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バイオマスセミナー - 株式会社ユニバース|廃棄物
平成26年 11月 6日 (木) 15:00 ~ 16:30 いまさら聞けない!バイオマスの基礎知識。 知識0(ゼロ)からスタートOK。 バイオマスセミナー 【メインテキスト】 講師:(株)ユニバース 子安伸幸 目次 [1]「バイオマス」とは何か、その定義とポテンシャル ①エネルギーとは? ②バイオマスとは? ③木質バイオマスとは? ④なぜバイオマスはecoなのか? ⑤バイオマスエネルギー、3つの特長 ⑥木質バイオマスの使用が推奨される理由 [2]「木質バイオマス発電」に関する必要知識 ①木質バイオマス発電が注目される背景(固定価格買取制度) ②エネルギーの基礎知識 ③木質バイオマス発電施設の収支例 ④木質バイオマス発電の可能性とリスク [3]木質バイオマス発電に関する追い風と課題の解決アプローチ ①最新ニュースを理解する ※セミナー構成の都合上、ご案内時のプログラムから一部変更があります。ご了承ください。 (ご注意) ①講義の進行状況により、多少時間が前後する事がありますがご了承ください。 ②セミナー会場での携帯電話のご利用はご遠慮ください。 ③講義の録音・録画はご遠慮ください。 ④ご質問は講義終了後にお時間を設けます。 その他、講義の妨げになる行為があった場合は、退室いただく事もございますのでご了承ください。 バイオマスセミナー 執 筆 編集・レイアウト 発 行 子安 伸幸 野々村 大雪 株式会社ユニバース 〒105-0001 東京都港区虎ノ門3-7-10 ランディック虎ノ門ビル5F TEL:03-6809-2581 FAX:03-6809-2582 URL http://www.universe-corp.jp MAIL [email protected] 無断複製・転載を禁じます。 [1]「バイオマス」とは何か、その定義とポテンシャル ①エネルギーとは? 化学エネルギー:燃料は化学エネル ギーを持つ。植物は光合成によって エネルギーを蓄える。 ■エネルギーとは? 定義:“仕事をすることができる能力” 力学的エネルギー、電気、熱、化学、光(波)、核、などに分類できる。 出典:eco検定合格ブック p.92 日本のエネルギーを考えるうえで石 油を外すことはできない。 石油依存⇒オイルショック⇒省エネ 法⇒石油依存を脱却 という流れがある。 1 新エネルギー まだまだ普及していないがこれから 普及させていきたいもの。バイオマ スエネルギーはこの一部。 [1]「バイオマス」とは何か、その定義とポテンシャル ②バイオマスとは? ■バイオマスとは? 定義:「動植物に由来する有機物である資源(原油、石油ガス、可燃性天 然ガス及び石炭を除く) 」 バイオマス活用推進基本法第2条 化石燃料もかつては動植物であった。 化石燃料とバイオマスは似ている。 ■バイオマスの例 バイオマスは不要物だけでない。木 造住宅など木を使うということだけ でもバイオマスの利用になる。バイ オマス用途は発電だけに限らない。 出典:知ろう使おうバイオマスweb URL:http://www.shizuoka-biomassweb.jp/ 2 [1]「バイオマス」とは何か、その定義とポテンシャル ③木質バイオマスとは? ■木質バイオマスとは 定義:「バイオマス資源のうち、木材からなるバイオマスのこと」 ■木質バイオマスの例 古くから使われているのでイメージしやすい。 実例、使用範囲が多い。他のバイオマスにも応 用できる。 木質ペレット 薪 炭 木質チップ ブリケット 加工によって得られるもの ・重量あたりの熱量向上(乾燥による含水率低下、圧縮など) ・運搬時や燃焼時の扱いやすさ(運搬効率、自動投入など) 3 [1]「バイオマス」とは何か、その定義とポテンシャル ④なぜバイオマスはecoなのか? ■化石燃料、その他の再生可能エネルギーとの比較 化石燃料 火力発電の割合 2009年:約65% 2012年:約90% 差の25%は原子力 実用的である 長 所 短 所 ・エネルギー効率が良い ・用途が多様 (動力・電力・熱(給湯・暖房)・燃焼など) ・運搬、備蓄が可能 ①有限である =枯渇の問題 ②温室効果ガスの排出 =地球温暖化の問題 再生可能エネルギー が解決 ■バイオマスエネルギー、3つの特長 ①バイオマスは、持続可能なエネルギー源である。 ②バイオマスは、温室効果ガスを排出しない ③バイオマスは、化石燃料と似た特性を持つ 太陽光も持続可能なエネ ルギーである。 しかし、化石燃料と同じ 特性を持たない。 化石燃料の短所を①・②で 解決。 ①・②は再生可能エネルギー に共通の要素。 4 [1]「バイオマス」とは何か、その定義とポテンシャル ⑤バイオマスエネルギー、3つの特長 ■持続可能であり温室効果ガスを排出しない(カーボンニュートラル) 木材の循環サイクル 針葉樹:40~60年 広葉樹:150~200年 木材の成長スピードに追 い付かない範囲の利用で あれば持続可能。 出典:政府広報オンライン URL:http://www.gov-online.go.jp/index.html バイオマスを燃焼すればCO2排出されるが、植物の成長 過程で吸収したCO2と同量である。 ライフサイクルで考えるとCO2排出ゼロ。 ■化石燃料の特性を持つ ・かつてはバイオマスを利用→化石燃料に代替 ・すぐに代替可能な分野、実用されている分野も多い 5 [1]「バイオマス」とは何か、その定義とポテンシャル ⑥木質バイオマスの使用が推奨される理由 ■カスケード利用 カスケード利用とは・・・ 丸太は建材に、端材はパ ルプ材やペレット等の燃 料に。 高度な利用から余りを利 用、このサイクルを繰り 返す。 出典:木質バイオマス施設 導入ガイドブック URL:http://www.w-bio.org/ ■日本の森林資源量 森林蓄積: 森林を構成 する木の幹 の体積。 出典:林野庁「森林資源の現況」(平成24年3月31日現在) 森林蓄積:約49億㎥ 森林資源の蓄積量:約8,000万㎥/年※ 国産材供給量:約1,900万㎥/年※ 日本の森林面積は横ばい だが、森林蓄積は増え続け ている。 ※林野庁「我が国の森林・林業及び木材利用の概観について」(平成23年4月) 6 [2]「木質バイオマス発電」に関する必要知識 ①木質バイオマス発電が注目される背景(固定価格買取制度) ■FIT(フィード・イン・タリフ、固定価格買取制度) 電力会社が、再生可能エネルギー電気を長期間、固定価格で買い取る制度。 再生可能エネルギー由 来の電気を高値で買い 取り、安値で売却。 賦課金の支払い 300kWh/月の使用で200~300円の 負担 FIT以前の負担は20円~30円程度 再生可能エネルギーは国策 資源エネルギー庁パンフレットより ■木質バイオマス発電による電力買取価格(平成26年度) 資源エネルギー庁パンフレットより 太陽光:26年度で32円、24年度は40円 バイオマスに関しても買取価格が変更に なることは有り得る? 7 [2]「木質バイオマス発電」に関する必要知識 ②エネルギーの基礎知識 ■エネルギー保存の法則 「エネルギーの総量は変化しない」とする物理学の保存則。 バイオマスを燃焼 化学エネルギー=熱エネルギー+光エネルギー ■エネルギーの単位 エネルギー の単位 主に使用 される分野 換算係数 ※概算 kWh (キロワット時) 電力 1 kWh kcal (キロカロリー) 栄養学、食品の分野 860 kcal MJ (メガジュール) 国際単位系の単位 3.6 MJ ※キロ(k)=103、メガ(M)=106、ギガ(G)=109、テラ(T)=1012 エネルギーを表す単位は換算可能。 1kWh=860kcal=3.6MJ これを換算係数として用いることで、それぞれの値に変換することが できる。 8 [2]「木質バイオマス発電」に関する必要知識 2003年から運営 (実績がある) ③木質バイオマス発電施設の収支例 ■一般的なバイオマス発電施設の収支例※年間 (能代バイオマス発電所:秋田県) 出力:3000kw 人員:8人 総合利用率60% 維持管理費 1.67億円 バイオマス 稼働率:約52%(年間稼働日数260日) 10トン車で5400台 年間260日稼働だと、 20台/日 木材チップ 年間投入量 54,000t (設備が24時間365日フル稼働した場合に対して) (太陽光は10~15%、バイオマスは80%程度) 発電 熱利用 (効率10%) (効率50%) 1.34億 kWh 0.134億 kWh 0.67億 kWh 1155.6億 kcal※1 115.56億 kcal 577.8億 kcal 4.84億 MJ 0.484億 MJ 2.42億 MJ 購入費※2 売電収入※3 売熱収入 2.97億円 3.22億円 ?円 ※1 木質チップ(含水率45%)の熱量2,140,000kcal/tから算出 ※2 チップ価格5500円/tと仮定し計算 ※3 一般木材による発電購入額24円/kwh [2]「木質バイオマス発電」に関する必要知識 ④木質バイオマス発電の可能性とリスク ■木質バイオマス発電の事業性を高めるためのチャンス(可能性)とリスク (調達) ・調達コストを削減する ・売電価格の高いバイオマス燃料を調達する ・質の良いバイオマス燃料を調達する(形状・含水率など) ▲大量のバイオマス燃料を安定的な調達できるか ▲未利用材は“地方に散在”している 能代バイオマス発電所は企 業からの援助で未利用材を 仕入れていたが、援助が打 ち切られ一般木材に。 (発電効率・売電) ・発電効率(エネルギー効率)を向上させる (バイオマス発電は20%程度とされるが、規模が大きくなると向上する傾向) ▲固定価格買取制度に基づく販売価格は見直される可能性も (熱利用) ・熱利用率を向上させる ・熱利用を収入にする ▲熱利用は“地域利用”に限定される 小規模な施設を地域で利用 すべきという意見が多い。 必ずしも発電にこだわる必 要はない。 熱は、電気のように遠方 の地域に運ぶことができ ない。 木材の価格変動も考えられ るため、安定的な利益をは じくことができない? 10 [3]木質バイオマス発電に関する追い風と課題の解決アプローチ ①最新ニュースを理解する ■大規模バイオマス発電設備の計画発表 出力:7.5万kw 燃料:パームヤシ殻等 投入量:50万t/年 集積網:国内外 国内最大規模の発電施設 湾岸地域に施設があり海 外からの輸入で燃料を安 定供給できる。 一般木材による発電で 24円/kWhで売電。 ■地産地消型の小規模バイオマス発電設備の計画発表 出力:5000kw 燃料:間伐材等の未利 用材 投入量:7万t/年 集積網:工場の半径50k m圏内 未利用材による発電 で高い売電価格に (32円/kWh)。 ■電力会社の“再生可能エネルギーの受入拒否” 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法から抜粋 第五条 電気事業者は、・・・特定供給者から・・・電気的に接続することを求められたときは、次に掲げる場合を 除き、当該接続を拒んではならない。 一 当該特定供給者が当該接続に必要な費用であって経済産業省令で定めるものを負担しないとき。 二 当該電気事業者による電気の円滑な供給の確保に支障が生ずるおそれがあるとき。 三 前二号に掲げる場合のほか、経済産業省令で定める正当な理由があるとき。 ・発電効率が悪い太陽光発電に偏る再生可能エネルギーの是正・・・・地熱・バイオマスなど安定発電に優遇? ・熱効率が悪いバイオマス発電の環境負荷に関する指摘・・・・熱利用の義務付け? 熱利用中心のバイオマス? 11 統計集(1)エネルギーとしてのバイオマスの利用状況 ■一次エネルギー供給量に占める自然エネルギーの割合 ・一次エネルギーに占めるバイオエネルギーの比率は、わずか1.7%である。 出典:自然エネルギー財団(2012) URL: http://jref.or.jp/ ■バイオマス資源の発生量と利用率 ・林地残材、食品廃棄物の利用率は他と比べ低い状態である。 約8800万トン(利用率約90%) 約7800万トン(利用率約77%) 約2700万トン(利用率約80%) 約1900万トン(利用率約27%) 農作物非食品部 約1400万トン(利用率約85%)※すき込みを含む 約1400万トン(利用率約100%) 約800万トン(ほとんど未利用) 建設発生木材 約410万トン(約90%) 製材工場等残材 約340万トン(約95%) 単位:万t 出典:バイオマス活用推進基本計画(平成22年)より URL:http://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/bio/101217.html 統計集(2)木質バイオマスの利用状況 ■TPES(一次エネルギー総供給)に占める木質バイオマスの割合 ・日本の森林資源は豊富だが一次エネルギーに占める割合は1パーセントに満たない。 単位:% 出典:木質バイオマスエネルギー利用推進協議会(2011) URL:http://www.w-bio.org/ ■木質バイオマスエネルギーの仕向け先 ・木質バイオマスのほとんどが、発電や産業用に用いられている。 民間におけるバ イオマスの利用 は非常に少ない 出典:同上 統計集(3)国内の森林資源を取り巻く状況 ■国内の森林蓄積量 ・国内の森林蓄積は年々増加しており、成長率が利用率を上回っている。 出典:林野庁「森林資源の現況」(平成24年) URL: http://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/genkyou/index1.html ■国内の用材供給量 ・国産材の供給量は国内需要の約3割にとどまっている。 林野庁「平成25年木材需給表」より URL: http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201310/3.html 統計集(4)木材チップを取り巻く状況 ■木材チップの国内生産量推移 ・木材チップの生産量は、緩やかだが 増加傾向にある。 ※BDt・・・木材を水分がなくなるまで乾 燥させた時の重量。 単位:千BDt H25 ■木材チップの輸入量推移 ・木材チップの輸入量は近年微減して いる。 単位:千㎥ ■国産チップと輸入チップの価格変動 ・価格の変動は少ないが、地域や木材 の種類によって差が生じる。 ※国産チップ、輸入チップ共に針葉樹 の価格 単位:円/BDt 出典:以上全て全チップ連統計ページより URL: http://zmchip.com/ 統計集(5)木質ペレットを取り巻く状況 ■木質ペレットの国内生産量推移 ・木質ペレットの生産量は増加している が、国内の需要を賄うことのできるまでに は至っていない。 ※2012年、国内生産量は109施設で、 98,184tである。 単位:t H20 ■木質ペレットの輸入量推移 ・大規模発電施設の稼働により、今後 もペレットの需要は増大すると予測され ている。 単位:t 国産ペレット価格 25~30円/kg程度 ■国産木質ペレットと輸入ペレットの価 格変動 ・木質ペレットの価格は、形成等の作 業が必要となるため、チップと比べ高 くなっている。 単位:円/kg 出典:以上全てアジアバイオマスエネルギー協力推進オフィスより URL: http://www.asiabiomass.jp/ 用語集(1)エネルギー分野 ■エネルギー分野 一次エネルギー 人間が利用するエネルギーのうち、変換・加工する以前の自然界に存在するもの。薪・木炭・石 炭・天然ガス・風力などがある。 二次エネルギー 一次エネルギーを発電・精製等により変換・加工し使いやすい形にしたエネルギー。電力、ガソリ ンなどがある。 再生可能エネルギー 太陽光や風力、地熱、バイオマスなど、自然の中で繰り返し営まれる現象から取り出されるエネル ギーの総称。 分散型エネルギー(分散型エネルギー源) 従来の大規模な発電施設に依存するのではなく、地域ごとにエネルギーを作り使用するシステム のこと。太陽光やバイオマスなどの自然エネルギーの多くはこのシステムに則っている。 コージェネレーション 発電の際に発生する排熱を、冷暖房や給湯などに必要な熱エネルギーとして利用する事。バイ オマス発電における発電効率は、10~20%程度であり、発電と合わせて熱利用を行うことでエネ ルギー効率を上げることができる。 トリジェネレーション コージェネレーションによる電熱利用に加えて、排出される二酸化炭素も有効利用する事。二酸 化炭素を植物の成長促進に利用する「農業トリジェネレーション」と、アルカリ性液の中和に利用す る「工業トリジェネレーション」がある。 カスケード利用 資源やエネルギーを一回だけで使い切るのではなく、高レベルの利用から低レベルの利用へと多 段階(カスケード)に活用する事。木材の場合は、建設部材や家具材から、紙パルプやボード類に 使われる低質材、さらに燃料用の木質バイオマスと、最後まで余すことなく利用することができる。 FIT(フィード・イン・タリフ) エネルギー固定価格買取制度。再生可能エネルギーによって発電された電気について、一定期 間、一定価格で電気事業者が買い取ることを義務付けた制度。再生可能エネルギー特措法に基 づき、再生可能エネルギーの普及と関連産業の活性化を目指して2012年7月1日からスタートした。 用語集(2)バイオマス分野 ■バイオマス分野 バイオマス 生物資源〈bio〉の量(mass)が名前の由来であり、一般的には「再生可能な生物由来の有機性資 源のうち、化石燃料を除いたもの」を指す。廃棄物系バイオマスとしては、廃棄される紙、食品廃棄 物、建築発生木材、下水汚泥などがあり、資源作物系バイオマスとしてはトウモロコシやサトウキビが ある。バイオマスを燃焼したときに発生する二酸化炭素は、生物の成長過程で光合成により大気中 から吸収した二酸化炭素であるため、燃焼させても大気中の二酸化炭素を増加させない「カーボン ニュートラル」という特徴がある。 木質バイオマス バイオマスのうち、木材から成るものを木質バイオマスという。薪や炭など古くからエネルギー源と して利用されてきた。ペレットやブリケットなど、加工を施し燃料としての効率を高めたものが注目さ れている。 含水率 物質に含まれる水分の割合のこと。木材の場合、含水率が高いと水分の蒸発等にエネルギーが 使われるため、その分発電・発熱の効率が下がる。 間伐材 過密になった木々の一部を抜き取り間引きする事を間伐という。この間伐によって発生した木材 を間伐材という。平均的な太さは20cm前後であるため、建設用に使用されることは少ない。バイオ マスとしてエネルギー利用されるほかにも、パルプ等に使用される。 林地残材 林地に放置された残材のこと。立木を丸太にする際の端材や搬出されずに放置された間伐材な どがある。日本における林地残材の年間発生量は約800万tであり、そのほとんどが未利用のまま放 置されている。 木質ペレット おが粉、かんなくずなどの製材副産物を圧縮成形した固形燃料。品質が安定し含水率も10%程 度と低いため、燃料としての性能は高い。日本のペレット生産量は、年間10万t程度だが、2020年 には、日韓でのペレット消費量が380万トンになると予測されている。 木質チップ 木材加工の際の端材や剪定材を破砕した製造物。木質ペレットに比べると製造が簡単でその分 安価であるが、水分を多く含んでいたり、使用する木材によって品質が一定でなくなるなどのデメリッ トがある。 用語集(3)環境分野、政府政策など ■環境分野 森林蓄積 森林を構成する樹木の幹の体積を森林蓄積という。平成24年度の調査では、日本の森林蓄積 は約50億㎥に達している。年間の森林資源の蓄積量は、約8000万㎥程度とされているが、日本 の国産材の生産量は、年間約2000万㎥に留まっている。 カーボンニュートラル 植物由来のバイオマス燃料が持つ、燃やしても大気中の二酸化炭素の増減に影響を与えない特 性のこと。バイオマスを燃焼すると、二酸化炭素を排出するが、植物は成長過程において二酸化炭 素を吸収しているため、大気中の二酸化炭素の増加は無いとみなされる。 温室効果ガス 地表から放出される赤外線を吸収することによって、温室効果をもたらす期待のこと。二酸化炭 素、メタン、一酸化二窒素等があり、地球温暖化の原因とされる。森林破壊等により二酸化炭素の 吸収量が減ったことが、増加の要因として挙げられる。 地球温暖化 地球全体の温度が上昇する現象のこと。温室効果ガスが地球温暖化の原因であるとされている。 地球温暖化によって、異常気象や災害がもたらされることもあり、経済や産業に与える影響も大き い。 ■政府政策など バイオマス・ニッポン総合戦略 2002年、12月に閣議決定された、循環型社会の形成を目指すための総合戦略のこと。バイオ マスエネルギーの利用やバイオマスタウン構想を政策の中心として取り組んだ。バイオマスタウン構 想は、2010年の段階で、286地区における取組があるが、未利用材等のバイオマス資源の活用に 関する課題等が残る形となった。 バイオマス活用推進基本計画 バイオマス・ニッポン総合戦略を受け、2010年12月に閣議決定された新政策。2020年目標で、 600市町村におけるバイオマス活用推進計画の制定、5000億規模の新産業の創出、炭素換算で 約2600万tのバイオマス利用が決定した。 バイオマス活用推進基本法 2009年に成立した法律。バイオマス活用推進計画の策定や施行、バイオマス活用推進会議に ついて規定されている。この法律の中で、バイオマスは、「動植物に由来する有機物である資源(原 油、石油ガス、可燃性天然ガス及び石炭を除く。)」と定義されている。