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太陽系の惑星 - 大阪府教育センター
大阪府教育センター My 授業実践コレクション No.53 理科 学習指導案 「太陽系の惑星」 交野市立第二中学校 指導者 教諭 竹浦 史朗 1.日 時 平成 20 年6月 10 日(火)第3時限 10 時 50 分∼11 時 40 分 2.場 所 本館1階 3.学年・組 化学室 第3学年7組(36 名) 4.単元名・使用教科書等 「地球と宇宙」 5.単元目標 ・未来へひろがるサイエンス 2分野下(啓林館) 太陽、恒星、惑星とその動きの観察を行い、その観察記録や資料に基づいて、太陽の 特徴を見いだし、恒星と惑星の特徴を理解するとともに、惑星の公転と関連付けて太 陽系の構造を捉える。 6.教材観 パソコンで天体の運行をシミュレーションして、天体の見かけの動きを実際の運動と 関連付けて理解させる。また、昼間見えない惑星を、動画を使って理解させる。 7.生徒観 星空を見上げて宇宙に思いをはせることは誰でも一度は経験することである。また小 学校では月の満ち欠けや星座について学習している。生徒は天体の位置を計時的に観 測するという手法や、天体の動きから太陽系全体の構造を推測することは学習してい ないが、地動説的なイメージは持っていると考えられる。 8.指導観 この単元では、各天体の動きの観測から、太陽系の立体的な構造概念と天体の相対位 置を把握する能力を身に付けさせたい。 9.単元の系統性 小学校4年生: 「月や星」 ・夏の大三角、冬の大三角、星座(はくちょう座、オリオン 座など) 、 ・星の明るさ、色、動き、 ・月の形、動き・・の続きで、中学校では、高校: 生命と地球の移り変わり、大気・海洋と宇宙の構成、 (選択:地球表層の探究)への橋 渡しをする。 10.単元の評価規準 自然事象 自然事象への 科学的な思考 関心・意欲・態度 観察・実験の技能・表現 についての 知識・理解 天体の動きと地球 天体の動きと地球の自転・ 天体の動きと地球の自転・公転、太 天体の動きと の自転・公転、太陽 公転、太陽系と惑星に関す 陽系と惑星に関する事物・現象に関 地球の自転・ 系と惑星に関する る事物・現象の中に問題を する観察、実験を行い、観察・実験 公転、太陽系 事物・現象に関心を 見いだし、解決方法を考え の基本操作を習得するとともに、観 と惑星に関す もち、 意欲的にそれ て観察、実験を行い、事象 察、実験の計画、実施、結果の記録・ る事物・現象 らを探究するとと の生じる要因や仕組みを時 考察など探究する過程を通して、規 に関して理解 もに、 自然環境を保 間、空間と関連付けて動的 則性を見いだしたり、自らの考えを し、知識を身 全しようとする。 に見たりして問題を解決す 導き出したりして創意ある観察・実 に付ける。 る。 験報告書の作成や発表を行う。 11.単元の指導と評価の計画(全 18 時間) 時 第1時 生徒が学習する内容 導入: 宇宙を旅する「はやぶさ」 第2時 光り輝く太陽 主な評価規準【4観点】 ・ロケットや星座等、生徒の興味のある話をして 関心を持たせる。【関心・意欲・態度】 ・太陽の大きさから、表面の様子、自転、エネル ギー源について理解させる。 【知識・理解】 第3時 観察 1:太陽の表面を観察しよう ・屈折望遠鏡で、班別に太陽黒点をスケッチさせ る。 【技能・表現】 第4時 月食・日食の起こるしくみ(本時) ・下記 12.に同じ 第5時 太陽や星はどのように動いて見えるか ・天動説と地動説、天球と透明半球の理解をさせ る。 【科学的な思考】 ・第5時の後、登校から下校まで、班で分担した 第6時 観測 1:太陽の 1 日の動きを調べてみよう 透明半球の記録を使って日周運動を理解させ る。 【技能・表現】 第7時 南中高度について ・第5時の透明半球を使って、緯度による南中高 度を理解させる。【知識・理解】 第8時 星の 1 日の動き ・授業で説明したことを、観測2(宿題)として 取り組ませる。【技能・表現】 第9時 夏にオリオン座が見えないのはなぜか ・公転について、理解させる。 【科学的な思考】 第 10 時 太陽の 1 年の動き ・星座の中を動く太陽を黄道として、理解させる。 【科学的な思考】 第 11 時 冬になると日が短くなるのはなぜか ・季節の変化を地軸の傾きで説明し、南中高度の 公式を教えて、北海道や沖縄の南中高度を求め させ理解させる。【知識・理解】 第 12 時 地球が属する太陽系 ・オリオン大星雲の写真を見せながら、1つの輝 く星が我々の太陽と同じものだと説明し、宇宙 の広さを感じさせる。 【知識・理解】 第 13 時 太陽系の特徴 ・ 太陽系の8つの惑星について理解する。 【知識・理解】 第 14 時 金星が真夜中に見えないのはなぜか ・ステラナビゲータ8等を使い、惑星の見かけの 動きを理解させ、納得させる。 【知識・理解】 第 15 時 満ち欠けする金星 ・内惑星の満ち欠けを、図やパワーポイントを使 って理解させる。【科学的な思考】 第 16 時 太陽系の外にはどのような天体があるか ・光年の説明と計算、星の色と温度と大きさの話 をする。【知識・理解】 ・国立天文台の4次元デジタル宇宙のソフトを使 い、赤青メガネで立体的に星の動きを見て、地 第 17 時 まとめ:宇宙の広がり 球から 137 億光年まのでシミュレーションをす る。その後、宇宙は1つではない可能性がある ことを説明する。【知識・理解】 第 18 時 力だめし 総復習【知識・理解】 12.本時の展開 (1) 本時の目標 1 太陽と月と地球の位置関係による現象を理解する。 2 地球と月の歴史と人類の将来について考える。 (2) 本時の学習過程 時 生徒が学習する内容、 指導上の留意点(●で表す) 、 間 生徒の学習活動 理解の不十分な生徒へのてだて(★表す)等 5 分 課 ・太陽に近い順番に惑星の 名前を言う。 ・好きな惑星を言う。 題 評価規準【4観点】、 評価方法 ●パワーポイントで、惑星の大きさ、太陽から 太陽系の惑星と太 の距離を出しながら、太陽系にある惑星の数 陽系のスケールに とその大きさ、位置(距離)関係について学 興味が持てたか。 ぶことを説明する。 (関心・意欲・態度) 把 握 10 分 自 力 解 ・太陽に模した黄色い画用紙 を作り(直径 28 ㎝) 、推測 した地球の大きさと思う 円を各自青い画用紙から 切り取る。 ●ハサミで遊ぶことのないように注意する。 地球の大きさと形 ●黒板に貼り付けた太陽の横に、自分で作った を予想して、作るこ 地球をセロテープで貼り付ける。 とができたか。 ●答え合わせで、正解に近い生徒にみんなで拍 (観察・実験の技能と 手する。 表現) ★生徒に地球が球形である理由を説明する。 決 30 ・クラスを8班に分け、班別 分 に好きな惑星を選ぶ。 ●各班は、黒板のそれぞれの班のデータをワークシートに書き写す。 集 (惑星が、重複しないよう ●全ての班が黒板に記入したら、 「Build a Solar System」 団 にする。) 解 ・それぞれの班で、太陽が 決 1.4 ㎝のときの惑星の大 ●計算ができれば、班の代表が黒板に担当惑星のデータを書く。 http://www.exploratorium.edu/ronh/solar_system/ を見せて、答え合わせをする。 ★計算の苦手な生徒に対して、班と教師で協力して教える。 きさと太陽までの距離を、 ●前もって、体育の授業の妨げにならないグ 太陽と惑星の大き ワークシートで計算する。 ランドの端で、50mのメジャーをまっすぐ さの比較と太陽ま にして置いておく。また、0メートル地点に、 での距離を単位を 星の名前の書いた竹ひご 水の入ったペットボトルを置き、竹ひごを立 間違えずに計算で を、グランドに置く。 てておく。(太陽に見立てた黄色いスーパー きるか確認する。 (太陽からの距離が正し ボールを竹ひごの先につける。 ) ワークシート提出。 ・それぞれの班が、自分の惑 い位置に置く。 ) ●また、海王星の位置から太陽を見て、いかに ・全員で、太陽から海王星ま 太陽が小さく見えるかを確認する。 (スーパ でを見渡す。(惑星間の距 ーボールが海王星から見た本当の太陽の大 離の違いを確認する。 ) きさであることも確認する。 ・太陽系のまとめをする。 (科学的な思考) ●本時の授業での感想を書かせる。 ワークシートの感 5 ●パワーポイントを見せながら、惑星には岩石 想等で理解してい 分 型惑星とガス型惑星の2種類があることを るか確認する。 ま 説明する。 (知識・理解) と ●太陽系シミュレーションスタジオで、各惑星 め の太陽からの距離と自転・公転を動画で理解 させる。 ワークシート(太陽系の惑星と距離) 班 第3学年 組 番 氏名 1.地球以外で、一番好きな惑星は? ( ) その理由は 2.太陽系のデータ 直径 (㎞) 太陽 水星 金星 地球 火星 木星 土星 天王星 海王星 1,392,000 4,878 12,104 12,756 6,794 142,796 120,536 51,118 49,520 0.6 1.0 1.5 2.3 7.8 14.0 29.0 45.0 太陽から の距離 (億㎞) 3.太陽直径を 1.4 ㎝としたときの、惑星の大きさと太陽までの距離 水星 金星 地球 火星 木星 土星 天王星 海王星 直径(㎝) 太陽間距離(m) 直径(㎝) 太陽間距離(m) [計算例] 冥王星の直径:2,284 ㎞ 式 1.4×2284 冥王星までの距離:5,900,000,000 ㎞ 式 1.4×5900000000 1392000 = 0.0023 ㎝ 1392000 = 59.34 m ㎝ [ 3.の計算欄 ] 直径 太陽からの距離 4.感想 解答例 ワークシート(太陽系の惑星と距離) 班 第3学年 組 番 氏名 竹浦 史朗 1.地球以外で、一番好きな惑星は? その理由は ( 火星 ) 火星には、昔、水が流れていた跡があり、今も生物がいるかも知 れないから。 ・・・色がきれいだから。等 2.太陽系のデータ 直径 (㎞) 太陽 水星 金星 地球 火星 木星 土星 天王星 海王星 1,392,000 4,878 12,104 12,756 6,794 142,796 120,536 51,118 49,520 0.6 1.0 1.5 2.3 7.8 14.0 29.0 45.0 太陽から の距離 (億㎞) 3.太陽直径を 1.4 ㎝としたときの、惑星の大きさと太陽までの距離 直径(㎝) 太陽間距離(m) 直径(㎝) 太陽間距離(m) 水星 金星 地球 火星 0.0049 0.0122 0.0128 0.0068 0.60 1.01 1.51 2.31 木星 土星 天王星 海王星 0.1436 0.1212 0.0514 0.0498 7.84 14.08 29.17 45.26 2009/1/20 目次 1. 太陽系シミュレーター スタジオ 水星の動画と解説 2. 金星の動画と解説 交野市立第二中学校 竹浦史朗 3. 地球の動画と解説 4. 火星の動画と解説 5. 木星の動画と解説 6. 土星の動画と解説 7. 天王星の動画と解説 宇宙でのエアロビクス映像 (提供 NASA/NASDA) 8. 海王星の動画と解説 終了 (映像提供 NASA) (映像提供 NASA) Build a Solar System 水 星 太陽系第1惑星。直径約4900km(地 球の約40%)。太陽までの平均距離 は5800万km。自転周期は約58日16 時間。公転周期は約88日。(映像提 供 NASA) 地 球 太陽系第3惑星。直径は1万2756km。 太陽までの平均距離は1億5000万km。 自転周期は1日(23時間56分)。公転 周期は365日。衛星の数は1。(映像提 供 NASA) 地球型惑星と木星型惑星 金 星 太陽系第2惑星。直径約1万2100km(地 球の約95%)。太陽までの平均距離は1 億800万km。自転周期は約243日。自 転方向は地球と逆向き。公転周期は約 225日。(映像提供 NASA) 火 星 太陽系第4惑星。直径は約6800km(地 球の約1/2)。太陽までの平均距離は2億 2800万km。自転周期は約1日。公転周 期は約687日。衛星の数は2(フォボス、ダ イモス)。(映像提供 NASA, AURA/STScI) 1 2009/1/20 木 星 土 星 太陽系第5惑星。直径は約14万3000km(地 球の約11倍)。太陽までの平均距離は7億 7800万km。自転周期は9時間56分。公転 周期は約12年。2005年現在、63の衛星が確 認されている。(映像提供 NASA) 天 王 星 太陽系第6惑星。直径は約12万500km(地 球の約9倍)。太陽までの平均距離は14億 3000万km。自転周期は10時間39分。公転 周期は約29.5年。2006年現在、56の衛星 が確認されている。(映像提供 NASA) 海 王 星 太陽系第7惑星。直径は約5万1100km(地球 の約4倍)。太陽までの平均距離は28億 7500万km。自転周期は17時間17分。公転 周期は約84年。2005年現在、27の衛星が 確認されている。(映像提供 AURA/STScI & NASA) 太陽系第8惑星。直径は約4万9500km(地 球の約4倍)。太陽までの平均距離は45億 440万km。自転周期は16時間6分。公転周 期は約165年。2005年9月現在、16の衛星が 確認されている。(映像提供 NASA) 地球型惑星と木星型惑星 (映像提供 NASA) 地球型惑星 (岩石型惑星) 木星型惑星 (ガス型惑星) 冥王星:準惑星 1.太陽系の惑星とは、「太陽の周りを回り」「十分大きな質量を持つために自己重力 が固体としての力よりも勝る結果、重力平衡形状(ほぼ球状)を持ち」「その軌道 近くから他の天体を排除した」天体である。 2.太陽系の dwarf planet とは、「太陽の周りを回り」「十分大きな質量を持つため に自己重力が固体としての力よりも勝る結果、重力平衡形状(ほぼ球状)を持ち」 「その軌道近くから他の天体が排除されていない」「衛星でない」天体である。 3.太陽の周りを公転する、衛星を除いた、上記以外の他のすべての天体は、Small Solar System Bodiesと総称する。 さらに、冥王星について次の決議が採択されました。 冥王星は上記の定義によって dwarf planet であり、 トランス・ネプチュニアン天体の新しい種族の典型例として認識する。 2