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第3巻 第1号 - 北九州市立大学 国際環境工学部

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第3巻 第1号 - 北九州市立大学 国際環境工学部
ISSN 1882-3548 (online), 1882-353X (CD-ROM)
日仏科学史資料センター紀要
Bulletin du Centre Franco-Japonais
d’Histoire des Sciences (Kitakyushu-Paris)
Vol.3
No.1
Dec. 2009
日仏科学史資料センター
Centre Franco-Japonais d’Histoire des Sciences
目次
Table of contents
<table des matières>
-Foreward- <Avant-propos>
研究記録の積極的公開について………................................................................1
-Archiveパリ第 7 大学植物学図書室から移管された学位論文目録(1):1828-1944....3
-Member’s voiceフランスでの生活と研究...................................................................................60
-News2009 年フランス・パリ第 7 大学研究者の来日の報告....................................64
日仏 SAKURA 合同シンポジウムおよび
2010 年パリ第 7 大学研究者の来日のお知らせ)....................65
関連イベントのご案内.....................................................................................68
二国間交流事業共同研究・平成21年度実施計画変更調書………………….69
<速報>パリ第 7 大学・旧植物学図書室所蔵ソルボンヌコレクション
第5次(最終)調査…………….69
ii
Bulletin du Centre Franco-Japonais d'Histoire des Sciences (Kitakyushu-Paris), Vol. 3(1) : 001-002 (2009)
日仏科学史資料センター紀要 ISSN 1882-3548 (online), 1882-353X (CD-ROM)
-Foreword - <Avant-Propos>
研究記録の積極的公開について
本紀要は、創刊 3 年目(第 3 巻)を迎えた。編集委員一同は、本紀要が今後も継続して刊行
されるためには、今年度の活動が重要であり、まさに正念場に位置していると認識している。
そのためには記事の充実が最重要課題であるとかんがえられる。そこで、今号から、二つの試
みを行います。そのためには、本紀要で取り扱う記事のカテゴリーの見直し(拡大)が必要で
あるので、以下に整理したい。本紀要の創刊号では、本紀要で扱う記事のタイピングについて
以下のように規定している[1]。
(引用はじめ) 科学史資料研究に関する①原著論文( Original Article )、②短報( Short
Communication)、③ノート(Note)といった三つの形式の論文を複数の専門家による査読を行
った上で掲載するほか、査読を行わない以下の形式の記事を取り扱います。会員による意見や
情報発信の場として、まとまった意見や情報および解説記事は④フォーラム(Forum)記事と
して、それよりも短いがメッセージ性が強いものを⑤メッセージ(Message)記事として、また
会員による自己紹介や簡単な体験談等を⑥会員の声(Member’s Voice)として掲載します。他に
⑦書評(Book Review)や編集部の依頼や企画による⑧特別記事(Special Report)および⑨イン
タビュー(Interview)等を掲載します。また、仏科学史紀要センターの設立準備状況、活動状
況、国内外の関連情報および同センター運営に関わる議事録等を⑩ニュース(News)として掲
載(引用終わり)
まず記事のカテゴリーの見直し(拡大)に関する一つ目の試みは、日仏科学史資料センター
の関係者が、フランスの科学史研究に関する論文等を本誌以外の媒体に発表したものを、可能
な限り積極的に公開していくというものであり、特別記事(Special Report)の形で紹介します。
今号では、
「北九州市立大学国際論集(CIEE Journal The University of Kitakyushu)
(ISSN
1348-1852)
」に掲載された論文の紹介をしたい。すでに同論集の編集委員より「部分的な紹介
であれば、記事の転載が可能」との回答を得ており、解説の形で論文の内容を紹介したい。詳
細については、同論集で発表された論文を読んでもらうことになるが、同論集はホームページ
上で記事全文のダウンロードが可能であるので、URLのリンクを添えて記事の紹介をする。
二つ目の試みは、本紀要で取り扱う記事の新規カテゴリーの提案である。
過去の2巻では、上記のカテゴリーでの記事を募集していたが、これまでの本センターでの
活動の経緯から、我々の研究や資料整理の動向をタイムリーに伝えていくために、また本セン
ター関係各位の間での議論を促すという意味でも、まだ解析途上にある「資料そのもの」につ
いても積極的に紙面を費やして紹介していくべきであるとの意見が出てきた。また編集委員会
としてそういう必要性を認識してきた。そこで、これまでにあった④フォーラム(Forum)と
同様の趣旨の記事であるが、ページ数が 10 ページを超過するものについては、新たに⑪研究記
録・記録文書(Archive)というカテゴリーを設け、積極的に記事として情報を公開していく方
針である。この方式であると、画像や重要文献の複写など膨大なページ数を要する記事であっ
ても、研究者間の情報交換として有用であれば積極的に公開することが可能になる。本紀要は、
紙媒体によらない電子ジャーナルであるので、「物理的な紙数制限がない」という最大の利点を
1
活かし、ページ数の制限を気にせず、スペースを「贅沢」に活用していきたい。
したがってこのタイプの記事では、記事の詳細や記事の中で導かれる結論よりもデータや画
像の羅列の方が優先されてもよいであろう。そのようにすれば、記事の著者の観点からみれば、
投稿までの心理的ハードルを下げる効果も期待できるのではないかとも考えている。今回の試
みの一番狙いは、このような試みによって、紀要のコンテンツを充実させ、さらに多様化させ
ることとで読者を獲得していくこと、さらには、研究者や本活動の理解者の間での情報交換が
活発化することである。
この試みの実例第一号を、この号に掲載しているので、読者諸兄には、今後、この新カテゴ
リーおよびこれまでのカテゴリーでの活発な投稿をお願いする次第である。
平成21年6月30日、
北九州市立大学内、日仏科学史資料センターオフィスにて
日仏科学史資料センター紀要編集委員会
河野智謙 (編集長)
陽川 憲 (編集委員)
林
村 (編集委員)
角野貴志 (編集委員)
蔭西知子 (編集委員)
2
Bulletin du Centre Franco-Japonais d'Histoire des Sciences (Kitakyushu-Paris), Vol. 3(1) : 003-059 (2009)
日仏科学史資料センター
日仏科学史資料センター紀要
センター紀要 ISSN 1882-3548 (online), 1882-353X (CD-ROM)
- Archive パリ第
パリ第 7 大学植物学図書室から
大学植物学図書室から移管
から移管された
移管された学位論文目録
された学位論文目録(
学位論文目録(1):
18281828-1944
1944
河野智謙 1,2,3
1
北九州市立大学大学院国際環境工学研究、2 日仏科学史資料センター、
〒808-0135 北九州市若松区ひびきの1-1([email protected])、
1.はじめに
これまでに本紀要の中で紹介してきたように、日仏科学史資料センターの北九州オフィス(責
任者、北九州市立大学・河野智謙)とパリオフィス(責任者、パリ第 7 大学・フランソワ・ブ
トー)には、ソルボンヌコレクションとして、旧パリ大学の生物学系、特に植物学系の学術資
料(科学史資料)が保存・管理されている[1,2]。パリオフィスに保管されている資料の中には、
19 世紀初頭の著書やフランス植物学会紀要などの貴重な資料も多く含まれ、研究用の一次資料
として活用する意義は大きい。一方、パリ大学(ソルボンヌ)の植物学分野に始まり、その伝
図1.パリでの第 4 次調査時にパリ第 7 大学生体膜電気生理研究室で開催した日仏科学史資料
センター立ち上げのパーティーの様子(2007 年 7 月、陽川憲君撮影)
。写真中央は、筆者。筆
者の右に Francois Bouteau 博士、その右が Jean-Pierre Rona 教授。
3
統を引き継いだパリ第 7 大学の植物学図書室(2008 年閉鎖)に保蔵されていた植物関連の学位
論文は全て、北九州市立大学の河野が同大学 Jean-Pierre Rona 教授による移管を受け、北九
州に移送を行った[3,4]。
2.移送作業の
移送作業の完了
一連の調査および輸送作業の経緯は、北九州市立大学国際論集で発表した英文の報文[4]に詳
しい。同報文では、2006 年 3 月~5 月の第一次調査から 2007 年 11 月~2008 年 1 月の第 5 次
調査までの活動が記されており、資料の移送作業は、第二次調査時の 2006 年 11 月~12 月の
間に発送を開始した。その後も日本から河野をはじめ、研究者が渡仏して行う調査活動は継続
し、2008 年 12 月に第7次調査を 2009 年 3 月に第8次調査を行った(どちらも日本側からは
河野と角野貴志博士が参加し、パリからは Francois Bouteau 博士が参加した)
。この間、一度
に 250Kg を超過する荷物の梱包と発送を行った大規模な輸送作業だけでも計 4 回は実施してい
る。2009 年 3 月にパリからの最後の荷物の発送を終え、5 月には、
「最後の資料」、約 250kg
が北九州に配送され、大規模な移管作業は一応の完了を見た。長期間の作業であったが、今回
の移管作業の完了を受けて、漸く、ソルボンヌコレクション関連資料の整理を本格的に実施す
ることができる運びとなった。
図 2.第 5 次調査時に参加した平松拓也君(2008 年 1 月、河野撮影)
3.学位論文
本稿では、パリ第 7 大学植物学図書室に保存されていた科学史資料の中で現存する学位論文
(ほとんどが博士論文であるがそれ以外の論文も含まれている)を紹介したい。上述のように
回収することができた資料のうち、1 トンを超える科学史資料が北九州市立大学に移送されて
いるが、その中でも学位論文の占める割合が最も多い。多くの学位論文は、1950 年以降に提出
されたものであるが、中には、100 年以上経過した貴重な文献も多く含まれている(一部の学
位論文のリストは、パリ第 7 大学での資料整理中に暫定リストをニュース[3]あるいは報文[4]
4
として公開している)。過去 3 年間の間に北九州に移送された資料の中で、単独の冊子として製
本された博士論文として最も古いものは、Henri Emery 博士が 1865 年に提出している"Etudes
sur le rôle physique de l'eau dans la nutrition des plantes(植物の栄養成分中で水が果
たす物理的役割に関する研究)"である。現存し、古書として流通している Henri Emery 博士の
著書としては、1871 年にパリで刊行された(印刷、Librairie HACHETTE & Cie)、800 ページを
超える大著、“La VIE VEGETALE. Histoire des PLANTES à L'usage des Gens du Monde.”(筆
者注:タイトルには図表数の記述も含まれるが省略、引用文献[5]を参照)をあげることができ
る。この Emery 博士が、上掲書刊行の 6 年前に提出した学位論文が、在北九州ソルボンヌコレ
クションの中では、個別に製本された博士論文として最古の資料であると述べたが、ある研究
者(現時点では、整理作業中であり、人物を特定できていない)が個人的に論文集として製本
した資料中には、それ以前の年代(1828-1855)に、ストラスブールの医学部など、パリ大学以
外の大学に提出された博士論文を7編(分野は医学や法律など、植物に限定されない)を見つ
けることができた。参考までに 1828 年といえば、日本では、シーボルトと宇田川榕庵などの学
者達が交流をはじめた時期である。こう考えると、この当時の論文が読める状態で保存されて
いることに改めて驚かされる。本稿では、これらの論文も含めて、1828 から 1944 までの期間
に作成された学位論文45編を年代順に整理し、表紙のスキャン画像(コピー後にPDF化し
たもの加工)を紹介する。
今回の目録紹介を単に文字だけの目録紹介にしなかったのは、学位論文の著者名、タイトル、
発行年、印刷所(出版社)を記載した目録を作成すするだけでは、伝えることができない、論
文が提出された当時の多くの情報(版のサイズや書体あるいは審査委員の氏名など)を読者に
紹介する上でも、表紙(破損がひどい場合などは中表紙)の複写画像をそのまま紹介する方が
適切であると判断したためである。巻頭言[6]に述べたように、本誌は、紙媒体によらない電子
ジャーナルであるので、その利点を最大限に活かし、ページ数の制限を気にせず、スペースを
「贅沢」に活用していきたい。
4.資料の
資料の活用を
活用を期待
北九州で解析を進めつつあるソルボンヌ科学史コレクション資料は、単に保管されるだけで
なく、日仏科学史資料センターの会員を中心に、広く活用されることが望ましい。筆者も個人
的に詳しく読みたい、いくつかの博士論文に興味があるので、その一端を紹介する。今回の目
録の中に含まれる博士論文中、著者が個人的に興味をもつ論文は、Paul Becquerel 博士
(1879-1955)の論文「Recherches sur la vie latente des grains(種子の潜在的生命活動につ
いての研究)
」である。Paul Becquerel は、フランスを代表するの植物生理学者の一人であり、
オランダ、ライデンの Heike Kamerlingh Onnes 教授(1853-1926)の極低温研究室で行った研
究の経験とアレニウス(Svante Arrhenius、1859-1927、1903 年ノーベル化学賞受賞者)のパ
ンスペルミア説(汎精子説、生命は宇宙に広くあまねく存在しており、地球の生命の起源は地
球ではなく、他の天体で発生した微生物の芽胞が地球に到達したものであるとする説)に関す
るアイデアに触発され、極端な低温下、真空条件に 2 年間さらされたバクテリアが発芽能(分
裂活性)を保持することを示したとされる。一方で、同種の生物材料が紫外線照射によって容
易に死滅してしまうためパンスペルミア説を支持する根拠とはなり得ないとする批判もあった。
(以上、以下のURLを参照:www.daviddarling.info/encyclopedia/B/Becquerel.html)。こ
こに紹介する、彼の博士論文もこの思想に沿った研究であり、植物の種子が示す極限環境や化
学処理に対する耐性などを詳細に調べている。今後、機会を見て詳細を読み込んでみたいと考
えている。
5
このように我々の科学史資料の研究は、まだまだ船便で輸送されてきた移管資料の開封と整
理にようやく着手した段階であり、これから数年をかけて内容の解析にかかりたいと考えてい
るが、整理の途に就いたばかりの現時点でも、コレクションにどのようなものが含まれている
かを紹介することには意味があると考え、今回、資料紹介記事の作成をした次第である。
表 1.在北九州ソルボンヌ
在北九州ソルボンヌ科学史資料
ソルボンヌ科学史資料コレクション
科学史資料コレクション中
コレクション中に含まれる 1828 年から 1945 年の間に作
成された学位論文
された学位論文のリスト
学位論文のリスト.
のリスト.
整理
番号
出版
年
著者名
論文タイトル
提出先および学位の別
など
印刷所・出版
者・地名
001
1828
Michel-Antoine
Paira
Dissertation sur l'utilité
et la nécessite- de la
lecture des saintes
écritures
qui sera soutenue a la
faculté de théologie de
Strasbourg.
pour obtenir le grade de
bachelier en théologie
De l'imprimerie
de F. G.
Levnault,
Strasbourg
002
1834
Antoine-Emma
nuel Passecki
Quelques propositions
sur les affections
typhoïdes.
These présentée et
publiquement soutenue
a la faculté de médecine
de Montpellier.
Pour obtenir le grade de
doctoeur en médecine.
Chez Jean
MArtel Ainé,
Imprimeur de la
Faculté de
Médicine,
Montpellier
003
欠番(学位論文として整理番号を与えていたが本来書籍とすべきものを削除)
004
1838
Charles Hector
Guisan
Essai sur la Maladie de
Bright.
Dissertation Inaugurale
présentées à la faculté
de médicine de Berne.
Pour obtenir le grade de
docteur en médicine,
chirurgie et
accouchements.
Imprimerie de
Meyer et
Kaelin, Zuric
005
1841
Michel-Jules
Marmy
Considérations
génerales sur les
blessures par armes à
feu
observées a l'hopital du
Dey, à la suite des
expéditions de 1840 en
Algérie
Suives de la solution de
quatre questions
proposées pour la
réception au doctorat.
Thése présentées à la
faculté de médicine de
Strasbourg.
Imprimerie de
G. Silbermann,
Strasbourg
006
欠番(学位論文として整理番号を与えていたが本来書籍とすべきものを削除)
次頁に続く
6
表 1.続き
整理
番号
出版
年
007
1851
008
著者名
論文タイトル
提出先および学位の別
など
印刷所・出版
者・地名
F. P. Auguste
Kroeber
Droit civil. De la force
obligatoire des lois
civiles Romaines et
Françaises, en ce qui
concerne les personnes
et les choises soumises
à leur empire.
Université de France.
Académie du Bas-Rhin.
Thése pour la licence,
présentées à la faculté
de droit de Strasbourg
Imprimerie de
G. Silbermann,
Strasbourg
1852
Léon-Eugène
Clavé
Essai sur l'amaurose
Faculté de médicine de
Paris.
Thése pour le doctorat
en medicine
Rignoux,
Imprimeur de la
faculté de
médicine, Paris
009
1855
Jean-Paul
Schœffel
De la tuberculisation
des ganglions
bronchiques.
Thése présentées à la
faculté de médicine de
Strasbourg.
Pour obtenir le grade de
docteur en médicine
Imprimerie de
V.e BergerLevrault,
Imprimeur de
l'académie,
Strasbourg
010
1865
M. Henri
Emery
Etudes sur le rôle
physique de l'eau dans
la nutrition des plantes.
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le grade de
docteur ès sciences
Imprimerie de
E. Martinet,
Paris
011
1889
Henri Jumelle
Recherches
physiolosiques sur le
développment des
plantes annuelles.
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le grade de
docteur ès sciences
naturelles
Librairie Paul
Klincksieck,
Paris.
012
1892
Paul-Émile
Citerne
Berbéridées et
érythrospermées.
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le grade de
docteur ès sciences
naturelles
Paul
次頁に続く
7
Dupont,
Paris.
表 1.続き
整理
番号
出版
年
著者名
論文タイトル
013
1893
M.A. Lothelier
1er Mémoire:
Théses présentées à la
Recherches anatomiques faculté des sciences de
sur les épines et les l’Université de Paris
aiguillons des plantes.
pour obtenir le grade de
2me Mémoire: Influence docteur ès sciences
de l’ état hygrométrique naturelles
et de l’éclairement sur
les Tiges et les Feuilles
des plantes a piquants.
Lille, Paris.
014
1895
Edmond Gain
Recherches sur le role Théses présentées à la
physiologique de l’eau faculté des sciences de
dans la végétation.
l’Université de Paris
pour obtenir le grade de
docteur ès sciences
naturelles
Masson & Cie,
Paris.
015
1896
M. Henri
Coupin
Recherches sur
l’absorption et le rejet
de l’eau par les graines.
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le grade de
docteur ès sciences
naturelles.
Masson et Cie,
Paris.
016
1898
M. L. Lutz
Recherches sur la
nutrition des végétaux a
l’aide de substances
asotées de nature
organique (amines, sels
d’ammoniums
composée et
alcaloïdes).
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le grade de
docteur ès sciences
naturelles.
Masson et Cie,
Paris.
017
1899
E. C.
Téodoresco
Influences des diverses
radiations lumineuses
sur la forme et la
structure des plantes.
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le grade de
docteur ès sciences
naturelles.
Masson et Cie,
Paris.
次頁に続く
8
提出先および学位の別
など
印刷所・出版
者・地名
表 1.続き
整理
番号
出版
年
著者名
論文タイトル
提出先および学位の別
など
印刷所・出版
者・地名
018
1903
Henri Jodin
Recherches anatomiques
sur les borraginées.
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le grade de
docteur ès sciences
naturelles.
Masson et Cie,
Paris.
019
1907
M. Paul
Becquerel
Recherches sur la vie
latente des graines. (コ
ピーその1)
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le grade de
docteur ès sciences
naturelles.
Masson & Cie,
Paris.
020
1907
M. Paul
Becquerel
同上(コピーその2) 同上
同上
021
1909
Marie Parhon
Sur les échanges
nutritifs chez les
abeilles pendent quatre
saisons.
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le grade de
docteur ès sciences
naturelles
Masson et Cie,
Paris.
022
1910
Raoul Combes
Détermination des
intensité lumineuses
optima, pur les
végétaux, aux divers
stades du
développement.
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le grade de
docteur ès sciences
naturelles
Masson & Cie,
Paris.
023
1915
Lucien
Plantefol
Le Crocysporiam
toruosum Bonorden est
une forme végétative
d’un champignon
Basidomycète.
Mémoire présenté à la
Faculté des Sciences de
Paris pur l’obtention du
diprôme d’études
supérieures (Botanique)
Imprimerie
Nemourienne,
Henri Bouloy,
Nemours
024
1930
Pierre Chouard
Types de dévelopment
de l’appareil végétatif
chez les Scillées.
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le grade de
docteur ès sciences
naturelles
Masson & Cie,
Paris.
次頁に続く
9
表 1.続き
整理
番号
出版
年
025
1930
026
1931
027
著者名
論文タイトル
提出先および学位の別
など
印刷所・出版
者・地名
Deuxième Thése propositions données
par la faculté
Géologie. - Relations
entre les conditions
géologiques du sous-sol
et la distribution des
végétaux actuels.
Zoologie. - Distribution
géographique du
limnoplancton.
(紙一枚のみ)
Georgette Levy
La présence, la .
répartition et le rôle de
l’aluminum chez les
végétaux.
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le title de
docteur de l’Université
(Mention Sciences)
Paris.
1936
Yves Raoul
Contribution a l’étude
biochimique de
l’hordénine.
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le grade de
docteur ès sciences
naturelles
Imprimeries
Oberthur,
Rennes.
028
1937
Jean Feldmann
1re These: Recherches
sur la végétation marine
de la Méditerranée. La
Côte des Albéres.
2e These: Les
Cyanophycées,
Chlorophycées et
Phéophycées de la Côte
des Albéres.
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le grade de
docteur ès sciences
naturelles
Imprimerie
Wolf, Rouen.
029
1937
Jean Feldmann
2e These: Les
Cyanophycées,
Chlorophycées et
Phéophycées de la Côte
des Albéres.
(1re These なし)
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le grade de
docteur ès sciences
naturelles
Imprimerie
Wolf, Rouen.
次頁に続く
10
表 1.続き
整理
番号
出版
年
著者名
030
1937
Madeleine
Fourcroy
031
1939
032
論文タイトル
提出先および学位の別
など
印刷所・出版
者・地名
Influence de divers
traumatismes sur la
structure des organes
végétaux a évolution
vascularire compléte.
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le grade de
docteur ès sciences
naturelles
Masson & Cie,
Paris.
René J. L.
Moineau
L’aile battante
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le title de
docteur de l’Université
de Paris
Office Français
du Livre, Paris.
1940
André Tercinet
Action de l’hyposulfite
double d’argent et de
sodium sur quelques
alcaloïdes.
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le title de
docteur de l’Université
Societé
Anoyme de
L’Imprimerie
A. Rey, Lyon.
033
1940
Henri Berrier
Contribution à l’étude
de substances du type
auxinique dans le régne
animal.
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le grade de
docteur ès sciences
naturelles
Editions du
Bulletin
Biologique de
la France et de
la Belgique,
Paris.
034
1940
J. Ségal
Le Mécanisme de la
vision en lumiére
intermittente.
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le title de
docteur de l’Université
035
1940
(1941
)
Paul-Alphonse
Ardouin
Contribution à l’étude
de la chaîn des osselets
de l’ouïe chez les
mammifères
placentaires.
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le grade de
docteur ès sciences
naturelles
次頁に続く
11
Imprimeries
Delmas,
Bordeaux.
表 1.続き
整理
番号
出版
年
著者名
論文タイトル
036
1940
René Moricard
Facteur hormonaux et
cytoplasmiques de la
division nucléaire.
Méiose et
gonadotrophines
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le grade de
docteur ès sciences
naturelles
Laboratoire
D’Évolution
des Étres
Organisés,
Paris.
037
1940
Lida Levina
Relation entre osmose
et imhibition étudiée sur
des tissus végétaux.
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le grade de
docteur ès sciences
naturelles
Lons-LeSaunier, Paris.
038
1940
Lida Levina
同上(コピーその2) 同上
同上
039
1940
Marguerite
Lwoff
Recherches sur le
pouvoir de synthése de
flagellés
Trypanosomides.
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le grade de
docteur ès sciences
naturelles
Masson & Cie,
Paris.
040
1940
(1939
?)
Georges
Antoine
Contribution à l’étude
de certaines formes de
la sillice dans les tissus
animaux.
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le grade de
docteur ès sciences
naturelles
Jouve & Cie,
Paris.
041
1940
Chaouki Adra
Étude sérologique et
chimique de certains
composés arsenicaux
envisagés comme
antigènes.
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le title de
docteur de l’Université
Librairie E. Le
François, Paris.
042
1941
Georges
Bouvrain
Recherches
contogéniques sue les
Angiospermes
dicotylédones.
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le grade de
docteur ès sciences
naturelles
Imprimerie R.
Foulon, Paris.
次頁に続く
12
提出先および学位の別
など
印刷所・出版
者・地名
表 1.続き
整理
番号
出版
年
043
1942
044
1944
著者名
論文タイトル
提出先および学位の別
など
印刷所・出版
者・地名
Françoise
Laborey
Études expérimentals
sur les courbes de poids
d’Aspergillus niger V.
Tgh. En fonction de la
composition du milieu
nutritif. Études
particulére du
coefficient d’action du
magnétism
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le grade de
docteur ès sciences
naturelles
Imprimerie
Luis Bellenand
et Fils,
Fontenay-AuxRoses (Seine).
Raymond
Chaminade
Les formes du
phosphore dans le sol.
Nature et rôle des
complexes
phospho-humiques.
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de Paris
pour obtenir le title de
docteur de l’Université
de Paris
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de
Monpellier pour obtenir
le grade de docteur ès
sciences naturelles
Dunod, Paris
045
1944
Henri Geslin
Étude des lois de
croissance d’une plante
en fonction des facteurs
du climat. (température
et radiation solaire)
Contribution à l’ étude
du climat du blé.
046
1944
Henri Geslin
同上(コピーその2) 同上
同上
047
1944
Marc Meitès
Action de l’eau et du
benzène sur la structure
de la cellule végétale
(contribution à l’étude
physiologique et
chimique de la cellule).
Imprimerie
Aristide
Quillet,
Monpellier.
Théses présentées à la
faculté des sciences de
l’Université de
Monpellier pour obtenir
le grade de docteur ès
sciences naturelles
Imprimerie
Aristide
Quillet,
Monpellier.
5.謝辞
共同研究のために多くの貴重な資料の北九州への移管に快諾いただいたパリ第 7 大学関係各
位に謝意を表します。また、科学史資料の輸送コストは部分的に日仏共同研究事業<SAKU
RA>の研究費から支出頂いたことも明記しておきます。本資料の複写後イメージのPDF化
(コピー用紙のスキャン作業)は、北九州市立大学・蔭西知子特任研究員がサポートしてくれ
ました。
13
本稿を英文で引用する場合は、以下のようにお願いします。
Tomonori Kawano (2009) List of theses found in Sorbonne science history collection in Kitakyushu.
Part I. Theses dated between 1828 and 1944. Bulletin du Centre Franco-Japonais d'Histoire des Sciences
(Kitakyushu-Paris), Vol. 3(1): 3-58 (2009)
6.引用文献
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
Kawano, T. and F. Bouteau (2007) Our current activities: Collection, preservation, Classification,
digitalization, translation and re-evaluation of the classical science literatures from Sorbonne
libraries. Bul. Centr. Franc. Jap. Hist. Sci. 1: 3-9.
河野智謙(2007)パリ第 7 大学と北九州市立大学との連携と日仏科学史資料センター.日
仏科学史資料センター紀要 1: 32-39.
河野智謙(2007)報告書 「パリ第 7 大学植物学系図書館第 3 次資料調査経過報告書:移
管資料の暫定リスト」日仏科学史資料センター紀要 1: 56-74.
Kawano, T., Yokawa, K., Hiramatsu, T., Rona, J.-P. and Bouteau, F. (2008) Mining and
revitalization of classical literatures on botanical science derived from Sorbonne libraries through
collaboration between Université Paris Diderot and The University of Kitakyushu. CIEE J. Univ.
Kitakyushu 6: 13-21.
Henry Emery (1871) La VIE VEGETALE. Histoire des PLANTES à L'usage des Gens du Monde.
Ouvrage illustrée de 420 gravures sur bois & de 10 planches en CHROMOLITHOGRAPHIES.
Librairie Hachette & Cie., Paris.
河野智謙、陽川憲、林村、角野貴志、蔭西知子「研究記録の積極的公開について」日仏科
学史資料センター紀要 3:1-2.
次頁から学位論文表紙(一部は、中表紙)のスキャン画像を掲載。
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Bulletin du Centre Franco-Japonais d'Histoire des Sciences (Kitakyushu-Paris), Vol. 3(1) : 060-063 (2009)
日仏科学史資料センター紀要
ISSN 1882-3548 (online), 1882-353X (CD-ROM)
-Member’s Voice-
フランスでの生活と研究
角野貴志 1,2
1 北九州市立大学
2 財団法人
国際環境工学部 環境生命工学科
福岡県産業科学技術振興財団
独立行政法人日本学術振興会・特別研究員(PD)の採用期間中に縁があり、2008 年 10 月
から 2009 年 9 月までの約 1 年間、フランス・パリ第 7 大学准教授 François Bouteau の下、
研究活動を行っていました。帰国後の 10 月以降は北九州市立大学において研究をおこなっ
ています。海外には国際学会参加などで 1 週間程度の滞在を数回したことがありますが、
長期海外渡航は初めてでした。日仏科学史資料センター紀要に帰国報告の記事を(紀要に
渡航報告の記事はありませんが・・・)と書きはじめましたが、これから海外渡航を行う
人に参考になればと、
(1)渡航までの準備と(2)フランスでの生活で感じたことを記載し
たいと思います。
(1)渡航までの準備
まずは渡航までの準備についてです。ここでは滞在許可証と生活費等のことについて記載
したいと思います。フランスの滞在は、3 ヶ月を超える約 1 年半の長期滞在になる予定だっ
たため、滞在許可証が必要になりました。滞在許可証は、フランスならフランス、ドイツ
ならドイツと滞在先の国によって、また、どのような身分で渡航するかによって手続きが
異なってきます。フランスの場合(2009 年 12 月現在)は渡航前、つまり日本に居る時に入
手しておくべき書類があります。パリ第 7 大学には、国際交流担当職員がいて、Bouteau 准
教授を通して情報を頂いていたので、大きな問題はありませんでした。渡航する人の状況
は、それぞれ違うと思いますので、受入先の研究者や国際交流担当者と連絡を密にして手
続きを行うのが一番です。連絡を密にと書きましたが、外国は日本とスクールカレンダー
や休暇制度が異なる場合が多く、連絡が取りづらくなる、書類作成が遅延することが考え
られます。この点注意が必要です。
次に生活費についてです。日本学術振興会・特別研究員(PD)の立場での渡航だったの
で、給与は日本の銀行に円での払い込みでした。いろいろと調べた結果、国際キャッシュ
カードを使うことで、海外の ATM から現地通貨を引き出せることが分かりました。国際キ
60
ャッシュカードのサービスがある銀行で口座をつくり、給与の払込口座とクレジットカー
ドの引落口座を変更して終了です。銀行によっては一体型のカードもあるようです。長期
滞在になる場合、紛失などに備え、2 系統の国際キャッシュカード・クレジットカードの組
み合わせを準備しておくと良いと思います。日本の家族にお願いして、再発行までの間に
もう 1 系統で生活をすれば良いでしょう(海外までは発送してくれないと思います)。再発
行が難しい場合は、給与払込口座の変更をすれば、生活が続けられます。しかし、現在、
国際キャッシュカードのサービスは、手数料増加や新規受付を停止する傾向にあります。
最後に日本での手続きとして、住民票をどうするかで少し悩みました。長期の海外渡航
の際、住民票をそのままで(転出届を出さずに)渡航するか、転出届けを提出して渡航す
るかの選択が可能です。生活費にも関係あり、健康保険や年金の支払いが異なってきます。
この記事では、渡航する人の状況次第ということで、住民票を残すか、残さないか、とい
う情報だけに留めておきます。両者で何が異なるかは調べてみて下さい。転出届けを提出
した場合、帰国後に転入届けを提出することになります。この転出・転入届けは基本的に
日本国内での引っ越しと同じですが、海外からの転入届けには追加で書類が必要な場合が
あります。出国・帰国前に確認をお願いします。
(2)フランスでの生活で感じたこと
次にフランスでの生活です。普段の生活とパリ第 7 大学について記載したと思います。ま
ず、日曜日にほぼすべての店が閉まっていることに驚きました。日曜日の営業は、法律で
認められていないそうです。フランスの到着日が土曜日で、その日の内に水やパンを購入
できましたが、日曜到着だと月曜日までひもじい思いをしていたと思います。到着日は、
平日に設定する方が良いと思います。
僕は 14 区の Cité Internationale Universitaire de Paris(略称:CIUP、日本語:パリ国
際大学都市)という所に住んでいました。CIUP の敷地内には、世界中の様々な国が直接ま
たは間接運営する宿舎が多数あり、日本館、ベルギー館、アメリカ館やモロッコ館などが
あります。僕はフランス・イギリス館に滞在していました。CIUP は第一次世界大戦の反省
から、国際交流を深め、世界平和維持が目的で設立されたそうです。CIUP の宿舎は、学術
目的の研究者と留学生だけが利用できます。研究者でも、観光が目的の人は利用できませ
ん。僕の場合は、渡航前に大学の国際交流担当者が手配してくれましたが、個人でも利用
の申し込みができます。しかし、申込者が多いようで抽選となるようです。フランス・イ
ギリス館の研究者向けの部屋は、日本での 1K タイプで、シャワー、キッチン(冷蔵庫、レ
ンジ、調理器具、食器)
、ベッド、トイレ、暖房、有線 LAN が備わっていました(学生用
は、部屋にキッチンがなく、各階に 1 カ所の共同キッチンを使用)
。電気代、水道代、ネッ
ト接続料が家賃に含まれていています。ちなみに 1 年契約での 1 ヶ月の家賃は、707 ユーロ
(1 ユーロ 130 円で、9 万円強)でした。家族のある研究者用として、1K でベッドが 2 つの
タイプや 2K タイプの部屋もあります。これらの家賃は、50 ユーロから 100 ユーロほど高く
61
なります。また、学生は 550 ユーロから 600 ユーロです。日中の受付の職員は、英語が話
せます。ちなみに日本館の受付職員も英語ができますが、日本語は出来ないようです。受
付職員の英語は、フランス語ができない僕にとってかなりの助けとなりました。家賃等の
お金に関する重要な連絡は、フランス語で書かれた書類でのお知らせだったので、受付の
職員に聞いたり、大学の同僚に聞いたりしていました。お金の絡まない停電や害虫駆除等
については、フランス語と英語のお知らせがありました。
図 1.CIUP のフランス・イギリス館の正面玄関側(左)と裏側の庭(右)
。庭の写真は 4
月下旬の写真で、花びらの絨毯ができています。
次に大学についてです。パリ第 7 大学はその名前のとおりパリ市にあります。数年前に
新キャンパスに移転し、少し郊外の 13 区にあります。移転前はパリ第 6 大学と敷地を共有
し、パリの中心部の 5 区にありました。Bouteau 准教授の研究室は、移転前の旧キャンパス
にあります。僕が滞在していた時は、教授 1 名、准教授 3 名、任期付き助教 1 名、技官 1
名、研究員 1 名、実験補助員 2 名からなる研究室です。渡航時には学生・院生は在籍して
いませんでした。フランスの大学の学部は 3 年制で、日本の理系にみられる 4 年生の間ま
るまる 1 年をかける卒業研究は、無いそうです。研究室で研究を希望する学生は、学部生
の場合 1 ヶ月から 2 ヶ月、修士の場合 2 から 3 ヶ月、事前に希望する研究室で実験をして
良いか許可を取り、実験を行うそうです。期間は、通常 4 月から 7 月だそうです。
大学の 1 日は、朝 9 時から 10 時の間にメンバーが集まります。そして 10 時 30 分くらい
から 11 時すぎくらいまで朝のコーヒータイムです。この時に研究の内容から日常のことな
ど多岐にわたる話しをします(僕以外はフランス語での会話なので、すべての内容は把握
できていませんでしたが・・・)
。12 時すぎになると、准教授、助教、研究員と僕でサンド
イッチやハンバーガー等のご飯を買いに出かけ、研究室で食べます。誰かが実験中だと終
わるまで待ち、家から弁当を持参してきていても、一緒に買いに行っていました。食後に
は 30 分くらいのコーヒータイムがあります。昼の仕事開始は 13 時 30 分から 14 時くらい
になります。そして 17 時になると、ほぼすべてのメンバーが帰宅します。土曜・日曜は、
研究室に誰も来ていませんでした。日本のような卒業研究配属も無い(常時学生がいない)
上、このような時間の流れで研究がまとまるなと思っていましたが、彼らの実験の仕方は、
62
効率よく無駄が無い感じでした。また自分たちが出来る(得意な)実験手法を駆使し、研
究室で日常的に行われていない実験系で、論文にまとめる時に必要なデータは、他の研究
室で実験を行ったり、共同研究という形でデータを取っていました。ぞれぞれの研究テー
マに関して各メンバーの役割も決まっていて、効率よく研究がまとまる体制ができあがっ
ていました。
図 2.旧キャンパス敷地内のモニュメント(左)と新キャンパスの一部(右)。
最後にフランス滞在期間中、大学、宿舎やお店のどこでもですが、強く感じたことです。
分からないことがあれば、とりあえず聞くことです。あたふたしていても誰も手助けして
くれませんが、英語でも単語だけのフランス語でもとりあえず聞くと、相手は慣れていな
い英語や、フランス語でも身振り手振りで何とかコミュニケーションを取ろうとしてくれ
ます。自分が知らないようなことだと周りも聞いてくれます。思っていた以上に優しい人
たちで、フランス滞在中は非常に助かりました。
図 3.革命記念日(7 月 14 日)の午前のシャンレリゼ通りでのパレード開始(右)と夜の
エッフェル塔での花火(左)
。
謝辞
フランスでの滞在・研究活動は、独立行政法人日本学術振興会の特別研究員制度の下で行
われました。
63
Bulletin du Centre Franco-Japonais d'Histoire des Sciences (Kitakyushu-Paris), Vol. 3(1) : 064-076 (2009)
日仏科学史資料センター紀要
ISSN 1882-3548 (online), 1882-353X (CD-ROM)
-News以下に、日仏科学史資料センターの運営および活動状況に関する情報、議事録、決定事
項等を掲載します。
2009 年フランス・パリ第 7 大学研究者の来日の報告
フランス・パリ第 7 大学生体膜電気生理学研究室の François Bouteau 博士が平成 21 年 10
月 26 日から 11 月 3 日にご家族と共に来日されました。François Bouteau 博士は、日仏科学
史資料センターの学術アドバイザーであり、フランス・パリ拠点での資料管理の責任者で
もあります。また河野准教授がメンバーである知的クラスター創成事業(第 II 期)テーマ
13 グループの海外共同研究者の 1 人でもあります。
来日中の 10 月 27 日に北九州市立大学ひびきのキャンパスにおいてセミナー講演を行い
ました。François Bouteau 博士の妻であるパリ第 6 大学植物細胞・分子生理学教室の Hayat
El-Maarouf Bouteau 博士も講演を行いました。
講演を行う François Bouteau 博士(左)と Hayat El-Maarouf Bouteau 博士(右)
64
日仏 SAKURA 合同シンポジウムおよび 2010 年パリ第 7 大学研究者の来日のお知らせ)
フランス・パリ第 7 大学生体膜電気生理学研究室の François Bouteau 博士が平成 22 年 3
月下旪に来日されます。来日の目的は、熊本で開催される第 51 回植物生理学会年会で公式
シンポジウムとして開催される国際シンポジウム「日仏 SAKURA 合同シンポジウム:植物の
環境センシング機構(Japan-France SAKURA programs: Environmental sensing by plants)」での
講演です。上記シンポジムは、日仏科学史資料センターのメンバーによる日仏交流促進事
業<SAKURA>共同研究テーマ「ソルボンヌ大学由来の生物学古典文献群の収集・保全・分
類、デジタル化、翻訳と再評価」と、岡山大学、名古屋大学、CNRS の研究者による 1 つの
植物関連での<SAKURA>テーマ「気孔におけるアブシジン酸信号伝達のリン酸化瀬領の遺
伝学的およびプロテオミクス解析」の 2 つのテーマでの共同開催です。
以下、シンポジウムの詳細をお知らせします。
イベント名:日仏 SAKURA 合同シンポジウム:植物の環境センシング機構(Japan-France
SAKURA programs: Environmental sensing by plants)
略称:日仏・植物センシング研究
開催日時:2010 年 3 月 20 日 13:00~15:30
開催場所:熊本大学・黒髪北キャンパス 第 51 回日本植物生理学会年会会場(シンポジウ
ム会場は後日決定)
日本植物生理学会:http://www.jspp.org/
第 51 回日本植物生理学会:http://www.jspp.org/kumamoto/index.html
責任者氏名: 森 泉(代表連絡者) 岡山大学資源生物科学研究所
tel: 086-434-1223, fax: 086-434-1249 Email: [email protected]
河野智謙
北九州市立大学 国際環境工学部
tel: 093-695-3207, fax: 093-695-3304 Email: [email protected]
使用言語: 英語
企画趣旨: 平成 20 年(2008 年)は日仏交流が始まって150周年でした。この記念すべ
き年に日本学術振興会の公募する日仏二国間共同研究 SAKURA プログラムに生物学関連の
テーマで2件の課題が採択されました。
「気孔におけるアブシジン酸信号伝達のリン酸化瀬
領の遺伝学的およびプロテオミクス解析」および「ソルボンヌ大学由来の生物学古典文献
群の収集・保全・分類、デジタル化、翻訳と再評価」です。前者の課題は、日仏両国の世
界をリードする研究者らの連携により植物の環境センシングの分子メカニズムの解明を目
65
指すものであり、本シンポジウムでは、世界で繰り広げられる植物の環境センシング研究
の最前線での研究事例を紹介します。後者の課題は、植物の細胞レベルでの環境応答研究
を専門とする日仏両国の実験科学者による、科学史研究へのユニークなアプローチであり、
植物学者 A.-L. Jussieu (1748-1836) に始まるフランス革命以降の近代植物学研究室の伝統を
受け継ぐ、旧制ソルボンヌ大学最後の植物学研究室が保有してきた過去 200 年間の植物学
文献を紐解き、植物学発展の歴史を俯瞰するプロジェクトです。本年度は両プログラムの
最終年度にあたり、課題研究の集大成として植物の環境センシング研究を初期の発見から
最新の知見まで大きな時間スケールで俯瞰したストーリー性のある研究事例紹介を目指し、
本シンポジウムを開催します。
本企画は、最先端の研究と研究発展史を同時に議論することで、植物と環境の関わりを
より深く理解すること、またそれを専門家だけでなく若い世代の研究者と共有することを
目指しています。さらには、これまで日仏両国が培ってきた学術交流でのつながりをさら
に強く確かなものにしてゆくためのマイルストーンとなるような実りあるシンポジウムに
なることを希望しています。具体的には、前半3題の孔辺細胞の環境シグナルにおけるリ
ン酸化シグナルの先端研究について,森泉(岡山大学)
・Sylvain Merlot(フランス国立科学
研究センター)
・June M. Kwak(米国メリーランド大学)が講演し,後半の2題で植物学史
の観点からみた植物の環境センシング研究の流れと現在の先端研究の関わりについて,文
献と最新の実験データを織り交ぜながら、河野智謙(北九州市立大学)および Francois
Bouteau(パリ第 7 大学)が講演する。
スケジュール:
<第1部> 座長:Tomonori Kawano
13:00
講演1 Phosphorylation/dephosphorylation in signal integration of abscisic acid and
methyl jasmonate in guard cells. (Izumi C. Mori, Okayama University, Japan)
13:30
講演2 ABA signaling: Before and After OST1. (Sylvain Merlot, CNRS, France)
14:00
講演3 Protein kinases in ROS-mediated ABA signaling in guard cells. (June M.
Kwak, Unviersity of Maryland, USA)
<第 2 部> 座長:Izumi C. Mori
14:30
講 演 4
Anion channel activity increase, an unavoidable event in
ozone-induced
programmed
cell
death.
(Francois
Bouteau,
Universite
Paris-Diderot, France)
15:00
講演5
Comparison of the classical concepts and recent experimental
evidences for the eco-physiological sensing mechanism in living plants.
(Tomonori Kawano, University of Kitakyushu, Japan)
15:30 終了予定
66
日仏科学史資料センター関連講演の要旨紹介
講演4
Anion channel activity increase, an unavoidable event in
ozone-induced programmed cell death.
Kadono Takashi1,2,, Tran Daniel1, Errakhi Rafik1, Hiramatsu Takuya2, Meimoun
Patrice1, Briand Joël1, Kawano Tomonori1,2, Bouteau François1,2,$
1
LEM, Université Paris Diderot-Paris 7, 2, place Jussieu 75251 Paris cedex 05,
France
2
Graduate School of Environmental Engineering, University of Kitakyushu 1-1,
Hibikino, Wakamatsu-ku, Kitakyushu 808-0135, Japan
E-mail: [email protected]
Abstract
Ozone is a secondary air pollutant known to induce programmed cell death
(PCD) in plant at high concentration. We showed that O3 induced the activation of
plasma membrane anion channel which is an early prerequisite of this PCD in
Arabidopsis thaliana cells. Our data further suggest interplay between anion
channel activation, Ca2+ influx and ROS generation by NADPH-oxidase leading to
PCD. This interplay might be fuelled by several ways in addition of direct ROS
generation by O3; namely; increase in anion channel activity by oxalate generated
from ascorbate degradation by O3and H2O2 generation from apoplastic salicylic
acid pool. Anion channel activation was also shown to promote the accumulation
of transcripts encoding vacuolar processing enzymes, a family of proteases which
contribute to the disruption of vacuole integrity during PCD. Collectively, our data
indicate that anion efflux is an early key component to morphological and
biochemical events involved in O3-induced PCD.
講演5
Comparison of the classical concepts and recent
experimental evidences for the eco-physiological
sensing mechanism in living plants
Tomonori Kawano1,2 and Francois Bouteau1,2
1
LEM, Université Paris Diderot-Paris 7, 2, place Jussieu 75251 Paris cedex 05,
France
2
Graduate School of Environmental Engineering, University of Kitakyushu 1-1,
Hibikino, Wakamatsu-ku, Kitakyushu 808-0135, Japan
67
Abstract
As a part of SAKURA program (a Japan-France collaborative research
program), we conducted a survey on the historical corpus of sciences (especially
that of botanical science) based on the literatures originated from Univ. Paris
(Sorbonne), one of the world oldest Universities (establishment in 1211). The
Sorbonne-derived botanical literatures re-collected in recent two years include a
number of classical books, doctoral theses and journals (dated between 1815
and 1970). Most of them are now preserved in Japan and registered as the
open-access sources for future analyses. In this presentation, some of very early
works on the plant responses to environmental changes and plant-microbe
interactions at the cellular level will be reviewed by showing the original
literatures. In addition, recent evidences (obtained through molecular biological,
biochemical and electro-physiological experiments) in support of historical views
on plant sensing mechanism will be provided for discussion.
関連イベントのご案内
上記 SAKURA 合同シンポジウムに開催に合わせて、北九州市立大学ひびきのキャンパスに
おいて(1)知的クラスター創成事業(第 II 期)、
(2)日仏共同研究 SAKURA プロジェク
ト、
(3)文部科学省・環境リーダー育成事業、(4)(財)北九州産業学術推進機構・海外
連携プロジェクト(北九大・クランフィールド大学)の共催によるイベント(国際シンポ
ジウム)が企画されています。François Bouteau 博士は、知的クラスター創成事業(第 II 期)
テーマ 13 河野グループの海外共同研究者の 1 人です。また、同テーマ 13 河野グループの
海外共同研究者にはドイツ・ボン大学の Frantisek Baluska 博士、とイタリア・フィレン
ツェ大学の Stefano Mancuso 博士が名を連ねています。今回の北九州でのイベントには、
François Bouteau 博士、Frantisek Baluska 博士と Stefano Mancuso 博士の3名、イギリス
のクランフィールド大学から Leon A. Terry 博士が参加するほか、熊本での SAKURA 合同シ
ンポジウム参加者の多くが参加予定です。各イベントの正式な日時・場所などの詳細が決
まり次第、本紀要のニュース欄(あるいは、会員宛の電子メイル)で報告いたします。
68
二国間交流事業共同研究・平成21年度実施計画変更調書
㈶日本学術振興会・フランス外務省による二国間交流事業共同研究「ソルボンヌ大学由来
の生物学古典文献群の収集・保全・分類、デジタル化、翻訳と再評価」について、平成2
1年10月1日付けで「平成21年度実施計画変更調書」が提出されました。内容は、プ
ロジェクト従事者の変更です。蔭西知子氏(北九州市立大学・特任研究員)と陽川憲氏(北
九州市立大学・博士課程 3 年)の 2 名が研究から離れ、代わりに國廣俊太(修士課程 1 年)
を参画させ、現地調査および研究打ち合わせに従事させるというものです。理由として、
北九州市立大学・博士課程後期課程に在籍していた陽川憲氏が優秀な研究業績を残し、早
期修了により平成 21 年 9 月 28 日に博士(工学)の学位を取得し、上記プロジェクト実施
主体である北九州市立大学を離れるためプロジェクト業務から離れたため。また北九州市
立大学特任研究員であった蔭西知子氏が平成 21 年 9 月 30 日付けで海外研究機関への異動
に伴い離職したことから同様にプロジェクト従事者リストから外れることになりました。
そこで助成制度による研究を遅滞なく遂行するため、平成 21 年 10 月 1 日より上記 2 名の
代替要員として北九州市立大学・修士課程に在籍する國廣俊太君が新規に研究に参画する
ことになりました。國廣俊太君は、早速、後述の調査出張に従事しています。(陽川・蔭西
両氏は、上記助成制度による調査業務の従事者リストからは外れるが、当センターの主要
メンバーとして当該研究への関与は継続していただく予定)
。
パリ第 7 大学・旧植物学図書室所蔵ソルボンヌコレクション第5次(最終)調査
北九州市立大学とパリ第 7 大学の共同研究チームは、2009 年 11 月~2010 年 1 月にかけ
てパリ第 7 大学旧ジュシューキャンパスでの旧植物学図書室所蔵ソルボンヌコレクション
第5次(最終)現地調査を実施中です。上記期間、北九州市立大学から 3 回にわたり研究
者が渡仏し、調査に従事しています。11 月上旪に河野がパリに出張し、第 5 次調査の大枠
についてパリ第 7 大学 F. Bouteau 博士、J. Briand、博士、D. Tran 氏およびパリ第 6 大学
H. Maarouf-Bouteau 博士と打ち合わせを実施しました(1 回目)
。次いで、12 月上旪には、
北九州市立大学より河野、角野貴志研究員、國廣俊太君の 3 名が出張し、本格的な文献調
査に着手しました(2回目)
。12 月 20 日~1 月 8 日までの期間、北九州市立大学より河野
が出張し、パリ第 7 大学・旧植物学図書室に残されていた最後の文献を整理し、日本に向
けて輸送する作業に従事中です(3回目)。これまでに北九州に約1・5トンの資料を搬出
しているが、今回の調査では、残った資料の中で重要なものを Jean-Pierre Rona 教授が選
び出し、キャンパス内の 1 室に一時保存していたものを整理し、日本に輸送する作業が主
な業務内容です。今回の調査に合わせて、段ボールで 36 箱の科学史関連資料が作業員によ
って一時保管倉庫から生体膜電気生理学研究室に運び込まれました。これまでの調査状況
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をニュースおよび研究報告として報告してきましたように、すでにパリ第 7 大学は、ジュ
シューキャンパスから 13 区の新キャンパスに移転を進めており、パリ第 7 大学が使用して
いた建物は、解体工事が進行しています。もともとパリ第 7 大学の旧植物学図書室が存在
した部屋および一時的に日仏科学史資料研究センターのパリ拠点としていた部屋も全ての
什器が撤去され解体工事が進行中でした。解体工事の前後に部外者あるいは最後に教室を
去る学生らによる落書き等が壁のいたるところにあり、物悲しい思いが残った今回の調査
でした。以下の写真は、今回の調査の作業風景です。
作業員による資料の搬入風景(1)
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作業員による資料の搬入風景(2)
作業員による資料の搬入風景(3)
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整理のため運び込まれた段ボール 36 箱に上る科学史関連資料(Bouteau 博士とともに)。
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ジュシューキャンパス地下の一室(他の研究室の教授の立会いの下、調査を実施)
一時保管倉庫の棚は空になった。
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旧図書室の内部(内部から入口を望む)
旧図書室の壁
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旧図書室の内部書籍棚が設置されていた場所(多くの科学史資料が残されていた)
旧図書室に隣接する教室の内部(ここにも多くの科学史資料が残されていた)
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今回、輸送する科学史資料から約0.5トンを選び日本に輸送します。到着は年度末と
なる予定です。今後、機会を見て調査の詳細を紹介します。
(文責・北九州市立大学、河野)
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