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20150727-124731 [104KB pdfファイル]
『良い思い出からの脱却』 副校長 正木 俊行 別れと出会いの季節である春も終わりを迎え、そろそろ初夏の雰囲気が漂うこ の頃、子どもたちも新しい環境に慣れてきたころでしょうか。 私が、教師になって初めて担任をもったのは、3年生でした。当時は、毎年ク ラス替えをする学校もそんなに多くなく、私が勤めていた学校もクラス替えは、 3年生と5年生でしか行っていませんでした。次の年もそのクラスを担任するこ とができ、3年生、4年生とクラス替えを行わずに持ち上がることができました。 元気で、明るく、子どもらしい素直さを目いっぱいふりまいているクラスの子ど もたちと過ごす毎日がとても楽しく、充実していました。 2年間の充実した毎日を過ごした教師3年目の私でしたが、さすがに3年目の 持ち上がりはなく、また3年生を担任することになりました。しかし、初めて教 師になって、全力で向き合い、手ごたえも感じていた最初の2年間のせいで、私 は新しいクラスに対して、なかなかいい印象を持つことができませんでした。何 かあるたびに、「前のクラスは、こんなんじゃなかった!」「前のクラスだった ら、きっとこうなっていたはずだ!」「何で今のクラスはこうなんだ!」・・・。 日々感じるのは、前のクラスの良い思い出と、思い通りに行かない今のクラス のギャップばかりで、とうとう「前のクラスの方が、よかったなあ。」と思うよ うになってしまいました。 それでも、毎日一緒に過ごしているうちに、少しずつ新しいクラスの良さに気 付き、前のクラスとは違った特性を受け入れられるようになってきました。 その後も4月になるたびに、私は前年度担任していたクラスの児童との思い出 になかなか区切りをつけられず、憂鬱な数週間を送ることを繰り返していました。 因みに3年目に持った3年生のクラスは、その後クラス替えを経ましたが、4年 間、6年生まで持ち上がったので、次の年のダメージは計り知れないものでした。 今までの環境で築いてきた良い思い出を大切にしながらも、新しい環境の中で、 よいところを探し、仲間との信頼を深め、自分の居場所を見つけていくことで新 しい環境への適応ができるのでしょう。 新年度が始まり、3週間が経ちました。お子さんの様子は、いかがでしょうか? 新しいクラスのことを家で話しますか? 私のように「前の先生の方が良かっ た。」「前のクラスの方が良かった。」などといっているお子さんはいませんか? 是非、上手に良い思い出に区切りがつけられるようにご支援ください。 保護者の方々からお子さんの様子を見て、何か気になることがありましたら、 連絡帳でもお電話でも結構ですので、早めにお知らせください。