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ゲートの世界にHALOの軍隊が出現したら… ID:60266
ゲートの世界にHALOの 軍隊が出現したら… ライダーGX ︻注意事項︼ このPDFファイルは﹁ハーメルン﹂で掲載中の作品を自動的にPDF化したもので す。 小説の作者、 ﹁ハーメルン﹂の運営者に無断でPDFファイル及び作品を引用の範囲を 超える形で転載・改変・再配布・販売することを禁じます。 ︻あらすじ︼ 不幸な事で死んだ若者は神の計らいである世界へと生き返ると同時に新たな物語が 進む。 その世界は魔法が使える世界であった。 目 次 プロローグ │││││││││ 特地編 第1話 自衛隊との接触 │││ 第2話 第3偵察隊との対話 │ 第3話 集落の生き残り │││ 第4話 避難の先は⋮ 前編 │ 第5話 避難の先は⋮ 後編 │ 第6話 炎龍 ││││││││ 主人公 登場人物紹介 ││││ 第 9 話 巻 き 込 ま れ る イ タ リ カ 第10話 戦闘準備 │││││ 第 1 1 話 S P A R T A N 前 編 第 1 2 話 S P A R T A N 後 編 第13話 協定条約 │││││ 第14話 早すぎる条約破り │ 第15話 お茶会と平手打ち │ 第 1 6 話 姫 い ざ ア ル ヌ ス へ 175 164 152 第17話 姫 日本へ出向 ││ 194 第7話 アルヌスFOB基地 │ 第8話 イタリカへの準備 ││ 118 102 131 143 184 1 9 17 25 48 36 58 69 78 89 │ 参考人&コヴナント編 第 1 8 話 U N S C 日 本 上 陸 第19話 参考人による言葉 │ 第20話 元嫁の元に ││││ 第 2 7 話 コ ヴ ナ ン ト 遭 遇 後 編 第28話 帝都へ・・・ │││ 炎龍編 第 3 0 話 支 配 的 な 男 ゾ ル ザ ル 第29話 更なる問題 ││││ 326 337 第31話 静かなる怒り │││ 第32話 宮殿での戦闘 │││ 第33話 討伐依頼 前編 ││ 第34話 討伐依頼 中編 ││ 第35話 討伐依頼 後編 ││ 第36話 炎龍 再び ││││ 421 407 399 389 377 365 第21話 神からの報告 │││ 第22話 休暇の終わり │││ 第23話 制裁 │││││││ 第24話 帰投 前編 ││││ 第25話 帰投 後編 ││││ 第 2 6 話 コ ヴ ナ ン ト 遭 遇 前 編 291 281 271 258 247 234 219 316 351 208 304 │ プロローグ ﹂ ある白い空間、そこに一人の男性が浮いていた。 ⋮あれ、⋮俺は一体 ? 確か俺は⋮﹂ ? ﹁うわっ 浮いてるし俺 ﹂ !? ﹂ ? っと健二は後ろを振り向くとそこにはひげを生やした年寄り爺さんが居て。それに ﹁はっ ﹁少しは落ち着かんか。馬鹿者が﹂ ! そして健二は自分が浮いている事に気付きそれに慌ててしまう。 ﹁思い出した⋮、俺⋮意識を失って⋮死んだんだ﹂ 代わりに健二がトラックに轢かれてしまって、そして⋮。 所を、健二がそこを通りかかって助けて。 の青年、ある日に健二は一人の女の子が道路を渡る途中にトラックにひかれそうになる 健二は今までの事を思い出しながら考える、健二は何処でもいるたたの平凡な26歳 ﹁俺⋮何でここに 気が付いた彼⋮﹃安藤 健二﹄は意識を取り戻して辺りを見渡す。 ﹁う∼⋮ ? 1 ﹂ 健二は尋ねる。 ﹁アンタ⋮誰 バコン ﹁人に名を聞く時はまずはお主から聞くのが礼儀じゃろう﹂ ? ﹁いてっ バコ ﹂ 年寄りに向かって何じゃ 叩くな爺 と !! ! ﹂ !! 神様であるあなたが 健二はその少女に思わず見て、爺さんはその少女に気付く。 ﹂ !! ? って言うか何しているんですか ! ﹁何じゃ﹃レミ﹄。居ったのか ! あり得ねぇ !!!??? して⋮。 あんた神様だったのか∼∼∼ !!!!???? レミと言われる少女は爺さんを神様と言い、それに健二は思わず固まってしまい、そ ﹁居りました ﹂ っと二人の間に一人の少女が割り込んで来て、それに二人は思わず動きを止める。 ﹁待って下さい 健二に叩かれた爺さんはそれにキレて、健二と喧嘩になりそうになるが⋮。 ﹁アダ ﹂ っと健二は爺さんが持つ杖に叩かれる。 ! !? ! !? ! ﹁ええ∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼ プロローグ 2 ∼ ﹂ そんなに可笑しいか ﹂ !? いきなり叩いてきた爺さんが神様なんてあり得ねぇだろう ﹁何じゃその言い方は ! ﹂ 貴方はすぐに人を叩くのはおやめください。そして健二さん、 こんな形とは何じゃ ﹂ !! ﹂ していた、健二は自分の名前を言った覚えはないからだ。 ﹁あれ⋮俺名前なんて言った覚えはないぞ ? ? ﹁言わなくても大丈夫ですよ。貴方の名前は既に知っていますよ 神様の孫娘のレミです﹂ ﹁ええ∼∼ 君この神様の孫娘なの ﹂ !? ﹁だから何故そこでそうなるのじゃ ﹂ ﹁はい。信じられないのは分かりますよ﹂ !!? 何せレミが神様の孫娘と聞かされたら絶対に驚かない筈がないからだ。 っと健二はまたしても固まってしまう。 安藤健二さん、私は 神様はレミが言った言葉に思わずぐちぐちと言うが、健二は彼女が言った言葉を気に ﹁おいレミ ! この方はこんな形でも神様です。それはご承知を﹂ ﹁そこまでです。神様 っと口喧嘩を初めてしまう二人、それにレミは呆れてしまい、また二人の間に入る。 ! !!? ﹁当たり前じゃねか !!? ? 3 !! ﹂ ﹂ ﹂ ﹂ を出しながら見ていて。 まあよい。え∼安藤健二よ、お主がどうして此処にいるかわかるな レミが言葉を漏らす。 ﹁⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮はい まあ 冗談じゃねぇぞ ﹂ 俺あんたのふざけた本を捨てた影響で死んだって言うの !!! !!! ﹂ 落ち着け お詫びとしてはなんじゃ、代わりに好きな世界に送って生き !? ﹁⋮ちょっと待てふざけるな いたら、怒りが出て来るのは分かる筈だった。 健二の言葉に思わず固まってしまう。自分が死んだのは同人誌を捨てる時にだと聞 ? ? レミの言葉にまたしても神様は言葉を吠えるのだった。 ﹁ごほん ﹁あー⋮大体は予想が付く。俺が死んだから どうしてあんたが原因なんだ ? するとレミが気まずそうな表情になり、それに健二が頭に ﹁それは⋮﹂ ﹁はぁ っと気まずそうな様になる神様に、健二は頭を傾げる。 ﹁そうじゃ、じゃがその死んだ原因はワシにあるんじゃ⋮﹂ ? ! ﹁神様が古い同人誌を捨てる同時に貴方の命をも一緒に捨てて⋮﹂ ? ? 俺あのトラックで死んだんじゃないのか ! ! か ! !? 返らせてやるわ ! ﹁ま プロローグ 4 好きな世界に生き返らせる ﹂ っと健二はその事に思わず口が止まる。 ﹁えっ ﹁そうじゃ、お前さんが今行きたい世界に連れてってやるわ。どこが良い ? たいからだ ﹂ ﹂ ﹂ ! 異世界に繋がる世界で俺は足を踏み入れ なら﹃ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり﹄の世界にだ ﹁よし ﹂ ? ﹁今俺が見ているアニメで面白いからだよ 何故あの世界にだ ﹁ほう ! 何じゃ ﹂ ﹁ああ∼ちょっと待った ﹁ん ﹁UNSC軍 ﹂ ? ﹂ 出来ればもう一つお願いがあるんだけど あのHALOゲームのか ﹁あっちの世界のUNSC軍を出して欲しいんだけど 神様はそれに振り向く。 ? ? ? ? ! ﹂ ﹁ふ∼ん、まあお前さんが行きたいと言うなら良いじゃろう。それじゃ│││﹂ を流すレミ。 っと健二は天に指を刺しながらドヤっとする表現をし、それに呆れる神様に一滴の汗 !! ! ? げる。 そう神様の言葉に健二は考え込み、そして健二は今自分が一番行きたい世界の事を告 ? ? 5 ? ﹁知っているんですね⋮﹂ 俺は一度着てみたい ﹁神様 ふざけてるのですか ﹂ ちゃんと聞く !! ちゃんと聞くから ! き、レミは健二に聞く。 1から4までやって来たんだ ﹂ 嫌いなはずがない ﹁健二さんはそのゲームをいつもしているのですか ﹁ああ ﹂ !! ? っと神様は健二の頭に手を置き、何かを読み取っていた。 ﹁ああそうかい、ではまず初めに⋮﹂ ! ﹂ それに健二は神様の行動に分からずでいた。 理解した では ! ! ? ﹁お前さんの記憶を探っておるのじゃ⋮、⋮なるほどなるほど。ふむ ! そう聞いてレミは頷いて斧をしまい、冷や汗をかいた神様はホッとした様子で落ち着 !! っと大きな斧を持って構えていて、それを見た神様は大慌てする。 ? すまんすまん ﹂ あのマスターチーフが着ていたあのパワードスーツを レミはその事に思わず呟き、それに健二は頷きながら言う。 ﹂ ﹁あ あ !! 目を輝かせながら言う健二に鼻をほじくる神様。それをレミは⋮。 !! ? ﹁おわあああああああ !! !! ﹁何してんの プロローグ 6 まずはこれから行くぞ ﹂ 俺は遂に着れた⋮ スパルタンのスーツを っと神様はまた杖を使い、空中に無数の艦隊を表す。 ﹁おお 俺の知らない戦艦があるぞ ﹂ !? ﹁ありがとうな 神様 ﹂ ﹁ふむ、それじゃ送るとするぞ !! ﹂ !! ﹂ ﹂ そして健二は神様にゲートの世界へと送られ、大艦隊達と共に光となって消えていっ ﹁ああ ﹁頑張って下さいね♪﹂ それに健二は頷いて、レミは笑みを見せながら言う。 ? ! そう神様は健二に言い、健二は満面な笑顔で礼を言う。 るとよい﹂ ﹁それはわしからのプレゼントじゃ、まあ他にもたくさんあるが後はお前さんが確認す ! それはUNSC軍の大艦隊であり、その中核となる巨大戦艦が飛んでいた。 ! パルタンアーマーであった ﹁うお∼∼∼ ! ! っと神様は杖を使って健二にある物を着せる、それはパワードスーツと言えるあのス ! ﹁良かったの。それとこれ等もじゃ﹂ ! 7 た。 送ったのを見届けた神様とレミ、レミは神様の方を見て言う。 ﹁ねえ神様、念の為にもう少しだけある物を送ってあげましょうよ﹂ 神様はある﹃設計図﹄を出して、健二達が居る大艦隊のもとへと送った。 ﹁そうじゃのう⋮。よし、これ等を送るか﹂ プロローグ 8 特地編 ﹂ ? フィンクス﹄へよく来た﹂ ? 重要な拠点である戦艦でもある。さあ付いて来たまえ、この艦を案内しよう﹂ ﹁UNSCスフィンクスはあのUNSCインフィニティを遙かに上回る大きさ、そして 健二は聞き覚えのない名前に頭を傾げ、それにオルブは答える。 ﹁⋮UNSCスフィンクス ﹂ ﹁ようこそスパルタン健二。私の名はオルブ・ハレルソン。我が旗艦である﹃UNSCス しき男性が立っていた。 っと健二の言葉に返答する声が聞こえ、それに健二は後ろを振り向くと最高司令官ら ﹁そうだ﹂ ﹁ここが⋮艦の中 それもスパルタンアーマーを着ながら。 覚ますと見渡しの良いある観測デッキに立っていた。 ゲートの世界にある星の軌道上、UNSC軍大艦隊はその場所から現れ、健二は目を 第1話 自衛隊との接触 9 そう言ってオルブは部屋と出ようとし、それに健二は慌てて後を追いかける。 ﹂ オルブの後を追いかける健二は艦の中を隅々まで案内され。その巨大な戦艦の中を 少々息を切らせながら問う。 ﹁はぁ⋮はぁ⋮、どんだけデカい戦艦何だよ⋮ 健二はそう呟きながらオルブの後を追いかけ、そして再び観測デッキへと向かう。 ﹁す、すげぇな∼⋮﹂ ない﹂ 回っている。無論それを補うシールドもまた強力、決してこの艦に傷をつける事は出来 ﹁こ の U N S C ス フ ィ ン ク ス は 全 長 約 1 0 ㎞、U N S C イ ン フ ィ ニ テ ィ を 5 ㎞ 以 上 上 ? っと健二はオルブが指差す方を見ると、その先にはUNSCインフィニティ級が七隻 ﹁健二、あれを見たまえ﹂ ﹂ !? も居た。 インフィニティ級が七隻もある ! ﹁まずは車両製造艦、現地に必要な車両を製造する為に造られた専用艦。次に航空製造 そう言ってオルブはその艦たちの役割を言う。 れぞれ役割がある﹂ ﹁そうだ、この艦を中心とする他に七隻の艦が存在するんだ。その艦の内の七隻にはそ ﹁うわ 第1話 自衛隊との接触 10 艦、現地への航空支援、必要な物資運搬を必須とする航空機。それらを作るのがこの艦 だ。 そして研究開発艦、あの艦は日々新しい武器や装備を開発している。無論君が着てい るスパルタンアーマーもあそこで開発されている。そして次に物資補給艦、あの艦は食 糧や水、燃料と物資を各艦に回している。 あれがあればどんな場所でもどんな銀河系でも行く事が出来る、言わば無限補給艦と 言えるだろう。そして修理整備艦、あの艦はあらゆる車両や兵器、そして武器や装備を 修理する場所であるのだ。次に兵舎艦。UNSC海兵隊が暮らす必要な艦だ。あれが 無ければ兵士の規律も悪くなり、問題ばかり起きる。 そして最後に基地建設艦、いくらこの艦が旗艦でもこのまま降下して基地にする訳に も行かん、そこであの艦から地上に前線基地を建設して、地上の行動、調査、作戦行動 を遂行するんだ﹂ ﹁︵うわ∼⋮、凄い数︶﹂ 居るんだ﹂ る。これだけの数だ、兵士も50万か100万以上の者が居れば研究員の数も10万は ﹁無論当然だ、護衛艦にはパリ級重フリゲート艦とオータム級重巡洋艦が数百隻以上い ﹁すっげ⋮、そんなに必要な艦が揃っているなら当然護衛艦がある筈⋮﹂ 11 そう思い健二は再びインフィニティ級を見ていると、隣の端末からホログラフィック で出て来る女性AIが出て来る。 ﹃司令、艦長が部隊の準備と基地建設の準備が整いました﹄ ﹁ご苦労だユフィ、健二、紹介しよう。このスフィンクスの制御と管理を任しているAI のユフィだ﹂ 俺AI何て初めて見た﹂ ﹃初めましてスパルタン健二。私はこの艦のAIユフィです﹄ ﹁へぇ∼ いくら何でも無茶過ぎない ﹂ 健二、急で悪いが今から君に任務を与えたいのだ﹂ いきなり ? 心配はない 既に神からそのスーツを受け取った際に身体にかなりの高度 しかしオルブはそれに笑いながら言う。 程度あるだけ。とても実戦何て無理な話し。 彼は実戦どころか軍隊訓練を受けていないのだ。銃の方はグアムでの射撃場で数回 ? ﹁ゴホン 健二はAIを見た事に感動を覚え、オルブは咳払いをして健二を呼ぶ。 ? ! そう健二はオルブに抗議する。 ﹁えっ ? ! ズを凌ぐ程の実力だ ﹂ な訓練を入れ込んでいるのだ。その実力はアメリカ海軍の特殊部隊。ネイビーシール ﹁ははは ! ! 第1話 自衛隊との接触 12 ﹁え⋮マジ いた。 ﹂ それに健二は驚きを隠せない、神様はとんでもないサプライズな能力を健二に与えて ? ? 混合部隊、ラプターチームのリーダーを務めて貰います﹄ 大丈夫なのかそれ ? ﹃心配はありません、我が部隊のスパルタンとODSTは意気投合してますから﹄ は仲が悪かった筈⋮﹂ ﹁スパルタンとODSTの混合部隊 元々スパルタンとODST ﹃スパルタン健二、貴方はその降下艇に居るスパルタンと海兵隊特殊部隊のODSTの 地上に降りる為に降下艇ペリカンに向かう健二、するとユフィから無線連絡が入る。 ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ 健二はオルブの言葉に素直に頷くしかなかった。 ﹁⋮そうさせてもらいます﹂ う﹂ ﹁しかしそれでも心配と言うのであれば、地上に降りた後で射撃訓練をすればいいだろ 13 ﹁なら良いけど⋮﹂ ︶﹂ 宜しくお願いします ﹂ そう思いつつも健二は降下艇に乗り込むと、そこには約6名のODSTと5名のスパ ルタンが居た。 ﹁よ⋮よろしく︵すげぇ⋮、上手く出来るかな俺 ﹁はいリーダー、武器です﹂ 降下艇の中でアシェリーは健二にアサルトライフルとハンドガンを渡す。 そう考えつつも降下艇はUNSCスフィンクスを出て、地上の方へと向かって行く。 ? ! その中でODSTの一人の女性隊員が前に出て、敬礼をする。 この部隊の副隊長を務めますアシェリーです ! っと他の皆が一斉に敬礼をし、健二はそれに少々戸惑いを見せながらも頷く。 ﹁リーダー ! ノンを二門装備している﹃クーガー歩兵戦闘車﹄、そして輸送専用車両を目的として作ら 次にまた別の降下艇が三機やって来て、UNSC地上車両のワートホグとガウズキャ び空へと飛んで行き、艦隊へと戻って行く。 そして降下艇は地上へと到着して、ラプターチームは降下艇から降りて、降下艇は再 ンを太腿に固定させる。 そう健二は渡されたライフルを見て、決心を決めながらライフルを背中に、ハンドガ ﹁おうありがとう、⋮これがか﹂ 第1話 自衛隊との接触 14 れた定員10まで乗る﹃キャリゲーター輸送車﹄を地上に切り離して行った。 残されたラプターチームはまず状況確認をする。 ﹁ん どうした ﹂ ? それを見た健二はすぐにチームに警告する。 とした。 そして他の隊員は数人降りて来て警戒をしていて、それにチームの皆も警戒をしよう 降りて来た。 健二達率いるラプターチームの前に止まり、高機動車の助手席から一人の男性自衛官が っと自衛隊車両である﹃高機動車﹄と﹃軽装甲機動車﹄に﹃73式小型トラック﹄が ﹁はい、あれってどう見ても﹃自衛隊﹄ですよね﹂ ﹁あれって⋮﹂ その車両に健二はとても見覚えのある車両であった。 ちらに向かって来て、その車両どちらもが﹃特地﹄と書かれていた。 健二がアシェリーの方向を向き、アシェリーが見る方を見ると。緑色の車両三台がこ ? ﹁あの⋮リーダー﹂ っと健二がそう言った時にアシェリーが⋮。 ﹁さてと⋮、まずは││﹂ 15 ﹁待て ﹂ 警戒を解け ﹁リーダー ﹂ !! ﹂ ﹂ ? ﹁ああ、あんた等は⋮ ? ﹁あの⋮言葉分かる っとその男性自衛官が健二の言葉が日本語である事に驚き、その事に問う。 ? ! これが健二達ラプターチームと伊丹達第3偵察隊の出会いであった。 ﹁だ、第3偵察隊の隊長の伊丹 耀司だ﹂ 第1話 自衛隊との接触 16 第2話 第3偵察隊との対話 ﹁第3偵察隊⋮﹂ 健二は伊丹が放つ部隊名を聞いて呟いてる中、伊丹の部下の副隊長の﹃桑原 惣一郎 警戒は解いてくれ。あっちは警戒を解いているんだ。こっちも 陸曹長﹄が部下たちに命令する。 ﹃総員警戒﹄ ﹁待ったおやっさん 警戒を解こう﹂ ﹂ ﹁出来ればそっちも名乗ってくれたら、嬉しいんだけど⋮﹂ そう伊丹は二人にそう言い聞かせた後、健二に向かって問う。 ﹁大丈夫だって。任せて﹂ ﹁もし向こうが⋮﹂ ﹁良いんですか隊長 志乃二等陸曹﹄が側に来る。 っと伊丹は無線機で桑原にそう命令をし、その近くに﹃富田 章二等陸曹﹄と﹃栗林 ﹃了解﹄ ! ? 17 っと健二は一度アシェリーと面を合わせ、アシェリーはそれに頷き、チームの皆もそ れに頷いて見ていて。 それに健二は伊丹達の方を向いて、ヘルメットを取りながら名乗る。 ﹁UNSC軍特殊部隊ラプターチームのリーダー、安藤 健二だ﹂ そう健二が放った言葉に伊丹達は驚きの表情を露わにするのだった。 じゃあそっちは宇宙での航行の時に変な渦巻きの穴に ﹂ 健二達と伊丹達は一度野営を開いて、自分達の事情を話していた。 ﹁へぇ∼ ? そしてその中で栗林は何だか残念そうな表情をする。 界で生き返ったのだからっとそんな事実を話す事は出来ないからだ。 何せ嘘の情報を流してるのだ、本当は神様の力でこの世界に送られて、健二はこの世 るしかなかった。 アシェリーが伊丹達に自分達の事を説明している中、健二はその事に思わず呆れかえ の惑星上に到着したんです﹂ ﹁はい、私達は大艦隊での作戦行動中にその空間歪曲に飲み込まれてしまって、それでこ ? ﹁はい ﹂ ﹁はぁ⋮こんな人もまさか〝オタク〟だったなんて﹂ 第2話 第3偵察隊との対話 18 ? その事にアシェリーは振り向く。 この人と∼ ﹂ ﹁だってそんな話を聞いてると段々この人の様な感じに聞こえるんだもん 界の住人は居ますか それにこの科学力を持つ人たちも居ますか ﹁それでこっちも聞くけど、そっちはどうなの っと伊丹が今までの事を健二達に話す。 ﹁えっ⋮ああ、こっちの方は⋮﹂ │回想│ ﹂ ﹂ ? オタクな 20XX年、東京銀座で突如発生した門、そこから異世界の怪物達が現れて、数多く ? そして健二は伊丹に事情を聴く。 っとアシェリーの言葉に栗林は思わず言葉が止まる。 ? ﹁失礼を申し上げますが、私達の言葉は事実です。第一この装備を着込んでいるこの世 しかしアシェリーは真面目な表情で栗林に言う。 丹の部下の﹃倉田 武雄三等陸曹﹄も苦笑いするしかなかった。 栗林は伊丹の方を指さして、それには伊丹は苦笑いするしかなく。隣で聞いていた伊 !! !? 19 の人々が命を奪われた。 そこへ自衛隊が出動して、何とか勝利を物にした自衛隊。しかしその裏では多くの 人々を救った伊丹が後に銀座の英雄⋮﹃二重橋の英雄﹄と呼ばれる事となる。 そして三か月後、自衛隊は﹃特地﹄と呼ばれる世界に派遣する事となり、伊丹も当然 それに含まれる事となる。 特地の派遣後、三度の敵の攻撃を撃退したのは良い物の、今後の法案を通す為に調査 が必要と判断した。 作戦部司令部では⋮。 ﹁っと言う訳で、今後の方針を決める為にも。我々はこの地の人間、産業、政治経済の調 査が必要となった﹂ 伊丹の上官に当たる人物﹃檜垣 統三等陸佐﹄が伊丹を呼んで、この状況の説明をし ていた。 君が行くんだ ﹂ それが良いかもしれませんね﹂ ﹁良いかもじゃない ! ? ﹁はっ ﹂ ﹁嫌です﹂ そう檜垣三佐はそう伊丹に命令するが⋮。 ! ﹁調査⋮ですか 第2話 第3偵察隊との対話 20 ?! ﹂ その事に檜垣は思わず唖然とする。あまりにの即答に驚いてしまったからだ。 ﹁まさか一人で行けと ﹂ ﹁はぁ⋮まあそう言う事なら﹂ ﹁よろしい それに檜垣三佐は頷いて、伊丹に命令する。 第3偵察隊の指揮を命じる ! 伊丹の話を聞いた健二達は頷きながら納得する。 ﹁っと言う訳﹂ │回想終了│ 達と接触したのであった。 伊丹は第3偵察隊の指揮を命じられ、調査の為に旅立ったのだが、向かう途中に健二 ! ! ﹁伊丹耀司二等陸尉 ﹂ 域の住民と接触して輪状把握、可能ならば友好的な関係を結んで来たまえ﹂ ﹁まずは深部情報偵察隊を六個編成する。君の任務はそのうちの一つの指揮だ、担当地 その事に檜垣三佐は呆れてしまうのも無理はない。 ﹁⋮そんな事言う訳ないだろう﹂ ? 21 ﹁成程⋮、そう言う事ね﹂ っと健二がそう呟いていると、キャリゲーターの後部座席に積んである通信機から無 線が入る。 ﹂ 伊丹達は間を空けるもその後を追いかけ、健二は通信に出る。 ﹁こちらラプター1どうぞ﹂ 司令 ﹂ ﹂ 健二とアシェリーがそれに頭を傾げる中、オルブは通信を続ける。 ﹂ ﹃突然の通信ですまない、そちらに自衛隊の第3偵察隊の指揮官は居るかね ﹁えっ ﹄ それに気付いたスパルタンのラプター7の﹃ランドック﹄が健二に声を掛ける。 通信です ! それに健二はすぐに向かい、アシェリーもそれに後を追う。 ﹁リーダー ! ﹃ラプターチーム、こちらはハレルソン司令だ﹄ ﹁はぁ ? 健二はそれに傾げながらも伊丹を前に出して、それに伊丹は出る。 た。 っと伊丹の名を出された時に彼は思わず頭を傾げ、それには皆も同じように傾げてい ? ? ? ? ﹁何で司令が自ら通信して来たのでしょう⋮ 第2話 第3偵察隊との対話 22 ﹁じ、自分ですが⋮﹂ ﹁び、ビックリですな∼ ﹂ ラプター1﹄ ? ﹁こちらこそ、って⋮そっちの階級は何 実は先ほど君達との司令官と話をして来て ﹂ ﹁まあともかく、一応共に行動しろと命令されたからこれからよろしく頼む﹂ 伊丹は健二達の司令官の凄さに驚き、それは健二達も全く一緒だった。 ﹁ああ⋮、流石にこっちも驚いたわ﹂ ﹁す、凄いっすね⋮そちらの司令官は﹂ っと通信を終えた健二達、伊丹達はUNSCの素早い行動に唖然とする。 ﹃よろしい。では我々の拠点は自衛隊との拠点とする︻アルヌス︼とする。以上だ﹄ ﹁はい、了解しました﹂ てほしい。出来るな ﹃そこでラプターチームは第3偵察隊と共に担当地域の調査をし、友好関係を結んで来 っと健二と伊丹は驚きつつもオルブ司令の話を聞いていた。 ? ﹁いつの間に⋮﹂ っとその事に健二たちだけじゃなく伊丹達もその事に驚きを隠せない。 な、互いの事情を知る為に友好関係を結んだのだ﹄ ﹃お お ∼ 君 が 第 3 偵 察 隊 の 現 場 指 揮 官 か ? 23 ? っと伊丹は健二の階級の事を聞き、それには健二は全く考えてなかった。それは自分 も全く知らなかったからだ。 ﹂ するとアシェリーはそれに答える。 ﹁あ、リーダーの階級は大尉ですよ ﹂ ? りもなかったからだ。 それを聞いた伊丹以外の部下達は納得する。 ﹁成程、伊丹隊長より上と言う事ですか﹂ ? しかしそれを健二は頭を横に振りながら言う。 な感じになったのは知りもなかった。 富田が納得する中、栗林が健二の指示に従うと聞いた時に伊丹は思わず心は折れそう ﹁なら今後の指揮は安藤大尉の指示に従うっと言う事ですね ﹂ アシェリーの言葉に一瞬健二は時が止まる。健二は自分の階級が大尉だったとは知 ﹁へぇ∼⋮。えっ ? になるとは誰も知らなかった。 そう言いながら健二は自分の部隊は自分でと聞いて、それに栗林はガッカリした様子 するなよ﹂ ﹁いいや、俺は俺の部隊を命令するからそっちの命令は伊丹隊長だ。あんまり俺に期待 第2話 第3偵察隊との対話 24 第3話 集落の生き残り 健二達が通信を終えた頃、UNSC軍の最高司令官、オルブ・ハレルソンは陸上自衛 隊の陸将、﹃狭間 浩一郎﹄との対話を終える時にある条件を言い出したのだった。 何故ですか﹂ ? ﹁だた⋮我々だけであなた方の友好関係を築くのは少し困難が多いです。日本政府に少 ﹁ありがとう﹂ な﹂ ﹁分かりました⋮、その約束。必ず守ります、こちらも一方的に攻撃は出来ませんから それを聞いた狭間はしばらく考えるそぶりをして、そして頷いて手を差し出す。 そこを約束してもらいたい﹂ その過ちを繰り返す訳には行かない、無論君達の兵士も失わさせる訳にも行かない。 れない程の兵を失った⋮。 代償的を受けている、それは兵士の死者、一方的に兵を送り続けた結果⋮我々は数えき ﹁我々は無暗に相手に攻撃を仕掛ける訳には行かない。それは嘗て大きな戦争で残酷な ﹁ほう ﹁狭間陸将。我々UNSC軍は決して君達の攻撃をしないで貰いたい﹂ 25 しばかり交渉をしてもらわねば﹂ ﹁無論当然でしょう。では近いほど私がそちらの日本に招きます。それでどうですかな ﹂ ﹂ ? らだ。 それに柳田は少しばかり残念な気持ちになる。折角のチャンスを逃したと感じるか に失礼があるからな﹂ ﹁それを聞くのは本格的な友好関係を結んだ時でないと駄目だ、いきなり聞いては相手 ? うそうだ﹂ ﹂ ﹁彼らUNSC軍の司令官、オルブ司令は本格的な友好関係を結ぶ為に一度日本に向か ﹁陸将、どうなりましたか 室を出て、その扉の近くに居た﹃柳田 明﹄が近づいてくる。 そう言い残してオルブは女性自衛官の案内で外に向かい、狭間も一息を入れた後に客 ﹁いえいえ、むしろ敵対行動が無かっただけで幸いです﹂ ﹁感謝する、突然の訪問に申し訳ない﹂ ﹁分かりました、ではあちらの方に連絡をして置きます﹂ オルブは狭間にそう話して、それに狭間は頷く。 ? ﹁⋮それで技術的な話は 第3話 集落の生き残り 26 狭間は柳田の考えを分かってるかのように答える。 微笑んだ。 ! しかし二人はそれに笑顔で手を振り、二人は後ろを向いて手で合図する。 く。 が女の子を家に入れようとした際にアシェリー達に気付いて怯え、それに女の子も驚 それに思わず反応した女の子はビクッ っとしたようで見ていて、その女の子の母親 先行した際に扉に小さな女の子が二人を見ていて、それにアシェリーと黒川は笑顔で と長身の女性﹃黒川 茉莉二等陸曹﹄が先行して行った。 そしてある村の﹃コダ村﹄、そこで様子を見に行く為にヘルメットを取ったアシェリー そして翌日、健二達は伊丹達と共にこの世界の調査をする為に同行して行った。 ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ っとそれに柳田の心に深い衝撃が走ったのだった。 に攻撃を仕掛けてくるとなれば⋮⋮我々は負ける。あちらの方が我々より上だ⋮﹂ ﹁柳田二尉、あまり彼らの技術を奪おうだなんて考えるんじゃないぞ。もし彼らが我々 27 すると森のしげみから武装を解いた健二と伊丹が手を振った。 そして警戒を解いてくれて村人達が健二達に集落ある場所を教え、それに健二達は向 かう事となった。 そして健二はキャリゲーターに助手席に乗りながら空を見ていた。 ﹁青い空⋮白い雲、綺麗だな⋮﹂ ﹁こんな景色なら惑星アルカディアの方が良かったよ﹂ っとキャリゲーターの運転席で運転しているラプター3のスパルタン﹃ブライアン﹄ が話しかけて来た。 ﹁あ∼あつまんねぇな∼⋮。どうせならドラゴンが襲って来て戦いたかったって今に思 ﹂ 変なことで戦闘を起こしたくない うよ、今まで通って来た街や集落に居たのは人間ばっかでつまんねぇ﹂ ﹁おいおいブライアン、あんまり変な事を言うなよ そうブライアンは反省の様子を見せない。 ﹁はいはい⋮気を付けますよ少尉殿﹂ ? ? からな。それにあんまり戦闘に夢中になってるとコヴナントと同じと思われるぜ ブライアン﹂ ? っと同乗しているアシェリーがブライアンに注意をし、それに手を振る。 ﹁そうですね。あまり関心しませんよ 第3話 集落の生き残り 28 ※そして因みにアシェリーの階級は少尉である、そしてブライアンとランドック、そ の他のラプター4、5、6、8、9、10、11、12の﹃レックス﹄ ﹃カイル﹄ ﹃ジャ ﹂ ﹁こちらラプター1、どうした ﹂ ? ﹂ ブライアンが伊丹と倉田が歌っている歌に思わず呆れる様子になり、それに健二は呆 ﹁何だこれ ﹃﹃♪∼♪∼♪﹄﹄ せる。すると高機動車の伊丹と倉田の二人が何やら歌を歌っていた。 っと栗林がそう言って来て、健二はすぐに無線機の周波数を高機動車の無線機に合わ ﹃もう駄目です。隊長達の無線を聞いてくださいよ∼﹄ ? 俺あいつ等の様な暴走振 クソン﹄ ﹃エイミ﹄ ﹃ビル﹄ ﹃マイケル﹄ ﹃ホビー﹄ ﹃カレン﹄の10名は全員准尉である。 りは無いぜ ﹁でもリーダー、俺をコヴナントと一緒にされては困るな∼ ﹄ ? っと栗林から無線連絡が入って来て、それに出て答える。 ﹃こちら3│2、安藤大尉聞こえますか そう健二が呟いていた時に無線機から通信が入る。 ﹁そうかよ﹂ ? ? 29 ﹄ れる様子になるが仕方ないと思い、アシェリーが微笑みながらすぐに栗林に切り替えて 話す。 どうにかならないんですか大尉 ﹁楽しい歌ですね﹂ ﹃全然楽しくない ! ﹄ ! ﹂ ? そう言って健二はシートの背もたれを倒して仮眠を取る。 ないから﹂ ﹁しょうがないさ、俺もそこまでオタクって感じじゃあないけど、二人の自由を奪う権利 アシェリーが栗林の態度の様子に健二に問い、健二は仕方なく思う。 ﹁あの様子じゃあ嫌われましたね﹂ っとそう言いつつ、栗林は無線を切った。 ﹃あり得ない⋮この人の考え絶対あり得ない ﹁仕方ないさ、彼らの自由をそむく事は出来ないだろう 栗林の言葉に健二は仕方がない様子でアシェリーから無線を受け取り、答える。 ! ﹁ってもうかよ ⋮ってあれは !? ﹂ っとブライアンの言った言葉にそれに思わず健二は起き上がってしまう。 ﹁リーダー、早速何かを見つけたぜ。前方約10キロの地点だ﹂ ﹁少し寝るから何かあったら伝えてね∼﹂ 第3話 集落の生き残り 30 ?! 健二が見た物は、森の奥から黒い煙が上がっている様子だった。 │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ││ 健二達は一旦車両を止めて、辺りを見渡す場所に移動して見ると、それは森が辺り一 ﹂ 面に燃え広がっていて。それに健二は目がくぎ付けとなる。 ﹁盛大だな⋮﹂ ﹁ですな⋮大自然の脅威 えた。 ﹁ありゃま ﹂ ﹁あれは⋮﹂ ? ! ﹁首一本のキ○グキ○ラか ﹂ 二人が辺りを調べると大きなドラゴンがその場を飛んでいて、火を噴いているのが見 っとそれに二人はヘルメットに内蔵されているズーム機能と双眼鏡を見る。 ﹁っと言うより⋮怪獣映画です﹂ 伊丹が健二の隣に立ってそう呟いていると、双眼鏡で見ていた桑原が話しかける。 ? 31 っと桑原の言葉に健二と伊丹は思わず目を細めた。 ﹁古いね⋮﹂ ﹁おやっさん古いな﹂ ﹁リーダー﹂ ﹂ そう呟いてる中でアシェリーと栗林が二人に近づいて問う。 ﹁これからどうします ﹁そうだな⋮﹂ ﹁嫌です﹂ ⋮。 ﹂ 伊丹がクリクリしながら栗林に付いて来てほしい様なおねだりをする、しかし栗林は ﹁栗林ちゃ∼ん。おいら一人じゃ怖いからさ∼、一緒に付いて来てくれる∼ ? ? グオオオオオオオオオオ !!!! リーは苦笑いするしかなった。 余りの速さに健二は思わず呆れる様子になる、それには倉田と桑原も呆れて、アシェ ﹁︵即答か⋮︶﹂ ﹁あっそう⋮﹂ 第3話 集落の生き残り 32 っと大きな雄叫びが響き渡り、それに健二達は振り向いて見ると。ドラゴンが森を燃 やしつくしたのか大きく羽ばたき始め、自衛隊の数名が64式小銃と12.7mm重機 関銃M2を構え。 ジャクソンとホビーにカレンはワートホグの﹃M41軽対空砲﹄にクーガーの﹃M6 ﹂ ! ﹂ 8 ALIM ガウスキャノン﹄、そして﹃スパルタンレーザー﹄を構えるも、ドラゴン ﹂ ﹂ はその場から飛び去って行く。 ﹁飛び去って行くぜ ﹁どう言う事でしょう⋮ ブライアンとアシェリーがそれに言い、健二は燃やされている森を見る。 集落 ﹁⋮なあ伊丹二尉。あのドラゴン⋮何もない森を燃やす習性があると思うか ⋮⋮あっ ! ﹂ ! ﹂ ! ﹁分かってるよ⋮、安藤大尉。移動した方が良いかと﹂ ﹁隊長 ﹁やべぇ らしき物が見える。 伊丹の言葉に皆は気づいて森の方を見てみると、燃やされてる場所に僅かながら建物 ﹁え ? ? ? ? 33 ﹂ ﹁よし、アシェリー ﹁了解 移動準備だ ! ﹂ ! ﹂ ﹁言うなよ∼⋮﹂ ﹁言うな倉田、分かってる﹂ ﹁あの⋮隊長に大尉、あれって⋮﹂ 者を探す中で倉田がある物を見つける。 っと富田とブライアンがそう呟く中で、健二とアシェリー、伊丹と倉田の四人は生存 ﹁これで生存者が居たら奇跡だな⋮﹂ ﹁まだ地面が擽ってますね⋮﹂ 集落にたどり着いた健二達は生存者を探すべく、辺りを捜索する。 皆はすぐに移動準備をする中で雨が降り出して、燃えている森の炎を消して行った。 ! ひぃ∼ ! ! っとそこにアシェリーと栗林がやって来て、健二と伊丹はアシェリーの方を向く。 ﹁リーダー﹂ 索の幅を広げる。 捜索中の中、井戸の近くで休む伊丹、健二は生体センサーを上空に撃ちこみ、より捜 倉田が見た物、それは焦げて炭となって居る人の手だった。 ﹁ひ 第3話 集落の生き残り 34 ﹁この集落には建物が32件、確認した遺体が27体で少ないです。もしやガレキの下 敷きに⋮﹂ その報告を聞いた健二はため息をついて呟く。 栗林がそう呟く中で健二がアシェリーに問う。 ﹁⋮酷いものです﹂ ? ﹁人だ 人がいるぞ ﹂ ?! ﹂ !! を失っていた。 それに二人はすぐに駆けつけると、その中には一人﹃エルフ﹄の姿が水に浮かんで気 伊丹の言葉に健二はすぐに振り向くと、伊丹と栗林が井戸の中を見ており。 ﹁何 ! アシェリーの言葉にそう健二が考えていると⋮。 す。もしくはスパルタンレーザーとか﹂ ﹁難しそうですね⋮。でももしかしたらクーガーのガウスキャノンが有効だと思われま ﹁アシェリー、現地点で俺達の装備にあのドラゴンに勝てる武装はあるか ﹂ ﹁はぁ⋮、一件に3人か4人と考えても。100人近くかそれ以上全滅って事か﹂ 35 第4話 避難の先は⋮ 前編 ワートホグに付いているウインチを持って 健二達は井戸に隠れていたエルフを引きあげようとする為、健二はすぐにラプター 井戸に生存者がいた ! ﹁ここは俺が ﹂ 出来れば大尉はウインチで安全に下ろす様にお願いを ﹁伊丹二尉。分かった ﹂ ! ﹂ !! う。 それに健二は頷いて、ワートホグに乗っているラプター5のODSTのカイルに言 ﹁いいぞ 保して上に向かって叫ぶ。 そして伊丹は井戸の底にたどり着いて、気を失っているエルフの少女の元へ行き。確 っと伊丹が自分のベルト部にウインチのフックを取り付けて、井戸の中へ下ろす。 ! ! 皆はすぐにワートホグを持って来て、井戸を降りようとしたが、伊丹が言い出した。 ! チームの皆に言う。 ﹁各ラプターチーム ﹂ 来てくれ ! ﹄﹄﹄ ﹃﹃﹃了解 ! 第4話 避難の先は… 前編 36 ﹁カイル ﹂ ﹂ ! ﹁ゆっくり ゆっくりと ﹂ ! 急げ ﹂﹂﹂ ﹁人命救助 !! ﹂ !! た。 ! ﹁いや。人と言うより⋮エルフだが﹂ ﹂ ﹁何であろうと人もエルフも同じだ、さあこっちに移すぞ ﹁了解 生存者がまだいた ﹂ アシェリー ! 付いて来い ﹂ ! して、健二のヘルメットの転送される。 ﹁ん ?! ﹁はい !! ! 健二はすぐに伊丹達を井戸から出してやると、上空に撃ちこんだ生体センサーが反応 ! ﹂ その命令にすぐに各隊は人命救助の準備をする。っが伊丹はその言葉にすぐに思っ ﹁﹁﹁了解 ! 井戸の入り口に付いて、伊丹が部下たち言う。 桑原がウインチの動きを見て指示を送って、そして伊丹と抱いているエルフの少女は ! カイルはゆっくりとウインチを動かして、伊丹をゆっくりと引き上げる。 ﹁了解 ! 37 健二はアシェリーと一緒に生体センサーの反応があった場所へ向かう。 ﹂ ﹂ 二人がそこに向かった場所はがれきがあった場所であった。 ここにいます !! アシェリーは下がってろ ﹁リーダー ﹁よし ! ! ﹃あいよ ﹄ こっちに来てください 今行く ! ! もう一人のエルフの少女を見つけました ! カレンはエルフの女の子を抱いて、すぐに走っていった。 ! ﹂ ! 健二はカレンに命令する。 ﹂ すぐに衛生兵のエイミと一緒に居る黒川に見て貰ってくれ ﹁カレン ! 任せな ﹁あいよ ! ﹂ アシェリーはそれに気付いて、すぐにスパルタンでラプター12のカレンを呼ぶ。 それに健二はすぐに救出して、アシェリーと目を合わせる。 少しばかり火傷はしているが、死に関わる事は無い。 そしてがれきを撤去した下には、一人小さなエルフの女の子が居た。 て行く。 健二はすぐにスパルタンアーマーのパワーアシスト機能を活用して、がれきを撤去し ! カレンはすぐに健二達の元に行き、カレンは健二が抱いている女の子を見る。 ! ﹁カレンさん 第4話 避難の先は… 前編 38 ! その頃高機動車の車内で、井戸の底にいたエルフの少女をODSTの中で珍しい衛生 ﹂ 兎に角濡れた服を脱がせて ﹂ 兵の女性隊員、ラプター8のエイミが黒川と栗林が共にバイタルチェックしていた。 ﹁どう ﹁バイタル⋮何とか持ちそうです ﹂ それに栗林が頷く。 ﹁ゴメン、切るよ ! ﹁この子も頼むよ ﹂ エイミ 栗林さん ﹁はい ! ﹂ ! ない事が分かり、一旦伊丹達の元に行く。 一方健二とアシェリー達は生体センサーを使って辺りを捜索するも、もう生存者が居 ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ﹂ ﹁了解 ! ! ! き、それに三人が振り向き。カレンがドアを開けてもう一人の少女を渡す。 っと栗林が彼女の服をハサミで切ろうとした時に、カレンが高機動車の後部ドアを叩 ? ! ? 39 ﹁くっは∼∼∼∼ エルフっすよ隊長 しかも金髪の∼ ! 流石特地ですね くふふ ﹂ !!! 希望が出て来たな∼ ﹂ ! していた。 ﹁凄いっすね ﹂ ! う⋮。 ﹁おう、どうだあの子たち ﹂ っとそこにエイミと黒川がやって来て。健二はそれに問う。 ﹁失礼します ﹂ その事に健二はただ何も言わなかった。言うとまたややこしくなると考えたのだろ ! っと倉田が何故か大はしゃぎをしていて、その中で伊丹は半長靴の中に入った水を出 !! ﹁お前⋮エルフ萌えか ? ! ! ? そして黒川は健二と伊丹に今後の事を問う。 ? ﹂ ﹁それで伊丹隊長、安藤大尉、これからどうしましょう ﹂ ﹁そうね⋮、取り合えず僕に濡れてない半長靴を頂戴 ﹁はぁ ? ﹂ 健二は黒川の言葉を聞いてホッとし、アシェリー達もホッとしていた。 ﹁そうか、それは良かった﹂ ﹁はい、体温が回復してきてます。命の危険は脱しました﹂ 第4話 避難の先は… 前編 40 ! 何を言いたいのか分からない伊丹の言葉に黒川は頭を傾げる。 そんな伊丹の言葉を無視する健二は答える。 一応 ﹂ ? ﹂ ? ﹁どうも﹂ ﹁大尉と隊長ならばそうおっしゃって下さると思ってましたわ﹂ ﹁そうだね、それじゃああの子たちは保護として連れ帰りましょう﹂ ブライアンの言葉に伊丹も頷く。 がある﹂ ﹁今はここから早いとこ退散しようぜ、何時まで居るとあのドラゴンがまた来る可能性 っとブライアンがその事を言いだして来て、それに健二は振り向く。 ﹁でもまあ今はそれを考えなくてもいいじゃねぇか ﹁⋮確かにそうですね。ちょっと早く繋がりすぎと感じますね⋮﹂ 早く繋がりすぎじゃないかって﹂ ﹁実はこの間の司令の言葉を聞いて、ちょっと考えてるんだ。いくら何でも友好関係が 倉田はその事を問い、それに健二は頷く。 ﹁はい ? て帰る⋮〝一応〟俺達のFOBにな﹂ ﹁そうだな⋮集落は全滅しているし、此処に残すのも可愛そうだからな。保護して連れ 41 ﹂ 健二はそう呟き、伊丹は笑顔で振り向く。 ﹁ふふふ♪、僕人道的でしょう ﹂ ? しかなった。 っと満面の笑みを浮かばせながら言う黒川の〝毒舌〟に伊丹と倉田は苦笑いをする を申し上げては失礼になるかと﹂ ﹁二尉が特殊な趣味をお持ちだからとか、あの子たちがエルフだからとか。色々と理由 っとその事に伊丹と倉田は反応し、健二達は黒川を見る。 ﹁さあ⋮どうでしょうか ? 絡をしていた。 そして集落を後にした健二達は生存者を車両に乗せて走り、健二は通信機で本部に連 ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ がら見ていて、ブライアン達は何も言えなかった。 そう思いながら呆れる様子になる健二は見ていて、アシェリーは一滴冷や汗を流しな ﹁︵⋮毒舌か︶﹂ 第4話 避難の先は… 前編 42 ﹁以上 これよりコダ村ルートでFOBに帰投する アウト ! ﹂ ! っと健二は通信機を置き、そしてすぐにアシェリーに伝える。 ! 元気そうじゃのう﹄ ? ﹁はあ ﹂ 神が何で通信してくるんだ ﹂ ? !? ﹃どうじゃ そっちの生活はなれとるか ﹄ ? せたんだよ﹂ ﹁今はそれどころじゃないんだよ。ドラゴンが集落を襲って、少女二人を残して全滅さ ? ブライアンもその事に驚き、アシェリーはそれに顔を出して聞く。 ? ﹁って神様か っと聞き覚えのある声に、健二は思わず反応する。 ﹃おお ﹁こちらラプター1﹂ するとキャリゲーターの通信機に無線連絡が来て、健二はそれに出る。 H 重機関銃﹄を設置を開始する。 そう思いながらアシェリーはキャリゲーターの天上ハッチを開き、そこに﹃M247 ﹁了解。あまり役には立たない気がしますが⋮﹂ ゴン対策としてだ﹂ ﹁アシェリー、念の為に機関銃をこのキャリゲーターの上に設置しておいてくれ。ドラ 43 そりゃあ大変じゃのう﹂ そんな軽々しく言わないでください ﹂ ! ﹃何じゃと ﹁あの ﹃おお すまんすまん んで今はどう言う感じじゃ ! ﹃何じゃと ﹄ 少しばかり早いではないか ﹂﹂﹂ 三人は神様の言葉に頭を傾げる。 ﹁﹁﹁焦ってる 神様はそれに怒鳴る様に言う。 あの男め !? ﹄ ? 焦って同盟関係を結ぶ気じゃな ﹁今は自衛隊と友好関係を結んでいるって司令が言ってたぜ﹂ ! っとアシェリーが神様の言葉に怒鳴り、それに神様は思わず驚く。 ! ? !? ? !? ! なんじゃ ﹄ ﹁と⋮とてもそんな感じには見えないが ﹂ 全く血 どうせあやつの策は失敗するに決まっとるわ ! 失敗した時の事を考えて少しばかり接触した人物の記憶を消しておくわ ﹄ ! ﹃お前さん等がドジなだけじゃろうが ? ! ! ! 圧があがるわ ! ! 終いには弾圧も考えておるから呆れる奴なんじゃ 簡単に言えば寂しがりな奴 ﹃あやつはすぐに何でもかんでも同盟を結び一気に平和的にしようと考えておるのじゃ 第4話 避難の先は… 前編 44 っとそう呟きながら通信を切り、それに健二達は何も言えなかった。 集落が全滅した ﹂ ﹂ ﹂ ! 健二は炎龍の事を村長に聞き、村長は焦る様な表情で言う。 ﹂ じゃが炎龍の目覚めは50年の先の筈⋮ ﹂ そしてコダ村に到着した健二達、そこで健二達はコダ村の村長に集落の事を話した。 ﹁何と⋮ !! 炎龍に間違いない ﹂ ※因みに健二は言葉が話せる。勿論UNSC軍の皆もである。 っと健二はドラゴンの写真を村長に見せる。 ﹁ああ、後その集落を襲ったドラゴンの写真もある。分かるか !? すると村長は驚いた表情をする。 ﹁これは⋮炎龍 !! 村長の言葉に村人たちは驚きを隠せなかった。 ﹂ ﹁そんな⋮ ﹁まさか ! ﹁炎龍⋮そんなに凄いのか ? ! ﹁炎龍はその名の通りの古代龍じゃ ! ? ! 45 っとそれを聞いた健二達は思わず振り向きながら目を合わせる。 そして伊丹がある事を思い出して、手帳の文字を見ながら話す。 健二達は高機動車の後部に寝かせているエルフの少女二人を村長に見せる。 ﹁あっそして、集落で、女の子、二人、助けた﹂ ﹁おお⋮この娘二人か、痛ましい事だ⋮﹂ ﹁村長、この子たちを保護して欲しいんだが﹂ っと健二がその事を行った時に村長が頭を横に振る。 ﹂ ﹁エルフを保護は出来ん。それに我らもこの村から逃げださなくてはならぬ﹂ ﹁村を捨てるって⋮どう言う事ですか アシェリーがその事を村長に問い、村長はそれに答える。 ? 込み、逃げる準備をしていた。 ﹁すまんがわしも逃げる準備をせねばならぬ ﹁はい、どうぞ﹂ ﹁すまんな⋮﹂ よいか ﹂ ? そう言って村長は急いで自宅へ行き、荷物をまとめするのだった。 ? その事に健二達は村を見ると、人々が慌てる様で馬車に荷物を出来るだけ大量に詰め ﹁また来るからだ。エルフや人の味を覚えた炎龍はまた村や町を襲って来るのだ﹂ 第4話 避難の先は… 前編 46 健二達はその様子を見て、アシェリーは問いかける。 健二はヘルメットを被り、コダ村の皆を非難する準備をさせたのであった。 ﹁言わなくても分かるよアシェリー。放っておく訳にも行かないさ﹂ ﹁リーダー⋮﹂ 47 第5話 避難の先は⋮ 後編 コダ村の少しばかり外れた森に一件の家があった。 この∼∼ これしき∼おわっ ﹂ その家からは一人の老人が大量の本を持って出て来た。 ﹁重い !!! !! ﹂ ! レレイ。どうにもならんか ﹂ ? の様にジタバタする。 本は必要なんじゃ∼∼ !! がら頷く。 そうレレイはその爺さん、﹃カトー・エル・アルテスタン﹄は服に着いた泥をはたきな ﹁確かに。この場合貴重な書物を優先すべきと考える﹂ のまま答える。 爺さんは﹃レレイ・ラ・レレーネ﹄と呼ばれる少女にその事を問い、レレイは無表情 !! っと水色の髪をした一人の少女が馬車の荷物が限界にあると伝えると、爺さんは子供 ﹁お師匠、これ以上積み込むのは無理﹂ ﹁あいたたた⋮ 本を持って階段から降りようとした際に足を滑らせてしまい、老人はこけてしまう。 !!! ﹁ならんならん 第5話 避難の先は… 後編 48 ﹁そうじゃ、頭が良いなレレイ。しかし⋮炎龍め50年も早く出て来よって、お蔭でいい 迷惑じゃい全く﹂ そう呟いてる間にレレイが馬車の積み込みを終える。 ﹁お師匠も早く乗って欲しい﹂ ﹂ 魔法とは神聖な物じゃ 乱用に扱う物じゃないのじゃぞ ﹂ 何を言っとる。わしはお前に乗っかる趣味はないわい。出来ればお前の姉の様 なナイスバディの上に∼ ﹁ああ やめんか ! っとレレイがカトーの言った言葉に途端に魔法でカトーに攻撃をする。 ﹁あだっ !! !! ? ! 荷物が多すぎた様じゃのう﹂ ? ﹁積め言ったのはお師匠の筈⋮﹂ ﹁⋮動かんね レレイが馬車を動かそうとするも、ロバは重さに引っ張られずに止まってしまう。 っとその事に思わずカトーは自分の事に呆れてしまう。 ﹁お師匠から受けた教育のせいか﹂ ﹁全く、冗談の通じない娘じゃわい﹂ そしてカトーは馬車に乗り、隣に座っているレレイを見る。 も掛かった。 カトーはそう言うも冗談の通じないレレイは攻撃をやめなかった為、止めるのに5分 ! 49 ﹁心配する出ない わしらは魔導士じゃ ﹂ ! レレイはそう言って馬車を村の方に進ませた。 ﹁いい、お師匠がそう言う人だと知ってるから﹂ ﹁すまんかったね⋮﹂ っとレレイは自分の杖を取り出して、魔法で馬車を浮かせた。 ﹁でもこの際仕方がない﹂ ﹁じゃ、じゃが⋮﹂ その事にカトーは思わず同情を隠せない。 ﹁﹃魔法とは神聖な物じゃ、乱用に扱う物じゃないのじゃぞ﹄、お師匠が言った言葉﹂ ! この先はどうなっておるのじゃ ﹂ そして村に通る途中に馬車の列が出来てしまっていて、それにカトーは頭を傾げる。 ? です ﹂ ﹁カトー先生 レレイ ? 実は荷物の積め過ぎで車軸の折れた馬車が道を塞いでいるん ! 二人が何の会話しているのかは分からない。 それにレレイは振り向く。 レレイとカトーがそれを聞いている中でUNSC兵と自衛官がその横を通り過ぎて、 ! ! その事に一人の村人がカトーたちの元にやって来る。 ﹁ああ 第5話 避難の先は… 後編 50 ﹁︵聞いた事のない言葉⋮︶お師匠、様子を見て来る﹂ ﹂ ﹂ ﹁この子脳震盪を起こしています。肋骨にヒビが入っている可能性もあります ﹁医術師 ﹂ その様子にレレイは見ていた。 ﹁すぐにライフパックの準備ね ! り向いた瞬間。 ﹂ レレイが二人の様子見ている途端に馬が急に暴れ出し、それにレレイとエイミ達は振 ? ! を確かめていた。 レレイが女の子を見ていた時に近くまで来たエイミと黒川が女の子の元に行き、容態 ﹁危険な状態﹂ 向かった先には馬車が倒れていて、そこには女の子が一人重症を負っていた。 ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ レレイは馬車から降りて、UNSC兵と自衛官の後を追いかける。 ﹁レレイ ? 51 バババン ﹂ ︶﹂ ? ! 行ってくれ ﹂ ! 健二は一旦壁にもたれた時に伊丹が横に来る。 それに村人たちはすぐに馬車を走らせ、村から避難するのだった。 ﹁よし ! 男、ジャクソンが死んだ馬を担いで道の外に出して、馬車も開けさせた。 健二の問いに答えるかのようにラプター6でスパルタンの中でも大きな身体を持つ ﹁任せてくれ﹂ ﹂ ﹁はい、大丈夫です﹂ っとレレイは後ろを振り向くと、健二がその場にやって来て。それに二人は頷く。 ﹁大丈夫か ﹁︵あの人達⋮私を助けた その様子にレレイはただ唖然として見ていた。 馬は倒れて死んだ。 3発の銃弾を発射したライフル。﹃BR85HB SR バトルライフル﹄に撃たれ。 馬が暴れる三人に襲い掛かる瞬間、馬はブライアンに撃たれた。 !! ? ﹁よし、ジャクソン 第5話 避難の先は… 後編 52 その際に健二はある事を問う。 して健二に問う。 健二は無線機をしまった後、アシェリーが銃座で警戒してる中で後方の列を見て、そ ﹃了解﹄ ﹁伊丹、エルフの二人はもうすぐ意識が回復する。以上だ﹂ そう言って健二は伊丹に無線連絡をする。 ﹁そうか、分かった﹂ ﹁この調子なら意識もまもなく回復すると思われます﹂ ﹁リーダー、バイタルは安定しています﹂ キャリゲーターの車内でエルフ二人を見ていたエイミと黒川が健二に報告する。 ていた。 そして逃げ出す村人たちを健二達は先頭三台、後方三台づつに分かれて周囲を警戒し その事に健二は一度伊丹の方を見て、また村人の列を見るのであった。 丘に出陣して以来、誰一人帰って来ないって言ってました﹂ ﹁ああその事ね。実はさっき村長に話を聞いてさ、この辺りの地方領主は皆アルヌスの ﹁この村には軍人や領主は所か、この辺には貴族もいないんだな⋮﹂ 53 ﹂ ああ∼⋮⋮ないらしい﹂ ﹁リーダー⋮、皆さんは目的地はどこへ⋮ ﹁目的地 ないのかよ !? ? ﹂ ? ﹃リーダー こっちに来てください ﹄ ! しかし村長は頭を横に振る。 そして伊丹達と村長もやって来て、村人が村長にどうにかならないかと問う。 向かった先は車軸の折れた馬車が倒れていた。 カイルの無線に健二はキャリゲーターから降りて、カイルが居る場所に向かう。 ! そう呟くアシェリー、っとそこにカイルから無線連絡が入る。 ﹁⋮どこの世界でも難民は大変ですね﹂ こまでもな⋮﹂ ﹁はぁ⋮。あえて言うなら炎龍が襲ってこない事が分かるまで逃げるって事らしい、ど ブライアンはその事に驚き、健二はため息をしてしまう。 ﹁はっ !? ﹁っ ⋮分かりました ﹂ ! 悔しながらも村人は持てる分だけの荷物を持ち、後の物は馬車と共に全て燃やした。 ! っとその事に村人は思わず黙り込んでしまい、それを見た健二は村人の肩を持つ。 ﹁ここで待っていても死を待つだけだ、残念だが背を得る分だけ持ってでて逃げるんだ﹂ 第5話 避難の先は… 後編 54 健二はそれに何を言えず、ただキャリゲーターに戻って行く。 ﹂ ﹂ 戻った健二は黙ったまま座り、アシェリーは健二に馬車の事を聞いた。 ﹁どうして火を⋮かけさせたのですか フリゲート艦一隻ぐらいなら要請出来ないのですか ! ﹁荷物が動こうとしないんだ、それにああするしか他にない﹂ 車両や ! ﹁えっ 何で ﹂ !? だった為にそれ以上何も言わなかった。 肝心な時で役に立たないUNSC軍に不満を隠せないアシェリー、それは健二も同じ ﹁そんな⋮﹂ われてな⋮﹂ ﹁俺はそんな事は無いって言ったんだが⋮、上の人たちが時が来るまで待つんだって言 健二の話しを聞いたアシェリーは思わず言葉が止まる。 されるって判断されたらしい⋮。車両は現状で何とかしろってよ﹂ ﹁アシェリー、俺達はUNSC軍だ。文明レベルの高い戦艦が来たら明らかに敵対行動 ?! ﹁⋮却下されたらしい﹂ ⋮。 アシェリーはフリゲート艦なら呼び出せる事が出来ると考えてはいた、しかし健二は ﹁そんな !? ? 55 リーダー。前方に何かいるぞ ﹂ その時にブライアンが前方に何かを見つけた。 ﹁ん ? ﹂ ? ﹁はい ﹂ ﹁ゴスロリ ﹂ 健二はより確認する為、倍率を上げると、そこにはゴスロリ少女が居た。 そして何か斧らしき物が見えて、健二はそれに頭を傾げた。 ﹁カラス⋮ らカラスの群れがいた。 それに健二はすぐにヘルメットを透視モードにし、確認すると高機動車の前になにや ? ? ﹃おいちょっと ﹄ !! !! 小銃に触るな ! ﹃うふふふ♪﹄ ﹃あっこら ﹄ ﹄ その様子に健二達は無線機で聞いていると。 ﹁車に入ったぞ﹂ まま高機動車の側に近づいて、しばらくしていると車の中に入った。 アシェリーは健二の言葉に頭を傾げ、健二はそのまま見ているとそのゴスロリはその ? ﹃羨まし過ぎます隊長 !! 第5話 避難の先は… 後編 56 ﹃良いから降りろ∼∼ ﹄ その無線を聞いていた皆は何とも言えない状態だった。 !! ﹂ ? そして健二達は一人ゴスロリ少女を拾い、再び前進するのであった。 それにアシェリーは苦笑いして、ブライアンはため息をするしかなかった。 そう言って健二は無線を切り、一度アシェリー達を見ながらお手上げ状態と告げる。 ﹁了解だ﹂ ﹃何とか⋮⋮てなわけで、この子も一応連れて行きます﹄ ﹁見た、さっき無線で聞いた⋮っで。大丈夫か もうかなり疲れた様子になっている伊丹の様子を健二は感じながら言う。 ﹃⋮こちら伊丹、面倒な子が来て中々降りてくれない⋮﹄ ﹁こちらラプター1﹂ っとそこに伊丹から無線連絡が来て、それに出る健二。 健二は何とも言えない様で困ってしまう。 ﹁⋮どうって﹂ ﹁どう思うよリーダー﹂ ﹁⋮これ﹂ 57 第6話 炎龍 一人ゴスロリ少女を拾った健二達、彼らはコダ村の住人達を避難させるべく、村から 遠く離れ、現在岩場の多い丘に進んでいた。 途中で馬車が壊れたり、逃避行で疲れた村人と脚の不自由な老人たちが少しづつ出始 めてきて、健二はキャリゲーターに少し人を乗せる為に一人エルフの少女を高機動車の ﹂ 方に移す様にと黒川に頼む。 ﹁頼んだぞ ﹂ ? ﹂ ? 何処まで来ているか分かるし﹂ ﹁ああ、村からかなり離れたからな。しかしどこまで逃げきれるか⋮﹂ ﹁リーダー。少し雰囲気が変わりましたね そんな中でアシェリーが健二に少し違う風景を見て言う。 黒川はエルフの少女一人連れて行き、高機動車の方に向かう。 ﹁了解 ! ? ﹁そうだな、マイケル ﹂ その事をブライアンが言って、それに健二は頷く。 ﹁それならレーダーで調べたらいいんじゃないか 第6話 炎龍 58 ! なんか用 ﹄ ﹄ ! ﹂ っと健二は列の後にいた、ラプター10でムードメーカODSTのマイケルに連絡を 入れる。 ﹃あいよリーダー 任せてちょい ﹁そっちのレーダーであのドラゴンがどこまで来ているか調べてくれないか ? ﹁さーてと、ドラゴンちゃんは何処から来るのかな∼ ﹃おいリーダー ﹂ 後方から巨大な熱源が近づいているぞ ﹄ !! ! 飛んで来ているのが見えた。 匂いを嗅ぎつけたか ! ﹁総員 戦闘準備だ 炎龍の野郎が来やがったぞ !! ﹂ !!! それにジャクソン達、伊丹達はすぐに驚き戦闘準備をさせる。 !! そう言い残し、健二は通信機を全車両につなげる。 ﹁あいつ ﹂ それに健二はすぐに後方を見て、難民の最後列を見ると、僅かながら見えるが炎龍が !! それにマイケルは思わず目を大きく開かせ、すぐに通信をする。 マイケルがレーダーで調べていると、後方から巨大な熱源が飛行して接近してきて、 ? 始する。 マイケルはすぐさまクーガーのレーダーを使い、炎龍がどこまで来ているか調べを開 ﹃オーライオーライ ! ? ! 59 そして炎龍が村人の最後列を炎で攻撃し始めて襲い掛かり、それに村人たちは悲鳴を 上げながら逃げる。 馬は暴れて人を撥ねたり、馬車が壊れて人が飛び出されて、完全にパニック状態に 陥っていた。 わしも見るのは初めてじゃよ うあわああ ﹂ 炎龍が吠える姿を最後列の場所にいたカトーは目がくぎ付けとなる。 ﹁本物の炎龍じゃ !! !! ﹁ガウスキャノン発射準備よし ﹂ !! ﹂ !! ギーをチャージし終える。 ク ー ガ ー を 操 縦 す る O D S T で ラ プ タ ー 1 1 の ホ ビ ー が ガ ウ ス キ ャ ノ ン の エ ネ ル そしてラプターチームと第3偵察隊の車両六台が炎龍に向かって行く。 っとレレイが馬車を魔法で浮かせて早く逃げ、炎龍の炎を間一髪で逃れる。 !! 行け !! 始める。 2 マークスマンライフル DMR﹄で狙撃し、ジャクソンがM41軽対空砲で攻撃し その直後にワートホグの助手席に乗るラプター4のスパルタン、レックスが﹃M39 ちまくる。 健二が命令をして MA5Dを撃ちまくり、アシェリーもM247H 重機関銃も撃 ﹁各車牽制しろ 第6話 炎龍 60 同じ様に自衛隊の皆も64式小銃と12.7mm重機関銃M2を撃ちまくる。 ﹂ ﹂ しかし炎龍の鱗が硬すぎて、7.62mmや12.7mmの弾が通用しない。 ホビー ﹁ライフル効果なし ﹁機銃も駄目だ !! ﹂ ﹂ !! た。 ﹂ 怯む程度だけです 伊丹 !!! !!! ﹁ガウスキャノン効果弱 当て続けるんだ !! 撃て撃て撃ちまくれーー ﹁構うな ﹁了解 ! ﹁はっ 散開 ﹂ ﹂ !!! 僅かに交わした全車は後方で燃えた地面を通り過ぎ、それに倉田が言葉を漏らす。 二人の言葉に全車両は別れて、その際に炎龍の口から火炎が放たれる。 ﹁ブレス来るぞ !! ! 龍の口から火が出始めて、それに気付いた健二と伊丹。 ラプターチームと第3偵察隊は炎龍に対し攻撃を与え続けていた。っとその時に炎 !! !! クーガーから放たれるガウスキャノンは炎龍に直撃するも、少々怯んだだけであっ を炎龍に攻撃し始める。 ジャクソンがホビーに言い、それにホビーがそれに答えるかのようにガウスキャノン !! !! 61 ﹁隊長 あの炎を食らったら終わりっすよ ﹂ ﹂ !! ﹂ ﹂ あの炎の温度は多分1800度以上だ ﹁でも光は大きくねぇ 両は木端微塵だ ﹁油断するな伊丹 どうすりゃいい !! ﹂ 話しかけた。 ﹁目だよ !? !! 何時目が覚めた ?! ﹁目だよ ﹂ !! ﹂ 目っ ⋮はっ ! 目を狙え 集中砲火しろ !! 角が出来ていた。 奴の左目は見えていない !! 健二はそれに伊丹に伝える。 ﹁伊丹 !! まともに貰ったら俺達の車 ﹂ その事に健二は炎龍の方を見ると、炎龍の左目だけ矢が刺さっているのが分かり、死 ﹁目 ? !! 健二はその事に驚き、エルフの少女は頷いて言い続ける。 ﹁なっ ﹂ っとその時にキャリゲーターの車内で眠っていたエルフの少女が目を覚まし、健二に その事に伊丹は歯を噛みしめ、健二は炎龍を睨みつける。 !! ! !! ! ﹁くそっ ! !! !! 第6話 炎龍 62 ﹁了解 全員 目を狙え !! ﹂ !! ﹂ ﹁よし だ 今の内だ 勝本 ジャクソン ﹂ !! カレン !! ロケットランチャーとスパルタンレーザー !! ﹂﹂﹂﹂﹂ ﹂﹂﹂﹂﹂ !!! きがねを引いて仕舞い、明後日の方向に向いてしまう。 勝本が撃とうとした瞬間、車両が揺れてしまい、それに勝本が思わず揺れた瞬間に引 チャージする。 ジャクソンはすぐさまロケットランチャーを放ち、カレンはスパルタンレーザーを 健二達と伊丹達はその事に思わず怒鳴りつける。 ﹁﹁﹁﹁﹁早く撃て !!! ﹁﹁﹁﹁﹁遅いよ っとのん気な事に後方の安全を確認する勝本。 ﹁おっと、後方の安全確認﹂ は﹃110mm個人携帯対戦車弾 パンツァーファウスト﹄を構える。 それにジャクソンとカレンはロケットランチャーとスパルタンレーザーを構え、勝本 ! !! 炎龍はそれに思わず怯み、そして動きが止まった。 それに皆はすぐに目を狙いを定め、目に向かって集中攻撃する。 !! ﹁こっちもだ !!! !! 63 ﹂ それを見た伊丹は。 ﹂ カレン !!! ﹂ !!! ﹁外れるぞ ﹁くそっ !!! ! れ、炎龍の胴体に直撃して巨大な爆発が起こる。 グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ !!!!!!!!!!! が胴体と左腕に直撃し、そしてカレンのスパルタンレーザーがチャージが完了して放た っがそのおかげでジャクソンと勝本のロケットランチャーとパンツァ│ファウスト ず動きを横にずれる。 彼女が投げた斧は地面に突き刺さった同時に強烈な衝撃波を放ち、それに炎龍は思わ 炎龍の真下へと投げた。 高機動車に乗っていたゴスロリ少女が後部ドアを開けて、車両の上に乗っかり、斧を っとそう言っていた時だった。 ﹁後少し 第6話 炎龍 64 炎龍は大きく雄叫びを上げながら胴体に巨大な傷と左腕を吹き飛ばされてしまい、そ の場から飛び去って行き、逃げて行った。 ﹂ 戦闘を終えた健二はヘルメットを取って、一息を入れる。 ﹁ふぅ∼⋮﹂ た。 伊丹達は手を合わせて拝み、アシェリー達はヘルメットを取り目をつぶり冥福を祈っ 炎龍が去った後、健二達は無くなった人たちの墓を作り、ヘルメットを取った健二と ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ そして被害の状況は死者多数と言う報告が来る。 そうアシェリーに呟く健二。 ﹁たぶん⋮勝ったと思うぜ⋮、一応な⋮﹂ アシェリーがその事を言い出し、健二は飛び去っていった炎龍の方を見て言う。 ﹁リーダー、勝ったのでしょうか⋮私達 ? 65 すると伊丹は後ろで泣いている女の子を見て、その場に近寄って頭をなで、それに健 二はそれに振り向き、微かに微笑むのであった。 そして村人たちはすぐに移動する準備をしていて、それを健二達は見ていて、桑原が それを報告する。 ﹂ ﹁生存者の大半は近隣の身内の元に身を寄せるか、近くの村や町に避難するようです﹂ ﹁そうか⋮﹂ ﹁町って言っても、知り合いいないだろう。大丈夫なのか それに健二と伊丹は一度村長にどうするかを聞く。 健二が桑原の言葉を聞き、アシェリーが健二に問い。 ﹁リーダー⋮どうしましょう﹂ ﹁身内が亡くなった子供とお年寄りに怪我人か⋮﹂ ﹁⋮それよりも、それ以外がもっと問題です﹂ 伊丹とアシェリーがそう呟く中で、桑原が少しため息をする。 ﹁そうですよね⋮﹂ ? ? はないのだ﹂ ﹁じゃあ⋮置いていくのか ﹂ ﹁白状で悪いが、こちらも自分の事で精一杯でな⋮。その者達まで心配してやれる余裕 第6話 炎龍 66 健二はその事を村長に言ったが、村長は帽子を取って礼を言い始める。 ﹂ ? ﹂ ? ﹁心配するな 何とかする ﹂ ! どうした﹂ ? ﹁私もです﹂ ﹁いえ、リーダーならそう言うと思ってました﹂ ﹁ん アシェリーとエイミはその事を聞いて微笑み、それに健二は気づく。 それに笑みが出る。 っとその事を聞いて、ゴスロリ少女は笑みを浮かべ、エルフの少女二人は顔向き合い、 ! 健二は笑みを浮かばせて言う。 人、そしてゴスロリ少女もその中に居た。 それに健二は見捨てられた村人たちを見る、その名かにはレレイ達やエルフの少女二 ﹁ん ﹁リーダー、どうしますか 見送った後、エイミは健二に問う。 そして村人たちは旅立って行って、それを健二達は見送った。 それに健二と伊丹は何も言わなかった。 ﹁あんた達には本当に感謝しているよ⋮心から﹂ 67 全員 乗車 ﹂ そう二人が言って、健二は笑みを浮かべながら頷く。 ﹁だろう ! !! ﹁えっ ﹂ ﹁伊丹二尉、実は俺達の司令がお前たちの日本の政府に交渉を持ちに行ったんだ﹂ そして伊丹が健二の横を通り過ぎようとした際に健二が問いかける。 っとそれに皆はすぐに乗り込み、子供たちははしゃぎながら乗り込む。 ? ﹂ ﹁だからもし関係が切れても、俺達は今まで通り友好的に保とう﹂ ﹁⋮⋮﹂ る訳がないって﹂ ﹁もしかしたら⋮交渉は失敗すると俺達の上司が言ったんだ。関係がそう簡単につなが 伊丹はその事に足を止めて、健二の方を見て振り向く。 ? !! に乗り込み。第3偵察隊と共にアルヌスへと目指すのであった。 伊丹は健二の言葉に頷いて敬礼をし、高機動車に戻って行き、健二もキャリゲーター ﹁フ、了解 第6話 炎龍 68 以上の腕前を手に入れる。 射撃もグアムの射撃場で数回程度の腕前しかなかったが、ネイビーシールズの狙撃手 シールズ以上の戦闘能力を得た。 戦闘力は最初の頃はなかったが、神様が能力を与えたお蔭でアメリカ海軍のネイビー なる。 女の子には縁がないが、特地の世界に足を踏み入れた際に女の子の接する機会が多く 性格は普通で熱くなる場合があるが、クールになりきれずに熱くなる事が多い。 えり﹄の世界でに転生する。 神様の馬鹿な不幸で死んでしまった不幸な青年、しかし﹃ゲート 彼の地にて斯く戦 階級は大尉 本作の主人公 身長:215cm CV:保志総一郎 安藤 健二 主人公 登場人物紹介 69 主人公 登場人物紹介 70 身長は175㎝程度しかなかったがスパルタンアーマーを着用した影響で、身長は2 15㎝並に伸びて、健二の心の中ではかなりラッキーな事となった。 アーマータイプはウォーリアで、肩のアーマーも上腕部近くではなく、肩に装着して いる。インナースーツはSPARTANⅣ基本スーツとは違い、肩のプレートがないオ リジナルのスーツを使用している。 アシェリー・スタイン CV:花澤香菜 身長:167cm 本作のヒロインの一人 健二が率いる特殊部隊、ラプターチームの副隊長 冷静に的確な指示を出し、健二の不在の時に副隊長の力を存分に発揮する。 階級は少尉 心優しい性格で、チームの皆を引っ張る事が多い。 健二と接する間に、次第に心が惹かれる。 身長が170㎝以下なのが不満の一つだが、実は栗林より大きい隠れ巨乳である。 71 アルティア・ヌマ・マルコ CV:水樹奈々 身長:168cm 本作のヒロインの一人 テュカと同じエルフの一人であるが、炎龍に集落を滅ぼされてしまうが、がれきのお 蔭で何とか生き延びた。 炎龍の襲撃の親族を亡くしたが、家族の死を受け入れて、前に進んでいる。 スタイルが良くて、何故かいくら食べても太らないのが不思議な所。 ブライアン・アブラー CV:櫻井孝宏 身長:214cm 健二が率いる特殊部隊、ラプターチームのメンバーで3番目でありスパルタン 階級は准尉 気が利く青年で、健二をサポートする所があり、アシェリーに続く指揮官タイプの人 物。 しかし我曰く、あまり頭を使わない事を理由に副官になる事を拒んでいる。 主人公 登場人物紹介 72 レックス・アラン CV:鈴木達央 身長:213cm 健二が率いる特殊部隊、ラプターチームのメンバーで4番目でスパルタン 階級は准尉 スパルタンの狙撃力が一番高く。健二を軽く凌ぐほどの銃の腕前の持ち主。 スパルタンアーマーに右肩のアーマーがないのが特徴である。 カイル・アーバン CV:岡本信彦 身長:177cm 健二が率いる特殊部隊、ラプターチームのメンバーで5番目のODST 階級は准尉 接近戦を得意とする彼は両腰にナイフを装備していて、武器はM7サブマシンガンを 携行する。 決して長物ライフルは使用しないが、一応アサルトライフルは使う事はある。 73 ジャクソン・バレット CV:西凜太朗 身長:228cm 健二が率いる特殊部隊、ラプターチームのメンバーで6番目のスパルタン 階級は准尉 スパルタンの中でも大きな体を持つ彼の身長は228㎝あり、嘗てノーブルチームに 居たあのジョージを超えていた。 その為彼のアーマーはパワーアシスト機能はそれ以上に強化して、重火器を担当す る。 防御力も高く、アーマーの肩アーマーは大きなアーマーを装着している。 ランドック・ガランド CV:松田健一郎 身長:219cm 健二が率いる特殊部隊、ラプターチームのメンバーで7番目のスパルタン 階級は准尉 主人公 登場人物紹介 74 彼もまたジャクソンと同じ様に身体が大きく、それに近い身長を持ち、218㎝以上 は軽くある。 格闘を得意をし、腰にマチェットを携行している。 ライトマシンガンを愛用したいと願いがあり、いつも武器担当の者達に頼み込んでい る。 エイミ・カルリシアン CV:坂本真綾 身長:173cm 健二が率いる特殊部隊、ラプターチームのメンバーで8番目のODST 階級は准尉 部隊の中の衛生兵で、海兵隊員だけじゃなくスパルタンの治療も得意とする。 黒川と一緒に各隊の医療を担当する事もある。 唯一貧乳であることを気にしている。 ビル・マクライン CV:浪川大輔 75 身長:182cm 健二が率いる特殊部隊、ラプターチームのメンバーで9番目のODST 階級は准尉 爆破物担当を任されており、ライフルだけじゃなくグレネードランチャーを携行して いる。 リモート爆破装置も所持しており、リモートが壊れてもその場ですぐに修理する事は 出来る。 マイケル・ブラン CV:木村良平 身長:186cm 健二が率いる特殊部隊、ラプターチームのメンバーで10番目のODST 階級は准尉 ムードメーカーである彼は電子工学の得意とする、レーダーや通信機器を第3偵察隊 に支給している。 衛星も接続する事が出来て、彼にかかればハッキングも不可能ではないと言う。 主人公 登場人物紹介 76 ホビー・バーンクス CV:三木眞一郎 身長:187cm 健二が率いる特殊部隊、ラプターチームのメンバーで11番目のODST 階級は准尉 礼儀正しく、車両の運転技術がとても高い 狙撃力も高い彼はレックスの狙撃の補佐も担当をおこなう。 バトルアーマーも改造しており、右肩のアーマーのみ変更しているのが特徴。 カレン・エルナルド CV:本田貴子 身長:212cm 健二が率いる特殊部隊、ラプターチームのメンバーで12番目の女性スパルタン 階級は准尉 女性隊員の中でも最年長で、アシェリーやエイミを妹の様に見ている。 重火器を得意とするだけじゃなく、接近戦をも得意とする彼女はもはや女性の中の頂 点と言える存在とも言える。 77 主にスパルタンレーザーを愛用している。 第7話 アルヌスFOB基地 ﹂﹂﹂ とある村で元コダ村の住人がその村の住人達にある話をした。 ﹂ そうさ、このアタシが見たんだよ﹂ ﹁﹁﹁炎龍を追い払った∼ ﹁でまかせだ ﹁ああ !? ﹂ その中で﹃ハミルトン・ウノ・ロー﹄が﹃ノーマ・コ・イグルー﹄に聞いた。 それは帝国の第三皇女﹃ピニャ・コ・ラーダ﹄が創り上げた﹃薔薇騎士団﹄であった。 その話しを近くで聞いていた﹃ある騎士団﹄が居た。 ずだった。 元コダ村の住人が炎龍の話しをその村人たちに話した、しかし誰も話しは信じて貰え ﹁冗談も大概にしろよ﹂ ! ! ? っと騎士団の小管﹃グレイ・コ・アルド﹄がノーマの話しの間違いに言う。 ﹁ノーマ、我らはアルヌスへの隠密偵察の途中、炎龍の話をしている﹂ ﹁どうって⋮、汚い酒場に不味い酒と食事だとしか﹂ ﹁どう思います 第7話 アルヌスFOB基地 78 ﹁グレイ、声が大きいぞ。ハミルトン、話の続きを﹂ ピニャが話しの続きを聞きたいらしく、ハミルトンに続きを問いかける。 ﹁あっはい 流行りの噂話です。緑の服と黒の服を着た傭兵団がコダ村の住人を避難 79 ﹁ふはは 私は騙されないぞ ﹂ ? ﹁アタシはこの目で見たんだ﹂ ﹂ っと元コダ村の住人がピニャ達の元に飲み物を渡しに来て、それにノーマは笑う。 ﹁本当の炎龍だよお客さん﹂ ﹁いくらドラゴンと言えど、﹃飛龍﹄﹃新生龍﹄﹃翼龍﹄と色々居りますし﹂ させていた時、実際に⋮炎龍を追い払ったそうです﹂ ! 若い騎士さん。これはとっておきの話しをしてやらなきゃね、あの日襲 ! われたアタシ達をあいつ等は助けてくれたんだ。 ﹁ありがとよ っとコインを出した瞬間、一瞬で奪い取った。 ﹁私は信じるから﹂ ﹁う∼ん。どうしようかね∼﹂ える。 ハミルトンが元コダ村の住人に炎龍の話しを聞こうとする、しかしそれに元村人は考 ﹁良かったら、龍を倒した連中の話し、詳しく聞かせてくれない ? ! まるで鉄の一物の様な魔法の武器を持ち、ビクともしない頑丈な荷車に乗った緑色の 服と黒色の服を着た連中が、そして⋮﹂ それにピニャ達は元村人の話がまだある事に見る。 ﹁そ の 連 中 の 中 に は オ ー ク の 様 な 大 き な 人 が 頑 丈 な 鎧 を 身 に ま と っ た 人 物 が い た ん だ よ。しかも6人もね﹂ っとピニャ達はそれにあり得ない表情をするのでった。 現在ラプターチームは自衛隊の第3偵察隊と共にアルヌスへと向かっていた。 ﹂ そんな中でキャリゲーターの後部座席に乗るエルフの少女に健二は問う。 ﹂ ﹁なあ、君名前は ? ? ないからだ。 っとその事にアルティアは思わず目を開かせて驚く、人にいい名前だと言われて驚か ﹁アルティアか⋮、良い名前だな﹂ ﹁⋮アルティア。アルティア・ヌマ・マルコ﹂ ら言う。 エルフの少女は名前を問えられた事に健二は頷き、エルフの少女は少し間を空けなが ﹁え⋮私 第7話 アルヌスFOB基地 80 そんなやり取りの中でブライアンが健二に話しかける。 ﹃ラプターチーム、こちらアルヌスFOB。まず自衛隊の司令官とあって欲しい、少し話 健二達はUNSC軍の基地に入ろとした時に基地の仲間たちから連絡が来る。 くぎ付けとなっていた。 伊丹は冷や汗を流しつつ建設されている基地を見て、乗っていたレレイもそれを見て ﹁こりゃあ⋮たまげた⋮、UNSC軍は俺達より文明レベルが高いぞ﹂ ﹁た⋮隊長。あれ⋮﹂ 倉田は伊丹にUNSCの基地を見て戸惑う。 無論第3偵察隊の皆も驚きを隠せなかった。 となっていた。 アルティアはそれに思わず口を開けて呆然として、避難民たちもそれを見てくぎ付け そこが彼らUNSC軍のFOB、﹃アルヌスFOB基地﹄あった。 物資を運ぶ﹃アルバトロス重降下艇﹄が基地建設用の物資を運んで来ていた。 自衛隊駐屯地の隣に巨大な建設施設が出来ていて、基地を設置する降下艇﹃ポッド﹄と その事にアルティアは窓の外を見る、そして外の光景に驚きの表情をする。 ﹁おっ、そろそろか﹂ ﹁おいリーダー、そろそろFOBに到着するぜ﹂ 81 しがあるとの事だ﹄ ﹁こちらラプター1、了解﹂ ﹂ て来た。予想はどうだったと思う ﹄ ﹃あ∼それと、先ほど司令と護衛のSPARTANIV部隊が日本政府の交渉から帰っ 健二は兵士の連絡に問い。 ﹁どうって⋮、どうなんだよ ? ﹂ ﹁申し訳ありませんが、貴方の要望には応える事は出来ません﹂ やって来て、日本政府と友好関係を結ぼうと話しかけたが⋮。 司令がアーマーを着用していない護衛のSPARTANIV部隊と共に日本の元に │回想│ ﹃え∼結果、見事に失敗だそうだ。理由は⋮﹄ 兵士は健二の問いに答える。 ? それにUNSC軍 司令はそれを政府の人間に問うも、政府からは冷たい言葉が返って来る。 ﹁何故 ? ﹁貴方はそんな上手い話が簡単に通るとでも思っているのですか ? 第7話 アルヌスFOB基地 82 と か 得 た い の 知 れ な い 人 た ち を 我 が 国 は そ う 簡 単 に 受 け 入 れ る 事 は 出 来 な い の で す。 申し訳ないが⋮﹂ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ そう健二は考えつつアシェリーと共に自衛隊の司令官の元へ向かう。 ⋮︶﹂ ﹁︵まさか神様の言葉が本当になるとはな。その後の記憶⋮全部消すと言っているけど 兵士からの通信を終え、健二達は思わず黙り込んだ。 ﹃て言う事だ、それじゃな﹄ │回想終了│ あった。 司令は素直に引き下がり、護衛のSPARTANIV部隊と共に軍の方へ戻るので 自分の考えがこうも簡単にひっくり返されるとは思っても居なかったからだ 司令は政府から冷たい言葉を聞いて、弾圧を掛ける事が出来ない。 ﹁っ⋮﹂ 83 ││ 自衛隊特地駐屯地基地、そこの司令室に隊長の健二と副隊長のアシェリーが入って来 て、そこに居た狭間陸将と柳田二尉が居た。 ﹁ようこそ、私が自衛隊陸将の狭間だ﹂ ﹁同じく自衛隊二等陸尉の柳田です﹂ ﹁UNSC軍特殊部隊、ラプターチームの隊長を務めてます安藤健二です﹂ そう挨拶して、狭間は健二に問いかける。 ﹁同じく副長のアシェリー・スタインです﹂ う事は真かね ﹂ ﹁君達に来てもらった事には他のでもない。第3偵察隊と共に避難民を連れて来たと言 ? い印象を与える事となる考え。連れて来ました﹂ ? 健二は狭間にそう話、それに狭間は頷く。 ﹂ ﹁なるほど、それでその事に付いては君達の基地にはもう報告していたのかね ﹁はい。向かう途中⋮そちらは ﹁何にもありませんでしたよ﹂ ? ﹂ ﹁はい、伊丹二尉と共に行き場を失った避難民を放っておくと、返って我々が住民から悪 第7話 アルヌスFOB基地 84 柳田が健二の問いに答える様に横から言いだして来て、それに二人は柳田の方を向 く。 ︶﹂ あー話しはこれだけだ。あと我々の関係上なんだが⋮﹂ っと健二はそう思ったのだが⋮。 ﹁︵関係上⋮政府との交渉が失敗したから何か言うのか ! ﹂ ? そう言ってその場から去って行き、柳田が狭間と話し合う。 ﹁はい﹂ ﹁いえ、では行こうか少尉﹂ ﹁そうか、すまんな時間を取らせてしまって﹂ ﹁ええ、その事に何もありません﹂ その事を聞いた健二とアシェリーは互いの顔を見合い、すぐに狭間を見て頷く。 うの司令官と話は付けてある。君達はどうかね ﹁今後は互いの状況を理解するべく、情報交換をする事と共に行動する為の条件を向こ ? ﹁ゴホン 健二はそう思いながら何も言わず黙り込み、アシェリーもそれに黙り込む。 ﹁︵⋮なるほど︶﹂ もしかしたら我々が避難民を放り出せと言い出すと思ったのでしょう﹂ ﹁彼は報告だけは怠らなかった筈なのですが、ドラゴンとの戦い以降突然の通信不良。 85 ﹁陸将、報告の件ですが﹂ ﹁おおそうだったな。それで⋮﹂ 健二とアシェリーが司令室から退室して戻って行く中ですぐに感じた事を考える。 ﹂ ﹁友好関係上から情報交換と同時行動か⋮﹂ ﹁これも神様からの力でしょうか ト、書類は俺が用意しとくから⋮﹂ ﹁栗 林 と 黒 川 は 糧 食 班 か ら レ ー シ ョ ン を 分 け て 貰 っ て。倉 田 と 富 田 は 施 設 班 か ら テ ン 健二がそう考えていると、別方向から伊丹達が歩いてきた。 ﹁多分そうだろうな⋮、あの爺さんだ。絶対にそうに違いない﹂ アシェリーの言葉に健二は考える。 ? ﹁伊丹二尉﹂ ﹁あっ、安藤大尉⋮﹂ ? 富田がその事を健二に話しかけて、健二は頷く。 ﹁もう狭間陸将との話しは終えたのですか ﹂ それにため息をつく伊丹、健二は伊丹達の姿を見つける。 ﹁﹁﹁﹁了解﹂﹂﹂﹂ 第7話 アルヌスFOB基地 86 ﹂ ﹁ああ、ある程度聞かれただけで、それでもう話は終わった。それでお前たちはこれから 何しに ? ﹁ええ マジっすか ﹂ ! ﹁了解﹂ ﹁アシェリー、基地建設艦から避難民の必要な住宅地を建設する様要請してくれ﹂ グに乗ってアルヌスFOBに向かう。 そして自衛隊特地駐屯地基地を出た二人はブライアンが迎えに来た輸送用ワートホ まう。 伊丹は礼を言ったつもりか、何ともいい加減な挨拶には健二は思わず苦笑いがでてし ﹁あざ∼っす﹂ ﹁ああ、この後の状況の為に必要な事だしな、こっちの建設班から少し頼んでみる﹂ 倉田が健二の言葉に驚き、健二は言い続ける。 ! ﹁よし、それなら俺達もある程度手伝うとするよ﹂ それに健二はある事を言いだす。 っと今でも疲れが出て来る伊丹。それには苦笑いをしてしまうアシェリー。 書類が面倒いです⋮﹂ ﹁これから避難民たちのテントと食事を用意、避難民はこちらで受け持つことになって、 87 ﹁それでリーダー、あっちの方はどうなんだよ﹂ ブライアンはその事を健二に問いかけ、それに健二は空を見ながら言う。 ﹁情報交換とこの後の作戦活動の合同とか、色々な事だってよ﹂ ﹁へぇ∼﹂ 健二の言葉にブライアンはそう納得して走らせ続け、健二は基地を見ながら呟く。 っとそう呟く健二であった。 ﹁明日も大変そうだな⋮これは﹂ 第7話 アルヌスFOB基地 88 第8話 イタリカへの準備 アルヌスFOBに入った健二達、ワートホグを格納庫に戻した後、健二はアーマーを 外す施設を探そうとする。 ﹂ それにアシェリーが問いかけて来た、 ﹁どうしました ﹁本当か よし ﹂ ! ? る。 ﹁ところでそのSPARTAN専用メンテナンスセンターって⋮何処 ﹂ る。っと慌てて健二が慌てて戻って来て、それにアシェリーとブライアンが頭を傾げ そう言って健二はすぐにSPARTAN専用メンテナンスセンターに向かおうとす ? んだ。そこならアーマーを外す事が出来るぜ﹂ ﹁リーダー、アーマーならこの基地のSPARTAN専用メンテナンスセンターに行く その事にブライアンが言う。 さ﹂ ﹁ああ、実はアーマーを外す場所を探してるんだよ。いつまでも着ているのもきついし ? 89 っとその事に思わず二人はずっこけそうになった。 SPARTAN専用メンテナンスセンター。 そこはスパルタンがアーマーを整備したり、独自の改造を行う事が出来る唯一の整備 区画、健二はアシェリーとブライアンに案内されながら入り、その整備施設を見渡す。 辺りには他のスパルタン達がアーマーを外したり、研究員と整備班にアーマーのアッ プグレートか改造を頼んでいた。 ﹁此処がか⋮﹂ ﹁ああ、リーダーこっちだ﹂ っと二人に付いて行く健二は、自分専用のメンテナンスデッキに付く。 ﹂ ﹁やあスパルタン健二、アーマーを外すのかい ﹁ああ、どうすればいい ﹂ そう聞いて健二は足を台に乗せ、そして両腕を左右に広げ、専用のグリップを握る。 ﹁ならこの台に足を置くんだ、そうすれば後は我々が外してあげるよ﹂ ? ? 二に気付いた研究員と整備班達が来る。 そう言ってブライアンは隣の自分専用デッキに向かい、健二はその場に近づいて、健 ﹁ここがリーダー専用のデッキだ、俺は隣だからまたな﹂ 第8話 イタリカへの準備 90 研究員がそれを確認した所で健二のアーマーを外す作業に入る。 ﹁アーマー解除開始﹂ ﹁了解﹂ 研究員が端末を操作して、健二のアーマーを外しにかかった。 胸から腕、太腿から爪先、全てのアーマーを外し終えた健二はその台から降りて、後 のインナースーツを取り外しにかかる。 インナースーツはカプセルのケースに入る必要があり、それに健二は入って、カプセ ルが閉じられて数分待つ。 普通なら専用の制服になるはずだろう ﹂ そしてカプセルが開いて、健二の服装があるデザートタイガー迷彩のBDUに変わっ ていて、健二はそこから出る。 ﹂ 待っていたアシェリーが近寄る。 ﹁リーダー、どうですか ﹁どうって⋮なんで迷彩服になるんだ ? ﹁へぇ∼ そうなの ﹂ ? その事には健二はそう納得し、そこに同じ服を着たブライアンが来る。 ? 皆が言ってました﹂ ﹁そうなのですが、この地方での服装を考えるとなると、その方がよろしいかと上層部の ? ? 91 ﹂ ﹁リーダー、今から俺達のオペレーションルームに案内する﹂ ﹁オペレーションルーム レックスたちは健二が来た事に振り向き話しかける。 健二はアシェリー達tそこに入ると、そこにレックスたちが仕事をしていた。 も銃の整備やベンチプレスや様々な器具が揃っている。 健二達専用のオペレーションルーム、そこでは様々だ任務内容が送られて来る。他に ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ その事に健二は頭を傾げ、アシェリー達の後を追いかけながら付いて行く。 ? 見た感じはよ﹂ ? 渡す。 その事に健二はそう佛焼きながら自分の専用の椅子に座り、アシェリーがある書類を ﹁見た感じは⋮凄いの一言だけだな﹂ レックスとジャクソンが健二の感想を問う。 ﹁どうだ ﹁リーダー、此処が我々専用のオペレーションルームだ﹂ 第8話 イタリカへの準備 92 ﹁これは ﹂ ? ﹁私はロゥリィ・マーキュリー。暗黒の神エムロイの使徒﹂ 斧を持ったゴスロリ少女が自分の名前を言う。 ある杖を持った老人とその後ろに居た青い髪の少女、レレイが名前を言い、その次に ﹁レレイ・ナ・レレーナ﹂ ﹁ワシは賢者カトー・エル・アルテスタン。こっちは弟子の﹂ 民登録にをしてる最中だった。 健二達は自衛隊駐屯地基地に向かっていると、すでに伊丹達が元コダ村の人たちの住 そして翌日。 そう頷きながら健二は元コダ村の避難民たちの書類を用意するのであった。 ﹁おうよ⋮﹂ ﹁頑張って下さい。私もサポートしますから♪﹂ まさかここで書類仕事をするとは思わなかったからだ。 アシェリーの言葉に健二はその事に思わずため息をしてしまう。 を立てる事は出来ませんから﹂ ﹁コダ村の人たちの受け入れに必要な書類です。これがないとコダ村の人たちの居住地 93 そして次にエルフの少女二人が名乗る。 ﹁コアンの森のアルティア・ヌマ・マルコ。特技は精霊魔法のお眠りです 姿を見て唖然とする。 ﹂ ﹂ っと健二達の言葉を聞いた伊丹達は振り向き、伊丹達は健二がアーマーを外している ﹁よう﹂ 何故かテュカはチラチラと目線をそらし、それに黒川は何かを傾げる。 ﹁お⋮同じコアンの森、ホドリューの娘⋮テュカ・ルナ・マルソー。それと⋮﹂ ! 目にする。 ﹁それで、この中で大人は何人程度だ ﹂ 健二は伊丹に避難民たちの受け入れの居住地の書類を渡し、受け取った伊丹はそれを の書類だ﹂ ﹁まあそんな事より、ほい伊丹二尉、これが俺達UNSCが提供する避難民たちの居住地 ﹁あれは戦闘用のアーマーだからな、こうして非番な時は外す事が出来るのさ﹂ 倉田が健二達のアーマーの事を問い、それにブライアンが答える。 ﹁あの⋮昨日着ていたあれは ? 健二がコダ村の住人の数を聞き、それを栗林が答える。 ? ﹁どうも⋮﹂ 第8話 イタリカへの準備 94 ﹁アルティカ、テュカ、レレイ、ロゥリィ、カトー先生以外を除く総勢21名。老人2名、 誰が﹂ 中年3名、子供16名。その内4名が大人だそうです﹂ ﹁はっ そんな訳ねぇだろう どう見たって子供じゃん ﹂ ? ﹂ ? ﹂ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ながら見るのだった。 マイケルはその事に唖然とし、健二は一度ロゥリィを見て、それにロゥリィは微笑み ﹁マジで 歳、それに人種は成人は15歳なる﹂ ﹁誰も彼女の年齢を知らない、知っているのはテュカが165歳、アルティアは161 ﹁上ってまさか⋮知らないのか っとその事をレレイが言い出して来て、それに健二はレレイの方を見てとう。 ? ず笑う。 ﹁ぷははは ? ﹁神官様は私達よりももっと年上﹂ ! 黒川がその事を健二に言い、それに健二達は思わずロゥリィを見て、マイケルが思わ ﹁どうもロゥリィの様なのです﹂ ? 95 ││ そして数日後、健二は自衛隊の要請で少しばかりこちらにもネットを繋がらせるよう に頼み。昨日繋がって気になるニュースを見ていた。 それはコダ村の人たちの被害報告の件だった。 民間人の被害多数。自衛隊の暴走が原因か。あまりにも身勝手な記事の内容を見て 健二は呆れてしまう。 ﹂ それを見ていたアシェリーが健二にコーヒーを渡しに来て、そのニュースを見る。 ﹁本当に好き勝手な事をばかり言いますね するとブライアンから通信が入り、それに健二は出る。 健二はそう言いつつコーヒーを飲む。 うだけでこれだよ﹂ ﹁だろう。こんなにも自衛隊は必死だと言うのに、日本の政府はただ知ったかぶりを言 ? ﹁分かった、通せ﹂ ﹁栗林さんと黒川さんが ﹂ ﹃リーダー、第3偵察隊の栗林と黒川が来てるぞ﹄ ﹁どうしたブライアン﹂ 第8話 イタリカへの準備 96 ? ﹂ 健二の許しが出たブライアンは二人をオペレーションルームに案内し、二人はオペ レーションルームを見渡す。 ﹁凄⋮﹂ ﹁技術は私達より上ね⋮﹂ ﹂ ! ﹂ ? 明する。 ? ﹁隊長には話しましたが⋮﹂ ﹁この事、伊丹の奴には言ったか ﹂ 黒川の説明を聞いた健二は少々考えこみ、健二は問う。 んです、因みに要求してくるものは男物です﹂ ﹁はい、食事、衣類、居室、全て二人分要求します。ですが一人分には全く手を付けない ﹁様子が変っていうのは ﹂ 健二は二人の用の件はテュカのことで、黒川は健二にテュカの様子が変である事を説 ﹁⋮テュカが ﹁えー⋮安藤大尉、実はお話が合って来ました。テュカの事です﹂ ﹁すいません っと健二の言葉に二人は思わず慌てて健二の方を向く。 ﹁⋮んで、二人とも、何か用があって来たんじゃないの ? 97 ? ﹁隊長、﹃脳内彼氏かも﹄っとか意味不明事を言って来るんですよ ﹁⋮アルティアの方はどうだ ﹂ い事に健二はそう思ったのだ。 ﹂ 彼女の心には父親がまだ生きていると言う思いが強すぎて、現実と全く向かっていな っと黒川の言葉に健二はやや重い表情になる。 ﹁っ⋮その可能性もあると﹂ ﹁⋮黒川。もしや彼女⋮﹃パーソナリティ障害﹄に﹂ その事に健二は思わず苦笑いをしてしまうが、すぐに考える思い当たる点を付く。 ? そ し て テ ュ カ 達 は レ レ イ に 付 き 合 わ さ れ て、あ る 場 所 へ と 行 く。そ こ は 自 衛 隊 が その事を聞いて健二は少しホッとするのだった。 ﹁彼女は問題ないようです。むしろ前向きになっていると言うか﹂ ? ﹂ ? 翼竜の鱗は高く売れるわよ !? !? と、伊丹が言ってた﹂ ﹁ええ ﹂ ﹁帝国と連合諸王国が自衛隊と戦った後、この翼竜の鱗を全部私達が取って売っていい ﹁これ⋮ぜ∼んぶ翼竜の死体 ﹃ゲート防衛戦﹄で戦って死んだ翼竜の場所だった。 第8話 イタリカへの準備 98 テュカがレレイの言った言葉に驚きながら問い、それをレレイは言う。 ﹂ ? ﹁どうしたの ﹂ ﹁また⋮知らない土地に行くの ﹁行くのって⋮行かなきゃ鱗売れないでしょう ? ? で見る。 ﹂ テュカがそう言った時に黒川が肩に手を置き、それにテュカが振り向き、黒川が笑顔 ﹁お父さん、私どうしたら⋮﹂ っとアルティアが言った言葉にテュカは思わず顔を下に向ける。 ? ﹂ そんな中でレレイとロゥリィ、アルティアが乗り込もうとした時にテュカを見る。 出来る貴重な機会だよ﹂ ﹁まあそう言うなって、避難民の自活は良い事だし、それに特地での商取引の情報収集が ﹁んで俺達は運送業者っすか 高機動車に翼竜の鱗を積み、その事を倉田がぼやく。 そして翼竜の鱗を売る為にレレイは伊丹達に頼み、第3偵察隊を動かしてくれた。 アルティアはその事に聞いて唖然とするしかなかった。 ﹁凄いわね⋮﹂ ﹁自衛隊は翼竜の鱗に興味が無いらしい﹂ 99 レレイがテュカに言う。 ﹁一緒に行こう。炎龍が出て来たとしても、緑の人と黒の人達が助けてくれる。だから 大丈夫﹂ ﹁早くしなさいよ﹂ ロゥリィがそう言って来て、アルティアがテュカに手を差し出して、それに少し戸惑 うもテュカは手を握って乗る。 見ていた伊丹達は笑みを浮かばせた後に言う。 出発﹂ 了解﹂ ﹂ ﹃3レコン、今からUNSC軍基地に向かうようにと司令部からの命令だ﹄ そう言って伊丹達が出発しようとした時に自衛隊の上の人たちから無線連絡が来る。 ﹁よし ! ﹁何んすかね ? それは約20m以上ある巨大な車両で、そこにラプターチームが待っていた。 すると目の前で驚く物を目にする。 下に入る。 そして第3偵察隊は車両でアルヌスFOBに向かう、そこで兵士たちに誘導されて地 倉田がそう伊丹に聞くも、伊丹もそれには分からんとする。 ? ﹁ん 第8話 イタリカへの準備 100 ﹁こっちだ伊丹﹂ ﹂ 第3偵察隊はラプターチームの前で止まり、伊丹が降りて来る。 ﹁あのー大尉、何ですかこれは ﹂ リカに行くぞ﹂ ﹁えっ 方が良いと思ってな﹂ ﹁よし ビックマンモス出発 ﹂ !! 地下から出て来て地上に出て進む、目的地⋮イタリカを目指して。 健二達は伊丹達を乗せてビックマンモスを発進させる。 !! レックスの報告を聞いた健二は頷いて叫ぶ。 ﹁リーダー、伊丹二尉達がビックマンモスに搭乗しました﹂ 兵士たちの誘導に従って車両をビックマンモスに格納する。 そう言って健二達はビックマンモスに乗り込み、それに伊丹達は互いの顔を合わせ、 ? ?! ﹁話はすでに聞いてる。レレイ達が翼竜の鱗を売るんだろ だったら護衛はもっと多い ﹁これは﹃機動対空兵器プラットフォーム M750 ビックマンモス﹄だ、これでイタ ? 101 第9話 巻き込まれるイタリカ アルヌス駐屯地FOBから出て、伊丹達と共にイタリカへと目指す健二達、その中で ﹂ テュカ達は現在乗っているビックマンモスの魅力に驚かされていた。 ﹁すっご∼い そして健二達はビックマンモス内にあるマップを見て確認していた。 ていた。 アルティカが興奮して、ロゥリィが感心しながらビックマンモスから見る景色を眺め ﹁こんな大きな鉄が動くなんてね∼﹂ ! ﹂ ? そして桑原がコンパスを出して、マップの上に置いて見る。 様に頷く。 アシェリーの言葉にブライアンがそう付け加えるように言い、健二もそれに納得する ﹁これだけ広い大陸だ、広いも当然だろうな﹂ ﹁随分長い距離ですね 健二がマップでイタリアの場所を確認をして、アシェリーがそれに呟く。 ﹁今走っているのがテッサリア街道と言う道で⋮、この先がイタリカか⋮﹂ 第9話 巻き込まれるイタリカ 102 ﹁この調子で行くと、数分には着きますね⋮ん ﹁これが気になるのか ﹂ ﹂ 桑原が近くで見ていたレレイに気付き、コンパスを見せる。 ? 何だ﹂ ? ハニー♪﹂ ﹁うっほ∼ ! ﹂ ﹁やったぜ ! それにジャクソンとランドックは笑みを浮かばせながら喜ぶ。 タマイズガン﹃M739 ライトマシンガン改﹄をジャクソンとランドックに渡す。 を渡す、それは﹃M247H 重機関銃﹄とロングバレルと園長ストックを加えたカス ジャクソンがカレンの言葉に耳を向き、それにカレンは笑みを浮かばせながらある物 ﹁ほ∼う ﹁ジャクソン、ランドック。あんた等にリーダーからのプレゼントだよ﹂ 持ってきた。 一方の他の隊員たちでは、カレンがジャクソンとランドックの方に向かい、ある物を 彼の言葉には伊丹もそう思うのであった。 ﹁鬼軍曹と呼ばれたおやっさんが、女の子相手に相好崩しちゃってま∼﹂ その様子を倉田が見ていて呟く。 それにレレイは頷き、桑原がそれを説明する。 ? 103 ジャクソンはM247Hを、ランドックはM739を受け取る。 近くに居た富田が問いかける。 鬼に金棒って奴だ﹂ ﹂ ? 見て分からねぇか ﹁あの⋮何ですかそれは ﹁ああ ? なる。 ? ﹂ ? ﹂ ﹁ああいう感じが好きなのね ﹁ええっ ! ﹂ ? を取る。 突如テュカの耳元で言うロゥリィの言葉に驚き、それにテュカは少しロゥリィと距離 ﹁うえっ !? ﹂ テュカはすぐに視線を逸らして、それに黒川は頭を傾げる。 見る。 健二はある方を見ると、テュカがチラチラと黒川の方を見て、それに黒川が気づいて ﹁︵やれやれ⋮ん ︶﹂ そう答える二人に富田は少々引き気味となり、その様子を少し見た健二は呆れる様と ﹁これがあれば怖いものなしだぜ﹂ ? ﹁気になるの∼ 第9話 巻き込まれるイタリカ 104 ロゥリィのからかいに思わず驚くテュカ。 それを聞いていた健二達は呆れる。 ﹁何やってんだか⋮﹂ そう健二が呟いた時にだった。 ビックマンモスを操縦しているUNSC兵が健二達のアナウンスをしてくる。 ﹃安藤大尉、外に煙が見えます﹄ っとその事に健二達はすぐにビックマンモスの甲板に出て、外を見ると確かに遠くの 先に煙が上がっていた。 健二はすぐにUNSC兵に通信で伝える。 ﹂ それにビックマンモスは止まり、健二はアシェリーに問う。 ﹁ビックマンモス、止まれ﹂ ﹁アシェリー、この道は煙の発生源に向かうか ﹁本当 ⋮これで立ち上る煙を見るのは二度目だぞ ﹂ ? ﹁あの辺りがイタリカの筈だな⋮﹂ ら呟く。 聞いた伊丹は少々ため息をつきながらも煙の方を見て、ブライアンが双眼鏡を見なが ? ﹁と言うよりも、発生源に向かっている感じがします﹂ ? 105 ﹁⋮どうも嫌な予感しかしねぇな﹂ ﹂ ﹂ 健二がそう呟き、レレイが双眼鏡を見る。 ﹁あれは⋮煙 ﹁理由が分かるか ﹁鍵 ﹂ ﹁人の下何か⋮〝カギ〟 でも大きすぎ⋮﹂ レレイの言葉に健二は問い、それにレレイは言う。 ? ? ? ﹄としっかりとした発音で言い、そして健二はすぐに ? ここからは車両で行くぞ。ビックマンモスは此処で待機だ。後周囲を警戒しつ 皆に言う。 健二の言葉にレレイは﹃火事 ﹁鍵じゃなくて。〝火事〟って言うのそういう時は﹂ ? ! ﹁﹁﹁了解 ﹂﹂﹂ 見て、伊丹がやって来る。 健二はまた煙の発生地の方を見てると、ロゥリィが近くにやって来て。それに健二は アシェリー達は了解し、すぐに準備に取り掛かる。 !! ﹃了解﹂ つ前進し、対空警戒も怠らないように﹂ ﹁全員 第9話 巻き込まれるイタリカ 106 ﹁どうしたロゥリィ ﹂ ? た。 その中で帝国第三皇女のピニャが城壁に居てイタリカの民兵たちの指揮を取ってい そして今現在、イタリカは盗賊に襲撃を受けていた。 したのだ。 だがフォルマル家は中々イタリカをまとめる事が出来ず、結果的に治安が急激に悪化 当主は三女のミュイがなる事となった。 主と妻が急死した為、フォルマル家の三姉妹の中で後継者争いが起こり、そして結果現 テッサリア街道とアッピア街道の交点に発展した帝国有数の交易都市。しかし前当 イタリカ ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ﹁血の匂い♪﹂ っとロゥリィが舌で唇を舐めて、微笑みがら言う。 ﹁ふふふ⋮﹂ 107 ﹁今だ 中央が崩せるぞ 押し出すのだ ! ﹂ !!! ﹂ !! する。 ﹁ノーマ ハミルトン 怪我はないか ﹂ !? ﹂ ! ﹁貴様は無事に決まってるだろ。グレイ﹂ その事にグレイは思わず大笑いをするのであった。 ? そんな中でハミルトンはピニャにある事を問う。 た。 そしてピニャとハミルトンは一度フォルマル家の屋敷に向かい一休みを取ろうとし ﹂ それを聞いたピニャは頷いて下に降りて、下に居たグレイが問う。 ﹁何とか⋮﹂ ﹁何とか生きてま∼す ピニャの言葉にハミルトンとノーマは答える。 ! それに盗賊達は撤退を始め、ピニャはそれに一息をついてハミルトン達の安否を確認 引け ピニャの指示にすぐに実行する民兵達、その様子を盗賊の首領が表情を崩す。 ! ﹁くそっ ! ! ﹁白状ですな姫様、小管の心配はしてくれぬのですか 第9話 巻き込まれるイタリカ 108 ﹁姫様⋮私達何でこんな所で盗賊を相手にしてるんですか 隊かと思ったのだ ﹁仕方ないだろう ﹂ フォルマル伯爵寮に大規模な武装集団が来たと聞いて、異世界の軍 っとその事を言われたピニャは歯を噛みしめながら振り向く。 ? 急 い で 駆 け つ け て 見 れ ば ま さ か 連 合 諸 王 国 の 敗 残 兵 が 盗 賊 に ﹂ 休んでいる暇はないぞ ﹂ 3日だ 3日耐えれば我が騎士団達が救援に 盗賊共はまた来る そして舌打ちをして民兵達に叫ぶ。 ﹁お前たち それまで皆頑張ってくれ 策を補強しろ 本隊に使いを出した 駆けつける ! ﹁恐れながら⋮皇女殿下﹂ そこに一人の執事がそばまでやって来る。 そして屋敷へと到着し、鎧を外して一息を付くピニャ。 た。 しかしその時ピニャは皆が完全に疲れが限界近くになっている事に気が付かなかっ ! ! ピニャはそう言って館へとむかう。 ! ! ! ! ! それまでに死体を片付けて 半数以上が盗賊になっていたとは知りもしなかったのだ。 ピニャは連合諸王国の兵士たちはアルヌスから故郷へと帰ったと思ったのだが、その なっているとは⋮ ! !! ! 109 ﹁何だ 降伏したいのか ﹂ ? ﹁い いえ ただ⋮戦わずに済む方法はないものかと⋮﹂ その事を言われた執事はすぐに否定しながら答える。 ? ! 結局の所、全てを失うがな﹂ ﹁それが嫌なら戦うしかあるまい。戦いは忌むべき物だが、それを避ける事を考えると ﹁お戯れを⋮﹂ その事を聞いた執事は何とも言えずとなる。 どないぞ﹂ る。わらわも一人二人ならいざ知れず、50人100人を相手にして正気を保つ自信な ﹁簡単だ、城門を開ければいい。その代わり全てを失うぞ、男は殺され、女は凌辱にされ ! ﹁お前⋮この戦いの経験があるのか ﹂ メイド長の話しの内容にピニャは振り向く。 ﹁極度に疲労している時、味の濃い物で胃を満たしてはお体に障ります﹂ ﹁う∼ん⋮味も量も物足りんな﹂ しかしピニャは何故か不満な表情をする。 メイド長がピニャに食事を持って来て、それを渡して、ピニャはそれを食べる。 ﹁お待たせしました﹂ 第9話 巻き込まれるイタリカ 110 ? ﹁かつてロザの街に住んでいました、今は帝国領ですが﹂ ピニャはそこを聞いてそれ以上何も言わずにする。 ﹁そうか⋮﹂ ﹂ そして食事を済ませたピニャは客間で休むことにした。 ﹁もし妾が起きなかったら何とする その頃健二達はイタリアに向かう途中で連合諸王国の兵士達の死体の横を通り過ぎ ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ そう思いながらピニャは眠りの中でと行った。 初陣だと⋮。こんな物が⋮︶﹂ ﹁︵正規兵は少数、民兵は勇敢な者から死んでいく。士気は下がる一方⋮こんな物が妾の しかしピニャは不穏な表情を表しながら天上を見ていた。 そう言い残してピニャは客間に向かい、仮眠を取る事にする。 ﹁上出来だ﹂ ﹁水をぶっかけて叩き起こして差し上げますとも﹂ ? 111 る。 健二達はその様子に徐々に警戒心が高まる。 ﹁⋮どうやら戦闘が起きているみたいだな﹂ ﹁ああ、⋮それよりもリーダー﹂ 何だ﹂ ﹂ ? 間⋮果たして健二は戦えるかと思うのをアシェリーが感じていた。 それを聞いた健二は再び前を向いて考える、ドラゴンとの戦闘は別として、今度は人 て言う奴は可笑しい奴のパターンだからな﹂ ﹁⋮そうか。それで良いんだ、最初は分からないのが正しいんだよ。最初に問題ないっ ﹁⋮⋮⋮正直分からない。今どんな気分か気持ちか分からないんだ⋮﹂ の気分は ﹁今ヘルメットの音声は外に漏れないから心配はない、⋮これが初の実戦になるが⋮、今 健二はブライアンの方を向き、ブライアンは健二の方を見て問う。 ﹁ん ? ﹁リーダー、もうすぐ到着するぜ﹂ 報告する。 アシェリーが思ってる中でブライアンがイタリカの城壁の近くまでやって来る事に ﹁︵⋮健二さん︶﹂ 第9話 巻き込まれるイタリカ 112 ﹄﹄﹄ ﹁了解だ、全車、警戒を現にしつつ前進するぞ﹂ ﹃﹃﹃了解 る。 客間で寝ているピニャに突如水が掛けられて、それに思わずピニャは慌てて起き上が フォルマル伯爵の屋敷 ! 何があった 敵か ﹂ メイド長が水が入ったバケツを持ってて、隣にグレイが居た。 ﹁はっ ! !? は驚く。 ﹁何だあれは⋮ ﹂ その事にピニャは少しばかり警戒心を高め、城壁上に居たノーマがその部隊達に向 ﹁⋮いや、アレは鉄だ﹂ ? ? ﹁も⋮木甲車ですかね ﹂ それは六台の﹃木甲車︵ピニャ達から見たらそんな感じ︶﹄が並んでいて、それにピニャ ピニャの目からは驚きの光景が映る。 グレイの言葉にピニャは何が起きてるか分からずにいて、すぐに門の所に向かった。 ﹁果たして敵か味方か⋮兎に角おいで下さい﹂ ! 113 敵でないなら姿を見せろ かって叫ぶ。 ﹁何者か ﹂ ! リーダー﹂ ? ﹂ ﹄ ﹃レレイがどうも此処に行くとかで聞かなくて で待っていて下さい ブライアンは了解し、健二とアシェリーはキャリゲーターから降りて伊丹達の後を追 ﹁了解﹂ ﹁あいつ⋮、アシェリー、一緒に付いて来い。ブライアンは此処に残り皆の指示を頼む﹂ そう言って伊丹もすぐ高機動車から降りてレレイ達の後を追いかける。 ! ? ! 俺もすぐに行きますんで、どうか此処 それを見た健二達は思わず伊丹達に連絡を入れる。 た。 アシェリーの問いに健二は少しばかり考えるも、高機動車にいたレレイ達が降り始め ﹁どうします ﹁まあこの車両を見たら警戒するのも無理ないな﹂ ﹁かなり警戒されてるな﹂ そして健二達がイタリカの前まで来て、その様子に見ていた。 ! ﹁おい何やってるんだ 第9話 巻き込まれるイタリカ 114 いかける。 それにエルフまで⋮正魔導士と精霊魔法の組み レレイ達が降りたのを確認したピニャ。 ﹂ ﹁あの杖⋮リンドン派の正魔導士か 合わせは厄介だな⋮⋮っ ﹂ !! ﹂ !? ﹁あれが噂の死神ロゥリィですか⋮﹂ ﹁ああ、以前国の採取で見た事がある﹂ ﹂ ﹁しかしエムロイの使徒が盗賊なんかに加わりますかね ﹁あの方なら⋮っ ? ﹁ひ 姫様⋮ ! ﹂ あれってもしかしたら以前コダ村の住人が言ってたあの兵士達じゃ⋮ !? ! ﹁何だあれは⋮ オークの様な巨大で鎧の姿をした者がレレイ達の後を追いかける様に出て来る。 するとピニャの目にある者が映る。 !! ﹂ ハミルトンはその事に驚き、グレイが覗きながら呟く。 ﹁ええっ ﹁ロゥリィ・マーキュリー するとピニャはロゥリィの姿を確認したのに思わず驚きを隠せない。 !? ? 115 ﹂ ﹁︵ええ∼い どうしたらいいのだ っとその時。 ドンドンドン ︶﹂ ! ﹁ええ∼い こうなれば ﹂ ! ﹁ええーい バタン ﹂ すると皆は下を向いていて、それにピニャは分からずにいた。そして彼女も同じよう ! !! !! ﹁よく来てくれた ﹂ 二人の停止を聞かずに勢いに開けるピニャ。 ! ! ﹁姫様 ﹂ ﹂ ピニャは扉を閉じている木板を外し始め、それを見たグレイとハミルトン。 ! そしてピニャはある事を決意する。 突如扉からノックがかかり、それに驚いたピニャとハミルトンは互いの顔を見合い、 ! ! ピニャは一度窓を閉じて、後ろを見て、民兵達が待っている様子にピニャは考え込む。 ﹁まさか⋮な﹂ ? ﹁姫 第9話 巻き込まれるイタリカ 116 に下を見ると、伊丹が伸びた状態で倒れていた。 ﹂ ? 入れる様に頼んだ後に健二はピニャに街に何が起きているのかを聞くのだった。 健二は気絶している伊丹を担ぎ、レレイ達と共に中に入り、アシェリーに皆に通信を ﹁⋮仕方ない、担ぐ﹂ ﹁リーダー、伊丹二尉完全に伸びちゃってます﹂ それにレレイ達は頷き、アシェリーはすぐに調べて健二に言う。 ﹁え⋮もしかして⋮妾が 117 第10話 戦闘準備 イタリカで盗賊と戦っていた帝国第三皇女ピニャは戸惑っていた。 突如現れた精霊種エルフ二人とフリンドン派の正魔導師に死神ロゥリィ、そして謎の 部隊とオーガの様な鎧を着た男がやって来たのだ。 ﹂ 当然この事にピニャは戸惑わない筈がない、そんな中で健二はヘルメットを取ってピ ニャに町の事情を聞く。 ﹁すまない、一体何があったか教えてくれないか ? ピニャはその事に言葉を詰まらせる中、テュカに顔を水でぶっかけかれた伊丹はロゥ ﹁え、えっと⋮﹂ リィに膝枕をされていて目を覚ます。 それにロゥリィが伊丹の顔を近くで見る。 ﹂ !? ﹁リーダー、伊丹二尉が起きました﹂ ﹁うわっ っと伊丹は思わず起き上がる。 ﹁あら∼、気が付いたみたいね﹂ 第10話 戦闘準備 118 アシェリーの言葉に健二は振り向き、伊丹の方を向く。 ﹂ ﹁おう、起きたか﹂ ﹁ここは⋮ ﹁あの大尉、この街の状況は⋮ る。 ﹂ その事を聞いた健二と伊丹達。 ﹁お前たち 帝国第三皇女ピニャ・コ・ラーダ殿下に対して非礼であろう ﹂ 健二がピニャにその事を聞き、少々戸惑っているピニャに対し、ハミルトンが前に出 ? ? ﹁今聞く所だ、それで一体何があった ﹂ アシェリーの言葉に伊丹は納得して、伊丹は健二に問う。 ﹁イタリカの門の中です、後皆さんの方には私が連絡しました﹂ ? ! ﹂ ﹁えっ⋮ ? ﹁此処イタリカはテッサリア街道とアッピア街道の交点に位置する、交易上の重要な城 そして伊丹達は屋敷の中に入り、ピニャ達の説明を聞きながら案内される。 だった。 伊丹達はその事に思わず驚きを隠せず、健二とアシェリーはその事に顔を見合うの ﹂ ﹁皇女⋮ ? !! 119 塞都市だ。代々貴族であるフォルマル伯爵家が収めて来たのだが、先代が急死した為に 残された三姉妹の間で後継者争いが起きてしまった。 ﹂ ﹂ 長女と次女は既に他家に嫁いでいたのだが、正統な後継者である三女のミュイの後継 人の座を巡って対立したのだ﹂ ﹁⋮どの世界も変わらんな、その事には﹂ ﹁ですね⋮﹂ ﹁何処の世界でもあるんだな、そう言うの﹂ っと伊丹の言葉にレレイが問う。 ⋮ああ、所々分からない単語もあるんだけど⋮大体は、頭打ったからかな ﹁イタミ、彼女が言っている事が分かるのか ﹁ ﹂ ﹁分からないか 長い間この世界に居るんだ。耳が言葉に慣れない筈はないさ﹂ ﹁そこへ帝国へよって異世界出兵が行われた﹂ 伊丹はその事に今一度これず。そう言ってる中でピニャはある事を言う。 ﹁⋮そんな物でしょうかね﹂ ? ? ? ? 伊丹が考える事に健二が答え、伊丹は健二の方を向いて見る。 ﹁耳が言葉に慣れたて来たんだろう﹂ ? ﹁え 第10話 戦闘準備 120 ピニャの言葉に伊丹は思わず息を飲み、健二はそれに耳を向く。 ﹂ ? 伊丹は納得し、健二はただ黙っていた。 ﹁成程⋮﹂ に指揮を取っていると言う訳だ﹂ ﹁いかに当主と言えど、ミュイ殿に軍を引き入ろ等の事は酷な話だ。そこで妾が代わり 明する。 レレイの言う通り、まだミュイは11歳の子供である。その隣のピニャが来て再び説 ﹁確か皇女は、今年で11歳の筈﹂ ﹁子供⋮ それに伊丹達は思わず唖然とする。 ピニャが扉を開けて入り、健二達も入るとそこにはまだ若い少女の姿があった。 だ﹂ ﹁この扉の向こうにいらっしゃるのがイタリカの現当主、フォルマル伯爵皇女ミュイ殿 そう言ってるとピニャは扉の前に止まり振り向く。 果イタリカの治安は急激に悪化、今や街を守るのも困難な状態になっている﹂ ﹁各家共、当主が兵を率いて参戦する事が求められた。しかし誰も帰って来なかった、結 121 ニトウリクイ ﹂ ﹂と │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ││ そして健二達はある程度自己紹介をして、ピニャ達は﹁タイイ 言う単語に頭を傾げるが、すぐに気持ちを切り替えて話を聞く。 会話を初めて数分後⋮。 ﹁ではお前たちは妾達に力を貸すと言うのだな﹂ 健二はそう言ってピニャに言い、それにピニャは承知する。 ﹁ああ、この状態では龍の鱗を売る所でもないしな﹂ ? ﹁⋮良いだろう、お前たちは先ほどの戦闘で破壊された南門の守備を任せる。良いか ﹁分かった⋮アシェリー﹂ ﹁はい﹂ ? ? アシェリーはすぐさま皆に通信を入れて、それにブライアンはアシェリーの内容を聞 ﹂ ! いて頷く。 門内に入るぞ ! 皆が車から降りている様子を街の人々は目がくぎ付けとなる、それを上から見ていた ブライアンは皆に通信で話し、それに皆は従って進み、門内へと入って行った。 ﹁分かった、おい皆 第10話 戦闘準備 122 ピニャ達。 ﹁⋮の様だな﹂ ﹁けど姫様、良いんですか あんな連中入れてしまって ﹂ ? ﹁どうしましたか ﹂ ﹂ ? カレンは東門を守るんだ、ODST達はこのまま南門に残らせる。良いな﹂ ﹁まず俺とブライアンが南門に残り、レックスとランドックが西門を守り、ジャクソンと ブライアンが健二の元にやって来て、健二は言う。 ﹁それは納得だなリーダー、っでどうするんだ 少し考えてな、そこであの姫さんに内緒でSPARTANを三組に分かれさせる﹂ ﹁この配備、姫さんの配置が単純過ぎてな⋮、相手がやすやすと俺達の所に来るかどうか ? 問う。 そんな中で健二はピニャの作戦に少々考えていた。そこにアシェリーがやって来て そう言ってその場を去り、ハミルトンもピニャの後を付いて行く。 ﹁贅沢を言える状況ではないからな、使える物はなんでも使うまでだ﹂ う。 ハミルトンは城内に入れた事にやや不安を隠しきれずに問い、それにはピニャは言 ? ﹁あれが噂の緑の人と黒の人ですか。炎龍を倒したっと言う﹂ 123 ﹁了解です﹂ ﹁了解だリーダー﹂ ﹄ 肝心の参考人招致はどうするつもりだ ﹄ アシェリーとブライアンはそれに承知して皆に伝えに行き、健二は現在通信を行って いる伊丹の方に向かう。 どう言う事だ伊丹∼ 近くによると何やら上司がご機嫌斜めの様子だった。 ﹃今日は帰れないだと ﹁いや∼どうも戦闘に巻き込まれたみたいで⋮﹂ !!! 苦笑いをする伊丹に対し、上司の檜垣三佐が再び怒鳴って来る。 ﹃何を他人事の様に言っている !! そして話を終えて伊丹が車から降りて、健二が問う。 伊丹が上司の檜垣三佐に話し、それに健二は黙って聞いていて、少しばかり考えた。 ﹁ですよね⋮。⋮そこで少しお願いがあるんですが﹂ !!? ?! ﹂ ? それを聞いた健二は街の様子を見て、どの状況なのかを感じ取り、健二はキャリゲー ﹁はい、夜明け前には到着するとの事で﹂ ﹁まあな、それで ﹁はい⋮って、分かるんですか﹂ ﹁増援を呼んだのか﹂ 第10話 戦闘準備 124 ﹂ ? ﹂ 除くとして、残る三方の何処かに戦力を集中させてくるはずです。しかしそれ以上に気 ﹁そうですね、包囲するには敵の数が少なすぎます。切りだった崖に面している北側は ﹁狙いはこの南門かな その後に伊丹が呟く。 健二が言った言葉に桑原が言う。 ﹁はい、斥候の様ですね⋮、後方に本体も居ます、数は⋮500か600ですね﹂ ﹁居たな⋮見えるか﹂ 夕暮れの日、健二達は城壁上で敵の偵察隊らしき人影を見つける。 ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ? ターの方に向かい無線機を取る。 ﹄ ? っと健二はある事を頼み込むのだった。 ﹁ああ、実はな⋮﹂ ﹃はい聞こえます。どうしましたか ﹁こちらラプター1、ビックマンモス聞こえるか 125 になるのは⋮﹂ ﹁ああ、分かってる﹂ 健二はヘルメットを外し、壁にもたれながら言う。 ﹁俺達は囮、一度は突破された南門を守るのは四人のSPARTANを除く俺達20名 だけ。手薄に見えるのをワザと誘い込み、敵を奥の二次防衛線を決戦上にする気だ⋮あ の姫さんはよ﹂ ﹁まあ相手が上手く乗って来るのを期待するしかないな﹂ ブライアンが斥候部隊を覗きながら言い、健二は頷きながら言う。 ﹁そう願うしかない。まあ今の指揮官はあの姫さん、今は言う事を聞いとこう﹂ それに皆は頷いて行動に移り、伊丹はかがり火は要らないと皆に言い、かがり火を片 付けに入る。 栗林が伊丹に暗視装置を渡しにて、それを受け取る伊丹。 ﹂ ? ﹁街の人を守る為さ﹂ ﹁どうして敵国の姫様を助けようとするの ﹂ 健二と伊丹はロゥリィの方を向き、ロゥリィは気になっている事を問う。 ﹁ん ﹁ねえ∼イタミ、アンドウ﹂ 第10話 戦闘準備 126 ? ﹁本気で言ってるの ﹂ ? ﹂ ? ﹂ ? ﹁俺達の実力を知らしめる﹂ ロゥリィの言葉に健二は少し間を開けさせて、口を開く。 ﹁ふ∼ん⋮アンドウは した方が特だと、あの姫様に理解してもらう為さ﹂ ﹁ここの住民を護る為、これは嘘じゃない⋮けどもう一つ。俺達と喧嘩するより仲良く ながら言う。 ロゥリィはそう言って伊丹のヘルメットを被らせる。痛みはそれに笑みを浮かばせ ⋮偽りや欺きは魂を汚す事になるのよ﹂ ﹁エムロイは戦いの神、人を殺める事を否定しないわ。でもそれだけに動機は重要なの ﹁理由が気になるか その様子を健二は少し壁にもたれ、伊丹はロゥリィの気にしている事を問う。 ﹁おうサンキュー﹂ ﹁兜かして、持ってあげるわ﹂ ロゥリィは近寄る。 伊丹はそう言ってヘルメットに暗視装置を付けようとするも中々つかない、それに ﹁そう言う事になってる筈だけど﹂ 127 ﹁え ﹂ ﹂ ? み込むのね∼ ﹂ ﹁気に入った⋮気に入ったわそれ ﹃恐怖﹄ 全身を貫く恐怖をあのお姫様の魂魄に刻 ! 合っているからである。 ロゥリィが喜ぶ中で伊丹が思わず否定するのだが、健二は全く否定しなかった、現に ! ! 伊丹はその言葉に思わず詰まらせてしまうが、ロゥリィはそれに目を輝きさせる。 ﹁ああ﹂ ﹁え⋮と、マジっすか 丹、お前たち自衛隊にも俺達SPARTANの本当の能力を見せてやるよ⋮﹂ ﹁あの姫さん、俺達の実力を知らないからな、それを見せる良いチャンスだ。ついでだ伊 それには伊丹は思わず驚いて振り向く。 ?! そして真夜中、警備を厳重にしているイタリカ、各自守備に入っているSPARTA 健二はそう言って、日が沈むのを待つのだった。 ﹁良いじゃねぇか﹂ ﹁ははは⋮違うんだけどな﹂ ﹁そう言う事なら是非協力させていただくわ、私も久々に狂えそうで楽しみ∼♪﹂ 第10話 戦闘準備 128 N達、そして東門に異変が起きた。 ﹂ ﹁敵襲だ ピニャ殿下に伝令 ﹂ 敵は東門に現れたと伝えるんだ ! ﹂ ﹁東門だと ﹁はい ﹂ !? ! ﹁なんで∼ 此処に攻めて来るんじゃなかったの∼ ﹂ !? ﹁今のところは何も﹂ ﹁桑原曹長、東門からの連絡はあったか ﹂ ブライアンがそう言い、健二が桑原に問う。 ﹁元々あいつ等は正規軍だ。その辺は心得ていたんだろう﹂ ﹁0320、夜襲には絶好のタイミングですね﹂ 斧を地面に突きながらイラつくロゥリィ、それをアシェリーが時計を見る。 ! リィがご機嫌斜め状態になる。 それにピニャは歯を噛みしめ、南門に居る健二達は東門が荒れてる様子を見て、ロゥ ! ﹂ そこを警備しているノーマ達は東門に盗賊達が攻めて来た事にすぐに言う。 ﹁はっ ! ! すぐにこの事はピニャに伝わり、それを驚きを隠せない。 ﹁はっ ! 129 ? それを聞いた健二は頷いて再び東門の方を見る。 健二は信頼する部下たちを信じて待つのであった。 ﹁︵頼んだぞ⋮ジャクソン、カレン︶﹂ 第10話 戦闘準備 130 第11話 SPARTAN 前編 イタリカで盗賊に襲われている中、アルヌス駐屯地基地では自衛隊がヘリ団体を編成 していた。 ! の事だ﹂ 是非我々に行かせてください ! ﹁第1戦闘団は編成完了 ﹂ すぐにでも出られます ﹂ ! ﹂ ﹂ 是非我が第4戦 ! ワーグナーのCDを用意してあります ! ! 大音量スピーカーとコンポ ! 闘団の出動をお願いします ﹁健軍一佐 ! ﹁地面をチンタラ移動していたら、到着に時間がかかり過ぎる。陸将 物は﹃健軍 俊也﹄第4戦闘団隊長で航空戦闘団を任されている一等陸佐である。 別の人がその事に駄目だしを受けてしまう加茂はすぐにその人物の方を向く、その人 ﹁駄目だ ! ! 第1戦闘団の隊長﹃加茂 直樹﹄が志願するよう狭間に頼み込む。 ﹁陸将 ﹂ け、追加支援を求めて来ている。無論第3偵察隊にはUNSC軍も協力してくれてると ﹁現在、第3偵察隊がイタリカの代表。ピニャ・コ・ラーダ氏より治安維持協力要請を受 131 用賀二佐 今は速度が必須と見なす。それが現実的な選択だ﹂ ﹂ その事を聞いた健軍は頷く。 ﹁パーフェクトだ ﹂ ! その様子に狭間は決断する。 ﹁感謝の極 ! 故か頭を抱える。 ? り込んで行く様子を見ていた。 V│14 VTOL ホーネット﹄10機が待機していて、海兵隊達がペリカンへと乗 地の外には降下艇ペリカン5機と小型輸送機﹃UH│144 ファルコン﹄が5機﹃A そう考える狭間は同じ様に準備を行っているUNSC軍FOB基地の方を見ると、基 ⋮。しかし︶﹂ ﹁︵⋮こいつ等、キルゴア中佐の霊にでも取りつかれたか この先の展開が予想出来るな 狭間がそう命じて第4戦闘団は敬礼をし出動準備に取り掛かる、そんな中で狭間は何 ﹁⋮第4戦闘団の出動を命ずる ! ! と向かった。 狭間はそう思いつつ出発して行く部隊達を見送り、UNSC軍と自衛隊はイタリカへ ﹁︵あちらの方も既に準備を終えている様だ。あちらの司令も強引と来るものだ⋮︶﹂ 第11話 SPARTAN 前編 132 │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ││ 現在のイタリカの状況は混乱状態へとなって居た。 東門に襲撃して来た盗賊はそのまま城壁に取り付き、戦闘が始まってしまった。 その門を守っていたノーマは迫る盗賊の一体を切り倒し、その倒した者の顔を見た、 ﹂ その男の表情は死をもろともしない表情だったのだ。 ﹁っ⋮ここに死に場所を求めて来てるのか ﹂ !! それに気付いたピニャ。 ﹁このクソッたれ共 痺れを切らした民兵の一人が叫ぶ。 っが盗賊達は死体を引きずって、皆の前に放り出し、それにいたぶるかの様に見せる。 睨む。 ピニャが唖然とする中で盗賊が城門を開かせてしまった。それに民兵達は盗賊達を ﹁もろ過ぎる⋮、現実は⋮頭で考えてる事とこうも違うのか⋮﹂ 次々へと倒されて行く民兵、圧倒的に攻めて来る盗賊、明らかに力の差は歴然だった。 ピニャ達は東門付近までやって来ると、その様子を見て唖然とする。 ! 133 ﹁待て 堪えろ ﹂ ! ﹁落ち着くんだ 冷静に鳴れ ﹂ ! ﹂ ウオオオオオオッ ! ノーマの死にピニャは思わず拳を握りしめる。 このままじゃ⋮おかしくなっちゃう∼∼∼ ! だめ⋮ ! 南門では、ロゥリィが何故か苦しんでいた。 ﹁うぁぁぁぁ ! それに皆は何の事かさっぱり分からず、健二はレレイに問う。 ﹂ 盗賊達が騎士団の一人を見せ、そして放り捨てるかの様に落とす。 ! ノーマがそのまま倒れ落ちるのを盗賊の頭が取り見せる。 動けなくなってしまい、三方向から串刺し状態になる。 っがその時にノーマの背後に盗賊が斬り込んで来て、背後を斬られたノーマはそれに ! そんな中で必死に戦ってたノーマは皆に指示を出す。 ﹁何故⋮こんな事に﹂ ピニャ。 しかし民兵達はピニャの静止を聞かずにそのまま突っ込んで行き、それに唖然となる ! ﹁打ち取った 第11話 SPARTAN 前編 134 ﹁レレイ、あれは分かるか ﹂ ? ﹁リーダー、このままじゃ不味いのでは ﹁⋮どうすればいい﹂ ﹁戦いに身を任せればいいはず﹂ ﹂ それを聞いた伊丹は桑原に問う。 ﹁東門からの連絡は ﹁ありません﹂ ﹂ ? ﹂ それにブライアンは承知し、健二は栗林に言う。 ﹁了解だ﹂ アン、此処を任せていいか ﹁俺達のSPARTANが既に動いてると思うが⋮、様子を見に行くとするか。ブライ ﹁援軍を誘導する必要があるしな⋮﹂ 連絡のない事を受けて、伊丹は時計を見る。 ? ? 言う。 レレイの説明を聞いた皆はそれに思わず唖然となり、アシェリーが健二の近くに来て 女に媚薬のような作用を表している﹂ ﹁戦場で倒れた兵士の魂魄が彼女の肉体を通して、エムロイの元へ召される。それが彼 135 ﹂ ﹁栗林、ロゥリィに付いててやってくれ﹂ ﹁了解 ﹄﹄﹄ ! ﹂ きでその場から離れて行く。 っとロゥリィは栗林の腕を掴み、立ち上がって城門から飛び降りた。そして素早い動 ﹁ロゥリィ、行くよ﹂ 伊丹達は了解し、栗林はロゥリィの元に行く。 ﹃﹃﹃了解 を連れて来てくれ﹂ ﹁俺とアシェリー、カイルの三人で東門の方に行く。伊丹は富田と栗林、ロゥリィの四人 ! !? リィの後を追う。 追いかける中で銃座に居る健二が通信を入れる。 ﹁こちらラプター1、ビックマンモス、準備の方はどうだ ? ﹃現 在 見 通 し の 良 い 場 所 に 移 動 中、も う じ き 砲 撃 位 置 に 付 き ま す ホーネット隊と海兵隊が到着する予定です﹄ そ れ と ま も な く ! ﹂ マイケルとエイミは思わず驚き、健二達はワートホグと73式小型トラックでロゥ ﹁並のスピードじゃないね⋮﹂ ﹁早っ 第11話 SPARTAN 前編 136 スピードを上げろ ﹂ ! それを聞いた健二はそれに頷く。 ﹂ ﹁よし、このまま東門に向かう。カイル ﹁了解 ! ﹄ ﹂ ﹃はい、何でしょうか ? 賀二佐が伊丹からの報告を聞いて健軍一佐に報告する。 ﹂ ﹁一佐、現在東門の内部で戦闘が起きている模様、UNSC軍にも伝えますか ﹁そうしろ、10時の方向。全機攻撃態勢を取れ ﹂ イタリカへ向かっているUNSC軍航空部隊と自衛隊の第4戦闘団、第4戦闘団の用 そう言って健二は通信を切るのだった。 ﹃了解﹄ ﹁暗視装置は外して置けよ。もうすぐ夜明けだ﹂ ? ﹁伊丹、聞こえるか 健二はすぐさま伊丹達に連絡を入れる。 ﹁あっ、そうだ﹂ カイルは命令に従い、速度を上げさせて、東門へと向かわせるのだった。 ! それに各機は10時方向に進路を取り、健軍が皆に言う。 ! ? 137 ﹁朝日を背に突入 後は二佐に任せる。音楽を鳴らせ ﹂ ! る。 その曲を聞いているUNSC軍は。 ? そこに一人のSPARTANⅣがやって来て、それに海兵隊は振り向く。 ﹁あまり彼らの事を悪口を言うんじゃない﹂ 海兵隊達は何だかんだで自衛隊に悪口を言っている、っとそれに。 ﹁自分達は違うと言いながらも、結局はそうじゃねぇか﹂ ﹁自衛隊の奴等、戦争中毒にでも侵されるのか ﹂ っと用賀はすぐにCDを流し、スピーカーからあの曲⋮ワルキューレの騎行が流され ! ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ そう言ってアントラは操縦席に向かい、イタリカの方を見て準備をするのだった。 事は無しだ﹂ ﹁彼等は戦いを好きでやっている訳じゃない。治安維持の為に出撃しているのだ、硬い ﹁﹃アントラ﹄、けどよ∼﹂ 第11話 SPARTAN 前編 138 そして建物の上で待機していたSPARTANⅣのジャクソンとカレン、カレンは ジャクソンの方を見て言う。 ﹁おっしゃ 芝刈りの時間と行くか ﹂ !! ﹂ 盗賊さん達、アタシ達が相手だよ﹂ ﹁こいつのテストに付きやってくれや ! ﹂ !! 盗賊の一人がジャクソンの隙を付いた所に剣を振り下ろす、っが⋮。 ﹁やああああ 更に背後に来る盗賊をサブマシンガンで穴だらけにして、蹴りで飛ばして行く。 チェットで首を斬り飛ばされる。 で挑んで行く、盗賊達もカレンに剣で対抗するもマチェットで簡単に弾き飛ばされ、マ カレンは右手にマチェットを、左手には﹃M7サブマシンガン﹄持って盗賊達に格闘 く。 に風穴が数十か所開けられ、更に腕をや足を吹き飛ばされながら悲鳴をあげて倒れて行 っとジャクソンはM247H 重機関銃を盗賊達に向けて撃ちまくり、盗賊達は身体 ! ﹁さ∼て それに盗賊達は思わず足を止め、民兵達はジャクソン達に目をくぎ付けされる。 そう言って二人は建物の上から飛び降りて、盗賊達の真正面に着地する。 ! ﹁やれやれ、こうなったか⋮そろそろだよ、ジャクソン﹂ 139 パッキィィィィィン ﹁何すんだよ⋮この野郎 ﹂ ﹂ 上で見ていたピニャ達はジャクソン達の登場に唖然としていた。 それを見た盗賊達は思わず怯えて腰が抜けてしまう。 込んでしまう。 ジャクソンは裏拳で盗賊の頭を一気にぶん殴り、そのまま盗賊の頭は飛んで壁にめり !!!! それにジャクソンは振り向き、盗賊は思わず引いてしまう。 まう。 SPARTAN達のGEN2アーマーの頑丈なボディには傷をつける所か、折れてし ! ? る。 ロゥリィの斧は近くの盗賊を切り倒し、ロゥリィがジャクソンとカレンの前に着地す っとロゥリィが真上から降りて来て、斧を振り下ろす。 ﹁あ∼ら、私も混ぜて∼♪﹂ ピニャがその様子に唖然とする中⋮。 ﹁あの者達⋮どうして 第11話 SPARTAN 前編 140 お前何故 ﹂ それにジャクソンとカレンは振り向く。 ﹁ロゥリィ ? ﹁あんた南門の所に居たんじゃないのかい ! ﹁ははは 一本取られたな ﹂ ? ﹁あっ これは⋮﹂ ﹂ 更にイタリカの付近に居るビックマンモスがミニMACガンで砲撃して来て、盗賊達 自衛隊の航空戦力隊がやって来て、外に居る盗賊達を相手にしていた。 すると突如城壁に爆風が起き、それにジャクソンとカレンは空を見るとUNSC軍と ? ? ﹁ワルキューレの騎行 ﹂ レンもそれに耳を傾ける。 すると突如音楽が流れ込んできて、それに皆は足を止めて空を見る、ジャクソンとカ っとその事にジャクソンは苦笑いしながらM247H 重機関銃を撃ちまくる。 ﹁今度言ったら、アンタの〝タマ〟引っこ抜くよ﹂ ! ﹁あんたね⋮﹂ 無視されたカレンはそれにイラつく。 行く。 カレンは聞きながら盗賊をぶっ飛ばし、ロゥリィは無視しながら盗賊達を薙ぎ払って ? 141 を滅却して行く。 結構盛り上がってる様だな﹂ そして健二達が到着して、状況を確認する。 ﹁おっ ﹁付け剣 ﹂ 伊丹達が構えると同時に栗林が前に出て向かって行った。 ﹂ ﹁栗林さん ﹁仕方ない、アシェリーと伊丹と富田は後方で援護 ﹂﹂ M7サブマシンガンを持って前進した。 カイルは俺に続け アシェリーとカイルは了解し、伊丹達も遅れて了解とし、健二とカイルはMA5Dと ! カイルが叫び、富田が栗林の行動に思わず言葉が出てしまう。 ﹂ ﹁あの馬鹿 ! ﹁﹁了解 ﹂ そうアシェリーに注意される健二、そして伊丹達は64式に銃剣を取り付ける。 ﹁リーダー、その言葉はあまり関心しません﹂ ? !! ! ! ! 第11話 SPARTAN 前編 142 第12話 SPARTAN 後編 イタリカは今まさに戦火の中に包まれていた、援軍としてやって来た自衛隊とUNS C軍は外に居る盗賊達を滅却していた。 ﹁くそっ お前もやり返せ ﹂ ! ﹂ ! それを見たペリカンはUNSC軍と自衛隊に伝える。 盗賊の二人が上にある対空兵器のカタパルトを使う。 ﹁おう ! 自衛隊の者達も負けずにと同じ様に機関銃や64式小銃で盗賊達を狙い撃っていた。 ホーネットはミサイルランチャーを放ち、地上に居る盗賊達を一気に片付けて行く。 グレネードランチャーを搭載されている物は爆風で飛ばされてしまう。 ファルコンのガンナー席に乗っている海兵隊はタレットを盗賊に向けて撃ち、反対に する。 に了解してファルコン隊とホーネット隊は外に居る盗賊達に向けてマシンガンを連射 ペリカンに乗っているSPARTANⅣのアントラが全機に通信を流して伝え、それ ﹃こちらプライナリー1より各機へ、城門内部には味方がいる模様、外のみを殲滅せよ﹄ 143 ﹁城壁上に対空兵器、まだ装填前です﹂ 目標を攻撃せよ ﹂ ! それに健軍が承知する。 ハンター1 ! ﹁よくやった 戻ったらビールをおごる ﹂ それを見た健軍は見事落とした事に褒める。 滅却した。 すると盗賊達の目の前に自衛隊の攻撃ヘリのコブラが飛行して来て、ミサイルを放ち ﹁了解した ! ! ﹁たぶん違うと思うな⋮﹂ ? ? ﹁おい待てレレイ﹂ ﹁ちょっとどこ行くの ﹂ するとレレイがその場を離れて行くのをブライアンと黒川が見て止める。 ﹁無理⋮﹂ ﹂ その様子を南門で見ていたレレイ達の方にも爆音が届いていた。 いた。 HU│1に乗ってる自衛官は64式小銃を盗賊達に狙いを定めながら打って呟いて ﹁正しい見出し⋮正しい引きつけ⋮正しい頬付け⋮コトリと落ちるように﹂ ! ﹁うわ∼、凄い爆発⋮。あれも魔法 第12話 SPARTAN 後編 144 ﹁近くで見る﹂ ﹂ っとそう言ってレレイは階段を下りて行き、それにブライアンと黒川は思わず顔を合 わせる。 黒川 ! ﹁あの⋮﹂ あいつは⋮行くぞ ! る。 っと栗林の背後の盗賊の一人が斬りに向かった途端、盗賊の頭にナイフが突き刺さ そして栗林も参戦して来て、鋭い格闘術を生かし、盗賊達を倒して行く。 無論小柄の身体には全く合わない攻撃の仕草に盗賊達は次々へと倒される。 トを振りまして盗賊を切り倒して行く。 東門で戦闘をしている頃、ロゥリィはようやく待ち浴びた戦を楽しみながらハルバー ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ブライアン達の後を追いかけて行った。 そう言ってブライアンと黒川はレレイの後を追いかけ、アルティアとテュカも慌てて ﹁たくっ ! 145 思わず栗林が後ろを振り返り見て、飛んできた方を見ると、健二とカイルがMA5D とM7サブマシンガンを撃ちながらやって来て。カイルがナイフを投げたのだった。 NSCが責任を取らされるんだからな﹂ 何でそっちが責任が取られるんですか ﹂ ﹁栗林、突っ走って自滅する様な真似は今後するなよ、お前達自衛隊に何かあれば俺達U ﹁えっ ? ﹂ っと64式小銃の二脚が折れて、それに栗林は見て唖然とする。 パキッ で倒す。 それに栗林が何故か不満な表情をしながらも盗賊の剣を小銃で受け止め、9mm拳銃 言い。 カイルがナイフで近接戦闘をしながら盗賊を切り裂き、サマーソルトを炸裂しながら ﹁君達を護衛しているからだよ﹂ ? ! りつぶして剣を離し、その剣を受け取り盗賊の首を切り裂く。 そう健二とカイルはつぶやきながらも盗賊を倒し、健二は相手の手を掴み、一気に握 ﹁いくら廃棄予定の武器だからと言えど、修理代が出るな﹂ ﹁あっ壊した﹂ ﹁あちゃ∼ 第12話 SPARTAN 後編 146 それを見たジャクソン達は健二の戦いぶりを見る。 ﹁おっ、リーダー案外慣れている様に見えるぜ﹂ ﹁そうだね、でもまだまだと思うけど今は見守ってやるよ﹂ そう言ってカレンは盗賊を切り倒して、ジャクソンは頷いて重機関銃をぶっ放してい た。 そして健二は城壁上に居る盗賊の首領を見て、ジャクソン達に言う。 ﹂﹂﹂ ﹁カイル、ジャクソン、カレン。ここ任せるぞ﹂ ﹁﹁﹁了解 ﹁己∼ る。 ﹂ ゆっくりと立ち上がるSPARTANⅣを見て、首領は歯を噛みしめながら睨みつけ 振り向く。 健二は一気にジャンプして行き、盗賊の首領の近くに着地して、それに首領が驚いて ! を切り落とす。 っと剣を一気に振りかぶろうとした時に、健二は持っている剣を振り上げ、首領の腕 ! ﹂ 大量に血を流しながら悲鳴を上げる首領に対し、健二はただ首領の腹に強烈な拳を叩 ﹁ががあああああああああああああああああああああああああああああああ !!!!!!!! 147 き込み、それに首領は強烈なくの字になる、そして胃の中の液を大量に吐き出し。 健二は盗賊の頭を抑えて、一気にアッパーカットを放つ。 盗賊はそれに大きく飛んで行き、丁度ロゥリィのハルバートの上に突き刺さる。 それにロゥリィは見て、首領は苦しみながら言う。 官よ⋮答えよ エムロイの神官よ ﹂ ﹁み⋮認めんぞ、こんな物⋮戦いであって溜まるか⋮。そうは思わんか⋮エムロイの神 ! 首領が ﹂ 体制を立て直せ ! !? せよ﹄ ﹂ ﹃ラプター1、こちらホーネット1。これよりカウント10で門内を掃討する、至急退避 そう健二は呟いて、伊丹達が来た途端。 ﹁たくっ⋮、素直にこりろよ﹂ んでジャクソン達の近くに着地する。 その事に慌てながらも盗賊達は体制を立て直し始め、それに健二は呆れてしまい、飛 ﹁うろたえるな ! それを見た盗賊達は戸惑いを隠せない。 バートを引き抜く。 っとそう言った途端ロゥリィが首領を一気に地面に叩き込み、死んだ首領からハル ! !! ﹁しゅ 第12話 SPARTAN 後編 148 ﹃3レコン、こちらハンター1。これより│││﹄ 突如同じ内容の無線が入って来て、健二達が上空を見るとホーネットとコブラが飛行 して来て。それを見た健二達はすぐさま退避する。 自分で走るから∼ ﹂ 健二は伊丹とロゥリィを持ち上げて、ジャクソンは富田、カレンは栗林を担ぐ。 ! !? ババババババババババババババ ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ !!!!! ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ !!!!! バババババババババババババババババババババババババババババババババババババ カレンは栗林を黙らせ、退避が完了したのを見てカウントが0になった瞬間⋮。 ﹂ ロリ巨乳 ﹁ちょっと下ろしてよ ! ﹁黙ってな ! 149 途轍もない爆音と銃声がホーネットとコブラから放たれ、盗賊達を一気に滅却して 行った。 悲鳴をあげながら盗賊達は全滅して行き、銃器を止めて周囲を確認する。 そしてその様子をピニャとハミルトンは唖然としていた。 その時ピニャは感じた。 妾はとんでもない怪物をこの街に呼んでしまった。 妾はとんでもない者達を街に入れ込んでしまった。 そして妾は取り返しのつかない事をしてしまったのではないか⋮。っと。 そうピニャは思いつつUNSC軍と自衛隊の航空部隊を見て、ペリカンから海兵隊達 が降下して来て、周囲の確認をしに行った。 ﹂ そして健二達は終えた事に一息を付き、その場に来たブライアン達が来る。 ﹁終わった⋮﹂ ﹁うそ⋮﹂ ﹁盗賊が全滅⋮ ﹁おいお前等⋮、どうして此処に ﹂ っと三人娘の声が聞こえて、健二達は振り向く。 ? ﹁南門に居たんじゃなかったのか ﹂ ? ? 第12話 SPARTAN 後編 150 そして周囲の安全を確認されて、盗賊は完全に敗北したのだった。 そうブライアンが説明し、健二はレレイの好奇心にただ呆れるしかなかった。 ﹁ああ、それがレレイが近くで見るとか言って聞かなくてな﹂ 151 第13話 協定条約 イタリカへの盗賊滅却から数分、UNSC軍と自衛隊はイタリカが受けた損傷の一時 修復作業へと入っていた。 その中でも自衛隊が投降した盗賊達の見張りを、UNSC軍は瓦礫の撤去や負傷者を 運んでいて、瓦礫の撤去はアントラ達が率いるSPARTANⅣ部隊が行っていた。 その様子を健二達は見ていた。 ﹁これだけの犠牲で済んだけど⋮﹂ ﹂ 健二が言ったのをブライアンが言った所に、アントラが健二に近寄る。 ﹁酷いもんだな﹂ ﹂ ? ああそうだけど⋮、アンタは ? ﹁ラプターチームか ﹁ん ? ? ﹁よろしくアントラ、互いのリーダー同士。よろしく﹂ ﹁ああ、それよりもあんた等⋮毎度の事だが厄介ごとに巻き込まれるな ﹂ そうアントラが手を差し出すと、健二も同じように手を出して握手する。 ﹁俺は先ほどの部隊にいたプライナリーチームのリーダー、アントラだ。よろしくな﹂ 第13話 協定条約 152 ﹁⋮それを言うなよ﹂ 健二がそう言ってその場を去って行き、ブライアンとアントラはそれを見て、ブライ アンは手を上げて健二の後を追いかける。 ﹁⋮妾はイタリカを救うつもりで、もっと恐ろしい物を引きずり込んだのではなかろう を感じつつ言い続ける。 ピニャの言葉から聞いたハミルトンはそれを聞いて思わず唖然とし、ピニャはその事 妾ではない。そしてジエイタイは聖なるアルヌスを占拠し続けている⋮我らの敵﹂ ﹁勝利したのは⋮エムロイの使徒ロゥリィとジエイタイ、そしてユーエヌエスシーで⋮ っとピニャはハミルトンの言った事をすぐに否定し、勝利したのは誰かを言う。 ﹁違う﹂ ﹁はい、我々の勝利です│││﹂ ﹁確かに盗賊は撃退した⋮﹂ ﹁終わりましたな⋮﹂ 別れを告げた後にグレイはピニャに話しかける。 そしてピニャ達は先の戦いで戦死したノーマの最後の別れをしていた。 っとそう言ってアントラは撤去作業を続けているプライナリーチームの元に向かう。 ﹁ふっ。やれやれだな﹂ 153 か⋮、あの大部隊だった盗賊をたった数人と圧倒的で滅却した鋼鉄の天馬と強大な魔道 が⋮もしこのイタリカに向いたとしたら⋮妾も﹂ ピニャは降伏している女盗賊の一人を自分の顔を重ね合わせ、それにピニャは思わず 震えが出てしまう。 ﹂ 実際に街を救ったのは彼等だぞ﹂ の物となり、住民たちはそれを歓喜の声で迎えるだろう⋮﹂ ﹁っ⋮フォルマル伯爵皇女ミュイも簡単に虜囚となり、この帝都を支える穀倉地帯は敵 ﹁そんな事は 言う。 その事にハミルトンは言えず黙り込んでしまう、ピニャは二人の間を歩き通りながら ﹁ないと言い切れるか ? ! ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ピニャの言葉を聞いて、ハミルトンとグレイはただ黙って聞くしかなかった。 してしまうかも知れない﹂ ﹁もし彼等があらゆる物を要求してきたら、妾も取り縋って辞儀をして⋮足の甲にキス 第13話 協定条約 154 そして健二達はフォルマル伯爵家の屋敷で協定条約の内容を聞いていた。 その説明をハミルトンが話していた。 ﹂ ? ﹂ ! その事を聞いたハミルトンはそれに黙り込んで、間を空けて皆を見る。 ﹁それが私達や自衛隊のルールです。破る事は⋮絶対にありません﹂ ﹁友人や知人が平和に暮らす街を襲い、人々を殺め虐殺などするものか アシェリーの説明を聞いて、ハミルトンはその事を聞いて思わず怒鳴り声を出す。 ﹁はい、友人、知人、親戚の様に扱う様の事です﹂ ﹁人道的 らとの人道的にも﹂ を知りませんので、出来れば数人程度の捕虜をこちら側にも与えてほしいのです。そち ﹁イタリカの復興への労働力、それは理解しました。ですがこちらはまだこの辺りの事 頷いて言う。 ハミルトンの説明を聞いた健二達、健二はアシェリーの方を見て頷き、アシェリーは 側にあると心得て頂きたい﹂ 第3のアルヌス協同生活組合の貿易特権それも問題ない。だが捕虜の権利はこちら 費に関しては慣例通りとする。 ﹁イタリカ救援に感謝し、その対価の交渉を行いたい。第2の施設の往来の無事と、諸経 155 ﹁⋮了解した。では捕虜に関しては以上だ。残りは軍隊の退去と協定期間に対して││ │﹂ ﹂ っとレレイがそれを言い、それにハミルトンはピニャの方を向き、それにピニャは頷 ﹁条文通りで依存はない﹂ き。ハミルトンは再び前を向く。 ﹁ではそれで条件をのむと決する﹂ それを健二達は了解し、協定条約を結んだ。 協定を結んだ後、健二達は外に出て今の状況を確認する。 ﹁協定条約を結んだから今後の情報もより入りやすくなった﹂ ﹁ですが我々がどこまでこの世界に干渉すれば良いんでしょうか ﹁それは自衛隊達と考えれば良いんだ。それは﹂ ? ブライアンの言葉に健二は考えながらその事に頷き、健二達は一旦捕虜の確認する 為、伊丹達の元に向かう。 そこでは伊丹が既に連れて行くメンバーを決めていた。 ﹁あの頭に羽が付いた子ですか ﹂ ﹁あの子とあの子⋮それにあっちの子だな﹂ 第13話 協定条約 156 ? ﹁そう﹂ 健二達が伊丹達の側にやって来て決めているメンバーを見ると、連れて行くメンバー は女子ばかりであった。 そして捕虜を乗せたペリカンはUNSC軍と自衛隊の航空部隊と共にアルヌスへと っと黒川もアシェリーの同意し、それには健二とブライアンは見合うのだった。 ﹁まあ、それもそうですね﹂ ﹁ま、まあ∼女の子を此処に残す訳には行きませんからね⋮﹂ の考えに少しばかり賛同する。 その事に呆れ返る健二とブライアンに栗林に黒川、アシェリーは苦笑いしながら伊丹 ﹁そ♪偶然♪﹂ ﹁偶然⋮ね﹂ ﹁偶然だって﹂ ﹁そうは思えませんが⋮﹂ そう答える伊丹に栗林が目線を反らしながら言う。 ﹁まさか偶然ですよ﹂ ﹁わざとやってないな﹂ ﹁⋮女ばかりだな伊丹﹂ 157 帰還して行き、それを街の住人達は感謝の言葉を送りながら見送った。 その様子を健二達は下から見ていた。 お嬢さん方は ﹂ ﹁⋮では我々も帰りますかね﹂ ﹁あれ ? ﹂ ? ﹂ 今回の戦闘を⋮感じて ﹁どうしたアシェリー、俺を呼んで ﹁はい、あの⋮どうでしたか ﹁えっ ﹂ ? ? それを聞かれた健二はそれをすぐに答える。 ? あるけど﹂ ﹁人を殺しても何も感じなかった、しかし少しばかり加減もあった⋮まだまだって事も ? ﹂ 健二はアシェリーに声を掛けられ、アシェリーの後を付いて行き、健二は問う。 ﹁あの∼リーダー﹂ ﹁ああ、本当⋮巻き込まれるばかりだな﹂ 富田はこの街に来た目的の事を思い出し、それに健二は頷く。 ﹁あっそれが目的でしたね ﹁例の商談中だ、本来の目的の﹂ ? ﹁何にも感じなかった﹂ 第13話 協定条約 158 それを聞いたアシェリーはその事に少しばかり不安になる事もあったが、健二のこの 後の様子を見守る事にする。 │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ││ そしてレレイ達が龍の鱗を売って、ラプターチームと第3偵察隊と共にイタリカを出 てアルヌスへと帰投する。 ﹁ん どうした ﹂ ? ﹂ ? ﹁おい伊丹、また厄介ごとが増えるぞ﹂ 健二はそれを見て目を細め、通信で伊丹達に言う。 るのが分かる。 それに健二は前を向いて、双眼鏡で前方を見ると、煙がたち誇り、徐々に近づいてい ﹁リーダー、前方から何かが接近中だ﹂ ? っとブライアンはブレーキを踏み、それに健二は問いかける。 ﹁ああ、これで無事⋮ん ﹁さてと⋮無事に帰投すれば俺達の任務も終了だな﹂ 159 ﹃ええ マジっすか んで⋮﹄ !? ティアラです ﹄ ﹃金髪です ﹃金髪 ﹄ ﹄ ﹃縦ロールです ﹃縦ロール ﹄ ﹄ ﹁⋮お前等、楽しんでないか ﹂ ﹃ああ∼ティアラね⋮ってティアラ ! ﹄ 男装の麗人一 後方に美人多数 ﹄ ! ﹁どうします ﹂ ﹁⋮薔薇の旗。あの姫さんが言っていた騎士団だな﹂ く。 っと健二は徐々に近づいて来る煙の中で旗が見えて、その旗が薔薇である事に気付 ! 告する。 金髪縦ロール一 あれは⋮﹂ ! 健二は伊丹と倉田の漫才的な会話を聞いて思わずつぶやく、そして倉田がそのまま報 ? ! ! !? !? ﹃隊長 伊丹がその事を言う前に倉田が叫んだ。 !? ! !? ! ﹁はぁ⋮、ん ? ﹃目標 第13話 協定条約 160 ? アシェリーがそう聞く中ですでに騎士団が最前列の73式小型トラックまで来てい た。 その内の騎士団の一人﹃パナシュ・フレガ・ルギー﹄が話しかける。 ﹂ ! ﹂ ! リーダー ﹂ ! コ・パレスティ﹄が馬から降りて、騎士団の元に向かうと伊丹も同じように高機動車か 健二はそう言ってキャリゲーターから降り、騎士団が警戒している中で﹃ボーゼス・ ﹁え ! ﹁ああ⋮、俺が行く。何かあったらお前たちはそく撤収しろ﹂ よな﹂ ﹁おいリーダー、あいつ等俺達があの姫さんと協定条約を結んでいる事を知らない筈だ その様子にブライアンが健二に話す。 ﹁アルヌスの丘だと それを聞いた途端、騎士団が一斉に武器を構え、運転席に居る富田に向ける。 ﹁アルヌス・ウルゥ﹂ ﹁何処へ 少々片語で話すも、パナシュは怒鳴る風にもう一度問う。 ﹁我々、イタリカから、帰る﹂ ﹁貴様等何処から来た﹂ 161 ら出て来た。 ﹁伊丹﹂ 異世界の敵か ﹂ それに健二は頷いて、共の向かい。ボーゼスが富田の胸倉を掴む。 ﹁ちょっとまずい状態になって来てるんで、ここは共に﹂ ﹁貴様 !! ﹂ ? ﹂ ! ﹂ !! ﹂ それを見たパナシュが健二に剣を向ける。 っとボーゼスが健二のヘルメットに平手打ちをするも、逆に彼女の方に痛みが走り、 ﹁お黙りなさい ﹁やめとけ、俺達は│││﹂ ﹁降伏なさい すると目の前に剣が向けられ、それに二人は見るとパナシュが剣を向けていた。 ﹁部下が何かいたしましたか っとボーゼスが振り向くと、健二と伊丹が歩み寄って来る。 ﹁あの∼﹂ ! !! 健二がそう言うも既に騎士団の者達は完全に頭に血が上っていて、もう聞いても聞か ﹁別に、それよりもお前たち、あまり過激な事は│││﹂ ﹁何をした 第13話 協定条約 162 急げ !! ﹂ ないと感じた健二は皆に言う。 撤収 ! !! っと今頃考える健二と手を上げて苦笑いしながら降伏する伊丹であった。 ﹁⋮︵さて、どうするかね⋮これから︶﹂ ﹁あははは⋮﹂ 残された健二と伊丹は騎士団に武器を向けられていた。 撤収をする。 それを聞いたブライアンはすぐさま車両をバックさせて撤収をし、皆もそれに続いて ﹁全員 163 第14話 早すぎる条約破り イタリカ付近にてラプターチームと第3偵察隊が捕まった健二と伊丹の救出に来て おり、その様子を夜になって見ていて。 栗林が双眼鏡を置いて呟く。 ﹁隊長⋮もう死んでたりして﹂ 倉田が冗談でもない事を栗林に注意し、それを栗林は気にしない。 ﹁縁起でもない事言わないでくださいよ﹂ ﹁だって連れていかれる途中、あの人だけ随分と酷い目に合ってるじゃない﹂ ﹁まあ、リーダーと違ってあいつはただ防弾ベストとヘルメットを被っているだけの生 身だからな﹂ っとブライアンがヘルメットの双眼鏡を覗きながら言い、アシェリーは双眼鏡を置い て皆に言う。 救出チームはアシェリー、ブライアン、レックス、カイル、ビル、カレンの六人で、第 アシェリーはそう言って皆に言い、皆は頷いて準備を始める。 ﹁とにかくもう少し様子を見ます。その間に皆さん準備をお願いします﹂ 第14話 早すぎる条約破り 164 3偵察隊は栗林、富田、倉田、笹川、勝本の五人で向かう事となり。 それに同行するテュカ、レレイ、ロゥリィ、アルティアの四人が来ることとなった。 隊長の様に│││﹂ 準備をする中で栗林がアシェリーに健二の事を問う。 ﹁あの、大尉は大丈夫なんですか ﹂ !!? ﹂ ﹁隊長∼。無事で居た下さいよ∼、そうでないと俺、猫耳娘の話を誰にするんですか∼ 栗林がそれに唖然とする中で倉田が呟く。 ない仕草を見せずに動いていた事に驚かない人は必ずいない。 その事を聞いた栗林は驚いた、車両の半分もある重さのアーマーを健二達は何も感じ ﹁なっ ぜ、何せアーマーの重量は500kはあるからな﹂ ﹁おまけにあれを引きずって行ったあいつ等の方が、かなりの疲れがたまってると思う すら苦労する程の頑丈なアーマーです﹂ ﹁それはありません。リーダーが着ているGEN2アーマーは剣を刺す所か傷を入れる ? 165 │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ っとつまらない事を言う倉田にアシェリーはクスクスを笑うのだった。 ? ││ ﹂ そして場所は変わってフォルマル伯爵の屋敷。 そこではピニャが⋮。 コンッ ﹁なんてことをしてくれたんだ !!! ﹁え⋮ る。 ﹂ ボーゼスの額にピニャのコップが投げ込まれて当たり、額から血が薄らと流れ落ち ! ﹂ 我々が何をしたと言うのですか ?! に当てる。 ﹁姫様 ﹁分からんぬか ! ピニャの怒りに震えるボーゼスとパナシュ、そしてピニャ苦難な表情で横の方を見る ! ﹂ その事にボーゼスは崩れ落ち、隣に居るパナシュがすぐさまハンカチでボーゼスの額 ! る。 ﹂ 突然の行動に唖然とするボーゼス、ピニャは息を荒くしながらボーゼス達を睨みつけ ? ﹁貴様等⋮ 第14話 早すぎる条約破り 166 と。何 と も な い 状 態 で 座 っ て い る 健 二 の 隣 で ボ コ ボ コ に さ れ て し ま っ た 伊 丹 が 居 た。 一方その近くで完全に疲れ切っている騎士団の姿もあった。 その理由は健二を連れて行く際に、あまりにのアーマーの重さに引っ張るのがかなり 苦労したらしく、最終的には馬の力を借りて連れて行ったらしいが、それでも疲れたら しい。 ﹂ ハミルトンは伊丹を揺さぶって話しかけていた。 イタミ殿 ! ﹁あのアンドウ殿 イタミ殿は ﹂ ! メットを取る。 ﹁姫さん、この場合はどうする ﹁っ⋮﹂ 決めるのは貴方だけど ﹂ ? ﹁⋮はぁ、結んだその日に協定破りとは⋮﹂ 連れて行くメイドの後を付いて行き、立ち去った後にピニャは頭を抱える。 ピニャはその事に言葉を詰まらせ、そう言い残した健二はその場を立ち去り、伊丹を ? 健二は立ち上がって腕に縛られた縄を簡単に解き、ピニャの前までやって来てヘル ﹁心配ないよ、気を失ってるだけ、しばらくしたら目を覚ますと思うよ。さて⋮﹂ ! 全く返事のない伊丹にハミルトンは隣に居る健二に話しかける。 ﹁イタミ殿 ! 167 近くに居たグレイがピニャの側に近寄り、今の状況を見て話す。 ﹁これを口実に戦争を吹っ掛ける、帝国の常套手段ではありますが、彼らが同じことをし ないとは限りませんな﹂ ﹁そうなれば滅ぶのは我らだ⋮﹂ ピニャは恐れていた、UNSC軍と自衛隊がもし帝国に牙を向けたとなったら確実に 敗北は決定している。それを先の戦いで分かっていて、それをどうするか恐れていた。 ﹂ ﹂ もし戦うとなれば勝てるのですか 彼らに ﹂ ﹁ですが幸い此度には死人が出ておりません。ここは素直に謝罪されてはいかがでしょ うか ですが姫様 !? どう考えても勝つ方法は何処にも見つからないからだ⋮。 ﹁⋮今 何つったの ﹂ !? 栗林が信じられない表情をしながら聞き直し、それを倉田が言う。 ! そしてイタリカ付近のラプターチームと第3偵察隊の方では⋮。 ! グレイの言葉にピニャは頭を上げて言う。 ﹁で ! ハミルトンの言葉にピニャは言葉をつまされてしまう。 ?! ? ! ﹁妾に頭を下げろと言うのか 第14話 早すぎる条約破り 168 その後 ﹂ ﹁ですから隊長なら大丈夫だって⋮ ﹁その後よ !! ﹂ ? ! 栗林はその場に倒れた。 勘弁してよ∼ ! ﹁イタミがレンジャーと言うの持ってたら⋮いけない ﹁そんなのあり得な∼い ﹂ ﹂ である伊丹が持っている事がとても信じられなかったからだ。 富田の言葉に栗林は驚いた、陸上自衛隊の名誉であるレンジャー勲章をオタク自衛官 ﹁ああ見えて隊長︽レンジャー持ち︾だからな﹂ ! ﹂ 靭な肉体と精神でどんな過酷な任務でも遂行する 似合わない物なのよ それがレンジャー あんな人には ! ! ﹂ ? っとその事に栗林は起き上がってアシェリーの方を向き、アシェリーはサイレンサー ﹁人間見た目だけじゃあ分からない物ですよ﹂ ﹁イタミが精強の戦士∼ ら伊丹のレンジャーの話しを重ねる。 栗林の話を聞いて、テュカとアルティアは見合って思わず笑い、ロゥリィも笑いなが !! ! ﹁だってキャラじゃないのよね∼ 地獄の様な訓練課程をくぐり抜けて、鋼の様に強 近くにいたレレイがその事を問い掛け、栗林は今だに信じられない表情で話す。 ? 169 付きのMA5Dを持って立ち上がる。 ﹁どんな人でも見た目だけじゃないですからね﹂ ﹂ ブライアンの言葉に栗林は思わず機嫌を悪くし、64式小銃を持って立ち上がる。 ﹁ああ、あいつをオタク目しか見てないお前じゃあ無理ないな﹂ 見た目だけの女で ! ﹁了解だよアシェリー﹂ ﹁ああ、分かった﹂ ます、後方をレックスが﹂ ﹁ふふふ⋮、さて皆さん、そろそろ行きます。ブライアン、カレンさん。先頭をお願いし プイっと明後日の方向を向く栗林に皆は思わず笑いを堪える。 ﹁すいませんね ! ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ バーして皆前に進む。 アシェリーの命令を受けてブライアンとカレンは先頭に立ち、後方をレックスがカ ﹁了解﹂ 第14話 早すぎる条約破り 170 イタリカの門付近まで来たアシェリー達。ブライアンはすぐさま索敵を開始する。 ﹁門の近くに数人⋮城壁上に数人か⋮。数は多くないが少し目立つな﹂ ﹁さてどうするかね﹂ ブライアンとレックスが考えている中で、レレイ達が前に出て進む。 おい ﹂ それに二人は見て慌てる。 ﹁ちょ ! ﹂ ﹁待て ! う。 ﹁良いのかよ ﹂ そう呟くしかなかった二人。 ﹁俺に聞かれても⋮﹂ ﹂ 帝国の騎士団だか知らんが威張りやがって ﹂ 盗賊と戦ってねぇのによ ! そしてイタリカ城門では、騎士団に命令されたいた民兵が文句を言っていた。 ﹁くそっ ﹁よせよ、上の帝国兵に聞こえるぞ 使徒様たちじゃねぇか ? ﹂ アルティアはそう言ってレレイ達と共に生き、それにブライアンとレックスは見合 ﹁大丈夫、此処で待ってて﹂ ! ? ん ? ? ! ﹁構うかよ ! ! 171 一人の民兵がレレイ達の姿を見て気付き、テュカが民兵に手を振る。 そしてテュカとアルティアは城壁上に上がって、眠りの呪文を唱え、その精霊魔法が 付近の帝国兵たちを眠らせた。 テュカはすぐに松明で合図を送り、それを見たアシェリー達は動く。 ﹁凄いですね⋮。行きます﹂ ﹁魔法で眠らすとはな⋮﹂ ブライアンは呟きながらもカレンと共に先頭に立ち、周囲を警戒しながら屋敷へと向 かった。 ﹂ そして屋敷内で健二は伊丹が回復するのを待っていた時に伊丹が目を覚ます。 ? ﹂ ? 振り向く。 ﹁おう起きた ﹂ ? ? ﹁あ、大尉⋮此処は ﹂ 突然のメイドにご主人様と呼ばれた事にに思わず驚く伊丹、健二は伊丹が起きた事に ﹁えっ ﹁お目覚めですかご主人さま﹂ ﹁っ⋮ 第14話 早すぎる条約破り 172 ﹁フォルマル伯爵の屋敷だ。俺達はまたイタリカに戻ったみたいだぜ﹂ ﹂ 伊丹はその事を聞いて身体を休めてると、横に猫耳メイドが水を入れているのを見て ﹁そう⋮すか﹂ 驚く。 猫耳﹂ ﹁ね ! どうされましたかニャ ﹁ん ? ﹁えっ ﹂ ﹁あ⋮いや、どうも﹂ メイド長が頭を下げると同時にメイドたちも同じ様に頭を下げる。 とうございました﹂ ら一同、ピニャ様に命じられております。この度はこの街をお救い下さり、誠にありが ﹁その通りですよイタミ様、アンドウ様とイタミ様には最高のおもてなしをするよう我 伊丹は健二の言葉に耳を傾け、それにメイド長がやって来る。 ? い﹂ ﹁ああ、それなら心配ないぜ、俺達を連行して来た騎士団の連中は姫さんがお叱り中らし ﹁いや状況はどうなのかなって⋮﹂ 猫耳メイドが振り向いて問いかけ、それに伊丹は慌てる。 ? 173 ﹁いいですよ、俺達は当然の事をしたまでです﹂ 健二はそうメイド長達に言い、メイド長は頭をさげながら言い続ける。 攻め滅ぼすと言うのであれば力を貸す所存、ミュイ様だけには矛先を向けぬよう、伏し ﹁イタリカをお救い下さった恩人に対してこのような仕打ち、もし制裁としてこの街を てお願い申し上げます﹂ ﹁心配しないでください。俺達はそんな事は一切しません﹂ ﹁そ、そうですよ。ですから安心して下さい﹂ が身の回りをお世話をします。アンドウ様もどうぞ遠慮なさらずにお申しつけ下さい﹂ ﹁有難きお言葉、誠にありがとうございます。ではイタミ様が回復されるまで、この四名 っとその事にメイド四人がスカートを上げ広げてお辞儀をする。 っと健二と伊丹は可愛らしいメイド達のお世話に浮かれ気分になって行った。 ﹁︵これは⋮男にしてはちょっと嬉しいかも⋮♪︶﹂ ﹁は⋮はい♪﹂ ﹁﹁﹁﹁ご主人様、よろしくお願いします﹂﹂﹂﹂ 第14話 早すぎる条約破り 174 第15話 お茶会と平手打ち 健二達を救出に向かっているアシェリー達は周囲を警戒しながら向かっていた。 カレンと栗林が近くの窓際に近寄り、人の気配がない事にを確認して合図を送り。ア シェリー達はそのまま向かい屋敷へと向かう。 そして屋敷へと到着したアシェリー達は周囲を確認し、よろい戸に近寄り、カイルが ナイフを使いこじ開ける。 ﹂ そのわずかな物音をマミーナのウサ耳が気づく。 ﹁は⋮ っとそう言って二人は部屋から退室して行って。その様子を健二達はただ見ていて、 ﹁﹁かしこまりました﹂﹂ らまでご案内しなさい、他の者であったら〝いつも通り〟に⋮﹂ ﹁恐らくアンドウ様とイタミ様のお仲間でしょう。ペルシア、マミーナ、その者達をこち ﹁何者かが、よろい戸をこじ開けようとしています﹂ メイド長が問い、それをマミーナは報告する。 ﹁どうしました﹂ ! 175 伊丹が問いかけた。 ﹁あの⋮今の二人は ﹂ マミーナは﹃ヴォーリアバニー﹄、ペルシアは﹃キャットピープル﹄で ? ﹂ ? 伊丹﹂ ? 健二は伊丹の方を見ながら言い、それに伊丹は苦笑いした。 ﹁ご趣味ね⋮、まさにお前だな のです。まあ⋮﹃ご趣味﹄と言う側面もありましたが﹂ ﹁はい、先代のご当主は大変開明的な方で、ヒト以外の者を積極的に雇い入れておられた 健二の問いにメイド長は頷く ﹁ノームさん以外の人は⋮全部亜人 ございます、アウレアは﹃メデューサ﹄、ノームは﹃ヒト﹄です﹂ ﹁存じませんか ? 先代様に似た匂いある∼ ﹂ ! ご主人様前の失礼は許しませんよ ﹂ ! る。 ﹁めっ ﹁はい⋮﹂ ! っとアウレアの髪である蛇がぞろぞろと伊丹の方へ近寄り、その際にノームが止め ﹁イタミ様 ! そう言ってるとアウレアが伊丹の側にやって来る。 ﹁あははは⋮、なかなか親しみの持てそうな方ですね⋮﹂ 第15話 お茶会と平手打ち 176 その事にアウレアは落ち込んで渋々承知する。 ﹁は、はい⋮﹂ ﹁︵⋮俺の知ってるメデューサは確か人を固まらせるって聞いた事あるけど⋮ そう健二は呟くのだった。 ? ﹂ ? リーは皆に前進するよう指示を送る。 するとある部屋に二人の影が見えて、それにブライアンは手で合図を送り、アシェ ンし始めた。 っと左腕を構えて、右手を翳すと、ホログラフィックの端末が出現し、周囲のスキャ ﹁待ってろ、﹃アルテミス﹄を起動する﹂ ﹁あの、何処にいるか分かるんですか その際に富田が小声でブライアンに問う。 そして屋敷内に入ったアシェリー達は周囲を警戒しながら進んでいた。 ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ︶﹂ ﹁アウレアはその髪で人の精強を吸い取ります。十分しつけをしていますがご注意を﹂ 177 扉の前でブライアンとカレンはバトルライフルと﹃M45Dショットガン﹄を構え、栗 林がドアノブを掴み、二人に合図を送って開けて、二人が突入する。 ﹂﹂ ご無事ですか ﹂ !? ﹁オス ﹂ 一方でアシェリーは健二に近寄る。 富田達はその事に頭を傾げていた。 ? ! ﹃﹃⋮はぁ ﹄﹄ ﹁よう、遅かったな﹂ 倉田が慌てて入って来て、今の様子を見て唖然とする。 ! っとその時にドアが開けられて、二人が振り向くと、アシェリー達がやって来る。 ﹁ありがとう﹂ ﹁はいどうぞ﹂ ウレアに飲み物を渡された。 そして健二達が居る部屋では、伊丹がノームにりんごを食べさせてもらい、健二はア ばかりの雰囲気を出していて、それにアシェリー達もそれに唖然としていた。 突入した二人は思わず驚いた、二人のメイドがまるでお待ちしていましたっと言わん ﹁﹁ !? ﹁隊長 第15話 お茶会と平手打ち 178 ﹁良かったリーダー。無事の様ですね ﹂ ? ﹂ ? ﹂ ! その事にボーゼスは思わず息を飲んでしまう。 てな だ⋮此度の事は無かった事にする必要がある。ボーゼス。お前自信の〝身体〟で持っ ﹁幸いアンドウ殿は頑丈な鎧を着ていたから良かった⋮、しかしイタミ殿は知って通り ボーゼスとパナシュはそれに沈んだように頷き、ピニャは更に言い続ける。 ﹁⋮はい﹂ 帝国がどうなるか⋮言わずとも分かるな 連中はあの炎龍すら撃退する力を持っている、この一件を口述に戦端を開かれたら、 定違反だ。 襲い、捕虜としたアンドウ殿とイタミ殿に人道的でない扱いをした、どちらも重大な協 ﹁ボーゼス、パナシュ。お前たちは往来を保証されたジエイタイやユーエヌエスシーを 一方でピニャ達はボーゼスとパナシュの説教をしていた。 っとアシェリーはその事を聞いてホッとするのだった。 ﹁ああ、心配はなかったぜ﹂ 179 自ら痛みつけた人物に身体を与えろっとピニャの言葉から発せられたからだ。 ﹁イタミ程度の男には惜しいがな⋮﹂ ボーゼスは頬を少し赤くしながら黙り込んで、そして静かに話す。 ﹂ ﹁⋮貴族の家に生まれた娘として。その手のたしなみは心得ております⋮、ピニャ様と 帝国の為⋮この身を捧げましょう 自分は 三等陸曹 ! 倉田武雄であります 21歳独身 !! 趣味はアニメと同人誌 ! が行われていた。 ﹁じ ﹂ ! ﹂ ! なかった。 ﹁昨日の盗賊との戦いを見てました お二人の立ち回りは凄いですね ようやく倉田は猫耳娘と出会えたことに嬉しさがあふれ出て来るのも分からなくも 倉田はペルシアに自己紹介をしていて、ペルシアは唖然としていた。 !! ! そして健二達とアシェリー達が合流して、その間⋮部屋の中ではちょっとした交流会 そうボーゼスにピニャは少しばかり黙ったまま見るのであった。 ! ! 第15話 お茶会と平手打ち 180 ﹁いやあ∼﹂ 一方ボーゼスはネグリジュを身に纏い、健二達が居る部屋へたどり着く。 して集まる。 伊丹がそう言い、笹川が皆と写真を撮ると言い出して、それに健二達は伊丹を中心と ﹁それじゃあ、今夜はちょっとした文化交流と行きますか﹂ ﹁よし、そうするか﹂ ブライアンがそう言い、健二もそれに賛同するかのように頷く。 ﹁夜が明けたら、ジャクソン達を呼んで、ビックマンモスで帰投するとしよう﹂ ﹁急いで脱出する必要はなさそうです﹂ ﹁はい、そうですね﹂ ﹁何だか⋮和んだな﹂ その様子を健二達は見ていた。 かれ、ロゥリィはメイド長に尊敬されながら会話をしていた。 そしてレレイはアウレアに髪の事を聞き、テュカとアルティアはノームと服の事を聞 カイルと栗林はマミーナに格闘に付いて褒められて思わず喜びながら照れる。 ﹁そ、それ程でも∼﹂ 181 そして一度手を胸に置き、ピニャに言われた言葉を思い出す。 ﹃此度の事は無かった事にする必要がある。お前自身の身体を使ってな ﹄ ﹁無視⋮だと パレスティー侯爵家の次女である私を⋮良い度胸だ⋮。私がどのよう その様子にボーゼスは拳を握りしめる。 その先は笹川が健二達に写真を撮っていて、それの後にまた再び交流が行われる。 扉を開けた先を見た瞬間ボーゼスは一度唖然とする。 その事に目に一筋の涙を流すも、すぐに決意を決めた表情でドアノブを掴み開ける。 ! 付く。 っとすぐにボーゼスは伊丹の方に行き、それに健二達はようやくボーゼスの存在に気 な思いで此処に来たと﹂ ? ﹁⋮え ﹂ ﹂ ? ﹁ふんっ パン !!! !!!!! る。 そしてボーゼスは右手を大きく上げて、それに伊丹は冷や汗を流しながら唖然とす ﹁あ、君﹂ 第15話 お茶会と平手打ち 182 ﹂ !!!! 大きな平手打ちの音と共に伊丹の悲鳴が響くのであった。 ﹁ああ∼∼∼∼∼∼っ 183 第16話 姫 いざアルヌスへ 伊丹の悲鳴を聞いて、ピニャはすぐに健二達を謁見室へと呼ばれた。 ピニャは伊丹の顔を見て表情を歪めてしまう、何故なら伊丹の顔には平手打ちの後と ﹂ 引っかき傷があって、それにピニャは眉を片方ピクピクさせながら問う。 ら話す。 ﹁だあああああああっ ﹂ !! ﹁︵不味い⋮ このままでは帝国の未来が⋮ ! ︶⋮こうなれば妾が直接身体を差し出す 呟く頃にピニャは気まずそうな雰囲気を出して、心の中ではかなり焦っていた。 ﹁彼女の胃に穴が開きそうだな⋮﹂ 二は冷や汗をかきながら呟く。 ピニャは頭を抱えながら悩みの種を増やしたボーゼスに怒鳴り、その様子を見てる健 この馬鹿者 ピニャの問いにブライアンとカレンに取り押さえれているボーゼスが落ち込みなが ﹁⋮それで、その傷は ? !! ﹁⋮私がやりました﹂ 第16話 姫 いざアルヌスへ 184 ! ﹂ ﹄﹄﹄ ﹁いやいや 我々はそんなの良いですから ﹂ ﹂ それに│││﹂ リーダーにそんな真似は絶対にさせません ﹁絶対にさせません ピニャは考えてる中で富田が話す。 ﹁はぁ⋮、しかしこの始末⋮どうしてくれよう⋮﹂ 伊丹は苦笑いしながらいい、そしてピニャは少し息を吸ってため息をする。 ﹁い、いえ⋮﹂ ﹁あ⋮、そ⋮そうか⋮、すまないアンドウ殿、イタミ殿。少しばかりこう⋮﹂ た。 アシェリーとアルティアの様子に気付いたカレンはこっそり﹃なるほどね﹄っと呟い でなく、伊丹達もその事に驚いていた。 っとアシェリーとアルティアは大声でピニャに怒鳴る風に言い、それには健二達だけ !!! !!! ! その事にすぐ健二は手を横に振る。 身体を差し出して許しを問うと考えている事に健二達は驚かない筈がないからだ。 ピニャの言葉に健二達は思わず驚く、先ほどのボーゼスの様子にピニャは同じように ﹃﹃﹃えっ !!? ! ﹁そうです !! ! 185 そ そうだ 朝食を一緒に取ろう !! ﹁ん 伊丹、お前国会に参考人招致がかかってるのか はい⋮﹂ ﹂ ? そうすれば考えも ! それにピニャは頭を傾げ、それをレレイがまた通訳する。 いたとなれば話は大体想像がつくからだ。 ﹂ 伊丹の言葉を聞いて、健二は少しばかりため息を付く。国会に参考人招致が掛かって ﹁えっ ? ﹁申し出は嬉しいのですが⋮、伊丹隊長⋮国会から参考人招致が掛かってまして⋮﹂ ! ﹁あの⋮我々は隊長と大尉を連れて帰りますので。そちらの方は⋮そちらで﹂ それは困る ! そうボーゼスを見て言う富田。その富田の言葉をレレイが通訳する。 そ !! ﹁勝手に決めてよい。と﹂ ﹁なっ ! っとピニャがそう言った時に倉田が手を上げて言う。 ! ? ﹂ !!? ﹁︵ニホンの元老院に⋮報告 と言う事は⋮つまり。この男たちの言葉で⋮ジエイタ そして想像する、国会でこの事を話し、帝国が攻撃されてしまう末路を⋮。 レレイの言葉を聞き、ピニャは健二や伊丹達の方を見る。 ﹁だから、急ぎ戻らなくてはならない﹂ ﹁元老院 ﹁イタミは元老院に報告を求められている﹂ 第16話 姫 いざアルヌスへ 186 ? イやユーエヌエスシー達が動く可能性が⋮ ﹁ま 待ってくれ ﹂ ︶﹂ そう想像したピニャはすぐに問いかける。 !!? ﹁えっ ﹂ ﹁では⋮妾も ﹂ ⋮では妾もアルヌスへ同道させて貰おう ピニャは拳を握りしめて、そして考えを決めて言う。 それに健二達は振り向いてピニャを見る。 !!! ﹂ ドウ殿、イタミ殿﹂ ﹂ ﹁そうだ、此度の協定違反、上位の指揮官に正式に謝罪しておきたい、よろしいな 健二はピニャが付いてくる理由を問い、それにピニャは頷いて言う。 ﹁それはつまり謝罪の事で ! ﹂ ?! ﹁助かるアンドウ殿﹂ ﹁えっ ﹁⋮分かりました、ではその様にしましょう﹂ かないと感じた健二は言う。 アン 伊丹はその事に驚き、健二はそれに黙り込みピニャの目を見る、彼女の意思は強く、聞 ﹁ええ∼∼ !? ? ? ? ! ! 187 ピニャは健二の計らいに感謝の言葉を言う。 │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ││ 早朝、健二達は付近で待機していたビックマンモスを呼び、イタリカの門前まで来さ せ、ハッチを開かせて待機していた。 アルヌスへ向かうメンバーはピニャとボーゼスの二人、今回の詫びの為にボーゼスも 同行する事となり、ハミルトンはイタリカで残る事となった。 ﹁では頼むぞハミルトン﹂ ﹁はい、姫様﹂ ﹁殿下﹂ ボーゼスがピニャに問い、ピニャはハッチを開けているビックマンモスを見て、そし て足を踏み入れて入り、ボーゼスも後に続く。 ﹂ アシェリーが二人を案内させ、倉田が上部の手すりで城壁上にいるペルシア達に手を また来ますね∼ ! 振っていた。 ﹁ペルシアさ∼ん ! 第16話 姫 いざアルヌスへ 188 ﹁お待ちしておりますニャ∼♪﹂ その事に倉田は大いに喜んでいて、近くに居たジャクソンとランドックは呆れる。 ﹂ ! するとビックマンモスは動き出し、その中でじっとしているピニャ達は動き出した事 ﹃了解﹄ ﹁ビックマンモス発進だ そして健二はビックマンモスの操縦席に居る兵士に無線で伝える。 富田は頷き、すぐに返事を返して、すぐに伊丹に檜垣からの伝言を伝える。 ﹁了解﹂ ﹁分かった、到着時間を伝えておいてくれ﹂ と﹂ ﹁安藤大尉、UNSC軍のオルブ司令官より連絡です、 ﹃承知した、受け入れを許可する﹄ そう健二は伊丹に言い、富田が健二に報告する。 ﹁帝国の皇女様だからな、協定違反の事を黙っている訳にも行かないからな﹂ ﹁姫様、本気で付いてくるみたいっすね﹂ そして健二達はピニャ達の様子を見て、付いてくる感じに伊丹は呟く。 ﹁オタクって奴はよ⋮﹂ ﹁やれやれ⋮﹂ 189 に戸惑いを隠せない。 特にボーゼスがかなり戸惑っていた。 ピニャは黙ったままジッとする事にし、ビックマンモスはアルヌスへと向かう。 ﹁⋮⋮⋮﹂ そして数分後、ビックマンモスはアルヌス付近へと近づき、健二達はピニャ達を連れ て外に出る。 アルヌスです ﹂ するとボーゼスが気付き、ピニャに呼びかける。 ﹁殿下 もう着いたのか ! ﹂ ?! !! ﹂ するとピニャの目にある物が映る。 のだった。 ピニャはたった数分でアルヌスに到着した事に驚き、前まで行き、アルヌスを見渡す ﹁何 !? !? ﹃MA37アサルトライフル﹄を貸して。 き、そして地上ではUNSC軍の海兵隊が自衛隊にUNSCの装備の中で旧式の一つ それは上空にVTOLホーネットがUH│1Jやコブラの連隊を連れて飛行して行 ﹁はっ 第16話 姫 いざアルヌスへ 190 ﹂ 自衛隊はそれを使い、射撃訓練を行っていた。射撃の際に見やすい様、本体に標準機 を取り付けていて、狙いを定めて撃っている。 ジエイタイやユーエヌエスシー達は皆魔導士なのか ピニャはその光景を見ていて、すぐに健二達に問う。 ﹁おい ?! ﹂ !? 火させて放つ仕組みなんだ﹂ !? ﹁ところで何でMA37を自衛隊に渡してるんだ 旧式でもあれは彼らに取って最新 ピニャが驚いてる中で健二がアシェリー達に問いかける。 戦い方が⋮根本的に違う⋮っと アシェリーの説明を聞き、ピニャは黙ってしまった、そして感じた⋮。 ﹁はい、我々UNSC軍は自衛隊と同じ様に今の戦い方を工夫して保っています﹂ ﹁それを全ての兵士に持たせてるのか ﹂ ﹁ああ、簡単に言うと鉛の弾に火薬を包んだ筒に詰めて、そこに仕掛けてある発火材に点 健二の言葉にピニャは驚き、健二は頷いて言い続ける。 ﹁武器⋮だと ﹁いや、あれは銃と言う物で、別に意味で小銃と呼ばれる武器だ﹂ ! 191 ? 式だぞ ﹂ ! 共に砲撃訓練を行っていた。 まさに異世界からの怪物だ ! ﹂ ピニャは震えながらその光景に目を奪われていた。 ム級重巡洋艦﹃UNSC クアンタム﹄が上空を飛んでいた。 それはUNSC軍のパリ級重フリーゲート艦﹃UNSC アンバーブロー﹄とオータ きく開けて驚いた。 すると急に薄暗くなって、それにピニャとボーゼスは思わず空を見て、そして目を大 ﹁鉄の天馬⋮鉄の像 ﹂ 式戦車とUNSC軍の﹃M808B スコーピオン﹄と﹃重装甲戦車 グリズリー﹄が そしてピニャとボーゼスはまたしても驚く物を見てしまう、反対側では自衛隊の74 っとアシェリーの言葉に健二は少しばかりため息を付く。 ﹁それは私達もわかりません、でももしかしたら司令が知ってるのかも﹂ ? ?! っと栗林が伊丹の言葉に珍しく賛同した。 ﹁隊長、こればかりは同感です﹂ ﹁すっげぇぇぇ⋮、近くでみると迫力﹂ その光景に伊丹達もくぎ付けとなっていた。 ﹁て⋮鉄の⋮箱舟 第16話 姫 いざアルヌスへ 192 健二はようやく巡洋艦とフリゲート艦が投入して来た事に呟いた。 隊アルヌス駐屯地へと向かった。 そう健二とアシェリーは呟いて、ビックマンモスはまず自衛隊から謝罪する為、自衛 ﹁全くです。あれが在ったらあの炎龍だって倒せますのに﹂ ﹁ようやく投入かよ⋮、遅いぜ﹂ 193 第17話 姫 日本へ出向 ビックマンモスはアルヌス駐屯地の入り口近くで停止し、そこから車両で駐屯地へと 入る。 少しばかり話せないだろうか⋮ ﹂ 司令部へと到着した健二達は一旦降りて、ピニャが伊丹に近寄って来た。 ﹁イタミ殿 ? っと伊丹はクルっと回って急に走り出した。 ! 達はその様子に呆然とする。 そう言い放ちながら去って行って、ピニャは思わず唖然として固まってしまい、健二 ﹁後はそこに居る女性が案内してくれますから∼∼∼ ﹂ ﹁あ∼⋮すいません、ちょっと国会招致の件で呼ばれてまして⋮﹂ ! ﹁殿下⋮﹂ 健二達はその事に呟き、ピニャの近くにボーゼスが近寄る。 ﹁情けない﹂ ﹁ですね﹂ ﹁⋮あいつ、逃げたな﹂ 第17話 姫 日本へ出向 194 ﹁⋮説得の期会を逃した⋮﹂ ﹂ ピニャは伊丹にある説得をしようと考えていたが、逃げられた以上無理だと判断し、 申し訳ないが⋮少しばかり話せないだろうか そして次に健二の方を向いて問う。 ﹁アンドウ殿 ? ﹂ がら健二に問う。 ﹁誰だ ﹁近くの女性と同じ様な案内役の人だ﹂ ﹂ ? 健二は何かを思いついて、すぐ無線機を取り出して伊丹と栗林達を呼ぶ。 ﹁受け入れると言って置きながらたくぅ⋮あっそうだ﹂ ﹁どうして司令は来れないのでしょうか その理由はオルブ司令官がFOBに来れない理由でペリカンを呼んだのだ。 人が外で待っていて、降下艇ペリカンが来るのを待っていた。 そして狭間陸将との協定違反への謝罪会話の中、健二とアシェリーとブライアンの3 柳田は健二の言葉に意味が理解出来ずにいた。 ? ? ﹁あの⋮大尉、どう言う意味でしょうか ﹂ そう健二が指を指した先は、柳田が扉の前で待っていて、それにピニャは頭を傾げな ﹁そう言したいのだが。あちらを﹂ ! 195 呼んで来て ﹂ 数分後、伊丹と栗林、富田、倉田、黒川の5人がやって来て、伊丹が話しかける。 ﹁どうしたんです大尉 ? ﹁えっ って事は大尉も⋮ ﹂ して国会参考の件についても少々話し合うつもりだ﹂ ﹁ああ、実はお前たちにも姫さんたちと一緒に連れて俺達の旗艦を見せて案内する。そ ? !? ﹂ ? すると⋮。 ﹁ん ﹂ ! ﹁私達も乗せてよ∼﹂ て、ロゥリィが健二に向かって言う。 健二は振り向くと、そこにはテュカとレレイとロゥリィとアルティアの4人が来てい ? ﹂ が開いて、健二達がペリカンに向かって乗り込む。 っとそう言ってると空から降下艇がやって来て、健二達の前で着陸し、後方のハッチ ﹁ああ、俺達の司令は宇宙に居るから、会うにはあっちまで行かないとな﹂ ﹁大尉、殿下達をあなた方の艦にお連れするのですか そうしてると柳田がピニャとボーゼスを連れて来て、健二達の前までやって来る。 ﹁勿論付いて行くつもりだ﹂ ?! ﹁ちょっと待ってよ∼ 第17話 姫 日本へ出向 196 っとその事にアルティア達は頷き、それに健二はため息を付いて、仕方なく頷き、テュ カ達は喜んで乗り込んで行く。 その様子をピニャ達は唖然としていて、アシェリーが二人の前までやって来る。 ﹁さあ姫様、こちらへどうぞ﹂ ﹂ アシェリーに案内されて、ピニャとボーゼスはアシェリーの後を付いて行き、ペリカ ンに乗り込みハッチが閉じられて、ペリカンは飛び立つ。 今から大気圏から抜けるから強烈なGが来るぞ 機内で健二が伊丹達に向かって注意する。 ﹂ ﹁皆、しっかり捕まっていろよ ﹁はい ! 明にして、それにテュカ達は思わず振り向いて見る。 伊丹達が一息する中で健二が壁に掛けてある端末を操作して、壁の一部のガラスを透 ﹃﹃はぁ⋮﹄﹄ 息する。 そしてペリカンは大気圏から抜け、Gが一気に抜けていくのを感じて行く伊丹達は一 んでいた。 なGに必死に捕まり、健二とブライアンはアーマーのマグブーツを利用して手すりを掴 その事に栗林が驚くと同時にペリカンは急上昇して加速し、機内に居る伊丹達は強烈 !? ? 197 ﹂ 彼女達の目には綺麗な景色と広い宇宙が目の前に映っていた。 ﹁うわぁぁ⋮ ﹁⋮綺麗﹂ ﹂ ﹁地面があんなに遠くに⋮﹂ ! ﹁おお⋮⋮﹂ 殿下 ﹂ !! 何て大きさだ⋮ ﹂ いて、そして中央に巨大な戦艦、UNSCスフィンクスが浮かんでいて、それにピニャ 彼女の目にはパリ級重フリゲート艦とオータム級重巡洋艦が艦隊を組んで浮かんで が見る方を見て驚く。 っとボーゼスはある物を目にしてピニャにすぐに問いかけ、それにピニャはボーゼス ﹁は∼⋮⋮⋮、っ ! その光景はピニャ達も同じだった。 ﹁凄い⋮ ! ! は驚いていた。 ! ﹁UNSCは本当に文明レベルが高いっすね﹂ ﹁すげぇぇ⋮、あれ程の船を作るなんてな⋮﹂ その光景は伊丹達も驚いていた。 ﹁な 第17話 姫 日本へ出向 198 そして健二達が乗るペリカンはそのままUNSCスフィンクスへと向かい、そのまま ドッキングベイへと行き、ペリカンをランディングパットへと着艦する。 ペリカンのハッチが開いて、健二達はそのままペリカンへと降りて行き、近くの端末 からAIのユフィが出て来て迎える。 ﹂ ? ﹂ ? ﹁やあ、待っていたよ﹂ 健二はそれに振り向き、そのSPARTANは挨拶する。 来る。 そうユフィは言い残して消えて、健二達が待っていると別のSPARTANがやって ﹁では皆さん、もうじき向かえが来ますのでごゆっくりと﹂ ユフィはそう言い、皆に報告する。 ﹁まあそう思ってくれても構いません﹂ 霊って所かな ﹁あ あ こ の 艦 を 管 理 し て く れ て る A I、分 か り 易 く 言 う と こ の 船 を 見 て く れ て い る 精 ﹁ねえアンドウ、あれは 初めてAIユフィを見た伊丹達は驚き、テュカ達も驚きながらレレイは健二に問う。 ﹁ただいま﹂ ﹁お帰りなさいスパルタン健二、ODSTアシェリー、スパルタンブライアン﹂ 199 ﹁どうも、俺はスパルタン健二。あんたは ﹁知り合いじゃないんですか ﹂ ﹂ ついて行く中で伊丹が健二に問いかける。 ショーンはそう言って案内をし、健二達がその後を付いて行く。 ろしくな。ではこっちだ﹂ ﹁私はSPARTANの指揮官でショーンだ。一応君の上官でもあるが同期である、よ ? そしてピニャ達はUNSC軍の最高司令官オルブ・ハレルソンと対面した。 ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ﹁顔を合わせるのはこれが初めてだ﹂ ? ﹁さて、わざわざこちらへおいで下さり申し訳ありませんでした。出来ればこちらがそ 二達も同じように見ていた。 ピニャとボーゼスは椅子に座り、オルブと話し合い、伊丹達はその横で見ていて、健 ださい﹂ ﹁お待たせしました、私がUNSC軍司令官のオルブ・ハレルソンです。どうぞおかけく 第17話 姫 日本へ出向 200 ﹂ ちらへ向かう予定でしたが、どうも向かう事が出来ない事情がありまして。さて⋮姫自 らお出向きとは一体何の御用で ? ﹂ ﹁えっ ? あ⋮も、勿論です﹂ 合って話す。 ? らには問題はない﹂ ﹁簡単に行くと思っているだろうが、本来なら簡単にはいかない。だが私がそう言うか ﹁なあ司令、あんなにあっさり終わって良いのかよ ﹂ 頼んで伊丹達と共に部屋を出て行き、オルブは一息する中で健二はオルブと面と向かい ピニャは以外とあっさり解決した事に戸惑いながらも健二はアシェリーに後の事を ? か ﹁宜しければ今後はこの様な事はないようお願い申し上げたいのですが、よろしいです オルブの意外な言葉を聞いて耳を傾かない筈がない。 っとオルブの言葉にピニャ達は唖然とし、それには伊丹達も同じであった。 てはそうとがめる必要はありませんので﹂ ﹁なるほど、その報告は聞いております。ですがご安心下さい、協定違反の件に付きまし に参ったしまいです﹂ ﹁ジエイタイにもお話ししたまして、我が方にいささか不手際がありまして、そのお詫び 201 それに健二は呆れる様子になり、その場を去ろうとした所でオルブがある事を思い出 して話す。 貰ったのだ﹂ なにを頼んだんだ ﹂ ﹁そうだ健二、君が居ない間に神様に頼んで、もう一隻インフィニティ級戦艦を寄こして ﹁はっ ? 門の向こうに私達を ﹂ ルティアの二人にある話をしていた。 そして地上でアルヌス難民キャンプで健二と伊丹とアシェリーの三人はテュカとア その場から出て行き、伊丹達の所に戻り、艦内を案内した後地上へと帰投する。 オルブはそう笑いながら言い、それを聞いた健二はそれなら良いけどっと思いながら 来る。まあ頼むのに苦労したけどな﹂ 研究艦﹄を寄こして貰った、これであらゆる病気やウイルスの治療と研究をする事が出 ﹁実はこの艦隊には医療機関が全くない、衛生兵だけでは限界もあってな。そこで﹃医療 ? ? ? ﹁⋮健二さん達も行くの ﹂ 予定だからすぐに戻って来られるよ﹂ ﹁そう、この世界の代表として、向こうで話をしてもらいたいんだ。出発は明日、二泊の ﹁えっ 第17話 姫 日本へ出向 202 ? アルティアは健二とアシェリーの方を向きながら問い、それに健二は答える。 ﹁ええっ それ聞いてない マジですか !? ﹂ !? 当然護衛は多い方が良い﹂ ? ﹁お父さん⋮何て言うかな ﹂ ﹂ ごめん、私達が向こうで話をするとイタミ達は嬉しい ﹁そう⋮、わかったわ、それじゃあ│││﹂ ﹁俺⋮っと言うより俺達かな、ここに居る隊員皆が喜ぶよ﹂ ﹁ううん アルティアの言葉にテュカはすぐに顔を上げる。 ﹁テュカ ? 出してきた。 っと別の人物の声が割り込んできて、それに健二達は見ると、扉からロゥリィが顔を ? ? ! ﹁ちょっと∼﹂ ﹂ どうにも不満な感じとなる一方、テュカはなにやらうつむいていた。 ﹁そ、それはそうですけど⋮﹂ ﹁当然だろう、たった三人で行くと思っていたのか 伊丹はその事を聞いて驚き、それに健二は伊丹の方を向く。 !? そしてカイルやエイミを連れて行く予定だ﹂ ﹁勿論付いて行くさ、通訳にレレイも一緒。俺やアシェリーにブライアンの他にカレン、 203 ﹁私をのけ者にして、何をしようとしてる訳∼ ﹁ロゥリィ⋮﹂ ﹂ ﹂ ? ピニャの言う通り、もし開戦を望むとなればピニャとボーゼスを拘束してくる筈、そ れ、この様に丁重に扱わないだろう⋮﹂ ﹁いや、先の程UNSC軍の様子を見ても、自衛隊の様子を見ても、我々の訪問を受け入 ﹁あの者達はやはり協定違反を開戦の口実にするつもりでしょうか そしてピニャとボーゼスは用意された部屋で二人だけで話し合っていた。 事に同意させる以外他なかった。 健二達は付いてくる満々なロゥリィの圧力に冷や汗を少々流すも、仕方なく来させる ? の様な事は全くない様子に違和感を持っていた。 ﹂ ? ﹂ ! それにピニャは頷く。 ﹁ピニャ様⋮まさか そう言ってピニャは外を見て、それに気付いたボーゼス。 ﹁分からない、文化が違い過ぎて、何を目的に戦っているのか⋮それを知る為にも﹂ ﹁では⋮ 第17話 姫 日本へ出向 204 ﹁⋮⋮⋮行くしかあるまい﹂ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ││ そして翌日、ゲートの前で集まっていて出発する時間を待っていた。 健二達はアーマーを着用しないで専用のトランクケースに詰めていて制服を着てい 隊長。ロゥリィもだなんて聞いてませんよ﹂ た、そして富田が伊丹に話しかける。 ﹁良いんですか ﹂ ? ﹂ ? 車から柳田が降りて来る。 それをレレイが説明してアルティアは納得する。そして一台の車がやって来る。 ﹁向こうはこちらと気候が違うと言う話﹂ ﹁どうしてこんな厚着な訳 テュカとアルティアは着こんでいる厚着に違和感を感じていた。 そう伊丹は富田に言いつつ富田は渋々納得するしかなかった。 ﹁許可なら取ったよ。それにここで暴れられたら困るだろう 富田は一緒に来ているロゥリィを見て言い、伊丹は富田の方を向いて言う。 ? 205 ﹁悪い悪い、手続きに手間取ってしまった﹂ ﹂ そして後部座席からピニャとボーゼスが出て来て、それに伊丹は驚く。 ﹁なっ ﹂ ? ﹁殿下は帝国との中間役です、我が国を見せても損はありませんしね。伊丹よろしくな﹂ 柳田は健二にある封筒を渡し、それに健二は受け取る。 で﹂ ﹁ははは、勿論ですとも、向こうに連絡済みですし、あと大尉これは陸将から使えとの事 健二は柳田にその事を問い、柳田はそれを微笑みながら言う。 ﹁柳田、本気で言ってるのか ﹁このお二方もお忍びで同行する事となった、よろしくな﹂ !! ﹁分かってるわよ∼﹂ ﹁私達は遊びに行く訳ではない﹂ ﹁楽しみだわ∼♪﹂ ﹁イタミ達が来た世界⋮﹂ その様子をテュカ達は見る。 伊丹はそれに黙り込み、そしてゲートが解放されて開く。 ﹁⋮﹂ 第17話 姫 日本へ出向 206 そうロゥリィは言い、ピニャとボーゼスはその光景に圧巻されていた。 ﹂ !! そして健二達はゲートを通って、日本へと向かったのだった。 ﹁日本 ピニャはゲートの先を見て、そして拳を握りながら言う。 ﹁うむ、このゲートの向こうが⋮﹂ ﹁殿下⋮﹂ 207 参考人&コヴナント編 第18話 UNSC 日本上陸 神によって死んでしまい、転生してゲートの世界へとやって来た健二はUNSC軍と 共にある世界で自衛隊第3偵察隊の伊丹と出会い、そして特地ではエルフのテュカとア ルティア。魔導士のレレイ、死神ロゥリィとの出会いも果たす。 そして帝国の第3皇女のピニャ・コ・ラーダは交渉の為、日本へと赴く決意を固める。 彼女の日記にはこう記されている。 ! ﹂ ﹁何だこれは⋮壁か ? 景色を見渡していた。 見て下さい ! 中に人の姿が ! ﹁殿下 ﹂ ピニャとボーゼスは日本のビルを見て唖然として、アルティア達も同じように回りの と⋮。 ︽世界を境たる門の先をくぐり抜けた先は、摩天楼だった⋮︾ 第18話 UNSC 日本上陸 208 っとボーゼスの言葉にピニャは見ると、ビルの中には自衛官達の姿が見える。 健二さん達の国は ﹂ レレイがビルを見てそう言い、アルティアはそれに振り向く。 ﹁限られている土地を有効に活用している﹂ ﹁有効にって⋮、もしかして小さい国なの レレイ達の会話を聞き、ピニャは再びビルを見る。 ﹁もしくは人口が多いのかもしれない﹂ ? ﹂ ? ﹁ん どうしたんだ ﹂ ? ブライアンがその事に振り向き、健二は頭をかきながら言う。 ? ﹁ああ、本当に懐かしいな⋮⋮⋮⋮⋮あっ、思い出した﹂ ブライアンがそう健二に語り掛け、それに健二は頷く。 ﹁そう言えばリーダーは日本生まれだったな﹂ ﹁ああ、俺にとっちゃ里帰りみたいなものだからな﹂ ﹁リーダー、懐かしいですか そして健二はあたりのビルを見渡し、その様子をアシェリーが問う。 っとピニャはようやく自分達の国が相手をしてはならない国の事を知った。 まったのだな﹂ ﹁いずれにせよ、これだけの建造物を作り上げる国家を相手に、帝国は⋮戦争を始めてし ? 209 ﹁俺、司令から自衛隊にライフルの件の事を聞くの忘れてた﹂ っとその事にアシェリー達は思わずズッコケそうになるのを堪えたのだった。 そして神様とレミが居る場所では、二人がお茶を飲んでいてゆっくりとしていた。 ﹂ ﹂ ﹂ っとその時神様がある異変に感づく。 ﹁ん ﹁どうしました ﹁この感じ⋮、ふん 回っていた。何かうごめく様な雰囲気を出しながら⋮。 それにレミは神様の方を見る。 ﹁うむ、どうやら予期せぬ事が起きる様じゃ⋮。健二よ⋮気を付けろよ ? ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ﹂ 神様は杖をふり、目の前に健二達が居る世界の状態を見る、そこにはある紫色の渦が ! ? ! ﹁神様⋮﹂ 第18話 UNSC 日本上陸 210 そして伊丹が手続きをしてくれている間、アルティアとテュカは冬の寒さに凍えてい た。 ﹁うっ⋮、本当に寒いのね﹂ ﹁油断していた⋮﹂ ﹁だから言ったでしょう﹂ コートを借りて来るけど ﹂ 栗林は呆れながら二人の様子を見ていて、聞いていた伊丹が二人の心配をする。 ﹁大丈夫か ? ﹁大丈夫か ﹂ ﹁はい、何とか⋮﹂ ﹁また必要な物が在ったら言ってね テュカも﹂ 健二はアルティアの近くまでより、心配する。 アルティアはそう言い、伊丹は頷いてコートを頼んでもらう。 ﹁私は貰おうかな⋮﹂ ﹁ううん、平気よこのくらい﹂ その事を聞いたテュカは頭を横に振る。 ? ? 栗林がアルティアとテュカに言い、二人は栗林の方を見て頷く。 ? 211 ﹁伊丹二尉﹂ それに伊丹は振り向き、そこにはスーツを着た男達が居た。 ﹂ その様子を見た健二と伊丹は駒門の雰囲気を感じる。 ﹁情報本部から参りました駒門です。皆さんのエスコートを仰せ使っております﹂ ﹁この感じ⋮﹂ ﹁おたく⋮公安の人 流石﹃二重橋の英雄﹄﹂ ? 言われる事となった。 ﹁本当によく調べてるな⋮﹂ ﹂ しかし銀座事件の一件で三尉から二尉へと昇進して、世間からは﹃二重橋の英雄﹄と ぱなしだった。 記されていて、それに読み上げながら﹁周りからは給料泥棒と呼ばれた﹂っと言われっ その感じに駒門はメモ帳を取り出して読み上げる、その内容は伊丹が自衛隊の経歴が ﹁〝たまたま〟⋮ねぇ∼﹂ ﹁たまたまだよ﹂ ﹁ふふふ⋮。分かりますか っとそれに駒門は笑い出す。 ? ﹁ふふふ⋮、しかしそんなあんたが何故﹃S﹄なんぞに ? 第18話 UNSC 日本上陸 212 っとそれを聞いた伊丹は思わず顔を上げ、アルティア達は頭を傾げる。 ﹂ ? ええっ えええええええええええ∼∼∼∼∼∼ ?! ﹂ !!!!!??? 流石ですな∼、あなた達が門の向こうで同じように別の世界から来た軍隊 ? 自衛隊の事をよくご存じで﹂ ? ﹁うわああああ 嘘よ !!! ﹁悪かったな⋮﹂ それに呆れる伊丹。 ﹂ !!!!??? 嘘だと言ってよ∼∼∼ !! こんな人がレンジャーな上に特戦群 駒門がそう言った途端、栗林があり得ない目をしながら叫ぶ。 ﹁なるほどね∼。それで﹂ ﹁まあな、これでも俺は日本出身だ﹂ ですね ﹁ほうほう そして駒門は健二の説明を聞いて感心する様な表情をする。 ﹁え ? そう健二が説明をした途端、栗林が驚きを隠せないまま声を上げる。 りもより危険な任務を遂行する特殊部隊⋮それをS、またを﹃特殊作戦群﹄だ﹂ ﹁自衛隊の中でもっとも選び抜かれた精鋭達で、より特殊訓練を受けさせ、レンジャーよ その事を健二が説明する。 ﹁S⋮ 213 !!! ﹁栗林、人間は見た目だけじゃないぞ、こう見えて俺は案外テレビゲーム系が好きな男だ ぞ﹂ ﹂ られない表情をする。 マジですか それ ﹂ そして伊丹がそれを聞いて振り向く。 ﹁ま !? ンは呆れながら健二の方を見る。 それを聞いた伊丹は﹁オタク仲間がここに居た∼ ﹁ああ、特にFPS系をな﹂ ! ﹁良いじゃねぇか。別に隠す事じゃないし﹂ ﹂っと思い込み、それにブライア 栗林はまたしても驚いてしまう、優秀そうな健二がテレビゲーム好きだと聞いて信じ ﹁ええっ !!!!! ﹁あーはっはっはっはっは やっぱりアンタは只者じゃない。腑抜け物を演じるあん そんな中で駒門は栗林の様子に大笑いしていて、伊丹の方を見ながら言う。 ﹁それはそうだが⋮﹂ ! ! ﹁おいリーダー⋮﹂ 第18話 UNSC 日本上陸 214 っとそう言って敬礼をする駒門。 たの度胸に俺は尊敬するよ﹂ !! │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ││ そしてバスの中では栗林が泣きながら落ち込んでいた。 ﹂ ? 目がくぎ付けとなって居た。 ﹂ ﹂ ? ﹁凄い人⋮﹂ ﹁ここは市場なのかしら ? ? あっ見て、何かしら ? ﹁でも店がどこにもないよ ﹁もしかしてお祭り ﹂ 健二達が乗ったバスは護衛車両と共に進み、街中を進んで行く中でテュカ達は街中に ﹁出してくれ﹂ っと健二は言って、それに困っていた伊丹は運転手に願いする。 ﹁しばらくはそのままにして置け、ほっとけば直る﹂ ﹁あのリーダー、栗林さんどうしましょう そんな栗林の様子をエイミが見ていて、健二に問う。 ﹁嘘よ嘘⋮、絶対夢よ夢。信じられない絶対に信じられない⋮﹂ 215 っとテュカがクリスマスツリーに指を指して、それにレレイ達も見る。 ﹂ ﹁気に装飾が施されている﹂ ﹁何かのおまじないかしら ﹁でもすっごく綺麗﹂ ﹁何処に向かっているんですか ﹂ そしてスーツ専門店へと入り、テュカとアルティアはスーツを着用する。 ﹂ 見事な着こなしにアシェリーと栗林は思わず声を上げる。 ﹁不要﹂ ﹁私も、これ神官の正装だもの﹂ そう言ってる中ピニャ達はスーツの生地を見て驚いていた。 ﹁この生地と仕立て、妾達の物より数段上だ、相当高価な物に違いない ﹂ ﹂ そう言って伊丹はまずテュカとアルティアの服装の為にスーツを購入する事にする、 ? ? ﹁国会に行くのに、ジーンズって訳にも行かないだろう ﹂ その様子にテュカ達が見ている中で、富田が伊丹に問う。 ? ﹁うん、スタイルが良いとスーツも似合うわね。レレイとロゥリィはどうするの ! ﹁それをこれほど扱っているとは、そうとう豪商ですわ﹂ ! ? ﹁良いですね 第18話 UNSC 日本上陸 216 ﹁いや、ここら辺のは安物ばかりだ﹂ ﹂ ﹂ ブライアンがそう二人に話、それに二人は振り向く。 ﹁何だと ﹁真ですか !? ﹂ ? お前たちの所は﹂ ﹁ケチだな ? ﹁︵ここが⋮ニホンの元老院 ︶﹂ そして国会議事堂へと到着する健二達、ピニャは初めて見る国会を見ていた。 ﹁この牛肉柔らかいですわ﹂ ﹁何て美味さだ﹂ ていた。 健二達は手を合わせて食べ始め、そんな中でピニャ達は初めて食べる牛丼に大満足し ﹂ ﹁でしょう ? ﹁国会招致の間は出張費扱いで、一食500円までしか出ないんだよ﹂ 富田がその事を聞き、伊丹は言う。 ﹁何で牛丼何ですか そして健二達は専門店を出て、次に牛丼屋へ行く。 ﹁ああ、もっと豪華なスーツはここより別の場所にあるからな﹂ ?! 217 ? 到着して伊丹達と護衛の健二、アシェリー、カイルの三人が降りて、ブライアン達は 富田達といる事となった。 ﹁それじゃ頼むぜブライアン﹂ ﹁了解だリーダー﹂ ﹂ ピニャが富田に言い、それに富田が説明する。 ﹁妾達も降りるのでは ? そして参考人招致がもうじき始まる。 入るのだった。 そう言ってピニャ達を乗せたバスは別の場所へと向かい、そして健二達は議事堂へと すので﹂ ﹁自分達は別の会場に向かいます。公式には殿下は日本に来ていない事になっておりま 第18話 UNSC 日本上陸 218 第19話 参考人による言葉 市街地での街中では特地でのニュースが大々的に報じられていた。 そのニュースは国会での参考人招致の件も含まれている。 いた。 ﹃あっ ただいま参考人にが入って来ました ﹄ ! そしてその中継をUNSCスフィンクスで見ているオルブがモニターで見ていた。 にする。 そして護衛として健二とアシェリーとカイルは入り口で止まり、その様子を見守る様 ラッシュの光に包まれる。 伊丹、テュカ、アルティア、レレイ、ロゥリィの5名が入って来て、カメラは一斉にフ カメラはすぐに国会での入り口の方に向けると、入り口から参考人として入って来る ! 放送されているニュースを世界中の人々が見ていて、息を飲むような場面に皆は見て た特地の住人が初めて日本に招かれています﹄ 現場の自衛隊他に特地で遭遇して協力的な関係を持っている軍関係者、そして保護され ﹃銀座事件から四ヶ月、本日国会において初めて質疑応答が行われます。参考人として 219 ﹁始まるな⋮、私が出来なかった事を健二達はどうするのか⋮﹂ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ││ そして時刻15:00 参考人の質問が開始される。 まず議員である辛原みずきがコダ村での被害内容について聞いてきた。 通称ドラゴンによって犠牲となったのは何故でしょうか ﹂ ﹁単刀直入にお尋ねします。自衛隊の保護下であった避難民の四分の一、約150人が 健二はそう思いつつ伊丹はマイクの前に立って話す。 ﹁︵⋮いつも通りの事を言えよ⋮伊丹︶﹂ ていた。 その事に伊丹は立ち上がってマイクの方に向かい、健二達はその様子をジッと見つめ ﹁伊丹耀司参考人﹂ ? 尊い命が失われた事に責任は感じないのですか ! ﹂ その言葉に他の議員たちは騒めき、幸原議員は思わず言葉を詰まらせる。 ﹁えーそれは⋮、ドラゴンが強かったからじゃないでしょうかねぇ﹂ ﹁なっ何を他人事の様に !? 第19話 参考人による言葉 220 幸原議員の言葉を聞いて、健二達は思わず怒りを覚える。 特地に派遣してない事に軽々しく命だの犠牲だのと言う身勝手な振る舞いに、健二は 言い放とうとしたいが今は堪えた。 その事に伊丹はすぐに答える。 ﹁それは自衛隊の非を認めると言う事ですね ﹂ 伊丹のきっぱりとした言葉に幸原議員は思わず﹁はっ ? その⋮﹂ ? そう言って健二はマイクの前に出て、幸原議員はまず話をする。 ﹁そうするよ﹂ ﹁どうか思った事を言っちゃってください﹂ すれ違いながら健二に言う。 議員が健二達の名前を言おうとするが、その事に健二はマイクの所まで歩き、伊丹は ﹁で、では⋮参考人としてこちらに来て頂きましょうか っと伊丹は健二達の方を見て、それに議員達は健二達に振り向き騒めく。 ましたが⋮。彼等UNSC軍のお蔭でドラゴンの撃退は何とか出来ましたからね﹂ ﹁はっきり言って豆鉄砲でしたよ7.62ミリ弾は、もっと強力な武器が在ればと感じ ? ﹁いえ、不足していたのは銃の威力です﹂ ﹂となる。 ﹁大勢の方々が亡くなったのは残念に思います。あと力不足と感じましたね﹂ 221 ﹁あ⋮ではまずお名前を聞いて宜しいでしょうか る。 ﹂ その事を聞いた健二は思わず眉をピクリと動かし、その問いにすぐに答える。 貴方達は自衛隊が彼らを囮にしていたとか⋮﹂ は自衛隊と共にドラゴンを撃退したと聞きますが、実の所本当はどうだったのですか ﹁︵UNSC軍 聞いた事ない軍隊ね⋮︶そうですか、では安藤氏にお尋ねします、貴方 っとその事を聞いた皆はまたしても騒めき、幸原議員はそれを聞いた事に少し考え ﹁ええ、私はUNSC軍所属安藤健二、階級は大尉。日本出身です﹂ ? そして一人の議員が手を上げて、立ち上がって言う。 健二の言葉を聞き幸原議員は思わず口をつまらせる。 そんな状態に陥っている彼らにどの様に言うつもりなのですか ﹂ ました、パニックに陥っている避難民達は冷静さを失っている為混乱状態と言えます、 連れて行ってました、それにドラゴンの出現によって避難民は皆パニックを起こしてい ﹁その事はありません、彼等自衛隊は我々UNSC軍と共に避難民を護送し、安全圏まで ? ? ? 判明しております。 テン並の強度を持つ鱗に覆われ、超高温の火炎を吐く、言わば空飛ぶ戦車だと言う事が ﹁ええ∼皆さん、特地から持ち帰ったサンプルを解析した結果、通称ドラゴンはタングス 第19話 参考人による言葉 222 ﹂ その様な生物を相手に犠牲者ゼロにすると言うのはいささか酷な話ではないでしょ うか 議員にそう言われた幸原議員はその事に言葉を失くす。 ? ﹂ ? ﹂ ?? たる戦争をしてきました。そして2553年は戦争は終結して、我々は各惑星で行った ﹁UNSCはエイリアン⋮﹃コヴナント﹄との戦争をしておりまして、27年間長きにわ いていて、健二はそれを気にしないまま言い続ける。 健二の意外な言葉を聞いた議員たち、そしてその放送を見ている皆は騒めきながら聞 ﹁え⋮エイリアン ン〟との遭遇によってエイリアンとの戦い⋮戦争をする事になりました﹂ UNSC軍は本来人類の防衛機関として機能しております、しかし我々は〝エイリア か上を行っています。 より遙か未来⋮西暦2562年の時代より来ました⋮。文明レベルも科学技術もはる 四つの頭文字から取った部分を略してUNSCと言います。我々UNSCはこの時代 ﹁国連宇宙軍⋮またはUnited Nations Space Commandの っとようやくまともな質問が帰って来て、健二はそれに素直に答える。 ていますが⋮そのUNSC軍とは一体何なのですか ﹁⋮良いでしょう。では話の続きを聞きます安藤参考人。貴方達はUNSC軍と名乗っ 223 戦争の後処理を行いました⋮。 そしてコヴナントは我々UNSCよりも遙かに上を持つ技術を持っており、実弾で対 等する我々とは違い、エネルギー兵器を使って戦っておりました﹂ ﹂ それを聞いた議員たちはますます混乱していて、幸原議員はそれを聞いて唖然として いた。 ﹁そ⋮それは本当の話しなのですか ﹁はい、本当の話です﹂ ら話す。 健二の言葉を聞いた幸原議員は戸惑いながらも冷静さを保ち、気持ちを入れ替えなが ?? 尋ねします、日本語は分かりますか ﹂ レレイはそれに立ち上がってマイクの元に立ち、その問いに答える。 ﹁はい、少し﹂ ﹁結構です、今は難民キャンプで生活しているそうですが、不自由はありませんか ? ? 不自由の定義が理解不能、自由出ないと言う意味なら、人は生まれながらに ? レレイの率直な返答に幸原議員は思わず焦った。 自由ではないはず﹂ ﹁不自由 ﹂ ﹁わ⋮分かりました⋮ありがとうございます。では次にレレイ・ラ・レレーナ参考人にお 第19話 参考人による言葉 224 ﹁⋮言い方を変えますね。生活するうえで不足しているものはありませんか ﹂ ? ﹂ ? ﹂ ? ﹄﹄﹄ !! ﹂ ? 鳴り響く。 すると議員たちは驚いて、カメラマン達も一斉にシャッターを押してフラッシュ音が ﹃﹃﹃おおー ﹁本物です、触ってみます それを通訳としているレレイが話、それにテュカは耳を見せる。 ﹁失礼を承知でおたずねしますが、その耳は本物ですか 自分の名前を言ったテュカ、そして幸原議員は気になっていた事を聞く。 ﹁私はエルフ、ロドの森部族ホドリュー・レイの娘、テュカ・ルカ・マルソー﹂ 通訳としてレレイが隣に立つ。 それを聞いて次に幸原議員はレレイからテュカの質問に移った。 ﹁⋮ない﹂ ありませんでしたか ﹁では⋮150名の死者を出した原因として、自衛隊と彼等UNSC軍の対応に問題は 冷静に答えを返すレレイに幸原議員は次の手を打つ。 い﹂ ﹁衣・食・住・職・礼。全てにおいて必要な物は満たされている、質を求めるときりがな 225 当然放送を見ている人達も驚いている。 その様子を入り口近くで見ているアシェリーとカイルは呆れた。 ﹁凄いカメラフラッシュ⋮﹂ ﹁エルフだと知った途端にこうだね⋮﹂ その間に議員が皆に静粛させて、幸原議員は次の質問を問う。 ﹂ ﹁で⋮ではテュカさん、ドラゴンに襲われた時自衛隊やUNSC軍の対応に問題はあり ませんでしたか 幸原議員はアルティアの方に回し、アルティアはマイクの前に立つ。 ﹁⋮結構です、では次はアルティア・ヌマ・マルコ参考人にお尋ねします﹂ ﹁⋮よく分からない、その時気を失っていたから﹂ レレイがそれを通訳するとテュカは少しばかり表情を暗くする。 ? ﹂ ? ﹁何故ですか ﹂ ﹁あの時私は祖国をドラゴンによって滅ぼされてしまった、でもあの時滅ぼされて街か ? 感謝してる﹂ ﹁在りません⋮問題はあると言うより、ドラゴンから私達を守ってくれた健二さん達に りませんでしたか ﹁アルティアさん、貴方はドラゴンに襲われた時自衛隊やUNSC軍の対応に問題はあ 第19話 参考人による言葉 226 ら私を救ってくれた健二さん達は私とテュカを救った。言えることはそれだけ﹂ そう聞いた幸原議員はもう埒が明かないと感じて話を終わらせる。 ﹂ ? ﹂ ? ﹂ ? ﹁質問の意味がよく分からないと言っている﹂ レレイが通訳し、ロゥリィがレレイに通訳の言葉を言い、レレイが言う。 隊やUNSC軍にあったとは思いませんか ﹁⋮質問を変えます。見た所貴方は大切な物を失ったようですが、そうなったのは自衛 そう思う時に幸原議員がある事を話しかける。 ﹁︵その発言はやばいから⋮︶﹂ ﹁︵ロゥリィ⋮、頼むから普通の会話を頼む⋮︶﹂ ロゥリィの発言を聞いて健二と伊丹は思わず心が痛む。 ﹁そう、食べること。殺すこと。エムロイへの供儀、色々よ﹂ ﹁命を頂く⋮ ﹁単純よ、朝目を覚ましたら生きる、祈る、そして命を頂く、祈る、夜になったら眠る﹂ いますか ﹁︵黒服にベール⋮きっと喪服ね、ついてるわ⋮︶難民キャンプではどの様な生活をして っと次にロゥリィの方を見て、ロゥリィはマイクの前にやって来る。 ﹁⋮ありがとうございました、次は⋮ロゥリィ・マーキュリー参考人﹂ 227 レレイがその後の事を話しかけた際に幸原議員は自衛隊の死者がゼロのと言う理由 が難民を盾にして戦っていたと言う話をしている事に、健二は薄々と怒りがにじみ出て 来る。 そして更にその事が被害を出したと言って、レレイはロゥリィに通訳すると少しばか ︶﹂ り驚く表情をする。 ﹁︵来た⋮ !? ﹄ 幸原議員が確信を得た瞬間、ロゥリィがマイクを持って⋮。 ! ﹃あなたおバカぁぁぁぁぁぁぁぁぁ 第19話 参考人による言葉 228 ロゥリィが大声を発し、幸原議員にバカなのかと発言させる。 ﹂ それに参議院議場は途轍もない騒音が響き渡る。 ﹁おい撮ったか⋮ ﹂ ? ﹂ ? イタミ達やアンドウ達は頑張ってたわ∼、難民を盾にして安全 ? その事を聞いた幸原議員は言葉を詰まらせる。 な場所に居たなんて事は⋮絶対にないわよ﹂ 知りたいんでしょう ﹁そんな事はどうだって良いのよ、イタミ達やアンドウ達がドラゴンとどう戦ったのか ﹁あなた⋮日本語が そうベールを上げるロゥリィは微笑みながら言う。 ﹁あなたおバカさんなのって聞いてるのよ﹂ ﹁い、今なんと 幸原議員はようやく収まる音に耳を開かせて、戸惑いながら聞き直す。 カメラマンたちはロゥリィの発言を聞いて騒めく。 ﹁あぁ⋮﹂ ? 229 更にロゥリィは今まで発言して来た幸原議員の言葉を否定するかの様な発言をして、 更に自衛隊やUNSC軍の弁護する発言もしていて、健二達や伊丹はそれに目を奪われ ていた。 違うわ、炎龍から四分の三の命を救ったのよぉ、その意味も分からない元老院 ﹁それにイタミ達やアンドウ達は誰にもできない事をやり遂げたわぁ、四分の一が亡く なった ﹁さ 参考人は言葉を慎んでください ﹂ 議員ばかりじゃこの国の兵士も苦労してるでしょうねぇ﹂ ? ! 私が ﹂ ? クしていた。 ﹁︵不味い ﹂ これは驚いたわね∼。たかが⋮﹂ ︶﹂ ! !! ﹁お嬢ちゃん ? 私は常日頃から年長者を敬えと主張しています 特地ではそういう習慣 はないのですか ﹁そうです ? 幸原議員の発言を聞いたロゥリィは⋮。 !? !! っとハルバートに包まれている布を手にする。 ﹁へえ∼ ? ﹂ そう注意が来るもロゥリィはドヤ顔の表情をしていた、そんな中で幸原議員はピクピ ! ﹁お嬢ちゃん⋮。大人に対する礼儀がなってないようね⋮ 第19話 参考人による言葉 230 伊丹が委員長に申し上げようとした時に、健二がロゥリィの首根っこを持って持ち上 げる。 ﹂ ! 幸原議員は重大な勘違いを正す為に申し上げたい事が⋮﹂ ! ﹁はい ⋮ではおいくつですか ﹁テュカさんは⋮ ﹂ ﹂ まあいいわ⋮よく聞きなさい。﹃961歳﹄よ﹂ 当然見ている人たちも騒然となる。 っとロゥリィの発言を聞いた議員たちは騒然とし、周りも騒めく。 ﹁女に歳を訊くもんじゃないわよ ? ? ? 様の誰よりも年長でして﹂ れている例があるのを忘れてはいけません。つまり⋮ロゥリィ・マーキュリーさんは皆 ﹁えー皆様。我々は時として年齢を武器に使うことがありますが。外見と年齢がかけ離 そう言って伊丹は返答台へと立つ。 ﹁い、伊丹参考人の発言を許可します⋮﹂ ﹁委員長 そう言って健二はロゥリィを戻し、それを見た伊丹はすぐに言う。 ﹁良いから大人しくしててくれ﹂ ﹁何で止めるのよう∼ ﹁こらロゥリィ、此処でそれを出すな﹂ 231 ? ﹁﹃165歳﹄よ﹂ ﹁あ⋮アルティアさんは ﹂ 伊丹はレレイに場を譲り、特地での説明をする。 ﹁お、おう﹂ ﹁イタミ変わって、私が説明する﹂ それに皆はホッとする。 ﹁15歳﹂ 皆はレレイの方を見て⋮、それにレレイは答える。 ﹁ま、まさか⋮﹂ っとテュカとアルティアの年齢を聞いた皆は唖然とする。 ﹁﹃174歳﹄です﹂ ? その事には議事堂内の皆は呆然となり、テレビを見ている人たちも騒然としていて、 年程で肉体を捨て、霊体の使徒に、やがては神になる。従って寿命と言う概念はない﹂ ロゥリィは元々ヒトだけど、亜神となった時肉体年齢は固定された。通常は1000 いる。 とアルティアは不老長命のエルフ、中でも貴重な妖精種で寿命は永遠に近いと言われて ﹁私はヒト種、その寿命は60から70年、私達の世界の住民のほとんどはこれ、テュカ 第19話 参考人による言葉 232 LINEやツイッターでもその内容が書かれる。 ﹂ ? っと幸原議員の信念はレレイの質問によって打ち消された。 ﹁⋮以上です﹂ ﹁幸原議員、質問は以上ですか 233 第20話 元嫁の元に 健二達が国会での参考人を終え、国会から出ようとするバスが出る中で、多くの報道 陣が押しかけ、カメラやテレビを回す者達も居た。 バスは護衛車両に囲まれて出て行くと、途中から謎の車が強引に割り込んできて、バ スから引き離して行った。 その様子を駒門が無線で全車に通達する。 ﹁指揮者より全車へ、お客さんがお出なすったぞ﹂ そう言って駒門は無線を仕舞う。 そして健二達はと言うと⋮。 ﹂ ? ? そんな中でアシェリーが健二に問う。 ﹁でも急にバスから地下鉄だなんてどう言う意味でしょう ﹂ り、バスじゃなく地下鉄での移動となって、電車が来るのを待っていた。 何もわからないアルティアに健二はたたその事だけ言う。健二達は駒門の指示によ ﹁それは来てのお楽しみだ﹂ ﹁ねえ健二さん、目の前に一体何があるの 第20話 元嫁の元に 234 ﹁まあ⋮大体は分かるけどな⋮﹂ ﹂ ? 開いた⋮﹂ ! ﹁隊長﹂ ﹁リーダー﹂ カイルが言った言葉に伊丹がそう言ってると⋮。 ﹁ああ、これじゃ怪しいタレント事務所のスタッフだな﹂ ﹁参りましたね⋮﹂ 電車内では乗っている人たちがチラチラと見て来て、それには健二達も少し困った。 が、伊丹が少々強引で乗らせて、電車は出発する。 健二と伊丹達が電車に乗り込む中でロゥリィだけは何故か中々乗りたがらなかった ﹁そうだ、ほら行くぞ﹂ ﹁うわっ 健二がそう言う中で電車がやって来て止まり、扉が開くのをテュカ達は驚く。 技術を取り入れる為の行動だろうな﹂ ティア達を拉致する事により、俺達に対する取引材料として利用し、UNSC軍の軍事 ﹁参考人招致が終わった後必ず俺達を乗せたバスが狙われる可能性がある、それはアル カイルがその意味の事が分からず、健二はそれに説明する。 ﹁どう言う事です 235 その言葉に健二達は振り向くと、別の場所で行動していたブライアン達と富田達が合 流して来た。 ﹁ようブライアン、カレン、エイミ、ご苦労﹂ ﹁富田も栗林もご苦労さん﹂ ﹂ ﹁いや⋮慌てましたよ、バスを囮にするって話、聞いていなかったんで﹂ ﹁まあ、無事合流出来たんだからいいんじゃない って﹂ ﹁電 車 が 地 下 に 入 っ た 後 ず っ と 怯 え て る ん で す よ。こ の ま ま 地 の 底 に 連 れ て 行 く 気 か が説明する。 そう伊丹が言ってピニャ達の方を見る、すると何やらそわそわしていて、それを栗林 ? 車が揺れた際にボーゼスが富田の腕にしがみ付き、それに思わず赤くなる二人。 健二はそう言ってアルティア達を見て、電車の窓から外を見ているアルティア達、電 ⋮﹂ ﹁成程な、まあ地下鉄も初めてだから無理ものないか⋮、アルティア達は興味津々だけど ! そんな様子を見ている健二にブライアンが隣に来てある報告を言う。 ﹁い、いえ⋮﹂ ﹁し⋮失礼﹂ 第20話 元嫁の元に 236 ﹁リーダー、俺達が同行した姫さん達の件でだが⋮﹂ ﹂ ? ﹁ろ 6000 ! ﹂ その数を聞いてピニャは思わず驚いた。 です﹂ ﹁最後に捕虜の扱いですが、現在我が国が捕らえている貴国の将兵、総数は約6000人 して最後に帝国が日本に攻めてきた際に拘束した捕虜の件であった。 行った内容はこの後の和平交渉の内容での事で、それにピニャも承知して行った、そ ピニャ達も挨拶を行い、これから行う外交の話し合いを行った。 ﹁菅原です﹂ ﹁首相補佐官の白百合玲子と申します。こちらは外務省の菅原浩治君﹂ ピニャとボーゼスはある二人と会話をしていた。 ブライアン達が健二達と別れた場所で行われたある会議でのことだった。 ││回想││ その事にブライアンは思い出しながら言う。 ﹁ああ、どうだった 237 ?! ﹂ ﹁我々はそちらの求めに応じる形で引き渡したいと思っております﹂ ﹁身代金はいかほどに ﹁行方不明者の中には元老院議員の貴族の者も多くいます、もし捕虜となって居れば⋮﹂ む。 菅原がピニャ達に言った時にボーゼスがある事を思い出し、ピニャに耳元で話し込 ﹁捕虜の名簿です、この内若干名ならば即時引き渡しが可能です﹂ そう言って、菅原がある名簿を取り出す。 歩は期待しております﹂ ﹁ご安心下さい、我が国には捕虜を金銭で交換する習慣はございません、ただ何らかの調 っとその事を聞いて、白百合はすぐに答える。 ?! ││回想終了││ した。 ピニャは捕虜の返答に付いては後の名簿を見て考えると返答し、これ等の会議は終了 そう彼女らの解釈に隣で聞いているブライアンは少しばかり困る表情となる。 ﹁分かっている、彼らを解放し、向こうで恩を売って来いとそう言っているのだ﹂ 第20話 元嫁の元に 238 ﹁っと言う事だ﹂ ﹂ ﹂ 無理 それに健二は納得する。そんな中で伊丹の元にロゥリィが腕にしがみ付き、それに伊 ﹁成程な⋮﹂ 丹は見る。 ﹁どうしたロゥリィ ﹁地面の下はハーディの領域なのよ⋮ ﹂﹂ ﹂ 200年前にお嫁に来いってしつこくってしつこくって 伊丹と聞いていた健二もその言葉に傾げ、ロゥリィは震えながら言う。 ﹁﹁ハーディ ﹁あいつやばいのよ ﹂ ﹁それで⋮何で俺にしがみ付くんだ 矢理お嫁にされそうなの ! いでしょう ﹂ ! ﹁しかしそれは特地での事だろう ? ? ﹁分からないじゃない あいつの事だから ! ﹂ そう健二が言い、ロゥリィは健二の方を見て言う。 な﹂ いくら何でも日本まで来るとは思えないんだけど ﹁ハーディ避けよ あいつ男が嫌いだから、こうしてたら近寄って来ないかも知れな ? ! ! ? ! ? 239 ! ︾ってな﹂ ﹁しかしロゥリィ⋮、ここは嘘でもこう言ってくれ︽か、勘違いしないでよねぇ、ただの 虫よけのカムフラージュなんだから ﹂ ! 駒門は電車に乗って健二達に共に行動をする。 ﹁よう﹂ に駒門がいた。 その事にはさすがのブライアンも呆れるしかない。っと電車が次の駅に止まり、そこ ﹁おいおい⋮リーダー﹂ ﹁まあ⋮分からなくもないよな﹂ る。 栗林は伊丹の考えに思わず言葉に出る、しかし健二は伊丹の考え方に一理あると考え ﹁気持ちわるっ ! ﹂ ? するとロゥリィが⋮。 それを聞いた健二は少しばかりそれでいいのかと感じる。 二人に搾り取れた、今行き先を突き止める為泳がせている﹂ ﹁見事に引っかかったよ、移動の変更の手段を知らなかった時点で情報漏洩の容疑者は ﹁バスは ﹁予定を早めて箱根へ向かうぞ、このまま東京まで行って乗り換えだ﹂ 第20話 元嫁の元に 240 ﹁イタミィ 此処から出たいの もう我慢出来ない∼ ! ﹂ ! おい ﹂ ﹁皆、此処で降りるぞ﹂ そして丁度次の駅に到着し、健二が伊丹達に言う。 健二だけじゃなくブライアンもカレンもそれに薄々と気付いていた。 い、健二は目線を鋭くしていた。 すると誰かが見ていたらしく、健二の気配に気づいたのかすぐに何処かに隠れてしま る気配を感じとり、スッと横目で電車内の奥を見る。 しかしロゥリィは降りたがっていて、それには健二は苦笑いするしかなかった時にあ ﹁もう少しだ、次の次で降りるから﹂ ! ちょ ! !! ﹁待て アンタ何勝手な事を言っているんだ こっちにも段取りがあってな ﹂ その放送を聞いた健二と駒門、駒門は健二の肩を離して、駒門も仕方なく駅から降り す、運転再開のめどは立っておりません。現在丸の内線は││﹄ ﹃お伝えします、現在丸の内線は銀座東京間で発生した架線事故の影響で運休していま ! の肩を掴む。 駒門は健二の独断行動に驚き、伊丹達はそのまま言う通りに降りて行き、駒門は健二 ﹁はっ !? ! 駒門が健二に言った時にアナウンスが流れる。 !? 241 た。 まるで先回りされてるかのように。 │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ││ 外に出たロゥリィは身体を伸ばして気持ちを落ち着かせる。 空気は汚いけど、地面の下より一万倍マシだわ♪﹂ ﹂ ? 逃げ去る。 するとロゥリィの背後から何者かがやって来て、ロゥリィが持つハルバートを奪って ば⋮﹂ も地下鉄も失敗した、今度はもっとわかり易くて直行的な行動に出てくるはずだ。例え ﹁デモンストレーションだな、いつでも手が出せると敵は言っているんだよ。だがバス ﹁連中、一体何が目的だと思う そんな様子に健二は駒門に問う。 ﹁う∼ん ! っがその男は逃げる所かハルバートの重みに耐えられずに倒れてしまう。 ﹁ほらな、こんな風に﹂ 第20話 元嫁の元に 242 ﹁全く何やってんだ⋮﹂ 何だ ﹂ それは !? ﹂ ? そう言い残して救急車に運ばれて行った駒門、健二達はその様子を見送った。 ﹁と⋮とりあえず今夜は⋮市ヶ谷会館に⋮﹂ 苦笑いしながら言う健二、駒門は苦しみながら言う。 ﹁いやそれ普通の人じゃまず無理だから﹂ ﹁だらしないわね、このくらいで 健二達は何とも言えずにいて、ロゥリィはハルバートを回しながら呟く。 そして救急車がやって来て、駒門を担架に載せて運ぶ。 駒門の腰から強烈な音が鳴り響いた。 ﹂ ﹂ そう言って駒門はロゥリィのハルバートを持った時に健二と伊丹が思わず見る。 ﹁あっ グギッ ﹂ ﹁待て ! ﹁ん ! ? ﹁フギャ ? !! !?!?! 243 ﹁ではそこに向かいましょうか ﹂ 富田がそう伊丹に言った時に、健二がその事を言う。 ? 何でです ﹂ ﹁いや待て、市ヶ谷には向かわない﹂ ﹁はっ ? リーダー﹂ ? あるのか ﹂ ? ﹂ ﹁﹁一人で行って来い﹂﹂ なんで !? ? ﹁ロリ巨乳は黙ってればいいのよ﹂ 栗林がそう言うと、健二とブライアンが同時に言い、それに栗林は驚く。 ﹁はっ !? ﹂ 健二は伊丹の方を見て言い、それに伊丹は頷く。 ﹁えっ ﹁あの⋮大尉、俺に案があるんですが﹂ ﹁どうしようかな⋮﹂ アシェリーがそう聞き、健二が考えるも中々名案が浮かばない。 ﹁どうします ﹁恐らく市ヶ谷会館も敵が先回りしている可能性が高い、困ったな⋮﹂ 栗林がそれに聞き、それをブライアンが話す。 ? ? ﹁秋葉原には行きませんよ 第20話 元嫁の元に 244 ﹁だ∼か∼ら それはやめて下さいってば ﹂ !!! ﹁ここか ﹂ そして健二達は伊丹の案内であるアパートに来た。 ず聞く事とする。 カレンの発言に怒鳴る風に言う栗林、それをスルーとする健二は伊丹の案に取りあえ !! ﹁あっ先輩 ご ご飯⋮ ! ﹂ !! ﹂ ? ﹁あの⋮隊長、誰です その人﹂ ﹁はいはい、そんな事だろうと思って買って来たよ。どうぞ気楽に入ってくれ﹂ ! ﹁エアコンくらい付けろよ、寒いぞこの部屋 その女性は髪を後ろに束、ヘアピンで髪止めをして眼鏡をかけていた。 話しかける。 その人物のネームが掛かれている部屋に平然と入る伊丹。伊丹はその部屋の人物に ﹃葵梨紗﹄ そう聞いた伊丹は頷き、そのままアパートの二階に行き、ある人の部屋と付く。 ﹁もうここまで来て性格ってのはいい、休める所は休めたいしな﹂ ﹁はい⋮ただちょっと性格があって⋮﹂ ? 245 ? 富田が伊丹に梨紗の事を聞き、それに伊丹は答える。 ﹂﹂﹂﹂﹂﹂ ﹂﹂﹂﹂﹂﹂ ﹁ああ、これは⋮俺の元﹃嫁さん﹄だ﹂ ﹁﹁﹁﹁﹁﹁⋮嫁 ﹁﹁﹁﹁﹁﹁ええ∼∼ ﹂ その事に健二達は唖然、レレイ以外の栗林達は驚きを隠せずに思わず大声を上げた。 !? ? ? ようやく健二達の存在に気付いた梨紗はその事に頭を傾げた。 ﹁うへへへ⋮⋮うぇ 第20話 元嫁の元に 246 第21話 神からの報告 ﹂ 健二達が日本で行ってる間、UNSCスフィンクスではオルブ司令官が神からのある 本当ですか !? 報告を受けていた。 ﹁何ですと るか ﹄ ﹁分かりました すぐにして見ます ﹂ ! ? ﹁はい⋮﹂ ﹄ ﹂ ﹃繋がらないのか ? い﹄ ﹃分かった、こうならばわしがレミと一緒に日本へ行き、健二にこの事を伝えてくるわ それに神は少しばかり考える風となる。 ? ﹁どう言う事だ それに頭を傾げる。 そうオルブはすぐに健二達と連絡を入れる、っが健二達と連絡が繋がらず、オルブは ! ﹃うむ、どうも嫌な予感がしてならないのだ。どうかそちらで健二達に連絡を入れられ ! 247 ﹁ええっ 神様自らですか ﹂ ?! ﹄ ? ﹄ ? ! の方を向く。 ? レミ ﹃れ⋮レミ、居ったんか 待ってくれ ﹃はい♪﹄ ﹃ちょ ﹄ !! っと通信画面が途切れ、それにはオルブ司令官も呆れると言わん風な感じとなる。 !! ﹄ っとレミが神様の隣にやって来て指を鳴らし、それに神様は顔を青ざめて行き、レミ ﹃楽しそうですね とうひょひょひょひょひょ∼∼ ﹃そうじゃ、別に文句はあるまい それにあちらの日本に行けば若い女性がわんさか !? プチュン ! そう言ってオルブはFOBに居るラプターチームへと連絡を取った。 いるラプターチームのメンバーに連絡するか﹂ ﹁⋮とうとうこちらの世界にコヴナントが⋮、よし⋮急ぎ戻させるようこちらも残って そう呟くオルブは椅子から立ち上がり、窓からゲートの星を見下ろす。 ﹁⋮⋮そちらも相変わらずで安心します﹂ 第21話 神からの報告 248 │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ││ そして健二達の方では、梨紗の家に転がり込み、追ってから逃れた事に一息する。 ﹂ ロゥリィは梨紗の家に置かれている人形を見て怯える。その人形は余りにも不気味 な物ばかりであったからだ。 ここにもハーディが⋮ !! ﹁おお⋮ これも本か ﹂ ﹂ ﹁見た事ない薄さですね ! 見よとの指示を送っていた。 ? ﹁と言う訳﹂ ﹂ ﹁ん∼、事情は分かったけど⋮何で ﹁え ? ﹂ そして伊丹は梨紗に事情を話し、健二は富田とブライアンに窓から少しばかり様子を ボーゼスの言葉に頷くピニャ。 ! ! ばかり薄い本を手に取っていた。 そんな中でレレイは本棚に置いてある大量の本を見ていて、ピニャとボーゼスは少し ﹁うわぁぁぁ⋮ ! 249 ﹂ 伊丹は梨紗の問いに頭を傾げ、梨紗は呆れると言わんばかりに言う。 ﹁何でそんなあぶない話にアタシを巻き込むかな ﹂ ? ﹁それに⋮駒門さんを放り出して来て良かったんですか ﹁良いんだよ、あれで﹂ ﹁情報を漏えいしてると ﹂ ﹂ ﹁バスに電車、ここまで連発するともう駒門にも少しばかり問題があると考えるからな﹂ っと健二の言葉に富田は振り向き、健二は壁にもたれながら言う。 ? た。 富田も梨紗の言葉に賛同するかのように言い、それには伊丹は苦笑いするしかなかっ ﹁そうですよ、元奥様とは言え民間人ですよ ? られていた感じがしてな⋮﹂ ﹁いや、そこまでは言わない、その周りが怪しくてな。電車で乗っていた時も誰かに付け ? っと梨紗が手を上げて言い、それに健二と伊丹は振り向く。 ﹁あの⋮﹂ ﹁駒門さん抜きでこっちに何かあれば尾行が正解、何もなければ駒門さんが原因かな⋮﹂ その言葉に健二は頷き、伊丹はその言葉の続きを言う。 ﹁尾行されていたとか⋮﹂ 第21話 神からの報告 250 ﹂ ﹂ 明 日 は 絶 対 楽 し む ﹂ 富 田、四 時 に ﹁ここで何かあって欲しくないんですけど⋮。明日原稿の締め切りなもんで ﹂ 伊丹はそれに謝り、富田はある事を聞く。 ﹁ああ⋮それに付いてはごめん﹂ ﹁隊長、今後の予定は なったら起こして﹂ ﹁折 角 の 休 暇 を 潰 さ れ て た ま ら な い で し ょ う そう言って伊丹達は寝てしまい、健二はそれにため息を付く。 ﹁はぁ⋮、マイペースな奴だな。本当⋮﹂ ﹁この人は普段からこの調子だよ﹂ 梨紗は健二にそう言い、健二はそれには少々苦笑いする。 ﹂ ﹁ははは⋮。しかし梨紗さん、伊丹が言った通りの元奥さんなの ﹁そうよ。今は友達かな ﹁離婚した後も、友達に戻れる物なのですか !! ﹁成程な⋮、それじゃあブライアン、富田。俺も少しだけ仮眠を取るから、三時になった 婦とはちょっと違ってたから⋮、代わり者同士逆に今の方が上手くいってる﹂ ﹁まあ他を知らないしな∼。でも⋮喧嘩別れした訳でもないし、そもそも世間一般の夫 ! ? 富田がその事を聞き、それに梨紗はコーヒーを飲みながら答える。 ? ? ? ? 251 ら起こしてくれるか ﹁ああ分かった﹂ ﹂ そう言って健二は仮眠を取る。 ﹁⋮変わり者って所否定しないんだね ﹂ 寝ているアシェリーとアルティアを見て、健二は少しばかり照れてしまう。 ころんで来て、それに健二は目を開けて見る。 そして少しばかり寝ようとした所にアシェリーとアルティアが健二の両サイドに寝 富田は梨紗の言葉に少々言葉を詰まらせ、ブライアンは笑みを浮かばせていた。 ﹁そんなつもりは⋮﹂ ? ? 健二はそれを取って見ると、それは神からのメールだった。 が届いていたのに気付く。 翌日、健二は寝ぼけた頭を整える為に起き上がろうとした所に個人端末にあるメール ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ﹁⋮⋮困ったな﹂ 第21話 神からの報告 252 ﹁︵何だ⋮ ︶﹂ ︶﹂ 公園で会いたい、大事な話がある︼ ﹂ そして伊丹が皆に言う。 今日は遊ぶぞ ﹁隊長、今はそれどころじゃないのでは⋮ その事に皆は呆れる。 ﹁よし ! ﹁他にないんかいあんたは∼⋮ ﹂ 俺のモットーは喰う、寝る、遊ぶ、その合間にほんのちょっとの人生だ ? ! ﹁いいか ﹂ 健二はそう考え、その場所に向かう事を決心する。 ﹁︵神様が⋮此処来るのか ︻○○ 何かと感じる健二はそれを開けてメールの内容を見る。 ? ! ﹂ ﹂と ﹁いててて⋮、強引だね⋮貴女は⋮。まあ第一敵が何処に居るか知ってるなら何処だっ カレンは伊丹を解放し、伊丹は捻られたを抑え、涙目で理由を言う。 ﹁全く⋮﹂ それには何とも言えない皆、一方でロゥリィは大笑いしていた。 慌てて言う。 カレンはコブラツイストで伊丹を締め上げ、伊丹は苦しみながらも﹁ギブギブ ! ! !! ? × 253 て危険だ。一目の多い所がよっぽど安全だろう ﹁⋮っま、確かにそうかもな﹂ 賛成 お買い物行こう ﹂ 渋谷 ! 原宿 ! ﹂ ? ﹂ 健二は伊丹の案に賛同し、それに梨紗も賛同する。 ﹁賛成 ! ﹁何でお前が⋮ ! !! ﹁えっ どうしてですか ﹂ ? 公園に行って来る﹂ × 14時に新宿駅に待ち合わせと言う事で そして○○ 公園へ到着した健二は、神様が何処に居るか探そうとした時に⋮。 健二は了解して神様が待っている公園へと向かう。 ! っと伊丹が慌てて言う。 ﹁大尉 ! ﹁分かった﹂ ﹂ そう言って健二は外に置いてあるアーマーのトランクケースを取って、外に出る。 ﹁少し⋮な﹂ ? っとその事にアシェリーは振り向く。 てやれ、あと皆、俺は少し○○ ﹁良いじゃないか伊丹、梨紗さんは俺達を一晩泊めてくれたんだ、そのくらいの恩はさせ ? × 第21話 神からの報告 254 ﹁おい健二よ﹂ ﹂ !? 脅かすなよ ﹂ 背後からの登場に健二は思わず驚いた。 ﹁おわっ ﹁お ! ﹁レミ おい神様、どうしてレミも一緒に ﹂ ? ない。 ﹁コヴナントが来る この世界にか ﹂ ?! ﹁成程な⋮、しかしどうしてまた二人で ﹂ 取れなかったので、急遽私と神様の二人で来たのです﹂ ﹁その事をすぐにオルブ総司令官に伝えて、健二さんに伝えようとしたのですが、連絡が ﹁うむ、正確にはこの日本ではなく。あちらの世界の方なんじゃがな⋮﹂ !!? そしてベンチに座って健二は神様とレミの話を聞き、神様の重大な言葉に驚きを隠せ っと健二はその事に耳を傾ける。 ﹁ほっほっほ、まあ硬い事を言うな⋮それよりも健二、大事な話がある﹂ ? 健二は神様以外にレミも居た事に気付く。 ﹁お久しぶりですね、健二さん﹂ ﹁ほっほっほ。すまんすまん﹂ ?! 255 ? 健二が神様とレミが二人で来た理由が分からず、レミは笑顔で言う。 ﹁それは神様がこちらの世界の女性をナンパするのを抑える為にです﹂ ﹂ ﹁おかげで何もできなかったわい⋮﹂ ﹁何ですって 全く⋮。おお そうじゃ ! ! ﹁はぁ⋮、まあ仕方ないなそれは﹂ ある﹂ ! ﹂ ﹁やかましいわ 何だよ 健二、お前さんに入れて置きたい情報が 青ざめる神様はレミの方を向いて言い、その様子に健二はため息を付く。 ﹁何でも⋮ないです﹂ ? ? これは ﹂ !! ! ! う﹂ ﹁成程な これは便利だ サンキューな神様、そろそろ俺は新宿駅に向かわなきゃい ﹁そうじゃ、もう出たとの情報があったらかのう。お前さんに渡して置こうと思っての ! それは健二が元の世界で楽しみにしていたあの﹃Halo5﹄の情報であった。 れて来る。 健二は神様の方を向き、神様は健二の頭に手を置くと、健二の頭の中にある情報が流 ﹁ん ? ﹁おお 第21話 神からの報告 256 けない、アシェリー達や伊丹達が待ってるからな﹂ っと健二はそう思いながら新宿駅に向かうのであった。 ﹁︵コヴナントが来る⋮か、これはより警戒を強化して行かないとな︶﹂ 健二は頭の中で髪が言った言葉を思い出しながら考える。 あった。 それに健二は頷いてアシェリー達の元に向かい、神様たちもその場から消えるので ﹁うむ分かった。ではわし等は戻るから、何か必要な物があったら遠慮なく言ってくれ﹂ 257 第22話 休暇の終わり 神様達と別れ、待ち合わせ場所の新宿駅に向かっている健二、コヴナントが特地に出 現すると神からの報告を聞いた健二は戻ったらすぐに警戒しなければならないと思い つつ伊丹達の元に向かう。 そして到着して伊丹達と合流した健二、そして健二と伊丹は今の光景を見て唖然とす るしかなかった。 ﹂ こっちの弓すごいんだよ ﹂ 彼等の目には大量の荷物とアルティアとテュカ、レレイとロゥリィはかなりの買い物 袋を持っていた。 梨紗は申し訳なさそうに話す。 ﹁健二さん ﹁私達の世界よりもかなり飛ぶから ﹁本は必要な物﹂ !? それに健二と伊丹は思わずため息を付き、隣に来たアシェリーは苦笑いするしかな ﹁向こうじゃ集めるのも大変なのよ﹂ ! ! ﹁つい買い物し過ぎちゃって⋮﹂ 第22話 休暇の終わり 258 かった。 ﹂ っと隣で同じようにため息をする富田とピニャ達、それに健二は見る。 ﹁どうした かり、伊丹は富田の肩に手を置くのだった。 健二はその様子に何とも言えず頭を抱える。 それじゃあ温泉に行くぞ !!! ﹁まあ仕方ないか。それじゃあ案内頼むわ﹂ ﹁了解です、ようし ﹄﹄﹄ !! ﹁リーダー、○○ 公園で一体何をしていたんですか ﹁ああ、さっき神様と会っていた、レミも一緒に﹂ × ﹂ 伊丹達が改札口に向かう中でアシェリーが健二に問う。 ていた。 アルティア達は大きく返事をし、富田達は﹁おー⋮﹂っと元気なさそうな感じになっ ﹃﹃﹃おおーっ !! ﹂ 伊丹はピニャとボーゼスの探している物は梨紗の家にあった同人誌であった事が分 ﹁はぁ⋮︵きっと二人のお目当ては、池袋にあったんだろうな⋮︶﹂ メージとはかなりかけ離れていて⋮﹂ ﹁⋮実は二人が本を調べて、 ﹃芸術﹄と言う物を探していたんですが。なんか⋮自分のイ ? 259 ? ﹁神様が 一体何の用で来たんですか ﹂ ? コヴナントが ﹂ !? ﹁えっ そ⋮それは﹂ ﹂ ﹁リーダー、あんまり女に変な事を聞くんじゃないよ ? ﹂ ﹂ っとカレンが横から健二に忠告の様に言い、それに振り向く健二。 ? ﹁どうしたんだ それに健二は頭を傾げながらアシェリーの方を見る。 アシェリーはその事を聞かれて真っ赤な顔になり、黙り込んでしまう。 !? ? もそれに緊張感が高ぶった。 話を聞いたアシェリーはその事により一層緊張感が高ぶる、聞いているブライアン達 ﹁そんな⋮﹂ るのは時間の問題かも知れないってな﹂ 界に介入して来た事で次元が歪み始めているらしいんだ。コヴナントがあっちに現れ ﹁ああ、俺もその話しを聞いてびっくりしたよ。どうも神様の話しじゃあ俺達がこの世 ﹁ええっ シェリーは驚く表情をする。 アシェリーがその事を問うと、健二はアシェリーの耳元で聞いた話を言い、それにア ? ?! ﹁そう言えばアシェリー、お前は皆と何を買ったんだ 第22話 休暇の終わり 260 ﹁何故 ﹂ そう言ってカレンは先に進み、改札口を通った。 ﹁⋮何だよおい﹂ 健二はカレンの言葉を感じつつも改札口を通って行く。 ﹂ 向かうメンバーはマイケルにホビー、スパルタンのジャクソンにレックスの四人で ムが健二達の迎えの為に装備のチェックをしていた。 そして一方UNSCスフィンクスの方では、特地で待機している残りのラプターチー ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ そう考えつつ、アシェリーは健二達の後を追いかけるように進んだ。 ﹁︵言えないよ⋮こんな事︶﹂ 無論この事はカレンに知られている為バレバレであった。 で、密かに健二にマフラーを作ろうと考えていたのだった。 アシェリーは少し顔を赤くしながら買ったものを見る、彼女が買ったのは毛糸セット ? ? ﹁余計にかかわると罰が当たるって言うんだよ、分かった 261 あった。 ﹂ そこにオルブ総司令官がやって来て、レックス達は振り向く。 ﹁どうだね この世界によ 強く言ってくるオルブの様子を見て、言えない筈はないからだ。 ﹂ オルブ司令官の話を聞いて、ジャクソンはそれ以上何も言わなかった。 ? その事を聞いて、ジャクソンが問いかける。 ﹁その事でよう司令、本当にコブナントが現れんのか 神が知らせてくれたのだから間違いない﹂ ? ﹁うむ、急な事で悪いな。何しろコヴナントが何時現れるか分からん状態だからな﹂ ﹁司令、もう少しで準備が終わる所です﹂ ? ﹁無論現れる ! ﹂ 我らはこれより安藤大尉達と伊丹二尉達、そして特地の原住民たちを連れ戻す ! 気を付けて行けよ⋮﹂ 任務に付きます ﹁うむ !! ﹁司令 レックスは準備を整えて、荷物を纏めて立ち上がり、並んでオルブに敬礼する。 ﹁了解です司令﹂ に向かってくれ﹂ ﹁向こうに到着したら私が狭間に頼んだトラックがある、それに乗り込み、健二達の迎え 第22話 休暇の終わり 262 ! オルブは敬礼をし、レックス達はすぐさまペリカンに乗り込んで、地上へと向かった。 その見送りをオルブはしっかりと見届けた。 そして箱根山にある温泉に来た健二達、健二は空に飛んでいる小型ヘリを見て、そし て森の方を見る。 すると森の奥の方に僅かな動きが見えて、それに健二は目を細める。 ? 様子をモニターで見ていた。 ﹁あの若造、結構勘が鋭いんだな ﹂ そして特戦群の司令室では防衛大臣の﹃嘉納 太郎﹄が特戦群の司令官と一緒にその 特戦群のメンバーがオペレーターに通信を入れて、それに答えるオペレーター。 ﹃了解、後の方はこちらで対応します﹄ ﹁⋮こちらアーチャー、対象は我々の存在に気付いた。感知がとても高い様だ﹂ ﹁ああ、俺達の存在に気付いていた⋮﹂ ﹁おい⋮あの大男﹂ ぎって行った健二達の後ろ姿を見る。 そう思いながら健二達は旅館へと向かう、その様子を特戦群のメンバー達は通り過 ﹁︵⋮〝特戦群〟か。俺達の警護にしては派手なパーティーだな⋮︶﹂ 263 ﹁恐らくあの者達は特殊訓練を受けた精鋭部隊の者かと思われます﹂ ﹁まああの若造はUNSC軍の者だって言ってたものだからな、伊丹達の護衛として来 てるのも当然とすれば当然か⋮﹂ 嘉納は腕を組みながらモニターを見て呟き、健二達が旅館の向かう様子を見届ける。 そして健二達は温泉に浸かった後に部屋で一息を付く。 ﹁ふう⋮久々の温泉だった﹂ このまま年末まで居たい 仕事忘れた∼い ﹂ 健二とブライアンが温泉の感想を言って、今の時間を大事にしていると⋮。 ﹁こっちは初めての温泉だったが⋮悪くないな﹂ ﹁ああ∼ ! ! それにブライアンは呆れる様子となる。 た。 伊丹は休暇を欲しがるように寝ころびながら言って、富田は呆れながら見て言ってい ﹁そうも行かんでしょう⋮﹂ !! ⋮これが〝最後〟かも知れんがな⋮﹂ ﹁良いじゃねぇか、普通はここまで来たらそんな風になるのは当然だよ。⋮まあ、俺達は ﹁全くアイツは⋮﹂ 第22話 休暇の終わり 264 ﹁⋮だな﹂ 健二の言葉を聞いてブライアンも同じように頷く。 ﹂﹂ ﹂ っと襖が誰かが来て、それも叩きながら。それに健二達は振り向く。 ﹂ ﹁ブライアン ﹁富田 ﹂ ? ちょっと顔かせやッ ﹂ ﹂﹂ !! ﹁どうしたお前等 ﹁⋮男ども ﹁かせやッ !!? !! ! 呆れながらも健二達は栗林とロゥリィに連行されていき、女子部屋の見て思わず唖然 ﹁駄目だこりゃ⋮﹂ ﹁⋮こいつ等﹂ 二とブライアンは呆れた様子になる。 どうも酒に酔っている状態の栗林とロゥリィ、それに伊丹と富田は驚きを隠せず、健 ﹁﹁ええーッ ﹂ 健二は栗林とロゥリィの異変に気付き、問いかける。 それに健二達は構えて、襖が開くとそこから何やら栗林とロゥリィがやって来た。 ﹁﹁了解 !! !! ! 265 となる。 ﹁⋮なんじゃこりゃ てしまう。 ﹂ ﹂ その光景はアシェリー達以外の女子たちは完全に酒を飲んでいて、それに健二は呆れ ? お前等も飲め !! ﹁はぁ⋮、全く﹂ ﹂ ﹁ほらほら男ども ﹁飲め !! ﹂ ! 飲もうよ∼ ﹂ ! すまん、お前は飲まなかったんだな アシェリー﹂ っとそこにアシェリーがジュースを持って健二の隣に来る。 栗林とロゥリィが暴れまわり、健二は遠くからその様子を見ていた。 ﹁良いじゃなぁい ! いんだよ、飲んだら戦闘の時にパワーが発揮しないんだよ﹂ ﹁あんた等少しは大概にしな。それにあたし達スパルタンは酒を飲むのはおすすめしな ﹁何すんのよ っがその時にカレンが栗林とロゥリィの首根っこを掴み、持ち上げる。 栗林とロゥリィが酔った勢いで伊丹達に酒を進め、健二達にも酒を進めようとした。 !! ? ﹁どうぞリーダー﹂ ﹁おっ ? 第22話 休暇の終わり 266 ﹁はい。あまりお酒は強くないので﹂ アシェリーは持っているジュースを飲んで話し、それに健二は納得する。 ﹂ ? ﹁成程な⋮。よう お二人さん 準備の方はどうだい ! ﹂ ? マイケルは準備をしているジャクソンとレックスに問いかけ、二人は準備をしながら ! らないように気を付けないといけませんし⋮﹂ ﹁そうでもありませんよ、自分達の世界とは違ってこっちは左走行ですから右走行に走 ﹁ようホビー、お前日本の道は初めて運転する割には冷静だな を装填し、マイケルが助手席でハンドガンに弾を装填しながらホビーに問う。 ホビーがトラックを運転し、トラックの中で方ではジャクソンとレックスが武器に弾 根へと向かう。 そして特地から日本に来てレックス達はすぐにトラックに乗り込み、健二達が居る箱 ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ そう言って健二は渡されたジュースを飲むのであった。 ﹁成程な⋮、まあ兎に角今は楽しんでおけよ、これからまた仕事が出て来るぞ﹂ 267 も話す。 ﹁こっちはもう少しで終わるよ﹂ ﹂ ジャクソンは重機関銃を壁に置き、アーマーの調整をしながら呟いていた。 ﹁全く、休暇中のリーダー達を迎えに行くとは言え、こんな大武装で行くとはな⋮﹂ ﹂ ﹁しょうがねぇよ。司令官の命令なんだからよ ﹁そうですね。じゃあ少し飛ばしますよ ! そう言ってホビーはトラックのスピードを上げて箱根へと向かった。 ! 一方箱根に居る旅館、真夜中で健二が壁にもたれながら寝ている時にアシェリーが裾 どうした ﹂ を引っ張って起こす。 ﹁⋮ ? ﹁起きてるぜ﹂ ﹁⋮⋮そろそろか、おいブライアン、カレン。起きてるか ﹂ と僅かな光が出ているのが見え、それに健二は目を細くする。 アシェリーはその事を健二に言い、健二はそっと外を見ると、何やら森の方から薄ら ﹁さっきから妙に外が騒がしいのですが⋮、もしかしたら﹂ ? ﹁リーダー⋮﹂ 第22話 休暇の終わり 268 ? ﹁出番だね﹂ ブライアンとカレンは起き上がり、それに健二は頷いてトランクを持つ。 健二はブライアンとカレンと共にアーマーを着る為に広い部屋に向かい、アシェリー が三人のアーマーが入っているトランクのコンソールを操作する。 ﹂ ? ﹂ ? 健二達が振り向くと、伊丹とロゥリィがやって来て、健二は言う。 ﹁なぁにぃ ﹁何やってるんすか シンガン﹄を取り、初弾を装填する。 ルメットは自分で持ち、詰め込んでいる武器﹃M6C/SOCOM﹄と﹃M7Sサブマ 足から太腿、腕から肩までのアーマーが装着完了し、胴体のアーマーを装着する。ヘ ていく。 健二達はインナースーツを着て、そしてアームがアーマーを掴み、健二達に装着させ スーツを着させることが出来て、カプセルに入るのは不要だった。 本来ならカプセルに入って着させるのが基本だが、このアームはそのままインナー 細いアームがインナースーツを取り出して健二達にかぶせる。 するとトランクケースが開き、収納されているアーマーとインナースーツがあって、 ﹁アーマー着用開始﹂ 269 どう言う⋮﹂ ﹁伊丹か、お前たちここを出る準備しておけよ ﹁えっ もうじきお客さんが来るぞ﹂ ? ? く。 ﹁どう言う事⋮ ﹂ そう言って健二達はヘルメットを被りながら外に向かい、伊丹はアシェリーの方を向 てくる﹂ ﹁詳しい説明はアシェリーに聞け、俺はブライアンとカレンを連れて〝害虫退治〟をし ? っとアシェリーはそう伊丹に言い、その事に伊丹は目を大きく開かせるのであった。 んですよ﹂ ﹁さっきリーダーが言った通りの言葉ですよ伊丹二尉。もうじき﹃エージェント﹄が来る 第22話 休暇の終わり 270 第23話 制裁 健二達が害虫退治に向かう前、アメリカのCIAのパラメタリーチームは特戦群の待 ち伏せを食らっていて、工作員であるエイデッガーは特戦群の実力を改めて見直す。 ﹁くっそ⋮ 上との交渉はどうなっているんだ ﹂ ?! ﹂ ? 貴国の閣僚の不正、裏金、汚職行為が記されているそうではないか﹂ ﹁マスコミに持ち来られる前に抑えられたのが幸運だった、我が国の調査機関によれば ﹁こ⋮この資料をどうやって しかし本位はディレルからFAXで送られた資料を目にして、唖然とする。 そして同時刻、首相官邸では本位総理は合衆国のディレルと電話で話をしていた。 工作員の言葉にエイデッガーは考え、通信で確かめる事にする。 ! ﹁皆、迂闊に動くなよ﹂ それにエイデッガーは舌打ちをし、他の工作員達も通信で動かないよう指示する。 ていて、そこから工作員達を排除して行っている。 暗闇の中で正確に当てて来る特戦群、彼等は暗視装置を使い、森の中を利用して隠れ ﹁くっ⋮日本のSOCがここまでとは、フォースリーコンに居た俺が手も足も出ない﹂ 271 それは日本の政府の重大なスキャンダルであった。 そのスキャンダルがアメリカのディレルが握られてるとなれば、完全にあちらの意の ままであった。 本位はそれに思わず資料を握る閉める。 ﹁あ⋮ありがとうございます﹂ ﹁なあ∼に、我々の〝友情の証し〟だよ。そこでなんだが⋮頼みがある﹂ ﹁どんな事でしょう⋮﹂ したい﹂ ﹁そちらに特地から賓客が来日しているそうではないか、私としては是非合衆国に招待 それは特地の人間をアメリカに連れて行くと言う言葉になる、そうなればアメリカが 特地にある資源を自分の意のままにする事が出来、更なる経済を上げる事が出来る。 しかしそれを本位は決して許すはずがない、だがスキャンダルを握られてるとなれば 迂闊に手を出せない。 〝友情の証し〟として﹂ ? 本位はそれを聞いて思わずためらいを感じる、ガードが解ければ特地の賓客がアメリ 何とかしてくれないか ﹁いやいや、我が国のエージェントを直接派遣したいのだ、だがガードがとても優秀で⋮ ﹁⋮そうですか⋮、招待状はお預かりしましょう﹂ 第23話 制裁 272 カに連れ去られてしまい、相手の意のままになってしまう。 それだけは何としても避けたい所であった。 ﹂ ? た。 ﹂ 来賓を守るの止めろってのはどう言う事ですか れたか知らねぇが ﹁中止 あのディレルの野郎に何言わ !? ﹁だからって見捨てる様な事をするって言うんですかい ﹂ ますます納得が行かない嘉納は怒鳴る風に叫び、それに本位は落ち着かせるように話 !!? ルを握られたら手も足も出ません﹂ ﹁堪えて下さい⋮嘉納さん、私だって悔しんですよ。しかしここまで閣僚のスキャンダ !! !? そして数分後、嘉納の元に本位の電話が来て、嘉納は本位の話しに納得が行かなかっ ﹁はぁ⋮﹂ そう言ってディレルは電話を切り、本位も受話器を置いてため息を付く。 ﹁勿論だとも。我が国のエージェントは優秀だ﹂ られても、その責をこちらに押して付けるのはお止め頂けますね ﹁⋮⋮良いでしょう、お約束出来るのはガードをどうにかする事だけです。来賓に逃げ ﹁ああ。そうだ﹂ ﹁友情⋮ですか﹂ 273 す。 ﹁約束したのはガードをやめるだけです。政府として来賓を渡す約束はしていません﹂ ﹁⋮っ﹂ ﹁今ここで私が政権を投げ捨てれば全てはご破算、握られた秘密も無価値です﹂ ﹂ 嘉納は本位の策にあまりにの無謀さに駄目だしを言うも、本位はそれを言う。 ﹁おい本位さん⋮、そんな事したら政治家としておしまいだぞ ? ﹂ ﹁構いませんよ、どうせやるなら歴史に名が残るくらいにね、それと嘉納さん⋮まだあの 者達が居ますから﹂ ﹁UNSCですか⋮、彼等がどうやるか⋮です ﹁はい⋮、嘉納さん⋮後は日本を頼みます﹂ ? 特戦群のセイバーが工作員の頭に狙いを定めていた所に、司令官から通信が来る。 ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ そう言い残し嘉納は受話器を切った。 ﹁⋮馬鹿野郎が﹂ 第23話 制裁 274 ﹃聖杯は砕かれた、繰り返す聖杯は砕かれた。各員作戦を中止して集合位置まで撤退せ よ﹄ 通信を聞いて、セイバーは引きがねを引くのをやめて、その場から撤退する。 そしてアメリカの工作員は通信で交渉が上手く言った事を告げ、それに皆に伝える。 ﹁予定通り これだけの損害を出して ﹂ !? 時。 ﹄﹄﹄ ﹁ご苦労なこったな ﹃﹃﹃ ? 工作員達は突如の声に思わず上に銃口を向けると、旅館の屋根にアーマーを着用した !!? ﹂ 彼等の目の前に他の国達の工作員達と鉢合わせとなり、それに皆が構えようとした だった。 そして旅館付近まで近づいて行き、エイデッガーは工作員達に指示を出そうとした時 エイデッガーは工作員達を連れて行き旅館へと向かって行く。 いったんならもう大丈夫だ⋮行くぞ﹂ ﹁いい加減にしろロジャー、まだ作戦中だ、お前も口を慎んでくれ。政治的取引が上手く !? それに工作員のロジャーが怒鳴る風に立ち上がる。 ﹁よし分かった。上の方で話は付いた様だ、予定通り来賓を迎えに行くぞ﹂ 275 カレン アタック ! ﹂ 健二とブライアンとカレンがM7Sサブマシンガンを手にして待ち構えていた。 ﹁ブライアン ﹂﹂ ! !! 散開だ ﹂ ! ﹂ ち上げて盾にする。 更に工作員が健二に向けてライフルを発射するも、健二は近くにある岩場を掴み、持 る。 健二はM7Sサブマシンガンを工作員に向けて撃ち、工作員はそれに撃たれて倒れ ける。 エイデッガーはすぐに工作員達を散開させて健二達や他国の工作員達に攻撃を仕掛 ﹁くっ して工作員達を状況混乱にさせる。 健二達は飛んで、地面に向けて一気にブーストで加速し、グランドストライクをかま ﹁﹁了解 !! !! !? ブライアンもカレンも同じように正確な射撃で工作員達の頭を狙い撃ち、次々と倒し ぐにM6Cを取り出して正確に工作員達の頭を撃ち抜いていく。 それに工作員達は岩場に挟まれてしまい、血を流しながら絶死してしまう、健二はす 工作員達はそれに驚き、健二は工作員達に向けて岩場を思いっ切り投げる。 ﹁なっ 第23話 制裁 276 て行く。 ﹂ しかしあのゴツイ奴等は一体何なんだ ﹂ すぐにエイデッガーはロジャーと共に隠れ、息が乱れながらも状況を整理する。 ﹁どうなってるんだ ﹁相手はロシアや中国の連中だ ﹂ !? た。 !!! ﹁でも教えてあーげなーい﹂ うわああああああああ ! りで蹴り飛ばす。 カレンはマチェットを取り出し、近くに居る工作員の腕を切り落とし、そして回し蹴 ンガンを撃ちながら走る。 ブライアンはアーマーのブースト機能を使い、銃弾の雨を掻い潜り、M7Sサブマシ それを健二は横目でロゥリィを見て、仕方なくも戦闘を継続する。 ジャーを切り裂いていく。 わ り に 使 っ て 回 り、銃 弾 を か わ し な が ら ハ ル バ ー ト 掴 ん で い 飛 ん で、落 ち な が ら ロ ロジャーがロゥリィに向けてライフルを乱射し、それにロゥリィはハルバートを棒代 ﹁う ﹂ っとエイデッガーとロジャーは岩場の上を見ると、ハルバートを持ったロゥリィが居 ﹁知りた∼い ? !! !? 277 エイデッガーは混乱している状況に歯を噛みしめる。っと後ろにある気配がして振 り向くと健二が立っていて、それにエイデッガーは思わず銃を構える。 がその前に健二がエイデッガーの銃を掴み、ライフルを握りつぶしてすぐさま右腕を 掴んで握り締め、骨を粉々にする。 ﹂ !!!!!!! ﹂ ﹂ そして次に左腕を掴んで骨を破壊して、エイデッガーの首を掴む。 ﹁がああああああああああああああああああああああああああ ﹂ 誰が⋮言うか ? ﹁ぐぅ⋮ ﹁ぐぅぅぅっ ! デッガーの首をへし折る。 クともしない、健二は仕方なくエイデッガーのポケットを探り、身分証を取ってエイ エイデッガーは抵抗するかのように足で健二を蹴り付けるも、健二のアーマーにはビ ! ﹁今から俺の質問に答えろ、お前たちは何が目的で此処に来た⋮ !!! ﹂ !! ﹁クリア ﹂ その言葉を聞いて、健二は死んだエイデッガーを捨てて、身分証を確認する。 !! る。 そしてカレンが飛んで残りの工作員達を撃ち抜き、ブライアンが周囲の安全を確認す ﹁はっ 第23話 制裁 278 ﹁CIA⋮と言う事はパラメタリーチームか﹂ そう健二は周囲を見て、死んでいる工作員達を見て。健二は目を細めながらブライア ンとカレンを集め、伊丹達の元に戻って行く。 そして特戦群の司令室ではその様子を嘉納と司令官が見ていて、UNSC軍の想像以 上の能力と技術力に唖然とするしかなかった。 ﹁うえぇぇ な ﹂ 何これ ﹂ !? ﹁﹁了解 ﹂﹂ ﹁分かった、富田と栗林は使えそうな武器を回収だ﹂ ﹁皆さん、すぐに移動します。荷物を纏めて準備をお願いします﹂ 富田は工作員の数に驚きながらもアシェリーは伊丹達に向かって言う。 !? ! ﹁こんなにたくさん !!? に梨紗は伊丹の後ろに隠れる。 外が静かになり、伊丹達が外の様子を見ると、工作員達の死体ばかりがあって、それ 嘉納がそう言う中で司令官はすぐさま公安に出動要請を出す。 ﹁あれがUNSC軍の力⋮、そしてあの娘⋮確か亜神とか言ってたな﹂ 279 ! ﹂ すぐに皆は動き、アシェリーと伊丹は戻って来る健二達を見て、アシェリーは健二達 に近寄る。 ﹁大丈夫でしたか リィは静かに話す。 そして伊丹はロゥリィに近寄り、ロゥリィの身体から銃弾が出て来るのを見て、ロゥ ﹁ああ、何とかな﹂ ? あった。 いる死体を見届けた後にアシェリー達に武器のチェック後すぐに出ると伝えるので っとそう言って伊丹はロゥリィの血を洗い流す為浴室へと連れて行き、健二は死んで ﹁この体はどんなに傷を受けても再生する。亜神は死なない⋮いいえ、死ねないの﹂ 第23話 制裁 280 第24話 帰投 前編 皆の荷物を持ち、旅館から出て歩道を歩く健二達。 健二達はアーマーを着たまま周囲の警戒をして、アシェリー達も同じように警戒をし ていた。 そんな中で富田は思わずため息を付きながら口を開く。 そう感じると思わず頭が痛くなる健二と伊丹。 旅館で止まっていたら確実に民間人に被害が出ていたに違いない。 健二は栗林が言った言葉に同意する様に頷く。確かに彼女の言葉通り、もし仮に別の ﹁︵そうだな⋮︶﹂ 頃⋮﹂ ﹁あそこが防衛省協同組合の施設で良かったですよ。飛び込みの旅館に入って居たら今 ﹁確かにな⋮﹂ 富田の後に伊丹がそう呟き、健二はそれに同感と感じつつ頷く。 ﹁全然休暇になってねぇな﹂ ﹁はぁ⋮、なんか⋮ずっと逃げてばっかり﹂ 281 そして前方でブライアンと富田が前方にある車を見つける。 ﹁⋮リーダー﹂ ﹂﹂ ﹁隊長、前方﹂ ﹁﹁うん そしてブライアンが前に出て、M6Cを構えながら言う。 体と見た事が無いアーマーを見て目を大きく開けて唖然とする。 男が見た先はカレンと栗林がサブマシンガンを構えていて、そしてカレンの大きな身 すると彼の頭に銃が付き付けられ、それに男は思わず目を横に向ける。 たちを待っていた。 それにブライアン達は頷いて行動し、運転席に居る男はハンドルにもたれながら仲間 する。 二人は前を見て車の運転席に居るある男を見つけ、健二と伊丹はブライアン達に命令 ? ﹂ ? ﹁駄目だ、ここで撃ったら返って面倒になる。よく考えろ﹂ ﹁ねえ、悪人なら撃っていいわよね そして仰向けになれと命令を出して、栗林が男の上に乗る。 男はブライアンの指示通りに動き、車から降りて手を頭の後ろに置く。 ﹁降りろ。早くな﹂ 第24話 帰投 前編 282 ﹂ ﹁じゃあどうするんですか テレビの様に殴って気絶とか、下手すりゃあ死んじゃい ますよ ? が、今回持ってきていない。 するとレレイが前に出て来る。 ﹂ ﹂ ﹁イタミ、アンドウ。殺傷せずに無力化出来ればよい ﹁レレイ ﹁出来るのか ﹁この時代の車はまだSPARTANが乗る設計には出来てないからな﹂ ﹁あっちゃー⋮、やっぱ俺達のアーマーの重量で潰れてしまうか﹂ 健二達は降りて、車のタイヤを見る。 く、そして重量もあって、後輪のタイヤが重さに耐えられずに潰れてしまう。 そして伊丹達が車に乗り込もうとして、健二達も乗り込もうとしたが、あまりにも狭 健二達はレレイの魔法に感心をする。 ﹁⋮流石だな﹂ ﹁これで朝まで起きない﹂ それにレレイは頷いて、手を翳して呪文を放ち、その男はレレイの魔法により寝る。 ? ﹂ 栗林の言葉に少しばかり考える健二、麻酔銃さえあれば簡単に眠らす事が出来るのだ ? ? ? 283 ﹂ ﹁出 来 て な い か ら じ ゃ な い で す よ じゃないですか ど う す る ん で す か せ っ か く の 足 が な く な っ た ! ! ﹂ 伊丹、こっちに何かが向かって来る。それももの凄いスピードだ﹂ ﹁えっ ﹁ん っとその時健二達のレーダーに見覚えのある反応が現れた。 栗林が怒鳴る風に健二達に言い、健二達はそれに少しばかり考える。 ! ﹁ん リーダー、これは⋮﹂ これって⋮味方のシグナル ? ﹂ 迎えに来てやったぜ ﹁マイケル、ホビー ﹂ ﹁お待たせしました﹂ ! ? ﹂ そしてトラックの運転席と助手席からホビーとマイケルが顔を出す。 してそこから一台のトラックがやって来て、健二達の前に止まる。 健二達のレーダーに味方のシグナルパターンが出現し、それに伊丹達は振り向き。そ ? ﹁あれ そしてライトが見えて、それに警戒する健二達⋮であったが。 に向ける。 健二の言葉に伊丹達は驚き、健二達はM7Sの残弾数を確認し、向かって来る未確認 ?! ? ? ﹁ようリーダー 第24話 帰投 前編 284 ! ﹂ 健二達はホビー達が来た事に唖然とし、その様子にマイケルはイライラする。 早くしねぇと一気に夜が明けるぜ ? ? 戦闘地域が安全って皮肉∼﹂ ! 栗林がホビーが言った言葉に思わずボソッと出てしまう、健二はヘルメットを取って ﹁うぇ∼ 全地帯ですからね﹂ ﹁ええ、貴方方はともかく、アルティアさん達がここに居ると危険ですし、特地の方が安 ﹁そうも行かねぇよ。俺達はすぐに特地に戻らねぇと行けねぇんだよ﹂ ﹁なあ、真っ直ぐ銀座に行くのはやめよう。待ち伏せされたらきつい﹂ そんな中で伊丹がホビーとマイケルに話しかける。 全員が入ったのを確認したホビーはトラックを銀座に向けて出発する。 二達は周囲を確認した後入り扉を閉める。 レックスとジャクソンはまず最初にテュカ達を中に居れ、伊丹達を中に居れた後に健 ﹁そう、ほら早く﹂ ﹁レックス、ジャクソン。お前たちまで来ていたのか﹂ ﹁ようリーダー﹂ 健二達はトラックの荷台に向かい、そして扉からジャクソンとレックスが出て来る。 ﹁あ⋮ああ、分かった分かった﹂ ﹁おい早く乗ってくれよリーダー 285 ﹂ 残り弾を確認しているとピニャが少しばかり聞いてきた。 ﹂ ﹁アンドウ殿、少し聞いてよいか ﹁何です ﹂ 一体何が起きてるんですか ﹁どうして我々はこうも逃げ隠れしなければならないのだ 私も気になります 待ってくれ 妾は !? 妾達は含まれていないのか ? ?! 報機関の誘拐チームが来ているんだ﹂ ﹁ま ﹂ ﹂ 致で来ているアルティア、テュカ、レレイ、ロゥリィの四人を捕まえようと、各国の情 ﹁まあ理由は簡単だ。今回俺達は参考人招致の為にこの日本に来ている。その参考人招 !? ? 栗林がそう言って来ると、健二は考えてる事を話す。 ! ? ? ﹁そうです ! する腹積もりなんだろうな﹂ ティア達を誘拐した後に、俺達の事を脅迫してUNSC軍が保有する全技術を得ようと ﹁本来あんたは非公式でこの日本に来ている、当然連中はしらない。そして連中はアル ! ﹁ですから私達はすぐに特地に戻らなくちゃいけないんです、分かって下さい皆さん﹂ る。 伊丹は健二の話を聞いて思わず嫌な気分となり、それには栗林や富田も同じ感じとな ﹁それだけの為にか⋮﹂ 第24話 帰投 前編 286 ﹁⋮⋮﹂ その事には伊丹達とピニャは黙り込んでしまい、そのままトラックは銀座へと向かっ た。 │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ││ そしてトラックは銀座に向かう中で一度パーキングエリアに到着し、アルティア達は 自動販売機で飲み物を買っていた。 ﹂ ? ﹁当てましょうか 容姿の好みからするとエルフの子﹂ その一言だけ言っただけで伊丹はそのまま見届け、それに梨紗が話しかける。 ﹁いえ⋮﹂ ﹁どうした そんな中で健二はテュカ達を見ている伊丹に問い掛ける。 ﹁でもこれ、アルヌスの自衛隊基地にもあった﹂ ﹁押しただけ出て来るなんて、どう言う仕掛けだろう﹂ ﹁うわぁ⋮暖かい﹂ 287 ? ﹁まあな﹂ ﹁性格的には黒ゴスの子﹂ ﹁ああ﹂ ﹁保護欲がそそられるのはプラチナブロンドの子かな ﹂ ? ﹂ ﹂ 伊丹は自分の考えが梨紗によくご存じである事を褒めて、それに梨紗は当然のように ﹁大変よく分かってらっしゃる﹂ 答えて伊丹の足を踏む。 ガフッ ﹁いてっ 買って来たよ ﹂ ! そう言うとアルティアは何故か落ち込む表情となり、それにブライアンが言う。 ﹁ありがとう、でも今はいい﹂ ﹁はい健二さん﹂ アルティア達は飲み物を皆に渡し、アルティアが健二に飲み物を渡す。 ﹁ありがとう﹂ ! その様子に健二達は思わず笑みを浮かばせ、アルティア達が戻って来た。 ﹁何年付き合ってると思ってる ? !? ! ﹁お待たせ 第24話 帰投 前編 288 ﹁貰っておけよリーダー、向こうに付いたら飲む期会はねぇぞ﹂ ﹂ ? た。 ? ﹁成程な、それで反応は ﹂ ﹁相手を撹乱させる為の準備をしてくれてるんだ。俺が梨紗に頼んでね﹂ アシェリーが問うと。伊丹が変わりに答える。 ﹁何をしてるんです ﹂ そして少しばかり休憩をしていた時に、梨紗が何やらノートPCである作業をしてい ﹁⋮何もしなかったんだよ﹂ ﹁何かやったの∼⋮﹂ 目線で見て来る。 伊丹が問いかけるも、何故かロゥリィは知らんぷりをしていて、梨紗が何やら冷たい ﹁あの⋮俺の飲み物は 何故なら飲み物は﹃お汁粉﹄だったからだ。 み物を見た途端固まってしまう。 健二はアルティアから飲み物を貰い、それに明るくなるアルティア。そして健二は飲 ﹁⋮分かった。それじゃあ貰うよ﹂ 289 ? ﹁バッチリよ 私が書き込みをした直後にかなりの書き込みがやって来る ﹁そっか、伊丹、お前も考えたな﹂ その様子に健二は頷く。 ! ﹂ ! 填して銀座への向かう準備が整うのだった。 その事を聞いた健二は頷きながら銃を持って弾を込めたマガジンを装填し、初弾を装 ﹁ええ、この逃走劇から早く逃れたいですから﹂ 第24話 帰投 前編 290 第25話 帰投 後編 健二達が銀座に向かう中では、銀座駐屯地の前である数名待ち構えている者達が居 た。 それはCIAである﹃グラハム・モーリス﹄が部下たちと共に健二達が来るのを待ち 構えていた。 ﹂ ? っと部下もそう言うしかなかった。 ﹁分かりません﹂ ﹁おい⋮これは一体何だ しかし妙に人々の数が増え始めていて、その様子にグラハムは部下に問う。 て連れ去るのである くのであったが⋮。その事をアメリカ大統領であるディレルにも言われて、混乱を乗じ 箱根山での確保に失敗したCIAはなんとしてもここで捕まえて、本国へと連れて行 であった。 彼はどうあってもアルティア達を確保し、そのままアメリカまで連れて行くのが目的 ﹁皆準備が出来ている様だな、なんとしてもここで来賓を回収するぞ﹂ 291 そして健二達は近くの建物にトラックを止めて、ものすごい数の人々を見て、ピニャ ﹂ 達は驚きを隠せない。 ﹁姫様これは⋮ ﹂ ﹂ ? ブライアンが健二に問いかけ、健二はその人混みの中を見て暫くしてうなづく。 ﹁それでどうするリーダー。この人混みの中で行く気か 流石にこれ以上の人が来るとは思ってもいなかったのだ。 間たちがこれだけ大勢来てくれたことに感謝しているが。 梨紗はパーキングエリアで止まっていた時にネットで書き込みをした結果、オタク仲 ﹁参ったな⋮、まさかこんなに集まるとは﹂ そう言ってる中で梨紗が妙に焦っていた。 ﹁我が国に侵略する軍勢か ?! ! ﹁ええっ ちょっと待ってくださいよ ﹂ ! ﹁⋮どっち道逃げ隠れ無し⋮か。クソッ ﹂ まるで借金取りから逃げてるみたいだ﹂ 健二にそう言われた伊丹は人混みを見て、その様子に頭が痛くなる。 ﹁いちいち文句を言うな伊丹、もうこうなった以上仕方ないだろう ? ! ﹁⋮そうだな。もうアーマーの事は見られても仕方ない、降りるぞ﹂ 第25話 帰投 後編 292 ! ﹁そうだな⋮、よし行くぞ﹂ ﹂ ﹂ そう言って健二たちはトラックから降りて行くと、人々はそれを見て慌て出しながら すっげ 興奮した。 ﹁うわっ ﹂ それとも手作り コスプレか !? !! 本物 !? ﹁なんだあれ !? っていうかこのトラックは このまま放置 ﹂ ?! ? は梨紗に言う。 マジで !? ﹁梨沙さん、申し訳ないけどここまで。後はここから歩いて帰ってもいいですよ ﹁ええっ !? ﹂ ? ﹁どうした ﹂ そして梨紗は伊丹に裾を引っ張り、それに振り向く伊丹。 ﹁おう﹂ ﹁本当か マイケルは梨紗にそう言いながら荷物を持ち、その事を健二はマイケルに聞く。 らよ﹂ ﹁ああ∼それはここに置いても平気だ。なんせ最初っからここに置く予定だったんだか !? ﹂ 人々は健二達のアーマーを見て写真を撮ったり、動画を撮影したりしている中。健二 ﹁あの銃なに ! !? ! 293 ? ﹁⋮今度はいつ帰ってくる ﹁なにこれ ﹂ ﹂ ﹂ ﹁梨沙さん、二日間どうも。これはお礼だ﹂ け取る。 っとその様子を笑いながら見ていた健二は梨紗にある紙を渡し、それに梨紗は見て受 ! ! 同人誌売れたらちゃんと振り込むわよ ﹂ そう言うと梨紗は少し微笑みが出てくる、っが伊丹は梨紗の顔を掴んで言う。 ﹁さあな。下手したら数ヵ月後かも知れないな、また連絡するよ﹂ ? ﹁それよりも早く借金返せよな ぷはっ ! そうじゃれ合う伊丹と梨紗。 ﹁っ∼∼ !? マジでいいの やった∼ !? 残念でしたね先輩∼♪﹂ ! る。 ﹁ちょ なんで梨紗にそれを渡すんですか ﹂ !? ﹁一晩泊めてくれた件もあるし、俺が持っていても意味がない。借金はその大金で返済 !! 梨紗は自慢顔で伊丹に言い、伊丹は信じられない表情をしてしまい、健二を問い詰め !!! 0万の大金らしい、俺はいらないからお礼として受け取ってくれ﹂ ﹁実は前日新宿駅に向かう前に宝くじを拾ってな、それを見て確認したらなんと200 ? ﹁うえ∼∼∼ 第25話 帰投 後編 294 して、後の残りは彼女が好きにするなりしたらいいじゃないか﹂ ﹂ 大金で ﹂ 伊丹は何やら悔しそうな表情をして梨紗を見て、梨紗は宝くじを見せびらかすように ﹁それはそうかもしれないけど⋮ ! 振り、健二は苦笑いをしながら言う。 ﹁ほら伊丹、行くぞ﹂ ﹁は、はい⋮、絶対に返せよな ! ﹁﹁撃て﹂﹂ ! ﹂﹂ ﹁﹁﹁﹁﹁﹁﹁﹁﹁ラジャー ﹁﹁了解 ! ﹂﹂﹂﹂﹂﹂﹂﹂﹂ ﹁もし彼女達を害そう者達が居れば⋮﹂ ﹁ラプターチーム、これより我々は特地賓客6名の警護に付く﹂ そして健二と伊丹はアシェリー達と栗林と富田に言う。 そう言って伊丹は健二の下に行き、梨紗は舌を出しながら伊丹を見送った。 ! 295 その言葉に皆は了解し、前方をブライアンとカレンと富田、後方を栗林とレックスと ジャクソンが警護をして、健二達は周囲を警護しながらアルティア達と共に銀座へと向 かう。 │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ││ そして銀座駐屯地では特地の人をまじかで見ようとしているファン達が駆けつけて。 またそこにはテレビリポーターもカメラスタッフも居た。 そちらはどうなって居ますか ﹄ 現場の栗林です げげげ 加だけでなくかなり多くの人が居る様です ﹂ ご参 現在の銀座は多くの人々がごった返して そしてテレビリポーターの﹃栗林 菜々美﹄がマイクを持ってカメラに向かって実況 ﹂ !! をする。 います ﹃栗林さん ! それに何やら凄い格好をしている人も⋮ 大変な人手の中、ご参加が手を振りながら献花台に近づいてきています ! ! ﹁はい あれ ? ! ? ! ! ? ﹁こ⋮こちらは 第25話 帰投 後編 296 菜々美 ﹂ 菜々美は参列の後方に居る栗林を見て、それに思わず駆け寄る。 ﹄あれ ﹂ ? !? ﹃ひっ ? ﹁お姉ちゃん ﹁誰か !? ﹁て テレビの中継 ﹂ ! ﹂ ? !? 切り替える菜々美は栗林に話す。 特地の人にインタビューできない ! ﹁え もう帰るの 何で ? ﹂ ? ﹁だーかーらー それやめてって言ってるでしょうか ! ﹂ ﹁こら、あんまり喋るんじゃないよ。これだからロリ巨乳は⋮﹂ っとそう言った時にカレンが栗林の首根っこを引っ張り、持ち上げる。 ん﹂ まっていた旅館がアメリカや中国とロシアの三か国の連中に襲われるやもう散々だも ﹁ええ、だってこっちに来てから色々あり過ぎだもん。バスや電車が狙われたり、昨日止 ? ﹁無理無理、献花が終わったらすぐ特地に帰らないと﹂ ﹁お姉ちゃん ﹂ 少しビビりながらも菜々美は仕事をしている事を栗林に言い、それにすぐに気持ちを ! ﹁あんたここで何やってんの 栗林は話しかけて来た菜々美に驚き、それを健二とカレンは振り向く。 !! 297 !!! ジタバタと暴れる栗林をカレンが連れて行き、健二が菜々美の近くまで来る。 ﹁インタビューはこれでおしまいだ、ごめんな﹂ あの その着ている物って本物ですか ﹂ 少しだけ質問させてもいいですか ﹂ そう言うと健二はそう言ってその場を去ろうとするが、菜々美がそれを止める。 ﹁あ では ﹁ああ、ほら﹂ ﹁で ﹁⋮まあ少しだけならな﹂ !! !! !? あと一つだけいいですか せめて顔だけでも見せて貰っ ﹁はいこれでおしまいだ。じゃあな﹂ てしまう。 健二は仕方なくヘルメットを取って顔を見せ、健二の顔を見た菜々美は思わず見惚れ !! ﹂ ﹂ あと その様子を健二は菜々美達に言う。 ﹁これでいいか ﹁⋮え ても宜しいですか あ あっ ? ? ﹁⋮仕方ない﹂ ! ? !? 思わず引いてしまう。 健二は近くにある鉄の棒を掴み、普通に握るだけで潰れてしまい。それに菜々美達は ? ! ! ! 第25話 帰投 後編 298 そう言って健二はヘルメット被って皆の元に戻って行く。すると菜々美はそのまま 固まってしまっていて、スタッフたちが声を掛けるまで気が付くのに時間がかかり過ぎ た。 そしてCIAの方は出るタイミングを見計らっていたが、そこに駒門が杖を付いて やって来る。 箱根の件は話しは付いたはずだ﹂ ? ﹂ ? ﹂ ? ﹂ ! ﹁ふふふ♪ そんなに気になるのでしたら電話して見れていい、いや∼区別が付けられ グラハムは駒門の言葉に嫌な予感がして、それに駒門は笑う。 ﹁⋮⋮まさか ﹁他の工作員と区別付かないと見分けが付かないんですよ﹂ ﹁何だと いんですか ﹁ところでグラハムさん、CIAの局員と他の国の工作員ってどうやって見分けたら良 すると駒門は何やら微笑みながら言う。 てますが、他の国は流石にマークしないといけませんのでね﹂ ﹁ああ∼、旅館の庭に乱入した件ですか、そちらさん仕事に付いては文句を言うな言われ ﹁何の用だ駒門 ﹁どうもグラハムさん﹂ 299 ないものでね∼ふふふ♪﹂ そう言って駒門はその場を去って行き、グラハムはすぐに携帯を取って部下に連絡を 取る。 部下の連絡が付かない事を知り、グラハムは駒門を睨みつける。 ﹂ 駒門は笑みを浮かばせなが呟く。 ﹁お前⋮⋮ ﹁伊丹⋮安藤、露払いはしておいたぜ﹂ そしてアメリカでは。 CIAチームが全員抑えられた ﹂ !!!?? !! それになんだあの女自衛官は カメラの前でべらべら喋りおって !? ﹂ !!!! ディレルは突然の出来事に驚きを隠せず、グラハムは頭を下げながら謝罪する。 ﹁何だと !!!??? ﹁おのれ 本位め 見知らぬ軍隊め !!! ﹂ !!!! │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ !!! ディレルはカメラの前で問題発言を行った栗林を恨み、そしてイラつきが爆発する。 ﹁くっ !! ﹃申し訳ありません⋮大統領﹄ 第25話 帰投 後編 300 ││ そして献花台でアルティア達が花束をささげ黙祷し、健二達はヘルメットを取って敬 礼をし、献花を終えた後特地の門に続く駐屯地へと行く。 そこに割れんばかりの人々の歓声が降り注ぎ、それに健二達は思わず唖然とし、そし てテュカとアルティアは手を振って別れをした。 ゲートが閉じて、ようやく伊丹達は一息が付けた。 ﹁ふぅ∼⋮﹂ ﹁ようやく安心が出来たな﹂ そして健二達と伊丹達は旅館で鹵獲した銃を見せて、調べようとした時にピニャと ﹁全くです﹂ ボーゼスが銃を隠し持っていた事に気がづいた。 ﹁いつの間に⋮﹂ ﹁油断も隙もないな﹂ ﹂ ﹂ アシェリーとブライアンはピニャとボーゼスの行動に思わず呆れてしまう。 ﹁どうしたんだこれは この鹵獲品 ? ? ﹁ああ、少し厄介ごとがあって持ってきた。どうする ? 301 それに自衛官は帽子を深くかぶる。 ﹁これ等はどうするか俺は見なかった事をする、持ってけ﹂ ﹁どうも﹂ ﹂ そしてアルヌス駐屯地へと帰還した健二達、そこに柳田が待っていた。 ﹂ ﹁どうも大尉、そして伊丹、休暇は楽しんだか ﹁全然休暇になってねえよ ? 仕方なかった。 その事を聞いた伊丹は思わず喜びをあげ、それには柳田は少々困る風になるが、もう ﹁心配するな伊丹、お前の分の休暇届けは俺達と含めて取っていてやる﹂ ! その頃難民キャンプへと到着したアルティア達、すぐにテュカは自分の部屋に戻る。 ﹁あれ∼ お父さんまた もう目を離すとすぐこれなんだから﹂ ? であった。 っとその様子をアルティアはただジッと見つめていて、それには何とも言えない状態 ? テュカが部屋を見て、誰も居ない事に頭を傾げる。 ﹁ただいまー﹂ 第25話 帰投 後編 302 ﹂ そして健二とアシェリーはUNSCスフィンクスへと戻り、すぐにオルブへと会いに 行く。 ﹁よく戻った健二﹂ ﹁ああ、それで司令、コヴナントは何処に居るか分かるか 230㎝以上あり。 右手に持っている剣⋮もとい、なにやら〝未来的な〟剣を出現させて。 その生き物の口が四つに分かれ、そして大きく雄叫びを上げる。 ﹁ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ ﹂ !!!!!!!!!!!! そして別の場所、地上では何やらある種族がぞろぞろと居た、その種族は大きさは約 であった。 その事に健二は頷き、窓の外を見る健二、その様子をアシェリーはジッと見つめるの ﹁いや、今諜報班が全力を上げて捜索していて、見つけ出すのはそう掛からんだろう﹂ ? 303 安全性、そしてより高性能な兵器に仕上がり、更にエネルギー兵器であるスパルタン しかし神様が与えてくれた艦隊と供給システムによって、コストは無視して柔軟性と 課題とあまりにの高コストにより配備されることはなかった。 元々ユグドラシルはSPARTANⅡの配備目的として開発をしていたが、柔軟性の である。 それはかつてUNSCが実験的に開発し、数台配備していた二足歩行型の強化外骨格 ユグドラシル。 kⅡ﹄を開発し、配備していた。 更に研究開発班が歩兵がハンターの備えの為に歩行兵器である﹃ユグドラシルMar て貰っていた。 ルにスコープ機能や銃剣のエナジーベヨネットを装備させて、銃弾に強化炸裂弾を作っ UNSCスフィンクスで健二達は装備を少しばかり強化させて貰い、アサルトライフ ントの為に準備を整えていた。 健二達が日本で行った参考人招致から約五ヶ月、健二達は神様から警告されたコヴナ 第26話 コヴナント遭遇 前編 第26話 コヴナント遭遇 前編 304 レーザーの搭載も可能とした。 ユグドラシルMarkⅡを各自戦闘班に送り、海兵隊達はそれに大盛り上がりしてい た。 それだけではなく、マンティスも多く配備され、コヴナント対策はより万全となって 行く。 健二は配備されているユグドラシルMarkⅡとマンティスを見て、そこにアシェ ﹂ リーがやって来る。 ﹁どうしましたか ﹂ あっでもユグドラシルって確かデメリットもあったんじゃなかったっけ アーマー兵器でありますから、性能もかなりの物だと聞いています﹂ ﹁ほお∼ 確か持続時間の問題とか、エネルギーの問題とかさ ? ないクリーンな核融合炉を使用しています﹂ ﹁はい、その点については解決していると聞いてます。確か動力炉である核も放射線が ? ? ﹁は い、ユ グ ド ラ シ ル M a r k Ⅱ は ユ グ ド ラ シ ル の 大 型 ア ー マ ー を 元 に 改 良 点 を し た とマンティスを見ながら言う。 健二はそうアシェリーに言い、アシェリーは健二が見ているユグドラシルMarkⅡ ﹁いや、どれもこれもすげぇなって思ってな﹂ ? 305 そろそろ話さないと不 その事を聞いた健二は思わず唖然としてしまう、それだけの動力源を創り出す艦隊に 凄さを感じた。 ﹂ そしてアシェリーが何か思い出したかの様に健二に問う。 ﹂ ﹁あのリーダー、少し聞いていいですか ﹁どうした ﹁伊丹二尉達にコヴナントの事を話さなくてもいいんですか ? ト襲来の事を話さなくては大問題になるかもしれない。 それに健二は少しばかり考える。確かにそろそろ伊丹達に近々やって来るコヴナン とはいえ⋮﹂ 味い気がして⋮参考人招致の事もそうです、いくらあっちの皆さんに私達の事を話した ? ? │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ 結果に任せる他なかった。 アシェリーはどんな結果になるか少々不満になって来て、健二は考えつつもこの後の ﹁そうですか⋮、皆さんどんな反応するのでしょうか⋮﹂ 話し合いでも言ってたし﹂ ﹁ああ、そろそろ話さなくちゃいけないな⋮。オルブ司令も狭間陸将に話すってさっき 第26話 コヴナント遭遇 前編 306 ││ そしてアルヌス駐屯地とFOBでは平和な時が過ごされていた。 イタリカの戦い以降、アルヌス周辺は平穏な日々が続き、ゲートの介しての人的、物 的交流が盛んになるにつえ、アルヌスには様々な人々が集うよになり。 避難民キャンプの周辺には少しづつ町が出来始めていた。 ﹂ そ し て 一 度 F O B に 帰 投 し た 健 二 達 は コ ヴ ナ ン ト 警 戒 し な が ら も 町 の 様 子 を 見 に 行っていた。 ここら辺も﹂ 健二はアシェリーとブライアンの三人で周り、周囲の光景を見て呟く。 ﹁へぇ∼、結構賑やかになったな ﹁難民のPX店から初めて、今じゃ町が出来つつある﹂ ﹁此処の人達にとっては日本から運ばれてくる物はかなり珍しいと言いますよ ﹁成程な﹂ ﹁ん 流石にこうも毎日続きじゃあ⋮﹂ ﹂ ? ? あれがどうかしたのか ? ﹁あれは良いのかリーダー しんで酒を飲んでいるのを見て、健二達は足を止める。 そう納得する健二は見回りをする中で、UNSC軍の海兵隊と自衛隊の自衛官達が楽 ? ? 307 ﹁実はこの街の急速な発展により、人材がとても不足している状態なんですが。イタリ カのミュイ様のメイド貸し出しにより、メイドの飲食店には海兵隊と自衛隊の皆さんが 足場になって居るんですよ⋮﹂ アシェリーの説明に健二は呆れつつも、その様子を見ながら言う。 しても問題は無いだろう。まあはめ外し過ぎなら言っておいてくれ﹂ ﹁まあ良いじゃねぇか、俺達はコヴナント襲来の警戒体制に居るんだ、少しぐらい気を許 ﹁⋮はぁ、分かった﹂ そうブライアンが了解した途端。 ﹂ ? ﹁どうした ﹂ ﹁いや。実は⋮﹂ ﹁安藤大尉、少しお時間宜しいでしょうか ﹂﹂﹂ そして飲食店で飲み物を注文し、健二は黒川に問う。 ? ? 健二達は黒川の言葉に頭を傾げる。 ﹁﹁﹁ ?? ﹂ 健二達が振り向くと、黒川と桑原が来て、それに健二は見る。 ﹁ん ﹁あっ大尉﹂ 第26話 コヴナント遭遇 前編 308 ﹁んで 話って何 ? ﹂ ? ﹂ ? ﹂ ? ﹂ ? そう言ってテュカはその場から去って行く。 ﹁違う違う﹂ ﹁もしかして男∼ ﹁あ⋮うん、ちょっとね﹂ ﹁誰か探してるの∼ それにテュカは振り向く。 ﹁テュカー﹂ リィが外でテュカを見かける。 黒川は伊丹を呼んでテュカの事を話した。丁度ロゥリィも居て飲んでいた所にロゥ │回想│ ﹁実は先ほど、伊丹隊長と話し合ったんですよ﹂ ﹁テュカがどうしたって っとその事を聞かれた健二は少し真剣な表情になり、ブライアンが問う。 ﹁はい、実はテュカの事なんです﹂ 309 ﹂ その様子に伊丹は黒川の方を見る。 ﹁まさか毎日なのか ﹂ ? る。 ? 人は現実を受け止めなければ明日を生きられない。このままで ﹁無理に現実を分からせる必要あるのかしらぁ ! は彼女は今の時を消費するだけになってしまう、それは厳しすぎます﹂ ﹁あるに決まってます ﹂ 伊丹は問いかけられた事に少々困る、ロゥリィはビールを飲んでテュカの事を考え ﹁そう言ってもな⋮﹂ 長⋮何時まで放っておくつもりですか ﹁ええ、夕日ぐらいの時間になると、居る筈のない父親を探してさ迷っているんです。隊 ? ﹂ ? えられんのか 支えられたとしても俺達に撤退命令がでたらどうする ? ﹁いよいよ〝あっち〟に行ってしまうかもしれないぞ。そうなった時お前はあいつを支 ﹁⋮﹂ の気持ちはどうなると思う ﹁⋮なあ黒川、俺達が寄ってたかって﹃お前の父親は死んだんだ﹄って言ったら、テュカ その事に伊丹は少しばかり間を空けて、厳しい言葉を黒川に言う。 ﹁それはそうだけど⋮﹂ 第26話 コヴナント遭遇 前編 310 ? 俺達は何時までもテュカの心に寄り添ってやれる立場じゃないんだ﹂ ﹂ 伊丹の厳しい言葉、その言葉に黒川は少々反抗的な目線で伊丹を見て問う。 ﹁ではこのままにしておけと ﹂ ! 安藤大尉﹂ ? ﹂ ? ﹁伊丹、妙にテュカの心の状態をよく知っている様だし、もしやあいつ身内の中でその様 ﹁え ﹁⋮伊丹の奴、まるで〝経験者〟だな﹂ ける。 黒川は健二に問い、健二は禁止されている筈のビールを一口飲んで少しばかり間を空 ﹁どう思いですか ﹁っと言う事です﹂ │回想終了│ 桑原も黒川の後を追いかけて行った。 そう言って黒川はその場を立ち去って行き、健二の元に向かって行く。 ﹁⋮分かりました、では安藤大尉にも話を付けて来ます ﹁ああそうだ、最後まで責任持てないのなら⋮なにもするな﹂ ? 311 な状態になった奴がいるのか それとも⋮﹂ ﹁じゃあ大尉もあのまま放っておけと言うのですか ﹂ ﹁あの状態になってるテュカを見て、今の所とても俺達じゃあ手に負えない﹂ 健二はビールを置いて考える表情をする。 い事じゃないし、それに⋮﹂ ﹁いやあり得ない事は無いと思うな俺は。まあとにかく黒川の言ってることも分からな ﹁まさか⋮﹂ ブライアンが否定的な考えを言い、それに黒川が健二を見る。 ﹁まさか、あいつにそんな状態になる様な事態があったとは思えないな﹂ ? ? ? す。 ﹁リーダー、本当にいいんですか ﹂ 残された健二達は少々重い空気になりつつも、アシェリーがその重い空気の中で話 そう言って黒川はその場を去って行き、桑原も出遅れてその場を去って行った。 す。お時間頂きありがとうございました﹂ ﹁⋮⋮⋮分かりました、隊長と似た部分がありますが、安藤大尉の言葉を信じて失礼しま 良い﹂ ﹁そうまでは言わない。いつかは言わないといけないけれど、今は⋮やめておいた方が 第26話 コヴナント遭遇 前編 312 ﹁黒川の言い分も分かるし、今はああやって言うしか他にない⋮﹂ 応答せよ ﹄ 緊急事態だ ﹄ 健二の言葉を聞いたアシェリーは少しばかり暗い表情になる、っとその時通信機から 安藤大尉 突如緊急通報が入った。 ﹃安藤大尉 ﹃至急アルヌスFOBに帰投せよ ﹁こちら安藤、どうぞ﹂ !! !? う。 ﹁どうした ﹂ 健二はその様子を通り過ぎて、オペレーションルームに行きレックス達に状況を問 に動き回っていた。 緊急連絡を受けた健二達は急ぎFOBに戻ると、基地内は兵士達は慌てだすかのよう ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ その前にアシェリーが飲み代を払って行った。 っとその事に健二達はすぐにFOBにむかう。 !!! !! !! !! 313 ﹁リーダー これを ﹂ ! arkⅡに向かって行く。 その映像に健二は大きく目を開く。 約数分前の物になります ﹂ ! ﹂ ﹁リーダー、とうとう現れたぜ﹂ ﹁この映像は先ほど送られたばかりの物で !!! ﹁放っては置けない⋮、出撃だ ﹄﹄﹄ 仲間を助けに行くぞ ﹂ ! そこにはペリカンが数機待機していて、そこには他の海兵隊やユグドラシルMark 健二達はすぐにアーマーを着用し、武器を整えてペリカンの元に行く。 ﹃﹃﹃了解 !! ! マイケルは壁にもたれながら健二に言い、健二はそれに拳を握りしめて言う。 ! 撃し、さらに左手には光り輝く剣﹃エナジーソード﹄を持って海兵隊とユグドラシルM その種族は身体にアーマーの様な物を着込み、右手に﹃プラズマライフル﹄持って攻 彼等の元に爆風が起き、それに海兵隊達は驚いている中、そこにある種族が現れる。 姿も確認された。 それは付近に出払っている海兵隊の映像であり、それにはユグドラシルMarkⅡの ホビーが壁のモニター画面にある映像を映す。 ! ﹁コヴナント 第26話 コヴナント遭遇 前編 314 Ⅱとワートホグにスコーピオンの姿もあった。 健二達はすぐにペリカンに乗り込み、ブライアンとカレンがコクピットに座ってエン ジンを始動する。 ﹂ その際健二が皆に向かって叫ぶ。 出撃だ ! 二達を乗せたペリカンの後を追いかけるように飛び立っていく。 そう言って健二達を乗せた降下艇ペリカンは飛び立ち、待機しているペリカン達も健 ﹁ラプターチーム ! 315 第27話 コヴナント遭遇 後編 健二達が向かうその頃、コヴナントと遭遇した捜索隊はコヴナントの奇襲に遭ってい た。 海兵隊はすぐさま応戦するも、相手は崖の高台から攻撃してきて、海兵隊のワートホ グやキャリゲーターを破壊されてしまう。 唯一のユグドラシルMarkⅡはコヴナントの車両と交戦し、数を減らそうとしてい るものの、中々減らせず、まして一機づつ破壊されて行ってるのであった。 ﹂ すぐさま海兵隊は破壊された車両の影に隠れ、ライフルを攻撃して応戦するも、場所 ﹂ !! 神聖なる星は我がコヴナントの物だ 人間共を が場所で、崖が銃弾を通すのを妨げていた。 ﹁くっ 此処は場所が悪すぎます ﹂ 弾が当たりません 増援が来るまで持ちこたえるんだ 隊長 ﹁諦めるな !! ﹂ !! このままじゃあ本当に持ちませんよ ﹂ !! !! !! ﹁しかしどうするのですか !! !! ! コヴナントの﹃エリート﹄がプラズマライフルで海兵隊達に攻撃する。 !! !! ﹁生きて返すな !! ﹁殺せ 第27話 コヴナント遭遇 後編 316 っと言った途端に海兵隊の頭にエリートの﹃ニードルライフル﹄が放たれ、海兵隊は しっかりしろ ﹂ 頭を撃ち抜かれてしまう。 ﹁おい !! ﹂ していなかった。 ﹁くそっ ﹂ ︵頼む 速く来てくれ ︶﹂ !! ﹁隊長 ﹁何としても持ちこたえろ ! 海兵隊はすぐさま撃たれた海兵隊を連れて隠れ。すぐさま状態を見るもすでに息を !! !! ﹃ラプターチーム、聞いてくれ。現在我が軍の捜索隊がコヴナントの奇襲に合い、膠着状 る。 そして天井にモニターホログラフィック画面が映像化されて、司令のオルブが出て来 をし、健二はMA5Dの弾をマガジンに込めていた。 捜索隊が大苦戦を強いられている中でラプターチームがペリカンの中で武器の点検 ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ !! !! 317 態へとなりつつある。そこで君達ラプターチームはスパルタンとODSTの二班に分 け。 スパルタンは上空から降下し、ODSTはペリカンで地上に着陸して応戦するようし てくれ。そして可能ならばコヴナントの部隊リーダーを捕まえてくれ﹄ 健二は弾を込めたマガジンをライフルに差し込み、背中のマグネットホルスターに納 ﹁了解司令﹂ める。 そしてオルブの次にSPARTAN部隊の指揮官であるショーンが映像に出て来る。 れ ﹄ ﹁死者が既に⋮ ﹄ ﹂ ﹃では頼んだぞラプターチーム、他のチームも到着した後攻撃を開始する予定だ。以上 アシェリーがその事を聞いて驚き、健二はそれに了解して頷く。 ! ! ! ﹁急がないと不味いな⋮了解した ﹂ ﹃ラプターチーム、現地の報告ではすでに死者が何名も出ている様だ、急いで向かってく 第27話 コヴナント遭遇 後編 ﹂ オルブはそう言ってモニターを切り、健二は各自に確認をする。 ! ﹁皆状況はどうだ 318 ? ﹁良好だリーダー。何時でも行けるぜ﹂ ﹂ ブライアンとカレンが報告し、ジャクソンがM247H 重機関銃に変わる﹃チェー ﹁こっちもだよリーダー﹂ ﹄﹄﹄ ﹂ アシェリー達はペリカンで撃墜されない場所で着陸し、その後に合流しろ 行くぞ ! ンガン﹄を持って、ランドック達と共に頷く。 ﹁よし ﹃﹃﹃了解 ラプターチーム ! ! ! !! ! るのが見えた。 山の斜面に沿って降下して行くぞ、準備はいいな ! それに健二はブライアン達に指示を出す。 ﹁各自 ﹂ 健二が見た地上はすでに彼方此方煙が上がっていて、微かに青い光線の弾が発射され 健二はハッチから飛び出して行き、そのまま降下して先頭に出る。 そして健二がアシェリーの方を見て、アシェリーが頷き、健二も頷いてメットを被る。 ヘルメットを渡して、ブライアンは自分のヘルメットを被って降下する。 ジャクソン、ランドック、レックス、カレンの順に降りて行き、ブライアンが健二の る。 健二はペリカンのハッチのボタンを押し、ハッチが開いてジャクソン達が降下し始め ﹁よし !! 319 ﹄ ﹃ジャクソン、OKだ ﹃カレン、いいよ ﹄ ﹄ ﹄ ﹃ランドック、準備よし ﹄ !! ﹂ !! しながら降りて行き。近くのエリートに向かってタックルして行く。 ﹃ジャッカル﹄の頭部を狙撃しながら斜面を下り、ランドックがライトマシンガンで攻撃 レックスが﹃SRS99│S5 AM スナイパーライフル﹄でエリートの他の種族 ンガンで斜面を滑りながら撃ちまくって行く。 健二がグラントストライクで周囲のコヴナント達を吹き飛ばし、ジャクソンがチェー ショットガンで撃ち抜く。 ブ ラ イ ア ン が 先 に 着 陸 し、バ ト ル ラ イ フ ル を エ リ ー ト を 撃 ち、カ レ ン が 着 陸 し て ﹃接触 ﹁攻撃開始 そしてブライアンが前に出て、健二は命令を放つ。 兵士達が居た。 各自の報告を聞いた健二は山の斜面ギリギリまで飛び、山の斜面近くにコヴナントの ﹄ ﹃ブライアン、確認した ﹃レックス、感度良好 ! ! ! ! ! 第27話 コヴナント遭遇 後編 320 タックルされたエリートは岩の壁に激突されて、壁ごと打ち破って着き進んで行くラ ンドック、健二はアサルトライフルを撃ちまくりながら斜面を下り、カレンが健二が撃 ち漏らした敵を撃つ。 カレンがグレネードを投げつけ、エリートたちの足元に爆発して吹き飛ばし、ジャク ソンが飛んでジャッカルの上に行き、急降下して行って踏みつぶす。 ﹁︵今すぐ行くぜ⋮皆︶﹂ 健二は心でそう思いながらライフルを撃ちまくって斜面を滑り降りて行く。 │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ││ 攻撃にさらされている捜索隊は、何とかコヴナントの攻撃に凌いでいたものの、すで に遮蔽物が限界までなっていた。 ﹂ コヴナントの部隊リーダーであるゼロットは部下たちに命令を言う。 人間共を葬り去れ ! が銃を撃ちながら降りて来た。 すると上から爆発音が聞こえ、それにゼロットは後ろを振り向くと、斜面から健二達 ﹁もうすぐだ !!! 321 健二はエリートの部隊を見つけ、その中でアーマーが違うタイプを見つけ、ゼロット ﹂ !! だと確認する。 皆 ﹄﹄﹄ ﹁見つけたぞ ﹃﹃﹃了解 !! 殺せ ﹂ !!! しかしそれをブライアンがバトルライフルで撃ち、残った左腕を貫かれてしまい、た 下がり、ゼロットは耐えながらも残った左腕を使い殴ろうとした。 そしてカレンがマチェットでゼロットの腕を切り、間接の線を斬られた事に腕がぶら の足にナイフを刺す。 健二はスライディングでかわしてスラスターを使い、急ブレーキで止まり、ゼロット ソードを展開して健二達を切り裂こうとして振る。 その隙に健二とブライアンとカレンがゼロットに向かって行き、ゼロットがエナジー まくってエリートを倒し。 ろともせずに進み、ジャクソンとランドックがチェーンガンとライトマシンガンを撃ち すぐさまエリートたちが健二達に向けてプラズマライフルを撃つ、それを健二達はも !! エリートたちに命令する。 健二達はスラスターを全開にして、一気に付き進んで行き、ゼロットは慌てながらも !! ﹁悪魔達だ 第27話 コヴナント遭遇 後編 322 ﹂ !!! まらず悲鳴を上げる。 ﹂ !! 気を付けてくれよリーダー⋮﹂ ?! リーダー、もう終わったのですか ﹁了解﹂ の物も忘れるな﹂ ﹁よし、なら研究開発班の連中にそれを持って行ってくれ。良い研究材料になるぞ、残り 見た健二は言う。 レックスがコヴナントが使っているプラズマライフルやプラズマガンを取り、それを ﹁それにしてもコヴナントの武装、想定していたよりもかなり強化されてるものだ﹂ ? 場面を見て唖然とする。 ﹁あれ ? ﹁ああ、案外あっけなく終わったぜ﹂ ﹂ その事に呆れるブライアンとカレン、そして遅れて来たアシェリー達が戦闘が終えた ﹁何 ﹁ふぅ⋮、勢いで思わず殺してしまう所だった⋮﹂ ゼロットはそのまま倒れ、健二はナイフをナイフホルダーにしまう。 健二はゼロットの首に注射器を撃ちこみ、ゼロットはそれに意識を失う。 ﹁ラスト ﹁グゥオオオオオオオオオ 323 ﹂ その指示にレックスは了解し、エイミ達は遮蔽物に隠れていた海兵隊達の元に向かっ た。 ﹁大丈夫ですか ﹂ NSC軍に攻撃して来た事を話す。 そしてFOBでオルブはすぐさまアルヌス駐屯地に招き、狭間陸将にコヴナントがU ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ であった。 すぐさまエイミは海兵隊の応急処置を開始して、ペリカンが到着するまで治療するの ﹁あ⋮あぁ⋮、助かった⋮﹂ ? それは真ですか ! ?! ﹂ ? ﹁20名以上だと聞いています﹂ ﹁⋮それで死者はどの位で その事に狭間陸将は何とも言えない様子になる。 ﹁ええ、何とか鎮圧はしました⋮損害も少なくはなかった様で﹂ ﹁何ですと 第27話 コヴナント遭遇 後編 324 ﹁20名以上 ⋮もし我々の兵でだったら⋮、考えるだけでも﹂ その重苦しい空気にオルブは黙り込む。そしてある事を考えを狭間に話す。 !? ﹂ ? もしこの設計図が各国に渡って仕舞ったら﹂ ? のであった。 そう言ってオルブは頭を下げてお願いをし、狭間はその願い心に深く受け止め、頷く を願う﹂ ﹁その時は破壊してでもお願いする。狭間陸将、どうかこの技術力を平和の為に使う事 ﹁⋮本当にいいのですか だ。動力源はバッテリー・コアを提供する。ただし制限時間は30分﹂ ﹁そ し て こ の パ ワ ー ア ー マ ー は 骨 組 み の 構 造 で 様 々 な 装 甲 を 取 り 付 け る 事 が 可 能 な の 使っているが、素材はこちらで入手できる物だったのを見て考える。 その設計図を見て狭間はただジッと見つめていた、SPARTANとは全く別の物を こで簡単な鉄を使う装甲版で身体を覆う﹃パワーアーマー﹄を提供する﹂ する必要がある、それに我らが使っている装甲も別の惑星で取る材料が必要となる。そ ﹁それは我が軍が使っているアーマーの一種です。SPARTANは身体の一部を改造 ﹁これは っとオルブはある設計図を狭間に渡し、それを狭間は目にする。 ﹁狭間陸将、君の自衛官を我が軍の惨劇にならないようある物を渡しておきます﹂ 325 第28話 帝都へ・・・ コヴナントの戦闘を終え、アルヌスFOBに帰還した健二達。 健二達は戦闘中に戦死した海兵隊達を運び、健二はヘルメットを取って見ていた。 っとそこに話を聞きつけた伊丹達とアルティア達がやって来て、運ばれる海兵隊達の ﹂ 遺体をアルティアは少しばかり悲しむ。 ﹁⋮助けられなかったのですか │﹂ ﹁⋮大尉、貴方はどうするつもりですか 彼等の⋮亡くなった海兵隊達の遺族達には│ そう健二は言い、伊丹は何となく言いづらそうな表情で健二に問いかける。 ﹁もう少しだったんだけど⋮な、でも後の皆は何とか助ける事が出来た﹂ ? ? ﹂となる。 ? ないものないんだ。こればかりは彼等が志願したんだ﹂ ﹁元々UNSCはコヴナントと戦う為にいた軍隊だ。当然何時奴等と遭遇するか分から 健二は少し日が沈んで行く空を見て、目を細める。 その事に伊丹は﹁えっ ﹁その事に付いては家族は覚悟の上で知っているさ﹂ 第28話 帝都へ・・・ 326 ﹁⋮そんな﹂ 伊丹は健二が言った言葉に少しばかり納得が行かず。 そんな伊丹に健二は伊丹の方を向き言う。 ﹁えっ 司令だけじゃなく狭間陸将も ﹂ それに健二は考え、自衛官に向かって頷く。 ﹁はい、至急来るようにと﹂ ? ﹂ ちで尋問するって言っといて﹂ ﹁分かった、すぐに行くよ。アシェリー、後の事は任せるか ﹁了解 捕虜って ﹂ ? が問う。 ﹁何です ? それとあの捕虜の事はこっ そう言って健二はすぐさま向かい、それに伊丹達は捕虜と言う言葉に耳を傾け、栗林 ! ? ? ﹁失礼します。安藤健二大尉、UNSC軍のオルブ司令官と狭間陸将がお呼びです﹂ そう言っていると、一人の自衛官がやって来て、敬礼をして言う。 ﹁⋮﹂ んだよ。俺に言っても仕方ないんだ﹂ ﹁伊丹、俺が言っている事に納得が行かないのは分かってる、でもこれは皆が決めた事な 327 ﹁あれですよ﹂ っとアシェリーが指を示し、それに伊丹達は指さす方を見る。 するとペリカン降下艇から頑丈な手錠を掛けられ、強引に連れて行かれるコヴナント この私をどうするのだ ﹂ のエリートが居た、エリートはユグドラシルMarkⅡ二体に連れられ、暴れながらも 愚かな人間共 !! 叫ぶ。 ﹁離せ !! ? た。 ﹁な⋮何なんすか あれ⋮﹂ その光景を伊丹達は驚いた表情を隠せず、勿論アルティアやテュカ達も見て唖然とし ﹁黙って歩け﹂ !!! た。 そしてオルブや狭間に呼ばれた健二は司令室に付くと、そこにオルブと狭間陸将が居 ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ﹁あれが私達が戦っている敵、コヴナントですよ⋮伊丹二尉﹂ 第28話 帝都へ・・・ 328 ﹁お呼びですか 司令、陸将﹂ ? が﹂ ? ? てもらいたいのだ﹂ 我々が向かう程のですか ? ﹂ ! 残されたオルブと狭間は再び対面し合う。 健二は敬礼を終えてその場から立ち去って行った。 そう健二は敬礼をし、狭間陸将も同じように敬礼をする。 け取りしました ﹁︵姫さんか⋮、まあ彼女のご指名とならば仕方ないか︶⋮分かりました、その任務を受 ニャ殿下はこの準備には君達が必要だと言うのだ﹂ ﹁君達ラプターチームは第3偵察隊と共に行動しているのを我々は知っている上に、ピ ﹁帝都に ﹂ チームは第3偵察隊と共に明朝帝都に向かい、ピニャ殿下との和平交渉の足がかりをし ﹁実は先ほどオルブ司令官と話しをしていてな、君を呼んだのは君達特殊部隊ラプター 健二が呼ばれた事情を聞き、それに狭間が答える。 ﹁いえ⋮、それでお呼びは ﹂ ﹁半数以上が無事だった事にホッとした、助けられなかった者については⋮残念だった ﹁おお来たか大尉、任務ご苦労だった﹂ 329 彼にこの設計図の事を話さなくて﹂ ﹁さて⋮狭間陸将。この後のパワーアーマーのパーツについて話し合いたいのだが﹂ ﹁それなのだが良かったのかね 健二はPX店に入り、必要な物を買いそろえている中。 人も居る。 当然アーマーを着たままだから、周囲の目もくぎ付けになる人も居るし、平然とした た。 そして健二は一度FOBに戻る際にアルヌスの街に向かい、必要な物を買いに来てい をするのであった。 そう言いつつ二人はこの後のパワーアーマーの取り扱いや整備資料などの話し合い ﹁⋮そうですか﹂ ﹁大丈夫だ、大尉には後でこの事を話す。今は話すとあいつはやたら興奮するからな﹂ う。 狭間は渡されたパワーアーマーの設計図を見せ、それにオルブは葉巻を取り出して言 ? 二。 健二は振り向くと、アルティアが買い物かごを持ってやって来て、それに向き合う健 ﹁健二さん﹂ 第28話 帝都へ・・・ 330 ﹁やあアルティア、どうかした ここに居て﹂ ﹂ ﹂ そうですか⋮大変ですね﹂ ﹁ああ、アルティアは何をしているんだ ? 向く。 ﹁どうした ﹂ ? 岩の上に座る。 ﹁それで話って何 ﹂ それに健二は頷き、買い物を終えた健二とアルティアは近くのベンチに座り、健二は ? ? ﹁少しだけ⋮お話ししても良いですか ﹂ っと健二が会計をしに行こうとした所、アルティアが呼び止めて、それに健二は振り ﹁あの⋮健二さん﹂ ﹁そうか、分かった。それじゃあ俺はこれを買ってすぐに││﹂ ﹁私はここで欲しい物を買いに来たんです、それだけで⋮﹂ ここに居るアルティアを健二は問い、アルティアは持っているかごを健二に見せる。 ? ﹁帝都ですか 準備をしてるんだ﹂ ﹁ああ、もう終わった。明朝俺達は伊丹達と一緒に帝都に向かう事になってな。その下 ? ? ﹁健二さんこそ、もう話は終えたのですか 331 ﹂ ﹁はい⋮、実は健二さん達が出掛けている間に奇妙なダークエルフが来たんです﹂ ﹁ダークエルフ どうか緑の人と黒の人に所に連れて行ってくれ ﹂ アルティアが一人で酒場でお酒を飲んでいる時だった。 │回想│ その事にアルティアは頷き、その事を話し始める。 ? ! ︶﹂ ﹂ ! 龍、その炎龍の話しがヤオの口から出て来た事に驚きを隠せないアルティア。 五か月前に健二達と伊丹達がコダ村の人々を避難させている時に遭遇したあの古代 ? あり、ある事情があってこのアルヌスに来ていると言う。 炎龍⋮ ﹁決まっている。炎龍を倒して貰う為だ ﹁︵っ ! その事にアルティアは目を大きく開いた。 !? ﹂ 彼女の名は﹃ヤオ・ハー・デュッシ﹄、シュワルツの森に住むダークエルフの女戦士で っとアルティアはそれに耳を傾ける。 ﹁皆 ! ﹁どうしてそんなに緑の人と黒の人に会いに行きたいんだ 第28話 帝都へ・・・ 332 ﹁え 炎龍⋮ ﹂ 我が故郷を炎龍から救いたいのだ どうか手を貸してくれるか ﹂ !? 緑の人と黒の人達にだ ﹂ お前たちに聞いた私が馬鹿だった !! ない相手だからだ。 ﹁お前たちにではない もういい ! ﹁分かってるけど、彼等もそう簡単に⋮﹂ ﹁ええ∼い ! アルティアの話を聞いた健二はその事に少々考える。 │回想終了│ 立ち去って居った。 ﹂ そう言ってヤオはその場から去って行き、アルティアはそれに勘定を払いその場から !! ! UNSCや自衛隊の攻撃をも怯まない炎龍に対し、生身の者達では到底太刀打ちでき いか関わりたくないというのが正解だろう。 酒場に居た亜人たちはその事にどうも悩みを隠せない、っと言うより手を貸したくな ﹁相手が炎龍だって聞いて、はい手を貸しますって言うのは⋮﹂ ! !? ﹁手を貸したいのはやまやまだが⋮﹂ ! ! ﹁そうだ 333 ﹁う∼ん⋮炎龍。そいつは俺達が一度追い払った炎龍と見て間違いないな﹂ ﹁その話しを聞いた私は思わずあの時の恐怖が思い出して来たんです。今でも手が震え ていて⋮﹂ その事に健二は手を見ると、アルティアの手が少しだけ震えていて、それに健二はア ルティアの手を握る。 ﹁心配するなアルティア、もし炎龍と遭遇したら今度こそ俺達が護ってやる。第一炎龍 はここまで追って来る事はまずないさ﹂ は健二さんお休みさなさい﹂ ﹁⋮そうですよね。炎龍はここには来ませんよね。話をしたら楽になりました、それで アルティアはそう言って自宅に戻って行き、健二は少しばかり炎龍の事を考える。 ︶﹂ ? ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ のであった。 そう考える健二であったが、今は明日の準備がある為にすぐにFOBへと戻って行く しているんだ⋮ ﹁︵炎龍⋮今まで何をしているかと思ったらそんな所に居たのか⋮。しかしそこで何を 第28話 帝都へ・・・ 334 ﹂ UNSCの皆様方 ﹁マジで ﹂ ﹂ ﹂ どうかよろしくお願いいたします そして早朝、健二達は伊丹達と共に帝都に向かう際に新たな外務省の人を連れて行く 事となった。 ﹁外交官の藤堂鉄男と言います ﹂ ﹁どうも藤堂さん、よろしくお願いします ﹁伊丹、何を見ている そこでは伊丹が外交官が持ってきた荷物を見ていた。 健二は藤堂と握手を交わし、そして伊丹の所に行く。 ! ﹁ああ大尉、見て下さいよこれ。特器や真珠に日本酒までありますよ ? ﹂ ? ﹂ これ等をアルバトロス重降下艇に乗せてくれ ﹂ ! ? ﹁しないよそんな事、よし ! ﹁和 平 交 渉 を よ り よ く す る 為 に 持 っ て き た も の な ん で す か ら。く す ね な い で 下 さ い よ ﹁構いませんよ、これは元々外交官が持ってきたものなんですから﹂ ﹁おい柳田、こんな上物持って行ってもいいのか 健二はそれを見ると、確かに日本酒があって、健二はすぐに近くに居る柳田に問う。 !? ? ! ! ! 335 ﹂ 健二に命令でブライアン達は荷物をアルバトロスに積み込み、皆は降下艇に乗り込ん 頼んだぞ ! ! で、柳田が見送る。 ﹂ 伊丹 任せれて ﹁それでは大尉 ﹁おう ! ﹂ ! かって行った。 っとそう言いながらヤオは再びアルヌスへと向かって行くのであった。 ? その向かって行く光景を外で野宿していたヤオが見る。 ﹂ そう言って健二達を乗せたアルバトロスのハッチが閉まり、上昇して行き帝都へと向 ﹁行って来る ! ! ﹁空飛ぶ鉄の大箱⋮、緑の人と黒の人はもはやなんでもありだな 第28話 帝都へ・・・ 336 炎龍編 第29話 更なる問題 アルヌスから帝都へと出発した健二達は帝都へと近くの森に着陸し、陸路で向かう為 の馬車を用意させてもらった。 勿論この馬車はSPARTANが乗れる様に完全補強してある馬車である。 全員乗って帝都付近まで向かうぞ ﹂ 健二は荷物を馬車に詰め込み、皆に命令する。 ﹁よし ! 隊長 それマジですか ! 俺も聞きたいです !! FPS以外に一体どんなゲームが好きなんですか ﹁ええ∼ !! ? ﹂ ﹁そう言えば大尉、前に参考人招致の時にテレビゲームが好きって言っていましたよね 帝都に向かう際に伊丹が健二にある事を聞いてきた。 そして伊丹と富田と栗林と倉田と黒川の8人が馬車に乗り込んでいた。 外交官が乗る馬車にマイケル達が乗って、その後に健二とアシェリーにブライアン、 向かう。 その言葉にラプターチームと第3偵察隊、そして外交官は馬車に乗り込んで帝都へと ! 337 ﹂ !! ? ﹁おう、それはな﹂ ﹂ っと健二は伊丹と倉田にゲームの話しをし始め、それに栗林はもの凄く呆れる風にな る。 ﹁もう∼、何でこんな所で変な会話が出て来るのかな ﹁そうですよ、栗林さんは少しワガママ過ぎだと思いますよ ﹂ ﹁そう言うな栗林、リーダーもたまにはこうして楽しい会話をしても良いじゃないか﹂ ? ﹂ 第一大尉はあの若さであの階級になられたんでしょう そんな方がゲームが好きっておかしいですよ エリートじゃ !? る。 そうブライアンは肩をすくめながら言うが、アシェリーはその事に少々頬を赤くす ﹁非番で何をしても別に良いじゃないか。それに俺はもう諦めた⋮﹂ ないですか ﹁何でですか アシェリーとブライアンが栗林に言い、それに栗林が不機嫌そうになる。 ? ! ! ! ﹂ ? ﹁おっ リーダー。そろそろ現地の人間と合流するぜ﹂ その雰囲気に栗林と黒川は顔を合わせ、富田は一滴の汗を何故か流していた。 ブライアンが顔を赤くしているアシェリーに振り向き、その事に慌てるアシェリー。 ﹁⋮何で顔を赤くするんだ ﹁私は別に大尉がどんな趣味を持っていても構いませんか⋮﹂ 第29話 更なる問題 338 ? っと健二は話しを辞めて前を向き、既に現地の人間⋮ハミルトン達が健二達の到着を 待っていた。 ﹂ しかしその中にピニャの姿も居て、それに健二達は目を向く。 姫さん ﹁あれ⋮ ? ? ﹂ ? ﹂ ? ﹂ !!? ﹁そうですな、所でどうして姫さんが居るんだ 健二がその事を問い、それに答えるピニャ。 ﹂ ? ﹁久しいな、日本から戻って以来か﹂ 健二と伊丹はピニャと少し離れて会話をしていた。 その事に藤堂は驚きを隠せずにいた、そして藤堂がハミルトンと挨拶をしている中、 ﹁んなっ ﹁ピニャ・コ・ラーダ⋮。帝国の第3皇女殿下です﹂ 藤堂が健二にピニャの事を問いかけて来て、それに健二は苦笑いしながら言う。 ﹁どなたですか ﹁どうして此処に ﹁アンドウ殿、イタミ殿。足労であった﹂ そして馬車から降りた健二達はピニャ達と対面する。 ﹂ ﹁何で⋮ ? 339 ﹁スガワラ殿が新たな外交官が訪れると聞いて、まず知己を得んとな。⋮⋮それと﹂ ﹂ ピニャが何やら目を泳がせながらそわそわして、それに健二と伊丹は首を傾げる。 ﹁どうしたんです ﹂ ﹁いやっ、その⋮つ、ついでに荷物を受け取ろうとな﹂ ? ﹂ 〝あれ〟なかろう ﹂ 〝あれ〟しか ﹁ボーゼスより預かってはおらんのか 何を⋮ !? にあった⋮あのBL系の本である事を ⋮あっそう言えば﹂ ! ピニャの言っている事に健二は気づいた。恐らくピニャが欲してるものは、梨紗の家 !! ﹁えっ ﹁決まっておる ﹂ ﹂ 伊丹がそれを言うと、ピニャがもの凄い勢い近寄って問う。 ﹁⋮荷物 ? ﹁何を⋮はっ ! ! ? ! ? ?! これだ これを待っていた ! ﹂ !!! その事に健二と伊丹は苦笑いし、近くで聞いていたハミルトンと藤堂が見る。 ピニャが待ちかねていた物、それは完璧なBL系の同人誌であった。 ﹁おお∼∼ ! 伊丹が何かを思い出した事にピニャは一旦止まり、ある物を取り出すとピニャは⋮。 ﹁あれ 第29話 更なる問題 340 ﹁姫様 ﹂ ﹂ !!! ﹂ ? そして数分後⋮。 ﹂ ヤオはそれに振り向き、男はこっちに誘い出して、ヤオはそれに釣られる。 ﹁ん ﹁ようダークエルフの姉ちゃん﹂ そう言ってヤオは一度店に入ろうとしたらある男が。 ﹁困ったな⋮、これでは話が進まない⋮ここまで来たと言うのに﹂ しかし会話していても相手が全く伝わらず困っていた。 その頃アルヌスFOBでは、ヤオはようやく自衛隊とあって話をしてみる ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ その事に健二と伊丹はため息を吐くのだった。 ﹁芸術だ っとその事に慌ててしまい、笑顔満載で言う。 ? ? ﹁何をお受け取りに 341 ﹁いって∼∼∼ ﹂ そう言いながらヤオは拾った財布を何故か仕舞い込む。 ﹁財布を落として行ったぞ、全く⋮私は娼婦じゃないぞ﹂ ? 誰から見たら泥棒かも知れなかった。 ﹂ ﹁よう姉ちゃん、言葉が喋れる緑の人と黒の人を探してるのか ﹂ っとまた別の男が現れて、それに反応するヤオ。 ﹁知っているのか ﹁何だよ何だよ ﹁え え ∼ 気の早い女だな∼ ﹂ ? 少し聞きたい ﹂ ! ﹂ 確 か に こ こ に は 来 る け ど、そ う 滅 多 に 来 る こ と は ここに来たら緑の人と黒の人が居ると聞いた こっちは一刻も早く緑の人と黒の人に会いたいんだ 何でそんな事をニャ ﹁頼む教えてくれ ニャ⋮﹂ ! そう勢いで頼むヤオにメイアは困った表情を見せていた。 !! ? ! そしてヤオはPXに到着し、店に入るとそこにキャットピープルの﹃メイア﹄が居た。 ? 男がヤオに話しかけたが、すでにヤオはPXに向かい姿がなかった。 ? ﹂ 男は何故か股を抑えて逃げて行き、ヤオは男が落として行った財布を拾う。 !!! ﹁おお、難民のPXにたまに現れるんだ。そこに⋮って !!? ! ? ﹁おいそこの 第29話 更なる問題 342 っとその時。 ﹂ ﹁失礼、そこの女性の方。少し宜しいですか ﹁っ ﹂ ? ようやく目に涙があふれ出る。 ﹁︵⋮ようやく、ようやく会えた⋮ ﹁⋮大丈夫かニャ﹂ ︶﹂ っと何故か心配気味になって来たメイアであった⋮。 ﹂ レレイは魔法を集中し、高まった時に魔法を放ち、玉の魔法が水面に振れた直後に爆 それを見物していた時であった。 そしてアルティアとテュカ、ロゥリィの三人はレレイがある魔法の実験をしていて、 ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ !!? !! 突然ヤオが抱き付いて来て、それに驚く海兵隊。 ﹂うおっ ヤオは突然の言葉を聞いて振り向くと、そこにUNSC海兵隊が居て、それにヤオは !? ﹁少しお話をしても宜しい﹁ようやく会えた∼ !! 343 ﹂ ﹂っと声を上げ、見ていたカトーは頷く。 ! ﹄あいたっ 発し、それにアルティア達は﹁おお∼ ﹁うむ、見事じゃレレ﹃ゴン !!! ﹁凄いよレレイ 日本の本を呼んだだけであれだもん ! そうロゥリィが言った所で一人の自衛官がやって来る。 ﹁いいじゃなぁい。別にそこまで気にしなくても﹂ ﹂ アルティア達はレレイの元に行き、アルティアは感心した表情をする。 ﹁いたたた⋮、見事過ぎて⋮言葉も出んな。流石じゃレレイ﹂ ﹁門の向こうの原理の探求は、我々のはるか先を行って、深く広かった﹂ レレイは地面に置いてある科学の本を取る。 喋っている間にカトーに頭に大きな石が落ちて来て、それに頭を抑えるカトー。 !!! ﹁でも⋮まだ威力が足りない﹂ ! かいた事に驚かない訳がない。 そしてアルティアは中に居るヤオの姿を見て驚く。酒場に居たダークエルフの女性 ルティア達は見る。 アルヌスの取調室でヤオが何故か落ち込んだ表情をしていて、自衛官に案内されたア その事にアルティア達は顔を合わせるのだった。 ﹁あの⋮突然すいません、通訳をお願いしたいのですが﹂ 第29話 更なる問題 344 ﹁かつあげ事件の参考人として連れて来たのですが、被害者の言っている事と全然違っ ﹂ ていて、よく分からんのです。あげくに襲われただの助けてだのと飛び留めがなく、何 とかしてくれませんか ? ﹂ ? 待ってくれ ﹂ ! ﹁我が一族が炎龍に襲われているのだ ﹂ 突如立ち上がったヤオにレレイは見て、ヤオは必死に話しかけて来る。 ﹁っ !! ﹁あなたの無実は証明された、今からあなたは開放される﹂ 束、イタリカに護送します﹂ ﹁只今訴え出ていた男が自供しました。ヤオ被害者への暴行未遂として、男の身柄を拘 数分後、戻って来たロゥリィが話し、それに自衛官は取調室に入り話す。 に居るロゥリィに話し、それにロゥリィは頷いて向かう。 そしてレレイはヤオの話しを聞き、ある事を聞き出し、近くで聞いていた自衛官が外 ﹁私はレレイ。日本語を解する者﹂ ﹁お前は⋮ ﹁ヤオ・ハー・デュッシュ、話を聞かせてほしい﹂ レレイがそれに承知して中に入り、ヤオと対面する。 ﹁分かった﹂ 345 ! ﹁炎龍⋮ ﹂ そうだ ﹂ ﹁⋮日本人と助っ人たちに助けを求めたらいいのか ! ﹂ ? た。 そう礼を言うヤオ、その様子に外で見ていたアルティアはただ見ているだけであっ ﹁かたじけない﹂ ﹁分かった﹂ ﹁えっ⋮、⋮見た所、御身は顔が効くようだ。出来れば口添えも頼みたい﹂ ? ﹂ その頼みは自衛隊とUNSCに話を付けに行きたいと言うのであった。 を下げていた。 それにアルティアは目を細め、去ったのを確認した後再び取調室を見ると、ヤオが頭 ﹁テュカ⋮﹂ まるで現実から逃げて行くように⋮。 の場から去って行く。 その事に外で聞いていたテュカは思わず目を大きく開き、一歩ずつ後ずさりして、そ ? 慌てて頷くヤオ。 ﹁っ ! ﹁それだけでいい 第29話 更なる問題 346 │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ││ 取調室を出たアルティアとレレイはまず最初にヤオに自衛隊と話をするべく向かわ せた。 そして狭間陸将と会話して炎龍退治を頼んでみた。 だが結果は思いもよらない事であった。 ﹁ ⋮、何と言っている ﹂ ? ﹂ 大軍でなくても良い ﹁た ! でしたら す ! ! 緑の人と黒の人は20近くで炎龍を撃退したと聞いていま 当然の事なら自衛隊は介入できない場所であった。 戦と言う事になる。 ツの森は帝国を超えて﹃エルベ藩王国﹄の国境をの先にあった場所、許可なく入れば開 その事にヤオは抗議をしようとしたが狭間陸将が言うには、ヤオが居る森、シュバル ﹁⋮協力出来ないと﹂ ? ﹁ヤオ・ハー・デュッシュさん。力になれず申し訳ない﹂ 347 !! ﹁滅相もない、それでは部下を死に追いやるも同然。その様な命令を下す様な事は出来 ません。遠路はるばるおいで下さったのに、申し訳ない﹂ その事にヤオは思わず唖然としてしまうのであった。 ﹁っと言っている﹂ アルティアは側でヤオの表情を見て、無残にも崩れていく思いに唖然としているだけ ﹁ヤオさん⋮﹂ であった。 その様子を聞いている柳田が狭間の耳元で話す。 ﹁この様子ですと、UNSCの方々に話しても⋮﹂ そして話を終えたアルティア達は柳田にUNSCの元に送らず、そのまま難民キャン ﹁話を聞いていないだろうな⋮、彼等ならば受けてくれると思うのだがな⋮﹂ プまで送って貰っていた。 ヤオが落ち込んでいる様子を見て、柳田が呟く。 レレイが通訳をしているが、今のヤオに耳が届いている筈はなかった。 ﹁イタミ、そしてアンドウ達ならやるっと﹂ ﹁伊丹。そしてラプターチームである安藤大尉達ならやってくれると思うね﹂ 第29話 更なる問題 348 貴殿らの狙いは童の願いでもある。我々の共通の目的は一つ ﹁﹁日本と帝国との協和 ﹂ っでしょ ﹂﹂ ? ピニャは見送った後に空を見上げる。 姫様﹂ ﹁さあ、今後は忙しくなるぞ﹂ ﹁はい ﹂ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ││ そして帝都の付近で健二達は一度休める場所に向かう事となった。 ﹁それでは殿下、後に殿下の屋敷に向かう事になりますので﹂ ﹁ああ、すまなかったなアンドウ殿、イタミ殿﹂ 分かっている そう言って伊丹はピニャに言い、それに慌てるピニャ。 ﹁別に構いませんよ、それを渡す為にきたんじゃないんですからね﹂ ﹁わ ! 三人は笑みを浮かべ、健二達が乗る馬車は指定の場所へと向かって行く。 ﹁その通りだ ! ! それに健二と伊丹は頷いて同時に言う。 ! そう言ってピニャはハミルトン達と共に屋敷へと向かうのであった。 ! ! 349 第29話 更なる問題 350 しかしこの講和への道のりははるか先に先送りになる事を、健二達とピニャ達はまだ 知るよしもなかったのだ。 第30話 支配的な男 ゾルザル 帝都郊外で日本と帝国との講和交渉を行う為に外交官と数名の帝国議員達との遊園 会が開かれる事となった。 そして護衛は勿論第3偵察隊と特殊部隊ラプターチームが選ばれていた。 ﹂ 健二と伊丹を覗くラプターチームと第3偵察隊はアシェリーの指示に動いていた。 ﹁集合 ﹂ ! 倉田、富田、黒川、栗林の順に伊丹の服装を見て呟いたり笑いをこらえた。 ﹁微妙∼⋮﹂ ﹁その格好⋮﹂ ﹁ぷっ⋮ ﹁隊長⋮﹂ っが伊丹の服装に栗林達は何故か笑いをこらえる。 そこにヘルメット無しのGEN2アーマーを着た健二と伊丹がやって来る。 を向く。 アシェリーの言葉にブライアン達と富田達は集まって、アシェリーは皆の前に立ち前 !! 351 何故なら伊丹の服装⋮特に頭の帽子がなにやらウ○コの形をしていたからだ、それに は栗林達だけじゃなくブライアン達もそれには笑いをこらえていた。 それには伊丹も同じ様に恥ずかしがっていた。 ﹁よ⋮よくお似合いですね﹂ っと桑原がそう言うが、それに伊丹は恥ずかしそうにして言う。 ほ 程よく⋮似合っているかと⋮﹂ ﹁本当にそう思う⋮﹂ ﹁うっ ! このお兄ちゃんカッコ悪い∼ ﹂ ﹂ ! 速効の一言に伊丹の心は大きな傷が出来てしまいへこんで、それに笑いをこらえきれ ﹁⋮⋮⋮⋮めちゃだせぇ∼♪﹂ ﹁いいよ⋮別に⋮、⋮⋮所で大尉はどう思ってるんです﹂ アシェリーは伊丹に謝り、伊丹はそれに頭を横に振る。 ﹁すいません⋮伊丹二尉﹂ 伊丹は心の中でますます恥ずかしくなって来て、健二は﹁やれやれ﹂と呟く。 っとその子の母親が慌てて止めるも、その少年は指さす所か喋るのを辞めなかった。 ﹁こらやめなさい ! ! 桑原がどう言い方をすればいいか迷ってはいたが、そこに一人の少年がやって来て。 ! ﹁うわ∼ 第30話 支配的な男 ゾルザル 352 ずに皆は大笑いしてしまった。 アシェリーは頭を抑えながらため息を付く。 ﹂ これから行う作戦は講和会議への一歩を進むための重大な任務だ そして数分後、何とか気力を取り戻した伊丹と健二は言う。 ﹁聞け ﹁皆、緊張感を保って任務を遂行してくれ。何か質問は ﹂ ! ? ﹁隊長、二尉。時間です﹂ アシェリーはそう呟きながら時間を確認する。 ﹁そうですか⋮﹂ し合いは菅原さんがやってくれるみたいだから問題ない﹂ ﹁確かにそうなのだが、今回俺達は護衛として任務に付かなければならない。それに話 それに健二は頷きながら言う。 ういう場合社交場ならきちんとしたドレスを服装にした方が良いのでは⋮﹂ ﹁私とエイミさん、そして栗林さんと黒川さんは本当にこのままで良いんですか こ ﹁どうしたアシェリー﹂ ﹁リーダー、少し気になっていたんですが﹂ 健二と伊丹が言って、アシェリーは気になって居た事を問う。 ? ! 353 ﹁よし ﹄﹄﹄﹄ 全員配置につけ ﹃﹃﹃﹃了解 ﹂ ! た。 ﹁黙れ どうしてお前たちはあの場所にいた ﹂ ﹂ お前たちは神聖なる星に立つ者達じゃない !! ﹂ げるエリート。 ﹂ ! ﹁グオオオオ !!! ﹁俺達が聞きたいのはそうじゃない のだ ! お前たちはどうしてこの世界に居るか聞いている 違う返答に一人のSPARTANⅣがエリートの首にひじ打ちをし、それに悲鳴を上 ! ! そしてアルヌスFOBでは、捕虜としたコヴナントのエリートの尋問が行われてい ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ かれた。 皆が返事をした後、門が開かれると貴族を乗せた馬車が数台やって来て、遊園会が開 !! ! !!! ﹁さあ言え 第30話 支配的な男 ゾルザル 354 その尋問の様子をSPARTANⅣの指揮官、ショーンが見ており、部下たちが更な る尋問を行おうとしていた。 っとそこにオルブがやって来て、それにショーン達は敬礼をする。 ﹁司令﹂ ﹂ この星は我らコヴナントの物だ 9時間前からこの調子です。﹃お前たちはこの ﹁どうだショーン、あのエリートは何か答えたか ? 今すぐ立ち去るのだ ! ﹁どうもこうも中々白状しませんね ﹄っと言っている事しか⋮﹂ 神聖なる星に選ばれていない ! ﹂ ! ﹁これだけの貴族を招待するとは、流石だな菅原殿﹂ 再び帝都、遊園会では菅原がピニャと話しをしていた。 命令をした。 そう言ってオルブはその場を去って行き、ショーンは部下に尋問の継続を続行する様 ﹁了解です ﹁このまま尋問を続行してくれ。何も得られないままでは行かん﹂ く。 その事にオルブは尋問されているエリートを一目見て、そして再びショーンに振り向 ! ? 355 ﹁いえ、大したことではありません。それに今回はイタリカのメイド長が来てくれて助 かりました﹂ そう言う菅原、しかし菅原はある気になって居る事を問う。 ﹁少し気になったのは、あちらから来て下さったメイドは全てヒト種ばかりの様な⋮﹂ ﹁帝都ではな﹂ ﹂ ﹁⋮成程、確かに帝都でお会いした貴族の方々もヒトばかりでしたね﹂ ﹁スガワラ様 私ですか ﹂ ? ﹂ お蔭でちっともパーティを スガワラ様、どうか無礼をお許しください﹂ ! ﹁ああ﹂ ﹁元老院の ﹂ ﹁テュエリ家の者だ。カーゼル候の類縁でもある﹂ 菅原が唖然とする中でピニャが近くにより、小声で話す。 ﹁お止めなさい その事に少しばかり戸惑う菅原、そこへその子の両親がやって来る。 楽しめません ﹁いとこが私に真珠のネックレスを見せびらかすのです ? っと一人の少女が菅原の元にやって来て、それに振り向く菅原。 ! ! ! ﹁えっ 第30話 支配的な男 ゾルザル 356 ? ﹂ そしてその後、菅原は彼女の両親を一度引き留め、彼女⋮﹃シェリー・テュエリ﹄を 慰め、去ったとにピニャは菅原に近寄る。 ﹂ ﹁口説くのが上手いな、あの様子ではあの娘、お主に惚れておるぞ ﹁⋮ご冗談を﹂ ﹁ところでイタミ殿とアンドウ殿は ﹁ご案内します﹂ 盾を撃ち抜いていく。 いや ! その光景を講和議員達は唖然としていた。 ﹄そればかりは説明しかねません﹂ ﹁どうですか 我が軍のMA5Dと自衛隊の64式小銃が使う﹃売ってくれ ? あんなものをどうやって作るのだ ! ! ブライアンとカレンがMA5Dを使い、富田と倉田が64式小銃を使って帝国の鎧と そして健二達は講和議員達に自衛隊とUNSCが使用している小銃を見せていた。 ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ 菅原はピニャを安藤達が居る場所へと案内するのであった。 ? ? 357 貴方方はどの程度保有しておられるのですか そう言う健二に更に議員たちは問い掛けて来る。 ﹁このジュウと言うものを っと伊丹の言葉を聞いて言葉を失う議員たち。 ﹁く、詳しくは申せないのですが、一人一丁持っていると考えて下さい﹂ それを気にしない健二はすぐに次の用意をする。 ﹂ ﹁次に我が軍の最先端技術のスパルタンレーザーをご覧ください。カレン准尉 !? それに議員たちは口を大きく開けたまま唖然としてしまう。 な穴を空けた。 ﹂ スパルタンレーザーは強烈なレーザーを発射し、そのまま壁に向かって直撃し、大き く。 銃口にエネルギーが集中していき、エネルギーが満タンになった所で引きがねを引 健二はカレンに命令を送り、カレンはそれに頷き、スパルタンレーザーを構える。 ! ! UNSCの科学力は﹂ ? ﹁発射 ﹂ ﹁半装填よし !! ﹂ そう言って自衛隊は81mm迫撃砲を準備する。 ﹁では最後に自衛隊の迫撃砲をご覧ください﹂ ﹁どうでしょうか 第30話 支配的な男 ゾルザル 358 ! 弾頭を迫撃砲に入れた瞬間発射され、遠くに離れている地面に直撃し爆発する。 それに議員たちは騒然とする。 そしてキケロは唖然とする中で何かのビジョンが見えた。 帝国の兵士達がレーザーや迫撃砲などで死んでいく様子や帝都が戦火にさらされて しまう光景を⋮。 ﹂ ? 健二はカレンの方を振り向き、カレンは思い出した事を問う。 ﹁何だ ﹁そうだね、あっリーダー。そう言えば思い出したんだけどさ﹂ ﹁ああ、だがまだ安心はできないぞ﹂ ﹁ようやくだな⋮﹂ その様子に健二は見守っていて、ブライアンとカレンが側に来る。 ﹁⋮我らの願いは平和のみです、デュシ│侯爵﹂ ﹁スガワラ殿、堅苦しい挨拶は抜きだ。講和交渉を進める為の条件を言ってほしい﹂ ﹁これはデュシ│侯爵、本家での晩餐会以来ですね﹂ そう言ってデュシ│は近くで見ていた菅原の元に行く。 ﹁ああ、これ以上日本と戦えば、我らは敗れる﹂ ﹁デュシー候﹂ 359 ﹁開始前にアシェリーが言った言葉、覚えてるかい あの子の言葉、まるであたしにはド レスが似合わない感じに聞こえるんだけど⋮﹂ ? 必須なんだ。今回ばかりは我慢してくれ﹂ ﹁カレン、お前はSPARTANⅣだろう 俺達SPARTANは今回の護衛任務に そう言っていると。 5億スワニだと ﹂ ﹁⋮なんか納得いかないね﹂ ﹁5 ﹂ !! ? 全国すべての国からかき集めても無理だ !!? 隠せなかった。 菅原が講和条件として賠償金5億スワニを支払いを要求して来たのだ。 ﹂ それにピニャは余りにの要求に巨額して倒れてしまった。 ﹂ イタリカの事は誠にすまなかった イタミ殿も許してくれ !!! ? !!! 健二は近寄って問うと、ピニャは余りにも勢いで済まって来る。 ∼∼∼ ﹁アンドウ殿 ﹂ ! !! ﹁ちょちょちょ⋮あまりに焦り過ぎ !!! 許してたも っと健二達は振り向くと、議員たちは菅原が講和条件の内容を言い出した事に驚きを ﹁帝国⋮いや ! ! ﹁あ∼らら、倒れちゃった。⋮大丈夫か∼ 第30話 支配的な男 ゾルザル 360 健二は抱き付いてくるピニャに引き離し、それを見ていた伊丹は苦笑いするしかな かった。 あっ⋮わ、分かった﹂ ? ﹁伊丹、お前は議員達を退避させた後に皆と離脱しろ﹂ 健二は伊丹に近寄って言う。 伊丹は菅原に言い、そこへ丁度高機動車がやって来て、議員達を乗せる。 ﹁騎馬の小集団が接近中です。VIPをここから離脱させます﹂ ﹁え ﹁殿下、こちらに騎馬隊が向かって来ています。すぐに議員達を退避させないと﹂ 通信を終えると伊丹は健二の方を向き、それに健二は頷きピニャに言う。 ﹃了解、終わり﹄ ﹁⋮アーチャー、監視を続行せよ﹂ らで対処するか﹄ ﹃騎馬の小集団5騎が警戒線を超える、招待客ではないが盗賊の類には見えない。こち て居て、それに健二も聞いていた。 伊丹の通信機に無線が入り、健二に耳に付いている無線機にも通話できるようになっ ﹁こちらアベンジャー、どうした﹂ ﹃アベンジャー、こちらアーチャー送れ﹄ 361 ﹁大尉は ﹂ ﹂ ? ﹄ ﹃何だピニャか﹄ ﹁フッ、何ともゴリラ顔な奴だな、いや⋮むしろ猿顔か ﹁言えてるな⋮﹂ ﹂ ? の男がゾルザルだと認識し、健二は鼻で笑う。 あのピニャに兄が居るとは少し驚く健二、健二は双眼鏡で少し様子を見ると少し大柄 ? ! ﹁⋮話しているのはピニャの兄 ﹂ そして騎馬隊が到着し、一人男が降りて来る。 メットを取り出して渡し、それを取って被る。 健二は草むらの中に隠れて居るブライアン達と合流し、待っていたアシェリーがヘル そう言って健二はその場から離れて行き、ピニャはそれを衣服に付ける。 ﹁それはルビー型の盗聴器っと言うものです。これなら怪しまれません﹂ ﹁これは何だ ﹁殿下、衣服にこれを付けて下さい﹂ そう言って健二は再びピニャの元に行き、ピニャにある物を渡す。 ﹁俺は此処に残って様子を見る﹂ ? ﹃ゾルザル兄上 第30話 支配的な男 ゾルザル 362 そう健二とブライアンはゾルザルの顔を笑い、アシェリーはそれに苦笑いするしかな かった。 ﹃兄上 私は騎士であり帝国の兵士です ﹂ ? ﹄ !! 妾率いる騎士団はイタリカで盗賊を追い払いましたから﹄ ! 盗賊を追い払ったか﹄ ? 下と共に去って行った。 ﹁去ったな⋮﹂ ? とマイケルにレックスは共に行け﹂ ﹁伊丹達と合流する。エイミ、お前は黒川の元に向かえ。ジャクソンとランドック、ビル アシェリーが今後の事を問い、健二はそれに答える。 ﹁ええ、それでリーダー、この後どうします ﹂ そして談笑をした後、ピニャはゾルザルに日本食と酒を食べたり飲んだりさせて、部 その会話にどうか自衛隊やUNSCの事を喋らない事を願っていた。 ﹃ほ∼う ﹃ご心配なく そう呟く健二に皆は頷くしかない。 ﹁あいつ⋮頭悪いんじゃねぇ ﹃まだ兵隊ゴッコであるのだろう﹄ ! ﹃それよりもピニャ、騎士でいるよりその格好の方が似合うな﹄ 363 ﹄﹄﹄ ! た。 エイミ達はすぐさまその場を離れて向かい、健二達は伊丹達の元に向かうのであっ ﹃﹃﹃了解 第30話 支配的な男 ゾルザル 364 第31話 静かなる怒り 健二達は遊園会から離れて行った伊丹達を探しており、一度帝都の民家の影に隠れ る。 ﹂ ? ﹂ ? ﹁そうか、そっちも同じように班を分けたんだな﹂ ﹁こっちは何とか議員たちを送った後に班を分けて行動しています﹂ ﹁それでどうだった 丁度伊丹達は議員たちを送った後であった為、何とか怪しまれずに済んだ。 ﹁待たせたな﹂ ﹁大尉﹂ そして伊丹達が居る場所に健二達は到着し、伊丹は健二の存在に気付く。 健二達は立ち上がり、その場から身を隠しながら進んで行く。 ﹁ああ、行こうか﹂ ﹁それじゃあ行きますか マップを見る方向に伊丹達が居ると確信する健二。 ﹁伊丹達のシグナルはこの先の方に居る様だ﹂ 365 伊丹の言葉を聞いて健二は頷きながら今の様子を見る。 現在伊丹達はピニャ達の迎えを待っている所で、それに健二は気づく。 ﹂ そう言う事です。あっ来ました﹂ ﹁成程、姫さんの別荘に向かうんだな ﹁よく分かりますね ? ﹁レックス准尉﹂ ﹁エイミさん、皆さんどうして ﹂ そしてレックス達は別々に行動している倉田達と合流する。 ピニャは乗り込み、健二達もその馬車に乗り込むのであった。 ある馬車だ﹂ ﹁そうか、では我が屋敷に案内しよう。乗ってくれ、お主らの鎧にも耐えられるようして ﹁ああ、さっき着いたところですよ﹂ ﹁イタミ殿、アンドウ殿も一緒だったか﹂ る。 するとピニャ達が乗る馬車がやって来て、健二達の前に止まってピニャが降りて来 ? エイミの言葉に納得する倉田達。黒川とエイミは悪所で亜人達の協力で情報収取を ﹁大尉が黒川さん達の元に行けとの命令で﹂ ? ﹁倉田、黒川﹂ 第31話 静かなる怒り 366 する事となった。 無論衛生兵であるエイミも黒川と共に悪所の亜人たちの観察調査を行う事となった。 │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ││ その頃健二達はピニャの屋敷へとやって来て、その光景に圧巻する。 その光景を健二はそれに少し見て考える。 ﹁これで一番小さいって⋮、デカい物ってどんだけあるんだ ﹁これよりももっとあったりして﹂ ? そう栗林が言い、それに健二と伊丹は肩を上げながらピニャの屋敷へと向かう。 ﹁二人共、何時までも話をしてないで行きましょう﹂ ﹂ ピニャはそう言ってお屋敷に戻り、ハミルトンとメイド達が出迎えをする。 休んでくれ﹂ ﹁そうでもない。これでも兄妹の中で一番小さいのだ。部屋はあるから今日はゆっくり ﹁デカいな﹂ ﹁ほぉ∼、これが⋮﹂ 367 ﹄ん ﹂ ﹄伊丹 これと全く同じじゃないか ﹂ ﹂ ﹂ ﹂ そして夜、健二はベットに付かずに壁にもたれながら端末を見て内容の再確認をして ﹁何 ? いた。 ﹁講和の交渉に必要な物は全て揃った。後は⋮﹃ピピピ ! 健二の端末に突如謎のメッセージが届き、それを見る。 ﹁何だ⋮ ﹁この内容⋮一体﹃大尉 健二は伊丹が大慌てで入って来る。 ? ! ! !! ︽まもなく大きな地震が発生、震源地は帝都から約数十k︾ 内容を開くと、それは地震速報の内容だった。 ? ﹁どう言う事です ﹂ 今はこっちが最優先だ ピニャ達がいて、ピニャはすぐさま健二達に問いかける。 ﹂ そう言いつつ健二は伊丹と一緒に外に出て、アシェリーや栗林と共に外に誘導された ! ? ﹁それは⋮いや、説明は後でする ! 健二は端末の内容が伊丹の言葉と同じだと言う事に驚き、それに伊丹は頭を傾げる。 !? ﹁今悪所から大きな地震が発生するとの報告を受けました 第31話 静かなる怒り 368 ﹁一体何事だこんな時間に ﹂ この者達から聞いた所、大地が揺れる筈はなかろう 姫さん ! 交渉前の大事な時だって言うのに⋮っ ﹂ 健二はすぐさまブライアン達に指示を出し、伊丹は頭をかく。 ! ! ﹁それがもうすぐ現実になるんですよ ﹁くそっ ! ﹁おい ブライアン 富田 ! ﹂ ! ﹂ ! ﹁っ 来るぞ ﹂ !!! う。 ﹁うああああああああ ﹂ !!! !!! パニックを起こしている人々の中、ピニャはハミルトンと一緒に抱き付きながら怯え ﹁きゃあああああああ ﹂ 周りの兵士達やメイド達は悲鳴をあげ、逃げ回ろうとするも大きな揺れに倒れてしま 突如大きな揺れが襲い掛かり、帝都全域に地震に見舞われた。 !! て⋮。 それに感じ取ったアシェリー達も周りを見ると確かに揺れている事に気が付き、そし ﹁揺れてますね﹂ ﹁ああ﹂ ! っと伊丹はすぐさまゆるい揺れを感じ取り、それに健二達も気付く。 ! 369 ていた。 ﹁殿下ああああ ﹂ ﹂ ﹁震源は遠くの様ですけど﹂ ﹁震度は4から5だな﹂ ﹁結構でかいな ピニャは今すぐに悲鳴を上げたいと思った時だった。 !! ? イタミ殿 ﹂ っとピニャは平気な顔で居られる健二達の様子を見て唖然とし、すぐさま問いかけ る。 ﹂﹂ ﹁アンドウ殿 ﹁﹁ん ! ﹂ それに健二は笑いながら言う。 ﹁よく平気でいられるな ! !!? ? カイル カレン 周囲の状況を確認だ アシェリーは栗林と共に女性を ! ホビーはジャクソン達と連絡を取って確認を取って ! ! ﹁ほらね、ブライアン 集めて被害状況を確認 ! ! ニャは驚きながら健二達の方を見る。 健二の言った言葉の意味が分からないピニャ、っがすぐに地震は収まり、それにピ ﹁ははは、まあね。このくらい日本じゃあしょっちゅうですからね。すぐに収まります﹂ 第31話 静かなる怒り 370 くれ ﹂ ! ﹄﹄﹄ 皆平気 ﹂ 着きが出て来る。 ﹁収まった ﹁その様ね∼ テュカは ﹂ ﹁こっちは何とか⋮あれ ? ? ? ﹁あっち⋮﹂ ﹂ 一方アルヌスの方では地震が収まったのを見て、難民キャンプの方ではようやく落ち ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ その光景をピニャは唖然とするしかなかった。 ﹃﹃﹃了解 !! ﹁テュカ⋮﹂ その人物にアルティア達はもう分かっていた。 ていた。 レレイの指さす方にテュカが居て、彼女は心配そうな表情をしていてある人物を探し ? ? 371 ﹂ そして再び帝都。 ﹁また揺れるだと ﹁ああ、大きな地揺れの後には、大抵揺り戻しがあるんだ﹂ すぐに着替えを ﹂ 一緒に来てはくれんのか ﹂ ﹂ ﹂ 敵対国である兵士がいくとなる 父上にこの事を伝えねば 健二の説明を聞いたピニャはすぐさまハミルトンに言う。 ﹁こうしてはおれん ! っと伊丹が言った言葉にピニャは思わず振り向く。 ﹁えっ ﹂ ﹁えっ ﹁えっではない その事にすこしばかり困る健二達。 ﹁いやだって⋮﹂ と⋮﹂ ﹁ん ? ! !!? ﹁ではお気を付けて﹂ ! ﹁いくら姫さんの願いでも、相手は皇帝閣下でしょう !? ! 健二達の言葉に少々困り果てるピニャは健二の腕を掴む。 ? ! ? 第31話 静かなる怒り 372 ﹁それは何とかする。だからお願いだアンドウ殿 イタミ殿 童の側に居てほしい ! ﹂ ! せる行動を取り、それに呆れるブライアンと笑いをこらえるカレン。 その言葉に思わず唖然とする健二と伊丹、その様子にアシェリーは何やら頬を膨らま ! ここを任せていいか ﹂ 健二はピニャの後ろを見ると、ハミルトンを始め多くの兵士達が来てほしいとの目を ホビー ? していて、それに健二はため息を付いて言う。 ﹁はぁ⋮、カイル ﹁はい﹂ ﹁分かりました﹂ ! ﹁良いか ﹂ まずは大臣と軍営の将軍たちに伝令を出し、参集を命じるのだ 兵を小枠し急ぎ皇宮の守りを固めよ !! ! 武官は近衛 ! た。その男こそ帝国の皇帝モルト・ソル・アウグスタスであった。 そして玉座の間に来た健二達、入ると玉座にオールバックの髪型をした男が座ってい それには健二達はどうしようもなかった。 兵士達が多くいた。 向かう途中で兵士達の様子を見ると、先ほどの地震で既に恐怖で怖じついてしまった そして健二達はピニャ達と共に皇帝が居る宮殿へと向かう。 ! 373 ﹃﹃﹃はっ ﹄﹄﹄ ﹁メイド達は広場の片付けだ ﹂ か⋮皮がむける様な怪我はしてはおりませんが⋮ ? ﹁一皮むけたな⋮ピニャよ﹂ ﹁はぁ ﹂ その様子を見たモルトは的確な判断が下せるようになったピニャの成長に感心する。 メイド達はすぐさま行動をする。 ﹃﹃﹃はい﹄﹄﹄ ! !! 紹介いたします ﹂ ? 日本国使節の菅原殿です ! ﹁こ ﹂ この者達は地揺れに精通しております そうであるか⋮﹂ ﹂ ! これより揺り戻しがあるとか﹂ ! ? ﹁使節殿歓迎申し上げる。っと言いたい所だがあいにくご覧のあり様でな、歓待の宴は モルトはそう言って立ち上がり、健二達に向かって話し始める。 ﹁何と ! ! ﹁日本国⋮何故この様な時にお連れした それに菅原は会釈をし、健二達は敬礼で挨拶を済ます。 ! モルトは健二達の事を問い出し、それにピニャは慌てながら言う。 ﹁⋮んで、先ほどからそこで控えておるのは何者だ っと何かと勘違いをしたピニャにモルトは鼻で笑い飛ばす。 ? ﹁あっ、陛下 第31話 静かなる怒り 374 ﹄﹂ !! おわづけだ﹂ ﹁おお 父上無事でしたか さあ ﹂ ここから早く離れましょう ! 今主だった者に召集を ! ! ﹁ノリコ⋮ ﹂ ﹂ ﹁どうして地揺れの事を兄上が ﹁おい 何者何ですそのノリコとは ﹂ !! ﹂ ? ﹁こいつだ、これがノリコだ。〝門の向こう側〟で攫って来た連中の生き残りだ﹂ どう見てもその女性は日本人の女性だからだ、しかも全身傷抱かれの。 そしてその姿を見た事に健二達の言葉がなくす。 ゾルザルが合図を出すと、部下が鎖に縛ったある女性を引き連れて来たのだ。 ! ? ゾルザルが言うノリコの言葉に健二と伊丹はそれに目を目線合わせる。 ! すぐでもまた地揺れが起こると〝ノリコ ! ? ﹂ ! 〟が言っておるのだ ﹁そんな悠長な事を言っている場合ではない ﹁待って下さい兄上 ! その時に門から聞き覚えのある男、ゾルザルが現れ、健二達はそれに警戒していた。 ﹁心得ました陛下、改めて交渉の場を頂ければ十分でございます﹃父上 375 ブチッ⋮⋮ ゾルザルの言葉に何かが切れて、伊丹がもの凄く真剣な表情でゾルザルに向かおうと したが、健二がすぐさま向かっていて。 そして健二の目には途轍もない怒りの炎が宿されていた。 っとゾルザルの頭を掴み、力いっぱい地面に叩き付けるように押し潰した。 ﹁死ね﹂ 第31話 静かなる怒り 376 第32話 宮殿での戦闘 突如健二の行動に伊丹以外のアシェリー達は勿論、ピニャ達もそれに目を奪われて唖 貴様 ﹂ ﹂﹂ ﹂ 然とし、健二がゾルザルを地面に叩き付けた様子に側に居た兵士がすぐに剣を取る。 ﹁き ﹁﹁うっ ギロッ ﹁よくもゾルザル殿下を !!! !!! ﹂ ? の骨が砕いてなかった事に気付く。 健二はゾルザルの方を見ると、多少血を流していながらもまだ息があって、それも頭 ﹁⋮ん それに兵士達は吹き飛ばされて、壁を突き破って行った。 込む。 健二の殺気のこもった目線が兵士の目に移って固まり、健二は拳を兵士に向けて叩き !! !!! !! 377 ﹂ ﹁へぇ∼⋮お前意外と頑丈だな ﹁リーダー 全開で叩き付けたのにまだ生きてるなんてな ? ﹁何をしているんですかリーダー ﹂ 健二はアシェリーの方を見て、アシェリーは慌てた様子で言う。 !! !! ﹂ ? 貴女日本人よね 私達は自衛隊よ、助けてあげる﹂ 倒れているゾルザルにそう言いつつもすぐさま栗林はノリコの元に向かう。 ﹁こいつを叩き付けただけだ。⋮それに日本人を拉致して⋮ただで済むと思うなよ﹂ ﹁大丈夫 !? ﹁帰れる⋮の ﹂ ﹁ええ、帰れるわ﹂ ここは妾に免じて ﹂ これは何かの手違いだ ﹂ 陛下 ﹂ ? の上着をノリコに着せる。 ﹁こ ! 突如笑い出したゾルザルに健二達は振り向き、頭から血を流しているゾルザルが目に ﹁ふふふ⋮⋮ふははははっ ! ? その子は栗林に抱き付きながら涙を流し、それに健二はその子を見て。菅原がスーツ !! ? ﹁う⋮うわああああああ ﹂ その事を聞いて彼女は目に涙を溢れ出て来る。 ?! ! ! ﹁まさかここに日本人が居るとは⋮、これはどう言う事でしょうか 第32話 宮殿での戦闘 378 殺意を曇らせながら言う。 ﹂ ﹂ ! ﹁何だと⋮ ﹂ この分からず屋に力の差を見せつけてやれ 各自状況に応じて撃ってよし ! カレン ﹁ブライアン ﹂﹂﹂﹂ ﹂ こっちもだ 栗林 ﹁﹁﹁﹁了解 ちょっと皆さん ! ﹂ ﹁やるよクリ﹂ ﹁了解です ! ! ﹁また廃棄送りするなよ ﹂ Dショットガンを構えながら栗林の横に立つ。 アシェリー以外の皆は戦闘態勢に入り、栗林は64式銃剣を装着し、カレンはM45 ﹁えっ !! ﹁富田 ! ? ! !! ! ! ! ﹁はぁ⋮、どうやらお前。自分がやった罪の重さを理解できていない様だな﹂ 健二はその様子に呆れてため息が出る。 伊丹達はすぐに戦闘態勢に入れる準備をする。 た。 そう言ってゾルザルは部下たちに命令を下し、すぐさま剣を取って戦闘態勢に入っ ﹁ピニャよ⋮、もう遅い⋮こいつらはこの俺に手を上げた。この罪の代償は⋮重いぞ﹂ 379 ﹁この状況でそれは無理だろうな﹂ ﹂ そう言いつつブライアンと富田はバトルライフルと64式小銃を構える。 皆殺しにしろ !! 相手はたった二人だぞ 隊列を組んで応戦しろ !!! ﹂ !! 12ゲージのショットシェルと7.62mmNATO弾が火を噴き、ポンプアクショ で撃ちこみを開始した。 兵士達は盾をを構えた瞬間、カレンと栗林はショットガンと64式小銃を腰だめ状態 !! そのやられぷりにゾルザルはすぐさま焦りが見えた。 斬りつけられた兵士は倒れ、次の兵士を斬りつけた後に回し蹴りを放つ。 る。 栗林も銃剣を突き刺して、剣を振り下ろす兵士の攻撃をかわしてすぐに敵に斬りつけ 剣を振り下ろしてくる兵士の攻撃を流しながら首を切り落とす。 撃たれた兵士は身体に無数の風穴を開けて倒れ、そして同時にマチェットを抜いて、 ショットガンを撃つ。 カレンが近くに居る兵士に回し蹴りを放ち、それに飛ばされた直後に近くの兵士に る。 ゾルザルの部下は剣を構えて向かって行き、カレンと栗林は走り出して攻撃を開始す ﹁やれ !! ﹁おい何をやっている 第32話 宮殿での戦闘 380 ンとフルオートの銃弾が飛び交い、それに盾を貫きとおして兵士達に浴びせて行く。 それに血を口から吐いて絶命しながら倒れて行き、すぐさま弾のリロードに入る栗林 ﹂ をカレンがカバーしている。 ﹁装填完了 ﹂ ! ﹂ !! !!! それにカレンと栗林は銃を下ろす。 早く武器を取れ !! ﹁宜しい﹂ 何をやっている ! ﹁くっ この役立たず共が⋮ ! ﹂ ゾルザルが叫ぶも、今の兵士達は恐怖で動けずにいた。 ﹁な ﹂ カレンがそう言う中ですぐさま武器を捨てる兵士達。 ﹁最も、今のあんた等にやる気があったらの話だけどね⋮﹂ ﹁やる気がないなら、武器を捨てなさい 攻撃が収まったのを見て、栗林が叫ぶ。 終えてすぐに撃ち始め、兵士達は次々へと倒れて行った。 う。 すぐさま弾の装填に入るカレンに栗林が撃ちながらカバーに入り、素早く装填を行 ﹁カバー ! 381 ! ﹁さてと⋮姫さんの兄貴よ﹂ 健二がゾルザルに近寄り、M6Hを構えながら言う。 攫って来た者もいるって事だな ﹂ ﹁あんたは先ほど、こちらの女性を門の向こう側の生き残りと言った。つまりまだ他に ﹁なあ伊丹、どうするこいつ ﹂ ここまで頭が狂ってるとは思わなかったぜ﹂ すぐにやめるべきです ﹂ ここまで大事にしてしまったらもう ! そう言いつつ伊丹は考えむ所、アシェリーがすぐさま健二の元による。 リー﹄っ ﹃ア シ ェ 無礼な変人に答える口は無い 口を開かせたければ、地面に額をこすりつ ! 今だに強気の態度に健二は呆れ、伊丹の方を向く。 ﹁はぁ﹂ け、非礼を詫び礼儀正しく頼むことだな ﹁ふ、ふんっ ? ﹁う∼ん困りましたね∼、素直に答えて頂かないと﹂ ? その言葉に意味が分かってしまったアシェリーは素直に引き下がり、健二は伊丹を目 ﹁っ⋮﹂ 耐え切れんぞ﹂ ﹁お前は下がって居ろ、あの子と菅原さんを守るんだ。優しいお前にはこの後の光景は ! ! ! ! ! ﹁リ ー ダ ー 第32話 宮殿での戦闘 382 ﹂ ﹂ ﹂ ? ﹂ 線を合わせて互いに頷き、健二はM6Hをマグネットホルスターに納める。 ﹂ ﹁お前何を ﹁トイレは済ませた ? ? ﹂ !!! 持っていましたね これなら遠慮なくやれます⋮よっ ﹂ !!! 容赦ない攻撃にゾルザルの顔は一気に腫れあがって行き、それを見ていたピニャは 更に追い打ちを掛けるようにパンチや膝蹴り、裏拳やらひじ打ち。 ? ﹁い や ∼ 頑 丈 で す な ∼、ス ー ツ の 機 能 を あ っ て も 突 き 破 れ な い と は。中 々 良 い 身 体 を ﹁ぶほっ 形していた。 おまけにスーツのパワーアシスト機能のあって、ゾルザルの腹部はヤバい程の形に変 る。それにゾルザルは思わず胃の中ものと血が大量に吐き出す。 すると健二はゾルザルの胸元を掴み、立ち上がらせた瞬間、腹に重たい拳を叩き付け ﹁それじゃあ⋮SHOW TIME♪﹂ ? ? ﹁なに ﹁さてっ、夕食食べ過ぎてない ﹁口を聞きたければ、地面に額を│││﹂ ﹁最後通告です王子様⋮、攫って来たのは彼女だけですか 383 徐々に青ざめ、皇帝は目を見開いていた。 健二はゾルザルは地面に叩き付け、ゾルザルはその場から逃げようとしたが、それを ﹂ 健二がコンバットナイフで腕を刺す。 ﹂ !!!! 質問に答えないと更に血塗れになりますよ∼﹂ ﹁ぎゃああああああああああああ ⋮っ ﹁何処に行くんですか ﹁陛下 !! ? 健二は再びM6Hを抜き構える。 ﹂ ﹁さて⋮そろそろ話しても良いんじゃないか ﹁ひ、ひぃぃ ? はそれに全く動じずに向ける。 奴隷服を着たヴォ│リアバニー﹃テューレ﹄がゾルザルを庇うかのように立ち、健二 ある一人が健二とゾルザルの間に割り込む。 健二の底知れない恐ろしさに恐怖を覚えたゾルザルは震え始めていた。っとそこに !! ﹂ ゾルザルの顔はもう原型を失くし、目も片方が全く見えていない状態になり、それに 丁度そこに戻って来た家臣達が到着し、その光景を見て言葉を失くした。 ! ﹁退きな⋮退かないとアンタでも撃つぞ﹂ ﹁て⋮テューレ﹂ 第32話 宮殿での戦闘 384 ﹁⋮⋮殿下を殺さないで﹂ ﹂ 裕樹はどうなったの ﹁⋮どうなんだ ﹂ 一緒に銀座を歩いてたの 突然後ろからつかまれて、 ⋮答えろ﹂ ? それにゾルザルは頭をコクコクと頷きながら健二を見る。 ﹁⋮最後の警告だ、他にも連れ去った人はいるんだな ﹁裕樹は 馬車で私達の他にも何人か !? 彼女の証言を聞いた健二は再びゾルザルの方を見る。 ! !? 栗林 ﹂ ! ﹂ カレンは後方だ お前等も位置に付いてくれ ! ﹁帰るぞ、ブライアンは先頭 ﹁富田 ! 健二達が行こうとした時に。 ! ! それにはピニャは全く言葉には出来なかった。 ﹁⋮⋮﹂ 後ほど彼等の消息と返還に付いて聞かせて頂ける物と期待しています﹂ ﹁陛下、歓迎は拉致された我が国民が帰ってからにいたしましょう。そしてピニャ殿下、 そして菅原はピニャの方を向く。 そう言ってゾルザルは気絶し、それにテューレはすぐさまゾルザルに駆け寄る。 ﹁お⋮⋮男は⋮奴隷市場に流した⋮後は⋮しら⋮ん﹂ ? ! 385 ﹁ま 待て 近衛兵 !!! ﹂ !!! もう我の前で血を見るのは見とうない﹂ !! ﹂ ﹂ ﹁弱点 ﹁ん ﹁確かに日本の兵は強い、だが貴国には大いなる弱点がある﹂ それをモルトは止めて、再び玉座に座る。 ﹁やめよ 連れて来ていた家臣たちが近衛兵達に命令を下そうとした時にだった。 ! ? に滅ぼされた国もある。貴国も心しておくがよい﹂ ﹁民を愛しすぎる事よ、大いに煩わされることになろうぞ、高度な文明を誇りながら蛮族 その言葉に健二は反応し、モルトは目を開けて言う。 ? ﹂ ? その言葉にモルトは黙然としながら聞いて、ピニャはそれに気まずそうな空気を耐え れなきを﹂ 我が国と我が世界は帝国を遙かに超える血塗られた歴史の上に成り立っているをお忘 ﹁陛下、我々も十分に弁えております。平和とは次の戦争への準備期間である事を⋮。 ﹁⋮なんの、そなた等に抗せるはずもなし、和平交渉を始めるがよかろう﹂ いるUNSC軍がいるのです、その力またお試しになりますか ﹁⋮我が国はその弱点を国是としております。その国是を護る為に自衛隊や我々と共に 第32話 宮殿での戦闘 386 ながら聞いていた。 に健二は振り向く。 ﹁どうしたアシェリー ﹂ ﹂ それにアシェリーは呆れながら言う。 ﹂ ﹂ 健二達が宮殿を出て、降下艇を待っている中でアシェリーが大きくため息をし、それ ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ピニャは気まずい雰囲気の中をただ見つめる事しか出来なかった。 間を後にした。 殺気を放ち、それを感じた兵士達は武器を捨てて慌てて後ずさりをし、そのまま玉座の 敬礼を済ませた健二達は睨みつけて来る兵士達を通る際に、健二は一瞬殺意を込めた ﹁それでは我々はこれで失礼します。行くぞ ! ﹁⋮リーダー、本っ当に後の事を考えてなかったのですか ? アシェリーの言葉に健二は頭を傾げる。 ﹁何がだ ? ? 387 ﹁良 い で す か ﹂ 私 達 は こ の 事 を 全 て 報 告 し な き ゃ い け な い の で す よ ちゃんと考えていたのですか そ こ の 所、 ? ﹂ そうだった∼∼∼ ﹂ 慌ててしまう三人の様子にアシェリーは大きくため息をするしかなかった。 !!! 間が止まって⋮。 ﹁だああああああ ﹁やってしまった∼ !! !! っとその事を聞かれた健二は一度伊丹と菅原の方を向き、それに少しばかり三人の時 ? ? ﹁ど⋮どう報告しよう⋮﹂ 第32話 宮殿での戦闘 388 第33話 討伐依頼 前編 アルヌスFOBとアルヌス駐屯地から二機のF│4ファントム戦闘機とF│41﹃ブ ロードソード級戦闘機﹄が発進して行き、帝都へと向かって飛んで行った。 帝都市街地では真夜中の地震により崩落した民家のがれきを民間人たちが撤去して いる中、空からF│4ファントムとブロードソード級戦闘機が飛んで来るのを民間人た ちが目撃した。 ﹄ 熱い物をかましてやれ ﹄ その民家の中に特戦群の隊員たちがターゲットマーキングを使って帝都議事堂に合 わせ無線誘導する。 爆弾投下 680よりアタッカー1 ! ﹁こちらセイバー、目標をマークした﹂ ﹃了解 ﹃了解した !! ! ﹁アタッカー1、目標に命中。見事だ﹂ 爆弾は帝都の元老院議事堂に直撃し、議事堂は跡形もなく消滅した。 弾を投下する。 F│4ファントムがその場を離れ、ブロードソード級戦闘機が底部に装備している爆 ! !! 389 ﹃了解した 特戦群よ 誘導に感謝する ! アウト ! ﹄ ! ﹁そうか。犠牲者はなしか﹂ ? ら言う。 ユフィが空爆のやり方にどうにも納得が行かない様子にオルブは椅子にもたれなが ﹁はい、ですが⋮本当にこのやり方で良かったのでしょうか ﹂ そしてこの報告は軌道上のUNSCスフィンクスに伝えられた。 て行き、特戦群もその場から急ぎ退避した。 そう言い残しブロードソード級戦闘機はF│4ファントムと共にその場から離脱し ! カーネル候がその中心に立っていた。 翌日、崩壊した元老院ではモルト皇帝を含む数十名の議員たちが集まり、ピニャと ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ オルブはそう呟いて外を見るのであった。 ﹁仕方あるまい、これは奴等が招いた当然の結果だ﹂ 第33話 討伐依頼 前編 390 カーネル侯爵はモルト皇帝に話しかける。 ﹂ ! 何故元老院が粉みじん ! 数人攫って来た事にある ﹂ ﹂ ﹂ 議員たちが騒ぐのをカーネル侯爵はその場で抑えた。 ﹁そんな事が ﹁何と それを聞いた元老院議員たちは思わず耳を疑う。 ! カーネル侯爵はすぐ横に居るピニャに回し、ピニャは一歩前に踏み出して言葉を開 す﹂ ﹁何故彼等はここまで起こったかを、当元老院はピニャ・コ・ラーダ殿下に招致いたしま それに議員たちはゾルザルの包帯とガーゼまみれの姿を見て騒然とする。 !! !? ! ﹁その事実を知るや、事もあろうにゾルザル王子を打擲するに及んだ ﹂ ﹁お答えできないのであれば、私が話しましょう。事の発端は開戦前、門の向こうの民を ネル侯爵は腕を下ろす。 その事を尋ねても、モルトはただ玉座に座ったまま黙っていて、それに見かねたカー にされなければならない そうではありませんか。なのにこれはどう言う事でしょうか ﹁陛下にお尋ねしたい、キケロ卿によれば日本国の使者は和平を望み、会合を重ねていた 391 く。 ﹁彼等日本人は国民一人一人を大切にし、その心豊かな思いは我ら帝国の捕虜でさえも ﹂ ﹂ 大切に扱っていると聞いた⋮、その者達は殺したり奴隷にしたりなどはしていないと﹂ ﹁何だと ﹂ 彼等は神か何かと言うのか ﹁そんな馬鹿な話があるか ﹁綺麗事を !? ! !? 捕虜でさえ厚遇する ⋮例えて敵であっても、金に換えようとは思っても ! っとピニャの言葉に議員たちはピニャの方に目を向き、ピニャは重大な言葉を言う。 いない。彼等⋮日本人とはそう言う物なのだ。だが﹂ ﹁民を愛し その事に声を上げる議員たちにピニャは大きく声を上げる。 ! !! ピニャは議事堂を見て言い、それに議員たちはその事に言葉をなくすのであった。 だ﹂ ﹁その中の一人に日本人が居て、彼が自国民を奴隷として弄ばれて、その結果が⋮これ それに議員たちは騒ぎ始め、ピニャは拳を握りしめながら話し続ける。 いている。それが⋮兄上をあの様にしたと﹂ ⋮⋮⋮⋮UNSC軍だ。彼等は日本人よりも優れた物を持ち、圧倒的な鎧をも持つと聞 ﹁日 本 人 の 他 に ⋮ 自 衛 隊 と は 違 う 軍 隊 を ⋮ 妾 達 は ⋮⋮ 怒 ら せ て し ま っ た の だ。そ れ が 第33話 討伐依頼 前編 392 絶対に⋮⋮許しはしないぞ ﹂ ゾルザルはその場を離れ、殴られた傷を抑えながら怒りを露わにする。 おのれおのれおのれ !! !!! ﹂ そんなの聞いた事ないんですが⋮﹂ ? ﹁⋮えっ ﹂ ﹁まあ知らないのも無理はない、俺達は君達より遙か遠い未来から来た者だからな﹂ ﹁⋮な、何ですかそれ ﹁俺達の事だ、UNSC、またを国連宇宙軍だ﹂ が浮かび、その事に健二が振り向いて言う。 紀子の頭に ﹁UNSC⋮ ﹂ ああ∼違うよ。これはUNSCの航空機なの﹂ ﹁あの⋮自衛隊ってこんな飛行機を持っていましたか はペリカン降下艇の中を見渡しながら隣に座っている栗林に問う。 その頃、ペリカン降下艇でアルヌス駐屯地に向かっている中で拉致被害者﹃望月紀子﹄ ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ゾルザルは健二に怒りと憎しみを抱きながら心に復習を誓うのであった。 ﹁おのれ⋮ ! ? ? ? ﹁えっ ? 393 ? 紀子は健二が言った言葉に思わず唖然とする。 ﹂ そしてペリカンがアルヌス駐屯地に到着し、待っていた自衛隊が紀子の元にやって来 る。 ﹁望月紀子さんですね ﹁は、はい﹂ ﹁どうぞこちらへ﹂ ﹂ ? 拉致被害者救出とは⋮﹂ ﹁皇宮で乱射事件を起こすなんて、私はてっきり伊丹だと思っていましたよ。おまけに ﹁フッ﹂っと鼻で笑う。 健二と伊丹は外を見ると、柳田とアントラが居て、それに健二は外に出て、伊丹は ﹁ん ? ﹂ アシェリー達は付いて行き、健二はそのまま見送り、伊丹はため息を付く。 ﹁了解です﹂ ﹁後は頼むアシェリー﹂ 林とエイミに付いて行く様命令する。 自衛隊に案内された紀子は黒川に支えられながら付いて行き、健二はアシェリーと栗 ? ﹁派手にやらかしましたな大尉 第33話 討伐依頼 前編 394 ﹁うるせぇ﹂ 伊丹は面白くもない表情で言い、健二はアントラと向き合いながらため息を付きなが ら見る。 こんな大胆な事をするとは⋮﹂ ﹁全く、お前もやるもんだな ﹁はぁ 分からんってどう言う事だよ ﹂ ? ﹂ ? ﹁そうか⋮﹂ 間陸将はどうするか弱り切っているみたいです﹂ 出⋮良い宣伝になると思います。となるとその立役者を処罰する訳には行きません、狭 ﹁政府はこの一件を支持率アップの起爆剤にするつもりらしいです、敵国からの法人救 ﹁どうした 横から柳田が口をはさみ、健二はそれに振り向く。 ﹁その事ですが﹂ ないだそうだ﹂ ﹁言った通りの言葉だ、良い方向に向かってるか悪い方向に向かっているか全く分から ? っとアントラの言葉に健二は頭を傾げる。 ﹂ ﹁⋮んで、状況はどうなんだ ? ﹁分からん﹂ ? 395 健二は自衛隊本部の方を見て呟き、伊丹は手を合わせて﹁毎度すいません陸将 謝った。 そして気になって居る事を柳田が言う。 ﹂ ﹁それと、望月紀子の家族についてですが⋮﹂ ﹁彼女の家族がどうした ﹂と ! ﹁⋮そうだ〝あの日〟も目撃されている﹂ 伊丹はその事に何となく気付き、それに柳田は頷く。 ﹁まさか⋮﹂ そうだ﹂ ﹁彼女が行方不明になって以降、残された家族は銀座で情報を集めるビラを配っていた ? そう言って健二達は医務室に向かった。 ﹁分かりました﹂ ﹁⋮分かった、そうする。伊丹、一度彼女の様子を見に寄ろう﹂ ﹁大尉、この事をまだ彼女に伏せといたほうがいいと思いますよ﹂ そう健二は呟き、伊丹は少々重苦しい表情となる。 ﹁銀座事件か⋮﹂ 第33話 討伐依頼 前編 396 │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ││ ﹂ 医務室に着くと、丁度紀子は血液検査を終えた直後だった。 ﹁どう調子は ﹄え ﹂ ? ﹂ ? を話し、それに少々暗くなる。 ? ﹁そんな⋮﹂ ﹁この事は彼女にはまだ内緒にしてくれ。良いな ﹁はい⋮﹂ ﹂ い︾とジェスチャーをし、アシェリー達は付いて行って、健二達はアシェリー達に事情 その事に紀子は残念そうにし、アシェリーは健二の方を見て、健二は指で︽ついて来 ﹁そう⋮ですか﹂ 要だし、連絡はもう少し我慢してくれないかな ﹁御免望月さん、民間の回線はまだ轢けてないんだ。ゲートを潜るにも書類手続きが必 栗林が携帯を取り出そうとした時に健二が咳払いをし、伊丹が紀子に言う。 ﹁あ∼それなら﹃っん ! ﹁あっはい、大分落ち着きました、あの⋮きっと家族が心配してるので電話を﹂ ? 397 アシェリー達はそれに従うと同時に紀子が出て来て、それに健二達は振り向く。 ﹁望月さん﹂ 何も言えない事に見ているだけしか⋮。 か出来なかった。 紀子は深々くと頭を下げてお礼を言い、それに健二達はただ黙ったまま見ている事し りがとうございました﹂ ﹁安藤さん、伊丹さんに栗林さんも、伝えるのが遅くなってしまいましたけど⋮本当にあ 第33話 討伐依頼 前編 398 第34話 討伐依頼 中編 ﹂ ﹂ 健 二 達 が 紀 子 の 件 を 自 衛 隊 に 任 せ て ア ル ヌ ス 駐 屯 地 か ら 出 る 際 に ア ン ト ラ が ヘ リ ポートで待っていた。 ﹂ ﹁よう健二﹂ ﹁どうした ﹁分かりました﹂ ﹁皆さきにFOBに戻ってくれないか それに健二は少しばかり考え、アシェリー達に振り向く。 ﹁実はな健二、お前に聞かせたい話がある。時間は大丈夫か ? ﹂ ? 二、まずは何を飲む ﹂ ﹁俺 は ア ン ト ラ に 頼 ん で お 前 を 此 処 に 連 れ て 来 る よ う に し て も ら っ た ん だ。さ て ⋮ 健 ﹁ショーン、どうしてお前が此処に そこにはショーンも居て、健二がショーンがいる事に頭を傾げる。 健二はアントラと共にアルヌスの居酒屋へと向かう。 アシェリー達は健二の命令に従い、先にアルヌスFOBへと戻って行く。 ? ? 399 ? ﹂ 健二達はまず最初にビールを頼み込み、つまみに枝豆を頼んでもらい持って来させ た。 ﹁それで話って何 ﹁ドラゴン ﹂ は﹃ドラゴンを退治してくれ﹄ってな﹂ ﹁実はお前たちが居ない間、ちょっと面白い奴が自衛隊の所に来たんだ。柳田が言うに ? ﹂ ﹁その通りだ、今回の依頼主は⋮そのダークエルフだ﹂ とちょっと似ている様な﹂ ﹁成程ね⋮故郷を炎龍に。⋮しかしその話し⋮アルティアと聞いたダークエルフの者の 健二はショーンが話す内容を聞いて、それに少しばかり考える。 ? ? 俺達ならば断わらないと思うけど﹂ ? ? ﹁当時彼女は自衛隊から依頼を断られてしまって、こっちに来る事に頭が入らなかった かったんだ ﹁し か し そ の 話 ⋮ 自 衛 隊 は 断 っ て し ま っ た ん だ ろ う な ら ど う し て 俺 達 の 元 に 来 な ショーンの話しに健二は少々ダークエルフの住民に惨めな感じになって来る。 クエルフの住民たちが亡くなってしまったそうだ﹂ ﹁ダークエルフの故郷の森であるシュバルツの森が炎龍に襲われてしまい、大勢のダー ﹁何だって 第34話 討伐依頼 中編 400 そうだ。相当ショックだったことは確かだそうだ﹂ その事に健二は言葉をなくすのも無理はない。 ﹂ 大いに期待していた願いをいとも簡単に断られたらたまったもんじゃないからだ。 ﹁それで⋮そのシュバルツの森は何処にあるんだ ﹂ ? それは流石に無理だろう。いくら俺達でも炎龍を相手に伊丹達は生きて帰れる ? カと言う娘だった筈﹂ ﹁そうだ健二、少し気になった事があってな。エルフの少女の元に行くといい、確かテュ ショーンとアントラが立ち上がって立ち去る際に振り向く。 しておいてやるさ﹂ ﹁やっぱりそういうと思ったぜ。まあ健二、お前達は必ず行くと思うぜ、その為の準備は ﹁ははは⋮そうか﹂ 保証もないんだ、そんな事を俺はさせるつもりはないね﹂ ﹁はっ ﹁そこでだ健二、お前第3偵察隊と共に資源偵察に出る気はないか 健二はその話を聞いてビールを飲む、っとショーンが面白い事を語り出す。 ﹁へぇ∼、それは凄いな﹂ でな、おまけにダイヤモンドの原石もあるとの事だ﹂ ﹁シュバルツの森は南にあるエルベ藩王国領だ、そこには資源である石油が出るみたい ? 401 ﹂ そう言い残しショーンとアントラは去って行き、それに健二は眉を傾げる。 ﹁テュカの元に それとも武器を取って立つか ﹂ !! と。 このままエルフを見捨てるか ! こには伊丹達とダークエルフのヤオが何やら口論をしていた。 ﹂ 誰も捕らえることも出来ず罰することも出来な その下種に追い求めれば復讐を果たす事は出来よう 手も足も出ない ! ! ならばこの怒りは何処にぶつければよい だが炎龍はどうか い !! !? ず健二は後ろを見ると、そこにはアルティアが居た。 その話しに健二は思わず目を細めて聞いている中に後ろから手を叩く人を感じ、思わ !! ! 突如大声で叫んでいる女性の声を聞き、健二は思わず物陰に隠れてそっと見ると、そ ﹁どうする緑の人よ !! 難民キャンプに向かう健二はショーン達の言葉を感じつつ、難民キャンプに到着する ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ 健二はショーン達の言葉に頭を傾げつつ難民キャンプへと向かった。 ? ﹁愛する者を殺めたのが人なら 第34話 討伐依頼 中編 402 ﹁アルティア⋮﹂ ﹁成程な⋮﹂ ﹂ ﹂ ﹂ どうしたらいいんですか なってしまいます ﹁健 二 さ ん 我が同胞を救ってく このままじゃテュカが昔のテュカに戻れなく ﹁落ち着くんだアルティア、俺に任せてくれ﹂ どうか⋮⋮ ! ! 私の事を八つ裂きにしてもかまわない ! っとそう言って健二は再び伊丹達の方を見る。 ﹂ ﹁頼む⋮ れ ! ! ! ! オが必死な掛け声を上げていたのだった。 それに伊丹は一番最悪な出来事になってしまった事をヤオに問い詰めた所を逆にヤ しまい、伊丹の事をお父さんと見て言うよになってしまった。 を付け、炎龍に父親を殺されたとテュカに真実を遂げた瞬間、彼女の心は一気に壊れて ヤオが自衛隊からの依頼を断られた後に今だに現実から逃げているテュカの心に目 健二がアルティアから事情を説明させて貰った。 ﹁落ち着けアルティア、何があった 今でも泣きそうなアルティアを健二が抑える。 ﹁健二さん⋮テュカが⋮テュカが⋮ ! ? 403 ﹁⋮⋮⋮﹂ ﹂ その事に伊丹は言葉を言葉をなくしてしまう。 ﹂ ﹁その事、俺達の方に話してこなかったのか ﹁ ? かせる。 ﹁大尉⋮ ﹂ ﹁ど⋮どう言う事だ 本当か !!! 俺達ならばその依頼を受けてやってもよ !!? り方を見て俺は考えを変えた﹂ 何を﹃俺はこの依頼を断る﹄っ ? なった﹂ ﹁残忍なやり方をするお前の行動に俺は嫌気を指した、そんな奴の依頼を受けたくなく ﹁えっ⋮ ﹂ ﹁ああ、俺達ならば炎龍退治を受けてやってもいい、⋮⋮っと思ったんだがな。お前のや ヤオは健二が言った言葉を聞いて立ち上がり、健二はそれに頷く。 ほ ﹂ ﹁どうして俺達の方に話をしに来なかった ? ! ! かったのによ﹂ !!!!! ? ﹂ 伊丹達が後ろを向くと、健二とアルティアがやって来て、伊丹は健二の登場に目を開 !!? ﹁っ 第34話 討伐依頼 中編 404 ﹁ま ﹂ 今日の所は去れ 待ってくれ てやる﹂ お前が考えを改めるとなれば俺もちょっとは考えを改め ! !! ﹂ ? ﹁興味深い物 ﹂ 調べてもらった、その結果興味深いものが見つかった﹂ ﹁それはそうと健二、前にお前が言っていた伊丹がテュカの心に詳しかった件に付いて の外を見る。 健二はそう呟いてコーヒーを飲み、オルブはやれやと頭を横に振り、立ち上がって窓 と思うからな﹂ ﹁良いんだよ、ああ言う風に言わないと恐らくあのダークエルフの女は考えを変えない し不味かったと思うぞ ﹁ん∼⋮、確かに我々ならばやらない事は無いはずだ。しかし健二⋮お前の言い方も少 れにオルブは目を閉じる。 そして翌日、健二は一度UNSCスフィンクスでオルブ司令官に昨日の事を話し、そ それに騒然とするしかなかった。 そう言い残して健二はその場から去って行き、ヤオはその場に棒立ちとなり、伊丹は ! ! ﹁待たん 405 ? オルブ司令官の言った言葉に健二は振り向き、オルブはあるファイルを健二に渡し、 それを健二は目を通す。 ﹁⋮⋮おいおい、これって﹂ ﹁そうだ、彼の家庭はDVに悩まされていた事があった、父親から酷い暴力を受けてい て、母親が我が子を救う為に刺殺してしまった。 だがその結果彼の母親はパーソナリティ障害となり、更には追い打ちをかけてしまう 言葉を言っていまい、母親は精神病院へと入院、その様な事態になってしまったようだ﹂ 健二は伊丹の過去のファイルを読んでようやく納得が行った。 ﹁⋮通りであいつはテュカの心を知っている訳だ﹂ オタク自衛官と呼ばれる彼の裏には、とても辛く悲しい過去を持っている事を健二は ﹂ ? 少しばかり頭を悩ませる。 何だ﹂ ? むのであった。 オルブは健二の方を向き、健二はオルブにある物を頼み、研究開発艦へ開発を頼み込 ﹁ん ﹁︵となるとあいつは⋮︶⋮司令、少しばかり頼みがあるんだが良いか 第34話 討伐依頼 中編 406 第35話 討伐依頼 後編 アルヌスに帰投して、ヤオが起こした騒動によりテュカの心は崩壊寸前まで壊れてし まった。 ﹂ それを何とか抑えるべく伊丹はテュカの心を安定させる為に自ら父親役になり、テュ カと共にしばらく過ごす事にした。 それを見ていたブライアン達と栗林達。 ﹁テュカ⋮そんなに危ない状態なんですか ﹂ ? 健二は黒川が言っている言葉に頭を傾げ、黒川は頭を下げながら重たい口を開く。 ﹁⋮間違っていたって何をだ ﹁大尉⋮私⋮どうやら間違っていたようです⋮﹂ ﹁どうした黒川﹂ そして健二は黒川に呼ばれて、二人っきりで話し合っていた。 ブライアンは飲み物を飲み、栗林達は何とも言えない雰囲気になる。 れたら良いのだがな⋮﹂ ﹁ああ、伊丹を本物の父親に間違えるくらいに酷くなっている。このまま元に戻ってく ? 407 ﹁私⋮⋮今まで真実を話せば現実と向き合うと思って、伊丹隊長に話し続けて来ました ⋮でも⋮テュカのあの様子を見て、思わずゾッとしました⋮もし私が真実を話していた ら、私は間違いなくテュカの心を壊してました⋮﹂ ﹁⋮現実は理想とは違うからな。だがこれで黒川も少しばかり慎重になったと俺は確信 した、これをバネにして最多くの人々を救う自衛官となる事を、俺は願っているよ﹂ ﹁はい⋮、ありがとうございます大尉、話を聞いてくれて﹂ ﹂ そう言って黒川は立ち上がって頭を下げてお辞儀し、その場から立ち去って行く。 健二はそのまま出されている飲み物を飲み、一息つけて少しばかり考える。 ﹂ そして健二の元にブライアン達がやって来る。 ああ﹂ ﹂ ﹁おいリーダー、さっき去っていたのは黒川か ﹁どうしてクロが此処に ? ? ﹁その事だが、ちょっとばかり無理だな﹂ ﹁大尉、伊丹隊長に少し言って下さい。もうすぐ私達は再び帝都に向かうって﹂ 健二に問う。 健二はブライアン達に付いて来ている栗林達に問い、それに栗林達は見て頷きながら ﹁ちょっとばかり話しがあったんだ。もう終わったんだが⋮お前たちはどうした ? ? ﹁ん 第35話 討伐依頼 後編 408 ﹁え、どう言う事ですか ﹂ 倉田は健二が言った言葉に首を傾げ、健二は口を開く。 ? れないんだ﹂ ? ﹁うそ⋮﹂ これをどこで見つけて来たんすか ﹁伊丹隊長の親が⋮テュカと同じ物 ﹁大尉 ﹂ !? ?! ﹁伊丹隊長の過去に⋮そんな事が﹂ ﹁隊長⋮﹂ あったんだ﹂ 調べてたらそれが出て来たのさ⋮不真面目なあいつの裏には少しばかり辛いものが ﹁そのファイルは、俺がどうも気になっていたのを上司が調べてくれてな、伊丹の経歴を 倉田は慌てた様子で健二に言い、健二はその問いに答える。 ! ﹂ ファイルの内容に書かれてある物に、栗林達は思わず驚きを隠せなかった。 それを栗林達は受け取り、それを読む。 栗林がそれに健二に問うと、健二はあるファイルを栗林達に渡す。 ﹁どう言う事で⋮ ﹂ ﹁伊丹の奴は⋮〝もう二度〟と自分の目の前で、他人が壊れて行く様子を見るは耐えら 409 富田と倉田は伊丹の過去を知り、少しばかり暗くなってしまう。 ﹁隊長⋮いつもふざけて、馬鹿ばっかりしている人なのに⋮昔にそんな事で⋮﹂ 栗林はそう言ってその場から立ち去って行き、それに健二達は見届けるしかなかっ た。 走って行く栗林は自分の宿舎に戻り、部屋に入って少しばかり考える。 ﹁︵馬鹿ばっかで⋮オタクで⋮気持ち悪い人が⋮︶l⋮っ﹂ 栗林は伊丹をただの馬鹿だと認識過ぎた事に後悔するばかりであった。 │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ││ そして数日後、アルヌス駐屯地での自衛隊事務所。 ﹂ ? ? がら言う。 ﹁本当に大丈夫なのか⋮ ﹂ 柳田は父親役で居る伊丹の事を少々心配していて、伊丹はパソコンに書類を作成しな ﹁お前には関係ないだろう﹂ ﹁伊丹、何時まで続けるつもりだよ 第35話 討伐依頼 後編 410 ﹁⋮すまん、本当はもうガタガタだ⋮、頭がゴチャゴチャしてる﹂ そりゃあ駄目だ。任務ならともかく、俺の勝手 ? そのそっけない態度にその老人は少しばかり問いかける。 ﹁はぁ⋮﹂ ﹁うむ、良い心がけだ。此処はわしが毎晩よく座っている所だ。以後気を付けよ﹂ 伊丹はそう言って一歩譲り、それに老人は座る。 ﹁ええ、どうぞ﹂ ﹁若いの、其処を退くがいい﹂ その老人は左側の手足が義手になっていた。 を見て声を掛けようとした。っがその時ある老人がやって来る。 そして出発前日の夜、健二は少し外の空気を吸う為に外に出ていた所、伊丹が居るの そう言って柳田はその場から出て行き、伊丹はその事に思わず黙り込むのだった。 ﹁まあいいさ、伊丹。お前は行くと思うから準備だけはしておいてやるぜ、じゃあな﹂ 物だけだ﹂ に巻き込んで危ない目に合わせるわけには行かない。自分が自由に出来る命は自分の ﹁それで⋮部下の大半を死なせろって そう簡単そうに言う柳田。しかし伊丹はそれを言う。 ﹁簡単な事だ、ドラゴンを退治して行けばいい﹂ 411 ﹁こんな所で何を黄昏ておる ﹁⋮別に﹂ な物を付けておるのか ﹂ これがあれば走れることも出来ると言っておったが ﹁真か ほぉ⋮﹂ 健二は物陰からその様子を見ていて、二人の会話を聞いていた。 ﹁ふふふ⋮﹂ ﹂ ﹂ ﹁話したくないのならそれもよかろう、時にお主らの世界では手足を失くすと皆、この様 ? ﹁ええ、専用の義手があれば生身の足より速く走れることも出来ますよ﹂ ? そう言ってその老人は月を見る。 ? ﹁何です ? ? で向かったら全滅は必至。 るかどうかもまだ検討も付かないのに⋮。でも⋮本当は行くべきじゃない、仮に少人数 ﹁でもその仇が強いんですよ。大規模な部隊が遅れない場所なんです、UNSCが送れ ﹁ほほほ∼⋮、確かに仇を撃てば気もはれるだろう﹂ た。 伊丹はそれに少しばかり抵抗はあったものの、その老人に今までの事を話すのだっ ﹁その調子で黄昏ていた理由を洗いざらい喋ってしまえ﹂ 第35話 討伐依頼 後編 412 ﹂ ? どれをとっても何か失う﹂ ﹂ ? ﹁それで決められるなら苦労はしませんよ は決まっておるのだろう ? ! ││ ﹂ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ て行った。 その様子をずっと聞いていた健二は、何かを決心してその場から離れるかの様に歩い それに伊丹は思わず黙り込んでしまう。 ﹁⋮⋮﹂ ﹂ ﹁がははははっ 人生には危険と分かっていても退く事が許されない時がある。心で 思わず立ち上がって言い返す伊丹に老人は思わず大笑いする。 ! ﹁お主の心じゃよ﹂ 伊丹はそれに老人の方を向き、それに老人は伊丹の方を向いて言う。 ﹁大きな物 ﹁⋮なあ若いの、何か大きな物を忘れてないか 413 そして伊丹達が率いる第3偵察隊は再び帝都に向かう為にチヌークに乗り込んで行 く。 その時に伊丹は外で見ているテュカの方を見る。 ﹂ おやっさん すいません ! 俺行きません ! ﹂ チヌークが上昇したその時にテュカの一筋の涙を見る。 ﹁っ ﹁はっ !!! !! ﹂ !!! ﹁お父さん ﹂ 伊丹はすぐさまテュカの前に降り立った ﹁テュカー 桑原は突然の事に驚き、伊丹はすぐさまチヌークから飛び降りる。 !? ? ﹂ ? ﹁えっ ﹁隊長 ﹂ っが同時に降りて来た者達も居た。 そう伊丹はテュカに言う。 ﹁ああ﹂ ﹁いいの ﹁⋮テュカの側にいる事にしたよ﹂ 第35話 討伐依頼 後編 414 ﹂ !? !! ﹂ 一人で抱え込まないでください お前等 ﹂ ﹂ ﹂ ﹂ 伊丹は後ろを向くと、そこには栗林や富田、そして倉田の三人が居た。 ﹁お ﹂ お前等言っている事分かっていてるのか 貴方がどんなに言おうと私達は付いて行きます この状況でどうやってお前たちだけ派遣する良い訳を作ればいいんだ ﹁それはあんたに任せるよ⋮﹂ ﹂ 任務を放棄した上にたった五人でドラゴン退治だと その事に伊丹はただ唖然とするしかなかった。 ﹁お⋮お前等﹂ ﹁隊長 栗林は前に出て堂々と言う。 ﹁当たり前です ﹁なっ ﹁僕達も一緒に行きますよ ﹁隊長 !!? ﹁伊丹⋮それにお前等も馬鹿か !! !? ! ! ﹁伊丹、お前等も今からでも遅くはない ﹂ すぐに隊と合流しろ そうしたら良い訳も ! ! 任務を終えてからド 柳田に問い詰められる伊丹は苦笑いをしながら柳田に言い、柳田はすぐに言う。 !!? ! ラゴン退治に行くといい ! !? !!! !! ! ! ! ! 415 ﹁柳田、もう決めたんだ⋮。それにあいつ等もあの様子を見てたら。もう同意するしか ない⋮本当は連れて行きたくないけど﹂ 分かったよ それじゃあ必要な物は││﹂ 伊丹は栗林達の方を見て言い、それに柳田は呆れながらも眼鏡を整え直す。 ﹁チッ ! ﹂ ﹂ ﹁ええ⋮まあ、それであなたも ? かっていると分かったんだろう。 その事に伊丹達は思わず察しがついた、恐らくODSTチームは第3偵察隊と共に向 ﹁ああ、俺達も行く事にする。ラプターSPARTANチームはな﹂ ? ﹁伊丹、決心が付いた様だな っと伊丹達は振り向くと、そこには健二が立っていて、それに健二が立っていた。 ﹁必要ない﹂ ! ﹂ ? きたいんだけど、俺等のフリゲート艦がまだ出来てないって言われてな﹂ ﹁あの中には大量の武器と食料に物資が積んである。本当ならフリゲート艦を持って行 ﹁大尉、あれは 後ろにはトレーラーが繋いであった。 健二は外に出て、伊丹達も外に出て来るとそこにはビックマンモスが停留しており、 ﹁あと柳田、食事と武器弾薬の事に付いては心配ないぞ、こっちで用意したから﹂ 第35話 討伐依頼 後編 416 ﹁あるんですか ﹁えっ ﹂ どう言う⋮﹂ ﹁いって∼∼∼ ﹂ ?! 何するんだよ ﹂ !!? ﹂ !? ﹁隊長∼ ﹂ 羨ましいっすよ ﹁嬉しくねえよ !!! ! ﹂ 付いてくるのは﹂ その事に伊丹は驚きを隠せず、大胆発言に栗林と富田は唖然とする。 ﹁ええっ∼ ﹁これでヨウジが死んだら、魂は私の物よぉ﹂ 伊丹はロゥリィの発言を聞いて傾げ、それにロゥリィは言う。 ﹁け⋮契約 ﹁ペロッ♪契約完了∼﹂ !!!! ロゥリィは伊丹に近寄り、伊丹の腕を噛みつく。 ﹁あなた達だけいかせないわよぉ∼、私達も行くわぁ∼、でもその前に﹂ ﹁あっ⋮お前等﹂ そこにはレレイとロゥリィ、アルティアにヤオの四人が居た。 伊丹はその事に問いかけ、健二はある方に指差す。 ? ? !? ﹁ああ、それと伊丹。当然俺達だけじゃないぞ 417 !! 倉田の羨ましさに伊丹はすぐに反論したのだった。 ﹂ そして健二達と伊丹達がビックマンモスに乗り込み、テュカがヤオがいる事に嫌気が 出る。 ﹁何でこの女も一緒なのよ ﹁もう∼ ﹂ ﹁そう言うなよテュカ、故郷に帰るって言うからには放っておくわけにも行かない﹂ ! ﹂ 柳田は伊丹の性格の事に呟く。 そう言って健二達を乗せたビックマンモスは出発し、それを見送るアルヌス住人達。 ﹁了解だ ﹁ブライアン、ビックマンモス発進だ﹂ テュカはその事に呆れ、健二はブライアンに言う。 ! ! ﹂ ? ﹁伊丹、こっちに来てくれ﹂ そしてビックマンモス内で健二は伊丹を呼ぶ。 ﹁若者が行ったか⋮﹂ ビックマンモスの旅立ちをあの老人が見届けていた。 奴が居るんだよ ﹁趣味が第一⋮仕事が片手間。なのにお前にはどうして⋮どうして自分から付いて行く 第35話 討伐依頼 後編 418 ﹁何です ﹂ ﹁大尉⋮これは ﹂ はODSTに似たタイプの﹃ヘルジャンパー﹄である。 それは健二達が着込んでいるSPARTANⅣのGEN2アーマーであったのだ、形 あるカプセルが開き、その中の物を伊丹と見に来た栗林達は驚きを隠せなかった。 伊丹は健二の元に来て、健二はある物を伊丹に見せる。 ? ﹂ ? 示される。 スーツの着心地は ﹂ 伊丹は身体を少しづつ動かし、それを健二は問う。 ﹁どうだ伊丹 ﹁どうって⋮なんか妙な感じで⋮力強さが感じる、これ⋮どのくらいの性能なんすか ? ﹁そのスーツの性能は炎龍で試してくれ。たっぷりと﹂ ? ? 健二に言葉に伊丹はただ頷くしかなかった。 ﹂ その事に伊丹は薄々とそれを着込んで行き、装着が完了してヘルメットのHUDが表 ﹁おうマジだ﹂ ﹁ま⋮マジですか から普通に着込んでも問題ないぞ﹂ ﹁伊丹、お前にはこれを着込んでもらう。これはもうお前に合わせるように出来ている ? 419 第35話 討伐依頼 後編 420 そう言う中、栗林は何故か羨ましそうな表情をしていたのには誰も気が付かなかっ た。 第36話 炎龍 再び 帝都で望月紀子を救出した健二達は次にテュカとアルティアの仇である炎龍を討伐 狭間陸将﹂ しに旅立ってから約2∼3日、その間アルヌス駐屯地とFOBでは命令違反をした伊丹 の件に付いて話し合っていた。 オルブ司令﹂ ﹁彼についてどうお考えですかな ﹁どう言う意味で 柳田君の話しでは新たに見つかった資 ? 居たとは⋮﹂ ﹁分かっています。しかしそんな状況でこんな大胆な事を仕出かす馬鹿が我々以外にも 事となった。 そんな中で健二達と伊丹達は炎龍退治に向かったのを聞いた皆はそれに困り果てる 現在FOBと駐屯地では講和交渉の最終局面に迫っていて緊張が高まっていた。 オルブはそう狭間に問い、狭間はそれに考えるそぶりを見せる。 源を探しに向かったと聞いてるが﹂ い。その事に付いてはどうお考えですかな ﹁我々は健二達に炎龍の討伐を命令した、しかし伊丹だけは炎龍の討伐を命令していな ? ? 421 ﹁⋮貴方も同じお考えで ﹂ ﹂ あの馬鹿を死なせるわけには行きません そこで我々は馬鹿を連れ 戻す為に第一戦闘団の出動を命じます ﹁ええそうです ? ! ﹁ユフィ、健二達の現在地は分かるか ﹂ そしてオルブは通信でスフィンクスに連絡をする。 二人は握手をして、オルブは部屋から去って行く。 ﹁こちらこそ﹂ ﹁お願いしますオルブ司令﹂ その事を聞いた狭間は頷いて、立ち上がって手を差し出す。 からないので﹂ ﹁そうですか、では我々も手を貸しましょう。健二達はどの様な状況にあっているか分 ! ! ? ﹄ ? ﹁今は健二達がどのような行動をするか見て置く。狭間陸将には申し訳ないが﹂ ﹃了解です。手を貸さないのですか ﹁うむ、では状況を確認し、炎龍の監視を行え﹂ それを聞いたオルブは頷く。 す﹄ ﹃現在テリリア平原当たり北東付近です。何時でも増援を出せるよう手配はしてありま 第36話 炎龍 再び 422 ﹃了解しました﹄ ユフィは了解した後通信を切り、オルブはスフィンクスに戻る為にランディングパッ トへと向かう。 しかしこの後、駐屯地である事件が発生する事をオルブはまだ知らない。 │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ ││ そして現在テリリア平原付近で停泊しているビックマンモス、その中で健二達はマッ ﹂ プを見ながら現在の進路状況を確認していた。 ﹁う∼ん⋮随分と遠回りしていったな﹂ ﹁完全に迂回してますね﹂ ﹁どうしてこんな回り道ばかりしたのぉ ﹁迂回し過ぎでしょ⋮﹂ ﹁すまない、緑の人と黒の人の噂を拾いながら来たもので⋮﹂ うにしていた。 倉田が迂回してることに呟き、ロゥリィがヤオにその事を問うとヤオが申し訳なさそ ? 423 その事に栗林が呟く、そんな中でブライアンが健二に問う。 ﹁どうするんだリーダー。この先はビックマンモスじゃあキツイ斜面ばかりだぞ ﹁何時まで続けるのでしょう﹂ その様子に富田が問う。 レレイはそれに頷き、魔法で再び眠りに付かせる。 ﹁分かった、レレイ頼む﹂ ﹁皆、テュカが﹂ するとテュカが目が覚めそうなのを見たアルティアが皆に言う。 カレンはそう言ってショットガンの弾を込める。 ﹁だと良いんだけどね﹂ ﹂ ﹁だがいくしかない。ビックマンモスには悪いがもう少し辛抱してもらうしかない﹂ ? ﹁俺達はテュカの為だけに炎龍を倒しに行っているんだ。お前の同胞など知った事じゃ っと健二がミネラルウォーターを飲みながら目線をヤオの方に向けながら言う。 ﹁余り調子に乗るなよヤオ﹂ ﹁ああそうだ。だが森の南部全域なので、同胞がいる渓谷に行けばいい﹂ ﹁そうですよね∼。ヤオ、炎龍はシュバルツの森に出たんだよな﹂ ﹁炎龍の元に着くまではな、何がなんでも起こす訳には行かないんだ﹂ 第36話 炎龍 再び 424 ない﹂ ││ │││││││││││││││││││││││││││││││││││││ てもテュカの精神を元に戻そうと思うのであった。 そんな中で健二はメンテナンスをしながらアルティアとテュカの様子を見て、何とし ブライアンとジャクソンは操縦席に向かい、ヤオの居る渓谷に向かう事にした。 ﹁だな﹂ ﹁取り合えず、ヤオの仲間が居る場所に向かうとするか﹂ やれとなる。 そう健二はMA5Dを持ってメンテナンスしに行き、それにブライアン達は見てやれ ﹁フン、そうかい﹂ ﹁まあまあ、大尉もあんまり言うもんじゃないですよ﹂ 健二の鋭い目線にヤオは思わず息を飲み、それに伊丹は落ち着かせようとする。 ﹁いばるんじゃない﹂ ﹁だが森全域を知るには同胞の力が必要だ﹂ 425 そして健二達はヤオの同胞が居る渓谷に到着し、ビックマンモスから降りて辺りを警 戒しながら周りを見ていた。 ﹁此処がロルドム渓谷﹂ ﹁辺り一面崖があるが、こんだけ広かったら炎龍にやられるな﹂ そう言うランドックにヤオが皆に言う。 ﹁ちょっと待っていてくれ、仲間に到着を知らせに行ってくる﹂ ヤオは下に降りて行って同胞の元に向かった。 ﹂ ﹂ すると目が覚めたテュカがやって来る。 ﹁ふぁ∼⋮着いたの ? ﹁ああ、よく眠れたか ﹁うん、とっても﹂ ? ﹂ 伊丹の言葉に頷くテュカ。その様子をアルティアはジッと見つめていて、健二がよっ て問う。 ? そう言っていると。モーションセンサーに反応が出て、それに健二達はとっさに構え ﹁そうか﹂ ﹁何とか大丈夫な感じ⋮﹂ ﹁どうだ 第36話 炎龍 再び 426 ﹂ ﹂ 誰だ !!! る。 ﹁っ ﹁動くな !! ﹂ !! しまう。 あまり警戒を強めさせないでくださいよ ﹂ !? ﹁あ⋮あっ⋮ ﹂ それにテュカは思わず目がくぎ付けとなる。 健二達は振り向くと、上空には左腕を失くした炎龍が飛んでいた。 ﹁これは れに健二達は気づく。 一言で終わらせるブライアン、するとまたしてもモーションセンサーが反応して、そ ! その様子に隣に居る倉田が焦る様子で言う。 ﹁ちょっと ! ﹁黙ってろ﹂ ﹂ ブライアンが言い返す様に言い、それにダークエルフの連中は一層警戒心を高ぶって ﹁先にお前たちから名乗り出せ﹂ ﹁お前たちは何者だ 健二達が構えた先に数名のダークエルフ達が弓を持って構えていた。 !! 427 ! ﹁全員 攻撃開始 ﹂ !!! ﹁アルティア ﹁テュカ テュカ 逃げろ 逃げましょう ﹂ ﹂ !!! ﹂ !! ﹂ ランドック 援護しろ ﹂ !! がってしまっていて動けなかった。 ジャクソン ! !! 伊丹俺と来い !! ﹁テュカ ﹁くっ ! アルティアの声が全く聞こえておらず、炎龍の姿を見て、彼女の中の恐怖心が跳ねあ ﹁あ⋮ああ⋮ !! ! それに聞こえたアルティアはすぐにテュカを連れて逃げようとする。 ﹂ !!! !! それを見た健二と伊丹は二人に向かって叫ぶ。 しかし炎龍は全く効かず、炎龍はテュカやアルティアの方に向かって行こうとする。 勿論ダークエルフ達も弓で攻撃を開始した。 富田達も64式小銃を撃って何とかアルティア達を護ろうとする。 構えながら撃つ。 ンガンとライトマシンガンを撃ち、カレンはショットガンを撃つ。レックスはDMRを 健二達はアサルトライフルを構えて攻撃を開始し、ジャクソンとランドックはチェー ! ﹁やられるぞ !! !!! 第36話 炎龍 再び 428 ﹁﹁了解 ﹂﹂ 待ってろテュカ ﹂ !! ﹁っ 嘘よ 嘘よ ﹂ お父さんは死んでないわ ﹂ だって⋮お父さんは﹂ ! じゃあお父さんは何処に行ったのよ ﹁俺はお前のお父さんじゃない ﹁っ ﹁テュカ、あれが炎龍だ。お前の父さんを殺した奴だ﹂ その間に健二達はアルティアとテュカを安全な場所に移し、伊丹がテュカに言う。 そしてレレイは魔法を使って炎龍を攻撃したが、炎龍はそれをよける。 ﹁ふふふ⋮やってくれるじゃない﹂ 地面に叩き付けれたロゥリィはすぐさま立ち上がって笑みを浮かべる。 して、それを斬り消すと同時に炎龍が掴んできて、ロゥリィを投げ飛ばす。 そしてロゥリィがハルバートで炎龍に斬りつけに行こうとした所、炎龍が火炎を放射 て撃つ。 すぐさま健二と伊丹は二人の元に向かい、ジャクソンとランドックが援護射撃に入っ ﹁了解 ! !! ! 達に言う。 俺が囮となって奴を引きつける その間にロケットランチャーをぶち込め ! 富 伊丹に真実を告げられたテュカはますます混乱し、それに見かねた健二は伊丹と富田 !!! ! !!! ! ! !! ﹁伊丹 ! 429 田 倉田 ﹂ 伊丹の援護しつつ状況報告 ﹂﹂﹂ 栗林はアルティアとテュカを護れ ! ﹂ ! ﹂ !! てしまう。 帰ろうよお父さん ! ﹂ そして伊丹はテュカの方に向かうと、テュカは炎龍の恐怖のあまりとうとう泣きつい ブライアンとレックスがそう言うとジャクソンはチェーンガンを置いて一息する。 ﹁何とか引いてくれたか⋮﹂ ﹁逃げて行った⋮﹂ 炎龍はそれを見て退却して行き、健二達は銃を下ろす。 チャーの弾は壁に直撃して爆発する。 そ の 時 に 炎 龍 が ロ ケ ッ ト ラ ン チ ャ ー に 気 付 い て と っ さ に か わ し て、ロ ケ ッ ト ラ ン 伊丹はロケットランチャーを構えて、炎龍にロックオンし、そして引きがねを引いた。 健二はライフルを撃って攻撃し、炎龍はそれに振り向き、健二の方に向かって行く。 ﹁おいこっちだ ケットランチャーの照準補佐修正を行う。 健二はアーマーのスラスターを使って高速移動し、伊丹はアーマーの機能を使ってロ ﹁﹁﹁了解 ﹁っ⋮分かりました ! !! ! ! ﹁うああああ ! 第36話 炎龍 再び 430 その様子戻って来た健二はただ黙って見つめるしかなかった。 ﹁⋮⋮﹂ 431