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UPOVにおける議論の状況について(第2回懇談会資料)(PDF:250KB)
参考資料 7 UPOVにおける議論の状況について 食料産業局 平成25年10月16日 UPOV3月会合(2013年)の結果概要① (1)第49回技術委員会(TC)の主な議題とその結果 ○ 技術委員会(TC)では、各技術作業部会(TWPs)において取りまとめられた植物別の審査基準や新 品種の審査の運営に関する技術的事項について検討することとされている。 技術作業部会からの提案事項 ○UPOV審査基準策定の作成担当者が作業部会に出席しない 場合の取り扱いを作業部会で検討することとされた。 ○種間交雑として、サクラとウメの交雑品種、西洋ナシと日本ナ シの交雑品種の例について報告がなされた。 ○作業部会等の参加の有用性、改善点、出席しない理由につ いてのアンケート調査を実施することが了承された。 TGP文書 ○新たなTGP文書として「DUS試験における、生化学・分子マー カーの利用に関するガイダンス(TGP15)」の案が検討され、次回 理事会での採択を目途として改定案を作成することとされた。 ○TGP14は、UPOV文書で用いられる技術用語などの手引き であり、葉の縦横比等比率で表現される状態区分の統一、色 の表現の追加が検討され、次回理事会での採択が提案され ることとなった。 ○また、TGP7等既存のTGP文書についてもTGのひな形の作 成、区別性審査における供試個体数のガイダンスの作成など が提案され、今後各作業部会で検討することが了承された。 分子技術 ○分子技術の利用例として、英から大麦の季節型の評価、仏 からテンサイの線虫抵抗性等、蘭からリファレンスコレクション の管理、ブラジルから大豆等の品種の同定が報告された。 ○ISOから種子に関連した分子技術の現状報告があり、ISTA、 OECDはUPOVとの合同会議への協力が可能と報告された。 品種名称 ○UPOVでは、品種名称に関するルールとしてUPOV/INF/12/4を 定めており、国際生物科学連合(IUBS)の定めている国際栽 培植物命名規約(ICNCP)と一部異なる部分が生じており、今 後の協力に向けての取組みについて報告された。 情報及びデータベース ○「UPOVコードシステムのガイド」の改訂、合計7061件のコー ドが存在する旨の報告があった。 ○えんどうを事例にデータの評価に基づくグルーピング形質の 選定状況が報告され、他の作物でも検討することとされた。 ○電子出願様式の原型について、CPVO主導で検討されてい る旨が報告された。 複数回の試験結果に基づく異型個体による均一性の評価 ○加盟国間で、植物種により適用する方法に差があり、異なっ たアプローチがされていることが報告され、ガイダンスを提供 するための検討がなされることとなった。 UPOV審査基準 ○ボタン、台木用トマト、パイナップル、ヒラタケ等15の新たな UPOV審査基準が採択された。また、12種類(グラジオラス、 パパイヤ、スイカ、レタス、トマト等)についてUPOV審査基準 の改定が行われた。 1 UPOV3月会合(2013年)の結果概要② (2)第67回管理法律委員会(CAJ)の主な議題とその結果 ○ 管理法律委員会(CAJ)では、管理・事務面や法的事項を中心に、技術委員会(TC)及び理事会(C) の所管に属する事項以外の事項について検討する。なお、CAJでの合意を踏まえ、実際の各種文書 の作成は、管理法律委員会アドバイザリーグループ(CAJ-AG)で行われる。 UPOV条約に関する情報文書 ○CAJ-AGで作成された次の情報文書案について、検討された。 ①「育成者の定義に関する説明」の改訂案:次回理事会での採 択を諮る。 ②「収穫物に係る行為に関する説明」案:検討を継続する。 ③「従属品種に関する説明」の改訂案:2013年10月に予定され る「従属品種に関するセミナー」の開催後に改めて検討する。 (1)育成者の定義に関する説明(主な改訂点) -「育成者」には品種を育成した者からその地位を継承した 者も該当し、物理的な「人」も「法人」も該当する。「法人」の 定義は各同盟国の関連法に基づく権利及び義務の主体。 -「品種を発見して開発した者」には、既存品種を発見して 変更を加えることなく繁殖させた者は該当しない。 (2)収穫物に係る行為に関する説明(主な論点) -種苗に関して育成者権を行使する合理的な機会があった 場合は、収穫物に関する行為について育成者権を行使す ることができないとする原則(条約第14条(2))の説明。 -「収穫物」とは「種苗」を用いて得られる植物体の全部及 び一部であることが示唆されること。 -収穫物について権利行使をできる事例(イラスト)を追加 することを検討するとともに、「合理的な機会」に関する説 明の追加を検討する。 (3)従属品種に関する説明(主な改訂点) -従属品種に該当するかに関するガイダンス。 これまでの説明文書では、Aの従属品種B及びその従属品 種Cとの関係について説明されていたところ、さらにその従 属品種D,E・・・Zとの関係について補足説明を追加等。 → 「従属品種」に関するセミナーで、従属品種に関する技術 面・法的解釈や、加盟国の経験等について情報交換を行っ た上でCAJ-AGで検討することとされた。 その他の議題 ○2013年10月のCAJ-AGにおいて、「繁殖及び種苗(注:条約 上は繁殖素材)に関する説明文書」の作成を開始することが 報告された。 ○ 電子出願様式のひな形に関する非公式会合の結果が報告 された。 (参考)電子出願様式のひな型に関する関係国会合 ○すでに電子出願が導入されている欧州(CPVO)主導で、4植 物(馬鈴薯、バラ、リンゴ、レタス)で統一様式作成に着手する こととされた。 ○ 会合メンバーは、EU,オーストラリア、ブラジル、カナダ、コロ ンビア、ドミニカ、メキシコ、ニュージーランド、パラグアイ、韓 国、米国、ベトナムで、次回会合は10月24日の夜に開催され ることとなった。 (日本はオブザーバー参加) 2 UPOV3月会合(2013年)の結果概要③ (3)第30回臨時理事会(C-extr)の主な議題とその結果 ○ 理事会(C)では、UPOV条約の意志決定機関として、予算の承認や事務局次長の任命、各種手続 きその他の決定を行う。 未加盟国の法案のUPOV1991年条約適合性審査 ○タンザニア連邦共和国ザンジバル地区の法案に対して肯定 的な審査結果が決定された。先に同共和国本土の法が適合 性審査を経て採択されたことを受け、ザンジバル地区の同法 案が採択されれば、タンザニア共和国はUPOVへの加入書を 寄託できることとされた。 その他 ○本年10月の会合に併せ、「従属品種」に関するセミナーが開 催されることが承認され、その中で「育種と農業に関するイン パクトの可能性」、「従属品種に関する経験」、「従属品種に関 する裁判前のUPOVガイダンスの可能性」について情報交換 することが承認された。 ○セミナーは公開とすること、また、事後にUPOVのウェブサイト 上でセミナーの様子が公開することとされた。 文書の採択 ○評議会での事前の検討を経て、次の文書について検討がな され、いずれも採択された。 ① 「資金に関するUPOVの規則及びルール」の改正案 関連するWIPOの資金規則とルールが改定されたため 所要の改訂が行われた。 ②「同盟国の義務、関連通知及び協力を促進するための情報 に関するガイダンス」の改正案 同盟国が事務局からの調査票に基づき報告する事項に関 し、協力活動に関する報告を追加するもの。 ③「情報文書とその最終改正日リスト」の改正案 近年の情報文書の改正を踏まえアップデートが行われたもの。 3