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海外小児医療研修レポート F 大学 S.M. 今回の台湾大小児科研修は

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海外小児医療研修レポート F 大学 S.M. 今回の台湾大小児科研修は
海外小児医療研修レポート
F 大学 S.M.
今回の台湾大小児科研修は、自分の人生において転機になりました。
一つは、人との出会いです。台湾大の先生や学生、また福大の先生、先輩と
いろいろな話をさせていただき新たな考えの発見や、自分には出来なかった考
えをできるような手掛かりを見つける事が出来ました。
二つは、コミュニケーション能力の必要性です。
英語が必要であると同時に、物事を正確かつ明瞭に伝えることの出来る能力を
高める必要性を感じました。台湾大小児科のカンファレンスでは、大多数の先
生が英語、中国語で話をされていて、コミュニケーションのツールが非常に多
く、かつ障害なく意志疎通できておられたので、自分も努力をする必要性を感
じました。
最後に、自分から求める姿勢の必要性を感じました。
台湾にいる際、先生、先輩と多くの時間をともにさせていただき、何かを学ぶ
ぞという気持ちがみなさんから感じられました。私は、これからの生活におい
て、遊ぶときは遊ぶ。学ぶときは学ぶ。いつでも全力でかつ、上手に気持ちを
切り替えられるように心がけていこうと心に決めました。
今回、小児科を見学し、さらに小児科医になりたいという気持ちが高ぶった
と同時に、不安も覚えました。しかし、優しさと強さの両方を持って今を生き、
将来につなげていこうと思いました。
一心不乱。この言葉は私が中学生のときに教えてもらった言葉ですが、その
気持ちを忘れず、前に進みます。このような貴重な機会をあたえていただいた、
廣瀬教授、ならびに福大小児科の方々に、お礼申し上げます。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------F 大学 N.I. 無事に福岡に帰ることができました。台湾で1週間毎日違う刺激を受けとて
も充実した日々になりました。
台湾大学の方々は Dr.Lee をはじめとても親切で私たちの質問や希望に快く答
えていただき、おかげで多くのことを学ぶことができました。 朝からの conference、ER、Dr.Lee の回診、brain echo、NICU、外来や検診など
を見学させて頂きました。教科書にはあまり載っていない病気が見れたり、 日本と台湾の違いを知ることができたりして楽しかったです。また英語力はも
ちろん勉強に対する姿勢、プレゼン能力など自分にはまだまだ足りない部分を
実感でき、刺激を受けました。残りの学生生活で改善できるように頑張ってい
きたいと思います。
台湾では皆様全員本当に親切で明るく、日本から来た私達を快く迎えていた
だいてとても嬉しかったです。今回関わった方たちと出会えたのも廣瀬先生の
おかげです。このような貴重な体験をさせて頂き本当にありがとうございまし
た。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------F 大学 M.I.
今回の台湾研修は大変勉強になりました。
Lee 先生は和やかで生徒思いで面倒見がよくて、とても素敵な方でした。
他の台湾大学の先生方とも、とても仲良くなることができ、大変有意義な一週
間を過ごすことができました。
このような機会を下さった廣瀬先生に感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました。
将来は、ぜひ小児科医になりたいと、さらに強く思うようになりました。
5年生からの実習も一所懸命に努力し、ステップアップしていきたいと思いま
す。本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。
------------------------------------------------------------------------------------------------------F 大学 R.N.
今朝、無事に台北から戻りました。
一週間という短い期間ではありましたが、1日1日とても充実しており、これ
までに教科書の上でしか知らなかった患者さんに実際に触れ合ったり、母国語
とは異なる言語で医学を学ぶという経験はとても貴重なものとなりました。
台湾大学の Dr.Lee をはじめ、先生方や研修医の皆さんもとても熱心に教えて
くださり質問にも一つ一つ丁寧に答えて頂き、ますます色々なものへの意識が
高まりました。
廣瀬先生をはじめ、このような機会を与えてくださり見守ってくださった小
児科の皆さまに心から感謝します。
4月から私たちは5年生となり実習となりますが、またそのときにはよろし
くお願い致します。本当にありがとうございました。
北京
-------------------------------------------------------------------------------------------------------この度は北京大学での研修を受ける機会をいただき、誠にありがとうございま
した。北京での 1 週間は、毎日毎日がとても刺激的で日本にいてはとても経験
しえない多くのことを見て感じることができました。学生生活をあと 1 年残し
た今、このような経験をさせていただいたことは、今後の目標を達成するため
の大きな原動力となることと思います。
研修期間中は安元先生と上田先生に大変お世話になりました。先生方はとても
心強く、異国での研修の不安を取り除いていただきました。重ねてお礼申し上
げます。また、秦教授や姜教授はじめ、多くの北京の先生方のご厚意にも非常
に感謝しております。それも福岡大学の先生方のお力があってのことだと思い
ます。本当にありがとうございました。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------- 福岡大学の小児科の先生方はどなたも気さくで優しく、すごく短い時間でし
たが、とても素晴らしい雰囲気と環境の中で皆様がお仕事をされているのがわ
かりました。病棟も外来も新しく明るい環境で、病気と闘う子供たちにとって
とてもいいなと思いました。とても充実した見学となりました。ありがとうご
ざいました。
1 週間の北京大学での実習はあっという間で、本当にとても楽しく、たくさん
のことを学べました。それもこれも廣瀬教授がご尽力して下さり、安元先生、
上田先生という素晴らしい先生方をはじめ、一緒に行ったメンバー、そして北
京大学の先生方のお陰だと思っております。
無事国家試験にも合格し、明日から社会人としての生活がスタートします。
社会に出て、実際に働くのは不安と期待でいっぱいですが、今回の北京での経
験がきっとどこかで生かされると思います。
新年度がスタートし、お忙しいとは思いますが、お体には気をつけて下さい。
益々のご活躍をお祈り申し上げます。
---------------------------------------------------------------------------------------------------------
海外小児医療研修レポート
NS大学
M.K
<応募動機>
今回福岡大学の海外小児医療研修に応募させていた一番の動機は、海外の医療
の現場を実際に肌で感じてみたかったからです。先輩や、先生方などの経験をお
話で伺ったり、ネットや本などで情報を手に入れ、日ごろから外に目をむけるこ
とはでます。しかし、自分が実際に見て学び得たことは、この先なににも代えが
たい経験になるであろうと思い、絶対にチャレンジしたいとおもいました。
加えて、小児科志望で医者を目指したので、ソウル大学の小児科での研修とは、
願ってもないチャンスでした。
<研修前>
見事採用して頂いて、喜んだはいいものの、研修が始まるまでは不安ばかりで
した。海外旅行や数日間のホームステイ経験はあるものの、ほとんど英語はでき
ないし、ベッドサイドでの実習も経験していなくて何もかもか初めてです。
しかし、せっかく採用してもらえたのだし、行くのならできるだけたくさんのこ
とを吸収したいと思ったので、小児科と英語の勉強は自分ができる範囲で努力し
ました。 出発前に数日間福岡大学小児科で実習させて頂くことができ、実際に
臨床現場を味わうことができたのはいい経験でした。
<研修>
いよいよ出発しソウル大学に到着すると、その規模に驚くばかりでした。小児
科病棟は大きな八階建てのビルで小児科の分野によって階がわかれています。
内装はまるでショッピングモールの様にカラフルで、患者さんとそのご家族、そ
してスタッフ達でごった返していました。メンバーの中でそれぞれ見たい科を選
択させて頂き、私は血液・腫瘍と感染症をみさせて頂きました。
やはり、韓国内に二つしかない小児医療センターということで、重症疾患や稀
な疾患をもつ患者さんが多かったです。カンファが盛んに行われ、医学用語はほ
とんど英語を使用しており、研修医も含めたいていのドクターは英語がぺらぺら
という印象でした。私が見学しているからと、いつもは韓国語でのカンファも英
語で行ってくださり、丁寧に教えてくださって、本当に感謝ばかりでした。しか
しやはり医学英語の自分の単語力のなさを痛感するばかりで、勉強不足を心から
悔やみました。
研修の間は本当にみなさんがよくしてくださり、受け入れてくださって、とて
も充実した一週間を過ごすことができました。特にお世話してくださった金先生
は常に気を配っていただき、本当にありがたく感じました。
もちろん、実習の間にメンバーのみんなとたくさんおいしい韓国料理を食べる
ことができたのも、とてもいい思い出です。
このような機会に偶然出会った、メンバーだけれどこれも何かの縁だと思います。
大切にしていきたいです。
<研修後>
帰国して慌ただしく過ぎていく毎日だが、なによりもこの研修で感じたのが、
自分の知識不足でした。広い視点で物事をみるには、まず、自分の知識をどんど
ん増やして確固たるものにしていかなければならないと、感じました。とにかく
今はしっかり勉強時間をとるように、そして英語力も伸ばすために毎日英語にふ
れるように心がけています。
研修に行ったときは東北地方太平洋沖地震がおきたばかりで、韓国では、ドク
ター方や店員さんまで、日本は大丈夫か、とみんなが心配してくれていました。
本当にその言葉に心が温かくなり、自分も何かできたらいいなと、帰国してから、
募金活動をおこなっています。
最後にこのような機会を設けてくださった、広瀬教授、引率してくださった野村
先生に心から深く感謝申し上げます。
ソウル大学病院での研修を終えて
F 大学 5年
M.H.
私は、海外の医療現場を見て自分の視野を広げたいと思ってこの研修に応募した。過
去に短期の語学留学はしたことがあるものの、医学に関しては初めてだったからだ。実の
ところ、先輩の卒業式などのイベントがこの研修の日程と重なっていて、応募するかどう
かしばらく迷っていた。しかし、今となっては悩んでいた時間がもったいないぐらい、実
りの多い研修になったと思う。
私は「日本と韓国の医療の違いを知ること」をテーマにソウル大学病院で研修した。そ
こで、医療システム、カルテの記載、小児専門医の3つの大きな違いに気付いた。
まず、医療システムについてだが、韓国には地域の拠点病院を担う中規模な病院が少な
く、ソウル近郊にあるソウル大学病院、サムスン、ヒュンダイの3大病院が韓国全土から
患者を集めているそうだ。そのため、ソウル大学病院で私が回った内分泌、循環器の2つ
の病棟には、いくつもの疾患を合併している重篤な患者さんが多かった。韓国研修の直前
に福岡大学病院の小児科で実習した時は、多くても2∼3の疾患しか合併していない患者
さんが多かったので、私はその差にとても驚いた。
次にカルテの記載についてで、韓国の電子カルテは日本のものと似ているが、診断名な
どが英語で記載されていたことだ。さらに、教授がインターンに説明する時も英語を多用
していて、私も同じ医学を志す者として負けていられないなと思った。なぜ英語が韓国の
医療に浸透しているのか疑問に思い、指導医の先生に尋ねたところ、韓国には良い医学書
の訳本が無いらしく、医学生は英語の教科書を使っているからだそうだ。もちろん、テス
ト前など時間の無い時は韓国語の教科書を使うらしいが。
最後に小児専門医についてで、ソウル大学病院では腎臓、循環器、感染症、消化器など
といった科全てに小児専門の医者がいるそうだ。私はそれほど日本の小児医療事情に詳し
い訳ではないが、全ての科に小児専門医がいる大学病院は日本でも珍しいと思う。実際に
一週間ソウル大学病院で研修してみて、このような小児専門医が多い大学病院が日本にも
増えていけば、小児科に進もうとする人が増えていくのではないかと感じた。
今回、
「海外の小児医療を体験する」という貴重な機会を与えてくれた福岡大学小児科に
とても感謝しています。残念ながら現地の医学生と触れ合うことはできませんでしたが、
韓国の医療は日本に負けないぐらいレベルが高いことに気付いた良い研修になったと思う。
Seoul National University Hospital における小児科研修の感想文
福岡大学 6 年
十時崇彰
感想文を書くにあたり、このような大変貴重な機会を与えてくださった福大小
児科、Seoul National University Hospital の先生方にここに感謝の意を表した
いと思います。本当にありがとうございました。
小児科研修についてです。私は低学年の頃より海外医療には興味があったもの
の、恥ずかしながら今回のソウル大学小児科研修が私にとって
初めての
海
外でした。もちろん英語力にも一切が自信なく、研修前は不安でいっぱいでし
た。しかし、行ってみて不安は一気に吹き飛びました。とても楽しかったです
し、様々なことを考え感じることができ、本当にいい研修でした。次の研修に
応募しようかと迷ってらっしゃる学生は思い切って応募してみることをオスス
メします。以下に研修の報告をしたいと思います。
・韓国と日本の医療体制の違いについて
まず日本と韓国では医療におけるシステムの違いというものに驚きました。
日本では 300 床レベルの病院がたくさんあり、各地に大学病院がある。なぜな
らば日本列島が縦に長く、患者の搬送に時間がかかるため各地に医療施設を配
備する必要があるからである。しかし韓国では各地から数時間でソウルに行く
ことが可能である。そのために、ソウル近郊に SAMSUNG 病院や韓国赤十字病
院などの大きな病院や大学病院レベルが集まっていた。
(そして、このレベルの
大きな病院でなければ採算が合わないため、韓国では中小規模の病院が少ない
という。)そのため、韓国全土の重症患者や非常に稀な症例などが全て韓国最高
学府である Seoul National University Hospital(以下、SNUH)に集まってき
ていた。そのため実際に、小児のクローン病など今まで経験する機会のなかっ
た稀な症例を一日に
何症例も
見ることが出来ました。以前、韓国では論文
発表などが盛んに行われているということを聞いたことがあったのですが、確
かにこのような環境であれば症例数を集めることが可能であろうと強く実感し
ました。
SNUH において、小児科は Seoul National University Children’s Hospital
として完全に独立していた。循環器、消化器などの一般的な小児科の分野だけ
でなく、脳外科・麻酔科なども完全に小児専門であり、大人も見るけれども子
どもも見るというスタンスではないという。また ER においても大人と子ども
の患者は別々の入口となっており、小児 ER として完全に独立していた。そし
て小児病院の中は、様々なキャラクターが描かれており、明るいデザインが施
されていました。私は 1 週間の中で新生児部門と消化器部門を経験させていた
だきました。指導医の先生にも大変恵まれ、とても充実した楽しい研修でした。
・NICU を研修して
日本の新生児医療がいかに進んでいるかを強く実感しました。超低出生体重
児で元気に育った記録として、韓国では現在ソウル大学が持つ 410g という記録
が最高であるということだったが、日本の新生児の記録は 290g である。研修期
間中にはちょうどソウル大学こども病院の NICU に 370g の患児がおり、まさ
に study が進められていました。NICU の教授である Dr.Jung やフェローの
Dr.jinasohn には完全マンツーマンでレクチャーをしていただきました。特に
Dr.Jung からは数日後にソウル大学の学生の授業で使うものと同じスライドを
使って、新生児医療の総論と歴史についての授業をしていただいた。ソウル大
学の学生の気分を味わえたひと時でした。また新生児の模型を使って挿管の練
習もさせていただきました。NICU 研修では、カイザーや自然分娩にも同行さ
せてもらい、すぐにレスキューする様子なども手術室で見学できました。中で
も双胎間輸血症候群の症例を見ることが出来たのは本当に良かったです。
日本と違い、インターンが1年間(一ヶ月ごとにローテート)とレジデント
が4年間。レジデントの 2 年目まではほとんど家に帰ることが出来ない生活ら
しい。しかし、それを乗り切れば、レジデント 3 年以降はだいぶ楽になるとい
う。しかし、フェローの先生もレジデントの先生も、そして教授も非常に忙し
そうであったのが印象的でした。
・消化器を研修して
最初に内視鏡検査室に案内され、朝9時半より入れ替わり立ち替わりに次々
と患者さんが検査を受けていました。我々学生にとって、Crohn 病の内視鏡所
見は非常に有名であるが、BSL の時も実際に見る機会はなかったので、とても
新鮮でした。しかし、まさか一日に何症例も Crohn 病を見ることになるとは夢
にも思わなかったです。内視鏡検査中、教授である Dr.ヤンには非常に丁寧に説
明をしていただきました。またレジデント 3 年目の Dr.Lee には研修中はずっと
付きっきりで対応してもらいました。回診のときも外来のときも検査の時
も・・・・ずっと横で、私にも分かりやすいように、丁寧で簡単な英語を使っ
て説明をしてくれました。
(とても仲良くしてもらい、Dr.Lee とは今でも E-mail
にて連絡を取り続けています。)
例年の小児科研修でも発表されているようですが、日本の医療に比べて韓国
では非常にプライバシーに関する意識が低いのを感じました。外来において、
カーテン越しに次の患者やその家族が待っていたり。入院患者もとても狭い部
屋に 6 人。しかもカーテンも何もプライバシーを確保するものは一切ありませ
んでした。日頃の BSL では何気なく見ていた日本の病室がいかに患者の立場に
立って作られているかをとても強く感じました。また、同意書というものを韓
国では一度も見ることがありませんでした。検査も自由に行っているかのよう
に思えた。文頭にも書いたが、このように症例が一カ所に集まり、検査もしや
すくて、なおかつ医師の数も充分であるということを考えると、ベーパーがよ
く出ているのにも納得がいきました。我々も負けていられないですね。
・ソウル大学の学生と話して
彼らがネルソン小児科学の原著を読んで、それを元に発表を行ったりしている
のを目の当たりにしました。また彼らのメモ書きのほとんどは英語でした。他
の大学から勉強に来ている学生やソウル大学の学生とも話す機会があったので
すが、彼らは英語が非常に上手であった。彼らのインテリジェンスが非常に高
かったので、私のひどい英語力でもどうにかコミュニケーションをとることが
出来たのではないかというのが本音です。どんなに「自分は英語が苦手だ!」
と言っていた韓国の学生も、明らかに私よりも、そしてうちの大学の学生の多
くより
遥かに
英会話力が上であったのは間違いありません。今後、国際社
会で生きて行く上で大事なことをソウル大学の彼らから実感をもって教わった
ような気がします。
研修前、私は個人的に、「韓国人の反日感情というものが強いのではないか」
と危惧していたのだが、話している時に彼らは自分たちの気持ちを正直に話し
てくれました。
「自分たちは日本 政府 は嫌いだけれども、日本 人 は好き
である。」と。そして、帰国後に彼らうちの1人が送ってくれたメールにこう書
いてありました。
I think that it can be seen tiny thing u and i being freinds, but these kind
of freindship can make these two country genuinely love each other someday
もっともっと彼らから刺激を受けて、彼らに負けないように日々努力したいと
思うし、我々の世代で韓国と日本をもっと
近い
存在にしたいとも思いまし
た。
・最後に
学生のうちに今回のような海外医療を経験することは本当に大きな意味を持つ
のではないかと思います。自身の不勉強さを強く感じましたし、何より英語力
のなさを痛感しました。また今後、大学に残って頑張って行こうと考えるとき
に日本の中だけでなく世界レベルで頑張って行かなければならないということ
も感じました。学生生活も残り1年を切りましたが、今回の研修で得たことを
大事に勉強に各種活動に頑張って行きたいと思います。また卒業後も世界を意
識しながら、福岡大学出身者として母校にしっかりと貢献していきたいと思い
ます。
福大小児科・SNUH の先生方、本当にお世話になりました。
ソウル大学病院小児科
臨床研修報告
東京女子医科大学 5 年
淵野玲奈
2011 年 3 月 13 日∼3 月 19 日の約1週間、韓国のソウル大学において実習する機会をい
ただきました。3 月 11 日に未曾有の大震災、津波、原発事故という何重もの困難が日本を
襲い、亡くなられた方や今も生活に苦しむ方々がたくさんいらっしゃると思います。その
ような状況でも今回の研修に参加することができたことを感謝すると同時に、絶対に意義
のある研修にして、今後の糧にしていかなければならないと痛切に感じました。
このような、大変貴重な機会を与えて下さった廣瀬伸一先生、同行して下さった野村優
子先生、そしてソウル大学でのコーディネート、実習に携わってくださった先生方にまず
御礼申し上げます。
実習内容
初日は移動日で、翌日 3/14 から実習が始まりました。まずはソウル大学 7 階の小児科の
部屋へ向かい、そこでスケジュールの確認を行いました。NICU の Dr. Kim にもここで初め
てお会いしましたが、先生はもともと日本にいらっしゃったこともあり、日本語が通じる
ことにとても安心しました。
まずは病院見学をさせていただき、NICU、GCU、PICU、外来、血液腫瘍内科の化学療法の
治療室を説明しながら通してもらいました。ソウル大学病院の小児科は独立して一つの建
物に集まっていて、子ども病院のようになっていましたが、規模は比べものにならないほ
ど大きいものでした。NICU は、日本でいう ICU と GCU を合わせていて、40床ほどあり、
多くの機械が導入されていました。また、病院敷地内の博物館も見学し、ソウル大学病院
の歴史や周囲の病院との関わりを教えていただきました。
午後からは、各科に分かれて実習が始まりました。
私は 3/14,15 と神経内科から回らせてもらいました。レジデントの先生達は話し合いなが
らカルテを記入し、オーダーを出していました。その後、教授が来てカルテを見ながらレ
ジデントに質問し、検査結果を確認した後、担当の患者さんのもとを回診しました。回診
はもちろん韓国語で行われましたが、レジデントの先生は英語を交えてどのような患者さ
んでなぜ入院して、どのような治療をして、どのような経過をたどっているのか丁寧に説
明してくれました。ソウル大学は、様々な地方からも患者さんがやってくる大病院のため、
複雑で難しい症例が多いとおっしゃっていました。特に神経科だと今後に深刻な影響を与
える病気が多く、先生方がとても忙しそうでした。入院ではてんかん、もやもや病の患者
さんが多く、経過が思わしくないけれど、原因がまだつかめていないケースも多かったよ
うに思います。Dr. Che の外来も見学させていただきました。外来の部屋は一つの部屋がカ
ーテンで仕切ってあり、入り口のところに一人看護師のような方がいて、次の患者さんが
カーテン越しに順番を待っていたので、何を話しているかは筒抜けだと思います。筋ジス
トロフィ、SMA など予後に影響のある疾患が多いため、深刻な雰囲気が漂っているケースも
ありましたが、チェ先生ははきはきと、しかしながら親しみやすい様子で対応していまし
た。
後半の 2 日間は腎臓内科を回らせていただきました。こちらは透析という手段があるこ
ともあり、神経内科と比べると穏やかな雰囲気だったように思います。朝のカンファレン
スでは、3 年目の先生が丁寧に英語で行ってくれました。普段は韓国語で行うそうですが、
私がいたので英語で行ってくれたとのことです。ステロイドに抵抗性のある難しい患者さ
んが多くいました。1 年目の先生がほとんどの患者さんを受け持っているようで、回診前に
教授から色々質問をされていました。こちらもレジデントは入院患者さんの状態を把握し、
カルテの記入や指示出しなどとても忙しそうにしていました。教授回診は一日 1 回、多い
時で 2 回あるとのことでした。子どもたちと先生方のやりとりのすべては理解できません
でしたが、子供たちが先生方を慕っている様子がうかがえました。透析の機械の説明や、
腎生検の見学、英語での身体所見の表現や身体所見を取る練習をさせていただきました。
最終日には、certification と記念品も用意していていただいており、もてなしの温かさ
に感激しました。感謝してもしきれないくらい充実した研修になりました。
感想
治療や検査、電子カルテの記入や回診、カンファレンスなどは日本とそれほど変わらな
いのかなと思いましたが、驚く点も多くありました。韓国で 1 番規模の大きい病院という
こともあり、病床数、スタッフ数、患者数がとても多かったです。先生方はほとんどスマ
ートフォンを持っており、日本の病院の PHS のように使われていました。また、看護師さ
んが飴をなめながら患者さんと話していたり、医師がコーヒーを片手にエレベーターに乗
っている姿も見かけ、医療者の外見や行動に対する目は案外厳しくないのかと感じさせる
一面もありました。地域医療や、小児科医不足、就職難等、韓国には日本を取り巻く状況
と似ているところも多々あるようでした。
・英語でのコミュニケーションについて
日常の仕事は韓国語で行われていましたが、先生方、レジデントはほとんど英語で説明
してくださり、カルテも韓国語と英語両方使って書いていました。自分の知識不足と英語
でのコミュニケーション不足により、説明していただいたことの半分も理解できていたの
か不安ですが、話そうと努力すればきちんと答えてくださり、親切に対応していただきま
した。日本人の英語教育ではなかなか思ったことを伝えられないものだと痛感したので、
今後誰とでもコミュニケーションを取ることができるように自分で勉強していきたいと強
く感じました。
・レジデントについて
病院実習前だったので完全に理解できたわけではないですが、ソウル大学ではしっかり
したレジデント教育システムがあるように感じました。医学部卒業後 1 年間研修した後に,
4 年間のレジデント生活が始まるようで、上級のレジデントが下のレジデントの指導をしな
がら日常業務をきっちりこなしている印象を受けました。
・親との関係について
ハングルが多かったため理解できていない部分が多々あると思いますが、日本のように
多くの書類を書いて承諾を取るということをせずに、処方をしたり、検査をしたりしてい
たように思います。傍目に見た感じではわかりませんでしたが、レジデントや学生に、患
者さんと医師の関係を尋ねてみたところ、インターネット等の普及により、自分で多くの
ことを調べてきたり、医師に色々要求する患者さんが増えてきたということです。
・韓国の文化について
Dr.Kim の配慮もあり、韓国の食文化や観光を楽しむ時間もいただきました。韓国の文化
はとても魅力的で、もっともっと深く知りたいと思いました。実習に来ていた学生さんも
とても親切で、美味しいレストランを紹介してくれたり、観光についてきてくれたり、プ
レゼントまでくれたりしました。日本語でも十分通じるお店も多く、安心して過ごすこと
ができました。また、最後のフェアウェルパーティでは先生方のお酒の強さに驚きました。
まとめ
今回の研修に参加し、自分の生活している世界がいかに狭いかを実感しました。今後、
研究においても臨床においても海外とのつながりは重要になってくると思います。そのた
めにも、視野を広く持ち、日本にも世界にも目を向けていきたいと強く感じました。
また、コミュニケーションは医師としてとても重要な力だと思います。不自由な英語を
使ってなんとか伝えようと頑張って、相手に言いたいことが伝わった時のうれしさは何と
も言い難いものがありました。そして、韓国と日本という国の間柄では歴史上悲しい軋轢
がありますが、個人同士の関わりでは、本当に良い関係を築いていけることもわかりまし
た。コミュニケーションを大切にし、患者さんやこれから関わるすべての人々と信頼関係
が築けるような医師になりたいと思います。もちろん、英語の勉強もこつこつと進め、思
い通りに会話できるように努力していきたいと思いました。
今回の韓国での実習で得た経験を、今後の医学生生活、医師生活に役立てていきたいで
す。このような素晴らしい機会を与えて下さった福岡大学小児科医局の方々には大変感謝
しています。本当にありがとうございました。
台湾大学研修レポート
旭川医科大学医学科5年
菅原基史
「フランスより愛を込めて」
Poitier
University Internal Medicine にて臨床研修中です。今もこの報告書を Poitier にて書かせて頂いて
います。僕が実習で感じたこと、その後の出来ごとを中心に書かせて頂きます。
初めに感じたことは台湾大学の学生と我々の国際経験の違いでした。台湾大学では一度、自分の希望する国で
臨床研修が出来るというスカラシップ制度があるそうで、インターンの前である 6 年生の春に留学を経験するそ
うです。それに比べて今回が初めての海外旅行であったという生徒もいるなど雲泥の差と言わざるを得ない状態
でした。また、国際語である英語でも大きな差をつけられていました。勿論、東大を凌ぐレベルの台湾大学の学
生と僕のような地方の医科単科大学の学生を比較することもおこがましいのですが、間違いなく彼らは英語をし
ゃべることに慣れています。台湾大の教育でも英語は広く使われています。たとえば conference の使用言語は
英語であり、medical record は英語で書く習慣となっています。台湾大学の名誉教授によると若いうちから英語
に慣れさせることで国際舞台において力を発揮する医師を育てるのが目的だそうです。指導教員たちの英語がう
まいとは言えないのも事実ですが、その concept は見習うべきではないでしょうか。
帰国後の事を話す前に、一つ言っておきたいのは間違いなく台湾滞在を一番楽しんだのは自分であるといこと、
特に台湾大学の学生達と友人になることが出来たことは僕の人生の宝物です。彼らとはいまだに facebook 等を
通して連絡を取り合っています。親日家の Dr.C.や酒好き女好き夜遊び好きの Dr.H.や今年の 4 月から 5 月にか
けて順天堂大学に留学していた Dr.F.など、素晴らしい友人と巡り合えました。Dr.H.とは最後の夜(皆が壊れる
まで騒いだ「あの夜」)にどちらが H.M.さんの boy friend にふさわしいか熱い議論を交わしたことは今でもい
い思い出です。ちなみにそこにいる H.M.さんはどちらを選ぶのでしょうか?ちなみに議論の最後は Dr.C.の「お
前ら彼女いるだろう。」と言う一言でした。Dr.C.は来年、兵役を終えた後に「合コンしましょう」という約束を
果たすべく北海道で再会する予定です。参加希望者がいれば僕のところまで連絡ください。また、Dr.F.は GW
の休暇を利用して旭川に来てくれました。我が家に泊まり一緒に美瑛、旭山動物園、札幌を廻りました。
彼とはお互いの国のことや未来の医療、お互いの結婚観に至るまで色んな話をすることができ本当に有意義な時
間が過ごせました。このような機会を持てたのも廣瀬先生を始め、福岡大学小児科の皆様のおかげです。本当に
ありがとうございました。後輩にも今回のことを話した所、非常に興味を示しており、共に福岡大学小児科へ見
学に行こうかとも計画中です。改めて連絡したいと思います。皆様、御多忙と思いますが御自愛下さい。
フランスで感じたことも書こうかと思ったのですが、蛇足かと思い割愛します。聞きたい方はいつでも北海道
にいらしてください。濃厚な日々(夜?)をお約束します。いつか皆様に再びお会いする日を楽しみにしつつ、
貪欲に我儘に更なる進化を遂げたいと思います。
“Devil Motto”
Motoshi Sugawara From France
台湾大学実習
感想
KO 大学
5年
M.T.
私は今回の台湾大学での研修が人生初めての海外渡航でした。私は海外に行くというこ
とは旅行で遊びに行く予定ですら、今までまったく考えたことはなかったです。それとい
うのも日本が一番安全で住みやすいところであり、別段行く必要性を感じなかったからで
す。しかし、私は小児科志望であり、このたび福岡大学小児科主催の台湾大学の小児科研
修があると聞いたので、海外の一流の大学病院、また医学生がどのようなものであるのか
を知る良い機会であると感じ、応募致しました。研修の中で超一流の小児病院、そして台
湾大学の先生方と医学生は、なるほど本当にすばらしいと感じました。そして台湾の料理
も非常においしかったです。しかし、台湾へ行く前と行ったあとで自分の中で何が一番変
わったのかを考えた時、もっとも変わったと感じたことは、海外の人とより深いコミュニ
ケーションを取りたい、という強烈な意志です。
したがってまず強く感じたことは英語の重要性でした。私は英語が大の苦手で、しかも
リーディング、ライティングが日本においてこれから医師として仕事をしていく上で最も
重視すべきものと考えていました。しかし、当たり前のことですがリスニング、スピーキ
ングができないと海外においては全く役に立ちませんでした。そして話し手の意図が十分
に聞き取れず、また自分の意見、言いたいことを伝えることができないことが、こんなに
も辛く情けないことだということを、はじめて身につまされて分かりました。確かに上記
のようなことは先生や先輩方からもよく聞かされていました。しかし、自分が実際に行っ
て直接経験をすると、それがどれほど真実であり重要なことであったのかを、心から感じ
とることができました。
また最近、日本の一般企業においても会議は英語で行なおうとする動きが見え始めてい
ます。日本人の英語の苦手さと、英語教育の重要性はより一層叫ばれるようになりました。
しかし台湾の大学では入試制度が十数年前に変化して、より実践的な英語が重視され、英
語での面接試験が取り入れられています。このような中で台湾大学の学生は、英語圏のネ
イティブか帰国子女ではないかと聞き間違えるほどみんなが流暢に英語を話していました。
きっと将来、学会で英語を母国語のように操る彼らと今の私では全くディスカッションに
ならないだろうと強く感じました。このような台湾の学生たちは本当に雲の上のような
人々に感じましたが、一方で日本の大学生と同じで、日本のアニメ、漫画にも興味を持ち、
さらに日本全般に対しても興味があり、日本に旅行をした方もいて非常に親近感を持ちま
した。
さて、これらの貴重な経験を自分自身の成長の糧にするために、残りわずかとなった学生
生活の中で私にできることは何があるかのかを考えました。まずは英語の勉強です。これ
には今回一緒に参加してくれた仲間達を参考にしていきたいと思います。そもそも現時点
で大学生活において英語ができなくて困ることはまずありません。それにもかかわらず、
参加した仲間たちは英会話が流暢であるばかりか、けっして引け目を感じずに堂々と自分
の意見を述べ、さらに台湾大学の先生方ともさまざまな交渉を行なうことができていまし
た。これらの能力は彼ら、彼女らが今までに留学や海外旅行(観光だけではなくボランテ
ィア活動など)を積極的に行って外国人と交流したこと、また自学、自習を不断の努力で
成し遂げることによって身につけたことは容易に感じとれました。さらに英語が話せるこ
とだけではなく、医学知識の習得やその他の教養もしっかりしていたことは言うまでもあ
りません。したがってこれら優秀な友人を参考にして、実践的な英語を身につけなければ
ならないと強く感じました。彼らに英語の学習法を教わり、日本に帰ってさっそく取り組
みました。しかし臨床実習が始まり、忙しい日々が続くと英語に費やす時間が次第に減少
していきました。これではいけないと、なんとか朝6時に起きて勉強する時間を作ろうと
し、少しずつ実践できてきた感じです。現在夏休みを迎えたうえで、より一層英語学習の
時間を確保していきたいと考えています。もちろん、英語以外の医学の勉強も並行して行
っていかねばならないと強く感じています。このようなモチベーションを与えてくれ、す
ばらしい仲間にめぐり合うことができた今回の台湾大学での研修は、今までの人生の中で
最も貴重な経験のひとつとなりました。
最後になりましたが、このようなすばらしい実習を企画していただいた福岡大学小児科
廣瀬伸一先生、そして引率してくださった吉兼由佳子先生
謝申し上げます。本当にありがとうございました。
友納優子先生に心から深く感
国立台湾大学小児科実習(2010年3月14∼20日)レポート
KI大学5年
M.H.
3月15日(月曜日)
午前中はまず全体のモーニングカンファに参加しました。カンファは英語で行
われていました。国際学会などで発表出来る人材を育てるために、英語でのカ
ンファを週に何回か取り入れているとの事です。その後小児科の一般病棟に移
動してカルテの書き方のレクチャーを受けました。主訴、現病歴から始まり検
査、治療に至る書き方の流れを教わりました。小児科なので出生時の状況、ワ
クチン接種の有無、などの項目が大事であるということも教わりました。
午後には病棟でラウンド(教授回診)がありました。感染症、免疫、神経内科
などの各教授による回診でした。その後一時間程、Drの外来を見学させても
らいました。外来は患者さん多く忙しいみたいで、次の患者さんがすでに診察
室に入っていて、診察室内で待っているという状態でした。診察を受けられて
いる患者さん(小さい子供ばかりでしたが)のプライバシーはあまり守られて
いないという印象を受けました。
3月16日(火曜日)
朝実習させてもらっている病棟だけでのモーニングカンファがあり、インター
ン一年目(=7年生。台湾の医学部は7年生であり、7年生が日本の研修医相
当です)のDrが英語で担当患者さんに関してプレゼンしていました。その後
小児科のER部門で実習を行いました。ERの実習では、軽傷な方が多く受診
されていたので、なぜあまり救急を要さない患者さんが多くERに来るのかと
聞いたところ、ERに受診すれば待ち時間も少ないし、かかる費用も一般外来
受診するのと比べてそれほど高くないからという理由でした。日本の医療事情
と似ているなと感じました。また、大学内にあるOSCEのトレーニング用の
施設も見学させてもらいました。そこの施設では、SPさんとの問診の模様が
モニターに映し出されていて先生がそれをチェックしていました。問診の模様
は録画されているので、学生3,4人と先生で自分たちの問診を見ながらどこ
が悪くて、どこが悪かったのかなどを話し合っていました。自分の大学と比べ
るとOSCEのトレーニング施設が整っていると思いました。
3月17日(水曜日)
心カテ室で拡張型心筋症の手術を受けた2歳の子供の、移植の拒絶の炎症反応
を見る目的での心筋生検の見学をさせてもらいました。その後に、PICU、
NICUも少しの時間ですが見学させてもらいました。
3月18日(木曜日)
94歳のDrからのレクチャーもあり大変興味深かったです。彼の息子さんは
Pompe 病の薬の開発者であり、その開発に至るまでの話が映画化されるのだと
いうことを語っておられたのが印象的でした。MAS、RDSの講義もすごく
分かりやすくてよかったです。木曜日の夜から金曜日の早朝にかけて小児科の
ERで実習をさせてもらいました。0時∼5時半の統計ではER部門全体で4
1人の患者さんが受診されており、そのうち8人が小児科のERにきていまし
た。患者さんが来られたらまずインターン一年目(7年生)が診察し、その後
上級医(小児科5年目ぐらいの人)に相談して検査・治療方針を決めていくと
いう形でした。
3月19(金曜日)
心カテ室でVSDの検査を見学させてもらいました。日本ではまだ実習してい
なかったので、初めてみるカテーテル検査は印象的でした。VSDの thrill も触
れることができ大変勉強になりました。
全体的な感想
台湾語の教科書が少ないので、英語で医学を勉強するしかないということもあ
ると思うのですが、台湾の医師、医学生はみんな英語がすごくよくできる事に
驚きました。ただカルテを英語表記しているため、患者さんやコメディカルの
人がカルテを理解できないという問題点もあり、カルテを台湾語で書くように
しなければいけないという議論もあるそうです。インターン1年目の人たちと
一緒にラウンドに参加したり、講義を受けたり、夜ごはんを食べに行ったり飲
んだりしたので彼らと深く交流ができて、彼らからたくさんの刺激を受け、ま
た多くを学ぶことができたと思います。インターン1年目(医学生7年目で最
終学年)のDrは、卒業したら自分の選んだ専門分野に進む前に2年間(確か
2年間だったと思います)義務として兵役に就かなければならないと言ってい
ました。日本と台湾の国としての違いを強烈に感じました。2年間も行ってい
たら、せっかく身に付けた医学的な知識や技能が抜けてしまわないかと心配に
なりました。せっかく7年間も勉強して、これから医師として活躍するぞとい
う時に兵役に行かなければならないのは精神的にも・肉体的にも大変だろうな
と思いました。自分が研修医終了後に兵役に就かなければいけなかったら、も
のすごく苦労するし、大変だろうなと思いました。
今回の台湾での実習で、勉強に対するやる気はかなり上がったと思います。特
に医学英語をしっかり勉強しようと改めて思いました。今回の台湾での実習で
得た経験を、今後の医学生生活、医師生活に役立てていきたいです。
このような素晴らしい機会を与えて下さった福岡大学小児科医局の方々には大
変感謝しています、本当にありがとうございました。
台湾小児科研修レポート(2010年3月14∼20日)
KA 大学医学部医学科6年
T.D.
●研修出願にさしあたって
海外の小児医療に興味はありましたが実際に自分の眼で見る機会がありませんでした。私
は2つの部活に所属していますが、やはり海外ともなると長期の休みをもらわなければなら
ないため、部の活動に影響が出ること、私が研修に行くことで他の部員の統率がとれなくな
ること等、皆に迷惑をかけることを了解してもらい、研修に申し込ませていただきました。
結果、研修メンバーに選抜されたことを嬉しく思うと同時に、無駄にできない研修だと意気
込みを持って研修に臨みました。
●台湾の印象
私は今回の研修の前に1度だけ中国に行ったことがありましたが、台湾の経済レベルや生
活環境は大きく違うものでした。交通マナーも中国では3車線のところを4車線で走行した
り、クラクションが絶え間なく鳴っていましたが、台湾のそれは、日本に近いものを感じ
ました。ただ、原動機付き自転車(いわゆる原チャ)の利用率が半端なく高かったこと、
原動機付自転車に3人乗りまで暗黙のルールで許されているという点にはカルチャーショ
ックでしたが(笑)。物価も安く、大体日本の半額から7割弱で食品や雑貨が購入できまし
た。
●研修
1.台湾大学小児科の印象
私は当時5年生のカリキュラムを終了したばかりだったので、台湾大学小児科で見たことは
全て K 大学小児科との比較になりました。K 大学は教授が新生児専門ということもあり、比
較的新生児医療には力を入れている大学だと認識していました。しかし、台湾大学小児科の
規模は大き過ぎました。当然、病床数も医師数も外来患者数もです。一度、台湾大学の成人
病棟も見学させていただきましたが、受付や喫茶には人が溢れかえっていました。私は神経
の外来を見学させてもらったのですが、そのときの患者の疾患も珍しいものばかりでした。
2.日本(K 大学)との違い
文化の違いでしょうか、衣食がかなりラフでした。ジーンズ、サンダルは普通で、白衣の前
ボタンもかけず、マント族状態でした。基本的に上級医が長い白衣を着用し、それ以外の医
師はジャケット型の白衣を着用していました。学生もジャケット型です。外来では前の患者
がまだ話しているのに、次の患者を呼び入れたりと、プライバシーはあまり気にしていない
様子が感じられました。
食に関して、小児病棟の地下は食堂や売店になっているのですが、なんとマクドナルドがあ
り、病院内にあってよいものなのかなと疑問に思いましたが、成人病棟の地下には吉野家ま
でありました。
成人病棟は建物自体も大きく、明治初期の駅の様な雰囲気があり、地下は駅ビルのようでし
た。今回の研修で一番最初に目の当たりにした驚いた光景は、カンファレンスでした。カン
ファレンスは全て英語で行われていました。回診も英語でした。後で聞いた話ですが、台湾
には母国語の医学教科書がなく、学生の使うテキストから英語なので、英語が当たり前だそ
うです。大学入試も英会話能力は特に重視されているものらしく、私たちが宿泊したホテル
の周辺に英語やTOEICの予備校が散在していたのが納得できました。どの医師も英語が
話せるようで、英語で質問すれば丁寧に英語で答えてくれました。台湾の学生も回診やカン
ファレンスに参加していました。台湾は医学生は7年間あり、5、6年でポリクリ、7年目は日
本の初期研修医に近い形で給料も受けながらの研修となります。
病棟の雰囲気ですが、日本と比べ明るい雰囲気が感じられました。それが何故かということ
に、途中までは気付きませんでしたが、看護師中心とした医療スタッフが皆大声で病棟内で
会話し、笑い声が飛び交っていたからでした。あくまで私の個人的な見解ですが、日本の医
療スタッフ(特に看護師)は患者には優しく、同じ医療スタッフにはきつい言い方は当たり
前、下っ端新米看護師が大きな声で病棟で笑うなどあり得ないという印象がありますが、そ
れとは180度反対の印象を持ちました。それには日本独特の「定時では仕事は終わらない」
「プライベートを削るのが医療者の道徳」のような考え方が心に余裕をなくしているのかな
と、考えました。一方で、台湾では「17時を目処に仕事を延ばさない」のが普通のようです。
3.意外と普通だったこと
確かに規模が大きく圧倒されたのですが、治療や検査は日本とそれほど変わらないのかなと
思いました。設備に関してですが、さすが日本の東大に値するだけあってオペ室やカテ室は
大きくて綺麗なものでした。オペ室の控室にはソファが並んであり、応接室の様な雰囲気で
した。家族控室もオペ室の横にあり、そこには祈祷室として仏やキリストの像がありました。
カテ室も大きく綺麗な部屋でしたが、設備自体は日本と大差はなかったです。カルテはラボ
データや画像に関しては電子化が進んでいましたが、それ以外は紙カルテでした。紙カルテ
はもちろん英語でした。
7年目の学生が、回診があっても小部屋でサボっていましたが、その点は普通なのか、それ
とも偶然なのかは、触れないことにします(笑)。
●まとめ
台湾の病院での現状を見て日本と比較した結果、今の時代、医療情報はインターネットツ
ールが存在していることを考えると地域差はそれ程ないのではないかと思いました。医療水
準の低い国はあっても、それは社会福祉制度等や薬品使用許可の有無等の行政・法律や内紛
による貧困が問題なのであって、提供できる医療レベルそのものに関しては、同じ環境さえ
確保できれば変わらないのではないかと思いました。
ではなぜ、海外で研修する意味があるのか考えました。
ひとつは海外にしかない手技を手に入れるためで、臨床現場を経験できてない学生には学習
しがたいものです。
もう一つは、現場の医療レベルではなく、これから研究すべき医療についてを考えると、そ
の研究結果は全世界という広い視野の中でニーズを満たさなければならないので、その一つ
のきっかけが「海外での医療現状を見て感じること」であると、今回の研修で感じました。
台湾での英語教育が母国語教科書がないことから仕方なく始まったものなのか、意図的に英
語教育を含めたかったのかわかりませんが、視野を広げるきっかけとして結果的にはプラス
に働いているのがすごいと思います。英語ペラペラな台湾の学生や同伴した日本の学生に比
べ、私が英語が話せないことに対する自分の不甲斐無さが今回の研修の課題ではありました
が、英語が情報発信するよい手段の一つにであることには間違いないでしょう。英語があま
りできなくても医療の現場を見ることができます。
今回、海外へ行く機会を得たお陰で自分自身のこれからの勉学に対する姿勢について考える
きっかけになりました。抽象的ではありますが、将来、臨床医としても、研究者としても幅
の利く医療人になりたいと思います。簡単なことではないですね。承知してます(笑)。
貴重な体験ありがとうございましいた。
台湾大学小児科
臨床研修報告
KA 大学6年
O.A.
【はじめに】
2010 年 2 月 14 日∼2 月 20 日の約1週間、台湾の台湾大学において実習する機会をいただ
きました。異なる国民性、文化の中で実際に経験しなければ分からない感覚は何物にも代
えがたい自己の成長の一歩となりました。このような、大変貴重な機会を与えて下さった
廣瀬伸一先生、同行して下さった吉兼由佳子先生、友納優子先生、今回一緒に実習を行い
支えてくれた仲間たちにまず御礼申し上げます。
【応募理由】
応募理由は 3 つあり、まず、医療に携わる者として他国の医療を知り視野を広げ多くの視
点から国内の医療をみれるようにしたい。つぎに、今後の医療、医師に求められているも
のを他国と比べ意識して残りの学生生活を有意義に使いたい。さいごに、他国の医療の良
いところを見習い吸収したいということです。
【実習内容】
私は主に NICU での実習を行いました。その他、小児神経外来、PICU、心臓カテーテル治
療を見学させて頂きました。その中で印象的だったことを 3 つ挙げます。1 つ目に、指導医
の先生方に対し、研修医の先生方は自分自身で考えた治療方針を的確に伝えることができ、
指導医との話し合いの場が多い点です。日本で私が行ってきた実習と比べると研修医の先
生方の積極性や自主性がとても目立っていました。2 つ目は先生方や学生のほとんどが流暢
な英語でコミュニケーションを取ることが出来る点です。朝の小児科合同カンファレンス
やラウンドの際、英語を用いて行っていました。海外からの留学生を迎える場合や、海外
に勉強に出る場合においても、言語に不自由することなくコミュニケーションを取ること
が可能な点に圧倒されました。3 つ目は低学年から臨床現場に出て実習を行っている点です。
私の大学でも低学年から臨床実習に出ますが、台湾大学と比べると、期間も頻度も少ない
です。早期からの臨床実習への参加により、医師としての自覚を早く形成することができ、
医療現場に貢献するために必要な事を身につけるために多くの時間を費やすことが出来る
と思います。
【最後に】
その国の人の生活、言語、考え方はその国の文化、歴史を知らないと学べません。このよ
うな壁を理解した上で、良医になるために何が必要か、国際的に広い視野を持って学びた
いと思いました。台湾大学での実習の前、私の英語力で何が学べるのだろうか、行っても
何も得られないかもしれないと不安に思いスムーズに進まない準備にストレスを感じるこ
ともありました。しかし、多くの方々の支えにより台湾での1週間を楽しむことができ、
帰国出来たことを嬉しく思います。
今回の実習で私が学んだことは、日本という国や自分自身について考える大きな経験、成
長の一歩となりました。そしてそれを実感できた今、両国の良い点を組み合わせ日本の医
療がより良いものとなる為、日本の医師として自分には何が出来るのかこれから時間をか
け考え、実践していきたいと思います。良医とは、どこの国でも、彼らに会った瞬間分か
り、それらは彼らから染み出る空気であり患者を包み込む空間なのではないかと台湾大学
の先生方、吉兼先生、友納先生との素敵な出会いを通し学びました。そのような一人の人
間となれるようにこれからも考え、行動をしていきたいと思います。
【謝辞】
最後になりましたがもう一度、台湾大学での実習の機会を与えて下さった廣瀬伸一先生、
同行していただき臨床を教えて下さった吉兼由佳子先生、友納優子先生、実習中支えてく
れた仲間たちに心から感謝の意を表したいと思います。ありがとうございました。
(長くなって申し訳ございませんが、補足として付け加えさせてください。)
【現在の活動】
現在、自大学において後輩と協力し『ぬいぐるみ病院』の立ち上げを行っています。
ぬいぐるみ病院とは、IFMSA-Japan(国際医学生連盟
日本) の公衆衛生に関する委員会の
中のプロジェクトの1つです。主な目的は子供の ①医療への不安・恐怖心を緩和するため。
②良い生活習慣の形成を促すため 。に保育園でのお医者さんごっこ、劇による保健教育を
行います。現在、23大学でぬいぐるみ病院の活動が行われています。
将来医師として働く立場として今、学生が小児の臨床現場に少しでも貢献出来る事は何か
と考え現在の活動に至っています。
海外での臨床実習という大変貴重な機会をいただき、たくさんの刺激を受けた事が根源と
なりました。その根源をもとに残りの学生生活を後輩や仲間たちと供に協力し合い、有意
義に使いたいと考えております。
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