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参考5 省エネルギーの全国事例

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参考5 省エネルギーの全国事例
参考5
省エネルギーの全国事例
29
1.産業部門における省エネルギー事例
.施設名
電気機械器具製造業
・乾燥炉表面からの熱ロスが大きい。
現状の問題点
・空気圧縮機の電力消費が大きい。
・排出ガス中の節炭器が故障で使われておらず排出ガスが持つ
熱が回収されずに捨てられている。
①乾燥炉の保温断熱を強化
乾燥炉の外壁表面温度は平均 70℃前後、室内温度 30℃である
が、保温の強化により表面温度を平均 50℃まで下げると温度
差が 20℃に半減する。
LPG の節減量=79.6 トン/年(4,400 千円/年)
②空気圧縮機のインバーター制御の導入
工場のスクリュー型空気圧縮機の低負荷時の容量調整を改善
改善対策と効果推定
するため、インバーター制御を導入することで負荷率を低下で
きる。
電力の節減量=160.8MWh/年(1,800 千円/年)
③排出ガス中の節炭器の修理または取替えによる熱回収
排ガス温度が 330℃と高温であり節炭器の修理・取替えにより
熱回収を計る。ボイラー効率は節炭器を設置した状態で 94%
(設計値)
、現状の節炭器のない状態で 85 として
LPG の節減量=5.3 トン/年(840 千円/年)
備考
合計省エネルギー率
30
6.4%
.施設名
現状の問題点
水道業
・暖気用ファン風量制御ができない。
・流動床燃焼炉の効率がよくない。
①曝気用ファン
最大電力を押さえるため、曝気用送風機を数時間にわたり停止
する事があるとのことなので、例えば 1 時間インターバルの稼
働時間制御と台数制御の組み合わせ運転により少ない投資で
効果を上げることができる。
電力の節減量=約 1,000MWh/年(約 9,160 千円/年)
②リジェネレイティブバーナによる流動床燃焼炉の効率向上
流動床燃焼炉の年間重油使用量は 1,300kl であり、リジェネレ
改善対策と効果推定
イティブバーナの効率は 20%~25%良くなる。
重油の節減量=293kl/年(9,317 千円/年)
③暗渠内非使用時の消灯
安全確保の為に暗渠内を常時照明しているが、入り口のみ常時
点灯し、他は必要時(作業、点検)のみ点灯するようにする。
暗渠内蛍光灯 600 本、点検等で点灯する時間を全体の 5%(年
間 438 時間)とする。
電力の節減量=0.04kW×600 本×(8,760-438)H
=199,728kWh
備考
その他の改善効果も含め
事業所全体省エネルギー率
31
12.4%
.施設名
化学工業
・熱媒体の加熱用電気ヒーターは熱効率が低い。
現状の問題点
・冷凍機の冷媒凝縮器の運転に無駄がある。
・ボイラー押込み通風機は負荷に見合う運転管理がなされてい
ない。
①電気ヒーターを灯油燃料の加熱炉に変更
電気ヒーターより熱効率の良い燃料(たとえば灯油)を使用す
る加熱炉に変更する。単位熱量あたりのコストが改善され、電
力量の減少により契約電力も節減できる。
電力節減量=2,380,000kWh/年
灯油消費量(増)=230kl(差分 14,900 千円/年)
効果=28,800 千円/年
(契約電力節減額=13,900 千円/年を含む)
②冷凍機冷媒凝縮器用の冷却水温度低下による動力の節減
改善対策と効果推定
冷媒凝縮器を出た冷却水をクーラーに直列に流す配管変更を
行って水を再利用することにより冷媒凝縮器に供給する冷却
水の温度を低下させる。10℃下がれば動力は 10%削減可能で
ある。
電力節減量=65.1MWh/年(1,200 千円/年)
③ボイラー押込み通風機のインバーター回転数制御による動
力費節減
風量 40%の出口ダンパー制御(現状)では定格電力の 77%と
なるが、電動機のインバーター制御を行うと電動機、インバー
ターの効率を 80%、90%として入力電力の割合は 8.9%となる。
効果=36.7MWh/年(340 千円/年)
備考
合計省エネルギー率
32
9.8%
.施設名
木材・木製品製造業
・本工場には 44 台の送風機、14 台の集塵機、19 台の油圧ポ
現状の問題点
ンプがあり、低負荷時または不要時にも運転されていて動力
に無駄がある。
・焼却炉の排ガスは利用されないで捨てられている。
①送風機および集塵機の不要時停止、インバーターによる減速
運転
回転機の動力は回転数の 3 乗に比例する特性があり、インバー
ターにより回転数を下げれば動力が減少する。送風機では
電力の節減=508,900kWh/年
また集塵機では
電力の節減=173.4MWh/年(2,000 千円/年)
改善対策と効果推定
②排ガス温度管理、廃熱回収
焼却炉と第 2 工場の乾燥炉は比較的に近い距離にあり、焼却炉
で発生した排熱を乾燥炉に再利用する。排ガスの顕熱の 10%
が回収できると重油換算で現在消費している重油よりも多く、
少なくとも消費している量の 3 分の 2 が回収できると考えられ
る。
重油の節減量=現在利用している重油の 2/3
=200kl(7,000 千円/円)
本工場での省エネルギー量はその他、空気圧縮機の台数制御に
備考
よる動力削減、照明設備の改善等を含めて
合計省エネルギー率
33
12.4%
.施設名
非鉄金属製造業
・小人数を配して炉を監視するのが主な作業となる夜間に全館
空調を行うため、電力の無駄が発生している。
現状の問題点
・冷却水ポンプおよび給排気ブロアは負荷に見合う運転管理が
なされていない
・コンプレッサー吐出圧力が高い。
①夜間空調の見直し
夏期は監視室の空調と現場の若干の冷房、冬期は監視室のみ冷
房(炉の廃熱利用)すれば充分となる。夜間冷房消費電力につ
いて夏期では 400kW であり、1/4 まで下げる。また冬期は
100kW すべて停止する。
電力節減量=535,9MWh/年(5,000 千円/円)
②インバーターを採用した回転数制御による省電力
冷却水ポンプの吐出弁を全開にすることにより、
吐出圧を 20%
低下できるとする。吐出圧は回転数の 2 乗に比例し、動力は回
改善対策と効果推定
転数の 3 乗に比例するため動力は 70%に下がる。
電力の節減量=23.8MWh/年
空調・冷凍設備の給排気ブロアをインバーター制御に切り替え
ることにより、約 20%の省電力が期待できる。
電力の節減量=340MWh/年(4,200 千円/年)
③コンプレッサー吐出圧力の低下
コンプレッサーの消費電力は吐出圧力にほぼ比例し、圧力を
1kg・f1/cm2 に下げると役 8%(吐出圧力 7kg・f/cm2 時)の電
力が削減になる。
電力の節減量=36.0MWh/年(450 千円/年)
備考
その他の改善を含めて
合計省エネルギー率
34
14.1%
.施設名
精密機械器具製造業
・スクラバーファンは原則 24HR運転であり、動力としてか
なりのエネルギーを消費している。集塵機についても 5 台中
現状の問題点
1 台を除き動揺に消費が多い。
・空気圧縮機の送気量が夜間にもかかわらず多く無駄な電力消
費がある。
・電気加熱設備からの熱損失が多い。
①スクラバーファン、集塵機、ポンプのインバーター制御
スクラバーファン、集塵機をインバーター制御し、送風量の平
均 10%を削減する。動力は送風量の 3 乗に比例するため、動
力は 72%(28%削減)となる。
改善対策と効果推定
電力の節減量=611MWh/年(1,900 千円/年)
(値がおかしい可能性があります)
ポンプについてはインバーター回転数制御とし、水量の 10%
を削減するとしてエネルギー削減割合は入力の 28%となる。
電力の節減量=90MWh/年(1,000 千円/年)
②空気圧縮機の夜間での運転台数見直しによる電力の再現
夜間は 100kW1 台、90kW1 台の 2 台で運転しているが、30kW
と 90kW の配管はバルブを介して接続されており、さらに
100kW の配管も連結することによって夜間に 37kW1 台のみ
の運転可能性がある。
電力の節減量=441MWh/年(4,900 千円/年)
35
③電気加熱設備の運転改善による電力の節減
焼鈍用電気炉は 6 台が使われている。熱損失を抑えるため炉体
の放熱損失量などを算定して損失量を最小限に抑制すべきで
ある。対策によって 20%の節電ができるとすれば
電力の節減量=236MWh/年(2,600 千円/年)
高周波るつぼ型誘導炉は炉の上部が開放されており熱損失が
大きい。800℃以上では輻射伝熱の割合が大きくなるので上部
の熱損失を輻射損失のみとする。対策によって損失電力の半分
を回収できるとして
電力の節減量=10.4MWh/年(120 千円/年)
備考
合計省エネルギー率
36
16.9%
.施設名
金属製品製造業
・伸線機用および撚線機用に三相誘導モータが多数あり、全電
力消費の 6 割と多い。電力節減のため改善の余地がある。
現状の問題点
・第一めっき工場めっき槽からの放熱が多い。
・洗浄槽用エマルジョンチューブバーナは空燃比コントロール
不充分である。また排ガスはエネルギー効率の悪いエジェク
ターと使用している。洗浄槽からの蒸発潜熱が大きい
①電動機のインバーター制御による電力の節減
伸線機用および撚線機用に三相誘導モータが多数あり、インバ
ーターを用いることにより電力が少なくとも 10~20%節減で
きると考えられる。負荷変動率の大きな電動機にインバーター
を組み込むことにより 10%の節減が見込まれる。
電力の節減=739MWh/年(6,900 千円/年)
②第一めっき工場鉛槽天井外面の断熱によるブタンガス消費
量の節減
めっき槽からの放熱を減らすため断熱材を追加し、使用してい
改善対策と効果推定
るブタンガスの消費量の節減をはかる。外気は 30℃とし、天
井外壁 100℃→50℃、出口ふた 160℃→80℃とする。
ブタンガスの節減量=40 トン/年(2,300 千円/年)
③洗浄工場過熱炉燃焼効率改善による灯油消費量の節減
・空燃比コントロールバーナーを使用。
・押込みブロワーを使用し、エジェクターを廃止。
・洗浄槽にプラスチックボールを浮かべ、製品のハンドリング
性を配慮するとともに蒸発熱の削減。
などの対策を実施することにより現在使用している灯油消費
量の半分を節減する。
灯油の節減量=59kl/年(1,700 千円/年)
本工場での省エネルギーはその他、空気圧縮機の台数制御によ
備考
る動力節減、照明設備の改善等を含めて
合計省エネルギー率
37
9.8%
.施設名
電気機械器具製造業
・ボイラーは空調の調湿だけのために稼働させており不経済で
現状の問題点
ある。
・コージェネの排熱が利用しきれていない。
・大きな空きフロアがあり空調負荷が大きい。
①空調の調湿をボイラー方式から噴霧方式への変更によりA
重油の消費量の削減
現状ボイラーが調湿のためだけに使用されている。噴霧方式に
よりボイラー用の燃料が不用になる可能性があり、年間消費分
が削減しうる。
A 重油の節減量=217kl/年(6,300 千円/年)
②コージェネの排熱を冷房に活用することにより電力の削減
コージェネから生じる温水の内、現在暖房等に利用されている
改善対策と効果推定
分は 50%を割っている。一方冷房には多くの電力を使用して
いる。コージェネから発生する熱の 50%を活用すると
電力の節減量=298MWh/年(4300 千円/年)
③クリーンルーム空きフロアの空調対策
クリーンルーム内に大きな空きフロアがあり、長期にわたって
空くようなら空調の省エネの対象となる。簡易間仕切りなどの
設置により 1RT(=3,024kcal/h)の冷熱が節約できたとす
る。
電気の節減量=10.3MWh/年(150 千円/年)
備考
合計省エネルギー率
38
7.9%
施設名
化学工業
・工場棟と事務棟の全館を空調しており電力消費が多い。
・休日の消費電力が多い。
現状の問題点
・自動化ラインは通常作業者がいないが照明で明るく無駄な電
力を使っている。
・電算機室の冷房で中間期、冬期においても外気の取入れがな
く電力消費量が多くなっている。
①局所空調の実施
作業場所が定まっているのでスポット空調が有効である。可搬
型空調機又はダクトによる局部空調を行い、全館空調をとめる
ことができる。工場等での局所冷房採用により 50%が節減可
能と考えられる。
電力の節減量=367.9MWh/年(5,500 千円/年)
②休日の消費電力
本工場では休日におよそ 10,000kWh/日(約 400kW)使用し
ている。一方正月休中には消費電力は約 5,000kWh/日で通常
休日の半分程度である。したがって休日消費電力の 30%が削
減可能とすると年間休日を 117 日として
改善対策と効果推定
電力の節減量=351MWh/年(3,400 千円)
③自動化ラインの照明管理強化による電力の節減
工場棟の自動化ラインには通常作業者はいない。作業者が入る
とき以外は安全灯および要所要所に照明があり、作業上必要な
場所は随時点灯可能にしておく。照明の年間消費電力のうち、
50%が局所照明採用により節減可能と考えられる。
電力の節減量=282MWh/年(4,200 千円/年)
④電算機室の冷房で外気取入れによる電力節減
電算機室は通年 24℃と一定な温度に保たれている。中間期、
冬期は外気を直接導入する外気冷房で十分である。年間の半分
が外気冷房できると仮定して
電力の節減量=64.4MWh/年(650 千円/年)
備考
合計省エネルギー率
39
11.6%
施設名
窯業・土石製品製造業
・吐出圧力が高く、複数コンプレッサーを個別に使用している。
現状の問題点
・電力溶融炉の溶融ガラス取りだし口が常時開放、連帯炉の廃
熱回収がされていない、徐冷炉にリークがある。
・炉制御室は監視員が常駐でなく、空調が過大である。
①コンプレッサーの運転管理
現場の必要圧力から見て、1~1.5kg/cm2 は吐出圧を下げる
ことができる。1kg/cm2 下げることによりおよそ 10%の省エ
ネルギーになる。またコンプレッサー5 台を台数制御する。
電力の節減量=85,975kWh/年(1,109 千円/年)
②工業炉の運転管理
・電気溶鉱炉の溶融ガラス取り出し口放熱対策
・徐例炉のリーク防止
改善対策と効果推定
等の対策を実施することで電力量、LPG 量を削減する。
電力の削減量=303,593kWh/年(3,916 千円/年)
③空調
冬期及び中間期は外気を導入して冷却すれば十分だと思われ
る。
電力の削減量=43,200kWh/年(557 千円/年)
④廃熱回収
連帯炉の排ガスをガス徐例炉に導入し廃熱回収を図る。
LPG の削減量=71,877kg/年(2,796 千円/年)
備考
合計省エネルギー率
40
6.0%
.施設名
電気機械器具製造業
・デマンド制御によるピーク電力削減対応だけでは不十分で
ある。
・空調機の運転台数管理等はなされていない。
・扉開放による外気侵入により空調や換気設備の効果が十分
でない。
・機器廃熱等の内部負荷が大きいことに加え、空調・換気の効
現状の問題点
果に問題がある。
・居住域まで空調気流が循環していないため、工作機の油煙が
滞留している。
・建屋構造の断熱性があまり良くない。
・冷却塔容量、ポンプ容量が過大で低負荷運転となっている。
・変圧器の総設備容量が負荷電力に対し過大であり、変圧器容
量と負荷を管理しやすくまとめなおす必要がある。
①電力負荷の平準化として、熱源転換やコージェネ、蓄熱式空
調の導入検討を行う。
コージェネによる電力の削減量=2,398.1MWh/年
(31,060 円/年)
重油増分量=578.6kl/年
改善対策と効果推定
蓄熱式空調による電力の削減量=202MWh/年
(7,700 千円/年)
重油削減量=45.4kl/年
吸収式冷凍機による電力の削減量=819.5MWh/年
(17,600 千円/年)
重油削減量=4.5kl/年
41
②空調室内への機器廃熱放出はせず、局所排気を行い、機器配
置を検討する。
局部冷房・ジェットノズル使用により空調及び換気を効果的に
行う。また、全熱交換器による廃熱回収を行う。
換気熱回収による電力の削減量=41MWh/年
(468 千円/年)
機器廃熱排気による電力の削減量=44.7MWh/年
(452 千円/年)
外気利用空調による電力の削減量=50.6MWh/年
(512 千円/年)
③ポンプインペラーの切削等により省エネルギー効果が期待
できる。
ポンプ電力の削減量=24.3MWh/年(246 千円/年)
④変圧器負荷の切り替えが出来るようバンクを検討し、変圧器
の集約化を図る。
季節変動による需要率の維持を行う。また、旧型の効率の悪い
機器の更新を計画的に行うと
電力の削減量=175.2MWh/年(1,689 千円/年)
備考
合計省エネルギー率
42
9.5%
.施設名
一般機械器具製造業
・電力の日負荷電力が大きい。
現状の問題点
・現在のデマンドを過去数回超過したことがある。
・照明管理がなされていない。
・空調関係電力が全体の 50%を占めている。
①デマンド監視強化
デ マンド 監視 装置と 省エ ネ対策 によ り契約 電力を 300kw
(1,800→1,500)に低減すると
電力の削減量=6,280 千円/年
②照明の省エネ
改善対策と効果推定
通路および視作業を伴わない個所:20~150lx、300lx 以上必
要な個所には局部照明、昼光利用等で
電力の削減量=390,000kWh/年(6,150 千円/年)
③空調の省エネ
・温湿度管理、大型ファンのインバーター化で昼夜間、休日の
風量調整により
電力の削減量=390,000kWh/年(6,150 千円/年)
備考
合計省エネルギー率
43
6.9%
.施設名
輸送用機械器具製造業
・事業所および控所用に老朽化したヒーターがある。
・圧縮空気式排水用エジェクターのエネルギー効率が非常に
現状の問題点
悪い。
・係留船舶用に特別電力を供給しなければならない。
・照明設備の改善が必要である。
①ヒートポンプ式空調機の採用
夜間蓄熱式を使用すると節約電力量は多少減少するが、電力費
用としては大幅に削減できる。
電力の削減量=64,533kWh/年(1,077 千円/年)
改善対策と効果推定
②排水エジェクターを電動真空ポンプ化する。
電力の削減量=11,616kWh/年(194 千円/年)
③1,000kW ディーゼル発電コージェネ(温水回収方式)設置
し、昼間のみ運転
買電節約量=2,979,500kWh/年(45,552 千円/年)
(但し、維持費が数百万円/年必要)
備考
合計省エネルギー率
44
7.6%
.施設名
石油製品・石炭製品製造業
・冷凍機負荷が大きい
現状の問題点
・精留系で冷却水クーラーに熱を捨てている
・一定温度の熱媒油を必要量供給する必要あり
①冷熱回収で冷凍機負荷少
冷凍プレクーラーに熱交換器を直列に増設することで、冷凍チ
ラーでのアンモニア冷媒量が低減し、冷凍コンプレッサー動力
の節電を期待できる。
チラーでの熱負荷減少割合を 30%、冷凍コンプレッサーの定
格電力消費量を 190kW、平均負荷率を 60%とすると
電力削減量=190kW×0.6×0.3×24 時/日×350 日/年
=287,000kWh/年
改善対策と効果推定
②精留系における熱回収用の熱交換器増設による燃料節減
熱回収用の熱交換器を増設することにより燃料が 10%削減で
きれば、熱媒油ヒーター燃料ガス使用量を 1,292 千 Nm3/年、
燃料単価を 21.5¥/Nm3 として
燃料ガス削減量=1,292 千 Nm3/年×0.1
=129.2 千 Nm3/年
③熱媒油ポンプ台数制御
モータを効率の良い点で運転して、省電力を図る。
電力削減量=30,319kWh/年
備考
その他の改善策も含め、事業所全体省エネルギー率
45
13.8%
.施設名
食料品製造業
・自家発電の廃熱利用はボイラー給水のみで残分は棄却して
現状の問題点
いる
・工場冷蔵庫の天井が高く、不用品が置かれている
・タンク類、配管に保温されていない箇所が目に付く
①ディーゼルエンジン廃熱から蒸気回収を行う
節約燃料=293kl/年
②工場冷蔵庫内の間仕切り、天井を下げることにより、14kW
冷凍機を 1 台停止
改善対策と効果推定
電力削減量=34,406kWh/年
③空気圧縮機の台数制御方式を導入
電力削減量=81,590kWh/年
④レトルト槽および配管等の保温
節約燃料=30.4kl/年
備考
合計省エネルギー率
46
19.5%
.施設名
印刷業
・一部工場部門で JIS の照度基準に未達の箇所がある
現状の問題点
・JIS の照度基準を満足している部門も、JIS 照度基準下限ギ
リギリのレベルの所が多い
①定期的な反射板、ランプの清掃
②節電形蛍光ランプの使用を徹底
従来型ランプを節電形ランプに交換すれば器具当たり約 8%の
改善対策と効果推定
省電力となる。
③Hf 蛍光灯に改造する
Hf 蛍光灯(高周波点灯インバーター安定器式蛍光灯)は同じ
消費電力でも明るさは 1.5 倍となる。
備考
47
2.ビルの省エネルギー事例
施設名
東京都庁舎
(運転管理)
・延べ床面積
第一本庁舎
195,000m2
第二本庁舎
141,000m2
都議会議事堂
施設概要
・延べ床面積
・受電設備
などの電気設備
45,000m2
・受電設備
第一本庁舎
66kV
2 回線
契約電力
13,500kW
受電用変圧器
20,000kVA×2 台
第二本庁舎及び都議会議事堂
第一本庁舎特高受電室より
6,600V で受電
・照明による節電対策
事務室照明の昼休みや夜間の一斉消灯、廊下照明の昼間 75%
消灯及び夜間全消灯、1・2階ホール等共用フロアの減光(一
部消灯)、リフレッシュメントルームや事務室入り口の消灯を
改善対策
実施した。
・空調による節電対策
コンピュータ室やエレベータ機械室の設定温度の見直し、空調
機出口ダンパー開度の調整、インバーター制御空調機の最高回
転数の一割低減などの対策を実施した。
・夏季の電力ピークを 13,032kW(平成 10 年度、対前年比 4.2%
改善対策の効果
減)に抑えられた。
・契約電力を 15,000kW から 13,500kW に変更し経費が節減さ
れた。
48
施設名
施設概要
・延べ床面積
シェラトンホテル札幌
(コージェネ)
・ガスエンジン発電機
発電出力
415kW×3 台
・受電設備
などの電気設備
・コージェネの導入
都市ガス単独供給による常用防災兼用ガスコージェネレーシ
改善対策
ョンシステムの導入が図られた。導入にあたっては排熱の有
効利用による省エネを目指すとともに、常用防災兼用システ
ムとしての非常電源設備としての役を担う。
改善対策の効果
・一年当たり 12.986GJ の一次エネルギーが削減され、10.0%の
省エネを達成した。
49
施設名
成田全日空ホテル
(省エネ設備導入)
・延べ床面積
27,640m2
・受電方式
施設概要
・延べ床面積
・受電設備
などの電気設備
業務用
6.6kV
契約電力
1,150kW
変圧器総容量
3,000kVA
・空調設備
客室:外調機+ファンコイルユニット
中・小宴会場:水冷ヒートポンプパッケージによる個別方式
ロビー、飲食、大宴会場:空調機によるダクト方式
・空調設備に関し、以下の対策を行った
1)ロビー系統の空調機ファンにインバーターを導入、負荷に
応じた変風量制御を組み込んだ。
改善対策
2)客室ファンコイル用冷温水ポンプにインバーターを導入、
負荷に応じた変水量制御を組み込んだ。
3)客室系統の熱交換効率を向上させるために、ファンコイル
ユニットのコイルを洗浄し、外調機の全熱交換機の清掃を実
施した。
・運転電力が 25.0kW 低減され、契約電力が低減(電力料金で約
改善対策の効果
300 千円)した。
・一年当たりの電力量が 232,451kWh 低減した。
・空調熱源と放熱ロスが 874,747Mcal 低減すると推計される。
50
施設名
日立機械研究所
(ESCO事業省エネ改修)
12,750m2
・延べ床面積
・受電方式
施設概要
受電電圧
6.6kV
・延べ床面積
契約電力
1,800kW
・受電設備
などの電気設備
・空調設備
氷畜熱ユニット、吸収式冷温水器
・空調方法
ファンコイル、パッケージ空調機
・高効率蛍光灯器具に更新
FLR40SW-2 型を Hf32W-1 型(特殊リフレクター付き)に更
新する。
・断熱フィルムの貼り付け
断熱遮蔽フィルムを窓ガラスに貼り付ける。
改善対策
・ポンプ・ファンのインバーター化
冷温水一次・二次ポンプ 6 台、冷却水ポンプ 2 台、冷却塔送
風機 2 台、空調機にインバーターを取り付け流量・風量制御
する。
・EMS の導入
Energy Management System を導入し、データ採集、分析、
集計をする。
・照明・コンセントによる電力消費量が約 7.5%削減されると予
想される。
改善対策の効果
・空調・換気動力による電力消費量が約 22%削減されると予想
される。
・一年当たりの一次エネルギー消費量が 15.43%削減され、また、
エネルギー費の合計が 15.71%削減されると予想される。
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施設名
住友金属鹿島人材開発センター
(ESCO事業省エネ改修)
・延べ床面積
施設概要
10,659m2
・受電方式
・延べ床面積
受電電圧
6.6kV
・受電設備
契約電力
500kW
などの電気設備
・空調方式
単一ダクト(定風量)
・高効率照明器具への更新
白熱灯(510 灯、40kW)を高効率蛍光灯(インバーター安定
器+Hf 灯)に更新、その他の部分に照明用電圧調整器を設置
する。
・断熱フィルムの貼り付け
改善対策
断熱遮蔽フィルムを窓ガラスに貼り付け、外部熱負荷を軽減す
る。
・ポンプのインバーター化
冷温水ポンプにインバーターを設置し、回転数制御を行う。
・コージェネ設備の導入
ディーゼル発電機を導入し、買電量を低減する。
・照明・コンセントによる電力消費量が約 12.9%削減されると予
想される。
改善対策の効果
・空調・換気動力による電力消費量が約 55%削減されると予想
される。
・一年当たりの一次エネルギー消費量が 22.77%削減され、また、
エネルギー費の合計が 41.61%削減されると予想される。
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