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4 - 中小企業魅力発信レポート

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4 - 中小企業魅力発信レポート
はじめに
株式会社 樹研工業の超微細プラスチック精密射出成形技術は世界
屈指のレベルです。
これまでに培った超微細プラスチック成形技術や小型成形機製造技
術、精密金型技術を活かして新たな技術開発や新製品開発に挑戦して
います。
精密プラスチック部品の成形を45年間続け、国内外を問わず世界の信用を
勝ち得てきました。また、小型成形機も自社開発し、どこにも真似ができない
精密小型射出成形機を世界の市場に供給しています。
今、新たな挑戦が始まっています。それは、プラスチック成形でのパウダー
ギヤに次ぐ、第2の「世界初」を目指しています。
JMW-017S-1.5t
超小型高速射出成形機(型締力:1.5 トン)
驚くなかれ、米粒の上に、
工業製品のギヤが乗っている
のです
株式会社 樹研工業 _________
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1.企業概要
商号
株式会社 樹研工業
代表取締役
松浦 元男
所在地
〒441-8003
愛知県豊橋市小向町北小向 1401-1
業種
プラスチック成形業、小型精密金型製造業、小型射出成形機製造業
資本金
7,900 万円
従業員数
71 名
売上高
約 30 億円(グループ連結)
連絡先
総務部長 中野 至
電話番号
TEL 0532-31-2061
ホームページ
http://www.juken.com/
【沿革】
1965 年 9 月
樹研工業を創業
1973 年 6 月
(株)樹研工業に改組 資本金 2,200 万円
2004 年 2 月
豊橋市にクリーン工場完成
2007 年 1 月
(有)樹研精密加工及び(有)ジュケンタイニーパーツを吸収合併し
資本金 7,900 万円に変更
【受賞歴】
1990 年 3 月
第 8 回豊橋科学技術賞
2003 年 6 月
日本設備管理学会 ものづくり大賞
2006 年 4 月
ISO14001:2004 認証取得
2006 年 9 月
経済産業省 元気なモノ作り中小企業 300 社表彰
2008 年 4 月
ISO9001:2008 取得(自己適合宣言)
"
中小企業魅力発信レポートとは、中小・小規模企業が必要な人材の確保等を行っていくために、魅力ある企業情報を
発信するレポートです。
株式会社 樹研工業 _________
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2.事業価値
微細プラスチック部品で世界一を目指す企業
ジュケン・ノーヘル賞
あくなき技術挑戦の風土
チームワークで課題に取り組む姿勢
社員の安心感・信頼関係
先見性のある投資
財務体質強化
年功序列制賃金
ZD活動
定年無し
3S活動
不良ゼロの維持
選手とレッスンプロ
コーチと選手
師弟関係
無試験入社・先着順採用
全員にチャンスを与える
ジュケンシステム構築
将来ビジョンの明示
管理技術の定着
人を大切にする企業
(株)樹研工業は、
「人を大切にする企業」です。人の価値を認め、思う存分能力が発揮できる
企業です。また、ユニークな「ジュケン・ノーヘル賞」は、2004 年から実施され社員や(株)
樹研工業にとって価値のある賞です。そして、微細プラスチック部品において世界一を目指し
ています。
株式会社 樹研工業 _________
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3.自社を取り巻く環境
1)樹脂製品の市場
デジカメ、時計、デバイス等の小型化及びコストダウンのため、金属部品に代わ
る微細プラスチック部品が急増しています。
・マイクロ成形品
・電子機器精密成形品
・光学品
・医療関連部品
2)小型射出成形機の市場
自社の精密部品を成形するために開発したものです。この高性能小型射出成形機
を自社製作し、世界の市場に販売しています。
また医療機器やマイクロマシン用の精密部品の小型化が加速しています。
クロスSWOT分析
■機会
・ 電子部品が微細化の方向
・ 微小プラスチック部品ができる
企業が非常に少ない
・ バイオ、光、医療分野で精密
部品が増えてきた
● 強み
・ 組織が非常に活性化
・ チームワークで開発
・ 人材豊富(定年無し)
・ 技術開発積極的
・ 自社で金型、成形機開発
・ 財務的な蓄積がある
● 弱み
・ 新分野に対する営業力が
若干弱い
■脅威
・ 中国の躍進、積極投資
・ 東南アジア諸国やインドの
台頭
強みを最大化し、機会に活かす
・ 新分野への積極参入
・ コアーコンピタンスの拡大
(専門領域拡大)
・ 新分野の早期事業化
・ 挑戦力の維持
強みに基づいて脅威に対処
・ 新技術開発力を更に高める
・ 帰属意識の高まり
弱みを補完して、機会を活かす
・ 異業種への積極営業
・ 展示会への積極出展
・ ジュケンシステム生産管理
強化
リスク回避
・ 汎用部品では競争しない
株式会社 樹研工業 _________
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4.ビジネスモデルと自社のこだわり(ビジネスフロー)
製品実現化プロセス
自社開発の小型精密成形機
(ジュケンマシンワークス)
受注
・国内
・海外
金型設計・製作
・小数個取り
・超高精度工作
機械使用
・自社生産
トライ・修正
・トライ成形
・精密測定
・金型修正
量産
出荷
・量産管理
・日々定期検査
・トレーサビリティ
精密プラスチック成形品の不良率ゼロを実現(ジュケンシステム)
精密部品の成形のみならず、自社で精密金型及び精密小型射出成形機を設計・製作していま
す。このため、成形部品に問題や課題があっても、すぐに対応できます。
また「ジュケンシステム」で長年の間、不良率ゼロを達成しています。
株式会社 樹研工業 _________
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4.ビジネスモデルと自社のこだわり(ジュケンシステムとは)
ドキュメント管理
金型管理
ファイル
金型
トライ
ファイル
成形
成形品の生産工程
品質管理体制
受注
製品、金型仕様決定
J F T に よ る 金型設
計・コンサルティング
金型設計・製作
トライ
トライルーム
精密測定室
NG
OK
NG
金型修正
部品管理
ファイル
NG
部品
量産
量産管理
OK
量産サンプル保管
(3 ロット/日・・6 年間保管)
海外部品管理
出荷
ファイル
部品
海外にて量産品
ジュケンシステムは40年間以上、金型状況やトライ状況、量産品の履歴を全て保管・管理し
ています。このため、お客様から成形品の精度や履歴等のご質問があれば、すぐにお応えするこ
とができます。
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4.ビジネスモデルと自社のこだわり(狙うターゲット市場)
技術難易度(極大)
超マイクロ・
ローター等
駆動軸等
(リードスクリュー)
マイクロピン・
インサート部品等
フレネル・
レンズ等
ハスバギヤ、内歯車等
マイクロ流路等
パウダーギヤ等
部品のサイズ(極小)
部品のサイズ(小)
インシュレーター等
時計ギヤ部品等
狭ピッチ
コネクター等
時計部品等
技術難易度(大)
自社の得意分野
大型部品
微細精密部品
(自動車外観部品等)
(駆動系部品等)
プラスチック部品
雑モノ(日用雑貨品)
小型部品
(デジカメ等の外観部品)
競争相手のいない精密部品がメイン市場で、さらに進化させた最先端の超精密成形部品を目指
しています。当社は、精密プラスチック部品に関する技術提案型企業なのです。
株式会社 樹研工業 _________
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4.ビジネスモデルと自社のこだわり(世界最先端の技術を目指して)
バイオ、光、医療分野の
世界最先端技術開発を目指す
フライアイ・レンズ
世界初のパウダーギヤ
(光軸ピッチ 100μ)
(100 万分の1g)
超精密金型技術
パウダーギヤ金型
超精密成形技術
ナノ切削技術
超精密射出成形機・
設計製作技術
超精密射出成形機
世界の最先端を狙うには、「超精密金型技術」「超精密射出成形機技術」「超精密成形技術」の三
本柱が備わっていないと、挑戦できない世界なのです。
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4.ビジネスモデルと自社のこだわり(新技術開発の知的資産連鎖)
知的資産連鎖
知
的
資
産
の
連
鎖
フラット組織
定年無し
プロ意識醸成
年功序列賃金
チームワーク体制
新技術開発
プロジェクト体制
世界が顧客
不良ゼロ
精密分野に特化
自
社
生
金型設計・製作
高品質維持
ジュケンシステム
バイオ・光・医療分野への参入
無試験入社
先見性投資力
世界の精密顧客開拓
ユニークな人材育成
産
成形機設計・製作
今まで培った技術や技能を活かし、さらには社員の挑戦する気力を鼓吹し、世界初の新しい
技術開発に挑戦してきました。例えばパウダーギヤでは、あまりにも小さ過ぎて用途がありま
せん。しかし、この技術を聞きつけて世界各国の企業から、微細なプラスチック部品が舞い込
むことになったのです。
次は、ナノ切削技術を活かしたバイオや光、医療機器分野の超小型機器のプラスチック部品
です。精密機器分野から異業種の分野に参入し始めています。
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5.将来へ向けた価値創造とは
将来ビジョン
1)新技術挑戦目標
・世界最先端のバイオ、光デバイス、医療分野への挑戦
2)管理技術目標
・品質管理技術の高度化
組織力の KPI
技術力の KPI
システム力の KPI
・定着率
・高齢者(60 歳以上)人数
・定期昇給制度実施度合い
・従業員満足度
・新規雇用者数
・新技術開発件数
・技術データベース
・特許数
・ノウハウ件数
・研究開発費の比率
・不良率
・ZD 活動回数
・3S 活動回数
・納期遵守率
希望に満ちた企業風土
新技術開発精神が旺盛
ジュケンシステムの進化
(品質・生産管理システム)
組織力向上&組織活性化
微細加工への特化
人を大切にする経営哲学
技術データの蓄積
若年の採用
新技術挑戦
組織活性化(ISO
自己適合宣言)
定期昇給
人材の積極活用
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6.(株)樹研工業の人材育成方法とは
(株)樹研工業の人材育成は非常にユニークです。人材育成方針は、社長の信念
からきています。例えば、世間にあまり例がない「先着順採用」「無試験入社」で
す。なぜなら短時間の面接では、人物像が掴みきれないからです。
大多数の企業は60歳以上になると、勤めることができても賃金が下がります。
しかしながら(株)樹研工業は違います。定年制がなく、いつまでも働くことができ
ます。しかも60歳を過ぎても定期昇給があり、年齢給となっています。ボーナス
は業績によって支給の金額が異なってきますが、基本給は上がっていくのです。
人生60歳を過ぎてしまうと、大半は子供たちが大学などを卒業するため、親元
から一人立ちします。ですから、60歳を過ぎても勤めることが可能となれば、無
借金で家を建替えることができるのです。
また企業風土もオープンで、社員は言いたい放題です。しかし、相手の足を引っ
張るということはありません。このため、一つの問題や課題が発生すると一致団結
して解決に猪突猛進し、社員が生き生きとしているのです。
「派遣切り」なんてとんでもない発想です。(株)樹研工業は「他人の人生の幸せ
にどれだけ役に立ったか」という視点で経営を行っています。
さらに、社員の育成方法も特徴があり、入社時は「師弟関係」です。この時点で
は、一切文句を言わせません。しかし、スキルが上がってくると「コーチと選手」
の関係に変わります。野球選手をみれば分かるでしょう。選手がスランプに陥ると、
さりげなくアドバイスをするコーチ役なのです。さらに力量が上がると、
「選手とプ
ロレッスン」の関係となります。完全なプロ同士で勝負の闘いです。もはや師弟関
係ではありません。
このように、当社は大変自由でしかも規律が取れており、思う存分に仕事ができ
て、「社員を大切にする」魅力の溢れる会社なのです。
株式会社 樹研工業 _________
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