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看護学生の認知する臨地実習での効果的・非効果的な指導者

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看護学生の認知する臨地実習での効果的・非効果的な指導者
生命健康科学研究所紀要 Vol7 (2010)
研究報告
看護学生の認知する臨地実習での効果的・非効果的な指導者の関わり
山田知子,堀井直子,近藤暁子,渋谷菜穂子,大橋幸美,上田ゆみこ,江尻晴美,丸山尚子,
足立はるゑ
中部大学生命健康科学部保健看護学科
要
旨
【目的】
目的】本研究の目的は,臨地実習における教員や臨地実習指導者のどのような言葉や態度が学生の成長
を助ける若しくは妨げになるかについて明らかにし,よりよい実習指導に向けた示唆を得ることである。
【方法】
方法】本学科 4 年生(1 期生)を対象に①こんな指導を受けて自分が成長したと感じた指導者の言葉,態
度,②こんな指導はやめてほしいと感じた指導者の言葉,態度について自記式質問紙調査を実施し
(n=69;回収率 90.8%),質的帰納的に分析を行った。
【結果】
結果】学生の成長を助ける指導者の関わりとして,【意欲を高める言葉と態度】,【思考と実践を高める教
授技術】の 2 つのカテゴリーが導きだされた。【意欲を高める言葉と態度】は,『学生の士気を高める』,『学
生の心情の受容』,『学生の自主性の尊重』,『熱心な指導』の 4 サブカテゴリー,【思考と実践を高める教
授技術】は,『わかりやすい指導技術』,『考えを導く指導』,『学習環境の調整』,『適切な評価』の 4 サブカ
テゴリーより形成された。一方,学生の成長の妨げとなる指導としては,【学生の自尊心への配慮不足】,
【思考と実践の発展を阻害する指導】の 2 つのカテゴリーが導きだされた。【学生の自尊心への配慮不足】
は,『学生の心情を理解しない関わり』,『学生を委縮させる関わり』,『不平等な関わり』,『不誠実な態度』,
の 4 サブカテゴリー,【思考と実践の発展を阻害する指導】は,『指導時間の調整不足』,『タイミングの外れ
た指導』,『一貫性のない指導』,『問題解決ができない指導』,『一方的な指導』,『臨地実習指導者-教員
間の連携不足』の 6 サブカテゴリーより形成された。
【考察】本研究に参加した学生全員が,何らかの否定的な実習指導を受けていたという結果より,学科全体
としてよりよい実習指導の在り方を検討することが必須の課題となった。学科FDの取り組みとして,1)実習
における指導力の向上,2)コミュニケーション能力の向上,3)学生レディネスの把握,4)教員-臨地実習指
導者との連携強化,5)自己研鑽の機会の提供を行っていきたい。
キーワード
キーワード:看護学生,臨地実習指導,教授活動
ード
Ⅰ.はじめに
までの慣れた環境とは異なる病院や施設に自身の身
看護学生(以下学生)は,臨地実習を通して,既習
を置き,複雑な人間関係の中で繰り広げられる看護
の知識・技術をもとに看護の対象となるクライエントと
のリアリティーに直面するため,学生にとってはストレ
の相互行為を重ね,看護実践に必要な基礎的能力
スや緊張の高い科目である。したがってその指導に
を獲得していく
1-2)
。このように臨地実習は看護基礎
あたる教員や臨地実習指導者の存在は非常に重要
教育において必要不可欠な科目として位置づけられ
であるといえる。特に指導者の学生への関わり方い
ている。しかし「臨地実習」では,学生は学内という今
かんで,学生の学習意欲や成長はより高められる
13
山田知子,堀井直子,近藤暁子,渋谷菜穂子,大橋幸美,上田ゆみこ,江尻晴美,丸山尚子,足立はるゑ
ことから,指導者の教育技術を高めることが重要
3)
である 。
本学科の
本学科のカリキュラムにおける
カリキュラムにおける臨地実習
における 臨地実習の
臨地実習の位置づけ
位置づけ,
づけ,
臨地実習指導体制の
臨地実習指導体制の特徴
先行研究では,臨地実習における教授活動に関
する概念はいくつか報告されている。田村ら
4)
本学科では臨地実習を,学内で学んだ知識・技術
は,教
を実際の看護活動に応用し,理論と実践を統合する
員の教授活動は①叱咤激励,②歩調をあわせた学
必要不可欠な科目として位置づけている。1 年次の
習,③看護師としてのアイデンティティの形成,④共
ふれあい実習にはじまり,2 年次の生活援助実習,3
に看護の意味を考える,⑤看護実践に向けた支援の
年次の看護過程実践実習,そして 3 年次秋学期から
5 つを,松田ら
5)
は①教授技術の組織化と活用,②
4 年次春学期に行われる応用実習(8 領域)へと,段
看護の質保障・学習過程円滑化に向けた患者への
階的に学生が学ぶことができる構成とし,臨地実習
弊害未然防止,③多角的情報収集による指導計画
総時間数は 1,035 時間(23 単位)である。本学科の臨
の維持と転換等 13 の活動があると述べている。
地実習指導体制の特徴は以下のとおりである。
1)
6)
また,秋元ら ,白木ら は,学生の実習に対する
1) 本学科は付属病院を持たない新設の学科のた
動機づけを高めるために必要な指導には,肯定的ケ
め,約 60 の実習施設の開拓と連絡・調整を,看
アリングの重要性,学生の主体的な看護実践を保証
護実習センターとの連携のもとで行っている。
する等の重要性を指摘している。これらの調査は臨
2) 臨地実習では学生の指導を担当する助手を配
地実習指導者ではなく,教員を対象としたものである
置しているが,その多くは新任であるため,教育
が,臨地実習指導に携わる教員・指導者に求められ
経験年数が浅いといえる。
る能力として共通点は多く,多様な側面をなしている。
3) 助手は主として,自身の臨床経験領域(専門領
また,実習指導は指導者と学生間で主として言語を
域)での指導を担当するが,一斉に実習施設に
媒介としたコミュニケーションを通して行われる。指導
赴く基礎実習においては,臨床経験領域とは異
者が示した言葉や態度が学生のやる気を阻害したり,
なる実習指導を担当することもある。
不十分な理解にとどめてしまったりと,学習への影響
が大きいことは経験上からも推測できる。
しかしながら,学習者の立場からの調査で多いの
4) 各実習科目での受け入れ施設は複数にわたる
ため,教員はそれぞれの施設の特徴を把握する
ことや,調整能力が要求される。
は臨地実習におけるストレスや困難に関する報告 7-8)
で,指導者が発する言葉や態度のどのような内容が,
Ⅱ.研究目的
学生の学びに影響しているかの報告は少ない。臨床
本研究の目的は,効果的な臨地実習指導のあり方
現場で展開されている指導者の教授活動が,学生の
をめざして,臨地実習指導の改善や工夫点を見出すた
成長を促すうえで効果的かどうかを知ることは,教授
めに,本学科の臨地実習における教員や臨地実習指導
活動の妥当性を高めていく上で必要なことである。
者のどのような言葉や態度が学生の成長を助ける若
そこで,本学科は 2006 年に開設された新学科であ
ることから,これまでの臨地実習指導における学習者
しくは妨げになるかについて明らかにすることであ
る。
の受け止め方を知ることで,臨地実習指導者と教員
の教授活動改善の資料を得たいと考え,本調査に取
Ⅲ.用語の定義
り組むこととした。調査結果は臨地実習に関わるすべ
臨地実習:
臨地実習 : 本研究では,あらゆる実習科目において
ての指導者にとって,自己の振り返りに役立ち,より
学生が赴く臨地での実習すべて(保健・医療・福祉の
良い臨地実習指導のあり方に向けた改善や工夫点
現場)を臨地実習とした。
を見出す上で貢献できる資料になり得ると考える。
指導者:
指導者:本研究における指導者とは,①実習施設の
14
看護学生が認知する臨地実習での効果的・非効果的な指導者の関わり
指導者,②実習施設(臨地)において直接学生指導
た。また,学生の調査協力が自由意思で行われるよ
を担当する助手,③当該実習科目の単位認定の責
う,研究メンバーは趣旨説明と配布のみを行い,学生
任を担う科目担当教員であり,臨地実習にかかわる
が自由に投函できるように回収箱を設置した。
指導者すべてをいう。
Ⅴ.結果
Ⅳ.研究方法
1.
.対象
調査に参加した 69 名のうち,肯定的な意見につい
て記述した学生は 66 名(96%),否定的な意見につ
本学保健看護学科の 1 期生(2006 年度生)で,す
いて記述した学生は 69 名全員であった。肯定的な意
べての臨地実習を終了した 76 名を対象とし,69 名か
見については 109 のコードが抽出され,そこから 8 つ
ら参加同意が得られた(回収率 90.8%)。
のサブカテゴリーと 2 つのカテゴリーが形成された(表
2.
.調査方法
1)。否定的な意見については 100 のコードが抽出さ
平成 21 年 10 月(4 年次のすべての臨地実習の成
れ,そこから 10 のサブカテゴリーと 2 つのカテゴリー
績評価の確定後)に,対象学生に自記式質問紙調
が形成された(表 2)。以下に,それぞれのカテゴリー
査を実施した。質問内容は,1 年生から 4 年生までの
とサブカテゴリーについて,特徴的な記述を取り上げ
すべての臨地実習を振り返り,①こんな指導を受けて
て説明する。なお,本論文ではカテゴリーを【
自分が成長したと感じた指導者の言葉,態度,②こ
ブカテゴリーを『
んな指導はやめてほしいと感じた指導者の言葉,態
す。
度の 2 項目であり,それぞれの質問に対して場面をと
1.
.学生を
学生を成長に
成長に導く指導者の
指導者の言葉,
言葉,態度
りあげて具体的に記述するよう求めた。なお回答にあ
』,学生の記述例を<
】,サ
>で示
臨地実習において学生を成長に導く指導としては,
たっては,施設名や指導者の名前など固有名詞は
【意欲を高める言葉と態度】,【思考と実践を高める教
記載しないよう依頼した。
授技術】の 2 つのカテゴリーが形成された。
3.
.分析方法
1)意欲を
意欲を高める言葉
める言葉と
言葉と態度
本研究では質的帰納的にデータ分析を行った。ま
学生は指導者からの『学生の士気を高める』関わり
ず記述内容を精読し,実習指導に対する肯定的意
や,『学生の心情の受容』,『学生の自主性の尊重』,
見,否定的意見について語られている文章もしくは
『熱心な指導』といった言葉や態度を通じて実習に対
段落を抽出し,その意味を損ねないよう圧縮しコード
する意欲が高められていた。
化した。次に,それぞれのコードについて類似性・相
『学生の士気を高める』関わりとは,指導者からの
違性にしたがって類型化し,サブカテゴリー,カテゴリ
褒める,励ます,頑張りや成長を認めるといった関わ
ーへと抽象化を行った。分析にあたっては,研究者
りを意味している。具体的には,<自己の判断で足
間でコード・サブカテゴリー・カテゴリーの合意が得ら
浴が必要であると判断できたことは素晴らしく,よく患
れるまで繰り返し討議することで妥当性の確保に努
者さんを看ることができたと褒めていただき,成長を
めた。
実感できた>,<一生懸命やっていることをしっかり
4.
.倫理的配慮
見て,「よくできている,でもここはこうしたほうがいい」
研究者より,書面ならびに口頭にて本研究の目的,
と褒めつつも,ダメなところはアドバイスしてくれた>
内容,倫理的配慮(自由意思による参加であり,不参
等の記述があり,指導者から成長を認められ,フィー
加でも成績評価などへの不利益がないこと,無記名
ドバックされることで,その後の自信につながってい
による回答であり個人が特定されないこと)について
た。
説明をし,回収箱への投函をもって承諾したものとし
『学生の心情の受容』とは,学生の焦りや緊張,不
15
山田知子,堀井直子,近藤暁子,渋谷菜穂子,大橋幸美,上田ゆみこ,江尻晴美,丸山尚子,足立はるゑ
安といった心情を理解し,受容的態度で接することを
『考えを導く指導』は,指導者からの不足部分の理
意味している。<はじめてのカンファレンスで不安や
解を促す(具体的な)アドバイス,気づきを引き出す
心配がいっぱいで話せなくなって泣いてしまった時,
質問,一緒に考える機会の提供を通して,主体的な
指導者から温かい言葉をもらい,安心したし,もう泣
学習者としての学生自身の考えを導き出す指導を意
かないと思うことができた>,<ケアで焦ってしまって
味している。不足部分の理解を促すアドバイスの記
いた時に,「ひとつひとつの行動の意味を考えてゆっ
述例は<病状が改善せず,患者さんの辛い気持ち
くり行えばいいよ」という指導者からの言葉が心に残
に動揺して看護計画をあきらめようとした際に,「辛い
っている>,<焦っていた時に「大丈夫,できるよ」と
気持ちを受け止めたうえで,…(中略)…といったケア
自信が湧いてくる励ましをいただいた>などの記述
が大切」と教えていただき,その時点から看護援助の
で説明された。
方向性を見直すことが出来,患者さんの笑顔もみら
『学生の自主性の尊重』は,学生の意見をよく聞き,
れよかった>,<少しずつヒントを出しながら考えられ
学生が自主性を尊重されたと感じた関わりを意味し
るように指導をしてくださり,頭の中が整理できた>な
ている。具体的には,<どうしてこのように記録したの
どであった。一緒に考える機会の提供に関する記述
か,この時はどのような気持ちになったのかを,まず
例は<ケア計画の立案や実施の際に一緒になって
先に聞いてくれて,その後で指導をしてもらえたこと
考えてくれたり,悩んで言葉が詰まった時に提案して
で,間違っていても頑張ってやってきてよかったと思
くれたことがよかった>,気づきを引き出す質問の記
えた>などの記述で説明された。
述例は<実習についていくのが精一杯の時,「この
『熱心な指導』は,<(実習終了後)先生が一緒に
患者さんは今何を思っているのだろう,今何をしたい
残って丁寧に(記録の)指導をしてくれたことで,先生
と思う?」という指導者さんの言葉で…(中略)…患者さ
に応えられるよう頑張ろうと思った>,<患者への指
んのことが全然考えられていないことに気がついた。
導の際に,何度も見直して,時間を確保して患者役
その後は,常に患者さんの立場にたって考えることで,
もやってもらった…(中略)…自信をつけることが出来
患者さんとのコミュニケーションや信頼関係もよくなっ
たし,達成感があった>などの記述で示されるように,
た>,<質問したことに対してただ答えをくれただけ
熱心な指導によって学生の意欲が高められ,看護援
でなく,私が自分で考えを導けるように指導してくれ
助を行うことへの自信や達成感につながっていた。
た>などであった。
2)
)思考と
思考と実践を
実践を高める教授技術
める教授技術
『学習環境の調整』は,学生が気軽に質問が出来
学生は指導者からの『わかりやすい指導技術』や,
る雰囲気づくりや,注意をする際の場所の配慮,実
『考えを導く指導』,『学習環境の調整』,『適切な評
際の看護を経験する機会を提供するなど,学生が安
価』を受けることで,自身の思考と実践を高められて
心して実習に臨める場と機会の提供を意味している。
いた。
具体的には,<いつでも困ったことがあれば相談し
『わかりやすい指導技術』は,具体的かつ明確な
てきてもいいと言ってもらえ安心につながった>,<
指示や,看護ケアの提供という実際場面において,
間違ったことを注意する時に誰もいない場所で言っ
見本となりながら説明を加えるなど,学生にとってわ
てもらえた>,<指導者さんから「何でも体験しないと
かりやすく疑問の解決につながる指導技術を意味し
わからないね。これやってみる?」といわれ,…中略
ている。具体的には,<ケアの時に指導者さんから
…フォローもあって一通り経験が出来た>といった記
手取り足取りわかり易く教えてもらえた>,<わからな
述で説明された。
いことを聞いたときに,解剖の図を描き説明してもら
えた>などの記述で説明された。
16
『適切な評価』とは,学生の実習到達状況につい
て,出来ている点と不足している点の両方を指導者
看護学生が認知する臨地実習での効果的・非効果的な指導者の関わり
が適切に示すことにより,学生は自身の成長に向け
出された。具体例としては,<笑顔がなく,威圧的な
て具体的に前進することができることを意味している。
態度で何も言えなかった>,<実習の初め,まだど
具体的には,<出来たことは褒め,出来ないことは的
のように動けばいいのかよくわからず,行動が遅かっ
確に指導してくれたので成長できた>,<最終面談
たりしてグループの出来が悪かった時,日に日に先
で,「素直になること(が課題である)」といわれ,とても
生の態度が変わっていき,朝,実習に行っても「おは
嫌な思いをしたが,振り返ると自分の行動に大きく関
ようございます」以外は何も話さず無口であったため,
わってくると感謝している>などの記述で説明され
学生側も気まずく,記録等で質問をしようと思ってもし
た。
づらい雰囲気が出ていて嫌だった>,<忙しいと態
2.
.学生の
学生の成長の
成長の妨げとなる指導者
げとなる指導者の
指導者の言葉,
言葉,態度
度が冷たくなり,言葉もきつくなったりして怖かった>
臨地実習において学生の成長の妨げとなる指導と
といった記述で説明された。
しては,【学生の自尊心への配慮不足】,【思考と実
『不平等な関わり』のサブカテゴリーは,<生徒に
践の発展を阻害する指導】の 2 つのカテゴリーが形
よって求めるレベルや内容が違うこと。みんな同じに
成された。
してほしい。頑張っているのに楽をしている子をみる
1)
)学生の
学生の自尊心への
自尊心への配慮不足
への配慮不足
のは辛かった>,<体調が悪い子(学生)につききり
学生は指導者からの『学生の心情を理解しない関
で,記録や技術を見てもらえない。一人の学生に付
わり』や『学生を委縮させる関わり』,『不平等な関わ
き添うのは,他の学生の負担になる>といった記述で
り』,『不誠実な態度』,といった,自尊心への配慮に
示されるように,学生は状況に関係なくどの学生に対
欠く言葉や態度によって,成長が妨げられると認識し
しても平等な対応や指導を望んでいることを意味して
ていた。
いる。
『学生の心情を理解しない関わり』は,学生の意見
『不誠実な態度』は,指導者(教師)の遅刻や,質
を尊重しない/信頼しない言動,学生の努力・成長を
問時の不親切な対応,指導に対する面倒そうな態度
認めない言動,学生を馬鹿にした態度,学生の心情
といった,学生に対する不誠実な態度によって,学生
への無配慮,他学生との比較,学生への声かけの不
の主体的な学習意欲の妨げとなっていることを意味
足,プライバシーへの配慮のない言動といったコード
している。具体的には,<指導者が遅刻した>や,
から抽出された。具体的には,<考えてきたことに対
<明らかに学生に対して面倒そうにする指導者。やり
してアドバイスをする際に,相手(学生)の気持ちや
たいことを伝えにくい>といった記述で示された。
思いへのくみ取りが足りず,傷ついたことがあった>,
2)
)思考と
思考と実践の
実践の発展を
発展を阻害する
阻害する指導
する指導
<睡眠1時間半で頑張って実習に行っていたのに,
学生は指導者からの『指導時間の調整不足』,『タ
評価面接の時に先生から,「必要なところだけ調べて
イミングの外れた指導』,『一貫性のない指導』,『問
くればいいのよ」と要領の悪さについて言われた。もう
題解決ができない指導』,『一方的な指導』,『臨地実
少し努力も認めてほしかった>,<カンファレンスな
習指導者-教員間の連携不足』といった指導をやめ
どの際に,関連図を見て笑われてしまった>,<人
てほしいと望んでおり,これらは【思考と実践の発展
前や廊下など,他の人が見ている場所で怒られるの
を阻害する指導】と命名された。
は,傷つくしやめてほしい>といった記述で説明され
た。
『学生を委縮させる関わり』は,学生に対する感情
『指導時間の調整不足』は,時間延長する指導や
指導時間の不足,時間を守らない,指導者不在によ
る看護援助の滞り,といったコードから抽出された。
的な態度での指導,威圧的な態度や集中攻撃,実
<学生が多くて,自分には少ししか指導をしてくれず,
習の単位をちらつかせた指導,といったコードから抽
本当にこれでよいのか不安になった>,<業務が忙
17
山田知子,堀井直子,近藤暁子,渋谷菜穂子,大橋幸美,上田ゆみこ,江尻晴美,丸山尚子,足立はるゑ
しくて,なかなか見てくれなかった>,<指導者が捕
いことを把握せずに,なぜできないのかと言われた>,
まらなくて,次の援助が出来なかったりした>などの
<(看護)計画について,学生の意見を聞かず,自分
記述で説明された。また,<時間を延長しての指導
の意見を一方的に押し付ける先生がいた>などの記
はやめてほしい。(中略)全体に言わないといけない
述で説明された。
ことがあるなら実習時間内にしてほしい。(中略)次の
『臨地実習指導者-教員間の連携不足』は,臨地
日も実習があり,遠いところから通っているので時間
実習指導者と教員の連携不足により,貴重な学習機
は守ってほしい>といった記述で示されるように,実
会を逃したり,連携不足からくる指導者間の関係性の
習時間をむやみに延長した指導は睡眠時間への影
悪さが学生の実習に影響する状況を意味している。
響等,翌日の実習への支障となることを示していた。
具体的には,<検査の体験(見学実習)で,約束の
『タイミングの外れた指導』は,<記録を毎日,経過
時間より早めに行っていても,看護師から「もうやっち
的に見てアドバイスをしてほしかった。記録がだいぶ
ゃったから」と言われ,体験ができなかった>や,<
進んだ時点でいわれても,患者さんの状態も変わっ
先生が遅刻してきて,指導者さんのイライラが生に伝
てしまっているので困惑した>,<記録の修正を提
わってきて,嫌な気持になった>など,指導者間の
出の間際で指導され,提出までの書き直しにとても苦
連携不足を指摘する記述で説明された。
労した>,<他の指導者に指導されているときに口
を挟むことで何を言われていたか混乱した>といった
Ⅵ.考察
記述で示されるように,学習の進度に合わない指導
臨地実習において,ほとんどの学生が自身を成長
や,他者の指導を遮る指導とったタイミングの悪い指
に導く,指導者からの肯定的な関わりと,否定的な関
導による学生の思考・実践の妨げを表している。
わりの両方を経験していたことが明らかとなった。本
『一貫性のない指導』は,一人の指導者からの一
章では,本研究で示された臨地実習での教授活動
貫性のない指導や,指導者間での連携不足による一
の現状と今後の課題について考察する。
貫性のない指導によって,学生の思考過程への混乱
1.【
.【意欲
める指導者の
わり】と【学生の
学生の自尊心
.【意欲を
意欲を高める指導者
指導者の関わり】
を生じさせることを意味している。具体的には,<先
への配慮
への配慮に
配慮に欠いた指導者
いた指導者の
指導者の関わり】
わり】
生によって記録の書き方が違った>,<指導者が日
学生は,『学生の士気を高める』関わりや『学生の
替わりで違い,一日しか関わっていないと,連携がで
心情の受容』,『学生の自主性の尊重』,『熱心な指
きておらず困る。話(指導)が繋がっていない>など
導』といった指導者からの関わりによって自身の成長
の記述で説明された。
を感じることができたと認識していた。臨地実習という
『問題解決ができない指導』とは,<(指導者に質
緊張の高い学習環境において,学生は自分の考え
問したら)自分で調べればと言われた>や,<初め
や行動計画に対して自信が持てないでいることが多
ての実習で,何もわからない状態なのに,出来ないこ
い。その際に,学生の役割モデルとなりうる指導者か
とに対して何かアドバイスをくれるわけでもなく,ただ
ら,考えを認められ,成果を誉められることは,学生
怒られて終わるということがあったのが嫌だった>と
の自己肯定を強め,「やってみよう」,「頑張ってみよ
いった記述で示されるように,学生の疑問に対して具
う」という主体性を育む動機づけになると考える。<焦
体的な指導を返さない,もしくは曖昧な返答によって,
っていた時に「大丈夫,できるよ」と自信が湧いてくる
問題への解決に導かない指導を意味している。
励ましをいただいた>といった記述にもあるように,
『一方的な指導』とは,学生の理解状況を把握せ
不安や心配,緊張といった学生の心情に対して,指
ずに,質問攻めにしたり,教員の考えを押し付けると
導者が受容的な関わりをすることで,学生は「守られ
いった指導を意味し,具体的には,<私がわからな
ている」という安心を基盤として,学習を進めることが
18
看護学生が認知する臨地実習での効果的・非効果的な指導者の関わり
できるといえる。また,看護専門職者としての発展に
の学生が様々な対象に対して看護過程を展開すると
おいては,看護基礎教育期間における自己教育力
いった個別性の高い対応が求められるが,指導者は,
の育成が重要であり,学ぶ主体である学生の思考に
複数の学生を担当しているため,一人一人に納得い
働きかける指導が重要であるといわれている
9)
。本結
くまで指導できないという悩みを抱えている
11)
5),11)
。廣
果で示されたように,学生一人一人に時間をかけた
田ら
はこのような状況における必要不可欠な教授
熱心な指導や,主体的な学習者であることを学生に
活動の一つとして,「複数学生個別指導のための好
意識させるような関わりをすることによって,自己教育
機・適所の模索・確保」があると述べているが,不測
力が育まれていくと考えられる。
の事態が生じた際に,担当する教員は,適切なタイミ
このような学習意欲を高められる肯定的な経験の
ングで他の指導者への協力要請を積極的に求めて
一方で,多くの学生が指導者からの『学生の心情を
いく対応能力も求められるであろう。さらに,学生に対
理解しない関わり』や『学生を委縮させる関わり』,『不
しては,指導者からの均一な指導を受け身的に待つ
平等な関わり』,『不誠実な態度』,といった自尊心の
という姿勢でなく,主体的な学習者であるという認識
配慮に欠いた関わりを,否定的な経験として述べて
を意図的に高めていくことが必要であると考える。
いた。<笑顔がなく,威圧的な態度で何も言えなかっ
学生は指導者の言葉や態度を役割モデルとして,
た>,<要領の悪さについて言われた。もう少し努力
実習へ取り組む姿勢や看護に対する姿勢を高めて
も認めてほしかった>,<関連図を見て笑われてしま
いくと言われている
った>などの記述に示されるように,指導者の威圧的
な指導者の不誠実な態度は,学生の学びたいという
で心情を理解しない態度は学生を委縮させ,また,
意欲を阻害するだけでなく,看護師としてのアイデン
できない現実をつきつけられることで自信の喪失に
ティティ形成の妨げになると考える。臨地実習におい
つながると考えられる。たとえ学生のやる気を促進さ
ては,指導者から表出される看護観や人間観,看護
せることを意図した叱咤激励や,学生が傷つかない
実践力などを通して,学生が自身の看護観や人生観
ように和ませる関わりをしたとしても,学生が緊張して
などを成熟させていく 12)。そのため,指導者は学生の
自信がない場合などは,指導者の意図に反した受け
役割モデルであるということを常に意識においた行動
止めをすることがあるため
10)
,指導時の学生の反応
6)
。本研究結果にあげられたよう
が求められる。
を常に確認しながら,個々の学生にあった関わり方を
2.【
.【思考
.【思考と
思考と実践を
実践を高める教授技術
める教授技術】
教授技術】と【思考と
思考と実践の
実践の
選んでいくことが必要である。
発展を
発展を阻害する
阻害する指導
する指導】
指導】
<生徒によって求めるレベルや内容が違うこと。み
学生は『わかりやすい指導技術』や『考えを導く指
んな同じにしてほしい。頑張っているのに楽をしてい
導』,『学習環境の調整』,『適切な評価』によって思
る子をみるのは辛かった>,<体調が悪い子(学生)
考と実践を高められていると捉えていた。一方で『指
につききりで,記録や技術を見てもらえない。一人の
導時間の調整不足』や『タイミングの外れた指導』,
学生に付き添うのは,他の学生の負担になる>とい
『一貫性のない指導』,『問題解決ができない指導』,
った記述にあるように,学生は指導を受ける機会に対
『一方的な指導』,『臨地実習指導者-教員間の連
する不平等さを感じていた。臨地実習では,体調不
携不足』といった指導者の関わりを,否定的な経験と
良のみならず,実習目標の到達に困難を来している
捉えていた。
学生がいる場合,そこに多くの時間を割いての指導
臨地実習では,学生は患者,医療従事者,指導者
を要求されることは避けられないことではあるが,どの
との複雑な人間関係の中で,普段とは異なる緊張か
学生も不安を抱えながら実習をしていることを念頭に
ら平常心を逸脱しやすく,膨大な刺激の中で思考を
おいて関わることが必要である。臨地実習では,複数
中断してしまうことがあると言われている
12)
。そのよう
19
山田知子,堀井直子,近藤暁子,渋谷菜穂子,大橋幸美,上田ゆみこ,江尻晴美,丸山尚子,足立はるゑ
な状況にあっても,学生には到達すべき目標や課題,
ィブな評価を真摯に受け止めていく必要がある。もち
技術等が課せられているため,学生の理解促進にむ
ろん,指導者の思いと,それを受け止める学生との見
け,様々な教材や教授技術を駆使したわかりやすい
解の相違は予測しうるが,なぜそのような指導をして
指導,考えを導きだせるような指導を組み入れながら
いるのか,あるいは学生に何を求めているのかといっ
指導を展開していくことが必要である。本調査におい
たことを,学生の心情をくみながら,学生が納得でき
て多くの学生が『指導時間の調整不足』や『タイミング
るように,明確に伝えることのできるコミュニケーション
の外れた指導』,『一貫性のない指導』,『問題解決が
能力を磨いていくことが必要である。
できない指導』,『一方的な指導』,といった思考を中
学生レディネス
学生レディネスの
把握:学生個々の性格や今までの
レディネスの把握:
断させる,あるいは思考を混乱させる指導をやめて欲
学生の成長など,十分にレディネスを把握して関わる
しいと望んでいたという結果を受け止め,指導者は学
ことが,学生の意欲を高め,成長発展を促すうえで重
生個々に目を向けた効果的な教授技術を身につけ
要と考える。学生の発展に必要な情報は教員間で共
ていくことの必要性が明らかとなった。
有しあい,個々の学生の特性を踏まえた関わりをして
臨地実習は療養の場で教育が行われるという制約
いくことが必要であろう。
があり,看護師免許を有さない学生は,まだ十分に
教員-
教員- 臨地実習指導者との
臨地実習指導者との連携強化
との 連携強化:
連携強化 : 臨地実習は
育っていない知識や技術を手掛かりに,実践を経験
多くの施設の協力のもとに成立しうるものである。そ
することになる
12)
。そのため,患者の療養が妨げられ
のため,大学と臨地実習施設間での協働を促進させ
ないという権利の保証をしながらも,学生が学ぶこと
ていくことも重要な課題と考える。学生の成長に向け
が出来るよう,教育の場としての学習環境を調整して
て,実習目的・目標を共有し,個々の学生に対する
いくことが必要とされる。そのためには,教員と臨地実
効果的な関わり方について,臨地実習指導者と教員
習指導者が連携を密にしていくことが求められる。
それぞれの役割をオープンに話し合い協働していく
3.
.より良
より良い実習指導に
実習指導に向けた今度
けた今度の
今度の課題
ことで,よりよい学生指導に結び付くであろう。
大学の看護教員(助手)の多くは,教育という学問
自己研鑽の
自己研鑽の機会の
機会の提供:
提供:責任のある実習指導を展開
を体系的に学んでおらず,そのため,教育的視点に
するためには,指導者が自らを高めようとする姿勢を
たった実習指導の在り方については,個々の教員の
持つことで,結果において,学生を育むことにつなが
努力に委ねられている現状である。臨地実習指導者
る。そして,学生指導に携わる者全てが看護観,教
も教育背景が様々であり,指導力にばらつきがあるこ
育観,指導観,学生観を明確に持ち,学生指導に関
とは否めない。本研究に参加した学生全員が,何ら
わる必要がある。本学看護実習センターは,指導者
かの否定的な実習指導を受けていたという結果から
の資質向上のために開設時より定期的に看護セミナ
も,よりよい実習指導の在り方を検討することが必須
ーを開催している。このような研修の機会を積極的に
の課題である。以下に本学科 FD として取り組むべき
企画し,指導者の自己研鑚の機会を提供していくこと
課題を述べる。
も有効であると考える。
実習における
実習における指導力
向上: 有効な教授方法に関
における 指導力の
指導力 の 向上:
する学習会を設けることや,定期的に実習指導のケ
引用文献
ースカンファレンスを行い,教授活動の振り返りや学
1) 秋元典子,森本美智子,森恵子:看護への動機
生指導における困難や解決方法を共有しあうことが
づけを促進する臨床実習指導の方法,Quality
必要である。
Nursing,10(8),63-74,2004.
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力の
能力の向上:
向上:今回の結果は,学生
2) 小川妙子,舟島なをみ:看護学実習における教
の視点における授業評価と捉え,学生からのネガテ
授活動に関する研究―教員特性と教授活動の
20
看護学生が認知する臨地実習での効果的・非効果的な指導者の関わり
関係に焦点をあてて―,看護教育学研究,5(1),
22-40,1996.
3) Kathleen B. Gaberson & Marilyn H. Oermann:
rd
Behavior in Nursing Clinical Practicum–
Practicum– From
a Viewpoint of Nursing Students –
Author(s) : Tomoko Yamada, Naoko Horii, Akiko
Clinical Teaching Strategies in Nursing 3 ,
Kondo, Naoko Shibuya, Yukimi Ohashi, Yumiko Ueda,
Springer Publishing Company, 72-73,2010.
Harumi Ejiri, Naoko Maruyama, Harue Adachi
4) 田村美子,清水暁美,内田史子 他:臨地実習
Address(es) : Department of Nursing, Chubu
での教員の教授活動-教員の伴走者モデル-,
University College of Life and Health Sciences
看護・保健科学研究誌,10(1),183-192,2010.
Keywords : Nursing Students, Clinical Nursing
5) 松田安弘,中山登志子,舟島なをみ 他:看護
Practicum, Teaching Activities
学実習の目標達成に不可欠な教授活動の解明
―質的研究 3 件のメタ統合を通して―,看護教
育学研究,14(1),51-64,2005.
6) 白木智子,進藤美樹,田村美子 他:看護学生
が臨床指導者から受ける肯定的ケアリング体験,
看護展望,30(3),106-111,2005.
7) 岩崎喜久子,増本紘子,宮崎晴佳:4 年生大学看
護学生のメンタルヘルス調査,日本看護学会論
文集(看護教育),42-44,2008.
8) 加島亜由美,樋口マキエ:臨地実習における看
護学生のストレッサーとその対処法,九州看護福
祉大学紀要,7(1),2005.
9) 木戸寛子:看護学生の自己教育力を促進させる
看護教員の関わり,神奈川県立保健福祉大学実
践教育センター看護教育研究集録,34,46-53,
2009.
10) 竹之内聡子:看護学生への臨地実習におけるユ
ーモアの効果,神奈川県立保健福祉大学実践
教育センター看護教育研究集録,34,86-92,
2009.
11) 廣田登志子,舟島なをみ,杉森みど里:実習目
標達成に向けた教員の行動に関する研究―看
護学実習における学生との相互行為場面に焦
点を当てて―,看護教育学研究,10(1),1-14,
2001.
12) 藤岡完治,屋宜譜美子(編):看護教員と臨地実
習指導者,医学書院,16‐19,2006.
Title
:
Effective or Ineffective Teaching
21
山田知子,堀井直子,近藤暁子,渋谷菜穂子,大橋幸美,上田ゆみこ,江尻晴美,丸山尚子,足立はるゑ
表1.学生を成長に導く指導者の言葉,態度
カテゴリー
サブカテゴリー(総回答数)
学生の士気を高める(23)
学生の心情の受容(13)
意欲を高める
言葉と態度
学生の自主性の尊重(9)
熱心な指導(4)
わかりやすい指導技術(26)
思考と実践を高める
教授技術
考えを導く指導(24)
学習環境の調整(5)
適切な評価(5)
22
コード(109)
褒める
励ます
頑張りや成長を認める
あせらせない言葉
気にかけてくれる声掛け
話を聞く
温かい声掛け
不安時のアドバイス
感情を整理するためのアドバイス
ねぎらいの言葉
圧迫感のない態度
苦しい時優しく寄り添う態度
学生の言い分を聞く
学生の意見を尊重した指導
主体性の要求
学生の考えを聞いたうえでの記録指導
自主性を尊重
1対1の指導
時間外の丁寧な指導
時間をかけた熱心な指導
見捨てない
実際場面での指導
丁寧な指導
課題・スケジュールを明確にする指導
勉強の仕方
見本を示す
わかりやすい説明
適切な教材の提示と説明
経験に基づいた指導
根拠のある指導
わからないことを教えてくれる
図を用いた指導
不足部分の理解を促す(具体的な)アドバイス
気づきを引き出す質問
一緒に考える機会の提供
経験する機会の提供とサポート
注意時の場所の配慮
相談しやすい雰囲気作り
指導者と教育者の一貫した指導
学生の理解状況の把握
出来たことと出来ないことの的確な評価
長所・短所の指摘
実施したケアの評価をフィードバック
自己を振り返るための助言
N=66
回答数
11
7
5
3
2
1
1
1
1
1
1
1
1
6
1
1
1
1
1
1
1
6
4
3
3
3
2
1
1
1
1
1
11
9
4
2
1
1
1
1
1
1
1
1
看護学生が認知する臨地実習での効果的・非効果的な指導者の関わり
表2.学生の成長を妨げる指導者の言葉,態度
カテゴリー
サブカテゴリー(総回答数)
学生の心情を理解しない
関わり(30)
学生の自尊心への
配慮不足
学生を萎縮させる関わり(10)
不平等な関わり(6)
不誠実な態度(4)
指導時間の調整不足(16)
タイミングの外れた指導(12)
思考と実践の発展を
阻害する指導
一貫性のない指導(9)
問題解決ができない指導(7)
一方的な指導(4)
臨地実習指導者-
教員間の連携不足(2)
N=69
コード(100)
回答数
学生の意見を尊重しない,信頼しない言動
7
学生の努力・成長を認めない言動
7
学生を馬鹿にした態度
7
学生の心情への無配慮
3
他学生との比較
2
学生への声かけ不足
2
プライバシーへの配慮のない言動
2
感情的な態度
4
威圧的な態度
3
集中攻撃
2
単位をちらつかせた指導
1
学生によって求めるレベルが異なる指導
3
グループによって態度が変わる
2
不公平な対応
1
教師の遅刻
2
質問時の不親切な対応
1
学生に対しての面倒そうな態度
1
時間延長する指導
7
指導時間の不足
4
時間を守らない
3
指導者不在による援助の滞り
2
学習進度に合わない指導
6
臨地実習指導者の指導を妨げる教員の指導
2
実習中に他の実習課題を出す
2
ケアに集中できない指導
1
繰り返しの呼び出し
1
一人の指導者の一貫していない指導
5
指導者間の一貫してない指導
4
具体的な指導の不足
4
質問に対する返答をしない
2
曖昧な返答
1
質問攻め
2
教員の考えを押し付ける
1
学生の理解度の把握不足
1
指導者が学習の機会を奪う
1
教員と臨地実習指導者の関係が悪い
1
23
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