う。(北村)
• RE を従来の安全工学や信頼性工学との違いを区別するために、危機管理的なところに集中
するとわかりやすい気がした。(鈴木(久))
• 危機管理だけに集中はしない。学問の縦割り、技術の縦割りで原発の配電盤を地下に置いた
ままにしてしまったということがないようにレジリエンス的に考えることを提案している。
(北村)
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• RE で議論するというよりは、RE の考え方が社会や組織に埋め込まれることが必要だと考
える。
「もともと問題の対象がクローズドワールドじゃなくてオープンワールド」と説明した。
本質的に最初から完全解はできなくて、それを専門家、例えばレジリエンスの専門家、先ほ
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• 原発の事故対策において「原発は危険」といわれることを避けるために、使える対策(ロボッ
ト)も使えなかった、という話があるが、こういった話は RE の守備範囲か?(橋田)
• ディフェンス・イン・デプスという概念がある。防御壁があるがそれが壊れたら次はこれを
やるという考え方。当然、シビア・アクシデント・マネジメントとかロボットとか考えるの
は当たり前である。しかし、原発事故の場合は、シビア・アクシデントの可能性について地
元に説明できないという理由で使えなかった。安全に対する理解が国民と専門家の間で共有
されていないといった最大の問題がある。第 2 種の安全性、それから深層防護、そして防
災ロボットまで考えに入れた考え方が重要である。それから、安全でなければ嫌だ、怖いか
らとにかく安全と言ってくれという方に対して、安全の本質は何も起こらないことではなく
て、水面下ではいろいろなアクティビティの結果として、水上では何も見えていないという
ことを理解してもらう必要がある。そのためには、社会的な意見交換が積極的になされなけ
ればならない。その枠組みとしての答えを、RE がカバーしていると思っている。(北村)
• エンジニアリングという言葉を使っているが、どこの部分がエンジニアリングなのか。
(田
名部)
• この学説を推奨している人たちの言い方は次のとおりである。「われわれはまだレジリエン
スをエンジニアする最終的な手法は確立していない。それに向かっていろいろなことをやっ
ている。だから、なんとかしてレジリエンスという望ましい性質を人工物や社会システムの
中に埋め込まなければならない。そのためにレジリエンスをエンジニアする方法を探求して
いるからレジリエンスエンジニアリングという用語を使う。」
(北村)
• 能力の 4 つ、それから残りの 4 つというかたちで、全部で 8 つの能力を挙げていた。私は、
事故の発生をいかに防止するか、万が一それが発生したときにどう発見するか、それから、
事故の影響防止という3つがあるではないかと思う。先生の能力の中には、発生と発見のほ
うはこの中に含まれている。影響防止で特にフェールセーフ、パッシブセーフ、そこのとこ
ろがこの能力の中で、どこに関連するのか。(鈴木)
• それは今日のフレームワークでいうと、リソースのほうに入る。このリソースという用語は、
バッテリーがあればよかった、電源があればよかった、自動車がいればよかった、という話
だけではない。例えばフォールトトレラントとか、フォールトトレラントといっても、1 つ
は装置の仕組みとしてのバリアなども含まれる。バリアという概念が共通に安全を守るため
にあると思うが、仕組みとしてハード的なバリアがあったり、品質保証的にいろいろなとこ
ろをチェックして見つけていくというのがソフト的なバリアも必要である。そのバリアはこ
こでいうリソースとほぼ等価である。ただ、先ほど質問が出たチェック用のテーブルとかは、
バリアに入れるか入れないかあたりは、まだ定説はない。(北村)
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• ICT による社会リスクの管理・低減は、基本的に自律分散協調システムになるべきである。
個人や組織が自らのデータを統合的に蓄積・管理して、他者と自由かつ安全に共有するメカ
1 開催概要
2-5.データ共有と自立分散協調型社会(橋田教授)
ニズムがあれば、ロバストなシステムとしてのインターネットと同等のレジリエンスを実現
できる。
• 個人が本人のデータを蓄積・管理し、他者と自由に共有して活用する仕組み(Personal
Data Store/PDS)には、いくつか考え方がある。現在は事業者がデータを集中管理してい
Personal Life Repository(PLR)と呼ぶ。事業者には内容がわからないかたちでデータを
蓄積し、他人に開示するには限定したデータの復号鍵を渡す。こうすると、全体として自律
分散協調型のレジリエントな社会ができる。それだけでなく、この仕組みで分散型 SNS を
•
•
•
•
3 全体討論概要
•
実装すると、従来の集中型 SNS のような個人情報の漏洩、検閲や言論統制といった懸念を
回避できる。大規模サーバーも必要ない。
assemblogue という私が開発中の SNS は、こうした仕組みの上に、オントロジーに基づい
て構造化されたグラフを編集するかたちになっている。数量ではなく意味構造に着目した重
要性の評価もできる。
PLR の展開例としては、多様な形式のデータを簡単に統合した、集合的標準化に基づく放
射線量マップがある。一般市民が取ったデータから科学的議論の場をつくるのは、危機管理
には重要である。
誰でも一定の作法でデータを取り共有することが、PLR の仕組みを使えば簡単にできる。
一般市民の科学的リテラシーを高めながら、世の中全体をめぐる仮説検証サイクルがデータ
に基づいてまわるということは、社会全体のリスク管理には最も重要ではないだろうか。
見通しなく集めるビッグデータではなく、必要に応じて集められるようにしておく「集めな
いビッグデータ」が効率的である。
このように、PLR のサステイナビリティとスケーラビリティには、サーバーが不要で、利
2 講演概要
るが、個人がデータを自律分散管理するほうが望ましい。こうした、個人データを本人が
蓄積・管理し、相手とデータの種類を自由に選んで安全に共有・活用するための仕組みを、
用者はほとんど何もしなくてよいという特長がある。そこから個人と組織の自律性と協調性
も担保される。
<質疑>
• データの発行主が電子署名をする。個人の入力ミスや間違いは防げない。(橋田)
• 結局、業者が出てきてアーカイブっぽいものをつくって、それを売ってということにならな
いか。
(高安)
• どれぐらい精度の高いデータがどれぐらいのコストでためられるかという話。個人の私生活
にわたるようなデータは、本人がつくってためるのが一番コストが安い。(橋田)
• 難しいのは、データを間引きすることではなくて集約することである。(橋田)
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4 発表資料
• PLR の話というのは制度イノベーションと関わるところで非常に大きな社会のリスクの問
題に関係してくるのではないかと思う。(出口)
• データの管理の面で、改ざんや間違いはどのように防ぐのか。(高橋(真))
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3.全体討論概要
(1)自由討論
コメンテータの主な意見は以下の通り。(自己紹介部分は省略)
• いろいろな切り口があると感じた。気候変動リスクの問題はステークホルダーの存在を最初
から前提に置いた設計にしたほうが、政策との繋がりがあるものが出てくる気がする。90
年代にポストノーマルサイエンス(フントヴィッツ&ラベッツ)の議論があった。これは、
種々
の不確実性(認識論的・科学的・社会的)や強い対立がある中で、政策決定と科学という二
つのコミュニティのあいだの関係を制度設計するもの。熟慮討論を基本に『拡張されたピア
レビュー』などの概念が挙げられていた。各国間の環境交渉などはまさにステークホルダー
の集まる場所。そういう意味で、交渉の行方の不確実性(コンティンジェンシー)それ自体
がリスクになる。(兼田)
• リスクの問題というのは、ハードが得意な領域と不得意な領域とのはざまにあると思う。リ
スクは一人一人違うと思うので、その主体をどのように入れていくかというところに関して、
少し温度差がある気がした。その意味では、今日これからの議論の中で、そういった部分が
出てくるのではないかと感じた。(高橋(真))
• 今日の 5 つの講演は、かなり網羅性を意識しているのですか。(高橋(真))
• ドメインの話はもう少し入れたかったが、きりがなくなるので 3 件にしぼった。これから
あとで説明する提案に関連しそうな技術を選択した。(寺野)
• リスクというものをどう捉えるか、特に一番気になったのは、北村先生の講演である。危機
管理という立場で見てしまうが、非常事態における意思決定者の行動はどうあるべきかとい
うところに関心がある。事前にいくら考えていても、いざとなると全ての情報が入ってくる
わけではないし、ごく一部の情報で先のことを考えながら手を打っていかなくてはならない。
事前にリスクを全て理解できているわけではない、その場でリスクを想像しながら物事を進
めていかなければいけないという、それをレジリエンス工学の立場からやっていく必要があ
ることを感じた。(鈴木(久))
• データ共有のところで、クラウドにデータを載せる話は、パーソナルに皆さんがデータを持っ
て、そのデータの置き場所としてだけ使うというときに、どういうビジネスモデルがそこに
考えられるのか疑問に持った。(鈴木(久))
• ステークホルダーから考えだしてしまう傾向にあるが、人ではなくて物語から出発して考え
るシステム科学というものがある気がする。イカロスの絵を出されていたのでそいうことか
もしれない。(舩橋)
• 冒頭の趣旨説明では、ドメインの専門知識はいれない、横断的・共通的なプラットフォーム
を提案していた。ドメイン情報がなくてもそういうものはできるのか。世の中ではドメイン
なしでそういうプラットフォームが今まであるのか。もしなければ、非常にオリジナルな話
という気がした。(本間)
• 昨年度このチームに参加していた。プラットフォームということに非常にこだわった。これ
は、ある程度共通点のある違う研究をやっている人が、同じ道具立てを使うことによって、
複数の研究の間のゆるい相互作用があるということを期待している面がある。同じプラット
フォームを共有するということ。例えば 100 年の間に温暖化はたぶん起こると思う。その
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13
れをいつ起こるというシナリオを作ろうとしてもできない。しかし、他方で、そういう戦争
のリスクとか経済破綻のリスクということを考えている人がいる。環境の専門家がこういう
1 開催概要
間に例えば戦争が起こるかあるいは国家規模の経済破綻が起こるかということがあって、人
によっては「温暖化を原因としてそういうことが起こりうる」と言う人もいる。しかし、そ
人と一緒に研究をやらないとしても、研究の議論を交わすぐらいの関係があったほうがよい
と思う。
(増田)
• ベックの「リスク社会論」にあるように、貧困がテーマになる社会からリスクを生産する社
会に変わるという社会科学的な視点も、こういう議論の中に入っていいと思う。リスクはモ
デルの外側からくるからである。設定されたモデルの外側に、実は本当のリスクが存在して
スクが発生する。つまりモデル設定そのものの行為を、主体的に扱わなくてはならない。特
にモデルの境界設定があるいはモデルの設定そのものが外部とリンクしてくるということが
しばしばある。その意味では、エンジニアリングの手前のところに、マネジメントとか制度
の問題、制度的なイノベーションの問題がある。さらに、その背後にシステム方法論みたい
いったものが可能となるプラットフォームをどうつくるかということだと思う。将来的には
そういった知見をどのように教育や人材育成に生かしていくかということも視野にいれてい
に関する概念を共有するかということに関して、先ほど共同研究するという話が出ていたが、
異文化のところに乗り込んでいかないと、どういう議論、どういう概念が実際にあるかがわ
からない。そういうことを促進させることは、ある意味でエスノグラフィカルな研究に近い
が、他分野、例えば特定の学会に、ある程度の期間参加することも考えられる。実際に、研
究活動の場に出てみて、その中で議論されているものが何で、どんなものが重要視されてい
るかということを学んで、また自分の分野に戻って帰ってくると、それで初めて、自分たち
が考えているリスクなどの様々な概念が他の分野でどう考えられているかを語ることができ
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4 発表資料
く必要がある。それから、私の視点としては、経済成長とか成長といったところとリスクと
のかねあいをどう考えるかということがある。現状はうまくいっていても、何か起こったら
困るというような観点がリスクには必要である。成長時であっても、何かが起こってしまっ
て成長自身が止まってしまうという可能性の観点でリスクを考えれば、もう少し危険なレベ
ルでリスクを考察しなければならなくなる。今回、原発の問題と経済成長の問題については
そういった面で見ていないといけなかったと思う。分野横断的な人たちがどうやってリスク
3 全体討論概要
なものがあって、知識運用論に至るような認識論的な考えが必要である。したがって知識の
階層みたいなものを考えて、方法論のレベルから具体的なエンジニアリングのところまで、
少し領域透過的に問題を考えていくというのが、リスクのように、典型的な分野横断的ある
いは分野透過的な問題を扱うときには、プロジェクトの中で議論するといいと思う。(出口)
• 知識の伝達にはいろいろなものがあって、文章で記述して、部分的な推論でそれを組み上げ
ていくという方法以外に、経験をベースとして伝えていくというようなこともある。最近の
流れとして、例えばシミュレーションのモデルについては、モデルそのものを皆が共有して、
そのモデルを操作する経験もまた共有するといった新しいやり方がでてきている。そういう
意味では、われわれはシミュレーションというある種のコミュニケーションツールを手に入
れたような状態にあり、そういうもの使った新しいコミュニケーションについてますます議
論するべき段階に来ている。今回のプロジェクトは研究者同士の知識の変換や対応付けと
2 講演概要
いて、今のモデルの中で考えてリストアップしてその全部に対策を立てても、その外側にリ
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14
共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
る。そのような活動をお互いにやりあって、それらを先ほど出てきたソーシャルネットワー
クのようなシステムの上で、見える化をして共有していくのがいいと思う。単純にオントロ
ジカルなレベルで、この言葉の意味はこれですよというだけの対応だと、なかなか理解が進
まないのではないか。知識を共有するというレベルで自ら人間同士がどこかのフィールドに
入って、自分が変化を受けて、その変化を自覚して、また自分のフィールドに戻って帰って
きたときに、どういう変化が自分の認識構造の中に生じているかということを批判的に見れ
て、それが表出されるようなメカニズムが求められるのではないか。(田名部)
• 例えば原子力の現場で、非常に規制が厳しくなっているが、社会的な批判が強い中で、規制
のみを強化することが本当にその現場の安全性、リスクを減らすことに寄与するのかという
ことが、非常に大きな興味の 1 つである。福島の現場での話を聞くと、非常にモチベーショ
ンが下がっている。電力会社として、批判は受けなくてはならない部分はたくさんあるのだ
が、そういった中でも現場を維持して安全性を確保してやっていかなくてはいけない。その
中でいったい何が必要なのかということを、実際に行って、現場を見てきた。そのような場
でも、非常につらい状況の中で非常に頑張っている方がいるわけで、彼等をどうサポートす
るかという問題を考えている。また、先ほどのキーワードの関連では、私は、非常時におけ
る人間行動ということに興味がある。実際トレーニングセンターで、いわゆるシミュレーター
を使って訓練をしているが、どういう訓練を行うことによって、想定外といった事象にも対
応できるのかを考えている。もちろん先ほどあったように、想定外というからにはそのモデ
ルの外側にあるものである。ただし、一般的な能力として、そういったものに対処できる能
力をどう醸成していくのかということを、そのカリキュラム、シミュレーションの訓練の中
でどういうふうに取り入れていくのかということを実際に今考えている。また、脳を測るこ
とで人間のリスク認知のメカニズムを考えるということを研究している。最後に、制御シス
テムセキュリティーという話にも足を踏み入れている。制御システムセキュリティーとは、
要するに、今、いろいろなプラントの中でネットワークで全部つながって制御系が動いてい
るといった中でマルウェアに感染することで非常に大きな社会インフラの影響があるかもし
れないということである。今、国レベルでも大きなリスクとして認識されている。それに対
して、まずそういうリスクに対する認識が、一般にないということが問題である。そういう
のが危ないという認識がまず足りない。どう啓発していくかを合わせて、制御システムのリ
スクの研究をやっている。(高橋(信))
(2)提案まとめと討議
寺野リーダーより提案の説明を行い、それについて討議した。
【提案の説明】
まず、リスク構造化へのアプローチは、今日のお話でもいろいろあったように非常に幅が広
い。普通だと全然コミュニケートできないようなことになってしまう。一応 2 つのフェーズ
で研究計画そのものを考えている。
最初のフェーズとして、国主導の研究プロジェクトを動かす。理論から見たプラットフォー
ムの位置付け、社会科学的な観点からも理論付けを行う。そして、実現上の技術的課題として、
いわゆる情報学の関係の先生方に加わっていただく。特にここでキーワードになるのが、橋田
先生の講演にあったオントロジーとか、知識ベースとかの概念。この中で特にデータの変換と
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な書き方をしているが、取りあえず想定しているのは鈴木先生の講演もしくは江守先生の講演
にあった用語集といったものが簡単につくれて、共用に使えるようなもの。その上で、利用者
1 開催概要
システム間の接続を支える方式は新しく考えていきたいと思う。
あと、利用者から見たプラットフォームの機能として、簡便に利用可能なツールというよう
から見た、いわゆるリスクの知識そのもの、それは各分野のシミュレーターなりデータなりと
結合できるような格好で使ってもらう。その意味で、われわれの考えているプラットフォーム
というのは中身がない。先ほど田名部先生から「枠だけでいいのか」という発言があったが、
その範囲にとどめないと、逆に国主導の研究プロジェクトとしては成立しないだろうと考えて
いる。
いる「Global Risks」レポートの話をした。発行している組織は非営利団体ではあるが、決し
てボランティアでやっているわけではない。そのスポンサーになっているのは主に保険会社で
ある。保険会社がリスクを考慮するということでお金を出す。このようなレポート発表活動は
ボランティアベースで動かすというのは不可能である。
2 講演概要
第 2 フェーズとして、実際に運用していきたい。先ほど最初のところで、毎年発表されて
そこで、国の役割というのが当然出てくる。包括的なリスク評価を絶えず続けていけるよう
な枠組みがどうしても必要になる。それで政策立案での利用ということまで書いてある。最終
的には専門家による、ありとあらゆる研究プロジェクトに対して、このようなプラットフォー
ムの情報を使って、あらかじめリスクアセスメントをやれるような仕組みがつくれたら、第 2
フェーズとして成功と考えている(註)。
リスク構造化プラットフォームのイメージを図示したものがこれである。
クトの主導のもとで、ICT システムとしてのリスク知識プラットフォームの研究開発す
るフェーズ。2)専門分野ごとに実施されている個別のリスク研究成果のプラットフォー
ムへの投入とリスク知識の関連づけのフェーズ。3)リスク知識プラットフォームを恒久
3 全体討論概要
(註)本ワークショップの議論を受けて作成した、戦略プロポーザル「共通利用可能な分
野横断型リスク知識プラットフォームと運用体制~リスク社会に対応する知識の構造化を
目指して~」のおいては、研究開発のフェーズを以下の3つに分けている:1)国家プロジェ
的に運用・維持・管理するフェーズ。また、この 3 フェーズによる方法は、我々が提案
している「システム構築戦略研究」の基本的な考え方にそうものである。
4 発表資料
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図 1 リスク構造化プラットフォームのイメージ(配布資料
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基本的には専門用語の意味の統一化と共通利用の達成、各分野におけるリスク研究成果は
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ICTによって統合する。各分野のリスク研究成果というのは取りあえずこのプラットフォー
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ムの外側にあるものだと私は認識している。それでないと、この研究プロジェクト自体が非常
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に大きなものになってしまって、収拾がつかなくなると感じている。
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こちらについては別にバーチャルな組織でも構わない。
ࣜリスク研究拠点というのを考える際、
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潜在リスク研究を普及させる。ここでリスク研究拠点とは前のスライドで書いたように、共同
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利用施設、大学の昔の大型計算機センターみたいなものを想定している。あれが知識の共有と
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いう意味で役に立つ。そこにはプログラム相談員というのが必ずいた。それで彼らが何だかわ
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からないけど相談にのってくれる。それでバグのあったプログラムがなんか動くようになった
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というような経験を皆さんお持ちだと思う。そういったことをリスク分野でできるようにした
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い。このようなリスク相談員は昔のプログラム相談員に相当するので、どこか一か所にいる必
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要もない。
そういったことをバーチャルな組織の中でできるようにしたい。
そこが下側にある、
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リスク研究拠点である。
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ࣉプラットフォーム上には、リスクのオントロジーとリスクのレポジトリというようなものが
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ある。そこには例えば、鈴木先生、江守先生のつくられていたような総合的なリスク関連情報
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が載っている。それが環境エネルギー分野でも信頼性の分野でも自由にアクセスできるそんな
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イメージを持っている。
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とプラットフォームとの境目に存在させる。これは各分野の専門の方に使ってもらえればよい。
リスクの問題は非常に広範囲に及んでいるので、ステークホルダーも多い。専門家の方々、
1 開催概要
それぞれの各専門分野の研究については、個別に進めていただく。それに対して統一のリス
クの知識ベースとかリスクの管理システムといったものを個別研究によって作られたシステム
政策意思決定者の方々、一般市民、この 3 種類のステークホルダーは必ず存在するが、この
研究プロジェクトの範囲では、取りあえず専門家の利用を想定する。というのは、意思決定者、
一般市民まで広げてしまうと、これ自体が非常に大きな論争を呼び、収拾がつかなくなると予
想されるからである。先ほどの意見にあったように、リスクはシステムの外側から発生する、
その外側の部分を全部取り組むことになってしまうので望ましくないと思う。
これまでの JST/CRDS の研究提案は、実際に動くプロジェクトが、だいたい 5 年程度のプ
ランを立てて終わりというのが多い。それではこの問題に対しては対応できないと思うので、
2 講演概要
少し狭くなるが、この範囲で、例えば 5 年間の研究期間を設定し、その間にリスク研究拠
点を整備して、これは永久に維持する体制を作りたいと思っている。
最終的にはこのリスク研究拠点といったリアルまたはバーチャルな組織を維持できるような体
制をつくるというのをゴールにしたいと思っている。
これに関して意見があれば伺いたい。
たい。(寺野)
• 少し位メタ的な専門化、例えば先ほどベックの話が出たように、社会学とか…。(出口)
• それは、構造化プラットフォームの外側に置いていいと思う。(寺野)
• ただ、その専門家も、ある意味はいりうる体制が必要である。(出口)
3 全体討論概要
<議論>
• 専門家の範囲に絞られるという、その専門家の範囲は、どのあたりなるのか。(出口)
• 私が考えているのは、例えば、環境・エネルギーだったり、医療・健康であったり、金融・
ICT であったりといった内容で、その範囲で言葉が通じるようにするところをゴールにし
• それは 5 年間の研究で深めていきたい。そこから先はどうなるかは、またその次の話になる。
(寺野)
• 同じリスクの専門家でも立場の違いによって、それ自身がコンフリクトが起きるので、一般
市民を入れるのと同じ程度に、いやもっと大きくコンフリクトが起きることは非常によくあ
このさじ加減が大変難しい。(出口)
• これは各専門分野研究がどれだけはいってこられるかの問題であろう。今日の話であったよ
うに、環境の問題と信頼性の話はたぶん対象範囲である。それでお互いにその中で共通の言
葉で話せるようになったら、それだけでも状況は改善される。あとは、この技術的な課題だが、
今日、橋田先生の講演にあったような技術を利用すれば、情報システム、ICT のシステムと
しては実現することができると思う。このための研究期間は 5 年間で十分という認識をもっ
ている。(寺野)
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り得る。(出口)
• それは十分可能性がある。(寺野)
• ただあまり狭くしてしまうと、逆にそこが非常につまらなくなってしまうこともあって、そ
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• その中で個別分野の概念ができるごとに、共通の部分をどういうふうに抽出していくのか。
例えば、今日の話でも高安先生が指摘されたような、ある種の非線形性を含む見方とか、あ
る種のシナリオに基づいてシナリオ解析で主体を組むかたちでやっていく方法とか、いくつ
か共通の方法があるはずである。共通用語集のようなものに加えて、共通モデルのレポジト
リについて、
どこかで議論することになると思うが、それは次のステップになるのか。(出口)
• この提案は 2 ~ 3 か月後に一応レポートにしてまとめる。その次に、社会予測という内容で、
社会制度の予測とか制御といった感じのプロジェクトを計画しているので、共通モデル化の
そちらのメインのテーマになると思う。(寺野)
• いろいろな分野で異なる文脈でリスク研究をやっている人たちにとって言葉が通じるように
なるのは大変いいと思う。しかし、その場合でも、各分野の全ての専門家がここにすごく意
識して共通の言葉を使ってくれるとは限らない。例えば国際的なコミュニティーに出ればそ
の分野でのネイティブな用語の使い方というのは残るだろうと思う。このプラットフォーム
で、その都度、分野ごとの言葉の使い方と翻訳が行われて、それで横と通じるようになるみ
たいなイメージなのか。(江守)
• そういうイメージをもっている。この種のプラットフォーム上にオントロジーができている
ということは、概念間・言語間の翻訳がほとんど自動的にできるということに通じるので、
むしろお互いの話が通じやすくなる。オントロジーとしては、それ自体は日本語と英語とあ
まり変わらないので、言葉の置換とか共有というのは非常に楽になるはずである。ただ、従来、
オントロジーの大規模なプロジェクトというのはうまくいった試しがない。従来の人工知能
のテクニックでつくられたものは、今までの感覚だと、非常に手間がかかる。それに対して
今日の橋田先生の講演にあったようなやり方、これはたぶん非常に有望だと思う。10 年前
だとたぶんこのリスクオントロジーをつくるということ自体が、かなりチャレンジングとい
うか無理なところがあった。昨今のやり方だと、5 年間で十分なものができると想定してい
る。
(寺野)
• このプロジェクトに関わる専門家は、このリスク構造化プラットフォームのシステムの、機
能だとか、仕様設計や内部設計とかということに関して、どこまで関わるのか。あるいは関
わらずに、そのスペックに関しては別のところで集中的にやって専門家のほうはコンテンツ
だけを入れるのか、両方やるのか、そのへんの切り分けはどうなっているのか。(高橋(真)
)
• 私が想定しているのは、専門家の方々はコンテンツを入れていただければいいような仕組み
である。感じとしては、Wikipedia のリスク版をつくるという感覚である。Wikipedia のシ
ステム自体はそう重いものではないが、あのオントロジー自体はかなり複雑になっている。
けれども、Wikipedia の編集者には誰でもなれるわけで、そういったところでリスク知識を
ちゃんと入れていただくということに専念してもらえばいいのではないかと思っている。
(寺
野)
• そのスペックはどこで開発するのか。(高橋(真))
• それは最初の 5 年間でまとめるつもりである。(寺野)
• 先ほどの質問に少し絡むが、専門家の人が使うときのインセンティブがどこにあるのだろう
か?システムにネットワーク外部性の性質を持たせないと知識が集まってこないかと思うの
だが、その仕掛けをどうつくるのか。(田名部)
• その仕掛けのひとつとして、こんな制度が考えられる。科研費の研究プロポーザルに対して、
最近は、
「人権の保護及び法令等の遵守への対応」という項目がある。例えば、これと同じ
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プラットフォームがあれば研究提案者はこれを使うはずである。(寺野)
• インセンティブということでいえば、たぶんほかの研究分野のリスク管理の方法がこちらに
1 開催概要
ようなレベルで、研究提案書にリスクアセスメントに関する項目というのを入れてもらう制
度ができればインセンティブを与えることが可能と考えている。そういったことをやる上で、
も使えるのではないかと思う。これが相乗効果を産むはずである。自分たちのやっているこ
との一段上のレベルで正当性が与えられる、あるいは、ステークホルダー間のネゴシエーショ
ンのやり方を共通化できる制度がほしい。共通化することによって得られる利益というのは
だんだん広がっていくのではないかという気はしている。(木村)
• 今日は環境の話を私がした。よくご承知かもしれないが、私の話は環境の分野のリスクのご
うか地球温暖化問題に限っても、私の紹介した話は、あえて地球規模長期というフレーミン
グをしているので、リスクという言葉とかステークホルダーという言葉の使い方が、ほかの
温暖化のリスクの話とはずいぶん違う。例えば、自治体レベルで異常気象がどういうふうに
増えるので、適応しなくてはいけないみたいな話題も温暖化のリスクの話だが、そういう話
• その場合に蓄えられる知識というものの種類は、マイクロなケースは入るか。(出口)
• それは各専門分野研究の問題だと思っている。(寺野)
• その各専門分野の方が入れると、それが入ること自体が意味があるのですよね。(出口)
3 全体討論概要
とはずいぶん違う。例えば 1 つの分野の中でも、リスクなりそういう言葉の使い方はずい
ぶん違うというところを認識しないと、意味のあるものができるのは難しい気がする。
(江守)
• その点に関しては、先ほど田名部先生からあったように、ドメインに入っていく勇気が研究
者に必要だと思う。こういった立場で物事を見るには、各ドメインの中でそれなりの経験を
積んでいかなければいけないと思う。自分のエゴを出してしまうと、こういったプロジェク
トは絶対にうまくいかない。ただ、インセンティブがあれば、先ほどの「Global Risk」レポー
トといったものはあれだけで役に立つ。非常に荒っぽいレポートではあるが、毎年出すとい
うことに非常に意義がある。提案するフレームワークを使った報告書が毎年出るようになれ
ば、その時々のリスク概念の経時変化をきちんと見ていくことができる。そういうことがリ
スク研究拠点の大きな役割になると考える。(寺野)
2 講演概要
く一部で、他にも公害とか化学物質とかいろいろな環境のリスクの話もある。地球環境とい
• それ自体は、別のプロジェクトにしてしまう方がいいと考える。(寺野)
• どこまでを報告するかというのは、議論の対象にしてよい話かと思う。(寺野)
• 今の話で、提案するプロジェクトと、例えば失敗学のプロジェクトがどれぐらい似ていてど
れぐらい違うのかというふうに整理することができるといいと思った。(橋田)
• 失敗学のほうでは、実は出しにくい話というのがそのまま入っていて、結果としてあのデー
タベースの内容は、あまり増えていない。それに対しては北村先生のレジリエンス工学の考
え方、すなわち、いいところをちゃんと入れるとリスク概念の共有化が進むのではないかと
思う。
(寺野)
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• 個々のケースについてみるとリスクに関する情報は非常に出しにくい。つまり、否定的な評
価を受けるケースが山のようにある。社会科学の調査をやっていても、報告書に書けること
が 10 分の 1 と程度になるということはよくある。非常にうまく構造化して、形式的に報告
することができる領域はいいが、例えば、医療のヒヤリ・ハット 1 つとってもなかなか病
棟から外側には出ない。そこをどうするか工夫がいると思う。(出口)
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• ポジティブエビデンスはもちろん入れたほうがいいと思うが、普通われわれは失敗に学ぶの
で、やはりネガティブエビデンスのほうが重要という気がする。両方必要だというのはもち
ろんそのとおり。(橋田)
• ただこのへんも話し出すときりがないので、今日はこのへんで収めたいと思う。(寺野)
• 今日の江守先生や北村先生の話でも、やはり全てのステークホルダーにオープンになってい
なくてはいけないはずなのに、片方で議論をしている。しかし、ただ大変だからということ
だけで、専門家向けにまずつくるのだという説明をしてしまうと、社会的に評価されない。
将来的には一般市民や意思決定者が使えるものにするために、最初の 5 年間で専門家だけ
で対話ができるような仕組みをつくるのだ、それを将来は一般市民や意思決定者にも広がる
ようなかたちでつくるのだというふうに論理立てしないと、自分たちで自分たちの首を絞め
ることになるのではないかという気がする。(鈴木(久))
• 少しそれに関連していうと、専門家といっても特定の非常に狭い分野に限るのであって、ほ
かの分野では素朴な市民である。だから、先ほどから話題に出ている異分野コラボレーショ
ンみたいな話が入ってくれば、自ずから今の問題はかなり軽減されると思う。(北村)
• その意味ではポジティブに言うと、各専門家が概念化している構造の基本的な要素をデータ
化するというかたちでスタートするから専門家からのスタートなのだという理解でよいか。
それであれば、その結果として共通構造なり、トランス部分が見えてくるというのであれば、
それなりに意味のあるものと思う。(出口)
• そのように考えている。(寺野)
【終わりに 閉会挨拶】木村英紀(JST/CRDS)
長時間、大変な熱心な議論をありがとうございました。この提案はまだ JST/CRDS から外
に出るかどうか、実はわからない。いくつかのゲートというのがあって、ゲートは 5 つある。
今のところゲート 3 まで通過していて、このゲート 4 というのが本番。ゲート 4 の前にこう
いうワークショップをやって研究者コミュニティーからのいろいろなフィードバックを得ると
いうことが目的の今日の催しでした。果たしてこれでいくかどうか、非常に厳しい意見でも出
ている。
その意見の代表的なもののひとつは、「リスク一般を取り扱うのは無理だよ、何か絞りなさ
いよ」というものです。それに関連して、こういうプラットフォームをつくるということにつ
いては、ライフとか情報とか電子情報通信とか、それからエネルギーの方とか、あるいはナノ
テク材料の方、こういう専門家の評価が必要となります。これまでの提案と比べると、そうい
う方からみるとこれは極めて異質な提案になります。ですから、その説得力が今日の皆さんの
意見を反映することによって通過できるかどうか、私はまだちょっとこれは大丈夫という確信
が持てない状況であることは確かです。
ただ、3.11 のあとで発表された第4期基本計画の中には、リスクという問題に本格的に取
り組まなくてはいけないということがうたわれている。しかし、3.11 のあと 2 年たっても、
現状ではほとんど実績が上がっていません。そういう意味で、ここでこういう提案をすると
いうことは、非常に意味があるし、やらなくてはならないことだろうと思っている。これは、
CRDS のこれまでのアクティビティとだいぶかけ離れた提案であるということを皆さんひと
つ認識してください。
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ろが、
最後のコメントで、増田さんがプラットフォームについて非常にいい定義をされてよかっ
たと思います。それから、出口先生は知のもっと上流からリスクというものを考えていくよう
1 開催概要
それから、もう 1 つ申し上げたいのは、実は今日、前半の部分を聞いていながら、これま
での私どものチームの中での議論と少し離れているなという気がして、心配してました。とこ
な方法をとる必要があるという発言は、まさにわれわれが考えてきたことです。こういうかた
ちで集約をしていただいたということで先が少し見えてきたなという気がします。
本当にお忙しいところ、ありがとうございました。ぜひ今後ともご支援をよろしくお願いし
ます。それから、こちら側での準備状況さらにまた実際にプロポーザルを書く段階になって、
(3)まとめ
3 全体討論概要
本ワークショップは、有識者との議論を通じ、共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラッ
トフォームと利用体制について、その必要性及び可能性、また構築に向けた課題を探ることを
目的とした。
その結果、当該の研究を国が主導することが必要であること、このプロットフォームの実現
が分野横断でリスクについてコミュニケーションを取るにあたって有効であることが確認され
た。また、このプラットフォームができると、リスクの研究から分野共通の構造や対策法が発
見出来る可能性があることが示唆された。推進にあたっての重要な課題として、①個別の専門
分野研究とこのプラットフォームとの関係、プラットフォームを実現する方策を明確にするこ
と、および、②本プラットフォームの有用性を示すため、ステークホルダーの関わり方やアウ
トプットイメージも明確にすべきことが指摘された。
この2点は、JST/CRDS のこれまでの検討においても認識されていた課題であったが、本
ワークショップでの討議を通じて、よりその重要性が確認された。
2 講演概要
いろいろお知恵を拝借することがあると思いますので、その節はぜひよろしくお願いします。
どうもありがとうございました。
これらの意見や提案を整理、統合し、リスクの構造化チームが作成する提案書(戦略プロポー
ザル)へと反映する予定である。
4 発表資料
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4.発表資料
発表資料の一部は著作権等の関係で掲載されていない。
4-1.ワークショップ開催趣旨説明(CRDS)
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1 開催概要
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2 講演概要
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独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
4 発表資料
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共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
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Climate Initiative & C-ROADS
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CRDS-FY2013-WR-10
独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
科学技術未来戦略ワークショップ
共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
25
1 開催概要
4-2.システミックリスク 統計物理学の視点から(高安教授)
2013.07.25
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2013.07.25
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Data:ElectronicBrokerSystems
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26
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独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
科学技術未来戦略ワークショップ
共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
27
1 開催概要
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2 講演概要
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4 発表資料
CRDS-FY2013-WR-10
独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
科学技術未来戦略ワークショップ
28
共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
4-3.リスクモードに着目した未然防止とそのシステム(鈴木教授)
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CRDS-FY2013-WR-10
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独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
科学技術未来戦略ワークショップ
共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
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1 開催概要
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独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
4 発表資料
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科学技術未来戦略ワークショップ
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共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
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18
独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
科学技術未来戦略ワークショップ
共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
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(46)
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(51)
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(36)
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24
独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
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2007ᖺ5᭶22᪥䡚
2012᭶1᭶10᪥
科学技術未来戦略ワークショップ
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共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
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独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
科学技術未来戦略ワークショップ
共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
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独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
科学技術未来戦略ワークショップ
34
共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
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©K. Suzuki 2008 37
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CRDS-FY2013-WR-10
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42
独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
科学技術未来戦略ワークショップ
共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
35
1 開催概要
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47
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B05
B05
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2 講演概要
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独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
科学技術未来戦略ワークショップ
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共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
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[1] ┿ቨ⫕䞉 㕥ᮌ࿴ᖾ䞉 ┈⏣᫛ᙪ(2002)䠖
䛂ရ㉁ಖド䛾䛯䜑䛾ಙ㢗ᛶධ㛛䛃, ᪥⛉ᢏ㐃ฟ∧♫
[2] ┿ቨ⫕⦅ⴭ(2010):䛂᪂∧ಙ㢗ᛶᕤᏛධ㛛䛃 䠈᪥ᮏつ᱁༠఍.
[3] ⊁㔝⣖᫛䞉㕥ᮌ࿴ᖾ(2007): 䛂㨩ຊ䛸Ᏻ඲ᛶ䞉ಙ㢗ᛶ䛾ᐇ⌧䛻ྥ䛡䛯᪂〇ရ㛤Ⓨ䛸ရ㉁ಖド䛃㻘 ᪥⛉ᢏ
㐃 ➨84ᅇရ㉁⟶⌮䝅䞁䝫䝆䜴䝮せ᪨㞟䠈pp.27-51
[4] ⊁㔝⣖᫛(2005)䠖 “ᅉᯝ㛵ಀ䝰䝕䝹䛸ໟᣓⓗရ㉁⟶⌮ᡭ㡰䇿 䠈᪥ᮏရ㉁⟶⌮Ꮫ఍ ➨35ᅇᖺḟ኱఍(኱
㜰)せ᪨㞟䚸pp.17-20.
[5] 㻴㼕㼠㼛㼟㼔㼕 㻷㼡㼙㼑(2004): 䇾㻽㼡㼍㼘㼕㼠㼥 㻹㼍㼚㼍㼓㼑㼙㼑㼚㼠 㼕㼚 New 㻼㼞㼛㼐㼡㼏㼠 㻰㼑㼢㼑㼘㼛㼜㼙㼑㼚㼠䇿㻘 㻼㼞㼛㼐㼡㼏㼠㼕㼢㼕㼠㼥 㻼㼞㼑㼟㼟.
[6] 㕥ᮌ࿴ᖾ(2004): 䛂ᮍ↛㜵Ṇ䛾ཎ⌮䛸䛭䛾䝅䝇䝔䝮䛃㻘᪥⛉ᢏ㐃ฟ∧.
[7] 㕥ᮌ࿴ᖾ(2008): “ಙ㢗ᛶ䞉Ᏻ඲ᛶ䛾☜ಖ䜈䛾ᥦゝ୍඲య䝬䝑䝥䠉 䇿㻘
ရ㉁䠈㼂㼛㼘.38 㻘 pp. 400-412.
[8] ᖹ㔝᫭つ䚸㕥ᮌ࿴ᖾ(2012) :䇾ᨾ㞀≧ែ䛾ศ㢮䛻ᇶ䛵䛟䝣䜵䞊䝹䝉䞊䝣䛾య⣔䛻㛵䛩䜛୍⪃ᐹ䇿, ᪥ᮏ
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[9] 㕥ᮌ࿴ᖾ⦅ⴭ(2008):䛂ಙ㢗ᛶ୐䛴㐨ල䛃䠈᪥⛉ᢏ㐃ฟ∧.
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ἲ䇿䠈ရ㉁䠈Vol.39, pp.479-491.
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᪥ᮏಙ㢗ᛶᏛ఍ㄅ, Vol.24, pp.653-663.
䠷13䠹 ⏣୰೺ḟ䞉ఀ⸨ㄔ(2008):䛂ಙ㢗ᛶ䞉Ᏻ඲ᛶ☜ಖ䛾䛯䜑䛾㢳ᐈ䛸௻ᴗ䛾᝟ሗඹ᭷䛃 䚸ရ㉁䚸Vol. 38䚸
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䠷14䠹 㕥ᮌ࿴ᖾ(2013):䛂ಙ㢗ᛶ䞉Ᏻ඲ᛶ䛾☜ಖ䛸ᮍ↛㜵Ṇ䛃, JSQC㑅᭩,᪥ᮏつ᱁༠఍
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独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
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4 発表資料
独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
3 全体討論概要
CRDS-FY2013-WR-10
2 講演概要
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共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
1 開催概要
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科学技術未来戦略ワークショップ
37
CRDS-FY2013-WR-10
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独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
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4 発表資料
独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
3 全体討論概要
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2 講演概要
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共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
1 開催概要
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科学技術未来戦略ワークショップ
39
CRDS-FY2013-WR-10
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4 発表資料
独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
3 全体討論概要
CRDS-FY2013-WR-10
2 講演概要
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41
CRDS-FY2013-WR-10
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科学技術未来戦略ワークショップ
共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
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独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
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CRDS-FY2013-WR-10
2 講演概要
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共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
1 開催概要
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科学技術未来戦略ワークショップ
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科学技術未来戦略ワークショップ
共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
4 - 4.「 地 球 規 模 の 気 候 変 動 リ ス ク 管 理 戦 略 の 構 築 に 関 す る 総 合 的 研 究 ICA-RUS/ イカロス」(江守室長)
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CRDS-FY2013-WR-10
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1 開催概要
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独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
4 発表資料
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3 全体討論概要
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ἘὊἰ 4
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ἘὊἰ 1
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2 講演概要
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ἘὊἰ 3
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科学技術未来戦略ワークショップ
46
共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
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http://www.nies.go.jp/ica-rus/report/ica-rus_report_2013.pdf
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共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
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1 開催概要
4-5.レジリエンスとリスク(北村所長)
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2 講演概要
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CRDS-FY2013-WR-10
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4 発表資料
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3 全体討論概要
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独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
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共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
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(Reason, 2008), 䛻䜘䜜䜀䠈䛣䛾䜘䛖䛺䝞䜲
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CRDS-FY2013-WR-10
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10
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(Efficiency Thoroughness Trade Off: ETTO) 3)䛾ୗ
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8
11
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独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
科学技術未来戦略ワークショップ
共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
49
1 開催概要
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‡ 䝅䝇䝔䝮䜢䝺䝆䝸䜶䞁䝖䛻䛩䜛ᇶᮏ᪉⟇䠎
‡ ⬟ຊ䠍䠖ᑐฎ䠄Response䠅䠖௒┤䛱䛻ఱ䜢䛩䜉䛝䛛▱䛳
‡ ⬟ຊ䠑䠖ኚ໬䜈䛾䛂Ẽ䛵䛝䛃(awareness)
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‡ ⬟ຊ䠒䠖䝸䝋䞊䝇䠄⿦⨨䠈ᶵᮦ䠈≀㈨䠈ேဨ䛺䛹䠅䛾
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‡ ⬟ຊ䠓䠖ᡂຌ஦౛䜢ᑐ㇟䛸䛧䛯Ꮫ⩦䠖ᚑ᮶䛾Ꮫ⩦䛿ኻ
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‡ ⬟ຊ䠔䠖⮬ᕫㄆ㆑䠖⮬⤌⧊䛜ୖグ⬟ຊ䜢⥔ᣢ䛧䛶䛔䜛䛸
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13
(constant sense of unease)䜢ᣢ䛴䛣䛸䠖
14
䠟䡋䡌䡕䡎䡅䡃䡄䡐©2011 M.Kitamura
2 講演概要
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16
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Sense of
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Blunt-end
Sharp-end
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15
38
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䠟䡋䡌䡕䡎䡅䡃䡄䡐©2011 M.Kitamura
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䝺䝆䝸䜶䞁䝇䛾どⅬ䛛䜙ぢ䛯
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‡ 䛂Ꮫ⩦䛃䠃䛂ணぢ䛃䛻䛴䛺䛜䜚䛘䛯௚ᅜ䛾஦౛➼
‡ ὠἼ䜔඲㟁※႙ኻ஦ᨾ䜈䛾㆙ᡄḞዴ䚹
䠄Centrale nucleaire du
Blayais䠅䛷䛾ὥỈᾐỈ䛻䜘䜛඲㟁※႙ኻ஦ᨾ(1999.12)
‹ 䝣䝷䞁䝇䞉䝤䝷䜲䜶ཎᏊຊⓎ㟁ᡤ
‡ 䛣䛾䛯䜑䛂ணぢ䛃䛜䛷䛝䛺䛛䛳䛯䚹䛭䛾⤖ᯝ䠈㐺ษ
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䛜䛒䜜䜀䛂ᑐฎ䛃ྍ⬟䛰䛳䛯䚹
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䜲䞁䝗䝛䝅䜰䞉䝇䝬䝖䝷ᓥἈ኱ᆅ㟈䛾ὠἼ(2004.12.26)
‹
‹ 䛂㈨※䛃䛾୙㊊䛜ᅔ㞴䜢୍ᒙ኱䛻䛧䛶䛔䛯䚹
䜲䞁䝗䛾䝬䝗䝷䝇ཎⓎ䛾ᾏỈ䝫䞁䝥ᘓᒇ䜈ᾏỈ౵ධ䚹䝍䞊䝡䞁೵Ṇ䚹
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‹ ⡿ᅜNRC䠈Severe Accident Risks: An Assessment
for Five
U. S. Nuclear Power Plants 䠄NUREG-1150䠅䜢Ⓨ⾲(1990)
‡ ᮏ᮶ὀព䜢ྥ䛡䜛䜉䛝㠀ᖖ⏝᚟Ỉჾ䛾ືస≧ែ
CRDS-FY2013-WR-10
䝻䝽䜲䝲䝹ᕝ䛾ὥỈ䛻䜘䜚ᾐỈ䛧䚸䝫䞁䝥䜔㓄㟁┙䛺䛹䛜ᦆയ䚹䛣
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18
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独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
4 発表資料
䛺䛂ᑐฎ䛃䜒䛷䛝䛺䛛䛳䛯䚹
‡ 䛂ணぢ䛃䛜୙༑ศ䛷䜒䠈㐺ษ䛺䛂㈨※䠙䝸䝋䞊䝇䛃䠄㟁
䜔ᘓᒇෆỈ⣲⃰ᗘ䛺䛹䠈Ỵᐃⓗ䛻㔜せ䛺䝟䝷䝯䞊
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‡ ⱔ㓞஦ᨾ䜢᝿ᐃ㝖እ䛧䛯⫼ᬒ䛻䛿䠈௚ᅜ䛾ཎᏊຊ
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3 全体討論概要
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䝺䝆䝸䜶䞁䝇䜶䞁䝆䝙䜰䝸䞁䜾
䛻䛚䛡䜛ၥ㢟㡿ᇦ䛾ᤊ䛘᪉
科学技術未来戦略ワークショップ
50
共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
䝺䝆䝸䜶䞁䝇䛾どⅬ䛛䜙ぢ䛯
⚟ᓥ➨୍஦ᨾ
䝺䝆䝸䜶䞁䝇䛾どⅬ䛛䜙ぢ䛯
⚟ᓥ➨୍஦ᨾ
‡ ⚟ᓥ➨୍ཎⓎ஦ᨾ䛾ศᯒ⤖ᯝ䠖኱つᶍ䝅䝇䝔䝮Ᏻ
‡ ஦ᨾㄪᰝሗ࿌᭩䠄ᨻᗓ䠙⏿ᮧጤဨ఍䚸ᅜ఍䠙㯮ᕝ
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䛾ᡂᯝ䠖䛂Sharp end 䛰䛡䛷䛺䛟Blunt end䛻䜒╔┠䛩
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䛔⠊ᅖ䛛䜙䛾ᙳ㡪䜢⪃䛘䜛䚹
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19
䝆䝙䜰䝸䞁䜾䛾ᯟ⤌䛻䛺䛳䛶䛔䜛䚹
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‡ ஦㇟ศᯒ䋻஦ᨾ䛾ᅉᯝ䝰䝕䝹ྠᐃ䋻ཎᅉ㝖ཤ䜎䛯
䛿పῶ䛾䛯䜑䛾᪉⟇䜢່࿌䚹
‡ ஦ᨾᚋ䛾ศᯒ䋻㻰㼑㼟㼏㼞㼕㼜㼠㼕㼢㼑グ㏙䋻ᑐฎ⟇䜈
⪃ᐹ䠖䛂䝸䝇䜽䛾ᵓ㐀໬䛸฼⏝䛃㛵㐃
⪃ᐹ䠖RE䛻㛵㐃䛩䜛Ꮫㄝ䞉ᡭἲ
‡ 䝸䝇䜽㛵㐃▱㆑䛾య⣔໬䠖⌧௦♫఍䛾㔜せㄢ㢟
‡ Ᏻ඲ᛶ䛾ᐃ⩏䛿䝸䝇䜽䛾ྰᐃ⾲⌧䠖ጇᙜ䛛䠛
Reliability (safety) is a dynamic non-event (Karl Weick)
Safety is freedom from unacceptable risk (ISO/IAEA)
¾ 䛣䛾⾲⌧䠗Ᏻ඲䛾᧯సⓗ䛺ᐃ⩏䜢୚䛘䛺䛔䚹䠄ᮌୗ䠅
¾ ᕷẸ䛾㢪ᮃ⾲⌧䛸䛧䛶䛿チᐜ䛩䜛䛜䚸◊✲⪅䛿୙ྍ䚹
¾
¾
‡ ᑐᛂ⟇䠍䠙ᕷẸཧຍᆺRM䝇䜻䞊䝮ᑟධ䠄ᮌୗ䠅䚹
‡ ᑐᛂ⟇䠎䠙Prescriptive
ᥦ᱌䛾ᑟධ䚹䛭䛾ᐇ⌧ἲ
䛸䛧䛶RE䜢᥇⏝䠄໭ᮧ䠅䚹
‡ RE䛾⫼ᚋᛮ᝿:Cognitive
Systems Engineering
(Hollnagel and Woods, 2005)
21
CRDS-FY2013-WR-10
¾
஦ᨾ䝅䝘䝸䜸䛾ྠᐃ⤖ᯝ䛻౫ᣐ䛩䜛ᗘྜ䛔኱
‡ RE䝧䞊䝇䛾ศᯒ䋻㻼㼞㼑㼟㼏㼞㼕㼜㼠㼕㼢㼑グ㏙䋻ᑐฎ⟇䜈
¾
஦ᨾ䝅䝘䝸䜸䛻ᣊ᮰䛥䜜䛻䛟䛔Generic ▱㆑䛾Ⓨぢ䜈
‡ ୧⪅䛾┦⿵ⓗ䛺฼⏝䛜ᮃ䜎䛧䛔䛿䛪䚹
¾
ᖖ䛻⬣ጾ䛾ㄆ㆑revision䜢ព㆑䛧䛯䝸䝇䜽䝬䝛䝆䝯䞁䝖䜈
20
‡ High
Reliability Organization (HRO) Theory;
Karlene Reberts and Karl Weick
‡ Normal Accident Theory; Charles Perrow
‡ 㻺㼍㼠㼡㼞㼍㼘㼕㼟㼠㼕㼏㻌㻰㼑㼏㼕㼟㼕㼛㼚㻌㻹㼍㼗㼕㼚㼓㻧㻌㻳㼍㼞㼥㻌㻷㼘㼑㼕㼚㻌㼍㼚㼐㻌
Caroline Zsambok
‡ Systems-Theoretic Accident Modeling and
Processes (STAMP); Nancy Leveson
‡ The Human Contribution; James Reason
‡ 㻶㼡㼟㼠㻌㻯㼡㼘㼠㼡㼞㼑㻧㻌㻿㼕㼐㼚㼑㼥㻌㻰㼑㼗㼗㼑㼞
‡ ලయⓗၥ㢟ゎỴἲ䜢ᮇᚅ䛩䜛ኌ䠖⌮ゎ䛷䛝䜛䛜䚸
Ꮫ⾡ⓗ⫼ᬒ䜒ᢕᥱ䜢䚹Turnkey᪉ᘧ䛾ᙅⅬㄆ㆑䜢䚹
22
独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
科学技術未来戦略ワークショップ
䝕䞊䝍ඹ᭷䛸
⮬ᚊศᩓ༠ㄪᆺ♫఍
共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
51
1 開催概要
2013-07-25 ᶫ⏣@ᮾ኱᝟ሗ⌮ᕤ
4-6.データ共有と自立分散協調型社会(橋田教授)
ICT䛻䜘䜛♫఍ⓗ䝸䝇䜽䛾⟶⌮䞉పῶ
䝕䞊䝍ඹ᭷䛸
⮬ᚊศᩓ༠ㄪᆺ♫఍
z ⮬ᚊศᩓ༠ㄪ䝅䝇䝔䝮
PDS: Personal Data Store
z ಶே䜔⤌⧊䛜⮬䜙䛾䝕䞊䝍䜢⤫ྜⓗ䛻⵳✚䞉⟶
⌮䛧䛶௚⪅䛸⮬⏤䛛䛴Ᏻ඲䛻ඹ᭷
2013-07-25 ᶫ⏣@ᮾ኱᝟ሗ⌮ᕤ
ಶே䛜ᮏே䛾䝕䞊䝍䜢⮬䜙⵳✚䞉⟶⌮䛧䚸௚⪅䛸⮬
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z 㑅ᢥ䛸ゝㄽ䛾⮬⏤
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Brands in the Age of the Organized Consumer.
Harper Collins Business.
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2 講演概要
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z Alan Mitchell (2001) Right Side Up: Building
Brands in the Age of the Organized Consumer.
Harper Collins Business.
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3 全体討論概要
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4 発表資料
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独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
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科学技術未来戦略ワークショップ
52
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共通利用可能な分野横断リスク関連知識プラットフォームと利用体制
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53
13
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独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
4 発表資料
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CRDS-FY2013-WR-10
独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター
■報告書作成メンバー■
木村 英紀 上席フェロー (システム科学ユニット)
寺野 隆雄 フェロー (システム科学ユニット)
シンジャワ フェロー (システム科学ユニット)
富川 弓子 フェロー (システム科学ユニット)
西村 佑介 フェロー (ライフサイエンス・臨床医学ユニット)
藤井新一郎 フェロー (システム科学ユニット)
※お問い合わせ等は下記ユニットまでお願いします。
CRDS-FY2013-WR-10
科学技術未来戦略ワークショップ報告書
共通利用可能な分野横断リスク関連知識
プラットフォームと利用体制
平成 26 年 1 月 January 2014
独立行政法人科学技術振興機構研究開発戦略センター システム科学ユニット
Systems Science Unit, Center for Research and Development Strategy
Japan Science and Technology Agency
〒 102-0076 東京都千代田区五番町 7 番地
電 話 03-5214-7481
ファックス 03-5214-7385
http://www.jst.go.jp/crds/
Ⓒ 2014 JST/CRDS
許可無く複写/複製することを禁じます。
引用を行う際は、必ず出典を記述願います。
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