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92号 - 高知県文化財団
資料見聞 しっ くい 土佐和紙漆喰張り子 そう りゅうしゃ 土佐和紙の里、吾川郡いの町の「草流舎」では、数年 前から「土佐和紙漆喰張り子」が作られています。土佐 こうぞ し がん ぴ し の名産品、土佐和紙と土佐漆喰を使った張り子人形です。 土佐和紙の楮紙や雁皮紙が何重にも貼り合わされ、丸 味を帯びた愛らしい姿をしています。 実際に貼りの作業をさけせうていただきましたが、土佐和 紙の特徴を手で味わう希有な機会となりました。楮紙は かきしぶ どろあい さる 前列左から3つ目の「こだき申」は、来年の年賀切手 のモチーフになりました。平成 年の「土佐和紙雁皮張 表情をみせています。 柄や柿渋、泥藍などに混ぜて漆喰絵の 土佐漆喰は、弁 具として使われています。独特の淡い彩色が、やさしい べんがら として一般的に使われる胡粉が必要ないとのことです。 ご ふん さによって、雁皮紙を張り子の一番外側に貼れば、下地 また、雁皮紙は薄くすべすべしています。そのなめらか よく伸びて千切れにくく、しなやかな強さに驚きました。 土佐和紙漆喰張り子 十二支 平成25年−27年制作 む くろ じ すこ (中村) 願いをこめて無患子を張り子に入れているそうです。 われる黒く堅い実です。「患いがなく健やかに」という わずら 張り子の中には無患子の実が入っており、振るとカラ カラと音がします。無患子は、羽子板の羽根の軸にも使 ています。 昔ながらの伝統を活かし、工夫を加えて制作が続けられ た写真の龍は、落ち着いた渋い色合いです。草流舎では り子 龍」に続いて選ばれたのは2度目です。年賀切手 の龍は緑がもっと濃いものでしたが、漆喰絵の具を使っ 24 第92号 2015年12月1日 〈高知県立歴史民俗資料館だより・おこうふうじつ〉 企画展 平成 年1月2日 (土) ~3月 日 ( 祝・月 ) 中村 淳子 が、大津絵十二支土鈴は収集されてい 佐和紙漆喰張り子はありませんでした てみたところ、近年作られはじめた土 猿廻しや三番叟を舞う姿など芸能と結 して馬に乗ったりする姿がみられます。 つ姿であらわされたり、馬の守り神と お使いとして御幣をもったり宝珠を持 ほうじゅ ました。「ほら、あったろうがね」と、 びついたサルもいます。 ご へい 山﨑さんのうれしそうな声が聞こえて 後ろに釣鐘をかついでいます。軽いは 集されています。そのなかには、童謡 (宮崎県)でした。 されています。 たおさるのかご屋や昔話の桃太郎の従 三猿と三園コラボ て 猿の郷土玩具」と題し、1月 にご講演いただきます。 「災いが去る サル ように願いをこめ ( ) 日 今回の企画展では、郷土玩具を長年 収集し、研究されている岩見徹先生に ています。 のお守りなど、多様な願いがこめられ れたサルの玩具には、疱瘡除けや安産 ほうそう されています。さまざまな姿で表現さ さん ば そう きそうです。 サ ル は、「 災 い や 病 い が 去 る 」 と サ ルをかけた語呂あわせで縁起が良いと 干支のサルに願いをこめて 年賀切手には、郷土玩具が描かれて います。ふるさとを離れた人びとの郷 ずの提灯が下がり、重いはずの釣鐘が いろいろなサルの郷土玩具が日本各 地で作られており、山﨑さんが申年生 の年賀切手に描かれた延岡の昇り猿 愁や、家族や友への想いを、温かみの 上がっているようすが、ものの道理が と 今回の企画展は、郷土玩具収集家の 山﨑茂さんから寄贈されたコレクショ また、信仰にもとづいて、山の神の 子どもは世の中の悪いことを見聞きせ か ざ る 言 わ ざ る の 三 猿 は、 者など、誰もが子どもの頃から親しん 見ざる聞 こうしん できたサルのかわいい玩具があります。 申だけに庚申信仰と結びついています。 に「エッサ、ホイサッサ」とうたわれ 漆 喰 張 り 子 の こ だ き 申( 高 知 県 ) と、 います。山﨑さんのコレクションのな ンを中心にサルの郷土玩具を展示して ばれました。 大津絵十二支土鈴の申(滋賀県)が選 平成 年は申年です。年賀切手には 本紙の資料見聞でご紹介した土佐和紙 ます。 え ある干支の動物の年賀切手が運んでい 山﨑さんが郷土玩具の収集をはじめ た き っ か け は、 昭 和 年( 1 9 6 8) 43 まれということもあって、たくさん収 て い ま す。 サ ル は 天 秤 棒 の 前 に 提 灯、 ちょうちん 民俗絵画の大津絵から題材を取り上げ 伏見人形(京都) 逆転している世の中を風刺していると 切手になった猿 21 かに、今年の年賀切手のモデルを探し 津屋崎人形 桃太郎と猿(福岡県) -2- 28 大津絵十二支土鈴は、大津に伝わる 大津絵十二支土鈴 申(滋賀県) 30 甲府土鈴 甲斐国猿橋山王様 宝珠持ち猿鈴 (山梨県) 28 ◦後列左から:柏張り子(千葉県) 戦後、松本節太郎さんが作り始めた張り子。ゆらゆらと猿が首を振る。 子抱き猿 木の葉猿(熊本県) 猿玩具の多い九州のなかでも代表的。土の色に胡粉の白と赤、青の模様が映える手びねりの猿。 柿のり猿 浜松張り子(静岡県)大きな柿の上に、首振り猿が乗っている。 春日大社の一刀彫(奈良県) 正月に授与される干支の一刀彫り。猿が御幣を持っている。 鹿猿 宮島張り子(広島県) 鹿と猿が共存する宮島ならではの鹿猿。鹿を見つめる猿のまなざしが愛らしすぎる。 ◦中列:能古見人形(佐賀県) 干支土鈴の猿。ひものところへ手足を集めて、くくり猿のような姿。 伏見人形(京都府) 住吉、堺の組み猿(喜々猿や千匹猿)が有名だが、伏見人形にも五匹猿がいた。さすが元祖土人形。 福袋かつぎ申 奈良井土鈴(長野県)大きな福袋で福を招く猿。奈良井土鈴の干支物には福袋シリーズや親子シリーズがある。 鯰の背に乗る親子猿(青森県) 明るい色彩と躍動感のあるユーモラスな造形が持ち味の手びねり人形。 瓢箪鯰猿 名古屋土人形(愛知県) 瓢箪で鯰を押さえても、のらりくらり捕らえ所がない。元の老僧を大津絵が猿に置き換えた。 桃持ち猿鈴(東京都) 不老長寿のシンボルとされる桃をもつ猿も多い。本紙8頁の伏見人形の桃持ちとポーズが似ている。 ◦前列:柴又帝釈天の木猿(東京都) 柴又の帝釈天は庚申の日に、ご本尊が発見され、庚申信仰と結びつき、参道の店では猿玩具を売る。 猿達磨 松江張り子(島根県) コロンと丸い形をしたユニークな猿の達磨。 親子猿 香泉人形(高知県) 山本香泉さんは猿の群像から郷土玩具作りを始めたという。大作もあるが、これは可憐な土鈴。 北条土人形(鳥取県) 加藤廉兵衛さん作なので「れんべい人形」ともいう。とぼけた表情に味わいがある猿。 厄除け猿 住吉人形(大阪府) 郷土玩具の宝庫といわれた住吉神社の厄除け猿。御幣を持ち、烏帽子を被っている。 きびがら細工(栃木県) 特産品の鹿沼箒の落とし草を加工した鹿沼市のきびがら細工。十二支シリーズのうちの猿。 ず 言 わ ず 素 直 に 育 て と の 教 育 論 説 や、 えい ち 余計なことを見聞きせず言わないよう にとの処世術説などがあり、叡智の秘 密を示しているといわれます。 今回の展示には、子どもも楽しい恒 例 の お 絵 か き や 地 図 パ ズ ル に 加 え て、 特別バージョンの尾㟢浅子さん作の消 しゴムはんこラリーに、この三猿が登 場します。 また、草流舎の「土佐和紙漆喰張り 子の動物園」とasakozirus iの「消しゴムはんこの植物園」との 三園コラボも見所です。土佐和紙と土 佐漆喰という高知ならではの素材で作 -3- られた張り子の動物は、丸っこくて愛 らしく、消しゴムはんこでデザインさ れたテキスタイルの植物は、郷土玩具 のサルを引き立てます。 楽園のかわいいサルたちにどうぞ会 いにきてくださいね。 岩乗三猿 小幡人形(滋賀県) どろあい モノを作る幸せ かきしぶ 柄や柿渋、泥藍など昔ながらの素材に がら 土佐漆喰を混ぜるようにしました。漆 2011年の東日本大震災は、遠く 離れた土佐の地においても大きな衝撃 「土佐和紙漆喰張り子の動物園」 喰 絵 の 具 を 張 り 子 へ い か に の せ る か、 でした。悶々鬱々とし、身体の具合も コラボ作家に聞く① ヒビ割れの防ぎ方など細かい問題を克 悪くなり、思考停止状態でしたが、そ 他所での展示はたいへんでしたが、大 ん。アートという意識も、職人という意 今は「郷土玩具を作っているね」と言 われて否定もしませんし、肯定もしませ の う ち、「 自 分 に で き る こ と は、 こ ん もんもんうつうつ 服していきました。 なことしかないんじゃなかろうか」と、 草流舎 田村 雅昭 さん は日常の暮らしで土佐漆喰を使ってき はじめての個展に何を作ろうかと最 初は考えあぐねましたが、東慶寺は禅 手仕事の素朴な力 ました。職人でなくても簡単な屋根の また手仕事をはじめました。 きな転機となりました。 フとした達磨さんから作り出しました。 だる ま 岡本 桂典 土佐漆喰との再会 修理や石垣の補修に漆喰を使いました。 宗のお寺、白隠さんの達磨図をモチー の具に土佐漆喰を混ぜて張 まずはえ絵 つけ り子に絵付をしました。それから漆喰 はくいん はじめは香泉人形の復元から入りま した。けれど、窯などがないため、土 人形はすべてを自分の手ですることが か な い ま せ ん。 紙 の 方 が 身 近 で す し、 草流舎は紙の産地、いの町にあるので、 絵の具で絵を描き、漆喰でフレームを 今 回、 歴 民 で 草 流 舎 は 土 佐 和 紙 漆 喰張り子を展示します。特色のひとつ 昔ながらの素材の心地よさ まだまだそこまでいっていません。 何か言わなくても、モノで伝わるよ うな作品を作りたいと思っていますが、 できる、それが気に入っています。 識もまったくありません。自由に何でも 転機となった東慶寺ギャラリー展 の漆喰絵の具には、例えば弁柄を使っ 作って草流舎で展示していました。 ルへと変えていきました。 ある日、アートディレクターの稲生 一平さんから東慶寺ギャラリーで個展 ています。弁柄といえば普通は赤を思 信 頼 し て い る の は、 素 朴 な 力 で す。 祈りや思いの自然な力です。郷土玩具 やがて土佐和紙で張り子を作ることに けれど、郷土玩具は生業として今は 成立しなくなっています。やめようと をしないかと誘われました。一年くら い浮かべますね。けれど弁柄は鉄錆で にも祈りや思いがこめられているで -4- とうけい じ 思い、長年の思いのなかにあった土佐 い試行錯誤でしたが、稲生さんからア すから赤、黒、黄とあるわけで、それ 「縄文のプシュケ(仮)」 しました。型も香泉人形からオリジナ 漆喰を使って最後にしようと作りはじ ドバイスを随分いただきました。 カルチャーサポーター研修にて 2014年2月8日 てつ さび めました。それが土佐漆喰に再会した 田村多美さん 雅昭さんの奥様。平成23年か ら当館ワークショップ張り子の絵付の講師。 「紙のおひなさまに色をぬろう!」 べん しょう。人の手元に「祈り」を渡して ご に漆喰を混ぜることで多彩な表現がで ほ きっかけです。もともと私たちの世代 東慶寺ギャラリー 2016年4月9日(土)~4月14日(木) 神奈川県鎌倉市山ノ内1367 電話 0467-50-0460 入館料 無料 きます。派手さはなく心地よい色です。 いの町紙の博物館 2015年12月1日(火)~2016年1月11日(月) 月曜休館・ただし祝日は開館し翌日休館 9:00~17:00 吾川郡いの町幸町110-1 電話088-893-0886 入館料 大人500円 生き物の血液と同じ色だから心地よい 草流舎の展示 のだろうと思います。 血の通った色です。 自分にはそうした昔ながらのものへ の好みがあり、そこにいろいろな経緯 が加わって意図せずできたのが、土佐 和紙漆喰張り子だと思います。紙も漆 喰も弁柄も紀元前からあったものです。 昔ながらの素材の力に助けられ、形に で き て、 う れ し い で す よ。「 昔 を 今 に する」という思いで作っています。 「草流舎2016 素朴な干支展」 アクリル系絵の具は反故にして、弁 東慶寺ギャラリーにて 2014年3月19日 いくモノを作る幸せ そういう 思いで続けています。(聞き手 中村) 田村雅昭さん 「土佐和紙と土佐漆喰の出会い 『田村雅昭 張り子と漆喰の人形展』」 もともと彫ることが好きで木版画と 銅版画をやっていました。子どもが生 はじめての消しゴムはんこ 押したときに、じんわりうれしい と頭にあったと思います。 たので、「消しゴムも彫っていいんだ」 シー関さんの作品やコラムが好きだっ を描いてきても三角刀で意外と彫れま 小 学 生 の 男 の 子 が、「 こ れ は 何? できるの?」というようなすごい下絵 すね。 ら細かく描写しますし、間口が広いで 想は面白いですよ。大人は器用な方な さん押してビルにしたり、子どもの発 を2つ繋げて蝶にしたり、四角をたく 小さな子どもにも版ができるし、三角 められます。消しゴムをちぎるだけで 踏まえて、のびのびした植物がいいか こ ん な 感 じ で、 楽 園 は ち ょ っ と 南 国 た。夫も郷土玩具が好きで、この猿は 旅先で買った郷土玩具を自分の部屋 のタンスのガラスケースに飾っていま モアがあって見ていると癒されますね。 いな郷土玩具に魅力を感じます。ユー た、地方のおじちゃんが作りゆうみた もそも民芸が好きで、手のあとが残っ はイメージがわきやすかったです。そ 「消しゴムはんこの植物園」 れど、表現はしたい。木版画や銅版画 す。技術がないのが味になったりしま 消 し ゴ ム は ん こ は、 身 近 な 道 具 を 使って表現できるところがいいですね。 す。思いもよらない表現をみるのが面 なと思って彫りました。タイトルの文 コラボ作家に聞く② は準備が必要で、すぐに出来ず、はじ 白いです。ワークショップは参加者か 字も、さるっぽいイメージにしました。 まれたこともあって、ままならないけ 箸袋に押してみたら楽しかったんです。 チックに、と口をはさむので、それも じんわりうれしい。そ で す よ。 押 し た と き、 こって押すと楽しいん にキズをつけて風合いを出しています。 私は彫りあとを残したり、ヤスリで版 なっているところがあります。けれど 思いました。 (聞き手 中村) 念願の本の装丁もいつか実現したいと とはいえ、はっきりした図案が多く、 考えるのが楽しかったです。楽園を表 キズをつけるのはちょっとタブーに 現したテキスタイルにも挑戦してみて、 彫って版にしているので、手のあとが れを味わって欲しくて でやめてもダメになったりしないので、 尾﨑 浅子 さん asakozirusi めると、すぐにやめることもできませ 特別な材料がいらないから、いきなり ら受け取るものが多いですね。 あって郷土玩具と合うと思います。 彫りに残す手のあと ん。そこで消しゴムはんこが出て来た はじめられて、すぐにできます。途中 かすれやにじみが好き 今回、企画展のポスターもデザイン しましたが、郷土玩具をどう見せるか ワークショップをして ま木版をやっていたことも たまた いんめん あって印面に工夫しているんです。そ 岡本 桂典 感じですね。 そのまま置いていてもいいです。 消しゴムはんこに流派はないので各 自が自己流でやっています。 います。短時間で完成 の辺が特徴で、こだわりですね。よご 高知こどもの図書館 2015年12月12日(土)~ 2015年12月20日(日) 火・木曜休館 10:00~18:00 高知市永国寺町6ー16 電話 088-820-8250 入館料 無料 -5- す。それを思い浮かべながら彫りまし 友だちが家に来るとき、消しゴムに イラストとウェルカムの文字を彫って すぐに使えて、すぐに成果もわかり ます。紙だけじゃなくて、布や石など 消しゴムはんこのパイオニアのナン して何かに押せるのは れや失敗だと思われそうだけど、かす 「暮らしの中にあるもの 2016 カレンダー原画展」 に も 押 せ ま す。 は ん 満 足 感 が あ る よ う で、 れやにじみが好きなんです。 郷土玩具が好きなので今回のコラボ のびのびした楽園の植物 けっこう需要がありま す。 誰でも簡単にできる し、やればやるほど深 asakozirusiの展示 さるの埴輪 民俗 『神話・伝承学への招待』 の編集で『神話・伝承学への招待』が刊行されました。 寺石正路の遺したもの 作家司馬遼太郎は『平尾道雄その人と史業』の中で、 「…維新という大変動がおわったあと、これを歴史とし 本書はアマテラスやスサノオなどの登場する日本神話 歴史 て記録もしくは論述するという知的活動が内部からお を 中 心 に、 仏 教 が 関 わ っ て 生 成 さ れ た 中 世 神 話、 韓 国 考古 茨城県行方市沖洲大日塚古墳から出土したと伝えら れる猿形の埴輪が東京国立博物館に所蔵されています。 こったのは土佐である…土佐は明治期に坂崎紫瀾や寺 神 話、 ギ リ シ ャ 神 話 か ら、 現 代 の 伝 説 や 昔 話 ま で 人 いざなぎ流や古事記の研究で知られる斎藤英喜さん この埴輪の写真はどこかでみたことがあるかもしれま 石 正 路 な ど を 出 し た こ と が 大 き か っ た で あ ろ う。 か れ おき す せ ん。 大 日 塚 古 墳 は、 茨 城 県 南 東 部 か ら 千 葉 県 北 東 部 なめ がた にひろがる霞ヶ浦の東岸台地に造られた前方後円墳で 博 物 館 で「 埴 輪 の 世 界 茨 城 の 形 象 埴 輪 と そ の 周 辺 」 という企画展が開催され、猿形埴輪が展示されました。 発 掘 調 査 が さ れ て い ま す。 2 0 1 3 年 に 茨 城 県 立 歴 史 室 付 近 か ら 出 土 し た と い わ れ て い ま す。 1 9 8 9 年 に は 円 筒 埴 輪 が め ぐ ら さ れ、 猿 形 埴 輪 は 後 円 部 の 横 穴 石 6 世 紀 後 半 こ ろ の 古 墳 と 考 え ら れ て い ま す。 墳 頂 部 に 県 田 辺 市 の 南 方 熊 楠 顕 彰 館 で は、 同 じ く 予 備 門 の 同 級 だ っ た 寺 石 の 日 記 が 初 公 開 さ れ ま し た。 ま た、 和 歌 山 と い う テ ー マ 展 示 の な か で、 東 京 大 学 予 備 門 の 同 級 生 ミュージアムでは、「(正岡)子規・ (秋山)真之の青春」 会 が 開 催 さ れ ま し た。 ま ず 愛 媛 県 松 山 市 の 坂 の 上 の 雲 そ う い え ば、 数 年 後 に 明 治 維 新 一 五 〇 年 を 迎 え ま す が、 今 年 は 相 次 い で 郷 土 史 家・ 寺 石 正 路 に 触 れ る 展 示 のひとびとの事蹟が顕れた…」と述べています。 動 時 代 に い た る ま で の あ い だ、 無 名 の ま ま 斃 れ た 多 く ら 草 莽 の 史 家 の お か げ で、 幕 末・ 維 新 か ら 自 由 民 権 運 エ ン コ ウ の し わ ざ と さ れ た り、 か る ぽ ー と の 南 の 鏡 川 る よ う に な っ た の か? を 考 え て み ま し た。 水 の 事 故 が ア リ テ ィ を も っ て い ま す。 な ぜ 妖 怪 は 人 々 に 信 じ ら れ いる妖怪は虚構と現実の間を往来するような微妙なリ す。 漫 画 や ア ニ メ の 妖 怪 と 違 っ て、 実 際 に 伝 え ら れ て 梅 野 も、 高 知 の エ ン コ ウ や シ バ テ ン に つ い て「 妖 怪 譚 ― 土 佐 の 河 童 伝 承 を 事 例 と し て ―」 で 紹 介 し て い ま ズ ム や ア ニ メ・ 漫 画、 偽 史、 聖 地 巡 礼 と い っ た さ ま ざ 書 で す。 最 新 の 研 究 を ベ ー ス に し な が ら、 シ ャ ー マ ニ の 研 究 者 が 論 文 や コ ラ ム を 執 筆 し た 神 話・ 伝 承 の 入 門 猿の埴輪の大きさは、長さ m、 前 方 部 の 幅 ㎝あり、重 生 で、 長 く 研 究 交 流 を 深 め た 寺 石 を 取 り 上 げ た 月 例 展 沿 い で は、 明 治 末 期、 一 人 の 男 が シ バ テ ン に 化 か さ れ す。 古 墳 の 形 は 帆 立 貝 形 で、 全 長 約 要 文 化 財 に 指 定 さ れ て い ま す。 残 念 な が ら 両 手 と 身 の 「 熊 楠 と ゆ か り の 人 び と 寺 石 正 路 」 が 開 催 さ れ ま し た。 て ひ と り 相 撲 を 取 る と い う 出 来 事 が あ り ま し た。 こ れ ㎝、高さが m、高さは6mあり、 下 半 部 が な い た め、 ど の よ う な 形 を し て い た の か 解 り 幕 末・ 維 新 期 の 様 々 な 事 象 を 発 掘 し、 記 録 し 続 け た 寺 m、高さは3m、後円部は径 ま せ ん。 し か し、 背 中 部 分 に 大 き な 剥 が れ た 痕 跡 が あ ら の 不 思 議 な 事 件 が 河 童 の し わ ざ と さ れ、 妖 怪 は 現 実 まなトピックが詰め込まれており、興味津々の一冊です。 る こ と か ら、 子 猿 を 背 負 っ て い た と 考 え ら れ ま す。 顔 石 正 路。 彼 の 遺 し た も の は 何 度 も 何 度 も 蘇 り、 新 し い に付着していくのです。 (梅野) ていたのでしょうか。 顔は赤く塗られてい るようです。猿の特 徴をよく観察して製 作されています。来 年は申年、新年から 人気がでそうです。 (岡本) よみがえ は や や 横 を 向 い て い る の で、 子 猿 の 方 に 少 し 顔 を 向 け 評価を受け続けています。 (野本) 10 40 16 『神話・伝承学への招待』 思文閣出版 2300円(税別) 27.3 30 21.9 大日塚古墳 『日本古墳大辞典』1989より -6- 学芸員の机から 学芸員の机から 第4回旧大栃高校民俗資料一般公開 “ ま ん さい ”へ 若 武 者 も とちか君 、 人の来 月 日(土)、 日(日)の 日 間、 高 知 市 文 化 プ ラ ザ か る ぽ ー と で 開 催 さ れ た「 こ う ち ま んがフェスティバル2015“ま んさい”」へ、歴民館のマスコッ ト キ ャ ラ ク タ ー「 若 武 者 も と ち か君」が参加してきました。 たくさんの来場者の熱気で盛り上がる会 場。歴民館はブースも出店し、企画展の宣 伝やオリジナルグッズの販売をしました。 もとちか君は「じもきゃらステージ」に も飛び入り出演、会場を沸かせていました。 (道脇) オリジナルグッズ新発売のご案内 歴民館ブース モノベモノモノガタリ終了! 、 日(日)の両日、毎年恒例の旧大栃高校 平成 年 月 日(土) の民俗資料一般公開を行ないました。今年は香 美 市 の N P O 法 人 い な わ い、 ま わ り の 人 は 自 分 も 作りの面白さと難しさを味 ワークショップ参加者は物 あ ち こ ち で 見 ら れ ま し た。 歴史を介して交流する姿が 寄 り や 若 者 が 民 具 や 民 俗・ 物 部 の 人 と 町 外 の 人、 お 年 場 者 が あ り ま し た。 地 元・ 元食や物産販売と盛りだくさんの企画を実施し、 2 日 間 で 約 脱 穀、 木 挽 き 体 験、 県 立 大 生 に よ る 公 開 調 査、 物 部 の 古 写 真 展 示、 地 と 継 承 ―」 と 題 し、 竹 カ ゴ 作 り や 機 織 り の ワ ー ク シ ョ ッ プ、 縄 な い や かみの主催で「モノベモノモノガタリプログラ ム ― 中 山 間 の 価 値 創 造 24 やってみたいとうらやまし ~長宗我部元親飛翔之像 絵葉書~ 今年の 月 日にお披露目された長宗我部元 親飛翔之像、皆様もうご覧になりましたか? 飛翔之像デザインの絵葉書が、この秋から新 たにオリジナルグッズに加わりました! -7- 7 絵柄は3パターンあり、どのデザインもカッ コイイと早くも人気です。 3 お絵かきするもとちか君 11 2 お値段は、各 枚 円(税込)ですが、 枚 同時にお買い上げの場合は、3枚で 円とお得 になります! 歴民館受付に併設のミュージアムショップで 販売していますので、ぜひ、お手に取ってみて ください。 (道脇) 200 10 そうでした。 (梅野) 400 8 80 柿渋染め 腰機で布を織る 竹カゴ作り 3 1 25 民具が並ぶ横で竹カゴ作り けんかもち作り 縄ない体験 公開調査 5 27 れ き み ん ニュース 平成28年 展 画 企 再販のご案内 1月〜3月の催し 1月2日(土)~ 3月21日(祝・月) 2016年 企画展図録 『長宗我部元親・盛親の 栄光と挫折』 カラー A4版 76頁 900円(税込) 送料300円 山﨑茂氏寄贈郷土玩具コレク ションを中心に干支にちなんだ 猿のおもちゃを展示します。 伏見人形(京都) コラボ展 草流舎「土佐和紙漆喰張り子の動物園」 asakozirusi「消しゴムはんこの植物園」 講 演 会 1月30日(土)14:00~15:30 ◦要予約・観覧料要 「災いが去る(サル)ように願いをこめて 猿の郷土玩具」 企画展図録 『いざなぎ流の宇宙 -神と人のものがたり-』 カラー A4版 160頁 1,500円(税込) 送料350円 講師 : 郷土玩具研究家 岩見徹氏 ミュージアムトーク ◦予約不要・観覧料要・講師:担当学芸員 1月2日(土)・1月23日(土)14:00〜15:30 ワクワクワーク ◦電話等で要予約(先着30名)・参加費1200円 1月16日(土)14:00~15:30 バックナンバーのお知らせ 「土佐和紙漆喰張り子 こだき申の絵付」 『高知県立歴史民俗資料館研究紀要第19号』 [史料紹介] 長宗我部国親発給文書について …………… 野本 亮 講師 :草流舎 田村多美氏 企画展期間中 おさるのおもちゃの絵をかこう asakozirusi 消しゴムはんこラリー おさるのおもちゃ日本地図パズル 地方文書にみる近世土佐の善事褒賞 ……… 大黒恵理 コーナー展 [資料調査員 調査報告] 板図を読む-船大工・弘光優氏の板図を 里帰り 東博所蔵資料 12月23日(祝・水)~2月28日(日) 木造舟の造船記録2 -高知市仁井田 弘光造船- ……………… 田辺寿男 トー ハク ミュージアムトーク ◦予約不要・観覧料要・講師:担当学芸員 1月2日(土)13:30~14:00 基に造船図面を描く- …………………… 芝藤敏彦 [調査寄稿] コーナー展 ロイ・チャップマン・アンドリュースが撮影した 1月2日(土)~3月6日(日) 1910年の土佐清水 ……………………… 宇仁義和 A4版 112頁 850円(税込) 送料350円 コーナー展 460 20 12 410 20 27 12 92 おひなさま 2月14日(日)~3月13日(日) ワクワクワーク ◦電話等で要予約(先着20名)・参加費500円 2月20日(土)14:00~16:00 「消しゴムはんこで春のハガキづくり」 講師:asakozirusi 尾﨑浅子氏 ミュージアムトーク ◦予約不要・観覧料要・講師:担当学芸員 2月27日(土)14:00~14:30 れきみんのお正月 ワクワクワーク ◦予約不要・観覧料要 1月2日(土)「昔遊び」10:00~12:00 - -8- 展 次回 予告 画 http://www.kochi-bunkazaidan.or.jp/~rekimin/ Eメール:[email protected] 企 510 27 号 18 360 岡豊風日 (おこうふうじつ) 第 平成 年 月1日 編集・発行 公(財 高 )知県文化財団 高知県立歴史民俗資料館 〒 1 南国市岡豊町八幡1099 TEL 088 8(62 2)211 088 8(62 2)110 FAX 開館時間 午前9時~午後5時 休 館 日 年末年始 月 日~1月1日 臨時休館あり 観 覧 料 通常期 〔通常展〕大人 (才以上 ) 人以上 )円 円・団体 ( 通常展示込 円 〔特別展 企・画展〕 団体 (人以上 )円 無料:高校生以下、 高知県及び高知市長寿手 帳所持者、療育手帳 身 ・ 体障害者手帳 障 ・ 害者手帳 戦 ・ 傷病者手帳 被 ・ 爆者 健康手帳所持者とその介護者 1(名 ) 印刷・川北印刷株式会社 783 - 0044 昔のくらしの道具 2016年 いざなぎ流の里・物部(仮) 4月29日(祝・金)~6月26日(日)