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Bulletin 平成 3 年 4 月 16 日第三種郵便物認可 平成 25 年 6 月 15 日発行(隔月 15 日発行)第 28 巻 第 1 号 通巻 244 号 The Japan Institute of Architects Kanto-Koshinetsu Chapter 2013 Vol. 244 7 特集:これからの「建築家像」 COLONNADE ・これからの建築家像 芦原太郎建築事務所 芦原太郎 2 ・これからの建築家像 日建設計 山梨知彦 2 みかんぐみ 竹内昌義 4 乾久美子建築設計事務所 乾久美子 4 上浪 寬・藤沼 傑 6 ・人口減少の時代に ・これからの建築家像 アーキテクツ・ガーデン 2013 ・アーキテクツ・ガーデン 2013 建築祭 支部長の活動方針 構想建築設計研究所 上浪 寬 8 左知子建築設計室 左 知子 9 Frank-la-Riviere-Architects フランク・ラ・リヴィエレ 10 総務委員会 2011 年〜 2012 年 ワークショップ・建築とエネルギー 民主主義または新しい批判的地域主義公開講座 FORUM architecture WORKSHOP 横浜国立大学大学院 Y-GSA 北山 恒 12 フロリアンブッシュ建築設計事務所 フロリアン・ブッシュ 13 日本設計 齋藤志津夫 13 文化財ドクター派遣事業対応会議事務局 安達文宏 14 世の全ては相対的総合関係 一人の建築家として 文化財ドクター派遣事業 事務局側の対応について 文化財ドクター派遣事業 受け入れ側の対応について 15 文化財ドクター派遣事業対応会議 氏家清一 第25回交流大会 2012 年度 JIA C グループ 国内建物視察会 紀行文 新たな相談会場ができました 剣持デザイン研究所 長尾俊夫 16 佐藤和夫 17 中里昇建築設計工房 中里 昇 18 美和ロック 日本版 CABE を考える 日本版 CABE 推進タスクフォース設立へ向けて行動企画案メモ エ-・ユ-・ア-ル・建築・都市・研究コンサルタント 長島孝一 JIA 関東甲信越支部栃木地域会栃木クラブ賞 公益法人体制の『共鳴』を 映画紹介「舟を編む」 B A C K YA R D 19 20 ツチヤ建築設計事務所 土屋 博 21 かわかみ建築設計室 川上恵一 21 ヒガノ 立石博巳 22 新任のご挨拶 22 編集後記●「今年のクールビズ」 23 公益社団法人日本建築家協会 〒 関東甲信越支部 150-0001 東京都渋谷区神宮前 2-3-18 JIA 館 Tel: 03-3408-8291 Fax: 03-3408-8294 http://www.jia-kanto.org/members 第三種郵便物認可 Bulletin 2013 年 6 月15 日発行 これからの建築家像 公益社団法人 日本建築家協会会長 第三種郵便物認可 Bulletin 2013 年 6 月15 日発行 特集:これからの「建築家像」 これからの建築家像 山梨 知彦 芦原 太郎 ● いつの時代も変わらないプロフェッションとしての建築家像 れば、経済至上主義から脱皮して人々が幸せに暮らせる持続可能な ■ 摩天楼が出現してから、たかだか120年ほどが経ったにすぎない。 感を強めている。IT が建築に本質的な大変革をもたらすものか否かは 西欧におけるプロフェッションの概念は専門家として世のため人 環境づくりを推進して行く必要にせまられてくる。 超高層建築の萌芽ともいえるシカゴのホームインシュアランス・ビルが 現時点では不明であるが、建築の生産や設計、そして建築そのものにな その際には国家や経済圏と言ったものよりもむしろ<地球環境> 完成したのが1885年。僕らが当たり前の様にとらえている、建築家 にがしかの影響を与えそうであることは疑いのないところだろう。 や人々の生活基盤となる<地域>が重要になってくる。 と、構造家と、機械設備技師とのコラボレーションから建築が生み出さ かように、建築に対する時代の要請も、建築をつくる技術も、建築設 れるしくみは、超高層建築という時代が要請した新たな建築的課題に対 計する方法もが、今現在も変わりつつある。建築を生み出す活動の中心 して生み出された、比較的新しいものにすぎない。超高層ビルという新 的な存在をもし「建築家」と呼ぶならば、建築家像は変わらざるを得な しい時代の要請により、建築家像は大きく変化したに違いない。 いと、私は捉えている。 現代では、 「環境」が、建築の大きなテーマになっている。環境問題 しかし、世の中が変化していると言って、建築家が変わる必要がある が大きく取り上げられるようになったのはおそらくレイチェル・カール とも限らない。いやそれだからこそ、変わらぬ建築家像を保つことが必 ソンの「沈黙の海」 (1962年)以来であろうし、環境建築という課 要とする立場もあり得る。そもそも、建築家像が変わるべきと主張する 題にしてはまだ生まれたてのホヤホヤとも言える。それにもかかわらず ことと、変わるべきではないと主張することにいかほどの差異があるの 今では、規模によらず建築における環境の専門家の存在は増すばかりだ。 だろうか。 のために働くことを神に告白 (Profess) したものとされおり、その始 まりは聖職者であり社会の発展に伴って様々な分野の職能団体を組 織されてきた。 COLONNADE 1834 年には世界初の建築家職能団体としてイギリスに王立建築 ● これからの建築家像 家協会が設立されている。 建築とは建築物を作っていく行為であり、自然環境と人間が作る 我が国に於いても、明治の開国以来西欧型建築家職能の定着に向け 環境そして人々の生活の 3 つの関係性をデザインして調停していく て、辰野金吾らの造家学会、戦後の 1956 年に前川国男らの建築家協 ことである。 会 ( 旧家協会 )、1987 年丹下健三らの新日本建築家協会、2013 年公 そこに登場する建築家像は次の時代に向けたビジョンとその実現 益社団法人日本建築家協会へと活動が継続されてきている。 のための知識や技術を持ち、さらに地域の建築やまちづくりに継続 プロフェッショナルの概念は専門的技術を持つスペシャリストとは 的に推進させて行くためのデザインプロセスを上手くコントロール さらに IT 技術の進化がそこに新たな変化を加える。設計では CAD から 親しい友人が、不易流行という芭蕉の言葉を教えてくれた。勝手な解釈 区別されている点が重要であり、<神への告白>現代なりに解釈すれ する力を持っている必要がある。 BIM への流れをもたらし、建築生産においては、 「デジタル・ファブリケー であるが、そもそも世の中自体が常に変わっていると認識をするならば、 ば<社会貢献による公益寄与>を誓って専門家として働くことが、い 安心、安全で持続可能な社会づくりを専門家として推進させて行 ション」と呼ばれる、デジタルを介した新しい生産技術が日増しに存在 流行を追い求め変わっていくことも、そのまま不動点のごとく立ち止ま つの時代にも変わらないプロフェッションとしての建築家像である。 く事がこれからの建築家の役割であり、地域に根ざし人々と共にあ ることも、相対的には変化を生むことではなく、大した差異はない、と る新しい建築家像である。 その言葉の意味するところを捉えている。この考えに立つならば、世の ● 社会の変化と価値観の転換 [ パラダイムシフト ] コルビジェ、ミースといった<巨匠>たちは社会を<啓蒙>して 中が生々流転と変わっている以上は、変わらずいることに固執しようと、 1960 年代には<沈黙の春>でレイチェルカールソンが化学物資 立派な<作品>を作ってきた。 変わることを望もうと、そこに本質的な差異はないことになる。問題の による環境破壊を、また最近ではアメリカ元副大統領アルゴアが< しかしこれからの建築家像は地域の人々と<対話>して建築・ま 本質は、どうやら建築家像が変わるのか否かを問うところにはなさそう 不都合な真実>で CO2 排出による地球温暖化問題をとりあげて未来 ちづくりの<運動体>に関わる<調停者>としての姿が相応しい。 だ。 当たり前すぎることではあるが、問わねばならないのは、建築の質で 社会への警鐘がならされている。 このまま資本主義原理で経済成長を求め続ければ、成長の限界に 日本建築家協会は本年 4 月から公益社団法人として新たなスター いずれは達する事が益々現実味を帯びてくる。 トをきり、地域の建築・まちづくりに建築専門家として貢献してい ブータンのティンレー首相は 2011 年の UIA 東京大会基調講演で く公益寄与を会の目的としている。 GNP( 国民総生産 ) よりも GNH( 国民総幸福量 ) を大切にして行く価 これからの建築家像、JIA の目指す姿はかつてのようなモダニズム 値観の転換が必要である事を語ってくれた。 の<巨匠>ではなく、地域に根ざした活動を展開していく<調停者 経済成長には限界があり人々を必ずしも幸せにしてくれないのであ >である。 これからの建築と建築家 2 Bulletin 2013 年 7 月号 あろう。建築の質を問うことに先行した建築家像の議論は本質を隠す。 アトリエか、組織か、設計施工か、そして明日の建築家像はいかなるも のかは、問われるものというよりも、あるべき建築が生み出された後に ホキ美術館。具象絵画が欲するシームレスな空間を求め、 意匠、構造、設備の境界を取り払ったモノづくりを試みた。 残った足跡のようなものなのかもしれない。 〈日建設計〉 〈芦原太郎建築事務所〉 巨匠から調停者へ ソニーシティ大崎。樹木を植えるように都市を冷やす「利他的建築」目指し、 コンピューターシミュレーションを大幅に導入した設計を試みた。 木材会館。 都市建築での木材の復権を目指し、木材のデジタル加工へと踏み込んでみた。 Bulletin 2013 年 7 月号 3 COLONNADE 特集:これからの「建築家像」 第三種郵便物認可 Bulletin 2013 年 6 月15 日発行 特集:これからの「建築家像」 特集:これからの「建築家像」 これからの建築家像 竹内 昌義 撮影:加藤孝司 乾 久美子 COLONNADE ■ 現 在 は か つ て な い 人 口 減 少 の 時 代 で あ る。2006 年 の そういう時代で建築家はどうすべきか。簡単な仮説を立て ■ 最近、本題にぴったりの会話をとある雑誌の編集者とした。 建築だけではなく、建 12800 万人をピークに人口が急激に減少する。その率、どの てみたい。それは人口増加期と真逆のことが起こるというも 新聞社が発行している建築雑誌である。数年前、この雑誌は建 築プロジェクトを通し 国も体験したことのない率である。今から 37 年後の 2050 のだ。人口増加期は後のことを考えなくても、経済が大きく 築家の「課外授業」と題して、建築家のとある活動を取材した。 「課 て、周辺環境の再構築 年には中位推計で人口はほぼ1億人となる。首都圏に 3000 なってきたので、需要が大きくなり、仕事が増え、仕事は細 外授業」というのは比喩で、具体的には、NPO 活動で子供達に をすることであった 万人住み続けるとすると、地方はおよそ1億人から 7000 万 分化されてきた。建築家は都市から引き離され、それぞれの 模型づくりを教えたり、商店街の活性化に尽力したりというよ り、さまざまな出来事 人まで減り、限界集落を超え、多くの自治体が消滅する可能 エキスパートとして主にカタチのデザインに特化してきた。 うに、建築のスキルを実務とは別のところに役立てるような活 が連鎖的に起こったり 性すらある。 だから、ちょうどその反対のことが起きるのである。細分化 動のことである。記事が掲載されたのは 2005 年。当時は、全 するような状況だからだ。そうしたことを考えると、基本計画、 く、ウケなかったらしい。確かに、2005 年といえば、SANAA 設計などの作業は、 「作家性の担保」などという狭いことを考え を中心にして、日本の建築家が世界を舞台にして、目をみはる ずに地元の建築士の方々と共同で行い、地元の知が自律的にま ような新しさをもった作品を発表するような快進撃が続き、デ ちづくりに係っていくようなスキルアップの機会にするべきな ザインで何でもできるという気分が蔓延していた頃である。そ のではないかと考えた。また、延岡では、駅周辺の空き店舗を んな折に子供達に模型づくりを教えるなどの記事がでたとして 少しでも減らし、通りを賑やかにしたいという目標があるので、 も、いかにも地味で目を引かないものだったのだろう。筆者も まず自分たちの作業場をつくることで、空き店舗対策に役立と また、そうした記事に全く気づかなかった一人である。さて、 うと考えている。ひとつひとつは地道な作業だし、時に、地元 その 2005 年発行の記事を読み返してみたところ、非常に面白く、 との関係がうまくいかない場面もあるだろう。だけど、こうし また多くの建築家が、地域や社会のことを考えている様子に心 た地道なやり方に、何か、新しいものを感じている。 された分野は統合され、エネルギーや収支などの運営を含め 延岡市の建築士メンバー@乾事務所 この状況は人口の増加を前提にしていた様々な社会のシス た経済や耐久性や構造など、あるいはプログラムのあり方、 テムが成立しなくなることを意味しているが、私たちはど あるいはブランディング等でのメディアなどソフトの部分ま う、そのシステムを変えていくのかということにまだ対応で で、建築家が扱わなくてはいけなくなるのである。それは、 きていない。たとえば、日本のストックは、世帯数 5200 万 不動産、経営マネジメント、エネルギー、エコロジー、耐震 戸より多い 5700 万戸があり、数だけで言えば、すでに住宅 改修、など要素技術そのものはシンプルなものだ。ただ、そ を新たに建てる必要はないにも拘らず、未だに年間 80 ~ 90 れらをどう組み合わせるかによって、建築の表現はとても豊 万戸つくり続けている。それはそれを生業としている人が、 かになっていく。実は、単純にカタチを扱う建築よりも奥深 業態を転換できないので仕方なく続けているという状況なの い。建築家的なことばでいうと「パラメータが豊富な状態」 を打たれた。また、建築実務を粛々とこなすだけではないような、 か。一方で乱造されたストックは空き家問題として社会問題 である。未来は確実にその方向に向かっている。こういう時 本来的な「建築家」を意識して行動している人が沢山存在して 詳しくは延岡市民と乾久美子建築設計事務所が共同で綴るブロ 化している。あちらこちらでそういうミスマッチが起こって 代で、カタチだけにコミットしている建築家は駆逐されてい いることに驚いた。 グ「延岡駅周辺整備日誌」を参照ください。 いる。311 以降、エネルギーの限界(もともと存在していた くにちがいない。 翻って筆者である。「新しい建築家像」などと言えるかどうか http://d.hatena.ne.jp/nobeoka-project/20130424 わからないが、筆者もまたこれまでとは違った方向でプロジェ http://d.hatena.ne.jp/nobeoka-project/20130519/1368952110 クトを進めているものがあるので紹介する。宮崎県の延岡市で など参照のこと。 〈みかんぐみ〉 が気がつかなかった。)が見え、そのエネルギーをどうやっ て供給するかが問題になっている。エネルギーは建築の問題 ではないという建築家もいるが、日本の建物は、1次エネル 竹内 昌義 氏 プロフィール 1962 年 神奈川県生まれ 1989 年 東京工業大学大学院修士課程修了 ギーで 40%、電気で言えば、実に 70%を消費している。エ 1989 -1991 年 ワークステーション一級建築士事務所 ネルギーの問題は単にその問題だけに留まらず、国家レベル 1995 年 みかんぐみ 共同設立 では化石燃料の高騰による国際収支の赤字、地域経済でも資 本の流出の問題を引き起こしている。エネルギーの問題は、 エネルギーだけの問題ではなく経済の問題でもある。 1991 年 竹内昌義アトリエ設立 2001 - 2007 東北芸術工科大学助教授 2008 - 同 教授 〈乾久美子建築設計事務所〉 係っている延岡駅周辺整備プロジェクトでは、丁度、基本計画 の策定を地元の設計事務所と共同で作業中だ。地方のプロジェ クトに都会からやってきた建築家が係るケースは沢山あるが、 多くの場合は建築の設計・監理をして「ハイ、サヨナラ」にど うしてもなってしまう。つまり、その地方が受け取るのは、基 駅まちプロジェクト事務所開設!! 本的には、製品としての建築だけなのだ。建築プロジェクトの 場合はその方式でいいかもしれないが、まちづくりが関係する ような建築プロジェクトになると、「つくって、サヨナラ」方式 ではうまくいかない。地方が期待しているのは、製品としての 4 Bulletin 2013 年 7 月号 Bulletin 2013 年 7 月号 5 COLONNADE 人口減少の時代に 第三種郵便物認可 Bulletin 2013 年 6 月15 日発行 アーキテクツ・ガーデン 2013 建築祭 関東甲信越支部 実行委員会 支部長 委員長 上浪 寬 藤沼 傑 アーキテクツ・ガーデン 2013 第三種郵便物認可 Bulletin 2013 年 6 月15 日発行 講演会・シンポジウム 2012 年度 JIA 各賞表彰式+日本建築大賞受賞記念講演会 中村彝アトリエ復元工事の全容 「築くということー笑顔が集まる“みんなの場所”ー」 主催 : 表彰委員会 5 月 31 日 ( 金 ) 16:00-19:00 ■建築家会館 1 階大ホール ■参加費 無料 新会員の集い 既に 5 月号でお知らせしました通り、本年も JIA 関東甲信越支 部が主催するアーキテクツ・ガーデン 2013 年 建築祭が始まっ ております。各委員会、各地域会のご協力により、本年も 30 以 主催 : 総務委員会 6 月 7 日 ( 金 ) 18:00-20:30 ■JIA 館 1 階建築家クラブ ■参加費 無料 だくことも今年の新たな目標としていますので、是非是非ご協力 JIA 杉並土曜学校「いまいちど、見直そう、身近な暮らし」 主催 : 杉並地域会 よろしくお願いします。 JIA 会員対象 要申込 ・6 月 8 日 ( 土 )「見直そう、住まい」・7 月 27 日 ( 土 )「見直そう、ユニバーサルデザイン」 ■6/8 あんさんぶる荻窪、7/27 場所未定 時間ともに 18:30-20:30、参加費 500 円 連続企画「二人の外国人建築家 ∼ブルーノ・タウトと東山魁夷の旅を通して∼ 要申込 JIA トーク 2013 第1 回「オリベッティの企画戦略とデザインポリシー」 主催: JIAトーク実行委員会 6 月 26 日 ( 水 ) 18:30-20:30 ■建築家会館 1 階大ホール ■参加費 無料 要申込 COLONNADE 既に終了しているプログラムもありますが、7 月中旬まで多くの 之先生をお招きしております。講演は「建築の現在・継承・襲名」 プログラムが予定されていますので、皆様ぜひ一般の方々をお誘 と題し、東京駅、歌舞伎座などの保存、修復、再建、さらには 6 月 26 日 ( 水 ) 18:30-21:00 ■三軒茶屋キャロットタワー 5F ■参加費 無料 いしていただき、多くのプログラムへのご参加、よろしくお願い 2020 年オリンピックを目ざす新国立競技場審査などホットなお シンポジウム「アート表現と建築表現」 主催 : デザイン部会 します。また、今回の公益法人への移行にともない、学生や若手 話をして頂きながら、いまの建築の状況について、会場の皆様を が準会員として JIA 活動に参加できるようにしました。各プログ 交えて考えていく予定です。環境問題などから建築の建て替え期 間について問題提起はされていましたが、震災以降、建築に対す 要申込 / タウト&レーモンド in 群馬」第 3 回 6 月 15 日 ( 土 ) 14:00-17:00 ■高崎市南公民館 ■参加費 無料 主催 : 群馬地域会 このイベントの最後に開催する基調講演は、建築史家 鈴木博 つないでゆく建築・まちづくり 近代土木遺産 和田堀給水所 主催 : 世田谷地域会 MAS セミナー「日本の街並みはなぜ美しくないか」 要申込 「すまいに関わる自然エネルギー」主催 : 住宅部会 6 月 8 日 ( 土 ) 11:00-12:30 ■リビングデザインセンター OZONE8 階 ■参加費 無料 要申込 マンション改修セミナーマンションを長持ちさせる設備改修ノウハウ 主催:メンテナンス部会 6 月 12 日 ( 水 ) 18:00-20:00 ■JIA 館1階建築家クラブ ■会員1,000 円 /一般・学生 無料 (17:50 開場 ) 第 1 回 JIA 目黒街かどトーク 要申込 テーマ「街づくり五策・石川流」 主催: 目黒地域会 6 月 25 日 ( 火 ) 18:00- ■目黒区北部地区サービス事務所会議室 ■参加費 300 円 会員がみた海外の建築 要申込 主催 : 茨城地域会 6 月 26 日 ( 水 ) 19:00-21:00 ■レストランよこかわ ■参加費 会員 2,000 円 / 一般 3,000 円 / 学生 無料 要申込 見学と講演/建築家伊東忠太が東京都慰霊堂に遺したもの 主催: 城東地域会 6 月 29 日 ( 土 ) 13:00-16:30 ■東京都慰霊堂、復興記念館 ■参加費 無料 要申込 『写真家鈴木正見の撮るインドとネパール&師「村井修」の撮影裏話』主催:建築家写真倶楽部 6 月 29 日 ( 土 ) 15:00-18:30 ■JIA 館 1 階建築家クラブ ■参加費 1,000 円 7 月 6 日 ( 土 ) 13:30-17:00 要申込 JIA 建築家と考える暮らしと住まい ラムに学生や若手を連れてきて頂き、JIA の活動に加わっていた 上の多彩でユニークなプログラムが集まりました。開催期間は 6 月 15 日:「建築家の日」を含む前後約 1 ヶ月間としましたので、 要申込 主催:住宅再生部会 6 月 5 日 ( 水 ) 18:00-20:30 ■JIA 館1階建築家クラブ ■会員1,000 円 /一般・学生無料 要申込 [ 特別公開講座 ] これからの建築家の仕事 主催 : 港地域会 ■JIA 館 1 階建築家クラブ ■参加費 無料 要申込 JIA 建築家と考える暮らしと住まい 要申込 主催 :JIA 建築セミナー 7 月 6 日 ( 土 ) 13:30-17:00 ■建築家会館 1 階大ホール ■参加費 1,000 円 要申込 アーキテクツ・ガーデン 2013 基調講演 「建築の現在・継承・襲名」 主催 : アーキテクツ・ガーデン実行委員会 「少ないエネルギーで、快適に暮らせる住まいとは?」 主催 : 住宅部会 7 月 13 日 ( 土 ) 11:00-12:30 ■リビングデザインセンター OZONE8 階 ■参加費 無料 7 月 5 日 ( 金 ) 18:30-20:30 ■JIA 館1階建築家クラブ ■会員・一般1,000 円 /学生500円 COLONNADE 第三種郵便物認可 Bulletin 2013 年 6 月15 日発行 アーキテクツ・ガーデン 2013 要申込 7 月 13 日 ( 土 ) 15:30-17:30 ■建築家会館 1 階大ホール ■参加費 未定 要申込 る考えも大きく変わってきています。最近の学生の課題作品を見 ますと、建築に対する信頼感、期待感も大きく揺らいでいると感 じています。地域と文化とに根ざした建築の価値、意義について、 又は単純に建築の魅力について、鈴木博之先生と 7 月 13 日(土) 5 月 25 日 ( 土 ) 13:00-17:00 5 月 26 日 ( 日 ) 10:00-19:00 主催 : 新潟地域会 新宿プロムナード展(建築家の絵と写真) 主催 : ミケランジェロ会 ■新潟日報メディアシップ 6 階 ■参加費 無料 第 22 回東京都学生卒業設計コンクール 2013 5 月 25 日 ( 土 ) - 6 月 22 日 ( 土 ) 9:00-17:00 ■新宿プロムナード ■参加費 無料 主催 : 学生デザイン実行委員会 6 月 1 日 ( 土 )( 公開審査 ) 9:30-17:30(予定) ■工学院大学新宿キャンパス ■参加費 無料 6 月 2 日 ( 日 )( 公開展示 ) 10:00-15:00 JIA についてのご理解とご支援を深めていければと思います。 第 3 回文京・見どころ絵はがき大賞 さい。なおプログラムは変更になる可能性がありますのでこのサ イトで最新情報をご確認の上ご参加ください。 このイベントが関東甲信越の年中行事として市民の間に広く定 ロゴ 新潟県内大学卒業設計コンクール 2013 15 時 30 分から考えていきますので、多くの方をお誘いして頂き、 各イベントについては専用の下記 WEB サイトにてご確認くだ HPアドレス http://www.jia-kanto.org/AG2013/ 展示・ワークショップ 着していくよう、皆様のご協力よろしくお願い申し上げます。 主催 : 神奈川地域会 6 月 8 日 ( 土 ) - 6 月 9 日 ( 日 ) 10:00-17:00 ■みなとみらい / 臨港パーク 汐入りの池 ■会員・学生 無料 / 一般 500 円 主催 : 文京建築会 展示:6 月 21 日 ( 金 )-6 月 24 日 ( 月 ) 10:00-18:00 文京シビックセンター 1F 13:00-16:30 文京シビックセンター 26F ■参加費 無料 シンポ・表彰式:6 月 22 日 ( 土 ) 街歩き・見学会 JIA 長野県クラブ まちなみウォッチング in 大平宿 主催 : 長野地域会 6 月 7 日 ( 金 ) 18:00-20:00( 景観懇話会 ) ■長野県飯田市大平宿 6 月 8 日 ( 土 ) 10:00-13:00( ウォッチング ) ■参加費 詳細は WEB サイトをご覧下さい JIA 長野県クラブ 香山壽夫氏と語る会 地域材フィールドワーク in 北信 要申込 要申込 ■丸の内 東京駅周辺 ■会員・一般・学生 500 円 6 月 29 日(土) 半日トリップ (9:20-14:40) 7 月 5 日 ( 金 ) 16:30-18:00 ■東京都新宿区新宿 5-9-2 ■参加費 無料 要申込 要申込 主催 : アーバントリップ実行委員会 ■明治大学・帝京平成大学 中野キャンパス ■会員・一般・学生 1,000 円 都市建築物の長寿命化と文化資産化を考えよう 主催 : 情報開発部会 要申込 「丸の内で探す昭和の名残と職人の技」昭和 30 ∼ 40 年代のビルを巡って 6 月 22 日 ( 土 ) 14:00-16:30 主催 : 千代田地域会 第72 回アーバントリップ 主催 : 長野地域会 主催 : 住宅部会 6 月 15 日 ( 土 ) 13:00-16:00 ■谷中・根津・千駄木 ■会員・一般・学生 1,000 円 千代田景観街歩き 6 月 28 日 ( 金 ) 13:00-18:00 ■長野県下高井郡木島平村 ■参加費 無料 建物見学会 八千代銀行本店 街歩き・街並み編「路地と下町の暮らし」( 谷中・根津・千駄木 ) 要申込 主催 : 長野地域会 6 月 15 日 ( 土 ) 14:00-17:00 ■千ヶ滝の香山氏の別荘とその周辺 ■参加費 無料 JIA 長野県クラブ アーキテクツ・ガーデン 2013 基調講演 子ども空間ワークショップ in 横浜開港祭 要申込 主催 : 保存問題委員会 7 月 6 日 ( 土 ) 10:00-16:00 ■旧内藤多仲邸、他 ■会員・一般・学生 1,000 円 要申込 JIA 栃木クラブ「大谷石空間と旧家を巡る建築見学ツアー」 主催 : 栃木地域会 「建築の現在・継承・襲名」 7 月 20 日 ( 土 ) 9:30-16:00 ■聖ヨハネ教会、小野口邸の庭園・蔵、西根地区集落 他 ■2,000 円(入館料、食事代別) 要申込 相談会 東京駅、歌舞伎座などの保存、修復、再建、さらには 2020 年オリンピックを 目ざす新国立競技場審査などを通じて、いまの建築の状況を考える 建築家が取り組む建築相談 2013 ■ 講演 鈴木博之 氏 日時 :2013 年 7 月 13 日(土)15:30 〜 17:30 会場 :建築家会館 1 階大ホール ■ 懇親会 日時 :18:00 ~ 20:00 参加費:3,000 円 主催 : 建築相談委員会 6 月 15 日 ( 土 ) 14:00-17:30 ■旭硝子 AGC studio ■会員・一般 500 円 / 学生 無料 要申込 ※プログラムは変更追加中止される可能性があります。最新の情報は Web サイトでご確認をお願いします。 参加費:会員 3,000 円 / 一般・学生 無料 定員 6 :120 名(事前申込制) ※ 支部事務局まで Bulletin 2013 年 7 月号 Bulletin 2013 年 7 月号 7 第三種郵便物認可 Bulletin 2013 年 6 月15 日発行 2013 年度活動方針 関東甲信越支部 支部総会 第三種郵便物認可 Bulletin 2013 年 6 月15 日発行 2013 年度関東甲信越支部総会の報告 支部長 総務委員長 上浪 寬 左 知子 ■日本建築家協会は 2013 年 4 月 1 日、新たな法人定款登記を行い、 昨年 5 月、支部は上海建築学会(ASSC)と友好協定を結びました。 日本建築家協会は、4 月1日より、 「公益社団法人」となりました。 ■ 第2号議案2012(平成24)年度収支決算承認の件 公益社団法人日本建築家協会となりました。2013 年度は公益社団法 その後の両国政府の関係悪化から滞っていた両国間の協力関係を進め 新法人に登記されてから間もなくの、また、初めての支部総会が開 同議案に関して、事務局長より議案説明がなされ、また、野生司監査 人として組織の足固めをする大事な 1 年間となります。私の支部長 2 ます。 かれました。この総会が比較的平穏な進行に終始したのは、 何度となく、 人より適正である旨の監査報告があった。議長が会場に意見を求めた 期目の任期も残すところあと 1 年となりましたが、残された任期を 東京建築三会で連携した合同会議並びに 2013 年 3 月より始まった 公益法人化の説明や会合が開かれていたことから、会員ひとりひとり ところ、会場より、貸借対照表の固定負債、退職金引当金役700万 使って地域会、本部、全国の支部と連携しながら JIA 組織の足元を確 建築三会と東京都との定期的な懇談会を通して他団体、行政、市民と に、心構えや概要が理解されていた所以と思われました。ここに到達 と固定資産の退職給与積立金役400万との差異について質問があり、 かなものにしていきたいと考えています。 の連携を図ります。 するまでの本部および支部の役員執行部の方々のご尽力に深く感謝申 事務局長より、引当金は予定額であり、現在額としては積立金の額に し上げたいと思います。 なる旨回答。その後採決を行い、賛成多数で承認された。 以下、公益社団法人 日本建築家協会関東甲信越支部総会の概要を ■ 第3号議案2012(平成24)年度活動方針案承認の件 ご報告申し上げます。 同議案に関して、上浪支部長より議案説明がなされた。特に対外事業 2013 年 5 月 10 日 13:30 より 15:00 建築家会館1階大ホール は、一過性のものではなく、定期的、継続的な活動をしていきたい方向。 にて開催された。 建築家の社会的役割についての発信としては、国と本部との関係を含 開会に先立ち、冒頭、菊池事務局長より、有効委任数499、出席 めた視点を求めたいとした。最後に組織体制の合理化と強化を説いて、 者58名で、合計出席数が557であることの報告があり、これは支 説明を終え、その後採決を行い賛成多数で承認された。 部規定9条の3により会員数2120の10分の1を超えており、総 ■ 第4号議案2012(平成24)年度収支予算案承認の件 会が有効に成立していることの報告があった。 同議案に関して、上浪支部長より議案説明がなされ、新会員種別の学 支部長よりご挨拶をいただいた後、正副議長の選任に入り、高階澄 生会員を100名見込んだ予算であること。準会員、協力会員の入会 人会員(幹事長)が議長に、また大澤秀雄会員(副幹事長)が副議長 状況によって収入が左右されること。支出ではパートが切れることで に選出され承認された。また、議事署名人は、会場より鈴木利美会員、 人件費が減額となる。また、対外活動費では、昨年度上海との協定が 三原栄一会員の2名が指名され、以下のように議事が開始された。 世情の中で途絶えたが、今年はそれも含めた活発な活動の展開を期待 ■ 第1号議案2012(平成24)年度事業報告承認の件 したい。などの説明ののち、採決を行い賛成多数で承認された。 同議案に関して、事務局長より報告説明がなされ、議長が意見を求め ■ 第5号議案支部規約案および地域会規約案承認の件 たところ、会場より東京連携会議の報告の有無について質疑があり、 同議案に関して、赤羽副支部長より、新しい支部規約、および地域会 上浪支部長より支部組織としての定着性がないことを回答し、その後 規約を議決し、発効後は現行の支部既定は廃止となる旨の議案説明が 採決を行い、賛成多数で承認された。 なされた。また、この議案は、規約の追加変更事項として出席総数の 地域社会に密着した地域会活動を今まで以上に推進し、アーキテク 1.公益社団法人としての新たな船出 ツ・ガーデンなどを通じて社会へ発信していきます。 公益社団法人としての歩みを確かなものにし、地域会を中心とする FORUM 活動を通して社会から期待される専門家集団として地域社会に貢献 4. 新しい会員制度の普及に努める し、その中で建築家の役割を明らかにしていきます。 入会時の会員資格要件を厳格にした正会員の質と量の増強に努める 新法人移行に伴い新たな法人法に則した規程類を整備し、今後一年 と共に、会員サービスの充実化を図ります。 間をかけて新法人としての骨格を整えていきます。 準会員、協力会員という新たな会員制度を活用することで JIA の裾 活動の前面に立つ地域会活動は正に公益活動そのものですが、支部、 野を広げ、対外的な連携を推進します。 地域会の活動についてそれぞれ公益事業比率が50%を超えること 正会員のパートナーである法人協力会員(旧賛助会員)に対し、こ を目標とします。 れまで以上に密接な関係を構築していきます。 2.2011 年 UIA 東京大会、2012 年 JIA 横浜大会 5.設計業務環境改善を図る運動を進める の成果を継承する 消費者保護の観点から市民、行政、建築他団体との連携を図りなが 2011 年 UIA 東京大会準備から昨年の JIA 横浜大会まで、約 7 年間 ら建築家の業務環境改善運動を進めていきます。 続いた関東甲信越支部の大会活動を成功裡に終えることができまし 設計者選定や契約に係わる問題を、建築家資格制度、J-CABE、法制 た。2大会の経験、 成果を活動に活かし、 社会に向けた情報発信に努め、 度、都市・まちづくり、などの議論を通して提案し、解決していきます。 市民、行政、建築他団体、他国 UIA 支部との連携を積極的に図ります。 3.11 大震災の経験を忘れることなく復興から多くを学んで、社会 に対する建築家の役割を継続的に確認し連携活動を推進します。 6.持続可能な支部運営を整備する これらの活動を通して社会、地域に期待される JIA というブランド 本部委員会再編に伴い支部委員会体制の整備を進めると同時に他支 作りに努めていきます。 部との活動の連携を図り、 実行力・発信力のある JIA 活動を目指します。 3分の2が必要であるとの説明があった。その後採決を行い、出席総 数576のうち賛成571で、3分の2を超えており、可決承認された。 ■ 第6号議案2012(平成24)年度監査選任承認の件 同議案に関して、事務局長から新任の監査役立候補に、金子修司が役 関東甲信越支部と本部事務局の合理化と強化を図り、効率の良い事 3.支部の対外活動を推進する 務局運営を進めます。 UIA 東京大会で発信した建築家宣言を具体的な活動に生かし、建築 支部長を中心とする支部執行部運営のスムーズな継承を図ります。 員会推薦された旨の説明があり、議長が意見を求めたうえでその後採 決を行い賛成多数で承認された。 が地域文化を形成する社会資産として認識されることに繋げ、さらに は建築まちづくり基本法制定の推進に寄与していきます。 以上を以て、議長である高階会員より、本日の総会の議案がすべて 〈(株)構想建築設計研究所〉 終了した旨の発言があり、15:00 に支部通常総会が閉会となった。 総会 8 Bulletin 2013 年 7 月号 〈左知子建築設計室〉 Bulletin 2013 年 7 月号 9 FORUM 支部長の活動方針 第三種郵便物認可 Bulletin 2013 年 6 月15 日発行 2011 年〜 2012 年 ワークショップ・建築とエネルギー (全 2 回) ~「低エネルギー、かつ快適な建物の設計」とは~ PartⅠ フランク・ラ・リヴィエレ 海外レポート 第三種郵便物認可 Bulletin 2013 年 6 月15 日発行 部環境を行き来しているエネルギーの制御フィルターとして扱うという 物でも、理論的にはエネルギーインフラに頼らない建物にできることが アイデアです。このフィルターが、居住者の快適性を向上させるエネル 示せたのです。 チームメンバーは以下の通りです。 •Mirei Uribe, Jun Aoki & Associates •Frank la Rivière, Frank la Rivière Architects Inc. •Keiko Yoshida, Kengo Kuma & Associates •Ryota Okada, Sou Fujimoto Architects •Masaaki Sato, Kajima Corporation •Kyle Konnis, UC Berkeley ギーを取り込みつつ、不快にするエネルギーは内部に入れないという考 え方なのです。外面がエネルギーを調節するというわけです。普段、一 日を、あるいは季節を通じて、そのようなエネルギーの流れは変化して います。時には、取り込まれたエネルギーを蓄えることも必要です。 このような調整は、今までは化石燃料によって行われていました。し かし、外面を通じて入ってくる外部環境を補うのに、化石燃料に頼る必 ヨーロッパと日本の違い た際は省エネ対策が必要だったのです。でも、日本は準備不足でした。 1973 年、世界をオイルショックが襲いました。オランダで生まれ育っ 電力供給システムを一つの大会社が支配するということは、有事の場 た私は当時のことをいまだ鮮明に覚えています。オイルショックは、政 合、冷暖房システムなどが一気に停止する事を意味します。存在する建 府によるガソリンの配給制と「日曜日の自動車使用制限」として、市民 物のストックの3割程度 * しか断熱性がなく(それらのほとんどが寒冷 生活へも大きな影響を及ぼしました。道路は閑散とし、高速道路さえ自 地) 、多くの人が冬の寒さを春が来るまで耐え、そして、夏になれば今度 転車で悠々と通ることができるほどでした。私たち子どもにとっては楽 は建物内は猛暑という有様だったのです。 しいできごとであったと同時に、奇妙な体験でもあったのです。 人為災害でもあるオイルショックの長期化は、欧米諸国にある変化を カリフォルニアの変貌 もたらしました。人々はエネルギーの使い方を変え、石油への依存を減 一方、太平洋を隔てた日本の対岸にあるカリフォルニアはどうでしょ らす努力をするようになったからです。その結果、再生可能エネルギー う。カリフォルニアでは、1970 年代以降、スモッグの問題がありました。 源に対する関心も生まれました。 またエネルギーの供給区域が計画なしに自由化され、市場操作された結 私が建築を学び始めた 1980 年代、 「エネルギー消費を減らす建物」 とは、 果、1999 ~ 2000 年にかけては大規模な停電などを経験しました。 「断熱材が必須な建物」であると言い換えられました。大学生の頃、決し そこで、前述したオイルショック後の多くのヨーロッパ諸国のように、 て断熱材なしの詳細図は描かなかったものです。断熱サッシと複層ガラ カリフォルニアでも冷蔵庫を始めとした全ての機器のエネルギー効率に スも必須でした。単にそれ以外のことは教えられなかったせいもありま ついて考えるようになったのです。1978 年には、新しい建物のための省 すが、この訓練によって、 「熱と音を遮断すれば、高い快適性がもたらさ エネルギー基準法も成立しています。 れる」と叩き込まれたともいえます。 さらに 2 度目のオイルショック後である 1979 年、カリフォルニアは、 20 年以上、私は日本に滞在していますが、建築家として学び、経験を 「デカップリング」 (詳細は次回にて)というエネルギー供給サイドの革 積んだ今、快適性についての考えは、国によって異なると知っています。 新的なシステムを作り上げました。こうして、安定し、かつエネルギー まず東京です。現在、住んでいる築 20 年の木造家屋は、1973 年のオ 消費を減少させるというエネルギー政策を作り上げ、カリフォルニアは イルショックから 20 年後に建てられたにもかかわらず、断熱性能が足 変貌を遂げたのです。 要はありません。取り巻くエネルギー自体を利用し、建物を周囲の環境 に合うように調節できるようになれば、無料で手に入るエネルギーを最 大限に活用しながら、内部環境を快適にできるでしょう。 周囲を取り巻く利用可能なエネルギーは気候、季節、時間によって変 化します。そこで建物自体を高性能なフィルターであると捉え、建物の 外面を、気候や建物の使われ方とうまくチューニングできれば、省エネ ルギーな建物を実現するための第一ステップとなります。 第ニのステップは、できるだけ効率よく周囲のエネルギーを利用(す なわち使用エネルギーを最小化)し、足りなければそのエネルギーを再 利用可能なエネルギーで補給することです。そうすれば、石油に対する 依存が大幅に縮小できます。 ちなみにこれが重要な点ですが、建物のエネルギー効率を上げること は、再生可能エネルギーのためのイニシャルコストを下げることにつな がります。例えば、いまだに高価な太陽光パネルなどの使用量を減らす こともできるのです。 以上のような背景の中、日本での豊富な経験を持つカリフォルニア大 一方、オランダでは多くの人災を経て、古い建物でさえ、高断熱・二 学バークレー校建築学科のデイナ・バントロック教授と、建築環境工学 重サッシです。つまり、1973 年のオイルショック以降、日本が歩んでき と建物における省エネ先進技術の専門家であるスーザン・ウベローデ教 た道のりはヨーロッパとは全く違っている。――これは私にとって大き 授は、建築とエネルギー使用の関係に着目。太平洋をまたいだ日本との な驚きでした。 交流を開始しました。 2 人は 3.11 が起きた直後、東京での集中的なワークショップによっ FORUM 二つの大きな原発事故を経て て専門家同士が対話することの必要性を強く感じたといいます。そこで 1986 年4月 26 日に起こったチェルノブイリ事故は、社会のいたると 3 カ月という短期間のうちに、バークレー大学日本学研究所や卒業生、 ころで代替エネルギーへの関心を高めました。好例としては、ドイツ・ Loisos + Ubbelohde 建築事務所(ウベローデ教授・主宰)のスタッフなど ショナウ村の保護者の会で結成された、発電協同組合 “Elektrizitätswerke から資金援助を受け、 第一回目のワークショップを立ち上げました(2011 Schönau” (EWS) が挙げられます。このような団体はそれまで類を見ませ 年 6 月 23 ~ 26 日・東京代々木、国立オリンピック記念青少年総合セン んでしたが、現在、EWS は、1,800 以上のソーラー、水力、風力、バイ ターにて) 。2 回目 (2012 年 8 月 5 ~ 10 日・カリフォルニア大学バークレー オマス、コジェネレショーン施設による電力供給を行っており、ドイツ 校にて)は、日本文化研究センター、カリフォルニア大学バークレー校、 を含むヨーロッパの 115,000 戸の家や会社などに供給しています。 国際交流基金日米センター協賛の元、開催されたのです。 私の母国オランダでも、伝統的な風車はそのままに、新時代の風力発 デイナ・バントロック教授はこの交流に関し、 「カリフォルニアが日本 電用の装置が現れています。そんな風力発電を含め、 グリーン・エネルギー より省エネルギーにおいて優れているかどうかを議論する場ではありま や他の資源から作られた電気から、消費者は希望したタイプをいくつか せん。また、カリフォルニアに “答え” を求めに来てもらおうとも考え 選んで購入できるエネルギー供給システムになっているのです。 ていません。日本の弱い部分を強いものにする “考え方” を提供する場 また最近では、全ての建物がヨーロッパ基準のエコ証明を持つよう義 なのです」とコメント。ワークショップは、アカデミックな交流と知的 務付けられています。家のエネルギー効率を上げるため、赤外線カメラ なサポートの精神によって運営されていたといえます。 を用いながら専門家のアドバイスや検査を無料で受けることもできます。 さて、2011 年 3 月 11 日、福島第一原子力発電所のメルトダウンによっ 省エネで高快適さを生み出す手法 て、日本はエネルギー問題を社会的・政治的な最重要課題として取り組 このワークショップにおいて最も有益だったのは、省エネルギー、かつ、 まねばならなくなりました。電力不足と停電は、多くの人々に冬の寒さ 高い快適性を実現するための建築のデザイン手法でした。それは建築家 と夏の暑さの不快さ、そして不便な生活をもたらしたからです。そこで、 に対し、建築空間の新しい形の美的自由を与えると共に、専門的技術者 温室効果ガスの排出量が少なく、低コストであるからと原子力に長く頼っ と協力する上での自信を与えるものであったともいえます。 てきた国家エネルギー政策を再度、考え直さなくてはなりませんでした。 中でも、スーザン・ウベローデと夫のジョージ・ロイソス、そのスタッ 5 つの「デザイン・フィ ルター」についても紹介が ありました。5 つのフィル ターとは、1) 断熱(伝導) 、 2)換気(対流) 、3)ガラ それまで発電は市場の要求に応じていましたが、突然、供給不足になっ フによるワークショップは印象的でした。建物の外面を、周辺環境と内 10 Bulletin 2013 年 7 月号 スと遮蔽(放射、熱と光) 、4) 気化熱(潜熱) 、5)熱容量 スーザン・ウベローデ教授による「5 つのフィルター」 が効果的だった地域についての解説。 です。理論的には、エネル ギーの伝搬は全て関係して おり、特に伝導、対流、放射、そして潜熱と熱容量は関連があります。 ウベローデ教授が提案したデザイン手法は、これらのフィルターそれ ぞれのためのエネルギー対策にも繋がりました。 「5 つのフィルター」を 統合することで快適性が実現されるのです。 この手法を深く理解するために、毎日違う題材で説明があり、朝のセ ミナーでは、建物の物理的なパフォーマンス(光、熱、空気、エネルギー) の情報と関連づけて解説が行われました。 午後には「5 つのフィルター」による実際の経験を得るべく、デザイ ンセグメントで個々のチームに課題が与えられました。課題は「異なる 場所(ニューヨーク、フィンランド、台北、名古屋、ロサンゼルス)に、 ボストン店をベースにしたアップルストアを建てる」 。特定の気候地帯に 置かれた現代の商業ビルのパフォーマンスを高めるにはどうしたらいい のか、クリエイティブに考える機会を与えてくれたと思います。 そして参加者の提案に対し、エネルギー・モデラー等(L+U とカリフォ ルニア大バークレー校)は、効果をシュミレーションし、迅速なフィード バックをしてくれました。 ゼロエネルギーの建物は 造れるか 参加者を驚かせたこと の一つに、私の所属した ニューヨークチームがゼロ エネルギー建築を提案した ことが挙げられます。寒冷 地に建つ大きな窓のある建 業ビルで使われるエネルギーのおよそ 30% が人工照明として使われます **。もし、建物中のいたる所に自然光を取り入れることができれば、大 幅にエネルギー消費が減らせるというわけです。 そこで、自然光をできる限り、機能させました。次に、自然換気、日 射遮蔽、気化冷却を利用し、熱容量で内部環境を安定できるか調べました。 また、床プレートを互い違いにし、建物の奥まで自然光を呼び込みました。 吹き抜けも作り、地階でも自然光が受けられるようにしたのです。 夏の過ごしやすさについても対策を考えました。内部の空気の流れを よくするために、固定換気設備や天井埋め込み換気扇も取り入れたので す。また、遮音天井は白く、熱吸収のために床は黒くしました。南向き の正面のファサード(3 枚の層の PTFE テフロン耐熱フィルム)も、必要 に応じてより多くの熱を遮断する目的で、光の強さに反応して調整でき もできます。ビルの正面と裏は明るさを考慮してガラスにしようという 5つのデザイン・フィルターとは 「建築とエネルギー」のワークショップ 夏の猛暑と冬の寒さ、結露を味わっています。 消費に最も大きな影響を与える、 「光」に関する検討から始めました。商 るようにしたのです。ちなみに、PTFE の光電池は電力を発生させること りません。当時の日本では、断熱によってエネルギーを調整しようとい う考え方は少なく、その結果、比較的穏やかな東京の気候であっても、 ここで私たちが行ったことを簡単に紹介しましょう。まず、エネルギー ニューヨークチームのワークセッション ( vlr. George Loisos, Frank la Riviere, Ryota Okada, Mirei Uribe, Keiko Yoshida) ことから、 両サイドに管理室を振り分け、 設置し直しました。これらのサー ビスゾーンは蓄熱として機能するという構想です。 この経験を通して、 「5つのフィルター」のすばらしさが実感できまし た。最初は 1 つのフィルターに集中して検討し、それから徐々に統合させ ていけば、エネルギー対策のバランスが保てます。それは設計プロセスの 複雑さを減らすことにもつながります。それぞれの対策案も分析でき、精 査された正しいパラメーターでコンピュータのシュミレーションも可能で す。すなわち、あるフィル ターを取り出せば、フィル ターの効果の広がりやエネ ルギーバランスにどのくら い影響するか、確認できる というわけです。また、気 象データは、正確なシミュ レーションのための重要な 情報源ともなります。 計測器のチェック 今回の「建築とエネルギー」のワークショップの狙いは、アトリエ事 務所で働く若手建築家を建物のエネルギーの話題に引き込むことでした。 結局、57 人もの人がワークショップに参加。多くのビジターも夕方の講 義を受けにやってきました。これは、3.11 の3ヵ月後に開かれたワーク ショップ(第一回目)でありながら、予想以上の成果となりました。 Part Ⅱは 2014 年 1 月号に掲載予定 *) Taniguchi Ayako, Shimoda Yoshiyuki et al. “Effectiveness of Conservation Measures in Residential Sector of Japanese Cities,” Building Simulation 2007 proceedings. **)Williams, Alison; Atkinson, Barbara et al,“Lighting Controls in Commercial Buildings”Leukos, vol 8, no3 (January 2012) pp 161-180 LINKS: Loisos + Ubbelohde Associates, Inc. Architecture and Energy http://www.coolshadow.com/ http://www.ews-schoenau.de/ Prof Dana Buntrock http://blogs.berkeley.edu/author/dbuntrock/ Frank la Riviere Architects inc http://www.frank-la-riviere.com 〈Frank-la-Riviere-Architects〉 Bulletin 2013 年 7 月号 11 FORUM 海外レポート 温故知新 第三種郵便物認可 Bulletin 2013 年 6 月15 日発行 先達に学ぶ 温故知新 第三種郵便物認可 Bulletin 2013 年 6 月15 日発行 抱負を語る 世の全ては相対的総合関係 一人の建築家として 民主主義または新しい批判的地域主義 北山 恒 ズムからポストモダニズムへ流れ込む建築思潮の現場で建築を エ、ミースそしてグロピウスが亡くなったばかりだった。当時、 学んでいたのだと思う。バンハムやクリエ、タフーリやロッシ 大学は学生闘争の終盤で教育現場は混乱していた。おかげでま などの、タイポロジーや歴史主義もその流れの中で知らなくて ともな建築教育は受けなかったのだが、1968 年創刊の「都市 はならなかった。この奔流のなかで知のラフティングを楽し 住宅」 、 「SD」( 鹿島出版会 ) などを中心にした当時の活発な建 んでいるような興奮があった。同級生にはそれぞれの派閥の論 築メディアによって建築という世界に誘われた。私の周りでは 者がいて、大学では先生が F・L・ライトの話をしているなか 「美術手帖」に連載中だった磯崎新の「建築の解体」が話題の で、学生たちはアーキグラムのドローイングのコピーをしたり、 ■ There is nothing settled, nothing staid in this universe. ■建築に携れる喜びとは、文化と風土、時間の経過の中で培われ (Virginia Woolf) てきた人々の知恵を、今の知性をもって継承し、建築空間として この世で不変で安定したものなどない。 (ヴァージニア・ウルフ) 未来へ受け渡すことが出来ることです。それは人々が創り上げた 美意識を活用して、感性あふれる多様な空間を創って行くことで 世界を相対的にナビゲートする人たち もあります。建築家の使命とはその知恵をどう使うかに尽きると 思います。 海 数年前より、人間の感性を軽視した標準的なオフィス空間づく ミクロネシアは昔から、空間を固 りに、建築家をはじめとするビル関係者の間で、その違和感が広 定の上下ヒエラルキーとしてではな がり始めていました。それは技術をもって合理性を追求するあま 中心だった。そのなかで紹介されていたアーキグラム、ヴェン ヴェンチューリのようなカードボード建築を提出していた。 く、総合関係を持つネットワークと り、建築が本来持つべき機能である心地よさや多様性が軽んじら チューリ、アレグザンダー、など、その時は重要な論説を提示 その時期の日本の建築は、そんな世界の潮流に呼応する若手 して把握している。ミクロネシアで れ、またフレキシブルと言う社会的価値観の下、画一的な空間を 空間は変動するものと当然の様に 捉えるミクロネシアのスティック チャート 作り続けて来た事の反省を意味します。建築空間は決して一様で 節や環境によってルートが変わる。そのため彼らは、絶対的な地図 ものです。技術や知識は日進月歩ですが、知恵や知性はその場特 ではなく、環境のパラメータの変動に対応出来るスティックチャー 有のものであり、文化や風土を活かしながら空間創りを重視する、 トを使っている。海は相対的な秩序で出来ているのだ。 謙虚な姿勢が重要と考えています。 FORUM した人物が同時代的に発信をしている共時的現場にいた。アー の建築家たちがリードしていたと思う。学生たちが注目するの は島と島の間をナビゲートするの キグラムはポップなドローイングと明解なコンセプトが分かり はこの若い建築家たちが作り出すアナーキーな小住宅であっ に、その島自体が動かなくても、季 やすく学生には人気だった。その活動の背景にあるセドリック・ た。当時の気分としては、国家権力や巨大化したマーケットに プライスの言説に興味を持って、後にシチュアシオニストのこ 抵抗する思想をもった建築が登場しているのだと思っていた。 となどを知るようになるのだが、その時はギー・ドゥボールや この 10 歳ほど年上の建築家たちの活躍に興奮し勢い余って、 琴 今日まで組織事務所の一員として多様なプロジェクトに参加し H・ルフェーブルのことはまだ知らない。 1978 年、大学院在学中に友人と設計事務所を開設した。その 絶対的な音程のピアノと全く異な てきましたが、常に一人の建築家である事を意識して、クライア ヴェンチューリの「複合と対立」は黄色いカバーの松下一之 年にレム・コールハースが「デリリアス・ニューヨーク」を出 る琴は、相対的な音楽領域の中の音 ントの背景にある文化を理解した 訳の本が出ていたのだが、訳が良くないという噂で学生たちは している。そして、K・フランプトンによってこの 1970 年代 楽をつくる。一つの音も決まってい うえで、求められる空間での人々 原書を輪読するのだが、それでも理解していなかったと思う。 の興奮のムーブメントは「クリティカル・リージョナリズム」 その「複合と対立」と格闘している時、 「ラスベガス」が出さ というカテゴリーに総括されてしまう。 れて驚いてしまった。この本のおかげで、ぼくたちはセミオロ 学生の頃、溢れるような情報の洪水の中で学ぶことの巨大さ ジーや言語学まで学ばなくなってはならなくなった。A + U で に驚き、だからこそ対岸まで泳ぎ切ろうと決意していた。今思 「ホワイト&グレイ」という論争が紹介され、コーリン・ロウ えば、その時期は建築理論が爆発した歴史的な変革期であった や V・スカーリを知ることになる。IAUS や oppositions によっ ようである。その後、レム・コールハースによって民主主義と 20 世紀の初期から世界を定義していたモダニズムは、分野ごとにな てロウ、スカーリ、さらにアイゼンマンやヘイダックの言説が いう空間の実践が示され、この爆発の射程を知ることになる。 ぜこんなに異なった結果になったかと不思議に思わざるを得ない時が 伝えられる。そこでチョムスキーの言語学が引用されていて、 壮大な経済のグローバリズムを経験した現在、世界は新たな批 それを知るためにソシュールまで調べなくてはならなかった。 判的地域主義に向かおうとしているように思える。だからこそ、 C・アレグザンダーの論理は建築の概念を変えるのではないか この 1970 年代の思想が再読されているのだ。そして、そこで、 と思えるほど新しく感じた。パターンランゲージは民主的に生 どのような建築を構想できるのか問われている。 成する空間を示していた。同じ時期に「都市住宅」から紹介さ れていたハブラーケンの「あなたには普通はデザインできない」 という小論とともに、民主主義というコンセプトで空間を造る という強い意志の存在を知ることになった。コンテクスチャリ ない原点で、琴の奏者は、琴柱を動 はなく、その場所ごとに調和をもった上で個性的に創られるべき のシーンが想像できる建築家を目 相対的な音楽領域を操縦する琴 かしながら初めて演奏する曲の領域を定義(調弦)する。琴にはたっ 指したいと思っています。 た 13 本の弦しか無いのにも係らず、曲目の調弦はシームレスでかつ 今年竣工を向えた「QVC ジャパン 無限に、これから演奏する曲を構成している音の組み合わせを作り 新社屋」は、個性を重視する企業文 出す為に、それぞれの曲目に合わせて調弦を行う。 化を、カラフルなファサードと、一 体感を生むとともに、新たな交流や ある。最初から固定概念を破っていた文学や音楽と比べれば、建築は 発想を促すアトリウム空間として表 現したオフィスビルです。 アトリウム空間 〈日本設計〉 自由の開放性を定義することにあたって均質的世界を超えたことは殆 どなかった。 自由を探し求めた末世の中の多様性を失ってしまった。 だが、この世の中の多様 性や複雑性は単純なルール 〈architecture WORKSHOP、横浜国立大学大学院 Y-GSA 教授〉 に基づき、相対的に変動し IAUS:Institute for Architecture and Urban Studies (建築都市研究所) MoMA とコーネル大学が共同でニューヨークに設立した建築都市に関する 研究所(1967 ~ 1985) oppositions:P・アイゼンマン、K・フランプトン、M・ガンデルソナス の編集による建築の理論誌(1973 ~ 1984) ていくものである。原点に インタラクティブで相対的なネットワーク空間、 フロリアンブッシュ建築設計事務所 ベルリン未 来博物館のコンペ案 戻って、もう一度周りの相 対総合関係を探求しよう。 〈(株)フロリアンブッシュ建築設計事務所〉 QVC ジャパン新社屋 12 Bulletin 2013 年 7 月号 Bulletin 2013 年 7 月号 13 FORUM ■私が大学で建築を学び始めた時は、その数年前にコルビュジ 齋藤 志津夫 フロリアン・ブッシュ 進む被災地との連携 継続された文化財ドクター派遣事業 第三種郵便物認可 Bulletin 2013 年 6 月15 日発行 継続された文化財ドクター派遣事業 進む被災地との連携 文化財ドクター派遣対応会議 委員 ( 宮城県担当 ) 平成24年度東日本大震災被災文化財建造物復旧支援事業 JIA 関東甲信越支部 保存問題委員会 (文化財ドクター派遣事業 事務局側の対応について) 委員長 安達 文宏 平成24年度東日本大震災被災文化財建造物復旧支援事業 JIA 東北支部 (文化財ドクター派遣事業 受け入れ側の対応について) 保存再生部会長 氏家 清一 FORUM ■平成 23 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災により、東北を 単位取得を義務付け、修復塾を東京で6回、仙台で2回開催しま ■はじめに、関東甲信越支部の皆様には、東日本大震災発生直後 現地調査等は基本的には2日間で行いました。1日目は宮城県 始め北関東でも多くの建物が被災しました。歴史的な建物も同様 した。調査等は基本的に文化財ドクター 2 名、学識経験者 1 名の より、献身的なご支援を賜りましたこと、厚く御礼を申し上げま および自治体の担当者、学識経験者、調査チームが午前中に現地 で、文化庁がそれらの被害状況を早急に把握するため、関係機関 3 名でチーム編成を行い、調査内容に応じて構造等の技術者のサ す。 集合し、調査目的、調査内容の確認を行い、午後より現地調査、 の協力により立ち上げた委員会が中心となり、被災調査を行いま ポートを受け、現地調査、実測、図面作成、修復の方針案作成、 ここでは、平成 24 年度の文化財ドクター派遣事業の宮城県で 図面作成等を行いました。1日目の調査が終了した時点で、調査 した。初年度の委員会は、日本建築学会、日本建築家協会 (JIA)、 概算工事費の算定等、所有者等からの多様な要望に従い報告書と の受け入れ側の準備から始まり、現地調査、報告書の作成までの チーム全員と、依頼者である自治体の担当者、学識経験者にも参 日本建築士会連合会、NPO法人等で構成し、23 年度は日本建 してまとめました。 流れ、対応について、ご報告をいたします。 加していただき、全体ミーティングまたはワークショップを行い 築学会が事務局を務めました。しかし、まだ未調査地域があるこ 私も、事業の最終段階で、3 月 16 ~ 17 日の宮城県川崎町青根 この事業は、宮城県内の市町村の教育委員会、および民間から、 ました。全体ミーティングでは、調査チームごとに、調査の進捗 とや、修復助言等を求める声がある事から、24 年度も文化財ド 温泉宿泊施設「不忘閣」への 5 チーム編成、総勢 17 名に上る調 県の文化財保護課に技術支援の要請があり、それを受けた宮城県 状況の報告、復旧等の方法の検討、2日目の調査内容の再確認を クター派遣事業を継続することにしました。24 年度は、公益財 査団の派遣に参加しました。メンバーは、学会から山形大学の永 は、文化庁に派遣事業対象建造物等のデータの情報提供と依頼目 行い、調査漏れ等が無いように注意を払いました。また、依頼者 団法人 文化財保護・芸術研究助成財団から助成を受け、「復旧支 井康雄先生、神奈川建築士会 2 名、千葉県建築士会 2 名、宮城県 的、依頼内容を報告し、ドクター派遣の要請を行います。その要 も含めたワークショップでは、1日目の調査状況の報告と復旧時 援委員会」(芦原太郎委員長)を組織し、JIA はその事務局を日本 建築士会 3 名、JIA 宮城地域会 5 名、JIA 神奈川地域会 1 名、JIA 請に基づき、文化庁は、事務局である復旧支援委員会「JIA 文化 の問題点、復旧後の使用方法等の意見交換を行い、2日目の調査 建築学会に代わりお引き受けしました。24 年度は、上記関係機 東京地域 3 名で、文字通り「組織を越えた協働」が実現した様に 財ドクター派遣事業対応会議」に対して、対象建造物データ、派 内容、調査目的の明確化と調査内容と依頼内容に齟齬が起きない 関に日本土木学会が加わり、1. 未調査地域の調査、2. フォローアッ も感じます。建物は、江戸期の土蔵・門から、大正、昭和初期に 遣目的、調査内容等の連絡を行い、ドクター派遣の依頼を行こと ように心がけました。 プ調査、3. 保存・修復に対する技術支援、の 3 つを活動の柱に据 わたる建物群で、それらの調査と図面作成をチームごとに行い、 になります。 調査のまとめは復旧工事等の設計料の算定、図面、復旧方法等 えました。1、2 に関しては、23 年度に引き続き日本建築学会を 永井先生にご指導いただいて建設年代の特定等も行いました。調 受け入れ側である東北支部および宮城地域会では、私が担当と の報告書、概算工事費の算定等依頼内容によって異なりましたが、 中心に JIA 等が協力することにし、3. に関しては、JIA と日本建 査した建物の中でも昭和 7 年竣工の「不忘閣」は、昭和初期近代 して、依頼のあった建造物等の建物概要、調査内容等データの情 それぞれの案件ごとに担当した調査チームの代表の方に取りまと 築士連合会などが中心となって対応することとしました。 和風建築として、素材・技術・風格共に素晴らしいものでした。 報提供を受け、宮城県の担当者とコンタクトを取り、調査対象建 めをお願いし、報告書として提出をしていただきました。また、 JIA では、本部に「文化財ドクター派遣事業対応会議 ( 篠田義 24 年度の保存・修復に対する技術支援においては、JIA の各地 造物の規模や調査内容の確認を行い、県に対しては、事前調査、 青根温泉「不忘閣」の5チーム編成のように調査規模、内容が多 男代表 )」を設置し、11 名の委員に本部事務局を加え、24 年 10 域会から多くの会員の皆様に参加していただき、また、日本建築 打ち合わせの日程調整をお願いし、現地に伺いました。事前調査 岐にわたる調査の場合には、まず、チーム毎に図面等の取りまと 月 22 日の第 1 回対応会議でスタートを切り、25 年 3 月までの 学会の先生方や各県建築士会会員の皆様とも協力して調査等を行 では、県および依頼自治体の担当者、依頼者とともに、調査対象 めをお願いし、全体のとりまとめを宮城担当の私が行い、報告書 実質 5 か月間活動しました。委員には、東北支部/岩手、宮城、 えたことは、今後、災害時等における支援活動での JIA と他団体 の現況確認、建設年代、用途、構造規模、そして、依頼者がこの として提出をいたしました。 福島の各地域会、近畿支部保存再生部会、修復塾、本部再生部 との協力体制が築かれ、迅速な支援活動に結び付くことになった 事業に何を求めているのかなどを聞き取り、調査時期等日程の調 この派遣事業を通して、学会、建築士会,JIA 等の組織を超え 会、支部保存問題委員会のメンバーが加わりました。対応会議で のではないかと思われます。 整を行いました。 た協力体制が構築できたことは、今後の多岐にわたる支援活動に は、「3. 保存・修復に対する技術支援」への対応を中心に据え、 最後になりましたが、5 月 7 日 ( 火 ) 上記をまとめた成果品を、 その後、調査目的、調査内容のまとめと調査チームの編成につ 繋がるものと期待しております。 文化庁からの派遣要請 12 件に対応すべく、日本建築士会連合会 文化庁の田中禎彦氏等 3 名と対応会議篠田義男代表、私の計 5 名 いて JIA 対応会議の篠田義男代表、左知子総務担当等と連絡を取 最後にこの事業にご協力をいただき、遠路、宮城の地までおい や JIA の会員へ派遣員の募集を行い、多くの会員の協力により事 で、公益財団法人 文化財保護・芸術研究助成財団へお届けしまし りながら、派遣人数、派遣日程の調整、学会、建築士会連合会等 でいただきました皆様に心より感謝を申し上げ、御礼とご報告と 業遂行が出来ました。派遣員の基礎的な資格として、建築士会会 たことをご報告いたします。 との調整を図りながら、案件によっては構造等の専門家も含めて、 いたします。 員にはヘリテージマネージャーを、JIA 会員には修復塾履修での また、文化財ドクター派遣事業にご協力いただきました JIA 会員 調査員の募集を行っていただき、JIA、建築士会の枠を超えた混 の皆様へ、心より感謝申し上げますと共に、今後の活動への更な 成のチーム編成を行いました。さらに、県、関係自治体、依頼者、 るご協力をお願い申し上げます。 学識経験者に立会いをお願いし、調査に入りました。 〈文化財ドクター派遣事業対応会議〉 〈文化財ドクター派遣事業対応会議事務局〉 不忘閣:篠田義男氏提供 14 Bulletin 2013 年 7 月号 村田町 土蔵群 調査状況 栗原市 くりでん ワークショップ 大和町 児玉家 叶蔵 調査状況 栗原市 くりでん 調査状況 大崎市 門間家住宅 調査状況 川崎町青根温泉不忘閣 ミィーティング 写真 6 枚:氏家清一氏提供 Bulletin 2013 年 7 月号 15 FORUM 文化財ドクター派遣対応会議 事務局 第三種郵便物認可 Bulletin 2013 年 6 月15 日発行 第三種郵便物認可 Bulletin 2013 年 6 月15 日発行 交流委員会 委員会活動報告 第三種郵便物認可 Bulletin 2013 年 6 月15 日発行 交流委員会 第25回交流大会 大会・セミナー 実行委員会 実行委員長 2012 年度 JIA C グループ 国内建物視察会 紀行文 交流委員会Cグループ 長尾 俊夫 佐藤 和夫 ■交流委員会の 2012 年度の活動を締め括る交流大会が 3 月 また、正会員との交流の推進化を改めて希求する協力会員に ■ 2013 年 2 月 1 日(金)~ 2 日(土)の 2 日間、中川 C グルー 二日目は、早朝より高速フェリーに乗り込み一路豊島へ。全 23 日に開催された。冒頭の渡邉交流委員長の総括では、グ 対して、支部長は「具体的な提案、方法論を積極的に発して プ長を団長に総勢 14 名にて国内建物視察会を行いました。主な 員が電動レンタルサイクルにまたがり、島中を精力的に散策し ループ活動の活性化に言及された。来年度に向けてグループ 欲しい」とし、真摯な対応意向を示された。公益性という大 行程は、初日は旧金毘羅大芝居「金丸座」見学~金刀比羅宮参拝、 ました。 各々の横の連繋をとりつつ、正会員との接点の機会増強を目 義名文の中、また、地域会の役割が重視されていく中、交流 翌日は豊島に渡り「心臓音のアーカイブ」見学~「豊島美術館」 まずは、 「心臓音のアーカイブ」 フランスを代表する現代アー 指し、行事日程等の調整を計るといった意向が示された。そ 委員会の存在にどんな見通しを立てていくかは、まだまだ議 見学(西沢立衛氏 2012 年度日本建築学会賞 受賞作品)でした。 ティスト、クリスチャン・ボルタンスキーの「巡礼の旅を経て の後、各代表幹事から施設見学会、勉強会やセミナー等の年 論の余地があると感じられた。 天候が心配されましたが、金刀比羅宮の御利益か雨は夕方か たどりついた遠く離れた地に、世界中の人の心臓音が聴ける『図 ら翌日明け方までとなり行程への影響もなく、大変充実した 2 書館』を作る」という構想と「豊島に恒久的なアート施設を作 間のグループ活動、また、各委員会の活動報告がされた。見 学会の対象は、やはり最新の新築オフィス、ホテル、美術館、 第二部の交流セミナーは、「アーキテクト 2.0」< 縮小社会 日間となりました。 りたい」というベネッセアートサイト直島の構想が結びついた スカイツリーという話題物件であった。 の建築家像 > と題して、1976 年生まれの若き建築家、藤村 まずは、旧金毘羅大芝居「金丸座」です。天保 6 年(1835) ことから始まったプロジェクトです。 に建てられた、現存する日本最古の芝居小屋です。昭和 60 年 いよいよメインの「豊島美術館」2012 年度 日本建築学会 から「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が開催され、四国路に春を 賞 受賞作品です。アートスペースは、膜のようなコンクリート 告げる風物詩となっています。我々は、実際に「花道」を通り、 で覆われたシェル構造で、天井にある 2 ヶ所の開口部から、周 内部を隅々まで見学させていただきました。 囲の風、音、光を内部に直接取り込む設計です。内部空間では、 次は、いよいよ金刀比羅宮参拝です。参道の石段は御本宮ま 一日を通して「泉」が誕生しており、その風景は、季節の移り でが 785 段、さらに奥社までを数えると合計 1368 段の石段が 変わりや時間の流れとともに、無限の表情を伝えるそうです。 象頭山の山腹をぬうようにはるばると続いています。金刀比羅 我々が訪れた日は、前夜の雨の影響で床面に結露が残り、床面 宮の御本宮は、大社関棟造、檜皮葦の荘厳な社殿で、左右の壁 全体をアートとして表現している当館の鑑賞には、係員の方い 板には桜樹図高蒔絵が、拝殿の格天井には花卉の金蒔絵がそれ わく、かなりの難易度が要求されるコンディションだったそう ぞれ施され、向拝にはあざやかな金色の菊花御紋章が附されて です。 います。なお、今回参加者中の最長老 72 歳の桑野氏を筆頭に 駆け足での紀行文となりましたが、その土地々々でお会いし、 10 名が 1368 段を踏破して奥社へ参拝したことも報告させてい 暖かく接していただいた方々に感謝しつつ本文を締めくくらせ ただきます。 ていただきます。 龍至氏の講演。建築設計から教育、さらに批評という場を行 続いて、支部長との懇談会では、公益法人化を目前にした き来する活動の一端が静かな熱情で語られ、氏の独特の「超 JIA を取巻く環境の変化が語られた。UIA 東京大会、昨年の 線形設計プロセス」論が展開された。生物の孵化過程になぞ 横浜大会などを通じて JIA のプレゼンスの高まりを感じてい らえた説明と共に、多数の模型を残して形態決定へ至る住宅、 ると。他団体との連繋の活発化、国際的な交流の動きにも触 集合住宅の事例が紹介された。「鶴ヶ島プロジェクト」では、 れ、震災復興への役割も明らかにしていくことも含め、社会 氏の勤める大学生に課題とし、「小学校+公民館」を併合し への貢献をより強く意識した活動表明がされた。 た縮小テーマを提言。パブリックミーティングでのプレゼ、 行政も取り込む状況を作ってきた。社会問題とリンクした活 FORUM これを受け、法人協力会員との意見交換会にては公益法人 動が、我々参加者に響いた。最後に、JR 分割区と合わせた への移行後の企画イヴェントや勉強会の公益性との整合適正 道州制から、JR システムモデルの評価を基に、ASIA への展 化に対する質疑が多く投げかけられた。赤羽副支部長も加わ 開という、大きく外縁へ延びる列島改造の論まで話は広がっ り、活動運営処理等についての考え方の整理をいただいた。 て、若き刺激に参加者はのみ込まれた。 〈( 株 ) 剣持デザイン研究所〉 金丸座 内景 16 Bulletin 2013 年 7 月号 〈美和ロック〉 金刀比羅宮 奥社にて Bulletin 2013 年 7 月号 17 FORUM 委員会活動報告 委員会活動報告 第三種郵便物認可 Bulletin 2013 年 6 月15 日発行 委員会活動報告 第三種郵便物認可 Bulletin 2013 年 6 月15 日発行 建築相談委員会 日本版 CABE を考える 新たな相談会場ができました 日本版 CABE 推進タスクフォース設立へ向けて 行動企画案メモ 埼玉建築相談室 中里 昇 ■ 埼玉相談室では月に一度、川越駅に隣接する市生活情報セ 分のみに対応したようだ。いつのまにかある材料が告知され ンター会議室を相談会場として実施してきました。2 名体制 ずになくなる、改良されることはよくあるのだが、車の場合 で 6 件の相談が基本ですが契約、竣工引き渡しなどの緊急性 は違う。命に直接関わる事なので不良箇所が発覚した時点で の高い相談については増員をし対応してきました。会場は地 関係するすべての車を対象にリコール、保証する。条件は違 下1階にあり進入口は1つの階段のみで車いすの相談者の場 うが建築はそのてん甘さがのこるような気がする。 合、管理会社に依頼し他の会社事務室を通り抜け案内する状 日本版 CABE 推進タスクフォース 名誉会員 長島 孝一 ■ 目的:「建築家」の社会的存在意義を明らかにし、社会に有効に貢 ③ JIA が設計監理に特化した建築家集団である事を大きく評価する。 献する方策を企画し、実行に移す。先ずはそのスペアーヘッド・突破 ④ 中小自治体では大型の公共建築の建設は稀であり、設計者選択に 口として比較的大型の公共建築建の経験の少ない中小自治体に対し、 設計監理者選定の健全なありかたの支援を主とした支援機構をつくる。 関する経験ある専門的人材が不足しており、自治体が当事者能力 の欠如を認識している。 ⑤ 公共施設建設の事後責任担保のためにも、有能で経験ある設計監 方針:将来、建築5会の取り組みとして “日本 CABE” 設立を目指すが、 先ず設計監理に特化した JIA が JIA・CABE を立ち上げ、その実績に より協調的に他会をリードする。 理者を行政当事者が求めている ⑥ 公共施設の企画、設計のプロセスには、住民参加参画が行政的・ 政治的見地から必要である。 ⑦ 住民と行政の参加・参画・共働に際し建築家は、建築・まちづく 況で特に足の不自由な相談者には気の毒な会場です。相談予 ■クレーマーといわれる相談者もいるがごくわずか。多くは 約の数からも月一度の相談会では1ケ月待ちの方も増えてき 日本的な美徳といえる「他人を疑わない」世代でそこに目を ます。これらのことから以前より新たな場所を設け月2回の つける悪徳業者も後を絶たない。消費者保護を目的に法律的 構)。これは百人余の優秀な建築家,関係専門家を擁した政府資金に 相談会としたいことを望んでおりました。 な対策もなされているが、自身で我が身を守ることにもう少 よる第三者機関である。自治体や市民団体からの要請,又は独自の ・JIA のとるべき戦略案: 今年の4月から県住宅供給公社の好意により大宮駅ビル内 し気を遣っていただきたいものだと思う。でもその為の建築 判断で専門家派遣を行い、公正な第三者として建築・まちづくりの ① 自治体に働きかけるスペアーヘッドとなる支援として、プロポー の「住まいプラザ」を利用できるようになりました。室の面 相談でもあるのですが。 積からテーブル1台で 1 日 3 件の相談に応じられ川越会場と 合わせ月に9件の相談を受けられようになりました。交通の 便はすこぶるよく駅改札から徒歩 1,2 分で段差もなく特に 足の不自由な方にも案心して案内できることがありがたい。 〈中里昇建築設計工房〉 参考モデルとした制度:英国で十年余の実績を持つ CABE(Commission りに関する情報や学習の提供者、ファシリテーターとしても必要 for Architecture and the Built Environment = 建築・人工環境支援機 としされている。 啓蒙教育、コンペなど必要な支援をする制度である。 ザルコンペを位置づける。 ② 設計案の優れた内容・イメージの提供と、設計案の実現能力の両 JIA の理論的実績:平成 20,21 年度、出江寛元 JIA 会長は、本部に 長島を委員長とする「美しい建築推進特別委員会」を設け、国交省 に対し定性的、包括的で裁量性のある計画許可制度を近い将来導入 する事を提言した。またそれに向けて前捌的な先導性があり、かつ 方を兼ね備えた人材を選定するに適した方法として、コンペの要 項づくり、審査員団の企画、コンペの運営の支援を行う。 ③ 先ず、自治体のコンペの企画・アドバイザー又は審査員を供給す る体制を JIA 内につくり,自治体との成功例を組織的につくる。 現行制度に挿入可能な CABE の導入について提案し検討に付した。 ④ 本部及び支部・地域会で公正無私で優秀な建築家を選抜しプール 実践的実績:たまたま、複合公共施設が逗子市(人口6万人)で企 ⑤ 初期には JIA 自身のイニシアティヴによる基金を募って事業を運 する。 改良され信頼できる外壁材となってきましたが接続、接点な FORUM ど随所にコーキングに頼っている。しかしコーキングの劣化、 メンテナンスについての施工者側の説明が不足しているよ 画されており、平井市長の相談を受けた長島は、森岡神奈川地域会 営する。また、必要な費用を自治体に負担してもらう事も考える。 会長に参画支援を要請し、プロポーザルコンペが成功裏に実施され 成功例を積み上げて国に働きかけ公的資金を得る。 た。この経験から敷衍し出来る事を整理し、有効な JIA の体制として 立ち上げたい。 握して JIA 本部の(仮称)JIA・CABE に報告し、支援の内容を吟 味し方策を練る。 うだ。打ち直しが必要であること、その時期について等の相 ・中小自治体の現状と意向(JIA に対する自治体の評価): 互理解がなされていないことから不信感が広がっているケー ① 設計監理者選定のプロセスの公正さと透明さを、行政の取り組み スが見受けられる。また既存のモルタル塗り外壁にサイデイ ⑥ 地域の建築家が直近の自治体の公共建築企画の存在をいち早く把 とすることを強く望んでいる。 ② 設計と施工の分離原則の遵守を基本とする。 ⑦ JIA が設計・監理に特化した建築家集団である特性を再認識し、 第三者的役割をもつプロ集団として、自信をもって自治体に各種 支援の働きかけをする。 〈(株)エ-・ユ-・ア-ル・建築・都市・研究コンサルタント主宰〉 ングを上張りするリフォームも盛んに行われているが下地の 不完全から浮き、不陸を生じひどい場合雨水の浸入をしてし 公共建築実現に向けた市民、行政、建築家、CABE の役割 まったケースもある。今後この手の相談が増えてきそうな気 がします。 外壁材ではないが大手の建材メーカーの屋根材に不良品が ロット単位で見つかった。すでに市場に流れ使われてしまっ たのだが追跡調査をするつもりはないのか不具合を申し出た 18 Bulletin 2013 年 7 月号 Bulletin 2013 年 7 月号 19 FORUM ■今住宅の外壁は窯業系のサイデイングが主流。固定方法も 地域会だより 第三種郵便物認可 Bulletin 2013 年 6 月15 日発行 栃木クラブ 地域会だより 第三種郵便物認可 Bulletin 2013 年 6 月15 日発行 長野地域会 JIA 関東甲信越支部栃木地域会栃木クラブ賞 2012 年度第 29 回 JIA 栃木クラブ賞公開審査表彰 栃木クラブ賞実行委員長 公益法人体制の『共鳴』を 長野地域会 栃木地域会副代表 代表 土屋 博 川上恵一 ■ JIA 長野県クラブは関東甲信越支部と同時に設立され 26 ■ 2013 年 3 月 24 日 第 29 回栃木クラブ賞公開審査及び最優秀 (1) 県産材の積極活用 (2) 山岳都市としてのまちづくりへの 作品、優秀作品の表彰が行われました。 年が経過しました。これは、扁に諸先輩方々のスローガン「職 貢献 (3) 協力会との積極交流です。 1984 年当初数人で建築について語り合うサロン的雰囲気の中か 能を通して社会に貢献しよう」という地道な成果の賜物で ところで、長野県クラブでは、通常総会の折にタイムリー らスタートし、将来建築家を目指そうとしている県内学生を対象 あり、引き続き私たちが継承すべきものです。 な議題を出席者全員で話し合いをしています。今回は、改 に企画するこの賞も今年で 29 回を数えるまでになりました。 今年度は、公益社団法人日本建築家協会としての体制が めて公益法人とは何なのかが議論されました。 県内大学、高専の建築系学科三校より各 2 点推薦された 6 作 とられ新たな船出をすることになりました。それを受け、 しかし、まだまだきちんとした理解や合意が出来ていな 品に合せ、3 月下旬には専門学校を含めた公募を行い全 9 応募作 JIA 長野県クラブは、4 月 20 日に通常総会が開かれました。 い状況です。例えば、1999 年より昨年まで9集が発刊され 上浪関東甲信越支部長もご出席下さり、冒頭の挨拶では、 た「信州の建築家とつくる家」です。このままだと営利目 公益法人としての自覚と体制への「共鳴」を話されました。 的の要素が強いととられ、公益事業とは認められないとの 中央と地域がお互い情報を共有しながら響き合う、いわば 事。地域に軸足を置いて、良い建築を提案しようとする私 音叉のようなものをイメージしました。 たちが社会貢献の手段という認識で本を発刊しているのに、 当クラブも今年度は主に6つの活動方針を提案し、全て そのようには受け止めてもらえない事が大きな問題となり 承認されました。 ました。この点で長野地域会は共鳴していません。JIA 長野 1. 地域と連携する JIA 活動のアピール 県クラブとしても内容の見直しをし、どうしたら公益事業 2. クラブ事業内容の再検証と協力会員を含む会員間の交流促進 としてふさわしい本になるかを議論し、発刊する方向で検 品から委員審査による 2 作品を選出し、合計 8 作品を宇都宮中 心部に位置する「宇都宮メディア・アーツ専門学校」を会場と し 3 月 16 日から公開展示を経て去る 3 月 24 日(日)審査員に コンクール会場風景 JIA 関東甲信越支部副支部長の河村大助氏を招き当クラブ委員と ことも個々の作品からその強い意気込みを感じ取れました。参加し 厳正に公開で審査がおこなわれました。 た学生も委員も打ち解けた良い交流の場となった様です。 審査は作品ブース毎に出展者のプレゼンテーション、質疑と限 推薦された各大学、高専、専門学校の担当教授からは、このイベ られた時間の中での作品読み込みに制限時間も超過気味、出展者 ントは教育の過程においても効果絶大との評価を戴いた。我々地 との質疑応答では互に世代を超えてその熱意がぶつかり合う場面 域会においては将来建築を担って行くであろう彼等に優秀な建築 も見られた。ブース毎の作品に意見を述べ合う様はこのイベント 家が育って欲しいという期待も込めてこの企画を続けていかなけ 最大の良さでもあり今後社会に旅立つ彼らの試練の場でもあった ればならないと改めて感じたコンクールでした。 に第4審査を行い得票数は大きな差のない全作品のレベルがほぼ 並んだ中での決定であった。第 29 回栃木クラブ賞最優秀賞 1 名、 4. 景観やまちづくりの視点に立ち、住民との積極的な交流を図る 〈 ツチヤ建築設計事務所〉 のではないでしょうか。審査の方は第 1 審査から第 3 審査、更 3. 会員の資質向上と業務環境の改善 5. 県産材の積極的利用、地産地消による地場産業による活性化 6. 関東甲信越支部保存問題長野大会の開催 審査結果 最優秀賞 釣 真央美 (宇都宮大学) 優秀賞 星井友香里(小山工業高等専門学校) 討する事になりました。 また、来年2月に保存問題長野大会が諏訪の地で開催さ れます。ホスト役として2年がかりで準備をしています。 FORUM これらは全て JIA の目的や方針に合致していますが、もち 大勢の皆さまとの出会いと共に公益法人体制としての共鳴 が出来ることを楽しみにしています。 優秀賞 7 名には表彰状と副賞の記念品(陶芸作家谷口勇三氏特 勝又 亮介 (宇都宮大学) ろん長野地域会としてはあくまでも地域に軸足を置いて活 別作)が贈られた。 鳴澤 皓史 (足利工業大学) 動しています。その中で大きく 3 つの特徴があります。 〈かわかみ建築設計室〉 大澤 哲也 (足利工業大学) 松尾 紅音 (宇都宮大学) 植木 優 (小山工業高等専門学校) 廣瀬 直哉 (宇都宮メディア ・ アーツ専門学校) 審査風景 最優秀賞となった宇都宮大学工学部「釣真央美(つり まお み)さん」には 6 月に行われる「全国学生卒業設計コンクール 2013」への参加資格が与えられた。 パーティーでは学生の感想や今後の進路など紹介。社会に出る者、 大学に残り研究を続ける者と様々のようです。各大学、専門校では 向上心アップを計る為にもこのコンクールに毎年期待を寄せている 20 Bulletin 2013 年 7 月号 受賞者 懇親会 総会 Bulletin 2013 年 7 月号 21 FORUM 栃木地域会活動報告 映画紹介 第三種郵便物認可 Bulletin 2013 年 6 月15 日発行 第三種郵便物認可 Bulletin 2013 年 6 月15 日発行 舟を編む 2012 年本屋大賞第一位に輝いた辞書作りに情熱をそそぐ懸命な人達 ラン勢は小林薫、伊佐山ひろ子、そして加藤剛。最強の辞書編集部 の日々と壮大な夢を描く「舟を編む」三浦しをんさんの傑作小説です。 員たちは、辞書が完成するまでの 15 年間におよぶ月日の経過をユー 若い俊英監督石井裕也が松田龍平、宮﨑あおいを迎えベテラン俳優 モラスに感動的に演じきります。さらに渡辺美佐子、池脇千鶴、鶴 を配し感動の映画化がされました。本作は辞書という「舟」を編集 見辰吾、八千草薫ら錚々たる演技派から個性派、全編を通して豪華 する「編む」 、ある出版社の編集部の物語。24 万語におよぶ言葉の で楽しいキャスティングが実現し人生の豊かさを浮かび上がらせま 海に奮闘する新人編集部員、馬締光也とその同僚たちの姿、そして す。脚本照明撮影美術の人々はデジタル撮影が主流の中、当然のよ 馬締の下宿先、大家の孫娘・林香具矢にはじめて感じたある思いを、 うに 35 ミリフィルムで撮影を行ないました。 何とか “言葉” にし伝えようとする、もどかしくも微笑ましいやりと 時代は移り変わり、言葉は生まれ消えてゆくものである。そして、 りを描きます。誰かに思いを伝えたい、繋がりたい。言葉という絆 どんな時代も人間たちは一生懸命に人生を編みます。馬締のマジメ を得て、それぞれの人生が優しく編み上げられていきます。馬締を に頑張る姿に、観客は大きな感動と元氣に包まれるでしょう。是非 支えるお調子者の先輩編集者にオダギリジョー。のちに異動してく 劇場へお運びください。 舟を編む プログラムより 〈立石博巳/ヒガノ〉 る女性編集者に黒木華。馬締に辞書作りの素晴らしさを教えるベテ 広報からのお知らせ 新任のご挨拶 広報副委員長 (HPWG 主査) 植木 健一 編集後記 「 今年のクールビズ」 ■高安主査のあとを引き継ぎ、今年度より関東甲信越支部ホームペー していきます。また「建築家 ONLINE」はこの特設ページを含め会員 ジワーキンググループ主査となりました植木健一です。 のみなさまからのご投稿を主体として作り上げていくものです。この ホームページワーキンググループは関東甲信越支部 HP の企画運 機会に一度支部 HP をご覧いただき、 「今月のたてもの」 「ブックガイド」 営をおこなっています。ご存じない方もおられるかもしれませんが、 支部 HP には会員向けサイトのほかに市民向け独立サイト「建築家 「建築家の観た海外の街並み」などへぜひご投稿いただければと思い ■ 普段からネクタイを着用しないので関わりが少ない思っていましたが、 関連の職業に就きたいと希望する学生、そしてご自宅などの建築を検 [ 土居 ] ■ 2005 年、CO2 削減のためにスタートしたクールビズ。当初はノーネ イフスタイル」が目的でした。この夏は挑戦してみます。 [ 市村 ] クタイでよいものか、戸惑いがありました。編集に携わって 1 カ月が過 ■ 暑がりだから、すっぽんぽんでも暑い。エアコンガンガン、電気代沢 ぎようとしています。ネクタイは締めずとも、気を引き締めて臨みたい 山払って、福島何とかして貰って、請求書見て、涼しくなる。coolbill か。 と思います。 ます。 ONLINE」があり、これは建築に興味のある子供たちから実際に建築 ■今夏は朝方の涼しい内に仕事をするようにしようかなと思っています。 改めて調べると「冷房時の室温28℃でも快適に過ごすことのできるラ [ 長坂 ] 夏なんか無くなればいい 討中の方、など一般市民の方々を対象にタイムリーな情報発信を目指 [ 倉島 ] すサイトです。 ■ Bulletin は建築のことを知らない私でも楽しく読むことができる記事 ■ネクタイよりもお腹についた贅肉をとりたいです。 今年 4 月の JIA 公益法人化にともない社会へ開かれた活動のあり 守田さん、お世話になりました!! 退任のごあいさつ [ 杉山 ] が盛り沢山でした。皆さま、いままで本当にお世話になりました。 かたがこれまで以上に問われることとから、本グループでは昨年度 [ 守田 ] より、一般向けの情報発信姿勢をより明確に打ち出すため、 「建築家 次号 245 号は 9 月に発刊予定 B A C K YA R D ています。 編集 このページはこれまで若干事務的で堅苦しい印象であったサイトの 委員長 楽しく親しみやすいナビゲーションとなるだけでなく、現在活躍中の 委員 :菊地 良一 発行所 :公益社団法人日本建築家協会 関東甲信越支部 :河村 大助 〒 150-0001 東京都渋谷区神宮前 2-3-18 JIA 館 :大川 宗治・岡本 寛・加藤 誠洋・倉島 和弥 Tel: 03-3408-8291( 代 ) Fax: 03-3408-8294 印刷 :株式会社 協進印刷 杉山 英知・萩尾 昌則・土居 志朗・中村 晃 じめ、学校紹介や就職ノウハウセミナーの提供を通じた教育の現場と 八田 雅章・Florian Busch・長坂 典和・池田 寛 立石 博巳・本田 孝一郎 の連携も目指す、今後の支部市民向けサイトのメインプラットフォー 編集長 ムになるものです。本号と相前後して部分公開される予定ですので、 本グループでは今年度もさらなるコンテンツの充実を目指して活動 発行人 関東甲信越支部 広報委員会 副委員長 :市村 宏文・植木 健一 建築家への「子どもの頃インタビュー」や子ども向けの教本紹介をは すでにご覧いただいた方もおられるかもしれません。 :公益社団法人 日本建築家協会 B A C K YA R D ONLINE」内に特設ページ「建築家になろう」を加える作業に着手し 建築家になろう http://www.jia-kanto.org/online/kids/ :市村 宏文 ■ JIA 関東甲信越支部関連サイト一覧 ・( 公社 ) 日本建築家協会 (JIA) http://www.jia.or.jp/ 副編集長 :土居 志朗 ・建築家 online ( 一般向け ) 編集委員 :大川 宗治・倉島 和弥・杉山 英知・萩尾 昌則・長坂 典和 ・JIA 関東甲信越支部 ( 会員向け ) http://www.jia-kanto.org/members/ 池田 寛・八田 雅章・立石 博巳 表紙 / 本文デザイン :( 株 ) スタジオネオ 伊波 サチヨ・守田 真紀子 http://www.jia-kanto.org/ © 公益社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 2013 ■ 販売価格 300 円 ( 本体 286 円 + 消費税 14 円 ) /会員の購読料は会費に含まれています。 22 Bulletin 2013 年 7 月号 Bulletin 2013 年 7 月号 23 第三種郵便物認可 Bulletin 2013 年 6 月15 日発行 Bulletin 244| 2013 年 7 月号 24 Bulletin 2013 年 7 月号