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調査の説明
Ｉ １ 毎月勤労統計調査の説明 調査の概要 毎月勤労統計調査の歴史は古く、大正12年7月に開始された「職工賃銀毎月調査」及び「鉱夫賃銀毎月調査」 にその端を発している。その後の変遷を経て、昭和19年7月に勤労統計調査令に基づき、現在の名称である毎月 勤労統計調査が内閣統計局によって開始され、戦後、労働省（現厚生労働省）に移管されて幾つかの改正が行 われ現在に至っている。 現行調査の体系は、次のとおりとなっている。 第一種事業所調査（事業所規模30人以上）毎月実施 全国調査 第二種事業所調査（事業所規模5人∼29人）毎月実施 毎月勤労統計調査 第一種事業所調査（事業所規模30人以上）毎月実施 地方調査 第二種事業所調査（事業所規模5人∼29人）毎月実施 特別調査 （事業所規模1人∼4人）年1回7月実施 ２ 調査の目的 この調査は、厚生労働省が所管する統計法に基づく指定統計（第７号）であり、賃金・労働時間及び雇用に ついて、毎月の変動を明らかにすることを目的としている。 この調査は「全国調査（第一、二種）」、「地方調査（第一、二種）」、「特別調査」からなっているが、 このうち「地方調査」は各都道府県の状況を明らかにするものであり、この報告書は「地方調査」の結果をと りまとめたものである。 ３ 調査の対象 この調査は、日本標準産業分類にいう鉱業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、運輸・通信業、 卸売・小売業,飲食店、金融・保険業、不動産業及びサービス業（ただし、家事サービス業、外国公務を除く） に属し、常時5人以上の常用労働者を雇用している県内の民営、官営及び公営の全事業所の中から、産業及び規 模ごとに無作為抽出され、厚生労働大臣により指定された約530事業所について調査を行っている。 標本事業所の抽出方法及び調査の実施方法は、30人以上規模事業所（第一種事業所）は、最新の事業所・企 業統計調査により把握した事業所名簿を母集団として、これを産業・規模別に区分し、区分毎に調査事業所を 無作為抽出する。調査の実施方法は郵送による通信調査及び毎勤オンラインシステムによるオンライン方式で ある。5∼29人規模事業所（第二種事業所）は事業所・企業統計調査から設定された毎月勤労統計調査調査区よ り抽出された調査区について5∼29人規模事業所の名簿を作成し、その名簿から無作為抽出する二段抽出法によ って抽出している。調査の実施方法は、統計調査員による実地調査及び毎勤オンラインシステムによるオンラ イン方式である。 ４ (1) 主要調査事項の定義 現金給与額 「現金給与額」とは、所得税、社会保険料、組合費等を差し引く以前の総額のことである。 「きまって支給する給与」とは、労働協約、就業規則等によって、あらかじめ定められている支給条件、算 定方法によって支給される給与のことであり、基本給のほか家族手当、精勤手当、職務手当、超過勤務手当等 を含む。 「所定内給与」とは、きまって支給する給与のうち、超過労働給与以外のものをいう。ここで超過労働給与 とは所定の労働時間を越える労働に対して支給される給与や、休日労働、深夜労働に対して支給される給与の ことであり、時間外手当、早朝出勤手当、休日出勤手当、深夜手当等である。 「特別に支払われた給与」とは、次の給与のことである。 イ．労働協約、就業規則等によらないで、一時的または突発的理由に基づいて労働者に支払われた給与 ロ．労働協約、就業規則等の定めにより支払われた給与のうち、次に該当するもの (a) 夏、冬の賞与、期末手当等の一時金 (b) ３カ月を越える期間で算定される手当等 (c) 支給事由の発生が不確定なもの（結婚手当等） (d) 労働協約、就業規則等の改定によるベースアップ等が行われた場合の差額の追給分 「現金給与総額」とは、「きまって支給する給与」と「特別に支払われた給与」との合計である。 (2) 出勤日数 労働者が業務遂行のため実際に出勤した日数のことである。事業所に出勤しない日は有給でも出勤日になら ないが1日のうち1時間でも就業すれば出勤日となる。 (3) 実労働時間数 調査期間中に労働者が実際に労働した時間数のことである。休憩時間は給与が支給されると否とにかかわら ず除かれるが、運輸関係労働者等の手待時間は含む。本来の職務外として行われる宿日直の時間は含まない。 「所定内労働時間」とは、事業所の就業規則等で定められた始業時刻と終業時刻の間の、休憩時間を除いた実 際に労働した時間である。 「所定外労働時間」とは、早出、残業、臨時の呼び出し、休日出勤等による労働時間である。 「総実労働時間」とは、「所定内労働時間」と「所定外労働時間」の合計である。 (4) 常用労働者 「常用労働者」とは、次のいずれかに該当する労働者のことである。 イ．期間を定めずに、または1カ月を越える期間を定めて雇われている者 ロ．日々雇われている者、または1カ月以内の期間を定めて雇われている者のうち、前2カ月の各月にそれ ぞれ18日以上事業所に雇い入れられた者 ハ．重役、理事などの法人の役員や、事業主の家族である従業者のうち、常時事業所に勤務して、毎月給 与の支払を受けている者 「パートタイム労働者」とは、常用労働者のうち次のいずれかに該当する労働者のことである。 イ．1日の所定労働時間が一般の労働者よりも短い者 ロ．1日の所定労働時間が一般の労働者と同じで、1週間の所定労働日数が一般の労働者よりも短い者 (5) 賞 与 一般に賞与、ボーナスなどと呼ばれている臨時給与のことである。 調査対象期間を夏季賞与の場合は6∼8月、年末賞与の場合は11月∼翌年1月に限定し、それぞれこの3カ月の調 査票をもとに集計する。 「常用労働者の１人平均賞与支給状況」は、賞与を支給した事業所の全常用労働者１人平均賞与支給額であ る。 「支給事業所数比率」は、賞与を支給した事業所の全事業所に占める割合である。 「支給労働者数比率」は、賞与を支給した事業所における全常用労働者の、全事業所における全常用労働者 に占める割合である。 「賞与支給月数」は、賞与を支給した事業所における所定内給与に対する割合を単純平均したものである。 ５ 結果の算定方法 産業、規模別の１人平均月間現金給与額、実労働時間数及び出勤日数（以下、「各種平均値」という。）は、 調査票の現金給与額、実労働時間数、出勤日数の各々の合計を、前月末労働者数の合計と本月末労働者数の合 計との平均で除してもとめる。 産業計、規模計の各種平均値は、調査票の産業、規模別における現金給与額、実労働時間数及び出勤日数の それぞれの合計に当該産業、規模の推計比率を乗じたものを産業あるいは規模について合計して各推計値をつ くり、次に同様な方法で推計した前月末推計労働者数と本月末推計労働者数の平均で除してもとめる。 労働者数については、産業、規模別に推計比率を調査労働者数に乗じ、全体を推計（母集団に復元）してい る。 ６ 抽出替えと調査結果の接続方法 この調査は、第一種事業所については、調査精度の維持向上を図るため、事業所・企業統計調査結果を用い て、原則として約3年ごとに調査対象事業所の抽出替え（直近では平成16年1月）を行っている。 抽出替え時点においては、調査結果に時系列的連続性をもたせる必要があることから、新標本（調査対象） 事業所と旧標本（調査対象）事業所の両者について重複調査をしている。この結果、新・旧調査では、実数値 において、若干の標本誤差が生じることから、指数については過去に遡り接続調整を行っている。（実数値に ついては調整を行っていないので、時系列比較（増減率）は原則として指数により比較している。） ７ 統計利用上の注意 (1) 鉱業は、調査対象事業所が少ないため表章していないが、調査産業計には含まれている。 (2) 製造業中分類及びサービス業中分類にも調査対象事業所が少ないため表章していない産業があるが、それ ぞれの合計には含めて表章している。 (3) 実質賃金指数は名目賃金指数を奈良県（奈良市分）の消費者物価指数で除したものである。 (4) 入職率及び離職率の算式は次のとおりである。 当月増加（減少）推計常用労働者数 入（離）職率 ＝ × 100 前月末推計常用労働者数 (5) 指数は平成12年を基準（平成12年＝100）としている。 (6) 対前年増減率はギャップ修正後の指数により算定しているため、実数で算定した場合とでは必ずしも一致 しない。 (7) 統計表の中で「電気・ガス・水道業」とあるのは、「電気・ガス・熱供給・水道業」のことである。 (8) 製造業中分類の産業名には次のような略称を用いた。 略称 製造業中分類名 略称 製造業中分類名 衣服 衣服・その他の繊維製品製造業 窯業・土石 窯業・土石製品製造業 木材 木材・木製品製造業 金属製品 金属製品製造業 出版・印刷 出版・印刷・同関連産業 一般機械 一般機械器具製造業 化学 化学工業 武器・その他 武器製造業、その他の製造業 プラスチック プラスチック製品製造業 (9) 統計表の中で用いている符号は次のとおりである。 ｘ・・・調査事業所が２以下または当該産業に属する事業所数が少ないため公表できないもの −・・・該当数値のないもの (10) 統計表は単位未満を四捨五入するため、総数と内訳の合計が一致しない場合がある。