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研修会資料1(GCP省令について) (PDFファイル)

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研修会資料1(GCP省令について) (PDFファイル)
National Cancer Center Hospital
医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令
(GCP省令)について
国立がん研究センター中央病院
治験管理室
後澤 乃扶子
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
1
National Cancer Center Hospital
本日のお話
• 新しいお薬ができるまで
• 治験とGood Clinical Practice
• 治験の倫理性を考える
• 治験の信頼性を考える
• おわりに
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
2
National Cancer Center Hospital
新しい薬の誕生のきっかけ(アカデミア編)
• それは、医療の向上を目指す医師のあくなき欲求から始
まった…
何とかしてこの患者
を助けたい
でも、治療薬がない…
あの薬が効くらしい…
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
3
National Cancer Center Hospital
新しい薬の誕生のきっかけ(企業編)
この物質
物になるかな?
あの病気の
患者さんたちを
救えるかも・・・
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
4
National Cancer Center Hospital
日本の保険医療制度の特徴
言わずもがなですが…
• 国民皆保険制度
– すべての国民が公的健康保険に加入
• フリーアクセス
– 自らの意思により、自由に医療機関を選ぶことがで
きる。
保険医療機関及び保険医療養担当規則(省令)
第18条
(特殊療法等の禁止)
保険医は、特殊な療法又は新しい療法等については、
厚生労働大臣の定めるもののほか行つてはならない。
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
5
National Cancer Center Hospital
健康保険制度上の原則
日本の健康保険制度の原則…
有効性・安全性が認められた診療行為や
医薬品*等に対して保険適応が認められる。
*
薬事承認され、薬価基準に収載されているもの
しかし、実際には原則どおりに行かないことも多くあり、
ある診療行為や投薬等において、
保険適用のものと保険適用外のものが混在してしまった場合を
いわゆる「混合診療」という。
原則、保険適用が認められている部分も、保険が適用されず**、
全額自費診療となる。
**一部例外的に、その一部の保険償還が認められる制度がある
= 保険外併用療養費制度
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
6
National Cancer Center Hospital
健康保険法の壁
全額自費・・・
いったい
いくらかかるんだ!
1st. Dec. 2013
せっ先生(ToT)/~~~
広島県主催
「CRC研修会」
7
National Cancer Center Hospital
薬事法の原則
未承認の医薬品の流通規制
<販売、授与等の禁止>
薬事法第五十五条
第五十条から前条までの規定に触れる医薬品は、販売し、授
与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列
してはならない。
2 ・・・第十四条第一項・・・の規定に違反して製造販売
をされた医薬品についても、前項と同様とする。
第十四条
医薬品・・・の製造販売をしようとする者は、品目
ごとにその製造販売についての厚生労働大臣の承認を受けなけれ
ばならない。
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
8
National Cancer Center Hospital
未承認・適応外薬使用時の「薬事法の壁」
• 薬剤の入手
・・・(T_T)
薬はどこから
もらえばいいか?
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
9
National Cancer Center Hospital
製薬企業への規制
あのお薬、
この病気の患者さんの
治療に使いたいので、
譲ってください。
じゃ、厚生労働大臣の
承認とって!
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
10
National Cancer Center Hospital
患者を救うために!
患者のニーズ
薬事法上未承認・適応外の医薬品・医療機器を使用しており、
一般的な治療法として確立していない医療技術についても、
迅速に、安全で安価に受けたいという願いがある。
制度の壁
薬事規制
医療保険制度
薬事法上、未承認・適応外の医薬
品・医療機器について、その有効
性、安全性等が十分確認されてい
ないことから、その販売・授与を
認めていない。
医療保険制度においても、新たな
治療法が医療保険の対象となるた
めには、その治療法が安全性、有
効性等を有していると認められる
ことが必要である。
製造販売承認
保険収載
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
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National Cancer Center Hospital
新しいお薬が臨床現場で使えるまで
験
3‐7年
5‐8年
1st. Dec. 2013
第
Ⅱ
相
試
験
有効性?
安全性△
第
Ⅲ
相
試
験
有効性△
安全性○
有効性○
安全性○
薬事承認
非臨床研究
基礎研究
動物での
安全性△
第
Ⅰ
相
試
験
原則60日
遅くても90日
有効性◎
安全性◎
薬価収載・保険診療で使用開始
治
ヒトを対象とした研究
広島県主催
「CRC研修会」
12
National Cancer Center Hospital
本日のお話
• 新しいお薬ができるまで
• 治験とGood Clinical Practice
• 治験の倫理性を考える
• 治験の信頼性を考える
• おわりに
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
13
National Cancer Center Hospital
治験とは?
薬事法第二条第15項
この法律で「治験」とは、第十四条第三項の規定により提出すべ
き資料のうち臨床試験の試験成績に関する資料の収集を目的とする
試験の実施をいう。
第十四条第三項 第一項の承認を受けようとする者は、厚生労働省令
で定めるところにより、申請書に臨床試験の試験成績に関する資料そ
の他の資料を添付して申請しなければならない。この場合におい
て、・・・当該資料は、 厚生労働大臣の定める基準に従つて収集され、
かつ、作成されたものでなければならない。
医学系研究
ヒトを対象
臨床研究
症例研究
疫学研究
観察研究
1st. Dec. 2013
臨床試験
比較試験
広島県主催
「CRC研修会」
治 験
14
National Cancer Center Hospital
【参考】日本における臨床研究をめぐる倫理規範
医薬品・医療機器の承認申請を
目的としているか?
Yes
No
治験以外の臨床研究
ヒト幹細胞
研究
ヒト幹細胞
を用いる
臨床研究に
関する
指針
遺伝子治療
研究
遺伝子治療
臨床研究に
関する指針
治
遺伝子解析
研究
疫学研究
その他の
臨床研究
ヒトゲノム・
遺伝子解析
研究に
関する
倫理指針
疫学研究に
関する
倫理指針
臨床研究に
関する倫理
指針
※
医師が実施す
ることも可能
薬事法※
医薬品GCP
医療機器GCP
告示
医師主導(主として
1st. Dec. 2013
省令
臨床研究)
広島県主催
験※
企業主導(治験)
「CRC研修会」
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National Cancer Center Hospital
GCP策定の経緯と医師主導治験の誕生
1989年
医薬品の臨床試験の実施に関する基準(局長通知)
1990年
ICH(日米EU医薬品規制調和国際会議)創設
日米EU間で、新医薬品の承認審査資料関連規制の整合性を図る目的
データの相互利用、不必要な試験の繰り返し防止、承認審査の迅速化
→ 優れた新医薬品をより早く患者の手元に届ける
1996年
ICH‐GCP最終合意
薬事法改正
1997年
医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP省令)制定
薬事法の承認申請を目的とした企業依頼治験のみが対象
2002年
薬事法改正
2003年
GCP省令改正
医師主導治験の実施が可能に
2012年
GCP省令改正・GCP通知 → ガイダンス
治験の実施の効率化のため
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
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National Cancer Center Hospital
ICH
• International Conference on Harmonization of
Technical Requirements of Registration for
Development of Pharmaceuticals for Human
Use
• 日米EU医薬品規制調和国際会議
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
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National Cancer Center Hospital
ICHは何のため?
• 目的と意義
– 新医薬品の承認審査資料関連規制の整合化
– データの国際的な相互受け入れを実現
– 不必要な試験の繰り返しの防止(臨床試験も動物実験も)
– 承認審査の迅速化
– 研究開発の促進
優れた新医薬品を
より早く患者の手元に届ける
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
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National Cancer Center Hospital
ICH‐GCP
序文
• ICH‐GCP(Good Clinical Practice):INTRODUCTION
– 人を対象とする試験の計画、実施、記録及び報告に関し、その倫
理的、科学的な質を確保するための国際的な基準。
– 本基準を順守することによって、被験者の権利、安全及び福祉が
ヘルシンキ宣言に基づく原則に沿った形で保護されること、また
臨床試験(治験)データが信頼できることが公に保障される。
– 三極間での臨床試験データの相互受け入れを促進するため統一基
準を提供することを目的としている。
– 三極に加え、オーストラリア、カナダ、北欧諸国及びWHOの現行
GCPを考慮に入れて作成したもの。
– 規制当局に提出する臨床試験データを作成する際に従うべきもの。
– 被験者の安全及び福祉に影響を及ぼしうる他の臨床研究にも適用
され得る。
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
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National Cancer Center Hospital
日本におけるGCP
「医薬品の臨床試験の実施の基準」に関する省令
(平成 9 年 3 月 27 日 厚生省令第 28 号)
最終改正:平成 24 年 12 月 28 日 厚生労働省令第 161 号
第1条(趣旨)
この省令は、被験者の人権の保護、安全の保持及び福祉の向上を図り、
治験の科学的な質及び成績の信頼性を確保するため、薬事法・・・に
規定する厚生労働省令で定める基準を定めるものとする。
<薬事法>
第八十条の二
治験の依頼をしようとする者は、治験を依頼するに当たつて
は、厚生労働省令で定める基準に従つてこれを行わなければならない。
4
治験の依頼を受けた者又は自ら治験を実施しようとする者は、厚生労働
省令で定める基準に従つて、治験をしなければならない。
5
治験の依頼をした者は、厚生労働省令で定める基準に従つて、治験を管
理しなければならない。
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
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National Cancer Center Hospital
本日のお話
• 新しいお薬ができるまで
• 治験とGood Clinical Practice
• 治験の倫理性を考える
• 治験の信頼性を考える
• おわりに
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
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National Cancer Center Hospital
倫理とは
• デジタル大辞泉
人として守り行うべき道。善悪・正邪の判断において普遍的な規
準となるもの。道徳。モラル
なぜ、治験に倫理が必要か?
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
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National Cancer Center Hospital
過去の歴史から学ぶ
第二次世界大戦中にナチス・ドイツが、各強制収容所の囚人を対象
に残虐かつ非人道的な人体実験を行った。
戦後、ドイツのニュルンベルクにて、その罪を裁いた裁判「ニュル
ンベルク裁判」が開かれた。
(Emanuel EJ et al. Ethical and Regulatory Aspects of Clinical Research)
<人体実験の例>
– 超高度実験:
1st. Dec. 2013
高度20,000mに該当する低気圧にさらす実験、
約80名が死亡
– 低体温実験:
低体温状態に陥った人間を蘇生させる実験、
約90名が死亡
– マラリア実験 :
1,000名をマラリアに感染させ、予防薬や治療
薬の実験を実施
300~400名が死亡
– 断種実験:
多数の人間に断種可能な方法を検討する実験、
数千名がX線や薬剤で不妊となり、副作用で苦し
んだ。
広島県主催
「CRC研修会」
23
National Cancer Center Hospital
ニュルンベルク綱領 (Nuremberg Code)の制定
•
1947年8月 判決
「今回の人体実験という行為は、諸国家の基本原則に反して行われ、
それも文明人に、公的良心や人権に背いて行われた、まさにその結
果である」
•
この判決に基づき、ナチスの人体実験に対する反省を踏まえ、 1947
年、人体を用いて試験を行う際に遵守すべき十項目の基本原則を定
めた 「ニュルンベルク綱領」が制定された。
被験者の自発的同意が本質的に絶対に必要
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
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National Cancer Center Hospital
ヘルシンキ宣言(Declaration of Helsinki)の制定
• 「ニュルンベルク倫理綱領」採択後、世界医師会は、ドイツのナチ
スが犯した医療犯罪を憂慮して、医療における人道的目標に向けて
の医師の奉仕的宣言として最初の重要な宣言として1948年に「ジュ
ネーブ宣言」を採択。
• その後、一部修正されたのち、1964年にヘルシンキで開催された第
18回世界医師会総会において、「ヘルシンキ宣言」が採択された。
• その後、これまでに9回の改定を経て、2013年10月にブラジルで開催
された世界医師会総会において採択された改訂版が最新版。
2008年ソウル改訂版 日本医師会HPよりダウンロード可能
http://dl.med.or.jp/dl‐med/wma/helsinki2008j.pdf
医学の進歩は、
最終的に人間を対象とする研究を要する
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
25
National Cancer Center Hospital
それでもなお・・・
<米国における臨床研究の歴史>
•
米国の医学研究は、戦争により政府による大規模な国家プロジェク
トに発展
– 前線の兵士のための囚人を対象とした実験
(イリノイ州の刑務所での蚊によりマラリアを感染させ、治療
薬を試す実験など)
•
ニュルンベルグ綱領、ヘルシンキ宣言の策定とも並行して非倫理的
な研究が実施されていた
•
1966年
1st. Dec. 2013
Harvard大医学部教授Beecher HKによる
1950~60年代実施の22例の非倫理的研究報告
(N Engl J Med 274:1354, 1966)
広島県主催
「CRC研修会」
26
National Cancer Center Hospital
非倫理的人体実験からの学び
ウィローブルック肝炎研究、タスキギー梅毒研究が報道され、医学研究に
対する世論の批判が活発化
•
1974年 米厚生省(現DHHS)が資金援助する臨床研究に対する国家研究規制
法 National Research Act成立
→生物医学・行動研究における被験者保護のための国家委員会の設置、
IRB(Institutional Review Board)設置義務など
•
1978年 Belmont Report
(生物医学および行動科学研究の被験者保護のための国家委員会による報告)
→研究における被験者保護のための倫理原則とガイドライン
A. 診療と研究の境界
B. 基本的倫理原則
1. respect for persons 人格の尊重
2. beneficence 善行
3. justice 正義
C. 適用
1. インフォームド・コンセント
2. リスク・ベネフィット評価
3. 被験者の選択
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
27
National Cancer Center Hospital
ヒトがヒトを対象として研究を実施するということ
• 医学の進歩のためには…
最終的に人間を対象とする研究を要するもの
(ヘルシンキ宣言
世界医師会)
では、どうやるか?
• 正しい知識を得るために、正しい方法(正しく結論を
導き出せる方法)で、臨床研究が行われなければなら
ない
⇒臨床研究の科学性
• 少数の個人が他人あるいは社会の利益のために、
研究の被験者として負担/リスクを背負わされる
(搾取の可能性)
⇒倫理的配慮が必要
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
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National Cancer Center Hospital
本日のお話
• 新しいお薬ができるまで
• 治験とGood Clinical Practice
• 治験の倫理性を考える
• 治験の信頼性を考える
• おわりに
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
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National Cancer Center Hospital
フツーの人の視点で考える…
信頼性の高い治験とは?
2.治験(臨床試験)について
国立がん研究センターでは、よりよい医療を提供するとともに、新し
い治療法や診断法などを開発する研究を行っています。そのような研究
の中でも患者さんに参加していただいて、新薬や新しい治療法の効果や
安全性を調べる試験を「臨床試験」といいます。中でも、厚生労働省
の承認を得るための成績を集める試験であって、承認前の薬の
有効性や安全性を調べたり、既に承認済みの薬について新たな
適応症や用法・用量の有効性や安全性を調べる試験を「治験」
といいます。
(国立がんセンターの治験のICFテンプレートより抜粋)
つまり、厚生労働大臣が、
その薬の「有効性」や「安全性」に
自信を持って、
国民のために判を押せる
ということ…
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
30
National Cancer Center Hospital
信頼性の「高い」臨床試験とは?
• 「高さ」の測り方
ものさしは?
基準は?
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
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National Cancer Center Hospital
医薬品の臨床試験の実施の基準:GCP
±2SDは?
GCP
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
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National Cancer Center Hospital
GCPの構成
①
第一章 総則
第1条
第2条
第3条
趣旨
定義
承認審査資料の基準
第二章 治験の準備に関する基準
第一節 治験の依頼をしようとする者による治験の準備に関する基準
第4条 ~15条 治験実施計画書、治験薬概要書 等
第二節 自ら治験を実施しようとする者による治験の準備に関する基準
(略)
第三章 治験の管理に関する基準
第一節 治験依頼者による治験の管理に関する基準
第16 条~26条 副作用情報等、モニタリングの実施、監査
第二節 自ら治験を実施する者による治験の管理に関する基準
(略)
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
等
33
National Cancer Center Hospital
GCPの構成
②
第四章 治験を行う基準
第一節 治験審査委員会
第27 条~34条 治験審査委員会の設置、構成、記録の保存 等
第二節 実施医療機関
第35 条~41条 実施医療機関の要件、実施医療機関の長、記録の保存
第三節 治験責任医師
第42 条~49条 治験責任医師の要件、治験分担医師 等
第四節 被験者の同意
第50 条~55条 文書による説明と同意の取得、説明文書 等
等
第五章 再審査等の資料の基準
第六章 治験の依頼等の基準
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
34
National Cancer Center Hospital
治験の始まり~終わりまでの基準
治験実施医療機関
治験審査委員会
の審査
治験依頼者
(製薬企業等)
説明同意文書
作成
治験の依頼
機関長への申請
関係部門への説明調整
監査
試験の
品質保証
被験者選定
インフォームド・コンセント
選択・除外基準Checkモニタリング
症例登録
1st. Dec. 2013
申請資料(総括報告書)作成
試験の
品質管理
原資料整備
(記録)
治験薬投与
診察・検査
申請
症例報告書
作成・入力
電子化/解析
有害事象観察
広島県主催
「CRC研修会」
35
National Cancer Center Hospital
治験実施医療機関の長の責務 GCP第30・36条等
実施・継続の可否を決定
各医療機関の
治験審査委員会
申請
または、
可否を通知
治験実施
医療機関の長
どちらの委員会に意見を聴くかは、
治験実施医療機関の長が選択
↓
これら治験の実施に関連する業務
について、「手順書」を制定
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
中央治験審査委員会
36
National Cancer Center Hospital
治験審査委員会の構成等 GCP第28条
• 治験について「倫理的」及び「科学的観点」から十分に
審議
• 5 名以上の委員から構成
• 「医学」「歯学」「薬学」その他の「医療」又は「臨床
試験に関する専門的知識を有する者」以外の者
• 実施医療機関と利害関係を有しない者
• 治験審査委員会の設置者と利害関係を有しない者
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
37
National Cancer Center Hospital
説明文書の記載事項 GCP第50条
1. 当該治験が試験を目的とするもの
である旨
2. 治験の目的
3. 治験責任医師の氏名、職名及び連
絡先
4. 治験の方法
5. 予測される治験薬による被験者の
心身の健康に対する利益(当該利
益が見込まれない場合はその旨)
及び予測される被験者に対する不
利益
6. 他の治療方法に関する事項
7. 治験に参加する期間
8. 治験の参加を何時でも取りやめる
ことができる旨
9. 治験に参加しないこと、又は参加
を取りやめることにより被験者が
不利益な取扱いを受けない旨
1st. Dec. 2013
広島県主催
10. 被験者の秘密が保全されることを
条件に、モニター、監査担当者及
び治験審査委員会等が原資料を閲
覧できる旨
11. 被験者に係る秘密が保全される旨
12. 健康被害が発生した場合における
実施医療機関の連絡先
13. 健康被害が発生した場合に必要な
治療が行われる旨
14. 健康被害の補償に関する事項
15. 当該治験の適否等について調査審
議を行う治験審査委員会の種類、
各治験審査委員会において調査審
議を行う事項その他当該治験に係
る治験審査委員会に関する事項
16. 当該治験に係る必要な事項
「CRC研修会」
38
National Cancer Center Hospital
治験で得られるデータの信頼性確保
GCP省令
第2条(定義)
18 この省令において「モニタリング」とは、治験が適正に行われる
ことを確保するため、治験の進捗状況並びに治験がこの省令及び
治験の計画書に従って行われているかどうか について治験の
依頼をした者が実施医療機関に対して行う調査が実施医療機関に
対して特定の者を指定して行わせる調査をいう。
GCP省令 第21条
2 前項の規定によりモニタリングを実施する場合には、実施医療機関に
おいて実地に行わなければならない。ただし、他の方法により十分にモ
ニタリングを実施することができる場合には、この限りではない。
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
39
National Cancer Center Hospital
モニタリングの方法
GCPガイダンス
第21条
5 治験依頼者は、モニターが実施医療機関及び治験の実施に係るそ
の他の施設を訪問し、原資料を直接閲覧すること等により治験が適
切にモニタリングされていることを保証すること。また、治験の目
的、デザイン、盲検性、被験者に対する危険性のレベル、規模及び
エンドポイント、当該実施医療機関及び治験の実施に係るその他の
施設における実績等を考慮してモニタリングの適切な範囲及び方法
を決定することとし、臨床研究中核病院等が当該実施医療機関及び
その他の施設において治験の実施(データの信頼性保証を含む。)
を適切に管理することができる場合においては、必ずしもすべての
治験データ等について原資料との照合等の実施を求めるものでは
ないこと。(リスクに基づくモニタリング)
直接閲覧:原資料等に直接アクセスすること。
SDV:原資料と省令報告書に記載されたデータを照合し、
データが正しいことを担保すること。
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
40
National Cancer Center Hospital
医療機関が行う品質管理行動
事務連絡
平成25年7月1日
各都道府県衛生主管部(局)
御中
・リスクに基づくモニタリング及びSDV手法を適用する際には、
、
治験の品質確保のため、治験責任医師、分担医師、臨床研究
厚生労働省医薬食品局審査管理課
コーディネーター等の関係者が、本手法の目的及び手続きにつ
いて十分に理解していることが必要である。その上で、医療機
リスクに基づくモニタリングに関する基本的考え方について
関において正確な症例報告書の作成等の責務が自らにあること
を、関係者が自覚して行動することが求められる。
・治験実施医療機関においては、治験のプロセス管理に重点を
置いて、正確な症例報告書が作成されるための適切な方策が実
施されていることが必要である。
例えば、治験に関連して医療機関で収集されるデータを適切に
管理するために、通常でも診療録に記録が残される事項(情
報)と治験のために特別に記録を残すべき事項が明確に区別さ
れ、双方を適切に記録に残すためのルールと体制が確立してい
ること等が考えられる。
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
41
National Cancer Center Hospital
正確な症例報告書が作成されるための適切な方策
【日本】申請資料の信頼性の基準(薬事法施行規則第43条)
– 正確性
– 完全性 / 網羅性
– 保存性
【米国】FDA Field Investigators to Determine GCP Compliance for
Clinical Site Source Documentation
– Attributable:
責任の所在(記載者)が明確
– Legible:
判読可能
– Contemporaneous: 同時性、データ発生/確認時に同時に記録
– Original:
原本、転記されていない最初に記載されたもの
– Accurate:
正確性
【EU】EMA/INS/GCP/454280/2010 GCP Inspectors Working Group
ALCOAに加え、
– Complete:
完結している。
– Consistent:
矛盾がない。
– Enduring:
永続的である。
– Available when needed:必要時に取り出せる。
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
42
National Cancer Center Hospital
モニタリングの対象
• GCP省令及び計画書に基づき行われているかどうか
を調査する(医療機関に対して)
‐
人権の保護
‐
安全の保持
How ?
実地で確認?
‐
福祉の向上
‐
科学的な質
‐
成績の信頼性
1st. Dec. 2013
インフォームド・コンセント
健康被害の補償の措置
個人情報の保護
etc
計画書に規定された
・デザイン
・評価
・臨床検査/画像診断…
安全性情報の報告・伝達・解析 etc
他の方法で
確認?
計画書の遵守
実施の記録・保存
広島県主催
「CRC研修会」
43
National Cancer Center Hospital
本日のお話
• 新しいお薬ができるまで
• 治験とGood Clinical Practice
• 治験の倫理性を考える
• 治験の信頼性を考える
• おわりに
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
44
National Cancer Center Hospital
でも、どうやって?
治験の質?
1st. Dec. 2013
広島県主催
GCP遵守?
「CRC研修会」
45
National Cancer Center Hospital
規制緩和で問われる現場の力量
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
46
National Cancer Center Hospital
一日も早く新しい薬を患者さんへ!
• 手段が目的化することの無いよう
GCPの言わんとしている
ことを考えて、それぞれの
現場に即した方法を作り出す
ことが一番の近道
• 方法はひとつだけではありません。
知恵を絞って、楽にお仕事
しましょ。
Let’s 断捨離
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
47
National Cancer Center Hospital
当たり前のことを粛々と。難しく考えず、シンプルに・・・
1日も早く、
新しい薬を患者さんに届けましょう!
ご清聴ありがとうございました
1st. Dec. 2013
広島県主催
「CRC研修会」
48
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