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第3章 建設コンサルタントの取組み

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第3章 建設コンサルタントの取組み
第3章
3-1
建設コンサルタントの取組み
技術力強化
建設コンサルタントは、その有する技術を基盤としたサービスを提供する集団あるいは
個人であり、継続的に技術力を向上させることが不可欠となっています。
以下では、この技術力を裏付ける主な技術者資格として、技術士、RCCM、CALS/EC 資格
制度他について述べるとともに、協会が取り組んでいる技術者教育として、平成 17 年度
から運用を開始した CPD 制度について紹介します。
3-1-1 技術者資格
(1)技術士
「技術士法」による第二次試験の合格者で同法による登録を受けている技術士は、建設
コンサルタント業務にあって技術上の中核となる有資格者であり、あらゆる技術分野で活
躍しています。技術士の数は一貫して増加しています。(基礎データ編 1-1 参照)
専門技術分野としては、中心をなす建設部門をはじめ水道部門、農業部門、林業部門、
水産部門、衛生工学部門、応用理学部門、機械部門、電気電子部門およびそれらを選択科
目とする総合技術監理部門があります。技術士は、建設コンサルタント登録として必要な
技術管理者や業務に必要とされる専門技術の管理者など多岐にわたっています。
(2)RCCM
RCCM(Registered Civil Engineering Consulting Manager、シビル
コンサルティング
マネージャ)とは、「技術管理者または技術士のもとで建設コンサルタント等の業務に係わ
る責任ある技術者として、業務に関する技術上の事項を処理する者、または業務成果の照
査の任に当たる者」と定義され、協会が実施する資格試験に合格し、登録をした者をいいま
す。
RCCM 制度は、建設コンサルタントの実務技術者の技術力向上と質の確保の必要性をうた
った建設省(現国土交通省)の重点施策に沿って、平成 3 年度に創設されました。受験者数
は平成 12 年度以降減少傾向にありますが、登録者数は平成 3 年度から一貫して増加し、技
術者の確保が図られています。(基礎データ編
表 2-1(a)参照)
登録は、河川・砂防及び海岸・海洋、港湾及び空港、道路、鉄道など21の技術部門ご
とに行われます。登録の有効期限は原則4年間ですので、4年ごとに登録を更新する必要
があります。
資格試験は、当初の業務経験論文や関連法制度を問うものに、平成 14 年度と平成 16 年
度にそれぞれ土木に関連する基礎知識や専門技術部門の基礎知識を問う問題を加え、技術
水準の確保に努めています。また、登録の更新時には講習会の受講と、平成 15 年度からは
最近の一般技術や専門技術を内蔵した CD-ROM による自己学習
(図 3-1-1 参照)を義務付け、
資格者の技術力が向上するような改善を行ってきました。
さらに、RCCM 資格者の自己研鑚と技術力の維持・拡大を目的に、平成 22 年度の登録の
更新時から CPD を4年間で 100 単位取得していることを義務付けています。経過措置とし
て平成 19~21 年度の登録更新時には、それぞれ 25、50、75 単位の取得を推奨することと
3-1
しています。
図 3-1-1
CD-ROM による自己学習画面(更新時講習会で CD-ROM 配付)
また一方では、RCCM 資格者が質、量において更に活用がなされるように、RCCM 資格制
度の改訂に向けて、次の事項を検討しています。
①登録の要件「建設コンサルタント登録企業に勤務している者」を削除して、RCCM
を個人の資格にすることによって、RCCM の資格を取得しやすくするとともに活用
の場を広げる。
②RCCM に係わる規程や規則で RCCM が「技術士のもとで」と位置づけられ、「技術士
の指導を受ける」とされている部分を削除して技術士との相対的関係をなくすこ
とにより、RCCM のインセンティブを高める。
③建設情報部門を新設して建設情報システム構築等を行う技術者に資格を与え、増
大傾向にある同部門の業務に対応できるようにする。
④受験要件である業務経験年数(現行、大卒の場合 13 年)を 3 年程度短縮して、若
い技術者が資格を取得しやすいようにする。
(3)CALS/EC 資格制度
公共事業における CALS/EC とは、事業執行の透明性の確保、品質の向上、業務実施の効
率化によるコスト縮減等を目的として、事業のライフサイクルを通じての電子化及び電子
商取引の両面を持ち合わせており、その具体的な取組みとして電子納品や電子調達等が実
施されています。
CALS/EC 資格制度は、地方公共団体等への CALS/EC の普及・推進のための指導的な役割
を担う人材の育成並びに円滑な情報伝達の実現を目的としています。これは、国土交通省
により 2001 年 6 月に制定された「CALS/EC 地方展開アクションプログラム(全国版)」にお
いて地方公共団体等に対する支援策の一つとして位置付けられ、(財)日本建設情報総合セ
3-2
ンター(以下、「JACIC」という。)が、同年 7 月に創設したものです。
この資格制度の仕組みは、JACIC 理事長が資格認定を行い、指定機関である協会が、試
験の実施及び資格登録を担当しています。
資格取得者には、中小の企業・団体並びに独自で講習・教育が困難な地方公共団体等に
対する CALS/EC 普及・推進のアドバイスや電子納品などの実施の役割が期待されます。本
資格制度においては、職務経歴等に応じて CALS/EC インストラクター(RCI)、CALS/EC エキ
スパート(RCE)という2段階の資格が設定されていますが、試験に合格しても資格登録をし
ないと RCI、RCE として活動することはできません。資格登録の有効期間は通常2年間であ
ることから、2年毎に登録更新をすることで継続して RCI、RCE としての活動が可能となり
ます。資格登録を更新するためには、一定基準の継続教育の単位を取得するか更新講習会
を受講する必要があります。
(4)その他の資格
建設コンサルタントの業務領域の拡大に対して関係の深い必要資格としては、次のもの
があります。
国家資格として…1級建築士、1級土木施工管理技士、環境計量士
民間資格として…コンクリート診断士、VE リーダー
等
等
これらは、多様化する社会要請に応えるための総合技術力の強化には必要な資格と考え
ています。そのためには技術者の教育、自己研鑽、資格取得に対する支援を実施すること
が重要と考えられます。特に、土木施工管理技士は施工監理分野の業務を行うには必須の
資格といえます。
3-1-2 技術者教育
建設コンサルタントが知的産業として、高度技術・先端技術を保持し、技術の信頼性を
高め、社会資本の安全性と効率性を十分に確保する努力を続ける社会的責務を負っている
ことより、建設コンサルタントには、技術力の向上、最新の技術や社会情勢の変化を継続
的に学習することが望まれています。特に、多様化した社会において新しい課題に的確に
応えていくためには、専門とする技術領域はもとより、幅広い領域で奥行きの深い技術を
習得していくことが肝要です。
協会では、平成 17 年度 4 月より CPD 制度の運用を開始し、教育及びシステムの共有化
を図るとともに、広く技術者の継続的な自己研鑽活動をサポートしています。技術者教育
の柱である CPD 制度について以下にその概要を示します。
(1)CPD の背景と目的
1)CPD とは何か
CPD(Continuous Professional Development:継続研鑚)とは社会資本整備に係わる技
術者が種々の講習会、シンポジウム、企業内研修等の受講、論文発表、業務経験、自己学
習等を通じて、継続的に自己の知識・技術の幅を広げることを言います。CPD 習得者には、
参加した CPD プログラムの内容により所定の単位数が与えられます。
3-3
2)CPD の背景と目的
CPD は海外技術者との相互認証制度検討の過程で論議され、APEC Engineer の資格更新
において義務付けられました。その結果として、平成 12 年に改正された技術士法では、資
格取得後において最新の技術や知識を継続的に習得し、自己の能力の維持・向上を目指す
とともに、高い職業倫理観の涵養に努めることが責務となり、CPD が明記されました。一
方、APEC Engineer の資格更新時には 5 年間で 250 単位の CPD が義務づけられることにな
り、土木学会が創設した資格制度においても CPD 実績が更新の要件となっています。
3)CPD に関する動向
国土交通省では、工事における技術者評価基準として、CPD 記録の活用が試行されてい
ます。さらに、地方公共団体においても CPD 記録を技術者の評価基準とすることが拡大す
る方向にあり、コンサルタント業務にも拡大する可能性が高いと考えます。このように、
継続的に学習している技術者や CPD を奨励している企業等を適正に評価することにより、
技術者の質の向上、さらには良質な社会資本整備の実現を目指そうとする新たな試みであ
ると言えます。
(2)協会における CPD 制度の概要
1)CPD 制度の創設
このように技術者を取り巻く各種資格制度において、登録更新の要件として CPD 実績が
求められるようになり、協会の認定資格である RCCM 資格においても CPD 実績を資格更新の
要件とする変更がなされました。さらに、技術士、APEC Engineer などの資格を最も活用
するのは建設コンサルタント技術者であることに鑑み、協会として平成 17 年 4 月に CPD
制度を創設、運用を開始し、建設コンサルタント技術者および RCCM 資格登録者に CPD 登録
の機会を提供することになりました。専用のホームページを開設し、CPD プログラム情報
の提供を開始、その後、新規 CPD 登録や CPD 記録登録の受付等、サービスの充実を図って
います。平成 18 年 7 月には『建設コンサルタンツ協会 CPD 制度の手引き(登録とその活用)』
を公開し、システムの一層の活用を推進しています。
また、協会が参画している建設系 CPD 協議会*では、土木技術者の便宜を図ることを目
的に、システムの共有化や CPD プログラムの相互認定を進めています。この点からも、協
会における CPD 制度の創設とその運用開始は、建設コンサルタントにとってさらに利便性
が増すことになると考えています。
* (社)空気調和・衛生工学会、(社)建設コンサルタンツ協会 、 (社)地盤工学会、(社)全国土木施工管理技士会連
合会、(社)土木学会、土質・地質技術者生涯学習協議会、
(社)日本環境アセスメント協会、(社)日本技術士会、
(社)日本建築学会、(社)日本コンクリート工学協会、(社)日本造園学会、(社)日本都市計画学会、(社)農業農村
工学会の計 13 団体で構成(50 音順)
2)CPD 制度の目的と基本方針
a)目的
社会資本整備の一翼を担う土木技術者に対して、講習会やセミナー等の受講や研究活動
を通じ継続教育の機会を提供します。また、技術者の知識や視野を広げ、社会環境の変化
や国際的な動向、最新の技術を学び、ますます高度な知識が要求されるようになってきた
3-4
業務に自信をもって立ち向かい、社会的な使命を果たす技術者を支援することを目的とし
ています。
b)基本方針
協会における CPD 制度の基本方針は以下のとおりです。
①建設コンサルタント技術者に教育の機会を提供します。
②建設系 CPD 協議会と協働でソフト・ハードの効率的な対応を図ります。
③会員企業社員の研鑽、RCCM 資格登録更新および CALS/EC 資格登録更新手続きに対
する便宜を図ります。
④現状の講習会・研修会などは、CPD 教育の一環として位置づけます。
なお、RCCM については、RCCM 資格制度管理委員会で審議されます。また、CALS/EC につ
いては、主催者である JACIC との協議を必要とします。
3)CPD 制度の概要
a)対象者
対象者は、RCCM 資格登録者、協会会員企業の社員、非協会会員企業の社員等、建設コン
サルタント技術者としますが、CPD 登録管理費、CPD プログラム参加受講費等の費用負担に
ついては、差異を設けます。
b)CPD 登録と記録の認定
協会で CPD の登録を行うためには、RCCM 資格登録者も含め CPD 事務局への登録が必要で
す。CPD 登録者には、CPD 登録番号を付与し、CPD 登録証を交付します。CPD 登録から CPD
記録の登録、認定までの流れは、概ね次のとおりです。
①CPD 登録申請:登録番号を付与し CPD 登録証を発行します。
②CPD 記録の登録申請:カードリーダーによる自動登録及び Web による自己申請を
基本とします(協会では、Web による自己登録等が可能となるよう協会内にシス
テムを構築しました)。
③CPD 記録の認定と監査:協会は、申請者が記録・登録した「CPD 記録簿」に基づ
き、CPD 実施を認定します。また、CPD 登録内容については監査を実施し、疑義
がある場合には CPD の実施を証明する書類の提出を求めるなど、CPD 実施認定の
正確を期します。
c)CPD 記録の方法と期間
カードリーダーによる自動登録が可能な講習会、研修会もあります。企業内研修、自己
学習等については Web による自己登録が可能なように、協会は「JCCA CPD システム」のホ
ームページを開設し CPD 記録サービスを提供しています。また、CPD 記録の保管は登録か
ら5年間としています。
d)CPD 記録の証明
申請者の要求に応じて、登録した内容の記録を有料で発行します。
以上、協会における CPD 制度の実施概要の具体について図 3-1-2 に示します。
4)協会の CPD 認定プログラム
CPD プログラムのテーマについては、技術者倫理などの必須テーマは別として、教育対
象者の多様性を考慮して、なるべく特定分野に偏ることがなく今日的な主題を提供するよ
3-5
う留意しています。教育内容は、参加受講者が興味を抱くよう、理念的なものと実践的な
ものを組み合わせるなどバラエティを持たせることを心掛けています。
a)CPD プログラムの認定
CPD プログラムは、協会の本部、支部が主催するもののほか、共催、協賛、後援するも
のも併せ、内容を審査して認定します。協会が認定する CPD プログラムは、原則として下
記の①から④のいずれかに該当する内容を満足するものとしています。
①最新技術動向の理解に役立つ内容
[技術動向]
②建設コンサルタントを取り巻く状況の理解に役立つ内容
③建設コンサルタントが携わる関連分野の理解に役立つ内容
④建設コンサルタントとしての倫理観の涵養に役立つ内容
[社会性]
[総合性]
[技術者倫理]
また、建設系 CPD 協議会の加盟団体が行う CPD プログラムについても相互認証を行って
います。
b)CPD プログラムの教育分野と形態
CPD プログラムの教育分野及び教育形態は、関連学協会の制度と大きな相違がないよう
に配慮し、専門技術分野は、建設コンサルタント業務に準じた分野別に分類しています(参
考資料編
表 5-1、表 5-2 参照)。また、協会における CPD プログラムにおける大きな特徴
として、協会内の様々な活動やコンサルタントが行う業務経験についても評価しています。
c)時間重み係数(CPDF)と CPD 単位
CPD の実施状況は、CPD 単位を用いて判定します。CPD 単位は、建設コンサルタント業務
を勘案して、協会が独自に設定しますが、参加受講者に混乱が生じないように、関連学協
会(土木学会、日本技術士会など)の単位との整合を図り、他の学協会の講習会等を受け
たときは当該学協会の単位に準ずることにしています。具体的な CPD 単位の算定は、実際
に講習等に掛けた時間に教育内容のグレードに応じた「時間重み係数(CPDF)
」を乗じて求
めることを基本としています(参考資料編
表 5-3 参照)。
3-6
3-7
・CPD記録の共有システム
(将来計画)
の
員 録
会 登
CA の
JC 記 録
D
CP
図 3-1-2
RCCM事務局
RCCM事務局
CPD 制度実施概要図
HP作成担当
HP作成担当
問合せ対応業務
・CPD制度、登録制度全般
・CPDプログラム開催関係
・CPDプログラム認定関係
・CPD登録者申請手続き
・CPDシステム環境・入力方法
CPD事務局
その他
・CPD委員会事務局
・建設系CPD協議会対応
・その他CPD関係組織対応
JCCA CPD DB
CPD記録登録業務
・個人登録データの確認・管理
・登録システムの管理・更新
・CPD記録証明書の発行
の
・協議会参加学協会のCPDプログラ
ム情報の検索・概要閲覧
プログラム認定業務
・CPDプログラムの認定
(・JCCA開催以外の
CPDプログラムの認定)
・CPDプログラムの管理
・参加記録の管理
登録者申請受付業務
・CPD登録者申請受付
・CPD登録者IDの付与
・CPD登録者IDの管理
録
・検索・閲覧システム
(・記録共有システム)
CPD参加記録
プログラムの認定
認定の申し込み
CPDプログラム概要の
登録
CPDプログラム
概要・詳細情報
広報業務
・CPD制度の広報
・CPD講習会等の開催・実施の広報
録
建設系CPD
協議会サーバ
建設系CPD協議会等
建設系CPD協議会等
開催事務
・参加申し込み
・問合せ
・CPDプログラム受付(参加記録)
広 報
・CPDプログラムの概要通知
・CPDプログラムの詳細を掲載
建設コンサルタンツ協会
建設コンサルタンツ協会
D記
登録更新の問合
せ・CPD認定
講習会等主催者
講習会等主催者
(本部、支部、各委員会等)
(本部、支部、各委員会等)
登
CPDプログラム
詳細情報の掲示
CP
非登録者・他学協会会員
・CPD制度、登録制度全般
・CPDプログラム開催・認定関係
・CPD登録者申請手続き
注)JCCA:建設コンサルタンツ協会
RCCM資格制度管理委員会
資格・CPD部会
RCCM資格制度委員会
CPD記録の
登録申請
CPD登録者
(RCCM資格登録者)
(会員会社の社員)
(非会員会社の社員)
・CPD制度、登録者申請全般
・CPDプログラム開催・認定関係
・CPD単位管理
・CPD記録証明書の発行手続き
・CPD記録登録手続き
・必要なシステム環境・入力方法
CPD登録利用者
CPD登録利用者
(3)CPD 制度の今後の動向
1)RCCM 資格更新と CPD 制度との関連
RCCM 資格の更新登録には、4年毎の更新講習会の受講(平成 15 年度からは講習会の受
講及び CD-ROM による自己学習)が必須条件になっています。この RCCM の資格更新登録制
度は、技術の発展・変化に対応した知識・技術力の維持の観点からすれば、技術者の継続
的教育を先取りした考え方です。RCCM 技術者における技術力の一層の向上を図るため、
RCCM 資格の更新にあたり、CPD 制度を活用することとしました。
従来の更新講習学習(講演会及び CD-ROM 学習)に加え、CPD 単位の取得(4 年間で 100
単位)が義務付けられ、平成 22 年度の RCCM 登録更新の申請時より必須となります。なお、
暫定措置として平成 19、20、21 年度更新時には、それぞれ 25、50、75 単位の取得が推奨
されます。
なお、「建設コンサルタンツ協会 CPD 制度の手引き(登録とその活用)」が改訂され、一
部の教育形態について 1 年間当たりの CPD 単位数の上限値を設定し、平成 20 年 4 月 1 日よ
り運用されています。
2)建設系 CPD 協議会との協調
建設系 CPD 協議会では、平成 17 年 7 月にホームページを開設し、建設系技術者に幅広
く横断的に CPD プログラムを提供することを目的とした「プログラム情報検索・閲覧シス
テム」を公開しています。これにより、多くの CPD プログラムの中から、自分のニーズに
合ったプログラムを選択することが可能となりました。
協会においては、建設系 CPD 協議会との連携に努め、CPD 単位、CPD の認定方法等につ
いての情報交換を行い、今後とも協調体制を取っていきます。
(4)技術者教育の実績
1)CPD 登録実績
平成 20 年 3 月末日現在、CPD 登録者は、RCCM 取得者 9,707 名、非 RCCM 取得者 6,612 名
で合計 16,619 名に上ります。一方、協会への CPD プログラム登録については、725 件に達
しています。(基礎データ編
表 4-1、表 4-2 参照)
2)講習会等の実績
平成 18 年度における地域別講習会等の開催実績について、協会各支部を対象として調
査した結果、年間 224 回の講習会等が開催されています。地域別の内訳は、図 3-1-3 に示
すとおり、中部、九州での開催が多く、逆に北海道、東北、四国での開催が他に較べやや
少ない傾向にあります。各支部において開催に偏りが生じないように努めています。
3-8
開催回数
45
40
35
30
25
41
20
41
34
15
10
5
28
21
20
13
15
11
九
州
四
国
中
国
近
畿
中
部
北
陸
関
東
東
北
北
海
道
0
合計 224 回開催
図 3-1-3
平成 18 年度地域別講習会等開催回数
3-9
3-2
コスト構造改善への取組み
建設コンサルタントのコスト構造改革への取組みについては、平成 19 年度まで実施され
た国土交通省の「コスト構造改革プログラム」を踏まえ、協会としての提案や調査・計画
並びに設計の各業務段階での提案等を行い、数多くのコスト縮減を実施してきています。
また、国土交通省では平成 20 年度から、コストと品質の両方を重視した新たな取組みと
して、「コスト構造改善プログラム」が策定されています。この新規施策への対応を含め、
今後もコスト構造改善を目指し、技術開発や新技術の採用、VE 会議への参画等様々な工夫
や取組みを実施します。
3-2-1 コスト構造改善への提案
(1)コスト縮減への取組み経緯
平成 15 年 3 月に「国土交通省公共事業コスト構造改革プログラム」
が策定されましたが、
このプログラムの取組みポイントは次の3点であり、数多くの施策が提案・実施されてき
ました。
①事業のスピードアップ
②計画・設計から管理までの各段階における最適化
③調達の最適化
さらに、平成 20 年度から取組みが開始された「国土交通省公共事業コスト改善プログラ
ム」では、経済性にも配慮しつつ、公共事業の構想・計画段階から維持管理までを通じて、
投資に対して最も価値の高いサービスを提供する VFM(Value for Money)の最大化を重視
した「総合的なコスト構造改善」を推進しようとしています。
一方、協会では平成 9 年 3 月に「設計改革宣言」を公表し、計画策定から維持管理まで
のトータルコストを削減する観点が不可欠であることを提案しています。工事コストの縮
減のみならず、事業評価を左右する上流側の調査・計画・設計を担当する建設コンサルタン
トが果たすべき役割は重要です。例えば、技術指針改訂や設計 VE の推進、新技術の活用、
ライフサイクルコストに配慮した維持管理手法、アセットマネジメント手法、新たな分野
では事業執行体制の強化をめざした CM(コンストラクション・マネジメント)など、様々な
取組みを行いながら発注者を支援してきています。
国土交通省公共事業コスト構造改善プログラム(平成 20 年 3 月)
【数値目標】
平成 20 年度から 5 年間で平成 19 年度の標準的な公共事業コスト
と比較して、15%の総合コスト改善率(※)を達成する。
(※)総合コスト改善率とは従来の総合コスト縮減に加え以下項目も評価する。
1) 民間企業の技術革新や調達の効率化によるコスト構造の改善
2) 施設の長寿命化によるライフサイクルコスト構造の改善
3) 工事に伴う環境コスト等の社会的コスト構造の改善
3-10
出典:国土交通省のホームページより
図 3-2-1 公共事業コスト構造改善プログラムの概要
(2)コスト構造改善への提案
コスト構造改善を実現するためには、これまで主体であった工事コスト縮減を引き続き
推進しながら、民間企業の技術革新等によるコスト構造の改善、施設の長寿命化によるラ
イフサイクルコスト構造の改善、工事における CO2削減よる環境コストの改善等、社会的コ
スト構造の改善にも積極的に取り組んでいくことが必要です。
また、平成 17 年 4 月の品確法の施行で、従来の価格競争から品質とコストで総合的に優
れた調達をめざすこととなりましたが、この中で発注者支援が位置付けられ、建設コンサ
ルタントがマネジメントの領域に一層関与できることとなりました。建設コンサルタント
は、公共事業における事業着手時、供用開始時から運用・廃棄時までライフサイクルに至
る広い視点で総合的にコスト縮減に取り組む機会が増えることから、様々な行動計画を立
案の上、発注者に働きかけているところです。国土交通省が現在推進中の「コスト構造改
善プログラム」の具体的施策を第 1 章 表 1-2-2 に示しましたが、これら施策の中には、建
設コンサルタントに関連あるものが数多いと考えられます。
3-2-2 コスト構造改善への取組み
(1)建設コンサルタントによるコスト縮減事例
上記の総合的なコスト縮減行動をどのような場面で実践し、その効果はどうであったか、
建設コンサルタントとして現在取り組んでいる状況について適宜アンケート等により把握
することを通じてフォローアップにも心掛けています。
平成 17 年度にはこのフォローアップの一環として、建設コンサルタントがコスト縮減に
関与した実態(平成 14 年度、15 年度、16 年度)として「調査設計等における建設コスト
縮減行動事例」、
「VE 会議等による建設コスト縮減行動事例」の二種類について広くアンケ
3-11
ート調査を実施し、パンフレットとして取りまとめています。その調査で次の点が明らか
になっています。
表 3-2-1 コスト縮減事例調査の結果
1.実施年度
1 平成16年度
2 平成15年度
3 平成14年度
無 効
合 計
2.発注機関
101 (46%) 1 国
60 (27%) 2 都道府県
52 (24%) 3 市町村
6
(3%) 4 公団
5 財団・社団法人
6 その他民間
無 効
219
合 計
3.業務段階
89
85
14
15
10
6
(41%)
(39%)
(6%)
(7%)
(5%)
(3%)
219
1
2
3
4
5
6
7
計画
調査
概略・予備設計
詳細設計
施工管理
維持管理
その他
無 効
(単位:件数 )
5.コスト縮減要因
4.業務分野
1
(0%) 1 道路・トンネル
6
(3%) 2 橋梁
74 (32%) 3 河川・上下水道
139 (60%) 4 ダム・発電
4
(2%) 5 港湾・空港
6 砂防・急傾斜
6
(3%) 7 鉄道
8 その他
無 効
合 計
230
56
60
36
20
16
14
8
9
合 計
(26%)
(27%)
(16%)
(9%)
(7%)
(6%)
(4%)
(4%)
219
1
2
3
4
5
6
7
サービス水準の見直し
15
(6%)
合意形成のスピード化
事業集中化・重点化
技術基準の見直し
設計方法の工夫
技術開発・新技術採用
その他
無 効
合 計
1
(0%)
29 (12%)
123 (50%)
65 (26%)
12 (5%)
1
(0%)
246
注)設問4、5は複数回答を含んでいる。
①国・都道府県のコスト縮減事例は数多くありますが、今後市町村での一層の推進
が期待されます。
②業務段階では、詳細設計で6割、概略・予備設計で3割となっており、詳細設計
段階以降のコスト縮減効果が大きい傾向です。今後はより自由度の大きい調査・計
画や概略・予備設計に多くの取組みが望まれます。
③基準や設計法の改定など、近年の規制緩和により大きな効果を上げた事例も1割あ
りますが、これらも今後の増加が期待されます。
規制緩和により大きな効果を上げ
られたが別のところに問題が起きた
1%
規制緩 和を 行っ たが大 きな
効果は得られなかった
0%
規制緩和により大きな効果
を上げられた
10%
その他
5%
現行規制の範囲内で実施したので、
あまり効果が上がらなかった
3%
図 3-2-2 コスト縮減の効果
現行規制の範囲内で有
効効な効果があった
81%
④建設コスト縮減の事例が大半を占めていますが、事業のスピードアップやライフ
サイクルコストの縮減に関する事例もあります。事業のスピードアップをめざす
事例として、設計法を工夫した工期短縮や、PI(パブリックインボルブメント)
を支援した関係者との合意形成の活動などがあります。また、将来の維持管理費
縮減のため、設計法や施工法を工夫した事例もあります。
⑤VE 会議等の事例は少ないものの国・都道府県で行なわれています。特に都道府県
は財政規模が小さい中で良いものをより安く整備する意識が強いことが理由です。
建設コンサルタントは設計あるいはアドバイザーの立場で参画し、新技術・新工
法等設計法を工夫した提案を行なっています。
3-12
表 3-2-2 建設コスト縮減事例
分野
①
②
概
効
要
果
設計法の工夫
道路
既設橋梁の活用、簡易交差点等の採用及びルートの見直し
縮減 15%
道路
シールドトンネル断面の道路下を発生残土で充填し、残土処理
縮減 20%
河川
樋門の仮締切構造(二重締切から一重締切・抑え盛土併用)の工夫
縮減 20%
港湾
近傍既設ニューマンチックケーソンを有効利用した護岸改修
縮減 25%
橋梁
既設橋梁の一部活用による新設橋面積の低減
縮減 40%
技術開発・新技術の適用
橋梁
幅員縮小及び長支間合成床版と少数桁組合せによる鋼上部工合理化
縮減 39%
橋梁
多点固定、SC+PHC 杭の許容変位緩和規定活用による基礎の縮減
縮減 10%
河川
弾性接合方式プレキャスト樋門の適用
縮減 61%
ダム
現地発生材を有効活用する CSG 工法による重力式仮締切堤への変更
縮減 40%
砂防
ソイルセメント工法による材料費と残土処理量の縮減
縮減 27%
港湾
防波堤ケーソンへのハイブリッド構造フーチング補強による再利用
縮減 38%
③
技術基準類の見直し
道路
地域に応じたローカルルール・道路構造の採用
橋梁
谷部横断橋梁への高強度鉄筋 SD490 適用による高橋脚断面の縮小
河川
粗度係数の見直しによる河川トンネル断面の縮小
縮減 25%
ダム
グラウチング指針改訂に応じた水理地質構造解析による孔数・孔長短
縮
縮減 30%
④
縮減 65%
―
サービス水準の見直し
道路
山地部交通量に適合した道路規格の見直し(幅員の縮小)により、山
地部構造物費用の削減
縮減 20%
道路
地域高規格道路の構造要件緩和を踏まえ、道路規格・幅員見直し(幅
員の縮小)
、現道活用することにより構造物・用地費の削減
縮減 60%
表 3-2-3 事業便益の早期発現事例
分野
概
要
効
果
道路
1.5 車線整備手法導入により現道活用の割合が増加
工期短縮
道路
道路拡幅での地下埋設管を更生する FRPM 管内装の工法
施工時交通規制
(流下能力確保に粗度係数の改善)採用による現況交通
短縮 2 ヶ月
の規制回避
河川
弾性接合方式プレキャスト樋門の適用
工期短縮 150 日
(71%縮減)
3-13
表 3-2-4 将来の維持管理費縮減(既存施設に関わる事例)
概
分野
橋梁
要
効
果
既設鋼ローゼ桁橋をコンクリート巻立て工法により RC 固 LCC 縮減率 61%
定アーチ橋に改築
橋梁
上部工構造の見直しと耐候性鋼材の採用
LCC 縮減率 21%
(2)現状分析と今後の課題
建設コンサルタントは、調査・計画・設計・施工段階から維持管理に至るまで公共事業
の全般に関与できるため、あらゆる局面でコスト縮減に果たす役割は大きく、また取り組
む責務があります。公共事業に係る技術開発や基準見直しによる規制緩和、低品質材料の
活用やリサイクルによる資源の有効活用など多くの取組みにより、今後ますますコスト縮
減の効果が期待できます。これまでは、建設コスト縮減の創意工夫に重点を置くものであ
り、事例調査では、建設コストに関するものが全体の約9割を占めるのが実態です。道路、
河川、港湾などの分野別でも著しい差異はみられず、いずれの分野でも十分な取組みがな
されていない状況です。これからは、「コスト構造改善プログラム」の実現に向け、建設コ
スト縮減はもちろん、民間技術の活用、施設の長寿命化、さらには環境コストへの対応に
も取り組まなければなりません。今後、建設コンサルタントでは各分野において事業全体
に視点を置いた提案を積極的に行っていきます。
一方、コスト縮減の検討は通常業務のほか、複数の専門家による VE 検討会、合理化検討
委員会などを設置して関係者への合意形成を図りながらコスト縮減に取り組む形態が進め
られることがあります。VFM(Value for Money)の最大化を実現するため、建設コンサル
タントにおいても、今後これら形態への参画の機会は確実に多くなってきます。すなわち、
技術面以外に制度面での発注者支援を行うために豊富な経験と人材を駆使することが必要
であると考えています。
1)
総合的なコスト縮減への取組みの継続
a)広義のコスト縮減への取組み
コスト縮減事例の多くは、従来の計画や設計に対して、設計法の工夫、技術基準の見直
し、新技術の採用によってもたらされる狭義のコスト縮減に止まっていました。さらに施
設の長寿命を視野に、調査・計画・設計・施工・維持管理段階を含むライフサイクル全体
を通じた包括的で広義のコスト縮減への意識をもって取り組んでいく必要があります。事
例調査でも、工期短縮やライフサイクルコスト縮減への取組み事例数は徐々には増えつつ
あります。今後はもっと飛躍的な推進が望まれるところです。
b)地元関係者の参画
コスト縮減に関わる事業のスピードアップを図るため、計画・設計段階から地域住民・
関係者の参画が重要となっています。近年 PI を始めとした事業に関する説明・公聴会が多
く開かれています。建設コンサルタントはこれらの業務に従事し、合意形成等に協力して
きましたが、今後とも建設コンサルタント技術者は、合意形成等に関わる技術的能力を備
え、取り組んでいく必要があります。
3-14
c)計画時からの建設コスト縮減の意識
これまで事業の調査・計画段階の建設コスト縮減への取組みが十分ではなく、設計・施
工段階での工事コストに注目されがちでした。事例調査では、事業段階別のコスト縮減提
案件数は詳細設計時以降が全体の6割以上という結果です。コスト縮減効果は明らかに上
流部分で大きいことは認識されていますが、実際には検討が十分でないことも現実です。
建設コンサルタント技術者が、発注者とともにこれまで以上により強い意識をもって調
査・計画時のコスト縮減に取り組んでいくことにより、合理的な建設コスト縮減に貢献でき
ると考えています。
2)
コスト構造改善を目指して
a)技術開発・新技術の採用
現行規定の範囲外の提案、規制緩和を前提とした提案により更なるコスト縮減効果の可
能性は見込めるものの、安全性確保などの観点から実績が重視され、新しい工法・形式の
採用や規制緩和に対して消極的な傾向があります。建設コンサルタント技術者は、現行規
定に捉われない提案や規制緩和可能な提案が示せるだけの技術力や創造力の技量など自己
研鑽に努めていくことが求められています。また、一方で民間企業による ICT(Information
&Communication
Technology)の活用や創意工夫の評価を視野に、①性能照査・検証の仕
組みを作る、②新技術をパイロット事業化しその妥当性検証や積算歩掛調査を行う、③産
官学の協力による実績の少ない設計・施工に取り組む機会の増加、などが望まれます。
b)VE 会議等への参画
コスト縮減を図るため、自発的に VE 活動を行なっている会員企業があります。社内で数
人のメンバーが集まり VE 分析から評価・改善提案までをワークショップ形式で一貫して実
施しています。しかし、まだ一部の業務として実施しているのが現状です。また、VE 会議
等によるコスト縮減行動への参加事例は、まだ多くありませんが豊富な経験を持つ建設コ
ンサルタントの人材活用事例も見られます。投資に対して最も価値の高いサービスを提供
する VFM(Value for Money)の最大化を実現するためには、こうした建設コンサルタント
による参画の実績を通して、国民・発注者に対し広く PR し、一層の参画機会を増やす努力
が必要です。
c)インセンティブ
コスト縮減活動を通じて得られた意見として、インセンティブの導入、すなわちコスト
縮減に向けた積極的な提案を出しやすい環境づくりがあります。その 1 つとして建設コン
サルタントの提案により大きなコスト縮減があった場合のインセンティブの制度化、VE 活
動に参画する場合の報酬などについて制度化することが必要と考えています。
3-15
3-3
社会貢献活動
協会では、社会資本整備にかかわる知見と知識を提供できる専門家集団として、災害時
の支援活動やボランティア活動、学校教育への参画や支援、各種フォーラムや委員会への
参画、各種講演会の開催、著作物等を通じて、その知見を国民に発信する等の社会貢献活
動に積極的に取り組んでいます。
3-3-1 災害支援活動
(1)災害支援活動の体制
1)災害時行動計画
我が国における社会基盤に係る構造物の多くは、建設コンサルタントが調査、計画、設
計等を担当して建設され、広く供用されその機能を発揮しています。
それらが地震、洪水などの異常事象により、大規模な被害を受けた場合は被災地域住民
の生命財産や生活に多大の影響を及ぼすのみでなく、全国の経済活動にも大きな影響を与
えることになります。したがって、その迅速な復旧・復興が直ちに実施される必要があり
ますが、その過程において、建設コンサルタントは関係行政機関に協力してその能力を最
大限に発揮し、国民の要請に十分応えなければなりません。
協会では、平成 7 年 1 月の兵庫県南部地震の発生に伴う災害復旧を教訓として、災害発
生時に協会が組織的に行う行動等を定め、災害対策の推進を図ることにより社会の要請に
的確に応えることを目的として「災害時行動計画」を策定しています。本行動計画に基づ
き、暴風、豪雨、豪雪、高潮、洪水、津波、地震、噴火その他の異常事象により生じた、
主に社会基盤の損壊等の被害に対してそれらの被害の拡大を防ぐとともに、災害の復旧を
実施することへの対応を組織的に行うこととしています。
2)災害時対策行動
災害時対策行動としてまず災害に関する情報収集を行い、災害の状況ならびに関係行政
機関の災害への対応に関する情報を迅速かつ正確に把握します。
具体的な災害時対策行動として以下のことを行うこととしています。
a)関係行政機関等との連絡・連携
b)被害状況の調査
復旧計画の作成において、最も重要なことは被災状況の的確な把握です。構造物の管理
者(関係行政機関)と連携を保ちつつ、設計担当者として直ちにその専門知識を活用し被
災状況を的確に調査し、管理者(関係行政機関)に提供します。
c)応急復旧計画・設計の作成・提案およびその施工管理等
構造物の機能を一刻も早く回復するための応急復旧対策について、被害の状況に応じ、
当該構造物の設計に関する知識を活用し、本復旧時の状況も考慮の上、緊急応急復旧の設
計の提案および施工管理等を行います。
また災害の拡大を防止するための緊急応急復旧が必要となる場合にはソフト面を含め
関係行政機関に協力します。
3-16
d)本復旧に関する計画・設計の作成・提案
災害について緊急対応が一段落した後、自然災害に強い国土づくりの観点からの本復旧
および復興が必要となります。この計画および設計過程において、被害状況の調査の分析、
計画立案、適切な設計およびその施工管理を行います。
3)災害に対する事前対策
a)協会会員の研修等
協会本部および支部では、協会会員に対し、災害対策に関する研修、講習会等を随時実
施するとともに、会員へ本計画の周知徹底を図っています。
また、関係行政機関の行う防災上必要な教育および訓練に対しても積極的に協力あるい
は参加することとしています。
b)協会会員の災害行動計画の策定
協会会員は自社の係わった業務に関する情報をデータベースとして整備するとともに、
災害時に速やかに対応できるよう事前の検討を行っておくこととしています。
c)協会会員の危機管理計画の策定
協会会員は災害等発生の場合の措置、対策等を定めた危機管理計画を策定しておくこと
としています。
d)協会会員の協力関係
支部では、災害等発生時にお互いに協力しあえるよう平常時から協力要員の名簿等を整
備し、相互の協力関係を平常時から確立しています。
4)支部の災害協定
支部では、平成 8 年から国や地方公共団体との災害協定締結を順次進めてきており、災
害時には災害協定に基づき支援活動を実施します。
支部の災害協定を表 3-3-1 に示します。
表 3-3-1 支部における国、地方公共団体との災害時の協定
支部
北海道
東北
関東
協定先
締結日
協定名称
平成 11 年 2 月 2 日
(毎年更新)
平成 13 年 7 月 27 日
(毎年更新)
災害時における北海道開発局所管施設等の
災害応急対策業務に関する協定
災害時における東北地方整備局所管施設の
災害応急対策業務に関する協定
関東地方整備局
平成 17 年 3 月 8 日
(毎年更新)
災害時における関東地方整備局所管施設の
災害応急対策業務に関する協定
神奈川県
平成 19 年 4 月 27 日
(毎年更新)
千葉県
平成 20 年 3 月 27 日
(毎年更新)
北海道開発局
東北地方整備局
3-17
災害時における設計・調査等の応急対策業
務に関する協定(県建設コンサルタント業
協会を含めた3者協定)
地震・風水害・その他の災害応急対策に関
する業務協定(県建設コンサルタント協会
を含めた3者協定)
北陸地方整備局
災害時における北陸地方整備局所管施設の
災害応急対策業務に関する協定書
(全地連北陸協会、全測連北陸協議会を含
めた4者協定)
平成 17 年 3 月 18 日
(毎年更新)
災害時の応援業務に関する協定
平成 16 年 10 月 29 日
(毎年更新)
災害時における応援業務についての協定
平成 19 年 4 月 12 日
災害時における応急対策業務に関する協定
柏崎市
平成 19 年 7 月 23 日
(毎年更新)
災害時における応援業務についての協定
(全地連北陸協会、全測連北陸協議会を含
めた4者協定)
中部地方整備局
平成 9 年 12 月 3 日
(毎年更新)
平成 17 年 3 月 31 日
(改訂、毎年更新)
災害時における中部地方整備局所管施設の
緊急的な災害応急対策の支援に関する協定
書
愛知県
平成 17 年 3 月 25 日
(毎年更新)
異常気象時における橋梁緊急点検等に関す
る協定
愛知県道路公社
平成 17 年 12 月 15 日
(毎年更新)
異常気象時における橋梁緊急点検等に関す
る協定
新潟県
北陸
新潟県
長岡市
富山県
新潟県
中部
平成 18 年 5 月 24 日
(毎年更新、平成 15 年 6 月 6
日付協定書は廃止)
平成 15 年 3 月 20 日
名古屋市
平成 20 年 3 月 25 日
災害時における緊急的な災害応急対策業務
の支援に関する協定(愛知県測協を含めた
3者協定)
災害時における緊急的な災害応急対策業務
の支援に関する協定の実施に関する細目協
定(愛知県測協を含めた3者協定)
近畿地方整備局
平成 17 年 9 月 28 日
(毎年更新)
災害時における近畿地方整備局所管施設の
緊急災害応急対策業務に関する協定書
兵庫県
平成 20 年 3 月 26 日
(毎年更新)
災害時における兵庫県県土整備部所管施設
の緊急災害応急対策業務に関する協定書
四国
四国地方整備局
平成 8 年 2 月 27 日
(毎年更新)
災害時民間支援エキスパート制度
九州
九州地方整備局
平成 18 年 3 月 30 日
(平成 15 年 3 月 24 日付協定
書は廃止)
近畿
3-18
災害時における九州地方整備局所管施設に
係る緊急的な災害応急対策業務に関する協
定書
(2)地震に対する災害支援活動
1)平成 19 年新潟県中越沖地震に対する災害支援活動
平成 19 年 7 月 16 日に発生した新潟県中越沖地震に対し、北陸支部では同日 7 月 16 日
に災害対策現地本部を設置し災害対策支援行動を開始しました。これを受けて、翌 7 月 17
日 9:00 に協会本部に災害対策本部を設置し、北陸支部からの情報収集に努めるとともに各
支部に対し災害対策本部設置の連絡を行いました。地震発生後の 7 月 16 日から 9 月 10 日
までに北陸支部では延べ約 7,000 人が、災害復旧のために国、県および市町村等からの依
頼を受け支援行動を行いました。
2)平成 19 年能登半島地震に対する災害支援活動
平成 19 年 3 月 25 日に発生した能登半島地震に対し、北陸支部では 3 月 26 日に災害対
策現地本部を設置し災害対策支援行動を開始しました。これを受けて、同日 3 月 26 日 8:30
に協会本部に災害対策本部を設置し、北陸支部からの情報収集に努めるとともに各支部に
対し災害対策本部設置の連絡を行いました。地震発生後の 3 月 29 日から 6 月 30 日までに
北陸支部では延べ約 2,700 人が、災害復旧のために国、県および市町村等からの依頼を受
け支援行動を行いました。
3)平成 16 年新潟県中越地震に対する災害支援活動
平成 16 年 10 月 23 日に発生した新潟県中越地震に対し、北陸支部では 10 月 24 日に災
害対策現地本部を設置し災害対策支援行動を開始しました。これを受けて、翌 10 月 25 日
に協会本部に災害対策本部を設置し、北陸支部からの情報収集に努めるとともに各支部に
対し災害対策本部設置の連絡と今後の状況により支援要請等を行った場合の協力依頼を行
いました。
その後、約1ヶ月にわたって、北陸支部では、北陸地方整備局、新潟県、市町村からの
依頼を受け、延べ約 5,000 人を動員し現地調査等の支援行動を行ってきましたが、北陸支
部だけでは限界に達しつつあり、さらに今後も山古志村等これまで入れなかった地域での
災害被害調査の依頼が増大することが見込まれたため、北陸支部より本部に対し関東支部
等への支援要請の依頼がなされました。これを受けて、11 月 25 日に災害対策本部から関
東支部、東北支部、中部支部の3支部に対し災害対策支部設置を要請、3支部では災害対
策支部を設置し、関東支部は直ちに北陸支部から情報収集するとともに災害対策支援の協
議を行い、北陸支部からの依頼を受けて山古志村、川口町等の災害被害調査の支援行動を
開始しました。
北陸支部の災害対策現地本部および関東支部を中心とした他支部からの支援を含め、延
べ 23,000 人を超える協会会員技術者が、災害復旧のために国、県および市町村等からの依
頼を受け支援行動を行いました。
これまでの地震に対する災害支援活動を表 3-3-2 に示します。
3-19
死
人者
数
地
震
の
状
況
発生日時
9
月
11
日
現
在
12,483
最大避難者数
公共土木
一般被害
6,975
(H19.7.16~9.10)
出典:新潟県発表資料、石川県発表資料などによる。
建コン協北陸支部従事人員(人)
※超勤を含めた実人員
柏崎市 約9万5千人
刈羽村 約5千人
約306億円
約1.5兆円
1,222
40,688世帯
被災世帯数
9
月
11
日
現
在
2,685
(H19.3.29~6.30)
輪島市 約3万人
203億円
不明
334
2,624
27,618世帯
0
0
0
26,907
1,729
ぼや
火災は3件
34,134
5,256
683
0
0
震源付近の人口
被
災
額
10
月
30
日
現
在
0
0
1
部分焼家屋数
半焼家屋数
全焼家屋数
一部損壊家屋数
半壊家屋数
1,244
3
地震のストレス等による関連死
全壊家屋数
0
落下物による脳挫傷等
仮設住宅戸数
)
(
被
人災
者
)
(
火
災
棟
被
害
)
(
家
屋
棟
被
害
10
月
31
日
現
在
1
火災による焼死
10
本震発生後50日目まで、
合計13回
本震発生後10日目まで、
合計7回
震度4以上の余震発生
家屋、家具類等による圧死
416回
153回
被災1ヶ月の余震回数
6強
6強
最大震度
M6.9
出展 新潟県発表資料
長岡市 約28万人
小千谷市 約4万人
川口町 約5千人
23,372
(H16.10.23~12.31)
2,273億円
約3兆円
3,460
103,178
121,000世帯
4
1
1
3
103,854
13,808
3,175
52
0
0
16
本震発生後21日目まで、
合計56回
811回
7
M6.8
平成16年10月23日
17時56分
平成19年3月25日
9時42分
平成19年7月16日
10時13分
M6.8
新潟県中越地震
石川県能登半島地震
新潟県中越沖地震
地震規模
表 3-3-2 最近の大規模地震の概要
)
(
3-20
川県発表資料など よる
-
淡路市 約5万人
神戸市 約153万人
明石市 約29万人
12,961億円
約9兆9千億円
48,300
316,678
448,000世帯
113
299
89
6,982
263,702
144,274
104,906
932
121
550
4,831
本震発生後9日目まで、
合計7回
259回
7
M7.3
平成7年1月17日
5時46分
兵庫県南部地震
3-3-2 その他の社会貢献活動
災害支援活動以外の、建設コンサルタントの社会貢献活動として、2-1-5 で述べました
②ボランティア活動への参画、③学校教育への参画、支援、④フォーラムへの参画、講演
(講習)会の開催、セミナーの講師派遣等を計画・実施しています。
また、協会誌『Consultant』を年 4 回発行し、社会資本整備の必要性を訴えるとともに、
建設コンサルタントの社会資本整備における役割、協会の社会貢献活動の実態についての
紹介をしています。さらに、社会資本整備を一般に向けて紹介するため、世界の土木遺産
に関する『土木遺産(アジア編)』を平成 19 年 11 月に発刊しました。
この他、協会 HP には、各支部の社会貢献活動に関する情報コーナーを設け、国民一般
を対象に、協会が取り組んでいる社会貢献活動についての情報発信を行っています。
(平成
20 年 1 月公開)
あわせて、建設コンサルタント技術者が経験した災害体験事例についても、社会貢献活
動の一環として、協会 HP に公開しています。(平成 20 年 1 月公開)
また、協会 HP には、上記の協会誌『Consultant』の主要記事も転載しています。
以下に、災害支援活動以外の社会貢献活動に関する取組みについて紹介します。
(1)ボランティア活動への参画
1)名古屋打ち水大作戦等への参画(中部支部)
そろいの T シャツと協会のハッピを着用し、要所にはのぼりを立て、打ち水開始前に打
ち水の大切さと建設コンサルタントの PR 用うちわと水鉄砲を配布しながら、打ち水への一
般参加を呼びかけ、打ち水を実施しました。
また、堀川浄化水上パレードには、名古屋港から時代衣装を着用して 12 艇に分散乗船
し、のぼりを立て、堀川を遡上パレードしながら沿岸の見物人に堀川浄化の大切さと建設
コンサルタントの役割等を PR しました。
2)美化・清掃活動(北陸支部)
昨年に引き続き新潟市の繁華街「ふるまちモール」で清掃活動を実施し、60 名が参加し
ました。また、新たに新潟市鳥屋野潟スポーツ公園(ビッグスワン周辺)で実施し、48 名
が参加しました。
3-21
(2)学校教育への参画、支援
1)中学生のための出前講演会(北陸支部)
中学生を対象に 3 個所で下記テーマの出前講演会を実施しました。
①「これからのまちづくりと社会資本整備のヒミツ」
②「新潟市の都市交通」
③「金沢の土木遺産辰巳用水」
2)一般・大学生を含む広い対象に向けた環境講習会(関東支部)
「環境配慮型事業に対して建設コンサルタントは何をなすべきか」と題して、会員・一
般・発注者と大学生を含めた広い対象に向けた環境講習会を開催しました。
3)講習会の開催(四国支部)
香川では、観音寺中学校 1 年を対象に、財田川の現状や自然の大切さと同時に、動植物
に接した学習会を開催、また、徳島では、
「川の歴史と河川環境の関わりを学ぼう」をメイ
ンテーマに、中学生を対象として河川の継続的な維持管理および継続利用を目的とし、河
川環境と共生する上での課題や仕組みについて講習会を開催しました。高知では、江ノ口
川中流域の小学校を対象に、江ノ口川の整備や利用の歴史、汚濁の原因、河川再生への取
り組み等について学習・体験する場を提供し、同校の環境学習を支援しました。
テキストでの学習
透明度測定
3-22
愛媛では、伊方町の潟湖「亀が池」を中心に、小学生、協会会員などが参加して、楽し
みながら環境について学べる自然観察会を実施しました。
4)防災教育への参画(中国支部)
広島市安佐公民館(高齢者対象)、広島市立湯来東小学校、広島市立清和中学校において、
土砂災害をテーマにした防災教育を実施しました。防災教育は演習を中心とした構成とし、
特に、清和中学校では土砂災害に関する概要知識を説明した後、
「防災クイズ」、グループ
討議「がけ崩れの原因と対策」、「ハザードマップ作成・発表」を行い、防災の重要性を理
解していただきました。
安佐公民館でのハザードマップ作成演習の様子
湯来東小学校での防災クイズ演習の様子
清和中学校でのハザードマップ作成の様子
今回、講師や支援として参加
した中国支部の技術者達
(3)フォーラム参画、講演(講習)会の開催、セミナーの講師派遣等
1)「地球温暖化」講演会の開催(東北支部)
社会資本整備の必要性・促進や建設コンサルタントの役割を広く社会に訴えるため、平
成 14 年度から継続的活動として実施しているもので、本年度は「地球温暖化」をテーマに
一般企業、学校、官公庁、協会会員を対象として開催しました。
・最近の災害の特色とその対策について
・温暖化による日本の水災害予測について
・世界の水問題と気候変動について
3-23
講演会風景
2)埼玉地域のインフラ整備に関する技術講習会(関東支部)
「埼玉地域のインフラ整備にコンサルタントはどの様に関わってきたか」についての技
術講習会を開催しました。国土交通省事務所・埼玉県及び出先事務所の職員など大勢の発
注者の参加を得ました。
3)自治体職員研修会への講師派遣(各支部)
関東支部では、茨城県、埼玉県、長野県の要請を受け、延べ8件の講師派遣に対応しま
した。会計検査で指摘対象の多い土木構造物の基礎的な工種に関するもの、設計の照査に
関するポイント等がテーマでした。
また、近畿支部では、国、自治体などへの講師の派遣、土質と基礎、橋梁、道路構造物、
仮設構造物、舗装トンネル、環境項目の共通研修テキストを作成しました。
研修テキストの検討
研修テキストの一例:河川環境編
4)各種イベントへの参画(各支部)
関東支部では、平成 19 年 10 月「新技術フェア 07in 関東」
・「建設展示館リニュアルフ
ェア」(関東地整)に広報パネルを出展し、建設コンサルタントの業務と役割の PR を行い
ました。
また、近畿支部では、「建設技術展2007近畿」に支部ブースを開設して以下の展示等を
行いました。
①パネルによる近畿支部の活動概要の紹介
3-24
②「クリエイトきんき」DVD 版の放映(広報誌クリエイトきんきの紹介版と特別号版
(研究発表会))
③職員研修テキスト」PPT 版の放映(試作段階)
④建設コンサルタントの知名度アップのためのクイズ
⑤支部刊行物の配布
知名度アップのためのクイズ実施
参画状況
ブース
5)協会会員の災害復旧技術の研修(各支部)
関東支部では、(社)関東建設弘済会等と共催による災害復旧事業技術講習会、災害復旧
現場見学会(岡谷)を開催し、復旧技術の研修を実施しました。
また、中部支部では、災害復旧教育の継続実施による若手技術者育成を目的に、(社)
中部建設協会と合同で災害復旧事業の技術的な実務の取扱、復旧工法の留意点等事例を交
えての講習を行いました。県・市町村の若手技術者を主体とし、技術関係の学生にも参加
を呼びかけ、建設コンサルタントの技術者を含め 135 名の参加となりました。
6)講習会、セミナーの実施(中部支部)
品質確保、コスト削減等の設計 VE の概要を発注者において十分理解していただくため
の支援活動として、静岡県、愛知県、長野県、岐阜県、三重県の事務所において、中部地
方整備局の設計積算担当の技術職員延べ 100 名を対象に、「設計 VE 講習会」を実施しまし
た。
また、 河川技術セミナーを開催し、
「河川構造物の耐震性能照査指針案の概要」
(講師;
吉田治水課長補佐)「土石流・流木対策設計技術指針の背景」(講師;京都大学水山高久教
授)について基調講演を行いました。今年度も支部会員や国自治体等の発注者から約 90
名の参加があり、盛況に開催することができました。
7)業務技術発表会、研究発表会の開催(各支部)
中部支部では、業務技術発表会を開催し、発注機関の技術者、技術関係学生及び会員会
社の技術者を対象として、4技術部門ごとに論文10編の発表を実施、最優秀賞1編、優
秀賞2編、プレゼン大賞1編の表彰を行いました。今年度も支部会員や国自治体等の発注
者から約 100 名の参加があり、盛況に開催することができました。
また、近畿支部では、支部会員の研究成果を発表する場として、第 40 回研究発表会を
企画し開催しました。プレゼン発表10課題、一般発表46課題、特別講演2題、4つの
3-25
研究委員会報告を行いました。
今年度より一般発表に加え、若手技術者のプレゼン発表を追加し、支部会員や学生、一
般の方、国・自治体等の発注者から約 400 名の参加があり、盛況に開催することができま
した。また、発表に対して、14 名の発表者に表彰が行われました。
特別講演
表彰式
8) NPO等と連携したフォーラム、イベントの企画、参画(中国支部)
広島市の中心部を対象として、自転車を利用する際に役立つ自転車マップの作成を行っ
ています。また、自転車の利用環境づくりに積極的に取り組んでいる高松市と福岡市を対
象として、現地調査を実施し、関係者にヒアリング調査を実施しました。第 2 回自転車フ
ォーラムを 12 月に開催し、具体的な利用環境づくりの方向性を探りました。
(4)その他の事例
1)支部ホームページへのコンテンツの作成(北海道支部)
平成 19 年 10 月に開設した支部ホームページ(以下、「HP」という。
)では、今後、会員
への情報提供に加え、一般(会員以外)向けに講演会やシンポジウム等の情報発信を行っ
ていく予定です。その一環として、広く一般の方々の理解を深めてもらうことを目的とし
て、当 HP に「社会資本整備の重要性 PR と建設コンサルタントの役割の紹介」に関するコ
ンテンツを作成します。当コンテンツの対象は、建設分野のリクルートも考慮して、特に
大学生(学生)を中心に考えます。
2)絵本の増刷・配布(関東支部)
社会資本整備の必要性と建設コンサルタントが果たす役割を広く理解いただくための
情報発信として、前年度作成した小学校中高年向けの『キミの知らないみちで』という絵
本を増刷し、公立図書館・マスコミ・関係団体等に配布すると共に、各種フェア・親子イ
ベントにて配布しました。
3-26
3)新しい情報発信誌の発行(関東支部)
『グローカル関東』と題する情報発信誌の創刊号を「これからの東京」として、先ず1
都8県の中心である東京の話題を中心とした内容で、平成 20 年 1 月に発行しました。カラ
ー刷りの柔らかい読み物にして大学・公民館・図書館・区市役所等に送付し、広く一般の
方々に読んでいただけるように配布しました。
4)広報誌『クリエイトきんき』の発刊とDVD作成(近畿支部)
8 月に第 13 号(テーマ:防災(水災害)
)、1 月に第 14 号(テーマ:ささえる土木)を
発刊するとともに、一般向け広報物として『クリエイトきんき特別号』
(DVD 版)を作成し、
PRに努めました。
5)『地震災害Q&A』冊子の作成(中国支部)
防災教育も土砂災害だけでなく、地震災害に対する学校側からの要望もあり、地震に関
する教育の基本を確立する上でも「地震災害 Q&A」を作ることを目標とし、冊子の作成内
容は次の構成としました。
・地震発生から災害までの基礎知識
・地震への備え:ハード・ソフト対策
・発災時の対処法
・復旧/復興時の対処法
6)夢アイデア企画事業について(九州支部)
地域づくり、まちづくりのアイデア募集を行い、実現化に向けた展開方法についてのフ
ィードバック情報を応募者含め広く社会に発信しています。
本年度は応募総数24編に留まりましたが、質的に向上しており、最優秀1、優秀2、
佳作4、特別賞1を選出しました。また、24編の寄稿者のうち 12 名が 10 分/人の持ち時
間でプレゼンテーションを行い、聴衆の投票により、市民大賞、市民賞を選出しました。
審査委員会
交換会(プレゼンテーション)
3-27
交流会(表彰式)
3-4
中期行動計画の推進
建設コンサルタントのビジョンは、平成元年に建設省(現国土交通省)が設置した「建
設コンサルタントの中長期ビジョン研究会」(座長:中村英夫東京大学教授(当時))によ
り「建設コンサルタント中長期ビジョン-ATI 構想」が策定され、建設コンサルタントの
進むべき将来像、およびそれを実現するための方策が示されました。
ATI 構想から15年が経過し、社会・経済情勢などの建設コンサルタントを取り巻く環
境が大きく変化したことを受けて、協会の創立40周年を期して、協会の新ビジョン特別
委員会は、平成 15 年 5 月に「建設コンサルタント21世紀ビジョン-改革宣言」を発表し
ました。現在協会では、「改革宣言」の目指すところを実現するための行動計画を「(社)
建設コンサルタンツ協会中期行動計画」として取りまとめ、本部、支部の活動として積極
的に取り組んでいます。
3-4-1 取組み状況
(1)中期行動計画の策定
「改革宣言」では建設コンサルタントが抱える課題を解決して魅力と展望を持った知的
産業となるため、次の5つの構造改革を提示しています。
①新しい領域の開拓と拡大
②企業配置の再編
③技術競争市場の形成と技術開発
④組織主体から技術者主体への転換
⑤企業倫理、技術者倫理の堅持
これを受けて協会は、「改革宣言」の目指すところを実現するための協会の行動計画に
ついて「(社)建設コンサルタンツ協会中期行動計画」として取りまとめ、平成 16 年 5 月
に発表しました。
この中期行動計画では次の4つの行動を掲げ、これを具体化するために20の施策を提
示しています。
行動計画-1 技術
:優良な技術と知恵を提供するための行動
行動計画-2 新領域 :新しい領域を開拓し拡大するための行動
行動計画-3 倫理
:倫理の堅持
行動計画-4 社会貢献:専門家集団としての社会貢献
(2)中期行動計画の推進
協会では中期行動計画を強力に推進していくため、平成 16 年 11 月協会内に中期行動計
画推進特別委員会(以下、「特別委員会」という。)を新設しました。この特別委員会のも
とで20の施策を具体的に検討し実施していく担当委員会を定め、実施方針に従って活動
を展開するとともに、活動の成果の評価とこれに基づく実施方針の見直しを行うことにし
ています。中期行動計画の施策と担当委員会は表 3-4-1 のとおりです。
また、平成 17 年度に支部における社会貢献活動に対して助成金を交付し、支部活動を支
援する制度を創設しました。対象とする支部活動の例は、下記のとおりです。
①講習会、講演会、セミナー、シンポジウム等の開催
3-28
②学校教育の支援として講師の派遣等
③地域づくり、まちづくり事業への参画
④イベント、フォーラムへの参画
⑤マスメディア、ホームページによる一般市民への広報、など
表 3-4-1
行動計画
施
1.優良な技術と 1-1
1-2
知恵を提供する 1-3
ための行動
平成 19 年度 中期行動計画の施策と担当委員会
策
プロポーザル方式拡大の推進
業務システム委員会
適正な選定基準、選定過程の確立
業務システム委員会
適正な登録制度の確立
企画委員会
1-4
適正な選定制度の確立
選定制度委員会
1-5
適正な責任担保制度の確立
総務委員会
1-6
適正な再委託制度の確立
企画委員会
1-7
適正な発注ロットの確立
業務システム委員会
1-8
適正な知的財産権の運用の推進
総務委員会
1-9
技術者の能力開発と活用
CPD 委員会
1-10
適正な資格制度の確立
RCCM 資格制度委員会
1-11
適正な報酬体系の確立
報酬積算体系特別委員会
1-12
職業法制定の推進
企画委員会
1-13
経営基盤強化・安定の支援
経営委員会
1-14
技術開発支援
技術委員会
建設コンサルタントの役割の提案
企画委員会
2.新しい領域を 2-1
開拓し拡大する
ための行動
3.倫理の堅持
担当委員会
2-2
マネジメント領域拡大の支援
3-1
倫理を促す協会制度の創設
3-2
倫理の堅持の支援
4.専門家集団と 4-1
社会資本整備のあり方の提言
しての社会貢献
マネジメントシステム委
員会
倫理委員会
職業倫理啓発委員会
倫理委員会
独禁法に関する委員会
企画委員会
広報委員会
4-2
社会貢献活動への参画
情報委員会
支部
3-29
3-4-2 主要な成果
(1)委員会活動
特別委員会において、年度当初に各担当委員会で検討、作成した年次計画、年間実施計
画を審議し、年度途中に実施計画に基づく各担当委員会の活動中間報告の審議、評価を行
いました。中期行動計画の施策と各担当委員会の活動内容を表 3-4-2 に示します。
表 3-4-2
施
平成 19 年度 中期行動計画の施策と活動内容
策
活動内容
・アンケート実施結果に基づく年次報告書の作成
1-1
プロポーザル方式拡大の推進
・支部活動へのフォローアップとして地方自治体のプ
ロポーザルの実態調査、簡易なプロポーザルの事例収
集
1-2
1-3
適正な選定基準、選定過程の確
・地方自治体に対して指名基準等の実態調査の実施
立
・指名、選定基準の課題及び提案事項の検討
適正な登録制度の確立
・従来の活動のレビュー「登録規程の見直し」経緯報
告書に対する指摘事項について検討
・国及び地方自治体からの関連情報の入手
・設計等コンサルティング業務調達のあり方の検討、
1-4
適正な選定制度の確立
QCBS方式ガイドライン案の取りまとめ
・(社)日本建築家協会の設計者選定に関するセミナ
ーに参加協力
・R&D社と協力して保険制度説明会を実施
1-5
適正な責任担保制度の確立
・アンケート調査結果を参考にして瑕疵担保条項の改
定案を検討
1-6
適正な再委託制度の確立
・アンケート調査結果により再委託に関する課題につ
いて整理・とりまとめを実施
・適正な発注ロットに支障となる背景の整理
1-7
適正な発注ロットの確立
・「適正な発注ロットの確立について」(中間報告)
・対外アピールの検討(リーフレット作成等)
1-8
適正な知的財産権の運用の推
・アンケート調査結果を踏まえ契約約款の知的財産権
進
に係わる課題の論点整理を実施
・「CPD制度の手引き(改訂版)」、「実施要領(改
1-9
技術者の能力開発と活用
訂版)」の作成、協会HP等による周知
・建設系CPD協議会との連携、CPDプログラムの
充実
3-30
・現行のRCCM資格制度が抱える課題の抽出、検討
1-10
適正な資格制度の確立
・RCCMの登録更新時にCPDの単位取得が必要と
なることについての周知
・上流側業務のコスト調査の実施
1-11
適正な報酬体系の確立
・「報酬積算体系の改善」に関するモニタリング調査
の実施
1-12
職業法制定の推進
・法制度の必要性の検討、検討課題の抽出と整理
・「協会加盟会社の経営分析」作成、説明会の開催
1-13
経営基盤強化・安定の支援
・会社法他新会計基準を織り込んだ改訂計算書類ハン
ドブック作成の検討
・経営セミナーの開催
1-14
技術開発支援
2-1
建設コンサルタントの役割の提案
・技術開発支援制度提案書(案)の作成
・技術開発支援制度の枠組みの検討
・新たな領域における建設コンサルタントの役割の検
討、提案
・PM専門委員会セミナー2007 の開催
2-2
マネジメント領域拡大の支援
・平成 19 年度マネジメントセミナーの開催
・PFIセミナー2007 の開催
3-1
倫理を促す協会制度の創設
・職業倫理行動規範の作成
・「独占禁止法遵守のための行動計画」の実施状況の
取りまとめ
3-2
倫理の堅持の支援
・独占禁止法遵守マニュアルの改訂の印刷製本、会員
へ配布
・「独禁法コンプライアンス・プログラム事例集」の
作成に着手
4-1
社会資本整備のあり方の提言
4-2
社会貢献活動への参画
・社会資本整備の提言「生命を守る」シリーズのリー
フレットの作成
・社会貢献に関わる情報を協会HP、会誌により提供
(2)支部活動
各支部では、中期行動計画の施策のうち4-2 社会貢献活動への参画に取り組んでいます。
また、支部における社会貢献活動の一部には、本部から助成金を交付し支部活動の支援を
行っています。支部における社会貢献活動は3-3-2 その他の社会貢献活動で紹介していま
す。
3-31
3-5
他協会との連携による成果創出
協会では、関係学協会(社団法人日本コンサルティング・エンジニヤ協会、社団法人国
際建設技術協会、社団法人海外コンサルティング企業協会、社団法人日本建築家協会、社
団法人全国地質調査業協会連合会、社団法人日本土木工業協会等)と連携、協力し、美し
い国づくり、社会資本の品質確保等の社会資本整備に関わる諸課題について積極的に取り
組んでいます。
(1)デザインビルド方式の適用実態に関わる海外調査
公共事業の調達・発注方式の多様化が進む中で、我が国においてもデザインビルド方式
の導入の動きが顕著になってきており、協会では、海外におけるデザインビルド方式の適
用実態を把握するため、社団法人日本コンサルティング・エンジニヤ協会(AJCE)と協力し
て、国際コンサルティング・エンジニヤ連盟(FIDIC)のネットワークを活用したアンケー
ト調査を米国、英国、フランス、オーストラリア、デンマーク、南アフリカ、韓国の 7 カ
国を対象として平成 17 年度に実施いたしました。
平成 18 年度は、より詳細にデザインビルド方式の適用実態を把握するため、実際のプ
ロジェクトにおける契約書等関連書類の分析およびコンサルタントや発注者に対するヒア
リングを行うこととし、社団法人日本コンサルティング・エンジニヤ協会(AJCE)と協力し
て平成 19 年 1 月から 3 月にかけて調査を実施いたしました。
・調査対象国は、米国、英国、オーストラリアの3ヶ国
・調査項目は、下記のとおり
①発注者の実施する設計と要求仕様(性能仕様)の深度
②発注者とデザインビルダー各々のリスク分担
③建設会社と設計会社(建設コンサルタント)各々のリスク分担
④建設コンサルタントの負うリスクへの対応策
⑤デザインビルド方式におけるコンサルタントのリーダーシップの取り方
「デザインビルド方式の適用実態に関わる海外調査」の概要を参考-7 に示します。
今後は、この調査結果をもとに、発注機関への情報提供、具体的な提言・提案を実施し
ていきます。
(2)「美しい国づくり」に対する取組み
平成 15 年度に策定された「美しい国づくり政策大綱」がきわめて重要な政策であり、建
設コンサルタントの役割がいかに重要であるかを自覚し、平成 16 年 5 月に社団法人日本建
築家協会(JIA)と共同で『「美しい国づくり」をみんなの力で』を発表いたしました。
平成 18 年 5 月には、この共同宣言を受けて具体的に行動するため両協会で「知る」「つ
くる」
「はぐくむ」の3つの視点からなる行動計画をとりまとめ発表いたしました。両協会
では、具体的な活動として、セミナーへの参画や現地見学など、意見交換を頻繁に実施し
ています。また、JIA 保存問題研究委員会と協働して、歴史的建造物等の保存の考え方、
保存手法などに関して研究的な取組みも行っています。今後も、土木と建築の専門領域を
乗り越えて、美しい景観をつくるよう国民・地域のみなさまと行政と協働で取り組んでい
きます。
3-32
(3)品確法の実効ある運用に向けての取組み
いわゆる、品確法(公共工事の品質確保の促進に関する法律)は平成 17 年 4 月に施行され
ましたが、理念法である同法の実効ある運用に向けて、日本建築家協会 JIA ほか建築系 2
団体と共同で平成 17 年 6 月に『設計・コンサルタント業務における真の品質確保に向けて』
と題するリーフレットを作成し、対外的アピールに活用しました。その後、同リーフレッ
トは関係する9協会・4学会の賛同を得ていますが、早期の「基本方針」の策定を含む8
つの提言を盛り込んだものです。
その基本方針(品確法の「施策を総合的に推進するための基本的な方針」)は同年 8 月に
閣議決定され、ここで改めて、調査・設計業務の品質確保における重要性が謳われたこと
は大変意義深いことですが、それを受けて同年 9 月に策定されたガイドライン(「国土交通
省直轄工事における品質確保促進ガイドライン」)は工事を対象とするもので、調査・設計
を対象とするものは未策定の状況にあります。このような状況を受けて、JIA と共同で新
たなリーフレット『設計・コンサルタント業務における真の品質確保に向けて
着実な前
進のための提言』(仮称)の作成の準備をしています。
これらの提言の最大のポイントは技術力にもとづく選定ですが、別途その前進を図るべ
く JIA 建築家大会 2007 東京において「適正な設計者選定に向けて-建築と土木の事例を通
じて-」と題する JIA と当協会との共同セミナーを平成 19 年 7 月に開催しています。
なお、以上のような JIA との連携・協働は長期的には設計・コンサルタント業務の調達、
なかんずく選定に係わる法律の制定を視野に入れたものです。
(4)建設系 CPD 協議会との連携
協会は、関連13団体で構成される建設系 CPD 協議会に加盟しています。今後とも、建
設コンサルタントとしての継続教育に関する支援を実施するとともに、建設系 CPD 協議会
と CPD 単位、CPD 認定方法を含めた相互承認等について意見交換を行い、連携を図ります。
〔建設系 CPD 協議会参加団体〕
・社団法人
空気調和・衛生工学会
・社団法人
地盤工学会
・社団法人
全国土木施工管理技士会連合会
・社団法人
土木学会
・土質・地質技術者生涯学習協議会
・社団法人
日本環境アセスメント協会
・社団法人
日本コンクリート工学協会
・社団法人
日本技術士会
・社団法人
日本建築学会
・社団法人
日本造園学会
・社団法人
日本都市計画学会
・社団法人
農業農村工学会
・社団法人
建設コンサルタンツ協会
(平成 15 年 7 月建設系 CPD 協議会設立、平成 19 年 10 月現在:13 団体)
3-33
(5)海外関連4協会との意見交換
社団法人海外コンサルティング企業協会(ECFA)、社団法人国際建設技術協会(IDI)、社
団法人日本コンサルティング・エンジニヤ協会(AJCE)との4団体で4協会連絡会を設け、
それぞれの協会活動の情報交換や4協会の活動テーマについて意見交換を行っています。
この連絡会を通じ、協会の枠を越えた課題やテーマに関して検討を行い、関係機関への
提言や PR 活動を実施していきます。
(6)全地連との相互協力WGについて
協会では、社団法人全国地質調査業協会連合会と連携、協力し、活動していくテーマと
して、「調査から設計への伝達リスク」、「災害時の相互協力」の2つのテーマを取り上げ、
平成 18 年 12 月にそれぞれのテーマについて WG を設置し、意見交換、中間報告のとりまと
めを行っています。
(7)土工協との「設計と施工に関する研究会」について
協会と社団法人日本土木工業協会は、平成 19 年 3 月に「設計と施工に関する研究会」を
立ち上げ、設計者と施工者が、透明性の高い協力関係の下で公共工事の品質確保を図るた
めの役割分担や協働のあり方について、議論、意見交換を実施し、平成 19 年 11 月にこれ
までの議論の概要について中間とりまとめを行いました。
「設計と施工に関する研究会中間とりまとめ」及び建コン協補充資料を参考-1 に示しま
す。
(8)橋建協との「橋梁建設における設計と施工のあり方に関する研究会」について
協会と社団法人日本橋梁建設協会は、平成 19 年 6 月に「橋梁建設における設計と施工
のあり方に関する研究会」を立ち上げ、設計者と施工者が、透明性の高い協力関係の下で
公共工事の品質確保を図るための役割分担や協働のあり方について、議論、意見交換を実
施し、平成 20 年 3 月に研究会報告書をとりまとめました。
「平成 19 年度橋梁建設における設計と施工のあり方に関する研究会報告書」を参考-2
に示します。
3-34
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