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第 2 章 圏域の保健医療の現状

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第 2 章 圏域の保健医療の現状
第 1 部 総 論 第 2 章 圏域の保健医療の現状
第 2 章 圏域の保健医療の現状
第 1 節 地域特性
第
第
1 地理的条件
章
部
1 2
○ 当圏域は多摩地域の中央北部に位置し、立川市、昭島市、国分寺市、国立市、東大和市及び武
蔵村山市の 6 市で構成しています。圏域全体の面積は90.25km で、都全体の約 4 %を占めてお
2
り、多摩川北岸から狭山丘陵の間に広がる市街地、住宅地、都市近郊農地などが混在する比較的
自然が残された地域です。
○ 圏域西端は広大な米軍横田基地に隣接し、圏域南端を多摩川が東西に流れ、圏域北端には東京
都水道局が管理する「村山貯水池」、通称「多摩湖」があり、四季折々の自然環境に恵まれてい
るエリアです。圏域のほぼ中央には、武蔵野台地開墾の源となった玉川上水が東西に流れていま
す。
○ また、立川台地の形成期に多摩川が武蔵野台地を浸食してできた、高さ約 5 m から約16m の
国分寺崖線と呼ばれる浸食崖が、上流は武蔵村山市残堀付近から始まり、野川の東岸に沿って大
田区丸子橋付近まで続いています。
○ 圏域には、東京都府中市付近から国立市、立川市、武蔵村山市、瑞穂町、青梅市を過ぎて埼玉
県飯能市付近までの、総延長約21km にわたって武蔵野台地西部を縦走する立川断層があり、直
下型地震に対する備えが必要とされています。
2 道路・交通
○ 鉄道は、JR 中央線・青梅線が圏域の南部をほぼ東西に横断し、JR 南武線が立川駅から川崎駅
までを縦に結んでいます。また、JR 中央線・青梅線と南北に交差する形で、東部を JR 武蔵野線
が、西南端部を JR 八高線が通っています。圏域の北部中央部には西武拝島線が東西に走ってお
り、JR と同様に都心部への通勤通学に利用されています。JR 国分寺駅は西武国分寺線及び西武
多摩湖線の起点駅ともなっており、JR 西国分寺駅も JR 中央線と JR 武蔵野線が交差する駅であ
り、ともに多くの乗降客に利用されています。
○ 平成10年11月、圏域北部に位置する上北台駅と立川北駅間に多摩都市モノレール線(呼称は
「多摩モノレール」)が開通し、平成12年 1 月には多摩センター駅まで延伸し、16km にわたって
多摩地域を南北に結ぶ通勤通学の足となっています。
4
第 1 部 総 論 第 2 章 圏域の保健医療の現状
○ 国土交通省の「都市計画年報」によると、平成22年度末の JR 立川駅の乗降客数は、 1 日31万
人を超えています。立川市は、立川駅周辺の再開発等を機に、商業施設や業務施設など都市機能
の集積が進み、多摩地域の中核都市となっています。
○ 道路は、圏域の北部を東西に新青梅街道及び青梅街道、中央部を東西に五日市街道、南端に
沿って甲州街道・新奥多摩街道及び奥多摩街道が通っており、これら幹線道路を中心に道路網が
第
第
整備されています。
章
部
1 2
国分寺駅
多摩立川保健所
5
第 1 部 総 論 第 2 章 圏域の保健医療の現状
第 2 節 人口の状況
1 人口構造と将来予測
第
第
○ 平成25年 1 月 1 日現在、住民基本台帳による圏域の人口
1)
は、641,116人で、これは都全体の
約4.8%を占めています。年齢区分別人口の構成割合では、圏域の年少人口( 0 歳から14歳まで)
章
部
1 2
及び老年人口(65歳以上)は、それぞれ13.0%、21.4%で、都の11.7%、21.0%を若干上回って
います。
圏域市人口の年齢構成
年少人口(14歳以下)
生産年齢人口(15歳∼64歳)
老 年 人 口(65歳以上)
東京都
11.7%
67.3%
21.0%
圏域
13.0%
65.6%
21.4%
立川市
12.7%
65.8%
21.5%
昭島市
12.9%
65.2%
21.9%
国分寺市
12.2%
67.6%
20.2%
国立市
12.0%
67.7%
20.3%
東大和市
13.9%
武蔵村山市
15.3%
0
63.1%
10
23.0%
62.9%
20
30
40
21.8%
50
60
70
80
%
90
100
出典:東京都総務局「住民基本台帳による東京都の世帯と人口(平成25年1月)」
○ 国勢調査( 5 年ごとに実施)に基づく将来人口推計
2)
によると、都の総人口は平成32年まで
増加しますが、圏域の総人口は平成27年にピークを迎え、その後、減少に転じる見込みです。
圏域人口の将来推計と増減率
千人
700
100.0%
101.3%
101.5%
100.9%
600
500
100.0%
100.3%
99.7%
%
110
98.3%
99.4%
96.3%
97.3%
93.2%
100
90
400
300
641千人
643千人
639千人
617千人
80
598千人
70
圏域総人口
200
東京都増減率
60
圏域増減率
100
0
630千人
平成22年
平成27年
平成32年
平成37年
平成42年
平成47年
0
出典:東京都総務局「男女年齢(5歳階級)別人口の予測(平成25年3月公表)」
1 ) 住民基本台帳人口:外国人登録制度が廃止され、平成24年 7 月 9 日より外国人住民も住民基本台帳制度の対象
となる法改正があったため、平成24年 8 月 1 日から集計方法が変更になった。
2 ) 将来人口推計:都の人口(推計)は、平成22年10月 1 日現在の国勢調査人口(確定値)を基準とし、これに毎
月の住民基本台帳等の増減数を加えて推計
6
第 1 部 総 論 第 2 章 圏域の保健医療の現状
○ 全人口に占める老年人口の割合(高齢化率)は、平成22年の国勢調査確定数値では、圏域
20.5%、都20.4%とほぼ同程度ですが、その後は、他の多摩地域市部と同様、都全体の高齢化の
進行よりも早く、平成47年には31.6%と都の28.9%よりも、2.7ポイント高くなると推測されてい
ます。
圏域人口の高齢化率の将来推計
%
35
20
15
20.5%
20.4%
23.0%
25.7%
26.7%
24.0%
24.6%
28.9%
東京都
10
1 2
章
部
25
24.0%
第
第
30
31.6%
28.7%
26.2%
圏域
5
0
平成22年
平成27年
平成32年
平成37年
平成42年
平成47年
出典:東京都総務局「男女年齢(5歳階級)別人口の予測(平成25年3月公表)」
○ 圏域の老年人口に占める後期高齢者(75歳以上)の割合は、平成32年に前期高齢者(65歳から
74歳まで)の割合を上回り51.4%となり、平成37年以降10万人前後で推移する見込みです。
圏域の老年人口に占める後期高齢者人口割合の将来推計
千人
%
70
120
58.4%
60
52.0%
50
40
46.0%
43.8%
47.4%
56.4%
51.4%
85千人
98千人
102千人
58千人
平成22年
80
101千人
60
40
圏域75歳以上人口
東京都
圏域
平成27年
平成32年
100
51.5%
71千人
10
0
53.3%
46.2%
30
20
58.2%
57.5%
平成37年
20
平成42年
平成47年
0
出典:東京都総務局「男女年齢(5歳階級)別人口の予測(平成25年3月公表)」
7
第 1 部 総 論 第 2 章 圏域の保健医療の現状
2 世帯数
○ 圏域の一般世帯数は、平成22年の国勢調査では約28万世帯ですが、総人口が平成27年以降減少
に転じても、世帯数はほぼ横ばいで推移する見込みです。世帯主が65歳以上の単独世帯数は増加
を続け、平成37年には約 3 万 9 千世帯となり、一般総世帯数の約13.9%を占めるものと推測され
第
第
ています。圏域の高齢者単独世帯数の割合は、全国及び都と比較して高い状況です。
一般世帯に占める世帯主が65歳以上の単独世帯の割合(推計)
章
部
1 2
平成22年
平成37年
全 国
9.2%
13.4%
300,000
東
都
9.8%
13.7%
250,000
北多摩西部
京
圏域の一般世帯数の将来推計
世帯
8.9%
13.9%
立川市
9.3%
14.4%
昭島市
9.3%
14.3%
150,000
国分寺市
7.8%
12.0%
100,000
国立市
9.2%
14.7%
東大和市
9.3%
14.9%
武蔵村山市
8.5%
13.8%
281,764
281,759
280,667
279,979
200,000
一般世帯数
うち、世帯主が65歳以上の単独世帯数
50,000
0
25,094
34,260
37,593
38,972
平成22年
平成27年
平成32年
平成37年
注)表中の「一般世帯」には「施設等の世帯」を含まない。
出典:平成22年については、国勢調査の結果に基づく。平成27年、平成32年及び平成37年については、全国は国立社会保障・
人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(平成25年 1 月)、都及び市については、東京都総務局「東京都世帯数の予測」
(平成21年 3 月)
3 出生・死亡
○ 東京都人口動態統計(平成24年10月公表)によると、圏域の平成23年の出生数は5,191人で、
人口千対出生率は8.1と全国の8.3及び都の8.2より低い状況です。また、同年の合計特殊出生率
1)
は1.25であり、全国の1.39より低く、都の1.06よりは高い状況です。
○ 圏域の平成23年の死亡数は4,937人で、人口千対死亡率は7.7となっており、高齢化に伴い増加
傾向にあります。
圏域の人口千対出生率・死亡率の推移
10
9
9.1
8.7
8.8
8.4
8.5
8.6
8.7
6.8
6.9
7.1
6.3
6.9
6.4 8.3
8.4
8.1
7.6
7.7
22
23
8
7
6
5
6.3
7.2
4
3
東京都 死亡率
圏域 死亡率
2
東京都 出生率
圏域 出生率
1
0
平成 14
15
16
17
18
19
20
21
年
出典:東京都福祉保健局「人口動態統計」
1 ) 合計特殊出生率:15歳から49歳までの女子の年齢階級別出生率を合計したもの。一人の女性がその年齢別出生
率で一生の間に産むとした時の子供の数に相当する。
8
第 1 部 総 論 第 2 章 圏域の保健医療の現状
4 平均寿命・健康寿命
○ 厚生労働省の平成22年生命表によると、都民の平均寿命は、男性79.8歳、女性86.4歳であり、
昭和45年と比べて、男女ともに約10年延びており、圏域各市もほぼ同様の状況です。
第
第
○ 厚生労働省は、「健康日本21(第2次)」において、平均寿命の更なる延伸とともに、健康寿
活が制限されることなく生活できる期間をいい、その算出方法にはいくつかあります。「東京都
健康推進プラン21」では、「東京都保健所長会方式」を採用し、65歳の人が何らかの障害のた
めに介護保険の要介護認定を受ける年齢を平均的に表す65歳健康寿命を指標としています。
○ 下のグラフは、要介護 2 以上で算出した平成23年における都及び圏域各市の65歳健康寿命で
す。圏域の平均65歳健康寿命は、男性82.4歳、女性85.2歳であり、都の平均と同程度又は若干上
回っている状況です。
平成23年の圏域各市の65歳健康寿命(要介護2以上)
歳
89
87
85.1歳
85.2歳
85.3歳
85
84.6歳
85.8歳
85.5歳
85.2歳
85.0歳
83
81
79
77
82.0歳
82.4歳
82.2歳
81.9歳
83.0歳
82.9歳
82.6歳
81.9歳
75
73
男性
71
女性
69
67
0
東京都
圏域
立川市
昭島市
国分寺市
国立市
東大和市
武蔵村山市
【算出基礎資料】
① 人口については、東京都総務局「住民基本台帳による東京都の世帯と人口」(平成23年1月1日現在)より
② 死亡数については、東京都福祉保健局「平成23年人口動態統計」(平成24年10月公表)より
③ 要介護認定者数については、各市介護保険主管課資料「介護保険認定者数(性別・年齢階級(5歳刻み)別・
要介護区分別)」(平成23年中分)より
④ 65歳平均余命については、厚生労働省大臣官房統計情報部「全国生命表(平成23年簡易生命表(男・女))」
より
9
1 2
章
部
命の延伸とその地域間格差の縮小を目標に掲げています。健康寿命とは、健康上の理由で日常生
第 1 部 総 論 第 2 章 圏域の保健医療の現状
5 主要死因別死亡割合及び標準化死亡比
1)
○ 人口動態統計に基づく圏域の平成23年主要死因別死亡割合は、悪性新生物が31.5%、心疾患
(高血圧性を除く。)が13.1%、肺炎が10.4%、脳血管疾患が9.2%であり、上位 4 疾患で死因の
64.2%を占めています。
第
第
圏域の主要死因別死亡割合(平成23年)
章
部
1 2
悪性新生物
31.5%
21.8%
心疾患
(高血圧性を除く)
肺炎
脳血管疾患
1.2%
老 衰
1.2%
自 殺
1.4%
不慮の事故
1.6%
腎不全
2.0%
肝疾患
2.5%
4.1%
糖尿病
13.1%
9.2%
10.4%
慢性閉塞性肺疾患
その他
出典:東京都福祉保健局「平成23年人口動態統計」
○ 都を100とした場合の平成22年の圏域の主要疾患別標準化死亡比では、女性の子宮がん、男性
の肺がん及び女性の脳血管疾患が都標準よりも10ポイント以上下回っていますが、女性の乳がん
については112.2と高い状況です。
東京都を100とした場合の圏域の主要疾患別標準化死亡比(平成22年)
120
100
女 105.1
女 106.6
男 99.6
男 97.5
女 112.2
男 101.1
女 95.2
女 89.2
男 83.5
80
女 101.5
男 99.0
女 77.7
60
40
20
0
胃がん
大腸がん
肺がん
乳がん
子宮がん
心疾患
脳血管疾患
出典:東京都福祉保健局調べ
1 ) 標準化死亡比(SMR:Standardised Mortality Ratio):年齢調整死亡率と同様、年齢構成の差による影響を除
き、死亡率を他の集団と比較することができるよう調整した指標で、対象集団(北多摩西部圏域)の各年齢人
口が、基準集団(ここでは東京都)と同じ死亡率で死亡したと仮定して計算される期待死亡数の和と、対象集
団で実際に死亡した数の比。この値が100より高い場合は、標準より死亡率が高いと判断される。
10
第 1 部 総 論 第 2 章 圏域の保健医療の現状
第 3 節 保健医療資源の状況
1 保健医療圏と基準病床数
第
第
( 1 )保健医療圏
章
部
1 2
○ 保健医療圏とは、医療法に定める医療圏を踏まえ、保健医療資源の適正な配置と医療機関相互
の機能分担と連携による医療提供体制の体系化を図るため、都が設定した地域単位です。平成元
年 2 月、都は、「東京都保健医療計画」において、一次、二次及び三次の保健医療圏を設定し、
疾病の発症予防・早期発見から治療・リハビリテーション・介護までの総合的な保健医療提供体
制の構築を推進していくこととしました。
○ 一次保健医療圏は、地域住民の日常生活を支える健康相談、健康管理、疾病予防や頻度の高い
一般的な傷病の治療など、住民に密着した保健医療サービスを、福祉サービスと一体となって総
合的、継続的に提供していく上での最も基礎的な圏域であり、その体制の整備を図るための地域
的単位として、区市町村の区域が位置づけられています。
平成 9 年 4 月の地域保健法の全面施行以来、平成12年 4 月の介護保険制度の導入、平成18年 4
月の改正介護保険法に基づく地域包括支援センターの設置など、保健・医療・福祉の分野では住
民に身近な区市町村を単位としたきめ細やかなサービスの提供体制の整備が進んでいます。
また、近年、医療ニーズの高い在宅療養患者が増加していることから、二次医療圏・三次医療
圏の医療サービスと区市町村の介護・障害福祉サービス等とのネットワークによる在宅療養環境
の整備が一次保健医療圏の新たな課題となっています。
○ 二次保健医療圏は、原則として、特殊な医療を除く一般的な医療ニーズに対応するために設定
する区域で、基本的に入院医療を圏域内で確保するとともに、医療機関の機能連携による医療
サービスと広域的・専門的な保健サービスとの連携等により、住民に包括的な保健医療サービス
を提供するための区域です。
二次保健医療圏は、医療法第30条の 4 第 2 項第 9 号の規定に基づき、主として病院の病床及び
診療所の病床の整備を図るべき地域単位として設定する医療計画上の医療圏でもあります。
都内には13の二次保健医療圏があり、多摩地域は、当圏域を含む 5 つの二次保健医療圏で構成
されています。
○ 三次保健医療圏は、一次保健医療圏及び二次保健医療圏の連携のもとに、高度・特殊な専門医
療を確保するとともに、都全域での広域的な対応が必要な保健医療サービスを提供するための圏
域です。三次保健医療圏は、医療法第30条の 4 第 2 項第10号の規定に基づき、特殊な医療などを
提供する病院の病床確保を図るべき地域的単位として設定する医療計画上の区域でもあり、都道
府県を単位として設定することが定められています。
11
第 1 部 総 論 第 2 章 圏域の保健医療の現状
第
第
章
部
1 2
二次保健医療圏
構
成
区
市
町
村
人口
(人)
区 中 央 部
千代田区、中央区、港区、文京区、台東区
63.55
757,562
区
品川区、大田区
82.18
1,058,675
区 西 南 部
目黒区、世田谷区、渋谷区
87.89
1,349,960
区
新宿区、中野区、杉並区
67.84
1,190,628
113.93
1,872,170
98.24
1,329,308
南
西
部
部
区 西 北 部
豊島区、北区、板橋区、練馬区
区 東 北 部
荒川区、足立区、葛飾区
区
東
部
墨田区、江東区、江戸川区
103.55
1,387,392
西
多
摩
青梅市、福生市、羽村市、あきる野市、瑞穂町、
日の出町、檜原村、奥多摩町
572.71
395,785
南
多
摩
八王子市、町田市、日野市、多摩市、稲城市
324.52
1,419,575
北 多 摩 西 部
立川市、昭島市、国分寺市、国立市、東大和市、
武蔵村山市
90.25
641,246
北 多 摩 南 部
武蔵野市、三鷹市、府中市、調布市、小金井市、
狛江市
95.82
1,001,519
北 多 摩 北 部
小平市、東村山市、清瀬市、東久留米市、西東京市
76.59
727,753
島
大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、
御蔵島村、八丈町、青ヶ島村、小笠原村
400.97
27,815
2,187.65
13,159,388
し
ょ
計
出典:総務省「国勢調査」(平成22年)
国土交通省国土地理院「平成22年全国都道府県市区町村別面積調」
12
面積
2
(km )
第 1 部 総 論 第 2 章 圏域の保健医療の現状
( 2 )基準病床数
○ 基準病床数制度は、病床の適正配置の促進と適切な入院医療の確保を目的に、病床整備の基準
として、医療法第30条の 4 第 2 項第11号の規定に基づき、病床の種類ごとに定められます。療養
病床及び一般病床は二次医療圏ごとに、精神病床、感染症病床及び結核病床は三次医療圏ごとに
定められ、既存病床が基準病床を超える地域では、病院・有床診療所の開設・増床は、原則とし
第
第
てできません。
感染症病床、結核病床の基準病床数を次のとおり定めています。
療養病床及び一般病床
保健医療圏名
(床)
基準病床数
(参考)既存病床数
区中央部
5,258
13,703
区南部
8,091
7,931
区西南部
9,847
9,529
区西部
10,548
10,538
区西北部
14,218
13,845
区東北部
9,617
9,157
区東部
8,329
8,039
西多摩
3,017
4,121
南多摩
10,144
10,016
北多摩西部
3,844
4,227
北多摩南部
7,285
7,476
北多摩北部
5,252
5,478
177
80
95,627
104,140
島しょ
計
注)既存病床数 平成24年10月 1 日現在
出典:都保健医療計画(平成25年 3 月改定)
その他の病床
区 域
東京都全域
(床)
病床区分
基準病床数
(参考)既存病床数
精神病床
21,956
23,221
結核病床
398
563
感染症病床
130
124
注)既存病床数 平成24年10月 1 日現在
出典:都保健医療計画(平成25年 3 月改定)
13
1 2
章
部
○ 都保健医療計画においては、医療法施行規則等に基づき、療養病床及び一般病床、精神病床、
第 1 部 総 論 第 2 章 圏域の保健医療の現状
2 保健医療施設の状況
( 1 )病院・病院病床数
病 院
第
第
○ 圏域には、大規模な病院から小規模で専門的な医療に特化した病院まで、平成24年10月現在、
24の病院があり、その多くは民間病院です。慢性疾患を抱える高齢者等の療養を対象とする小規
章
部
1 2
模な病院や特定の疾患に対する専門医療を提供する病院など多岐にわたります。
○ 病院機能連携の拠点となる地域医療支援病院
1)
としては、国家公務員共済組合連合会立川病
院(以下「共済立川病院」という。)と独立行政法人国立病院機構災害医療センター(以下「災
害医療センター」という。)の 2 病院があります。
○ 救急病院
2)
は、平成25年 4 月現在、圏域に14病院あり、災害拠点病院
3)
としては、災害医療
センター及び社会医療法人財団大和会東大和病院(以下「東大和病院」という。)があります。
立川広域防災基地に位置する災害医療センターは、東日本地域における広域災害医療の基幹施設
でもあり、国内の災害時における初期医療班の派遣、重症患者等の収容及び広域搬送や外来患者
の診療を行うとともに、外国の災害時にも医療従事者を派遣し、国際医療協力を行うこととされ
ています。
○ 地域リハビリテーション支援センター
4)
としては、独立行政法人国立病院機構村山医療セン
ター(以下「村山医療センター」という。)が、認知症疾患医療センター
病院
5)
及びエイズ診療拠点
6)
としては共済立川病院がそれぞれ指定を受けています。
1 ) 地域医療支援病院:かかりつけ医やかかりつけ歯科医等を支援し、効率的な医療提供体制の構築を図る上での
拠点としての機能を担う医療機関。地域医療支援病院は、患者紹介率や医療機器等の共同利用など医療法等に
定める一定の要件を満たすことが必要であり、都道府県知事又は保健所設置市長が名称使用を承認する。
2 ) 救急病院(・救急診療所):事故その他の理由による傷病者のうち、救急隊が緊急に搬送する必要があるもの
について、収容及び治療を行う医療機関。医療機関からの申出に基づいて知事が認定し、告示する。認定期間
は 3 年で、更新制をとっている。
3 ) 災害拠点病院:災害発生後、通常の医療体制では医療の確保が困難となった場合、傷病者の受け入れや医療救
護班の派遣等を行う災害時の医療救護活動の拠点となる医療機関。厚生労働省の示す指定要件に基づき都道府
県が指定する。
4 ) 地域リハビリテーション支援センター:地域におけるリハビリテーションの拠点として、都が二次保健医療圏
(島しょを除く)ごとに 1 か所指定。地域のリハビリ医療従事者の人材育成や関係機関への相談支援などを行
う。
5 ) 認知症疾患医療センター:医療・介護機関等と連携し、鑑別診断、急性期医療及び専門医療相談等を実施する
とともに、関係者への研修等を行う地域の認知症疾患医療の中核機関として、都が指定。平成24年 4 月に都内
10か所で運営を開始した。
6 ) エイズ診療拠点病院:エイズに関する総合的かつ高度な医療を提供する病院。都では、エイズ診療体制の中核
医療機関として「エイズ診療拠点病院」と「エイズ診療連携病院」を指定。エイズ診療連携病院は、エイズ診
療拠点病院と連携して、精神科、小児科、歯科等の専門分野における高度な医療を提供する。「エイズ診療拠
点病院」と「エイズ診療連携病院」を総称して「エイズ診療協力病院」としている。
14
第 1 部 総 論 第 2 章 圏域の保健医療の現状
○ 圏域のがん医療については、災害医療センターが東京都認定がん診療病院
けており、地域がん診療連携拠点病院
2)
1)
として認定を受
については、日本赤十字社東京都支部武蔵野赤十字病
院(以下「武蔵野赤十字病院」という。)(武蔵野市)、杏林大学医学部付属病院(三鷹市)及び
都立多摩総合医療センター(府中市)の 3 病院が北多摩南部保健医療圏及び当圏域を担当区域と
して、国の指定を受けています。地域における連携を図りつつ、質の高いがん医療を受けられる
体制になっています。
第
第
3)
として災害医療センター、共済立川病院、東大和病院、社
会医療法人社団健生会立川相互病院(以下「立川相互病院」という。)及び医療法人徳洲会東京
西徳洲会病院の 5 病院が指定されています。
○ 圏域には精神科病院と結核療養所がないため、隣接医療圏の病院等との連携強化が必要となっ
ています。
圏域の病院設置状況
区 分
一般病院
(所)
圏域
東京都
24
592
精神科病院(注 1 )
0
51
結核療養所(注 2 )
0
0
2
18
(再掲)救急告示病院
14
306
(再掲)療養病床を有する病院
11
238
(再掲)地域医療支援病院
出典:厚生労働省「医療施設調査(平成23年10月 1 日現在)」(平成24年11月公表)
注 1 )精神科病院:精神科病床のみを有する病院
注 2 )結核療養所:結核病床のみを有する病院
1 ) 東京都認定がん診療病院:都民に高度ながん医療を提供するため、国が指定するがん診療連携拠点病院と同等
の高度な診療機能を有する病院について都が認定。平成24年 3 月現在10か所
2 ) がん診療連携拠点病院:専門的ながん医療の提供等を行う医療機関の整備を図るとともに、がん診療の連携協
力体制の整備を図るほか、がん患者に対する相談支援及び情報提供を行う。都道府県がん診療連携拠点病院は
都道府県に 1 か所、地域がん診療連携拠点病院は二次保健医療圏に 1 か所を目安に、都道府県の推薦に基づき
国が指定。東京都には、2 か所の都道府県がん診療連携拠点病院と22か所の地域がん診療連携拠点病院がある。
3 ) 臨床研修指定病院:医学部を卒業し、医師免許を取得した医師(研修医)が卒後 2 年間、基本的な手技、知識
(初期研修)を身につけるため籍を置き、臨床医としての経験を積む場を提供する病院。厚生労働省の審査を
受け、指定を受けた病院のみが研修医と雇用契約を結ぶことができる。
15
1 2
章
部
○ また、医師の臨床研修指定病院
第 1 部 総 論 第 2 章 圏域の保健医療の現状
病院病床数
○ 平成23年10月 1 日現在の医療施設調査(静態調査)によると、圏域の病院病床数は4,270床で
あり、人口10万人当たり病床数では665.9床と都の968.0床を大きく下回っています。
区 分
病 床 数
圏域
第
第
病院病床総数
章
部
1 2
人口10万対病床数
(床)
東京都
圏域
東京都
4,270
127,380
665.9
968.0
一般病床
3,292
81,971
513.4
622.9
療養病床
909
20,947
141.8
159.2
精神病床
63
23,679
9.8
179.9
結核病床
0
638
0.0
4.8
感染症病床
6
145
0.9
1.1
出典:病院病床数は厚生労働省「医療施設調査(静態調査)」(平成23年10月 1 日現在)
注)人口10万対病床数の算出基準となる人口は、総務省「国勢調査(平成22年10月 1 日現在)」を使用
( 2 )一般診療所・歯科診療所・薬局・訪問看護ステーション
○ 人口10万人当たりで見ると、圏域の一般診療所、歯科診療所の設置数は、いずれも都を下回っ
ています。
区 分
設置数
圏域
一般診療所
(再掲)有床診療所
歯科診療所
(再掲)有床歯科診療所
人口10万対設置数
(所)
東京都
圏域
東京都
486
12,612
75.8
95.8
19
536
3.0
4.1
389
10,570
60.7
80.3
0
2
0.0
0.0
出典:設置数は厚生労働省「医療施設調査(静態調査)」(平成23年10月 1 日現在)
注)人口10万対設置数の算出基準となる人口は、総務省「国勢調査(平成22年10月 1 日現在)」を使用
○ 圏域の薬局数は273か所、訪問看護ステーション数は31か所です。
(所)
区 分
圏域
東京都
薬局
(平成24年 3 月31日現在)
273
6,178
訪問看護ステーション
(平成24年 6 月 1 日現在)
31
610
出典:薬局数は東京都福祉保健局「福祉 ・ 衛生統計年報(平成23年度)」
訪問看護ステーション数は東京都福祉保健局「医療機関名簿 平成24年」
16
第 1 部 総 論 第 2 章 圏域の保健医療の現状
( 3 )保健施設の状況
○ 多摩地域の都保健所の再編整備により、平成16年 4 月に村山大和保健所を多摩立川保健所に統
合し、二次保健医療圏に 1 保健所の現行体制が整備されました。
○ 圏域では、各市が設置する保健センター及び健康会館等が計 9 か所設置されており、健康相
第
第
談、健康診査など住民に身近な保健サービスを提供しています。
章
部
1 2
( 4 )高齢者福祉施設等
○ 平成12年 4 月にスタートした介護保険制度は、住民の生活を支える仕組みとして定着してきま
した。
○ 高齢者福祉施設の整備状況について65歳以上の人口10万人当たりの施設数及び定員数で見る
と、
「介護老人福祉施設」「介護老人保健施設」の施設数及び定員数、
「認知症高齢者グループホー
ム」の施設数はいずれも圏域が都を上回っていますが、その他の施設はいずれも都を下回ってい
ます。
○ 認知症高齢者が家庭的な環境の中で介護や日常生活上の世話を受けられる「認知症高齢者グ
ループホーム」の整備が進められており、また、介護療養型医療施設は、平成29年度末に廃止予
定で、今後介護老人保健施設等への転換等が検討されています。
区 分
介護老人福祉施設
介護老人保健施設
介護療養型医療施設
認知症高齢者グループ
ホーム
特定施設(注 2 )
圏域
65歳以上人口10万対(注 1 )
東京都
圏域
東京都
施設数(所)
24
432
18.3
16.4
定員数(人)
2,127
38,476
1,623.4
1,461.1
施設数(所)
12
174
9.2
6.6
定員数(人)
1,369
18,687
1,044.8
709.6
施設数(所)
2
73
1.5
2.8
定員数(人)
68
5,933
51.9
225.3
施設数(所)
27
460
20.6
17.5
定員数(人)
327
7,420
249.6
281.8
施設数(所)
26
527
19.8
20.0
定員数(人)
1,309
34,174
999.0
1,297.8
出典:東京都福祉保健局調べ(平成24年10月現在)
注 1 )65歳以上人口10万対施設数及び定員数の算出基準となる人口は、東京都総務局「住民基本台帳による東京都の世帯と
人口」(平成24年 1 月 1 日現在)を使用
注 2 )
「特定施設」の内訳:有料老人ホーム、軽費老人ホーム、養護老人ホームのうち介護専用型特定施設又は混合型特定
施設として介護保険(特定施設入居者生活介護)の指定を受けた施設
17
第 1 部 総 論 第 2 章 圏域の保健医療の現状
3 保健医療従事者の状況
○ 圏域の人口10万人当たりの保健医療従事者数は、理学療法士及び言語聴覚士を除く職種で都を
下回っています。
第
第
区 分
医
章
部
1 2
歯
科
医
圏域
(人)
人口10万対
東京都
(人)
人口10万対
師
1,320
205.9
44,435
337.7
師
593
92.5
17,386
132.1
24.1
5,288
40.2
薬
剤
師
155
保
健
師
35
5.5
1,502
11.4
助
産
師
92
14.4
3,194
24.3
看
護
師
2,905
453.0
74,982
569.8
師
468
73.0
12,340
93.8
准
看
護
歯
科
衛
生
士
480
74.8
11,382
86.5
歯
科
技
工
士
30
4.7
1,076
8.2
理
学
療
法
士
242
37.8
4,638
35.2
作
業
療
法
士
116
18.1
2,391
18.2
言
語
聴
覚
士
42
6.6
834
6.3
診療放射線技師
192
29.9
5,619
42.7
診療エックス線技師
10
1.5
235
1.8
臨 床 検 査 技 師
256
39.9
8,152
61.9
士
47
7.3
1,532
11.6
士
34
5.2
1,210
9.2
管
理
栄
栄
養
養
出典:厚生労働省「医療施設調査(静態調査)・病院報告」(平成23年10月 1 日現在)
注)人口10万対従事者数の算出基準となる人口は、総務省「国勢調査(平成22年10月 1 日現在)」を使用
○ 圏域の保健医療従事者の数は、保健医療ニーズの増加とあいまって、歯科衛生士、診療放射線
技師を除くすべての職種において、増加傾向にあります。平成17年から平成23年にかけて、看護
師・准看護師は約1.7倍、薬剤師は約1.2倍、医師は約1.1倍の増加となっています。歯科医師は、
ほぼ横ばいです。
圏域の医療施設(病院・一般診療所・歯科診療所)における従事者の状況
4,000
人
3,000
2,500
2,012
2,000
1,500
1,000
500
0
1,180
医師
歯科医師
薬剤師
看護師・准看護師
1,239
1,320
575
613
593
142
154
155
平成17年
平成20年
出典:厚生労働省「医療施設調査(静態調査)・病院報告」
18
3,373
3,179
3,500
平成23年
第 1 部 総 論 第 2 章 圏域の保健医療の現状
第 4 節 受療状況
圏域の患者の流入・流出の状況
第
第
○ 患者調査(平成20年)による圏域における病院(入院)の受療割合をみると、流入患者割合
38.9%に対して流出患者割合53.2%と流出超過になっています。また、圏域住民の圏域内完結率
章
部
1 2
は46.8%と都全域の割合を下回っています。
圏域施設における圏域住民−圏域外住民の受療割合
(病院の推計入院患者)
北多摩西部
(3.6千人)
61.1%
38.9%
圏域住民
東京都全域
(103.5千人)
0
圏域外住民(流入患者割合)
54.9%
20
45.1%
40
60
80
%
100
出典:厚生労働省「患者調査」(平成20年)
圏域住民の圏域内−圏域外受療割合
(病院の推計入院患者)
北多摩西部
(4.7千人)
46.8%
53.2%
圏域内施設(域内完結率)
東京都全域
(103.9千人)
0
圏域外施設(流出患者割合)
54.7%
20
45.3%
40
60
80
%
100
出典:厚生労働省「患者調査」(平成20年)
19
第 1 部 総 論 第 2 章 圏域の保健医療の現状
疾病ごとの患者の流入・流出状況
○ 患者調査は 3 年ごとに実施され
圏域の主要傷病別流入流出状況(病院の推計入院患者)
ていますが、二次医療圏ごとの詳
100
%
細な分析は平成20年度の資料に基
第
第
づいています。
章
部
1 2
流入率
○ 入院患者の主要傷病別流入流出
状況をみると、全ての傷病につい
50
脳血管疾患
て流入・流出率とも50%以内に収
心疾患
束しています。
悪性新生物
糖尿病
0
高血圧性疾患
0
%
50
流出率
100
出典:厚生労働省「患者調査」(平成20年)
○ 同調査によると、圏域の住民が入院している病院の所在地は、疾患により以下のような特徴が
みられます。
がん(悪性新生物)については、圏域内の病院に入院している割合が50.8%、北多摩南部圏域
内が20.3%、特別区内が16.7%となっています。
脳血管疾患については、圏域内が50.0%、西多摩圏域内が19.3%、北多摩北部圏域内が8.3%と
なっています。
心疾患については、圏域内が58.6%、北多摩南部圏域内が20.3%、北多摩北部圏域内が5.9%、
特別区内が5.7%となっています。
糖尿病については、圏域内が64.0%、西多摩圏域内が13.8%、特別区内が10.7%となっていま
す。
圏域住民が入院している病院の所在地(圏域・疾病別)
北多摩西部
西多摩
南多摩
北多摩南部
北多摩北部
特別区
首都圏
他道府県
%
70
60
50
40
30
20
10
0
悪性新生物
脳血管疾患
出典:厚生労働省「患者調査」(平成20年)
20
心疾患
糖尿病
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