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平成28年6月 諌早防衛協会総会祝辞
諌早防衛協会総会祝辞 諌早防衛協会総会に大村 3 部隊の各指揮官をお招きいただきありがとうございま す。本日は、諫早防衛協会総会が、多くのご来賓ご臨席のもとで盛大に執り行われて おりますことを、まずは、お慶び申し上げます。そして、皆様には、平素から自衛隊 の活動にご理解とご支援を頂いており、心より感謝申し上げます。4月に発生した熊 本地震への災害派遣でも、県内のいろいろな方面から励ましをいただきました。 皆様ご承知のとおり、熊本地震に際しては、防衛省・自衛隊は陸海空の統合任務部 隊を編成し対応しました。長崎県下の各自衛隊も、この統合任務部隊に編入され、孤 立者の捜索・救助、救援物資の輸送、倒壊家屋の調査及び給食・給水、入浴支援など に従事してきました。隊員の中には家族あるいは親族が被災した者もいましたが、本 当に整斉と任務を遂行してもらいました。 また、G7 伊勢志摩サミット期間中は、自衛隊はテロなどへの備えとして、警察、 海上保安庁等と協力し陸上、海上、そして上空からサミット会場周辺の警備を行い、 大村の基地、駐屯地でも警備体制を強化して対応したところです。 一方で、我が国周辺の警戒監視は 24 時間、365 日で続けておりますし、ソマリア 沖、アデン湾、南スーダンでの海外任務、また、諸外国との連携強化のための諸訓練 にも従事しています。今回、災害派遣や警備に派遣されなかった隊員は、人が抜けた 分を補うべく、多くの業務をこなすことになったと思います。我が国の防衛は、陸海 空の隊員それぞれの献身と努力に如何に支えられているかを改めて思います。 今、我が国周辺の安全保障環境は、一層不安定化しており、その変化のスピードは 想像以上に速いものがあります。昨日の中国海軍艦艇の接続水域進入などは、緊張を 高める一方的な行動であって、非常に懸念されるところであります。まさに防衛大綱 が示すところの純然たる平時でも有事でもない「グレーゾーン」の状態が長期化して いるところであり、我々としては、こうした事態を如何に軍事衝突や武力紛争に転じ させないかが課題と認識しています。 我々自衛隊は、今後も刻々と変化していく国内外情勢の中で、防衛警備上の事態、 災害派遣等に即応し任務を整斉と遂行して参ります。そのためには、訓練精到であり たいと思います。皆様が地域の架け橋となり、組織を挙げて支援して頂いております ことに感謝致しますとともに、大変心強く思っております。普段から隊員が十分な訓 練ができるよう、そうした環境作りにもご理解とご協力を頂ければ幸いです。 本日は、総会のあとに、防衛講話の場を設けていただいています。防衛協会での講 話ということで、我が国の防衛政策や今後の安全保障環境、そして海上自衛隊の活動 などについてお話させて頂きます。皆様の我が国の防衛に対するご理解に少しでもお 役に立てれば幸いです。 結びに、諌早防衛協会のますますのご発展と、本日ここにご参会の皆様のご健勝と ご多幸を祈念し、祝辞とさせていただきます。 平成28年6月10日 海上自衛隊 第22航空群司令 海将補 大町 克士