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1 講演要旨 1)子どもたちの「わくわく」を確実なものにするために ①
研修名 講 演 講 師 1 管理者研修(午前) 平成28年度5月11日(水) 10:00~12:00 「子どもの命を守る~子どもの安全から保育の質を考える~」 東京都市大学 猪熊 弘子 氏 講演要旨 1)子どもたちの「わくわく」を確実なものにするために ① 「繰り返し」と「積み重ね」が保育で最も大切 例えば外から帰ったら手洗い・うがいをする等 保護者との連携(口頭、連絡帳)という毎日のあたりまえのことを一つ一つ確実に こなす等 「まぁいいか」ということが命の危険につながる アレルギーで言うならばアナフィラキシーにつながる ② 仲間同士での語り合い、支え合い、カバーし合い 大切なのはさまざまな問題をみんなで共有すること (危ないことを「危ないよねー」と他人事ですまさない) ③ 子どもの周りの大人たちをうまくつなぐことが「安全」につながる 保育者、保護者、地域間で「チーム」を組む 特に保護者との関わりが重要 対立構造ではなく、共に子どもを育てる仲間として関わり、支え合っていくことが大切 「ママ友」はプロジェクトチーム 2)保育施設での事故の現状について ① データ―によると死亡事故は、認可外保育施設が多い 2016.4.18付のデータ―では0、1歳が多い ② まず、どのような事故があるのか「知る」 重大な事故を起こさないことが園への最大の信頼である 一度大きな事故を起こすと、園の存続に関わる事態になる 信頼はなかなか取り戻せず、子どもの命だけでなく、先生達の人生や仕事も失う ③ (1)事故で一番多いのが誤飲・誤嚥・溺水・窒息 事故で一番多い年齢が0.1.2歳 特に多いのが0歳 (2)ほとんどが施設内の午睡中だが SIDS と診断されることはほとんどない 預けられて比較的短い期間(預けられた当日、2日目3日目)で亡くなる事例が多い (3)睡眠中の死亡事故を避けるためには 「うつぶせ寝」を絶対に避ける(SIDS のうつ伏せは仰向けの3倍) 呼吸のチェック 顔の周辺をふさぐもの、覆う物がないか、気をつける (4)リスクを抱えながら、なぜ「うつぶせ寝」をするのか うつ伏せでないと寝ない、日誌が書けない、人手が足りず仰向けにする余裕がない など、大人の都合でしてないか お昼寝は子どものためにすることを忘れていないか 6領域で資格を取った先生 また、うつぶせ寝が良いとされていた頃に育児をして いた人が保育士に復帰した先生達には、園内でしっかり研修を行う必要がある (5)3~5歳は園外での事故が多い 園外へ行くときの安全に注意 散歩マップを作る 遠足・園外活動での危険把握、危険回避 交通事故・水の事故 (6)アレルギー対応については、トレーの色を変えるはよく見られるが、アレルギー担当 の給食の先生のエプロンを「赤」にすることで(他は青)緊張が起こる ④ 職員間で「ヒヤリハット」を話し合い、データベース化し共有していく 園の見取り図を休憩室などにはり、みんなで見る 「気づき」を付箋に書き見取り図に貼っていく 又、新人の勘を馬鹿にしてはいけない 3)実際の事故事例から考えてみよう 4)保護者を巻き込んだ取り組みをしよう! ① 1つ1つの小さな事を「まぁいいか」で終わらせない =すべてが子ども達の命を守る =保護者との信頼関係につながる 5)もし、事故が起きてしまったら…? ① ② 2 「対応マニュアル」を作成しておく 園長がいないときによく事故が起こる →園長不在時の対応マニュアルを作る 全員が共有 作っただけでは NG トラブルになる例 →説明責任を果たしていない 責任逃れ 先生達の子どもへの愛情、日頃の対応がしっかり保護者に伝わっておらず、 「なぜ、うちの子が…」と疑問を持つことで訴える しっかりとした謝罪、対応が必要 6)自園でのデータ収集のすすめ(資料参照) 7)子どもの安全と保育の「質」 ① 保育の質の3要素 ・プ ロ セ ス の 質…子どもと保育者の相互作用 子どもへの態度、保育そのもの ・構造(条件)の質…職員の配置基準、保育者の経験、専門的訓練や研修 ・労 働 環 境 の 質…保育者の賃金、福利厚生、退職率、満足度、ストレス 感想 「繰り返すこと、積み重ねること」は本当に課題で、会議時にもよく取り上げ行う中、 危機管理に関しては危険個所を知っていたが、共有の部分での職員間の温度差が 感じられるので見直していこうと思う。 ( 記録 くすのき保育園 林家 有美子 )