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3. 2 生活者を取り巻く環境の変化 3 ・ 2 ・ 1 個人空間の変化と体力、対人

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3. 2 生活者を取り巻く環境の変化 3 ・ 2 ・ 1 個人空間の変化と体力、対人
第 3章
第 3章
一人暮らしの高齢者の個人空間の経年変化に関する考察
3. 2 生活者を取り巻く環境の変化
3 ・ 2 ・ 1 個人空間の変化と体力、対人環境の変化
次に、住環境に影響を与えると考えられる要素として、 「体力」と「対人環境」を
分析の指標とすることを試みた。
SN 7は
、 2年前よりも「座」の周囲が吉凶佐になっていた。 I
座j で行う行為内容
や、セッテイング行為を必要としない「ステーション J型の「座 Jであるという点に
ついての変化はない。しかし、自に入るモノが増加l
し、かつ、無造作に置かれていた。
ヒアリングから 2年前には毎日のように、自由に出入りしていた友人が引っ越してし
まったことが分かつた。他にも大勢の友人がいるが自宅へ招くことはなく、また一人
娘も病身であるため訪れることはない。自宅への他者の訪問、また、自宅内部へ他者
を招き入れる機会が大幅に減少している。この例から、高齢者の住生活に大きな影響
を与えるもののーっとして住居内での「対人環境」があるということを予測した。住
居と住居内生活に対する「対人環境j の関係を「座」の変化と関連を持って見ること
を試みる。
また、 2年後のヒアリングでは、実際に病を得たり、体力の低下に関わる言葉をも
らす人も少なからずいた。高齢にあって 、時間の経過はほぼ碓実に体力的な変化(精
神的なものも含めて)をもたらすものと恩われる。変化が実際に病気などの現象とし。
て現われることも含めて、体力的な変化もまた、日常の生活に大きな影響を与えるだ
ろう。そして、日常の生活が変われば場にも変化が生じる。その一端がおそらく「座」
と「座j の周囲の様子に現われるだろうと予測した。
そこで、 「体力 J、 「対人関係j の 2点について中心にヒアリング結果を分析し、
l節で分析を行った住空間の変化との関係の有無の検討を行う。
一人暮らしの高齢者の個人空間の経年変化に関する考案
i
体力の低下 j について
高齢者の発言の中から病気による入院や手術等による体の衰えに関する言葉を抜き
出した。体の衰えは、正の要素としての対人環境に対して生活の中での負の要素とし
て捉えられる。
3 ・2 ・2
一方、手術後退院したばかりの回答者 (
SN13
) は「今まで手を付けられなかっ
た作品の間違え直しをする気になった J I
新しい方法で作品を作ることを始めた」な
ど前向きな発言もある。また、姿勢が変化してしまい普通の生活動作にも不自由があ
る人 (
SN5
)が「あなたたちが来るから昨日美容院にいったのよ 。どう?Jと尋ね
る。旅行会に行ったところ「とってもき れいなおじいさ んJに会って、 「もう一度会
いたいものだ Jと目論んでいる人 (
SN 7) もいる 。この様に未来に向かつて前向き
の姿勢を表わす言葉は「衰え Jに関する発言以上に重要なものである。
しかし分析では、高齢者に深刻な現象としての衰えのみを扱い、その衰えを補完し
てくれるものとしての対人環境の役割を併せて考えることにした。
「体力の低下」の指標として以下のように得られた情報を得点化した。
実際の病気の数
(-1)点
入院
(-1)点
体力の衰えに関する言葉一つにつき
(-) O
. 5点
-97-96ー
第 3章
3 .2 ・ 3
第 3章
一人暮らしの高齢者の個人空間の経年変化に関する考察
r
対人環境 Jについて
一人暮らしの体力
3 ・ 2 ・4
対人環境を考える視点として、①誰と関わるか。②どの様な関わりを持っか。の 2
点を考えた。
①誰 と関わ るか。
「何らかの関わりを持つ人Jを大まかに類別すると、<家族><友達>くその他の
人>とすることカfできる。
同居家族等
│
子供
│
兄弟姉妹
友達
│
仕事サークルへの参加
│
近所の人達
行き付け顔見知りの庖
│
地域施設の人、医師等
│
へルパーさん
②どの様 な関わりを持っか。
人との関わりには様々なものがあるが、生活環境にとってプラスとなる環境として
の「人j を考えるため、負の関係のものを除いて「対人環境」とする。対人環境に見
られる関係性には「コミュニケーション j を交す関係と、さらに 「サポー トj を伴
サポート j に関しては、具体的な手助けの他に精神的な面で
う関係性が見られた。
支えとなるような関係も見られた。例えば、病院の先生や看護婦さんに対してその様
な気持ちで接するといった例である。
r
である 。
以上の視点と実際に住空間に「座」が形成された株子の変化の関係について、検討
を行った。
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病院の乞主
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自宅に来て生五の手伝い イ
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点
図・ 3 ・ 5 一人暮らしの高齢者の日常に見 られた対人関 係
-99ー
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改JB 目
自宅に来て、家に上がり、
つきあいをする織な交流
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-98-
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一人暮らし の体 力 = i
体力 の低下」の合 計 + 対人環境 Jの得点、
の合計
Bh
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3
、5目r
対人関係を持つ両者の問にはコミュニケーションが存在している。特に具体的なサ
ポートの関係が結ぼれていなくても、他者との関わりを持つことは生活の中での正の
要素であるとして分析を行うこととする。
加齢に伴う体力の低下を補うものとして対人環境を捉えている立場から、体力の低
下ポイントをマイナス要因とし、それを補うプラスの因子 として対人環境のポイント
加える。つまり、体力の低下が一人暮らしを妨げる要因の一つであると考え、それを
補う要素としての対人環境を 一人暮らしを続けるための指標とした。対人環境につい
ても、それぞれの型について次のように得点を定めた。
「家に上がる、手助けをする J 2点
「家に上がる J 1点
「家の外で交流する J O
. 5点
「家の外で交流する、手助けをしてくれる J O. 5点。
'
タ
Jh
こうした高齢者の対人関係が展開される場所を住まいの 「うち J:家の中と、「外 J
:
家の外 に分け 、コミュニケーショ ンとサポートのなされる状況を以下の様に分類し
た。
1.家に上がり、 手助けを して くれる 。 (コミュニケー ション+サポート )
例 :子供が掃除を しに来て くれる 。お手伝いさんに来ても らう。
2.家に上がる。 (コミュニケ ション)
例 :友達が遊びに来る、等。
3.家の外で交流する 。 (コミュニケーショ ン)
例 :サークル で友達 と会 う
。 友達と旅行に行 く
、 等。
4
. 家の外で交流 し
、 手助けを して くれる 。 (コミュニケー ション+サポート )
例 :いろいろなことを相談するようになった医者、等。
一人暮らしの高齢者の個人空間の経年変化に関する考察
第 3章
3 ・3
一人暮らしの高齢者の個人空間の経年変化に関する考察
2年後の生活環境の変 化と停1
人空間の変化の関係
3 ・ 3 ・ 1 生活環境の変化の概 要
コE宣
巳E
2年の問に病気になったり 、体力が弱ったといった内容の発言が目立ち、 「体力の
不安度j が増した例は線 i
主に多かった。この点に関して、赤羽台地区の事例は、変化
が小さい。(資料集の個別データシート参照)
表 3 ・ 7 一人暮らし高齢者の 2年後の状況の変化
,'<畿の 帽子
人暮らし体力 也再度
体力の不安度
対人環境得"
動力得点 /6
A+6
A (負の得'r.) IB
92~手
9j'手
9
2
年..年
9
2年
9
4
年
9
2年
9
.年
ヒアリングから知り得た対人
関係を住居への実際の出入り
の有無、相手から支援を受け
るかどうかを紬として分類す
る。ここでは、実際に住居内
へ他者が入ってくるというこ
とに重点をおいて符点イヒした。
「常直J r.居閲」町置化
なし
SA3
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2
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5 r4
3
. 512
。
2
. 510
。
。
1
1
倉庫Jの周闘のそノの内容.分布も日
I
I
宜わらない。
置にかかっている服も、その位置も伺じ。
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SA 10
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4
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SN4
「令官塵J3→ 2
座阜の方の「常座 Jが背もたれのある一
方に i
l
定する。日当りに酔せて俺車内を
事動 L、ベッドでも読奮をするように伝
る. E!分で仏壇の位置などを宜えてみる
なし
宜人を呼んで「宴会Jをするように伝つ
たので、瓦人のための直冊子を用意した
(その節度セッティング}
。
。
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宜I
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告に上がらなくても萌む様にと、子酷 夫 死 亡 車 後 温 院E
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られた
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なし
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パセドー丘病、軍需
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で通院の状認は宜 I
せず.置まの死a
なし
対人環境によ る
tはな L,
宜I
宜I
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3
5
. 5 10
回9
も
語努の宜化のため、 「常盛」患の高さが I
F
町調子を織す
不鉱告になったので高さを上 .
.,る工夫を 封人環境と 自分の工
自分でした。
夫による
4
2
. 5 10
。
座.r;!にあった「常直」から持子全並べて
草紙ベる様な「常直 Jを 街 設 し た 耳 が
遣〈なったのでコードレスフォンも手元
常庄 J'
jステーション化した,
に
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符にないづ f. Ri
鑓する 言葉が纏える
Jをミ荷量. ス
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テーション化による
1
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. 5 I0
4
.52
.5 4
。
の位置も支える家具も同じだが、
「常直j
.r;!上や周囲のそノの哩 用地大、健造作に
置かれるようになった。
が葺居. J
iが死去
l
乱
モノの量増大 i
。
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3
. 511
珂q
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唱慢 ではないが宣え
.
-閉する 童 婁が理担s
吋人環境による 2
荷量
SN 1 1
。
2
.
5 12
。
重めかな〈て も萌む 械に、なるべ く生活用
品を「常塵」のそばに 集めた。
量豊による不自由
座町 A テーション化
S N 12
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SN 13
1
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5 14
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SN5
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2
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5 14
SN 7
。
SN8
」
図・ 3 ・7 対人環境の分析方法
(-1)
体力の衰えの‘完の仕
方
..;!上に且要なモノ金全て並べている そ 且 H f
めて通駐 Lて
の内容が若干霊化2 館りや.分布はほと いた指骨院つでまλ
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a
SN3
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も
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常直jの位置、主具は同じ。モノ町量 車駐量 e月聾,瓦違
5n
も が糟大。以前はその宿直引き寄せていた 。誌聞が会〈令る a
∞
:9も 1∞qも
電話を卓上に置〈ようになったa
モノの量増大
なし
手術、退院産後,
ー
依存度
対人環境のうち、サポートが加わる得点の合計を「助力」の得点とする。対人環境の得点の総計の中
で
、 「助力」得点の合計の割合をここで「依存度j とした。
n
r
-
。
。
-101ー
第 3章
3 ・3 ・ 2
一人暮らしの高齢者の個人空間の経年変化に関する考察
r
一人暮らしの体力 j の 変 化 を 中 心 と し た 分 析
体力の不安に関するポイントと家を中心とした対人環境に関する得点の合計を仮に
「一人暮らしの体力」とした。 3 ・ 3 ・ 1から加齢に伴って体力(精神的な面も含め
て)が低下した場合の補完の仕方として、次の点をあげることができる。
①対人環境による補完
②「座jのステーション化
これらがうまくできない場合か、あるいはきれない湯合、 SN7や 12の様な混乱
した状況が生じることが推測される。
「一人暮らしの体力」はそれぞれの本人にとって相対的に変化していくもので、得
点の高低は異なる個人を比較する指標にはならない。 2年後の変化では「一人暮らし
の体力」のレベルが低下したものが多い。一人暮らし体力の低下は体力のポイントの
低下による部分が大きいことが表から読み取ることができる。一人暮らしの高齢者の
「常座」は、先の節からも全体的にステーション化、もしくはステーションの度合が
強くなる傾向が見られた。ステーション化の要因のーっとして、体力の低下に対する
補完を考えることができる。
SNl. SN5は、逆に「一人暮らしの体力jの得点が上がった例である。この 2
つの例では、現実に肉体的な衰えが明らかで、そのために家族や友人等の積極的な助
けが加わっている。そのために 、対人環境の得点が非常に高くなり全体のポイントが.
上がっている。 SN1は家族の助力により「座jの移動を行っている。 SN5は体型
が著しく変化したが「常座」のしつらえを変えずに、座卓の高さを上げる工夫をする
ことでこれまでと同じ生活のスタイルを維持している。また、曲がってしまった体を
伸ばす道具としての「座Jをこれも本人の独力で新たに形成した。こういった本人の
努力と合わせて、日常的な生活行為で不可能な部分を友人が補うなど、周闘の人の支
えも大きい。肉体的な衰えがある程度大きくなったとき、別居している子供や親戚、
または古くからの友人や近隣の人など、その人を取り囲む人々の支えがさらに一人暮
らしの体力の低下をカバーする大きさになった例と見ることができる。
高齢者にとって年齢が上がることは肉体的あるいは精神的に弱くなるが、それをあ
る程度の時点までは自分の力で補うことができる。その時、 r~t; 座j はそこにいて何
でもできるようなステーションになる傾向を持つ。
常座」ゃ「常座Jのステーショ
ン化は老年現象にともなう人の適応能力の現われとすることができる。適応能力を超
えそうになると社会的な助けが入ったり 、要請する場合がある。初めに家族であり、
友人、そして公的なサポートであると考えられる。
SN13は付き合いのある人が全て日常生活に対して何らかの手助けをしてくれる
人(サボーター)である。この人の場合、サ ボーターは自発的なサボーターではなく、
公的な機関に依頼したホームヘルパーや、特に手伝いを依頼した血縁の無い知り合い
である。この人には結婚経験がない。近親者に頼ることはあまりなく 、 自立できる手
段を工夫している。例えば、入院中に他人に自宅へ入って必要なものをとってきても
らうための用意を常に整えていたり 、ある場所を説明しやすいように ものを収納して
いるといった、生活上の工夫や、区のサーピスや施設などを積極的に利用する工夫で
r
-102
ー
第
3章 一人暮らしの高齢者の個人空間の経年変化に関する考察
ある。対人関係の様チは、言わば、病気がちで一人持らし、近隣に頼れる家族が以内
状態で一人で生きていく工夫の現われの一つであると dえる。
3.3・ 3
対 人 環 境 の 椛j
えの変化
コミュニケーシヨンを中心とした関わりにはほとんど変化はないが、 「手助けのあ
る」関わりが多くなる。 SN 1に見られるように実際に病気になったときなどは特に
大きな変化が見られた。また、住居に来て手助けをしてくれたりする形のサボーター
ではなく、住居の外にいて精神的な部分も含めて頼ることのできるサボーターが、 2
年後では増加している。
例) SN1、 5が地成の医師、
94年)
ターカ王いる。 (
SN8は銭湯仲間というように肉親以外の人のサボー
この事実は、 「一人で住む」ということについて、その環境を一個の住居から地域
社会にまで広げて考慮しなくてはならないことを示唆するものと考えられる。
手助けをしてくれるかどうかに関わらず、他者が家の中に入ることは住環境にとっ
人が家に入る」カテゴリーに注目すると、 92, 94年共に人の
て影響が大きい。
出入りが多く、対人環境にも変化のない SN3は「常座Jの様子にも「場」の傍造に
も変化は見られない。
ステーション」ではあるが背後の戸棚に全て入れられていて、
一見必要なモノは何も傍にはないように見える 。 見えないように隠す j という気づ。
主立こである。他者が家に入ることで生まれる感覚と考えられる。
SN7や SN12は家に友達が上がることがなくなった。(外でのつきあい、交流
例とも「常座」のある卓上や周囲にあるモノが増大した 。 SN7は
、
は盛んである) 2
以前は「常座Jの卓上に花が飾られていたのに、 2年後では花を飾る場所はなく、調
味料に至る小物がぎっしりと置かれていた。対人環境は、 「常座」の見かけの橡子に
かなり影響を与えることが考えられる。
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r
r
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Dち、実際に家に上がる訪問者がいないと 、使 うモノが見える徐に「置かれる Jよ
うになる傾向が強く、また整頓の気づかいも少なくなると考えられる。一人暮らしの
場合「常座」を持ち、その「座」には「ステーシヨン」の傾向が強いことが、この傾
向をさらに強調するものと予測される。家の中に他者を入れることが多い人の「常座 J
を支える卓上にはモノが少ない。人を家に上げるためには訪問者のための「座jが必
要であるがそのためにも卓上にはアキの部分が必要である。同時に、 Si
¥3に見るよ
うな 、他者が入ってきたときに自分のプライパシーが過度にさらけ出されないような
工夫もなされていると言える。(以上 図 3 .8 ・ 1、 2参照)
-103-
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図. 3. 7. 1 モノ 環 境 と対人環境の関係 (
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第 4章
第 3章一人暮らしの高齢者の個人空間の経年変化に関する考察
3 ・4
u
個人空r: の 経 年 変 化 に つ い て
第 4準
まとめ
2年後の個人空間に関する変化を以下にまとめる。
1.個人~関内の、
「座 Jの数は明滅両方が見られた 。
r
常 座Jのすぐそばにある本棚の中に収められているものも種
類や位置までほとんと零変わっていない。
3. r常常,座j に形成される r~場易」はステ一シヨンイ化ヒのf傾頃向を強める人が多古か苫つ fたこ。「協
分析の対象としたデータは、高齢者に対するインタビュー調査の内、赤羽台団地 8
世帯、根津地区 2世 2貯の夫婦世帯である。各事例の基礎的データを衣 4 ・1に示 し
た
。
表 4 ・1 住居内の「座」に関する基本事項(赤羽台団地)
E
鹿
i
Uのステ一シヨン化の要図には、体力的の低下傾向をサポートする意味合いが比較
的強いと考えられる。
4. 個人空間を維持するために、
強めるだけではなく、
r
世帯
「座j とモノとの関係等を変えてステーシヨン化を
「座」を取っている家具に工夫を加える例も見られた。
5. 座 Jの数の増減は主に「目的座」に関わっている。
6.生活行為に直接関わる「常座」等に変化が見られた反面、
「モノ座」の変化はほ
とんどなかった。(楠木の種類が変わっても同じ場所に鉢が置かれていることもある。)
7
.
高齢者の夫婦世骨;ーの住まいにおける個人空間に関する考察
この章では 一人暮らしの高齢者の住空間で得た知見をもとに高齢の夫婦が生活する
さ
を聞の考察を行う。
2.住居内の家具やモノの配置や内容がほとんど変化していない場合がある。
例えば、 SA3では「常座 Jを支える家具がこたつから座卓になる程度でほとんど
変化のない例である。
高飴者の夫婦世帯の住まいにおける個人空間に関する考察
r
モノ座j 以外の r
J
A
Jが一 つの室空間に収められるような場合でも「モノ座J
じ
で
住居様式
(室数)
使用居室数
PAI M8
2
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数
居間面積
3・
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6
1・
/ 1 無/無
(畳)
数
その他)
制
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3
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8
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2/ 1 無/有
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)1
4
1/γ
4.5
1/1' 有/無
PA4 M81/F
3DK (
4
)1
4
2/1'
6
1/ 1・ 艶ノ無
PA5 MP$/F
3DK (
4
) LDK+1 4/
‘
6.5
1/ 1・ 有/・
は住居内にこれまで通り配されている傾向がある。
PA6 i
i
U
3/F
3DK (
4
)1
4
2/3
'
6
1/ 1・有 /'
8
. 慣れ親しんだモノの環境が存在する。
SA3では、毎年変わるカレンダーも、いつも同じ位置に貼られている。(私たち
PA7
M ~ l/: F花
3DK (
4
) 2LDK
5/3
12
1/2 有/有
M ~ i/ F66
3DK (
4
) I+LK
4/・
12
2/・
の日常でも見られることである。)そのカレンダーは毎年、中の良い友達からもらう
決まったものであった。友達が亡くなってそのカレンダーがもらえなくなり 、別のも
のを同じ場所に貼っている。カレンダーを見て「寂しい」と話していた。モノ環境の
PA8
無/無
。ヒアリング対象者には絹かけ。対象者から聞いたパ ー トナーについての情報には(*)印をつけた。
凡例 :夫/妻
情成の習慣性と、習慣的なモノは、その人の生活の中で知らず知らずのうちに大きな
f
座」の数 3ホ/ 1は、ヒアリングの回答者は妻で、妻が夫の「座jの数を3、自分のを 1と答えてい
ることを示す。
意味を持つ場合があることが分かる。
モノ座」を含めて 、実際に「座」での行為に
関わらない環境が守られることは、高齢者の生活にとって大切なことの一 つであると
表 4 ・2 住居内の「座Jに関する基本事項(根津地区)
r
考えられる 。
9.個人空間の質の維持には対人環境も影響を与えている。
人を頻繁に招き入れる SN3 (92-34) は、人の自に触れないようにステーション
を形成していた。また、
SN5は
、 9
2年は友達が頻繁に訪ねてきていた。
r
常座」を
取っている卓上は片付けられ花が飾られていた。その友達が引っ越してしまった 9
4年
の調査では、卓上は日常使うモノが一 面に並べられていた。
ホ
PNIは、自宅で現在も仕事をしている 。よって、日常生活の殆どは仕事室、庖の部分で過ごす。その
ため赤羽台団地のデータとは若干質が異なるデータである 。
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回答者:妻 76歳
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4 ・1 住 居 内 部
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回答者 :夫 71歳
j憲、妻 72歳
図
・ 4 ・2 高 齢 者 夫 婦 世 帯 の 住 居 内 部 と 「 座 j の 分 布
PA 8
回答者:夫 7 1歳
I09
第 4章
4 ・1 住居内の
第 4章 高齢者の夫婦世帯の住まいにおける個人空間に関する考察
高飴者の夫婦世帯の住まいにおける個人空間に関する考察
r
f
f
i
J に 関 す る 分 析 (一人暮らしの高齢者との比較)
赤羽台団地の 8組の夫婦世帯と同団地の一人暮らしの住空間のデータとの比較検討
を交えながら分析を行う 。
4 ・1 ・1 全体の概要及び「座」の数と分布
高齢者の住居内では、 「
座j ができず、物置となるような日常・の生活に使われない
室が生じる場合がある。住居内で「座jが形成される可能性のある隻数と実際に「座」
が形成されている室数を見ると、 PA2、 5、 8に現時点では「座Jが形成されない
部屋がある。
4 ・1 ・2
r
ピルデイングエレメントと「座」の関係( 座 Jの構造)
一人暮らしの高齢者の場合、 「
座j は食事を 含む殆どの日常の生活の場となる「常
座」と他に ーっか二つの目的的な「座Jを持つことが多かった。 ピルテ・ィングエレメ
ントとの関係は、入り口からの動線と関口部に対して志向性を持つ例が多く見られた 。
これに対して夫婦世帯では「座j が目的別に分化していて「常座」のない例も見 られ
るなど、 一人暮らしの高齢者の住空間と異なる点がある 。夫婦世帯に見られたビルデ
イングエレメントと「座」との関係を以下にあげる。
r
1
. 常座 Jを持つ例では「常座 Jと開口 、入り口の聞に一人暮しの「常座 Jの情造 と
似た関係が見 られた 。 (PAIF)
2
.入り口方向を向いた「常座」が見られた。 (PA3M、 4M) PA 3、 4共に「常
座」を持ち、この関係は「常座」との間に見られた。
P A 3 Mは、窓を背にしている。
常座Jでの行為の際の使い勝手を優先した家具配
何でも座っていて 、手に届 くように、
置であることが本人の発言から明らかである。 i
配置することが優先。」
表 4 .3 住居内の「座」の状況の 一人暮らしとの比較
r
一人暮らし世帯と夫婦世帯の「座」の数を中心とした違いは次の通りである。
1
.
一人暮らしの方が「座 jの数が少ない傾向にある 。 ( 座Jの数から)
一人暮らしでは「座Jの数が少ない傾向があり、全て「常座j を持っていた。夫婦
r
世帯の場合「常座 J を持つ型 と 持たない型とに分けることができる。
í常~J を持つ
タイプは、 PAl, 2, 3, 4と PNlに見られる。
2
.
夫婦世帯の方が、住居全体を使う傾向が強い。(室数と使用隻数)
3
.夫婦世帯では使用室数と「座 jの数がほぼ同数であり、数の上からは 1室に 1づっ
「
座 Jがあると考えられる。逆に一人暮らしの人は「座」の数よりも使用室数が少な
い。即ち 、夫婦世帯の場合 、住居全体に「座」が分布する傾向が強いことを推測する
ことか'できる。
4
.
就寝空間と日常の「座 j がある居間を分ける場合は、夫婦世帯の場合は、 8例中 3
例 36%であり、一人暮らし 11例中 3例の 2
7.
3%より若干割合が多し、。根津地区の一
人暮らしの分離率は 64%である点、と比較すると 、就寝空間との分離の割合は低く、こ
の点は赤羽台団地地区の住生活の傾向として捉えることができる。
5
.
就寝行為よりも食事の場を日常の「座 Jと分ける場合が目立つた 。一人暮らしでは
実に 1
00%が日常の「座」で食事をしていたが、夫婦世帯では半数が日常の「座」では
食事をしない。
表 4 ・4 就寝、食事の別
しかし 、このほかの例では、 一人暮らしの「常座j の様に関口部、入り口の方に向
こうとする志向性ははっきりとは見られない。
座Jの向きは、<相手>や自分が<白
手をかけているもの>くその「座」で自分がしたいこと>によって決められていくと
推測できる。夫婦世帯では夫、妻それぞれの持つ「座Jの数が一人暮らしの人よりも
多く、 「
座Jを目的に合わせて変える傾向が一人暮らしよりも強いと考えられる。そ
のため 、個々の「座」では、ある行為目的にかなうことがまず優先されるのではない
か
。
r
PA3 病気を持っている姿はテレビを見るのが好き。たいてい自分の部屋で見てい
る。居間の妥の r~J はテレピを向いている。本人(夫)の「座J はここで仕事や読
書など全てをこなす「常座Jである。 i
常座j での行為の中ではテレピを見るという
行為はあまり中心的ではない。テレビはほぼ真横にあり、 「常座」で仕事をしている
ままの姿勢では見ることができない。
PA6 本人(夫)からはテレピは背後にある。委にとっては正面。 二人はテレビを
台所と和室で別#に見る。台所では妥がテレピを見ることになっている。
PA7 ・夫妻は住居内に多くの「座Jを持つが居間に「座j では、ほとんどの行為を
ここで行っている。特に妥は家にいる時間が夫より長いので「常座 Jにいる時間も長
い。妻はベランダで花を育てるのが好きで、この「座」から、たくさんの花が窓越し
に見える。妥の「常座j は花が見えて夫と話がしやすい向きである 。
自分以外の人が常に存在することから一人暮らしの人の場合よりも環境の諸要素と
の関係は複雑になっていると予測でき、このことも開口部と「座Jの位置関係にはっ
きりした傾向が見られない理由として推測できる。
110-
-111
第 4章
4 .1 ・ 3
r
座」と行為の対応関係
r
m
Jと行為の対応の仕方から夫婦世干告での「場j の形成の特徴を検討する。
表 4 ・5
r
座」と行為の一覧と食事場所
│
座J
食事の分離
PAl 座卓食事、テレピ、飾つである写真を見たり 、景色を見たり
F
7
6 孫が来たときおしゃべりしたり 。
PA2 度 卓 食 事 、 読 書 、 ァ レ ピ
M
7
2 度卓での「座jの 位 笹 を 変 え て 接 客
f
i卓 :食事、テレピ、接客、妻と会話、お茶、読書、新聞、仕事
PA3 f
ν
1
7
4 切り抜き、電話
座卓.ァレピを見る、本を読む、寝転ぶ、
PA4
ソ 77+
テープル :読書をする 、接客
Y
18
2 (食卓 。食事)
第 4章
高齢者の夫婦世帯の住まいにおける個人空間に関する考察
(
食事)
なし
なし
なし
(座卓)
(DKの食卓)
食卓 :食 事
PA5 和室:テレピを見たりしてくつろぐ
M65 専 用 の 机 書 き も の
D Kの食卓
座卓:1lII恭友達の接客
PA6 食 卓 食 事 を す る
M73 和室.テレビを見る、音楽を聴く
高飴者の夫婦世都の住まいにおける個人空間に関する考案
場所と食事の場所の他に 、別の 目的のための場所 があった 。それぞれの「座」にはあ
る種の場面が想定されていると受け取れる 。
3
.
複数の「座 j は単なる行為の種類別に設けられているのではなく、 「一人で何かで
きるような場 Jとして自分の場所としての意味を持 っている 。
例えば、 PA 1で妥による夫の住居内での「座」の説明に、 「夫は面 白 くなくなる
と台所の床に寝てしまう j とあるが、夫のこの
は、<一人になりたいときの「座
>と言い変えることができる。
r
m
J
J
一人暮らしでは住居の中全てが自分の空間であるが複数で居住すると、それぞれ 自
分の空間をやりくりする必要が生じる。
夫婦は同じ空間に長い時間いることが多い。そのことが生活内容を全く等しくする
ものではないことには注意が肝要である。それぞれの行為が相手の邪魔にならないよ
うに 、あ るいは自由気ままにできるようにするためのやりくりが行われている。
4
. 座j には、自分が専用で使用する机の様な専用の「座Jと二人が使用する共用 の
「座」がある 。
5
.専用の「座 j は、共用の空間にある場合と、 「私室 jにある場合とがある 。
6
.全体的な傾向として「座 j は卓とセットになっていた 。 窓辺の椅子」ゃ「縁側の
日だまり」といった卓のないものは見られなかった。
r
r
D Kの食卓
表 5 ・ 6 私室と専用「座」の有鉦
食卓食事をする
安楽椅子+ソファ.テレピ、新聞、妥と会話、接客、ワープ口、お茶等
PA7
エレクトーン :演奏
Y
17
1
机 :ワープロ
ベッド本を読む
D Kの食卓
ー
ー
ー
ー
・
ー
ー
・
食卓食事をする
PA7 食卓で位芭を変えて.書きもの、読書、新聞、 テレピ、接客、夫と会話、音楽、 D Kの食卓
F
7
2 お茶、パズル等
レ
ベッド.読書、パズ J
一一一一
座卓 ・食事をする
PA8 座椅子.普段の「座」、テレビを見る
Y
17
1 ライティングデスク ・読書、水墨画
テープ 1
レ水墨薗
払室の有
畢
共用空間
での専用
「
座j
PA1
PA2
PA3
PA4
PA5
PA6
PA7
PA8
無本/無
無/無*
有/有権
有/盤本
鉦/無本
量/無*
有/有
無/無本
有*/無
興/無*
無/無*
無/無
有/銀本
無/有*
無/無
有/麗*
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就レ
別つ
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書斎
居間の「座」
卓
(
座椅子のあ
る部屋)
「
座 j と行為の対応に見られる特徴には次の様なものがあった。
1
.
食事の場の分離傾向
一人暮らしの場合と異なる点の一つは食事の場を分離する ことである。一人暮らし
の場合、日常の「座」で食事も行われ、 「常座j を形成していた。
PAl、 2、 3、
4は「常座」で食事も行われる。(ただ し
、 PA4は使用可能の状態の食卓がある 。
「数ヵ月前に突然歩けなくなり 、現在リハピリ中と言うことから 、歩ける ときは食卓
で食事をしていたであろうと推測される。)
2. 複数の[座 j が住居内にある PA4~8 では、テレビを見るなど、普段居るための
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第 4章
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高齢者の夫婦世帯の住まいにおける個人空間に関する考察
4 .1 ・ 4 夫婦世'l1
fの「座 j の周囲のモノの分;(pに関する分析
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日常の行為は I
常座 Jが中心 。
P A 1 Mは
、 Fとけんかをすると、
台所へ行く. Fは、時折、台所に
飾られた息子の写真に話しかける 。
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夫婦世帯に見られる「座」には、自分だけの場を形成する場所(家具等)と、相手
と共用する場所である場合がある。
これらの「座」の周辺にあるモノ環境として次のことが言える。
1
. i
使うモノ」の量が少ない。
一人暮らしの高齢者の場合に比べてモノは収納される傾向にある。つまり自に入っ
てくる(収納されないで「置かれている J)モノの最が少ない。
2.モノが分散している 。
それぞれの「座」ごとに行為の性質(目的)が分けられる傾向があるため、 「
座j
に様々な種類のモノが集中することが少ない。
3
. i
常座 Jがとられる場合、夫婦共用の卓にとられていて、そこに一人暮らしの高
齢者の様な形の「ステ ーシ ョンJが形成されることは少なし。
、
外見上はステーション化されていることが分からない場合が多い。相手との関係等
も考慮しているためか、卓上や周囲にモノが置かれる量も一人暮らしの場合と比べて
かなり少ない。
PA3Mは、収納型の「ステーション」だが、収納している棚以外の床面や卓上にモ
ノを置いていない。
PAIFは、背後の戸棚に日常の行為に使うモノを収納し「ステーション」化してい,
る。外からはその様な仕組は分からない。また、卓上に茶道具も含めて何も置かれて
いない。
4
. 自分専用の「座 j を持ち、そこに自分のモノを集中させている例が見られた。 (
P
A4、 5、 7、 8)
5.共用の場所にある「座 j であるが、自分の仕事や趣昧に必要なモノを「座」の周
囲に収納配置するものが見られた 。 (pA 3) 共用の場所に自分専用のステーション
がはめこまれている。
6.居間に個人の私物が収納されている 。
PA7の妻は 、居間の棚に自分の活動の書類等を収納している。仕事をするのは殆ど
居間のテーブルで、棚から t
!
?
類を出して仕事 をする。位置的にも棚まで1.5mで移動は
伴うものの遠くはない。
7
. 居間で趣味や仕事をするのに、セッテインク行為を伴うような「場Jがあった 。
(pA 4、 5、 7)特に、 PA7は居間での活動が多く、そのためセッティング行為
はきわめて臼常的である。 PA3は 5で示したように居間の日常の「座j がステーシ
ョンになっている。
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座Jで 符 な わ れ る 行 為 向 容
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115ー
一人暮らし高齢者の「常座 Jの周囲
第 4章
高齢者の夫婦世帯の住まいにおける 個人空間に関する考察
「
座Jの周囲にモノがあまりなし 、
ステ ー ションでもステー ションとい
いことがわからないように工夫され
ていたり 、かなり!整理して収納され
ていたりする 。 また 、趣味等のため
のセッテインタ行為も見られた 。
「常座Jで積極的にセツティンヲ
行為を行う PA7の夫妻の様な例も
ある 。
表 4 ・ 7 行為に必要なモノの有る場所と居間での行為内容
モノのある場所
専用場所
共用の空間内
共用の卓の傍
居間で個人的な行為有り
PA7-M, F
PA8
PA4
PA7-F
PA3
居間での個人的な行為は
正
、
、
PA5
次に、モノの分布を、
高齢者夫婦世帯の「常盛 J
(もしくは居間の「座 Jの周囲)
PAl
PA2
ステーション化の傾向が強い。
ステーションであることが明確。
「置カ、れている」モノの量も 多い。
「常座」のある場合は「常座」について 、ない場合には夫婦
の居間の「座Jを中心として調べた。
夫婦世帯の方が、モ ノの量が少ないこ とが数値か らも分かる。ただし 、 「収納 Jに
関しては、一人暮らしのインタピューほど詳しい説明を受けることが難しかったこと
もあり、落としている部分があることも考えられる。しかし、日常的な物品が見える
状態にあることは少なく、また 、 「
座j から遠い位置にあることは読み取れる。一人
暮らしの場合「見るモノ」は、 「使うモ ノ」が身近に集 中する分「常座 Jから遠い位
置にある傾向が見られる。夫婦世帯 の方が、やや「見るモノ j の数も少ないようであ
る
。 一人暮らしの自由度の高さをこうした夫婦世帯との住居内のモノの分布の状況に
よる「見え方」の遠いから推測することができる。
表 4 ・8
i
常座Jの周辺のモノの分布
。
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座 jの周囲のモノの分布の特徴
一一人暮らし世帯、夫婦世帯の比較
「座 Jが 目 的 別 に な っ て い る 場 合
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以上
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4 ・5 高 齢 者 夫 婦 世 帯 の 個 人 空 間
夫婦共周の草具にとられた「座 J。
見えるモノの量が告なし、。
H
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4 ・4
ほとんど 「常 座 」 で 日 常 生 活 を 過 ご す 場 合
高齢者夫婦世帯 と一人暮らし世帯の比較
平均の数
<夫婦世帯>
口
図
人" .しの 轟働省のー鍍筒"鋼人宣伺
参考:一人暮らしの
高齢者の傭人空間
P. II7
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4 ・ 1 ・ 5 個人空間の広がりと日常生活の様子の関わり
一人暮らしの高齢者の住居の分析から、 「
場Jは日常の生活行為や環境を映すもの
であることが分かる。そこで、日常の生活と個人空間の広がり方の関係について検討
を試みる。
居間で積極的に個人的な行為がなされているのは、 PA3, PA7, PA8である 。
PA3、 7は夫婦それぞれが 自室を持つ。また、 PA8での 回答者である夫は専用の
机を持っている。 PA8の場合、趣味を自分専用の机でもやるが、時として 居間のテ
ープルでも行う。居間とされる空間は D Kと隣室を 一統に使用しているが、拠点は日
常の生活用の座卓と D Kのテープルの 2ヵ所がある。
PA7は夫婦ともに居間で一緒に過ごす時間が長い。一緒に過ごしながら夫は自分の
仕事をしたり、ヨEも忽味や仕事などをする。居間には突のものが入っている戸棚があ
るが、 「座」のそばにはない。夫のものは全て自室から透ぶ。湯の形成の仕方の視点
では, P A7、 8とも に用意のための移動が必要である点は同じである。ただし、 P
A 8は必要な時に限られ、 PA7は日常的に常にそういった状況である点が異なる 。
PA3はこの 2例と 全 く異なる。 PA3は、居間の「座 j で仕事や趣味の読書をでき
るように「座Jの周囲に収納し、 一人暮らしの高齢者のステーションの株な「座」の
様相を呈している。
表 4・ 9
夫婦世帯の居間で見られた「座j でのセッティング行為の有無と行為の性質
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高齢者の夫婦世帯の住まいにおける個人空間に関する考察
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座Jでの行為に道具が必婆でそのために移動を伴う(セッテイング行為がある)
ことの有無と「座 j での行為の性質の関係を以下の表に表わした。
PA7の夫婦は「常座j を持つが、他の夫婦世帯で「常座 j を持つものと異なり、
セッテイング行為が非常に多い「常座j である。この夫婦には、妻、夫のそれぞれの
関係団体等を含めた訪問者が多い。
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「
第 4章
-119ー
PA3 共用の卓に「常座 J
ステ ションを組み込む.
第 4章
高齢者の夫婦世帯の住まいにおける個人空間に関する考察
4 .1 ・ 6 住 居 内 で の 個 人 空 間 の 広 が り と 訪 問 者 の 有 無 の 影 響
一人暮らしの世帯では、外部の社会とどの様に関わるかが「常座」を中心とした個
人空間の形成に影響を与えていることが経年変化からもうかがえた。夫婦世帯では外
の社会との関わりが「場 Jの形成の状況にどう影響しているのだろうか。この節では、
自宅に人の出入りがある世帯と、殆ど無い世帯とで場の形成の仕方に違いがあるかど
第 4章
高齢者の夫婦世帯の住まいにおける個人空間に関する考察
PA4は、現在は、体調が忍く日常生活の様子から訪問者はあまりいないようであ
る。しかし、自室とする部屋は明らかに応接用にしつらえられており、日常の居間に
対して接客の場が確保されていると理解できる。居間の「座j は現在「常座」となっ
ているが、電話なども手の届く位置に配置され「ステーション J的な機相である。
PA6は、現在もう常勤で家に帰るのは夕方である。よって、回答者の夫の住居内の
生活はあまり活発ではなく、接客行為も特にあげられなかった。
うかを検討する。
家族を中心とした人の出入り
家族以外の人の出入りがある
PA2
PA5
PA7
PA8
妻の宗教関係の友人
囲碁友達、安の友人
仕事関係の仲間 、婆の仲間
友人の出入り
PAl 娘 や 孫 娘
PA3 息子達
(PA4
)
(PA6
)
正
表 4 ・ 11 接客専用の場の有生i
家荻以外の人の訪問がある
日常の「座J のある ~IHJ で接客
日常の「座jのある空間とは別
の空間で接客
PA2
PA7
PA8
(PA-l)友人等が着たときの
接客場所を設定
PA5
家族の訪問が中心
PAl
PA3
(PA6、 PAl
)
「家族(主に子供)以外の訪問者がいる」場合、 P A 5の様に接客空間を居間とは
っきり分けている。 P A 7は、夫婦ともに「居間」に「常座j をとり 、テレビ 、会話、
趣味や仕事等様々な行為を行う。しかし、そのための道具が「常座」の周聞に置かれ
ていることはなく、夫は自室から、妻は主に居間にある戸棚から道具をセッティング
している。 PA8で回答者であった夫は水墨画の趣味を持っている。趣味は、共用の
空間にあるテープルで行うこともあるが、 自分の専用の机も持っている。 P A 7、 8
の例は P A 5の様に接客専用の拠点はないが、場合によっては接客専用となるように
仕組まれた「場j である。
P A2は、これら 3例に見るような訪問者に対応した積極的な仕組みはない。しか
し、接客時に夫が「常座」を移動して接客しやすいようにしている。
家族以外の訪問がほとんどない P Alは、近居制度によって赤羽台団地に越してき
たため、 lDKで室数が少ない。そのた め もあり、接客専用の「場j のための工夫も
特にない。 PA3の回答者の夫は現在も現役で仕事をしている。自営だが、人と 会う
ときは外で会うことに決めている。妻は病気がちで家事なども こなしている。家で 、
自分が仕事をし生活をするのにしやすいように 、 「場」を形成したために 、 「座」は
共用の卓に「ステーション」が組み込まれている。
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4 ・ 2 ・ 1 変化の概要
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PAlは
、 2年前のヒアリングの時、 「夫は面白くなくなると、台所の床に布団を
しいて寝てしまう」という訴が聞かれた。 2年後にはその空間にム一トンの敷物を敷
き、夫がいつでも寝転がれるようにしている。他の様子には殆ど変化がない。 PAl
は、近居システムで近隣の市から越してきたためもあって、家具類もかなり「捨てて」
ここに来ていることも変化の幅の小ささに影響しているのではないか。
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PN 1
の 4世帯である。例数が少ないため、ケーススタデイ的な検討とな ったが、同じ高齢
者でも一人暮らしの場合とは変化の機子等に異なった点が見られ、 「二人Jであるこ
との意味や価値が感じられる。
PA3では、家具の大きな移動がある。増えたモノの整理のため新たに棚を購入し。
た。家具は「常座j で「動かなくてもすむ」ように考えて配置した。また 、夫婦別寝
室をやめて、夫は姿の寝室に寝るようになった。委のベッドの脇に布団を敷いたり、
ベッドに寝てみたりもする。妥は病身である。夫の部屋は納戸としてあまり使わない
ものを収納している 。夫 は現住も現役で仕事し続けている 。主 に家を事務所としてい
て、仕事関係の事務も「常座」で行う。["常座」の位置は二年前と同じである。["常
座Jの周囲には 、仕事関係のモノも多い。同時に、朝食(パンにコーヒー)等はすぐ
に用意できるよう、身近な初jに置いてあるなど、日常の生活行為にとっても便利な「ス
テーション」となっている 。 (
夏などは本を読みながらそのまま、そこで寝てしまう
こともある、と話していた。)
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PAl、 PA 3、 PA7
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夫婦世帯についても 1992年に引き続き 1994年に同様のヒアリング調査を行
った。調査が行うことができたのは
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PA7の夫婦は夫の 設立した協会で共に働いている。そのため夫は毎日変わらずに
事務所へ出かけ、安も週に数回事務所へ行く。夫が自室に本箱が欲しいと言ったので
本棚を新たに購入し、夫の部屋にあったエレクトーンを居間に逮び込む。エレクトー
ンは夜、夫と歌を歌ったりする時に使う。テレピが高い位置(飾り棚の上)になった
ので、見るのに首が疲れて痛くなる。そこで、夜二人でテレビを見るときには夫が自
室から古いテレピを運んできて見ている。
また 、二人には共通する興味が多くあり、コレクションやポスターなと を飾って楽
しんでいる。 2年前よりもコレクションが増えていたり 、飾つであるポスターが変化
していたりと、生活の中に動きが感じられる。妻は、花を育てることも好きで 、 2年
前と同様、たくさんの純物をベランダで育てていた。
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高齢者の夫婦世帯の住まいにおける個人空間に関する考察
4 .2 夫婦の住む住民の 2年後の綴子
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第 4章
高齢者の夫婦世帯の住まいにおける個人空間に関する考察
(参考.根津の事例)
PN 1は、先のインタビューの後、姿が大病をした。もしも何かあったらいけない
ということで家の改築を含めた整備が、かなり大がかりに進められている。家の外周
りを整備したり、不安のものをかたずけたりしているという。これは、生活の質を高
めるというよりも、危機的状況に見舞われたことが改変の大きな契機となっている。
夫は、自宅で服飾の仕事を現在もしている。その仕事場で夫婦の食事や 、夫の友人な
どのごく簡単な接客は行われる。仕事場のレイアウトが変わっていた。また、これま
で 2階の茶の間で裁断していたのを 3階に作業台を移している。
電話がコードレスになり、わさわざ電話のために家の中を移動しなくても良くなっ
たと話す。仕事机のそばに缶の上に座布団が置かれたものがあった。椅子よりもこち
らのほうが座りやすい高さだと妻が言うので、米びつの缶の上に座布団を置いて座っ
ているのだという。
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4 ・ 2 ・ 2変化の特徴
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夫婦世帯の変化の方が一人暮らしの場合よりも家具の移動を伴った大きな変化が見
られた。それぞれの環境の変化や欲求に応じて、生活を改変しようというかなり明硲
な意思がある。 一人ではないことは 、改変の要求に対して解決が容易であると受けと,
ることもできる。そのうち「座」の数の増減の変化を伴うものは PAlを除いた残り
の 3例で見られた。 i
座」の周囲のモノ環境は、一人暮らしのいくつかの事例に見ら
れたモノの乱雑な印象を伴った集穏や堆積という現象が見られたものは 一例もなかっ
た
。 PA3は「ステーション」化を強めた例であるが、 「使うモノ」をシステム化し
て収納している。この i
.
I
AJは夫婦の居間にある「常座Jだが、夫婦の共用の空間で
あることもシステム化された整然とした「ステーション Jの形成に影響を与えている
とも考えられる。
一人暮らしの高齢者は、体力の衰えや対人環境が住環境に至る日常の生活に影響を
与えていた。夫婦世帯では、対人環境が希薄でも、必ず「逮れ合ぃ」が家の中にいる。
体力的に衰えてもサポートする人が一人確保されていることになる。!l
P
ち、夫婦世帯
では、様々な衰えや障害に対する人的な面からの補完を夫婦問で行うことが可能であ
る。(勿論、双方が病身の場合などその限りではない。)
他者の存在が、 一つ はお互いを言わば気づかう点、もう一つは互いの衰え等の補完
という点によって、住環境の「質Jを維持するということができる。最小の社会集合
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) )が保障されていることは住環境の質を維持に
=二人集団 (
影響を与える要因であると考えられる。
また、この事実は体力的に衰えた状況でも 、複数で居住することで衰えた部分を補
いあうことができ、自立して生活することの可能性が溜まることとして捉えられる。
弱者同士の同居が生活の質の維持につながることは、コレクテイプハウスの意義を示
唆している。
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第 4章
高齢者の夫婦世帯の住まいにおける個人空間に関する考察
4-3 高給者の夫婦位;
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官の個人空間の特徴
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の特徴をまとめる。
l 一人暮らしの人の個人空間に必ず見られた「常座」は、夫婦世帯ではとられてい
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ない場合もある。
2 夫婦世帯では食事行為のための「目的座Jがとられる例が全体の約半数見られた。
常座Jがある夫婦の場合でも、
(一人暮らしの場合は全て「常座jで行われた。) i
食事は 「
座j を変えて行う例が見られた。
3_即ち 、夫婦世帯の「常座Jは一人暮らしの高齢者の「常座」よりも目的がしぼら
れた「座」である傾向が強い。(個人的な趣味などには別の「座Jを用意したりして
いる)
4. i
目的座」だけで個人空間が構成されている例も見られた。
5 夫婦別寝による個人杢間の展開では、共に自室に「目的座j を持ち、日常は居間
の í~f;座J を中心として個人笠間を形成する例が見られた。 (P A 7、尚、 「常座J
での行為はセッテイング行為をともなうものである)
6.PA3も同様に夫婦別寝であり、夫の場合は特に、居間の「常座」が生活の中心
で、 「常座Jをステーション化している。即ち 、共用の卓にステーションを形成した
例である。
7. i
座j の周聞のモノの分布は、<見るモノ>の分布は一人暮らしの高齢者とほぼ,
同じだが、<使うモノ>の分布は「座jの近くにはあまりない。(使うモノがあるこ
とがはっきりと分かるように宣治通れたり 、収納されていない。)
8.夫婦世帯の経年変化には生活の改変という明確な意思が見られた。他者が家に来
ることがなくなった一人暮らしの高齢者に見られたような、モノが堆積した結果の棟
な変化はなかった。
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夫婦世帯では「目的座」がとられる傾向が強かったが、 「座」を行為によって変え
られることで、生活の場面の転換がはっきりする。高齢になっても夫婦世帯では、こ
の機にはっきりした生活場面の展開が日常的に守られることが一人暮らしの場合より
も多い傾向があると言える。また、 「目的座j として目立つものが「食事j のための
「座」であることから 、 「食事」は生活場面として最後まで独立して残るものの一つ
であると考えられる。
一人で生活しているかいないかによって個人空間の様子は大きく異なる。高齢者の
住居を計画する際には、この点を考慮することが必要である。
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第 5章絞家族の住まいにおける個人空間の形成に関する研究
第 5章
核家族の住まいにおける個人住空間の形成に関する考察
5 .1 研究の目的・研究の方法
5 .1 .1 目的
第
5章 核家族の住まいにおける個人空間の形成に関する研究
5 ・1 ・3 調査対象とした家族のプロフィール
以上について大学生のいる家族を対象とした、 一部大学生へのヒアリング調査を含
むアンケート調査を行い、分析を行った。
口調査対象 .建築学科で学ぶ大学生とその家族 10組 37名
口調査方法:学生に家具等の詳しい状況を含む自宅平面図をかいてもらい、その平面
図のコピーに家族の各成良が行為を行う場所( 座J)、行為に関わるモノの収納場
所、自分の所有物の分布と内容など必要事項について記入する。集まったデータにつ
いては、学生との面談により補足説明を受けた。
尚、調査の詳しい内容については資料編に記す。
r
この章では、大学生の子がいる核家族世帯の住居の中で形成されている偶人空間の
分析を行う。
子供を含む家族は 、例えば高齢者の一人住まいや夫婦二人だけの暮らしに比べて他
人杢問の形成状況が複雑であると考えられる。個人空間の複雑さは住空間に対して、
どの様に反映されているのだろうか。
また、親世代と子世代における個人空間の形成の仕方の違い、夫と委の個人空間の
形成の傾向を併せた検討を試みる。
表 5 ・1 調査対象家族の住居の様子
5 ・1 ・2 研究の方法
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調査を行った家族の住居と家族の権成は表 5
住戸間収り
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M 5 3公務員
F2
一戸建て
5
L.0.K
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157会社員 F 50主婦
f22学 生 f24公 務 H
F3
一戸建て
4L.D
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26.6
M 52大学教員 F ~ 7主婦
f22社会人 f2 1学 生
F4
マンション
4LDK
1
5.
8
M 5 0会社員 F50パート
f22学 生 m 21 (不明)
F5
一戸建て
4L.D.K
1
9
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3
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152会社員
2
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M 55 (不明)
m23学 生
F1
高齢者の住空間の研究成果から、 「場」を捉えるために注目する具体的な要素とし
て次の項目を設定した。
1
.ある行為をする場所 : 座J。
チェックするべき行為は次の様なものである。
食事、テレピを見る、趣味(好きなこと) 、仕事をする、勉強をする、新聞を読む、
だんらん(家族とお茶を飲む、おしゃべりをする、一緒にくつろいでいるなど)、一
服する、本を読む、よその人が来たときの接客行為等。
2
.
以上の様な行為に関わるモノ環境。
行為をする時に直接使用する家具(または道具)や実際に使うモノが収納された家
具。新聞のストッ ク場所(特に家族が共用するものとしての意味で)、趣味や仕事に
必要なモノの位置、テレビの位笹等。
「座」となる家具のセットの分布。(ダ イニングテープル、テープル、こたつ、 「
座
」
卓、広い床面等)
3
.日常生活に関わるさ らに細かいモノの所在。
小さいがその人個人の存在を的確に表わすようなモノがある。
眼鏡、ベン、はさみ、虫眼鏡、たばこ用品等。
上記の l、 2、 3は、場の記述にあたり場の形成に関連する物的環境の手がかりで
ある。これらは、住居内におけるその人の領域を示すようなマーカーの様なものであ
る
。
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-130ー
家族の集る
住戸形式
空間の面積
この家に住んでいる家主主の十構成
f22学 生
F 53主婦
F 48主制
f22学 生
F 50 (不明)
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一戸建て
3L.D.K
F7
一戸建て
4L.D.K
3
0
M 6 5会社只
F8
一戸建て
4
L.K
9
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F45自営
m22学 生
F9
一戸建て
広舗付
4LD.K
+庖舗 2
4.
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M 50自営
m23学生
F47自営
m21学 生
4LDK
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151大学教員 F52編集者
f22学生 f18学 生 m 13学 生
F 10 一戸建て
1
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F 57主
色
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m 19学 生
各住居の内部の家具配置の様子、それぞれの成員の「座j と行為内容等に関するデ
ータを次のページからの図 5 ・1、図 5 ・2とする。
図 5 ・2は、住居内部の住まい方を「座Jを中心として各家族の成長ごとに示した
ものである。
家族の成員個人の「座」と行為、モノの環境を個別の平面図中に記した。
「
場Jは個々の「座Jを中心として形成される。各成員の「座 Jが居間等の共用の
-131ー
第 5章
被家族の住まいにおける個人空間の形成に関する研究
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空間と個人の私室部分を中心に「座 j をとり、 「場」を形成していることがわかる。
しかし、 「
座j がとられているのはそれだけではなく、自分の部屋ではない別の個人
の私室内にとられる場合も見られる。また、行為に使うモノと「座」の関係では、共
用の空間と私室では「座」で関わるモノの数、種類、ある場所に異なる傾向が見られ
る
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2'3 住居内の「座」の分布と行為内容(各成員ごと)
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第 5章
5・2
綾家族の住まいにおける個人空間の形成に関する研究
家族の成員の r~J のとり方からの分析
それぞれの家族の個人空間についてこの節では「座j を中心に分析を加えていく。
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座」がとられる場所
「座」がとられた場所の一覧を表 5・ 3に示した。大学生の子がいる世代の核家族
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5 .2 ・ 1
の住居内では「座」を支える家具に~卓が使用されることが少ない 。 この点が、高齢
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拠点家具を用いず座れる所に随意にとるようなポータプルな「座Jとしての床座が見 守
られた。ポータプルな「座j は、ベッドの上や、床のじゅうたんに座る等の形で見ら
れた。 (
1*)。この際の床座は、洗濯ものをたたむ、といった家事作業に床面を選択
した場合や、簡単な運動をする場合の他、リラックスしたいときにとられる場合が多
かった。
2F
I
市沢田 (
1
9
9
2
) も現代の日本の住機式の 一つの様相として精子座と床座の混在をあげる 。
大学生のいる核家族の住空間で「座」としてとられていたのは、 「家族が集る空間」
内では食卓、ソファや安楽椅子、床面、また、 「家族が集る空間」以外の共用の空間
では、廊下、踊場、階段、 トイレ等があげられた。
自分の部屋Jの机やベッド、他
r
の人の「私室」内に r~J がとられる場合も見られた。
f2 2 (娘)
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2F
2F
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「家族が集まる空間」の<床面でアイロンがけの作業をする妥>や、<トレーニング
をする娘>の様なポータブルな「座j は高齢者の世帯では少なかった。ポータプ J
レ
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座j はソファやベッド等、卓を用いずに、自由な姿勢をとっていろいろな行為が行
われている。これらのポータプルな「座j では、決まった形式のしつらいを行って何
かをすると 言 うよりも、ある小道具を片手に気軽に移動できる感覚が意味を持ってい
ると思われる。また、今回調査対象としたデータでは、物的環境の可能性を利用する
自由度の高い「座Jのとり方が特に子世代で多く見られた。
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各成員ごと )
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FA1
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床面
安楽椅子
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床面
製図台
ベフンダ(立位)
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床面
F55食卓
FA 6 m 22食 卓
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FA 7
床面
床面
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床面
製図台
机
F57食卓 2力所
床面
ミシン台 2
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机
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床立位
机
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安楽街子
FA 8 F45
畳
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畳
ソファ
FA4
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FA4
f22食 卓 2カ所
食卓
ソファ
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床面
子の室の机
立位畳立位
畳
こたつ 2ヵ所
机
製図台
ベフンダ立位
電話
こたつ
机
(
立位等)
食卓
両親の寝室畳菌
机
階段腰捌け
安楽椅子
床面
両親の寝室畳面
机
床面立位
コンビュ ーター
床面
畳
畳
ベッド
畳
製図台
机
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ソファ
机
庖で立位
製図台
ベッ ド
立位 2ヵ所
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床面 3ヵ所
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居間の床
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階段
机
床 3ヵ所
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床面
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製図台
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次女の 」たつ
製図台
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製図台
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(トイレ)
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床面
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(トイレ)
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床面
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机
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居間で立位
ソファ
畳
畳
鏡台
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12 1食卓
畳
畳
ソファ
ソファ
FA5 F48食 卓
ベッ ド
居間で立位
床面
父の机
ソファ
FA5 M52食 卓
ベッ ド
神棚の前立位
FA 9 π123パソコ ン
ソファ
FA 4 m21食 卓
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食卓 2ヵ所
FA 9 F49 ソフ ァ
ソファ 1
FA 4 M 50食 卓
ベッ ド
畳
机
廊下
ソファ
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畳
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畳
電話
製図台
ソファ
安楽椅子
f22食 卓
ベッ ド
カウンタ ー
FA8 m 22
F A3 M52食 卓
FA3
机
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ソフ 72に 2力所
ソファ
F A2 f22 食 卓
床面 1
ソファ 1
f24食 卓 1
畳
安楽椅子
F A7
ソファ 1
FA3
畳
畳
ピアノ
FA 3F47 食 卓
床座
カウンタ ー
ソファ
ソフ 7 2
自由な姿童書
畳
安楽椅子
ソフ 72
書斎コーナー
FA2 f24 食 卓 2ヵ所
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ソファ
畳
ソファ 1
F50食卓
床座
F A7 M 65食卓
FA2 M 57食卓 3力所
FA 2
自由な姿鈴
畳
書斎コ ーナー
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主筋商
宮
祭閉
椅 子座
パソコ ン
机
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布団の中
床
第 5章
第 5章核家族の住まいにおける個人空間の形成に関する研究
5・ 2・ 2
そ の 場 所 を 「 座 Jと し た 理 由 ( 空 間 の 働 き に つ い て の 考 察 )
居住者が「家の中の好きな場所」として住居内でのある位置を選んだ理由には 、宏
、
の外の景色や自由な姿勢がとれる場所としての快適性などの他に、
「天井が高くて落
r
場」を構成
場」
する物的環境は、家具やモノや見える景色などだけではないことが予測される。 r
ち着く」というように、空間の形態にそのまま関わる理由も見られた。
は「座j を含む行為に関わる環境全般である。従って、行為が空間の形や大きさに触
発される場合もあると考えられる。
この予測は、空間の大きさを変化させることのできる実大の実験室内で生活行為の
チェックリストを被験者に見せ、その行為が「やる気になれるかどうか」等の評価を
してもらうという実験の結果からも考えられる(資料編参照)。
当蔽空間でその生活行為をやる置になれるかどうか
被家族の住まいにおける個人空間の形成に関する研究
Gi
bson,
1979)
が示唆するものと考える。即ち、空間の大きさや形態のアフ ォーダンス (
の存在が、日常の生活に関わるものであると考えることができる 。
ただし、現実の生活の中では空間の大きさやプロ ポーションがその場所に「座 Jを
とる理由の全てとなるわけではなく、他の要素も複雑に影響しあ っていることも考慮
するべきである。しかし、室の形態などを含めた物的環境が人の行動をある方向に誘
導しえる要素であることは注目するべき点である。
5 ・2 ・3
「座」の位位と他者の影響
核家族の住居の様に、複数の人が住む住居内で、複数の人の共用する杢問では、一
人暮らしの高齢者の「常座j の様に、置かれる家具の種類の傾向や位置、方向性のみ
から、 「座j の構造を捉えることはできなかった。その空間にいる人が「場j を形成
するのに影響を与えていることが考えられる。この点は、高齢者夫婦世帯のインタビ
B
a
r
k
e
r,
ュー調査で得た知見(第 4章参照)の他、家族が集まる空間での行動場面 (
1
9
6
8
) に関する調査、研究(場所 ・行動研究会 1
9
9
2
) からも予測できる。自分以外の
他者との関わりについて、 「家族が集まる空間 j の行動場面に関する調査-研究の一
環として行った 、 「家族が集まる空間 j 内の家具配置と行動場面の関係に関する分析
から読み取れた傾向を以下に簡略に述べる。
分析は大学生 78名の家庭について行った。 78家族中で「家族が集まる空間 j に
「やる買 jに寄れるとし
拠 点 家 具 が 2ヵ所あるものが 48例あった。 2拠点ある場合の家具の配置形態につい
た者の割合(%)
て拠点、家具同志がそこに人が「座 j をとった時そこにいる人が皆平等に視線を通すこ
'
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とのできる線の組み合わせから、
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の種類が豊富であった 。 (
資料編参照)
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2つの拠点、の向かい合い方の度合を決めて分類した。
2つの集合拠点、の向きが背中合わせになるよりも向かい合う傾向を持つ方が、
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面 咽
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宿お望
組量
減
図
5 3 民なるさ~Im 条件の下での生活行為に l刻する許制1(験結以
被験者は、実大の実験空間内で 62項目の生活行為動作ができる可能性と、やる気になれるかどうか
を回答する 。このグラフは、1.8mX2_7mの床面積の空間に対して次の条件を設定した実験空間内での
回答結果のうち、図中表記の 13項目についての比較を行ったものである 。
空間①天井高 1200mm、床から実験空間I
までのレベル :300mm
空間②天井高 1200mm、床から実験空間までのレベル 900mm
空間③天井高 1400mm、床から笑験空間までのレベル 300mm
空間④天井高 1400mm、床から実験空間までのレベル :900mm
空間①と空間②、空間③と空 WJ
③の容積は同じで床から笑験空間1
までの距離が異なる 。 f
勉強をする J
では、床面から実験空間までの天井の高さの違いが評価に影響を与え、 「テレピを見る J 「電話をする J
では床面から実験空間までの高さの双方の影響が考えられる。
その他、実大空間内での行為笑験からも、空間の大きさの違いによる行為のしやす
さや、天井の気になる度合に対するー制面の傾向に違いが見られた。これらの実験の結
果は 、空間の形態がその空間で行われる行為を誘発する可能性のある要素であること
1
5
1
-150ー
「場」
第 5章核家族の住まいにおける個人空間の形成に関する研究
第 5章核家族の住まいにおける個人空間の形成に関する研究
5 ・2 ・4
5 .2 ・5 住居内での「座 j の分布・個人専用の I~J と共用の「座 j
I
座」の数から見た個人空間の特徴
家族の各成員(夫、妻、子)それぞれの個人空間の特徴を、 「座」の数から検討す
る
。
住居の中にある「座」の平均の数は子世代が最も多く、妻、夫の順であった。しか
し
、 「家族が集まる空間」でとられた「座Jの数には夫、妻、子世代の問に顕著な遠
いは見られない。子世代は、住居内で家族の集まる空間以外にとる「座」の数が両親
よりも多い傾向がある。これは、子世代がほぼ確実に私室を持っていて、私室の方で
積極的に「場」を形成するためと恩われる。
. 5箇所多いが「家族が
夫と妻では住居全体にある「座」の平均の数は妻の方が 1
集まる空間 Jにある「座」の数の平均は同数である。萎が自室を持つのは 10例中 3
例と少ないこともあわせて考えると、妻は夫や子供よりも住居全体に I
!
l
iJをとって
いく傾向が強いことがわかる。
(
参
考 書斎を持つ夫 3例、書斎コーナーを持つ夫 :2例 各成員の「座」と家具の対照表参照)
表 5・3 夫、妻、 子世代別 ・住居内にある「座」の数
住居全体の中にある「座」の数
の合計 ( )内は平均
属
;
_
_
_
ヱ1
「家族が集まる空間」にある「座」
の数の合計( )内は平均
夫
9名
47ヵ所
(
5.
2箇所)
30ヵ所
(
3.
3箇所)
妥
10名
67ヵ所
(
6.
7箇所)
33ヵ所
(
3.
3箇所)
子世代
16名
118ヵ所
5 1ヵ所
(
3.
2箇所)
(
7.
4箇所)
参考高齢者の住居内の「座」の数 住居内平均
1
2
箇所
│
一人暮らし平均
ヒ竺主2
「常座」の数
11
.3
6箇所
1
2
.
5
4箇所
11
.1
8箇所
また、一人が住居内でとっていた「座」の数は高齢者一人暮らし世帯、夫婦世帯、
核家族世帯の順に多くなる。高齢者の夫婦世帯の「座」の分布から、お互いに空間的
なやりくりができる可能性を持とうとしているらしいことが考えられた。同様のこと
が、さらに人数の多い核家族の中でもなされていると予測できる。
図 5 .2は、住居内での家族の「座j と行為を成員それぞれについて表わしたもの
である。
核家族の各成長が住居内で「座」を取っていく様子から、家庭での「場j は基本的
に居間や食堂等の「家族が集まる空間」と各自の「私室」に形成されている。つまり、
「家族が集まる空間」と「私室」部分(ベッドルームを含めて専用性の高い部屋)に
各々の「座」は集中する傾向がある。
私室以外に取られた「座」は、主として「家族が集まる空間 J等の共用の空間にあ
あるが、家族の他の成員の「私室」内に取られた「座」も見られた。
「
座j は、個人の専用のものと、同じソファや椅子を何人かの家族が時間を変えて
使用する様な共用の「座」と種別することもできる。
<例>
FA3の妻は、夫の書斎でミシンをかける。ミシンは書斎内にしまってある。また、
娘 (
2
2
) の部屋へ書J斎からミシンを運びミシンがけをすることもある。もう 一人の娘
(
2
1
) は父の書斎で勉強をすることがある。
FA5の萎 (
4
8
) は夫 (
5
2
) の書斎で昼寝をしたり読書をしたりする。娘 (
2
2
) もこ
の部屋でテレピをみる。家族がだんらんすることもあるという。
「私室」でありながら、家族の中の複数の成員が「座Jをとったり、夜、室内の特定
の「座」を共用する場合があることがわかる。住居内の各室空間の公私の度合は「座」
の分布の仕方(だれの「座」がどこにあるか)とその専用の度合から見直すことがで
きる。
今回の調査では、核家族の世帯では「常座Jは見られなかった。それぞれが役割を
持ち、時間によって異なる生活の場面が生じることがその理由ではないかと考える。
5 ・2 ・6
I
座」とモノの位置関係に見る「場 Jの特徴
「座」で行為を行う際に行為に必要なモノと「座」の位置関係には以下に示す様な
関係がある。(第 2主主参照)
1
.I
座」から移動することなく必要なモノが手にはいる。( I
座」から手を伸ばせば
届く位置にモノが揃っている。)
2 . 必要なモノを揃えるには I~J からの移動が必要。(セッティング行為を伴うかど
うか、モノは行為を行う室内にあるか、ないか)
3
.行為に使うモノは特にない場合。
住居内にとられた「座」と行為に関わるモノの住居内での位置関係を模式的に表わ
したものが図 5.3である。
家族が集まる空間 j をはじめとする住居内での共用部分)で形成さ
共用の空間( I
-152ー
-153ー
第 5章 被 家 族 の 住 ま い に お け る 個 人 空 間 の 形 成 に 関 す る 研 究
れる「場」には私室等の他の空間からのモノの持ち込みのある場合が見られる。つま
り、セッテイング行為を伴う行為には、共用の空間で完結している場合と 、共用の空
間以外の空間へと関わる空間が広がる場合とがある。
「
座j とモノとの位置関係から見た「場」は、夫、妻、子世代でそれぞれ次の様な
特徴を持つ。
L 共用の空間内でセッテイング行為が必要な場合、自室等から持ってくるのは夫、妻
に多い。
2
.妻は、私物を共用の空間内に置くことが多い。また共用の空間でセッテイング行為
を必要とする行為を行う割合が高い。
3
.子世代は共用の空間内にとる「座j の数は比較的多いと言える。 r
J
A
Jでは、モノ
を必要としない行為(テレビを見る等)や新聞を読む等の様に共用の空間内にある共
用のモノのセッテイングによる行為が主になされている。
4 共用の空間内に「座Jのある場所に全て必要なモノが揃っている「場j があるもの
は親世代に見られた。その内容は、夫の専用机 (FA 1、 2)、夫のパソコン (FA
10) 、妻の「モノ座 J (FA 5) 等で、妻は道具やモノに対してとる「座」の傾向
が強い。(表 .5 ・ 3参照)ただし、ピアノなどの道具に関わる「座」はこの限りで
はない。
5
.他の人の居室に「座j をとっているのは、委と子世代である (FA 1、 3、 4、 5、
10) 。
6
.子世代は自室内に多くの「場Jを形成する傾向があり、それぞれの「座j では自室
内で完結するタイプのセッテイング行為が行われることが多い。
7.
親世代の自室の「場」は、数が少ない。
8 夫に、共用の空間から自室(寝室)へ新聞を持って行って読む、というセッテイン
グ行為を伴う「座j の形成が見られた。
9.
他の人の部屋使用する場合、その部屋の人がいても使用する様な「場」の形成のさ
れ方がみられた。
(図では明らかではないが、 FA5のM 52の自室、 FAIOの f18の自室)
室内に自分にとって意味あるモノがあるこ とで「場」はさらに広がる 。自分にとっ
て意味あるモノの存在は、自室内ではたいていの場合、当然のことだが、共用の空間
では殆ど親世代に限られる。例えば、夫や妻 は自分の意思を反映した<見るモ ノ>(自
分で作った作品、旅行の土産、気に入った飾り等)を共用の空間内に置いている 。妻
には 、植木の世話をする「モノ座 Jが共用の空間内で見られた 。 モノ座j は、ある
モノに対して積極的な働きかけの行為を伴うと考えられる場合のモノを対象とした
「
座 j である。夫の場合大切なモノ、好きなモノを鑑賞ーすることが中心である。
FA 2
FAl
FA2 M57
FAl M50
FA2 F50
FAl F53
FA2 [24
r
Bは、ベッドルーム
セ γ ティング行 Z
誌が卦要会い
に上4寺に行晶司ために道具等を使用しない.
ー
@
。
、、
・- f座J のある渇所に~.要なモノが全て揃っている .
FA 3
r2 1
イノで
テモま
吻﹂つ仲肱っ
y町 所
らセ周唱
かで仲間た
J
そあ事と
るてがを
あいノい
﹂
でてモな座
要れなは﹁
必 さ ・要 で を
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モ
為収もに私
にる内‘な
T
・
一
吋内す霊が聖の
づ室グるだ必も
のンあのらる
ィそイのる
か来
・
一
アがテJ す 量 等 で
ツ拘ツ座デ封宜ん
セ弘セインが自彊
-154ー
FA2 [22
図・ 5 ・4 ・ 1 個人空間内町「場 j の骨布と f
壇 j で見られる「直 j と行畠にかかわるモノとの位置 関 係
P. 155
FA4 f22
ハ
-
τ
ィノで
る
いテモま
y町 所
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らセ周唱
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・r
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しがるてが・を
い用ノあいノい﹂
な使モでてモな座
U
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ム必 等要必さ
e要 で を
一が具盛が前田必拘
畠収もに私モ
畠道 に
判明則断明抗日割抗動仇
っとるイ雪グるだ世も
ツン町あシ町ンあのらる
ベィ為 的ィモイ町る
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テ MVテJ す 量 等 で
テ 符J
ツ に 車 ッ 禍 ツ車 グ 対 宜 ん
セ弘セ { ン MV自 置
t
じ
B
。
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いテモま
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τ
ι
テ 行J
yに 座
B セ時 rl
ι
場
¥
セ私セfJ が 白 亜
かか
や
渇 j で 見 ら れ る 「 座 j と行為に関わるモノ との位置 関 係
図・ 5 ・4 ・2 個 人 空 間 内 の 『 場 j の 分 布 と f
FA9 m21
FA 8 [
19
'省かて共た
こっ捺つ
れ
な全そあ京と
を
しがるてが、
い問ノあいノい
J
な使モでてモな鹿
uI
要をな聾れな
ム 必等聖品さ
'要 で を
舶 の必物
MV
一が具晶
品収もに記モ
レ 畠 道に
る肉、な
。
J 行 所持
f め場 7 内 す 宜 が 要 の
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7
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ツン釦あ守的ンあの-一りる
ベィ畠田ィそイのる
・か 来
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Y拘 y庫 ず 対 霊 ん
t
u
ふ
FA4 m 21
FA 6
FA4
FA 7 f2 I
FA9 m23
fA6 m23
図 .5・4 ・3 個人空間内の r~J の骨布と「埴 j で見られる「直 j と存晶に関わるモノとの位置関悟
l
FA 9
FA 8
FA 7
・
セッテインタ行為が必要ない
0-ー特に行為のために道具軍事告使用し主い。
「
座 j のある場所に必要なモノが全て繍っている ,
住居を共用の空間と
FA 1 0
- - - その他の個室で表わす 。
・o J,
~-
直1 座 2
,
.
・
ー
行為のためのモノの周意は必要ない
f
f
'
¥
.
セッテインク行 4
誌が必要である
忽ト 私物がその室内に収納されていてそこから
セ γティンヴするもの
巴ト 「
座 jのある室内に必要なモノがあってセッティ
ンダするのだが、私物ではない 、家旗共用のモノ
が対車。
セ 〉ー自室等か ら必要なモノを「座Jをとった場所まで
運ん で来るもの。
座 3~.ゴァでごろ寝
例
訂
正
、、
岬
.
.
.
.
.
c
耳周の仕事机
¥共用の空間
家族が集まる空間で物的環境との能動的な
関係のつ け方から分類した行為が対応する
「
座jも表わした。
失に見られた個人空間
子世代の個人空間
饗に見 られた個人空間
FA1 0 M51
賓の渇含
食.にも うーっ
F
卓 釧の f
亙 Jをとっ τH
や
温暖をする喝 舎が多い.
F52
戸
¥
ー
ノ
J
ヘ者
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星 っち
部待合
骨ノう
﹂ 自モ仔
凡
-r
部
図 ・5 ・5 核 家 族 の 成 員 が住 居内 で形成 す る「場 j の特徴
座 j と行 為 に 必要 なモノとの位 置 関 係 ー
てす
家で特に何もしない場合、新聞を
続んでテレビを見る程度の時、上
の織になる 。
掘ム
唱
イノで
一アモま
y町一閉
かて共た
こっ族っ
個 人空 間内 の「場 j の骨布と「温 j で見 られる行為 に関わ るモノとの位置関係
らセ周
そあ車と
るてが
、を
あいノい
j
でてモな座
﹁
要れなは
卦 さ ・要 で を
モ
畠収もに払
7に る 内 ・ な
・
が舶の盛物ノ
吋内 す 室 が 要 の
う宜グるだ品も
ン町ンあのらる
ィ モ イ の る ・か 来
tv
、
図 . 5 ・4 ・4
テ が テj す 量 等 で
ツ 拘 y座 グ 対 室 ん
セ 私 セ f J M M自 軍
ト↑
FA 10 f18
﹃
h
・
←
他の人の部屋に自分の
使うモノがあり、そこ
で行為もしてしまう 。
さらに、別の人の部屋
も使用することもある 。
ベ y ドルームで本を読む
のは、夫、 妻 ともによ〈
見られた行為である s
hEヘピ1)
1sr
4
y ドル ー ム
セッティンデ行畠が,.宴会い
0-1幸に行晶の ために道具等を使用しない.
-f
座jのある場所に盛要なモノが全て揃っている 。
子あ
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制
3
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FA 10 f13
F A1 0 f 2 2
長バノ
r
共用の空間は f
居るため」の空間である
tい。 よっ て、セッティンデ行為
こと
か
・!
を伴う行為は新聞を読んだり 、お茶を飲
む程度の場合から、自室から道具を運ん
でいろいろ行う例もある 。居るための姿
勢のバリエーションが多いのが特徴であ
る.
共用の空間が中心である 。妻は
f
私 室j ゃ f
専用の座j を持た
ないことが多い a 共用の空間内
に自分の持ちモノが収納されて
いた り、他の人の「私室j 部分
に妻の使うモノが置かれている 。
〆 しと
γi、
-aR
e -狛立自室
園・ J
ち
FA10
夫、妻ともに共用の空間での活動量
I
f
子世代よりも多い傾向がある 。夫
の場合、書斎を持つ者もいるが、
耳周軒l
を共用のさE
聞である家族が集
まる空間に置く人もいた。 座」は
食事の「座」の他にいくつか持つが、
一つの所に定着している犠子が見ら
れる 。 (妻に対しては時間的に、
干に対しては「座j の数 から)
第 5章 核家族の住まいにおける個人空間の形成に関する研究
5・ 3
PAl 曹の個人空間
PAl 去の個人空間
PA2 去の個人空間
(Q
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"パ /ぷ '
¥ (0 '
¥
¥
)¥ ε J ¥ ② /
~
r
家族が集まる空間 j に形成される「場」に関する分析
PA6 夫の個人空間
1
:C
一
ご-- J
一つの住居内に複数の人が住むことで最も特徴的な点は、そこに住む人が皆で共有
する空間の存在である。そこで、この節では共用の空間を中心として「場」が形成さ
れる棟子について検討する。
5 ・3 ・ 1
PA5 夫の個人空間
「家族が集まる空間 j も含む住居内で行われる行為の内容については、既に示した
図・ 5 ・ に詳しい。データでは、行為についてそれぞれ独自の表現がされていたの
で、以下の表の様に類型化した。食事やお茶等の一般的なだんらんのイメージのある
行為から、家事作業、接客、趣味まで様々な行為があげられた。この点については、
既に江上 (
1
9
9
2
) 等も指摘している。
PA8 去の個人空間
I _
_,
_¥ (
・
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I~
¥
1
1
却4
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表 5・ 4
PA7 夫の個人空間
セッティンデ行晶が必要ない
0--1
寺に持晶のために遭且等を使周しない,
.-f
直 jのある場所に卦要なモノが全て揃っている 。
r
家族が集まる空間 j で行われる行為
yの 所
イノで
テモま
らセ局場
かて共た
そあ軍と
こっ族っ
るてが
、 を
あいノい
J
でてそな座
曹れなは﹁
必 さ ・要 で を
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包収 も に 私 モ
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内す宝が要町
f室 グ る だ 盛 ち
r
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且
也、
ン町ンあ町らる
ィ モ イ の る ・か 来
一アが-アJ す 量 等 で
ツ物 ツ産 グ 対 重 ん
セ 弘 セfJが 自 彊
車全体が二人的空間である唱告も多い.
「常座」には、作品のための何かが予め
用意されていることが殆どである 。
白骨尊属の空間がなくても、異なる空間
に自骨専用の 「
座」 を取って奪用性を出
していると見 bれる例 (PA5、 8)が
ある . PA 6(,j、常勤のためもあり、車
ですることが少な〈それが「座 jの悌子
にも出ているが奏と空間のやりくりが
行われている. (奏と U別的テレビを見
る} 棺軍篠の夫掃と異なる点は.行畠
に悶揮するモノが、共用の空間に夫.要
ともに用意される輔向が強いことである.
図 .5 ・6 参考 田高齢者夫婦世帯の個人空間 内の「場 j の分 布 と
「場 Jで見られる「座」と行為に関わるモノとの関係
r
家族が集まる空間」で見られる行為
行為内容
行為が行わ れているときの状況
食事、お茶を飲む
皆で食べる 、飲む。一人で(パーソナ J
レな飲食)
テレピを見る
テレビだけを見る。テレビを見ながら何かをする 。/一人で、
誰かと。
新聞を読む
新聞だけを読む。読みながら何かをする 。/一人きり、誰かが
いる 。
雑誌を読む、読書をする
本だけを読む。読みながら何かをする 。/
る。
趣味、仕事、勉強をする
一人きり、誰かがいる
電話をする
一人きり、誰かがし、る
家事作業をする(アイロンかけ等)
作業だけをする、作業をしながら何かをする 。/一人きり、誰
かと 。
近J:(-(家具)を使用しての行為
(ピアノを弾く 、等)
一人きり、誰かと
会話をする
話している人と自分だけ、会話に加わらない人もいる 。
ぼんやりする
自分一人だけ、誰かがし、る 。
(対人環境)
人きり、誰かがい
これらの行為は様々な状況で行われていることが考えられる 。
家扶の他の成員との関係についても様々
である 。 これは先に紹介した「家族が集まる空間Jでの行動場面調査からも明らかである 。
江上は、居間での行為の多様性を示した。そして、家族の各成員がそれぞれ異なる
様々な目的を持って居間に集まることから自然にコミュニケーションが生まれること
の価値を主張し、 『居間は多目的な空間として 、多目的性が充分発揮できるような空
間として計画されるべき』とした。また、多機な行為が展開されるために、多種雑多
なモノが居間に持ち込まれる事実から、それらを収納するスペースが必要であるとし
た。江上は居間におけるモノの混乱を避ける意味から収納スペースを提案している。
-161ー
第 5童
核家族の住まいにおける個人空間の形成に関する研究
これに加えて、収納スペースを「場j がより自由な形で展開しやすくするための仕掛
けという視点を加えて考えることの有用性を本論では指摘する。
江上はさらに、多目的性を発障するためには、居間に精子座エリアと床座エリアを
設けられる広さを確保することを提案している。しかし 、 2拠点を持った居間のスタ
イルは今日的なものとして既に定着している、と見ることができる。(資料参照) 2
つの拠点はダイニングテープルとソファセッ トの組み合わせが多い。ダイニングテー
プルもソファも共に「椅子座Jを促す家具だが、ソファにもたれての床座や、ソファ
上での自由な姿勢等も見られ、 「床座可能エリア」として受けとめることができる。
Pち、様々な「場」の形成を可能にするためには、家具配置を含
多目的性の発輝、 R
む室内の物的環境に「座」となる可能性を持たせる工夫が必要と考える。その際、「座」
の選択には、目的を果たすことのできる場所であることの条件(例えば、作業ができ
る面と寄りかかれるものがあるなど)等の他に、そこに予測される人々の居方も影響
することを考慮するべきである。
5 ・3 ・ 2
r
場」の形成の 仕 方から見た
「
家族が集まる空 間」の特徴
「家族が集まる空間」では、 5 ・ 4 .1で述べた様にいろいろな行為がなされてい
ることから、この空間を異なる人の、多くの行為が混在する住居内の一室という位置
付けができる。この節では、それぞれの行為を通して形成される「場j の特徴によっ
て、杢問の特徴を明らかにすることを試みる。
① 「
座 j で行う行為の個人度。
一人で行う行為によ って形成される「場j か、複数の人で行う行為によって形成され
る「場 Jか。
「家族が集まる空間」では 、だんらんや会話など家族と共にする行為と、自分の趣
味をしたり、 「ぼんやりする」といった一人ですることが前提の行為などが見られた。
②「座」と行為に使うモノとの位置関係。
セッティング行為を伴う「場 Jか、伴わない「場 Jか。
セッテイング行為は行為のための「個人的な支度 j とも言える。セッテイング行為
が必要な行為として一人でお茶をしたり食事をしたりする様なパーソナルな飲食、新
聞を読むような家族の共有物を扱う行為、他に家事、持ち帰り仕事、趣味などがあげ
られた。基本的に一人で行う行為と 、誰か他の人がいても 差し障りのない行為があげ
られる。
以上 2点、に対人環境の状況を加える 。
③空間内に居る人全員の一致した行為か、行為に加わらない人もいるのか 。
「家族が集まる空間 j で行われていた行為は空間内にいた人全員で一致 している場
合(一人でいる場合も含む)と、不一致の場合が見られる。
5 .2 ・ 3で参照した調査で採取された行動場蘭には場面を構成する家族が全員同じ行為 をしていな
第 5章
被家族の住まいにおける個人空間の形成に関する研究
い例は 110シーン中 50シーンあった 。
(この調査では、場簡を1.食 'J~2. 媛il!; 3 電話 4. テレビを見る 5. その他、と己主うように指定している 。
指定した場面の性質には、家肢が全只同じことをするイメージの強いものもあり数値の結果を普遍的な
事実と決定することはできないが、同一空間にいて、異なる行為をする人によって形成される場面がご
く普通に見られることは確かめられたと言える)
く「家族が集まる ~lmJ の行動場而調査での行為を取り巻く人々の状況>
①その空間にいる人全員が一致している 。
食事、接客等。
②同じ場所(拠点)にいるが少しずつ異なることをしている 。
手
テレピ+その他の行為 苦
③同じ場所(拠長)にいてそれぞれが全く途うことをしている 。
行為 A、行為 B、行為 C. .
@異なる場所(拠.g_)で全く途うことをしている 。
行為 A、行為 B、行為 C. .
⑤場所(拠点)は別だが、同じことを(関係を持って)している 。
2つの拠占問での会話等。
「場」の特徴として①、②を軸とし、③の状況を加味した図が、図 5 ・ 4である 。
この図は、空間内で行われる行為の特徴を「場j の形成の仕方から表わしたものであ
るが、ある空間の中に形成された「場Jがこの図のときの部分に分布しているか、とい
う視点から空間の特徴を見ることもできる。
従来、 「家族が集まる空間」は、 「食事」ゃ「だんらん」という様々な行為を一つ
の言葉に言い含めた言葉で意味づけられることが多かった。そこには、室と行為を一
対ーで対応させる概念がある。また 、セッテイング行為という居住者の自発的な環境
の整備の存在も考えられていない。しかし、現実には橡々な行為が行われ、複雑な現
象が生じる空間である。現象としてありながら概念の上で抜けていた部分は、 「家族
が集まる空間 j の最も特徴的な部分である。
家族が集まる空間」を、その家族が習
慣的に形成する「場」の傾向から特徴づけることが可能ではないかと考える。ただし、
そのためにはさらに系統的な調査、分析を加える:必要がある。
図に示したような空間の捉え方によって、人が環境とどう関わっているかという、
行為内容によらない一定の次元から空間の比較をすることが可能となる。
r
a
e
が
z
イ
ヲ
テ
ン
セ
縄
‘民ロダ
ー
「
セ
ッ
テ
ィ
ン
グ
行
.
.
.
_
.
"
い
第 5章
核家族の住まいにおける個人空間の形成に関する研究
人で庭園にいることもある
5.4
行為総数による偶人空間の特徴
住居内で取られた「座j で行われる行為の数を夫、妥、イーの個人空間の特徴の一端
ー人で
す担行
として取り上げ、考察を加える 。
例:昼間の要
磨間で作.そしたり ..礁をしたリ .
表 5・5 夫、妻、子の
////
/ノノノ
ノ/ノノ
務J
I
ノノノノ
ノ//ノ I
/ノノノ l
///ノ
いて
I
全局炉開じ符..をしてい (
lぃ..合
I
I
家康全員で伺か~する
夫
9名
妻
10名
子
15名
i
.
f
i
.Jから見た「家族が集まる空間」の使い方の違い
住居内行為総数の
平均
図
5 ・7
r
座 j での行為とセッティング行為の有無からみた家族が集まる空間の特徴
住居内での共用の空間(主に家族か'集まる空間)について第 5~主から得られたことをまとめたのが右の
図である。家族が集まる空間の特徴が「だんらん Jという一言で表わすには非常に複雑で多様なことは、
調査の結果からも、また既に本論中で触れたように他の研究でも指摘されている内
空間内で、家族の一人一人がどの様なことをどの嫌にして行うかをまず、行為内容ではなく状況
として捉えたのが右の図である。ある人が家族の集まる空間で行為をする時、特に道具を必要とするか
どうか。その時、道具などは座ったその場所にあるのか、ないのか。その行為は一人きりでする行為な
のか 。だれかとする行為なのか。以上が太枠(家族が集まる空間)を 4つに区切っている軸である n
ここでは、空間を鞘E
で見るのではなく、各個人が志向する環境との関わり方から(つまり、どの注な
関係性が形成される空間なのか)を見て、住居内でのこの空間の位置付けをしているー
1
家族か集まる空間は共用の空間である。そのために、ある行為をしてる特に、そのみ為に関
わらない誰かがいることも有り得ることである。そこで、太枠の内側l
にその行為をする人だけがいる状
況を表わす部分を設定した。
しかし、実際の家族がいる場面を考えると、他の人がいても何かに没頭している人がいる場合もあり、そ
の場合には、ある行為に没頭している人にとっては、他者がいても、 I
イ也に人 がいない j という枠の中の
世界に入っていると言うこともできる。即ち複数の人がいる空間では、一人一人の意思の力で場面の意味
が刻々と変化している。
ー
示
「家族が集まる空
f
家族が集まる空
問Jの「座Jの数
問 j でのセッティ
の平均
の平均
ング行為の平均
8. 1 (
7
3
)
3. 3箇所
3
14. 2 (
1
4
2
)
8. 5 (
8
5
)
3. 3箇所
4. 2 (
4
2
)
15. 2 (
2
5
2
)
7. 9 (
1
2
6
)
3. 2箇所
2. 5 (
4
1
)
11
7 (
1
0
5
)
細面
フョ,ーマルな壇画句
「家族が集まる空
問Jでの行為総数
「行為総数Jは、その重である個人が行う行為の全てを合計した数で、同じ室にと
られた「座 Jでの行為の重複はそれぞれ数え入れる。その室内での個人の述べ行為数
である。この数値を、室内での個人の活動の度合として考えることにした。
住居内での行為総数は、子が最も多く、妻、夫の順である。 i
家族が集まる空間 J
で行われる行為総数は夫と妥では姿がやや多く、子世代が最も少ない。この空間にと・
られている各者の「座」の平均は夫と妻、子世代ともに少なくても 3ヵ所は「座 Jを
持つことが多いと言うことができる。
行為を行う際のセッテイング行為は妻が最も多い。妥は、
なモノを「家族が集まる空間」に置く傾向も強かった。
住居全体での行為総数は子世代が最も多いのに、 「家族が集まる空間」での行為総
数、セッティング行為数は最も少ない。
i
座」とモノの位置関係から「場」の傾向を
見た節で、子世代が自室にバラエティー豊かな[場」を形成していたことと併せて考
場面が買化する優子を上の図を借り τ表わした bの.
.霊 M'"使い方.富裕々で
窓富賓が...る空間で U
喝画面も S在に変化するるので..る.
4
F二示?ない
・
一
一
一
一
一
一
一→ー
.
.
.
院が・~る受闘での喝首の例."し・べりをしている"と 子.
父嵐低調鐙を畳んでいる.
・
-165ー
9t
tf
'1
書んでいた父思がー嘗ニ雪会..に加わる.
図 ・5 ・8 家族が集まる空間で場面が変化する様子
P
. 164
「家族が集まる空間」で
家事作業をしたり、自分の鰹味行為を行うことが他の家族よりも目立つ。行為に必要
えることができる。
吋 ィング即時
(
2
7
)
第 5章綾家族の住まいにおける個人空間の形成に関する研究
5・ 5
i
座 Jと行為の対応、
大学生の子供のいる核家族世,;行の成員は、ある行為を行う i
!
i
l
iJを住居内にいくつ
か持つ割合が高齢者の場合よりも多く見られた。これは、 「家族が集まる空間」で特
に顕著で、あった。テレビを見たり、くつろいだりする「座」を一人で複数持つことが
多い。各成員の自室では、子世代にこの傾向が強かった。一人暮らしの高齢者は 、住
居内の「常座」を中心に生活するが、大学生程度の年代の子のいる核家族の住居では、
高齢者の様な「常座」は見られなかった。
大学生がいる世代の核家族の成員は住居内にある行為をするためのもう一つの「座J
があることが高齢者の世帯よりも多い。
子世代は、椅子やソファなどがない場所でも自由に「座Jをとる傾向が強い。また 、
ベッドの商を様々に利用して行為を行っている。この場合、ベッドはもう一つの「座j
になっていることが多い。ベッドを使用する高齢者の人数自体少ないせいもあろうが、
このような多様な使い方は高齢者には少なかった。 i
座」として選び取る環境には世
代による志向性の違いがあるとみることができる。この様なポータプルな「座」は 、
習慣化された「座Jと行為の関係によるのではなく、随意、あるいは突発的に行われ
る行為によって形成される場合もある。日常生活の中で「ここで をやってみよう」
と思うことのできる場所が豊富にあることは、その居住者にとっての住環境の豊かさ
の指標の一つである。
第 5章
核家族の住まいにおける個人空間の形成に関する研究
5 ・ 6 核家族世帯に形成される個人空間の特徴
筏家族の住居に形成された個人空間の特徴をまとめる。
i 家族が形成する個人空間は共用の空間とそれぞれの自室を中心としている。形成
された個人空間には、家族の夫、妻、子の属性による差異が認められた。
2.親世代は共用の空間に自分のモノを持ち込んだ「場」の展開をする傾向がある。
夫は、飾りなどの見るモノを中心としているが、妥は行為にtEうモノも、共用の空間
内に収納するなどしている。
3
. 共用の杢間内で形成される「場j は、行為に何もイ交わない「場j か、セッテイン
グ行為を伴うような「場Jに大別される。夫や子世代ではセッティング行為が必要な
場合、新聞など共用の空間内にあるモノの用意が多い。実は、共用の~問で作業や趣
味を行うことが多く、ほかの室から用意したり、また共用の空間内に収納しである私
物を使って行為をする。
4
. 夫には共用の空間に専用の机などを置き「座 j をとる例が見られる。
5 今回の調査で得られた住居の形態は、 n-LDKと呼べるもので、現代の日本で
はごく一般的である。住宅に住まう家族は、共用の空間とそれぞれの私室を確保する
プランを反映した住まい方をしている。しかし、住居内には他の人の室で~Ijの人の「場J
が形成されたり、また、共用の杢問に本来個室で行われる行為がかなり積極的に持ち
込まれている事実がある等の現象が見られる。これは、室という枠をはみ出した生活
が営まれていることを示す。室空間は行為(機能)との一対ーの対応では、この状況
は説明仕切れない。
6 ある人の「私室Jとされている室の家族の他の人による使用の仕方には次の 2つ
の種類が考えられる。
①その部屋を自室とする人が使っていない時に使用する。
例)夫 52の書斎の机でミシンかけをする萎 47、勉強をする娘 210 (FA3)
②その部屋を自室としている人がいる時に訪問して使用する。
例)夫 52の部屋に行って、テレピを見たりおしゃべりをする妻 48、娘 220 (F
A 5)
①は「私室」であるが、時間によって他の人が個別に「私室 J的に使用する共用の
空間と言える。②は、 「私室」であるが、時に他の人が集まって来て「共用の空間 J
的な意味で使用する共用の変問とすることができる。
7
. 5、 6を踏まえて、個人空間の概念から住空間の方を考えると 、①ある型に決定
されているタイプと 、②固定化されたものではなく、状況によって変化しうるタイプ
のものがあると考えられる。
8.子世代が私室内にとる「座Jは、親世代よりも数が多く、セッティング行為を伴
うものが多い。逆に親世代は私室は寝室としての意味が強い。
9.全体的な傾向として貌佐代は共用の空間を中心として個人空間を展開する。その
際、共用の空間内の「場」は、 「座」をとり函む自分にとって意味あるモノによって
共用の空間全体に広がる傾向を持つ。子世代は 、自室を中心とした個人空間を展開す
る。自室に集中的に所有するモノがある。共用の空間ではテレビを見る「座Jなどを
第 6章個人空間に関するまとめと高齢者の住居への漣言
第 5章核家族の住まいにおける個人空間の形成に関する研究
何箇所かとる傾向が強いが、所有するモノはない。従って「場j は行為をする「座j
と行為に関わる環境で完結しその外への穏短的な広がりはない。
1O.核家族が住居内で形成する個人空間は高齢者の個人空間とは異なった特徴を持
っている。家族内でも子世代と親世代では異なる傾向が見られる。この 3者の速いは
現時点での 3つの世代の特徴で、時間の経過による変化として捉えることはできない。
第6
1
;
'
: 個人空間に│刻するまとめと知見に基づく高齢右の住府への提言
6 ・1 住居内に形成された伊i
人空間
この章では第 2章から第 5t
,
>
tまでで明らかとなった個人空間全てを概観し、属性による
特徴を示しながら全体のまとめを行う。
6 ・1 ・1
r
座 J .行為
・モノの関係から見た「場 Jの特徴
本論文では個人空間の核としての「場j の特徴を明らかにするために、 「
座 Jと行為、
行為に関わるモノとの関係から分析を行った。調査対象(一人暮らしの高齢者、高齢者夫
婦世帯、大学生の子供のいる核家族世帯)から得られた「座Jで行われる行為、行為とモ
ノの関わりの有無、 「座」の周囲のモノの様子等の関係を整理したものが表 6 ・lである 。
各項目の説明
日 f
D
E
J と行 為 の 関係
1
.f
座」で行われる行為の内容
「座」には、 ① ある特定の目的の行為のみが行われる「座」と②複数の行為が行われる「座Jとがある 。
非常に多くの行為が行われる
複数の行為が行われる「座Jには、一人暮らしの高齢者の「常座」の検に、 J
場合も見られる 。
2
.f
座Jと行為の対応の関係
複数の「座Jがある場合、ある「座Jで行われる行為が別の「座Jでも行われるというように、行為が複
数の「座」で重複している場合がある 。 この時、それらの 「
座 Jが一つの室空間にある場合と、複数の室に
わたっている場合とがある 。
ロf8
fJと モ ノ の 関 係
1
.f
D
E
Jの周閣にあるモノの繰子
① 「
座Jから手が届く範凶に「座」で行う行為に必要なモノが置かれたり、収納されている場合と、tI行
為に必要なモノは「座」の周囲にない場合がある 。
「座」の周聞にあっても、 「見えない」検に工夫されている場合がある 。
2
.f
座」でのセッテイング行為の有無
「座」で行う行為のために必要なモノを移動して取り寄せる ① 「セッテイング行為」が必要な場合と Z必
要ではない場合がある 。
「
座Jの周聞にモノが予め置かれたり、収納されているような場合にもセッティング行為が行われること
もある 。
3
.f
座jから見えるモノとの関係
ある目的が達せられたことが結果として見える行為とは異なるが、 ① f
1
AJから見て楽しむ、飾ってある
ことに意味のある核なモノがある 。 これらも「座」で形成される「場j を構成する要議である 。 また、モノ
の他に@住居の外の景色等に対して興味を持つことで外部環境が「場Jに組み入れられている場合もある 。
口モノと行為の 関係
L観察者によって推測される「座」
ー「モノ座」ー
植木や小動物の線に、見て楽しむだけではなく、その場所で世話をするなどの行為が観察者の側から推測
できるモノがある 。
2住居内にあるモノ
「座」での行為に直接関わるモノではないが、自分にとって大切なものが収納 されている場所や、大切な
写真などが飾られている場所には「場」としての意味があると見ることができる 。
-1
68-
一169-
第 6章個人空間に関するまとめと高齢者の住居への提言
表
6 ・1
r
座
」
6 ・1 ・2
・行為・モノの間に見られた関係性
研究では、 一人暮らしの高齢者 、高齢者の夫婦世 '
r
t
I、及び大学生の子供のいる核家族世
帯を対象として調査 ・分析を行った。その結果、対象者の属性によって、形成される「場J
や住居内での分布等に異なる傾向が見られた。それぞれの個人が住居内で形成している
「場」の状況の逃い(個々の特徴や数、分布の仕方)がそれぞれの個人空間を特徴づけて
いる、と言うことができる。そこで、個人空間の傾向の違いを明らかにするため、これら
の各属性の住居内で形成する「場J
の傾向を、先に示した表の視点からまとめたものが表
6 ・2である 。
調 査 中 に 見 ら れ た 「 座J .行為ーモノの関係性
「
座Jで行われる
行為の数
複数の行為が行われる
「
座J
単一の行為のみ行われる
「
座J
日常のほとんどすべての
行為が行われる「座 J
るも
あ合
が場
﹂る
座あ
﹃上
る以
すっ
い座
複 2
重が
て J
為す
それぞれの『座J で行われる行為は
重複しない. (r座』は目的別である. )
つ﹁
にる
行複)
る重る
あ(あ
異なる f座」で
の行為の震複の
有領
行為に際しての
モノの使用
道具などを使う
何も使わない
ない
『
座 J の周囲の
モノの状況の
類型
⑦
i
場」か ら見た各属性の個人 空 間の特徴
E
'd
ち
圏
(ス干-!-3:'" )
:
型〉
.
・ .:⑦図
~電.j......い 3
同じ
セッティング行為
l
代相、特志
の有無
l
令 レ
団
← fr函
庖
x内でセ
y テイ J
x舛へ移動 してセ y テイ
グ行為
J
グ符
a
"の.色 t
f
好曾
盛がきれい
東京中が見える
"に到の.色に U奥底主食拘ヲていない
居室の外部の
環境の取り込み
の有無
(例外の景色
を眺める、など)
姐木
a がめる
地
「
座 J の周囲に
思い入れのある
モノがあるか
どうか
室内に自分の
モノはほぼない
自室である場合は、部屋に
あるものには全てそれなり
の意味がある
特に「座」とされない場合の
「
座J となる
l 鏡台.仏壇‘神棚等.
ことが推測される l
対象(本人は、特 I
F ー弓
に「座Jとして意 I
-でーー
識していないが、 I
「
座Jであると考 ・
~
. -
.
'
(
,、
司
えられるモノ)
共用の室の場合にも自分の
モノを置き.意味ある空間
を形成する場合がある
育てている小動物や
値物など.
鑑賞するだけではなく 、世話を
したり、といった行為が、その
モノを対象に予測される犠な場
合
、 『モ/座」とした.
一171-
第 6章
表
6 ・ 1 ・3
6 ・ 2 各属性に見られた「場」を構成する要素の特徴
『座 j の 骨
布状混の特
娘 家 簸ー 妻
核 家!
!
<一 夫
高齢者夫婦世帯
拘置として憧周され
r
!
l
!Jはない宜企持つ
共同町空間と 寝室.自室 共用町空間と 寝室‘自宜的
也 軍 篠 田 他 町 班員町宣に
に「座」をとっている , f
共用的宣‘自宝.象臨の i~
目的のための目的廃が
酬が割合多い.
冊別の奪周の宜を持た
J食
共用の空附コ「座JI
卓司ソファなどにとられ
「康 J~とる .
共用目空間にとる
ていた.共用の宜で I
J、食
b自庭用する .床面で作鍵す
る「座Jもある .夫の掃な
J
れる.自室では組以外で I
ベッドに Eられるのが多い,
3
専用の机の r
!
i
JI
J見られ
I
t
語げたり、
!
I
転んだり. I
座ったりする .床面的利用
ない酬が多い.在〉ー人 た地.自分の専用の机を
にとられる得音色多い. 専 らしタイプの r
!
iJ 置いている冊も見られ
の備躍の人と③目的別
に r
!
iJをとるタイプ
積
た. その他。軍旗と共用
のコンビュー~ーで仕事
常盛J 告する樹 b見られた。 自
に大別できる .r
I
J必ずしも存在しな
室では有用の机である .
なかった.食
a田利用 U壷
い。 r
獄!i
Jがとられ
ていたの U共用何度慮
である .
ベ
y ドで'"を読む倒も多
由民員の室に
r
!
l
!JをEっ
r
!
iJは
‘ 車、ソファセットにとる。
dんだり.
「軍伎が集まる空間Jの他 また、床に座り i
の喝所(空ぃ τ
いる重など) 寝転ん だりするものも見ら
寝室としている和室で寝 臨町中で置も多い.他町軍
銭町宣で U机を利用したり
転んで新聞を Rんだり、
も見ら れる,他町人的宣で
I
Jぢl
町利用、ベッド(腫 i
益
ベ γ ドの慣用らあった,
け)町利用.
目的 ~IJ 町 r !i J がとられる
目的別町
、
・
‘.
日常のほとんどの仔為
が行わ札る
「
常
l
!
I
:Jと単一自的町
「座 Jで 行
目的座
①
f
常直j と目的廃
l
!
l
:Jをと
②目的別に r
るi
畢含{倒えば.食 g‘
亜臨 .
1
妥富 .テレビ)
単ー目的町 r
!
i
Jと橿
われる行為
(檀 散 か、
単 一目 的か)
散の行為が軒 われる
つの種績が
「座jの 2
ある .
:r
座j
基本的に目的別 1
f
監 jである傾向
がとられている.祖量的 冊向 U失と同栂であるが、
行為 i
f
存われる「匝j と 宜,債の食事をする「盛 Jで
I
J両目と閉じ . r
軍臨が集
まる空間」で I
J
.食事町r
!
i
J
単行為のための目的
題暗 や仕事任特う例も見ら
座.r
家躍が集 まる空間j れ、多目的な「臣Jとなる
と〈つろぐ「座 J• <つる
ぐ「盗 j でuテレビ、新主
の「座」で裡世田行為が
行われていることが多
誌が行われ
こともある.ただし「常在J頭ぃ〈つかの汗2
とは車 t
;
.るものである .単
、.
、
一目的の
r
.
.
JI
J軍g等の
r
.
.
Jに目立つ。
単一目的町 r
.
.
JI
J温具に
.
.
Jや自
対してとられる r
室で多い,
「座 J と 行
込 町 対 応関
閉じ行為のために橿誼 ① 閉じ行為のために複
の「盛」があること u 致問「車Jがあること
係
少ない ,
U少ない ②閉じ軒晶
f
!
l
.まる空間に、同 同じ行為のための別的 r
8
1
J同じ行為のための別の「座」
家臨 t
じ行為的たlfJの別町f
麗 j がある .家銭グ集まる空間 がある ,. ~度障が集まる空間
がとられる割合が多い.
~持うための別町[直j
や別町人的個室、その他住
居内町共用目空間導で.
と自室を中心に,別白人目
室にとられた倒 bある .
があることもある .
『座 j の 周
手町届〈位置にモノ
道具等に直揺関わ る
図 的 モ ノの
r
8
1
J町周聞にモノが少,.
f
座 j町周囲にめるそ
J一人事 らし白
ノの量 I
「
直 j町周囲にモノグ少
ない
f
軍睦 t
f
l
lまる 空
高齢者向渇含よりも少
なL。
、
問j内の r
a
J、ベ y ド 内町 r
.
.
J‘その他の共用
空間、ベッド、人的室内町
f
座 jにモノが集中
f
車
j
専用町lJlなど( r
軍障が
r
8
1
Jの傍にある宵為に対
lUる空間 jや自宝
.
.
J 自室で自由な
内向 r
省所にとる「座J (ベッド
「座Jの傍にある行為に
対応したモノ ベ y ドの
どの専用の革具
状況
(r
座 jの
周囲へのモ
ノ の集 中 度)
い
[
藍jの同盟にモノが少な
I
軍篠が集まる空間』 い 。 f
家臨 がI
Iまる空間j
応したモノ 'ベ
y ドの枕元
の上や床など)
f
直j にそノが集 中 乱 な
枕元
セ ッティン
セッァィング行.li1J殆
ど
干
干 bれない
ず行 ~t〆行
1
'
"などで痩睦
共用町 8
'"篠 "1臨まる空間で作業~
(l ど~汗う時を中心に
家臨が纂 ,.る空間で多
い. lIi聞を富んだ りする
見られる ,
とき .
閣を盟んだりするとき .
したり、 鍾昧を したり‘新
われる鎮度
住居内の
『座 j の
1
:
1
:
居間にある
『座 j の 量
その他
'
J
.
家篠が集まる空間で
軒
,
聞を盟んだりするとき 。 自
骨町田屋でも 積極的に行わ
れる内
Zヵ面程度
3ヵ所以下
5ヵ所以下
6ヵ所以下
7会所程度
2ヵ所以下
1合研程度
3ヵ所程度
3ヵ所在直
3,均所程度
f
常度J白方向性,(宰. 「常盛Jがある 唱会 と 軍伎が集まる空間 に自分
r
常 ない!I会. r
倉庫」を の軒 きなモノ を曲 ったり
入り口を向<>
な要素 (直慮、テレ
含めて「車J町回りに
モノが自につく 織に置
ピ
かれることu少ない a
車 j を 構成する奥~的
・)
して楽しむ 。
軍篠ゲ集まる空間に自分的
軒きなモノを曲ったりして
軍躍が 3
広まる空間等の共用
の部分に U自分的措ちモノ
楽しむ ."た. f
干為に恒周
ずる自分的所有柑が収嗣さ
等はほとんどない。自室が i
克翼している。
れたりしている場合が多い。
個人空間に関するまとめと高齢者の住居への提言
r
座 J とし て選択された環境の特徴
一住帰内での「座 Jの展開ー
核家族子世代
一 人暮 ら し 高齢 者
日常的殆どの行為 t
f
宵
われる r
l
:
l
:座 j とある
1、 2ヵ商'"る .目的
!
i
1
Jr
常直j と別町軍
第 6章
個 人 空 間 に 関 す る ま と め と 高齢 者の 住 居 へ の提 言
「座」としてどの様な物的環境を選択しているか、例えば、唱があるのか、ないのか、
椅子座か床座か等も「場Jを特徴づける要素である。分析の結果、兵なる世代間では「座 J
として選択する物的環境の傾向の差が明らかになった(資料編)。それぞれの世代が「座j
として選択した物的環境は、核家族で最も程類が多く、中でも子世代には自由に様々な対
象を「座」として選択する傾向が強い。逆に一人暮らしの高齢者の「座Jとなった物的環
境にバラエティは少なかった。
6 ・ 1 ・ 3 ・ 1 選択された環境
高齢者層と 、大学生の子供のいる核家族では、拠点家具*
1に異なる傾向が見られる。高
齢者層では座卓やこたつなど床座のものが多い。座卓やこたつは複数の人の「座Jが同
時にとられる可能性を持つ家具であるが、一人暮らしの人の「常座」として使用されてい
る。核家族の場合、床座の家具は少ない(ダイニングテーブル、ソファセットが中心であ
る)が、生活の中では、ソファを置いた隣に座ったり、じゅうたんの上に新聞を広げて読
むといった床座が見られる。高齢者!習の床座は拠点家具に由来し、核家族の床座は主に「床
面」という「形」に由来するものであると見るこ とができる。高齢者の床座志向は 一人暮
らしの「常座」で特に強い(全 25例中、赤羽台団地で 3例、根津地区に I例のみが椅子
座の「常座j であった)。夫婦世帯では 、ダイニングテープルが使用される場合もある。
ダイニングテ ープルに「常座」をとる人もいた (P A7 姿)。
拠点家具をその都度セットする「座Jは今回の調査では見られなかったが、クッション
や毛布をその場所に持ってくる例が核家族の大学生に見られた (FAlf22)。この点
に関しては、今回の調査とは別に行った専門学校の学生を対象とした自室の使い方に関す
るアンケー ト調査で 、多目的に使用する座卓に 必要に応じて製図台をセットしたり 、 くつ
ろぐときは「いつもの場所」にクッシヨンをセットするといった事例も見られている(表
6.3、資料編参照)
住居の中の「目的座」で道具を対象とした ものは、ミシン、 ピアノ 、エレクトーン等に
とられる。コンピューターが共用の空間に置かれたり、共用されている例が筏家族で見ら
れた。
拠点家具の他に「座」を取り得る対象として、ベッドがある。ベッドは、ある「高さ」
とJ
僚になることのできる大きな「面Jがあるため、様々な姿勢が可能である。その可能性
を積極的に活用しているのは、核家族世衛の子世代である。毅世代ではベッドに横になっ
て音楽を聴いたり、本を読む程度だが、子世代では、ベッドの上に座る、寝そべる、ベッ
ドに寄りかかつて床に座る、ベッドに腰掛ける等、様々な姿勢で行為を行っていた。ベッ
ド‘の活用の様な環境に対して比較的自由に「座」を取る傾向は特に学生の世代の特徴であ
る。この理由として 、生活のスタ イルについて様々な情報*2を取り入れる機会が多いこと
がーっと なっていることが考えられる。
今後、高齢化していく世代は、椅子 、テーブル、ソファを使いこなしてきた層であるこ
とを考慮する必要があろう。
第 6章個人空間に関するまとめと高齢者の住居への担言
世代聞に見られる「座」の展開の仕方の差は、住生活を含む生活全般に関わるそれぞれの時代に一般的で
あった習慣の性質の途いが産み出すものの反映である。ただし、高齢者の調査中、他の事例と比べて極めて
特徴的なモダンな生活スタイルを持っていた PA7の婦人などは、単に時代という視点では説明できない。
「戦争中も勤め先にケーキを淡いて行って、みんなでお茶をし」、戦争が終わって結婚したときは「美大の
友人連中に設計してもらった大きなリピングのあるとっても素敵な家に住んだ。」という婦人の言葉から、
自分が所属していた社会の中で得てきた情報が問時代の他の人と異なったことが今の生活のスタイルのもと
にな っていると考えられる。個人の個別の背景による 影響が非常に強いことも考慮するべきである 。
6 ・1 ・3 ・2 家具の配置 ・使用上の組み合わせ方の傾向
それぞれの世代には置かれる家具の種類や置き方にそれぞれ異なった傾向が見られ、時
には様式として捉えることができる程、一般的な形がある。(一人暮らしの高齢者の「常
座jや核家族の世帯の家族が集まる空間で良く見られたダイニングテープルとソファセッ
トの組み合わせ等。)しかし、住居の計画では、定式化された 、ある既成のスタイルの中
で「座」を取ることの他に、形式化された概念以外の「座」を誘導するという発想が必要
と思われる。例えば、戸外の景色や自分がベランダで育てている植物を 眺める という楽し
SA 11)の様な自由な
みのために、窓際に踏台を置いて腰掛ける一人暮らしの婦人 (
発想の「座」は個人空間を豊かにしていると思われる。居室内に行為に直接結び付く家具
を置かず、何かをするたびに家具、調度の類をしつらえるという生活様式の長かった日本
人は、家具と結び付いて思い浮かべることのできる日常の場面の数も種類もまだ少ないと
考えられる略。住居の計画の際にこの部分を補うという視点も必要であろう。
自的が限定された
家 具 に あ る 「 庫j
口図~
巴目
卓上はすっきり
車上にモノが卓上にそノが
d
ち
r~J の周囲には
何もない
帆
置かれている置かれている
乱維な畢じ 並んでいる畢じ
冊子
ソファ存
庫具べyド
布団の
利用
1
.
.
7面4 ,に 直Fヲ τ 量~,
3
18
16
吋
14
3
τ坦周 7
慣 に.晶
F
寄り..晶畠
奮闘に
建汐
r
.
J
'
<'(7 T
'
慣 巳., τ 艶~,
-揖リて
1
「座 Jの 周 囲 に は
モノが置かれている
d
ち
園
5
~
「壷Jの置くにそノが
収 制 されている
鑓汐園
置 がれ、担嗣 もされて
いる
守
J
lhl
例
る5
す
りノ吋ノ
aト'
セセ
度の
夢、
移﹄ン
都子
の椅
y﹂
ヨ
なシ
6 ・1 専 門学 校 の学生の自 室調査結果
に卓ツ
図
学 生 の 「 座 j の特 徴
キ1
)
車と直島町対では
ない「腹J
ロロ Eコ
目的軍且
ピアノ等
他座ク
この様な視座を持ったとき、家具は単なる道具ではなく 、 「
場j を形成していくための
「座」となる可能性を持つものとなる。 I
座j は、個人空間を形成する核として非常に重
要な要素である。よって、室内の家具配置は 、生活をする人が個人空間を形成していく上
でも重要である。
l
丈
車と塵具等との対的「車」
I
座」をとることのできる家具ー
本2
) 映画、テレビ、本、ニュース、雑誌、外国旅行など。そして、その中で見ることのできる生活を支える
物理的な状況 (
家具や道具、モノ等) は、彼等の両親の時代よりもはるかに欧米のスタイルに近し、。
*3
) 例えば、既に待子やテープルなどの拠点家具が生活に浸透して久しい西洋の例として次の線なものが
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ある 。一つは英国の労働者階級の例であるが、この階級ではリピングキッチンが家族生活と個人生活両方の
中心である。そこには、自分用のイス等があり、さまざまな自分自身の場所を持つ。(エドワー レル 7
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6)また
、 トロントの宮裕な地区の家庭では、一人前になった家族のためにその人の机やその類のものを
しつらえる、という(エドワード・レルフ 同前) 。
私たちが今日の様な形式の住居で暮らし、椅子座を基本とする家具の使用が一般に見られるようになって
から、まだ数十年 (
おそらくは 30年と少し)である。西洋式の家具が生活の中に入り込み出して百数十年
であり(西洋式の家具の日常生活への導入が明治維新と同時としてもである。)しかも、その後長い間、西
洋式の家具の生活は珍しいものであった。(当初は、役所や生まれたばかりの小学校で、政府の権威を象徴
する意味も込めて椅子、机が使われたという(小泉和子 1
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7
9
) 。生活の中で、これらの家具を 使いこなす
ほど時間はたっていないと 言うべきであろう 。
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参 考 一 人 暮 ら し 高 齢 者 の 「 座Jの特徴(第 2童善照)
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第 6章個人空間に関するまとめと高齢者の住居への提言
6 ・1・4
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場 Jの形成の視点から見たそれぞれの「座 Jの特徴
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6章個人空間に関するまとめと高齢者の住居への浸言
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座j として選択された環境の種煩とそれらの環境の① セッテイング行為の有無② 「
座J
の周囲へのモノの集中皮の傾向について属性ごとに図 6・ 2として整理した。
住まいの中では、生活者による能動的な環境への働きかけが行われ、 「場」が形成され
る。本論で着目してきた「場Jの形成に関する視点の内、モノとの関係の取り方にかかわ
る①セッテイング行為の有無②「座j の周囲へのモノの集中皮の 2点から、調査対象とし
たそれぞれの属性の「場Jの形成の仕方を比較すると次の様になる。
(1)一人暮らしの高齢者
常座」ではセッテイング行為を極力少なくしようとい
「常座 Jと「目的座j を持つ。
う傾向が強く、モノが「座」の周囲に集中するステーション化の傾向が強い。
目的座」
は、道具などに対して取られる「座j で周囲にモノは少ない。
(2)高齢者夫婦世帯(夫、妥)
「常座j と「目的座」で個人空間を形成するタイプ、 「目的座」のみで個人杢問を形成
するタイフーに大別できる。共に「座」の周囲へのそノの集中の度合は一人暮らしの高齢者
の場合よりも小さく、 「常座」もこの傾向は変わらない。趣味などを行うときにはセッテ
目的座」の内、初しなどの専用の「座」はモノが
イング行為も行われる場合が見られる。
集まり、セッテイング行為が行われることは少ない。また、
!Jの数は一人暮らしの高
齢者の住居内よりも多い。
(3) 核 家 族 世 帯 夫
「家族が集まる空間」内に最も多くの「座 j がとられている例が多く、食卓やソファに
とられたそれらの「座Jは家族が共用するものであるため、モノの集中の度合は低い。酒
なと‘の入った棚の傍に「座j がとられている例も 1例見られた。新聞を読んだりする場合
にセッテイング行為も行われる。自分専用の「座j にはモノが集中しているが、セッティ
ング行為も同時に行われている。
(4)核家族世帯一委
姿は、 「家族が集まる空間」で腿味や仕事、家事をするため、夫よりもセッテイング行
為頻度の高い「座Jが多い。今回の調査では、個人専用の家具として夫の様な机を持つ妾
はいなかった。簡単な食事も行われる台所のカウンターに付属と見られる棚に自分のもの
を収納し、書きものなどの「座」としている例が 1例あった。委には植物の世話をするな
どのモノ座が見られた。
5
.核 家 族 世 帯 子
「家族が集まる空間」にとる「座」でのセッテイング行為の度合は、父親と同程度であ
る。自室では、セッテイング行為が非常に多く行われる。子世代は床やベッドの上など好
きなところに「座j をとる傾向が強〈、 「
座j の数も多い。そのためそれらの「座j で行
う行為にはセッテイング行為が必要な場合が多い。机で勉強や作業を行う際にもセッテイ
ンク'行為が行われる場合がある。インテリア学科の l年生を対象とした別の調査(図 .6 ・
1)では、 49名中 23名が、こたつの様な座卓を使用していた。この場合、一人暮らし
の高齢者の様に普段から卓上や「座」の周囲にモノが置かれていることは少なく、 (従っ
てモノの集中度は低い)セッテイング行為の頻度が非常に高い結果となった。また、クッ
ションや毛布などをある場所に逮ぴ、本などを持って行って読 をするといった「座」の
例も見られた。
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高齢者の夫婦世帯は全部で 8世帯 11事例と少なかったため全ての分析を夫と妥を分け
ずに行った。しかし、核家族世帯の分析で、夫と妻では個人空間の形成のされ方に明らか
な傾向の違いが読み取られたことから、今後、高齢者夫婦世帯についてさらに調査対象数
を増やした上で夫婦個別の分析を行うことが必要と思われる。また、本研究の様な断面的
な調査によって各属性問の差異として認められたものが、ある世代の経時的な調査と 一致
する点があるのか、ないのかも興味のある点である。その場合の研究対象として、例えば、
子供が独立し夫婦だけの暮らしとなった直後と、それまでの生活、その後数年間の個人空
間等を調査対象とすることが考えられる。
こうした分析は、長く使われ続けることを考えた住宅の計画のためにも有用である 。
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第 6章個人空間に関するまとめと高齢者の住居への提言
6 ・ 1 ・ 5 世代、世帯形態別の個人空間の特徴
第 6章
世帯では家具の移動を伴う大きな変化が一人暮らしより多く、生活の質の維持、あるいは
向上を目指した積極的な個人空間の形成が行われやすいと見ることができる。
6 .1 .4までで得られた知見を次に総括して示す。
上一人暮らしの高齢者の個人空間i
の特徴
一人暮らしの高齢者の個人空間は、日常のほとんどの行為が行われる「座 J (本研究で
は「常座Jと呼んだ)に形成される「場」と、ーっか二つの目的座で、機成される。目的座
では、ある特定の行為が行われることが多く、 「常座 j で行われる行為の一部が行われる
様な「座 j である例は少なかった。
「常座j は一般に座卓もしくはこたつに取られ(従って基本的に床座である)、訪問者
の「座」も取られることが予測されている場合が多い。他者の来訪時には自身が「座」を
移動する場合も見られるが、基本的に接客は「常座Jの取られる拠点家具を中心とした場
所で行われる。 i
常座」には、たいていの場合テレビがあり、その向きは、関口部や入り
口かに向く志向が強い。たいていの場合、 「常座」の周囲には、箪笥の上や棚に飾り 、写
真や仏壇など生活者にとって意味のあるモノが配されている。 2
5の外の景色も生活者にと
って日常的な環境のーっとして取り入れられる場合があり、その微な場合「場」は住居の
外へ向かつて広がりを持つ。外部に対する意識の函でも同様で、外との交流があり、外に
対して開いている場合(例えば、友達が自由に出入りする、外部の様子を始終うかがって
常座 Jで
いる)と、固く閉じている場合(鍵をしめ、カーテンを引く)とが見られた。 i
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座j にいて動かずに日常の行為のためのモノを用意できる位置関係(ステーション
型)となる傾向が非常に強い。 2年後の調査では、 「常座j のステーションの傾向がさら
に強まる現象が殆どの例で見られた。
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.高齢者の夫婦世帯の個人空間の特徴
常
高齢者夫婦世干背に見られた個人空間は、①一人暮らしの高齢者の個人空間の様に、 日
座Jと目的座で構成されたものと、②食卓、自分専用の家具等にとった「目的座j から構
成されるものがある。
②の l例を除いて「常座」は夫婦の共用の拠点家具(座卓)に取られていた。しかし、
除かれた l例 (PA 7
) では、卓(食卓とソファ+ティーテープル)は別々だが同じ室内
にあり、二人でいる時は基本的に「常座 j で過ごしている。 i
常座」は夫婦が一緒に過ご
す「場j となっている。
í 目的座J だけを取るタイプでは、日常の行為はそれぞれの í~J
に分散されている。尚、 「目的座」の内、食事用の「座j はダイニングテーブルが使用さ
れていた。
夫婦世帯の「座」の周囲に、日常の生活行為に使用するものが自につく形で置かれるこ
とは少ない。 i
座Jから手の届くところに収納されていても、第三者の目に触れない工夫
や、整理される傾向が見られた。趣味や仕事などをするのにセッテイング行為を伴う場合
も見られ、 「座」の周囲へのモノの集中は一人暮らしの場合よりも少ない。
個人空間では、夫と姿は個別にいたり一緒にいたりする í~J を選択して生活してい
ることがインタピューから伺えた。(8件の事例のうち、 7例が個別にいる時間と場所、
一緒にいる時間と場所について言及した。)また 、 2年後のインタピューの結果から夫婦
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個人空間に関するまとめと高齢者の住居への浸言
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高齢者夫婦世帯で見られた個人空間の事例
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第 B章
第 6章個人空間に関するまとめと高齢者の住居への提言
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.核家族世帯で形成される個人笠間の特徴(子が大学生の家庭)
核家族における夫、妻、子が、住居内で形成する個人空間はそれぞれ異なる傾向を示す。
個人空間は、 3つの佐代共に、家族が集まる空間をはじめとした共用の空間と自室を中心
として形成される。その他、家族の他の成員の室に「座Jを取る場合も妥と子に見られた。
夫、妻の親世代と子世代では共用の空間に対する意識に大きな差異のあることが「場」
の形成の仕方からも読み取ることができる。調査対象とした核家族の成員の個人空間には
「常座j は見られず、 「目的座Jと「モノ座Jによって構成されていた。高齢者の内、特
に一人暮らしの場合にはある行為が複数の「座j で行われる例は少なかったが、核家族で
は異なる「座jの間での行為の重なりは珍しくない。特に、 「家族が集まる空間 jでは家
族の全ての成員について「テレピを見る、新聞を読む j等の行為に対して見られる現象で
ある 。 また、子世代においては、自室でも異なる「座Jで同様の行為が行われることが多
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、
。
国一1.夫の個人空間の特徴
共用の空間と、自室、寝室に「座」を取る。
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共用の空間では主として「家族が集まるさを問」に r
部分には書籍などの所有物を収納している例が見られた。
座」は、食卓、ソファ、安楽
椅子等の他、自分自身の l
吉
t用の机がある場合も 9名中 2名に見られた。専用の机がある場
合を除いて、行為に必要な自分の所有物が「家族が集まる空間 J内にある人は少ない。こ
の空間で、セッテイング行為を伴う様な行為は 、新聞を読む、酒を飲むといったもので、
いずれも共用の空間にある、ある程度家族の間に共用の認識のあるものを対象としたもの
である。ソファに寝そべってテレピを見たり、ソファで昼寝をするなど、自由な姿勢をと
る様子も見られる。これらの拠点家具にとる「座Jの他に、コンヒ.ユーターの様な道具を
対象とした「座j をとる例も 1例であるが見られた。この例では、コンピューターのそば
に必要な書籍類を予め置いていた。
「家族が集まる空間」に、行為に使用する自分の所有物はないが、旅行の土産やコレク
ションなど、自分にとって意味のあるモノが飾られたり収納されている場合は多い。
自室はいわゆる書斎として使用されているもので、専用の机がある。ただし、本棚とセ
ットになっていいることが多く、セッテイング行為も行われる。舎斎、もしくは専用机の
コーナーとして自分の専用の家具による「座」をもっ例は全体の半数であった。
寝室ではベッド‘に寝そべって本を読んだりするという「座」がある。その他、寝室とし
ている和室の床面に寝そべって新聞を読んだり、本を読んだりする例も見られた。
r
妻の個人空間の特徴
皿- 2.
共用の空間と自室、寝室、家族の他の人の室に「座Jをとる。
共用の空間では「家族の集まる空間」以外の室や空間にも「座」をとったり、自分のモ
ノを収納していたりする。
家族が集まる空間」では、食卓、ソファ、安楽椅子等に「座」
を取っている。食卓に取られた「座 Jは、個人的な趣味や仕事などの行為の「場j となる
ことが多い。この場合、たいていセッテイング行為も行われる。このとき食卓の「座」は
食事の時とは違う位置に別に取られていることもある。ソファセットの「座 Jでも 、テレ
ピや新聞を読んだり、趣味などを行う 。従って、セッテ ィング行為は夫の場合と違って、
家族の間に共用のモノであるという認識のあるモノの他、自分の所有物に対しても行われ、
かっこれらのモノはこの空間にある場合も多い。ただし、ステーション化した例は見られ
ない。妥は、共用の空間内の床面などの広いところで家事などの作業を行うことがある。
家事などの行為は「家族が集まる空間」以外の共用の空間等でも行われる。
「家族が集まる空間」には、夫と同様に自分自身が、大切にする写真や飾り時として自
分自身の作品などがある。
寝室のベッドの中で本を読んだり、音楽を聴くという人も割合多い。セッテイング行為
が必要な場合も見られる。専用の部屋を持つ人は 2名であったが、モノや道具を対象とし
た「座」が主で、 5
3
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斎の机の様な「座Jは見られなかった。
他の人の室に自分の「座j をとることが家族の他の成員よりも多かった。この時、その
室での「座j の傍にモノを収納している例も見られた。
その他、共用の空間で植物を育てていたり(モノ座)する様子も見られ、妻の個人杢間
は、共用の空間を中心に家族の私室も含めて自由に展開される傾向がある。
I
D- 3.子世代の個人空間の特徴
子世代は共用の空間の内、主として「家族が集まる空間 j 、自室、及び家族の他の成員
の室に「座Jを取っていた。
家族が集まる空間 Jで「座」がとられたのは食卓、ソファ、
安楽精子、床面等である。また、ピアノ、コンピューターなどの道具に対してとられた「座」
もあった。この空間内でのセッテイング行為は、 「新聞を読む、お茶を飲む Jといった種
類のものを除いてはあまり行われない場合が多い(居間でレポートを書いたり、勉強をす
るという例は 15例中 3例である)。従って行為に関わる自分の所有するモノが「家族が
集まる空間 j にあることは少ない。また、両親の様に「家族が集まる空間」内に自分の気
家族が集まる空間 Jで子世代が形成してい
に入った飾りなどが置かれることも少ない。
る「場」は、それぞれの行為に関わるモノや人との関わりを中心とした「場」で両親の様
な空間全体への広がりがなく、安定性も小さいのではないかと考えられる。
自室は 、全て自分のモノで構成され、全体が「場」に関わるものとして認知される。そ
の中に、キ凡やベッドにいくつかの「座」をとる。
座」ではセッティング行為がよく行わ
れる。ベッドに寝たり、座ったり 、腰掛けたり、床に座ったり、という械に多様な「座」
のとり方をしている。セッテイング行為の出現の割合が高い理由のーっと考えられる。
他の人の室にとった「座j は 2例でいずれも父親の自室であった。一つは 、落ち着いた
へゃなので「勉強」をし、もう一つは衛生テレビがあるので見る、ための「座j であった。
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6 ・5に示す様な形になる。個人空間とは、 「生活
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の中で個人が個別に体験し、認知している環境 J (
第 l章)である。従って、個人空間は
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Jとは性質を異にするものである。図中で示したように個人空間は、
物理的に限定さ れた空 I
「座」やモ ノを中心に形成される「場」によって質の異なる部分で構成されている。
分析から明らかになった例人空間の特徴を 以下に示す。
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宣明主訪日口
6章個人空間に関するまとめと高齢者の住居への提言
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L 個人 空 間は、世代 や世帯形態によ って異 なった 特徴 を持 つ
。
2
_個人空間は時間の 経過 に よって変 化する 。
例 :一人暮らしの高齢者の個人空間では、日常生活の「座j はステーシヨン化し、領域
的な広がり は維持される傾向が見られる。領銭的な 広がりは、組物の栽培などモノ座が示
す生活習慣の維持によって保たれる。
同居者の存在が個人 空 間の質の維持 を補償する場合がある 。
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_個人空間の形成には同 居 者 で はない他者(訪問者)の存在も影響する 。
例 :一人暮ら しの高齢者の個人空間の経年変化の調査では住居に人が訪れ
、 室内に入る
程度が「座」の様子に影特を与えている こと がわかった。
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個人杢聞の形成には、生活者の現在ある 状況(家族の有無、在宅時間 、趣味、訪問者の
数や内容 、健康状態など)が深く関わってい る。
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図
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住居内部の家具配置
6 ・ 5 核家族の住居内に見られた個人空間の事例
1
8
7-
1
第 6章個人空間に関するまとめと高齢者の住居への提言
6 ・2
v
r
場 j の概念による高齢者のための住民への徒 J
研究を通して得られた知見をもとに「場」の概念から高齢者ーの住居について提言を行
座
つ
。
司 入り口
6・2 ・1 概論
個人空間の特徴は、調査を行った被験者の属性によって異なっていた。大学生の子がい
る世代の核家族の個人空間は一般に「目的座」で構成され、高齢者夫婦世帯には、 「目的
卓
口
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「座 JZ0を中 心と した 「場」
個 人 空 間 =BO+Bn+}
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例え (
i、 大 切 な モ ノ の 入 っ て い る 箪 笥 。
例え (
i、 大 事 に 手 握 に か け て い る 盆 慈 。
線 の内側は占有空間 で
自分が所有しているとい う意味では住戸の輪車E
あ る。(ただ し、 この こ とは、複数の人が居住してい る住空間 の渇合
には必ずしもあてはま らない 。)し力、し 、住戸内は 、均質 で は主い 。
良 く使 う場所 、モノ の集合として個人空間がある 。
図
6 ・6 個 人空 間 の概念図
座 j で構成された倒人空間と「常;~J と「目的座」で構成された個人空間とが見られた 。
場
一人暮らしの高齢者の個人空間には、必ず「常座jが取られ、 「目的座」の数は調査対象
とした属性の中で最も少ない。今回調査を行った核家族と高齢者世帯では世代が異なるた
め、同ーの時間軸の中の変化として捉えることは危険であるが、高齢者の個人空間に関す
る経年変化の考察と合わせて 、以下に示すような個人空間が時間の経過と共に変化する仕
方のおおよその方向性を知ることができる。
高齢者の個人空間の変化は漸次的なものではなく、段階的なものであること。変化は、
夫婦世帯から一人暮らしへの変化、または病を得ることを大きな契機としていることが予
測されること。住居の中に取られる「座」の数は 、当初から少ないのではなくて、減少し
ていくこと。
よって 、調査の対象とした高齢者は対人関係や自らの体力等を含めた環境の中でそれぞ
れの段階の個人空間を形成していたと考えることができる 。従って、分析として住居内の
「
座Jの数を平均し 一般像を描いたが、新たな住居を計画する際にこの一般像を始めから
あてはめることは当然できない。即ち、 一人暮らしであっても、 一人暮らしになった直後
の SN lの92
年の調査例が示すように、夫が存命中の時の生活が保存されている場合もあ
る。その生活が、どの程度続くのかは個々人の環境の変化の仕方によるものと思われる。
従っ て
、 住居の計画には居住者にとって安定 した個人空間となるように変化できる余地
をもたせることが必要であろう。本研究で得られた知見をもとに考えると、高齢者の住居
では 、少なくても今回の調査で得られた夫婦世帯の住居内の平均的な「座」の数の 3より
も多い「座Jが取れる可能性を持つことが必要である。この場合、道具などに取る「目的
座」ではなく 、卓や安楽椅子毒事に取る「座」を想定するべきである。また 、安定した「常
座Jを形成できる環境であることが望ましい。これらを満足させるためには、広さ等の規
模的な視点に加えて 、 「
座Jを取ることを考えた室のプロポーションやコーナ一等の仕掛
を考える ことが必要である。
例えば、細長い形態の住居では、間口の狭さが「常座j を取る際に向き等に関する規制
となる可能性が大きい。
常座」には 、 「座」の向きや客の位置に多くの人の志向に 一致
した傾向(第 2章
、 「常座Jのスタイル参照)と「常座」のステーション化(第 2章
、 3
章)が見られたが、これらを満たし「常座」で行う様々な行為を行いやすい「座 Jを取れ
る空間であるには大きさとプロポーショ ンのバランスの取れた空間が必要である。「常座」
の構造の様な r~J にいる 人 と環境との関わりの特徴を含むまとまりに、 「
座j で行う行
為の動作特性を同時に考えあわせることで単位空間とは異なる空間のまとまりを得ること
r
一189ー
第 6章個人空間に関するまとめと高齢者の住居への提言
第 6章個人空間に関するまとめと高齢者の住居への提言
ができると思われる。動作特性の分析を含めた「場Jに関する知見の蓄積は、 「場」の概
念からの住居の計画に必要であり、今後の課題である。
また、例にあげた様な細長い住居の様に、住居の形態によって「座Jの取り方が規制さ
れることによって、住居内で取る「座」の数が少なくなってしまうことも考えられる。高
齢者の夫婦世帯で複数の「目的座」を取ることが難しいと 、お互いが一緒にいたり、別々
にいることの選択に関する自由度( 空間のやりくり」第 4章 4・ 1.3
) が小さくなる
ことが予測され、望ましいことではない。多くの「座Jを取れる可能性を持つことは一人
暮らしの高齢者の住居にも必要である。 3つ以上の「目的座」を取ったり 、同じことをす
る複数の「座Jを取る一人暮らしの高齢者は全体の 3割に満たなかった。しかし、 3つ以
上の「座j を取っていた人には、友人を積極的に家に招いたり、様々な行為を積極的に行
うといった共通した生活のスタイルが見られたが、逆に、日常生活を活性化するきっかけ
を住居の側から提示する意味で、一人暮らしのための住居内に「座」が複数 (3つ以上)
取れる様に計画することは重要である。
以上を踏まえて、一人暮らし、夫婦世帯別の提言を次に行う。
r
6 ・ 2 ・ 2 一 人暮らしの高齢者のための住居への提言
一人暮らしの高齢者の個人空間には必ず 「常座」が取られていた。住居内に r~J が、
r
複数ある場合、居間に「常座Jを含めた 2つの「座j が取られる傾向が強い。
常座」に
は、事務机の様に方向性のある、単独で使用する様な家具ではなく、方向性のない、複数
の人が同時に .
i
i
l
iJをとることができる家具(不調査では座卓がほとんど)が選択されて
いた。逆に、居間にとられた「常座j 以外の「座」では方向性がある家具の場合が多い。
「常座Jの周囲には、ほとんどの場合、手を伸ばせば届く範囲に日常の生活行為に使うモ
ノがあり、モノの用意に移動は必要ない(ステーション)。ステーション化は経年変化に
よって、その度合が増す傾向が全体的な傾向として見られた。また、 「常座」は、視線が
外部へ通りやすい位置に取られる場合が多い。以上の様な、分析の結果得られた「常座」
の構造は、 一人暮らしの高齢者が日常生活を送る上で、安定した形態とすることができる。
安定した「常座j を形成できることは、高齢者が順応しやすい環境の条件のーっとなるの
ではないだろうか。
ステーション化をサポートするために、単に、しまったり、飾ったりするための収納で
はなく、行為に必要なモノがたやすく取り出せること等を考慮して、次の様な工夫が考え
られる。
r
①「常座 j は座卓に取られることが多いが、座卓が置かれでも 収納のための家具を収めら
れるような空間のプロポーションが必要である。
②予め、 「座」となる位置を想定して、行為に使うモノを置いたり、収納することができ
る作り付けの家具を備え付けることも考えられる。
ステーション化に対するサポートによって、安定した「常座j を取れる環境を提供する
他に、無秩序なモノの堆積と見られてしまう様な形でのステーション化を抑えることもで
きるのではないか。このことは、人を家に招き入れる習慣がある人の「常座j には、ステ
-190-
ーシヨン化していることを隠すような工夫があり、友人はいるが家には呼ばない、という
人にはその配慮が見られなかったという調査結果と合わせて、人を招き入れられる状況を
作りやすい環境を提供することにもなろう。
また、 「常座j のあるさを間と就寝空間の一致、不一致は調査対象者でほぼ半数づつであ
った。即ち、居室として少なくとも 2室は用意されるべきである。
「常座」を中心とした生活と「常座」のステーション化は、 一見、個人空間の縮小傾向
とつなげて考えられやすいが、生活習慣に密着した「モノ座Jは、調査の結果から(第 3
章) r 目的~J よりも習慣性が強いと予測された。( モノ座 Jは実際に生活行為を行う
「
座Jではなく、見ることと同時に世話などをして働きかけることで成り立つ「座Jで 2
年後の調査でも、維持される傾向が強く見られた。)従って、 「モノ座j を積極的に取る
ことのできる空間であることも大切な条件のーっとしてあげることができる。何らかの都
合で、住居を移動しなくてはならない場合にも、習慣の持続の意味も含めて「モノ座j を
展開できるゆとりが必要である。この「ゆとり Jは、モノを置ける棚や、窓、台などの小さ
な工夫によっても笑現できるものと考えられる。モノ座が展開できる住居であるか、ない
かは、生活の質の維持にもつながる問題である。
経年調査の結果から、高齢者の個人空間では、生活者が自ら自分の状態に併せて「座」
を増減させるなどした結果としての変化が見られた。生活者はその能力に併せて、状況に
応じた改変を加え続けていたのである。
例1
) 座」のステーション化のためにモノや家具を集める。
例 2)寝転がれるような「座」を新たに形成。電話もそばに置いて、便利にする。
例 3)背骨が曲がってしまって座卓があわなくなったので、卓の天板の下にマットレスを
入れて高さをあわせる。
高齢者にとって時間の経過は体力の変化、対人環境の変化を生じさせる大きな要素であ
る (3章参照)。また、若い世代に比べてその変化は大きいと予測できる。よって、一人
暮らしの高齢者が一人暮らしを続けるためには、予め、様々な変化に対応することのでき
る住居であることも重要で、生活者自身が手を加えることで容易に解決できるシステムや、
道具も必要である。
常
.
i
i
l
iJの位置を移動した
例えば、新たに「ステーション型」の「常座j を作ったり、 「
りすることが容易なシステム家具も考えられる。また、例 3の微に、現状に何か手を加え
ることで長年続けてきた一人暮らしの生活を変わりなく維持できる工夫はさらに重要であ
る
。
大がかりな手を加える必要がなく、しかも生活者の意思で個人空間が充実できるべきで
ある。
r
r
以上は「常座」を中心とした一人暮らしの高齢者の個人空間の現状を踏まえての提言で
ある。しかし、これからの一人暮らしの高齢者のための住居は、本調査で見られた一人暮
らしの高齢者の平均的な個人空間の展開ではなく、複数の「目的座j を取ったり、積極的
にセッティング行為を取り入れた個人空間が展開されることをイメージして計画すること
を本論では提案したい。調査では 25例中 7例が 3ヵ所以上の「座Jを取っていた。この
7人の例治、ら 3ヵ所以上の「座j を取ることの意味について、次の様な予測できる。
-191-
第
第 6章
6章個人空間に関するまとめと高齢者の住居への提言
個人空間に関するまとめと高齢者の住居への提言
(
1
)I
座jの使い分けを行う(例えば、<仕事、趣味、 「常座 J>(SA2)) ことがで
きる 。
高齢者の「常座j はステーション化することが多いが、 「常座Jに集まるモノの量を減
らすことができる 。また、行為によって「座」が異なることで生活の中での場面の転換が
はっきりする 。 これは、家にいる時間の長い高齢者には、重要ではないか。
(
2
)同じことをするもう 一つの「座Jを取りやすい。
自分の状態や、来客等の状況による場所の使い分ができる。例えば、 SA 10は
、 94
年の調査時には「常座Jを 2ヵ所、 「目的座」を 3ヵ所取っていた。家にいるときはたい
てい 2つの「常座Jを行き来している。テレビを見たり、接客をしたりしながら両方を移
動することもある。 3つの「目的座」は、一つは植木を眺める小椅子、一つは「常座 j の
ある側に日の当たる時間は横なりながら本などを読むベッド、もう 一つは友達が来たとき
移ることもあるという「座Jである。 I
常座J同士、 「常座」とベッドがもう一つの「座」
の関係になるが、自分の気分や状態に合わせて「座」を選んだり、客の都合で「座j を変
えたりすることで、多様な「場jが形成されている。
(
3
)セッティング行為はモノや生活の秩序を整然と保つという意味での効果も大きい。
SN 13は「常座」で行う行為に全てセッティング行為を伴わせることでモノの秩序を
整然と保ち、また自分自身の運動量を増やしているという。 SA 11は、接客以外は「常
J
A
Jで全てを行っているが、就寝や来客時には道具類をまとめて片付けている。こうした、
セッテイング行為がしやすい収納家具を工夫することも必要である。
以上の様に住居内に 3ヵ所以上の「座j を取ったり、セッテイング行為が日常的に行わ
れる例は少ない。しかし、 6 ・2 .1で述べたように、家族の形態の変化に伴って「座J
の数は次第に減少する傾向があるが、生活の質の維持のためにも「座」の数の減少をとど
めることも必要であろう。また、ここで例とした現時点では少数派の型の個人空間を持つ
人々が余儀なく住居を移る場合もあることも住居を計画する際に;忘れてはならない。
6 .2 ・3 高齢者夫婦世干背のための住居への提言
高齢者の夫婦世帯での調査・分析で得られた住居内での「場」の形成の状況から、互い
が干渉されずに同時に居られる可能性を求めていると考えられる。
例 1)居間で妻とテレビを見る「座」の他に、自分専用の趣味のための「座 j を持つ。 (P
A 8)
例 2) 妻は食卓で、夫は居間で別々にテレピを見る。 (PA 6)
例 3) 二人とも居間の「常座Jでそれぞれ仕事や趣味を持ちょったり 、二人でテレピを見
るなどして時間を過ごす。別々に自室もあり、時々夫はそこで仕事をし、委は聖書は自室
で読む。 (PA 7)
例 4) 極端な例とも言えるが、 PAlの夫婦は lDKの住居の共用の座卓に「常座」を
それぞれが持つ。住居内での日常はテレピを見ることがほとんどである。従って「座j が
「常座」のみでも生活する上では問題はないのだが、夫は時々一人になりたがり、台所の
板敷きの上にシーツを敷いて寝てしまうことがあるという。調査をした事例のうち lDK
タイプの住居では前述の様なやりくりがしにくいと見ることもできる。
例 5) 食事の「座」、テレビを見る「座J、趣味と仕事の 「
座
」 、接客の「座
」 を、それ
ぞれ別にとる人もいる。 (pA 5)
例 5の様に「目的座」で個人空間を形成するタイプの人もいるということも考慮してお
かなくてはならない。ただし、例 5は同 一室内に 2つの「座」を取っている 。 I
目的座」
で個人空間を形成し、 I
J
A
Jの数が全体として多くなることは、室数の多さと直接結びつ
くものではない。
以上から、夫婦世帯では一緒にいられる「座j が必要であるが、同時に二人が別々で好
きなことをする「座」も必要と恩われる。家族が集まって、色々なことができる大きなテ
ープルなどが提案されることもあるが、主に一日のある時間帯に住居にいる家族 (
例えば、
本研究で調査対象とした世代の核家族)と基本的に自宅での生活が中心となる高齢者世帯
の生活スタイルは異なっている。ある世代の家族には集合が必要であるが、高齢者の世帯
では、分離の可能性を含むことが必要なのである。
互いが干渉されずに、同時に居られる空間の提案として、本研究では、夫婦が互いに複
数の「座」を持てることをあげたい。
夫婦世帝では、居間で夫婦が共用する家具にとられる「座J、自分一人で何かをしたい
時などに取ることのできる「座」が基本的に必要と考える。後者の「座」は、その人の専
用の家具に対するものでも、夫婦共用の家具に対するものでも良い。専用性の高い「座J
は、必須ではないが、望まれるところであることが胃司査の結果からも考えられる。専用性
の高い「座」の演出は、専用の拠点家具によらず、行為に必要なモノの専用の収納場所を
確保することでも果たせるものと考える。さらに、ステーションを形成することが可能な
らば専用感は高まるものと思われる。よって、 「
場 jの形成を考慮に入れた収納の位置、
高さ、配置を考慮することが必要である。
即ち、少なくとも、別々の卓を伴う拠点家具(もしくは、 「座」を取れる広さの面)に
よる 2ヵ所の「座」を確保できることが望ましい。拠点家具は卓などの菌を伴うことが必
要である。この場合 、ある単一 目的にしぼられた道具家具に取られる「目的座Jは含まな
い。この際、さらに以下の 2
点に注意すべきである。
①一人が複数の「座j をとる場合、夫婦世帯では(複数の「座」をとっている人の) I
座
」
が居間に複数ある傾向は少なかったこと。
①一人暮らしの高齢者世帯では準世帯を除く全てが、食事行為も「常座」で行われていた
のに対して、夫婦世帯の分析対象とした赤羽台団地の例では、食事行為が「常座」ゃ、夫
婦が過ごす居間の「座Jとは分離される場合が数例見られた。このことから、食事行為の
分離は夫婦世帯では有り得る生活のスタイルであることを考慮する必要がある。
6 ・2 ・3
その他
「場」の概念による住居の計画の方針は 、基本的には居住者が「場Jを形成することを
サポートすることである。ここまでで述べてきたことの繰り返しとなるが、そのために、
①「座」をとることのできる環境を提供する。
②行為に際しての「座Jーモノの関係の様々なとりかたを考えた収納の場所や高さ、仕組
を考慮する。
一193ー
第 6章個人空間に関するまとめと高齢者の住居への提言
そのとき、その住居で生活する人が形成する個人空間]の特徴を把握しておくことが必要
である。特に、高齢者の居住施設の様な場合には、ある典型的な型の「場」の形成を誘発
するような環境を予め用意しておくことも考えられる。特に、体力的な衰えの目立つ人を
対象とした施設の場合には、調査等により明らかになった「座」ゃ「場」の様式をそのま
ま当てはめた空間を提供することも有り得るのではないだろうか。
場」を形成するための「座Jが必要
生活は、空間を与えられただけでは成立しない。
である。新たに環境の中に「座Jを見い出して「場Jを形成することも困難な弱者に対し
ては調査から得られた高齢者の「場j に関する知見に基づいて強力にサポートすることも
重要である 。ただし、そのためには今後さらに調査 ・分析を重ね、高齢者のさまざまな状
態に基づく(世帯形態、健康状況、痴呆の有無など)段階的な典型を摘出する作業が必要
であると考える。
r
おわりに
おわりに
「
場Jの概念は、第 6i
'
;
i
で示 した機に、住居 を計画する際の祝点となりうるものである 。
この概念から出てくる住居の計画は、個人空間を形成するための安定した「座」となる 可
能性を持つ環境を提供することである。
座」は、何かを行うためにそこにとどまってい
られる、という条件に加えて、 「場」が無理なく形成できる周囲の環境条件が必要である 。
従って 、内部の環境の意味が主要となる。内部の環境のデザインは、機式や美観、また物
品の効率の良い収納、などに終始するのではなく、生活者の「場jの形成をサポートする
ための環境形成を中心とすべきなのである。(
本1)
異なる視点による「場」の仕組やステ ーションの型などの研究から、いくつかの知見が
得られたが、さらに株々な属性の人々の、様々な住まい方、状況の下での「場j の収集と
分析は今後の課題の一つである 。空間の把爆の仕方に関する研究には、箱庭の表現による
読み取りを試みた研究があるが、これらは人為的な、ある状況設定の下で作られた模擬的
な空間の「表現Jの読み取りである。
場」の概念では笑際の生活の観察を通して個人に
とって意味を持つ空間を読み込むことができ 、実際の杢問の計画の他にも、子供のための
住環境教育等 、さらに積極的な応用ができるのではないか。
今後の具体的な調査対象としては、高齢者で痴呆のある人の個人空間、自閉症児童の個
人空間の調査を考えている 。 これらの調査 ・分析の結果から居住施設の計画や、日常の生
活行動をサポートするための何らかの示唆を与えられるものが得られないかと考えている。
r
r
人自身が空間を形成す るためには、単に機能的な美しい空間を作る のではなく、空間が持つ人の居方の
可能性に対して繊細な感覚を必要とする 。いわば、 7フ万一ダンス (
G
i
b
s
o
n1
9
7
9)の概念の具体化であり、
U
Jをデザインする者には、バーソ ナルスペースや規模に関する豊かな経験が重要となる 。テ
・ザイナーには
空I
同時に、 「
座j となり得る物理的な環境をどの綴に杢聞に配置して「伺人空間 j を誘導するかとい った知識、
インテ リアデザインにおける 「
場j に対する配慮が要求される 。
判
また 、 「場」の概念は人が自ら環境を形成するということに関する空間の トレーニング
1
1
mだけではなく、実際
の可能性と意味を示唆するものである。空間を提供するデザイナ に住居に住み 、個人'4:I
IfJを形成する生活者の側にも意味のある概念である。例えば、家庭
科などで扱う住居は、機能的 、快適で清潔な環境をどう作るかに主眼が置かれている。こ
れらに加えて 、住生活での視座として「場」の概念を学習し 、 「
場j を形成するという点
から住居を考える訓練をすることは、豊かな住生活のために大切なことではないだろうか。
個人空間は生活者が形成するものである。形成された様々な個人空間を記述し蓄積するこ
とは、空間のデザイナーと生活者双方に多くの示唆を与えるだろう。
-1
94
1
9
5ー
主要参考文献リスト
参考文献
主要参考文献リスト
さ
あ
青木正夫 1
9
8
5 明治以降の住株式の変化・発展に関する一考察 住宅建築研究所報 1
2
青木他 1
9
8
7 居間に関する住文化拾的革察 建築学会大会梗概集
*孝光 1
9
8
3 居間は公図だ私の都市住居学丸普
市橋秀夫 1
9
8
4 ~聞の病い 分裂病のエソロジ} 海~(ltJ:
石毛直道 1
9
7
1 住空間の人類学鹿島出版会
石毛直道 1
9
9
1 食卓文化論 国立民族学博物館研究報告別冊 1
6
号
伊藤・佐伯編 1
9
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8 認識し行動する脳脳科学と認、知科学東京大学出版会(伊藤正男 第 l章 脳 科
学 か ら の 接 近 佐 伯 第 2章 認 知 科 学 か ら の 接 近 春 木 叢 行 動 の 心 理 学 的 基 礎 )
石渡日佐夫 1
9
7
3 集合住宅における生活行為と家具機器について 建築学会大会梗概集
灯f
E
DWORLDSANDSELF G
r
o叩 L
il
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n
dI
n
d
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u
a
l Consciousness (阿部ー訳
T
u
a
n
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i・
F
u1
9
8
2 SEGME
1
9
9
3 個 人 空 間 の 誕 生 食 卓 家 屋 ー劇場 ー世 界 せ り か 筈 房 )
上野千総子 1
9
9
4 近代家族の成立と終駕岩波書庖
告三他 1
9
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1 中間的生活行為の行為形態と行為場所
北海道の戸建て住宅における中間的生活行為
宇野 i
と中空間に関する研究(1)一 日本建築学会計画系論文報告集第420
号
江上徹 1
9
9
2 多目的空間としての居間の計画に関する研究住宅総合研究財団
岡崎甚幸他 1
9
9
2 居住空間構成法と分裂病者 日本建築学会計画系論文報告集 第436号
ーその lー調査
大原一興他 1
9
9
1 都市木造住宅密集地区におけるひとりぐらし高齢者の生活行為と住空間I
概要社会的交流から見た生活スタイル 建築学会大会梗概集
大原一興 1
9
8
9 高齢者の生活拠点移動に関する建築計画的研究 学位論文
血o
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p
o
p
o
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9
9
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A
大原一興 1
9
9
2 高齢者の生活拠点移動における問題 すまいろん 23巻夏号
佐伯
1
9
8
6 認知科学の方法米京大学出版会
佐伯、佐々木 1
9
9
0 アクテイプマインド東京大学出版会
坂戸省三
1
9
8
7 男女それぞれにおける空間性の発達過程 ライフサイクルと空間のイメージ情成に関す
る 研 究 第 2報 日本建築学会計画系論文報告集3
7
7号
佐々木ときは他 1
9
8
0 集合住宅における居室の使用 家抜人数と行為 建築学会大会艇慨集
佐々木正人 1
9
8
7 からだ:認識の原占 東京大学出版会
S
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9
8
4 MINDS.BRAINS.AND.SCIENCE (土屋俊訳 1
9
9
3 心 j
脳 ー 科 学 岩 波 書 庖)
沢田知子 1
9
9
1 高齢者の快適居住空間について アーバンスタディ創刊号都市研究センター
沢田知子 1
9
9
3 現代住宅における起居線式の変容過程に関する研究 学位諭文
t
量谷寿翁他 1
9
9
0 都市部の住居における家族生活の場の構成とその佼われかたにあらわれた連続性と変化
の東西比較
関西地域および関東地域の少数事例における笑証建築学会大会便概集7
主孟谷寿翁他 1
9
9
1 現代住居の家族生活にあらわれた行動の型 一関西地域における都市部の住居の典型事
例の場合 その l 方法の構築に向けて;試諸の展開 建築学会大会使概集
塩谷寿翁 1
9
9
2 写兵資料にあらわれた住居における行動のしかたの型 住機式の現代性と伝統制j
に関する
実証的研究建築学会大会梗概 !
.
I
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;
鈴木成文 1
9
7
1 集 合 住 宅 住 戸 吉 武 泰 水 編 建 築 計 画 学 6 丸善株式会社
鈴木成文他 1
9
7
5 建築計画実教出版
鈴木成文 1
9
8
8 鈴木成文住居論集住まいの計画住まいの文化彰国社
f
cと変容 計画の対場からの日本住居現代史
鈴木成文 1
9
8
9 住文化の持t
鈴木成文他 1
9
8
4 i
いえ」と「まち J 鹿島出版会
外林大作他編 1
9
8
1 誠信心理学辞典誠信書房
た
高橋公子 1
9
9
1 高齢者と都市居住 アーパンスタディ創刊号都市研究センター
高橋鷹志 1
9
9
2 高齢者と場依存 すまいろん 23巻夏号
高機博久 1
9
7
3 住宅の収納空 1
mにl
則する考察
(その 1- i
もの j の流れと収納位置) 建築学会大会主E
慨集
竹下輝和 益田信也 1
9
9
2 個室成立以後の家族コミュニテイに I
期する実証的研究住宅総合研究財団
竹田青銅 1
9
8
9 現象学入門 :¥HK出版協会
多国道太郎 1
9
7
8 身辺の学 (日本生活学会編著 1
9
7
8 住生活と地域社会一生活学論集 2 ドメス出版)
巽和夫編 1
9
8
6 現代ハウジング論学芸出版社
巽和夫他 1
9
8
7 住宅を計画する 住環境の計画 2 彰国社
戸沼幸一 1
9
8
7 人間尺度論彰国社
外山知徳 1
9
8
5 住まいの家族学丸普
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外山義 1
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か
片岡正喜他 1
9
9
1 高齢期における住生活拠点に関する研究その 1-その 4 建築学会大会梗概集
L
、書房 4~30
河合隼雄編 1
9
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9 箱庭療法入門 誠 '
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d Wlnston INC~ (吉田章宏、
宮崎清孝訳 1
9
8
9 現象学的心理学東京大学出版会)
木原由起子他 1
9
9
1 都市木造住宅密集地区におけるひとりぐらし高齢者の生活行為と住空間ーその2一生
活行為に対応した場の使い分け 建築学会大会梗概集
居住空間研究所編 1
9
9
3 集住生活を描く 毎日新聞社
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. HoughlonMilllin (:古崎敬他訳 1
9
8
5
生態学的視覚論サイエンス社)
黒田亘 1
9
8
4 行為と規範頚草響房
建築計画教科書研究会(編著) 1
9
8
9 建築計画教科書彰国社
建築設計ノート編集委員会編 問弁建治他著 1
9
7
6 建築設計のすすめ方 彩国社
栗田靖之 1
9
7
8 生活財から見たライフ ・スタイル研究(日本生活学会編著 1
9
7
8 住生活と地域社会一生
活学論集 2 ドメス出版)
栗田靖之 1
9
8
5 住まい方の文化人類学的考察 財団法人新住宅普及会住宅建築研究所報1
2 1
9
8
5
小泉和子 1
9
7
9 家具と室内意匠の文化史 法政大学出版局
立論文
高坂謙次 1
9
9
0 高齢者の住宅研究に関する研究 学f
古賀紀江 1
9
9
4 ~量の中にある小さな空間における行為動作に関する研究 インテリア学会発表論文集
小林秀樹 1
9
9
5 現代住居における場の支配形態住居における起居様式の変容過程に 関する研究 その l
日本建築学会論文報告主j.; NO
. 468
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l974石 黒 毅 行 為 と 演 技 日常生活
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9
5
9 THE PRESENTAT
における自己呈示誠信書房)
中野肇 1
9
8
9 空間と人r.1I 文明と生活の底にあるもの 中央公論社
iH K出版
ニッセイ基礎研究所 1
9
9
4
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西出和彦 1
9
9
1 人間集合による空間形成に関する研究 学位論文
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1 Society(
南博訳 1
9
1
4 現代
社会学入門
(ー) - (凹) 講談社)
西山卯三 1
9
5
7 住空間の型新建築
酋山l]
J
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三 1
9
7
8 住 み 方 の 記 筑E
聖書房
日本建築学会編 1
9
8
0 建築設計資料集成 3 単位空間 l
1
9
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. (住まいのコンセプト )
1
1向正人訳 1
9
8
8 鹿島出版会)
-196
ー
-197ー
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主要参考文献リスト
主要参考文献リスト
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ら
場所行動研究会(主査高僑鷹,志) 1
9
9
1 住宅における行動場面に関する研究
(住宅総合研究所年報
N O.1
8
)
馬場宏子他 1
9
8
8 室内における家具の配置および量の視覚的対J
栄に関する笑験的研究 日本建築学会計画
9
3
号
系 論 文 報 告 集 第3
9
9
3 オフィスの世紀 04 オフィスでは人が暮らす 新建築 1
9
9
3 8月号
林昌二 1
平沢卓也他 1
9
8
9 オフィス座席まわりの好み その l 箱庭表現による考察 建築学会大会梗概集
9
7
4 (
収納に関する研究 その 1-その 7) 建築学会大会使概集
広瀬鎌二位 1
9
8
7 i
住空間 j紫 摘 す ま い ろ ん
広部達也 1
舟僑国男 1
9
8
9 環境行動研究におけるトランザクシヨナリズムに関する一考察一理論の概要ならびに建築
計画学との関係ー 建築学会大会梗概集
古沢広祐他編 1
9
9
5 カレント家庭科資料一橋出版
Edwerd T
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9
6
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悶 H
IDDENDIMENSUON (かくれた次元
日高他訳 1
9
7
1 み
すず書房)
保坂陽一郎他 1
9
6
4 もう一つの空間 設計方法序説 1, 2 建築文化 211号 1
9
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1
2月号
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田町 K
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3 Documents o
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e George A
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. (原田勝目、 他訳 1
9
9
1 生活記録の
社会学方法としての生活史研究案内 光生館)
メJ
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ロ ポンテイ 1
9
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2 L
A STRUCTURE D
U COMPORTMENT (行動の構造)滝浦静雄、木田元訳 1
9
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4 み
すず書房
9
4
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OMENOLOG1
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lON (知覚の現象学1.2
)竹 内 芳 郎 他 訳 1
9
メルロ ポンテイ 1
みすず書房)
J
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n Lang 1
9
8
7CREATING ARCIHTECTUALTHEORY Van Nostrand Company l
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. (ill築理訪の創造環境デザ
9
9
2 鹿応出版会)
インにおける行動科学の役割 高 橋 騰 志 監 訳 今 井 ゆ り か 訳 1
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Edward 1
9
7
6 PLACEAND PLACELESSNESS Pion L
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d. (高野岳他,沢 1
9
9
1 場 所 の 現 象 学 築l
著
書房)
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TY (丹下健三、沼田玲子訳 1
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8 締市のイメージ)
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l Lewin 1
9
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1 Field Theory i
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M3
型住宅研究開発研究会(主査
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渡辺光雄他
高僑勝志)
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3 M3型住宅の研究開発報告書{1宅都市整備公団
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2 生活椋式の研究 明治末期からの都市居住者ーの生活様式の形成と変化について
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3 住まい方の思想私の場をいかにつくるか 中公新若干
1
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8 住まい方の演出 私の場を支える仕掛けと小道具
合研究所報告書~
渡辺武信
渡辺武信
ま
前回尚美他 1
9
8
7 建築計画朝倉喜広
9
8
4 知覚する私理解する弘頚草書房
松永澄夫 1
宮川英二他 1
9
7
3 建築計画理工図書
宮沢鉄量産 1
9
8
6 発生行為量の特性について 農村地域における発生行為去からみた地域施設計画に関する
研 究 そ の l 建築学会論文報告集 360
号
9
8
7 発生行為量の特性について 農村地域における発生行為量からみた地域施設計画に関する
宮沢鉄蔵 1
研究 その 2 建築学会論文報告集 3
7
4号
宮内
1
9
8
8 住まいと物のかかわり(佐藤方彦、関邦博 編著 1
9
8
8 住環境とヒト一生理心理学の視点
井上書院)
宮脇槌 1
9
8
7 宮脇檀の住宅設計ノウハウ 丸普
南博 1
9
5
8 社会心理学入門 岩波書庖
文部省 1
9
8
6 小学校家庭指導資料住居と家族の指導開隆堂出版
9
9
2 高等学校家庭指導資料指導計画の作成と学習指導の工夫 一家庭新時代に向けて
教育
文部省 1
図書
文部省 1
9
8
8 小学校家庭指導資科学習指導の改善 閲隆堂出版
文部省 1
9
8
9 中学校指導書技術家庭開隆堂出版
や
山岸健 1
9
7
8 日常生活の社会学 N H K出版会
9
9
1 チャプ台の正体ーその姿と形の変遷とその意味 国立民族学博物館・研究報告別冊 1
6
号
山口昌伴 1
9
8
8 家具の置かれ方に関する研究 その l 公団分譲住宅における家具密度調査 日本建築
山本公也他 1
学 会 論 文 報 告 集 第3
2
7
号
湯沢やす彦 1
9
8
7 図 説 現 代 日 本 の 家 族 問 題 日本放送出版協会
9
5
4 住居論 旧大系 l 丸善 (
1
9
8
6 吉坂隆正集 3 住 居 の 意 味 雪i
王手書房)
吉坂隆正 1
ヤーコプ フォン ユクスキュル、ゲオルク クリサート
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3
4 動物と人間の環境世界への散歩」
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9
4
0 意味の理論J (
1
9
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3 日高敏隆他訳生物の見た世界 思索社)
-198-
1
9
9ー
住宅総
掲由自図表一覧
発表論文一覧
発表論文一覧
掲載図表一覧
口室空間における家具の位かれ )
iについての研究ーパーソナリティが配置行動に与える自タ響について ー 建
築学会大会梗概 1
9
8
9
共著 古賀紀江(千葉大学大学院)川口孝泰(同看護学部助手)渡辺秀俊(来京大学大学院)安藤正雄(千
業大学工学部講師)
ロパーソナリティが家具の配置行動に及ぼす影響 インテリア学会 1
9
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9年
共著 古賀紀江(千葉大学大学院) )
1
1口孝泰(問看護学部助手)渡辺秀俊(来京大学大学院)安藤正雄(千
葉大学工学部講師)
口室空間における家具の使用法についての考察一個人における家具の意味の疑え方について一 建築学会開
束支部研究報告集 1
9
8
9
共著古賀紀江(千葉大学大学院)安藤正雄(千葉大学工学部講師)川口孝泰(問看護学部助手)渡辺秀俊
(東京大学大学院)
口室空間における家具の使用法についての考察ーパー スによる家具の使用法についての想起実験による 一考
察
インテリア学会 1
9
9
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1口孝泰(問看護学部助手)渡辺秀俊
共著 古賀紀江(千葉大学大学院)安厳正雄(千葉大学工学部講師) )
(
東京大学大学院)
白人間一環境系から見た家具レイアウトの意味に関する研究
千葉大学大学院工学研究科修士論文 1
9
9
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j
i著
口室空間に配された家具の多義性に関する研究 その l家具の使い方についてのイメージ実験からの考察
建築学会大会 1
9
9
1
共著 古賀紀江(千葉大学大学院)安藤正雄(千葉大学工学部講師) )
1
1口孝泰(問看護学部助手)渡辺秀俊
(東京大学大学院)
口「家族の集まる空間 j の家具配世についての考察一家具配置からの f
場」の形成についての検討
イン
テリア学会 1
9
9
1
共著古賀紀江(東京大学大学院)高僑鷹志(同工学部教授 ー工博)鈴木毅(同工学部助手)柳沢要(同大
学院)今井ゆりか(同大学院)
口家具配置から見た住宅の公的空間1
の考察 建築学会大会 1
9
9
2
共著古賀紀江(東京大学大学院)高僑鷹志(同工学部教授 工博)今井ゆりか(同大学院)鈴木毅(同工
学部助手)
口高齢者の生活行動分類に │
刻
す る研究 建築学会 1
9
9
2
共著 野村知子 (
学術振興会特別研究員 工博)高橋鷹志(東京大学工学部教授 工博)
鈴木毅(同工学部助手)手京治(同大学院)古賀紀江(同大学院)橘弘志(同大学院)
9
9
2
口居室での「場 Jの作られ方に関する研究 インテリア学会 1
共著古賀紀江(東京大学大学院)高橋鷹志(同工学部教授 ー工縛)
亡居室での「場Jの作られ方に関する研究 建築学会関東支部研究報告集 1
9
9
2
共著 古賀紀江(東京大学大学院)高矯虜志(同工学部教授ー工博)
口住空間での「場」に関する研究建築学会大会 1
99
3
第 2章
図 2 .1 .1 住居内部(赤羽台)
図 2
. 1 .2 住居内部(根付!)
図 2 .2 一人暮らしの高齢者の「座」の特徴
図 2 ・3 ・i 住居内の「麗」の分布(赤羽台)
図 2 .3 ・2 住居内の「座」の分布(根津)
図 2 ・4 1ルーム化した住み方の例
座Jの数と居室数の関係
図 2 ・5
座jの数と居 1
mの蘭積の関係
図 2 ・6
図 2 ・7 ・l 入り口と窓に対する「常座Jの向き(赤羽)
図 2 .7・2 入り口と窓に対する「常座」の向き(筏津)
図 2 ・8 接客時の訪問者の r~J の位置
図 2 ・9
常座」と関口部、テレビ、入り口との位置関係
常座」の機造
図 2 .10
図 2 ・11 .1 r
常座 J (赤羽台)
図 2 .11.2 r
常座 J (根津)
図 2 ・12 .1 住居内の「座」と r~J で行われる行為内容
図 2 .12 .2 住居内の「座」と「座」で行われる行為内容
図 2 .12 .3 住居内の「座」と「座Jで行われる行為内容
図 2 ・12 .4 住居内の「座」と「座」で行われる行為内容
図 2 .12 .5 住居内の「座」と「座」で行われる行為内容
図 2 .12 .6 住居内の「座」と「座」で行われる行為内容
図 2 .12 ・7 住居内の「座Jと「座Jで行われる行為内容
図 2 12 ・8 住居内の「座Jと「座Jで行われる行為内容
図 2 ・12 ・9 住居内の「座Jと「座jで行われる行為内容
図 2 ・12 ・10 住居内の「座j と「座」で行われる行為内容
常座」と目的座への行為の振り分け方のタイプ
図 2 ・13
図 2 ・14 行為内容に着目した「座」の組み合わせ 覧
(
図 2 ・ 13参照)
2 ・15
モノ座」の形成
2 ・16 一人暮らしの高齢者の「常座」の周囲のモノの分布
2 ・17 4
. 5畳のプロポーション
2 ・18 .1 常座Jの尼l
聞のモノの分布
2 ・18・2 r1j';~J の周囲のモノの分布
2 .18 .3
常座jの周囲のモノの分布
2 .18.4 r
常座Jの周凶のモノの分布
2 .19 一人暮らしの高齢者の一般的な個人空間
2 .2 0 諸概念の説明
工 t~n 鈴木敏(同工学部助手)
r
r
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図図図図図図図図図
共著古賀 紀江(東京大学大学院)高機鷹志(同工学部教授
r
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表表表表表表表
口場の概念による核家族の住空間の研究 建築学会大会 1
9
9
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共著古賀紀江(東京大学大学院)高橋鷹志(同工学部教授工博)鈴木毅(同工学部助手)
口室の中にある小さな空間における行為動作に関する研究 インテリア学会 1
9
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古賀紀江(東京大学大学院)高検鷹志(同工学部教授・工 t
r
r
分析対象の慨妥
を支える家具の一覧
分析項目 一覧
r
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u
一人暮らしの商 船者の住居 内にあ る「常座j の 数 と r~J の合計
「
居間」にある「座」の数
居 間にあ る r~J を支える物的環境
住居形式と居住スタイルの対応
掲被図表一覧
掲観図表一覧
表表表表表表
2 ・11
2.12
2 .13
2 ・14
2 .15
2 .16
2地域の比較
「座」の基本データ一覧
「常座」と入り口の向きの関係
「常座」と関口部の向きの関係
「常座Jと物的環境との関係
「座」を中心としたモノの分布状況
ま と め 採 取 さ れ た 「 座Jの一覧
3 ・ 1 ・ l 住居内部の家具配笹と「座Jの経年変化
3 ・ 1.2 住居内部の家具配置と「座jの経年変化
3 ・ 1.3 住居内部の家具配世と「座Jの経年変化
3 ・l・4 住居内部の家具配置と「座」の経年変化
3 1. 5 住居内部の家具配置と「座」の経年変化
3 1.6 住居内部の家具配置と「座」の経年変化
3 .2 i
座」の分布の仕方の経年変化
3 .3 i
座」を中心とした経年変化の例
3 ・4
4 .3 住居内の「庵Jの状況、 一人暮らしの高齢者との比較
4 .4 就寝、食事の別
4 .5 i
座 j と行為の一覧と食事場所
4 .6 私室と専問 i
8
IJの有無
4 .7 行為に必要なモノのある場所と居間での行為内容
4 .8 i
合座」の周辺のモノの分布
4 .9 夫婦 i
断行の居間で見られた「座」でのセッテイング行為の宥無と行為の性質
4 ・10 人の出入りの機子
4 .11 接客専用の「場jの有無
第 5章
第 3章
図
図
図
図
図
図
図
図
図
図
図
図
図
表表表表表表表衣衣
表表表
2 ・8 D K内における「座j の有無
2 ・ 9 居間での就寝行為の有無
2 ・10 i
座」に関する基本的's:項から見た住空間について
i
常座」の周凶のモノの分布の 2年後の変化
3 .5 一人暮らしの高齢者の日常に見られた対人関係
3 ・6 対人環境の分析方法
3 .7 .1 モノの分布の変化と対人環境の関係
3 ・ 7.2 モノの分布の変化と対人環境の関係
表表表表表表
3 ・1 2年後のヒアリング調査の対象者
3 ・ 2 家具配笹に変化の見られたものとその理由
「
座 Jの増減と変化の内容
「常座」で行う行為の変化
3 .5 対人環境の内訳
3 ・6 一人暮らしの高齢者の 2年後の状況の変化
3・ 3
3 .4
第 4章
4 .1 住居内部
4 ・2 i
J
A
Jの分布入り口、関口部と「座」の関係
4 .3 高齢者夫婦世帯での「座j と「座」で行われる行為内容
4・ 4 i
座」の周囲のモノの分布の仕方 一人暮らしと夫婦世帯の比較
4 ・5 夫婦世帯に展開される個人空間
4 .6 高齢者夫婦世帯に見られる「座Jの周囲のモノの分布
4 .7 i
f
f
i
Jの周囲のモノの分布と行為の関係
4 .8 .1 夫婦世帯での「座J、行為、モノの分布の経年変化
4 .8 .2 夫婦世帯での「座 j、行為、モノの分布の経年変化
4 .8 .3 夫婦世帯での「座」、行為、モノの分布の経年変化
4 .8 .4 夫婦世帯での「座」、行為、モノの分布の経年変化
表
表
4 ・1・1 住居内の「座Jに関する基本事項(赤羽台)
4 ・ 1・ 2 住居内の「座j に関する基本事項(赤羽台)
2
0
2
図
凶
表表表表表表
図
図
関
図
図
図
図
図
図
図
図
凶
図
図
図
医1
図
図
図
図
図
図
図
図
凶
図
図
図
図
図
図
図
図
図ー
5 .1 .1 住居内部の是正共配置
5 ・i ・2 住居内部の家具配置
5 .1 .3 住居内部の家具配置
5 .1 .4 住居内部の家具配置
5.1 .5 住居内部の家具配2
2
5 .2 .1 住居内の「座」の分布と行為内容(各成員ごと) 1
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2
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0
5 ・2 .2 住居内の「座」の分布と行為内容(各成員ごと) 1
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2
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0
5 .2 .3 住居内の「座」の分布と行為内容(各成員ごと) 1
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2
0
0
5 ・2 .4 住居内の「座」の分布と行為内容(各成員ごと) 1
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2
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0
5 .2 .5 住居内の「座」の分布と行為内容(各成員ごと) 1
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2
0
0
5 .2 .6 住居内の í~J の分布と行為内容(各成員ごと) 1
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0
5 .2 .7 住居内の「座jの分布と行為内容(各成員ごと) 1
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2
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0
5 .2 .8 住居内の「座jの分布と行為内容(各成只ごと) 1
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2
0
0
5 .2 .9 住居内の「座jの分布と行為内容(各成長ごと) 1
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2
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0
5.2 .10 住居内の「座」の分布と行為内容(各成員ごと) 1
/
2
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0
5 .2 .11 住居内の「座Jの分布と行為内容(各成員ごと) 1
/
2
0
0
5.3 異なる空間i
条件の下での生活行為に関する評価実験結果
5 .4 .1 個人空間内部の「座」の分布と「座j と行為にかかわるモノの位置関係
5 .4 .2
個人空間I 内部の「座」の分布と íJÆJ と行為にかかわるモノの位~関係
5 ・4 .3 例人空間内部の「座」の分布と「座j と行為にかかわるモノの位置関係
5 .4 .4 例人空 I
IJl内部の「座」の分布と「座」と行為にかかわるモノの位置関係
5 5 核家族の成員が住居内で形成する「場」の特徴
「座」と行為に必要なモノとの位置関係ー
5.6 参考高齢者夫婦世帯の個人空間i
内の「場」の分布と
「
場j で見られる「座」と行為に関わるモノとの関係
J
A
Jでの行為とセッティング行為の有無から見た家族が集まる空間の特徴
5 .7 i
5 .8 家族が集まる空間で場面が変化する様子
5
. 1 調資対象
5 .2 .1 各成員がとった「座」の一覧
5 .2 ・2 各成員がとった「座」の一覧
5.3 夫、姿、子世代別住居内の「座Jの数
5 .4
i
家族が集まる空間 j で見られる行為
5 .5 夫、妻、子世代の「座」から見た「家族が集まる空間」の使い方の追い
2
0
3
掲世図表一覧
謝辞
第 6宣
言
図
図
図
図
図
図
図
6 ・l 専門学校の学生の自室調査結果 「座」の特徴
6 .2 .1 属性別「座Jの特徴
6.2 .2 属性別「座Jの特徴
6 .3 一人暮らしの高齢者の個人空間の事例
6 .4 高齢者夫婦世帝の個人空間の事例
6 ・5 核家族の住居内に見られた個人空間の事例
6 .6 個人空間の概念図
表
6 .1 r
座J、行為、モノの聞に見られた関係性
6 .2 各属性に見られた「場」を情成する要素の特徴
表
本論文の完成には、多く方の示唆に富んだ助言と友人そして家族の励ましゃ力添えはなくてはならないも
のでした。それらを惜しみなく与えて下さった方々に心からの感謝を擦げます.
本論文は、↑噂土過程入学以米、高崎!高志教 f
受から頂いた熱意ある御指導によるものです。
高橋教授からのご教示の数々は、本論文のためばかりではなく、これからの研究生活の上
でも大きな宝となるものだと思います。心から感謝致します。
また、論文をまとめる過程では、鈴木毅東京大学工学部助手 、機山ゆりか東京大学教養
学部助手にたくさんの御助言を頂きました。感謝致します。
さらに、論文の審査にあたって下さった長沢泰教授、香山存夫教授、機山正教授、大野
旨導を頂きましたことに感謝致します。
秀敏助教授には、的確なご助言、ごt
高齢者の方々へのインタビュー調査は、住宅・都市整備公団との共同研究として高橋研
究室で=行われた「高齢者の住環境に対する環境行動的研究」の一環で、野村知子氏(当時
学術振興協会特別研究員)、鈴木毅助手、橘弘志早稲田大学人間科学部助手(当時東京大
学大学院博土課程)、李京 f
各氏(当時東京大学大学院博士過程)との共同作業でスター卜
したものです。このグループで行われた数々の議論は、やがて研究のテーマを定めていく
上でも貴重なものとなりました。皆様に御礼申し上げます。特に、橘弘志氏には 2年後の
インタビュー調査も共同で行っていただいた他、調査データの整理等の作業面でもご助力
を頂き、心から感謝致します。
第 5章で取り上げた核家族に関する調査の実施作業を行って下さった金平真理子氏(東
京大学大学院)にも感謝致します。この章の参考とした「家族が集まる空間」についての
調査と分析は、住宅総合側究財団の研究助成を受けて高橋研究室で行われた場所 ・行動研
究会の研究の成果の一部です。問機に、第 5章の参考とした実大空間での実験結果は住宅 ・
都市整備公団の M3型住宅研究会で谷口久美子文化女子大学講師(当時日本女子大学助手)、
中山優子氏(当時日本女子大学)、土師真裕子氏(当時日本女子大学)と共同で行った研
究の一部です。これらの研究会の成果は、本研究を展 開する中で新しい視点を与えてくれ
ました。
また、論文の図版等の作業に協力して下さった、柿沢英之氏(東京大学大学院)、伊藤
俊介氏(東京大学大学院)、中山優子氏、土師真祐子氏、古賀美好氏(株式会社大林組、
そして私の妹)に、御礼申し上げます。
そして 、インタヒ・ュー調査にご協力いただいた方々に、深く 、感謝致します。煩わしい
までに詳細な質問に対して、気持ち良く答えて下さ った方々のご好意がなければ研究は進
められませんでした。
私を励まし続けてくれた友人と家族に重ねて謝意を表し、謝辞の結びと致します。
右咳手む Cz
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1995年 9月
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