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高村防衛大臣離任挨拶(PDF:13KB)
高 村 防衛 大臣 離 任挨 拶 こ の 度、 防 衛大 臣 を離 任 する こ とと な りま し た。 この 機 会に 皆 さん に 一 言御 挨拶 申 し上 げ ます 。 本 年 8月 2 7日 に 防衛 大 臣を 拝 命し 、 僅か 一 ヶ月 足ら ず の短 い 期間 で あ りま し たが 、 国家 存 立の 基 本に か かる 崇 高な 任 務に 携わ る こと が でき た こ とは 誠 に光 栄 であ り まし た 。山 積 する 案 件に 諸 官と 共に 取 り組 み 、大 変 充 実し た 時を 過 ごす こ とが で きま し た。 諸 官が 一 体と なっ て 私を 支 えて く れ たこ とに 対 し、 心 から 感謝 を 申し 上げ ま す。 さ て 、私 が 防衛 大 臣と し て取 り 組ん だ 最大 の 課題 は、 テ ロ対 策 特措 法 に 基づ く自 衛 隊の 活 動の 継続 問 題で あり ま した 。 我 が 国は 、 国際 社 会の 責 任あ る 一員 と して 、 国際 社会 の 平和 と 安定 に 主 体的 、 積極 的 に取 り 組ん で いま す 。こ れ まで の 自衛 隊の 海 外に お ける 活 動 は、 そ の高 い 技術 と 能力 、 規律 か ら、 国 内外 か ら高 い評 価 を受 け てお り 、 自衛 隊に 対 する 期 待は 高ま る ばか りで あ りま す。 テロ対策特 措法に基づく海 上自衛隊のインド洋 における給油等の活 動 は、 海 上阻 止 活動 の 重要 な 基盤 と なっ て おり 、 その 抑止 力 が、 イ ンド 洋 を テロ リ スト の 自由 な 海に さ せな い など 、 様々 な 面で 国際 社 会の 安 定に 役 立 っ てお り ま す。「 テ ロ と の闘 い 」 は 現 在 も続 い て お り 、 国際 社 会 は 日 本 の 力を 必要 と して お りま す。 6 年 前に 起 きた 9 .1 1 テロ で は、 日 本人 2 4名 を含 む 2, 9 73 人 が 亡 くな り ま し た。「 テ ロ との 闘 い 」 へ の 参加 は 、 国 際 社 会の た め の み な ら ず、 我 が国 自 身の た めで あ りま す 。こ こ で日 本 が活 動を や める こ とは 、 日 本 の国 益 を 妨 げ る こと に な り ま す 。我 が 国 は 引 き 続き 、「テ ロ と の 闘 い 」 に重 要 な役 割 を果 た して い くべ き であ り 、自 衛 隊の 活動 の 継続 が 是非 と も 必要 であ り ます 。 期 限 であ る 11 月 1日 は 目前 に 迫っ て おり ま す。 活動 を 継続 す るか 否 か は、 最 終的 に は民 意 が決 め るこ と であ り ます 。 国民 の皆 様 に対 し 、自 衛 隊 の活 動 が我 が 国及 び 国際 社 会の 平 和と 安 定の た めに 必要 で ある こ とを 丁 寧 にし っ かり と 説明 し て理 解 を求 め 、あ ら ゆる 可 能性 を追 求 し、 活 動継 続 の ため に全 力 で取 り 組ん でい た だき たい と 思い ます 。 同 時 に、 過 酷な 環 境で 勤 務す る 隊員 が 心身 の 健康 を維 持 し、 安 んじ て 任 務に 従事 で きる よ う、 十分 な 対策 を講 じ て頂 きた い と思 いま す 。 日 米同 盟 関係 の 維持 、強 化 も重 要な 課 題で あり ま した 。 中 で も、 在 日米 軍 再編 は 、在 日 米軍 の 抑止 力 を維 持し つ つ、 基 地周 辺 住 民の 負担 を 軽減 す るた めに 早 期に 実現 す る必 要が あ りま す。 特 に 、普 天 間飛 行 場の 移 設・ 返 還は 、 米軍 再 編を 実施 し てい く 上で の キ ー・ ポ イン ト であ り ます 。 私は 9 月に 沖 縄を 訪 問し 、仲 井 眞沖 縄 県知 事 や 島袋 名 護市 長 等地 元 の方 々 とお 会 いし て 率直 な 意見 交換 を 行い ま した 。 米 軍再 編 の実 施 には 、 基地 の ある 自 治体 や 住民 と の信 頼関 係 が大 切 であ り ま す。 日 米間 の 合意 に 従い 、 国の 考 えを 丁 寧に 説 明し つつ 、 地元 の 意見 も 聞 き、 誠 実に 話 し合 い 、一 日 も早 く 普天 間 飛行 場 の移 設・ 返 還を 実 現し て 頂 きた いと 思 いま す 。 8 月 29 日 には 米 軍再 編 特措 法 が施 行 され ま した 。同 法 を活 用 し、 地 域 振興 策 など に つい て もし っ かり と 取り 組 むこ と によ り、 在 日米 軍 再編 実 現 に全 力で 取 り組 ん で頂 きた い と思 いま す 。 ま た 、日 米 同盟 を 軸に し つつ 、 他国 と の防 衛 交流 を積 極 的に 進 める こ と そう も重 要 であ り ます 。 私は 、 防衛 大 臣就 任 直後 、 重要 な隣 国 であ る 中国 の 曹 ごう せ ん 剛川 国 防部 長 と防 衛 相会 談 を行 い まし た 。中 国 海軍 艦艇 の 初訪 日 、防 衛 当 局間 の 連絡 メ カニ ズ ム設 置 など 各 種の 防 衛交 流 につ いて 合 意を い たし ま し た。 今 後も 、 各国 と 積極 的 な防 衛 交流 を 進め 、 安定 的な 国 際安 全 保障 環 境 を作 って 頂 くこ と を期 待い た しま す。 防 衛 省・ 自 衛隊 の 情報 保 全体 制 の強 化 も重 要 課題 であ り まし た 。近 年 、 国民 や 同盟 国 の信 頼 を大 き く損 な う情 報 流出 事 案が 続発 し たこ と は誠 に 遺 憾で あ りま す 。隊 員 一人 ひ とり が 意識 を 改め 、 情報 保全 の 重要 性 をき ち ん と認 識 する こ とが 大 切で あ りま す 。後 任 大臣 の 下で しっ か り対 策 に取 り 組 んで 頂き た いと 思 いま す。 最 後 に な り まし た が 、 現 在 、 防 衛省 は 、 在 日 米 軍 再 編や 国 際 平 和 協 力 活動 へ の取 組 等、 多 くの 政 策課 題 を抱 え てお り ます 。そ の 全て が 非常 に 困 難な 問 題で あ りま す が、 そ の成 果 が将 来 の我 が 国の 行方 を 左右 し かね な い 重大 な もの で あり ま す。 隊 員諸 君 には 、 我が 国 及び 国民 の 将来 の ため に 、 高い 使 命感 を 持ち 、 これ ら の課 題 に真 正 面か ら 、全 力で 取 り組 ん で頂 き た いと 思い ま す。 本 日 、防 衛 省を 離 れる こ とは 誠 に残 念 でな り ませ んが 、 皆様 と 共に 仕 事 が出 来 たこ と を、 大 変嬉 し く思 っ てお り ます 。 在任 中私 を 支え て くれ た 皆 様に 心か ら 感謝 の 意を 表し て 、私 の離 任 の挨 拶と さ せて いた だ きま す。 あ りが と うご ざ いま した 。 平成 十 九年 九月 二 十六 日 高村 正彦