Comments
Description
Transcript
気候の違う海外旅行先で気をつけたいこと
添乗員のための旅行医学 VOL.69 そこで今回は大きな気候の変化を にも気を付ける必要があります。 す。それに伴う体調の管理・維持 く異なる国に旅行が可能な時代で ると震えは止まり、あらゆる反応に が出ます。しかしさらに体温が下が 震え、歯がカチカチ鳴るなどの症状 に低体温になります。最初は身体が 風に吹かれると知らず知らずのうち まず注意したいのは低体温症で す。気温が低い上に雨に濡れたり、 ︵電解質の入った水ならなお良い︶ 体を慣らすと良いでしょう。水分 でも、まずは夕方や朝方外に出て身 ましょう。重症の日焼けを避ける上 間から海岸にすぐ繰り出すのは避け 真夏の陽射しの強い国に着いて、昼 してない時の温度変化は危険です。 に、まだ身体の体温調節機能が順応 伴う海外旅行に行く時の注意点に 時間がかかり、ぼんやりして正常な の充分な補給も忘れずに。 半日から 日もあれば気候の全 ついて、 ︵財︶航空医学研究セン 判断ができなくなります。最後は意 識がなくなるので要注意です。 は時差によってかき乱されてしまい 応﹂が必要でしょう。また自律神経 らの外出・観光など﹁段階的環境順 り、ホテルに居る時間を多くしてか ない人は、旅行 週間前までに済ま インフルエンザワクチンを接種して ザ?と思いがちですが、直近の秋の す。夏に出かける時にインフルエン た熱帯地域では 年中発生していま きましょう。 ます。時差対策も合わせて考えてお 9 せておくことを勧めます。 時は、まず熱中症や日焼け︵重症に ○冬の日本から夏の国へ 今や日本の夏は湿度が高く高温 で、﹁熱帯﹂といっても過言ではあ なると火傷︶に注意をしましょう。 平均気温が 度以上高い国に行く りません。その日本から南半球、あ 日本でも夏の初めの急激な気温上昇 地に行く場合は注意が必要です。 時に熱中症患者が多く発生するよう ょう。 染を想定して対策を立てておきまし 報の入手や、胃腸の病気や呼吸器感 種は大切です。寄港地での感染症情 れ、前述のインフルエンザの予防接 内での集団発生の報告も多く見ら えておきましょう。また感染症の船 症、日焼け、船酔い、低体温まで考 長期間の船旅では冬物から夏物の 衣服の準備をし、上記のような熱中 は上陸して観光を行います。 らなく思えますが、多くの寄港地で す。同じ船の中で環境はあまり変わ 時間かけて回る時も注意が必要で 短時間に気候の変化する国に行く のではなく、大型船で世界各地を長 ○長い船旅の注意 ター所長・五味秀穂先生に伺いま した。 また冬は相対的に湿度が下がるた め、鼻・口・のど・気管の粘膜が乾 入し易い状況となり、上気道炎を起 ○体温調整 急激な気温の変化が 度から 度 以上あると、身体の体温調節を司っ こし易くなります。マスクでの加湿 燥しがち。乾燥するとウイルスの侵 ている自律神経が上手く機能してく 頃ですが、南半球の温帯地域では 次に注意するのはインフルエンザ です。日本での流行時期は ∼ 月 は、帰国後の健康管理のカギを握り 2 ∼ 月にかけて最も流行します。ま 12 ます。着衣をこまめに脱ぎ着した どうかが、旅行先に到着後あるい す。つまり体温調節がうまくいくか は大事な予防になります。 8 るいは北半球でも緯度が高い所や高 ○夏の日本から冬の国へ 1 2 10 4 5 129-$7$&RPPXQLFDWLRQ ⑧台湾料理のベースとなっている中華料理はどれ? A 上海料理 B 四川料理 C 福建料理 1 れないことがあると言われていま 気候の違う海外旅行先で気をつけたいこと