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第1章 総則 - RISTEX 社会技術研究開発センター

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第1章 総則 - RISTEX 社会技術研究開発センター
蔚山地域の防除実行計画
第1章
第1節
総則
目的
本 地 域 の 防 除 実 行 計 画 は 2000 年 1 月 17 日 制 定・公 告 さ れ た 国 家 防 除 基 本 計
画 に 依 拠 し 、地 域 の 特 性 に 適 合 す る 科 学 的 で 効 率 的 な 防 除 措 置 に 必 要 な 事 項 を
規 定 し た も の で 、海 洋 汚 染 か ら 国 民 の 健 康 と 財 産 を 保 護 し 海 洋 環 境 の 保 全 に 寄
与 す る こ と を 目 的 と す る 。〔 付 属 書 Ⅰ の 資 料 1 〕
第2節
海域の範囲
本 地 域 防 除 実 行 計 画 は 蔚 山 海 洋 警 察 署 の 管 轄 海 域 で あ る 。蔚 山 広 域 市 北 区 新
明 洞 海 岸 か ら 釜 山 広 域 市 機 張 郡( ギ ジ ャ ン ク ン )公 須 里( コ ン ス リ )海 岸 ま で
を 含 む 海 域 [ (35” 11’ 00” N、 129” 13’ 20” E)- (35” 39’ 00” N、 129” 27’ 20” E)
- (35” 00’ 00” N、 130” 00’ 00” E)- (35” 39’ 00” N、 130” 37’ 00” E)で 連 結 さ
れる海域を対象海域とする。
第3節
防除体制及び政策
1. 防除措置の義務者及び協力者
海 洋 汚 染 行 為 船 舶 の 所 有 者 又 は 船 長 、海 洋 施 設 の 設 置 者 又 は 管 理 者 に 防 除 義
務 が あ り 、 排 出 さ れ た 油 等 の 廃 棄 物 の 荷 主 ( 積 載 港 )、 受 取 人 及 び 繋 留 施 設 の
管理者は防除措置に積極的に協力をしなければならない。
(海洋汚染防止法 第
48条)
2. 海上防除の責任機関
大 型 海 洋 汚 染 事 故 発 生 の 原 因 の 行 為 者 が 防 除 措 置 を せ ず 、十 分 で は な い 場 合
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には海洋警察所長が関係機関の協力を得て必要な防除措置をしなければなら
な い 。( 海 洋 汚 染 防 止 法 第 50 条 )
3. 海洋防除責任機関
海 洋 汚 染 事 故 で 海 岸 に 漂 着 し た 油 の 廃 棄 物 は 、管 轄 地 域 の 地 方 自 治 体 及 び 地
方 海 洋 水 産 庁 等 で 防 除 措 置 を せ ね ば な ら ず( 海 洋 汚 染 防 止 法 、第 50 条 )、管 轄
海 域 の 長 は[ 付 属 書 Ⅳ の 海 岸 汚 染 の 防 除 作 業 方 針 ]を 参 照 し 、こ れ ら に 必 要 な
準 備 ・ 対 応 計 画 を 事 前 に 策 定 、 運 用 を し な け れ ば な ら な い 。( 国 家 防 除 基 本 計
画 第3章1節)
4. 対策本部設置運営
大 型 の 海 洋 汚 染 事 故 で 海 洋 環 境 保 全 に 顕 著 な 被 害 が あ り 、被 害 を も た ら す 恐
れ が あ り 、緊 急 防 除 措 置 が 必 要 な 場 合 に は 海 洋 警 察 庁 長 が 関 係 機 関 と 合 同 で 防
除 対 策 本 部 を 海 洋 警 察 署 で 設 置 ・ 運 営 す る 。( 海 洋 汚 染 防 止 法 第 5 1 条 )
5. 地域防除対策協議会の運営
海 洋 汚 染 事 故 の 発 生 に 備 え 、管 轄 地 域 の 海 洋 警 察 署 長 を 委 員 長 と す る 地 域 海
洋 汚 染 防 除 対 策 協 議 会 を 構 成 し 、海 洋 汚 染 事 故 の 効 率 的 な 防 除 措 置 の 為 に 防 除
対策及び関係地方行政機関の間の業務調停に関する事項等を審議・決定する。
( 海 洋 汚 染 防 止 法 施 行 令 第 37 条 )
6. 防除技術支援団の運営
海 洋 警 察 庁 長 官 は 、科 学 的 な 防 除 業 務 の 遂 行 の 為 に 防 除 関 連 専 門 家 で 防 除 技
術 支 援 団 を 構 成 し 、海 洋 汚 染 事 故 の 流 出 量 の 算 定 及 び 拡 散 予 測 、事 故 船 舶 処 理
方 法 、防 除 方 法 の 選 択 、被 害 予 防 、法 律・保 険 情 報 提 供 等 に 関 す る 諮 問 と 支 援
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を 受 け る こ と が で き る 。( 海 洋 汚 染 防 止 法 施 行 令 第 39 条 )
7. 関係機関の協調事項
海 洋 汚 染 事 故 の 迅 速 な 防 除 措 置 と 被 害 住 民 の 多 様 な 苦 情 を 解 決 す る 為 に 、国
家 防 除 基 本 計 画 及 び 関 係 法・規 定 に よ っ て 関 係 機 関 別 に 次 の 事 項 に 協 力 し な け
ればならない。
イ.地方自治体:被害最小化の為の対策を検討し、海岸漂着油の防除措置、
人 員・機 材 の 動 員 、住 民 被 害 の 補 償 対 策 の 検 討 、防 護 措 置 の 為 の 財 政 確
保、野生動物に対する保護措置の検討、ボランティアの活動支援
ロ.軍:軍の人員・機材の動員
ハ .地 方 海 洋 水 産 庁:漁 業 及 び 養 殖 場 の 保 護 の 為 に 適 切 な 措 置 、港 湾 施 設 使
用の便宜の提供、人員・機材の動員
ニ.地方労働庁:安全保健についての資料及び指針の提供
ホ.警察署:治安維持、防除作業に関係する交通統制
へ .出 入 国 管 理 事 務 所 、税 関 、検 疫 所:外 国 の 防 除 人 員 、整 備 、機 資 材 の 迅
速な入国手続き、通関、検疫遂行
ト.山林庁:防除用の航空機の支援
8. 防除情報地図の活用
海洋警察庁長は、防除と関係する情報が明示された防除情報地図を作製し、
油 汚 染 に 脆 弱 な 要 素 の 判 断 、防 除 方 法 及 び 保 護 優 先 順 位 を 決 定 す る の に 活 用 す
る こ と で 、 油 汚 染 に よ る 被 害 を 最 小 化 す る の に 努 力 し な け れ ば な ら な い 。( 国
家防除基本計画)
9. 油汚染非常計画書の作成・運用
船 舶 所 有 者 及 び 海 洋 施 設 の 設 置・運 営 者 は 油 が 海 洋 に 排 出 さ れ る 場 合 に 取 る
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べき措置に関する油汚染非常計画書を作成して運用しなければならず、また、
本 防 除 実 行 計 画 と 矛 盾 し て は な ら な い 。( 海 洋 汚 染 防 止 法 第 10 条 及 び 第 36
条)
10. 海洋汚染防除組合及び防除措置の契約者の防除措置
韓 国 海 洋 汚 染 防 除 組 合 又 は 船 舶・施 設 の 防 除 措 置 の 契 約 者 は 海 洋 汚 染 事 故 に
迅 速 に 対 応 す る た め 、船 舶・施 設 の 防 除 計 画 を 別 途 、策 定・運 用 し 、本 防 除 実
行計画と矛盾させてはならない。
第4節
防除組織
1. 防除対策本部
防除対策本部は海洋警察庁長が本部長となり、本部長を中心として統制官、
防 除 技 術 支 援 団 、現 場 指 揮 官 、地 域 防 除 対 策 協 議 会 、海 警 防 除 チ ー ム 、民 間 防
除 チ ー ム 、指 揮 統 制 官 、防 除 状 況 班 、補 給 支 援 班 、広 報 ・行 政 支 援 官 、現 場 調
整 班 等 で 構 成 す る 。し か し 、事 故 規 模 が 中・小 型 な 場 合 は 、本 部 長 を 海 洋 汚 染
管 理 局 長 又 は 海 洋 警 察 署 長 に 委 任・運 営 で き る 。大 型 、中 型 、小 型 事 故 に 関 す
る防除対策本部の構成は〔付属書Ⅰの資料2〕に示したものと同じである。
2. 防除対策本部の指揮部の任務
イ. 防除対策本部長
(1)汚染事故の防除措置の総括指揮及び統制
(2)防除戦略の決定及び防除人員の指揮・統制
(3)海洋汚染事故に関する正確な状況の分析及び評価
ロ. 統制官
(1)対策本部長の補佐及び防除技術支援団の運営
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ハ. 現場指揮官の任務
(1)防除対策本部長の指揮事項の履行
(2)防除作業の計画の策定及び執行
(3)地域防除対策協議会の運営
(4)防除対策本部の運営
① 対策本部班別・チーム別業務調停
② 防除進行事項の評価及び以後の計画調停・報告
③本部班及び現場防除チームの業務協議・調停
3. 防除対策本部班の構成
防 除 対 策 本 部 班 の 構 成 は 次 の 通 り 、ま た 主 要 任 務 は〔 付 属 書 Ⅰ の 資 料 3 〕に
示す通りである。
区分
指揮・統制班
防除状況班
補給支援班
広報・行政班
警通課長
安全課長
警務課長
情報、捜査
海洋汚染
責任者
現場調査班
課長
管理課長
整備係長
警務係長
補給係長
管理係長
通信運営係長
指揮係長
監視係0名
広報担当
関係機関0名
行事担当0名
行為者0名
インターネット運 営
保険会社0名
0名
監視係長
捜査係長
防除係長
海汚課0名
刑事係長
状況室0名
構成員
警備課0名
監視係0名
防除係0名
防除組合0名
捜査係0名
関係機関0名
刑事係0名
現場又は
対策本部
対策本部
対策本部
現場
対策本部
総合状況室
補給所
記者室
対策本部
勤務位置
4. 海洋警察署長の任務
海 洋 警 察 署 長 は 傘 下 に 海 洋 汚 染 防 除 組 織 と 防 除 艇 等 の 防 除 人 員 を 置 き 、地 域
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蔚山地域の防除実行計画
防除実行計画の運営と海洋汚染事故の準備及び緊急防除措置等の業務を担当
させる。
5. 海岸防除協力部署の指定
地 方 自 治 体 長 及 び 地 方 海 洋 水 産 庁 長 は 、傘 下 に 管 轄 海 岸 及 び 港 湾 に 漂 着 し た
油に対する防除措置及び海洋汚染事故に協力する為の業務を担当する部署を
指定しなければならない。
6. 海洋汚染防除組合の装備配置
韓 国 海 洋 汚 染 防 除 組 合 は 、産 業 施 設 が 密 集 し て タ ン カ ー 及 び 中・大 型 貨 物 船
の出入港が頻繁な地域に海洋汚染事故に対する緊急防除措置の為の防除組織
と防除装備を配置しなければならない。
7. 地域防除対策協議会の構成
地 域 防 除 対 策 協 議 会 は 20 人 以 内 で 構 成 し 、 海 洋 警 察 庁 長 が 協 議 会 委 員 長 に
な り 、委 員 は 蔚 山 広 域 市 、東 区 庁 、南 区 庁 、北 区 庁 、蔚 山 郡 、機 張( キ ジ ャ ン )
郡 、蔚 山 地 方 海 洋 水 産 庁 、洛 東 江 環 境 管 理 庁 の 蔚 山 出 張 所 、海 軍 等 の 所 属 す る
公務員の中からその機関の長が指名する1人以上と水産業協同組合及び韓国
海 洋 汚 染 防 除 組 合 の 職 員 、海 運・水 産・防 除 会 社 及 び 精 油・貯 油 施 設 の 職 員 と
住民代表、専門家の中から海洋警察署長が委嘱する者とする。
第5節
計画の修正
1. 地域防除実行計画の修正
地域防除実行計画は、国家防除基本計画に依拠し、海洋警察庁長が策定し、
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計 画 の 修 正 が 必 要 と 判 断 さ れ る 場 合 に は 、海 洋 警 察 署 長 は 地 域 海 洋 汚 染 防 除 対
策協議会の審議を経て、海洋警察庁長の承認を受けて修正できる。
2. 修正事項通報
防 除 実 行 計 画 が 修 正 さ れ た 場 合 、海 洋 警 察 署 長 は 直 ち に 関 係 す る 機 関 、団 体
及び業者等にこのことを通知しなければならない。
3.変動事項の修正
海 洋 警 察 署 長 は 、地 域 防 除 実 行 計 画 の 担 当 者 を 指 定・運 営 し 、地 域 防 除 実 行
計画の単純な資料及び変動事項等を自身で修正することができる。
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蔚山地域の防除実行計画
第2章
第1節
地域評価
海域特性
1.地理的特性
蔚山地域は図 2-1 に示したように比較的単調な海岸線で、周辺に島がほとん
ど分布しない特性を持つ。蔚山周辺海域の水深は沿岸から外海に行くほど急激
に深くなるが、沿岸に隣接した海域だけが 10m以内の浅い水深を持ち、沿岸か
ら5マイル以上離れた大部分は 100m以上の水深を持つ。
図 2-1 蔚山海域の水深分布
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蔚山地域の防除実行計画
蔚山港は釜山港と隣接しており蔚山公園を中心として石油化学工業団地が幅
広く位置している。蔚山港の入出航路は釜山港から上って来ると、蔚山湾の入
口で温山港の入出航路と区分されており、防御陳(パンオジン)の南端を過ぎ
て浦項(ポハン)に連結する航路とも連結されている。このように蔚山湾の入
口航路の交差海域周辺には錨泊地も設定されているので、蔚山港と温山港に入
港する船舶は大部分この錨泊地を利用する。
蔚山周辺海域は潮流が比較的に弱く航路が単調なために、航行未熟による事
故の発生率は比較的低い。しかし、夏に海霧が頻繁に発生し、外海では海流の
影響が強く複雑な流動場が形成されることがあるので、自然災害による海難事
故の発生を憂慮しなければならない。
2.入出港船舶の現況
蔚山港に入港する船舶は 2000 年現在 2 万 4 千隻余りであり、我が国すべての
入港船舶 16 万 3 千余隻の中で 14.7%を占めている。蔚山港に入港する船舶2万
余隻の中で危険物の積載船舶 1 万 4 千隻余りで 68%を占めており、この中でタ
ンカーが8千6百隻余り、ケミカルタンカーが4千余隻を占めている。
〔Ⅰの資
料4、資料5、資料6参照〕
蔚山港に入港する外航船舶は8千余隻で全国に入港する外航船舶4万7千余
隻の約 16%程度であるが、10 万トン以上の外航船舶 243 隻の中で原油運搬船は
218 隻で 90%程度を占めている。5,000 トン未満の沿岸船舶の場合、蔚山港に
入港する船舶の数は1万4千隻余りで全国の 14%に過ぎない。
3.産業施設の現況
蔚山海域は SK 石油公社と双竜精油の精油工場が位置しており、また、SK 石
油公社、双竜精油、韓国石油公社、現代精油等の備蓄基地も位置しており、原
油・重油等を積載した大型タンカーの入出港が頻繁な所である。このような大
型タンカーは図 2-2 に示したように、蔚山石油化学公団及び蔚山本港を連結す
る第1航路とSK石油公社の製品埠頭を連結する第2航路、第1航路で温山港
を連結する第3航路等の主要な3つの航路を通して入出港する。第1航路は蔚
2-2
蔚山地域の防除実行計画
山湾の外側、花岩湫(ファナムチュ)の南側海域の検疫所で分離されており、
そこは一般埠頭及び現代自動車の専用埠頭が位置し、本港に進入する蔚山港の
主航路となっている。主に石炭、肥料原料、有害液体物質及び自動車等を運送
する船舶が入出港している第1航路は、第2航路の分岐点から本港まで約
2.35km がS字型に屈曲している。第1航路の水深は 11m以上であり、航路の
幅は 450m以上を維持している。第1航路の中間から長生浦(ジャンセンポ)港
に進入する第2航路は、石油、LPG及び穀物等を運送する船舶が入出港する。
第1航路と同様に、第2航路の水深及び航路幅も各々11m 以上、450m以上を維
持している。温山港から続く第3航路は、鉱石・原油等を積載した船舶が入出
港している。第3航路の水深は 20m 以上であり、水路幅は 550m 以上である。
図 2-2 蔚山港の航路
2-3
蔚山地域の防除実行計画
蔚山港の港湾追悼施設は約 10km 程度で我が国の全体港湾の約 7%を占め、接
岸能力は約 80 隻程度である。蔚山海域の追悼施設の中の 24 カ所は、1万トン
~10 万トンの接岸能力を持ち、さらにその中の 5 カ所は 10 万トン以上の大型タ
ンカーが接岸できる。
蔚山海域の錨泊地及び繋留施設は、図 2-3 に示したものと同じである。蔚山
海域の繋留施設の中で 1,000 トン以上のタンカーが繋留できる施設は全部で 24
箇所あり、最大接岸可能船舶は 32 万 5 千トン級である。蔚山港の錨泊地は現在
全部で 18 の地域に総数 37 艘が錨泊できる規模で入出港船舶の待機場所として
使用されている。〔附属書 I の資料7参照〕
蔚山海域の貯油施設は総数 15 カ所 300kL~5,560,000kL の容量を持ち、取扱
油種は原油及び中質油系が大部分を占めている。
図 2-3 蔚山海域の繋留施設及び錨泊地
2-4
蔚山地域の防除実行計画
4.漁場及び養殖場の現状
蔚山海域は東韓暖流と北韓寒流が共存していて比較的豊富で多様な生物分布
をみせる。夏季の湧昇により冷水帯の出現で、イワシ等の冷水性魚類が豊富な
漁場を形成している。
蔚山海域の漁場及び養殖場は、2,256ha の面積に総数 177 箇所あり、この中
で町漁業は約 1,383ha の面積に総数 36 箇所が形成され、機張郡と蔚州(ウルジ
ュウ)郡では大部分の沿岸が町の共同漁場を活用している。蔚山海域の養殖漁
業は面積 873ha に総数 141 箇所で運営されている。養殖業の種別の現況は、ワ
カメ養殖と魚類養殖が各々84 箇所と 57 箇所で大部分を占め、その他貝類とし
ては、アワビ、ホタテ、ホヤ等の養殖が行われている。蔚山海域の定置漁業は
総数 3 件で蔚山広域市東区周辺海域に主に分布している。蔚山海域の漁業権の
現況を図 2-4 に示した。
図 2-4 蔚山海域の漁業権の漁業現況
2-5
蔚山地域の防除実行計画
5.気象及び海洋現況
イ.気象現況
蔚山海域は冬季には大陸の寒冷乾燥な高気圧、夏季には高温多湿の高気圧の
影響を受けた大陸性気候をみせる。過去 10 年間、図 2-5 の W 点から観測され
た蔚山地方の年平均気温は 13.7℃、平均最高気温 18.9℃、平均最低気温 9.3℃、
最高気温 38.6℃、最低気温-12.5℃である。(資料出展:気象庁)
年平均降雨量は 1,277mm で降雨日数は約 44 日になる。1 日の最大の降雨量
417.8mm、1 時間の最大の降雨量 76.7mm 程度である。また、降雨量は全国と
共通の現状で、夏季に集中し、多雨地域においては降水の大部分が梅雨期と台
風期の 7 月から9月にわたり、年間降水量の 60%に相当する。一方、冬季には
年間降水量の 4.7%である 60.0mm が降るのみである。霧の発生日数(可視距離
1km 未満)は年間約 11 日で、平均相対湿度は 67.7%である。〔付属書Iの資料
8、資料 9〕
図 2-5 蔚山海域の気象及び水温の観測地点
(気象資料:気象庁、水温資料:国立水産振興院)
2-6
蔚山地域の防除実行計画
図 2-6 で 1986 年から 1995 年まで 10 年間に観測された時間別風況を分析し
た結果、冬季の蔚山港周辺海域の風は北西風と北風が優勢に現われる。冬季の
主風向である北西風の風速は 4m/sec 以上が約 10%で、8m/sec 以上は 5%未満で
ある。春季と冬季の風配は、図 2-7 に示したように北風が若干優勢であるが、
すべての方向でほぼ類似する傾向を持つ。春季北風が若干優勢するが、すべて
の方向でほぼ類似する傾向を持つ。春季の北風の風速頻度分布は 4m/sec 以上が
15%程度で、8m/sec 以上は 5%未満の出現だった。夏季の風況は図 2-8 に示し
たように、北東風と南西風が優勢する傾向を持ち、風速は次第に弱くなる。夏
季の主風向である南西風は 4m/sec 未満が 15%程度で 4m/sec 以上は 5%未満で
ある。秋季には図 2-9 のように、南風が北の方向に変わりながら風速は次第に
強くなる傾向を持つ。秋季の北風の風速は 4m/sec 以上は 20%程度で、8m/sce
以上が 5%未満出現した。通常の季節風以外に〔付属書Iの資料 10〕で示した
ように台風の影響も頻繁に受ける。
図 2-6
図 2-7
図 2-6 蔚山海域、冬季の出現頻度分布
図 2-7 蔚山海域、春季の出現頻度分布
2-7
蔚山地域の防除実行計画
図 2-8
図 2-9
図 2-8 蔚山海域、夏季の出現頻度分布
図 2-9 蔚山海域、秋季の出現頻度分布
ロ.海洋現況
蔚山海域の表面水温(SST)は、図 2-5 の T1点と T2点で 1961 年から 1998 年
まで約 38 年間観測された資料を利用し分析した。
(資料出展:国立水産振興院)
蔚山海域 T1点の表面水温は図 2-10 に
図 2-10
蔚山海域 T1点と T2点の季節別表面水温
2-8
蔚山地域の防除実行計画
示したように、冬季 2 月に約 13℃、夏季 8 月に約 22℃で約 9℃の季節的差異を
みせる。T2点の冬季の表面水温は約 13℃で T1点とほぼ差がないようにみえるが、
夏季の表面水温は東韓暖流の影響で約 24℃を示した。
海水の流動は潮汐による往復性の潮流が卓越し、吹送流が季節によって微小
に変動する様相をみせる。同じく外洋では東韓暖流の影響が強く現れる。
潮汐は約 12.4 時間の周期を持つ半日周潮(M2)が卓越し、季節によって日周
潮(S2)が混合された様相をみせる。高潮と低潮間の潮差は大潮と小潮によって
約 15 日周期で変動するが、蔚山港で大潮時の潮差は約 46.7cm で小潮時の潮差
は 16.3cm である。潮流は潮位の変動によって発生するが、低潮と高潮間で最強
張潮流となり、高潮と低潮間で最強落潮流となる。
図 2-11
図 2-12
図 2-11
蔚山海域の張潮時、潮流分析
図 2-12
蔚山海域の落潮時、潮流分析
2-9
蔚山地域の防除実行計画
張潮時と落潮時の最高流速は約 1.2knot 程度で、流れの反転は蔚山港の高潮
及び低潮時とほぼ一致して起こる。潮流以外に蔚山海域では東韓暖流による海
流が比較的優勢に現われる。東韓暖流は季節によって多少変動するが、ほぼ変
動幅がない為本研究では、平均的な海流分布だけを再現した。蔚山海域の海流
分布は 10 ㎝/sec~20 ㎝/sec の流速、北北東向の流向を持つ。海流分布を考慮し
た蔚山港の張潮時及び落潮時の潮流分布は、各々図 2-11 及び図 2-12 に示し
た通りである。
吹送流は季節による風の特性によって変動する。冬季の吹送流の分布は図 2
-13 で示したように、南西方向が優勢に現われ流速は平均的に 10 ㎝/sec 内外の
となる。夏季の吹送流は図 2-14 に示したように、
5 ㎝/sec 未満で非常に小さい。
図 2-13
図 2-14
図 2-13
蔚山海域の冬季、吹送流の分布
図 2-14
蔚山海域の夏季、吹送流の分布
2-10
蔚山地域の防除実行計画
第2節
流出油の拡散特性
1.流出油の状態変化
海上へ流出した油は、海水流動によって移動しながら多様な物理化学的な減
衰過程を経て海面から除去される。流出油の減衰にかかる時間は、油の流出量、
気象及び海上の状態、油の残留量、油の物理化学的な特性等によって決定され
る。
本節では流出油の多様な特性の中で、蔚山海域の環境的な特性によって海上
の残留量及び拡散に主に影響をもたらす粘性、蒸発率等の関係を考察した。流
出油の粘性は、海上の流出油の流動性を決定するもので高粘度油は流動性が低
い一方、低粘度油は流動性が高い。油の粘性は図 2-15 に示したように、同一
な油の場合でも周辺の温度変化によって差異をみせるが、蔚山海域での流出油
は平均表面水温を考慮すると、図 2-15 の点線で表示された程度の粘性を持つ。
油の蒸発率は海上の流出油の残留量を決定する要因で、油の揮発性の油膜面積
及び厚さ、風速及び海面の状態、気温及び水温、日射量等によって差異をみせ
る。
図 2-15
温度による油の種類別、粘性変化
(点線は蔚山海域の平均表面水温を現す)
2-11
蔚山地域の防除実行計画
蔚山海域の平均気温を適用する場合、油の種類別、蒸発量の時間的な変動は
図 2-16 と同様である。反面、流出油の関係は海上の流出油のエマルジョン化
により体積が増大し、同時に粘性も増加する。海上の流出油のエマルジョン化
の程度は、主に油自体の粘性、水温、海上の状態等によって決定されるが、蔚
山海域の平均表面水温を考慮する場合、油の種類別の関係は、図 2-17 と同様
な時間的な変動をみせる。
図 2-16
図 2-17
図 2-16
油の種類別、蒸発量の時間的な変動(表面水温 20℃)
図 2-17
油の種類別、含水率の時間的な変動(表面水温 20℃)
2.地点別、流出油の拡散経路の予測
海洋汚染事故時、海上へ流出した油は風と潮流、吹送流、海流等の海水流動
によって移動しながら風化作用によって減衰する。流出油による環境影響度の
評価の為には、海上の流出油の海水流動による移送及び減衰過程に対する正確
な予測が優先的に遂行されなければならない。
流出油の移動特性を評価する為に海域内の各地点別、流出油の拡散経路をシ
ミュレーションした。流出油の拡散経路は蔚山海域で優勢に作用する潮流、吹
送流、海流をすべて考慮した後にシミュレーションを実施し、その際、風化に
よる流出油の減衰はないものとみなす。拡散経路は半日周期の潮流の反覆周期
である 12.4 時間を用いて計算し、吹送流の季節変動を考慮して冬、春、夏、秋
2-12
蔚山地域の防除実行計画
の 4 季に対して各々計算した。蔚山の周辺海域で流出油の拡散経路は潮汐によ
る往復性がはっきり現れたが、地形の効果と吹送流の影響で正確に同じ地点に
回帰しないことがわかった。冬季の拡散経路は図 2-18 で示したように、海流
が強い海域では
図 2-18
蔚山海域の地点別、流出油の移動経路(冬季)
2-13
蔚山地域の防除実行計画
図 2-19 蔚山海域の地点別、流出油の移動経路(春季)
北北東の方にほぼ偏る様相をみせるが、海流が弱い海域では北風の影響で南の方に偏
る傾向をみせる。春季と夏季の拡散経路は海域によって差異はあるが、風が弱まるこ
とによって、北北西向の海流の影響で北の方向に偏る様相をみせた。春季と夏季の流
出油移動経路は、
図2-19 と図2-20 に示したものと同様である。
秋季の拡散経路は、
図 2-21 に示したように冬季と類似した様相をみせた。
2-14
蔚山地域の防除実行計画
図 2-20 蔚山海域の地点別、流出油の移動経路(夏季)
3.流出油の沿岸漂着可能性の分析
流出油の沿岸漂着の可能性を把握する為に、海域内のすべての地点に対する流出油
の拡散経路をシミュレーションした。流出油の拡散経路は、蔚山海域を 500m間隔で
区分し、総数 4,893 地点を対象にして計算し、その際潮流、吹送流及び海流を考慮し
た。
2-15
蔚山地域の防除実行計画
図 2-21 蔚山海域の地点別、流出油の移動経路(秋季)
沿岸漂着の可能性は海域内、4,893 個の地点で各々発生した流出油が沿岸へ到達す
るのにかかる時間で評価した。到達時間は流出油の発生量の 50%を基準として計算し、
冬、春、夏、秋の 4 季に対してそれぞれ図 2-21、図 2-23、図 2-24、図 2-25 で
示した。
2-16
蔚山地域の防除実行計画
図 2-22 冬季、蔚山の周辺海域の地点別、沿岸到達時間
(発生量の 50%)
2-17
蔚山地域の防除実行計画
図 2-23 春季、蔚山の周辺海域の地点別、沿岸到達時間
(発生量の 50%)
2-18
蔚山地域の防除実行計画
図 2-24 夏季、蔚山の周辺海域の地点別、沿岸到達時間
(発生量の 50%)
2-19
蔚山地域の防除実行計画
図 2-25 秋季、蔚山の周辺海域の地点別、沿岸到達時間
(発生量の 50%)
2-20
蔚山地域の防除実行計画
海域内各地点別、流出油の沿岸到着時間は、周辺海域の海水流動の分布と関
係があり、沿岸に漂着する量によって異なる。蔚山の海域内で時間による沿岸
漂着流出油の量を算出するために、流出油の時間別の沿岸漂着確率を計算した。
事故地点は流出油の沿岸到着時間の計算と同一に、蔚山海域内を 500m の間隔
で区分し 4,893 個の地点を考慮して各々計算した。季節別に流出後1日経過時
の流出油の沿岸漂着確率を図 2-26 と示し、10 日経過後の各地点別流出油の
沿岸漂着確率を図 2-27 に示した。春季に蔚山海域で流出事故が発生した場合
の、1日経過後及び 10 日経過後、各地点別の流出油の沿岸漂着確率を図 2-28
及び図 2-29 に示した。夏季の1日経過後の沿岸流出油漂着確率を図 2-30 に
示し、10 日経過後を図 2-31 に示した。秋季に流出事故が発生した場合の1
日経過後及び 10 日経過後の沿岸漂着確率を図 2-32 及び図 2-33 に示した。
2-21
蔚山地域の防除実行計画
図 2-26
冬季、蔚山周辺海域で流出事故が発生し、1日経過後の
流出油沿岸漂着確率
2-22
蔚山地域の防除実行計画
図 2-27
冬季、蔚山周辺海域で流出事故が発生し、10 日経過後の
流出油沿岸漂着確率
2-23
蔚山地域の防除実行計画
図 2-28
春季、蔚山周辺海域で流出事故が発生し1日経過後の
流出油沿岸漂着確率
2-24
蔚山地域の防除実行計画
図 2-29
春季、蔚山周辺海域で流出事故が発生し 10 日経過後の
流出油沿岸漂着確率
2-25
蔚山地域の防除実行計画
図 2-30
夏季、蔚山周辺海域で流出事故が発生し1日経過後の
流出油沿岸漂着確率
2-26
蔚山地域の防除実行計画
図 2-31
夏季、蔚山周辺海域で流出事故が発生し 10 日経過後の
流出油沿岸漂着確率
2-27
蔚山地域の防除実行計画
図 2-32
秋季、蔚山周辺海域で流出事故が発生し1日経過後の
流出油沿岸漂着確率
2-28
蔚山地域の防除実行計画
図 2-33
秋季、蔚山周辺海域で流出事故が発生し 10 日経過後の
流出油沿岸漂着確率
2-29
蔚山地域の防除実行計画
第3節
海洋汚染事故の危険分析
今後、特定海域で海洋汚染事故がどの程度の頻度で発生し、また、どの程度
の規模の事故が発生すのかを予測することは容易なことではない。事故が発生
する頻度と規模は事故の原因別に異なり、その直接的な要因として、船舶の通
航量、航路の幅、暗礁の個数、潮流又は海流の強さ、霧日数等の海・気象及び
航行条件を挙げることができる。
従って、流出事故の危険を評値する方法は、当該海域における事故発生確率、
交通密度及び流れを考慮し、船舶間の交差確率と過去の海洋事故率等を全て考
慮の上で行う必要がある。
1. 過去海洋汚染事故の統計による流出事故の危険分析
イ.海洋汚染事故の現況
過去 8 年間(1993 年~2000 年)油による 10kL 以上の海洋汚染事故の発生
総数は 8 件で、年度別発生件数は 94 年2件、95 年 1 件、96 年 1 件、98 年 3
件、99 年 1 件発生した。
〔附属書Ⅰの資料 11〕代表的な汚染事故の現況は表 2
-1 と同じである。
ロ.規模別、海洋汚染事故
過去 8 年間(1993 年~2000 年)に発生した流出量 10kL 以上の海洋汚染事
故 8 件に起因する総流出量は 5,507kL であり、その内 1995 年に発生した
DANITA 号の衝突事故に起因する海洋汚染事故が 4,970kL で 90%を占めてい
る。流出量が 10kL から 100kL である事故は 6 件で全体の発生件数の 75%、
100kL~1,000kL 以上の事故が1件で全体の発生件数の各々12.5%を占めてい
る。蔚山海域の流出規模別、事故現況を図 2-34 に示した。
2-30
蔚山地域の防除実行計画
表
区分
2-1 蔚山海域の主要事故の現況(1993 年~2000 年)
日時
船名
’94.10.10
’94.11.8
’96.12.13
10~
100kL
’98.6.10
’98.10.21
総トン数
CHI 500 号
(クレーン船)
ISEONGIL 号
(タンカー)
BERGE BORG
(原油船)
第 3SINA 号
(ケミカル)
LU HAI65
(貨物船)
36,367
151
150,667
999
7,893
DAESEUNG
’99.1.17
1,470
号
発生場所
事故原因
嶺南火力
座礁
発電所 前
流出量(kL)
B/C 26
軽油 20
防波堤
座礁
B/C 18
双竜精油ブイ
破孔
原油 29
故意
ビルジ 91
不注意
B/C 13
不注意
軽油 17
座礁
B-A、C 323
衝突
軽油 4,970
温山
蔚山港 M1
錨泊地
蔚山港
7埠頭
温山港
双竜埠頭
(タンカー)
100~
1,000kL
1,000kL
以上
’98.1.15
’95.12.22
NEW BARON
(貨物船)
DANITA
(タンカー)
図 2-34
4,400
43,733
蔚州郡 西生面
1マイル 海上
E-3 錨泊地
規模別、海洋汚染事故の発生現況
2-31
蔚山地域の防除実行計画
次に各流出規模別、年度別発生件数を詳しくみると 10kL から 100kL 未満で
ある場合は、94 年 2 件、96 年 1 件、98 年 2 件、99 年 1 件発生した。100kL か
ら 1,000kL 以上である場合は 98 年と 95 年に各々1 件ずつ発生した。
ハ.位置別、海洋汚染事故の発生現況
海洋汚染事故の発生場所は主要港湾の入・出港地域である蔚山港及び蔚山港
の進入水路と待機錨泊地付近の海域、蔚州郡西生面(ソウセンミョン)の艮絶
岬(カンジョルカッ)周辺の海域等である。待機錨泊地は蔚山港と温山港の入
出港船舶が待機する場所で、蔚山港の進入水路、温山港方向の進入水路、防御
陳方向の水路、南方向の水路等が交差しており、船舶間の衝突事故の危険性が
非常に高い海域である。さらに蔚山港の進入水路は、船舶の通航が頻繁で水路
に S 字様の屈曲があり、通航船舶間で衝突の危険が高い。蔚州(ウルジュウ)
郡西生面(ソセンミョン)の艮絶岬(カンジョルカッ)は、釜山‐蔚山間の航
路に隣接している地域として、海霧発生時や夜間で視野の確保が困難な場合、
座礁事故が発生する危険が高い。蔚山港の主要事故発生地点の海域別、事故発
生の現況を図 2-35 に示す。
図 2-35
海域別、海洋汚染事故の発生現況
2-32
蔚山地域の防除実行計画
ニ.船種別、海洋汚染事故の発生現況
蔚山海域の海洋汚染事故発生船舶の船種はタンカーが一番多く、次いで貨物
船の順である。タンカーの事故は、油の取扱施設が散在している関係で様々な
海域で発生しているが、主に錨泊地周辺で事故が多く発生している。蔚山海域
の船種別、汚染事故の発生の現況を図 2-36 に示す。
図 2-36
船種別、海洋汚染事故の発生現況
ホ.原因別、海洋汚染事故の発生現況
海洋汚染事故の原因は、座礁、衝突、沈没、破孔、不注意などの順である。
小型及び大型の海洋汚染事故は、衝突による事故が最も多く、中型事故の場合、
座礁又は沈没による事故が多く発生している。蔚山海域の原因別、海洋汚染事
故の発生現況を図 2-37 に示す。
2-33
蔚山地域の防除実行計画
図 2-37
原因別、海洋汚染事故の発生現況
ヘ.季節別、海洋汚染事故の発生現況
海洋汚染事故の発生時期は事故規模に関係なく、おおよそ晩冬と晩春、晩夏
と早秋の季節に多く発生しており、特に大型の海洋汚染事故は、冬季を除外し
たその他の季節で均等に発生している。蔚山海域の海洋汚染事故の季節別、発
生現を図 2-38 に示す。
図 2-38
季節別、海洋汚染事故の発生現況
2-34
蔚山地域の防除実行計画
2.交通シミュレーションを通じた衝突危険度の分析
ある海域を一定の大きさの格子で区分した後、船舶の通航量と通航条件(航
路、避港方法等)を反映した海上交通シミュレーションを実行することで海域
内の航行危険度を評価した。対象海域は蔚山海域の中で比較的事故が頻繁に発
生しており、今後、埠頭の拡張工事により通航量の拡大が予想される温山港の
進入航路周辺海域とした。危険度の分析は、1998 年と 2000 年に対して実行し、
その後、2002 年の状況に対して予測した。1998 年温山港周辺海域の衝突危険
度の分布を図 2-39 に示し、2000 年の衝突危険度分布を図 2-40 に示した。一
方、今後の交通量の増加を勘案して予測した 2002 年の衝突危険度の分布を図 2
-41 に示す。温山港の進入航路の周辺海域での衝突危険度は、今後 2002 年ま
で持続的に増大するが、危険度指数自体が増加するよりむしろ、危険海域の範
囲が拡大することが明らかとなった。
図 2-39
1998 年、温山港の進入航路の危険度分布
2-35
蔚山地域の防除実行計画
図 2-40
2000 年、温山港の進入航路の危険度分布
図 2-41
2002 年、温山港の進入航路の危険度分布
2-36
蔚山地域の防除実行計画
3.最大流出量の算定
イ. 通行船舶の規模及び事故類型を根拠にした場合
蔚山地域で事故によって油が大量に流出する蓋然性が高い海域は、湾内のタ
ンカー繋留施設又は海上原油ブイ、大型タンカーの主要航路、外海では貨物船
とタンカーの航路付近の海域である。
海上の油類の流出事故は、航海中の他の船舶との衝突又は岸壁や海上の原油
ブイとの衝突、座礁、タンク爆発、バルブ操作のミス、油類の輸送管からの流
出等によって発生する。油類の流出事故において最大流出量の算定を SK ブイ、
韓國石油公社ブイ、双竜精油ブイ等を航行する 30 万 DWT 級のタンカーの勘案
や過去の資料のみから推定することは若干困難であるため、次の事項を前提と
する。
(1)流出事故船舶の大きさは蔚山地域を航海し、繋留施設又はブイを使用す
る最大規模の船舶とする。
(2)流出する油量は破孔位置又は大きさによって異なり、国際協約による仮
想流出量の算定又は隣接国や国際関連団体で適用する最大流出量の算定
方法を参考に最大流出量を決定する。
蔚山海域は背後に石油化学、造船、自動車等、我が国の最大の工業団地が位
置し、取扱貨物別に海外原油ブイ、油類ターミナル、自動車及び梁谷(ヤンゴ
ッ)埠頭等、各種の専用埠頭が設置され、8 万 DWT 級から 30 万 DWT 級のタ
ンカー、5万 DWT 級バルク貨物船等の大型船舶の航行が頻繁な所である。従っ
て、最大流出量の算定には、航行船舶の中で油を最も多く積載する最大規模の
30 万 DWT 級のタンカーとする。そして対象船舶の事故発生時、最大流出量は
破孔ブイの位置を船側と船底と仮想し、上記の算定方法によって計算した後、
最も多い量を最大流出量とする。
2-37
蔚山地域の防除実行計画
(1)国際石油産業環境保護協会(IPIECA)の場合:慨ねタンク1個当り 3 万
トンの原油を積載したタンク 2 個が損傷し、全量流出するものと仮定し、
最大流出量を 60,000 トンと勧告している。
(2)日本の場合:対象船舶の積載重量の 9%が流出すると仮定する方法を採用
しており、30 万 DWT 級のタンカーの場合、27,000 トンとなる。
(3)MARPOL73/78、附属書Ⅰ、第 13 章の規則 22 規定による損傷範囲と規
則 23 方法による仮想流出量の算定の場合:
① 対象船舶が他の船舶又は原油ブイ、岸壁等と船側の衝突により船側が損
傷を受けた場合、最大流出量は約 23,000 トンである(積載油の全量流出)
。
これは 30 万 DWT 級のタンカーが原油を積載した船側タンクの前後(船
首方向)に分離バラストタンクが配置されているため、そこが損傷を受
けた場合、衝突事故発生時、一つの船側タンクから流出するためである。
② 対象船舶が座礁事故のように船底に損傷を受け、船首垂線(forward
perpendicular)から L/3 の長さで船底外板の長さが最大 31.5m、幅 8.6m、
深さ 3.5m 以上の損傷を受けた場合、最大、中央タンク 2 個、船側タン
ク 1 個が損傷した可能性があり、その際、損傷タンク内積載油の 1/3 が
流出する仮定した場合、流出量は約 25,000 トンである。
このように通行船舶の規模根拠に最大流出量を算定した結果、国際石油産業
環境保護協議会(IPIECA)の場合 60,000 トン、日本の場合に 27,000 トン、
MAEPOL73/78 の場合 25,000 トンと算定された。
ロ. 過去の流出事故の発生確率を根拠にする場合
蔚山海域の過去の流出事故発生確率を根拠とし、流出事故の危険度及び最大
流出量を算定する為に 1993 年から 2000 年まで約 8 年間の海洋汚染の発生資料
を分析した。流出事故の危険度及び最大流出量は、極値分析法を使用して流出
事故の発生周期と最大流出量発生確率を算定した。
極値分析では過去の資料を利用し、任意の期間に対する発生確率を計算した
後、これを根拠に流出事故の規模別発生周期及び期間別発生確率を計算する。
本節では蔚山地域の流出事故を 1 年単位に区分し、年間の最大流出事故を選定
し、8 年間の最大流出事故の発生確率を計算した。1993 年から 2000 年までの 8
2-38
蔚山地域の防除実行計画
年間、蔚山地域の海洋汚染事故発生件数、最大流出量及び平均流出量は表 2-2
に示した通りであり、図 2-42 に示す分布となった。年間最大流出は、年間事
故発生件数のデータを利用し一般化(normalization)すると、表 2-3 に示し
たような発生確率及び発生周期と算定される。このような年間最大流出量の発
生確率及び発生周期を用いて、任意の流出量に対する発生周期及び発生確率を
図 2-43 に示した流出量に対する発生確率又は発生周期の関係式から算定した。
表
2-2 蔚山海域の海洋汚染事故の年間発生件数、
最大流出量及び平均流出量
項目
年度
事故発生件数
平均流出量(t) 最大流出量(t)
1993
32
0.76
3.61
1994
24
14.22
46.00
1995
27
626.25
4,970.00
1996
27
4.37
29.50
1997
29
0.68
2.00
1998
27
0.27
0.40
1999
34
2.75
16.84
2000
26
0.16
0.19
2-39
蔚山地域の防除実行計画
図 2-42
蔚山海域の年間海洋汚染事故の
最大流出量及び平均流出量
表 2-3 蔚山海域の年間の最大流出事故発生確率及び再現期間
項目
発生頻度
累積発生確率
発生周期(年)
0.2
0.92
0.05
0.3
0.5
0.95
0.17
0.6
2.1
1.02
0.30
0.8
3.8
1.13
0.44
1.2
16.9
1.20
0.59
1.9
29.6
0.96
0.71
2.9
46.1
0.85
0.82
5.0
4,970.1
0.96
0.94
15.4
最大流出量(t)
2-40
蔚山地域の防除実行計画
図 2-43
流出量に対する発生確率及び発生周期
この関係式によると、表 2-4 に示したように、蔚山海域では 10 年に一度、
約 916 トン規模の海洋汚染事故が発生し、30 年に一度約 38,882 トン規模の海
洋汚染事故が発生する。上記の通航船舶の規模に基づく最大流出量から国際的
石油産業環境保護協議会(IPIECA)が想定する 60,000 トンの流出事故は約 34
年に一度発生し、日本の 27,000 トンは 27 年、MARPOL73/78 の 25,000 トン
は 25 年に一度発生するものと想定される。
2-41
蔚山地域の防除実行計画
表 2-4 蔚山海域の海洋汚染事故
表 2-5 蔚山海域の海洋汚染事故
の発生周期別最大発生量
の流出量の規模別発生
発生周期
最大流出量
最大流出量
発生周期
(年)
(t)
(t)
(年)
100
4.7
1
2.1
200
6.0
2
10.6
500
8.2
5
117.1
1,000
10.3
10
916.0
2,000
12.8
20
9,045.3
5,000
16.8
30
38,881.9
10,000
20.6
20,000
25.0
60,000
33.7
ハ.蔚山海域の最大流出量
蔚山海域で発生する汚染事故の最大流出量は、航行船舶の規模及び事故類型
を根拠とした場合、60,000 トンと想定され、過去の流出事故の発生確率を根拠
にするとこのような事故は、約 34 年ごとに発生することが分かった。この分析
結果を基に本防除実行計画では、蔚山海域の最大流出量を 60,000 トンと想定し
た。
4.流出事故多発地点の流出油拡散予測
蔚山海域の海域特性及び事故危険分析の結果、表 2-6 の 3 箇所が流出事故の
多発する海域と想定された。海域Aは 1,000kL 以上の事故が多数発生した海域
であり、最大規模の事故が発生する海域と選定した。海域Bは 100~1,000kL
規模の事故が多数発生した海域であり、事故発生時、周辺の漁場等に最も被害
が大きい海域と選定した。海域Cは 100kL 未満の事故がしばしば発生し、この
海域で流出事故が最も頻繁に発生する海域と選定した。各々の海域に対する季
節別流出事故による時間別流出油の拡散範囲及び周辺海域の被害範囲は次の通
りである。
2-43
蔚山地域の防除実行計画
表 2-6 蔚山海域の事故多発の可能海域
規模別
発生地域
代表的な事故類型
備考
1,000kL 以上
蔚山市 龍淵洞 南方向 錨泊地
衝突
A地域
100~1,000kL
艮絶岬
海上
座礁
B 地域
蔚山本港と長生浦港の分岐点
衝突
C地域
100kL 未満
東方向
3km
イ.地点A(蔚山市龍淵洞南方錨泊地)
地点Aは蔚山湾と温山湾の流入水路の交差地点に位置し、比較的複雑な海水
流動の影響を受けている。地点Aから張潮時の潮流は防御陳南方向の沿岸に沿
って流入し、温山湾と蔚山湾の方に流れ、水路に沿って南から北へ流れ、流速
は約 0.3knot である。落潮時の潮流は、張潮時と類似する大きさを持ち、流向
は張潮時と反対の方向となる。地点Aからの吹送流は、冬季に約 0.1knot の大
きさを持ち、流向は張潮時の潮流と類似する。南東風が強い夏季には、吹送流
は北西の方向に隣接する海岸線の影響から大きくは発達せず微弱した分布とな
る。地点Aからの海流は落潮流と類似し、約 0.1knot の流速を持つ。
地点Aから冬季及び夏季に流出した油の時間別拡散範囲を図 2-44 及び図 2
-45 に示す。
2-43
蔚山地域の防除実行計画
図 2-44
蔚山海域の事故多発地点Aにおける冬季流出事故後の
経過時間別、拡散範囲
2-44
蔚山地域の防除実行計画
図 2-45
蔚山海域の事故多発地点Aにおける夏季流出事故後の
経過時間別、拡散範囲
2-45
蔚山地域の防除実行計画
ロ.地点B(艮絶岬の東側 3km 海上)
地点 B は釜山‐蔚山間の航路周辺に位置し、突出した艮絶岬の影響により比
較的に強く潮流の影響を受ける。張潮時の潮流は北側の温山沿岸に沿って南下
し、艮絶岬を通り過ぎて古里(コリ)沿岸に流入する。
落潮時の潮流は張潮時と反対に、南側から北上し艮絶岬を通り過ぎて蔚山湾
に側に流入する。流速は張潮時と落潮時の両者とも約 0.8knot の大きさを持つ。
地点 B から冬季の吹送流は、海岸線が西側に位置した影響で大きくは発達せず
微弱した分布となる。地点 B での海流は艮絶岬の影響で北東側に偏向し、全般
的な傾向は張潮流と類似した分布となる。
地点 B で冬季及び夏季に流出した油の時間別拡散範囲を図 2-46 及び図 2-
47 に示す。
ハ.地点 C(蔚山本港と長生浦港の分岐点)
地点 C は蔚山湾の内部に位置し、比較的に微弱な海水流動の影響を受ける。
張潮時の潮流は外海側から蔚山湾の内側に流入し、落潮流は反対に湾内で外海
側に流出する。張潮時及び落潮時の潮流は 0.1knot 未満で微弱である。吹送流
は反閉鎖的な内湾の特性から冬季と夏季の両者とも極めて微弱ながら出現する。
海流も潮流や吹送流と類似した微弱な分布をみせる。
地点 C で冬季及び夏季に流出した油の時間別拡散範囲を図 2-48 及び図 2-
49 に示す。
2-46
蔚山地域の防除実行計画
図 2-46
蔚山海域の事故多発地点 B において冬季流出事故後の
経過時間別、拡散範囲
2-47
蔚山地域の防除実行計画
図 2-47
蔚山海域の事故多発地点 B において夏季流出事故後の
経過時間別、拡散範囲
2-48
蔚山地域の防除実行計画
図 2-48
蔚山海域の事故多発地点 C において冬季流出事故後の
経過時間別、拡散範囲
2-49
蔚山地域の防除実行計画
図 2-49
蔚山海域の事故多発地点 C において夏季流出事故後の
経過時間別、拡散範囲
2-50
蔚山地域の防除実行計画
第3章
第1節
海洋汚染の報告及び通信
汚染申告
1.海洋警察署長は海洋汚染事故の迅速な受付と対応の為に海洋汚染申告セ
ンターを運営しなければならない。申告センターは海洋警察署の海洋汚
染管理課、状況室、申告所等を活用できる。〔附属書Ⅰの資料 12〕
2.海洋汚染事故の申告を最初に受付けた関係機関等は、遅滞なく申告内容
を海洋警察署長に通報しなければならない。
3.海洋汚染防止法、第 47 条の規定によって油の場合は、200L を超過して
海洋に排出された場合あるいは排出されるおそれがある場合、当該船舶
の船長、施設の管理者、原因行為者、発見者は遅滞なく海洋警察署長に
申告しなければならない。
4.3 項の申告は書面、口述、電話、無線電信等を利用でき、内容は次の通り
である。
イ.海洋汚染事故の発生日時、場所及び原因
ロ.排出量(推定量)、拡散状況及び応急措置事項
ハ.海面の状態及び気象状態等
第2節 報告及び通報
1.海洋汚染事故の防除措置と関連して、関係機関の間で情報を共有し、協
力体制を構築する為に随時又は定期的に海洋汚染事故の進行状況及び防
除措置事項を〔附属Ⅰの書式 1〕に示した様式で関係機関に通報しなけれ
ばならない。
3-1
蔚山地域の防除実行計画
2.円滑な報告及び通報の為に海洋警察署及び関係機関間に別途の連絡窓口、
状況室又は担当組織を構成、運営しなければならない。これに対する非
常連絡網及び通信網は事前に構築されなければならない。
第3節
非常連絡体制の構築
1.海洋警察署長は防除対策本部の要員及び関係機関、関係団体、業界等に
対する非常連絡網を構築し維持しなければならない。〔附属書Ⅰの資料
13〕
2.海洋汚染事故の発生時に構築された非常連絡網を利用して海洋警察署長、
関係課長、海洋汚染管理課員、防除艇の職員等を非常召集する。
第4節
防除通信網の構築
1.基本的に海上防除作業の指揮通信は警察無線通信、港務通信(VHF
15、
17)を利用して、補助的に有線又は無線通信網を活用する。〔附属書Ⅰ
の資料 14〕
2.防除対策本部と現場指揮官との連絡は警察の無線通信を利用し、現場指
揮官と海上防除チーム(民間防除チームを包含)間に指揮通信は、港務
通信チャンネル(主チャンネル、補助チャンネル)を活用する。
3.海岸防除作業時には地方自治体の漁村係又は町別に現場防除指揮所を設
置し、別途の有線又は無線通信網を構築し、防除対策本部と常時の連絡
体制を構築する。
3-2
蔚山地域の防除実行計画
第4章 防除資機材の動員及び財政
第1節
防除資機材の保有現況
1.蔚山海洋警察署長は管轄海域内の関係機関及び関係団体、業界等が保有し
ている防除資機材の保有現況及び運用担当者、性能、動員条件、非常連絡
等を正確に把握し、事故発生時の初動対応段階及び地域対応段階に対応し、
防除装備を動員できるように年に 1 回以上確認・点検をしなければならな
い。各段階の分類及び動員体制は次の通りである。
イ.初動対応段階:蔚山海域の海警署及び防除組合支部の防除船、防除資機
材の動員
ロ.地域対応段階:蔚山海域の隣接海警署及び地域関連機関、団・業者が保
有する防除船及び防除資機材の追加動員
ハ.国家対応段階:全国規模の防除人員を総動員
ニ.国際支援段階:隣接国家(NOWPAP 会員国)への支援・協力
※国家対応段階及び国際支援段階は海洋警察庁で管掌
2.防除資機材及び補助防除装備と関連業界の目録は次の通りで、各々の細部
項目及び現況は〔附属書Ⅰの資料 15、資料 16、資料 17〕と同じである。
イ.防 除 資 機 材:防除船、油回収機、オイルフェンス、油吸着材、油処理
剤、油ゲル化剤等
ロ.補助防除装備:タンカー、油槽艀船、作業船、曳引船、タンクローリー
車輌、バキュームカー、高圧洗浄機等
ハ.関 連 業 者:防除業者、油槽清掃業者、廃油処理業者、防除資機材生
産・販売業者、救難業業者等
4-1
蔚山地域の防除実行計画
3.防除能力の算定
イ.国家防除能力の算出式:次のように平均的な動員率 33%を適用
防除能力 = 時間当り回収容量×0.2(機械的効率)× 3 日× 8 時間/日
× 1.65(実効的効率)× 0.33(動員率)
ロ.地域別防除能力の算出式:地域別動員率及び作業時間の適用
① 当該地域、海警署の保有装備の動員:動員率 100%、作業時間は 24 時間
(3 日×8 時間)を適用
② 当該地域、民間の保有装備の動員:動員率 80%、作業時間は 20 時間(2.5
日×8 時間)を適用
③ 他地域、装備の海上動員:動員率 70%、作業時間は 16 時間(2 日×8
時間)を適用
④ 他地域、装備の海上動員:動員率 60%、作業時間は 8 時間(1 日×8 時
間)を適用
第2節
最大流出事故時、防除資機材の動員計画
1.流出油の回収計画
海上に流出した油は一部が蒸発し、エマルジョン化の過程を経て体積が増加
する。実際の汚染事故発生時、流出油の量は種類、海上の状態、水温及び気温、
経過時間等によって流出油の蒸発量及びエマルジョン化による体積増加の比率
を考慮して決定しなければならない。本節では仮定の最大流出量を選定し、こ
れに対する動員計画を策定する際、流出油の蒸発及びエマルジョン化等の化学
的な流量変化はないと仮定し、危険評価で算出された最大流出量である 60,000
トンに対する動員計画を策定した。
蔚山海域の場合、海水流動が比較的遅く、海岸線が単調で海上からオイルフ
ェンスを利用して流出油を集めた後、油回収機で除去する海上除去に努めなけ
ればならない。蔚山海域を 500m 間隔で区分し、流出油の沿岸漂着可能性を予
測した結果、3 日間で流出油の 25%は沿岸に漂着して残留し、75%は海上に残
留することが分かった。従って、本動員計画では海上回収を通して流出油の約
4-2
蔚山地域の防除実行計画
75%である 4,5000 トンを回収し、海岸回収を通して約 25%である 15,000 トン
を回収することで計画した。
2.防除資機材の動員計画
イ.初動対応段階:蔚山海洋警察署と韓国海洋汚染防除組合蔚山支部の防除
資機材を動員する場合、利用可能な防除資機材の現状及び防除能力は次
の通りである。(蔚山海洋警察署の資料参照)
防除船舶
オイルフェンス
油回収機
油処理剤
油吸着材
防除能力
(隻)
(m)
(台/容量)
( L )
(kg)
(kL)
海洋警察署
1
2,100
10/558
28,510
6,420
1,740.9
防除組合
4
4,020
13/883
7,772
825
1,836.6
合計
5
6,120
23/1,441
36,282
7,245
3,577.5
区分
※
油回収機は防除艇に搭載された油回収機を含む。
※
防除能力は
海警署 558kL/時間 × 0.2 × 3 日 × 8 時間/日 × 0.65 = 1,740.9
防除組合 883kL/時間 × 0.2 × 2.5 × 8 時間/日 × 0.65 × 0.8 = 1,836.6
(1)蔚山海域で流出事故発生時、初動対応に動員可能な防除能力は 3,577 ト
ン程度である。事故初期の場合に流出油の大部分が海上から拡散するた
め動員可能な防除能力をすべて海上除去に投入できるが、海上除去量で
ある 4,500 トンを除去するには非常に不足した状態にあり、地域関係機
関及び全国の防除能力の段階別動員方法を検討しなければならない。
(2)管内の関係機関、団体・業界の保有防除船及び防除資機材を追加動員す
る場合、次のように約 430 トン程度の防除能力が追加できるので、これ
らすべてを海上除去に投入する場合、海上除去の計画量 45,000 トンの約
9.0%である 4,067 トンの防除能力を確保できる。
4-3
蔚山地域の防除実行計画
防除船舶
オイルフェンス
油回収機
油処理剤
油吸着材
防除能力
(隻)
(m)
(台/容量)
( L )
(kg)
(kL)
関係機関
0
1,540
0
6,304
2,430
0
関係団体
0
450
0
792
140
0
業界
13
21,194
14/495
114,850
12,680
509.6
業界
13
23,184
14/495
121,946
15,250
509.6
区分
※
油回収機は防除艇に搭載された油回収機を含む。
※
防除能力は 495kL/時間 × 0.23 × 8 時間 / 0.65 = 509.6kL
(3)蔚山海域の場合、流出油の海岸漂着可能性が比較的に低いので、海上
除去を効率的に遂行するための油回収機、オイルフェンス及び油回収
機の動員方法が積極的に検討しなければならない。次に、事故海域周
辺の海岸清掃の為に、地方自治体の支援を要請しなければならない。
ロ.国家対応段階:全国規模の防除能力の支援を受ける段階における動員可
能な油回収機の時間当り容量(kL/時間)は次の通りである。
海洋警察署
海域
総量
総計
陸上
防除組合
海上
総量
陸上
防除業界
海上
総量
陸上
海上
4,451 1,931 2,520 3,550 1,004 2,546 2,016
283
1,733
釜山
899
459
440
363
11
352
634
100
534
仁川
539
199
340
680
238
442
231
105
126
麗水
693
313
380
971
191
780
792
14
778
統営
329
249
80
202
90
112
0
0
0
泰安
415
235
180
726
303
423
280
40
240
木浦
471
111
360
0
0
0
0
0
0
浦港
318
138
180
236
111
125
79
24
55
群山
240
60
180
190
0
190
0
0
0
東海
242
62
180
137
40
97
0
0
0
束草
13
13
0
0
0
0
0
0
0
済州
292
92
200
45
20
25
0
0
0
4-4
蔚山地域の防除実行計画
(1)国家対応段階で全国規模の防除能力を総動員する場合、その能力は次
のように補充できる。
回収能力(kL/時間)
防除能力
総量
陸上
海上
総量
陸上
海上
10,017
3,218
6,799
8,928
4,685.4
4,242.6
※防除能力は
陸上:3,128kL/時間 × 0.2 × 2 日 × 8 時間/日 × 0.65 × 0.7 = 4,685.4kL
海上:6,799kL/時間 × 0.2 × 1 日 × 8 時間/日 × 0.65 × 0.6 = 4,242.6kL
(2)国家対応段階で全国規模の防除能力を総動員する場合、その能力は
8,928 トンが追加され、これらをすべて投入するとしても防除能力は
13,107 トンで海上収去計画量である 45,000 トンの 29.1%に過ぎず、総
回収計画量 60,000 トンの 21.8%程度である。
(3)従って、国家的な次元から迅速に NOWAP 会員国に支援を要請する国
際支援段階の動員計画を策定しなければならない。加えて、防除能力
の不足により除去出来なかった流出油に起因する海岸の環境被害が深
刻に憂慮されるため、全国民を対象に公報を通して、積極的な支援を
要請しなければならない。
ニ. 国際支援段階:不足した防除能力に関する線密な検討を基に、NOWAP
会員国からの支援を要請しなければならない。このための国家的な次
元から装備の出入国等、行政処理及び諸般の手続きに関する緊密な協
調体制を事前に構築しなければならない。
第3節
専門対応チームの構成
海洋警察署の保有防除船及び防除装備を迅速・動員するための装備別専門運
用チームである海警防除チームと防除組合、防除業者、救難業界等の特性に応
じた専門チームである民間防除チームを事前に構成し、事故発生時、防除対策
本部長又は海洋警察署長がこれらのチームを動員する。
4-5
蔚山地域の防除実行計画
専門対応チームは次のように構成され、海洋汚染事故の規模によってチーム
の規模を増減させる。〔附属書Ⅰの資料 18〕
1.海警防除チーム
イ.構成:油回収機の搭載船舶、オイルフェンス展張船、バージ船
ロ.動員装備:油回収機、オイルフェンス(オイルフェンスの固定時
アン
カー、ロープ、アンカーブイ、三脚等が必要)
ハ.運用
(1)海上回収:VOSS(Vessel of Opportunity Skimming Systems)型船舶を
運用し、U 型、V 型、J 型にオイルフェンスを展張して誘導しながら回
収する。
(2)海岸回収:海岸へ誘導された流出油をオイルフェンスで集め回収する。
この場合に小型船舶及びオイルフェンス用アンカーが必要である。
2.民間防除チーム
防除組合、防除業界、救難業界等の特性による専門チーム(拡散防止、海上
回収、流出口の封鎖及び移動)を事故類型により選別動員できるように事前に
状況を把握し、運用できるように計画を策定する。民間防除チームの中で船体
救難及び油類運搬チームは、海上クレーン、曳引船、タンカー、高圧ポンプ、
破孔部位の応急封鎖資材、潜水夫等で構成する。
第4節
防除資金の運営
1.防除対策本部及び関係機関は、原因者の費用負担原則により行為者及び保
険会社から防除費用の支出を受けるような対策を検討しなければならな
い。
2.原因者の防除資金が適当な時期に支出されない場合、まず防除対策本部及
び地方自治体、国家又は地方予算で充当し、事後、原因者に防除費用の支
4-6
蔚山地域の防除実行計画
払いを求める方法を検討する。
第5節
補給
1.海洋警察署長及び海域管理庁長は、海上及び海岸で遂行される防除措置の
過程で必要とする資材、被服、飲食料等を供給できるように最も近い地域
に補給所の設置及び運搬対策を検討しなければならない。
2.海洋警察署及び関係機関の補給責任者は、防除資機材及び一般の消耗品の
円滑な受給の為に、防除作業の期間(短期、中期、長期)によって適切な
供給及び効率等を事前に把握、維持し、事故発生時、一日当たりの使用量
及び防除完了期間を勘案して必要な量を確保する。
4-7
蔚山地域の防除実行計画
第 5 章 防除実行
第1節
防除組織の運営
1. 防除対策本部の設置・運営
イ.設置時期:原油等、持続性油の 30kL(非持続性 100kL)以上の流出事故
発生又は海洋環境の保全に顕著な被害をもたらし被害を及ぼす恐れがあ
り、海洋警察庁長が対策本部の設置が必要だと判断する場合は防除対策
本部を設置・運営する。ただし、次の場合には設置を省略でき、海洋警
察署長が海洋警察署の対応機能を勘案して対策班を編成・運営する。
(1)汚染事故が外海で発生し、沿岸への流入の恐れがない場合
(2)迅速な応急措置により、短期間で防除完了が予想される場合
(3)海洋警察庁長(署長)が油の流出状況を勘案し、防除対策本部の設置
の必要性がないと判断した場合
ロ.設置場所:蔚山海洋警察署に設置する。しかし、必要時、汚染地域の近
隣に防除指揮所(船)を置くことができる。
ハ.本部指揮体系及び運営
(1)現場防除チームは、海洋警察署長の指揮下に海洋防除チームと民間防
除チームを編成し運営され、
① 海警防除チームは、海警保有の防除船及び防除装備別に民間人、運用
付帯装備を含む専門運用チームを事前に構成し、防除作業を実施しな
ければならない。
② 民間防除チームは、防除組合、防除業者、救難業界等の特性に応じた
専門チーム(拡散防止、海上回収、流出口の封鎖及び運搬)を事故類
型によって選別・動員できるように事前に準備し、防除作業を実施す
る。
5-1
蔚山地域の防除実行計画
(2)状況(現場)処理・支援チームは、海洋警察署と関係機関合同で事前に
構成し、事故発生時、防除対策本部に勤務、指揮統制班、防除状況班、
補給支援班、広報、行政班、現場調査班で任務を分担して本部長の指揮・
統制によって行動する。
(3)防除対策本部の権限の委任:事故規模によって防除対策本部長の権限を
海洋汚染管理局長(中型の場合)又は海洋警察署長(小型の場合)に委
任する。
① 大型の海洋汚染事故:持続性油が 1,000kL 以上の流出
② 中型の海洋汚染事故:持続性油が 100kL 以上 1,000kL 未満の流出
③ 小型の海洋汚染事故:持続性油が 30kL 以上 100kL 未満の流出と非持
続性油が 100kL 以上の流出
2.海岸漂着油は管轄地方自治体長又は港湾法 第 2 条第 6 号の規定により、
港湾施設を管理する行政機関の長が主管となり〔附属書Ⅳの海洋汚染防
除作業の指針〕によって防除作業を実施するようにする。
3.地域海洋汚染防除対策協議会は、汚染事故に対する防除対策と関係機関
の協調事項を審議議決する為に海洋警察署長が事故発生時に召集する。
〔附属書Ⅰの資料 19〕
4.防除技術支援団は、事故発生時、防除対策本部長の科学的な意思決定の
為に事故現場と用務地で現場から提供された情報を評価・分析し、拡散
予測、防除方法及び優先順位の決定及び事故処理関連の全般的な技術支
援の諮問業務を遂行する。
〔附属書Ⅰの資料 20〕
5-2
蔚山地域の防除実行計画
第2節 初動措置
1.現場状況調査
事故発生時、海洋警察署長は迅速に航空機と警備艦艇(可能な限り航空機を
活用)を利用し、次の事項を把握して〔附属書Ⅰの書式 2〕に示した汚染事故評
価書を作成する。
イ.汚染源の把握
(1)船舶の諸元:船名、船種、総トン数等
(2)油の積載量:総積載量及びタンク別積載量を kL 単位で把握
ロ.事故船舶(施設)の状態及び予測
(1)船体・施設状態:座礁・浸水・沈没・転覆・破損等の船体の状態と安
全性
(2)油タンク破損の有無:船体の状態による油タンクの破損の有無
(3)油流出状態:持続性又は非持続性の流出の有無
(4)流出量(予測量)
:流出量の計算方法と汚染拡散範囲を根拠とする推定
ハ.油の特性及び拡散状態
(1)汚染油の特性把握:粘度、比重、流動点等
(2)流出油の拡散状態の把握:拡散速度、長さ、幅、色、移動方向等
ニ.事故海域の海上及び気象の把握
(1)風向、風速、波高、気温、水温、張潮及び落潮時の潮流流速、潮汐時
間、気象情報事項
ホ.汚染拡散(予測)海域の脆弱資源の分布状況(防除情報地図の印刷添付)
(1)水深、底質、漁場・養殖場、海水の取水施設、海水浴場、観光娯楽地
等
ヘ.適用可能な防除方法及び優先順位
(1)流出口の封鎖、残存油の移動、拡散防止、脆弱海域の保護、回収作業、
油吸着材の回収・除去、油処理剤の使用、海岸・港湾誘導等
5-3
蔚山地域の防除実行計画
2.応急措置
海洋警察署長は、海洋警察署、防除組合、防除業者、救難業界等の船舶及び
装備を動員し、事故の悪化防止、拡散防止の為に次の措置を施行し、必要に応
じて防除技術支援団の支援または諮問を受ける。
イ.使用可能な航空機及び防除艇、警備艦艇の出動措置(航空監視の支援要
請は〔附属書Ⅰの書式 3〕を使用)
ロ.事故処理に必要な部署から非常召集
ハ.汚染源からの継続的な流出の防止措置
(1) 船体状態の把握及び安全措置の方法の考案
(2) 破孔個所及び Air-vent 等流出口の封鎖
(3) タンク内の油を他のタンク又は他の船舶に移籍する措置
ニ.海上流出油の拡散防止及び回収
(1) 事故船舶の周辺に拡散防止用オイルフェンスを設置
(2) 防除艇の油回収機を使用した流出油の回収作業の実施
3.海洋汚染発生の報告及び伝達
イ.汚染発生の報告
(1)状況室長は汚染発生報告を受けた場合、海洋汚染管理課長の統制を受
け、本所に初期状況の報告後、定期的に進行事項を報告
(2)
〔附属書Ⅰの書式 4〕の様式を使用し、事故概要、船体・汚染状態、措
置、気象及び海域特性等を報告
ロ.状況の伝達
(1)海警署:地方海洋庁、市・郡等(必要時軍、警察、地方環境管理庁、
水協等)に状況の伝達及び周辺海域の航行船舶に警報発令
(2)海警庁:青瓦台(大統領府)
、総理室、海洋水産部等に状況の伝達(持
続性油が 30kL 以上流出時、NOWPAP 会員国に通報)
5-4
蔚山地域の防除実行計画
第3節
防除措置
1.汚染事故の評価
防除対策本部長は、事故現場調査、流出油の拡散状況の把握(航空機、警備
艦艇及び支署・申告所の要員活用)、流出油の拡散予測結果、防除情報地図等を
参照して汚染状況を総合評価する。
2.防除戦略の決定及び計画策定
防除対策本部長は、汚染事故の総合評価の結果及び流出油拡散予測の結果や
防除情報地図等を基に防除対策本部会議を開催して最適の防除戦略を決定し、
防除計画を策定し、必要に応じて防除技術支援団の諮問を受け施行する。
イ.防除戦略及び計画策定の主要な内容
(1) 事故船から継続的な流出の防止対策及び汚染拡散状況の把握
(2) 防除対策本部等、防除組織の運営
(3) 流出油の拡散防止及び脆弱海域の保護対策
(4) 流出油の回収・除去方法と海上及び海岸からの回収比率
(5) 油処理剤散布の可否、散布比率等を判断
(6) 回収・除去された油の貯蔵・保管及び最終処理
(7) 防除チームの動員範囲
(8) 補給支援及び指揮・通信網の構築
(9) 漁場、養殖場及び野生動物の保護対策
(10) 危険防止・安全及び保険に関する事項
(11) 陸上の交通統制及び海上の船舶統制
5-5
蔚山地域の防除実行計画
ロ.蔚山海域の防除戦略の策定時、考慮事項
(1) 海域特性の要約
項目
地域的特性
季節風の影響を受けるが地形的な影響で冬季に比べ、夏季の
気象
吹送流は大きく発達しない。夏季には湧昇による冷水帯の発
達に起因して濃い海霧が頻繁に発生する。
年平均水温は 20℃程度で、約 10℃程度の年変動幅をみせる。
水温
東韓暖流の影響で釜山地域と類似し、他の海域に比べて高い
水温をみせる。夏季には蔚岐周辺海域を中心として湧昇現象
が発生し、大規模な冷水帯が形成される。
潮流、吹送流、海流が複合的に現れるので季節別、潮時別に
海水流動
複雑な分布を見せる。潮流、吹送流、海流をすべて包含する
海水流動の流速は 1.5knot 程度である。
海底面の状態
漁業権の形態
タンカーの
大きさ
主に岩盤質で構成され、座礁事故発生時、大型の流出事故に
拡大する可能性が大きい。
単調な海岸線と深い水深の影響で、養殖が中心である。蔚州
郡及び機張郡の一部の沿岸には、養殖漁業が若干存在する。
単調な海岸線の影響で座礁事故より衝突事故が多い。タンカ
ーの通行が頻繁で事故発生時、大型の流出事故の可能性が大
きい。
5-6
蔚山地域の防除実行計画
(2)海域特性を考慮する防除戦略
① 環境脆弱箇所:原子力発電所、大型の精油会社、造船所等、主要な産
業施設が散在していて、これらに関する保護を優先的に考慮しなけれ
ばならない。さらに海岸道路に沿って有名な海水浴場が位置し、一部
の海域には漁業及び養殖場が幅広く分布し、大部分が海岸に対する保
護対策及び効率的な防除対策を必要とする。
② 防除方法
・ 海岸線が単調で流出油の沿岸漂着可能性が少ない為、海上回収による
回収作業を主力としなければならない。
・ 海水流動が比較的微弱でオイルフェンスを利用する流出油の捕集及び
回収が容易であり、海上除去チームを積極的に活用しなければならな
い。
・ 流出油が一度、外海へ流れると沿岸に接近する可能性が少ないので防
除技術支援団の諮問を受け、油処理剤の航空散布を考慮できる。
・ 深い水深の影響で海岸への誘導防除時、オイルフェンスの沿岸での固
定が困難であるため、船舶を利用しオイルフェンスを展張して流出油
を誘導しながら捕集・回収する戦略が必要である。
・ 海岸は岩盤質が発達しており、高圧洗浄法を利用する海岸防除を効率
的に行うことができる。海岸に沿って海岸道路が発達しており、海岸
防除時、廃棄物の処理及び防除機資材の補給を大規模で円滑に遂行で
きる。
3.防除措置命令
海洋警察署長は、海洋汚染事故の発生時、海洋汚染防止法 第 48 条第 3 項及
び同法、施行令 第 26 条の規定により、原因行為者及び事故船舶、施設所有者
に事故状況の確認結果を基に防除措置の期間、防除措置の海域、防除措置の内
容を包含する防除措置命令を下す。防除命令書は〔附属書Ⅰの書式 5〕によって
行う。
5-7
蔚山地域の防除実行計画
4.流出油の拡散・予測及び追加応急措置
イ.流出油の拡散・予測及び移動の監視・評価
(1)防除技術支援団の諮問を受けるか、または拡散予測の電算システムを活
用し、随時、予測をしなければならない
(2)流出油の移動及び拡散範囲を航空機、警備艦艇、支署・申告所等を利用
し、定期的に一貫した探索を実施しなければならない。特に確認資料の
正確さや一貫性を維持するために、同一な者による探索及び報告体制が
維持されなければならない。その際、
〔附属書Ⅰの書式 6〕の様式を利
用しなければならない。
ロ.船体構造、残存油の移動等、追加的な応急措置の対策決定
(1) 海洋警察署長は、事故船の船主及び保険会社の関係者を召喚し、対策を
協議して、必要時に防除技術支援団(船体救難部門)の諮問を受け、事
故船体状態を総合的に評価し、継続する流出防止の為の船体安全措置及
び流出口の封鎖措置及び船内の残存油の移積措置計画を策定・施行する。
(2) 海洋警察署では、非常時に船体安全措置及び残存油の移積能力を持つ業
者を把握、事前に専門チームを構成して非常連絡網を維持し、事故発生
時、応急措置を施行する。〔附属書の資料 21〕
5.流出油の拡散防止及び脆弱海域の保護
蔚山海域では流出油の拡散防止の為のオイルフェンスは、海水流動が比較的
弱いので展張が容易であるが、大部分の海岸線が単調であり、岩盤質で構成さ
れた沿岸では固定が難しい。従って、固定点にオイルフェンスを設置し、流出
油を集めるよりは、船舶を利用してオイルフェンスを展張し、流出油に沿って
回収し、一部の残存流出油は沿岸に誘導して回収する必要がある。
蔚山海域
では、海水流動が比較的微弱で流れと反対方向に移動しながら流出油の拡散を
防止し、集めること可能である。この時、集めた流出油は、油回収機を利用し
て現場から除去しなければならない。回収又は除去が難しい状況では、沖方向
へ誘導して蒸発による自然放散も考慮できる。
5-8
蔚山地域の防除実行計画
蔚山海域で流出油の拡散防止の為のオイルフェンス利用方法は次の通りであ
る。
イ.外海の場合、2~3 隻の船舶を利用して U 型、V 型、J 型の方法でオイル
フェンスを展張し、潮流の流れの逆方向から集めた後回収する。捕集又
は回収が困難な場合、防除情報地図を活用して流出油の拡散方向を脆弱
度が低い沿岸へ誘導し、そこで回収してさらに沖方向へ誘導して蒸発に
よる自然放散させる方法も考慮できる。
ロ.沿岸ではオイルフェンスの固定の場所を選定し、オイルフェンスの片方
の端を固定して反対側の端を船舶で展張する方法が考慮できる。また固
定の場所を選定できない場所では、2 隻の船舶を利用して U 型方法でオ
イルフェンスを展張し、オイルフェンスの固定が可能な海岸側へ誘導す
ることが必要である。この場合、流出油が海岸に漂着する可能性がある
為、海岸の流出油回収場所は、防除情報地図に示された海岸の特性を勘
案し、可能ならば汚染被害が少なく作業が容易な場所を選定の上、海岸
の清掃作業を準備しなければならない。
ハ.オイルフェンスの設置後は、流出油の拡散防止効果、海水流動の影響に
よる伸張状態の変形、オイルフェンスの損傷有無等を随時に確認し、管
理船舶を指定、管理・維持する。
6.油回収機による流出油の回収
蔚山海域での流出油回収は、沿岸での回収と外海での回収を各々考慮しなけ
ればならない。沿岸ではオイルフェンスの展張及び固定が容易な海岸を選定し、
選定された沿岸へ流出油を誘導した後、オイルフェンスで集め回収する。外海
では VOSS(Vessel of Opportunity Skimming Systems)型船舶又はオイルフェ
ンス展張船を移動させながら流出油を集め、これと同時に回収できるように連
合防除チームを構成・運用しなければならない。
5-9
蔚山地域の防除実行計画
イ.流出油の種類及び比重、粘度等の特性による油回収機の選定方法
(1)粘度<1,000cSt:初期(3~5 時間以内)には軽質油用の回収機、その
後は、風化作用で粘度が急激に上昇するので中質油用の回収機を使用
(2)1,00cSt≦粘度<2,000cSt:流出初期には軽質油用又は中質油用の回収
機を使用
(3)粘度≧2,000cSt:中質油用の回収機を使用
ロ.海上での回収作業
(1)蔚山海域の場合、流速が比較的に弱い為にオイルフェンスを展張し、
流出油を集めた後、油回収機を使用して回収する作業を、効率よく実
行できる。従って、大部分の流出油を最大限海上で回収しなければな
らない。その他、一部の残存流出油は海岸へ誘導した後、捕集して回
収しなければならない。蔚山地域の海上流出油の回収作業は、VOSS
型の船舶を利用したり、U 型、V 型、J 型でオイルフェンスを展張し
て流出油を集めた後、防除船の前進型回収機又はトロール式スキマー
を使用して回収作業を実施する。
(2)流出油の誘導の為にオイルフェンス作業チームと連携して移動しなが
ら回収作業を実行する際、現場責任者は全体の作業船団が円滑に動け
るように、ヘリ及び警備艇を利用して作業船団を誘導する。その為に
ヘリからも指揮が可能な通信体制を維持する。
ハ.海上での回収作業
(1)海上に誘導された流出油は、防除情報地図を参照して脆弱度が低くオ
イルフェンスの固定が容易な海岸からオイルフェンスを用いて集め、
回収作業を実施する。集められた流出油の回収作業はディスクスキマ
ー、ワイヤー式スキマー等の固定式の油回収機を使用して実行する。
(2)岩質海岸又は岸壁に付着した油は、汚染地域の外側の海上で消防ホー
ス及び高圧洗浄器で洗浄し、油回収機で回収作業を実施する。
ニ.海洋警察署では平常時、民・官合同の防除専門チームを構成し、事故発
生時、油回収機を現場へ動員し防除措置ができるように準備しなければ
ならない。油回収機の特性に応じ、海上防除チームと海岸防除チームが
5-10
蔚山地域の防除実行計画
各々基本的に持つ船団の構成は次の通りである。
(1)海上防除チーム(前進型の油回収機を使用)
① 人員 10 名以上
② 油回収機の搭載船舶1隻
③ 回収用の曳引作業船2隻
④ タンカー又は油槽バージ船1隻以上
⑤ オイルフェンス 200m 以上
(2)海岸防除チーム(固定式の油回収機の運用)
① 人員4名以上
② 油回収機の搭載船舶1隻
③ オイルフェンス 200m 以上
④ 運搬車輌(クレーン装備)1台
7.油処理剤の使用の可否及び撤布計画(防除情報地図の活用)
防除対策本部長又は海洋警察署長は、油処理剤の撤布制限地域を表示した地
図と使用指針書によって使用可否を決定し、必要時、防除技術支援団の諮問を
受けて決定する。
蔚山の周辺海域は水深が深く海岸線が単調な為に、油処理剤の撤布をより積
極的に考慮できる。沿岸付近で流出事故発生時、周辺海域沿岸の環境脆弱度を
あらかじめに把握し、この地域で影響がないように計画を立てた後、油処理剤
の撤布を考慮できる。また外海での流出事故の発生時には、流出油の拡散予測
による沿岸漂着の可能性を考慮し、油処理剤の拡散計画を立てることが必要で
ある。蔚山海域の地形的な特性で、沿岸から5マイル以上離れた海域で流出し
た油が沿岸で再び流入する可能性は極めて低く、航空撤布による油処理剤の撤
布も考慮できる。油処理剤の撤布時に留意する一般事項は次の通りである。
イ.流出油の特性及び環境要素の把握
(1)流出油の特性及び移動、拡散状態等の把握
① 油種、比重、粘度、流動点等を把握
5-11
蔚山地域の防除実行計画
② 流出油の移動、拡散状態等を確認及び予測
(2)事故海域周辺の環境要素の把握
① 水深及び水温、漁場及び養殖場、自然環境の保護地域、動植物の棲息地
及び産卵地等、油処理剤の撤布作業に制約を受ける脆弱要素の把握
ロ.油処理剤の使用決定
(1)〔附属書Ⅲの油処理剤の使用指針〕と防除情報地図に表示された油処理
剤の使用海域の区分を参照し、使用可否を決定しなければならない。ま
た、流出油の拡散予測の結果を参照し、撤布海域の範囲を決定しなけれ
ばならない。
(2)油処理剤の使用の制限海域と考慮海域に対しては、流出油の拡散予測結
果を参照し、油処理剤を使用し流出油を水中に分散させる場合の影響と、
油処理剤を使用しなかった場合の流出油が環境に及す影響を次のよう
に比較・検討し、油処理剤の使用を決定しなければならない。
① 流出油による脆弱地域の汚染被害及び海岸流入時の海岸清掃費用や海
洋鳥類又は動物の汚染被害も考慮
② 防除技術支援団及び関連専門家に生態系と関係する技術諮問、影響等に
対する評価結果を考慮して決定
(3)油処理剤の使用制限海域で不可避に使用する場合、事由を明示して次の
承認手続きを経て現場指揮官が決定する。
5-12
蔚山地域の防除実行計画
流出油の油処理剤の適用可否判断
←
分散時間及び現場簡易
分散試験法の活用
海洋環境の脆弱因子把握
←
防除情報地図の活用
正味環境利得分析
←
海洋環境脆弱因子の被害の
場合、経済的な利益を考慮
(net environmental benefit analysis)
(必要時、防除技術支援団諮問)
及び使用決定
ハ.油処理剤の撒布
(1)流出油の種類及び粘度、拡散範囲等を勘案し、使用する油処理剤を決定
の後、分散実験を通して流出油の分程度を確認した上で、撒布範囲を決
定しなければならない。
(2)流出油の拡散状況及び拡散範囲等を勘案し、油処理剤の撒布方法を選択
する。
① 沖合の外海域に流出油が広範囲に拡散した場合、航空撒布方法を選択
② 海岸周辺の沿岸域に流出油が拡散している場合、船舶の撒布方法を選択
③ 蔚山海域では海水流動が比較的に微弱であるが海岸線と同じ方向に沿っ
て流れる為に、沿岸での油処理剤の撒布時には拡散進行方向に対する沿
岸の脆弱資源の分布を十分に考慮しなければならない。
蔚山海域で流出油は一潮汐周期の間に、約1㎞(0.5 マイル)~5 ㎞(2.7 マイル)
程度を移動する。
5-13
蔚山地域の防除実行計画
(3)油処理剤が過量撒布されないように、油膜の厚さと浮遊量を推計し、撒
布速度と散布量を決定した後、使用しなければならない。撒布率の調整
は、ポンプ排出量を調節することにより行い、排出量を一定に維持し、
船舶又は航空機の速度を変化させる方法を選択する。また、変数間の一
般的な関係は次の通りである。
ポンプ排出量(L/min)
=
0.003 × 撒布率(L/ha) × 速度(knot) × 撒布幅(m)
※ ここでの速度は、対地速度ではなく相対速度(対水速度)である。
※ 油処理剤の撒布量決定の例としては、流出油の量が 2 m3/ha 程度で厚
さ 0.2 ㎜である油膜に対する撒布量は、濃縮型の油処理剤を 1:20 の
比率で使用する場合 100L/ha が必要である。撒布幅が 30m で相対速
度(対水速度)5kont 速度で航海する船舶がこの撒布率を達成する為に
は、45L/min の速度で油処理剤を撒布しなければならない。
8.油吸着剤による流出油の回収
イ.油吸着材の使用及び処理
(1)海上防除作業時、流出油の流れが速かったり、油吸着材の回収・除去方
法が明らかにされていない状態では、決して油吸着材を使用してはなら
ない。
(2)油処理剤が撒布された流出油は、油吸着材の使用を制限する。
(3)流出油を吸着した油吸着材は全量を回収し、二次汚染が発生しないよう
に措置する。
(4)回収された油吸着材の貯蔵及び処理方法を検討する。
ロ. 状況による油吸着材の使用要領及び留意事項
(1)海岸、埠頭等海面が穏やかな海域での吸着収去
①
オイルフェンスの包囲展張後、オイルフェンス型の油吸着材を使用(た
だし、流出油が高粘度油(5,000cSt 以上)であるか油回収機の作業中
には使用禁止)
5-14
蔚山地域の防除実行計画
②
流出油がオイルフェンスの下に流失することを防止する為に、フェンス
内側にブーム型の油吸着材を設置
(2)海岸、干潟、岩盤、地面等に集まっていたり、漂着した油の吸着除去
① 油吸着材を地面に敷いて吸着除去(油が多く集まっている場所では柄杓
等で一次除去後、油吸着材を使用
② 油吸着材による油の吸着状態に留意し、吸着が完了した油吸着材は迅速
に除去しなければならない。また、特に潮間帯では上げ潮時に留意
(3)高粘度油の吸着除去
① 中質油吸着用の合成ビニールを 8~12mm ロープで連結して曳引
し、包囲展張したオイルフェンス内に設置して吸着除去
② 曳引除去時、海水の摩擦によって吸着された油が離脱しないように
曳引速度を調節
9.脆弱海岸及び資源の保護方法と優先順位の決定(防除情報地図の活用)
イ.防除情報地図を活用し、時差別に影響を受ける可能性がある脆弱海岸及
び資源に関する情報を把握し、保護方法と優先順位を決定する。
ロ.オイルフェンスを設置し、流出油の接近を遮断して遮断が不可能な場合
は海上回収及び海岸除去チームを投入し、油処理剤の撤布方法を検討し
なければならない。
ハ.海洋環境の脆弱度が 7~8 等級の地域は海洋汚染事故発生時、優先的に
保護措置を取らなければならない。
ニ.流出した回収作業は、弱海域へ流入する可能性がある油から優先的に油
回収チームを投入する。
5-15
蔚山地域の防除実行計画
10.海岸漂着油の除去
海洋防除は地方自治体及び海域管理庁で事前に策定された防除計画によって
現場指揮部を構成・施行するが、蔚山海域の海岸線は比較的単調で岩盤、砂利、
砂等で構成されているため、次の方法で清掃作業を実施する。
イ.岩質海岸:汚染海岸の外側からオイルフェンスを展張し、外部に拡散
しないように措置した後、高圧洗浄機と消化ホースで洗浄し油回収機
及び油吸着材で除去する。
ロ.砂利海岸:汚染海岸の外側からオイルフェンスを展張して外部に拡散
しないようにした後、低圧消化ホースで洗浄し、油回収機及び油吸着
材で除去したり、柄杓、バケツ又は油吸着材を用いて吸着除去及び手
作業を実施する。
ハ.砂海岸:塊状の流出油と汚染された砂は、シャベルですくい出したり、
ホイールローダを利用して収集用袋に入れた上で、臨時貯蔵所へ運搬
する。この場合、砂粒子の大小によって車輌進入が困難であったり、
これに起因する地表下の二次汚染が懸念される地域は、車輌進入を禁
止し、人の通路を設置して2次汚染を防止する。多量の砂を除去した
場合にはきれいな砂を補充する。
11.回収された油及び廃棄物の貯蔵・運搬・処理対策
イ.流出直後に回収された油は、流体状態で比較的に変質は少ないが、ほ
とんどの場合、回収油は比較的固形のごみが混入し、エマルジョン化
して多量の水分を含んでいる。油の量が多い時には可能ならば油が付
着したごみを分別・貯蔵するなど、処理・処分する方法も区別しなけ
ればならない。
ロ. 常温で油をポンプで輸送する場合、密閉型のタンクに貯蔵可能である
が、比較的に高粘度の物質を大量に貯蔵する場合には以下の注意をし
なければならない。タンクに加熱コイルが付いていない場合、これを
再び空にするのが難しい。高粘度油はバージ又はドラム缶等の開放型
5-16
蔚山地域の防除実行計画
の容器に貯蔵すると処理又は運搬がしやすくなる。
ハ.海岸防除作業時には、地方自治体で汚染海岸に最も近い距離に廃油臨
時貯蔵所を設置できる。廃油の臨時貯蔵所は大きいピットに地下水汚
染を防止するための防水シート等を敷いた後、除去した油を貯蔵する。
臨時貯蔵所は危険な場所なので、担当防除業者は 24 時間の警備をお
いて、不必要な者が近接しないようにするとともに、臨時貯蔵所に貯
蔵された油は陸上処理業者を指定し、迅速に引渡・処理を行う。
ニ.臨時貯蔵施設及び貯蔵場所では油槽バージ、沿岸廃油の貯蔵施設、海
岸貯蔵池等が含まれ、海岸ピットは地域の住民及び関連機関と事前に
協議された候補地を対象に防除情報地図及び海岸防除資料表を参照し
選定し、回収油による二次的な汚染の防止対策を準備した後、設置・
利用しなければならない。従って、このような臨時貯蔵施設及び貯蔵
所は事前に把握・維持しなければならない。
ホ.流出油に対する回収能力と常設貯蔵能力を考慮し、臨時貯蔵施設及び
貯蔵所が指定・運営され、回収油及び廃棄物の貯蔵、運搬、処理過程
が法律に適合した業者により、適切な法律に則る手続きと方法によっ
て記録を維持しなければならない。
ヘ.回収油及び廃棄物の運搬・処理体系の確立のためには、廃棄物の管理
法及び水質環境保全法によって許可された業者を把握し連絡所を常時
設置して、処理後に引渡・引受証の確認を通して不法処理の防止を行
わなければならない。
12.補給支援及び通信・情報共有
イ.保険会社、行為者の側で臨時補給所を設置し、防除措置の為の防除機
材及び動員された人員の飲食、衣服、医療等を提供して不足の場合に
は、防除対策本部と関係機関から別途の補給所を設置しなければなら
ない。
5-17
蔚山地域の防除実行計画
ロ.現場指揮官と海上防除チーム間の指揮通信は、港務通信(VHF)チャ
ンネル 15(主チャンネル)、17(補助チャンネル)で統一した上で、参
加船舶間で通信を共有し、海岸防除作業及び補給所の間には別途の有線
または無線通信網を設置・運用する。
ハ.防除措置時、通信網は防除参加機関、団体・業者が共有できるように
防除対策本部から印刷物を配付する。
13.漁場、養殖場及び野生動物の保護
イ.地方海洋水産庁長と地方自治体長は、海洋へ排出された油によって養
殖場等が汚染、若しくは汚染される恐れがある場合、漁場・養殖場等
の保護及び回復の為の適切な措置の検討しなければならない。
ロ.地域環境庁長と地方自治体長は海洋へ排出された油によって野生動物
に対する被害が発生した場合、次のように野生動物の救護の為に適切
な措置を検討しなければならない。
(1)油が付着した野生動物の洗浄
(2)油の付着による疫病の予防
(3)回復までの飼育等
第4節
危険防止・安全及び保健
1.安全対策及び医療支援行政の研究
イ.海洋警察署長及び地方海洋水産庁長は海洋汚染事故の発生に起因する新
しい海難事故の発生の危険があったり、防除作業の円滑な実施の妨害に
なる場合には、海上安全を確保するための船舶の退去、航行制限等の措
置を取れる。
ロ.地方労働庁長は、防除作業を実施する関係行政機関及び地方自治体に防
除作業へ参加する防除作業者、ボランティア及び地域住民の安全保健を
5-18
蔚山地域の防除実行計画
確保するための資料、指針及び情報を提供し、防除作業現場での安全指
導等に協力しなければならない。
ハ.汚染事故現場の管轄市・同知事または市・郡・町長は、防除作業の終了
時、必要な場合に防除作業現場の医療支援及び死傷者の輸送業務等を支
援しなければならない。
2.防除人員の安全管理
流出油の防除作業人員の安全事項は、防除作業を成功裏に行う為に非常に重
要なことである。次に安全管理のために留意するべき危険要素、個人保護用装
備、事故防止の方策等を記述した。
イ. 防除作業の危険要素
(1)足を滑らせ又は失足による傷害
(2)海洋生物による傷害
(3)防除装備による傷害
(4)周辺船舶間の衝突事故
(5)足を滑らせ又は失足による溺死
(6)起重機等、船舶装備による傷害
(7)作業中に油又は油化ガスの吸引
(8)油に長時間暴露されることによる皮膚病
(9)長時間の作業による疲労
(10)長時間太陽に晒されることによる日射病
(11)長時間太陽に晒されることによる皮膚損傷
(12)飲酒又は薬物服用による作業中のミス
(13)疫病による作業中のミス
ロ. 個人の保護装備
(1)眼、顔面及び頭部保護のための保護眼鏡及びマスク、安全帽
(2)防毒マスク(空気浄化呼吸器)
5-19
蔚山地域の防除実行計画
(3)作業服(防除作業の水準に応じ、各水準に適合した作業服)
ハ. 事故防止の方策
(1)危険要素の熟知及び対応
(2)定期的な事故防止のための教育
(3)作業監督の強化
(4)事故防止のための作業指針の準備
(5)危険要素の管理計画の策定
第5節
記録及び費用徴収の手続き
1.防除に参加する関係行政機関の長及び地方自治体長は、同一な汚染事故の
再発を防止し、その後、海洋汚染事故の発生時の対応に関する経験を蓄積
する為に該当事故の原因、汚染状況、検討した対策等に関する事項を記録・
保存しなければならない。
2.防除に参加する関係行政機関の長及び地方自治体長等は、防除費用の請求
等に対して防除作業と関係する事項及び資料を毎日記録・保存しなければ
ならない。[附属書Ⅰの書式 7 参照]
イ.防除作業の位置、動員された防除人員及び装備、使用された消耗性の防
除機材に関する正確な記録
ロ.試料の採取・保管・分析、観測された環境被害に関係する書類の保存
ハ.犠牲となった野生動植物等に関する物的証拠、写真、現場報告書の保存
及び維持
ニ.その他、防除作業に関する事項の記録及び関係書類の保存等
5-20
蔚山地域の防除実行計画
第6節
防除終了及びその手続き
1.海上防除作業の終了は、汚染地域に対する探索の結果、海上に浮遊する茶
色又は黒色の油膜が見えず、部分的に風化した流出油に起因する海岸線の
再汚染の恐れがない場合、必要に応じて防除技術支援団体の諮問を受け、
暫定的に決定できる。しかし、苦情発生の有無、海洋環境に対する影響評
価の結果、又は他の油発見有無等によって追加防除措置を遂行できる。
2.防除結果報告書を作成・保管して問題点を分析し、地域防除実行計画の修
正時、これらを反映させる。
5-21
蔚山地域の防除実行計画
第 6 章 防除教育及び訓練
第1節 教育及び途上訓練
1.海洋警察署長は、所属公務員に対して汚染事故の防除に関する教育を実施
し、所属公務員から船舶・海洋施設等の管理者に対する汚染事故の防止及
び対応に関する指導を実施し、海洋環境の保全に関する認識及び防除技術
の普及に努力しなければならない。
2.海洋汚染防止法 10 条と 36 条によって、船舶の所有者及び施設の設置者
は定期的に所属の職員に対し、油汚染非常計画書による教育を実施する必
要がある。
3.海洋汚染防止法 67 条により防除業者は、所属の技術要員に対して定期的
に教育を実施する必要がある。
4.海洋警察署長は流出対応のシナリオによって、迅速な対応能力を養成する
ための図上訓練を定期的に実施する必要がある。
第2節 自己防除訓練
1.海洋警察署長は初動防除能力向上のために、定期的な自己防除訓練計画を
策定・施行しなければならない。蔚山地域の自己防除訓練では速い潮流に
対応するためのオイルフェンスの相対展張方法を熟知し、これによる流出
油の誘導及び捕集の実習が重点的に行わなければならない。
2.防除組合及び関係業者では防除技術の向上のため、自衛教育及び訓練の実
施等を通して専門防除人員の養成に努力しなければならない。
6-1
蔚山地域の防除実行計画
第3節
官民合同防除訓練
1.海洋警察署長は地域防除実施計画の適用を通し、地域防除能力向上のため、
毎年 1 回以上の官民合同防除訓練を実施しなければならない。
2.関係機関、防除組合、民間業者では海洋警察署で実施する官民合同防除訓
練に積極的に参加して、地域防除能力の向上に努力しなければならない。
3.防除訓練に関する評価書を作成し、問題点を分析して地域防除実施計画の
修正時、これを反映させる。
6-2
蔚山地域の防除実行計画
第7章
広報
1.報道機関を利用した積極的な対国民広報戦略と国民の信頼確保のために、
報道機関の不正確な報道に対する真相を見極め、国民が海洋汚染事故防除
措置に協力するように誘導し、関係者の事故現場の訪問を通して広報効果
を向上させる。[附属書Ⅰの資料 22]
2.防除対策本部の広報・行政班長は報道機関のために別途の場所と通信手段
を提供しなければならない。
3.海洋汚染事故と関係して船舶交通安全、近隣住民の安全確保及び防除作業
の円滑な実施等のために、事故状況及び進行中の措置等の防除関係情報を
定期的に報道機関に提供し、効果的に防除作業が行われるように指導・措
置しなければならない。さらに大型の汚染事故のように国民の関心が高い
事項は、1 日 1 回以上の定例ブリ―フィンクを施行して事故状況及び対国
民協力事項を広報するようにする。
4.防除対策本部長は大型の海洋汚染事故の発生時、事故状況及び対国民協力
事項等を海洋警察庁ホームページ(http://www.nmpa.go.kr)を通した広
報する方法を検討する。
7-1
蔚山地域の防除実行計画
第8章
仮想海洋汚染事故の選定及び対応戦略
第1節 大型の海洋汚染事故
1.事故発生調査
緊急情報
8 月 10 日 05 時 30 分、蔚山市
龍淵洞(ヨンヨンドン)南側の錨泊地付近の
海上でタンカーが航海中に一般貨物船と衝突したと船舶の船長から報告を受け
た。全船員は近隣の航海船舶によって救助された。
2.初動措置
イ. 現場状況調査
防除対策本部長が防除対策本部へ移動中の間は、蔚山海洋警察署長は航空機
(へリ)警備艦艇を利用して事故船舶の状態、油類の種類及び流出量、風と次
の 24 時間の気象情報、その地域の海流と潮汐に関する最新情報を含む事故の
評価のために要求される情報を入手するように指示した。
(1)汚染源の把握
■ 事故船舶は DWT が 29,000 トンで油類を満載した(積載量 28,000kL)タ
ンカーである。
(2)事故船舶(施設)の状態及び予測
■ 事故船舶は衝突後、温山港の防波堤に座礁して、船舶の船首が温山港の防
波堤に触れて右舷で5゜程度傾いている。
■ タンク容量が 5000kL であるNo.1タンクの船側の外板に幅 50cm、長
さ2mの破孔ができて積載油が持続的に流出している。
■ 海上の油類の推定量は 2,000~3,000 トン程度であると把握
(3)油の特性及び拡散状態
■ 船長を通した調査の結果、事故船舶は 14.32cSt、比重 0.848 のオマーン
産の原油を積載
8-1
蔚山地域の防除実行計画
■ 航空機(へリ)による汚染状態の調査結果、散在する油膜が現在の衝突位
置から温山港の方向へ約2km 地点まで拡散している。
■ 約 1.4km に至る汚染群の中で約 500m 程度は厚くて黒い油で光彩がある
油で囲まれており、エマルジョン化が相当に進行
(4) 事故海域の海上及び気象状態の把握
■ 現場の風は南西風 12m/sec と報告され、波高は2~3m で比較的高いも
のと報告された。
■ 現場の気温は約 30℃で、水温は周辺海域の湧昇現象により、23℃で比較
的低いことが報告された。
■ 事故当時の潮流は最強の張潮流で、事故発生の3時間後である、08:30
に蔚山港高潮が現れる。
(5) 汚染拡散(予測)海域の脆弱資源の分配現況
■ 事故海域の水深は約 20m 程度で、底質の大部分が岩盤質である。
■ 図 8-1の防除情報指図に提示されたように事故海域の周辺には漁場・養
殖場、海水浴場等の施設はないが、蔚山火力発電所の取水施設がある。
■ 事故海域の周辺の海岸線は主に ESI 等級 1 である開放型の岩壁で、温山
港内の一部の海岸は ESI 等級7である波が弱い海岸線と分類される。
(図
8-1 参照)
ロ. 緊急措置及び事故状況の通報
(1) 防除対策本部長又は現場で報告された事故船舶の状態把握及び安定性の
評価結果を基に防除技術支援国の諮問を受け、次のような緊急措置をと
る。
① 使用可能な航空機及び防除艇、警備艦艇の出動措置
② 事故処理に必要な部署からの非常召集
③ 汚染源の積極的な流出防止措置
● 船体の状態把握及び安全措置の方法の検討
● 破孔箇所及び Air-vent 等、流出口の封鎖
● タンク内の油を他のタンクまたは船舶に移積する措置
8-2
蔚山地域の防除実行計画
図 8-1 事故地点周辺海域の環境脆弱度
④ 海上流出油の拡散防止及び回収
● 事故船舶の周辺に拡散防止用のオイルフェンスを設置
● 防除艇の油回収機を利用した流出油の回収作業を実施
⑤ 関係機関への情報伝達及び情報発令
● 海警署:地方海洋庁、市・郡等(必要時、郡、警察、地方環境管理庁、
水協等)に対する状況の伝達及び周辺海域を航行する船舶に対して警報
発令
● 海警庁:青瓦室、総理室、海洋水産部等に状況の伝達
(2)韓国海洋汚染防除組合蔚山支部所属の海難救助曳船4隻を現場に派遣し
た。
(3)防除対策本部長は安全上の理由で事故地域内にある船舶に対し避航指示
及び温山港と蔚山港に入・出港する船舶に対する統制を指示
8-3
蔚山地域の防除実行計画
3.防除措置
イ. 汚染事故の評価及び防除作業計画策定
(1)
汚染事故の評価
■ 汚染事故規模の評価及び流出油の拡散経路予測のために防除技術支援団
に流出量の推定及び流出油の拡散予測シミュレーションを要請
■ 防除技術支援団による流出量推定の結果、流出量は 5000kL 未満と予測
■ 拡散予測結果、流出油は図 8-2 に示したように事故地点を中心として北
東 ― 南西方向の軸に沿って拡散し、事故発生の後 1 日以内に温山港の防
波堤及び周辺海岸に漂着する。
■ 夏季ではあるが周辺海域の湧昇現象で冷水帯が形成
■ 流出油の特性は軽質油で蒸発とエルマジョン化が比較的速く進行
■ 流出後 3~5 時間程度経過すると 30%(1,500kL)以上が蒸発、残り 70%
はエルマジョン化して約 50%程度まで水分を含有
(2)
防除戦略の策定
■ 防除対策本部長は拡散予測結果と防除情報地図を参照、防除技術支援団と
共に防除対策本部会議を開催して防除戦略を策定
■ 防除戦略は海上で流出油を最大限除去し、除去できなかった流出油は海岸
へ誘導して回収
■ 流出油の海岸誘導の場所は道路網がよく、廃棄物の貯蔵場所が確保できる
蔚山廣域市南区龍淵洞の埋立地海岸を選定
■ 事故海域の近隣に、蔚山火力発電所があるので取水口の周辺にオイルフェ
ンスを設置して防除人員を待機
■ 温山港の防波堤に流出油流入防止の為のオイルフェンスを設置
■ 蔚山港からの流出油流入防止のために SK ガス防波堤にオイルフェンス
を設置
■ 周辺の海岸に流出油の誘導及び回収作業の準備、流出油の付着に備えて海
岸の清掃作業の準備
8-4
蔚山地域の防除実行計画
図 8-2 時間別、流出油の拡散範囲
8-5
蔚山地域の防除実行計画
ロ. 防除人員の動員計画の策定
流出油 5000kL の中で蒸発による自然蒸発量である約 30%(1.500kL)を除外し
た残り 70%(3,500kL)は、海上及び海岸で回収することと計画した。流出油
3.500kL はエルマジョン化し、約 1.5 倍程度に体積が増加するので海上及び海岸で
除去する油の量は 5,250kL となるが、この中で約 75%にあたる 3.938%は海上で
除去し、約 25%である 1,312kL は海岸で回収する防除人員動員計画を策定した。
(1)初動対応段階
■ 動員可能な防除能力:3,637 トン
■ 動員された防除能力をすべて海上での防除に投入(海上除去計画量の
92.4%確保)
■ 不足した防除人員の補充のための段階別、動員方法を策定
(2)地域対応段階
■ 管内関係機関及び業界・業者の保有能力 430 トンを追加支援
■ 海上除去計画量の不足量 189 トンを追加投入、残り 241 トンは海岸防除に
投入
■ 海岸除去計画量の拡充の為の釜山海洋警察署と浦港警察署の防除船及び防
除資材の追加動員
ハ. 流出油の拡散防止及び回収
(1)海上の流出油の誘導及び回収
■ 現場指揮官は2隻の防除船舶を1組で3個の防除船団を構成
■ U字型にオイルフェンスを展張して海上流動と逆方向で移動しながら流出
油の捕集及び回収
■ 海岸除去の為に流出油の拡散方向を蔚山広域市南区龍淵洞の埋立地の海岸
へ誘導、誘導作業の中で流出油の回収
■ 蔚山火力発電所があるので取水口の周辺にオイルフェンスを設置
■ 温山港の防波堤に流出油の流入防止の為のオイルフェンス
■ 蔚山港からの流出油の流入防止の為のオイルフェンスをSKガス防波堤に
設置
8-6
蔚山地域の防除実行計画
(2)海岸の流出油の回収
■ 誘導された流出油の回収地域である蔚山広域市南区龍淵洞の埋立地の海岸
で流出油の漂着に対する準備
■ 誘導された流出油を集める為にオイルフェンスを展張し、高粘度油の除去
装備を利用して、捕集された流出油を回収
■ 海岸に漂着した流出油の除去及び清掃作業の遂行
ニ. 処理剤及び油吸着材の使用
事故海域は、ほとんどすべての海域で 10m 以上の水深があり、沿岸に養殖場又
は漁場が存在しないため油処理剤の使用を検討した。ただし、周辺に冷水帯が形成
され水温が低いので、油処理剤による流出油の分散実験を行った。分散実験の結果、
事故の初期には油処理剤の分散効果がよいので、油処理剤の使用を指示した。油処
理剤の使用時、蔚山火力発電所の取水口の周辺と蔚山港入り口でオイルフェンス展
張チームは、流出油の流入防止に十分留意するよう指示した。
油吸着材は事故海域の海水流動が微弱な点を勘案し、事故地点周辺海域と沿岸
の周辺海域で使用するように指示した。
ホ. 海岸防除
地方自治体及び蔚山地方海洋水産庁が主管になって、海岸漂着油に対する防除措
置を指導・監督をし、防除業者を町単位で責任地域を設定、地域住民とボランティ
アを動員して清掃作業を実施するようにした。
事故海域の海岸は産業施設による岸壁で構成されている。特に、流出油を誘導・
回収することと計画された蔚山広域市南区龍淵洞の埋立地の海岸は、大部分が岸壁
で構成されていて、岸壁の外側にオイルフェンスを展張し、外部へ拡散しないよう
にした後、高圧洗車器と消化ホースで洗浄し、油回収機及び油吸着材で除去するよ
うにした。
へ.回収された油及び廃棄物の貯蔵・運搬
(1)海上の回収油:流出した油は比較的粘度が低い状態または海上でのエマルジ
ョン化を通して粘度が高くなるので、回収油タンクに過熱装置を持つタンク
を使用したり、仮にない場合にはスクリューポンプ又は高圧ポンプを準備し
て陸上施設へ運搬するように指示し、陸上の廃油貯蔵及び処理施設は蔚山港
8-7
蔚山地域の防除実行計画
と温山港を利用して、蔚山、釜山、浦港地域の処理業者へ運搬、処理するよ
うにした。
(2)海岸清掃による回収油:海岸の清掃作業で回収された油には、多くのごみが
含まれ除去量が一時的に多く発生すると予測されるので蔚山広域市と協力
し、汚染海岸に最も近距離に廃油の臨時貯蔵所を設置する。この時、廃油の
臨時貯蔵所は大きなピットに地下水汚染を防止する為の防水テント等を敷
いた後、回収された油を貯蔵する。
臨時貯蔵所は危険な場所であるので地域の担当業者は 24 時間警備をおい
て、不必要な者が近接しないようにし、臨時貯蔵所に貯蔵された油は陸上処
理業者を指定して処理するようにする。
ト.通信・情報共有
(1)防除対策本部と現場指揮官及び海上防除チームの為に周波数帯の無線機
(VHF15、17)が設置された。
(2)防除対策本部長は汚染事故の防除措置の進行状況に関する情報を中央部署
及び関係機関等で情報を共有、相互の支援・協力が円滑に行われるように防
除対策本部で1日に2~3回以上報告及び通報を行うように指示した。
チ.補給支援
保険会社及び船主側から蔚山、温山港に臨時補給所を設置し、防除設置の為の防
除機資材及び動員された人員の飲食、被服、医療等が提供できるようにした。
リ.公報
汚染事故の防除措置の進行状況に関する情報を中央部署及び関係機関等で共有
し、相互の支援・協力が円滑に行われるように防除対策本部で一日に 2~3 回以上
報告及び通報をしなければならない。さらに国民に汚染拡散と防除進捗状況を報道
機関を通して定期的にブリ―フィグする方法を検討し、公報担当は蔚山海洋警察署
の警務課長が主管する。また、海洋警察庁のホームページ(http://www.nmps.go.kr)
を利用して1日1回以上報告する。
8-8
蔚山地域の防除実行計画
4.事故船舶の処理
防除対策本部長は海難救助者の報告を参照し、防除技術支援団の諮問を受け、別
途貨物の移積がなく、満潮時に事故船舶を再浮上させることを決定した。事故船舶
の隣近に油処理剤の撒布船舶と油回収船舶を配置した状態で、再浮上が試験され、
残存油の追加流出がなく再浮上に成功した。
5.防除終了
防除対策本部は事故海域である蔚山港錨泊地一帯の探索の結果、海上を浮遊する
茶色及び黒色の油膜がさらに発見されることはなく、蔚山広域市南区龍淵洞の周辺
海域でほとんどの流出油が回収されたと報告されたため、防除技術支援団の諮問を
受け暫定的に防除を終了した。ただし、苦情発生の有無、海洋環境に対する影響評
価の結果、他の種類の油を発見の有無等により、追加防除措置をすることを決定し
た。
8-9
蔚山地域の防除実行計画
第2節
中型の海洋汚染事故
1.事故発生
緊急情報
6月 21 日
15 時 20 分、蔚州郡西生面艮絶岬の付近の海上で、釜山から蔚山港に
向かって航海中のタンカーが濃い海霧の影響で座礁したと報告を受けた。全船員は
隣近の航海船舶によって救助された。
2.初動措置
イ.現場状況調査
防除対策本部長が防除対策本部へ移動している途中、蔚山海洋警察署長は航空機
(ヘリ)と警備艦艇を利用して事故船舶の状態、油類の種類及び流出量、風と次の 24
時間に対する気象情報、その海域の表面海流や潮汐に関する最新情報を含む事故の
評価の為に必要とされる情報を入手するように指示した。
(1) 汚染源の把握
■ 事故船舶は DWT16,000 トンで油類を満載した(積載量 15,000kL)タンカー
である。
(2) 事故船舶(施設)の状態及び予測
■ 事故船舶は艮絶岬の付近の暗礁に座礁している。
■ タンク容量が 500kL である No.1 タンクの船側外板に幅 20 ㎝、長さ 2m
の破孔ができ、積載油が持続的に流出している。
■ 海上の油類の推定量は 200 トン~300 トン程度であると把握
(3) 油の特性及び拡散状態
■ 船長を通して調査した結果、事故船舶は粘度 500~1,000cSt、比重 0.98 の
バンカーC 油を積載
■ 航空機(ヘリ)による汚染状態の調査結果、散在している油膜が現在の座礁
位置から蔚山港の方に約 2km 地点まで拡散
■ 約 1.5km に至る汚染群の中で約 200m 程度は厚くて黒色の光彩がある油で
8-10
蔚山地域の防除実行計画
囲まれており、エマルジョン化が多少進行
(4)事故海域の海上及び気象状態の把握
■ 現場の風は東8m/sec で報告され、波高は1~2m で比較的低いと報告さ
れた。
■ 現状の気温は約 24℃で、水は周辺海域の湧昇現象により 15℃で比較的低
いと報告された。
■ 事故当時の潮流は最高張潮流で、事故発生の3時間後である 18:20 に蔚
山港に高潮が現れる。
(5)汚染拡散(予測)海域の脆弱資源の分布現況
■ 事故海域の水深は約 10m 程度で、底質の大部分が岩盤質である。
■ 図 8-3 の防除情報地図が示すように、事故海域の周辺には漁場・養殖場、
海水浴場等が散在しており、古里原子力発電所が位置している。それから
北側には温山港及び蔚山港の産業施設が散在している。
■ 事故海域の周辺の海岸線は主に ESI 等級1である開放型の岸壁で、一部の
海岸は ESI 等級7である波浪が弱い海岸線に分類される。(図 8-3 参照)
ロ、応急処置及び事故状況の通報
(1)防除対策本部長は現場から報告された事故船舶の状態把握及び安全性の評
価結果を基に防除技術支援団の諮問を受け、次の応急措置を取る。
① 使用可能な航空機及び防除艇、警備鑑定の出動措置
② 事故処理に必要な部署からの非常招集
③ 汚染源からの継続的な流出防止措置
● 船体の状態把握及び安全措置の方法を検討
● 破孔個所及び Air-vent 等の流出口の封鎖
● タンク内の油を他のタンク又は船舶に移積する措置
④ 海上流出油の拡散防止及び回収
● 事故船舶の周辺に拡散防止オイルフェンスを設置
● 防除艇の油回収機を利用し、流出油の回収作業の実施
8-11
蔚山地域の防除実行計画
図 8-3 事故地点周辺海域の環境脆弱度
⑤ 関係機関に状況の伝達及び警報発令
● 海警署:地方海洋庁、市、郡等(必要時、軍、警察、地方環境管理庁、水
協等)に状況の伝達及び周辺海域を航行する船舶に警報発令
● 海警庁:靑瓦台、総理室、海洋水産部等に状況を伝達
(2)韓国海洋汚染防除組合蔚山支部所属の海難救助曳船2隻を現場へ派遣した。
(3)防除対策本部長は安全上の理由から事故海域周辺の航路を通航する船舶に
対し迂回を指示
8-12
蔚山地域の防除実行計画
3.防除措置
イ. 汚染事故の評価及び防除作業計画の策定
(1)汚染事故の評価
■ 汚染事故規模の評価及び流出油の拡散経路予測のために、防除技術支援団
に流出量の推定及び流出油の拡散予測シミュレーションを要請
■ 防除技術支援団による流出量推定の結果、流出量は 500kL 未満と予測
■ 拡散予測結果、流出油は図 8-4 に示したように初期には事故地点から北
側へ拡散したが、その後、方向が変わり南側へ拡散する。事故発生から6
時間経過後の汚染範囲は、北東-南西の方向へ約5km 程度に拡散し、幅
1km 程度の帯状となる。
■ 流出油の特性は、中質油で蒸発が少なくエマルジョン化も非常に遅い。
■ 流出後3日経過時までで約 15%(75kL)が蒸発、残り 85%(425kL)は約
25%の水分を含有したエマルジョンとなる。以後、流出油のエマルジョン
化はさらには進行しない。
(2)防除戦略の策定
■ 防除対策本部長は拡散予測結果と防除情報地図を参照、防除技術支援団と
共に防除対策本部会議を開催し、防除戦略を策定
■ 防除戦略は海上で流出油を最大限回収し、回収できなかった流出油は外海
の方へ誘導し自然放散
■ 事故海域近隣の古里原子力発電所保護のための対策を準備
■ 事故海域北側の産業施設保護の為の対策を準備
8-13
蔚山地域の防除実行計画
図 8-4 時間別、流出油の拡散範囲
8-14
蔚山地域の防除実行計画
ロ.防除人員の動員計画の策定
総流出量 500kL の中で蒸発による自然拡散量(75kL)を除外した残りの流出油
425kL の大部分を海上で回収すると計画し、これに必要な防除人員の動員計画を
策定した。流出油は中質油で短時間に海上でエマルジョン化するが、エマルジョン
化の過程で約 1.25 倍程度に体積が増加する。エマルジョン化による体積の増加を
含めると流出油の量は 531kL 程度となるが、これは蔚山海洋警察署と韓国海洋汚
染防除組合蔚山支部の防除能力(3,637 トン)のみで回収が可能である。従って、
近隣の団体及び業者又は他の地域の海警の防除人員の支援要請は行わなかった。た
だし、海上で回収されなかった流出油の海岸汚染に対し、蔚山市庁、釜山市庁、慶
南都庁等の地方自治体に海岸漂着油の回収作業及び清掃作業に対する支援を要請
した。
ハ.流出油の拡散防止及び回収
(1)海上の流出油の誘導及び回収
■ 現場指揮官は防除船舶2隻で1組の防除船舶団を構成し、それを3つ編成
■ U 字型のオイルフェンスを展張して海水流動と逆方向へ移動させながら流
出油の捕集及び回収
■ 事故海域周辺の古里原子力発電所、西側海岸と南側海岸の養殖場及び漁場、
北側海岸の産業施設保護の為にオイルフェンス展張チーム、防除チーム、
流出油の監視チームを配置
■ 海上で回収できなかった流出油は外海へ誘導し、自然拡散を措置
(2)海岸の流出油の回収
■ 事故地点周辺海域の海岸線は環境脆弱度は低いが、漁場及び養殖場、産業
施設、原子力発電所等環境脆弱度が高い施設が散在しており、流出油の沿
岸の流入を最大限防止
■ 海岸に流入する流出油の拡散防止及び回収の為の防除チームを配置
■ 海岸に漂着した流出油の回収及び清掃作業の遂行
8-15
蔚山地域の防除実行計画
ニ.油処理及び油吸着材の使用
本事故で流出油は比較的水深が深い航路に沿って移動するため、油処理剤の使用
が考慮された。ただし、流出油が高粘度で周辺に冷水帯が形成されており油処理剤
による流出油の分散実験を行った。分散実験の結果、事故の初期段階と日照がよい
午後1時から3時の間には油処理剤の分散効果が高いので油処理剤の使用を指示
した。防除情報地図参照の結果、事故地点の北側、南側、西側の海岸に主要な環境
資源及び産業施設が散在しており、これら対する保護対策を準備した。油処理剤の
使用指針を参照し、漁場及び養殖の周辺海域、古里原子力発電所周辺海域等の油処
理剤使用禁止海域に対しては油処理剤の使用を規制した。油処理剤の撒布海域は、
蔚山海域の防除情報地図と油処理剤の使用指針を参照し、防除技術支援団の諮問を
受け、蔚山港航路周辺の水深 20m 以上の海域に設定した。
ホ.海岸防除
地方自治体及び蔚山地方海洋水産庁が主管になって、海岸漂着油に対する防除措
置を指導・監督し、防除業者に町単位で責任地域を設定、地域住民とボランティア
を動員した清掃作業を実施するようにした。
清掃作業の方法は事故海域の海岸がほぼ開放型の岩壁と人工護岸で構成されて
いるため、岸壁の外側にオイルフェンスを展張し、外部へ拡散しないようにした後、
高圧洗浄機と消化ホースで洗浄、油回収機及び油吸着材で除去するようにした。
ト.回収された油及び廃棄物の貯蔵・運搬
(1)海上の回収油:流出した油は高粘度油で、海上でのエマルジョン化を通し
て粘度が高くなるため、加熱装置を持つ回収油タンクを使用したり、仮に
ない場合にはスクリューポンプ又は高圧ポンプを準備して陸上施設で運搬
するように指示し、陸上の廃油貯蔵及び処理施設は、蔚山港と温山港を利
用して、蔚山、釜山、浦港地域の廃油処理業者まで運搬し、処理するよう
にした。
(3)海岸清掃による回収油:本事故海域の海岸は大部分が開放型の岩壁である
ため、海岸清掃作業から回収された油には砂とごみが比較的少ない。従っ
8-16
蔚山地域の防除実行計画
て、ごみと廃油を可能な限り分離した上で回収し、臨時貯蔵所に貯蔵する
ことを必要とする。廃油の臨時貯蔵所には大きなピットを用い、地下水の
汚染を防止する為に、防水シート等を敷いた後、回収された油を貯蔵する
ようにして、分離されたごみは別途の臨時貯蔵所に貯蔵し、陸上の処理業
者を通して処理する。
臨時貯蔵所は危険な場所のため、地域の担当防除
業者で 24 時間の警備をおいて不必要な者が接近しないようにし、臨時貯
蔵所に貯蔵された油は陸上の処理業者を指定、処理する。
チ.通信・情報共有
(1)防除対策本部と現場指揮官及び海上防除チームの通信の為に空中線周波数
帯、無線機(VHF 15,17)が設置された。
(2)除対策本部長は汚染事故の防除措置の進行状況に関する情報を中央部所及
び関係機関で共有し、支援、協力が円滑に行われるように防除対策本部で
一日に 2~3 回以上の報告及び通報を行うよう指示した。
リ.補給支援
保険会社及び船首側から温山港に臨時補給所を設置し、防除措置のための防除機
資材及び動員された人員の飲食、医療等を提供できるようにした。
ヌ.広報
汚染事故の防除措置の進行状況に関する情報を中心部署及び関係機関等で共有
し、支援、協力が円滑に行われるように防除対策本部で1日に2~3回以上の報告
及び通報をしなければならない。さらに国民に汚染拡散と防除進捗状況を定期的に
報道機関を通してブリーフィングする方法を検討し、広報担当は蔚山海洋警察署の
警務課長が主管する。
8-17
蔚山地域の防除実行計画
4.事故船舶の処理
防除対策本部長は海難救助者の報告を参照し、防除技術支援団の諮問を受け、貨
物の移積が少なく満潮時に再浮上させることを決定した。事故船舶近隣に油処理剤
の撒布船舶及び油回収の船舶を配置した上で再浮上が試され、残存油の追加流出が
なく再浮上に成功した。
5.防除終了
防除対策本部は事故海域である蔚山航路探索の結果、海上を浮遊する茶色及び黒
色の油膜はさらには発見されず、周辺海域で大部分の流出油を捕集・回収されたと
いう報告によって防除技術支援団の諮問を受け暫定的に防除を終了した。ただし、
苦情発生の有無、海洋環境に対する影響評価の結果、あるいは他の油の発見の有無
等により追加防除措置の実行を決定した。
8-18
蔚山地域の防除実行計画
第3節
小型の海洋汚染事故
1.事故発生
緊急情報
11 月 10 日
06 時 40 分、蔚山市長生浦洞前 500mの海上の蔚山湾入り口で一般
貨物船が他の一般貨物船と衝突し沈没しているのとの報告を船長から受けた。全船
員は隣近の航海船舶によって救助された。
2.初動措置
イ.現場状況調査
蔚山警察海洋警察署長は航空機(ヘリ)と警備艦艇を利用し、事故船舶の状態、
油類の種類及び流出量、風と次の 24 時間の気象情報、その地域の海域の海流と潮
汐に関する最新情報を含む事故評価の為に要求される情報を入手するよう指示し
た。
(1)汚染源の把握
■ 事故船舶はDWTが 3,000 トン級である一般貨物船でコイル 2,000 トンを
積載している。
(2)事故船舶(施設)の状態及び予測
■ 事故船舶は現在約 1/2 を水面の上に見せ、沈没しつつある。
■ 事故船舶の機関室と NO.4 燃料タンクに幅 80cm、長さ2mの亀裂ができ
て燃料油が持続的に流失している。
■ 海上の油類の推定量は 30 トン~40 トン程度であると把握
(3)油の特性及び拡散状態
■ 船長を通した調査の結果、事故船舶の燃料油は粘度 500~1,000cSt、比重
0.97 のバンカーC 油である。
■ 航空機(ヘリ)による汚染状態の調査結果、散在する油膜が現在、座礁位
置で蔚山湾の方向へ約 500m地点まで拡散
8-19
蔚山地域の防除実行計画
■ 約 300mに至る汚染群の中で約 50m程度は厚い光彩がある黒色の油で囲
まれ、エマルジョン化が相当に進行。
(4)場海域の海上及び気象状態の把握
■ 現場の風は北東 14m/sec と報告され、波浪は1m程度で港湾内に比較的高
く立っている。
■ 現場の気温は約 18℃、水温は 17℃と比較的低いと報告された。
■ 事故当時の潮流は、最強の張潮流で、事故発生の3時間後である 09:40、
蔚山港に高潮が現れる。
(5)汚染拡散(予測)海域の脆弱資源の分布状況
■ 事故海域の水深は約 15m程度で、底質は大部分が岩盤質である。
■ 図 8-5 に示した防除情報地図の検討の結果、事故地点の周辺海域には産
業施設が散在し、嶺南火力発電所の取水施設がある。
■ 事故海域周辺の海岸線は、主に ESI 階級7である波浪が弱い海岸線と分類
され、一部の人工海岸線は開放型の岩盤で構成されている(図 8-5 参照)
ロ.応急措置及び事故状況の通報
(1)防除対策本部長は現場で報告された事故船舶の状況把握及び安定性の評価
結果を基に防除技術支援団の諮問を受け、次の応急措置を取る。
① 使用可能な航空機及び防除艇、警備艦艇の出動措置
② 事故処理に必要な部署からの非常招集
③ 汚染源からの継続的な流出防除措置
●船体の状態把握及び安全措置の方法を検討
●破孔カ所及び Air-vent 等の流出口の閉鎖
●タンク内の油を他のタンクまたは他の船舶に移積する措置
④ 海上油流出油の拡散防止及び回収
● 事故船舶の周辺に拡散防止用オイルフェンスを設置
● 防除艇の油回収機を利用して流出油の回収作業を実施
8-20
蔚山地域の防除実行計画
図8-5
事故地点周辺海域の環境脆弱度
⑤ 関係機関への状況の伝達及び警報発令
●
海警署:地方海洋庁、市・郡等(必要時、軍、警察、地方環境管理庁、水
協等)への状況の伝達及び周辺海域の航行する船舶に対する警報発令
●
海警庁:青瓦台、総理室、海洋水産部等に対する状況報告
ハ. 防除対策本部長は安全上の理由で事故地点周辺海域の船舶に対し避港指示
及び蔚山港に入・出港する船舶を統制
3.防除措置
イ.汚染事故の評価及び防除作業計画書策定
(1)汚染事故の評価
■ 汚染事故規模の評価及び流出油の拡散経路予測のために防除技術支援団に
流出量の推定及び流出油の拡散予測シミュレーションを要請
8-21
蔚山地域の防除実行計画
■ 防除技術支援団の流出量推定の結果、流出量は 80kL 未満と予測
■ 拡散予測の結果、事故地点周辺海域の海水流動は微弱で流出油は広範囲には
拡散せず、蔚山港内に拡散する(図 8-6 参照)
■ 流出油の特性は中質油で蒸発やエマルジョン化が比較的遅く進行
■ 流出後3日まではエマルジョン化が進行し、約 25%程度まで水分を含有
(2)防除戦略の策定
■ 防除対策本部長は、拡散予測結果と防除情報地図を参照し、防除技術支援団
と共に防除対策本部会議を開催し防除戦略を策定
■ 防除戦略は、少ない流出量と海水流動が微弱なことを勘案し、事故地点の周
辺でオイルフェンスを用いて流出油を最大限集めた後、回収する。
■ 事故海域近隣の嶺南(ヨンナン)火力発電所等、産業施設保護のための対策
を準備
ロ.流出油の拡散防止及び回収
■ 事故地点周辺にオイルフェンスを展張し、流出油を最大限捕集するように指
示する。
■ 事故海域近隣に嶺南火力発電所があるので取水口の周辺にオイルフェンス
の設置及び防除人員の待機措置
■ 周辺海域の産業施設保護のために二次拡散防止線を選定に加えてオイルフ
ェンス展張チームの待機措置
■ 海岸に漂着した流出油の回収及び清掃作業の遂行
ハ.油処理剤及び吸着材の使用
流出した油は中質油で粘度が非常に高く油処理剤の散布による分散処理は効果
がない。従って、油吸着材による吸着処理は集められた流出油に対して制限的に使
用するように指示した。
8-22
蔚山地域の防除実行計画
図 8-6 時間別油流出油の拡散範囲
8-23
蔚山地域の防除実行計画
ニ.海岸防除
地方自治体及び海域管理庁が主管となって指導・監督し、防除業者に町単位で責
任地域を設定、地域住民とボランティアを動員して次の方法で清掃作業を実施する。
本事故海域の海岸は産業施設による岸壁から成り、岸壁の外側にオイルフェンスを
展張して外部へ拡散しないように措置した後、高圧洗浄機と消火ホースで洗浄、油
回収機及び油吸着材で回収するようにした。
ホ.回収された油及び廃棄物の貯蔵・運搬
(1)海上の回収油:流出した油は粘度が非常に高い状態にあり、回収油のタン
クに加熱装置をもつ回収油のタンクを使用したり、仮にない場合には、は
スクリューポンプ又は高圧ポンプを準備して陸上施設へ運搬するように指
示する。陸上の廃油貯蔵及び処理施設は蔚山港と温山港を利用して、蔚山、
釜山地域の廃油処理業者へ運搬、処理するようにした。
(2)海岸清掃による回収油:本事故海域の海岸は大部分が人工護岸であり、海
岸清掃作業で回収された油には砂とごみは比較的少ない。従って、ごみと
廃油を可能な限り分離した上で回収し、臨時貯蔵所に貯蔵することが必要
である。廃油の臨時貯蔵所は大きいピットで地下水汚染を防止するために
防水シート等を敷いた臨時貯蔵所に貯蔵にし、分離されたごみは、別途の
臨時の貯蔵所に貯蔵、あるいは陸上の処理業者を通して処理するようにす
る。臨時貯蔵所は危険な場所であるので、地域の担当防除業者が 24 時間
警備を置いて不必要な者が接近しないようにする。また、臨時貯蔵所に貯
蔵された油は、陸上の処理業者を指定、処理するようにする。
ヘ.通信情報共有
(1)防除対策本部と現場指揮官及び陸上防除チームの通信の為に、空中線周波
数帯無線機(VHF15、17)が設置された。
(2)防除対策本部長は汚染事故の防除措置進行状況の情報を中央部所及び関係
機関等で共有し、支援、援助が円滑に行われるように防除対策本部で一日
2~3回以上の報告及び通報を行うように指示した。
8-24
蔚山地域の防除実行計画
ト.補給支援
保険会社および船主側で蔚山港に臨時補給所を設置し、防除措置の為の防除資機
材及び動員された人員の飲食、被服、医療等を提供できるようにした。
チ.広報
汚染事故の防除措置の進行状況を中央部所及び関係機関等で情報を共有し支援、
協力が円滑に行われるように防除対策本部で一日に2~3回以上の報告及び広報
をしなければならい。さらに国民に対し汚染拡散と防除進捗状況を報道機関を通し
て定期的にブリーフィングする方法を検討し、広報担当は蔚山海洋警察署の警務課
長が主管するようにする。
4.事故船舶の処理
防除対策本部長は事故船舶が沈没による船体の変形、残存油の追加流出の可能性
等を調査し、調査結果を参照した上で防除技術支援団の諮問を受け、沈没船舶の処
理方法を策定した。沈没船の処理は、船主に引揚を命じ、引揚が困難な場合、安全
性の把握の為に精密な調査を行うようにする。
5.防除終了
防除対策本部は、汚染地域に対する探索の結果、海上に浮遊にする茶色及び黒色
の油膜がさらには発見されないという報告によって、防除技術支援団の諮問を受け、
暫定的に防除活動を終了した。ただし、苦情発生の有無、海洋環境に対する影響評
価の結果、又は他の油の発見有無等により追加防除措置をするよう決定した。
8-25
付属書Ⅰ関連資料及び書式
付属書Ⅰ
関連資料及び書式
付属書Ⅰ関連資料及び書式
目
次
資料1
防除組織の関連法規の内容要約 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1
資料2
防除対策本部の組織表(大型、中型、小型) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 5
資料3
部所対策本部の判別の任務 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 8
資料4
官内の年平均及び日平均の入・出港船舶の現況 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 9
資料5
貨物輸送量の現況 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 9
資料6
主要な油類の物動量の現況 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 9
資料7
繁留施設(タンカー1,000 トン以上)の現況
資料8
気象現況図 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 11
資料9
天気日数 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 11
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 10
資料 10 主要な台風の現況 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 12
資料 11 海洋汚染事故の発生現況 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 13
資料 12 申告接受及び通報の系統図 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14
資料 13 機関別非常連絡網 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 15
資料 14 通信網数 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16
資料 15 防除資機材の保有現況 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 17
資料 16 廃油処理施設及び船倉清掃施設 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 34
資料 17 防除資機材の分散配置の現況 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 36
資料 18 専門対応チームの構成 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 37
資料 19 地域海洋汚染防除対策の協議会の構成表 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 38
資料 20 防除技術支援団委員の連絡所 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 39
資料 21 救難業者の現況 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 40
資料 22 言論機関の現況 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 42
資料 23 防除方法の決定時の考慮事項 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 43
書式1
海洋汚染の発生報告 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 44
書式2
汚染事故の評価書 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 45
書式3
航空監視の支援要請 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 47
書式4
海洋汚染の進行事項の報告 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 48
書式5
防除命令書 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 49
書式6
事故現場の状況報告 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 50
書式7
防除作業現場の指導・監督報告書 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 51
資料1 防除組織の関連法規の内容要約
区
分
Ⅰ-1
中央事故
対策本部
構
成
運
営
〔災難管理法 第 46 条〕
● 災難の収拾が効率的に行われるよ
うに必要な時には当該災難の収拾
に関して関連行政機関の長が行う 〔災難管理法施行令 第 44 条〕
業務を総括し、関係行政機関の長に ● 主務部所の庁は所管業務と関
行政及び財政上の措置又はその他
連する大規模の災難に迅速な
の必要な業務の要請
対処ができるように中央事故
対策本部の構成方法をあらか
● 関係災難管理責任機関の長に所属
じめ決めて災難管理法 第 45 条
職員の派遣要請
の規定による中央事故対策本
部の構成員が所属する機関の
〔災難管理法施行令 第 44 条〕
長に通報
(会議事項)
● 被害施設に対する復旧及び被害補 ● 災難管理法施行令で規定する
もの以外に中央事故対策本部
償対策
の組織及び運営に関して必要
● 災害額の算定の基準
な事項は中央対策本部長が決
● 災難収拾及び復旧費用の負担
める。
● 類似する災難防止の為の予防対策
● その他の災難の収拾及び復旧に必
要な事項で中央本部長が附議する
事項
付属書Ⅰ関連資料及び書式
〔構成要件〕
(災難管理法施行令 第 43 条)
● 人命と財産の被害程度が非常に大きく、その
影響が広範囲で政府次元の総合的な対処が必
要な災難
● 前項の災難に準ずるもので縦横委員会委員長
がその収拾の為に中央事故対策本部の設置が
必要と認定する災難
〔災難管理法 第 45 条〕
● 中央本部長:主務部所議長
● 財政経済部次官
● 外交通商部次官(海外災害の場合)
● 国防部次官
● 行政自治部次官
● 保険福祉部次官
● 企画予算所次官
● 中央本部長が必要と認定する関係中央行政機
関の公務員
〔地域事故対策本部〕(災難管理法 第 43 条)
● 災難が発生したり発生する恐れが顕著な場合
に災難の予防又は収拾に必要な措置を効果的
に遂行する為に
● 中央事故対策本部が設置された場合には必ず
市・道事故対策本部又は市・郡・区事故対策
本部を設置
機 能 及び 権 限
区
分
Ⅰ-2
海洋汚染防除
対策委員会
構
成
運
営
〔海洋汚染防止施行令 第 32 条〕
(審議事項)
● 海洋汚染防除措置に関する
制度の改善対策等に関する
事項
● 海洋汚染事故時、防除措置計
画の策定及びその施行に必
要な人員・予算・物資・装備・
処理施設等の支援のために
各中央行政機関の業務調停
に関する事項
● 地域海洋汚染防除対策協議
との業務協調に関する事項
● 海洋汚染事故に備える緊急
防除対策の策定に関する事
項
● その他の海洋汚染の防除と
関連して海洋水産部長官又
は委員長が審議に提案する
事項
〔海洋汚染防止法施行令 第 34 条〕
(会議)
● 委員長:会議召集、議長
● 会議召集時必要と認定される
場合、事故発生海域の近隣の広
域市・道の関係公務員を出席す
るようにして意見の聴取可能
● 在籍議員の過半数の賛成で議
決
● 委員長は議決された事項を遅
滞なく海洋水産部長官に報告
〔海洋汚染防止法施行令 第 35 条〕
●会議録の作成・備置
付属書Ⅰ関連資料及び書式
〔構成要件〕
(海洋汚染防止法 第 51 条)
● 油・廃棄物の流出事故等、海洋汚染事故で海
洋環境の保全に顕著な被害があったり、被害
を及ぼす恐れがあって緊急防除等、必要な措
置の為に海洋水産部長官の所属下に設置
〔海洋汚染防止法施行令 第 31 条〕
● 委員長:副委員長各1名を含む 15 名以内
● 委員長:海洋水産部次官
● 副委員長:海洋警察署長
● 委員:財政経済部・外交通商部・国防部・行
政自治部・科学技術部・産業資材部・環境部・
海洋水産部及び、国務調査室所属の公務員の
中で各々その機関の長が指名する3級以上の
公務員と、海洋汚染防除に関係する学識と経
験が豊富な者の中で海洋水産部長が委嘱する
者(委員の任期は2年、補欠委員の任期は前
任者の残余期間)
〔海洋汚染防止法施行令 第 35 条〕
●幹事1名と書記若干名:海洋水産部長官が海洋
警察庁所属の公務員の中で指名
機 能 及び 権 限
区
分
構
成
機 能 及び 権 限
〔構成要素〕
(海洋汚染防止法 第 51 条)
● 油・廃棄物の流出事故等、海洋汚染事
故で海洋環境の保全に顕著な被害があ
ったり、被害を及ぼす恐れがあって緊
急防除等必要な措置の為に海洋警察署
〔海洋汚染防止法施行令 第 37 条〕
長の所属下に設置
Ⅰ-3
地域海洋汚染防
除対策委員会
〔海洋汚染防止法施行規則 第 96 条〕
●幹事及び書記各1名:海洋警察署長がそ
の所属公務員の中で指名
営
● 運営等に関する必要な事項は
海洋水産部令で決める。
〔海洋汚染防止施行規則 第 37 条〕
● 委員長:代表、会務統轄、会議
召集、議長
● 在籍議員の過半数の出席で会
議、出席委員過半数の賛成で議
決
● それ以外の運営に必要な事項
は地域対策協議会の議決を経
て委員長が決める。
付属書Ⅰ関連資料及び書式
〔海洋汚染防止法施行令 第 37 条〕
● 委員長1名を含む 20 名以内
● 委員長:海洋警察署長
● 委員:環境管理庁・地方水産庁・海洋
警察署・海軍艦隊司令部・市・道及び
市・郡・区所属の公務員の中で各々そ
の機関の長が指名する公務員1名以上
と地区別水産業協同組合の職員、海洋
汚染事故と関連する船舶又は施設の所
有者、石油精製業者の職員、住民代表
等地域海洋汚染防除業務と関係がある
者の中で委員長が委嘱する者
(審議事項)
● 海洋汚染事故に備える防除措置計
画
● 海洋汚染事故時防除措置に必要な
人員・予算・物資・装備・処理施
設等の支援に関する関係地方行政
機関間の業務の調停
● 海洋汚染防除に関する技術的な諮
問
● その他の海洋汚染の防除と関係し
て海洋警察庁長又は委員長が審議
に提案する事項
運
区
分
防除対策本部
構
成
機 能 及び 権 限
運
営
〔構成要件〕
(海洋汚染防止法 第 51 条)
● 油・廃棄物の流出事故等、海洋汚染事
故で海洋環境の保全に顕著な被害が 〔海洋汚染防止法施行令 第 38 条〕
あったり、被害を及ぼす恐れがあって
緊急防除等必要な措置の為に海洋警 (本部長の管掌業務)
● 防除計画の策定・執行
●運営等に関して必要な事
察庁長の所属下に設置
● 防除作業に動員された人員・装備の指揮・ 項は海洋警察庁長が決める。
統制
〔海洋汚染防止法施行令 第 38 条〕
● 防除方法の決定
● 防除対策本部長:海洋警察庁長
● 海洋警察庁の所属の公務員及び関係 ● その他の防除措置に必要な事項
Ⅰ-4
機関の長が派遣する公務員
〔海洋汚染防止法施行令 第 39 条〕
● 事故現場で排出された油量の算定
● 事故船舶の処理方法
● 排出された油の拡散予測
● 防除方法の選択等に関する諮問及び技術
支援
付属書Ⅰ関連資料及び書式
〔構成要件〕
〔海洋汚染防止法施行令 第 39 条〕
防除技術支援団 ● 科学的な防除業務の遂行の為に
〔海洋汚染防止法施行令 第 39 条〕
●専門研究機関等の専門家で構成
付属書Ⅰ関係資料及び書式
資料2 防除対策本部 組織表(大型、中型、小型)
□大型の海洋汚染事故時□
防除対策本部長
防除対策委員会
海洋警察庁長
中央部署・関係機関
統制官
海洋汚染管理局長
防除技術支援団
専門家グループ
現場指揮官
地域防除対策協議会
蔚山海洋警察署長
自治体、水協、関係機関
海警防除チーム
民間防除チーム
海上・航空
防除組合、防除業
指揮統制班
海洋汚染
管理課長
海洋汚染課
0名
警備課 0 名
防除組合
0名
防除統制班
警通課長
防除課長
状況室 0 名
防除係 0 名
関係機関
0名
普及支援班
広報・行政班
現場調査班
安全課長
整備係長
補給係長
通信運営係長
監視係 0 名
関係機関 0 名
行為者 0 名
保険会社 0名
警務課長
管理係長
指導係長
広報担当
行事担当
0名
インターネット運営
0名
情報、
捜査課長
監視係長
捜査係長
刑事係長
監視係 0 名
捜査係 0 名
刑事係 0 名
Ⅰ-5
付属書Ⅰ関係資料及び書式
□中型の海洋汚染事故時□
防除対策本部長
海洋汚染管理局長
防除技術支援団
専門家グループ
現場指揮官
地域防除対策協議会
蔚山海洋警察署長
自治体、水協、関係機関
海上:海警防除チーム
民間防除チーム
海岸:管轄市・群
防除組合、防除業
指揮統制班
海洋汚染
管理課長
海洋汚染課
0名
警備課 0 名
防除組合
0名
防除統制班
警通課長
防除課長
状況室 0 名
防除係 0 名
関係機関
0名
普及支援班
安全課長
整備係長
補給係長
通信運営係長
監視係 0 名
関係機関 0 名
行為者 0 名
保険会社 0 名
Ⅰ-6
広報・行政班
警務課長
管理係長
指導係長
広報担当
行事担当
0名
インターネット運営
0名
現場調査班
情報、
捜査課長
監視係長
捜査係長
刑事係長
監視係 0 名
捜査係 0 名
刑事係 0 名
付属書Ⅰ関係資料及び書式
□小型の海洋汚染事故時□
防除対策本部長
蔚山海洋警察署長
防除技術支援団
専門家グループ
現場指揮官
地域防除対策協議会
海洋汚染管理課長
自治体、水協、関係機関
海上:海警防除チーム
民間防除チーム
海岸:管轄市・群
防除組合、防除業
指揮統制班
防除統制班
海洋汚染
管理課長
海洋汚染課
0名
警備課 0 名
防除組合
0名
警通課長
防除課長
状況室 0
名
防除係 0
名
関係機関
0名
普及支援班
安全課長
整備係長
補給係長
通信運営係長
監視係 0 名
関係機関 0 名
行為者 0 名
保険会社 0 名
Ⅰ-7
広報・行政班
警務課長
管理係長
指導係長
広報担当
行事担当
0名
インターネット運営
0名
現場調査班
情報、
捜査課長
監視係長
捜査係長
刑事係長
監視係 0 名
捜査係 0 名
刑事係 0 名
付属書Ⅰ関係資料及び書式
資料3
防除対策本部の班別の任務
班名
指揮統制班
防除状況班
任務
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
普及支援班
広報・行政班
現場調査班
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
事故現場に出動、現場状況に適合する防除対応戦略の検討・施行
防除勢力、防除区域の設定及び防除方法の選定・提示等、防除計画の策定
防除技術支援団の事故現場の支援・検討及び諮問要請
流出油の移動・拡散及び防除進捗状況による適正する防除措置の検討・施行
防除措置海域で通航する船舶の統制
海警及び民間防除勢力の総括・行動措置
防除状況の海警庁の報告及び関係機関の伝達
現場指揮官が防除措置する事項を指揮統制班に通報
防除命令及び関係機関、団・業者の防除協力の要請
汚染状況及び防除措置事項を時差別に記録維持
防除対策本部の勤務状況簿の備え、対策班要員の勤務事項の記録・維持
VIP 等、貴賓の訪問に準備し、状況報告及びブリーフィングの準備
防除対策協議会の防除対策審議及び関係機関の団・業者の協力支援体制の確立
海警庁及び関係海警署と状況維持及び情報交換
該当の処理業務を各対策班に通報
海警及び関係機関等、防除装備、機資材、燃料、主・副食、衛生用の消耗品等の
動員・普及・支援の総括管理
必要時、現場防除対策本部の設置
防除資金を使用して不足資材の補充及び運送料等、付帯費用の執行(防除組合
の特別割当の活用又は海警署の保有の防除資金使用)
防除機資材の臨時普及所の設置(陸上又は海上)
装備、機資材の収拾状況を記録・維持して不足が予想される物品の確保
回収された廃油、廃棄物の海・陸上の臨時貯蔵所の設置及び最終処理の適法可否
を指導・監督
該当の処理業務を各対策班に通報
現場防除活動の事項を撮影(ビデオ、デジタルカメラ)
報道資料の作成配付及び報道内容の記録及び保管
誤報及び非難報道事項の真相の把握・是正
記者室の運営等取材の便宜提供
防除対策本部の事務室運営、防除措置要員の厚生等、行政支援
ボランティアの防除作業の配置及び宿舎・食事等総括管理
VIP 及び来賓の案内等、儀典担当
海警署のホームページに報道資料と防除状況の実時間更新
油類汚染状況図の作成及び防除状況板の記録・維持
保険加入の現況及び船主の補償能力の把握
該当処理業務を各対策班に通報
事故船舶の各乗員、特性、油類積載量等の把握及びタンク図面の作成
事故原因の調査及び流出量の算定
汚染物質の試料採取・分析、写真撮影等の証拠の確保
流出油の油処理剤の適用実験及び汚染海域の油分濃度を調査
1 日 2 回以上の航空監視を実施して汚染状況図の作成及び防除対策本部に報告
海洋汚染事故と関連して情報の収集及び住民動向の把握
該当処理業務の各対策班に通報
Ⅰ-8
付属書Ⅰ関係資料及び書式
資料4 館内の年平均及び日平均の入・出港船舶の現況(単位:隻)
〔年平均〕
船種
計
貨物船
タンカー
旅客船
漁船
t数
計
-
22,390
6,137
14,592
56
100t 未満
-
-
290
16
12
100t~500t 未満
-
3,225
31
1,822
44
500t~1,000t 未満
-
-
6,545
392
6,118
1,000t~5,000t 未満
-
-
6,336
3,248
3,088
5,000t~10,000t 未満 5,031
-
-
2,115
2,916
10,000t 以上
-
-
983
351
632
その他
1,605
242
1,328
35
-
-
-
〔日平均〕
船種
t数
計
100t 未満
100t~500t 未満
500t~1,000t 未満
1,000t~5,000t 未満
5,000t~10,000t 未満
10,000t 以上
資料5
計
貨物船
タンカー
旅客船
漁船
その他
61
-
9
20
12
17
3
17
-
-
3
4
9
1
40
-
5
17
8
8
2
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
4
-
4
-
-
-
-
鉱石
砂
水産物
貨物輸送量の現況
区分 計 穀類 油類 セメント 石炭 木材
機械
鉄材 その他
計
入港
出港
資料6
区分
計
入港
出港
主要な油類の流通量の現況
計
原油
86,952,209 72,917,588
75,560,741 72,102,121
11,391,468
815,467
重質油
7,503,301
1,235,968
6,267,333
Ⅰ-9
軽質油
3,487,685
1,584,652
1,903,033
その他
3,043,635
638,000
2,405,635
付属書Ⅰ関係資料及び書式
資料7
番号
1
2
繋留施設(タンカー 1,000t以上)の現況
施設名
蔚山水協江東支店
船舶主流繋留場
9
10
(連絡所)
480
295-1005
8,236,320
231-1291
北区亭子洞 31-1
〃
30,000
NO.3ドルピン
〃
10,000
温山港内
40,000
7,435,276
温山港内
80,000
6,961,178
温山港外
350,000
28,245,993
5,000
696,350
236-7552
5,000
877,628
27-4874
67,038,002
270-2851
SAPER
現代精油(株)
桟橋式
埠頭
SK ガス LPG 埠頭
過去
埠頭
方魚洞 1283-8 番地
南区龍岑洞
(ナングヨンザンドン)100
50,000
SK1 埠頭
10,000
SK2 埠頭
25,000
SK3 埠頭
55,000
SK5 埠頭
8
(kL)
NO.2ドルピン
SK4 埠頭
7
(DWT)
番地
ブイ
6
備考
NO.1ドルピン
ドルピン(NO.1)
5
年間取扱量
蔚州郡温山邑所容里 130
JETTY(NO.1)
4
最大接岸船舶
大韓油化工業(株)
双竜精油
3
位置
南区古沙洞 110
16,000
23,000
SK6 埠頭
70,000
SK7 埠頭
70,000
SK8 埠頭
70,000
SK 石油公社
北緯:35°27′03″
NO.1ブイ
東経:129°23′44″
SK 石油公社
北緯:35°27′03″
NO.2ブイ
東経:129°23′44″
SK 石油公社
北緯:35°25′44″
NO.2ブイ
東経:129°23′28″
現代重工業(株)
東区田下洞
BITT
(ソンハドン)1番地
嶺南火力発電所の
南区梅岩洞(メアンドン)29
物揚場
嶺南火力取水口の隣
蔚山火力発電所の
物揚場
南区南化洞1番地
韓国石油公社
北緯:35°24′37″
原油 ブイ
東経:129°23′02″
Ⅰ-10
231-2425
325,000
325,000
325,000
1,200,000
230-5063
2,000
14,400
278-1226
1,800
729,529
278-0353
300,000
5,181,000
238-3235
付属書Ⅰ関係資料及び書式
資料8
月別
気象現況図
気温(℃)
水温(℃)
平均
最高
最低
平均
平均
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
11.4
-3.1
-1.2
3.9
10.5
15.9
20.1
23.7
24.9
20.5
14.4
7.0
0.0
15.5
0.7
2.7
8.1
15.0
20.4
24.3
27.0
28.4
24.8
19.2
11.2
4.0
8.0
-6.5
-4.5
0.6
0.8
12.3
17.0
21.3
22.2
16.8
10.3
3.4
-3.4
13.2
2.2
1.8
4.6
9.1
14.2
19.0
22.6
24.8
23.1
17.9
12.4
6.5
資料9
天気日数(単位:日)
風
降水量
平均風速
(mm)
最多風向
(m/s)
NNW
3.7
1170.1
NW
4.2
21.9
NNW
4.3
22.8
NNW
4.5
40.1
SW
4.2
86.9
SW
3.7
82.7
SW
3.0
107.3
SW
3.3
285.2
SW
3.1
252.2
NW
2.8
152.2
NNW
3.0
48.1
NNW
4.0
50.4
NNW
4.1
20.2
天気(日数)
晴れ<2.5 曇り≧7.5 雨≧01mm
霧
雪
暴風≧14m/s
平均
100.7
95.2
101.7
50.4
22
10.5
1
13.1
4.8
7.0
2.1
7.3
1.3
2
11.3
5.0
5.7
2.1
4.9
1.0
3
10.2
5.9
6.2
3.8
2.6
1.0
-
4
8.0
7.2
7.7
5.7
1.3
-
5
8.0
8.9
7.7
5.9
0.4
-
6
4.1
11.0
9.4
8.0
0.1
-
7
1.8
17.8
15.1
9.9
0.7
-
8
3.8
11.7
12.4
3.9
0.7
-
9
7.7
8.4
8.0
2.0
0.4
-
10
12.4
4.8
6.0
2.3
0.5
11
9.3
5.4
9.0
2.4
1.3
1.5
12
10.9
4.3
7.5
2.3
5.9
1.6
※ 国立海洋調査院の基準(北緯 37 度 28 分、東経 126 度 38 分)
※ 最近 30 年間の統計資料の活用、海洋調査院の発刊、西海岸水路誌の参考
月別
Ⅰ-11
付属書Ⅰ関係資料及び書式
資料 10 主要な台風の現況
台風名
時期
EVA
HAZEL
DELLA
JUDITH
GRACE
RUTH
KARAN
JUNE
LOVISE
BABS
EMMA
SARAH
CARMEN
NANCY
NORA
BESS
HARRIET
BETTY
POLLY
OLIVE
GILDA
PHYLLIS
FRAN
AMY
ORCHID
ELLIS
KEN
JUNE
VERA
THELNA
DINAH
JUDY
ABE
CAILIN
GLACYS
MIREILLE
TED
ROBYN
WALT
FAYE
45.8.2~8.5
48.7.7~7.9
49.6.21~6.22
49.8.16~8.19
50.7.20~7.22
51.10.13~10.15
52.8.16~8.19
54.9.13~9.14
55.9.29~9.30
56.8.16~8.17
56.9.8~9.10
59.9.15~9.18
60.8.22~8.23
61.9.15~9.16
92.8.1~8.3
63.8.9~8.12
65.7.28~7.29
66.8.29~8.31
68.8.15~8.17
71.8.4~8.6
74.7.6~7.7
75.8.17~8.18
76.9.12~9.13
77.8.23~8.25
80.9.10~9.11
82.8.25~8.28
82.9.24~9.26
84.9.2~9.3
86.8.28~8.29
87.7.14~7.16
87.8.31
89.7.28~7.29
90.9.1~9.2
91.7.28~7.30
91.8.22~8.26
91.9.27
91.9.22~9.26
93.8.8~8.11
94.7.26~7.28
95.7.22~7.24
最大風速
風向
風速(m/s)
SE
SSW
NW
ENE
S
ENE
SE
NE
N
ENE
S
ENE
S
NNW
SW
NNE
NNE
SW
SSE
N
NNE
NE
ENE
N
NE
ENE
NNE
NW
SW
SE
SE
NNW
S
N
N
N
S
N
NNE
N
12.5
11.7
19.5
15.0
17.0
18.7
18.8
25.5
18.3
23.2
23.7
31.7
13.8
12.5
18.2
26.7
11.0
18.7
15.0
12.7
12.0
10.7
16.3
10.0
12.7
10.0
10.0
6.3
9.0
14.3
18.3
23.3
13.3
20.0
23.3
15.7
13.3
17.3
13.3
33.2
2-12
瞬間風速
風向
風速(m/s)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
N
-
NE
-
ENE
-
N
-
S
-
NNW
-
SW
NNE
SW
SSE
NE
ENE
NE
ENE
N
NE
NE
ENE
NNW
NW
SW
SE
SE
NNW
SW
SE
SE
NNW
S
N
NNE
N
30.1
17.4
23.0
23.7
26.4
25.0
18.1
25.1
15.1
24.0
20.8
17.6
12.6
21.7
30.5
36.7
30.0
16.3
25.5
27.0
23.4
23.5
29.4
14.9
39.0
資料 11 海洋汚染事故の発生現況
計
故意
不注意
海難
破損
不明
その他
区分
Ⅰ-13
流出量
件
L
件
L
件
L
件
L
件
L
件
L
01
35
5,800
4
3.36
23
2.08
2
0.14
1
0.01
5
0.2
00
47
5,056
4
1,252
39
3,775
1
20
2
4
1
5
99
69
33,916
18
10,048
31
19,037
4
2,665
7
1,573
9
593
98
48
3,318,907.7
10
3,001,516
27
15,962.7
4
301,013
4
296
3
120
97
39
19,025
1
10
28
1,893
7
15,782
2
1,240
1
100
96
33
35,529
2
70
23
979
2
4,150
2
29,800
4
530
95
38
5,016,983
5
10,915
28
7,044
2
4,970,082
3
28,942
94
38
71,321
8
3,195
25
1,050
3
66,826
1
100
1
150
93
54
15,046
7
5,760
36
3,152
2
5,074
2
1,010
7
50
0
0
計
401
8,521,583.7
59
3,032,769.36
260
52,894.78
27
5,365,612.14
24
62,965.01
31
1,548.2
0
0
付属書Ⅰ関係資料及び書式
件数
資料 12 申告受付及び通報の系統図
海洋警察庁
□ 状況室:881-0461
□ 防除室:883-1846
報告
蔚山海洋水産庁
申告
蔚山海洋警察署
申告
関係機関
□ 港湾交通情報センター:228-5572
□ 海洋環境課:228-5583
□ 港務課:228-5565
通報
□ 状況室:260-6112
□ 汚染管理課:261-5050
通報
□ 海軍:261-7384
□ 市庁:229-3218
□ 蔚州郡:228-7198
Ⅰ-14
申告
通報
民間防除業界
申告
汚染事故
(船舶、海洋施設)
船舶
地域住民
付属書Ⅰ関係資料及び書式
□ 防除組合:261-3413
□ 防除業界
・
(株)ドンチョン:268-5556
・
(株)ソンヤン:257-4477
汚染行為者
(船主、施設設置者)
申告
付属書Ⅰ関連資料及び書式
資料 13 関係別非常連絡網
機関名
蔚山広域市
蔚山地方
海洋水産庁
洛東江
環境管理庁
海軍
東区庁
南区庁
北区庁
蔚州郡庁
機張郡庁
防除組合
韓国石油公社
蔚山水協
機張郡水協
SK 石油公社
双竜精油
韓国海事鑑定
(株)ドンチョン
(株)ソンヤン
(株)ドンファ貿易
現代船舶検査(株)
(株)セチョン
現代尾浦造船
(株)宇宙環境
(株)ミョンシン
産業
担当部署
平日
連絡先
夜間・公休日
備考
(FAX)
環境政策課
水産行政課
港務課
海洋環境課
漁村指導係
港湾交通情報
センター
229-3218
229-3151
228-5565
228-5583
228-5621
275-2121
275-2121
228-5504~9
228-5504~9
228-5504~9
229-3219
229-3152
228-5569
228-5589
228-5589
228-5572
左同
228-5579
蔚山出張所
237-0143~8
左同
258-0128
311 編隊
環境衛生課
環境管理課
環境衛生課
水産課
環境保護課
蔚山支部
運用部
指導課
指導課
環境部
環境部
蔚山事務所
261-7384
230-9331
266-2121
259-4411
228-7198
051-721-0794
261-3413
238-3235~7
268-8004~5
051-722-1905
270-2931
231-2370
265-2231
268-5556
257-4477
265-9137
261-7840
257-1120
250-3308
227-3287
261-7384
233-8401
229-9222
257-2323
279-0222
051-720-8222
261-3413
238-3235~7
268-8004~5
051-722-1905
270-1020
231-2396
265-2231
011-882-9747
011-590-7939
265-9137
265-9149
011-588-2928
250-3308
011-840-9137
051-640-4478
230-9679
229-9467
259-4541
229-7199
051-720-5519
261-3438
238-8971
268-8001
051-721-5505
270-2956
231-2385
265-2230
266-7773
260-1800
265-9139
261-7841
257-1121
250-3092
227-3387
227-8595
018-573-8572
227-8597
総務課
Ⅰ-15
資料 14 通信網図
海警庁
汚染原因行為者
環境庁、海軍、水協等
(船主、設備設置者)
関係機関、団体、業者
民間防除チーム
防除対策本部
防除組合
蔚山海警 3 階講堂
市、郡、区
地方自治体
Ⅰ-16
防除業者
地域住民
現場指揮官
海上防衛
陸上防衛
航空防除
V.H.P.網 無線電話
V.H.P 網 無線電話
V.H.P 網 無線電話
付属書Ⅰ関係資料及び書式
VHP 又は有、無線電話
付属書Ⅰ関連資料及び書式
資料 15 防除資機材の保有現況
〔1〕 防除船
所属
船名
(総t数)
速力
(航行
通信網
区域)
回収方式
回収容量
廃油
オイルフェンス
貯蔵
型式
巻取機
容量
保有量
全長速度
防除 16 号
10
VHF
吸着
C
(450)
沿岸
SSB
280
600
ヘチョン
8
VHF
3 号(84)
沿岸
SSB
309 大龍号
12
VHF
防除組合
(190)
沿岸
SSB
蔚山支部
203 黄龍号
13
VHF
吸入
(113)
沿岸
SSB
50
防除 1002 号
751
ドンチョン
8
2 号(33)
蔚山海警
直接回収
50
B
200
C
300
吸着、吸入
C
120、250
660
VHF
吸入
B
沿岸
SSB
70
200
大韓 1 号
8
VHF
(56)
沿岸
SSB
ドンボ 2 号
6
Weir
B
(35.01)
平水
36
200
ジョカン
蔚山号
13
吸着
B 300
船舶
(204)
平水
25
C 800
GREEN 1号
20
(11)
平水
GREEN 2号
10
(12)
平水
SK 石油
GREEN 3号
13
公社
(25.18)
平水
SBM 5 号
12
(199.9)
沿岸
SBM 7 号
14
(224)
沿岸
㈱ドンチョン
㈱ソンヤン
計
14 隻
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
吸着
Lo Boom
300
吸着
Lo Boom
2
350
処理剤
吸着剤
4,998
300
200
50
600
50
200
50
780
354
180
60
2,000
100
1,100
100
1,000
100
2,050
140
850
170
13,958
1,474
吸入
12
吸入
Lo Boom
100
600
吸着
B
40
600
1,035
5,110
Ⅰ-17
付属書Ⅰ関連資料及び書式
〔2〕 オイルフェンス展張船
所属
蔚山海警
船名
(総t数)
防除 16 号
(450)
速力
(航行
区域)
通信
網
10
沿岸
VHF
SSB
オイルフェンス
型式
保有量
巻取機
全長速度
廃油
貯蔵
容量
保有資材
処理剤
吸着剤
C
600
4,998
300
VHF
SSB
C
300
600
50
防除組合
蔚山支部
309 大龍号
(190)
12
沿岸
ジョカン
船舶
ジョカン
7 号(197)
13
平水
VHF
SSB
C
300
600
10
先進 808
13
沿岸
VHF
C
300
2,800
0
(198)
13
沿岸
VHF
300
0
ヘガン
7 号(196)
14
平水
VHF
2,000
10
GREEN 1 号
20
平水
VHF
1,000
100
10
平水
VHF
1,000
100
2,050
140
先進総合
ヘガン船舶
(263)
先進 909
(11)
GREEN 2 号
SK 石油
公社
(12)
SBM5 号
(499.9)
SBM7 号
(224)
計
C
300
C
500
Lo Boom
300
Lo Boom
350
12
沿岸
VHF
Lo
Boom
600
14
沿岸
VHF
B
600
850
170
4,150
16,298
370
Ⅰ-18
付属書Ⅰ関連資料及び書式
〔3〕油回収機の粘性
所属
蔚山海警
船舶
回収方式、
装着
回収能力
可否
回収機名
製造者
(輸入者)
コマラ 12K
ケバプ 600
ブラシ (大型)
スクル
シンファ環境
バイコマ
シンファ環境
ハンラ資源
吸着、20
吸着、0.075
吸着、25
吸入、60
否
否
否
否
ブラシ(大型)
シンファ環境
吸着、25
可
チェーンブラシ
スピルバク
ブラシ
ガセイン貿易
ガセイン貿易
ガセイン貿易
エクション
ペトリウム
シンファ貿易
吸着、25
真空、25
吸着、50
吸着、
weir 50
20
可
否
否
250
可
吸着、120
Weir、11
Weir、100
可
否
Weir、50
可
吸着、20
Weir、250
吸着、35
吸着、22
50
35
50
可
可
可
可
吸着、12
可
モルティスキモ
コマラ 20K
TransREC
PBC-406
Mini-VAC
Desmi-Terminato
防除組合
蔚山支部
デンマーク
デンマーク
WDS-50
コマラ 20K
Desmi Tarantula
RM-090DV
コマラスタ
DS-50
Mini-MAX
SMBC 50
コマラ 12K
シンファ環境
シンファ環境
シンファ環境
回収機装着船舶
船名
廃油
(t)
タンク(m3)
防除 16 号
(450)
280
両舷
各1個
120
2台
可
防除 1002 号
(751)
〃
203 黄龍
(113)
309 大龍号
GREEN 1 号
(11)
0
GREEN 2
号(12)
40
コマラ 12K
シンファ環境
吸着、12
可
コマラ 30K
シンファ環境
吸着、30
可
シンファ環境
デンマーク
双竜精油
コマラ 30K
デミス
RBC-20
ロクリン
サイクロネット-50
吸着、30
吸入、100
吸着、40
吸入、40
遠心力、25
否
可
可
可
否
㈱ドンチョン
デスミ
Weir、100
可
ドンチョン2号
(70)
78
ジョカン船舶
RSB-20
吸着、40
可
蔚山号(204)
25
㈱ソンヤン
PEDCO 4 foot
Weir、36
可
ドンホ 2 号
(35)
SK 石油公
社
ロクリン社
シンファ環境
デスミ社
(デンマーク)
Aqua Guide
(カナダ)
ボシテチ
(カナダ)
Ⅰ-19
備考
SBM5 号
SBM7 号
付属書Ⅰ関連資料及び書式
〔4〕オイルフェンス、油吸着剤、油処理剤
オイルフェンス(m)
油処理剤(L)
油吸着剤(kg)
油ゲル化剤
型式
型式
数量
粉末
1,499
4,499
1,499
所属
型式
数量
B型
自動膨脹式
強制膨脹式
34,560
2,100
800
600
700
総計
小計
蔚山海警
小計
浦港海警
小計
釜山海警
小計
蔚山広域市庁
蔚山地方
海洋水産庁
防除組合
蔚山支部
蔚山水協
251-7151
釜山東部水協
SK 石油公社
272-7151
双竜精油
231-2425
ドンチョン㈱
268-5556
ジョカン船舶㈱
261-7756
㈱ソンヤン
㈱ユソン
257-0671
㈱ジンヤン
現代尾浦造船
250-3092
㈱セチョン
三星精密化学
現代精油
B型 等
1,276
1,276
2,004
B型
2,004
B型
A型
B型
包蔵型
B型
C型
曳引型
19,460
660
200
1,340
600
1,660
1,700
60
B型
型式
数量
一般型
濃縮型
218,108
28,510
27,304
1,206
シート型
ブーム型
ロール型
クッション型
数量
35,668
6,420
2,640
1,840
1,470
470
7,089
7,089
4,600
一般型
22,886
22,886
40,000
シート、ブーム
一般,
濃縮
40,189
シート、ブーム
7,164
一般型
一般型
87,608
1,400
6,304
シート型
11,779
890
2,430
一般型
7,772
一般型
ブーム型
825
264
250
一般型
288
B型
B型
C型
200
6,280
1,250
一般型
一般型
504
39,762
シート、ブーム
シート、ブーム
10
4,630
B型
1,120
一般型
22,000
シート、ブーム
1,000
B型
300
一般型
234
シート、ブーム
200
B型
強制膨脹
A型
600
800
120
一般型
2,000
シート、ブーム
180
一般型
480
シート、ブーム
100
A型
340
一般型
504
シート、ブーム
120
B型
20
一般型
90
シート、ブーム
20
B型
1,200
一般型
5,000
シート、ブーム
400
B型
B型
B型
120
100
840
一般型
一般型
一般型
36
234
4,000
シート、ブーム
シート型
シート型
100
100
400
Ⅰ-20
130
回収
ネット
(m)
付属書Ⅰ関連資料及び書式
オイルフェンス(m)
油処理剤(L)
油吸着剤(kg)
油ゲル化剤
型式
型式
所属
型式
モビルコリア
261-9137
ドンファ交易
265-9137
型式
9,720
小計
韓国硝子
数量
数量
39,104
数量
5,760
B型
320
一般型
600
Sheet 型
350
B型
320
一般型
1,000
Sheet 型
100
300
一般型
538
Sheet 型
600
テヨン科学㈱
コレアボパックターミナル㈱
1 ターミナル
コレアボパックターミナル㈱
2 ターミナル
B型
(共同)
1,300
一般型
3,000
Sheet 型
1,000
錦湖石油化学㈱
B型
320
一般型
200
Sheet 型
100
東西発電㈱
蔚山火力発電所
B型
1,020
一般型
2,164
Sheet 型
390
㈱暁星
B型
60
一般型
360
Sheet 型
400
韓国石油公社
B型
1,500
一般型
20,004
Sheet 型
1,010
現代重工業
B型
2,500
一般型
4,500
Sheet 型
1,000
㈱ジョンイル
ストルトヘブン
B型
380
一般型
270
Sheet 型
290
Sheet 型
120
東西石油化学㈱
㈱ドンチョン
B型
300
一般型
234
Sheet 型
200
㈱ソンヤン
B型
300
一般型
234
Sheet 型
200
先進総合㈱
B型
600
一般型
6,000
ヘガン船舶㈱
B型
Ⅰ-21
数量
回収
ネット
(m)
付属書Ⅰ関連資料及び書式
〔5〕タンカー
所有者
船名(総t数)
現代商船(株)
現代 BANNER
(151,977)
(株)現代尾浦造船
ハンウリ号(19.2)
(株)ジョガン船舶
サンジン号(77)
東方油槽社
第 11 ソンヤン号(1,581)
金ウコン
カンミョン号(473)
ハンジュタンカー(株)
3 建設号(1,740)
ハン ドンブ
ノスン 2 号(28)
イ
ミョンギル
95 ギョンジン号(141)
シン ヘリ
ウジン号(287)
デヤン油槽社
5 デヤン号(429)
ハンジュタンカー(株)
ソジュ号(1,598.6)
(株)ソンヤン
ソンヤン号(5.5)
ウジン船舶(株)
101 オソン号(503)
ジョ
インギュ
第 7 ダヨン号(190)
サンヤン油業
第 1 ギョンジン号(67)
水協中央会
第 1 酔水協号(131)
慶南海上給油
第 5 ソンヤン号(66)
湖南海上給油
第 2 デウォン号(56)
ソン ジョンウォン他 1 名
第 96 デウォン号(56)
ハン ドンブ
ドンチャン号(14.5)
湖南海上給油
第 5 デウォン号(56)
Ⅰ-22
航行区域
(速力)
船員数
(名)
通信網
備考
付属書Ⅰ関連資料及び書式
所有者
船名(総t数)
(株)セチャン
ギルシン号(37)
ジョ
インギュ
1 デヨン号(204)
(株)ソンヤン
ドンボ 2 号(35)
サンヤン油業
フンクッ 66 号(64.8)
ドンファ交易商社
1 ドンイル l 号(36.3)
韓国給油(株)
ヘグ 23 号(46)
(株)ジンヤン
ジンヤン l 号(1,477)
ソンウ特殊船
ヒンギル号(1,596)
サンソンヘウン海運
(株)
ドンジュ号(823)
チェ
サンヨン
ソンカン号(607.1)
ジンフン船舶(株)
イストン-ジンジュ
(1,599)
チェビョンイル
第 7 デヤン号(657)
Ⅰ-23
航行区域
(速力)
船員数
(名)
通信網
備考
付属書Ⅰ関連資料及び書式
〔6〕油槽艀船
所有者
船名(総t数)
防除組合
蔚山支部
防除組合
蔚山支部
防除組合
蔚山支部
防除 1002 号
(751)
シャトルバージ1号(50)
サンヤン油業
サンヤン号(72)
(株)チェンユ
チェンユ 12 号(164)
慶南油業
第3ソンヤン号(54)
ドンカン油業(株)
第 11 ヘクプ号(158)
(株)ミスン
ミスン号(69.2)
(株)セチョン
セチャン号(21)
(株)セチャン
第2ボカン号(577)
SK エネルギー販売
ビ 201 号(781)
ドンファ交易商社
ドンファ号(149)
湖南海上給油
第8デウォン号(350)
慶南油業
第7ソンヤン号(66)
ドンギル海運
101 フンクッ(438)
セチョン
ギルシン号(37.88)
(株)ドンチョン
ハンソン号(599)
(株)ドンファ交易
ドンファ号(149)
現代船舶検査
現代船舶検査 2 号(69)
宇宙環境
第2サンナン号(93)
シャトルバージ2号(50)
Ⅰ-24
航行区域
(速力)
船員数
(名)
通信網
備考
付属書Ⅰ関連資料及び書式
〔7〕作業船
船名(総t数)
航行区域
(速力)
マスター2号(25)
平水(10)
3HV-227
センウィ号(16)
平水(10)
RT-2048
SBM1 号(12)
沿岸(10)
FM-2060
SBM2 号(51)
沿岸(10)
FM-2000
SBM3 号(14)
沿岸(10)
FM-2000
ドラゴン 1 号(0.8)
平水(12)
TRS
ヘチョン 3 号(84)
沿岸(8)
VHF、SSB
309 大龍号(190)
沿岸(12)
VHF、SSB
203 黄龍号(113)
沿岸(13)
VHF、SSB
清浄2号(2)
沿岸
ジョカン船舶
(株)
261-7756
三星号(36)
沿岸(12)
VHF、SSB
(株)ドンチェン
268-5556
ドンチェン 2 号(28)
沿岸(8)
VHF、SSB
防除船兼用
(株)ソンヤン
257-4477
ド ン ボ 2 号
(28.18)
沿岸(8)
VHF、SSB
防除船兼用
嶺南 101 号
(19.33)
沿岸(9)
VHF、SSB
052-238-3078
嶺南 201 号
(19.41)
沿岸(9)
VHF、SSB
052-238-3078
東海3号(26.74)
沿岸(9)
VHF、SSB
052-238-3078
所有者
SK 石油公社
272-7151
双竜精油
231-2425
防除組合
蔚山支部
(株)嶺南海上
238-3078
Ⅰ-25
船員数
(名)
通信網
備考
防除船兼用
モーターボート
付属書Ⅰ関連資料及び書式
〔8〕曳引船
ジョカン5号(124)
ジョカン7号(197)
ジョカン9号(88)
蔚山号(204)
処容号(200)
江山号(140)
八道号(174)
ジュピター (158)
ヒョンジュン 101 号(192.8)
ヒョンジュン 107 号(140)
ヒョンジュン 123 号(197.6)
ヒョンジュン 201 号(140)
203 黄龍(113)
316 大龍(225)
302 大龍(164)
ヘカン1号(85)
ヘカン3号(167)
ヘカン 7 号 196)
ヘカン5号(108)
航行区域
(速力)
沿海(12.5)
沿海(12.5)
沿海(12.5)
沿海(12.5)
沿海(12.5)
沿海(12.5)
沿海(12.5)
沿海(12.5)
沿海(12.5)
沿海(12.5)
沿海(12)
沿海(12.5)
沿海(12)
沿海(12.5)
沿海(12)
沿海(12.5)
沿海(12.5)
沿海(12)
沿海(12.5)
沿海(12.5)
沿海(12)
沿海(12)
沿海(12)
沿海(12)
沿海(13)
沿海(12)
沿海(12)
沿海(12)
沿海(13.8)
沿海(14)
沿海(12)
船員数
(名)
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
4
4
4
4
4.
5
4
5
5
5
2
2
2
2
5
5
5
5
5
5
5
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF、GPS
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
VHF
1デウォン号(74)
沿海(9)
2
VHF
052-266-8833
ボカン号(37)
沿海(10)
3
VHF
052-260-8833
ウォンジュ1号(32)
沿海(8)
4
VHF
052-261-3811
所有者
船名(総t数)
先進総合(株)
261-2311
先進1号(146)
先進2号(126)
先進6号(194.9)
先進7号(192.88)
先進9号(162.65)
先進 12 号(149)
先進 101 号(149)
先進 505 号(203)
先進 808 号(263)
先進 909 号(198)
ジョカン1号(105)
ジョカン3号(158)
ジョカン
船舶(株)
261-7756
現代重工業
230-4443
防除組合
蔚山支部
261-3413
ヘカン船舶㈱
265-7217
㈱ハンドン
266-7771
㈱セチョン
257-1120
テドン開発
261-3811
Ⅰ-26
通信網
備考
052-261-2311
052-230-4443
052-238-7718
052-265-7217
付属書Ⅰ関連資料及び書式
〔9〕タンクローリー車輌
所属
保有台数
容量(kL)
備考(連絡先)
蔚山水協方魚津委販場給油所
1
6
251-1645
機張郡水産業協同組合
1
6
T.721-4285
F.721-5505
T.261-1971
モビルコレア潤滑油(株)
1
16
F.261-6759
T.230-5063
現代重工業(株)
6
10
F.230-3485
T.259-7643
東西石油化学(株)
2
44
F.259-7663
〔10〕バキュームカー
所属
保有台数
容量(kL)
備考(連絡先)
1
5
052-231-2425
SK 石油公社 環境部
3
4,4,8
052-270-2934
SK 石油公社 運営部
2
4.8
052-270-2793,2843
韓国石油公社
1
7.5
052-238-3235~7
双竜精油
庶務課
Ⅰ-27
付属書Ⅰ関連資料及び書式
〔11〕廃油除去船
所属
現代船舶検査
(株)
(株)
ドンチョン
船名
(総t数)
航行区域
(速力)
船員数
通信網
ニスン (69.28)
貯油容量
(m3)
196
ミスン 1 号(29)
平水(9.5)
2
VHF
140
ドンチョン1号(100)
平水(8)
3
VHF
279.87
2,100
ハンソン号(599)
ギルシン号(38)
平水(11)
3
VHF
92
(株)セチョン
166
セチョン号(21)
(株)
現代尾浦造船
ドンファ
交易(株)
ハンウリ号(19.24)
ドンギル号(36.33)
送受信機
FM2000
45
150
平水(8)
2
VHF
101.6
699
ドンブァ号(149)
平水(6)
3
VHF
第3ソンカン号
(283.34)
100
915
チョンス号(18.91)
平水
(18.91)
第2サンナン号
93.52
第7センリン号(32)
平水(8)
(株)宇宙環境
ミョンシン
産業(株)
4
3 ソンヤン号(54)
ドンボ2号(35.01)
(株)ソンヤン
平水(6)
2
VHF
67.7
308
3
VHF
154
332
ブソン号(58)
Ⅰ-28
運行
能力
付属書Ⅰ関連資料及び書式
〔12〕クレーン
業者名
住所
容量(t)
備考(連絡先)
大韓油化工業(株)
温山工場
蔚山広域市 蔚州郡 温山邑
処容里 130 番地
25,150×2
052-231-1292
現代重工業(株)
蔚山広域市 東区 田下洞 1 番地
40~75×50
052-230-5063
南部発電(株)
嶺南火力発電所
蔚山広域市 南区 梅岩洞
29 番地
8×1
052-278-1224
東西発電(株)
蔚山火力発電所
蔚山広域市 南区 南化洞 1 番地
50×1
052-278-0353
東西石油化学(株)
蔚山広域市 南区 夫谷洞
139-2 番地
10×10
052-259-7646
大韓通運(株)
蔚山広域市 南区 梅岩洞
139-2 番地
170×2
052-261-5161
八八 クレーン
蔚山広域市 南区 達洞
1273-4 番地
495×18
052-288-8888
六六
カーゴクレーン
蔚山広域市 南区 達洞
931-1 番地
100×25
052-266-6666
ガヤ
蔚山広域市 南区 三山2地区
12 ブロック
21×3
052-260-1234
クチョン クレーン
蔚山広域市 温山邑 華山里
1008-6
116×5
052-239-9000
デカン クレーン
蔚山広域市 南区 達洞
1320-18
128×5
052-274-4900
ドンバン
総合クレーン
蔚山広域市 南区 斗旺洞
405-7
635×12
052-267-8511
ミョンソン重機
蔚山広域市 南区 仙岩洞
33 ブロック
400×10
052-268-7473
江南
カゴクレーン
蔚山広域市 南区 也音2洞
311-7
31×5
052-273-0011
慶南
カゴクレーン
蔚山広域市 南区 新亭4洞
743-3
10×2
052-274-2121
Ⅰ-29
付属書Ⅰ関連資料及び書式
〔13〕運搬車輌
所属
車種
保有(台)
待機場所
Ⅰ-30
連絡先
備考
付属書Ⅰ関連資料及び書式
〔14〕移送ポンプ
移送能力
所属
型式
(m3/h)
移送条件
重さ
(kg)
備考
(連絡先)
馬力
300
多種の
物質移動
052-257-1120
300
油種:B~C 油
温度:50~60 度
粘度:MAX540
(CST50 度)
052-278-1226
782.4
油種:propylene
温度:20 度
比重:0.5154
200
油種:acrylonitrile
温度:20 度
比重:0.8037
1機
30
油種:廃油
温度:40~50 度
比重:0.97 以上
052-268-5556
ドンファ交易(株) 6機
720
多重の物質移送
052-265-9137
(株)セチョン
南部発電(株)
嶺南火力発電所
5機
5機
6機
052-259-7646
東西石油化学(株)
1機
(株)ドンチョン
(株)ソンヤン
2機
120
油種:軽質油
052-257-4477
現代尾浦造船
10 機
30
油種:B~C
温度:25 度
052-250-3308
Ⅰ-31
付属書Ⅰ関連資料及び書式
〔15〕防除ヘリ
巡航速度
航続距離
対空時間
(km)
(km)
(時間)
KA32C961
200
500
KA32C967
200
500
所属
機種
通信装備
散布装置
2:30
VHF 等
1,400L
3:30
VHF 等
なし
釜山
〔16〕高圧洗浄機
保有
噴射容量
噴射圧力
重さ
所属
加熱方式
(kg/㎝ )
(kg)
16
250
215
ボイラー
15
204
150
ボイラー
(株)センチョン
15
220
60
ボイラー
(株)ドンチョン
15
200
60
ボイラー
13
150
60
ボイラー
台数 (L/min)
蔚山海洋警察署
1
防除組合
1
2
蔚山支部
ドンファ交易
1
(株)
Ⅰ-32
付属書Ⅰ関連資料及び書式
〔17〕動力噴霧器
所属
噴射容量
馬力
重さ
備考
(L/min)
(HP)
(kg)
(連絡先)
保有台数
Ⅰ-33
付属書Ⅰ関連資料及び書式
資料 16 廃油処理施設及び油槽清掃施設
業者名
住所
処理能力
(m3/h)
貯蔵能力
(m3)
SK 石油公社
蔚山広域市 南区
古沙洞 110
450
22,239
750
16,590
342
6,941
30
3,343
韓国石油
公社
蔚山広域市 温山邑
山岩里 360
蔚山広域市 温山邑
学南里 300
(株)
ソンヤン
蔚山市 南区
長生浦洞 146
(株)
ドンヤン
蔚山市 南区
長生浦洞 338-2
(株)
セチョン
蔚山市 南区
梅岩洞 216-3
(株)現代
尾浦造船
蔚山市 東区
方魚洞 1381
双竜精油
1,770
Ⅰ-34
主要施設
第 1 総合廃油処理
(油水分離、焼却等)
第 2 総合廃油処理
(油水分離、焼却等
総合廃油処理
(油水分離、焼却等)
API 油水分離槽
化学水処理施設
タンカー 1 隻
艀船 2 隻
ガス検知機 1 台
照明装置 3 個
空気圧縮機 1 台
エアーポンプ 1 台
エアーファン 2 台
タンカー 1 隻
艀船 1 隻
ガス検知機 1 台
照明装置 3 個
昇降機 3 台
空気圧縮機 1 台
エアーポンプ 2 台
エアーファン 2 台
タンカー 1 隻
艀船 1 隻
ガス検知機 1 台
照明装置 3 台
昇降機 3 台
空気圧縮機 2 台
エアーポンプ 1 台
エアーファン 2 台
タンカー 1隻
艀船 1隻
ガス検知機 5台
照明装置 30 個
昇降機 7台
空気圧縮機 2台
エアーポンプ 10 台
エアーファン 4台
備考
(連絡先)
052-272-7151
052-272-7151
052-231-2425
052-238-3235
257-4477
268-5556
257-1120
250-3308
付属書Ⅰ関連資料及び書式
業者名
住所
(株)
現代船舶
検査
蔚山市 南区
長生浦洞 118-2
ドンファ
交易(株)
蔚山市 南区
長生浦洞 338-2
(株)
宇宙環境
蔚山市 南区
梅岩洞 216-3
処理能力
(m3/h)
貯蔵能力
(m3)
主要施設
タンカー 1 隻
艀船 1 隻
ガス検知機 1 台
照明装置 20 個
昇降機 15 台
空気圧縮機 1 台
エアーポンプ 6 台
エアーファン 5 台
タンカー 1 隻
艀船 1 隻
ガス検知機 1 台
照明装置 10 台
昇降機 19 台
空気圧縮機 1 台
エアーポンプ 5 台
エアーファン 5 台
タンカー 1 隻
艀船 1 隻
ガス検知機 1 台
照明装置 13 台
昇降機 3 台
空気圧縮機 1 台
エアーポンプ 2 台
エアーファン 2 台
Ⅰ-35
備考
(連絡先)
261-7840
265-9139
227-3287
資料 17 防除資機材の分散配置の現況
装備名
オイルフェンス
三脚
アンカー
計
固形
膨脹
総計
2,100
800
1,300
3
13
海汚課
1,300
600
700
3
バージ29号
0
小計
600
艦艇名
0
600
油処理
油処理剤(L)
0
ブイ
計
一般
濃縮
30
26,922
25,716
1,206
5
9
17,550
16,344
1,206
8
21
54
54
0
0
8,778
8,778
0
タンク
(m3)
0
0
油吸着材(kg)
散布機
計
パッド
ブーム
ロール
計
6,220
2,910
1,840
1,470
9
5,540
2,230
1,840
1,470
2
20
20
530
530
0
0
散布
海警
動力
手動
装置
ノズル
噴霧器
噴霧器
4
2
3
0
2
2
1
5
3
300 鑑
1,614
40
1
251 鑑
792
30
1
1
Ⅰ-36
207 鑑
600
30
防除 16 号
4,998
300
消防1号
594
30
01 艇
36
20
15 艇
18
10
33 艇
18
10
37 艇
18
10
2
85 艇
18
10
1
18
10
1
71 艇
36
20
09 艇
18
10
200
0
0
0
0
540
540
支署
温山
100
90
方魚津
100
234
大邊
216
0
0
130
130
0
0
0
0
15
15
0
0
0
0
0
0
0
付属書Ⅰ関係資料及び書式
200
用機
1
115 艇
小計
貯蔵
付属書Ⅰ関係資料及び書式
資料 18 専門対応チームの構成
専門対応チーム
構成
備考
- 海警
事故規模によって対策
- 関係機関、団、業界
本部長が適宜調停
流出油回収チーム
- 救難業者
船体救難及び
事故規模によって対策
- 装備動員 事前 契約業者
油類移動チーム
本部長が適宜調停
- 陸上 装備動員 事前 契約業者
- 防除組合、防除業者
事故規模によって対策
- 民間防除技術要員
本部長が適宜調停
民間防除専門チーム
Ⅰ-37
付属書Ⅰ関係資料及び書式
資料 19 地域海洋汚染防除対策協議会の構成表
所属
1
委員
連絡者
連絡先
choewoni
防除係長
pyogwangmo
260-0002
(261-3151)
水産行政課
環境衛生課
環境管理課
農林水産課
水産課長
議員
kimjiho
namdaehui
heochangjin
seoyounseok
jeongdaehwa
leebogeun
担当 leeyongwon
担当 kimbyeongjo
担当 gwongihyeon
担当 honggihyeon
担当 kimsuheon
担当 choegwangwon
釜山市機張郡庁
水産課長
kimdaesik
担当 kangcheolsu
釜山市海水庁
洛東江環境管理庁
蔚山出張所
海軍 315 編隊
防除組合
蔚山支部
海洋環境課
水質管理
チーム
編隊長
eomtaeheung
229-3151
252-2121
229-9331
219-7464
229-7381
257-8108
051720-5823
261-4250
yuseonmyeong
蔚山支部長
jeongnamgeun
職責
姓名
蔚山海洋警察署
署長
2
3
4
5
6
7
蔚山広域市庁
蔚山市東区庁
蔚山市南区庁
蔚山市北区庁
蔚山市蔚州郡庁
蔚州郡議会
8
9
13
韓国石油公社
運営部長
ohyojin
14
蔚山水協
常務理事
sinjaehwan
安全担当 udonguk
水質担当
yangmyeongseok
作戦官 kimjeonghan
チーム長
hanyeongsik
港務課長
jeonyeongjin
代理 cheongwanu
15
釜山東部水協
常務理事
jeongdongho
代理 chasanghun
16
17
18
SK 石油公社
双竜精油
現代尾浦造船
東西発電(株)
蔚山火力発電所
港務チーム長
安全管理部
総務次長
leejongseop
leehyeonseong
minsuhyeon
防除課長 kimyugeun
環境課長 kimyeongil
環境課長 leesangwon
268-8005
051722-1905
270-2891
231-2421
250-3308
環境管理部
jangisik
環境課長 choedeokju
278-0353
20
蔚山海洋警察庁
汚染管理課
kangdaewi
防除係長
pyogwangmo
261-5050
21
22
蔚山海洋警察庁
蔚山海洋警察庁
防除係長
防除担当
pyogwangmo
jangsangdeok
10
11
12
19
jogihwan
Ⅰ-38
備考
委員長
番
号
237-0143
261-7384
261-3438
238-3235
幹事
書記
資料 20 防除技術支援団委員の連絡先
分野
防除一般分野
漁業被害分野
所属
職責
姓名
連絡先
職場
自宅
携帯番号
FAX
E-Mail
韓国海洋研究所
責任研究員
Leesuhyeong
031) 400-6160
031) 403-7389
019) 324-7389
031) 406-4250
[email protected]
船舶海洋工学分所
責任研究員
Kangchanggu
042) 868-7260
042) 861-0463
011) 407-9913
042) 868-7738
[email protected]
船舶海洋工学分所
先任研究員
Leemunjin
042) 868-7300
042) 863-4599
016) 848-7299
042-868-7738
[email protected]
船舶海洋工学分所
先任研究員
Yujeongseok
042) 868-7215
042) 256-4814
011) 9797-7251
042) 868-7738
[email protected]
韓国海洋水産研修院
教授
Kwonkisu
051) 620-5853
051) 627-6854
-
051) 626-5845
[email protected]
国立水産振興院
水産研究官
Bakjonghwa
051) 720-2280
051) 720-1738
011) 572-1738
051) 720-2337
[email protected]
国立水産振興院
水産研究官
Bakminu
051) 720-2420
051) 746-7475
-
051) 720-2337
[email protected]
韓国海洋水産研修院
助教授
Kimdonggeun
051) 419-7121
051) 807-2676
011) 9504-2676
051) 626-5845
[email protected]
韓国海洋研究所
責任研究員
Kimjongman
031) 400-6231
031) 419-3448
011) 9704-3448
031) 406-2882
[email protected]
韓国海洋研究所
責任研究員
Yujamyeong
031) 400-6226
031) 480-2124
011) 9717-0200
031) 406-4250
[email protected]
Ⅰ-39
課長
Jeonghaejong
051) 419-7131
051) 524-4221
019) 524-4221
051) 413-0891
[email protected]
社団法人 韓国船級
チーム長
Kimjonghyeon
042) 869-9333
042) 483-2733
011) 451-0099
042) 862-6011
[email protected]
・
船舶海洋工学分所
先任技術員
Choehyeokjin
042) 868-7218
042) 861-6240
017) 401-7218
042) 868-7738
[email protected]
救難分野
船舶海洋工学分所
先任研究員
Chuntaebyeong
042) 868-7210
042) 482-2195
016) 401-7218
042) 868-7738
[email protected]
韓国海事危険物検査所
課長
Choejeongyun
02) 766-1631
02) 998-1187
-
02) 743-70017
[email protected]
国立水産振興院
水産研究官
jinhyeonguk
033) 661-8503
051) 621-8205
019) 524-8205
033) 661-8513
[email protected]
海洋汚染
韓国海洋研究所
先任研究員
Ohjaeryoung
031) 400-6162
031) 486-6549
-
031) 406-4250
[email protected]
物質分野
韓国器機油化試験研究員
先任研究員
Yeomgyuseol
02) 512-1620
0343) 388-7834
011) 866-5249
02) 548-0894
[email protected]
韓国海事危険物検査所
課長
Kimchungil
02) 766-1631
02) 475-9710
-
02) 743-7017
[email protected]
気象研究所
気候資料課長
Johaman
02) 836-5476
-
-
02) 842-3677
[email protected]
韓国海洋水産研修院
助教授
Koseongjeong
051) 419-7123
051) 746-4450
011) 9521-7123
051) 413-0891
[email protected]
海洋環境
・
気象分野
海洋汚染
関連法律
・
保険分野
韓国海洋水産開発院
責任研究員
Bakyonguk
02) 3404-3067
02) 382-6747
011) 9964-6747
02) 3404-3000
[email protected]
船舶海洋工学分所
先任研究員
Leechangmin
042) 868-7263
042) 861-3764
011) 9916-5723
042) 868-7738
[email protected]
韓国海洋水産開発院
研究委員
Jodongo
02) 3404-3061
02) 977-0646
-
02) 3404-3000
[email protected]
Segyeong 合同法律事務所
共同代表
Choejonghyeon
02) 734-6370
02) 514-1203
-
02) 735-6866
[email protected]
韓国海事危険物検査所
室長
Choejonghae
02) 766-1631
0343) 388-7834
011) 899-5249
02) 743-7017
[email protected]
韓国海洋水産開発院
責任研究員
Mokjinyong
02) 3404-3068
02) 996-5642
-
02) 3404-3000
[email protected]
韓国海洋研究所
責任研究員
leeyonghui
031)400-6500
031) 407-8774
011) 399-6350
031) 400-6505
[email protected]
付属書Ⅰ関係資料及び書式
韓国海洋水産研修院
船体救助
付属書Ⅰ関連資料及び書式
資料 21 救難業者 現況
□ 総括(2000.7.1 現在)
海警署別
計
計
29
釜山
16
仁川
10
麗水
1
済州
2
1級
20
15
4
2級
7
1
4
1
1
1
3級
2
備考
2
□ 地域別船舶救難業者の現況
地域別
等級
1級
〃
〃
〃
業者名
代表者
住所
(株)韓国
Kim
仁川市 中区
サルベージ
Jeongin
新興洞 3 街 36 番地
アルファ潜水
Lee
仁川市 中区
技術工事
Jongin
港洞 7 街 58-1
(株)韓国水中
Jeon
仁川市 中区
エンジニアリング
jongryul
新興洞 2 街 47
東亜水中開発
Kim
任川市 中区
(株)
Hwimyeong
港洞 7 街 58-4
Bak
仁川市 中区
Subok
海岸洞 1 街 9
Jeon
仁川市 中区
Junghwa
港洞 7 街 58-4
Jeon
仁川市 中区
032) 885-4243
97.
jungseon
港洞 7 街 27-93
887-4243
9.1
ライフ水中
Bae
仁川市 中区
開発工事
Cheongsu
港洞 7 街 58-6
デア
Kim
仁川市 中区
臨海企業事
Hangyeong
海岸洞 2 街 8 番地
Jang
仁川市 中区
Gwanggeun
新興洞 2 街 1-4 番地
Kim
全南 麗水市
jongseong
国洞 37-519
2級
デフン工事
〃
(株)新東亜水中
〃
海洋開発工事
仁川
〃
3級
麗水
〃
西海水中工事
2級
ドンイン開発
Ⅰ-40
電話番号
052) 881-9911
052) 885-1088
032) 765-0700
032) 882-4406
032) 772-1550
032) 887-9994
032) 881-0050
032) 772-3889
032) 885-0884
061) 241-2780
備考
97.
10.7
98.
5.25
99.
5.12
99.
2.21
98.
5.23
97.
10.30
99.
6.28
98.
5.23
97.
9.5
97.
10.16
付属書Ⅰ関連資料及び書式
地域別
等級
1級
〃
〃
〃
〃
〃
〃
釜山
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
2級
済州
1級
2級
業者名
代表者
住所
(株)テフン
Gang
釜山市 水営区
サルベージ
Gwanseong
広安 2 洞 172-18
グンホ海洋
Lee
開発工事
Yanggil
グンチャン
Jeong
釜山市 中区
産業開発(株)
Sugil
南浦洞 6 街 18 番地
(株)キン & ゴ
Im
釜山 東区 草梁 1 洞
サルベージ
Deokgi
1212-3
Kim
釜山市 沙下区
Eungcheon
槐亭 3 洞 1238-340
(株)
Ban
釜山市 影島区
現代海洋開発
Jongsil
蓬莢洞 1 街 50-7
韓美産業
大韓海洋開発
Chu
Seongmun
4 街 84-20 seongjeon
4 街 81-10 hosan
Gwangnam
大橋洞 2 街 58-2
グンヨン
Jeong
釜山市 影島区
開発(株)
Chunseon
蓬莢洞 1 街 2-1
Jeong
釜山市 影浦区
Seongcheul
蓬莢洞 1 街 6-10
Kim
釜山市 中区 中央洞
海事
Jongchan
1 街 12-21
テソン
Im
釜山市 影島区
産業
Jeongsuk
蓬莢洞 1 街 10-2
ピョンギル
Jeong
釜山市 影島区
Wongil
大平洞 2 街 7 番地
Jeong
釜山市 影島区 大橋洞
Jongmok
1 街 183-16
グローバル
海洋開発(株)
Cha Ju
釜山市 中区
中央洞 4 街 89-2
Lee
釜山市 中区
Cheolseung
中央洞 4 街 89-2
(株)サンウ
Seo
済州市 禾北 1 洞
開発
Byeonghwan
4269 番地
(株)ウヨン
Jo
済州市 健入洞
開発
Hwangrae
1319-74
ホンウ産業
Ⅰ-41
051-463-5828
051-205-9000
051-418-0331
051-462-4157
ビルディング 201 号
開発(株)
ブウォン開発
051-247-5538
釜山市 中区 中央洞
釜山市 影島区
企業(株)
051-466-2534
ビルディング 302 号
Lee
(株)ドンイン
051-761-0095
釜山市 中区 中央洞
カンソン
八八水中開発
電話番号
051-418-5003
051-415-2941
051-412-8808
051-241-6423
051-412-0452
051-412-9700
051-417-0557
051-465-9286
051-462-0161
051-722-1350
051-753-8331
備考
98.
6.18
97.
2.17
00.
5.25
98.
11.20
98.
8.6
00.
4.4
97.
8.10
97.9.1
98.
1.24
98.
2.3
98.
3.25
99.
1.28
99.
4.2
99.
8.6
99.
12.8
96.
12.23
96.
12.2
99.7.9
付属書Ⅰ関連資料及び書式
資料 22 言語機関の現況
番号
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
言語機関
KBS
MBC
UBC
蔚山毎日
慶尚日報
連合通信
担当者
報道部
報道局
報道局
編集局
社会部
蔚山支部
電話番号
270-7411~6
298-4001
228-6300
265-3516
248-1024
272-7171
Ⅰ-42
FAX
270-7199
298-4055
228-6345
265-3512
248-1030
274-3400
備考
付属書Ⅰ関連資料及び書式
資料 23 防除方法の決定時の考慮事項
1.軽質油(軽油、灯油、ジェット油、揮発油等)
(1) 流出油が外海へ移動・拡散中である場合:流出油の移動状況を持続的に監視
しながら自然分散を誘導する。
(2) 流出油の移動・拡散の予測海域に漁場・養殖場及び脆弱施設等があり汚染被
害が予想される場合
① オイルフェンスを設置して流出油の拡散を防止したり被害が予想される海
域の保護方案を考慮する。
② 漁場・養殖場及び脆弱施設との距離及び水深を勘案して油処理剤の使用方
案を考慮する。
③ 油処理剤の使用が困難な海域では流出油の流入を遮断して回収する方案及
び撤水砲で分散を促進する方案を考慮する。
(3) 沿岸及び港浦口で発生する場合、又は沿岸及び港浦口に大量流入される場
合:オイルフェンスで流出油を包囲・捕執後、回収する方案を考慮する。
2.重質油(原油、A、B、C 重油、潤滑油、重質性発油等)
(1) 流出油が外海へ移動する場合
① 流出油の回収作業が可能な場合には回収方案を考慮する。
② 回収作業が不可能な場合には油処理剤の使用方案を考慮する。
③ 流出油が虹色の油膜で分散中である場合には持続的に監視する。
(2) 流出油が海岸へ接近または接近が予想される場合
① 流出油が海岸へ接近する前にオイルフェンスを設置して流出油を回収する
方案を考慮する。
② オイルフェンスを展張、流出油を遮断して脆弱海域を保護し、海洋汚染被
害が少なくて回収作業が安易な場所へ流出油を誘導して回収する方案を考
慮する。
③ 流出油の粘度及び近隣の漁場・養殖場等、脆弱海域を勘案して油処理剤の
使用方案を考慮する。
(3) 沿岸及び港浦口で発生する場合、または沿岸及び港浦口へ大量流入された場
合:オイルフェンスで流出油を包囲・補執後、回収する方案を考慮
Ⅰ-43
付属書Ⅰ関連資料及び書式
書式1
海洋汚染の発生の報告
状 況 報 告 書
NO.
区分
支・派 (
警察署
‥
海警署
‥
受信:
‥
接受時間
) 海洋
状況室長:
受 信 者:
送 信 者:
送信時間: 200X.XX.XX, 00:00
発信:
題目:海洋汚染の発生報告
伝達所
1.日時及び場所:200X.XX.XX、00:00(場所:経緯度)
2.汚染源:船名(トン数、船種、国籍)
3.汚染物質及び数量
- 積載油:油種、数量(kL)
4.汚染範囲:長さ
m×幅
m
5.被害事項:現在までに把握された事項
6.概
要:六何原則に基ついて作成
7.措置事項
- 防除関連措置事項を時間帯別に記載
(防除艇及び艦艇の出動関係、オイルフェンスの設置等、初動応急
措置事項、油回収機の動員の可否等)
- 防除措置の命令、防除対策協議会の開催案内等
- 防除予定事項及び動員計画等
8.その他
- 現地の気象:潮流、風向・風速、波高、視程、水深、朝夕等
- 報道事項及び関連情報
※ 上記内容の仲で初期に把握可能な部分だけ把握して迅速に報告
Ⅰ-44
付属書Ⅰ関連資料及び書式
書式 2 汚染事故の評価書
1.汚染源
油積載量(kL)
船名
船種
油タンク位置
汚染保険
総t数
計
DO
中油
LO
2.事故船舶(施設)の状態及び予想
船体・施設状況
油タンクの損傷可否
油流出状態
流出量(予測量)
流出量の計算法及び
汚染範囲による算定
3.油の特性及び拡散状態
流出油の特性
粘度
比重
拡散状態
流動点
cSt
拡散速度
長さ
幅
色
移動方向
℃
4.海・気象状態
風向
風速
波高
m/s
m
気温
水温
海・潮流
潮流
朝夕時間
落潮
kt
高潮
気象特報事項
低潮
kt
※気象による防除作業の与件:
5.汚染拡散(予測)海域の脆弱資源の分布現況(防除情報地図の印刷添付)
水深
m
底質
漁場・養殖場 海水取水施設
件
ha
※上記事項は海洋汚染管理課で作成
Ⅰ-45
海水浴場
観光娯楽地
その他
付属書Ⅰ関連資料及び書式
6.適用可能な防除方法及び優先順位
防除措置
可能
可否
防除方法
優先
防除措置
順位
流出口の封鎖
回収作業
残存油の移積
油吸着材の除去
拡散防止
油処理剤の使用
脆弱海域保護
海岸・港湾誘導
可能
可否
防除方法
7.総合意見
日
時:
評価者:
印
※評価者は海洋汚染管理課長、防除係長、防除技術支援団委員等が評価
Ⅰ-46
優先
順位
付属書Ⅰ関連資料及び書式
書式3
航空監視の支援要請
蔚 山 海 洋 警 察 署
〒400-201 蔚山広域市南区梅岩洞 139-26/電話 (052)884-2112 警備 293/FAX (052)881-7531
海洋汚染管理課長 事務官 ○○○
防除係長
○○○
保存期間
文書番号
海汚関 63520-
施行日付
2000.
(経
由)
受
信
参
照
.
目
航空監視
署
長
公開可否
.(
年)
課
長
係
長
起
案
審査者
題
担当者 ○○○
協 力
審査日
支援要請
我が署の管内で次のように大型海洋汚染事故が発生してヘリを利用する流出
探索及び拡散範囲を調査する為に次のように要請するので協力をお願いします。
○ 下 記 ○
1.汚染日時及び場所:
2.汚染物質及び数量:
3.事故概要:
4.協力事項:
5.着陸場所:
以上
蔚山海洋警察署長
Ⅰ-47
付属書Ⅰ関連資料及び書式
書式4
海洋汚染の進行事項の報告
状況報告書
NO.
区分
支・派
) 海洋
警察庁
‥
海警署
‥
受信:
‥
受付時間
(
状況室長:
受 信 者:
送 信 者:
発信時間: 200X.XX.XX, 00:00
発信:
題目:海洋汚染の進行事項の報告(第
報)
日時、場所、汚染源、事故概要を簡略に記録
1.船体状態
2.汚染状態(00:00 現在)
3.措置事項
○ 船体安全措置及び油流出防止、移積事項等
○ 汚染海域別、具体的な防除措置の計画
○ 救難事項
○ 防除人員、防除船及び装備・資材動員の計画等
4.その他
○ 海・気象
○ 報道機関の現場取材及び報道事項
○ 汚染事故の関連情報及び隘路事項
※ 07:00 に報告する内容で現場状況を正確に判断して作成
Ⅰ-48
伝達所
付属書Ⅰ関連資料及び書式
書式5
防除命令書
海
洋
汚
200
受命日時
命令者
所
有
者
船
舶
名
会
社
名
染
防
除
年
月
命
日
令
書
時
分
住民登録番号
施
設
名
電話番号
船舶番号
船長、管理者
事故概要
内
容
期
間
海
命令内容
海洋防除防止法 第 48 条 第 3 項の規定によって上記のように
防除措置することを命令します
200 年
海洋警察署長
月
印
姓
名
住民登録番号
住
所
電 話 番 号
参与人
Ⅰ-49
日
域
付属書Ⅰ関連資料及び書式
書式6事故現場の状況報告
警 察 電 報 用 紙
無線番号
種類
P
字数
分類番号
発
信
P-○○艦長、○○○艦長
受
信
蔚山海洋警察署長
参
照
題
目
汚染状態の確認報告
1.日時及び場所 :
2.汚染状態 :
3.船体状態 :
4.海域状態
- 潮潮流 :
- 風向及び風速 :
- 水深 :
5.その他
Ⅰ-50
日時
2000.
.
.
資料7
防除作業の現場指導・監督報告書
年
防除機資材の使用実績
時間
場所
オイルフェンス
人員(名) 船舶(隻)
(m)
防除措置
油回収機 油吸着材 油処理剤
内訳
(台)
(kg)
(kL)
月
日
回収量
廃油
(kL)
廃棄物
試料採取
(kg)
Ⅰ-51
付属書Ⅰ関連資料及び書式
付属書Ⅱ海岸防除資料表
付属書Ⅱ
海岸防除資料表
付属書Ⅱ海岸防除資料表
目
次
亭子港の海岸防除資料表 .........................................Ⅱ-1
方魚津港の海岸防除資料表 .......................................Ⅱ-3
花岩湫埠頭の海岸防除資料表 .....................................Ⅱ-5
現代尾浦造船の海岸防除資料表 ...................................Ⅱ-7
蔚山港の海岸防除資料表 .........................................Ⅱ-9
長生浦港の海岸防除資料表 ......................................Ⅱ-11
SK㈱ドルピン埠頭の海岸防除資料表 ...............................Ⅱ-13
東西発電㈱の海岸防除資料表 ....................................Ⅱ-15
温山港の海岸防除資料表 ........................................Ⅱ-17
鎮下海水浴場の海岸防除資料表 ..................................Ⅱ-19
竿切患海岸の海岸防除資料表 ....................................Ⅱ-21
古里原子力発電所の海岸防除資料表 ..............................Ⅱ-23
林浪海水浴場の海岸防除資料表 ..................................Ⅱ-25
日光海水浴場の海岸防除資料表 ..................................Ⅱ-27
大浜港の海岸防除資料表 ........................................Ⅱ-29
付属書Ⅱ海岸防除資料表
亭子港の海岸防除資料表
■ 保護する海岸線及び脆弱資源
① 海岸構成 - 港内の人工構造物
- テトラポット防波堤
② 環境脆弱要素 :
刺身屋
石油類の有害液体物質取扱施設
■
①
②
③
多数
蔚山水協の江東支店
接近方法(略図参照)
車輌 : 31 番国道と連結される舗装道路
ヘリ : 亭子港の船着場及び防波堤(臨時)亭子申告書 ℡ 052-295-2407
船舶 : 亭子港の港内の船着場(500 トン未満)
■ 廃油、廃棄物回収・保管可能地点
亭子港内の埠頭及び北防波堤の上側の海岸
■
①
②
-
-
③
-
-
-
防除戦略
優先保護地区 : 亭子港の中央の刺身センター前
防除方法等 :
オイルフェンスを利用する海上の油類の回収及び拡散防止
油回収船舶による海上の回収作業
留意事項
港湾の入り口が閉鎖的で流出事故の発生時、流出油が停滞されるので港内の汚染に留意
岸壁に沿って刺身屋が散在しているので流出油の拡散防止及び油処理剤の使用抑制が必要
夏季冷水帯の出現が頻繁で流出油のエマルジョン化が急速に進行する。
■ 近隣で動員可能なオイルフェンス、油回収機、車輌、船舶、人員等
対象
規格
数量
能力
所有者
電話
B型
800m
蔚山海警
052-261-5050
自動膨脹式
600m
蔚山海警
052-261-5050
強制膨脹式
400m
蔚山海警
052-261-5050
B型
2,500m
現代重工業
052-230-5062
油吸着材
マット型
蔚山海警
052-261-5050
油回収機
吸着、真空等
1,000kg
10 台
蔚山海警
052-261-5050
防除船
450 トン
1台
蔚山海警
052-261-5050
140 トン
2台
現代重工業
052-230-5062
190 トン余り
2台
現代重工業
052-230-5062
オイルフェンス
曳引船
547kL/h
Ⅱ-1
携帯電話
担当者
付属書Ⅱ海岸防除資料表
亭子港の海岸略図
資料出典 : 1/50,000 地形図、電子海図
Ⅱ-2
付属書Ⅱ海岸防除資料表
方魚津港の海岸防除資料表
■ 保護する海岸線及び脆弱資源
① 海岸構成 - 港内のコンクリート建造物、砂石海岸
- 防波堤の外郭 : テトラポット
- 防波堤の内部 : 砂石海岸
② 環境脆弱要素 :
刺身屋
多数
海水浴場
日山海水浴場
林海公園
蔚岐公園
特定区域
方魚津港外側の海上の交通安全特定海域、タンカー航路
取水工業施設
蔚山水協の方魚津支所
石油類取扱施設
蔚山水協の方魚津支所
■ 接近方法(略図参照)
① 車輌 : 31 番国道-1027 番地方道と連結される舗装道路
② ヘリ : 現代重工業内のヘリ場(迎賓館の前)文化部 ℡ 052-230-2231
③ 船舶 : 方魚津港の港内の船着場(500 トン未満)
■ 廃油、廃棄物回収・保管可能地点
方魚津支署前の埠頭一帯及び防波堤の近隣海岸
■ 防除戦略
① 優先保護地域 : 北側の魚介類刺身センター前
② 防除方法等 :
- オイルフェンスを利用する海上の油類の回収及び拡散防止
- 油回収船舶による海上の回収作業
③ 留意事項
- 岸壁に沿って刺身屋が散在しているので流出油の拡散防止及び油処理剤の使用抑制が必要
- 夏季冷水帯の出現が頻繁で流出油のエマルジョン化が急速に進行する。
- 観光地のため流出事故の発生時、対国民広報に留意
■ 近隣で動員可能なオイルフェンス、油回収機、車輌、船舶、人員等
対象
オイルフェンス
油吸着材
油回収機
防除船
曳引船
規格
数量
B型
所有者
電話
800m
蔚山海警
052-261-5050
自動膨脹式
600m
蔚山海警
052-261-5050
強制膨脹式
400m
蔚山海警
052-261-5050
B型
2,500m
現代重工業
052-230-5062
B型
1,200m
現代尾浦造船
052-250-3308
マット型
1,000kg
現代重工業
052-230-5062
マット型
700kg
10 台
現代尾浦造船
052-250-3308
蔚山海警
052-261-5050
吸着、真空等
能力
547kL/h
450 トン
1台
蔚山海警
052-261-5050
140 トン
2台
現代重工業
052-230-5062
190 トン余り
2台
現代重工業
052-230-5062
Ⅱ-3
携帯電話
担当者
付属書Ⅱ海岸防除資料表
方魚津港の海岸略図
資料出典 : 1/50,000 地形図、電子海図
Ⅱ-4
付属書Ⅱ海岸防除資料表
花岩湫(ファナンチュ)埠頭の海岸防除資料表
■ 保護する海岸線及び脆弱資源
① 海岸構成 - 人工構造物(外郭海岸テトラポット)
② 感情脆弱要素 :
刺身屋
特定区域
取水工業施設
多数
沿岸汚染特別管理海域、交通安全特定海域、タンカー入出港頻繁公差海域 C
東西発電㈱蔚山火力発電所、南部発電㈱嶺南火力発電所、
㈱韓洲、SK ケミカル
石油類の
有害液体物質取扱施設
東西発電㈱蔚山火力発電所、南部発電㈱嶺南火力発電所
テヨン化学㈱、大韓油化の蔚山工場
発電所
東西発電㈱蔚山火力発電所、南部発電㈱嶺南火力発電所
繋留ブイ
漁業権漁業
SK 石油公社1ブイ、SK 石油公社2ブイ、SK 石油公社3ブイ
「蔚山市 第3号」の5件
■ 接近方法(略図参照)
① 車輌 : 31 番地国道-1027 番地方道と連結される舗装道路
② ヘリ : 現代重工業内のヘリ場(迎賓館前)文化部 ℡ 052-230-2231
花岩湫埠頭の防波堤(臨時)
③ 船舶 :花岩湫埠頭(10,000 トン級の大型船舶可能)
■
■
①
②
-
-
③
-
-
-
■
廃油、廃棄物回収・保管可能地点 花岩湫埠頭の一帯
防除戦略
優先保護地域 : 東西発電㈱蔚山火力発電所の取水口、南部発電㈱嶺南火力発電所の取水口
防除方法等 :
オイルフェンスを利用して拡散防止及び海岸誘導後、油回収装備を利用して回収
拡散防止措置後、高圧洗浄機を利用する岸壁の清掃
留意事項
発電所が隣接しているので流出油の発電所の取水口に流入防止
夏季冷水帯の出現が頻繁な為、流出油のエマルジョン化が急速に進行する。
浅海地域で発電所の種追考に隣接する海域の為、油処理剤の使用抑制
近隣で動員可能なオイルフェンス、油回収機、車輌、船舶、人員等
対象
オイルフェンス
油吸着材
油回収機
防除船
曳引船
規格
数量
B型
能力
所有者
電話
800m
蔚山海警
052-261-5050
自動膨脹式
600m
蔚山海警
052-261-5050
強制膨脹式
400m
蔚山海警
052-261-5050
B型
1,200m
現代尾浦造船
052-250-3308
B型
840m
現代精油蔚山貯油所
052-236-7500
マット型
1,000kg
現代重工業
052-230-5062
マット型
700kg
現代尾浦造船
052-250-3308
吸着、真空等
10 台
蔚山海警
052-261-5050
547kL/h
450 トン
1台
蔚山海警
052-261-5050
140 トン
2台
現代重工業
052-230-5062
190 トン余り
2台
現代重工業
052-230-5062
Ⅱ-5
携帯電話
担当者
付属書Ⅱ海岸防除資料表
花岩湫埠頭の海岸略図
資料出典:1/50,000 地形図 電子海図
Ⅱ-6
付属書Ⅱ海岸防除資料表
現代尾浦造船の海岸防除資料表
■ 保護する海岸線及び脆弱資源
① 海岸構成 - 人工構造物
② 環境脆弱要素 :
刺身屋
多数(楊竹)
特定区域
沿岸汚染特別管理海域、タンカー入出港頻繁交差海域 C
取水工業施設
東西発電㈱蔚山火力発電所、南部発電㈱嶺南火力発電所、㈱韓洲、SK ケミカル
石油類の
現代精油蔚山貯油所、モビルコレア、SK 石油公社、㈱暁星、三養社㈱、
有害液体物質
コレアボパックターミナル㈱1 ターミナル、コレアボバックターミナル㈱2 ターミナル、テヨン化学(株)
、㈱ユ
取扱施設
ソン、南部発電㈱嶺南火力発電所、東西発電㈱蔚山火力発電所
発電所
東西発電㈱蔚山火力発電所、南部発電㈱嶺南火力発電所
■ 接近方法(略図参照)
① 車輌 : 31 番国道-1027 番地方道と連結される舗装道路
② ヘリ : 現代重工業内のヘリ場(迎賓館前)文化部 ℡ 052-230-2231
以前埠頭(現代精油前)
(臨時) ℡ 052-236-7500
③ 船舶 : 現代尾浦造船埠頭、以前埠頭の接岸施設(10,000 トン級大型船舶可能)
■ 廃油、廃棄物回収・保管可能地点
■
①
②
-
-
③
-
-
-
現代尾浦造船埠頭の全地域
防除戦略
優先保護地域 : 東西発電㈱蔚山火力発電所の取水口、南部発電㈱嶺南火力発電所の取水口
防除方法等 :
オイルフェンスを利用して拡散防止及び海岸誘導後、油回収装備を利用して回収
拡散防止措置後、高圧洗浄機を利用する岸壁の清掃
留意事項
発電所が隣接している為、流出油が発電所の取水口に流入を防止する
夏季冷水帯の出現が頻繁な為、流出油のエマルジョン化が急速に進行する。
浅海地域で発電所の取水口に隣接する海域の為、油処理剤の使用抑制
■ 近隣で動員可能なオイルフェンス、油回収機、車輌、船舶、人員等
対象
規格
数量
能力
所有者
電話
B型
800m
蔚山海警
052-261-5050
自動膨脹式
600m
蔚山海警
052-261-5050
強制膨脹式
400m
蔚山海警
052-261-5050
B型
1,200m
現代尾浦造船
052-250-3308
B型
840m
現代精油蔚山貯油所
052-236-7500
マット型
1,000kg
現代重工業
052-230-5062
マット型
700kg
現代精油蔚山貯油所
052-236-7500
油回収機
吸着、真空等
10 台
蔚山海警
052-261-5050
防除船
450 トン
1台
蔚山海警
052-261-5050
140 トン
2台
現代重工業
052-230-5062
190トン余り
2台
現代重工業
052-230-5062
オイルフェンス
油吸着材
曳引船
547kL/h
Ⅱ-7
携帯電話
担当者
付属書Ⅱ海岸防除資料表
現代尾浦造船の海岸略図
資料出典:1/50,000 地形図、電子海図
Ⅱ-8
付属書Ⅱ海岸防除資料表
蔚山港の海岸防除資料表
■ 保護する海岸線及び脆弱資源
① 海岸構成 - 人工構造物
② 環境脆弱要素 :
刺身屋
多数(楊竹)
沿岸汚染特別管理海域、交通安全特定海域
特定区域
タンカー入出港頻繁交差海域 C
取水工業施設
㈱韓洲、東西発電㈱蔚山火力発電所、南部発電㈱嶺南火力発電所
現代精油蔚山貯油所、三星精密化学㈱、モビルコレア、韓国ポリオル㈱、
石油類の
コレアボパックターミナル㈱1 ターミナル、東部韓農化学㈱、三養社㈱、
有害液体物質
韓火総合化学㈱2 工場、SK 石油公社、テヨン化学(株)
、東西発電㈱蔚山火力
取扱施設
発電所、南部発電㈱嶺南火力発電所、コレアボパックターミナル㈱2 ターミナル、㈱ユソン
発電所
東西発電㈱蔚山火力発電所、南部発電㈱嶺南火力発電所
■ 接近方法(略図参照)
① 車輌 : 14 番国道-1081 番地方道と連結される舗装道路
② ヘリ : 蔚山港7埠頭(臨時)海洋庁の港務課 ℡ 052-228-5565
長生浦海洋公園(臨時)
③ 船舶 : 蔚山港内の船舶の接岸構造物(10,000 トン級以上接岸可能)
■ 廃油、廃棄物回収・保管可能地点
蔚山港埠頭の一帯
■ 防除戦略
④ 優先保護地域 :南部発電㈱嶺南火力発電所の取水口
⑤ 防除方法等 :
- オイルフェンスを利用して拡散防止及び海岸誘導後、油回収装備を利用して回収
- 拡散防止措置後、高圧洗浄機を利用する岸壁の清掃
⑥ 留意事項
- 発電所が隣接している為、流出油が発電所の取水口に流入を防止する
- 船舶の航行が頻繁な為、防除作業時、運行船舶に留意
- 浅海地域で発電所の取水口に隣接する海域の為、油処理剤の使用抑制
■ 近隣で動員可能なオイルフェンス、油回収機、車輌、船舶、人員等
対象
オイルフェンス
油吸着材
油回収機
防除船
曳引船
規格
数量
所有者
電話
B型
800m
蔚山海警
052-261-5050
自動膨脹式
600m
蔚山海警
052-261-5050
強制膨脹式
400m
蔚山海警
052-261-5050
A型
200m
蔚山海水庁
052-228-5583
B型
1,340m
蔚山海水庁
052-228-5583
B型
1,760m
防除組合蔚山支部
052-261-3413
マット型
1,330kg
防除組合蔚山支部
052-261-3413
吸着、真空等
10 台
547kL/h
蔚山海警
052-261-5050
吸入、真空等
10 台
928kL/h
防除組合蔚山支部
052-261-3413
1台
蔚山海警
052-261-5050
3台
防除組合蔚山支部
052-261-3413
450 トン
能力
Ⅱ-9
携帯電話
担当者
付属書Ⅱ海岸防除資料表
蔚山港の海岸略図
参照資料:1/50,000 地形図、電子海図
Ⅱ-10
付属書Ⅱ海岸防除資料表
長生浦港の海岸防除資料集
■ 保護する海岸線及び脆弱資源
① 海岸構成 - 人工構造物
- 一部は砂利の自然海岸
② 環境脆弱要素 :
刺身屋
多数(楊竹)
特定区域
沿岸汚染特別管理海域
石油類の有害液体物質取扱施設
SK 石油公社、㈱暁星、テヨン化学㈱、㈱ユソン
■ 接近方法(略図参照)
① 車輌 : 14 番国道-1081 番地方道と連結される舗装道路
② ヘリ : 長生浦の海洋公園(臨時)
③ 船舶 : 長生浦港内の船舶の接岸構造物(約 2,000 トン級接岸可能)
■ 廃油、廃棄物回収・保管可能施設
セチャン冷凍の後部の海上、SK 石油公社埠頭、海洋公園の空き地等
■
①
②
-
-
③
-
-
-
防除戦略
優先保護地域 : 港内全体(ESI 6B 又は 7 等級)
防除方法等 :
オイルフェンスを利用して海上の油類の回収及び拡散防止
油回収船舶による海上の回収作業
留意事項
港内の岸壁の脆弱度が高い為、岸壁の保護に留意
浅海の地域の為、油処理剤の使用を抑制する
内水面と接している為、流出油の内水面の流入防止
■ 近隣で動員可能なオイルフェンス、油回収機、車輌、船舶、人員等
対象
オイルフェンス
油吸着機
油回収機
防除船
曳引船
規格
数量
B型
能力
所有者
電話
800m
蔚山海警
052-261-5050
B型
1,340m
蔚山海水庁
052-228-5583
B型
1,760m
防除組合
052-261-3413
B型
6,280m
SK 石油公社
052-270-2853
マット型等
6,880kg
蔚山海警
052-261-5050
マット型
1,333kg
防除組合蔚山支部
052-261-3413
マット型等
8,280kg
10 台
SK 石油公社
052-270-2853
吸着、真空等
547kL/h
蔚山海警
052-261-5050
吸入、真空等
10 台
928kL/h
防除組合蔚山支部
052-261-3413
450 トン
1台
蔚山海警
052-261-5050
10-500 トン
5台
SK 石油公社
052-270-2853
3台
防除組合蔚山支部
052-261-3413
Ⅱ-11
携帯電話
担当者
付属書Ⅱ海岸防除資料表
長生浦港の海岸略図
資料出典:1/50,000 地形図、電子海図
Ⅱ-12
付属書Ⅱ海岸防除資料表
SK 石油公社ドルピン埠頭の海岸防除資料集
■ 保護する海岸線及び脆弱資源
① 海岸構成 - 人工構造物
- 一部は砂利・岩盤海岸
② 環境脆弱要素 :
特定区域
沿岸汚染特別管理海域
取水工業施設
㈱韓洲、東西発電㈱蔚山火力発電所
石油類の有害液体物質取扱施設
SK 石油公社、テヨン化学㈱、大韓油化㈱蔚山工場、
東西発電㈱蔚山火力発電所
発電所
東西発電㈱蔚山火力発電所
■ 接近方法(略図参照)
① 車輌 : 14 番国道-1081 番地方道と連結される舗装道路
② ヘリ : 龍淵洞新湾岸1段階の埋立地(臨時) ℡ 052-228-5565
③ 船舶 : SK 埠頭(5,000 トン級接岸可能)
■ 廃油、廃棄物回収・保管可能地点
SK 石油公社会社内の敷地、SK ガス埠頭
■ 防除戦略
① 優先保護地域 : 埠頭全域、特に砂石海岸(ESI 6B)
② 防除方法等 :
- オイルフェンスを利用して海上の油類の回収及び拡散を防止
- 油回収船舶による海上の回収作業
③ 留意事項
- 港内の岸壁の環境脆弱度が高い為、岸壁保護に留意
- 浅海の地域な為、油処理剤の使用を抑制する
- 夏季冷水帯の出現が頻繁な為、流出油のエマルジョン化が急速に進行する
■ 近隣で動員可能なオイルフェンス、油回収機、車輌、船舶、人員等
対象
オイルフェンス
油吸着材
規格
数量
B型
所有者
電話
800m
蔚山海警
052-261-5050
B型
1,340m
蔚山海水庁
052-228-5583
B型
1,760m
防除組合
052-261-3413
B型
6,280m
SK 石油公社
052-270-2853
マット型等
6,880m
蔚山海警
052-261-5050
マット型
1,333kg
マット型等
吸着、真空等
能力
8,280kg
10 台
547kL/h
油回収機 吸入、真空等
10 台
928kL/h
吸着、真空等
7台
264kL/h
450 トン
1台
防除船
曳引船
10-500 トン
5台
3台
防除組合蔚山支部 052-261-3413
SK 石油公社
052-270-2853
蔚山海警
052-261-5050
防除組合蔚山支部 052-261-3413
SK 石油公社
052-270-2853
蔚山海警
052-261-5050
SK 石油公社
052-270-2853
防除組合蔚山支部 052-261-3413
Ⅱ-13
携帯電話
担当者
付属書Ⅱ海岸防除資料表
SK 石油公社ドルピン埠頭の海岸略図
資料出典:1/50,000 地形図、電子海図
Ⅱ-14
付属書Ⅱ海岸防除資料表
東西発電㈱蔚山火力発電所の海岸防除資料室
■ 保護する海岸線及び脆弱資源
① 海岸構成 - 人工構造物
- 一部は砂石海岸
② 環境脆弱要素 :
沿岸汚染特別管理海域、交通安全特定海域、
特定区域
タンカーの入出港頻繁交差海域 C
取水工業施設
SK ケミカル、東西発電㈱蔚山火力発電所、㈱韓洲
石油類取扱施設
SK ケミカル、東西発電㈱蔚山火力発電所
発電所
東西発電㈱蔚山火力発電所
繋留ブイ
SK 石油公社 1 ブイ、SK 石油公社 2 ブイ、SK 石油公社 3 ブイ
■ 接近方法(略図参照)
① 車輌 : 14 番国道-1081 番地方道と連結される舗装道路
② ヘリ : 龍淵洞新港湾1段階の埋立地(臨時)海洋庁 ℡ 052-228-5565
③ 船舶 : SK ガス埠頭(約 5,000 トン級接岸可能)
■ 廃油、廃棄物回収・保管可能地点
海岸後の空き地(100×500m)←南区庁所有
■ 防除戦略
① 優先保護地域 : 東西発電㈱蔚山火力発電所の取水口
② 防除方法等 :
- オイルフェンスを利用して海上の油類の回収及び拡散を防止
- 油回収船舶による海上の回収作業
③ 留意事項
- 浅海地域で発電所の取水口が接近している為、油処理剤の使用を抑制
- 錨泊地が隣接しているので防除作業時、待機船舶及び通常船舶に留意
- 夏季冷水帯出現が頻繁な為、流出油のエマルジョン化が急速に進行する
■ 近隣で動員可能なオイルフェンス、油回収機、車輌、船舶、人員等
対象
オイルフェンス
規格
数量
B型
能力
所有者
電話
800m
蔚山海警
052-261-5050
B型
1,340m
蔚山海水庁
052-228-5583
B型
1,760m
防除組合
052-261-3413
B型
6,280m
SK 石油公社
052-270-2853
マット型等
6,880kg
蔚山海警
052-261-5050
マット型
1,333kg
防除組合蔚山支部 052-261-3413
SK 石油公社
052-270-2853
吸着、真空等
8,280kg
10 台
547kL/h
吸入、真空等
10 台
928kL/h
7台
264kL/h
油吸着機 マット型等
油回収機 吸着、真空等
450 トン
1台
防除船
10-500 トン 5 台
曳引船
3台
蔚山海警
052-261-5050
防除組合蔚山支部 052-261-3413
SK 石油公社
052-270-2853
蔚山海警
052-261-5050
SK 石油公社
052-270-2853
防除組合蔚山支部 052-261-3413
Ⅱ-15
携帯電話 担当者
付属書Ⅱ海岸防除資料表
東西発電㈱蔚山火力発電所の海岸略図
資料出典:1/50,000 地形図、電子海図
Ⅱ-16
付属書Ⅱ海岸防除資料表
温山港の海岸防除資料
■ 保護する海岸線及び脆弱資源
① 海岸構成 - 人工構造物
- 一部は砂石海岸
- 一部は岩盤、砂利、砂、砂・砂利海岸
② 環境脆弱要素 :
沿岸汚染特別管理海域、交通安全特定海域、目島(椿島)常緑樹林、
特定区域
タンカーの入出港頻繁交差海域 A
石油類の
大韓油化工業㈱温山工場、双竜精油、高麗亜鉛㈱、暁星タンクターミナル、
有害液体物質取扱施設
ジョンイル ストルヘブン㈱、㈱LG ニコトン銅製錬
SK 石油公社 1 ブイ、SK 石油公社 2 ブイ、SK 石油公社 3 ブイ、双竜精
繋留ブイ(温山港の前)
油ブイ、韓国石油公社㈱
■ 接近方法(略図参照)
① 車輌 : 14 番国道-1019 番地方道と連結される舗装道路
② ヘリ : 双竜精油㈱のヘリ場(蔚州郡温山邑新岩里 360) ℡ 052-231-2371
三星物産㈱のヘリ場(蔚州郡温山邑イジン里 53-2) ℡ 052-237-4491
③ 船舶 : 湾内船舶構造物(10,000 トン級以上接岸可能)
■ 廃油、廃棄物回収・保管可能地点
温山港内の大韓油化前の埠頭、双竜精油海岸、コンテナ埠頭等
■ 防除戦略
① 優先保護地域 : 港内全域、特に閉鎖性の海域(ESI 7 等級)
② 防除方法等 :
- オイルフェンスを利用して海上の油類回収及び拡散防止
- 油回収船舶による海上の回収作業
- 海岸の岸壁の近辺では油吸着材を使用
③ 留意事項
-湾岸入口の大規模の防波堤による流出事故時、流出油の停滞による港内の汚染に留意
- 岸壁及び海岸の環境税弱度が高い為、海岸への拡散防止に留意
■ 近隣で動員可能なオイルフェンス、油回収機、車輌、船舶、人員等
対象
規格
数量
B型
800m
B型
380m
B型
1,760m
B型
1,680m
マット型等
6,880kg
マット型
1,333kg
マット型等
1,000kg
10 台
547kL/h
油回収機 吸入、真空等
10 台
928kL/h
吸着、真空等
1台
25kL/h
450 トン
1台
オイルフェンス
油吸着材
吸着、真空等
防除船
曳引船
3台
能力
所有者
電話
蔚山海警
052-261-5050
ジョンイル ストルヘブン
㈱
防除組合
双竜精油
蔚山海警
防除組合蔚山支部
双竜精油
蔚山海警
防除組合蔚山支部
双竜精油
蔚山海警
防除組合蔚山支部
Ⅱ-17
052-238-8881
052-261-3413
052-231-2425
052-261-5050
052-261-3413
052-231-2425
052-261-5050
052-261-3413
052-231-2425
052-261-5050
052-261-3413
携帯電話
担当者
付属書Ⅱ海岸防除資料表
温山港の海岸略図
資料出典:1/50,000 地形図、電子海図
Ⅱ-18
付属書Ⅱ海岸防除資料表
鎮下海水浴場の海岸防除資料
■ 保護する海岸線及び脆弱資源
① 海岸構成 - 砂海岸
② 環境脆弱要素 :
刺身屋
多数
漁業権漁業
「蔚州郡第一号」他約 40 件
特別区域
沿岸汚染特別管理海域、交通安全特定海域
臨時公園
艮絶串
■
①
②
③
接近方法(略図参照)
車輌 : 14 番国道-1019 番地方道と連結される舗装道路
ヘリ : 双竜精油のヘリ場(蔚州郡温山邑新岩里 360) ℡ 052-231-2370
船舶 : 江口(ガング)渡し場、松圃(ソンポ)船着場、鎮下港(7トン未満)
■ 廃油、廃棄物回収・保管可能地点
鎮下海水浴場の海岸の一帯(蔚州郡庁の水産係 228-7198)
■
①
②
-
-
-
③
-
-
-
防除戦略
優先保護地域 : 刺身屋の密集地域
防除方法等 :
オイルフェンスを利用して外海へ誘導及び海上の油類の回収
油回収船舶による海上の回収作業
外海へ誘導した後、沿岸への流入可能性を判断して油処理剤の散布を考慮
留意事項
周辺に刺身屋及び海水浴場が位置しているので流出油の拡散防止に留意
海水浴場の開場時期を考慮して油処理剤の散布も考慮できるが、周辺の刺身屋に留意
岩盤、砂石海岸等、環境脆弱度が高い海岸からの拡散防止に留意
■ 近隣で動員可能なオイルフェンス、油回収機、車輌、船舶、人員等
対象
規格
数量
能力
所有者
電話
B型
蔚山海警
800m
052-261-5050
オイルフェンス
B型
防除組合
1,760m
052-261-3413
B型
双竜精油
1,680m
052-231-2425
マット型等
蔚山海警
6,880m
052-261-5050
油吸着材
マット型
防除組合蔚山支部
1,333kg
052-261-3413
吸着、真空等
10 台
547kL/h
蔚山海警
052-261-5050
油回収機
吸入、真空等
10 台
928kL/h
防除組合蔚山支部
052-261-3413
防除船
450 トン
1台
蔚山海警
052-261-5050
曳引船
3台
防除組合蔚山支部
052-261-3413
Ⅱ-19
携帯電話
担当者
付属書Ⅱ海岸防除資料表
鎮下海水浴場の海岸略図
参照資料:1/50,000 地形図、電子海図
Ⅱ-20
付属書Ⅱ海岸防除資料表
艮絶串海岸の防除資料集
■ 保護する海岸線及び脆弱資源
① 海岸構成 - 砂利、岩盤海岸
② 環境脆弱要素 :
刺身屋
多数
漁業権漁業
「蔚州郡第1号」外 50 件余り
海水浴場
鎮下海水浴場
沿岸汚染特別管理海域、交通安全特定海域、
特定区域
タンカー潜入出港頻繁交差海域 B
臨海公園
艮絶串
■
①
②
③
接近方法(略図参照)
車輌 : 14 番国道-1019 番地方道と連結される舗装道路
ヘリ : 双竜精油のヘリ場(蔚州郡温山邑新岩里 360) ℡ 052-231-2370
船舶 : 平洞町の船着場、松亭町の船着場、大松港(7 トン未満)
■ 廃油、廃棄物回収・保管可能地点
艮絶串海岸の一帯
■
①
②
-
-
-
③
-
-
-
防除戦略
優先保護地域 : 大松港付近の刺身屋の密集地域、沙石及び砂利の海岸(ESI 6等級)
防除方法等 :
オイルフェンスを利用する外海へ誘導及び開場の油類の回収
油回収船舶による開場の回収作業
外海へ誘導した後、沿岸への流入の可能性を判断して油処理剤の散布を考慮
留意事項
周辺に刺身屋及び環境脆弱地域が散在している為、流出油の拡散防止に留意
流出油の海岸漂着可能を考慮して手作業等、海岸防除作業を準備
岩盤及び海岸の環境脆弱度が高い為、海岸への拡散防止に留意
■ 近隣で動員可能なオイルフェンス、油回収機、車輌、船舶、人員等
対象
規格
数量
能力
所有者
電話
B型
蔚山海警
800m
052-261-5050
オイルフェンス
B型
防除組合
1,760m
052-261-3413
B型
双竜精油
1,680m
052-231-2425
マット型等 6,880kg
蔚山海警
052-261-5050
油吸着材
マット型
防除組合蔚山支部 052-261-3413
1,333kg
吸着、真空等
10 台
547kL/h
蔚山海警
052-261-5050
油回収機
吸入、真空等
10 台
928kL/h 防除組合蔚山支部 052-261-3413
防除船
450 トン
1台
蔚山海警
052-261-5050
曳引船
3台
防除組合蔚山支部 052-261-3413
Ⅱ-21
携帯電話
担当者
付属書Ⅱ海岸防除資料表
艮絶串の海岸略図
資料出典:1/50,000 地形図、電子海図
Ⅱ-22
付属書Ⅱ海岸防除資料表
古里原子力発電所の防除資料表
■ 保護する海岸線及び脆弱資源
① 海岸構成 - 人工構造物
② 環境脆弱要素 :
刺身屋
海水浴場
臨海公園
漁業権漁業
■
①
②
③
多数
林浪海水浴場
機張郡の冬柏、伊東、月内
「機張 4297」他約 40 件
接近方法(略図参照)
車輌 :14 番国道-1019 番地方道と連結される舗装道路
ヘリ : 双竜精油のヘリ場(蔚州郡温山邑新岩里 360) ℡ 052-231-2370
船舶 : 発電所内の船舶接岸構造物、月内港(200 トン未満)
■ 廃油、廃棄物回収、保管可能地点
月内港の埠頭及び近隣の海岸の一部
■
①
②
-
-
-
-
③
-
-
-
防除戦略
優先保護地域 : 原子力発電所の取水口
防除方法等 :
オイルフェンスを利用して外海へ誘導及び開場の油類の回収
油回収船舶による海上の回収作業
外海へ誘導した後、沿岸への流入の可能性を判断して油処理剤の散布を考慮
海岸の環境脆弱度が比較的低い為、防除情報地図を参照して海岸誘導防除も考慮
留意事項
原子力発電所の取水口の流出油及び油処理剤の流入に留意
周辺海域の漁場及び養殖場の保護に留意
月内港へ淡水が流入している為、流出油の内水面の流入に留意
■ 近隣で動員可能なオイルフェンス、油回収機、車輌、船舶、人員等
対象
規格
数量
能力
所有者
電話
B型
蔚山海警
800m
052-261-5050
オイルフェンス
B型
防除組合
1,760m
052-261-3413
B型
韓国硝子工業㈱
320m
051-720-4315
マット型等 6,880kg
蔚山海警
052-261-5050
油吸着材 マット型等 1,333kg
防除組合蔚山支部 052-261-3413
マット型
韓国硝子工業㈱
350kg
051-720-4315
吸着、真空等
10 台
547kL/h
蔚山海警
052-261-5050
油回収機
吸入、真空等
10 台
928kL/h 防除組合蔚山支部 052-261-3413
防除船
450 トン
1台
蔚山海警
052-261-5050
曳引船
3台
防除組合蔚山支部 052-261-3413
Ⅱ-23
携帯電話
担当者
付属書Ⅱ海岸防除資料表
古里原子力発電所の海岸略図
資料出典:1/50,000 地形図、電子海図
Ⅱ-24
付属書Ⅱ海岸防除資料表
林浪海水浴場の防除資料表
■ 保護する海岸線及び脆弱資源
① 海岸構成 - 砂海岸
② 環境脆弱要素 :
刺身屋
多数
発電所
古里原子力発電所
臨海公園
機張郡の冬柏、伊東、月内
漁業権漁業
「機張 4297」他約 40 件(漁場・養殖場 約 1,700,000 ㎡隣接)
■
①
②
③
接近方法(略図参照)
車輌 : 14 番国道-1019 番地方道と連結される舗装道路
ヘリ : 双竜精油のヘリ場(蔚州郡温山邑新岩里 360) ℡ 052-231-2370
船舶 : 林浪港(5 トン未満)
■ 廃油、廃棄物回収・保管可能地点
海水浴場の内側海岸の一帯
■
①
②
-
-
-
③
-
-
-
-
防除戦略
優先保護地域 : 林浪海水浴場の砂浜
防除方法等 :
オイルフェンスを利用して学会へ誘導及び開場の油類の回収
油回船舶による海上の回収作業
外海へ誘導した後、沿岸への流入の可能性を判断して油処理剤の散布を考慮
留意事項
原子力発電所の取水口に流出油及び油処理剤の流入に留意
周辺に刺身屋及び海水浴場が位置している為、流出油の拡散防止に留意
周辺海域の漁場及び養殖場の保護に留意
海水浴場の開場時期を考慮して油処理剤の散布も考慮できるが周辺の刺身屋に留意
■ 近隣で動員可能なオイルフェンス、油回収機、車輌、船舶、人員等
対象
規格
数量
能力
所有者
電話
B型
蔚山海警
800m
052-261-5050
B型
防除組合
1,760m
052-261-3413
オイルフェンス
B型
韓国硝子工業㈱
320m
051-720-4315
B型
釜山東部水協
200m
051-722-1905
マット型等
蔚山海警
6,880kg
052-261-5050
油吸着材
マット型等
防除組合蔚山支部 052-261-3413
1,333kg
マット型
韓国硝子工業㈱
350kg
051-720-4315
吸着、真空等
10 台
547kL/h
蔚山海警
052-261-5050
油回収機
吸入、真空等
10 台
928kL/h
防除組合蔚山支部 052-261-3413
防除船
450 トン
1台
蔚山海警
052-261-5050
曳引船
3台
防除組合蔚山支部 052-261-3413
Ⅱ-25
携帯電話
担当者
付属書Ⅱ海岸防除資料表
林浪海水浴場の海岸略図
資料出典:1/50,000 地形図、電子海図
Ⅱ-26
付属書Ⅱ海岸防除資料表
日光海水浴場の防除資料表
■ 保護する海岸線及び脆弱資源
① 海岸構成 - 砂海岸
② 環境脆弱要素 :
刺身屋
臨海公園
石油類の取扱施設
漁業権漁業
■
①
②
③
多数
機張分の冬柏、伊東、鶴里、大浜~月田
釜山東部水協、韓国硝子工業(株)
「機張8」他約 40 件
接近方法(略図参照)
車輌 : 14 番国道-1019 番地方道と連結される舗装道路
ヘリ : 双竜精油のヘリ場(蔚山郡温山邑新岩里 360) ℡ 052-231-2370
船舶 : 伊川港の船着場(5トン未満)
■ 廃油、廃棄物回収・保管可能地点
海水浴場の内側海岸の一帯
■
①
②
-
-
③
-
-
-
-
防除戦略
優先保護地域 : 日光海水浴場の砂浜
防除方法等 :
オイルフェンスを利用して外海へ誘導及び海上の油類の回収
油回収機を利用する海上の回収方法
留意事項
周辺に刺身屋及び海水浴場が位置しているので流出油の拡散防止に留意
閉鎖性の内湾の為、流出油の停滞による海底面及び海岸の汚染に留意
海水浴場の開場時期を考慮して油処理剤の散布も考慮できるが周辺の刺身屋に留意
周辺海域の脆弱性海岸、漁場及び養殖場の保護に留意
■ 近隣で動員可能なオイルフェンス、油回収機、車輌、船舶、人員等
対象
規格
数量
能力
所有者
電話
B型
蔚山海警
800m
052-261-5050
B型
防除組合
1,760m
052-261-3413
オイルフェンス
B型
韓国硝子工業(株) 051-720-4315
320m
B型
釜山東部水協
200m
051-722-1905
マット型等
蔚山海警
6,880m
052-261-5050
油吸着材
マット型等 1,333kg
防除組合蔚山支部 052-261-3413
マット型
韓国硝子工業(株) 051-720-4315
350kg
吸着、真空等
10 台
547kL/h
蔚山海警
052-261-5050
油回収機
吸入、真空等
10 台
928kL/h
防除組合蔚山支部 052-261-3413
防除船
450 トン
1台
蔚山海警
052-261-5050
曳引船
3台
防除組合蔚山支部 052-261-3413
Ⅱ-27
携帯電話
担当者
付属書Ⅱ海岸防除資料表
日光海水浴場の海岸略図
資料出典:1/50,000 地形図、電子海図
Ⅱ-28
付属書Ⅱ海岸防除資料表
大浜港の防除資料表
■ 保護する海岸線及び脆弱資源
① 海岸構成 - 人口構造部
- 一部は岩盤及び岩盤潮間帯
② 環境脆弱要素 :
刺身屋
多数
臨海公園
機張郡の大浜~月田
漁業権漁業
「機張2」の 20 件
■
①
②
③
接近方法(略図参照)
車輌 : 14 番国道-1019 番地方道と連結される舗装道路
ヘリ : 双竜精油のヘリ場(蔚州郡温山邑新岩里 360) ℡ 052-231-2370
船舶 : 大浜港内の船舶の接岸構造物(200 トン未満)
■ 廃油、廃棄物回収・保管可能地点
大浜港の埠頭及び北防波堤の近隣海岸の一部、新岩港埠頭
■
①
②
-
-
③
-
-
防除戦略
優先保護地域 : 大浜港内の閉鎖性の海域(ESI 7 等級)
防除方法 :
オイルフェンスを利用して外海へ誘導及び海上の油類の回収
油回収機を利用する海上の回収作業
留意事項
閉鎖性の内湾の為、流出油の停滞による海底面及び海岸汚染に留意
周辺海域の脆弱性海岸、漁場及び養殖場の保護に留意
■ 近隣で動員可能なオイルフェンス、油回収機、車輌、船舶、人員等
対象
規格
数量
能力
所有者
電話
携帯電話 担当者
オイルフェンス B 型
蔚山海警
800m
052-261-5050
B型
防除組合
1,760m
052-261-3413
B型
韓国硝子工業(株) 051-720-4315
320m
B型
釜山東部水協
200m
051-722-1905
油吸着材 マット型等
蔚山海警
6,880kg
052-261-5050
マット型等
防除組合蔚山支部 052-261-3413
1,333kg
マット型
韓国硝子工業(株) 051-720-4315
350kg
油回収機 吸着、真空等 10 台
547kL/h 蔚山海警
052-261-5050
吸入、真空等 10 台
928kL/h 防除組合蔚山支部 052-261-3413
防除船
450 トン
1台
蔚山海警
052-261-5050
曳引船
3台
防除組合蔚山支部 052-261-3413
Ⅱ-29
付属書Ⅱ海岸防除資料表
大浜港の海岸略図
資料出典:1/50,000 地形図、電子海図
Ⅱ-30
付属書Ⅲ
蔚山地域の油処理剤の使用指針
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
目
次
Ⅰ.一般指針 ..
..
...
...
..
...
...
..
...
...
..
...
...
..
...
...
..1
1.油処理剤の一般 ................................................ 1
......................................... 6
2. 油処理剤の仕様の決定 .
.....................................16
3. 油処理剤の散布計画の策定 .
.............................................21
4. 油処理の散布方法 .
.....................................31
5. 油処理の散布時の遵守事項 .
Ⅱ.蔚山地域の油処理剤の使用指針 .
..
...
..
...
...
..
...
...
..33
1.海域の特性 ....................................................33
.................................33
2. 蔚山地域の油処理剤の使用基準 .
.............................34
3. 海域特性による油処理剤の使用区分 .
.............38
4. 油処理剤の使用時、蔚山地域の主要内湾の環境危害図 .
.........................39
5. 蔚山地域の油処理剤の使用手続及び方法 .
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
Ⅰ.一般指針
1.油処理剤の一般
海上での油類の流出事故時、対応方法は流出油の種類、環境条件、動員可能
な人員と対応装備等によってその被害規模を減らして、最も効率的な方法が選
択されなければならない。海上で流出された油類を回収する方法としては大き
く油回収機、オイルブーム、油吸着材を利用した物理的な回収方法、油処理剤
による科学的な処理方法、微生物による生物学的な方法及び焼却等に区別され
る。
本指針では海上で油類の流出事故時、物理的な回収方法が難しい場合、他の
防除対応方法で活用されている油処理剤をより効果的に使用する方法について
記述した。
1.1 油処理剤の使用目的及び作用原理
(1)油処理剤の使用目的
油処理剤による分散処理方法は、海上で発生する各種の流出事故発生時、物
理的な回収が不可能な場合に汚染に脆弱な地域を保護するために使用される流
出油の防除方法の1つで、流出事故に起因する生態系の被害を減少させ、予測
される各種の危険を最小化することにその使用目的がある。
油処理剤の使用時の長所・短所は次のとおりである。
■ 長所
○ 収集及び回収方法と対照的に油処理剤は、強い潮流と高い波浪でも使用
可能である。
○ 相当に迅速な対応方法である。
○ 水面から油を除去することで風により海岸に接近する油層の移動を抑
制する。
○ 鳥類と哺乳類に対する被害を減少させる。
Ⅲ-1
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
○ エマルジョン(チョコレートムース)の形成を抑制する。
○ 自然分解を可能とするように油類の表面積を増加させる。
■ 短所
○ 油に汚染されていない海洋生物体にも逆効果を及ぼす。
○ 油が分解されない場合、油処理剤を少なくして他の対応方法を使用する
ことが効果的である。
○ 油処理剤はすべての油の種類に効果的ではない。
○ 万が一、海岸で使用する場合、堆積物に浸透しやすい。
○ 海岸環境に負荷物質を発生させる。
○ 油処理剤を使用する際、時間が規約される。
(2)油処理剤の作用原理
油処理剤は海上へ流出した油類を化学的な方法によって処理する薬剤で、油
類粒子を微粒子に分解させて海水と混合しやすい状態を作ることで自浄作用、
すなわち、バクテリアによる微生物の分解及び日照による蒸発あるいは酸化作
用等で油成分を分散させる作用を促進するものである(図1)。
図1
海上での油処理剤の散布時、作用原理
Ⅲ-2
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
1.2 油処理剤の種類及び特性
(1)油処理剤の種類
イ. 一般型
散布前、事前に海水と希釈させてはならず、油処理剤と油類の比率は1:
1ないし1:3で作用する。
ロ. 濃縮型(Concentrated)
海水と希釈した後に使用し、波高の影響が少なくともよく分散する。一
般的に油処理剤と油類の比率は1:10 ないし1:20 とする。
油処理剤の種類による長所・短所は次の通りである。
種 類
長所・短所
・ 長所
-分散効果に比較的優れている
一般型
-流動性が高く、冬季の使用が可能である
・短所
-水で希釈時、分散効果が低下する
・ 長所
濃縮型
-分散効果に最も優れている
-希釈使用が可能な為保管時の体積が少ない
-製品の単価が高価である
(2)油処理剤の特性
イ. 構成物質
油処理剤は種類によって構成成分及び組成比率に多少差があるが、主成
分は有機溶媒が 70%、界面活性剤が約 30%等で、国内の生産品は海洋生態
系に対して毒性を持つ芳香族炭化水素(PaH)の含量率が 1%未満である。
Ⅲ-3
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
ロ. 有機溶媒剤の作用
一般型は主に有機溶媒剤が鉱油で濃縮型はアルコールである。有機溶媒
剤は界面活性剤の流動性を高くし、低温時の凝固を防止して流出油の粘度
を低下させ、界面活性剤が油類へ浸透しやすくする作用を持つ。
最近、我が国では使用されている一般型は、海洋生物に蓄積性がなく生
物毒性が非情に少ないノルマルパラフィン系炭化水素の有機溶媒剤型が主
に使用されている。
ハ. 界面活性剤の作用
界面活性剤は生物毒性が低いエステル型の非イオン界面活性剤が使用さ
れている。油の分解作用で水と油類の混合溶解を容易にし、油類に浸透し
て油の表面張力を弱くさせる。そして本来、水に不溶性である油を細分化
し、細分化された油の粒子を活性剤の分子で囲み、微粒子化し安定した懸
濁状態で拡散させて微生物等による自浄作用を促進させる。
1.3 油処理剤の毒性及び生分解メカニズム
油処理された油の毒性効果は、最も優先的な検討事項である。毒性は油処理
剤の種類、油の環境条件によって違うのでこの分野の専門家に諮問するのがよ
い。
現時点で油処理剤の散布後、海上に浮遊している油膜が海洋魚類の個体数を
減少させたという証拠はない。海を油処理剤で散布することは魚類に対して良
い影響を与えることはないが、処理された油が深海で迅速に希釈されれば、魚
類に悪影響を及ぼすこともない。これらに加えて、油処理剤の散布は、魚類が
油に直接暴露されることを防ぐ。しかし、浅海で処理された油は、魚類、特に
稚魚に影響を及ぼす濃度に到着する。従って、一般的に魚類資源が非常に重要
かつ浅海での産卵及び成長海域では、油処理剤の使用は望ましくない。
国際海事機構(IMO)及び米国大気海洋保全局(NOAA)の資料によると、限界濃
度1)1ppm で散布する場合、水深が 10m以下の海域では、油処理剤を使用し
てはいけないとしている(図2及び図3)。
Ⅲ-4
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
図2
処理剤により処理された油の深さ方向の濃度分布(NOAA)
図3
0.15 ㎜の厚さの処理剤により処理された油層下の深さ別、時間別濃度変
化予測(Mackay & Wells、1983、黒い点は実際の海域試験によるものである)
)LC50 テスト: 油処理剤が生物群に及ぼす毒性の評価試験で 24 時間内に対
1
象生物群の個体数が 50%死亡する濃度を表す。
Ⅲ-5
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
2.油処理剤の使用の決定
2.1
使用決定手続
防除対応戦略の一つの要素として、油処理剤が必要な海域では汚染事故計画
が迅速な対応のための意志決定過程及び油処理剤の使用に対する明確な規定を
提供することが必須である。
油処理剤が油類汚染事故の対応戦略となる場合、応急計画は油処理剤の使用
と、使用に対する事前の承認手続及び迅速な対応の為の資源調達に対する明確
な政策的判断を持たねばならない。応急計画を準備することにおいて「危険度
評価(risk assessment)」、「防除情報地図(ESI map)」、「過程(approval
procedures)」等を考慮しなければならない。
意志決定過程が流出事故時だけで行われてはならない。意志決定は事前計画
要素の一つの部分であり、汚染事故計画を取り扱う一つの部分でもある。
従って、関連機関に定義された任務と責任が明確でなければならない。可能
な限り迅速な措置を取るように訓練された要員と必要な装備及び人員を確保し
なければならない。汚染事故の対応計画は、油の特性、気象条件、海上の情報
を迅速に入手する為の配置要素を含む。事故地域の数理学的、測深学的、そし
て生態学的な特性を示す防除情報地図を作成しなければならない。この地図は
漁場、鳥類、群落棲息地、特定保護区域さらに、居住地域を包含する。これら
すべての情報は、流出事故の対応策に対する環境的な影響を考慮する為に必要
である。さらにこれらすべての情報は流出事故の対応策に対する環境的な影響
を考慮するにも必要である。反面各々の流出事故は固有な特性を持った為、流
出予測地域の事故危険を分析し、これによる最善な防除活動手順を決めること
が最も重要である(図4)。
Ⅲ-6
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
風と海流が油を海岸方向
油が自然に分解するよう
NO
2.2
へ移動させると予測され
放置することを考慮する
るか
YES
油処理剤の使用が許可さ
オイルフェンスの展張及
NO
れるか
び海上での油回収作業は
可能か
YES
YES
オイルフェンスの展張及
び海上での油回収作業が
可能か
NO
事故地域で油が自然的に
特定な沿岸資源を保護す
分散するか
るために集中的に努力す
る
YES
YES
油 の 程 度 が 常 温 で
2,000cst 以上か
NO
油処理剤の使用を考慮する
2.3
図4
油処理剤意志決定のための指針
Ⅲ-7
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
図5
代表的な原油と燃料油の温度-粘度の関係
注)
1.この図表にない油に対しては適当な温度のものを既知の粘度に合わせて
(表 1参照)図中の線と平行な直線で連結する。
2.周囲の温度で粘度が 2000cSt を越える油(例えば 20℃以下の中質油)に
対しては、油処理剤の効果はほとんどない。
3.ガス油は軽質ディーゼル油又は NO.2 燃料油とも言われ、100
で粘度レ
ッドウッド NO.1 油の粘度は 30~35 秒の範囲にある。
4.中質燃料油は NO.4 燃料油とも言われ、100
でレッドウッド NO.1 粘度
が 900~1,500 秒の範囲にある。
5.中質燃料はバンカーC 又は NO.6 燃料油とも言われ、100
ド NO.1 粘度が 3,000~10,000 秒の範囲にある。
Ⅲ-8
でレッドウッ
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
2.2
油処理剤の使用指針
(1)基本指針
油処理剤の使用時期の決定は、環境影響評価を実施した後、地域的な特性に
よって海上での分散処理効果を考慮し、最適の散布時間を選択した上で使用し
なければならない。油処理剤の使用指針が適用される海域では、いかなる環境
的な被害も発生させてはならない。
さらに、環境的な流出した油の防除作業時、管轄機関が認証した現場の防除
責任者は、次の事項に限定して優先、通報なしに油処理剤を使用する。
イ.現場防除責任者が政府及び関係上位機関の許可なく自身の裁量権の範囲
内で油処理剤を散布できる海域
○ 油処理剤が使用される海域の水深が 20m以上である場合
○ 散布地域は海岸から 2km 以上離れ、重要な海洋漁場から 5km 以上離れて
いる場合
○ 物理的な回収が困難で、特定な脆弱海域へ移動が予測される場合
○ 流出後 4~6 時間以内に使用
○ こげ茶色又は茶色/オレンジ色の油層(油層の厚さ:0.1~1.0 ㎜)
※
説明:水深が深く処理剤により処理された油を希釈するのに充分な空間的
余裕があり、周辺の生物群に影響がない場合で、現場防除責任者の裁量に
よって(すなわち、油処理剤が最も適切な防除対策であると決定された以
後)油処理剤の散布の事実を通報せねばならない。
ロ.油処理剤の使用が望ましくない海域
○ 油処理剤が使用される海域の水深が 10m 以下である場合で
○ 漁場・養殖場、発電所の取水口、種苗培養場及び閉鎖性の海域である場合
○ 特定海域の中で水資源の保護区域に指定された場合
※
説明:この海域では油処理剤による油の濃度が脆弱資源に及ぼす危険度を
Ⅲ-9
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
厳密に判断する必要があるため、専門家の見解を参照して当局の許可を受
け実施できる。
ハ.周辺の状況を考慮した後、油処理剤の使用が可能な海域
○ 油処理剤が使用される地域の水深が 10m以下である場合で
○ 潮流の流れが強く、落潮時散布しても被害が少ない場合
○ 周辺の漁場及び環境資源が存在しない場合
○ 夏季以外の海水浴場
○ 海上公園
○ 落潮時の干潟地域
※
説明:水深 10m以下の海域は油処理剤の散布により油の瞬間最大濃度が
1ppm に達する場合があり、生物資源の被害可能性が高いためである。し
かし、このような海域でも油に敏感な生物資源等が流出した油自体より、
油処理剤又は処理された油に暴露されることが害にならないと判断される
場合には、油処理剤の使用が許可できる。このような決定は、該当分野の
専門家の精密な判断によってなされねばならない。従って、緊急防除計画
を策定する機関では、このような諮問機構を常設していることが望ましい
と判断される。
(2)油処理剤の使用を終了する場合
○ 油層がオレンジ色又は茶色の帯にさらに形成されない場合
○ 油層のサンプリング作業を通して油がさらに処理剤により分散しない結果
を得た場合、油処理剤の散布作業を終了する。
2.3
正味の環境利得分析(net environmental benefit analysis)
防除計画段階では該当地域で特定時間に油処理剤を使用することと使用しな
いことの長所・短所を比較、分析することが必要である。これは油処理剤の使
用又は使用しないことが環境により利得があるか否かを決定する為に先行して
実施しなければならない。このような一連の比較検討過程を正味の環境利得分
析(net environmental benefit analysis)という。
Ⅲ-10
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
しかし、油処理剤を使用するか否かの最終決定は、流出事故の諸条件により
変化する。すべての場合において油流出事故に対する対応は、自然及び経済的
な資源等に及ぼす影響を最小化することでなければならない。どのような対応
方法が環境と資源に及ぼす影響を最小化するものであるかを知る為には、油処
理剤により処理された油と処理されてない油の予測される変化の過程と、これ
に対応する効果を充分に考慮する必要がある。
正味の環境利得分析において重要ないくつかの問題は次の通りである。
○ 流出した油の種類と量を考慮する際、油処理剤の適用がどの程度効果的で
あるか。
○ 処理された油は希釈されるのか。次に、このような水準に到達するのに必
要な時間はどの程度か。
○ 生物群の回復の必要な時間(time scale)はどの程度か。
油処理剤を可能な防除手段の一つとする決定は、該当地域で発生する流出事
故の危険度と油類汚染による影響を被る資源の種類と分布によって決定される。
このような資源は、経済的、自然的な価値を持っており、油処理剤の使用と関
連して脆弱度地図上で使用を制限したり禁止する領域を表示しておくと効果的
な防除が可能となる。油処理剤の防除情報地図を地域と季節毎に作成すること
で、例えば、産卵期には魚類の産卵地域では油処理剤の散布を禁止するといっ
たことが判断できる。
(1) 危険要素の評価
危険要素の評価の為に必須な部分は、潜在的な流出の要因に対する評価であ
る。これは特定の地域で発生可能性が最も高い要因を選定することである。代
表的な例として
○ 原油井の生産地での破裂
○ タンカーの座礁又は衝突
○ 原油積み出し基地での油の積載又は荷役
各流出要因は、流出した油種類、流出量、流出率及び流出位置等でそれぞれ
異なった特性を持つ。たとえば、油井での流出又は積み出し基地での流出事故
の場合は、時間経過による油の物理的な特性が事前によく把握されている。そ
れは汚染事故対応計画の過程の間に選択された油処理剤の効果に対する試験を
Ⅲ-11
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
可能にする。しかし、タンカー事故のような場合には、油の特性が事前によく
把握されていない。油処理剤の対応計画は、認知された危険に対して使用する
ことが必要である。
(2) 危害度の評価
汚染事故の対応計画の段階で、毎年、特定時期間の油処理剤の使用有無に対
する長所・短所を比較、検討することが必須的である。これは油処理剤の使用
の有無が環境のためになるのか、あるいはそうではないのかを事前に決定する
為に履行されねばならない。
他の防除方法と併合したり、又は単独で油処理剤の使用可否に対する最終的
な判断は、流出条件の特性によって変化する。すべての場合において流出対応
の目的は、自然及び経済的な価値を持つ資源に関して、全般的に環境影響を減
少させることにある。
環境影響を分析する為に、その地域に存在する資源保護の優先順位を示した
目録を作ることが必須である。この目録は汚染事故の対応計画段階で作成させ
ねばならない。次に、保護の優先順位に期別の変化の内容も含ませねばならな
い。さらに目録を作成する際、自然的な又は経済的な価値を持つ資源も考慮す
る必要がある。一般的に絶滅の危機に瀕した種、生産性が高い地域、保護棲息
地といった油の回収に長時間を要する棲息地は、最も高い保護の優先順位を与
えねばならない。
海洋で油類の流出事故時、汚染された脆弱資源は経済的又は自然的な価値の
いずれか、あるいはこれらの両方を持っている。自然生態系でその重要性の為
に汚染に対して脆弱であると判断される資源は次の通りである。
イ.娯楽施設及び観光資源
海水浴場やヨットの停泊地のような休養地域は地域経済に重要なもので、海
岸の油処理剤の使用はこのような地域を保護する為に対応技術の中の一つであ
る。そのような地域はおおよそ、生物学的な観点から見た時、重要度が低く油
処理剤の使用が海岸の密閉された場所で行われる。
Ⅲ-12
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
ロ.鳥類
油に汚染された鳥類の多くは、低体温症又は浮力の喪失によって溺死又は油
を摂取した影響のため死亡する。万が一、油が卵まで影響を及ぼした場合、孵
化の成功率は非常に減少する。従って、鳥類棲息地を保護することが重要であ
る。油処理剤を鳥類に直接加えることがないよう、可能な限り鳥類群から遠く
離れて散布しなければならない。
ハ.魚類
油処理剤の散布は魚類に油が付着することを未然に防止する。浅海での処理
剤による分散油は魚類のなかで特に稚魚に感染したりまたは害を及ぼす。一般
的に油処理剤の使用は魚類が重要なエリア、特に浅海の産卵場又は養殖場のよ
うな場所では散布を避けなければならない。
ニ.砂利/礫海岸
砂利/礫海岸はおおむね生物生産力が低いが、停滞した油は相対的に浄化作
業が困難で地表下へ浸透する。砂利/礫海岸を保護する為には外海で油処理剤
を使用することが必須である。
ホ.産業施設
脱塩工場、発電所あるいは精製所のような産業施設の取水口の近くで油処理
剤を使用することは、油がオイルフェンスの下を通過する機会を増大させ、取
水口の内部へ入りやすくさせてしまう。そのため、この方法は産業施設に被害
を及ぼすので取水口の付近での油処理剤の使用は避けなければならない。
ヘ.海洋の哺乳類
体温の維持を自身の体表面の毛に依存する哺乳類は、特に油に対して致命的
である。万が一、毛が汚染されると、哺乳類は低体温症や交尾の間に摂取した
油による毒性影響で死ぬことになる。従って、可能な限り、哺乳類の棲息地か
ら遠く離れた地域で散布しなければならない。
Ⅲ-13
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
ト.干潟
万が一、干潟に埋在生物(infauna)及び植物の根のような生物学的な経路
が存在する場合、油は潮間帯の干潟に浸透する。万が一、油が生物群各内部に
浸透すると深刻な生物学的な被害をもたらす。
生物学的に生産性が高い干潟では、鳥類のえさの供給源として動要である。
このような地域を保護する為に外海での油処理剤の使用が対応選択技術の一つ
として選択される。油処理剤の散布は、高濃度の分散油が生物孔の中に浸透す
る可能性を最小化する為に可能な限り外海で行わねばならない。
チ.塩田又は養殖場で利用される池
世界の多くの国で、ピットを利用したシステムは海岸線に沿って多く存在し、
水門又はパイプを通して海と連結されている。このような池を利用したシステ
ムは種苗養殖場(魚類、エビ、カニ)で使用されており、他の場合には塩田施
設に利用されている。いかなる利用においてもこれらの池に非処理油又は分散
油が浸透することは望ましくない。従って、油処理剤を散布して迅速に希釈さ
せ、海水の移動によって分散油を除去するようにする。
リ.岩盤海岸
岩盤海岸は波の活動で流出油が相対的に高速に除去される。閉鎖された岩盤
海岸は相対的に高い生物学的生産性と自然浄化力を持っているが、前者と比べ
生物学的な回復が相対的に遅い。外海での油処理剤の使用は岩盤海岸を保護す
る為の対応技術として選択される。
ヌ.湿地
湿地での油の滞留時間は長い。なぜなら、塩性湿地は閉鎖された地域に存在
する為である。さらに、塩性湿地の植物は多量の油を吸収したり含有すること
がある。汚染された湿地は防除することが非常に困難で、野生植物(特に、鳥
類)に脅威になる場合もある。従って、湿地には高い保護の優先順位が付与さ
れる。よって可能な限り、外海で油処理剤を使用することが要求される。湿地
の植物は分散油に相当に暴露される場合がある。従って、支流に接近した場所
Ⅲ-14
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
で油処理剤を散布する。
ル.砂浜
砂浜の生物学的な生産性は一般的に低い。砂浜は強烈な波のエネルギーによ
り自然に速く浄化される。万が一、汚染されたとしても相対的に浄化されやす
い。従って、砂浜の保護の為に油処理剤を使用するのは特別な場合である。例
えば、
○ ウミガメが卵を産む海岸の上部地域、さらに孵化時期が近づいた場合
○ 砂浜が観光地として重要な場合、さらに観光シーズンが近づいた場合
ヲ.甲殻類
海岸の甲殻類(例えばホタテ、イガイ、サザエ)等は経済的に重要である。
かつ、世界で市販されている大部分の軟体動物は商業的に潮間帯で養殖されて
いる。万が一、稚仔がそのような地域に止まると甲殻類は毒性の影響と窒息で
死亡する。たとえ、致命的な汚染がなかったとしても、甲殻類と海岸の養殖生
物は市中で販売できない程度に汚染される。外海で油処理剤を散布することで
このような影響を最小化することができる。可能な限り海岸から遠く離れて散
布しなければならない。
2.4
防除情報地図の活用
迅速な対応を促進する為には、使用可能な特定の油処理剤を使用する以前に
防除遂行機関と油処理剤の使用条件を協議することが必須である。
これは油処理剤の性能及び毒性に対する試験手続、油処理剤の使用可能地域、
油処理剤の使用等に対する事前承認及び協議を経た後、油処理剤を散布しなけ
ればならない。
油処理剤の使用に対して脆弱な地域、すなわち、油処理剤を使用してもよい
か又は使用しないのがよいかの判断が曖昧な地域では、防除情報地図が最も役
に立つ。油処理剤の使用禁止の地域は毎年、随時変化の上、適用され、さらに
特定時期に適用できる。例えば、魚類の産卵時期には油処理剤の使用を禁止す
る。このような一時的な禁止海域は防除情報地図に明確に表示されていなけれ
Ⅲ-15
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
ばならない。
このような防除情報地図の製作は、流出対応に関連するすべての機関との協
議の下で行うことが理想的である。二つの密接に関連する資源が油処理剤の使
用可否、分散された油の特性、関連機関の経済性の評価等によって正反対の効
果を持つことすら予測される。このような地域では資源の保護優先順位に関し
事前に同意が必要である。
3.油処理剤の散布計画の策定
3.1
拡散範囲、厚さ及び流出量の推定
(1)拡散範囲
流出油は自身が位置する海域の潮流又は海流によって移動し、あるいは風の
吹く方向で風速の約 3%程度の速度で移動すると言われている。
流出油は時間の経過に伴い蒸発し、あるいは海水と混合してエマルジョン化
する。また、大部分の油類は流出後、急激に拡散して重力の影響で急速に周辺
へ拡散、暗い色を持つ 0.1 ㎜内外の油膜状態で平衡する。海上へ流出した流出油
の観測結果から、その流出油を正確に推定することは実質的に非常に困難な作
業である。その理由は、油膜の分布面積又は油膜の厚さを正確に測定すること
が極めて困難な為である。
Ⅲ-16
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
(2)油帯の色による流出油の状態区別
油膜の厚さはその色相によってある程度の判別が可能である。
<表1>色相による油膜の厚さ及び体積
色
油類の類型
厚さ(㎜)
体積(m3/km2)
銀色
・
0.0001 以上
0.1
虹色
・
0.0003 以上
0.3
黒色/濃い茶色
原油/燃料油
0.1 以上
100
茶色/オレンジ色
油濁液
1.0 以上
1,000
茶色又はオレンジ色を持つ油濁液に海水の成分がどのくらい包含されているの
かは場合によって変化するが、おおよそ 50~70%は海水の成分として見ればよ
い。図 6 は流出油が海上へ拡散する性状に対して表した。
Ⅲ-17
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
図 6 流出油の時間による特性の変化
(3)流出油の広さ及び流出油の推定
流出量を推定する為には、油膜の厚さと分布面積を分かることが必要である。
油膜がどのような海域でまばらに分布している場合には、写真を撮って全体の
面積に対する油類の分布面積の大略的な割合を決定することができる。写真を
撮る時には、より正確な推定の為に海面に垂直な状態で空から撮影することが
望ましい。流出油の分布面積は航空機を利用して流出油の上を一定な速度で飛
行してその飛行時間を記録することで大略的に計算できる。
Ⅲ-18
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
油膜の発見(内眼又は遠距離からの感知装置)
↓
長さと幅方向へ飛行しながら距離測定
↓
油膜の状態(色相、分布状況)を記録
↓
油膜の面積を平方キロメートル(km2)単位で計算
↓
油類の類型と各類型別分布割合の究明
↓
油類の体積の計算
(4)流出量の推定の例
航空機による観察過程で油濁液で推定される油帯と銀色の光彩がある油帯を
発見した。航空機の速度は 150Knots で、油帯の長さの方向への飛行時間は 65
秒、幅の方向へ飛行時間は 35 秒がかかると推定された。そこから、この油帯の
写真を分析し、全体の油帯の約 10%が油濁液で 90%は銀色の光彩の油帯である
と判断された。
このような情報から油帯の全体の面積は次のように計算される。
●油帯の長さ:
65(秒) × 150(Knots)
3,600(秒)
= 2.7 海里(nautical mile)
●油帯の幅:
35(秒) × 150(Knots)
360(秒)
= 1.5 海里(nautical mile)
1海里=1,852km で油帯の概略の面積は、
Ⅲ-19
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
●油帯の面積 = 長さ × 幅 = 14km2
油帯の約 10%が油濁液と分析されたので、油濁液の面積は約 1.4km2 となり、
<表1>からこの油濁液の体積は約 1,400m3 となる。さらに油濁液の約 30~
50%のみが油類の成分であり、最終的に油濁液に含まれる流出油の体積は 420
~700 m3 となる。
次に油帯中 90%程度が銀色の光彩を持つ油帯のため、この油帯に含まれる油
の体積は 14km2× 90% × 0.1 m3/km2(<表1>)=1.3m3 と推定される。
これは油濁液に含まれた油の量と比較して非常に少ない量であり、流出油の体
積は 420~700 m3 程度と推計できる。
この例題から見たように、観測された油膜の厚さをどのように推定するかに
よって流出量の推定に大きい誤差が生じるため、観測者は油膜の色相を可能な
限り正確に把握しなければならない。
3.2
適正散布量及び適用する油膜処理剤の決定
(1)適正散布量
油処理剤の適正散布量は、油種、油膜の厚さ及び支配的な諸条件によって決
定される。散布量の調整はポンプの排出量を調節したり、排出量を一定に維持
し船舶又は航空機の速度を変化する方法から選択できる。ポンプの排出量は次
の式から計算される。
ポンプの排出量(L/min)
=0.003 × 散布率(L/ha)× 速度(knot)× 散布幅(m)
油量が 2 m3/ha 程度で厚さ約 0.2 ㎜である油膜に対する散布量は、濃縮型油
処理剤 1:20 の比率で散布する場合、100L/ha が必要となる。
散布幅は 30mで 10knot の速度で航海する船舶がこの散布率を達成する為に
は、90L/min の速度で油処理剤を散布しなければならない。有効な散布幅が
15mで速度 90knot で飛行する航空機で同じ油膜を処理するとしたら、405L/
min の散布率が必要である。
Ⅲ-20
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
(2)適用油処理剤の決定
油類が流出し油処理剤による防除方法を選択する際、海上で流出した油の一
定量をサンプリングし、散布前に試験管試験を通して能力が優秀な製品を選定
して散布することを先行させねばならない。
一般的に流出油の種類による油処理剤の選択は次の表から判断する。
油処理剤の種類
流出油の種類
軽質燃料油(揮発油、灯油、軽油)
軽質原油(オマーン、原油等)
中質燃料油、原油、エマルジョン
風化した油類、混合原油
(オマーン エクスポート ブランド 原油等)
中質原油(ドバイ、イラン 重質原油)、
タール状態の油類
一般型
濃縮型
○
△
△
○
△
△
×
×
4.油処理剤の散布方法
4.1
散布技術
油処理の使用は非常に微妙な問題であり、散布方法及び海洋環境条件に格別
に留意して使用しなければならない。効果的な防除の為に油処理剤は次のよう
に散布しなければならない。
○ 海洋生物への被害を考慮し、適切な量を散布する。
○ 油の全体に均等に散布できるよう、油処理剤と油の接触率を高くする噴霧
システムを利用する。
○ 油処理剤を散布する際には、通常油膜の中間部分の薄い部分より端の厚い
部分から散布する。
Ⅲ-21
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
○ 万が一、油膜が海岸の近くにあったら、海岸線の近傍から海岸線に平行に
移動しながら散布する。
○ 散布する油処理剤の量は油種、油層の厚さ、汚染面積等を考慮して決定す
る。
○ 油処理剤は海水と希釈して散布すると油化効果を低下させる為、可能な限
り原液を散布する。
○ 油処理剤を散布する際、油と油処理剤がよく希釈されないと分散効果がな
い。従って、人工的な方法で混合したり船舶のスクリューによって充分に
希釈することが重要である。
○ 風又は海上の状態が非常に穏やかで、油の分散効果が即時には現れなくと
も、油処理剤を散布しなければならない。油処理剤の散布時、海上が非常
に穏やかであっても、散布した油処理剤は油膜の上に何時間も止まり、海
上の状態が変化することにより、分散効果を得ることができる為である。
○ 風化した油又は粘度が高い油、特に「エマルジョン」又は「ムース」状態
の油は分散するのに何時間も必要である。すなわち、粘度が高く、水を多
く含む油は、油処理剤による分散が難しい。
○ 油は流出後、2~3 日を経過すると風化作用によって高粘度化し、油処理剤
の使用効果が非常に低くなる。油処理剤の使用効果がある時期に散布をし
なければならない。
Ⅲ-22
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
4.2
航空機散布
非希釈濃縮型の油処理剤は航空機散布に主に使用される。油処理剤は農業肥
料を散布する装備で散布が可能で、その装備は普通ポンプと油処理剤を均等に
散布する為のノズルからなる散布装備を備えている。航空散布は風が吹く方向
に散布し、飛行高度は可能な限り低空飛行とする。
図7
航空機による油処理剤の散布方法
(1)ヘリコプターの散布装備
ヘリコプターの下部に「散布バケット」と呼ばれる自給式の小型機械部品(油
処理剤タンク、駆動ポンプ、散布装備)から成る。ヘリコプターの積載量は、
タンクの容量によって左右される。モデルによって約 500~3,000L 程度である。
ヘリコプターの使用は流出地域との距離により制限を受ける。すなわち、海
岸地域付近、さらに離着陸が可能な地域に使用が限定される。飛行時間を最小
Ⅲ-23
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
化する為に、海岸の最も近接した場所に十分な支援物資(油処理剤や燃料)を
備えたヘリポートを設置しなければならない。一般的な飛行状況では、散布量
は 80~200L/ha 程度で散布幅は約 15~20m 程度である。
(2)固定翼の航空機散布装備
この用途の航空機は、油処理剤のタンクやポンプといった装備から成る。こ
れらの装備は胴体下部に装着されていて、散布装備は翼又は後尾部分に固定さ
れている。
イ. 単発エンジンの航空機
油処理剤の散布に使用される単発エンジンの航空機は農業用として設計さ
れた小型航空機である。この航空機は低速(約 100~200 ㎞/h)と低空飛行
能力を持つ為に散布作業に有利で、地形がよくない飛行場でも離着陸が可能
であり、散布に適当である。反面、容量は制限(0.5~1.5 トンの油処理剤)
され、作業範囲も限定される。これらの制限から通常沿岸付近で使用される。
ロ. 多発エンジンの航空機
海岸から遠距離(数百㎞)にある流出地域の防除任務を遂行するため、相
当量の油処理剤容量(5~20 トン)を持つ大型航空機である。反面、高速飛行
や高空飛行をしなければならず油処理剤の散布の正確度が落ちる。
さらに長い滑走路(1,000~2,500m)が必要であり油処理剤と燃料の供給所
といった支援対策が必要である。
散布量は 20~40m程度の散布幅に 50~100L/ha ある。積載容量を増すた
めに開発されており、その結果、厚い油層(約1㎜)を防除するために使用
される。航空機の軌跡に沿って油がよく集まるような散布形態を維持する為
に、油処理剤は航空機の後尾部分から散布する。このような形態の航空機は
大規模の油層に使用する。
Ⅲ-24
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
4.3
船舶散布
(1)船舶を利用する散布方法
船舶を利用する油処理剤の散布方法は次の通りである。
○ 濃縮型の油処理剤は希釈使用が可能である。
○ 一定の速度で散布することで広い範囲を処理できる。
○ 油と油処理剤の比率も船舶の航行速度と合うように調節する。
○ 表面の攪拌板を使用し、散布した後攪拌を行い、攪拌機がない場合には船
舶で散布海域を往復したり消防ホースで海水を注いで攪拌する。
○ 船舶の航海速度は 4~10knot 程度を維持する。
○ 噴射ノズルを船舶船側又は船尾に設置した場合には、船舶速度が 5knot 以
上なら船首波が発生して処理効果が減少する為、油処理剤の浪費を招く。
従って、船首に噴射ノズルを設置することで船首波の問題が解決するため
航行速度を減少させる必要がない。
○ 流出油の外部から油膜の中心部へ移動しながら散布することが効果的であ
る。
○ 風が吹くと油処理剤が油膜状に均等に散布できないので、分散効率が落ち
る。消防ホース使用時には風を背にして散布し、噴射ノズルの使用時には
海面の近くに散布する。
○ 油処理剤が油膜に効果的に散布されるとオレンジ又は焦げ茶色の濁った層
が形成され、油処理剤が海面に直接接触すると白色又はミルク色の層が形
成される。
イ. 希釈された濃縮型の油処理剤の使用
濃縮型の油処理剤は海水で希釈した後、散布する。しかし、従来型の油処理
剤は希釈されていないままで使用され、ポンプや散布装備で構成された装置を
使用して散布する。
①
排出機(ejector)方式
油処理剤は船舶の消防装置と連結された排出機によって海水と希釈される。
油処理剤は噴射ノズル又は散布装置によって散布される。
油処理剤の海水希釈量は散布の効果を保証するために 10%以下に落として
Ⅲ-25
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
はいけない。しかし、排出機は障害要素(圧力変動、ごみ等に敏感)を持つ
ためこの数値を維持することは容易ではない。
一般的に、5mの散布ブーム 2 個と噴水ノズルが排出機に装着されている。
約 100L/ha に対する適切な防除率を得る為に選定された排出を維持する為
の船舶の速度(大概 4~6knot)を設定しなければならない。ブームの展張と
共に排出機システムを装備して油処理剤を散布する。この方法は油処理剤の
効率は落ちるものの外海用の遠距離の散布作業に使用が可能といった長所を
持つ。
図8
②
船舶による油処理剤の散布
自給式の装備
ポンプを持つ自給式の装備は様々な国で開発されている。この種の装備は
散布機が持つ二つのポンプ(一つは海水用、他の一つは油処理剤用)で構成
されている。この装備の散布量は希釈率(10%~30%程度)を変化させ、油処理
剤のポンプ移送率を調節することで決定される。このような設備は分散され
た油量によって散布量を調節して使用する(例えば、油処理剤の調節量は 100
~250L/ha 程度である)。このようなシステムは二つの散布ブームを使用す
る。モデルによって長さが 5~10mと異なっている。曳引速度は 4~8knot 程
度である。油処理剤の散布時、油と充分な混合の為に必要な混合エネルギー
Ⅲ-26
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
が供給できるよう、散布機の下に混合装置(表面の攪拌板やプラスチックチ
ェイン)を設置する。船舶は汚染物質を押す船首波の為に、可能な限り散布
装置の後部から発生させるように注意する。波によって発生する混合エネル
ギーは油を攪拌させる作用をする。
ロ. 濃縮型の油処理剤の使用
希釈された油処理剤があまり効果的(特に、500cSt 以上の油によって)では
ないことが様々な研究報告書によって報告されている。現在、大部分の先進国
では濃縮型の油処理剤を使用している。濃縮型の油処理剤の散布方法は空気噴
射式(エアーブラスト)散布方法と改造された噴射装置システム(スプレーユ
ニット式)がある。
①
空気噴射式(エアーブラスト)散布方法
農業用の装備を利用したシステムで、油処理剤は軸方向の羽により発生
する強い風によって散布される。これにより汚染物質に油処理剤が均等に拡
散する。また、その範囲は約 20~25m程度である。軽く小型であるこのシ
ステムは、船舶の両側面に散布装置を突出させて装着しており使用しやすい。
軸方向の羽の中に流入する油処理剤の量を調節することで、散布量は多様な
油層の厚さに応じて調節が可能である。しかし、油に散布する油処理剤の分
布状態は均等にはならない。この装備はまた、風に特に敏感である。風に吹
かれた状態で油処理剤を散布する場合は、散布範囲が急激に狭くなる。さら
に横風に吹かれて油処理剤を散布する場合は、油処理剤が均等に拡散しない。
②
噴射装置システム(スプレーユニットシステム)
このシステムは散布装置の一式が装着された一つのポンプで構成されて
いる。一般的に船首部に設置され、船首波に有利な長所を持つ。しかし、こ
の場合、散布される油処理剤の量は非常に少ない。噴射ノズルから吹き出す
噴射力はさらに弱く、風によって偏向されやすい。油処理剤の粒子が非常に
小さくて風に吹かれることを防ぐ為に散布変数(例えば、ノズル形態及び圧
力等)に特別な注意が要求される。また、装備はノズルが水面の上に位置す
るように低く設置しなければならない。
このようなシステムは一般的に使用されるノズルの大きさによって決定
される散布量により、唯一の散布率を持つ。噴射装置の全長は 15cm 程度で
Ⅲ-27
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
ある。あるシステムは個別なラインを持つ多様な大きさの複数のノズルを持
っている。このシステムの油処理剤の噴射率は、ノズルの形態と数によって
多様である。従って、油処理剤の噴射率は、防除する油の含水率によって変
化する(7knot では 50~350L/ha 程度である)。
散布システムの一番大きな形態は航空散布と同等な処理能力を持つ。そし
て、8knot 速度では 36km2/ha の処理面積を持つ。
4.4
海上及び海岸での油処理剤の使用方法
(1) 海上での油処理剤の使用
イ. 使用時期
油処理剤を使用する大きな利点の中の一つは、流出油が特定の海域又は漁場、
養殖場、娯楽施設等と密接な地域に接近する前に処理できるということであり、
油流出時、迅速に分散処理することが何よりも重要である。流出油が風化過程
を経ると粘性が高くなるため分散処理が難しいのでその前に処理しなければ
ならない。
ロ. 使用方法及び使用量
すべての油処理剤は粘性が高い流出油又は、油膜が厚い場合には油分の自己
分散力が微弱なため、まず物理的な処理(直接回収、油吸着材による回収等)
をした後、さらに処理が困難な残余の油に対して最終的に使用しなければなら
ない。軽質原料油(軽油、石油、揮発油等)にはどんな種類の油処理剤でも使
用できるが、粘度が 2,000cSt 以下の風化していない軽質原油と粘度 2,000cSt
以上の中質原料油(原油、バンカーA・B・C 油等)は濃縮型又は一般型を優先
的に使用する。
混合原油、風化した油類には油処理剤による処理効果が弱く、使用しないの
が望ましい。海水より流動点が高いワックス質原油タール等は油処理剤で分散
できない。一般型の油処理剤の使用時、海水に接触すると分散効果が顕著に低
下するので散布前には海水で希釈してはならず、また油と処理剤の比率は油種
類によって 2:1 又は 5:1 が適当である。さらに濃縮型油処理剤の使用時、通
Ⅲ-28
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
常、海水と油処理剤を 10 倍以上に希釈(製品説明書に希釈比率が標示されて
いる)して使用することが可能で、希釈した後、油と油処理剤の比率は 2:1
又は 3:1 に調節して散布する。
ハ. 散布方法
油処理剤の散布は噴霧装置による噴霧散布が原則で、散布後に油の分散促進
させるため充分に攪拌しなければならない。特別な噴霧装備を備えていない場
合、ポンプと消防ホースを利用することもできるが、一般型の場合にのみこの
方法は適切で、消防ホース使用時には必ず噴射ノズルを使用する。
(2) 海岸での油処理剤の使用
イ. 使用時期
海岸で油処理剤で流出油を処理しようとする際、小規模の地域を選定し、試
験散布を行い分散効率を事前に点検することが望ましい。濃縮型の油処理剤は、
事前予測の目的で使用される場合もあるが、物理的回収作業を終えた後、仕上
げ作業時に使用することが望ましい。散布時期は分散された油類が 30 分以内
に洗い流されるように満潮の直前に使用することがよい。
干・満潮差がほぼない海岸では散布後、分散した油類が堆積物の中に深く浸
透しないように高圧噴射機で洗う。
ロ. 使用方法及び使用量
まだ汚染されていない海岸はオイルフェンス又はブーム型、ロール型あるい
は万国旗の形態に連結された油吸着材等を設置し、流出油の接近を事前に予防
する。事前に処理できなかった流出油が海岸の堆積物中に浸透する可能性が大
きな地域の場合は、その時点で処理しなければならない。海岸で使用する油処
理剤は、一般型、濃縮型とも使用可能であるが粘度が高い油類の場合は、一般
型と濃縮型の方が有利である。濃縮型の油処理剤は希釈(海水と 10:1 以上)
した後、使用する。
Ⅲ-29
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
ハ. 散布方法
岩石海岸又は人工構造物の場合は、雑巾又は油吸着材等を使用し一時的に除
去した後、最終的に残った油を処理する時のみ油処理剤を使用する。粘度が高
い油又は風化した油は、油処理剤を使用しても岩石海岸から油を分離させるだ
けで分散させることはできないため、雑巾、油吸着材で回収しなければならな
い。
砂利海岸の場合は堆積物中に浸透する可能性が高いため粘度が低い流出油
は、油処理剤を使用した後、短時間に拭き取り、粘度が高い流出油に油処理剤
を使用する場合は、さらに深く浸透する可能性があるため使用を禁止する。
砂浜の場合は表層の油を全部除去した後、最終的に油処理剤を使用する。し
かし、満潮約 30 分前に散布を行い洗い流されるようにする。干潟の場合は自
然的に除去できるように誘導することが望ましく、できれば油処理剤を使用し
ない方がよい。
Ⅲ-30
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
5.油処理剤散布時の遵守事項
5.1
油処理剤散布時における健康と安全
(1) 使用上の注意事項
○ 流出油が動・植物油である場合には使用してはならない。
○ 中質原油又は流出油がタール状態の場合、使用してはならない。
○ 油処理剤が水産資源の生育環境に重大な影響を及ぼすと認定される場合
は使用してはならない。
○ 漁場及び養殖場等、環境脆弱地域に使用する場合には、事前に漁業関係
者、防除責任者と協議した上で使用し、産卵期又は産卵場所では可及的
に使用をさける。
○ 海水の循環が円滑ではない海域での使用は、慎重でなければならない。
○ 厚い油層では散布しても効果が非常に小さい。
○ 水温と気温によって分散効果が変化する(夏季が冬季より優れている)。
○ 過量使用をしてはならず、効果的な散布量は汚染地域の状況を調査し、
専門家の諮問を受けた上で決定することが望ましい。
○ できるだけ風を背にして散布作業を行い、特に風が強い時には海面の近
くで散布し油処理剤がまき散らさないようにする。
○ 処理後の油と未処理油の区別を間違え、処理剤を散布することがないよ
うに注意しなければならない。
○ 濃縮型の油処理剤は原液のまま使用する場合と、水と混合して使用する
場合を区別しなければならない。
○ 原油の使用は C 重油又は流出量が非常に多く油面が狭い場合及び水面上
の突出岩又は岸壁等を洗浄するといった特殊な場合に限定する。
○ 水との混合使用は A、B 重油又は流出油量が少なく広範囲に拡散してい
る場合に適している。
(2) 散布時の安全及び注意事項
○ 油処理剤が眼又は皮膚に触れると有害なため保護眼鏡、手袋及び保護服
の着用が必要である。風に吹かれてエアロゾル状態になると、呼吸器に
Ⅲ-31
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
吸入される可能性があるため注意を要する。また、皮膚又は眼に入った
場合には直ちに清水洗浄を行う。
○ 散布時の油処理剤が交番付着した場合は、非常に滑りやすいので事故に
留意せねばならない。
(3) 保管時の注意事項
○ 容器は雨水、海水から耐食性、耐衝撃性が優秀なものでなければならな
い。
○ 容器が開いていたために腐食したり、水が入ったものは洗浄用で使用す
るか廃棄する。
○ 凍結:水性製品は-5℃で、油製品は-15~-20℃で流動性が落ちるの
で保管時留意しなければならない。使用時には充分にゆさぶったり攪拌
した後使用する。
○ 油処理剤は溶媒性質を持つためペイント、ゴム、プラスチックに付着し
ないように留意する。
○ 油性の油処理剤は引火性があるので火気に注意する。
Ⅲ-32
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
Ⅱ.蔚山地域の油処理剤の使用指針
1. 海域の特性
蔚山地域は海岸線が単調で、海水流動が比較的微弱な特性を持つ。海岸の形
態は主に人工構造物又は岩盤であり、干潟又は塩湿地のような潮間帯的な性格
を持つ海岸はほぼ存在しない。単調な海岸線と深い水深の影響で養殖は盛んで
はなく、通常の捕獲による漁業が盛んである。蔚山海域の漁場及び養殖所の分
布は、亭子周辺の一部海域、艮絶岬の周辺海域、機張周の周辺海域等に限定さ
れており、その外海域では沿岸に沿って産業施設が散在している。従って、蔚
山海域の沿岸は水深は深いが環境脆弱資源又は産業施設の保護の観点から油処
理剤の使用に留意しなければならない。
2. 蔚山地域の油処理剤の使用基準
2.1
現場防除責任者の裁量で散布できる海域(ゾーン1)
○ 周辺海域の水深が 20m以上である場合
○ 散布後 6 時間以内に水深 10m以内の沿岸、漁場及び養殖場、産業施設、
娯楽施設等に影響がない場合
○ 物理的な回収が困難で、特定の脆弱海域へ移動する場合
2.2
周辺状況を考慮した後、散布できる海域(ゾーン2)
○ 周辺海域の水深が 10m~20mである海域
○ 散布後 3~6 時間以内に水深 10m以内の沿岸、漁場及び養殖場、産業施設、
娯楽施設等に影響を及ぼす可能性がある場合
2.3
油処理剤の使用を可能な限り制限する海域(ゾーン3)
○ 周辺海域の水深が 10m以内である場合
○ 散布後 3 時間以内に水深 10m以内の沿岸、漁場及び養殖場、産業施設、
娯楽施設等に影響を及ぼす場合
○ 漁場及び養殖場、発電所の取水口、種苗栽培場の周辺海域又は閉鎖性の海
Ⅲ-33
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
域
○ 特定海域の中で水資源保護区域で指定された海域
3. 海域の特性による油処理剤の使用区分
3.1
水深条件
油処理剤の使用条件を水深により蔚山海域を区分した。水深条件は海図に示
された水深を平均海水面の水深に換算し適用した。蔚山海域で「現場防除責任
者の裁量で散布できる海域(ゾーン1)」である水深が 20m以上の海域は、図
10 に示した海岸線から約 2km 以上離れた外海となっている。
図9
図9
図 10
図 11
水深のみを考慮した場合の蔚山海域の油処理剤使用可能海域(ゾーン 1)
図 10 水深のみを考慮した場合の蔚山海域の油処理剤使用可能海域(ゾーン 2)
図 11 水深のみを考慮した場合の蔚山海域の油処理剤使用可能海域(ゾーン 3)
水深のみを考慮した場合、蔚山海域で「周辺の状況を考慮した後、散布できる
海域(ゾーン 2)」である水深 10m~20mの海域は、図 11 のように海岸線に沿
って約 2km 範囲で帯状に分布する。蔚山海域は水深が比較的深い特性を持つ為、
「油処理剤の使用を可能な限り制限する海域(ゾーン3)
」となる水深 10m以内
Ⅲ-34
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
の海域は、図 12 に示したように温山湾と蔚山湾に限定される。
3.2
環境脆弱資源及び産業施設に及ぼす影響
油処理剤の使用条件の中で環境脆弱資源及び産業施設に及ぼす影響を考慮し
て蔚山海域を区分した。環境脆弱資源及び産業施設に及ぼす影響は、蔚山海域
の海水流動の特性を考慮し散布された油処理剤が 6 時間以内に特定の区域に到
達できるか否かで判断した。油処理剤の移動及び拡散は、蔚山海域の海水流動
を考慮した海洋の拡散モデルを利用し予測した。図 13 の漁場及び漁場と図 14
の産業施設を考慮した。
図 12
図 13
図 12 蔚山海域の漁場及び養殖場の分布
図 13 蔚山海域の主要産業施設の分布
Ⅲ-35
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
到達時間のみを考慮した場合、蔚山海域で「現場防除責任者の裁量で散布で
きる海域(ゾーン1)」である到達時間が 6 時間以上の海域は、図 15 のように
沿岸から約 1km~2km 以上離れた外海となる。到達時間のみを考慮した場合、
蔚山海域で「周辺状況を考慮した後、散布できる海域(ゾーン 2)」である到達
時間が 3 時間~6 時間の海域は、図 16 のように特定区域の周辺に約 500m範囲
の帯状で分布する。反面、
「油処理剤の使用を可能な限り制限する海域(ゾーン
3)」である到達時間が 3 時間以内の海域は、図 17 に示したように特定区域から
半径約 1km の範囲を持つ。
図 14
図 15
図 16
図 14 到達時間のみを考慮した場合、蔚山海域の油処理剤使用可能海域(ゾーン 1)
図 15 到達時間のみを考慮した場合、蔚山海域の油処理剤使用可能海域(ゾーン 2)
図 16 到達時間のみを考慮した場合、蔚山海域の油処理剤使用可能海域(ゾーン 3)
3.3
蔚山海域の油処理剤の使用海域の区分
蔚山海域の水深条件と海水流動を考慮した特定海域の到達時間の条件を総合
し、油処理剤の使用可否の海域を区分した。最終的に油処理剤の使用可否海域
の決定は、水深条件と到達時間の条件、それら二つの条件の中で最も重視すべ
き条件を適用して区分した。蔚山海域の水深条件と特定海域の到達時間の条件
を適用して最終的に決定する「現場防除責任者の裁量で散布できる海域(ゾー
Ⅲ-36
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
ン 1)」
「周辺状況を考慮した後、散布できる海域(ゾーン 2)」
「油処理剤の使用
可能な限り制限する海域(ゾーン 3)」の海域の分布を図 18 に示す。
図 17 蔚山海域の油処理剤使用海域の区分
Ⅲ-37
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
4. 油処理剤の使用時、蔚山地域の主要内湾の環境の危害度
油処理剤による環境の危険度を評価する為に、主要な内湾部における油処理
剤の滞留時間を計算した。蔚山海域の内湾部は海岸線が単調な為に蔚山湾と温
山湾の二つの海域のみを考慮し、これらに対する油処理剤の滞留時間は、海水
流動による湾内の海水交換のみを考慮し算定した。海水交換のみを考慮する場
合、蔚山湾と温山湾の油処理剤の滞留時間は、図 3-19 に示したようにおのお
の 147 日と 5 日となった。
一般的に化学的酸素要求量(COD)が海洋の自浄能力によって初期濃度の 1/e
倍で減少するのに必要な時間は約1ヶ月程度であることを考慮した場合、蔚山
湾で油処理剤は海洋の自浄能力よりはるかに長時間残留することを意味する。
図 18 蔚山湾と温山湾の海水交換による滞留時間
Ⅲ-38
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
5. 蔚山海域の油処理剤の使用手続及び方法
前節で設定された油処理剤の使用海域の区分は、防除情報地図に示されてい
る。防除情報地図に示された海域の区分を参照し、使用時には基本的に以下の
事項を考慮して使用方法及び手続を決定する。
5.1
油処理剤の散布の為の段階別指針
イ. 1段階:現場判断及び報告
海上へ油類が流出し、油処理剤を使用しようとする場合に、現場防除要因は
次の事項を優先的に判断し防除実行計画に示された様式に従い防除責任者に
報告する。
○ 火災発生等による人命の危険又は財産の重大な損害が発生、又は発生する
危険がある場合
○ 他の方法による処理が困難な場合で油処理剤で処理することが海洋環境
に及ぼす影響が少ないと認定される場合
ロ. 2段階:正味の環境利得分析
防除責任者は、報告を受けた現場情報及び資料を基にして該当地域で特定時
間に油処理剤を使用する場合と使用しない場合の長所・短所をそれぞれ比較分
析することが必要である。
これは油処理剤の使用又は使用しないことが環境により利益になるかを決
定する為に先行して行わねばならない。
正味の環境利得分析の為の手続は次のようである。
○ 流出された油の種類と量を考慮する際、油処理剤の適用がどれくらい効果
的であるか。
○ 処理された油は希釈されるか。その場合、ある程度の水準に到達するのに
必要な時間はどれくらいか。
○ 生物群の回復に必要な時間はどうか。
Ⅲ-39
付属書Ⅲ蔚山地域の油処理剤の使用指針
ハ. 3段階
防除責任者は正味の環境利得分析を通して油処理剤を使用すると決定した
場合、次の細部の手続を通して使用計画を作成し、現場に油処理剤の散布を指
示し、その結果をモニタリングする。
① 防除情報地図(ESI MAP)及び情報集を参考にして、散布地域の被害を
分析する。
② 流出油の拡散、移動経路のシミュレーションを行い、逐一、流出油の移動
経路を分析する。
③ 第 2.2 節に整理された基本指針を活用し油処理剤の使用計画の根拠を作成
する。
④ 上記の事項に対して必要時、防除技術支援団及び地域防除対策協議会に協
議した後実行する。
ニ. 4段階:油処理剤
現場防除要員は流出油の種類による適合した油処理剤の使用の為に、現場サ
ンプリング作業を通して使用時の効果を検証した後、船舶又は航空機等を活用
して油処理剤を散布する。散布後、油処理剤の散布効果及び事後現場状況を逐
一防除責任者に報告しなければならない。防除責任者は状況変化に応じて適切
な措置を現場に指示しなければならない。
5.2
散布時の留意事項
蔚山海域で油処理剤の散布は、船舶の散布と航空機の散布の両方を考慮でき
る。沿岸では周辺海域の使用可否を考慮しながら船舶で散布することが望まし
く、外海では航空機を利用した大量の散布も可能である。
散布時には防除情報地図に図示された海域の区分を必ず参照しなければなら
ない。蔚山海域の海岸の主要産業施設に対する防除措置及び油処理剤の散布指
針等を記述した別添4の海岸防除資料集を参考しなければならない。
Ⅲ-40
付属書Ⅳ
海岸汚染防除作業指針
目
Ⅰ.目
次
的 .
...
..
...
...
..
...
...
..
...
...
..
...
...
..
...
..Ⅳ-1
Ⅱ.海洋汚染の防除体制 ..
...
...
..
...
...
..
...
...
..
...
..Ⅳ-1
Ⅲ.海岸汚染防除作業の準備 .
...
..
...
...
..
...
...
..
...
.Ⅳ-1
1.防除組合の構成 .........................................Ⅳ-1
2.防除資機材の確保及び動員態勢の構築 .....................Ⅳ-3
3.防除作業の指揮・通信網の構築 ...........................Ⅳ-3
4.回収した廃棄物の処理体制の構築 .......................Ⅳ-3
Ⅳ.海岸漂着防除措置の計画策定 ..
...
...
..
...
...
..
...
.Ⅳ-3
Ⅴ.海岸防除技術 .
..
...
..
...
...
..
...
...
..
...
...
..
...
.Ⅳ-5
1.海岸汚染の評価 .........................................Ⅳ-5
2.海岸防除作業時の考慮事項 ...............................Ⅳ-6
3.海岸特性別防除作業技術 .................................Ⅳ-9
Ⅵ.廃棄の処理 ..
...
...
..
...
...
..
...
...
..
...
...
..
...
.Ⅳ-15
1.油と油が付着した廃棄物の種類と性状 .....................Ⅳ-15
2.貯蔵及び処分の準備 .....................................Ⅳ-15
3.廃棄物の処分 ...........................................Ⅳ-17
付属書Ⅳ 海岸汚染防除作業指針
Ⅰ.目 的
海岸に漂着した油の除去措置を担当する海域管理庁では迅速で効率的な防除
措置を実行できるように準備・対応の手続きと方法に関する指針を提供。
Ⅱ.海洋汚染の防除体制
1.海岸に漂着した油は海域管理庁で防除措置を担当。
(海洋汚染防止法第 50 条 国家防除基本計画)
2.海域管理庁は海岸汚染事故に備え、事前に防除組織を構成して防除資源の
確保及び対応計画を策定・運用。
3.海洋汚染事故発生時、海域管理庁は防除対策本部(海洋警察署)と協力し
て海岸漂着油の防除作業を実行。
Ⅲ.海岸汚染防除作業の準備
1.防除組織の構成
現場指揮官
管轄海域議長
評価・計画班
補給支援班
作業班
Ⅳ-1
財務
付属書Ⅳ 海岸汚染防除作業指針
1.1 判別任務
班
別
任
務
○ 海岸汚染状況調査
評
価
計画班
○ 防除対策本部の参与、情報共有及び協力体制維持
○ 防除作業状況の記録、報告、伝達
○ 防除対策状況室の設置・運営
(海域管理庁又は汚染海岸の隣接事務所)
作業班
○ 人員及び防除装備の動員、汚染海岸の防除作業実施
(漁村契※別、責任者及び防除業者で構成)
○ 現場指揮所の設置(漁村契※単位)
補
給
支援班
○ 防除資材、主・副食、衛生用品等の調達
○ 廃棄物の保管、最終処理
○ 通信及び医療・衛生用品の支援
○ 所要物品の確保・運送
財
務
○ 防除作業の予算執行及び会計処理
※ 韓国の独特な総合共同団体の一つ
1.2 編成
海域管理庁内の担当業務と組織体制を勘案して対策班を事前構成。
(タスクフォース形態)
1.3 運営
○ 海域管理庁又は管轄事務所に防除対策状況室を設置・運営。
○ 海岸漁村契別に現場指揮所を設置して防除作業の指揮・監督。
○ 海岸汚染状況を勘案して現場指揮官(機関長)が組織を適切に運用。
Ⅳ-2
付属書Ⅳ 海岸汚染防除作業指針
2.防除資機材の確保及び動員態勢の構築
2.1 海域管理庁は海岸汚染の危険を評価し、これに対応できるよう防除船、
油回収機、オイルフェンス及び防除し財投の確保方案を検討する。
2.2 海岸防除作業に必要な装備及び資材を把握し、汚染事故時に動員できる
ような体制を構築する。
3.防除作業の指揮・通信網の構築
3.1 海域管理庁は防除組織及び防除勢力を動員・運用できるよう、通信網を
事前に把握・維持する。
3.2 指揮・通信網は一般電話、携帯電話、VHF、電子メール等の多様な方法
を把握・維持する。
4.回収した廃棄物の処理体制の構築
4.1 海域管理庁は回収した廃油及び廃棄物が二次汚染又は不要処理されない
ように処理手続きと方法を準備する。
4.2 海岸で回収した廃棄物を臨時保管する場所の選定及び保管方法を規定す
る。
Ⅳ.海岸漂着油防除措置計画策定
1.海岸付着油はその海岸を管轄する地方自治体又は港湾管理庁で必要な措置
計画を策定・施行するように義務を賦課。
Ⅳ-3
付属書Ⅳ 海岸汚染防除作業指針
2.海岸漂着油の防除措置計画は地域防除実行計画と内容が矛盾されないよう
に策定しなければならない。
3.防除措置計画の構成項目及び考慮事項
3.1 計画の目的及び管轄範囲、防除組織体制を規定
3.2 海岸汚染時、被害を受ける脆弱資源を評価
○ 防除情報地図及び地域特性の勘案
3.3 海岸汚染事故の準備態勢構築
○ 海洋・水産施設、臨海産業施設、娯楽施設等に対する保護優先順位決定
○ 防除装備、資材確保及び動員方案
○ 防除作業の指揮・通信網の構築
○ 海岸防除措置に必要な物品補給方案
○ 回収した廃棄物の処理体系の構築
3.4 防除作業実行
○ 海岸汚染の通報及び評価
○ 海岸汚染の状態調査及び評価
○ 防除優先順位及び防除戦略の決定
○ 海岸特性と汚染状態による防除作業の実施
○ 防除対策状況室及び漁村契別、指揮所の設置
○ 回収廃棄物処理及び除去終了
3.5 防除教育及び訓練
3.6 防除措置計画の改定
防除措置計画は地方自治体が策定して、計画の修正が必要だと判断される
場合に地方自治体は地域海洋汚染防除対策協議会の審議を経て、海洋警察庁
Ⅳ-4
付属書Ⅳ 海岸汚染防除作業指針
長の承認を受けて修正できる。
Ⅴ.海岸防除技術
1.海岸汚染の評価
海岸で油防除作業をする前に油種と油量、汚染された地理的範囲、影響を受
けた海岸の長さと特徴を分かることが必要である。特に油の流出源を確認して
海岸にさらに影響をもたらす可能性を評価することと、その後、適切な機関に
被害補償と防除費用を請求することが重要である。
1.1 漂着油量推定
海岸が油によって一定な厚さで覆われることはまれな為、海岸漂着油の量
を正確に推定することは非常に困難である。露出した岩石海岸では油が岩石
中の穴や溝に集まりやすいく、さらに防除作業が困難である。しかし、適切
な海岸防除組織を作り、油量の推定から作業に要する人員を明確に把握する
ことが望ましい。
1.2 汚染海岸調査
全般的な汚染の程度はまず該当地域の航空監視を通して目で評価できる。
油の影響を受けた海岸の代表的な部分に対しては実際の現場調査によって
汚染された地域に対し、より詳しい評価ができる。油汚染の程度の差があっ
たり、又は海岸の特性が違った所ではこのような評価作業を反復しなければ
ならない。同時に、海岸の調査は化学分析に必要な試料を確保して進入路等
と防除作業の実行可能性を確認する。
(汚染状態の表示地図及び現場写真が貼付された調査報告書の作成)
1.3 防除作業対応戦略の決定
海岸汚染の評価結果、状態によって次の3段階で区分して対応
Ⅳ-5
付属書Ⅳ 海岸汚染防除作業指針
○ 対応段階1 : 海岸浮遊油と深刻に汚染された海岸の防除
※ 沿岸に到着する漂着油をできるだけ迅速にオイルフェンスを全長包囲し、
汚染されていない場所へ移動しないようにした後、油回収機と人員を動
員して油を回収する。汚染されていない脆弱海域保護の為のオイルフェ
ンスの全長も考慮する必要がある。
○ 対応段階2 : 漂着した油及び廃棄物等を人員と装備で清掃
○ 対応段階3 : 開眼しように支障になる軽微した汚染油に対する清掃
1.4 防除作業優先順位の決定
海岸環境脆弱度、汚染拡散可能性、国民生活の不便及び経済的損失等を評
価して優先順位を決定できる。
2.海岸防除作業時の考慮事項
2.1 人員及び装備
防除装備を送り届けることが困難な場合、汚染された海岸すべての地域を
保護し防除することができない為、優先的に防除する地域を事前に確認して
おく必要がある。人員と装備の供給源を確認した後、トラック、バキューム
カー、ショベルカー、温水散布装置、その他、装備供給業者を確認し、その
賃貸料を決めておく必要がある。
2.2 油処理剤と油吸着材
油処理剤と油吸着材の補給場所を決め、流出危険性が高い地域には適切な
量を準備しなければならない。
2.3 通信網の運用
監督者として選定された人は通常、現地の海岸に対して知識を持っている
が、海岸防除の技術と管理に対して必要な訓練を受けなければならない。現
場防除責任者、海岸の監督者と貯蔵、処分責任者間に無線通信設備を設置し
なければならない。
Ⅳ-6
付属書Ⅳ 海岸汚染防除作業指針
2.4 海岸防除資料表の作成及び活用
地図に海岸の模様、車輌、進入地点、重装備が入れる砂浜等を表示してお
く。地図に沿岸流と海上風、優先防除地域、環境被害を受けやすい資料の場
所、油処理剤を使用できない所等を表示しておくと便利である。
2.5 回収油の処理及び貯蔵施設の確保
どのような処分方法を使用するのかは、主に適合した処分場所を確保でき
るのかによって決定される為、処分計画は各現場の状況によって異なる。計
画作成者は現地精油所の能力と油回収機の能力を確実に把握して処理可能
な油の品質を知っておく必要がある。貯蔵設備の利用可能性と能力を確認す
ることとピットを掘るのに適当な場所を選定する必要がある。どのような処
分方法においても処理能力は油の回収速度によって左右される。
2.6 廃棄物の処理
処分問題は大部分の廃棄物と直接関連がある。海岸を調査して廃棄物が回
収される地点を確認してみると流出油が漂着する可能性が高い場所を知る
ことができる。たまに油が漂着する前に廃棄物を除去したり、オイルフェン
スを全長して油を廃棄物がある地域に流されないように予防する努力もで
きる。
2.7 訓練及び教育
緊急計画全般に対し、定期的に実際的な訓練を実施して組織を試験するだ
けではなく、計画された装備等が実際に調達可能で性状に作動するのか否か
を確認しなければならない。又は全般的な防除作業と関連した定期的な教育
が必要である。
2.8 作業の分割及び専担チームの運営
海岸防除作業を円満に実行する為には、投入する要員を適切に組織化する
ことが絶対に必要である。海岸を小地域で分割することが便利だが、場合に
よって、又は海岸の形態によって、関連し分割することが適切な場合もある。
Ⅳ-7
付属書Ⅳ 海岸汚染防除作業指針
要員をチームで分けて地域の海の監督者を指名する。各自一日に回収できる
量によって各チームが清掃する海岸の範囲を指定する。例えば、砂浜に対し
て 1~2
/日程度を決定する。砂浜は区画ごとに清掃するが、防除要員は
一日分の仕事を完了して作業の進度を点検しなければならない。一つのチー
ムは約 10 名とチーム長 1 名で構成して一名の監督者は約 10 チームを指揮
する。原則としてこのような作業には軍隊の指揮系統が適当であるが、作業
チームが必要以上に多くなる憂慮があるので適切に管理し、運営することが
必要である。干満の差が大きい海岸では、潮汐周期に合わせて満潮時に休息
時間又は食事時間を持つなど、作業を調節することが必要である。夜間作業
は適当な照明装置を整えても通常効率がよくないと知られている。
2.9 車輌の管理
資機材は防除要員を保管できるように構成しなければならない。砂浜では、
作業する車輌は作業区域内に限定して回収物を貯蔵場所、又は処分場所に運
搬する大型トラックは汚染された砂浜に進入しないように汚染地域と汚染
されていない地域は明確に分けておく必要がある。このような統制を通して
車輌の数を制限することだけではなく、運搬する油の量を少なくすることが
できる。ビニールシートをトラックの荷台内部に敷くと道路に油を零すこと
を防止できる。
2.10 交通統制
作業現場の出入り制限は砂丘又は天然の海上防護壁等の被害を最小限に
抑える為に必要である。現場周辺に交通を統制してトラックが妨害されずに
進行できるようにしなければならない。特に重機を使用する時には、公共安
全の為に砂浜又は進入道路を閉鎖する為に警察の協力を受けることが必要
である。
2.11 記録の保管
毎日、各地域の作業に従事する防除要員と資機材を記録し保管しなければ
ならない。これは、その後に補償要求内訳を作成するのに絶対的に必要であ
Ⅳ-8
付属書Ⅳ 海岸汚染防除作業指針
る。回収された油と油が混ぜられた砂廃棄物の量を記録しておく作業の進捗
状況を簡単に検討できる。報告書外に作業現場の状況と要員、資機材の配置
状況を大縮尺図の地図で作り点検する。
3.海岸特性別防除作業技術
3.1 岩盤、人工構造物の海岸
(1)対応段階Ⅰ
■ 機械的回収 : 車輌又は船で水辺まで行ける場所では、油回収ポンプ又
は真空ポンプを利用して油を回収できる。水深が浅かったり又は波濤が
あると油回収機の動作が上手くできない為、真空トラック又はタンクト
レーラーの方が効果的である。おおよそ1日当たり 20
程度を回収で
きる。可能であれば油と共に回収された水は定置、分離して排出させた
後、油を処理する。海岸によっては油を岩盤又は石から洗った後オイル
フェンス又はフローティングロープで回収できる。
■ 手作業による回収 : 車輌が水辺近く行けない場所ではバケツ、柄杓、
その他の容器等を利用して手作業で油を汲み取る。蓋をあけたドラム缶
は満たすと岩がある場所では運搬することが難しいので適当ではない。
しかし、岩石の間にある油を回収するのには船でドラム缶を運搬できる。
油の流動性がよい時は油吸着材を入れると取り扱いするのに便利である。
■ 吸着材 : 最も効果がある物は発泡ポリウレタン又はポリプロピレン繊
維等の合成物質で何度も使用できるものもあるが価格が高い。合成製品
がない場合は、ワラ、椰子の葉、ココナッツ皮、サトウキビの茎、泥炭、
ニワトリの羽等の天然材料を使用できる。油/吸着材の混紡物は手カギ
で回収してもビニール袋又は小型コンテナに入れて回収地点から運搬で
きる。油吸着材を必要以上多く使用すると二次汚染を誘発する場合があ
る為、回収できない程度の量は使用しない方がよい。
(2)対応段階Ⅱ及び対応段階Ⅲ
■ 高圧洗浄、洗浄油の回収 : おおよそ移動しやすい油を除去した後は岩
Ⅳ-9
付属書Ⅳ 海岸汚染防除作業指針
盤、砂利、人工構造物に残っている油は堅い表面の皮膜が形成されて風
化する。しかし、岩石海岸が娯楽施設の一部の場合には高圧水で洗って
再びきれいにできる。利用される資機材と油種によって温水又は冷水を
使用する。高粘度油を除去する為には高温水又は蒸気が必要である。代
表的な例としては、水を約 60℃で加熱すると 80~160bar の圧力で造作
する噴霧棒で 10~20 /分の速度で散布する。この方法で除去された油
は回収しなければならない。間違えるとその前に清掃した所又はまだ回
収されていない所を汚染する恐れがある。油は水辺で全長されたオイル
フェンスの中で洗って油回収機または真空トラックで回収するか、清掃
中で油吸着材を敷いて回収したりもする。
■ 逆効果 : 海洋動植物の大部分は油に一度暴露された場合には生き残れ
るが、蒸気で説明した方法は大多数の海洋生物を殺すことになる。従っ
この処理場所は物理的大きな被害を与えることになる。このような方法
は接近が容易な地域及び処理しないと多くの人が油に接触する恐れがあ
るところで限定するのがよい。
■ 油処理剤 : 場合によって油処理剤を使用して油を簡単に回収できる場
合もある。しかし、油処理剤の使用は水に急速に希釈され、海洋生物の
被害を防止できる地域に限定して使用しなければならない。特に比較的
高粘度油の場合には、油処理剤が表面から油を取るだけで分解されず、
この場合には回収して再汚染を防止することに全力を尽くすことが必要
である。
■ 汚染の除去 : 油処理剤で油を拭くと、もう一度ゲル状態で散布した後、
油/処理剤の混合物をホースで洗うこともできる。この段階の防除作業
で油は非常に薄い油膜になる為、使用量を少なくする必要がある。
3.2 砂利、小石、細石の海岸
(1)対応段階Ⅰ
■ 油の浸透 :このような形態の海岸では油が多い石の間の割れ目を通して
深く浸透する為に満足できる除去をすることが非常に困難である。除去
作業の第一段階では可能なら油をポンプで移送したり、手作業で除去を
Ⅳ-10
付属書Ⅳ 海岸汚染防除作業指針
行わなければならない。
このような海辺は耐荷重(load-bearing)特性が悪く、車輌又は要員
の移動が難しい場合もある。
(2)対応段階Ⅱ及び対応段階Ⅲ
■ 高圧洗浄 : 高圧水で表面の油を洗うこともできる。しかし、一部は海
辺の中に入るようになる。低粘度油は石の間から洗うこともでき、油処
理剤を使用してこれを促進させることもできる。
表面にある石を洗うと油の一部がもう一度深く浸透することを避ける
ことはできないが、数週以上経過すると薄い油膜になって徐々に外に出
てくるようになる。
■ 石の除去 : 油まみれになった石を除去することが効果的ではない場合
には「フロントエンドローダー」を使用すると効果的でよい。
石の除去はこれにより深刻な砂浜の浸食が起きない場合と除去した石
を処分できる場合だけに実施できる。
■ 被覆 : 強い冬の暴風を受ける地域で利用される一つの方法は油に汚染
された範囲を他の石で覆って夏季の余暇の為に海岸を利用する人々にき
れいな表面を提供することである。夏季の高い温度によって風化作用が
起きて再び冬に油は分解されて分散する。この方法は油汚染が深刻でな
い所だけ使用されて他の細い粒子の砂浜では油が表面に出てくる傾向が
あるので適当ではない。砂浜の断面が永久に変わることになり、自然状
態の海の防護線が弱くなることもある。
■ 自然防除 : 防除作業後、石の表面に残っている油膜の除去方法の一つ
は、表層の石を海の中に落として波浪の作用で洗浄することである。し
かし、この方法は油に汚された石がもう一度露出されると適当ではない。
また、ある程度の大きさの石を海岸にもう一度置く為には、強烈な波浪
の作用が必要であるから砂利海岸が現状復旧するには数年がかかること
も認識しておく必要がある。
Ⅳ-11
付属書Ⅳ 海岸汚染防除作業指針
3.3 砂海岸
(1)対応段階Ⅰ
■ 高い優先順位 : 砂浜は娯楽施設で多く活用される所で防除の優先順位
が高い。しかし、潮間帯の砂浜は生物生産性が高く商業的な漁業の評価
が高い。従って、環境的側面を考慮して少なくとも二次被害を起こさな
い方法を選定しなければならない。
■ 機械装備作業と手作業方法 : 臨時道路を建設して重装備が入るように
するが、おおよそ砂浜には進入が容易である。砂浜では多量の油を比較
的簡単に除去できるが迅速に除去しようとするとむしろ困難を招く。大
規模の流出事故時、重装備を使用すると大量の油を比較的簡単に除去で
きるが砂浜汚染も増加する。これは、ほぼ大部分の砂浜の形態によって
決定される。細い砂浜は車輌を支えられず車輪又は軌道が砂の中にはま
って浸透しやすい。車に荷を積むと動けない場合も発生したりする。
■ 手作業方法 : 車輌の進入路がないか砂浜上部に駐車できない場合、そ
れから遠くてポンプ又は吸引ホースが水辺まで到達しない場合には、人
力を利用するしかない。油と油が付着した吸着材、廃棄物等はビニール
袋、麻袋等の容器に入れて砂浜の上まで運搬することがよい。
■ 整地機(グレーダー)及び「フロントエンドローダー」 : 平坦にして
堅い砂浜ではその表面が重装備と車輌を支えられる。油除去作業は砂浜
を汚染されていない端の部分から始めて上の方に進行することが理想
的である。この時、汚染の状況、潮汐及び砂浜を破壊することがあって
はならない。
(2)対応段階Ⅱ
■ 油(砂の比率) : 油に汚染された砂又は廃棄物が重装備作業チームと
共に人員を動員して砂浜から除去することが最もよい方法である。この
時、重装備は回収物を砂浜の上部に臨時貯蔵場所に運搬することに使用
される。おおよそ、この方法によって一日にひとりが 1~2
の廃棄物
を回収できる。重装備を使用すると油まみれになった砂を一日に1台当
たり 100~200
を除去できる。一般的に機械で回収される砂の中の油
Ⅳ-12
付属書Ⅳ 海岸汚染防除作業指針
は 1~2%に過ぎないが人力でする時は 5~10%程度である。これは、
重装備を使用すると砂に油が混合されやすく、人力に比べて少なくとも
3 倍倍の砂を除去できるが選別能力が落ちる為である。
■ 体系的な回収 : 重装備を最も効果的に使用する為には、防除作業チー
ムが回収した油まみれになった砂を積んでドラム缶に入れる。砂浜に油
が広がらないようにする為には重装備によった作業はできるだけ汚染
されていない所から実施する。通常軌道車輌に比べて低圧タイヤの車輌
が適当である。
■ ビニール袋の使用 : 砂浜に車輌が入れないところでは回収した油まみ
れになった砂をビニール袋に入れて運搬する。この目的として強い肥料
布袋等が適当である。砂浜で運搬する時には袋にいっぱいに入れてはい
けない。これを運搬するのには、簡単な2人用タンカを使用する。ビニ
ール袋は 10 日以上直射日光に露出すると使えなくなる為、砂を入れた
袋は早く処分することが望ましい。
(3)対応段階Ⅲ
■ 油処理剤 : 砂浜では汚染された砂は回収した後も残っているのは大部
分油が付着していたり、汚染され変色している場合が多い。これは、海
水浴場の砂浜としては充分に回収されたとみることができなく、仕上げ
作業が必要である。この時には油処理剤が使用できるが背に負う噴霧器、
農業用車輌又は航空機で散布する。油処理剤は約 30 分間汚染された砂
浜に振りまいて波浪によって洗い流すようにする。潮汐がないところ又
は波浪が弱いところでは、ホースで海水を注いで分散しなければならな
い。
■ すき起こし : 汚染が深刻ではない場合に砂浜で使用する適当な方法は、
被害を受けた砂浜を干潮時に定期的にすき起こすことである。油は多い
量の砂と混合されて風化作用を受けやすくなる。
■ 水注ぎ : 砂浜に多量の水を注ぐと砂から油を分解できる。大容量のポ
ンプで海水を上げて、いくつかのホースから低圧で注ぐ。この水を砂浜
のある場所に誘導して油と水を分解して回収する。この方法は時間がか
Ⅳ-13
付属書Ⅳ 海岸汚染防除作業指針
かる。それから、小さい範囲の処理に限定される。
■ 海辺清掃機(ビーチクリーナー) : 水が入ってこない砂浜で防除作業
後に残っているのは普通直径 50 ㎜以下の油が付着した砂の塊である。
これと最高水位線の上に上がってきたタールボールは海辺清掃機で回
収できる。この機械は砂浜の表面を掻き出して砂を振動させ、回転体を
通過させる。油まみれになった砂の塊は回収され、汚染されていない砂
は砂浜に再び返す。このような機械は元来、砂浜の廃棄物の回収用で設
計されたものである。
■ 砂の補充 : 観光シーズンに砂が汚染すると短期間に砂場を原状復帰さ
せなければならない。他の場所からきれいな砂を持って来て油が若干混
ざっている砂に掛けてもよい。この際、使用するきれいな砂はできれば
大きさが同じ物を使用し、砂場の物理的、生物的特性が変わらないよう
にするのが望ましい。細砂を使用すると早く水に流れてしまう。流出油
が砂場に漂着前に充分な時間があれば、砂の一部を最高水位線の上部ま
で運ぶのがいい時もある。そうすると砂場に防除したこの砂を入れるこ
とができる。
3.4 干潟と湿地帯
■ 汚染と防除作業の被害 : 干潟に到達した油は汚染除去活動により海岸
に浸食が深刻化し、さらに大きい被害を与えることもあるのを留意しな
ければならない。
■ 低圧洗浄 : 湿地の植生は一度油の衝撃を受ける程度なら生き残れる場
合もある。また、油の被害以後にも新しい植物が成長たりもする。油が
他の場所を汚染する恐れがあるなら、低圧ホースを利用して水面へ洗い
流してそれをオイルフェンスで閉じこめて回収しなければならない。こ
の方法を使用する時には重量が少ない船舶で海上から海岸まで接近す
ることがよい。
■ 植物刈り取り : 海鳥が危険に処した場合、油に汚染された植物を刈り
取ることを検討することもできる。しかし、これによると長期的な被害
を考慮しなければならない。
Ⅳ-14
付属書Ⅳ 海岸汚染防除作業指針
Ⅵ.廃棄物の処理
理想的な物にはできるだけ多く回収油を精油会社又は油の再生工場で処理す
ることがよいが、不幸にも油が風化していたり、廃棄物が混ぜられて再生が不
可能な場合が多い。この際、直接投棄、土地埋立用又は道路建設用の為の安定
化処理、生物化学分解又は焼却処理等を通して処理する。どのような処分法を
使用するかは油と廃棄物の量と種類、流出地点、環境及び法律問題、関連費用
等を考慮して決定する。
1.油と油が付着した廃棄物の種類と性状
1.1 流体油(fluid oil)
原油、重油、潤滑油等の持続性油の流出事故時には、非持続性油の防除に
必要ではない処理又は処分方法が必要になる。流出直後回収される油は流体
状態で比較的変質されないが、おおよそ回収油は風化作用を受けて高粘度に
なる。水面から回収された油は比較的固形の廃棄物が混ざっているがエマル
ジョン状態で多く水を含んでいる。反面海岸に漂着した油は、普通相当量の
固形物を包含していて再生用で使用しにくい。海岸では主に油まみれになっ
た砂、木の片、プラスチック、油まみれになった海草、固形化したタールボ
ール等が回収されるが、各々他の処理及び処分法が必要である。廃棄物の種
類及び特性によった処分法は表3と同様である。
2.貯蔵及び処分の準備
2.1 臨時貯蔵
防除作業後、発生する廃棄物を処理することにおいて取扱と輸送は大きい
問題になる場合もある。従って、これを一時的に貯蔵して適切に処分の為の
方法を選択する時間が必要である。海岸防除作業の時には普通海岸の背後に
臨時貯蔵所を設置して、その後、最終処理場に移すようになる。
Ⅳ-15
付属書Ⅳ 海岸汚染防除作業指針
表4
油と廃棄物の分離・処分方法
物質の種類
非油化油※1
分離方法
処分方法
○ 回収油を燃料又は
○含有水の重力分離
精油所原料で使用
○ エマルジョンを破壊して
○ 回収油を燃料又は
液体
水と分離
油化油※2
精油所の原料で使用
○ 熱処理
○ 焼却
○ エマルジョン破壊剤
○ 分離した砂を再使用
○ 砂と混合
○ 一時貯蔵中、砂から浸出
○ 回収油を燃料又は
する油の回収
精油所の原料で使用
○ 水又は溶剤で洗って砂か
油まみれの砂
○ 廃棄物の処理
ら油抽出
○ 生物分解
○ ふるいで分離して固形物
○ 焼却
の除去
○ 一時貯蔵中、砂から浸出
する油の回収
砂利、小石
○ 水又は溶剤で洗って砂か ○ 廃棄物の処理
固体
又は細石と
ら油抽出
○ 焼却
混ざった油
○ ふるいで分離して固形物
の除去
○ 一時貯蔵中、砂から浸出
木材、プラスチック、
する油の回収
○ 廃棄物の処理
海草、油吸着材
○ 水を使用して廃棄物から ○ 焼却
と混ざった油
油を洗う
○ 廃棄物の処理
タールボール
○ふるいにかけて分離
○ 焼却
※1
油処理剤と混合していない油
※2
油処理剤と混合した油
Ⅳ-16
付属書Ⅳ 海岸汚染防除作業指針
2.2 高粘度の処理
油の量が多い時には、可能なら油が付着した廃棄物と区分して貯蔵して処
理・処分する方法も区別することがよい。常温で油をポンプで輸送すると密
閉型タンクに貯蔵できる。しかし、比較的高粘度の物質を大量に貯蔵する時
には注意が必要である。タンクに加熱コイルが付いていない時には、これを
再び空にすることが困難であるから、高粘度油はバージ又はドラム缶等の開
発型容器に貯蔵して処理又は輸送しやすくする必要がある。
2.3 貯蔵ピット
専門の貯蔵容器がない場合には、海岸で回収した多い量の油を土で堅くし
た擁壁又は高密度ポリエチレン又は適切な耐油性材料で内装された貯蔵ピ
ットを使用できる。大雨が予想される場合には、ピットいっぱいに油を入れ
てはならない。
2.4 貯蔵地域の復元
砂丘等、油の影響を受けやすい地域で大量の油を一時的に貯蔵する場合に
は、浸食の可能性がある為、植物を破壊しないことが重要である。油を完全
に除去した後、ピットを埋めてできるだけ現状復旧しなければならない。
2.5 ビニール布袋
プラスチック製布袋は日光に晒されると風化して内容物が外に出る為、貯
蔵用よりは油まみれの物質の輸送用として使用するのがよい。最終処分以前
に内容物を他の方法で処理した場合には、普通ビニール布袋を空けて別途に
処分する必要がある。
2.6 分解技術
回収された油まみれになった物質を輸送するのには、費用が多くかかり処
分費用と合わせると費用は回収費用を超過する。従って、貯蔵時に油を水と
砂と分離して輸送量を少なくすることが望ましい。エマルジョンは破壊して
水と分離して積んだ砂又は廃棄物から出てきた油は貯蔵場所の周辺に掘っ
Ⅳ-17
付属書Ⅳ 海岸汚染防除作業指針
たピットに回収して、又はふるいにかけてタールボールときれいな砂を分解
する。
3.廃棄物の処分
3.1 油の回収
(1)精油所
状況によって回収された油を処理したり、又は燃料油と混合して再生でき
る為、常にこれを最初に検討してみる必要がある。回収された油を再生した
り、燃料として使用しようとすると精油会社又は廃油回収処理専門の処理業
者、発電所、セメント工場、煉瓦工場等と接触しなければならない。しかし、
大体厳しい規格を満足させる原料だけを処理する装置が大多数である為、回
収油の品質は高くなければならない。例えば、ポンプで輸送できるもので固
形物が少なく塩分を精油所で処理される場合、0.1%以下、燃料で使用する
場合は 0.5%以下でなければならない。油を鉄網へ通過させるので、廃棄物
と小さい破片を除去できる。回収された油が再生して使用できるとしてもこ
れを受け取って処理する精油業者又は再生業者は充分な貯蔵能力がない場
合が多い為、中間の貯蔵施設が必要な場合がある。タンクのバラスト水貯蔵
設備又は、廃油貯蔵設備が適当であるが貯蔵能力に限界がある。
3.2 分離技術
(1)重力分離
水面から回収された油は普通、水分を分離するだけで簡単に処理できるこ
ともある。回収装置又はタンクで重力によって分離する場合が多く水はタン
クの下で除去したり、ポンプで排出できる。
(2)加熱分離
エマルジョン(ムース)から水を抽出することは相当に難しい場合がある。
不安定なエマルジョンは普通 80℃まで加熱すると分解され重力で水と油に
分離する。温暖な気候なら、太陽熱で充分な場合もあるが比較的安定化され
たエマルジョンである場合には、破壊剤のような化学工業薬品を使用しなけ
Ⅳ-18
付属書Ⅳ 海岸汚染防除作業指針
ればならない。これらは、概ね油の粘度を落としてポンプで輸送しやすくす
る。すべてのエマルジョンに使用可能な薬品はない為、最も効果的な製品と
最適の使用量は現場で実験して決定することが必要である。
(3)エマルジョン破壊剤
エマルジョン破壊剤の使用量は処理量の 0.1~0.5%範囲で薬品処理は充
分に混合して使用量を最小化して回収装置とタンクの間の移送中にするこ
とが最もよい。エマルジョン破壊剤はポンプの吸入側又は真空吸入口に付け
た攪拌機で注入する。分離後に残った水には、ほぼエマルジョン破壊剤と最
大 0.1%の油が混合されるので処分する時には注意しなければならない。
3.3 焼却
移動式焼却装置がいろいろと開発されているが、これらは油まみれの廃棄
物を完全燃焼させるのに必要な高温を発生させるものである。固形物が多い
油の場合には回転式又は解放式焼却炉が適当で、一般的に海水の塩分が腐食
の原因になる為、家庭の廃棄物用焼却装置は適当ではない。工業用の焼却装
置は塩分に耐えられるが、多量の油まみれの廃棄物による負荷に耐えられる
に充分な能力がない。
3.4 生物分解
油分解バクテリア又はその他の微生物を含有した多くの製品が市販されてい
る。分解を促進する栄養塩と共に海岸の油に直接注ぐことができる製品もある。
これらの製品を実際に流出の時に、使用するのはほぼ成功したことがない。
その理由は、油の濃度が高くて油-水間の境界面が不足して潮水の海岸線
(tidal shoreline)では必要な栄養塩水準を維持することが難しい為である。
最近では、親油性の栄養塩を加えて自然の分解作用を促進する方法が開発され
た。栄養塩は海水中に溶解されずに油と水の境目に残るようにした。
Ⅳ-19
Fly UP