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4月 - FCTVインターネットサービス

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4月 - FCTVインターネットサービス
2015 年 4 月号
1298 号 4 月 1 日
【LED】木林森、今年米国向け LED 照明売上高前年比 5-10 倍予想
DIGITIMES 30-3-2015
中国国内の LED 実装企業である木林森股份有限公司(MLS)は、自社ブランド LED 照明
生産を拡大、LED 電球及び LED 蛍光管の販売を開始したことを明らかにした。また、米
国市場への今年の LED 照明の売上高が前年比 5-10 倍に急増する見通しを明らかにしてい
る。
中国国内では、木林森、欧普照明(Opple Lighting)、雷士照明(NVC Lighting Technology)
が LED 照明の 3 大サプライヤーとされており、木林森の 2014 年の連結売上高は 40 億元
(6 億 4900 万米ドル)、そのうち 8 割以上が LED 実装の売上高、残り 2 割近くが LED 照明
の売上高が占めている。
木林森は今年、総生産能力を 30-50%拡張する計画で、今年の連結売上高は前年を 30%
以上上回る見通しを示している。木林森は月間の LED チップ実装能力を現在の 240 億個
から 250 億個に拡張する計画。また LED 電球及び LED 蛍光管の月産能力は現在の
1500-1800 万ユニットから 2000 万ユニットに拡張するとしている。
新市場開拓に関しては、中東市場、東南アジア市場への進出を計画していることを明
らかにしている。米国市場、台湾市場向け LED 照明パテント問題については、台湾の晶
元光電(Epistar)が中国国内で生産している LED チップを採用することで回避するとし
ている。晶元光電は木林森の LED チップ需要の約 30%を供給しており、木林森の晶元光
電からの LED チップ調達量は晶元光電の中国国内の LED チップ総生産能力の 30-50%を占
めている。
欧普照明:http://www.opple.com.cn/
雷士照明:http://www.nvc-lighting.com.cn/
【半導体】北斗ナビ関連サプライチェーン業績好調 振芯科技の純利益 4 倍
2015-3-30 中国証券報
北斗衛星ナビゲーションシステムが農業生産領域に応用され、北斗衛星ナビゲーショ
ンシステムを搭載したブルトーザーが整地した田地の高低誤差が 5 センチメートル以下
を達成、農業生産の機械化を推し進める大きな要因となっている。北斗衛星ナビゲーシ
ョンシステムの民用化が始まったことは、北斗関連サプライチェーン企業の業績を押し
上げており、証券筋によると、上場している北斗関連サプライチェーン企業 16 社のうち、
12 社の昨年の業績が黒字化を達成、中でも振芯科技の純利益は前年比 4 倍以上となって
いる。
振芯科技が先日発表した 2014 年業績によると、同社の売上高は 4.07 億元で前年比
56.13%増、純利益は 5152 万元で同 436%増だった。同社は今年 1-3 月の純利益を 1500-1800
万元と予想、昨年同期は 1109 万元の損失を計上していた。
中国国内で北斗衛星ナビゲーションシステムの応用領域が広がるに伴って、北斗ナビ
ゲーション端末機の需要が拡大している。昨年、振芯科技の北斗衛星ナビゲーション端
1
2015 年 4 月号
末機の売上高は 2.88 億元で前年比 70.1%増、同社の売上高全体の 71%を占めた。
昨年、振芯科技は新領域でのパイロット事業として、広東省に北斗オペレーションサ
ブセンターを設立、中央政府のスマートシティ建設スキームを利用して、高齢者、児童、
旅行者向けナビゲーション端末機を市場に投入している。また、電力のスマート配電シ
ステム、油田の原油供給システムに北斗通信を使用する初めての試みでも北斗クラウド
位置情報サービス用ソフトウェアを開発するなどの成果も上げている。
北斗関連サプライチェーンは 2012 年年末に北斗アジアパシフィックシステムが衛星
ナビゲーションサービスを提供し始めてから急速に発展、2014 年がサプライチェーン企
業の業績が黒字化する分岐点となった。
今年の北斗の業績についても、テレビ局等の特殊機関との契約総額が 1.27 億元に達す
る見込みで、2014 年の北斗ナビゲーションシステム関連受注総額 4 億元余りを大幅に上
回る見通しを示している。
現在、北斗関連産業の主要顧客は軍需産業やテレビ局等の放送業界等であるが、国泰
君安証券のアナリストは、軍関連企業の民営化という国家戦略が打ち出されていること
に加えて、今後スマートフォンやカーナビ等の民需拡大が見込めると予測している。
同アナリストは、今後 5 年から 10 年の時間をかけて、北斗ナビゲーション産業は通信、
電子、交通、海洋、漁業、林業、観光業等の産業の連結点になってくると指摘する。2020
年には北斗ナビゲーション産業の総生産高は中国政府が目標としている 2400 億元を超
え、年平均成長率は 57.5%を超えるとの予測を明らかにしている。
業界関係者も、北斗ナビゲーション産業は、電子地図、位置情報サービス、情報提供、
品質検査等の幅広い領域に急速に浸透し始めており、既に巨大な融合効果を生み出して
いると指摘している。特に北斗ナビゲーションシステムと地上ネットワークの結合は、
北斗ナビゲーション産業と航空、航海、交通、電子情報、地理情報、ユビキタス、ビッ
グデータ、クラウドコンピューティング、スマートシティ等の生活空間との融合を促進
して、巨大な産業需要を創出しているという。振芯科技:http://www.corpro.cn/
【ディスプレイ】富士康、インドに液晶 TV 生産ライン建設 ソニーに供給
2015-3-30 環球網
EMS 最大手の富士康電子(Foxconn)は、ソニー向け液晶 TV 供給のため、インドに液
晶 TV 生産ラインを建設することを明らかにした。
2014 年、ソニーの液晶 TV 出荷量は 1450 万台で、業界関係者は、ソニーは利益率を維
持するため、生産の重点をミドルクラスもしくはハイクラスの機種に置いており、ソニ
ーの今年の液晶 TV 出荷量は昨年並みの 1500 万台にとどまるとしている。
業界関係者はまた、2014 年の液晶 TV 市場における出荷量シェアでは、ソニーは三星
電子に大きく後れを取ったが、ソニーはシェア回復に向けてインド市場の開拓に注力し
ているという。
富士康はソニーの液晶 TV 生産の主力 ODM パートナーで、ソニーのインド市場向け液晶
TV を供給するため、インドに生産拠点を建設、今年 4-6 月には稼働を予定しているとい
う。
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2015 年 4 月号
【導光板】常州豊盛光電、液晶 TV 用導光板生産開始 年内稼働予定
中国科技網 2015-3-30
中国国内の常州印刷電子産業研究院は、中国科学院蘇州ナノ研究所、常州豊盛光電科
技股份有限公司と共同で常蘇豊印刷光学技術聯合研究開発センターを設立、液晶 TV 用デ
ジタルインクジェットプリント技術による導光板生産で産学研連携を行うことで 3 者が
合意、契約を締結したことを明らかにした。年内にも豊盛光電を通じて液晶 TV 用導光板
の生産を開始する計画で、実現すれば豊盛光電が中国国内最初の液晶 TV 向け導光板メー
カーとなる。
3D プリンター技術と同様に、電子プリント技術はここ数年世界で急速に新技術が生ま
れている領域で、高速、高効率のデジタルインクジェットプリント技術を採用して基板
上に配線回路や図形を形成することで、プリント基板を軽量・薄型、省労力・省原材料、
低コスト、環境にやさしくすることができる。電子プリント産業は 5 年前から海外で大
規模化が進み、2030 年には市場規模は 1000 億米ドルを超えると見られている。
常州印刷電子産業研究院は中国国内で唯一電子プリント技術の産業化が可能な研究所
であり、豊盛光電は中国国内市場をリードする液晶ディスプレイ用光学材料メーカーで、
世界生産シェアは既に 10%を超えている。ただ、導光板生産では、インクジェット技術
を有する日本企業の後塵を拝し、これまでレーザー技術を採用するにとどまっていた。
また、中国科学院蘇州ナノ技術研究所は、中国共産党中央組織部のハイレベル人材を
1000 人招聘するというプロジェクトで特別に招聘された専門家である崔铮研究員が
2009 年に設立した研究所で、中国国内で最高峰のナノ技術研究所といわれている。常蘇
豊印刷光学技術聯合研究開発センターの設立により、3 者がそれぞれの優位性を融合す
ることで、常州ハイテク区は世界有数の電子プリント産業基地となる可能性を秘めてい
る。
【ディスプレイ】京東方/華星/中電熊猫等、酸化物 TFT 技術発展を強化
2015-3-30 DIGITIMES
上海で開催されている中国国内の薄型ディスプレイ見本市 FPD China 2015 は、大型パ
ネルで天馬微電子(Tianma)が主な出展メーカーとなっていることを除けば、殆どの主要
パネルメーカーはフォーラムで新型技術開発の成果を発表することに集中している。中
でも、京東方(BOE)、華星光電(China Star)、中電熊猫(CEC Panda)の中国国内大型
液晶パネル大手 3 社はいずれも次世代技術といわれる酸化物 TFT 技術の発展に経営資源
を集中していることがうかがえる。
FPD China 2015 に唯一大型パネル製品を出展した天馬は、2-in-1 タブレット PC 向け
高解像度ノート PC 用パネル、産業制御、車載、医療用の高価格パネルを出展している。
天馬関係者は、2-in-1 タブレット PC 向け高解像度パネルや産業制御、車載、医療用高
価格パネルの需要量はそれほど大きくはないが、粗利が大きいこともあり、粗利が低い
中小型パネルへの依存度を引き下げる戦略の一環として力を入れているという。
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2015 年 4 月号
中国国内メーカー及び韓国メーカーが中国国内で 8.5 世代液晶パネルの生産能力を急
速に拡大していることが、海外では大型液晶パネル市場が再び供給過剰に陥る引き金に
なるとの懸念を生んでいる。こうした懸念を受けて、中国国内液晶パネルメーカーは高
価格のパネル技術の研究開発を積極的に進め、より大型で高価格の TV 需要を喚起しよう
としている。
現在、中国国内の大型の次世代 TFT 技術開発の重点は、酸化物 TFT、AM 有機 EL(OLED)
等に新興技術に集中している。台湾の DIGITIMES Research は、青色 AM 有機 EL 材料の寿
命が商業化できる水準に達しておらず、IGZO 等の酸化物 TFT 技術の安定性を強化する必
要があるとしている。中国国内パネルメーカーが大型の新興パネル技術で大規模生産を
実現できるのは数年後になると見られている。
【ディスプレイ】天馬、有機 EL/LTPS 等新型パネル新工場を今年後半稼働
DIGITIMES Research 27-3-2015
中国最大の中小型パネルメーカーである天馬微電子(Tianma Optoelectronics)は、
薄型ディスプレイ見本市 FPD China 2015 で有機 EL パネル、LTPS パネルの開発を積極的
に進めており、これらハイエンドの新型パネルを生産する新工場を今年後半にも稼働さ
せる見通しを明らかにした。
同社はスマートフォンやウェアラブル端末に使用される LTPS 液晶パネル及び AM 有機
EL パネルの市場性に期待、中小型パネル事業、タッチパネル事業に続く第 3 の事業とし
て育成していく戦略だという。
天馬微電子は現在、第 6 世代 LTPS 液晶パネル生産ライン、5.5 世代 LTPS 液晶パネル
生産ラインを建設中で、今年後半に量産体制に入る計画を明らかにしている。
【筐体】可成、蘇州工場の火災発生の生産への影響は全くないと説明
百能網 2015-3-30
金属筐体メーカー大手の可成(Catcher)は 29 日、中国蘇州の子会社である可勝科技
(蘇州)有限公司の工場で 28 日火災が発生したが、火災はごく小規模なもので負傷者は
出ておらず、生産への影響も全くないことを明らかにした。
1299 号 4 月 3 日
【半導体】上海張江ハイテクパーク企業、中国国内半導体 3 分野をリード
2015-4-1 浦東時報
上海市半導体産業協会は 3 月 27 日、2014 年度上海市半導体産業ランキングを発表、
張江ハイテクパークに本社を置く 10 社余りがランクイン、製造、設計、実装の 3 分野で
4
2015 年 4 月号
1 位を輩出した。
発表会当日、中芯国際(SMIC)、上海華力微電子、展訊通信、中微半導体設備の 4 社が
上海浦東のリーディングカンパニーとして壇上にて重点的に取り組んできたイノベーシ
ョンの成果を発表した。
上海市半導体産業協会副会長、秘書長の蒋守雷氏は、上海半導体産業の 2014 年の生
産・販売は過去最高を更新、5 年連続で安定成長していることを明らかにした。2014 年
の年間半導体生産量は 670.39 億個で前年比 13.15%増、販売額は 821.6 億元で同 12.5%
増、増加幅は前年比 3.2 ポイント上昇した。中でも、上海市の半導体生産量・販売額全
体に占める張江ハイテクパーク企業のシェアは 50%以上を占めている。
張江ハイテクパークは、中国国内の半導体産業が最も密集、総合的な技術水準が最も
高く、サプライチェーンが最も整備された産業パークといえる。初期統計によると、張
江ハイテクパークに進出している半導体設計、チップ製造、実装検査、設備材料、技術
サービス等の企業は 160 社余りあり、そのうち 100 社以上がファブレス半導体設計企業
だという。
2014 年、張江ハイテクパークの半導体産業販売額は上海市全体の 50.5%、浦東区全体
の 80.8%を占めている。そのうち、中芯国際、展訊通信、環旭電子が製造、設計、実装 3
つの領域で首位にランクされている。
今回発表された 2014 年度上海市半導体製造業売上高上位 5 位には、張江ハイテクパー
クの 2 大企業である中芯国際と華虹宏力がランクされている。昨年、上海市の製造業の
合計売上高は 186.3 億元であるが、張江の中芯国際と華虹宏力が全体の 58.37%を占めて
いる。今回のランキングから、上海市の 10 大ファブレス半導体企業のうち 7 社が張江の
企業であり、いずれの企業も安定成長を実現している。同 7 社のファブレス半導体企業
の合計売上高は 125.56 億元で、上海市全体のファブレス半導体企業の総売上高の 52.14%
を占める。そのうち、展訊通信の売上高は 70 億元を超え前年比 18%増、格科微電子の売
上高は 20.4 億元で同 20.6%増となっている。
今回の張江ハイテクパークでの発表会では、半導体産業の製造、設計、設備の 3 大領
域の 4 大企業が初めて一堂に会し、それぞれのイノベーションの成果を紹介した。
それによると、中芯国際は、2014 年の売上高が 19.7 億米ドル、粗利率が 24.5%で、過
去 9 年間では最高の業績だったが、激烈な市場競争が続く中、今後も先進プロセスと成
熟プロセスの両輪戦略を堅持することを明らかにしている。昨年年末、中芯国際は 28nm
プロセスによるクアルコム Snapdragon410 プロセッサの製造に成功しており、中国国内
の半導体製造企業では最も先進技術を有する企業とされている。ユビキタス産業の発展
に伴って、中芯国際は成熟プロセスが持つ価値の重要性が一段と突出してくるとしてお
り、中芯国際は中国国内半導体企業としては初めて国際大手企業の仲間入りが可能な企
業となっている。
華力微電子は、中国国内で最も先進の 12 インチ半導体工場を有するファウンドリ企業
であり、月間生産量、月間販売量ともに 3 万枚を突破している。華力微電子は先進プロ
セスと特殊プロセスのダブルエンジンで事業を推し進めていることを明らかにしている。
張江ハイテクパークで創業し成長してきた展訊通信は、鋭迪科(RDA)との統合後、2014
年のチップ総出荷量が 5.5 億個に達し、出荷量は世界上位 3 位内にランクされている。
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2015 年 4 月号
展訊の中国チップを採用している携帯電話ブランドは、三星、宏達(HTC)、華為(Huawei)、
聯想(Lenovo)
、宇龍酷派(Coolpad)
、小米(Xiaomi)等、中国国内外に 260 社あり、こ
れらのブランドを通じて世界各地に販売されている。アフリカ、中南米、インド等の新
興市場だけでなく、欧州、日本、オーストラリア等の先進国市場にも相次いで進出して
いる。
また、中微半導体設備は、自社で独自に開発した半導体設備の輸出額が中国の半導体
設備の総輸出額の 65%を占めることを紹介した。
【サファイア】LED 向け PSS 基板需給ひっ迫 台湾企業稼働率 100%近く
2015-4-1 大智慧財経
台湾地区のパターン化サファイア基板(PSS)メーカー数社の今年 1-3 月の需要が旺盛
で、既に稼働率が 100%近くに達している。
そのうち、鋭捷科技(Rigid Tech)は、3 月の受注が大幅に増加、現在の増勢が 4 月
頃まで続く見通しを示している。市場は 4 インチ PSS の需要が特に旺盛であることから、
鋭捷科技の 2 インチ PSS の月産量は 120 万枚まで拡大すると見ている。
台湾地区のその他の PSS メーカーも堅調な業績を残している。2015 年 1-3 月の台湾兆
遠科技(Crystalwise)は現有の生産能力がフル稼働に近い状態になっており、2 インチ
PSS の月産能力が 80 万枚に達している。Phecda Technology は現在生産能力の拡張を準
備しており、激増する受注に対応しようとしている。
PSS は LED 照明普及の重要技術であり、これまで LED 照明が大規模に普及する上でボ
トルネックとなっていた輝度不足と価格高止まりを解決できる可能性を提供している。
PSS は高輝度を実現できる結晶型の素材で、一般的なサファイア基板に比べ LED 発光輝
度は 30-50%高く、同時に漏電流を減らすことで LED 寿命を延ばすことも可能になるとし
ている。
現在、4 インチ PSS が市場の主流となっているが、サファイアメーカーが 2 インチか
ら 4 インチに生産シフトするためには依然一定の時間を要するため、4 インチ PSS 市場
で供給不足の状況が生じている。
中国国内の A 株上場企業に限定すると、東晶電子(ECEC)傘下の子会社である浙江東
晶博藍特光電有限公司が 2012 年以降、サファイア基板の開発・生産に注力、高効率のサ
ファイアパターン化基板の特殊技術のライセンス供与を獲得、中国国内での高輝度青色
LED チップ用 PSS の供給を開始している。同社は中国国内では大型サファイアパターン
化基板材料生産技術を有する数少ない企業となっている。
水晶光電(Crystal Optech)は、旺盛な LED 需要の恩恵を受けて、PSS 製品の価格が
上昇、PSS 製品の収益率の上昇につながっており、サファイア基板事業の成長を促進し
ていることを紹介。昨年 7 月末には 5.86 億元を投じてサファイアインゴット及びサファ
イア加工事業に着手。同事業は年産 120 万枚の 4 インチパターン化サファイア LED 基板
の生産ラインを建設、年産 2400 万枚のサファイア基板の生産ライン、年産 250 万ミリの
サファイアインゴット(2 インチ換算)生産基地を建設するというもの。建設工期は 12 か
月、稼働後の年間売上高は 5.50 億元、税後利益は 8120 万元を見込んでいるという。
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2015 年 4 月号
天通股份(TDG)は昨年 7 月初めに、台湾の徳晶科技と海寧で枠組み投資協定を締結、
天通股份は、台湾德晶科技の 100%子会社である海寧市徳一電子科技有限公司とそれぞれ
が 2000 万元を出資しパターン化サファイア基板(PSS)の製造販売企業を設立している。
【コンデンサ】火炬電子、1.38 億元投じ新会社 高性能セラミック材料生産
finance.eastmoney.com 2015-3-31
中国国内のコンデンサメーカーである火炬電子(Torch Electron)は 3 月 26 日、1.375
億元を投じて 100%子会社である福建立亜新材有限公司を設立、高性能のセラミック材料
の産業化を行うことを明らかにした。
新たに設立される立亜新材の登録資本は 5000 万元、経営範囲は高性能特種材料の開発、
製造、販売とされている。火炬電子が高性能特種材料の開発、製造、販売を行う企業を
新たに設立することはサプライチェーンを整備するという発展戦略に合致するもので、
新たな収益源になるとしている。
また、火炬電子は同時に、厦門大学と「技術(技術秘密)独占許可契約」を締結、契約
内容によると、厦門大学が保有する高性能セラミック材料技術使用権を単独で火炬電子
に供与、産業化を進めること、売上高の一定比率を技術使用料として支払うことを明ら
かにしている。
【コネクタ】PEI-Genesis、中国珠海に米国・英国同様の自動化工場建設
ofweek.com 2015-3-31
精密コネクター及びパワーサプライの世界最速アセンブラーである PEI-Genesis は、
中国珠海市に新工場を建設することを明らかにした。敷地面積は 5000 平方メートル。同
工場は 5 月 1 日に稼働する予定。PEI-Genesis の中国国内市場開拓は、新市場開拓の長
期戦略の一環であり、珠海工場は米国工場、英国工場と同様のオートメーション化、ベ
ルトコンベア、ソフトウェアを採用、中国国内市場の多品種小ロットのコネクター需要
に対応する。
PEI-Genesis 総裁兼 CEO の David Reis 氏は、中国国内に米国及び英国の工場と同様の
工場を建設する目的は、中国国内チームの育成のためであり、既存の 2 工場と同様に 48
時間以内に高品質の OEM コネクターを顧客に納入する世界最速のアセンブラー体制を構
築するためとしている。
中国国内市場の PEI-Genesis 製品に対する需要は急速に拡大しており、サプライヤー
及びカスタマーからは、中国国内には PEI-Genesis のような多品種小ロットのコネクタ
ーアセンブラーがない、PEI-Genesis の中国国内での生産拠点建設を求められているこ
とを明らかにしている。
PEI-Genesis は中国進出に伴って今後中国国内のサプライヤーとの強力な連携を構築
する必要があるとしている。PEI-Genesis の中国国内における初期の重点端末市場とし
ては、公共交通産業、商用航空産業、石油天然ガス産業、太陽光発電産業等を挙げてい
る。PEI-Genesis 総裁兼 CEO の David Reis 氏は、中国国内市場への進出を通じて、中国
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2015 年 4 月号
国内の一企業として、中国国内での原材料・部品調達、製品の製造販売に力を入れてい
くとしている。規模の異なるカスタマーのニーズに対して、48 時間以内に数百万に上る
異なる部品を供給すると同時に、プログラミング設計サポートの提供も可能であること
が、PEI-Genesis が持つ唯一無二の優位性であるとしている。
【コンデンサ】江海股份、6 億元を投じてスーパーコンデンサの生産能力拡張
江海股份 2015-3-31
中国国内の江海股份は 26 日、100%子会社となる南通江海新能源科技有限公司を設立、
スーパーコンデンサの生産能力を拡張することを明らかにした。登録資本は 1.2 億元、
総投資額は 6 億元としている。
新たに設立する南通江海新能源は、電気二重層コンデンサ生産ライン 2 本、リチウム
イオンコンデンサ生産ライン 5 本を建設する計画で、電気二重層コンデンサの年産能力
は 250 万 Wh、リチウムイオンコンデンサの年産能力は 2500 万 Wh に達するとしている。
工期は 36 か月、第 1 期の投資額 6 億元のうち、1 億 2000 万元は自己資金を利用、残
り 4 億 8000 万元は金融機関からの融資で調達するとしている。全ての生産ラインが完成
すれば、年間売上高は 8.9 億元、税後利益は 2.8 億元に達する見込み。
【液晶 TV】今年中国国内液晶 TV 出荷量 5522 万台で前年比 3.9%増
2015 年 4 月 2 日中国新聞網
2015 年の世界及び中国国内の液晶 TV 市場は拡大が続く見通しで、市場調査機関 IHS
は 2015 年 1-3 月の予測を発表して、今年の中国国内の液晶 TV 出荷量は 5522 万台で前年
比 3.87%増となるとしている。
3 月に発表された中怡康の中国国内の液晶 TV 市場月次観測によると、2015 年 2 月の海
信の中国国内での液晶 TV 小売売上高シェアは 16.72%で前月比 1.15 ポイント上昇、シェ
ア首位を維持した。
IHS の 2015 年液晶 TV 市場予測によると、今年の世界の液晶 TV 出荷量は 2.35 億台で
前年比増を維持するとしている。セグメント別にみると、スマート TV の比率が 41%まで
上昇、来年、再来年には同比率が 43%、45%に上昇するとしている。4K TV の比率も 13.0%
まで上昇、2014 年の 2 倍以上に拡大、来年、再来年には同比率は 21.1%、28.9%に達する
としている。サイズ別にみると、40-44 型、45 型-49 型は今後数年横ばい、55 型以上の
比率が上昇すると見られている。
1300 号 4 月 6 日
【タッチパネル】中触光電、中国最大の大型タッチパネル事業が連城で稼働
8
2015 年 4 月号
2015-4-22 中華液晶
晶網
福建省
省竜岩市連城
城工業園区
区の中触光電
電園に中国
国国内最大の大型タッ
ッチパネル生産基地
が建設し
している中触
触光電有限
限公司は 3 月 31 日、1 本目、2 本目の大型
本
型タッチパネル生産
ラインを
を完成、正式
式に生産を
を開始した。中触光電
電園には年内
内に
4 本のタッチパネル
ル生産ラインが建設さ
される予定
定で、完成す
すれ
ば中国国
国内最大の大
大型タッチ
チパネル生産
産基地とな
なる。
中触光
光電有限公司
司のタッチ
チパネル事業
業は、福建
建省竜岩市連
連城
工業園区
区が重点的に
に誘致して
ているディス
スプレイ産
産業事業で、
、総
投資額は
は 2.2 億元、
、自社開発した技術を
を採用して携帯電話及
及び
車載タッ
ッチパネル及
及び 12.1̶
̶45 インチ
チ大型タッチパネルを
を生
産する。1 本目、22 本目の生産ラインは
は春節後に量産を開始
始、
月産能力
力は 100 万枚
枚、年間生
生産高は 30 00 万元、4
4 本の生産ラインが年
年内に全て稼
稼働すれ
ば、大型
型タッチパネ
ネルの年産
産能力は 24000 万枚、年
年間生産高は 7 億元、中国国内最大の大
型タッチ
チパネル生産
産基地とな
なる。
【液晶 T
TV】中国
国ハイエント
ド TV 販売
売量激増
増 三星/L
LG 等シェ
ェア獲得に
に攻勢
2015-4-33 環球網
2015 年
年以降、中
中国国内の TV 市場の成
成長が鈍化
化するとの見
見方が台頭
頭しているが、曲面
TV 等のハ
ハイエンド
ド製品の販売
売量につい
いては逆に成
成長が加速
速すると見ら
られている
る。そのた
め、韓国
国のディスプ
プレイ及び
び TV メーカ
カーは営業の
の重点を中
中国国内のハ
ハイエンド
ド TV 市場
にシフト
トし始めてい
いる。
2013 年
年、三星ディ
ィスプレイは業界で初
初めて曲面
面液晶 TV パネルを市場
パ
場に投入、その後、
中国国内
内 TV 市場の
の勢力図の変
変化に伴っ
って、ハイエ
エンド TV 市場でのシ
市
シェア拡大に経営資
源をシフ
フトしている
る。三星デ
ディスプレイ
イは現在、親会社である三星電
電子に製品を提供し
ているほ
ほか、中国国
国内の TV メーカーに
に対して 40
000R 黄金曲
曲率の 55 イ
インチ、65
5 インチ、
78 インチ
チ曲面超高画
画質ディス
スプレイパ ネルだけで
でなく、PC 用ディスプ
用
プレイの 27 インチ、
34 インチ
チ曲面ディスプレイも
も供給、曲
曲面ディスプ
プレイブー
ームの火付け
け役となっ
っている。
また、中国国内の
の TV 販売量全体に占
占める超高画質(UHD)TV の比率は
は昨年 1-2
2 月の 9%
から今年
年同期には 27%まで上
上昇している
る。スマート性能をサ
サポートした
た TV 販売量が占め
る比率も
も昨年 1-2 月の
月 69%か
から 83%まで
で上昇している。一方
方、LG ディ
ィスプレイは各種特
色のある
る製品で中国
国国内の超
超高画質 TVV 市場に攻勢
勢をかけて
ている。その
のうち、M+パ
パネル技
術は現有
有の赤緑青の
の画素に白
白色の画素を
を追加する
る技術で、パ
パネルの透
透光率と輝度
度を引き
上げるこ
ことに成功している。LG ディスプ
プレイは昨
昨年初めに中国国内市
市場販売の専門チー
ムを設置
置、中国国内
内市場の開
開拓に注力 している。
このほ
ほか、三星電
電子、LG 電子はどち
電
ちらも中国国
国内 TV 市場
場でのシェ
ェア拡大に向けて、
三星電子
子は今年上海
海で開催さ
された中国家
家電博覧会
会に参加、20
015 年のカ
カラーTV 新製
製品であ
る超高画
画質 TV シリ
リーズ SUHD
D を発表、年
年内に中国
国国内市場で
で曲面超高
高画質・平面超高画
質合わせ
せて 27 種類
類の新製品を投入する
る計画を明らかにして
ている。LGG 電子は 4 月から大
規模な販
販売促進を展
展開、有機 EL
E テレビ及
及び超高画
画質 TV の値引きセール
ルを展開している。
9
2015 年 4 月号
【スマホ】今年の中国国内スマホ出荷量 3%増予測 2Q は 1Q 比 1 割増
蘋果日報 2015 年 4 月 3 日
今年 4-6 月の中国国内のスマートフォン出荷量について雑音が絶えない中、台湾最大
の半導体企業である台積電(TSMC)がユーロ安等の為替の影響で欧州及び新興市場の需
要に陰りが出る可能性があるとしたことに加え、携帯電話チップ大手の聯発(Mediatek)
及びクアルコムも相次いでチップの ODM 発注量を下方修正しており、市場は 4-6 月の中
国国内のスマートフォン需要が予想以上に伸び悩むとの見方を強めている。元大投顧は、
4-6 月の中国国内のスマートフォン出荷量の伸びは限定的で、中国国内ブランドメーカ
ーの出荷量は 1-3 月比 10%増、今年の中国国内のスマートフォン出荷量は当初前年比 10%
増を予想していたが、同 3%増に下方修正している。
先週、台積電が外資系投資家との非公開会議の中で、為替要因により、欧州及び新興
市場の購買力にマイナスの影響が出ている、当初は今年の半導体産業の 12%成長を予測
していたが、鈍化する可能性が高い、外資系投資家も今年 4-6 月の半導体設計、半導体
実装検査、中低価格スマートフォンの需要に黄色信号が出ているとの見方をしている。
中国国内のスマートフォン市場普及率が 90%に達しているが、中国国内の 3G 市場では
同普及率が 87%まで低下している。元大投顧は、中国国内ブランドメーカーの市場シェ
アが 70%に達し、輸出市場が為替の影響を受ける中、通信キャリアが国際ブランド製品
よりも価格に弾力性がある中国国内ブランド製品を調達する傾向が強まっていると見て
いる。
また、元大投顧は、中国国内の 9 大スマートフォンブランドメーカーは中国以外の海
外の新興市場で 10%前後のシェアを有している。特に 200 米ドル以下の価格带にある製
品がシェアをけん引している。中国国内の 9 大ブランドメーカーの輸出比率が昨年は 32%
だったが、今年は 36%に達すると見られている。
先日もサプライチェーンメーカーが、アップル以外のスマートフォンブランドからの
受注が安定していることが幸いしているとしている。中でも華為(Huawei)、小米(Xiaomi)、
TCL、OPPO 等の中国国内の新興ブランドからの受注が増えているという。ただ、スマー
トフォン部品サプライヤーである毅嘉(Ichia)責任者によると、昨年からのアップル
iPhone 6 のハングリー効果が今年も続く見通し。中国国内の主力カスタマーである小米
の紅米、魅族(Meizu)等は、在庫調整後の引き合いがそれほど回復していないといわれ
ている。
元大投顧は、中国国内ブランドである聯想(Lenovo)、VIVO、酷派(Coolpad)等の販
売に陰りが見られる、小米はコストパフォーマンスが高い紅米があるが、4-6 月の売れ
行きが予想以上に低調だった、全体的に見て、4-6 月の中国国内の 9 大ブランドメーカ
ーの出荷量は 1-3 月比 10%増となるが、7-9 月にアップルが新製品を投入してくると、市
況は大きく下振れする可能性があると指摘している。
中国国内のスマートフォン市場は、アリババ、楽視(LeTV)、百度(Baidu)等のネッ
トワーク企業、コンテンツ企業等の新勢力の台頭により旧勢力との主導権争いが激化し
ている。アリババは魅族に資本参加、楽視は自社ブランドのスマートフォンを投入、百
10
2015 年 4 月号
度は聯想と提携するなど、スマートフォン市場が既にハードウェア単独では大きな収益
が上げることが難しくなっている中、コンテンツサービスが中低価格スマートフォンの
販売シェアを大きく左右する要因となっている。
中国国内のスマートフォンメーカーは、台湾の携帯電話チップ大手の聯発(Mediatek)
と密接な関係を持っているが、そのライバルである中国国内の展訊(Spreadtrum)はイ
ンテルの支援を受けて、昨年は新型の 28 ナノ製造、4 コア 5 モード 4G チップ SC9830A、
4 コア 3G チップ SC7731G を投入、4G チップでは三星電子から既に認証を取得しているこ
とが伝えられている。
証券筋によると、聯発の 3G チップ製品は為替等の影響で収益が圧迫されており、1-3
月の売上高が昨年 10-12 月に比べ 15%減になると指摘している。4-6 月に回復が見込まれ
るが、1-3 月比 15%増にとどまる見通し。
【半導体】長電科技、昨年純利益前年比 13 倍 1Q 純利益同 37 倍
証券日報 2015-04-03
中国最大、世界 4 位の半導体実装検査企業である長電科技(JCET)は 4 月 2 日、2015
年業績予想を発表、それによると、2015 年 1Q の純利益は前年同期の 136.27 万元に比べ
ると約 37 倍になる見通し。
業績大幅増の要因として、2015 年 1Q は半導体市場の需要が旺盛、顧客からの受注が
堅調、ハイエンド製品の出荷が引き続き高い成長を続けていること、半導体実装検査の
設備利用率が比較的高いことを挙げている。
3 月 25 日、長電科技は 2014 年の年間決算を発表、昨年の純利益は 1.57 億元で前値年
比 13 倍以上、営業収入は 64.28 億元で同 26%増だった。
長電科技は、2014 年の純利益急上昇の要因として、製品ラインの調整が徐々に結実し
てきたこと、ハイエンド製品の販売が急速に伸びてきたこと、大規模量産によるスケー
ルメリットが出始めたこと、滁州の低生産コスト基地が収益を上げ始めたこと、半導体
産業の景況感が改善していることなどを挙げている。
【ウェアラブル】Apple Watch 次世代サプライヤリストからサプライヤ数拡大趨勢
2015-04-03 Technews
4 月 10 日の Apple Watch の予約注文の開始日が迫る中、歩留まり不良に伴う供給不足
に陥るという憶測が絶えない。アップルが鴻海を第 2 のアセンブラーとして起用するこ
とで歩留まりの改善を挙げようとしており、これまでの単一企業に供給するスタイルを
修正、第 1 世代 Apple Watch を複数の企業に発注し始めている。第 2 世代 Apple Watch
サプライヤリストからは既にアップルがサプライヤの数を増やす傾向が見てとれる。
Apple Watch の体積は小さく、製品の精密度も高いが、その一方で、中核部品とアセ
ンブリの歩留まりが低迷しているため、生産量の半分を市場に出荷できない状況にある
との観測も出ている。ただ、マスコミ関係者はアップルは歩留まり低迷を早くから予想
し準備していたといわれる。
11
2015 年 4 月号
アップルはサプライヤ各社の出荷目標を定めておらず、出荷量をどの程度下方修正し
ているかを正確に把握することは難しいという。ウォールストリートジャーナルが入手
した情報によると、Apple Watch の今年 1-3 月の出荷量は 400-600 万台、一方、電子時
報が引用したサプライヤの情報によると、アップルの 1-3 月の出荷量は 200-220 万とさ
れている。Barron s の報道によると、Apple Watch の出荷量は正常水準を回復、3 月の
Apple Watch 生産量は 100 万台以上、4 月以降の同製品の生産量は 200 万台に達すると
している。
歩留まりが低迷していることはアップルにとっては決していい知らせではないが、
Apple Watch サプライヤリストにない OEM 部品サプライヤにとっては新たな受注を獲得
するチャンスがあることを意味する。
Cowen 半導体アナリスト Timothy Arcuri 氏は、アップルは広達だけでなく、鴻海
(Honhai Foxconn)を第 2 のアセンブラーとして起用、歩留まりを上げると同時に、リ
スクを分散できるというメリットもある。現在、Apple Watch の殆どは単一メーカーが
受注しているが、Barron s が入手した第 2 世代 Apple Watch サプライヤリストを見る
と、第 1 世代 Apple Watch のサプライヤリストに比べサプライヤの数が明らかに増えて
いるという。
第 1 世代の Apple Watch は三星の 28 ナノ技術を採用したマイクロプロセッサ(MPU)
を搭載していたが、第 2 世代は台積電(TSMC)の 16 ナノ技術を採用した FinFET プロセ
ッサが搭載される予定、タッチパネルも宸鴻(TPK)、鴻海傘下の業成(GIS)もサプライ
ヤリストに名を連ねている。アセンブリ、実装検査はそれぞれ広達、日月光(ASE)が担
当している。
Apple Watch の生産コスト中最大の比率を占めているのは有機 EL パネルで、研究調査
機関 DisplaySearch によると、Apple Watch が採用している有機 EL パネル及び統合型タ
ッチパネルのコストは 27 米ドルに上り、その算出前提は歩留まりが 60%以上とされてい
る。台湾経済日報によると、Apple Watch が採用している AM 有機 EL パネルは LGD が独
占供給しているが、歩留まりはわずか 30-40%にとどまっている。このことが次世代の
Apple Watch の部品・原材料調達に大きな不安定要素となっている。
【スマホ】スマートフォンメーカーのアフリカ市場進出 中国企業が 30%シェア獲得
2015-4-3 中華液晶網
中国国内の携帯電話メーカーが海外市場への進出を加速しているが、その中でも巨大
人口を有するアフリカ市場でのシェアは 30%を超えている。
OPPO の進出により、アフリカ市場に進出している中国国内ブランド携帯電話メーカー
の数は 10 社を超えている。
市場調査機関 IDC によると、中国国内ブランド携帯電話メーカーのアフリカ市場での
シェアは 2012 年の 15%から 2014 年には 30%まで上昇している。
12
2015 年 4 月号
1301 号 4 月 8 日
【偏光板】深圳市紡織集団、業態転換を深化 偏光板販売堅調に推移
2015-4-2 中国証券報
中国国内の液晶用偏光板パネル用偏光板メーカーである深圳市紡織集団(Shenzhen
Textile)は 3 月 30 日、2014 年の年度決算を発表、売上高が 12.11 億元で前年比 7.06%
増、純損益は 1.14 億元の損失を計上したことを明らかにした。
純損益が赤字になったことについて、偏光板市場の競争が激化していることから、こ
れまでの単一生産ラインでの生産及び小ロット多品種供給が逆効果となり、生産ライン
の稼働率の低下、製品歩留まりの不安定をもたらしており、赤字に転落することになっ
たと説明している。
こうした状況下にはあるが、深圳市紡織集団は偏光板事業への業態転換のテンポを緩
めておらず、より深化させようとしており、次のステージに入ろうとしている。昨年の
アニュアルレポートによると、昨年下半期は偏光板事業が好調を維持、昨年下半期の偏
光板の売上高は 4.04 億元で前年同期比 32.03%増、偏光板の昨年通年の生産量は 714.82
万平方メートル、販売量 691.63 万平方メートル、2013 年に比べそれぞれ 36.56%、40.60%
増となっており、販売量の伸び率が生産量の伸び率を上回っている。
業界関係者は、深圳市紡織集団の偏光板事業の拡張は、世界の薄型ディスプレイ産業
が中国国内に生産シフトしているという国際分業の流れにマッチするものであると同時
に、液晶パネルの中核部品である偏光板の中国国内での国産化ニーズも大きいことにに
もマッチしているといえる。
公開資料によると、2015 年 3 月現在、中国国内には第 5 世代以上の液晶パネル生産ラ
インが 16 本稼働しており、京東方(BOE)が北京、重慶、合肥 3 都市に計 5 本の液晶パ
ネル生産ライン、華星光電(China Star)は深圳に 2 本の 8.5 代ライン、南京中電熊猫
(CEC Panda)は南京に 1 本の 8.5 世代液晶パネルライン、1 本の第 6 世代液晶パネル生
産ラインを稼働させている。世界の 8.5 世代以上の液晶生産ライン 17 本のうち、8 本は
中国国内にあり、中国国内は既に世界のディスプレイ端末最大の消費市場であると同時
に生産基地にもなっている。それに伴って、中国国内の液晶パネルメーカーの産業界で
の発言権も明らかに上昇している。
このほか、アニュアルレポートによると、深圳市紡織集団の製品歩留まり及び稼働率
がいずれも上昇しているがうかがえる。管理面ではコスト管理の厳格化により各種コス
トが削減されており、管理コストは前年比 16.49%減となっている。技術開発面では、TV
製品、IPS 薄型製品、青色染料、ハイエンド灰色染料の開発を達成している。特許面で
は、2014 年 12 月 31 日現在、出願特許は累計 44 件に上り、そのうち、発明特許 4 件、
実用新型特許 40 件(PCT 特許 2 件を含む)に達している。
業界関係者は、深圳市紡織集団は 2014 年に 5 つの新製品を投入しており、同社の競争
力向上の原動力になっていると指摘する。深圳市紡織集団は現在、偏光板製品を華星光
電、龍騰光電(IVO)、深超光電(Shenchao)等の大口顧客にロット供給しているが、現
在新たな大口顧客の開拓にも注力しているという。
13
2015 年 4 月号
【半導体】昨年の世界半導体市場シェア、中国国内のシェアはわずか 3%
2015-4-7 経済日報
米国半導体市場研究機関 IC Insight の最新調査によると、昨年の世界の半導体市場シ
ェアランキングは、米国が 55%で首位、垂直統合型(IDM)、ファブレス双方で世界をリ
ードしている。米国に次いで韓国が 18%で 2 位、日本は 9%で 3 位、台湾が 7%で 4 位、EU
が 6%で 5 位、中国国内は 3%で 6 位だった。今回の調査では半導体ファウンドリの売上高
はカウントされていない。
ファブレスメーカーには、台湾の聯発(Mediatek)、智原(Faraday)等の設計メーカ
ーや設計サービスメーカーが含まれているが、世界のスマートフォン市場の急成長に伴
って、ここ数年、ファブレスメーカーの主戦場はパソコンからモバイルデバイスにシフ
トしており、スマートフォンの販売量が急拡大している中国国内ではファブレス半導体
メーカーの育成が急務となっている。
1302 号 4 月 10 日
【半導体】展訊による聯発の袁帝文氏引き抜き、人材争奪戦が激化
2015-4-7 Digitimes
台湾の携帯電話チップ大手の聯発(Mediatek)が、同社の携帯電話チップ事業部前最
高責任者である袁帝文氏を競合企業である中国国内の展訊(Spreadtrum)に引き抜かれ
機密技術を流出させたとして係争状態となっているが、その背景となっているのが新興
及び既存の中国国内の IC 設計メーカーの台頭であり、それらの中国国内 IC 設計メーカ
ーによる台湾企業からの有能エンジニアの引き抜きの増加といわれている。中国国内の
IC 設計メーカーが同業他社からヘッドハンティングを行うことは、台湾の LCD ドライブ
IC メーカーにとっては有能なエンジニアを失うことを意味し、大きなダメージとなって
いる。
台湾の大手 LCD ドライブ IC 設計メーカーは最近になって口を揃えて中国国内 IC 設計
メーカーが中国国内の LCD ドライブ IC 需要取り込みにこれまでになく積極的で、ミドル
レンジ及びローエンドの LCD ドライブ IC を次々と市場に投入している、中国国内の IC
設計メーカーは自社ブランドの LCD ドライブ IC 製品のスペック、品質、競争力グレード
アップのため、台湾企業のミドルレンジ、ハイエンド製品責任者もしくはシニア開発部
門エンジニアのヘッドハンティングに力を入れているという。
LCD ドライブ IC 産業の発展は液晶パネルメーカーの発展に依存していると言っても過
言ではないが、中国国内の京東方(BOE)が中国国内の液晶パネル産業において政府のて
こ入れもあって潰すことができない規模にまで成長したこと、天馬(Tianma)、天億
(Tianyi)、華星光電(China Star)、中電熊猫(CEC Panda)、恵科等の中国国内の主要
14
2015 年 4 月号
液晶パネルメーカーも京東方同様、中国国内の巨大な液晶パネル需要の後押しもあって
相次いで生産能力を拡大させており、中国国内の IC 設計メーカーにとっては千載一隅の
発展のチャンスが到来しているといわれる。
平均粗利率が 20%以下まで低下している台湾 LCD ドライブ IC 設計メーカーにとっては、
巨大市場である中国国内市場でシェアを失うことは予想以上にダメージが大きい。一部
のメーカーは中国国内 IC 設計メーカーの LCD ドライブ IC 製品の競争力が大幅に改善し
ているわけではないが、激しい値下げ攻勢により中国国内の LCD ドライブ IC 市場の秩序
が大きく混乱させられていると指摘する。
2014 年は台湾の主要 IC 設計メーカーである聯咏(Novatek)、奇景(HiMAX)、旭曜
(Orisetech)、奕力(Ilitek)、瑞鼎(Rayduim)が中国国内の LCD ドライブ IC 市場のマ
ジョリティを掌握したこともあって、中国国内 IC 設計メーカーは巻き返しに向けて即戦
力となる台湾 LCD ドライブ IC 設計メーカーの幹部エンジニアを引き抜く戦略を選択し始
めている。
台湾の大手 LCD ドライブ IC 設計メーカーは内部責任者会議の中で、中国国内の LCD
ドライブ IC 設計メーカーは関税、補助金等の政府の保護を受けていることから、台湾の
LCD ドライブ IC 設計メーカーが中国国内市場で現在のシェアを維持することは難しい状
況にある、新製品を次々と投入していかなければ、生き残ることが難しいとしている。
【液晶パネル】中電熊猫、南京 8.5 世代 IGZO 液晶パネル生産ライン稼働
2015-4-7 中華液晶網
中国国内の液晶パネル大手の中電熊猫(CEC Panda)が 290 億元を投じて建設していた
8.5 世代液晶パネル生産ラインが中国南京市の液晶バレーで正式に稼働した。これによ
り、中国国内は日本に次いで IGZO 液晶パネルの量産を実現した地域となり、台湾、韓国
の液晶パネルメーカーと直接対峙することになる。
昨年、中国国内の薄型ディスプレイの市場シェアは 18.6%まで上昇、世界で唯一成長
を維持している地域となっている。業界関係者は、今年、中国国内の液晶ディスプレイ
生産能力は日本を超え、世界第 2 位、中でも TV パネルに最も適しているといわれる 8.5
世代生産ラインの生産能力では世界 1 位になると見られている。
世界最大の薄型ディスプレイ市場研究機関である DisplaySearch 研究主幹の謝勤益氏
は、IGZO は In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)により構成される Oxide(酸化物)
半導体を使った TFT 液晶パネルで、次世代の TFT 液晶パネル技術と目されている技術の
1 つとしている。
現在、世界の 8.5 世代、第 10 世代液晶パネル生産ラインはいずれも非結晶型シリコン
技術で、モバイルデバイスの高解像度ディスプレイには第 6 世代以下の低温ポリシリコ
ン技術が採用されている。金属酸化物半導体を使った液晶パネル技術と 8.5 世代ライン
を結びつけることができれば、超高画質のスマートフォン用中小型液晶パネルと 4K の大
型 TV 用液晶パネルを同時に生産することが可能となる。
DisplaySearch の謝勤益氏は、非結晶型シリコンは従来型の大型液晶 TV パネルに利用
されてきたが、技術的に解像度に限界があることから、高い解像度を実現できる低温ポ
15
2015 年 4 月号
リシリコンの利用が始まったが、低温ポリシリコンを利用した液晶パネルにはサイズの
大型化が難しいというデメリットがあると同時に、製造プロセスが複雑であるため、歩
留まりが不安定というボトルネックがあり、これまで普及に不可欠といわれるコストダ
ウンの壁を乗り越えることができない状況が続いてきた。他方、IGZO 半導体を利用した
液晶パネル技術は超高画質を実現できると同時にサイズの大型化にも適応できるという
優位性があることから再び注目が集まっている。製造プロセスが低温ポリシリコンのよ
うに複雑でなくわずか 5 つから 6 つの工程で製造することができることも、歩留まりを
95%以上に維持できコストダウンが容易であるという大きな優位性となっている。
南京中電熊猫薄型顕示科技有限公司常務副総経理の孫学軍氏は、現在試験生産してい
る 8.5 世代液晶パネルは、
サイズが 2.5 メートル×2.2 メートル、解像度は 400ppi 以上、
最高で 700ppi に達するとしている。iPhone6 Plus スマートフォンパネルの解像度は
403ppi であることからもその解像度の高さがうかがえる。
DisplaySearch の謝勤益氏は、420ppi 以上というスペックから見れば、低温ポリシリ
コン、IGZO どちらを利用しても大差はない、スマートフォン用パネル市場で最終的に生
き残るのは低温ポリシリコン技術と IGZO 技術の 2 つになるだろうとの見方をしている。
同氏は、IZGO 技術を保有しているのはシャープ 1 社だけであるが、中国国内のスマー
トフォンブランド大手の魅族(Meizu)、小米(Xiaomi)にヒアリングしたところ、両社
がこれまでは高価格の低温ポリシリコンを調達してきたが、今後は IGZO というオプショ
ンを検討していく方針であることを明らかにしたとしている。中電熊猫の南京 8.5 世代
IGZO 液晶パネル生産ラインの稼働により、シャープだけでなく中電熊猫も魅族、小米に
IGZO パネルを供給することが可能となる。
【半導体】中国国内 5 大 12 インチ半導体メーカーの生産能力比較対照
2015-4-8 OFweek 電子工程網
中国政府の半導体産業への大規模な梃入れに伴って、中国国内の半導体メーカーの生
産能力が再び注目を集めており、以下の 5 大メーカーの中でも中国国内企業である中芯
国際に続く企業の育成が急務となっている。
■聯電
台湾第 2 位の半導体ファウンドリである聯電(UMC)は 1 月 27 日、子会社である中国
国内の半導体ファウンドリである蘇州和艦科技(Hejian)を通じて 6.13 億元(約 30.52
億 NTD)を中国厦門の 12 インチ半導体ファウンドリである聯芯に出資、持分比率が
33.33%に達することを明らかにしている。聯電の計画によると、聯電は 2015 年から 5
年以内に総額 13.5 億米ドルを聯芯に投じて、厦門に 12 インチ半導体工場を建設、2016
年には 55 ナノ及び 40 ナノ生産ラインを稼働、月産能力は最大で 5 万枚に達する計画で
ある。
■中芯国際
中芯国際は、世界有数の半導体ファウンドリであり、中国国内最大、技術最先進の半
導体ファウンドリ企業であり、世界のユーザーに 0.35 ミクロンから 28 ナノの半導体フ
ァウンドリサービスを提供している。本社は上海にあり、上海には 12 インチ(300mm)
16
2015 年 4 月号
半導体工場と 8 インチ(200mm)大規模半導体工場を稼働させている。北京にも 12 イン
チの大規模半導体工場を稼働させているほか、12 インチの先進プロセス半導体工場を開
発中、天津と深圳にそれぞれ 8 インチ工場を稼働させている。米国、欧州、日本、台湾
に営業事務所を設立、香港には駐在員事務所を有している。中芯国際の北京法人は 2002
年 7 月設立、従業員は約 1700 人を擁する。中国国内初の 12 インチ生産ラインを有する
北京法人では、ロジックチップを主に製造、月産能力は 5 万枚に達している。中芯国際
の武漢の 12 インチ半導体工場の月産能力は 6 万枚、主にフラッシュメモリを生産してい
る。
■インテル
インテルは世界最大の半導体メーカーで、世界最高水準のチップ設計能力と製造能力
を有するが、1985 年に北京に駐在員事務所を設立、その後インテル中国法人を設立して
いる、現在、インテル中国法人の従業員は 7500 人以上、チップの製造及び実装検査、新
技術の研究、新製品の開発及び販売を行っている。インテル大連チップ工場はインテル
が 25 億米ドルを投じて建設したアジアで初めての半導体製造工場で、インテル成都工場
は世界最高水準のチップ実装検査工場である。また、北京のインテル中国研究院は新型
の埋め込み式システムの研究センターであり、上海のインテルアジアパシフィック研究
開発センターはインテルの中国国内市場における研究開発基地、イノベーションセンタ
ーに位置付けられている。大連チップ工場は業界主流の 12 インチ半導体と 65 ナノ技術
により PC 用チップセットを生産、現在の月産能力は 5.2 万枚に達している。
■サムスン
サムスンの西安半導体工場は今年 5 月 9 日に竣工予定で、10 ナノクラスの NAND フラ
ッシュチップ(V-NAND)の量産を開始する。西安半導体工場の月産能力は 10 万枚とされ
ている。
■SK ハイニックス
SK ハイニックスの中国無錫法人の主要製品は 12 インチ半導体で、パソコン、サーバ、
スマートフォン等のメモリを生産している。SK ハイニックス中国無錫の第 1 期の投資額
は 20 億米ドル、第 2 基の投資額は 15 億米ドル、第 3 期の投資額は 25.55 億米ドル、第
4 期の投資額は 20 億米ドルに上り、SK ハイニックス中国無錫は中国国内で投資額が最大
の半導体事業とされている。SK ハイニックス無錫工場は 2013 年 9 月に大きな火災を経
験しており、発火点が半導体工場内部だったため、全面操業停止が 1 か月に及び、当時
の世界の DRAM 月間供給量が 10%減少する事態となった。SK ハイニックス無錫工場の月産
能力は 13 万枚に達している。
【PCB】台湾の欣興、1Q 売上高 134 億 NTD で 5 年半ぶりの低水準
巨享網 2015-4-9
台湾最大のビルドアップ基板メーカーである欣興電子(Unimicron)の 2015 年 1-3 月
の売上高は 134 億 NTD で 5 年半ぶりの低水準となった。
欣興電子の 3 月の売上高は 48.21 億 NTD で、昨年同月の 50.12 億 NTD に比べ 3.81%減、
2015 年 1-3 月の売上高は 134.23 億 NTD で昨年 10-12 月に比べ 19.29%減、昨年同期に比
17
2015 年 4 月号
べ 0.98%減となった。
【半導体】インテル、中国に追加投資 8 千万元の起業支援基金を設立
21 世紀経済報道 2015-4-9
インテルは昨年中国国内にスマートデバイスイノベーションセンターを設立すると同
時に、1 億米ドルを投じて中国国内に同センター専用基金を設立しているが、今年は企
業支援として総額 8000 万元のエンジェル投資基金を設立すると同時に、技術サポート、
サプライチェーン斡旋、マーケティング支援等を行う計画を明らかにした。
1303 号 4 月 13 日
【スマホ】TCL 昨年スマートフォン販売量、小米を超える 今年目標 1 億台
2015-04-10 毎日経済新聞
中国国内最大の液晶 TV メーカーでスマートフォン事業の強化を推進している TCL 集団
は 8 日、2015 春季新製品発表会を深圳で開催、曲面 TV、スマートウォッチ等の新製品を
発表したほか、携帯電話事業会社である TCL 通訊がメディアに対して、2015 年のスマー
トフォン目標販売量を 1 億台、世界販売量シェア 3 位以内に入ること、中国国内市場で
は販売量シェア首位に躍進する目標を明らかにした。
中国国内の市場調査機関である中投顧問研究主幹の郭凡礼氏は、中国国内のスマート
フォン市場は既に成熟段階に突入したといってよい、新規参入者が現在の勢力図を塗り
変えることは非常に難しい状況にあると指摘。また、格力(Gree)等の大手家電メーカ
ーがスマートフォン市場に新規参入することは、スマートフォン産業内の競争をさらに
激烈なものにするだけで産業全体にとってはマイナスとの見方も示した。同氏は、あの
小米でも 2014 年のスマートフォン販売量は 6000 万台前後だった、TCL がスマートフォ
ン領域で大きなイノベーションを実現できなければ、今年 1 億台という高い販売量目標
を達成することは難しいとも指摘している。
これに対して、TCL 通訊 COO の王激揚氏は、2014 年の輸出も含めたスマートフォン世
界販売量は 7349 万台で前年比 33%増だった、そのうち中国国内市場での販売量は 760 万
台にとどまったとしており、スマートフォンの世界販売量は小米を上回ることを強調し
ている。2015 WMC で発表したミドルハイレンジ製品である IDOL3 の販売目標については
1000 万台であるとしている。
新製品発表会の前日、TCL 集団は今年 3 月の主要製品の販売データを発表、スマート
フォンの販売量が 327.22 万台で前年同月比 43.95%増だったことを明らかにしている。
TCL 集団董事長兼 CEO の李東生氏は、TCL 集団の未来のポジショニングはグローバル化
したスマート製品のメーカーであると同時にインターネットを応用した複合サービス企
業集団であることを明らかにしている。
18
2015 年 4 月号
【タッチパネル】天馬、中国国内ハイエンドスマホ LTPS パネルで京東方に優位
2015-4-10 中華液晶網
中国国内最大の大型液晶パネルメーカーである京東方(BOE)、中国国内最大の中小型
液晶パネルメーカーである天馬微電子(Tianma)が、低温ポリシリコン(LTPS)液晶パ
ネル生産ラインを稼働させてから、両社とも Full HD 高解像度スマートフォン用パネル
及び In-cell 機能内蔵式タッチパネルの生産を積極的に進めており、中国国内スマート
フォンブランド向けパネル市場でシェア上位 5 位以内を目指していることを明らかにし
ている。台湾の市場調査機関 DIGITIMES Research は、両社の競争について、天馬微電子
が 5.5 世代 LTPS 液晶パネル生産ライン及び歩留まりでどちらも京東方を上回っているた
め、京東方に比べ 2015 年の LTPS 液晶パネル出荷量が大幅に拡大できるチャンスが大き
いとの見方をしている。
京東方(BOE)及び天馬微電子(Tianma)は両社とも既にハイエンドのスマートフォン用
Full HD(1920×1080)、In-cell タッチパネル向け LTPS TFT LCD パネルの量産を開始し
ているが、中国国内メーカーが当初計画していたタッチ IC 及びドライブ IC パッケージ
がシングルチップに搭載する TDDI 技術だったため、両社が量産を始めた LTPS TFT LCD
パネルは HD(1280×720)解像度パネルには利用することができるが、Full HD(1920×1080)
解像度パネルには利用することができない状態にあるという。そのため、ハイエンドの
Full HD 解像度パネルに利用するにはもう 1 つ IC チップを追加搭載する必要があり、そ
のことが両社の競争力にマイナス影響を与えているという。
タッチ機能がない Full HD パネルに限定して見ると、天馬微電子の出荷量が京東方を
上回っているが、DIGITIMES Research はこの状況が 2015 年の京東方の中国国内主要ス
マートフォン端末メーカーへのハイエンド Full HD パネルの供給を拡大するという目標
に影響してくると指摘する。
現在、天馬微電子は既に 5 インチ、HD 解像度 In-cell タッチパネルの量産を行ってお
り、その供給先は聯想(Lenovo)に買収されたモトローラ・モビリティと見られている。
一方、京東方は In-cell タッチパネルの量産を実現できるのが早くても今年 4 月以降と
されている。HD 解像度の TDDI 技術だけでなく、京東方には Full HD 解像度の TDDI 技術
開発が必要であるが、聯想は LCD ドライブ IC 及びタッチドライブ IC をそれぞれ個別に
搭載する In-cell タッチパネルを採用することを決めている。
タッチ機能を内蔵していないスマートフォン用 Full HD パネルに関しては、京東方及
び天馬微電子が既存顧客に対しては既に出荷を始めているほか、これまで日韓メーカー
もしくは台湾メーカーからパネルを調達していた小米への販売を積極的に働きかけてい
るという。小米は 2015 年に紅米シリーズで複数の中低価格スマートフォンを投入する計
画だが、そのうち 5.5 型製品には Full HD 解像度パネルを採用すると見られている。現
在、京東方の LTPS TFT LCD パネル生産ラインの歩留まりが依然理想水準に届かないこと
から、暫定的に a-Si 技術で Full HD 解像度パネルのサンプルを製造、顧客に送付してい
る。
a-Si 技術の Full HD パネルは消費電力量が相対的に高く、歩留まりも安定していない、
19
2015 年 4 月号
LTPS 技術に比べコスト効率が悪いといった欠点があることから、天馬微電子が LTPS Full
HD パネルを採用して小米の紅米シリーズ 5.5 型製品用 Full HD 解像度パネルの受注を狙
ってくるとの見方もある。現在、天馬微電子の LTPS Full HD スマートフォン用パネルは、
中興(ZTE)、華為(Huawei)
、華碩(Asustek)等の主要顧客に採用されているが、DIGITIMES
Research は小米の紅米シリーズで採用されれば、天馬微電子の中国国内のハイエンドス
マートフォン用パネル産業での地位をさらに高めることに寄与すると指摘する。
【PCB】アップル 3 大フレキ基板メーカー 1Q 売上高、1Q では過去最高記録
百能網 2015-4-10
アップルの 3 大フレキシブル基板サプライヤーである臻鼎(Zhen Ding)、嘉聯益
(Career)、台郡(Flexium)の今年 3 月及び 1-3 月の売上高が 9 日全て出揃い、何れも
同期売上高としては過去最高を更新したことが明らかになった。今年通年の見通しにつ
いても 3 社とも昨年を上回る見通しを明らかにしている。
業界の分析によると、EMS 最大手の鴻海(Honhai Foxconn)がアップルと連携して中
国国内で中古もしくは余剰在庫となった iPhone 及び iPad の旧製品を新製品に切り替え
るプロジェクトを進めることを発表した。臻鼎は鴻海集団傘下のプリント基板(PCB)メ
ーカーで同プロジェクト最大の恩恵を受けると同時に、アップルの主要フレキシブルプ
リント基板(FPC)サプライヤーも少なからずの恩恵を受けると見られている。
例年 4-6 月はアップルの新旧製品切り替えの端境期になるため、関連サプライヤーは
5-6 月が 1 年の中で受注が最も低調とする傾向があるが、近年はこの傾向に変調が見ら
れ、臻鼎、嘉聯益は昨年は 5-6 月に業績の落ち込みが見られなかったことを明らかにし
ている。3 社とも今年も 5-6 月の落ち込みは見られないとして通年の業績を楽観視して
いる。
臻鼎は先日の投資家向け説明会で 4-6 月売上高が 1-3 月を下回るとしていたが、今回
の説明会では 4-6 月売上高が 1-3 月を上回る見通しを明らかにした。アップルが旧製品
を新製品に切り替えるプロジェクトを発表したことに加え、アップルがスマートウォッ
チ(Apple Watch)等の新製品を販売開始したこともあり、アップルウォッチのフレキシ
ブル基板を独占している嘉聯益(Career)が業績を大幅に伸ばすことが予想されている。
アップルの台湾 3 大 FPC サプライヤーの今年 1-3 月売上高は過去最高となった昨年
10-12 月に比べ減少となったが、多くの上場しているプリント基板メーカーに比べると
依然高水準を維持している。臻鼎、嘉聯益の 3 月の売上高は前月比 4 割以上、1-3 月の
売上高は 2 割以上の増加、台郡の 3 月売上高は前月比 4 割近くの増加、1-3 月売上高は
前年比 6 割以上の増加となっており、増加幅は台湾プリント基板関連メーカー中最高と
なっている。
【ウェアラブル】アップルウェアラブル端末 Apple watch グレーターチャイナサプライヤ
可穿網 2015-4-10
■中国上場企業
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2015 年 4 月号
1、徳賽電池(Desay)
中国国内最大の電源ソリューションプロバイダーであり、関連電池製品メーカーであ
る。アップル Apple Watch 用電池の独占サプライヤーであり、徳賽電池に 6 億元の売上
高をもたらすと見られている。
2、大族激光(Hans)
中国国内最大のレーザー装置メーカーで、世界でも高い知名度を有するレーザー加工
装置メーカーである。アップルのスマートウォッチの外形が複雑であるため、必要とな
るレーザー切断装置も多く、大族激光の業績を押し上げている。
3、露笑科技(Roshow)
中国国内の主要銅芯・アルミ芯電磁コイル製品メーカーであるが、世界最大のモバイ
ルデバイス用パネルガラス加工メーカーでアップルのパネルガラスサプライヤーである
伯恩光学(Biel Crystal)と共同で伯恩露笑藍宝石を設立している。アップルのパネル
ガラス調達量全体に占める伯恩光学の供給シェアは 30%に達している。
4、西南薬業(奥瑞徳光電)
西南薬業は奥瑞徳光電(Aurora Opto)がバックドアリスティング(非公開企業による
公開企業の買収、正規 IPO 手続によらず M&A 手法によって上場資格を獲得する裏口上場)
のターゲット上場企業となった企業。奥瑞徳光電は 2014 年下半期から藍思科技(Lens)、
伯恩光学(Biel Crystal)はウェアラブルデバイス用 2 型カバーガラスを供給しており、
藍思科技と伯恩光学はアップルのサプライヤーでもある。
5、歌爾声学(GoerTek)
長年アップルの音響部品サプライヤーの地位を維持しており、2014 年半期レポートに
よるとアップル向け売上高が 8 億元で総売上高の 17.35%を占めている。
6、水晶光電(Crystal Optech)
主要事業は精密光学薄膜、サファイア基板(PSS)、小型投影モジュール等の製品の生
産、販売で、赤外線カットオフフィルター製品を間接的にアップルに供給。
7、環旭電子(Universal Scientific Industrial)
SiP モジュールメーカーで、アップル向け S1 モジュールの独占サプライヤー。
8、立訊精密(Luxshare-ICT):ワイヤレス充電部品サプライヤー。
9、安潔科技:金属部品サプライヤーで、アップルの次世代新製品の開発で連携している。
10、金龍機電:2014 年からアップルにコイルモータの供給を開始。
11、欣旺達:昨年 5.5 型 iPhone6 向け超薄型リチウム電池 2 千万個をアップルに供給。
■香港上場企業
1、瑞声科技:音響部品サプライヤー
2、安捷利実業:歌爾声学の中核材料サプライヤー
3、舜宇光学科技:光学部品サプライヤー
4、富智康集団:アセンブラー、筐体サプライヤー
■台湾上場企業
1、台積電:半導体ファウンドリ
2、晶技:水晶部品サプライヤー
3、鴻海:アセンブラー、筐体サプライヤー
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2015 年 4 月号
4、和碩:アセンブラー、筐体サプライヤー
5、宸鴻科技:タッチパネルサプライヤー
6、玉晶光電:カメラモジュールサプライヤー
7、大立光電:カメラモジュールサプライヤー
8、華通:プリント基板サプライヤー
9、広達:アセンブラー
10、日月光:SiP 実装サプライヤー
11、緯創集団:アセンブラー
12、嘉聯益:フレキシブル基板サプライヤー
1304 号 4 月 15 日
【携帯電話】中国国内メーカースマートフォン出荷量急減 White-box 危機に
2015-4-13 C114 中国通信網
台湾の市場調査機関 DIGITIMES Research のデータによると、2015 年 1-3 月の中国国
内メーカーのスマートフォン出荷量が前年同期比 30%減となったことが明らかになった。
White-box メーカー等の小規模企業にとっては生存が危ぶまれるほどの減少幅といえる。
DIGITIMES レポートによると、2015 年 1-3 月の中国国内メーカーのスマートフォン出
荷量の前年同期比減少幅は 30%を超える見通しで、その主な原因となっているのが輸出
量の大幅減だという。中国国内の大手及び中堅のスマートフォンメーカーは依然在庫調
整が終わっておらず、一部の小規模ブランドメーカーの業績は当初予想を大幅に下回る
状況になっているという。
今年 1-3 月の中国国内メーカーのスマートフォン出荷量が前年同期比 30%減となった
というデータは DIGITIMES が当初予測を下方修正したもので、DIGITIMES は修正前は中
国国内メーカーの 1-3 月のスマートフォン出荷量は前年同期比 20%減と予測していた。
その後、DIGITIMES アナリストが今年 3 月に中国国内市場に対して実地調査を行ったと
ころ、出荷見通しが予想以上に悪化していることが判明、予測を下方修正した。同アナ
リストが深圳と上海の独立系設計企業、ODM メーカーを訪問ヒアリングしたところ、中
国国内メーカーのスマートフォン出荷量は前年同期比、前四半期比どちらでも大幅減と
なっていたが、これらの独立系設計企業、ODM メーカーは主に中国国内の小規模ブラン
ドメーカー、White-box スマートフォンメーカーを主力顧客としてサービスを提供して
いる。
中国国内メーカーのスマートフォン出荷量が前年同期を下回るのは、実のところ今年
になって始まったことではない。中国工業情報化省電信研究院が今年 1 月に発表したデ
ータによると、昨年 10-12 月のスマートフォン出荷量は前年同期を 8%下回る 3.89 億台
にとどまった。ただ、今年 1-3 月の減少傾向は春節大型連休後も好転の兆しが見られず、
減少傾向が今後しばらく続く可能性が高まっている。
22
2015 年 4 月号
一部の地域性の強い小規模ブランドの主要ユーザーは農村地区に集中、価格も 700 元
から 1000 元、高くても 1500 元前後であるが、中国国内の大手及び中堅のスマートフォ
ンメーカーが競争が激化する中、製品価格帯を 700 元から 1000 元、もしくは 1000 元か
ら 1500 元に拡大しており、小規模ブランドメーカーの市場を浸食し始めている。
2013 年上半期、中国国内の小規模スマートフォンメーカーの数は過去最高の 600-700
社に達したが、2014 年にそのうち 150 社以上が消失、今年に入って再び小規模スマート
フォンメーカーの倒産件数が増えているという。
ここ 2-3 年、アップルは中国国内のハイエンド市場、小米(Xiaomi)は中国国内のロ
ーエンド市場で急速に勢力を拡張したことも、中国国内のスマートフォン市場の力関係
に深刻な影響を及ぼしている。中国国内市場で上位 5 ブランドといわれる小米、アップ
ル、三星、華為(Huawei)、聯想(Lenovo)のシェアは合計すると昨年 10-12 月に 50%を
超えるところまで拡大している。
DIGITIMES Research レポートは同時に、中国国内の大手、中堅のスマートフォンメー
カーが過剰在庫の解消に追われていることだけでなく、市場全体に見られる需要の弱さ
に警戒感を明らかにしている。市場全体に見られる需要の弱さは今年 2 月中旬から顕在
化してきたが、春節後もその傾向が改善する兆しが見られないという。
小規模スマートフォンメーカーはたとえ生き残ったとしても今後も綱渡り状態の経営
を強いられることは必至で、製品価格は 300 元から 500 元の間をさまようことになると
指摘する。小規模スマートフォンメーカーが使用するチップは選択肢はさらに縮まり、
中国国内チップメーカーのローエンドの 3 モード 4G TD-LTE チップに絞られている。訪
問ヒアリング結果によると、大部分の小規模スマートフォンメーカーは今後の見通しに
ついて悲観的で、2015 年は 200 社を超える小規模スマートフォンメーカーが市場から退
場するとの見方も出ている。中国国内需要の縮小は、一部のローエンド市場に依存した
小規模スマートフォンメーカーを厳しい過当競争下に追いやり、合併を選択せざるを得
ない状況に追い込むとしている。
また、中国国内の多くのスマートフォンメーカーは、今後 3 年以内に 4G がスマートフ
ォンの標準装備となるとの見方をしており、価格が 1000 元以下の 4G スマートフォンが
市場を支配、スマートフォン出荷量の半分が 1000 元以下の 4G スマートフォンになると
見ている。
4G ユーザー数が上昇し続けていること、特に新興都市及び農村部で BAT(Baidu、
Alibaba、Tencent)を代表格とする中国国内 3 大インターネット企業による電子取引が
急拡大していることが、多くのモバイルユーザーが 4G ネットワークに切り替える原動力
となっている。ただ、こうした 4G ユーザー数が急増していることも、4G 技術が不足し
ている小規模スマートフォンメーカーの退場を加速する材料になると見られている。
一方、インド、東南アジア、中南米等の新興市場では依然スマートフォン出荷量が高
い伸びを示す段階が続いていることから、DIGITIMES は 2015 年の世界のスマートフォン
総出荷量は 14 億台に達すると予測している。
【半導体】聯電の厦門火炬ハイテク区での 12 インチ半導体工場正式着工
23
2015 年 4 月号
2015-4-13 科技日報
世界第 4 位の半導体ファウンドリである台湾の聯電(UMC)が厦門で 12 インチ半導体
工場を建設する聯芯半導体製造事業が厦門火炬ハイテク区で正式に着工、台湾の聯電董
事長の洪嘉聡氏、世界最大のワイヤレス半導体メーカーであるクアルコム(Qualcomm)
総裁、聯電の主要部品・原材料メーカー幹部等が着工式に参加した。
聯芯半導体製造事業の最大月産能力は 12 インチ半導体 5 万枚、総投資額 62 億米ドル、
2016 年 12 月に試験生産、2021 年 12 月稼働予定となっている。事業稼働後、聯電はさら
に資金投入を継続する計画で、2 つ目の月産能力 5 万枚の半導体工場を建設するとして
いる。
2015 年の福建省重点事業、厦門市重大事業として、聯芯半導体製造事業は昨年 10 月
に調印、今回正式に着工と調印からわずか数か月で建設前期の各プロセスを完了したこ
とは、厦門火炬ハイテク区管理委員会の実務能力の高さをうかがわせる。
また、昨年 9 月に厦門火炬ハイテク区は中国国内の半導体産業の国家代表チームとも
いえる清華紫光の誘致にも成功している。清華紫光は厦門市に 40 億元を投じて厦門清華
紫光半導体産業園を建設する計画で、半導体の製造、開発設計、産業インキュベーショ
ン、製品展示等をワンストップで行う半導体産業集積地となるという。
計画内容によると、厦門清華紫光半導体産業園は今後傘下の展訊通信(Spreadtrum)、
鋭迪科(RDA)等の核心企業を含む 30 社以上の半導体企業を誘致すると同時に、200 社
以上の半導体と直接関連する研究開発型の IT 企業を誘致するとされている。
【半導体】清華大学、インテルと戦略的パートナーシップ構築で覚書締結
2015-4-13 飛象網
中国国内の理工系最高学府である清華大学は、半導体最大手のインテルと北京にて戦
略的パートナーシップ構築で覚書を締結したこと、今後インテル・アーキテクチャー
(Intel Architecture)と清華大学の再構成可能コンピューティング(Reconfigurable
Computing)の研究成果をベースに、再構成可能コンピューティング技術による新型計算
機及びソフトウェア開発で連携していくことを明らかにした。中国科技省副長官の曹健
林氏、清華大学学長の邱勇氏、中国工業情報化省電子情報司副司長の彭紅兵氏、清華大
学副学長の薛其坤氏、インテル CEO の Brian Krzanich 氏、インテルシニア副総裁、イン
テルグローバル副総裁兼中国地区総裁の楊旭氏等の代表が調印式に出席した。
インテルはプロセッサのアーキテクチャー及び処理技術の開発で優位性を持ち、清華
大学は再構成可能コンピューティング及びシステムチップで優位性を持つことから、双
方の提携によりインテル x86 アーキテクチャーの再構成可能コンピューティング中核技
術の研究が進み、次世代コンピュータ・アーキテクチャー及びその商業応用が進展する
ことが期待されている。
【半導体】聯発、合肥に R&D 基地建設 安徽省半導体産業発展に寄与
2015-4-13 万家熱線
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2015 年 4 月号
携帯電話・スマートフォン用ワイヤレスチップ大手の聯発科技(Mediatek)は、中国
安徽省合肥市ハイテク区での研究開発基地建設に向けて鍬入れ式を行った。同研究開発
基地は、合肥市ハイテク区が重点的に支援している事業で、科学技術、情報技術を密接
に融合する事業であると同時に、合肥市の半導体産業の国内外での競争力、影響力を引
き上げるための重要プロジェクトに位置付けられている。
現在、合肥ハイテク区には、聯発科技のほか、傑発科技、北京君正、中電 38 研究所、
中電 43 研究所、集創北方等の半導体設計企業が進出している。
【スマホ】楽視、新たに投入するスマートフォン楽 1/楽 1Pro/楽 Max 発表
DIGITIMES 14-4-2015
中国国内の動画サイト運営企業で液晶 TV メーカーでもある楽視(LeTV)は 14 日、北
京で開催した製品発表会で新たに投入するスマートフォン 3 機種、楽 1、楽 1 Pro、楽
Max(右写真)を発表、スマートフォン市場に本格参入することを明らかにした。製造に
ついては、仁宝(Compal)に委託する
ことが明らかになっている。
楽 1 は世界初の縁なし設計を採用、
またメタルフレームを採用しているこ
とからデザインは好評。スペック面で
も 5.5 型 1080p スクリーン、2.0GHz
MediaTek helio X10 8 コアプロセッサ、
3 GB RAM、500 万画素フロントカメラ
及び 1300 万画素リアカメラ搭載とハ
イスペックとなっている。価格は 1500 元とされている。
楽 1 Pro は縁なし、金属フレーム、5.5 型であることは楽 1 と同じだが、パネルがシ
ャープの 2K、プロセッサが Qualcomm Snapdragon 810 8 コア、RAM が 4 GB と楽 1 を上回
るスペックとなっており、価格は 2500 元。
楽 Max は縁なし、金属フレーム、プロセッサ、RAM は楽 1Pro と同じだが、サイズが 6.3
インチでパネルはシャープの 2K、NTSC 色域 90%のパネル、リアカメラも 2100 万画素の
ソニーの IMX 230 2100 を採用しているほか、指紋認証モジュール、3400mAh バッテリも
搭載している。
【ガラス】藍思科技、昨年純利益 5 割超減 過労による自殺も数件発生
TechWeb.com.cn 2015-4-13
世界有数のカバーガラスメーカーでアップルのサプライヤーでもある藍思科技(Lens)
は、2014 年の純利益が前年比 5 割以上減少、今年 1-3 月に新規上場した企業の中では減
益幅が最も大きい企業となった。
藍思科技のアニュアルレポートによると、2014 年の純利益は 11.8 億元で、2013 年の
純利益 24.4 億元に比べ 51.6%の減少となった。非経常性の損益を控除した場合の純利益
25
2015 年 4 月号
は前年比 70.5%減となっている。
同社は大幅減益となった理由を、2.5D 製品の歩留まり低下によるスマートフォン用保
護ガラスの粗利が大幅に低下したこと、人件費の上昇等によるものと説明している。2013
年の同社の粗利率は 31.7%だったが、2014 年は 10 ポイント近く低下し 22.35%となって
いる。
従業員の構成で見ると、藍思科技の従業員の大部分は工員が占めており、2014 年年末
現在の工員数は 6.9 万人、従業員総数の 84.1%を占めている。一方、エンジニアの数は
9500 人で同 11.6%を占めるに過ぎない。人々のテクノロジー企業に対する一般的イメー
ジは研究開発に従事する人材が結集しているというものだが、藍思科技の従業員の大多
数は初等学歴水準の工員が占めており、テクノロジー企業というイメージとは程遠いも
のになっている。
EMS 最大手の富士康(Foxconn)も同様の従業員構成で低収益が課題となっていると同
時に過密スケジュールによる工員の過労自殺が社会問題化したが、藍思科技においても
同様の過労自殺が数件発生しているという。
【タッチパネル】宸鴻、2Q は厦門工場火災に伴う損失計上で赤字転落も
2015-4-14 中華液晶網
タッチパネル大手の宸鴻(TPK)は、今年 1-3 月に厦門工場で発生した火災に伴う損失
11 億 NTD の計上等の要因から今年 4-6 月の最終損益が赤字に転落する可能性を明らかに
した。
1-3 月の連結売上高は 289.49 億 NTD で昨年 10-12 月比 26.9%減、前年同期比 8.8%増、
そのうち 3 月の連結売上高は 106.06 億 NTD で前月比 45.2%増、前年同月比 32.7%増だっ
た。
Apple Watch 向け圧力センサ及びタッチモジュールの出荷量は 1500-2000 万個に達す
る見込みで、売上高は 135-160 億 NTD に達するとしている。マイクロソフト Surface 3
向けタッチパネルも今後売上高を押し上げてくるとしている。
下半期については、iPhone 6s Plus が圧力センサを採用することから、下半期には
iPhone サプライチェーンに復活できる見通しを明らかにしている。
1305 号 4 月 17 日
【半導体】中国半導体ファウンドリ、モノのインターネット向け 8 インチ生産拡大
DIGITIMES Research 15-4-2015
台湾の IT 市場調査機関である Digitimes Research によると、中芯国際(SMIC)
、武漢
新芯(XMC)、華虹宏力(Huahong Grace)等の中国国内の主要半導体ファウンドリは、モ
ノのインターネット(IoT)向けチップを製造する専用プロセスの開発に集中しているこ
26
2015 年 4 月号
とが明らかになった。
Digitimes Research は、モノのインターネット応用市場が中国国内 IC 設計企業にと
って確実性の高い有望市場であることと同時に MCU チップ、組み込み型の eNVM チップ、
センサー、アナログ IC、パワーマネジメント IC 等のモノのインターネット及びウェア
ラブルデバイスに必要となる IC パーツが必ずしも 20 ナノ以上の先進プロセスでの製造
を要しないこともあって、モノのインターネット向けチップ専用プロセスの開発に経営
資源を集中する傾向が強まっていると指摘する。
中芯国際は、先進プロセスの開発は従来通り進めていくが、eNVM チップ、MEMS チップ、
CMOS イメージセンサー、パワーマネジメント IC の生産能力の拡張を同時並行的に進め
ていることを明らかにしている。また、ウエハレベル実装、MEMS 実装、8 インチウエハ
バンピングのための専用工場を建設していることも明らかにしている。
IC 関連サービステクノロジー関連では、中国国内最大の半導体実装検査企業である江
蘇長電科技(Jiangsu Changjiang Electronics Technology)が、複雑な IC パーツの生
産をサポートするため、3 層 MIS(Molded Interconnect System)実装技術の開発を計画
していることを明らかにしている。同時に MIS 実装技術を MIS-PoP (Packaging on
Packaging)実装技術まで発展させることも計画している。さらに受動部品メーカー向け
にエンベデッド(組み込み)実装技術を開発する計画も明らかにしている。
中国国内の半導体実装検査企業は、急成長するモノのインターネット市場に向けて FO
(Fan-out)SoC 実装、FO PoP 実装、銅ピラー構造バンピング等の新技術の開発にも注力
する可能性があると見られている。
【半導体】インテル/グーグル、相次いで中国国内チップメーカーとの連携強化
界面 2015-4-14
瑞芯微電子(Rockchip)を代表とする中国国内のチップメーカーは、かつては深圳の
White-box デジタル産業を支える影の立役者を演じていたが、今ではインテルやグーグ
ルの世界の大企業の力を借りて新領域に参入するようになっている。先日深圳で開催さ
れたインテルデベロッパー・フォーラム(IDF)で、瑞芯微微電子 CEO の励民氏、インテ
ル CEO の Brian Krzanich 氏が基調講演を行い、その中でインテルの Krzanich 氏はイン
テルと瑞芯微電子が共同で開発した携帯電話用チップ SoFIA3G-R を今年 4 月から正式に
量産を開始することを明らかにした。
1 週間前には瑞芯微電子のチップ RK3288 が、グーグル Chromebook シリーズの 2 つの
新機種で採用されているが、そのうち 1 機種は中国の海爾(Haier)が、もう 1 機種は中
国の海信(Hisense)がアセンブリを受注している。グーグルの予測によると、Chromebook
の世界出荷量は今年 2000 万台を突破する可能性があり、瑞芯微電子がパソコン市場進出
が本格的に始めることになる。
瑞芯微電子がグーグルと Chromebook 領域で提携することは、インテルが短期間で新型
チップを投入することを可能にするだけでなく、瑞芯微電子にとっても自らの強みを発
揮することができる領域が増えることを意味する。瑞芯微電子の高い現地化率、コスト
パフォーマンス、製造速度、チップ技術などは、グーグル、インテルを同社に引き付け
27
2015 年 4 月号
る大きな要因となっている。
展訊(Spreadtrum)、瑞芯微電子のような中国国内のチップ設計企業は、インテルのロ
ーエンドチップ領域での重要パートナーとなることで、巨額の資金を獲得できるだけで
なく、強力な技術サポートを獲得している。Chromebook 領域で提携する前に瑞芯微電子
はグーグルの Project Ara モジュール携帯電話事業に参加しており、グーグルとの関係
構築は長期戦略として進められている。
深圳市のタブレット PC メーカーは、瑞芯微電子について、ハイエンドの技術力はそれ
ほど高いとは言えないが、顧客に対するソリューション提案力が卓越している、タブレ
ット PC メーカー各社への密着対応により、顧客各社のニーズを正確に把握していると話
す。
瑞芯微電子はこれまでインテルと協力関係を構築することを、インテルの卓越した遂
行力を利用して自らを成長させることと位置付け、短納期によりインテルのような巨大
企業との協力関係を拡大してきた。瑞芯微電子副総裁の陳鋒氏は、瑞芯微電子は福建省
が所在地になっているが、本質的には深圳企業であり、短納期を実現できる生産管理能
力とサプライヤーとの協力関係を持っていると指摘する。
短納期とともにコストパフォーマンスは瑞芯微電子製品の大きなアピールポイントで
あり、上述のタブレット PC メーカーによると、瑞芯微電子は中国国内生え抜きの地場企
業であることから、そのコスト抑制能力は非常に高く、インテルからのアシスタントも
あって、同等の X86 アーキテクチャーのチップ価格は市場に出回っている ARM チップに
比べ相当低価格を維持しているという。瑞芯微電子副総裁の陳鋒氏は、中国の大部分の
IC 企業は低収益ではあるが、コストも低いため、市場で簡単に淘汰されることもないと
指摘する。
パソコン及びローエンド通信端末市場において大企業が直面している難題は市場が騒
いでいるほど山積というわけではなく、瑞芯微電子副総裁の陳鋒氏の論法を借りて言え
ば、パソコン市場の縮小は市場でいわれているほど深刻なものではないというのが現実
で、瑞芯微電子は多くのメーカーがパソコン市場を退出するときに逆に投資を拡大して
きた、その結果最後は競争するライバルがいなくなり、グーグルは Chromebook のパート
ナーとして瑞芯微電子を選択せざるを得ない状況になっていたというのが実情ともいえ
る。
瑞芯微電子副総裁の陳鋒氏はまた、3 億前後の市場がそこに存在しているのであり、
Chromebook 市場も 1 つの豊かな市場である、インテルにとってもエントリ 3G チップ市
場の潜在性は巨大で、競争はハイエンド 3G チップ市場のように激しくないと指摘する。
ローエンド製品中の核心技術の優位性があればこそ、大企業の製品普及が加速される
のであり、インテルやグーグルがローエンド製品の核心技術を重視するのも自社の製品
の普及を加速できるからだと指摘する。
瑞芯微電子副総裁の陳鋒氏は、瑞芯微電子は豊富な Android 技術の集積と音声映像高
周波通信技術の集積を有している、インテルと瑞芯微電子が協力することで両社の強み
をさらに高めることができる、同時に瑞芯微電子はインテルのベースバンド技術面での
集積を必要としていると指摘する。
グーグル Chrome オペレーションシステム副総裁 CaesarSengupta 氏も、瑞芯微電子の
28
2015 年 4 月号
プロセッサはグーグルと提携することで消費者により高い品質、より低い消費電力、よ
り高い製品エクスペリエンスを提供することが可能となり、ChromeOS 端末製品の普及を
促すことができるとしている。
【半導体】中芯国際、ドンブ・ハイテック買収 8 インチ半導体勢力図に変化
2015-4-15 華強電子網
韓国聯合ニュースによると、中芯国際(SMIC)が韓国最大の半導体ファウンドリである
ドンブ・ハイテック(Dongbu HiTek)の買収に向けて現在交渉中であることが明らかにな
った。ドンブ・ハイテック売却案件の主幹事を担当する韓国開発銀行(KDB)関係者による
と、交渉は依然初期段階にあり、売却価格について具体的なやり取りは未だなされてい
ないとしている。ドンブ・ハイテックも公開競争入札を実施したわけではなく、非公開
で売却先を探している段階にあることを明らかにしている。
世界の電子産業の分業体制の中で、これまで半導体ファウンドリといえば台湾企業の
代名詞であり、台積電(TSMC)、聯電(UMC)等の企業が有名で、中国国内企業は産業の
末端で廉価な労働力を供給する役割を演じてきた。しかし、この状況が今大きく変わろ
うとしており、世界の半導体産業の重心が中国国内にシフトし始めており、国家政策の
強烈な後押しもあって、中国国内の半導体設計産業が急成長、中国国内の半導体ファウ
ンドリ企業に大きな発展のチャンスが到来している。
中芯国際が韓国最大の半導体ファウンドリ企業であるドンブ・ハイテックの買収交渉
を進めていることは、正に中国国内半導体ファウンドリの実力が大幅に増したことを如
実に示している。中国国内の半導体ファウンドリの製造プロセスは最先端とは言えない
0.18um-0.13um の 8 インチに集中しているが、ユビキタスの急速な発展に伴って、8 イン
チ半導体の需要が高まっていることから、中芯国際等がその恩恵を受けることが期待さ
れている。
中芯国際がドンブ・ハイテックの買収に成功すれば、半導体産業の勢力関係に少なか
らずの影響をもたらすと見られている。先ず第一に、ドンブ・ハイテックの買収に成功
すれば、中芯国際の 8 インチ生産能力が短期間に急拡大することが可能となる。2015 年
年末までに中芯国際は 8 インチ半導体の月産能力を 15 万枚まで拡張する計画だが、ドン
ブ・ハイテックが現在保有する 8 インチ半導体の月産能力は 9.4 万枚に達しており、ド
ンブ・ハイテックの生産能力が中芯国際に統合されれば、中芯国際の 8 インチ半導体の
生産能力は 24 万枚以上に達し、世界最大の 8 インチ半導体生産能力を持つメーカーとな
る。
第二に、ドンブ・ハイテックが保有するファウンドリ生産ラインと製造プロセスが、
中芯国際が保有する生産ラインとタイプがほぼ一致していることである。ドンブ・ハイ
テックのファウンドリ製造プロセスは 0.35 ミクロンから 90 ナノまでで、ファウンドリ
の主要製品は CMOS イメージセンサー、パワーマネジメント IC、デジタル音声拡大チッ
プ等であるが、中芯国際の主力製品も CMOS イメージセンサー、パワーマネジメント IC、
MEMS チップ、RF チップ、埋め込み式 NVM/MCU チップ等で、ドンブ・ハイテックの生産ラ
インとタイプが一致している。イメージセンサー、パワーマネジメント IC 等の半導体
29
2015 年 4 月号
IC は正にユビキタスネットワークで最も需要がある製品である。
中芯国際がドンブ・ハイニックスを買収する実力があるのかどうかについては、今年
2 月 13 日、中芯国際は中国集成電路産業投資基金から総額 30.9871 億香港ドルの資本注
入を受けて潤沢な資金を保有していること、ドンブ・ハイテックの 8 インチ生産ライン
の減価償却が完了しているため、売却価格が時価総額とプレミアムだけで決定され高額
になることはないことなどから、買収は十分可能と見られている。
韓国の三星電子、LG、SK ハイニックス等が何ら対抗措置を取っていないことについて
は、三星電子についてはプロセッサ及び端末製品の開発に経営資源を集中しているため、
半導体ファウンドリ事業を顧みる余裕がなく、14 ナノ生産ラインをグローバル・ファン
ドリーズ等の競合他社に売却することを検討しているとも伝えられている。LG、SK ハイ
ニックス等も保有する生産ラインの調整を計画しているといわれている。つまるところ、
中芯国際がドンブ・ハイテックを買収することができれば、8 インチ半導体の需給がひ
っ迫する今後 2-3 年、世界の半導体ファウンドリの勢力図を塗り替え、中国国内企業の
国際半導体ファウンドリ市場における影響力を引き上げる可能性がある。
【液晶パネル】中国国内 8.5G ライン 3 本が 2Q 稼働 価格下落圧力続く
2015-4-15 中華液晶網
中国国内の複数の液晶パネルメーカーが今年 4-6 月に新たな生産ラインが相次いで稼
働、市場に流入する液晶パネル出荷量が 8-10%増加すると見られている。稼働初期に出
荷される製品は主に 32 型であることから、32 型液晶パネル価格の下落圧力は今後もし
ばらく続く恐れがある。
液晶パネルメーカーの年次検査、作業日数減少、製品ライン調整等の影響で、液晶パ
ネルメーカーの今年 1-3 月出荷量は昨年 10-12 月に比べ軒並み減少、中でも三星、友達
(AUO)、華星光電(China Star)、日本のパナソニックの出荷量の減少幅は 7%以上、そ
の他の液晶パネルメーカーの出荷量も横ばいだった。液晶パネルメーカーの内部統計に
よると、世界の今年 1-3 月の TV パネル出荷量は 6488 万枚で昨年 10-12 月比横ばいだっ
たが、そのうち 4K2K パネル出荷量は 580-600 万枚で TV パネル出荷量全体の 8-10%、TV
パネル出荷面積全体の 20%を占めた。
今年 4-6 月に稼働する中国国内液晶パネルメーカーの新生産ラインは、具体的には京
東方(BOE)が重慶 8.5 世代生産ライン、華星光電が深圳 T2 8.5 世代生産ライン、中電
熊猫が南京 8.5 世代生産ラインであるが、これらの生産ラインの稼働により TV パネルの
供給量が大幅増となるが、中でも京東方が 4-6 月の出荷目標達成に最も積極的で、1-3
月比 15%増の 750 万枚を目標として明らかにしている。一方、華星光電の 4-6 月の出荷
量目標は 600 万枚で 1-3 月比 3-5%増にとどめている。中電熊猫の新たに稼働する 8.5
世代生産ラインは生産能力の一部を中小型パネル生産に当てることから、TV パネル出荷
量の増加幅は 1%程度と見られている。全体としては中国国内パネルメーカーの 4-6 月
の TV パネル出荷量は 1450 万枚で 1-3 月比 8-10%増になると見られている。
30
2015 年 4 月号
1306 号 4 月 20 日
【半導体】台積電、大口顧客の発注削減を発表 スマートフォン需要が減速
2015-4-17 経済日報
台積電はスマートフォン用チップの大口顧客が発注を削減したことから、4-6 月の売
上高見通しが市場予想に達しないこと、その要因となっているのが 4-6 月のスマートフ
ォン需要の減速があることを明らかにした。
また、市場からはスマートフォンメーカーの宏達(HTC)、スマートフォン用チップメ
ーカーの聯発(Mediatek)等のスマートフォン関連企業の 4-6 月の売上高についても予
想を下回る可能性が高いとの懸念が出始めている。
台積電が言及したスマートフォン用チップの大口顧客について、個別名を明らかにし
ていないものの、市場では世界最大のスマートフォン用チップメーカーであるクアルコ
ムであることはほぼ間違いないとの見方がされている。クアルコムが発注を削減したこ
とは、同社の市場シェアが下落していることと同時に、世界のスマートフォン市場の需
要にも減速傾向が高まっていることを意味すると見られている。
スマートフォンブランド大手の台湾の宏達(HTC)は 28 日、オンラインで投資家向け
説明会を開催、今年 1-3 月の売上高が 415.2 億 NTD で、辛うじて目標の最低ラインを達
成したこと、営業利益率がわずか 0.05%と損益分岐点ぎりぎりだったこと、本業の純利
益はわずか 2000 万 NTD だったことを明らかにした。
ただ、特別利益を計上したため、税後純利益 3.6 億 NTD を確保、純利益は当初目標の
最高ライン近くまで達したが、売上高の低迷から本業のスマートフォン事業の不振があ
ったことはほぼ間違いないと見られている。台積電が業績の悪化を発表してから、市場
はクアルコムの大口顧客である宏達の業績と対応戦略に関心を集中させている。
クアルコムの競合企業である聯発(Mediatek)は、今月 30 日に投資家向け説明会を開
催する予定で、今年 1-3 月の業績と 4-6 月の見通しを発表するが、市場は台積電と同じ
ような業績内容が予想されると見ている。聯発の 3 月の売上高は 200 億 NTD の大台を回
復し、1-3 月の売上高が目標を達成することに寄与したものの、粗利率の低下、営業費
用率の上昇があるため、市場は聯発の 1-3 月の純利益は目標最低ラインを確保できるか
の戦いになっていると見ている。
4-6 月の見通しについて、台積電が保守的な業績見通しを示したことから、市場はス
マートフォン市場に対する保守的見方が裏付けられたと見ている。
スマートフォン用チップのサプライチェーンによると、3G スマートフォンメーカーか
らの引き合いが弱いことに加えて、ライバルの展訊(Spreadtrum)が低価格攻勢をかけ
ていることから、聯発の 4-6 月の売上高及び粗利率は低下圧力が続いている、4-6 月の
業績については余りに楽観的になるべきではないと指摘している。
聯発の 4 月の売上高は 3 月を下回ることが予想されるが、4-6 月の四半期売上高は 1-3
月を上回る可能性がある、ただ増加幅は 15%以内にとどまると見られている。
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2015 年 4 月号
【スマホ】アップル、昨年の中国国内の売上高 370 億米ドルで他社を圧倒
2015-4-17 網易科技
市場調査機関 Newzoo の最新レポートによると、テクノロジー企業の昨年の売上高にお
いて、アップルは他社を圧倒、売上高を中国国内市場の売上高だけとしても、首位の順
番が変わらないという圧倒的強さを見せつけた。昨年のアップルの中国国内における売
上高は 370 億米ドルに達し、他の全ての海外企業、中国国内企業の売上高をはるかに凌
ぐものとなった。中国国内企業を代表する華為の昨年の売上高は 175 億米ドル、聯想の
昨年の売上高も 147 億米ドルで、アップルの売上高 370 億米ドルの半分にも達していな
い。
アップルの中国国内市場での成功は、製品の販売量が単にライバル企業を上回ったと
いうことだけにとどまらない。アップル製品のポジショニングがハイエンドであること
から、中国国内で中間所得層及び高所得層が急成長していることがうかがえ、その分厚
い中間所得層の形成によりアップルが空前の売上高を達成できたといえる。
2013 年 9 月、アップルは iPhone5s と低価格の iPhone5c を同時に市場に投入している
が、当時、多くの市場アナリストは低価格の 5c がアップルが今後アジア市場、特に中国
国内市場を切り開く上で大きな鍵を握っていると見ていた。しかし、市場調査機関
Newzoo CEO の Peter Warman 氏は、アップルが中国国内市場で最も売れ行きが良い製品
は低価格の 5c ではなく、ハイエンドの 5s、6/6Plus であり、さらに高価格の iPad や iMac
であることを指摘する。中国国内の中高所得層の消費者は高品質と高品位の製品を購買
する傾向があるが、ハイエンドの 5s、6/6Plus の販売が好調なことは中国国内の中高所
得層が一定の規模まで拡大していることを如実に示しているという。
また同氏は、アップルが他の企業と最も異なるところが、中国国内消費市場を他地域
と区別して扱ったことがないというところであると指摘する。通常であれば、欧米の企
業は中国国内市場に進出するとき、特異な中国国内市場に精通した現地パートナーを探
し、現地パートナーと共同で一定の市場を開拓してから、現地化戦略を打ち出すことが
大半を占めていた。しかし、アップルは中国国内市場進出に当たって現地パートナーを
探すことを一切行っていないという。アップルは世界のどの市場に対しても基本的に同
じ戦略を採用しており、その戦略が非常に有効的かつ実用的であることが証明されてい
るという。もちろん、アップルは現地パートナーを持たないため、370 億米ドルの売上
高に伴う利益を現地パートナーと分配する必要もない点も大きい。
これに対して、マイクロソフトは 2014 年の総売上高が 868 億米ドルであるが、そのう
ち中国国内市場での売上高は全体の 10%にも満たないという。また、日本のソニーの 2014
年の中国国内市場での売上高は 44 億米ドルに達しているが、アップルに比べると桁違い
という状況にある。
【液晶パネル】天馬の新工場設備入札、韓国企業が日本企業を圧倒
32
2015 年 4 月号
2015-4-17 中華液晶網
中国国内最大の中小型液晶パネルメーカーである天馬微電子は、新工場設備の競争入
札を実施、韓国企業が日本企業に技術力及び競争力で上回り、多数の設備を落札したこ
とが明らかになった。韓国企業は今回の天馬微電子の入札結果が他の中国国内ディスプ
レイ企業の新設備入札にプラスに働くとしている。
韓国電子新聞 ET News によると、天馬微電子が新設備導入に向けて競争入札を実施、
韓日のディスプレイ設備メーカーが入札に参加したが、韓国の設備メーカーが日本メー
カーを圧倒した。
ディスプレイの製造工程で重要な熱処理設備の核心技術は、均一化技術と高速の高温
処理技術といわれるが、高温処理設備で韓国の Viatron と日本の YAC が入札に参加し、
最終的に韓国の Viatron が落札したという。エキシマレーザーアニール(Excimer Laser
Anneal:ELA)設備については、韓国 AP Systems、LG 生産技術センター、日本製鋼所(JSW)
の 3 社が応札、最終落札企業は AP Systems だったという。
TFT LCD 検査測定装置は、韓国の SNU Precision、K-MAC、日本の東邦(Toho)の 3 社の
激しい競争になったが、SNU Precision が落札。表面インピーダンス測定装置は、韓国
の K-MAC、日本の Napson が応札したが、K-MAC が落札した。物流自動化設備については、
韓国の SingsungFA、SFA、日本企業 1 社が応札、SingsungFA が既に天馬微電子から購買
意向書(LOI)を獲得している。
天馬微電子は厦門市に第 6 世代低温ポリシリコン(LTPS)TFT パネル工場を建設したの
に続いて、武漢にも LTPS パネル工場を建設しようとしており、2 つの LTPS パネル工場
の月産能力はガラス基板換算で 3 万枚に達する。2 つの新工場が稼働すれば、天馬微電
子は 2017 年には総月産能力はガラス基板換算 8.2 万枚に達すると見られている。
厦門地区の主要設備の入札は既に終了しているが、武漢工場でも厦門工場と同等の設
備を採用する計画で、半年後には武漢工場の設備入札が予定されている。
韓国の SNU Precision 副社長は、武漢工場の設備入札においても日本企業との一発勝
負になることが必至だが、今回の入札結果を通じて天馬微電子が韓国企業の技術力に対
して高い評価をしていることが裏付けられた、今後の中国国内ディスプレイ企業の設備
投資において韓国企業が有利になるとしている。
【スマホ】三星の中国国内スマホ市場シェア急速に縮小 国内企業台頭続く
第一財経日報 2015-4-17
三星集団総帥の李健熙氏は新年の祝賀会で、登山では山頂が近づけば近づくほど強風
に遭遇することになる、だが我々は強風があるからと言って前進を止めるわけにはいか
ない、今後近いうちに三星は実質的にスマートフォン市場の覇権を握ることになるとス
マートフォン事業で巻き返しを図ることを明らかにした。
同氏は、三星電子のスマートフォンは正に登頂後最大の困難に直面している、中国国
内のライバル企業がこれまでで最も激しい攻勢をかけてきていると指摘している。大手
市場調査機関である IDC のレポートによると、2014 年 10-12 月、三星電子の中国国内ス
マートフォン市場におけるシェアは年初の 20%から 8%に急落、また 3 四半期連続で華為、
33
2015 年 4 月号
聯想、小米等の中国国内メーカーのシェアを下回る状況となっている。
IDC は、2015 年 1-3 月も三星の中国国内市場における出荷量の低迷は続き、市場シェ
ア順位は 5 位前後となるとの予測をしている。IDC 中国のスマートフォン市場追跡レポ
ートのシニアアナリストである閻占孟氏は、中国国内のスマートフォンメーカーは昨年
市場シェアで反転攻勢に出たが、今年も海外ブランドは中国国内市場でシェアを苦戦を
強いられる可能性が高いとしている。
閻占孟氏は、2014 年 10-12 月の世界のスマートフォン出荷量上位 5 位中、中国国内メ
ーカーが 3 社を占めた、同 3 社の今年の出荷量はいずれも 1 億台に達する可能性が高い
と予測している。
IDC は、半年余りの出荷量の減少により今年 1-3 月の三星の中国国内スマートフォン
市場でのシェアは 5 位に転落、この順位は 10-12 月と変わらないと予測している。現況
は、ミドル・ハイエンドはアップルと華為、ローエンドは小米を代表とする中国国内ス
マートフォンメーカーが市場を掌握しており、三星にとっては厳しい状況が続いている。
三星の販売代理店は、華為が Mate7 を 1 台販売すれば、三星の Note4 の販売台数が 1
台減少するという状況で、両社で重なっているユーザーは非常に多いと指摘する。三星
の昨年 4-6 月の在庫の投げ売りは中国国内の販売代理店等に大きなダメージを与えたが、
その修復調整が依然終わっておらず、中国国内の販売代理店の GalaxyS6 の仕入れは多く
が様子見の状態が続いているという。既に中国国内の主要小売販売代理店の 7 割が華為
のスマートフォンを販売しており、情勢は既に華為に傾いていると見られている。
三星のこれまでの成功はサプライチェーンとの連携にあり、三星は自社で半導体、デ
ィスプレイ等の主要部品を調達、世界で唯一スマートフォン、タブレット PC、ウェアラ
ブル端末等のモバイルデバイスを自社で生産している総合電子企業であることが強みだ
った。しかし、中国国内メーカーの相次ぐ新規参入で、サプライチェーンという独自の
競争力が徐々に打ち破られ始めている。
アップルは強力な販売網とサプライチェーンを構築しており、アップルの販売網とサ
プライチェーンシステムは超えることは容易ではないが、三星は決して不可能ではない
としている。中国国内のスマートフォンメーカーも、ディスプレイを作ることができな
いことを除けば、中国国内メーカーがサプライチェーンにおいて海外メーカーに劣ると
ころはなくなっていると話す。
2G 時代においては、スマートフォンの販売構造はピラミッド型だったが、現在の 3G
と 4G が混在する時代においては、スマートフォンの販売構造はピラミッド型が崩れ、
1000 元クラス、700 元クラスが占める比率が非常に高いが、400 元クラスの比率は低い
という状態にあり、1000 元クラスが中国国内スマートフォンメーカーの最も強いセグメ
ントであると中国の酷派副総裁の曹井昇氏は指摘する。
三星の中核事業であるスマートフォン事業の世界販売量シェアが、昨年は 4 年ぶりの
前年比減となり、コストパフォーマンスで突出した成果を発揮した小米(Xiaomi)が昨
年 4-6 月に三星に代わって中国国内スマートフォン出荷量首位になっている。多くの市
場調査機関が、三星は依然として後退局面から脱し切れていないと指摘する。
IDC 中国のスマートフォン市場追跡レポートのシニアアナリストである閻占孟氏は、
三星の売上高及び市場シェアはどちらも減少する傾向にあり、世界のスマートフォン市
34
2015 年 4 月号
場の勢力図が大きく変動していると指摘している。
中国国内のスマートフォンメーカーは、中国国内市場だけでなく海外市場でも三星及
びアップルを激しく追撃しており、華為が先日発表した旗艦機種 P8 は三星 GalaxyS6 キ
ラーと呼ばれている。発表会 PPT で華為終端責任者の余承東氏は P8 を GalaxyS6 と対比
して紹介、発表会の時間も GalaxyS6 が中国国内で発売される時間の前に設定、対抗意識
を露骨に表している。
1307 号 4 月 22 日
【半導体】2014 年世界 10 大半導体ファウンドリ企業売上高ランキング
新電子 2015 年 4 月 20 日
国際調査機関 Gartner の最新統計によると、2014 年の世界の半導体ファウンドリの総
売上高は 469 億米ドルで、2013 年に比べ 16.1%の大幅増となった。そのうち、最大手の
台積電(TSMC)は 251 億 7500 億米ドル、53.7%のマジョリティシェアで首位を維持した。
また、昨年 3 位だった聯電(UMC)が 28 ナノ技術領域でのキャッチアップで、昨年 2 位
だったグローバル・ファウンドリーズ(Globalfoundries)を抑えて 2 位に返り咲いた。
Gartner 研究副総裁の王端
(Samuel Wang)氏は、2014 年は
世界の半導体ファウンドリ総
売上高が 3 年連続で 16%を超え
る成長を達した年になったと
述べるとともに、Ultramobile
販売量の増加、下半期のアップ
ルの iPhone 6 と 6 Plus の空前
の成功、垂直統合型デバイスメ
ーカー(IDM)の収益がファウン
ドリにシフトしたこと、ウェア
ラブルデバイスの大量出荷が
前倒しで始まったことなどが
半導体の需要を押し上げたと指摘している。
10 大半導体ファウンドリのうち、台積電のシェアは 2013 年の 49.8%から 53.7%に上昇
したが、28 ナノ及び 20 ナノの先進技術へのシフトにより、わずか 1 年で売上高を 50 億
米ドル拡大した意味は大きい。また、聯電は 28 ナノ技術へのシフト加速により 2014 年
の売上高が 46.2 億米ドルに達し、ファウンドリ市場シェアは 9.9%に達した。一方、グ
ローバル・ファウンドリーズは売上高が 44 億米ドルにとどまり、シェアも 9.4%と横ば
いだった。
電子デバイス導入に季節性があることから、半導体ファウンドリ市場も毎年 4-6 月と
35
2015 年 4 月号
7-9 月が需要期となっているが、2014 年はアップルのサプライチェーンの強力な成長力
により 10-12 月が需要のピークとなった。従来技術で製造されるタッチパネルコントロ
ーラ IC、ディスプレイドライブ IC、パワーサプライ IC 等の半導体需要の拡大に対して、
昨年は 8 インチ 200 ミクロン半導体の供給が不足したため、需給がひっ迫したが、今年
もその需給ひっ迫が大幅に緩和されることは期待できないと見られている。そのため、
主要半導体ファウンドリは現在積極的に 200 ミクロン半導体の生産能力を拡大している。
【液晶パネル】京東方、A 株市場年初来最大の 55 億元相当の売却成立
2015-4-20 中華液晶網
中国国内最大の液晶パネルメーカーである京東方(BOE)は 16 日、中国 A 株市場で年
初来最大となる 55.31 億元に相当する 13.68 億株の売却が成立したことを明らかにした。
深圳証券取引所の大口取引データによると、16 日成立した京東方の A 株取引は 8 件、そ
のうち 3 件は平安証券が幹事を担当、計 11.9 億株を売却、売却価格は 1 株 4 元、47.6
億元を現金化している。また、残り 4 件の取引の買い手は機関投資家で、1 株 4.32 元で
1.78 億株を売却、数十億元を現金化している。
京東方 A 株には 118.47 億株の第三者割り当て増発株式があり、今年 4 月 15 日にその
売却が解禁されている。売却解禁後に平安創新資本が売却した株式は 11.9 億株、華安基
金、民生加銀基金等の機関投資家が売却した株式は 10 億株超といわれている。
関連資料から、京東方 A 株は昨年 4 月に 5 回目となる第三者割り当て増発を完了、1
株 2.1 元で、10 名の特定投資家に 217 億株を発行しており、調達資金は 450 億元を超え
ている。北京国有資産管理センター、合肥建翔、重慶渝資からなる政府系戦略的投資家
3 社のほか、平安創新資本、華安基金、華宝興業基金、民生加銀基金等 7 社の機関投資
家が増発株式の引き受けに参加している。
ここで注目すべきは、そのうち 7 社の機関投資家の売却禁止期間が 12 か月とされてい
ることで、今年 4 月 15 日に丁度 7 社の売却が解禁されている。京東方株式の 4 月 16 日
の終値が 1 株 4.5 元で、割り当て価格 1 株 2.1 元の 2 倍以上であるので、機関投資家 7
社が保有する京東方割り当て株式の評価額は簿価の 2 倍以上になっている。
調査機関 Wind の統計によると、今年年初から 828 社の上場企業が重要株主の株式売却
を発表しており、その売却金額は合計 1700 億元を超えているという。
【ガラス】旭硝子、広東省恵州市にディスプレイ用ガラス基板母材工場建設
2015-4-20 中華液晶網
日本の旭硝子は 4 月 16 日、広東省恵州市仲恺区でディスプレイ用ガラス基板生産事業
の調印式を行った。これにより、旭硝子株式会社が 100%出資する液晶ディスプレイ用ガ
ラス基板母材事業が正式に恵州市に招致されることとなる。同市の紹介によると、同事
業の総投資額は 5 億米ドルで、恵州市政府の重点事業に指定されている。全事業が稼働
すれば、年間生産高は 20 億元を超える見込み。
ガラス基板母材は、表面が極平坦の薄型ガラス基板で、厚さはわずか 0.5-0.7mm、薄
36
2015 年 4 月号
型ディスプレイ産業において最も中核的な基礎材料とされている。生産技術の高度化に
より、液晶ガラス基板の発展速度が液晶ディスプレイの発展速度を左右するといわれて
いる。恵州市仲恺区管理委員会主任の楊鵬飛氏は、液晶ガラス基板の生産量は直接第 5
世代生産ライン以上のカラーフィルタ等の重要部品の生産量に影響してくる、ディスプ
レイ生産では最も中核のプロセスの 1 つ、液晶ガラス基板の生産事業の誘致は恵州市の
薄型ディスプレイ産業発展にとって極めて重要な意味を持つと話す。
旭硝子は生産総量では世界 500 強企業ではないが、ガラス基板産業ではコーニングと
並ぶ強大な支配力を持つ企業である。1907 年創立の旭硝子の液晶パネル用ガラス基板の
世界シェアは 28%に達している。
恵州市仲恺区管理委員会主任の楊鵬飛氏は、旭硝子の恵州市仲恺区のガラス基板母材
生産事業の投資額は 5 億米ドルで、第 1 期の投資額は 2 億米ドル余り、年間生産高は 10
億元を超える見込み、第 2 期稼働後の年間生産高は 20 億元を超える見込み。
旭硝子社長の島村琢哉氏は、同事業は推進する中で多くの困難にぶつかったが、恵州
市政府及び仲恺区管理委員会の強力なサポートもあって、困難を 1 つ 1 つ解決、最終的
に仲恺区での投資を確定することができたと話す。
同事業で生産される母材ガラスは旭硝子の深圳工場に搬送され、ガラス基板に加工さ
れた後、中国国内第 2 位の液晶パネルメーカーである華星光電(China Star)に出荷さ
れ、液晶パネルに加工、華星光電の親会社である液晶テレビ大手の TCL でテレビもしく
はモニターに組み立てられ、市場に出荷されている。
【半導体】台積電、中国国内に単独で 12 インチ半導体工場建設希望
2015-4-20 cnbeta 網站
世界最大の半導体ファウンドリである台積電(TSMC)は先日、中国国内に単独で 12
インチ半導体工場建設を希望する意向を明らかにするとともに、事業の F/S を進めてい
ることを明らかにした。台積電は 4 月 16 日に開催した投資家向け説明会で、中国国内に
12 インチ半導体工場を建設する計画にはまだ具体的タイムテーブルはないとしていた
が、台積電の一部の主要顧客が台積電に対して中国国内に 12 インチ半導体工場を建設す
るよう強く要望したことから、中国国内に先進技術の半導体工場を建設することで主要
顧客のニーズを正確に把握することができると認識するようになったとしている。
ただ、その後の調査で中国国内に 12 インチ半導体工場を建設する場合、労働力、水道、
電気、その他の費用が台湾に比べ割高になることが判明。現在、台積電の上海松江工場
が 12 インチ半導体工場を建設する上で理想の立地条件を有していると見られている。台
積電は既に上海松江に 8 インチ半導体工場を有しているが、中国国内市場の成長に伴っ
て台積電の中国国内市場での売上高が堅調に拡大、中国国内市場における半導体売上高
が台積電の総売上高に占める比率は、昨年 10-12 月は 6%だったが、今年 1-3 月は 8%に上
昇している。
【液晶 TV】低成長定着の TV 市場、中国企業が日本企業に代わり台頭
37
2015 年 4 月号
2015-4-20 中国新聞網
低成長が定着してきたカラーTV 市場を巡って大手カラーTV メーカーが熾烈な争奪戦
となっているが、ここ 2-3 年は LG 電子が有機 EL(OLED)テレビ等の新製品で新たな販
路を開拓しようとしているが、その成果は予想を下回っている。大部分のカラーTV メー
カーは依然として既存の液晶 TV に対して新たなセールスポイントを発掘することや技
術的グレードアップに注力している状況にある。
韓国の大手証券会社 Hana Daetoo Securities(韓亜大宇証券)が発表した予測レポー
トによると、2015 年 1-3 月の LG 電子 TV 事業部門が赤字に転落、営業損失が 246 億ウォ
ン(約 1.4 億元)に達するとしている。2014 年 1-3 月、LG の TV 事業が所属する HE(ホ
ーム娯楽)事業部の営業利益は 2151 億ウォンまで下降、4-6 月の同利益は 1580 億ウォ
ンまで低下すると見られている。世界のカラーTV 市場の競争激化に伴って LG 電子 HE 事
業部の昨年 7-9 月の営業利益は 4-6 月比 16%減の 1342 億ウォンとなり、10-12 月には LG
電子 HE 事業部の営業利益はわずか 17 億ウォンまで激減している。
2012 年の世界カラーTV 市場の総売上高は 1110 億米ドルだったが、2013 年には 990 億
米ドルに減少、2014 年には若干回復し 1010 億米ドルとなるが、回復幅は限定的。上述
の証券機関の予測によると、2015 年の世界のカラーTV 市場規模は 1020 億米ドル前後に
とどまる見通し。
DisplaySearch レポートによると、昨年の世界のカラーTV 販売量のうち、韓国メーカ
ーが 8705 万台、中国国内メーカーが 5120 万台、日本メーカーが 4416 万台を販売。2014
年、世界の 5 大カラーTV メーカー(スマート TV 市場シェアで分類)は、三星、LG、ソ
ニー、創維、海信で、2 年前に比べると中国国内ブランドが日本ブランドに取って代わ
っている趨勢が鮮明になっている。
家電業界のシニアアナリストである左延鵲氏は、中国国内企業が正に国際カラーTV 市
場での新たな地位の模索を加速している段階にある、一方、日本企業は全体として縮小
均衡戦略にあるが、日本円安もあって客観的には輸出競争で有利な状況にある、ただ、
世界のカラーTV 市場がここ数年低成長状態にあることから、2015 年の世界のカラーTV
市場競争はこれまで以上に熾烈なものになると見られている。
2012 年以降、世界のカラーTV 出荷量は 2 億-2.3 億台で推移、低成長の停滞状態にあ
る。また、米ドル高に伴って海外向けで利益を上げてきた LG の TV 事業部はカラーTV 新
興市場で為替差損を拡大させている。
2013 年、2014 年と日本の東芝、パナソニック、シャープ、ソニー等の日系ブランドが
相次いで一部の国・地域でのカラーTV 生産から撤退、世界のカラーTV 市場の成長減速が
鮮明となっている。中国国内のカラーTV 市場も 2014 年以降低成長にシフト、中国国内
の 6 大カラーTV メーカーが海外に活路を見出そうとしている。
業界アナリストは、創維、康佳、長虹、海爾等の中国国内のカラーTV メーカーは何れ
も LG ディスプレイから有機 EL パネルを調達しているが、中国国内のカラーTV ブランド
は依然として液晶 TV 及びスマート TV のコンテンツ及びネットワークサービスの構築に
経営資源を集中させており、次世代技術のカラーTV 製品への大規模なシフトは短期的に
起こらない状況となっている。
38
2015 年 4 月号
【液晶パネル】京東方、合肥に 400 億元投じ 10.5G パネル生産ライン建設
2015-4-21 中国経営報
中国国内最大の液晶パネルメーカーである京東方科技(BOE)は、安徽省合肥市に世界
最高の 10.5 世代の液晶パネル生産ラインを建設すること、また福建省福州市に 8.5 世代
新型半導体パネル生産ラインを建設することを明らかにした。
合肥市での 10.5 世代液晶パネル生産ラインでは主に 60 インチ以上の超大型及び超高
解像度のハイエンドスマート TV 及びデジタル情報ディスプレイ等向け液晶パネルを生
産、生産能力は月間ガラス基板 9 万枚、総投資額は 400 億元、2016 年 1-3 月着工、2018
年年末までに稼働としている。
福州市での新型半導体パネル生産ライン建設については、福州市政府、福州城市建設
投資集団有限公司と枠組み協定を締結、月産能力はガラス基板換算 12 万枚、総投資額は
300 億元とされている。
1308 号 4 月 24 日
【生産統計】1-3 月中国国内電子情報産業の粗利益、前年比 12%増
2015 年 4 月 20 日 中国工業情報化省運行監測協調局
今年 1-3 月の一定規模以上の電子情報企業の粗利益総額は前年同期比 12%増と 2 ケタ
増を達成した。同期の総売上高、国内販売額、輸出額はそれぞれ前年同期比 10%、14.8%、
5.2%増で、輸出は低調だったが、国内販売は好調だった。3 月単月の粗利益、売上高、
輸出額はそれぞれ前年同期比 12.3%、10.6%、5.7%増だった。
領域別に見ると、通信設備の 1-3 月の売上高は前年同期比 12.5%増、家庭用視聴機器
の同期売上高は同 9%増、電子素子の同期売上高は 1749 億元で同 9%増、電子部品の同期
売上高は 3649 億元で同 14.2%増、計算機の同期売上高は 5360 億元で同 4.2%増だった。
通信設備及び電子部品が 2 ケタ増となったが、計算機が低い伸びにとどまった。
1-3 月の主要製品の生産量は次の通り。
携帯電話
3 億 6772 万台、前年同期比 1.6%減
移動通信基地局基站
6635 万チャネル、前年同期比 9.0%減
通信交換機
350 万回線、前年同期比 39.9%減
カラーテレビ
3332 万台、前年同期比 7.5%増
液晶テレビ
3097 万台、前年同期比 3.9%増
半導体
230.7 億個、前年同期比 12%増
半導体部品
1228.5 億個、前年同期比 5.1%増
電子部品
7764 億個、前年同期比 1.6%増
コンピュータ
6935.2 万台、前年同期比 12.8%減
ノートパソコン
4328.8 万台、前年同期比 7.5%減
39
2015 年 4 月号
デジタルカメラ
412 万台、前年同期比 29.9%減
中国国内消費のけん引作用によって、1-3 月の一定規模以上の電子情報産業の国内販
売額は 1 兆 2657 億元で前年同期比 14.8%増と高い伸びを示したが、輸出額は 1 兆 1588
億元で前年同期比 5.2%増と低水準の伸びにとどまった。
【液晶パネル】液晶パネル価格の小幅下落続く 三星/京東方業績に打撃
2015-4-22 中華液晶網
市場調査機関 DisplaySearch
の最新の液晶 TV 用パネル価格変
動データによると、48 型以下の
液晶 TV パネル価格はいずれも
1-2 米ドルの小幅下落となって
いると同時に、今後も下落が続
く情勢にあることが明らかにな
った。この情勢は、32 型パネル
を主力製品とする中国国内の京
東方(BOE)及び 32 型 TV の占める比率が高い三星電子には不利な状況で、収益へのダメ
ージが大きいと見られている。
32 型パネルの価格が下落すると、よりダメージを受けるのは 32 型パネルの主要メー
カーである京東方と 32 型 TV の出荷比率が高い三星電子となるが、DisplaySearch は、
三星電子は大量に 32 型パネルを調達していることから、他の TV ブランドメーカーに比
べ 1 枚当たりの調達コストは低くなっている、ダメージは市場が予想しているほど大き
くないと指摘する。京東方は既に三星電子から 32 型パネルの大量受注を獲得しているこ
とを明らかにしている。
パネルメーカーの今年の楽観的な見通しには、新製品投入に伴う需要けん引、中国国
内の労働節商戦、現在検討中の新たな省エネ補助金政策などの要因が含まれている。一
方、同時に保守的な見通しをするメーカーも依然として存在しており、一部 TV ブランド
の調達意欲が弱まっていること、ユーロが新興国の通貨に対して下落していることから
TV ブランドメーカーの収益にダメージを与えることなどがその根拠となっている。
【タッチパネル】欧菲光、新事業参入費用拡大で 2 四半期連続の減益に
2015-4-22 中華液晶網
タッチパネル大手の欧菲光(O-filim)が発表した 2015 年 1-3 月の業績によると、売
上高は 39.29 億元で前年同期比 29.55%増となったが、純利益は 8015.32 万元で前年同期
比 45.19%減、昨年 10-12 月比 49.08%減となった。欧菲光の減益は 2 四半期連続。欧菲光
の 2014 年 10-12 月の純利益は 1.57 億元で、前年同期比 19.05%減、同年 7-9 月比 24.67%
減だった。
欧菲光は大幅な減益になった要因として次の 3 点を挙げている。第 1 点はカメラモジ
40
2015 年 4 月号
ュール、指紋識別モジュール、スマートシティ等の新事業の研究開発費用及び初期投資
が拡大したこと、第 2 点はグローバル化費用が拡大したこと、第 3 点は現有製品が置か
れている激しい競争に対応するため、差別化のための開発費用が拡大したこととしてい
る。
欧菲光は 2010 年第 4 四半期から 2011 年第 2 四半期にも純利益が連続して前の四半期
を下回ることがあった。当時、欧菲光は深圳、蘇州、南昌の 3 つの静電容量式タッチパ
ネル工場を稼働した段階にあり、巨額投資により 2011 年第 2 四半期と第 3 四半期に累計
3000 万元近い赤字を計上している。
今回の大幅減益が複数の新事業に着手した初期段階であるという点では 2011 年と状
況は似ている。旭日移動産業研究所の分析によると、欧菲光のカメラモジュール、指紋
識別モジュール、スマートシティの 3 つの新事業への初期投資はかつてのタッチパネル
事業への初期投資を上回っており、リスクは大きいといえるが、欧菲光が新たなステー
ジに発展し新たなピークを目指すには避けては通れないリスクと見ている。
市場は欧菲光の製品構造の調整速度は中国国内企業ではトップクラスであり、成功の
可能性は高いと見ている。市場は欧菲光の 2015 年 4-6 月の純利益は 1.2-2.3 億元で前年
同期比は 26-39%減となるが、2015 年 1-3 月比では 56-194%増になり、業績は反転すると
見ている。
【液晶パネル】京東方、今年 In-cell 製品を顧客需要に応じてロット生産
2015-4-22 中華液晶網
中国国内最大の液晶パネルメーカーである京東方(BOE)は 22 日、投資家向けインタ
ラクティブプラットフォームで、FHD 及び In-Cell 製品生産ラインの建設が順調に進ん
でおり、FHD 製品については多くの大手端末メーカーと協力関係を構築、一部の製品の
量産を既に開始していること、In-Cell 製品については複数の国際的端末メーカーと提
携の覚書を締結、In-Cell 製品の量産能力を構築中で、年内に顧客のニーズに応じてロ
ット生産を開始することを明らかにした。
OGS、On-Cell、In-Cell 等の新型タッチパネル技術は、その厚さ、コスト、集積化等
の多くで優位性を発揮、市場での存在感を高めている。昨年末、京東方は On-Cell 製品
は量産を開始、今年は On-Cell 製品以上に市場性がある In-Cell 製品のロット生産を実
現する計画。
【スマホ】華碩、今年の ZenFone スマートフォン出荷量 3000 万台上方修正
DIGITIMES 23-4-2015
ノート PC ブランド大手の華碩(Asustek Computer)は、今年の ZenFone シリーズスマ
ートフォンの出荷量予測を当初の 2500 万台から 3000 万台に上方修正したことが同社サ
プライチェーンメーカーから明らかになった。
華碩が今年 3 月に投入した ZenFone 新機種 2 シリーズの今年 5 月の出荷量が 200 万台
に達し、6 月には 250-300 万台に拡大すると見られている。
41
2015 年 4 月号
華碩は最近になって川上のサプライチェーンメーカーからの部材の調達量を増やして
おり、調達量が増えることで必要なパーツや部品をより競争力のある価格で調達するこ
とが可能になると見られている。華碩はこれまで採用してきたインテルのチップセット
に加えて、ZenFone 製品にクアルコム等の新たなチップセットを採用していることも明
らかになっている。
しかし、華碩が今年のスマートフォン出荷量目標 3000 万台を達成できるかは、依然と
して中国国内市場での販売実績にかかっているとサプライチェーンメーカーは指摘する。
一方、華碩はウェアラブル端末である ZenWatch 及び VivoWatch の今年通年の出荷量に
ついては、30-50 万台を見込んでいることを明らかにしている。
【液晶パネル】シャープ、中電熊猫と提携し年内 57 型 IGZO パネル量産開始
2015-4-22 中華液晶網
経営再建中のシャープは、酸化 IGZO (Indium Gallium Zinc Oxide)パネル技術では依
然業界をリードする地位にあるが、先日シャープが中国国内の南京中電熊猫信息産業集
団有限公司(CEC PANDA)と提携して、57 型 IGZO パネルの量産を開始することを明らかに
した。
シャープが日本国内で生産している IGZO パネルは主にスマートフォン等向けの中小
型パネルで、最大サイズは商用モニター向けの 32 型パネルとなっている。ただ、IGZO
パネルの生産能力を拡張するため、中電熊猫と合弁で設立した南京のパネル工場で年内
に大型 IGZO パネルを生産するという。生産される大型 IGZO パネルのサイズは最も大き
いものはテレビや医療用モニターにも利用できる 57 型になるとしている。
シャープ、中電熊猫が合弁で設立した南京工場は、シャープの IGZO 技術を 8.5 世代(ガ
ラス基板 2200x2500mm)生産ラインに導入、近く試験生産を開始、年内に正式に量産を開
始する。月産能力は 6 万枚(ガラス基板換算)で、そのうち 1/3 をシャープが利用できる
という。8.5 世代の南京工場の主力製品は中小型パネルであるが、今後は大型パネルの
生産にも従事することになる。
シャープの昨年度(2014 年 4 月-2015 年 3 月)の連結売上高は前年比 0.9%減の 2.9 兆
円と予想されているが、シャープは今年 2 月 3 日に昨年度の液晶パネル事業の売上高目
標を当初の 1 兆円から 9700 億円(前年比 2.1%減)に下方修正している。
【ロボット】東莞市で生産の自動化急進展 産業ロボットメーカーで人材不足
百能網 2015-4-23
昨年 9 月から現在までに製造業が盛んな中国広東省東莞市で進められている産業ロボ
ットによる生産ラインの自動化事業は合計 505 件、投資総額は 42 億元で、合わせて 3
万人のワーカーの削減が実現できるとしているが、その一方で産業ロボットを開発・製
造する人材の不足が深刻化、急増する生産ラインの自動化事業にタイムリーに対応でき
ない状況が発生している。
美的(Midea)、格蘭仕(Galanz)、TTI、歩歩高(BBK)等の大手家電企業に生産ライン
42
2015 年 4 月号
自動化用産業ロボットを ODM 提供している倡原機械董事長の康漢強氏は、産業ロボット
による人員削減の効果は劣後した生産ラインの淘汰を促進するとともに長期にわたって
企業を苦しめてきたワーカー不足解決に役立っているとしている。
倡原機械が美的に ODM 提供している完全自動化生産ラインは、生産ライン 1 本当たり
最低でも 40 人のワーカーを削減することが可能で、多くの企業が産業ロボットのメリッ
トを認識し、倡原機械のような産業ロボットの開発及び製造を行っている企業に生産ラ
インの自動化を発注しているという。倡原機械では今年の受注量が急増していることか
ら今年 9 月まで全ての生産能力を予約済みで、嬉しい悲鳴が上がっていると同時に産業
ロボット関連企業で人材不足が大きな問題になっているという。
倡原機械の現在の平均月額給与は 6000 元を超えているが、それでも必要な人材を見つ
けることが難しい状態で、業界関係者は政府は生産ラインへのロボット導入を奨励する
政策と同時にロボット産業に必要な人材を育成するための支援措置を含めたロボット産
業振興策を実施すべきと指摘している。
1309 号 4 月 27 日
【スマホ】1Q スマートフォン出荷量 2.91 億台 華為が中国国内市場首位
2015-04-16 国際電子商情
台湾の IT 市場調査機関 TrendForce 最新研究レポートは、2015 年 1-3 月の世界のスマ
ートフォン出荷量が 2.91 億台で、前の四半期に比べ 9.2%減、市場予想を下回ったが、
その要因として、中国国内のスマートフォン市場の成長鈍化が大きく影響しているとの
見方を示した。
TrendForce は、間もなく到来する労働節連休が中国国内スマートフォン市場の在庫消
化に寄与する可能性があり、早ければ 5 月後半にも回復の兆候が見られるだろう、中国
国内のスマートフォンブランドの 4-6 月の出荷量は 1.22 億台に達し、1-3 月に比べ 14.8%
増になると予測している。
一方、世界出荷量については、世界の 2 大ブランドである三星、アップルがこれまで
の勢いを持続、世界のスマートフォンをけん引しており、4-6 月の出荷量はそれぞれ 8000
万台、4500 万台を超えると見られている。この 2 大ブランドの貢献もあって、4-6 月の
世界のスマートフォン出荷量は 3.11 億台、1-3 月に比べ 6.8%増となる見通し。
三星の 1-3 月の世界スマートフォン出荷量シェアは 27.8%に上昇、首位を維持した。
1-3 月の出荷量を押し上げたのは Galaxy シリーズの S6 と S6 Edge で、部品スペックは
Galaxy S5 に比べどちらも高くなっていることから、部品サプライヤーは恩恵を受けて
いる。中でも S6 Edge のエッジ双曲面パネルがサプライヤー各社に大きな恩恵をもたら
しているという。TrendForce は、S6、S6 Edge の 2 機種の 4-6 月の出荷量は 2000 万台を
超えると予測している。
アップルも 1-3 月に閑散期ながら良好な販売実績を上げている。iPhone6 と iPhone6
43
2015 年 4 月号
Plus のヒットが依然続いていることが大きく、1-3 月の iPhone シリーズ全体の出荷量が
5500 万台を超える原動力となった。特に中国国内市場での販売が突出しており、販売台
数首位を維持、結果的に中国国内ブランドの中国国内市場でのシェアを押し下げる大き
な要因となっている。
LG 電子は主力市場を依然として欧米市場としていることもあって、1-3 月の中国国内
需要減退の影響は軽微で、米国経済の緩やかな回復もあって、1-3 月の世界出荷量は 1800
万台、シェアは 6.2%に達し、順位も 5 位から 4 位に上昇した。
中国国内スマートフォンブランドの 1-3 月の出荷量は 1.06 億台で、前四半期に比べ
12.7%減となった。TrendForce は、中国経済の成長鈍化、通信キャリアのスマートフォ
ン端末に対する補助金削減、昨年 9 月に投入された iPhone 6 の人気が 1-3 月も衰えなか
ったことなどにより、中国国内スマートフォンブランドの中国国内市場での売上に陰り
が出ている。1-3 月のユーロ安と米ドル高も中国国内スマートフォンブランド製品のユ
ーロ圏及び新興市場への輸出競争力を低下させている。その顕著な例が中国国内通信キ
ャリアとの提携を主力とする聯想(Lenovo)で、1-3 月の出荷量は 1750 万台、昨年 10-12
月に比べ 20%以上の減少、出荷量順位は LG 電子に抜かれ 5 位に転落、中国国内スマート
フォンブランド中での首位の座も華為に譲っている。
華為の 1-3 月のスマートフォン出荷量は Mate 7 の人気もあって 2000 万台超、聯想に
代わって中国国内スマートフォン出荷量首位になった。
OPPO は東南アジア市場での販売が堅調で、中国国内市場不調のダメージのクッション
となっていることもあって 1-3 月の出荷量は 800 万台に達した。小米の 1-3 月の出荷量
は、紅米と紅米 Note シリーズの中国国内市場での販売好調から 1600 万台に達し、前四
半期に対する減少幅も 6%にとどまった。一方、高いコストパフォーマンスの魅藍 NOTE
が大ヒットしている魅族の 1-3 月の出荷量は昨年 10-12 月比 45%増と一人勝ちの状況と
なった。
【半導体】聯発、White-box を切り捨てハイエンドにシフト クアルコムと競合
2015-4-24 OFweek 電子工程網
携帯電話チップ大手の聯発科技(Mediatek)は、かつての White-box 携帯電話の爆発
的成長を可能にした影の立役者で White-box 携帯電話とともに業績を急成長させてきた
が、3G 時代の到来に伴って一度は没落を経験、その後の Android スマートフォンの大ヒ
ットにあって高いコストパフォーマンスを梃子に再起することに成功している。ただ、
4G 時代の到来と同時にスマートフォン市場は徐々に飽和状態に近づきつつあり、聯発科
技は事業の重心を White-box スマートフォンメーカーからハイエンドスマートフォンメ
ーカーにシフトしようとしているが、その道のりは平たんではないようだ。
これまで聯発科技といえば、その第一印象はローエンドというものだったが、モバイ
ルワールドコングレス(MWC)2015 の世界通信展で聯発科技はハイエンドスマートフォ
ン向けプロセッサブランド Helio を発表、クアルコムの Snapdragon 等のハイエンド市場
に参入することを明らかにした。
ただ、ブランドメーカーから見ると、聯発科技のハイエンドプロセッサは聯発科技が
44
2015 年 4 月号
想定したようには順調に進展しているとは言えない。中国最大のインターネット動画サ
イト運営の楽視(LeTV)が先日、一度に 3 つのスマートフォン、楽 1、楽 1Pro、楽 Max
を発表したが、楽 1 が搭載したプロセッサは聯発科技が新たに投入したハイエンドプロ
セッサ HelioX10(即ち MT6795)だった。ただ、楽 1 の販売価格は 1500 元、3 つの新製
品のうち価格が最も低く、決してハイエンド製品とはなっていない。楽視は聯発科技の
意向に反してハイエンド製品への HelioX10 搭載を避けているという。さらに、小米、魅
族に至っては聯発科技の HelioX10 に興味すら示していないという。
ただ、2014 年の Android スマートフォン向けチップ市場のブランド別シェアを見ると、
聯発科技が 31%でクアルコムにわずかに及ばない健闘ぶりを見せている。業績報告によ
ると、聯発科技の 2014 年の売上高は前年比 56.6%増の 2130.63 億 NTD(約 423 億元)、税
後純利益は 463.99 億 NTD で同 68.8%増、売上高、純利益ともに過去最高を更新した。
2015 年は中国国内のスマートフォン市場は飽和に向かう見通しで、中国工業情報化省
資料によると、中国国内の今年 1-3 月の 3G 機種出荷量は前年同期比 89%減の約 900 万台
にとどまった。4G チップ価格も下落し始めており、エントリクラス機種の収益を圧迫し
ている。聯発科技の中国国内での携帯電話チップ市場シェアも、昨年ピーク時の 50%か
ら 46%に下がっている。中国国内の携帯電話チップ市場は聯発科技の重要市場で、その
市場シェアの下落傾向は売上高への影響は必至で、聯発科技は生き残りのためハイエン
ド市場へのシフトを成功させたいとしている。
【ディスプレイ】京東方の 300 億元の新型ディスプレイ事業、福州に決定
2015-4-24 中国網福建
中国国内最大の液晶パネルメーカーである京東方(BOE)は、福州市政府、福州城市建
設投資集団と福州市に 8.5 世代の新型半導体ディスプレイ生産ラインを建設することで
事業投資に関する枠組み協定を正式に締結したことを明らかにした。
協定内容によると、中国華南地区には大部分のカラーTV 生産ラインが集中しており、
ディスプレイの需要は巨大で、京東方は需要地に近い福建省福州市に 8.5 世代新型半導
体ディスプレイ生産ラインを建設することを決めたとしている。同生産ラインの生産能
力は月間ガラス基板ベース 12 万枚(ガラス基板のサイズは 2500mm×2200mm)とされて
いる。
【ガラス】蚌埠ガラス工業設計研究院、0.2 ㎜超薄型ガラス基板量産実現
2015-04-24 慧聡丝印特印網
中国国内の工業技術研究機関である蚌埠ガラス工業設計研究院は、超薄型ガラス生産
ラインで、厚さ 0.2 ミリの超薄型ガラス基板の量産を実現したことを明らかにした。同
社は半年前に 0.3 ミリ超薄型ガラス基板の量産を実現している。
【液晶パネル】華星光電、8.5 世代パネル T2 事業を前倒しで量産開始
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2015 年 4 月号
2015-4-24 中華液晶網
中国国内の大手液晶パネルメーカーである華星光電(China Star)は、深圳光明新区
ハイテク園区に建設していた第 2 期 8.5 世代 TFT-LCD 生産ライン(T2 事業)を前倒しで
量産開始したことを明らかにした。着工から量産までに要した時間はわずか 17 か月だっ
た。
同事業の総投資額は 244 億元、加工するガラス基板サイズは 2500mm×2200mm、生産能
力は月間 10 万枚、主にテレビ用の大型パネルを生産する。
今回量産を開始した T2(2 期)生産ラインに T1(1 期)生産ラインを加えると、敷地
面積は 60 万平方メートルに達し、フル稼働すると月産能力はガラス基板ベース 26 万枚
に達する。これにより、華星光電の 8.5 世代生産ラインは、世界の液晶パネル産業で最
大規模、効率最高の 8.5 世代生産ラインになる。
TCL 集団総裁、華星光電技術有限公司 CEO の薄連明氏は、第 2 期 244 億元の投資のう
ち、サーバを含む IT 化への投資が 4-5 億元に達し、総投資額の 2%を占めた。同氏によ
ると、華星光電には業績モニタリングルームがあり、その中には 9 つの大型スクリーン
が設置され、それぞれ市場、販売、生産、在庫、歩留まり、新製品等のデータが 24 時間
体制で掲示されているという。
華星光電の T2 事業の月産能力ガラス基板換算 10 万枚のうち、7 万枚はアモルファス
シリコン半導体ガラス基板、3 万枚は酸化物半導体ガラス基板(一部有機 EL を含む)で、
GOA、COA、Cu 工程、IGZO、有機 EL、LTPS、曲面ディスプレイ等の多くの新技術、新製品
を導入するとしている。
【半導体】中国国内 IC 産業、台積電等の世界大手企業の誘致に注力
2015-4-24 民生証券
台湾の中堅半導体ファウンドリである力晶(Powerchip)は、中国安徽省合肥市に 12
インチ半導体工場を建設する計画を明らかにした。中国国内では政府の半導体産業振興
策もあって海外からの大型半導体企業の誘致に力を入れており、同業 2 位の聯電(UMC)
が厦門市に中国国内企業との合弁で 62 億米ドルを投じて同社としては中国国内で初め
てとなる 12 インチ半導体工場を建設するほか、同業首位の台積電(TSMC)も中国国内に
28 ナノプロセスの 12 インチ半導体工場を建設する計画を明らかにしている。
力晶と合肥市政府の合弁による 12 インチ半導体工場は、液晶パネル用ドライブ IC の
半導体ファウンドリとなる計画で、現状から判断して、力晶が台積電よりも先に中国国
内に 12 インチ半導体工場を建設する可能性が高い。産業内の需要に加えて政府の産業振
興策の後押しもあって、中国国内の半導体産業は実装検査やファウンドリの領域だけで
なくバリューチェーンでより川上に位置する設計領域の発展が促進されており、半導体
ファウンドリの需要が急拡大している。台湾の半導体ファウンドリがこれまでになく中
国国内での 12 インチ半導体工場建設を急いでいるのは、こうした中国国内の半導体ファ
ウンドリ需要の拡大がある。
安徽省合肥市政府も半導体の実装検査、材料、設備等の産業の誘致に力を入れており、
積極的に半導体産業の集積地を建設しようとしている。合肥市は既に多くの半導体大手
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2015 年 4 月号
企業の誘致に成功、携帯電話チップ大手の聯発科技(Mediatek)が傑発科技を設立し車
載電子チップを生産しているほか、パソコン大手の聯想(Lenovo)とノートパソコン ODM
大手の仁宝(Compal)の合弁であるノートパソコン ODM 企業、聯宝も合肥で設立されて
いる。これらを背景に、世界の半導体メーカーが相次いで中国国内で 12 インチ工場を建
設しようとしており、外資系半導体メーカーの高い技術と実装検査能力が製品の歩留ま
りを引き上げ、川下企業の製品 1 台当たりのコスト削減に寄与している。
【スマホ】中興通訊、時価総額 1 千億元突破 1Q 売上高前年比 10%増
百能網 2015-4-24
スマートフォンブランド大手の中興通訊(ZTE)総裁の史立栄氏は、中興通訊の株式市
場での時価総額が初めて 1 千億元を突破したことを明らかにした。
また、2015 年 1-3 月の売上高が 209.99 億元で前年同期比 10.21%増、純利益は 8.83
億元で同 41.91%増だったことを明らかにした
1310 号 4 月 29 日
【ディスプレイ】京東方、105 億元の出資で 1 千億元の投融資獲得に成功
2015-4-27 華夏時報
日韓の液晶パネル企業が液晶パネルの新技術の研究開発に集中している中、中国国内
の液晶パネル企業は生産能力の拡張を優先する戦略を鮮明にしている。4 月 20 日、中国
国内最大の液晶パネルメーカーである京東方(BOE)は一度に 2 本の高世代液晶パネル生
産ラインを建設する計画を明らかにしたが、今回明らかにされた 2 本の高世代液晶パネ
ル生産ライン建設は京東方が株式市場に上場してから最大の投資であるというだけでな
く、安徽省合肥市での 10.5 世代生産ラインが稼働すれば、京東方は世界最高世代の液晶
パネル生産ラインを保有することになる。
安徽省合肥市での 10.5 世代生産ライン建設、福建省福州市での 8.5 世代生産ライン建
設、重慶 8.5 世代生産ライン拡張の発表は、京東方が液晶パネルの生産能力において世
界最大となるための大規模拡張のスタートを宣言するものとなっている。今回の大規模
拡張は、短期間に 735 億元という巨資を投じるもので、京東方はそのうち 400 億元を安
徽省合肥市に投じて 10.5 世代液晶パネル生産ラインを建設することを明らかにしてい
る。また、今回の大規模拡張計画で京東方は 4 本目の 8.5 世代生産ラインを建設するこ
とになるが、京東方は既に福州市政府と枠組み協定を締結済みで、300 億元を投じて 8.5
世代生産ラインを建設、主に 55 インチ以下の液晶パネル及びモジュールを生産するとし
ている。
また、既に生産を開始している重慶の 8.5 世代生産ラインに 35 億元を投じて、月産能
力をガラス基板ベースで 3 万枚拡張するとしている。資金の出所はこれまでと変わらず
地方政府の固有資産管理機関に依存することになるとしている。新たに建設する 2 本の
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2015 年 4 月号
生産ラインはどちらも京東方の出資額(登録資本)は総投資額の 10%に過ぎず、合肥市
の 10.5 世代生産ラインでは 40 億元、福州市の 8.5 世代生産ラインでは 30 億元を出資す
る。登録資本と総投資額の差額分は、京東方と地方国有資産管理機関が共同で銀行団か
らの融資で調達するとしている。重慶の 8.5 世代生産ライン拡張でも同様のスキームを
採用することで京東方の出資額は 35 億元にとどまる。即ち、京東方は今回の大規模生産
拡張で 105 億元を投じるだけで 1000 億元という巨額の投融資を獲得することに成功して
いる。
京東方副総裁の張宇氏は、今回の新事業の投資資金は登録資本と銀行団融資により調
達されるとしている。また、登録資本については、株式増発の手段は取らず、自己資金
で解決するとしている。同社公告によると、重慶 8.5 世代生産能力拡張に要する 35 億元
は、京東方が A 株発行で調達した 152 億元から拠出するという。2 本の新たな液晶パネ
ル生産ラインはどちらも早ければ 2015 年中に着工する予定。
今回の新規投資 735 億元を除外しても、京東方の上場 14 年間の液晶パネル領域への総
投資額は累計 1000 億元を超える。そのうち、重慶、合肥、北京の 3 本の 8.5 世代ライン
への総投資額は 900 億元近くに達している。京東方が再度 700 億元という巨資を投じる
のは、ここ 2-3 年、京東方は液晶パネル領域で投じてきた資金の回収に目処が立ってき
たことが大きいという。2014 年のアニュアルレポートによると、京東方の通年の売上高
は 368 億元で、前年比 9.01%増、特別損益を除いた純利益は 18.28 億元で、前年比 6.64%
増となっている。
ただ、台湾最大の液晶パネルメーカーである友達(AUO)の今年 2 月に発表した 2014
年通年の業績内容によると、2014 年通年の税後純利益は 180.6 億 NTD(約 36 億元)、韓
国 LG ディスプレイの 2014 年通年の純利益は 9170 億ウォン(約 52.27 億元)で、それぞ
れ京東方の同年純利益の 2 倍、3 倍の規模にある。京東方が生産拡張の戦略を取っても、
自己資金不足は否めず、2014 年のアニュアルレポートからも京東方の長期借入金が拡大
し続けていることがうかがえる。
アニュアルレポートによると、京東方の昨年末時点の長期借入金は既に 336 億元に達
しており、総資産の 24.69%を占めている。総資産に占める比率は前年に比べ 2%しか上昇
していないが、実際の借入金額は約 127 億元増加している。京東方は、借入金の金額が
増えたのは主に新事業の建設のためと説明している。4 月 10 日には京東方は今年 1-3 月
の純利益が 9.5-10 億元、
前年同期比 62-70%増を見込んでいることを明らかにしており、
大型パネルの生産量の大幅増加が京東方の増益の重要なファクターになっているとして
いる。
アニュアルレポートによると、2014 年の京東方の液晶パネル生産量は 4.9 億枚近く、
2013 年に比べ 38%増、販売量の前年比増加幅も 41%に達している。とりわけ大型液晶パ
ネルの出荷量の伸びが著しい。張宇氏は、京東方が生産する液晶パネルの平均面積は 32
インチから 42.7 インチに拡大している。大型液晶パネル市場の見通しについても依然楽
観視しており、京東方が 735 億元を投じる重要な理由となっている。NPD DisplaySearch
は昨年 9 月に発表したレポートによると、2014 年に入って、大型パネルの出荷面積は 2013
年に比べ 18%増となっている。10.5 世代生産ラインの着工は、京東方が 60 インチ以上の
超大型パネルに重点的に力を入れていることを物語っている。張宇は、8.5 世代生産ラ
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2015 年 4 月号
インから 60 インチ以上のパネルをカットするのは効率、歩留まりともに低い、京東方の
60 インチパネルの生産量は少なく、主力は 55 インチとなっていると語る。
DisplaySearch 中国地区研究主幹の張兵氏は、大型パネルは高収益製品で、京東方の
10.5 世代生産ラインの着工は大型テレビの生産コスト削減に寄与することができると
指摘する。但し、最も早く第 10 世代生産ラインを建設したシャープが、持ち分の 50%を
EMS 最大手の鴻海(Foxconn)に売却することで赤字拡大を止めていることから 10.5 世
代生産ラインを建設する是非が問われており、さらに高い世代の生産ラインを建設した
京東方がシャープ同様の経営危機に直面することはないとはいえない。1 つ気になるシ
グナルとしては、生産と販売の増加にしたがって、京東方の在庫保有量も増加している
ことである。2014 年年末時点の京東方の液晶パネル在庫保有量は 5827 万枚、2013 年年
末時点比 126%増となっている。5 本の高世代パネル生産ラインを保有する京東方は今後
生産過剰の局面に直面する可能性もある。ライバルの華星光電の 2 本目の 8.5 世代生産
ラインが近く稼働、三星ディスプレイ蘇州の 8.5 世代生産ライン、LG ディスプレイ広州
の 8.5 世代生産ラインも生産量を拡大してくる。ただ、張宇氏はメディアに対して、深
刻な生産過剰が発生するという憶測をメディアが報道し始めて既に 10 年が経っている
が、メディアがいうところの深刻な生産過剰は今も発生していないと生産過剰は単なる
憶測に過ぎないと指摘する。
【液晶パネル】無錫紐曼泰克、中国国内液晶パネル産業安定成長に貢献
2015-4-24 中華液晶網
2014 年の液晶 TV 用パネルの調達量が前年比 21%増となり、京東方(BOE)、華星光電
(China Star)等の大型液晶パネルメーカーの生産拡張が相次いで実行されている中、
中国国内のエアコンプレッサ(圧搾空気)機器メーカーである無錫紐曼泰克気源净化設
備有限公司(Wuxi Pneumatech)は、この商機を捉えて経営戦略を調整、新技術を開発す
る新チームを編成、顧客の製造過程を深く分析することで、中核技術とビフォア―セー
ルス・アフターセールスのマネジメントの改良を進めている。こうした取り組みもあっ
て 2014 年、2015 年 1 月と京東方の重慶 8.5 世代新型半導体ディスプレイ生産ライン、
武漢華星光電の第 6 世代 LTPS(低温ポリシリコン)ディスプレイ生産ライン向け設備を相
次いで受注している。
液晶パネルメーカーは圧縮空気の品質に対して厳しい要求をしてくるが、乾燥機及び
濾過器がその品質を維持する上で極めて需要な役割をしている。エアコンプレッサ設備
は異なる作業環境において高い適応性と安定性が求められ、マイナス 70 度もしくはさら
に低い圧力露点及び ISO8573 Class 0 を満たすジェットミル品質が求められる。これら
は最低条件で、さらに最低の運行消費電力と最小のメンテナンス作業を実現する必要が
ある。紐曼泰克はこれらのニーズを受けてエアブロー再生式乾燥機に一連の改良を加え
ることで顧客にニーズを満足させているという。
高品質を提供すると同時に、紐曼泰克の無錫工場は中国国内最先進のエアコンプレッ
サ設備の製造基地として、中国国内で最も高水準の生産、検査、物流機能を備えている
という。同社のカスタマーセンターは販売前・販売後サービスと生産センターとの緊密
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2015 年 4 月号
な連携と生産管理の簡素化により、88 日で 14 台の大流量エアブロー再生式乾燥機(処
理気量 350 Nm3/min)を納入する記録を達成している。
現在、無錫紐曼泰克気源净化設備有限公司の乾燥機及び濾過器は、京東方、華星光電、
中電熊猫(CEC Panda)
、宸鴻科技(TPK)等の国内外で知名度の高い液晶パネルメーカー
に採用されている。
【PCB】広東依頓電子、昨年売上高 26 億元、前年比 1%強増どまり
証券時報網 2015-4-27
世界経済の回復が持続しているもののギリシャ危機の再燃から欧州経済に陰りが出て
いること、中国国内経済の成長に減速傾向が鮮明になっていることから、プリント配線
基板産業の業績にもマイナスの影響が出ている。一方、中国国内のプリント基板産業で
も通信、自動車向けは好調が持続しており、売上高の前年比増加率は世界の主要国・地
域でも最も高い水準を記録している。
中国国内の大手プリント基板メーカーである広東依頓電子(Ellington)の 2014 年の
売上高は 26 億 2832 万元、前年比 1.34%増、税前利益は 4 億 79 万元、前年比 14.6%増、
純利益は 3 億 96 万元、前年比 12.22%増と売上高は伸び悩んだが、純利益は高い伸びを
達成した。年度末の総資産は 47 億 8388 万元、前年度末比 54.14%増、負債総額は 8 億 1470
万元、前年度末比 4.88%増だった。
【液晶パネル】2014 年中国国内の基板ガラス国産化率 10%にとどかず
2015-4-28 中華液晶網
基板ガラス材料は液晶パネル産業でも中核素材であり、そのコストは液晶パネル原材
料コスト全体の 20%近くを占める。基板ガラスの優劣が直接液晶パネルの性能と品質に
影響、パネル完成品の透光率、厚さ、重量、可視角等の重要指標はいずれも採用してい
る基板ガラスと密切な相関性を持っているといわれる。
現在、基板ガラス領域は中国国内でも既に 7-8 年の育成の歴史があり、一定の成果を
上げている。ただ、世界の基板ガラス産業は極度に寡占状態にあり、世界市場シェアの
95%が米国コーニング(Corning)、日本の旭硝子(AGC)と日本電気硝子(NEG)の手中に
ある。
中国国内の基板ガラス産業の主要メーカーといえば、東旭(Dongxu)と彩虹(Caihong)
であるが、市場調査機関である群智諮詢(Σintell)の統計によると、2014 年の両社の合
計出荷面積は中国国内液晶パネルメーカー総需要の 14%前後を占めるが、両社の輸出分
を控除すると、両社の合計出荷面積は中国国内需要量の 10%足らずを占めるに過ぎない
という。
彩虹、東旭は主に 4.5 世代、第 5 世代、第 6 世代液晶パネル用基板ガラスを生産して
いるが、東旭の生産能力は彩虹に比べ大きい。群智諮詢(Σintell)によると、両社は合
わせて 4.5 世代生産ライン 1 本、第 5 世代生産ライン 13 本、第 6 世代生産ライン 7 本を
保有しているが、両社を比べると東旭が相対的に生産拡張に積極的で、成都、鄭州、石
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2015 年 4 月号
家庄、営口、蕪湖等に基板ガラス生産ラインを展開しているほか、現在計画中の生産ラ
インの年産能力は 2430 万平方メートルに達している。彩虹集団が計画中の生産ラインの
年産能力も 1430 万平方メートルに達しており、今後両社が 8.5 世代生産ラインの建設計
画が発表されれば、計画中の生産ラインの年産能力はさらに拡大する。
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