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溶媒キャスト法で作製した 銅粉末分散アクリル樹脂の
日本金属学会誌 第 74 巻 第 11 号(2010)712
717
溶媒キャスト法で作製した
銅粉末分散アクリル樹脂の導電性
1
海老原祥秀1,
国 京 伸 明1,1
大山龍一郎3
西
神 田 昌 枝1,2,2
義 武1,2,3
1東海大学大学院工学研究科金属材料工学専攻
2国立インサ工科大学リヨン校誘電電子研究所
3東海大学連合大学院理工学研究科
J. Japan Inst. Metals, Vol. 74, No. 11 (2010), pp. 712
717
 2010 The Japan Institute of Metals
Electrical Conductivity of Cu
Powder Dispersed PMMA Composites Prepared by Solution
Cast
1, Nobuaki Kunikyo1,
1, Masae Kanda1,2,
2,
Yoshihide Ebihara1,
3
1,2,3
Ryuichiroh Ohyama and Yoshitake Nishi
1Department
of Metallurgical Engineering, Graduate School of Engineering, Tokai University, Hiratsuka 2591292
2Laboratoire
de Geá nie Electrique et Ferroeá lectricitáe (LGEF), Institut National des Sciences Appliquáees de Lyon (INSA Lyon), 69621,
Villeurbanne, CEDEX, France
3Doctoral
Graduate School of Science and Technology, Tokai University, Hiratsuka 2591292
Cupowders dispersed polymethyl methacrylic acid (acrylic resin, PMMA) was prepared by solutioncast, which could
easily control the dispersion ratio. The Cu addition gradually enhanced the electrical conductivity at less and more than the critical
volume fraction (15.0±1.0 volCu) in PMMA. The jump of electrical conductivity was observed by the Cu addition at the critical volume fraction. Although the result was mostly explained by the percolation theory, the critical Cu volume fraction to convert
the high conductivity of PMMA composite is 4.0 vol lower than that of ABS composites.
(Received March 5, 2010; Accepted July 1, 2010)
Keywords: copper powder, polymethyl methacrylic acid (PMMA), percolation, solutioncast, electrical conductivity
組み合わせの多い複合材料を試験的に作製する場合や少量の
1.
緒
言
部品作製が要求される場合では,コストや時間がかかること
が,この技術の問題点である.
高分子材料は金属に比べて軽く・加工しやすい性質を持っ
一方,本研究グループでは,薄膜形成に用いられる溶媒キ
ているため,鉄鋼を中心とした金属材料を補完しうる多くの
ャスト法8,9) を応用し,有機溶媒でプラスチックを溶解させ
需要がある.しかしながら,高分子材料の性質を生かした複
る処理に関する一連の研究も行っている1012) .この溶媒キ
合工業材料の研究は,航空機に使われる炭素繊維強化高分子
ャスト法の利点は,射出成形に比べ時間のかかる金型作製が
複合材料の研究1,2) でさえ,最近では多くない.そこで本研
省けるのと同時に,鋳型のモデルチェンジが容易である.ま
究グループでは,炭素繊維強化高分子複合材料の強靭化24)
た,製品の試作期間が大幅に短縮できるところに特徴がある
の研究や高濃度金属粉末を均質分散した複合高分子材料の基
ため,試作部品の作製や基礎的研究に向いている.一般的に
礎的研究を産学協同で開始している57).特に近年問題とな
溶媒キャスト法によって作製される試料の多くはフィルム状
っている産業廃棄物を粉末状とし,高分子材料中に高密度で
のものが大半8,9) であったが,本研究グループではバルク体
均質に分散させることで,重量感や接触時の金属的質感を発
の作製が可能であることを確認している1012) .さらに,こ
現する複合高分子材料が注目されてきている57).金属を含
の試料のシャルピー衝撃値は,処理前よりも向上することも
んだこの技術は,今まで安物のイメージが強い高分子材料に
ある11) .一方,金属粉末分散高分子の作製も容易であり,
高級感を持たせ,付加価値を高めることができ,エクステリ
ABS 樹脂では分散させた銅粉末の体積比により導電性の向
アを中心とした建築材料に応用されている.しかしながら,
上か見られ,パーコレーション理論が適用できた10,11).
1 東海大学大学院生(Graduate Student, Tokai University)
2 国立インサ工科大学リヨン校大学院生( Graduate Student,
INSA Lyon)
すなわち,金属粉末分散複合高分子試料を溶媒キャスト法
で作製することは,導電性を容易に改善するために射出成形
技術で困難だった材料の組み合わせを容易,短時間,少量,
11
第
号
溶媒キャスト法で作製した銅粉末分散アクリル樹脂の導電性
713
式中の E は測定電圧(V),S は試料の断面積(m2 ),I は測定
無駄なく作製できることが重要なポイントである.
そこで本研究では, ABS 樹脂と比較して機械的性質およ
び透明度に優れたアクリル樹脂を母材高分子材料として用い
た.また,代表的な有機溶媒であるアセトンを用い,溶媒キ
電流( A ), l は電圧測定区間の距離( m )を表している.な
お,電圧測定距離は,9.83±0.50 mm とした.
さらに,試料との比較のために銅の電気抵抗率も測定し
ャスト法によって銅粉末をアクリル樹脂に分散させた導電性
た.このとき測定した銅の寸法は,厚さ 5.02 mm ,幅 9.75
複合材料を作製し,この試料の導電性(電気抵抗率)について
mm ,長さ 100 mm で,電圧測定区間の距離 l は 50.20 mm
評価することを目的とした.さらに,パーコレーション理論
とした.
がこの組み合わせでも成立するかどうかも検討した.
実 験
2.
2.1
2.3
エレクトロンメーターによる高電気抵抗率試料の通電
実験14,15)
方 法
本研究では,前項の四端子法通電実験方法で測定が困難な
試料の作製
株 製),アセトンを
試料の作製は,アクリル樹脂(住友化学
株 )にてモル分率 0.90 に計量し
電子天秤(ER180A,研精工
た後に,ガラス製スクリュー管内を用いて混合した.その
後,銅粉末(Cu Powder M 45 mm pass,高純度科学研究所)
をアクリル樹脂に対して 10, 12, 14, 16, 18, 20, 30, 40, 50
volを混合し,120 時間安置した.
使用した銅粉末の粒径は,走査型電子顕微鏡(FESEM
JSM 6300F, JEOL)を用いた粒度測定によって決定した.こ
の結果, Fig. 1 に示すように平均粒径が 26.38 mm であっ
た.また,粒子形状は Fig. 2 に示すように粒状であった.
混合した試料を Fig. 3 に示すようにポリエチレン(PE)製鋳
型に圧入し,試料を鋳型内で約 24 時間, 299 ± 2 K で乾燥
硬化させた.その後,カッターを用いて形状を整え,バルク
状の試料とした.
2.2
四端子法通電実験13)
本研究では,各銅粉末含有体積率における試料の電気抵抗
率を正確に測定するため,四端子法を用いて,電流および電
Fig. 2
SEM micrograph of Cu particles (gray part).
圧を測定した.電流端子および電圧端子は,銅線に導電性
ペーストを付け,試料に接続することで確保した.試料に通
電させ,電流および電圧を測定した.各測定値より,電気抵
抗率 r(Qm)を式( 1 )より算出した.
r=ES/Il
Fig. 1
size.
(1)
Histogram of particle size distribution for Cu particle
Fig. 3 Method for forming Cu powderdispersed polymer
PMMA composites prepared by solution cast method at room
temperature using acetone.
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第
日 本 金 属 学 会 誌(2010)
高電気抵抗率の試料に関して,ユニバーサルエレクトロン
74
巻
逆数から電気抵抗率 r を求めた.
株 川口電気製作所)と常温測定箱
メーター( PMM 17A ,
Fig. 5 に測定した試料の電気抵抗率 r と銅粉末含有体積率
株 川口電気製作所)を用いて,銅粉無添加( 0 vol
( P601,
VCu の関係を示す.試料は,14 volCu 以下では絶縁状態で
Cu)試料と,10 volCu, 12 volCu, 14 volCu 添加試料の
あった. 16 vol  Cu 以上では銅粉末含有体積率の増加に伴
体積固有抵抗を測定した.
い,試料の電気抵抗率が直線的な減少ではないが,低下する
試料は,アクリル樹脂,モル分率 0.92 のアセトンおよび
銅粉末を混合し,その後, PE シート上に半径 50 mm の円
より広くなるように伸ばした.さらに,乾燥させたシート状
ことがわかる.
3.2
シート試料の高電気抵抗率の測定結果
試料を PE シートから剥がし試料とした.最後に各試料は,
シート試料を常温測定箱の中に入れ,測定箱の蓋を閉め,
PE シート上に溶媒キャストしたアクリル樹脂と銅粉末の混
電極でシート試料を挟み通電を行った.S が試料と電極の接
合物を膜状に伸ばして成形した.そのときの膜厚は 0 vol 
触面積( m2 ) , R が測定抵抗( Q ), t が試料厚さ( m )として,
Cu 試料で 42.5 mm, 10 volCu 試料で 277.4 mm, 12 volCu
シート試料の電気抵抗率 r ( Qm )は,体積固有抵抗率として
試料で 326.8 mm, 14 volCu 試料で 304.9 mm であった.
式( 3 )より算出した.
r=SR/t
2.4
バルク試料とシート試料の組織観察
(3)
Fig. 5 と測定方法が異なるため,高電気抵抗率の結果は,
Fig. 6 に示した.純粋なアクリル樹脂に 14 vol  Cu 粉末を
銅粉末の分散状態を確認するために,バルク試料とシート
株日
試料の組織を走査型電子顕微鏡( SEM  S 3200N 型,
立製作所)を用いて観察した.その際,試料の帯電を防止す
るために AuPd を 30 秒間蒸着した.
実 験
3.
3.1
結 果
バルク試料の電気抵抗率の測定結果
溶媒キャスト法で作製した銅粉末分散アクリル樹脂の電気
抵抗率を測定した.Fig. 4 に大気圧下でのバルク試料の各銅
粉末含有体積率における電流密度 J と測定電圧 E の関係を
示す.電流密度は式( 2 )より求め, A はバルク試料の断面
積(m2 )である.
J= I/ A
(2)
電圧の付加により電流が流れ,銅の含有量が多い試料では
この関係の傾きが大きくなるため,電圧の付加により電流が
流れやすいことがわかる.さらに,各銅粉末含有体積率の電
流密度 J と電圧 E の関係は,比例関係を示し,その傾きの
Fig. 5 Relation between Cu addition (VCu ) and resistivity ( r)
for bulk samples.
Fig. 4 Relation between current density ( J ) and voltage (E )
of composites dispersed with 16, 30 and 50 volCu powders.
Fig. 6 Relation between Cu addition (VCu ) and resistivity ( r)
for sheet samples.
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号
溶媒キャスト法で作製した銅粉末分散アクリル樹脂の導電性
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分散添加すると,銅粉末含有体積率の増加に伴い,電気抵抗
観察像を Fig. 7 に示す.この図より,混同した銅粉末は,
率は低下した.
銅粉末含有体積率の増加に伴い,均一に分散する傾向にある
3.3
バルク試料の内部組織およびフィルム試料の表面組織
各銅粉末含有体積率のバルク試料の走査型電子顕微鏡組織
Fig. 7
Fig. 8
ことが確認できた.さらに,Fig. 8 に急激に電気抵抗が変化
した 14 および 16 volCu のシート状試料表面の SEM 観察
像を示す.このシート試料表面組織は,Fig. 7 のバルク状試
SEM micrograph of inside of samples.
SEM micrograph of outside surface of bulk and sheet samples.
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第
日 本 金 属 学 会 誌(2010)
料組織と比較しても,分散状態が同じであることを確認し
74
巻
なる.
た.さらに,僅か 2 volの銅粉末の増加で, 14 vol と 16
さらに, 30 vol  Cu 以上の銅粉末含有体積率となると,
volCu 試料の分散状態が明らかに変わり,この濃度付近で
電気伝導率はさらに増加するが,電気伝導率の増加率は低下
の電気抵抗の大きな変化を期待させる.
し,実験誤差を考慮しても停滞しているようにさえ見える.
これは,銅粒子間の高分子薄膜が原子レベルで導電性を抑制
考
4.
4.1
察
することを示唆している.勿論,銅濃度が 100 に近付く
と,銅粒子間が原子レベルで直接接触し,自由電子を共有す
銅粉末分散アクリル樹脂の電気伝導率
る表面が多くなるので,急激に電気伝導性が高まり純銅に近
測定した電気抵抗 r を電荷が伝導する様子を考察するた
付くはずである.
めに,電気伝導率 s に置き換えた.このため,式( 4 )で換
算した.
以上,Fig. 9 の実験結果である銅粉末分散アクリル樹脂の
試料の導電性は,パーコレーション理論が適用できる可能性
s = 1/ r
(4)
を考察した.
Fig. 9 に 16~50 volCu のバルク状試料と 14 volCu 以
Fig. 9 に銅粉末を分散させた ABS 樹脂( ABS Cu )10,11) に
下のシート状試料( PMMA Cu )の電気伝導率 s と銅粉末含
関する電気伝導率 s と金属粉末含有体積率 VM の関係も示
有体積率 VCu の関係をまとめて示す.このような粉末含有
す.同種金属であっても高分子材料の種類が異なる場合にお
体積率の増加による急激な電気伝導率の増加は,パーコレー
いて本研究と同様の結果が得られている.しかしながら,
ション理論によって説明されている9,16,17).
ABS 複合材料に比べ,アクリル複合材料の閾値は低下し,
銅粉末含有体積率が 15.0±1.0 vol Cu 以下では,試料の
銅粉末添加量を 4.0 vol 程度,減量しても,高導電性を示
先端から終端まで銅粉末同士が導電する程度に接する確率が
すことが明らかになった.これは,銅粉末と溶媒処理中のア
低く,電流は流れにくい.すなわち,Fig. 7 の組織観察像よ
クリル樹脂の濡れ性が溶媒処理中の ABS 樹脂より低い場
り, 14 vol  Cu 以下の試料では導体である銅粉末が主に孤
合,銅粉末の偏析が起こりやすくなり,銅粉の導電経路が容
立,もしくは隣り合った粉末と容易に導電する程度に接し合
易に形成されるので閾値が低下すると説明した.
わず,導電しにくく,導電性が低い材料となる.
さらに,Fig. 9 にアルミニウム粉末を分散させたアクリル
一方,銅粉末含有体積率が 16 vol Cu 以上の試料では,
樹脂(PMMAAl)9)に関する電気伝導率 s と金属粉末含有体
銅粉末が主に孤立,もしくは隣り合った粉末と導電する程度
積率 VM の関係も示す.同種高分子材料であっても金属の種
に接し合い,小さなクラスターが存在している.さらに,導
類が異なる場合において,本研究と同様の結果が得られてい
体のクラスターが試料の先端から終端まで導電する程度に接
る.しかしながら,アルミニウムに比べ,銅粉末の閾値は低
しているように存在9) するので,導電する可能性が高い.
下し,金属粉末を 4.0 vol 少なくても,高導電性を示すこ
109
オーダーの電気伝導
とが明らかになった.これは,溶媒処理中のアクリル樹脂と
率の変化が見られ,この閾値以上の 16 vol  Cu 試料の組織
銅粉の濡れ性が,不導体膜を容易に形成するアルミニウム粉
観察像では,銅粉末同士が接し合い,多くの大きな導体クラ
より低いので,銅粉末の方に偏在が起こりやすくなる可能性
スターが存在し,接し合うことにより,導電性の高い材料と
が高く,銅粉末の導電経路が容易に形成されるので閾値が低
Fig. 9 より, 15.0 ± 1.0 vol  Cu で
下すると説明した.
結
5.
言
本研究では,溶媒キャスト法を用いて,銅粉末分散型アク
リル樹脂の作製に成功した.


その結果, 15.0 ± 1.0 vol  Cu において,試料の電気
伝導率が 109 オーダーの急激な変化を見出した.


ABS 複合材料に比べ,アクリル複合材料の閾値は低
下し,銅を 4.0 vol 程度減量しても,高導電性を示すこと
が明らかになった.


アルミニウム粉末に比べ,銅粉添加はアクリル複合材
料の閾値は低下させ,金属粉を 4.0 vol 程度減量しても,
高導電性を示すことが明らかになった.


これは,パーコレーション理論で説明することが可能
である.つまり,溶媒キャスト法で作製した粒子分散型高分
子材料は,パーコレーション理論が適用できると結論付け
Fig. 9 Relation between metal additions (VM ) and conductivity (s ) of Cu powder dispersed PMMA resin (PMMACu),
together with Cu powder dispersed ABS (ABSCu)10,11) and Al
powder dispersed PMMA (PMMAAl)9).
た.本成形方法を用いて手軽に試料の成形を可能とすること
は,実験室的に容易に複合材料の試料を作製でき,特性評価
が可能であることを示している.さらに,アクリル樹脂だけ
11
第
号
溶媒キャスト法で作製した銅粉末分散アクリル樹脂の導電性
でなく,適切な溶媒さえ見つかれば,多くの高分子材料の成
形方法に応用できる可能性も秘めている.
本研究を遂行する上で,電気抵抗率測定のご指導を賜っ
た,東海大学工学部電気電子工学科の太田洋技師に感謝の意
を示す.
文
献
D. K. Thomas: Plastics Rubber Inter. 8(1983) 5357.
M. B. Dowell: Plastics Eng. 33(1977) 3132.
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5) M. Kanda, K. Itou and Y. Nishi: J. Japan Inst. Metals 70(2006)
945949.
6) K. Itou, M. Kanda and Y. Nishi: J. Japan Inst. Metals 70(2006)
1)
2)
3)
4)
717
940944.
7) M. Kanda, K. Itou and Y. Nishi: J. Japan Inst. Metals 71(2007)
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10) N. Kunikyo, M. Hirano, M. Kanda, Y. Ebihara and Y. Nishi: J.
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