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女性にとって、妊娠・出産や育児は大きな出来事です。 このとても嬉しい

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女性にとって、妊娠・出産や育児は大きな出来事です。 このとても嬉しい
女性にとって、妊娠・出産や育児は大きな出来事です。
このとても嬉しい出来事の一方で、生活の変化や妊娠・出産による体の
変化が、こころのストレスをもたらす時期でもあります。
お母さん方の中には、出産後に気分が落ち込んだり、育児に不安を感じ
たり、家事と育児が両立しないで、イライラしたり、自信が無くなった
りする程度が、とても強い方がいることがわかりました。
これは決してまれなことではありません。
そんなお母さんの「こころ」と「からだ」の変化について説明いたしま
す。
女性にとって妊娠・出産や育児は大きな出来事です。この大変喜ばしい
出来事の一方で生活の変化や妊娠・出産による体の変化が、心のストレ
スをもたらす時期でもあります。
妊娠中の変化は、ホルモンが変化によって、生理的にも精神的にも不安
定な時期になります。
この対処方法として、
妊娠中には・・・
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出産することによって、生活が変化することを知っておきましょう。
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夫婦関係も変わるのでご主人と話し合っておきましょう。
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同じようにお母さんになる仲間をつくりましょう。
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そして「母親」になることへの戸惑いがあるのも自然なことです。
まずは、お母さんになった自分を想像してみましょう。
妊娠は、ホルモンが変化しますので、2割近くの方がうつを発症すると
いわれています。
たとえば、100人いれば約20名の方にうつ傾向がみられるというこ
とです。
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出産後は、体の生理的な変化もあり、お産に伴う変化が起こります。
その変化は、母としての役割の変化だけではなく、身体的な変化もあり
ます。
産前、元気だからといって、【クリック】産後も元気とは限りません。
体の変化や役割の変化で、【クリック】体調が悪くなることや気分がす
ぐれないこともあるのです。
育児や家事のことが心配でも、まずは自分の体の状態や気分の変化につ
いて自分自身でも問いかけてみましょう。
自分の心や体の状態に気をつける事はとても大切なことです。
出産後には、しばらくはホルモンの変化が続き、妊娠前の状態に戻るに
はしばらく時間がかかります。
【クリック】疲れやすかったり、些細なことで気持ちが揺らぎやすく
なったりします。
【クリック】そこに育児という今まで経験したことのない日常が加わっ
て、ストレスがたまりやすい時期でもあります。
心のサインの原因
・育児が開始されて初めての体験で緊張したり、過敏になったりするこ
とによる
・母乳開始などで戸惑ったり、慣れないことによる
体のサインの原因
・出産時の膨大なエネルギー消費の結果、疲労感、体力の消耗による
・出産時の急激な母体内の変化、ホルモンの変化による
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マタニティブルーというのを聞いた事はあるでしょうか。
これは、出産後から1週間以内に、出産後の女性の3割にみられる一過
性の心の症状で、涙もろくなったり、憂うつ、不安になったり、集中力
が無く忘れっぽかったりすることです。
普通は数時間から長くても1日から2日でおさまります。
→このマタニティブルーの症状は自然によくなり、普通は治療の必要が
ありません。
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マタニティーブルーは自然によくなるので治療はいりませんが、症状が
2週間以上続く場合は産後うつ病のことがあります。
産後うつ病は、無事に出産したけれども、何故か些細なことで涙ぐんだ
り、気持ちが沈むなどのうつ的な感じが強くなってきます。また何でも
悪い事は自分のせいにしたり、不安やイライラが強くなったり、動悸や
息切れの体の症状が出てきたりと、このような「こころ」と「からだ」
の症状が2週間以上続き、育児と家事に支障をきたすようになったりす
る場合には産後うつ病を疑います。
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周囲から「気持ちの持ちようだ」「怠けている」と言われたりして理解
が得られないことも多く、自分でも病気だと思わない事もあります。
このような時には、まずは家族に協力をもとめてゆっくりと休むこと。
一人で悩まずに、早めにかかりつけの産婦人科の先生や助産師に相談ま
たは受診して、治療を受けることをお勧めします。
また、各自治体の育児相談を活用しましょう。
産後うつ病を乗り切るには「自分自身の気持ちの持ち方を工夫する」
「周りの人たちの適切な支え」「治療の上手な活用」がとても大切です。
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育児はマニュアル通りにはいかず、子供はみんな発達と成長の仕方が違
います。完璧なお母さんを目指さずに、ほどよく手抜きをして、長続き
のする無理のない育児を目指しましょう。
誰かに自分の気持ちを相談し・・・その相手は実家のお母さんやご主人
、姉妹や友人や同じくらいの子供さんを持つお母さんなど話しやすい人
でいいでしょう。
それでも不安な気持ちや落ち込みが続くような時には、医師などの病
院のスタッフや地域の保健師に相談をしましょう。
診断についてよく使われているのはG.Stein (J.Psychosom.Res
24:165,1980) の自己評価表です。
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診断についてよく使われているのはエジンバラ産後うつ調査票
(J.L.Cox,et.al:Br.J..Psychiatry 150;782,1982 )です。今日一日だ
けではなく,過去7日間の状況について確認し9点以上で疑い,13点
以上を産後うつとしています。
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自分で出来る事は、大変だな、困ったなと思ったときは、誰かに話して
みることです。
頭の中で考えていることは、言葉で表現することで整理されます。また、
自分の考え方が偏っている場合、聞いている相手が気付いたり、自分の
中にはなかったアイディアや解決の糸口が見つかるきっかけにもなるか
もしれません。
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産後の育児の悩みや心の揺れは、母親本人の努力で回復するものではあ
りません。
こうした問題は、身体的病気と何ら変わらず、適切な治療をすると治る
という理解が必要です。
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また、周りで出来る事は、夜間の授乳やオムツ替えなど家族に手伝ってあ
げることが可能であれば手伝って、少しでも心身の負担を減らすことが
大切です。
また、泣きたかったら泣かす・励まさずに話を聞く、必要があれば睡眠
薬・鎮痛剤等の薬での治療が必要な事を理解し、2週間以上重い症状が
長引く時には産婦人科や、心療内科の受診を勧めてあげることも大切で
す。
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産後うつへの対処として、「気のもち方を工夫する」とありました。
これについて、詳しくお話します。
「気のもち方を工夫する」方法として、3つの方法を提案します。
一つ一つの方法については、次のスライドから詳しく説明しますが、
これらの方法に共通していることは、「ものの見方や受け取り方を変え
ること」です。
不安なときは、辛い気持ちばかりに目が向きがちで、本当の問題を見
失っていることがあります。
そんなときはひと休みして、少し離れた視点からもう一度自分に、何が
問題なのかと問いただしてみましょう。
すると意外と簡単に解決の糸口が見えてくることがあります。
【以降スライド
ストレス編から引用】
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5つのコラム法について
物事の捉え方によって、精神的な負担には違いが出てきます。
例えば、否定的な物の考え方や受け取り方ばかりしていると、だんだん
落ち込んで辛くなってきます。
この認知の仕方をより現実的で柔軟なものにしていけば、気持ちがだい
ぶ楽になります。
そのための方法の一つに、コラム法があります。
この表のように、5つの項目について書き出していく方法です。
これを繰り返していけば、悲観的な思考パターンから柔軟な考え方へと
身についていきます。
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これは、コラム法で赤ちゃんが泣きやまないことについて書き出した例
です。
考え方のくせは自分では気付きにくく、頭の中で考えるだけでは堂々め
ぐりになりやすいです。
すぐに解決できないことも多いかもしれませんが、実際に書き出して見
ると、客観的に振り返る助けになります。
一人では難しい場合は家族など、身近な人の助けを借りてやってみま
しょう。
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実際に体験してみると、より分かりやすいと思います。
自分が辛い気持になったときのことを振り返ってみましょう。
(5分程度時間を設ける)
いかかでしたか?
このように考え方を変えてみると、ものの見方や考え方を前向きで柔軟
なものにすることができます。
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この問題解決技法は、コントロール感覚を回復させることに役立ちます。
自分をコントロールしているのは自分ではないという感覚のまま行動し
ていると、
不安になったり、仕事や時間に追われているような気になるものです。
問題が解決できないことによってさらにストレスが高まり、自信をなく
してますます混乱して
問題解決も滞る、悪循環になりがちです。
そんな時に試してみたいのが、問題解決技法です。書き出して客観視に
振り返り、解決の糸口を探しましょう。
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これは新米ママさんが活用した例です。
この例だと「日中の育児」という問題のため漠然としていますが、日中
の育児で一番大変なことは何かを更に具体的に考えると、より細かい解
決法を探してピンポイントで実行できます。
私たちは、好きなことに夢中で取り組んだり、自分から次々と何かを追
い求めたりしているときにはかなり頑張りがききますが、状況に振り回
されている、達成感が持てないなどと感じるようになると、辛い気持ち
が増してきます。
コントロール感覚を取り戻すには、いま自分が直面している問題を明ら
かにし、解決策を考え、実行するといったプロセスを、なるべく具体的
にたどってみることが役立ちます。
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こころが弱っている時は、問題を解決できずつらいことですね。解決で
きないことによってさらにストレスが高まり、
自信をなくしてますます混乱して問題解決も滞る、悪循環になりがちで
す。
そんな時に試してみたいのが、問題解決技法です。書き出して客観視に
振り返り、解決の糸口を探しましょう。
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大変だな、困ったなと思ったときは、誰かに話してみましょう。
頭の中で考えていることは、言葉で表現することで整理されます。また、
自分の考え方が偏っている場合、聞いている相手が気付いたり、自分の
中にはなかったアイディアや解決の糸口が見つかるきっかけにもなるか
もしれません。
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産後の育児の悩みや心の揺れは、母親の個人的な問題から生じることで
はありません。母親本人の努力で回復するものではありません。こうし
た問題は、身体的病気と何ら変わらず、適切な治療をすると治るという
理解が必要です。どうぞ受容的な態度で、ママと赤ちゃんを見守ってく
ださい。
対応としては,夜間の授乳やオムツ替えなど家族に援助が依頼できる
のであれば心身の負担軽減できるように調整を図ったり,泣きたかった
ら泣かす・励まさずに話を聞く,必要があれば睡眠薬・鎮痛剤等で対症
療法を行うことがあげられます。
積極的に精神科治療を行うことはさほど多くありませんが,産後うつ
への移行が5%程度あるとされることもあり2週間以上長引いたり,症
状が重くなるようなら精神科医への紹介のタイミングを失しないように
しましょう。
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産後の育児の悩みや心の揺れは、母親の個人的な問題から生じることで
はありません。母親本人の努力で回復するものではありません。こうし
た問題は、身体的病気と何ら変わらず、適切な治療をすると治るという
理解が必要です。どうぞ受容的な態度で、ママと赤ちゃんを見守ってく
ださい。
対応としては,夜間の授乳やオムツ替えなど家族に援助が依頼できる
のであれば心身の負担軽減できるように調整を図ったり,泣きたかった
ら泣かす・励まさずに話を聞く,必要があれば睡眠薬・鎮痛剤等で対症
療法を行うことがあげられます。
積極的に精神科治療を行うことはさほど多くありませんが,産後うつ
への移行が5%程度あるとされることもあり2週間以上長引いたり,症
状が重くなるようなら精神科医への紹介のタイミングを失しないように
しましょう。
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