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平成25年度 - 日本医師会
平成 年 度 日 本 医 師 会 事 業 報 告 25 平成25年度 日本医師会事業報告 日 本 医 師 会 目 次 Ⅰ.庶務課関係事項… …………………………………………………………………………………… …1 1.公益社団法人への移行(1) 2.日本医師会綱領の採択(1) 3.会員数(1) 4.代議員数(3) 5.役員及びその他の異動(3) 6.会 議(3) 7.都道府県医師会及び郡市区等医師会との連絡(9) 8.都道府県医師会長協議会(9) 9.第 66 回日本医師会設立記念医学大会(10) 10.裁定委員会(11) 11.定款・諸規程検討委員会(11) 12.医師会将来ビジョン委員会(12) 13.都道府県医師会事務局長連絡会(12) 14.第 65 回「保健文化賞」受賞候補者の推薦(12) 15.平成 25 年度「日本対がん協会賞」及び「朝日がん大賞」受賞候補者の推薦(12) 16.2014 年版医師日記(12) 17.国民医療を守るための国民運動(12) 18.東日本大震災への対応(13) 19.災害支援(支援金,見舞金) (13) 20.生命倫理懇談会(13) 21.会員の倫理・資質向上委員会(13) 22.第 4 回ワークショップ「会員の倫理・資質向上をめざして −都道府県医師会の取り組みおよびケーススタディから学ぶ医の倫理−」 (14) 23.勤務医委員会(14) 24.勤務医委員会臨床研修医部会(14) 25.平成 25 年度全国医師会勤務医部会連絡協議会(14) 26.都道府県医師会勤務医担当理事連絡協議会(15) 27.男女共同参画委員会(16) 28.第 9 回男女共同参画フォーラム(16) 29.利益相反管理委員会(17) 30.医学生向け無料情報誌『ドクタラーゼ』の発行(17) 31.日本医師会役員と医学生の交流会(17) 32.日本医師会臨床研修医支援ネットワーク(RSN) (17) 33.日本医師会と全国大学医師会連絡協議会との懇談会(17) 34.一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第 90 条第 4 項第 5 号に規定する体制の整備についての決定(17) 〔別掲〕会内各種委員会委員名簿(19) Ⅱ.経理課関係事項… …………………………………………………………………………………… 28 1.平成 24 年度日本医師会決算(28) 2.平成 25 年度日本医師会予算(28) 3.平成 24 年度日本医師会会費減免申請(28) 4.日本医師会会費賦課徴収規程一部改正(28) 5.平成 25 年度日本医師会会費賦課徴収(28) 6.平成 26 年度日本医師会会費賦課徴収(28) I 7.平成 26 年度日本医師会予算(28) 8.平成 25 年度日本医師会会費減免申請(28) 9.財務委員会(28) 10.経理監査(28) Ⅲ.生涯教育課関係事項… ……………………………………………………………………………… 29 1.学術推進会議(29) 2.生涯教育推進委員会(29) 3.日本医師会生涯教育制度実施要綱(29) 4.都道府県医師会生涯教育担当理事連絡協議会(30) 5.平成 24 年度生涯教育制度申告集計結果(30) 6.生涯教育活動(30) 7.生涯教育協力講座(31) 8.医師臨床研修制度(31) 9.学術企画委員会(32) 10.日本医師会雑誌(32) 11.日本医師会年次報告書(33) 12.日本医学会(33) 13.専門医制度(38) Ⅳ.医療保険課関係事項… ……………………………………………………………………………… 39 1.中央社会保険医療協議会における審議経過(39) 2.薬価基準改正(44) 3.社会保障審議会 医療保険部会(44) 4.厚生労働省による平成 25 年度特定共同指導および共同指導の立会い(45) 5.厚生労働省の行う保険関連調査(45) 6.都道府県医師会社会保険担当理事連絡協議会(46) 7.第 57 回社会保険指導者講習会(46) 8.労災診療費算定基準の一部改正(46) 9.社会保険診療報酬検討委員会(47) 10.疑義解釈委員会(保険適用検討委員会) (48) 11.労災・自賠責委員会等(48) Ⅴ.広報・情報課関係事項………………………………………………………………………………… 53 ―…広報関係事項…― 1.日医ニュース(53) 2.広報委員会(53) 3.日医白クマ通信(53) 4.日医 FAX ニュース(53) 5.理事会速報(53) 6.CM 放送(53) 7.突き出し広告(54) 8.TV 番組「鳥越俊太郎 医療の現場!」の企画・提供(54) 9.日本医師会テレビ健康講座(ふれあい健康ネットワーク) (54) 10. 「心に残る医療」体験記コンクール(第 32 回) (54) 11. 「生命(いのち)を見つめる」フォトコンテスト(第 15 回) (54) 12.日本医療小説大賞(55) 13.日本医師会赤ひげ大賞(55) II 14.定例記者会見(55) 15.その他の広報活動(55) ―…情報関係事項…― 1.医療 IT 委員会(55) 2.平成 25 年度日本医師会医療情報システム協議会(55) 3.インターネット・IT 化関連事業(56) 4.諸官庁が実施する調査(56) Ⅵ.地域医療第 1 課関係事項… ………………………………………………………………………… 58 1.災害対策(58) 2.救急災害医療対策委員会(60) 3.救急医療の推進(60) 4.平成 25 年度都道府県医師会救急災害医療担当理事連絡協議会(61) 5.病院委員会(61) 6.有床診療所に関する検討委員会(62) 7.有床診療所に関する取組み(62) 8.医療機関の防火対策(63) 9.国民生活安全対策委員会(63) 10. 「健康食品安全情報システム」事業(64) 11.医療関係者検討委員会(64) 12.日本医師会医療秘書認定試験委員会及び医療秘書認定(64) 13.看護問題関連(65) 14.医師会共同利用施設検討委員会(66) 15.全国医師会共同利用施設総会(66) 16.医師会共同利用施設ブロック連絡協議会(68) 17.地域医療対策委員会(68) 18.医療提供体制の見直し(次期医療法改正等)への対応(68) 19.日本医師会・四病院団体協議会懇談会(70) 20.医療に関する懇談会−日本医師会・全国医学部長病院長会議−(70) 21.日本臨床分科医会代表者会議・日本医師会懇談会(70) 22.地域包括ケア推進室の設置(70) 23.薬務対策室の設置(70) 24.廃棄物対応(71) 25.OECD 医療の質のレビューのヒアリング(71) Ⅶ.地域医療第 2 課関係事項… ………………………………………………………………………… 72 1.産業保健委員会(72) 2.認定産業医制度(72) 3.産業医学講習会(73) 4.日本医師会認定産業医制度生涯研修会(73) 5.産業保健活動推進全国会議(73) 6.都道府県医師会産業保健担当理事連絡協議会(74) 7.勤務医の健康支援に関する検討委員会(プロジェクト委員会) (74) 8.環境保健委員会(75) 9.病院における地球温暖化対策推進協議会(76) 10.健康スポーツ医学委員会(76) 11.認定健康スポーツ医制度(77) III 12.健康スポーツ医学講習会(77) 13.日本医師会認定健康スポーツ医制度再研修会(78) 14.学校保健委員会(78) 15.学校保健講習会(80) 16.全国学校保健・学校医大会(80) 17.臨床検査精度管理調査(81) 18.臨床検査精度管理調査報告会(81) Ⅷ.地域医療第 3 課関係事項… ………………………………………………………………………… 83 1.公衆衛生委員会(83) 2.がん対策推進委員会(83) 3.周産期・乳幼児保健検討委員会(83) 4.母体保護法等に関する検討委員会(プロジェクト) (83) 5.精神保健委員会(プロジェクト) (83) 6.家族計画・母体保護法指導者講習会(83) 7.母子保健講習会(84) 8.感染症危機管理対策(85) 9.日本医師会市民公開講座 難聴の最新情報〜よりよい『聞こえ』のために〜(85) 10.日本医師会市民公開フォーラム 注目されるアレルギー最新情報〜食べ物によるもの ぜんそく アトピー〜 (86) 11.糖尿病対策(86) 12.禁煙推進活動(87) 13.子育て支援フォーラム(88) Ⅸ.介護保険課関係事項… ……………………………………………………………………………… 89 1.平成 25 年度の動向(89) 2.社会保障審議会介護給付費分科会(89) 3.社会保障審議会介護保険部会(90) 4.介護保険委員会(92) 5.在宅医療連絡協議会(92) 6.第 1 回日本医師会在宅医リーダー研修会(93) 7.在宅医療に関する調査研究等(93) Ⅹ.医事法・医療安全課関係事項… ………………………………………………………………………………… 94 1.医事法関係検討委員会(94) 2.医療基本法(仮称)制定に関するシンポジウム(94) 3.診療に関する相談事業(94) 4.医療事故調査に関する検討委員会(プロジェクト) (95) 5.死因究明・死体検案体制の整備に関する取り組み(95) 6.死亡時画像診断の普及に向けた取り組み(95) 7.医療安全対策委員会(96) 8.医療安全推進者養成講座(96) 9.医療事故防止研修会(96) 10.医療安全推進者ネットワーク(Medsafe.Net) (97) 11.医療対話推進者養成セミナーの開講(97) 12.照会事項の処理(98) 13.判例・文献等の蒐集作業(98) 14.電力確保対策(98) IV Ⅺ.医賠責対策課関係事項… …………………………………………………………………………… 99 1. 「日本医師会医師賠償責任保険(含む,特約保険) 」の制度運営(99) 2.都道府県医師会医事紛争担当理事連絡協議会(99) 3.医賠責保険制度における「指導・改善委員会」の取り組み(99) Ⅻ.総合医療政策課関係事項… …………………………………………………………………………101 1.医療政策会議(101) 2.医療政策シンポジウム(101) 3.医療政策関係(101) 4.日本医師会 概算要求要望書のとりまとめ(103) ⅩⅢ.年金・税制課関係事項…………………………………………………………………………………104 1.日本医師会年金(104) 2.税 制(105) 3.会員特別割引 ホテル ON LINE 予約サービス(107) 4.医師国保問題研究会(107) 5.全国医師国民健康保険組合連合会(107) 6.全国医師信用組合連絡協議会(107) 7.全国医師協同組合連合会(107) 8.日本医師・従業員国民年金基金(107) 9.独立行政法人福祉医療機構(107) ⅩⅣ.国際課関係事項… ……………………………………………………………………………………108 1.世界医師会(WMA) (108) 2.アジア大洋州医師会連合(CMAAO) (112) 3.海外医師会との交流(113) 4.ハーバード大学公衆衛生大学院(HSPH)との交流(113) 5.国際保健検討委員会(114) 6.英文雑誌(JMAJ)の刊行(114) 7.国際医学生連盟 日本(IFMSA-Japan)との交流(114) 8.その他の国際関係の活動(114) ⅩⅤ.情報サービス課関係事項… …………………………………………………………………………116 1.医学図書館(116) 2.会員情報室(117) ⅩⅥ.女性医師支援センター事業(女性医師バンク)関係事項… ……………………………………119 1.女性医師支援センター事業運営委員会(119) 2.女性医師支援委員会(119) 3.女性医師バンク(119) 4.医学生,研修医等をサポートするための会(119) 5.女性医師の勤務環境の整備に関する病院長,病院開設者・管理者等への講習会(120) 6.女性医師支援センター事業ブロック別会議(120) 7.女性医師支援事業連絡協議会(120) 8.医師会主催の研修会等への託児サービス併設費用補助(120) 9. 「2020.30」推進懇話会(120) 10.大学医学部女性医師支援担当者連絡会(121) 11.女性医師支援に関するアンケート調査(大学医学部,学会対象) (121) V ⅩⅦ.日本医師会総合政策研究機構(日医総研)関係事項… …………………………………………122 1.研究体制(122) 2.日本医師会総合政策研究機構・日本学術会議共催シンポジウム(122) 3.ORCA プロジェクト(124) ⅩⅧ.日本医師会治験促進センター関係事項… …………………………………………………………128 1.医師主導治験の実施支援に関する研究(128) 2.治験環境の整備に関する研究(129) ⅩⅨ.日本医師会電子認証センター関係事項… …………………………………………………………133 VI 1.日本医師会は,国民の生涯にわたる健康で Ⅰ.庶務課関係事項 文化的な明るい生活を支えます. 2.日本医師会は,国民とともに,安全・安心 な医療提供体制を築きます. 1.公益社団法人への移行 3.日本医師会は,医学・医療の発展と質の向 上に寄与します. 平成 20 年 12 月より実施の新公益法人制度によ 4.日本医師会は,国民の連帯と支え合いに基 り,既存の社団・財団法人は、運営・財務等に厳 づく国民皆保険制度を守ります. しい条件が課されるものの,従来にも増して厚い 税制上の優遇が受けられる “公益法人” か、ゆる 以上,誠実に実行することを約束します. やかな行政の監督の下で自由な活動が行え, また, 登記だけで設立が可能である “一般法人” のいず 3.会員数 れかに移行しなければならなくなった. 日本医師会では、関係法令が公布された平成 平成 25 年 12 月 1 日現在における本会会員数は, 18 年頃より,公益法人・一般法人それぞれに移 165,955 名である.その内訳は,A ①会員 84,003 行した場合の会務運営のあり方等について, 比較・ 名(50.6 %) ,A ② 会 員(B)38,263 名(23.1 %) , 検討を重ねてきた. A ② 会 員(C)850 名(0.5 %) ,B 会 員 42,014 名 その結果,今後も日本医師会がわが国の医学・ (25.3%) ,C 会員 825 名(0.5%)となっている. 医療を牽引し,真に公益性ある職能団体として存 これを前年同期と比較すると,全体で 305 名増 在感を持ち続けていくためには,社会的信用の高 となっている. い “公益社団法人” を目指すべきとの結論を得る A ①会員総数 84,003 名の内訳は,病院開設者 に至り,平成 19 年度第 2 回理事会(平成 19 年 5 4,567 名(5.4%) , 診療所開設者 72,445 名(86.2%) , 月 15 日開催)において,当該方針を決定した. 病院・診療所の管理者であって開設者でない者 当該方針に基づき,移行に向けた準備を進めて 5,530 名(6.6%) ,その他 1,461 名(1.7%)となっ いく中で,第 127 回日本医師会臨時代議員会並び ている.これを都道府県別に示すと表 1 のとおり に第 71 回日本医師会臨時総会(いずれも平成 24 である. 年 10 月 28 日開催)において,公益社団法人への 移行認定申請及びそれに伴う定款・諸規程変更の 〔 表 2 日本医師会代議員定数 〕 任期:平成 26 年 6 月開催予定の定例代議員会〜 平成 28 年 6 月開催予定の定例代議員会前日 件を決議した. 当該決議に基づき,内閣府公益認定等委員会に 北海道 12 石 川 3 岡 山 6 青 森 3 福 井 3 広 島 11 岩 手 4 山 梨 3 山 口 5 宮 城 7 長 野 5 徳 島 4 秋 田 4 岐 阜 6 香 川 4 山 形 4 静 岡 9 愛 媛 6 福 島 6 愛 知 18 高 知 3 茨 城 5 三 重 5 福 岡 16 栃 木 5 滋 賀 3 佐 賀 3 に,時流に流されることのない日本医師会の基本 群 馬 5 京 都 7 長 崎 7 姿勢を,国民との約束という形で示したものであ 埼 玉 13 大 阪 33 熊 本 6 る. 千 葉 8 兵 庫 18 大 分 5 東 京 39 奈 良 4 宮 崎 4 神奈川 17 和歌山 4 鹿児島 8 新 潟 7 鳥 取 2 沖 縄 4 富 山 3 島 根 2 合 計 359 対し公益認定申請を行い,平成 25 年 4 月 1 日, 公益社団法人への移行を果たした. 2.日本医師会綱領の採択 公益社団法人への移行を契機に,移行後初とな る第 129 回日本医師会定例代議員会(平成 25 年 6 月 23 日開催)において,わが国すべての医師 の団結と融和の “指標” となるよう、 『日本医師 会綱領』を採択した. 本綱領は,わが国の宝である国民皆保険を柱 日本医師会綱領 日本医師会は,医師としての高い倫理観と使命 感を礎に,人間の尊厳が大切にされる社会の実現 を目指します. -1- 表 1 日本医師会会員数調査(平成 25 年 12 月 1 日現在) 都道府県 医師会 北 青 岩 宮 秋 山 福 茨 栃 群 埼 千 東 神 新 富 石 福 山 長 岐 静 愛 三 滋 京 大 兵 奈 和 鳥 島 岡 広 山 徳 香 愛 高 福 佐 長 熊 大 宮 鹿 沖 海 奈 歌 児 合 会 員 数 総 数 A ①会員 A ①会員の内訳 A ②会員 A ②会員 病 院 診 療 所 B 会 員 C 会 員 管 理 者 そ の 他 (B) (C) 開 設 者 開 設 者 道 森 手 城 田 形 島 城 木 馬 玉 葉 京 川 潟 山 川 井 梨 野 阜 岡 知 重 賀 都 阪 庫 良 山 取 根 山 島 口 島 川 媛 知 岡 賀 崎 本 分 崎 島 縄 5,937 1,262 1,622 3,299 1,552 1,622 2,552 2,354 2,085 2,073 6,122 3,870 19,120 8,436 3,179 1,148 1,120 1,001 1,004 2,187 2,565 4,002 8,952 2,187 1,232 3,012 16,325 8,622 1,878 1,548 696 917 2,533 5,367 2,145 1,507 1,750 2,675 1,377 7,813 1,376 3,231 2,988 2,107 1,680 3,979 1,946 2,338 710 718 1,388 608 702 1,079 1,376 1,174 1,337 3,467 2,941 9,865 5,282 1,279 686 716 476 547 1,224 1,316 2,203 4,519 1,235 816 2,205 7,692 4,569 1,058 965 412 495 1,365 2,328 1,115 684 730 1,090 525 3,878 643 1,231 1,342 896 798 1,200 780 1,734 300 245 925 144 239 592 513 354 433 857 495 2,429 1,220 477 120 254 268 116 423 238 667 1,046 444 177 471 6,057 2,576 341 356 136 223 479 2,458 587 346 444 1,198 479 1,595 405 1,324 702 380 301 2,155 540 0 0 10 13 0 1 0 0 0 0 0 0 35 0 1 0 4 0 0 0 0 0 12 0 0 1 380 103 0 0 0 6 0 75 0 1 0 25 0 0 0 5 1 0 0 143 34 1,864 199 617 754 778 679 881 465 557 302 1,798 434 6,769 1,934 1,420 342 146 257 341 540 994 1,130 3,130 507 239 335 2,192 1,373 479 227 148 193 689 505 399 476 576 362 373 2,331 328 593 942 815 581 481 539 1 53 32 219 22 1 0 0 0 1 0 0 22 0 2 0 0 0 0 0 17 2 245 1 0 0 4 1 0 0 0 0 0 1 44 0 0 0 0 9 0 78 1 16 0 0 53 293 44 34 50 32 21 60 111 46 87 213 223 302 262 47 40 29 34 21 51 55 67 164 32 24 169 194 262 33 41 18 13 126 123 80 72 56 83 70 233 63 87 95 106 83 172 46 2,007 656 637 1,196 554 678 1,018 1,163 1,020 1,210 2,869 2,701 8,407 4,824 1,166 563 625 414 462 1,087 1,127 2,013 3,965 1,136 774 2,018 6,160 3,993 902 819 394 456 1,204 1,989 951 555 652 945 366 3,302 513 1,048 1,029 699 623 937 618 38 7 39 110 6 0 0 101 103 20 329 0 883 193 66 67 56 21 51 77 67 120 294 62 16 0 926 286 123 73 0 15 35 139 58 50 22 31 81 298 45 88 178 81 80 89 106 0 3 8 32 16 3 1 1 5 20 56 17 273 3 0 16 6 7 13 9 67 3 96 5 2 18 412 28 0 32 0 11 0 77 26 7 0 31 8 45 22 8 40 10 12 2 10 計 165,955 84,003 38,263 850 42,014 825 4,567 72,445 5,530 1,461 100.0 50.6 23.1 0.5 25.3 0.5 5.4 86.2 6.6 1.7 構成割合(%) A ① 会 員:病院・診療所の開設者,管理者及びそれに準ずる会員 A②会員B:上記 A ①会員および A ②会員C以外の会員 A②会員C:医師法に基づく研修医 B 会 員:上記 A ②会員Bのうち日本医師会医師賠償責任保険 加入の除外を申請した会員 C 会 員:上記 A ②会員Cのうち日本医師会医師賠償責任保険 加入の除外を申請した会員 -2- A ①会員の内訳 ・病院の開設者(法人の代表者を含む) ・診療所の開設者(法人の代表者を含む) ・病院,診療所の管理者であって開設者でない者 ・その他 4.代議員数 平成 26 年 6 月開催予定の定例代議員会の開催 森瀬 雅典(現日医代議員) 26.1.9 竹下 俊文(現日医代議員) 26.1.11 平山 正樹(元日医理事) 26.3.17 なお,本年度中に逝去された会員は上記の方々 日より 2 年後の定例代議員会開催日の前日までの 任期を有する本会代議員の定数は 359 名であり, も含めて,3 月末日現在 1,504 名である. ここに謹んで生前の功績を讃え,ご冥福をお祈 これを都道府県別に示すと表 2 のとおりである. りする次第である. 5.役員及びその他の異動 6.会 議 ⑴ 本年度中の代議員の異動は下記のとおりで ある. ⑴ 第 128 回日本医師会定例代議員会 ○役員就任による 平成 25 年 3 月 31 日(日)午前 9 時 30 分より 辞任 松原 謙二(大 阪)後任 欠員(3月末日現在) 日本医師会館において下記次第により開催し,会 〃 大野 和美(愛 知) 〃 欠員(3月末日現在) 務報告を承認,議案については,第 1 号〜第 5 号 〃 魚谷 純(鳥 取) 〃 清水 正人 議案を可決決定した. 1.開 会 ○辞任による 三宅 直樹(北海道) 後任 深澤 雅則 1.会長挨拶 宮本 慎一(北海道) 〃 藤原 秀俊 1.会務報告 山光 進(北海道) 〃 小熊 豊 1.議 事 中田 康信(北海道) 〃 今 眞人 伊藤 丈雄(北海道) 〃 恩村 宏樹 堀 修司(北海道) 〃 齋藤 孝次 鶴谷 嘉武(群 馬) 〃 須藤 英仁 岩城 勝英(富 山) 〃 馬瀬 大助 笠島 眞(富 山) 〃 小関 支郎 菅沼 哲夫(長 野) 〃 竹重 王仁 第 4 号議案 日本医師会会費賦課徴収規 池田 宣之(鳥 取) 〃 渡辺 憲 程一部改正の件 長﨑孝太郎(広 島) 〃 松村 誠 第 5 号議案 日本医師会会費賦課徴収の件 第 1 号議案 平成 24 年度日本医師会会費 減免申請の件 第 2 号議案 平成 25 年度日本医師会事業 計画の件 第 3 号議案 平成 25 年度日本医師会予算 の件 1.閉 会 鹿島 友義(鹿児島) 〃 猪鹿倉忠彦 八木 幸夫(鹿児島) 〃 欠員(3月末日現在) ⑵ 第 72 回日本医師会定例総会 ○死亡による 森瀬 雅典(愛 知) 後任 欠員(3月末日現在) 竹下 俊文(東 京) 〃 椿 哲朗 平成 25 年 3 月 31 日(日)午後 3 時 45 分より 日本医師会館において下記次第により開催し,会 務報告を承認した. ⑵ 平成 25 年 2 月以降逝去された主な日医関係 1.開 会 者は次のとおりである. 三好 勝(元日医監事) 1.報 告 ⑴ 庶務及び会計の概況に関する事項 25.2.14 高瀬 佳久(元日医常任理事) 25.3.1 ⑵ 事業の概況に関する事項 市川 重彦(元日医理事) 25.3.4 ⑶ 代議員会において議決した主要な決 議に関する事項 黒水 啓一 (元日医理事・元宮崎県医師会長) 神津 康雄(元日医常任理事) 1.閉 会 25.4.2 25.4.16 ⑶ 第 129 回日本医師会定例代議員会 塚崎 鴻(元日医常任理事) 25.5.26 永山 克巳(元岡山県医師会長) 25.5.31 平成 25 年 6 月 23 日(日)午前 9 時 30 分より 25.6.5 日本医師会館において下記次第により開催し,第 成田 至(元日医常任理事) 1 号〜第 3 号議案を可決決定した. 鶴谷 嘉武 (元日医理事・前群馬県医師会長) 大野 和美(現日医常任理事) 25.11.9 1.開 会 25.12.29 1.会長挨拶 -3- 1.会務報告 他,数多くの問題に対し,全役員一致協力の下に 1.議 事 全力を結集して対処し,会員の付託に応えるべく 努力するとともに会務全般の執行に努めた. 第 1 号議案 平成 24 年度日本医師会決算 なお,理事会終了後,直ちに審議事項を取りま の件 とめ「理事会速報」を作成して,毎回都道府県医 第 2 号議案 平成 26 年度日本医師会会費 師会に FAX で伝達するとともに日本医師会雑誌 賦課徴収の件 に理事会記録を掲載して会員への周知徹底を図 第 3 号議案 日本医師会綱領の件 った. 1.閉 会 ⑺ 本会行事 ⑷ 第 130 回日本医師会臨時代議員会 本年度中に本会が主催及び関与した各種会議 平成 25 年 10 月 13 日(日)午後 1 時 30 分より 並びに行事は下記のとおりである. 日本医師会館において下記次第により開催し,議 案第 1 号〜第 2 号議案について,副会長,常任理 ・第128回日本医師会定例代議員会 25.3.31 事,理事各 1 名の補欠選任・選定を可決決定した. ・第72回日本医師会定例総会 25.3.31 1.開 会 ・第194回世界医師会(WMA)バリ中間理事会 1.会長挨拶 25.4.4〜6 1.議 事 ・医療基本法(仮称)に関する都道府県医師 第 1 号議案 日 本 医 師 会 役 員( 副 会 長, 会担当理事連絡協議会 25.4.17 ・呼吸の日記念「第6回ラングウォークジャパ 常任理事,理事)補欠選任 ン/COPDみんなde万歩計ラリー」 の件 25.4.27〜28 第 2 号議案 日 本 医 師 会 役 員( 副 会 長, ・呼吸の日記念フォーラム2013 常任理事)補欠選定の件 25.5.11 ・医療基本法(仮称)制定に関するシンポジ 1.閉 会 ウム(奈良県,広島県,宮城県,愛知県, 埼玉県,広島県) ⑸ 第 131 回日本医師会臨時代議員会 25.5.19,25.5.19,25.7.13,25.8.10,25.9.21, 平成 26 年 3 月 30 日(日)午前 9 時 30 分より 25.9.28 日本医師会館において下記次第により開催し,第 ・世界禁煙デー記念イベント 1 号〜第 2 号議案を可決決定した. 25.5.31 ・子育て支援フォーラム(石川県,愛知県, 1.開 会 大分県,愛媛県) 1.会長挨拶 25.6.1,25.9.7,25.11.30,26.2.8 1.報 告 ・都道府県医師会産業保健担当理事連絡協議会 平成 26 年度日本医師会事業計画及び予算 25.6.3 の件 1.議 事 第 1 号議案 平成 25 年度日本医師会会費 ・第144回日本医学会シンポジウム 25.6.6 ・第4回日本糖尿病対策推進会議総会 25.6.7 ・日本医師会市民公開フォーラム「アレルギ 減免申請の件 ー最新情報〜正しい対処法『ぜんそく・ア 第 2 号議案 日本医師会定款一部改正の件 トピー・食物』〜」 1.閉 会 ⑹ 理事会及び常任理事会 25.6.7 ・第15回日本医学会公開フォーラム 25.6.15 ・第129回日本医師会定例代議員会 25.6.23 ・第2回医師のWork Life Balanceについて考え 平成 25 年 4 月以降,平成 26 年 3 月末日までに よう 理事会は 12 回,常任理事会は 37 回開催した. 25.6.23 ・都道府県医師会救急災害医療担当理事連絡 本年度も,国民に良質な医療を提供するために 協議会 懸命な努力を続けるとともに,少子高齢社会に対 応するための医療提供体制のあり方等に関して, ・第22回「指導医のための教育ワークショッ プ」 幅広い国民の理解を得ることに努め,国民皆保険 ・第45回産業医学講習会 制度の持続的発展のために全力を傾注した.その -4- 25.6.27 25.7.13〜14 25.7.13〜15 ・第1回都道府県医師会長協議会 25.7.23 ・大分県医師会臨床試験講習会 25.7.26 25.11.17,26.1.26,26.2.1 ・第2回都道府県医師会長協議会 25.11.19 ・南海トラフ大震災を想定した衛生利用実証 ・第9回男女共同参画フォーラム(山口県) 実験(防災訓練) 25.7.27 25.11.20 ・都道府県医師会感染症危機管理担当理事連 ・第1回日本医師会在宅医リーダー研修会 絡協議会 25.7.28 25.11.21 ・日本医師会認定産業医制度生涯研修会 25.8.24 ・ハーバード大学公衆衛生大学院武見プログラ ・ヘルシンキ宣言改訂ワシントンD.C.専門 ム30周年記念シンポジウム(東京) 25.11.23 家会議 ・都道府県医師会勤務医担当理事連絡協議会 25.8.24〜30 25.11.29 ・第25回全国医師会共同利用施設総会 ・第26回健康スポーツ医学講習会(後期) 25.8.31〜9.1 25.11.30〜12.1 ・アジア大洋州医師会連合(CMAAO)イン ド総会 25.9.12〜14 ・日本医師会(JMA)・米国研究製薬工業協 会(PhRMA)共催シンポジウム 25.9.19 25.12.5 ・国民医療を守るための総決起大会 25.12.6 ・家族計画・母体保護法指導者講習会 25.12.7 ・日医認証局の運営に係る情報担当理事及び ・大学医学部女性医師支援担当者連絡会 25.9.27 ・第57回社会保険指導者講習会 ・食育健康サミット2013 事務局担当者向け連絡協議会 25.10.3〜4 25.12.11 ・日本医師会市民公開フォーラム「注目され ・都道府県医師会医事紛争担当理事連絡協議会 るアレルギー 最新情報」〜食べ物による 25.12.12 ものぜんそく アトピー〜 25.10.5 ・日本医師会医療安全推進者養成講座講習会 25.10.6 ・都道府県医師会検案担当理事連絡協議会 ・第35回産業保健活動推進全国会議 ・第145回日本医学会シンポジウム 25.12.19 ・Ai学術シンポジウム 25.12.21 ・日本医師会役員・医学生交流会 25.12.25 25.10.9 ・医療対話推進者養成セミナー 26.1.10 ・死亡時画像診断(Ai)研修会 26.1.11〜12 ・第19回日本医師会認定健康スポーツ医制度 再研修会 ラム30周年記念シンポジウム(ボストン) 25.10.11〜12 25.10.13 25.10.19 ・第9回国民医療推進協議会総会 25.10.23 ・日本医師会医療事故防止研修会 26.1.19 ・第3回都道府県医師会長協議会 25.1.21 研修会 25.10.16〜19 ・第16回日本医学会公開フォーラム 26.1.18 ・一般医家に役立つリハビリテーション医療 ・世界医師会(WMA)フォルタレザ総会 26.1.26 ・第3回医師のWork Life Balanceについて考え よう 26.1.26 ・治験ネットワークフォーラム ・Mass Gathering Medicineに関する研修会 26.1.29 ・全国メディカルコントロール協議会連絡会 25.10.26 ・第66回日本医師会設立記念医学大会 25.12.13 25.10.10 ・ハーバード大学公衆衛生大学院武見プログ ・第130回日本医師会臨時代議員会 ・第1回「2020.30」推進懇話会 (福岡県) 25.11.1 26.1.31 ・第15回「生命(いのち)を見つめる」フォ ・第26回健康スポーツ医学講習会(前期) トコンテスト表彰式 25.11.2〜3 26.2.6 ・第23回指導医のための教育ワークショップ ・全国医師会勤務医部会連絡協議会(岡山県) 25.11.9 26.2.8〜9 ・第44回全国学校保健・学校医大会(秋田県) ・日本医師会医療情報システム協議会 26.2.8〜9 ・医療対話推進者養成セミナー基礎編研修 25.11.9 ・第10回日医総研地域セミナー 26.2.12〜13 25.11.9 ・第2回「2020.30」推進懇話会 ・都道府県医師会有床診療所担当理事連絡協 議会 26.2.14 ・日本医師会市民公開講座「難聴の最新情報 25.11.13 〜よりよい『聞こえ』のために〜」 ・医師の職場環境改善ワークショップ研修会 26.2.15 ・治験推進地域連絡会議(大阪府,福岡県, (千葉県,埼玉県,鹿児島県) -5- 東京都) ⒂ 労災・自賠責委員会 26.2.15,26.3.8,26.3.16 ・母子保健講習会 26.2.16 ⒃ 疑義解釈委員会(保険適用検討委員会) ・女性医師支援事業連絡協議会 26.2.21 ⒄ 介護保険委員会 ⒅ 病院委員会 ・日本医師会総合政策研究機構・日本学術会 議共催シンポジウム ・学校保健講習会 26.2.22 ⒆ 有床診療所に関する検討委員会 26.2.23 ⒇ 医師会共同利用施設検討委員会 ・第4回ワークショップ「会員の倫理・資質向 (21) 地域医療対策委員会 上をめざして−都道府県医師会の取り組みお (22) 医療関係者検討委員会 よびケーススタディから学ぶ医の倫理−」 (23) 医療秘書認定試験委員会 26.2.26 (24) 救急災害医療対策委員会 ・死体検案研修会 26.2.27 (25) 臨床検査精度管理検討委員会 ・都道府県医師会事務局長連絡会 26.2.28 (26) 公衆衛生委員会 ・都道府県医師会社会保険担当理事連絡協議会 ・臨床検査精度管理調査報告会 (27) がん対策推進委員会 26.3.5 (28) 学校保健委員会 26.3.7 (29) 周産期・乳幼児保健検討委員会 ・都道府県医師会生涯教育担当理事連絡協議会 (30) 母体保護法等に関する検討委員会(プロジ 26.3.12 ェクト) 26.3.13 (31) 産業保健委員会 ・第32回「心に残る医療」体験記コンクール (32) 環境保健委員会 ・医療政策シンポジウム 表彰式 26.3.15 (33) 精神保健委員会(プロジェクト) ・有床診療所等の防火対策に関する説明会 (34) 健康スポーツ医学委員会 26.3.19 (35) 感染症危機管理対策委員会 ・第2回「日本医師会赤ひげ大賞」表彰式 (36) 国民生活安全対策委員会 26.3.28 (37) 医事法関係検討委員会 ・第1回全国在宅療養支援診療所連絡会全国大会 (38) 医療安全対策委員会 26.3.22〜23 ・第131回日本医師会臨時代議員会 (39) 医師賠償責任保険調査委員会 26.3.30 (40) 医賠責保険制度における指導・改善委員会 (41) 年金委員会 ⑻ 会内委員会 (42) 生涯設計委員会(プロジェクト) 本年度設置された委員会は,次のとおりである. (会内各種委員会委員名簿は,別掲のとおりで (43) 医業税制検討委員会 (44) 広報委員会 ある.詳細については,各関係事項を参照) (45) 医療 IT 委員会 ⑴ 医療政策会議 (46) 医療情報システム協議会運営委員会 ⑵ 生命倫理懇談会 (47) 国際保健検討委員会 ⑶ 学術推進会議 (48) 特区対策委員会(プロジェクト) ⑷ 定款・諸規程検討委員会(プロジェクト) ⑼ 外部審議会 ⑸ 会員の倫理・資質向上委員会 ⑹ 生涯教育推進委員会 平成 26 年 3 月現在,厚生労働省その他の所管 ⑺ 学術企画委員会 にかかる各種審議会への本会からの主な推薦委 ⑻ 医師会将来ビジョン委員会(プロジェクト) 員等は下記のとおりであり,それぞれ各種審議事 ⑼ 勤務医委員会 項について本会の方針に即し審議に参画した. ⑽ 勤務医委員会臨床研修医部会 (プロジェクト) ⑾ 勤務医の健康支援に関する検討委員会 ○厚生労働省 (プロジェクト) ・医道審議会/横倉義武,小森 貴 ⑿ 男女共同参画委員会 (医道分科会)/横倉義武 ⒀ 女性医師支援センター事業運営委員会 (医師分科会)/松原謙二,小森 貴 ⒁ 社会保険診療報酬検討委員会 (死体解剖資格審査分科会)/ -6- (感染症部会)/小森 貴 中川俊男 (結核部会)/小森 貴 (医師分科会 医師臨床研修部 (予防接種・ワクチン分科会)/ 会)/小森 貴 小森 貴 (医師分科会 医師国家試験改善検 (予防接種・ワクチン分科会 予防 討部会)/小森 貴 接種基本方針部会)/小森 貴 (医師分科会 医師国家試験出題基 (予防接種・ワクチン分科会 研究 準改定部会)/小森 貴 開発及び生産・流通部会)/ (保健師助産師看護師分科会)/ 藤川謙二 小森 貴 (理学療法士作業療法士分科会)/ (予防接種・ワクチン分科会 副反 藤川謙二 応検討部会)/道永麻里 (あん摩マッサージ指圧師,はり (疾病対策部会)/道永麻里 (疾病対策部会 難病対策委員 師,きゅう師及び柔道整復師分 会)/道永麻里 科会)/藤川謙二 (疾病対策部会 クロイツフェル ・社会保障審議会/中川俊男 ト・ヤコブ病等委員会)/ (医療部会)/中川俊男,今村 聡 道永麻里 (統計分科会 疾病,傷害及び死因 (地域保健健康増進栄養部会)/ 分類部会)/今村 聡 道永麻里 (障害者部会)/葉梨之紀 ・薬事・食品衛生審議会/中川俊男 (介護給付費分科会)/高杉敬久 (介護保険部会)/高杉敬久 (薬事分科会)/中川俊男 (生活困窮者と生活支援の在り方に (医薬品等安全対策部会,医療機器 安全対策部会)/高杉敬久 関する特別部会)/高杉敬久 (食品衛生分科会,食品衛生分科会 (統計分科会)/石川広己 食中毒部会,食品衛生分科会 (児童部会 小児慢性特定疾患児へ の支援の在り方に関する専門委 新開発食品調査部会 新開発食 員会)/石川広己 品評価調査会,食品衛生分科会 (医療分科会)/鈴木邦彦 放射性物質対策部会,食品衛生 (医療保険部会)/鈴木邦彦 分科会 乳肉水産食品部会)/ 石川広己 ・厚生科学審議会/中川俊男 (医薬品第一部会,医薬品第二部 (疾病対策部会 臓器移植委員 会,血液事業部会,血液事業部 会)/今村定臣 会 適正使用調査会,医薬品再 (疾病対策部会 造血幹細胞移植委 評価部会,医療機器・体外診断 員会)/今村定臣 (科学技術部会)/今村定臣 薬部会,一般用医薬品部会,生 (科学技術部会 ヒト胚研究に関す 物由来技術部会,血液事業部会 献血推進調査会)/鈴木邦彦 る専門委員会)/今村定臣 ・中央社会保険医療協議会/ (科学技術部会 再生医療の安全性 中川俊男,鈴木邦彦 確保に関する専門委員会)/ ・臨床研究中核病院評価会議/中川俊男 今村定臣 ・臨床研究・治験活性化に関する検討会/ (科学技術部会 疫学研究に関する 中川俊男 倫理指針の見直しに係る専門委 ・早期・探索的臨床試験拠点評価会議/ 員会)/今村定臣 (科学技術部会 臨床研究に関する 中川俊男 倫理指針の見直しに係る専門委 ・特定機能病院及び地域医療支援病院のあり 方に関する検討会/中川俊男 員会)/今村定臣 ・病床機能情報の報告・提供の具体的なあり (健康危機管理部会)/石井正三 -7- プ/小森 貴 方に関する検討会/中川俊男 ・先進医療会議/中川俊男 ・医師試験委員会/小森 貴 ・がん診療連携拠点病院の指定に関する検討会/ ・不活化ポリオワクチンの円滑な導入に関す る検討会/小森 貴 今村 聡 ・麻しん対策推進会議/小森 貴 ・がん診療提供体制のあり方に関する検討会/ ・疾病・障害認定審査会/小森 貴 今村 聡 (感染症・予防接種審査分科会)/小森 貴 ・診療報酬調査専門組織(医療機関等におけ ・子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検 る消費税負担に関する分科会)/ 討会/小森 貴 今村 聡,鈴木邦彦 ・不活化ポリオワクチン予防接種後副反応検 ・保険者による健診・保健指導等に関する検 討会/小森 貴 討会/今村 聡 ・HTLV−1対策推進協議会/小森 貴 ・実務担当者による特定健診・保健指導に関 ・インフルエンザ予防接種後副反応検討会/ するワーキンググループ/今村 聡 小森 貴 ・終末期医療に関する意識調査等検討会/ ・新型インフルエンザ専門家会議/ 松原謙二 小森 貴,石川広己 ・ハンセン病療養所入所者等に対する補償金 ・肝炎対策推進協議会/小森 貴 の支給に関する関係者懇談会/今村定臣 ・ワクチン接種と乳幼児の突然死に関する疫 ・児童虐待防止医療ネットワーク事業に関す 学調査事業評価検討会/小森 貴 る検討会/今村定臣 ・厚生労働統計の整備に関する検討会/ ・不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあ 石川広己 り方に関する検討会/今村定臣 ・先進医療技術審査部会/石川広己 ・「健やか親子21」の最終評価等に関する検 ・医療情報データベース基盤整備事業のあり 討会/今村定臣 方に関する検討会/石川広己 ・医療法人の事業展開等に関する検討会/ ・東日本大震災の復旧工事に係るアスベスト 今村定臣 対策検証のための専門家会議/石川広己 ・日本DMAT検討委員会/石井正三 ・診療報酬調査専門組織(入院医療等の調 ・救急医療体制等のあり方に関する検討会/ 査・評価分科会)/石川広己 石井正三 ・レセプト情報等の提供に関する有識者会 ・医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬 議/石川広己 検討会議/葉梨之紀 ・レセプト情報等の提供に関する有識者会議 ・医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に 審査分科会/石川広己 関する検討会/葉梨之紀 ・社会保障分野サブワーキンググループ/ ・精神障害者に対する医療の提供を確保する 石川広己 ための指針等に関する検討会/葉梨之紀 ・医療機関等における個人情報保護のあり方 ・医療の質の向上に資する無過失補償制度等 に関する検討会/石川広己 の在り方に関する検討会/高杉敬久 ・医療情報ネットワーク基盤検討会/石川広己 ・医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に ・チーム医療推進会議/藤川謙二 関する検討部会/高杉敬久 ・新人看護職員研修ガイドラインの見直しに ・医療裁判外紛争解決(ADR)機関連絡調整 関する検討会/藤川謙二 会議/高杉敬久 ・国際医療・福祉専門家受入れ支援協議会/ ・脳死下での臓器提供事例に係る検証会議/ 藤川謙二 高杉敬久 ・重篤副作用総合対策検討会/高杉敬久 ・地域医療支援中央会議/鈴木邦彦 ・医療安全対策検討会議 医薬品・医療機器 ・地域医療再生計画に係る有識者会議/ 鈴木邦彦 等対策部会/高杉敬久 ・医療情報の提供のあり方等に関する検討 ・歯科専門職の資質向上検討会/小森 貴 会/鈴木邦彦 ・チーム医療推進方策検討ワーキンググルー -8- する分科会,医療・公衆衛生に関する分科 ・医療の質の評価・公表等推進事業評価会議/ 会)/小森 貴 鈴木邦彦 ○環境省 ・平成25年国民健康・栄養調査企画解析検討会/ ・中央環境審議会/今村 聡 道永麻里 (環境保健部会)/今村 聡 ・平成24年国民健康・栄養調査企画解析検討会/ 道永麻里 (環境保健部会石綿健康被害救済小 ・がん検診のあり方に関する検討会/道永麻里 ・東日本大震災におけるアスベスト調査委員会/ ・小児がん医療・支援のあり方に関する検討会/ 石川広己 委員会)/今村 聡 ・がん対策推進協議会/道永麻里 ・平成25年度エコチル調査企画評価委員会/ 道永麻里 石川広己 ・小児がん拠点病院の指定に関する検討会/ ・東京電力福島第一発原子力発電所事故に伴 道永麻里 う住民の健康管理のあり方に関する専門家 ・緩和ケア推進検討会/道永麻里 会議/石川広己 ・今後のがん研究のあり方に関する有識者会議/ ○国土交通省 道永麻里 ・今後の自動車損害賠償保障制度のあり方に ・健康づくりのための睡眠指針の改定に関す 係る懇談会/藤川謙二 る検討会/道永麻里 ○消防庁 ・がん患者・経験者の就労支援のあり方に関 ・消防審議会/石井正三 する検討会/道永麻里 ・平成25年度救急業務のあり方に関する検討会/ ・肝炎治療戦略会議/道永麻里 石井正三 ・産業保健を支援する事業の在り方に関する ・平成25年度緊急度判定体系に関する検討会/ 検討会/道永麻里 石井正三 ○文部科学省 ・有床診療所火災対策検討部会/藤川謙二 ・科学技術・学術審議会/今村定臣 ○金融庁 (生命倫理・安全部会)/今村定臣 ・自動車損害賠償責任保険審議会/藤川謙二 ・未来医療研究人材養成推進委員会/小森 貴 ○海上保安庁 ・課題解決型高度医療人材養成推進委員会/ 小森 貴 ・海上保安庁メディカルコントロール協議会/ ・今後の健康診断の在り方等に関する検討 石井正三 会/道永麻里 7.都道府県医師会及び郡市区等医師会との 連絡 ・子どもを見守り育てるネットワーク推進会 議/道永麻里 ○内閣府 都道府県医師会及び郡市区等医師会との連絡 ・野口英世アフリカ賞委員会/横倉義武 の緊密化は,平常会務の円滑なる運営を図るため ・死因究明等推進会議/横倉義武,今村 聡 に欠くことのできない重要事項であり,平素より ・子ども・子育て会議/今村定臣 意を用いて推進しているが,現下の IT 化時代に ・自殺対策官民連携協働会議/葉梨之紀 おいては,インターネットを積極的に利用するな ・実践キャリア・アップ戦略 専門タスク・ ど,迅速で効率的な連携を図った. フォース 介護プロフェッショナルワーキ 重要問題については,それぞれ都道府県医師会 ング・グループ/高杉敬久 長協議会, 担当理事連絡協議会等を随時開催して, ・男女共同参画推進連携会議/小森 貴 広く英知を結集して問題の処理に万全を期した. ・食品安全委員会 企画等専門調査会/ また,日医ホームページを利用して,医師会及 石川広己 び会員に対する各種連絡,資料の提供等を行って ○内閣官房 いる. ・健康・医療戦略参与/横倉義武 8.都道府県医師会長協議会 ・新型インフルエンザ等対策有識者会議(基 本的対処方針等諮問委員会,社会機能に関 本年度は,3 回開催した. -9- 第 1 回は,平成 25 年 7 月 23 日に開催し,当面 た. また,平成 25 年度日本医師会医学賞 3 名及び する諸問題について,1.高齢者の住まいに関す る諸問題について, 2. 「成育基本法 (小児保健法) 」 (仮称)の成立に向けた日本医師会の今後の具体 医学研究奨励賞 15 名にもおのおの研究費を贈呈 した. 的な取組方針について,3.今,なぜ「日医主導 なお,本年度に 99 歳の白寿に達せられた村上 の医療基本法」なのか,4.リフィル処方箋につ 京子氏(青森)他計 37 名に三つ重ね銀盃を,88 いて, 5. 日本の医療の将来に向けて今考えること, 歳の米寿に達せられた逢坂 愛児氏(北海道)他 6.生活保護における医療扶助の抑制に関して, 7. 計 1,490 名に対しても銀の単盃をおのおの別途贈 安定,継続可能な保険組合の設立について,8. 呈し,長寿をお祝いした. 一般社団法人医療安全全国共同行動の設立につ 〈第 66 回日本医師会設立記念医学大会次第〉 いて,9.日本医師会電子認証センターについて, 開 会 等協議が行われた. 第 2 回は,平成 25 年 11 月 19 日に開催し,1. 挨 拶 10%消費増税時の対応について,2.日本医師会 祝 辞 厚生労働大臣 医師賠償責任保険について,3.有床診療所の防 表 彰 1 日本医師会最高優功賞 火対策と対応について,4.医学部新設動向への 対応について,5.選挙管理委員会に望む事,6. ⑴ 在任 6 年日本医師会役員 日本学術会議報告書について,7.日本医学会に ⑵ 通算 6 年日本医師会役員及び都道府県 医師会長 ついて,8.日本医師会からのお願い①小児 Ai モデル事業について,②地域医療支援センター及 ⑶ 在任 6 年都道府県医師会長 び医療勤務環境改善支援センター事業について, ⑷ 医学,医術の研究又は地域における医 療活動により,医学,医療の発展又は 等協議が行われた. 社会福祉の向上に貢献し,特に功績顕 第 3 回 は, 平 成 26 年 1 月 21 日 に 開 催 し,1. 著なる功労者 ネット依存症に対する日本医師会の対応につい 2 日本医師会優功賞 て,2.国民医療を守るということ,3.JMAT の派遣体制と研修について,4.医師資格証の利 ⑴ 在任 10 年日本医師会代議員 活用について日本医師会の考えを問う, 5. 感染症・ ⑵ 在任 10 年日本医師会委員会委員 予防接種に適切に対処する恒常的な検討・指導組 ⑶ 都道府県医師会長退任者 織の確立を,6.新たな財政支援制度について,7. ⑷ 日本医師会会長表彰者 平成 24・25 年度定款・諸規程検討委員会中間答 3 平成 25 年度日本医師会医学賞 申について,等協議が行われた. 4 平成 25 年度日本医師会医学研究奨励賞 5 長寿会員慶祝者紹介 9.第 66 回日本医師会設立記念医学大会 謝 辞 平成 25 年 11 月 1 日(金)午後 1 時より日本医 講 演 師会館において,下記次第により第 66 回日本医 骨髄異形成症候群における RNA スプライシン 師会設立記念医学大会を開催した. グ因子の変異の発見 京都大学大学院医学研究科教授 本年度の表彰者は後掲のとおりであり,式典に おいて,日本医師会功労者として在任 6 年日本医 小川 誠司 師会役員 1 名,通算 6 年日本医師会役員及び都道 地域および職場における心の健康の実態,関連 府県医師会長 1 名,在任 6 年都道府県医師会長 6 要因解明および対策に関する研究 東京大学大学院医学系研究科教授 名,医学・医術の研究又は地域における医療活動 により,医学・医療の発展又は社会福祉の向上に 川上 憲人 貢献し,特に功績顕著なる功労者 13 名に最高優 インクレチン生理機能の解明と日本人糖尿病 功賞を贈り,また,在任 10 年日本医師会代議員 におけるその意義 関西電力病院病院長 15 名,在任 10 年日本医師会委員会委員 45 名, 清野 裕 都道府県医師会長退任者 3 名,日本医師会会長表 彰者 1 名に対し優功賞を授与し,記念品を贈呈し 閉 会 - 10 - ○医師会活動を通じて看護師養成に貢献した 〈第 66 回日本医師会設立記念医学大会表彰者〉 〔日本医師会最高優功賞〕 功労者 在任 6 年日本医師会役員 友寄 英毅(沖縄) 羽生田 俊(群馬) (12 年) [日本医師会優功賞] 在任 10 年日本医師会代議員 通算 6 年日本医師会役員及び都道府県医師会長 齋藤 浩(茨城)他計 15 名 伯井 俊明(大阪) 在任 10 年日本医師会委員会委員 在任 6 年都道府県医師会長 藤井 美穂(北海道)他計 45 名 薬袋 健(山梨) 小林 博(岐阜) 都道府県医師会長退任者 鈴木 勝彦(静岡) 岩城 勝英(富山)他計 3 名 塩見 俊次(奈良) 蒔本 恭(長崎) 日本医師会会長表彰者 稲倉 正孝(宮崎) 新垣 元(沖縄) 医学,医術の研究又は地域における医療活動によ り,医学,医療の発展又は社会福祉の向上に貢献 [日本医師会医学賞] し,特に功績顕著なる功労者 小川 誠司(京都大学大学院) 川上 憲人(東京大学大学院) ○産業保健活動の推進に貢献した功労者 清野 裕(関西電力病院) 皆川 憲弘(茨城) ○地域医療体制の整備及び保健事業に貢献し [日本医師会医学研究奨励賞] た功労者 上野 博夫(関西医科大学)他計 15 名 髙梨 邦彦(埼玉) ○ C 型肝硬変症からの肝発がん予防に貢献し 10.裁定委員会 た功労者 多羅尾 和郎(神奈川) 本委員会は,代議員会において選任された 11 ○母子保健・周産期医療に著しく貢献した功労者 中村 彰(石川) 名の委員(島田保久委員長)で構成されるが,本 年度の開催はなかった. ○地域医療の向上及び保健衛生活動に貢献し 11.定款・諸規程検討委員会 た功労者 山内 英通(岐阜) 横倉会長からの諮問「新公益法人制度移行後の ○介護支援体制の確立に貢献した功労者 さらなる組織強化に向けた方策について」 を受け, 久保 公昭(三重) 定款・諸規程検討委員会(蒔本 恭委員長他 11 ○社会福祉活動の推進に貢献した功労者 名及び専門委員 3 名)は,本年度 4 回の委員会を 谷本 吉造(大阪) 開催し,鋭意検討を行った. ○公衆衛生の向上に貢献した功労者 平成 26 年 1 月には中間答申として,勤務医と 尾崎 馨(兵庫) 女性医師各 1 名の理事への登用を主眼とした「理 ○検診事業の普及・推進に貢献した功労者 事定数の増員に係る提言」 を横倉会長に提出した. 西尾 功(奈良) 平成 26 年 3 月には最終の答申をとりまとめ, ○病理学を通じて地域医療の向上に貢献した 横倉会長に提出した. 功労者 元井 信(広島) ○救急医療体制の確立に貢献した功労者 福田 俊郎(長崎) ○離島医療に著しく貢献した功労者 田上 容正(鹿児島) そのなかで,日本医学会の法人格取得に向けた 意向については, 「日本医学会連合なる法人が新 たに設立されたのちも,日本医師会と日本医学会 は決して分離することなく,良き伝統と信頼のな かで育まれた相互理解と尊重に基づく連携をよ り一層強化するとともに,その協働している姿を - 11 - 広く国民に発信していくよう,本委員会として強 14.第 65 回「保健文化賞」受賞候補者の推薦 く要望する. 」としている. また,第 127 回日本医師会臨時代議員会からの 保健文化賞を主催する第一生命保険株式会社 検討課題である⑴勤務医を増やすことを主眼と から受賞候補者の推薦依頼を受け,都道府県医師 した代議員・予備代議員定数の見直し,⑵選挙管 会にその該当者の推薦を依頼し,団体 3 件の候補 理委員会のあり方等の見直しについては,いずれ 者推薦報告を得た.本会では慎重選考の上,団体 もその必要を認めないとしている. 3 件を候補者として推薦し,第一生命の審査委員 会の厳正な審査の結果, 大分県医師会が受賞した. 12.医師会将来ビジョン委員会 15.平成 25 年度「日本対がん協会賞」及び 「朝日がん大賞」受賞候補者の推薦 将来の医療を担う医師会員に,将来の医師会活 動及びわが国の医療制度はどのような姿である べきか等を自由闊達に議論してもらうために設 日本対がん協会より受賞候補者の推薦依頼を 置された「医師会将来ビジョン委員会」は,全国 受け,都道府県医師会にその該当者の推薦を依頼 の医師会から推薦を受けた,主に 30 歳台,40 歳 したところ, 「日本対がん協会賞」の候補として 台の委員 15 名(委員長:佐原博之石川県医師会 個人 3 名, 団体 3 件の推薦報告を得た.本会では, 理事)で構成され,会長諮問「地域医療の再興に 慎重選考の上, 「日本対がん協会賞」の候補とし 向けた医師及び医師会の役割」を受け,本年度は て個人 3 名,団体 3 件を推薦した. 6 回の委員会を開催し鋭意検討を行った. 日本対がん協会賞選考委員会の慎重な審査を 委員会では,地域医療の再興に向けた, 「医師 のワーク・ライフ・バランスへの取り組み」 「地 経て,本会より推薦した次の個人 1 名及び団体 1 件が「日本対がん協会賞」を受賞した. 域医師会活性化の将来ビジョン」 「総合診療医の 《個人の部》 現状と将来ビジョン」 「医師の偏在対策」等をテ 永山 孝(沖縄県) ーマに委員長及び委員によるプレゼンテーショ 《団体の部》 ンとディスカッションを重ね,意見を取りまとめ 富士市医師会胃腸疾患研究会(静岡県) 平成 26 年 3 月会長に答申した. 16.2014 年版医師日記 13.都道府県医師会事務局長連絡会 本会では,従来より毎年医師日記を発行して会 日本医師会と都道府県医師会事務局との連絡 並びに協議を行うため, 平成 26 年 2 月 28 日(金) 員の便に供しており,本年度は 5,600 冊作成し, 希望会員に実費で頒布した. に標記連絡会を日本医師会館で開催した. 17.国民医療を守るための国民運動 なお,本連絡会では毎年,年度内に退職または 退職予定の事務局長に対して,日本医師会長より 感謝状を贈呈している. 日本医師会をはじめ 40 団体をもって構成する 「国民医療推進協議会」 (横倉義武会長)は,平成 当日の次第は次のとおりである. 25 年 10 月 23 日に第 9 回総会を開催し,国民皆 1.開 会 保険の堅持と地域医療の再興,そして,安全で安 2.会長挨拶 心な医療を提供するために必要な財源を求める 3.感謝状贈呈 国民の声を政府に届けることを目的とした「国民 4.日本医師会からのお願い 医療を守るための国民運動」の展開を決定した. ①小児 Ai モデル事業について 日本医師会常任理事 標記運動の一環として,平成 25 年 12 月 6 日に 高杉 敬久 日比谷公会堂で開催した「国民医療を守るための ②産業保健 3 事業一括運営について 総決起大会」では,約 2,000 名(国会議員 44 名, ③医療勤務環境改善支援センター及び地域医 代理 35 名,計 79 名含む)の方が集まり,国民皆 療支援センター事業について 日本医師会常任理事 保険の堅持等を求める決議を満場一致で採択し 道永 麻里 た. 5.質疑応答 その他,全国各地で地域集会が開催され,国民 6.そ の 他 皆保険の堅持を求める国民の声が,地元選出の国 7.閉 会 会議員や地方議会に届けられた. - 12 - ⑴ 台風被害 18.東日本大震災への対応 平成 25 年 9 月に発生した台風 18 号の被害報告 日本医師会では東日本大震災に際し,全国の医 師会の協力により JMAT を被災地へ派遣すると を受け,被災会員救援のため,京都府医師会に見 舞金を送った. ともに,被災地での死体検案業務に従事する検案 担当医を派遣するなど様々な支援活動を行って ⑵ フィリピン台風 30 号被害 きた.本年度も都道府県医師会等と連携を図りな 平成 25 年 11 月 8 日、フィリピンに上陸した台 がら,被災各県等に対して,下記をはじめとする 風 30 号の被災者に対して,現地で医療支援活動 支援活動を行った. を行っている特定非営利活動法人 AMDA 並びに 福山市医師会(広島県)に、全国の医師会並びに ⑴ JMAT Ⅱ(日本医師会災害医療チーム) 会員から寄せられた支援金を配賦した. の派遣 20.生命倫理懇談会 (地域医療第 1 課の項参照) ⑵ 電力確保対策 生命倫理懇談会は,委員 13 名(座長:髙久史 (医事法・医療安全課の項参照) 麿日本医学会長, 副座長:薬袋健山梨県医師会長) , ⑶ 被災者健康支援連絡協議会 専門委員 3 名で構成され,本年度は本会議 3 回, 本協議会は,⑴被災地の医療ニーズに対 作業部会 1 回を開催し,昨年度に引き続き,諮問 応した医療チームの中長期的な派遣の確保, 「今日の医療をめぐる生命倫理−特に終末期医療 ⑵避難所をはじめ被災地の健康確保上のニ と遺伝子診断・治療について−」の検討を行い, ーズ把握と感染症対策等被災者の健康確保 答申作成に向けての作業を進めた. のための必要な支援等を行うことを目的と 懇談会では,終末期医療については, 「尊厳死 して,日本医師会,日本歯科医師会,日本 法制化」 「高齢者の終末期のケア」 「宗教からみた 薬剤師会,日本看護協会,全国医学部長病 終末期医療」 ,遺伝子診断・治療については, 「出 院長会議,日本病院会,全日本病院協会の 7 生前遺伝子診断−母体血を用いた出生前遺伝学 団体により,平成 23 年 4 月 22 日に設置され 的検査を中心に−」 「遺伝子診断の商業化」を答 た組織である.協議会の代表には横倉日本 申項目として,それぞれの現状と問題点を取りま 医師会長が就任している.現在では医療・介 とめ,平成 26 年 3 月,横倉会長に提出した. 護団体 19 組織(36 団体)を擁する組織とな っている. なお,第 5 回懇談会(平成 25 年 8 月 22 日)の 講師として招聘した増井徹先生(医薬基盤研究所 本年度は協議会を 2 回開催し,行政と参 難病・疾患資源研究部部長)の講義を参考にして 加団体との情報共有等を図りながら,被災 まとめた「医学研究における包括的同意につい 者の健康確保,並びに地域医療体制の再構 て−包括的同意の定義と試料・情報の保管・利 築に向けて検討を行い,政府等に対し下記 用−」を付記している. の提言及び要望書を提出した. 21.会員の倫理・資質向上委員会 ①大規模災害への対応にかかる提言及び要 望書 会員の倫理・資質向上委員会は委員 12 名(委 (平成 25 年 4 月 17 日,古屋内閣府特命担当 大臣(防災)に提出) 員長:森岡恭彦日本医師会参与)および専門委員 3 名で構成され,横倉会長から「医師会自浄作用 ②今後の大規模災害への対応にかかる提言 活性化のための具体的方策について」との諮問に (平成 25 年 10 月 30 日,古屋内閣府特命担 対し,本年度は委員会を 4 回,運営委員会を 4 回, 当大臣(防災)に提出) 医療倫理問題集作成のための作業部会を 3 回開催 した. 19.災害支援(支援金,見舞金) 委員会では,医師の不正行為の実態と防止策に 日本医師会は,国内並びに諸外国での地震等の ついて,加藤則子国立保健医療科学院統括研究官 災害に対して,支援金・見舞金等の配賦を行って に「行政処分を受けた医師の再教育について」と いる.本年度の配賦は以下のとおりである. 題して不正医師の再教育制度の実態をヒアリン グした.また,海外における行政処分について日 - 13 - 本医師会国際課を通じて 13 か国の医師会にアン 勤務医の組織化,三層構造の改善や入会手続きの ケート調査を行い,わが国における現状と対比し 簡素化,女性医師支援,日医執行部への勤務医の 問題点を議論した. 参画等について,各委員が委員会での議論も踏ま 情報提供として,日本医師会ホームページ「医 の倫理の基礎知識」の掲載内容の充実を図り,さ えつつ,それぞれの思いを込めながら担当各項目 を執筆し,平成 26 年 2 月会長に答申した. らに都道府県医師会へのアンケート調査を行い, また,諮問にある “具体的な方策” に対する一 それをもとに第 4 回ワークショップ 「会員の倫理・ 策として,都道府県医師会及び郡市区等医師会が 資質向上をめざして−都道府県医師会の取り組 勤務医に係る各種講習会等で使用することを念 みおよびケーススタディから学ぶ医の倫理−」の 頭に置いた,スライド資料「日本医師会の活動と 開催を企画した. 取り組みの紹介(案) 」を作成し,各医師会が自 医療倫理問題集については,50 題を超える問 題を作成したが,引き続きブラッシュアップする 由にダウンロードできるよう,日医ホームページ に掲載した. 必要があるとした.将来的には,医師の生涯教育 さらに,郡市区等医師会における勤務医に係る の一助となるよう会員に提供していく予定であ 意識や取り組み等について,その現状等を把握す る. るために,全国の 891 郡市区等医師会に対して実 これらの活動をもとに,会員の倫理・資質向上 施した「郡市区等医師会における勤務医に係る調 における医師団体の役割や地域医師会活動の重 査」の報告書を取りまとめ,答申と併せて提出し 要性を説いた答申を,平成 26 年 3 月会長に提出 た. そのほか,日医ニュース「勤務医のページ」の した. 22.第 4 回ワークショップ「会員の倫理・資質… 向上をめざして−都道府県医師会の取り組み… およびケーススタディから学ぶ医の倫理−」 企画・立案,全国医師会勤務医部会連絡協議会へ の意見具申等を行った. 24.勤務医委員会臨床研修医部会 標記ワークショップ (平成 26 年 2 月 26 日開催) 勤務医委員会臨床研修医部会は,臨床研修医 は,平成 22 年度からシンポジウムとして開催し 11 名で構成され,本年度は 2 回の部会を開催し てきたが,会の内容を鑑み本年度はワークショッ 鋭意検討を行った. プと改称した.前半部では茨城・愛知・福岡・鹿 部会では,各委員が所属する臨床研修病院での 児島の各県医師会により会員の倫理・資質向上に 研修状況や受け持ちの患者数等の現状報告等も 関する取り組みについて報告がなされ,自浄作用 交えながら,当直・救急医療(医療安全,労働環 活性化のための方策について考察を深めた.後半 境) ,マッチング時の臨床研修病院の情報提供の 部は昨年度と同様にワークショップ形式による あり方,臨床研修医を確保するための取り組み等 ケーススタディを行った. 「診療報酬請求の適正 に関して意見交換をしたほか,自由選択科目の選 化のために」 , 「終末期患者の医療のあり方」と題 び方や専門科目決定に至るプロセス等に関する 1 して,2 事例につき具体的なケースを取り上げ, 年目の臨床研修医の質問に対して,2 年目の臨床 グループに分かれて議論し発表を行い,全体で討 研修医がその経験等を踏まえ助言・回答した. 議した. また,平成 25 年度全国医師会勤務医部会連絡 協議会の開催に合わせ,同協議会の前日となる平 23.勤務医委員会 成 25 年 11 月 8 日(金)に,岡山県内の 9 病院か 勤務医委員会は委員 12 名(委員長:泉良平富 山県医師会副会長)で構成され,横倉会長からの ら 9 名の臨床研修医を招聘し, 「勤務医委員会臨 床研修医部会 in 岡山県」を開催した. 諮問「勤務医の組織率向上に向けた具体的方策」 25.平成 25 年度全国医師会勤務医部会 連絡協議会 を受け,本年度は男女共同参画委員会との合同委 員会を含め 5 回の委員会を開催し鋭意検討を行っ た. 全国医師会勤務医部会連絡協議会は,全国の医 委員会では,勤務医の組織率向上に妙案はない 師会勤務医の有機的連携により,医師会活動の強 と諦めず,強い気持ちで組織改革に立ち向かうこ 化を図り,医学医術の振興と国民の健康・福祉の とが必要であるとして,勤務医部会活動を通じた 増進に寄与することを目的として担当医師会の - 14 - その環境改善に対する取り組み 運営で開催している. −自治体病院から− 本年度は,岡山県医師会の担当により平成 25 総合病院岡山市立市民病院副院長 年 11 月 9 日(土) ,ホテルグランヴィア岡山にお いて,都道府県医師会関係者及び勤務医部会関係 今城 健二 者など 393 名の参加を得て, 「勤務医の実態とそ 5.人口過疎地における取り組み−山間部の中 小病院から− の環境改善−全医師の協働にむけて」をメインテ 社会医療法人緑壮会 金田病院理事長 ーマに次の次第により開催した. 金田 道弘 総合司会 岡山県医師会理事 6.質疑応答 山本 博道 7.総括コメント 開 会 岡山県医師会勤務医部会長 清水 信義 挨 拶 日本医師会長 岡山県医師会長 来賓祝辞 岡山県知事 岡山市長 日本医師会常任理事 横倉 義武 小森 貴 石川 紘 フォーラム 伊原木隆太 「岡山からの発信−地域医療人の育成」 座長 岡山県医師会副会長 大森 雅夫 糸島 達也 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科長 特別講演 1 谷本 光音 「日本医師会の直面する課題」 日本医師会副会長 座長 岡山県医師会長 1.日本の医療を飛躍させる医師育成プランの 今村 聡 グランドデザイン 石川 紘 特別講演 2 岡山大学医学教育リノベーションセ 「日本の医療をめぐる課題:チーム医療を中心に」 ンター准教授 自治医科大学学長 座長 岡山県医師会副会長 2.良い医師をみんなで育てる 永井 良三 岡山医師研修支援機構 理事長 清水 信義 糸島 達也 日本医師会勤務医委員会報告 3.地域医療におけるヒトの育成 日本医師会勤務医委員会委員長 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 泉 良平 地域医療人材育成講座教授 佐藤 勝 次期担当県挨拶 神奈川県医師会長 4.女性がいきいきと働き地域貢献を果たす仕 大久保吉修 組みづくり パネルディスカッション 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 「様々な勤務医の実態とその環境改善を目指して」 座長 岡山県医師会理事 山本 和秀 岡山県医師会理事 中島 豊爾 医療人キャリアーセンター MUSCAT センター長 片岡 仁美 5.岡山県医師会の活動 1.大学病院における勤務医の実態−大学病院 岡山県医師会理事 から− 岡山大学病院医療情報部・経営戦略 6.質疑応答 支援部教授 7.総括コメント 合地 明 日本医師会常任理事 2.国立病院機構における勤務医の実態〜岡山 神﨑 寛子 小森 貴 岡山宣言採択 医療センターでの現状と取り組みを踏まえ て〜−公的病院から− 独立行政法人国立病院機構岡山医療 センター副院長 山根 正修 佐藤 利雄 岡山県医師会副会長 清水 信義 閉会 岡山県医師会副会長 糸島 達也 26.都道府県医師会勤務医担当理事 連絡協議会 3.勤務医の光と影〜勤務医は何を求め,病院 はどう応えるべきか −大規模私的病院から− 日本医師会および各都道府県医師会における 公益財団法人大原記念倉敷中央医療 勤務医活動並びに勤務医に関わる諸問題等につ 機構 倉敷中央病院糖尿病内科主任 いて協議を行うため,平成 25 年 11 月 29 日(金) 部長 に標記連絡協議会を日本医師会館で開催した. 松岡 孝 4.岡山市立市民病院における勤務医の実態と - 15 - 本年度は, 「医療事故調査制度及び新しい専門 医制度」をテーマに,シンポジウム形式で開催し 委員会を設置し,日本医師会館での開催に向けて た.出席者は,都道府県医師会担当理事並びに本 準備を進めた. 会勤務医委員会委員である.協議会の内容は次の 28.第 9 回男女共同参画フォーラム とおりである. 1.開 会 標記フォーラムを平成 25 年 7 月 27 日(土) , 2.会長挨拶 山口県医師会の担当のもと,山口県総合保健会館 3.議 事 において, 「みんなちがって,みんないい〜伝え 【報 告】 たい,豊かな医療人をめざすあなたへ〜」をテー 全国医師会勤務医部会連絡協議会について マに下記次第により開催した.全国の都道府県医 ①平成 25 年度報告(岡山県医師会) 師会からの参加者数は,563 名であった. ②平成 26 年度担当医師会挨拶(神奈川県医 師会) 【シンポジウム】 「医療事故調査制度及び新しい 専門医制度」 総合司会 山口県医師会理事 今村 孝子 開 会 山口県医師会副会長 濱本 史明 挨 拶 日本医師会長 横倉 義武 ⑴ 医療事故調査制度 山口県医師会長 ①医療事故調査制度のその後の動き(日本 小田 悦郎 基調講演「より良い医療のために,より良いキ 医師会常任理事 高杉 敬久) ャリアのために」 ②診療行為に関連した死亡の福岡県医師会 講師:国際医療福祉大学副学長 調査分析事業(福岡方式) 桃井眞里子 座長:山口県医師会男女共同参画部会副部 (日本医師会勤務医委員会委員 上野 道雄) ⑵ 新しい専門医制度について 会長 黒川 典枝 報 告 (日本医師会常任理事 小森 貴) 1.日本医師会男女共同参画委員会 ⑶ その他 日本医師会男女共同参画委員会委員長 4.閉 会 小笠原真澄 2.日本医師会女性医師支援センター事業 27.男女共同参画委員会 日本医師会女性医師支援委員会委員長 秋葉 則子 委員会は委員 14 名(委員長:小笠原真澄秋田 県医師会理事)で構成され, 昨年度に引きつづき, シンポジウム 会長諮問 「男女共同参画のさらなる推進のために」 「みんなちがって,みんないい〜伝えたい , 豊か について,本年度は委員会を 5 回(うち 1 回は勤 務医委員会との合同委員会)開催し,鋭意検討を な医療人をめざすあなたへ〜」 座長:山口県医師会男女共同参画部会理事 田村 博子 行った. 委員会では,男女共同参画推進に必要とされる 日本医師会男女共同参画委員会委員長 意識改革に関連して,勤務委員会と合同で「男女 小笠原真澄 共同参画についての男性医師の意識調査」を実施 コメンテーター : した.また「女性医師の勤務環境の整備に関する 国際医療福祉大学副学長 桃井眞里子 病院長,病院開設者・管理者等への講習会スライ 日本医師会常任理事 ド」を 5 年ぶりに更新するとともに,同講習会を 1.女医は希望の星 女性医師支援センター事業として再開した.さら 医事評論家 に,これらの取り組みと並行して,日本医師会に おける男女共同参画について検証し,今後何が必 要で,何をなすべきかについての議論を重ね,そ の結果を答申としてまとめ,平成 26 年 2 月,男 性医師に対する意識調査結果とともに会長に報 小森 貴 行天 良雄 2.豊かな医療人を育成するために 山口大学大学院医学系研究科放射線 治療学分野教授 澁谷 景子 3.ジェネレーションギャップを乗り越えて いしいケア・クリニック 原田 唯成 4.地域で取り組む男女共同参画〜山口県医師 告した. なお,男女共同参画フォーラムが来年度 10 周 年を迎えることから,委員会内にフォーラム準備 - 16 - 会の取り組み〜 山口県医師会男女共同参画部会長 松田 昌子 と各地の医学部・医科大学生の交流会を,平成 総合討論 25 年 12 月 25 日(水) ,日本医師会館において開 第 9 回男女共同参画フォーラム宣言採択 催した.交流会では,32 名の医学生が参加し, 「今 山口県医師会男女共同参画部会副部 後の医療のあり方と医師養成」 「在宅医療・地域 会長 内平 信子 医療」 「救急医療・災害医療と医療の国際化」 「男 山口県医師会常任理事 山縣 三紀 女共同参画と総合診療専門医」 「地域医療・チー ム医療・多職種連携」のテーマ毎に 5 つの分科会 閉 会 に分かれ,役員とともに議論した.全体会議では 29.利益相反管理委員会 その成果をグループ毎に発表し,質疑応答を行っ 利益相反管理委員会は,公的研究(主に厚生労 た. 働科学研究)に,本会の役職員が研究者(研究代 32.日本医師会臨床研修医支援ネットワーク (RSN) 表者あるいは研究分担者)として携わる場合,そ の研究の公正性,信頼性を確保するために,利害 関係が想定される外部との関わり(利益相反)を 管理しており,委員は下記の 3 名からなる. 日本医師会臨床研修医支援ネットワーク (Resident Support Network:RSN)は,日本医師 本 年 度 は 平 成 25 年 6 月,11 月, 平 成 26 年 3 会の事業のうち,広く利用できるサービスを無償 月に治験促進センターの研究代表者(日本医師会 提供することにより臨床研修医を支援すること 長)並びに研究者の審査を行い, 問題なしとした. 等を目的に,平成 23 年 4 月 1 日に創設されたも また,厚生労働科学研究の研究者である日本医師 のである.日本医師会会員・非会員を問わず,日 会常任理事,日医総研職員 2 名に対してもそれぞ 本医師会ホームページを通じて登録のあった臨 れ平成 25 年 7 月に審査を行い,問題なしとした. 床研修医に対して,同ホームページ会員専用ペー 利益相反管理委員会 ジの閲覧,日本医師会医学図書館の利活用,提携 委員長 福井 次矢(聖路加国際病院) ホテルの特別割引等,インターネットを利用した 委 員 樋口 範雄(東大) サービスを提供している. 委 員 村田 真一(弁護士) 本年度は,同ネットワークのパンフレットを作 成し, 日本医師会が毎年実施している「医科大学・ 30.医学生向け無料情報誌『ドクタラーゼ』 の発行 大学医学部卒業生への贈呈本」に同封したほか, 全国 1,062 の臨床研修病院に送付する等,その周 日本医師会は,医学生が多様な考え方・価値観・ 知に努めた. 情報に触れ,これからの医療の担い手に必要な広 33.日本医師会と全国大学医師会連絡協議会 との懇談会 い視野を涵養する機会や情報を提供するために, また,医師会に対する理解の深化を図ることを目 的として,公共的な立場から意識啓発を行う情報 日本医師会と大学医師会とのより緊密な連携 媒体として医学生向け無料情報誌 『ドクタラーゼ』 をもって,医療をめぐる諸問題を的確に把握し解 を作成し,平成 24 年 4 月 25 日に創刊号を発行し 決策を検討していくため,全国大学医師会連絡協 た. 議会(会長 水澤 英洋東京医科歯科大学医師会会 本年度は,同誌を年 4 回(4・7・10・1 各月の 25 日発行)発行し,発行部数は 70,000 部で,全 長)との懇談会を,平成 25 年 6 月 25 日(火) , 日本医師会館において開催した. 国の医学部・医科大学,都道府県・郡市区等医師 当日は横倉会長をはじめ担当役員が出席する 会に送付した.また,希望により医学部進学率の なかで,医療事故調査制度や大学臨床系教員の勤 高い高校や予備校の医学部進学コースにも配布 務環境改善等について,意見交換を行った. した. 34.一般社団法人及び一般財団法人に関する… 法律第 90 条第 4 項第 5 号に規定する… 体制の整備についての決定 31.日本医師会役員と医学生の交流会 わが国の医療制度とその問題点について,とも に考える機会をもち,医師会活動に対する理解を 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 深めてもらうことを目的として,日本医師会役員 第 90 条第 4 項第 5 号並びに一般社団法人及び一 - 17 - 般財団法人に関する法律施行規則第 14 条の規定 のとして法務省令で定める体制の整備に関する に基づき,理事の職務の執行が法令及び定款に適 事項を,平成 25 年 4 月 2 日開催の理事会決議に 合することを確保するための体制その他一般社 より, 「日本医師会内部統制システム基本方針」 団法人の業務の適正を確保するために必要なも 及び「日本医師会リスク管理規程」として定めた. - 18 - 金井 忠男(埼玉県) 〔別掲〕会内各種委員会委員名簿 小林 博(岐阜県) 医療政策会議 近藤 稔(大分県) 議 長 田中 滋(慶大) 齋藤 浩(茨城県) 副 議 長 大久保吉修(神奈川県) 清水 孝雄(東大) 委 員 池田 琢哉(鹿児島県) 橋本 信也(医療教育情報センター) 太田 照男(栃木県) 三谷 絹子(獨協医大) 嘉数 研二(宮城県) 久道 茂(日本医学会) 川島 龍一(兵庫県) 森 臨太郎(国立成育医療研究センター) 桐野 髙明(国立病院機構) 門田 守人(日本医学会) 権丈 善一(慶大) 渡邉 俊介(東京女子医大) 鶴谷 嘉武(群馬県)25.10.31 逝去 定款・諸規程検討委員会(プロジェクト) 長瀬 清(北海道) 二木 立(日本福祉大) 委 員 長 蒔本 恭(長崎県) 野中 博(東京都) 副委員長 荒木 譽達(東京都) 伯井 俊明(大阪府) 委 員 池上 秀明(神奈川県) 久野 梧郎(愛媛県) 魚谷 純(鳥取県) 柵木 充明(愛知県) 大澤 英一(奈良県) 松田峻一良(福岡県) 樫尾 富二(愛知県) 松田 晋哉(産業医大) 加藤 寿彦(愛知県) 北村 良夫(大阪府)25.10.22 〜 生命倫理懇談会 立元 祐保(宮崎県) 座 長 髙久 史麿(日本医学会) 中條 明夫(山形県) 副 座 長 薬袋 健(山梨県) 久野 梧郎(愛媛県) 委 員 位田 隆一(同志社大) 松原 謙二(大阪府)25.10.13 まで 岩尾總一郎(日本尊厳死協会) 宮本 慎一(北海道) 専門委員 大中 正光(福井県) 畔柳 達雄(日医参与・弁護士) 小山田 雍(秋田県) 奥平 哲彦(日医参与・弁護士) 葛田 衣重(千葉大) 手塚 一男(日医参与・弁護士) 杉浦 真弓(名古屋市立大) 会員の倫理・資質向上委員会 鍋島 直樹(龍谷大) 楢原多計志(共同通信社)25.3.31 まで 委 員 長 森岡 恭彦(日医参与) 丹羽 国泰(岡山県) 副委員長 樋口 範雄(東大) 橳島 次郎(東京財団) 委 員 伊藤 雅治(全国訪問看護事業協会) 福嶋 義光(信州大) 岡林 弘毅(高知県) 町野 朔(上智大) 北村 聖(東大医学教育国際研究 横田 俊平(横浜市立大)25.1.17 まで 専門委員 センター) 畔柳 達雄(日医参与・弁護士) 小宮 英美(NHK 放送総局ラジオセンター) 奥平 哲彦(日医参与・弁護士) 関 隆教(長野県) 手塚 一男(日医参与・弁護士) 髙谷 雄三(福島県) 竹下 俊文(東京都)25.7.9 まで 学術推進会議 橳島 次郎(東京財団) 座 長 髙久 史麿(日本医学会) 桃井眞里子(国際医療福祉大) 副 座 長 川島 周(徳島県) 森久保雅道(東京都)25.8.6 〜 委 員 青木 重孝(三重県) 吉田 雅幸(東京医科歯科大) 専門委員 有海 躬行(山形県) 畔柳 達雄(日医参与・弁護士) 奥平 哲彦(日医参与・弁護士) 笠原 𠮷孝(滋賀県) - 19 - 医師会将来ビジョン委員会(プロジェクト) 手塚 一男(日医参与・弁護士) 生涯教育推進委員会 委 員 長 佐原 博之(石川県) 副委員長 玉井 修(沖縄県) 委 員 磯浦 東(愛知県) 委 員 長 倉本 秋(高知医療再生機構) 副委員長 林 正作(香川県) 岩本 伸一(大阪府) 委 員 上田真喜子(大阪府) 岡田 昭人(北海道) 尾﨑 治夫(東京都) 岡田 克夫(鳥取県) 小野 晋司(京都府) 清山 知憲(宮崎県) 小俣 二也(山梨県) 小嶋 一(北海道) 河合 直樹(岐阜県) 宍倉 朋胤(千葉県) 佐藤 家隆(秋田県) 野村 恭子(帝京大) 津田 泰夫(福岡県) 長谷川仁志(秋田県) 洞庭 賢一(石川県) 花田 裕之(青森県)25.3.26 〜 丸山 泉(丸山病院) 村松 弘康(東京都) 渡辺 直樹(北海道) 森井 勇介(滋賀県) 山形 和彦(愛媛県) 学術企画委員会 委 員 長 跡見 裕(杏林大) 勤務医委員会 副委員長 北川 泰久(東海大) 委 員 長 泉 良平(富山県) 委 員 足立 満(国際医療福祉大臨床 副委員長 望月 泉(岩手県) 医学研究センター) 委 員 上田真喜子(大阪府) 五十嵐 隆(国立成育医療研究センター) 上野 道雄(福岡県) 磯部 光章(東京医科歯科大) 大久保ゆかり(東京医科大) 井廻 道夫(新百合ヶ丘総合病院 岡部 實裕(北海道) 消化器・肝臓病研究所) 弦間 昭彦(東京都)25.7.22 まで 岩本 安彦(東京女子医大) 清水 信義(岡山県) 大曲 貴夫(国立国際医療研究センター 鈴木 厚(川崎市立井田病院) 友安 茂(東京都)25.7.23 〜 国際感染症センター) 小川 郁(慶大) 橋本 省(宮城県) 片山 一朗(大阪大) 福田 健(栃木県) 木村 理(山形大) 藤巻わかえ(女子栄養大) 黒川 峰夫(東大) 勤務医委員会臨床研修医部会(プロジェクト) 児玉 浩子(帝京平成大) 杉浦 真弓(名古屋市立大) 委 員 片倉 勲人(相澤病院) 田中 栄(東大) 金山 旭(国立国際医療研究センター病院) 寺崎 浩子(名大) 木村 豪志(国立病院機構東京医療 寺本 明(東京労災病院) センター) 花岡 一雄(JR 東京総合病院) 髙妻美由貴(宮崎大学医学部附属病院) 廣澤 信作(埼玉県) 杉原 一暢(島根大学医学部附属病院) 福田 国彦(慈恵医大) 高橋 司(八戸市立市民病院) 松尾 清一(名大) 長浦善一郎(千鳥橋病院) 丸茂 健(東京歯科大市川総合病院) 仁田 翔大(呉共済病院) 三村 將(慶大) 長谷川祐太(国立病院機構名古屋 医療センター) 弓倉 整(東京都) 松田 浩一(京都大学医学部附属病院) 矢野 徹宏(福島県立医科大学附属病院) - 20 - 勤務医の健康支援に関する検討委員会 (プロジェクト) 飯星 元博(熊本県) 井田 正博(日本放射線科専門医会・医会) 委 員 長 保坂 隆(聖路加国際病院) 猪口 雄二(全日本病院協会) 委 員 赤穂 理絵(東京都立駒込病院) 大平 政樹(石川県) 内野 直樹(社会保険相模野病院) 菅野 隆(日本精神科病院協会) 木戸 道子(日本赤十字社医療センター) 木下 成三(徳島県) 久保 達彦(産業医大) 木村 泰三(外科系学会社会保険 委員会連合会) 後藤 隆久(横浜市立大) 坂本不出夫(熊本県) 佐藤 和宏(宮城県) 中嶋 義文(三井記念病院) 新藤 健(埼玉県) 深澤 理香(全国社会保険労務士会連合会) 須藤 英仁(群馬県) 村上 剛久(マインド社会保険労務士事務所) 高井 康之(大阪府) 吉川 徹(労働科学研究所) 寺澤 正壽(福岡県) 和田 耕治(国立国際医療研究センター) 橋口 兼久(全国有床診療所連絡協議会) 25.7.8 まで 男女共同参画委員会 橋本 洋一(北海道) 委 員 長 小笠原真澄(秋田県) 蓮沼 剛(東京都) 副委員長 長柄 光子(鹿児島県) 藤岡 治(日本耳鼻咽喉科学会) 委 員 秋葉 則子(千葉県) 正木 康史(山口県医師会有床診療所部会) 泉 良平(富山県) 25.7.9 〜 伊藤富士子(愛知県) 松本 純一(三重県) 上田真喜子(大阪府) 宮﨑 良春(日本泌尿器科学会) 川上 順子(東京女子医大) 宮﨑亮一郎(日本産婦人科医会) 計田 香子(高知県) 矢口 均(日本臨床皮膚科医会) 清野 佳紀(大阪厚生年金病院) 安田 正(内科系学会社会保険連合会) 田中 昌宏(栃木県) 山岸 直矢(日本眼科医会) 田村 博子(山口県) 横山 純好(日本小児科医会) 津田 喬子(日本女医会) 労災・自賠責委員会 福下 公子(東京都) 藤井 美穂(北海道) 女性医師支援センター事業運営委員会 委 員 長 茂松 茂人(大阪府) 副委員長 稲垣 善幸(愛知県労災指定医協会) 委 員 宇賀治行雄(福井県) 松原 謙二(日本医師会)25.11.12 〜 内田 一郎(大分県) 羽生田 俊(日本医師会)25.10.12 まで 杉本 欣也(兵庫県) 副委員長 小森 貴(日本医師会) 中村 淳一(岡山県)25.7.1 まで 委 員 秋葉 則子(千葉県) 中村 渉(青森県) 小笠原真澄(秋田県) 沼本 重遠(岡山県)25.7.2 〜 佐藤 薫(福岡県) 深澤 雅則(北海道) 松田峻一良(福岡県) 二山 孝司(高知県) 三上 裕司(日本医師会)25.10.12 まで 丸山 明則(新潟県) 道永 麻里(日本医師会) 村田 欣造(元東京都医師会理事) 委 員 長 社会保険診療報酬検討委員会 委 員 長 副委員長 疑義解釈委員会(保険適用検討委員会) 安達 秀樹(京都府) 委 員 長 寺本 明(日本脳神経外科学会) 井原 裕宣(社会保険診療報酬支払基金) 副委員長 宮澤 幸久(日本臨床検査医学会) 木村 泰三(日本外科学会) 藤野 圭司(日本臨床整形外科学会) 委 員 委 員 相澤 孝夫(日本病院会) - 21 - 小田原雅人(日本内科学会) 委 員 高橋 和久(日本内科学会) 安藤 高朗(全日本病院協会) 岡田 定(日本内科学会) 生野 弘道(大阪府) 平田 幸一(日本内科学会) 伊藤 健一(愛知県) 大山 昇一(日本小児科学会) 猪口 正孝(東京都) 小林 芳夫(日本感染症学会) 今井 重信(神奈川県) 上村 直実(日本消化器病学会) 加納 繁照(日本医療法人協会) 平山 篤志(日本循環器学会) 栗谷 義樹(山形県) 宮岡 等(日本精神神経学会) 末永 裕之(日本病院会) 松下 隆(日本整形外科学会) 竹重 王仁(長野県) 落合 和德(日本産科婦人科学会) 武久 洋三(日本慢性期医療協会) 竹内 忍(日本眼科学会) 千葉 潜(日本精神科病院協会) 原 晃(日本耳鼻咽喉科学会) 直江寿一郎(北海道)25.4.15 まで 天谷 雅行(日本皮膚科学会) 中島 豊爾(全国自治体病院協議会) 斎藤 忠則(日本泌尿器科学会) 二木 立(日本福祉大) 古井 滋(日本医学放射線学会) 藤原 秀俊(北海道)25.4.16 〜 市村 恵一(日本気管食道科学会) 野村 秀洋(鹿児島県) 小山 信彌(日本胸部外科学会) 水足秀一郎(熊本県) 柴 孝也(日本化学療法学会) 有床診療所に関する検討委員会 増田 純一(日本麻酔科学会) 金子 剛(日本形成外科学会) 委 員 長 小林 博(岐阜県) 矢冨 裕(日本臨床検査医学会) 副委員長 松村 誠(広島県) 熊谷 一秀(日本消化器内視鏡学会) 委 員 大谷 博正(広島県) 沖 一郎(北海道) 介護保険委員会 鹿子生健一(福岡県) 委 員 長 野中 博(東京都) 河野 雅行(宮崎県) 副委員長 髙木 安雄(慶大) 近藤 太郎(東京都) 委 員 池端 幸彦(福井県) 西城 英郎(三重県) 馬岡 晋(三重県) 齋藤 義郎(徳島県) 木村 丹(岡山県) 新沢 敏章(栃木県) 㓛刀 融(山梨県) 高橋 洋(熊本県) 瀬戸 裕司(福岡県) 田那村 宏(千葉県) 高野 繁(神奈川県) 千歳 和哉(青森県) 田村 公之(和歌山県) 水守 彰一(兵庫県) 寺田 茂雄(高知県) 山岸 直矢(奈良県) 常盤 峻士(福島県) 渡邉 俊介(東京女子医大) 中尾 正俊(大阪府) 櫃本 真聿(愛媛大) 医師会共同利用施設検討委員会 平川 博之(東京都) 委 員 長 篠原 彰(静岡県) 鉾之原大助(鹿児島県) 副委員長 池田 秀夫(佐賀県) 前川 勲(北海道) 委 員 伊藤 丈雄(北海道)25.4.15 まで 吉沢 浩志(新潟県) 今井 重信(神奈川県) 岩本 正敬(島根県) 病院委員会 恩村 宏樹(北海道)25.4.16 〜 委 員 長 真野 俊樹(多摩大) 北川 靖(京都府) 副委員長 金井 忠男(埼玉県) 小山 秀夫(兵庫県立大) 川島 周(徳島県) 櫻井 芳明(宮城県) 渡部 透(新潟県) 土橋 正彦(千葉県) - 22 - 柳田 実郎(広島県) 利根川洋二(埼玉県) 中津留邦展(宮崎県) 松本 卓(兵庫県) 救急災害医療対策委員会 山口いづみ(東京都) 委 員 長 小林 國男(全国メディカルコント ロール協議会連絡会) 地域医療対策委員会 委 員 長 富田 雄二(宮崎県) 副委員長 岩城 勝英(富山県) 委 員 副委員長 稲坂 博(愛知県) 小池 哲雄(新潟県) 委 員 秋冨 慎司(岩手医大) 坂本 哲也(秋田県) 有賀 徹(昭和大) 三宅 直樹(北海道) 石原 哲(東京都) 磯部 俊一(静岡県) 上津原甲一(鹿児島県) 大橋 輝明(福岡県) 大木 實(福岡県) 神野 正博(全日本病院協会) 郡山 一明(福岡県) 小林誠一郎(岩手医大) 小濱 啓次(川崎医大) 高橋 泰(国際医療福祉大) 小林 篤(三重県) 堂前洋一郎(新潟県) 坂本 哲也(帝京大) 豊田 俊(兵庫県) 鈴木 明文(秋田県) 中目 千之(山形県) 妹尾 栄治(兵庫県) 中村 一彦(鹿児島県) 永田 高志(九州大) 中村 康一(三重県) 西本 泰久(大阪府) 林 滋(東京都)25.7.22 まで 野口 宏(愛知県救急医療情報センター) 弘山 直滋(山口県) 廣瀬 友彦(香川県) 本田麻由美(読売新聞東京本社) 目黒 順一(北海道) 松井 道宣(京都府) 松本 吉郎(埼玉県) 臨床検査精度管理検討委員会 渡辺 象(東京都)25.7.23 〜 医療関係者検討委員会 委 員 長 高木 康(昭和大) 副委員長 前川 真人(浜松医大) 委 員 佐守 友博(日本衛生検査所協会) 委 員 長 井上 雄元(千葉県) 〆谷 直人(国際医療福祉大) 副委員長 市川 朝洋(愛知県) 髙松 純樹(日本赤十字社東海北陸 委 員 内平 信子(山口県) ブロック血液センター) 北野 明宣(北海道) 武田 京子(聖路加国際病院) 久山 元(京都府) 細萱 茂実(日本臨床衛生検査技師会) 清水 正人(鳥取県) 内藤 誠二(東京都)25.7.23 〜 公衆衛生委員会 永池 京子(愛仁会本部) 委 員 長 吉田 勝美(日本総合健診医学会) 福原 晶子(山形県) 副委員長 足立 光平(兵庫県) 星 北斗(福島県) 委 員 石川 清和(沖縄県) 松本 賢治(東京都)25.7.22 まで 大井 洋(町田市保健所) 三倉 剛(大分県) 小村 明弘(島根県) 角田 徹(東京都) 医療秘書認定試験委員会 纐纈 雅明(愛知県) 委 員 長 笠島 眞(富山県) 後藤 聰(北海道)25.4.16 〜 副委員長 水上 哲秀(愛知県) 坂田 清美(岩手県) 委 員 篠原 豊明(山梨県) 羽鳥 裕(神奈川県) 富田 雄二(宮崎県) 三宅 直樹(北海道)25.4.15 まで 平賀 聖悟(静岡県) 吉田 建世(宮崎県) - 23 - がん対策推進委員会 片瀬 高(福岡県) 委 員 長 坂本 哲也(秋田県) 菊池 辰夫(福島県) 副委員長 釣船 崇仁(長崎県) 佐々木伸彦(東京都)25.7.23 〜 畑 俊一(北海道)25.4.15 まで 佐藤 雄一(宮崎県)24.10.25 逝去 有田 健一(広島県) 鈴木伸一郎(埼玉県) 江口 研二(帝京大) 種部 恭子(富山県) 小熊 豊(北海道)25.4.16 〜 津田 哲哉(北海道) 越智 眞一(滋賀県) 濱本 史明(山口県) 落合 和彦(慈恵医大) 松平 隆光(日本小児科医会) 近藤 太郎(東京都) 宮里 善次(沖縄県)25.1.15 〜 祖父江友孝(大阪大) 山本 樹生(日大) 羽鳥 裕(神奈川県) 渡辺 志伸(兵庫県) 原 純一(大阪市立総合医療センター) 渡辺 象(東京都)25.7.22 まで 委 員 堀部 廉(岐阜県) 母体保護法等に関する検討委員会 (プロジェクト) 学校保健委員会 委 員 長 福田 稠(熊本県) 委 員 長 衞藤 隆(日本子ども家庭総合研究所) 副委員長 山崎 善久(岡山県) 副委員長 藤本 保(大分県) 委 員 落合 和彦(慈恵医大) 委 員 安達 知子(日本産婦人科医会) 可世木成明(愛知県) 板橋 隆三(宮城県) 畔柳 達雄(日医参与・弁護士) 宇津見義一(日本眼科医会) 齋田 幸次(大阪府) 江畑 俊哉(日本臨床皮膚科医会) 三條 典男(山形県) 大島 清史(日本耳鼻咽喉科学会) 白須 和裕(小田原市立病院) 金生由紀子(日本児童青年精神医学会) 永山 雅之(群馬県) 柴田 輝明(埼玉県) 二井 栄(三重県) 武本 優次(大阪府) 二宮 保典(岐阜県) 長嶋 正實(若年者心疾患・生活 平原 史樹(横浜市立大) 樋口 和彦(香川県) 習慣病対策協議会) 正木 忠明(東京都)25.9.5 〜 藤井 美穂(北海道) 三戸 和昭(北海道) 松岡幸一郎(大分県) 武藤 芳照(日体大総合研究所) 森崎 正幸(長崎県) 山脇 英範(茨城県) 産業保健委員会 雪下 國雄(日本学校保健会) 吉田 貴(愛知県) 委 員 長 相澤 好治(北里大) 渡邊 弘司(広島県) 副委員長 諸岡 信裕(茨城県) 渡辺 象(東京都)25.5.17 まで 委 員 池田 久基(岐阜県) 生駒 一憲(北海道) 周産期・乳幼児保健検討委員会 委 員 長 岩動 孝(岩手県) 五十嵐 隆(国立成育医療研究センター) 副委員長 24.10.23 まで 大橋 信也(富山県) 委員長 24.10.24 〜 坂本不出夫(熊本県) 鈴木 克司(兵庫県) 寺尾 俊彦(日本産婦人科医会) 道明 道弘(岡山県) 24.10.21 逝去 副委員長 委 員 圓藤 吟史(大阪市立大) 藤森 次勝(大阪府) 神谷 直樹(慈恵医大) 委員 24.10.23 まで 北條 稔(東京都) 副委員長 24.10.24 〜 堀江 正知(産業医大) 浮田 俊彦(石川県)25.4.2 〜 - 24 - 環境保健委員会 尾身 茂(年金・健康保険福祉 施設整理機構) 委 員 長 大塚 明廣(徳島県) 副委員長 佐々木悦子(宮城県) 加藤 達夫(国立成育医療研究センター) 委 員 金子 洋一(鹿児島県) 金澤 一郎(国際医療福祉大) 川本 俊弘(産業医大) 相楽 裕子(豊島病院) 岸本 卓巳(岡山労災病院) 林 紀夫(関西労災病院) 車谷 典男(奈良県立医大) 峯 真人(埼玉県) 纐纈 雅明(愛知県) 国民生活安全対策委員会 玉城 嘉和(神奈川県) 松本 賢治(東京都)25.5.23 まで 委 員 長 加藤 哲夫(島根県) 村田 勝敬(秋田大) 副委員長 小澤 明(東海大) 目々澤 肇(東京都)25.11.7 〜 委 員 猪飼 剛(滋賀県) 矢野 隆子(大阪府) 浦和 健人(三重県) 岡田 啓治(長野県) 精神保健委員会(プロジェクト) 尾﨑 治夫(東京都) 委 員 長 高橋 祥友(筑波大) 金子 洋一(鹿児島県) 副委員長 河﨑 建人(日本精神科病院協会) 神村 裕子(山形県) 委 員 金生由紀子(東大) 迫 和子(日本栄養士会) 後藤 時子(秋田県) 田中 平三(東京医科歯科大学名誉教授) 中嶋 義文(三井記念病院) 南 砂(読売新聞東京本社) 松永 啓介(佐賀県) 宮野 廣美(日本薬剤師会) 本橋 豊(秋田大) 森川 馨(帝京大) 渡辺 憲(鳥取県) 山下 裕久(北海道) 渡邊衡一郎(日本うつ病学会) 渡辺洋一郎(日本精神神経科診療所協会) 医事法関係検討委員会 健康スポーツ医学委員会 委 員 長 鈴木 勝彦(静岡県) 副委員長 大井 利夫(日本病院会) 委 員 山光 進(北海道)25.4.15 まで 委 員 長 川久保 清(共立女子大) 副委員長 香月きょう子(福岡県) 松家 治道(北海道)25.4.16 〜 石川 紘(岡山県)25.8.6 〜 田村 瑞穂(青森県) 大森 英夫(兵庫県) 竹下 俊文(東京都)25.7.22 まで 小笠原定雅(東京都) 森久保雅道(東京都)25.7.23 〜 勝木 保夫(石川県) 西松 輝高(群馬県) 川原 貴(国立スポーツ科学センター) 小林 篤(三重県) 委 員 小堀 悦孝(藤沢市保健医療センター) 山田 和毅(和歌山県) 庄野菜穂子(ライフスタイル医科学研究所) 林 弘人(山口県) 立入 克敏(京都府) 髙原 晶(長崎県) 島﨑美奈子(東京都) 土井 基之(岡山県)25.7.8 まで 専門委員 奈良 正人(秋田県) 畔柳 達雄(日医参与・弁護士) 奥平 哲彦(日医参与・弁護士) 感染症危機管理対策委員会 委 員 手塚 一男(日医参与・弁護士) 水谷 渉(日医総研・弁護士) 青木 克己(長崎大) 伊藤 宣夫(愛知県) 庵原 俊昭(国立病院機構三重病院) 医療安全対策委員会 岩田 敏(慶大) 委 員 長 北原 光夫(農林中央金庫) 岩本 愛吉(東大) 副委員長 松原 謙二(大阪府)25.10.13 まで 岡部 信彦(川崎市健康安全研究所) 委 員 後 信(日本医療機能評価機構) - 25 - 水谷 匡宏(北海道) 年金委員会 小原 紀彰(岩手県) 委 員 長 今村 聡(日本医師会) 岡 治道(埼玉県) 副委員長 三上 裕司(日本医師会)25.10.12 まで 松本 賢治(東京都)25.7.22 まで 大野 和美(日本医師会) 小林 弘幸(東京都)25.7.23 〜 25.11.19 〜 25.12.29 細川 秀一(愛知県) 今村 定臣(日本医師会)26.2.18 〜 齋田 幸次(大阪府)25.10.22 〜 委 員 藤川 謙二(日本医師会) 西田 芳矢(兵庫県) 鈴木 邦彦(日本医師会) 今川俊一郎(愛媛県) (医 学 会) 髙久 史麿(日本医学会) 阿南 茂啓(大分県) 久道 茂(日本医学会) 川原 裕一(鹿児島県) (学識経験者)松永 啓介(佐賀県) 石黒 順造(愛知県) 医師賠償責任保険調査委員会 峯村 栄司( (社)共済組合連盟) (加 入 者) 有田 健一(広島県) 委 員 長 山口 光哉(元立川病院) 副委員長 樋口 正俊(樋口産婦人科医院) 越智 眞一(滋賀県) 委 員 葉梨 之紀(日本医師会) 清水美津子(東京都)25.7.25 まで 柴山勝太郎(公立富岡総合病院) 近藤 太郎(東京都)25.8.20 〜 村瀬 活郎(前済生会宇都宮病院) 長野 英嗣(福岡県) 横山 和子(日医大) 原 徹(千葉県) 伊地知正光(元東京労災病院) 星 北斗(福島県) 藤井 裕(前横須賀市立市民病院) 前田 義樹(石川県) 小西孝之助(慶大) 宮川 松剛(大阪府) 林田 康男(前順天堂大) 久貝 信夫(前防衛医大) 生涯設計委員会(プロジェクト) 菊地 臣一(福島医大) 委 員 長 高山 憲之( (財)年金シニアプラン 森山 寛(慈恵医大) 総合研究機構) 工藤 行夫(昭和大) 委 員 鹿毛 雄二(前厚生年金基金連合会) 落合 和彦(慈恵医大) 宗 大(前厚生年金基金連合会) 真島 行彦(前慶大) 田村 正雄(元厚生省) 小林 滋(東京臨海病院) 峯村 栄司( (社)共済組合連盟) 谷口 正幸(立川中央病院) 畔柳 達彦(日医参与・弁護士) 医業税制検討委員会 奥平 哲彦(日医参与・弁護士) 委 員 長 品川 芳宣(元筑波大・弁護士) 手塚 一男(日医参与・弁護士) 副委員長 西澤 寛俊(全日本病院協会) 阿部 洋介(保険者) 委 員 明石 勝也(日本私立医大協会) 25.12.10 〜 萬里小路智秀(保険者) 村上 憲一(保険者) 天野 教之(埼玉県) 井波 理朗(保険者・弁護士) 石井 孝宜(公認会計士・税理士) 大内 猛彦(保険者・弁護士) 伊藤 伸一(日本医療法人協会) 柴崎伸一郎(保険者・弁護士) 梶原 優(日本病院会) 久礼 文雄(大阪府) 医賠責保険制度における指導・改善委員会 委 員 長 葉梨 之紀(日本医師会) 委 員 高杉 敬久(日本医師会) 玉木 一弘(東京都) 寺野 彰(日本私立医大協会) 25.12.10 まで 畔柳 達雄(日医参与・弁護士) 緑川 正博(日医参与) 水谷 渉(弁護士) 山崎 學(日本精神科病院協会) - 26 - 広報委員会 委 員 牛尾 剛士(広島県) 委 員 長 野津原 崇(東京都) 大島 鉄朗(愛媛県) 副委員長 新井 政幸(埼玉県) 大橋 克洋(東京都) 橋本 寛(兵庫県) 川出 靖彦(岐阜県) 内山 政二(新潟県) 佐久本嗣夫(沖縄県) 川村 二郎(元朝日新聞企画報道編集委員) 富田 雄二(宮崎県) 城守 国斗(京都府) 登米 祐也(宮城県) 小沼 一郎(栃木県) 藤原 秀俊(北海道) 委 員 阪本 栄(大阪府) 白井 和美(沖縄県) 国際保健検討委員会 田内美津子(静岡県) 委 員 長 神馬 征峰(東大) 藤田 直孝(宮城県) 副委員長 竹村 惠史(奈良県) 前野 一雄(国際医療福祉大) 委 員 赤上 晃(東京都)25.7.23 〜 森 俊明(徳島県) 石黒 成人(高知県) 山科 賢児(北海道) 菊地 勤(石川県) 窪田 良彦(山梨県) 医療 IT 委員会 倉増 秀昭(北海道) 委 員 長 川出 靖彦(岐阜県) 近藤 尚己(東大) 副委員長 佐伯 光義(愛媛県) 清水美津子(東京都)25.7.22 まで 登米 祐也(宮城県) 菅波 茂(AMDA) 石井 出(神奈川県) 中村 安秀(大阪大) 伊藤 利道(北海道) 永田 高志(九州大)25.4.23 〜 井上 雅公(大分県) 橋本 省(宮城県) 浦和 健人(三重県) 波多江正紀(鹿児島) 河本 英敏(埼玉県) 山本 太郎(長崎大) 委 員 小竹原良雄(島根県) 田中 良樹(兵庫県) 特区対策委員会(プロジェクト) 長島 公之(栃木県) 委 員 長 川島 龍一(兵庫県) 橋本 雄幸(東京都) 副委員長 近藤 稔(大分県) 松﨑 信夫(茨城県) 委 員 菊岡 正和(神奈川県) 三宅 智(鹿児島県) 城守 国斗(京都府) 牟田 幹久(長崎県) 櫻井 芳明(宮城県) 山本 隆一(東大) 高井 康之(大阪府)25.10.22 〜 橋本 雄幸(東京都) 医療情報システム協議会運営委員会 本庄 昭(兵庫県) 委 員 長 川島 龍一(兵庫県) 松原 謙二(大阪府)25.10.21 まで 副委員長 足立 光平(兵庫県) 村上 正泰(山形大) - 27 - 理事会の決議を経て,第 128 回定例代議員会に上 Ⅱ.経理課関係事項 程され,決議された. 5.平成 25 年度日本医師会会費賦課徴収 1.平成 24 年度日本医師会決算 理事会の決議を経て,第 128 回定例代議員会に 下記の通り監事監査および会計監査人監査が 上程され,決議された. 行われ,その収支は適正妥当である旨,会長に報 6.平成 26 年度日本医師会会費賦課徴収 告された. ⑴ 監事監査(平成 25 年 5 月 14 日) 理事会の決議を経て,第 129 回定例代議員会に 川島龍一,葛尾信弘,尾﨑治夫 上程され,決議された. (決算報告書省略) 7.平成 26 年度日本医師会予算 ⑵ 会計監査人監査(平成 25 年 5 月 10 日) 辰巳監査法人 平成 26 年 3 月 18 日の理事会の決議を経て,平 代表社員 公認会計士 辰巳 正 業務執行社員 成 26 年 3 月 30 日開催の第 131 回臨時代議員会で 報告された. 代表社員 公認会計士 寺尾 潔 業務執行社員 8.平成 25 年度日本医師会会費減免申請 (決算報告書省略) 平成 25 年度会費に対する減免申請は,理事会 なお,決算は理事会の決議を経て,平成 25 年 6 月 23 日開催の第 129 回定例代議員会に上程さ の決議を経て, 第 131 回臨時代議員会に上程され, 決議された. れ,決議された. 9.財務委員会 2.平成 25 年度日本医師会予算 財務委員会は,平成 25 年 3 月 30 日,6 月 22 日, 理事会の決議を経て,平成 25 年 3 月 31 日開催 平成 26 年 1 月 17 日に開催され,平成 25 年度日 の第 128 回定例代議員会に上程され, 決議された. 本医師会予算,平成 24 年度日本医師会決算の原 案を適正と認め,承認した.また,平成 26 年度 3.平成 24 年度日本医師会会費減免申請 予算については,執行部に対し,意見・要望を出 平成 24 年度の会費に対する減免申請は,都道 した. 府県医師会長より関係書類を添付のうえ提出さ 10.経理監査 れ,理事会の決議を経て,第 128 回定例代議員会 に上程され,決議された. 経理監査については,監事監査として,川島龍 一,葛尾信弘,尾﨑治夫の三監事により毎月の収 4.日本医師会会費賦課徴収規程一部改正 支財務状況についての監査が行われ,会計監査人 日本医師会会費賦課徴収規程一部改正(第 2 条 第 2 項の追加および第 4 条第 1 項の字句追加) は, 監査として辰巳監査法人により,月次・6 ヶ月・ 年次決算についての監査が実施された. - 28 - 5)日医生涯教育協力講座特別講演会の承認 Ⅲ.生涯教育課関係事項 「認知症の診断から最新の治療まで」 6)インターネット生涯教育協力講座の承認 「即時型アレルギー」 1.学術推進会議 「糖尿病に対する最新の診断と治療」 「てんかんの診断と治療」 第Ⅶ次学術推進会議(髙久史麿座長他委員 15 名)は,平成 24 年 7 月 10 日に発足し,横倉会長 「機能性ディスペプシア〜診断と治療〜」 より, 「わが国におけるトランスレーショナルリ 「医療連携シリーズ 前立腺がん」 サーチの現状と課題」についての諮問を受けた. 「最新の C 型肝炎治療」 「インフルエンザとかぜ症群」 本年度は,会議を 3 回開催し,第 4 回は,吹野 「COPD 診療にいかに取り組むか」 晃一ノバルティスファーマ株式会社オンコロジ ー事業部オンコロジー早期臨床開発部メディカ 3.日本医師会生涯教育制度実施要綱 ル部部長から講演「がん個別化医療推進に向けた トランスレーショナルリサーチ/メディスン〜 ⑴ 運営組織 ノバルティスファーマの試み〜」 ,第 5 回は,近 日本医師会生涯教育制度学習単位取得証及び 藤達也医薬品医療機器総合機構 PMDA 理事長か 日医生涯教育認定証の交付に係る事項等,本制度 ら講演「わが国におけるトランスレーショナルリ の円滑な運営を図るため,日本医師会に生涯教育 サーチの現状と課題について」と題するヒアリン 制度運営委員会を設ける.委員は,日本医師会生 グを行い, 第 6 回の会議にて報告書をとりまとめ, 涯教育担当副会長及び担当常任理事で構成され, 平成 26 年 3 月 26 日に答申を行った. 審議内容は次のとおりである. ⑴ 以下について,単位・カリキュラムコード 2.生涯教育推進委員会 の付与に係る事項 1)日本医師会生涯教育制度学習単位取得 生涯教育推進委員会(倉本秋委員長他委員 11 証の交付 名)は,平成 24 年 8 月 30 日に「日医生涯教育制 2)日医生涯教育認定証の交付 度の普及と専門医制度について」を検討するよう 諮問を受け,本年度は 5 回の委員会を開催し鋭意 ⑵ その他,生涯教育制度運営に係る事項 検討を行い , 平成 26 年 3 月 19 日に答申を行った. 審議の依頼は,都道府県医師会長から生涯教育 また,委員会委員は生涯教育担当理事連絡協議会 制度運営委員会委員長宛の依頼文書をもって行 にも出席した. われ,依頼文書には依頼の理由を付記する.開催 なお,本委員会では,実務委員会として,以下 は適宜であり,平成 25 年 4 月 1 日から運営が開 始されている. の課題についても検討を行った. 1)都道府県医師会主催「指導医のためのワー ⑵ 東日本大震災における救済措置 クショップ」プログラムの承認 平成 23 年 9 月 8 日付日医発第 519 号(生 46) 2)インターネット生涯教育講座の企画 「医療と福祉の連携」 をもって都道府県医師会に通知している. 「日医 「臨床問題解決のプロセス」 生涯教育認定証」の発行要件は,連続した 3 年間 の取得単位数とカリキュラムコード数の合計が 3)日医生涯教育協力講座セミナーの承認 「心房細動と脳梗塞」 60 以上のものであるが,被災 3 県の医師会(岩 「家庭血圧測定の重要性〜仮面高血圧の 手県医師会,宮城県医師会,福島県医師会)から の申告については,平成 22 年度から平成 24 年度 診療の実際〜」 「糖尿病患者さんの食習慣を考慮に入れ の取得単位数・カリキュラムコード数の合計が 59.5 以下であった場合,平成 25 年度の取得単位 た薬物治療」 数・カリキュラムコード数を加えて発行要件に達 4)日医生涯教育協力講座セミナーの企画 「COPD 診療にいかに取り組むか」 すれば日医生涯教育認定証を発行する.なお,平 「新たなステージを迎えた糖尿病診療」 成 22 年度から平成 24 年度までの 3 年間で 60 に 「かかりつけ医のための泌尿器科疾患診 達した者には,平成 25 年 12 月 1 日付で日医生涯 療のポイント」 教育認定証を発行した. - 29 - ⑶ 制度の普及啓発 137,980 人(うち日医会員は 124,765 人)に対して 申告書が同封される日本医師会雑誌平成 26 年 3 月号に,再度パンフレットも同封し,さらに制 「日本医師会生涯教育制度学習単位取得証」 (以下 単位取得証)を発行した. 単位取得証は,都道府県医師会を通じて申告が 度の普及・啓発を行っている. あった講習会・学会等への参加や,臨床研修にお 4.都道府県医師会生涯教育担当理事 連絡協議会 ける指導,医学論文の執筆等で取得した単位・ CC に,日本医師会で管理している日医雑誌問題 平成 26 年 3 月 12 日に日本医師会館小講堂にて 解答,日医 e- ラーニングでの単位・CC を加えた もので,制度改正後,今回が 3 回目の発行となる. 開催した.プログラムは下記のとおりである. 1.開会 ⑶ 日医生涯教育認定証の発行 2.会長挨拶 平成 22 年度に制度改正を行い,年度毎に単位 3.議事 取得証を発行し,連続した 3 年間の単位数と CC ⑴ 生涯教育関連事項報告 数の合計が 60 以上の者に「日医生涯教育認定証」 小森 貴(日本医師会常任理事) を発行することとした.制度改正後,今回が初め ⑵ 生涯教育推進委員会報告 倉本 秋(日本医師会生涯教育推進 ての日医生涯教育認定証発行となり, 52,886 人(う ち日医会員は 50,158 人)に発行した.今回の日 委員会委員長) ⑶ 講演:平成 27 年度からの医師臨床研修制 医生涯教育認定証取得者は,平成 22 〜 24 年度の 3 年間に単位数と CC 数の合計で 60 以上を取得 度の見直し 田村 真一(厚生労働省医政局医事課 した者である. なお,日医生涯教育認定証が発行された者につ 医師臨床研修推進室長) ⑷ 講演:新しい「総合診療専門医制度」の構 いては,日医生涯教育認定証が発行された年度の 4 月 1 日を起算日として,新たに単位・CC が累 築に向けて(現状報告) 吉村 博邦(日本専門医機構組織委員 会内総合診療専門医に関 積されることとなり,認定期間が終了する 3 年後 まで,日医生涯教育認定証は発行しない. する委員会委員長) 6.生涯教育活動 4.協議 ⑴ 日本医師会生涯教育講座 5.その他 6.閉会 平成 24 年度に行われた「日本医師会生涯教育 講座」の実施内容を小冊子にまとめ,平成 25 年 5.平成 24 年度生涯教育制度申告集計結果 11 月に都道府県医師会に配付するとともにホー ⑴ 平成 24 年度の単位取得者数 ムページに掲載した. 日本医師会生涯教育制度における単位取得者 は 113,304 人でそのうち,日医会員は 103,456 人 ⑵ e- ラーニング であった.日医会員の単位取得者率は 62.9%で, 「インターネット生涯教育講座」は,会員が各 平均取得単位は 16.1 単位,平均取得カリキュラ 講座に設置されたセルフアセスメントに解答す ムコード(以下 CC)は 15.4CC,単位と CC の合 ることにより日医生涯教育制度 0.5 単位 1 カリキ 計の平均は 31.5 であった.また,集計結果は「日 ュラムコードが取得できる.今年度は新たに「医 本医師会生涯教育制度集計結果報告書」 にまとめ, 療と福祉の連携」 , 「臨床問題解決のプロセス」の 都道府県医師会へ配付した. 2 つのコンテンツを制作し,計 14 テーマを生涯 なお,生涯教育制度推進の助成として,生涯教 教育 online にて配信している. 育助成費を各都道府県医師会に交付した. ⑶ ビデオライブラリー ⑵ 日本医師会生涯教育制度学習単位取得証の 生涯教育教材としての主なビデオ(DVD)作 発行 品には,テレビ番組「話題の医学」および本会で 日医生涯教育制度の申告に基づき,平成 22, 審査・推薦したビデオ作品がある.会員の利用の 23,24 年度の累計で取得単位が 0.5 単位以上の 便宜を図るため, 『日医雑誌』に「ビデオライブ - 30 - れ,すべての日程を終了した. ラリーニュース」を掲載し,新しい作品の紹介を 行った. ②「家庭血圧測定の重要性〜仮面高血圧の診療 ⑷ 医科大学・大学医学部卒業生への贈呈本 の実際〜」 卒業生約 8,000 名に対し, 『神経・精神疾患診 本セミナーは「慢性疾患として頻度の高い 療マニュアル』 (生涯教育シリーズ 85)を,日本 高血圧症対策を行うこと」を目的として,平成 医師会臨床研修医支援ネットワークの案内等と 24 年度から始まったものである(主催:日本 ともに贈呈した. 医師会,都道府県医師会,第一三共株式会社) . 平成 25 年度は 42 都道府県医師会で実施された. 青森県,岩手県,宮城県,秋田県,茨城県,千 葉県,石川県,岐阜県,奈良県,山口県,徳島県, ③「糖尿病患者さんの食習慣を考慮に入れた薬 香川県,福岡県,熊本県,大分県の 15 県は,県 物療法」 医師会を通じて配布した. 本セミナーは「近年,従来とは異なる作用 7.生涯教育協力講座 メカニズムの薬剤も多数開発され,環境が大き く変化しようとしている糖尿病診療に対し,最 協賛会社が協力する下記の生涯教育を「日医生 新の知見をふまえて糖尿病患者の早期発見・治 涯教育協力講座」と位置づけている. 療を進めること」を目的として,平成 24 年度 ⑴ ラジオ NIKKEI「医学講座」 から始まったものである(主催:日本医師会, 都道府県医師会,田辺三菱製薬株式会社) . 毎週火・木曜日の午後 8 時 40 分から 20 分間放 平成 25 年度は 44 都道府県医師会で実施され 送している. た. ⑵ テレビ医学番組「話題の医学」 ④「認知症の診断から最新の治療まで」 最近の医学の話題をわかりやすく解説する「話 題の医学」は,テレビ東京にて毎週日曜日午前 5 本セミナーは「認知症について,かかりつ 時より 15 分間放送されている.平成 25 年度にお け医として日々の診療に役立つ情報および留 いては 52 本が企画・放映された(企画・著作: 意点を提供することにより,患者の早期発見, 日本医師会,協賛:MSD,制作:協和企画) . および治療の質の向上を目指すこと」を目的と して, 平成 24 年度から始まったものである(主 各番組は放映後 3 か月を経過すると日本医師会 催:日本医師会,開催地都道府県医師会) .本 ホームページに掲載され,自由に閲覧できる. セミナーは,7 都道府県医師会での開催となっ ⑶ インターネット生涯教育協力講座 ており,平成 25 年度は 5 都道府県医師会で実 施され,すべての日程を終了した. 「インターネット生涯教育協力講座」は,会員 が各講座に設置されたセルフアセスメント解答 することにより日医生涯教育制度 0.5 単位 1 カリ ⑸ カラー図説 カラー図説は,学術企画委員会で協議し,製薬 キュラムコードが取得できる. 現在,協賛会社 10 社,計 63 テーマを生涯教育 会社などの協賛を得て日本医師会雑誌に綴じ込 んでいる. online にて配信している. 今年度に掲載されたものは 3 シリーズである. ⑷ セミナー 8.医師臨床研修制度 ①「心房細動と脳梗塞」 本セミナーは「心房細動の適切な診療とと 「日本医師会指導医のための教育ワークショップ」 開催 もに心房細動の脳梗塞予防のあり方等を理解 し,病診連携のあり方等を考えること」を目的 本会では平成 15 年度より,医学生や研修医を として平成 23 年度から始められたものである 指導する指導医ための教育ワークショップを開 (主催:日本医師会,都道府県医師会,日本ベ 催している. ーリンガーインゲルハイム株式会社) . 平成 25 年度は下記のとおり, 「研修医へのカリ 平成 25 年度は 23 都道府県医師会で実施さ キュラム立案」をテーマとした本会主催の教育ワ - 31 - 月号) ークショップを 2 回開催した. 8) 「変貌を遂げつつあるわが国の予防接種体 第 22 回 平成 25 年 7 月 13 日(土) , 14 日(日) 制」 (平成 25 年 11 月号) 参加者 30 名 9) 「末 梢 動 脈・ 静 脈・ リ ン パ 管 の 病 気 第 23 回 平成 26 年 2 月 8 日(土) ,9 日(日) update」 (平成 25 年 12 月号) 参加者 32 名 10) 「関節リウマチのトータルマネジメント」 (平 また,本ワークショップについての報告書を作 成 26 年 1 月号) 成し,都道府県医師会等に配付した. 11) 「高齢社会における下部尿路障害」 (平成 なお,都道府県医師会においても本会実施要綱 26 年 2 月号) に基づき積極的にワークショップを開催するこ 12) 「味覚・嗅覚診療の最前線」 (平成 26 年 3 とを推奨しており,本年度は 12 都道府県医師会 月号) で実施された. 9.学術企画委員会 ⑵ 投稿論文 日本医師会会員・日本医学会分科会会員の学術 現在の第 15 期委員会は 24 名の委員により構成 されている(委員長:跡見 裕,副委員長:北川 論文発表の場を設けている. 本年度は 21 編の投稿があり,うち 11 編が採用 泰久) . 本年度は学術企画委員会を 5 回開催し, 『日本 になった(平成 26 年 3 月 24 日現在) .平成 25 年 医師会雑誌』および特別号(生涯教育シリーズ) 度に掲載した投稿論文は,平成 24 年度に審査, の発行,日医生涯教育協力講座などの企画および 採用した分も合わせて 21 編であった. 内容の検討を行った. ⑶ 日本医学会関係 10.日本医師会雑誌 最新の医学の進歩を紹介する意味で,日本医学 日本医師会雑誌は 『醫政』 (大正 10 年 10 月創刊) 会シンポジウムの講演要旨を掲載した. から,昭和 12 年 5 月, 『日本医師会雑誌』と改称 1)第 144 回日本医学会シンポジウム「臨床応 して第 12 巻・第 9 号を発刊して以来,平成 26 年 用をめざした iPS 細胞研究」 (平成 25 年 3 月号をもって第 142 巻・第 12 号を数えるに至 10 月号) 2)第 145 回日本医学会シンポジウム「乳がん」 った本会機関誌である.平成 26 年 3 月現在,約 (平成 26 年 3 月号) 17 万部とわが国最大の発行部数をもつ医学総合 また, 「平成 26 年日本医学会分科会総会開催一 誌でもある. 年間 12 冊の本誌に加え,本年度は代議員会を 覧」を平成 26 年 1 月号に掲載した. 別冊として計 2 冊添付した. また,生涯教育シリーズ(特別号)を 2 冊刊行 ⑷ 社会保険・医薬品関係通知ほか各種通知 日本医師会雑誌では医療保険課と協力して,薬 した. 価基準をはじめ,社会保険関係の通知を「社会保 ⑴ 特 集 険・医薬品関係通知」として伝達している. このほか,診療において重要な情報である医薬 本年度の特集は,次のとおりである. 1) 「肺がんの診断と治療−最新の話題」 (平成 品の副作用について,厚生労働省医薬食品局安全 対策課に協力して「医薬品・医療機器等安全性情 25 年 4 月号) 2) 「実地医家のための臨床栄養 update」 (平 報」 (No.299 〜 309)を掲載した. 成 25 年 5 月号) 3) 「薬疹を診る−注意点とその対応」 (平成 ⑸ 別 冊 本年度は以下の 2 冊を刊行した. 25 年 6 月号) 1)第 128 回日本医師会定例代議員会議事速記 4) 「再生医療」 (平成 25 年 7 月号) 5) 「悪性リンパ腫−診断と治療の進歩」 (平成 録(平成 25 年 5 月号別冊) 2)第 129 回日本医師会定例代議員会議事速記 25 年 8 月号) 6) 「長引く咳の診断と治療」 (平成 25 年 9 月号) 7) 「在宅医療の充実に向けて」 (平成 25 年 10 - 32 - 録(平成 25 年 8 月号別冊) ⑹ 日本医師会雑誌「生涯教育シリーズ」 ジウム/パネルディスカッション/教育講 日本医師会雑誌では,昭和 58 年度から「生涯 演シンポジウムあわせて 75 企画を策定した. 教育シリーズ」を刊行し, 全会員に配付している. また,産業医向けのセッションは,66 企画 平成 26 年 3 月末日までに計 85 冊が刊行された. を策定した. ・現在,開・閉会講演,特別講演/特別企画に 本年度は,以下の 2 冊を刊行した. ついて検討している. 1)生涯教育シリーズ 84[第 142 巻・特別号⑴] ・プレイベント企画として以下イベントを開催 『高血圧診療のすべて』 (平成 25 年 6 月 15 した. 日刊行) ①医療チーム 学生フォーラム 2)生涯教育シリーズ 85[第 142 巻・特別号⑵] 5 月 11 日 第 2 回学生フォーラム 『神経・精神疾患診療マニュアル』 (平成 6 月 29 日 第 1 回医療の担い手プロジ 25 年 10 月 15 日刊行) ェクト 11.日本医師会年次報告書 8 月 23−25 日 夏合宿 10 月 6 日 新歓プロジェクト 日本医師会年次報告書は日医の主張および活 動等を中心に編纂され,昭和 39 年以降,毎年出 11 月 23−24 日 関西 Cross Talk 版されてきている(名称は,旧『国民医療年鑑』 11 月 30 日 第 3 回学生フォーラム から変更) . 12 月 23 日 第 2 回医療の担い手プロジ ェクト 『日本医師会年次報告書 2012 − 2013 平成 24 年 ②近畿医師会連合プレイベント 度版』は,平成 25 年 11 月に出版され,都道府県 12 月 1 日 第 45 回和歌山県医師会医 医師会に各 2 部,郡市区医師会に各 1 部および関 学会総会での特別講演 係者に配付した. サブタイトルは「かかりつけ医を中心とした地 2.展示関係 域医療の再興を−切れ目のない医療・介護の提供 ・登録者向けの学術展示については,学術講演 をするために−」とし,主な内容は次のとおりで と連携し補完する展示を基本方針とし,医 ある. 学と医療活動の質を向上させる,最新医学 ① 会長講演・論文等 と医療に関する機器などの製品やサービス, ② 医療政策 情報を集め展示する準備を進めている. ・一般市民向けの公開展示については, 「未来 ③ 学術・生涯教育 ④ 日本医学会の活動 医 XPO’ 15 〜あなたの暮らしと医の博覧会 ⑤ 国際関係の動向 〜」をコンセプトとして神戸国際展示場,国 ⑥ 委員会の答申・報告書等 際会議場を中心に実施案を検討中である.集 ⑦ 日医総研レポート 客目標として一般市民,医学会総会参加者 ⑧ 医療関連統計 を合せて 25 万人を考えている.展示会場を ⑨ 年誌・医師会データ スマート,メディカル,サイエンス,ヘル ⑩ 総目次 スケアの 4 つのアイランドに分け,健康社 会をつくる最新の医学と医療の成果,未来 12.日本医学会 を紹介する予定である.また,医学・医療 の最先端の紹介を通じて,特に未来を担う ⑴ 日本医学会総会 1)第 29 回日本医学会総会 2015 関西の準備 小学校高学年〜中学・高校生に,医学・医 「医学と医療の革新を目指して−健康社会を共 療を中心とした科学への興味や夢を抱いて に生きるきずなの構築−」をメインテーマとした もらうため,ポートアイランドにある先端 「第 29 回日本医学会総会 2015 関西」の準備とし の科学施設を見学するポートアイランドサ ては,組織委員会のもと,各委員会を招集して討 イエンスツアー等,各種イベントも計画し 議を重ね 2014 年 1 月現在,概要は下記のとおり ている. 3.広報関係 である. ・総会の告知方法として,従来から実施してい 1.学術講演関係 ・20 の柱のプログラム詳細を検討し,シンポ - 33 - るポスター/チラシの制作・配布と併せて, 下記,動画を中心とした web 展開を行って 計画」 , 「一般社団法人化について」等である. いる.Facebook や総会ホームページ等に掲 載し,今まで総会に参加したことのない若 ⑶ 日本医学会臨時幹事会 手医療従事者や医療関係者以外の方々への 平成 25 年 8 月 7 日,12 月 4 日に日本医学会臨 興味を喚起するとともに,登録促進に繋げ 時幹事会を開催し,日本医学会の法人化について る. 協議した.内容は,8 月 7 日が,日医側から提示 された事項について,12 月 4 日が, 「一般社団法 ①対談/インタビュー動画 6 月 25 日 井村裕夫 × 髙久史麿 × 永井良 人日本医学会連合定款」 「設立時社員及び設立時 役員」 「平成 26 年度会費」等についてである. 三 鼎談 『第 29 回日本医学会総会 2015 関西』開催に ⑷ 日本医学会定例評議員会 あたり 第 81 回日本医学会定例評議員会を,平成 26 年 8 月 7 日 井村裕夫 × 森 洋一 対談 『第 29 回日本医学会総会 2015 関西』の目指 2 月 19 日(水)に開催.主な議題は, 「平成 25 年度日本医学会年次報告」 , 「平成 26 年度日本医 すこと その他,各委員会委員長へのインタビュー 学会事業計画」 , 「一般社団法人化について」等で ある. 等実施をした. ② ISOUKAIx(いそうかい くろす) 若手医療者を対象とした教育講演プログラ ⑸ 日本医学会臨時評議員会 平成 25 年 12 月 4 日に臨時評議員会を開催した. ム.横断的な知識の共有を目的としており,各 分科会の気鋭の先生方により各テーマでの教 主な議題は「新法人設立について」である.具体 育講演プログラムをご講演いただき,15 分程 的には, 「一般社団法人日本医学会連合定款」 「設 度に編集した内容を動画で配信する.下記 2 回 立時社員及び設立時役員」 「平成 26 年度会費」等 を実施している. について協議を行った. 9 月 3 日 ISOUKAIx 糖尿病 ⑹ 日本医学会法人化組織委員会 11 月 20 日 ISOUKAIx 医療情報 日本医学会の法人化準備に向けて,平成 23 年 4.その他 ・参加登録費の策定 度に新設された委員会(発足当時は日本医学会法 ・募金活動の実施 人化準備委員会)で,平成 24 年度より名称を日 ・宿泊ホテルの確保/ツアーの検討 本医学会法人化組織委員会に変更した.委員は富 ・ソシアルイベント種目の策定/実施会場の 野康日己(委員長) ,里見 進(副委員長) ,池田 康夫,北 潔,松木則夫,野田哲生,福永龍繁, 確保 小林廉毅,麦島秀雄,堀内行雄,岩下光利,山田 5.事務局 「第 29 回日本医学会総会 2015 関西」組織委員 芳嗣の 12 名で構成されている. 本年度は 1 回開催した.第 5 回委員会は平成 会事務局 〒 606-8507 京都府京都市左京区聖護院川原 25 年 5 月 17 日に開催, 「日本医学会が法人格を 持つことの必要性について」と「定款案」を協議 町 54 京都大学医学部附属病院 北病 した. 棟 7 階 呼吸器内科内 ⑺ 日本医学会シンポジウム Tel/Fax:075-752-6025 ① 標記シンポジウムを次のとおり 2 回開催し E-mail : [email protected] た. URL : http.//www.isoukai2015.jp/ 第 144 回日本医学会シンポジウムは, 「臨床応 事務局長:中村 泰三 用をめざした iPS 細胞研究」をテーマに平成 25 ⑵ 日本医学会幹事会 年 6 月 6 日(木) ,日本医師会館大講堂にて開催 第 9 回日本医学会幹事会を,平成 26 年 2 月 19 日(水)に開催.主な議題は, 「平成 25 年度日本 した.組織委員:小室一成,中内啓光,岡野栄之, 参加者数:292 名. 医学会年次報告」 , 「平成 26 年度日本医学会事業 - 34 - 第 145 回日本医学会シンポジウムは, 「乳がん」 をテーマに平成 25 年 12 月 19 日(木) ,日本医師 318 名. 会館大講堂にて開催した.組織委員:池田 正, ② 日本医学会公開フォーラム企画委員会 日本医学会公開フォーラム企画委員会(委 藤原康弘,平岡真寛,参加者数:210 名. 員:跡見 裕,池田康夫,五阿弥宏安,高杉敬 ② 日本医学会シンポジウム企画委員会 久)は, 日本医学会公開フォーラムの基本方針, 標記委員会(委員:栗原裕基,坂元亨宇,小 室一成,前原喜彦,武林 亨)は,日本医学会 テーマおよび組織委員について,企画構成を行 シンポジウムの基本方針,テーマおよび組織委 う.今年度は,次のとおり 2 回開催した. 第 16 回委員会(平成 25 年 5 月 15 日)にお 員について,企画構成を行う.今年度は,次の いて,第 16 回日本医学会公開フォーラムを決 とおり 2 回開催した. 定した.テーマ:大腸がん−最新情報を知ろ 第 19 回委員会(平成 25 年 5 月 15 日)にお う−,組織委員長:森 正樹. いて,第 145 回シンポジウムを決定した. 第 17 回委員会(平成 25 年 11 月 20 日)にお テーマ:乳がん,組織委員:池田 正,藤原 いて,第 17 回日本医学会公開フォーラムを決 康弘,平岡真寛. 定した.テーマ:肺がん−最新のトピックス−, 第 20 回委員会(平成 25 年 11 月 5 日)にお いて,日本医学会特別シンポジウムを決定し 組織委員長:中川 健. た.テ ー マ:健康社会をめざす医学・医療の ③ 日本医学会公開フォーラム記録(DVD) 新たな展開,第 29 回日本医学会総会プレイベ 「第 15 回日本医学会公開フォーラム:高齢者 ントとしてグランフロント大阪で平成 26 年 7 の疾患−生活の質の向上のために−」 , 「第 16 月 10 日開催予定. 回日本医学会公開フォーラム:大腸がん−最新 ③ 日本医学会シンポジウム記録(DVD) 情 報 を 知 ろ う −」 の フ ォ ー ラ ム の 全 容 を, DVD に制作し,関係各位に謹呈した. 「第 144 回日本医学会シンポジウム:臨床応 用をめざした iPS 細胞研究」 , 「第 145 回日本医 また,DVD の内容は,日本医学会ホームペ 学会シンポジウム:乳がん」の全容を,DVD ージの「Online ライブラリー」の項で映像配 に制作し,関係各位に謹呈した. 信した(URL : http://jams.med.or.jp/) . また,DVD の内容は,日本医学会ホームペ ージの「Online ライブラリー」の項で映像配 ⑼ 日本医学会医学用語管理委員会 日本医学会医学用語管理委員会は,脊山洋右 信した(URL : http:// jams.med.or.jp/) . (委員長) ,大江和彦(副委員長) ,小野木雄三, ④ 日本医学会シンポジウムの要旨 要旨は,日本医師会雑誌に次のとおり掲載 河原和夫,坂井建雄,清水英佑,田中牧郎,辻 した.第 144 回シンポジウム「臨床応用をめざ 省次,森内浩幸,山口 巖,山口俊晴の 11 名に した iPS 細胞研究」 :第 142 巻第 7 号(平成 25 より構成されている. 本年度は 3 回開催した.第 6 回医学用語管理委 年 10 月号) ,第 145 回シンポジウム「乳がん」 : 員会(平成 25 年 7 月 4 日開催)の主な議題は, 1. 第 142 巻第 12 号(平成 26 年 3 月号予定) ICD-10 の一部改訂に係る意見について,2.日本 医学会医学用語辞典 英和と和英の統合と英和 ⑻ 日本医学会公開フォーラム 廃止について,3.日本医学会医学用語辞典の公 ① 日本医学会公開フォーラム 日本医学会では,市民を対象にした公開フ 開について . 第 7 回医学用語管理委員会(平成 25 年 12 月 ォーラムを次のとおり 2 回開催した. 第 15 回日本医学会公開フォーラムは, 「高齢 16 日)の主な議題は,1.医学用語辞典の公開に 者の疾患−生活の質の向上のために−」をテー ついて,2.分科会用語委員会についての確認等 マに平成 25 年 6 月 15 日(土) ,日本医師会館 である . 第 8 回医学用語管理委員会は,平成 26 年 3 月 大講堂にて開催した.組織委員長:大内尉義, 17 日に開催した. 参加者数:401 名. 第 16 回日本医学会公開フォーラムは, 「大腸 がん−最新情報を知ろう−」をテーマに平成 ⑽ 日本医学会分科会用語委員会 25 年 10 月 19 日(土) ,日本医師会館大講堂に 平成 25 年度日本医学会分科会用語委員会を 12 て開催した.組織委員長:森 正樹,参加者数: 月 16 日に開催した.主な議題は,1.WHO-ICD - 35 - 分類のアップデート作業と社会保障審議会統計 Subspecialty 学会委員 : 門脇 孝,永井厚志. 分科会 疾病 , 傷害及び死因分類の検討状況につ いて,2.Web 版の新機能について,3.日本内 ⒂ 日本医学会臨床部会運営委員会「専門医制に 視鏡外科学会用語集の日本医学会医学用語辞典 関する委員会」 様式への変換について,4.電子カルテ用標準謬 日本医学会臨床部会運営委員会「専門医制に関 名マスターの現状,5.分かりにくい医学用語を する委員会」の委員は,池田康夫,千田彰一,里 分かりやすく等である. 見 進,寺本民生,有賀 徹,丸山 泉,横田俊 また,平成 26 年 4 月から日本医学会医学用語 平,吉村𣳾典の 8 名と,オブザーバーとして,高 杉敬久(日本医師会常任理事)の 9 名から構成さ 辞典 Web 版を一般公開することが決定された. れている. ⑾ 日本医師会医学賞・医学研究奨励賞選考委員 ⒃ 日本医学会臨床部会運営委員会「遺伝子・健 会 康・社会」検討委員会 医学賞・医学研究奨励賞の選考作業は,日本医 平成 23 年度に発足した委員会で,昨今,個人 学会が日本医師会より委任されているもので,本 のゲノム解析が容易となる一方, 日本では法制面, 年度は平成 25 年 9 月 4 日(水)に開催した. 委員構成は会長・副会長・幹事を中心に構成. 行政面,倫理・教育面などの社会的基盤としての これに特例委員として,山口 徹,春日雅人,中 整備が不十分であることから,日本医学会として 村耕三,池田勝久,高橋 浩,近藤幸尋の 6 氏が 遺伝情報の取り扱い,検査の質保証,提供体制な 加わった. どに取り組むことを目的としている. 福嶋義光 (委 結果は,医学賞 3 名,医学研究奨励賞 15 名が 員長) ,委員:鎌谷直之,高田史男,中村清吾, 選考され,11 月 1 日の日本医師会設立記念医学 宮地勇人,横田俊平,小西郁生の 7 名で構成され 大会において表彰された.なお,医学賞受賞者の ている. 本年度は 2 回開催した.第 6 回委員会は平成 論文を日本医師会雑誌(第 142 巻第 10 号)に掲 25 年 5 月 21 日に開催した.主な議題は 1. 「母体 載した. 血を用いた新しい出生前遺伝学的検査」 施設認定・ ⑿ 日本医学会加盟検討委員会 登録部会報告,2.ISPD の Position Statement 日本医学会加盟検討委員会の委員は,久道 茂 (委員長) ,委員:佐谷秀行,宮園浩平,山田信博, 今中雄一,中路重之,川崎誠治,島田和幸,髙本 (April 2013)について,3.マスメディアの報道 について(朝日新聞,読売新聞)4.今後の方針 について,である. 第 7 回委員会は平成 25 年 11 月 14 日に開催した. 眞一,岡本真一郎,天谷雅行,大久保一郎,福原 主な議題は,1.NIPT について,2. 「無侵襲的 俊一の 13 名である. 平成 25 年度第 1 回日本医学会加盟検討委員会 出生前遺伝学的検査における精度保証の取り組 は平成 25 年 11 月 8 日に開催した.今年度の加盟 み」について,3.遺伝子診断ビジネスについて, 申請の 22 学会についての審査を慎重に行い,そ 4. 「母体血を用いた出生前遺伝学的検査」施設認 の結果を日本医学会協議会に提出した. 定・登録部会報告についての意見について,であ る. ⒀ 日本医学会あり方委員会 なお,出生前遺伝学的検査について,5 団体の 日本医学会あり方委員会は平成 16 年に発足し 共同声明および日本産科婦人科学会の指針を無 た. 委員は金澤一郎 (委員長) , 池田康夫, 岡井 崇, 視する形で営業活動を行う企業が出現し,医療機 實成文彦,富野康日己,中村耕三の 6 名である. 関に働きかけを行っているという報道を受け,平 成 25 年 12 月 23 日に日本都市センターホテルに て記者会見を行った. ⒁ 日本医学会臨床部会運営委員会 日本医学会臨床部会運営委員会の委員は,10 学会の基本領域学会と 2 学会の Subspecialty 学会 ⒄ 「母体血を用いた出生前遺伝学的検査」施設 から構成している.基本領域学会委員:寺本民生, 認定・登録部会 五十嵐隆,島田眞路,武田雅俊,國土典宏,持田 日本医学会臨床部会運営委員会「遺伝子・健康・ 讓冶,落合和徳,石橋達朗,八木聰明,有賀 徹. 社会」検討委員会の部会として平成 25 年 3 月に - 36 - 発足し,主に施設の認定,登録を行っている.久 25 年 5 月 24 日に開催した.主な議題は,日本循 具宏司(委員長) ,委員:澤 倫太郎,榊原秀也, 環器学会から Kyoto Heart Study 問題の調査報告 川目 裕,高田史男,丸山英二の 6 名により構成 等であり,同日,髙久史麿日本医学会長,曽根三 されている. 郎日本医学会利益相反委員会委員長,永井良三日 本循環器学会代表理事の三者が合同記者会見を ⒅ 日本医学会臨床部会運営委員会「がん領域に 行い,同委員会での検討結果を報告した. 関する作業部会」 第 9 回委員会は平成 26 年 2 月 28 日に開催した. 日本医学会臨床部会運営委員会「がん領域に関 「日本医学会 医学研究の COI マネージメントに する作業部会」を,平成 25 年に発足した.門田 関するガイドライン[2014(平成 26)年 2 月改定] 守人(部会長) ,委員:池田康夫,大江裕一郎, の報告等の他,北村 聖日本医学雑誌編集者組織 西山正彦,野田哲生,平岡真寛の 6 名で構成. 委員会委員長より日本医学雑誌編集者組織委員 本年度は 3 回開催した.第 1 回作業部会は,平 会の活動報告等が行われた.また,同日午後,日 成 25 年 11 月 5 日に開催した.作業部会の検討事 本医学会 COI マネージメント研修セミナーを全 項の決定とフリートーキングが行われた. 国医学部長病院長会議と共催で日本医師会館大 第 2 回作業部会は,平成 25 年 12 月 9 日に開催 講堂にて開催した. した.前回の議論を踏まえて,西山委員から提出 資料の説明があり,今後のがん領域の在り方につ (22) 日本医学会分科会利益相反会議 いて,欧米型,日本固有型等の例がそれぞれ示さ 第 4 回日本医学会分科会利益相反会議は,平成 れ,基盤的設計についての意見交換がなされた. 25 年 11 月 15 日に開催した.総会に引き続き, 第 3 回作業部会は,平成 26 年 3 月 10 日に開催 シンポジウムは,曽根三郎,河上 裕の司会の下, した.日本医学会外科系分科会へのアンケート調 次のプログラムで開催された. 査結果を受けて,提言作成に向けた議論がなされ ・日本医学会分科会にかかる COI マネージメ た. ントの現状/土岐祐一郎 ・臨床研究をとりまく環境〜健康・医療戦略と ⒆ 日本医学会臨床部会会議 倫理性・質の確保〜/髙江慎一 平成 25 年 8 月 28 日に日本医学会臨床部会会議 ・日米欧製薬協の企業依頼臨床試験にかかる論 を開催. 「日本医学会法人化について」 をテーマに, 文公表について/稲垣 治 日医側からの法人化延長要請を協議した.その結 ・産学連携の透明化とアカデミアへの期待/ 果, 「予定どおり平成 26 年 4 月に法人格を取得す 永山悦子 る.なお,新法人の名称等については執行部一任 ・医系大学・研究機関・病院における利益相反 とする」ことを満場一致で決めた. (COI)マネージメントガイドラインについ て/苛原 稔 ⒇ 日本医学会基礎部会・社会部会合同会議 日本医学会基礎部会・社会部会合同会議を平成 (23) 日本医学雑誌編集者組織委員会 25 年 10 月 3 日に開催した. 「日本医学会法人化 日本医学雑誌編集者組織委員会は,平成 20 年 について」を協議し,臨床部会同様,平成 26 年 に発足した.委員構成は,北村 聖(委員長) , 4 月の法人化を目指し,それに付随する諸問題に 委員:木内貴弘,北川正路,津谷喜一郎,根岸正 ついては執行部に任せることとなった. 光,三沢一成,湯浅保仁,吉岡俊正の 8 名である. 本年度は 3 回開催した.第 12 回日本医学雑誌 (21) 日本医学会利益相反委員会 編集者組織委員会は,平成 25 年 5 月 22 日に開催 平成 22 年度に発足した「日本医学会臨床部会 した.①「医学雑誌編集のガイドライン」作成ス 利益相反委員会」を,平成 24 年度に「日本医学 ケジュール,②アジア太平洋医学雑誌編集者会議 会利益相反委員会」に改称した.曽根三郎(委員 (APAME) ・日本医学雑誌編集者会議(JAMJE) 長) ,委員:河上 裕,高後 裕,土岐祐一郎, 合同会議(2013 年 8 月開催) ,③「日本医学会分 平井昭光,水谷修紀,J.Patrick Barron の 7 名で 科会機関誌一覧」等について意見交換を行った. 第 13 回日本医学雑誌編集者組織委員会は,平 構成. 本年度は 2 回開催した.第 8 回委員会は,平成 成 25 年 11 月 28 日に開催した.① APAME 2013 - 37 - Tokyo(2013 年 8 月開催) ,②東京宣言の公開, に作成,関係各方面に配付した. ③「医学雑誌編集のガイドライン」作成スケジュ 2) 「平成 26 年日本医学会分科会総会一覧」を ール等について意見交換を行った. 平成 25 年 12 月に関係各方面に配付した. 第 14 回日本医学雑誌編集者組織委員会は,平 3) 「日本医師会年次報告書−平成 25 年度−」 成 26 年 3 月 3 日に開催した.①東京宣言の公開, および「日本医師会会務報告」に,日本 ②「医学雑誌編集のガイドライン」作成スケジュ 医学会関係の記事を掲載する予定. ール等について意見交換を行った他,曽根三郎日 13.専門医制度 本医学会利益相反委員会委員長より日本医学会 利益相反委員会の活動報告があった. 専門医制度のあり方については,長年にわた り,日本医師会,日本専門医制評価・認定機構, (24) 2013 ア ジ ア 太 平 洋 医 学 雑 誌 編 集 者 会 議 厚生労働省の間で議論が行われてきた. (APAME) ・日本医学雑誌編集者会議(JAMJE) 当初は,日本専門医制評価・認定機構が中心と 合同会議(APAME…2013…Tokyo) なって 「第三者機関検討委員会」 (門田守人委員長) 2013 ア ジ ア 太 平 洋 医 学 雑 誌 編 集 者 会 議 にて平成 22 年 9 月から 6 回の議論が行われた. (APAME) ・日本医学雑誌編集者会議(JAMJE) その後,厚生労働省に「専門医の在り方に関する 合同会議(APAME 2013 Tokyo)は,平成 25 年 検討会」 (髙久史麿座長)が設置され,平成 23 年 8 月 2 日〜 4 日に日本医師会館を会場として開催 10 月から 17 回の検討が行われ,平成 25 年 4 月 し, 日本を含め 22 か国から 250 名の参加があった. 22 日に報告書がまとめられ,公表された. なお,8 月 3 日には, 「アジア太平洋地域の科 なお, 「総合医」 , 「総合診療医」に関する議論 学および医学分野における研究の健全性と倫理 については,日本専門医制評価・認定機構「総合 的な論文執筆・出版に関する東京宣言」が採択さ 医(仮称)に関する検討会」 (金澤一郎委員長) れ,日本語訳は日本医学会のホームページに掲載 が平成 24 年 7 月から 3 回開催され,取りまとめ された. られた結論は,専門医の在り方に関する検討会に 報告された. (25) 移植関係学会合同委員会 平成 25 年 6,7 月に,髙久史麿座長の呼びかけ 平成 4 年 4 月に発足した移植関係学会は厚労 により, 「第三者機関立ち上げに向けての打合会」 省,日本医師会,関係学会で構成されており,世 が 2 回開催され,平成 25 年 8 月 6 日に「日本専 話人を日本医学会長が務めている. 門医機構組織委員会」 (金澤一郎委員長)の設置 第 31 回委員会は審査の迅速化を図るため,持 が合意された.本組織委員会の構成団体は,日本 ち回り開催とし,移植施設の新規認定,取り下げ 医師会,日本医学会,全国医学部長病院長会議, 等を決定した. 四病院団体協議会,日本専門医制評価・認定機構 である. (26) 日本医学会だより 組織委員会の下には,定款委員会(門田守人委 平成元(1989)年度より発行している日本医学 員長) ,役員選考委員会(跡見裕委員長) ,財務委 会 だ よ り(JAMS News) は, 本 年 度,5 月 に 員会(小森貴委員長) ,広報委員会(池田康夫委 No.49 を,10 月に No.50 を発行した. 員長) ,総合診療医に関する委員会(吉村博邦委 員長)が設けられ,日本専門医機構の設置に向け (27) 情報発信 て,それぞれの分野について意見が取りまとめら 平成 12 年 10 月に日本医学会のホームページを れた. 平成 26 年 2 月 13 日に第 2 回日本専門医機構組 開設した.日本医学会分科会の協力を得て,本会 のホームページ(URL : http://jams.med.or.jp/) 織委員会が開催され,各委員会の委員長から検討 と分科会ホームページをリンクしている. 結果について報告を受けるとともに, 「日本専門 医機構」の設置が合意された. (28) その他 1) 「日本医学会分科会一覧」を平成 25 年 8 月 - 38 - 進医療の承認(第 2 項 4 技術,第 3 項 10 技術) , Ⅳ.医療保険課関係事項 在宅自己注射指導管理料の対象薬剤に追加する 薬剤(3 成分) ,診療報酬改定の検証などの定例 1.中央社会保険医療協議会における審議経過 中央社会保険医療協議会(中医協)は健康保険, 船員保険及び国民健康保険の保険者並びに被用 案件に加え,公知申請が可能と判断され保険適用 となったもの(12 成分) ,被災地における特例措 置,国家戦略特区における先進医療制度の運用等 について検討がなされた. 者保険,事業主及び船舶所有者を代表とする委員 平成 26 年度診療報酬改定は,社会保障・税一 7 名,医師,歯科医師及び薬剤師を代表する委員 体改革において,消費税を引き上げ,その財源を 7 名, 公益を代表する委員 6 名から構成され, 総会, 活用し, 医療サービスの機能強化と同時に重点化・ 部会(薬価専門部会,保険医療材料専門部会,診 効率化に取り組み,2025 年に向けて医療提供体 療報酬改定結果検証部会,費用対効果評価専門部 制の再構築,地域包括ケアシステムの構築を図る 会) ,小委員会(調査実施小委員会,診療報酬基 改革と位置づけられ,8 月 6 日には社会保障制度 本問題小委員会)が設置されている. 国民会議が報告書をとりまとめ,2025 年までの その他,診療報酬調査専門組織として,5 つの 道筋が明確に示された.しかし,診療報酬の改定 分科会(① DPC 評価分科会,②医療技術評価分 率は消費税率引き上げに伴い国民の負担増が考 科会,③医療機関のコスト調査分科会,④医療機 慮され,診療報酬は少ない財源の中での改革とな 関等における消費税負担に関する分科会,⑤入院 り, 新たに基金(補助金)と組合せる形となった. 医療等の調査・評価分科会)が設置されている. 中医協総会では,平成 25 年 1 月から次回改定 また,昨年度から DPC 病院退出の可否を審査・ に向けた本格的が議論が開始され,9 月までは月 2 回,10 月は週 1 回,11 月から平成 26 年 2 月ま 決定する DPC 退出審査会が設置されている. 平成 25 年度における診療側委員は,任期満了 では週 2 回のペースで開催され,精力的な検討が となる 10 月 26 日までは,前年度に引き続き鈴木 行われた.その間,8 月 6 日に社会保障制度国民 常任理事,安達秀樹氏,嘉山孝正氏,西澤寛俊氏, 会議が報告書をとりまとめ改革の方向性が示さ 万代恭嗣氏が参画したが,10 月 30 日付けで嘉山 れ,それに基づき,社会保障審議会医療部会・医 委員から中川副会長に,西澤委員から長瀬輝諠氏 療保険部会が 9 月 6 日に「一体改革に関連した診 療報酬改定における基本方針」 と 12 月 6 日には 「平 (日本精神科病院協会副会長)に交代した. 今年度は総会が 35 回,診療報酬基本問題小委 成 26 年度診療報酬改定の基本方針」をとりまと 員会が 2 回,調査実施小委員会が 1 回,薬価専門 めた.10 月 1 日には平成 26 年 4 月から消費税率 部会が 13 回,保険医療材料専門部会が 10 回,診 を 8%に引き上げることが閣議決定され,12 月 20 療報酬改定結果検証部会が 2 回,費用対効果評価 日には平成 26 年度予算編成の中で診療報酬改定 専門部会が 7 回,DPC 評価分科会が 12 回,技術 率が決定され,平成 26 年 1 月 15 日には厚生労働 評価分科会が 2 回,医療機関のコスト調査分科会 大臣から中医協に対して,内閣が決定した改定率 が 1 回,医療機関等における消費税負担に関する と医療部会・医療保険部会が作成した「基本方針」 分科会が 5 回,入院医療等の調査・評価分科会が に基づき検討するよう諮問が行われた.また,同 10 回,DPC 退出審査会が 1 回開催された. 時に「これまでの議論の整理(現時点の骨子) 」 がまとめられ,パブリック・コメントの募集が行 われ,その後,1 月 24 日には仙台で地方公聴会を ◎総 会 医薬品の薬価収載(41 成分 68 品目(内用薬 17 成分 33 品目,注射薬 17 成分 25 品目,外用薬 7 開催し,最終的に 2 月 12 日に厚生労働大臣に答 申した.答申の際の附帯意見は 15 項目となった. 平成 25 年 1 月以降の主な審議項目は以下のと 成分 10 品目) ) , 臨床検査の保険適用(区分 E2(新 項目) (測定方法が新しい項目)2 件, 区分 E3(新 おり. 項目) (測定項目が新しい項目)14 件) ,医療機 【1 月 23 日】 器の保険適用(区分 C1(新機能)54 件,区分 ・外来医療について(その1):外来の機能分化 C2(新機能・新技術)19 件,区分 A2:267 件, ・平成24年度改定の結果検証に係る特別調査 (平成25年度調査)の実施 区分 B:507 件) ,DPC における高額な新規の医 薬品を出来高にする対応(14 成分 18 品目) ,先 【2 月 13 日】 - 39 - ・在宅医療について(その1):強化型在支 【7 月 24 日】 ・平成24年度改定の結果検証に係る特別調査 診,不適切事例,訪問看護 (平成25年度調査)の調査票案 【2 月 27 日】 1)病院勤務医の負担の軽減及び処遇の改善 ・平成26年度診療報酬改定に向けた医療技術 2)後発医薬品の使用状況 の評価・再評価に係る評価方法等 3)慢性期精神入院医療や地域の精神医療,若 ・医療経済実態調査について 年認知症を含む認知症に係る医療の状況 ・平成24年度改定結果検証に係る調査結果速 4)維持期リハ及び廃用症候群に対する脳血管 報(後発医薬品の使用状況調査) 疾患等リハなど疾患別リハに関する実施 【3 月 13 日】 状況 ・入院医療について(その1):高度急性期・ ・診療報酬改基本問題小委員会からの報告 一般急性期,長期療養,亜急性期,地域特 【7 月 31 日】 性,有床診療所 ・歯科医療について ・被災地における特例措置について 【8 月 21 日】 【4 月 10 日】 ・DPC対象病院・準備病院の募集 ・入院医療等の調査・評価分科会における平 ・入院医療等の調査・評価分科会からの報告 成25年度調査項目(案) ・社会保障制度改革国民会議の報告書について ・後発医薬品のさらなる使用促進のためのロ 【9 月 4 日】 ードマップについて ・被災地における特例措置について ・平成24年度改定結果検証に係る調査結果速 【9 月 25 日】 報(在宅歯科) ・医療機関等における消費税負担に関する分 ・答申書附帯意見にかかる検討・検証の実施 科会からの報告 部会・分科会とスケジュール(案) ・医療部会・医療保険部会「次期診療報酬改 【5 月 15 日】 定における社会保障・税一体改革関連の基 ・入院医療について(その2):短期滞在入院 本的な考え方について」の報告 基本料 【10 月 9 日】 ・次期薬価制度改革に向けた進め方について ・外来診療(その3)〈主治医機能につい 【5 月 29 日】 て〉:対象医療機関と対象患者,服薬管 ・在宅医療について(その2):訪問看護,在 理,健康管理,介護保険制度の理解と連 宅歯科医療,薬局における在宅業務 携,在宅医療の提供および24時間の対応 ・社会保障制度改革国民会議の議論について ・平成24年度改定結果検証に係る調査結果速 【10 月 16 日】 ・DPC評価分科会からの報告 報(在宅医療,医療安全等) 【10 月 23 日】 【6 月 12 日】 ・在宅医療(その4):機能強化型在支診・在 ・外来医療について(その2):主治医機能の 支病の要件,訪問看護,在宅医療における 強化,診療所の機能と初・再診料 注射薬や衛生材料等の提供 ・入院医療等の調査・評価分科会における平 【10 月 30 日】 成25年度の調査票について ・委員交代 ・薬価調査及び特定保険医療材料価格調査に ・診療報酬基本問題小委員会の今後の在り方 ついて ・在宅医療(その4):在宅医療における薬剤 ・平成24年度改定結果検証に係る調査結果速 師の役割,在宅歯科医療,在宅医療におけ 報(救急医療,訪問看護) る患者紹介等の事例,在宅医療を専門に行 【6 月 26 日】 う保険医療機関 ・平成24年度改定の結果検証に係る調査(平 成25年度調査)の調査票案(歯科医師等に 【11 月 1 日】 ・入院医療等の調査・評価分科会からの報告 よる周術期等の口腔機能の管理) ・平成25年度検証調査速報(歯科歯周期) ・在宅医療について(その3):在宅医療の提 供状況,自宅以外に対する在宅医療の提供 【11 月 6 日】 - 40 - ・医療経済実態調査の報告 書,遠隔ペースメーカー指導管理料,在宅 ・費用対効果評価専門部会からの報告 自己腹膜灌流指導管理料の算定患者による 他院受診) ・平成26年度改定に向けた新規医療技術の評 ・改定への意見(公益委員案の提示) 価及び既存技術の再評価に関する検討状況 【12 月 13 日】 の報告 ・DPC分科会からの報告(中間報告) 【11 月 13 日】 ・入院医療(その3):特定集中治療室 【12 月 25 日】 ・DPC分科会からの報告(最終報告) (ICU)等の急性期を担う医療機関の評価 ・保険医療材料制度改革の骨子,薬価制度改 ・平成25年度検証調査速報(後発医薬品の使 革の骨子 用状況) ・これまでの議論で求められた資料等 【11 月 15 日】 ・改定内容に対する両側の意見,改定率の報 ・がん,在宅自己注射,たばこ対策 告,地方公聴会の開催 【11 月 20 日】 ・入院医療(その4):一般病棟入院基本料の 【平成 26 年 1 月 15 日】 見直し,点数表の簡素化,特殊疾患病棟や ・費用対効果評価専門部会からの報告 障害者施設等から療養病棟に転換した場合 ・平成26年度診療報酬改定の諮問 に対する経過措置 ・消費税8%への引き上げに伴う対応(消費税 分科会からの報告) ・医療経済実態調査結果に対する1・2号委員 ・これまでの議論の整理(現時点の骨子) の見解 【1 月 16 日】 【11 月 22 日】 ・パブリック・コメントの募集開始(〜1月24 ・歯科医療(その2) 日) 【11 月 27 日】 ・消費税分科会からの報告「医療経済実態調 【1 月 22 日】 ・医療技術の評価(医療技術評価分科会から 査に基づく費用構造の推計結果」 の報告) ・入院医療(その5):重症度・看護必要度, ・先進医療保険導入,先進医療実績報告(先 亜急性期入院医療管理料の見直し 進医療会議からの報告) ・次回診療報酬改定に対する1・2号委員の意見 ・市場拡大再算定品目等 【11 月 29 日】 ・平成26年度実施の薬価制度見直しの内容 ・入院医療(その5):医療提供体制が十分で (案)(薬価専門部会からの報告) はないものの,地域において自己完結する 医療を提供している医療機関に配慮した評 ・平成26年度実施の保険医療材料制度見直し 価の検討,入院医療の適正化に向けた検 の内容(案)(保険医療材料専門部会から 討,外来の機能分化の推進 の報告) ・平成26年度改定に向けたDPC制度の対応 ・精神医療 【1 月 24 日】 【12 月 4 日】 ・公聴会(仙台市)(10名の意見発表者から ・リハビリテーション,有床診療所,調剤報酬 の意見) 【12 月 6 日】 ・パブリック・コメント締め切り ・勤務医等の負担軽減(病院勤務医,医師事 務作業補助者,看護職員,チーム医療), 【1 月 29 日】 ・個別改定項目の議論 院内感染対策,救急医療,周産期・小児医 【2 月 5 日】 療,認知症対策,褥瘡対策 ・消費税率引き上げに対応した配分(公益裁定) ・薬価調査及び特定保険医療材料価格調査 ・公聴会,パブリック・コメントの報告 平均乖離率(速報値) ・「答申書」附帯意見(案) ・平成26年度診療報酬改定の基本方針(医療 【2 月 12 日】 部会・医療保険部会) ・厚生労働大臣の諮問に対し,診療報酬点数 【12 月 11 日】 ・明細書の発行,技術的事項(喀痰吸引指示 - 41 - の改定案を答申 を惹起し,患者の理解が得られなくなるため, 【3 月 12 日】 個別項目に上乗せすることは現実的に不可能 ・被災地における特例措置 である. ・国家戦略特区における先進医療制度の運用 4.個別項目に上乗せしない場合でも,一定の 【3 月 26 日】 不公平感が生じることは避けられない.限ら ・今後の検討体制 れたデータの中で対応するためには,可能な 限り分かりやすい形で上乗せすることを重視 ◎消費税率引き上げに伴う診療報酬上の補填 医療の消費税問題について,日本医師会は本来 すべきで,基本診療料に上乗せすることを中 税制上解決すべき問題と認識しているが,今回は 心に,個別項目については,基本診療料との 消費税法の中で 8%段階は医療保険制度で対応す 関係上,上乗せしなければ不合理になると思 ることが定められたため,やむを得ず診療報酬へ われる項目等に補完的に上乗せすることが, の上乗せ対応となった.医療機関は仕入れその他 現時点で考え得る最善の策である. 様々なコストを支払う際に消費税を負担してお り,今回の上乗せは増税に伴って必要となるコス ◎平成 24 年度診療報酬改定の結果検証 診療報酬改定検証部会において 11 項目につい トの補填である.補填は改定率にして 1.36%で, 中医協医療経済実態調査に基づいた適切な率と て平成 24 年度と 25 年度の 2 年度に分けて調査が なっており,この上乗せは医療機関の利益となる 実施され,その結果は 26 年度改定に向けた議論 訳ではない. の際のデータとして活用された. 診療報酬上の上乗せ方法について,診療側は, 《平成 24 年度実施》 過去において個別診療報酬項目に上乗せした結 ① 救急医療機関と後方病床との一層の連携 果,その後の改定が繰り返され検証不可能な状態 推進など,小児救急や精神科救急を含む救 になってしまった反省を踏まえ,いつの間にかな 急医療の評価についての影響調査 ② 在宅における歯科医療と歯科診療で特別 くなってしまうことがないように,また,10%時 に抜本的に見直すことを要望している中で,でき 対応が必要な者の状況調査 るだけシンプルに,広く薄く上乗せするのが望ま ③ 後発医薬品の使用状況調査 しいということから,初・再診料や入院基本料な ④ 在宅医療の実施状況及び医療と介護の連 携状況調査 どの基本診療料を中心に上乗せするよう主張し ⑤ 訪問看護の実施状況及び効率的な訪問看 た.しかし,診療側・支払側の意見が対立し「妥 護に係る評価についての影響調査 協点がなく折り合えない」ということで公益裁定 ⑥ 医療安全対策や患者サポート体制等に係 に委ねられ,2 月 5 日に公益委員の考えが明らか る評価についての影響調査 にされ,診療側が支持していた初診料+ 12 点, 再診料+ 3 点,入院基本料平均+ 2%等の当初の 《平成 25 年度実施》 案が「現時点で取り得る最善の策」と判断・決定 ⑦ 病院勤務医の負担の軽減及び処遇の改善 についての影響調査 された. ⑧ 維持期リハビリテーション及び廃用症候 〔公益裁定(抜粋) 〕 1.消費税分科会で両論あり, 「実調の結果等を 群に対する脳血管疾患等リハビリテーショ 踏まえ,基本診療料への上乗せによる対応を ンなど疾患別リハビリテーションに関する 中心としつつ,個別項目への上乗せを組み合 わせる形で対応することを基本とする」とさ 実施状況調査 ⑨ 歯科医師等による周術期等の口腔機能の 管理に係る評価についての影響調査 れた. 2.しかし,どの個別項目にどの程度上乗せす ⑩ 慢性期精神入院医療や地域の精神医療,若 ればよいか判断することは,データの制約上 年認知症を含む認知症に係る医療の状況調 困難で,高額投資が消費税率引き上げの前後 査 によって,消費税負担と診療報酬による補填 に不整合が生じる 3.仮に個別項目を選定し,積極的に点数に上 乗せした場合,医療機関間に新たな不公平感 - 42 - ⑪ 後発医薬品の使用状況調査 ◎各専門部会,小委員会,調査専門組織の検討の 包括診療加算)の影響,大病院の紹介率・逆 紹介率や長期処方の状況等を調査・検証し, 成果 外来医療の機能分化・連携の推進について 〔薬価専門部会〕 平成 25 年 12 月 25 日 次期薬価制度改革の骨 引き続き検討すること. 2.入院医療の機能分化・連携の推進について, 子 平成 26 年 1 月 22 日 平成 26 年度実施の薬価 次に掲げる事項等の影響を調査・検証し,病 算定基準等の見直し 床機能報告制度等も踏まえ,引き続き検討 〔保険医療材料専門部会〕 すること. 平成 25 年 12 月 25 日 平成 26 年度保険医療材 ⑴ 一般病棟入院基本料(7 対 1,10 対 1 の特 定除外制度, 「重症度,医療・看護必要度」 , 料制度改革の骨子 平成 26 年 1 月 22 日 平成 26 年度保険医療材 短期滞在手術等基本料等)の見直し 料制度の見直し ⑵ 特定集中治療室管理料の見直し 〔費用対効果評価専門部会〕 ⑶ 総合入院体制加算の見直し 平成 26 年 1 月 15 日 費用対効果評価の今後の ⑷ 有床診療所入院基本料の見直し 検討について ⑸ 地域包括ケア病棟入院料の創設 〔診療報酬基本問題小委員会〕 3.医療を提供しているが医療資源の少ない地 平成 25 年 9 月 25 日 一般病棟入院基本料のコ 域に配慮した評価の影響を調査・検証し,そ の在り方を引き続き検討すること. スト情報の把握・活用について 4.療養病棟,障害者病棟,特殊疾患病棟等に 〔調査実施小委員会〕 おける長期入院も含めた慢性期入院医療の 平成 25 年 11 月 6 日 医療経済実態調査結果 在り方について検討すること. 〔診療報酬調査専門組織〕 5.在宅医療の適切な推進と介護保険との連携 【DPC 評価分科会】 平成 25 年 12 月 6 日 平成 26 年改定に向けた について,次に掲げる事項等を調査・検証し, DPC 制度の対応について検討結果(中間とりま 在宅自己注射指導管理料の在り方,在宅医 とめ) 療を主に行う保険医療機関の外来医療の在 平成 25 年 12 月 18 日 平成 26 年改定に向けた 「中間とりまとめ」の総会への報告結果を踏まえ り方等を引き続き検討すること. ⑴ 機能強化型在宅療養支援診療所等の評価 見直しの影響 た追加の検討事項について ⑵ 在宅不適切事例の適正化の影響 【医療技術評価分科会】 平成 26 年 1 月 14 日 医療技術の評価について ⑶ 歯科訪問診療の診療時間等 ⑷ 機能強化型訪問看護ステーションの実態 【医療機関のコスト調査分科会】 平成 25 年 7 月 17 日 平成 24 年度「医療機関 ⑸ 在宅における薬剤や衛生材料等の供給体制 6.適切な向精神薬使用の推進を含め,精神医 の部門別収支に関する調査報告書」 【医療機関等における消費税負担に関する分科会】 療の実態を調査・検証し,精神医療の推進 について引き続き検討すること. 平成 25 年 9 月 25 日 議論の中間整理 平成 25 年 11 月 14 日 医療経済実態調査結果 7.救急医療管理加算の見直し,廃用症候群に 対するリハビリテーションの適正化,リハ に基づく費用構造推計 平成 26 年 1 月 8 日 平成 26 年度改定率(消費 ビリテーションの推進等の影響,維持期リ 税率引上げ対応分)を踏まえた財源配分 ハビリテーションの介護サービスへの移行 【入院医療等の調査・評価分科会】 の状況,胃瘻の造設の状況等について調査・ 平成 25 年 8 月 7 日 中間とりまとめ 検証し,それらの在り方を引き続き検討す 平成 25 年 11 月 1 日 とりまとめ ること. 8.新薬創出・適応外薬解消等促進加算につい て,真に医療の質の向上に貢献する医薬品 ◎平成 26 年度診療報酬改定「答申書」附帯意見 1.初再診料,時間外対応加算等について,歯 の国内研究・開発状況や財政影響を確認・検 科を含めて,引き続き検討すること.また, 証するとともに,当該加算の対象品目の在 主治医機能の評価(地域包括診療料・地域 り方等現行方式の見直しについても検討す - 43 - ること.また,長期収載品や後発医薬品の 障・人口問題研究所長)は,社会保障全般,制度 薬価の在り方について引き続き検討するこ 横断的な課題を審議するものと位置付けられて と. いる. 9.DPC 制度について,医療機関群,機能評 同審議会は,平成 15 年 5 月 20 日の総会におい 価係数Ⅱの見直し等を含め,引き続き調査・ て,同年 3 月 28 日に閣議決定された「健康保険 検証し,その在り方を引き続き検討するこ 法等の一部を改正する法律附則第 2 条第 2 項の規 と. 定に基づく基本方針」に基づく医療保険制度体系 10.明細書の無料発行の促進の効果を含めた影 に関する改革について,必要な事項を順次議論す 響を調査・検証するとともに,診療報酬点 るための場として,専門の「医療保険部会」 (部 数表の平易化・簡素化について引き続き検 会長=遠藤久夫 学習院大学経済学部長)の設置 討すること. を了承した. 11.夜間の看護要員配置の評価,月平均夜勤時 間 72 時間要件を満たさない場合の緩和措置, 日本医師会からは,鈴木邦彦常任理事が臨時委 員として参画している. チーム医療の推進等を含め,医療従事者の 平成 25 年度においては,平成 25 年 5 月 10 日 負担軽減措置の影響を調査・検証し,それ に第 61 回が開催され,平成 26 年 1 月 20 日の第 らの在り方を引き続き検討すること. 73 回まで 13 回の部会が開催された.主な検討事 12.後発医薬品の使用促進策,いわゆる門前薬 項としては,①社会保障制度改革を行うために必 局の評価の見直し,妥結率が低い保険薬局 要な事項を審議するために設置された「社会保障 等の適正化等の影響を調査・検証し,調剤 制度改革国民会議」の議論(医療保険部会での審 報酬等の在り方について引き続き検討する 議事項に関連するもの)について,②平成 26 年 こと. 度診療報酬改定の基本方針等について,③その他 13.残薬確認の徹底と外来医療の機能分化・連 (産科医療補償制度の見直し等)であった. 携の推進等のため,処方医やかかりつけ医 ①社会保障制度改革国民会議 (以下, 「国民会議」 との連携を含めた分割調剤について引き続 という. )における議論に対しては,国民会議が き検討すること. 平成 25 年 4 月 22 日にとりまとめた「これまでの 14.医薬品や医療機器等の保険適用の評価に際 議論整理(案) 」の中から,医療保険部会に関連 して費用対効果の観点を導入することにつ する事項として,後期高齢者支援金の全面総報酬 いて,イノベーションの評価との整合性も 割りの導入及びそれにより生じた財源の使途,国 踏まえつつ,データ・分析結果の収集,評 保の保険者の在り方(都道府県を国保の保険者と 価対象の範囲,評価の実施体制等を含め,平 するか・国保の財政基盤等) ,医療・介護の提供 成 28 年度診療報酬改定における試行的導入 体制の在り方,外来の役割分担の在り方,在宅医 も視野に入れながら,引き続き検討するこ 療と在宅介護の連携の在り方等,医療関連データ と. の収集・分析等,療養の範囲の適正化全般,70 15.ICT を活用した医療情報の共有の評価の 在り方を検討すること. 〜 74 歳の患者負担等,高額療養費等について審 議を行い,平成 25 年 5 月 29 日付けで「社会保障 審議会医療保険部会における主な議論について」 2.薬価基準改正 をとりまとめ,平成 25 年 8 月に国民会議が議論 平成 25 年 3 月から平成 26 年 2 月末までにおけ のとりまとめを行うにあたり,医療保険部会の意 る薬価基準の改正は 15 回実施されたが,これら 見をどのように議論に反映させるか等,その方法 は新開発医薬品の収載,後発医薬品の収載,薬事 も含めてとりまとめの取扱いを国民会議の委員 法による販売名称変更に基づく改正等であった. でもある遠藤部会長に一任した. 平成 25 年 9 月取引分を対象に同年 10 月に実施 また,併せて社会保障・税一体改革に関連する された医薬品価格調査結果等に基づく改正は,平 部分に限定した次回診療報酬改定に向けた基本 成 26 年 4 月 1 日から実施される予定である. 方針のとりまとめに関する議論も行い,平成 25 年 9 月 6 日付けで「次期診療報酬改定における社 3.社会保障審議会 医療保険部会 会保障・税一体改革関連の基本的な考え方につい 社会保障審議会(会長=西村周三 国立社会保 て」をとりまとめた. - 44 - ②平成 26 年度診療報酬改定の基本方針につい 準の見直しが行われ,制度創設時の補償対象者推 ては,社会保障・税一体改革で消費税の引き上げ 計(概ね 500 人〜 800 人)から保険料水準 3 万円 財源を活用し,診療報酬改定について充実と重点 としてきたものを,補償対象者推計 481 人(推計 化・効率化に取り組むこととされている点を踏ま 区間 340 人〜 623 人)として保険料水準を見直し え,9 月 6 日とりまとめた基本的な考え方をベー 2 万 2 千円とするとともに,これまでの剰余金の スに,1 つの重点課題と 4 つの改定の視点よりと 取扱いについては,平成 27 年度以降の保険料に りまとめられた. 充当することとし, 充当額は 1 分娩あたり 8 千円, 重点課題としては, 「医療機関の機能分化・強 充当期間 10 年程度と推計した.また,制度創設 化と連携,在宅医療の充実等」として,平成 26 から 5 年間の実績,医学の進歩等を勘案し,原則 年度診療報酬改定においては,社会保障・税一体 一律該当となる補償対象の範囲を在胎週数「33 改革において,消費税率を引き上げ,その財源を 週以上→ 32 週以上」とし,出生体重は「2,000g 活用して医療の機能強化と同時に,入院医療・外 以上→ 1,400g 以上」とし,個別審査基準の見直 来医療を含めた医療機関の機能分化・強化と連携, しも行い,その他に事務経費等について,制度変 在宅医療の充実等に重点的に取り組むべきとし 動リスク対策費を 5%から 3%に引き下げること た. を含め,今後継続して削減に努めるよう検討する 改定の視点としては,⑴充実が求められる分野 こととなった.さらに, 制度の見直しに関しては, を適切に評価していく視点,⑵患者等から見て分 日本医療機能評価機構内の運営委員会で検討し, かりやすく納得でき,安心・安全で質の高い医療 その内容をもって医療保険部会で協議する従来の を実現する視点,⑶医療従事者の負担を軽減する 方法に批判が相次いだことから,公益性の強い本 視点,⑷効率化余地がある分野を適正化する視点 制度の趣旨を踏まえ,国が積極的に関与する検討 の 4 つの視点を挙げた. 方法に改めるよう見直していくこととなった. 日本医師会としては,平成 26 年度の診療報酬 その他,当部会においては,医療保険制度に係 改定においては,消費税率引き上げ対応分と通常 るさまざまな課題について議論が行われている. 改定分を明確に分けて対応すべきと主張し,具体 4.厚生労働省による平成 25 年度特定 共同指導および共同指導の立会い 的な対応としては,地域包括ケアで提供される高 度急性期から在宅まで切れ目のない医療を推進 するため,在宅医療の充実や医療・介護の連携等, 厚生労働省と地方厚生(支)局が共同して実施 地域包括ケアシステムの中心を担うかかりつけ する平成 25 年度における社会保険医療担当者に 医への評価を主張してきた. 対する特定共同指導および共同指導を平成 26 年 また,7 対 1 看護基準の適正化に伴う急性期後 3 月末日現在で 16 都道府県において実施した. の受け皿づくりの整備のため,回復期病床,有床 健康保険法第 73 条において厚生労働省が行う 診療所の評価の充実も求めてきたものであり,当 指導には本会が立ち会うことができると規定さ 部会においてもそのようなスタンスで発言を行 れていることから,都道府県医師会より立会の要 ってきた. 請があった場合に担当役員が立ち会うこととし 平成 26 年度診療報酬改定の基本方針について ている.立会では保険診療上の問題点等その実施 は,平成 25 年 12 月 3 日第 71 回の部会において 把握に努めると同時に諸般の問題に関し,都道府 合意され,12 月 6 日に公表されるとともに,同 県医師会担当役員との意見交換を行った. 日の中央社会保険医療協議会総会にて報告され 5.厚生労働省の行う保険関連調査 た. ③その他として,産科医療補償制度の見直しに 衛生検査所の検査料金や保険医療材料等の価 関し,運営を担当する日本医療機能評価機構の運 格を調査するために,厚生労働省の行う保険関連 営委員会での審議状況の報告を受けながら,長期 調査として,以下の調査が行われた. にわたり継続的な議論が行われ,平成 26 年 1 月 20 日の第 73 回部会において,制度の見直しにつ ⑴ 衛生検査所料金調査 いて部会としての合意を得た. 診療報酬点数の評価の基礎資料を得るため,標 具体的には, これまでの制度運営実績に基づき, 補償対象者の推計の見直しやそれに伴う保険料水 記調査について厚生労働省保険局長より協力依 頼があり,平成 25 年 10 月 11 日付けで都道府県 - 45 - 医師会に対して協力を要請した. で開催された. 本調査は,平成 25 年 1 月 1 日現在「臨床検査 本協議会は平成 26 年 4 月 1 日より実施される 技師等に関する法律」に基づき登録を完了してい 社会保険診療報酬点数表の改定の説明・周知を目 る全国の衛生検査所を対象として,①施設名・保 的として行われた. 険診療に関する検査の有無,②平成 25 年 7 月の 7.第 57 回社会保険指導者講習会 1 か月分の取扱い検体数,③外部精度管理への参 加状況,④平成 25 年 7 月の 1 か月分の検査項目 別検査件数・加重平均料金等について実施された. 本講習会は,日本医師会並びに厚生労働省共催 により,医師の生涯教育の一環として開催されて おり,本年度は「高血圧診療のすべて」をテーマ ⑵ 特定保険医療材料価格調査 と し て, 平 成 25 年 10 月 3 日( 木 ) ,4 日( 金 ) 厚生労働大臣が定める「特定保険医療材料及び の 2 日間にわたり日本医師会大講堂にて開催され その材料価格(材料価格基準) 」を改正する際の た.受講対象者は都道府県医師会が実施する伝達 基礎資料を得るため,標記調査について厚生労働 講習会の講師として各医師会より推薦を受けた 省医政局長より協力依頼があり,平成 25 年 9 月 適任者,地方厚生(支)局の指導医療官,および 18 日付けで都道府県医師会に対して協力を要請 都道府県の社会保険等を担当する技術吏員,並び した. に都道府県の支払基金および国保連合会の審査 本調査は全国の病院約 2,200(抽出率 1/4) ,一 委員等である.本講習会のテキストは「高血圧診 般診療所約 1,300(抽出率 1/80)等を対象とし, 療のすべて」日本医師会雑誌 第 142 号・特別号 平成 25 年 5 月から 9 月取引分の特定保険医療材 ⑴( 平 成 25 年 6 月 15 日 発 行 ) 〔生涯シリーズ 料(ただし,ダイアライザー,フィルム等につい 84〕に沿って行われ,出席者は 2 日間で延べ 597 ては平成 25 年 9 月の取引分のみ)の価格,数量 名であった. 等について,平成 25 年 10 月 1 日から 10 月 25 日 8.労災診療費算定基準の一部改正 までの期間に実施された. 平成 26 年 4 月 1 日の社会保険診療報酬点数表 ⑶ 保険医療材料等使用状況調査 の改定にともない,健康保険準拠項目および労災 技術料に包括されている医療機器や加算点数 特掲項目の取扱いが一部改正され,平成 26 年 4 として評価されている医療材料等の使用状況お 月 1 日以降の診療に係るものより適用された. (以 よび実勢価格を把握し,診療報酬改定の基礎資料 下は主な改正項目) を得るため,標記調査について厚生労働省保険局 1)初診料 3,760 円 → 算定基準の一部改正 長より協力依頼があり,平成 25 年 9 月 18 日付け (労災特掲) で都道府県医師会に対して協力を要請した. イ 健保点数表(医科に限る. )の初診料の注 本調査は,①在宅患者訪問診療料を 1 か月に 5 のただし書きに該当する場合(上記アに規 60 件以上行っており,かつ,内科又は呼吸器科 定する場合を除く. )については,1,880 円 を標榜している一般診療所を対象に,自己血糖測 を算定できる. 定システム(血糖自己測定に用いるもの)や酸素 2)再診料 1,390 円 → 算定基準の一部改正 ボンベ(在宅酸素療法に用いるもの)等の在宅医 (労災特掲) 療にかかわる医療材料・医療機器の購入価格やリ 健保点数表(医科に限る. )の再診料の注 3 ース代等,また②放射線治療施設を有し,一般病 に該当する場合(同一日に他の傷病について, 床が 200 床以上の一般病院を対象に,弾性ストッ 別の診療科を再診として受傷した場合)につい キングや眼底カメラ等の在宅以外で使用する医 ては,690 円を算定できる. 療材料・医療機器の購入価格やリース代等に関し 3) リハビリテーション → 算定基準の一部 て,平成 25 年 7 月 1 日から 7 月 31 日を調査対象 改正(労災特掲) 期間として実施された. ・心大血管疾患リハビリテーション料金 6.都道府県医師会社会保険担当理事連絡協議会 都道府県医師会社会保険担当理事連絡協議会 が平成 26 年 3 月 5 日(水)に日本医師会大講堂 - 46 - (Ⅱ)(1単位)105点 ・運動器リハビリテーション料金(Ⅰ)(1単 位)185点 ・運動器リハビリテーション料金(Ⅲ)(1単 る場合を除く. )に対して文書をもって情報 位)85点 提供した場合についても算定できる. ・呼吸器リハビリテーション料金(Ⅱ)(1単 ウ 傷病労働者の主治医又はその指示を受け 位)85点 イ 疾患別リハビリテーションについては,リ た看護職員,理学療法士,作業療法士若し ハビリテーションの必要性及び効果が認め くはソーシャルワーカーが,当該労働者の られるものについては,疾患別リハビリテ 同意を得て,当該医療機関等を訪問した当 ーション料の各規定の注 1 のただし書きに 該労働者の事業主と面談の上,職場復帰の かかわらず,健保点数表に定める標準算定 ために必要な説明及び指導を行い,診療録 日数を超えて算定できることとし,健保点 に当該指導内容の要点を記載した場合につ いても算定できる. 数表の疾患別リハビリテーション料の各規 定の注 4 及び注 5(注 5 は脳血管疾患等リハ エ 上記ア〜ウの算定は,同一傷病労働者につ ビリテーション料及び運動器リハビリテー き,それぞれ 3 回を限度(慢性的な疾患を ション料に限る. )については適用しないも 主病とする者で現に就労しているものにつ のとする. いては,医師が必要と認める期間)とする. 4)術中透視装置使用加算 → 算定基準の一 9.社会保険診療報酬検討委員会 部改正(労災特掲) ア 「大腿骨」 , 「下腿骨」 , 「踵骨」 , 「上腕骨」 , 「前 本委員会は,医療保険制度の抜本改正における 腕骨」及び「舟状骨」の骨折観血的手術又 診療報酬のあり方, 診療報酬合理化に関する検討, は骨折経皮的鋼線刺入固定術において,術 現行診療報酬上の問題点の検討等,今後における 中透視装置を使用した場合に算定できるも 点数改正に対応して,改正要望事項を広い視野で のとする. 検討するため設置されたものである. イ 「脊椎」の経皮的椎体形成術において,術 委員会の委員には,都道府県医師会の各ブロッ 中透視装置を使用した場合にも算定できる クから推薦を受けた委員及び病院団体を代表す ものとする. る委員のほか,各診療科を網羅するよう配慮し, 5)労災電子化加算 5 点 → 算定基準の一部 改正(労災特掲) さらに,外保連・内保連の代表委員を加えた 27 名を委嘱した. 6)職場復帰支援・療養指導料 → 新設(労 今期は第 1 回委員会を平成 24 年 8 月 29 日に開 災特掲) 催し,委員長に安達秀樹委員(京都府医師会副会 精神疾患を主たる傷病とする場合 長) ,副委員長に井原裕宣委員(社会保険診療報 月 1 回 560 点 その他の疾患の場合 酬支払基金医科専門役) ,藤野圭司委員(日本臨 月 1 回 420 点 床整形外科学会理事長)を選出し,横倉会長より ア 傷病労働者(入院治療後通院療養を継続し 「①平成 24 年度診療報酬改定の評価」及び「②現 ながら終了が可能と医師が認める者又は入 在の診療報酬における問題点とその対応」につい 院治療を伴わず通院療養を 3 か月以上継続 て諮問された. している者で就労が可能と医師が認める者. 答申書及び要望書の作成においては,小委員会 下記イからエにおいて同じ. )に対し,当該 (小委員長:高井康之委員(大阪府医師会理事) ) 労働者の主治医又はその指示を受けた看護 を設置し,とりまとめ作業の中心的な役割をお願 職員,理学療法士,作業療法士若しくはソ いした. ーシャルワーカーが,就労に当たっての療 諮問事項①「平成 24 年度診療報酬改定の評価」 養上必要な指導事項及び就労上必要な指導 については,早急に委員会としての意見をまとめ 事項を記載した「指導管理箋(別紙様式 1 〜 る必要があるとの判断から,平成 24 年度中に集 4) 」を当該労働者に交付し,職場復帰のため 中的な審議及び最終とりまとめを行い,平成 25 に必要な説明及び指導を行った場合に算定 年 4 月 19 日に安達委員長より横倉会長に提出し できるものとする. た. イ 傷病労働者の主治医が,当該労働者の同意 具体的には,平成 23 年 3 月に発生した東日本 を得て,所属事業場の産業医(主治医が当 大震災の影響により,非常に厳しい財政状況の中 該労働者の所属事業場の産業医を兼ねてい で行われた平成 24 年度診療報酬改定であったが, - 47 - 全体改定率がわずかとはいえネットでプラス (0.004%)であったこと,また,入院・外来の財 日本医師会にとって最も重要な課題であり続け る,としている. 源枠が決められなかったことについては評価で 10.疑義解釈委員会(保険適用検討委員会) きるとする一方,平成 24 年度改定においても, 財源が主として急性期病院における入院医療へ 社会保険診療報酬点数表の運用上の疑義解明 重点的に配分され,中小病院や診療所にとっては 等を主義務として設置された本委員会は,日本医 引き続き厳しい改定となり,地域医療を維持する 学会の関係各分科会より推薦された各学会の代 ためには,大病院だけでなく中小病院,単科病院, 表 26 名の委員により構成され,本年度は平成 25 診療所など切れ目のない体制が必要であり,それ 年 4 月 19 日より平成 26 年 3 月 20 日まで計 12 回 ぞれに適正に医療費が配分される必要があると 開催した. 提言している.厚生労働省は平成 24 年度改定を 審議に際しては,各臨床系学会から提出された 「社会保障・税一体改革」の実現に向けた第一歩 保険診療に関する要望事項等について医学的立 と位置付け, 「2025 年のあるべき医療・介護の姿」 場から検討を行ったほか,医薬品の経過措置品目 として,高度急性期から慢性期,在宅に至るまで への移行等についても審議を行った.また,保険 の医療・介護の提供体制や機能分化の方向性を示 診療で使用される医薬品,医療機器および体外診 しているが,それが本当に地域の実情に合ってい 断用医薬品については,本委員会内部に設置され るのか,医療現場との意識の乖離があるのではな ている保険適用検討委員会にて検討を行った. いかと指摘し,医療関係者,国民を交えた議論が 11.労災・自賠責委員会等 必要であるとしている. さらに,従来から医療現場で指摘されている診 ⑴ 労災・自賠責委員会について 療報酬の不合理な点数や算定ルールは今回も解 本委員会は,労災保険および自賠責保険に関す 消されず,そればかりか管理栄養士の配置を入院 る諸問題を検討するために設置されたものであ 基本料の算定要件化するなど,ますます現場に混 り,各ブロックから推薦を受けた委員等 11 名の 乱を招くような改定が行われたことなどを例に, 委員によって構成されている. 厚生労働省と日本医師会にはともに十分な協議 をするよう望むとされている. 今期は第 1 回委員会を平成 24 年 9 月 5 日に開 催し,委員長に茂松茂人委員(大阪府医師会副会 また,委員会では,各ブロック,専門学会・医 長) ,副委員長に稲垣善幸委員(愛知県労災指定 会等からの次期診療報酬改定に対する要望事項 医協会長)を選出し, 横倉会長より諮問のあった, について検討を行い,委員会として「次期(平成 労災保険については「社会保障における労災保険 26 年度)診療報酬改定に対する要望書」をとり 指定医療機関の今後の役割」 ,自賠責保険につい まとめ,平成 25 年 6 月 25 日,安達委員長より横 ては「交通事故診療における周辺問題について」 倉会長に提出した. に関して,より実現性のある具体的な方策を見出 諮問事項②「現在の診療報酬における問題点と すべく,全 9 回の委員会を開催して鋭意検討を重 その対応」については,今年度,委員会及び小委 ね,意見を集約した上で平成 26 年 1 月 21 日に横 員会の審議を集中的に行った上で最終的なとり 倉会長に答申した. まとめを行い,平成 26 年 1 月 14 日,安達委員長 より横倉会長へ答申された. 答申は,労災保険に関しては,①労災・自賠責 保険制度概要等に係る周知等の必要性,②労災保 具体的には,①診療報酬体系について,②かか 険指定医療機関としての疾病予防に向けた取り りつけ医の評価,③適正な技術料の評価,④診療 組み,③労災診療費算定基準,④労災かくしにつ 報酬における診療科間の評価のあり方, について, いてとりまとめた. それぞれ象徴的な問題点が挙げられ,その解決に 向けた考え方が述べられている. ①労災・自賠責保険制度概要等に係る周知等の 必要性に関しては,医療者並びにその関係者に限 まとめとして,現在の診療報酬が抱える様々な 定した場合,労災診療研修会,自賠責保険研修会 問題の解決にあたっては,細部へ配慮しつつも全 などの周知の機会が従来からあるが,内容が医学 体の医療提供体制にひずみが生じないようどの 的なものに陥りがちで制度そのものの問題点に ようにバランスを取るかという点こそが,医療へ まで踏み込んでいなかった傾向があるため,医師 の国民の要望が増え続ける中で,委員会,そして 会が周知,教育を行う必要があると提言し,当委 - 48 - 員会として,制度をシンプルにまとめた研修時等 行為を利用するなどで交通事故被害者から医師 に活用が可能なパワーポイント資料を作成した. による適切な医療を受ける機会を奪う可能性が ②労災保険指定医療機関としての疾病予防に あることについて,今後,早期に情報の収集が必 向けた取り組みに関しては,近年,増加傾向にあ 要であり,必要に応じて,関連団体,関連省庁へ る精神疾患,脳心臓疾患やそれに付随する睡眠障 申し入れを行い,適切な対応を求めていきたいと 害や癌と職場復帰について,労災保険指定医療機 している. 関と産業医の密な連携の必要性や二次健康診断 ③医業類似行為に関しては,適正化の観点か の活用の必要性について提言している.また , 平 ら,損害保険料率算出機構には,柔道整復師に係 成 25 年 3 月 18 日日本医師会労災・自賠責委員会 る情報の公開を求めたいとし,医師においては, は , 東京電力福島第一原子力発電所事故による作 同意書(施術同意書)を安易に発行することがな 業従事者の健康管理の状況を把握するため福島 いようにとしている. 労働局,福島県医師会との懇談会を実施し,その ④日本損害保険協会及び損害保険料率算出機 内容をもとに,引き続き将来的にも作業従事者等 構との意見交換会に関しては,交通事故診療の現 を支援,救済していく体制の構築の必要性につい 場から寄せられる様々な問題について,各損保会 て提言している. 社等の認識を把握し,また,問題意識等の共有を ③労災診療費算定基準に関しては,再審査請 図るため,前期委員会に引き続き,日本損害保険 求,会計検査院の指摘については,アンケート結 協会(損保主要各社) ,損害保険料率算出機構の 果をもとに提言を行い,診療費審査委員会の今後 代表者等と意見交換会を実施している. の運営においても都道府県医師会等の役割の重 最後に,当該委員会で行ったアンケート調査結 要性について触れ,労災レセプト電算処理システ 果を掲載し,また,平成 26 年度の診療報酬改定 ムの本格稼働については,今後のオンライン化の に向けて,現行の労災診療費算定基準において, 動向を注意深く見なければならないとしている. 健康保険に準ずることによる不合理点等を中心 ④労災かくしに関しては,労災かくしの要因の に要望事項としてとりまとめている. 1 つと考えられる「メリット性」に関し,軽度の 傷病や事業主が労働安全衛生法を遵守している ⑵ 自賠責保険診療費算定基準等について 状況下で発生した労働災害について,メリット性 交通事故患者にかかわる診療費は,自動車損害 の労災率算出対象から除外することなど,具体的 賠償保障法,関係政省令・通知にその基準が示さ な制度の見直しについて提言している. れていないこともあり,従来より「自由診療」と 自賠責保険に関しては,①健康保険使用に係る 問題と自賠責保険診療費算定基準(新基準) ,② して取扱われ,各地域あるいは各医療機関によっ て請求額に格差が生じていた. このような状況の中で,自動車損害賠償責任保 物損事故に対する保険金支払い, ③医業類似行為, ④日本損害保険協会及び損害保険料率算出機構 険審議会(自賠責保険審議会)は,昭和 59 年 12 との意見交換会についてとりまとめた. 月に自賠責保険の収支改善等に関する答申を行 ①健康保険使用に係る問題と自賠責保険診療 い,一部の医療機関の医療費請求額が過大である 費算定基準(新基準)に関しては,これまで日本 事実を指摘し,日本医師会・日本損害保険協会・ 医師会,関係省庁・団体から発出された健康保険 自動車保険料率算定会(現:損害保険料率算出機 の使用に係る文書を時系列に整理し,その上で, 構)の三者協議(本部三者協議会)による自賠責 健康保険使用に係る問題の解決策として,早期に 保険診療費算定基準(自賠責新基準)の早期設定 「新基準制度化のための検討」に入るべきとして の必要性が意見具申され,これを受けて交通事故 診療に係る医療費請求の適正化および被害者の いる. ②物損事故に対する保険金支払いに関しては, 平成 24 年 1 月 31 日に損害保険料率算出機構より 早期社会復帰を資することを目的に平成元年 6 月 に自賠責新基準が設定された. 説明のあった物損事故扱いとして処理された事 自賠責新基準の実施については,当初より各都 故において生じた傷害に自賠責の支払いが行わ 道府県医師会(都道府県三者協議会)でその具体 れている件数が近年増加している状況について, 化を図ることとなっており,平成 26 年 6 月末日 人身事故の届出の際に必要となる医師の診断書 現在,46 の都道府県において実施され,さらに, を要しないことで受傷当初から,安易に医療類似 未実施地域である山梨県においても具体的実施 - 49 - 箋の交付が可能となった. に向け協議が行われている. 本会においては,労災・自賠責委員会で自賠責 新基準に関する問題点の解決や見直しに関する ⑶ 自動車損害賠償責任保険審議会について 自動車損害賠償責任保険審議会(自賠責保険審 協議を行い,本部三者協議会等により自賠責新基 議会)は, 自賠責保険(強制保険)の特殊性から, 準のより一層の充実を図っている. なお,自賠責新基準は自賠責保険審議会の答申 に基づき設定されたものであることから,平成 運営の厳正と透明性を図るため,昭和 30 年に大 蔵大臣の諮問機関として設置された. 現在は,自賠責保険の健全な運営を図るため, 26 年 1 月 29 日開催の第 133 回審議会にて,実施 状況等について日本損害保険協会より報告され 自動車損害賠償保障法(自賠法)に基づき金融庁 た. に設置され,内閣総理大臣または金融庁長官の諮 また,本年度は健康保険診療報酬点数表の改定 問に応じて自賠責保険に関する重要事項を調査 にともない,労災診療費算定基準の一部改正(平 審議し,これらに関し必要と認める事項について 成 26 年 4 月 1 日実施)が行われたことから,自 関係各大臣または長官に意見を述べることがで 賠責新基準の取扱いについて,労災・自賠責委員 きるとされている. 会に意見を求めながら,本部三者協議会において 同審議会は,昭和 59 年 12 月の答申に基づいて 協議を重ね,平成 26 年 4 月診療分より改定後の 定期的に開催され,自賠責保険(共済)の収支状 労災診療費算定基準(平成 26 年 4 月 1 日実施) 況等について報告を受けて審議を行うとともに, に準じて算定することとした. 答申を取りまとめることとなっている. また,平成 13 年 1 月の中央省庁再編により, これに伴い,初診料について評価が引き上げら れ(3,640 円→ 3,760 円) ,同一医療機関において, 金融審議会に自動車損害賠償責任保険制度部会 同一の交通事故により同一日に複数の診療科で が設置され,必要に応じて自賠責保険審議会と合 初診を行った場合についても評価が引き上げら 同による審議が行われている. 平成 26 年 1 月 29 日には,第 133 回自賠責保険 れた(1,820 円→ 1,880 円) . さらには,再診料についても評価が引き上げら 審議会が開催され,冒頭,金融庁監督局保険課長 れ(1,360 円→ 1,390 円) ,同一日かつ同時に複数 より,資料に基づき料率検証結果について説明さ の診療科で再診を行った場合は,注 2 に該当する れた. 平成 26 年度については,平成 25 年 4 月の基準 場合の再診料についても評価の引き上げが行わ 料率 13.5%の引き上げによる,料率検証結果につ れた(670 円→ 690 円) . また,疾患別リハビリテーション料について いては,当初,平成 25 年の予定損害率を 100.2% は, 心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅱ) (100 と想定,平成 25 年度の収入純保険料は約 1 千億 点→ 105 点) , 運動器リハビリテーション料金 (Ⅰ) 円増加したものの,予定損害率 100.2%との乖離 (180 点→ 185 点) ,運動器リハビリテーション料 はわずかであるとの結果が報告された. 金(Ⅲ) (80 点→ 85 点) ,呼吸器リハビリテーシ その他報告事項として,①平成 26 年度自動車 ョン料金(Ⅱ) (80 点→ 85 点)の評価の引き上 安全特別会計の運用益の使途について,②平成 げが行われた. 26 年度民間保険会社の運用益の使途について, 術中透視装置使用加算については,対象部位, ③平成 26 年度 JA 共済の運用益の使途について, 対象手術の拡大が行われ,対象部位に「舟状骨」 , ④自賠責診療報酬基準案について,提出資料を基 対象手術に「骨折経皮的鋼線刺入固定術」を追加 に担当委員,国土交通省自動車交通局保障課長等 し,さらに「脊椎」の経皮的椎体形成術において より報告された. 審議会は,学識経験者,自動車運送関係者,日 も算定が可能となった. 新設項目としては,再就労療養指導管理料の算 本損害保険協会などが出席しており,本会からは 定要件を見直し,職場復帰支援・療養指導料を新 藤川謙二常任理事が特別委員として参画してい 設(これに伴い,再就労療養指導管理料は廃止) . る. 主な算定要件は,指導の対象に事業主を加えたほ か,医師の指示を受けた医療従事者(看護職員, ⑷ 一般財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構 理学療法士,作業療法士,ソーシャルワーカー) について による患者・事業主への説明,指導及び指導管理 平成 13 年 6 月, 「自動車損害賠償保障法及び自 - 50 - 動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部を改 共済事業は労災診療補償保険支援事業に衣替え 正する法律」 が成立し, 同年 6 月 29 日に公布され, し,労災診療補償保険事業及び相互扶助のための 政府による再保険制度が廃止された. 労災診療互助事業を事業内容とすることになっ この改正自賠法に基づき, 平成 13 年 12 月 26 日, た.この結果,労災診療補償保険事業は契約医療 国土交通省および金融庁は,自賠責保険・共済か 機関が支払う保険料によって賄われ,また,労災 らの支払いに関する紛争が発生した場合に,公正 診療互助事業は契約医療機関が支払う互助費用 中立で専門的な知見を有する第三者機関として によって賄われることになり,それぞれ労災診療 紛争処理(調停)を行うことにより,通常の裁判 補償保険支援事業運営委員会の議を経て運営さ による救済に比べ迅速な解決を図ることを目的 れている. とする「財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構 平成 26 年 1 月末現在の 47 都道府県における (当時) 」の設立を認可し,平成 14 年 4 月 1 日よ RIC と契約している労災指定医療機関は 28,984 機関となっている. り業務を開始している. 平成 6 年には,RIC と労災診療共済契約締結後 本機構には,本会藤川謙二常任理事が理事とし 1 年以上経過している契約者(援護事業の診療費 て就任している. 平成 25 年度の事業計画は,①責任保険および 貸付実績を有する)に対し,契約医療機関の経営 責任共済からの支払いに係る紛争の調停事業(公 改善等に必要な資金を融資する「長期運転資金貸 正かつ適格な紛争処理を行うことにより,被害者 付制度」が実施された. の保護を図るとともに,増加する紛争処理に対応 平成 25 年度においても,労災診療補償保険支 するため円滑かつ効率的な調整(紛争処理)を行 援事業運営委員会での検討結果から,前年どおり う. ) ,②自動車事故の被害者等からの相談等を目 1 件あたりの貸付限度額を 1,000 万円として本制 的とする事業(自動車事故の被害者等からの自賠 度を実施した. 責保険金(共済金)の支払いに関する相談等を行 貸付申込額は,金額は 10 億 3 千 100 万円,件 う. ) ,③その他この法人の目的を達成するために 数は 135 件であったが貸付原資を超えていたため 必要な事業としている. 規 定 に よ り, 貸 付 件 数 124 件, 貸 付 金 額 9 億 3,900 万円の融資が行われた. (貸付利率は, 「財 政融資資金法に基づく, 財政融資資金貸付金利率」 ⑸ 公益財団法人労災保険情報センターについて 労災診療費の不支給,長期にわたる支払保留に よって労災指定医療機関が長年にわたり被って から 1.0%を減じた利率(固定金利)とし,返済 期間は 5 年以内としている. ) いた不合理の是正を目的に,昭和 63 年 7 月,労 また,平成 10 年度より実施されている振興助 災保険情報センター(RIC)が労働省(現:厚生 成事業は,労災医療に関する知識の付与と資質の 労働省)の認可を得て設立された. 向上のために,都道府県医師会が開催する労災保 RIC は平成 4 年度には全国的に都道府県事務所 険指定医療機関を対象とした研修の奨励を目的 を開設し,労災指定医療機関との契約のもとに実 に,年 100 万円を上限に助成金が RIC 本部より 施する援護事業,共済事業によって上記の不合理 申し込まれた都道府県医師会に支給されている. (1 年に複数回または複数ヵ所で実施している場 を是正し,医療機関の債権確保に努めてきた. なお,厚生労働省が労災レセプトの事務的な事 合でも,100 万円を上限に支給される. ) 平成 25 年度も,各地域で積極的に活用され, 前点検を含む全ての審査業務について平成 23 年 12 月までに国(都道府県労働局)に集約化した 申込件数は 1 月末日現在において 35 道府県,82 ことから,それに併せて,47 都道府県に所在し 回の開催となっている.今後も有効的な活用を期 た RIC 地方事務所は閉鎖された.そのため,RIC 待し,RIC の案内及び労災・自賠責委員会を通じ 地方事務所が行っていた援護事業及び共済事業 た PR 活動を継続して行うこととしている. また,労災診療費請求事務担当者のための労災 (現労災診療補償保険支援事業)は RIC 本部に集 診療費算定実務研修会受講料等の補助及び「労災 約され,従来どおり実施されることとなった. さらに,RIC は平成 25 年 4 月 1 日に公益財団 医療ガイドブック」を始め,労災診療に関する参 法人に移行し,同時に,共済事業の補償費の支払 考図書を契約医療機関に配付した他,例年同様, いは特定保険業の認可を得て労災診療補償保険 労災診療互助事業として各都道府県医師会に対 として事業を継続することになった. これにより, し, 「事業運営費」を配分している. - 51 - 以上のように,RIC においては援護事業,労災 労災診療補償保険支援事業運営委員会には,本 診療補償保険支援事業を中心として順調に運営 会藤川謙二常任理事,葉梨之紀常任理事が委員と されている. して参画している. - 52 - いる.また「ホームページ見張り番」委員が中心 Ⅴ.広報・情報課関係事項 となり,日医ホームページメンバーズルームのリ ニューアルを行った.その他,各委員は, 「心に ―…広報関係事項…― 残る医療」体験記コンクール(第 32 回)の第二 次審査, 「生命(いのち)を見つめる」フォトコ 1.日医ニュース ンテスト(第 15 回)の第一次審査を担当した. 日医ニュースは,昭和 36 年 9 月 20 日の創刊以 3.日医白クマ通信 来,原則として月 2 回(5 日,20 日号)の刊行を 続けており,平成 26 年 3 月 20 日号で通巻 1261 号となった . 平成 16 年 10 月にスタートした「日医白クマ通 信」では,日医及び各地域医師会発の医師会活動 送付先は,広く一般の方々にも読まれるよう, に関する記事や日医ホームページの新着情報な 全会員はもとより,報道関係始め,国会議員,政 どを,電子メールで会員,国民やマスコミ関係者 府機関,自治体,関係団体等とし,日医の施策・ に直接配信・提供している.平日はほぼ毎日配信 事業等の周知等に努めている . を行っており,全体の登録者数は 11,365 人であ 紙面は,日医の活動や施策を詳細に分かりやす る(平成 26 年 3 月末現在) . く伝えることを念頭に,代議員会,設立記念医学 4.日医 FAX ニュース 大会,会長協議会,連絡協議会を始め,外部の審 議会の審議内容や定例記者会見等の記事を主に 情報伝達のスピード化という時代の流れに対 掲載している.また,ニュースを読みやすくする 応していくために開始した「日医 FAX ニュース」 ためのさまざまな工夫も行っており,今年度は, は, 平成元年 5 月 27 日の創刊号以来, 毎週 2 回 (原 「審議会報告」を新たにリニューアルし,審議内 容を理事会速報より抜粋する形をとることによ 則として火曜日と金曜日)の発行を続け,平成 26 年 3 月 28 日付で 2,326 号を数えるに至った. って多くの外部審議会の情報を掲載することと 平成 24 年度より従来の FAX による送付を廃 した. 「勤務医のページ」では,勤務医自身の手 止し,現在は,原則日医ホームページからのダウ づくりのページとして,勤務医の組織化の一助と ンロード方式をとっている.主な読者は,都道府 なることを目指した紙面づくりに引き続き努め 県医師会長・事務局,郡市区医師会長・事務局, ている. 日医代議員で,会員宛てに転送出来るようにデー その他, 付録として, 平成 9 年度から始めた「健 タを日医ホームページのメンバーズルームに 康ぷらざ」を折り込み,医療機関の待合室で疾病 PDF ファイルで,また同様の内容のものを「日 に関するミニ知識を紹介し,患者さん等への理解 医インターネットニュース」 として掲載している. を深めることに努めた. 5.理事会速報 なお,本紙の主な記事は,より多くの皆さんが 自由に見られるように日医のホームページにも 掲載している. 毎週火曜日に行われる常任理事会並びに月 1 回 第 3 火曜日に行われる理事会の審議内容を,速や かに都道府県医師会に伝達するため,その要旨を 2.広報委員会 まとめた速報を作成し,原則として翌水曜日の夕 広報委員会は,日医の広報活動について,当面 の課題から中・長期的戦略まで幅広く検討する役 方には都道府県医師会へ FAX で送信,日医の会 務執行状況の会員への周知徹底に努めている. なお,速報は,日医ホームページのメンバーズ 割を担うことを目的としている. 委員会は,野津原崇委員長,新井政幸・橋本寛 ルームにも掲載している. 両副委員長他 11 名で構成され,今期は,広報委 6.CM 放送 員会の中に「編集小委員会」 , 「ホームページ見張 り番」を設けている.広報委員会においては,短 テレビを使った新たな広報戦略として,平成 期的戦略,中・長期的戦略に関し,それぞれの戦 18 年度からテレビ CM を開始しているが,平成 略ごとに広報展開を行うべく議論を行っている 24 年度から, 「生命(いのち)を見つめる」フォ 他, 「編集小委員会」においては,日医ニュース トコンテストの入賞作品を紹介しながら生命の の紙面構成等さまざまな角度から検討を行って 大切さを訴える CM や,日本医師会テレビ健康 - 53 - 講座「ふれあい健康ネットワーク」の VTR 部分 る.番組では,テーマに関連した県民向けの講話 を活用して,地域医療の大切さを訴える CM を を都道府県医師会の活動を踏まえながら紹介し 放映している他,新たな取り組みとして「心に残 ており,広報・情報担当常任理事も番組に出演し る医療」体験記コンクールの優秀作品を素材とし てテーマに関連した日医の施策,取り組みを説明 て CM を作成するなど,ラインアップの充実を した. 図っている.どの CM も,地域での医療の関わ 10. 「心に残る医療」体験記コンクール (第 32 回) りを中心に描かれたもので,ほのぼのとした映像 のなかでも医療の大切さを訴える内容となって いる. 本コンクールは,日医と読売新聞社の主催,厚 生労働省の後援,アフラックの協賛を得て行って 7.突き出し広告 いるもので,今年度はその 32 回目を実施した. 日医イメージアップ戦略の一環として,突き出 コンクールの目的は,医療従事者と患者,その し広告を,読売新聞では平成 23 年 3 月より,朝 家族との「信頼関係」という医療の原点にスポッ 日新聞では平成 24 年 6 月より,それぞれ一面に トを当て,心温まる交流記や医療・介護にまつわ 掲載し,国民向けのタイムリーな健康情報を提供 るさまざまな体験記を募り,優秀作品を発表する することで,好評を得ている. ことで,国民の医療に対する意識を高めてもらう 平成 25 年度は,読売新聞に 36 回,朝日新聞に ことにある. 今年度は,5 月の読売新聞紙上,日医ニュース 24 回掲載した. ま た, 読 売 新 聞 の イ ン タ ー ネ ッ ト サ イ ト 「yomiDr.」及び朝日新聞の医療サイト「アピタル」 6 月 20 日号に折り込んだポスターや日医・読売 新聞社ホームページ等で募集を行い,10 月に締 め切った.また,読売 KODOMO 新聞での募集 にも,タイル広告を掲載している. なお,平成 26 年度は,更に,産経新聞にも掲 告知を行うなど,全体の底上げを図ってきた.そ の結果, 「一般の部」が 1,336編, 「中高生の部」 載を予定している. が 135 編, 「小学生の部」が 58 編,合計で 1,529 8.TV 番組「鳥越俊太郎 医療の現場!」の 企画・提供 編と,前年を上回る多数の応募があった. 第一次・第二次・最終審査を経て, 「一般の部」 平成 20 年 4 月から,BS 朝日で「鳥越俊太郎 が,厚生労働大臣賞,日本医師会賞,読売新聞社 医療の現場!」を企画・提供している.当番組は 賞,アフラック賞の 4 賞のほか入選 7 編, 「小学 医療の現場で起きている諸問題を取り上げ,鳥越 生の部」及び「中高生の部」は,それぞれ最優秀 氏が硬派な切り口で現場の VTR とスタジオ出演 賞 1 編,優秀賞 3 編を決定した. 平成 26 年 2 月 6 日付の読売新聞紙上で発表し, 医師との対話を重ねながら,医療のあるべき姿や 健康の大切さを訴えていく内容で,疾患啓発コー 3 月 15 日に表彰式を行い,同日の読売新聞紙上 ナー「気になる病気」の充実と併せ,好評を得て で作品を紹介した. いる.平成 24 年度以降は,より一層身近な番組 11. 「生命(いのち)を見つめる」 フォトコンテスト(第 15 回) となるようクイズコーナーを設けるなど,番組内 容の刷新を図っている.また,番組は平成 26 年 3 月に 300 回を迎え,特番としてスペシャル番組 を放映した. 本コンテストは,日医と読売新聞社が主催して いるもので,今年度はその 15 回目を実施した. コンテストは,生命の大切さを考えてもらうきっ 9.日本医師会テレビ健康講座 (ふれあい健康ネットワーク) かけになればという願いから,生きとし生けるも の全てを被写体としており,作品は国民一般を対 本事業は,地域医師会の役割を住民に理解して 象に公募している. もらうことを目的として実施しているものであ 今年度は,6 月から日医ニュースに折り込んだ り,今年度は全国 7 カ所(宮城・秋田・福井・島 ポスター,読売新聞紙上や日医ホームページで募 根・群馬・京都・宮崎)で開催した. 集を行うとともに,日医 CM において紹介する 番組のテーマについては,都道府県医師会と地 元のテレビ局とで協議して決定してもらってい 等行っており,4,281 点の応募が得られた.その 中から,第一次審査・最終審査を経て,最優秀賞, - 54 - 日本医師会賞,審査員特別賞,読売新聞社賞各 1 働省の記者クラブに出向いて記者会見を行った. 点,入選 5 点,佳作 20 点を決定.平成 26 年 2 月 記者会見には,毎回 2,30 社のメディアが取材に 6 日に表彰式を行い,同日の読売新聞紙上で作品 訪れ,報道を通じて日医の考えが広く国民に届け を紹介した. られている.この内容は,会員等に「日医白クマ その他,県医師会の協力の下,第 14 回の入賞 通信」を通じて伝えるとともに, 「日医ニュース」 「日医ホームページ」にも掲載している.更に, 作品展を全国 4 カ所で開催した. 動画配信についても試行を継続している. 12.日本医療小説大賞 15.その他の広報活動 本賞は,日医の主催,厚生労働省の後援並びに 株式会社新潮社の協力を得て実施するもので,国 新聞社の論説委員との懇談会を定期的に開催 民の医療や医療制度に対する興味を喚起する小 するなど,報道関係者との積極的な意見交換に努 説を顕彰することで,医療関係者と国民とのより めた.また,主に若手記者を中心に,医療を巡る 良い信頼関係の構築を図り,日本の医療に対する 喫緊の課題について理解を深めてもらうことを 国民の理解と共感を得るとともに,わが国の活字 目的に,記者懇話会を定期的に開催した. 文化の推進に寄与することを目的に,医療をテー マにした小説,あるいは医療を素材として扱って ―…情報関係事項…― いる小説(毎年 1 月から 12 月までに書籍化され 1.医療 IT 委員会 たもの)を対象として,平成 23 年度に創設され たものである.第 2 回に関しては受賞作なしとの 医療 IT 委員会は,川出靖彦委員長,佐伯光義・ 結果となったが, 第 3 回となる今年度に関しては, 登米祐也両副委員長他委員 13 名による構成で, 受賞作として「悪医(著者:久坂部羊) 」が,第 平成 24 年 7 月 5 日に発足し,横倉会長からの諮 一次選考,最終選考会を経て決定し,平成 26 年 問「IT を活用した地域医療連携の実践について」 5 月 27 日に受賞式を行った. に関し,前年度に引き続き審議,TV 会議に関し ても積極的に活用し,委員会を 5 回開催した. 13.日本医師会赤ひげ大賞 委員会は, 「日医認証局と個人情報保護の問題 本賞は,日医と産経新聞社の主催,厚生労働省・ に関して」 , 「地域医療連携実践に関して」―を フジテレビジョン・BS フジの後援並びにジャパ 中心に議論し,答申を取りまとめ,平成 26 年 1 ンワクチン株式会社の特別協賛を得て行ってい 月 16 日に川出委員長より横倉会長に提出した. るもので, 今年度が第 2 回となる.賞の目的は, 「現 答申では,まず,IT を用いた地域医療連携に 代の赤ひげ」というべき地域に根差した「かかり 関して日医総研が実施した調査の内容や,各委員 つけ医」として,地域医療の現場で住民が安心し が地元の地域でのこれまでの取り組みに関する て生活を送れるようなまちづくりに寄り添った 分析と考察を行い,その上で,IT を用いた地域 活動を長年にわたり行い,地域住民の日々の健康 医療連携を実践するために必要なことと課題を 管理と診療を親身になって行っている医師を顕 浮き彫りにして,今期を「医療連携 IT 元年」と 彰することとしている. するために,日医に対する提言を行っている. 大賞受賞者は,都道府県医師会長からの推薦を 基に第三者を交えた選考委員会において選考を 行い,5 名が確定し,平成 26 年 3 月 28 日に表彰 2.平成 25 年度日本医師会医療情報システム 協議会 式を行った. 標記協議会を平成 26 年 2 月 8 日(土) , 9 日(日) に開催した.協議会は, 「 『ビッグデータ』?誰の 14.定例記者会見 ため,何のため・・〜日医認証局利用による確か 原則毎週水曜日に,厚生労働記者会(日刊紙・ な医療情報交信を基本に〜」 をメインテーマとし, テレビ局) ,厚生日比谷クラブ(専門誌紙)及び 平成 25 年度都道府県医師会情報システム担当理 日医プレスクラブ加盟社の記者を対象に日医会 事連絡協議会を兼ねて開催した.今年度は,イン 館で定例記者会見を行い,理事会・常任理事会で ターナショナルセッションをプログラムに設け, の報告事項や決定事項を中心に, 担当役員が報告, ジョン・スネーデル元アイスランド医師会長・元 解説した.また,事案によっては,役員が厚生労 WMA 会長,ドン・チュン・シン延世大学医学部 - 55 - 予防医学教授・韓国医師会国際委員会委員長並び ⑵ TV 会議システム 平成 17 年 11 月より運用を開始した TV 会議シ にロバート・ワーアメリカ医師会次期会長より, 世界での医療 IT 化の進展と医療への影響・個人 ステムは,平成 21 年 11 月にシステムを刷新して 情報保護等についてや世界の現状について,さま クオリティの向上及びコストダウンを図り, 広報・ ざまな視点からの講演及びディスカッションが 情報課所管のものを始めとする各種の会内委員 行われた.当協議会には,全国から 400 名を超え 会,連絡協議会,打ち合わせ会等で活用している. る医師会員,医師会事務局担当者が集い,医療 これらの双方向会議の他,日医会館大講堂等で行 IT 委員会からの「IT を活用した地域医療連携の うイベントの都道府県医師会へのリアルタイム 実践について」 , 「地域医療連携 ICT 化の全国動 中継等の配信も行っている. 向とその課題について」,「ORCA・日レセの主 また,希望する都道府県医師会に利用権を無料 流化宣言」 ,事務局セッションとして「災害等緊 で貸し出しており,日医を介さない,各都道府県 急時医師会連絡システムの構築について」 ,メイ 医師会−郡市区医師会間で開催される各種会議 ンシンポジウム「クラウド・ビッグデータ時代の にも活用されている. 更に,今年度は,JAXA との協定により,災 医療 IT 化の進路」について活発な議論が行われ, 害時に通常のインターネット回線がダウンした 多くの参加者に有益な内容であった. 事前に専用ホームページ上に抄録,講演資料等 被災地との間の運用を想定し,超高速インターネ を掲載し,事後は報告書に代えて,各セッション ット衛星「きずな」を利用した実証実験(防災訓 の内容をホームページ上で映像配信した. 練)も実施した. 3.インターネット・IT…化関連事業 ⑶ 都道府県医師会文書管理システム 日医では,平成 12 年度より「都道府県医師会 医師会情報化推進策としての「医師会総合情報 ネットワーク」構築については, 都道府県医師会, 宛て文書管理システム」を運用しており,都道府 郡市区医師会との間のインターネットを使った 県医師会宛ての発信文書を各部署が PDF 化,デ 情報交換の定着,ORCA プロジェクトによる日 ータベースに登録し,各都道府県医師会事務局に 医標準レセプトソフトの普及や日医白クマ通信 提供している.更に,平成 19 年度から, 「都道府 等による会員への情報発信等により,着実に推進 県医師会−郡市区医師会間文書管理システム」を されてきた.今年度もその延長上で,情報と技術 構築し,都道府県医師会にシステムを提供してい の共有化を目指し,企画及び具体的な施策を講じ る.これにより,各都道府県医師会事務局が,管 てきた. 下の郡市区医師会宛ての発信文書や資料等を簡 便にデータベースに登録,提供することが出来る ようになっている. ⑴ 日医ホームページ また,郡市区医師会も都道府県医師会宛て文書 広報委員会「ホームページ見張り番」委員を中 心に日医ホームページの更新頻度,コンテンツも 管理システムを閲覧可能となっている. 医師会間のデジタルデータ共有のツールとし 含めた検討を行っており,随時意見を取り入れて て必須のものとなっており,今後,更なる運用, 見やすいページづくりを行っている. また,今期は,メンバーズルームのリニューア 発展が期待される. ルを行い,タブレット端末でも見やすくする工夫 4.諸官庁が実施する調査 を行った.現在のコンテンツにおいては, 「健康 の森」等の各種コンテンツで健康情報を提供する ⑴ 厚生労働省の協力要請に応じ,今年度中に とともに,日医のテレビ CM の映像配信や新聞 都道府県医師会宛てに通知した調査は次のと 意見広告,定例記者会見の内容の掲載等により, おりである. 日医の活動,主張を広く PR し,国民の理解を求 ①平成 23 年産業連関構造調査(医療業・社会 めている.医師向けのページでは,医師や医学生 福祉事業等投入調査)の協力依頼について に向けたコンテンツの充実を図っている.会員向 ②平成 25 年毎月勤労統計調査特別調査に対す け「メンバーズルーム」では,従来からの「生涯 教育 on-line」や医療保険,介護保険等の各種関 連情報の提供を行っている. る調査協力依頼について ③毎月勤労統計調査(第二種事業所)に対する 調査協力依頼について(第 6 組) - 56 - ④毎月勤労統計調査(第二種事業所)に対する ①平成 24 年医療施設(動態)調査・病院報告 の概況 調査協力依頼について(第 7 組) ②平成 24 年福島県患者調査の概況 ⑵ 厚生労働省の諸調査のうち結果について説 ③平成 23 年度国民医療費の概況 ④平成 24 年医師・歯科医師・薬剤師調査の概況 明,報告を受けたものは次の通りである. - 57 - ③ 平成 32 年(2020 年)の東京オリンピック・ Ⅵ.地域医療第 1 課関係事項 パラリンピックの開催決定の直前にスポーツ 行 事 等 に お け る 集 団 災 害(Mass Casualty incident) 対 策 と し て, 「Mass Gathering 1.災害対策 Medicine に関する研修会」を企画し,10 月 26 日に開催した. ⑴ JMAT Ⅱの派遣 東日本大震災被災地への医療支援として,昨年 なお,同研修会は,災害医療担当理事連絡 度に引き続き,JMAT(日本医師会災害医療チー 協議会及び国際保健担当理事連絡協議会を兼 ム)の後継の JMAT Ⅱの派遣を実施した.当初 ねて実施した. からの累計派遣数は,平成 26 年 3 月 31 日現在, 岩手県(岩手県医師会による JMAT 岩手を含む) 日本医師会 Mass Gathering Medicine に関する研 779 チーム,宮城県 95 チーム,福島県 147 チーム, 修会プログラム 合計 1,021 チームであり, 参加者数は 10,148 人(う 日時:平成 25 年 10 月 26 日(土) 13:00 〜 15:30 ち医師は 4,711 人)である. 場所:日本医師会館大講堂 司会:石井正三(日本医師会常任理事) ⑵ JMAT 携行医薬品リスト 平成 25 年 6 月,JMAT が被災地に携行する医 1.開会 薬品リストを取りまとめ,公表した.リストの作 2.挨拶 横倉義武(日本医師会長) 成にあたっては, 「救急災害医療対策委員会」災 3.Preparing for mass casualty: lessons from 害医療小委員会(稲坂博委員長)により, 「大多 数の医療従事者が知っていて扱いやすいこと」 , 「値段が安価であること」 , 「流通上のフローとス Boston Paul Gregg Greenough, MD,MPH(Assistant Professor in the Department of Global Health トックで確保しやすいこと」 をコンセプトにして, and Population, Harvard School of Public 検討が行われた. Health) 本リストは,あくまでもバージョン 1.0 という 位置づけであり,ホームページに掲載して,全国 4.日本における Mass Gathering Medicine 対策 「南海トラフ巨大地震への備え」 の医師,医師会,医療機関,関係学会,医療関係 ・川﨑 朗 陸将補(陸 上 自 衛 隊 九 州 補 給 団体などの意見,提言を受け,随時バージョンア 処処長(兼 目達原 ップを行い,より適切なリストをつくり上げてい 駐屯地司令)) 「わが国のこれまでの Mass Gathering への医 く方針である. 療対応から学ぶ」 ・坂本哲也 帝京大学医学部主任教授(救 ⑶ 災害医療に関する調査,研修の実施 急災害医療対策委員会) ① 都道府県医師会を対象として, 「災害医療に 関する調査」を実施し,医師会相互や医師会・ 「あらゆる危機・災害に対応する米国から学ぶ」 行政間等の協定,JMAT の体制整備,災害医 ・永田高志 九州大学大学院助教(国際保 健検討委員会) 療研修,防災行政への関与等について,現状 指定発言:福知山市花火大会事故について や課題を把握した. ② 都道府県医師会連絡協議会の一環として, 「地域における災害医療体制構築」及び「医師 (日野原友佳子 消防庁救急企画室救急専 門官) 会 に お け る 災 害 対 応 組 織 づ く り(Incident 5.パネルディスカッション Command System) 」の二件の研修を開催した. 座長:石井正三(日本医師会常任理事) さらに,各都道府県医師会や郡市区医師会 ・Paul Gregg Greenough, MD,MPH 等で行う災害医療研修の参考としてもらうた ・川﨑 朗 陸将補 め, 「支援者のメンタルヘルス」及び「大規模 ・坂本哲也 帝京大学医学部主任教授 災害発生時の医療と法的責任」について,昨年 ・永田高志 九州大学大学院助教 度の都道府県医師会連絡協議会記録集として ・日野原友佳子 消防庁救急企画室救急専門官 制作した. 6.総括 - 58 - 実施に活用できる資料を紹介している.また,原 7.閉会 子力施設事故時における安定ヨウ素剤服用のタ ⑷ 南海トラフ大震災を想定した衛星利用実証 イミングや判断のために必要な情報と入手先等, 実験(防災訓練)の実施 医師向けの対応策を解説している.なお,平成 平成 25 年 1 月に独立行政法人宇宙航空研究開 26 年度中にガイドブックを制作する予定である. 発機構(JAXA)との間で締結した「超高速イン ターネット衛星「きずな」を用いた災害医療支援 ⑹ 津波,洪水における避難確保計画の手引き, 活動における利用実証実験に関する協定」に基づ ひな型の作成 き,愛知県医師会,兵庫県医師会,香川県医師会 平成 23 年 12 月に制定された「津波防災地域づ の協力を得て,衛星利用実証実験を,日本医師会 くりに関する法律」 ,並びに「水防法」 (洪水)に と都道府県医師会とのテレビ会議システムによ 基づき,警戒区域に立地し,市町村防災計画で指 る防災訓練として実施した. 定された医療機関等の管理者に,避難確保計画の 作成や訓練実施の義務が課せられることとなっ 南海トラフ大震災を想定した衛星利用実証実験 た(洪水は努力義務) .日本医師会では,平成 23 年度以降国土交通省担当部局と協議を重ねてき (防災訓練) ・日時:平成25年11月20日(水) たが,本年度は,11 月に同省担当者とともに東 14時〜16時30分 日本大震災や過去の洪水の被災地域等を現地視 ・場所: 察する等の検討を行った.その結果, 「従業員等 ・都道府県医師会:日本医師会TV会議シス の身に津波による危険が迫れば『従業員等も退避 テム(V-CUBEミーティング)による参加 する』ということを基本とする」などを内容に定 (原則) めた避難確保計画作成の手引き(津波編, 洪水編) を策定するに至った. ・日本医師会:日本医師会館504/505会議室 さらに「津波編」については,日本医師会にお ・実施方法: ・愛知県医師会,兵庫県医師会,香川県医 いて「ひな形」も作成し,各医療機関が避難確保 師会および日本医師会に,「きずな」の 計画を策定する際に,施設名称や避難場所等必要 送受信アンテナを設置 事項を記入することで計画書を作成できるよう ・日本医師会T V会議システムにより,T V 工夫した.両者とも,都道府県医師会に送付し, 会員への周知を要請した. 会議を開催 ・参加者 都道府県医師会災害担当理事 ⑺ 国土強靱化基本計画の案の作成に係る意見 ・主な内容: の提出 ・日本医師会・都道府県医師会によるTV会 平成 26 年 2 月 28 日付閣副第 55 号の文書により, 議(JMATの派遣等) ・クラウド型災害医療情報システムによる 古谷一之内閣官房副長官補より横倉会長に対し て国土強靱化基本計画への意見提出が要請され 避難所や被災患者等の情報共有 たため,災害時の医療活動,医療機関の防災能力 ⑸ 原子力災害時における安定ヨウ素剤服用ガ の向上 (耐震化等) , 複合災害に備えた体制の構築, イドラインの制作 災害復旧等について,多角的な視点から意見をと 平成 25 年 6 月 5 日に改正された「原子力災害 りまとめ,平成 26 年 3 月 27 日付にて提出した. 対策指針」 (原子力規制委員会)では,原子力施 設周辺住民に対する安定ヨウ素剤の配布に際し ⑻ 政府予算に対する要望活動 て,該当する地方公共団体に対して事前説明会の 被 災 地 に お け る 地 域 医 療 再 生, 及 び 今 後 の 開催が求められていることから,救急災害医療対 JMAT 活動や医療機関の防災能力の向上のため, 策委員会災害医療小委員会および日医総研にお 次のような活動を行った. いて「原子力災害における安定ヨウ素剤の服用ガ イドライン」を策定し, 全国の医師会に配布した. 本ガイドラインでは,説明会に協力する医師が説 明するべき必要な内容をまとめた上で,説明会の - 59 - ①東日本大震災対策 ⑴ 被災地の医療の復興のための基金の積 み増し ⑵ 原発等の被災地域からの避難,仮設住 宅建設,復旧工事等により,人口が急増 都道府県防災計画や医療計画上の JMAT の位置 した地域における医療提供体制の整備 づけ等を把握した.また,日医総研とともに, 「原 子力災害時における安定ヨウ素剤服用ガイドラ ②全国の災害対策 ⑴ 全国の医療機関の防災対策のための基 イン」を作成した.そのほか, 「南海トラフ大震 災を想定した衛星利用実証実験」の企画検討を行 金の創設 った. ⑵ 医療機関の耐震整備の推進 ⑶ 看護師等養成所校舎の耐震改修に対す 3.救急医療の推進 る支援 ⑴ ACLS(二次救命処置)の推進 ⑷ 医療機関の津波防災対策の充実 ⑸ 病院船の建造等 平成 16 年 3 月,日本医師会では,医師による ⑹ 災害通信衛星による災害時のブロード 効果的な救命処置・治療の実施を推進することで, バンド・インターネット接続環境や携帯 救急患者の救命率及び社会復帰率の向上に資す 電話への緊急情報提供の推進 ることを目的として, 「日本医師会 ACLS(二次 ⑺ 災害時における医療支援のための情報 救命処置)研修」事業を開始した. 共有ストレージ空間の整備 本研修事業では,日本医師会長が,地域の医師 ⑻ 日本医師会災害医療チーム(JMAT: 会等が実施する ACLS 研修会を指定し,それを Japan Medical Association Team)編成に 修了した医師に修了証を交付することにしてお 対する補助 り,平成 26 年 1 月までに 2,236 研修会(初年度 ⑼ 広 域 災 害・ 救 急 医 療 情 報 シ ス テ ム からの累計)を指定し, 延べ 19,378 人の医師(同. (EMIS:Emergency Medical Information 再修了証,オプション研修修了証を含むため重複 System)の充実 計上)に対して修了証を交付した. ⑽ 特殊災害への対応の推進 研修会の指定や修了証の交付に当たっては,本 会役員からなる運営委員会(委員長:松原副会長) 2.救急災害医療対策委員会 を開催して審議を行った. 救急災害医療対策委員会(小林國男委員長他 本年度は,救急災害医療対策委員会における検 18 名)は,平成 24 年 7 月 26 日に開催された第 1 討に基づき, 日本版心肺蘇生法ガイドラインや 「救 回委員会において,横倉会長より, 「医師会によ 急蘇生法の指針 2010(医療従事者用) 」との整合 る救急・災害医療体制の整備」について検討する 性を図り,事業の活性化を図るため,学習目標, よう諮問を受け, 本年度は 5 回の委員会を開催し, 標準カリキュラムその他所要の改正を行った. 平成 26 年 3 月 18 日に答申を行った. 救急医療体制の整備では, 日本医師会 ACLS (二 ⑵ 一般市民に対する救急蘇生法普及・啓発活動 次救命処置)研修要綱の見直しと,今後の活性化 例年,救急の日及び救急医療週間に合わせ,救 について提言され,その一部が年度途中に実施さ 急医療週間実施要領を策定するとともに,一般市 れた.救急救命士の業務範囲の拡大に対しては, 民に対する救急蘇生法の普及・啓発活動としてポ メディカルコントロール体制の地域格差の解消 スター及びカードを作成・配布しているが,本年 を図るため,都道府県医師会や郡市区医師会は各 度も,本会救急災害医療対策委員会の協力を得て MC 協議会に対して主体的な関与を行っていくべ 同様に実施した. 救急の日ポスターは,19 万 2 千枚を作成し, きであるとされた. 災害医療体制の整備では,昨年 8 月の京都府福 日本医師会雑誌同封物として全会員に配付する 知山市での花火大会事故を例として取り上げ,十 とともに,全国の都道府県医師会・郡市区医師会, 分な事前の準備と現場の判断は,今後の災害対策 官公庁,消防機関等の他,高等学校及び自動車教 を考える上で重要であるとされた.委員会の下に 習所に配布した.カード「大切ないのちを救う心 設けた「災害医療小委員会」では,JMAT が携 肺 蘇 生 法 CAB + D」 (CAB + D カ ー ド ) は, 行すべき医薬品をリストアップしたほか,都道府 200 万枚作成し,各都道府県医師会・郡市区医師 県医師会を対象に調査を行って,医師会同士や医 会,全国医療機関を通じ,一般市民に配布した. また,救急蘇生法普及啓発用のホームページも 師会・行政間などの災害時支援協定の締結状況, JMAT 体制,災害医療研修,防災行政への関与, 引き続き運用した. - 60 - ⑶ 全国メディカルコントロール協議会連絡会 助教,日医総研客員研究員 ○秋冨慎司 岩手医科大学附属病院岩手県 病院前救護において,医学的観点から救急救命 高度救命救急センター助教 士を含む救急隊員が行う応急処置等の質を保障 するメディカルコントロール(MC)協議会につ 6.全体協議 いて,全国的な底上げを図るため,18 年度,日 7.総括 羽生田 俊(日本医師会副会長) 本医師会が共催者となって全国 MC 協議会連絡 8.閉会 会が設置された. 5.病院委員会 本年度は,平成 26 年 1 月に福岡県北九州市で 開催されたが,日本医師会は共催者として参加す るとともに,都道府県医師会に出席を要請した. 病院委員会(真野俊樹委員長他委員 19 名)は, 平成 24 年 7 月 25 日に開催した第 1 回委員会にお いて,会長より「病院の機能分化と役割分担−と 4.平成 25 年度都道府県医師会救急災害医療 担当理事連絡協議会 くに病院外来のあり方について」検討するよう諮 問がなされた. 救急蘇生法の指針の改定等を踏まえた「日本医 これを受けて本委員会では,昨年度に引き続き 師会 ACLS(二次救命処置)研修」の活性化を図 今年度も 4 回の委員会,さらに 3 回の小委員会を るとともに最近の救急搬送・救急医療体制の見直 開催し,外来機能分化について鋭意検討を行うと しの動きに対応するため,協議を行うこと,及び, ともに,審議の参考とするため,自治医科大学地 JMAT(Japan Medical Association Team;日本 域医療学センター長の梶井英治先生よりご講演 医師会災害医療チーム)活動について, JAXA(独 いただき,各委員との間で活発な議論を行った. 立行政法人宇宙航空研究開発機構)との協定に基 また,周辺では,中医協や社会保障制度改革国 づく訓練も含め災害時医療救護協定等の次の災 民会議において,外来についての議論がなされて 害に備えた医療体制に関する協議を行うこと,災 いたことから,病院委員会としても中間報告とし 害医療研修により都道府県医師会の体制整備に て「病院外来のあり方について」を取りまとめ, 資することを目的として,下記の通り,平成 24 平成 25 年 9 月 3 日に会長宛中間答申を行った. 中間報告では,貴重な医療資源を有効活用する 年度都道府県医師会救急災害医療担当理事連絡 ため,あるべき外来機能はかかりつけ医機能を中 協議会を開催した. 心に構築されるべきであり,地域に根付いた中小 病院や有床・無床診療所がその機能をもち,一方 〈プログラム〉 日時:平成 25 年 6 月 27 日(木) 高度急性期・高密度の医療が必要な段階であって 13:00 〜 16:00 急性期や病状が安定しない時期,適切な診断を行 場所:日本医師会館小講堂・ホール い,治療方針の決定までの時期を担当する外来を 司会:石井 正三(日本医師会常任理事) 専門外来として,大学病院などの高機能病院で担 1.開会 当するという役割分担が適当であるとした. また,外来機能分化を誘導するための患者行動 2.挨拶 横倉 義武(日本医師会長) に影響を与える方策として,公的医療保険制度の 3.救急医療について 範囲内で,高機能病院への初・再診につき追加徴 日本医師会 ACLS(二次救命処置)研修 収の義務化を提言した. 4.災害医療について 最終報告の取りまとめにあたっては,高機能病 ・JMAT活動 ・災害時医療救護協定 院の外来であっても定型的な患者が多く,大学病 5.災害医療研修 院への過度な外来の集中,とくにその多くが再診 ① 地域における災害医療体制構築 という実状が医療機能自体を歪めているとし,デ ○郡山一明 救急振興財団救急救命九州研 ータを取って検討を行うこととなった. その結果, 生活習慣病においては,中小病院や診療所などの 修所教授 ② 医 師 会 に お け る 災 害 対 応 組 織 づ く り かかりつけ医による医療の方が,大学病院や一般 病床 200 床以上の病院より効率的な医療を行って (Incident Command System) ○永田高志 九州大学大学院医学研究院先 端医療医学講座災害救急医学 いる可能性があり,国民医療費低減にも役立つと した. - 61 - 以上のような議論を踏まえて取りまとめを行 い,平成 26 年 3 月 31 日に会長宛答申を行った. が,無床化に歯止めがかからない状況であり,地 域の医療提供体制にも大きな影響を与えている. 様々な問題を解決するためには,厚生労働省に現 6.有床診療所に関する検討委員会 場の状況を理解してもらうことが必要であるこ 有床診療所に関する検討委員会(小林博委員長 他 15 名)は,平成 24 年 8 月 8 日に開催した第 1 とから,有床診療所の視察及び関係者からのヒア リングを行った. 回委員会において,会長より「有床診療所を巡る 視察により,改めて有床診療所が地域の患者・ 諸問題と具体的方策について−地域医療再興の 家族の多様なニーズに応え,その生活も含めて支 ための連携強化−」について審議するよう諮問を えていること,病院や在宅医療の後方病床として 受け,今年度は 4 回の委員会,1 回の小委員会を の機能も果たしていることがわかった.その一方 開催した.有床診療所の諸問題と解決のための具 で,病床がほぼ満床であっても経営面では赤字で 体的方策について,下記の通りとりまとめ,平成 あることや,深刻な看護職員不足(特に夜勤)に 25 年 11 月 19 日に会長宛答申した. あることなど,その窮状・課題も再認識した.厚 労省の担当者も,現場の医師や看護職員が熱意を 1.入院基本料等診療報酬上の評価 有床診療所の入院基本料は,訪問診療料や 持って取り組んでいる姿に接し,問題の解決に向 介護施設と比べても非常に低く設定されてお けて,一定の理解が得られたものと考えている. り,無床化の大きな原因となっている.入院基 視察先は以下の通りである. 1) 平 成 25 年 4 月 12 日( 金 ) 〜 13 日( 土 ) 本料の引き上げ,逓減制の緩和など,有床診療 鹿児島県 4 か所 所が成り立つ診療報酬の設定が必要である. 2) 平 成 25 年 4 月 19 日( 金 ) 〜 20 日( 土 ) 2.在宅医療への対応(機能強化型在宅療養支 兵庫県 4 か所 援診療所) 有床診療所が機能強化型在宅療養支援診療 所となるには,常勤医師 3 名の要件がハードル ⑵ 平成 25 年度都道府県医師会有床診療所担当 が高い.他の診療所との距離がある有床診療所 理事連絡協議会 では 2 人体制でも可とするなど,地域の事情に 有床診療所に関する諸問題について協議する 合った制度にし,参入しやすくすることが必要 ため,平成 25 年 11 月 13 日に,都道府県医師会 である. 有床診療所担当理事連絡協議会を開催した. 当日は,有床診療所に関する検討委員会の小林 3.看護職員等の確保と人件費 有床診療所の看護職員不足は深刻である.入 博委員長より,委員会での検討状況について,ま 院患者の高齢化に伴い,介護への対応として看 た日医総研の江口主席研究員より,平成 25 年有 護補助者も配置されているが,診療報酬上の評 床診療所の現状調査結果について報告が行われ 価がない.国による看護師・准看護師の養成強 た.また,厚生労働省からは第 6 次医療法改正の 化,准看護師の地位改善,入院基本料の引き上 動向について,消防庁からは有床診療所火災対策 げ,看護補助加算の創設が必要である. 検討部会の検討状況について報告が行われた. その後の協議では,有床診療所の防火対策のあ 4.管理栄養士問題 管理栄養士の配置は算定要件から外し,加 り方について活発に質疑応答が行われた.出席者 算方式に戻すことを早急に決定する必要があ は各都道府県医師会担当理事,有床診療所に関す る. る検討委員会委員など 115 名であった.プログラ 上記の他に,承継や医師の勤務負担の問題, また産婦人科,眼科,整形外科等のそれぞれの ムは次のとおりである. 〈プログラム〉 専門医療における問題点と改善方策について 司会:日本医師会常任理事 述べている. 1.開 会 2.挨 拶 日本医師会長 7.有床診療所に関する取組み 藤川謙二 横倉義武 3.議 事 ⑴ 有床診療所に関する検討委員会の検討 ⑴ 有床診療所視察 有床診療所は,地域住民が身近で治療,療養で きる施設として我が国の地域医療を支えてきた - 62 - 状況について 有床診療所に関する検討委員会委員長 1.スプリンクラー設置にかかる補助制度の 小林 博 創設 ⑵ 平成 25 年有床診療所の現状調査について 2.自動火災報知設備・火災通報装置の連動, 日本医師会総合政策研究機構主席研究員 江口成美 防火戸の整備等にかかる補助制度の創設 土生栄二 ⑵ 有床診療所等の防火対策に関する説明会 米澤 健 策検討部会」において医療機関の防火体制につい ⑶ 厚生労働省医政局からの報告 厚生労働省医政局総務課長 前述の通り,消防庁「有床診療所・病院火災対 ⑷ 総務省消防庁からの報告 総務省消防庁予防課長 ての検討が行われている.また,厚生労働省の平 ⑸ 全体協議 4.総 括 日本医師会副会長 松原謙二 成 25 年度補正予算においては, 「有床診療所等ス プリンクラー等施設整備事業」が予算計上されて 5.閉 会 いる.火災通報装置やスプリンクラー等防火設備 8.医療機関の防火対策 は専門的な内容であり,専門家による説明が必要 平成 25 年 10 月に,福岡市の有床診療所で火災 であること,また平成 25 年度補正予算に係る申 が発生し,患者や前理事長夫妻計 10 名の尊い命 請も短期間に行われることから,これらの状況に が失われた.さらに今年 3 月にも,佐賀県の病院 ついて情報提供を行うため,平成 25 年 3 月 19 日 で火災が発生し,2 名の患者が亡くなる事態とな に説明会を開催した. 出席者は,各都道府県医師会担当理事,有床診 った. 平成 25 年 11 月には消防庁「有床診療所火災対 療所に関する検討委員会委員など 127 名であっ 策検討部会」 (平成 26 年 3 月に「有床診療所・病 た. 院火災対策検討部会」に名称変更)が設置され, 〈プログラム〉 医療機関の防火対策のあり方について検討が行 司会:日本医師会常任理事 われている. 1.開会 医療機関には患者を安全に預かる責務があり, 各医療機関においては,防火設備の整備点検・消 防訓練の実施等,防火対策の徹底が図られている 2.挨拶 日本医師会長 藤川謙二 横倉義武 3.議事 ⑴ 有床診療所の防火対策に関する日本医 師会の対応について ところである. 検討部会ではスプリンクラーの設置基準の見 直しも検討されているが,防火対策の強化が医療 機関の大きな負担となり,地域で必要な有床診療 所や中小病院の存続が危ぶまれる事態となるこ 日本医師会常任理事 藤川謙二 ⑵ 消防庁「有床診療所火災対策検討部会」 の議論について 消防庁予防課設備専門官 守谷謙一 とは避けなければならない.まずは消防への迅速 ⑶ 平成 25 年度補正予算「有床診療所等ス な通報体制を整備することが必要であること,ス プリンクラー等施設整備事業」について プリンクラー等を義務化する場合には,合理的な 厚生労働省医政局指導課課長補佐 小野 勝 基準とするとともに,十分な経過措置期間と財政 支援が必要であると主張しているところである. ⑷ スプリンクラー設備に関する説明 日本消火装置工業会 宮崎謙介 津田貴之 ⑴ 厚生労働大臣への要望書の提出 平成 25 年 11 月 27 日, 田村憲久厚生労働大臣に, 「中小医療機関(特に有床診療所)における防火 設備整備にかかる要望書」を提出した(松原謙二 ⑸ 自動火災報知設備・火災通報装置に関 する説明 日本火災報知機工業会 加藤公彦 ⑹ 質疑応答 副会長より手交) . 現在スプリンクラーが設置されていない中小 病院,有床診療所がスプリンクラーの設置を希望 する場合には,その設置に対して財政支援を要望 したものである. 〈要望内容〉 4.総括 日本医師会副会長 松原謙二 5.閉会 9.国民生活安全対策委員会 国民生活安全対策委員会(加藤哲夫委員長・小 - 63 - 澤明副委員長他委員計 14 名)は,平成 24 年 8 月 まえ,昨年度に引き続き,本年度は「クロレラ」 30 日に開催された第 1 回委員会において,会長 を取り上げ, 国民・患者向けの啓発用ポスター 「 『健 より, 「国民の健康を守る医師会のあり方〜国民 康食品』やサプリメントを摂りすぎていません 生活での生命・健康に脅威となる事象の検証及び か?」及び会員向けポスターを作成し,日医ニュ その対策〜・食品安全・いわゆる「補完・代替医 ース平成 26 年 3 月 20 日号により全会員に配布し 療」 ・その他」について検討するよう諮問を受け, た. 昨年度に引き続いて本年度は 4 回にわたって検討 11.医療関係者検討委員会 を行い,以上の検討結果を踏まえて報告書をとり まとめ,横倉会長宛に提出した. 医療関係者検討委員会(井上雄元委員長他委員 委員会においては,今年度も引き続き多岐にわ 10 名)は,平成 24 年 8 月 31 日に開催された第 1 たる問題について意見交換がなされた.主な議題 回委員会において,会長より「チーム医療におけ としては,食品安全や健康食品の問題,放射線の る医療関係職種の連携について」について検討す 問題とリスクコミュニケーションの問題,いわゆ るよう諮問を受けた. る「統合医療」に係る諸問題,一般用医薬品につ いてのスイッチ OTC 化やネット販売の問題,一 これを受けて,昨年に引き続き今年度も 4 回の 委員会を開催した. 般用検査薬の問題,ジェネリックから一般用医薬 チーム医療推進のための課題や看護職員養成 品や「統合医療」までの副作用・健康被害情報の に関する問題等について鋭意検討を重ね,報告書 収集の問題等であり,これらの問題に対する学校 を取りまとめ,平成 26 年 3 月 26 日に横倉会長宛 教育や国民への啓発が重要であるとの指摘がな 答申した. された. なお,第 1 回委員会では,日本歯科医師会及び また,その他日常生活での国民生活にとって脅 日本薬剤師会より,第 2 回委員会では日本介護支 威となる事象等について,会員医師が現場で遭遇 援専門員協会及び全国訪問看護事業協会より多 した問題に対して,相談先や情報収集先を分類し 職種連携のあり方について意見を伺い,討議の参 て情報提供するための「実地医家向け緊急時対応 考とした. リーフレット(案) 」を試作して報告書に掲載し ている. 報告書では,チーム医療が求められる背景,多 職種連携のあり方,厚生労働省「チーム医療推進 会議」における議論の問題点等をまとめ,特定行 10. 「健康食品安全情報システム」事業 為に係る看護師の研修制度については,特定行為 日本医師会では, 「国民生活安全対策委員会」 (案)41 行為の中には医師が行うべき絶対的医行 報告書による提言を受け,平成 18 年度より平成 為と思われる危険な行為が含まれており,今後新 21 年度まで実施してきた「食品安全に関する情 たに設けられる審議会において改めて慎重に議 報システム」モデル事業を全国に拡大させた「健 論し,医療安全が脅かされることのないよう危険 康食品安全情報システム」事業(全国事業)を平 な行為は除いていくべきであるとしている. また,看護職員養成にあたっての課題や卒後教 成 23 年より開始した. 全国事業は,医師会員が,患者の診察から健康 育等についてもまとめ,特に,准看護師は地域の 食品による健康被害を覚知したときに,情報提供 医療現場で重要な役割を果たしており,今後も養 票に記入して,FAX ないし WEB により,日本 成を堅持していくべきであること,さらに教育研 医師会に情報提供してもらうものである.日本医 修体制の充実を図ることが重要な課題であると 師会では,受け付けた情報を整理した上で,国民 し,新人准看護師の技術等の到達の目安(試案) 生活安全対策担当役員,専門家,地域医師会代表 について検討を行った. で構成する「健康食品安全情報システム委員会」 12.日本医師会医療秘書認定試験委員会及び 医療秘書認定 において判定を実施し, 会員及び都道府県医師会・ 郡市区医師会を対象とした情報のフィードバッ クを行う仕組みである.本年度は,4 回の委員会 ⑴ 日本医師会医療秘書認定試験委員会及び医 療秘書認定について を開催し,9 件の判定を行った. また, 「健康食品安全情報システム委員会」及 本会では,本年度の日本医師会医療秘書認定試 び「国民生活安全対策委員会」における審議を踏 験(第 34 回)を,平成 26 年 2 月 9 日に実施する - 64 - ことを平成 25 年 6 月 11 日の常任理事会で決定し, では,養成目的や方法及びカリキュラム等につい 各県医師会宛通知した. て, 「試験実施要綱」では,認定試験の実施目的 本委員会(笠島 眞委員長他委員 5 名)では, や受験手続き等について, 「認定要綱」では,認 この試験に対処するため平成 25 年 6 月 7 日の第 定証の交付や秘書技能科目について示した.施行 1 回委員会を始めとして,7 回の委員会を開催し, 日は平成 26 年 4 月 1 日としている. 試験問題の作成を中心とした認定試験実施に係 13.看護問題関連 わる諸事項について検討を行った. 認定試験実施に係わる諸事項として,認定試験 ⑴ 新人准看護師の技術等の到達の目安の作成 について 実施にあたっての作業日程の検討,試験実施要領 の作成,出題数および科目別出題配分の決定,出 准看護師が医療現場で担っている役割や昨今 題要領の再検討,各医師会推薦の問題作成候補者 の医療の進歩等を踏まえ,准看護師の教育研修体 に基づく適任者の選出,試験問題の選定および内 制の充実をさらに図っていくことが,医療安全の 容の検討・調整,ならびに試験結果に基づく合否 確保の観点からも極めて重要な課題であること 案の決定等を行った.また,本委員会では,本年 から, 「新人准看護師の技術等の到達の目安」の 度実施した試験結果について分析評価を行い報 作成に取り組み,医療関係者検討委員会等で検討 告書を取りまとめ,平成 26 年 3 月 26 日に横倉会 を行った.現在とりまとめを行っており,新人看 長宛答申した. 護職員研修について,新人准看護師の技術等の到 第 34 回認定試験は,9 県医師会において実施 達の目安(試案)について,厚労科研「新人看護 され, 受験者数 411 名のうち 388 名が合格した (合 職員研修制度開始後の評価に関する研究」との比 格率は 94.4%) . 較等の項目からなっている.平成 26 年度早々に 認定試験に合格した者のうち,本会の規定する 公表する予定である. 実技 3 科目を取得した者については,各県医師会 長の申請により審査の結果,日本医師会医療秘書 ⑵ 厚生労働省「チーム医療推進会議」における 認定証と日本医師会認定医療秘書の記章 (バッジ) 議論について を交付しているが,本年度の認定証交付者数は 厚生労働省「チーム医療推進会議」は,平成 352 名であり,これまでの認定証交付者数は計 25 年 3 月 29 日に「特定行為にかかる看護師の研 9,037 名に達している.この数は,第 1 回から第 修制度(案) 」についての取りまとめを行った. 34 回までの認定試験合格者 12,143 名のうちの 報告書では, 「本推進会議の委員の大勢は, (略) 74.4%を占めている. 本制度の確立がチーム医療の推進を図り,医療安 また,本委員会において,平成 26 年度より日 全の確保にも資するという考え方の下, 別添の 「特 本医師会認定医療秘書養成校において使用する 定行為に係る看護師の研修制度(案) 」について, 「医療秘書講座」の監修についても検討を行った. 概ね妥当との意見であった」と書かれているが, 「日本医師会代表の委員からは,チーム医療の推 ⑵ 「日本医師会認定医療秘書要綱/日本医師会 進,医療安全の確保の観点から,多くの問題点が 医療秘書認定試験実施要綱」及び「新医療秘書 あるとして,現行の案には反対との意見があっ 講座」の改訂について た. 」との両論併記となり,さらに別添 2 として 「平成 22・23 年度日本医師会認定医療秘書のあ 詳しく本会の反対意見も掲載された. り方に関する検討委員会(プロジェクト) 」 (師 特定行為にかかる看護師の研修制度について 研也委員長他委員 7 名)において,カリキュラム は, 「地域における医療及び介護の総合的な確保 の見直しや教科書の改訂について検討を行った を推進するための関係法律の整備等に関する法 結果を受け,平成 26 年 3 月に, 「日本医師会認定 律案」として,平成 26 年通常国会で議論される 医療秘書要綱/日本医師会医療秘書認定試験実 こととなっている.懸案であった看護師籍への登 施要綱」及び日本医師会認定医療秘書養成校にお 録については,指定研修機関が修了者の名簿を厚 いて使用している「新医療秘書講座」の改訂を行 生労働省に提出する形となった. った. また,具体的な特定行為については,法案成立 新要綱は, 「教育要綱」 , 「試験実施要綱」 , 「認 後に設けられる新たな審議会において改めて検 定要綱」の 3 項目からなっており, 「教育要綱」 討されることになっている.厚生労働省の「チー - 65 - ム医療推進のための看護業務検討ワーキンググ ていた. ループ」において取りまとめられた特定行為案 41 行為の中には,危険な行為が含まれており, ⑹ 助成金の支給 日本医師会として地域医師会の看護職員養成 患者の医療安全の観点から引き続き慎重に議論 を支援するため,医師会立の看護師等学校養成所 していくべきと考えている. に対して助成金を支給した. ⑶ 厚生労働科学研究 「医療行為に係る法的研究」 助産師課程 ……………………………… 6校 について 看護師 3 年課程 ………………………… 63 校 本会として,医療行為をどこまで看護職が実施 看護師 2 年課程 ………………………… 84 校 准看護師課程 できるかは法医学的観点からも検討すべきと主 張してきた.平成元年に,厚生科学研究「医療行 …………………………… 195 校 14.医師会共同利用施設検討委員会 為及び医療関係職種に関する法医学的研究」が行 われたが,この研究からすでに 25 年たっており, 医師会共同利用施設検討委員会(篠原彰委員長 現代の状況や新たな知見を踏まえた研究を行う 他委員 13 名)は平成 24 年 8 月 31 日に開催した よう要望し,本研究が実施されることなった. 第 1 回委員会において,会長より「地域包括ケア 医療事故が起きた場合の責任についても検討 に向けた医師会共同利用施設の取り組み」につい し,平成 26 年 3 月に報告書を取りまとめた.世 て検討するよう諮問を受け,昨年に引き続き 4 回 界医師会のタスクシフティングの考え方につい の委員会を開催した. ても記載している. 委員会においては,今後の在宅医療・在宅介護 のあり方と医師会共同利用施設についてや,各医 ⑷ 文部科学省への要望書の提出 師会共同利用施設の取り組み,特定健診・特定保 平成 25 年 6 月 12 日に, 文部科学省に「看護師・ 健指導等への取り組み等について鋭意検討を重 准看護師養成所の実習施設確保等に関する要望 ね,医師会病院,臨床検査・健診センター,介護 書」を提出した(藤川常任理事より,板東高等教 保険関連施設それぞれの現在抱えている課題や 育局長,村田医学教育課長に手交) .本件は,看 対応策等について報告書としてとりまとめ,横倉 護系大学の増加により,医師会立の看護師・准看 会長宛に提出した. 護師養成所の実習施設の確保が困難となり,閉校 15.全国医師会共同利用施設総会 に追い込まれる養成所も出ていることから,看護 系大学の認可の際には,既存の看護師・准看護師 第 25 回全国医師会共同利用施設総会は,担当 の養成所の実習施設に影響を及ぼすことのない の神奈川県医師会のご協力の下,平成 25 年 8 月 よう指導を要望したものである. 31 日,9 月 1 日の 2 日間,横浜市のパシフィコ横 浜会議センターにおいて開催された.開催要領お ⑸ 医師会立助産師・看護師・准看護師学校養成 よびプログラムについては,医師会共同利用施設 所入学・卒業状況調査 検討委員会において検討が行われた.また,総会 今年度も,医師会立助産師・看護師・准看護師 の円滑な実施・運営のため,担当県医師会と打合 学校養成所の入学・卒業状況について調査を実施 会を開催した. した. 本年度総会は, 「地域包括ケアシステムと医師 今年度の准看護師課程の平均倍率は 2.8 倍,看 護師 3 年課程も 4.4 倍と高い水準を維持した. 会共同利用施設のあり方−切れ目のない医療・介 護の地域完結を目指して−」 をメインテーマとし, 卒業後の進路については,医師会立学校養成所 東京大学高齢社会総合研究機構の辻哲夫特任教 の卒業者の県内就業率は看護師 3 年課程,2 年課 授の基調講演を始め,医師会病院関係・検査健診 程においては 8 割を超えており,全国平均と比べ センター関係・介護保険関連施設関係の 3 分科会 ても高く,医師会立学校養成所が地域の看護職員 に分かれて,各施設よりそれぞれ活動状況等の報 の確保に多大な役割を果たしていることが改め 告が行われるとともに,共同利用施設を取り巻く て示された.准看護師課程については,4 割が進 諸問題について活発な意見交換が行われた. 学をしているが,そのうち医療機関に就業しなが 参加者は,都道府県・郡市区医師会役職員,共 らの進学は半数以上であり,全体で 7 割が就業し 同利用施設関係者総勢約 670 名で,盛会裡に多大 - 66 - 益田市医師会副会長 な成果を収めることができた. 第 26 回(平成 27 年度)総会は,大阪府医師会 神崎裕士 4.遠賀中間医師会おんが病院(福岡県) の担当で,平成 27 年 8 月 22 日(土) ・23 日(日) 遠賀中間医師会おんが病院・おかがき病 に開催する予定である. 院統括院長 杉町圭蔵 質疑応答(20 分) 〈プログラム〉 第 1 日 平成 25 年 8 月 31 日(土) 第 2 分科会(検査・健診センター関係) 於:1F「メインホール」 於:1F「メインホール」 [総 会] 司会:神奈川県医師会副会長 13:00 〜受 付 総合司会:神奈川県医師会理事 今井重信 澤井博司 座長:佐賀県医師会長/日本医師会医師会 共同利用施設検討委員会副委員長 14:00 〜 14:20 池田秀夫 開 会 神奈川県医師会副会長 近藤正樹 シンポジウム(各 15 分) 1.弘前市医師会健診センター(青森県) 挨 拶 日本医師会長 神奈川県医師会長 横倉義武 弘前市医師会健診センター担当理事 澤田美彦 大久保吉修 2.藤沢市保健医療センター(神奈川県) 来賓挨拶 神奈川県知事 黒岩祐治 横浜市長 林 文子 (代理 横浜市副市長 鈴木 隆) 藤沢市保健医療センター所長 小堀悦孝 3.石川県医師会臨床検査センター (石川県) 石川県医師会理事 齊藤典才 4.鹿児島市医師会臨床検査センター 14:20 〜 15:10 (鹿児島県) 特別講演 座長:神奈川県医師会長 大久保吉修 演者:日本医師会長 鹿児島市医師会臨床検査センター顧問 今村厚志 横倉義武 質疑応答(20 分) 「日本医師会の直面する課題」 15:10 〜 16:00 第 3 分科会(介護保険関連施設関係) 基調講演 座長:日本医師会常任理事 葉梨之紀 演者:東京大学高齢社会総合研究機構特 任教授 辻 哲夫 於:3F「303・304 会議室」 司会:神奈川県医師会副会長 菊岡正和 座長:静岡県医師会副会長/日本医師会 医師会共同利用施設検討委員会委 「地域包括ケアと地域医療」 員長 16:00 〜 16:10 〈休憩・移動〉 篠原 彰 シンポジウム(各 15 分) 16:10 〜 17:30 分科会 1.横浜市青葉区メディカルセンター 第 1 分科会(医師会病院関係) (神奈川県) 横浜市青葉区メディカルセンター理事長 於:3F「301・302 会議室」 司会:神奈川県医師会副会長 近藤正樹 座長:日本医師会常任理事 三上裕司 西川真人 2.松阪地区医師会(三重県) シンポジウム(各 15 分) 松阪地区医師会居宅介護部門担当総務副 1.郡山市医療介護病院(福島県) 会長 3.倉敷市連合医師会(岡山県) 郡山医師会副会長/郡山市医療介護病院長 原 寿夫 倉敷市保健医療センター総轄センター長 篠原淑子 2.鎌倉市医師会立産科診療所「ティアラ 4.別府市医師会(大分県) かまくら」 (神奈川県) 鎌倉市医師会長 小林昭彦 長洲堯雄 別府市医師会地域福祉部門管理者 安東いつ子 3.益田市医師会立益田地域医療センター 質疑応答(20 分) 医師会病院(島根県) - 67 - 18:00 〜 19:30〈懇親会〉 副会長,石井常任理事,鈴木常任理事が出席して 於:横浜ベイホテル東急 講演や総括を行うとともに,助成するなどして協 B2F「クイーンズグランドボールルーム」 議会の支援に努めた. 各ブロック連絡協議会の開催日程は,以下のと おりである. 第 2 日 平成 25 年 9 月 1 日(日) 1.関東甲信越ブロック 於:1F「メインホール」 (平成 25 年度 茨城県 平成 25 年 8 月 24 日) 8:30 〜受 付(1 日目に受付をしていない 2.中部ブロック 方のみ) 総合司会:神奈川県医師会理事 (平成 25 年度 岐阜県 平成 25 年 11 月 4 日) 今井重信 3. 九州ブロック 9:00 〜 9:10 (第 45 回 沖縄県(南部地区医師会) 平成 平成 24・25 年度全国医師会共同利用施設 25 年 7 月 13 日) 施設長検査健診管理者連絡協議会報告 施設長検査健診管理者連絡協議会長/山形 市医師会健診センター所長 17.地域医療対策委員会 有川 卓 9:10 〜 9:50 地域医療対策委員会(富田雄二委員長他 18 名) 県内共同利用施設紹介 は,平成 24 年 9 月 5 日に開催された第 1 回委員 9:50 〜 10:10 会において,会長より「地域医師会を中心とした 分科会報告 各分科会座長 在宅医療の推進について〜特に,病診連携の観点 10:10 〜 11:00 から〜」について検討するよう諮問を受け,本年 全体討議 度は 5 回にわたる検討を行って報告書をとりまと 座長:日本医師会常任理事 葉梨之紀 め,平成 26 年 3 月に答申を行った. 11:00 〜 11:05 検討にあたっては,地域医師会や行政関係者等 総 括 の識者を招いて講演を開催するとともに,社会保 日本医師会副会長 今村 聡 11:05 〜 11:10 障制度改革国民会議や社会保障審議会医療部会 等,さらにそれらを踏まえた改正法案等の動きを 次期(平成 27 年度)担当県医師会長挨拶 大阪府医師会副会長 注視しつつ審議を行った. 松原謙二 11:10 検討内容は,高齢化と人口減少社会を見据えた 日本の医療・介護の現在と将来を概括し,その上 閉 会 で,郡市区医師会が在宅医療連携拠点の役割を担 神奈川県医師会副会長 菊岡正和 [施設見学に参加されない方] い,地域の医療ビジョン作成を主導するべきであ るとした.さらに,医療計画の作成者,二次医療 11:20 〜 12:20 圏と在宅医療圏,救急搬送機関といった区域単位 昼食 於:3F「301・302 会議室」 の相違を踏まえ,都道府県医師会と郡市区医師会 [施設見学に参加される方 ] との密接な連携を主張した. 11:20 〜 12:20 また各論部分では,まず, 「在宅医療提供側の 昼食 於:3F「301・302 会議室」 体制」と「地域に応じた選択例」として,在宅医 12:20 療提供側の体制や住民の状況が都市部や地方,ま 施設見学バス出発 たは地域特性によって多様であることから,在宅 ・第 1 コース(横浜市青葉区メディカルセン 医療の実施体制として 6 つのパターンを示し,地 ター) 域に応じた選択例を掲げ,それぞれに適した方法 ・第 2 コース(藤沢市保健医療センター) で在宅医療への積極的参加を医師会が支援して 14:45 〜 16:30 頃 いく必要性を提言した. 解散(コースにより時間が異なる) 18.医療提供体制の見直し (次期医療法改正等) への対応 16.医師会共同利用施設ブロック連絡協議会 本年度標記の連絡協議会は,3 ブロックにおい ⑴ 日本医師会・四病院団体協議会合同提言 て開催され,本会からも横倉会長をはじめ,今村 - 68 - 日本医師会では,四病院団体協議会とともにワ ーキンググループを設け,下記三点を基本方針と 両制度について,厚生労働省令及び関係通知の改 して,平成 25 年 8 月 8 日に医療提供体制のあり 正による承認要件の見直しが行われた.日本医師 方についての合同提言をとりまとめ,公表した. 会として,担当役員が同検討会に委員として参画 同合同提言は,下記の医療法改正等に影響を与え するとともに,特に地域医療支援病院について, た. 医師会病院やその開設・運営医師会に対して所要 1.目前の超高齢社会にあっても,世界最高水 準の健康水準を守り,国民の生活の安心を の情報提供を行った.また,都道府県医師会に対 しては同制度への適切な対応を要請した. 支えるため,国民とビジョンを共有しなが ら,新たな時代にふさわしい体制構築に向 ⑷ 新たな財政支援制度 日本医師会は,例年実施している政府予算概算 けて,国民とともに取り組む. 2.このため,発症からリハビリテーション, 要求要望書において,平成 25 年度をもって終了 在宅復帰支援までどのような病期にあって する地域医療再生基金に代わるものとして, 「地 も,患者の病態にあわせて,最善の医療を 域医療再興基金」の創設を要望した.さらに,上 切れ目なく提供する体制を構築する. 記の日本医師会・四病院団体協議会合同提言にお 3.患者の命を守る質の高い医療を目指すとと もに,生活の質を重視し,患者を支える医 いても民間医療機関の自主的な改革努力への財 政支援措置を提案した. 療を実践する.このため,地域の医療・介護・ 「地域における医療及び介護の総合的な確保を 福祉との連携の下,地域包括ケアシステム 推進するための関係法律の整備等に関する法律 の実現に向けて,在宅医療を含めた地域特 案」により関係法律が改正された際には,都道府 性にあわせた柔軟な医療提供体制を構築す 県計画に基づき,平成 26 年度より消費増税増収 る. 分を財源とする新たな財政支援制度が創設され ることとなった.日本医師会では,都道府県医師 ⑵ 病床機能報告制度,地域医療ビジョンに関す 会を窓口とすること,官民公平であることを原則 る検討 として,厚生労働省との折衝や情報の収集及び提 次期医療法の改正に関しては,社会保障審議会 供を図った.同時に,病院団体に対しても都道府 医療部会及び「病床機能情報の報告・提供の具体 県医師会を要望や提案等の窓口とするよう申し 的なあり方に関する検討会」等において審議が行 入れた. われ,日本医師会からも担当役員が委員として参 画し,議論に臨んだ.その結果,12 月 27 日に医 ⑸ 医療法人制度 「医療法人の事業展開等に関する検討会」に担 療法等の改正についての意見が取りまとめられ 当役員が委員として参画し,附帯業務としての国 た. また,病床機能報告制度,地域医療ビジョン及 際展開, 配食サービス等の検討に関わるとともに, び新たな財政支援制度について,平成 25 年 9 月 社会保障制度改革国民会議や産業競争力会議に 24 日及び 12 月 27 日付文書をもって,都道府県 おいて提唱された非営利ホールディングカンパ 医師会に対して行政との早期協議の開始を要請 ニー型法人に対しては,医療の非営利原則や地域 した. に密着した医療の提供という視点から反論を行 医療法改正法案は, 「地域における医療及び介 った. 護の総合的な確保を推進するための関係法律の 整備等に関する法律案」として,平成 26 年 2 月 ⑹ JMAP(日本医師会地域医療情報システム) 12 日に閣議決定され,国会に上程された.日本 平成 27 年度以降の地域医療ビジョンの策定を 医師会として,厚生労働省との折衝並びに法案に 見据え,本年度より,JMAP(http://jmap.jp/) 関する情報収集を行うとともに,都道府県医師会 の本格運用を開始した.JMAP は,各都道府県 に対して情報提供を行った. 医師会,郡市区医師会や会員が,自地域の将来の 医療や介護の提供体制について検討を行う際の ⑶ 特定機能病院及び地域医療支援病院の見直し 参考,ツールとして活用することを目的としてい 「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方 る.また,情報収集先等の見直しによりデータの に関する検討会」により意見が取りまとめられ, 精緻化を図るとともに,在宅療養支援病院・診療 - 69 - 構成メンバーとして発足した.日本医師会は初回 所等の情報項目の追加を行った. より役員を同会議に派遣してきたが,平成 24 年 19.日本医師会・四病院団体協議会懇談会 度に日本医師会館にて両者の懇談会を初めて開 医療界が一致団結して我が国の医療を取り巻 催した.本年度も同様に懇談会を開催し,成育基 く難局に立ち向かうため,平成 16 年度より四病 本法や総合診療専門医等について意見交換が行 院団体協議会(四病協)と定期的な懇談会を行っ った. ている. 22.地域包括ケア推進室の設置 本懇談会には,横倉会長をはじめとして全役員 が出席しており, 様々な問題について協議を行い, 団塊の世代が後期高齢者となる平成 37 年 (2025 迅速かつ有機的な連携により諸問題への解決を 年)を見据え,病床の機能分化・連携,在宅医療・ 図っている.今年度も毎月の開催により,活発で 介護の充実,医療従事者の確保・勤務環境の改善 充実した意見交換がなされた. 等により,かかりつけ医を中心とした地域包括ケ 議題は多岐にわたるが,本年度の主な議題とし アを推進する必要があるとの観点から,平成 26 ては,医療提供体制のあり方,病床機能区分,医 年 2 月,日本医師会事務局に地域包括ケア推進室 療介護総合確保推進法案,医療と消費税の問題, を設置した. 診療報酬・介護報酬同時改定について等であった. 地域包括ケア推進室は,都道府県と都道府県医 特に,医療提供体制のあり方に関しては,日医 師会との連携・調整・進捗状況を常時・随時掌握 と四病協とでワーキンググループを作って協議 し,事務局としても実務的な支援を行う体制を整 を重ね, 「医療提供体制のあり方 日本医師会・ えるものであり,地域医療第 1 課や介護保険課等 四病院団体協議会合同提言」として,平成 25 年 の関係課によって構成される.本年度は,新たな 8 月 8 日に発表を行うとともに,8 月 19 日に田村 財政支援制度に関する情報の収集及び都道府県 厚労大臣に提出し,厚生労働省の関連する審議会 医師会等への提供等(日本医師会事務局としての 等において取り入れられた. 事例案を含む)を実施した. 20.医療に関する懇談会… −日本医師会・全国医学部長病院長会議− 23.薬務対策室の設置 日本医師会は,近年の医薬品・医療機器等の開 日本医師会と大学病院関係者との間で,大学病 発・承認・流通に関する議論の増加や,薬剤師の 院の医療に関わる諸問題を幅広く討議・検討し, 業務,薬局の機能に関する議論などに対応するた 両者の相互理解を深め,以って日本の国民医療の め,平成 25 年 7 月に薬務対策室を設置した.今 改善に資することを目的として,平成 17 年度よ 期は,厚生労働省関係審議会,部会や検討会に本 り,全国医学部長病院長会議(会長 別所正美 会役員が参加する際の対応を行った. 一般用医薬品の販売方法については,厚生労働 埼玉医科大学学長)と定期的な懇談会を行ってい 省がインターネット販売を認めないことは当時 る. 本会からは,横倉会長,中川副会長,今村副会 の薬事法に反するとの平成 25 年 1 月最高裁判所 長,松原副会長をはじめ全役員が出席し,様々な 判決を受けて,同年 2 月から 5 月にかけて開催さ 問題について意見交換している.本年度は 3 回開 れた「一般用医薬品のインターネット販売等の新 催し,主な議題は,医学部新設,医師臨床研修制 たなルールに関する検討会」に本会役員が構成員 度,専門医制度,医療事故調査制度等についてで として積極的に議論に参加した.検討会では,一 あった. 般用であっても対面販売で症状等を確認したう えで販売し,使用者が適切に使用できるよう説明 21.日本臨床分科医会代表者会議… ・日本医師会懇談会 する必要があること等,本会の意見を主張した. インターネット販売が可能となる薬事法改正法 日本臨床分科医会代表者会議は「日本の医療全 が 11 月に公布されたが,結果的に全面解禁とは 般にわたり,適切な医療が行われるよう,各分科 ならず,安全性に関する情報が少ない場合やリス 医会の情報交換・連絡協議を行い,日本医師会の クの高い一般用医薬品は新たに「要指導医薬品」 活動の充実を図り,国民の医療を守る」を目的と として薬剤師による対面販売が義務づけられた. し,日本眼科医会をはじめとする 10 医会が会議 また,規制改革会議では平成 26 年 1 月から 3 - 70 - 月にわたり,医療用検査薬から一般用検査薬への 転用について議論されたが,日本医師会より今村 25.OECD 医療の質のレビューのヒアリング 副会長が平成 26 年 1 月 30 日にヒアリングに出席 OECD(経済協力開発機構)では,活動分野ご し,排卵日検査薬などのニーズがあることは理解 とに委員会等が設置され,保健医療分野の活動に できるものの,自己健康管理(セルフケア)は一 関しては,医療委員会において議論し,各種プロ 般用検査薬だけで達成できることではなく,検診 ジェクトを通じて,調査・研究・分析及び政策提 等の受診率向上や食事や運動の生活習慣改善な 言を実施している.同委員会では, 各国(14 カ国) どがまず必要であること,速やかに適切な医療へ においてどのような医療政策が実施され,また, アクセスできる環境を維持・整備することなどを それらがどのように医療の質の向上に寄与して 主張した. いるかについて調査分析し,今後の改善に向けた なお,上記活動のほか,医薬品・医療機器等お アドバイスを与えるとともに,各国の医療の質の よび薬局・薬剤師業務に関して,主に医療保険課, 改善に向けた方針や取組を共有するものとして, 医事法・医療安全課,日医総研などの活動にも対 医療の質のレビューを行っている. 応した. 本年度,日本における報告書作成の一環として 日本医師会がヒアリング対象の一つに選ばれ,平 24.廃棄物対応 成 26 年 3 月 11 日にフランチェスカ・コロンボ医 医療関係機関等を対象とした特別管理産業廃 療課課長代理をはじめとする数名の職員が厚生 棄物管理責任者に関する講習会は, (財)日本産 労働省担当者とともに来館した.日本医師会から 業廃棄物処理振興センターと共催で平成 18 年度 は,今村副会長,鈴木常任理事,道永常任理事, 末から開催している.8 年目となる今年度は 6 都 西島日医総研客員研究員,江口日医総研主席研究 府県にて 8 回の講習会を開催した. 員が出席して,事前に求められた質問への回答を 文書にて提出するとともに,活発な質疑応答が行 われた. - 71 - 参考資料:産業保健 3 事業一括運営に関するア Ⅶ.地域医療第 2 課関係事項 ンケート調査結果 平成 25 年 12 月 2.認定産業医制度 1.産業保健委員会 本会では産業医の資質向上と地域保健活動の 平成 24 年 7 月 25 日に発足した第ⅩⅧ次産業保 一環である産業医活動の振興を図ることを目的 健委員会(相澤好治委員長他 12 名)は,本年度 として,平成 2 年 4 月,日本医師会認定産業医制 5 回の委員会を開催し,諮問事項である「地域産 度を発足させた. 業保健センター事業,産業保健推進センター事業 本制度では,日本医師会が定めたカリキュラム 並びにメンタルヘルス対策支援センター事業の に基づく産業医学基礎研修 50 単位以上(前期研 一括運営」について審議を行い,平成 26 年 3 月 修 14 単位以上,実地研修 10 単位以上,後期研修 19 日に答申を行った. 26 単位以上)を修了した医師に日本医師会認定 今年度の答申書においては,第Ⅰ章では,新た 産業医の称号(有効期間:5 年間)を付与している. な産業保健支援事業への協力, 推進という視点で, また,認定証に記載されている有効期間中に産業 今後の事業への方向性の提案をし,また,国から 医学生涯研修 20 単位以上(更新研修 1 単位以上, 示された産業保健 3 事業一元化の方向性につい 実地研修 1 単位以上,専門研修 1 単位以上)を修 て,地域の先生方の声が反映されるよう各都道府 了した認定産業医について,認定産業医証の更新 県医師会にアンケートを実施し,疑問点や要望等 を認めている. 本制度の円滑な運営を図るため,認定産業医制 の意見をとりまとめた. 第Ⅱ章では,日本医師会が養成している産業医 度運営委員会(今村聡委員長他委員 4 名)を設け, の今後の活用について述べられており,産業医選 運営委員会において,基礎研修会・生涯研修会の 任基準の 50 人を 30 人に引き下げることや産業医 指定のための審査ならびに認定産業医の認定の の資質向上,データベースの活用,主治医から産 ための審査等を行った. 研修会の指定関係では,6 回(5 月,7 月,9 月, 業医への情報提供に関し,診療報酬上の制度の改 11 月,1 月,3 月)に分けて申請を受け付け,都 定について提言がなされた. なお,報告書の主な内容は以下のとおりであ 道府県医師会より申請のあった計 2,470 件(平成 る. 26 年 3 月現在)の基礎研修会・生涯研修会につ Ⅰ 地域産業保健センター,産業保健推進セン いて,その内容等の審査を行った. ター及びメンタルヘルス対策支援センターを 認定産業医の認定関係では,新規申請者につい 一元化した事業(産業保健支援事業,仮称) ては,6 回(5 月,7 月,9 月,11 月,1 月,3 月) の推進 に分けて申請を受け付け,平成 25 年 5 月から平 1 新たな産業保健支援事業への協力と推進 成 26 年 3 月までに計 2,127 名の認定を行い,都 2 現行の地域産業保健センター・産業保健推 道府県医師会を通じて認定証を交付した.制度発 進センター・メンタルヘルス対策支援セン 足以来,平成 26 年 3 月までに認定を受けた認定 ターの課題 産業医の数は,87,870 名である.なお,認定産業 医の更新申請者については, 6 回(5 月, 7 月, 9 月, 3 新たな産業保健支援事業のあり方 11 月,1 月,3 月)に分けて申請を受け付け,平 Ⅱ 認定産業医の活用 1 小規模事業場における健康管理 成 25 年 5 月から平成 26 年 3 月までに 12,292 名 2 いわゆる非正規労働者の健康管理 の更新認定を行い,都道府県医師会を通じて認定 3 郡市区医師会による地域の事業場訪問 証を交付した.なお, 東日本大震災の影響により, 4 30 〜 49 人の事業場の産業医選任義務化 有効期間内に更新要件を満たすことが困難とな 5 産業医未選任の事業場に対する選任の指導 った認定産業医に対して,引き続き救済措置を行 6 認定産業医の資質向上 った. また,平成 27 年に開催予定の第 29 回日本医学 7 認定産業医データベースの構築と活用 8 慢性疾患や精神疾患等を有する労働者の 会総会について,産業医学生涯研修単位を付与に 療養指導に関する主治医から産業医への情 ついて検討を行い,学術プログラムの所定の柱に 報提供 対して各 2 単位,および産業医セッションに対し - 72 - 4.作業環境管理の方法 て単位付与することとなった. 産業医科大学教授 3.産業医学講習会 保利 一 5.快適職場形成について 千葉工業大学工学部教授 職域における健康管理の諸問題は,広汎かつ多 三澤 哲夫 様化の様相を呈し,産業保健活動は,地域保健活 6.職場のストレスとメンタルヘルス対策 動の中核として,産業社会の成熟とともにその重 東邦大学医療センター佐倉病院教授 黒木 宣夫 要性が増大している. 7.作業管理の方法 本会では,第 45 回産業医学講習会を日本医師 産業医科大学名誉教授 会主催,厚生労働省後援,中央労働災害防止協会・ 産業医学振興財団協賛の下に,日本医師会館にて 4.日本医師会認定産業医制度生涯研修会 7 月 13 日〜 15 日の 3 日間開催した.また,子育 て中の医師が参加しやすくするため,託児所を設 置した. 東 敏昭 本会では,産業医の資質向上と地域保健活動の 一環である産業医活動の推進を図るため,平成 2 本講習会は, 「労働安全コンサルタント及び労 年 4 月より日本医師会認定産業医制度を発足させ 働衛生コンサルタント規則第 13 条」に基づく講 た.本制度における認定の更新に必要な単位修得 習として厚生労働大臣から指定されるとともに, のための研修会として生涯研修会を日本医師会 日本医師会認定産業医制度における認定更新の 主催の下に,中央労働災害防止協会にて平成 25 ための生涯研修会として位置付けられている. 年 8 月 24 日に開催した. 受講者は,日本医師会員および認定産業医,計 受講者は,93 名に達し,研修会終了後,受講 411 名に達し,講習会終了後,3 日間受講した 者に対し本研修会で指定された実地研修 4 単位の 327 名に日本医師会長名の「修了証」を交付した. 内,それぞれの出席に応じた修得単位証明シール また,認定産業医にはその出席状況に応じて,生 を発行した. 涯研修単位修得証明シールを発行した. 演題および講師は次のとおりである. 演題および講師は次のとおりである. 1.作業環境管理 ‒ 環境中有機溶剤濃度の測定 [産業医に必要な法的知識の解説] 中央労働災害防止協会研修支援センタ 1.最近の労働安全衛生行政の動向について 厚生労働省労働衛生課長 ー担当官 泉 陽子 2.作業管理 ‒ 呼吸用保護具の基礎知識およ 2.労働基準法施行規則第 35 条の解説 び取扱い実習 厚生労働省職業病認定対策室長 中央労働災害防止協会研修支援センタ 天野 敬 ー担当官 [産業医に必要な産業医学総論] 3.心の健康問題に関わる職場復帰支援への対 1.産業医学総論 北里研究所常任理事 応 相澤 好治 新日本有限責任監査法人総括産業医 2.疫学概論 東京女子医科大学教授 浜口 伝博 山口 直人 5.産業保健活動推進全国会議 [産業医に必要な健康管理概論] 1.健康管理・健康教育の方法 大阪市立大学大学院教授 厚生労働省,日本医師会,都道府県医師会,地 圓藤 吟史 2.健康診断と事後措置 産業医科大学教授 業医学振興財団との間の意見交換を定期的に行 堀江 正知 [産業医に必要な実践各論] い,これからの産業保健活動のあり方について検 討することを目的として,第 35 回産業保健活動 1.粉じん障害対策 東海大学教授 域産業保健センター,産業保健推進センター,産 推進全国会議を平成 25 年 10 月 10 日,日本医師 阿部 直 会館で開催した. 2.VDT・騒音・腰痛の健康管理対策 日本大学大学院教授 参加者は,都道府県医師会産業保健担当役員お 城内 博 3.職場における化学物質対策 秋田大学大学院教授 よび地域産業保健センター事業推進者,地域産業 保健センター事業に協力している郡市区医師会 村田 勝敬 担当役員,産業保健推進センター所長,日本医師 - 73 - 参加者は,都道府県医師会産業保健および勤務 会,厚生労働省,労働者健康福祉機構,産業医学 医の担当役員である. 振興財団の関係者である. 参加人数は,127 名であった. 各都道府県医師会より出された地域産業保健 センター事業に関する課題,日医認定産業医制度 議事は,次のとおりである. に関する要望等について議論がなされた.参加人 議事 数は,327 名であった. ⑴ 緊急雇用創出事業の活用による医療分野 の「雇用の質」の向上のためのアドバイザ 協議課題および発言者は,次のとおりである. ー派遣事業について Ⅰ.報告 司会 労働者健康福祉機構理事 ① 勤務医の健康支援に関する検討委員会 森岡 雅人 報告書 ⑴ 宮城県における産業保健事業の取組みに 日本医師会常任理事 ついて(30 分) 道永 麻里 板橋 隆三 ② 緊急雇用創出事業の活用による医療分 ⑵ 徳島県における産業保健事業の取組みに 野の「雇用の質」の向上のためのアド 宮城県医師会常任理事 バイザー派遣事業 ついて(30 分) 厚生労働省労働基準局労働条件政策課 徳島産業保健推進連絡事務所代表 医療労働企画官 斎藤 恵 ③ 質疑応答 (3)質疑応答(30 分) ⑵ 地域産業保健センター事業,産業保健推進 Ⅱ.説明・報告 司会 日医産業保健委員会委員長 センター事業ならびにメンタルヘルス対策 相澤 好治 支援センター事業の一括運営について ⑴ 日本医師会産業保健委員会活動報告 日本医師会常任理事 ① 日本医師会産業保健委員会中間答申 道永 麻里 日本医師会常任理事 ⑵ 今後の産業保健事業の方向性等について する検討会 泉 陽子 厚生労働省労働基準局安全衛生部労働 ⑶ 医療機関の勤務環境改善に関する制度改 衛生課長 正等の動向について 中野 孝浩 7.勤務医の健康支援に関する検討委員会 (プロジェクト委員会) Ⅲ.協議 司会 日医産業保健委員会委員長 相澤 好治 発言者 厚生労働省労働基準局安全衛生部労 働衛生課長 日本医師会常任理事 泉 陽子 ③ 質疑応答 厚生労働省労働基準局労働条件政策課 医療労働企画官 道永 麻里 ② 産業保健を支援する事業の在り方に関 厚生労働省労働基準局安全衛生部労働 衛生課長 中野 孝浩 日本医師会では,平成 20 年度に「勤務医の健 康支援に関するプロジェクト委員会」を設置し, 泉 陽子 以後,5 年間にわたり委員会を中心に勤務医の健 道永 麻里 康支援のための活動を展開してきた. 労働者健康福祉機構理事 森岡 雅人 これまで,勤務医のストレスや健康状態を把握 産業医学振興財団審議役 岩崎 伸夫 するために「勤務医の健康の現状と支援のあり方 に関するアンケート調査」を実施し,この調査結 6.都道府県医師会産業保健担当理事 連絡協議会 果をもとにリーフレットの作成,医師の職場環境 改善ワークショップ研修会などの活動を行って 地域産業保健センター事業,産業保健推進セン きた. ター事業ならびにメンタルヘルス対策支援セン 平成 25 年度の本委員会(保坂 隆委員長他 11 ター事業の一括運営(以下 3 事業の一括運営)に 名)は,平成 25 年 7 月 26 日に第 1 回の委員会に 関する意見交換並びに「緊急雇用創出事業の活用 おいて, 「勤務医の労務管理に関する分析・改善 による医療分野の「雇用の質」の向上のためのア ツールの普及のための具体的方策」について会長 ドバイザー派遣事業」に関する情報提供を目的と 諮問を受け,4 回の委員会で検討を行い,平成 25 して,担当理事連絡協議会を平成 25 年 6 月 3 日, 年 3 月 18 日に会長へ答申を行った. 報告書の主な内容は以下のとおりである. 日本医師会館で開催した. - 74 - ・医師が回答の際に根拠としたエビデンスは Ⅰ.2013 年度勤務医の健康支援に関する検討委 「日本医師会雑誌」が最も多かった. 員会による取り組み ・リスクコミュニケーションを図る上で「情 1.勤務医の労務管理に関する分析・改善ツー 報の錯綜」が最も困った. ルの改定について 2.医師の職場環境改善ワークショップ研修会 などが明らかとなった. また,地球温暖化に伴う熱中症と健康影響に関 の開催 する質問に関しては, Ⅱ.まとめと今後の課題 ・世代別の熱中症対策では「高齢者の熱中症 また,併せて医師の職場環境改善ワークショッ 対策」の質問が最も多かった. プ研修会」の企画・開催医師会への支援を行った. ・学校および職場での熱中症対策については 千葉県医師会開催 【平成 25 年 11 月 17 日 (日) 】 「応急処置」よりも「予防」に関する質問 参加人数 16 人 が多かった. 埼玉県医師会開催 【平成 26 年 1 月 26 日 (日) 】 参加人数 41 人 鹿児島県医師会開催 【平成 26 年 2 月 15 日 (土) 】 参加人数 24 人 などが明らかとなり,アンケート調査の結果か ら,正しいリスクアセスメントをもとにして,医 師が主導して医学的な知見に基づくしっかりと したリスクコミュニケーションを地域住民や患 8.環境保健委員会 者等と築くことの重要性が浮き彫りとなった.こ 環境保健委員会は,環境に起因する様々な健康 のような結果を受けて,厚生労働省大臣官房か 影響について,国民の健康を預かる学術専門団体 ら,医師を主体とするリスクコミュニケーショ として検討することを目的として設置されてお ンのマニュアル作成の申し入れがあり,本会と り,第 11 次環境保健委員会(大塚明廣委員長他 して協力を始めたことは,委員会の今期の成果 10 名)は,平成 24 年 8 月 10 日に開催された第 1 として特筆できる. 回委員会において,横倉会長より「環境における 今年度は,3 回の委員会とワーキンググループ 低線量放射線被ばくと地球温暖化による健康影 をテーマ毎に各 1 回開催し,2 年間の審議結果を 響」について諮問を受け,以来,わが国と世界が 取りまとめ,平成 26 年 3 月 6 日に横倉会長に答 直面する環境保健の最重要課題について議論を 申を提出した. 答申の主な内容は,次の通りである. 重ねた. 低線量放射線被ばくにしても,地球温暖化にし Ⅰ.はじめに ても,長期にわたる国家的な重要テーマではある 1.会長からの諮問と今期委員会の課題 が,様々な情報が氾濫し,国民の間に,将来,疾 2.環境問題と日本医師会 病を引き起こすのではないかという誤解や漠然 Ⅱ.環境問題に関する基本的な考え方 とした不安を惹起していることから,テーマ別の 1.国の方針および政策 2 つのワーキンググループでの議論を深め,解決 2.日本医師会としての考え方 の処方箋を探った.その一環として,平成 25 年 3.環境保健委員会としての考え方 6 月に,住民や患者と医師の間でどのようなリス Ⅲ.環境における低線量放射線被曝と地球温暖 クコミュニケーションが行われているのか実態 化による健康影響 を把握する目的で,全国から 5 千余名の会員を無 1.低線量放射線被曝による健康影響 2.地球温暖化による健康影響 作為抽出しアンケート調査を実施した. アンケート調査の結果,低線量放射線被ばくと Ⅳ.環境リスクへの対応 1.低線量放射線被曝におけるリスクへの対応 健康影響については, 2.地球温暖化におけるリスクへの対応 ・住民や患者から医師への質問は,事故後1ヶ 3.リスクコミュニケーションに関する調査 月経過後から1年間に多かった. ・医師への質問は,福島県を中心に同心円外 Ⅴ.日本医師会および医師の役割 1.日本医師会としての取組 側に向かって低率傾向を示した. 2.医師としての取組 ・乳幼児や小学生以上の子どもの健康影響に 関する父兄からの質問が多かった. Ⅵ.まとめ - 75 - 員 10 名)は,今年度は 4 回の委員会を開催した. 9.病院における地球温暖化対策推進協議会 昨年度に引き続き,会長諮問「認定健康スポーツ 日本医師会では,環境保健委員会において環境 問題全般について検討を行っているが,中でも地 医の活躍の場を確保するための具体的方策」につ いて審議を行った. 球温暖化対策は喫緊の課題であることから,日本 今年度は,認定健康スポーツ医の活躍の場を確 病院会・全日本病院協会・日本精神科病院協会・ 保するための具体的な方策について,種々検討を 日本医療法人協会と協議を重ね, 平成 20 年 8 月 「病 行った.2 年間の審議結果をとりまとめ,平成 26 院における地球温暖化対策自主行動計画」を策定 年 2 月 25 日に会長宛答申を提出した.その主な した. 内容は次のとおりであり,特に活動事例や教育教 この自主行動計画を実効あるものとするため 材を巻末資料として盛り込んだ. には,各病院及び各団体がより一層具体的な地球 Ⅰ.はじめに 温暖化対策を推進することが重要である.このよ Ⅱ.健康スポーツ医の活動の場 1.幼児期の課題を解決するための健康スポー うなことから,各団体における地球温暖化対策へ ツ医活動 の意識を深めるとともに,地球温暖化対策をより 2.小・中・高校期の課題を解決するための健 一層推進することを目的に,4 病院団体ならびに 康スポーツ医活動 都道府県医師会代表,日本医師会そして学識経験 3.成人期の課題を解決するための健康スポー 者を加えた,病院における地球温暖化対策推進協 ツ医活動 議会(議長:加納繁照全日本病院協会常任理事) 4.高齢期の課題解決するための健康スポーツ を平成 21 年 8 月に立ち上げ, 活動を展開してきた. 医活動 本協議会では,平成 19 年度〜 24 年度に引き続 5.性別の課題を解決するための健康スポーツ き,本年度も約 4,600 の 50 床以上の民間病院に 医活動 対して,また,約 2,500 の診療所に対して,エネ 6.障害者に関する課題を解決するための健康 ルギー消費量やその削減活動等についてのアン スポーツ医活動 ケート調査を実施し,その結果を報告書としてと 7.日常診療に関する課題を解決するための健 りまとめた.アンケート調査結果では,対前年度 康スポーツ医活動 比, 二酸化炭素排出原単位は 1.9%減少した.なお, 8.特定健診・特定保健指導に関する課題を解 京都議定書第一約束期間である平成 24 年度まで, 決するための健康スポーツ医活動 基準年度 2006 年度比,17.9%の排出原単位の減 9.産業保健に関する課題を解決するための健 少となり,年率平均でも年率平均 1.0%減を大幅 康スポーツ医活動 に上回って達成した.その要因としては,平成 24 年度は,平成 23 年 3 月に起きた福島第一原子 10.アスリート・スポーツ組織・スポーツ指導 力発電所事故の影響により,各電力管内における 者に関する課題を解決するための健康スポ 電力需給の逼迫が予想されたことから,全国的に ーツ医活動 11.地域スポーツに関する課題を解決するため 数値目標を伴う節電要請が行われことがあげら の健康スポーツ医活動 れる.今後も化石燃料への依存度が高まることが 予想され,その動向を見守っていく必要がある. Ⅲ.日本医師会に関する課題 調査結果については,回答された施設へフィー Ⅳ.地域医師会に関する課題 1.健康スポーツ医部会,健康スポーツ医学担 ドバックし,併せて地球温暖化対策に関連のある 当理事連絡協議会の事例 情報を提供した.なお,病院における地球温暖化 2.健康スポーツ医の組織化の事例 対策の平成 26 年度以降の方向性について意見交 換を行ったが, これまでの実績等を勘案した上で, Ⅴ.おわりに 四病院団体と協議の上決めることとなった. Ⅵ.巻末資料 また,第 19 回日医認定健康スポーツ医制度再 10.健康スポーツ医学委員会 研修会のプログラムの企画を行った.企画に際し 健康スポーツ医学に関する諸問題を総合的に検 ては,これまでは,平成 23 年 4 月からの認定健 討するため平成 24 年 6 月 26 日に発足した第ⅩⅣ 康スポーツ医制度改定により健康スポーツ医学 次健康スポーツ医学委員会(川久保清委員長他委 講習会カリキュラムに新たに追加された内容に - 76 - ついて企画していたが,受講者が減少してきたこ けて申請を受け付け,平成 26 年 3 月現在 1,503 とから,健康スポーツ医学に関連した最新のトピ 名の更新認定を行い,都道府県医師会を通じて認 ックを含んだ内容を企画した. ( 「13.日本医師会 定証を交付した.また,移行措置期間に更新手続 認定健康スポーツ医制度再研修会」参照) きを済ませた認定医には,新制度に基づいた「認 定健康スポーツ医の手引」を同封した.なお,東 11.認定健康スポーツ医制度 日本大震災の影響により,有効期間内に更新要件 本会では,生涯を通じた適切な運動・スポーツ の実践による健康づくりが必要であるという基 を満たすことが困難となった認定健康スポーツ 医に対して,救済措置を行った. 本理念に立ち,性別,年齢を問わずすべての人々 また,平成 27 年に開催予定の第 29 回日本医学 に対して健康増進のための正しい運動指導,患者 会総会について,健康スポーツ医学再研修単位を への運動処方,適正なリハビリテーション指導, 付与することについて検討を行い,学術プログラ さらには各種運動指導者等に指導助言を行い得 ムの所定の柱に対して各 2 単位付与することとな る基礎的知識と技術をもった医師の養成と資質 った. 向上を目的として,平成 3 年 4 月,日本医師会認 12.健康スポーツ医学講習会 定健康スポーツ医制度を発足させた.また,平成 22 年 8 月に認定健康スポーツ医制度実施要領を 改定し,平成 23 年 4 月から施行した. 近年のスポーツ人口の増加や健康づくりに関 する意識の高まりに伴い,幼児,青少年,成人, 新制度では,日本医師会が定めた講習科目に基 老人等へスポーツ指導,運動指導を地域保健活動 づく健康スポーツ医学講習会(前期 13 科目,後 の中で実施するにあたり,医師の果たす役割はき 期 12 科目の計 25 科目)を修了した医師に日本医 わめて大きい.本会では,運動を行う人に対して 師会認定健康スポーツ医の称号(有効期間:5 年 医学的診療のみならず,メディカルチェック,運 間)を付与する.また,有効期間内に①健康スポ 動処方を行い,さらに各種運動指導者等に指導助 ーツ医学再研修会 5 単位以上修了,②健康スポー 言を行い得る医師を養成するために,日本医師会 ツ医活動の実践の 2 つの要件を満たした健康スポ 認定健康スポーツ医制度を運営している.本会と ーツ医は更新をすることができる. しても本制度の認定証取得に必要な単位を取得 制度の円滑な運営を図るため,認定健康スポー できるよう, 健康スポーツ医学講習会を開催した. ツ医制度運営委員会(今村聡委員長他 4 名)を設 本年度は,日本医師会主催,文部科学省・厚生 置し,本年度は 6 回の委員会を開催し,健康スポ 労働省の後援の下に,前期は 11 月 2・3 日の 2 日 ーツ医学講習会・再研修会の審査ならびに認定健 間,後期は 11 月 30 日・12 月 1 日の 2 日間,日 康スポーツ医の新規・更新審査等を行った. 本医師会館において開催した. 講習会・研修会関係では,6 回(5 月,7 月,9 月, 受講対象者は,都道府県医師会長の推薦を受け 11 月,1 月,3 月)に分けて申請を受け付け,健 た医師で,前期申込者は 250 名,後期は 254 名で 康スポーツ医学講習会として埼玉県医師会,大阪 あり,前期修了者 243 名,後期修了者 238 名に対 府医師会・近畿医師会連合の 2 件(平成 26 年 3 し修了証を発行した.また,託児所を 6 階談話室 月現在)について,また,再研修会として都道府 に設け,4 日間で合計 10 名の乳幼児を預かった. 県医師会主催 62 件,郡市区医師会主催 37 件,そ 演題および講師は次のとおりである. の他 128 件の計 227 件(平成 26 年 3 月現在)の 1.スポーツ医学概論 研修会について,その内容等の審査を行った. 共立女子大学学部長 認定健康スポーツ医の新規申請者については, 6 回(5 月,7 月,9 月,11 月,1 月,3 月)に分 けて申請を受け付け,平成 26 年 3 月現在 317 名 鹿屋体育大学教授 定を受けた認定健康スポーツ医の数は 21,814 名 となった. 大阪市立大学大学院教授 6 回(5 月,7 月,9 月,11 月,1 月,3 月)に分 - 77 - 藤本 繁夫 4.内分泌・代謝系の運動生理とトレーニング 効果 京都大学大学院教授 認定健康スポーツ医の更新申請者については, 金久 博昭 3.呼吸・循環系の運動生理とトレーニング効果 の認定を行い,都道府県医師会を通じて認定証を 交付した.制度発足以来平成 26 年 3 月までに認 川久保 清 2.神経・筋の運動生理とトレーニング効果 林 達也 5.運動と栄養・食事・飲料 首都大学東京大学院准教授 稲山 貴代 あいち健康の森健康科学総合センター 6.女性と運動 センター長 西別府病院スポーツ医学センター長 25.スポーツ現場での救急処置−内科系 松田 貴雄 東京女子医科大学附属成人医学センタ 7.発育期と運動−小児科系 池田医院院長 津下 一代 ー講師 香月きょう子 スポーツ現場での救急処置−整形外科系 8.中高年者と運動−内科系 大東文化大学教授 順天堂大学大学院教授 太田 眞 9.発育期と運動−整形外科系 宮崎大学教授 小笠原定雅 13.日本医師会認定健康スポーツ医制度 再研修会 帖佐 悦男 10.中高年者と運動−整形外科系 聖マリアンナ医科大学教授 別府 諸兄 11.メンタルヘルスと運動 櫻庭 景植 本会では,健康スポーツ医の養成とその資質向 上を目的として平成 3 年度に認定健康スポーツ医 早稲田大学スポーツ科学学術院教授 制度を発足させた. 内田 直 本制度における認定更新に必要な単位取得の 12.運動のためのメディカルチェック−内科系 ための再研修会を日本医師会主催,文部科学省・ 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 厚生労働省後援の下に,日本医師会館にて平成 副院長 武者 春樹 26 年 1 月 18 日に開催した.受講申込者は,245 13.運動のためのメディカルチェック−整形外 名に達し,研修会終了後受講者 227 名に対し再研 科系 修会修了証を交付した. 東芝病院部長 増島 篤 14.運動と内科的障害−急性期・慢性期 医学講習会カリキュラムに新たに追加された内 藤沢市保健医療センター所長 容から変更し,新たに健康スポーツ医学に関連し 小堀 悦孝 15.スポーツによる外傷と障害⑴上肢 群馬大学大学院教授 このプログラムは,昨年度までの健康スポーツ た最新のトピックを中心に健康スポーツ医学委 員会で企画した. 高岸 憲二 1.健康日本 21(第二次)の目指すもの−健 16.スポーツによる外傷と障害⑵下肢 康づくりのための身体活動基準 2013 の活 社会保険京都病院スポーツセンター長 用− 原 邦夫 宮地 元彦(独 立 行 政 法 人 国 立 健 康・ 17.スポーツによる外傷と障害⑶脊髄・体幹 栄養研究所健康増進研究 日本医科大学千葉北総病院部長 部長) 南 和文 2.子どもたちを対象にした運動器の検診と傷 18.スポーツによる外傷と障害⑷頭部 東京慈恵会医科大学教授 害予防への取り組み 阿部 俊昭 立入 克敏(たちいり整形外科理事長) 19.運動負荷試験と運動処方の基本 3.ロコモティブシンドローム対策 ライフスタイル医科学研究所所長 中村 耕三(国立障害者リハビリテー 庄野菜穂子 ションセンター総長) 20.運動療法とリハビリテーション−内科系疾患 4.オリンピックとスポーツ医・科学 東京女子医科大学附属成人医学センタ ー講師 川原 貴(国立スポーツ科学センタ 小笠原定雅 ーセンター長) 21.運動療法とリハビリテーション−運動器疾患 兵庫医科大学教授 5.保健指導−特定健診・特定保健指導 2 期目 吉矢 晋一 を迎えて− 22.アンチ・ドーピング 津下 一代(あいち健康の森健康科学 国立スポーツ科学センター統括研究部長 総合センターセンター長) 川原 貴 14.学校保健委員会 23.障害者とスポーツ 埼玉医科大学客員教授 24.保健指導 陶山 哲夫 学校保健委員会は,児童生徒等の生涯保健の基 盤を築く目的で,昭和 41(1966)年に設置され, - 78 - 爾来,時代に応じた政策の企画・立案,提言を通 政において非常に重要な役割を果たしている. じ,我が国の学校保健の推進に貢献してきた.第 なお,学校保健委員会は,平成 25 年度学校保 26 次委員会(衞藤隆委員長他委員 17 名)は,平 健講習会の企画及び運営にも協力している. ( 「15. 成 24 年 8 月 23 日に開催された第 1 回委員会にお 学校保健講習会」参照) いて,横倉会長より, 「これからの学校健診と健 今年度は,4 回の委員会と,特に保健調査項目 康教育」について諮問を受け,同時期の平成 24 や例の検討のために 5 回の小委員会を開催し,2 年 5 月に,文部科学省に「学校における健康診断 年間の審議結果を取りまとめ,平成 26 年 3 月 5 の在り方等に関する検討会」が設置されたことか 日に横倉会長に答申を提出した. 答申の主な内容は,次の通りである. ら,逐次,文部科学省に提言を行った. 平成 25 年 5 月には,健康診断や健康教育への 医師会の関わりの推進や,保健調査の充実,学校 Ⅰ.はじめに Ⅱ.現状と改善案(対策) 医以外の医師が参画できる制度の確立が,これか 1.今後の健康診断,健康教育への医師会の関 らの時代のわが国の子どもたちの生涯を通じた わり 健康づくりに不可欠であるとの政策提言を中間 1)学校保健安全法における地域学校保健 答申として取りまとめ,同年 6 月に,担当役員が 文部科学省スポーツ・青少年局長に要望書ととも と医師会 2)学校保健安全法に定める健康診断に係 る規定と現状 に提出した. 特に,過去に訴訟に発展したこともある健康診 断時の脱衣問題等の環境整備に係る要望につい 3)学校における健康診断が直面する課題 の一例 ては,文部科学省が平成 25 年 12 月に取りまとめ 4)学校保健を推進するための医師会 た意見書において,解決のための処方箋を明文化 5)医師会と健康教育 することで結実したが,その結果,学校医を始め 6)日本医師会による健康教育に関するこ とする医師が,長年にわたって抱いてきた不安や 懸念を拭えるようになったことは,委員会の成果 れまでの提言 2.健康診断の効率化・精度向上のための方策 1)学校医不足と健康診断の精度の問題 として特筆できる. 中間答申を取りまとめた後も,就中,保健調査 の充実に関して,現代的な健康課題に係る専門診 2)子どもの現代的な健康課題のスクリー ニング 療科を代表する委員も参画して,保健調査項目の 3)保健調査の充実に関する提案 精査と保健調査票例について議論を重ねた.その 4)腎臓検診・心臓検診の充実と指導・管 結果,児童生徒等の生涯保健の充実に資するデー 理のあり方 タベース機能を持つ保健調査票の例を始め,機能 5)アレルギー疾患の管理,指導 別に 3 つの保健調査票の例を取りまとめることが 6)事後措置としての健康教育の充実 できた. 7)新たな検診項目・内容に関する学校医・ その保健調査票例を提言した答申は,平成 26 年 3 月に文部科学省スポーツ・青少年局学校健康 教育課に提出されるとともに,担当役員より,平 養護教諭等への研修・教育 8)児童生徒・保護者のためのセルフチェ ック・相談システム 成 26 年 4 月の学校保健安全法施行規則改正を踏 3.学校医以外の医師が参画できる制度の確立 まえ,各種施策に反映されるよう文部科学省に申 1)現代的な学校保健上の課題と専門診療 科の医師の参画の必要性 し入れがなされている. また,地域の医師会と教育委員会が協議会を設 置して,専門診療科の医師や保護者,基幹医療機 関が参画して地域の子どもたちの健康課題に取 り組む「児童生徒の健康支援の仕組み(仮称) 」 の創設を強く訴えたところ,文部科学省における 学校給食のアレルギー対策でその枠組みが用い られることとなった.このように,今年度の学校 保健委員会での議論や様々な提言は,文部科学行 - 79 - 2)子どもの健康を守る地域専門家総合連 携事業と事業仕分け 3)学校保健課題解決支援事業の概況につ いて 4)学校保健課題解決支援事業の拡充のた めに 5) 「児童生徒への健康支援の仕組み」 (仮称) の創設 6)学校保健課題解決支援事業と「児童生 16.全国学校保健・学校医大会 徒への健康支援の仕組み」 (仮称)につ いて 全国学校保健・学校医大会は,学校保健の発展 7)平成 26 年度政府予算に係る要望 を目的として昭和 45(1970)年に第 1 回大会が Ⅲ.結び 開催されて以来,毎年開催されており,平成 25 年 11 月 9 日(土)に,本会の主催,秋田県医師 15.学校保健講習会 会の担当により,秋田市にて第 44 回大会が開催 本会では,生涯保健と地域保健の基盤である学 された.主な参加者は都道府県医師会関係者なら 校保健に係わる活動が地域で円滑に行われるこ びに学校医であり,大会参加者数は 660 名であっ とを旨として,学校医を始めとする医師が学校保 た. 健に従事する上で必要な,最近の学校保健行政事 今大会は, 「子供は希望.未来の力」をメイン 情や重要課題に係わる知識を修得してもらう目 テーマとし, 分科会における研究発表, 表彰式, 「学 的で,平成 26 年 2 月 23 日(日)に日本医師会館 校における感染対応」をテーマとしたシンポジウ において学校保健講習会を開催した.参加者は日 ム等が行われた. 本年も研究発表の応募が多数であったことか 本医師会会員で学校保健に関わる医師であり,当 ら,5 つの分科会を設けた. 日の参加人数は 314 名であった. 表彰式では,東北地区において永年にわたり学 演題および講師は次のとおりである. 校保健活動に貢献した学校医 6 名, 養護教諭 6 名, 1.講演 「最近の学校健康教育行政の課題について」 学校関係栄養士 5 名の計 17 名に対して,横倉会 文部科学省スポーツ・青少年局学校健康 長より表彰が行われた.また,当日開催された都 教育課学校保健対策専門官 道府県医師会連絡会議において,次年度担当県が 知念 希和 石川県医師会に決定した. 2.講演 分科会,シンポジウム等の内容は以下のとおり 学校保健における食物アレルギー対策− 学校生活管理指導表の運用状況と問題 である. 点− 1.分 科 会 第 1 分科会『からだ・こころ⑴』 藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院小 児科教授 こころ・予防接種・食物アレルギー 宇理須厚雄 第 2 分科会『からだ・こころ⑵』 3.講演 生活習慣 スポーツと月経異常−その現状と対策− 第 3 分科会『からだ・こころ⑶』 国立スポーツ科学センターメディカル 検診・運動器検診 センタースポーツクリニック 第 4 分科会『耳鼻咽喉科』 能瀬さやか 第 5 分科会『眼 科』 3.シンポジウム 2.シンポジウム 「学童期・思春期の生活習慣病予防対策」 ① 児童生徒の生活習慣病に関する小児 国立病院機構鹿児島医療センター小児 科部長 テーマ「学校における感染対応」 Ⅰ.基調講演「インフルエンザ対策における学 の基準値 吉永 正夫 校の役割」 秋田県医師会感染症等危機管理委員会 ② 児童生徒の生活習慣病検診 アドバイザー,東北大学大学院医学系 社会保険高岡病院小児科部長 研究科病理病態学講座微生物学分野教 宮崎あゆみ 授 押谷 仁 Ⅱ.シンポジウム ③ 児童生徒の運動習慣と生活習慣病 東京都立広尾病院小児科部長 原 光彦 ⑴『秋田県大館市の麻しん地域流行・新型イン フルエンザを振り返って』 ④ 生活習慣病予防における食育の意義 −麻しん流行と新型インフルエンザにお 帝京平成大学健康栄養学科教授 児玉 浩子 ける学校閉鎖・出席停止対応の検証− 大館市立総合病院副診療局長,感染制 ⑤ 総合討論 - 80 - 御室長,検査課部長 高橋 義博 調 ⑵『感染症情報収集システム(学校欠席者情報 秋田県立本荘高等学校養護教諭(前秋 田県教育庁保健体育課指導主事) 村上まゆみ ⑶『秋田県医学生麻しんワクチン高校プロジェ クトの効果について』 小泉ひろみ ⑷『秋田県における中学校および高等学校の性 感染症への取り組みと秋田県医師会の行う 性教育講座への要望』 秋田赤十字病院総合周産期母子医療セ ンター長 平野 秀人 3.特別講演 演 題: 『資源の獲得競争に負けない日本を− 秋田から資源学の発信を−』 講 師:秋田大学学長 項 目 1.総蛋白 2.アルブミン 3.総ビリルビン 4.ブドウ糖 5.総カルシウム 6.無機リン 7.マグネシウム 8.尿素窒素 9.尿酸 10.クレアチニン 11.血清鉄 12.AST 13.ALT 14.LD 15.アルカリ性ホスファターゼ 16.γ-GT 17.CK 18.アミラーゼ 19.コリンエステラーゼ 20.総コレステロール 21.中性脂肪 22.HDL コレステロール 23.LDL コレステロール 24.HbA1c 25.インスリン 26.TSH 27.FT4 28.CEA 29.AFP 30.CA19-9 31.CA125 32.PSA 33.フェリチン 34.リウマトイド因子 35.HBs 抗原 36.HCV 抗体 37.TP 抗体 38.CRP 39.尿ブドウ糖 40.尿蛋白 41.尿潜血 42.ヘモグロビン 43.赤血球数 44.白血球数 45.血小板数 46.ヘマトクリット 47.プロトロンビン時間 48.活性化部分トロンボプラスチン時間 49.フィブリノゲン 収集システム)の全県運用に向けて』 秋田県医師会常任理事 査 吉村 昇 17.臨床検査精度管理調査 昭和 42 年から始まった臨床検査精度管理調査 は,今年度で 47 回を迎え,今やわが国における 代表的な調査として評価も定着している. 本会では臨床検査精度管理検討委員会(高木康 委員長他委員 6 名)を設置し,平成 25 年度は 6 また,参加施設数(回答のあった施設数)は, 回の委員会を開催し,臨床検査精度管理調査の企 3,220 施設(前年度 3,206 施設)で,その内訳は 画・立案,実施,および結果の分析,評価を行い, 以下のとおりである. 本年度実施した臨床検査精度管理調査の結果を 「平成 25 年度(第 47 回)臨床検査精度管理調査 分 類 結果報告書」として取りまとめ,参加施設に送付 した. 本年度の調査項目は 49 項目で,その内訳は以 大学病院・大学附属病院 139 厚生労働省臨床研修指定一般病院 342 200 床以上 746 200 床未満 1,707 精神科病院・結核等療養所 67 医師会病院・検査センター 131 登録衛生検査所 371 健診機関 162 その他 155 一般病院 下のとおりである. 施設数 合 計 3,220 18.臨床検査精度管理調査報告会 平成 25 年度(第 47 回)臨床検査精度管理調査 の分析・検討を行い,参加施設の臨床検査の質的 向上に資するため,平成 25 年度臨床検査精度管 - 81 - ⑶ 脂質検査・糖代謝検査・甲状腺マーカー 理調査報告会を平成 26 年 3 月 7 日,日本医師会 同委員会委員 館で開催した.報告会に参加できなかった参加施 ⑷ 腫瘍マーカー・リウマトイド因子 設があることから,後日,報告会の様子を記録し 同委員会委員 た動画の配信を行った. 同委員会委員 席者は 679 名であった. 高杉 敬久 2.挨 拶 日本医師会長 横倉 義武 〆谷 直人 ⑹ 血液検査 同委員会委員 高松 純樹 ⑺ 測定装置利用の動向 3.来賓挨拶 厚生労働省医政局長 同委員会委員 4.第 47 回臨床検査精度管理調査報告 細萱 茂実 ⑻ 総 括 ⑴ 臨床化学一般検査 同委員会委員長 臨床検査精度管理検討委員会委員長 ⑼ 総合討論 高木 康 5.閉 会 ⑵ 酵素検査 同委員会副委員長 佐守 友博 ⑸ 感染症マーカー・尿検査 報告会のプログラムは以下のとおりであり,出 1.開 会 日本医師会常任理事 武田 京子 前川 真人 - 82 - 高木 康 もあたった. Ⅷ.地域医療第 3 課関係事項 4.母体保護法等に関する検討委員会 (プロジェクト) 1.公衆衛生委員会 母体保護法等に関する検討委員会(福田稠委員 第ⅩⅣ次公衆衛生委員会(吉田勝美委員長他委 長他委員 15 名)は,平成 24 年 8 月 8 日に開催し 員 10 名)は,平成 24 年 8 月 30 日に開催した第 た第 1 回委員会において,横倉会長より「母体保 1 回委員会において,横倉会長より「医師会活動 護法指定医師の指定基準モデル等の改正につい を通した国民のための地域保健のあり方」につい て(指定・更新ならびに研修のあり方を含む) 」 て諮問された. について諮問を受けた. 昨年度に引き続き本年度において 4 回の委員会 本年度は,委員会 4 回を開催し,主に母体保護 を開催し,諮問に関して鋭意検討を行い,平成 法指定医師の指定基準モデルに新たに位置づけ 26 年 3 月に横倉会長へ答申を提出した. られた母体保護法指定医師研修会カリキュラム また,同委員会では,保健事業と医師会活動の について検討を行った.具体的なコア・カリキュ 関わりを中心に実態を把握するため,都道府県医 ラムの内容はワーキンググループを立ち上げ検 師会,郡市区医師会を対象に「地域保健事業全国 討を行い,今年度の家族計画・母体保護法指導者 実態調査」を実施し, その結果を答申に掲載した. 講習会で講演された.講演内容は CD に収録し都 道府県医師会へ配布した. 2.がん対策推進委員会 なお,本委員会は,平成 25 年 12 月 7 日に開催 がん対策推進委員会(坂本哲也委員長他委員 11 名)は,平成 24 年 9 月 6 日に開催した第 1 回 した平成 25 年度家族計画・母体保護法指導者講 習会の企画・立案にもあたった. 委員会において,横倉会長より「わが国における 5.精神保健委員会(プロジェクト) がん対策の諸問題とその解決のための方策」につ いて諮問された. 精神保健委員会(高橋祥友委員長他委員 9 名) 昨年度に引き続き,本年度は 4 回の委員会を開 は,平成 24 年 9 月 12 日に開催した第 1 回委員会 催し,諮問に関して鋭意検討を行い,平成 26 年 において,横倉会長より「子どもと働き盛り世代 3 月に横倉会長へ答申を提出した. へのメンタルヘルス対策のあり方−災害被災者 また,同委員会は都道府県医師会に対し「がん 医療における地域差に関する調査」を実施し,そ へのアプローチも含めて−」について諮問を受け た. の結果を答申に掲載した. 昨年度に引き続き,本年度は 4 回の委員会を開 催し,教職員のメンタルヘルス対策,企業におけ 3.周産期・乳幼児保健検討委員会 る働き盛り世代へのメンタルヘルス対策につい 周産期・乳幼児保健検討委員会(五十嵐隆委員 てヒアリングを行うとともに,諮問について鋭意 長他委員 13 名)は,平成 24 年 8 月 22 日に開催 検討を行い,平成 26 年 3 月に横倉会長へ答申を した第 1 回委員会において,横倉会長より「母子 提出した. 保健法の課題とあるべき方向性(小児保健法の可 6.家族計画・母体保護法指導者講習会 能性も含めて) 」について諮問を受けた. 昨年度に引き続き本年度は 4 回の委員会を開催 本講習会は,母体保護法指定医師に必要な家族 し,平成 20 年にプロジェクト委員会より答申し 計画ならびに同法に関連する最新知識について た小児保健法を基に,新たに成育の概念を取り入 指導者講習を行い,母体保護法の運営の適正を期 れるなどの鋭意検討を行い, 平成 25 年 10 月 16 日, することを目的とするものであり,本年度は, 「改 横倉会長あてに答申を行った.答申では,成育過 正母体保護法下の研修会のあり方」をテーマに平 程にある者及びその養育者のために必要とされ 成 25 年 12 月 7 日,日本医師会館において厚生労 る諸事業を一層推進する基本法(理念法)である 働省との共催で開催した. 「成育基本法」の制定を提案している. 講習会プログラムは以下の通りであり,参加者 なお,本委員会は,平成 26 年 2 月 16 日に開催 した平成 25 年度母子保健講習会の企画・立案に は 177 名であった. 〈プログラム〉 - 83 - おける子育て支援」をテーマに行った. 1.開 会 プログラムは以下のとおりであり,参加人数は 司会:今村 定臣(日本医師会常任理事) 199 名であった. 2.挨 拶 横倉 義武(日本医師会長) メーンテーマ「子ども支援日本医師会宣言の実 田村 憲久(厚生労働大臣) 現を目指して− 8」 3.来賓挨拶 木下 勝之(日本産婦人科医会長) 〈プログラム〉 1.開 会 4.講 演 座長:今村 定臣(日本医師会常任理事) 総合司会:今村 定臣(日本医師会常任理事) 2.挨 拶 「改正母体保護法下の研修会のあり方」 横倉 義武(日本医師会長) ⑴ 母体保護法指定医師指定基準モデル 3.講 演 改正のポイント 福田 稠(熊本県医師会長/日 医母体保護法等に関 座長:今村 定臣(日本医師会常任理事) 1) 「成育基本法」の設立を目指して 五十嵐 隆(国立成育医療研究セ する検討委員会委員 ンター理事長・総長/ 長) 日医周産期・乳幼児 ⑵ 生命倫理に関するもの 保健検討委員会委員 平原 史樹(横浜市立大学附属病 長) 院病院長/日医母体 保護法等に関する検 2)産科医療補償制度の理念と実績 岡井 崇(総合母子保健センタ 討委員会委員) ー愛育病院院長) ⑶ 母体保護法の趣旨と適正な運用に関 4.シンポジウム するもの 白須 和裕(小田原市立病院病院 座長:松平 隆光(日本小児科医会会長/ 長/日医母体保護法 日 医 周 産 期・ 乳 幼 児 等に関する検討委員 保健検討委員会委員) 浮田 俊彦(石川県医師会副会長/ 会委員) 日医周産期・乳幼児 ⑷ 医療安全・救急処置に関するもの 落合 和彦(東京慈恵会医科大学 保健検討委員会委員) 産婦人科教授/日医 テーマ「成育医療をめぐる課題:わが国におけ る子育て支援」 母体保護法等に関す 1) 「養育困難」時代に求められる社会的支援− る検討委員会委員) 少子化対策から包括的な次世代育成政策 (5)指定発言−行政の立場から 桑島 昭文(厚生労働省雇用均等・ 児童家庭局母子保健 へ 榊原 智子(読売新聞東京本社社 会保障部次長) 課長) 2)胎児治療について 5.閉 会 左合 治彦(国立成育医療研究セ 7.母子保健講習会 ンター副院長 / 周産 少子化が進展する現状を踏まえ,地域医療の一 環として行う母子保健活動を円滑に実践するた めに必要な知識を修得することを目的として,母 子保健講習会を平成 26 年 2 月 16 日,日本医師会 期・母性診療センタ ー長) 3)乳幼児健診の標準化をめざして−小児科医 主体のパートナーシップ− 金子 淳子(金子小児科院長) 館で開催した. 本年度は,メーンテ−マを「子ども支援日本医 4)思春期の子ども・若年成人への健康教育 師会宣言の実現を目指して− 8」とし,午後のシ 安達 知子(総合母子保健センタ ンポジウムは「成育医療をめぐる課題:わが国に ー愛育病院副院長/ - 84 - ⑷ 都道府県医師会感染症危機管理担当理事連 産婦人科部長) 絡協議会 討 議 11 月 21 日に日医会館小講堂で開催し,新型イ 5.閉 会 ンフルエンザ等対策特別措置法に基づく医療機 8.感染症危機管理対策 関の役割,特定接種に係る医療機関の事前登録, 本会では,危機管理の観点から,各種の感染症 に対して迅速かつ適切な対策を講ずることがで 医療機関における診療継続計画,事前登録に係る 留意点の説明と質疑応答を行った. きるよう平成 9 年 1 月から感染症危機管理対策室 本会からは,日医版診療継続計画を示し,新型 を設置し,感染症危機管理対策を推進している. インフル等の感染拡大時においても,全ての医療 本年度は,以下のような取り組みを行った. 機関が診療を継続することや特定接種の登録へ の協力を依頼した. ⑴ 子ども予防接種週間 平成 15 年度より実施しており,今年度で 11 回 ⑸ 新型インフルエンザ等対策訓練 目である.日本医師会,日本小児科医会,厚生労 新型インフルエンザ発生時の対応について,内 働省の 3 者主催で,入園,入学前,保護者の予防 閣官房が中心となり 1 月 21 日に新型インフルエ 接種への関心を高める必要がある時期である 3 月 ンザ等対策訓練が実施されたが,指定公共機関た 1 日から 7 日まで実施した. る本会も同訓練に参加した.訓練当日は都道府県 本年度からは,ワクチンで防ぐことができる病 医師会感染症危機管理担当役員及び担当事務局 気(VPD:Vaccine Preventable Diseases)から に対しテストメールを発信し,緊急時の連絡体制 子どもたちを救うため,種々の予防接種に関し, を確認した. 地域の実情に合った広報・啓発の取り組みを各都 ⑹ 日本獣医師会と学術協力の推進に関する協定 道府県医師会等により企画・実施した. 本会と日本獣医師会は,医療及び獣医療の発展 また,ポスターを日医雑誌 2 月号に同封して会 に関する学術情報を共有し,連携・協働する,両 員に送付した. なお,日本医師会から都道府県医師会へ,各 者が必要とする学術情報を可能な限り相互に提 25 万円の支援を行っており,都道府県医師会に 供する,両者による課題別及び体系的活動の推進 おいては,本週間の啓発,市民への講習会や,地 を図る,全国レベル並びに地域レベルにおける医 方紙への広告掲載への活用等,各地域において, 師及び獣医師の交流を促進するための協定を 11 予防接種の普及・啓発に努めていただいている. 月 20 日に締結した. ⑵ 感染症危機管理対策委員会 ⑺ その他 FAX,メーリングリストで都道府県医師会等 感染症危機管理対策委員会(委員 12 名)は, 諮問委員会ではなく,国の感染症対策や新たな感 に送付している「感染症・食中毒情報」について 染症の発生等に対する対応について,日本医師会 は,日医インターネットのホームページにも掲載 のアドバイザリーボードとして位置づけ,喫緊の している.その他,より重要と判断される情報に 課題について各専門家のご意見を伺った.本年度 ついては,室長名をもって,随時都道府県医師会 は全体委員会を 1 回開催した. へ情報提供を行った. 9.日本医師会市民公開講座… 難聴の最新情報… 〜よりよい『聞こえ』のために〜 ⑶ ワクチン価格等調査 厚生労働省からの協力依頼を受け,本会会員 1 万人を対象に web 回答方式による平成 24 度のワ クチン購入実績の調査を 9 月 17 日〜 10 月 7 日に 高齢化が進む日本の社会の中で,加齢による聴 実施した.調査結果は,11 月 18 日に開催された 力の低下,いわゆる加齢性難聴をめぐる問題は身 第 7 回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 近なものとなってきている.また,乳児の 1,000 予防接種基本方針部会において報告した. 人に 1 人が先天的に聞こえに障害を持つと言われ ている.本フォーラムは平成 26 年 2 月 15 日に社 会的な観点も含め難聴・聞こえをテーマとして開 - 85 - 総合司会:道永 麻里(日本医師会常任理事) 催した.受講者は約 155 名であった. 1.開 会 なお, この模様は NHK E テレ (旧教育テレビ) 2.挨 拶 TV シンポジウムで,4 月 12 日 14 時より放映さ 横倉 義武(日本医師会会長) れた.さらに,その模様を 60 分程度に収めた 3.パネルディスカッション DVD を作製し,都道府県医師会,郡市区医師会 司会 久田 直子(フ リ ー・ ア ナ ウ ン サ へ送付した. ー NHK きょうの健 プログラムは以下の通りである. 康キャスター) 〈プログラム〉 パネリスト 総合司会:小森 貴(日本医師会常任理事) 江藤 隆史(東京逓信病院院長補 1.開 会 佐・皮膚科部長) 2.挨 拶 海老澤元宏(国立病院機構相模原 横倉 義武(日本医師会会長) 病院臨床研究センタ 3.シンポジウム 司会 好本 惠(元 NHK アナウンサー) ーアレルギー性疾患 シンポジスト 研究部長) 西牟田敏之(国立病院機構下志津 伊藤 真人(自治医科大学とちぎ 病院名誉院長) 子ども医療センター 4.フロアーとの質疑応答 小児耳鼻咽喉科教授) 5.閉会 小森 貴(日本医師会常任理事) 細井 裕司(奈良県立医科大学耳 11.糖尿病対策 鼻咽喉・頭頸部外科 教授) 日本医師会は,糖尿病対策の全国的普及を目指 4.フロアーとの質疑応答 し,平成 17 年に日本糖尿病対策推進会議を関係 5.閉会 団体とともに設立し活動を展開している. 10.日本医師会市民公開フォーラム… 注目されるアレルギー最新情報… 〜食べ物によるもの……ぜんそく……アトピー〜 同会議は,平成 22 年 2 月に組織の改編により, 「幹事団体」を日本医師会,日本糖尿病学会,日 本糖尿病協会,日本歯科医師会, 「構成団体」を, 国民健康保険中央会,健康保険組合連合会,日本 近年,アレルギー性疾患に悩まされる人が世界 腎臓学会,日本眼科医会,日本看護協会,日本病 的に増加傾向にある.アレルギー性疾患は,その 態栄養学会に位置づけており,今年度は,構成団 特徴や内容を正しく理解し,有効な対策をとるこ 体として新たに健康・体力づくり事業財団,日本 とによって上手に付き合っていくことが大切で 健康運動指導士会,日本糖尿病教育・看護学会, ある.本フォーラムでは, アレルギーの中でも 「食 日本総合健診医学会,日本栄養士会が加わり,全 物によるもの・ぜんそく・アトピー」をテーマと 15 団体となった. して,原因や対策について基礎から最新の情報ま 事業としては, 「糖尿病の受診勧奨と治療中断 でを取り扱った.第一線でアレルギー医療に取り 防止」をテーマに啓発ポスターを作成し,日医会 組んでいる専門家の先生方をパネリストとして, 員及び各幹事団体,構成団体等へ配布し,日医ホ 平成 25 年 10 月 5 日に日本医師会館大講堂で開催 ームページにも掲載した. また,各都道府県医師会に対し,今年度の糖尿 した.この模様は, NHK E テレ(旧教育テレビ) TV シンポジウムで,平成 26 年 2 月 1 日 14 時よ 病対策推進事業の取り組み状況や,都道府県にお り放映された.また,その後,再編集した DVD ける糖尿病に関する医療計画策定への関わり等 を作製し,都道府県医師会,郡市区医師会へ送付 について調査を実施した上で, 財政支援を行った. その他,日本糖尿病学会より示された HbA1c した. 市民公開フォーラムの受講者は約 489 名であっ た. プログラムは以下の通りである. 〈プログラム〉 国 際 標 準 化 に 伴 う 測 定 値 の 表 記 変 更, 及 び HbA1c の血糖コントロール目標の改訂について 啓発,世界糖尿病デーイベント実施の協力依頼の 周知や,各地域や他団体のイベント等への後援, - 86 - 植木浩二郎(日本糖尿病学会理事/ 日本歯科医師会と医科歯科連携についての検討 東京大学医学部附属 を行う等の活動に取り組んだ. 病院糖尿病・代謝内 今年度は第 4 回日本糖尿病対策推進会議総会を 科科長) 開催し,出席人数は 229 名(テレビ会議出席者含 10.質疑応答 む)であり, プログラムは以下のとおりであった. 11.閉会挨拶 今村 聡 (日本医師会副会長) 12.閉会 第 4 回日本糖尿病対策推進会議総会 〈プログラム〉 12.禁煙推進活動 日時:平成 25 年 6 月 7 日(金)14:00 〜 16: ⑴ 呼吸の日記念フォーラム 2013 30 場所:日本医師会館 1 階大講堂 平成 19 年より,日本呼吸器学会において 5 月 司会:道永 麻里(日本医師会常任理事) 9 日が「呼吸の日」として定められ,従来,国民 1.開 会 への啓発活動の一環として,日本呼吸器学会,結 2.来賓挨拶 厚生労働大臣 核予防会共催,日本医師会等後援にて, 「呼吸の (代理:矢島健康局長) 日記念フォーラム」が開催されてきた. 3.挨 拶 平成 22 年度より, 日本呼吸器学会, 結核予防会, 横倉 義武(日本医師会会長) 日本医師会の三者共催にて開催することとなり, 門脇 孝(日本糖尿病学会理事 本年度は 5 月 11 日に本会館大講堂にて, 「呼吸の 長) 日記念フォーラム 2013」を開催した.参加者は 清野 裕(日本糖尿病協会理事 286 名であった. 長) プログラム概略は以下のとおりである. 大久保満男(日本歯科医師会会長) 〈プログラム〉 4.日本糖尿病対策推進会議を構成する団体及 び役員紹介等 開会挨拶,来賓挨拶 第 1 部 一般講演「みんな知ろう COPD −は 道永 麻里(日本医師会常任理事) 5.都道府県糖尿病対策推進会議活動に関する 調査結果 ばたけ健康日本 21(第二次)−」 司会 西村 正治 (日本呼吸器学会理事長) 講演 1「第二次 健康日本 21 について」 道永 麻里(日本医師会常任理事) 宮嵜 雅則(厚生労働省健康局がん 6.糖尿病治療における医科歯科連携 対策・健康増進課長) 佐藤 保(日本歯科医師会常務 理事) 講演 2「COPD ってどんな病気?」 別役 智子(慶應義塾大学医学部 7.事例報告(各 15 分) 内科学教室(呼吸器) ①熊本県「熊本県における糖尿病対策推進 会議活動報告」 教授) 講演 3「肺がん検診を通して COPD を見つ 古川 昇(熊本大学大学院生命 けたい− COPD は肺がん候補−」 科学研究部附属 臨 関根 康雄(東京女子医科大学八千 床医学教育研究セン 代医療センター呼吸 ター准教授) 器外科教授) ②和歌山市「糖尿病地域連携クリニカルパ ス・サイバーパス〜良質な地域医療の提 供を目的として〜」 第 2 部 座談会「肺年齢体験と私の健康法」 司会 道永 麻里(日本医師会常任理事) 工藤 翔二(結核予防会理事・複 田中 章慈(和歌山市医師会会長) 8.糖尿病に関する尿中アルブミン実態調査報 告 十字病院院長) パネリスト 松沢 成文(前神奈川県知事) 鈴木 芳樹(新潟大学保健管理セ ンター教授・所長) 今泉 清(元ラグビー日本代表) 第 3 部 呼吸リハビリテーション実演「正しい 9.DREAMS プランと HbA1c 国際標準化 呼吸方法の体験」 - 87 - 平成 22 年 12 月に作成した「COPD 診療のエ 講師 佐野 裕子(Respiratory Advisement Y’ s 代表/順天堂大学 ッセンス」の改訂版を 5 月に発行予定である. 大学院リハビリテーシ 13.子育て支援フォーラム ョン医学) 第 4 部 ピアノとヴァイオリンによるミニコン サート 厚生労働省の「児童虐待等要保護事例の検証に 関する専門委員会」の第 6 次報告によって,虐待 閉会挨拶 による子どもの死亡が低年齢児に集中している ことが明らかになり,従来の児童相談所等におけ ⑵ 日本 COPD 対策推進会議 る対応に加え,妊娠期からの医療,福祉,行政等 平成 22 年 12 月より,日本医師会の禁煙推進活 が連携して取り組むことが必要であることから, 動の一環として,日本呼吸器学会,結核予防会, 日本医師会では公益財団法人 SBI 子ども希望財 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会とともに, 団とともに,平成 23 年度から「子育て支援フォ 日本 COPD 対策推進会議として活動を行ってい ーラム」を開催することとし,本年度は下記の開 る. 催地の都道府県医師会にも共催を依頼し実施し 本年度は日本医学会,GOLD 日本委員会とと た. もに, COPD 啓発プロジェクトの活動を後援した. 第 1 回 6 月 1 日 石川県医師会 参加者 93 名 また, 「COPD 啓発ポスター」を作成し,日医ニ 第 2 回 9 月 7 日 愛知県医師会 参加者 242 名 ュース平成 25 年 8 月 20 日号に同封し,全会員へ 第 3 回 11 月 30 日 大分県医師会 参加者 105 名 配 付 し た. さ ら に, 呼 吸 の 日 記 念 フ ォ ー ラ ム 第 4 回 平成 26 年 2 月 8 日 愛媛県医師会 2013 を後援した. 参加者 170 名 - 88 - に設置した「介護事業経営調査委員会」の報告を Ⅸ.介護保険課関係事項 受け,平成 25 年度介護事業経営概況調査等のデ ータに基づき議論を進め,医療保険との整合性を とることとした.基本的な考え方としては,①介 1.平成 25 年度の動向 護報酬の基本単位数に上乗せし,加算についても 介護保険制度は平成 27 年 4 月の次期介護報酬 検討する,②高額投資分については 10%へ税率 改定に向け,制度の見直しや報酬改定に関する議 アップの時にシステムが使えなくなることは避 論が始まった.また, 平成 26 年 4 月の消費税率 8% けたほうがいいことから対応は行わない,③その が引き上げられる際の介護報酬の対応について, 他,区分支給限度基準額や特定入所者介護サービ 審議会等で検討が行われた. ス費等については引き続き検討するという方針 社会保障審議会介護保険部会は,社会保障制度 で進めることが了承された. その後,第 97 回(平成 25 年 12 月 10 日開催) 改革国民会議の検討内容等を見ながら,介護保険 制度の見直しに関する議論を行った.今年度は において,介護事業経営概況調査の結果概要が示 12 回開催され,平成 25 年 12 月 20 日に意見書が され,消費税率引き上げ時の対応について方向性 まとめられた. を示した. その後,平成 26 年 2 月に,意見書の内容を反 ① 介護報酬における対応については,基本単 映した介護保険法改正案を含む「地域における医 位数は課税割合に税率引き上げ分を乗じて 療及び介護の総合的な確保を推進するための関 算出し,影響の大きい加算も引き上げる. 係法律の整備等に関する法律案」が国会に提出さ ② 食費・居住費の基準費用額については,実 態を調査したところ,光熱水費は上昇,原 れた. 社会保障審議会介護給付費分科会は 6 回開催さ 材料費と減価償却費は下がっており,トー れ,介護サービスにおける消費税引き上げへの対 タルで見ると大きな変化がなかったことか 応等が検討され,平成 26 年 4 月に相当分の介護 ら基準費用額については据え置きとする. 報酬を改定することとなった.また,平成 27 年 ③ 区分支給限度基準額については,介護報酬 度介護報酬改定の基礎資料とするため,平成 24 に消費税引き上げ分を上乗せすることによ 年度改定の効果検証等の調査を実施した. り,基準額を超える利用者が出る可能性が あり,消費税引き上げ影響分について,引 介護保険委員会は 5 回開催し,地域包括ケアシ き上げる. ステム等に関する検討を行った.議論のとりまと めは, 「生活を途切れさせない医療と介護〜地域 なお,基本単位数への上乗せ率については,予 医師会の使命〜」として,平成 26 年 3 月 18 日に 算編成の状況により医療保険と併せて決定する 野中博委員長(東京都医師会長)から横倉会長へ こととなり,12 月 24 日に「介護保険サービスに 答申が行われた. 関する消費税の取扱い等に係る審議報告」として その他,今年度は,在宅医療を行う医師を支援 報告がまとめられた. するための「在宅医リーダー研修会」を平成 25 審議報告を受け,第 98 回(平成 26 年 1 月 15 年 7 月 28 日に開催した.なお,研修会を開催す 日開催)に,平成 26 年度介護報酬改定について るにあたり,テキストと DVD「かかりつけ医の 厚生労働大臣の諮問が示された.消費税率引き上 在宅医療 超高齢社会 ‒ 私たちのミッション」 げに対し,介護サービス施設・事業所に実質的な を作成した.その後, 各都道府県医師会において, 負担が生じないよう,消費税対応分を補填するた テキスト及び DVD を使用した同内容のカリキュ め,平成 26 年度に 0.63%の介護報酬改定を行う ラムの研修会が開催されている. こととし,それぞれの単位数が示され,諮問どお り報酬改定を行うことを答申した. 2.社会保障審議会介護給付費分科会 その他,平成 27 年度に予定されている介護報 今年度の介護給付費分科会においては,消費税 酬改定に向け,介護事業経営実態調査,平成 24 8%引き上げ時の介護報酬についての検討が行わ 年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係 れた. る調査,介護従事者の処遇状況等調査について検 第 95 回(平成 25 年 8 月 21 日開催)から,消 討が行われた.また,東日本大震災における特例 費税対応の検討が本格化した.介護給付費分科会 措置等については,被災地における訪問看護サー - 89 - ビスの特例として,一部市町村において人員基準 3.社会保障審議会介護保険部会 が常勤看護師等 1 人以上で保険給付を可能として いた措置を,現行利用者以外では終了する件など を議論した. 本部会は,平成 23 年 7 月の「社会保障・税一 体改革成案」を受け,平成 24 年度末より審議さ なお,今年度の介護給付費分科会の審議につい れてきたものであり, 平成 25 年 6 月に本部会の 「議 て,日程および主たる審議内容は下表の通りであ 論の整理」の結果を社会保障制度改革国民会議に る. 報告した.同年 8 月には社会保障制度改革国民会 議の報告書がとりまとめられるとともに, 「持続 主たる審議内容(議題) 可能な社会保障制度の確立を図るための改革の 推進に関する法律案」が国会に提出されたことを 第 93 回 平成 25 年 3 月 8 日 1.東日本大震災における特 例措置について 2.平成 25 年度介護事業経営 概況調査の実施について 心に審議を行った.今年度は 12 回におよぶ審議 第 94 回 平成 25 年 5 月 31 日 1.平成 24 年度介護従事者処 遇状況等調査の結果及び 平成 25 年調査の実施につ いて 2.平成 24 年度介護報酬改定 の効果検証及び調査研究 に係る調査(平成 24 年度 調査)の結果および平成 25 年度調査の進め方,実 施について 3.特別養護老人ホームの内 部留保について 回 数 日 程 第 95 回 平成 25 年 8 月 21 日 第 96 回 平成 25 年 9 月 11 日 受け,地域包括ケアの推進,予防給付の見直し, 低所得者の介護保険料の軽減等の検討項目を中 の末,平成 25 年 12 月 20 日に介護保険制度の見 直しに関する意見書としてとりまとめた. ⑴ 地域包括ケアシステムの構築に向けた地域 支援事業の見直し ①地域支援事業の包括的支援事業に在宅医療・ 介護連携の推進に係る事業の追加,②「認知症初 期集中支援チーム」や, 「認知症地域支援推進員」 1.東日本大震災における特 例措置について 2.介護保険サービスに関す る消費税の取扱い等につ いて 3.地域の自主性及び自立性 を高めるための改革の推 進を図るための関係法律 の整備に関する法律(第 3 次地方分権一括法)の成 立・公布に伴う基準省令 改正について の設置,③生活支援サービスコーディネーターの 配置について,平成 27 年度から市町村の準備期 間を考慮して順次実施することとし,平成 30 年 度には全ての市町村で実施することが明記され た.また,市町村の地域支援事業の包括的支援事 業の一環として,平成 27 年度より地域ケア会議 の実施を介護保険法に位置づけることが明記さ 1.平成 24 年度介護報酬改定 の効果検証及び調査研究 に係る調査(平成 24 年度 調査)の結果(最終報告) および平成 25 年度調査の 調査票案等について 1.平成 25 年度介護事業経営 概況調査の結果について 2.介護保険サービスに関す 第 97 回 平成 25 年 12 月 10 日 る消費税の取扱い等につ いて 3.平成 26 年度介護事業経営 実態調査の実施について 第 98 回 平成 26 年 1 月 15 日 1.平成 26 年度介護報酬改定 に係る諮問等について 第 99 回 平成 26 年 3 月 27 日 1.平成 25 年度介護従事者処 遇状況等調査の結果につ いて 2.平成 24 年度介護報酬改定 の効果検証及び調査研究 に係る調査(平成 25 年度 調査)の結果について(概 要)および平成 26 年度調 査の進め方,実施内容に ついて れた. 地域包括支援センターについては,人員体制を 業務量に応じた適切な配置にすることが必要で あること,また,地域の中で直営等基幹となるセ ンターや機能強化型のセンターの位置付けが必 要であること等が示された. ⑵ 地域支援事業の見直しに併せた予防給付の 見直し 介護予防訪問介護・通所介護サービスについ て,市町村が地域の実情に応じ,住民主体の取組 を含めた多様な主体による柔軟な取組により,効 果的かつ効率的にサービスを提供できるよう,地 域支援事業の形式に見直すことが必要であるこ とが明記された. ただし,議論の中では,抑制のみに着目すべき ではなく財源をしっかり確保すべき,削減ありき の議論で,サービスの質の低下を招かないように すべきなどの意見があった. - 90 - ⑶ 在宅サービスの見直し ② 利用者負担の見直しとして,第 1 号被保険 小規模の通所介護について,人員基準等の要件 者のうち,一定以上の所得のある者につい 緩和をした上で,通所介護(大規模型・通常規模 て,2 割の利用者負担とすることが必要であ 型)事業所や小規模多機能型居宅介護のサテライ るとされた. ト事業所に位置づけること,また,いわゆるお泊 ③ 補足給付の見直しでは,一定額以上の預貯 まりデイサービスはサービスの実態を利用者や 金等がある方を補足給付の対象外としてい くことについて明記された. 介護支援専門員に情報が提供される仕組みとす ④ 介護納付金の総報酬割については,これま ることが明記された. 居宅介護支援については,事業者の指定権限を での審議においても両論併記となっていた 都道府県から市町村に移譲することが適当であ が,今般の審議においても,後期高齢者医 ることや,実務研修受講試験の受講要件および研 療制度における後期高齢者支援金の全面総 修制度の見直し,主任介護支援専門員に更新制の 報酬割の検討状況も踏まえつつ,引き続き 導入等が必要であることが示された. 検討を行っていく必要があると明記された. また,これらには介護報酬改定等で対応すべき ものがあり,引き続き,社会保障審議会介護給付 平成 26 年 2 月,本部会の意見書に沿った介護 費分科会で議論を行っていく必要があることも 保険法の改正案は「地域における医療及び介護の 明記された. 総合的な確保を推進するための関係法律の整備 等に関する法律案」として閣議決定され,国会に ⑷ 施設サービス等の見直し 提出された. 今年度の介護保険部会の審議について,日程お 特別養護老人ホームについては,中重度の要介 護者を支える施設としての機能に重点化すべき よび主たる審議内容は下表の通りである. であり,入所者を要介護 3 以上に限定することが 適当であること,ただし要介護 1・2 の要介護者 であっても,やむを得ない事情による特例的な入 所を認める必要があることが明記された. 介護療養型医療施設の廃止方針については,介 護老人保健施設等への転換を着実に進め,計画的 回 数 日 程 第 43 回 平成 25 年 4 月 25 日 第 44 回 平成 25 年 5 月 15 日 市町村での体制整備,保険者 機能の関係について 制度関係について 第 45 回 平成 25 年 6 月 6 日 在宅サービスについて 施設サービス等について 介護人材の確保について 認知症施策について 第 46 回 平成 25 年 8 月 28 日 社会保障制度改革国民会議報 告書等について 地域包括ケアシステムの構築 に向けて 第 47 回 平成 25 年 9 月 4 日 生活支援・予防給付等について 認知症施策の推進について 介護人材の確保について 第 48 回 平成 25 年 9 月 18 日 在宅サービス関係について 施設サービス関係について 第 49 回 平成 25 年 9 月 25 日 低所得者の第 1 号保険料の軽 減強化について 一定以上所得がある者の利用 者負担について 補足給付について 第 50 回 平成 25 年 10 月 2 日 都市部の高齢化対策に関する 検討会報告について に平成 29 年度末への廃止に向けた対応を取るべ きとの意見があった一方で,医療ニーズを伴う要 介護高齢者の増加等から廃止時期を延期すべき との意見があった. 高齢者の住まいについては,有料老人ホームに 該当するサービス付き高齢者向け住宅について も,住所地特例の対象としていく必要があること が示された. ⑸ 介護サービス情報公表制度の見直し 地域包括支援センター,配食や見守り等の生活 支援の情報,介護プロフェッショナルキャリア段 位制度の情報,いわゆるお泊まりデイサービスに ついての情報公表も必要であるとされた. 主たる審議内容(議題) 社会保障制度改革国民会議の 議論について 第 51 回 平成 25 年 10 月 30 日 更に議論が必要な項目について ⑹ 費用負担の見直し ① 低所得者の 1 号保険料の軽減強化等とし て,所得段階別に原則として 6 段階設定と なっている 1 号保険料を細分化し,9 段階と することが必要であることが明記された. - 91 - 第 52 回 平成 25 年 11 月 14 日 更に議論が必要な項目について 第 53 回 平成 25 年 11 月 27 日 とりまとめに向けた議論 第 54 回 平成 25 年 12 月 20 日 介護保険制度の見直しに関す る意見(案)について た. 4.介護保険委員会 答申の主な内容は,以下のとおりである. はじめに 今年度は,平成 24 年 7 月 12 日に開催された第 1 回委員会において,横倉義武会長より諮問され 1.在宅医療ケアと地域づくり た「地域づくりでの地域医師会の役割」について, :地域におけるヘルスプロモーションと ソーシャルキャピタル 昨年度に引き続き 5 回の委員会を開催し,年度末 2.医療と介護の一体的推進 の答申作成に向けて鋭意検討を重ねた. 3.地域医師会等の役割 昨年度と同様の「審議テーマ」 (下記①②)を 中心に議論を進めるなかで,第 6 回と第 7 回では 4.後方支援と医療機関の役割 諮問事項の議論を進める参考として講演(内容は 5.かかりつけ医の役割 下記のとおり)を依頼した. 6.認知症対策について おわりに 審議テーマ ① 認知症に対する地域包括支援センターの 5.在宅医療連絡協議会 取り組みと,郡市区医師会等が積極的にか かわっている事例. 本協議会は,日本医師会が中心となって,我が ② 上記①の他に,在宅医療なども含めた,郡 国の在宅医療の方向性等を示すべく,平成 23 年 市区医師会等による地域づくり・町づくり 6 月に立ち上げられたもので,7 名の先生と本会 に関する(地域包括ケアを見据えた)取り 役員によって構成されている. 組み. 今年度は,下表のとおり,協議会 5 回( 「在宅 第6回 医リーダー研修会」を含む)と打合会 2 回が開催 講演「高齢社会に対応する地域包括ケアシ された. ステム構築を念頭においた公民産学 地域包括ケアの推進のためには,かかりつけ医 協働の政策形成と制度機能について 機能を担う地域医師会が在宅医療の拠点となっ …今後の介護保険の方向性…」 て,在宅医療と介護の連携を推進することが必要 【講師】東内京一氏(和光市保健福祉部長) であるとの考えから,日本医師会は,一般社団法 (代理)西山 隆氏(和光市北地域包括支援セ 人 全国在宅療養支援診療所連絡会 会長 新田國 ンター センター長) 夫先生(本協議会メンバー)に,在宅医療に携わ 第7回 る医師を支援するための研修会に使用する「かか 講演「地域づくりと認知症対策」 りつけ医機能充実のためのテキスト」の企画およ 【講師】玉井顯先生(敦賀温泉病院 理事長・ 院長) び DVD のシナリオの作成を依頼し,協議会内に 内容を検討する「打合会」を設置した.第 6 回, また,高杉敬久常任理事から,関連する外部審 第 7 回協議会では, 「打合会」で議論されたテキ 議会( 「社会保障審議会介護保険部会」 「社会保障 スト「かかりつけ医の在宅医療 超高齢社会−私 審議会介護給付費分科会」等)の審議状況が随時 たちのミッション(仮称) 」の内容について議論 報告され,委員からは,地域医師会等により積極 を行った.本協議会メンバー 7 名,役員 2 名と各 的に取り組まれている事例の紹介や,各地域で生 専門分野の 4 名を加えた 13 名によってテキスト じている課題も多く伝えられた. の執筆が分担され,その作成に着手した.同時に 以上の審議から,住民が暮らし慣れた地域で自 分らしい生活を継続していくために,より医療が 「第 1 回 在宅医リーダー研修会」の開催につい ての議論も行った. 適切に関わった在宅ケアとする『在宅医療ケア』 第 9 回,第 10 回協議会では, 「第 2 回 在宅医 の体制を推進することが,超高齢社会の “地域づ 療支援フォーラム」のテーマを「地域包括ケア体 くり” であり,諮問とされた「地域づくりでの地 制とかかりつけ医」とすることを決定した.この 域医師会の役割」であると捉え, 「地域包括ケア フォーラムの「基調講演」は田中 滋先生(慶應 システム」を確立するという国の方針を踏まえつ 義塾大学 名誉教授)に, 「教育講演」は水間正澄 つ,この 2 年間に委員から出された意見を集約し 先生(昭和大学医学部リハビリテーション医学講 て答申を作成し,平成 26 年 3 月 18 日に野中博委 座 教授)に, 先進的な事例紹介は北川 靖先生(京 員長(東京都医師会長)から横倉会長へ提出され 都府医師会 副会長) ,坂井健志先生(福井県坂井 - 92 - 地区医師会 理事) ,藤井 卓先生(長崎市医師会 都道府県医師会等において行われた「在宅医療の 副会長)に依頼した. 研 修 会 」 は,21 都 府 県(27 地 域 ) で, 修 了 者 なお,この在宅医療支援フォーラムは,都道府 1,258 名に対し,日本医師会長名の「修了証書」 県医師会や郡市区医師会において,在宅医療の推 を発行した. 「在宅医リーダー研修会」での修了 進のため地域で核になるリーダーとして実践し 者を含め,合計で 1,695 名となった. ていただける会員医師の参加者を募り,平成 26 7.在宅医療に関する調査研究等 年 5 月 18 日(日)に日本医師会館にて開催する ⑴ 松山市医師会の在宅医療に関する調査研究 予定である. 日本医師会は,地域医師会において在宅医療に 関し実践されている取り組みの現状と課題を把 「在宅医療連絡協議会および打合会」の開催日等一覧表 開催日 握し,今後,日本医師会が在宅医療の推進に関す 主な議題等 協 議 会 「第 1 回 在宅医リーダー研修 第 6 回 平成 25 年 5 月 8 日 会(仮称) 」の開催について る方向性を検討するための基礎資料作成を目的 「第 1 回 在宅医リーダー研修 会」について 第 7 回 平成 25 年 7 月 10 日 平成 25 年度 都道府県医師会で の研修会の開催および教材に ついて 携に取り組んでいる松山市医師会に「松山市医師 第 8 回 平成 25 年 7 月 28 日 「第 1 回 在宅医リーダー研修 会」 「福井県における定年齢認知症 検診の取り組みについて」 第 9 回 平成 25 年 10 月 30 日 (福井県 池端幸彦先生) 「第 2 回 在宅医療支援フォー ラム」の開催について 打 合 会 第10回 平成 26 年 1 月 15 日 「第 2 回 在宅医療支援フォー ラム」の開催について 第 1 回 平成 25 年 4 月 16 日 かかりつけ医機能充実のため のテキスト作成について 「かかりつけ医の在宅医療 超 高齢社会−私たちのミッショ 第 2 回 平成 25 年 6 月 26 日 ン(仮称) 」の企画・構成等 について として調査を行っている. 今年度は,地域医師会が主体となり地域医療連 会の在宅医療に関する調査研究」を依頼した. 本調査研究の主な内容は,松山市医師会会員へ の郵送アンケート調査およびインタビュー調査 とその分析,本調査研究・結果に付随した松山市 医師会の取り組み等である. 平成 26 年 3 月 31 日には, 松山市医師会から 「在 宅医療に関する各立場の意見交換会」の報告があ った.本調査研究は,平成 27 年 3 月 31 日まで行 われ,最終報告書の提出が予定されている. ⑵ 「認知症短期集中リハビリテーションに係る 医師研修会」テキストの企画・作成 日本医師会は,かかりつけ医が担う在宅医療に ついて理解を深めてもらうためのテキスト類を 作成し,都道府県医師会および地域医師会での研 6.第 1 回 日本医師会 在宅医リーダー 研修会 修会開催を支援するなどかかりつけ医機能強化 に努めてきた. 平成 25 年 7 月 28 日(日)に本会館大講堂にお また今年度は,認知症高齢者への早期段階から いて実施された「第 1 回 日本医師会 在宅医リ の対応も求められていることに鑑み,日本医師会 ーダー研修会」の受講者(講師等含む)は,437 や日本医師会が指定する都道府県医師会が実施 名に達し,研修会終了後,日本医師会長名の「修 する認知症短期集中リハビリテーションに係る 了証書」を発行した.この研修会当日の映像は, 医師研修会の企画を行い,独立行政法人 国立長 日医ホームページで公開されている. 寿医療研究センターに,本研修会に使用するテキ また,平成 25 年 8 月〜平成 26 年 3 月までに, ストの作成を依頼した. - 93 - 於 福岡県医師会館 Ⅹ.医事法・医療安全課関係事項 ・3 月 20 日 北海道医師会 於 東京ドームホテル札幌 ・5 月 19 日 近畿医師会連合 1.医事法関係検討委員会 於 奈良県医師会館 同 中国四国医師会連合 本委員会は,弁護士 4 名の専門委員を含む 15 於 リーガロイヤルホテル広島 名の委員(委員長;鈴木勝彦静岡県医師会長)で ・7 月 13 日 東北医師会連合 構成されている.今年度は,24 年度に引き続き, 於 仙台市医師会館 横倉会長から諮問された「医療基本法(仮称)の ・8 月 10 日 中部医師会連合 制定に向けた医事法制の検討」について,5 回の 於 愛知県医師会館 委員会および 2 回の小委員会を開催し検討を重ね ・9 月 21 日 関東甲信越ブロック医師会 た. 於 パレスホテル大宮 本委員会では,平成 19 年度から 3 期にわたり, ・9 月 28 日 中国四国医師会連合 医師・患者関係の法的問題を議論する中で,いわ ゆる「医療基本法」の必要性について言及し,平 於 リーガロイヤルホテル広島 成 24 年 3 月の報告書では具体的な法律案も提示 また,4 月 17 日には, 「医療基本法(仮称)に 関する都道府県医師会担当理事連絡協議会」を日 した. 今期は,全国のブロック医師会で開催した,後 本医師会館にて開催した. 述の「医療基本法(仮称)制定に関するシンポジ 3.診療に関する相談事業 ウム」において寄せられた意見や,他団体等との 意見交換で得られた論点を中心に,法律案の精査 日本医師会「診療に関する相談事業運営指針」 をおこない,26 年 3 月に「医療基本法の制定に にもとづき,全ての都道府県医師会および一部の 向けた具体的提言(最終報告) 」をまとめ,横倉 郡市区医師会に設置されている「診療に関する相 会長に答申した.同最終報告の中には, 「医療基 談窓口」には,診療情報の提供,個人情報保護に 本法(仮称)案」も提示されている. 関する問題ばかりでなく,医療全般にかかわるさ まざまな相談・苦情が寄せられてきている.これ 2.医療基本法(仮称)制定に関する シンポジウム らの相談事案は,各都道府県医師会等において適 切に対応されたのち,その相談内容および対応の 医療に関する基本法の必要性について,日本医 師会では,昭和 43 年に公表した「医療基本法第 概要が月ごとにまとめられ,日本医師会に報告さ れることになっている. 一草案」および平成 24 年 3 月に纏められた医事 平成 25 年 1 月から同年 12 月末までの間に,各 法関係検討委員会報告書においても一貫して述 都道府県医師会から寄せられた報告をもとに日 べているところである.近年,患者の権利法制定 本医師会が集計した相談事例は,総数 154 件で, をめざす市民団体や医療政策研究グループ等に そ の 内 訳 は, 診 療 内 容 に 関 す る も の が 114 件 より,この問題に関するシンポジウムが各所で開 (74.0 %) , 診 療 情 報 提 供 に 関 す る も の が 29 件 催されているなかで,日本医師会としても 24 年 (18.8%) , その他が 11 件(7.1%)であった.また, 12 月に,医療基本法の制定をめざす表題のシン 平成 12 年 1 月の窓口設置以来の累計では,総数 ポジウムを開催した. 19,897 件,その内訳は,診療内容に関するもの その後,本問題に対する議論を広く医療関係 9,533 件,診療情報提供に関するもの 1,372 件,両 者,一般市民と共有し深化させるため,医師会主 方に関するもの 73 件,その他 8,919 件であった. 導による同種の取り組みを全国で開催すること また,都道府県医師会等に設置されている「診 が必要と考え,日本医師会と各ブロック医師会の 療に関する相談窓口」に寄せられた事例で診療情 共催により, 標記シンポジウムを各地で開催した. 報の提供に関する案件については,窓口での解決 平成 25 年内に開催されたシンポジウムは下記の が困難な場合,各都道府県医師会の「診療情報提 とおりである(一部 24 年度会務報告書の再掲を 供推進委員会」の審議に諮られ,そこでも解決に 含む) . 至らなかったものについては,日本医師会に設置 ・2 月 9 日 九州医師会連合 された「診療情報提供推進委員会」に諮られるし - 94 - また,東日本大震災の教訓も踏まえ,一人でも くみになっているが,今年度中に,本委員会に付 多くの医師が正確な死体検案を日常からおこな 託された案件はなかった. うことができる環境を整えるため,昨年度に引き 4.医療事故調査に関する検討委員会 (プロジェクト) 続き,平成 26 年 2 月 27 日,死体検案研修会を日 本医師会館で開催した.今後は,従来,国立保健 本委員会は,いわゆる医療事故調査制度の枠組 医療科学院において開催されてきた,より専門的 みについて,前期委員会による提案等を踏まえ, な死体検案研修についても,本会が厚生労働省か 他の医療関係団体とも問題意識を共有しつつ日 らの委託を受けて実施する予定であり,日本医師 本医師会としての提言をとりまとめることを目 会として検案研修にかかる体制の充実に取り組 的に,平成 24 年 12 月に新たに設置された(委員 む方針である. 長:寺岡暉寺岡記念病院理事長) .今期の委員会 さらに,各地の警察に協力して検視の立ち会 では,全国の会員および医療界全体の意見を集約 い,検案等の活動をおこなう医師の支援を充実さ した案を完成させるために,委員構成は,各ブロ せるための取り組みも,これまで日本警察医会と ック医師会,全国医学部長病院長会議,四病院団 の連携のもとに継続してきたが,同会は平成 26 体協議会等の代表を中心に組織し,あるべき医療 年 3 月末をもって発展的に解散することが決定さ 事故調査制度につき,平成 25 年 3 月までに 3 回 れ,日本医師会では平成 26 年度より各都道府県 の委員会を開催し,その後も随時メール等で意見 医師会ごとに警察に協力する医師の部会を設置 交換を重ね,同年 6 月に「医療事故調査制度の実 し,これらの連絡協議会および学術集会を開催す 現に向けた具体的方策」と題する報告書を横倉会 ること等を予定している.平成 25 年 10 月 9 日に 長に答申した. は,都道府県医師会検案担当理事連絡協議会を開 報告書は,医療事故調査制度の趣旨と考え方, 催し,計画の概要を説明した. 院内および地方と中央の事故調査体制のあり方, 6.死亡時画像診断の普及に向けた取り組み 医師法 21 条などについての見解をまとめたもの であり,その要点は, 死亡時画像診断(Ai)が正確かつ効率的な死 ・院内医療事故調査をすべての医療機関で徹 底すること 因究明に有用な手段であることについては,本会 ではすでに三期にわたる会内委員会の報告書に ・各都道府県に医師会,大学病院,医療団体 等による第三者機関を設置すること おいて指摘し,また,その費用を原則として国費 で賄うべきであることも提言している.死亡時画 ・さらなる医学的調査,再発防止策の策定を おこなう組織を中央に設置すること 像診断の社会への有効な活用とそのための課題 の整理などを目的とした Ai 学術シンポジウムは, ・医師法21条の改正,業務上過失致死傷罪の 平成 23 年以来,毎年時宜に適ったテーマのもと あり方については引き続き検討すべきこと に開催しており,今年度も,本会ほか 7 団体(日 ・第三者機関から警察への通報はおこなわな 本医学放射線学会,日本小児科学会,日本救急医 いこと 学会,Ai 学会,日本警察医会,日本診療放射線 等の諸点である. 技師会)の共同主催により「死因究明推進二法と Ai の活用」をテーマに平成 25 年 12 月 21 日に日 5.死因究明・死体検案体制の整備に関する 取り組み 本医師会館で開催した. また,平成 26 年 1 月 11 日,12 日には,2 日間 平成 24 年 6 月のいわゆる死因究明二法の制定 の日程で日本医師会館を会場に死亡時画像診断 に伴い,内閣府に死因究明等推進会議および死因 (Ai)研修会を,日本医師会,日本診療放射線技 究明等推進計画検討会が設置され,本会では昨年 師会,Ai 学会,日本医学放射線学会,日本救急 度に引き続き,国民の誰もが等しく正確な死因調 医学会, 日本警察医会の共同主催により開催した. 査を受けられる体制が整備されるよう,同検討会 同研修会は厚生労働省の「死亡時画像読影技術等 において積極的な提言をおこなった.また,同検 向上研修委託事業」の委託費を受けて実施したも 討会および死因究明体制全般にわたる対応を適 ので,医師 61 名,診療放射線技師 111 名の参加 切におこなうため,会内の「死因究明推進二法検 があった. 討会」を引き続き参集した. - 95 - 〈講習会概要〉 7.医療安全対策委員会 平成 25 年 10 月 6 日(日)13:00 〜 17:00 (日医会館大講堂) 本委員会は,医療事故を未然に防止し,患者の 安全確保と医療の質向上を図るための方策を検 司会:高杉敬久(日本医師会常任理事) 討することを目的として平成 9 年に設置された. 『 「安全」そして「質」へ〜さらなる取り組み に向けての今後の課題〜』 今期は,都道府県医師会役員 10 名を含む全 12 【鮎澤純子(九州大学大学院医学研究院 名の委員(委員長;北原光夫農林中央金庫健康管 医療経営・管理学講座 准教授) 】 理室長)により構成され,平成 24 年 7 月「成果 『 「医療版失敗学」のすすめ』 が見える医療安全を目指して」という会長諮問を 【濱口哲也(東京大学大学院工学系研究 受けた.昨年度に引き続き本年度も 5 回の委員会 を開催し, 各委員の所属する地域で目標を設定し, 科 機械工学専攻社会連携講座 特任 実践に取り組み,検討を重ねた. 「採血時の事故 教授) 】 『医療に必要なノンテクニカルスキル〜安全 予防」 「感染予防対策」 「予防接種安全対策」等, マネジメントの立場から〜』 各委員が所属する都道府県医師会における医療 【小松原明哲(早稲田大学理工学術院創造 安全に対する取組に加え,可視化に向けての今後 理工学部 経営システム工学科 教授) 】 の課題を最後にまとめ,平成 25 年 12 月に横倉会 『医療メディエーションが拓く新しい医療文化』 長へ答申した. 【和田仁孝(早稲田大学大学院法務研究 8.医療安全推進者養成講座 科 教授) 】 医療安全推進者養成講座は,医療事故や医療事 故・紛争の背後にある本質的な問題に適切に対処 25 年度の受講者数は 417 名,修了者数は 388 できる人材を育成・養成することによって,医療 名(修了率 93.0%)であった.また,26 年度の 関係機関の組織的な安全管理体制の推進を図る 受講者については,2 月 10 日から募集を開始し, ことを目的としている.平成 13 年 2 月に開講, 3 月 14 日に締め切った. 平成 25 年度には 13 期目を迎えた. 9.医療事故防止研修会 平成 18 年度より e-learning 形式による学習方 法とし,講座受講者専用のホームページ上に掲載 今期の医療安全対策委員会(前掲)では,諮問 されたテキストを参考に,同じく掲載された演習 「成果が見える医療安全を目指して」を受けて, 問題に解答し,この演習問題を 6 割以上正答する 委員全員が各地でさまざまな取り組みを実施し ことを修了要件としている.なお平成 25 年度か た.この取り組みの成果を踏まえて, 今年度の 「医 ら,年 1 回の講習会に参加すること,もしくは欠 療事故防止研修会」では,医療安全対策委員会の 席の場合には,動画を視聴し期限内にレポートを 答申報告を兼ね,各委員の地元での活動を発表す 提出することも修了要件に追加されている.修了 ることとし,平成 26 年 1 月 19 日,日本医師会館 要件を全て満たした受講者には会長名で 「修了証」 において開催した. を発行する. 教科名と講習会概要は以下のとおりである. 本研修会の対象者は,①都道府県医師会医療安 全担当理事,②出席希望の医師会会員,③医師会 事務局,④現在,医療機関に従事している方,と 〈教科名〉 設定した. 第 1 教科 医療安全対策概論 参加者は 195 名(内訳:担当理事 37 名,一般 第 2 教科 Fitness to Practice 論 158 名) . 第 3 教科 事故防止職場環境論 〈プログラム〉 第 4 教科 具体事例から学ぶ医療事故対応 第 1 部『無床診療所における医療安全管理体制 第 5 教科 医療事故の分析手法論 の整備と院内感染対策体制の徹底』 第 6 教科 医療施設整備管理論 【小原紀彰(岩手県医師会副会長) 】 第 7 教科 医療安全と医療経営 第 2 部『医療安全報告件数の経年的推移につい 第 8 教科 医事法学概論 て』 第 9 教科 医療現場におけるコーチング術 【川原裕一(鹿児島県医師会常任理事) 】 - 96 - 第 3 部『医療管理体制に関するアンケート調査 営を担当している. 今年度はコンテンツを見直し, サイトリニューアルを行った. 結果』 医療安全推進者ネットワーク(Medsafe.Net) 【岡 治道(埼玉県医師会常任理事) 】 の URL;http://www.medsafe.net 第 4 部『予防接種間違いの報告制度』 【阿南茂啓(大分県医師会常任理事) 】 11.医療対話推進者養成セミナーの開講 第 5 部『採血時の神経損傷に対するリスクマネ ージメント:現状と今後の展望』 昨今の複雑な医療現場の状況を通じ,医療関係 【小林弘幸(東京都医師会理事) 】 者と患者の橋渡しとなるような能力をもった人 第 6 部『静脈採血時の神経損傷削減・白内障手 術時のタイムアウト実施状況』 材を育てることの重要性に鑑み,本会における初 の試みとして,既に実績のある日本医療機能評価 【今川俊一郎・吉田博(愛媛県医師会 常任理事) 】 機構との共催により「医療対話推進者養成セミナ ー」導入編・基礎編を開催した.平成 26 年度も, 第 7 部『愛知県医師会における医療安全対策の 取り組み』 医療対話推進者の人材育成と能力開発のための セミナーの開催に積極的に取り組む予定である. 【細川秀一(愛知県医師会理事) 】 プログラム等概要は以下の通り. 第 8 部『兵庫県医師会インシデント・アクシデ ントレポート事業−医療安全・会員 〈導入編〉 間ピアレビューに向けて−』 日 時:平 成 26 年 1 月 10 日( 金 )12:50 〜 【西田芳矢(兵庫県医師会副会長) 】 18:10 第 9 部『医療安全推進指導者講習会修了者に対 場 所:日本医師会館 大講堂 するアンケート調査』 参加者:211 名 【齋田幸次(大阪府医師会理事) 】 プログラム: 第10部『診療所における院内感染予防対策につ 講義(医療概論) いて』 病院取り組み事例 【水谷匡宏(北海道医師会常任理事) 】 患者・家族の思い 第11部『医療事故情報等の収集・分析手法につ 総論(患者対応と医療メディエーション) いて』 【後 信 (日本医療機能評価機構理事) 】 〈基礎編〉 第12部 総合討論 場 所:日本医師会館 小講堂 座 長:高杉敬久・北原光夫 参加者:30 名 プログラム: 10.医療安全推進者ネットワーク (Medsafe.Net) 1 日目:平 成 26 年 2 月 12 日( 水 )9:30 〜 17:30 本ネットワークは, 平成 14 年 3 月に開設された, オリエンテーション 医療安全に関するインターネット上の情報提供 院内実践例の検討 サイトであり, 主に以下の内容を目的としている. 対話とは何か ・日本医師会医療安全推進者養成講座修了者 IPI 展開の基礎 導入ロールプレイ 等への継続的な情報提供 ・医療の安全管理に従事する者が,継続的に 情報収集や情報の発信ができるIT化時代に 2 日目:平 成 26 年 2 月 13 日( 木 )9:00 〜 17:00 アイスブレーク 対応した環境の整備 ・自主的に専門分野の学習ができる機会の提供 1 日目の振り返り 本ネットワークは,発足当初,会員制をとり, Mediation Tips 会員限定のサイトであったが, 平成 20 年 4 月から, ロールプレイ 医師並びにその他の医療従事者,および国民へ向 アイスブレーク け,広く医療安全に資するための情報を発信する ロールプレイ ことを目的とし,オープン化し,以後,当課が運 患者対応の組織体制 - 97 - 誌による蒐集作業を引き続き行った. ロールプレイ また,本課所管業務に関し,図書・雑誌・新聞 まとめ 等の資料の蒐集ならびに整備作業を行った. 12.照会事項の処理 14.電力確保対策 医師法,診療情報の提供,患者の個人情報保護, その他の法律問題,および医療安全対策に関する 照会事項を取り扱った. 本会では,5 〜 6 月にかけて,電気事業連合会 その他電力事業者と打ち合わせる機会を設け,今 夏の対策がどのようなデータに基づき決定され 13.判例・文献等の蒐集作業 たのか説明を求めるとともに,新たなセーフティ 医師法・医療法・社会保障関係法および医療関 係者をめぐる刑事・民事事件に関する最高裁なら ネットなどあらゆる対策を講じることなどにつ いての要請をおこなった. びに下級審の新判例について,公刊された法律雑 - 98 - 13 年目の運営を行っている. Ⅺ.医賠責対策課関係事項 特約保険は,基本契約である日医医賠責保 険への任意加入の上乗せ保険であり,A 会員 が特約保険に加入することで,A 会員以外に 1. 「日本医師会医師賠償責任保険(含む, 特約保険) 」の制度運営 関与した他の医師や法人固有の責任部分を本 保険から支払うことになり,A 会員の開設者・ 管理者責任や高額賠償事例にも対応できる補 ⑴ 日本医師会医師賠償責任保険(以下,日医医 償を得られることとなる. 賠責保険)制度は,国民医療に関して学術責任 を負う日本医師会が自ら行う事業として昭和 本年度は,既加入 A 会員の自動継続対応と 48 年 7 月に発足以来 41 年目をむかえ,本制度 平成 25 年 7 月 1 日からの新規加入会員の受付 の運用を通じて,全国の日医 A ①会員,A ② および中途加入・変更・脱退への対応を実施し 会員(B)および A ②会員(C)の医療事故紛 た. 争(以下,医事紛争)の適正な対応に努めてい 2.都道府県医師会医事紛争担当 理事連絡協議会 る. 各都道府県医師会より付託される個別の事 案については,医賠責対策課が窓口となり,担 医事紛争に適正・円滑に対応するために,日医 当役員とともに保険者および調査委員会の間 と都道府県医師会が緊密に連繋をとることにつ にあって,医学専門家や法律家の意見をとりま いては,上記 1 の⑷のとおりであるが,加えて本 とめ,各都道府県医師会と緊密な連携をとりな 年度は,平成 25 年 12 月 12 日(木)に本連絡協 がら,事案の解決に当たっている. 議会を開催した. ⑵ 平成 25 年 4 月 1 日から平成 26 年 3 月 31 日 連絡協議会では, までに,344 件(含む再審査 8 件)の医事紛争 ⑴ 日医医賠責保険の運営に関する経過報告 事案を,調査委員会を経て賠償責任審査会に上 ⑵ 「都道府県医師会からの医療事故紛争対策 程した.それらの事案については,同審査会か と活動状況の報告」を主題に,福島,香川, らの回答に基づいて調査委員会で紛争処理方 福岡の 3 県医師会から活動状況の報告 針が決定され,その内容に沿って調査委員会, ⑶ 医賠責保険制度における「指導・改善委員 日本医師会,都道府県医師会の三者による対応 会」設置について が行われている. ⑷ 質疑応答 ⑶ 調査委員会は,委員 27 名(医師 18 名,弁護 等を議題に行った. 士 6 名,保険者 3 名)によって,毎月 3 回ない なお,3 県からの活動状況の報告では,医療事 し 4 回開かれ,各事案につき詳細な調査・検討 故紛争対策や医療安全対策,特に医事紛争発生時 を行っている. の対応など具体的な取組み例の紹介と今後の課 また,調査委員会の小委員会(以下,小委 題などが披露された.全体質疑では「医療事故調 員会)を原則として毎週 2 回開催し,個別事案 査制度」についての質問があり,高杉常任理事よ への対応実務の打合せを行い,迅速な対応に努 り説明と回答を行った.また,日医保険制度の内 めている. 容の確認や要望をいただき,活発で十分な意見交 平成 25 年 4 月 1 日から平成 26 年 3 月 31 日 換が行われた. までに,調査委員会を 37 回,小委員会を 54 回 3.医賠責保険制度における「指導・ 改善委員会」の取り組み 開催した. ⑷ 紛争処理を円滑にするためには,日医と都道 府県医師会の連繋が不可欠であり,ブロック単 ⑴ 平成 25 年 2 月に「会員の倫理・資質向上委 位,都道府県医師会単位で開催される医事紛争 員会」から提出された,中間答申の「医療事故 の研究会等に,本会担当役員および関係者が可 を繰り返す医師に対する(仮称)指導・改善委 能な限り参加した.また,都道府県医師会担当 員会」の設置について」の中で,日医の果たす 役員およびその関係者と日医で個別の事案に べき役割として,医療事故を繰り返す医師に対 つき検討を加えることも,都度行った. して,指導・改善にあたることが求められたこ ⑸ 日医医賠責特約保険は,平成 25 年 7 月から - 99 - とを受けて,平成 25 年 6 月の理事会で「医賠 責保険制度における『指導・改善委員会』 」設 精査・検討し, 「問題のある医師」の判定と指 置が承認され,8 月より活動を開始した. 導内容について報告を行い,会長より各都道府 県医師会を通じ,会員に対して指導・改善を求 ⑵ 問題となる医師の判定にあたっては客観的 めている. な基準を定め,毎月行われる賠償責任審査会で 有・無責を判定された事案について調査委員会 ⑶「指導・改善委員会」は平成 25 年 8 月 1 日〜 で検討を行った後に会長宛報告を行っている. 平成 26 年 3 月 31 日までに 3 回開催し,3 名の 会長より諮問を受けた「指導・改善委員会」で 会員が指導・改善の対象となった. - 100 - 2.医療政策シンポジウム Ⅻ.総合医療政策課関係事項 「高齢社会と医療の未来を考える」をテーマと し,2014 年 3 月 13 日に開催した. 1.医療政策会議 医療政策会議は,国民医療に関わる重要な政策 テーマを検討する中枢的な諮問機関として位置 づけられている.平成 25 年度は,前年度に引き 日時 テーマ 続き,田中滋議長,大久保吉修副議長ほか委員 15 名および日医役員による構成で,横倉義武会 長からの諮問「日本における社会保障のあり方− 欧州の社会保障の比較・検証から−」を審議する 講演 ため会議を 5 回開催し,権丈善一委員「社会保障 制度改革国民会議を取り巻く歴史的環境」 ,田中 滋議長「社会保障制度の歴史と意義」 ,桐野髙明 委員「公的医療のあり方−国立病院機構の現状か ら−」 ,堀田聰子独立行政法人労働政策研究・研 平成 26 年 3 月 13 日(木)13:00 〜 17:00 日本医師会館 大講堂 「高齢社会と医療の未来を考える」 司会・座長:中川俊男副会長・石川広己常任理事 講演Ⅰ「報道されないオバマケアの真実と日本医 療の選択」 堤 未果(ジャーナリスト・作家) 講演Ⅱ「 『混合診療』の全面解禁は国民に利益をも たらすか?」 関岡英之(ノンフィクション作家・評論家) 講演Ⅲ「日本の医療とその財源確保策」 土居丈朗(慶応義塾大学教授) 講演Ⅳ「社会保障改革の動向とこれからの医療」 中村秀一(内閣官房社会保障改革担当室長) パネルディス「高齢社会と医療の未来を考える」 カッション パネリストは上記 4 名の講演者と横倉義武会長 修機構研究員「多職種協働プライマリ・ケア重視 のオランダのケア提供体制−我が国における地 3.医療政策関係 域包括ケア提供体制充実に向けて」 の講演を行い, ⑴ 社会保障制度改革国民会議 議論が交わされた. また,諮問に対する報告書を作成するために, 社会保障制度改革推進法に基づき,社会保障制 田中滋議長,桐野髙明委員,権丈善一委員,二木 度改革を行うために必要な事項を審議するため, 立委員,松田晋哉委員による小委員会を構成し, 内閣府に社会保障制度改革国民会議が設置され, 2 回にわたって検討を重ねた.報告書は,諮問に 2013 年 2 月〜 4 月にかけて,関係団体からのヒ 応じてそれぞれの専門分野で分担執筆を担当し, アリングが行われた.2013 年 3 月 27 日開催の第 田中議長がとりまとめを行った.報告書は, 「は 7 回会合には今村聡副会長がオブサーバーとし じめに」 , 「第 1 章 医療・介護の一体改革,2025 て,4 月 19 日開催の第 9 回会合には横倉義武会 年をめざして−医療専門職集団に求められてい 長が出席し,日本の医療制度のあり方について意 るもの−」 , 「第 2 章 社会保障制度の本質機能− 見表明を行った.第 9 回会合のヒアリングでは, 歴史から学ぶ−」 , 「第 3 章 ヨーロッパにおける 「医療提供体制の改革〜かかりつけ医を中心とし 近年の医療制度改革の動向−イギリス・フランス・ た「切れ目のない医療・介護」の提供〜」 , 「生涯 オランダを中心に−」 , 「おわりに」で構成され, 保健事業の体系化」 , 「医師不足・偏在解消」 , 「収 本文以降は講演録を掲載している.本文では,社 入に応じた負担の公平化」の 4 点について,日本 会保障制度が,地縁血縁が薄れた現代社会で,時 医師会の考え方を説明した. の為政者の思想によって安易に左右すべき性質 のものではなく,堤防を好みによって崩したり作 ⑵ 今後の経済財政動向等についての集中点検 ったりするような改変が意味をなさないことと 会合 全く同じであることが明示され,欧州における政 社会保障・税一体改革の一環として行われる消 策をも踏まえつつ,我が国の社会保障制度を時代 費税率引上げについて,有識者・専門家の意見を に合わせ,さらには時代を先取りして構築してい 聴収するために,内閣府・経済財政諮問会議の下 くにあたり,日本医師会がこれまで以上に力を発 に設置された「今後の経済財政動向等についての 揮し,貢献する姿を期待するとしている. 集中点検会合」が開催され,2013 年 8 月 28 日に 報告書は,会議での承認を受け,平成 26 年 3 月 19 日に田中議長より横倉会長に手交された. 開催された第 3 回会合では,横倉義武会長が出席 した. ヒアリングにおいては,社会保障と経済は互い を支え合う相互作用の関係にあることから,社会 - 101 - 保障と税の一体改革を成し遂げる重要性を強調 また,一般用検査薬を用いた自己検査普及につ した上で,消費税率の引き上げについては,医療 いては,国民が自らの健康管理の意識を高めるの の充実に充てられることと,医療機関の消費税負 は当然であるが,セルフケアに一般用検査薬を活 担の問題が解決されることを前提として賛意を 用することが, 「特定健康診査」 「がん検診」 「事 示した. 業主健診」といった,国が進めている国民の健康 増進の取り組みの妨げになってはならないと指 摘した. ⑶ 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉会合 第 19 回環太平洋経済連携協定(TPP)交渉会 〈規制改革会議によるヒアリング日程〉 合が,2013 年 8 月にブルネイのバンダル・スリ・ 2013 年 10 月 24 日 ブガワンで開催され,ステークホルダーとして羽 第 18 回 規制改革会議「保険外併用療養の拡大 生田俊副会長らが出席した. に係る考え方」 ブルネイ政府主催ステークホルダー会合は, 「知的財産」と「投資, 物品市場アクセス, その他」 2013 年 11 月 28 日 規制改革会議・公開ディスカッション「保険診 の 2 つに別れて同時に開催された.その後,各国 療と保険外診療の併用療養制度」 首席交渉官との対話の場が設けられ,バーバラ・ 2014 年 1 月 30 日 ワイゼル米国首席交渉官と意見交換を行った. 規制改革会議 第 16 回 健康・医療ワーキング・ 併せて,交渉会合中,日本政府によるステーク ホルダーへの説明会が開催され,政府より会合の グループ「セルフケア領域に適する医療用検査 薬等の見直しについて」 進捗状況や今後のスケジュールについての報告 ⑸ 健康・医療戦略推進本部 健康・医療戦略参 を受け,意見交換を行った. 与会合 さらに,自由民主党 TPP 交渉派遣議員団結果 横倉義武会長が, 2013 年 12 月 2 日付けで 「健康・ 報告会に臨席し,団体あいさつ,意見交換を行っ た. 医療戦略推進本部」参与に任命された.2013 年 〈主な日程〉 12 月 5 日に開催された第 5 回会合では,日本医 8 月 27 日 ブルネイ政府主催ステークホルダー 師会治験促進センターの活動や日本医学会の紹 介,日医の取り組み等について説明を行った. 会合 8 月 28 日 第 2 回日本政府によるステークホル 2014 年 3 月 31 日開催の第 6 回会合では,ノバル ティス社の臨床研究不正,STAP 細胞の論文問題 ダーへの説明会 8 月 29 日 第 3 回日本政府によるステークホル 等,日本の臨床研究の信頼性を損ねる事件が相次 いで発生していることを取り上げ,新たに設けら ダーへの説明会 8 月 30 日 自由民主党 TPP 交渉派遣議員団結果 れる日本医療研究開発機構に, 信頼回復のために, 公的資金に基づく研究の監査機能と臨床研究に 報告会 携わる研究者の基礎教育や研究倫理の指導を行 う機能を位置付けるように求めた. ⑷ 規制改革会議 内閣府に設置された規制改革会議に,今村聡副 会長が 2013 年 10 月から 2014 年 1 月まで 3 回に ⑹ 2014 年度予算編成 わたって出席し, 「改革は国民の健康に寄与する 2014 年度診療報酬改定に向けて,2013 年 10 月 ことを目的とすべき」との日本医師会の基本的な 23 日の定例記者会見で, 「財務省『社会保障②(平 考え方を説明した上で,国民医療に直接影響する 成 26 年度予算編成の課題等) 』について」を発表 医療本体への規制緩和はすべきでないと主張し し,財務省論点の問題点を論理的に指摘した. また,11 月 20 日定例記者会見で,改定の基礎 た. 保険外併用療養については,安全性の問題,国 の財政的な問題,公的医療保険の給付範囲が縮小 資料となる医療経済実態調査と TKC 医業経営指 標について,それぞれ分析を公開した. される懸念の 3 つの理由から,保険導入を目指し 次に,11 月 27 日定例記者会見で「来年度予算 た評価途上の技術を保険適用につなぐための過 確定に向けた次期診療報酬改定に対する日医の 渡的な取り扱いとすべきであって,拙速な拡大に 見解」を示した.その上で,12 月 4 日の定例記 は反対することを表明した. 者会見では,横倉会長が「財政審の建議に対する - 102 - 診療報酬プラス改定」 の必要性を改めて強調した. その間,関係国会議員に対して,十分な財源の 算の「概算要求」に対し,日本医師会としての要 望を行うための会内とりまとめを行っている. 平成 26 年度概算要求については,総務担当役 確保を強く求めていくよう, 精力的に陳情を行った. 改定率決定直後の 12 月 20 日には,プレスリリ 員を中心に文案を作成し,執行部の精査を経て ースとして「平成 26 年度診療報酬改定財源決定 2013 年 5 月 7 日の第 4 回常任理事会で決定した. 「平成 26 年度予算 概算要求に向けての要望書」 にあたって」を迅速に発表した. 最後に,12 月 25 日の定例記者会見で平成 26 として,横倉会長をはじめ関係役員が,厚生労働 年度診療報酬改定財源決定に当たっての日医の 大臣・関係大臣等へ手交し,国会議員および所管 見解を発表,総括した. 官庁への陳情を行なった. 4.日本医師会 概算要求要望書のとりまとめ 例年,各省庁より財務省へ提出される次年度予 - 103 - 推移した.なお,外国債券は全て為替ヘッジ付き ⅩⅢ.年金・税制課関係事項 である.全体の運用利回りは,当期は+ 14.3%と なった.運用利回りの向上を目指し,運用体制の 一層の改善を検討している. 1.日本医師会年金 ②平成 26 年度 医師年金事業予算 本委員会が了承,理事会で議決承認された. 日本医師会の事業として運営する日本医師会 年金(医師年金)は,医師のための年金制度とし ③脱退一時金の適用利率 第 46 期(平成 25 年 10 月〜平成 26 年 9 月)の て,医師特有の就業形態に合わせた多くの特徴を 有している.昭和 43 年 (1968 年) の制度発足以来, 脱退一時金適用利率を普通預金金利の 0.02%にす 経済・社会情勢に合わせ,着実な発展を遂げ,医 ることを本委員会が了承し,理事会に報告した. 師とその家族の生涯設計・福祉向上に多大な貢献 ⑵ 生涯設計委員会 を果たしている. 医師年金は平成 25 年 9 月 30 日現在,制度加入 生涯設計委員会は委員長以下,学識経験者及び 者合計は 41,884 名で,うち加入者は 18,841 名(本 年金数理専門家等 5 名の委員により構成され,年 年度の新規加入者は 588 名) ,受給者は 23,043 名 金の専門的検討機関として,制度設計,財政計画, (本年度の受給権取得者は 1,068 名)である.年 年金資産の運用管理などの専門的な検討を行い, 金資産残高は 4,522 億円(時価)であり,私的年 年金委員会に助言する. 本年度は,平成 25 年 4 月 19 日から平成 26 年 金としてはわが国最大規模の一つである. 医師年金の意思決定・合意形成システムとして 1 月 22 日まで計 4 回の委員会を開催し,専門的 は,年金の専門的検討機関である「生涯設計委員 な見地から医師年金制度に関する諸問題につい 会」 (プロジェクト委員会)が助言を行い, 「年金 て分析・検討を行った. 委員会」が了承し, 「理事会」で承認を行うこと になっている.さらに,年金規程を変更する場合 ⑶ 医師年金普及推進活動 日本医師会年金は,昨年 4 月より認可特定保険 は, 「代議員会」に報告を行っている. 業として再スタートした.事業継続が可能となっ たことにより,標記活動を下記のとおり積極的に ⑴ 年金委員会 年金委員会は日医役員 4 名,日本医学会会長 1 展開した結果,本年 3 月までの 1 年間で,534 名 名,同副会長 1 名,学識経験者 3 名,加入者代表 の新規申込み,および 887 件の保険料増額を受け 8 名で構成され,委員長には日医副会長が就任し 付けた. ①医師年金未加入会員宛に加入案内のダイレ ている.委員会は日医会長諮問に応じて,①財政 クトメールを発送した. 計画および決算の適否,②規程および施行細則の ②医師年金既加入会員宛に保険料増額案内の 改廃・疑義の解釈,③その他制度の運営の適正を ダイレクトメールを発送した. 図るために必要と認められる事項について,審議 ③都道府県医師会ならびに郡市区医師会に依 し,答申する.本年度は,委員会を平成 25 年 4 頼して,普及推進活動の促進を行った. 月 25 日,同年 9 月 12 日,平成 26 年 1 月 24 日の ④日医ニュースへの普及推進チラシの折り込 計 3 回開催し,下記事項について審議した. み,日医雑誌への広告掲載などの広報活動 ①平成 24 年度医師年金事業決算 を行った. 医師年金は,昭和 43 年 10 月の制度発足以来, ⑤ PR 用の医師年金 DVD を作成し,都道府県 毎年 9 月末が決算日であったが,公益社団法人が 医師会並びに郡市区医師会へ配布した. 行なう認可特定保険業として,3 月末が決算日と なった.関係法令に従い,第ゼロ期決算(平成 ⑥未加入会員からの希望に応じて,個別の年金 24 年 4 月〜平成 25 年 3 月)を作成し,本委員会 プランを作成することによって,加入促進 における了承後,理事会で議決承認された.当期 を図った . は,内外の株価とも一時大幅に下落する局面もあ ったが,日米とも中央銀行が金融緩和を行なった ⑷ 医師年金事務について こと等により,年度後半より好調に上昇した.一 事務関連業務に係わる受付・相談業務,保険料 方で,金利低下等により,内外の債券とも底堅く の管理などの主な内容は,下記のとおり.なお, - 104 - 年金・一時金の送金やシステム登録・管理は業務 2.税 制 委託契約に基づき,三井住友信託銀行に委託して ⑴ 医業税制検討委員会 いる. ①電話応対 委員会を 6 回開催し,横倉会長から諮問された 制度の特色・加入申込・各種変更・死亡 手続き・運用・決算・年金額の試算等の問 い合わせ,確定申告や現況のお知らせ等の 再発行・質問,書類の発送,記録,試算. 「医業税制を始めとする医業経営安定化の方策」 について検討を行い,答申書を取りまとめ提出し た.また,平成 26 年度の税制要望を取りまとめ, 「医業経営税制」の枠にとどまらず,地域医療の ②受付・手続き 確保や国民の健康のための税制についても積極 郵便,メール,FAX による書類受付(新 的に取り組んだ. 規加入・保険料増額・各種変更・受給・死 亡等)および不備等による返却・電話確認. ⑵ 平成 26 年度税制要望 その他,非会員・海外留学者・成年後見人・ 医療業務及び施設の合理化,近代化並びに医業 相続・遺言・海外移住・外国人など特殊案 経営の安定化,地域医療の確保の見地から検討を 件の検討や手続き. 行い, 27 項目の「医療に関する税制に対する意見」 ③その他 (事業報告別冊に掲載)として取りまとめた. 新規加入者募集,保険料の各銀行,郵貯 そのうち下記の 19 項目を重点項目として実現 への確認・拠出処理,加入者,受給者宛「お に向け各方面に働きかけを行った. 知らせ(現況・養老年金等) 」の発送・管理, 〈福島原発事故対策〉 幹事会社宛の発送手続き,各種書類の改訂・ ・原子力損害賠償金は,国税・地方税の課税 印刷,税務署,国税局への対応. 上,収入・所得とみなさないよう,立法措 置も含めた特別の取扱いを行うこと. ⑸ 年金資産の管理運用 〈医業経営〉 年金資産の運用状況に関して,四半期ごとに運 ・消費税対策⑴ 用委託先である信託銀行,投資顧問会社等に対す 社会保険診療報酬等に対する消費税の非 るヒアリングを実施し,資産の健全かつ効率的な 課税制度を,仕入税額控除が可能な課税制 運用に努めている. 度に改めること.その際,ゼロ税率・軽減 また,コンサルティング会社による助言をもと 税率を適用するなど患者負担を増やさない に, 資産運用効率の改善に向けての検討を行った. 制度に改善. 具体的には,成績不振となった外国株式ファンド ・消費税対策⑵ を,7 月に,コンペティションを経て有望なファ 自由診療について軽減税率を適用すること. ンドへと入れ替えを行った.10 月には,金利上 ・消費税対策⑶ 昇懸念を受けて,超長期国債への投資額の半分を 簡易課税制度の見直しは慎重に行うこと. 長期国債に変更する対応策を実施した. ・社会保険診療報酬に対する事業税非課税存 1 月以降は,5 年ごとの年金財政計画を策定中 続. であり, 新たな運用体制構築の検討を進めている. ・医療法人の事業税について特別法人として の軽減税率課税存続. ⑹ 改正保険業法 〈医療法改正に伴う経過措置〉 医師年金は平成 24 年 10 月に厚生労働省から認 可を得て,平成 26 年 4 月からは,保険業法に基 ・医業承継時の相続税・贈与税制度の改善. ・持分のある医療法人が持分のない医療法人 に円滑に移行できるように,医療法人のた づいて運営される特定保険業に移行した. 移行後は,新体制の下,内部管理規則の策定, めの移行税制を創設し,以下の措置を講ず 事務マニュアルの充実,個人情報保護法対応の徹 ること. 底等,管理体制の強化を図った.今後も,制度の ①移行時において,出資者にみなし配当課 さらなる安定,充実に向けて継続的な改善を進め 税を課さないこと. ②医療法人に相続税法第 66 条第 4 項の規定 ていく. の適用による贈与税を課さないこと. - 105 - 成 26 年度税制改正大綱」を決定した.要望に対 〈勤務環境〉 する主な実現項目(一部のみ実現含む)は,次の ・事業所内託児所の税制措置 ①固定資産税等軽減. とおりである. ②子育てサポート企業に対する税制優遇制 〈制度の存続〉 ① ・社会保険診療報酬に対する事業税非課税. 度(くるみん税制)の適用期限延長. ・医療法人の自由診療分の事業税について ・医療機関が勤務医療従事者の短時間正規雇 は,特別法人としての軽減税率. 用を導入した場合の当該医療機関に対する ② いわゆる四段階制(社会保険診療報酬の所 税制措置. 得計算の特例措置) . 〈患者健康予防〉 ・がん検診・予防接種への医療費控除適用. 〈制度の創設〉 ・たばこ税の税率引き上げ. ① 医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予 制度等. 〈社会医療法人〉 ・特定医療法人,社会医療法人及びその他の ② 生産性向上設備投資促進税制. (所得税・法 人税) 公益性を有する医療機関への寄附者に対す ③ 既存建築物の耐震改修投資の促進のための る税制措置. 税制措置. (所得税・法人税) ・社会医療法人認定取消時の税制措置. ④ 耐震既存建築物の耐震改修投資の促進のた 〈医療施設・設備〉 めの税制措置. (固定資産税) ・成長戦略の一環として医療設備の防災対策 や高度化等を支援するための設備投資減税 〈適用期限の延長等〉 措置創設. ① 中小企業投資促進税制の拡充と適用期限延 長. (所得税・法人税) ・中小企業投資促進税制の適用期限の延長及 ② 子育てサポート企業に対する税制優遇制度 び拡充. (くるみん税制)の適用期限延長. (所得税・ ・保険医療機関及び介護老人保健施設に対す る固定資産税・都市計画税及び不動産取得 法人税) 税について,地方税法において非課税措置 〈検討課題〉 を講ずること. ① 医療に係る消費税の課税のあり方の検討. ② 地域医療を担う医療法人の医業継続に係る 〈その他〉 税制のあり方の検討. ・社会保険診療報酬の所得計算の特例措置 ③ 医療費控除の検討. (いわゆる四段階制)存続. 関係各方面への働きかけを適宜行った.都道府 ・公益法人制度改革に関わる所要の税制措 置. 県医師会,郡市区医師会をはじめ関係各団体等の ①医師会について 強力なご支援を賜り,要望実現となった. 事業税非課税措置・軽減措置について,27 年 ・医師会への寄附者に対する税制措置. ・医師会が行う開放型病院等の固定資産税 度以降の検討課題とされ,平成 26 年度税制改正 では継続されることとなった. 等非課税措置の恒久化,その他の措置. 四段階制については,存続が認められた. ②福祉病院の固定資産税等非課税措置の恒 医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予制度 久化. ③一定の医療保健業を行う非営利型法人等 に係る固定資産税等軽減措置及び公益目 等は,持分あり医療法人から持分なし医療法人へ の移行を前提とするかたちで創設された. また,成長戦略の一環として,生産性向上設備 的事業として行う医療保健業に係る固定 投資促進税制等が創設された. 資産税等軽減措置. 医療機関の控除対象外消費税問題については, ④医師会等が一般社団法人・一般財団法人 に移行した場合における利子配当に係る 前年度と同様に,税制調査会において課税のあり 源泉所得課税の特例措置. 方について検討し結論を得ることが明記された. ⑶ 日医要望実現項目 平成 25 年 12 月 12 日, 自由民主党・公明党は 「平 - 106 - 事業を行うことを目的に設立されたものである. 3.会員特別割引 ホテル ON…LINE 予約サービス 平成 25 年度は 11 月 9 日(土)に福井県福井市に おいて第 36 回全国医師信用組合連絡協議会が開 会員福祉事業の一環として,会員が学会・公務 催され,本会からは担当副会長が出席した. 等の出張,家族旅行などにおけるホテル利用の際 7.全国医師協同組合連合会 の, 特別割引制度を平成 22 年より開始した.現在, 19 のホテル及びホテルチェーンで合計約 470 の 医師協同組合は全国に 58 の協同組合組織があ ホテルが利用可能となっている.なお, 『日本医 り,医師である組合員のために,購買事業,福祉 師会会員提携ホテル ご利用ハンドブック 第 2 事業などを通じて,医業経営の安定と医師福祉の 版』を製作し,新入会員や希望会員に送付した. 向上に取り組んでいる.平成 25 年度は 11 月 3 日 今後,さらに多くのホテルに対し本制度への参加 (日) ,横浜市内のホテルにおいて全国医師協同組 を呼びかける予定である.また,他の会員福祉事 合連合会第 41 回通常総会が開催され,本会から 業の拡大にも取り組んでいく. は担当副会長(連合会員外監事)が出席した. 同連合会幹部と本会役員との間の定期協議は, 4.医師国保問題研究会 平成 25 年 4 月 11 日に全医協連会館で,平成 26 全国医師国民健康保険組合連合会運営委員と 年 3 月 5 日に本会館で,計 2 回開催した.主な議 本会役員により本研究会を日医会館において 2 回 題は,医師協同組合の空白地域をいかに少なくし 開催した. ていくか等であった. 今年度のテーマとして,医師国保組合に対する 8.日本医師・従業員国民年金基金 国庫補助金削減問題について, 意見交換を行った. 本研究会は医師国保組合との連携を深める場 国民年金の公的な上乗せ年金である本基金は, として,各組合の自主性を堅持し健全な運営がで 平 成 26 年 3 月 末 現 在 で, 加 入 者 数 は 7,610 名, きるよう協力すべきであるとの考えから,今後と 年金資産は約 802 億円(時価)であった.なお, も本研究会を継続し,医師国保のかかえるさまざ 本会の医師年金と年金基金との連携・協調を図る まな問題について,検討することとした. ため,本会との打合せを適宜開催し,日医ニュー スには年金基金の案内記事の掲載を随時行って 5.全国医師国民健康保険組合連合会 いる. 全国医師国民健康保険組合連合会は医療従事 9.独立行政法人福祉医療機構 者の相互扶助・共済,被保険者の健康と福祉の向 上を目指して設立され,公営国民健康保険制度の 厳しい経済・金融環境下において,会員の医療 先駆的,補完的な役割を果たし,国民皆保険を支 機関の経営を支援する趣旨で,医療機関運営上の える一翼を担っている.連合会は平成 25 年 10 月 資金ニーズについて福祉医療機構の以下の事業 18 日(金) ,第 51 回全体協議会を富山県富山市 に協力した. において開催し,事業報告・事業計画・研究発表・ ①医療貸付事業への協力 講演等を行った.本会からは会長,担当副会長, ②医療貸付事業融資制度利用希望者に対する個 担当常任理事が出席した. 別融資相談会の開催に係る協力 ③都道府県医師会への告知協力 6.全国医師信用組合連絡協議会 ・災害融資に関する特別措置 医師信用組合は全国 19 の府県医師会において, 会員の福祉部門として協同組合組織による金融 - 107 - ・医療経営セミナー 「シリル・カラバス教授に関する理事会決議」 ⅩⅣ.国際課関係事項 2002 年,アラブ首長国連邦(UAE)にお ける子供の死亡の責任を問われ長期訴訟手 続中であった南アフリカ共和国の医師カラ 1.世界医師会(WMA) バス教授は,今般容疑が晴れたにも関わら ず 依 然 と し て UAE に 拘 留 さ れ て い る. ⑴ WMA バリ中間理事会 WMA バリ中間理事会は 4 月 4 日から 6 日ま WMA は,検察側による判決への異議及び でインドネシアのバリ島で開催され,34 か国医 カラバス教授を無期限に UAE に留めるとの 師会から約 150 名が参加した他国際女医会等がオ 主張に懸念を表明.医師の専門団の所見を ブザーバー出席した.本会からは, 横倉義武会長, 踏まえ,カラバス教授は明らかに国際法上 石井正三常任理事,畔柳達雄参与が出席した.ま の基準から外れた取り扱いを受けており,速 た,日本医師会 JDN(Junior Doctors Network) やかに本国に帰還させるべきであるとして として,初めて座光寺正裕医師が WMA の会議 いる. 「医療行為と患者の安全の標準化に関する理 に出席した. 理事会に先立ち,ヘルシンキ宣言改訂,災害医 療の作業部会等が開催された.理事会では, 冒頭, 事会決議」 WMA は,非医療分野の業界水準化団体 役員の改選で石井常任理事が理事会副議長に再 が作成した標準をそのまま医療行為に取り 任された.議事では「医療行為の刑事的処分に関 入れる EU 内の傾向を懸念.そのような団体 する理事会決議案」が緊急決議として採択された は医療に関する十分な倫理,学問的能力を ことが特筆される. 有するものではなく,結果として医療の質 の低下を招くものであるという理由から,関 1)新役員選出及び常設委員会委員,アドバイ 連の医師組織にその任務を任せるよう各国 政府及び機関に要請. ザーの任命/ 2013 − 2015 年 理事会議長:ムケシュ・ハイカワル(オー b.コメント要請のため各国医師会に回付され る文書 ストラリア) 「拷問被害者の賠償請求権に関する声明案」 理事会副議長:石井正三常任理事 財務担当役員:フランク・モンゴメリー(ド 拷問被害者の賠償請求権の保証を求める 内容で,関連機関と図り,拷問被害者の賠 イツ) 常設委員会委員:医の倫理委員会:横倉会長 償のための連携業務を進展させるよう各国 社会医学委員会:横倉会長,羽生田副会長 医師会に働きかけている. 「真菌性疾患の診断と管理に関する声明案」 財務企画委員会:羽生田副会長 アドバイザー:畔柳参与(医の倫理委員会, 真菌性疾患の診断検査と抗真菌療法の処 方を最も効果的に提供するにあたり,各国 社会医学委員会) 医師会とその構成員である医師の指針とな 2)社会医学関係 ① 委員長選出:サー・マイケル・マーモット る内容. c.その他 (イギリス) 「ヒトパピローマウィルス(HPV)ワクチン」 ② 各議題の審議結果 アメリカ医師会で,国内のワクチン専門 a.理事会で決議された文書 「医療行為の刑事的処分に関する理事会決議」 アメリカにおける医師の懲役または禁錮 刑,シリアで反体制デモの負傷者を治療し 家 お よ び WMA ム ン ゲ レ ラ 次 期 会 長 と WMA 政策文書の作成を継続. 「女性と少女に対する暴力」 た医師の拘留といった状況を受けて提案さ 2010 年採択「女性と少女に対する暴力に れた緊急決議案.医療行為および医療に関 関する WMA 決議」に基づき,女性に対す する意思決定への政府介入に対し反対.医 る差別,暴力の排除に関して実施できるこ 師は法を超える存在ではなく,患者の治療 に関連のない犯罪行為を行った医師は制裁 を受けなければならないことが追加された. - 108 - とをイギリス医師会と WMA で検討 「医療データベースの倫理的考察に関する宣 言改訂案」 スラエル) 患者の非特定情報と特定情報を含む医療 ② 今後の会議開催日程 データベースの利用,バイオバンクについ 2013 年 10 月 16 − 19 日: ての倫理的考察 ③ 2003 年採択文書の分類 フォルタレザ総会/ブラジル 「SARS に関する決議:アーカイブ化」 学術集会テーマ「非感染性慢性疾患」 2014 年 4 月 24 − 26 日: 大幅な修正ではなく,必要であれば呼吸 東京理事会/日程は予定 器疾患に関する新規文書を作成すべきとの 2014 年 10 月 8 − 11 日:ダーバン総会/ 意見によりアーカイブ化. 南アフリカ 3)医の倫理関係 学術集会テーマ「国連ミレニアム目標 ① 委員長選出:ハイキ・パルベ(フィンランド) (MDGs)後のヘルスケアに対する普遍 ② ヘルシンキ宣言改訂案 的アクセス」 弱者グループの保護の強化,被験者保護の 2015 年 10 月 14 − 17 日: ための補償問題の明確化,試験後の取り決めに 関する具体的条件,倫理委員会の透明性の向 モスクワ総会/ロシア 上,体系的なプラセボの使用等が主な改訂のポ 2016 年 4 月 14 − 16 日: ブエノスアイレス理事会/アルゼンチン イント.本草案は,プレス発表,パブリック・ 2016 年 10 月 12 − 15 日: コメント(4 月〜 6 月)の後新たに起草され, 台北総会/台湾 8 月のワシントン会議(作業部会,利害関係者 ③ ヘルシンキ宣言採択 50 周年記念事業に関 ヒアリング)における議論を経て,10 月のフ する準備委員会 ォルタレザ(ブラジル)総会での審議に付され 2014 年にフィンランドで採択 50 周年記念事 る. ③ 各議題の審議結果 業を開催するための準備作業を進展 a.10 月の総会に採択のために付託される文書 ④ 災害対策と医療に関する作業部会 各国医師会のアンケート結果報告および 「死刑執行の凍結を要請する国連決議に関す WMA の Website を通じた本調査結果の情報 る声明案」 の共有化と,各国医師会における災害医療トレ WMA は,死刑執行の世界的凍結を要請 ーニングプログラムの策定に言及.また,今後 する国連総会決議を支持すると勧告 も 2 〜 3 年毎に同様の調査を継続することの提 b.コメント要請のため各国医師会に回付され 言があった. る文書 ⑤ WMA 元会長,理事会議長のネットワーク 「女性のヘルスケアに対する権利と HIV 母子 政策議論等へのアドバイスの提供を目的と 感染との関わりに関する決議改訂案」 したネットワークの構築. 国連のミレニアム開発目標(MDGs)の 1 ⑥ JDN(Junior Doctors Network) つである「HIV /エイズ,マラリアその他 JDN とは, 2011 年 4 月 WMA 理事会によって, の疾病の蔓延の防止」を追加し,女性のヘ 世界初の若手医師の国際的組織として承認さ ルスケアに対する権利を述べている. c.作業部会により検討される文書 れた組織.各国の卒後臨床研修医,専門医研修 「人間中心の医療に関する WMA 声明案」 未修の医師から構成される.本会からは JDN 「人間中心の医療」の原則は,身体的・心理的・ のメンバーが初めて WMA 会議に参加し,各 社会的・精神的に良好な状態という意味で 国のメンバーとの交流を図った. の健康促進が前提.疾病の抑制のみならず, ⑦新規加盟申請 モンテネグロ医師会より加盟申請がなされた. 科学と人間との調和に基づき,健康の向上, 臨床現場でのよりよいコミュニケーション, 5)インドネシア,バングンタパン第 3 保健セ 人の尊厳に対する尊敬と責任について,個 人および地域レベルにおける理解を深める ンター訪問 バリ理事会の帰路,4 月 8 日に横倉会長,石 井常任理事がジョグジャカルタのバングンタ ことを求めた内容. パン第 3 保健センターを訪問.同センターは, 4)財務企画関係 ① 委員長選出:レオニード・エーデルマン(イ - 109 - 2006 年 5 月 27 日に発生したジャワ島中部地震 (マグニチュード 6.3)被災に対する都道府県医 加盟医師会数は 106 となった. 総会での主な議決事項は次の通りである. 師会,郡市区医師会,一般会員からの義援金に より,AMDA の復興支援事業を通じて建設さ 1)医の倫理関係 れた.1 日約 80 名,年間約 24,000 人の診療を ① 新規に採択された WMA 文書 行うなど地域住民の健康管理に役立つセンタ 「死刑執行の凍結を要請する国連決議に関す る WMA 声明」 ーとして機能している.同センターには,日本 医師会の名前が入った銘版と「友として,地震 医師が死刑執行に関与することを非倫理 に被災された人たちの健康と幸せを祈る」とし 的であるとし, 「ジュネーブ宣言」で人命を た本会と AMDA のプレートが掲げられ,感謝 最大限に尊重し続けることを医師に課して の意が表されている.当事業は,本会が保健セ いることから,WMA は死刑執行の凍結を ンターの建設という具体的な復興支援事業に 要請する国連総会決議を支持すると勧告. ② 修正案が採択された既存文書 協力した初めてのケース. 「WMA ヘルシンキ宣言(DoH)改訂版」 人間を対象とする医学研究の倫理的諸原 ⑵ ヘルシンキ宣言改訂ワシントン D.C. 専門家 会議 則を定めた最も重要なガイドライン.社会 ヘルシンキ宣言(DoH)改訂作業の一環として, 的弱者集団の保護,被験者の適切な補償と ワシントン D.C. における作業部会及び利害関係 治療,バイオバンク,インフォームド・コ 者会議が 2013 年 8 月 25 日から 27 日まで開催され, ンセント,研究後の取決事項の拡大,研究 石井常任理事が出席した.利害関係者会議では, 倫理委員会の権限強化が改訂のポイント. 米国厚生省(HHS) ,米国国立衛生研究所(NIH) , 「女性のヘルスケアに対する権利と HIV 母子 感染との関わりに関する WMA 決議」 米国食品医薬品局(FDA)他政府機関及び米国 2002 年採択版に国連のミレニアム開発目 の諸大学から専門家が出席し,講演及び議論が行 標(MDGs)の 1 つである「HIV /エイズ, われた. マラリアその他の疾病の蔓延の防止」が追 加され,女性のヘルスケアに対する権利を ⑶ WMA ロンドン役員会議 WMA 役員と国際的産業界リーダーとの第 1 回 述べた内容.HIV に感染した全ての女性に 円卓会議が 9 月 25 日から 29 日まで,ロンドンの 対して,抗レトロウィルスが無料で提供さ れる必要性があることを勧告. イギリス医師会で開催され石井常任理事が出席 した.テーマは,医療界と産業界との関わり方に 「行方不明者の法医学調査に関する WMA 声明」 ついてであった.欧州の医療界では,EU と米国 法医学者が遺体の管理,証拠書類の提示, の包括的 FTA である「環大西洋貿易投資パート 身元確認,遺族への回答などにあたり,支 ナーシップ(Transatlantic Trade and Investment 援するよう要請. ③ コメントを求めるため各国医師会に回付 Partnership(TTIP) 」の動向を懸念しているこ される文書 とが示された. 「人間中心の医療に関する WMA 声明改訂案」 医療を求める人の個々の価値観,ニーズ ⑷ WMA フォルタレザ総会(ブラジル) などに焦点を当てた医療の提供を目的とし, フォルタレザ総会が 10 月 16 日から 19 日にか けて開催された.日本医師会からは,川島周理事 医療の中核が医療提供者や医療システムか (横倉会長代理) ,石井常任理事,畔柳参与が出席 ら人間へ移行するものであると言及.各国 した他,日本医師会 JDN の阿部計大,三島千明 医師会に対し,人間中心の医療の原則を医 学教育に取り入れるよう勧告. 両医師が参加した.総会では「ヘルシンキ宣言改 訂案」が採択されたことが特筆される.また, 「化 2)社会医学関係 学兵器の禁止に関する緊急決議」 , 「シリアのヘル ① 緊急決議 スケア状況に関する緊急決議」の 2 件が採択され 「化学兵器の禁止に関する WMA 緊急決議」 た.学術集会は, 「生活習慣と非感染性慢性疾患」 化学兵器の開発,生産,保有,使用等の をテーマに開催された. 新規加盟はモンテネグロ, 禁止,全保有化学兵器の安全な廃棄を支持 カメルーン,スーダン,イタリアの各国医師会で するよう関連当事者に要請し,化学兵器使 - 110 - 用者を法の裁きにかけることを目的とした (医学部の増設,医学課程の期間延長,僻地 国連の取組みを支持.さらに化学性暴動鎮 や大都市郊外の貧困地域で勤務する外国人 圧剤の使用の抑制を要請. 医師の誘致など)に反対するために策定.ブ 「シリアのヘルスケア状況に関する WMA 緊 ラジル政府に対し,医学教育,医師の資格 認証,医療実践に関する全ての問題には医 急決議」 シリア国内の病院の 3 分の 1 以上が崩壊 し,15,000 人の医師が国外へ逃亡している. このような同国の医療状況に警告を表明し, シリア紛争に関連する医療従事者,患者,医 療施設,医療関連輸送の安全性の確保を要 学界等と協力して取組み,ブラジル医師会 の役割を尊重することを要請. ③ コメントを求めるため各国医師会に回付 される文書 「婦女子に対する暴力に関する WMA 決議」 (2010 年採択)実施のための提案.本文書で 請. ②新規に採択された WMA 文書 は同決議に基づき,次なる具体的な行動案 「拷問被害者のリハビリテーションに関する を提示. 「医療従事者の国際移住の倫理指針に関する WMA 声明」 多くの国で拷問が継続的に行使されてい WMA 声明案」 る事実を懸念し,拷問被害者と家族のため 多くの国際倫理指針,綱領を包含して作 の賠償やリハビリテーションにおける医師 成され,医療従事者の移住の権利,移住先 の役割の重要性を強調.被害者の救済に関 での環境,待遇における公正な扱いを要請. 与した者が国から報復を受けることがない 「人間の生殖細胞の非商品化に関する WMA 決議改訂案」 よう各国医師会に要請. 「ヒト・パピローマウィルス・ワクチンに関す 生殖細胞に関する商取引を禁ずる法律の 制定を各国政府に要請.また,インフォー る WMA 声明」 医療の現場にすべての若者への HPV ワク チン接種と若い女性への子宮頚癌検診を組 ムド・コンセントが得られるようドナー候 補者と事前に相談するよう医師に要請. 「リアリティテレビ番組に関与する医師の倫 み入れるよう提唱. 「真菌性疾患の診断と管理に関する WMA 声明」 理的影響に関する WMA 声明案」 真菌性疾患は,結核,マラリア,エイズ リアリティテレビ番組は多くの国々で人 に比べて過小評価されがちであるが,国際 気があるプログラムとなっているが,人体 的に疾病負担が大きく死亡率も高い.医師 実験の場であり,視聴者の注目を集めるた に同疾患に対する意識を高めること,各国 めにしばしば極端な状況を題材にしている において真菌性疾患の診断と治療の両方を こともある.こうした番組に身体的,精神 実施可能とする診断センターを設置するよ 的健康と健全さのための明確な指針を提唱. 「未成年者の人身売買と違法な養子縁組の防止 う要請. 「人間の生まれながらの性の多様性に関する における医師の役割に関する WMA 声明案」 WMA は,如何なる未成年者を含む人身 WMA 声明」 同性愛への取り組みは各国で多様である. 売買,違法な養子縁組をも否定している しかし,今現在差別等で苦しむ人々のため ことから,その予防のため,医師は専門 にも緊急性があるとして採択された.声明 的なモニタリングを構築するためのあら では,同性愛を病気とみなし, 「転換処置」 ゆる努力を行うことを勧告. や「修復処置」によって治療しようとする 試みを強く非難.また,同性愛者を治療す る場合には,偏見や差別が健康に及ぼす影 「未 成 年 者 の 問 題 も 含 む 美 容 処 置 に 関 す る WMA 声明案」 美容処置において未成年者には同意能力 がなく,権利の擁護者を必要とする弱者で 響に着目すべきであるとしている. 「ブラジル医師会の支持に関する WMA 決議」 医学界や医学教育機関との適切な協議な しにブラジル政府により提案された「マイ スメディコス(Mais Medicos) 」プログラム - 111 - あることから,未成年者の問題も含めるこ ととなった. 「健康の社会的決定要因と健康の公正に取り 組む医師と各国医師会の役割」 ・準会員会議議長の退任 タイトルに関連するシンポジウムの開催可能 ・元WMA会長,議長ネットワーク 性を探るために提案された文書.各国医師会にこ 6)その他 の提案に関する要望のフィードバックを要請. ・CMAAO(アジア大洋州医師会連合)加 3)財務企画関係 盟医師会参加者との懇談会(11か国加盟 ① 今後の会議開催日程 医師会,42名参加) 2014 年 ・ウガンダ医師会との協議:災害医療に関 4 月 24 − 26 日 する議論 東京理事会(日本) :ホテル日航東京 10 月 8 − 11 日 ダーバン総会(南アフリカ)/学術 ⑸ 医療情報データベースに関する作業部会 医療情報データベースに関する作業部会(WG) 集会:ミレニアム開発目標(MDGs) 及びシンポジウムが 2014 年 3 月 7 日アイスラン 後の医療への普遍的アクセス ド医師会で開催され,石井常任理事が出席.日本 2015 年 医師会は,フォルタレザ総会におけるヘルシンキ 4 月 16 − 18 日 宣言改訂の採択に伴う論議から,医療情報データ オスロ中間理事会(ノルウェー) ベース,バイオバンク等の概念について検討する 10 月 14 − 17 日 モスクワ総会(ロシア)/学術集会: 場となった当 WG に参加することとなった. 医学教育 ⑹ WMA 役員定例電話会議 2016 年 WMA では役員による月例電話会議,作業部 4 月 28 − 30 日 ブエノスアイレス中間理事会(アル 会メンバーによる電話会議を行い,会務の円滑な ゼンチン) 推進に役立てている.本会から,石井常任理事 (WMA 副議長) ,国際課が参加している. 10 月 19 − 22 日 台北総会(台湾) 2.アジア大洋州医師会連合(CMAAO) ② 世界医師会雑誌(WMJ) WMJ は来年創刊 60 周年を迎える歴史ある インド総会が 9 月 12 日から 14 日まで,インド WMA の広報媒体である.資金面から,完全 のデリーで開催され,本会から横倉会長,石井・ 電子版及び年間発行数を 6 回から 4 回に戻すこ 小森両常任理事,村田真一弁護士(CMAAO 法 とを検討. 律顧問) , 山岡祐衣医師(日本医師会 JDN)が参加. ③ 広報活動 総会出席者は,13 医師会約 150 名であった. 今総会で採択されたヘルシンキ宣言本文及 主な議事は以下の通りである. び関係者インタビューを,採択同日の午後(19 日 ) に WMA お よ び ア メ リ カ 医 師 会 雑 誌 (JAMA)の Website に掲載. ⑴ 理事会 1)CMAAO 事務総長報告 4)学術集会 石井常任理事が 2012 年 12 月から 2013 年 9 テーマ:生活習慣と非感染性慢性疾患 月までの事務総長の活動内容を報告 「アルコールと公衆衛生」 (座長:石井常任理事) , 2)議長・副議長選挙及び事務総長公式アドバ 「健康の社会的決定要因」 , 「健康と食習慣」 , 「運 イザーの指名(2013 − 15 年任期) 動」 , 「喫煙と公衆衛生」をテーマに各国における 議長にドン・チュン・シン(韓国医師会) , 現状,取り組み,医師の関与等に関する講演と活 副議長にヤィ・ウェイ・チャン(シンガポール 発な議論がなされた. 医師会) ,事務総長に石井常任理事がそれぞれ 5)準会員会議 再任された. ① JDN 活動報告 3)武見太郎記念講演 日本からの 2 名を含む 21 名の参加(ウルグ インド児童虐待・放置及び児童労働グルー アイ,エジプト,カナダ,韓国,ジャマイカ, プ議長,インド小児科学会所属のラジーヴ・セ スペイン,ブラジル,フランス,トルコ) ス医師により, 「インドにおける児童の虐待と ② その他議事 放置からの保護」と題した講演が行われた. - 112 - 4)シンポジウム:テーマ「児童虐待」 4.ハーバード大学公衆衛生大学院 (HSPH)との交流 「児童虐待」をテーマに開催され,各国医師 会が状況を報告.日医からは小森常任理事が, 児童虐待の早期発見と防止マニュアルの策定, ⑴ 武見プログラム視察 子育て支援フォーラムの継続的開催,対応の普 6 月 14 日,ボストンの HSPH 武見国際保健プ 及・啓発に努めるなど,日医として講じている ログラムを石井常任理事が視察.武見フェロー研 対策を説明. 究発表,日本人研究者との懇談が行われた.デビ 5)カントリーレポート(各国医師会活動報告) ット・ハンター国際保健人口学科長,マイケル・ 日医からは,石井常任理事が今年設立 30 周 ライシュ指導教授との面談では,同プログラム設 年を迎えるハーバード大学公衆衛生大学院武 立 30 周年記念事業に係るハーバード大学と本会 見国際保健プログラムについて,設立の経緯, との覚書を交した.さらに,2013 年 4 月 15 日発 フェローの地理的分布を説明し,CMAAO 加 生したボストン・マラソン爆発テロ事件の現場を 盟各国医師会と共に,積極的支援及びフェロー 訪問し,発生現場と救護所の位置関係,救援活動, の有効活用を図り,国際保健に寄与していく構 発生後のランナー及び観衆の避難誘導のあり方 想を披露した. について説明を受けた. 6)新規加盟申請:なし ⑵ 武見フェロー帰国報告会 ⑵ 総会全体会議 7 月 23 日,2012 〜 2013 年度の武見フェロー後 「児童虐待防止に関する CMAAO デリー決議」 藤あや氏(福島県立医科大学公衆衛生学教室准教 が採択された他,2013 〜 2015 年の役員指名では, 授) ,堀和一郎氏(三重大学医学系研究科医学・ 次期会長にホセ・アサ・サビリ(フィリピン医師 看護学教育センター/整形外科学助教) ,内山周 会) , (第一副会長にキン・マ・アイェ(ミャンマ 作氏(日医総研)による帰国報告会が行われ,日 ー医師会)が,財務担当役員に香港医師会のチャ 医役員,日本製薬工業協会および会員企業,国際 ン・イー・シン副会長がそれぞれ指名された. 保健検討委員会,武見フェロー OB,日医総研研 究員等 50 名以上が出席した. ⑶ 将来の会合の開催地 ⑶ HSPH 国際保健武見プログラム 30 周年記念 2014 年:第 29 回総会マニラ,フィリピン 総会のテーマ: 「NCD(非感染性疾患) 事業 と生活習慣病」 2013 年は武見プログラム設立 30 周年に当たり, フィリピン医師会から提案された 「NCD」のテーマに加え,横倉会長の HSPH,日本医師会においてそれぞれ記念事業を 企画・実施した. 提言により, 「生活習慣病」が加わっ た. ① 武見プログラム設立 30 周年記念シンポジ ウム(ハーバード大学) 2015 年:第 30 回総会ヤンゴン,ミャンマー 標記シンポジウムが 10 月 11,12 日ボストン で開催され,横倉会長と石井常任理事が出席し ⑷ その他 た.28 カ国から 77 名の武見フェロー,歴代, 総会終了後,インド主要メディアを対象に記者 会見が行われた. 現役学部長,教授陣等参加者は約 140 名であっ た. ② 武見プログラム設立 30 周年記念シンポジ 3.海外医師会との交流 ウム(日本医師会) ⑴ アメリカ医師会(AMA)年次総会 標記シンポジウムを 11 月 23 日,日医会館で 6 月 17 日から 18 日にアメリカのシカゴにおい 開催した.参加者は,都道府県医師会会員,武 て開催された AMA 年次総会のアーディス・ホ 見フェロー,日本製薬工業協会他医療関連団 ヴ ェ ン 新 会 長 就 任 式 に 石 井 常 任 理 事 が 出 席. 体,医療関係者,大学関係者,研究者,メディ AMA 幹部や海外医師会招待者と面会,WMA の ア等総勢約 180 名であった. 活動や各国の医療制度等について意見交換した. ライシュ指導教授の基調講演,日本人武見 フェロー 5 名の講演,委員のコメント,パネル - 113 - ディスカッションが行われた.関連イベントと に日医雑誌の東日本大震災特集から選出された して,日本医師会・東洋文庫共催展示会が開催 論文を 2 号にわたり特集し,災害医療に関する生 され,東洋文庫では「幕末から明治初期の医学 涯教育プログラムとしてまとめた.他に,精神保 関係文書」とした医学関連の貴重書の特別展 健や学校保健に関する日本医師会の見解を掲載 示,日本医師会館では武見太郎元会長関連の貴 し,日本医師会 JDN メンバーによる原稿も掲載 重な資料,及び日本医師会の国際活動の展示が した.また,CMAAO インド総会についても概 行われた. 要と講演内容を掲載した. 7.国際医学生連盟 日本(IFMSA-Japan) との交流 ⑷ 日本人武見フェローの選考 武見フェロー選考委員会を 2 月 14 日に開催し 2 名の候補者を選考.面接を経て HSPH に推薦. IFMSA は,世界医師会(WMA) ,WHO に公 派遣期間は 2014 年 9 月から 2015 年 6 月までの 式に認められた医学生を代表する国際組織であ 10 ヶ月間. る.IFMSA-Japan は,53 校の医学部(2013 年 7 月現在)で構成されている.日本医師会では,医 5.国際保健検討委員会 学生にさまざまな国際活動の教育機会を提供す 会長諮問「世界医師会(WMA)の活動を中心 ることを目的として支援を行っている. とした国際貢献と地域医療」に沿って答申を取り 8.その他の国際関係の活動 まとめた.答申では,WMA ヘルシンキ宣言の改 訂作業,CMAAO デリー総会「児童虐待」決議 ⑴ ユタ大学アジアセンターシンポジウム 等を委員会で問題を共有.また,WMA の JDN 標記シンポジウムが 4 月 18,19 日「日本にお の活動では, 「組織構築」 「認知度の向上」 「若手 ける健康促進」をテーマとして米国ユタ大学アジ 医師を対象とした Annual Survey」を活動の軸と アセンターで開催された.石井常任理事は「災害 して,国際活動における日本の若手医師のプラッ 対策」のセッションで「東日本大震災における日 トフォームの基盤づくりを進めていくとした.そ 本医師会の活動」と題して JMAT の活動を中心 の他,同委員会が直接関与した「武見プログラム に講演を行った. 設立 30 周年記念シンポジウム」や, 「震災・救急 活動の新たな展開」として,台風 30 号によるフ ⑵ 第 29 回国際女医会会議 ィリピン被災地での国際医療ボランティア組織 標記会議が 8 月 1 日に韓国のソウルで開催さ (AMDA)と自衛隊との連携による救援活動を紹 れ,学術セッション(テーマ:気候変動,災害と 介.また,地域医療が抱える問題に国際保健がど 健康)において石井常任理事が「災害対策と医療」 のような解決策を提示出来るかが今後の課題と と題して講演を行った.会期中, 韓国医師会ムン・ した上で,⑴国際保健による地域医療への貢献, テジュン名誉会長,ドン・チュン・シン国際担当 ⑵ WMA,CMAAO に お け る JMA,JMA − 役員(CMAAO 議長)との面談,韓国医師会総 JDN の国際貢献,⑶発信力の強化−を提言. 合医療政策研究所研究部長他との面談をそれぞ れ行った.また,延世大学公衆衛生学部環境衛生 6.英文雑誌(JMAJ)の刊行 学教授でもあるシン先生の紹介により,同会議に 英文誌「JMA ジャーナル」を隔月発行,本会 参加したマーガレット・ムンゲレラ世界医師会次 の政策,日本の医療および国際保健に関する最新 期会長,アーディス・ホヴェン・アメリカ医師会 情報を世界に発信するうえで重要な役割を果た 長等と,同大学附属病院のセブランス病院を見学 している.現在,世界約 110 カ国の医学研究者や し,その後,ムン名誉会長を交えて意見交換を行 医療関係組織へ配布するとともに,日医英文ホー った. ムページ上でも無料公開している.2012 年 3 月 11 日に開催された医療政策シンポジウム「災害 ⑶ アジア太平洋経済協力(APEC)ワークショ ップ 医療と医師会」同 10 日の「JMAT に関する災害 医療研修会」 ,同年 7 月 26 日開催の「救急災害医 標記ワークショップが 9 月 3 日にバリ島で「医 療担当理事連絡協議会」における非常時通信デモ 療機器及びバイオ医薬品セクターにおける倫理 ンストレーションや JMAT 活動報告などのほか 環境の育成」をテーマとして開催され,石井常任 - 114 - 理事が出席した. 「医療セクターにおける高い倫 PhRMA から,日本の素晴らしい医療制度に悪影 理水準の確保:病院,患者,そして産業界の協力 響を及ぼすような行動はとらないとの考えが示 の重要性」のセッションにおいて,石井常任理事 された他, 「TPP で関心があるのは,知的財産所 はコメンテーターとして, WMA ジュネーブ宣言, 有権の問題で,これは日本のメーカーとも共通の ヘルシンキ宣言等における医の倫理規定の下で, 関心事のはずだ.逆に,日本の最先端の医療を各 ソウル宣言に定めたプロフェッショナル・オート 国に示す良い機会と考えるべきでは」との意見も ノミーに則り,医療提供者として医療に従事して 出された.参加者は約 130 名だった. いることを述べた. ⑺ 台湾医師会代表団訪問受け入れ ⑷ タイ国民医療保険庁研修 台湾医師会のスー・チン・チュアン新会長以下 国際協力機構(JICA)の依頼により,15 名が 医師会役員,国会議員ら総勢約 80 名が,9 月 6 10 月 30 日に来館,石井常任理事が日本の国民皆 日日医会館を訪れた.台湾では来年から介護保険 保険制度と日本医師会の活動について説明及び を導入することが検討されていることから,日本 質疑応答に対応した. の制度を学ぶことを目的とした.横倉会長は,東 今回の研修は,タイ国民医療保険庁研修とし 日本大震災の際に台湾医師会から支援物資が届 て,診療保険制度に関して,医療サービスを提供 けられたことに謝意を示した.自らも国会議員で する日本医師会など,制度を構成する関係団体の あるスー会長は,台湾では日本以上に高齢化が急 訪問の一環として行われた. 速に進展しているとして,日本を参考に素晴らし い制度をつくりたいと述べた.一行は,日本の介 ⑸「WHO グローバルフォーラム:高齢者のため のイノベーション」出席 護保険制度についての説明を受けた後,都内の特 養と老健施設の見学を行った. 標記フォーラムが 12 月 11 日に神戸市内で開催 され,WHO から出席要請を受けた WMA クロ ⑻ WHO 西太平洋地域事務局(WPRO)への絵 画の寄贈 イ バ ー 事 務 総 長 の 依 頼 に よ り, 石 井 常 任 理 事 WPRO から “Healing and Caring” をテーマと (WMA 副議長)が出席した.当フォーラムでは, 高齢者にとって健康的な高齢化社会の実現に要 した日本の文化に関連する絵画作品の寄贈依頼 する社会的・技術的イノベーションをテーマに議 を受け,都道府県医師会の協力の下に募集を行っ 論が行われた. た.出品された 7 点から,滋賀県の加藤孝和先生 の「ひととせの刻」を対象作品に選出した.同作 ⑹ 日本医師会(JMA) ・米国研究製薬工業協会 (PhRMA)共催シンポジウム 品は,日医会館に一定期間展示された後,フィリ ピンのマニラにある WPRO へ寄贈され,新設さ 標記シンポジウムを 9 月 19 日に都内で開催し れたアートギャラリーに展示された. た.第一部「医師の生涯教育(CME)のあり方 を考える」では,小森常任理事が「日本の現状と ⑼ その他 課題」を講演.PhRMA からは,デイビス Jr 上 その他,海外より日本の医療情報を収集するた 級副会長が,利益相反について講演した.第二部 めに来館した場合などには,役員が対応し資料等 では,ラガンガ広報担当が,偽造医薬品の国際的 の提供を行っている.また,国際課では海外から 取組みを説明.石井常任理事,ラルフ PhRMA の医療・医学関係の問い合わせに対しては資料を 日本代表を座長としたパネルディスカッション 送付するなど適宜回答している. 「 国 民 皆 保 険 を 維 持・ 推 進 す る た め に 」 で は, - 115 - 籍の貸借を行った. ⅩⅤ.情報サービス課関係事項 ② 重複雑誌交換事業に参加し,重複している 雑誌の提供や欠号の補充を行った. ③『年次統計』調査に,蔵書数や利用状況など 1.医学図書館 を集計し報告した. 臨床医学をはじめ,医政,医史学,医療経済, 生命倫理などを中心とした資料を収集し,利用者 ⑷ 国立情報学研究所(NII)事業への協力 の生涯学習や研究活動,診療などに必要な情報の 本年度に協力した事業は次のとおりである. 入手を支援している.本年度は,日医ホームペー ①「総合目録システム」 (NACSIS-CAT)に, ジ上で公開している所蔵資料管理システムを更 医史学関連書籍の遡及登録および新着図書・ 新し,昨年度に引き続き図書資料データの遡及入 雑誌の追加登録を行った.また本年度は,欧 力や雑誌所蔵データの整備などを進め,一層の充 文 雑 誌 の 到 着 状 況 な ど を 詳 細 に 調 査 し, 実を図った. NACSIS-CAT に登録されている自館のデー タを修正・更新した. ⑴ 図書館業務のコンピュータ化 ② 図書館間相互協力システム(NACSIS-ILL) ① 所蔵資料管理システム「情報館 v6」のイ に参加し,大学附属図書館や研究所,公立 ンターネット・システムを更新し,利用者 図書館など 1,102 の参加館と,文献複写や書 自身による所蔵の確認,雑誌タイトルや特 籍の貸借を行った. 集テーマの検索などについて,迅速な処理 ⑸ 日医定期刊行物保存事業 が可能になった. ② 医学文献データベース『医学中央雑誌』イ ①『日医ニュース』は,501 号(昭和 57 年 7 ン タ ー ネ ッ ト 版,“PubMed”,“Cochrane 月 20 日号)から 700 号(平成 2 年 11 月 5 日 Library” などを活用した. 号)までの画像確認および修正作業を行っ た. ③ 日医ホームページのメンバーズルームに, ②『日本医師会雑誌』は引き続き,日医ホーム 利用案内,新着図書案内,和雑誌特集テー ページ上から全文データを毎号ダウンロー マ案内,所蔵資料検索などを掲載した. ドして保存した. ⑵ 新着書籍ならびに和雑誌特集テーマの紹介 ③ 原本の汚損や劣化,被災などに備えるため 当館で新しく所蔵に加えた書籍は,毎月『日本 『日本医師会雑誌』121 巻(平成 11 年)から 医師会雑誌』ならびに日医ホームページ上に案内 140 巻(平成 24 年)までを合冊製本し,創 を掲載した.和雑誌の特集は,毎月「和雑誌特集 刊号から 120 巻までの合冊製本と同様に別置 テーマ案内」として,キーワードを付した一覧を 保存した. 日医ホームページ上に掲載・更新し,さらに希望 者には一覧表を送付した. ⑹ 利用調査 ⑶ 日本医学図書館協会(JMLA)事業への協力 郵便,ファックス,電子メールによる申込みに応 本年度に協力した事業は次のとおりである. じた.本年度の各サービスの利用状況は次のとお ① 大学医学部附属図書館,歯学部図書館,病 りである. 文献複写,文献調査,図書貸出などについて, 院図書室など 141 の加盟館と,文献複写や書 - 116 - (平成 26 年 3 月末日現在) 文献複写 計 医学文献データベース利用 *1 810 件 外部データベース利用 *2 63 件 文 献 調 査 資料管理データベース利用 0件 その他の方法による調査 2.会員情報室 31,539 件 1,139 件 計 2,012 件 図書貸出 計 338 件 日医および医療政 策関連記事案内 計 2,219 件 延来館者数 計 1,526 人 *1.医学中央雑誌,PubMED,Cochrane Library の 3 種を使用. *2.テレコン 21 を使用.内部利用(役員・委員・職員, 各医師会事務局)に限定した. 都道府県医師会より送付される「入会申込書」 , 「退会届出書」および「異動報告書」に基づく会 員情報の管理・運用,日医定期刊行物に関する発 送業務および日本医師会会員証の発行などを基 本業務としている.また,これらに加え,会員情 報から各種統計資料の作成を行なっているほか, 認定産業医制度,認定健康スポーツ医制度などに ついて各担当課と連携している. ⑴ 個人情報保護法の遵守 平成 17 年度に策定した「日本医師会個人情報 保護方針」 , 「日本医師会個人情報保護規程」およ び個人情報取扱細則 (情報サービス課会員情報室) に基づき, 個人情報保護法の遵守に努めた.なお, 個人情報漏えい保険への加入は継続した. ⑵ 日医定期刊行物の遡及送付 日本医師会への入会は,郡市区医師会(その他 の医師会を含む)および都道府県医師会での手続 ⑺ 図書・雑誌の購入,整理・保管 きを経て行われる.入会日から会員登録完了まで 雑誌は,和文・欧文とも昨年度と同じタイトル に通常 2 〜 3 ヶ月の事務処理期間を要するため, を継続購読した.欧文雑誌の購読契約に際しては 事務処理期間中に送付されなかった日医定期刊 全タイトルの価格を比較検討し,発注先を選定し 行物( 「日本医師会雑誌」 , 「日医ニュース」 )は遡 た.現在の蔵書数は,次のとおりである. 及送付している.本年度は 9,176 件 (新規 4,451 件, (平成 26 年 3 月末日現在) 図 書 和 書 16,252 冊 洋 書 7,147 冊 和 文 継続 653 25,359 冊 欧 文 継続 330 35,356 冊 厚生労働省報告書類 継続 63 3,293 冊 和 文 継続 241 6,144 冊 欧 文 継続 4 225 冊 1,291 93,776 冊 雑 誌 統計, 白書など 総 合 計 継続 再入会 4,725 件)発送した. ⑶ 会員情報データ入力 各届出書の内容を確認し,会員の入退会・異動 に伴う情報の更新対応を行っている.また認定産 業医・認定健康スポーツ医の新規・更新申請書, 認定産業医・認定健康スポーツ医講習会管理デー タの入力を行った. 本年度の対応件数は,約 52,200 件である. (平 成 26 年 3 月末日現在) ⑷ 会員情報データ出力 会員情報室では,会員向け事業のうち次の出力 業務を行った. ①日医定期刊行物(日医ニュースおよび日医雑 誌,遡及送付分含む)の送付用宛名ラベル 等 ②認定産業医および認定健康スポーツ医の更 新申請書,認定証,宛名ラベル,認定者名 簿 ③認定産業医および認定健康スポーツ医の講 - 117 - 習会(日医会館大講堂開催)の振込用紙,受 319 件(バックナンバー 60 件,定期購読 259 件) , 「日医ニュース」142 件(バックナンバー 0 件, 講票修了シール,修了証,宛名ラベル等 ④会費徴収事務用の会費納入明細書(年 3 回) 定期購読 142 件)である. ⑤アンケート調査他,各課および日医総研の事 業支援(宛名ラベル,各種リスト,データ ⑹ 会員情報システムのサーバ機の更新 平成 19 年度に更新を行った会員情報システム の加工等) 出力作業を外部委託する場合,会員データを委 のサーバ機が平成 25 年 8 月に保守終了を迎えた 託業者に提供することになり,個人情報漏えいの ため,省スペース,省電力であり,安定稼働が期 リスクが高くなる.そのため,出力作業は大型汎 待できる構成のサーバへ更新を行った. 用プリンターや証書類専用プリンターを使用し ⑺ 会員情報システムの利用状況 て日医内部で作業を行っている. 会員情報システムは,館内に専用線によるネッ ⑸ 日医定期刊行物の発送 トワークを構築し,館内 16 部署のオンライン利 平成 26 年 3 月末日現在の定期刊行物 1 号あた 用に応じている.平成 26 年 3 月末日現在の使用 りの発送部数は, 「日本医師会雑誌」165,511 部(会 状況は,接続クライアント端末 30 台,登録利用 員 163,933 部,会員外 1,578 部) , 「日医ニュース」 者数は 65 名である. 166,469 部(会員 163,845 部,会員外 2,624 部)で ⑻ 日本医師会会員証発行 ある. 会員証は,日本医師会員が社会活動を行う上 「日本医師会雑誌」は「ゆうメール」にて, 「日 医ニュース」は「第三種郵便」にて送付しており, で,医師である会員としての身分を証明すること 包装・発送業務は外部業者に委託している. 「ゆ を目的として,都道府県医師会および郡市区医師 うメール」を年間 600 万通以上取り扱う業者に委 会(その他の医師会を含む)の協力を得て発行し 託することにより, 「日本医師会雑誌」発送の際 ている.平成 26 年 3 月末現在で有効期間内の会 には大口割引料金が適用されている.また, 「日 員証発行枚数は,8,000 枚である. また,平成 19 年 10 月末からは,順次,更新時 医ニュース」送料は,拠点局(新東京郵便局)へ 郵便区番号毎に区分して差出を行っているため, 期(有効期間 5 年の満了)が到来し,更新分の発 拠点局差出割引及び区分差出割引(合計 11%) 行にもあたっている.本年度の申込件数は平成 が適用されている. 26 年 3 月 末 現 在 で( 新 規 403 件, 更 新 849 件 ) 会員の転勤,転居などにより定期刊行物が宛所 であった. 不明で返送されてきた場合は,該当会員への発送 を一時中止した上で,都道府県医師会へ所在確認 ⑼ 「各届出書」の電子化 標記電子化は長期保存,省スペース化,および や届出書提出確認などを行い,不着改善に努めて 検索・参照等の利便性の向上を目的とし,平成 いる. なお,平成 26 年 3 月末日現在のバックナンバ ー販売及び定期購読件数は, 「日本医師会雑誌」 15 年度より行っている.本年度は,平成 23 年度 分(33,374 件)について実施した. - 118 - 井之川廣江(広島県) ⅩⅥ.女性医師支援センター事業 (女性医師バンク)関係事項 小栗貴美子(愛知県) 佐藤 薫(福岡県) 髙橋 克子(宮城県) 檜山 桂子(広島県) 福下 公子(東京都) 平成 18 年度厚生労働省委託事業として開始し た「医師再就業支援事業」は, 平成 21 年度に「女 丸田 桂子(神奈川県) 性医師支援センター事業」に名称を変更し,本年 村岡 真理(青森県) 度が事業開始から 8 年度目に当たる.本事業では, 矢野 隆子(大阪府) これまでの過去 7 年間に様々な試みを行い,一定 渡辺 弥生(兵庫県) の成果を上げてきた.平成 25 年度は予算総額 1 3.女性医師バンク 億 6,306 万円の委託事業として委託費の交付申請 を行い, 「平成 25 年度女性師支援センター事業特 「女性医師バンク」は,女性医師の就業斡旋の 別会計予算」に計上された.本年度は,従来の事 ために創設された無料の職業紹介所であり,平成 業に加え, 「大学医学部女性医師支援担当者連絡 19 年 1 月 30 日に開設した.主な事業内容は,求 会」等,女性医師支援に関する取り組みについて 職者並びに求人施設の登録,女性医師の就業相談 医師会,大学,学会,行政等,各団体との協力体 と希望条件に合う求人施設の紹介,求人施設の採 制の構築・強化に取り組んだ. 用に関する相談と求職者の紹介,女性医師の就業 後の相談受付・支援である. 1.女性医師支援センター事業運営委員会 実際の運営にあたっては,日本医師会館内にデ 本事業に関わる様々な課題を検討する運営機 ータベース管理や運営に関わる諸問題に対処す 関として,女性医師支援センター事業運営委員会 る機関として中央センターが設けられており,こ (松原謙二委員長他 6 名 平成 25 年 11 月 12 日〜 れとは別に具体的な職業紹介に関する相談窓口 (羽生田俊委員長他 7 名 平成 25 年 10 月 12 日ま として,東日本センター(中央センターが兼務) で) )が設置されており,本年度は平成 25 年 4 月 および西日本センター(福岡県医師会館内)が置 5 日,5 月 29 日,10 月 2 日,12 月 19 日, 平 成 かれている.東・西両センターでは,実際に就業 26 年 3 月 19 日の計 5 回開催し, 前年度事業の検証, を希望する女性医師に対し,医師であるコーディ 事業計画の策定,広報活動の立案,講習会事業の ネーターが個別に相談に応じ就業の斡旋を行っ 検討等,運営に関し多岐にわたる事項について審 ている. その他,東・西両センターのコーディネーター 議を行った. の連絡の場として,平成 22 年度より設置した女 2.女性医師支援委員会 性医師支援委員会を補完する形で,コーディネー 女性医師の支援をより具体的な実効あるもの にするために,様々な課題について検討し,また, ター連絡会を定期的に開催し,コーディネート上 の課題点を整理し解決するため検討を重ねた. 女性医師バンクの実務的な課題に取り組み解決 また,女性医師バンクでは,長期間離職してい することを目的に,平成 22 年度より女性医師バ た医師が研修を希望する場合は,個々の事情や居 ンクコーディネーターをメンバーとして,本事業 住地域,専門科に合わせて全国の各大学附属病院 内に「女性医師支援委員会」 (秋葉則子委員長他 等に対し,個別に受入れをお願いしている. なお,平成 26 年 3 月末日現在の運用状況は, 12 名)が設置されている.本年度は平成 25 年 6 月 13 日,9 月 4 日,平成 26 年 2 月 5 日の計 3 回 求職登録者数が 250 名(累計 705 名) ,求人登録 開催し,女性医師バンクの運営上の実務的な課題 施設数が 1,605 施設(累計 1,820 施設) ,求人登録 の検討を中心に女性医師支援の推進に向けた活 件数が 977 件(累計 4,351 件) ,就業実績が累計 動を行った. 386 件(就業成立 368 件,再研修紹介 18 件)で 委員は以下のとおり 委 員 長 秋葉 則子(千葉県) 副委員長 鹿島 直子(鹿児島県) ある. 4.医学生,研修医等をサポートするための会 委 員 猪狩 和子(東京都) 医学生,研修医等の支援活動として,平成 18・ - 119 - 於:北海道医師会館,出席者:31名) 19 年度,本会男女共同参画委員会が,都道府県 ・近畿ブロック(平成25年10月6日 於:神戸 医師会と共催で実施してきた標記講習会を平成 市内ホテル,出席者:48名) 20 年度より本事業の一環として行っている. ・中部ブロック(平成25年11月17日 於:岐阜 女性医師が生涯にわたり能力を十分発揮する 市内ホテル,出席者:62名) ためには,職場や家庭における理解と協力が不可 ・九州ブロック(平成25年12月8日 於:鹿児 欠であり,性別を問わず,医学生や研修医の時期 島県医師会館,出席者:37名) から男女共同参画やワークライフバランスにつ いて明確に理解しておくことが重要との観点か ・中国四国ブロック(平成25年12月21日 於:岡 ら, 「医学生,研修医等をサポートするための会」 山コンベンションセンター,出席者:44名) ・関東甲信越・東京ブロック(平成26年2月1日 として,都道府県医師会ならびに,日本医学会分 於:日本医師会館,出席者:36名) 科会や医会等の医療関係団体との共催により実 施している. 7.女性医師支援事業連絡協議会 本年度は延べ 66 回(都道府県医師会 50,学会 等 16)開催した. 「女性医師支援事業連絡協議会」は,平成 26 年 5. 女性医師の勤務環境の整備に関する病院長, 病院開設者・管理者等への講習会 2 月 21 日(金)に日本医師会小講堂において開 催した.本年度も昨年度と同様,全 6 ブロックで 開催された「女性医師支援センター事業ブロック 女性医師がキャリアを中断することなく,就業 別会議」の議事内容を踏まえ,各ブロックで報告 を継続するためには,病院長をはじめ上司・同僚 された各地の特徴的・先進的な取り組みを紹介い の理解が不可欠であることから,女性医師に関す ただき,全国で情報を共有することを目的として る就業上の問題点を明らかにし,子育て等,女性 開催した. なお,発表いただいた都道府県医師会は,山形 医師支援についての理解を深めることを目的に, 都道府県医師会との共催により「女性医師の勤務 県医師会,茨城県医師会,岐阜県医師会,兵庫県 環境の整備に関する病院長,病院開設者・管理者 医師会,愛媛県医師会,および宮崎県医師会で, 等への講習会」を開催した. 参加者は 130 人であった. 本講習会は,平成 18 年度から平成 20 年度まで 実施しており,3 年間でほぼすべての都道府県医 8.医師会主催の研修会等への 託児サービス併設費用補助 師会において開催することができたことや,対象 となる病院長,病院開設者・管理者等の交代が, それほど頻繁ではないこともあり,平成 21 年度 本事業では,育児中の医師の学習機会確保を目 以降は一旦休止していたが,その間,法律や制度 的として,研修会等への託児サービス併設費用に 面での変化や病院長等,対象者の交代が進んだこ 対し,一定額の補助を平成 22 年度より行ってい となどを受け本年度より再開した. る. なお,本年度は延べ 22 回開催した. 本年度は,平成 25 年 4 月〜平成 26 年 2 月に開 6.女性医師支援センター事業ブロック別会議 催された都道府県医師会または郡市区医師会が 主催する研修会等を対象とし費用補助を行った. 女性医師バンクを含む本事業を今後も継続発 9. 「2020.30」推進懇話会 展させていくため,各地において地域からの声を お聞かせいただき,さらに本事業への理解を深め 本会では,第 3 次男女共同参画基本計画の閣議 ていただくという双方向による情報の伝達,なら 決定(平成 22 年 12 月)を受け一定の目標を定め, びに各地域内での情報交換の機会として,平成 本会役員や,委員会委員への女性医師の積極的登 21 年度より各医師会の協力を得て, 「女性医師支 用を推進している. 援センター事業ブロック別会議」 を開催している. 「2020.30」 (ニイマルニイマルサンマル)推進 本年度も全国を北海道・東北,関東甲信越・東 懇話会は,その目標達成のための具体的な施策と 京,中部,近畿,中国四国,九州の 6 ブロックに して,女性医師に「本会の組織・運営・活動に関 分け,それぞれ以下のとおり開催した. わる理解を深め,将来,本会の活動に参加してい ・北海道・東北ブロック(平成25年9月21日 ただく」ことを目的に,本事業の一環として,平 - 120 - 見・ご要望を頂戴し,本会の取り組みをさらに実 成 23 年度より開催している. 本年度についても 2 回開催し,平成 25 年度第 効あるものとすることを目的として,平成 25 年 1 回は,これまでに参加されたことのない方を対 9 月 27 日(金)に日本医師会大講堂において開 象に, 「1.日本医師会の組織と事業内容,2.日 催した. 当日は,東北大学,岐阜大学,九州大学の 3 大 本医師会の運営の実際,3.当懇話会について」 をテーマに平成 25 年 12 月 13 日(金)に日本医 学の事例について発表いただいた後,活発な意見 師会小講堂において開催した.参加者は 53 名で 交換が行われた.参加者は,62 大学の担当者お あった. よび,47 都道府県医師会の担当役職員等,200 名 また,平成 25 年度第 2 回は, 「医師会が直面す であった. る問題とそれに対する取り組み」をテーマに,こ 11.女性医師支援に関するアンケート調査 (大学医学部,学会対象) れまでのすべての参加者を対象に,平成 26 年 2 月 14 日 (金) に日本医師会小講堂において開催し, 参加者は 82 名であった. 今後の女性医師支援のための各施策を,より実 効あるものとするため,女性医師支援の取り組み 10.大学医学部女性医師支援担当者連絡会 についてのアンケート調査を各大学医学部(全 各ブロックにおいて開催している「女性医師支 80 大学)ならびに日本医学会分科会(全 118 学会, 援センター事業ブロック別会議」では,近年,都 平成 26 年 1 月現在)を対象に実施した.調査は, 道府県医師会の取り組みと併せ,各大学における 平成 26 年 1 月〜 2 月に実施し,回収率は,大学 取り組み事例の紹介が増加している.このような 医学部が 81.25%(65 大学) ,学会が 86.44%(102 状況を踏まえ,標記連絡会は,各大学での取り組 学会)であった. なお,調査の実施にあたり,質問項目の設定等, みについて,ブロック内に止まらず,全国の大学 医学部,都道府県医師会で情報を共有・活用して 調査設計は女性医師支援委員会が担当した. いただき,併せて女性医師支援センターへのご意 - 121 - 査,国民の意識調査,医療 IT など多岐にわたっ ⅩⅦ.日本医師会総合政策研究機構 (日医総研)関係事項 ている. 研究体制は表 1 のとおりである. なお,研究成果は, 「ワーキング・ペーパー」 にまとめて発行すると同時に,日医総研ホームペ 1.研究体制 ージに全文を掲載している. 今年度に発行した 「ワ 日医総研は,平成 9 年 4 月に「人に優しい医療 を目指して」を掲げて,日医が目指す「国民のた めの医療政策展開」をサポートするためのシンク タンクとして設立され,⑴国民に選択される医療 ーキング・ペーパー」は表 2 のとおりである. 2.日本医師会総合政策研究機構・日本学術 会議共催シンポジウム 政策を企画立案する,⑵国民を中心とする合意形 初めての試みとして日本学術会議との共催で, 成を作り出していく,⑶信頼できる正確な情報を 「福島原発災害後の国民の健康支援のあり方」と 作って提供していくことを目的として,研究活動 いう大変重要なテーマで,シンポジウムを開催し を行っている. た. 日医総研の研究成果は,会内の各種委員会,都 道府県をはじめとした地域医師会と会員の意見 を集約して,日医が政策決定していく過程で参考 にされている.また,関係省庁や政治の場での折 テーマ 「福島原発災害後の国民の健康支援のあり方について」 司会:石井正三常任理事 日時 Ⅰ「事故由来放射性物質による影響の総合的理解 と環境回復に向けた課題」 森口 祐一(東京大学大学院工学系研究科都市工 学専攻教授) 衝において,日医の医療政策提言の妥当性を示す 根拠として活用されている. 直近の課題の検討,研究計画,研究進捗状況報 Ⅱ「福島原発災害後の被災者の健康支援の現状と 課題」 木田 光一(福島県医師会副会長) 告など,研究活動に関する重要事項は,横倉義武 会長(日医総研所長を兼務)以下,全役員の出席 Ⅲ「国や福島県の健康支援に信頼が得られるために」 島薗 進(上智大学神学部特任教授) のもと,毎週一回の「研究企画会議」において審 議して,適時適切な運営を行っている. また,研究に関するディスカッションも適宜開 シンポジウム 催し,研究に関するテーマについて,議論しそれ の幅を広げたり,ワーキングペーパーを研究企画 会議で説明する前に,ディスカッションの場で説 明して種々の意見を交わすことで,ワーキングペ Ⅵ「被ばく医療の現状からみた福島」 明石 真言(独立行政法人 放射線医学総合研究 所理事) ーパーの精査が行われている. に的確かつ敏速に対応していくことが,何よりも 重要である.これら短期的な課題についての研究 と,基礎的かつ長期的な研究を両軸として活動を Ⅳ「科学と地域の架け橋−福島市における育児支 援と人材育成−」 後藤 あや(福島県立医科大学 准教授) Ⅴ「 『健康に対する権利』の視点からみた,福島原 発災害後の政策課題 −国連特別報告書『グローバー勧告』を中心 に−」 伊藤 和子(国際人権 NGO ヒューマンライツ・ナ ウ事務局長) ぞれの専門分野からの意見を交わすことで研究 日医総研の活動は,日々刻々変化する医療情勢 平成 26 年 2 月 22 日(日)13:00 〜 17:00 日医 会館大講堂 「福島原発災害後の国民の健康支援のあり方について」 パネルディス パネリスト 上記シンポジウムの演者から 6 名 カッション 座長:石井 正三常任理事,春日 文子(日本学 術会議副会長) 推進している. シンポジウムでは,各講演の内容及びパネルデ 政府や厚生労働省等と堂々と対峙して議論す ィスカッションでの意見を踏まえ,座長が次のと るためには,日医独自の政策立案能力,意見具申 おり「共同座長とりまとめ」として,とりまとめ 力を高めていくことが必要であり,日医総研への を行った. 研究要請は高まっている. 共同座長とりまとめは,厚生労働省,環境省, 研究領域は,社会保障,医療保障,医療保険, 介護保険,診療報酬,国家財政分析,医療安全, 原子力規制庁,復興庁,国会議員,福島県知事等 へ送付した. 医業経営,医療産業財務分析,医療費経年変化調 - 122 - ⑵ 東京電力福島第一原子力発電所事故の影響 【共同座長取りまとめ】 の科学的解明を 平成 26 年 2 月 22 日 事故後,政府,国会,民間の事故調査報告書が 東京電力福島第一原子力発電所事故後の健康 管理に関して,日本学術会議は,東日本大震災復 公表され, 事故当時の状況が明らかにされてきた. 興支援委員会放射能対策分科会による提言「放射 しかしながら,これらは限定されたデータを基に 能対策の新たな一歩を踏み出すために−事実の 作成されたという限界も否めない. 科学的探索に基づく行動を−」において,住民健 一連の報告以降に,事故直後の周辺地域でのモ 診・検診の継続実施体制の整備や医療体制の整備 ニタリングデータや,ヨウ素の地表沈着量の推計 について,2012 年 4 月に提言した. 値などが新たに公開されており,これらのデータ 一方,日本医師会は,日医総研ワーキングペー に基づく初期被ばくの再評価を含め,事故後に蓄 パー「福島県『県民健康管理調査』は国が主体の 積されてきたデータや知見をもとに,事故の影響 全国的な “健康支援” 推進に転換を」 ,2013 年 4 の一層の科学的解明を図るべきである. 月に発表するなど,健康支援について積極的に発 ⑶ 国・福島県・東電は生活再建の総合的な環境 言してきた. 対策と地域づくりの支援を 2013 年 10 月に環境省に設置された「東京電力 福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管 時間の経過による放射能の物理的減衰・自然減 理のあり方に関する専門家会議」においては,日 衰と除染の効果によって,放射線量が一定レベル 本医師会常任理事及び日本学術会議副会長が専 以下に低下した地域については,避難指示の解除 門家として参画している. が検討されているが,帰還の選択をするか否かは 日本を代表する 2 つの学術専門団体が,こうし た各々の取り組みを踏まえ,さらに連携を深め協 個人の選択を尊重すべきであり,また,選択が可 能な条件整備が必要である. 力して国民への健康支援をはじめとする,東京電 避難指示による避難や自主的避難が長期化し 力福島第一原発発災後の対処のあり方について た中では,放射線に対する不安だけでなく,個々 議論を深めるために,平成 26 年 2 月 22 日共催シ 人の生活再建,コミュニティの復活,地域復興に ンポジウムを開催した. 係る課題にも総合的な対処が必要であり,国・福 共催シンポジウムにおける,各講演の内容及び 島県・東電・専門家・科学者は住民の不安に応え パネルディスカッションでの意見を踏まえ,以下 るための対話などを通じて,地域づくりの基礎と の 6 点を「共同座長取りまとめ」とした. なる信頼関係の再構築をすべきである. ⑴ 国・福島県・東電,そして専門家・科学者は ⑷ 国の健康支援システム・汎用性のあるデータ 健康支援対策への信頼の回復を ベースの構築を 被災者は福島県だけでなく,隣接県を超え全国 県域を越えた被災者や,廃炉作業員・除染作業 に広がっているが,被災者に対する国・県の健康 員等も対象とした国の健康支援システムの構築 支援は不十分であるとの声もある.それらの声に と, さらに様々な健診データ等のデータベースを, 耳を傾け,不安の持たれている健康影響について 被災者・廃炉作業員・除染作業員等の健康支援の は,検査の意味を丁寧に伝えたうえで,十分な検 ために広く共有できる,例えば(仮)日医健診標 査や調査を行い,その情報を国民に明らかにする 準フォーマットのような汎用性を具備したデー ことが重要である.健康支援策の具体的内容も重 タベースを,構築すべきである. 要であり,その拡充と意義の説明によって信頼が 回復され,安定した生活感覚を取り戻すことがで ⑸ 住民や作業員への健康支援・人的資源育成等 のためのナショナルセンター整備を きる. 被災した住民や廃炉作業員の健康支援や,放射 医師・保健師など専門家また科学者においても, 解り易い合意に基づく助言を目指し,意見の相違 線汚染環境情報の集積,さらには緊急被ばく医療 が存在する時は解り易く説明する責務を持つ. 体制を整えるための人的資源育成等の,中心的機 能を担うナショナルセンターを,いわき市におけ る誘致要望にも留意し,設置すべきである. - 123 - ⑹ 健康権の概念を尊重し長期的かつ幅広い視 点からの健康支援体制の構築を 「認定サポート事業所」は 187 事業所となった(平 成 26 年 3 月末現在) . 経済的,社会的及び文化的権利に関する国際規 約第 12 条第 1 項において, 「全ての者が到達可能 ⑵ 定点調査研究事業 な最高水準の身体及び精神の健康を享受する権 平成 20 年 4 月よりテスト導入してきた,日レ 利を有すること」 ,いわゆる「健康権」が認めら セを用いたレセプトデータ収集分析のための「定 れている. 点調査研究事業」は, 「医事会計定点調査」とリ 健康権の概念に照らした,全国に散在する被災 アルタイム公開「感染症サーベイランス」の二本 者を含め長期的かつ幅広い視点からの健康支援 立てでの運営を行い,特に平成 22 年 12 月よりイ が必要である. ンフルエンザについて「感染症サーベイランス」 命の視点,倫理的視点に立ち,原発サイトや除 のテスト公開を日本医師会ホームページ上で開 染で働く作業員の,労働作業環境の管理,健康管 始することに力を注いできた.平成 26 年 3 月末 理・健康支援,緊急被ばく医療体制の整備,関係 には 3,900 を超える参加者を数え,随時使い勝手 者の知識共有と理解,そして住民参加による政策 を含めた改良に取り組むとともに,日本薬剤師会 やシステムづくりが必要である. と国立感染症研究所感染症疫学センターで実施 している「薬局サーベイランス」のデータを追加 3.ORCA プロジェクト した. ⑴ 日医標準レセプトソフト(日レセ)の導入・ ⑶ 介護対応 普及状況 医師会総合情報ネットワーク構想の一環とし 介護保険制度や障害者総合自立支援法におけ て平成 13 年度末に公開された日医標準レセプト る,主治医意見書・医師意見書,及び訪問看護指 ソフト(以下,日レセ)は,度重なる診療報酬改 示書の作成ソフトである「医見書」は,製品改良 定への着実な対応と機能改良を重ね,レセコン大 などの対応を継続し,25,382 件の導入を実現して 手として一翼を担う状況となっている.平成 26 いる.給付管理や介護報酬請求支援ソフトの「給 年 3 月 17 日現在の稼働あるいは導入作業中の施 管鳥」も 2,735 件の導入を果たし,医療保険と介 設数は 13,935 で,前年比 1,138 増と導入数も着実 護保険の両方で扱う訪問看護ステーション専用 に増加している.平成 22・23 年度日医 IT 委員 の「訪看鳥」も,約 514 件の訪問看護ステーショ 会答申に沿ったクラウド型の開発も進めており, ンなどで利用されている. (平成 26 年 3 月末現在) 2 月には「日本医師会医療情報システム協議会」 での発表を行った.一方で電子カルテとの接続規 ⑷ 特定健診対応 健診医療機関の電子化対応を支援する目的で, 格の充実などにも力を入れているところである. 日レセの適正な導入のサポートを推進する日医 フリーソフトとして提供している「日医特定健康 総研 日医 IT 認定サポート事業所制度について 診査システム」はシステムの改良とユーザーへの も,選考試験・認定診査を実施し, 「認定システ サポート窓口の運営を継続し,現在約 800 件の会 ム主任者」487 名, 「認定インストラクタ」570 名, 員に利用されている. - 124 - 表 1 日医総研 研究体制 研究部長 1 名,研究員 37 名(常勤 20 名,非常勤 17 名) 役 職 氏 名 摘 要 日本医科大学 女性診療科・遺伝子診療科 講師,慶應義塾大学医学部客 員准教授 研究部長 澤 倫太郎 研究部統括部長 畑 仲 卓 司 (主席研究員) 医療経営(共同利用施設) ,医療安全,医療環境 研究部専門部長 前 田 由美子 (主席研究員) 社会保障財政,医療政策 客員研究員 (非常勤 13 名) 海外駐在研究員 (非常勤 4 名) 窪 寺 健 保健事業の第三者評価に関わる IT 基盤整備(医療福祉クラウド協会理事) 谷 田 一 久 医療経営(ホスピタルマネジメント研究所 代表) 土 居 丈 朗 財政,年金制度(慶応義塾大学 経済学部 教授) 永 田 高 志 災害・救急医学(九州大学大学院医学研究院 先端医療分野 災害救急医 学助教) 前 田 正 一 医事法制,医療安全(慶應義塾大学 大学院健康マネジメント研究科 医療 マネジメント学 准教授) 梅 村 聡 医療政策・医療行政(前参議院議員) 桑 嶋 巌 臨床研究適正評価(臨床研究適正評価教育機構 理事長) 佐 瀬 恵理子 米国の医療動向(東京大学大学院 医学系研究科 非常勤講師) 高 橋 泰 地域医療(国際医療福祉大学大学院,医療経営分野教授) 西 島 英 利 精神医療(元参議院議員) 峰 村 健 司 医療訴訟(関東中央病院) 村 上 正 泰 医療経済,医療政策(山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授) 森 宏一郎 経済社会の中で医療提供のあり方の研究(滋賀大学国際センター准教授) 奥 田 七峰子 (在仏) フランスの医療動向 橋 本 千 代 (在米) 米国の医療動向 三 浦 淑 子 (在仏) 仏・英・独の医療制度および医療情報ネットワークの動向 ポール・タルコット (在米) 米国およびドイツの医療動向 上 野 智 明 (主席研究員) 医療情報システム(ORCA 総括) ,IT 江 口 成 美 (主席研究員) 地域医療,医療経営,社会医療調査 角 田 政 (主席研究員) 医業経営(会計・税務) (税理士) 西 澤 直 衛 (主席研究員) 医療政策 秋 元 宏 (主任研究員) 医療情報システム(ORCA 販促) 矢 野 一 博 (主任研究員) 医療情報システム(認証局)IT 吉 田 澄 人 (主任研究員) 特定健診,医療経営(共同利用施設) 医療情報システム(ORCA)*サポート業務委託契約先社員 西 川 好 信 (主任研究員) (メディカルドメイン) 研究員 (常勤 18 名) 野 村 真 美 (研究員) 介護保険,在宅医療 渡 部 愛 (研究員) 医療情報システム(ORCA) 坂 口 一 樹 (研究員) 医療産業 佐 藤 和 孝 (研究員) 医療情報システム(ORCA) ,統計解析 出 口 真 弓 (研究員) 社会医療調査 王子野 麻 代 原子力安全 矢 澤 真奈美 地域医療 田 中 美 穂 倫理,在宅医療 尾 崎 孝 良 (主席研究員) (弁 護 士) 水 谷 渉 (主任研究員) (弁 護 士) 医療法務 - 125 - 外部評価委員 (非常勤 4 名) 池 上 直 己 慶応義塾大学医学部 医療政策・管理学教室教授 大 道 久 社会保険横浜中央病院長 田 中 滋 慶応義塾大学大学院 経営管理研究科教授 マイケル・R・ライシュ ハーバード大学 公衆衛生大学院教授 石 原 謙 愛媛大学大学院医学系研究科医療情報学分野教授 アカデミックアド 権 丈 善 一 バイザー(4 名) 土 居 丈 朗 村 上 正 泰 慶應義塾大学 商学部教授 慶應義塾大学 経済学部教授 山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 表 2 日医総研…ワーキング・ペーパー(平成 25 年度) 発行月 号 数 平成 25 年 4 月 WP278 介護保険サービス提供の動向− 2010 年 4 月から 2012 年 10 月まで− 題 名 野村 真美 平成 25 年 4 月 WP279 在宅医療についての郡市区医師会アンケート調査結果 前田由美子 平成 25 年 5 月 WP280 福島県「県民健康管理調査」は国が主体の全国的な “健康支援” 推進 畑仲 卓司・吉田 澄人・ に転換を−原子力規制委員会における健康管理調査検討の問題点等− 王子野麻代 平成 25 年 5 月 WP282 医師と薬局および薬剤師の業務についての一考察−医薬分業・後発医 前田由美子 薬品・スイッチ OTC − 平成 23 年 4 月 WP283 民間第三分野保険における現物給付型保険と高額療養費制度および先 前田由美子 進医療について 平成 25 年 7 月 WP284 2012 年(2011 年度)病院における地球温暖化対策自主行動計画フォ ローアップ報告−地球温暖化対策の推進にはエネルギーコスト面の検 畑仲 卓司 証が不可欠− 平成 25 年 6 月 WP285 医師会病院の公的医療機関への位置づけに関する研究〜地域住民を対 畑仲 卓司・水谷 渉・ 象としたアンケート調査からみた医師会病院の公的医療機関としての 佐藤 和孝 位置づけ〜 平成 25 年 6 月 WP286 TPP に関する一般紙社説の変遷について 平成 25 年 7 月 WP287 病院における使用電力の部門別・用途別実態把握と削減方策に関する 研究−電力面の省エネ対策と使用電力削減効果推計及び電力使用制限 畑仲 卓司 令の検証− 平成 25 年 7 月 WP288 医薬品関連企業の 2012 年度決算− 2012 年度診療報酬改定の影響など− 前田由美子 平成 25 年 7 月 WP289 IT を利用した全国地域医療連携の概況(2012 年度版) 平成 25 年 7 月 WP290 原子力発電所災害による全国的な緊急被ばく医療対策に関する研究− 畑仲 卓司・尾崎 孝良・ 国は 50mSv 拡散シミュレーションの実施・開示と原子力災害対策指 吉田 澄人・佐藤 和孝・ 針の安定ヨウ素剤の配布・備蓄等の再検討を− 王子野麻代 平成 25 年 7 月 WP291 院外処方の評価に関する研究−医薬分業元年から約 40 年を経た調剤 矢澤真奈美 報酬の妥当性についての考察− 平成 25 年 7 月 WP292 いわゆる “雇用の質向上” 論について:労働環境の改善と人材確保の 田中 美穂 一体的整備を 平成 25 年 8 月 WP294 かかりつけ医機能の強化に向けた調査研究 江口 成美 平成 25 年 9 月 WP295 東日本大震災ファクトブック 2012 年版 出口 真弓 平成 25 年 10 月 WP296 介護保険下における営利企業の現状と課題−大手企業の最近の決算等 前田由美子 を踏まえて− 平成 25 年 10 月 WP297 大規模災害への対応にかかる提言等支援のための研究−平時の法律の 畑仲 卓司・尾崎 孝良・ 想定を超える「大規模災害の緊急非常事態対処法」の制定等を− 吉田 澄人 平成 25 年 10 月 WP298 平時の想定を超える大規模災害時の緊急事態対処法制の在り方について 尾崎 孝良 平成 25 年 10 月 WP299 保険外併用療養の現状について−いわゆる「混合診療」の解禁を取り 前田由美子 巻く動き− 平成 25 年 10 月 WP300 2012 年度診療報酬改定後の医療費の分析−長期処方による診療所の 前田由美子 外来受診日数減少と中小病院の現状など− 平成 25 年 10 月 WP301 平成 25 年 有床診療所の現状調査 平成 25 年 11 月 WP302 医療機器市場の現状と特定保険医療材料の内外価格差に関する実態調査 吉田 澄人 - 126 - 担当研究員 前田由美子 上野 智明 江口 成美 TKC 医業経営指標に基づく経営動態分析− 2012 年 4 月〜 2013 年 3 角田 政 月期決算− 平成 25 年 11 月 WP303 平成 25 年 11 月 WP304 「第 19 回医療経済実態調査報告−平成 25 年実施−」の分析 前田由美子 平成 25 年 11 月 WP305 医療費の伸びと診療報酬の関係についての考察−再診料と調剤技術料 前田由美子 を中心に− 平成 26 年 1 月 WP307 JMAT 以降の被災地への継続的な医療支援のあり方に関する研究 − JMAT Ⅱ活動の実態把握と課題の検証− 出口 真弓 平成 26 年 4 月 WP308 災害時の在宅医療のあり方 計画停電に関する調査結果を踏まえて 野村 真美 平成 26 年 4 月 WP309 民間介護保険に関する問題点 公的介護保険との関係性ならびに現物 野村 真美 給付型商品解禁の議論に関する考察 平成 26 年 3 月 WP310 医薬品卸の M & A 戦略の検証:2007 年度〜 2012 年度の決算分析から 坂口 一樹 - 127 - 直しを行っており,平成 25 年度は,我が国で ⅩⅧ.日本医師会治験促進センター 関係事項 可及的速やかに適切な使用が可能となるべく 薬事法上の承認を受けることが望ましい,且つ 企業による開発の見込みがないまたは企業に よる開発の優先順位が低いなど,医師主導によ る開発の意義がある医薬品又は医療機器であ 日本医師会は,平成 15 年に治験促進センター り,次の①および②に該当するものとした. を設置し,厚生労働科学研究費補助金を用いた研 ① 致死的な疾患など医療上その必要性が 究事業を実施することにより,健康福祉関連施策 高いもの の高度化等に努めている.平成 23 年度からは, 「厚 ② 既存の治療法がないなど医療上必要性 生労働科学研究 (医療技術実用化総合研究事業 (治 が高いもの 験推進研究事業) ) 」を実施している. 治験促進センターの組織として,センター長は 推薦を受けた医薬品等は治験候補薬等とし 中川俊男副会長,主担当理事の今村定臣常任理事 てリスト化し Web サイトで公表している.平 及び副担当理事の小森 貴常任理事,実務担当と 成 25 年度の治験候補薬等の推薦数は,医薬品 して医師主導治験に関する研究の支援,治験の普 が 17 品目,医療機器が 1 品目であった.平成 及啓発・研修企画等を行う「研究事業部」 ,IT シ 26 年度分として平成 25 年 11 月 28 日付で日本 ステム開発等を行う「情報システム部」 ,経理, 医学会分科会に推薦依頼を行い,現在までの治 人事,法務等を行う「総務部」からなり,計 17 験候補薬等の推薦数は,医薬品 3 品目,医療機 名を配している(平成 26 年 3 月末日現在:職員 器 2 品目である(平成 26 年 3 月末日現在) . ⑵ 医師主導治験の研究採択 9 人,非常勤職員 6 人,アドバイザー 2 人) . 本研究の医師主導治験は,3 種類の研究( 「治 平成 25 年 4 月から平成 26 年 3 月末日まで(以 験の計画に関する研究」 , 「治験の調整・管理に 下, 「平成 25 年度」という)に実施した業務の成 関する研究」 , 「治験の実施に関する研究」 )と 果をここに報告する. して実施している.大規模治験ネットワーク登 録医療機関に所属する医師は,申請者(研究の 1.医師主導治験の実施支援に関する研究 実施を希望する者)となってリスト化された治 1.医師主導治験に関する業務 験候補薬等の候補の中から自身が研究代表者 ⑴ 治験候補薬及び治験候補機器の推薦依頼 となって実施する治験の治験薬・治験機器を選 択し,研究を申請する.なお,研究の採択にあ 医師主導治験は,薬事法の改正により平成 15 年から可能となったもので,医療機関が企 たっては,外部委員会(治験推進評価委員会) 業からの依頼に基づいて実施する治験とは異 の評価を踏まえて決定することにより,研究の なり,医師自らが治験を計画・実施する治験を 質の向上や透明性・公正性の確保を図ってい いう.そのため,医療現場で高い必要性が叫ば る.また,実績報告書等に関しては,平成 20 れている医薬品・医療機器(以下, 「医薬品等」 年度に開発した治験推進研究支援システムを という)でありながら「採算性等の理由で企業 利用し,効率的に提出・管理することが可能に が積極的には開発を進めておらず,我が国では なっている.平成 25 年度は,5 課題を新規採 製造販売承認を取得していない医薬品等」及び 択した(図 1 を参照) . 「医薬品等自体は承認を取得しているが,承認 ⑶ 医師主導治験の研究進捗 された適応症以外にも一般的に使用されてい これまでに採択した医師主導治験の進捗状 る医薬品等」の製造販売承認等の取得を目的と 況は,治験を終了して承認取得済のものが 9 課 した医師主導治験の実施が期待されている.本 題(11 品目) ,治験を終了して承認申請済み及 研究の医師主導治験においては,これらの医薬 び準備中のものが 2 課題(3 品目) ,治験を実 品等の医療現場での必要性を考慮しており,日 施中のものが 16 課題(16 品目) ,治験を準備 本医学会分科会に臨床の現場で早く適切な使 中のものが 5 課題(5 品目) ,研究終了や外国 用が可能となるように強く望まれている医薬 での開発状況の変化により研究中止したもの 品等の推薦を依頼している. が 8 課題である(図 2 を参照) . 推薦基準は国の施策等を考慮し年度毎に見 - 128 - 図 3 大規模治験ネットワークの登録状況 し,加えて各組織がこれらの情報を本システム上 及び自組織のオフィシャルサイト等で容易に公 開することが可能であり,治験依頼者等利用者に 図 1 採択研究課題数 対しより多くの情報を迅速に発信することがで きる.平成 25 年度は本システムの改善として, 入力エラーチェック対応や選択肢の見直しを行 った.更に今後の改善点等を明確にするため,治 験依頼者及び医療機関に対して調査を実施し,治 験実施医療機関情報データベースの活用状況等 の現状を把握した. 2.人材育成 ⑴ 臨床試験のための eTraining center の運営 治験・臨床研究に携わるスタッフの学習の 場を提供するため,平成 19 年度に構築したイ 図 2 研究の進捗状況 ンターネットを用いた学習システム「臨床試験 のための eTraining center」 (https://etrain. jmacct.med.or.jp/)の管理・運営を行っている. 2.治験環境の整備に関する研究 具体的には,日本医師会生涯教育制度と連携し 1.体制整備 て生涯教育制度の単位・カリキュラムコード取 我が国で質の高い治験を実施するための体制 得可能なコースを公開するとともに,定期的に 整備を目的とした,全国規模のネットワークであ 学習コンテンツの追加,法令等の改正に伴う設 る大規模治験ネットワーク構築を平成 15 年度に 問の見直し及び動画の公開,ユーザへの利用ア 開始し,全国の医療機関を対象とした登録医療機 ドバイス,ユーザからの要望を基にシステム改 関の募集を継続して行った.平成 25 年度におけ 善を行っている.平成 25 年度の新規設問数は る登録医療機関は新規登録が 21 施設(内訳:病 12 問,新規登録ユーザ数は 2,473 名であった. 院が 17 施設,診療所が 4 施設)であった.また, (平成 26 年 3 月末日現在:総設問数は 1,726 題, 総ユーザ数は 17,118 名) 治験を実施しなくなった,医療機関の統合などの 理由から 5 施設(内訳:病院が 5 施設)の登録削 ⑵ 治験・臨床研究の関係者を対象とした情報 除があった. (平成 26 年 3 月末日現在:総登録数 の提供 1,637 施 設( 内 訳: 病 院 が 942 施 設, 診 療 所 が ①ニュースレターの配信 平成 16 年度より,大規模治験ネットワー 695 施設) ) (図 3 を参照) . 大規模治験ネットワーク管理システムは,各登 ク登録医療機関を対象に,治験実施医療機 録医療機関が自組織の医療機関情報・治験の実施 関の募集(企業治験・医師主導治験) ,治験 体制情報・治験プロセス情報の入力管理を可能と 関連会合の開催,治験関連通知の発出等の - 129 - 情報をその都度配信している.平成 25 年度 上を目的とした機能追加を実施した.また平成 は 44 通のニュースレターを配信した. 25 年度は,53 試験が新規登録された. (平成 26 年 3 月末日現在:総登録数は 173 試験) ②会合の開催 治験・臨床研究に関する情報提供,意見 ⑵ 治験啓発ツールの貸出と啓発資料・ポスタ ーの配布 交換のため,平成 25 年度治験推進地域連絡 医療機関が実施する治験啓発活動をより拡 会議(2 月大阪, 3 月福岡・東京)を開催した. 「第 13 回 CRC と臨床試験のあり方を考え 充するため,イベント,病院の待合室等で活用 る会議 in 舞浜(9 月) 」においては, 『臨床 するためのツールとして治験啓発のパネルや 研究・治験活性化 5 か年計画 2012』で「IT DVD 等の貸出,啓発資料・ポスターの配布を 技術の更なる活用等」が目標として挙げら 行った. れており,これらの目標を達成するために 開発したカット・ドゥ・スクエアの誕生背 4.効率化 景から治験業務の効率化を目的に本年 8 月 ⑴ 統一書式の作成支援(統一書式の使用徹底 に関する業務を含む) に公開した新機能および電磁的記録の保管 「治験の依頼等に係る統一書式について」 (平 の実現に向けた今後の展望についてお昼ど 成 19 年 12 月 21 日医政研発第 1221002 号)及 きセミナーを開催した. び「治験の依頼等に係る統一書式について」 (平 ③会合でのブース展示 治験・臨床研究に関する情報提供及び意 成 20 年 1 月 16 日 19 高医教第 17 号) (以下「統 見交換のため, 「第 13 回 CRC と臨床試験の 一書式通知」という. )に基づいた文書の作成 あり方を考える会議 in 舞浜(9 月) 」及び「第 効率向上のため,また治験情報の IT 化を鑑み 34 回日本臨床薬理学会年会(12 月東京) 」で た我が国全体としての治験の効率化のため,平 ブース展示を行った. 成 22 年 3 月から統一書式入力支援システムと ④会合でのポスター展示 してカット・ドゥ・スクエアを公開し,利用申 日本医師会が実施する臨床研究・治験推 請をスタートした.また,カット・ドゥ・スク 進研究事業における医師主導治験の動向と エアの利用普及活動のため,医療機関並びに県 治験推進に関する取り組みとして, 「第 34 回 医師会,治験依頼者及び関連団体等の依頼に基 日本臨床薬理学会年会(12 月東京) 」及び づき説明会(42 回)を開催し,平成 25 年度の 「26TH ANNUAL Euro Meeting Vienna 2014 新たな利用申請は 331 件,総利用組織は 623 件 (3 月 Vienna, Austria)でポスター展示を行 となった. (平成 26 年 3 月末日現在:治験依頼 者:46 件,実施医療機関:357 件,治験審査委 った. 「治験等の効率化に関する報告書」に基づ 員 会:160 件, 開 発 業 務 受 託 機 関(CRO: く医療機関実施体制データベースの周知,発 Contract Research Organization) :25 件,治験 展について(第 2 報)として, 「第 34 回日本 施 設 支 援 機 関(SMO:Site Management 臨床薬理学会年会(12 月東京) 」でポスター Organization) :30 件,ネットワーク:5 件) 平成 25 年 3 月 26 日に統一書式通知が改正さ 展示を行った. れたことに伴いシステム改修対応を実施し,コ 3.普及啓発 ンピュータ化システムバリデーション(CSV) ⑴ 臨床試験の登録と結果の公表に関する業務 対応を行った.また,カット・ドゥ・スクエア WHO International Clinical Trials Registry を治験業務支援システムとすべく大幅な機能 Platform(WHO ICTRP)が策定した臨床試験 追加を行い,治験に参加する組織間または自組 登 録 機 関 に 関 す る 国 際 基 準(International 織内でのファイル共有を可能とし,統一書式に Standards for Clinical Trial Registries)に対応 添付される資料の保存及び治験審査委員会 した登録情報管理を行い,登録済み情報に対し (IRB:Institutional Review Board)配布資料の 電子化機能を公開した. 53 件の情報更新及び更新内容の確認を行った. 併せて登録試験情報に対し,海外研究者が容易 ⑵ 企業治験における実施医療機関の選定等の に閲覧できることため英語情報を抜粋し,新た な掲載の仕組みを構築することで検索性の向 - 130 - 調査 企業治験における治験依頼者に対して,実 施医療機関選定業務の軽減及び新規医療機関 5.IT(Information…Technology)システム開発 の紹介並びに実施医療機関に対し企業治験を ⑴ カット・ドゥ・スクエア 受託する機会増加のため,平成 19 年度から開 カット・ドゥ・スクエアに対し治験業務支 始した企業治験の実施医療機関の選定等の調 援システムとしてより一層の効率化実現を目 査を継続して行った.平成 25 年度は,11 試験 的に以下の作業または改善を実施した. の新規治験を紹介することにより,延べ 339 施 ①治験関連文書の電子的配布および治験審査 設の実施医療機関より調査への回答があった. (平成 26 年 3 月末現在:総紹介治験数は 113 試 委員会の電子化機能 システム内で利用者が作成・保存する治 験,総調査回答実施医療機関は延べ 2,592 施設) 験関連文書を自動的に所定のフォルダへ保 調査依頼企業との秘密保持契約に係る手続 存をする機能,作成する書類へ添付ファイ きの効率化を図るため,契約書(雛形)に定め ルを登録する機能,これらの資料を用いて る有効期限を明文化し,調査依頼企業の情報開 治験審査委員会の開催管理(出欠確認,資 示に対するポリシーに応じて雛形を選択でき 料の電子的配布,資料閲覧確認,議事概要 るよう改訂を行った. の自動作成と自動公開,議事録作成機能)に 関する機能追加を実施した. ⑶ 安全性情報管理システムの提供 医師主導治験では治験責任医師が行わなけ ればならない副作用等の情報伝達の効率化の ② CSV(コンピュータ化システムバリデーシ ョン)対応 ため,平成 17 年度に開発した「安全性情報管 治験促進センター CSV ポリシーおよび 理システム」を治験ごとにカスタマイズしたう CSV ガイドラインに則ったバリデーション えで提供している.平成 25 年度は,新たに 4 対応として平成 25 年度公開した機能および 試験のシステムを構築し,13 試験で利用され 次年度公開予定の開発中機能に対し,以下 た. (平成 26 年 3 月末日現在:システム総利用 の作成および作業を実施した. プロジェクト計画書,初期リスクアセス 数は 29 試験) メント,バリデーション計画書,ユーザ要 ⑷ 治験ネットワークに対する支援 『臨床研究・治験活性化 5 か年計画 2012』 では, 求仕様書,機能リスクアセスメント,機能 治験の効率化及び症例集積性の向上を目的に 仕様書,設計仕様書,据付時適格性評価: 治験ネットワークの重要性に加えて,治験ネッ IQ(Installation Qualification) ,運転時適格 トワークの促進,機能強化の必要性が挙げられ 性評価:PQ(Operating Qualification) ,性 ている.これに基づき,既存治験ネットワーク 能適格性評価(Performance Qualification) , 間の情報・意見交換や製薬企業・医療機器企業 バリデーション報告書,プロジェクト報告 との意見交換による企業治験の機会増加のた め, 「平成 25 年度治験ネットワークフォーラム (1 月東京) 」を開催した.治験ネットワーク・ 書. ③治験関連文書の電磁的記録の保存(電子原本 管理)機能 製薬企業・医療機器企業・CRO・SMO・医療 システム内で管理する治験関連文書を利 機関・行政より約 180 名の参加があり,活発な 用者の操作により電子署名を施すことによ 議論が繰り広げられた. り電磁的記録の保存として正本として管理 を行う機能を追加するためのユーザ機能設 ⑸ 治験調整事務局業務に対する支援 医師主導治験で治験調整事務局が行う情報 伝達の効率化のため,平成 22 年度に開発した 計書,詳細設計書の作成を実施した. ④災害対策 「医師主導治験フォーラムサイト」を,発展的 災害時のデータ消失の防止と迅速な復旧 解消を目的として治験ごとより機能に優れた を目的にシステム内で管理する情報を遠隔 カット・ドゥ・スクエアへ順次移行を実施して 地で管理する機能および設備の追加を実施 いる.平成 25 年度は, 既存試験を 2 試験移行し, し,日々のバックアップデータを退避する 新たな試験として 4 試験を支援している. (平 運用とした. 成 26 年 3 月末日現在:フォーラムシステム総 ⑤ SSO(シングルサインオン:Single Sign-On) サーバの構築および機器の増強 利用数は 4 試験) 他システム関連系を容易にし,一度の操 - 131 - ② CSV(コンピュータ化システムバリデーシ 作で複数システムへログインを可能とする ョン)対応 SSO サーバの設計および構築,ハードディ スク装置の増強を実施した.これらに伴う 治験促進センター CSV ポリシーおよび 運用設計の変更および手順の導入教育を実 CSV ガイドラインに則ったバリデーション 施した. 対応として以下の作成および作業を実施し た. ⑥ ASP・SaaS クラウドアワード 2013 受賞 経済産業省が後援する ASP・SaaS クラウ プロジェクト計画書,初期リスクアセス ドアワード 2013 において,治験関連文書の メント,バリデーション計画書,ユーザ要 電子的配布によるペーパーレスの推進が評 求仕様書,機能リスクアセスメント,機能 価され,ベスト環境賞を受賞した. 仕様書,詳細設計書,据付時適格性評価: IQ(Installation Qualification) ,運転時適格 ⑵ 治験計画届作成支援システム 性評価:PQ(Operating Qualification) ,性 医師主導治験の研究者が治験計画届を当局 へ申請する際に必要となる XML ファイルの作 能適格性評価(Performance Qualification) , 成支援をする仕組みを公開した. バリデーション報告書,プロジェクト報告 ①治験計画届作成機能 書等の作成および各種外部監査対応. 医 薬 品, 医 療 機 器 の 治 験 計 画 届 デ ー タ ⑶ 臨床試験のための eTrainingCenter (XML)をインターネット上で作成する機能 利用者の増加に伴い検定試験等で大量ユー およびシステム管理機能,研究者管理機能 ザが同時に操作を行うことを考慮し,800 人が を公開した. (平成 26 年 3 月末日現在:48 同時に接続を行えるように設計およびハード 件(メーカー(企業)21 社,医療機関(研 ウェア機器の調整・設定変更作業を実施した. 究者)27 件) ) - 132 - 保した医療 IT 基盤の整備事業」としている. ⅩⅨ.日本医師会電子認証センター 関係事項 平成 25 年度は,センターの設置初年度であっ たため,電子認証センター自体の体制整備に取り 組んできた.IC カードの券面表記等,さまざま な議論を重ね,券面に関しては「医師資格証」と 日本医師会電子認証センターは,平成 25 年 5 し,電子認証センターの発行する医師資格証が, 月 14 日の理事会において承認を得て,正式に日 最終的には日本医師会の会員組織強化,会員獲得 本医師会の内部付属機関として設置された.電子 のためのツールとなるよう準備を進め,平成 26 認証センターの事業の 2 本柱は「1.医師資格を 年 2 月 8 〜 9 日に開催された「日本医師会医療情 証明する電子証明書(IC カード)の発行事業」 報システム協議会」において正式に発行が開始さ 並びに「2.認証局を活用するセキュリティを確 れている. - 133 - 平成 25 年度事業報告には, 「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律施行規則」第 34 条第 3 項に 規定する附属明細書「事業内容の報告を補足する重要な事項」が存在しないので作成しない. 平成 26 年 6 月 公益社団法人 日本医師会 - 134 - - 135 -