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2020

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2020
地球温暖化対策の最前線
平成25年10月
環 境 省
1
1.地球温暖化の影響
2
将来の気温予測(IPCC第5次評価報告書)
 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、現在第5次評価報告書を作成中。
 そのうち、第1作業部会(自然科学的根拠)の報告書が9月27日に公表された。
• 1986~2005年を基準とした、2081~2100年における世界平均地上気温の変化は、
0.3~4.8℃の範囲に入る可能性が高い。
RCP2.6
図1. 観測による世界平均地上気温変化
(1986年~2005年を基準とした世界の年平均地上気温の変化)
RCP8.5
表1. 21世紀末における世界平均地上気温の昇温度予測
シナリオ
平均(℃)
「可能性が高い」予測幅 (℃)
RCP2.6
1.0
0.3-1.7
RCP4.5
1.8
1.1-2.6
RCP6.0
2.2
1.4-3.1
RCP8.5
3.7
2.6-4.8
図2. 平均表面温度変化(2081年~2100年の平均)
(1986年~2005年を基準)
出典:図1 AR5 WG1 政策決定者向け要約 Fig SPM.7
表1 AR5 WG1 政策決定者向け要約 Table SPM.2
図2 AR5 WG1 政策決定者向け要約 Fig SPM.8
3
雪氷圏に関する予測(IPCC第5次評価報告書)
• 21世紀の間、世界平均地上気温の上昇とともに、北極の海氷域が小さく、薄くなり
続けること、また北半球の春季の積雪面積が小さくなることの可能性は非常に高
い。
• 北半球の高緯度地域の地表近くの永久凍土域が縮小することはほぼ確実である。
• 全球平均地表温度の上昇に伴い、南極域において21世紀末までに海氷の面積
及び体積が減少することが低い確信度で予測される。
• 世界規模で氷河の体積は更に減少する。
RCP2.6
RCP8.5
CMIP5マルチモデル平均
(1986-2005)
CMIP5マルチモデル平均
(2081--2100)
CMIP5サブセット平均
(1986--2005)
CMIP5サブセット平均
(2081--2100)
図1. 北半球9月海氷面積予測
出典:図1, AR5 WG1 政策決定者向け要約 Fig SPM.7,
図2, AR5 WG1 政策決定者向け要約 Fig SPM.8
図2. 北半球9月の海氷分布予測(2081-2100年平均)
4
海面水位予測(IPCC第5次評価報告書)
全球平均海面水位上昇(m)
• 1986~2005年を基準とした、2081~2100年の期間の世界平均海面水位の上昇
は、0.26~0.82mの範囲に入る可能性が高い。
• 第4次評価報告書以降、氷床の力学的変化を取り入れるなど、世界の平均海面
水位上昇に関する予測の確信度は増している。
表1. AR4とAR5の21世紀末における
全球平均海面水位予測比較
報告書
予測上昇幅 (m)
AR4
0.18 - 0.59
AR5
0.26- 0.82
図1. 全球平均海面水位予測(1986年-2005年と比較して)
出典:図1 AR5 WG1 政策決定者向け要約 Fig.SPM9、表1 AR5 WG1 政策決定者向け要約・AR4 WG1 政策決定者向け要約
5
気候安定化、気候変動コミットメント及び不可逆性
(IPCC第5次評価報告書)
1861~1880年と比較した気温変化(℃)
• 二酸化炭素の累積排出量が21世紀後期まで及びそれ以降の全球地上平均の
昇温の大部分を決定づける。
• 二酸化炭素の累積排出量と世界平均地上気温の上昇量は、ほぼ比例関係に
ある。
• 気候変動の多くの側面は、たとえ温室効果ガスの排出が停止したとしても、何
世紀にもわたって持続する。
図1.様々な種類の証拠から得られた世界のCO2排出累積総量の関数としての世界の平均気温上昇量
出典:図1 AR5 WG1 政策決定者向け要約 図SPM.9
6
我が国における気候変動の影響
農作物
洪 水
熱中症・
感染症
米が白濁するなど品質
の低下が頻発。
2013年夏、 20都市・地区計で
14375人の熱中症患者が救急車
で病院に運ばれた。(速報)
(国立環境研究所 熱中症患者速
報より)
図: 洪水被害の事例
(国土交通省中部地方
整備局提供)
図: 水稲の白未熟粒
(九州沖縄農業研究セ
ンター提供)
生態系
異常気象
2013年夏、四万十
市で、41℃という観
測史上初の最高気
温を記録
図:吸血中のヒトスジシマカ
(国立感染症研究所)
デング熱の媒介生物であるヒト
スジシマカの分布北上
図 サンゴの白化
(阿嘉島臨海研究所提供)
7
気候変動への適応の取組
○緩和とは:地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出を抑制
○適応とは:既に起こりつつある、あるいは起こりうる温暖化の影
響に対して、自然や社会のあり方を調整
8
「適応計画」策定へのステップ
第114回中央環境審議会地球環境部会にて気候変動影響評価等小委
員会を設置(平成25年7月2日)
• 極端現象を見るためのより詳細な日本の気候変動の予測
• 気候変動が日本にあたえる影響の評価
• それらの結果を踏まえたリスク情報の分析 等
気候変動の影響及びリスク評価と今後の課題を整理し、意見具申として
取りまとめ(平成27年1月頃)
• 政府全体で、短期的(~10年)、中期的(10~30年)、長期
的(30年~100年)に適応策を重点的に講ずべき分野・課
題を抽出
• 各省における検討
政府全体の総合的、計画的な取組として、適応計画を策定(平成27年
夏目途)
※定期的な見直し(5年程度を目処)
9
2.国際交渉の状況
10
国際交渉の全体像
2015年
2012年
COP21で採択
2020年
以降の
取組み
将来枠組み交渉(ADP)
IPCC
第5次報告書(2014年)
カ
2020 ン
年 ク
ま ン
で 合
意
の
取
組
み
2020年
京
都
議
定
書
国連首脳級会合
(2014年)
C
O
P
21
各国による、批
准、締結
カンクン合意の実施
・各国が掲げる2020年の削減目標・行動の推進と、各国の取
組のMRV(各国の報告と国際的レビュー・分析)
・新たに設けられた適応、資金、技術に関する組織による取組
第1約束期間
(~2012年)
第2約束期間(2013年~2020年)
全
て
の
国
が
参
加
す
る
法
的
枠
組
み
発
効
・
実
施
11
2020年以降の将来枠組み構築
 2020年から発効する「全ての国に適用される法的枠組み」を2015年の
COP21までに採択する
 日本として、すべての国が参加する公平かつ実効性のある将来枠組みの
構築に向け、具体的な提案を発信し交渉をリードしていくことが必要。
世界のエネルギー起源CO2排出量
2010年:303億トン
1990年:210億トン
京都議定書第二約束期間で
義務を負う国はわずか15%
京都議定書第一約束期間
で義務を負う国は43%
非附属書Ⅰ国
34%
非附属書Ⅰ国
56%
その他
21%
インド
3%
その他先進国
6%
EU15国
9%
EU15国
15%
ロシア
5%
その他
27%
ロシア
10%
日本
4%
日本
5%
中国
11%
米国
23%
その他先
進国
12%
附属書Ⅰ国
66%
インド
5%
米国
18%
中国
24%
カナダ
2%
附属書Ⅰ国
44%
S出典:IEA
12
今後のスケジュール
2013年
11月11日~22日 COP19 (ワルシャワ)で将来枠組みにおける目標の作成の進め方、2015年
までの交渉の具体的スケジュールを決定
2014年
1月1日 2020年目標の取組状況に係る「隔年報告書」提出期限
⇒専門家による技術的検証及び評価報告書の作成開始
⇒条約補助機関会合中に、全ての国が参加する多国間評価(被評価国の発表及び質疑応答)
を実施
先進国は京都議定書第2約束期間(2013年~2020年)及びカンクン合意の目標の引き上げにつ
いて2014年中に検討
9月? 国連における首脳級会合(各国の取組強化、2020年以降の新たな枠組み等について)
12月 COP20で将来枠組みの要素決定、文書案作成開始
2015年
5月 2020年以降の提示将来枠組みの文書案
12月 COP21で2020年以降の枠組みを採択
13
3.国内対策の状況
14
日本の温室効果ガス排出量
我が国の温室効果ガス排出量
2011年度における我が国の排出量は、基準年比+3.7 %、前年度比+4.0%
森林吸収量の目標※1と京都メカニズムクレジット※2を加味すると、
京都議定書第一約束期間の4カ年平均(2008~2011年度)で基準年比-9.2%
排出量
(億トンCO2換算)
13
12億8,200万トン
(基準年比+1.6%)
12億6,100万
トン
13億800万トン
森林吸収源対策で3.8%
(基準年比+3.7%)
<前年比+4.0%>
京都メカニズムで1.6%
12億5,700万トン
(基準年比-0.3%)
12億700万トン
(基準年比-4.3%)
12
の確保を目標
12億5,400万トン
(基準年比-0.6%)
-4.0%
11億8,600万トン
(基準年比-6%)
11
-8.8%
-10.2%
排出量に森林吸収量の
目標※1及び京都メカニ
ズムクレジット※2を加味
した場合の基準年比。
-13.8%
10
2008~2011年度の
4カ年平均で-9.2%
9
基準年
2005
(原則1990年)
2006
2007
2008
2009
2010
2011
京都議定書削減約束
(2008年~2012年)
※1 森林吸収量の目標 京都議定書目標達成計画に掲げる基準年総排出量比約3.8%(4,767万トン/年)
※2 京都メカニズムクレジット
政府取得 平成24年度までの京都メカニズムクレジット取得事業によるクレジットの総契約量(9,752.8万トン)を5か年で割った値
民間取得 電気事業連合会のクレジット量(「電気事業における環境行動計画(2009年度版~2012年度版)」より)
15
部門別CO2排出量の推移(電熱配分後)
○産業部門は前年度から減少しており、2011年度は前年度比0.5%の微減となっている。
○運輸部門は2002年度以降の減少傾向から、2010年度には一旦増加に転じたが、2011年度では再び減
少し、前年度比1.0%減となっている。
○家庭部門、業務その他部門は、2010年度に引き続き2年連続での増加となり、2011年度は、家庭部門
は前年度比9.8%、業務その他部門は前年度比14.3%の大幅増となっている。
産業部門: 4億1,900万トン
(▲13.1%) [▲0.5%]
500
業務その他部門: 2億4,800万トン
(+50.9%) [+14.3%]
450
(単位 百万t-CO2)
400
350
運輸部門: 2億3,000万トン
(+5.9%) [▲1.0%]
300
250
家庭部門: 1億8,900万トン
(+48.1%) [+9.8%]
200
150
エネルギー転換部門: 8,700万トン
(+28.8%) [+7.7%]
100
工業プロセス: 4,100万トン
(▲31.3%) [+0.1%]
50
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
0
廃棄物: 2,600万トン
(+19.7%) [▲0.2%]
(年度)
<出典> 温室効果ガス排出・吸収目録
(1990年度比)[前年度比]
16
温室効果ガス25%削減目標の見直し
総理指示:「第1回産業競争力会議の議論を踏まえた当面の政策対応について」
(平成25年1月25日 第3回日本経済再生本部 本部長 内閣総理大臣 安倍晋三)
環境大臣と関係大臣が協力して、11月の地球温暖化対策の会議(COP19)
までに、25%削減目標をゼロベースで見直すとともに、技術で世界に貢献してい
く、攻めの地球温暖化外交戦略を組み立てること。
【2020年の温室効果ガス削減目標】
・前提条件付き25%削減目標(90年比)を国連に既登録
・震災後、検討中である旨表明
【2013年度以降の地球温暖化対策の計画】
・平成24年度末に京都議定書目標達成計画が終了
【検討の際の考慮事項】
・エネルギー政策の検討状況
・2013年度以降も切れ目なく対策に取り組む姿勢を国内外に示すこと
・2013年11月のポーランド・ワルシャワにおけるCOP19/ダーバン合意に基づく
報告(2014年1月1日までに、2020年削減目標と、その達成のための対策・施
策を前提条件等を含めて報告)
17
地球温暖化対策の推進に関する法律の改正(概要)
改正の必要性
○ 従前の地球温暖化対策の推進に関する法律では、京都議定書に基づく削減約束に対応して、
京都議定書目標達成計画を策定することとされていたが、平成24年末をもって京都議定書第一
約束期間が終了し、現行の京都議定書目標達成計画に基づく取組も平成24年度末をもって終了
した。
○ 我が国は、京都議定書第二約束期間(平成25~32年)には加わらないものの、国連気候変動
枠組条約下のカンクン合意に基づき、平成25年度以降も引き続き地球温暖化対策に取り組む。
○ このため、今後の地球温暖化対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、国による地球温暖
化対策計画の策定を規定する等の所要の措置を規定する必要があった。
改正内容
1.温室効果ガスの種類の追加
三ふっ化窒素を温室効果ガスの種類として追加する。
2.地球温暖化対策計画の策定
国は、地球温暖化対策を推進するため、温室効果ガスの排出抑制・吸収の目標、事業者・国
民等が講ずべき措置に関する具体的事項、目標達成のために国・地方公共団体が講ずべき施策
等を内容とする地球温暖化対策計画を策定するものとする(少なくとも3年ごとに検討を加え、必
要に応じ変更する)。
3.地球温暖化対策推進本部の所掌事務の変更等
地球温暖化対策計画の案は、地球温暖化対策推進本部において作成することとする。
平成27年までに、長期的展望に立ち、国際的に認められた知見を踏まえ、施行状況について
検討を加え、法制上の措置その他の必要な措置を講ずる。
18
温室効果ガス排出抑制等指針
●温暖化対策推進法に基づき、事業者に対し以下2つの努力義務を規定(第20条の5及び6)
●主務大臣は、これらの義務を果たす上で必要な措置を示した排出抑制等指針を公表(第21条)
事業者の努力義務
① 事業活動に伴う温室効果ガスの排出の抑制等に関する事項
(平成
年4月~)
(製造業)
産業部門
25
(平成
業務部門
年
20
月~)
12
(平成
廃棄物部門
年2月~)
24
○効果的な実施に係る取組
・体制の整備、職員への周知徹底 ・排出量、設備の設置・運転等の状況の把握 ・情報収集、整理 ・PDCAの実施
○排出の抑制等に係る措置:燃焼設備、熱利用設備等毎に、設備の選択及び使用方法についての措置を提示
・エネルギー消費効率の高いボイラー等への更新、熱効率の向上
・給排水ポンプの流量・圧力の適正化、熱源設備の定期的な保守・点検 等
○効果的な実施に係る取組
・体制の整備、職員への周知徹底 ・排出量、設備の設置・運転等の状況の把握 ・情報収集、整理 ・PDCAの実施
○排出の抑制等に係る措置:熱源設備、空調設備等毎に、設備の選択及び使用方法についての措置を提示
・エネルギー消費効率の高い熱源機への更新、空調対象範囲の細分化
・燃焼設備の空気比の適正化、空調設定温度・湿度の適正化 等
○適切かつ有効な実施に係る取組
・住民の自主的取組促進、分別収集推進等、廃棄物の抑制による温室効果ガスの排出抑制
○排出の抑制等に係る措置:設備の選択・使用方法についての措置を提示
・廃棄物の収集運搬車 ・廃棄物焼却施設設備 ・排ガス処理設備 等
○指針に掲げられている措置を講ずることによるCO2排出量の目安
「一般廃棄物焼却施設ごとの処理量当たりのCO2排出量」を目安とし、焼却施設の種類や処理能力に応じて設定
② 日常生活における温室効果ガスの排出の抑制への寄与に係る措置に関する事項(平成20年12月~)
○事業者が講ずべき一般的な措置
・エネルギー消費効率が高い製品等の製造 ・地方公共団体等との連携 等
・カーボン・フットプリント制度等の「見える化」の活用による情報の提供
○事業者が講ずべき具体的な措置:照明機器、冷暖房機器等ごとに、製造等について講ずべき措置を提示
・エネルギー消費量の少ない照明機器の製造 等
※今後、上記①の部門に加え、その他部門においても策定予定。
19
東京電力の火力電源入札に関する関係局長級会議 取りまとめ
(H25.4)
・東京電力による電源入札では石炭火力の落札の可能性。
・石炭火力は安定供給・経済性に資するが環境面に課題。
1. 電気事業分野における実効性ある地球温暖化対策のあり方
国の地球温暖化対策の計画・目標と整合的な形で電力業界全体の実効性ある取組の確保が必要。
・国の計画と整合的な目標が定められていること
・新電力を含む主要事業者が参加すること
・責任主体が明確なこと(小売段階に着目)
等を満たす枠組の構築を促す。
2. 環境アセスメントにおける二酸化炭素の取扱い
(1)利用可能な最良の技術(BAT:Best Available Technology)が採用されているか
→ 事業者がBAT の採用を検討する際の参考となるよう、「最新鋭の発電技術の商用化及び開発状
況」を、規模や燃料種に応じて国が整理・公表する
(2)国の目標・計画との整合性
・(中期目標との関係) 電力業界全体の実効性のある取組が確保される枠組が構築され、その下で
CO2削減に取り組んでいるか
→ 枠組構築までの間は、自主的取組として天然ガス火力超過分に相当する純増分について海外削
減などの措置を講じることとしているか
・ (2050 年目標との関係) 将来のCCS導入に向けて、CO2分離回収設備を設置するための検討や措
置が講じられているか、技術開発が検討されているか
→ 国は、2020年頃の商用化を目指した技術開発の加速化、CCS導入の前提となる貯留適地調査、
CCS Ready において求める内容の整理等を行う
20
フロン回収・破壊法の改正(概要)
フロン類対策の現状
・高い温室効果を持つフロン類等(HFC等)の排出量が急増。10年後には現在の2倍以上となる見通し。
・現行のフロン法によるフロン廃棄時回収率は3割で推移。加えて、機器使用時の漏えいも判明。
・国際的にも規制強化の動き。
改正内容
(1)フロン類の製造・輸入業者
温室効果の低いフロン類の技術開発・製造や一定の使用済フロン類の再生といった取組を通じフロ
ン類の使用の抑制を求める。
(2)フロン類使用製品(冷凍空調機器等)の製造・輸入業者
冷凍ショーケースなどフロン類使用製品について、一定の目標年度におけるノンフロン製品又は温
室効果の低いフロン類を使用した製品への転換等を求める。
(3)業務用冷凍空調機器の管理者
フロン類を使用した業務用冷凍空調機器の管理の適正化に取り組むことを求める(フロン類の漏え
い防止のための適切な設置、点検、故障時の迅速な修理等を主たる内容とする予定)。また、一定の
要件に該当する管理者には、フロン類の漏えい量の年次報告(国が集計して公表)を求める。
(4)充填・再生の適正化
業務用冷凍空調機器に使用されるフロン類の充填業の登録制(※)、再生業の許可制を導入する。
※ 現行の「第一種フロン類回収業者」を「第一種フロン類充填回収業者」とし、フロン類の充填行為
(整備時の冷凍空調機器への冷媒補充等)についても登録業者のみが行い得ることとする。
21
「地球温暖化対策のための税」について
○ 全化石燃料に対してCO2排出量に応じた税率(289円/CO2トン)を上乗せ
○ 平成24年10月から施行し、3年半かけて税率を段階的に引上げ
○ 税収は、我が国の温室効果ガスの9割を占めるエネルギー起源CO2排出抑制施策に充当
〈CO2排出量1トン当たりの税率〉
税 率
段階施行
税 収
初年度:
初年度:約400億円
391億円 / /平年度:2,623億円
平年度:約2,600億円
再生可能エネルギー大幅導入、省エネ対策の抜本強化等に活用
22
4.我が国「技術力」の国内外への展開
23
我が国「技術力」の国内外への展開
○地球温暖化は今そこにある人類共通の危機であり、具体的な排出削減行動が
急務
○実効性のある対策に裏打ちされた国際交渉のため、「技術」は不可欠な要素
○我が国は「技術」で世界の排出削減に貢献できる底力を有する
「技術」を中心軸に据えた施策を展開し、温暖化国際交渉の進展に
貢献するとともに、世界の温暖化対策と経済成長を同時実現
我が国「技術力」を国内外へ展開していくため、26年度から様々な施策を展開
(1)26年度エネルギー対策特別会計予算概算要求を通じた各種事業展開
(2)「二国間クレジット制度(JCM)」を通じた途上国支援と日本の技術力
の発揮
24
(1)26年度エネルギー対策特別会計
予算概算要求を通じた各種事業展開
25
地域低炭素投資促進ファンド創設事業の拡充
背景・目的
26年度要求額
平成25年度予算
7,000百万円(1,400百万円)
○○百万円
事業概要
 地域において低炭素化プロジェクトを実施しようとする事業者は、資
金調達面で苦慮。優良な案件の実施促進のため、「出資」により資
金調達を円滑化するとともに、地域の「目利き力」を活用して全国に
支援を展開する必要がある。
○ 地域低炭素投資促進ファンド創設事業(拡充)(70億円)
事業スキーム
期待される効果
 補助対象:民間団体等
 補助割合:定額
 地域における低炭素化プロジェクトへの民間の出融資を促し、低炭素化
プロジェクトの資金調達を円滑化。
地域金融機関等と連携して、サブファンドの組成の拡大を図り、民間資金
による投資を更に呼び込むことによって、低炭素化プロジェクトへの投資の
一層の拡大を図る。
イメージ
26
平成26年度要求額
1,369百万円(1,600百万円)
洋上風力発電実証事業
事業目的・概要等
背景・目的
イメージ

 洋上の膨大な風力ポテンシャルを生かすため、2010年度から浮

体式洋上風力発電の実証事業を実施。2012年にパイロットスケー 
ル、2013年には商用スケールの実証機を設置・運転し、2015年度
までに関連技術・システムの確立等を行う。これらの実証を通じて
2020年に洋上風力を100万kW以上に拡大することを目指している。
 一方、離島など系統が脆弱な地域においては、洋上風力由来の
電力を十分に活用できないケースが想定される。これを解決する
ため、系統強化・安定化対策に加え、水素等により地産地消のエ
ネルギーの最大限の活用方策を確立し、離島型自立・分散型エ
ネルギー社会の実現を目指す。
我が国は、排他的経済水域世界第6位の海洋国であり、洋上は陸上
に比べて大きな導入ポテンシャルを有する
洋上は風速が高く、安定かつ効率的な発電が見込まれる
推進が浅い海域が少ない我が国では、深い海域(50m以深)に適用可
能な「浮体式」に大きな期待
我が国初となる、商用スケールの
「浮体式」洋上風力発電機の建造・設置・運転・評価
 長崎県五島市椛島沖にて本格実証
 世界初のハイブリッド・スパー型
[我が国の技術を生かし大幅なコスト低減を実現]
 台風等への耐性を有する浮体の設計・建造
 漁業関係者との調整・漁業協調型システム
 環境アセスメント手法
の確立等を実証
事業概要
平成24年度の成果を踏まえ25年度に設置する2000kWの商用ス
ケール機の本格的な運転・発電、環境影響、気象条件への適応、
安全性等に関する情報を収集し、実用化に向けた知見を得る。
さらに、発電時に生じる余剰電力を地産地消のエネル
パイロットスケール機
また、離島の自立・分散型エネルギー社会の構築に向け、運転
ギーとして利活用する技術・システムを実証
[H24年8月に運転開始]
時に発生する余剰電力を水素に変換・貯蔵し、離島内のエネル
H24
H25
H26
H27
ギーとして利活用する技術・システムを実証する。
事業スキーム
委託対象:民間団体等
実施期間:平成22年度~平成27年度
期待される効果
 浮体式洋上風力発電における台風への耐性、漁業関係者との
調整、環境アセスメント等の確立
 浮体式洋上風力発電を活用した効率的な水素エネルギー利活
用のシステム・技術を確立
 2015年度以降早期の浮体式洋上風力発電の実用化
環境調査
小規模試験機(100kW)の
実海域設置・運転
実証機(2MW)の
実海域設置・運転
H24年6月に設置
8月に運転を開始
成果を反映(設置・制御等)
事業性等の評価
2015年度以降早期の浮体式洋上風力発電の実用化
2020年には洋上風力を100万kW 以上に拡大
27
平成26年度要求額
3,100百万円(新規)
離島の低炭素地域づくり推進事業
事業目的・概要等
背景・目的
 本土と系統連系されていない離島(オフグリッド)はCO2排出量が
大きく高コストのディーゼル発電に依存。更に、系統が脆弱のため
、再エネの大幅な導入拡大が極めて困難。
 自立・分散型低炭素エネルギー社会に不可欠な再エネの大幅な導入
拡大のためには、離島の特性を踏まえた新たな蓄電池の効果的な活
用方法の実証により、蓄電池の導入促進が必要。
 再エネに加え、需要側のエネルギー消費削減(減エネ)、系統対策
等もパッ ケージで導入し、離島の活性化、防災性の向上にも寄与す
る低炭素地域づくりを加速。低炭素な離島のモデルを確立し、他地
域や海外の島嶼国への展開を図る。
事業概要
(1) 再エネの導入や減エネの強化等離島の低炭素地域づくりに向けた
事業化計画策定や実現可能性調査(FS調査)を補助する。(1億)
(2) 離島の特性を踏まえた先導的な再エネの導入や減エネの強化等、
低炭素地域づくりのために不可欠な設備の導入を補助する。(11億)
(3) 離島の短周期及び長周期変動の両方の特性に対応する新たな蓄電
池の活用方法を確立し、効率的管理・制御による再エネ導入量の最大
化と蓄電池容量の削減による経済性の向上を同時に実現する技術実
証を行う。(19億)
事業スキーム
(1)及び(2)
補助対象:地方公共団体、民間団体等
補助割合:(1)定額(上限1000万円)(2)2/3
(3)補助対象:民間事業者等
補助割合:3/4
イメージ
離島まるごと自立・分散型低炭素エネルギー社会構築
離島の地域資源を活用した再エネ導入
民生・需要
の減エネ
海洋
地熱
水素利用
蓄電池
太陽光
洋上風力
電気自動車
減エネルギーの加速化
 低炭素地域づくり事業化計画策定支援
 再エネ・減エネ等設備導入支援
 蓄電池の活用等を含めた地域資源の再エネ導入、主
要施設への減エネ設備の導入等により、地産地消の
自立・分散型低炭素エネルギー社会を構築
支える技術の確立
離島向けハイブリッド蓄電池システム技術実証
離島特有の短周期(再エネの出力変動)・長周期(余剰電力等)変動に対
処するため、特性の異なる蓄電池の組み合わせ・協調制御等と全体とし
ての蓄電池容量の削減により、再エネ導入可能量の更なる拡大と経済性
の向上を図る。
期待される効果
 離島における再エネ導入拡大・減エネの強化により、CO2排出削
減のみならず、地域活性化や防災性の強化等の効果が期待される。
 蓄電池の効果的・効率的な活用方法の普及により、他の離島や海
外の島嶼国等における再生可能エネルギーの導入可能量の更なる
拡大が期待される。
28
地域主導による先導的「低炭素・循環・自然共生社会」創出事業
背景・目的
事業概要
○第4次環境基本計画では、目指すべき持続可能な社会の姿として、
「低炭素」・「循環」・「自然共生」の統合的達成を挙げており、そ
のためには、地域特性を活かした地域づくりが不可欠とされる。
○その際、環境負荷を低減するとともに、将来世代のために森林・農地
等の国土を保全し、かつ、地域経済やコミュニティ活性化を図るため、
特に中小自治体における地域主導の地域資源を最大限活用した統合的
取組が必要。
○関係府省とも協力しつつ、事業計画策定等を支援する他事業と連携し
て設備等の導入に支援を行うことにより事業の立ち上げへの体系的な
支援プログラムを提供する。
事業スキーム
補助対象:民間団体等(定額)
(当該団体から、地方公共団体、民間団体等へ間接補助)
環境省
26年度要求額
平成25年度予算
4,960百万円(新規)
○○百万円
補助
地域資源や資金等を活用し「低炭素・循環・自然共生社会」を創出する
地域の地球温暖化対策事業に対して設備等の導入支援を行う。
○先導的事業に必要な設備補助
地方公共団体、民間団体等
(補助率:地方公共団体 1/2~2/3 民間団体等 1/3~ 1/2 )
期待される効果
○地域の中で資源や資金が活用・循環される仕組みが形成され、地域経
済やコミュニティと一体となった自立的かつ持続的な低炭素社会づくり。
○事業経験の蓄積による、環境政策を担う地域の人材・組織育成
○全国の範となる低炭素・循環・自然共生一体型で地域住民や地域コ
ミュニティの「社会や生活の豊かさ」につながる持続的な取組が実現す
る。
地域主導による
先導的「低炭素・循環・自然共生社会」創出事業
補助
地方公共団体・民間団体等
地域主導による先導的事業の支援
①地域のニーズや特性を活かした地域協働による低炭素地域づくり事業
• 地方公共団体と民間団体等の連携による地域の低炭素化に効果的な先導的事
業に必要な設備導入等への支援(農林水産省や文部科学省等関係各省と協力し
て実施)
②自然豊かな地域における低炭素・自然共生型低炭素地域づくり事業
• 自然公園における再エネ等導入への支援
• 里地里山等地域の自然シンボルと共生した先導的な低炭素地域づくり事業に必
要な設備導入等への支援
対象事業の要件(一部)
・地方公共団体実行計画に位置づけられた又は将来的
に位置づけられる予定の取組に関連する事業であるこ
と、若しくは生物多様性地域戦略、公園計画等地域の
環境に係る計画に位置づけられた又は将来的に位置づ
けられる予定の事業であること
補助対象となる設備の例
■再生可能エネルギー関係(FITとの併用は不
可)
・発電:小水力、風力、バイオマス、太陽光
・蓄電池
・熱利用:太陽熱、バイオマス熱 雪氷熱等
■減エネルギー関係
・地域冷暖房などの面的エネルギー利用設備の
導入
・建築物:建築物の低炭素化(断熱材)、高効率
機器・設備の導入
・交通:低炭素自動車の導入 等
29
CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業
事業目的・概要等
背景・目的
 地球温暖化対策技術については、民間に委ねるだけでは、大
幅なCO2削減に必要な技術の開発が必ずしも進まない状況。
民間の開発インセンティブが小さいCO2排出削減技術の開発・
実証が必要不可欠。
 将来の規制等対策強化につながるCO2削減効果の大きい技術
の開発・実証を国の主導により強力に進め、早期の実用化を図
ることでCO2排出量の大幅な削減を目指す。
事業スキーム



規制等対策強化につながる技術開発・実証の例
目的:重量車の単体対策(FCV)の強化
内容:大型路線用燃料電池バスの技術開発
 信頼性・耐久性を確保した燃料電池システム
の開発
 燃料電池搭載のためのボディ構造の開発
目的:上水道分野の減エネルギー対策強化

(浄水場等の未利用エネルギーの活用)
内容:管路用高効率インラインポンプの開発
 管水路用水車の高効率化・低コスト化
 発電コントローラのパッケージ化
 早期に社会実装が可能であり、実用化の確度が高い技術開発
/実証段階にある技術を対象
 技術成熟レベルを判定し事業期間中の到達目標を設定
 事業の進捗管理を適切に行い、実用化に向け効率的に執行
対象の技術レベル領域
実証
委託・補助対象:民間団体、公的研究機関、大学等
実施期間:平成25年度~
補助率:最大1/2
期待される効果
将来の規制等対策強化につながる効果的な地球温暖化対
策技術の確立及びこれら技術が社会に導入されることによ
るCO2の大幅排出削減・低炭素社会の実現。
4,800百万円(3,300百万円)
イメージ
事業概要
 民生・需要分野を中心に将来の規制等地球温暖化対策強化
のシナリオに基づき課題を設定し、早期に社会実装を目指し
技術開発・実証を行う(最長3年間)。
 技術の新規性・成熟度、CO2削減効果、実施体制・計画、目標、
効率性等を外部専門家により審査し、事業実施主体を選定。
進捗管理を強化し技術目標到達の確度を高めるため、開発の
各段階で技術成熟レベルを判定し、改善点等があれば指導
助言、計画の変更等を行うことにより、効果的・効率的な執行
を図る。
平成26年度要求額
実用化
社会実装
技術開発
応用研究
基礎研究
規制等の温暖化対策強化を誘導
CO2排出大幅削減を通じた低炭素社会の実現 30
低炭素価値向上に向けた社会システム構築支援基金
平成26年度要求額
平成25年度予算
12,500百万円(7,600百万円)
○○百万円
背景・目的
事業スキーム
 今後、公共事業の多面的な展開が想定される中、21世紀型
の国際規範となりつつある「低炭素社会」としての付加価値
を合わせて創出することが必要。
 社会システム構築は公共性が高く投資回収の考え方に馴染
まない一方で、今を逃すと長期にわたりCO2大排出型システ
ムのロックインが懸念されることから、低炭素価値向上のた
めの国による財政支援が不可欠。
 今後国際交渉の主戦場と想定される2020年以降の目標を検
討する際には、社会システムとしてどれだけCO2が削減可能
かを分析し国際交渉カードとして最大限活用することが戦略
的対応。
 日本の優れた・尖った技術を用いることで経済活性化を狙う。
(1)国からの補助 補助対象:非営利型法人、補助割合:定額
(2)基金からの補助
補助対象:地方公共団体、民間団体等
補助割合:1/3、1/2、定額 等
事業概要
低炭素価値向上基金を造成し、同基金を活用して、公共性が高い社
会システムの整備に当たりエネルギー起源二酸化炭素の排出の抑制
のための技術等を導入する事業に対して補助金を交付する事業を実
施する。
期待される効果
 社会システムの構築に当たっての「低炭素社会」としての付加価値
の創出
【対象事業の基本的要件】
① 低炭素化に効果的な規制等対策強化の検討に資する事業
(規制等対策強化につなげる成果目標を設定)
② 公益性が高く資金回収・利益を期待することが困難な事業
③ モデル・実証的性格を有し、他事業への波及効果が大きい事業
④ 波及効果も含めたCO2削減効果の定量化が可能である事業
⑤ 日本型の先端技術の戦略的な活用・展開が期待できる事業
環境省
補助金
交通体系整備に当たっての
低炭素価値向上
低炭素価値向上基金
補助金
災害時等対応型ライフライン施設等
整備に当たっての低炭素価値向上
イメージ
要件に基づく
厳格な審査
次世代型社会インフラ整備に当
たっての低炭素価値向上
<具体的な事業>
<具体的な事業>
●病院等の低炭素化・災害時対応型事業(厚労省連携) ●省エネ型データセンター構築事業(総務省連携)
●再エネ等を活用した自立分散型地域づくり事業
●上水道システムにおける革新的技術導入事業
(厚労省連携)
●信号機の省電力化等推進事業(警察庁連携)
●地域における街路灯等へのLED照明導入促進事業
●港湾地域の低炭素化・災害時対応型事業(国交省連携)
<具体的な事業>
●鉄道活用型の低炭素物流事業(国交省連携)
●物流システム低炭素化事業(国交省連携)
●鉄道輸送システム低炭素化(エコレールライン)事業
(国交省連携)
31
環境省ガイドラインに基づき、補助事業の当初段階&終了段階でCO2削減効果を分析・定量化(規制等による対策強化につなげる)
平成26年度要求額
2,000百万円(新規)
途上国向け低炭素技術イノベーション創出事業
背景・目的
事業概要
 我が国の優れた低炭素技術は、途上国でのニーズが高く、二国間
クレジットの構築等攻めの地球温暖化外交に不可欠。
 一方、日本の低炭素技術をそのまま途上国に移転した場合、当該
国の環境規制・制度、文化慣習、資源・エネルギー制約等の理由
から市場に浸透しない可能性がある。
 日本の低炭素技術を途上国の特性等に応じ抜本的なリメイクを行
い、世界をリードする低炭素技術の普及を通じた低炭素社会の実
現、途上国市場の獲得及びCO2削減を同時に達成する。
 こうした開発の過程で生み出されたイノベーションにより国内企業
のグローバル競争力を強化する。
(1)今後JCMの拡大が期待される途上国において普及が見込まれる
低炭素技術を調査・掘り起こし、途上国の環境規制・制度、文化
慣習、資源・エネルギー制約等の特性を踏まえ、我が国の諸条件
との根本的な相違点を明確化し、技術・製品等のリノベーション要
素を抽出する。(2億)
(2)優れた低炭素技術を有する事業者と途上国の技術ニーズやリノ
ベーション要素をマッチングさせ、途上国ごとの特性を基に、低炭
素技術の抜本的なリノベーションを行う民間事業者に対し当該費
用の一部を補助する。(18億)
期待される効果
事業スキーム



(1)委託対象:民間団体等
(2)補助対象:民間団体等(補助割合:定額)
当該団体から民間事業者に補助(補助割合:1/2~2/3)
(3)実施期間:最大3年間
他の途上国
将来的な二国間クレジットの活用の大幅拡大
途上国における我が国の低炭素技術の普及と市場の獲得
我が国の優良な低炭素技術の真のグローバル競争力を強化
イメージ
途上国向けイノベーション
国内還流
途上国内での市場展開・波及
環境省
支援
国内企業
途上国
日本の低炭素技術を
ベースに抜本的改良
低炭素技術開発・実証
建築分野


地域の気候特性等に応じた 
建築物の省CO2技術

照明等オフィスや家庭での省 
CO2技術
民生用機器分野
インフラ分野
公共交通システム技術
道路交通の低炭素化技術
水インフラ関連技術

エネルギー分野
空調や冷凍機等CO2排出が  地域の再エネ資源・気候特性
等に応じた再エネ技術
大きい需要サイドの機器の抜
本的な省CO2技術
 自立・分散型低炭素エネル
32
ギーシステム技術
(2)「二国間クレジット制度(JCM)」を通じ
た途上国支援と日本の技術力の発揮
33
二国間クレジット制度の基本概念
 優れた低炭素技術・製品・システム・サービス・インフラの普及や緩和活動の実
施を加速し、途上国の持続可能な開発に貢献。
 日本からの温室効果ガス排出削減・吸収への貢献を、測定・報告・検証(MRV)
方法論を適用し、定量的に適切に評価し、日本の排出削減目標の達成に活用。
 CDMを補完し、地球規模での温室効果ガス排出削減・吸収行動を促進すること
により、国連気候変動枠組条約の究極的な目的の達成に貢献。
ホスト国
日本
優れた低炭素技術等の普及や
緩和活動の実施
合同委員会で
MRV方法論を開発
日本の削減目標
達成に活用
クレジット
JCMプロ
ジェクト
MRV
温室効果ガスの排
出削減・吸収量
二国間文書に署名済みの国
 日本は、2011年から開発途上国とJCMに関する協議を行ってきており、モンゴル、
バングラデシュ、エチオピア、ケニア、モルディブ、ベトナム、ラオス、インドネシアと
JCMに係る二国間文書に署名
Mongolia
On January 8, 2013
(Ulaanbaatar)
Bangladesh
On March 19, 2013
(Dhaka)
Ethiopia
On May 27, 2013
(Addis Ababa)
Kenya
On June 12,2013
(Nairobi)
Maldives
On June 29, 2013
(Okinawa)
Viet Nam
On July 2, 2013
(Hanoi)
Lao PDR
On August 7, 2013
(Vientiane)
Indonesia
On August 26, 2013
(Jakarta)
 モンゴル、バングラデシュ、エチオピア、ケニア、ベトナムとは、それぞれ第1回の
合同委員会を開催済み
35
二国間クレジット制度の仕組み【実施中】
日本政府からの資金支援(設備補助等)により、民間企業等は優れた低炭素技術等
を海外展開することが可能となり、途上国における排出削減が実現する。
この場合、民間企業等はクレジット受け取り前に資金を受け取ることができる。
日本政府
①資金支援
⑤資金支援分
のクレジット
を納入
④クレジット
②海外展開
途上国
③排出削減・
クレジットの発生
優れた低炭素設備、
エンジニアリング、
保守・運営技術等
民間企業等
36
低炭素技術の国際展開に向けた資金支援方策
~途上国の一足飛び型発展の実現に向けて~
日本の優れた環境技術を国際展開することにより
を主導し、
現状
基本戦略
 社会インフラ(上下水道・焼却炉等)の低炭素化
をターゲットにした「都市・地域まるごと低炭素化」
 日本の優れた技術の大規模展開
 技術・ノウハウ・制度をパッケージで移転
▲ 日本には優れた環境技術があるが、高コスト
がネックとなり新興国に後れを取っている状
況。
▲ 温暖化国際交渉におけるプレゼンスの低下。
環境省
具体的アプローチ
★ JICAやADB等の開発援助・金融機関と
連携し、日本の優れた環境技術をアジア太平洋地
域に展開。
★ 日本技術の国際展開と途上国における低炭素社
会づくりの双方にwin-winとなる「二国間クレジット
制度」の構築・展開。
【導入コスト支援】
“一足飛び”型発展の実現に向けた資金支援
【JCM制度構築・案件発掘支援】
二国間クレジット制度(JCM)基盤整備事業
37
二国間クレジット制度(JCM)推進のための
MRV等関連する技術高度化事業
(1.GOSATの後継機の開発)
事業目的・概要等
背景・目的


アジア太平洋地域の途上国においては、温室効果ガス排出インベ
ントリの整備が不十分で、十分なデータが得られない場合がある。
一方、人工衛星により、宇宙から観測を行えば、二酸化炭素等の
排出を面的により詳細に把握することが可能である。
そこで、GOSAT後継機の衛星データ等を利用して二酸化炭素等の
排出を都市単位、大規模排出源単位で把握し、二国間クレジット
制度(JCM)等の効果をマクロな規模で検証し、JCM対象事業の実
施を後押しする。
事業概要
観測を高度化したGOSAT後継機の開発
※特会ではJCM推進に貢献するセンサ開発部分を要求
平成25年度予算
26年度要求額
○○百万円
3,150百万円(新規)
イメージ
温室効果ガス観測技術衛星後継機(GOSAT後継機)
GOSAT フーリエ変換分光計
+一酸化炭素バンドの追加等
GOSAT 雲・エアロゾルセンサ
+エアロゾル観測機能の強化
GOSAT後継機の成果イメージ
低炭素社会構築
-GOSATの継続課題-
エアロゾル等大気汚染軽減
-GOSAT後継機の新規課題衛星
観測
事業スキーム
委託対象:民間団体等
実施期間:開発・打上げ=4年間 (平成25年度~平成29年度)
※平成25年度は一般会計で実施
期待される効果
 都市単位あるいは大規模排出源単位での二酸化炭素等の排出把握
を行い、アジア諸国等におけるJCM実施の効果検証に資する。
 国別、準国別のエネルギー起源二酸化炭素の排出状況及びその削
減ポテンシャルを把握し、アジア諸国等を中心に低炭素化に向け
た施策立案等につなげる。
 GOSAT後継機により、日本の技術で世界の温室効果ガス排出削
減・吸収や持続可能な経済社会の実現に貢献する。
二酸化炭素(GOSAT L4B)
一酸化炭素(モデル)
二酸化炭素と一酸化炭素(新
規)等の全球同時観測を行い、
都市・発電所、森林火災等の
大規模排出源の監視を行う。
国際的枠組みへの貢献
気候変動枠組み条約
短寿命気候汚染物質削減のための
気候と大気浄化のコアリション
紫外線
小さな粒子
による大気
の濁り
エアロゾル監視
現地
データ
大都市等の温室効果ももつエ
アロゾル等による大気汚染状
況を監視し、健康被害が懸念
される地域を検知する。
アジア諸国の低炭素化・
大気汚染改善
二国間クレジット制度(JCM)推進のための
MRV等関連する技術高度化事業
平成25年度予算
26年度要求額
○○百万円
3,150百万円(新規)
(2.JCM推進のためのMRV等関連する技術高度化)
事業目的・概要等
背景・目的


衛星データを補完するため地上観測等設備等の整備により、JCMの
ための算定・報告・検証(MRV)の精度向上を行う。
低炭素社会実現に向けて都市及び地域単位で社会システムの改革を
行い、GOSAT後継機及び地上観測設備等との連携により、アジア諸
国等におけるエネルギー起源二酸化炭素排出の削減とその効果検証
につなげる。
事業概要
期待される効果




都市単位あるいは大規模排出源単位での二酸化炭素等の排出把握
を行い、アジア諸国等におけるJCM実施の効果検証に資する。
国別、準国別のエネルギー起源二酸化炭素の排出状況及びその削
減ポテンシャルを把握し、アジア諸国等を中心に低炭素化に向け
た施策立案等につなげる。
日本の要素技術をもとにアジア諸国等の実情に合わせて設計した
低炭素システムを提案し、我が国との連携によるアジア諸国等の
低炭素化を推進するとともに、そのエネルギー起源二酸化炭素排
出削減の効果を検証する。
エネルギー起源二酸化炭素排出に加え、ブラックカーボン(BC)
等の短寿命気候汚染物質(SLCP)の都市単位の総合的な測定を行
い、気候変動対策を含む総合的な環境対策の進展を図る。
①GOSAT後継機を補完する地上観測等事業
 JCM推進のための衛星による都市レベルのMRV等の精度向上に向け
て、詳細な地上観測等による実測データを用いて衛星データを補完
イメージ
し吸排出量計算の精度向上を行う必要がある。このため、地上等に
東南アジア域での
おける二酸化炭素、一酸化炭素、SLCPなどの観測設備の整備を行う。 ①
地上観測等設備
ボトルサンプラー
GOSAT後継機観測データの補完
②低炭素システムの効果検証
 日本の要素技術をもとに、アジア諸国の実情に合わせて都市及び地
域全体として効率のよい低炭素システムを設計し、提案する。
 平成26年度は、インドネシアにおいて都市型の、モンゴルにおいて
農村型の検証事業を行う。モンゴルにおいては、気候変動の適応に
もつながるような緩和と適応の統合的な取組を行う。
※ 将来的には、1.で開発したGOSAT後継機等の人工衛星と、2.①で整
備した地上観測設備等を用い、当検証事業において実施する低炭素
システムによるエネルギー起源二酸化炭素排出削減効果の検証を行
う。
連続観測装置
地上観測
サイト
②
産業共生型の地域エネル
ギーネットワークシステム
(インドネシアの例)
標準
ガス
分散型の再生可能エネルギーの
利用及び持続可能な放牧の両立(モンゴルの例)
事業スキーム
① 委託対象:民間団体等、実施期間:Z+4年間(打上げ後のZ年間を含む)
② 委託対象:民間団体等
分散型の
再生可能エネル
ギー等を用いた
冷凍貯蔵システム
都市における
消費電力の削減
御清聴ありがとうございました。
40
Fly UP