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教育に係る現状と課題
3 教育に係る現状と課題 教育改軍を行うにあたって、近年の予どもたちの状況や本市の教育の現状からその課題を的確 にとらえ、必要な施策を実施していくことが重要です。このため、各種のデータから読み取れる本 市の教育の現状とその課題や現在の吾どもを取り巻く状況を明らかにします。(各データについ , .4 1に掲載) ては、資料編 P14 (1)ミ子どもの現状・課題 基本的生活習慣(資制掴 P15図2-1) 【現状】 r 規則正しい生活や自分のことは自分でやるという習慣」について、自分が子どもの頃と 比べて「低下している Jr どちらかといえば低下している 1と答えた福岡市立学校の教員の 割合は 68.0%、保護者の割合は 56.0%であり、子どもの基本的生活習慣の乱れが懸念され ています。 o (出典:福岡市の教育についてのアンケート) 【課題】 O 基本的生活習慣は、子どもたちが社会の中で生きて p く基本となるものであり、家庭の 役割として、子どもたちにしっかり身につりさせることが重要です。 0 全国学力・学習状況調査の結果からも、「朝食を毎日食べる jなどの基本的生活習慣が身 についている子どもほど正答率が高い傾向が見られ、学力向上に向けても、基本的生活習 慣の確立が重要です。 響力(資料緬P16固 3・1 . . . .園 3・' 2 ) 【現状】 本市の小学校 6年生、中学校 3年生の学力は、全国平均レベルであり、全国同様、知識・技 能を活用する力に課題があります。 0 成績上位県と得点分布を比較すると、成績上位県では正答数が低い子 どもが比較的少な くなっています。 O 平均正筈率が最も高い都道府県と福岡市を比較すると、小学生で 7---12ポイント、中学 生では 4 ---9ポイントの差があります。(出典:平成20年度全国学力・学習状況調査[文部科学省]) 0 【課題】 O 基礎・基本となる知識や技能を確実に身につけるとともに、それを活用する能力を高め ることが必要です。 O 学力低位層の底上げを図るとともに、学力向上のための具体的な取り組みが必要です。 1 . . . .図4-4) 掌習憲欲・学習習慣(貰料掴P21因 4 【現状】 学習意欲や、家庭での学習習慣について問う「家で自分で計画を立てて勉強をしていま すか J I家で学校の授業の復習をしていますか Jとの問いに対して、本市の児童生徒と比べ どちらかといえばしている jと答えた割合が高くなって て成績上位県の方が「している Jr います。 0 本市においても、成績上位県においても小学校 6年生から中学校 3年生へ学年が進行す るに従い、「している J Iどちらかといえばしている Jと答えている比率が下がっています。 (出典:平成20年度全国学力・学習状況調査[文部科学省]) O 【課題】 計画的に学習を行う態度や、家庭での学習習慣の定着が成績に結びついていると考えら れ、家庭での学習習慣の確立に向けた取り組みが必要です。 0 学年が進行する に従って、 学習意欲、学習習慣の低下が見ら れ、 意欲を 継続させる取り組 みが必要です。 O 民 JV 体力(資料踊P22 固5・1、 固 5・2) 【現状】 子どもたちの体力・運動能力は、男女ともに低下しており、昭和 60 年と比較すると低い水 準にとどまっています。 (出典:体力・運動能力調査[文部科学省]) 0 -6- 非行・不良行為(資料緬P24 固 8・1固 8・6) 【現状】 0 福岡県、福岡市におりる小・中学校の児童生徒が学校内外で起こす暴力行為(自校の児童 生徒が起こした暴力行為。「対教員 J I生徒間 J I対人Jf器物損壊 Jの四形態に分類)は減少傾 向にあります。(出典:児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査[文部科学省]) 0 一方、福岡市内の不良行為少年数は増加傾向にあります。(出典:福岡県警) 【課題】 O 福岡市立中学校の生徒が起こす暴力行為は減少傾向にありますが、不良行為少年数は増 加傾向を示しており、福岡市立中学校においても増加に転ずる可能性を否定できないため、 これからも子どもたちが安全で安心して学習できる環境づくりや、子どもたちの健全育成 に学校、保護者、地域、教育委員会が連携して取り組んでいく必要があります。 いじめ・ 不登校(歯科踊P26図 9・1 園 9・2) 【現状】 0 福岡市立小・中学校における fpじめ」の発生件数は減少傾向にありましたが、平成 18年 度に文部科学省で「いじめ Jの定義の見直しがなされた結果、発生件数が増加に転じていま す 。 0 福岡市立小・中学校における不登校の子どもの人数は、学年進行とともに増加しています が、特に小学校 6年生から中学校 1年生に進学する際に約 3倍に増加しています。 (出典:児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査[文部科学省]) 【課題】 o rpじめ」は当 事者にとって耐え難いものであり、容認できるものではありません。近年 ではインターネットや携帯電話 を使った新たな川、じめ J も発生しており、なぜ、 r~ 、じめ J が存在し、どうすれば減らしていけるのか、学校では、要因分析も踏まえ、効果的な発生防 止策の実施が必要です。また、子 どもたち 自身にも考えさせていくことが必要です。 0 不登校については、学校生活に起因するもの、家庭生活に起因するもの、子ども自身に要 因がある場合等、さまざまな原因が考えられます。不登校の要因を的確につかみ、最も効果 的な対応策を見いだし、助言 ・支援・指導を行っていくことが必要です。 特別麦援教育(歯科歯P27図 1 0 ・1図1 0・4) 【現状】 O 福岡市立小・中学校(特別支援学級)、特別支援学校に在籍する障がいのある児童生徒数 は 、 年 々増加傾向にあります。また、障がいの状況において重度・重複化が見られます。 0 福岡市立小・中学校において、「発達障がし リに位置づけられる P DD(自閉症等)、 L D (学習 ADHD( 注意欠陥多動性障が p)の子どもが増加傾向にあります。 障が p)、 0 就学する学校の決定については、適正就学指導委員会の判断通りに就学先が決定した割 合は約 80%ですが、判断と異なる就学先に決定した割合は約 20%となっています。 (出典:福岡市教育委員会調べ) 【課題】 O 障がいのある児童生徒の増加や障がいの重度・重複化が一層進行していることに対する 教育環境の整備や教育内 容 ・方法の工夫改善が必要です。 0 支援を 要する 子 どもについては、保育所・幼稚園等の就学前の段階から小・中学校へ、 子 どもの学校・家庭での生活状況等の情報の引継ぎを的確に行い、保護者と教員・学校が情報 共有し、切れ目のない対応が出来るよう、特別な配慮が必要です。 0 就学先の決定については、特別支援教育の理念を踏まえながら、保護者の意見、教育 ・ 医 学等の専門的意見、学校や地域の状況等を総合的に判断して、子ども自身にとってもっと も適切な学校を就学先として決定することが必要です。 -7- ( 2 )ミ子どもを取り巻く各主体の現状・課題 教員{資料掴P 3 1図 1 4 -1園1 6 ・5) 【現状】 r 指導が不適切』と福岡市教育委員会に認定された教員の数は減少傾向にありますが、認 定を受けてはいないが教員としての力量が不足している者も含めて、教員の資質・能力の 向上が必要です。 0 精神性疾患を理由として病気休職する教員は、年々増加傾向にあります。 (出典:福岡市教育委員会調べ) o 【課題】 O 価値観が多様化し、社会が変化する中で、教員には高い資質・多様な能力が求められてい ます。教員自らも教授法等の専門的知識に加え、社会性や課題対応能力を身につけ、児童生 徒をはじめ、広く保護者や地域住民から信頼を得ることが必要です。 0 家庭や地域の変化や、保護者の教育に対する考え方の多様化などにより、教員の負担が 増加し、教員本来の業務に集中できない環境が教員の多忙感を増大きせている側面があり、 教員が本来の業務に安心して集中できる環境づくりが急務です。また、併せて頑張る教員を 適正に評価し、それに報いる評価制度の構築も必要です。 35園 1 8 ・1) 掌枝(組錨として)(賀料掴 P 【現状】 O 保護者などから学校へ寄せられる相談件数は増加傾向にあります。その要因の中で、「教 子ども同士の関係に端を 員の指導・対応に端を発した問題』が最も多くなっていますが、 I 発した問題」についても増加傾向にあります。(出典:福岡市教育委員会調べ) 【課題】 O 学校に寄せられる様々な要望・苦情に対して、初動対応をする教員を組織でパックアッ プする等、課題に適切に対応する「組織力」の強化が求められています。そのため、校長を中 心とした対応ができるよう、校長のリーダーシップの向上や機能的な組織体制、連携し合 う組織風土づくりが必要です。 掌枝(教育施肢として)(資料踊P 35図 1 9 ・1図1 9・3 ) 【現状】 0 福岡市立学校は、平成 20年 5月 1日現在で、 235校あります。建設年代別に見ると、昭和 40年 . . . . . , 50 年代に集中し、全体の約 4分の 3を占める学校がこの時期に建設されており、現 年を超える校舎は全体の約 6割に達しています。 在、建設後 30 1 1学級以下の「小規模校 Jが小学校においては 24校、中学校においては 21校あり、 25学 級以上の「大規模校」が小学校においては 20 校、中学校においては 3校あります。中央区や 博多区の学校を中心に小規模校が増加しています。(出典:福岡市教育委員会調 o 【課題】 O 学校施設の耐震化や大規模改修、建替えには多大な経費が必要となります。子どもたち の安全を守る耐震化を重点的に進めるとともに、アセットマネジメントにより、長期的な 投資経費の縮減や平準化に取り組む必要があります。 0 小規模校においては、クラス替えが出来ないことで、人間関係が固定化し、積極性や向上 心、コミュニケーション能力が育ちにくくなるとともに話し合い学習や班学習、体育で行 う球技、音楽での合奏・合唱等では、子どもの数が少ないため実施が難しくなるなど、学習 指導上の課題もあります。 0 大規模校については、同学年の結びつきが主となり、異学年との交流が少ない、施設見学 等で受け入れが可能な施設が限定される等の課題があります。 QU 家庭・地場(資料編 P39 図22 ・1、 固22 ・2) 。 【現状】 「地域の教育力に関する実態調査 J(全国調査)によると、小・中学生の保護者の 55.6%が I 地域の教育力」が以前と比べて低下していると回答しており、子どもを持つ保護者の多く が地域の教育力の低下を認識していることがうかがえます。また、地域の教育力の低下の 原因として、個人主義の浸透や、地域が安全でなくなり、子どもを他人と交流させることに 対する抵抗感の増加などが挙げられています。 (出典:地域の教育力に関する実態調査[文部科学省]) QU