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PDF - 公益財団法人あきた企業活性化センター
平成28年度
あきた企業活性化センター
活用事例集
がんばる企業を応援します!
人材育成
販路開拓
取引拡大
経営指導
技術開発
創業・起業
設備導入
情報提供
知財活用
公益財団法人
あきた企業活性化センター
平成28年9月
Action Continue Tackle Information Visit Expert
はじめに
公益財団法人あきた企業活性化センターは、県内の中小企業振興の中核的な支援機関として、
企業目線に立ったワンストップサービスや、時代のニーズに合った専門的な支援を行い、創業や
県内企業の経営革新につながる活動をサポートしております。
今回の事例集では、これまでに当センターが支援してきた事例の中から、情報誌 『ビックあき
た』 2014年1月号から2016年8月号に掲載されたセンター活用事例をとりまとめて、ご
紹介させていただきます。
これから創業を志す皆様、経営革新等に取り組む企業の皆様にご活用いただければ幸いです。
※事例の掲載内容は、『ビックあきた』 掲載当時のものとなっておりますので、ご容赦願いま
す。
公益財団法人あきた企業活性化センター(ACTIVE)
「ACTIVE」は、「The Akita Center To Implement Vigorous Enterprises」(元気な企業を
実現する中心的な施設)の略で、センターと県内企業が活発に活動するイメージを表現していま
す。
当センターでは、様々な支援メニューを活用して、アクティブに、企業の皆様、創業を志す皆
様のお手伝いをいたしております。ご相談をお待ちしております。
■ワンストップで総合的・専門的な一貫支援を行います。
■起業から技術開発、販路拡大まで幅広いご相談に応じます。
■設備導入、補助金、専門家派遣、事務所スペースの提供など、集中的な企業支援を行います。
■民間での豊富な経験を持ったアドバイザーが対応します。
目 次 contents
事業概要・事例紹介
創業・起業
センター活用事例 (事業者他)
BIC Akita 掲載号 頁 創業支援室の提供
創業や新分野進出を目指す企業に事務スペース(創業支援室)を貸し出します。
創業相談
また、入居者に対してインキュベーションマネジャー等による指導、相談対応、情報
TEL 018-860-5610
提供を行います。
事例1
秋田就職総合研究所
2014年96 月 Vol.395
6
事例2
株式会社アプリトリップ
2014年99 月 Vol.398
7
事例3
アイバーズ合同会社
2015年94 月 Vol.405
8
ビジネスプラン
コンテスト等の開催
県内での起業意識を醸成し、起業家の発掘、起業家への支援を行います。
TEL 018-860-5610
事例4
私の絵本カンパニー
2014年97 月 Vol.396
9
事例5
株式会社shiroiusagi company
2014年11 月 Vol.400
10
事例6
ビジネスプランコンテスト2015
2016年91 月 Vol.414
11
事例7
SOUPHOLIC(スープホリック)
2016年91 月 Vol.414
12
事例8
地酒屋&カフェ TAKAIWA
2016年98 月 Vol.421
13
経営指導
センター活用事例 (事業者他)
BIC Akita 掲載号 経営相談助言
窓口相談や企業訪問等により、経営等に対するアドバイスや各種支援策のコーディ
TEL 018-860-5610
ネートを行うほか、関係機関等との連携により総合的な支援を行います。
事例9
吉田きのこ工房
秋田県
よろず支援拠点
TEL 018-860-5605
事例10
2014年11 月 Vol.400
頁 14
県内の各支援機関等と連携しながら県内企業が抱える売上拡大や資金繰り等のあらゆ
る経営課題に対応します。
ファッションハウス テル 2014年12 月 Vol.401
- 1-
15
事例11
有限会社御献上カスティーラ
2015年91 月 Vol.402
16
事例12
有限会社フラワート
2015年95 月 Vol.406
17
事例13
サテライト湯沢
2015年99 月 Vol.410
18
事例14
ビジネス道場2015
2015年10 月 Vol.411
19
事例15
Asian Healingタイリズム
2015年11 月 Vol.412
20
事例16
ねこ絵本とねこ雑貨の店 かぎしっぽ
2016年93 月 Vol.416
21
事例17
有限会社米内沢中央印刷
2016年94 月 Vol.417
22
事例18
白石食品工業株式会社
2016年95 月 Vol.418
23
事例19
パティスリー白川
2016年97 月 Vol.420
24
事例20
Happiness&Emotion
2016年97 月 Vol.420
25
移動相談所の開設
企業からの相談にスピーディーに対応するため、県内7地域(秋田地域振興局を除く
TEL 018-860-5610
各地域振興局管内)で移動相談所を開設し、無料相談会を実施します。
事例21
有限会社高橋土木
2015年93 月 Vol.404
26
事例22
ワンストップ移動相談所
2015年12 月 Vol.413
27
専門家の派遣
企業等が抱える経営・技術・人材・情報等の課題に対し、センター登録専門家を派遣
TEL 018-860-5610
し、診断・助言を行います。
事例23
美しいきもの 喜久屋
2014年94 月 Vol.393
28
事例24
きみ恋カフェ
2014年96 月 Vol.395
29
事例25
お食事処としま
2014年98 月 Vol.397
30
事例26
有限会社本間酒店
2014年10 月 Vol.399
31
事例27
有限会社アルファー精機
2015年11 月 Vol.412
32
事例28
合資会社稲穂(料亭稲穂)
2016年92 月 Vol.415
33
産業デザインに
関する助言
TEL 018-860-5614
事例29
産業デザイン、製品開発、マーケティング等についての専門的な助言やデザイナーと
のマッチング、コーディネートを行います。
有限会社メカテックス
2014年92 月 Vol.391
- 2-
34
事例30
進藤電気設計
2014年94 月 Vol.393
35
事例31
秋田・川連塗 寿次郎(じゅじろう)
2014年99 月 Vol.398
36
事例32
株式会社あきた六次会
2015年94 月 Vol.405
37
事例33
企業組合美郷ストロベリー
2015年95 月 Vol.406
38
秋田県
プロフェッショナル
人材戦略拠点
企業の新たな取組に不可欠なプロフェッショナル人材の採用を支援します。
TEL 018-860-5624
下請かけこみ寺
企業間の取引における様々なトラブルの相談に応じて、解決へと導き、取引の適正化
TEL 0120-418-618
を推進します。
設備導入
センター活用事例 (事業者他)
BIC Akita 掲載号 頁 機械類貸与
県内企業に対して設備を割賦販売またはリースし、その創業や経営基盤の強化を支援
TEL 018-860-5702
します。
事例34
株式会社クツザワ
2014年10 月 Vol.399
39
事例35
有限会社雄物川印刷
2015年96 月 Vol.407
40
事例36
合資会社協和ランドリー えどや
2015年98 月 Vol.409
41
事例37
熊谷長栄堂
2016年93 月 Vol.416
42
※設備貸与・設備資金貸付事業は平成26年度で新規募集を終了。機械類貸与事業を拡充し、引き続き設備を割賦販売及びリース。
販路開拓・取引拡大
センター活用事例 (事業者他)
BIC Akita 掲載号 頁 販路拡大支援
県内ものづくり企業の販路を拡大するため、首都圏及び東北地区担当の販路開拓アド
TEL 018-860-5623
バイザーを配置し、発注企業の情報提供やマッチング支援を行います。
事例38
株式会社カネイ溶接
商談会・発注情報
報告会の開催
TEL 018-860-5623
事例39
2015年96 月 Vol.407
43
受注機会の拡大を図るため、商談会、発注情報報告会、個別マッチング商談会を開催
します。
発注等情報報告会
2015年97 月 Vol.408
- 3-
44
受発注情報の提供
「販路開拓アドバイザー」が収集した受発注企業の情報をホームページ、メール、
TEL 018-860-5623
ファックスにより配信します。
自動車関連産業
強化支援
TEL 018-860-5623
食品事業者の
自動車メーカーや部品メーカーとのマッチング、新技術・新工法の芽出し、域内連携
を支援します。また、自動車産業の中核地域である中京地区において、マッチング支
援、発注動向調査等を行うため「自動車産業アドバイザー」を配置し、県内企業への
助言・指導を行います。
県内食品事業者の支援のため「食品マッチング専門員」が加工連携の推進や商品戦略
連携支援
TEL 018-860-5623
等をアドバイスします。
事例40
株式会社諸井醸造
2014年 91 月 Vol.390
45
事例41
株式会社ジロ-洋菓子店
2014年 98 月 Vol.397
46
BIC Akita 掲載号 頁 センター活用事例 (事業者他)
技術開発
あきた企業応援
ファンド事業(助成金)
TEL 018-860-5702
地域資源を活用した県内企業や経営革新の承認を受けた県内企業の新商品開発等の取
組を支援します。
事例42
株式会社フォラックス教育
2014年93 月 Vol.392
47
事例43
株式会社アクトラス
2014年97 月 Vol.396
48
事例44
株式会社マツザワ
2014年12 月 Vol.401
49
事例45
株式会社大榮木工
2015年92 月 Vol.403
50
事例46
有限会社藤倉食品
2015年97 月 Vol.408
51
事例47
株式会社テンジョイ
2015年99 月 Vol.410
52
事例48
株式会社アスター
2015年10 月 Vol.411
53
事例49
株式会社八森電子デバイス
2016年94 月 Vol.417
54
事例50
有限会社ビュー
2016年98 月 Vol.421
55
あきた農商工応援
ファンド事業(助成金)
TEL 018-860-5702
事例51
農林漁業者と中小企業者等が連携して取り組む県産農林水産物を活用した新商品開発
や、その販路開拓などの取組を支援します。
合資会社エコニコ農園
2015年98 月 Vol.409
- 4-
56
ものづくり支援
TEL 018-860-5623
競争的研究開発
資金等管理事業
TEL 018-860-5702
自動車関連企業の生産技術向上、コア技術の発掘、ビジネスマッチング、共同研究の
形成、新製品・新技術の開発や売り込みを行うため「ものづくりパワーアッププロ
デューサー」を配置し、事業化までの一貫支援を行います。
企業の研究開発の促進を図るため、国等の競争力研究資金事業への提案支援や進捗状
況管理、事業終了後のフォローアップを行います。
知財活用
センター活用事例 (事業者他)
BIC Akita 掲載号 頁 知財総合支援窓口
特許・商標等の出願やライセンス契約、知財紛争など、知的財産に関する悩みや課題
TEL 018-860-5614
の解決を支援します。
事例52
有限会社冨岡商店
2014年95 月 Vol.394
57
事例53
株式会社リミックス
2015年91 月 Vol.402
58
事例54
旬菜みそ茶屋くらを(羽場こうじ店)
2016年95 月 Vol.418
59
事例55
株式会社ホワイトシード(ビューティフルカーズ)
2016年96 月 Vol.419
60
中小企業外国出願
支援事業
TEL 018-860-5614
国際的な事業展開や知的財産権侵害へ対応するために県内企業が行う外国への特許・
商標の出願を支援します。
人材育成
営業力強化に向けた
研修等の開催
TEL 018-860-5623
経営者等を対象にした営業戦略策定のための研修や営業担当者等の営業力強化に向け
たセミナー等、県内企業の経営者やスタッフの資質向上をテーマに開催します。
情報提供
情報誌
『ビックあきた』
TEL 018-860-5603
ホームページ
メールマガジン
TEL 018-860-5603
県内で活躍する事業者の紹介、経営や各種補助金に関する情報等を提供する情報誌
『ビックあきた』を発行します。
各種支援施策、催事情報等を随時更新して発信します。
http://www.bic-akita.or.jp/
- 5-
創業支援室の利用
事業の解説
創業や新事業分野進出を目指す意欲的な企業等に、事務ス
ペースを提供します。インキュベーション・マネジャー等
への日常的な経営相談が可能です。
[事業の活用・お問い合わせについて]
あきた企業活性化センター/企画・総合相談担当まで。
センター活用事例
学生と二人三脚で取り組む、
“生き方”
に向き合う就職活動支援
秋田就職総合研究所
就職を考えることは、
どう生きるかを見つめること。
自己分析、
豊富な情報、
ノウハウを通して
ライフプラン構築に寄り添うコンサルタント登場。
「良い就職と良い経験」
が未来を担う人材を作る
「“どう生きたいか”その答えは、学生本人が持っている。
対話を通して思考を整理してあげながら、一緒にライフプランを考える
道しるべになりたい」と語る須田代表。
「自己」
と
「社会」
を知る、
リアルな就職活動を支援
「秋田就職総合研究所」は、須田紘彬代表が帰郷して
昨年10月に立ち上げた就職支援会社である。秋田の学
生はもちろん、県外の学生向けの相談・研修・セミナー
を中心に、社会人向け転職支援や企業向けコンサル
ティングなどの業務も行っている。その評判はフェイ
スブックや口コミを通して広がり、主な相談依頼者で
ある学生の数は現在70名に達していると言う。
適性、
強
みを引き出すフランクな関係作りと実体験を取り入れ
たサービスメニュー、そしてイベント企画力に大きな
特長がある。自社で募集したインターン生に営業体験
セミナーを行うなど、社会の現実を体験した上で自己
に向き合う機会を提供している。
また、
自ら進行役を務
めるネット配信番組で学生討論会を企画するなど、学
生自身が
「働くこと」
「
、生きること」
について考え、
気づ
きを得る場を設けることにも積極的だ。
須田代表が、
「30歳までに起業する」というライフプ
ランを立てたのは、大手人材総合サービス会社に勤務
していた頃。
見聞を広げるため退職して海外で1年間放
浪した。
帰国後はベンチャー系人材会社で勤務し、
経営
にも携わったのちに独立。起業の目的は秋田の経済発
展に寄与すること。故郷への思いは海外生活によって
一層明確になり、
“帰る場所”である秋田を何とかした
いという思いを強めた。学生がセルフマネジメント力
を身につけて良い就職をし、良い経験を積んで地域経
済の活力になること、
それが須田代表のめざす
“秋田へ
の貢献”
である。
「創業支援室」
で、
事業の足固めを
開業一年目は、サービスの認知とマーケティングの
期間として無料で相談に応じている。今年10月から収
益化し、3年目で軌道に乗せる事業計画を立てている。
将来的には小中高生向けの職業イベントや教育機関等
との連携によるキャリア教育まですそ野を広げ、就活
を取り入れた複合型学習塾の立ち上げも視野に入れて
いる。須田代表は、
「創業支援室での営業はメリットが
多い。
安い賃借料はもちろん、
各行政機関との人脈を作
る環境がある。事務所が県庁内にあるという安心感が
商談のしやすさにもつながっている」
と話す。
創業支援
室での事業の足固めは同社の次なるステージへの飛躍
に向け、
大きな布石となるだろう。
秋田就職総合研究所
秋田県秋田市山王3丁目1-1
秋田県庁第二庁舎3F 創業支援室A-3
Tel:080-3024-0608
Email:[email protected]
http://www.akt-career.jp/
営業時間/平日9:30~18:00
個別相談については24時間年中無休
「人生の転換期にキャリア相談という形で関
わり、その人の人生を共有することに喜びを
感じる」という須田代表。ふるさとだけでな
く、“人”への愛情も深い。
- 6-
毎週火曜日20時から放送しているUstream番組
「就 転職相談の依頼も多い。女性に特化した
活のABC『都会にAKITA!!』」。学生やゲストを招き、「働き方相談」では、これまでに300人余
就職活動に関する悩みやアドバイスをトーク。
放送 りの転職相談を受けた実績がある。
中はツイッタ―でのコメントも多く寄せられる。
BICAkita
2014.6
05
センター活用事例
創業支援室の利用
創業や新事業分野進出を目指す意欲的な企業等に、
事務スペースを提供します。インキュベーション・マネ
ジャー等への日常的な経営相談が可能です。
秋田発の香りビジネス
植物の香りで心地良い空間をつくる
[お問い合わせ]
あきた企業活性化センター/企画・総合相談担当まで。
株式会社アプリトリップ
天然100%の精油の香りを、
企業のブランディングやマーケティング、
イメージアップに活かす。
ビジネスを進めるうえで便利な環境
今年4月に設立、
創業支援室にオフィスを構えた
「株式
会社アプリトリップ」
は、
天然100%の精油を使った香り
のコンサルティングや、
アロマ関連商品の企画・製作・販
売、
トリートメントサロンの運営などを手がける企業。
「支援室は利用料が安く、
さらに秋田市山王にあるとい
う立地や“県庁内”という信頼性の高さも魅力。当社は
9月1日発売開始のオリジナルアロマエッセンシャルオイル
起業したばかりで販路拡大が課題だが、
その相談窓口と
「秋田杉ブレンド」を手にする島津代表。
香りは「秋田杉ベース」、
「 ゆずベース」、
「 オレンジベース」の3種類があり、
なるあきた企業活性化センターが同じ庁舎内にあるの
すべてに希少な秋田杉精油を使用。
で便利。今後は秋田県への売り込みや企画提案も積極
的に行っていきたい」
と話す島津ルミ子代表。
現在、
創業
支援室にオフィス、
秋田市大町にトリートメントサロン
「香り」
で秋田の活性化に貢献したい
を構えている。
天然100%の精油を使った香りの演出
アロマ関連の商品を扱う店舗やアロマのトリートメ
ントサロンは数々あるが、
「アプリトリップ」のように
“香りのコンサルティング”を業務の柱にする企業は
県内では珍しい。
「精油の香り
(アロマ)
は、
リラックス、
リフレッシュ、
集中力アップ、
抗菌・消臭を促す。
例えば
人の集まる場に、
ディフューザーという専用機器で香り
をほのかに漂わせて心地良い空間を作ることが私たち
の仕事。
それはいわば、
香りの演出であり、
訪れる人への
おもてなし。
目的に応じた香りの選択や濃度の調整など、
アロマによる空間作りをトータルコーディネートして
いる」
。
現在のクライアントは、
クリニックや薬局、
自動
車ディーラーなど。
待合室やショールームの香りの演出
を手がけている。
「例えば…」と、島津代表がデモンストレーションを
行う。選んだ精油は、秋田杉をベースにヒノキ、ゆず、
パインなどの精油からなる同社オリジナルの「秋田杉
ブレンド」。ほんのり漂う香りはすがすがしく、まるで
森林浴をしているような安らぎに包まれた。
「地元の
素材を活かしたい。秋田を“香りビジネス”で元気にし
たい」との思いから作った天然100%の秋田杉の精油
は、
“ 秋田ブランド”
の商品として注目されている。
「今
の子供たちは合成香料に囲まれて生きている。地元の
自然の香りを通して『香育』を広めたい」と島津代表。
今後は、秋田ブランドの商品を拡充させるほか、福祉・
介護、スポーツ、疾病予防など多方面において精油を
用いたビジネスを展開する予定で、同じ庁舎内にある
あきた企業活性化センターにはさまざまな相談をし
ていきたいとしている。
株式会社アプリトリップ
〒010-8572 秋田県秋田市山王3丁目1-1
秋田県庁第二庁舎3F 創業支援室A-8
Tel 018-838-0744 Fax 018-838-0745
http://apritrip.co.jp
[email protected]
※トリートメントサロンは女性専用・完全予約制
【サロン】秋田市大町2丁目5-1
営業時間/10:00~19:00
精油とは、植物の根、葉、花、果皮などから抽出
された有効成分を高濃度に濃縮したオイルの
こと。
- 7-
精油を調合するのは、メディカルアロマセ 「 ク ラ イ ア ン ト の オ フ ィ ス も 近 く て
ラピストやアロマ空間デザイナーの資格を 便利。広さも十分で快適にデスクワーク
もつ、鈴木真里子氏。
ができている」
と島津代表。
BICAkita
2014.9
05
センター活用事例
創業支援室の利用
創 業 や 新 事 業 分 野 進 出 を 目 指 す 意 欲 的 な 企 業 等 に 、事 務 ス
ペースを提供します。インキュベーション・マネジャー等へ
の日常的な経営相談が可能です。
ICT+オープンソースが
お客様の夢を叶える
[お問い合わせ]
あきた企業活性化センター/
総合相談担当(018-860-5610)まで。
アイバーズ合同会社
システムやプログラムを開発し、
企業や個人の活動をサポートするベンチャー企業が、
創業支援室から一歩を踏み出した。
「不可能」を「可能」にする時が来た
「インターネットの出現は、もはや“できないことは
無い”といえるほど、小規模開発の可能性を無限大の
ものにした。今まで不可能だったことも可能になる時
代」と言葉に熱を込めるアイバーズ合同会社の相馬大
志(そうま ひろし)代表。同社は、今年2月に創業し、県
庁第二庁舎3階の創業支援室に事務所を構えた。
同社の業務は、インターネットをベースにしたシス
テム開発により、お客様の「あったらいいな!」をカタ
チにすること。
例えば、
現在
「籾殻ボイラー」
の普及に尽
力する農業コンサルティング㈱秋田農販とタッグを組
み、
ビニールハウス内の温度やCO2濃度などのモニタ
リング、制御システムの開発プロジェクトを進めてい
る。
生育環境を管理することにより、
高付加価値作物の
栽培につなげ商品のブランド化を進める考えだ。
社会の不便を変えたい
「『ビニールハウスの管理システムを低価格で実現
できないか』との声に『だったらやろう』と始めたのが
今のプロジェクト。当初は既存の大規模事業者向けシ
ステムの導入を検討していたが価格がネックとなっ
ていた。この問題に対し、
『オープンソースハードウェ
ア』といわれる、汎用性の高い低価格なマイコン基板
とクラウドの利用を提案。低コストで誰もが手にとれ
る商品化に道筋をつけた。いろいろな『あったらいい
な!』
を気軽に叶えられる時代になった」と相馬代表。
システムの導入で、労働力や人件費の削減、一年を
通して安定した収穫が見込める農業の実現など、さま
「今はまだ創業したばかりだが、
これから実績を重ねて、
インターネット
に繋がることでいろんな可能性を証明していきたい」
と相馬代表。
「 農業
分野、福祉分野など、
さまざま挑戦したい」
と話す。
ざまなメリットが考えられる。便利な技術の早期提供
に意欲を見せている。
ベンチャー企業の強みを生かす
「小さいころから3度の飯より機械が好き」
と笑う相
馬代表。
子供時代から電子工作、
コンピューター技術に
夢中だった。こうした趣味を通して機械1つで人の暮
らしは劇的に便利になることに感激し、ICTの仕事を
志した。
「ベンチャー企業ならではの立場を生かして、
小さなニーズに積極的に応えることで、大きなチャン
スを創造していきたい」
と熱い思いを持つ。
創業支援室に入居したことで、
隣室のベンチャー企業
から仕事の依頼を受けたり、
互いに情報を交換したり、
良
い刺激も受けている。
「ビジネスの相談事があればすぐ下
のフロアの活性化センターがバックアップをしてくれ
る。
創業支援室はベンチャーにとって快適な環境」
と話
す。
アイバーズの挑戦はまだ始まったばかり。
これからた
くさんの企業、
人の夢を叶えていく。
アイバーズ合同会社
〒010-0951
秋田県秋田市山王三丁目1-1
県庁第二庁舎3階 A-1
Tel .018-827-7120
Fax.018-827-7121
http://www.aibirds.jp
「情報だけではなく、
必要な部品も地球の裏側
まで探しに行けるのがネット時代の強み」と
相馬代表。
- 8-
創業支援室は、カードキーで24時間365日 オープンソースハードウェアをベース
いつでも出入り可能で地理的利便性も高い。 にした試作品。各種センサーの情報は、
クラウド上に送信され、WEBや電話で
モニタリング、
制御を行う仕組み。
BICAkita
2015.4
05
センター活用事例
事業の解説
“回想法”
を
“絵本”
で実践
認知症高齢者向け新サービスを考案
ビジネスプランコンテスト
県内での起業・創業意識の醸成と独創性のあるビジネスプラン
を持つ起業家を発掘し、
確実な起業へ結びつけることで県経済
の活性化を図ることを目的としています。
[事業の活用・お問い合わせについて]
あきた企業活性化センター/企画・総合相談担当まで。
私の絵本カンパニー
「過去の記憶」を引き出し、
光を当てる。
「自分史」創りを通して行うユニークな認知症ケア。
高齢者マーケットの
“ニッチ分野”
に進出
事業内容は、
「高齢者の自分史を聞き取って冊子を作
る」
こと。
最終成果品は印刷物ではあるが、
「印刷業でも
出版業でもない」
と北林陽児代表は強調する。
なぜなら
この事業は、
「回想法」
という心理療法によって認知症高
齢者の症状改善や介護者の負担を軽減するのが目的だ
からだ。
北林代表は昨年、
体調を崩して東京から帰省。
療
養しながら高齢者ビジネスでの起業を模索していた。
そ
の中で、
施設に入所する祖母に自分史を作ってあげたこ
とが、このビジネスモデルを考案するきっかけとなっ
た。
祖母の症状が好転し、
「回想法」
の効果を目の当たり
にして、
ビジネスとしての手応えを感じた。
また、
高齢者
の心理的ニーズに応える分野においては、
充分に参入の
余地があると分析し、
起業に踏み切ったものである。
自分史のタイトルは、ずばり“自分の名前”。奇をてらわない素朴なネーミングが、
その人の半生をストレートに訴えかけてくるようだ。
意義だったことがベースにある。
「認知症予防にもつなが
る」
として、
新たな事業展開にも意欲を燃やしている。
マスコミから注目されるきっかけに
“思い出を語り合う”
イベントも企画
北林代表は、取材、編集、レイアウトまですべての工
程を自らこなす。冊子の大きさ、ページ数、レイアウト
は、手にとりやすく絵本のように見やすいことを念頭
に置いた。
また、
取材は
「回想法」
と
「聞き書き」
を組み合
わせた手法で行っており、その実践者として秋田大学
医学部保健学科で講師を務めたこともある。同学科の
教授の協力を得て、医学的視点からの効果検証も進め
ながら、今後はイベントなども企画して「回想法」への
理解を広げたい考えだ。高齢者の方々でグループを作
り、昔を語りあって楽しもうというイベントを計画し
ている。
以前、
「自分史」
の一部を県立図書館へ寄贈した
際、
発注主である高齢者の方々と行った座談会が大変有
「私の絵本カンパニー」の取り組みは、地元紙、全国
紙に取り上げられたほか、
テレビ東京、
朝日放送、
NHK
の取材を受けたりと、複数のメディアで紹介された。
「広告宣伝費を使わずに、
マスコミの注目を集め、
一般
の方々からもたくさんお声がけ頂けたのは
『ビジネス
プランコンテスト』
に出場した効果です」
と北林代表。
ユニークで斬新なサービス、
分かりやすく論理的なプ
レゼンテーションが、
マスコミ関係者のみならず多く
の観覧者の印象に残ったようだ。
北林代表は、
「私の絵本カンパニー」
の事業を、
“高齢
化社会を明るくする業”と定義づける。顧客と友人の
ような関係を構築できる北林代表の人柄も、
この事業
になくてはならない強みである。
私の絵本カンパニー
秋田県秋田市大町1-2-40
秋田贔屓(あきたびいき)内
Tel:018-853-7470(秋田贔屓)
http://watashiehon.wix.com/watashi-ehon
Email:[email protected]
自分史が完成すると、
顧客は涙を流し 「回想法」
とは、
過去の思い出を語ることで脳が
て喜んでくれる。
「お客さんが泣いて 刺激され精神的な安定や癒しを得る効果が期
感激してくれる仕事はそうそうない」 待される療法。
話の受け止め方、
会話の引き出し
と北林代表。
方など聞き手側の度量やスキルが大切になる。
04
BICAkita
2014.7
東京では、大手電機メーカーで半導体の営業を
していた北林代表。この頃習得していたレイア
ウトの技術が、今大いに役立っている。写真、文
字を大きく扱い、
シンプルなデザインが基本。
- 9-
センター活用事例
ビジネスプランコンテスト
県内での起業・創業意識の醸成と独創性のあるビジネスプランを持つ
起業家を発掘し、
確実な起業へ結びつけることで県経済の活性化を図
ることを目的としています。
子供の古着を
世界で唯一のアート作品に-。
[お問い合わせ]
あきた企業活性化センター/
企画・総合相談担当(018-860-5610)まで。
株式会社 shiroiusagi company
秋田発のユニークなビジネスは、
「コンテスト」という機会を経て、
飛躍を続ける。
思い出いっぱいの子供服、
なんとかしたい!
着られなくなった子供の服を再利用して、世界で
たった1つのアート作品や知育玩具を作る-。そんな
ユニークな企業が昨年9月に立ち上がった。
「子供はど
んどん成長するから、着られなくなった服を全てとっ
ておくには限界がある。だから古着の多くは、捨てる
か、リサイクルに出すか、誰かにあげるか。しかし、我
が子が身につけた服は、子育ての思い出や子供への思
いが染み込んでいる。手放すのが忍びない服もある。
そこで考えたのが古着の“手放さないリサイクル”。古
着を布材料に作品を作り、家族の思い出として残して
あげたい」と株式会社shiroiusagi companyの木村紹子
代表。親心や家族愛を大切にして欲しいとの思いから
このビジネスは誕生した。
「家族」をテーマにさまざまなアート作品を作っている。写真左奥は、古着の布
アートと写真を組み合わせて作った還暦祝いの記念品。左手前は、古着で作っ
た手作り知育玩具。右は、子供が描いた絵画を布アートで再現した作品。
ブランド名は「WhiteRabbit」。まず着手したのは、作品
を作る
「ものづくりパートナー」
となる縫製・造形技術
者の確保。インターネットを使って全国から募集し
た。
現在、
同パートナーは県内外に数名いる。
ビジネスプランコンテストに挑戦
経験とアイデアからビジネスプランを構築
かつて子供服のブランドショップを経営していた木
村代表。高級ブランド服が飛ぶように売れた時代だっ
た。
その後、
社会でリサイクル運動が盛んになったこと
を受け、子供服のリサイクルショップやオークション
出品代行業を営んできた。
その過程で
「子供の思い出が
染み込んだ服を、何百円、何十円で売ってしまうのは
もったいない。
なんとか別の活用方法はないものか」
と
の思いが浮かんだ。
自身も母親であり、
親心が痛いほど
分かる。考えに考え、
「子供の古着をアート作品に仕上
げて、世界で唯一の宝物に」とアイデアを練り上げた。
古着をよみがえらせるだけでなく、作り手(ものづ
くりパートナー)の働く場も創出するこのビジネス。
昨年12月には『あきたビジネスプランコンテスト
2013』の優秀賞を受賞した。
「応募のきっかけは、あき
た企業活性化センターの方が背中を押してくれたか
ら。プレゼンを通して経験値を上げることができた。
また、
受賞をメディアに取り上げられたり、
“起業経験
者”として起業セミナーの講師として呼ばれたり、さ
まざまなプラス効果があった。
何より、
『このビジネス
を絶対成功させるんだ!』とあらためて決意できた。
本当に素晴らしい経験だった」
。
コンテストを契機に、
営業活動や異業種とのコラボなど販売促進に積極的
に励んでいる。
株式会社
shiroiusagi company
〒010-0001
秋田県秋田市中通二丁目1-48
仲小路BLD BF1
Tel.090-7065-3343
http://www.shiro-usagi.com/
「一生ものになる、家族の記念品を作り
たい」と木村代表。布アートを出産や誕
生日、
入園祝い、
結婚式などの記念品、
祖
父母への贈り物にするのもおすすめだ。
04
BICAkita
2014.11
布アートは文字も自由自在。メッセージを表
現するのも面白い。
「 結婚式で両親に感謝を
伝えるサンクスボードも制作可能。さまざま
な表現ができる」。
お客さまの要望や希望を細やかに聞き、古着の
色や素材を生かしてデザインを考える。同社の
ホームページでは、さまざまなデザイン事例を
見ることができる。
- 10 -
センター活用事例
県内での創業・起業意識の醸成と、独創性のある経営計画を持つ起業家を発
掘するため、年に1回開催するコンテストです。
あきたビジネスプラン
コンテスト
お問い合わせ
あきた企業活性化センター/
総合相談担当(018-860-5610)まで。
ビジネスプランコンテスト2 015
起業家を発 掘& 応援!
“ビジコン” 結果 発 表
「あきたビジネスプランコンテスト2015」の
最 終審査 会を2015年12月18日、
秋田市にぎわい交流 館「AU」で開催した。
過去最多人数の熱いプレゼン
2013年に始まり3回目となった今回は、過去最多の8名
が最 終審査に残り、いずれ劣らぬ活発なプレゼンテー
ションを披露。熱き起業家達に向けて会場から大きな拍
手が送られた。
厳選なる審査の結果、最優秀賞には「雪国の雪下ろし
作業を軽減する雪カッターの事業展開」を発表した菅正
さん(湯沢市)が特別賞とともに選ばれた。
また、聴衆の投票による「観客賞」は、国際教養大学
の学生3名による「台湾人中間層への体験型ツアーの提
案」が受賞した。
受賞者のプラン紹介
【最優秀賞・特別賞】菅 正(湯沢市)
「雪国の雪下ろし作業を軽減する雪カッターの事業展開」
「雪カッター」とは、L型の刃にコの字型の柄を取り付
けたものです。一度に2面が深く切れ、断面も滑らかなの
で、従来の方法の7分の1の仕事量で済みます。秋田では
1シーズンに数回の雪下ろしが必要ですが、高齢化や人
口減に伴う人手不足から、今や共助組織を以て対処する
地域も珍しくありません。この「雪カッター」を使用するこ
とで作業量の大幅減につながります。
あきたビジネスプランコンテスト2015 最終結果
■ 最優秀賞・特別賞/菅 正(湯沢市)
「雪国の雪下ろし作業を軽減する雪カッターの事業展開」
■ 優秀賞・観客賞/丹生直子、佐藤修平、レスリースー(秋田市)
「台湾人中間層への体験型ツアーの提案」
■ 優秀賞/佐藤 智子(秋田市)
「日本三大美林のふるさとから発信!
未活用スギ葉のエッセンシャルオイル事業」
■ 優秀賞/小林 華奈子(秋田市)
「女性に人気のカフェを販路とした
秋田初スイーツコーディネート事業の展開」
■ 優秀賞/阿部 彩(秋田市)
「輝く奇跡の一枚!
『Akitaシニアエンディングフォト』」
■ 優秀賞/中島 奈津子(秋田市)
「手話のイラストを商品化するという新しいジャンルを開拓」
■ 優秀賞/高橋 利枝(にかほ市)
「『秋田を楽しむ』コーディネート型イベント事業の展開」
■ 優秀賞/吉田 七重(横手市)
「自然食材を使った料理と薬膳料理をメインとした
健康食堂カフェの開業」
あきたビジネスプラン
コンテスト2015
主催:公益財団法人あきた企業活性化センター
協賛:秋田県信用保証協会
後援:秋田県、秋田県商工会議所連合会、
秋田県商工会連合会、秋田県中小企業団体中央会、
秋田銀行、北都銀行
h t t p: //w w w. b izc o n .v t- a k i t a .c o m
最優秀賞・特別賞をダブルで受賞した菅正
優秀賞・観客賞を受賞した3名は国際教養大学
10分間のプレゼンに続き、5分間の質疑応答
さん。
の現役学生。
が設けられた。
04
2016.1
- 11 -
Facebook「あきたビジネスプランコンテスト」
でも情報を発信しています。
センター活用事例
あきたビジネスプラン
コンテスト
SOUPHOLIC
県内での創業・起業意識の醸成と、独創性のある経営計画を持つ起業家を発
掘するため、年に1回開催するコンテストです。
お問い合わせ
あきた企業活性化センター/
総合相談担当(018-860-5610)まで。
スープホリック
地 産地 消や 、健 康のために
スープの魅力を広めたい
昨年度「あきたビジネスプランコンテスト」
に出場し、入賞した須田敏之さん。
入賞後の姿を追い、その後開いた店を訪ねた。
こだわりのスープを販売
秋田市民市場近くに2014年12月にオープンしたスー
を使った“スープビジネス”を企画・発 表 。結果、優 秀
プ専門店、スープホリック。
「体に優しく、栄養たっぷりの
賞・観客賞のダブル受賞となった。コンテストの最終審
スープをたくさんの方に召し上がってほしい」と始めたこ
査会は12月で、開業準備とコンテストの準備がちょうど
の店は、食材へのこだわりに溢れる。スープに使う食材
重なった。
「コンテストへの応募に当たり、事業計画書な
は、できる限り無農薬か減農薬。意識して秋田県産を取
ど必要書類を作成したことで、漠然と温めていたビジネ
り入れている。
スのイメージが具体化し、コンセプトを再確認すること
メニューは、あさりの旨味濃厚な「ニューイングランド
ができた。応募して本当によかった」と須田さんは振り
クラムチャウダー」や、チーズの風味香ばしい「焦がしチー
返る。
ズのオニオングラタンスープ」、魚介が深い味わいの「伊
勢海老と帆立の濃厚ビスク」など常時7種類以上のスープ
多くの人にスープの魅力を
をはじめ、ドイツなど本場から取り寄せた選りすぐりのパ
店のオープンから丸1年。「もう少し余裕があるかと
ン、有機野菜のサラダ、ベーグルサンドウィッチ、日本では
思っていたが、予想以上に忙しい毎日」と、うれしい悲鳴
数店しか取扱いのない「モジョコーヒー」など。店内飲食
だ。午前7時半オープンのため、朝食を求めるお客様に
のほかテイクアウトもできるとあって客足は順調だ。
始まり、昼はランチ客、夜は仕事帰りの人など、老若男女
“ビジコン”で優秀賞・観客賞をダブルで受賞
問わず幅広いお客様が訪れる。また、気軽に入れる雰
囲気から“おひとり様”も多い。中には「ビジコンの会場で
店主の須田敏之さんは、以前から「飲食 店を開きた
見て」と店に足を運んでくれたお客様もいた。
い」との思いがあり、10年がかりで構想を練ってイメージ
「スープは、小さいお子さんから年配の方まで、あらゆ
を膨らませていた。夢を叶えるため、具体的に動き出し
るジェネレーションの方におすすめできる健康食。その
たのは2014年夏。創業に関する情報収集を行っていた
魅力をもっと広めることで、たくさんの人が健康になって
とき、ウェブで『あきたビジネスプランコンテスト2014』
くれたらうれしい」と抱負を語る。
の存在を知り応 募。
「秋田のスープ」と題し、県産野菜
スープホリック
SOUPHOLIC
秋田県秋田市中通6-9-10-C
T EL.018-834-7700
営業時間/7:30~19:30(日曜9:00~18:00)
定休日/水曜
秋 田 で は 当 店だけ が 取 扱う「 モジョ
本場ドイツやベルギーなど、海外から取り寄せた珍しいパ
パン やスープ、サラダなどが 味 わえる
コーヒー」
ンが揃う。
セットメニューも充実している。
- 12 -
http://www.soupholic.com
2016.1
05
セン ター 活 用 事 例 [ c a s e1]
http://takaiwa.moo.jp/
地 酒 屋& カフェ TA K A I W A
秋田県湯沢市桑崎字中泊15
Tel. 0183-52-2246
[営業時間] 地酒屋 10:00-18:00 カフェ 11:00-17:00
夜の酒カフェ(日本酒とお料理) 18:00-20:30 (5名以上要予約)
[定 休 日] 月曜日(祭日の場合は営業)
コンテストを機に活動の場を広げる
「私なりにできること、
私ならではのフィー
ルドから日本酒を盛
り上げていきたい」
と話す高橋さん。
TAK AIWAは日本酒の情報発 信基地としても耳目
を集めている。
きっかけは何気ない一言から 曽祖父から続く高岩商店の4代目。
「 跡取りとい
う意識はあったものの、日本酒に関心はなかった」
と話す。高橋さんが日本酒に携わるきっかけは、東
京に住む友人の何気ない一言から。
「 私が秋田出身
と知って『秋田のおいしいお酒送ってよ』と。そこで、
地酒に力を入れる酒販 店に行き、浅 舞酒造(横手
地 酒 屋&カフェ TA K A I WA
市)の杜氏の話が出た。なぜか『その蔵で自分のお
酒を造りたい!』と思い立ってしまった」。その帰り
道、さっそく浅舞酒造の門を叩いた。平成5年、田植
「ビジネスプランコンテスト2014」で
え、稲刈りなどの農作業を含めて、酒造りの全工程
最優秀賞を受賞した高橋まゆみさん。
を体験した。個人が日本酒のプライベートブランド
その後の様子を聞きに、湯沢市を訪ねた。
を造るのは珍しく、テレビのドキュメンタリー番組
が制作されて話題になった。以 来23年間、蔵の手
念願だったカフェをオープン
2年前のコンテストでは「日本酒好きが集う和カ
伝いや家業を通して日本酒に携わってきた。
フェの展 開 」と題して 、日本 酒カフェのオープン 、
日本酒の魅力を女性に発信
日本酒の仕込み水を使ったコーヒーの提供、精米
平成24年、若い女性に日本酒の魅力を発信しよ
の工程で出る酒 米の粉を使った洋 菓子の提 供な
どのプランを発表。コンテストから4ヵ月後の昨年
4 月 、高 橋 さん は 念 願 だった「 地 酒 屋&カフェ
TA K A I WA」をオープンした。おすすめは「自家 焙
煎 仕込み水コーヒー」と酒米の粉を使った「酒米
粉入りチーズケーキ」。どちらも珍しさとおいしさ
で好評を得ている。
「オープン後、疲労で体調を崩したこともあった
が今は完全復活。スタッフの育成も順調に進み、お
客 様も増えてきた」と開店からの1年余りを振り返
る 。今は各 種の日本 酒イベントを開 催するなど 、
A
B
うと「さけがぁる」を仲間と結成。日本酒業界を盛り
上げたいと、日本酒の商品企画やパーティーを開催。
今やメンバーは全国にいる。そして、日本酒をもっと
身近に感じてほしいと、仕込み水や酒米の粉に着目
して開いたのが当カフェ。コンテストを機にプランを
実現し、日本酒のPR に一層力が入る。
「 カフェと酒
屋を持続しながら、今後は酒米粉を使ったお菓子
の開発・販売や日本酒のセミナーの開催に挑戦した
い。酒屋だからこそ、このカフェを続けられるし、酒
屋ならでは、女性ならではの目線で面白いセミナー
を開催できると思う」と、新たなプランも描いている。
A 水のお いしさを 味
わって欲しいと苦味、酸
味を抑えた「仕 込 み水
コーヒー」
と、
濃厚でしっ
とり食 感の酒米粉入り
チーズケーキ。
事業概要
県内での創業・起 業 意識の醸 成と、独 創性のある経営計画
を持 つ起 業 家を 発 掘するため、年に1回開 催するコンテス
トです。
B プライベートブランド
として造り続ける日本酒
「結実
(みのり)
」
。
純米酒
と純米吟醸がある。
04
AKI TA
2016.8
- 13 -
あきたビジネスプランコンテスト
お問い
合わせ
あきた企業活性化センター 総合相談担当
TEL 018-860-5610
センター活用事例
経営相談体制強化事業
経営相談専門員を配置して相談体制を強化し、経営等に対する
アドバイスや各種支援策のコーディネート等、県内企業へのき
め細かい支援を行います。
品質とアイデアを武器に
農産物の販路を開拓
[お問い合わせ]
あきた企業活性化センター/
企画・総合相談担当(018-860-5610)まで。
吉田きのこ工房
転職してゼロから始めた舞茸栽培。
苦難の連続を乗り越えて、
個性豊かな味と商品を作り上げた。
味と香りで評判の舞茸
吉田きのこ工房の舞茸を食べた人の多くは、
目を丸く
する。
肉厚でシャキシャキとした食感、
かむほどに広がる
旨味、
野生種を思わせる芳醇な香り…。
濃厚な味が評判を
呼び、
大手スーパーや市場、
JAなど次々に販路を開拓し
てきた。
一言で
「舞茸」
と言っても品種はさまざま。
吉田き
のこ工房の舞茸は、
県の林業研究研修センターの協力に
よって既存の種菌を品種改良し、
栽培法を確立した品種。
栽培が難しく、
全国的にも取り扱う業者はごくわずかだ。
今は安定した収量を誇る吉田きのこ工房だが、
以前は苦
難の連続だった。
-40年続く家業であった酪農に見切り
をつけ、
平成9年、
畜舎を改造して舞茸の栽培を始めた吉
田誠代表。
「キノコの栽培は全くの素人だった。
種菌メー
カーに栽培を習いに行き、
試行錯誤を繰り返したが、
菌が
病気になって大失敗したこともあった」
。
問題を乗り越えて
舞茸は、
なめこや椎茸、
エリンギに比べてデリケート。
さらに、
栽培していた舞茸は、
種菌自体が欠点だらけの品
種だった。
「種そのものから改良して何度も失敗を重ねな
がら、
やっと納得のいく舞茸が作れるようになった。
そこ
まで何年もかかった」
と吉田代表はしみじみ振り返る。
だ
が、
栽培が安定した後も悩みはあった。
舞茸は秋冬の鍋
シーズンは、
生産が追いつかないほど注文が入るが、
春夏
は極端に需要が落ちる。
非需要期に売り上げを伸ばそう
と開発したのが、
レンジで2分加熱するだけで食べられ
る、
バター・調味料付きのオリジナル商品
「チンするマイ
タケ」
だ。
味やアイデアは好評を得た。
しかし、
商品の認知
「一口食べると、
おいしさに驚くはず」
と吉田代表が太鼓判を押す
「チンするマイタケ」
。
バターの香りとオリジナル調味料が舞茸の味を引き立てる。
このままレンジで2分加熱するだけでバター焼き風味の立派な料理の完成だ。
度が低く、
販路開拓が課題だった。
希望とともに育む舞茸
そこで新規販売ルートについて相談したのが、当セ
ンターの経営相談専門員。
「希望する取引先との交渉、
プレゼンや価格設定のアドバイス、輸送ルートの確立
など、細やかにサポートしてもらった。結果、うまく交
渉が進んで今年7月から生協の個人宅配・共同購入の
商品として秋田県内で販売されることになった」。
さっそく注文が入るなど反応は上々。春夏秋冬安定し
た注文の獲得に期待が膨らむ。
「経営相談専門員はア
イデアや理想を実現に導いてくれるありがたい存在。
何でも話せる良き相談相手でもある。農家や経営者は
意外に孤独。専門員に話すことで心が軽くなり、また
次の目標が湧いてくる」。苦難の末に育て上げた自慢
の舞茸は、夢や期待とともに食卓へと運ばれている。
吉田きのこ工房
〒016-0014
秋田県能代市落合字中大野台12
Tel .0185-52-6838
Fax.0185-52-5869
吉田代表
(左)
と当センターの経営相談専門員。 舞茸は全て手作業でパッケージング。
“吉田の 舞茸は全てビンを使った菌床栽培で育
「アイデアが浮ぶ都度、相談に乗ってもらって 舞茸”は、香りと味で選ばれ、スーパーや市場 てている。栽培が難しい品種ゆえ、菌の
いる」
と吉田代表。
から引く手あまただ。
植え付けから収穫まで気が抜けない。
- 14 -
BICAkita
2014.11
05
センター活用事例
秋田県よろず支援拠点
秋田県内の中小企業・小規模事業者のための経営相談所として、
売上
拡大、
経営改善など経営上のあらゆるお悩みの相談に対応します。
コーディネーターを中心とする専門スタッフが適切な解決方法を提
案します。
経営の改善、
見直しから始めた
“前向き思考”
の店づくり
[お問い合わせ]
あきた企業活性化センター/
秋田県よろず支援拠点(018-860-5605)まで。
ファッションハウス テル
時代の変化に押され、
悩みを抱えていた洋品店。
どんな手立てを打って、
生まれ変わったのか。
この秋、
移転リニューアル
秋田市広面で38年間、夫婦二人三脚で洋品店を営ん
できたファッションハウステルの佐々木憲男代表と、
妻の洋子さん。つい1カ月前の11月に店舗を移転し、
リニューアルオープンを迎えた。
「思いきって引っ越
して気持ちがスッキリした」と晴れ晴れとした表情の
洋子さん。
「最初は、移転したらお客様が離れてしまう
んじゃないかと不安があった。でも大丈夫でしたね」。
そう話している間にも「こんにちは~」とお客様が1
人、2人と、店に来る。服を見立てながら会話が弾み、笑
顔がこぼれる。
新 し い 店 舗 は 、秋 田 大 学 付 属 病 院 交 差 点 角 に あ る 。病 院 や 薬 局 、コ ン ビ ニ に
近く、人通りが見込める立地だ。広い敷地の駐車場もあり、
「 良い物件がみつ
かって良かった」と佐々木代表。
に抑えた。また、試算表の作成や確定申告事務は商工
会議所を利用。
今までは行っていなかった資金繰り表
の作成にも取り組むことにもした。
経営を見直し、
成果を上げる
開業当時の70年代後半、
世は高度経済成長期を経て、
景気が上り調子のまっただ中。スーツやワンピースな
どの高額商品が飛ぶように売れた。
それから38年、
社会
は変わり、
売れ筋やお客様のニーズも変化した。
「売り上げは年々厳しくなっていた」と佐々木代表。
客単価の減少、
お客様の高齢化、
多額の経費など要因は
さまざまあった。
そうした中、
経営相談をしていた信用
組合の職員の紹介で利用したのが、
当センター内の
「秋
田県よろず支援拠点」
。
専門スタッフのアドバイスのも
と、さっそく経営改善に乗り出した。まずは、経費の削
減に取り組んだ。
4社あった仕入れ先は2社に絞り、
原価
を低減。
さらに、
売り場を持て余していた店舗から移転
することで面積を縮小し、家賃をそれまでの半分以下
より一層愛される店を目指して
「それまでは帳簿管理も仕入れも経験と勘でこなし
ていた。
でも景気が厳しくなると、
それだけでは立ち行
かない。
実は最初は専門家に相談すること自体、
緊張し
ていた。
ところがスタッフの方にお会いしたら、
話しや
すくてざっくばらんに相談できてホッとして…。
実際、
こうしていろいろ前向きに改善できた。相談して良
かった」
と笑顔の佐々木代表。
店舗は狭くなったが、
意
外にもお客様には好評だ。
「我々とお客様との距離が近
く、
目がよく届くようになったので会話がしやすい」
と
洋子さん。
気兼ねなく、
和気あいあいと服選びや試着が
楽しめる店として愛されている。
今後もよろず支援拠
点に顧客向けイベントの開催や新規顧客の開拓につい
て相談をする予定だ。
夫婦二人三脚、
新たに踏み出した
一歩は、
希望に包まれている。
ファッションハウス
テル
〒010-0041
秋田県秋田市広面字蓮沼85-1
Tel.018-835-9884
営業時間:10:00~19:00
売り場面積は縮小したが、商品数は
以前と同じ。カジュアルからフォー
マルまで幅広い衣料をそろえる。
04
BICAkita
2014.12
移転後は「リニューアルオープンセール」を
開催。常連を中心に、さっそくお客様が来店
した。
あれこれ相談をしたり、会話をしたりしながら、
気兼ねなく買い物できる雰囲気がお客様にうけ
ている。
- 15 -
センター活用事例
秋田県よろず支援拠点
秋田県内の中小企業・小規模事業者のための経営相談所として、
売上拡大、
経営改善など経営上のあらゆるお悩みの相談に対応します。
コーディネーターを中心とする専門スタッフが適切な解決方法を
提案します。
相談を通して得たヒントを
実践して販路拡大に成功
[お問い合わせ]
あきた企業活性化センター/
秋田県よろず支援拠点(018-860-5605)まで。
御献上カスティーラ
自社の強みは何か、
次の戦略はどうあるべきか。
経営を見直し、
新たな活路を見いだして
飛躍を続ける店がある。
創業から20年、秋田の人気洋菓子店
秋田市内に2店舗を構える御献上カスティーラ。濃
厚な味わいの「ミルクチーズケーキ」が評判の洋菓子
店だ。創業は1994年で、佐々木茂樹社長は当時25歳。
若きパティシエは「看板商品を作って経営を軌道に乗
せたい」と試行錯誤を繰り返し、材料にチーズとミル
クをたっぷり使い、低温でじっくり焼き上げる「ミル
クチーズケーキ」を考案した。それは、表面の香ばしい
焼き目とシンプルで濃厚な味わい、しっとりとした食
感で話題となり、御献上カスティーラは人気菓子店と
して成長してきた。当初は1店舗だったが、2010年に
秋田市東通に2店舗目
(東通店)をオープンした。
相談で得られた売上回復のヒント
しかし、永久に上り調子といかないのが商売の難し
さ。
景気の悪さもあり、ここ数年は売上が落ちていた。
そこで、
人員配置を変更し、
厨房設備を集約して業務
の効率化を図ろうと東通店の改装を決意。メインバン
クに融資の相談をする中で
「秋田県よろず支援拠点」
へ
の相談を勧められた。店の現状や事業拡大のイメージ
など、よろず支援拠点コーディネーターにさまざま話
し、
相談を重ねた。
「悩みや、
凝り固まった自分の考え方
に対して、
明確なアドバイスをくれる。
一人で考えてい
たら絶対思いつかない“答え”に驚きと納得の連続だっ
た」
と佐々木社長。
ヒアリングやマーケティング分析を
通して、店の強み、販路拡大方法、店舗改装のための事
業計画をどう構築するかなど具体的なヒントをつかん
だ。
そして、
さっそく劇的な変化があった。
発売以来ロングセラーを続けている
「ミルクチーズケーキ」
シリーズ。
地元タウン誌とコラボした商品を販売するなど話題、
味ともに進化を重ねている。
外販での販路拡大に成功
アドバイスをもとに実行したのは、店の強みである
人気のホールケーキを外販すること。秋田市内4店舗
のスーパーに納品し、前年比で月の売上が大幅アップ
した。店では、POSレジを導入し、商品の動きや売れ
筋、売上をデータ管理に。
「今何が売れていて、何がダ
メなのか数字で細やかに把握できる。相談を通じて
データ管理に対して重かった腰を上げることができ、
仕事がますます面白くなった」と声を弾ませる。
コーディネーターと練り上げた事業計画書は、メ
インバンクに承認され、店舗改装と設備導入を経て、
東通店は昨年11月にリニューアルオープンした。
「 自分
は作り手(パティシエ)であり、経営者。二足のわらじ
は、頭の切り替えが難しい。しかし、今回の相談を通
して経営面を強化できた。今後も相談を重ねて、経営
拡大を目指したい」。人気店の今後にますます注目
だ。
有限会社 御献上カスティーラ
[東通店]〒010-0003
秋田県秋田市東通5-1-32
Tel. 018-836-4553
[保戸野桜町店]〒010-0901
秋田県秋田市保戸野桜町15-27
Tel.018-865-5253
定休日/火曜日、
第2水曜日(イベント日は営業)※2店共通
営業時間/10:30~19:00※2店共通
「ミルクチーズケーキ」
を手にする佐々木社長。 リニューアルオープンした東通店。チーズ 東通店の外観。この度の改装でデザイン
「経営の相談相手ができたことで前向きにな ケーキのほかに、ショートケーキや焼き菓子 を一新。また、店舗の奥に厨房を集約し
れる」と今回の相談を振り返る。
などをさまざま取りそろえている。
たことで作業の効率化を実現した。
- 16 -
BICAkita
2015.1
05
センター活用事例
秋 田 県よろず 支 援 拠 点
秋田県内の中小企業・小規模事業者のための経営相談所として、売上拡大、
経営改善など経営上のあらゆるお悩みの相談に対応します。コーディネーター
を中心とする専門スタッフが適切な解決方法を提案します。
お問い合わせ
あきた企業活性化センター/
秋田県よろず支援拠点(018-860-5605)まで。
有 限 会 社 フラワート
秋田を 花 で 元 気 に し たい
たい
一見 、生 花と見 間 違うほどの 美しさ 。
秋 田 発 のプリザ ーブドフラワーが
注目を集 めてい る 。
“秋田発”の専門メーカー
プリザーブドフラワーとは、生の植物を特殊な技術で
さらに昨年5月からは、一年中温暖で花が絶えない花
加工して、美しい姿を長期的に保持する技法。水やりな
の都、中国・昆明の栽培業者と業務提携。嶋社長自ら日
しで1~3年は保持できるため、アレンジメントやギフト、
本と中国を往復し、現地で収穫・加工したバラを直接仕
装 飾など、用途は多岐に渡っている。その全国屈指の
入れている。産地と直接繋がることで大幅なコストダウ
メーカーが、秋田にある。
ンを実現している。
由利本 荘市岩城に工房を構えるフラワートは、プリ
ザーブドフラワーの製造・販売を行う専門メーカー。取
製品を手ごろな価格で地元・秋田に
引先は有名百貨店や全国展開するフラワースクールなど
「プリザーブドは高価で“高嶺の花”と思われがち。コ
名だたる企業ばかり。
ストダウンすることで、そのイメージを払拭したい」と渡
フラワートの加工技術は、嶋真紀子社長が独自に研
辺さん。そこで開発したのが、低価格で購入できる1輪の
究を重ね、地元大学などの協力を得て完成したもの。オ
「キャンディーローズ」だ。これをまずは秋田県内で販売
リジナルの加工液を使って、鮮やかな色、柔らかさ、みず
しようと模索していた。
「顧客の多くは県外ですが、今後
みずしい形状を保ち、高く評価されている。
は地元・秋田でも販売して、ゆくゆくは花の地産地消を
目指したい」。そこで県内での新規取引先を探すために
採れたての新鮮な花・葉を加工
利用したのが「よろず支援拠点」だ。
「良い製品を作るには、新鮮な素材が必要」と営業担
担当スタッフが紹介したのは、大手コンビニ秋田地区
当の渡辺マリ子さん。花や葉の鮮度にこだわるため、市
の開発担当者。結果、
「キャンディーローズ」は県内15店
場にも相談し鮮度の良い素材を県内からも集めてもらっ
舗での販売が計画されている。
「担当者の紹介から交渉
ている。
まで丁寧にサポートしてもらった。今後は花の地産地消
また、ダリア・トルコキキョウ・ラナンキュラス・ケイト
を進めて秋田の農業を元気にしたい。さらに、その輪を
ウなどは契約農家から直接買い付けを行っているほど、
広げて東北を元気にしたい」。秋田から希望の花が育ま
秋田には優れた素材が多い。
れている。
有限会社フラワート
〒018-1305
秋田県由利本荘市岩城二古字狐森113-14
Te l.0184-73-3457
Fax.0184-73-3466
http://www.flawart.com
「キャンディーローズ」を手にする渡辺さん。 アレンジメント商品の製造・販売も行っている。
この「キャンディーローズ」が大手コンビニの店
「子供が母親に気軽にプレゼントできる商品
頭に並ぶ日も近い。
にしたい」と価格に配慮している。
04
2015.5
作業は、細部まで全て手作業。花や葉を1つ1つ
丁寧に組み込んでいく。
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センター活用事例
秋 田県よろず支 援 拠 点
秋田県内の中小企業・小規模事業者のための経営相談所として、売上拡大、
経営改善など経営上のあらゆるお悩みの相談に対応します。コーディネーター
を中心とする専門スタッフが適切な解決方法を提案します。
お問い合わせ
あきた企業活性化センター/
秋田県よろず支援拠点(018-860-5605)まで。
サ テライト湯 沢
何 度も話し 合 い を 重 ね 、
解 決の道を 探 る
秋 田 県 内 の 中 小 企 業・
小 規 模 事 業 者 が 抱 える 経 営上の 悩 み を
専 門 ス タッフと共 に 解 決 。
経営上のあらゆる悩みに対応
秋田県内の中小企業が抱える経営上のあらゆる相談
事業者の
声
成果が出るまで相談でき、心強い
稲庭うどん しゅんぞう堂 髙橋 栄さん
に応じる「秋田県よろず支援拠点」は、コーディネーター
私は、稲庭うどんの生うどん製造を家業にしている父の
をはじめとする専門スタッフが、売上拡大や経営改善な
元で製造及び営業を担当しています。サテライト湯沢には
ど幅広い悩みに対応し、継続的フォローアップを行って
何度も出向いて樋渡サブコーディネーターのアドバイスを
いる。
受けています。
秋田市の事務所に専門スタッフが常駐するほか、秋田
最初は単に売り上げを増やしたいという相談でたずねま
市と横手市で巡回相談を行い、さらに大館と湯沢で月2
したが、
「自社の売りが何で、誰を顧客に想定していて、今
回ずつ開催するのがサテライト。経営上のあらゆる悩み
までどういう売り方をしていたか」をひとつひとつ整理して
の解決のためのファーストステップとして、
「よろず支援拠
考えるようにアドバイスを受けました。それを参考に改善し
点」を積極的にご利用いただきたい。
てみて、次の相談日に経過報告をして、さらに次の段階を
サテライト湯沢を担当する樋渡忍サブコーディネーター
模索します。お陰様で、実際に売り上げも伸びてきました。
は、
「経営上の問題を抱えている場合はもちろんですが、
成果が現われるまで継続的に相談に乗ってもらえるので
社業の近況報告をするような感覚での利用でもいいと
大変心強く思っています。
思っています。話し合いをしているうちに解決すべき課題
が見つかることもあります」と、話している。
サテライト湯沢で、実際に樋渡サブコーディネーターに
サブコーディネーター 樋渡 忍(樋渡サポートサービス代表)
■得意分野…原価管理、
経営改善、
売上拡大
建設分野で経営改善を得意とする。
特に原価管理
(工程管理・実行予
算)
による実績多数。
丁寧な対応とフォローアップには定評あり。
一方、
小売業、
飲食店への販売促進策による売り上げ拡大支援にも実績あり。
経営相談した事業者の声を聞いた。
[秋 田 市]
[ 大 館 市] 秋 田 県よろず 支 援 拠 点
巡回相談/秋田市
巡回相談/横手市
秋田県庁第二庁舎2階
実施日時/月曜~金曜(土日祝を除く)
8:30~12:00、13:00~17:15
大館市役所 本庁舎1階(年金相談所)
実施日時/毎月第2・第4金曜日
10:00~15:30
秋田市役所 山王別館(第一会議室を使用)
実施日時/毎月第2水曜日
10:00~15:30
よねやMGビル2階(Bizサポートよこてを使用)
実施日時/毎月第1・第3木曜日
10:00~15:30
秋 田 県よろず 支 援 拠 点
サテライト大館
秋田県よろず支援拠点
サテライト湯沢
日時:毎月第2・第4金曜日
10:00~15:30
会場:湯沢市役所2F
(21相談室を使用)
今回の相談者「稲庭うどん しゅんぞう堂」の
樋渡忍サブコーディネーター。経営上の悩みを
高橋栄さん。相談には何度も出向いている。
共に解決へと導く。
- 18 -
2015.9
05
センター活用事例
秋田県よろず支援拠点
秋田県内の中小企業・小規模事業者のための経営相談所として、売上拡大、
経営改善など経営上のあらゆるお悩みの相談に対応します。コーディネーター
を中心とする専門スタッフが適切な解決方法を提案します。
お問い合わせ
あきた企業活性化センター/
秋田県よろず支援拠点(018-860-5605)まで。
ビジネス道場2015
経営の悩みや課題を
解決するチャンス
「売上を拡大したい」
「 販路を開拓したい」。
そうした悩みや課題を解決すべく、
多彩な切り口でセミナーを開催する。
ビジネス道場いよいよスタート
秋田県よろず支援拠点のサブコーディネーター5名が、
経営の悩みや課題をセミナー形式で解決する「ビジネス
道場2015」。その第一回となるセミナーを8月27日に開
催した。
この日の講 師は 、中小企 業 診 断 士の鎌田晶子サブ
コーディネーター。
「だれでもわかる経営のコツ!!」と題
し、起業予定者や起業して間もない経営者向けに、経営
を成功させるためのコツや事業計画書の書き方を伝授
ビジネス道場2015 参加者の声
役に立つ情報が多かった
オーディア 小松 尊さん
現在、起業に向けて準備を始めたばかりです。創業
や経営に関するセミナーに参加したのは、今回が初め
てでした。
特に印象に残ったのは、
「起業家にとって必要な3つ
の資質」の部分でした。アドバイスを元に、自分に置き
した。
換えてみるとどうか、自分はどうするべきかなど、今後
経営のヒントを得るきっかけに
ます。
を考えるうえで、リアルに役立つ情報を得られたと思い
「事業成功のカギは、お客様に付加価値のある商品、
サービスを提供すること。そのためには、セールスポイン
トを明確にして、経営に最大限活かすこと」と鎌田講師。
「経営者が自らビジネスプランを練り上げる方法のほか
に、企業活性化センターやよろず支援拠点を利用し、専
門家に相談する方法もある。一人で悩まず、周囲の支援
者や相談窓口を頼ってほしい」と話す。
「ビジネス道場2015」は、残り5回(詳細は8ページ
参照)。経営のヒントになるさまざまなテーマのセミナー
を予定している。
原点の再確認になる
シーズ秋田 鈴木志都子さん
起業して1年経ちます。今回のセミナーを通して、
「な
ぜ起業するのか」
「何を売るのか」
「誰にどうやって売
るのか」など、改めて“基本”を学ぶことで、たくさんの気
づきがありました。ビジネスプランを振り返り、見直す
良いきっかけになりました。
経営を続けるうえで、ビジネスの見直しや原点の再確
認は、大切だと実感しました。
秋田県よろず支援拠点
ビジネス道場2015
サブコーディネーター/鎌田 晶子
(中小企業診断士)
経営のヒントを得るために、熱心に鎌田講 師の話に耳を傾
期 間:2015年8月~2016年2月
会 場:あきた企業活性化センター
(県庁第二庁舎2階)
申込先:TEL.018-860-5605
FAX.018-863-2390
E-mail:[email protected]
ける。
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2015.10
05
秋田県内の中小企業・小規模事業者のための経営相談所として、売上拡大、
経営改善など経営上のあらゆるお悩みの相談に対応します。コーディネーター
を中心とする専門スタッフが適切な解決方法を提案します。
センター活用事例
秋田県よろず支援拠点
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秋田県よろず支援拠点(018-860-5605)まで。
Asian Healing タイリズム
いかにして認知度を上げるか
“ 草分け”としての挑戦
秋田県内では、
まだ珍しいタイ古式マッサージ。
その魅力を広めるための挑戦を続ける。
本場直伝の技で施術
「日本にも学校はあったが、どうせ学ぶなら本場で…と
2,500年もの歴史があり、仏教の教えとともに、人々
思った」。当店を構えたのは2年前。コースは「全身」ま
を癒す施術として広まったタイ古式マッサージ。その本
たは「フット」から選べ、20分から120分まで5段階の
場直伝の技を体感できる店が、秋田駅前「エリアなかい
時間が設 定されている。「試しに施術を受け、そこから
ち」近くにある「タイリズム」。同店の鈴木代表は、本場
気に入ってくれて長めのコースを希望するお客 様が 多
タイのマッサージスクールで技術を学び、
「基礎」「上
い」という。
級」
「フット」の資格を現地で取得。現在も、年に1~2回
はタイの母校に足を運び、技術の維持・向上に努めてい
目指すは経営拡大・認知度アップ
る。
「秋田県内では、タイ古式マッサージは、まだまだ知
当店のマッサージは、お湯の入った洗面器で足を洗っ
られていない存在。『どんなマッサージ?』と聞かれるこ
て温めるところから施術が始まる。そして、横になって足
とが多い。もっと認知度を上げて、タイ古式マッサージ
や腕など身体のさまざまな部位を押したり、伸ばしたり
ならではの気持ち良さを多くの方に体感してもらいたい」
しながら解していく。
「 タイ古式マッサージの特徴は、ス
と鈴木代表。
トレッチの要素を含むこと。血行やリンパの流れが良く
なり、施術後は心身ともにスッキリする。運動不足の方
自ら効果を実感
や冷え性の方には特におすすめしたい」
「マッサージやリラクゼーションが 好きで、整 体や
タイ古式マッサージの魅力を広めるためには、経営の
ツボ押しなどさまざまな店を訪ね歩いていた」という鈴
安定が必要と、当センターのよろず相談窓口を利用して
木代表。仙台市で入ったタイ古式マッサージの店で衝撃
経営に関する情報を収集。
「 よろず相談窓口に行ってア
を受けた。
「今までいろいろ試したなかで一番気持ちが
ドバイスを受けた。いろいろな情報に触れて勉強になっ
良く、身体が軽くなって効果を実感した。その素晴らし
た。今後はその情報を活かしつつ、スタッフを採用・育成
さに感動し、本格的に勉強して施術する側になりたいな
して、経営拡大を目指したい」と将来を見据える。
と思った」。当時はサラリーマンだったが会社を辞めてタ
イに渡り、ホテル 住まいをしながらスクールに通った。
Asian Healing
タイリズム
秋田県秋田市中通2丁目1-48 仲小路ビル2F
TEL.080-5749-9507
営業時間/12:00~21:00(ラストオーダー19:00)
定 休 日/不定休
店内は落ち着いたインテリアでリラックス
できる雰囲気。子供と一緒に訪れるお客様
マッサージを始める前に、足湯で身体を温める。 タイのスクールで取得したマッサージ資格の証
http://ameblo.jp/tairizumu
明書。
もいるという。
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2015.11
05
秋田県内の中小企業・小規模事業者のための経営相談所として、売上拡大、
経営改善など経営上のあらゆるお悩みの相談に対応します。コーディネーター
を中心とする専門スタッフが適切な解決方法を提案します。
センター活用事例
秋田県よろず支援拠点
ねこ絵本とねこ雑貨の店
お問い合わせ
あきた企業活性化センター/
秋田県よろず支援拠点(018-860-5605)まで。
かぎしっぽ
自らの「好きなもの」で、
初めて経営に挑戦
猫をモチーフにした雑貨の数々。
本棚には、猫が登場する絵本がずらり。
猫好きにはたまらない店が誕生した。
「絵本」と「猫」がテーマの店
するべき?』。といった漠然とした質問だったにもかかわ
秋田市を流れる旭川沿いに「ねこ絵本とねこ雑貨の
らず、いろいろ思いや悩みを聞いてくれた。話をするうち
店
に、店のコンセプトや本来やりたかったことが、どんどん
かぎしっぽ」がオープンしたのは昨年4月。店は一見、
住宅街に建つ普通の民家。注意して見ると壁に猫のシル
見えてきた」と振り返る。相談して不安が解消されたこと
エットの飾りがある。店内は、民家の一部屋を改装した
で、さまざまなアイデアが湧き出した。その1つがイベン
もの。猫に関連した絵本や雑貨、猫用のおもちゃが所狭
トの開催だ。
しと並んでいる。
オーナーの佐藤明子さんは新潟県出身で、秋田市は
店を猫の情報発信基地に
ご主人の故郷。夫婦と猫1匹(花子・15歳)で埼玉県か
よろず支援拠点のアドバイスのもと、企画、スケジュー
らAターン。佐藤さんは大の絵本好きで、最初は絵本の
リングを練り上げた。そして12月に秋田拠点センターア
専門店を開こうと考えていた。だが、
「絵本も好きだし、
ルヴェで開催したのが、仙北市出身の落語家、柳家さん
猫も好き。だったら両方を兼ねた店をつくろう」と、当店
若氏を招いての猫の噺の落語会。40人ほどの観客が集
を開いた。
まり、大いに盛り上がった。
「 開催日から逆算してどのよ
うな段取りで進めるか、情報発信はどうするかなど、細
“よろず”から、方向性が見えてきた
かなアドバイスをもらい、すごく勉強になった。この経験
起業も経営も初めての経験だった。なんとか開店へと
を生かして、今後も定期的にイベントを開催したい」
こぎつけたものの、
「オープンしてからが大変だった。ず
店の集客も順調で、口コミやイベント経由で客が増え
ぶの素人から店を始めたため、経営について漠然とした
ている。猫好きのみならず、猫好きへのプレゼントを探し
不安があった」
に来る人、猫を飼っていて“猫談義”をしに来る人など、理
モヤモヤとした思いを抱えて8月に駆け込んだのが、
由や目的はさまざまだ。佐藤さんは「買い物はもちろん、
当センターの秋田県よろず支援拠点。経営上のあらゆる
猫関連のイベント情報だったり、猫談義だったり、猫の
悩みに対応する、いわゆる“なんでも相談室”だ。
「『何を
話題で楽しめる情報発信基地にしたい」と店のこれから
どうしたらいいのか分からない』とか『これから先、どう
を語る。
ねこ絵本とねこ雑貨の店
かぎしっぽ
秋田県秋田市濁川字菅場6-59
TEL.018-874-8361
営業時間/10:00~18:00
定 休 日/日曜・祝日
新米オーナーながら、もうすぐ1年を
イベント情報は、チラシ、ブログ(※右記URL参
か ぎしっぽ の目印 は、入り口 脇 の 猫 のシルエット
迎える佐藤明子さん。
照)、フェイスブックで発信している。
マーク。
- 21 -
http://kagishippo.keytail.catfood.jp
2016.3
05
センター活用事例
秋田県よろず支援 拠 点
秋田県内の中小企業・小規模事業者のための経営相談所として、売上拡大、
経営改善など経営上のあらゆるお悩みの相談に対応します。コーディネーター
を中心とする専門スタッフが適切な解決方法を提案します。
お問い合わせ
あきた企業活性化センター/
秋田県よろず支援拠点(018-860-5605)まで。
有限会社 米内沢中央印刷
単なる受注産業から脱却
印刷会社が目指す第二創業期
地 域経済の疲弊は経営努力だけでは
カバーし切れない。
自社商品開発で思い切った業態転換へ。
地域密着型企業ならではの低迷
しかし、特定の顧客ばかりを相手に営業してきた同社
旧森吉町米内沢地区に所在する「米内沢中央印刷」は、
には 、販 路 開拓のノウハウがなかった。そこで当セン
創業64年の地域密着型の印刷所だ。かつては役場や学校
ターの「秋田県よろず支 援 拠 点 」のアドバイスを受け、
などからの発注が潤沢にあり、また、文芸の盛んな土地柄
「販売促進・売上拡大セミナー」に参加して、新事業で
から自費出版や同人誌の注文も少なくなかった。最盛期
ある自社製品の販売手法を学んだ。
には森吉町だけで3社の印刷所があり、それぞれに仕事が
一筆箋は現在、
「ほっこりふるさと秋田」のシリーズ名で、
行き渡っていた。
県内の各駅や秋田・大館能代の両空港、道の駅、その他
しかし、森吉町は2005年に鷹巣町、合川町、阿仁町と
の観光施設など約30ヶ所で販売されている。
合併して北秋田市となり、学校の統廃合も進んで、地域
の印刷の仕事は激減した。少子高齢化、人口減少も著
専門家の指導を受けて第二創業期へ
しい。現在は地域の印刷会社は当社1社のみだが、これ
県北中心の販売網から秋田市まで販路を拡大した昨
までの受注産業に甘んじた経営では厳しさが増す一方
年、改めて「ビジネス道場」に参加して「マーケティング
である。
のイロハ」も学んだ。
「印刷業としての実績はあるものの、オリジナル商品
受注型産業からの脱出を図って
の販売は未体験の領域。プロの先生に一からご指導い
同社生え抜きの社員であった三浦武さんが二代目社
ただくのが早道だと思っています」
長として経営を引き継いで今年で9年になる。会社の
今後も専門家の助言を受けつつ、景況や地域事情に
存続を模索する中で、奥様の孝子さんから、オリジナル
左右されない企 業として第二創 業 期を迎える意 識で、
商品の制作・販 売を提 案された。具体的には、地 域の
「一筆箋に限らずノベルティや一般文具市場も視野に入
自然や行事などで彩った一筆箋の商品化だ。長年印刷
れた多面的展開、対消費者のみならずB to B、特注品需
と製本を手がけてきた同社にとって一筆箋の制作自体
要の掘り起こしなどにも積極的に取り組んでいきたい」
は比較的容易なこと。三浦社長は自ら写真も撮るので、
と、三浦社長は語る。
全工程に渡って内製できるのも強みであった。
有限会社
米内沢中央印刷
秋田県北秋田市米内沢字寺の下33-1
T E L.0186-72-3103
FAX.0186-72-5213 受注型の業態から自社商品開発型の業態
一 筆 箋 は 積 極 的 に バリエーション 化も進 めて
社長夫人の女性ならではの柔軟な発想が戦力
へ、業態転換の模索は続く。
いる。
になっている。
04
2016.4
- 22 -
セン ター 活 用 事 例 [ c a s e1]
http://www.siraisi.co.jp/
白石食 品工 業 株式会社
[秋田営業所]
秋田市飯島字穀丁大谷地212-1 / Tel. 018-816-0607
[本 社]
岩手県盛岡市黒川23-70-1 / Tel.019-696-2111
各 県 の 食 材 を 使 い 、東 北 の 魅 力 を 発 信
秋田から2社の甘酒を使用 生地の甘酒は横手市増田町の「羽場こうじ店」、
餡の甘酒は同市平鹿町の「新山食品加工場」が製
造。酒まんじゅうを思わせるふっくらした食感のな
かに「あめこうじ」の豊かな甘みが広がる。他県の
商品は、青森県「あおもりカシス&ホイップ」、岩手
県「 南 部 一郎か ぼちゃプリン風 パンケーキ 」、宮
白石食 品 工 業
城県「伊達ざくらポーク肉味噌&たまごパン」、福島
株式会社
県「 会 津 地 鶏ピ ザパン 」、山 形 県「 舟 形マッシュ
ル ームグラタン風 パン 」があり 、東 北 6 県 のスー
パーやコンビニ等で購入できる。
東北6県の食材を使用したパン
「東北っていいなぁ。」シリーズに、
食材ピックアップを相談
「あめこうじ甘酒蒸しパン」が登場。
同シリーズの企画を担当している商品企画部企
画課の菅原顕さんは「各県の食材のピックアップが
東北食材のシリーズ発売
シライシパンこと「白石食品工業」は、
「 東北って
いいなぁ。」シリーズの新商品6種を5~6月の期間
限定で発売する。
昭和23年に創業し、盛岡市と仙台市に工場、秋
田県には営業 所を構える同社。企業理 念は「食 文
化を通じて地 域社 会に貢献する」であり、近年は
東北の地 元 食材を使 用した商品の企 画や 、行政 、
農業、地元企業との連携に特に力を入れている。
東北6県の商品をそろえた「東北っていいなぁ。」
シリーズは、東日本大震災の復興応援として平成25
年に第1弾を発売。今回の商品は第5弾となる。秋田
県 産食材を使った商品は「あめこうじ甘酒蒸しパ
ン」。秋田県が開発したオリジナルの麹「あめこうじ」
で作った甘酒を生地と餡に練り込み、蒸し上げた。
A
B
A 同社の人気商
品とキャラクター
の「シライシ坊や」
(写真奥)。同社の
F a c e b o o k には
「シライシ坊や」が
度々登場。
毎回難しい。これはいいと思う食材でも、パンに合
うか、量は確保できるかなど様々なハードルをクリ
アしないと商品化できない」と開発の苦労を語る。
今 回 、秋 田県の 食 材 探しのために利用したのが 、
当センターの「よろず支援拠点」。
「 あめこうじのこ
とや製 造 業者を紹介してもらい、何とか商品化に
漕ぎ着けた。シリーズは年2回のペースで今後も続
くので、またセンターに相談したい」。
「 東北ってい
いなぁ。」シリーズは、対象商品についている応 募
シールからキャンペーンページにアクセスすると 、
東日本大 震 災被 災地の子 供たちの支 援に役 立て
られる「キッズスマイルQUOカード」が当たるキャ
ンペーンを実施する。東北を思う気持ちが商品の1
つ1つに込められている。
事業概要
Facebook
B 様々な試作サンプルを集めて行
う、新商品の企画開発会議。
04
AKI TA
2016.5
「パッケージには
秋田 県の 新 P R
キャラクター
「ん
だっチ」
が登場し
ています。
ご注目
を!」
と菅原さん。
- 23 -
秋 田 県 よろず 支 援 拠 点
秋田県内の中小企業・小規模事業者のための経営相談 所として、
売上拡 大、経営改善など経営上のあらゆるお悩みの相談に対応
します。コーディネーターを中心とする専門スタッフが適切な解
決方法を提案します。
お問い
合わせ
あきた企業活性化センター 秋田県よろず支援 拠点
TEL 018-860-5605
セン ター 活 用 事 例 [ c a s e1]
http://patisserie-shirakawa.com
パ ティスリー 白 川
秋田県にかほ市象 潟町字二丁目塩 越 21
Tel. 0184-43-3352
[営業時間]
〝見 せ 方 〞
を 変 え 、商 品 を 育 て る
象潟駅から車で
約3分の場所に
ある。
オリジナル
のバースデーケー
キやウェディング
ケーキも好評。
9:00~18:30 [定休日] 月曜日
鳥海山の伏流水をゼリーに パティシエとして腕を振るう代 表の高橋 徹さん
は4代目。
「 地元・象 潟や近隣地 域には、素晴らし
い素材がたくさんある。それを使って、この土地な
らではの菓子を作っていきたい」と話す。
夏は、鳥海山に染み込んだ水が湧き出す元滝伏
流 水を使ったゼリー「鳥海のしずく」シリーズを季
節限 定で販 売。シェフ自ら早朝 6 時に水を汲みに
パティスリー白川
行って製造する。にかほ市産のイチジク、由利本荘
市産のリンゴや木イチゴ 、横手市産のブドウなど 、
県内産の果物をふんだんに使った8 種の味がそろ
パッケージデザイン、レイアウトなど、
う。これまでパッケージはお手製だったが、今後の
商品を育てるには“見せ方”も重要。
方向性や売り方を含めて“見せ方”をどうするべき
相談を重ねて、リニューアルに挑戦。
か悩んでいた。
地域密着の菓子店
“よろず”の窓口をさまざま利用
江戸時代、この地を訪れた松尾芭蕉が歩いたと
そこで、
「 たらどら」のパッケージデザインで相談
いう街道沿いに立つ「パティスリー白川」。店内には
手作りの和菓子と洋菓子が所狭しと並んでいる。
創業は明治20年。菓子舗「白川湖月堂」として歴
史を刻み、平成22年に洋菓子を中心とした店にリ
ニューアル。
「 パティスリー白川」と改称した。
名物は、普通のシュークリームの3倍もの大きさ
がある「 山シュー 」。鳥海山をモチーフにしている 。
ロングセラーは、芭蕉の句にちなんだ、アーモンド
たっぷりの焼き菓子「ねむのはな」。また最近では、
地元特産の魚醤「鱈しょっつる」を隠し味に使った
どら焼き「たらどら」が人気を呼んでいる。
これらのネーミングが表すように、地元の風物や
素材を取り入れた商品作りに力を入れている。
A
B
実績のある「よろず支援拠点」に再びアドバイスを
求めた。現在、サンプルの試作を重ね、リニューアル
を進めている。
「 お客 様が買いやすく、食べやすい
パッケージに変え、夏と言えば“パティスリー白川の
ゼリー”と、パッと思い浮かべていただける商品に育
てたい」と高橋さん。活性化センターについては「単
にデザインの事だけでなく、新たな食材や生産者を
紹介してもらい、商品開発の面でもお世話になって
いる」と話す。
他にも、県内各地に相談員が出向くワンストップ
移動相談を利用。また、ものづくり補助金の採択を
受けて、オーブンやシーラーを導入するなど、販 売
促進、経営強化に積極的に取り組んでいる。
A 試 作として 新 パッ
ケージのデザイン案を仮
貼りした
「鳥海のしずく」
。
滅菌処理により賞味期
限が60日と長く、
ギフト
にも最適な商品だ。
B 名物「山シュー」は、
注文を受けてからクリー
ムを詰める。
04
AKI TA
2016.7
- 24 -
事業概要
秋 田 県 よろず 支 援 拠 点
秋田県内の中小企業・小規模事業者のための経営相談 所として、
売上拡 大、経営改善など経営上のあらゆるお悩みの相談に対応
します。コーディネーターを中心とする専門スタッフが適切な解
決方法を提案します。
お問い
合わせ
あきた企業活性化センター 秋田県よろず支援 拠点
TEL 018-860-5605
センター 活 用 事 例 [ c a s e 2]
Happiness&Emotion
https://www.facebook.com/hapinessemotion/
posts/425078471010923
仙北市田沢湖生保内字武蔵野105-414
Tel. 090-7324-2944 E-mail/[email protected]
[事業内容] 仙北市観光ガイド
(乳頭温泉郷、
抱返り渓谷、
田沢湖等)
、
熱心な指導を得て、目標・課題が明確化
接客・接遇・コミュニケーション等セミナー講師、
イベント企画・司会
代表の草彅さん。
「デザインや戦略
をはじめ、いろい
ろ気軽に相談で
きるので助かりま
す」
と話す。
毎回大きな収穫あり
「よろず支 援 拠 点には、これまで何度も相談に
訪れ、
販促のことやパンフレットなどのツール制作、
参加
者の声
事業コンセプトのことなど様々なアドバイスをいた
だいてきました。正直なところ、これほどまで熱心
に企業のことを考え、支援してくれる機関があった
とは…と驚いています。今まで知らずにいたことが
残念です」と、率直な感想を語る。
Happiness&Emotion
さらに、
「 ご指導は毎回刺激的です。相談に乗っ
ていただくことで 漠 然としたものがクリアになり 、
新たなアイデアや目標が浮かんできます。お陰 様
コーディネーターが1対1でアドバイス
でこれからの課 題・目標を明確にすることができ
「ビジネス講座・相談」がスタート。
ました。さっそく実行に移し、販促に繋げていきた
いと思っています」と、やる気満々。今後は積極 展
経営力強化を応援
企業の「やる気、能力、可能性」を最 大限に引き
開の構えだ。
出すため、秋田県よろず支 援 拠 点のコーディネー
12月まで順次開催
ターが 得意分 野を1対1で 指導する「 ビジネス講
講 座で は 企 業 のイメージ アップ 、技 術 力のア
座・相談」。初回の5月は、グラフィックデザイナー
の小野由紀子コーディネーターによる「デザイン活
用講座」を開催した。
ピール 、デザインの活用方法などのレクチャーの
後、現状や悩みを聞き、支 援事例を交えながらア
ドバイスを行った。
5月25日の相談者は、仙北市の「Happiness&
E m ot i o n 」代 表、草彅幸子さん。地 元の観 光やト
レッキングのガイド、接客やコミュニケーションの
セミナー講師として活躍するスキルを生かし、ビジ
ネスを展開しようと昨年起 業。10月からよろず支
援 拠 点を利用し 、販促や事 業 P Rのためのパンフ
レット制作などの相談を重ねてきた。今回は、販促
今後は、事業計画活用(7月)、人事管理活用(8
月 )、原 価 管 理 活 用( 9月 )、マーケティング 活 用
(10月)、IT/ WEB活用(11月)、支援機関活用の講
座(12月)を月毎に開催予定。参加は無料で事前
申し込みが必要。
(詳細については、8ページを参照)
の方向性の確認と今後の戦略についてアドバイス
を受けた。
A
B
A 販売・商品開発戦略、
売上拡大、
デザインを得
意とする小野由紀子コー
ディネーター。
B 小 野コー ディネー
ターのアドバイスのもと、
営業ツールとして作成し
たHappiness&Emotion
パンフレット。
- 25 -
事業概要
ビジネス 講 座・相 談
貴社の「やる気、能力、可能性」を最 大限に引き出すため
に、秋田県よろず支援拠点のコーディネーターが、1対1
で指導いたします。
お問い
合わせ
あきた企業活性化センター 秋田県よろず支援 拠点
TEL 018-860-5605
AKI TA
2016.7
05
センター活用事例
ワンストップ移動相談
県内企業の皆様方の事業推進をスピーディーにお手伝いす
る た め 、県 内 各 地 域 に お い て 移 動 相 談 所( 無 料 )を 開 設 し て
います。課題解決にお悩みをお持ちの方は、是非ご相談くだ
さい。
経験と技術を活かして商品開発
皆さんの後押しで前進
[お問い合わせ]
あきた企業活性化センター/
企画・総合相談担当(018-860-5610)まで。
有限会社 高橋土木
年々増加する雪下ろし中の事故。
「犠牲者を1人でも減らしたい」
と
命綱を固定するための金具を開発した。
多くの犠牲者を出す雪下ろし
屋根の雪下ろし中に落下する事故が多発している。
県内の雪による事故での死傷者は、毎年150名以上お
り、その原因の6割は屋根の雪下ろし中に発生してい
る。有限会社高橋土木の髙橋忠治社長は、この現実に
胸を痛めていた。高橋土木がある東成瀬村は、積雪が
3mを超えることもある豪雪地帯で、雪下ろしの苦労
や危険は、身にしみて知っている。まして高橋土木は
「屋根の雪下ろしサポート事業」の受託業者として高
齢者宅の雪下ろしを請け負った実績のある“プロ”。日
ごろ、本業の土木工事でも高所作業を行っているた
め、落下防止にも詳しく「誰でも簡単、確実に命綱を
張って、安全に作業ができるように」と開発したのが
「命綱固定金具」
だ。
「命綱固定金具」
は屋根に固定し、
このように命綱
(ロープ)
を取り付けて作業をする。
屋根の形状ごとに数種類を商品化する予定。
(写真は片流れ屋根用)
模索する中、雄勝地域振興局に当センターの移動相談
所が開設されると聞き、相談に出向いた。
あっという間に事が動いた
移動相談所を通じて、実用新案の登録が可能だろう
と分かった。また、商品化に向け、県が実施する建設業
自己流の対策はおろか、命綱無しで雪下ろしをする
関係の補助金活用などのアドバイスも受けた。
「その
人は多い。命綱を付けると動きにくい、取り付けるの
後、補助金申請に要する『経営革新計画書』作成でも指
が面倒、命綱を固定する設備がないなどの理由から
導・サポートを受け、さらに安全性の試験を行う専門
だ。
「屋根に1mも雪が積もっている場合、仮に命綱を
機関も紹介してもらった。あっという間に事が動いて
張って作業をしようとしてもどこに固定したらよい
驚いている」。今後は、引き続き当センターのデザイン
か分からない。そもそも命綱を固定する設備が無い屋
部門を利用してネーミングやパンフレットの制作を
根がほとんどだ」と髙橋社長。
「命綱固定金具」は、屋根
行う予定だ。
「正直、商品化がうまくいくのだろうかと
に取り付ける金具で、雪下ろしの際には金具に命綱を
いう不安はある。しかし、皆さんが背中を押してくれ
結んで作業できる。安全性の確保はもちろん、
「面倒」 るおかげで前進できた。屋根に命綱用の金具を取り付
「動きにくい」という問題を解消する。こうして誕生し
けることが義務化されたらいいなという夢がある。
た「命綱固定金具」だが、世に普及させなければ意味が 『命綱固定金具』で一人でも多くの人の命を救いたい」
ない。
「商品化できるか、実用新案は出願できるか」と
と思いを話す。
確実に命綱を固定できる金具
有限会社 高橋土木
〒019-0802
秋田県雄勝郡東成瀬村岩井川字村中51-1
Tel .0182-47-2017
Fax.0182-47-3331
「命綱固定金具」
の考案者、
髙橋社長。
「命綱固定金具」
は、
雪が一番少ない屋根の上の 今回の相談をきっかけに、当センターの
これまで何度も雪下ろしを経験してきたから 数カ所に取り付けて使用する。
今後は一般住宅 設備投資支援事業により、ホイルロー
こその知識とアイデアがある。
でのモニターテストを行う予定。
ダーを導入。
- 26 -
BICAkita
2015.3
05
センター活用事例
県内各地域において開設しております。企業経営や創業に関する問題解決
に悩みをお持ちの皆様方は、是非ご相談ください。
ワンストップ移動相談所
お問い合わせ
あきた企業活性化センター/
総合相談担当(018-860-5610)まで。
ワンストップ 移 動 相 談 所
相談員が県内各地に
出張に伺います!
当センターを利用したくても、
「秋田市まで出掛けるのは大変」という
企業の皆様に。移動相談所へぜひどうぞ。
「ワンストップ移動相談所」とは?
事業者 「ワンストップ移動相談所」を利用して
創業や事業推進など、県内企業の皆様が抱える多種
の声
有限会社新山食品加工場
代表取締役 新山肇さん
多様な目的・課 題をスピーディーにお手伝いするため、
かつて、麹屋、味噌屋は、秋田県内にたくさんありまし
県内各地域において開設している移動相談所。
た。しかし、各家の味噌作りを味噌屋に依託することが
秋田市(秋田地 域振 興 局管内)を除く7つの地域振
少なくなったことや、味噌そのものの消費量が落ちたこ
興局を会場に、毎週火曜日(原則)の10:30~15:00に
とから、我々の商売は昔のままでは立ち行かなくなりま
開催している。
した。
今年度は、各地域振興局7回ずつ合計49回の開設を
「このままではダメだ」と思い利用したのが、平鹿地域
予定している。
振 興局を会場に行われていたワンストップ移動相談所。
相談事例
新山食品加工場(横手市)の場合
これをきっかけに、専門家派遣事業を受けました。専門
家の方には、ラベルのデザインから容器のことまで相談
創業は昭和10年ごろ。現社長の新山肇さんで3代目と
に乗ってもらいました。また、ロゴマークも完成しました。
なる。秋田県南地方に伝わる昔ながらの製法で麹、味噌、
他にも、
「 あめこうじ」と秋田県 産果 実を活用したフ
醤油などを製造・販売している。味噌は、秋田県産米(あ
ルーツ甘酒の開発、販路開拓をテーマに「あきた企業応
きたこまち)と県産大豆(りゅうほう)をともに100%使用。
援ファンド事業」への申請を行いました。今は、食品加工
人工の酵母や、乳酸菌、添加物は一切使用せず、伝統の
業者への業務用の原材料納入で売り上げを伸ばそうと、
自然醸造を守っている。
再び相談に乗ってもらっています。
新山社長が、ワンストップ移動相談所を初めて利用し
ワンストップ移動相談所の良いところは、会場が最寄
たのは2011年12月。
「商品ラベルのデザイン開発」のた
りの地域振興局であること。相談員の方が地域振興局
めに相談に訪れた。商品構成や商品ラベルが昔ながら
に出張してきてくれるので助かります。また、相談員の方
のままで、同社の売りである「自然醸造」もアピールされ
が商品の売り方から経営のことまで幅広くアドバイスし
ていなかった。販路拡大や顧客への販売強化を進める
てくれるうえ、サポートもしてくれるので、スムーズに課
には、現状のままでは限界があった。
題が解決できます。
相談内容
●
経営全般 ● 資金関係
●
設備関係 ● 技術関係
●
人材育成 ● 新商品開発
●
新分野進出 ● 創業
●
その他
※個人間の苦情処理や
トラブル 等の私的な内容は
除きます
ワンストップ
移動 相談 所
今後の開催スケジュール、会場など、
詳細は10ページをご覧ください。
http://www.bic-akita.or.jp/
新パッケージとなった味噌やたまり醤油。甘酒
は、さまざまな展開を予定している。
「商品開発は、自分一人で取り組むと大変だが、
おかげで順調に進んでいる」と新山社長。
- 27 -
2015.12
05
(
)
用
活
ー
タ
セン
事例
専門家派遣事業
平成26年1月に行われた
夏向き振袖の着物ショーには
多くの関心が寄せられた。
夏に着られる涼しい振袖を発案し
若い女性が着物を着る機会を創出
秋田では夏に成人式を行う市町村が多いため、振袖を着る機
会がないままになってしまう女性もいる。それならばと、夏で
も着られる涼しい振袖が創り出された。
信頼が厚く専門性の高い呉服店
湯沢市の川連町で服飾品を中心に雑貨全般を扱っ
ている個人商店「美しいきもの 喜久屋」は創業65年
になる。
二代目店主の須田豊さんが店を継いだ頃は呉服の需
要は減りつつあったが、須田さんはあくまでも呉服を
中心にした商売をしたいと考え、染め直しなどの相談
にも乗れるような専門性の高い店を目指してきた。
〒012-0105 秋田県湯沢市川連町久保70-1
Tel. 0183-42-2421 Fax. 0183-42-4873
http://natsuirokomachi.com/
E-mail [email protected]
営業時間/8:00~20:00 定休日/毎月第3日曜日
の長さの絽を織ってもらい、
友禅染で若々しく涼しげ
な色合いに染め上げた。仕立てにも工夫を凝らし、襦
袢を着ているように見せたり、
生地の薄さを生かしつ
つも透けないようにしたりした。
今年の夏の成人式から振袖姿が登場
夏用振袖の開発から商品化にあたっては、
あきた企
業活性化センターの専門家派遣事業を利用し、販売・
マーケティング分野で女性専門家の派遣を受けて、
「涼
やか振袖 夏色小町」
という当該商品のネーミングの
他、
パンフレット制作のコンセプトづくり、
プロジェク
ト全体の工程表づくりなどのアドバイスを受けた。
平成26年1月に行われた当該商品の着物ショーに
は200人の来場者があり、多くの関心が寄せられた。
また、3月には初めての予約相談会が湯沢文化会館
で行われた。
「今年に入ってからは着物ショーやホームページを
ご覧いただいてメール・電話での問い合わせが増えて
きました」
(須田さん)
今年の夏の成人式では、
初めて絽の振袖を着た若い
女性の華やかな姿が見られることだろう。
夏でも着られる涼しい振袖を商品化
喜久屋では今、夏に着られる振袖の商品化に取り組
んでいる。現在秋田県内では秋田市、男鹿市、由利本荘
市、及びにかほ市以外の全ての市町村で夏に成人式が
行われている。振袖は日本の未婚女性の礼装だが、暑
さから振袖での参加が難しかった。しかし成人式を逃
すと女性は振袖を着る機会が殆どなくなってしまう
事になる。
須田さんは、紗や絽などの夏用の生地でつくられた
振袖を探してみたが市場に出回っているものはな
かった。絽は一反が通常は12メートルで織られてい
て、それでは振袖をつくるには長さが足りないという
実情もあった。
須田さんは新潟の織元を回って特別に16メートル
1
美しいきもの 喜久屋
2
3
1「涼やか振袖 夏色小町」の1枚。友
禅染を学ぶ秋田公立美術大学の学生
の卒業制作としてつくられ、学長賞
を受賞している。
専門家派遣事業
てこれからが、ビジネスモデルの確立
という須田豊さん。
染めを施した。見た目にも涼しげ。
4 着物以外にもギフト品や雑貨などを
[制度の利用・お問い合わせについて]
幅広く取り扱っている。
04 BICAkita 2014.4
事 業 の解説
創業や経営の向上を図ろうとする中小企業者等が抱える様々な
課題に対し、当センター登録の民間専門家を派遣し、課題解決の
ための診断・助言を実施します。
2 夏用の振袖の商品化にはめどがつい
3 夏用の着物生地「絽」にオリジナルの
4
- 28 -
あきた企業活性化センター/企画・総合相談担当まで。
センター活用事例
事業の解説
地元農家の女性パワーが輝く、
「きみまち阪」
の
“六次産業”
カフェ始動
専門家派遣事業
創業や経営の向上を図ろうとする中小企業者等が抱える
様 々 な 課 題 に 対 し 、当 セ ン タ ー 登 録 の 民 間 専 門 家 を 派 遣
し、課題解決のための診断・助言を実施します。
[事業の活用・お問い合わせについて]
あきた企業活性化センター/企画・総合相談担当まで。
きみ恋カフェ
生産、調理、接客、
すべての工程に、
地域に暮らす
女性たちの愛情が詰まったカフェが今春オープン。
来訪者を癒す人気スポットとしての期待が高まっている。
専門家派遣事業を活用し
“接客マナー”
を習得
能代市二ツ井町きみまち阪県立自然公園内にある
「きみ恋カフェ」
は、
平成25年に能代市が開設した休憩所
だ。
今年度は、
地元の直売所で野菜や加工品を販売する
女性グループが運営を受託、
メニューを一新し4月20日
に営業を開始した。
グループのメンバーは、
家庭で来客
を迎える経験はあっても飲食業の接客となると未経験
者ばかり。
そんなとき新聞であきた企業活性化センター
の専門家派遣事業の存在を知り、
プロの接客マナー講師
の指導を受けた。
研修を通して、
具体的な言葉遣いや動
作はもちろん、今まで気づかなかったことを多く学ん
だ。
「接客の基本について、
知っているつもりだったこと
についても指導いただきました。
未経験者にはとても役
立つものでした」
と、
店長も務める安井昌子代表は話し
てくれた。
地場食材に手間ひまかけて
“ここにしかない価値”
を提供
切り立った断崖絶壁の屏風岩に、桜、ツツジ、紅葉が彩りを添える風景が美しい
きみまち阪県立自然公園。
「きみ恋カフェ」は公園内の第一広場にあり、真向かい
には
「きみまち恋文ギャラリー」
がある。
さらに、
桜の葉の自家製塩漬けを刻み入れて香りを付
けている。
「きみそばランチ」のそばは、栽培も製粉も
自前、手打ちの二八そばだ。時に寝る間を惜しんで仕
込みをすることもあると言う。
「時間と労力が要り、
量
産もできないけれど、
そこに希少価値がある」
と、
安井
代表は意欲をのぞかせる。
魅力あふれる公園内の
“語らいの場”
をめざす
同店の最大の魅力は、一新したランチメニューにあ
る。
自分たちで生産した地元ならではの食材を用い、
惜
しみない手間ひまをかけて提供している。
「ななくらラ
ンチ」
の薬膳風焼きカレーには、
健康食品として注目さ
れる「キクイモ」と、特産の「白神ネギ」が入っている。
「さくらランチ」の米粉パンには、同公園内の桜から採
取した天然酵母「秋田美桜酵母」を自家培養して使用。
運営メンバーの郷土愛と向上心は熱い。
安井代表に
よると、勉強しよう、よくなろうという意識を持った
仲間であるとのこと。成長の糧にするために、率直な
意見や感想を積極的に収集している。
安井代表の願い
は、
若い人たちにもゆったりと語り合える場として立
ち寄ってもらい、
きみまち阪の魅力を再発見してもら
うことだ。地域の資源を、地域の女性たちによって輝
かせるビジネスモデルとも言える
「きみ恋カフェ」
。
来
訪者の満足度アップに貢献するにちがいない。
きみ恋カフェ
〒018-3102 秋田県能代市二ツ井町小繋字中島
「きみまち阪県立自然公園第一広場」
地内
T e l 0185-73-2130
営業日/4月~11月中旬
定休日/火曜日(6、7月は火・水曜日)
営業時間/10:00~15:00
「ななくらランチ」に入ってい
る「 白 神 ネ ギ 」は 、運 営 メ ン
バー全員が栽培している能代
市の重点作物の一つ。
04
BICAkita
2014.6
ウッドデッキからは、パワースポットとされ
る「七座山(ななくらやま)」と米代川が一望
できる。大きく蛇行している川の景観が目に
飛び込んでくる。
安井代表(写真中央)と運営メンバー。お互いに
“好きなことを言い合える”仲間である。一人一
人個性がありながら、チームワークの良いとこ
ろが強み。
- 29 -
センター活用事例
専門家派遣事業
事業の解説
“地元の食堂”
に、
二代目の新風吹きわたる
創業や経営の向上を図ろうとする中小企業者等が抱える
様 々 な 課 題 に 対 し 、当 セ ン タ ー 登 録 の 民 間 専 門 家 を 派 遣
し、課題解決のための診断・助言を実施します。
[事業の活用・お問い合わせについて]
あきた企業活性化センター/企画・総合相談担当まで。
お食事処としま
“ネット”と
“リアル”
双方による
コミュニケーション力で、
来店客との関係強化
常連客としてのご縁で、
センター事業を活用
大仙市刈和野の県道10号線にある
“昭和の雰囲気”
が
漂う
「お食事処としま」
。
昨年、
二代目として店を引き継
いだ戸嶋芳充
(としま よしみつ)
店主は、
ある光景を頻
繁に目にして自店の課題を強く意識していた。
それは、
食事する店をスマートフォンで検索・チェックしている
お客様の姿である。無料のブログサービスとフェイス
ブックを利用した情報発信はすでに行っていたが、
それ
だけでは不十分であるとの認識を強めた。
そんなとき、
当センター登録のIT専門家がたまたま常連客として同
店を訪れていたことが縁で、専門家派遣事業の存在を
知った。
自店の情報のプラットフォームを整備し、
より
効果的な情報発信をしようと、
ウェブサイトの構築に踏
み切った。
看板メニューの「ホルモン煮込み定食」。
先代のとき以上に素材にこだわり、鮮度への自信は確固たるものがある。
肉質はトロリと柔らかく、深いコクがある。
いるので、
サイト運営が軌道に乗ればきっと“ネット”
と
“リアル”
双方による相乗効果が期待できるだろう。
素材にこだわり、
実直なおいしさづくり
こまめな情報発信で、
サイトをブラッシュアップ
ウェブサイトを立ち上げるにあたり、専門家より指
導を受けたのは、自分たちでも更新できる本格的なブ
ログの運営である。ただ作って終わりの無意味なサイ
ト運営に陥らないように、
次のような助言を受けた。
ま
ずは検索を優位にするためにも更新作業をまめに行う
こと。
そしてアクセス解析によってニーズを分析し、
コ
ンテンツに反映させていくこと。
つまり、
こつこつと作
り込みメンテナンスをしながらサイトとしての魅力を
高めていくことが肝要である、ということだ。
「人気メ
ニューやイベントの告知、
経営者の思いを発信し、
集客
につなげていきたい」と、戸嶋店主は語る。同店では日
頃から来店客との対話と信頼関係の構築を大切にして
戸嶋店主は、
秋田市の料亭での下積みを経て同店に
戻り15年になる。料理に対する情熱やこだわりも強
い。素材は地元産のものを中心に、調味料は手間ひま
をかけ手づくりしている。
大仙市産の麹を使ったしょ
うゆ麹、桜チップで香り付けした燻製オイル、ラーメ
ンや鍋物に使う出汁には比内地鶏を使用する。
仕入も
こだわりのある精肉店や男鹿の漁師から行い、
夫婦自
ら山菜も採る。
先代からの看板メニューであるホルモ
ン煮込みは、作り手が二代目になった現在も新旧の
ファンから根強い人気がある。
戸嶋店主は言う。
「父母
が残してくれたものに自分なりの肉付けをしていき
たい。
経営者としてはまだまだ未熟なので周囲の方々
から学んでいきたい」
と。
お客様の笑顔であふれる、
活
気ある
“地元の食堂”
をめざす。
お食事処としま
〒019-2112
秋田県大仙市刈和野字一里塚東6-1
Tel:0187-75-2558
facebook「お食事処としま」
営業時間/11:00~14:30、17:00~20:00 定休日/第1・第2月曜日
(第3・第4月曜日は夕方からお休み)
豪快に進んでいく戸嶋店主と、しっ
かり者の由美子さん。助け合い、力を
合わせてお店を切り盛りする名カッ
プル。
04
BICAkita
2014.8
お食事処としまは、
戸嶋店主のお母さんが昭和 当センター登録のIT専門家としてサイト運営
52年に刈和野駅前で焼きとり屋を開いたのが のノウハウを指導した富澤さんと。同店の常連
始まり。現在の店名になったのは昭和54年、 客でもある。
昭和62年に現在地に移転。
- 30 -
センター活用事例
大型店にはできない、
地域の
“酒屋さん”
だからできること
専門家派遣事業
創業や経営の向上を図ろうとする中小企業者等が抱える様々な
課題に対し、当センター登録の民間専門家を派遣し、課題解決の
ための診断・助言を実施します。
[お問い合わせ]
あきた企業活性化センター/
企画・総合相談担当(018-860-5610)まで。
有限会社本間酒店
住宅街の一角にある小さな酒店。
そこは、
子供から大人まで、
たくさんの人が集う憩いの場。
地域の“酒屋さん”
が模索の末に見つけたものとは-?
時代の変化に苦戦し、
悩む日々
かつては秋田県内のあちらこちらにあった地域の
“酒屋さん”。酒類のほか、菓子や食品、日用品をそろ
え、暮らしを支える存在だった。しかし、大型のスー
パーやディスカウントストア、コンビニなどの出店に
より、やむなく閉店した店は少なくない。秋田市泉に
ある本間酒店も昔ながらの個人商店。昭和46年の創業
以来、地域密着のスタイルで酒類や食料品を販売して
きた。だが、ライバル店の出現により売り上げは減少
していた。今まで通りに頑張っていても思うように成
果が出ない状態だった。まして泉地区はスーパーやコ
ンビニが乱立する“激戦区”。
「正直、もうダメかな…と
思うときもあった」と、本間賢代表は振り返る。
“酒屋”同様、県内で激減している“駄菓子屋”。
「 だからあえて駄菓子コーナーを
設けた。今の子供たちに駄菓子を買う楽しさを知ってほしくて」と本間代表。
駄菓子と当たり付きのくじ引きは子供たちに大人気。
度々レジ前に行列ができる。
ことで
「他店との差別化を図る」
という具体的な課題・
目標が見えてきた。
地域の人が集う、
憩いの店へ
「専門家の助言は、自分たちだけでは思いつかない
アイデアばかりで毎回目からウロコ」
と本間代表の奥
「今の時代、同じことを続けて商売していてはダメ。 様、久子さん。助言をもとに店内のレイアウトを見直
し、陳列棚やレジの配置を変更した。さらに商品の陳
もっと外に目を向けなければ」。そう痛感して、さまざ
列を変え、子供たちに人気の駄菓子コーナーを拡充。
まな経営セミナーや講座に積極的に参加した。そこで
他にも、
季節のオリジナルギフトセットを販売するな
当センターに登録するデザインの専門家と出会い、相
ど、
今年5月からさまざまな取り組みを続けている。
そ
談を持ちかけた。
専門家とともにまず始めたことは、
自
の結果、
「客層が広がった。
孫を連れてくるおじいちゃ
分たちの現状を客観的に見つめ直す作業だった。マー
ん、おばあちゃん。子供の駄菓子選びに付き合いつつ
ケティングにも詳しい専門家のアドバイスのもと、経
とビールを選ぶお父さん。
遠方から
営戦略を探る手法の一つ
「SWOT分析」
を通して自分た 『自分のご褒美に』
訪れるお客様…など、
家族連れや新規のお客様が増え
ちの強みや弱みを探り出した。
その結果、
以前から大切
た」
と久子さん。
休日や平日午後には、
駄菓子を求める
にしていた「地域密着の店」
「地域のお客様を大切にし
小学生がどっと店に押し寄せる。今後も「さらに地域
た店づくり」
こそ一番の強みであり、
これらを強化する
の人に愛される店」を目指して、家族で力を合わせて
いく。
自分たちの強みは何か
有限会社本間酒店
〒010-0917
秋田県秋田市泉中央二丁目27-28
T e l.018-823-0731
Fax.018-823-0737
◎Facebookページを開設しています。
営業時間/7:00~21:00(日曜日は20:00まで)
定休日/元旦
親子2代で切り盛りしている本間酒店。 「この店を地域のみんなが集う、
原っぱのよう
左から本間代表、
ご両親、
久子さん。
店 な存在にしたい」
と本間代表。
ここは買い物だ
頭販売のほか、商品の配達、イベント けではなく、
会話や出会いが楽しめる店。
地域
等への業務販売も行っている。
や家族の絆を深めている。
04
BICAkita
2014.10
お客様が買い物しやすいように陳列棚の配置
を変更。商品がどこにあるか一目で分かるよ
う、案内板も設置した。
- 31 -
企業等が抱える経営・技術・人材・情報等の課題に対し、センター登録専門家
を派遣し、診断・助言を行います。
センター活用事例
専門家の派 遣
お問い合わせ
あきた企業活性化センター/
総合相談担当(018-860-5610)まで。
有限会社 アルファー精機
自らの経 験 、技 術を生かし 、
オリジナル製 品を開発
農業と金属加工業。
その両立から生まれたオリジナル製品で、
ものづくりの世界をたくましく生き抜く。
軽トラ用の幌(ほろ)を製造
パーツや自動車部品も手掛けるなど事業を拡大し、平成
田畑がどこまでも続く平鹿平野。その一角にあるアル
3年に「有限会社アルファー精機」として法人化。幌の
ファー精機は、精密部品の金型パーツ、コンプレッサー
開発に着手したのは、ちょうどそのころだ。
「最初は自分
やスプレーガン、自動車関連の部品製造、弱電部品の設
が農作業に使うために作り始めた」という。それがいつし
計・加工・組立などを手がけている。さらに近年は、軽ト
か口コミで話題となり、周囲の農家に「自分にも作ってほ
ラック用の幌の製造・販売に力を入れている。
しい」と頼まれるようになっていた。開発に役に立ったの
製造を始めたのは平成5年ごろから。年々改良を重ね
は、農家としての経験と金属加工で培った知識 、技術
て、今年4月には止め金具が特許を取得した。
「全自動
だった。
車メーカー対応」
「取り付けに穴あけ不要」
「左右両方か
らの開閉可能」
「20秒で取り外しOK」など、ユーザー目
大手自動車メーカーが注目
線に立った使い勝手の良さ、錆に強い骨組み、耐候性が
手作りの幌は、秋田ではおなじみの農業の祭典「種苗
高いシートなど優れた品質が評価され、秋田県内はもと
交換会」や、都内をはじめとする県外のイベントへの出
より、ウェブを通じて全国から注文が寄せられている。
展を通して広く知られるようになり、今や大手自動車メー
カーや販売店から引き合いが寄せられるほど。昨年は、
「農家」
「技術者」両方の経験を生かす
岩手県雫石町で開催された「全国軽トラ市inしずくい
同社の伊藤博社長は、農業を続けながら、会社を経
し」で、視察に来ていた自動車メーカー経営者らの注目
営してきた。
を集めた。その際に持参したチラシは、当センターのデ
高校卒業後、家業であった農業に取り組みつつ、もの
ザイン分野の専門家派遣を受けて制作。
「ユーザーの視
づくりや電気の仕事に興味があったため、家電修理店に
点に立った写真や文章で構成され、自分たちで作ってい
就 職 。その後、大仙市に進出した大手コンプレッサー
たものとは違う切り口で商品をアピールできた」と伊藤
メーカーの本社で研修を積み、昭和49年、その協力工場
社長。今後もチラシを携えて営業活動を展開し、幌の魅
として「伊藤製作所」を立ち上げた。
力を発信していく予定だ。
そして、コンプレッサーの部品を製造しながら、金型
有限会社アルファー精機
秋田県横手市平鹿町浅舞字大中島140
T EL.0182-24-0856
FAX.0182-24-0816
http://www.alpha-seiki.jp
“あおり”
に穴や傷をつけずに幌を取り付けられる
新開発のMZ金具。
(4月に特許取得)
04
2015.11
伊藤社長(写真左)と専務である息子さん(写真右)。右
は、専門家派遣を利用し、制作したチラシ。
- 32 -
センター活用事例
企業等が抱える経営・技術・人材・情報等の課題に対し、センター登録専門家
を派遣し、診断・助言を行います。
専門家の派 遣
お問い合わせ
あきた企業活性化センター/
総合相談担当(018-860-5610)まで。
合資会社稲穂(料亭稲穂)
若い感性を活かして、
メニュー開発に挑戦
伝 統、歴史を守るために、
何をするべきか ―。
答えは、
「 変わる」ことにあった。
老舗が取り組む新たな挑戦
秋田県を代表する観光地・角館で、料亭と食堂の2
に利用していただきたい」
枚看板を掲げる「稲穂」。地元、仙北市を中心とした秋
そこで、当センターの専門家派遣事業を利用し、フー
田の味、旬の食材を大切に、郷土料理や創作料理を提
ドコーディネーターの田中徳子氏をアドバイザーに迎え
供している。
て、新たなメニューの開発に乗り出した。昨年7月に始
創業は昭和25年。現社長の後藤悦朗は2代目であり、
めた「和かふぇご飯」は、田中氏のアドバイスのもと、若
昨年春には娘の朗(あき)さんが秋田市内の料亭での修
女将が考案した女性限定の新メニュー。野菜を中心とし
業を終え、若女将として帰ってきた。
たヘルシーな献立で、季節のかご盛り、茶碗蒸し、ご飯、
大学で経営学、3年間の修業で接客、配膳、着付け
吸い物、デザートのミニコースが2,000円(税込)で個
等を学び“即戦力”となる朗さんが加わったことで、積極
室を利用して味わえる。「和かふぇご飯」を始めて以後、
的に新境地に挑戦している。
「世の中がどんどん変わっ
料亭稲穂では女性客が増えている。
ていくなか、同じことを続けているだけでは限界がある。
父や女将である母に相談しながら変えられるところは変
商品開発も視野に
えていかなければならない」と朗さんは決意を語る。そ
さらに稲穂では、ホームページのリニューアルやオリジ
の背景には、角館特有の悩みがあった。
ナル商品開発も進めている。
「 商品開発はまだまだこれ
「和かふぇご飯」始める
から。いずれはオリジナル商品の販売を始めてみたい」
と若女将の夢は膨らむ。
「 田中先生は、さまざまなアイデ
全国有数の桜の名所、角館。春は花見、初夏は新緑、
アを提案してくれるほか、首都圏の食のトレンドなども
秋は紅葉を目当てに多くの観光客が訪れるが、冬場は閑
教えてくれる。専門家に相談することで大きな刺激が得
散とし人通りもまばらになる。それは、売り上げにも如実
られている」
に影響する。年間を通して安定した売り上げを確保する
そんな若女将の挑戦を温かく見守るのは後藤社長と
ためには工夫や変化が必要だった。
「『料亭』と聞くと
女将の瑞子さん。伝統と変革の両輪で、稲穂は次なる一
入りにくい印象を持つ方もいる。若い方や女性にも気軽
歩を踏み出している。
合資会社稲穂(料亭稲穂)
秋田県仙北市角館町田町上丁4-1
TEL.0187-54-3311
営業時間/[ラ ン チ]11:30~(ラストオーダー13:30)
[ディナー]17:00~(ラストオーダー19:00)
定 休 日/不定休
http://inaho.pepper.jp
若女将の後藤朗さん。新規顧客の開拓に積
料亭稲穂の個室から見える中庭。特に冬の雪景
極的に取り組んでいる。
色は美しい。四季を愛でながら食事ができる。
「和かふぇご飯」の一例。食材、献立は、その時々
の旬によって変わる。
- 33 -
2016.2
05
(
)
用
活
ー
タ
セン
事例
佐藤社長が考案開発し、
商品化に向けて
あきた産業デザイン支援センターの
支援を受けて完成させた
「車イス用アームレスト」
。
あきた産業デザイン支援センター
生産設備の設計実績を生かし
独創的な介護・福祉機器を開発
機械設計で多くの実績を持つ「有限会社メカテックス」。その
社長を福祉機器の開発へと導いたのは病後のリハビリに悩む
知人の姿だった。BtoBの世界に身を置いてきたが、培ってきた
技術は、人に役立つものづくりに生かせることに気がついた。
機械設計の技術を福祉機器に生かす
〒015-0013
秋田県由利本荘市石脇字田尻野10-224
Tel. 0184-23-0955 Fax. 0184-27-1579
http://www7.ocn.ne.jp/~mechatex/
E-mail:[email protected]
力化機械の設計手法を取り入れたことで、
腕の動きも
自然で安定感のあるものになった。
直近で実用新案権を取得した製品に、
車イス用アー
ムレスト
「スマートレスト」
がある。
一般的な車イスの肘掛けは平板で腕を載せるだけ
の形状。腕に片マヒ等の障害のある人だと腕がずり
落ちて、手の先が車輪に巻き込まれてケガをする恐
れもある。
同社が開発した「スマートレスト」は市販の車椅子
の肘掛けと簡単に交換して使用可能。断面形状をU字
とする事で腕のずり落ちを防ぎ、角度・高さの調節機
能により利用者に応じた快適な姿勢を提供出来る。
有限会社メカテックスは由利本荘市にある産業機
械の設計会社。佐藤敏美社長は、NECで人工衛星の製
造に携わったのち、帰郷して合板機械メーカー勤務を
経て独立、TDKのカセットテープ組み立て機など産
業機械の設計を数多く手がけてきた。
現在も事業の主軸は生産設備の設計で、電子部品ハ
ンダ付け装置や高速自動組立機といった一点ものの
自動化・省力化機械の設計を得意としている。
一方で同社は7年前から介護・福祉機器の開発にも
取り組んでいる。佐藤社長の先輩にあたる人が若くし
て脳溢血で倒れ必死にリハビリをしている姿を見て、
得意とする機械設計の技術で少しでも手助けになる
ような装置をつくれないものかと考えたのがきっか
けだった。
製品化に際して専門機関の協力を仰ぐ
スマートレスト開発にあたっては、基本設計を同
社が行い、医療機関の協力を得て有用性を検証。最終
的な製品化は、材質や数量などが実現の壁となった
が、あきた産業デザイン支援センターのアドバイス
により材質・形状・製法の組み合わせを見直し、製品
化を果たすことが出来た。今後の普及に向けては、大
手福祉機器販社向けにOEM生産するか、実用新案権
の有償譲渡も考えている。
腕に力の入らない人向けの装置開発
最初に開発したのは「アームバランサー」と名付け
た腕動作支援装置。病気やケガにより自力で腕を動か
すのが困難になった人が、腕を装置に載せることでか
なり自由に腕を動かせるようになり、一人で食事をし
たりペンを持つことも可能に。工場向けの自動化・省
1
有限会社メカテックス
2
3
1 車イス用アームレストの機能を説明
する佐藤敏美社長。フットレストから
足を離すと自動的に車輪がロックさ
れる機能も佐藤社長が開発した。
あきた産業デザイン支援センター事業
レットはあきた企業活性化センターの
専門家派遣事業を利用してプロのデザ
イナーからアドバイスをもらった。
はメカテックスが福祉機器の開発を
手がけるようになった最初の製品。
[制度の利用・お問い合わせについて]
4 生産設備の設計が現在もメカテック
04 BICAkita 2014.2
スの事業の主軸になっている。
事 業 の解説
伝統的工芸品をはじめとする県内製造業を対象に、産業デザイン・
製品開発・マーケティング等について専門的な助言を行います。ま
た、
「あきた産業デザイン協議会」と連携し、県内企業への産業デザ
インの導入を促進します。
2 展示会出品に際して制作したパンフ
3 腕動作支援装置「アームバランサー」
4
- 34 -
あきた企業活性化センター/あきた産業デザイン支援センターまで。
(
)
活用
ー
タ
ン
セ
事例
商品名は
「jiwari-moonlight」
。
家具メーカーとのコラボで、
風合いの違う天然木が使われている。
あ きた産業デザ イ ン 支 援 セ ン タ ー 事 業
専門技術を生かして東京で起業
郷里秋田に戻り事業を続行する
身の回りにある多くのものが複雑な電子回路や電子部品で構
成されている。そこには電子回路を設計する技術者も介在す
る。秋田出身の技術者が地元に戻り、設計技術を生かす仕事を
している。
進藤電気設計
〒018-1401
秋田県潟上市昭和大久保字町後79-7
Tel. / Fax. 018-877-5303
http://shindo-ds.com/
E-mail [email protected]
拠点を秋田に移し東京での仕事を継続
潟上市昭和で「進藤電気設計」という名の工房を持
つ進藤正彦さんは電子回路設計のエンジニア。大手電
器メーカーに勤務したのち、2010年に東京で独立起
業。子どもの誕生を機に2013年9月、生活と事業の拠
点を実家のある潟上市に移した。
企業や大学の研究室などから依頼を受けて新しい
装置や製品のための電子回路を設計する仕事と、自社
オリジナルブランドの照明機器の開発製造販売を主
体としている。電子回路設計は、実際に基板に組んだ
ものを試作したり、50個から100個程度の小ロット
の生産をOEMで請け負ったりしている。
る点も面白い。
また、進藤さんが基本設計を行い、福岡の木製家具
メーカーとのコラボレーションで生まれたLED間接
照明は、木の表面に触れるだけで調光ができるとい
う、ユニークで上質感のある製品。2010年度のグッ
ドデザイン賞も受賞している。こちらは進藤電気設
計で運営するウェブサイト(http://twodo.jp/)や
全国の家具店、インテリアショップなどで買い求め
ることが出来る。
ショールームでワークショップも
商店の空き店舗を改装した現在の工房は、2階が
進藤さんの作業場になっていて、1階は近い将来、喫
茶店兼ショールームにする予定。東京時代には子ど
もを対象にしたワークショップを開いていた経験も
あり、ここでもハンダ付け体験が出来るようなプロ
グラムを用意したいと言う。ボトルキープならぬ基
板キープも検討中とか。現在は東京時代からの顧客
がほとんどだが、秋田でも企業、個人を問わずものづ
くりの相談に乗っていきたいとのこと。
試作品づくりで加工会社の協力を得る
現在、自社企画で実用性とデザイン性を兼ね備え
た小型懐中電灯の試作をしているが、この過程でア
ルミパイプにネジを切る工程が発生した。進藤さん
は、あきた産業デザイン支援センターに加工を引き
受けてくれる事業者の紹介を依頼し、近くの製造業
者の協力を得られ、開発を一歩先に進めることが出
来た。この一通りの取り組みをUstream配信してい
1
2
3
1 ロンドン在住の日本人アーティス
トの依頼で制作したアート作品。
ロンドン地下鉄の路線図を基板回
路にしたラジオ。
あきた産業デザイン支援センター事業
照明は、木に触れるだけで調光が出
来る。
3 工房の1階は近い将来、喫茶店兼
ショールームにする予定。
野に入れていたという進藤正彦さ
ん。工房2階の作業場は実験室のよ
うだ。
事 業 の 解説
伝統的工芸品をはじめとする県内製造業を対象に、産業デザイン・
製品開発・マーケティング等について専門的な助言を行います。ま
た、
「あきた産業デザイン協議会」と連携し、県内企業への産業デザ
インの導入を促進します。
2 進藤さんが企画開発したLED間接
4 メーカー勤務時代から独立起業を視
4
[制度の利用・お問い合わせについて]
あきた企業活性化センター/あきた産業デザイン支援センターまで。
- 35 -
BICAkita 2014.4
05
センター活用事例
産業デザインに関する助言
伝統的工芸品をはじめとする県内製造業者を対象に、
産業デザイン、製品開発、マーケティング等について
の専門的な助言等を行います。
伝統技法にとらわれず、
漆器の新たな可能性を切り開く
[お問い合わせ]
あきた企業活性化センター/知財・研究管理担当
(あきた産業デザイン支援センター)まで。
秋田・川連塗 寿次郎(じゅじろう)
漆器の木地の試作には、
時間や手間、
コストがかかる。
その問題を、3Dデータの検証で一気に解消。
今までにない、斬新な川連漆器を作り上げた。
伝統を守りつつ、
新商品の開発に挑戦
約800年前に武具の漆塗りから始まり、江戸時代後
期には藩の保護のもと、椀や膳、重箱など日用品の漆
器づくりで発展した漆器の町、湯沢市川連。国の伝統
的工芸品「川連漆器」の製造に関わる工房が町のあち
らこちらに点在している。その中のひとつ、明治初期
創業で漆器の製造、修理、販売までを手がける「川連塗
寿次郎」は、伝統的な漆器を作りつつ、現代の暮らしに
マッチした“新作”の開発にも積極的な工房だ。昨年か
ら今年にかけては、当センターのデザイン相談員の支
援のもとで3Dデータの制作や形状の検証を実施し、
「川連漆器」の中では珍しい楕円形型の器や外側を面
取りしたカップを開発。さっそく注文を受けるなど、
顧客から好評を得ている。
お客様の意見・要望に応え続ける
「新作のヒントやアイデアは、いつも“お客様の生の
声”
からいただく。
我々にはない斬新な発想ばかりで驚
かされる」
と話す
「寿次郎」
の佐藤史幸氏。
顧客との会話
や、展示会に出展した際にお客様アンケートを取って
開発のヒントを探っている。
おととし、
食器や食卓関連
商品の展示販売会「テーブルウェア・フェスティバル」
(会場:東京ドーム)
に出展したときには
「楕円形の器が
欲しい」
との声があった。
しかし、
「川連漆器」
は轆轤
(ろ
くろ)
挽きの椀が主力商品であり、
同心円状の成形は得
意だが、
それ以外の形は量産が難しい。
また、
試作・開発
新作の楕円形の器と、外側を面取りして作ったカップ。
「楕円形の器は、カレーやパスタの皿、洋菓子の菓子器など、
さまざまな使い方ができる」と佐藤氏。
を行うにもコスト面での負担が大きく、リスクもあ
る。木地作りの試行錯誤が長引けば、木地師の作業時
間を大幅にロスする心配もあった。
3DCADによる形状検証を実施
そこでデザイン相談員は、佐藤氏の構想をもとに
3DCADを使用し、最適な寸法や角度を検証。その図面
を木地師に見てもらい、製法の検討や原価の算出を
行った。
「詳細な形状を割り出すことができたので、
木
地師さんの作業時間を短縮し、
効率的に開発を進めら
れた」
と佐藤氏。
さらに、
新作のブランド構築の支援も
行った。
「プレゼンの表現の仕方、
カタログに載せる文
章や写真など、さまざまな相談にのってもらった。商
品開発も大事だが“売り方”も大事だと思った」。新作
のカップと楕円の器は、顧客の反応も良く、デザイン
の評価も上々だ。
「デザインの相談を通じて視野が大
きく広がった。今後もどんどん相談して、秋田を代表
する新作を開発したい」。伝統の川連漆器には希望に
満ちた新風が吹いている。
秋田・川連塗 寿次郎
〒012-0105
秋田県湯沢市川連町字大舘下山王119-3
Te l .0183-42-3576
Fax.0183-42-4616
https://www.facebook.com/jujirou
川連漆器・塗り部門の伝統工芸士で
ある佐藤史幸氏。
川連漆器の魅力や製
造工程をFacebookやInstagramなど
を使って積極的に発信している。
04
BICAkita
2014.9
箸の塗りの作業。
1本1本、
塗って乾かしては研
磨して…という作業を十数回繰り返し、
丈夫で
艶やかな表面に仕上げる。
デザイン相談員と打ち合わせをする佐藤氏。新
作をどのようにして量産するか、どうPRして
いくか、今後の戦略を検討中。
- 36 -
センター活用事例
パッケージやコンセプトを見直し、
首都圏で販路を拡大
産業デザインに関する助言
伝統的工芸品をはじめとする県内製造業者を対象に、産業デザ
イン、製品開発、マーケティング等についての専門的な助言等
を行います。
[お問い合わせ]
あきた企業活性化センター/
知財・デザインセンター担当(あきた産業デザイン支援センター)
まで。
株式会社あきた六次会
異業種のメンバーが立ち上がった。
完成したのは、味で群を抜くハム・ソーセージだ!
「六次化」
で地域を元気にしたい
際立ったおいしさで注目されている株式会社あき
た六次会「秋田比内地鶏ぴるない」ブランドのハム・
ソーセージ-。比内地鶏ならではの深い旨味と適度
な歯ごたえがあり、絶妙な塩加減がその甘みと香ばし
さを引き立てている。
原料は、
大館市内で独自に育てた比内地鶏。
餌に飼料
米や乳酸菌を使い、柔らかな肉質とクセのない味を追
究した。
食肉加工を手掛けるのは、
岩手県一関市に工房
を構えるハム・ソーセージ作りのプロフェッショナル
で、技術・経験・知識を積んだ職人だけに認められるド
イツの国家資格
「マイスター」
の称号を持っている。
あきた六次会は、法人化して7年になる。大館青年
会議所のメンバーが枝豆での町おこしを計画したこ
とに始まり、
「六次産業化を目指し、地域を元気にしよ
う」と、建設業や鉄鋼業、養鶏業などに就くさまざまな
メンバーで組織され、地元特産の比内地鶏に着目し、
ハム・ソーセージの開発を進めてきた。
ブランドの根幹を見直す
昔、
米代川流域が
「火内」
と書いて
「ぴるない」
と呼ばれ
ていたことからブランド名は
「米代火内」
に決定した。
肉
も味も、
ブランド名も整い、
商品シールも作って販路拡
大に乗り出した。
しかし、
手応えはイマイチだった。
そこで相談相手としたのが、当センターのデザイン
相談員だった。
「味は良いが、品質や価格に対してパッ
ケージデザインが合っていない。質やブランドに合っ
たデザインに」
とのアドバイスを受け、
パッケージを見
商品は厚切りのハムステーキ、
薄切りタイプのハム、
ウインナーソーセージなどが
ある。ハムは「プレーン」のほか、
「ブラックペッパー」
「グリーンペッパー」などの
バリエーションがある。
直すことにした。
「当社のハム・ソーセージは素材も味
も特別なもの。さらに、比内地鶏のハムやソーセージ
は、
ありそうでなかった商品。
『もっとプレミア感を出
したデザインに…』と具体的なアドバイスをもらっ
た。同時に社のコンセプトも見直し、自分たちのビジ
ネスの根底を整理することができた」
と白川懸士社長
は振り返る。
秋田を代表する名物に
専門員やデザイナーと思案を重ね、
「比内地鶏」
のブ
ランド力や“マイスター仕込み”など、セールスポイン
トを明確に打ち出した新パッケージが完成した。
コン
セプトとデザインが定まったことで、
東京の大手百貨
店と商談が進むなど販路拡大は順調に進んでいる。
さ
らに比内地鶏の飼育数を当初の10倍以上に拡大して
いる。今後は雇用を増やし、社員を一関の工房で修業
させ、
自社で製造までを行う予定だ。
「地域の新しい名
物となるよう頑張りたい」
と白川社長は力を込める。
株式会社 あきた六次会
〒017-0021
秋田県大館市雪沢字蕷ケ岱257
Tel.0186-59-4546
Fax.0186-59-4547
http://akita-6gkai.jp
デザイン相談員のアドバイスのもと、 デザイン相談員と白川社長。昨年11月から打 「今後は首都圏などで販路拡大を進め、鶏の飼育
デザイナーとやり取りして完成した ち合わせを重ねてきた。株式会社あきた六次 数の増加、自社の職人の育成、製造設備の導入を
新パッケージ。
会の社屋は、
元・保育園の校舎。
目指す」
と力強く語る白川社長。
04
BICAkita
2015.4
- 37 -
伝統的工芸品をはじめとする県内製造業者を対象に、産業デザイン、製品開発、
マーケティング等についての専門的な助言等を行います。
センター活用事例
産業デザインに関する助言
お問い合わせ
あきた企業活性化センター/
知財・デザインセンター担当(018-860-5614)
[あきた産業デザイン支援センター]まで。
企 業 組 合 美 郷 ストロベリー
高度な栽培
高 度な栽培 体 制 を 確 立
次なる目標
次 なる目標 は 販 路 拡 大
雪 国 で の イチゴ 栽 培 は 、温 度 管 理 が 難しく 、
暖 房 費 が かさむ 。技 術 を 駆 使して 、
そこに「 あえて 挑 む 」企 業 が あ る 。
目指すは、練乳がいらない甘いイチゴ
イラーの燃料は、石油のほかに稲作で出たモミ殻を併
奥羽山脈を見渡す田園地帯に、大型のビニールハウス
用。使 用後は、薫 炭として苗床に混ぜ 再々利用。ボイ
が建ち並ぶ。中に入ると、真っ赤に熟したイチゴが鈴な
ラーの廃熱も融雪に使う。このように、ハウス内のあちら
りに実り、甘い香りを漂わせている。育てているのは、酸
こちらに工夫が施されている。こうしたアイデアは、自分
味が少なく甘さが際立つ「章姫(あきひめ)」、香りが良
たちで試行錯誤しながら編み出したもの。配管などの作
く果汁たっぷりの「とちおとめ」、酸味と甘味のバランス
業もほとんど自前で行っている。目指すは、いかに経費
が良く、コクのある味わいの「紅ほっぺ」。いずれも大粒
を抑えて、味の良いイチゴを作るか ― 。栽培技術の確立
のイチゴで、赤く美しい果実が特徴だ。これを食べごろ
から設備工事まで、何でも自分たちで行いながら着実に
の完熟で収穫し、出荷。中間業者を通さず、あくまでも
生産体制を整えてきた。
完熟を直売することにこだわっている。
美郷ストロベリーは、2013年に美郷町の個人5人で
営業ツールのデザインを相談
設立。現在は生食 用イチゴのほか、急速 冷凍したイチ
品質の高いイチゴを安定出荷できるようになった今、
ゴを加工用として販売している。現在は、秋から春(12
新たな課題となったのが販路拡大だった。営業に必要
月~6月)までの栽培だが、いずれは夏季を含めた通年
なツールを作ろうと相談したのが産業デザイン支援セン
栽培の実現を目指している。
ターだ。制作のアドバイスを受けて、美郷ストロベリーの
モットーは「自分たちでなんでもやる」
ロゴマークとリーフレットが完成した。
現在は、業者や個人との直接取引のほかに、近くの
ビニールハウスの内部は、さながら科学の実験室のよ
道の駅や観光施設で直売している。加えて今後は取引
うな雰囲気だ。イチゴを育てる高さ1mほどの棚(ベン
先を拡大し、さらなる増産を目指す予定だ。市場や農協
チ)の下に設置されているのは培地を暖めるための温水
へ出荷する農家とは違う、イチゴ狩りが売りの観光農園
用のパイプや、液肥を供給するパイプ。栽培に使う水は、
とも違う、直売にこだわった独自のスタイルで、味の追
雪を溶かしたものや雨水を蓄えたものだ。温水を作るボ
究に挑み続ける。
企業組合
美郷ストロベリー
〒019-1235
秋田県仙北郡美郷町
金沢西根字東谷地中45-3
Te l .0187-83-2666
Fax.0187-83-2666
ハウスの内部には、試行錯誤の末に編み出
真っ赤に完熟した食べごろの状態で収穫。果実
したさまざまな装置が設置されている。花の
は軟らかく、甘い果汁をたっぷり含む。
出来あがった美郷ストロベリーのロゴマーク。
周りでは“受粉係”のミツバチが飛び交う。
- 38 -
2015.5
05
センター活用事例
挑戦なくして前進なし
今こそ、
次のステップにチャレンジするとき
設備貸与制度
県 内 小 規 模 企 業 者・中 小 企 業 者 が 導 入 を 希 望 さ れ る 機械設備を
当センターが購入し、割賦販売またはリースする制度です。
[お問い合わせ]
あきた企業活性化センター/
経営革新・設備資金担当(018-860-5702)まで。
株式会社クツザワ
景気の変動、
グローバル競争の激化など、
製造業を取り巻く環境は、
ここ数年大きく変化している。
そうしたなか、
次の一手に果敢に挑む企業がある。
多品種少量生産、
短納期が強み
株式会社クツザワは、
鏡面加工や精密研削加工を得意
とし、軸受関連部品や精密加工部品などを手がけてい
る。
創立は昭和55年、
平成元年には法人化し、
4半世紀の
歴史をもつ。
売上の約7割は、
機械部品大手商社の製品。
大手企業との取引は、
加工技術はもちろんだが、
それ以
上に管理体制やスピードが問われる。
同社では、
発注を
受けてから納品までにかかる時間
「リードタイム」
の短
縮に力を入れており、
受注から発送までなんと最短で3
時間。
「 例えば午後3時半に受注したら、金属部材(材
料)の切り出し、加工、表面処理などを経て、その日の
午後6時半には発送できる」と沓澤好美社長。コストを
抑えつつ、作業の効率を追究して、多品種少量生産や
短納期を実現してきた。
次のステップを目指して
同社は創立以来、
新しいマシンの導入や技術開発、
工場
の増設などを繰り返し、地道に事業を拡大してきた。
今年7月には新工場が完成した。
「創立から30年以上経っ
た今、
これからの
『第2ステップ』
としてこの工場を設けた。
これまで築き上げた技術を活かして、次は何が出来る
のか。
従来の加工技術を極めつつ改善するところは改善
して、
新たなことにも挑戦していく。
次を目指すことで
自社の力を強化したい」
と沓澤社長。
当センターの設備
貸与制度を利用して新工場に最新マシンを導入した。
それは、1回のチャッキング(固定)で1度に5面が加工
できる
「5軸加工機
(複合加工機)
」
というマシンだ。
「5軸
加工機を使って自分たちにできることの可能性を広げ
このたび導入した5軸加工機「山崎マザック Y軸旋盤」。
マシンを導入したことによって「問い合わせと見積もり依頼が増えた」と
社長室の佐々木進悟管理部長。
ることも導入理由のひとつ。
さまざまな可能性に挑戦
こうした“攻めの姿勢”の背景には、沓澤社長の熱い
思いがある。
「ここ数年、日本の製造業は海外に工場を
設ける動きが目立ったが、最近は国内に戻す傾向にあ
る。今こそ日本の製造業者として実力を発揮したい」。
さらに、新たな取り組みとして、自社で機械の設計か
ら製造までを行うためにプロジェクトチームも発足
した。今後は新工場の内部をお客様に見学してもら
い、直接商談に持ち込む「工場ショールーム化計画」も
進める予定だ。
「今回の設備投資により、多くの可能性
が広がっている。また、これまで、あきた企業活性化セ
ンターのアドバイザーから新規取引先を紹介しても
らうこともあり、販路拡大の面でも助かっている」と
沓澤社長。
「営業力強化」を掲げ、前向きに次の一歩に
踏み出している。
株式会社クツザワ
[本社]〒019-0701
秋田県横手市増田町増田字館花20-1
T e l.0182-45-3873
Fax.0182-45-4744
http://www.kutuzawa.co.jp
[東京営業所]東京都葛飾区東新小岩5丁目
2-13 303号
[神戸工場]兵庫県神戸市北区赤松台2-3-1
手前が7月に完成した新工場。
奥に見えるのが既存の工場。事業を拡大して
きた跡が刻まれている。
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大手機械部品メーカーのカタログ。
新工場のショールーム化に取り組む
製品の一部の製造をクツザワが担っている。 沓澤社長。写真は、設計から開発、製造
まで自社で行ったマシン。
BICAkita
2014.10
05
センター活用事例
県内小規模企業者・中小企業者が導入を希望される機械設備を当センターが
購入し、割賦販売またはリースする制度です。
設 備 貸与 制 度
お問い合わせ
あきた企業活性化センター/
設備貸与・応援ファンド担当(018-860-5702)まで。
有限 会 社 雄物川印 刷
時 代を読み 、変 化 に 対 応
変 革 の 時 を 迎 えてい る印 刷 業 界 。
その 中 で 、時 代と顧 客 のニーズ に 応 え 、
全 国 に 取 引 先を 拡 大してい る 。
最新色校正システムを導入
ルで制作できるビンゴカードがある。一般的なカードは、
オフセット印刷、オンデマンド印刷、印刷製本の加工
1枚ごとに配列を変えた数字だけが印刷されているが、
や企画・編集・デザインなどを手掛ける雄物川印刷は今
同社の商品はその部分に顔写真や商品写真、イラストな
年4月、当センターの設備貸与制度を利用して最新の色
ど自由にデータを配置し、オリジナリティを追求すること
校正システムを導入した。色校正とは、多色刷りの印刷
が可能。データを升目にランダムに配置するオリジナル
を行う際、求める色調が忠実に印刷されるか確認し、色
のプログラムも開発した。オリジナルビンゴカードは販売
調を整える作業のこと。
「刷り上がった印刷物の色と、
を始めて5年ほどだが、インターネット経由で話題を集め、
お客さまの求める色が異なることで発生する色トラブル
大手企業の販促キャンペーンやイベントのツール、社内
を防ぐために導入した」と社長の高橋富男さん。今、印刷
研修や二次会の宴会ツールなど、さまざまな用途に用い
業界は、紙媒体の減少や価格競争の激化など厳しい現
られている。販売は、関連会社である東北プリントワー
実に直面している。
「その中で生き残るためには、技術
ルド(株)が行っている。
面やアイデアで優れていないといけない。自分たちは何
ができるか常に考え続けてきた」
「オリジナルビンゴカード」がヒット
時代に合わせて変化
このほかにも、納期、価格、品質など、顧客からの要
望に対して、きめ細やかに応える姿勢が評価され、取引
創業は1992年。印刷システムのデジタル化を見据え、
の継続に繋がっている。また、インターネットを活用し
印刷会社に勤めていた高橋社長が独立してスタートした。
た営業活動に力を入れており、時代のニーズに合わせた
同社は小規模型の家族 経営であり、事業規模は決して
ビジネスを展開している。
「紙媒体の情報メディアは規
大きくはない。また、周囲は田園地帯であり、商業圏に
模が縮小され、印刷物が減っていくのは明らか。これか
は距離がある。しかし、経営規模や立地、業界全体の低
らは、ますます“インターネットの時代”になるだろう。そ
迷もものともせず、近年、名立たる大手企業や、話題の
れに伴い、我々のビジネスの領域も変化する。時代に取
新興企業まで全国各地に取引先を拡大している。
り残されないように模索する日々」と冷静に今後の抱負
同社が全国から注目を集める理由の1つに、オリジナ
を語る。
有限会社雄物川印刷
〒013-0481
秋田県横手市雄物川町薄井字東神谷地26
Te l.0182-23-1641
Fax.0182-56-2012
工場で印刷の作業を担当しているのは、高
設備貸与制度で導入した色校正システム。実際
オリジナルビンゴカード。さまざまなデザインに
橋社長の息子さん。家族の息の合ったチーム
の仕上がりとほぼ同様の濃度や色調を再現。色
仕上げられる。写真(上)のカードはハガキサイ
ワークで仕事に取り組んでいる。
トラブルを予防する。
ズだが、様々な大きさへの対応が可能。
- 40 -
http://print-w.jp
2015.6
05
県内小規模企業者・中小企業者が導入を希望される機械設備を当センターが
購入し、割賦販売またはリースする制度です。
センター活用事例
設 備 貸与 制 度
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あきた企業活性化センター/
設備貸与・応援ファンド担当(018-860-5702)まで。
合資会社 協和ランドリー えどや
人と環 境 に 優 し い
クリー ニ ン グ に こ だ わ る
鹿角市にあるクリーニング店「 えどや 」。
ここでは県内では 珍しい 、純 せっけんを
使 用したクリーニングが 行 われている 。
きっかけは、手荒れの悩み
の痛みやごわごわ感を軽減した。ドライクリーニングのド
鹿角地域振 興 局向かいに店舗兼工場・コインランド
ライ溶剤も、石油系を使わず、化粧品などに使用される
リーをもつ、
「えどや」こと協和ランドリーは、純せっけん
肌に優しい成分「シリコン」を使用。わざわざアメリカに
を使用し、安全と品質を追究するクリーニング店。
「今
出向き、探し抜いた。シリコンはコスト的には割高だが、
の時代は家庭でも業務用でも、安くて手軽な合成洗剤
安全性とふっくら柔らかい仕上がりに「お客さまが喜ん
を使うのが主流。しかし、石油を主原料にした合成洗剤
でくれたら」と話す。
「家庭では手軽さから合成洗剤を
は体の油分を奪って乾燥肌の原因になり、水質汚染にも
使うことが多い。だから、せめて当店にお出しいただいた
つながる。その点、人類が5,000年以上使い続けてきた
衣類や布団などは、小さなお子さんや肌の弱い人でも安
体にも環境にも優しい純せっけんは、仕上がりもふっく
心な素材で洗ってあげたい」
ら」と田中喜昭社長は笑顔を見せる。
純せっけんを使うようになったきっかけは、田中社長
品質向上に最新マシンを導入
自身の経験から。仕事柄、合成洗剤による手荒れに悩ま
隣接するコインランドリーでも使う洗剤も純せっけん。
されていた。そこで、肌に優しい洗剤を探した結果、出
工場から出るボイラーの廃熱を乾燥室に循環させるなど、
合ったのが純せっけんであり、肌荒れの原因になる合成
エコロジーも追究している。
界面活性剤の力に頼らず、微生物の働きで抗酸化作用を
さらに品質にもこだわる。平成22年には、当センター
高める「EMクリーニング」という技術であった。
の設備貸与制度を利用してYシャツプレス機を導入。仕
上がりの美しさと着心地の良さを向上させた。
「設備の
安全への徹底したこだわり
相談はもちろん、経営のことについて幅広く相談できる
そこで人と環境に優しいクリーニングへの追 究が始
ので頼りになる。秋田市に出掛けるときには必ずと言って
まった。まずは、軟水器を設置し、洗濯に使う水を全て
いいほど、活性化センターに顔を出している」と話す。
軟水に。水からミネラル分などを除去することで、純石け
んの泡立ち力、つまりは洗浄力を高めた。また、洗濯のり
は、化学のりをやめて昔ながらの「煮のり」を使用。衣類
合資会社
協和ランドリー えどや
[本店] 〒018-5201
秋田県鹿角市花輪字下花輪170
Tel.018 6 -23 -25 0 3
[工場] 〒018-5201
秋田県鹿角市花輪字六月田27-1
Tel.018 6 - 3 0 -1107
設備貸与で導入したYシャツプレス機。両袖
軟水での洗濯は、洗剤(純せっけん)の泡立ちが
古くは
「江戸屋」
の屋号で、
造り酒屋や宮大工だっ
をピンと伸ばし、蒸気を出しながらプレス。 良いため、業務用洗濯機(田中社長の背後に写
た時代がある。
田中社長は8代目。
社長就任の際、
パリっと美しい仕上がりになる。
かつての屋号
「えどや」
を復活させた。
04
2015.8
る機械)でも、少量の洗剤で充分汚れが落ちる。
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県内小規模企業者・中小企業者が導入を希望される機械設備を当センターが
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センター活用事例
設 備 貸与 制 度
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設備貸与・応援ファンド担当(018-860-5702)まで。
熊谷長栄堂
先代が守り抜いた
18 0 年の歴史を受け継ぐ
天保8年(1837年)創業の老舗、
商品は「東雲羊羹」のみ。
設備を改め、再スタート。
羊羹一筋、180年近く
抜けた穴は大きかった」と博さんはしみじみ話す。しかも
米代川に架かる能代橋のたもと、かつて東雲(しのの
餡を練り上げる機械は80年以上使い込んでいて老朽化
め)村と呼ばれた地域に菓子店、
「熊谷長栄堂」はある。北
していた。設備のことや、弟とはいえ博さん80歳、保さん
前船が停泊した際、乗船していた京都の和菓子職人から
78歳という年齢もあり、
「簡単に店を継いで再開とは思
伝えられた製法をもとに、
羊羹一筋180年近くの歴史を刻む。
えず、正直、これ以上は難しいと考えていた」。
材料は、北海道産の小豆と、三重産と千葉産の天草。
その時、耳に届いたのが「止めないで」
「伝統の火を
これを砂糖とともに銅鍋に入れて煮溶かし、じっくり練っ
消さないで」というたくさんの地元の人たちの声だった。
て煮詰めていく。餡の表面の泡の大きさや鍋から聞こえ
「東雲羊羹のファンがこんなにもいるんだなと涙が止ま
る音を頼りに仕上がりを見極め、包装用の袋に流し入れ
らなかった。地元の方々には本当に感謝している」と目
る。シンプルゆえに「難しい」と現店主・鈴木博さんが話
を潤ませる。
す羊羹作り。長年に亘り、多くの地元の方々をはじめ、能
代出身の遠方の方々にもこの味に親しむファンは多く、
地域の支えで味を守る
名実ともに能代銘菓として知られている。
「これは兄が残してくれた功績」と意を決して店を継
いだ。再開を前に、当センターの設備貸与制度を利用し、
地元の声で製造再開
餡を練る機械を入れ替え。さらに包装の袋に羊羹を流し
おととし、その羊羹の製造を一時中止した。長年店を
込む充填機も導入した。
「機械を一新したことで作業が
守ってきた7代目店主の熊谷健さん(享年84)が7月に亡
楽になった。これまでは機械のトラブルのたびに作業が
くなり、約半年間にわたり店を閉めた。
止まって苦労していたから」
健さんが体調を崩した12年ほど前、兄を心配して帰郷
店のスタッフは近所の人が多く、
「“一族が店を継ぐ”と
した弟の鈴木博さん、鈴木保さんが店を手伝ってきた。
いうより、地域のみんなでこの味を守ろうと頑張ってくれ
「あくまでも私たちはサポート役。兄は体調が万全では
ている」。今は周囲の支えが大きな力になっている。
「兄
ない中、亡くなる直前まで店に来て練り上がり具合を
以上のものを作らないと笑い者になってしまう。みんな
チェックしていた。まさか急に亡くなるとは思わず、兄が
で力を合わせて頑張りたい」と抱負を語る。
熊谷長栄堂
秋田県能代市向能代字上野165
T EL.0185-52-6413
営業時間/8:30~18:00
定 休 日/日曜
設備貸与制度を利用して更新した機械で餡
新しく導入した充填機で、冷え固まる前の羊羹を
兄である先代から店を継いだ鈴木博さん。
「こ
を練る。熱伝導が良く、むらなく熱が入る銅
パッケージに注ぎ入れる。
れからは、販売促進にも力を入れたい」と語る。
鍋が欠かせない。
04
2016.3
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県内ものづくり企業の販路を拡大するため、首都圏及び東北地区担当の「販
路開拓アドバイザー」を配置し、発注企業の情報提供やマッチング支援を行
います。
センター活用事例
販路拡大支援
お問い合わせ
あきた企業活性化センター/
販路拡大担当(018-860-5623)まで。
株 式 会 社 カネ イ溶 接
ゼロか ら 事 業 を ス タ ー ト
首都圏 を 中 心 に 販 路 拡 大
金 属 の 溶 接 のな かで も 、
高い 技 術 が 求 められ る「 薄 物 溶 接 」。
そこにあえて 挑 む 、女 性 社 長 が い る 。
“隙間産業”を狙って勝負
た。そして、自ら会社を設 立。親のコネには頼らず、顧
「『溶接』と聞くと、男性の仕事と思われがち。だから
客無し、実績無しのゼロからのスタートを切った。その
『私を含めて女性2人で溶接をやっています』と話すと、
当時の父からの唯一のアドバイスが、
「あきた企業活性
『女性だけ?しかも、あなたが溶接をやっているの?』と
化センターを利用すること」だった。
「最初は、何から手
驚かれます」と笑うのは、カネイ溶接の門脇早江子社長。
をつけたらいいのか、需要があるかどうかも分からない
自宅敷地内にあった作業小屋を改装し、2009年に起業
状態。さっそく活性化センターに相談したところ、『東
した。以来、経営者兼溶接工として会社を切り盛りして
京で開催する合同商談会に参加してみては?』とアドバ
いる。
イスをいただいた」
カネイ溶接が得意とするのは、非鉄金属(アルミ・ステ
ンレス・銅など)の薄物溶接。板厚1mm以下の溶接は、
イベント参加で顧客獲得
技術的に難しく、手間がかかって極めて作業効率が悪い
2010年、初めて参加した商談会での営業が奏功し、
ため、受注に難色を示す業者が多い。あえてそこに目を
首都圏に取引先が見つかった。その後も、各種商談会や
つけた。小型で薄い金属ならば、女性でも作業が容易
情報報告会など、当センター主催のイベントに積極的に
だ。力で勝負できない分、技術と女性ならではの細やか
参加し、着実に顧客を増やしている。
「活性化センター
さ、小規模だからできる小ロット対応で生き残りをかけ
を利用しなければ、ここまで順調に販 路を開拓できな
ている。
かった。当社は、まだ営業を雇う余裕がなく、首都圏の
取引先に頻繁に出向けない状態だが、取引先へは活性
コネ無し、実績無しでスタート
化センターの販路開拓アドバイザーがフォローしてくれ
起業前は、溶接とは無縁の仕事に就いていた。だが、
る。非常にありがたい」と話す。 溶接工である父の姿を見て育ったため、
「子供の頃から
なお、今年度は、6月4日に「首都圏・中京・東北地区
溶接には興味があった」という。
発注等情報報告会」
(会場:秋田県産業技術センター)、
元溶接工で、現在は 精密板金 会社を営む父に溶接
7月2日に「青森・秋田・岩手3県合同商談会」
(会場:東
技術や経営の基礎を学び、その後、独学で技術を磨い
京流通センター)を開催予定。詳細は、当センターまで。
株式会社カネイ溶接
〒018-5201
秋田県鹿角市花輪字上中島82番地
Te l.0186-25-8234
Fax.0186-25-8235
同社が行っているのは「TIG(ティグ)溶接」。 アルミ/板厚0.5mmの溶接例(角溶接後サン
左から、仕上げや研磨を担当しているベテラン
強い光を放つが火花が飛び散ることはない。 ダー仕上げ)。アルミ0.5mm厚の溶接は高い技
職人、兎澤義信さん。溶接担当の門脇社長と石
術を要する。
04
2015.6
井寛子さん。
- 43 -
http://www.yousetu.co.jp/
当センターでは、首都圏と東北に販路開拓アドバイザーを、中京地区に自動
車産業アドバイザーを配置。各アドバイザーが担当エリアの発注企業を訪問
して情報収集に努めている。
去る6月4日(木)、各アドバイザーが企業訪問活動で収集した発注情報を発
表する「発注等情報報告会」を開催した。
センター活用事例
販路拡大支援
平成27年度 第1回
首都圏・中京・東北地区
発 注 等 情 報報 告 会
報告会には、県内企業45社から61名が参加。各アド
バイザー(AD)が企業訪問で得た発注情報等を報告し、
その後にADと参加者との個別面談を行った。
参加企業2社の担当者に、報告会の感想を聞いた。
毎回積極的に参加
株式会社コウエイ 伊藤 秀作さん
当社は電子機器・部品のメーカーです。活性化セン
ターの主催イベントには毎回積極的に参加しています。
参加の主な目的は、時代に沿ったものづくりをしている
います。
企 業の 情 報を収 集すること。そうした企 業に対して、
これら新分野の営業活動に欠かせないのが活性化セ
我々が協力工場として何ができるかを提案し、商談につ
ンターのイベントで得る情報で、自社営業を始めて歴史
なげています。
の浅い当社にとって大変貴重であり、重要な原動力と
販路開拓ADは頼れる存在です。営業に同行してもら
なっています。
うことで得られる情報は、当社にとって大変有益なもの
であり、営業活動に大いに役立っています。
アドバイザープロフィール
今後は商談会が控えていますが、商談会は毎回、気
販路開拓アドバイザー/首都圏担当
販路開拓アドバイザー/東北地区担当
■ 酒井 徹 …(株)
タナベインターナショ
ナル、旭マシナリー(株)、東京電子工業
(株)の営業部門を歴任する。各種製造
設備、加工知識を有しており、特に紙器
や段ボール装置には精通している。主に
首都圏北エリアを担当し、これまでの営
業ノウハウを活かして発注案件を開拓す
る。
開拓先は、
(株)
椿本チエイン、
信越ポ
リマー(株)、
(株)日立製作所、古河機械
金属
(株)
など。
■ 佐藤 明 … YKK AP(株)に22年間勤
務、製 造 工程・製 造管理・生 産管理・安
全環境管理を担当する。製造工程では
全般の作業を経験し、生産管理では受
発注、外注管理、出荷管理を主担当とし
た 。また 、安 全 衛生における知 識 及び
ISO14001の運用知識を持つ。開拓先は
トヨタ自動車東日本(株)、
YKK(株)、
澁谷
工業(株)ほか。
■ 原竹 弘道 … 三井物産(株)に39年間勤
務、営業部門及び管理部門を歴任する。
営業部門では国内及び海外での勤務を
経験し、主に電線(電力系電線及び通信
系電線)の販売に従事したほか、管理部
門では人事部、
ロジスティクスマネジメン
ト部を経験し、
研修・商品在庫監査等を
担当。
総合商社で培い築いてきた国内外
にわたる豊富な経験・知見及び人的ネッ
トワークを活かして発注案件を開拓する。
■ 堅田 長 … (株)豊田自動織機に38年
勤務。
在職中は、
自動車事業部技術部長、
生産管理部長、副事業部長に就き、トヨ
タ車の開発、
生産準備の推進業務、
生産
管理業務に従事した。
平成19年より自動
車産業振 興中京地区連携アドバイザー
として、
主に中京地区の自動車関連企業
を訪問し、情報収 集 及び秋田県企業の
紹介等に携わっている。
合いを入れて参加するビッグイベント。参加前からホー
ムページなどで相手企業を調べ、当社の提案事項を整
理し、面談中に訪問のアポイントまで取れるように心掛
けています。
営業活動に欠かせない情報源
比内時計工業株式会社 藤嶋 好仁さん
東北地区担当の佐藤ADには、当社に何度も足を運ん
でもらっており、当社の製品や技術、更には課題までをよ
く理解したうえで営業をサポートしてくれるので、話が早
く助かっています。既に2社との取引が成立しています。
当社は長年、時計の組み立てを行う協力工場として
歩んで参りましたが、8年前から製品の自社開発、自社
営業に着手し、現在は時計だけにとどまらず、LED照明
や医療用品、自動省力化装置の設計・製造まで行って
中京地区自動車産業アドバイザー
これから開催のイベント
青森・秋田・岩手 3県合同商談会(7月2日/TRC東京流通センターにて)
秋田広域商談会(11月19日/秋田ビューホテルにて)
個別マッチング商談会(随時開催/秋田県内全域)
平成27年度 第1回
「首都圏・中京・東北地区
発注等情報報告会」
平成27年6月4日
(木)
10:00~17:00
会場:秋田県産業技術センター
販路開拓AD/首都圏担当
販路開拓AD/首都圏担当
販路開拓AD/東北地区担当
中京地区自動車産業AD
酒井 徹
原竹 弘道
佐藤 明
堅田 長
- 44 -
2015.7
05
(
)
活用
ー
タ
ン
セ
事例
諸井醸造のしょっつる商品バリエーション。
中央の
「秋田しょっつる十年熟仙」
は
観光庁が選定する
「世界にも通用する究極のお土産」
9品
の1品に選ばれている。
食 品産業振興の 支 援
地域の伝統的食文化アイテムの
商品力を向上させる
しょっつるは秋田生まれの伝統的な調味料だが、諸井醸造で
はその品質を高め、市場性の高い商品にするための取り組み
を続けている。妥協のないものづくりで高評価を得るまでに
なった。
株式会社諸井醸造
〒010-0511
秋田県男鹿市船川港船川字化世沢176
Tel. 0185-24-3597 Fax. 0185-23-3161
http://www.shottsuru.jp
E-mail:[email protected]
しょっつるの商品力向上に取り組む
JR男鹿駅近くにある株式会社諸井醸造は、昭和5年
創業の醤油味噌の醸造元。平成5年頃にハタハタを原
料とする秋田伝統の魚醤しょっつるのテスト生産に
着手し、平成10年に最初の商品を世に出した。テスト
生産から商品化まで5年の歳月を費やしたのは、試行
錯誤の連続で納得のいく品質に辿り着くまでに困難
を極めたためであった。
諸井醸造がしょっつるづくりを手がける前の
しょっつるは、その独特の香りと味のため必ずしも市
場性が高いとはいえなかった。
そのしょっつるを売れる商品に育て上げることが
諸井醸造の取り組みであった。
2013」
( あきた企業活性化センター主催)への参加
もその一つ。県内20余りの食品業者や研究機関と共
に、諸井醸造では長期熟成した最高級しょっつる「秋
田しょっつる十年熟仙」などを出展した。
商談会ではマッチング先の商社・大手小売業者や
一般来場者に対しての販路の拡大もさることなが
ら、まずは国産の高品質の魚醤が存在することをPR
できた。
また、例えば粉末加工したしょっつるの使用法を
提案することで商品の新たな可能性をマッチング先
と模索できたのが商談会の意義であったと諸井社長
は考えている。
商談会に出て商品の伸びしろを探る
存在をアピールして商品の普及を図る
しょっつるの商品化を果たし需要の拡大を図る過
程においては、あきた企業活性化センターの食品
マッチング専門員のサポートがあり、日頃から密に
情報交換をすることで共にしょっつるの売り出し方
を模索してきた。平成25年11月に東京都港区北青
山 で 開 か れ た「 食 の ビ ジ ネ ス マ ッ チ ン グ 商 談 会
「十年熟仙」は、必ずしもそれ自体が大ヒット商品
になることを目指すというよりは、世間からしょっ
つるに注目してもらうための“広告塔”のような存在
だ。この商品が平成25年11月に観光庁選定の「世界
に も 通 用 す る 究 極 の お 土 産 」に 選 ば れ た こ と で 、
しょっつるへの問い合わせが急増している。
1
2
3
1 長期熟成中のしょっつる仕込み樽。
壁に
「2001」
という仕込み年が記さ
れている。
食品産業振興の支援
2 諸井秀樹社長(右)はあきた企業活性
化センターの成田幹寿食品マッチン
グ専門員
(左)
と日頃から密接に情報
交換を行っている。
3 今シーズンの仕込みが始まったば
かりのしょっつる仕込み樽。
4
事 業 の 解説
県内食品関連企業の商品や技術を発掘するとともに市場ニーズを
把握し、マッチング、販路開拓、新商品開発を支援します。
[制度の利用・お問い合わせについて]
あきた企業活性化センター/ものづくり支援担当まで。
4 “研究室”と名付けた部屋ではハタハ
タ以外の原料の魚醤のテスト生産
もしている。
- 45 -
BICAkita 2014.1
05
センター活用事例
食品産業振興の支援
事業の解説
秋田産の素材を活かし、
地元で愛される菓子づくり
県内食品関連企業の商品や技術を発掘するとともに
市場ニーズを把握し、マッチング、販路開拓、新商品開発
を支援します。
[事業の活用・お問い合わせについて]
あきた企業活性化センター/ものづくり支援担当まで。
株式会社ジロー洋菓子店
当センターのマッチングで、
新銘菓誕生。
特産品
「枝豆」
使用の洋菓子で、
秋田を元気に!
その名も
「マウントバウムえだまめ」
断面はほんのりとしたグリーン。
一見すると抹茶のよ
うにも見えるが、
口に入れると、
枝豆特有の濃厚な風味
がふわりと広がる。
「マウントバウムえだまめ」
と名付け
られたこの新商品には、
秋田県特産の枝豆で作ったペー
ストが練り込まれている。
当センターの食品マッチング
専門員が、
この枝豆ペーストを佐藤要蔵
(さとう ようぞ
う)
社長に紹介したことがきっかけで誕生した。
今年で
2年目になる
「御所野ジロー祭り」
で試食会を行ったと
ころ大好評で、
発売日を前倒しにして店頭デビューさせ
た。
「色がきれいに出て味もよい。
秋田らしい、
優れた素
材に巡り合えた」
と、
佐藤社長。
これまでも当センターの
事業を活用した商品開発を数々行ってきたが、
この商品
にはことさら熱い期待を寄せている。
“枝豆で秋田を盛り上げたい”
佐藤社長はもともと、
お菓子は地元の素材を活かして
作る、
というスタンスを大切にしていた。
そんな時に紹
介された
「枝豆ペースト」
は、
同店の看板商品であるバウ
ムクーヘンに取り入れて商品化をしてみようと思い立
つだけの素材としての魅力があった。
また、
「枝豆は秋田
県が生産量日本一をめざしている作物である」
という背
景もあった。
さらに食品マッチング専門員から生産者、
加工業者、
完成までの試行錯誤など、
「枝豆ペースト」
が
できるまでの現場やプロセスなどの情報提供を受けた
ことも刺激になった。
専門員の熱意が、
佐藤社長の思い
をいっそうかき立て、
良質の地元素材を使用した新商品
の開発に至り、
“枝豆で秋田を盛り上げたい”
という思い
につながったのである。
「マウントバウムえだまめ」。
繊細に折り重なる生地は、淡いグリーン。
着色料ではなく、枝豆が持つ天然の色だ。“マウント”は、“山型”の意。
おいしさでふるさとに笑顔と元気を
佐藤社長には、
県外へ売り込む前にまずは地元で消費
すべき、
という持論がある。
「枝豆日本一をめざすなら、
みんなで食べて県内で消費日本一をめざしましょう」
と
提案する。
そのためには、
生産者を審査員にした料理コ
ンテストの実施や、
学校給食への導入、
菓子業界全体を
巻き込んだ取組みなどを継続して行う必要があると考
えている。
「もちろん自社でも、
パンなどほかの商品への
展開も視野に入れ、
枝豆の活用と消費の一翼を担ってい
きたい」
と、
意欲を見せる。
同店は、
ふるさとを愛し、
おいしさで地域にたくさん
の笑顔と元気を創ろうと真摯に取り組みを続けている。
誠実であたたかな菓子づくりは、
支持され続けて今年で
44年。
「マウントバウムえだまめも秋田を盛り上げる銘
菓として末永く育てていきたい」
と佐藤社長は語る。
株式会社 ジロー洋菓子店
〒010-1412
秋田県秋田市御所野下堤2丁目1-8
Tel 018-889-6260
http://www.jiro-yozo.com/
営業時間/9:30~19:00
定休日/毎週水曜日
「良い素材でないと、良いお菓子はできない」 当センターの食品マッチング専門員との打ち 学校をイメージした店舗。誰もが来て楽
と語る佐藤社長。コックコートの胸に刺繍さ 合わせ。食で秋田を元気にしたいという共通 しめる場であり、お菓子づくりの職人を
れているのは「秋田が好きです」
の文字。
の思いを持って商品開発に取り組む。
育成する場でもある。よく手入れされた
庭が来店客を気持ちよく迎えてくれる。
- 46 -
BICAkita
2014.8
05
(
)
用
活
ー
タ
セン
事例
開発したパソコン教育システムは
全国で数百校の導入実績を誇る。
あきた企業応援ファンド事業
震災被災地の窮状を見聞きして
非常時に役立つ電源装置を開発
本業は学校に納入するパソコン教育システムの製造販売だ
が、被災地支援で駆けつけて惨状を目の当たりにし、災害等の
非常時に役立つ電源装置の開発を思い立つ。あきた企業応援
ファンド事業によって製品化を果たす。
株式会社フォラックス教育
〒012-0015
秋田県湯沢市倉内字才の神41-8
Tel . 0183-73-8255 Fax. 0183-73-9655
http://www.voraxed.co.jp/
全国でパソコン教育システムを納入
湯沢市にある株式会社フォラックス教育の田中格社
長は、
同社設立前から教材販売会社を経営していた。
丁
度国内の学校でパソコン教育に力を入れ始めた頃、岩
手県で学校用パソコン教育システムを開発したベン
チャー企業があり、田中社長はその販売部門を担うこ
とになり平成7年に現在の会社を設立した。
大手メーカーの三分の一という低価格で差別化を
図り、各地のパソコン販売会社を介してこれまでに全
国で数百校の導入実績を持つ。
料の確保が困難になる。
現地での体験から田中社長は、平時には100V電源
やソーラー発電でバッテリーに電気を蓄え、
停電した
時に自動的にバッテリーから電気を供給できる蓄電
装置が手頃な価格で普及できれば良いのではないか
と考えるようになった。役所や一般事業所、医療機関
等で使うレーザープリンターなどは瞬間的にかなり
の電力を消費するため、
それにも対応し得る高信頼性
を兼ね備えることが出来たら、
非常時の混乱は最少限
に抑えられる。
非常用電源装置の開発を着想
その会社が今回、あきた企業応援ファンド事業を活
用して、
「高信頼性蓄電装置」という製品の開発に取り
組んだ。
同社では宮城県東松島市の全市立校にパソコン教
育システムを納入していた縁もあって、震災直後に社
長自ら、バッテリーから100V電源を出力するイン
バーターを持参して現地に駆けつけた。停電が続く現
地では電源の確保に苦労していたからである。電源装
置にはエンジン式の発電機もあるが、騒音や排気ガス
のために室内では使えないし、そもそも非常時には燃
1
製品化に見通しを得て年内に生産開始を予定
このファンド事業は試作品の開発や展示会への出
展に活用した。
昨年東京で催された国際二次電池展に
出展した際には多くの来場者の関心を集めることが
でき、
製品化への自信にもつながった。
開発期間を終え、本生産への道筋が見えてきたの
で、一年以内には市場に出回る見込みになっている。
これからは、クリーンで静かな同社製の蓄電装置の
普及が期待される。
2
3
1 今回開発した高信頼性蓄電装置の筐
体。年内には本生産を開始する予定
とか。
あきた企業応援ファンド事業
2 秋田で教材販売会社を経営していた
田中格社長は、岩手のベンチャー企業
が開発したシステムの販売を担うこ
とになって現在の会社を立ち上げた。
3 同社が開発する機器は製造を台湾の
メーカーに委託し、自社でセットアッ
プして納品する。
04 BICAkita 2014.3
事 業 の解説
地域資源を活用した県内企業の新商品・新役務の開発、
販路拡大等の
経営革新の取組を支援します。
[制度の利用・お問い合わせについて]
あきた企業活性化センター/経営革新・設備資金担当まで。
4 今回開発した高信頼性蓄電装置はあ
きた企業応援ファンド事業の助成金
を利用して展示会に出展し、来場者の
関心を集めた。
4
47 -
センター活用事例
事業の解説
高い専門性と高度な技術力を集中投下
世界市場を狙える医療機器開発へ弾み
あきた企業応援ファンド事業
地 域 資 源 を 活 用 し た 県 内 企 業 の 新 商 品・新 役 務 の 開 発 、
販路拡大等の経営革新の取組を支援します。
[事業の活用・お問い合わせについて]
あきた企業活性化センター/経営革新・設備資金担当まで。
株式会社アクトラス
得意とするセンサ技術と組込みソフトウェアの
技術分野において経験を蓄積し、
世界中の医療現場で利用できる医療機器を開発。
業界の動向を見据え、
技術を生かし、
事業を拡張
株式会社アクトラスは、電子制御機器、計測機器、画
像処理装置などの設計や組込みソフトウェア開発など
を手がける企業である。情報機器メーカーでシステム
エンジニアとして働いてきた眞田慎代表取締役社長
が、
平成8年に郷里である横手市に立上げた。
起業当初は、業界全体のトレンドを探る目的も兼ね
てソフトウェアや電子部品の販売を手がけ、次に部品
納入だけではなく基板開発を受注するなど、段階的に
事業を拡張してきた。
眞田社長が特に得意としているのは、画像処理技術
だ。前職時代から大手メーカーのホームビデオカメラ
用検査装置の製作実績もあって、早くも会社設立後
4ヶ月目には同メーカーより装置製作の受注に至って
いる。大手との取引口座を持つという大きな社会的信
用を得て、他の企業からも半導体製品の外観検査装置
製作などを受注できるようになった。
看護医療の効率化に貢献
アクトラスでは、
平成26年6月1日に同社が培ってき
た光学センサー技術を投入した点滴センサ
「IDC-1301」
の販売を開始した。
医療機関で患者に点滴を行う場合、
これまでは看護師
が時間を図りながら点滴量の調整をすることが多く、
熟
練度による個人差があった。
また、
従来型の点滴センサ
は点滴筒の傾きに対しては正確な測定が困難であった。
今回開発した点滴センサはこれらの問題を解決し、
看護師の負担を軽減して効率的な看護医療の実現に貢
点滴センサ「IDC-1301」は医療機器商社を通して
平成26年6月1日より全国向けに販売を開始した。
今後は国際市場も目指す。
献できるものだ。開発はアクトラス、秋田大学医学部、
秋田県産業技術センターの産学官連携で行われ、基礎
となる技術は産業技術センターが開発、それをアクト
ラスが製品化した。
助成金を活用し開発コストに充当
製品開発にあたり、
同社は
「あきた企業応援ファンド
事業」
を活用した。
採択テーマは
「点滴看視装置の開発お
よび販路拡大」
。
新たな製品開発には多大な時間とコス
トを要するため、
事業費はその開発コストに充当した。
また、
医療機関からのヒアリングや、
販路を拡大するた
めの市場調査に要した費用にも利用し、
「IDC-1301」
デ
ビューの足固めをすることができた。
眞田社長は、
「医療現場の手助けとなれるよう、
医療機
器の開発を続けていきたい」
としている。
秋田発の医療
機器が世界中で活躍する日も遠くはないだろう。
株式会社アクトラス
〒013-0033
秋田県横手市旭川2丁目2-32
T e l. 0182-33-2301 Fax. 0182-33-0339
http://www.actlas.co.jp/
E-mail [email protected]
自社の高度な技術力を生かして今後は医療分
野の機器の開発も事業の柱の一つにしていき
たいと語る眞田慎社長。
- 48 -
製品の製造は協力工場に委託、自社内では研 点滴センサの従来品は動作が不安定で
究、
設計、
開発、
試作品製造までを行っている。 実用的ではなかった。アクトラスの製品
は高い実用性を目標に開発された。
BICAkita
2014.7
05
センター活用事例
あきた企業応援ファンド事業
地域資源を活用した県内企業の新商品・新役務の開発、販路
拡大等の経営革新の取組を支援します。
秋田から
全国へ、
世界へ
[お問い合わせ]
あきた企業活性化センター/
経営革新・設備資金担当(018-860-5702)まで。
株式会社マツザワ
「硬さ試験機」
の専門メーカーとして
技術を極めつつ、
立ち止まらずに挑み続ける。
秋田から、
独自の進化を遂げている。
ユーザーの
「信頼」
を支えるマシン
今年8月、据え置き型として国内最小となる「工業用
硬さ試験機」の生産を開始した株式会社マツザワ。従
来型に比べ、サイズは約半分、重量は約1/3を実現し、
試験の精度も向上させた。
「硬さ試験機」とは、素材で
ある金属や、それを加工した金属部品が、工業規格の
安全基準に達しているか強度を測定するもので、金属
製品の品質・性能、信頼・安全を保証する重要な役割を
果たす。マツザワは、その専門メーカーとして、試験機
の設計・開発・製造・販売から、他社製品を含めたメン
テナンス、
校正までを手がけている。
社の前身は、
松沢精機株式会社
(東京都)
の秋田工場だ。
「マツザワブランド」
の製造で培った技術を生かして
「高
品質」
「高精度」
の試験機づくりに挑んできた。
販売先は、
海外にまで及び、
安定した技術で信頼を得ている。
「あきた企業応援ファンド事業」を活用して開発した「多軸モーターコントローラー」
(写真中央)。写真右は硬さ試験機。中央部の多軸ステージ開発も同事業の活用による。
硬さ試験機そのものは、主に鉄鋼や自動車のメーカー、工業系の研究施設や学校で使用
されている。
ら硬さを測定する。振動に弱く、重い、設置場所が限定
されるなどの欠点がある。新型機は、電動モーターを
使用し、小型化・軽量化に成功した。機械式と電動モー
ター式、両方を製品化したメーカーは世界的にも珍し
く、
「社の大きなPRになる」と安保社長は期待する。
秋田から国内外に勝負を挑む
新型機の技術を応用
ライバルは国内に5社ほどだが、海外メーカーを含
めると競争は激しい。また、取引先は関西や関東に多
く、秋田でのものづくりは、営業や物流の面での不利
もあった。
「秋田から全国、世界と戦うには、独自性の
ある製品を作っていかないと勝ち残れない」と安保徹
社長。秋田からいかに勝負するか。その結晶が、県産業
技術センターや秋田大学、県内の企業と連携して開発
した冒頭の国内最小の硬さ試験機だ。
従来型である機械式試験機は、工業用ダイヤモンド
を鉄の重りで金属に押し付け、できた凹みの大きさか
これまでの技術を基に、当センターの「あきた企業
応援ファンド事業」を活用し、新型機の「多軸モーター
コントローラー」と「多軸ステージ」を開発した。制御
装置を搭載しており、ユーザーは手持ちのパソコンに
USBで接続するだけでコントロールが可能になる。ま
た、従来型の試験機などにも接続でき、幅広く活用で
きる。
「この事業を活用することで、開発から販路拡大
まで“オール秋田”で進められた」と境屋次長。
“秋田
発”に込める思いは深い。
株式会社マツザワ
(本社)〒019-2611
秋田県秋田市河辺戸島字七曲台120-19
Tel.018-882-4580 Fax.018-882-4584
http://www.matsuzawa-ht.com
(東京連絡所)
東京都練馬区田柄2-43-1-506
(西日本営業所)奈良県奈良市恋の窪2-9-17
株式会社マツザワの安保徹社長
(右)
、
技術部の
境屋博司次長
(左)
。
「今後は硬さ試験機のさらなる小型化・軽量化
に挑む」
と安保社長。
- 49 -
硬さ試験機の組立、調整、検査、梱包、出荷を パソコンにUSB接続するだけで、ソフト
や硬さ試験機を制御できる。硬さ試験
行う一室。
以外にも使える汎用性の高さが魅力。
BICAkita
2014.12
05
センター活用事例
あきた企業応援ファンド事業
地域資源を活用した県内企業の新商品・新役務の開発、販路
拡大等の経営革新の取組を支援します。
秋田の技術で
国内メーカーをリードする
[お問い合わせ]
あきた企業活性化センター/
経営革新・設備資金担当(018-860-5702)まで。
株式会社 大榮木工
シンガポールで昨年3月、
メイドイン秋田の製品が
「日本初」
の快挙を成し遂げた。
国内屈指の木製建具メーカー
昨年、能代市の大榮木工が、国内初となる2時間耐火
の内装用木製防火戸の開発に成功した。
同社は、昭和22年創業の木製建具の専門メーカー。
天然秋田杉の製材で栄えた木都・能代で、障子やふす
ま、木製ドア、木製防火戸などをオーダーメイドで製
造・販売している。その技術の高さは、製品の納品先か
らも一目瞭然だ。
京都迎賓館、
成田国際空港外務省貴賓
室、
衆議院議長公邸、
帝国ホテル、
ザ・リッツカールトン
ホテル東京、ホテルオークラ、伊勢神宮、浅草寺、永平
寺、
知恩院など、
名立たる建築物に建具を納めている。
確固たる実績を重ねる一方、技術向上への挑戦の手
を緩めない。平成8年から取り組むのが木製防火戸の
開発だ。
知る。現地での引き合いもあり、“120分の壁”に挑む決
意を固めた。しかし、
「わざわざ海外の基準に挑む意味
があるのか」
「60分でやっと。どうやって120分をクリ
アするのか」など社内には疑問の声もあった。
金属より強い木製防火戸
大震災から決意を新たに
建物の開口部で火災の延焼を防ぐ防火戸。金属製が
多いが、建築業界には防火戸は「金属」より「木製」とい
う根強い意見がある。スチールドアは火災時に一定の
温度に達すると変形、溶解するのに対し、木製耐火ド
アは、木が炭化し、完全燃焼することはない。日本で防
火戸と認められるには、法律に基づく20分または60
分の耐火試験に合格し、国土交通大臣の認定を受ける
必要がある。同社は試作を繰り返し、平成9年に木製ド
アで試験をクリアした。
平成22年には販路拡大のためにシンガポールに進
出。そこで、北米やヨーロッパ、シンガポールでは、耐
火試験の合格ラインが最長で120分まであることを
そうしている間に発生したのが東日本大震災。
「未
曾有の大災害で同時多発的に火災が起これば、消火に
手が回らなくなる。せめて防火戸の耐火時間が長けれ
ば、救える命は多いはず」。そう実感して、能登一志社
長は改めて挑戦を決意した。開発資金として利用した
のが当センターの「あきた企業応援ファンド事業」だ。
何度も試作を繰り返し、昨年挑んだシンガポールでの
耐火試験にて120分をクリアし、日本のメーカーとし
て初めて現地の認定を受けた。
「今後は海外での販売
のほか、首都直下型地震に備えて防火性向上が叫ばれ
る東京都などに売り込み、メイドイン秋田の底力を発
揮したい」と能登社長。さらなる挑戦が始まっている。
同社製品。右のドアは、昨年10月に東京で開催された「森と木の国あきた展」で披露した
「木質系二時間耐火防火戸」。木製ならではの耐火性、デザインや木目の美しさ、防音性
の高さを兼ね備えている。
株式会社 大榮木工
〒016-0122
秋田県能代市扇田字扇淵12-2
Te l .0185-58-3400
Fax.0185-58-3402
http://www.daieimokko.co.jp/
木製ドア、
防火戸の内部には、
用途に合わせて
さまざまな工夫が施されている。
写真は内部の
説明をする能登社長。
- 50 -
社員は20代、
30代が多い。
同社の3代目である 国内外から集めた希少な木材を多数ス
能登社長も30代だ。技術を磨きつつ、若手の トック。皇居の門や社寺仏閣など文化財
育成や技術継承にも力を入れてきた。
の修復も手掛けている。
BICAkita
2015.2
05
あきた企業応援ファンド事業 / 地域資源を活用した県内企業や経営革新
の承認を受けた県内企業の新商品開発等の取組を助成します。
センター活用事例
あきた企業応援ファンド事業
よろず支援拠点
お問い合わせ あきた企業活性化センター/設備貸与・応援ファンド担当
(018-860-5702)まで。
よろず支援拠点 / 後継者不在をはじめ、経営上のあらゆるお悩みの解決を
支援します。
お問い合わせ 秋田県よろず支援拠点(018- 8 60 -5605)まで。
有限会社 藤倉 食品
後継者 不 在 の 悩 み を 解 消
伝統を 守 り つ つ 革 新 す る
廃 業 の 危 機 にあった メーカーを 受け 継ぎ 、
斬 新な アイデ ア で 次々と新 商 品 を 開 発 。
伝 統 の 味 に 、新 たな 光を 当て てい る 。
事業承継アドバイスを利用
就任1年目は、工場に入って製造現場の仕事を学んだ。
横手市の藤倉食品は、約80年にわたり、豆腐、豆腐カ
2年目からは新商品の開発に着手。チョコレートやチー
ステラ、エゴ、コンニャク、ところてんなどを作り続けてい
ズ入りのユニークな豆腐カステラや、創作豆腐を作った。
るメーカー。石井友子社長が現職に就いたのは、2011年。
また、当センターの企業応援ファンドを利用して、秋田
当センターの事業承継アドバイス(マッチングシステム)
県産大豆と比内地鶏の卵、和三盆を贅沢に使った高級
を利用して、前社長から受け継いだ。
豆腐カステラ「ふくら」を開発した。
20人もの従業員を雇用し、黒字経営を続けていた藤倉
食品。しかし、後継者がいなかったことや健康面での不
食べ方、売り方、見せ方を変える
安などから、前社長は廃業もやむを得ないと考えていた。
「豆腐カステラは、県南地方でお茶請けやおもてなし
そんななか、当センターのマッチングシステムを知り、後
の席で食されてきた郷土食。最近は、懐かしの味となっ
継者を探すことに。名乗りを上げたのが石井社長だった。
て地味な存在になっている。そこで、味や包装を変え、新
しい食べ方を提案・発信することで、魅力を再認識して
異業種から食品メーカーの社長に就任
もらいたい。秋田が誇るこうした食文化に光を当ててい
大館市在住で、電気工事会社の専務を務めていた石
きたい」と思いを語る。
井社長。以前から「食」に関心があり、
「食べる」
「見る」
今後は豆腐で作った「とうふのレアチーズケーキ」を東
「作る」が趣味だったという。中でも注目していた食材が
京都内の大手果物店で販売予定。
「タンパク質が豊富で
豆腐だった。栄養豊富なのに低カロリー、軟らかくて食べ
満腹感も感じられる。低カロリーなのでダイエット中でも
やすい豆腐を活用して新商品を開発できないかとイメー
悩まずに食べられる」と胸を張る。
ジを膨らませていた。
斬新な視点から、商品開発を次々手掛ける石井社長。
そしてある日、新聞記事で「県内の企業の多くが後継者
「あきた企業活性化センターの事業を利用することで、
不在に悩んでいる」と知る。自分で何か役に立てることは
毎回背中を押してもらっている」と話す。伝統の味を守り
ないかと、当センターに相談。そのわずか数日後、藤倉食
つつ、果敢な挑戦を続けている。
品を紹介され、
1年じっくりかけて事業承継の話が進んだ。
有限会社藤倉食品
〒013-0061
秋田県横手市横手町字大関越88
Tel.0182- 32- 0792
Fa x .0182- 32- 0723
東京都内の大手果物店で販売予定の“とう
焼きたての豆腐カステラ。職人の手で1つ1つ手
ふのレアチーズケーキ”。
焼きして作っている。
「豆腐カステラは機能的にも優れた食品。ダイ
エットや介護の分野でも勝負できる」と石井社
長は展望を語る。
04
2015.7
- 51 -
ht t p://w w w. ak it a-f ujikura .c om /
地域資源を活用した県内企業や経営革新の承認を受けた県内企業の新商品開
発等の取組を支援します。
センター活用事例
あきた企業
応援ファンド事業
お問い合わせ
あきた企業活性化センター/
設備貸与・応援ファンド担当(018-860-5702)まで。
株式会社 テンジョイ
大手通 販サイトで 大 人気
美味さを追求した本格餃子
素材・味への並々ならぬこだわりが、
年間100万個を売り上げる
餃子を作り上げた。
転機をチャンスに変えて
の声」を集めてきた。その声は、そのままダイレクトに商品
由利本荘市の国道7号線沿いに店舗を構える、中華そ
へと活かす。より美味さを追求する真摯な姿勢が、リピー
ばの店「奥州ラーメン」。外川天平社長が、昭和55年創
ター確保へとつながっていく。
業の店を受け継いだのは平成19年のことだった。それか
そんな折、東京の老舗百貨店から「秋田の隠れた名
ら間もなく、岩城―本荘間の無料区間の高速道路が完
産品を使った、新商品を出品しないか」と声がかかる。そ
成し、店前の交通量は激減。客足も遠のき、経営状況も
こで目をつけたのは、秋田蕗。それも食用として流通して
悪化する。
いる茎ではなく、栄養価が高いながらも独特の苦みやえ
このピンチに、起死回生をかけて外川さんが取り組んだ
ぐみによって、食用にされてこなかった葉の部分だった。
のが、餃 子のネット販 売だった。創業当時から人 気の
試行錯誤の末、目にも鮮やかな「新緑のふき餃子」が誕
あった餃 子をベースに、高級 唐辛子を皮に練り込んだ
生した。
「情熱の赤餃子」、あきたこまちの米粉を使用した「至
福の白餃子」の2種の餃子を売り出した。国産小 麦粉
秋田の食材を活かした新商品開発
100%の手作りの皮に、厳選した国産素材を組み合わせ
「一番大変なのは商品の試作段階」と言う外川社長。
た具の織りなす絶妙な味わい。見た目のインパクトもさ
新商品の開発は、納得のいくまで改良に改良を重ねる。
ることながら、何よりも確かなその味で、紅白餃子は大
国産素材、化学調味料無添加にこだわる分、コストも割
手通販サイト「楽天市場」でもランキング1位に輝くほど
高に。そこで利用したのが「あきた企業応援ファンド事
の人気商品に。テレビや雑誌などで取り上げられること
業」。開発した秋田由利牛・比内地鶏使用の餃子は今秋
も増え、餃子の通信販売「餃子の餃天」としての店名が
からの販売が決定。めでたい紅白の餃子に、全国に名だ
多くの人の知るところとなる。
たるブランド価値を付加することで、カタログなどのギフ
ト展開にも力を注ぐ。また、8月には秋田市広面に「餃子
催事イベントへの出店を機に、首都圏に進出
の餃天」の名で2店舗目をオープン。
「より多くの人に、こ
最近では百貨店などで行われる催事への出展も盛ん
だわりの餃子を食べてほしい」。醤油や日本酒などの調
に行っている。実演販売に加え、試食にも重点を置き、
味料も県産品にこだわり、秋田の素材がふんだんに入っ
「普段聞くことのできない何百・何千というお客さんの生
た餃子には、地元への思いがぎっしりと詰まっている。
株式会社テンジョイ
[ 岩城町店 ] 〒018-1305
由利本荘市岩城二古字草刈道17-1
Tel & Fax. 0184‐73‐3988
[ 広 面 店 ] 〒010-0041
秋田市広面字蓮沼90-1
Tel. 018-831-6788
今年8月にオープンした広面店。大手通販サ
更なる新商品開発に取り組む外川天平社長。秋
秋田蕗の栄養価の高い葉の部分を皮に練り込
イトで大人気の紅白餃子もこちらで食べる
田由利牛・比内地鶏使用の餃子を今秋から販
んだ「新緑のふき餃子」。繁忙期には数ヶ月待ち
ことが出来る。
売。
になるほど。
04
2015.9
- 52 -
http://www.rakuten.co.jp/gyouza-gyouten/
地域資源を活用した県内企業や経営革新の承認を受けた県内企業の新商品開
発等の取組を支援します。
センター活用事例
あきた企業
応援ファンド事業
お問い合わせ
あきた企業活性化センター/
設備貸与・応援ファンド担当(018-860-5702)まで。
株式会社 アスター
アイデアと技術を生かし、
地域の役に立つものづくりを
“下請けのものづくり”から脱却し、
自力で製品を生み、自力で販売先を探る
“開発のものづくり”に果敢に挑む。
自社開発製品で勝負
開するんだ」と。
独創的なアイデアと技術でユニークなオリジナル製品
会社の存続をかけ、アイデアを出し、社員とともに開発
を次々に開発している株式会社アスター。
をしながら、営業を続ける日々。現在の主力製品である
同社の「カシメガン」は、火を用いずに金属を接合でき
LED照明「エナブライト・プロ」シリーズや、単1電池2個
る製品。同社が開発した「強高度カシメ溶接技術」を使
で約200時間点灯可能な卓上LEDランプ「スプーンライ
えば、高温の熱や火花を出すことなく、わずかな電力で
ト」など、さまざまな自社製品が誕生した。
簡単に金属を接合できる。また、今年6月には、新しい
モーターコイルを発表。従来品に比べ3倍の出力があり
悩みや不自由に開発のヒントあり
ながら、省エネを追究して小型化に成功した。
「スプーンライト」開発のきっかけは、東日本大震災。
「社会の変化が激しい今の時代、下請けだけでは先行
停電で避難所生活を送る被災者をテレビで見て、大急ぎ
きが不安。生き残るためには自社開発で勝負していかな
で200個製造。横手市が支援を行っていた岩手県釜石市
ければ」と本郷武延社長。“受け身のものづくり”からの
に無償で提供した。
脱却を掲げる。 当センターの「企業応援ファンド」を利用して開発した
省電力融雪シート「雪どけちゃん®」は、雪下ろしで毎年
自分たちには技術がある
死者も出る冬の悩みを少しでも軽減したいと考案。それ
アスターは、元は本郷社長の出身地、福島県古殿町に
は屋根や玄関、軒下に置くだけの電気式融雪シートで、
本社を置くアスター工業株式会社の秋田工場だった。
工事費用がほとんどかからない。また、超熱伝導シート
1990年に設立され、本郷社長は2002年に工場長として
やニクロム線など熱伝導率の高い材料を用いて消費電力
赴任。その後、リーマンショックから秋田工場の閉鎖が
を抑えた。
「暮らしの悩みや不自由を技術で解消できた
決まったが、
「共に働いた仲間たちの雇用を守りたい」と
ら。地域の役に立ち、地域の人の心を豊かにするものづ
自ら名乗り出て工場を譲り受けた。取引先がほとんどな
くりに挑んでいきたい。」“技術屋”の誇りをかけ、開発に
く、赤字からのスタートだった。
「ダメになるという想像は
情熱を注ぐ。
一切なかった。自分たちには技術がある。その技術で打
株式会社アスター
秋田県横手市平鹿町浅舞字道川北18-3
T EL.0182-24-1377
FAX.0182-24-0611
http://ast-aster.com
小ロットから大規模生産まで対応するフレ
省電力融雪シート「雪どけちゃん®」は、冬の悩
東日本大震災がきっかけで開発された「スプー
キシブルな量産体制。
みを少しでも軽減したい思いから考案。
ンライト」は、被災者を思うシンプルな構造で美
しい。
04
2015.10
- 53 -
地域資源を活用した県内企業や経営革新の承認を受けた県内企業の新商品開
発等の取組を支援します。
センター活用事例
あきた企業
応援ファンド事業
お問い合わせ
あきた企業活性化センター/
設備貸与・応援ファンド担当(018-860-5702)まで。
株式会社八森電子デバイス
ブームの「水素水」で
飛躍のチャンスをつかむ
「 水 素 分 」ブームに乗って 、
生 成器を開 発 。
官民 一 体 で 、業 界 初の 製 品 が 誕 生 。
水素水をどこでも手軽に簡単に
造だった。 タレント、モデル、スポーツ選手等が、健康や美容、アンチ
旧製品は、送電側と受電側の電極を物理的に接触さ
エイジングのために愛飲していることで話題の「水素水」。
せることで通電を行っていた。しかし、電極部分の金属に
電子機器や医療機器を製造する八森電子デバイスは、
水が付着すると、腐食による接触不良で通電不能を起こ
4 年前から水素水生 成器の製 造に着手。当センターの
すクレームが発生した。また、電極部がむき出しの構造
「あきた企業応援ファンド事業」を利用し、業界初となる
であったため、漏電、感電が生ずる危険もあった。結局、
「非接 触 給 電方式」を採 用した携帯型水素水生 成器
旧製品は製造中止となり「今後の柱にと考えていただけ
「サン・ボーテ」を開発した。
に無念だった」と加賀谷貢常務は振り返る。
直径78mm×高さ235mmと持ち運び可能なサイズで
重さは400g。水を注ぎ電源を入れると約1分で水素水
性能・安全性が飛躍的に向上
ができる。塩素除去フィルターを装備し、カルキ臭が苦
その後も開発意欲はあったものの費用がネックになっ
手な方にも対応できるようにした。
ていた。そんな時、
「 企業応援ファンド」の話を聞いた。ま
水素水は空気に触れたり輸送時の揺れで水素が減少
た、同じ頃、秋田県産業技術センターが保有する「非接
するが、
「サン・ボーテ」ならば作りたてで高濃度の水素
触給電技術」を知る。これを機に、旧製品を改良し、新製
水がいつでも飲める。
品として製造・販売する事業を立ち上げた。
新製品は「非接触給電方式」の採用により、接触不良
旧製品から課題をつかむ
の問題を排除。防水性が確保され、安全性、耐久性が飛
同社は、東京に本社を置く電機部品メーカー・ミツミ
躍的に向上した。加賀谷常務は「産業技術センターとの
電機の秋田事業所(潟上市飯田川)の協力工場として
共同開発による『官民一体』の良いモデルができたと思
1985年に創業。以来、下請企業として生き残ってきたが
う。今後の課題は、販路拡大。秋田発の製品として売り
「大手に依存するばかりでは、いずれ立ち行かなくな
込みに力を入れたい」と抱負を語る。水素水ブームを追
る」と、自社製品開発の機会を探っていた。そして4年前、
い風に、新たな一歩を踏み出した。
新たな挑戦として始めたのが携帯型水素水生成器の製
株式会社
八森電子デバイス
秋田県山本郡八峰町八森字家の上166-2
TEL.0185-77-3383
http://www.shirakami.or.jp/~device-2
「ファンドが背中を押してくれたおかげ
で挑戦できた」と加賀谷常務。
水素発生装置製造の様子。人の手で1つ 1
つパーツを製造し、組み立てる。
「サン・ボーテ」は、パーツごとにばらして洗浄可能。
内部を清潔に保つことができる。
- 54 -
2016.4
05
センター 活 用 事 例 [ c a s e 2]
http://dream-s.info
http://www.viewcoat.com
有 限 会 社ビュー
秋田県大仙市戸地谷字川前253-3
Tel. 0187-63-8775 Fax.0187-88-8115
[営業時間]
日本、そして世界中のストレスを癒したい
今後は海外進出に
向けて「各国の法
律や仕様に合わせ
た様々な認証をク
リアしていきたい」
と話す茂木社長。
8:30~17:00 [定 休 日] 日曜日
※その他の休業日は、HPの「営業日カレンダー」参照
手を持ってテーブルを拭く仕草をしたとき「“マウスだ
けれども猫の手”って面白いんじゃない?きっとスト
レス社会の癒しになる」と「ピンときた」という。同様
の商品がないかウェブで調べると「リアルさを追求
した肉球付きマウスはありそうで無かった。
一方、肉
参加 者の声
球ファンは世界中にたくさんいることが分かった」。
それから3年近くアイデアを温め、当センターに商品
化を相談。
「 センターを訪ねるたび、思いを聞いても
らっていろいろアドバイスをもらった。おかげでイ
メージが固まり、これはいけると確信した」。26年に
有 限 会 社ビュー
企業応援ファンドに採択されてからは、県産業技術
センターの協力を得、3Dプリンターで形状を試作す
ること11回。苦労したのは、愛らしい丸みのある猫の
企業応援ファンドの
手に形作ることと肉球の感触。昨年秋のプロトタイ
採択を受けて開発したのは、
プ完成ぎりぎりまで試行錯誤を続け、納得の仕上が
リアルな肉球付きパソコン用マウス。
りを追求した。
全国から注文殺到
国や言語、肌の色を越える商品に
大仙市のカー用品会社「有限会社ビュー」が開発
同社の本業は、自動車用コーティング 剤の開発、
したのは、猫の肉球付きパソコン用マウス「プニティ
製造、販売、施工。コーティング剤の開発は、調合作
マウス」。今年1月からクラウドファンディングで出資
業の繰り返しで、この経験が肉球の素材開発・製造
者を集めたところ、テレビやウェブニュースなどで取
に役に立った。中にジェルを入れ、外側を不粘着性シ
り上げられ、発売前から予約が入るほど。3月31日の
発売以降、全国の猫好きから注文が殺到している。
「生後6カ月くらいの子猫の“ぷに感”を再現した」と
貨店から声がかかって出店。こうした反響の大きさ
の感触は、本物そっくりだ。
「仕事でストレスを感じた
ら、肉球をぷにぷにして心を和ませてほしい」と話す。
に「自分が一番驚いている」と目を丸くする。
今後は、海外進出も視野に「猫好き、肉球好きは、
国や言語、肌の色を越えて繋がることができる。世
形状と感触をとことん追求
開発のきっかけは、猫に行なった何気ない動作か
ら。2匹の猫と暮らす茂木社長。平成23年、飼い猫の
B
に強い耐久性を実現した。
発売直後にも関わらず、東京銀座や大阪梅田の百
茂木晃正社長。ぷにぷにの弾力と、しっとりとしたそ
A
リコンカバーで覆うことで、ぷにぷに感と汚れや破れ
C
界にはまだまだ、ぷにぷにの癒しを必要とする人が
たくさんいるはず」と、柔らかな肉球に堅い決意を込
める。
A 多くのリクエストに応
えて、
追加した黒タイプ。
B 産経新聞に取材され、
紙面に大きく掲載された。
C 平成15年の発売以
来、
バージョンアップを繰
り返し、ロングセラーと
なっているガラス系コー
ト剤
「ニュービーム」
。
- 55 -
事業概要
あきた 企 業 応 援ファンド 事 業
地 域 資 源を活用した県内 企 業や経 営革 新の承 認を受
けた県内企 業の新商品開 発 等の取 組を支 援します。
お問い
合わせ
あきた企業活性化センター
設備貸与・研究開発資金担当
TEL 018-860-5702
AKI TA
2016.8
05
センター活用事例
あきた農商工
応援ファンド事業
農林漁業者と中小企業者等が連携して取り組む県産農林水産物を活用した新
商品開発や、その販路開拓などの取組を支援します。
お問い合わせ
あきた企業活性化センター/
設備貸与・応援ファンド担当(018-860-5702)まで。
合 資 会 社 エコニコ農 園
ブ ルーベリ ー の
栽 培技術を 確 立
安心安全と、おいしさにこだわった
農薬不使用、樹上完熟のブルーベリー。
その栽培技術と品質は、高く評価されている。
生で食べておいしい果実
労力は惜しまない。
たざわこ芸術村内にある「エコニコ農園」は、5ヘク
今では、そうした姿勢が高く評価され、エコニコ農園
タールの転作田で20種・約1万本(うち成木は900本)
で近隣のブルーベリー農家との勉強会が行われている。
のブルーベリーを栽培する農業法人。収穫期である7月
また、12年には「日本ブルーベリー協会」の全国大会が
は、生の果実を出荷するほか、果実の摘み取り体験を行
たざわこ芸術村で行われ、全国のブルーベリー農家500
い、
「甘くておいしい」と来場者に好評。また、果 実を
人が視察に訪れた。
ジャムや、砂糖不使用で煮詰めた「キャンディード」に加
工し、通年で販売している。
ブランド化、加工品開発に取り組む
「そのまま生で食べてもらうと、よりおいしさが分かる
近年は、より付加価値を高めようと、加工品の開発にも
はず」と大和田しずえ専務・販売部長が胸を張る自慢の
力を入れている。当センターの「農商工応援ファンド」を
果実「あきたパールベリー」は、大きいものだと500円玉
利用し、秋田県産米をウェブ販売する「こめたび」とのコ
の直径を越える。完熟でみずみずしく、驚くほど甘い。
ラボレーションで、商品のブランド化や、低糖度ジャム、
「全くの素人」から栽培を始める
キャンディードの新商品開発などを行った。
「 加工品がそ
ろったことで、さらに可能性が広がった。これからも生産
栽 培を始めたのは2 0 0 3 年から。たまたまブルーベ
者として一層頑張らねばという思い」と笑顔を見せる。
リーの摘み取りの新聞記事を目にして「面白そうだから
エコニコ農園の熱意に影響を受け、ブルーベリー栽培
やってみようと。ところが全くの素人で、ブルーベリーの
を始めた農家もいる。その人 数は年々増え、12年には
樹すら見たことのない状態だった」。自分たちで試行錯
JA秋田おばこブルーベリー部会が発足するまでに。今で
誤するなか、横田清・岩手大学名誉教授の指導を受け、
は、大仙市、美郷町などで30人以上が栽培に取り組ん
研究を重ねて独自の栽培方法を確立した。
でいる。また、東京の有名ホテルの総料理長が自ら作る
こだわりは、栽培を始めて以来、徹底する農薬不使用。
ケーキに「あきたパールベリー」が使用されるなど、エコ
肥料は、微生物発酵肥料を使用。害虫が発生したら一匹
ニコ農園の快進撃は続いている。
残らず手で取り除くなど、安全安心を守るためには時間と
合資会社エコニコ農園
〒013-0481
秋田県仙北市田沢湖卒田字早稲田390
たざわこ芸術村内
Te l & Fax.0187-44-3929
果 皮をおしろいのように覆う、真っ白なブ
収 穫した 果 実は、1粒1粒、人の 手で 選 別して
農商工応援ファンドを利用して開発した商品と
ルームは、果実の鮮度の良さと甘さの証。
パック詰めする。ブルームをなるべく落とさな
パンフレット。商品は左から「キャンディード ご
いよう、慎重に作業する。
ろごろ粒入り」、
「キャンディード 無糖」。
- 56 -
2015.8
05
センター活用事例
有限会社 冨岡商店
事業の解説
樺細工の美を角館から世界へ
「使い継ぐ生活道具」
の価値を伝える産地問屋
知財総合支援窓口事業
県内中小企業等が抱える知的財産権に関する悩みや課題
にワンストップで対応するとともに、知財の有効活用を促
進するため、
「 知財総合支援窓口」を設置し、知財を活用し
た事業化を支援します。
[制度の利用・お問い合わせについて]
あきた企業活性化センター/知財・研究管理担当まで。
オリジナルブランド
「art KABA 」
を立ち上げ、
一流ブランドも認める
「生活道具」
をプロデュース。
角館に伝わる伝統工芸に現代の息吹を吹き込んでいる。
世代を超えて
“使い継ぐ”
ことの意味
国指定伝統的工芸品である樺細工をメインに、工芸
品の企画デザインから製造販売までを行っている冨岡
商店。
昭和45年、
冨岡浩樹社長の先代が、
廃業した樺細工
問屋の菊地商店を継承して設立した会社である。
樺細工
は、
歴史・製法・品質・原材料いずれにおいても希少な価
値があり、
一つ一つが手作りの高価なもの。
冨岡社長は、
「手仕事の逸品を直しながら世代を越えて大切に使う。
そういう文化を守り伝えていきたい」
と語る。
それは、
家
族の絆を結び、
職人が生かされ、
感性を養い、
伝統を育む
土壌となる。
そのことを知っている冨岡社長には
「樺細
工を絶対に守る」
という強い使命感がある。
経営の覚悟を決める
「商標登録」
平成17年、
「アート&クラフト香月」
として、
武家屋敷
通りから少し奥に入ったところに本店を移転オープン
し た 。ま た 、平 成 2 3 年 に は デ ザ イ ン ブ ラ ン ド「 a r t
KABA」
を立ち上げ、
インテリア雑貨としての樺細工製
品を発表。これからはブランド力を強化する必要があ
ると考え、
あきた企業活性化センターの
「知財総合支援
窓口」
に相談して
「TOMIOKA」
及び
「art KABA」
の2件を
国内で商標登録した。
続けて、
販売が好調な中国での足
固めを図るためこの2件の商標を同国へも申請中であ
る。
「ブランドを守るということだけでなく自社商品の
品質を磨き続けるという意味もあります。知財総合支
援窓口で申請方法などを指導いただき、
助かりました」
(冨岡社長)
モダンでおしゃれな
「アート&クラフト香月」
の店内。
樺細工だけでなく、着物地の
リメイクコート、
南部鉄器、
漆製品や杢目銅のアクセサリーなどが陳列されている。
世界に通用する品質とデザイン
「art KABA 」は、秋田杉や塩化ビニル樹脂などの異
素材を組み合わせた、
モダンでユニークなデザインが
特長。平成24年、この商品群をひっさげてドイツで開
催された国際見本市に出展した。そこで起きたのは、
あのクリスチャン・ディオール社からオファーを受け
るという、思いもしなかった出来事だ。樺細工と曲げ
わっぱをコラボしたトレイを納入することになった
のである。
冨岡社長の着眼の良さが実証された瞬間と
も言えよう。また、デザイン力だけでなく職人さんた
ちの高い技術と創る意欲がその品質を支えている。
同
社では製造の外注先を38軒持っていて、
生産されたも
のは100%すべて買い取るという方針を貫いている。
だからこそ作り手のモチベーションが高く、
技術の研
鑽にもつながっていくのだ。角館から世界へ。樺細工
の中にある深い価値は、
これからも国境を越えて人々
を魅了するに違いない。
有限会社 冨岡商店
[営業本部]〒014-0202 秋田県大仙市上鶯野字熊野71番地3
Tel:0187-56-3239/Fax:0187-56-3826
http://tomioka-shoten.co.jp/
[アート&クラフト 香月]〒014-0325
秋田県仙北市角館町東勝楽丁2番地2
Tel:0187-54-1565 http://ac-kazuki.jp/
営業時間/9:00~17:00
円筒をT字型に組んだシンプ ディオールに納入したトレイ。
ルなデザイン。
「stick」と名付 写真左が「kasanegasane」、右が「KAIKA」。樺細工
け ら れ た こ の 一 輪 ざ し は 、 と曲げわっぱの組み合わせが美しい。
ヒット商品の一つである。
04
BICAkita
2014.5
原料である山桜の樹皮を採取できる人
材の確保も課題」と語る冨岡社長。角館
工芸協同組合で採取方法を収録した
DVDを制作しており、業界をあげて技
能と後継者の育成に取り組んでいる。
- 57 -
センター活用事例
知財総合支援窓口事業
県内中小企業等が抱える知的財産権に関する悩みや課題にワン
ストップで対応するとともに、知財の有効活用を促進するため、
「知財総合支援窓口」
を設置し、
知財を活用した事業化を支援します。
自社開発技術で
目指せ、
特許取得!
[お問い合わせ]
あきた企業活性化センター/
知財・研究管理担当(018-860-5614)まで。
株式会社リミックス
自社の技術で特許を取得しようと、
技術者たちが立ち上がった。
特許申請を通して社内に起こった変化とは-。
暮らしに役立つヒーターを製造
電子セラミックを応用した製品を製造する企業と
して2002年に設立された株式会社リミックス。現在
は、半導体セラミックスの1種、
「PTCサーミスタ※」の
発熱特性を利用した温風ヒーターの設計・生産・販売
を行っている。同社の製品は、浴室の乾燥・暖房、衣類
乾燥、食器洗い乾燥機、ジェットタオル、自動車用補助
暖房、
電気自動車用暖房などに用いられている。
同社の強みは、材料や部品から、
「PTCサーミスタ」
を全て自社で製造できること。機能性に優れた高品質
の製品を生み出している。安価な海外製ヒーターが出
回る中、日本製「PTCヒーター」の数少ないメーカーと
して顧客の信頼を築いている。
特許申請はたっての願い
主力製品である絶縁型PTCヒーター。内部が真空になっていて、水分のある場所
でも絶縁性を保つ性質がある。用途として主に浴室乾燥・暖房用ヒーターに使用
されている。
してもらった。時間を無駄にすることなくスムーズ
に出願できた」と話す。
“特許申請”で得られた効果
申請にあたっては、
「自分たちが日ごろ行っている
製造技術に、特許性はあるのだろうか?」との不安も
今回の特許申請は、同社の技術担当者たちのたって
あった。
そこで、
まずは
「知財総合支援窓口」
にメールで
の願いでもあり、
「PTCサーミスタ」の性能向上技術に
それを機に、
特許の基礎知識や調べ方について
関して2件の特許を出願した。その際に利用したのが、 相談し、
を受けた。
その後、
「弁理士派遣相
当センターの「知財総合支援窓口」だ。
「昔は特許の申 「出前特許セミナー」
談」
を利用し、
同社の開発技術に特許性があり、
他社の
請というと、申請可能かどうかの調査から書類の作
成、弁理士への依頼まで全部自分たちで行っていた。 特許技術を侵害する可能性も低いとの助言を受けて出
願に踏みきった。
「“特許を取りたい”という希望が一歩
それは我々技術者にとって、時間や労力のかかる大変
前進し、
技術担当のモチベーションは確実に上がった。
な作業だった」と株式会社リミックスの神原正治社長
また、
知的財産に対する社内の意識も向上した。
会社と
は振り返る。
「それが今回、知財総合支援窓口を利用す
しても、
特許に結びつく製品を作っているということ
ることで、事前調査から特許申請まで手厚くサポート
※PTCサーミスタ…温度センサー機能を持つ電子材料。
温度が上がると抵抗値が急激に増大し
で信頼性が高くなる。
今後も新たな特許申請を目指し
(電流が流れにくくなり、
温度の上昇を抑えられる)
、
逆に温度が下がると電流が流れやすくな
る性質がある。これらの性質を利用して、温度を一定に保つ発熱体(ヒーター)や、電流を制限
て技術を磨いていきたい」
と神原社長。
申請を機に、
“技
するための部品、
温度センサーなどとして、
さまざまな分野で使用されている。
術者魂”は一層熱く燃えている。
株式会社リミックス
〒018-0301秋田県にかほ市飛字餅田13-9
Tel.0184-32-4660 Fax.0184-32-4661
http://www.j-limix.co.jp/
[本荘工場]
秋田県由利本荘市三条字三条谷地35-1
[秋田工場]
秋田県横手市平鹿町中吉田字下藤根34
本荘工場の製造ライン。自社製造の 「シリコン充填」の作業風景。それぞれの工程 「特許を狙える技術は、まだまだ出てくる可能性
「素子」と部品を組み立てて、各種検 を作業員が1つ1つ丁寧に進めていく。
がある」
と期待を寄せる神原社長。
査を経て出荷となる。
04
BICAkita
2015.1
- 58 -
センター 活 用 事 例 [ c a s e 2]
旬菜 みそ茶 屋
くらを
http://kurawo3710.wix.com/kurawo3710
横手市増田町増田字中町64 / Tel.0182-45 -3710
[営業時間]
10:00-16:00 / ランチ 11:30-14:30 / 朝ごはん 8:00-10:00
[ 定 休 日]
水曜日
※2、5、9の付く日
オリジナル「米麹茶」で「麹」の新たな味わい提案
女将の鈴木さん。
「この飽食の時代
にこそ、昔ながら
の家庭の味、
発酵
食 品の素晴らし
さを訴えたい」
「米麹茶」の商品化を計画
くらをの女将の鈴木百合子さんは「麹を毎日の食
事に手軽に取り入れられないか模索する中で、コー
ヒーのような感覚で麹を飲み物にできないかと考え
た。麹菌は熱を加えると死滅するが、抗酸化作用は
変わらないと知り、ノンカフェインの体に優しい飲
み物として開発することにした」と話す。納得の味を
目指して試行 錯誤すること1年半。完成した「米麹
旬菜みそ茶屋 くらを(羽場こうじ店)
茶」を店内でドリンクとして提供するほか、希望者に
は煎った麹の販売も始めた。今後は、本格的に商品
化を計画しており、当センターの知財総合支援窓口
秋田県の県南に受け継がれてきた
豊かな発酵食文化。その素晴らしさを見直し、
伝承しようと奮闘している。
を利用して、商標登録やラベルデザイン等の準備・
制作を進めている。
地域の味、家庭の味を伝承する
麹や味噌を使った料理を提供
鈴木さんは羽場こうじ店の次女。子供のころから
明治時 代から昭和初期に商人が 築いた街並み
麹や味噌の味に慣れ親しんできた。
「 昔は、味噌も
や内蔵が今も残る増田町の中七日町通り。ここの
漬物も料理も、麹を使うメニューが各家庭にあった。
国登録有形文化財、旧勇駒酒造を改装して平成25
しかし、効率やスピードを重視するにつれ、麹を使
年にオープンした「旬菜みそ茶屋 くらを」は、増田
う人が少なくなった。漬け物や味噌汁、お醤油やみ
町羽場の味噌・麹醸造元「羽場こうじ店」が営む食
りんなど、麹から作られる味わいは“食のふるさと”
事処。大正7年の創業当時から変わらない製法と味
だと思う。」自身、体調を崩した時、回復のきっかけ
を守る自慢の麹や味噌、旬の食材を使った定食や
になったのは実家の母が作った味噌汁だったとい
喫茶メニューが味わえる。
う。
「 心身に染み渡り、何よりの力になった」と振り
その中に珍しい商品がある。麹を焦げ色が付くま
返る。
で煎って作った「米麹茶」だ。煎った麹の見た目は玄
くらをで 調理を担当するのは、何十年も台所に
米茶に入った煎り玄米に似ているが、味は独特。お
立ってきた家庭料理の「匠」こと地元の母さんたち。
湯を注いで 飲むと、米麹独特の優しい甘みと香ば
味噌汁は、訪れるお客様毎に1杯ずつ丁寧に作って
しさがじんわり広がる。
いる。発酵食文化を後世に伝える役を担いながら、
ホッとする味でお客様をもてなしている。
A
B
A 味噌や麹、漬物、甘
酒、塩 麹など、羽場こう
じ店の商品の販 売も。
名物「味噌キャラメルソ
フト」
も味わえる。
B くらをの味噌汁は、
地元の母さんたちが作
る“家庭の味”がベース。
旬の野菜を使い、
実に合
わせてだしを変える。
- 59 -
事業概要
知財総合支 援 窓口
特 許・商 標 等の出 願 やライセンス契 約 、知 財 紛 争など 、
知的財産に関する悩みや課題の解決を支援します。
お問い
合わせ
あきた企業活性化センター 総務相談グループ
知財・デザインセンター担当
TEL 018-860-5614
AKI TA
2016.5
05
センター 活 用 事 例 [ c a s e 2]
株式会社
ホワイトシード(ビューティフルカーズ) https://www.beautifulcars.biz
秋田県秋田市広面字土手下13-4 / Tel.018-874-9486
[営業時間]
10:00-19:00
[ 定 休 日]
月曜日、第2・第4日曜日
秋田発の洗車ビジネスに挑む
「当店で洗車を受
けて 、お 客 様 が
感激して喜んでく
れている様 子を
見るとうれしい」
と村上篤社長。
昨年には屋内洗車場を備えた新店舗が完成した。
新車以上の輝きに
「車のボディは硬く丈夫だと思われがちだが、実際
は非常にデリケート。普通に洗車をしてしまうと、無数
の細かな傷がつく。他にも水道水に含まれるミネラル
分が付着する水ジミなど、
洗車やお手入れの方法を間
違うとあっという間に傷だらけ、汚れだらけになってし
まう」。ゴシゴシと塗装面をこする洗車はNG。晴れた
株 式 会 社 ホワイトシード
( ビューティフルカーズ )
日の洗車も水ジミの原因になるので避けたほうがいい
という。また、
「『何年か乗ったら塗装面の細かな傷は、
当然ついてしまうもの』とか『数年経てば新車の輝き
は戻らない』と諦めている人が多いが、これも誤解。
無数の傷に覆われた車でも、
我々の技術で洗車すれば、何年でも新車の美しさを
息を呑むような、つややかな輝きに。
保てるし、傷んでしまった車でも磨けば新車以上の輝
愛車を美しく変身させる専門店がある。
きがよみがえる。正しい洗車は力を入れない優しい洗
車なので、結果的にお手入れも楽になる」と胸を張る。
“洗車”に特化した専門店
オリジナル「洗車用純水器」を開発
秋田市広面で洗車・磨き・コーティングの専門店
「ビユーティフルカーズ」を営む「ホワイトシード」。
ビューティフルカーズでは、水道水による水ジミを
洗車・磨き・コーティングに特化した専門店は、県
防ぐため、ミネラル分を除去した純水で洗車を行う。
内では稀有な存在だ。
そして、お客様が家庭でも純水で洗車ができるよう
ポリシーは「『美しいクルマと共に暮らす。』喜び
に、オリジナルの洗車用純水器を開発。当センター
をお届けすること」。技術・実 績の確かなプロが施
の知財・デザイン担当アドバイザーのサポートのも
工を行うことはもちろん、お客様が正しく洗車でき
とで試作を重ね、実用新案も取得した。現在はテス
るようにサポートにも力を入れている。村上篤社長
ト販売中だが、今後は製造を外注して増産し、店頭
は「間違った方法で愛車のお手入れをしている人が
やインターネットで販売する。
「 美しいクルマと共に
多いことに気がついた。正しいお手入れ方法を普及
暮らす。」喜びを届けるために情熱を注ぐ村上社長。
させたいと思った」と起業の理由を語る。
このビジネスを軌道に乗せ、
「 雇用を増やし、地元
村上社長は自動車業界で20年の経験を積み、老
秋田を元気にしたい」と夢を語る。
舗専門店で洗車・磨きの技術を習得。さらに独自に
研究を重ね、ホワイトシードを設立したのが2012年。
A
B
A オリジナルの洗車用
純水器。
形状、
コスト、
使
い勝手など様々なことに
配慮し、1年以上かけて
納得のいく形に仕上げた。
B 車の塗装面。
左は水
道水の水ジミが付着し
た状態。右は、純水を使
用する同社の洗車後。
- 60 -
事 業 概 要1
知財総合支 援 窓口
特 許・商 標 等の出 願 やライセンス契 約 、知 財 紛 争など 、
知的財産に関する悩みや課題の解決を支援します。
事 業 概 要2
産 業 デ ザインに 関 する助 言
産 業デザイン、製品開 発、マーケティング等についての
専 門 的な 助 言やデ ザイナーとのマッチング 、コーディ
ネートを行います。
お問い
合わせ
あきた企業活性化センター 総務相談グループ
知財・デザインセンター担当
TEL 018-860-5614
AKI TA
2016.6
05
組織体制(平成28年度)
評議員会
理事会
理事長
専務理事
事務局長
プロジェクトマネージャー
総務相談グループ
経営支援グループ
■総務・企画担当
■販路拡大・ものづくり支援担当
○総務、経理
○受発注企業のマッチング
○広報、情報誌の発行
○商談会の開催
○企画・調整
○企業間取引におけるトラブルの相談
■知財・デザインセンター担当
○県内企業が有するコア技術の発掘から事
○知的財産権活用の支援窓口
○知的財産権の啓蒙・普及
○産業デザインに関する助言
(あきた産業デザイン支援センター)
■総合相談担当
○経営課題の解決に向けた支援制度の紹介
○移動相談所の開設
○専門家の派遣
○創業支援・創業支援室の提供
■秋田県よろず支援拠点
○秋田県内の中小企業・小規模事業者のた
めの経営相談
■秋田県プロフェッショナル人材戦略拠点
○プロフェッショナル人材の採用を支援
業化までの一貫支援
○自動車関連事業者の支援
○食品事業者の支援
■設備貸与・研究開発資金担当
○設備の割賦販売・リース
○地域資源を活用した新商品開発等の助成
金
○農林漁業者と中小企業者等の連携による
新商品開発等の助成金
○競争的研究資金事業の管理
■アクセス
■交通機関のご案内
秋田中央交通バス
JR秋田駅より県庁・市役所方面行きのバスで県庁第二庁舎前下車徒歩1分
タクシー
JR秋田駅より約10分
■お問い合わせ先
〒010-8572
秋田県秋田市山王三丁目1-1 秋田県庁第二庁舎2階
TEL:018-860-5603(代表) FAX:018-863-2390
URL:http://www.bic-akita.or.jp/
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