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米国の世界トップクラス研究拠点調査 報告書 - NISTEP Repository

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米国の世界トップクラス研究拠点調査 報告書 - NISTEP Repository
NISTEP REPORT No.102
平成18年度科学技術振興調整費調査研究報告書
米国の世界トップクラス研究拠点調査
報告書
2007年3月
文部科学省 科学技術政策研究所
株式会社 日本総合研究所
Study on the world’s top class research centers in the U.S.
March, 2007
National Institute of Science and Technology Policy (NISTEP)
The Japan Research Institute, Limited
本報告書は、文部科学省の科学技術振興調整費による業務として、科学技術政策研究所
が実施している「米国の世界トップクラス研究拠点調査」
(中核機関:科学技術政策研究所、
委託先:株式会社
日本総合研究所)の調査成果を取りまとめたものです。
従って、本報告書の複製、転載、引用等には科学技術政策研究所の承認手続きが必要で
す。
目
サマリー
次
………………………………………………………………………………………
Ⅰ
【本編】
第 1 章 調査の概要……………………………………………………………………………
1-1.調査の背景と目的
1
………………………………………………………………
1
1-2.調査の期間
………………………………………………………………………
1
1-3.調査の体制
………………………………………………………………………
1
1-4.調査の方法
………………………………………………………………………
2
1-4-1.現地調査対象拠点の選定と調査設計 ………………………………
2
1-4-2.第1次現地調査の実施
………………………………………………
3
1-4-3.第2次現地調査/分野領域共通要件調査の実施 …………………
3
1-4-4.米国トップ研究拠点調査のまとめ
3
…………………………………
1-4-5.定量的指標に基づく米国のトップクラス大学の概観
……………
3
米国トップクラス研究拠点インタビュー調査結果………………………………
5
2-1.米国現地調査の設計と概要………………………………………………………
5
2-2.ライフサイエンス分野におけるトップ研究拠点の調査………………………
8
2-2-1.コールドスプリングハーバー研究所…………………………………
8
2-3.環境・エネルギー分野におけるトップ研究拠点の調査………………………
14
2-3-1.MIT・グローバルチェンジサイエンスセンター ……………………
14
2-3-2.スタンフォード大学 スクールオブアースサイエンス……………
16
2-4.情報通信技術分野におけるトップ研究拠点の調査……………………………
20
2-4-1.MIT・メディアラボ ……………………………………………………
20
2-4-2.カーネギーメロン大学 ロボット研究所……………………………
21
2-5.ナノテクノロジー・材料分野におけるトップ研究拠点の調査………………
29
2-5-1.アリゾナ大学 カレッジオブオプティカルサイエンス……………
29
2-5-2.ボストン大学
ナノサイエンス&ナノバイオテクノロジーセンター
32
2-6.基礎科学(素粒子物理)領域におけるトップ研究拠点の調査………………
35
2-6-1.フェルミ国立加速器研究所……………………………………………
35
2-6-2.スタンフォードリニア加速器センター……………………………
37
2-7.研究拠点の全般的特徴に関する有識者調査……………………………………
41
2-7-1.TPI(ジョージ・ヒートン氏)………………………………………
41
第2章
2-7-2.TPI(パトリック・ウィンダム氏)…………………………………… 43
2-7-3.スタンフォード大学(山本喜久教授)………………………………
45
2章まとめ①
米国トップクラス研究拠点第 1 次調査結果(その1) ……………
47~48
2章まとめ②
米国トップクラス研究拠点第 1 次調査結果(その2) ……………
49~50
2章まとめ③
米国トップクラス研究拠点第 2 次調査結果
51~52
……………………
第3章 米国のトップクラス研究拠点にみる研究拠点形成の要件……………………… 53
3-1.世界トップクラスの研究拠点の要件……………………………………………
53
3-1-1.拠点形成におけるリーダーの存在…………………………………… 53
3-1-2.研究スタッフ、支援スタッフ、設備、プログラムの充実………… 54
3-1-3.その他…………………………………………………………………… 55
3-2.米国のトップクラス研究拠点のマネジメント…………………………………
55
3-2-1.人事評価におけるピア評価の重視…………………………………… 55
3-2-2.外部資金獲得の重視…………………………………………………… 56
3-2-3.リサーチトラックの採用/システムトラックの採用……………… 56
3-3.人材の流動性と国際性……………………………………………………………
56
3-3-1.ジュニアレベルにおける流動性の高さ……………………………… 56
3-3-2.研究人材の国際性……………………………………………………… 57
3-4.今後の検討課題……………………………………………………………………
57
補章 定量的指標による米国のトップクラス大学等の評価……………………………… 60
1.大学等の定量的分析の設計と概要……………………………………………………
60
2.研究費支出総額の推移データに基づく分析…………………………………………
62
2-1.Biological Science ……………………………………………………
62
2-2.Medical Science …………………………………………………………
64
2-3.Physics ……………………………………………………………………
66
2-4.Chemistry …………………………………………………………………
68
2-5.Computer Sciences ………………………………………………………
70
2-6.Mathematical Sciences …………………………………………………
72
3.論文被引用数のデータに基づく分析…………………………………………………
74
3-1.Biology & Biochemistry…………………………………………………
75
3-2.Molecular Biology & Genetics…………………………………………
77
3-3.Physics ……………………………………………………………………
79
3-4.Chemistry …………………………………………………………………
81
3-5.Computer Science…………………………………………………………
83
3-6.Mathematics ………………………………………………………………
85
4.国際的褒賞の受賞状況データに基づく分析…………………………………………
87
4-1.ノーベル生理学医学賞……………………………………………………
87
4-2.ノーベル物理学賞…………………………………………………………
89
4-3.ノーベル化学賞……………………………………………………………
91
5.評価結果小括……………………………………………………………………………
93
【資料編】
資料1-1 機関別の“Biological Sciences”分野の研究費支出額の推移/
大学・大学院等を対象とした場合
……………………………………
96~97
資料1-2 機関別の“Medical Sciences”分野の研究費支出額の推移/
大学・大学院等を対象とした場合………………………………………
98~99
資料1-3 機関別の“Physics”分野の研究費支出額の推移/
大学・大学院等を対象とした場合……………………………………… 100~101
資料1-4 機関別の“Chemistry”分野の研究費支出額の推移/
大学・大学院等を対象とした場合………………………………………102~103
資料1-5 機関別の“Computer Sciences”分野の研究費支出額の推移/
大学・大学院等を対象とした場合……………………………………
104~105
資料1-6 機関別の“Mathematical Sciences”分野の研究費支出額の推移/
大学・大学院等を対象とした場合……………………………………
106~107
資料2-1 “Biology & Biochemistry”分野の論文被引用数に基づく
機関ランキング/1995 年~2004 年の 10 年間を対象とした場合…
108~109
資料2-2 “Molecular Biology & Genetics”分野の論文被引用数に基づく
機関ランキング/1995 年~2004 年の 10 年間を対象とした場合…
110~111
資料2-3 “Physics”分野の論文被引用数に基づく機関ランキング/
1995 年~2004 年の 10 年間を対象とした場合 ……………………… 112~113
資料2-4 “Chemistry”分野の論文被引用数に基づく機関ランキング/
1995 年~2004 年の 10 年間を対象とした場合 ……………………… 114~115
資料2-5 “Computer Science”分野の論文被引用数に基づく
機関ランキング/1995 年~2004 年の 10 年間を対象とした場合… 116~117
資料2-6 “Mathematics”分野の論文被引用数に基づく機関ランキング/
1995 年~2004 年の 10 年間を対象とした場合
資料3
…………………… 118~119
委員名簿/本件に係る調査実施体制及び参加者一覧………………
120
米国の世界トップクラス研究拠点調査 サマリー
Ⅰ.調査概要
1.調査の目的と背景
第3期「科学技術基本計画」は、
「科学の発展と絶えざるイノベーションの創出」を目指す政
策の一環として、
「大学の競争力の強化」を掲げ、世界トップクラスとして位置付けられる研究
拠点が結果として30拠点程度形成されることを目標としている。
この政策目標を達成するためには、我が国の研究拠点において研究資金、研究人材等の資源
を拡充することはもとより、創造的な研究開発システムを構築する諸施策の推進が不可欠であ
る。
本調査研究は、このような背景的問題意識に基づき、創造的な研究開発システムの企画立案
と推進に資するため、世界トップクラスの研究拠点における競争力の源泉を、現地訪問調査に
よって明らかにしようとするものである。
具体的には、我が国の研究拠点にとってベンチ・マーキングの対象となる欧米の世界トップ
クラスの研究拠点につき、その研究開発システムが持つ競争力の源泉となる諸要件を明らかに
することを目的として実施した。
2.調査方法
以下の手順で米国のトップクラス研究拠点を選定し、現地インタビュー調査を実施した。
(1)現地調査対象拠点の選出
①本調査研究では、まず、「科学技術基本計画」の定める重点推進4分野(ライフサイエンス、
情報通信、環境・エネルギー、ナノテクノロジー・材料)
、および基礎科学(素粒子物理)領
域につき、調査対象となる米国のトップクラス研究拠点を選定するために、科学技術政策研
究所内に「世界トップクラスの研究拠点調査検討委員会」を設置した。
②当該検討委員会においては、
「比較的近年にめざましい活躍を始めた研究拠点」を中心に、分
野によっては「既に評価の確立した研究拠点であるが、マネジメント面などで参考にすべき
ユニークな特徴をもつ拠点」を加える、という観点から、現地調査の対象となるトップクラ
ス拠点の選定検討を行った。次にその議論に基づき、各分野を専門とする委員から個別に数
箇所の拠点推挙を受け、現地機関との具体的な交渉と調整を経て調査拠点を選定した。
③数学の研究拠点に関しては、既に科学技術政策研究所において、トップクラスの研究拠点を、
現地調査を含めて詳細に研究した資料がある(「科学技術政策研究所
国の数学振興政策の考え方と数学研究拠点の状況」
調査資料 No.131
米
等)ことから、本調査では現地調査の
対象外としている。
(2)現地調査の実施方法
①第1次現地調査として、選出された研究拠点の学部長やセンター長、またこれに準じる人物
を対象とし、各拠点における研究予算規模や人員構成、外部資金導入状況、リーダーシップ
や研究マネジメントのあり方、実績評価のあり方、また拠点の形成と発展の経緯などの情報
I
を把握した(実施日:2007 年 1 月 25 日~2 月 2 日)
②第2次現地調査として、1次調査の調査対象拠点とのさらなる調整に基づき、現場の研究者
レベルを対象とし、研究者に対するインセンティブ・システムや、研究者自身が経験した人
材流動の実態などの情報を収集した。(実施日:2007 年 3 月 12 日~3 月 16 日)
③研究拠点の特徴に関する調査として、特定の研究分野を超えた全般的な情報を得るために、
米国研究拠点で活躍する日本人研究者、および米国シンクタンクに対するインタビュー調査
を実施した(1次、2次調査にあわせて実施)。
(3)現地調査対象機関
本調査では次の研究拠点に対して現地調査を実施した。
【1次調査対象拠点】
①ライフサイエンス分野:1 拠点
・コールドスプリングハーバー研究所 リリアン・クラーク博士
②環境・エネルギー分野:2 拠点
・マサチューセッツ工科大学 グローバルチェンジサイエンスセンター ロナルド・プリン博士
・スタンフォード大学 スクールオブアースサイエンス パメラ・メーソン博士
③情報通信技術分野:2 拠点
・マサチューセッツ工科大学 メディアラボ 石井裕 博士
・カーネギーメロン大学 ロボット研究所 マチュー・メーソン博士
④ナノテクノロジー・材料分野:2 拠点
・アリゾナ大学 カレッジオブオプティカルサイエンス ジェームズ・ワイアント博士
・ボストン大学 ナノサイエンス&ナノバイオテクノロジーセンター マリオ・カボディ博士
⑤基礎科学(素粒子物理)領域:2 拠点
・フェルミ国立加速器研究所 ヤン・キー・キム博士
・スタンフォードリニア加速器センター ステファン・ウィリアムズ博士
【2次調査対象拠点】
・コールドスプリングハーバー研究所 ニコラス・トンクス教授
・カーネギーメロン大学 ロボット研究所 クリストファー・アテクソン教授
・カーネギーメロン大学 ロボット研究所 ジェームス・カファー助教
【研究拠点の全般的特徴に関する調査対象者】
・テクノロジーポリシーインターナショナル ジョージ・ヒートン氏
・テクノロジーポリシーインターナショナル パトリック・ウィンダム氏
・スタンフォード大学 山本喜久 教授
II
Ⅱ.調査結果
1.世界トップクラスの研究拠点の要件
米国の大学や公的研究機関は、世界トップクラスの研究拠点たるべき要件をどのように捉え、
そして実践してきているのか。この問いに対して、2度の現地調査の中で得られた回答は、
「世
界中からトップクラスの優れた人材を引きつけることのできる力を持っていること」である。
今回の現地調査の対象とした米国の研究拠点の中には、コールドスプリングハーバー研究所のように、
百年を超える長い歴史を持つものもあれば、MIT グローバルチェンジサイエンスセンターのように、設
立されてから十数年という新しい拠点もある。
また、スタンフォード大学スクール・オブ・アースサイエンスのように大学の一学部として位置づけ
られるものがある一方、フェルミ国立加速器研究所のような独立した公的研究機関もある。
これら多様な特徴を持つ研究拠点の代表者クラスが異口同音に指摘したのは、世界トップクラスの研
究拠点とは、米国だけでなく世界中のトップクラスの優秀な人材(ひとり立ちした研究者だけでなく、
大学院生、技術者などを含む)がそこで研究をしたい、仕事をしたいと願うような魅力を備えている拠
点である、というメッセージであった。
ここで指摘された、「トップクラス研究拠点の世界トップクラスの人材を引きつける力」が、
具体的にどのような力であるかについては、大きく2つの指摘があった。
1-1.拠点形成におけるリーダーの存在
第 1 に、
「魅力的なリーダーの存在」である。研究拠点を世界トップクラスたらしめるリーダー
の在り方には、さらに 2 つのステージがある。
研究拠点の形成という最初のステージで必要となるのは、研究拠点の創出のトリガーとなる、
明確で強いビジョンを示すリーダー、
「ビジョナリーリーダー」の存在である。ビジョナリーリー
ダーが示したビジョンを、具体的な研究として展開していく次のステージで必要となるのは、優
れた研究者や学生をひきつけることのできる「研究リーダー」である。
今回ベンチマークした米国のトップ拠点の中には、ビジョナリーリーダーと研究リーダーがそれぞれ存
在したケースと、一人のリーダーが両者の役割を兼ね備えていたケースとがあった。ビジョナリーリー
ダーと、研究リーダーを兼ねることができるリーダーの存在は米国でも稀なケースで、基本的には 2 段
階のリーダーシップが発揮され、研究拠点が世界トップクラスとなっていくのではないかと考えられる。
今回調査した中では、カーネギーメロン大学ロボット研究所や、アリゾナ大学カレッジ・オブ・オプテ
ィカルサイエンスで、この2段階のステップが明確に示されていた。
他方で、ビジョンを実現するために、既存の研究領域の枠組みを超えた学際的な領域を形成すること
が必要となる場合は、関連学部のキーパースンとの連携、ネットワーク形成を実現できる調整に長けた、
起業家型(アントレプレナー型)のリーダーシップが必要となる。MIT グローバルチェンジサイエンス
センターやアリゾナ大学カレッジ・オブ・オプティカルサイエンスがこのケースであった。
また、2次調査の中では、カーネギーメロン大学ロボット研究所の現場の研究者のように、リーダー
が示す大きなビジョンに引きつけられつつも、自分独自のビジョンを持っている、という意見があった。
1-2.研究スタッフ、支援スタッフ、設備、プログラムの充実
第 2 に、研究を進めるに際しての研究パートナーとなりうる「優れた同僚、研究者仲間が在籍
III
していること」(2次調査では人材のクリティカル・マスと表現されていた)が指摘されていた。
優れた研究者の存在が、さらに広く優れた人材を引きつける好循環が生まれるには、この要件は
欠かすことができない。
加えて、
「優れた研究支援スタッフが在籍していること」も、人を引きつける要件として重要で
ある。研究拠点の規模の大小にかかわらず、優れた支援スタッフや事務方の存在は、研究活動や
これに付随する諸手続きを円滑に進める上で重要である。
また、
「そこにしかない優れた研究・実験設備」もまた、優れた研究者を引きつける大きな要因
である。特定の研究設備を必要としない分野領域の場合には、
「そこにしかない優れた研究プログ
ラム」が、優れた人材を引きつける要因となっている。
1-3.その他
他に、優れた人材を引きつける要件として指摘されていたのは、研究推進上のリスクを取るチ
ャンスを与えてくれる(特に若手の研究者に対してそうしたチャンスを与える)組織の文化、風
潮などである。一方で、一般論として高いサラリーを含めた待遇条件の面も重要である、との指
摘もあった。
2.米国のトップクラス研究拠点のマネジメント
ある分野の研究のために設置された研究拠点が、トップクラスとの評価を得るようになるには、
いかに優れた成果を生み出し、また産み出された成果をいかに適正に評価するか、そのマネジメ
ントの方法が重要である。
本年度に調査した、米国の世界トップクラス研究拠点のマネジメントの特徴をまとめると次の
3点になる。
2-1.人事評価におけるピア評価の重視
人事評価、特にテニュアトラックにある若手研究者を評価する場合に必要な視点として、米国
のトップ拠点の学部長クラスが一様に強調していたのが、ピア評価の重視である。
いくつかのトップ研究拠点では、論文数や論文の被引用数などの指標は、あくまで研究者の評価のベ
ースラインを示すものとして捉え、その上でピアによる評価の結果を重視する、という総合的評価を導
入していた(citation を評価基準に用いる場合の問題点は、ひとつは新しい領域の評価が難しいという
点)。
具体的なピア評価の方法としては、審査対象者の同僚によるピアレビューに加えて、同分野の世界中
の一流の研究者にレビューレターを依頼する、という方法を取り入れている例、また、審査対象者のか
つての指導教官やシニア研究者、学生によるレビューを行う拠点の例もあった。審査対象者の書いた論
文が、その分野に与えるインパクトを重視し、このインパクトが大きければ、数は問題ではない、との
評価を行う拠点もあった。
さらに、現場研究者レベルから、プレゼンテーションを通して、審査対象者の研究計画の戦略性や実
現性、将来性を評価する事例の情報も得られた。
2-2.外部資金獲得の重視
研究者が外部資金の獲得を行うことを重視するという視点は、今回調査したどの研究拠点にも
ほぼ共通している。ただし、研究拠点の特徴や資金獲得戦略、例えば外部からの寄付額の大小、
また独立研究拠点か大学付置機関か、等によって、個々の研究者が負うオブリゲーションには違
IV
いがみられた。
まず、拠点に所属する研究者すべてが、外部研究資金の獲得の義務を負うケースとしては、アリゾナ大
学カレッジ・オブ・オプティカルサイエンスやボストン大学ナノサイエンス&ナノテクノロジーセンター
がある。他方、組織の中に部資金獲得の役割を担う研究者とこれが免除される研究者がおり、組織全体と
しての外部資金獲得を行うケースとして、カーネギーメロン大学ロボット研究所や、MIT メディアラボが
ある。
また、外部研究資金獲得の義務を負う研究者が、資金獲得が首尾よくいかない場合、段階的に拠点を追
われるようになるケースが多い一方で、インパクトのある研究成果を出していれば獲得額を問われないと
するケースもあった。
2-3.リサーチトラックの採用/システムトラックの採用
今回現地調査の対象とした研究拠点のすべてが、教育義務を課される通常のテニュアトラック
だけではなく、教育義務を免除され研究に専念することが許される「リサーチトラックの導入」
を行っていた。
またカーネギーメロン大学ロボット研究所の「注目すべきロボットを創ることで評価する」シ
ステムトラック制度などのように、特色あるトラックを設けて研究能力と対外競争力の向上に努
めているケースもあった。
3.人材の流動性と国際性
米国の研究拠点における人材流動性の高さは、先にも触れた「世界中から優秀な人材を引きつ
ける研究拠点の力」と、そうした優秀な人材を適切に評価できるシステムによって担保されてき
ているという一面がある。
しかしながら、研究拠点の事情を細かく見ていくと、研究者の研究ステージや研究機関のマネ
ジメントの特徴によって、若干の違いがあることがわかった。
3-1.ジュニアレベルにおける流動性の高さ
今回現地調査を行った研究拠点に共通しているのは、テニュア獲得以前の研究者(ジュニアレ
ベルの人材)の流動性が高いということである。
米国の大学の共通認識として、自分の出身大学でそのまま職に就くことは珍しいことであるし、決して
奨励されもしない。結果的に多くのジュニアクラスの研究者は、テニュアを獲得するまでに大学の学部、
大学院、PD 研究員期、テニュアトラックを、それぞれ異なる研究機関を渡り歩くことになる。ただし、カ
ーネギーメロン大学ロボット研究所のように、若手研究者を優先的に採用し、しかもその採用時に厳しい
スクリーニングをかけるという評価方法を採る拠点では、結果的に内部昇格者が多くなり、相対的な流動
性は低くなる。他にも、MIT が内部昇進率の高いことで知られている。
他方、テニュアを獲得したシニアレベルの研究者では、ジュニアレベルに比べて流動性は低く
なる。特にトップクラスの研究拠点であるほど、他の研究拠点に移るためのインセンティブが小
さくなるために、安定性は高くなる。
3-2.研究人材の国際性
調査の結果から、米国トップクラスの研究拠点は基本的に、最優秀の人材をスカウトし、採用
V
し、また学生として受け入れるというスタンスをとっており、その結果として国際性が高くなっ
ている。
また、フェルミ研究所や SLAC など、世界有数の研究設備をもつ研究拠点では、世界中からビジ
ターとして訪れる研究者の割合が非常に大きくなっている。
他方、欧州等から米国の研究機関に移籍した研究者からは、米国の研究機関の魅力のひとつと
して、研究者にとって自由な文化と環境があることが指摘されていた。
4.結びに代えて
本調査の結果を端的に表現するなら、いずれのトップクラス研究拠点においても、必要な要
件は「人材」である。
この「人材」を集め、研究を展開し、また評価するために必要なマネジメントの在り方につい
ては、研究拠点が、新たな研究拠点の創出、研究拠点の発展、そして拠点の世界トップのレベル
の維持ののどのステージにあるかにより異なると考えられる。これは今後の調査研究の中で検討
すべき事項である。加えて、研究拠点の適正規模についても、拠点の分野、および発展ステージ
によりいくつかのパターンがあると考えることができる。
また、研究拠点の競争優位の決定要因についても、欧州におけるトップ拠点の調査結果と合わ
せてさらに踏み込んだ分析を行う必要がある。
VI
本
編
第 1 章 調査の概要
本章は、「世界トップクラスの研究拠点調査」の概要を記す。
1-1.調査の背景と目的
第 1 期、第 2 期の「科学技術基本計画」の推進により、科学技術振興に要する研究開発
資源は順調に拡充されてきたものの、分野別論文被引用件数等の各種評価指標からみる限
り、我が国で世界トップクラスと目される研究拠点の数は十分とはいえない現状にある。
研究開発資源を効果的に知的成果の産出に結びつけ、また絶えざるイノベーションの創出
に架橋するためには、システムとしての全体性を有する研究開発ないし科学技術活動の仕
組みを改革することが課題となる。
第3期「科学技術基本計画」は、「科学の発展と絶えざるイノベーションの創出」を目指
す政策の一環として「大学の競争力の強化」を掲げ、世界トップクラスとして位置付けら
れる研究拠点が結果として30拠点程度形成されることを目標としている。
この政策目標を達成するためには、我が国の研究拠点において研究資金、研究人材等の
資源を拡充することはもとより、創造的な研究開発システムを構築する諸施策の推進が不
可欠である。
本調査研究は、このような背景的問題意識に基づき、創造的な研究開発システムの企画
立案と推進に資するため、世界トップクラスの研究拠点における競争力の源泉を、システ
ムとして捉える観点から明らかにしようとするものである。
具体的には、我が国の研究拠点にとってベンチ・マーキングの対象となる欧米の世界ト
ップクラスの研究拠点につき、その研究開発システムが持つ競争力の源泉となる諸要件を
明らかにすることを目的として実施された。
1-2.調査の期間
期間:平成 18 年7月 1 日~平成 19 年 3 月 31 日
1-3.調査の体制
本調査研究は、科学技術政策研究所内に「世界トップクラスの研究拠点調査検討委員会」
(表 1-1 参照)を設置し、当該委員会における議論、および各委員の指導、協力の下に展開
した。具体的なトップ研究拠点に関するデータの収集、現地調査の実施については、外部
調査研究機関への委託に基づいて実施した。なお、米国トップ研究拠点調査に関しては、
一般競争入札の結果、株式会社日本総合研究所を主たる委託先として選定した。
1
表 1-1.世界トップクラスの研究拠点調査検討委員会 委員名簿(平成 19 年 3 月 1 日現在)
委員名(50 音順)
役
職
理事
北澤
宏一
独立行政法人科学技術振興機構
後藤
晃(座長)
政策研究大学院大学
小原
雄治
国立遺伝学研究所
角南
篤
政策研究大学院大学
土居
範久
中央大学理工学部情報工学科
戸塚
洋二
日本学術振興会
西岡
秀三
独立行政法人
山口
栄一
同志社大学大学院ビジネス研究科
客員教授
所長・教授
助教授
教授
学術システム研究センター
国立環境研究所
センター長
理事
教授
1-4.調査の方法
1-4-1.現地調査対象拠点の選定と調査設計
本調査研究では、まず、「科学技術基本計画」の定める重点推進4分野(ライフサイエン
ス、情報通信、環境・エネルギー、ナノテクノロジー・材料)、および基礎科学(素粒子物
理)領域につき、調査対象となる米国のトップクラス研究拠点を選定するために、検討委
員会において検討を行い、その後、各分野を専門とする委員より事務局及び調査機関が個
別にレクチャーを受ける中で、具体的な拠点候補を選定した(注:調査検討委員会による
調査対象拠点の検討の場では、トップクラスの研究拠点選定について、各委員の経験と知
見に基づく評価からの意見が出された。最終的な調査対象研究拠点の選出については、委
員会の評価検討結果を受けて、各分野の専門の委員に一任されることとなった。なお、重
点推進 4 分野、および基礎科学(素粒子物理)の専門の委員による調査対象機関の選定は、
我が国の拠点育成プログラムのベンチマークを行うという本調査研究の目的に鑑み、
「比較
的近年にめざましい活躍を始めた研究拠点」を中心に行うこととし、分野によっては「既
に評価の確立した研究拠点であるが、マネジメント面などで参考にすべき特徴、またユニ
ークな特徴をもつものとして押さえておくべき機関」を加えることとした。本調査研究に
おける米国の世界トップクラス研究拠点は、以上のようなプロセスで検討され、選定され
たが、さらに第2章に示すとおり、米国で現地拠点調査を進める中で、「今後何年かで世界
トップクラスになるであろうと予測される拠点」として、インタビュー対象者から調査す
べき拠点を推挙されることが少なくなかった。こうした新たな情報については、スケジュ
ールなどの問題もあり、本年度の現地調査に反映できたものは最小限にとどまっている)。
なお、数学の拠点に関しては、既に科学技術政策研究所において、トップクラスの研究
拠点を、現地調査を含めて詳細に研究した資料がある(「科学技術政策研究所
No.131
米国の数学振興政策の考え方と数学研究拠点の状況」
調査資料
等)ことから、本調査で
は現地調査の対象外としている。
さらにトップ拠点の選定作業に平行して、実際に現地で行う拠点調査の設計を行った。
2
具体的な調査項目に関して、トップ研究拠点のどのセクションを調査するか、どのクラス
の人間にインタビューを実施するか(例:ディーンクラス、研究チームリーダー&研究課
題責任者クラス
等)、等を検討した。
1-4-2.第1次現地調査の実施
委員会検討および委員によるレクチャーの結果を反映しつつ選定された米国のトップ研
究拠点候補について、現地機関との間の諸交渉・調整を行った。その中で、現地調査の申
し込みを受理され、さらに調査スケジュールの調整がついた機関(各領域毎
2機関程度)
が第1次現地調査の対象拠点となった。
この調整結果を受け、第 1 次現地調査として研究拠点の概略を把握する、すなわち「幅広
く研究拠点の関連情報を吸い上げる」調査を実施した。具体的には、各拠点における研究
予算規模や人員構成、外部資金導入状況、リーダーシップや研究マネジメントのあり方、
実績評価のあり方、また拠点の形成と発展の経緯などの情報を把握した。こうした情報を
収集するために、第 1 次現地調査は、米国のトップクラス研究拠点の学部長やセンター長、
またこれに準じるクラスの研究者に対してインタビューを実施した。
1-4-3.第2次現地調査/分野領域共通要件調査の実施
第 1 次調査の結果の分析作業と平行して、1次調査の対象となったトップクラス研究拠
点に対して第2次現地インタビュー調査を申し込んだ。このうち申し込みを受理された拠
点に対してフィールドサーベイを行い、研究者に対するインセンティブ・システム、研究
者自身が経験した人材流動の実態などの情報を収集した。
なお第 2 次現地調査については、
現場研究者クラスに対してインタビューを実施した。
また、第 1 次調査、第 2 次調査の実施と平行して、研究拠点全般の特徴に関する情報を
把握を調査する目的で、日米の大学・研究所の研究開発システムに詳しい研究者・有識者
に対する現地インタビュー調査を実施した。
1-4-4.米国トップ研究拠点調査のまとめ
最後に、現地調査により得られたデータ群を分析し、そこから得られた事実関係を記述
するという方針に基づき本年度の成果報告としてまとめた。
1-4-5.定量的指標に基づく米国のトップクラス大学の概観
米国のトップクラス研究拠点選定作業の参考にすべく、定量的な指標に基づき米国のト
ップクラス大学を概観した。なお、現地調査の対象となる研究拠点が「ラボラトリー規模」
の機関であるのに対して、定量的な指標で概観できるのは「大学規模」であり、拠点選出
の指標として用いることには無理がある。また、定量的な指標の基盤となるデータベース
の分野分けが、科学技術基本計画の定める重点推進 4 分野、および基礎科学(素粒子物理)
3
領域と必ずしも一致整合するものではない、という点も考慮しなくてはならない。以上の
理由から、定量的指標に基づく大学の概観は、本調査においては補章として位置づけるこ
ととした。
なお、補章としての定量的指標の検討では、具体的には、米国のトップクラス研究拠点
を概観するに際して、過去 10 年間の研究費総支出額、論文の発表数、同
際的褒賞(ノーベル賞)受賞者在籍数などをデータとして検討した。
4
被引用頻度、国
第2章
米国トップクラス研究拠点インタビュー調査結果
米国のトップクラス研究拠点について、個別機関を対象とする現地でのインタビュ
ー調査を行い、
「トップ拠点としての要件と特徴」を分析した。
2-1.米国現地調査の設計と概要
「世界トップクラスの研究拠点調査検討委員会」委員推薦の研究拠点のうち、アポ
イントメントの可否、調査日程等を考慮した上で、最終的に米国現地調査の対象機関
を選定した。その上で、第1次現地調査、第2次現地調査、及びこれに平行して分野
領域共通の要件調査を行った。調査内容をまとめると、以下のようになる。
a.第1次現地調査
第1次現地調査では、
「トップ拠点の情報を幅広く収集・分析する」ことを主目的に
定め、
「トップ拠点としての発展経緯」や「組織・マネジメントの特徴」などを把握す
るため、組織全体の動向を把握する立場にある Director、Dean、またはこれに準ずる
リーダーを対象とするインタビューを行った。インタビュー機関及び対応者は、次の
通りである。
①ライフサイエンス分野;1 拠点
・Dr. Lilian Gann Clark, Dean, Watson School of Biological Sciences, Cold Spring
Harbor Laboratory
②環境・エネルギー分野;2 拠点
・Dr. Ronald G. Prinn, Professor, Director, Center for Global Change Science,
Joint Program on the Science and Policy of Global Change, Massachusetts
Institute of Technology
・Dr. Pamela Mason, Professor, Dean, School of Earth Sciences, Stanford University
③情報通信技術分野;2 拠点
・Dr. Hiroshi Ishii, Associate Professor, Co-Director, Things That Think, Media
Laboratory, Massachusetts Institute of Technology
・Dr. Matthew Mason, Professor, Director, Robotics Institute, Carnegie Mellon
University
④ナノテクノロジー・材料分野;2 拠点
・Dr. James C. Wyant, Professor, Dean, College of Optical Sciences, University
of Arizona
・Dr. Mario Cabodi, Deputy Director, Center for Nanoscience and Nanobiotechnology,
5
Boston University
⑤基礎科学領域;2 拠点(前述の通り、数学については既に現地調査報告があるので、
ここでは異なる領域の拠点(素粒子物理)を現地調査した)
・Dr. Young-Kee Kim, Professor, Deputy Director, Fermi National Accelerator
Laboratory 等
・Dr. Stephan Williams, Deputy to the Director of PPA, Stanford Linear Accelerator
Center 等
これらを対象とするインタビューを通じ、以下の事項などを把握した。
・拠点としての発展経緯/拠点の概要
・組織的特徴、活動環境/マネジメントの特徴(ビジョン、リーダーシップ
等)
b.第2次現地調査
第1次現地調査を行った拠点の中から2拠点を取り上げ、第2次現地調査を実施し
た。
「研究者の活動実態に関わる情報を収集・分析する」ことを主目的に定め、現場の
実態を把握している faculty などを対象とするインタビューを行った。インタビュー
機関及び対応者は、次の通りである。
①ライフサイエンス分野;1 拠点
・Dr. Nicholas Tonks, Professor, Cold Spring Harbor Laboratory
②情報通信技術分野;1 拠点
・ Dr. Christopher Atkeson, Professor, Robotics Institute, Carnegie Mellon
University
・Dr. James Kuffner, Assistant Professor, Robotics Institute, Carnegie Mellon
University
これらを対象とするインタビューを通じ、以下の事項などを把握した。
・研究者の採用システム
・業績評価、昇進制度
c.全般的特徴に関する有識者調査
「現地調査で得られた結果を検証する」ことを主目的に定め、
「米国におけるトップ
拠点の発展経緯」や「トップ拠点の組織的特徴」などに詳しく、日本の大学事情にも
通じている研究者・有識者へのインタビューを行った。インタビュー対象者は、次の
6
通りである。
・Mr. George Heaton, Managing Principal, Technology Policy International
・Mr. Patrick Windham, Principal, Technology Policy International
・Dr. Yoshihisa Yamamoto, Professor, Department of Electrical Engineering &
Department of Applied Physics, Stanford University
(※Technology Policy International の概要については 3-7-1 を参照)
これらの研究者・有識者へのインタビューを通じ、以下の事項などを把握した。
・第1次現地調査、第2次現地調査で得られた結果の妥当性
・第1次現地調査、第2次現地調査で得られた結果の関連情報
現地調査結果の詳細を、以下にまとめる。
7
2-2.ライフサイエンス分野におけるトップ研究拠点の調査
ラ イ フ サ イ エ ン ス 分 野 に つ い て は 、「 コ ー ル ド ス プ リ ン グ ハ ー バ ー 研 究 所
(CSHL;Cold Spring Harbor Laboratory)」を対象拠点として取り上げた。
2-2-1.コールドスプリングハーバー研究所
CSHLは、ニューヨーク州のコールドスプリングハーバー市に位置する。1890 年
に Brooklyn Institute of Arts and Science が創設した Biological Laboratory を前
身としており、2007 年が設立 118 年目に当たる。
「分子生物学の発祥・発展の地」であり、ライフサイエンス分野のトップ拠点の一
つとして位置付けられる。これまでに、DNA の二重螺旋構造を発見した James Watson,
Francis Crick をはじめ、Barbara McClintock, Richard Roberts 等のノーベル賞受賞
者を輩出している。また、年間 8,000 人の研究者が訪れ、活発な議論を展開する等、
研究者のメッカ的性質を持っている。なお、我々が補章で行った定量的指標に基づく
評価でも、「Molecular Biology & Genetic 分野」の「一論文当たりの平均被引用頻度」
において「第1位」にランクされている。
ホームページに掲載された 2005 年度のデータに拠れば、予算総額は 9,870 万ドルと
なっており、人員については、full-time employee が 721 名、part-time employee が
183 名、PhD 及び MD が 270 名、ポスドクが 172 名、などの構成となっている。
本機関を対象とし、第1次現地調査及び第2次現地調査を実施した。
a.第1次現地調査
Watson School of Biological Sciences の Dean である Dr. Lilian Clark へのイン
タビューを行った。得られた結果をもとに「拠点としての発展経緯」
「組織的特徴、活
動環境」などをまとめると、次のようになる。
最初に、
「トップ拠点の要件」について質問したところ、以下の回答が得られた。
・CSHLがライフサイエンス分野における世界トップクラス研究拠点となっている最大の理由は、
「優れた研究者が、CSHLの名声、過去の研究業績、現在取り組んでいる研究の先進性、所属
する人材の魅力に引き付けられ、集まってくる」ためである。
・また、CSHLが公的資金を用いて整備した「他では得られない設備や装置」も、優れた研究者
を引き付ける魅力となっている。
・さらに、faculty としての採用以外の形でも、CSHLが主催するシンポジウムやコンファレン
スなどを通じ、世界トップクラスの研究者が集まり、科学について語り合い、最新データを開示
し合う場となっている。
「人遺伝子の研究プロジェクト」も、ここでの小さなミーティングを契機
として生み出された。
8
これらのコメントから、
「トップクラスの人材を集める力を持っていること」がトッ
プ拠点としての重要な要件であるとの認識があることが示唆される。また、
「公的資金
を用いて整備した、他では得られない設備や装置」が、優れた人材を引き付ける魅力
をもたらしていることが確認できる。
そこで、
「優れた人材が集まるCSHLの魅力」についてさらに質問すると、以下の
回答が得られた。
・採用された faculty には、5 年間のプロジェクト開発期間が与えられる。この間、資金援助も含
め、プロジェクト開発に対し、組織としての様々な支援が提供される。
・すなわち、CSHLは、優れた研究者に対し、
「単独では取り組むことが難しい未踏の研究領域に
挑戦し、そのために必要な“リスクを取るチャンス”を与える」場として機能している。
・また、CSHLの faculty の場合、他の機関とは異なり、大学院生等に対する教育義務が無いこ
とも大きな特徴となっている。
・CSHLには、学部学生はいない。大学院生数に対する faculty 数の比率は非常に高く、0.5~1.5
程度の割合となっている。
これらのコメントから、CSHLでは「未踏の研究に取り組める環境」や「研究に
集中できる環境」が重視されていることが読み取れる。
一方、
「資金面での特徴」について質問すると、以下の回答が得られた。
・資金構造の面から見ると、ライフサイエンス分野においても、ハーバード大学やロックフェラー
大学のように寄付金(endowment)が大きな割合を占める機関も存在するが、CSHLを含む多く
の機関の場合は「外部研究資金の獲得が中心となる“Soft-Money Institute”」としての特性を強
く持っている。
・CSHLに採用されると、faculty に対し数年間はサラリーが保証されるが、一定期間が経過し
た後は、サラリーの原資となる外部資金獲得が求められるようになる。このため、資金が枯渇す
ると、CSHLを去らなければならない事態が生じ得る。他の機関も、類似の制度を取っている
ケースが多い。
・したがって、CSHLには「テニュア」は存在しない。
・テニュアの制度が無いので、faculty 数についても、特に制限はない。時々の研究状況に応じ、
柔軟に組織構造が変えられる。
・ただし、「close talk(メンバー同士のコミュニケーション)」が非常に重要なので、faculty 数
が 60 以上にならにように配慮している。
・予算規模の大きいプログラム・グラントなどを獲得し、
(数十人規模の)多くの研究者がコラボレ
ーションする機会を創り出すことも重要である。
これらのコメントから、CSHLの研究者は「優れた研究環境」を享受する一方で、
endowment の少なさを補うため「外部資金獲得に対する相応の責任」を負っている実
9
態が確認できる。
そこで、
「業績評価への外部資金獲得額の反映」について質問すると、以下の回答が
得られた。
・faculty の業績は、獲得ファンドの額だけで評価されるわけではない。
・評価には、「flat structure 型」の仕組みが用いられている。具体的には、月に一回、教授陣
(full-professor)が集まり、教授陣全体の議論を通じ、個々の候補者の昇進の適否が決定される。
また、「CSHLにおける人材流動」について質問すると、以下の回答が得られた。
・一概には言えないが、テニュア制度がないCSHLの場合、faculty の在籍年数は 10 年程度が平
均的な値となっている。
・世界トップクラスの研究拠点を作るには、集める人材の対象を世界に広げることが重要である。
また、人材流動性を高めることもポイントになり、優れた研究者が去っても、新たに優れた研究
者が次々とやってくる環境が求められる。
・CSHLの場合、マネジメント層も含めると、50%以上の人材が米国以外から集まって来ている。
なお、「ライフサイエンス分野における新たなトップ拠点」について質問すると、
「Stowers Institute for Medical Research(ミズーリ州カンサスシティー市)
」など
の動向が注目されるとの回答があった。
b.第2次現地調査
第1次現地調査の結果を踏まえ、「研究者の採用システム」「業績評価、昇進制度」
などに関する詳細な実態を把握するため、Professor である Dr. Nicholas Tonks への
インタビューを行った。得られた結果をまとめると、次のようになる。
最初に、
「CSHLに採用された契機」について質問すると、以下の回答が得られた。
・自分はオックスフォード大学で学士、スコットランドで PhD を取った後、この分野のパイオニア
であったクラブズ博士の下で研究するため、シアトルの University of Washington に来た。ポス
ドクで 3 年、junior faculty として 2 年過ごした。リサーチトラックに属していた。
・その後、国際コンファレンスでの発表がきっかけとなり、CSHLのハーロー教授からスカウト
された。
これらのコメントから、
「外部発表を通じた自己アピール」が「CSHLによる採用」
につながった事実が確認できる。
10
そこで、上記のスカウトを受け、
「CSHLへの移籍を決断した経緯」について質問
すると、以下の回答が得られた。
・University of Washington では、大学当局は新しい人を入れるために出て行くことを歓迎、一方
で、メンター(優れた指導者)はここにいてほしい、という状況だった。そんな時、CSHLか
ら、「我々はあなたが必要だ」「あなたがここにくれば、素晴らしい仕事ができる」などの形で、
非常に熱意のある、ポジティブな誘いを受けた。
・それ以前のクラブズ博士との活動は素晴らしく、University of Washington もシアトルも環境と
しては申し分なかった。しかし自立するためには、クラブズ博士の下を離れて一人になる必要が
あり、今がそのチャンスだと思った。
・CSHLの組織としてのフレキシビリティーに強い興味を覚え、自分のやりたい研究が自由にや
れると感じたため、採用インタビューを受けに来た。
・ここに来た第一の理由は、
「good science」があるから。他にもいろいろ理由はあるが、何と言っ
ても「トップクラスの科学と向き合えること」
「取り組むことのできる科学の質の高さ」が一番の
理由である。
・CSHLには、
「若い人」
「自由と機会」
「高品質の研究」
「非常にアーリーステージの研究テーマ」
がある。
これらのコメントから、CSHLへの移籍を決断した大きな理由が「取り組むこと
ができる科学の質の高さ」
「研究活動における自由度」などにあることが分かる。
さらに、
「スカウトに際し提示された諸条件等」について質問すると、以下の回答が
得られた。
・CSHLには、自分の専門であるシグナルトランスダクション分野での実績が、まだあまりなか
った。すなわち、自分にとって、新たな研究に取り組むための格好の環境であった。
・リクルートに当たっては、その時取り組んでいた仕事を仕上げるために一年の猶予をくれた。ま
た、その時に仕事をしていたポスドクも、一緒に採用すると言ってくれた。
・つまり、
「我々はあなたが成功するために支援する」という大きなメッセージが伝わってきた。給
与などの詳細条件はその次の話である。「我々はあなたに成功してもらいたいのでスカウトする」
というアプローチは非常に重要だ。
・その上で、CSHLに入る前に、NIHへのグラントを申請することを依頼された。そして、申
請のために必要な様々な支援を提供してくれた。自分にとって、初めての独力での申請となった。
これらのコメントから、CSHLが優れた人材をスカウトするために、
「一緒に働い
ていたポスドクのポストも用意する」など、
「研究者の個別ニーズに応じた様々な条件
を提示している実態」が見て取れる。
その上で、CSHLが用いている「人材を採用する仕組み」について質問すると、
以下の回答が得られた。
11
・新しい人材を採用する仕組みとして、スカウトと公募の両方を用いている。論文、インタビュー、
コンファレンスなどの他に、CSHLで開催される会合を通じ、優れた人材をたくさん見つける
ことが出来る。
・優秀な人材を発掘するのは大変難しいため、ここではリクルートの際に 1 時間の公式セミナーと
質疑を行う。さらに、30~45 分程度の個々の faculty とのミーティングや非公式のプレゼンを実
施する。白板を使って、コンセプトから始まって、それをどうやって、どういうスケジュールで
進めていくかなどを話し合う。こうした交流を通じ、その人物がスマートなだけではなく、リア
リティーに基づく考察力を持っているかなども判断していく。
・重要なのは一人で決めるのではなく、コミュニティで決めること。人材選考に当たっては、通常
6~7 人のグループを作り、シニア人材だけでなく、Associate Professor や Assistant Professor
も入れる。
これらのコメントから、人材採用の際に、プレゼンテーションやディスカッション
などの「オーラルコミュニケーションを通じた能力評価」を重視していることが確認
できる。
加えて、
「採用後の若手研究者の活動環境」について質問すると、以下の回答が得ら
れた。
・CSHLの環境で最も良い点は、ハイアラーキーでないこと。
・ここでは、若い研究者がハイリスクの研究に取り組むことを、シニア人材や組織が支援している。
・ここは内部競争型ではなく、チームアップ型の機関である。
これらのコメントから、CSHLの中に「若手研究者を組織全体で支援する風土」
が醸成されていることが見て取れる。
また、
「外部資金獲得の責務」について質問すると、以下の回答が得られた。
・資金は全て自分達で稼ぐ。サラリーは研究所から支払われる。その前提条件として、自分達で外
部資金を獲得しなければならない。外部資金の獲得額が計画より少ない場合は、President や
Director と交渉しなければならなくなる。
・外部資金の申請においてプロポーザルの内容に対し高い評価スコアが獲得できれば、仮に資金が
得られなくても、それなりの評価が得られる。つまり、ここでは、研究の質が何より重要である。
・他にいくとしたら、ファンディング条件の良いところか。ここではグラントなどの外部資金を獲
得するために多くの時間を割かなければならない。ただし、移るとしても、あくまでも研究環境
とのバランスが合えばという話である。
これらのコメントから、CSHLの場合、
「個々の研究者が外部資金獲得の責務を負
12
っている」ことが確認できる。
さらに、
「研究者の昇進」について質問すると、以下の回答が得られた。
・ここでは、能力が優れている人材は全て昇進できるのが原則。しかし実際には人材流動があるの
で、必ずしも全員がここで昇進していくわけではない。また、昇進するためには、極めて高い基
準をクリアする必要がある。
・これまでは、昇進スピードは、人により様々だった。ガイドラインとしては、Assistant Professor
が 5 年、Associate Professor が 3 年~5 年程度。
・また、研究者自身が期待しているより少しだけ早く昇進させるなど、様々な工夫がこらされてい
る。少し早く昇進させることで、組織が自分の仕事の価値を認めていることが伝わり、研究者の
やる気が一層高まる。
これらのコメントから、CSHLの場合、昇進に関する定員枠などは設けられてお
らず、能力や実績に応じた昇進が可能となっていることが分かる。
以上にまとめたように、第2次現地調査で得られた結果は、前述の第1次現地調査
で示唆されたいくつかの拠点創出要件に関する、具体的な事例や研究現場の情報とな
っている。
13
2-3
環境・エネルギー分野におけるトップ研究拠点の調査
環境・エネルギー分野については、
「マサチューセッツ工科大学のグローバルチェン
ジサイエンスセンター(CGCS;Center for Global Change Science, Joint Program
on the Science and Policy of Global Change, Massachusetts Institute of
Technology)」
「スタンフォード大学のスクールオブアースサイエンス(SES;School
of Earth Sciences, Stanford University)」を対象拠点として取り上げた。
2-3-1.MIT・グローバルチェンジサイエンスセンター
CGCSはマサチューセッツ州ケンブリッジ市に位置する。1990 年に創設され、
2007
年が設立 18 年目に当たる。
地球温暖化に関する研究の中核機関としての役割を担っており、Center for Energy
and Environmental Policy Research と共に、
「Joint Program on the Science and Policy
of Global Change」を構成している。環境・エネルギー分野のトップ拠点の一つとし
て位置付けられる。補章の定量的指標に基づく評価において、母体であるマサチュー
セッツ工科大学は、研究費支出総額の面で「Physics 分野では過去 10 年間連続」、
「Chemistry 分野では過去 10 年間の内、4 年間」にわたり、トップ 5 にランクされて
いる。また、論文被引用数については、Molecular Biology & Genetics 分野で 3 位、
Physics 分野で 1 位、Chemistry 分野で 2 位、Computer Science 分野で 2 位、Mathematics
分野で 8 位にランクされている。さらに、一論文当たりの平均被引用頻度については、
Biology & Biochemistry 分野で 6 位、
Molecular Biology & Genetics 分野で 2 位、Physics
分野で 9 位、Chemistry 分野で 5 位、Computer Science 分野で 9 位にランクされてい
る。環境・エネルギー分野の研究開発を支える「多分野にわたる強みに基づく“学際
的な活動環境”
」が備わっていることが分かる。
ホームページに掲載されたデータに拠れば、「Earth Atmospheric and Planetary
Science 」「 Civil and Environmental Engineering 」「 Electrical Engineering and
Computer Science」
「Chemistry」
「Biology」
「Chemical Engineering」の 6 つの連携部
門&プログラムを基盤とする組織となっている。人員については、
「連携部門&プログ
ラムに所属するメンバー」と「CGCSに直接所属するメンバー」の2つに区分され、
Director が 1 名、Associate Director が 1 名、Emeritus が 2 名、Faculty が 21 名、
Principal Research Scientist が 4 名、Research Scientist が 9 名、Postdoctoral
Scientist が 6 名、Principal Research Engineer が 1 名、などの構成となっている。
本機関を対象とし、第1次現地調査を実施した。
a.第1次現地調査
Center for Global Change Science の Director である Prof. Ronald Prinn へのイ
ンタビューを行った。得られた結果をもとに、
「拠点としての発展経緯」
「組織的特徴、
14
活動環境」などをまとめると、次のようになる。
最初に、
「トップ拠点の要件」について質問したところ、以下の回答が得られた。
・
「トップクラス研究拠点としての最も重要な要件は、トップクラスの人材を集める力を持っている
こと」であるということができる。
・研究拠点としてのマサチューセッツ工科大学の大きな特徴の一つは、世界中から優秀な大学院生
が集まってくることにある。現在、全体の約三分の一が、海外からの大学院生となっている。
・また、インターナショナルなプロジェクト、大規模なプロジェクトも優秀な大学院生やポスドク
を引き付ける力になる。
・CGCSは、マサチューセッツ工科大学の独立したセンターとして位置付けられている。ここで
は、インターナショナルなプロジェクト、大規模なプロジェクトを動かしており、これらに惹か
れ、多くの優秀な大学院生やポスドクが集まって来る。
これらのコメントから、トップ拠点としての重要な要件が「トップクラスの人材を
集める力」であると認識されていることが、CGCSでも確認できる。また、faculty
だけでなく、優秀な大学院生やポスドクを引き付けることが、トップ拠点としての力
を高めるポイントとなることが示唆される。
次に、新たなインタビュー項目として「トップ拠点としての発展経緯」について質
問すると、以下の回答が得られた。
・CGCSが生まれた経緯は、第一に「気候に関する個々の研究領域を統合した新たな学問領域の
ビジョンを掲げた」
、第二に「掲げたビジョンを実現するために、関連学部のキーパーソンとの連
携を構築した」
、第三に「これらの結果として、学際的(inter-disciplinary)な研究領域を創出
した」ことに要約される。
・マサチューセッツ工科大学には faculty 同士の連携を奨励する文化があり、学部という仕組みは
faculty 同士が連携を構築する際に、全く障害とならない。faculty は自分の思い通りに連携を構
築できる。CGCSを立ち上げる際には、スローンスクールのマネジメント専攻のキーパーソン、
経済学部のキーパーソン、エネルギー部門のキーパーソンなどに声をかけた。結果として、45 人
の研究者を要する大規模プロジェクトが立ち上がった。
・マサチューセッツ工科大学は「社会問題(社会ニーズ)に根ざした先端研究を重視する大学(Problem
Oriented University)」であり、自ら問題を見つけ、見つけた問題を解決するチームを構成する
ための活動環境が整備されている。結果として、取り上げる研究テーマが異分野融合型
(multi-disciplinary)となるケースが多い。米国においてもユニークな大学組織と言える。
・上記のような特性をある程度持っている大学として、スタンフォード大学が挙げられる。また、
ミシガン大学やジョージア工科大学は、マサチューセッツ工科大学型の組織となることを目指し、
組織作りを行っている。
・環境分野の場合、他の分野と比較し、とりわけ、学際的なアプローチが効果を発揮する領域と言
える。
15
これらのコメントから、
「ビジョンの提示」と「組織の立上げ」がトップ拠点を生み
出す第一ステップとなることが確認できる。
そこで、こうして「提示したビジョンの下で立ち上げた組織」を「トップ拠点へと
発展させるリーダーとしての資質」などについて質問すると、以下の回答が得られた。
・CGCSなどの個々の組織を立ち上げたリーダーには、広範囲に渡る権限が認められる。ただし、
組織に人を集める力は、権限ではなく、エキサイティングなビジョンである。特に、最初の1~
2年間は実績や名声も無いので、リーダーには、エキサイティングなビジョンを提示し、人を引
き付け、ビジョンを実現していく(具体的なプロジェクトや研究の成功につなげる)
“起業家的な
力”が求められる。
・また、高いサラリーは、優れた人材を引き付けるための必要条件である。
・そのための原資となるマサチューセッツ工科大学全体の資金構成は、約 35%が外部研究資金、30%
が授業料、残りが寄付金(endowment、donation、gift など)となっている。
これらのコメントから、トップ拠点のリーダーには「エキサイティングなビジョン
を提示し、人を引き付け、ビジョンを実現していく“起業家的な力”
」が求められるこ
とが分かる。
さらに、
「研究者のポストや人材流動」について質問すると、以下の回答が得られた。
・ドクターコースは通常 5 年間となっている。ポスドクのフェローシップも 2~4 年間が平均的であ
る。ごくまれな例を除いて、いずれの場合も、終了後は、他の機関に移ることを奨励している。
・一方、研究者としてのパーマネントなポジションも用意されている。段階として、大学院生、ポ
ス ド ク の 次 の ス テ ッ プ と し て 位 置 付 け ら れ る 。 Research Scientist 、 Principal Research
Scientist、Senior Research Scientist という職位があり、研究業績(研究成果や獲得資金など)
に基づき、順次昇進していく。マサチューセッツ工科大学における研究のコアグループであり、
これらの職位では 100%研究に従事できる(教育の義務がない)。
なお、
「環境・エネルギー分野における新たなトップ拠点」について質問すると、
「エ
ネルギー分野の活動に関連してスタンフォード大学の動向が注目される」
「ミシガン大
学は組織整備や人材獲得に取り組んでおり、5年以内にトップ拠点になる可能性があ
る」との回答があった。
2-3-2.スタンフォード大学・スクールオブアースサイエンス
SESはカリフォルニア州スタンフォード市に位置する。1947 年に創設され、2007
年が設立 61 年目に当る。
16
エネルギーなどの地球環境資源に関する研究の中核機関としての役割を担っており、
環境・エネルギー分野のトップ拠点の一つとして位置付けられる。補章の定量的指標
に基づく評価において、母体であるスタンフォード大学は、論文被引用数については
Biology & Biochemistry 分野で 8 位、
Molecular Biology & Genetics 分野で 1 位、Physics
分野で 3 位、Chemistry 分野で 10 位、Computer Science 分野で 3 位、Mathematics 分
野で 3 位にランクされている。また、一論文当たりの平均被引用頻度については、
Biology & Biochemistry 分野で 4 位、
Molecular Biology & Genetics 分野で 6 位、Physics
分野で 4 位、Chemistry 分野で 8 位、Computer Science 分野で 8 位、Mathematics 分
野で 1 位にランクされている。環境・エネルギー分野の研究開発を支える「多分野に
わたる強みに基づく“学際的な活動環境”
」が備わっていることが分かる。
ホ ー ム ペ ー ジ に 掲 載 さ れ た デ ー タ に 拠 れ ば 、「 Geophysics 」「 Geological and
Environmental Sciences」
「Energy Resources Engineering」の3つの連携部門、
「Earth
Systems Program」「Earth, Energy, & Environmental Sciences Graduate Program」
「Interdisciplinary Graduate Program in Environment & Resources」の3つの学際
プログラムを基盤とする組織となっている。人員については、Professor Emeritus が
5 名、Professor が 13 名、Associate Professor が 4 名、Assistant Professor が 3 名、
などの構成となっている。
本機関を対象とし、第1次現地調査を実施した。
a.第1次現地調査
School of Earth Sciences の Dean である Prof. Pamela Mason へのインタビューを
行った。得られた結果をもとに、拠点の創出、発展のために必要となる「ビジョナリ
ーリーダーの資質」
「組織的特徴、活動環境」などをまとめると、次のようになる。
最初に、トップ拠点としてのビジョンを生み出す「ビジョナリーリーダーの資質」
について質問したところ、以下の回答が得られた。
・ジョン・ブラナーはスタンフォード大学創設時のビジョナリーリーダーの一人である。大学全体
のビジョン創出に貢献した。こうした人材には、科学の未来を洞察し、何が必要かを提示する力
が備わっている。
・
「ビジョナリーリーダー」と「トップマネジャー」の資質を合わせ持つ人材は、米国でもめったに
いない。
これらのコメントから、
「ビジョナリーリーダーとしての資質に優れた人材を見出す
こと」が、トップ拠点形成時の大きな要件となっていることが示唆される。
次に、トップ拠点として発展した後の「研究ビジョンの刷新」について質問すると、
以下の回答が得られた。
17
・研究拠点としてのビジョンは、
“トップダウン”と“ボトムアップ”の双方から生まれたビジョン
が融合することで刷新されていく。President のジョン・ヘネシーはビジョナリーリーダーだが、
ボトムアップで出されるビジョンもたくさんある。
・トヨタ、エクソンモービル、GEなどが参加している「Global Climate & Energy Project」の
Director であるリン・オア教授のケースが典型である。このプロジェクトは、リン・オア教授の
掲げたビジョンに複数の faculty が共鳴することで立ち上がった。
・良いビジョンは、トップダウンだけでも、ボトムアップだけでも生まれ難い。
これらのコメントから、トップ拠点としての発展を遂げた後も、トップダウンとボ
トムアップの双方向の流れの中で、研究ビジョンの刷新が継続的に行われていること
が分かる。
一方、
「昇進評価の仕組み」について質問すると、以下の回答が得られた。
・テニュアへの昇進評価には、定性と定量の2つの指標を使うが、定性的評価がより重要である。
「外部のトップ人材による評価(Recommendation Letter、Pier Opinion)
」
「flat structure 型の
選定システム(学部や組織全体で評価する)
」などが重要。
・テニュアになると、外部資金を全く獲得しなくても、組織に所属し続けることが保証される。
・これに対し、ワシントンDCの Carnegie Institute の場合は、外部資金を獲得しなくても組織に
所属し続けることはできるが、テニュア制度は設けていない。(適度な緊張を与えることで、)人
材をプロダクティブな状態に維持することが目的。
これらのコメントから、
「テニュアへの昇進に際し、定性的評価が重視されている」
「具体的には、外部のトップ人材による評価などが行われている」ことが確認できる。
さらに、
「組織構成や規模」について質問すると、以下の回答が得られた。
・人員は 350 名。この内、50 名が faculty。
・年間予算は、約 4 千万ドル。
・大学院生の半分が外国人。一方、faculty については、外国人は 5 名。
・運営予算については、全体の三分の一をサラリーなどに充当。残りの三分の二が、研究資金に当
てられている。
・SESの研究資金は、三分の二が連邦政府から、三分の一が産業界からのものとなっている。
・Faculty の場合、9 ヶ月分のサラリーは大学から支払われる。加えて、獲得した外部資金から、一
部を自分のサラリーに当てることもできる。
・外部資金獲得の動きは、faculty をアクティブ、エネルギッシュ、クリエイティブな状態とする
ために有効。
・SESでも、
「個人ではなく、チームを作って外部資金を獲得しようとする動き」が拡がっている。
18
学際的な研究ニーズが増えていることが、大きな背景となっている。
これらのコメントから、「外部資金を獲得する動きが研究者の活力を高めているこ
と」
「研究者がチームを作り外部資金を獲得する動きが広がっていること」などの現状
が見て取れる。
また、「研究者の採用や人材流動」について質問すると、以下の回答が得られた。
・人材流動は「ポスドク」や「junior faculty」の間では高いが、
「シニア」になるとそれほど高く
なくなる。スタンフォード大学全体で見ても、かなり安定している(流動性はそれほど高くない)。
・ただし、組織としては、新たな人材が入ってこないと、新たなアイディアが生まれ難くなる。し
たがって、短期間の滞在も含め、ビジター制度の活用などが重要。
・また、組織の人材構成については、年齢層に適度の幅があることも重要。しかし、実際には、ト
ップ拠点立ち上げ時に参画した人材が組織と共に一緒に高齢化していくケースがかなり見られる。
・SESにおける人材流動はそれほど高くない。エネルギー分野のトップ機関であり、同レベルの
機関が他にあまりないこと、組織としての faculty への支援、環境の良さなどが要因として挙げ
られる。
・若手研究者の採用には十分に手間と時間をかける。結果として、採用後は、多くの faculty が昇
進していく。
・シニア人材を採用する場合は、過去の実績に基づきスクリーニングできるので、それほどリスク
が高くない。これに対し、どんなに優秀であっても、若手研究者を採用する場合はリスクが高い。
19
2-4
情報通信技術分野におけるトップ研究拠点の調査
情報通信技術分野については、「マサチューセッツ工科大学のメディアラボ(ML;
Media Laboratory, Massachusetts Institute of Technology)」
「カーネギーメロン大
学のロボット研究所(RI;Robotics Institute, Carnegie Mellon University)」を
対象拠点として取り上げた。
2-4-1.MIT・メディアラボ
MLはマサチューセッツ州ケンブリッジ市に位置する。1980 年に創設され、2007 年
が設立 28 年目に当たる。
「デジタル技術の社会における創造的活用」に取り組む独創的機関であり、情報通
信技術分野のトップ拠点の一つとして位置付けられる。補章の定量的指標に基づく評
価において、母体であるマサチューセッツ工科大学は、研究費支出総額について、
Physics 分野で過去 10 年間連続してトップ 5 にランクされている。また、論文被引用
数については、Physics 分野で 1 位、Computer Science 分野で 2 位、Mathematics 分
野で 8 位にランクされている。さらに、一論文当たりの平均被引用頻度については、
Physics 分野で 9 位、Computer Science 分野で 9 位にランクされている。情報通信技
術分野の研究開発を支える「関連領域における“最先端の科学基盤”
」が備わっている
ことが分かる。
ホームページに掲載されたデータに拠れば、「Consortia and Other Programs(現在
は、7 区分)」
「Special Interest Groups(現在は、1 区分)」
「Research Groups(現在は、
31 区分)」の3つの仕組みを用い研究活動を推進している。人員については、Faculty、
Senior Research Staff、Visiting Scientist が 40 名以上、大学院生が約 130 名(博
士課程;50 名、修士課程;80 名)、研究支援スタッフが 70 名以上、などの構成となっ
ている。
本機関を対象とし、第1次現地調査を実施した。
a.第一次現地調査
Media Laboratory の Things That Think の Co-Director である Dr. Hiroshi Ishii
へのインタビューを行った。得られた結果をもとに、「トップ拠点としての要件」「組
織的特徴、活動環境」などをまとめると、次のようになる。
最初に、
「トップ拠点の要件」について質問したところ、以下の回答が得られた。
・
「トップクラス研究拠点としての最も重要な要件は、トップクラスの人材を集める力を持っている
こと」である。
20
・
「あのビジョンを掲げた組織に自分も参加したい」
「その組織にいる人と仕事をしたい」など、
“ビ
ジョン”と“人”が優れた研究者を引き付ける。
・そのためには、誰かがビジョナリーリーダーの役割を担わなければならない。
・
「優れた拠点」として存在することと、
「優れた個人」として存在することは違う。
「優れた個人が
集まった拠点」を創るには、そのためのカルチャーやインフラが必要になる。
このように、トップ拠点としての重要な要件が「トップクラスの人材を集める力」
であることが、ここでも指摘されている。また、
「組織が掲げるビジョン」や「組織で
活躍する人材」が、そのための求心力となっていることが示唆される。
一方、
「資金面での特徴」について質問すると、以下の回答が得られた。
・MLの場合、組織運営の全資金を、全体の約1割の人間が獲得し、Director の下に集約している。
その後、Director の裁量で、組織全体のために獲得資金を使う。
・MLの場合、
「個人で資金を獲得し、個人の裁量により、個人のために使う」という米国における
他の事例とは、根本的にアプローチが異なる。この意味で、米国でも稀有の存在と言える。
・例えば、サラリーについても、基本的には、外部資金獲得額などによって左右されるわけではな
い。MLにおける価値観は、「今までに無かった新しい流れを作り出したか」「その新しい流れは
人類にとって意味を持つのか」の2つである。
・組織としての運営ルールはあるが、上記2つの要件を満たせば、原則として、自分のやりたいこ
とに何でも取り組むことができるのがMLである。
・MLの活動資金構成は、全体の 7~8 割が産業界からの研究資金となっている。
これらのコメントから、MLの場合、
「自らの研究に必要となる資金を、個々の研究
者が獲得する」形ではなく、
「組織全体の研究に必要となる資金を、組織全体で獲得す
る」方式を取っていることが分かる。また、
「研究資金の大半を産業界から獲得してい
る」ことも大きな特徴となっている。
2-4-2.カーネギーメロン大学・ロボット研究所
RIはペンシルバニア州ピッツバーグ市に位置する。1979 年に創設され、2007 年が
設立 29 年目に当たる。
コンピュータ科学や人工知能の研究蓄積を活かし、ロボット研究の中核機関として
の役割を担っており、情報通信技術分野のトップ拠点の一つとして位置付けられる。
補章の定量的指標に基づく評価において、母体であるカーネギーメロン大学は、研究
費支出総額について、Computer Science 分野で過去 10 年間連続してトップ 5 にラン
クされている。また、論文被引用数については、Computer Science 分野で 6 位にラン
クされている。さらに、一論文当たりの平均被引用頻度については、Mathematics 分
野で 7 位にランクされている。情報通信技術分野の研究開発を支える「関連領域にお
21
ける“最先端の科学基盤”
」が備わっていることが分かる。
ホームページに掲載されたデータに拠れば、多様なテーマを掲げた研究室&研究グ
ループ(現在は、36 テーマ)
より構成される組織となっている。
人員については、Faculty
が 47 名、Adjunct Faculty が 26 名、Postdoctoral Fellow が 13 名、Visitor が 41 名、
Research Staff が 182 名、Support Staff が 26 名、PhD が 105 名、などの構成となっ
ている。
本機関を対象に、第1次現地調査及び第2次現地調査を実施した。
a.第一次現地調査
Robotics Institute の Director である Prof. Matthew Mason へのインタビューを
行った。得られた結果をもとに、「拠点としての発展経緯」「組織的特徴、活動環境」
などをまとめると、次のようになる。
最初に、
「トップ拠点としての発展経緯」について質問したところ、以下の回答が得
られた。
・カーネギーメロン大学はメディカルスクールやロースクールも持たず、他の大学と比較し、財政
基盤が豊かな大学ではない。このため、経営哲学として、戦略分野に資源を集中して投資する特
徴を持つ。
・カーネーギーメロン大学が、世界トップクラス研究拠点としてのRIの創生に動いたのは、1979
年に大学が掲げた「カーネギーメロン大学の強みである“コンピュータ科学と人工知能に関する
研究レベルの高さ”を活かし、ロボット分野のトップクラス研究拠点を創る」というビジョンが
きっかけだった。
・トップクラス研究拠点を立ち上げるには、「ビジョンを掲げること(ビジョナリーリーダー)」と
「資金と人材を集めること」の2つの動きが必要になる。
・実際に「ビジョナリーリーダ」の役割を果たしたのが、アラン・ニューウェルとハーバート・サ
イモンという2人の faculty である。
・この後、3人目の faculty としてラズ・レディーが組織の立上げに参画し、RIの初代所長とし
て、資金と人材を精力的に集めた。ラズ・レディーは“コンピュータ科学と人工知能に関する研
究レベルの高さ”という組織の強みを前面に押し出し、このことが、資金や人材の獲得に大きな
効果をもたらした。
・上記の経緯で、ラズ・レディーがロボット分野のトップクラス研究者を集めた後は、これらの研
究者を慕って、他の優れた研究者が集まるようになり、
“人が人を次々に引き付ける好循環”が生
まれた。
RIで得られたこれらのコメントでは、大学を母体にトップ拠点の創出を図る場合、
22
「大学の強みを基盤とするビジョンを掲げること」
「強みを持つ分野に集中して投資す
ること」が重要となることが示唆されている。
また、その際、
「ビジョナリーリーダー(独自のビジョンを創り出す人)」や「研究リ
ーダー(人と資金を集め、ビジョンを実現する人)」としての役割を果たす人材が必要
になることが分かる。
その上で、
「組織面での特徴」について質問すると、以下の回答が得られた。
・RIの faculty の多くは、テニュアトラックではなく、リサーチトラックに入る。リサーチトラ
ックに入ると、昇進については、テニュアトラックと同じ基準が適用されるが、研究成果や獲得
資金が評価基準に満たない状況が続くと、組織を去らなければならない。したがって、厳密な意
味では、テニュアとは異なる。一方、教育の義務が無いなど、活動の自由度が高く、研究に専念
できる。
・現在、約 30 人のリサーチトラック、10~15 人のテニュアトラックの faculty がいる。
・通常、大学内の組織の場合、組織の予算は大学が決定し、サラリーも大学から支払われる。これ
に対し、RIの場合は、独自に予算を決定し、サラリーもRIが支払う。他ではあまり見られな
いユニークなシステムとなっている。
・RIの年間の資金規模は、1981 年の立上げ当時が約 5 百万ドル、現在は約 6 千万ドルである。こ
の内、約 70%が連邦政府からの資金になる。
これらのコメントから、RIの場合、
「教育の義務がなく、研究に専念できる“リサ
ーチトラックの人材”が主流を占める組織」となっていることが分かる。
また、
「業績評価や昇進」について質問すると、以下の回答が得られた。
・RIは、基本方針として、新規採用においては若い人材を優先している。その上で、新たな研究
領域を開拓する必要が生じた場合に、その分野のトップクラス研究者であるシニア人材の採用を
図る。
・Faculty の業績評価において、定量的指標を特に重視するようなことはない。最終的には、所長
が総合的に判断しサラリーを決める。結果として、各年度のサラリーが急激に変動するような事
態は起こらない。つまり、その年の外部研究資金獲得額がサラリーと直接リンクするようなケー
スは無い。ただし、外部資金獲得額についても、総合評価の中で相応に業績として反映される。
・3年に一回、昇進のための評価が行われる。リサーチトラックの人材もテニュアトラックの人材
も、同じ土俵で評価される。具体的には、対象とする職位の上の職位を持つロボット研究所の
faculty 全員が集まり、候補者を評価し、投票により昇進者を選ぶ。
・RIの場合、結果として、ほとんどの faculty が昇進していく。これは、採用時に十分な人材ス
クリーニングを行っている結果である。多くの faculty が昇進していることも、他の機関と比較
し、RIのユニークな特徴となっている。
・したがって、RIの場合、他の機関には移動せず、長期間活動を継続するケースが多い。ただし、
最近は、人材流動性が高まる傾向が見られる。
23
これらのコメントから、RIの場合、
「採用時に十分な人材スクリーニングを行うこ
と」
「定性指標を踏まえた総合的な業績評価を行うこと」が、
「採用後の昇進率の高さ」
「外部への人材流出率の低さ」につながっていることが示唆される。
b.第2次現地調査
第一次現地調査の結果を踏まえ、「研究者の採用システム」「業績評価、昇進制度」
などに関する詳細な実態を把握するため、Professor である Dr. Christopher Atkeson
へのインタビューを行った。得られた結果をまとめると、次のようになる。
最初に、
「トップ拠点としての発展経緯」について質問したところ、以下の回答が得
られた。
・ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学は古い歴史を持ち、名声や政治力などが備わってい
るので、他の大学と比較し、外部資金を獲得しやすいポジションにある。
・一方、歴史の浅いカーネギーメロン大学の場合は、DARPA(Defense Advanced Research Project
Agency)を巡る動きを契機に、現在の名声と地位を獲得するに至った。
・すなわち、DARPAの中に「コンピューターサイエンスを対象とするファンディングシステム」
が設けられ、
「カーネギーメロン大学などのコンピュータ科学の学部を持つ一部の大学」に集中的
な資金投入が行われた。
・投入資金は相当額に達し、一方で、プロジェクト成果に対する規定が大まかなものだったため、
大学にとって「自由度の高い、使い勝手の良い多額の資金」が得られる形となった。
・このDARPAからの資金投入がなければ、カーネギーメロン大学がコンピュータ科学をここま
で強くすることは困難だったろうし、独自のビジョンを掲げロボット研究所などを生み出すもで
きなかっただろう。
・ただし、現状は、DARPAからの資金による強い影響は受けていない。
これらのコメントから、RIがトップ拠点としての発展を遂げた過程において、前
述の「ビジョン」や「人材」などに加え、
「活用面での自由度が高い研究資金」の存在
が大きな力を発揮したことが分かる。
一方、
「RIに移籍した理由」について質問すると、以下の回答が得られた。
・トップ拠点のビジョンが優れた人材を引き付けるというのは本当だが、少し違った側面もある。
すなわち、自分の場合、RIが掲げる「ロボットという“大きなビジョン”
」には引き付けられた
が、一方で「ヒューマノイドロボットという“独自のビジョン”」を持っていた。
・この分野の研究は、自分がRIに来るまでは目立った動きがなかった。トップクラスの研究者は、
独自のビジョンを持っていることが非常に重要だ。
・RIに来た大きな理由は、ここには「ロボット分野の研究に必要な“人材のクリティカル・マス”
」
が存在するからである。多くの優れた faculty や大学院生が集まっている。
24
・マサチューセッツ工科大学と比較しても、カーネギーメロン大学の方が、人材が集積している。
マサチューセッツ工科大学の場合、関連する人材は多いが、ばらばらに活動している。ロボット
関連のコミュニティがうまく形成されておらず、関連する人材が一つになっていない。
・最近の動きとして、ジョージア工科大学がロボティクスセンターを作り、人材を集めている。ま
た、ユタ大学でもロボット関連の人材を集める動きが見られる。
これらのコメントから、
「同一分野の優れた人材によるコミュニティが形成されてい
ること」が、トップ拠点としての魅力を高めるもう一つの側面となることが分かる。
上記結果は、第1次現地調査における Director や Dean のコメントと良い一致を示し
ている。
加えて、第1次現地調査で把握した「RIでは採用時に十分な人材スクリーニング
を行われている」ことに関連し、
「RIの人材採用方法の詳細」を質問すると、以下の
回答が得られた。
・RIに採用されるために必要となる条件は、faculty の場合は、
「特定領域において優れた能力を
持っている」こと。例えば、自分の場合は、現在、ロボットスキンに関心がある人材、メカニカ
ルとセンシングの専門性に優れる人材を求めている。
・人材の能力は、基本的には「話すこと」を通じて評価する。そのために、シンポジウムでの発表、
ロボット研究所内の同僚やシニアによる評価、スタンフォード大学やマサチューセッツ工科大学
などに属する外部シニアの評価コメントを活用する。論文数ではなく、成し遂げてきた成果がど
う評価されているかが大切である。
これらのコメントから、RIにおける人材採用では「オーラルコミュニケーション
を通じた能力評価」が重視されていることが確認できる。このことは、
「コールドハー
バースプリング研究所での第2次現地調査において得られた結果」と良い一致を示し
ている。
その上で、
「RIの昇進制度の詳細」について質問すると、以下の回答が得られた。
・昇進コースとしては、大きく分けて、
「テニュアトラック」
「リサーチトラック」
「システムトラッ
ク」の3つが用意されている。
・この内の「システムトラック」は、System Scientist、Senior System Scientist、Principal System
Scientist という順番に昇進する。
「テニュアトラック」と「リサーチトラック」は評価項目がか
なり類似しているが、
「システムトラック」は有名なロボットを作り出せばいい。論文などは関係
ない。
・トップ拠点の多くは、「テニュアトラック」と「リサーチトラック」の2つのコースがある。
25
・昇進のための業績評価は、3年、6年、9年を節目として行う。テニュアトラックの場合、3年
後の段階では「Internal Review」が行われる。この場合、外部発表などは重視されず、意味のあ
ることを積み上げてきたかどうかがポイントとなる。
・「Assistant Professor(第一段階)」
「Assistant Professor(第二段階)
」
「Associate Professor」
を経て、9年目に「Associate Professor with Tenure」になる。最終的に Full Professor にな
るまでに12年かかる。
・6年後の段階では「External Review」、9年目の段階では「さらに高い評価基準に基づく External
Review」が行われる。
・カーネギーメロン大学の場合、faculty に採用された人のほとんどが、昇進していく。ただし、
このことは、昇進が困難な人は、多くの場合、解雇される前に自ら組織を去ることになり、結果
として昇進率が高くなっている面もある。
また、
「RIの活動環境の詳細」について質問すると、以下の回答が得られた。
・米国の場合、若手研究者が非常に独立した活動を展開できる。これに対し、日本やヨーロッパは
違う。RIには英国やドイツから来たポスドクが活動しているが、彼らは自国に帰りたがらない。
つまり、ハイアラーキーな組織に戻りたがらない。
・十分な外部資金を獲得できなくても、業績面で高い評価を得ることは可能である。ただし、大学
からは9ヶ月分のサラリーが得られるが、残りは自ら外部資金を獲得して工面する必要がある。
また、学生一人の費用として年間 7 万5千ドルかかるので、外部資金を獲得できないと、十分な
研究活動が維持できない。
・RIは、ロボット分野では、他のどの機関よりも優れた支援を提供できる(例えば、どうやった
ら外部資金を効率的に獲得できるかなど)
。
・有名な機関に移籍した方が、外部資金を獲得しやすいというのは本当だ。
さらに、
「米国における人材流動の捉え方」について質問すると、以下の回答が得ら
れた。
・米国人はめったに国外に出ない。一方で、米国内においては、非常に高い人材流動が存在する。
移動して違った意見を知ることは、研究者の力を高めるために非常に重要である。
・しかしながら、非常に優秀な大学院生を faculty として採用したい思いは当然生ずる。こうした
考えを「悪いこと」として弾ずる大学もある。実際には、スタンフォード大学、マサチューセッ
ツ工科大学、カーネギーメロン大学でも、faculty として採用される例はある。実際に、自分の
場合は、マサチューセッツ工科大学の大学院生であり、faculty としても採用された。
・ただし、こうした優秀な大学院生を囲い込もうとするようなアプローチは非常にリスキーであり、
簡単に、優秀な人材を潰してしまうケースが起こり得る。
26
c.第2次現地調査
上記に加え、同様に第一次現地調査の結果を踏まえ、「研究者の採用システム」「業
績評価、昇進制度」などに関する詳細な実態を把握するため、Assistant Professor で
ある Dr. James Kuffner へのインタビューを行った。得られた結果をまとめると、次
のようになる。
最初に、
「RIに移籍した経緯」について質問したところ、以下の回答が得られた。
・5 年間、RIで過ごしてみて、優れた研究に取り組むための重要なファクターは学生、そして人
材であること分かった、RIはロボット分野における最大の研究所なので、優れた人材を引き付
けることができる。
・自分の場合は、ロボットの研究を行ないたいと考えており、ロボット分野で最大の研究所で名声
も高いこの研究所に魅力を感じていた。マサチューセッツ工科大学にいた時、2000 年に開催され
たコンファレンスで発表し、これをきっかけに声をかけられた。電子メールで応募の誘いを受け
た。その後、faculty の採用に応募し、合格した。
これらのコメントから、RIのトップ拠点としての魅力を高める重要な要件のひと
つが、「トップクラスの人材を集める力」であることが裏付けられる。また、「外部発
表を通じた自己アピール」がトップ拠点からの勧誘につながった事実も確認できる。
また、
「移籍後のRIの活動環境」について質問すると、以下の回答が得られた。
・母体であるカーネギーメロン大学は非常に自由な活動環境を提供しており、学部間の連携も極め
て容易である。
・RIに入ると、優れた学生との関わり、良い活動環境が、研究者の力を一層引き出すようになる。
・RIの場合、仕事の質を高めるための競争は行うが、同僚との関係にひびが入るような競争はし
ない。カーネギーメロン大学の場合は、期待通りの働きをすれば昇進できることを前提に採用す
る。採用に際し、厳しいスクリーニングは行うが、その後は過度な競争を避ける。
・これに対しマサチューセッツ工科大学は違う。マサチューセッツ工科大学は若手研究者間の競争
が激しいことで有名で、通常、一つのポジションに3人の若手研究者を雇い、相互に競わせる。
6年後には、3人の中から一人だけが選ばれる(残りの2人は職を失う)システムとなっている。
・結果として、マサチューセッツ工科大学の場合は、先端設備などの資源を共有することがなくな
る。RIでは、仲間の成功でカーネギーメロン大学がより有名になれば、所属する自分にも外部
資金を獲得するチャンスなどが広がる、と考えている。これに対し、同僚との競争に負けると職
を失うのであれば、誰も協力はしなくなる。米国の場合、カーネギーメロン大学タイプ(チーム
アップ型)の方が、マサチューセッツ工科大学タイプ(内部競争型)よりも一般的である。
・業績評価においては、定量と定性の2つの指標が用いられる。定性指標には、講義に対する学生
の評価、ポスドクによるアドバイザーへの評価などが含まれる。一方で、定量指標として、外部
資金獲得額も参考にされる。全く獲得額がないというのは、やはり非常に変である。
・3年に1回の評価の際には、評価に約一年をかける。つまり3年目のほとんどを、評価に当てる。
27
これらのコメントから、RIでは、「“仕事の質を高めるための競争”と“研究者同
士の連携を促進するための協調”をバランスした適度な競争環境」が、移籍した研究
者の力を一層引き出している状況が把握できる。
一方、採用における競争率などの「トップ拠点への移籍の難しさ」について質問す
ると、以下の回答が得られた。
・多くの機関は、毎年、一つの(faculty の)ポジションを空ける。そして、機関として弱い分野、
強くしたい分野を定め、その分野に合った人をスカウトする。知己のある優れた人材、シンポジ
ウムやコンファレンスでの発表を通じて見つけた人材、優れた研究所からの卒業者などを候補者
とし、リクルート活動を展開する。
・スケジュールとしては 11 月~12 月に応募が開始され、100 名程度からの書類が集まる。1 月末に
書類審査で 50 名程度に絞り込み、その後、全ての faculty がコメントを提出し、50 名の中から招
待する 10 名~15 名を選び出す。2 月~5 月にインタビュー等を行い、9 月に採用者を決定する。
・こうした採用が 100 倍程度の競争率となることは良くある。
これらのコメントから、
「トップ拠点の場合、人材採用の競争率が百倍を超えること
が良くある」ことが確認できる。
さらに、
「トップ拠点による人材採用プロセス」について質問すると、以下の回答が
得られた。
・応募書類には、履歴書、2~3 のキーとなる論文、Research Statement などがあるが、特に重要な
ものは Recommendation Latter である。
・3人の Recommendation Latter が求められる。通常、一人は PhD 時のアドバイザー、もう一人は
出身大学の faculty、さらに他大学の faculty の推薦を受けるケースが多い。
・このため、若手研究者はいろいろな場で発表することで、自分をアピールしようとする。
・一つのポジションに 100 名を超える応募がある。対象者を絞り込むために、採用時期になると、
毎週のように「招待講義」が開催される。10 名~15 名が選ばれ、faculty や学生の前で講義をす
る。さらに、2 日以上をかけて個々の faculty と 45 分から 1 時間、研究内容、将来計画、それを
如何に実行するか、将来のビジョンなどについてインタビューを受ける。こうした評価を経て 2
~3 名に絞り込まれ、最終的に合格者が決まる。一週間後くらいに評価結果が通知される。
・プレゼンテーション、レクチャー、インタビュー、ディスカッションなどが特に重要な評価ステ
ップとなる。
・大学院生も同様のプロセスにより、400 名 → 250 名 → 45 名 → 25 名と絞り込んでいく。
・米国のトップクラスのほとんどの大学は、大学院の卒業生を直接、faculty として雇ったりしな
い。ただし、例外として、マサチューセッツ工科大学はかなり採用する。
これらのコメントから、人材採用の際に、プレゼンテーションやディスカションな
どの「オーラルコミュニケーションを通じた能力評価」を重視していることが、ここ
でも確認できる。
28
2-5.ナノテクノロジー・材料分野におけるトップ研究拠点の調査
ナノテクノロジー・材料分野については、
「アリゾナ大学のカレッジオブオプティカ
ルサイエンス(COS;College of Optical Sciences, University of Arizona)」
「ボ
ストン大学のナノサイエンス&ナノバイオテクノロジーセンター(CNN;Center for
Nanoscience and Nanobiotechnology, Boston University)」を対象拠点として取り上
げた。
2-5-1.アリゾナ大学・カレッジオブオブティカルサイエンス
COSはアリゾナ州ツーソン市に位置する。1969 年に創設され、2007 年が設立 39
年目に当たる。
フォトニクス研究の中核機関としての役割を担っており、ナノテクノロジー・材料
分野のトップ拠点の一つとして位置付けられる。当研究所は、設立以来一貫してフォ
トニクス分野のトップ拠点化に取り組んできた。優秀なプランナーの引き抜きやノーベ
ル賞級の研究者を集めることにより、現在では人・設備・規模の面で世界有数のフォトニ
クス分野の研究拠点となっている。
ホームページに掲載されたデータに拠れば、「Fiber Optics」
「Lasers and Advanced
Optical Materials」
「Medical Optics and Image Science」
「Nanotechnology」
「Optical
Data Storage」
「Optical Engineering and Testing」
「Optical Design and Fabrication」
「 Optoelectronic Devices 」「 Quantum Nano-Optics of Semiconductors 」「 Quantum
Optics」
「Remote Sensing」「Semiconductor Optical Physics」
「Telecommunications」
「Thin Film」の 14 分野を重点とした活動を展開している。人員については、Professor
Emeritus が 19 名、Professor が 33 名、Associate Professor が 11 名、Assistant
Professor が 10 名。また、リサーチトラックとして、Research Professor Emeritus
が 2 名、
Research Professor が 12 名、Associate Research Professor が 4 名、Assistant
Research Professor が 8 名、などの構成となっている。
本機関を対象とし、第1次現地調査を実施した。
a.第1次現地調査
College of Optical Sciences の Dean である Prof. James Wyant へのインタビュ
ーを行った。得られた結果をもとに、「拠点としての発展経緯」「組織的特徴、活動環
境」などをまとめると、次のようになる。
最初に、
「トップ拠点としての発展経緯」について質問したところ、以下の回答が得
られた。
29
・アリゾナ大学が、世界トップクラス研究拠点としての「光科学部門(College of Optical Sciences)」
の創生に動いたのは、1964 年に faculty のマイネル・エイトンが「オプティクスの研究を専門に
行う大学が必要だ」というビジョンを掲げたことがきっかけだった。
・当時は、オプティクス専門の研究プログラムを持っていたのは、ニューヨークのロチェスター大
学だけだった。こうした状況を背景に、エイトンは米国政府にアプローチし、光科学部門の活動
拠点となるビルを建設する資金を獲得した。エイトンはスパイ衛星の研究におけるパイオニアの
一人であり、政府関係の多くの仕事に関与した実績を持っていた。
・1969 年にビルがオープンし、光科学部門の活動がスタートした。しかし、エイトンは組織運営に
は長けていなかったので、1973 年に、光科学部門のヘッドとしてミシガン大学からピーターフラ
ンケンを引き抜いた。
・フランケンは良い学部を作るための経験・ノウハウを持っていたため、外部から優秀な faculty
をスカウトするなど、光科学部門の組織確立に優れた手腕を発揮した。現在の学部長のワイアン
トも、その際にスカウトされた一人に当たる。
・トップクラス研究拠点を創るには「ビジョナリーリーダー」と「トップクラスの研究リーダー」
が必要になる。アリゾナ大学のケースでは、エイトンがビジョナリーリーダー、フランケンが研
究リーダーの役割をそれぞれ果たした。
これらのコメントから、COSの事例では、
「ビジョンの提示が、拠点創出のトリガ
ーとなったこと」
「拠点創出には、ビジョナリーリーダーと研究リーダーが必要になる
こと」が確認できる。このことは、
「ロボット研究所での第1次現地調査において得ら
れた結果」と良い一致を示している。
次に、
「人材のスカウト」について質問すると、以下の回答が得られた。
・1974 年に、現在の学部長のワイアントがスカウトされた頃は、光科学部門の資金状況は悪く、エ
イトンが政府から獲得した資金を使いきった時期だった。このため、新たな資金源の獲得を必要
としていた。
・ワイアントがアリゾナ大学に来ることを決断した最大の理由は、フランケンが同時期にスカウト
した他のメンバー、優れた仲間と一緒に仕事がしたかったためである。
「優れた研究者をスカウト
することが、次の優れた研究者のスカウトにつながる」
、これがフランケンにより組織確立に向け
取られた戦略だった。このような戦略は、トップ拠点を構築する際によく用いられるものである。
・こうして、
「優れた人材」と「エキサイティングな場所」を求めて集まった(フランケンによりス
カウトされた)新しいメンバーは、既にプロジェクト資金を自力で獲得するための十分な実績と
ネットワークを持っていたので、当時の資金状況悪化を克服する資金はすぐに集まった(中には、
資金付きの研究プロジェクトを持って移ってきたメンバーもいた)。
これらのコメントから、COSの研究拠点としての発展途上で、
「そこにいる優れた
人材と一緒に仕事をすること」が大きな魅力となり、新たな人材が次々と集まってき
30
た構造が見て取れる。こうして、優れた人材が集積すると、拠点としての資金獲得力
も高まるため、結果として、研究資金環境が好転するようになる。
その上で、
「組織の資金構成」について質問すると、以下の回答が得られた。
・光科学部門の年間予算額は、2,500 万ドル~2,600 万ドル程度。300 万ドル弱が州政府からの資金、
残りが連邦政府と企業からの資金となっている(連邦政府からの資金が 75%、企業からの資金が
25%)。これらは 200 程度に及ぶ沢山のグラントやコントラクトから構成される。企業からのコン
トラクトの場合、期間が 1 年~2 年であり、短期的な成果を求められるケースが多い。これに対し、
政府からのコントラクトの場合は、相対的に期間が長い。この意味で、トップクラス研究拠点の
運営には、政府からの研究資金獲得が重要となる。
・すなわち、長期的な研究資金がトップクラス研究拠点の運営には必要である。例えば、陸軍と空
軍のジョイント・コントラクトでは、5 年単位の資金提供がトータルで 20 年間受けられる可能性が
あるので、非常に有効な資金源となっている。短期的なファンドの割合が高くなりすぎると、組
織がカオス状態に陥ってしまう。
・一方、資金の集め方については、15 年前は個々の研究者が独力で資金を集めていたが、今は少し
状況が異なっている。具体的には、学部内、学部間、大学間の連携をもとに大きなグループを作
り、研究資金を獲得する動きが目立ってきた。
これらのコメントから、
「トップ拠点の維持・運営には、長期的に安定した資金源の
存在が重要になること」が分かる。また、最近の傾向として「研究者単独ではなく、
グループで研究資金を獲得する動きが拡大している」ことが確認できる。
さらに、
「組織の人員構成」について質問すると、以下の回答が得られた。
・毎年、2~3 人の新しい faculty を採用するようにしている。その際、外部資金を獲得する能力は、
重要な評価指標となる。また、外部資金獲得に対する熱意が高いことも求められる。さらに、ト
ップクラス研究拠点にとって、優れた大学院生を集めることも非常に重要である。
・現在、光科学部門には、32 人のテニュアとテニュアトラックの faculty、30 人の research faculty
が所属している。この他に、他学部をホームとする多くの faculty が関与している。大学院生は
225 人、学部学生は 185 人となっている。
・多くのテニュアの場合、サラリーは大学から支払われているわけではない。grant や contract か
ら支出している。したがって、外部資金を獲得できなければ、組織にいることはできても、サラ
リーを捻出することができない。research faculty の場合は、資金が得られなければ、組織を去
ることになる。
これらのコメントから、COSに所属するトップ拠点の人材に求められる資質とし
て、
「外部資金を獲得する能力」が大きな比重を占めていることが確認できる。
また、
「産業界との関係」について質問すると、以下の回答が得られた。
31
・アリゾナ大学の周辺地域にオプティクス関連の企業が集積した理由は、大きく二つ挙げられる。
一つは、多くのスピンオフ企業が生まれたこと。もう一つは、アリゾナ大学の優秀な大学院生に
対する雇用活動を行うステーションとしての役割を兼ねて、大企業が基礎工学や研究開発を担う
現地拠点を構築したためである。
・アリゾナ大学の場合、企業からの寄付金(endowment、gift など)はまだ少ない。このため、3 年
前から専門の担当者を雇い、企業からの寄付金獲得を強化した。現在の寄付金額は約 200 万ドル
であり、年々増加を続けている。獲得した寄付金を用い、学生向けのスカラーシップなどもスタ
ートさせた。これらに加え、毎年、数百万ドル規模の研究装置の寄付がある。こうした寄付は、
企業にとって税制上の特典をもたらす。
なお、「光科学分野における新たなトップ拠点」について質問すると、「デューク大
学のフォトニクスセンター」などの今後の発展が期待されるとの回答があった。
2-5-2.ボストン大学・ナノサイエンス&ナノバイオテクノロジーセンター
CNNはマサチューセッツ州ボストン市に位置する。設立後の経過年数が 10 年に満
たない新しい組織である。
ボストン大学は近年ナノテクノロジー分野の研究でトップクラスに迫りつつあると
の評価を受けており、この分野のトップ拠点予備軍の一つとして位置付けられる。C
NNがこれらの研究の中核を担っている。ただし、我々が行った補章での定量的指標
に基づく評価の範囲では、特筆される事項はない。むしろ、トップ拠点に肉薄しつつ
ある大学として、そのマネジメント戦略などに注目すべき点があると考えられる。
ホームページに掲載されたデータに拠れば、「Molecular and Cellular Biology」
「Biophysics」「Microfluidics」
「MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)」などへ
のナノテクノロジーの展開に重点を置いている。
人員については、Professor が 11 名、
Associate Professor が 4 名、Assistant Professor が 7 名、などの構成となっている。
本機関を対象とし、第1次現地調査を実施した。
a.第1次現地調査
Center for Nanoscience and Nanobiotechnology の Deputy Director である Dr.
Mario Cabodi へのインタビューを行った。得られた結果をもとに、「拠点としてのビ
ジョンとマネジメント方法」
「組織的特徴、活動環境」などをまとめると、次のように
なる。
最初に、
「組織のビジョン」について質問したところ、以下の回答が得られた。
32
・前学長のジョン・シウバが、ボストン大学のビジョンに与えた影響は大きい。
・現在の学長のロバート・ブラウンは、
「ナノサイエンス」と「バイオメディカル」の研究をトップ・
プライオリティーとして掲げている。この学長が掲げたビジョン実現に向け、各学部やセンター
間の連携が進められている。これらの分野は学際的なので、教授同士の連携も活発である。
・ただし、学長が掲げるビジョンは“大きなビジョン”であり、faculty が掲げる“個々のビジョ
ン”とは異なったものである。
・ボストン大学では、トップダウン型のマネジメント体制が取られている。資金や人材などの資源
が限られているので、トップダウンによる目標を絞り込んだ取り組みが必要になる。
・ボストン大学の場合、組織としての意思決定をするまでに、いくつかの階層において了解を取る
形となっている。
・学長や学部長は、選択的に特定分野への資金援助を行うことで、これらの分野における影響力を
行使する。
これらのコメントから、ボストン大学のケースでは、
「学長が掲げたビジョン」の下
で「特定研究への資金や人材の集中的な投資」が行われ、こうした取り組みの結果と
して「ナノテクノロジー分野のトップ拠点」が生まれたことが分かる。
次に、
「組織の活動環境」について質問すると、以下の回答が得られた。
・大学にとって、一人の faculty をスカウトすると、資金、場所、施設などの初期投資だけで 1~2
百万ドルが必要になる。したがって、大学にとっても、スカウトした faculty に成功してもらう
必要がある。
・前学長のジョン・シウバは学内での競争を奨励し、結果として、学内に「非常に競争的な環境」
が醸成された。現学長のロバート・ブラウンの時代になり、コラボレーションを奨励する傾向が
強まり、学内の競争は軽減されたが、外部との競争環境の厳しさは変わっていない。すなわち、
endowment が少ない大学の場合、
「非常に競争的環境である」ことが多いのではないか。
・大学による faculty の業績評価では、通常、
「外部資金獲得額」
「対象分野での認知度」
「著書・論
文等」が主要指標として用いられる。中でも、
「外部資金獲得額」が極めて重要な指標となる。こ
のため、個々の faculty の「外部資金獲得額」や「連携実績」のトラックが、Office of Sponsor
Program により、記録として保管されている。
・ハーバード大学のように endowment が多い大学は別格だが、ボストン大学のように endowment が
少ない大学の場合、
「外部資金獲得額」を重視する業績評価システムが必要なのではないか。
これらのコメントから、ボストン大学のケースでは、
「学内に非常に競争的な環境が
醸成」されており、「外部資金獲得額を重視した業績評価システム」を基盤に、「研究
拠点としての実績を蓄積するため活発な研究活動」が展開されていることが確認でき
る。
その上で、
「CNNの位置付け」について質問すると、以下の回答が得られた。
33
・CNNは faculty の業績評価や昇進に直接関与していない。全ての faculty は大学に所属してお
り、センターでの研究成果を参考に、大学が個々の faculty の業績を評価している。
・個々の faculty がCNNに参加する大きなインセンティブとして、
「ここに来ると、外部資金を獲
得するための連携構築が容易になること」
「研究に必要な最新施設が使えるようになること」など
が挙げられる。
・CNNには 22 名の faculty が所属している。この内、11 名が外国人であり、faculty 全体で年間
7 百万ドルの外部資金を獲得している。外部資金は、全て連邦政府からのものである。
34
2-6.基礎科学(素粒子物理)領域におけるトップ拠点の調査
基礎科学(素粒子物理)領域については、「フェルミ国立加速器研究所(FNAL;
Fermi National Accelerator Laboratory)」
「スタンフォードリニア加速器センター(S
LAC;Stanford Linear Accelerator Center)」を対象拠点として取り上げた。
2-6-1.フェルミ国立加速器研究所
FNALは、イリノイ州バタビア市に位置する。1967 年に創設され、2007 年が設立
41 年目に当たる。
素粒子物理学研究に特化した米国最大の機関であり、基礎科学領域におけるトップ
拠点の一つとして位置付けられる。これまでに、ボトムクォーク、トップクォークの発
見が行われており、タウニュートリノを最初に観測するなど、当該分野における研究の先
導的役割を担ってきた。
ホームページに掲載された 2004 年度のデータに拠れば、予算総額は 3 億 1,600 万ド
ル、人員については、FNALに所属する研究者が 1,995 名(ポスドク等の学生も含
む)
、外部からの研究者が 2,300 名、などの構成となっている。プロジェクト構成は、
「Project/R&D」
「Accelerator Experiments」
「Astrophysics Experiments/Projects」
「Collider Experiments」
「Fixed Target Experiments」
「Neutrino Experiments」
「Quark
Flavor Experiments」「Theory」の 8 領域に区分されている。
本機関を対象とし、第1次現地調査を実施した。
a.第1次現地調査
Fermi National Accelerator Laboratory の Deputy Director で あ る Prof.
Young-Kee Kim 等へのインタビューを行った。得られた結果をもとに、
「拠点としての
FNALの特徴」「組織的特徴、活動環境」などをまとめると、次のようになる。
最初に、
「トップ拠点の要件」について質問したところ、以下の回答が得られた。
・世界トップクラス研究拠点としての最大の求心力は、
「FNALが取り組んでいる“最先端の科学”
」
である。
・つまり、FNALにしかない魅力的な研究開発プログラム(scientific program)に参加するた
めに、優れた研究者が集まってくる。
・合わせて、独創的なアイディアを思いついた研究者が、思いついたアイディアを具体的な研究プ
ログラムに結びつけるためにFNALに集まってくる。つまり、FNALは「アイディアを実現
するための“リスクを取るチャンス”を与える」場として機能している。
・優れた研究者を引き付けるもう一つの求心力として、
「FNALにしかない最先端施設」の存在が
挙げられる。外部研究者であっても、施設や場所を無料で使用することができる。一方、外部研
35
究者側からFNALに対し、研究に必要となる装置などが無償で提供されるケースも多い。
・結果として、FNALの多くの研究は、外部からの研究者(visiting scientist 等)の関与によ
り進められている。
・約 2,300 名の外部研究者の内、半数が、米国内からでなく、アジアやヨーロッパから来た研究者
となっている。こうした事実が、トップ拠点としての名声をさらに高めることにつながっている。
これらのコメントから、
「最先端の科学」
「最先端の施設」
「魅力的な研究開発プログ
ラム」
「リスクの高い先端研究に取り組むチャンス」を求め、優れた人材がトップ拠点
たるFNALに集まってくることが分かる。
次に、
「研究予算の推移」について質問すると、以下の回答が得られた。
・FNALの年間予算については、大きな変化はない。これは、全体の予算規模が大きく、その内
の相当部分を「人件費」と「電力代」が占めていることによる。一つの研究に 10 年以上を要する
基礎科学の分野では、
「安定した予算源を確保する」ことはトップクラス研究拠点にとって重要で
ある。
・ただし、個々の研究開発プログラムに投じられる予算額に着目すると、年度による変動が見られ
る。全体に占める割合は小さいが、こうした変動が各年度の研究パフォーマンスに影響をもたら
す。研究開発プログラム予算の内、5~10%程度がR&Dプロジェクトに投入されている。未来の
研究テーマや新たな研究領域の探索を目的としている。
・新たな研究ビジョンについては、所長一人で決定するのではなく、多くの科学者が参加する中で
決定していく。ボトムアップで議論を深め、最後に所長が決める方式を取る。プロジェクトのア
イディアもボトムアップで生まれ、インプリケーションはトップダウンで進める。
これらのコメントから、「長期的に安定した予算源を確保する」ことが、「優れた人
材に、リスクの高い先端研究に取り組むチャンスを与える」などのトップ拠点として
の魅力や特徴につながっていることが示唆される。
また、
「人材の流動性」について質問すると、以下の回答が得られた。
・他の機関と比較し、人材流動性は決して高くない。全ての従業員を対象とした場合、年間離職率
は 1~5%程度である。科学者のみを対象とした場合は、ポスドクなどの任期付雇用者が含まれる
ため、値がもう少し高くなる。代わりに、毎年、数%の新しい人材が採用される。科学者以外の
テクニシャンやエンジニアなどの支援スタッフについても、人材流動性は決して高くない。その
理由は、サラリーが他より高いからではなく、FNALがファミリーのような組織としての特性
を持っているため、組織へのロイヤリティーが高いことによる。
・FNALは「GOCO(Government-Owned Contractor-Operated)型」の運営組織なので、
「GOG
O(Government-Owned Government-Operated)型」に比べ、人材採用条件に対する自由度が高い。
結果として、優秀な人材をスカウトする際に、大学との競争に勝つことが可能になる。GOCO
の場合、運営方式としてのフレィシビリティが高い。
36
・厳密な意味でのテニュアのポジションはないが、研究所が存続している限りは「実質的なテニュ
アのポジション」がある。このテニュアの割合は一定しているが、結果としてそうなっているだ
けで、組織運営のポリシーとして定めているわけではない。テニュア選考の際には、過去の業績、
現在の能力に加え、将来のポテンシャルについても考慮する。選定方式は、大学のシステムと類
似している。
これらのコメントから、
「基礎科学(素粒子物理)領域におけるトップ拠点の一つで
あるFNALの場合、人材流動性はあまり高くない」ことが確認できる。
さらに、
「組織の運営形態」について質問すると、以下の回答が得られた。
・FNALの運営は、昨年までは、90 の大学より成る「URA(University Research Association)
という組織(日本の早稲田大学、イタリアの大学も参加)」が担当していた。「沢山の大学とのア
クセスを確保し、これらの大学がFNALという公的機関がもたらすメリットを共有できるよう
にした」ことが大きな特徴となっている。
・上記方式の場合、素粒子物理という専門性の高い科学分野の動向を熟知している大学が主体とな
ることで、研究開発や組織運営の効率は向上したが、一方で、90 の大学が集まった結果、責任の
所在が不明確になるという弊害ももたらした。
・こうした弊害を解消するため、今年の 1 月から、
「FRA(Fermi Research Alliance)と言う新
しい仕組み」が導入された。この仕組みは、組織の運営に対し、シカゴ大学が 50%、URAが 50%、
それぞれ関与するもので「シカゴ大学が組織運営の先頭に立つことで、責任の所在を明確化する」
ことを目的としている。
2-6-2.スタンフォードリニア加速器センター
SLACは、カリフォルニア州メンロパーク市に位置する。1962 年に創設され、2007
年が設立 46 年目に当たる。
新たな素粒子物理学の開拓を担う中核機関であり、基礎科学領域におけるトップ拠
点の一つとして位置付けられる。補章での定量的評価では、上位に位置していない。
しかし、国内外の大学、研究機関、産業などから 3,000 名を超える客員科学者によっ
て研究の充実を図っている。また、最先端の実験施設をデザイン・建設・オペレーシ
ョンする事を研究機関の使命として掲げている。
ホームページに掲載されたデータに拠れば、研究開発プログラムは「Photon Science
Programs」
「Particle and Astroparticle Science Programs: Accelerators」
「Particle
and Astroparticle Science Programs: Experiments」「Particle and Astroparticle
Science Programs: Theory」の4つに区分されている。
37
本機関を対象とし、第1次現地調査を実施した。
a.第1次現地調査
Stanford Linear Accelerator Center の Deputy to the Director of PPA である
Dr. Stephan Williams 等へのインタビューを行った。得られた結果をもとに、
「トッ
プ拠点としての要件」「組織的特徴、活動環境」などをまとめると、次のようになる。
最初に、
「トップ拠点の要件」について質問したところ、以下の回答が得られた。
・トップ拠点であるためには、まず優秀で創造的な人材(科学者)が重要である。
・こうした世界的人材に加えて、「科学研究を持続できるリソース」「次のことにトライすること」
「何が新しい科学となるか、何が新しい可能性であるかを見極めること」が重要である。SLA
Cにはこれがある。
・SLACがトップクラスの研究者を引き付けるのは、「優秀なエンジニア」「巨大な最新の実験施
設」「大学とのユニークな関係」など、他では見られない特徴があるためである。
・短期間でトップクラスの研究拠点になるためには、傑出した施設が必要である。
・「研究大学であるスタンフォード大学とSLACの密接な関係」は、FNAL、KEK(高エネル
ギー加速器研究機構)、CERN(欧州原子核研究機構)などの他の独立した公的研究機関と比較し
て、ユニークである。
・トップを何十年にも渡り維持するためには、
「長期ビジョン」と「変化を厭わない気風」が重要で
ある。
・「長期的な科学のビジョン」
「エキサイティングなプログラム」
「ベスト・サイエンティストがいる
こと」
「大学(スタッフ、新しいアイデア)との密接な関係」などが、トップ拠点としてのSLAC
の魅力になっている。
・長期のビジョンは、Laboratory Director が決定する。ただし、オープンなコミュニティが形成さ
れているため、そのためのシナリオは faculty の議論、協力の下で作成される。
・SLACでの研究シナリオの決め方は、オープンでフラットである。
・SLAC設立においては、
「ピーフ・パノフスキー(Wolfgang Kurt Hermann Panofsky:マンハッ
タン計画にも関与、1961 年から 1984 年までSLAC初代ディレクター、1984 年より名誉ディレ
クター&名誉教授)
」が強力なビジョナリーリーダーの役割を果たした。
・パノフスキーは物理学のビジョンを描き、その中でSLACが果たすべきミッションを見定め、
強力なパーソナリティーでSLACを牽引した(SLACの“ロッキー・マルシアーノ”
)。
・現ディレクターのジョナサンは 1999 年から現職にあるが、SLACに来た初期(1976 年)から
particle astrophysics が基礎物理学の中でメジャーになるとの科学的ビジョンを持っていた。
これらのコメントから、
「ビジョン」
「所属する人材」
「研究開発プログラム」などが
トップ拠点としての魅力や求心力をもたらすことが確認できる。また、SLACの場
合、これらに加え、
「研究大学であるスタンフォード大学との密接な連携」がトップ拠
点としてのもう一つの魅力に結びついていることが分かる。
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次に、
「予算と人員構成」について質問すると、以下の回答が得られた。
・予算は、エネルギー省とのコントラクトによる政府からの資金。
・約 2 年前に組織を再編し、研究部門と技術部門を統合した 4 つの研究開発プログラムを設置。
・SLACの faculty(約 60 名)は大学に所属し、博士課程の学生を多く持っている。研究者以外
にエンジニア、支援スタッフなど含めて 1,600 名が雇用されている。
・外国人研究者の割合は、faculty については 40%以上。また、世界中から年間約 3,000 人の研究者
が研究のためにSLACを訪れる(トップクラスの研究設備、装置、研究支援スタッフが魅力)。
・現在までに、ノーベル物理学賞受賞者を 3 名、ノーベル化学賞受賞者を 1 名輩出。
・人材流動性については、SLACの場合、senior faculty の流動性は低い。一方、テニュアを獲
得できない人は外に出るため、結果的に、ポスドクなどの若手の流動性は高くなっている。
これらのコメントから、
「SLACには、世界中から優れた人材が集って来ること」
「若手の人材流動性は高く、シニアの流動性は低いこと」などの特徴が見て取れる。
また、
「組織の運営」について質問すると、以下の回答が得られた。
・人事評価システムにおいて、論文被引用数などの定量的基準は、科学者コミュニティが既に確立
成熟している同一領域内の研究者を比較する場合は有効である。一方、新たな領域、あるいは異
なる領域の研究者を比較する場合には役に立たない。この場合は、その分野のトップ研究者を含
む多くの人間の pier opinion を聞くことが、人材を評価する最良かつ最も有効な方法である。
・外部資金獲得については、大学では個々の研究者、研究マネージャーが個別にファンディングを
受ける。これに対してSLACでは、一人のマネージャーが統括して資金を獲得し、これを受け
る。マネージャー、PI(Principal INvestigator)が組織全体の資金を獲得するというラボラト
リーモデルは、どのような分野にも当てはまるというわけではない。巨大施設を必要とする分野、
一部の国研に当てはまるやり方である。
これらのコメントから、研究業績を評価する際の「定量的基準と定性的基準の位置
づけや用い方」
「トップ研究者による評価コメントの重要性」などが確認できる。
さらに、
「組織の風土」について質問すると、欧州の機関との比較に基づく以下の回
答が得られた。
・CERNからSLACに移籍してきた Dr. Neil Calder の評価に拠れば、強固なハイアラーキー
を持つCERNの制度、システムに比べて、自由な雰囲気のSLACは若い知的欲求を満たして
くれる場として機能している(例えば、SLACではスタッフは Director も含めてファーストネ
ームで呼び合うが、CERNでは Director は 5 年ごとに外部からやってきて、特別待遇を受け、
“神のように支配する”)。
・SLACには、欧州とは異なる知的クイックネスがある。リスクテイクを進んで行う風土がある。
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これは、SLACやスタンフォード大学が“ベンチャーロード”に隣接しているという地理的な
条件も多いに関係している。
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2-7.研究拠点の全般的特徴に関する有識者調査
「ライフサイエンス分野」
「環境・エネルギー分野」
「情報通信技術分野」
「ナノテク
ノロジー・材料分野」
「基礎科学(素粒子物理)領域」のトップ拠点について、第1次
及び第2次の2回の現地調査で得られた結果を検証するため、日米の研究開発システ
ムに詳しい研究者・有識者へのインタビュー調査を行った。
2-7-1.TPI(ジョージ・ヒートン氏)
第一に、米国の科学技術政策に関する有識者集団である「TPI(Technology Policy
International)」から、関連コメントを聴取した。
TPIは、科学技術に関する調査研究や施策提言などに取り組む 4 名の専門家から
構成されており、各種委員会や関連学会においても様々な活動を展開している。ここ
では、4 名の内、マサチューセッツ州に在住する Mr. George Heaton に対するインタ
ビューを実施した。Mr. Heaton はマサチューセッツ州登録の弁護士であり、マサチュ
ーセッツ工科大学や Worcester Polytechnic Institute などにおける faculty として
の活動実績を有する。また、日本でも、埼玉大学における visiting professor などと
しての活動実績を有する。
Mr. Heaton から得られたコメントをもとに、「第1次及び第2次現地調査で得られ
た結果の妥当性」
「第1次及び第2次現地調査の関連情報」などをまとめると、次のよ
うになる。
最初に、研究拠点で実施したインタビューの結果に基づき、
「トップ拠点の要件」に
ついて質問したところ、以下の回答が得られた。
・
「トップクラスの研究拠点としての最も重要な要件は、トップクラスの人材を集める力を持ってい
ること」という認識は正しい。
・トップクラスの研究者を特定の研究拠点に引き付けるには、
「ビジョン、同僚、研究や施設に投入
できる資金、組織でのパワー(権限など)、prestige」をパッケージとして提示することが重要。
・トップクラスの研究者は、多くの場合、独自のビジョンを持っている。そして、自らのビジョン
を実現するための場所や組織を求めている。自らのビジョンの下で、研究組織を率いていきたい
と思っている。このため、独立して活動できる魅力的な場所に引き付けられる。
これらのコメントから、
「トップ拠点としての重要な要件」が「トップクラスの人材
を集める力を持っていること」であることが裏付けられる。
また、「人材を引き付ける魅力」が、「ビジョン」「所属する人材」「施設」などから
生まれてくることも確認できる。
上記に加え、関連情報として、
「トップ拠点の特徴」について、ボストン大学とマサ
チューセッツ工科大学を比較事例とする以下のコメントが示された。
41
・
「優れた人材を集め、集めた人材の力を引き出す仕組み」にはいくつかのパターンがあるが、ボス
トン大学とマサチューセッツ工科大学のアプローチは対照的である。
・ボストン大学の場合、トップクラス研究拠点として発展するようになったのは、1969 年にジョン・
シウバが学長に就任したことをきっかけだった。
・ジョン・シウバは独自のビジョンを持つ人物で、そのビジョンを掲げ、大学の成長と改善に向け、
大変エネルギッシュな活動を展開した。
・具体的には、様々な場所に出向いては、「優秀な研究者でかつ起業家精神を持つ人材(アカデミッ
ク・アントレプレナー)」を見つけ、学内にポストを用意し、次々とスカウトした。
・そのために、学内の人材や組織に対し、必要な指示を与え、干渉することに躊躇しなかった。結
果として、ボストン大学は急速にトップクラス研究拠点として認知されていった。
・このように、大学の経営層に強いリーダーが存在すると、組織は急速に変わっていく。一方で、
こうした独裁的なトップを嫌悪し反発する人材も増えてくる。したがって、今後もボストン大学
がトップクラス研究拠点としての地位を維持できるかどうかについては、疑問を呈する人もいる。
・これに対し、マサチューセッツ工科大学の総長は、基本的には、学内の個々の活動に対し干渉す
るようなことはしない。優れた研究者が自由に活動し、研究者同士が自由に連携できる環境を提
供している。
・マサチューセッツ工科大学の場合、優れた人材を集めた後は基本的には何もしない、すなわち「ア
カデミック・アントレプレナーの“ホールディングカンパニー”」のような仕組みとなっている。
さらに、
「トップ拠点の運営」について、以下のコメントが示された。
・大学が faculty に対し 9 ヶ月分のサラリーを支払うケースが一般的である。個別契約により、12
ヶ月分を保証するケースもある。したがって、テニュアになると原則として 9 ヶ月分のサラリー
が保証されることになる。
・優秀な faculty であれば、30 万ドル規模のサラリーは一般的。民間企業のコンサルティングなど
を行うと、さらに高額の報酬を得ることができる。
・しかし、こうしたケースは、米国の中でもトップクラスの一部の限られた大学、限られた人材に
おいて見られるものである。
・大学からのサラリーは、外部資金の獲得額などにより、極端に変化することはない。
・ボストン大学は、一部の研究分野ではトップクラスだが、全体として見ると、まだセカンドクラ
スに属する。ただし、サラリーはハーバード大学より高く、積極的に優秀な人材をスカウトして
いる。
・マサチューセッツ工科大学は、昇進段階に達した faculty に対し、候補者の内、半数を採用する
方式を取っている。
・ただし、全体として見ると、米国のトップクラスの大学においても、faculty として採用された
後は、多くの人が昇進していくケースの方が一般的である。カーネギーメロン大学などは、この
タイプに属する。
42
・制度上は、faculty の昇進については President と Provost が決める形を取っている。ただし、
通常は、「flat structure 型」の仕組みにより学部が決めた案をそのまま認可するケースが多い。
・ただし、そうではないケースもある。ボストン大学の前学長であったジョン・シウバの場合、全
ての学部におけるテニュアへの昇進について決定権限を握っていた。
2-7-2.TPI(パトリック・ウィンダム氏)
第二に、TPIの 4 名の専門家の内、カリフォルニア州に在住する Mr. Patrick
Windham に対するインタビューを実施した。Mr. Windham は科学技術分野のコンサルタ
ント活動を主務としており、スタンフォード大学における faculty としての活動実績
を有する。また、米国上院における科学技術分野のシニアスタッフとしての活動実績
を有する。
Mr. Windham から得られたコメントをもとに、
「第1次及び第2次現地調査で得られ
た結果の妥当性」
「第1次及び第2次現地調査の関連情報」などをまとめると、次のよ
うになる。
最初に、
「トップ拠点の要件」について質問したところ、以下の回答が得られた。
・
「トップクラスの研究拠点としての最も重要な要件は、トップクラスの人材を集める力を持ってい
ること」という認識は正しい。
・したがって、新たなトップクラスの研究拠点を形成する場合、
「既にトップクラスの研究者が存在
する機関や場所」を対象に、拠点形成の動きを起こした方が、成功確率が高くなる。
・これに対し、辺鄙な場所に位置しており、現時点ではトップクラスの研究者が存在しない機関の
場合、拠点形成のトリガーとなるトップクラスの研究者のスカウトから始めなければならない。
・地方の大学で、トップクラスの研究者が存在しない場合、大学として取るべき戦略として、以下
のポイントが指摘できる。第一に、対象分野を出来る限り絞りこむこと。特定領域に資源を集中
して投入することが重要である。その上で、第二に、必要な資源を投じ、地域のスターとなるト
ップクラスの研究者をスカウトすることになる。
・トップクラスの研究者が求める環境は「一番良い仕事ができる場所」であることはもちろんだが、
居住環境などを含め、総合的な条件を提示することがポイントになる。
・例えば、研究者をスカウトする条件として、
「配偶者のポジションを合わせて提示する」ケースな
ども見られる。
・すなわち、スカウトの条件として、
「トップクラスの研究者の多様なニーズに応えたトータル・パ
ッケージ」を示すことが有効に働く。
・こうしたアプローチを経て、トップクラスの研究拠点が形成された代表的ケースとして、テキサ
ス大学の成功などが挙げられる。
・トップクラスの研究拠点において「ビジョナリーリーダー」と「研究リーダー」が同一人物では
なく、2人がチームを組んで取り組むケースは、米国でも珍しくない。
43
これらのコメントから、
「トップ拠点としての重要な要件」である「トップクラスの
人材を集める力を持っていること」を満たすためには、拠点の特性を生かした方策が
必要であることがわかる
また、「人材をスカウトするプロセス」について、「トータル・パッケージとしての
条件の提示」などの具体事例が把握できる。
上記に加え、関連情報として、
「トップ拠点の資金」について、以下のコメントが示
された。
・トップクラスの研究拠点の活動資金としては、一般的に、産業界からの資金よりも、連邦政府か
らの資金の方が多い。
・外部から獲得する研究資金については、基礎研究の場合、特に連邦政府資金が占める割合が高い。
・ただし、応用研究については、最近、BPが、カリフォルニア大学バークレー校、ローレンスバ
ークレー国立研究所、イリノイ大学(化学工学やとバイオロジーに強い)に5億ドルの資金を拠
出し、バイオ燃料の研究を進めている例なども見られる。
・資金獲得の仕組みが「組織として獲得するタイプ」と「個人として獲得するタイプ」の2つの分か
れるという認識は正しい。
・例えば、バイメディカルに関する研究の場合、必要資金や人材の規模が極めて大きいので、
「外部
資金を獲得する人」と「研究に専念する人」が共存している。
・バイオXの場合、設立時に、ジム・クラーク氏からのギフトとして、8,000 万ドル(当初の約束
額は 12,500 万ドル)を得ている。その後の研究資金のほとんどは、連邦政府からのものとなって
いるのではないか。
・米国の税制が、富裕層への大学に対する資金援助を促進している面がある。
また、
「トップ拠点の運営」について、以下のコメントが示された。
・大学の faculty のサラリーは、基本的にスタンフォード大学が支払っている。このため、junior
faculty の時代(通常、7年間)に十分な外部ファンドを獲得できないと、テニュアになれないケ
ースが多い。
・マサチューセッツ工科大学やスタンフォードなどのトップクラスの研究大学では、外部資金の十
分な獲得実績を持たずに、テニュアになるケースはほとんど見られない。
・テニュアの場合、外部資金を獲得できなくても、組織を去る必要はない。ただし、研究に必要な
スペース、施設、学生を確保できなくなる。
・ハードマネーは、主としてから大学から直接支払われるサラリーなどのこと。ソフトマネーは、
連邦政府などから獲得する外部研究資金のこと。大学院生やポスドクは、主としてソフトマネー
で暮らしている。したがって、教育専門の faculty はハードマネーだけで暮らしていけるが、研
究関連の faculty はソフトマネーと関わらざるを得ない。
・業績評価や昇進において定量よりも定性評価が重視されるが、こうした評価を行うためには「目
利きになれるシニア人材」が相当数存在することが必要。つまり、
「pier review system を支え
ることのできる優れたシニア人材」が必要。
44
・この意味で、プログラムマネジャーの多くが優れたサイエンティストであることが、米国の競争
的研究資金システムをうまく動かしている大きな理由となっている。
さらに、
「トップ拠点の人材流動」について、以下のコメントが示された。
・米国において人材流動性が高い理由の一つとして、「研究拠点による人材獲得競争が活発である」
ことが挙げられる。かつて、テキサス大学がトップ拠点になることを目指した時、石油産業から
のハードマネーを使い、ハーバード大学からノーベル賞受賞者のスティーブ・ワインバーガーを
スカウトしたのが典型例。
・人材流動の変化を昇進プロセスに基づき整理すると、大学院を経て faculty として採用されるま
での段階では流動性が非常に高く、faculty として採用された後、Assistant Professor からテニ
ュアを得るまでの段階では、流動性は相対的に低くなり、テニュアを得た後は、再び人材流動性
が高くなる傾向が見られるのではないか。
・ただし、ハーバード大学のように、百人に一人程度しか内部の Assistant Professor がテニュア
を獲得できない環境下では、Assistant Professor からテニュアを得るまでの段階においても、人
材流動性が非常に高くなる。
2-7-3.スタンフォード大学(山本喜久教授)
第 三 に 、 Stanford University の Department of Electrical Engineering &
Department of Applied Physics の Professor である Dr. Yoshihisa Yamamoto へのイ
ンタビューを実施した。Dr. Yamamoto は、日本での研究生活の後、スタンフォード大
学にテニュアとして招聘されたという経歴を持ち、日米両国の研究拠点の状況に通じ
ている。
Prof. Yamamoto から得られたコメントをもとに、「第1次及び第2次現地調査で得
られた結果の妥当性」
「第1次及び第2次現地調査の関連情報」などをまとめると、次
のようになる。
最初に、
「トップ拠点の要件」について質問したところ、以下の回答が得られた。
・
「トップクラス研究拠点としての最も重要な要件は、トップクラスの人材を集める力を持っている
こと」という認識は正しい。優れた研究者がいる場所に、優れた研究者と仕事をするために、優
れた研究者が集まってくる。
・トップクラス研究拠点としての上記モデルは、研究者の高い人材流動性を基本としている。した
がって、米国における「他の国では見られない“極めて高い人材流動性”
」がトップクラス研究拠
点の形成にもたらしている影響について、十分考慮する必要がある。
・米国の場合、海外から非常に多くの優れた研究者が集まってくる。そして、海外からやって来た
これらの研究者の中には、
「自分の力を発揮できるならば、これまであまり知られていなかった機
関でも、ブランドなど気にせず、積極的に参加する優れた研究者」が非常に多く含まれている。
45
・つまり、米国において、地方都市も含め、様々な地域において次々と新たなトップクラス研究拠
点が誕生するダイナミズムは、
「海外から集まってくる非常に多くの優れた研究者」の存在がもた
らしている面が強い。
これらのコメントから、
「トップ拠点としての重要な要件」が「トップクラスの人材
を集める力を持っていること」であることが裏付けられる。
また、「トップ拠点の形成」において、「米国の高い人材流動性」がもたらしている
影響を把握できる。
上記に加え、関連情報として、
「日本のトップクラス研究拠点創出のモデルのあり方」
について、以下のコメントが示された。
・海外からの優れた研究者の人材流動について、日本と米国の間に見られる違いを考えると、日本
において、米国のように 「多くの地方都市で、次々とトップクラス研究拠点が生まれるモデル」
を想定することは無理があるのではないか。
・したがって、トップクラス研究拠点の創生や強化を図るには、拠点の数や地域を限定した上で、
これらの拠点に対し支援方策を導入することが効果を発揮するのではないか。
・この意味で、ドイツのように 「“同じようなレベル”の“複数の拠点(ただし、対象とする地域
数はあまり多くしない)”を構築する」、あるいはフランスのように 「あらゆるものを一つの地域
(具体的にはパリ)に集中する」 など、ヨーロッパ型のトップクラス研究拠点モデルについても、
十分に方策検討の参考とする必要があるのではないか。
さらに、
「米国における大学院生の位置づけ」について、以下のコメントが示された。
・また、米国の場合、大学院生を採用した教授等が給与、授業料、福利厚生費に見合った費用を支
払う。スタンフォード大学の場合は約 1 千万円/人・年の費用が必要になり、大学院生一人を採
用することは、教授等にとって、その後の 5 年間で 5 千万円の費用を捻出する責任を負うことを
意味する。
・こうして大学院生による研究開発活動をプロフェッショナルの仕事として認知し、相応の報酬を
持って報いることが、米国において優れた研究者を育成・輩出する面で大きな役割を果たしてい
ることも、考慮すべき重要なポイントになるのではないか。
46
2章まとめ① 米国トップクラス研究拠点第1次調査結果(その1)
第1次調査対処拠点
コールドスプリングハーバー
研究所
対象拠点の分野
MIT・グローバルチェンジ
サイエンスセンター
ライフサイエンス
スタンフォード大学 スクール・オブ・アース
サイエンス
MIT・メディアラボ
カーネギーメロン大学・ロボット研究所
環境・エネルギー
情報通信技術
情報通信技術
環境・エネルギー
Associate Prof. Hiroshi Ishii(Co-Director,
Prof. Matthew Mason(Director)
Things That Think)
インタビュー対象者
Dr. Lilian Clark(Dean)
Prof. Ronald G. Prinn(Director)
Prof. Pamela Mason (Dean)
調査項目
①組織・資金
2005年:9,870万ドル
人員:約1,500名(院生含む)
人員:フィァカルティ49名
2006年:4,000万ドル 人員:350名(50名 研究スタッフ:40名余、研究支援スタッフ:
がファカルティ)
70名余、大学院生:約130名
2004年:4,000万ドル 人
員:463名(ファカルティ:47, ポスドク:13, リ
サーチスタッフ:182 等)
②設立年
1890年
1990年
1947年
1985年
1981年
名声/過去の研究業績/現在取り組んで
インターナショナルなプロジェクト/大規模
③トップクラス研究拠点の要件:人材 いる研究の先進性/所属する人材の魅力
なプロジェクト/高いサラリー/エキサン 人的リソース/高い評価
が集まる理由
/他では得られない設備や装置/リスクを
ティングなビジョン
とるチャンスを与える場
組織のビジョン/所属する人材
ビジョン(1979年に大学が掲げた「CMUに
ロボット分野のトップクラス研究拠点を創
る」)/特定分野の研究レベルの高さ/優
れた研究者
④拠点創出のトリガーとなったビジョ
ナリーリーダーの存在
チャールズ・ダベンポート
プリン教授 他
ニコラス・ネグロポンテ & ジェロム・ウィー
スナー(1980年にメディアラボのアウトライ
ンを作成)
アラン・ニューウェル &
ハーバート・サイモン
⑤拠点発展の牽引力となったトップク
ラスの研究リーダーの存在
ジム・ワトソンのチームが中興の祖
プリン教授 他
-
ラズ・レディ(ロボット分野のトップ研究者を
次々と集め、「人が人を次々に引き付ける」
好循環を生む)
⑥主要な外部資金源
資金源は寄付金に大きく依存(連邦政府資
金は約30%)
-
⑦外部資金を獲得する仕組み
採用後5年間はサラリー保証、この後は
組織全体として外部資金を獲得する(外部 組織全体として外部資金を獲得する(外部
原則として全てのファカルティーが外部資 ほとんどのファカルティが外部資金獲得に
ファカルティーが外部資金獲得の役割を担
資金獲得の役割を担うファカルティーと担 資金獲得の役割を担うファカルティーと担
金獲得の役割を担う
コミットする
う
わないファカルティーが共存する)
わないファカルティーが共存する)
⑧マネジメントの特徴(特筆事項)
MITは社会ニーズに根ざした先端研究を重
組織運営のための資金を全体の約1割の
大学院生に対する教育義務が無い/コ
視する大学(Problem Oriented University) トップダウンのエンゲージメントとボトムアッ 人間が獲得しディレクターの下に集約/そ 財政基盤が豊かではないCMUにおける「レ
ミュニケーション重視のためにファカルティ
/「環境」は特に学際的なアプローチが効果 プのエンゲージメントのバランス
の後ディレクターの裁量で組織全体のため インメーカー」の存在の重要性
数は60名前後に抑える
を発揮する領域
に使う
⑨人材の流動性・国際性
マネジメント層を含め50%以上が外国人
の人材
大学院生の約1/3が米国外出身(修了後
は他機関に移ることを奨励)
ビジョナリーリーダー:J.C.ブラナー
ミドルリーダー(前学長):リン・オーア
連邦政府資金66%、企業資金33%
DoD(DARPA,Air Force, Army, Marines
産業界からの資金が約8割、70以上のスポ
etc.), NASA, NSF etc.
ンサー
連邦政府資金:総額の約70%
院生は約半数が外国人/ジュニアレベル
他の機関に移動せず長期間ロボット研究
既存の学部の枠に入らない研究者たちが
は流動性が高いがシニアレベルの研究者
所で活動を継続するケースが多い/最近
集まってくる
は安定性が高い
は流動性が高まる傾向あり
⑩テニュア制度の有無
なし、平均在籍期間は約10年
あり
あり
あり
⑪リサーチトラックの有無
あり、基本的には全てが該当
あり
あり
あり、基本的には全てが該当
-
定性的な評価を重視(分野に対するインパ
クトの有無など)
定性的な総合評価
-
フラット型に近い/学内・学外のメンバー
からなる評価チーム/ピアを重視
⑫業績評価における定量指標の位置 獲得ファンドの額だけで評価されるわけで
付け
はない
⑬昇進者を選定する仕組み
⑭その他特記事項
フラットストラクチャー型(昇進候補者の上
位の職位を持つファカルティー全員の協議
により決定)
あり(現在10~15人のテニュアトラックが在
籍)
ファカルティの多くがリサーチトラック
ファカルティの業績評価で定量的な指標が
特に重視されるということは無い
学内のテニュアコミッティが査定対象者を 3年に1度、昇進のための評価が行われる
世界中の誰に審査してもらうかを決め、手 /採用時にレターによるレビューを含めた
紙を書いて評価を依頼+fund raising能力 十分なスクリーニングを行っている
メディアラボにおける価値観は「今までに
ロボット研究所はCMU本体とは別に独自に
無い新しい流れを作り出したか」「その新し
予算を決定し、サラリーもロボット研究所が
い流れは人類にとって意味を持つのか」の
払う
2つ/これがテニュアの条件
47~48
2章まとめ② 米国トップクラス研究拠点第1次調査結果(その2)
第1次調査対処拠点
アリゾナ大学・カレッジオブオプティカル サイエンス
対象拠点の分野
ナノテクノロジー・材料
ボストン大学・ナノサイエンス&ナノテクノロジーセン
ター
スタンフォード リニア加速器センター
ナノテクノロジー・材料
インタビュー対象者
Prof. James C. Wyant(Dean)
Dr. Mario Cabodi (Deputy Director)
調査項目
①組織・資金
2006年:約2,600万ドル
2006年:約700万ドル
人員構成:111名(ファカルティ73名)/他に院生、学生 人員:ファカルティ22名
②設立年
1969年
基礎科学(素粒子物理)
Dr. Stephen Williams (Deputy Director) and 3
professors
フェルミ国立加速器研究所
基礎科学(素粒子物理)
Prof. Young-Kee Kim(Deputy Director)
2006年34、540万ドル
2004年:31,800万ドル 人員:所属研究者数1,995名
人員:ファカルティ60余名(エンジニア、支援スタッフ含
(ポスドク含む)/外来研究者数2,300名(半数が外国)
め1,600名)
-
1962年
1967年設立/1974年に現在の名称に改名
エキサイティングなプログラム/長期的な科学のビジョ 最先端の科学/魅力的な研究開発プログラム/アイ
ビジョン(1964年エイトン:オプティクスの研究を専門に
研究に必要な最新の施設/外部資金を獲得するため
③トップクラス研究拠点の要件:人材
ン/大学との密接な関係(優秀な専門スタッフ)/リー ディアを実現するためのリスクを取るチャンスを与える
行う大学が必要)/優れた仲間/エキサイティングな
の連携構築が容易
が集まる理由
場/他にはない最先端施設
ダーシップを持つ最良の科学者
場所
④拠点創出のトリガーとなったビジョ
ナリーリーダーの存在
マイネル・エイトン(1969年スタート)
⑤拠点発展の牽引力となったトップク
ピーター・フランケン(1973年ミシガン大より引き抜き)
ラスの研究リーダーの存在
前学長 ジョン・シウバ/
現学長 ロバート・ブラウン
-
「ピーフ」パノフスキー(1984年まで初代ディレクター、
現在名誉ディレクター)
ロバート R. ウィルソン
ジョナサン・ドーファン
-
⑥主要な外部資金源
連邦政府資金66%、州政府資金12%、企業資金22%
(200余のグラント、コントラクト)
⑦外部資金を獲得する仕組み
原則として全てのファカルティーが外部資金獲得の役 原則として全てのファカルティーが外部資金獲得の役 基本的にただ一人のマネージャーが統括して、組織全
組織全体として外部資金を獲得する
割を担う
割を担う
体の資金を獲得する(分野特性による)
⑧マネジメントの特徴(特筆事項)
学部内、学部間、大学間の連携に基づきグループを形 学長の強いリーダーシップによるトップダウンの運営
成、研究資金を獲得する動きが顕著
(選択的に特定分野への資金援助を行う)
スタンフォード大学の1部門であり、人事面、リソース面
(GOCOなので採用条件に自由度があり、大学との競
を含めて大学と密接な関係を維持している点がユニー
争に勝って優秀な人材が集められる)
ク
⑨人材の流動性・国際性
(毎年2~3名の新しいファカルティを採用)
プロパー研究者、研究補助職ともに組織へのロイヤリ
研究者の40%以上が米国以外の市民権を持つ/シニ
ティが高く人材流動性は決して高くない/外来研究者
アファカルティ以上は流動性が低い
は世界中から集まる
連邦政府
22名の研究者中11名が外国人
DOEとの契約による政府予算
⑩テニュア制度の有無
あり
あり
あり/スタンフォード大学と同様
⑪リサーチトラックの有無
あり
あり
あり/スタンフォード大学と同様
⑫業績評価における定量指標の位置 外部資金を獲得する能力と熱意は重要な評価指標
付け
(ファンドがないと組織を去ることになる)
主要指標は対象分野での認知度、論文数、外部資金 定量的評価も重要だが、決め手は同じ専門分野の多く
獲得額(特に重要)
の研究者の意見
⑬昇進者を選定する仕組み
センターとしては研究者の評価、昇進に直接関与しな
い(大学が上記指標により業績評価を行う)
⑭その他特記事項
-
大学と同様
中長期的な外部資金枠の確保(企業からのコントラクト
この分野で短期間にトップクラスになるには傑出した
は1,2年の短期、政府系は相対的に長く、例えば軍の
エンダウメントが少ない大学として、非常に競争的な環
ファシリティが必要/トップを永く維持するためには長
コントラクトは5年単位の資金提供がトータルで20年間
境(外部との競争)にある
期ビジョンと「変化を厭わない気風」が重要
受けられる可能性あり/短期的ファンドの割合が高く
なりすぎると組織がカオス化)
連邦政府
なし、ただし研究所が存続している限りは実質的には
テニュア制度
あり、基本的には全てが該当
定性/定量を合わせた総合評価
過去の業績、現在の能力に加え将来のポテンシャルを
総合的に評価
基礎科学領域はひとつの研究に10年以上を要する/
安定した予算源を確保することが重要
49~50
2章まとめ③ 米国トップクラス研究拠点第2次調査結果
第2次調査対処拠点
コールドスプリングハーバー
研究所
カーネギーメロン大学・ロボット研究所
カーネギーメロン大学・ロボット研究所
対象拠点の分野
ライフサイエンス
情報通信技術
情報通信技術
インタビュー対象者
Dr. Nicholas Tonks (Professor)
Dr. Christopher Atkeson (Professor)
Dr. James Kuffner (Assistant Proffesor)
①当該拠点への応募理由(と契機)
●ロボット分野で最大で名声もある研究所に魅力を感じていた
●CSHLには「グッドサイエンス」があり、トップクラスの科学に取り
●ロボット分野の研究に必要な「人材のクリティカル・マス」(ロボッ
●学会発表後に声をかけられたことを契機としてファカルティ採用
組むことができる
ト関連の研究者・技術者のコミュニティ形成)がある
に応募した
●国際学会が契機となり非常に熱意あるスカウトを受けた
②トップ拠点での自らの研究ビジョン
●世界クラスの研究者は、リーダーの描く大きなビジョンに呼応す
●CSHLに自分の専門分野であるシグナルトランスダクション研究
るとともに、「独自のビジョン」(例:ヒューマノイドロボット)を持つこ
を確立すること(従来CSHLでは実績が少ない分野だった)
とが重要
-
●若い人材、フレキシビリティの高さと機会の多さ、萌芽段階の研
●優れた研究に取り組むための重要なファクターは人材と学生
●一般に有名な機関のほうが外部資金を獲得しやすい
究テーマがあること
●ロボット研究所はこの分野では他の組織より優れた研究支援を ●非常に自由な活動環境であり、分野間の連携も活発
③トップ拠点の組織特性として指摘できる点
●組織が階層的でない
●過競争ではなく同僚との関係、コラボレーションを重視する環境
提供できる(例:外部資金の効率的な獲得の仕方)
●若手研究者がハイリスク研究に取り組むことを組織的に支援
④採用方法、基準
●新しい人材はスカウトと公募の両方の方法で行う
●論文、インタビュー、発表などの評価の他にCSHで開催される
各種会合が優れた人材の発掘の場となっている/リクルートの際
は公式、非公式のセミナーやプレゼンを行い、候補者の研究戦略
のリアリティなどを判断する
●人材採用に際しては論文数ではなく、成果がどう評価されてい
るかを重視する
●内外での発表の評価、同僚やシニアによる評価コメントを重視
する
⑤昇進
●昇進には極めて高い基準をクリアすることが求められるが、クリ
アできれば原則として全員が昇進できる
●昇進に必要な時間は、アシスタントプロフェッサー5年、アソシエ
イトプロフェッサーが3年~5年程度
●昇進のための業績評価は3年毎に行う
●3年目はインターナルレビュー、6年目はエクスターナルレ
●採用時に厳しいスクリーニングをかけた後は、昇進時の過度の
ビュー、9年目はさらに厳しい基準でのエクスターナルレビューが
競争を避けている
行われる
●3年に1回の評価に際しては評価に約1年をかける
●ロボット研究所の場合、内部昇進率が高いのは、昇進が困難な
研究者が自ら組織を去るからでもある
⑥業績評価
●業績評価には定性と定量の2つの指標を用いる
●研究の量よりも質を重視する/外部資金の獲得において、プロ ●十分に外部資金が獲得できなくともある程度は評価されうる
ポーザルの内容に高いスコアが獲得できれば、仮に資金が得ら ●但し外部資金がないと院生の費用が賄えず、十分な研究活動 ●外部資金獲得額も参考とされる(資金獲得が全くないのは不自
然)
が維持できなくなる
れなくても研究所からは評価される
⑦その他のマネジメントの特徴
●研究者が期待しているより少し早く昇進させることでインセン
ティブを上げるなどの工夫をしている
●ロボット研究所では昇進コースとしてテニュアトラック、リサーチ
●同僚は競争相手ではなく、研究の仲間/仲間が成功して研究
トラックの他にシステムトラックがある
所全体としての名声が上がれば、所属する自分にも外部資金獲
●システムトラックの評価基準は論文ではなく「優れたロボットを
得などのチャンスが広がる、と考える
作る」こと
⑧特記事項
●CSHLは内部競争型ではなく、チームアップ型の機関
●比較的歴史の浅いカーネギーメロン大学が、この分野でトップ
拠点となる契機としては、DARPAからのコンピュータサイエンスに
対する集中的資金投入があった
●採用対象者の「招待講義」を開催し、さらに研究計画やビジョン
に関する詳細インタビュー、ディスカッションを実施して合格者を決
める
●ひとつのポジションの倍率は100倍以上になる場合もある
-
51~52
第3章 米国のトップクラス研究拠点に見る研究拠点形成の要件
本年度の 2 度にわたる米国現地調査の結果、世界トップクラスの研究拠点として備える
べき要件がいくつか明らかになってきた。
これらの要件が普遍的なものであるか否か、さらに我が国の研究拠点形成に際してどの
ように適用すべきかについては、今後別途に実施する、欧州の世界トップクラス研究拠点
調査の結果を踏まえて検討しなければならない。
本年度の調査研究のまとめとしては、米国でその実績が近年着目されてきているいくつ
かの研究拠点、および長期間にわたって高い評価を受けてきている研究拠点が備えている、
世界トップクラスの研究拠点の要件を再掲する。
3-1.世界トップクラスの研究拠点の要件
米国の大学や公的研究機関は、世界トップクラスの研究拠点たるべき要件をどのように
捉え、そして実践してきているのか。この問いに対する答えは、既に第2章の現地調査結
果でみてきたように、端的にいえば「世界中からトップクラスの優れた人材をひきつける
ことのできる力を持っていること」となる。
今回の現地調査の対象とした米国の研究拠点の中には、コールドスプリングハーバー研
究所のように、百年を超える長い歴史を持つものもあれば、MIT グローバルチェンジサイ
エンスセンターのように、設立されてから十数年という新しい拠点もある。また、スタン
フォード大学スクール・オブ・アースサイエンスのように大学の一学部として位置づけら
れるものがある一方、フェルミ国立加速器研究所のような独立した公的研究機関もある。
これら多様な特徴を持つ研究拠点の代表者クラスが異口同音に指摘したのは、世界トップ
クラスの研究拠点とは、米国だけでなく世界中のトップクラスの優秀な人材(ひとり立ち
した研究者だけでなく、大学院生、技術者などを含む)がそこで研究をしたい、仕事をし
たいと願うような魅力を備えている拠点である、というメッセージであった。
それでは、トップクラス研究拠点の世界トップクラスの人材を引きつける力とは、具体
的にはどのような力なのだろうか。これについては、大きく 2 つの指摘があった。
3-1-1.拠点形成におけるリーダーの存在
第 1 に、
「魅力的なリーダーの存在」である。研究拠点を世界トップクラスたらしめるリ
ーダーの在り方には、さらに 2 つのステージがある。最初のステージで必要となるのは、
研究拠点の創出のトリガーとなる、明確で強いビジョンを示すリーダー、「ビジョナリーリ
ーダー」の存在である。ビジョナリーリーダーが示したビジョンを、具体的な研究として
展開していく次のステージで必要となるのは、優れた研究者や学生をひきつけることので
きる「研究リーダー」である。
53
今回ベンチマークした米国のトップ拠点の中には、ビジョナリーリーダーと研究リーダ
ーがそれぞれ存在したケースと、一人のリーダーが両者の役割を兼ね備えていたケースと
があった。リーダーの在り方に二つのケースが現れるのには、次のような仮説が考えられ
る。例えば、研究拠点の発展段階の特徴によるのではないか、すなわち研究拠点が創出さ
れてから、世界トップクラスへと上り始めるまでに長い時間の経緯がある場合、ビジョナ
リーリーダーと研究リーダーが個別に存在するのではないかという仮説。また、ビジョナ
リーリーダーと、研究リーダーを兼ねることができるリーダーの存在は米国でも稀なケー
スで、基本的には 2 段階のリーダーシップが発揮され、研究拠点が世界トップクラスとな
っていくのではないかという仮説などである。後者については、カーネギーメロン大学ロ
ボット研究所や、アリゾナ大学カレッジ・オブ・オプティカルサイエンスのインタビュー
の中で、このステップが明確に示されていた。これらの仮説の妥当性については、次年度
に調査する欧州の研究拠点のケースも含めて、更なる検討が必要である。
なお、今回調査した中では、スタンフォードリニア加速器センター(SLAC)の初代ディ
レクターだった“ピーフ”パノフスキーや、MIT メディアラボのニコラス・ネグロポンテ
が、拠点の形成と発展にカリスマ的な指導力を発揮したリーダーとして指摘されていた。
他方で、ビジョンを実現するために、既存の研究領域の枠組みを超えた学際的な領域を
形成することが必要となる場合は、関連学部のキーパースンとの連携、ネットワーク形成
を実現できる調整に長けた、起業家型(アントレプレナー型)のリーダーシップが必要と
なる。MIT グローバルチェンジサイエンスセンターやアリゾナ大学カレッジ・オブ・オプ
ティカルサイエンスがこのケースである。
3-1-2.研究スタッフ、支援スタッフ、設備、プログラムの充実
第 2 に、研究を進めるに際しての研究パートナーとなりうる「優れた同僚、研究者仲間
が在籍していること」、が指摘されていた。この点は、先の研究リーダーの在り方とも関
連が深いが、
「優れた研究者の存在が、さらに広く優れた人材を引きつける好循環」が生ま
れるには、この要件は欠かすことができない。
加えて、「優れた研究支援スタッフが在籍していること」も、人を引きつける要件として
重要である。ある研究拠点の研究者に対して、技術スタッフや研究支援スタッフがどれく
らい必要となるかについては、研究分野により異なる。例えば、大型実験設備が必要な分
野では、研究・実験支援スタッフの数も多く必要になる。他方、相対的に支援スタッフの
規模が小さい中で、優れた成果をあげる分野もある。しかしながら、規模の大小にかかわ
らず、優れた支援スタッフや事務方の存在は、研究活動やこれに付随する諸手続きを円滑
に進める上で重要である。
また、「そこにしかない優れた研究・実験設備」もまた、優れた研究者を引きつける大き
な要因である。特定の研究設備を必要としない分野領域の場合には、
「そこにしかない優れ
た研究プログラム」が、優れた人材を引きつける要因となっている。
54
3-1-3.その他
上記の2つの要件の他に、優れた人材を引きつける用件として指摘されていたのは、研
究推進上のリスクを取るチャンスを与えてくれる(特に若手の研究者に対してそうしたチ
ャンスを与える)組織の文化、風潮などである。一方で、一般論として高いサラリーを含
めた待遇条件の面も重要である、との指摘もあった。
3-2.米国のトップクラス研究拠点のマネジメント
ある分野の研究のために設置された研究拠点が、トップクラスとの評価を得るようにな
るには、3-1.で指摘したような要件を満たすことに加えて、いかに優れた成果を生み
出し、また産み出された成果をいかに適正に評価するか、そのマネジメントの方法が重要
である。
本調査研究で調査した、米国の世界トップクラス研究拠点には、このようなマネジメン
トの方法にもいくつかの特徴があった。それらマネジメントの特徴を大きくまとめると、
次の3点になる。
3-2-1.人事評価におけるピア評価の重視
世界中から優秀な人材が集まってくる魅力を持つのがトップクラスの研究拠点であると
すると、そうして集まってくる人材をどのように評価するかは、トップ研究拠点としての
力を維持するためにも極めて重要な課題である。
人事評価、特にテニュアトラックにある若手研究者を評価する場合に必要な視点として、
本調査でベンチマークした米国のトップクラス研究拠点のトップマネジメントが一様に強
調していたのが、ピア評価の重視である。
いくつかのトップ研究拠点では、論文数や論文の被引用数などの定量的な指標は、あく
まで研究者の評価のベースラインを示すものとして捉え、その上でピアによる評価の結果
を重視する、という総合的評価を導入していた(citation を評価基準に用いる場合の問題点
は、ひとつは新しい領域の評価が難しいという点である)
。
具体的な定性的評価の方法としては、審査対象者の同僚によるピアレビューに加えて、
同分野の世界中の一流の研究者にレビューレターを依頼する、という方法を取り入れてい
る例、また、審査対象者のかつての指導教官やシニア研究者、学生によるレビューを行う
拠点の例もあった。審査対象者の書いた論文が、その分野に与えるインパクトを重視し、
このインパクトが大きければ、数は問題ではない、との評価を行う拠点もあった。
さらに、プレゼンテーションを通して、審査対象者の研究計画の戦略性や実現性、将来
性を評価する、とするケースもあった。
55
3-2-2.外部資金獲得の重視
研究者が外部資金の獲得を行うことを重視するという視点は、今回調査したどの研究拠
点にもほぼ共通している。ただし、研究拠点の特徴や資金獲得戦略、例えば外部からの寄
付額の大小、また独立研究拠点か大学付置機関か、等によって、個々の研究者が負うオブ
リゲーションには違いがみられた。
まず、拠点に所属する研究者すべてが、外部研究資金の獲得の義務を負うケースとして
は、アリゾナ大学カレッジ・オブ・オプティカルサイエンスやボストン大学ナノサイエン
ス&ナノテクノロジーセンターがある。他方、組織の中に部資金獲得の役割を担う研究者
とこれが免除される研究者がおり、組織全体としての外部資金獲得を行うケースとして、
カーネギーメロン大学ロボット研究所や、MIT メディアラボがある。
また、外部研究資金獲得の義務を負う研究者が、資金獲得が首尾よくいかない場合、段
階的に拠点を追われるようになるケースが多い一方で、インパクトのある研究成果を出し
ていれば獲得額を問われないとするケースもあった。
3-2-3.リサーチトラックの採用/システムトラックの採用
今回現地調査の対象とした研究拠点のすべてが、教育義務を課される通常のテニュアト
ラックだけではなく、教育義務を免除され研究に専念することが許される「リサーチトラ
ックの導入」を行っていた。通常のテニュアトラックとリサーチトラックで、昇進の評価
などに差が設けられるということはない。
研究拠点の分野によっては、カーネギーメロン大学ロボット研究所のシステムトラック
制度などのように、さらに特色あるトラックを設けて、研究能力と対外競争力の向上に努
めているケースもあった。
3-3.人材の流動性と国際性
米国の研究拠点における人材流動性の高さは、先にも触れた「世界中から優秀な人材を
引きつける研究拠点の力」と、そうした優秀な人材を適切に評価できるシステムによって
担保されてきているという一面がある。
しかしながら、研究拠点の事情を細かく見ていくと、研究者の研究ステージや研究機関
のマネジメントの特徴によって、若干の違いがあることがわかった。
3-3-1.ジュニアレベルにおける流動性の高さ
今回現地調査を行った研究拠点に共通しているのは、テニュア獲得以前の研究者(ジュ
ニアレベルの人材)の流動性が高いということである。米国の大学の共通認識として、自
分の出身大学でそのまま職に就くことは珍しいことであるし、決して奨励されもしない。
結果的に多くのジュニアクラスの研究者は、テニュアを獲得するまでに大学の学部、大学
院、PD研究員期、テニュアトラックを、それぞれ異なる研究機関を渡り歩くことになる。
56
ただし、カーネギーメロン大学ロボット研究所のように、若手研究者を優先的に採用し、
しかもその採用時に厳しいスクリーニングをかけるという評価方法を採る拠点では、結果
的に内部昇格者が多くなり、相対的な流動性は低くなる。他にも、MITが内部昇進率の高
いことで知られている。
他方、テニュアを獲得したシニアレベルの研究者では、ジュニアレベルに比べて流動性
は低くなる。特にトップクラスの研究拠点であるほど、他の研究拠点に移るためのインセ
ンティブが小さくなるために、安定性は高くなる。例外としては、テニュア制度を持たず、
研究者の平均在籍期間が 10 年程度となっているコールドスプリングハーバー研究所のケー
スがある。
3-3-2.研究人材の国際性
今回調査した研究拠点は、全般に人材(研究者および学生)の国際性が高かったが、中
にはスタンフォード大学スクール・オブ・アースサイエンス等のように、研究者に占める
米国以外の市民権を持つ者の割合が低い拠点の例もあった。
調査の結果明らかとなった米国トップクラスの研究拠点のスタンスは、基本的に最優秀
の人材をスカウトし、採用し、また学生として受け入れた結果、国際性が高くなったので
あり、特に外国人の比率を意識してはいない、というものである。
また、フェルミ研究所や SLAC など、世界でそこにしかない、という装置をもつ研究拠
点では、世界中からビジターとして訪れる研究者の割合が非常に大きくなっている。
他方、欧州等から米国の研究機関に移籍した研究者からは、米国の研究機関の魅力のひ
とつとして、研究者にとって自由な文化と環境があることが指摘されていた。
3-4.今後の検討課題
以上、米国で実施した世界トップクラスの研究拠点調査結果に基づき、世界トップクラ
スの研究拠点たる要件と、これを維持し、あるいは促進するマネジメントの特徴、そして
我が国で大きな関心事となっている研究人材の流動性と国際性の特徴について概観した。
米国調査に基づく発見事実を端的に要約するなら、新たな研究拠点の創出、研究拠点の
発展、そして拠点の世界トップレベルの維持のいずれのステージにおいても、必要な要件
は「人」であると言うことができる。しかしながら、この「人材」を集め、研究を展開し、
また評価するために必要なマネジメントの在り方については、研究拠点がどのステージに
あるかにより異なるであろう。加えて、研究拠点の適正規模についても、拠点の分野、お
よび発展ステージによりいくつかのパターンがあると考えることができる。また、研究拠
点の競争優位の決定要因に関する知見を一般化するためには、今回調査で対象とした米国
とは異なったイノベーション・システムを有する地域、例えば欧州におけるトップ拠点の
実態を調査することにより、地域間の比較分析を行う必要がある。これらは、今後に残さ
れた検討課題である。
57
本報告書では、米国調査の結果得られた知見を整理するにとどめ、我が国のトップクラ
ス研究拠点形成に対する政策的インプリケーションなどについては、今後、上記のような
課題に関する検討を踏まえて総合的に導出することを期している。われわれは発見事実の
整理に当たって、多くのトップクラス研究拠点に共通してみられる特徴を主に取り上げて
きた。一方、政策的インプリケーションの導出にかかる今後の作業においては、拠点間の
差異に配慮した検討が重要になると考えられる。研究拠点に対する効果的な形成支援のあ
り方は、それぞれの拠点が関与している研究ドメインの特質によって異なるものと想定さ
れるからである。そこで最後に、今回の調査結果を踏まえ、研究ドメインの特質に起因す
る拠点間の差異を理解するための予備的な考察を加えておくことにしたい。
一つの試みとして、研究ドメインの特質を、その目的志向性(Science 志向/問題解決志
向)と、制度的な特徴(基盤的/プロジェクト的)ないし時間志向性(長期的/短期的)
という2軸によって分類した上で、今回調査の対象拠点のポジションを定義してみる。こ
こでは、Science 志向で基盤的・長期的性格を有するドメインに「基礎科学」領域、Science
志向でプロジェクト的・短期的性格を有するドメインに「先端科学」領域、問題解決志向
で基盤的・長期的性格を有するドメインに「公共技術」領域、問題解決志向でプロジェク
ト的・短期的性格を有するドメインに「産業技術」領域というラベルを与えておこう(な
お、ここで言う「基礎科学」とは、上記のように定義されたドメインのラベルであって、
今回の調査対象分野に含まれる分野分類上の「基礎科学」とは異なる点に注意を要する)。
このように研究ドメインを定義すると、今回の調査対象拠点のポジションは表3-1のよ
うに整理できるであろう。
表3-1.米国におけるトップクラス研究拠点のドメイン
基盤的(研究の特徴)
長期的(研究のスパン)
基礎科学
Science志向
問題解決志向
プロジェクト的(研究の特徴)
短期的(研究のスパン)
先端科学
→アリゾナ大学スクール・オブ・オプ
→フェルミ研究所、コールドスプリング ティカルサイエンス、カーネギーメロン
ハーバー研究所、SLAC
大学ロボット研究所、ボストン大学ナノ
サイエンス&ナノテクノロジーセンター
公共技術
産業技術
→MITグローバルチェンジサイエンス
センター、スタンフォード大学スクー
→MITメディアラボ
ル・オブ・アースサイエンス
今回調査では、対象拠点の抽出を重点推進 4 分野と素粒子物理に限定して行っているた
め、上記のように位置づけられた研究拠点の特徴は、必ずしも各ドメインの全般的な特徴
を代表するものではない。しかし、このような分類軸を導入することによって、各ドメイ
ンに位置づけられた拠点の共通性、ないし他のドメインに位置づけられた拠点との差異を、
以下のように記述することができるであろう。
58
まず、今回調査の対象拠点のうち基礎科学領域に位置づけられたトップクラス研究拠点
の特徴としては、その規模が、資金面、人員面のいずれにおいても、他のドメインに位置
づけられた研究拠点に比して際立って大きいという点が指摘できる。この点は、基礎科学
領域の中には世界トップクラスの研究活動を推進する上で、相当の資源集積が重要となる
分野が存在することを示唆している。
先端科学領域に位置づけられたトップクラス研究拠点の特徴として指摘できる点は、そ
れらの拠点がいずれも資金獲得における強い競争圧力を受けているということである。先
端科学領域には、資金面での競争的な環境が、世界トップクラスのパフォーマンスの決定
要因となる分野が存在することが窺える。
公共技術領域に位置づけられた研究拠点は、いずれも環境分野に関与している拠点であ
る。このような一義的な対応関係は、今回の調査対象分野の中でも、とりわけ環境分野が
上記ドメイン定義上の公共性を強く有していることを示している。
産業技術領域に位置づけられた唯一の研究拠点にみられる顕著な特徴は、資金面におけ
る産業部門からの取得割合が、他のドメインの拠点に比して明らかに高いという点である。
言い換えれば、資金面での公的支援は、産業技術領域以外のドメインを主たる対象として
いる。今回の調査対象分野に限ってみると、産業技術領域で世界トップクラスの拠点を実
現するための施策は、資金面以外にフォーカスを当てるべきであることが示唆されている
と言えよう。
以上のようなドメイン分類のフレームワークが、拠点形成要因のバラエティを整合的に
理解する上で有用であるならば、我々は各ドメインに適合的な拠点形成支援の要件を体系
的に抽出することもできるであろう。また、このような研究拠点を分析単位としたドメイ
ン分類は、一国全体の科学技術ポートフォリオを表すものとしてみることができるため、
研究拠点形成に向けた選択的な資源配分に資する分析フレームワークとして応用できるで
あろう。
今後の研究においては、本フレームワークの有用性に関する検証を踏まえて、拠点形成
支援にかかる政策的インプリケーションを検討することとしたい。
59
補章
定量的指標による米国のトップクラス大学等の評価
補章では、トップレベル研究拠点選定作業の参考にすべく行った、定量的指標に基
づく全米上位研究拠点の比較調査結果を報告する。
1.大学等の定量的分析の設計と概要
研究拠点としての能力や実績を評価する基準として、「“資金力の強さ”については
“研究費支出額”」を、「“研究成果の高さ”については“論文被引用数”」を、「“人材
能力の高さ”については“国際的褒章受賞者の在籍数”
」をそれぞれ採用し、これらの
指標を用い、分野別、機関別の比較分析を行った。
a.分野別の研究費支出額
National Science Foundation のデータに基づき、
「機関別の研究費支出額」の推移
を分析した。具体的には、「Total and federally financed R&D expenditures in each
field at universities and colleges, ranked by each fiscal year for the first 100
institutions」をデータとして使用した。本データを用いることで、全米の大学を対
象とした場合の「研究費の年間総支出額(政府や民間などからの資金を用いた研究費
支出を全て合計した額)に基づく順位」を定めることができる。
期間は 1995 年~2004 年の 10 年間とした。
分野は、本調査の対象である「ライフサイエンス」「環境・エネルギー」「情報通信
技術」「ナノテクノロジー・材料」「基礎科学領域」との対応を考慮し、「Biological
Science」
「Medical Science」
「Physics」
「Chemistry」
「Computer Science」
「Mathematical
Science」の 6 分野とした。
その上で、
「米国における研究費支出額の上位 15 大学」を抽出した。
b.分野別の論文被引用数
Thomson Scientific のデータに基づき、「機関別の論文被引用数」
「一論文当たりの
平均被引用頻度」を分析した。具体的には、「ISI Essential Science Indicators」を
データとして使用した。
期間は 1996 年 1 月より 2006 年 6 月の 10 年 6 ヶ月とし、
期間内の集計値を算出した。
分野は、本調査の対象である「ライフサイエンス」「環境・エネルギー」「情報通信
技術」「ナノテクノロジー・材料」「基礎科学領域」との対応を考慮し、「Biology &
Biochemistry」「Molecular Biology & Genetics」「Physics」「Chemistry」「Material
Science」「Computer Science」「Mathematics」の 6 分野とした。
その上で、
「世界における論文被引用数(上記対象期間の集計値)の上位 50 機関」
を抽出した。
さらに、関連分野として、
「Microbiology」
「Neuroscience & Behavior」
「Immunology」
「Material Science」の 4 分野における動向も分析した。
60
c.ノーベル賞受賞者の在籍実績人数
日外アソシエーツ「ノーベル賞受賞者業績辞典」及びウェブ上に公開された「ノー
ベル賞受賞者の履歴」などに基づき、
「ノーベル賞受賞者が“受賞前”
“受賞時”
“受賞
後”に在籍した全ての機関」を調査した。
その上で、調査結果から「機関毎の在籍実績人数」を求め、得られた値をもとに「在
籍実績人数に基づく順位」を定めた。
「機関毎の在籍実績人数」の算出には、以下の方
法を用いた。
①第一に、
「生理学医学賞」
「物理学賞」
「化学賞」のそれぞれについて、1901 年~2002
年のノーベル賞受賞者を特定した。
②第二に、上記受賞者の中から「米国で博士号を取得し、かつ、米国国籍を有する人」
を抽出した。
③第三に、抽出したノーベル賞受賞者が「博士号を取得した機関、及び博士号取得後、
2002 年までに在籍した機関」を調査した。
④すなわち、ノーベル賞の「受賞前」「受賞時」「受賞後」の全ての期間を対象に、ノ
ーベル賞受賞者が「博士号を取得した機関、及び博士号取得後、2002 年までに在籍
した機関」を調査した。
⑤第四に、上記調査結果をもとに「機関毎の在籍実績人数」を算出し、得られた値を
「ノーベル賞受賞者の在籍実績人数」とした。
⑥同一人物が同一機関に複数回在籍している場合、例えば「博士号をA大学で取得し
た後、B大学にポスドクとして移り、その後、教授としてA大学に戻ったケース」
については、在籍回数に拠らず、
「A大学の在籍実績人数としては 1 名」とカウント
した。
⑦上記で求めた「ノーベル賞受賞者の在籍実績人数」から、「対象分野(生理学医学、
物理学、化学)のノーベル賞受賞者の内の何名が、当該機関に在籍した実績を有す
るか」が分かることになる。
⑧「ノーベル賞受賞者の在籍実績人数」が高い機関ほど、
「ノーベル賞受賞者が、受賞
前の若手研究者時代を過ごした」
「ノーベル賞受賞者が、受賞後の研究リーダー時代
を過ごした」などのケースが多いことになる。
⑨したがって、「ノーベル賞受賞者の在籍実績人数」を定量指標として用いることで、
「人材面で注目すべきトップ拠点」を想定することが可能になる。
61
2.研究費支出総額の推移データに基づく分析
分野別の研究費支出額に基づき各年度の上位 15 大学を抽出した結果を、巻末に添付
する。本データを用いることで、研究費支出総額を指標とした場合のトップクラス研
究拠点の候補を想定することができる。
例えば、1995 年~2004 年の 10 年間を対象に、研究費支出総額が5位以内に入った
累計年数を求め、上位にランクされる機関を分野毎にまとめると、以下のような結果
が得られる。
2-1.Biological Sciences
「Biological Sciences」分野の場合、トップ 5 にランクされた累計年数の多い機関
は、次のようになる。
・Baylor College of Medicine
;10 年間
・Washington University in St. Louis ;10 年間
・Rockefeller University
; 9 年間
・University of Pennsylvania
; 7 年間
・University of Wisconsin-Madison
; 6 年間
・Harvard University
; 5 年間
・Johns Hopkins University
; 1 年間
・University of Washington
; 1 年間
ベイラー医科大学、ワシントン大学セント・ルイス校は、10 年間連続してトップ 5
にランクされている。
62
図表1
機関別の“Biological Sciences”分野の研究費支出額の推移
/大学・大学院等を対象とした場合
上段:機関名
ラ
ン
ク
年 度
1995
Baylor C. of Medicine
1
1996
Rockefeller U.
1997
1998
Washington U. St. Louis Baylor C. of Medicine
91,170
Harvard University
2
95,757
Harvard University
84,081
3
77,278
Texas A&M University
4
97,090
Baylor C. of Medicine
75,727
102,569
U of Pennsylvania
121,658
U of Pennsylvania
98,883
Harvard University
90,128
U. WI Madison
134,205
Washington U. St. Louis
90,293
81,179
1999
Baylor C. of Medicine
102,767
Rockefeller U.
Washington U. St. Louis Harvard University
U of Washington
5
Rockefeller U.
85,229
76,878
U of Washington
100,405
85,984
Washington U. St. Louis Baylor C. of Medicine
ラ
ン
ク
下段:研究費支出額(千ドル)
116,607
Rockefeller U.
98,793
110,870
Washington U. St. Louis Harvard University
80,653
82,079
95,844
108,751
年 度
2000
Baylor C. of Medicine
1
2001
Baylor C. of Medicine
161,269
2002
Baylor C. of Medicine
206,458
2003
Baylor C. of Medicine
217,202
2004
Baylor C. of Medicine
237,343
237,838
Washington U. St. Louis Washington U. St. Louis Washington U. St. Louis Washington U. St. Louis Washington U. St. Louis
2
152,562
U of Pennsylvania
3
U of Pennsylvania
133,269
U. WI Madison
4
119,722
U of Pennsylvania
191,076
Rockefeller U.
155,680
Rockefeller U.
131,770
U. WI Madison
112,967
161,833
139,556
Rockefeller U.
Rockefeller U.
5
172,778
172,060
150,571
127,460
U of Pennsylvania
U of Pennsylvania
U. WI Madison
162,352
U. WI Madison
135,056
178,256
170,081
Rockefeller U.
169,753
Johns Hopkins Univ
145,163
158,490
(出典)National Science Foundation「Total and federally financed R&D expenditures in each field at universities
and colleges, ranked by each fiscal year for the first 100 institutions 」に基づき日本総合研究所
が編集
63
2-2.Medical Sciences
「Medical Sciences」分野の場合、トップ 5 にランクされた累計年数の多い機関は、
次のようになる。
・University of California, San Francisco ;10 年間
・University of California, Los Angeles
;10 年間
・Johns Hopkins University
;10 年間
・University of Washington
; 8 年間
・University of Pittsburgh
; 4 年間
・Duke University
; 3 年間
・Stanford University
; 3 年間
・University of California, San Diego
; 2 年間
カリフォルニア大学サンフランシスコ校、カリフォルニア大学ロサンゼルス校、ジ
ョンズ・ホプキンス大学は、10 年間連続してトップ 5 にランクされている。
64
図表2
機関別の“Medical Sciences”分野の研究費支出額の推移
/大学・大学院等を対象とした場合
上段:機関名
ラ
ン
ク
年 度
1995
U. CA, San Francisco
1
2
U. CA, Los Angeles
U. CA, Los Angeles
Johns Hopkins U
4
5
149,869
280,259
228,317
173,628
159,294
U. CA, Los Angeles
Johns Hopkins U
U of Washington
Stanford University
417,095
262,859
221,924
163,576
U. CA, San Diego
U. CA, Los Angeles
Johns Hopkins U
U of Washington
1999
U. CA, San Francisco
379,970
235,899
203,375
161,354
U. CA, San Diego
U. CA, Los Angeles
Johns Hopkins U
U of Washington
1998
U. CA, San Francisco
334,206
219,548
16,620
U of Washington
1997
U. CA, San Francisco
320,757
168,965
3
242,613
Duke University
184,673
Stanford University
164,997
227,513
U of Washington
184,049
208,752
年 度
2000
U. CA, San Francisco
1
2001
U. CA, San Francisco
369,884
U. CA, Los Angeles
2
3
U. CA, Los Angeles
258,324
4
239,350
430,141
U of Washington
366,539
U of Pittsburgh
299,704
542,745
383,945
321,572
279,027
U. CA, Los Angeles
Johns Hopkins U
Duke University
Duke University
655,164
581,024
347,468
279,251
U of Washington
U. CA, San Francisco
Johns Hopkins U
U of Pittsburgh
2004
U. CA, San Francisco
583,167
505,703
298,656
240,992
U of Washington
U. CA, San Francisco
Johns Hopkins U
U of Pittsburgh
2003
U. CA, Los Angeles
537,772
462,136
Johns Hopkins U
Stanford University
2002
U. CA, Los Angeles
486,729
312,078
Johns Hopkins U
5
1996
U. CA, San Francisco
329,742
Johns Hopkins U
ラ
ン
ク
下段:研究費支出額(千ドル)
374,135
U of Pittsburgh
332,214
372,068
(出典)National Science Foundation「Total and federally financed R&D expenditures in each field at universities
and colleges, ranked by each fiscal year for the first 100 institutions 」に基づき日本総合研究所
が編集
65
2-3.Physics
「Physics」分野の場合、トップ 5 にランクされた累計年数の多い機関は、次のよう
になる。
・California Institute of Technology
;10 年間
・University of California, Berkeley
;10 年間
・Massachusetts Institute of Technology
;10 年間
・Johns Hopkins University
;10 年間
・Cornell University
; 5 年間
・University of Texas at Austin
; 4 年間
・University of Maryland at College Park ; 1 年間
カリフォルニア工科大学、カリフォルニア大学バークレー校、マサチューセッツ工
科大学は、10 年間連続してトップ 5 にランクされている。
66
図表3
機関別の“Physics”分野の研究費支出額の推移
/大学・大学院等を対象とした場合
上段:機関名
ラ
ン
ク
下段:研究費支出額(千ドル)
年 度
1995
MA Institute of Tech
1
1996
MA Institute of Tech
77,461
Johns Hopkins U
2
1997
MA Institute of Tech
74,821
Johns Hopkins U
74,694
1998
MA Institute of Tech
90,357
Johns Hopkins U
74,032
1999
Johns Hopkins U
83,416
Johns Hopkins U
71,693
65,247
MA Institute of Tech
74,433
55,054
California Inst of Tech California Inst of Tech California Inst of Tech California Inst of Tech U CA Berkeley
3
39,435
U CA Berkeley
4
U CA Berkeley
35,132
Cornell University
5
ラ
ン
ク
U CA Berkeley
U MD College Park
57,992
U CA Berkeley
44,069
Cornell University
31,259
53,113
California Inst of Tech
37,263
Cornell University
34,248
45,343
U TX at Austin
36,255
44,967
年 度
2000
2001
2002
California Inst of Tech California Inst of Tech MA Institute of Tech
61,070
MA Institute of Tech
2
58,873
MA Institute of Tech
56,131
Johns Hopkins U
3
50,215
Cornell University
37,188
59,403
52,412
49,397
58,531
58,558
48,272
47,182
37,520
MA Institute of Tech
58,656
Johns Hopkins U
47,923
U. TX Austin
38,683
61,480
56,334
U CA Berkeley
U. TX Austin
110,465
U CA Berkeley
MA Institute of Tech
U. CA Berkeley
U TX at Austin
101,601
California Inst of Tech Johns Hopkins U
Johns Hopkins U
U CA Berkeley
2003
2004
California Inst of Tech California Inst of Tech
60,509
58,449
Johns Hopkins U
U CA Berkeley
5
56,972
38,998
27,008
1
4
50,553
55,548
Cornell U. all campuses
38,079
39,675
(出典)National Science Foundation「Total and federally financed R&D expenditures in each field at universities
and colleges, ranked by each fiscal year for the first 100 institutions 」に基づき日本総合研究所
が編集
67
2-4.Chemistry
「Chemistry」分野の場合、トップ 5 にランクされた累計年数の多い機関は、次のよ
うになる。
・University of California, Berkeley
;10 年間
・University of Illinois at Urbana-Champaign ; 8 年間
・Pennsylvania State University
; 6 年間
・California Institute of Technology
; 5 年間
・Massachusetts Institute of Technology
; 4 年間
・University of California, San Francisco
; 3 年間
・Harvard University
; 3 年間
・University of Texas at Austin
; 3 年間
・Texas A&M University
; 2 年間
・Johns Hopkins University
; 2 年間
・Cornell University
; 1 年間
・Purdue University
; 1 年間
・University of Wisconsin-Madison
; 1 年間
・University of Colorado
; 1 年間
カリフォルニア大学バークレー校は、10 年間連続してトップ 5 にランクされている。
68
図表4
機関別の“Chemistry”分野の研究費支出額の推移
/大学・大学院等を対象とした場合
上段:機関名
ラ
ン
ク
年 度
1995
U CA Berkeley
1
1996
1997
California Inst of Tech U CA Berkeley
15,634
15,599
California Inst of Tech MA Institute of Tech
2
14,903
3
13,977
Pennsylvania State U
4
Harvard University
5
1
13,112
2001
U CA Berkeley
21,471
18,756
U.IL Urbana-Champaign
3
17,667
Harvard University
4
16,957
Pennsylvania State U
5
12,910
19,426
California Inst of Tech Johns Hopkins U
17,760
Pennsylvania State U
12,883
Purdue University
U.IL Urbana-Champaign
18,297
Texas A&M University
16,075
U of Illinois Urbana
12,254
17,576
MA Institute of Tech
13,760
17,050
年 度
2000
U CA Berkeley
MA Institute of Tech
2
Pennsylvania State U
21,071
18,541
13,606
12,956
U WI Madison
20,638
17,600
U of Illinois Urbana
U of Illinois Urbana
1999
U CA Berkeley
California Inst of Tech Johns Hopkins U
14,277
13,213
1998
U CA Berkeley
18,845
14,856
University of Colorado U CA Berkeley
ラ
ン
ク
下段:研究費支出額(千ドル)
16,075
2002
U.CA,San Francisco
21,399
U.IL Urbana-Champaign
27,256
U. TX Austin
20,091
MA Institute of Tech
29,609
U. CA, Berkeley
24,907
U. TX Austin
21,787
25,984
U. TX Austin
23,382
24,154
U. IL Urbana-Champaign U. IL Urbana-Champaign California Inst of Tech
18,042
Harvard University
U. CA, Berkeley
U. CA Berkeley
2004
U.CA,San Francisco
28,798
22,782
18,063
Pennsylvania State U
2003
U.CA,San Francisco
20,962
20,949
22,968
TX A&M U. all campuses Cornell U. all campuses PA State U. all
campuses
17,446
18,587
20,804
22,330
(出典)National Science Foundation「Total and federally financed R&D expenditures in each field at universities
and colleges, ranked by each fiscal year for the first 100 institutions 」に基づき日本総合研究所
が編集
69
2-5.Computer Sciences
「Computer Sciences」
分野の場合、
トップ 5 にランクされた累計年数の多い機関は、
次のようになる。
・Carnegie Mellon University
;10 年間
・University of Southern California
;10 年間
・Johns Hopkins University
;10 年間
・University of Illinois at Urbana-Champaign ; 7 年間
・University of California, San Diego
; 6 年間
・Georgia Institute of Technology
; 4 年間
・Cornell University
; 3 年間
カーネギーメロン大学、南カルフォルニア大学、ジョンズ・ホプキンス大学は、10
年間連続してトップ 5 にランクされている。
70
図表5
機関別の“Computer Sciences”分野の研究費支出額の推移
/大学・大学院等を対象とした場合
上段:機関名
ラ
ン
ク
年 度
1995
Johns Hopkins Univ
1
1996
Johns Hopkins Univ
74,575
Carnegie Mellon U
2
4
Institute
of Georgia
Tech
Institute
24,590
42,063
Cornell University
Institute
26,551
Carnegie Mellon U
58,795
U. Southern CA
58,744
U. Southern CA
28,976
of Georgia
Tech
65,804
49,893
of Georgia
Tech
Institute
27,597
56,745
of U. CA, San Diego
29,329
36,657
年 度
2000
Johns Hopkins Univ
1
2001
Johns Hopkins Univ
70,525
2
61,032
Carnegie Mellon U
3
U. CA, San Diego
75,064
U. Southern CA
60,368
U. CA, San Diego
50,745
86,623
74,061
Johns Hopkins Univ
59,965
70,528
55,729
100,324
U. Southern CA
86,600
U. CA, San Diego
85,367
U. CA, San Diego
68,996
Johns Hopkins Univ
56,729
113,320
Carnegie Mellon U
U. Southern CA
U. IL Urbana-Champaign U. CA, San Diego
50,199
111,009
U. IL Urbana-Champaign Carnegie Mellon U
Carnegie Mellon U
U. Southern CA
2003
2004
U. IL Urbana-Champaign U. IL Urbana-Champaign
100,132
64,269
54,838
4
2002
Carnegie Mellon U
70,155
U. IL Urbana-Champaign U. Southern CA
5
66,779
Carnegie Mellon U
28,418
71,050
U. IL Urbana-Champaign U. IL Urbana-Champaign
U. Southern CA
Cornell University
1999
Johns Hopkins Univ
72,991
61,763
36,158
34,490
Georgia
Tech
79,097
61,615
41,487
1998
Johns Hopkins Univ
Carnegie Mellon U
U. Southern CA
U. Southern CA
ラ
ン
ク
78,243
57,529
3
1997
Johns Hopkins Univ
Carnegie Mellon U
Cornell University
5
下段:研究費支出額(千ドル)
66,160
85,259
Johns Hopkins Univ
73,123
(出典)National Science Foundation「Total and federally financed R&D expenditures in each field at universities
and colleges, ranked by each fiscal year for the first 100 institutions 」に基づき日本総合研究所
が編集
71
2-6.Mathematical Sciences
「Mathematical Sciences」分野の場合、トップ 5 にランクされた累計年数の多い機
関は、次のようになる。
・Johns Hopkins University
;10 年間
・George Washington University
;10 年間
・University of Texas at Austin
; 8 年間
・North Carolina State University
; 7 年間
・Boston College
; 5 年間
・Rutgers University
; 5 年間
・University of Texas, MD Anderson Cancer Center ; 2 年間
・University of Minnesota
; 2 年間
・University of South Carolina
; 1 年間
ジョンズ・ホプキンス大学、ジョージ・ワシントン大学は 10 年間連続してトップ 5
にランクされている。
72
図表6
機関別の“Mathematical Sciences”分野の研究費支出額の推移
/大学・大学院等を対象とした場合
上段:機関名 下段:研究費支出額(千ドル)
ラ
ン
ク
年 度
1995
Johns Hopkins U
1
1996
Johns Hopkins U
37,420
1997
Johns Hopkins U
38,508
Rutgers the State U NJ George Washington U
2
7,294
Boston College
3
34,207
George Washington U
7,205
U of South Carolina
6,354
1998
Johns Hopkins U
7,088
6,158
George Washington U
5
ラ
ン
ク
13,911
George Washington U
13,910
Rutgers the State U NJ Rutgers the State U NJ
10,335
University of Minnesota Rutgers the State U NJ NC State University
7,048
9,748
Boston College
9,088
9,562
年 度
2000
Johns Hopkins U
2001
Johns Hopkins U
24,195
George Washington U
2
U TX at Austin
2002
Johns Hopkins U
23,901
U TX at Austin
16,276
3
NC State University
10,839
George Washington U
George Washington U
14,712
Boston C.
14,514
NC State University
28,727
George Washington U.
17,960
U. TX Austin
25,499
U TX MD Anderson Cncr
Ctr
15,386
14,950
U TX MD Anderson Cncr NC State University
Ctr
13,639
NC State University
11,795
2004
Johns Hopkins U
26,304
16,782
14,654
Boston College
12,077
25,826
16,304
15,011
2003
Johns Hopkins U
U. TX Austin
George Washington U
Boston College
5
U TX at Austin
13,477
7,242
6,676
24,302
15,683
7,454
6,803
6,080
1
4
U TX Austin
George Washington U
University of Minnesota Rutgers the State U NJ U TX Austin
4
29,293
10,272
NC State U Raleigh
1999
Johns Hopkins U
10,816
14,720
NC State University
12,545
14,649
U. TX Austin
14,454
(出典)National Science Foundation「Total and federally financed R&D expenditures in each field at universities
and colleges, ranked by each fiscal year for the first 100 institutions 」に基づき日本総合研究所
が編集
73
3.論文被引用数のデータに基づく分析
分野別の論文被引用数に基づき上位 50 機関を抽出した結果を、巻末に添付する。本
データを用いることで、論文被引用数を指標とした場合のトップクラス研究拠点の候
補を想定することができる。
例えば、「論文被引用数のランキング」「一論文当たりの平均被引用頻度のサブラン
キング(論文被引用数の上位 50 機関の中での平均被引用頻度に基づく順位)
」を指標
とし、各指標において 10 位以内にランクされる機関を分野毎にまとめると、以下のよ
うな結果が得られる。
なお、論文被引用数に基づき抽出した上位 50 機関は、
「世界の大学、公的研究機関、
企業、その他の機関」を含んでいる。そこで、
「米国の大学、公的研究機関の中からト
ップ拠点の候補を抽出する」ことを目的とする本ランキングでは、下記機関は対象外
とした。
・米国以外に所在する機関
・米国に所在する企業
・米国に所在するその他の機関(ライフサイエンス分野で上位にランクされている
病院など)
74
3-1.Biology & Biochemistry
「Biology & Biochemistry」分野の場合、各指標においてトップ 10 にランクされる
機関は、次のようになる。
a.論文被引用数
①Harvard University
②University of Texas
③University of California, San Francisco
④University of California, San Diego
⑤Johns Hopkins University
⑥University of Washington
⑦Yale University
⑧Stanford University
⑨University of Pennsylvania
⑩University of California, Los Angeles
b.一論文当たりの平均被引用頻度
①Rockefeller University
②Harvard University
③Scripps Research Institute
④Stanford University
⑤University of California, San Francisco
⑥Massachusetts Institute of Technology
⑦University of California, San Diego
⑧Duke University
⑨Yale University
⑩University of Virginia
ハーバード大学、カリフォルニア大学サンフランシスコ校は、「論文被引用数」「一
論文当たりの平均被引用頻度」のいずれにおいても、トップ 5 にランクされている。
一方、ロックフェラー大学、スクリプス研究所は、
「論文被引用数」ではランク外と
なるが、
「一論文当たりの平均被引用頻度」ではトップ 5 にランクされている。
75
図表7
“Biology & Biochemistry”分野の論文被引用数に基づく機関ランキング
/1996 年 1 月~2006 年 6 月の 10 年 6 ヶ月を対象とした場合
「論文被引用数」に基づくランキング結果
ラ
ン
ク
機関名
「一論文当りの平均被引用頻度」でサブ・ランキングした場合
ラ
ン
ク
論文引用数
機関名
引用頻度
303125
49.00
1 HARVARD UNIV
1 EUROPEAN MOLEC BIOL LAB
227261
42.78
2 UNIV TEXAS
2 ROCKEFELLER UNIV
134040
38.36
3 Max Planck Society
3 BRIGHAM & WOMENS HOSP
121020
35.18
4 UNIV CALIF SAN FRANCISCO
4 HARVARD UNIV
114374
32.52
5 UNIV TOKYO
5 SCRIPPS RES INST
111395
31.01
6 UNIV CALIF SAN DIEGO
6 STANFORD UNIV
102039
30.72
7 JOHNS HOPKINS UNIV
7 MRC
99063
30.67
8 UNIV WASHINGTON
8 UNIV CALIF SAN FRANCISCO
97475
30.35
9 YALE UNIV
9 MIT
95229
30.18
10 STANFORD UNIV
10 UNIV CALIF SAN DIEGO
95031
30.15
11 UNIV PENN
11 DUKE UNIV
92570
29.62
12 UNIV CALIF LOS ANGELES
12 YALE UNIV
92542
29.32
13 WASHINGTON UNIV
13 UNIV VIRGINIA
89955
28.40
14 NCI
14 NIDDK
88762
28.38
15 DUKE UNIV
15 WASHINGTON UNIV
85607
27.20
16 UNIV MICHIGAN
16 UNIV WASHINGTON
83287
26.81
17 UNIV OXFORD
17 NCI
80946
26.55
18 UNIV CALIF BERKELEY
18 BAYLOR COLL MED
80670
26.16
19 UNIV TORONTO
19 JOHNS HOPKINS UNIV
79602
26.13
20 UNIV ILLINOIS
20 PENN STATE UNIV
79368
25.88
21 UNIV CAMBRIDGE
21 UNIV CALIF BERKELEY
79348
25.87
22 UNIV WISCONSIN
22 UNIV PENN
78398
25.79
23 CNRS
23 UNIV TEXAS
77666
25.57
24 SCRIPPS RES INST
24 COLUMBIA UNIV
77364
25.25
25 KYOTO UNIV
25 YESHIVA UNIV
72758
25.13
26 UNIV CALIF LOS ANGELES
26 CORNELL UNIV
71562
24.71
27 OSAKA UNIV
27 UNIV MICHIGAN
69842
24.33
28 KAROLINSKA INST
28 UNIV CHICAGO
65239
24.26
29 UNIV COLL LONDON
29 Max Planck Society
62811
23.51
30 COLUMBIA UNIV
30 UNIV OXFORD
62715
23.22
31 EUROPEAN MOLEC BIOL LAB
31 UNIV N CAROLINA
62308
23.05
32 UNIV N CAROLINA
32 CORNELL UNIV
60665
23.01
33 VANDERBILT UNIV
33 UNIV CAMBRIDGE
59358
22.49
34 MIT
34 VANDERBILT UNIV
58884
22.47
35 UNIV VIRGINIA
35 KAROLINSKA INST
58505
22.36
36 PENN STATE UNIV
36 UNIV COLL LONDON
57968
21.88
37 MCGILL UNIV
37 UNIV ILLINOIS
57556
21.73
38 BAYLOR COLL MED
38 UNIV WISCONSIN
52787
21.62
39 ROCKEFELLER UNIV
39 MCGILL UNIV
52730
21.14
40 UNIV COLORADO
40 VET ADM MED CTR
50859
20.87
41 NIDDK
41 UNIV BRITISH COLUMBIA
46698
20.84
42 UNIV CHICAGO
42 UNIV TORONTO
46648
20.39
43 BRIGHAM & WOMENS HOSP
43 UNIV COLORADO
46159
17.64
44 UNIV BRITISH COLUMBIA
44 UNIV MARYLAND
46155
17.41
45 UNIV MARYLAND
45 UNIV TOKYO
44868
16.88
46 VET ADM MED CTR
46 CNRS
44299
16.58
47 MRC
47 OSAKA UNIV
43744
16.57
48 RUSSIAN ACAD SCI
48 KYOTO UNIV
43421
15.86
49 UNIV MINNESOTA
49 UNIV MINNESOTA
43361
6.52
50 YESHIVA UNIV
50 RUSSIAN ACAD SCI
(出典) Essential Science Indicators データベース(1996 年 1 月~2006 年 6 月分、Thomason Scientific 提供)に基づき
日本総合研究所が編集
76
3-2.Molecular Biology & Genetics
「Molecular Biology & Genetics」分野の場合、各指標においてトップ 10 にランク
される機関は、次のようになる。
a.論文被引用数
①Stanford University
②Johns Hopkins University
③Massachusetts Institute of Technology
④University of California, San Diego
⑤Yale University
⑥Washington University
⑦University of Pennsylvania
⑧Columbia University
⑨Baylor College of Medicine
⑩University of Washington
b.一論文当たりの平均被引用頻度
①Cold Spring Harbor Laboratory
②Massachusetts Institute of Technology
③Salk Institute for Biology Studies
④Memorial Sloan-Kettering Cancer Center
⑤Rockefeller University
⑥Stanford University
⑦Scripps Research Institute
⑧University of California, San Diego
⑨Fred Hutchinson Cancer Research Center
⑩University of California, Berkeley
マサチューセッツ工科大学は、「論文被引用数」「一論文当たりの平均被引用頻度」
のいずれにおいても、トップ 5 にランクされている。
一方、コールドスプリングハーバー研究所、ソーク生物学研究所、メモリアルスロ
ーンケタリング癌センター、ロックフェラー大学は、
「論文被引用数」ではランク外と
なるが、
「一論文当たりの平均被引用頻度」ではトップ 5 にランクされている。
77
図表8 “Molecular Biology & Genetics”分野の論文被引用数に基づく機関
ランキング/1996 年 1 月~2006 年 6 月の 10 年 6 ヶ月を対象とした場合
「一論文当りの平均被引用頻度」でサブ・ランキングした場合
「論文被引用数」に基づくランキング結果
ラ
ン
ク
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
機関名
Max Planck Society
STANFORD UNIV
JOHNS HOPKINS UNIV
MIT
UNIV CALIF SAN DIEGO
YALE UNIV
NCI
WASHINGTON UNIV
UNIV PENN
COLUMBIA UNIV
BAYLOR COLL MED
UNIV WASHINGTON
UNIV CALIF BERKELEY
EUROPEAN MOLEC BIOL LAB
UNIV CAMBRIDGE
UNIV TOKYO
UNIV OXFORD
UNIV TORONTO
MASSACHUSETTS GEN HOSP
ROCKEFELLER UNIV
CNRS
MEM SLOAN KETTERING CANC CTR
UNIV CALIF LOS ANGELES
KYOTO UNIV
UNIV COLL LONDON
UNIV MICHIGAN
SCRIPPS RES INST
UNIV N CAROLINA
UNIV CHICAGO
DUKE UNIV
MCGILL UNIV
OSAKA UNIV
CHILDRENS HOSP
Cancer Res UK
CORNELL UNIV
NEW YORK UNIV
COLD SPRING HARBOR LAB
NICHD
UNIV WISCONSIN
UNIV MASSACHUSETTS
MRC
SALK INST BIOL STUDIES
UNIV UTAH
FRED HUTCHINSON CANC RES CTR
CASE WESTERN RESERVE UNIV
INST PASTEUR
VANDERBILT UNIV
ラ
ン
ク
論文引用数
161135
147209
130965
128242
124387
118248
112581
110169
107003
106445
106286
105825
104735
95763
91359
89619
85978
85346
76800
75181
74916
74882
74579
73378
72338
70363
68883
68225
64691
64664
63405
62409
62099
61554
61239
60298
59379
58996
57983
56538
54258
52277
51969
51753
50507
48655
48150
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
機関名
COLD SPRING HARBOR LAB
MIT
SALK INST BIOL STUDIES
MEM SLOAN KETTERING CANC CTR
EUROPEAN MOLEC BIOL LAB
Cancer Res UK
ROCKEFELLER UNIV
MASSACHUSETTS GEN HOSP
STANFORD UNIV
NICHD
SCRIPPS RES INST
UNIV CALIF SAN DIEGO
FRED HUTCHINSON CANC RES CTR
UNIV CALIF BERKELEY
WASHINGTON UNIV
CHILDRENS HOSP
COLUMBIA UNIV
YALE UNIV
UNIV CHICAGO
BAYLOR COLL MED
JOHNS HOPKINS UNIV
NEW YORK UNIV
UNIV OXFORD
UNIV WASHINGTON
UNIV MASSACHUSETTS
MRC
UNIV N CAROLINA
NCI
DUKE UNIV
UNIV PENN
Max Planck Society
UNIV COLL LONDON
UNIV CAMBRIDGE
UNIV TORONTO
UNIV UTAH
VANDERBILT UNIV
CASE WESTERN RESERVE UNIV
MCGILL UNIV
UNIV MICHIGAN
KYOTO UNIV
CORNELL UNIV
UNIV CALIF LOS ANGELES
INST PASTEUR
CNRS
OSAKA UNIV
UNIV WISCONSIN
UNIV TOKYO
引用頻度
86.56
72.05
71.51
70.25
62.06
59.53
56.96
55.98
53.61
51.52
50.87
49.26
48.37
47.63
47.45
46.97
46.71
46.61
43.04
42.79
42.04
40.39
40.12
40.07
39.73
39.37
38.59
37.46
36.82
36.62
36.34
36.33
35.88
35.62
35.45
34.94
34.38
34.18
34.06
33.20
32.40
31.99
31.88
30.79
30.55
30.47
25.66
(出典) Essential Science Indicators データベース(1996 年 1 月~2006 年 6 月分、Thomason Scientific 提供)に基づき
日本総合研究所が編集
78
3-3.Physics
「Physics」分野の場合、各指標においてトップ 10 にランクされる機関は、次のよ
うになる。
a.論文被引用数
①Massachusetts Institute of Technology
②University of California, Berkeley
③Stanford University
④Princeton University
⑤University of California, Santa Barbara
⑥Los Alamos National Laboratory
⑦University of Illinois
⑧Argonne National Laboratory
⑨Harvard University
⑩California Institute of Technology
b.一論文当たりの平均被引用頻度
①University of Pennsylvania
②University of California, Santa Barbara
③Boston University
④Stanford University
⑤Harvard University
⑥Princeton University
⑦University of Washington
⑧Brookhaven National Laboratory
⑨Massachusetts Institute of Technology
⑩California Institute of Technology
カリフォルニア大学サンタ・バーバラ校、スタンフォード大学は、
「論文被引用数」
「一論文当たりの平均被引用頻度」のいずれにおいても、トップ 5 にランクされてい
る。
一方、ペンシルバニア大学、ボストン大学は、
「論文被引用数」ではランク外となる
が、
「一論文当たりの平均被引用頻度」ではトップ 5 にランクされている。
79
図表9
“Physics”分野の論文被引用数に基づく機関ランキング
/1996 年 1 月~2006 年 6 月の 10 年 6 ヶ月を対象とした場合
「論文被引用数」に基づくランキング結果
ラ
ン
ク
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
機関名
Max Planck Society
UNIV TOKYO
MIT
IST NAZL FIS NUCL
RUSSIAN ACAD SCI
UNIV CALIF BERKELEY
CERN
STANFORD UNIV
TOHOKU UNIV
PRINCETON UNIV
UNIV CALIF SANTA BARBARA
LOS ALAMOS NATL LAB
UNIV CAMBRIDGE
CEA
CHINESE ACAD SCI
UNIV ILLINOIS
CNRS
ARGONNE NATL LAB
HARVARD UNIV
CALTECH
UNIV MARYLAND
BROOKHAVEN NATL LAB
OSAKA UNIV
UNIV PARIS 11
UNIV OXFORD
UNIV CALIF SAN DIEGO
KYOTO UNIV
IBM CORP
NATL INST STAND & TECHNOL
UNIV CALIF LOS ANGELES
UNIV LONDON IMPERIAL COLL SCI T
UNIV WASHINGTON
ETH ZURICH
TOKYO INST TECHNOL
AT&T
UNIV WISCONSIN
CORNELL UNIV
LAWRENCE LIVERMORE NATL LAB
OAK RIDGE NATL LAB
UNIV MICHIGAN
BOSTON UNIV
UNIV TEXAS
RUTGERS STATE UNIV
UNIV PENN
OHIO STATE UNIV
AIST
UNIV PARIS 6
UNIV MINNESOTA
UNIV ROMA LA SAPIENZA
PENN STATE UNIV
「一論文当りの平均被引用頻度」でサブ・ランキングした場合
ラ
ン
ク
論文引用数
217927
160736
145829
144082
139219
125916
114768
113981
103262
102887
102741
102711
99618
98410
94005
89163
83198
82321
81322
80128
77307
77307
76759
76248
74012
68613
67732
65154
62952
62757
62607
61397
60333
60095
59857
58720
58618
57587
56403
53722
53105
52932
52662
52131
51121
50825
50743
50633
50137
49882
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
機関名
UNIV PENN
AT&T
IBM CORP
UNIV CALIF SANTA BARBARA
BOSTON UNIV
STANFORD UNIV
HARVARD UNIV
PRINCETON UNIV
UNIV WASHINGTON
BROOKHAVEN NATL LAB
MIT
CALTECH
CORNELL UNIV
UNIV MINNESOTA
RUTGERS STATE UNIV
CERN
UNIV CALIF BERKELEY
UNIV CALIF SAN DIEGO
OHIO STATE UNIV
NATL INST STAND & TECHNOL
ARGONNE NATL LAB
UNIV CALIF LOS ANGELES
UNIV ILLINOIS
LAWRENCE LIVERMORE NATL LAB
UNIV MARYLAND
LOS ALAMOS NATL LAB
ETH ZURICH
UNIV LONDON IMPERIAL COLL SCI TECHNOL & MED
UNIV CAMBRIDGE
Max Planck Society
UNIV OXFORD
OAK RIDGE NATL LAB
UNIV MICHIGAN
UNIV WISCONSIN
PENN STATE UNIV
UNIV PARIS 11
UNIV TEXAS
UNIV TOKYO
IST NAZL FIS NUCL
UNIV ROMA LA SAPIENZA
CEA
TOHOKU UNIV
TOKYO INST TECHNOL
UNIV PARIS 6
KYOTO UNIV
AIST
OSAKA UNIV
CNRS
RUSSIAN ACAD SCI
CHINESE ACAD SCI
引用頻度
23.38
23.29
22.77
21.90
21.57
21.50
21.34
20.39
19.72
19.50
19.15
19.04
18.13
18.11
17.86
17.17
17.12
16.27
16.11
15.76
15.64
15.25
14.57
14.53
14.39
14.20
14.03
13.63
13.56
13.30
13.18
13.11
13.08
12.89
12.34
11.32
10.98
10.94
10.84
10.50
10.45
9.77
9.72
9.39
8.65
8.53
8.21
8.07
4.44
4.29
(出典) Essential Science Indicators データベース(1996 年 1 月~2006 年 6 月分、Thomason Scientific 提供)に基づき
日本総合研究所が編集
80
3-4.Chemistry
「Chemistry」分野の場合、各指標においてトップ 10 にランクされる機関は、次の
ようになる。
a.論文被引用数
①University of California, Berkeley
②Massachusetts Institute of Technology
③Harvard University
④California Institute of Technology
⑤University of Illinois
⑥University of Texas
⑦University of Minnesota
⑧Northwestern University
⑨Scripps Research Institute
⑩Stanford University
b.一論文当たりの平均被引用頻度
①California Institute of Technology
②Harvard University
③Scripps Research Institute
④Yale University
⑤Massachusetts Institute of Technology
⑥University of California, Berkeley
⑦Northwestern University
⑧Stanford University
⑨University of California, Santa Barbara
⑩University of California, San Diego
カリフォルニア工科大学、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学は、
「論文被
引用数」
「一論文当たりの平均被引用頻度」のいずれにおいても、トップ 5 にランクさ
れている。
一方、エール大学は、「論文被引用数」ではランク外となるが、「一論文当たりの平
均被引用頻度」ではトップ 5 にランクされている。
81
図表10
“Chemistry”分野の論文被引用数に基づく機関ランキング
/1996 年 1 月~2006 年 6 月の 10 年 6 ヶ月を対象とした場合
「論文被引用数」に基づくランキング結果
ラ
ン
ク
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
機関名
Max Planck Society
CHINESE ACAD SCI
UNIV CALIF BERKELEY
KYOTO UNIV
UNIV TOKYO
RUSSIAN ACAD SCI
MIT
CNRS
HARVARD UNIV
ETH ZURICH
OSAKA UNIV
CALTECH
UNIV ILLINOIS
UNIV CAMBRIDGE
UNIV TEXAS
UNIV MINNESOTA
NORTHWESTERN UNIV
UNIV STRASBOURG 1
TOKYO INST TECHNOL
TOHOKU UNIV
SCRIPPS RES INST
CNR
CSIC
STANFORD UNIV
AIST
UNIV WISCONSIN
UNIV OXFORD
TECH UNIV MUNICH
YALE UNIV
UNIV LONDON IMPERIAL COLL SCI T
KYUSHU UNIV
TEXAS A&M UNIV
UNIV PARIS 6
UNIV N CAROLINA
HOKKAIDO UNIV
PENN STATE UNIV
UNIV CALIF SANTA BARBARA
NAGOYA UNIV
UNIV LUND
UNIV UTRECHT
UNIV CALIF LOS ANGELES
JST
ACAD SCI CZECH REPUBL
UNIV BOLOGNA
CORNELL UNIV
UNIV MICHIGAN
UNIV CALIF SAN DIEGO
UNIV PARIS 11
UNIV PENN
UNIV UTAH
「一論文当りの平均被引用頻度」でサブ・ランキングした場合
ラ
ン
ク
論文引用数
157274
119082
116220
97808
95670
85433
84520
76704
76480
71055
69346
67183
67068
66251
63961
63035
62168
61647
60698
60274
60231
59704
57990
55873
53181
51605
51533
49210
47769
47133
46271
45287
44825
44434
43561
43283
43125
42132
41550
41474
40964
40933
40203
40150
39943
38736
37692
37658
37594
37594
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
機関名
CALTECH
HARVARD UNIV
SCRIPPS RES INST
YALE UNIV
MIT
UNIV CALIF BERKELEY
NORTHWESTERN UNIV
STANFORD UNIV
UNIV CALIF SANTA BARBARA
UNIV CALIF SAN DIEGO
UNIV CALIF LOS ANGELES
UNIV N CAROLINA
UNIV STRASBOURG 1
UNIV MINNESOTA
UNIV PENN
UNIV UTRECHT
CORNELL UNIV
UNIV UTAH
UNIV ILLINOIS
UNIV WISCONSIN
ETH ZURICH
UNIV MICHIGAN
PENN STATE UNIV
UNIV TEXAS
TECH UNIV MUNICH
TEXAS A&M UNIV
UNIV CAMBRIDGE
Max Planck Society
UNIV LONDON IMPERIAL COLL SCI T
UNIV LUND
UNIV OXFORD
JST
UNIV BOLOGNA
UNIV TOKYO
NAGOYA UNIV
KYOTO UNIV
UNIV PARIS 11
UNIV PARIS 6
CNRS
TOHOKU UNIV
HOKKAIDO UNIV
KYUSHU UNIV
OSAKA UNIV
CNR
AIST
CSIC
TOKYO INST TECHNOL
ACAD SCI CZECH REPUBL
CHINESE ACAD SCI
RUSSIAN ACAD SCI
引用頻度
31.50
29.64
29.04
28.50
24.83
23.27
22.96
22.02
21.09
20.29
19.30
19.05
18.45
17.82
17.57
17.15
17.05
16.13
15.83
15.67
15.65
15.27
14.91
14.51
14.25
14.20
14.07
13.99
13.93
13.61
12.73
12.05
11.94
11.83
11.04
11.04
11.02
10.59
10.00
9.87
9.86
9.81
9.79
9.37
8.69
8.63
8.49
7.89
4.70
2.84
(出典) Essential Science Indicators データベース(1996 年 1 月~2006 年 6 月分、Thomason Scientific 提供)に基づき
日本総合研究所が編集
82
3-5.Computer Science
「Computer Science」分野の場合、
各指標においてトップ 10 にランクされる機関は、
次のようになる。
a.論文被引用数
①University of California, Berkeley
②Massachusetts Institute of Technology
③Stanford University
④University of Illinois
⑤University of Texas
⑥Carnegie Mellon University
⑦University of California, San Diego
⑧University of Maryland
⑨Pennsylvania State University
⑩Georgia Institute of Technology
b.一論文当たりの平均被引用頻度
①Brigham Young University
②University of California, Santa Cruz
③Arizona State University
④University of California, Berkeley
⑤Pennsylvania State University
⑥Princeton University
⑦California Institute of Technology
⑧Stanford University
⑨Massachusetts Institute of Technology
⑩Cornell University
カリフォルニア大学バークレー校は、「論文被引用数」「一論文当たりの平均被引用
頻度」のいずれにおいても、トップ 5 にランクされている。
一方、ブリガム・ヤング大学、カリフォルニア大学サンタクルーズ校、アリゾナ州
立大学は、
「論文被引用数」ではランク外となるが、
「一論文当たりの平均被引用頻度」
ではトップ 5 にランクされている。
83
図表11
“Computer Science”分野の論文被引用数に基づく機関ランキング
/1996 年 1 月~2006 年 6 月の 10 年 6 ヶ月を対象とした場合
「一論文当りの平均被引用頻度」でサブ・ランキングした場合
「論文被引用数」に基づくランキング結果
ラ
ン
ク
機関名
ラ
ン
ク
論文引用数
機関名
引用頻度
21280
27.22
1 AT&T
1 BRIGHAM YOUNG UNIV
18792
10.19
2 IBM CORP
2 UNIV CALIF SANTA CRUZ
13242
9.78
3 UNIV CALIF BERKELEY
3 UNIV UPPSALA
12889
9.42
4 MIT
4 AT&T
12009
8.93
5 STANFORD UNIV
5 UNIV OXFORD
10307
8.72
6 UNIV ILLINOIS
6 ARIZONA STATE UNIV
8767
8.04
7 UNIV TEXAS
7 UNIV CALIF BERKELEY
7190
7.22
8 ETH ZURICH
8 PENN STATE UNIV
6844
7.20
9 CARNEGIE MELLON UNIV
9 PRINCETON UNIV
6134
7.15
10 UNIV CALIF SAN DIEGO
10 CALTECH
5862
7.14
11 UNIV MARYLAND
11 STANFORD UNIV
5782
7.10
12 INRIA
12 WEIZMANN INST SCI
5471
6.75
13 PENN STATE UNIV
13 ETH ZURICH
5399
6.35
14 TECHNION ISRAEL INST TECHNOL
14 MIT
5348
6.05
15 GEORGIA INST TECHNOL
15 CORNELL UNIV
5128
6.05
16 UNIV OXFORD
16 COLUMBIA UNIV
5011
5.92
17 PRINCETON UNIV
17 UNIV WASHINGTON
4863
5.85
18 UNIV MINNESOTA
18 UNIV MINNESOTA
4863
5.77
19 UNIV WASHINGTON
19 IBM CORP
4856
5.77
20 UNIV SO CALIF
20 UNIV COLORADO
4739
5.76
21 TEL AVIV UNIV
21 UNIV CALIF DAVIS
4702
5.61
22 CORNELL UNIV
22 UNIV CALIF SAN DIEGO
4614
5.33
23 UNIV CALIF LOS ANGELES
23 UNIV ILLINOIS
4430
5.04
24 UNIV MICHIGAN
24 OHIO STATE UNIV
4397
4.93
25 ARIZONA STATE UNIV
25 UNIV CAMBRIDGE
4382
4.89
26 BRIGHAM YOUNG UNIV
26 UNIV SO CALIF
4329
4.89
27 COLUMBIA UNIV
27 HARVARD UNIV
4107
4.88
28 UNIV UPPSALA
28 LUCENT TECHNOL
4033
4.82
29 UNIV COLORADO
29 UNIV CALIF IRVINE
3935
4.72
30 UNIV TORONTO
30 UNIV MICHIGAN
3903
4.71
31 UNIV CAMBRIDGE
31 UNIV CALIF LOS ANGELES
3779
4.63
32 PURDUE UNIV
32 UNIV PENN
3671
4.34
33 OHIO STATE UNIV
33 Max Planck Society
3621
4.30
34 WEIZMANN INST SCI
34 TEL AVIV UNIV
3577
4.30
35 UNIV CALIF DAVIS
35 TECHNION ISRAEL INST TECHNOL
3528
4.27
36 NATL UNIV SINGAPORE
36 UNIV MARYLAND
3525
4.18
37 CALTECH
37 GEORGIA INST TECHNOL
3478
4.16
38 Max Planck Society
38 UNIV TEXAS
3342
4.13
39 RUTGERS STATE UNIV
39 CARNEGIE MELLON UNIV
3330
4.08
40 MICROSOFT CORP
40 RUTGERS STATE UNIV
3320
3.97
41 ECOLE POLYTECH FED LAUSANNE
41 UNIV WISCONSIN
3243
3.97
42 UNIV CALIF IRVINE
42 UNIV TORONTO
3233
3.93
43 UNIV PENN
43 MICROSOFT CORP
3233
3.62
44 UNIV LONDON IMPERIAL COLL SCI T
44 ECOLE POLYTECH FED LAUSANNE
3223
3.58
45 UNIV WISCONSIN
45 PURDUE UNIV
3186
3.56
46 HARVARD UNIV
46 INRIA
3179
3.34
47 LUCENT TECHNOL
47 UNIV LONDON IMPERIAL COLL SCI T
3172
3.31
48 UNIV WATERLOO
48 CNRS
3097
2.97
49 UNIV CALIF SANTA CRUZ
49 UNIV WATERLOO
3095
2.27
50 CNRS
50 NATL UNIV SINGAPORE
(出典) Essential Science Indicators データベース(1996 年 1 月~2006 年 6 月分、Thomason Scientific 提供)に基づき
日本総合研究所が編集
84
3-6.Mathematics
「Mathematics」分野の場合、各指標においてトップ 10 にランクされる機関は、次
のようになる。
a.論文被引用数
①University of California, Berkeley
②Harvard University
③Stanford University
④University of Michigan
⑤University of Minnesota
⑥University of Wisconsin
⑦University of Washington
⑧Massachusetts Institute of Technology
⑨Cornell University
⑩Rutgers University
b.一論文当たりの平均被引用頻度
①Stanford University
②Johns Hopkins University
③Harvard University
④New York University
⑤University of Washington
⑥Cornell University
⑦Carnegie Mellon University
⑧University of California, Berkeley
⑨University of California, Los Angeles
⑩Columbia University
スタンフォード大学、ハーバード大学は、「論文被引用数」「一論文当たりの平均被
引用頻度」のいずれにおいても、トップ 5 にランクされている。
一方、ジョンズ・ホプキンス大学、ニューヨーク大学は、
「論文被引用数」ではラン
ク外となるが、
「一論文当たりの平均被引用頻度」ではトップ 5 にランクされている。
85
図表12
“Mathematics”分野の論文被引用数に基づく機関ランキング
/1996 年 1 月~2006 年 6 月の 10 年 6 ヶ月を対象とした場合
「一論文当りの平均被引用頻度」でサブ・ランキングした場合
「論文被引用数」に基づくランキング結果
ラ
ン
ク
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
機関名
UNIV PARIS 6
UNIV CALIF BERKELEY
HARVARD UNIV
STANFORD UNIV
UNIV MICHIGAN
UNIV MINNESOTA
UNIV WISCONSIN
UNIV WASHINGTON
MIT
CORNELL UNIV
RUTGERS STATE UNIV
UNIV CALIF LOS ANGELES
UNIV PARIS 11
NEW YORK UNIV
UNIV ILLINOIS
UNIV TEXAS
PRINCETON UNIV
UNIV CHICAGO
CHINESE ACAD SCI
TEXAS A&M UNIV
RUSSIAN ACAD SCI
TEL AVIV UNIV
CNRS
PENN STATE UNIV
PURDUE UNIV
COLUMBIA UNIV
UNIV WATERLOO
UNIV TORONTO
GEORGIA INST TECHNOL
OHIO STATE UNIV
MOSCOW MV LOMONOSOV STATE UNIV
JOHNS HOPKINS UNIV
UNIV N CAROLINA
UNIV LONDON IMPERIAL COLL SCI T
NATL UNIV SINGAPORE
UNIV TOULOUSE 3
ECOLE POLYTECH
N CAROLINA STATE UNIV
HEBREW UNIV JERUSALEM
UNIV CAMBRIDGE
CALTECH
UNIV MARYLAND
UNIV OXFORD
AT&T
TECHNION ISRAEL INST TECHNOL
AUSTRALIAN NATL UNIV
UNIV NEW S WALES
CARNEGIE MELLON UNIV
UNIV MISSOURI
UNIV FLORIDA
ラ
ン
ク
論文引用数
9544
9398
8699
8456
7320
7311
6876
6575
6377
6222
6180
6071
5901
5535
5518
5221
4953
4917
4774
4744
4521
4518
4295
4202
4155
4117
4077
3986
3966
3932
3838
3812
3768
3746
3668
3650
3556
3496
3457
3455
3394
3367
3365
3359
3357
3297
3284
3234
3188
3186
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
機関名
AT&T
STANFORD UNIV
JOHNS HOPKINS UNIV
HARVARD UNIV
NEW YORK UNIV
UNIV WASHINGTON
CORNELL UNIV
CARNEGIE MELLON UNIV
UNIV CALIF BERKELEY
UNIV CALIF LOS ANGELES
COLUMBIA UNIV
UNIV MINNESOTA
UNIV CHICAGO
CALTECH
UNIV LONDON IMPERIAL COLL SCI T
MIT
UNIV OXFORD
PRINCETON UNIV
N CAROLINA STATE UNIV
UNIV MICHIGAN
UNIV CAMBRIDGE
GEORGIA INST TECHNOL
UNIV NEW S WALES
TEXAS A&M UNIV
ECOLE POLYTECH
PURDUE UNIV
AUSTRALIAN NATL UNIV
RUTGERS STATE UNIV
UNIV WISCONSIN
UNIV PARIS 11
TEL AVIV UNIV
UNIV PARIS 6
UNIV FLORIDA
UNIV TORONTO
UNIV N CAROLINA
UNIV TEXAS
UNIV WATERLOO
UNIV MARYLAND
PENN STATE UNIV
UNIV MISSOURI
OHIO STATE UNIV
CNRS
NATL UNIV SINGAPORE
HEBREW UNIV JERUSALEM
UNIV TOULOUSE 3
TECHNION ISRAEL INST TECHNOL
UNIV ILLINOIS
CHINESE ACAD SCI
RUSSIAN ACAD SCI
MOSCOW MV LOMONOSOV STATE UNIV
引用頻度
9.30
8.80
7.76
7.65
6.94
6.82
6.39
6.22
5.97
5.97
5.81
5.80
5.74
5.62
5.46
5.44
5.38
5.35
4.89
4.88
4.87
4.57
4.49
4.33
4.23
4.21
4.18
4.16
4.14
4.12
4.09
4.05
4.04
3.99
3.94
3.86
3.83
3.80
3.65
3.59
3.58
3.53
3.40
3.37
3.32
3.18
3.06
2.21
1.62
1.15
(出典) Essential Science Indicators データベース(1996 年 1 月~2006 年 6 月分、Thomason Scientific 提供)に基づき
日本総合研究所が編集
86
4.国際的褒賞の受賞者データに基づく分析
生理学医学賞、物理学賞、化学賞を対象とした場合の「ノーベル賞受賞者の在籍実
績人数」及び「在籍実績人数に基づく機関ランキング」の結果を、それぞれ図表 13、
図表 14、図表 15 にまとめて示した。本データを用いることで、国際的褒賞に着目し
た場合の「人材面で注目すべきトップ拠点候補」を想定することが可能になる。
例えば、生理学医学賞、物理学賞、化学賞を対象とした場合の「ノーベル賞受賞者
の在籍実績人数」を指標に用い、各賞について「在籍実績人数が 6 名以上の機関」を
リストアップすると、以下のような結果が得られる。
4-1.ノーベル生理学医学賞
「ノーベル生理学医学賞」を対象とした場合、
「在籍実績人数が 6 名以上の機関」は、
次のようになる。
・Harvard University
;22 名
・National Institutes of Health
;17 名
・Columbia University
;10 名
・Johns Hopkins University
;10 名
・California Institute of Technology ; 9 名
・Washington University
; 9名
・University of Texas
; 7名
・Rockefeller University
; 6名
生理学医学の分野では、ハーバード大学とNIHが傑出した存在となっていること
が分かる。
87
図表13 ノーベル生理学医学賞受賞者の在籍実績人数に基づく機関ランキング/
1901 年~2002 年の受賞者で、米国で博士号を取得し、米国国籍を有する
人を対象にした場合
(
機関名
ランク
)内は 2002 年時点の在籍人数
在籍実績人数
1
Harvard University
22
(3)
2
National Institutes of Health
17
(3)
3
Columbia University
10
(0)
3
Johns Hopkins University
10
(1)
5
California Institute of Technology
9
(1)
5
Washington University
9
(0)
7
University of Texas
7
(2)
8
Rockefeller University
6
(3)
9
Cornell University
5
(0)
9
University of Michigan
5
(0)
9
University of Washington
5
(0)
9
Stanford University
5
(1)
9
Yale University
5
(1)
14
Massachusetts General Hospital
4
(0)
14
New York University
4
(0)
14
University of Chicago
4
(0)
14
University of Illinois
4
(0)
14
University of Pennsylvania
4
(0)
14
University of Wisconsin
4
(0)
14
Massachusetts Institute of Technology
4
(1)
14
University of California, San Francisco
4
(1)
(出典)日外アソシエイツ「ノーベル賞受賞者業績事典」及びウェブ上に公開された「ノーベル賞受賞者の履歴」
などに基づき日本総合研究所が編集
88
4-2.ノーベル物理学賞
「ノーベル物理学賞」を対象とした場合、
「在籍実績人数が 6 名以上の機関」は、次
のようになる。
・Massachusetts Institutes of Technology ;19 名
・Columbia University
;19 名
・Princeton University
;14 名
・University of Chicago
;13 名
・University of California, Berkeley
;12 名
・Stanford University
;12 名
・Harvard University
;12 名
・Bell Telephone Laboratory
;12 名
・California Institute of Technology
;10 名
・University of Minnesota
; 9名
・Brookhaven National Laboratory
; 8名
物理学の分野では、マサチューセッツ工科大学、コロンビア大学が傑出した存在と
なっていることが分かる。
89
図表14 ノーベル物理学賞受賞者の在籍実績人数に基づく機関ランキング/
1901 年~2002 年の受賞者で、米国で博士号を取得し、米国国籍を
有する人を対象にした場合
(
ランク
機関名
)内は 2002 年時点の在籍人数
在籍実績人数
1
Massachusetts Institute of Technology
19
(1)
1
Columbia University
19
(1)
3
Princeton University
14
(6)
4
University of Chicago
13
(0)
5
University of California, Berkeley
12
(3)
5
Stanford University
12
(5)
5
Harvard University
12
(1)
5
Bell Laboratories
12
(1)
9
California Institute of Technology
10
(0)
10
University of Minnesota
9
(0)
11
Brookhaven National Laboratory
8
(3)
12
Cornell University
5
(3)
13
Institute for Advanced Study
4
(0)
13
Los Alamos National Laboratory
4
(0)
13
University of Illinois
4
(0)
13
Yale University
4
(0)
(出典)日外アソシエイツ「ノーベル賞受賞者業績事典」及びウェブ上に公開された「ノーベル賞受賞者の履歴」
などに基づき日本総合研究所が編集
90
4-3.ノーベル化学賞
「ノーベル化学賞」を対象とした場合、
「在籍実績人数が 6 名以上の機関」は、次の
ようになる。
・University of California, Berkeley ;16 名
・Harvard University
;13 名
・University of Chicago
; 9名
化学の分野では、カリフォルニア大学バークレー校、ハーバード大学が傑出した存
在となっていることが分かる。
91
図表15 ノーベル化学賞受賞者の在籍実績人数に基づく機関ランキング/
1901 年~2002 年の受賞者で、米国で博士号を取得し、米国国籍を
有する人を対象にした場合
(
ランク
機関名
1
University of California,
2
Haravard University
3
)内は 2002 年時点の在籍人数
在籍実績人数
Berkeley
16
(0)
13
(2)
University of Chicago
9
(0)
4
Cornell University
5
(1)
4
Columbia University
5
(0)
4
Stanford University
5
(2)
4
Massachusetts Institute of Technology
5
(1)
4
Rockefeller University
5
(1)
9
Princeton University
4
(0)
(出典)日外アソシエイツ「ノーベル賞受賞者業績事典」及びウェブ上に公開された「ノーベル賞受賞者の履歴」
などに基づき日本総合研究所が編集
92
5.評価結果小括
米国のトップクラス研究拠点の選定に資するべく、定量的指標に基づく比較分析を
行った。
前項までの検討結果から、研究拠点としての能力や実績を評価する基準として以下
の指標を活用することで、様々なトップ拠点候補が浮かび上がってくる。
a.分野別の研究費支出額
National Science Foundation のデータに基づき、
「機関別の研究費支出額」の推移
を分析する。具体的には、「Total and federally financed R&D expenditures in each
field at universities and colleges, ranked by each fiscal year for the first 100
institutions」を用い、
「分野別の研究費支出額に基づく順位」を求める。
本指標を用いることで、例えば、
「ライフサイエンス分野において“資金力の強さ”
が顕著なトップ拠点候補」として、「ベイラー医科大学」「ワシントン大学・セントル
イス校」「カリフォルニア大学・サンフランシスコ校」「カルフォルニア大学・ロサン
ゼルス校」
「ジョンズ・ホプキンス大学」などが浮かび上がる。
b.分野別の論文被引用数
Thomson Scientific のデータに基づき、「機関別の論文被引用数」
「一論文当たりの
平均被引用頻度」を分析する。具体的には、「ISI Essential Science Indicators」を
用い、「分野別の論文被引用数等に基づく順位」を求める。
本指標を用いることで、例えば、
「ライフサイエンス分野において“研究成果の高さ”
が顕著なトップ拠点候補」として、「ハーバード大学」「カリフォルニア大学・サンフ
ランシスコ校」
「マサチューセッツ工科大学」
「ロックフェラー大学」
「スクリプス研究
所」
「コールドスプリングハーバー研究所」
「ソーク生物学研究所」
「メモリアルスロー
ンケタリング癌センター」などが浮かび上がる。
c.ノーベル賞受賞者の在籍実績人数
日外アソシエーツ「ノーベル賞受賞者業績辞典」及びウェブ上に公開された「ノー
ベル賞受賞者の履歴」などに基づき、
「ノーベル賞受賞者が“受賞前”
“受賞時”
“受賞
後”に在籍した全ての機関」を調査する。その上で、
「ノーベル賞受賞者の在籍実績人
数に基づく順位」を求める。
本指標を用いることで、例えば、
「ライフサイエンス分野において“人材能力の高さ”
が顕著なトップ拠点候補」として、
「ハーバード大学」
「NIH」などが浮かび上がる。
さらに、上記の指標を組み合わせることで、対象機関の能力や実績を多様な視点か
ら評価することが可能になる。
例えば、環境・エネルギー分野などにおいて「多分野にわたる能力や実績に基づく
“学際的な活動環境”」が必要となる場合、複数の指標を用いた定量的評価を横串に並
べて比較することが効果を発揮する可能性がある。
93
参考として、図表 16 に、
「6 分野を対象とした研究費支出額に基づく機関ランキン
グ一覧」をまとめて示した。ジョンズ・ホプキンス大学の場合、
「Physics」
「Computer
Sciences」
「Mathematical Sciences」の 3 分野において“顕著な資金の強み”が認め
られることから、
「これらの分野を融合した先端研究を支えるための“強固な科学基盤”
が備わっている可能性」が浮かび上がる。
94
図表16
6 分野を対象とした研究費支出額に基づく機関ランキング一覧
Biological Sciences
Medical Sciences
トップ5にラン
クされた累計年
機関名
機関名
トップ5にラン
クされた累計年
Baylor College of Medicine 10年間
University of California, San Francisco
10年間
Washington University in St. Louis
10年間
University of California, Los Angeles 10年間
Rockefeller University 9年間
Johns Hopkins University 10年間
University of Pennsylvania
7年間
University of Washington 8年間
University of Wisconsin-Madison
6年間
University of Pittsburgh
4年間
Harvard University
5年間
Duke University
3年間
Johns Hopkins University 1年間
Stanford University
3年間
University of Washington 1年間
University of California, San Diego
2年間
Physics
機関名
Chemistry
トップ5にラン
クされた累計年
機関名
トップ5にラン
クされた累計年
California Institute of Technology 10年間
University of California, Berkeley
10年間
University of California, Berkeley
10年間
University of Illinois at Urbana-Champaign
8年間
Massachusetts Institute of Technology
10年間
Pennsylvania State University
6年間
Johns Hopkins University
10年間
California Institute of Technology
5年間
Cornell University
5年間
Massachusetts Institute of Technology
4年間
University of Texas at Austin
4年間
University of California, San Francisco
3年間
University of Maryland at College Park
1年間
Harvard University
3年間
University of Texas at Austin
3年間
-
-
Computer Sciences
機関名
Mathematical Sciences
トップ5にラン
クされた累計年
機関名
トップ5にラン
クされた累計年
Carnegie Mellon University
10年間
Johns Hopkins University
10年間
University of Southern California
10年間
George Washington University
10年間
Johns Hopkins University
10年間
University of Texas at Austin
8年間
University of Illinois at Urbana-Champaign
7年間
North Carolina State University
7年間
University of California, San Diego
6年間
Boston College
5年間
Georgia Institute of Technology
4年間
Rutgers University
5年間
Cornell University
3年間
University of Texas,
MD Anderson Cancer Center
2年間
University of Minnesota
2年間
-
-
95
資
料
編
資料1-1
機関別の“Biological Sciences”分野の研究費支出額の推移/大学・大学院等を対象とした場合
上段:機関名
ランキング
年
1995
1996
Baylor C. of Medicine
1997
Rockefeller U.
1998
Washington U. St. Louis
度
1999
Baylor C. of Medicine
下段:研究費支出額(千ドル)
2000
Baylor C. of Medicine
2001
Baylor C. of Medicine
2002
Baylor C. of Medicine
2003
Baylor C. of Medicine
Baylor C. of Medicine
2004
Baylor C. of Medicine
1
91,170
Harvard University
95,757
Harvard University
100,405
Rockefeller U.
102,767
Rockefeller U.
134,205
161,269
206,458
217,202
237,343
237,838
Washington U. St. Louis
Washington U. St. Louis
Washington U. St. Louis
Washington U. St. Louis
Washington U. St. Louis
Washington U. St. Louis
121,658
152,562
172,778
161,833
191,076
178,256
2
84,081
Washington U. St. Louis
85,984
Baylor C. of Medicine
97,090
Baylor C. of Medicine
102,569
U of Pennsylvania
U of Pennsylvania
U of Pennsylvania
U of Pennsylvania
U of Pennsylvania
Rockefeller U.
U of Pennsylvania
3
77,278
Texas A&M University
85,229
Washington U. St. Louis
90,293
Harvard University
98,883
Harvard University
116,607
Rockefeller U.
133,269
U. WI Madison
139,556
Rockefeller U.
155,680
Rockefeller U.
172,060
U of Pennsylvania
170,081
Rockefeller U.
4
76,878
U of Washington
81,179
U of Washington
90,128
U. WI Madison
98,793
Washington U. St. Louis
110,870
Harvard University
119,722
Rockefeller U.
131,770
U. WI Madison
150,571
U. WI Madison
162,352
U. WI Madison
169,753
Johns Hopkins Univ
5
75,727
University of Michigan
80,653
U of Pennsylvania
82,079
U of Pennsylvania
95,844
Texas A&M University
108,751
U of Washington
112,967
U of Washington
127,460
U. CA, Davis
135,056
Johns Hopkins Univ
145,163
Johns Hopkins Univ
158,490
U. WI Madison
6
72,862
U. WI Madison
74,468
Texas A&M University
81,693
U of Washington
88,641
U. WI Madison
98,301
U. WI Madison
111,425
U CA Berkeley
119,269
Johns Hopkins Univ
120,338
U. CA, Davis
138,572
U TX MD Anderson Cncr Ct
155,682
U. NC Chapel Hill
7
69,826
U. NC Chapel Hill
73,982
U. WI Madison
79,935
Texas A&M University
86,299
U of Washington
91,009
Johns Hopkins Univ
105,170
Johns Hopkins Univ
111,540
U of Washington
118,477
U TX SW Med Ctr at Dallas
133,393
U. NC Chapel Hill
143,891
U TX MD Anderson Cncr Ct
8
67,242
U of Pennsylvania
71,681
Yale Universi
75,452
Johns Hopkins Univ
83,666
University of Michigan
89,017
Texas A&M University
98,701
Harvard University
102,824
U TX SW Med Ctr at Dallas
118,025
U of Washington
129,799
U of Washington
142,326
U TX SW Med Ctr at Dallas
9
67,228
Rockefeller U.
71,417
Johns Hopkins Univ
74,819
U. NC Chapel Hill
81,606
Johns Hopkins Univ
87,757
U CA Berkeley
90,740
U TX SW Med Ctr at Dallas
102,724
U. NC Chapel Hill
112,566
U. NC Chapel Hill
124,234
University of Michigan
135,239
U. CA, Davis
10
66,968
Yale Universi
69,186
University of Michigan
73,124
Yale Universi
79,603
U. NC Chapel Hill
84,488
U. NC Chapel Hill
87,243
U. NC Chapel Hill
96,387
Harvard University
109,958
Yale Universi
122,533
U TX SW Med Ctr at Dallas
125,408
Columbia University
11
66,494
Johns Hopkins Univ
68,429
U. NC Chapel Hill
72,801
University of Michigan
77,094
Yale Universi
80,602
Yale Universi
87,196
Yale Universi
92,150
Yale Universi
101,912
Columbia University
122,035
U. CA, Davis
123,468
Vanderbilt U.
12
65,692
67,728
Case Western Reserve U
Case Western Reserve U
63,720
65,334
67,366
University of Georgia
73,251
78,469
U TX SW Med Ctr at Dallas
University of Michigan
70,310
77,403
86,408
90,292
101,784
University of Michigan
University of Michigan
84,997
90,204
101,593
University of Michigan
U TX MD Anderson Cncr Ctr
83,497
84,749
U. CA, Davis
119,074
Columbia University
120,991
Yale Universi
13
University of Georgia
Columbia University
66,483
U TX SW Med Ctr at Dallas
Columbia University
Columbia University
U TX MD Anderson Cncr Ct
114,788
Yale Universi
120,311
University of Michigan
14
58,459
Columbia University
58,347
U TX SW Med Ctr at Dallas
65,159
Columbia University
67,051
Tufts University
75,186
U TX SW Med Ctr at Dallas
Columbia University
Columbia University
98,147
U. GA
110,697
Vanderbilt U.
115,929
MA Institute of Technology
15
58,032
57,223
62,300
出典:Essential Science Indicators データベース(1996 年 1 月~2006 年 6 月分、Thomson
65,091
73,654
78,329
84,359
84,603
107,375
106,095
Scientific 提供)に基づき日本総合研究所が編集
96~97
資料1-2
機関別の“Medical Sciences”分野の研究費支出額の推移/大学・大学院等を対象とした場合
上段:機関名
ランキング
年
1995
U. CA, San Francisco
1
Johns Hopkins U
U. CA, Los Angeles
U of Washington
U. CA, San Diego
U of Pittsburgh
University of Minnesota
U. CA, Los Angeles
U of Washington
159,294
Duke University
Johns Hopkins U
Duke University
184,673
184,049
U. CA, San Diego
176,274
148,581
University of Michigan
University of Minnesota
136,096
141,957
159,996
172,822
University of Michigan
University of Minnesota
University of Michigan
141,748
157,561
169,739
Duke University
9
135,568
Stanford University
10
135,495
U. WI Madison
U. WI Madison
U of Pennsylvania
128,453
Yale University
122,663
U of Southern California
U of Pittsburgh
University of Michigan
139,136
U of Pennsylvania
134,111
162,202
U of Pennsylvania
137,670
Yale University
131,024
Yale University
126,001
U of Southern California
105,546
121,104
U of Alabama Birmingham
U of Alabama Birmingham
102,167
111,179
U of Alabama Birmingham
126,832
Washington University
126,331
Duke University
U of Pennsylvania
260,328
Duke University
U of Washington
239,127
U. CA, San Diego
U of Pennsylvania
University of Minnesota
University of Minnesota
159,844
183,043
200,593
231,995
156,104
U. WI Madison
U. WI Madison
U. WI Madison
179,773
U. MD Baltimor
148,478
150,941
173,794
Washington University
150,302
University of Minnesota
148,885
Baylor Col of Medicine
172,906
Yale University
169,786
U. WI Madison
198,242
U. MD Baltimor
191,206
Yale University
187,848
Harvard University
186,454
University of Michigan
186,148
Duke University
U of Pittsburgh
Harvard University
224,969
U. MD Baltimor
Stanford University
U of Washington
430,141
U of Washington
374,135
U of Pittsburgh
372,068
Duke University
355,060
Stanford University
311,786
U of Pennsylvania
352,967
U. CA, San Diego
276,221
U. CA, San Diego
297,330
U of Pennsylvania
271,570
U. WI Madison
296,842
Harvard University
254,759
244,181
Harvard University
242,559
U. MD Baltimore
237,817
University of Michigan
University of Minnesota
205,213
235,350
205,172
Johns Hopkins U
314,088
213,458
Washington University
542,745
332,214
University of Michigan
228,724
U. CA, Los Angeles
366,539
253,871
U. CA, San Diego
655,164
383,945
284,686
235,301
U of Pennsylvania
Johns Hopkins U
286,805
University of Michigan
University of Minnesota
出典:Essential Science Indicators データベース(1996 年 1 月~2006 年 6 月分、Thomson
Stanford University
U. CA, San Francisco
581,024
299,704
University of Michigan
U of Alabama Birmingham
134,460
Duke University
241,406
University of Minnesota
Washington University
Stanford University
U. CA, San Francisco
321,572
230,791
179,477
146,515
U of Pittsburgh
2004
583,167
347,468
279,027
213,430
155,109
U. WI Madison
U of Washington
230,670
U. CA, San Diego
Johns Hopkins U
279,251
237,966
150,571
134,944
U of Pittsburgh
U. CA, Los Angeles
505,703
298,656
239,350
U of Pittsburgh
U. CA, San Francisco
462,136
Johns Hopkins U
2003
537,772
199,489
Yale University
U of Alabama Birmingham
U of Washington
U. CA, Los Angeles
176,630
150,623
136,212
U. WI Madison
U of Pennsylvania
U. CA, Los Angeles
240,992
179,946
160,236
Yale University
Stanford University
2002
486,729
258,324
202,368
U. CA, San Diego
U of Pennsylvania
151,075
135,127
Stanford University
175,432
U of Pittsburgh
Johns Hopkins U
202,810
U of Pittsburgh
U. CA, San Francisco
312,078
208,752
Stanford University
Duke University
U. CA, Los Angeles
227,513
U of Washington
2001
369,884
242,613
Duke University
Stanford University
U. CA, San Francisco
280,259
228,317
163,325
U. CA, San Diego
U. CA, Los Angeles
Johns Hopkins U
U of Washington
2000
417,095
262,859
164,997
158,088
U of Pittsburgh
U. CA, Los Angeles
173,628
Stanford University
U. CA, San Francisco
379,970
221,924
163,576
U. CA, San Diego
U. CA, San Francisco
235,899
Johns Hopkins U
度
1999
136,409
8
15
U of Washington
1998
334,206
203,375
143,240
7
14
Johns Hopkins U
149,869
6
U. CA, San Francisco
219,548
161,354
5
13
U. CA, Los Angeles
16,620
4
1997
320,757
168,965
3
12
U. CA, San Francisco
329,742
2
11
1996
下段:研究費支出額(千ドル)
Washington University
230,511
287,594
U. WI Madison
272,640
Washington University
261,722
U. MD Baltimore
253,834
University of Michigan
248,080
Yale University
245,106
Scientific 提供)に基づき日本総合研究所が編集
98~99
資料1-3
機関別の“Physics”分野の研究費支出額の推移/大学・大学院等を対象とした場合
上段:機関名
ランキング
年
1995
1996
MA Institute of Tech
1
2
MA Institute of Tech
90,357
Johns Hopkins U
Johns Hopkins U
California Inst of Tech
California Inst of Tech
California Inst of Tech
California Inst of Tech
39,435
50,553
56,972
57,992
35,132
Cornell University
5
38,998
U MD College Park
27,008
U MD College Park
6
Cornell University
Michigan State
U.
18,412
U TX Austin
8
Indiana University
Indiana University
University of Arizona
14,953
Georgia Institute of Tech
12
14,636
Florida State U
13
Princeton University
12,237
U TX Austin
14,075
U CA Los Angeles
12,892
U CA San Diego
15,120
U of Pennsylvania
14,553
U of Pennsylvania
11,623
14,427
Indiana University
14,002
U.
U CA Los Angeles
15,542
U TX Austin
17,694
U of Illinois Urbana
13,264
University of Michigan
13,187
出典:Essential Science Indicators データベース(1996 年 1 月~2006 年 6 月分、Thomson
17,050
U of Alaska Fairbanks
16,548
Pennsylvania State U
15,964
58,531
38,079
U.
U. CA Los Angeles
37,110
Cornell U. all campuses
Cornell U. all campuses
34,326
36,036
Florida State U
33,259
35,502
U. IL Urbana-Champaign
University of Minnesota
PA State U. all campuses
PA State U. all campuses
24,871
24,214
24,027
27,865
24,791
U of WI-Madison
22,952
Pennsylvania State U
21,817
U of Alaska Fairbanks
19,096
Pennsylvania State U
18,668
Indiana University
18,017
21,380
U. IL Urbana-Champaign
21,004
Indiana University
19,987
U of MD at College Park
18,202
U. WI Madison
U. IL Urbana-Champaign
22,052
U. IL Urbana-Champaign
19,699
U. MD College Park
18,175
SUNY Stony Brook all
17,539
Michigan State
U. MD College Park
U. TX Austin
38,484
U. CA Los Angeles
37,827
Florida State U
36,949
U. MD College Park
35,540
IN U. all campuses
34,893
PA State U. all campuses
21,363
U. WI Madison
U.
39,043
22,969
21,795
IN U. all campuses
39,675
37,123
30,696
U MD at College Park
55,548
Cornell U. all campuses
Michigan State
U.
58,656
47,923
35,062
Michigan State
MA Institute of Tech
Johns Hopkins U
U. TX Austin
U. CA Los Angeles
61,480
56,334
35,655
32,337
Florida State U
U CA Berkeley
U CA Berkeley
Florida State U
34,050
U CA Los Angeles
Johns Hopkins U
27,683
U WI-Madison
Indiana University
15,293
U CA Los Angeles
23,569
U WI-Madison
U.
28,702
25,023
U. IL Urbana-Champaign
Princeton University
Michigan State
110,465
38,683
34,944
Cornell University
31,797
25,606
16,078
15,020
Florida State U
Michigan State
SUNY Stony Brook
36,507
101,601
47,182
37,520
U.
California Inst of Tech
58,558
U. TX Austin
Michigan State
California Inst of Tech
MA Institute of Tech
U. CA Berkeley
U TX at Austin
2004
59,403
48,272
37,188
U TX at Austin
California Inst of Tech
Johns Hopkins U
U CA Berkeley
2003
60,509
52,412
49,397
26,869
16,192
Johns Hopkins U
U CA Berkeley
MA Institute of Tech
58,449
50,215
31,861
16,504
19,238
Princeton University
Florida State U
2002
MA Institute of Tech
56,131
38,721
20,943
U CA San Diego
MA Institute of Tech
44,967
U MD at College Park
U WI Madison
SUNY Stony Brook
12,008
U CA Los Angeles
20,525
U WI Madison
13,867
14,413
U WI Madison
University of Arizona
14,545
U WI Madison
U.
58,873
Cornell University
Cornell University
U.
61,070
Johns Hopkins U
U TX at Austin
24,636
22,882
16,362
SUNY Stony Brook
Michigan State
California Inst of Tech
45,343
27,699
22,921
16,666
15,351
11
U CA Los Angeles
Michigan State
University of Arizona
U MD College Park
California Inst of Tech
53,113
36,255
28,617
19,636
15,546
10
U.
U CA San Diego
SUNY Stony Brook
U MD College Park
U CA Berkeley
California Inst of Tech
Cornell University
2001
55,054
37,263
34,248
21,864
16,119
9
Cornell University
30,405
Michigan State
U CA Berkeley
44,069
31,259
24,359
7
U CA Berkeley
2000
65,247
MA Institute of Tech
74,433
U CA Berkeley
Johns Hopkins U
83,416
71,693
U CA Berkeley
度
1999
74,032
4
15
MA Institute of Tech
74,821
Johns Hopkins U
1998
74,694
3
14
MA Institute of Tech
77,461
Johns Hopkins U
1997
下段:研究費支出額(千ドル)
27,247
U. Central FL
20,733
IN U. all campuses
25,579
U. IL Urbana-Champaign
18,847
U. CO all campuses
18,623
24,998
U. WI Madison
21,969
Scientific 提供)に基づき日本総合研究所が編集
100~101
資料1-4
機関別の“Chemistry”分野の研究費支出額の推移/大学・大学院等を対象とした場合
上段:機関名
ランキング
年
1995
1996
U CA Berkeley
1
California Inst of Tech
15,634
California Inst of Tech
2
14,903
University of Colorado
3
Pennsylvania State U
Harvard University
U CA Los Angeles
U MD College Park
Purdue University
Stanford University
MA Institute of Tech
U TX Austin
University of Colorado
11,131
U WI Madison
Pennsylvania State U
U of Pennsylvania
10,846
Cornell University
10,807
U CA Berkeley
18,845
California Inst of Tech
Texas A&M University
Pennsylvania State U
U WI Madison
10,927
10,859
MA Institute of Tech
16,957
Pennsylvania State U
16,310
15,538
Purdue University
Pennsylvania State U
12,548
Cornell University
Cornell University
14,132
Harvard University
12,031
14,112
U CA Los Angeles
12,011
U CA Los Angeles
University of Florida
11,675
U of Pennsylvania
11,669
U TX Austin
Harvard University
出典:Essential Science Indicators データベース(1996 年 1 月~2006 年 6 月分、Thomson
11,185
15,385
U WI-Madison
12,383
Purdue University
12,021
University of Colorado
11,889
2002
14,758
Cornell University
14,002
U CA Los Angeles
13,564
13,141
U of Pennsylvania
12,886
Stanford University
12,859
Johns Hopkins U
11,835
12,616
Rutgers the State U NJ
University of Oklahoma
11,543
12,512
2003
U.CA,San Francisco
21,399
U.IL Urbana-Champaign
U. TX Austin
MA Institute of Tech
Pennsylvania State U
California Inst of Tech
20,962
20,949
22,968
TX A&M U. all campuses
Cornell U. all campuses
PA State U. all campuses
18,587
20,804
22,330
MA Institute of Tech
Stanford U.
PA State U. all campuses
16,891
18,214
U of WI-Madison
12,935
California Inst of Tech
15,623
Stanford U.
14,593
U. CA, Los Angeles
20,453
U. CA, San Diego
19,638
19,475
U. WA
17,530
U. WA
U. CA San Diego
20,600
18,097
15,549
15,214
20,926
TX A&M U. all campuses
U. CA, San Diego
U. WI Madison
MA Institute of Tech
18,099
15,590
Harvard U.
21,217
Cornell U. all campuses
PA State U. all campuses
13,733
13,190
Harvard U.
Rutgers the State U NJ
California Inst of Tech
U.IL Urbana-Champaign
19,607
19,456
13,845
Rutgers the State U NJ
U. CA, Los Angeles
17,070
U. CO all campuses
22,135
19,703
17,758
14,229
Northwestern U.
TX A&M U. all campuses
U. CA Los Angeles
Harvard U.
20,184
17,856
14,316
U CA San Francisco
MA Institute of Tech
18,352
15,071
University of Colorado
U. TX Austin
U. IL Urbana-Champaign
15,357
Indiana University
U. TX Austin
25,984
U. IL Urbana-Champaign
15,752
U CA Los Angeles
24,907
24,154
17,206
Stanford University
U. CA, Berkeley
23,382
17,446
Texas A&M University
29,609
21,787
18,042
Harvard University
U. CA, Berkeley
U. CA Berkeley
U.CA,San Francisco
28,798
22,782
18,063
2004
U.CA,San Francisco
27,256
20,091
California Inst of Tech
Ohio State University
Stanford University
11,397
10,650
13,158
U WI-Madison
11,769
Texas A&M University
15,962
12,306
10,816
U MA Amherst
17,576
12,948
10,889
Georgia Institute of Tech
Harvard University
California Inst of Tech
11,026
11,362
Texas A&M University
17,667
California Inst of Tech
11,133
Indiana University
18,297
University of Colorado
11,328
11,393
U.IL Urbana-Champaign
16,075
U WI Madison
Texas A&M University
18,756
17,050
11,380
U TX Austin
MA Institute of Tech
13,760
11,437
University of Colorado
U CA Los Angeles
U of Illinois Urbana
Stanford University
Cornell University
Johns Hopkins U
16,075
11,579
11,712
Purdue University
Pennsylvania State U
21,471
19,426
17,760
12,199
U of Pennsylvania
U.IL Urbana-Champaign
California Inst of Tech
12,254
Stanford University
21,071
18,541
12,883
12,253
U TX Austin
Johns Hopkins U
13,606
12,478
Stanford University
20,638
17,600
12,670
Harvard University
10,948
U CA Berkeley
12,701
Cornell University
Ohio State University
U CA Berkeley
12,855
11,252
12
U CA Berkeley
Purdue University
U of Pennsylvania
11,489
11
U CA Berkeley
12,910
11,549
10
15
U WI Madison
11,665
9
2001
12,956
11,997
8
2000
U of Illinois Urbana
U of Illinois Urbana
12,523
7
1999
14,277
13,112
6
14
U CA Berkeley
13,213
5
1998
14,856
13,977
4
13
MA Institute of Tech
度
1997
15,599
下段:研究費支出額(千ドル)
19,354
Stanford U.
16,947
Northwestern U.
16,108
18,863
U. MA Amherst
18,074
Scientific 提供)に基づき日本総合研究所が編集
102~103
資料1-5
機関別の“Computer Sciences”分野の研究費支出額の推移/大学・大学院等を対象とした場合
ランキング
年
1995
1996
Johns Hopkins Univ
1
Johns Hopkins Univ
74,575
Carnegie Mellon U
2
Carnegie Mellon U
Cornell University
41,487
U. Southern CA
4
Carnegie Mellon U
U. Southern CA
36,158
Cornell University
U. IL Urbana-Champaign
U. IL Urbana-Champaign
U. IL Urbana-Champaign
66,779
65,804
61,032
42,063
Carnegie Mellon U
58,795
U. Southern CA
28,976
49,893
Georgia Institute of Tech
Georgia Institute of Tech
Georgia Institute of Tech
Georgia Institute of Tech
24,590
26,551
27,597
29,329
U. MD College Park
Stanford University
21,762
University of Michigan
7
21,123
U. MD College Park
15,981
Stanford University
8
MA Institute of Tech
MA Institute of Tech
University of Minnesota
Ohio State University
U. CA, San Diego
U of Tennessee System
MA Institute of Tech
16,979
U. TX Austin
Rice University
Ohio State University
14,779
California Inst of Tech
10,208
California Inst of Tech
U. MD College Park
Cornell University
11,060
U. TX Austin
U. CA, San Diego
MA Institute of Tech
18,390
MA Institute of Tech
14,590
Ohio State University
13,761
University of Utah
MA Institute of Tech
34,384
Georgia Institute of Tech
Georgia Institute of Tech
31,259
34,339
18,910
23,521
U. TX Austin
U. TX Austin
Cornell University
17,683
Stanford University
17,449
Ohio State University
Georgia Institute of Tech
Georgia Institute of Tech
Cornell University
U of Alaska Fairbanks
Johns Hopkins Univ
85,259
Johns Hopkins Univ
73,123
Georgia Institute of Tech
Georgia Institute of Tech
51,608
54,756
MA Institute of Tech
MA Institute of Tech
45,413
U. MD College Park
44,543
PA State U. all campuses
31,902
U. TX Austin
31,575
U. TX Austin
28,749
Cornell University
29,259
U. MD College Park
26,525
Ohio State University
23,403
University of Utah
U. CA, San Diego
66,160
27,376
17,187
85,367
68,996
29,173
Cornell University
100,324
U. Southern CA
U. CA, San Diego
32,233
U. TX Austin
Carnegie Mellon U
86,600
38,892
Ohio State University
113,320
86,623
41,283
21,229
16,474
Stanford University
MA Institute of Tech
U. MD College Park
U. MD College Park
Carnegie Mellon U
56,729
22,758
19,617
Cornell University
U. CA, San Diego
23,502
21,050
111,009
70,528
34,618
Ohio State University
U. IL Urbana-Champaign
U. Southern CA
Johns Hopkins Univ
35,925
MA Institute of Tech
U. IL Urbana-Champaign
74,061
55,729
24,350
U. MD College Park
U. Southern CA
59,965
U. IL Urbana-Champaign
2004
75,064
60,368
U. TX Austin
Ohio State University
18,109
U. IL Urbana-Champaign
Carnegie Mellon U
2003
100,132
64,269
50,199
34,061
U. MD College Park
U. Southern CA
U. CA, San Diego
U. CA, San Diego
Carnegie Mellon U
70,155
50,745
36,657
19,309
U. CA, San Diego
U. Southern CA
2002
Johns Hopkins Univ
54,838
56,745
19,868
Stanford University
15,187
10,560
11,044
U of Tennessee System
18,160
11,068
12,665
11
Stanford University
15,714
14,491
10
18,478
19,359
15,658
9
U. MD College Park
Carnegie Mellon U
58,744
U. Southern CA
28,418
6
Johns Hopkins Univ
70,525
34,490
5
Johns Hopkins Univ
2001
71,050
Carnegie Mellon U
Cornell University
2000
72,991
61,763
下段:研究費支出額(千ドル)
度
1999
Johns Hopkins Univ
79,097
61,615
U. Southern CA
1998
Johns Hopkins Univ
78,243
57,529
3
1997
上段:機関名
27,990
Cornell University
26,274
OR Health & Science U.
27,124
Ohio State University
12
10,567
Rutgers the State U NJ
13
10,526
U. TX Austin
14
U. MA Amherst
10,190
10,105
9,718
11,181
California Inst of Tech
10,053
Syracuse University
10,052
University of Michigan
9,700
10,084
Rice University
Syracuse University
Rice University
15
10,175
9,909
U. MA Amherst
11,000
Syracuse University
10,823
Rice University
9,852
Syracuse University
11,495
University of Utah
11,441
U of Alaska Fairbanks
10,275
出典:Essential Science Indicators データベース(1996 年 1 月~2006 年 6 月分、Thomson
17,249
11,178
13,637
University of Utah
16,159
University of Utah
13,614
U of Alaska Fairbanks
11,445
Stanford University
16,007
Stanford University
12,899
Syracuse University
19,660
15,166
U. MA Amherst
15,459
U. MA Amherst
U. HI Manoa
14,291
19,430
17,869
PA State U. all campuses
11,517
23,397
Stanford University
U. CA, Los Angeles
U. WI Madison
11,800
20,207
17,294
18,579
U. HI Manoa
15,143
OR Health & Science U.
17,805
Scientific 提供)に基づき日本総合研究所が編集
104~105
資料1-6
機関別の“Mathematical Sciences”分野の研究費支出額の推移/大学・大学院等を対象とした場合
上段:機関名
ランキング
年
1995
1996
Johns Hopkins U
1
Johns Hopkins U
37,420
Rutgers the State U NJ
2
Boston College
Rutgers the State U NJ
6,158
6,803
7,242
University of Minnesota
Rutgers the State U NJ
6,676
7,048
6,080
Brown University
U of South Carolina
U MD College Park
Iowa State University
Brown University
NC State U Raleigh
4,962
NC State U Raleigh
4,431
SUNY Stony Brook
4,150
U CA Los Angeles
4,059
University of Arizona
3,818
Princeton University
3,760
4,155
SUNY Stony Brook
4,119
US Naval Postgrad School
3,882
MA Institute of Tech
3,880
Purdue University
3,788
Rutgers the State U NJ
10,335
9,748
9,088
U of South Carolina
8,501
7,951
Brown University
University of Minnesota
5,997
5,965
New York University
U CA Berkele
5,828
Iowa State University
5,194
SUNY Stony Brook
5,771
University of Florida
5,165
University of Georgia
4,676
U CA Berkeley
4,464
Georgia Institute of Tech
4,602
SUNY Stony Brook
4,014
Purdue University
Georgia Institute of Tech
3,626
出典:Essential Science Indicators データベース(1996 年 1 月~2006 年 6 月分、Thomson
NC State University
4,403
Boston College
7,885
10,347
12,409
Rutgers the State U NJ
U TX MD Anderson Cncr Ctr
Rutgers the State U NJ
Rutgers the State U NJ
8,728
7,341
8,211
9,520
7,439
Iowa State University
Georgia Institute of Tech
Rutgers the State U NJ
5,829
6,733
Iowa State University
5,730
New York University
5,071
5,555
University of Minnesota
U TX MD Anderson Cncr Ctr
5,069
5,142
4,778
U CA Los Angeles
4,748
New York University
6,780
U CA Berkeley
Stanford University
5,111
MA Institute of Tech
5,097
IA State U
6,807
6,907
5,652
SUNY at Stony Brook
NC State University
9,911
Brown University
University of Florida
5,711
Boston C.
14,454
Boston C.
12,409
Rutgers the State U NJ
9,787
TX A&M U. all campuses
Georgia Institute of Tech
OH State U. all campuses
7,563
8,518
8,754
Georgia Institute of Tech
PA State U. all campuses
7,653
8,348
U. CA Berkeley
7,474
TX A&M U. all campuses
New York University
7,229
PA State U. all campuses
IA State U.
U. FL
7,208
6,827
U. CA, Berkeley
6,874
6,636
6,275
New York University
OH State U. all campuses
PA State U. all campuses
New York University
IA State U.
7,194
6,802
Brown U.
9,180
7,392
7,061
5,988
5,881
U. TX Austin
9,393
6,070
Pennsylvania State U
14,649
12,545
TX A&M U. all campuses
SUNY Stony Brook
U CA Los Angeles
NC State University
7,620
6,276
U CA Berkeley
14,950
14,720
U TX MD Anderson Cncr Ctr
6,272
5,138
13,639
Georgia Institute of Tech
Brown University
25,499
15,386
10,816
U of South Carolina
George Washington U.
U TX MD Anderson Cncr Ctr
11,795
7,308
MA Institute of Tech
U. TX Austin
U TX MD Anderson Cncr Ctr
NC State University
28,727
17,960
14,712
Boston C.
NC State University
10,839
George Washington U
George Washington U
14,514
Johns Hopkins U
26,304
16,782
14,654
12,077
7,546
New York University
25,826
16,304
2004
Johns Hopkins U
U. TX Austin
George Washington U
Boston College
8,995
Iowa State University
U TX at Austin
15,011
9,562
University of Georgia
4,575
U TX at Austin
2003
Johns Hopkins U
23,901
16,276
NC State University
Brown University
University of Minnesota
5,885
Boston College
U of South Carolina
7,499
4,832
Georgia Institute of Tech
Rutgers the State U NJ
6,703
Iowa State University
George Washington U
13,910
NC State University
24,195
13,911
2002
Johns Hopkins U
George Washington U
13,477
Boston College
Brown University
5,798
U CA Berkeley
George Washington U
6,776
6,033
5,203
U CA Berkeley
Boston College
24,302
15,683
2001
Johns Hopkins U
U TX at Austin
7,047
6,469
5,592
9
U TX Austin
U of South Carolina
Iowa State University
U TX Austin
7,454
6,675
5,842
8
15
Boston College
6,033
7
14
NC State U Raleigh
2000
Johns Hopkins U
29,293
10,272
University of Minnesota
6
13
7,205
U of South Carolina
George Washington U
12
George Washington U
7,088
5
11
George Washington U
34,207
度
1999
Johns Hopkins U
6,354
4
10
1998
Johns Hopkins U
38,508
7,294
3
1997
下段:研究費支出額(千ドル)
6,580
U. CA, Berkeley
6,731
Brown U.
6,520
Georgia Institute of Tech
6,417
6,250
Scientific 提供)に基づき日本総合研究所が編集
106~107
資料2-1
“Biology & Biochemistry”分野の論文被引用数に基づく機関ランキング/1995 年~2004 年の 10 年間を対象とした場合
「論文数」でサブ・ランキングした場合
8811
8617
6711
6569
5525
4668
4645
4317
3946
3901
3870
3691
3683
3673
3651
3642
3638
3542
3465
3449
3355
3291
3261
3156
3128
3108
3071
2944
2918
2738
2697
2683
2681
2616
2586
2456
2388
2239
2212
2168
2122
2008
1956
1919
1791
1717
1442
1280
1234
1216
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
機関名
HARVARD UNIV
UNIV TEXAS
Max Planck Society
UNIV CALIF SAN FRANCISCO
UNIV TOKYO
UNIV CALIF SAN DIEGO
JOHNS HOPKINS UNIV
UNIV WASHINGTON
YALE UNIV
STANFORD UNIV
UNIV PENN
UNIV CALIF LOS ANGELES
WASHINGTON UNIV
NCI
DUKE UNIV
UNIV MICHIGAN
UNIV OXFORD
UNIV CALIF BERKELEY
UNIV TORONTO
UNIV ILLINOIS
UNIV CAMBRIDGE
UNIV WISCONSIN
CNRS
SCRIPPS RES INST
KYOTO UNIV
CORNELL UNIV
OSAKA UNIV
KAROLINSKA INST
UNIV COLL LONDON
COLUMBIA UNIV
EUROPEAN MOLEC BIOL LAB
UNIV N CAROLINA
VANDERBILT UNIV
MIT
UNIV VIRGINIA
PENN STATE UNIV
MCGILL UNIV
BAYLOR COLL MED
ROCKEFELLER UNIV
UNIV COLORADO
NIDDK
UNIV CHICAGO
BRIGHAM & WOMENS HOSP
UNIV BRITISH COLUMBIA
UNIV MARYLAND
VET ADM MED CTR
MRC
RUSSIAN ACAD SCI
UNIV MINNESOTA
YESHIVA UNIV
出典:Essential Science Indicators データベース(1996 年 1 月~2006 年 6 月分、Thomson
「一論文当たりの平均被引用頻度」でサブ・ランキングした場合
論文引用数
303125
227261
134040
121020
114374
111395
102039
99063
97475
95229
95031
92570
92542
89955
88762
85607
83287
80946
80670
79602
79368
79348
78398
77666
77364
72758
71562
69842
65239
62811
62715
62308
60665
59358
58884
58505
57968
57556
52787
52730
50859
46698
46648
46159
46155
44868
44299
43744
43421
43361
ランク
UNIV TEXAS
HARVARD UNIV
RUSSIAN ACAD SCI
UNIV TOKYO
Max Planck Society
KYOTO UNIV
CNRS
OSAKA UNIV
UNIV CALIF SAN FRANCISCO
JOHNS HOPKINS UNIV
UNIV TORONTO
UNIV CALIF SAN DIEGO
UNIV CALIF LOS ANGELES
UNIV PENN
UNIV WISCONSIN
UNIV WASHINGTON
UNIV ILLINOIS
UNIV OXFORD
UNIV MICHIGAN
UNIV CAMBRIDGE
NCI
YALE UNIV
WASHINGTON UNIV
CORNELL UNIV
UNIV CALIF BERKELEY
KAROLINSKA INST
STANFORD UNIV
DUKE UNIV
UNIV COLL LONDON
UNIV MINNESOTA
VANDERBILT UNIV
UNIV N CAROLINA
MCGILL UNIV
UNIV MARYLAND
UNIV COLORADO
COLUMBIA UNIV
SCRIPPS RES INST
PENN STATE UNIV
UNIV BRITISH COLUMBIA
BAYLOR COLL MED
VET ADM MED CTR
UNIV VIRGINIA
MIT
UNIV CHICAGO
NIDDK
YESHIVA UNIV
MRC
EUROPEAN MOLEC BIOL LAB
ROCKEFELLER UNIV
BRIGHAM & WOMENS HOSP
論文数
ランク
ランク
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
機関名
「論文被引用数」に基づくランキング結果
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
機関名
EUROPEAN MOLEC BIOL LAB
ROCKEFELLER UNIV
BRIGHAM & WOMENS HOSP
HARVARD UNIV
SCRIPPS RES INST
STANFORD UNIV
MRC
UNIV CALIF SAN FRANCISCO
MIT
UNIV CALIF SAN DIEGO
DUKE UNIV
YALE UNIV
UNIV VIRGINIA
NIDDK
WASHINGTON UNIV
UNIV WASHINGTON
NCI
BAYLOR COLL MED
JOHNS HOPKINS UNIV
PENN STATE UNIV
UNIV CALIF BERKELEY
UNIV PENN
UNIV TEXAS
COLUMBIA UNIV
YESHIVA UNIV
UNIV CALIF LOS ANGELES
UNIV MICHIGAN
UNIV CHICAGO
Max Planck Society
UNIV OXFORD
UNIV N CAROLINA
CORNELL UNIV
UNIV CAMBRIDGE
VANDERBILT UNIV
KAROLINSKA INST
UNIV COLL LONDON
UNIV ILLINOIS
UNIV WISCONSIN
MCGILL UNIV
VET ADM MED CTR
UNIV BRITISH COLUMBIA
UNIV TORONTO
UNIV COLORADO
UNIV MARYLAND
UNIV TOKYO
CNRS
OSAKA UNIV
KYOTO UNIV
UNIV MINNESOTA
RUSSIAN ACAD SCI
引用頻度
49.00
42.78
38.36
35.18
32.52
31.01
30.72
30.67
30.35
30.18
30.15
29.62
29.32
28.40
28.38
27.20
26.81
26.55
26.16
26.13
25.88
25.87
25.79
25.57
25.25
25.13
24.71
24.33
24.26
23.51
23.22
23.05
23.01
22.49
22.47
22.36
21.88
21.73
21.62
21.14
20.87
20.84
20.39
17.64
17.41
16.88
16.58
16.57
15.86
6.52
Scientific 提供)に基づき日本総合研究所が編集
108~109
資料2-2
“Molecular Biology & Genetics”分野の論文被引用数に基づく機関ランキング/1995 年~2004 年の 10 年間を対象とした場合
「論文数」でサブ・ランキングした場合
4434
3493
3115
3005
2922
2746
2641
2546
2537
2525
2484
2433
2396
2331
2322
2279
2210
2199
2143
2066
2043
1991
1903
1890
1855
1780
1768
1756
1543
1526
1503
1493
1469
1466
1423
1378
1378
1372
1354
1322
1320
1145
1070
1066
1034
731
686
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
機関名
「一論文当たりの平均被引用頻度」でサブ・ランキングした場合
論文引用数
Max Planck Society
STANFORD UNIV
JOHNS HOPKINS UNIV
MIT
UNIV CALIF SAN DIEGO
YALE UNIV
NCI
WASHINGTON UNIV
UNIV PENN
COLUMBIA UNIV
BAYLOR COLL MED
UNIV WASHINGTON
UNIV CALIF BERKELEY
EUROPEAN MOLEC BIOL LAB
UNIV CAMBRIDGE
UNIV TOKYO
UNIV OXFORD
UNIV TORONTO
MASSACHUSETTS GEN HOSP
ROCKEFELLER UNIV
CNRS
MEM SLOAN KETTERING CANC CTR
UNIV CALIF LOS ANGELES
KYOTO UNIV
UNIV COLL LONDON
UNIV MICHIGAN
SCRIPPS RES INST
UNIV N CAROLINA
UNIV CHICAGO
DUKE UNIV
MCGILL UNIV
OSAKA UNIV
CHILDRENS HOSP
Cancer Res UK
CORNELL UNIV
NEW YORK UNIV
COLD SPRING HARBOR LAB
NICHD
UNIV WISCONSIN
UNIV MASSACHUSETTS
MRC
SALK INST BIOL STUDIES
UNIV UTAH
FRED HUTCHINSON CANC RES CTR
CASE WESTERN RESERVE UNIV
INST PASTEUR
VANDERBILT UNIV
出典:Essential Science Indicators データベース(1996 年 1 月~2006 年 6 月分、Thomson
161135
147209
130965
128242
124387
118248
112581
110169
107003
106445
106286
105825
104735
95763
91359
89619
85978
85346
76800
75181
74916
74882
74579
73378
72338
70363
68883
68225
64691
64664
63405
62409
62099
61554
61239
60298
59379
58996
57983
56538
54258
52277
51969
51753
50507
48655
48150
ランク
Max Planck Society
UNIV TOKYO
JOHNS HOPKINS UNIV
NCI
UNIV PENN
STANFORD UNIV
UNIV WASHINGTON
UNIV CAMBRIDGE
YALE UNIV
UNIV CALIF SAN DIEGO
BAYLOR COLL MED
CNRS
UNIV TORONTO
UNIV CALIF LOS ANGELES
WASHINGTON UNIV
COLUMBIA UNIV
KYOTO UNIV
UNIV CALIF BERKELEY
UNIV OXFORD
UNIV MICHIGAN
OSAKA UNIV
UNIV COLL LONDON
UNIV WISCONSIN
CORNELL UNIV
MCGILL UNIV
MIT
UNIV N CAROLINA
DUKE UNIV
EUROPEAN MOLEC BIOL LAB
INST PASTEUR
UNIV CHICAGO
NEW YORK UNIV
CASE WESTERN RESERVE UNIV
UNIV UTAH
UNIV MASSACHUSETTS
MRC
VANDERBILT UNIV
MASSACHUSETTS GEN HOSP
SCRIPPS RES INST
CHILDRENS HOSP
ROCKEFELLER UNIV
NICHD
FRED HUTCHINSON CANC RES CTR
MEM SLOAN KETTERING CANC CTR
Cancer Res UK
SALK INST BIOL STUDIES
COLD SPRING HARBOR LAB
論文数
ランク
ランク
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
機関名
「論文被引用数」に基づくランキング結果
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
機関名
COLD SPRING HARBOR LAB
MIT
SALK INST BIOL STUDIES
MEM SLOAN KETTERING CANC CTR
EUROPEAN MOLEC BIOL LAB
Cancer Res UK
ROCKEFELLER UNIV
MASSACHUSETTS GEN HOSP
STANFORD UNIV
NICHD
SCRIPPS RES INST
UNIV CALIF SAN DIEGO
FRED HUTCHINSON CANC RES CTR
UNIV CALIF BERKELEY
WASHINGTON UNIV
CHILDRENS HOSP
COLUMBIA UNIV
YALE UNIV
UNIV CHICAGO
BAYLOR COLL MED
JOHNS HOPKINS UNIV
NEW YORK UNIV
UNIV OXFORD
UNIV WASHINGTON
UNIV MASSACHUSETTS
MRC
UNIV N CAROLINA
NCI
DUKE UNIV
UNIV PENN
Max Planck Society
UNIV COLL LONDON
UNIV CAMBRIDGE
UNIV TORONTO
UNIV UTAH
VANDERBILT UNIV
CASE WESTERN RESERVE UNIV
MCGILL UNIV
UNIV MICHIGAN
KYOTO UNIV
CORNELL UNIV
UNIV CALIF LOS ANGELES
INST PASTEUR
CNRS
OSAKA UNIV
UNIV WISCONSIN
UNIV TOKYO
引用頻度
86.56
72.05
71.51
70.25
62.06
59.53
56.96
55.98
53.61
51.52
50.87
49.26
48.37
47.63
47.45
46.97
46.71
46.61
43.04
42.79
42.04
40.39
40.12
40.07
39.73
39.37
38.59
37.46
36.82
36.62
36.34
36.33
35.88
35.62
35.45
34.94
34.38
34.18
34.06
33.20
32.40
31.99
31.88
30.79
30.55
30.47
25.66
Scientific 提供)に基づき日本総合研究所が編集
110~111
資料2-3
“Physics”分野の論文被引用数に基づく機関ランキング/1995 年~2004 年の 10 年間を対象とした場合
「論文数」でサブ・ランキングした場合
31354
21905
16384
14697
13292
10574
10311
9415
9351
7832
7617
7354
7344
7234
6738
6686
6185
6119
5958
5617
5406
5373
5301
5264
5045
4822
4775
4691
4593
4557
4303
4299
4217
4209
4115
4108
4042
3995
3965
3963
3811
3234
3173
3114
2948
2861
2796
2570
2462
2230
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
機関名
「一論文当たりの平均被引用頻度」でサブ・ランキングした場合
論文引用数
Max Planck Society
UNIV TOKYO
MIT
IST NAZL FIS NUCL
RUSSIAN ACAD SCI
UNIV CALIF BERKELEY
CERN
STANFORD UNIV
TOHOKU UNIV
PRINCETON UNIV
UNIV CALIF SANTA BARBARA
LOS ALAMOS NATL LAB
UNIV CAMBRIDGE
CEA
CHINESE ACAD SCI
UNIV ILLINOIS
CNRS
ARGONNE NATL LAB
HARVARD UNIV
CALTECH
UNIV MARYLAND
BROOKHAVEN NATL LAB
OSAKA UNIV
UNIV PARIS 11
UNIV OXFORD
UNIV CALIF SAN DIEGO
KYOTO UNIV
IBM CORP
NATL INST STAND & TECHNOL
UNIV CALIF LOS ANGELES
UNIV LONDON IMPERIAL COLL SCI TECHNOL & MED
UNIV WASHINGTON
ETH ZURICH
TOKYO INST TECHNOL
AT&T
UNIV WISCONSIN
CORNELL UNIV
LAWRENCE LIVERMORE NATL LAB
OAK RIDGE NATL LAB
UNIV MICHIGAN
BOSTON UNIV
UNIV TEXAS
RUTGERS STATE UNIV
UNIV PENN
OHIO STATE UNIV
AIST
UNIV PARIS 6
UNIV MINNESOTA
UNIV ROMA LA SAPIENZA
PENN STATE UNIV
出典:Essential Science Indicators データベース(1996 年 1 月~2006 年 6 月分、Thomson
217927
160736
145829
144082
139219
125916
114768
113981
103262
102887
102741
102711
99618
98410
94005
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83198
82321
81322
80128
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77307
76759
76248
74012
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67732
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62757
62607
61397
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60095
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58618
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56403
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53105
52932
52662
52131
51121
50825
50743
50633
50137
49882
ランク
RUSSIAN ACAD SCI
CHINESE ACAD SCI
Max Planck Society
UNIV TOKYO
IST NAZL FIS NUCL
TOHOKU UNIV
CNRS
CEA
OSAKA UNIV
KYOTO UNIV
MIT
UNIV CALIF BERKELEY
UNIV CAMBRIDGE
LOS ALAMOS NATL LAB
UNIV PARIS 11
CERN
TOKYO INST TECHNOL
UNIV ILLINOIS
AIST
UNIV OXFORD
UNIV PARIS 6
UNIV MARYLAND
STANFORD UNIV
ARGONNE NATL LAB
PRINCETON UNIV
UNIV TEXAS
UNIV ROMA LA SAPIENZA
UNIV CALIF SANTA BARBARA
UNIV LONDON IMPERIAL COLL SCI TECHNOL & MED
UNIV WISCONSIN
OAK RIDGE NATL LAB
ETH ZURICH
UNIV CALIF SAN DIEGO
CALTECH
UNIV CALIF LOS ANGELES
UNIV MICHIGAN
PENN STATE UNIV
NATL INST STAND & TECHNOL
BROOKHAVEN NATL LAB
LAWRENCE LIVERMORE NATL LAB
HARVARD UNIV
CORNELL UNIV
OHIO STATE UNIV
UNIV WASHINGTON
RUTGERS STATE UNIV
IBM CORP
UNIV MINNESOTA
AT&T
BOSTON UNIV
UNIV PENN
論文数
ランク
ランク
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
機関名
「論文被引用数」に基づくランキング結果
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
機関名
UNIV PENN
AT&T
IBM CORP
UNIV CALIF SANTA BARBARA
BOSTON UNIV
STANFORD UNIV
HARVARD UNIV
PRINCETON UNIV
UNIV WASHINGTON
BROOKHAVEN NATL LAB
MIT
CALTECH
CORNELL UNIV
UNIV MINNESOTA
RUTGERS STATE UNIV
CERN
UNIV CALIF BERKELEY
UNIV CALIF SAN DIEGO
OHIO STATE UNIV
NATL INST STAND & TECHNOL
ARGONNE NATL LAB
UNIV CALIF LOS ANGELES
UNIV ILLINOIS
LAWRENCE LIVERMORE NATL LAB
UNIV MARYLAND
LOS ALAMOS NATL LAB
ETH ZURICH
UNIV LONDON IMPERIAL COLL SCI TECHNOL & MED
UNIV CAMBRIDGE
Max Planck Society
UNIV OXFORD
OAK RIDGE NATL LAB
UNIV MICHIGAN
UNIV WISCONSIN
PENN STATE UNIV
UNIV PARIS 11
UNIV TEXAS
UNIV TOKYO
IST NAZL FIS NUCL
UNIV ROMA LA SAPIENZA
CEA
TOHOKU UNIV
TOKYO INST TECHNOL
UNIV PARIS 6
KYOTO UNIV
AIST
OSAKA UNIV
CNRS
RUSSIAN ACAD SCI
CHINESE ACAD SCI
引用頻度
23.38
23.29
22.77
21.90
21.57
21.50
21.34
20.39
19.72
19.50
19.15
19.04
18.13
18.11
17.86
17.17
17.12
16.27
16.11
15.76
15.64
15.25
14.57
14.53
14.39
14.20
14.03
13.63
13.56
13.30
13.18
13.11
13.08
12.89
12.34
11.32
10.98
10.94
10.84
10.50
10.45
9.77
9.72
9.39
8.65
8.53
8.21
8.07
4.44
4.29
Scientific 提供)に基づき日本総合研究所が編集
112~113
資料2-4
“Chemistry”分野の論文被引用数に基づく機関ランキング/1995 年~2004 年の 10 年間を対象とした場合
「論文数」でサブ・ランキングした場合
30106
25333
11244
8857
8090
7671
7150
7086
6717
6371
6119
6107
5098
4995
4719
4708
4540
4418
4409
4237
4231
4048
3815
3538
3454
3417
3404
3396
3383
3362
3341
3293
3190
3052
2902
2708
2580
2537
2536
2419
2343
2333
2330
2140
2133
2123
2074
2045
1858
1676
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
機関名
「一論文当たりの平均被引用頻度」でサブ・ランキングした場合
論文引用数
Max Planck Society
CHINESE ACAD SCI
UNIV CALIF BERKELEY
KYOTO UNIV
UNIV TOKYO
RUSSIAN ACAD SCI
MIT
CNRS
HARVARD UNIV
ETH ZURICH
OSAKA UNIV
CALTECH
UNIV ILLINOIS
UNIV CAMBRIDGE
UNIV TEXAS
UNIV MINNESOTA
NORTHWESTERN UNIV
UNIV STRASBOURG 1
TOKYO INST TECHNOL
TOHOKU UNIV
SCRIPPS RES INST
CNR
CSIC
STANFORD UNIV
AIST
UNIV WISCONSIN
UNIV OXFORD
TECH UNIV MUNICH
YALE UNIV
UNIV LONDON IMPERIAL COLL SCI TECHNOL & MED
KYUSHU UNIV
TEXAS A&M UNIV
UNIV PARIS 6
UNIV N CAROLINA
HOKKAIDO UNIV
PENN STATE UNIV
UNIV CALIF SANTA BARBARA
NAGOYA UNIV
UNIV LUND
UNIV UTRECHT
UNIV CALIF LOS ANGELES
JST
ACAD SCI CZECH REPUBL
UNIV BOLOGNA
CORNELL UNIV
UNIV MICHIGAN
UNIV CALIF SAN DIEGO
UNIV PARIS 11
UNIV PENN
UNIV UTAH
出典:Essential Science Indicators データベース(1996 年 1 月~2006 年 6 月分、Thomson
157274
119082
116220
97808
95670
85433
84520
76704
76480
71055
69346
67183
67068
66251
63961
63035
62168
61647
60698
60274
60231
59704
57990
55873
53181
51605
51533
49210
47769
47133
46271
45287
44825
44434
43561
43283
43125
42132
41550
41474
40964
40933
40203
40150
39943
38736
37692
37658
37594
37594
ランク
RUSSIAN ACAD SCI
CHINESE ACAD SCI
Max Planck Society
KYOTO UNIV
UNIV TOKYO
CNRS
TOKYO INST TECHNOL
OSAKA UNIV
CSIC
CNR
AIST
TOHOKU UNIV
ACAD SCI CZECH REPUBL
UNIV CALIF BERKELEY
KYUSHU UNIV
UNIV CAMBRIDGE
ETH ZURICH
HOKKAIDO UNIV
UNIV TEXAS
UNIV ILLINOIS
UNIV PARIS 6
UNIV OXFORD
NAGOYA UNIV
UNIV MINNESOTA
TECH UNIV MUNICH
UNIV PARIS 11
MIT
JST
UNIV LONDON IMPERIAL COLL SCI TECHNOL & MED
UNIV BOLOGNA
UNIV STRASBOURG 1
UNIV WISCONSIN
TEXAS A&M UNIV
UNIV LUND
PENN STATE UNIV
NORTHWESTERN UNIV
HARVARD UNIV
STANFORD UNIV
UNIV MICHIGAN
UNIV UTRECHT
CORNELL UNIV
UNIV N CAROLINA
UNIV UTAH
UNIV PENN
CALTECH
UNIV CALIF LOS ANGELES
SCRIPPS RES INST
UNIV CALIF SANTA BARBARA
UNIV CALIF SAN DIEGO
YALE UNIV
論文数
ランク
ランク
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
機関名
「論文被引用数」に基づくランキング結果
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
機関名
CALTECH
HARVARD UNIV
SCRIPPS RES INST
YALE UNIV
MIT
UNIV CALIF BERKELEY
NORTHWESTERN UNIV
STANFORD UNIV
UNIV CALIF SANTA BARBARA
UNIV CALIF SAN DIEGO
UNIV CALIF LOS ANGELES
UNIV N CAROLINA
UNIV STRASBOURG 1
UNIV MINNESOTA
UNIV PENN
UNIV UTRECHT
CORNELL UNIV
UNIV UTAH
UNIV ILLINOIS
UNIV WISCONSIN
ETH ZURICH
UNIV MICHIGAN
PENN STATE UNIV
UNIV TEXAS
TECH UNIV MUNICH
TEXAS A&M UNIV
UNIV CAMBRIDGE
Max Planck Society
UNIV LONDON IMPERIAL COLL SCI TECHNOL & MED
UNIV LUND
UNIV OXFORD
JST
UNIV BOLOGNA
UNIV TOKYO
NAGOYA UNIV
KYOTO UNIV
UNIV PARIS 11
UNIV PARIS 6
CNRS
TOHOKU UNIV
HOKKAIDO UNIV
KYUSHU UNIV
OSAKA UNIV
CNR
AIST
CSIC
TOKYO INST TECHNOL
ACAD SCI CZECH REPUBL
CHINESE ACAD SCI
RUSSIAN ACAD SCI
引用頻度
31.50
29.64
29.04
28.50
24.83
23.27
22.96
22.02
21.09
20.29
19.30
19.05
18.45
17.82
17.57
17.15
17.05
16.13
15.83
15.67
15.65
15.27
14.91
14.51
14.25
14.20
14.07
13.99
13.93
13.61
12.73
12.05
11.94
11.83
11.04
11.04
11.02
10.59
10.00
9.87
9.86
9.81
9.79
9.37
8.69
8.63
8.49
7.89
4.70
2.84
Scientific 提供)に基づき日本総合研究所が編集
114~115
資料2-5
“Computer Science”分野の論文被引用数に基づく機関ランキング/1995 年~2004 年の 10 年間を対象とした場合
「論文数」でサブ・ランキングした場合
3255
2259
2108
2031
1933
1681
1656
1648
1624
1554
1372
1278
1256
1102
1093
1067
1065
1055
993
992
979
969
938
934
917
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831
822
820
811
802
792
777
758
729
716
699
699
696
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652
652
621
574
510
504
493
420
304
161
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
機関名
「一論文当たりの平均被引用頻度」でサブ・ランキングした場合
論文引用数
AT&T
IBM CORP
UNIV CALIF BERKELEY
MIT
STANFORD UNIV
UNIV ILLINOIS
UNIV TEXAS
ETH ZURICH
CARNEGIE MELLON UNIV
UNIV CALIF SAN DIEGO
UNIV MARYLAND
INRIA
PENN STATE UNIV
TECHNION ISRAEL INST TECHNOL
GEORGIA INST TECHNOL
UNIV OXFORD
PRINCETON UNIV
UNIV MINNESOTA
UNIV WASHINGTON
UNIV SO CALIF
TEL AVIV UNIV
CORNELL UNIV
UNIV CALIF LOS ANGELES
UNIV MICHIGAN
ARIZONA STATE UNIV
BRIGHAM YOUNG UNIV
COLUMBIA UNIV
UNIV UPPSALA
UNIV COLORADO
UNIV TORONTO
UNIV CAMBRIDGE
PURDUE UNIV
OHIO STATE UNIV
WEIZMANN INST SCI
UNIV CALIF DAVIS
NATL UNIV SINGAPORE
CALTECH
Max Planck Society
RUTGERS STATE UNIV
MICROSOFT CORP
ECOLE POLYTECH FED LAUSANNE
UNIV CALIF IRVINE
UNIV PENN
UNIV LONDON IMPERIAL COLL SCI TECHNOL & MED
UNIV WISCONSIN
HARVARD UNIV
LUCENT TECHNOL
UNIV WATERLOO
UNIV CALIF SANTA CRUZ
CNRS
出典:Essential Science Indicators データベース(1996 年 1 月~2006 年 6 月分、Thomson
21280
18792
13242
12889
12009
10307
8767
7190
6844
6134
5862
5782
5471
5399
5348
5128
5011
4863
4863
4856
4739
4702
4614
4430
4397
4382
4329
4107
4033
3935
3903
3779
3671
3621
3577
3528
3525
3478
3342
3330
3320
3243
3233
3233
3223
3186
3179
3172
3097
3095
ランク
IBM CORP
AT&T
UNIV TEXAS
MIT
UNIV ILLINOIS
STANFORD UNIV
CARNEGIE MELLON UNIV
UNIV CALIF BERKELEY
INRIA
NATL UNIV SINGAPORE
UNIV MARYLAND
GEORGIA INST TECHNOL
TECHNION ISRAEL INST TECHNOL
TEL AVIV UNIV
UNIV CALIF SAN DIEGO
UNIV WATERLOO
ETH ZURICH
PURDUE UNIV
UNIV SO CALIF
UNIV TORONTO
UNIV CALIF LOS ANGELES
UNIV LONDON IMPERIAL COLL SCI TECHNOL & MED
UNIV MICHIGAN
CNRS
ECOLE POLYTECH FED LAUSANNE
MICROSOFT CORP
UNIV MINNESOTA
UNIV WASHINGTON
RUTGERS STATE UNIV
UNIV WISCONSIN
Max Planck Society
UNIV CAMBRIDGE
CORNELL UNIV
PENN STATE UNIV
OHIO STATE UNIV
COLUMBIA UNIV
UNIV COLORADO
UNIV PENN
PRINCETON UNIV
UNIV CALIF IRVINE
HARVARD UNIV
LUCENT TECHNOL
UNIV CALIF DAVIS
UNIV OXFORD
WEIZMANN INST SCI
ARIZONA STATE UNIV
CALTECH
UNIV UPPSALA
UNIV CALIF SANTA CRUZ
BRIGHAM YOUNG UNIV
論文数
ランク
ランク
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
機関名
「論文被引用数」に基づくランキング結果
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
機関名
BRIGHAM YOUNG UNIV
UNIV CALIF SANTA CRUZ
UNIV UPPSALA
AT&T
UNIV OXFORD
ARIZONA STATE UNIV
UNIV CALIF BERKELEY
PENN STATE UNIV
PRINCETON UNIV
CALTECH
STANFORD UNIV
WEIZMANN INST SCI
ETH ZURICH
MIT
CORNELL UNIV
COLUMBIA UNIV
UNIV WASHINGTON
UNIV MINNESOTA
IBM CORP
UNIV COLORADO
UNIV CALIF DAVIS
UNIV CALIF SAN DIEGO
UNIV ILLINOIS
OHIO STATE UNIV
UNIV CAMBRIDGE
UNIV SO CALIF
HARVARD UNIV
LUCENT TECHNOL
UNIV CALIF IRVINE
UNIV MICHIGAN
UNIV CALIF LOS ANGELES
UNIV PENN
Max Planck Society
TEL AVIV UNIV
TECHNION ISRAEL INST TECHNOL
UNIV MARYLAND
GEORGIA INST TECHNOL
UNIV TEXAS
CARNEGIE MELLON UNIV
RUTGERS STATE UNIV
UNIV WISCONSIN
UNIV TORONTO
MICROSOFT CORP
ECOLE POLYTECH FED LAUSANNE
PURDUE UNIV
INRIA
UNIV LONDON IMPERIAL COLL SCI TECHNOL & MED
CNRS
UNIV WATERLOO
NATL UNIV SINGAPORE
引用頻度
27.22
10.19
9.78
9.42
8.93
8.72
8.04
7.22
7.20
7.15
7.14
7.10
6.75
6.35
6.05
6.05
5.92
5.85
5.77
5.77
5.76
5.61
5.33
5.04
4.93
4.89
4.89
4.88
4.82
4.72
4.71
4.63
4.34
4.30
4.30
4.27
4.18
4.16
4.13
4.08
3.97
3.97
3.93
3.62
3.58
3.56
3.34
3.31
2.97
2.27
Scientific 提供)に基づき日本総合研究所が編集
116~117
資料2-6
“Mathematics”分野の論文被引用数に基づく機関ランキング/1995 年~2004 年の 10 年間を対象とした場合
「論文数」でサブ・ランキングした場合
3343
2785
2357
2158
1804
1661
1574
1500
1486
1433
1351
1261
1216
1172
1150
1137
1105
1098
1097
1096
1079
1064
1055
1027
1017
1000
986
973
964
961
957
926
888
886
867
856
840
797
789
788
731
715
709
708
686
625
604
520
491
361
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
機関名
「一論文当たりの平均被引用頻度」でサブ・ランキングした場合
論文引用数
UNIV PARIS 6
UNIV CALIF BERKELEY
HARVARD UNIV
STANFORD UNIV
UNIV MICHIGAN
UNIV MINNESOTA
UNIV WISCONSIN
UNIV WASHINGTON
MIT
CORNELL UNIV
RUTGERS STATE UNIV
UNIV CALIF LOS ANGELES
UNIV PARIS 11
NEW YORK UNIV
UNIV ILLINOIS
UNIV TEXAS
PRINCETON UNIV
UNIV CHICAGO
CHINESE ACAD SCI
TEXAS A&M UNIV
RUSSIAN ACAD SCI
TEL AVIV UNIV
CNRS
PENN STATE UNIV
PURDUE UNIV
COLUMBIA UNIV
UNIV WATERLOO
UNIV TORONTO
GEORGIA INST TECHNOL
OHIO STATE UNIV
MOSCOW MV LOMONOSOV STATE UNIV
JOHNS HOPKINS UNIV
UNIV N CAROLINA
UNIV LONDON IMPERIAL COLL SCI TECHNOL & MED
NATL UNIV SINGAPORE
UNIV TOULOUSE 3
ECOLE POLYTECH
N CAROLINA STATE UNIV
HEBREW UNIV JERUSALEM
UNIV CAMBRIDGE
CALTECH
UNIV MARYLAND
UNIV OXFORD
AT&T
TECHNION ISRAEL INST TECHNOL
AUSTRALIAN NATL UNIV
UNIV NEW S WALES
CARNEGIE MELLON UNIV
UNIV MISSOURI
UNIV FLORIDA
出典:Essential Science Indicators データベース(1996 年 1 月~2006 年 6 月分、Thomson
9544
9398
8699
8456
7320
7311
6876
6575
6377
6222
6180
6071
5901
5535
5518
5221
4953
4917
4774
4744
4521
4518
4295
4202
4155
4117
4077
3986
3966
3932
3838
3812
3768
3746
3668
3650
3556
3496
3457
3455
3394
3367
3365
3359
3357
3297
3284
3234
3188
3186
ランク
MOSCOW MV LOMONOSOV STATE UNIV
RUSSIAN ACAD SCI
UNIV PARIS 6
CHINESE ACAD SCI
UNIV ILLINOIS
UNIV WISCONSIN
UNIV CALIF BERKELEY
UNIV MICHIGAN
RUTGERS STATE UNIV
UNIV PARIS 11
UNIV TEXAS
UNIV MINNESOTA
CNRS
MIT
PENN STATE UNIV
HARVARD UNIV
TEL AVIV UNIV
UNIV TOULOUSE 3
OHIO STATE UNIV
TEXAS A&M UNIV
NATL UNIV SINGAPORE
UNIV WATERLOO
TECHNION ISRAEL INST TECHNOL
HEBREW UNIV JERUSALEM
UNIV CALIF LOS ANGELES
UNIV TORONTO
PURDUE UNIV
CORNELL UNIV
UNIV WASHINGTON
STANFORD UNIV
UNIV N CAROLINA
PRINCETON UNIV
UNIV MISSOURI
UNIV MARYLAND
GEORGIA INST TECHNOL
UNIV CHICAGO
ECOLE POLYTECH
NEW YORK UNIV
UNIV FLORIDA
AUSTRALIAN NATL UNIV
UNIV NEW S WALES
N CAROLINA STATE UNIV
UNIV CAMBRIDGE
COLUMBIA UNIV
UNIV LONDON IMPERIAL COLL SCI TECHNOL & MED
UNIV OXFORD
CALTECH
CARNEGIE MELLON UNIV
JOHNS HOPKINS UNIV
AT&T
論文数
ランク
ランク
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
機関名
「論文被引用数」に基づくランキング結果
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
機関名
AT&T
STANFORD UNIV
JOHNS HOPKINS UNIV
HARVARD UNIV
NEW YORK UNIV
UNIV WASHINGTON
CORNELL UNIV
CARNEGIE MELLON UNIV
UNIV CALIF BERKELEY
UNIV CALIF LOS ANGELES
COLUMBIA UNIV
UNIV MINNESOTA
UNIV CHICAGO
CALTECH
UNIV LONDON IMPERIAL COLL SCI TECHNOL & MED
MIT
UNIV OXFORD
PRINCETON UNIV
N CAROLINA STATE UNIV
UNIV MICHIGAN
UNIV CAMBRIDGE
GEORGIA INST TECHNOL
UNIV NEW S WALES
TEXAS A&M UNIV
ECOLE POLYTECH
PURDUE UNIV
AUSTRALIAN NATL UNIV
RUTGERS STATE UNIV
UNIV WISCONSIN
UNIV PARIS 11
TEL AVIV UNIV
UNIV PARIS 6
UNIV FLORIDA
UNIV TORONTO
UNIV N CAROLINA
UNIV TEXAS
UNIV WATERLOO
UNIV MARYLAND
PENN STATE UNIV
UNIV MISSOURI
OHIO STATE UNIV
CNRS
NATL UNIV SINGAPORE
HEBREW UNIV JERUSALEM
UNIV TOULOUSE 3
TECHNION ISRAEL INST TECHNOL
UNIV ILLINOIS
CHINESE ACAD SCI
RUSSIAN ACAD SCI
MOSCOW MV LOMONOSOV STATE UNIV
引用頻度
9.30
8.80
7.76
7.65
6.94
6.82
6.39
6.22
5.97
5.97
5.81
5.80
5.74
5.62
5.46
5.44
5.38
5.35
4.89
4.88
4.87
4.57
4.49
4.33
4.23
4.21
4.18
4.16
4.14
4.12
4.09
4.05
4.04
3.99
3.94
3.86
3.83
3.80
3.65
3.59
3.58
3.53
3.40
3.37
3.32
3.18
3.06
2.21
1.62
1.15
Scientific 提供)に基づき日本総合研究所が編集
118~119
資料3
委員名簿(敬称略)
「世界トップクラスの研究拠点調査」検討委員会
座長
後藤
晃
政策研究大学院大学
客員教授
北澤
宏一
科学技術振興機構
角南
篤
政策研究大学院大学
小原
雄治
国立遺伝学研究所
所長・教授
土居
範久
中央大学理工学部
情報工学科教授
戸塚
洋二
日本学術振興会学術システム研究センター長
理事
(ナノテクノロジー・材料分野)
助教授
(イノベーション全般)
(ライフサイエンス分野)
(情報通信技術分野)
(基礎科学/素粒子
物理)
西岡
秀三
独立行政法人
山口
栄一
同志社大学大学院ビジネス研究科教授
(なお第2回検討委員会は、西川
国立環境研究所
公一郎
理事
(環境分野)
(イノベーション全般)
高エネルギー加速器研究機構
員の代理として検討委員会に出席)
120
教授が戸塚委
本件に係る調査実施体制及び参加者一覧
本報告書は、平成 18 年度に実施した「米国における世界トップクラスの研究拠点調査」
の調査結果を取りまとめたものである。
調査の全体的な運営については科学技術政策研究所が担当し、米国調査業務に関しては
科学技術政策研究所、及び委託先である株式会社
日本総合研究所が実施した。なお、調
査にあたっては、多くの有識者の方々の御協力を得ている。ここに、ご協力を頂いた方々
に対して、厚く御礼申し上げる。本調査の実施体制は以下のとおりである。
(平成 19 年 3 月 31 日現在)
科学技術政策研究所
永田
晃也
第 2 研究グループ客員総括主任研究官
上野
彰
第 2 研究グループ主任研究官
上野
泉
第 2 研究グループ研究員
(現地調査/分析)
大西
宏一郎
第 2 研究グループ研究員
(現地調査/分析)
金間
大介
科学技術動向研究センター研究員
篠﨑
香織
第 2 研究グループ客員研究官
(現地調査/分析)
第 2 研究グループ客員研究官
(現地調査/分析)
長谷川
光一
(全体統括)
(現地調査/取りまとめ)
(現地調査/分析)
福島
真人
第 2 研究グループ客員研究官
(分析)
細野
光章
第 2 研究グループ客員研究官
(現地調査/分析)
矢﨑
敬人
第 2 研究グループ客員研究官
(現地調査/分析)
清水
佳代子
第 2 研究グループ事務補助員
(調査補助)
121
株式会社
日本総合研究所
金子
直哉
創発戦略センター上席主任研究員
槌屋
詩野
創発戦略センター
研究員
122
Fly UP