Comments
Transcript
NEWS Japan 30号 - 日本TMA 日本ターンアラウンド・マネジメント協会
NEWS Japan No.30 冬号 2012. 1. 25 Message ●米国の資本市場を活用した日本企業の 戦略的事業再生 年 頭にあたって ……バナードインターナショナル株式会社 代表取締役社長 /CEO 雪江 悟 2 稲村 榮典(いなむら えいてん) 日本 TMA 副理事長 アクタスアドバイザリー株式会社 代表取締役 / 公認会計士 INFORMATION Seminar ●日本 TMA 共催セミナー 第一部 基調講演 『債権法改正について』 〈講師〉村田・若槻法律事務所 弁護士 村田 雅夫 6 第二部 基調講演 『金融行政のパラダイムシフトと事業再生支 援者のこれからの役割』 〈講師〉地域共創ネットワーク株式会社 代表取締役 坂本 忠弘 7 TMAssist 2012 年のスケジュール 8 2011 年認定事業再生士(CTP) 9 Ceremony ● CTP 認定式 13 Event ●合同忘年会 14 SPO NSO RS 日本 T M A スポンサー 15 2012 年 1 月 25 日発行 ● 第 30 号 ● 季刊 発行所 特定非営利活動法人 日本ターンアラウンド・マネジメント協会 〒 160-0022 東京都新宿区新宿 1-7-1 新宿 171 ビル 7F TEL: 03-5269-2303 FAX: 03-5269-1482 E-mail: [email protected] URL: http://www.tmajapan.org 謹んで新年のお慶びを申し上げます。 リーマンショックから漸く日本経済にも陽光が差し込んできたとい う矢先に、東日本大震災による未曾有の人命と経済の喪失、そして、 想定外の福島原発放射能汚染による安心安全の日本ブランドの喪 失により、自然の威厳と人間の驕りについて考えさせられました。 そして世界を見渡せば、長い独裁政権が崩壊したアラブの春、ロー マ帝国以来のユーロ統一国家の財政危機、さらには、新興国のイ ンフレ抑制のための金融引締と、全世界が混乱に巻き込まれました。 迎えた 2013 年も、政治と経済の混乱が続くことが予想されます。 このような中で、日本 TMA は設立 8 年目を迎えます。例年の TMA 世界大会(開催地サンディエゴ)への参加に加え、昨年は初 めてアジアパシフィック大会(開催地台北)に参加し、諸国の事業 再生の研鑽と会員諸氏との友好を深めてきました。また、日本事 業再生士協会は設立 6 年目を迎えます。この間の CTP 合格者の 累計は 191 名に及び、ATP 合格者累計は 971 名に達しました。 事業再生に関する専門家の養成を図り、また、事業再生の専門家 が日本各地で中小企業の再建に積極的に貢献しております。 さて、昨年末に金融庁が金融円滑化法を再度 1 年間延長する法 案を通常国会に提出することが明らかになりました。帝国データバ ンクの報道によれば、約 30 万社が円滑化法の申請をしており、2 年間に 190 社の大多数は破産により倒産しています。製造業と建 設業の 2 業種が圧倒的で、破綻原因は販売不振、負債総額は 5 億円未満の零細企業です。また、 大震災による経営破綻は 360 社、 円高による倒産は 85 社で、これにはデリバティブによる破綻が半 分あります。今年は、円高により大手製造会社の生産海外移転が いよいよ本格化するときでもあり、下請け中小企業が販売不振に より破産するリスクが非常に高まっていると言えます。 TMA 会員諸氏におかれましては、一層の自己研鑽と事業再生に 向けてご活躍いただき、日本再生に貢献していただけますようお願 い申し上げます。 米国の資本市場を活用した 日本企業の戦略的事業再生 Bernardo International, Inc.(バナードインターナショナル株式会社) 代表取締役社長 /CEO 雪江 悟 はじめに 地理的な距離感とアジア圏という居心地の良さからか、最近の日本企業の国際化は中国、台湾、韓国やシ ンガポールと言ったアジア諸国との資本提携や、それらの諸国での株式公開をターゲットとしたものが多い と思います。そのような中、私たちバナードインターナショナルは米国の資本市場を再認識していただき、 そこに集まる潤沢な資金を活用して日本企業の事業再生や事業の活性化に役立てていただこうと活動をして います。世界の資本市場が混沌とする今こそ、世界の資金が集まる米国ともう一度真剣に付き合うときだと 考えています。なお、以下に説明させていただく内容は私が実際に実践したことであり、今後の事業再生に おける戦略の一つとしてお考えいただければ幸いです。 米国資本市場の特徴 その歴史的背景から、米国は証券取引法や会社法などの法的なことがどの国よりも整備されています。公 明正大で多くの事柄がオープンであるために、投資家にとって安心できる市場です。また、特許やデザイン 等の知的財産が保護され明確に権利化されていますので経営者にとっても安心です。それらの法律を熟知し ているプロフェショナルも多く、問題が発生してもスムーズに対処することが出来ます。 米国は富裕層が厚くエンジェル投資家などが多く存在し、また流動性が高い米国に世界の資金が集まる傾 向は今後も変わらないと予想されます。よって事業再生のための資金調達という点で、米国は理想的な国で す。中国等の共産圏では資金の国際間移動に際して多くの問題が発生していますが、米国においては国際間 の資金移動も、それが正当に処理されていれば問題なく実施できる点も重要なポイントだと考えられます。 またグーグル、フェースブック、アップル、インテル、マイクロソフトやクオルコムなどは米国から始まっ た世界企業でそれぞれの分野で新しい産業を生み出しています。米国はそれらを支える周辺企業も多く、そ れだけ事業機会が豊富だと考えられます。日本市場だけでなく世界市場を視野に入れた事業再生は今後ます ます重要になると考えられますが、そのときにどのように米国市場にアプローチするかは戦略的に極めて重 要になってきています。 米国の株式市場 NYSE と 呼 ば れ る ニ ュ ー ヨ ー ク 証 券 取 引 所 や AMEX ア メ リ カ ン 証 券 取 引 所、NASDAQ (National Association of Securities Dealers Automated Quotations ナスダック)などはここであえて説明する必要 は無いと思いますが、その下位市場である OTCBB 市場は日本において多くの誤解がありますのでここで 簡単に説明させていただきます。 OTCBB は Over-The-Counter Bulletin Board の略で、米国の証券業界の自主規制機関 FINRA(Financial 2 2012.1.25 Industry Regulatory Authority 金融取引業規制機構)が規制主体となり、NASDAQ OMX 社(NASDAQ の運営母体)が提供するコンピューターオンラインシステムを用い、マーケットメーカーと呼ばれる取引仲介 業者により報告される登録銘柄の取引価格や取引株数等の基本情報をリアルタイムで掲示する『掲示板、ブリ テンボード』のことです。OTCBB では実際に米国株式だけでなく海外株式、ワラント、ユニット、米国預託 証券(ADR)等も取引されています。マーケットメーカー数は約 150 社、OTCBB への登録銘柄数は 2010 年 4 月の時点で約 3200 社です。日本には存在しない市場ですので厳密に言うと少し違うかも知れませんが、東 証一部に上場していない企業の受け皿であるジャスダック、東証マザーズや大証ヘラクレスのような市場だと 考えていただくことが、最も現実に近い理解だと思います。OTCBB への株式の登録には売上や利益などの基 準や審査手続きはなく、 SEC(米国証券取引委員会)により定められた適時情報開示のファイリングを行い、 マー ケットメーカーが一定の書類を NSDA(全米証券業教会)に提出することで登録が完了します。 Pink Sheet(ピンクシート)と呼ばれる市場は OTC Market, Inc. と言う私企業が運営する市場で、ここ で売買される株式は SEC に登録する必要がありません。またピンクシートで公開されている会社は監査も 十分に行われておらず、情報開示も殆ど規制されていません。それに比べ OTCBB 市場は FINRA により運 営され、NASDAQ 等の上位市場と同様、SEC へ適時情報を登録し公開しています。日本では特に誤解され ていますが、OTCBB 市場とピンクシート市場は全く違う市場です。 OTCBB 市場で株式を公開する条件とその手法 実際には最新の規則に則って様々な条件がありますが、ここでは経営者として知っておく必要のある最低 限の事をお知らせしておきます。OTCBB で株式を公開するには 35 名以上の株主が必要で、外部株主は少 なくとも 400,000 株を購入しており、それらが株式公開後に売買可能なフロートとして登録できることが必 要です。また、会計監査は当然 SEC(証券取引委員会)の規則に則ったものが必要です。 OTCBB で株式を公開するには、リバースマージと呼ばれる手法とセルフファイリングと呼ばれる手法が 一般的です。リバースマージとは、公開企業で株式が取引されている会社(パブリックシェル)と非公開会 社を合併させることで、株式公開に必要な申請手続き等にかかる時間や経費を回避し、非公開会社の株式を 実質的に公開させる手法です。パブリックシェルと呼ばれる合併を希望する OTCBB 株式公開企業は多数 存在し、2004 年からは毎年 200 件あまりのリバースマージが行われていることが示すように、非常に一般 的な手法です。テキサス・インスツルメンツ、ニューヨーク証券取引所などがリバースマージで株式を公開 しています。 一方セルフファイリングでは、まず PPM(投資目論見書)を用意してあるルールに則り株式を販売し、 一定数以上の株主を確保します。その後投資目論見書に似た S-1 という文書を SEC へ提出し、PPM によっ て販売された株式を登録します。SEC からの質問に答えそのファイリングプロセスが完了すると、会社 は 1934 Exchange Act Reporting Company と呼ばれ、これが OTCBB で株式が売買されるために必要な 条件となります。S-1 の登録が完了するとすぐにマーケットメーカーを選び、FINRA(Financial Industry Regulatory Authority 金融取引業規制機構)にフォームを提出すると株式の売買が開始できます。 リバースマージによる手法が良いか、セルフファイリングによる手法が良いかは、株式を公開する企業の 事業内容、資金状況、株主構成、公開の目的や時期などを総合的に判断して決める必要があります。 OTCBB を活用した株式公開と資金調達のステップ ここでは、事業再生が必要な会社にとってはそのハードルが比較的低い OTCBB 市場を活用した株式公 開とその後の資金調達の方法、その資金を活用した M/A や事業再生、さらに指数関数的な企業の成長を実 現するための経営戦略の手法を説明させていただきます。ちなみに弊社ではその一連の過程を加速企業開発 と呼んでいます。 STEP1:まず、事業を再生するに当たり企業価値を最大限にする知的財産やサービス、ノウハウやテク 2012.1.25 3 ノロジーを正確に見極める必要があります。それらの企業価値を高める資産を活用して、米国の OTCBB 市場にて株式を公開することを前提に、米国法人を設立し新規株式を発行します。売上や利益の見込める日 本の全ての事業を連結で米国法人に取り込むか、有望な事業だけを切り離し米国法人へ移管するか、戦略に よって最適な方法を選択します。 STEP 2:リバースマージか自主的ファイリングによって株式を OTCBB 市場に公開します。株式の流 動性とともに経営の透明性を確保し企業体質を飛躍的に向上させることが出来ます。 STEP 3:株式の流動性と経営の透明性というメリットを活かし、PIPE ファイナンスによる資金調達 を行い、M/A やライセンシングなどの有機的な事業の成長に資金を投下します。日本での PIPE(Private Investment In Public Entity、株式公開企業へのプライベート投資)ファイナンスは多少違った理解がある かもしれませんが、米国における PIPE ファイナンスは企業の成長資金調達や買収資金調達に極めて有効な 手段です。 ここで非常に重要なポイントを理解していただきたいのですが、PIPE ファイナンスによって米国で調達 した資金は、米国法人と日本法人との間の R&D 開発契約等によって、日本の法人に再投資することが可能 だと言うことです。つまりは米国で資金を調達してそれを日本での事業や R&D 活動に投下するという仕組 みです。それは最終的には米国法人の成長に多大なる貢献をするわけですから、米国企業の企業価値を高め るので投資家にとっても大きなメリットとなります。 STEP 4:株式公開企業というポジションとその経営の透明性を活かし、株式交換による M/A 戦略を推 進しながら主幹事業での売上や利益を拡大させ企業価値を飛躍的に向上させます。そして最終段階となりま すが、上位市場である NASDAQ や AMEX での上場を目指します。この上位市場で調達された資金の一部 あるいは全ても、日本法人での開発資金や事業再生のための運営資金として投下することが可能です。 ケーススタディー 実際のケースで上記のステップを説明させていただきます。私は、2002 年 4 月に CDMA を活用した通信 端末の開発ベンチャーの CEO に就任しています。就任当時は 911 の直後でもあり、世界の通信市場が一時 冷え込み業績が思うように延びず、また資金も足りず多くの問題を抱えていました。そこで、販売経費がか かり在庫リスクの多い自社製品の販売を一時中止し、得意分野である CDMA の商品設計に的を絞った受託 開発で事業再生をする戦略を取りました。就任直後の 5 月、米国大手通信事業者の受託開発プロジェクトの 入札に成功し、それを契機に攻めの戦略に転じようとリバースマージによる OTCBB への株式公開の検討を 始めました。同年 8 月からそのプロセスを開始、2 ヵ月後の 10 月に OTCBB にて株式を公開しています。リ バースマージのための必要資金は受託開発で支払われた頭金の一部を使いました。その後企業価値を 10 倍に して 2004 年 2 月に AMEX 市場での株式公開に成功し、 2005 年 3 月には企業価値が 20 倍のピークとなります。 OTCBB から AMEX 市場への過程で数十億円規模の資金調達を PIPE ファイナンスで行いましたが、その殆 どの資金は開発拠点の韓国へ送金し、 R&D 拠点の強化や国内外の開発会社との M/A に使われています。よっ て、米国の資本市場から資金を調達しそれを韓国子会社の運営や強化に活用し、そこでの R&D 力を強化す ることによって米国本社の商品力を高め、企業体質を強化しています。韓国側も米国の資本を活用して人材 を雇用し産業を活性化させていますので、WIN-WIN の関係を構築することが出来ました。韓国では国策と して CDMA 方式の携帯電話の商品開発を後押しする戦略を持っていたので、米国ベンチャーの進出に対し てもいろいろとメリットを与えてくれました。よって当時は韓国に R&D 法人を作りましたが、同じような 手法で米国の資本を活用し、日本の R&D や事業法人を強化することも当然可能です。場所を問わず R&D や 事業拠点を強化することは、米国法人の企業価値も高めますので投資家にとっても歓迎できることです。 事業再生における経営戦略の一環としての OTCBB での株式公開 株式を公開することは、中長期的な成長を実現する為の重要な経営戦略の一環として、以下のメリットが 4 2012.1.25 あると考えられます。 • 株式の流動性を実現し資金調達の幅を広げる • 株式を代替通貨として M/A を実現できる • 社内の管理体制が強化され経営の透明性が高まり信頼度が増す • 社会的認知度が向上して経営資源の調達力や営業力が飛躍的に増す • 投資家にとって Exit の機会が多様化する 勿論株式公開がゴールでは無く、また株式を公開したからといって株価が上がり企業価値が向上するもの ではありません。株価の本質は投資家が判断する企業の現在価値と将来の成長期待を反映させ変動するもの です。事業再生や事業の安定的な成長に最も重要なことは、企業価値を確実に上げてゆくことであり、その ためには実業の業績を向上させ、明確な成長戦略を描き実践することが重要です。IR 活動を通じてこれら の情報を市場に伝えることが企業価値向上にとって極めて重要となります。 最後に 事業再生の過程で、企業価値を最大限高める可能性のある事業を軸に米国で株式を公開し資金調達をする 手法は、潤沢な米国資本市場を活用するので、日本の法人にとってもリスクを最大限回避できる手法だと考 えられます。このようなお話をすると、英語力がないからとおっしゃる経営者も多くいらっしゃいますが、 異文化の中で経営経験を持つ米国人役員やバイリンガル幹部社員、弊社のようなハンズオン型コンサルタン トを雇用することで現地法人をスムーズに運営することが可能です。企業価値は実績、技術、サービス、知 的財産などのパラメーターで決まることであり、英語力の有無は影響を与えません。今月ラスベガスで開催 されたコンスーマーエレクトロニクスショーに参加しましたが、世界を動かす基幹技術やユニークな新商品、 アマゾンなどの流通革命、ソーシャルネットワークやクラウドサービス等の新規ネットワークサービス等は 殆どが米国をその発祥の地としています。米国はそれらの新規事業を支える資本力や資本を活用するインフ ラが整っているので、それらの新技術やサービスが育つのだと思います。今後も資本経済の中心に位置する であろう米国をどう活用するか、もう一度考えていただくことは決して無駄にならないと考えます。具体的 に米国での事業基盤を整備する手法や戦略、OTCBB から NASDAQ や AMEX 市場を狙うためのロードマッ プは、それぞれの事業によってカスタマイズされるもので共通解は存在しません。事業再生、事業活性化や 事業拡大の過程でこれらの手法にご興味ある方は別途ご連絡をいただけましたら幸いです。日本では、株式 会社TSKディー・ブレインに窓口になっていただいています(連絡先:東京都新宿区新宿 1-7-1 代表取締役 立川征吾 TEL:03-5919-1858 E-mail:[email protected]) 。なお、 ここで述べさせていただいたことは、 弊社の経験や信頼できる情報に基づいたものですが、必ずしも法的に根拠があるものではありません。証券 取引等に係わる法律や規制は常に更新されていますので、詳細は別途専門弁護士や会計士にご確認ください。 ゆき え さとる 雪江 悟 プロフィール 1980 年にソニー株式会社入社後、1987 年に渡米。商品開発、商品企画、海外営業、 事業戦略部門等の責任者として世界中の通信事業者との事業を推進し、同社携帯電話事 業興隆期の急成長に貢献した。ニューヨークの米国統括会社では、VP として通信関連の 戦略的提携や投資案件を推進。2001 年米国永住権を取得し、現在のフランクリンワイ ヤレスやアクセステル等数社を創業。リバースマージにより2社を米国 OTCBB 市場で株 式公開させる。そのうちの1社は、業績や企業価値を飛躍的に向上させ、OTCBB での 株式公開後 18 ヶ月で AMEX(アメリカンストックエクスチェンジ)市場への上場を達成し た。その後役員や顧問を兼務しながら、南カリフォルニア地区や日本、韓国、台湾の多 くの起業家やベンチャー企業を積極的にサポートしている。 連絡先:syukie @ bernardoinc.com www. bernardoinc.com 2012.1.25 5 Seminar ●日本 TMA 共催セミナー 2011 年 11 月12 日(土)、一般社団法人事業再生支援協会(SRC)主催セミナーが京王プラザホテル(東 京・西新宿) で開催され、日本 TMA が共催いたしました。日本 TMA および日本事業再生士協会会員を含め、 約 150 名が参加しました。 第一部 基調講演 『債権法改正について』 《講師》 村田・若槻法律事務所 弁護士 村田 雅夫 氏 債権法が実際に改正されるにはまだ時間が かかるが、改正は広範囲にわたるため、債 権回収に強く影響を与える分野にテーマを 絞り、また最近のトピックスとして代表的 な詐害的会社分割の情勢についても解説。 《講演内容》 1. 何が変わるのか? 2. 債権法改正に向けた検討の経緯 3. 債権法改正のコンセプト • 国民一般に分かりやすい民法 • 社会・経済の変化への対応 4. 中間論点整理の読み方 5. 債権回収にからみ重要となる債権法改正のポイント • 債権者代位権について • 詐害行為取消権について • 保証債務について • 将来債権譲渡について • 相殺 6. 事業再生分野における最近のトピックス ※レジュメより抜粋 むら た まさ お 村田 雅夫 氏 村田・若槻法律事務所 弁護士 【プロフィール】 1994 年 東京大学法学部卒 1996 年 弁護士登録 森綜合法律事務所(現 森・濱田松本法律事務所) 2004 年 村田・若槻法律事務所を設立し現在に至る。 6 2012.1.25 第二部 基調講演 『金融行政のパラダイムシフトと 事業再生支援者のこれからの役割』 《講師》 地域共創ネットワーク株式会社 代表取締役 坂本 忠弘 氏 《講演内容》 1. 金融円滑化と金融機関の現状 • 金融円滑化と金融機関の現状 • 金融機関の法人営業の現状と課題 •《金融機関としての収益の本質への問い》 -リレバンと収益は両立するか- • 経営対話強化を起点とした「2 つのサイクル」 2. ポスト金融円滑化に向けて • 新たな金融監督指針のフレームワークⅠ 経営課題の把握・分析と事業の持続可能性の見極め 債務者の課題認識・主体的な取組みの促進 • 新たな金融監督指針のフレームワークⅡ 最適なソリューションの提案 経営再建計画の策定支援、新規の信用供与 • 地域金融機関の企業支援機能 「経営支援」+「事業支援」+「資金支援」 • ポスト金融円滑化に向けての金融機関にお けるテーマ 外部専門家・外部機関との連携 中堅若手職員の人材育成 エクイティ機能との連携 3. 復興の時代の事業再生支援者 ※レジュメより抜粋 さか もと ただ ひろ 坂本 忠弘 氏 地域共創ネットワーク株式会社 代表取締役 【プロフィール】 1990 年 東京大学法学部卒、大蔵省(現財務省)入省 1997 年 証券取引等監視委員会 1999 年 財務省(主計局にて予算編成を担当) 2003 年 金融庁(監督庁、金融副大臣秘書官等) 2006 年 退官。地域共創ネットワーク株式会社を設立し現在に至る。 2012.1.25 7 TMAssist セ ミ ナ ー 後 は、TMAssisit(TM ア シ ス ト ) 実 行 委 員 会 が 復 興 支 援 の 活 動 報 告 を 行 な い ま し た。 TMAssist には、日本 TMA、日本事業再生士協会とともに、仙台を始め全国 11 箇所に支部のある事業 再生支援協会(SRC)も参加しています。実行委員会広報担当の増田会員がホームページの立ち上げ、 被災地に向けた無料のメール・FAX 相談サービス、仙台での無料相談会の開催、宮古商工会議所、宮古 信用金庫、岩手銀行、東北銀行への訪問、被災地復興のための TMA モデルについて報告しました。 実行委員会メンバー(左から日比会員、藤本会員、西岡会員、 稗田会員、山崎会員、増田会員、清水会員、立川会員) ■2012年のスケジュール 日程 行事 開催団体 4 月 7 日(土) 日本 TMA 総会・特別セミナー(東京) 主催:日本 TMA 共催:ACTP 4 月 8 日(日) CTP セミナー(東京) ACTP 5 月 20 日(日) ATP 春試験(東京・神戸) ACTP 6 月 16 日(土) CTP 試験(東京) ACTP 9 月 5 日(水) ~ 9 月 7 日(金)※予定 TMA アジア・パシフィック会議(シドニー) TMA オーストラリア 10 月 6 日(土)※予定 SRC 総会・セミナー(岡山) 主催:SRC 共催:日本 TMA 10 月 31 日(水) ~ 11 月 5 日(月)※予定 TMA コンベンション(ボストン) TMA 11 月 18 日(日)※予定 ATP 秋試験(東京・神戸) ACTP 12 月 9 日(日)※予定 CTP 認定式(東京) ACTP 12 月 25 日(火)※予定 合同忘年会(東京) TMA・ACTP・SRC 日本TMA ...... 日本ターンアラウンド・マネジメント協会 ACTP............ 日本事業再生士協会 SRC.............. 事業再生支援協会 8 2012.1.25 2011年認定事業再生士(CTP) 2011 年は、資格試験、書類審査・面接を経て、34 名が認定事業再生士 (CTP)として、認定されました。CTP リストは、日本事業再生士協会ホー ムページ http://www.actp.jp でご覧になれます。 石坪 直樹 Naoki Ishitsubo ケァリーストン有限会社 業務執行責任者 〒 101-0054 東京都千代田区神田錦町 3-21-1246 TEL:03-5259-8615 FAX:050-3737-9703 [email protected] 伊藤 一哉 Kazuya Ito 新潟県中小企業再生支援協議会 統括責任者補佐 〒 950-0078 新潟県新潟市中央区万代島 5-1 万代島ビル 9F TEL:025-246-0096 井上 真伯 Shimpaku Inoue コンセイユ・モビリエ 代表 〒 252-0302 神奈川県相模原市南区上鶴間 5-6-1-210 TEL:042-860-2340 FAX:042-860-2350 [email protected] 植松 浩司 Koji Uematsu あすか総合法律事務所 弁護士 〒 760-0034 香川県高松市内町 1-13 日新内町ビル 7F TEL:087-887-0836 沖津 治夫 Haruo Okitsu TEL:090-3165-5967 [email protected] 川居 宗則 Munenori Kawai 株式会社三井住友銀行 藤沢法人営業部 中小企業診断士 一級販売士 [email protected] 五嶋 裕士 Hiroshi Goto 株式会社 TSK プランニング パートナー 〒 160-0022 東京都新宿区新宿 1-7-1 新宿 171 ビル 7F TEL:03-5269-2541 FAX:03-5269-1482 [email protected] 小西 吾郎 Goro Konishi NPO 法人/合同会社西日本事業支援機構 アドバイザー CIA CFE 〒 520-0033 滋賀県大津市大門通 3-10 TEL:077-526-6900 FAX:077-516-6947 [email protected] 2012.1.25 9 近藤 登喜夫 Tokio Kondo 三井生命保険株式会社 運用審査部 部長 〒 100-8123 東京都千代田区大手町 2-1-1 TEL:03-6831-8290 FAX:03-3231-1287 [email protected] 塩路 広海 Hiroumi Shioji 塩路法律事務所 弁護士 公認不正検査士 〒 542-0076 大阪府大阪市中央区難波 3-7-12 GP・GATE ビル 7F TEL:06-6634-5881 FAX:06-6634-5885 柴﨑 哲也 Tetsuya Shibasaki ティー・エム・アソシエイツ株式会社 代表取締役社長 〒 102-0074 東京都千代田区九段南 2-1-30 イタリア文化会館ビル 4F TEL:03-6868-6899 FAX:03-6673-4796 [email protected] 髙木 一朗 Ichiro Takagi 株式会社日本政策金融公庫 〒 100-0004 東京都千代田区大手町 1-9-3 高田 清一 Seiichi Takada 株式会社小川会計コンサルティング 〒 950-0812 新潟県新潟市東区豊 2-6-52 TEL:025-271-2212 FAX:025-271-2224 竹本 慎司 Shinji Takemoto 株式会社フィナンシャル・インスティチュート 〒 541-0041 大阪府大阪市中央区北浜 3-5-22 オリックス淀屋橋ビル 6F TEL:06-6231-5081 FAX:06-6231-5085 [email protected] 轟 幸夫 Yukio Todoroki 株式会社 SBI 証券 取締役 公認内部監査人 公認不正検査士 〒 102-0073 東京都千代田区九段北 1-8-10 住友不動産九段ビル 鳥倉 大介 Daisuke Torikura 株式会社喜望大地 執行役員 〒 103-0028 東京都中央区八重洲 1-6-16 東進ビル 5F TEL:03-5204-1313 FAX:03-5204-1314 中原 慎一郎 Shinichiro Nakahara 株式会社三菱総合研究所 公認会計士 〒 100-8141 東京都千代田区永田町 2-10-3 TEL:03-6705-6103 FAX:03-5157-2168 [email protected] 10 2012.1.25 根井 大樹 Daiki Nenoi ファースト・アドバイザリー 公認会計士 税理士 宅地建物取引主任者 〒 600-8421 京都府京都市下京区鳥丸通綾小路西入ル童侍町 161 綾小路スクエア 307 TEL:075-708-2582 FAX:075-320-1882 浜下 忠孝 Tyuko Hamashita 税理士法人ノチデ会計 常務 税理士 〒 920-0024 石川県金沢市西念 1-16-29 TEL:076-222-3377 FAX:076-222-3858 [email protected] 平田 千晴 Chiharu Hirata 山陰債権回収株式会社 事業再生部長 〒 690-0061 島根県松江市白潟本町 71 TEL:0852-24-2001 FAX:0852-24-2030 [email protected] 深澤 正明 Masaaki Fukasawa マエサワ税理士法人 部長 〒 160-0023 東京都新宿区西新宿 6-24-1 西新宿三井ビルディング 13F TEL:03-3344-7321 FAX:03-3344-7325 [email protected] 藤井 孝志 Takashi Fujii 司法書士藤井孝志事務所 司法書士 〒 721-0907 広島県福山市春日町 1-1-33 TEL:084-943-2341 FAX:084-943-2342 [email protected] 古川 伸 Shin Furukawa 株式会社メルシス 代表取締役社長 〒 107-0062 東京都港区南青山 7-1-5 コラム南青山 7F TEL:03-5467-9543 FAX:03-5467-9551 [email protected] 前田 辰也 Tatsuya Maeda 株式会社三菱東京 UFJ 銀行 融資部 〒 100-8388 東京都千代田区丸の内 2-7-1 TEL:03-3240-4066 FAX:03-3240-3666 [email protected] 松永 夏也 Natsuya Matsunaga アクタスマネジメントサービス株式会社 ディレクター 公認会計士 〒 107-0052 東京都港区赤坂 3-2-6 赤坂中央ビル 7F TEL:03-3224-8985 FAX:03-5575-3331 [email protected] 水田 明行 Akiyuki Mizuta 東京共同会計事務所 公認会計士 〒 100-0005 東京都千代田区丸の内 3-1-1 国際ビル 9F TEL:03-5219-8890 [email protected] 2012.1.25 11 南 裕史 Hiroshi Minami 弁護士法人リオ・パートナーズ 弁護士 〒 100-0014 東京都千代田区永田町 2-12-4 赤坂山王センタービル 2F TEL:03-5156-8883 FAX:03-5156-8884 [email protected] 八木 雄毅 Yuki Yagi みらいコンサルティング株式会社 大阪支社 シニアコンサルタント 〒 541-0052 大阪府大阪市中央区安土町 3-3-9 田村駒ビル 5F TEL:06-4705-7010 FAX:06-4705-7011 [email protected] 矢野 幹雄 Mikio Yano 西日本住宅産業信用保証株式会社 常勤監査役 〒 541-0048 大阪府大阪市中央区瓦町 4-4-8 瓦町 4 丁目ビル 3F TEL:06-4706-2103 FAX:06-4706-2105 [email protected] 油谷 博司 Hiroshi Yutani 株式会社三井住友銀行 上席考査役 吉永 茂 Shigeru Yoshinaga 公認会計士吉永茂事務所 〒 860-0081 熊本県熊本市京町本丁 4-43 TEL:096-356-0633 FAX:096-353-5717 [email protected] 若林 康博 Yasuhiro Wakabayashi 中小企業診断士 〒 182-0006 東京都調布市西つつじヶ丘 4-47-2 TEL:042-482-8467 FAX:042-482-8467 [email protected] 和田 敦登 Atsuto Wada 株式会社 TSK プランニング 〒 160-0022 東京都新宿区新宿 1-7-1 新宿 171 ビル 7F TEL:03-5269-2541 FAX:03-5269-1482 [email protected] 和田 健一 Kenichi Wada 和田経営相談事務所 代表 中小企業診断士 〒 790-0012 愛媛県松山市湊町 3-1-9 マツゲキアトリウム1F-B 号 TEL:089-904-1437 FAX:089-904-1437 [email protected] ※掲載情報は、ご本人の公開・非公開 の選択に基づくものです。 ※掲載は 50 音順です。 12 2012.1.25 Ceremony ● CTP 認定式 2011 年 12 月 11 日(日)、日本事業再生士協会は認定事業再生士(CTP)認定式を行ない、2011 年認定 の CTP のうち 23 名が参加しました。当日は、CTP の日比将博会員による「CTP に期待されることとこれ からのTMA活動」に関する講義の後、日本 TMA・日本事業再生士協会 稲村副理事長が TMA および日 本事業再生士協会について概要を説明しました。 認定式での認定証授与、CTP の自己紹介に続き、懇親会では新メンバーを中心に活発な交流が行なわれ、 第 6 期 CTP の同期会結成が提案されました。 開会の辞(許斐理事長) 祝辞(立川理事) 祝辞(出津理事) 「CTP に期待されることとこれからの TMA 活動」 (日比会員) 協会概要の説明(稲村副理事長) CTP 認定式 CTP 自己紹介 懇親会 2012.1.25 13 Event ●合同忘年会 2011 年 12 月 26 日(月)、ハイアットリージェンシー東京において、合同忘年会が開催されました。事業再生関 係者を中心に全国から約 120 名が集まり、情報交換をしながら日本舞踊やビンゴゲームを楽しみ親睦を深めました。 許斐理事長 立川理事 出津理事(SRC 理事長) 南弁護士(CTP)による 乾杯の音頭 14 2012.1.25 衆議院議員 高松和夫氏 Sponsors 株式会社銀行研修社 KRB コンサルタンツ株式会社 w ww.tmaja p an .o rg w ww.tu rna rou n d .org 株式会社 TSK プランニング アクタスアドバイザリー株式会社 いけうち会計事務所 株式会社 TTM デルタ経営コンサルティング合同会社 税理士法人はやぶさ 日比公認会計士事務所 Certification 認定事業再生士(CTP)・事業再生士補(ATP)資格に ついては、ウェブサイトをご覧下さい。 w ww.ac tp .jp 【事業再生士補(ATP)資格試験】 日 程 : 平成 24 年 5 月 20 日(日) 東京会場 : 都市センターホテル 神戸会場 : 神戸市産業振興センター 【認定事業再生士(CTP)資格試験】 日 程 : 平成 24 年 6 月 16 日(土) 会 場 : 都市センターホテル お問合先 : 一般社団法人 日本事業再生士協会 TE L : 0 3 - 5 2 6 9 - 5 0 5 4 E - ma i l : i n f o @a c t p . j p h t t p : / / w ww . a c t p . j p 2012.1.25 15 16 2012.1.25