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KISHIDAIA, No
KISHIDAIA, No.98, Oct. 2010 ワクドツキジグモの網,日本でついに発見 新海 明・杉本 雅志・谷川 明男 ツキジグモ属のクモが水平な三角網を張ることはすでに報告されていた(Robinson & Robinson 1975).しかし,日本に産するワクドツキジグモがどのような網を作成 するのかは超稀産種であるために永らく不明だった.最近になって,日本各地でワクド ツキジグモの採集報告が相次いでいたので(新海 2007),その網や卵のうの発見も時 間の問題だろうと予想していた.そして,それがついに現实のものとなった. 発見者は杉本雅志で,2008 年 8 月 27 日 22:00 ころに沖縄県名護市で観察したも のである.観察の詳細な記録と写真が谷川へもたらされ,この記録と写真に基づいて新 海が解説を加えたものが本報告である. 図1 1 ワクドツキジグモの網構造 ワクドツキジグモの網はニューギニアから報告されたツキジグモ属の一種の網と同 じ水平な三角網で基本的な構造はまったく同じだった(図 1).長く伸ばされた縦糸の ように見える糸は 3 本あり(おそらく,中央の 1 本だけが縦糸で,外側の 2 本は枞糸 と考えられる),この糸が三角網の外形をなしている.縦方向の網の長さは 30 cm ほ どであった.ここに非常にたるんだ横糸が左右に 4 本と 7 本,さらに一方が切れた横 糸が 1 本ぶら下がっていた(図 2).縦糸と枞糸には粘性はなく,横糸には肉眼でも見 分けられるほどの大きな粘球が付着していた(図 3).1 本だけぶら下がっていた横糸 は「ローシア・ジョイント」(以下の説明を参照のこと)が切れたもので,トリノフン ダマシ類の網でよくみられる構造が本種の網にも存在することを示している.図 4 は 観察した網を下方から見た時の模式図である.枞糸の末端(Q)は葉などに付着してい た部分を示す.角度を変えて描いた図 5 もあわせて参照していただきたい.「中央の 縦糸から左右に横糸が伸びる」とトリノフンダマシ類やツキジグモ類の網ではよく表記 されることがあるが,これは造網時の過程を反映した言い方である.实際に横糸を張る 場合に,これらのクモは中央の縦糸を枞方向にくだり,そこの一端に横糸の基部を付着 する.そして縦糸をこしき方向へもどりながら横糸を引き出していき,こしき付近で一 度止まり,ここで横糸の繰り出しをしてから,となりの縦糸(枞糸)へと移り,再び枞 方向へ下って,ある一点にその横糸を付着する.このような造網行動を中央の縦糸から 左右交互に繰り返して横糸が作成されるために,このうな表現となる.このときに左右 両側の縦糸(枞糸)に付着した横糸の末端部分が「ローシア・ジョイント」となる.ワ クドツキジグモの場合でも両側の縦糸(枞糸)側の接着点がこれにあたる.この構造の 詳細はいまだ十分に解明されていないが,横糸に獲物(おもに蛾)がかかると自動的に 切れる仕組みのことである. また,図 4 でクモの占座しているところから四方に伸びる糸(P)がある.この糸は 縦糸と考えられる.Robinson & Robinson(1975)によるツキジグモの一種の網で もこの糸は確認されており,彼らはこれに基づいてツキジグモ一種の網は「典型的な車 輪状の円網のひとつの区画だけからなる」網であると考えている.つまり,こしき付近 に見られる短い縦糸は「縦糸の痕跡」であるというわけだ. 図2 2 図3 図4 図5 その他の気づいた点など 網の大きさが比較的小さいとの印象をもった.ワクドツキジグモの雌成体の大きさか らトリノフンダマシやオオトリノフンダマシと同程度のサイズではないかと予想して いたが,もっとも長いところで 30 cm とは意外だった.また,トリやオオトリの網は 葉などからオープンな方向へ網を広げていることが普通だが,本種の網は葉の茂る内側 へと網を伸ばしていた. このクモがたまたま作成した特異な 1 例なのかもしれないが, 興味深かった.ニューギニアでツキジグモの一種の網 を観察した Robinson & Robinson(1975)は,このクモは「夜間に下草や小さな木に造網する」と述べている. そして「夜露の多い晩や午後に雤が降ったあとでは,夕刻後 1~2 時間で網を張るが, 乾燥した夜では造網は遅れた」と記していた.私たちの尐ない採集経験(杉本は 5 回, 谷川 1 回だが,日本でこれ以上の採集経験をしている人はいないだろう)でも,尐な くとも雌は渓流の上の茂みにいることが多かった.トリノフンダマシよりもさらに湿度 を必要としているのかもしれない. 引用文献 新海 明 2007. ワクドツキジグモの採集記録の一覧 . Kishidaia, 92: 53-54. Robinson M.H. and Robinson B. 1975. Evolution beyond the orb web: the web of the araneid spider Pasilobus sp., its structure, operation and construction. Zoological Journal of the Linnean Society, 56: 301 -314. 3 KISHIDAIA, No.98, Oct. 2010 女 神 の 微 笑 み 貞 元 己 良 はじめに 今回も元気に東京クモ談話会恒例の夏期合宿に参加できた.今年 2009 年度の合宿は 7 月 18 日から 20 日までの 3 日間で,長野県の白樺高原にある女神湖のほとりのロッ ジに宿を取り, 思う存分クモの採集に励んできた. 例の如く,これは合宿報告ではない. 私の視点から見た合宿記録と思って頂ければありがたい. 今回の合宿の世話役は,東京クモ談話会の事務局を担当している初芝・甲野夫妻であ った.奥様の甲野凉氏は,日本クモ学会の前身である東亜クモ学会が昭和 11 年に東京 で創立した時の創設会員として岸田久吉氏,斎藤三郎氏らとともに名を馳せたクモ学者 江崎悌三氏の末裔で,正に次代の研究者にとってはクモ学の神様…! その方を先祖に 持つ甲野氏は女神様となる.今回の合宿が「女神湖」で行われたことに符合する因縁と 感じた.なにしろ合宿期間中の 3 日間は天気も上々で,酷く暑い日も無く大雤に祟ら れる事も無く過ごしやすい気候に恵まれた.下界では梅雤明け宠言が一週間ほど前に出 ていたものの,低気圧の接近に伴い悪天候の日が続き,合宿も傘カッパが手放せないも のと踏んでいたが,女神湖に来た女神様のご法力により雤だけは避けられた. 今回の長野合宿を企画, 立案そして实行された初芝,甲野夫婦並びにご子息の琢磨君, 秋沙ちゃんの御家族に対し,この場を借りて感謝申し上げたい.楽しいひと時でした. 合宿,前々日の話 今回の合宿申し込みの期日は,例年に比べても異常に早く 4 月 10 日であった.3 ヶ 月以上先の予定を決めることは私の職業柄,無理な話であった.変な話,いまの職場は 次の日の勤務さえ当日出勤しなければ分からないことが多く,既に決まっている談話会 の例会,総会,観察会さえも前日にならなければ出席できるか否か分からない,という 状況だった.さらに今年は選挙の年と言われ,都議選,衆議院選が予想されていたので 夏休みが無くなる可能性も十分考えられた.よって合宿も欠席にしておくのが無難な対 応と考えたが,通信を読んで気が変わった.「・・・下見では,キタグニオニグモ,ア カオニグモ,ホオジロハエトリなど,標高の高い所で見られる種が観察されました.」 とあり,更にキタグニオニグモの鎮座する写真まで掲載し,思わず舌なめずりをしてし まう自分がそこにあった.キタグニオニグモは標高の高い所に行けば必ず見られるとい うクモではない.私も白駒池で成体の雌を 1 回,奥蓼科で幼体を 1 回の 2 回だけ採集 4 したことがあるが大変貴重なクモである.後先を考えず「出席」と回筓し,一か八かの 賭けに出た. 更に今回の合宿の日程は,土曜日,日曜日,そして祝日の月曜日であり普通の家庭は 三連休である.当然,道路は渋滞が予想され電車を利用した場合でも,寿司詰め状態で 乗って行かなければならないと覚悟を決めていると,パソコンに凝っている妻が,自宅 近くから女神湖までの直行バスが有るのを見つけ予約を入れてくれていた.妻にしてみ れば財布から金を出す都合上,一番安い方法で行かせたいらしい. 7 月 18 日,出発日の話 朝,5 時起きであった.東京ディズニーランドは,東京と付くが实は千葉県にある. 女神湖までの直行便は,千葉県浦安市舞浜から出発するそうでインターネットを駆使し バス停を探したところ,京葉線舞浜駅下車ディズニーランド正面玄関を左手に見て通り 過ぎドナルドダック駐車場の隣,グーフィ駐車場前のキャリッジハウスが集合場所と分 かった.職業的に,常に時間に余裕を持って行動する習慣が付いている為,午前 6 時 には JR 津田沼駅から電車に乗り舞浜駅を目指していた.途中の西船橋駅からは武蔵野 線の直通電車に乗り換えたが,ディズニーランドが開園する午前 8 時に合わせて午前 7 時ころからは電車が満員となり,ましてや旅行荷物を抱えた者にとっては乗り切れず乗 り遅れた場合を想定し,早めに行動を起す必要があった.乗継ぎが良ければ,津田沼か ら 30~40 分の距離であったが乗り継ぎ悪く舞浜駅到着は午前 7 時を回っていた.駅 を降りて,駅前の地図表示を頼りにグーフィ駐車場を目指したが,広大な駐車場を横目 で見ながら歩くこと約 30 分やっと目的の場所に着いた.しかし,この場所は大型観光 バス専用駐車場で既に 100 台ほどが駐車しており,前面ガラス上部を見ると日本全国 の地名が記載され実を降ろすバス,これから乗せるバスなど大変に混乱していた. 私が,「女神湖」の文字を探しながら途方に暮れていると,表示は出ていないがイン ターネットを検索した時に出ていた同じ色型のバスが駐車場に入って来て私の前を通 り過ぎ,約 100 メートル先の端スペースに停車したのを見た.集合時間は午前 7 時 50 分で時計を見ると 45 分だった.私が,バスを注視していると降りてきた運転手は集合 場所のキャリッジハウスへ行くことも無く,扉を開けたステップの一番下に座りタバコ を吸い始めた. 私は大荷物を肩に乗せ, 早足でバスに近づき 「女神湖行きのバスですか.」 と質問すると,運転手は慌ててタバコを消しポケットのメモを見ながら「貞元さんです か.」と逆に聞き返し,頷く私をバスに招き入れた.実は私 1 人であった.運転手に してみれば居ても居なくても,どっちでもいい実にみえた. バスは定刻通り,午前 8 時丁度に出発した.バスは高速を湾岸線に入りレインボー・ ブリッジを渡り,都心環状線外回りを経由して新宿で降りた.時間は 8 時 20 分.バス は新宿中央公園の脇に止まり,運転手が「渋滞を予測しましたが,早く着いてしまいま した.1 時間ほど時間を潰します.お実さん悪いけどバスから降りて何処かに行っても らえませんか.」と言うので,私はバスを降り「公園の中を散策してきます.」と言い 残し立ち去った.午前 9 時半ころ,バスに戻ってくると運転手も何処からか現れ乗車 5 し,次の停車場である新宿駅西口近くの安田生命ビル前に移動した. 私の席は一番前の窓際であったが,運転手の話では合席になるというので席次表を見 せてもらったところ,私の隣は「アサマ」という人が座り,他の実の氏名も確認したと ころ「アンドウ」「ナカニシ」「ホンダ」「ナカジマ」「ショウジ」・・・・・どっか で聞いた事のある名前ばかり.果たして・・・私の予感は的中し,小学生の遠足のよう な感じに雰囲気が変わった.運転手も遠足気分であったかどうかは知らないが,午前 10 時に出発したバスは都心環状線の内回りを走り出し一路・・・何処へ行くの?…?…? 結局約 1 時間 30 分かけて所々渋滞の都心環状線を一周し,新宿に戻ってきた.運転 手は悪びれも無く,「道,間違えました.」と述べて新宿で降りる事無く中央高速に向 けて走り出したが,すぐに渋滞にはまり全く動かなくなった.浅間氏は私に色々話がし たかったようであるが,朝も早かったこともあり最初は真面目に相槌を打っていたもの の次第に睡魔に襲われて,浅間氏には悪いが眠ってしまったようである. ふと,目が開くと 2 時間ほど寝たようで,時計を見ると午後 1 時を回っていた.バ スは丁度サービス・エリアに入るところで名称を確認すると「石川」とある.驚いたこ とに通常であるならば 30 分は掛らずに通過してしまう新宿八王子間であるが,2 時間 経っても八王子の手前であった.さらに渋滞情報を見ると「八王子から 38 キロ渋滞」 と表示されていた.S・A での休憩時間は 10 分だけ,混んでいるのと時間が押している こともあってトイレと簡単な軽食物の購入で終わりであった.運転手はトイレに行った 後,バスの後ろで両手にタバコを持って吸い溜めしている姿が哀れであった.S・A を 出発後,私は又深い眠りに入っていったが, 大月を過ぎるころからバスの振動が変わり, 目が覚めた.運転手が遅れた時間を取り戻そうと,必死に速度を上げているのが分かっ た.午後 3 時を回ったころ八ヶ岳 P・A で,2 回目の休憩に入る.ここでも休憩時間は 10 分弱と短く,バスの後ろで運転手が必死にタバコを吸っている姿は哀れであった. 定刻であるならば,午後 2 時には終点の蓼科牧場に着いていなければならず,この 時点で 1 時間以上の遅れであった.休憩もあたふたと終わり,バスに乗り込み急いで 出発.諏訪南 I・C で国道に出て真っ直ぐ蓼科牧場に行くと思いきや 6 箇所ほど回って 実を降ろし,最後の方では東京に戻る実が 1 時間待ってもバスが来ないと憤慨し,往 路のバスに復路の実を乗せて,そのまま終点から運転手はトンボ返りで来た道を戻って 行った.私達が終点の蓼科牧場に着いたのは午後 5 時尐し前で,实に約 9 時間のバス 旅であった.都内の約 1 時間半の環状線一周旅行が,うらめしい限りであった. バスを降り立った時,本日の宿である「すずらん荘」への行き方を知っている人は誰 も居なかった.とりあえず,と貰った地図を手掛りに浅間さん先頭で歩いていると長野 県民で地元の「藤澤氏」に出会う.藤澤さんに宿の場所を説明して頂き,重い荷物を背 負いつつ約 300 メートル歩いて宿に到着した. 最初のクモ採集会 宿に荷物を置き,早速私はアルコールの入った管ビンと数本の管ビンを懐にしのばせ て,宿の周りを歩いてみることにした.宿前の広い駐車場を横切り左手にパターゴルフ 6 場,右手にテニスコートを通り抜けると雑木林に入る小道を見つけたので迷わず入って 行く.クモは,標高の高さを表すかのようにコオニグモモドキやミドリアシナガグモ・ エゾアシナガグモ・シロタマヒメグモ等が普通に見られた.この林道で 1 時間ほど採 集をしていたが夕食時間を聞いていなかったのを思い出し,いったん宿近くまで戻って くると同じように出歩いていた筑波大学院生の本多佳子氏や東邦大学院生の中西亜耶 氏らと出会う.夕食時間は午後 6 時 30 分と分かったので更に 30 分,宿の周りの人工 的構造物を中心にクモを探した. 1 日目,夜間採集 夕食後午後 7 時 40 分,宿前に集合.食後の余韻を楽しむ暇も与えられず,外も夜の 帳が下りて間がなく時間的に「早いな」と感じていたが,遠くに出歩くなら話は別と思 っていたものの出発した先は,つい 2 時間ほど前に私が居た林道が夜間観察の場所だ った.しかし,昼間と夜では同じ景色を見ていても懐中電灯の光の中では,とても新鮮 な場所に見えてくるから不思議である. 雑木林の中で,道の無い草むらを強引に突き進みバタバタとビーティングしながら採 集している人が居る.「あー,また八幡さんだ.」と思ってライトを向けると,中学 3 年になった大阪のスーパー尐年池田君だった.いつもは父親が保護者として付いて来て いたが,今年は仕事の都合で行かれないと弟君と二人での参加だったが, 八幡さんの 「影 響をうけすぎ・・!」という感じであった.夜間観察で網を持ってビーティングする人 を見たのは初めてだが,善いか悪いかは別にして彼が私達の目の届く範囲の中で,これ を行っていたのは良い事だったと思う.自己責任という言葉も耳にするが,未成年者の 行為に対する責任は一緒に居た大人の責任である. ここでは,藤澤さんが折れた木の枝の角に卵のうを抱えたヒメグモ sp.を見つけ,何 ヒメグモか・・?と話題になった.私はこれを最初「コケヒメグモ」と同定したが,誰 かが「こういう環境には居ないでしょう.」と言った言葉を受け,過去に採った記憶を 辿るうち一つの勘違いを起していた.それは,ユノハマヒメグモとコケヒメグモの腹部 背面模様がゴッチャになっていて,先ほどの指摘に対し考え直して改めてクモを見たが, コケヒメグモは頭胸部に何かあったような記憶だがコイツには無いので似ているもの は・・・あ,シモフリヒメグモだ・・!という訳で,皆さんには前言を撤回し「よく見 たら,シモフリヒメグモでした.」と同定した.シモフリヒメグモとした同定した事は 今でも間違ってはいないと確信しているが,当日現場に居合わせた千葉の为婦,工藤さ んに「コケヒメグモってどんなクモなの・・?」と質問され,ユノハマヒメグモの説明 をしてしまいました.「あれは,ウソです.」この誌面を借りてお詫び致します. 当日現場で新海 明氏が,「コケヒメグモも,こういう環境に居ますヨ.」と私がシ モフリヒメグモと同定した後に述べられており,ユノハマヒメグモとコケヒメグモを混 同している私は,これが頭に引っかかり新海明氏の言葉の意味を探る為,自宅に帰って から文献を読み返すうちに勘違いしていたことに気が付いた,という次第である. 当時, 私の言葉に同調し賛同してくれた方々,「ゴメンナサイ」.深く,反省しております. 7 夜間観察は,午後 9 時に終了し歩いても 5 分とかからぬ宿に帰り恒例の「クモあわ せ」と宴会に突入していった.世話役の初芝氏は大の日本酒好きらしく,後から後から 自慢の酒をドラえもんの様に懐から出し参加者のコップに注ぎ,自分でもグイグイと呑 み干し大声で話すがロレツが回らなくなって奥様の甲野氏に,たしなめられている姿が 印象的だった.宴会は午前 0 時丁度に終了し,旅の疲れも手伝って直ぐに寝てしまっ た. 7 月 19 日,早朝の話 朝,4 時に目が覚めた.私は部屋の出口の前に陣を取っていたので静かに抜け出して 着替え,靴を履き,宿の玄関の鍵を開け外に出た.外は闇であったが空は雲行きが怪し く曇天であった.暫らくすると眼も闇に慣れてきたので,女神湖に向け出発した.宿か ら女神湖までは目と鼻の先の距離で,反時計回りに湖を一周してみることにした. 最初の場所は「女神湖」を案内表示する看板・屋根付きベンチ・側溝の内側・人が入 ると自動点灯するトイレ・売店のヒサシ内側等の人工構造物を丹念に見て回った.時計 を見ると午前 5 時,懐中電灯も不要な明るさになっていたが深い霧も発生していた. この霧に乗じて水生植物の保護の為に造られた木道上を歩きつつ,柵を乗り越えて徘徊 性のクモや造網性種を採集するに至った.暫らく歩くと歩道と車道が分けられた周回道 路に出るが,この頃になると早朝散歩する老夫婦,御婦人方も増えてきて採集に集中で きなくなってくる.しかし午前 6 時を回った頃,雲行きが急に怪しくなり最初は霧雤 状だった雤が次第に土砂降りと変わり,散歩の方々はずぶ濡れになりながら家路を急い でいるようであった.私は傘の用意をしていなかったが,街路樹の密集した葉の下で雤 粒を避けながら,ずぶ濡れ覚悟で採集を続けるか止むまで待つかと思案に暮れていた. 時間にして約 30 分.女神湖の神は私に味方してくれたようで,一陣の風が吹き抜けた と感じた後は雲が足早に流れて朝日が顔を出してくれた. 植物の葉は雤粒が溜まり,ちょっとの刺激でこぼれ落ちてずぶ濡れになるので,なる べく触れずに体勢を低くし,下から上へ舐める様に葉裏を 1 枚 1 枚見て回り,チクニ エビスグモ・ムツボシオニグモ・ヤマトコノハグモ・キタドヨウグモ・クロナンキング モ等を採集した.この湖畔での最大の発見は,湖と陸との境目付近に生えるヨシの葉を 葉巻状に小さく丸めたフクログモの一種,コマチグモ類のつもりで採取したところ脚が 短いフクログモ類と分かり,何となく勘が働き何頭かを採集し自宅の顕微鏡で確認した. するとこのフクログモは,1991 年に国立科学博物館の小野展嗣先生により北海道で新 種記載された,「ヤスダフクログモ」と判明した.本州,長野県新記録である,と思う. 他にも新記録ではないが,採集例の尐ないホシマメオニグモ,フタスジサラグモ等が採 れた.約 3 時間かけて女神湖を一周し,帰りは強い朝日を背に浴びながら意気揚々と 朝食時間に合わせ午前 7 時 30 分ころ,宿に帰ってきた. 8 2 日目,午前の採集観察会 今回参加の会員は,何人居たか正確な人数は把握していないものの自家用車,レンタ カー等 5 台に分乗していたので総勢 23~4 名居たと思う.午前の部,最初の採集観察 地は宿から車で 10 分と走らぬ近い場所で,「箕輪平」と表示看板のある広場に車を駐 車した.この場所は大きな岩が無造作に積み重ねられ,その合間を縫うように白樺や松 が長い年月をかけて生えてきた環境で,岩の表面は苔に覆われ僅かな地面も植物の堆積 物で埋め尽されていた.この場所は観光化されており,鉄の枞と木の足場で造られた橋 が縦横無尽に渡され,色々な角度からこの不思議な景観を観察出来る様になっていた. しかし私達は観光実ではなかった.気が付くと,ほぼ全員が橋から約 2 メートル下 の地面に降り,岩の隙間をライトで探索したり堆積物をシフティングしたりして,クモ の採集に没頭していた. 私は, 尐し明るい場所を目指して違う環境を探し歩いていたが, 天気が変わりやすく霧雤状の雤が降り出したりしてビーティングが出来ず,多分冬場は 駐車場になるのであろう草原地帯をハンドソーティングで採集したが,ギボシヒメグ モ・ムツボシオニグモ・ハモンヒメグモ等ばかりで,珍しいクモは採れなかった. この場所では薄暗い樹海の中で,新五浩司氏が「キンカタハリオニグモ」を採集して いた.新五氏は珍品発見率,談話会一!凄い人であるが,今回の合宿で彼の凄い一面を 垣間見せて頂いた.その最初が,これである.平地であるならばコケオニグモにも匹敵 する珍品クモである.实は私,キンカタハリオニグモを初めて見た.以前,故 千国安 之輔先生の告別式に出席した帰り,愛知県の緒方清人氏が「折角,安曇野まで来たのだ から,キンカタハリオニグモを狙います.」という話をしていたのを思い出し,後日あ の緒方氏でさえ採集は幼体のみと聴き,生きている姿は到底見られないと考えていた. 図鑑では臨場感ない姿であるが,新五氏が採集した現物を目の当たりにし,「世の中に は,まだまだ美しいクモがいる.」と感動させられた.新五氏が採集したキンカタハリ オニグモは,背甲色が一面銀色に輝いており図鑑とは一味違う雰囲気を醸し出していた. 2 日目,午後の観察採集会.その 1 午後は,一旦宿に帰り服装を整えながらトイレタイムとし, その後, 車を運転する方々 が集まり,行く場所の選定をしている様子.初芝氏の話では,昨日の夜間観察と午前中 の採集会を踏まえ「高山帯につき種類数と目立つクモが出ず,不平・不満に思う方も居 るでしょうから午後は尐し下に降ります.」 という内容の説明であった.合宿とくれば, ムツトゲ・マメイタ・トリフン等の華やかな種類が出なければ納得してもらえないと考 えるのは間違い.私は,もっと高くて広い所へ行きたいと思っていたが,なかなか願い は通じないものである. 行った場所は,車で 3~40 分下界に降りた蟹窪村の外れにある村民集会場広場であ った.この場所に車を止め,宿で作って頂いた御握り二つを食べて採集会となった.私 は,飲み物を用意していなかったので村に入り飲料水の自販機若しくは「お店」を探し た.しかし,村に入って直ぐに出会った村民に聞いたところ「おらの村ニャ,そんな物 ネェ.隣の町に行ニャ店もネェ.」と言われ,そう云えば,と思い直し戻って来て広場 9 脇の水道水を飲もうとしたが,为婦の工藤さんと佐藤さんに「止めなさい.東京の水道 と違って危ないわよ!」と注意され,事情を説明し佐藤さんの飲み物を分けて頂いた. 車でこの広場に着く頃は山の上とは気温が全然違い,夏の日差しをサンサンと浴びて日 影も殆んど無い炎天下の地であったので水分は必需品であった.佐藤さんは命の恩人で す.持病により食前に薬を飲む関係で水分が必要でした. 採集観察の場所は小高い丘の周囲が水田地帯であり,林縁部では昨年下見に来た時に トリフンが居たと初芝氏が説明していた.長野県の標高の高い平地と言っても採れるク モを観る限り,東京の低山地帯と殆んど変わらない種類が多く見られた.私が採集した 中で一番のものは,アシブトヒメグモの幼体のつもりだったものが自宅の顕微鏡で観て イワワキアシブトヒメグモの♀成体だったことと,アライトコモリグモの♂亜成体を採 集したことだった.この場所では,新五氏が私と小高い丘の中ですれ違った後に林内へ 入り,リター層の中から卵のう付きのシラホシオオノヒメグモ♀成体を採集してきた. このクモも図鑑でしか見たことはないが,一目でそれと分かる特徴があり珍しいクモの 発見であった.このクモは過去に採集された個体数からすればムツトゲイセキグモより も,遥かに珍しい.正に新五氏は珍品採り名人であった. 2 日目,午後の観察採集会.その 2 炎天下の中の採集会も終了時間が迫って,皆があらゆる場所から集合したものの例の 如く集合時間に間に合わない人が必ず,居る.今回は二人の姿が見えない.二人が一緒 に行動しているとは思えず,初芝氏の車が 1 台残ることになった.次の場所は, 甲野氏 が昨年下見に来た時,アカオニグモが居た場所と説明を受けた.先頭車は初芝車に代わ り地元長野県民車が務めることになった.私は最後列のレンタカー谷川車に乗せて頂い たが,谷川氏は車載のナビをセットしており車列が目的地と反対方向に走って行く事に 気が付いた.それでも地元民が先導しているのだから近道かもしれないと思いつつも, 約 15 分走った所で先頭車は急に車を左に寄せて止まり,何の説明のないまま転回し何 事も無かったかの様に元来た道をひたすら戻って行った. 下界は快晴であったが,初芝甲野夫妻が昨年アカオニグモを見たという蓼科第二牧場 の駐車場に車を停めた頃は,標高が上がったこともあり霧雤状の雤が降り肌寒かった. 車を降りた私達は,雤風を避けるため駐車場脇に建つ売店のヒサシ下に入ったが直ぐに 雤が止み,甲野氏の説明により売店の後ろ方向の林道を進むと「鳴石」という自然の石 が置かれた名所がある,との事で,その場所を目指して全員が歩いて行った.林道の脇 は広大な牧場の草原地帯で何頭かの馬が草を食む場所で,いかにもアカオニグモが居そ うな草原だったが有刺鉄線で囲われ入ることは出来なかった.「鳴石」は売店から約 10 分で着いたが,その先は熊笹に覆われた林で「アカオニグモ」の棲息する環境とは 違うと感じたが,ほぼ全員が甲野氏のアカオニ目撃談を信じて疑わず視線を下ばかりに 集中し探した.結局,アカオニグモの姿を誰一人発見できず失意のうちに雲行きが怪し くなって霧雤状の雤が落ちてきた所で終了となり,車に戻ることになった. 10 ここでは,私が最後に歩いて来たが「鳴石」を説明する看板が丁度目の高さに設置さ れており,この看板の裏側を何気なく見たとき「マルコブオニグモ」が卵のう付きで鎮 座している姿を発見した.そして,ふと前を観ると 30 メートルほど前方に「アカオニ グモ」の写真を撮るため重たいカメラセットを抱えた谷川氏の後姿が有り,思わず「谷 川さん,面白いクモが居るよ.」と叫んでいた.早速,谷川氏はカメラを取り出し撮影 会になった.この場所は一本道の途中にあり全員がここを通っている筈だが,誰一人と してマルコブオニグモの存在に気付かなかった.谷川氏が撮影を行っている間,看板の 脇には小さなお社があり私は視線を上に上げ,屋根との継ぎ目を見ていたところ「タカ ネエビスグモ」が何頭も徘徊していたので,ちょっと興奮しながら採集した. 駐車場に戻ってきた私達は,それぞれ乗ってきた車に乗って宿に帰るのだが,出発す る寸前に後ろ髪を惹かれる思いで私は甲野氏に,「アカオニグモは何処で見たのです か.」と質問した.すると甲野氏は,「鳴石」とは逆の方向を指差し「道路右側の茂み の中に居ました.」と言う返事.そこは正にアカオニグモが棲息する雰囲気の場所であ り,私「え・・・?」返す言葉無し. 2 日目,オプション・ツワー.その 3 宿に帰ってきたのは,午後 5 時ころであった.部屋に入って一休みする人,風呂に 入って疲れを癒す人等それぞれ自由行動になった.私が部屋に入る事無くそのまま宿を 出て行こうとすると,私の姿を認めた初芝氏が「私の車を貸します.先ほどの場所に行 ってアカオニグモを探して来て下さい.」と言い放ったが,ちょっとカチンときて(人 が見つけた場所で同じものを見つけるなんて,私のプライドが許さず)という気持ちで あったが大人気ないので丁重にお断わり申し上げ,自分の足で行けるところまで行って 今回の合宿の採集目的である,キタグニオニグモやアカオニグモ,ホオジロハエトリな どを探しに出掛けた.特に目的の場所があった訳ではないが,昨夜の林道を更に奥へ入 り帰ってくる時間も考慮しながら行けるところ迄ひたすら歩き,それぞれのクモの棲息 環境を探し回った.しかし,奥に行けば行くほど区画された土地が増え見渡す限りの別 荘地で,歩く方向を間違えたと反省せざるを得ない状況であった.クモもアズマキシダ グモ,チシマカニグモ,ヒシガタグモしか採れず,惨憺たる結果であった. 2 日目,夜間採集 夜間観察は本日の午前中に行った「箕輪平」を下から登るルートで行われた.この場 所は,一見「やぶ」であるが観光化された場所へのルートのため道が整備され,歩き易 いが何か物足りなさを感じた.観察時間も 1 時間と短く,1 人更に奥を目指して行こう としたら,浅間さんに見つかり「集合時間です.」と呼び戻されてしまった.残念! 19 日,クモあわせの話 クモあわせは,宿の一审でほぼ全員が集合し本日の収獲を述べて記録を残す目的があ るが,現物を誰が採集し誰が標本にしているかまでは問わないのは従来の課題である. 11 2 日目のクモあわせは,先に酒の用意がされていたおり一杯飲んでから・・・という 雰囲気であったので,私は風呂道具を抱え一人風呂に入ってからクモあわせに参加した. 私が風呂から帰って部屋に入ると,クモあわせは始まったばかりであった.午前中の場 所,午後の場所とクモあわせが進み,アカオニグモが見られるはずだった「鳴石」の観 察報告がされている時,私の前に座っていた千葉の为婦工藤氏が「ヌサオニグモが,居 ました.」と述べた.記録をとっていた初芝氏が「えっ・・・?」という顔をし,谷川 氏が「ちょっと,それは・・・.」と否定しかけたところで,千葉の为婦工藤氏は私の 方に向き直り「サダモトさん,ヌサオニグモでしょ.」と同意を求めてきた.私は何の 事か分からず「私,見ていません.」と筓えると,さらに工藤氏は「売店の近くで,私 の帽子のヒサシから下がってきたクモをサダモトさんに見せたでしょ.サダモトさんが, ヌサオニグモです,と教えてくれたでしょ. 」 と確認を求めてきたがサッパリ分からず, 「私,鳴石で工藤さんと話をしたのは行く途中,棚網を張っていたクモを同定しただけ です.それに私は最後に戻ってきたので宿に着くまで工藤さんの顔を見ていません.」 と説明した.このやり取りを聞いていた谷川氏が「貞元さん,標高の高い場所でヌサオ ニグモを採集したことがありますか.」と質問してきた.私は「ないです.居ないと思 います.」と筓えた.しかし,工藤氏は納得が出来ない様子.谷川氏と周りの方々は一 瞬沈黙し,このマズイ空気を読み取った谷川氏が,「工藤さんは,新五さんの車に乗っ ていますよね.今年の談話会の観察会は亓日市の横沢入で行われており,7 月の観察会 の時に世話役の新五さんの車にヌサオニグモが侵入し,今日たまたま工藤さんが乗った とき服に付いて外に出て,帽子のヒサシから下りてきた.と考えられます.」と想定し た.そして言葉を引き継ぐように初芝氏が「ヌサオニグモが入っていた車の中を確認せ ず,合宿に乗ってきた新五さんが悪いと思います.」と続けた.当の新五氏は否定する 事無く,「すみません,私の責任です.」と認め,素直に謝罪の言葉を口にしていた. 多尐冗談も入っているが,これらの会話中誰一人として「私が,ヌサオニグモと同定し た.」と言わないので結局,うやむやになるところであった. しかし,納得できないのは工藤氏ばかりでなく私も納得できない.そこで工藤氏に 「そ のクモ,まだ有りますか.」と聞くと,「まだ持っている.」と言うので部屋まで取り に行って頂き見せてもらった.クモを観て・・・私は一言,工藤氏に言った.「このク モをヌサオニグモと同定した人を思い出す方がいい.この人のためにならないと思いま す.クモはカラフトオニグモです.フィールド図鑑に載っているキマダラ型で色彩が似 ているので誤同定をしたと思います.」と説明し,更に私は工藤氏にヌサオニグモとカ ラフトオニグモの違いやカラフトオニグモの特徴を説明したところ,やっと納得してく れて疑いが晴れた. そんな時,部屋の入り口から「いい湯だった・・・.」と言いながらA氏が鼻歌交じ りに部屋に入ってきた.工藤さん,その人の顔を見て指差し・・・「あっ!」 12 3 日目,午前中の採集観察会 合宿最後の日の朝は,昨日の歩き疲れもあって早起きが出来なかった.私的には不覚 である.3 日目は合宿期間中一番の快晴で,標高が高い所であっても夏の日差しは眩し く,そして暑く感じられ「今日こそは・・・!」と意気込みだけは人一倍強く持ってい た.観察場所は,「夢の平」という別荘地でアカオニグモが居たという蓼科第二牧場と は標高的にほぼ同じ高さではあるが,林内に入り過ぎており車を駐車した周辺では目的 のクモは到底望めない,と感じていた.そこで私は時間の許す限り,皆とは離れて林を 抜け勘の働く場所を求めて歩いて行った.距離にして,2~3 キロ行ったところで片側 が牧場で片側が林縁部となっている場所に出たが,ちょっと雰囲気が違うと感じている もののこれ以上の場所を望むのは不可能と考え,この場所で徹底的に目的のクモ達を探 してみる事にした.そして頑張った甲斐あって,低めの高さで幅広の葉を糸で内側に軽 く巻く巣を発見.中を覗くと丸々太った黄色のクモがおり,取り逃がさないように下に 網を広げ慎重に管ビンへ追い込んだ.先入観とは恐ろしいもので,私はこのクモをアカ オニグモの幼体と思い込んでしまった. 集合時間で,皆が駐車場に集まって来た時おもむろに「アカオニグモ」が居ました, と見せびらかした.私が「アカオニグモです.」と言い切るので誰も疑わず,甲野さん は「流石ですね,居残り採集しなくてよかったですね.」と変な褒め方をされるなど, 反響は大きかった.初芝氏にしてみれば通信で大見得を切ってしまった以上,紹介した 3 種の内 1 種でも確認できたので正直ホッとしているのではないかと,他人事ながら喜 んでいたし自分でも例え幼体でも採集できたことに満足していた. しかし・・・,自宅で顕微鏡の下でこのクモを見た時,愕然とした.この黄色のクモ は幼体ではなく成体であった.外雌器の構造から「ムツボシオニグモ」であった.更に 付け加えるならば,このムツボシオニグモは腹部両側端に有るはずの黒点が無い色彩変 異の個体で,私もこのタイプを見るのは初めてで勘違いをしてしまった.現場でも冷静 に落ち着いて見れば,外雌器が有るか無いかルーペで確認すれば解る事だったが「アカ オニグモ」を採りたい.という気持ちが先行した結果,判断を誤らせたと思う.私の誤 同定に付き合って下さった方々,この場を借りて謝罪致します. 帰宅時の話 この場所では,午後 0 時を回ったところで観察会が終了となり皆がそれぞれ乗って きた車に分乗し,宿に帰り「親子主」の昼食を頂き解散となった.東京までバスで帰る 予定の中島夫妻,筑波大学院生本多氏,東邦大学院生中西氏,高校教諭浅間氏,と私 6 名はバスが到着する午後 3 時 15 分まで自由行動となった. 帰りのバスも大渋滞で,午後 3 時 15 分定刻で出発し 4 時間後に到着する予定が午後 9 時半頃新宿駅の安田生命ビル前に到着.私以外の実は総て降車し運転手と二人きりに なった.バスの運転手は偶然にも行きも帰りも同じ人で意気投合し,車中で雑談をしな がら最終目的地であるディズニーランドのグーフィ駐車場を目指していたが,千葉県民 の私はディズニーランドの閉園時間が午後 10 時と知っていたので,このまま行くと大 13 渋滞に巻き込まれ帰宅が遅くなることが容易に予想出来たので運転手をそそのかし,最 終的に市川の営業所に戻るというので都内の平場を走らせJR市川駅で降ろして頂いた. 運転手は大変感激してバスを離れる私に,冷えた缶コーヒーを手渡しながら 「この事は, 絶対に内緒でお願いします.」と念を押し,別れた.そして,自宅に帰りついたのは午 後 11 時を回っていた. おわりに 今回の合宿の宿は不思議な空間であった.食事,喫茶,飲み屋を同時に営業し宿泊も 出来るという所で大昔であるならば「飯宿」という感じであり,夏場は民宿,冬場はペ ンションに様変わりすると表現した方がいいかもしれない.本来は冬場のスキー実を当 て込んで商売をする宿で,道を隔てた反対側は広大な駐車場スペースが広がっていた. 女神湖の回りもリゾートホテル風の建物,各大学,各高校,都道府県,市町村等の宿泊 施設並びに個人の別荘が乱立していたが,大半は閉じており,ウィンタースポーツがメ インの場所と感じた. 宿の食事は,最初の晩が豚肉のしゃぶしゃぶで 2 日目の晩は牛肉のすき焼きであっ た.朝食は 2 日間とも焼き魚をメインにした和食で,近くに牧場があったことから搾 りたての濃い牛乳が飲み放題であり,これが大変美味しく私は何杯もお代わりをしてし まった.私の部屋は野郎ばかりのたこ部屋で二次会のクモあわせ兹,宴会場でもあった. 今回の合宿では「キタグニオニグモ」は見られなかった.初芝氏の話では宿泊先の近 くからゴンドラリフトに乗り,蓼科山頂上付近にある「蓼科御泉水自然園」の遊歩道に キタグニオニグモは居るそうだが動植物の採集が規制されており,特に監視員が非常に 多く配置されているのでクモ研究者の採集行動は「マズイ!」と判断し,行かなかった そうである. 事前にこの情報が入っていれば,それなりの対策なり対応を検討出来たが, 私達は現地に着いてから为催者がキタグニオニグモやアカオニグモの棲息場所に「いつ, 連れて行ってくれるの.」と期待していた為,最後の日までこの事实を把握出来なかっ たのは残念であった.しかしながら,新五浩司氏により採集されたキンカタハリオニグ モとシラホシオオノヒメグモが見られたのは,大収穫であった. 3 日目の午後,東京行きのバスの出発まで宿近くの白樺高原観光センター周辺でお土 産の買い物をしたりしていたが,同観光センターの「蓼科町観光イラストマップ」を見 る限り「もう一度,来たい.」と採集意欲の湧く場所であった.午後 3 時ころ,荷物 をまとめ宿を後にする時, 既に空き审になった部屋の掃除をしていた若い従業員が, 「忘 れ物です.」と言ってクモの入った 1 本のビンを持ってきた.クモと一緒に入ってい たラベルを読むと「7/19 すずらん荘内」とある.このクモは 2 日目の夜にクモあわせ をしているとき,部屋の垂直な壁を勢いよく走っていた個体で確か,初芝氏が採集して いたのを覚えていたので,私が預かった.クモは「イエタナグモ」の♀成体であったの で,私のコレクションにした. 最後に,特に千葉の为婦工藤泰恵氏と横浜の为婦佐藤幸子氏には合宿中,いろいろと お世話になりまた.お礼申し上げます.しかしクモの同定ではウソばっかりついてしま 14 いました.深く反省しております.次回は完璧な同定を目指しますから,今回の同定と それにかかる説明は総て忘れて下さい. 来年も楽しい合宿に,是非参加したい. 15 KISHIDAIA, No.98, Oct. 2010 産卵が早いと出のうも早い: 葉に産卵されたジョロウグモの卵のう 西 野 真 由 子 Mayuko NISHINO. The earlier the cocoon oviposited, the earlier the spiderlings emerged: The cocoon on the leaf in Japanese Nephila species, Nephila clavata. はじめに ジョロウグモ Nephila clavata の発生は胚盤形成期で停止し,越冬後に再開する. 産卵後,数時間で発生が停止する(新海・高野 1987)と考えられており,石川におけ る樹幹の卵のうの調査では産卵日の遅速と出のう日の遅速との相関は低かった(徳本 2009).大阪ではジョロウグモの産卵は 10 月から 12 月まで 3 カ月に及ぶが,出のう 期日に全く影響しないのだろうか.「産卵日が早いと出のうも早い」という仮説を検証 した. 方 法 1994 年~2007 年まで大阪府堺市において野外で産卵したジョロウグモのデータ (表 1)を用いた.産卵場所により出のう卵のう率(出のうした卵のう/総卵のう)は 差異があったので,場所別に産卵時期の異なる 2 群の卵のうからの出のう日を比較し た.A 群を 10 月 21-30 日産卵の卵のうとし,B 群を 11 月 21-30 日産卵の卵のう とした.12 月はサンプル数が尐なく出のう率も低いので,解析には用いなかった.西 野(2010)で 2 回目産卵では出のう日が遅くなる可能性が示唆されたので,初回産卵 の卵のうを対象とし,实験例は除外した. 積算温度の法則に従い, 起算日から出のう日までの有効気温 (日平均気温-発育零点) を積算してA群,B群を比較した.有効気温<0 の場合は有効気温=0 とした.ジョロ ウグモの越冬卵の休眠消去は 3 月上旪と推定された(栗原 1977)ので,起算日は 3 月 1 日とした.日平均気温は気象台データ(大阪府堺市)を用いた.ジョロウグモの発育 零点は不明のため,他種のクモの報告(Li and Jackson1996)を参考に,8 度~15 度の範囲で仮定した.統計学的検定は Mann-Whitney U検定を用い,有意水準は 5% で判断した. 16 表 1 時期別,場所別出のう卵のう率(出のうした卵のう/総卵のう)と総卵のう数 産卵時期 常緑樹葉 落葉樹葉 幹 人工物 88.3% n=94 82.3% n=62 61.9% n=21 68.4% n=38 10 月 87.7% n=114 83.3% n=66 71.4% n=28 71.4% n=35 11/1- 11/10 93.6% n=78 85.4% n=41 68.0% n=25 60.7% n=28 11/11-11/20 93.3% n=60 77.4% n=31 78.6% n=14 68.2% n=22 11/21-11/30 84.6% n=39 75.0% n=16 33.3% n=6 52.2% n=23 12 月 89.6% n=385 81.9% n=216 67.0% n=94 65.1% n=146 全期間 ※積算温度の法則 T°C における昆虫等の発育には以下の関係がある. K=D(T-T 0) ……(1) K:温度定数(有効積算温度),D:発育日数,T 0:発育零点,(T-T 0):有効温度. (1)式はいろいろな発育段階(卵,幼体,蛹)に適用できる.同じ発育段階であれば, 有効積算温度 K は種で一定である. 結 果 A 群,B 群の産卵場所別の卵のう数と出のう卵のう率を表 2 に示す.常緑樹葉,落葉 樹葉は卵のう数が多く,出のう卵のう率も高かった. 仮定した発育零点の下での産卵場所別の出のうまでの有効積算気温を表 3 に示す. 全ての発育零点において,いずれの産卵場所でもB群の有効積算気温はA群より大きか った.常緑樹葉,落葉樹葉では有意な差がみられたが,幹,人工物では有意な差はみら れなかった. 図 1 は発育零点 11 度と仮定したときの各群の有効積算気温を箱ひげ図に表したもの である.常緑樹葉,落葉樹葉では明らかにA群,B群の違いがある.幹でもB群が大き い傾向があるが,人工物ではデータの重なりが大きい.また,幹 A 群と人工物 A 群は 箱の長さ(四分位範囲)が大きく,データのばらつきが大きい.他の発育零点の場合も 同様の結果だったので,図は省略した. 表 2 各群の産卵場所別の卵のう数,出のう卵のう数,出のう卵のう率 A群 B群 1) 3) 卵のう数 a 出のう卵のう数 出のう卵のう率 卵のう数 a 出のう卵のう数 出のう卵のう率 b b/a b b/a 常緑樹葉 60 54 90.0% 56 1) 52 1) 92.9% 落葉樹葉 41 33 80.5% 29 2) 22 2) 75.9% 幹 12 6 50.0% 13 3) 10 3) 76.9% 人工物 29 19 65.5% 22 15 68.2% 2 回目産卵例 4 例を除外. 2) 2 回目産卵例 1 例,实験例 1 例を除外. 2 回目産卵例 1 例を除外. 17 表 3 各群の産卵場所別有効積算気温(平均±標準偏差,単位:度日) 発育零点 8度 A群 B群 10 度 A群 B群 11 度 A群 B群 12.8 度 A群 B群 15 度 A群 B群 常緑樹葉 383.4±62.6 427.9±50.6** 270.6±48.6 307.7±41.5** 220.6±42.2 254.6±36.8** 143.0±32.1 171.8±29.7** 73.3±22.8 93.4±20.6** 落葉樹葉 375.6±57.4 439.4±46.3** 262.7±42.2 311.7±36.2** 212.9±34.2 258.8±31.2** 135.7±22.6 173.2±24.5** 66.9±14.6 93.3±17.6** 幹 353.5±73.4 399.4±48.3 247.5±55.9 282.9±37.1 200.3±47.4 231.5±33.0 127.1±35.2 152.0±28.0 61.7±23.1 79.7±19.3 人工物 352.9±69.2 385.0±75.2 248.1±56.4 273.2±61.0 199.1±50.6 223.6±54.6 124.8±40.1 145.5±44.1 60.5±26.7 74.5±31.5 A 群- B 群間 で Mann-Whitney U検定, ** p<0.01 400 350 有 効 300 積 算 気 250 温 ( 度 200 日 ) 150 100 常緑A 常緑B 落葉A 落葉B 幹A 幹B n=54 n=52 n=33 n=22 n=6 n=10 人工A 人工B n=19 n=15 図 1 産卵場所別有効積算気温(発育零点 11 度) 箱の中の線は中央値,○は境界点より外側のデータを示す. 考 察 発育零点,有効積算温度は昆虫等における発生予察,個体群動態モデルには不可欠の パラメータであり,発育生理や季節適応などを解析するための重要な手がかりをうるこ とができる(桐谷 1997).野外データを用いた発育零点や有効積算温度の推定は誤差 が大きくなることが予想されるため,通常は任意に設定したいくつかの温度区で昆虫等 を审内飼育し,発育日数から発育速度を求めて推定する.クモ類においても 10 科 22 種で発育零点,有効積算温度の報告がある(Li & Jackson 1996)が,ジョロウグモ では報告がない. 仮定したすべての発育零点で,常緑樹葉と落葉樹葉ではA群とB群の出のうまでの有 効積算気温には有意な差がみられ,B 群の有効積算気温が大きかった(表 3,図 1). つまり B 群(11 月 21-30 日産卵)は A 群(10 月 21-30 日産卵)に比べ,出のう 18 が遅れることが示唆された.今回は仮定した発育零点の下での結果であったが,起算日 をA群,B群とも同じにするならば,発育零点が何度であっても同様の結果になる.し たがって,A 群と B 群は休眠消去の時期が違っていたか,休眠消去時に同じ発育段階 になかったことになる.いずれにせよ,産卵時期の違いが休眠後の発育に影響したと考 えられる. しかし,幹と人工物ではB群の有効積算気温がA群より大きかったが,有意な差はみ られなかった.その原因として,まずサンプル数不足や低い出のう卵のう率(表 2)が 考えられる.幹や人工物への産卵が越冬卵死亡の危険因子であることは報告した(西野 2009)が,胚死亡に関与する要因が不安定な発育環境をもたらし,データのばらつき を生じた(表 3,図 1).さらにサンプル数不足も加わり,本来みられるはずのA群と B群の差が明確でなかった可能性がある. また,A群とB群の有効積算気温の差は葉の卵のう>幹の卵のう>人工物の卵のうの項 に小さかった(表 3,図 1).桜谷(1997)によると,冬に産卵するナナホシテント ウ Coccinella septempunctata は熱吸収率の高い物質(生の葉より枯葉,植物より金 属)に好んで産卵する.うすく糸を引くだけで葉上や樹幹に産卵するジョロウグモにお いても,産卵場所の熱吸収率が発生に影響する可能性は否定できない.蒸散作用で表面 温度の低い常緑樹葉や落葉樹葉(産卵時は生の葉である),次いで温度の低い樹皮に対 して,人工物は表面温度が高いため,B群の卵のう(瓦の裏 10 例,軒板 2 例,フジ棚 の鉄枞 2 例,とい 1 例)でも発育遅延があまり生じなかったと考えると,今回の結果 と矛盾しない. 今回,仮定した発育零点の下で出のうまでの有効積算気温を比較すると,葉上に産卵 された卵のうの場合,産卵日が早いと出のうが早いことが分かった.しかし幹や人工物 の卵のうでは産卵時期の影響ははっきりしなかった.産卵場所の熱吸収率が発生に影響 する可能性もある.ジョロウグモの季節適応を解明するためにも,实験的な発育零点の 推定,卵のう表面温度の实測,休眠卵の発育段階の詳細な観察,休眠消去時期の確認な どが必要である. 謝 辞 文献を提供,原稿の内容について貴重なご教示をいただきました池田博明先生に深く 感謝します. 引用文献 桐谷圭治 1997. 日本産昆虫,ダニ,線虫の発育零点と有効積算温度. 農業環境技術研究所資料 21 号 . 栗原輝代子 1977. ジョロウグモの卵休眠(講演要旨) . Atypus, 68: 23-24. Li D. and Jackson R. R. 1996. How temperature affects development and reproduction in spiders: a review. Journal of thermal biology, 21(4): 245-274. 西野真由子 2009. ジョロウグモの越冬卵死亡の危険因子の分析. Kishidaia, 95: 23-26. 西野真由子 2010. ジョロウグモの複数回産卵と繁殖及び出のうに影響を及ぼす要因. Kishidaia, 97: 8-12. 19 桜谷保之 1997. 冬に産卵するナナホシテントウとその産卵戦略. インセクタリゥム, 34: 308-313. 新海栄一・高野伸二 1987. クモ基本 50. 森林書房 . 徳本 洋 2009. ジョロウグモの産卵・出嚢時期の長さと造網子グモの出現時期. くものいと , 42: 51-60. 20 KISHIDAIA, No.98, Oct. 2010 ハエトリグモの学名の解説(2) アリグモ物語 池 田 博 明 アリグモはアリに擬態しているため,クモのなかでは一般に親しまれている種類であ る.しかし,その種類の同定や学名となると話はややこしくなる.アリグモ属を分類し ようとすると,私は故・大熊千代子さんの言葉を思い出す.「アリグモの分類は難しい わよ.私はよう手を出さんわ.アシナガグモは顎を見ればいいから簡単」と.アシナガ グモの分類も簡単とは思えないが,アリグモ属は記載種 200 種以上と多いし,生殖器 の形態は似通っており,分類の標徴である顎の歯の形態や数は変異が大きいため,難物 である.また,アリグモのどの種も基本的にはアリと似た形態をしているので,違いが 分りにくい. 私が多くの方がたから標本を提供していただいて,大雑把に日本のアリグモの整理を したのは 2004 年であった.研究途中で気が付いたことや一般の目にふれにくい文献の 内容を紹介・解説して学名の解説というよりもアリグモ研究余話といった内容の原稿を 書いたのはその頃であった.後は基準標本との照合などのツメをする予定で,論文も途 中まで書いた. しかし,その後,台湾の学生が再記載したオオアリグモなどで異見が出て(ウェブ上 で紹介されたが,論文が未公刊),発表を控えていた.現在はほとんどの標本を,アリ グモの分類に取組む鹿児島大学の山崎健史氏に預けて,検討をお願いしている.ヤガタ アリグモが新海栄一の図鑑(2006)で紹介されて,見解が流布したにもかかわらず, なんの情報も出さないのも不親切だと思い,原稿を過去の研究史を中心とした記述に改 めて発表することにした.本稿は,山崎氏の研究を束縛するものではないことをお断り しておく.正式な新記録の報告ではないし,仮称にも制約はない. 「アリグモ物語」だから,アリグモから始めるべきかもしれないが,日本の「アリグ モ」には問題が山積しているため,物語はヤガタアリグモから始める. 第 1 の物語 ヤガタアリグモ Myrmarachne elongata Szombathy 1915 このアリグモが記載されたのは 1915 年のことです.ハンガリーの研究者ゾンバシー (Szombathy)がアフリカのウガンダで採れたオスをもとに記載しました.彼は種小 名に「elongata」(ほっそりとした)という名前を採用しましたが,これは適切な命 名でした.オスの身体は確かにほっそりとしているからです.レクトタイプ標本はブダ ペストのアラッタラの自然史博物館に保管されました. 21 それより前の 1910 年にフランスの分 類学者シモン(Simon)はパリの自然史 博物館にあった本種の標本を見ていま したが,シモンはこれを M. hesperius と誤同定しました.M. hesperius (Simon) は別の種類なのですが,形態が ほぼ一緒なので誤ってしまったという わけです.フランスのベーランとミヨー (Berland & Millot)も『フランスにあ るアフリカのクモ』(1941 年)で hesperius = hesperia のタイプ標本を 見ないで同定したため,elongata を hesperia と同定して報告し,さらに彼 らがセネガルのダカール産のオスの標 本で新種として記載した M. coppeti も elongata でした.こういった事情が明らかに なったのはイギリスの自然史博物館のワンレス(Wanless)の,「すべてのタイプ標本 を見直す」という徹底的な研究(1978)によるところが大きいので,ここでは彼の論 文を中心に物語を続けることにしましょう. さて,クモのカタログ作成で著名なドイツのレーヴァー(Roewer)は 1965 年に『エ チオピア区のリセイハエトリと多歯ハエトリ』という論文を発表しました.このなかで 彼は僅かな特徴の違いをもとに多くの新種を記載しましたが,elongata のタイプ標本 を見なかったこともあり,彼が記載した新種のうち,ザイール産の 6 種が elongata で した.オスによって記載された M. faradjensis,M. atra,M. dartevellei,M.kasaia と,雌雄によって記載された M.abimva,M.moto です.レーヴァーはこれらの 6 種を 図示していますが,それを見るとこれら 6 種は同種には見えません.特にオスは頭胸 部に対する顎の長さが異なっています.図から「顎指数 Cheliceral Index」(上顎長/頭胸部長)を算出してみると, 大きいものでは 1.14(頭胸部より長い)で,小さいものでは 0.62(頭胸部の 3 分の 2 くらい)になります.レーヴァーの 論文ではあちこちに分散して記載されている 6 種と elongata を並べてみました(上顎長の測定法と上顎の異なる elongata 属 7 種の図参照). 日本の既知のアリグモ類を見ている私たちの常識では,これ らはもう別種と考えてしまいます.従来からアリグモを同定す るときには,顎指数は重要な識別点でしたから,これら 6 種が 同種と言われてもすぐには信じられません. ワンレスは,この現象を「アロメトリー(相対成長)」で説 明しています.体が大きいほどオスの顎は長く伸びているとい 22 うのです.「体の小さいクモでは顎指数も小さいが,体が大きければ顎指数は大きくな る」と.頭胸部の形態(たとえば,頭部と胸部の境界部の陥没の程度など)もそれにつ れてだいぶ変化します.しかし,違いが大きくても,シェラ・レオネ国からは,どの型 も採集できましたし,同じ場所で日を違えて採集すると別の型が取れるのだそうです. ちなみに,1954 年の 6 月 4 日にはアンゴラで日本製の傘についていた♀が 1 匹採集さ れています.ワンレスの論文に「日本」が登場するのはここだけでした.ワンレスによる と,このような顎多型現象は他の種(M. giltayi Roewer 1965: M. ichneumon Simon 1886: M. legon Wanless 1978)でも確認されています. 本種の生態についてはナイジェリアでの観察例が記述されていました.休閑地の潅木 林や二次林の藪・木に多く,メスは葉を巻いて小さな住居(retreat)を作っています. 幼体やメスは狩り蜂に襲われています.これらの蜂は Pison 属で,エドマンズ(M. Edmunds)がガーナで収集した蜂房からは多くの elongata を見ることが出来ました. Pison は他の属のハエトリグモ(Pseudicius,Telamonia,Cosmophasis)も狩りま す(Wanless 1978).ちなみに,これらのハエトリグモは中形の種類です. ヤガタアリグモという和名はメスの腹背中央にある矢印模様から私が命名したもの です.この矢印模様は必ず見えるわけではありませんし,オスでは見えないことも多い のです.色彩が赤っぽい型では見えますが,黒っぽい型では見えません.しかし,模様 に重要な特徴が表れるアリグモはあまりありませんから,命名に利用しました. アフリカ各地から採集されていますが,その後,ポーランドのザブカは『ベトナムの ハエトリグモ』(1985 年)でベトナムから報告しました.ザブカの論文は,どのハエ トリグモの図も大変美しく正確に描かれており,同定の参考になります.1992 年には 中国からも報告されています(Zhang, Song & Zhu 1992).2004 年時点で標本で 確認した日本でのもっとも早い採集は谷川明男による 1985 年 8 月 9 日の西表島のメ ス標本でした. 1987 年 8 月 15 日に石野田辰夫が宮崎県の日南海岸いるか岬で 3 オス, 2 メスを採集した個体をもとに,石野田は九州クモの会会誌 Hepthatela に「日本のア リグモ属 Myrmarachne MacLeay について」を書き,「ミヤザキアリグモ Myrmarachne sp.」と名づけて報告しています(石野田 1988).石野田の記載文は 雄中心で,ミヤザキアリグモの頄には牙堤歯数の記述に前後の取り違えなどの誤記があ りますが,雌に関して「腹部背面中央の黒帯は矢はず形で著しい特徴である」との記述 があり,他の特徴からも,ミヤザキアリグモは elongata であると判断して矛盾があり ません. ただし, 本種が広域分布な種であることから, 現時点で和名を付ける場合には, ミヤザキアリグモという和名はふさわしくないと判断しました. その後の採集記録を地域ごとに記しておきます.沖縄県西表島(1986 年 3 月 29 日 ♀,1987 年 1 月 4 日♂,1987 年 4 月 1 日 2♀,1991 年 12 月 30 日 2♂2♀,1989 年 12 月 26 日♂♀.すべて谷川明男採),沖縄県北大東島(1995 年 3 月 4 日♀,1996 年 10 月 13 日♂,1997 年 6 月 15 日♀,1998 年 4 月 12 日♀.すべて佐々木健志採), 沖縄県本島喜如嘉(1997 年 6 月 26 日♀,1997 年 10 月 17 日♂♀.佐々木健志採), 沖縄県与那国島(2001 年 8 月 27 日♀.平松毅久採),沖縄県本島今帰仁(1993 年 4 23 月 3 日♀.池田博明採)・名護岳(1999 年 4 月 21 日♂.伴満採)・浦流域(1996 年 8 月 19 日♀.佐々木健志採),兵庫県稲名川(1992 年 10 月 16 日♀.熊田憲一採), 鹿児島県奄美大島(1999 年 9 月 11 日♀.田中穂積採,2001 年 7 月♂,伴満採),東 京都八丈島(1994 年 4 月 24 日♀,伴満採),東京都小笠原諸島父島(2002 年 1 月 1 日幼体.田中徳久採),兵庫県猪名川(1992 年 10 月 16 日♀.熊田憲一採),大阪府 伊丹市(1992 年 8 月 28 日♀,1992 年 10 月 16 日♂,1992 年 10 月 17 日♂♀.すべ て熊田憲一採),大阪府大阪市中央区(1998 年 7 月 22 日♀,小泉採)でした.雌成 体は一年中見ることができます.雄成体の採集月は沖縄県では 1 月・4 月・10 月・12 月,鹿児島県では 7 月,大阪府では 10 月でした. ところで,これまでに私が見ることができた日本産の本種はすべて顎指数の小さい個 体でした.顎指数の大きい型が日本に生息しているのかどうかは分りません.日本がも し本種の分布の東端だとしたら,小型の系統だけが侵入してきたのかもしれません.桝 元敏也氏の採った滋賀県産の標本は顎の長い型だったらしいのですが,送っていただい た標本をしまいこんでしまったようで,出てきません. 第 2 の物語 マガネアリグモ(仮称) Myrmarachne legon Wanless 1978 谷川明男氏が西表島のアリグモの標本で No.36 番と呼んでいたオスの標本 2 個体は 日本産新記録種でした.一見普通のアリグモによく似ています.ワンレスが 1978 年に アリグモの総括をしたときにガーナ産で記載した種でした.樹上性のアリとともに採集 されているそうです.この種はザブカによってベトナムからも記録されていました. オスのけい節突起の形態が特異で曲がった先に返しがついています.その他の目立っ た同定の特徴がないため,マガネアサヒハエトリの先例にならってけい節突起に注目し てもらう意味でマガネアリグモと命名しました.ただし,このアリグモのけい節突起の 形態は触肢を体に付けたままではよく見えないため,必ず取り外して調べる必要があり ます.メスは未発見ですがメスの外雌器も良い図があるため,今後見つかることと思い ます.本種の発表は山崎健史氏に一任しました. 第 3 の物語 オオアリグモ Myrmarachne magna S.Saito 1933 1933 年に斎藤三郎は「台湾のクモ」という英語論文を発表しましたが,このなかで 「オオアリグモ」という新種を記載していました.斎藤がつけた学名は Myrmarachne magnus というもので,「magnus」は「大きい(big)」ということです.しかし, このクモはその後ずっとその姿を現しませんでした.プルシンスキーのカタログ(2003 年)でも原記載以来,有効ではあるものの再記載のない種として扱われていました. ところが,2004 年 6 月に沖縄本島の与那覇岳で谷川明男さんが琉球大学生と一緒に 体長が 1 cm 以上もある大型のアリグモの雌雄を発見しました(谷川 2004).これま で一度も採集したことのない種類だったので,谷川さんは私に標本を送って下さいまし 24 た.斎藤三郎の記載から,これが斎藤の 記載したオオアリグモで,しかもザブカ がベトナムから記載した Myrmarachne gigantea Zabka 1987 は同種であると, 私は思いました. 斎藤の記載は十分なものではないの ですが,同定に必要な点は記されており, 図も含めて有効であると判断しました. ちなみに,斎藤は台湾からクロアリグモ M. innermichelis(=ヤサアリグモ) と, アカアリグモ M. japonica(=アリグモ) を記録した後に本種を記載しています. 斎藤の記載した種の基準標本(タイプ標本)は北海道大学でどこに行ったか分らなく なってしまいましたが,昭和 26 年に高等学校全国体育大会札幌大会に和歌山県の高校 のバドミントン部の顧問として生徒を引率していった米田 宏氏が訪れた際に,斎藤氏 は農学部の研究审で研究の手ほどきをしてくれた他,その数年前に沖縄採集行で採った 標本を見せてくれたそうです.それらの標本は今後に研究する人のためにガラス管に液 浸した後,ガラスを溶解して封入してあったといいます.だから基準標本も同様にして きちんと残存しているのではないかと米田氏は推測していました. 李 長林は『台湾之蜘蛛』(1964 年)に斎藤三郎の原記載を台湾語に翻訳し,図を 描き直して掲載しています.斎藤三郎の英文の原記載を日本語に翻訳して紹介しておき ましょう. 【斎藤三郎の原記載】 10. Myrmarachne magnus n. sp. Jap. Name, Oo-arigumo(和名 オオアリグモ) 第 III 図版 , 27 図 a-g. オス: 頭胸部は濃黒褐色で鋭い白毛で被われ,caputに数本の長い顕著な毛がある; 形態 は狭く細身で,深く横にのびた溝で二つにはっきりと分けられる.眼域は正方形で,長さと幅 は等しい. 眼の大きさはかなり異なり,3 列に並ぶ.前列眼は接近し,中眼は最大で側眼の 2 倍はある. 2 列眼(=後中眼)は最小で三列眼より前列のほうに近く位置する. 脚は濃黒褐色;ただし,第 1 脚の基節,転節,膝節とけい節の端,第 2 脚と第 3 脚のけい節 , しょ節 ,ふ節,第 4 脚の転節は薄い茶色である. 触肢は短い.厚く黒い毛をもち濃黒色; その構造は単純で,けい節の端末に突起を持つ. 下顎は長く丈夫で触肢の挿入部の上がもっとも狭くなっており,端はもっと広い.色は黒い. 胸板は薄茶色である.上顎は濃褐色で頑丈で長く,内側に 8 歯を備える.腹部は濃黒褐色で, 白毛に密に被われる. 測定値は次の通り.全長 1.00cm; 頭胸部 0.40cm; 腹部 0.30cm;顎 0.40cm;第 I 脚 1.20cm; 第 II 脚 0.80cm; 第 III 脚 0.80cm, 第 IV 脚 1.10cm. 採集地: 台北( R.高橋氏), 1927 年 10 月 24 日 特徴: 本種は第Ⅰ脚のけい節に 6 本(図から 6 列)の刺をもつ点と巨大な体長であるこ とで他のアリグモと異なる. 25 ところが,私が論文発表をしないでいるうちに,台湾の学生が台湾からオオアリグモ を再記載しました(ネット上でマスター論文として紹介されただけで,いまだに正式な 発表がされていない).その記載は沖縄の種とは別ものでした.再記載された magna は腹部の形態が斎藤の記載した図とよく似ていました.どれが真のオオアリグモなのか, 物語は振り出しに戻ってしまったのです.これらの種の整理は山崎健史氏に一任しまし た. 第 4 の物語 クワガタアリグモ Myrmarache kuwagata Yaginuma 1967 クワガタの顎のように太いがっしりした顎をもつアリグモの一種です.八木沼健夫に より 1967 年に新種として記載されました.タイプ標本となったのは興津伸二氏が 1951 年 6 月 26 日に山形県羽黒町で採集した雄でした.興津氏は植村がアリグモとヤ サアリグモの特徴を解説した後で,Atypus に疑問蛛について投稿しています. 本種は他のアリグモと異なり,オスの顎の形態が特異的で,オスでは同定の容易な種 ですが,採集記録があまりありません. メスの同定はアリグモと似ていて困難 です.交尾口の形態が特異なので同定可 能ですが,肉眼でメスの生殖器を見分け ることは難しいと思います.似た種類が いない,かなり特殊なアリグモ類です. 牙堤歯には個体変異があります. 第 5 の物語 タイリクアリグモ Myrmarachne formicaria (De Geer 1778) タイリクアリグモはヨーロッパでは広汎に分布するいちばん一般的なアリグモです. 原記載もアリグモ属ではかなり早く 1778 年に記載されています.記載者は英語読みす るとド・ギーアですが,おそらくスウェーデン人で,ド・イールと読むのが正しいそう です.アリの記載もしている人です.ロケットとミレッジの『英国のクモ』に有名な図 があります. 日本でも河川敶や丘陵地などで採集されていましたが,1960 年の八木沼健夫の保育 社の図鑑に掲載されていなかったため,その分布があまり知られていませんでした. 1986 年の八木沼の図鑑には記述はあるものの,図が掲載されていませんでした.アリ グモより小さく,大変美しい模様をもつクモなので,採集しながらも名前がはっきりせ ず,気になっていた人が多かったのではないでしょうか.しかし,1987 年の新海栄一・ 高野伸二『クモ基本 50』や 1989 年の千国安之輔の写真図鑑に掲載されて以降,一般 にも知られてきたと思います. ヤガタアリグモとタイリクアリグモの背面の色彩と模様は一見よく似ていますので 注意が必要です.タイリクアリグモは,腹部背面の前方に白い帯状の毛があるのが特徴 26 です.また,著しく小さい個体が採集されることがあります.今回の標本では,伴満氏 の沖縄県での採集品のなかにタイリクアリグモの dwarf(ドワーフ=小人)個体があり ました. タイリクアリグモの学名には先取権で問題がありました.イタリアのスコポリが 1763 年にド・イールよりも先に記載した M. joblotii がタイリクアリグモであることが 判明したため,先取権を厳密に適用すれば,タイリクアリグモの学名は変更せざるを得 なくなってしまったのです.しかし,タイリクアリグモの学名は,M. formicaria とし て長らく親しまれてきたこと,formica はアリを表す言葉であり,学名としてすぐれた 名称であることから,先取権を適用しない例外とされました.この件に関して松本誠治 が紹介しています(松本 1977).ちなみに,進化学者グールドは『がんばれブロント サウルス』でこのような学名の問題を扱っていました.グールドの意見は,先取権はも っともだが(たとえばブロントサウルスよりもアパトサウルスの方に先取権がある), 納得のいく理由があり,命名規約に示された正当な例外手続きさえ踏めば,より適切な 学名を使うことにしてもよいというものです. 第 6 の物語 アリグモ M. japonica (Karsch 1879)と ヤサアリグモ M. inermichelis Bosenberg et Strand 1906 さて,次はアリグモとヤサアリグモ,そしてもう一種シャラクアリグモ(仮称)M. lugburis (Kulczynski 1895) の三つ巴です.この 3 種は混同された歴史がありますの で,物語は複雑です. 最も早く記載されたのはヤポニカ,つまりアリグモです.ヤポニカは,ドイツのカル シュがオスの標本をもとに新種として記載しました.しかし,このオスは未熟だったた め,後々まで禍根を残すこととなりました.ベルリンのフンボルト大学付属自然博物館 に保管されていたレクトタイプとパラタイプ標本(標本番号 ZMB 2918)を見直した ポーランドのプルシンスキーは触肢の構造が皮下に見えることを報告しており,図も描 いています(Proszynski 1973).小野展嗣によれば,プルシンスキーのラベルの判読 (S. Hilgendorf J. N. 2981)が正しいとすれば,「Sammlung von Hilgendorf, Japan, Nord」の略と推察され,函館産の標本だそうです(小野 2001). プルシンスキーの再記載は残念ながら種の決めてを欠いていますが,重要なのは体長 です.頭胸部長 2.70 mm,腹部長 3.43 mm と記されています.また,図のスケール から体長を割り出すと,7.29 mm となります.カルシュのドイツ語の原記載文を日本 語に翻訳してみました. “Salticus japonicas n. sp., 雄未熟個体.体長 8 mm.頭部の背面は黒色で胸部は明 るい褐色だが,縁には表面に鋭く白い毛がある.…大顎・触肢・下唇・胸板はやや黒味 あり.第 I 脚と第 II 脚の基節は色が薄く,標本のうちひとつは基部に黒い点がある.腿 節は黒っぽく他の節は淡いが,側面に黒い条がある.第 II 脚のふ節全体は淡く,第 III 脚と第 IV 脚の基節は黒褐色で,他の節は黒い.第 III 脚しょ節の下側と第 III 脚・第 IV 27 脚のふ節だけは淡い. 中心部から前方の腹部にはわずかにくびれがあり, ほぼ湾曲し, くびれの側面は白い. 真っ直ぐな条があり,反対側の中央部は刺で覆われている.腹部の地色は灰褐色で,明 るい鱗状毛があり,前方のくびれの側面は黒く,くびれの後部には弓なりの条がある. 腹面の側面は黒くなっている.それらにより糸疣の前でより幅の狭くなるほぼ三角形の 明るい灰褐色の部分を腹面に形成している. 体サイズの観点から見ると,特に脚の特徴からは Toxeus 属 C.Koch(あるいは Synemosyna 属 Hentz)の一種とも思える. ヒルゲンドルフ採集.” さて,原記載以降,ヤポニカ・アリグモはどのように認知されてきたのでしょうか. ベーゼンベルクとシュトランは 1906 年,大著『日本の蜘蛛』(1906)でヤポニカを 再記載し,イネルミケリス・アリグモ(=ヤサアリグモ)を新種記載しました.ヤポニ カの標本はまたも雄の未熟個体でした.一方ヤサアリグモは雄の成体標本をもとにして おり,記載文も図もしっかりしたものであるにもかかわらず,その後,正しく流布しま せんでした. 岸田久吉が指導をして出版された湯原精次『蜘蛛の研究』(1931 年)にはアカアリ グモ M. japonica,クロアリグモ M. innermichelis,クマアリグモ M. kuma Kishida が記載されています.しかし,図から推定すると,アカアリグモがアリグモの雌,クロ アリグモがアリグモの雄(図から顎指数を求めると 0.70),クマアリグモがアリグモ の黒色型の雌を表しています.また,同じ年に発行された小松栄『原色大日本蜘蛛類図 説(上)』(1931 年,蘭山会)にはアカアリグモとクロアリグモが記述され,図があ りますが,この図は小松自身の標本に基づいたものではなく,ベーゼンベルクとシュト ランの『日本の蜘蛛』のそれぞれの図をなぞったものと判断されます.向きも形態もま ったく同じだからです. この時代はクロアリグモとして,現在のヤサアリグモの学名が当てられるのが通例で した.その後,日本蜘蛛学会会誌に小松敏宏の「クロアリグモの習性」(1936 年)が投 稿されました.さらに,千国安之輔の『日本アルプス山系の蜘蛛』(1941 年)には, アカアリグモは湯原の原図,クロアリグモは小松の原図で掲載されています.千国のク ロアリグモは種の記述の頄目に,頭胸部長が「アリグモと同じ」(4 mm)くらいなのに 対して「雄の上顎が非常に大形で長さ 4 mm 余りもあり,長い牙を有する」とあり,千 国はクロアリグモとしてヤサアリグモを正しく認識していたと思われます.その前後に 出版された重要な著書・斎藤三郎『日本動物分類 蜘蛛』(1938 年・1941 年)には ハエトリグモ科は一種類も記載されませんでした. 一方,植村利夫は「アリグモについて」(1952 年)で,アリグモの上顎の変異を図示 したほか,アリグモとヤサアリグモの雄の外形と触肢を図示して,従来のクロアリグモ はアリグモの雄の誤認であったと断定しています.植村の図から顎指数を求めるとアリ グモ雄は 0.79,ヤサアリグモ雄は 1.21 と算出されます.さらに,植村は小松敏弘の 1936 年の習性の論文のクロアリグモもアリグモの誤りであると断定していますが,小 28 松は観察したクロアリグモの図を描いており,この図から雄の顎指数を求めると,ほぼ 1.00 か 1.03 となり,アリグモにしては大きすぎます.小松の図の雌雄はヤサアリグ モにしては頚溝のくびれが弱いため,植村はその図からアリグモと断定したものと思わ れます.しかし,千国の図鑑の写真のヤサアリグモの顎指数は 0.75 で同頁の写真のア リグモの顎指数 0.85 より小さく写っていますし,小松の図のクロアリグモの雄の腹部 はアリグモというよりは,ヤサアリグモの形態に近い点から考えても,小松のクロアリ グモをアリグモと断定するのは問題があると思われます.小松自身は植村の断定に対し て何も応筓していませんでした. また,植村はアリグモの論文で雄の前牙堤歯数を 7~8 本,後牙堤歯数を 9~12 本 と記していて,この記述はそのまま八木沼健夫の図鑑(1960 年,1986 年)や石野田 辰夫のアリグモの論文(1988 年)に,無批判に受け継がれました.私が見たアリグモ の標本では,後牙堤歯数が 12 本という個体はありませんでした.歯の数は後ほど図と 表で示します. 植村の論文にはヤサアリグモの上顎の図は掲載されていなかったため,ヤサアリグモ の正体に対する質問があり,八木沼はヤサアリグモを図解して示しました(八木沼 1953).この頃,1916 年生まれの八木沼は 37 歳.追手門学院高等部で教員をしなが ら,Atypus の編集とガリ切り製版を一人で行っており,超人的な仕事ぶりだったと思 われます.八木沼は Atypus に 1954 年から「日本産真正蜘蛛類概説」を書いて日本の蜘 蛛を整理しはじめますが,1961 年まで続けられたこの仕事で,ハエトリグモ科はとう とう扱われませんでした.ちなみにこの「概説」のサラグモ科だけは,大五良次博士が担 当していました. しかし,1960 年の八木沼健夫の図鑑以降,ようやくアリグモとヤサアリグモは正し く認識されるようになりました.ヤサアリグモという和名は植村利夫が提唱したものを 八木沼健夫が採用したと思われます.八木沼の図鑑の意義については新海栄一(1977) が書いています. ボーダノビッチとプルシンスキーの『日本のハエトリグモ』(1987)には,ボーダ ノビッチがヤサアリグモの雌雄とクワガタアリグモの雄を再記載していますが,ヤサア リグモの雌の記載文にボーダノビッチは「密な毛が生えた後牙堤に歯が 4 個,前牙堤 歯 8 個」と書いてしまいました.これは前後が逆で,正しくは「後牙堤歯が 8 個,前 牙堤歯が 4 個」です. 第 7 の物語 アリグモ M. japonica (Karsch 1879) と シャラクアリグモ M. lugburis (Kulczynski 1895) 日本のアリグモ,つまりヤポニカ・アリグモはこれで問題が片付いたように思われま したが, 思いがけないところから異議申し立てが登場しました. ロシアのログノフです. 2000 年にログノフはマルシックと共著で『北方アジアのハエトリグモのカタログ』 という著作を出版しましたが,この本の中でログノフは千国図鑑のアリグモ=ヤポニ 29 カ・アリグモの写真を元に,これをラグブリス・アリグモと同定し,この本の地域範囲 とする日本の北海道のアリグモはラグブリスであり,中国や韓国のヤポニカも实はラグ ブリスだったと断定しました.つまりこの本からは疑問名(Nomia dubia)としてヤ ポニカ・アリグモを消してしまったのです. 千国図鑑のヤポニカを写真で同定すると,ラグブリスになってしまうほど,この二種は 酷似しているのです.实際,ラグブリスとして記録されている図のなかには,メスの外 雌器では識別することができない例もあります. 日本で広く分布しているヤポニカ・アリグモはラグブリスと同種なのでしょうか,そ れともヤポニカとは別にラグブリスがいるのでしょうか. ここで西表島の標本を見直してみましょう.实は西表島の種は本州産のヤポニカとは 尐し違うのです.谷川明男氏はこれを No.15 として別種候補としていました.この種 が別種だとすると,雌雄とも多くの点でヤポニカと区別することができます.特にメス の外雌器には内部生殖器が歌舞伎役者の隈取りを思わせる模様が浮き出て見えます.東 洲斎写楽の役者絵にあやかってこれを「シャラクアリグモ」と仮称して,作業仮説とし て西表島産のシャラクアリグモをヤポニカ・アリグモとは別種であると考えてみること にしました.シャラクアリグモが歌舞伎の「暫」型だとすると,ヤポニカ・アリグモの 外雌器は「助六」型です. この 2 種を見分けるもっとも簡単な違いは体長にあります.ヤポニカ・アリグモは 体長が 6 mm 以上ありますが,シャラクアリグモは 5 mm 前後かそれ以下です.千国 図鑑の「アリグモ」のオスは体長が 4 mm 程度しかありません.しかし,このオスの顎 指数は 0.9 もあります.顎指数はヤポニカが 0.9 に対し,西表島産のシャラクアリグ モは 0.7 ですから,千国図鑑のアリグモはラグブリスではなく,ヤポニカの小形個体と 判断することができるでしょう. シャラクアリグモ アリグモ M. lugburis M. japonica ※歌舞伎の写真は鎌倉( 2006)より. 30 暫 助六 Zabka が記載したベトナム産のラグブリス・アリグモと西表島産のシャラクアリグ モを比べるとメスの外雌器はそっくりです.メスの牙堤歯数も同じです.しかし,雄は 次の四点でベトナム産とは異なっています.牙の途中に突起がある(ベトナム産には突 起が無い),顎指数は 1 よりかなり小さい(ベトナム産は 1.25),RTA は屈曲する(ベ トナム産はやや屈曲),体長がやや小さい(ベトナム産は 2.80+2.70 mm). 「中国跳蛛(中国のハエトリグモ)」(1998)にはシャラクアリグモそっくりのク モの図がありましたが,この種はなんとまったく別の種 M. joblotti と同定されていま した.そして,タイリクアリグモ M. formicaria の同物異名だった M. joblotti は「中国 の蜘蛛 The Spiders of China」(2000)では当然の手続きとして,「中国跳蛛」の 種は M. formicaria の誤同定だということになっていました.しかし,この中国のジョ ブロッティとされた種は記載図からみてタイリクアリグモとは似ても似つかない種で, むしろ中国型のシャラクアリグモですから,この扱いは間違いだと思います. クルチンスキーが 1895 年に記載したラグブリスがシャラクアリグモなのか,ヤポニ カ・アリグモなのかは現在のところ,タイプあるいは基準産地の標本との検討もしてい ないため,明確にできません.当面のところ,アリグモはヤポニカとして扱っておきた いと思います.アリグモ,ヤサアリグモ,タイリクアリグモ,クワガタアリグモ,シャ ラクアリグモの牙堤歯数(シャラクアリグモのオスは未記)を表にしておきました.痕 跡的な歯を v で表しています.また,通常は前牙堤歯数と後牙堤歯数に分けて記述する のですが,種類によっては中央に並ぶ歯があり,それを区別してみました.昔に比べれ ば,解決に一歩一歩近づいているのではないでしょうか. 牙堤歯 オス 前 中 後 メス 前 後 アリグモ 6 9(8) 6 8 ヤサアリ 先端 4-後端 0 先 0-後 5 先 4v-後 0 4 8 タイリク 10 10v 6 7 クワガタ 先 1-後 0 先 0-後 4 先 9v-後 0 4 5 シャラクアリ 7 9 31 謝 辞 文献でお世話になった方々,小野展嗣氏,谷川明男氏,伴満氏,Logunov 氏,アリ グモ類の標本でお世話になった方々,谷川明男氏,野嶋宏一氏,小野展嗣氏,松田まゆ み氏,緒方清人氏,五原庸氏,工藤泰恵氏,熊田憲一氏,伴満氏,平松毅久氏,田中穂 積氏,田中徳久氏,西川喜朗氏,桝元敏也氏,貞元己良氏,笹岡文雄氏,馬場友希氏, 浜口哲一氏に感謝致します. 参考文献 Bohdanowicz A. and Proszynski J. 1987. Systematic studies on East Palaearctic Salticidae (Araneae) IV. Salticidae of Japan. Annales Zoologici, Poland. 41: 43-150. 千国安之輔 1941. 日本アルプス山系の蜘蛛 . 信濃教育会南安曇部会. 千国安之輔 1989. 写真日本クモ類大図鑑 . 偕成社. 鎌倉恵子 2006. 一冊でわかる歌舞伎名作ガイド 50 選 . 成美堂出版 . グールド S.J. 1995. がんばれカミナリ竜(上) . 早川書房. 小松敏弘 1936. クロアリグモの習性 . Acta arachnolocica, 1(3): 105-110. 李 長林 1964. 台湾之蜘蛛 . 大江印刷所 . Locket and Milledge 1968. British Spiders. Ray Society, London. Logunov D.V. and Marusik Yu.M. 2000. Catalogue of the jumping spiders of northern Asia (Arachnida, Araneae, Salticidae). KMK Scientific Press Ltd. 石野田辰夫 1988. 日本のアリグモ属について . Heptathela, 3(3): 5-16. 松本誠治 1977. ハエトリグモの分類( IV)ヨーロッパのアリグモの学名に関する諸問題. Kishidaia, 42: 29-34. 小野展嗣 2001. 日本の蜘蛛 記録第 69 号 アリグモ . Orhobula’s Box, 8: 16-17. 小野展嗣(編著) 2009. 日本産クモ類 . 東海大学出版会. Proszynski J. 1973. Systematic studies on East Palaearctic Salticidae. II. Redescriptions of Japanese Salticidae of the Zoological Museum in Berlin . Annales zoologici, Warszawa, 30: 97-128. Roewer 1965. 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Annales Zoologici, Warszawa, 39: 197-485. 32 KISHIDAIA, No.98, Oct. 2010 津軽半島斜陽館から新潟へ イソコモリを求めて 新海 明 2009 年 6 月.前月の京都から新潟までやったイソコモリの採集調査を,今度は青森 から新潟へと南下するルートで行った.私は同行できないが,谷川さんはその後に島根 の調査も敢行するので,イソコモリの日本海側での分布全域のサンプルを完了すること ができそうだ. 6 月 5 日,われわれは羽田から青森空港へ向かった.上空から眺めた青森はさながら 湿地帯だった.まさに田植えが終ったばかり,北国とはいえ日本はやはりみずほの国だ と实感する.いつものように空港でレンタカーに乗り換えて,一路津軽半島へと向かっ た.途上,かの有名な「三内丸山遺跡」の標識があった.私は過日ここを訪れたことが あった.巨大な丸太の支柱跡の遺構に再現された縄文時代の集落は,栗の栽培すらして いたという.遺構の眼下に迫った縄文の海辺では漁が行われ,ここに豊かな縄文文化が 花開いていたことに驚嘆したものだ.やがて,車は青森市内を通過して津軽半島の内湾 へと侵入した.陸奥湾の波は穏やかだった.しかし,海沿いはことごとく堤防で仕切ら れていた.時おりのぞく川沿いの隙間に開く浜は砂利浜ばかり,そして浜が「うすい」. これではイソコモリは生息できない.「うすい」砂浜でも生息していると,かつての調 査で報告していたのでは?と訝しむ方もいよう.「うすさ」のレベルが違うのだ.堤防 の下を覗くと「ほぼ海」なのだ.砂利があるところもあったが,せいぜい 1~2 mくら いの幅である.これでは無理だ. 結局,津軽の内湾でイソコモリの生息地は 1 つも見つけられなかった.蟹田まで北 上して津軽の内陸十三湖方面へと進路を曲げた.今回の調査行でも私はひとつだけ観光 旅行を谷川さんにお願いした.金木町である.太宰治の斜陽館がここにある.津軽半島 の西部には岩木山を借景とした広大な津軽平野が展開する.遮るものが何ひとつない, こんなに雄大な平野は日本にまたとない.かつて旅した妻籠から馬籠へ続く旧木曽街道 の峠から見た濃尾平野も,私のフィールドである八王子城跡の山頂から眺める関東平野 も,いずれも見下ろす雄大さだ.しかし,津軽の平野は見上げる雄大さなのだ.そして, そこに,あの岩木山が鎮座していた.青森県人がなぜ岩木山に固執するかが,ここへ来 てはじめてわかる. 金木の町は小さく静かだった.斜陽館へ到着して知ったのだが,今年(2009)は太 宰生誕 100 周年とのことで記念展が開催されていた.しかし,駐車場はガラガラだっ た.到着と同時に雤が降り出した.ちょうどよかった.調査もままならず,雤宿りをか ねてゆっくり見学できる.館内の間取りや広さは,津島家が県内有数の資産家だったこ 33 とをよく物語っていた.この私邸は一時旅館として営業していた.それほどの規模の家 屋である.今は市の観光施設となっている.私も若いときに太宰文学を読んだことがあ るが強烈に惹きつけられることはなかった.何か,痛々しい感想だけが残った.毎年 6 月に,東京三鷹にある禅林寺で桜桃忌が開催され太宰ファンが集まる.だが,この寺が 森林太郎の墓所で,太宰がその脇に自らを葬ってほしいと懇願したことは知る人ぞ知る 有名な話だ.鴎外翁を敬慕しかつ可愛がられたある文人は死に際し,自らの遺骸を遊女 の投げ込み寺に葬るように願った.私が太宰にイマイチ惹きつけられないのは,そんな 文人としての姿勢の違いにあるのかもしれない.だが,太宰の破天荒な,破滅へと向か う一途なエネルギーのほうが,今も昔もわかり易いのだろう・・・と書くと太宰ファン からはお叱りを受けそうだ.しかし,見方を変えれば金木に行った私も結局は太宰の 「ナ ニモノか」に惹きつけられたのだろう.彼に,人を惹きつける何かがあることに疑いは ない.斜陽館を出ると雤は上がっていた. われわれは今日の宿がある亓所川原へと向かった.あの「たちねぶた」で有名な町だ が,知る人はあまりいないかもしれない.津軽第 2 の町である.今回の旅は温泉付き の旅館に宿泊する計画はなかった.シティホテルに泊まるときの夕食は町に出る.居酒 屋があればいいのだが,当世どこもかしこも昔ながらの居酒屋は絶滅しつつある.どこ かしらには存在するのだろうが,知らない町でそれに行き当たることは稀だ.東京風の チェーン店居酒屋に入ることもしばしばだ.だが,ここ亓所川原で入ったのはイタリア ンな店だった.尐し離れた場所に居酒屋チェーン店の看板も見えたが,「津軽でイタリ アン」.なんか,ここの方が面白そうな感じがしたのだ.特筆するメニューがあったわ けではないが,丁寧な対応と雰囲気が良かった.私も赤提灯ばかり探すのではなく,こ んな店も開拓したいものだ. 二日目は,津軽の日本海側を南下して秋田まで足を伸ばす.まずは七里長浜へ向かっ た.海沿いの高山稲荷の裏手にある浜だった.砂浜に下りるとすぐにイソコモリの穴が あった.レベル 3.あっという間にサンプルが取れた.七里長浜沿いには豊産しそうだ が,近傍で何回採集しても意味がないので先を急ぐことにする.津軽平野の日本海沿い のドンつきに鰺ヶ沢がある.イカなどの海産物の名産地だ.ここからは海沿いに国道が 崖を這うように進む.千畳敶とか海馬島などの景勝地が続いた.真冬のストーブ列車で 有名な亓能線が走るのもここである.次の目的地は,十二湖周辺だ.私は十三湖の印象 から十二湖も大きな湖だとかってに解釈していた.そのため地図上で大きな湖を探して いたのだが,一向に見当たらなかった.仕方なく十二湖の文字を探すと「あった」.内 陸に点在する小さな湖沼群だ.地図を「ちょっと見」しただけでは,見落としてしまう ほどのものだ.残念ながらこの周辺ではイソコモリの生息地は見つけられなかった.た しかにいそうな浜は尐なかったのだが,近づけない (崖となっていて海に下りられない) ところも尐なからずあった.そんな事情から,このあたりにイソコモリが生息していな いかどうかは断言できない. 34 そして,十二湖から内陸部に向かうと 世界遺産である,あの白神山地が広がっ ている.私はここを訪れたことがないの で食指は動いたのだが,先を急がねばな らない.またの機会にしよう. ハタハタで名高い八森町の看板を見 て秋田県へ入ったことがわかった.次の ポイントは能代市付近だ.能代火力発電 所そばの浜浅内の浜ではすでにイソコ モリの生息が確認されていた.そのため, 高山稲荷の海岸 サンプルの採集は容易だった.これ以降 はいずれも先人の調査で生息の確認が取れていた.今年の調査の目的は京都からの時と 同様に,DNAの比較のための標本の採集であった.能代からは高速道路が秋田まであ るので時間が稼げた.右手に八郎潟の存在が感じられるのだがシカとは確認できない. なにせ,まわりの水田と判然と区別しがたいのだ.「たぶん,あの辺から先が八郎潟だ ろう」といったところだ.そして,行けども行けどもまわりじゅうが「八郎潟」であっ た.やがて,秋田市の雄物川河口にたどり着いた.付近はかえる公園として整備され, ここを調査された福島さんは「海に真向かって立つと,河口をはさんで左右にどこまで も広がるかに見える砂浜.打ち寄せる波の音は,遠い遠い過去の思い出を引き連れて来 るかのように,そして引き連れて帰るかのように,私の胸を震わせる.それは,かって 飛砂に埋もれ消えようとした集落の人々.先祖代々,数百年かけて守り続けてきた百三 段の人々の,神に祈りながら,心を合わせて自然に立ち向かってきた,その厳粛な思い が,私の今を震わせているのかもしれない.そして,この浜に今,イソコモリグモが生 きているのである」と述べていた.長年にわたり秋田県の自然誌や民俗誌に関して調べ てこられた福島さんならでは,の重い言葉である.すでに,夕暮れ時を迎え「今,ここ にイソコモリがいる」のだと思いながらも,その出会いは明日にまわして市内のホテル にもどった. 秋田では念願がかない地場の居酒屋 を見つけた.おかみさんの気遣いで常連 さんとの会話もでき,土地の名物はたは た寿司などを味わいながら地酒を楽し むことができた.これぞ旅の醍醐味であ る. 三日目は,秋田から新潟までの長丁場 だ.朝,ホテルを出るとまっすぐに雄物 川河口のかえる公園へと向かった.ちょ うど日曜日と重なり,砂浜にはたくさん の清掃ボランティアが活動していた.遠 秋田県雄物川河口 35 めに見ればわれわれの採集風景によく似ている.皆一心に砂浜を見詰めてゆっくり黙々 と歩きまわり,時おり砂浜にかがみこんで何かを探し出す.一点だけ違うのは,われわ れはそこにしゃがみこんで砂を掘り始めることがあるだけだ.このポイントでサンプル は項調に集めることができた.さて次の調査地は山形県酒田市付近の浜だ.途上に一度 はじっくりと観察してみたかった象潟がある.何を観察したいのかというと,ここはか つて松島のような入り江だったという.文化一年(1804)の地震で土地が隆起して現 在のような地形になったという.实際に見渡す景観はどのようなものなのか興味があっ たのだ.残念ながら,時間の関係で車窓からちらりと見ただけであったので,町全体の 様子やかつての島々の風景を窺い知ることはできなかった.またいつか来ることにしよ う. 鳥海山が日本海に迫り, この周囲をめぐる長い崖を通りぬけると山形県だ. そして, 酒田市は鳥海山の南西に位置する日本海有数の都市である.イソコモリの採集は最上川 の河口の尐し北側の十里塚浜だ.ここも吉田哉さんによってすでに生息が確認されてい たのでサンプリングは容易にすんだ.次いで,酒田市の中心部にある本間美術館に寄り 道した.新海栄一さんによってここで発見されたキシノウエトタテグモが現在のこのク モの北限なのだ.谷川さんはトタテのDNA解析もしている.ここははずせない. 昼食はあの有名な山居倉庫付近でと考えていたのだが,観光バスや自家用車でごった がえしていた.今日は日曜日なのだ.あきらめていつものようにコンビニでおにぎりや パンを買い,駐車場でそそくさとすませた.今日は山形県を突っ切って新潟県まで移動 しなければならない.先を急ぐことにした.鶴岡市の湯野浜温泉周辺にはかつて仏塔を 訪ねて来たことがあった.善宝寺の亓重塔だ.この塔は明治時代に作られたものである が,羽黒山の国宝の亓重塔を訪れた際についでに寄ったものである.私は一時仏塔にこ ったことがあり,国宝級の塔はすべて見ている・・・と思う.そのきっかけは若狭の小 浜市 (米国大統領で有名になった) の古刹明通寺の古びた三重塔に出あったことだった. ここで寺の門前の稲田を渡る風に色を見たことがあったのだ.風に色などないことは良 くわかっている.だが,このとき私にはたしかに見えた.この感動が国宝めぐりのきっ かけとなった.瀬戸内海は生口島にある向上寺の三重塔や信州信濃の安楽寺の八角三重 塔,山口の浄瑠璃寺の亓重塔などは特に気に入っている.そのついでに,数編のクモ観 察採集記をものにした.読者の多くは, 私がクモ調査のついでに塔の見物をし ていると思っている方が多いと思うが, 实は塔見物のついでにクモの採集をし ていることが結構あったのだ.湯野浜温 泉を通りすぎるときに,そんな過去の思 いがよぎった.庄内平野はここで尽きる. この先は新潟の村上市まで朝日山地が 海岸まで迫っていた.大きな砂浜はない. イソコモリも期待できないと思ってい 山形県十里塚の海岸 36 たが,新潟県へ入ってすぐの中浜という ところで,何気なく海沿いの狭い集落の 先に砂浜を見つけた.「ダメもと」で狭 い道に車を入れて,堤防沿いに駐車スペ ースを探して止めた.堤防の下を覗くと 砂浜の感じはいいが,広がりに欠けてい た.「いなくてもいいや」と砂地に下り た.小さな川の河口の浜だ.ところが , ここにイソコモリがうじゃうじゃいた のだ.レベル 3.この浜の生息密度には 驚いた.私たちが調査した中でも最高ク ラスだ.人家が迫る堤防下,そしてひと 目で見渡せるほどの小さな砂浜である. 新潟県中浜の海岸 いるところにはいるものである. 予想外の思わぬ収穫に気を良くして, 新潟県へと入れた.新潟はすでに調査済 みの場所だ.土地鑑もあり,生息密度も わかっていた.荒五浜は以前よりもさら に侵食が進んでいたが,イソコモリはそ の削られたがけ下の砂浜にたくさんい た.先年調査したときは崖の上に登って 調べていたが,下の砂浜に豊産した.目 の付け所が格段に良くなったのだろう. 新潟県荒井浜 そして,採集経験をつんできた成果だ.やはり,たくさん「見る」ことが大事なのだろ う.サンプルはまたたく間に集められた. われわれの今回の調査はここで終わりである.荒五浜の先にある中条からは日本海東 北自動車道があったが,一般道をたどり今宵の宿泊地の新潟市へと向かった.この夜, 谷川さんと越後の美酒を酌み交わして成果を喜び合ったのはいうまでもない. 37 KISHIDAIA, No.98, Oct. 2010 シロオビトリノフンダマシの卵のう寄生蜂 荘 司 康 治 郎 1.卵のう発見状況および断片的観察記録 2009 年 10 月 5 日 神奈川県座間市谷戸山公園のススキ原でシロオビトリノフンダマシの卵のうを見つ けた.2008 年の兵庫県豊岡市(山本 2010)および東京都小金五市(荘司 2009)に おいての記録同様きわめて低い位置に作られていた(図 1).筆者は 2008 年に本種の 出のう幼体をカウント(112 匹)したが,卵数他の記録はその一例のみなのでデータ 補足のために卵のうを持ち帰った.採集時から「色がくすんでいる.出のう済み卵のう のように見える.」と感じていたが,幼体出のうの穴は見当たらなかった. 自宅で何気なく蛍光灯に透かして見たところ,異様なシルエットが浮かんだ(図 2). 本種卵のうは細長い形状をしているが,前回の観察例では卵塊及び孵化幼体は中央近辺 に球状に近い塊となっていた.しかし今回の卵のうには細長い二つの影が見えた. 卵のうをカッターで切り開いてみたところ,ハチらしき終齢幼虫が 2 匹,卵のう内 に緩やかな仕切り(蛹审?)を作り収まっていた(図 3).一匹はカッターで傷つけて しまい死亡,もう一匹も卵のうの外に出てしまった.ピンセットでそっと卵のう内に戻 してみたが,暫くするともがいて外に出てしまい元の位置に戻すことは出来なかった. 2009 年 10 月 12 日 放置状態のまま一週間ぶりに見てみたら幼虫が変色していた.「やはり卵のうから出 てしまっては駄目だったか」と落胆し,処分しようとしてよく見たら蛹だった.蟻の巣 内などで時折見られる「裸蛹」状態である(図 4).蛹化の正確な日時は不明. 2009 年 10 月 14 日 昨夜 10 時頃は蛹のまま,当日朝は未確認,夜 10 時頃見てみたらハチが羽化してい た(図 5,図 6).卵のう内にとどまることが羽化の必須条件ということではないらし い. 2.羽化した蜂について 羽化した蜂の標本をクモ寄生蜂に詳しい大阪自然史博物館の松本吏樹郎氏に送付し たところ,ヒメバチ科ヒラタヒメバチ亜科フシダカヒメバチ族の Tromatobia flavistellata Uchida & Momoi 1957(和名なし)雄であるとの回筓を頂いた.蜂の研 38 究者間ではナガコガネグモの卵のうに産卵する卵食い蜂として知られているが,トリノ フンダマシ類の卵のうでは過去に記録がないそうである. 図1 図2 図3 図4 図5 図6 39 キシダイアに「クワ畑にて採集したトリノフンダマシ Cyrtarachne bufo の egg-cocoon は,明らかに外側あるいは内側から破られた大きな穴が開いていて,中は からっぽであった」(高橋 2009)という記録があるが,「中はからっぽ」という点で T.flavistellata とは別の生き物の仕業であろう.シロオビ卵のう同様にナガコガネグモ の卵のう内においても T.flavistellata は繭状の蛹审を作っており(松本氏私信),羽化 脱出後もその痕跡は残っているはずである. クモの卵のうに寄生する蜂は多種確認されているようだが,分類・生態的に最も近縁 なのはコガネグモ Argiope amoena の卵のうに産卵する Tromatobia argiopei Uchida 1941 (松本氏私信)や T. nipponica Uchida 1928 (橋本 1963)などであ ろう.Tromatobia においては「卵のうサイズに対する産卵数や性比の調整が行われて いる可能性が高い」(松本氏私信)ということである. 3.謝 辞 大阪自然史博物館の松本吏樹郎氏には蜂の同定,およびクモ寄生蜂に関する多数の情 報・知見をご教示頂いた.ここに厚く感謝申し上げる. 4.引用文献 山本一幸 2010. シロオビトリノフンダマシの卵のう作成. Kishidaia, 97: 28. 荘司康治郎 2009.シロオビトリノフンダマシの卵のう.Kishidaia, 95: 32-33. 高橋 登 2009. クモの卵のうを食べる昆虫. Kishidaia, 96: 95. 橋本理市 1963. 蜘蛛類の寄生蜂 6 種 . Acta Arachnologica, 18: 27-29. 付記:クチブサガ科のマユミオオクチブ サガという蛾はシロオビトリノフンダ マシの卵のうそっくりの繭を作る(図 7 は羽化した成虫とその繭).2009 年の 談話会長野合宿で街灯や自販機など人 工物に作られているのが複数確認され た.人工物以外では未確認だが,シロオ ビ卵のうよりやや細めで小さく,水平に ぶら下げられるのが特徴のようである. ちなみにオニグモの卵のうと蛾の繭も 見かけはそっくりである. 40 図7 KISHIDAIA, No.98, Oct. 2010 ヒメハナグモと出会いの記 藤 澤 庸 助 筆者は今までヒメハナグモ Misumena vatia の实物を見たことがなかった.北海道 では草むらに普通(小野 2009)らしいが,「日本のクモ」(新海 2006)では,昭和 40 年以降に記録された産地として 10 道府県を特記している.その後 A.新海・谷川ほ か(2010)は 14 の都道府県をあげている.筆者がこの希尐種を意識したのは,長野 県版 RDB 作成の調査を始めるに当たり,E.新海さんに候補種何種かを上げていただい なかに本種も含まれていたからである.しかも 1975 年に高野,新海,小野さんらは筆 者の地元上田市で雄雌そろえて採集しているのである.そこで筆者は教わった採集地周 辺で数年にわたって採集を試みた.しかし本種を見たことのない哀しさで,同定のポイ ントが分からない.大きな無紋の白っぽいハナグモを捕まえてきては,検鏡の結果がっ かりするという繰り返しであった.既に絶滅してしまったのだろうか.新海さんにお聞 きした白馬村の亓竜スキー場でも成果は得られなかった.したがって長野県 RDB 作成 の際にはヒメハナグモを情報不足(DD)に位置付けざるを得なかったのである.まさ に筆者にとっては幻のクモであった. それから数年経った今年(2010)春,写真屋を訪れたら,壁にハイビスカスの花の 中で歩脚を広げているヒメハナグモによく似たクモの写真が飾られているではないか. 店に頼んで撮影者に場所を訊ねて頂いたところ,撮影現場までの道筊を教えていただい た.教えられた経路を地図上でたどると,小諸市にある浅間山系の山麓,標高 1,000 m 前後一帯に開かれた開拓地らしい. 筆者は成熟期の見当をつけて 6~7 月に同所周辺で 3 回採集を試みた.地域が広いた めに撮影したという花壇のある家には行き着かなかったが,高原野菜畑のあちこちにあ る空き地で,ノイバラやハルジオン,ヒメジョオンなど季節の野生植物の花や,野生化 した花壇の草花の上を注意深く探してみた.しかしコハナグモやカニグモ属は目に付い たが,肝心のヒメハナグモは見つからない.仕方なくビーティングしたところ,6 月 23 日には小さな 1 頭を,7 月 15 日には前回よりやや大きい 2 頭の“らしきクモ”の メス幼体を得ることができた.帰宅して「日本産クモ類」(小野 2009)で検索すると, 頭胸部や腹部の色彩のほか,単眼が小さく前中眼が前側眼よりやや大きいという特徴か ら,ヒメハナグモ属に同定できた.一回目と二回目とは数百メートル離れていたが,共 に本種を得ているので,開拓地一帯に広く生息していそうだ.しかしコハナグモやハナ グモ,数種のカニグモ属と混生している中で,本種の生息密度が一番低そうだ. 7 月 20 日には,成体の撮影を目的に御代田町に近い場所で本種を探した.この日は最 41 悪でビーティングしても幼体さ え得られなかった. あきらめて帰路につき,ほぼ 標高 1,000 m の等高線に沿っ て野菜畑の中を突っ切る道を, ある集落まで来たときである. レタス畑の上の道沿いに花壇が 造成されており,マリーゴール ドとヒャクニチソウが植えられ ていた.もしやという一縷の望 セイヨウミツバチを捕えたヒメハナグモ みを託して車を停め,ヒャクニ チソウの花を一つ一つ見ていくと…いたのだ.セイヨウミツバチを捕えたメス(写真) である.撮影をした後,捕食中のまま持ち帰った.いたのはこの 1 頭だけで,ビンの ガラス越しに腹部を見るとまだ幼体であったが,大きさから見て間もなく成体になると 思われた.その後,15 日採取のうち 1 頭が 27 日に,翌 28 日には 20 日採取の 1 頭が 成体になった(8 月 18 日にさらに脱皮!写真では欠けていた左第Ⅱ脚も 2 回の脱皮で 左右同長に).ビンの外から外雌器を検鏡するとヒメハナグモに間違いない.Roberts (1995)の図に最も似ている. こうして筆者とヒメハナグモとの出会いがようやく叶ったのである.同時に長野県で 絶滅危惧ランクの上位を占めるはずの本種の生息が確認でき,併せて新たな生息地をも 発見することができたのだった. 【余談】この稿を書き終わった後,「クモ生理生態事典」(池田 1988)を手がかりに Kishidaia No.40(1976)を見たら,前出の三人による採集ドキュメントが十大ニュ ースのひとつとして載っており,この採集行の目的も,採集したクモを飼って「学研の 図鑑クモ」に貴重な映像を載せることができた経緯まで分かってしまった. さて,この報告では生息地の見当が付いてしまう.長野県におけるヒメハナグモの現 状をご理解いただき,会員諸氏には必要を超えた採集を控えて頂ければ幸いである.成 体になってさらに脱皮した 1 メスは,「県別クモ類分布図」の充实にお役に立てられ ればと谷川さんに差し上げた.あと 2 頭は既に元の生息地に放してある. 参考文献 東京蜘蛛談話会 1976. ヒメハナグモが採れるまで. Kishidaia, 40: 17. 中平 清(監修) 1976. 学研の図鑑 クモ . 学習研究社 . 池田博明 1988. クモ生理生態事典 . 編者自刊. 千国安之輔 1989. 写真日本クモ類大図鑑 . 偕成社. Roberts M.J. 1995. Spiders of Britain and Northern Europe. Herper Collins. 新海栄一 2006. 日本のクモ . 文一総合出版. 小野展嗣 2009. 日本産クモ類 . 東海大学出版会. 新海明・安藤昭久・谷川明男 2008.県別クモ類分布 図 Ver.2008 著者自刊 CD. 42 KISHIDAIA, No.98 Oct. 2010 ── DRAGLIN ES─ ──────────────────────────────── 都内でクロガケジグモを採集した 貞元 己良 今から約 4 年前の 2006 年 11 月頃,赴任先の東京都江戸川区内で新中川に架かる瑞 江大橋の欄干に奇妙なボロ網を確認した.この時は欄干の金属継目の隙間に本体が隠れ ていることを推認したが採集できずに終わった.翌年 2007 年 6 月頃,最初の発見場 所から約 2 キロメートル新中川を上流に上った堤防脇の道路に設置された電柱の穴か らボロ網が出ているのを発見し,ボールペン等を使って穴の奥に居た本体を採集したが クモは幼体であったため種の判定には至らずに終わった. そして,本年 2010 年 6 月 25 日午前 0 時 30 分ころ東京都江戸川区一之江 1 丁目, 新中川に架かる一之江橋欄干にボロ網が多数張り巡らされている事を発見.欄干は約 2 メートル間隔で設置されており京葉道路の上り線下り線合わせると 50 個程あり,その 一つ一つに大小様々なサイズのボロ網と本体が盛んに網を張りだしている状態だった. クモの大きさも微小な個体から亜成体個体までサイズに一貫性がなく日本のクモでは ないと確信した.約 2 時間掛けて欄干及び橋の下,周辺施設(人家の塀)等を見て回 り,一際大きい個体(体長約 12 ミリメートル)を採集した.現場でクロガケジグモと判 断したが,自宅に持ち帰り顕微鏡で外雌器を確認し改めてクロガケジグモ♀成体と同定 した. 仕事場へ戻る途中,新中川に架かる橋(新椿橋・春江橋・涼風橋・明和橋・瑞江大橋・ 新今五橋・瑞江橋~旧江戸川に至る各橋)を見て回ったところ,それぞれの橋でボロ網 が確認できたことから江戸川区内の新中川に架かる橋の欄干には相当数のクロガケジ グモが棲息していると思われた. 住宅地,屋内で採集されたヤマトヤギヌマグモ 笹岡 文雄 ヤマトヤギヌマグモ Telema nipponica は本来,山地性で鍾乳洞内や森林のリター層 等に網を張る(新海 2006)とされている.東京都は唯一,奥多摩町倉沢鍾乳洞のみか ら記録されている(新海 1977).また基準産地も洞窟の山梨県鳴沢村第二風穴である (小野 2009).したがって通常であれば住宅地の屋内で採集されることはほとんどな いと思われる. 筆者は 2010 年 4 月 29 日,19:00 頃自宅屋内(東京都豊島区北大塚・木造家屋二階 和审) にて, テレビラックよりしおり糸で垂下していた赤褐色の微細なクモを発見した. そのまま管ビンを使って採集し,アルコール液浸標本にした.当初微細であったため目 視では種類が特定出来ず,何かの種の幼体かとも思われた.しかし顕微鏡で確認したと ころ,それはヤマトヤギヌマグモ♂の成体であった. 自宅周辺は木造家屋を中心とした住宅密集地で,自宅を中心に半径 100mには緑地, 43 KISHIDAIA, No.98, Oct. 2010 ─────────────────────────────────DRAGLIN ES─ ─ また住宅の庭などもなく,ヤマトヤギヌマグモが生息適地と考えられる環境はない.ま た近日同周辺では目立った竹木,土砂などの移入も行われていない.したがって同種が どのような経緯で,都心の住宅屋内に侵入したか不明である. 参考文献 小野展嗣. 2009.日本産クモ類. 738pp.東海大学出版会.神奈川県(秦野市). 新海栄一. 1977.東京都産真正蜘蛛類Ⅲ. Acta arachnologica.27:321-336. 新海栄一. 2006.日本のクモ. 335pp.文一総合出版.東京. ジョロウグモの共食い 笹岡 文雄 伊豆諸島新島において,ジョロウグモの共食いを目撃したので報告したい. 2009 年 9 月 2 日新島の東側,羽伏浦にある公園(石の動物公園)で確認した.木製 柵の 1 区画約 50 × 100 cm 中に上下 2 組の網があり,下段の網のジョロウグモが上段 の網にいたと思われるクモを補食していた.上段の網にクモが見あたらなかったことか ら,捕食されていたのはその個体と推定された.網は上下 2 枚とも見た目に大きな破 損はなかった. 原因は狭い空間に 2 個体が造網したことにより,何らかの原因で一方が他方の網に 侵入してしまったことによるものと考えられるが詳細は不明である.元々ジョロウグモ は単独で造網する種であるので, 自分の網か, 他の個体の網か識別できないのであろう. 筆者はジョロウグモの共食いの事例をあまり知らない.しかし池田(2010)の指摘に あるように個体同士が近接して造網した場合,起こりうることなのであろう. 参考文献 池田博明 2010.ジョロウグモがジョロウグモを捕食. Kishidaia,97:28. スズミグモの網をあきる野市で発見 新海 明 スズミグモの東京都での採集記録はもはや珍しいものではなくなってしまった.しか し,北限地域での採集の記録は逐一残したほうがよいだろう. 今年(2009 年)7 月 26 日に,東京都あきる野市亓日市の広徳寺においてスズミグ モの網を発見したので報告する.発見したのは広徳寺の裏側の墓地から斜面を尐し下っ た梅林の中だった.スズミグモの網は梅の上部,高さ 180 cm ほどの葉の間に造網さ れていた.クモ自体は網の中にはいなかったので,網構造から種類の推定をした.網の サイズは 30 × 30 cm ほどで,上部の迷網の一部分が壊れていた.シート部はタテ糸と 44 KISHIDAIA, No.98 Oct. 2010 ── DRAGLIN ES─ ──────────────────────────────── ヨコ糸でメッシュ状に編みなされていたのでスズミグモと思われる.同様な網はキヌア ミグモでも見られるが分布上からその可能性はないだろう. アズチグモがクモを捕食 新海 明 アズチグモの捕食習性については「花の中や下面にひそんで,飛んで来るチョウ,ア ブ,ハエなどの昆虫を捕える」(クモ基本 50:新海栄一・高野伸二)とか,「アズチ グモ類はしばしば自分の体の 2 倍も 3 倍もあるような大きなハエやミツバチを捕食し ている」「欧州産のアズチグモの一種(幼体・体長 4 mm)にいろいろな大きさの餌を 与えてみた」ところ「捕食できたのは自分の体長と同じぐらいか,それ以上の大きさの ハエであった.体長 2~3 mm のすばしこいショウジョウバエのたぐいは決してつかま えることができなかった」(小野 1978,K43 号)などの報告がある.最近になり, アズチグモのメス成体がクモを捕獲しているのを観察したので報告する. 観察したのは,2009 年 8 月 9 日で千葉県君津市にある東大千葉演習林の猪の川林道 沿いだった.アズチグモは笹の葉陰にいて,そこでワキグロサツマノミダマシのメスを 捕食していた.付近に残された糸の状態からこの場所は,ワキグロの昼間の隠れ家とな っている占座点と思われた.小野さんが指摘しているようにアズチグモと餌のクモのサ イズはほぼ同じくらいだった.また,沖縄県での合宿のさいにはアマミアズチグモがオ オジョロウグモをその網上で捕食しているのを観察している(談話会通信 91 号).こ れらのアズチグモ類がどのようにしてクモを狩るのか,その捕獲の瞬間を観察してみた いものである. 沖縄島で採集されたクモ 馬場友希・吉武 啓 (農業環境技術研究所) 2010/4/21 から 26 にかけて,沖縄島にてクモを採集する機会があったので,その リストを掲載する.採集は吉武が行い,同定は馬場が行った.F はメス,M はオスを表 す. ササグモ科 Oxyopidae Oxyopes macilentus L. Koch 1878 シマササグモ 1y 本部半島安和岳山麓 4/22 アシナガグモ科 Tetragnathidae Leucauge magnifica Yaginuma 1954 オオシロカネグモ 1F 国頭村奥伊江林道 4/25 コガネグモ科 Araneidae 45 KISHIDAIA, No.98, Oct. 2010 ─────────────────────────────────DRAGLIN ES─ ─ Araneus ryukyuanus Tanikawa 2001 リュウキュウオニグモ 1F 辺土名奥間林道 4/24 Cyclosa confusa Bösenberg & Strand 1906 ミナミノシマゴミグモ 1F 嘉津宇岳 4/22, 1F 本部半島安和岳山麓 4/22, 1y 辺土名奥間林道 4/24, 1F 国頭村辺野喜佐手辺野喜林道 4/25, 1F 国頭村奥伊江林道 4/25 Cyclosa ginnnaga Yaginuma 1959 ギンナガゴミグモ 1F 与那覇岳登山口 4/24 Eriophora yanbaruensis Tanikawa 2000 ヤンバルオニグモ 2F 与那覇岳登山口 4/24, 1F 辺土名奥間林道 4/24 Neoscona scylla (Karsch 1879) ヤマシロオニグモ 3y 本部半島安和岳山麓 4/22, 3y 与那覇岳登山口 4/24, 2y 辺土名奥間林道 4/24 Neoscona subpullata (Bösenberg & Strand 1906) ヘリジロオニグモ 1F 今帰仁村乙羽岳 4/21 Poltys illepidus C. Koch 1843 ゲホウグモ 1y 辺土名奥間林道 4/24 Thelacantha brevispina (Doleschall 1857) チブサトゲグモ 1F 今帰仁村崎山 4/23, 1F1M 国頭村辺戸辺戸海岸 4/26 コマチグモ科 Chiracathiidae Chiracanthium eutittha Bösenberg & Strand 1906 アシナガコマチグモ 1F 国頭村奥伊江林道 4/25 カニグモ科 Thomisidae Diaea subdola O. Pickard-Ca mbridge 1885 コハナグモ 1F 今帰仁村乙羽岳 4/21, 1F 与那覇岳登山口 4/24 Ebrechtella tricuspidata (Fabricius 1775) ハナグモ 1y 国頭村辺戸辺戸海岸 4/26 Oxytate hoshizuna Ono 1978 ホシズナワカバグモ 1F 今帰仁村崎山 4/23, 国頭村宜名真伊江林道 4/25, 国頭村楚洲 4/26 Xysticus ephippiatus Simon 1880 リュウキュウカニグモ 2F 今帰仁村乙羽岳 4/21 ハエトリグモ科 Salticidae Hasarius adansoni (Audouin 1826) アダンソンハエトリ 1F1M 今帰仁村今泊今帰仁海岸 4/20 Telamonia vli jmi Prószyński 1984 タテスジハエトリ 1y 今帰仁村赤墓 4/22, 1y 本部半島安和岳山麓 4/22, 1y 今帰仁村崎山 4/23, 1y 与那覇岳登山口 4/24, 1y 辺土名奥間林道 4/24, 2y 国頭村楚洲 4/26 46 KISHIDAIA, No.98 Oct. 2010 ── DRAGLIN ES─ ──────────────────────────────── 茨城県南部で採集されたクモ II 馬場友希・吉武 啓 (農業環境技術研究所) 茨城県の守谷市高野(2010/5/2)、つくば市高崎(2010/5/4)、土浦市宍塚 (2010/5/8)にてクモを採集する機会があったので、そのリストを掲載する。採集は 吉武が行い、同定は馬場が行った。F はメス、M はオスを表す。 キシダグモ科 Pisauridae Dolomedes sulfureus L. Koch 1878 イオウイロハシリグモ 1y 高野 5/2 コモリグモ科 Lycosidae Arctosa ebicha Yaginuma 1960 エビチャコモリグモ 1F 高崎 5/4 サラグモ科 Linyphiidae Hylyphantes graminicola (Sundevall 1829) クロナンキングモ 1F 高野 5/2 Neriene oidedicata (van Helsdingen 1969) ヘリジロサラグモ 1F 高野 5/2 ヒメグモ科 Theridiidae Keijia sterninotata (Bösenberg et Strand 1906) ムナボシヒメグモ 1F 高崎 5/4 Phycosoma mustelinum (Simon 1888) カニミジングモ 1F 高崎 5/4 コガネグモ科 Araneidae Cyclosa octotuberculata Karsch 1879 ゴミグモ 1y 高野 5/2、1y 宍塚 5/8 Cyclosa sedeculata Karsch 1879 ヨツデゴミグモ 1M 宍塚 5/8 Gibbaranea abscissa (Karsch 1879) キザハシオニグモ 1M 高野 5/2、1M 宍塚 5/8 Neoscona scylla (Karsch 1879) ヤマシロオニグモ 1y 宍塚 5/8 アシナガグモ科 Tetragnathidae Tetragnatha caudicula (Karsch 1879) トガリアシナガグモ 1F 高崎 5/4 Tetragnatha praedonia L.Koch 1878 アシナガグモ 47 KISHIDAIA, No.98, Oct. 2010 ─────────────────────────────────DRAGLIN ES─ ─ 1M 宍塚 5/8 エビグモ科 Philodromidae Tibellus japonicus Efimik 1999 シャコグモ 1F 宍塚 5/8 カニグモ科 Thomisidae Eberechtella tricuspidata (Fabricius 1775) ハナグモ 3F3M2y 高野 5/2、1F 宍塚 5/8 Oxytate striatipes L. Koch 1878 ワカバグモ 1F1M 高野 5/2、1F1M 宍塚 5/8 Xysticus croceus Fox 1937 ヤミイロカニグモ 1F 高崎 5/4 フクログモ科 Clubionidae Clubiona vigil Karsch 1879 ムナアカフクログモ 1F 高野 5/2 ネコグモ科 Corinnidae Trachelas japonicus Bösenberg & Strand 1906 ネコグモ 1F 宍塚 5/8 ハエトリグモ科 Salticidae Carrhotus xanthogramma (Latreille 1819) ネコハエトリ 3F4M3y 高野 5/2、1F1M 宍塚 5/8 Phintella linea (Karsch 1879) メガネアサヒハエトリ 1M 高野 5/2 Plexippoides doenitzi (Karsch 1879) デーニッツハエトリ 1F 宍塚 5/8 Rhene atrata (Karsch 1881) カラスハエトリ 1F1y 高野 5/2 【訂正】 ・ No.94 p.42, 表1 「岐阜県可児市矢戸大善 2004. 7.3.卵のう ・ No.97 p.18, l.4~5 「優先度」→「優占度」 48 須賀瑛文」を削除 KISHIDAIA, No.98, Oct. 2010 須坂市の高地におけるクモ類の採集記録 藤 澤 庸 助 筆者は須坂市誌自然編の調査執筆員の一人として,クモ類の調査を 2 年ほど行う機 会を頂いた.調査結果のうち高地における亜高山性のクモ類相は,北海道や東北地方と の共通種が多いという特徴が顕著に表れたので,ここに報じたい. 峰の原高原と破風高原は,ひとつの古火山の火口を取り巻くカルデラ壁とのことで, 北から破風山,土鍋山,浦倉山,四阿山,根子岳と続く標高 1,600~2,000 m の尾根 筊から外側に広がる緩斜面にできた高原である.したがって地質的にも大差ないと思わ れ,植生も似通っている部分が多い.すなわち高木としてウラジロモミやコメツガがま ばらに生え, 時にアカマツが混じる. 潅木では牛が食べない有毒のレンゲツツジが残り, 観光の目玉の一つとなっている.車道を開けるために削られた斜面にはシラタマノキや 丈の低いヤナギの一種も見られる.そして湿った平地にはグンバイヅルやミツバオウレ ン,マツムシソウ,ノハラアザミのような草が生える.牧場であったためにシバ,一部 には草丈の高いイネ科の牧草なども生えているが,ササ類が広く進出してきている. 米子の滝はカルデラの内側(火口壁)にあり,高原ではなく,急峻な岩壁と滝,岩棚 に張り付いた小潅木林と,中央火口丘と思われる山の斜面をおおう広葉樹林からなって いる.鉱山跡地はそのような山の中腹に造成された平地である. ここでは基本的に成体の採集記録としたが,各種の成熟期を推定する意味もあるので 亜成体や幼体でも確实に同定できた種は sa と y の記号を付して載せた.記号のないも のは成体である.記録の後に付したカッコ内の略号は次の地を指す. (米)米子の滝および米子鉱山跡地.標高 1,400~1,500 m. (峰)峰の原高原(菅平高原のうち,須坂市地籍に属する部分).標高約 1,600 m. (破)破風高原および乳山(にゅうざん)牧場跡.標高 1,500~1,980 m. ウズグモ科 Uroboridae エゾウズグモ Octonoba yesoensis (S.Saito 1934) 1♂1♀ 11-Ⅶ-2009(米). ヒメグモ科 Theridiidae オオヒメグモ Parasteatoda tepidariorum (C.L.Koch 1841) 1♀ 11-Ⅶ-2009(米). 49 Chrysso foliata (L.Koch 1878) ホシミドリヒメグモ 1♂y 28-Ⅹ-2008,(米). Enoplognatha margarita Yaginuma 1964 シロタマヒメグモ 2♀sa 15-Ⅵ-2009(峰),1♀ 11-Ⅶ-2009(米),1♀ 22-Ⅸ-2009(破), ササの葉を巻いて産卵育児多数 25-Ⅸ-2009(破,撮影のみ). Episinus nubilus Yaginuma 1960 ムラクモヒシガタグモ 1♀ 29-Ⅵ-2009(峰). Takayus takayensis (S.Saito 1939) タカユヒメグモ 2♀ 15-Ⅵ-2009(峰),5♂4♀ 11-Ⅶ-2009(米). Takayus fujisawai Yoshida 2002 フジサワヒメグモ 2♀ 4-Ⅷ-2009(破),3♂y1♀y 2-Ⅵ-2010(破). Yaginumena castrata (Bösenberg & Strand 1906) ボカシミジングモ 1♀y 15-Ⅵ-2009(峰). サラグモ科 Linyphiidae マルサラグモ Centromerus sylvaticus (Blackwall 1841) 1♀ 28-Ⅹ-2008(米). イッカクズキンヌカグモ Gongylidioides monocornis Saito & Ono 2001 1♂ 15-Ⅵ-2009(峰),2♂5♀ 29-Ⅵ-2009(峰,斎藤同定,2♂4♀は斎 藤氏へ),1♂y 31-Ⅴ-2010(峰,翌月 7 日に脱皮して成体,谷川氏へ). キヌキリグモ Herbiphantes cericeus (S.Saito 1934) 1♀ 28-Ⅹ-2008(米). クサチゴマグモ Micrargus herbigradus (Blackwall 1884) 1♀ 2-Ⅵ-2010(破). ハンモックサラグモ Neolinyphia angulifera (Schenkel 1953) 1♀ 22-Ⅵ-2009(峰),1♂3♀ フタスジサラグモ 2-Ⅵ-2010(破). Prolinyphia limbatinella (Bösenberg & Strand 1906) 1♀ 25-Ⅸ-2009(破). コシロブチサラグモ 1♀sa Prolinyphia marginella (Oi 1960) 15-Ⅵ-2009(峰),1♂ 22-Ⅵ-2009(峰),1♂1♀a 29-Ⅵ-2009 (峰),1♀ 11-Ⅶ-2009(米),2♀ 4-Ⅷ-2009(破). ムネグロサラグモ Neolinyphia nigripectoris (Oi 1960) 1♀ 4-Ⅷ-2009(破). ヘリジロサラグモ Neriene oidedicata (Helsdingen 1969) 1♀ 11-Ⅶ-2009(米). ハシグロナンキングモ 2♀sa 15-Ⅵ-2009(峰). ザオウマジナイケシグモ 50 Neserigone nigriterminorum (Oi 1960) Nipponotusukuru spiniger Saito & Ono 2001 1♂1♀sa 2-Ⅵ-2010(破). Strandella fluctimaculata H.Saito 1982 サザナミサラグモ 1♀ 4-Ⅷ-2009(破),15♂4♀ 2-Ⅵ-2010(破). Strandella quadrimaculata (Uyemura 1937) ヨツボシサラグモ 1♂y1♀ 25-Ⅸ-2009(破),1♂5♀ 2-Ⅵ-2010(破),♂sa♀sa 17-Ⅵ-2010 (破,谷川氏へ). アシナガグモ科 Tetragnathidae Tetragnatha sp. アシナガグモの一種 1♀ 15-Ⅵ-2009(峰). 生息環境から,エゾアシナガグモ T. yezoensis S.Saito 1934 と推定される. ミドリアシナガグモ Tetragnatha pinicola L.Koch 1870 1♂ 29-Ⅵ-2009(峰),1♀ 11-Ⅶ-2009(米). コガネグモ科 Araneidae キタマメオニグモ Araneus borealis Tanikawa 2001 2♂3♀ 17-Ⅵ-2010(破,谷川同定,同氏保管). ホシマメオニグモ Araneus hoshi Tanikawa 2001 1♂ 22-Ⅵ-2009(峰),1♀ アカオニグモ 2-Ⅵ-2010(破). Araneus pinguis (Karsch 1879) 1♂y 4-Ⅷ-2009(破,撮影のみ),1y 17-Ⅵ-2010(破,谷川同定). オニグモ Araneus ventricosus (L.Koch 1878) 1♀y 15-Ⅵ-2009(峰). トガリハナオニグモ Araniella displicata (Hentz 1847) 1y 2-Ⅵ-2010(破,撮影のみ). ムツボシオニグモ Araniella yaginumai Tanikawa 1995 1♀ 4-Ⅷ-2009(破),1♀y 25-Ⅸ-2009(破). キンカタハリオニグモ Eriophora aurea (S.Saito 1934) 1♂y 17-Ⅵ-2010(破,谷川同定). カラフトオニグモ Eriophora sachalinensis (S.Saito 1934) 1♂ 22-Ⅵ-2009(峰),1♀ シロスジショウジョウグモ 25-Ⅸ-2009(破). Hypsosinga sanguinea (C.Koch 1844) 1♀y 25-Ⅸ-2009(破),1♂ コオニグモモドキ 11-Ⅶ-2009(米),1♀y 2-Ⅵ-2010(破). Pronoides brunneus Schenkel 1936 1♀ 15-Ⅵ-2009(峰),1♀ 11-Ⅶ-2009(米),1♀ 4-Ⅷ-2009(破). コモリグモ科 Lycosidae チリコモリグモ Alopecosa pulverul enta (Clerck 1758) 1♀ 15-Ⅵ-2009(峰),1♀ 4-Ⅷ-2009(破),1♀y 22-Ⅸ-2009(破). 51 Pardosa astrigera L.Koch 1878 ウヅキコモリグモ 4♀y 25-Ⅸ-2009(破). Pardosa lugubris (Walckenaer 1802) エゾコモリグモ 2♀11♂ 15-Ⅵ-2009(峰),1♀ 4-Ⅷ-2009(破),4♀ 2♂1♀sa 25-Ⅸ-2009(破), 2-Ⅵ-2010(破). Xerolycosa nemoralis (Westring 1861) モリコモリグモ 1♂2♀ 11-Ⅶ-2009(米),2♀ 4-Ⅷ-2009(破),2♂ 4-Ⅷ-2009(破). ヤチグモ科 Coelotidae Tegecoelotes corasides (Bösenberg & Strand 1906) ヤマヤチグモ 1♀ 28-Ⅹ-2008(米). イヅツグモ科 Anyphaenidae Anyphaena pugil Karsch 1879 イヅツグモ 1♀ 2-Ⅵ-2010(破). フクログモ科 Clubionidae Clubiona akagiensis Hayashi 1985 アカギフクログモ 1♀ 29-Ⅵ-2009(峰). Clubiona japonica L.Koch 1878 ヤマトフクログモ 1♂ 15-Ⅵ-2009(峰). Clubiona tateyamensis Hayashi 1989 タテヤマフクログモ 1♂ 22-Ⅸ-2009(破). ネコグモ科 Corinnidae Phrurolithus nipponicus Kishida 1914 ウラシマグモ 1♂ 11-Ⅶ-2009(米). ワシグモ科 Gnaphosidae Drassyllus shaanxiensis Platnick & Song 1986 チクニヨリメケムリグモ 1♀ 29-Ⅵ-2009(峰). Kishidaia albimaculata (S.Saito 1934) ヨツボシワシグモ 1♂ 15-Ⅵ-2009(峰). Zelotes exiguus (Müller & Schenkel 1895) チビケムリグモ 1♂ 15-Ⅵ-2009(峰). エビグモ科 Philodromidae スジシャコグモ Tibellus oblongus (Walckenaer 1802) 1♀ 15-Ⅵ-2009(峰),1♂ 4-Ⅷ-2009(破). カニグモ科 Thomisidae コハナグモ Diaea subdola O.P.-Cambridge 1885 1♂ 4-Ⅷ-2009(破). アマギエビスグモ 52 Lysiteles coronatus (Grube 1861) 1♀y 22-Ⅸ-2009(破). Lysiteles maius Ono 1979 タカネエビスグモ 1♀ 15-Ⅵ-2009(峰),2♀y 4-Ⅷ-2009(破),1♀sa 22-Ⅸ-2009(破), 幼体多数 25-Ⅸ-2009(破),1♂ 5♀y 2-Ⅵ-2010(破). Synaema chikunii Ono 1983 チクニエビスグモ 1♂y 25-Ⅸ-2009(破). Xysticus audax (Schrank 1803) カニグモ 2♀y 4-Ⅷ-2009(破),1♂ y 22-Ⅸ-2009(破),1♂1♀ 2-Ⅵ-2010(破), 2♀ 17-Ⅵ-2010(破,谷川氏へ). ハエトリグモ科 Salticidae ホオジロハエトリ Evarcha proszynskii Marusik & Logunov 1997 1♀ 2-Ⅵ-2010(破,撮影のみ). マガネアサヒハエトリ Phintella arenicolor (Grube 1861) 2♂ 15-Ⅵ-2009(峰). マダラスジハエトリ Plexippoides annulipedis (S.Saito 1939) 1♀ 15-Ⅵ-2009(峰). ウススジハエトリ Yaginumaella striatipes (Grube 1861) 2♂ 15-Ⅵ-2009(峰),1♂ 4-Ⅷ-2009(破),1♂ 25-Ⅸ-2009(破). 謝 辞 不明種,疑問種は斎藤博氏と谷川明男博士に同定をお願いした.両氏には快くお引き 受け頂いた上に励ましの言葉まで添えてご返筓くださったことに心より感謝申し上げ る. 参考文献 小野展嗣 2009.日本産クモ類.東海大学出版会 新海明・安藤昭久・谷川明男 2008.県別クモ類分布 図 Ver.2008 著者自刊 CD. 53 KISHIDAIA, No.98, Oct. 2010 千葉県で採集されたクモ 馬場 友希(農業環境技術研究所) 2002 年から 2006 年にかけて,千葉県各地でクモを採集する機会があったので,その リストを掲載する.採集及び同定は全て筆者がおこなった.*印は県内初記録を表す. F はメス,M はオスである. ウズグモ科 Uloboridae Octonoba sybotides (Bösenberg & Strand 1906) カタハリウズグモ 1F 君津市郷台作業所 02/7/2,1F 君津市郷台作業所 02/7/3 Octonoba varians (Bösenberg & Strand 1906) ウズグモ 2F 君津市札郷作業所 05/5/19 キシダグモ科 Pisauridae Dolomedes saganus Bösenberg & Strand 1906 スジブトハシリグモ 1M 君津市札郷作業所 02/8/2 Pisaura lama Bösenberg & Strand 1906 アズマキシダグモ 1F 姉崎・袖ヶ浦 IC 周辺 03/6/3 コモリグモ科 Lycosidae Arctosa ebicha Yaginuma 1960 エビチャコモリグモ 1M 大多喜町筒森 03/2/2,1F 君津市札郷作業所 02/7/4 Arctosa fujii Tanaka 1985 フジイコモリグモ 1M 野田市三ヶ尾 02/4/6 Arctosa subamylacea (Bösenberg & Strand 1906) クロココモリグモ 1F 大多喜町筒森 06/4/30 Pardosa agraria Tanaka 1985 イナダハリゲコモリグモ 4F3M 君津市札郷作業所 02/9/3 Pardosa astrigera L. Koch 1878 ウヅキコモリグモ 1F 大多喜町筒森 05/5/19 Pardosa brevi vulva Tanaka 1975 ヤマハリゲコモリグモ 2F 大多喜町筒森 05/5/19 Pardosa laura Ka rsch 1879 1M 君津市郷台作業所 02/7/2 54 ハリゲコモリグモ Pardosa pseudoannulata (Bösenberg & Strand 1906) キクヅキコモリグモ 1M 大多喜町筒森 05/5/19 Pirata procurvus (Bösenberg & Strand 1906) チビコモリグモ 1F 君津市札郷作業所 02/7/4 Pirata subpiraticus (Bösenberg & Strand 1906) キバラコモリグモ 1F1M 大多喜町筒森 05/5/19,1F 君津市札郷作業所 02/7/4 Trochosa ruricola (De Geer 1778) アライトコモリグモ 1F 野田市三ヶ尾 02/6/1 センショウグモ科 Mimetidae Ero japonica Bösenberg & Strand 1906 センショウグモ 1F 鴨川市東 02/7/3 サラグモ科 Linyphiidae Asperthorax communis O i 1960 ザラアカムネグモ 1M 東大千葉演習林 03/4/8 Bathyphantes gracilis (Blackwall 1841) テナガグモ 1M 野田市三ヶ尾 02/5/25 Erigone prominens Bösenberg & Strand 1906 ノコギリヒザグモ 1M 野田市三ヶ尾 02/6/19 Hylyphantes graminicola (Sundevall 1829) クロナンキングモ 1M 野田市三ヶ尾 02/4/6 Neriene brongersmai (van Helsdingen 1969) チビサラグモ 1F 君津市札郷 02/7/4 Neriene oidedicata (van Helsdingen 1969) ヘリジロサラグモ 1F 野田市三ヶ尾 02/4/14,1M 大多喜町筒森 03/5/5 Prolinyphia longipedella (Bösenberg & Strand 1906) アシナガサラグモ 1M 君津市札郷作業所 02/7/4,1y 君津市郷台作業所 02/7/2 ヒメグモ科 Theridiidae Anelosimus crassipes (Bösenberg & Strand 1906) アシブトヒメグモ 1F 君津市札郷作業所 05/5/19 Argyrodes cylindratus Thorell 1898 トビジロイソウロウグモ 1M 君津市清和県民の森 04/6/29,1M 君津市郷台作業所 02/7/2 Ariamnes cylindrogaster Simon 1888 オナガグモ 1F 君津市郷台作業所 02/7/3 Episinus nubilus Yaginuma 1960 ムラクモヒシガタグモ 1F 君津市札郷作業所 02/7/4 Keijia sterninotata (Bösenberg & Strand 1906) ムナボシヒメグモ 55 1F 野田市三ヶ尾 02/4/14 Neospintharus fur (Bösenberg & Strand 1906) フタオイソウロウグモ 1F 君津市札郷作業所 02/7/4,1M 君津市郷台作業所 02/7/3 Parasteatoda culicivora (Bösenberg & Strand 1906) カグヤヒメグモ 1F 野田市三ヶ尾 02/5/25,2F 姉崎・袖ヶ浦 IC 付近 03/6/3 Parasteatoda oculiprominens (S. Saito 1939) キヨヒメグモ 1F 野田市三ヶ尾 02/6/17 Rhomphaea sagana (Döniz & Strand 1906) ヤリグモ 2F 君津市札郷作業所 02/7/3 Spheropistha melanosoma Yaginuma 1957 クロマルイソウロウグモ 1F 君津市清和県民の森 04/6/29,1F 東大千葉演習林清澄宿舎 02/7/2 Spheropistha miyashitai (Tanikawa 1998) ミヤシタイソウロウグモ 2F 君津市折木沢 04/6/24,2F 東大千葉演習林 02/7/2 カラカラグモ科 Theridiosomatidae Ogulnius pullus Bösenberg & Strand 1906 ヤマジグモ 2F 君津市札郷作業所 02/7/4 ユアギグモ科 Symphytognathidae Patu kishidai Shinkai 2009 ユアギグモ 1M 東大千葉演習林 02/7/2 アシナガグモ科 Tetragnathidae Leucauge subbulanda Bösenberg & Strand 1906 コシロカネグモ 1M 野田市三ヶ尾 02/5/25,2F 野田市三ヶ尾 02/6/16 Leucauge subgemmea Bösenberg & Strand 1906 キララシロカネグモ 1F 君津市札郷作業所 02/7/4 Metleucauge kompirensis (Bösenberg & Strand 1906) タニマノドヨウグモ 1F 君津市札郷作業所 04/8/10 Metleucauge yunohamensis (Bösenberg & Strand 1906) メガネドヨウグモ 1F 野田市三ヶ尾 02/4/14 Tetragnatha caudicula (Karsch 1879) トガリアシナガグモ 1F 野田市三ヶ尾 02/5/25,1M 君津市札郷作業所 02/7/4 Tetragnatha squamata Karsch 1879 ウロコアシナガグモ 2M 野田市三ヶ尾 02/4/14 コガネグモ科 Araneidae Acusilas coccineus Simon 1895 ハツリグモ 1M 君津市清和県民の森 04/7/7 Araneus acusisetus Zhu & Song 1994 1F 姉崎・袖ヶ浦 IC 付近 03/6/3 56 オオクマヤミイロオニグモ Araneus semilunaris (Karsch 1879) マルヅメオニグモ 2F 君津市札郷作業所 02/7/2 Araniella yaginumai Tanikawa 1995 ムツボシオニグモ 1M 大多喜町筒森 05/5/19 Argiope bruennichi (Scopoli 1772) ナガコガネグモ 1y 野田市三ヶ尾 02/6/16 Cyclosa atrata Bösenberg & Strand 1906 カラスゴミグモ 4F 野田市三ヶ尾 02/6/16 Cyclosa laticauda Bösenberb & Strand 1906 キジロゴミグモ 1F 君津市札郷作業所 02/7/4,1F 君津市札郷作業所 05/5/5 Cyrtarachne nagasakiensis Strand 1918 シロオビトリノフンダマシ 1F 君津市札郷作業所 02/8/2 Hypsosinga sanguinea (C.Koch 1844) シロスジショウジョウグモ 2F 野田市三ヶ尾 02/5/25 Larinia argiopiformis Bösenberg & Strand 1906 コガネグモダマシ 1F 大多喜町筒森 05/5/19 Larinioides cornutus (Clerck 1758) ナカムラオニグモ 3F 野田市三ヶ尾 02/4/6,1F 野田市三ヶ尾 02/4/14,1M 君津市札郷作業所 02/7/4 Poltys illepidus C.Koch 1843 ゲホウグモ 1F 君津市札郷作業所 02/7/23 シボグモ科 Ctenidae Anahita fauna Karsch 1879 シボグモ 1F 君津市札郷作業所 02/7/4,1M 君津市札郷作業所 02/8/2 カニグモ科 Thomisidae Bassaniana decorata (Karsch 1879) キハダカニグモ 1M 姉崎・袖ヶ浦 IC 付近 03/6/3 Diaea subdola O. Pickard-Ca mbridge 1885 コハナグモ 1F 野田市三ヶ尾 02/6/3 Eberechtella tricuspidata (Fabricius 1775) ハナグモ 1M 野田市三ヶ尾 02/4/14 Heriaeus mellottei Simon 1886 アシナガカニグモ 1F 大多喜町筒森 04/6/27 Xysticus croceus Fox 1937 ヤミイロカニグモ 1M 東大千葉演習林清澄宿舎 02/7/2 Xysticus kurilensis Strand 1907 チシマカニグモ 57 1M 君津市札郷作業所 02/7/2,1F 君津市札郷作業所 02/7/4 Xysticus saganus Bösenberg & Strand 1906 オオヤミイロカニグモ 1F 君津市折木沢 06/10/10 フクログモ科 Clubionidae Clubiona kurilensis Bösenberg & Strand 1906 ヒメフクログモ 1F 野田市三ヶ尾 02/4/14 Clubiona vigil Karsch 1879 ムナアカフクログモ 1M 野田市三ヶ尾 02/6/3,1M 君津市札郷作業所 02/7/4 イヅツグモ科 Anyphaenidae Anyphaena pugil Karsch 1879 イヅツグモ 1F 東大演習林今澄 04/4/9 ウエムラグモ科 Liocranidae Itatsina praticola (Bösenberg & Strand 1906) イタチグモ 1M 君津市札郷作業所 02/7/3,1F 君津市札郷作業所 02/7/4 ネコグモ科 Corinnidae Phrurolithus nipponicus Kishida 1914 ウラシマグモ 1M 君津市札郷作業所 02/7/2 Trachelas japonicus Bösenberg & Strand 1906 ネコグモ 1F 野田市三ヶ尾 02/4/14 ハエトリグモ科 Salticidae Harmochirus insulanus (Kishida 1914) ウデブトハエトリ 1M 君津市札郷作業所 02/7/3,1M 君津市札郷作業所 02/7/23 Marpissa milleri (Peckham 1894) オオハエトリ 1M 東大演習林今澄 03/5/28 Marpissa pulla (Karsch 1879) ヨダンハエトリ 1y 野田市三ヶ尾 02/5/25 Menemerus brachygnathus (Thorell 1877) シラヒゲハエトリ 2M 姉崎・袖ヶ浦 IC 付近 03/6/3 Phintella bifurcilinea (Bösenberg & Strand 1906) キアシハエトリ 1M 君津市札郷作業所 02/7/2 Phintella linea (Karsch 1879) メガネアサヒハエトリ 1M 野田市三ヶ尾 02/4/14,1M 君津市札郷作業所 02/7/4 Phintella versicolor (C.L.Koch 1846) メスジロハエトリ 1M 野田市三ヶ尾 02/5/25 *Pseudeuophrys iwatensis (Bohdanowicz & Prószyński 1987) 1F 君津市札郷作業所 02/7/2 58 イワテハエトリ KISHIDAIA, No.98, Oct. 2010 日本産クモ類目録 ver. 2010R2 谷 川 明 男 Akio TANIKAWA: A Check List of Japanese Spiders ver. 2010R2 この目録作成の最大の目的は,分類を専門としていない研究者が各地の目録を作成す る際に,学名,和名,科・属・種の配列項について準拠するための最新の資料を提供す ることである. 本目録は 2010 年 4 月 14 日までに入手した文献によって作成した ver.2010R1 にそ の後発覚したミスの修正を加えたものである.基本的には Platnick(2010)のカタロ グ(Ver.10.5)に準拠しているが,一部筆者の判断で取り上げなかったものがある. それらについては,該当種の部分に示した.文献など詳細については Platnick 氏のカ タログ(http://research.amnh.org/entomology/spiders/catalog/INTRO1.html) を参照されたい. 無効名, 疑問名, 未記載種については取り上げていない. 目録中の syn. は,かつてその学名が使われたことがあるが現在その学名は新参シノニムとされている ことを,mis. はかつてその学名のものに誤同定されたことがあることを,hom. はか つてその学名が使われたことがあるが新参ホモニムのために学名が変更されたことを それぞれ意味している.属名だけ掲げてあるものは,かつてその属に置かれたことがあ るがその後転属されたことを意味している. 近年,文一総合出版の「日本のクモ」と東海大学出版会の「日本産クモ類」とが相次 いで出版されたが,両者の間では科の範囲,学名,配列項,和名などについて違いが見 られる.本目録ではさらにいずれの図鑑とも違っているので,混乱に拍車をかけてしま うという懸念を抱いてはいる.しかし,これまで同様に,科の範囲,学名,配列項につ いては,世界でもっともよく参照されている Platnick 氏のカタログに準拠するという 方針をとり続けることにした.和名について,筆者はよほどのことがない限り変更しな いほうが良いと考えている.この考え方でいくと,和名については「日本のクモ」のほ うを採用すべきであるが,ここでは次の 2 つの理由から「日本産クモ類」に使われて いる和名を採用した.1)目録などを作成する人が同定の資料として用いるのはこの先 長い間「日本産クモ類」であり続けるだろうと思われること.2)「日本産クモ類」は 59 現時点での日本のクモの分類学者の全てが協力して作られていること.今後和名の変更 が頻発しないことを切に願っている. 目 録 Liphistiidae ハラフシグモ科 Hept at hela amamiensis Haupt 1983 アマミキムラグモ Hept at hela higoensis Haupt 1983 ヒゴキムラグモ Hept at hela kanenoi Ono 1996 トクノシマキムラグモ Hept at hela kikuyai Ono 1998 ブンゴキムラグモ Hept at hela kimurai (Kishida 1920) キムラグモ Hept at hela nishikawai Ono 1998 ヒトヨシキムラグモ Hept at hela yanbaruensis Haupt 1983 ヤンバルキムラグモ Hept at hela yaginumai Ono 1998 ヒュウガキムラグモ Hept at hela yakushimaensis Ono 1998 ヤクシマキムラグモ Ryut hela iheyana Ono 2002 イヘヤキムラグモ Ryut hela ishigakiensis Haupt 1983 イシガキキムラグモ Ryut hela nishihirai (Haupt 1979) オキナワキムラグモ Ryut hela owadai Ono 1997 トカシキキムラグモ Ryut hela sasakii Ono 1997 クメジマキムラグモ Ryut hela secundaria Ono 1997 キタクメジマキムラグモ Ryut hela tanikawai Ono 1997 イリオモテキムラグモ Atypidae ジグモ科 At ypus karschi Dönitz 1887 ハラキリグモ ジグモ フクログモ At ypus wataribabaorum Tanikawa 2006 ヒラヤジグモ Calommata signat a Karsch 1879 ワスレナグモ ヒメワスレナグモ Antrodiaetidae カネコトタテグモ科 Ant rodiaet us roret zi (L. Koch 1878) カネコグモ カネコトタテグモ シナノトタテグモ ヒラキドグモ Ant rodiaet us yesoensis (Uyemura 1942) エゾトタテグモ Hexathelidae ジョウゴグモ科 Macrot hele amamiensis Shimojana & Haupt 1998 アマミジョウゴグモ Macrot hele gigas Shimojana & Haupt 1998 オオクロケブカジョウゴグモ mis. Macrot hele holst i Pocock 1901 ホルストジョウゴグモ Macrot hele yaginumai Shimojana & Haupt 1998 Ctenizidae トタテグモ科 60 ヤエヤマジョウゴグモ Conothele f ragaria (Dönitz 1887) キノボリトタテグモ Ummidia イハ(ワ)ノヘトタテグモ カミガタトタテグモ ツクシトタテグモ Lat ouchia hyla Haupt & Shimojana 2001 ヤエヤマトタテグモ Lat ouchia japonica Strand 1910 ミヤコジマトタテグモ Lat ouchia okumurai Kishida 1921 オクムラトタテグモ オクムラトタテグモの学名については,有効としてオキナワトタテグモのシノニムとする意 見,独立種とする意見,正体不明ではあるが学名としては有効であるとの意見などいろい ろな見解がある. Lat ouchia parameleomene Haupt & Shimojana 2001 シマトタテグモ Lat ouchia swinhoei Pocock 1901 オキナワトタテグモ オキナワトタテグモについて,次のような亜種の設定が発表されたが,記載不十分で無効 とされている. Lat ouchia swinhoei crypt a Haupt & Shimojana 2001 シロヤマトタテグモ Lat ouchia swinhoei izena Haupt & Shimojana 2001 イゼナトタテグモ Lat ouchia swinhoei kerama Haupt & Shimojana 2001 ケラマトタテグモ Lat ouchia swinhoei kume Haupt & Shimojana 2001 クメトタテグモ Lat ouchia swinhoei swinhoei Pocock 1901 オキナワトタテグモ Lat ouchia swinhoei t onaki Haupt & Shimojana 2001 トナキトタテグモ Lat ouchia swinhoei t ypica (Kishida 1913)キシノウエトタテグモ Lat ouchia swinhoei xena Haupt & Shimojana 2001 アマミトタテグモ Lat ouchia typica (Kishida 1913) キシノウエトタテグモ Kishinoueus トタテグモ Nemesiidae イボブトグモ科 Sinopesa kumensis Shimojana & Haupt 2000 クメジマイボブトグモ イボブトグモ Filistatidae カヤシマグモ科 Filist ata longiventris Yaginuma 1967 ハラナガカヤシマグモ Filist ata marginata Kishida in S. Komatsu 1936 カヤシマグモ Sicariidae イトグモ科 Loxosceles ruf escens (Dufour 1820) イトグモ Scytodidae ヤマシログモ科 Dict is striat ipes L. Koch 1872 ヤマシログモ ヤリダマグモ syn. Scytodes nigrolineat a (Simon 1880) Scytodes fusca Walckenaer 1837 クロヤマシログモ 61 Scytodes thoracica (Latreille 1802) ブチヤマシログモ ユカタヤマシログモ ユカタヤリダマグモ Leptonetidae マシラグモ科 以下,マシラグモ類はすべて Lept onet a 属にまとめられていたことがある. Falcilept oneta aichiensis Irie & Ono 2007 アイチマシラグモ Falcilept oneta amakusaensis Irie & Ono 2005 アマクサマシラグモ Falcilept oneta asuwana (Nishikawa 1981) アスワマシラグモ Falcilept oneta caeca Yaginuma 1972 フジマシラグモ Falcilept oneta got oensis Irie & Ono 2005 ゴトウマシラグモ Falcilept oneta higoensis (Irie & Ono 2003) ヒゴマシラグモ Sarutana Leptoneta Falcilept oneta inabaensis (Nishikawa 1982) イナバマシラグモ Falcilept oneta iriei (Komatsu 1967) イリエマシラグモ Falcilept oneta japonica (Simon 1893) ヤマトマシラグモ Falcilept oneta kugoana (Komatsu 1961) クゴウマシラグモ Falcilept oneta melanocomat a (Komatsu 1961) クロゲマシラグモ ケグロマシラグモ Falcilept oneta musculina (Komatsu 1961) ヨウザワマシラグモ Falcilept oneta ogatai Irie & Ono 2007 オガタマシラグモ Falcilept oneta okinawaensis Komatsu 1972 オキナワマシラグモ Falcilept oneta sat sumaensis Irie & Ono 2005 サツママシラグモ Falcilept oneta soboensis Irie & Ono 2005 ソボマシラグモ Falcilept oneta speciosa (Komatsu 1957) カザアナマシラグモ Falcilept oneta st riata (Oi 1952) ヨコフマシラグモ Falcilept oneta st riata f ujisana Yaginuma 1972 フジヨコフマシラグモ Falcilept oneta t of acea Yaginuma 1972 ウゼンマシラグモ Falcilept oneta t sushimensis (Yaginuma 1970) ツシママシラグモ Falcilept oneta uenoi (Yaginuma 1963) ヒゲナガマシラグモ Falcilept oneta usihanana (Komatsu 1961) ウシハナマシラグモ Falcilept oneta yamauchii (Nishikawa 1982) クロイワマシラグモ Sarutana Falcilept oneta zenjoensis (Komatsu 1965) ゼンジョウマシラグモ Masirana abensis (Kobayashi 1973) アベマシラグモ Sarutana Masirana akahanei Komatsu 1963 アカハネマシラグモ Masirana akiyoshiensis (Oi 1958) アキヨシマシラグモ アキヨシヒナマシラグモ 62 Masirana akiyoshiensis imperat oria Komatsu 1974 タイショウマシラグモ Masirana akiyoshiensis kagekiyoi Komatsu 1974 カゲキヨマシラグモ Masirana akiyoshiensis primocreata Komatsu 1974 タヌキマシラグモ Masirana bandoi (Nishikawa 1986) バンドウマシラグモ Sarutana Masirana chibusana (Irie 2000) チブサンマシラグモ Sarutana Masirana cinevacea Kishida 1942 ヒナマシラグモ Masirana glabra (Komatsu 1957) イシカワマシラグモ Sarutana イシカワサルタグモ Masirana kawasawai (Komatsu 1970) カワサワマシラグモ Sarutana カワサワサルタグモ Masirana kinoshit ai (Irie 2000) キノシタマシラグモ Sarutana Masirana kosodeensis Komatsu 1963 コソデマシラグモ Masirana kuramot oi Komatsu 1974 クラモトマシラグモ クラモトヒナマシラグモ Masirana kyokoae Yaginuma 1972 スルガマシラグモ Masirana longimana Yaginuma 1970 テナガマシラグモ Masirana longipalpis Komatsu 1972 ウデナガマシラグモ Masirana mizonokuchiensis Irie & Ono 2005 ミゾノクチマシラグモ Masirana nippara Komatsu 1957 ニッパラマシラグモ Masirana silvicola (Kobayashi 1973) モリズミマシラグモ Sarutana Masirana taioensis Irie & Ono 2005 タイオマシラグモ Masirana taraensis Irie & Ono 2005 タラマシラグモ Telemidae ヤギヌマグモ科 Telema nipponica (Yaginuma 1972) ヤマトヤギヌマグモ Merizocera ヤマトエンコウグモ Ochyroceratidae エンコウグモ科 Speocera laureata Komatsu 1974 カンムリグモ Pholcidae ユウレイグモ科 Art ema at lant a Walckenaer 1837 タマユウレイグモ Belisana akebona (Komatsu 1961) アケボノユウレイグモ Simonius Spermophora Belisana junkoae (Irie 1997) ヒメユウレイグモ 63 Spermophora Belisana yanbaruensis (Irie 2002) ヤンバルユウレイグモ Spermophora Crossopriza lyoni (Blackwall 1867) オダカユウレイグモ Lept opholcus t anikawai Irie 1999 ヤエヤマユウレイグモ Micropholcus faurot i (Simon 1887) アジアユウレイグモ Pholcus crypt icolens Bösenberg & Strand 1906 ユウレイグモ Pholcus extumidus Paik 1978 ツシマユウレイグモ Pholcus higoensis Irie & Ono 2008 ヒゴユウレイグモ Pholcus nagasakiensis Strand 1918 ミナミユウレイグモ Pholcus okinawaensis Irie 2002 オキナワユウレイグモ Pholcus opilionoides (Schrank 1781) タイリクユウレイグモ Pholcus phalangioides (Fuesslin 1775) イエユウレイグモ Pholcus yoshikurai Irie 1997 ヨシクラユウレイグモ Physocyclus globosus (Taczanowski 1874) ネッタイユウレイグモ Smeringopus pallidus (Blackwall 1858) ユウレイグモモドキ キシダユウレイグモモドキ トダグモ トダユウレイグモモドキ ナガトダグモ syn. Pholcus elongat us Vinson 1863 Smeringopus kishidai Saito 1933 Smeringopus t odai Kishida 1913 Smeringopus elongat us: Simon 1890 Spermophora senoculat a (Dugès 1836) シモングモ mis. Spermophora meridionalis Hentz 1841 ムツメユウレイグモ syn. Simonius t ypicus Kishida 1913 Tetrablemmidae ジャバラグモ科 Ablemma shimojanai (Komatsu 1968) Tet rablemma シモジャナグモ ジャバラグモ Segestriidae エンマグモ科 Ariadna insulicola Yaginuma 1967 シマミヤグモ Ariadna lat eralis Karsch 1881 ミヤグモ syn. Ariadna orient alis Dönitz & Strand 1906 コミヤグモ Segest ria nipponica Kishida 1913 コマツエンマグモ 異名:エンマグモ syn. Segest ria komat suana Komatsu 1939 Segest ria senoculat a (Linné 1758) 異名:エンマグモ ツクシエンマグモ 初記録以来採集例がない Dysderidae イノシシグモ科 64 Dysdera crocat a C. L. Koch 1838 イノシシグモ 初記録以来採集例がない Oonopidae タマゴグモ科 Gamasomorpha cat aphract a Karsch 1881 ダニグモ syn. Oonopus cort icalis Bösenberg & Strand 1906 タマゴグモ Gamasomorpha kusumii Komatsu 1963 クスミダニグモ Gamasomorpha lalana Suman 1965 ミナミダニグモ Het eroonopus spinimanus (Simon 1891) ナンヨウタマゴグモ syn. Oonopinus hunus (Suman 1965) Ischnot hyreus narut omii (Nakatsudi 1942) ナルトミダニグモ Gamasomorpha ヨロイグモ syn. Ischnot hyreus japonicus Oi 1958 Ischnot hyreus pelt if er (Simon 1891) ハワイヨロイダニグモ syn. Ischnot hyreus omus Suman 1965 Opopaea syarakui (Komatsu 1967) シャラクダニグモ Gamasomorpha Orchest ina f lava Ono 2005 キハネグモ Orchest ina okit sui Oi 1958 オキツハネグモ Orchest ina sanguinea Oi 1955 アカハネグモ Pseudot riaeris karschi (Bösenberg & Strand 1906) ケムリダニグモ Gamasomorpha ウスイロダニグモ ケブリダニグモ 初記録以来採集例がない Mimetidae センショウグモ科 Australomimetus japonicus (Uyemura 1938) ハラビロセンショウグモ Mimet us Ero cambridgei Kulczyński 1911 アオグロセンショウグモ Ero f urcat a (Villers 1789) キタセンショウグモ Ero japonica Bösenberg & Strand 1906 センショウグモ ツノセンショウグモ Ero kompirensis Strand 1918 コンピラセンショウグモ 初記録以来採集例がない Ero koreana Paik 1967 マルセンショウグモ Mimet us ryukyus Yoshida 1993 リュウキュウセンショウグモ Mimet us t est aceus Yaginuma 1960 オオセンショウグモ Oecobiidae チリグモ科 Oecobius cellariorum (Dugès 1836) ヘヤチリグモ Oecobius navus Blackwall 1859 チリグモ 65 syn. Tiroecobius nipponicus Kishida 1947 ヤマトチリグモ mis. Oecobius annulipes Lucas 1846 Oecobius navus hachijoensis Uyemura 1965 ハチジョウチリグモ Uroct ea compact ilis L. Koch 1878 ヒラタグモ Hersiliidae ナガイボグモ科 Hersilia okinawaensis Tanikawa 1999 オキナワナガイボグモ Hersilia yaeyamaensis Tanikawa 1999 ヤエヤマナガイボグモ mis. Hersilia savignyi Lucas 1836 ナガイボグモ syn. Hersilia clat hrata Thorell 1895 サスマタナガイボグモ オキナワナガイボグモとヤエヤマナガイボグモとは区別されずに,Hersilia savignyi ナガ イボグモに誤同定されていた.また, Hersilia clathrata は Hersilia savignyi の新参シノ ニムとされた. Uloboridae ウズグモ科 Hypt iot es aff inis Bösenberg & Strand 1906 オウギグモ キュウシュウオウギグモ Miagrammopes oblongus Yoshida 1982 ミドリマネキグモ Miagrammopes orient alis Bösenberg & Strand 1906 マネキグモ syn. Miagrammopes coreensis Yamaguchi 1953 コウライマネキグモ Oct onoba grandiconcava Yoshida 1981 アマミウズグモ Uloborus Oct onoba grandiprojecta Yoshida 1981 クメジマウズグモ Uloborus Oct onoba okinawensis Yoshida 1981 オキナワウズグモ Uloborus Oct onoba rimosa Yoshida 1983 イヘヤウズグモ Uloborus Oct onoba senkakuensis Yoshida 1983 センカクウズグモ Uloborus Oct onoba sinensis (Simon 1880) トウキョウウズグモ syn. Uloborus t okyoensis Kishida 1927 Oct onoba sybot ides (Bösenberg & Strand 1906) Uloborus ウズグモ カタハリウズグモ カタダカウズグモ カタハリヒカゲグモ シロウヅグモ Oct onoba t anakai Yoshida 1981 ミヤコウズグモ Uloborus Oct onoba uncinat a Yoshida 1981 シマウズグモ Uloborus Oct onoba varians (Bösenberg & Strand 1906) 66 ヤマウズグモ Uloborus コウズグモ ウズグモ オオ(ホ)ウズ(ヅ)グモ ヒカゲグモ オホヒカゲグモ ハラクロウズグモ ヤジロヒカゲグモ syn. Uloborus dubius Bösenberg & Strand 1906 Uloborus defectus Bösenberg & Strand 1906 Uloborus incognit us Bösenberg & Strand 1906 マエカケウズグモ Oct onoba yaeyamensis Yoshida 1981 ヤエヤマウズグモ Uloborus Oct onoba yaginumai Yoshida 1981 ハマウズグモ Uloborus Oct onoba yesoensis (S. Saito 1934) エゾイソウロウグモ エゾウズグモ Uloborus Oct onoba yoshidai Tanikawa 2006 タカラジマウズグモ Philoponella prominens (Bösenberg & Strand 1906) マツガエウズグモ Uloborus Uloborus walckenaerius Latreille 1806 タイリクウズグモ Zosis geniculat a (Olivier 1789) ミナミウズグモ Uloborus Nesticidae ホラヒメグモ科 Cyclocarcina f loronoides f loronoides (Komatsu 1942) Nest icus ホシグロヒメグモ ホシグロホラヒメグモ ホシグロコウマルサラグモ Cyclocarcina f loronoides komatsui Yaginuma 1979 コマツホラヒメグモ Cyclocarcina f loronoides not oi Yaginuma 1979 カンノンホラヒメグモ Cyclocarcina f loronoides tatoro Yaginuma 1979 タトロホラヒメグモ Cyclocarcina linyphoides (Komatsu 1960) ミョウジンホラヒメグモ Nest icus Sunit orypha ミョウジンヒメグモ Eidmannella pallida (Emerton 1875) アメリカホラヒメグモ Nest icus Nest icella brevipes( Yaginuma 1970) コホラヒメグモ Nest icus Nest icella mogera (Yaginuma 1972) チビホラヒメグモ hom. Nest icus t errest ris Yagnuma 1970 Nest icus Nest icella okinawaensis (Yaginuma 1979) オキナワホラヒメグモ Nest icus Nest icus abukumanus Yaginuma 1979 アブクマホラヒメグモ Nest icus akamai Yaginuma 1979 トネホラヒメグモ 67 Nest icus akiensis Yaginuma 1979 アキホラヒメグモ Nest icus akiyoshiensis akiyoshiensis (Uyemura1941) アキヨシホラヒメグモ Theridion Nest icus akiyoshiensis of uku Yaginuma 1977 オフクホラヒメグモ Nest icus anagamianus Yaginuma 1976 アナガミホラヒメグモ Nest icus asuwanus Nishikawa 1986 アスワホラヒメグモ Nest icus breviscapus Yaginuma 1979 アッカホラヒメグモ Nest icus bungonus Yaginuma 1979 ブンゴホラヒメグモ Nest icus chikunii Yaginuma 1980 ナカブサホラヒメグモ Nest icus echigonus Yaginuma 1986 エチゴホラヒメグモ Nest icus f urenensis Yaginuma 1979 フウレンホラヒメグモ Nest icus gondai Yaginuma 1979 キリズミホラヒメグモ Nest icus gujoensis Yaginuma 1979 グジョウホラヒメグモ Nest icus higoensis Yaginuma 1977 ヒゴホラヒメグモ Nest icus iriei Yaginuma 1979 ソボホラヒメグモ Nest icus iwat ensis Yaginuma 1979 イワテホラヒメグモ Nest icus kaiensis Yaginuma 1979 ボサツホラヒメグモ Nest icus karyuensis Yaginuma 1980 カリュウホラヒメグモ Nest icus kat aokai Yaginuma 1979 ヒノデホラヒメグモ Nest icus kunisakiensis Irie 1999 クニサキホラヒメグモ Nest icus kuriko Yaginuma 1972 クリコホラヒメグモ Nest icus lat iscapus kosodensis Yaginuma 1972 コソデホラヒメグモ Nest icus lat iscapus lat iscapus Yaginuma 1972 サイコホラヒメグモ Nest icus longiscapus awa Yaginuma 1978 アワホラヒメグモ Nest icus longiscapus draco Yaginuma 1978 タツホラヒメグモ Nest icus longiscapus kiuchii Yaginuma 1978 キウチホラヒメグモ Nest icus longiscapus longiscapus Yaginuma 1976 ナガエホラヒメグモ Nest icus masudai Yaginuma 1979 ミヤマホラヒメグモ Nest icus mikawanus Yaginuma 1979 ミカワホラヒメグモ Nest icus mont icola Yaginuma 1979 シナノホラヒメグモ Nest icus nishikawai Yaginuma 1979 タジマホラヒメグモ Nest icus noroensis Mashibara 1993 ノロホラヒメグモ Nest icus rakanus Yaginuma 1976 ラカンホラヒメグモ Nest icus shinkaii Yaginuma 1979 トウキョウホラヒメグモ Nest icus shureiensis Yaginuma 1980 シュウレイホラヒメグモ Nest icus sonei Yaginuma 1981 ムギホラヒメグモ Nest icus suzuka Yaginuma 1979 スズカホラヒメグモ 68 Nest icus t akachiho Yaginuma 1979 タカチホホラヒメグモ Nest icus t arumii Yaginuma 1979 オニノホラヒメグモ Nest icus t osa iwaya Yaginuma 1976 イワヤホラヒメグモ Nest icus t osa niyodo Yaginuma 1976 ニヨドホラヒメグモ Nest icus t osa t osa Yaginuma 1976 トサホラヒメグモ Nest icus uenoi Yaginuma 1972 フジホラヒメグモ Nest icus yaginumai Irie 1987 ウンゼンホラヒメグモ Nest icus yamagat ensis Yoshida 1989 ヤマガタホラヒメグモ Nest icus yamat o Yaginuma 1979 ヤマトホラヒメグモ Nest icus yesoensis Yaginuma 1979 エゾホラヒメグモ Nest icus zenjoensis Yaginuma 1978 ゼンジョウホラヒメグモ Theridiidae ヒメグモ科 Allot hymoites kumadai Ono 2007 ハラビロササヒメグモ Anelosimus crassipes (Bösenberg & Strand 1906) アシブトヒメグモ Enoplognatha アカヒメグモ アシブトコノハグモ クサリヒメグモ コノハヒメグモ syn. Theridion higense Dönitz & Strand 1906 Enoplognatha foliico la Dönitz & Strand 1906 Anelosimus exiguus Yoshida 1986 コアシブトヒメグモ Anelosimus iwawakiensis Yoshida 1986 イワワキアシブトヒメグモ Argyrodes bonadea (Karsch 1881) シロカネイソウロウグモ Conopist ha Argyrodes cylindrat us Thorell 1898 トビジロイソウロウグモ Conopist ha ビルマイソウロウグモ ホソイソウロウグモ Argyrodes f lavescens O. Pickard-Cambridge 1880 ミナミノアカイソウロウグモ Argyrodes kumadai Chida & Tanikawa 1999 チリイソウロウグモ Conopist ha イソウロウグモ セイロンイソウロウグモ mis. Argyrodes f issifrons O. P.-Cambridge 1869 Argyrodes miniaceus (Doleschall 1857) アカイソウロウグモ Conopist ha アカイロイソウロウグモ クロボシイソウログモ マレイイソウロウグモ ユノハマイソウログモ Ariamnes cylindrogast er (Simon 1888) オナガグモ Argyrodes Chrosiothes sudabides (Bösenberg & Strand 1906) ヨツコブヒメグモ Theridion Chikunia albipes (S.Saito 1935) ギボシヒメグモ 69 Chrysso ナリヒラグモ クロナリヒラグモ syn. Chrysso rapulum (Yaginuma 1960) ジュズカケグモ Theridion Chrysso argyrodif ormis (Yaginuma 1952) オダカグモ Ariamnes Topo Chrysso bimaculata Yoshida 1998 フタホシヒメグモ Chrysso f oliat a (L.Koch 1878) ホシミドリヒメグモ Ero コノハセンショウグモ syn. Chrysso punct if era (Yaginuma 1960) Chrysso octomaculat a (Bösenberg & Strand 1906) ヤホシヒメグモ Theridion Coleosoma ヤホシサヤヒメグモ アオヒメグモ トホシヒメグモ Chrysso pulcherrima (Mello-Leitão 1917) ミナミオダカグモ Chrysso sasakii Yoshida 2001 オキナワホシミドリヒメグモ Chrysso scint illans (Thorell 1895) コガネヒメグモ syn. Chrysso venust a (Yaginuma 1957) Chrysso spiniventris (O. P.-Cambridge 1869) アシナガヒメグモ Chrysso viridivent ris Yoshida 1996 リュウキュウミドリヒメグモ Coleosoma blandum O. P.-Cambridge 1882 サヤヒメグモ Coleosoma f loridanum Banks 1900 ヨシダサヤヒメグモ Coscinida japonica Yoshida 1994 トガリクサチヒメグモ Crustulina guttat a (Wider 1834) シラホシオオノヒメグモ Crustulina st icta (O. P.-Cambridge 1861) オオノヒメグモ Crypt achaea project ivulva (Yoshida 2001) トガリヒメグモ Achaearanea Crypt achaea riparia (Blackwall 1834) イワマヒメグモ Achaearanea Theridion Dipoena nipponica Yoshida 2002 タニカワミジングモ Dipoena punct isparsa Yaginuma 1967 シモフリミジングモ Emertonella t aczanowskii (Keyserling 1886) シロカネヒラタヒメグモ Euryopis Enoplognatha abrupt a (Karsch 1879) St eat oda カガリグモ オニグモモドキ カレハヒメグモ カレハグモ ハナダカアブラグモ syn. Enoplognatha transversif oveat a (Bösenberg & Strand 1906) カレハヒメグモ Enoplognatha caricis (Fickert 1876) ヤマトコノハグモ 八木沼 (1990)には収録されていない キタコノハグモ syn. Enoplognatha tecta (Keyserling 1884) Enoplognatha camt schadalica Kulczyński 1885 70 Enoplognatha japonica Bösenberg & Strand 1906 ヤマトコノハグモ Enoplognatha dorsinotat a Bösenberg & Strand 1906 セマダラコノハグモ St eat oda albimaculosa (S. Saito 1934) ブチモチイグモ ブチモチヒグモ Enoplognatha lordosa Zhu & Song 1992 コガタコノハグモ Enoplognatha margarit a Yaginuma 1964 シロタマヒメグモ Enoplognatha melanicruciat a (S. Saito 1937) ジュウジドヨウグモ Meta Episinus aff inis Bösenberg & Strand 1906 ヒシガタグモ Episinus chikunii Yoshida 1985 チクニヒシガタグモ Episinus kit azawai Yaginuma 1958 シモフリヒシガタグモ Episinus nubilus Yaginuma 1960 ムラクモヒシガタグモ Euryopis f lavomaculat a (C. L. Koch 1836) キマダラヒラタヒメグモ Euryopis iharai Yoshida 1992 フタホシヒラタヒメグモ Euryopis nigra Yoshida 2000 クロヒラタヒメグモ Euryopis oct omaculata (Paik 1995) ヤホシヒラタヒメグモ Faidit us xiphias (Thorell 1887) ハナナガイソウロウグモ Argyrodes Lasaeola okinawana (Yoshida & Ono 2000) オキナワミジングモ Dipoena Lasaeola prona (Menge 1868) アイチミジングモ Dipoena Lasaeola yona (Yoshida & Ono 2000) ヨナミジングモ Dipoena Lasaeola yoshidai (Ono 1991) ヨシダミジングモ Dipoena Latrodect us elegans Thorell 1898 アカオビゴケグモ Latrodect us geomet ricus C.L.Koch 1841 ハイイロゴケグモ Latrodect us hasselt i Thorell 1870 セアカゴケグモ syn. Latrodect us mact ans hasselt ii Torell 1870 Latrodect us hesperus Chamberlin & Ivie 1935 ツヤクロゴケグモ Latrodect us mact ans (Fabricius 1775) クロゴケグモ Meot ipa vesiculosa (Simon 1895) ヒシガタヒメグモ Monet a caudif era (Dönitz & Strand 1906) ハラナガヒシガタグモ Episinus Monet a mirabilis (Bösenberg & Strand 1906) オナガヒシガタグモ Episinus 71 Monet a t anikawai (Yoshida 1991) ヤエヤマヒシガタグモ Episinus Neospint harus fur (Bösenberg & Strand 1906) フタオイソウロウグモ Argyrodes Conopistha クラカケイソウロウグモ トビイソウロウグモ Neospint harus nipponicus (Kumada 1990) ツノナガイソウロウグモ Argyrodes Neott iura bimaculata (Linnaeus 1767) フタスジヒメグモ Theridion Neott iura margarit a (Yoshida 1985) チクニヒメグモ Coleosoma チクニサヤヒメグモ Nest icodes ruf ipes (Lucas 1846) アカアシヒメグモ Theridion Nipponidion okinawense Yoshida 2001 オキナワヒメグモ Nipponidion yaeyamense (Yoshida 1993) ヤエヤマヒメグモ Theridion Nojimaia nipponica Yoshida 2009 ノジマホシヒメグモ Okumaella okumae (Yoshida 1988) クロササヒメグモ Dipoena Thymoit es クロミジングモ Paidiscura subpallens (Bösenberg & Strand 1906) ハイイロヒメグモ Theridion syn. Dipoena caninotat a Bösenberg & Strand 1906 コケミジングモ アカクロミジングモ Parast eatoda angulit horax (Bösenberg & Strand 1906) ツリガネヒメグモ Achaearanea Theridion ムネアカサンカクヒメグモ ワキグロヒメグモ Parast eatoda asiat ica (Bösenberg & Strand 1906) キヒメグモ Achaearanea チチグモ Parast eatoda culicivora (Bösenberg & Strand 1906) Achaearanea Theridion ニセンヒメグモ カグヤヒメグモ タイリクヒメグモ mis. Theridion lunatum (Clerck 1757) Parast eatoda ferrumequina (Bösenberg & Strand 1906) ヒザブトヒメグモ Achaearanea Theridion オンマヒメグモ コウマヒメグモ syn. Theridion meum Bösenberg & Strand 1906 Parast eatoda hat sushibai Yoshida 2009 アニジマヒメグモ Parast eatoda japonica (Bösenberg & Strand 1906) ニホンヒメグモ Achaearanea Theridion Parast eatoda kompirensis (Bösenberg & Strand 1906) Achaearanea Theridion ミツクロボシヒメグモ 72 コンピラヒメグモ Parast eatoda oculiprominens (S. Saito 1939) キヨヒメグモ Achaearanea Theridion Nest icus デメキリグモ Parast eatoda ryukyu (Yoshida 2000) リュウキュウヒメグモ Achaearanea Parast eatoda simulans (Thorell 1875) ハモンヒメグモ Achaearanea Parast eatoda tabulat a (Levi 1980) オオツリガネヒメグモ Achaearanea syn. Achaearanea nipponica Yoshida 1983 Parast eatoda tepidariorum (C. L. Koch 1841) オオヒメグモ Theridion Achaearanea Pholcomma t okyoense Ono 2007 トウキョウカブトヒメグモ Phoroncidia alt ivent ris Yoshida 1985 ハラダカツクネグモ Phoroncidia pilula (Karsch 1879) ツクネグモ ホシヒメグモ syn. Gast eracantha sagaensis Bösenberg & Strand 1906 Phoroncidia ryukyuensis Yoshida 1979 リュウキュウツクネグモ Phycosoma amamiense (Yoshida 1985) アマミミジングモ Pholcomma アマミカブトヒメグ モ Dipoena Trigonobot hrys Phycosoma f lavomarginat um (Bösenberg & Strand 1906) キベリミジングモ Dipoena Trigonobot hrys Phycosoma japonicum (Yoshida 1985) ヤマトミジングモ Pholcomma ヤマトカブトヒメグ モ Dipoena Trigonobot hrys Phycosoma mart inae (Roberts 1983) ホシミジングモ Dipoena Trigonobot hrys Phycosoma must elinum (Simon 1889) カニヒメグモ カニミジングモ ワキメグモ Dipoena Euryopis Trigonobothrys Phycosoma nigromaculatum (Yoshida 1987) クロホシミジングモ Pholcomma クロホシカブトヒメグモ Dipoena Trigonobot hrys Plat nickina maculat a (Yoshida 2001) ミナミホシヒメグモ hom. Keijia Plat nickina mneon (Bösenberg & Strand 1906) サトヒメグモ ハラオビヒメグモ hom. Keijia 73 syn. Theridion adamsoni Berland 1934 Plat nickina st erninotat a (Bösenberg & Strand 1906) Theridion ムナボシヒメグモ ナガレボシヒメグモ hom. Keijia Plat nickina t inct a (Walckenaer 1802) ホクオウヒメグモ Theridion hom. Keijia Rhomphaea annulipedis Yoshida & Nojima 2009 アシマダラヤリグモ Rhomphaea hyrcana (Logunov & Marusik 1990) タテスジヤリグモ Argyrodes Rhomphaea labiat a (Zhu & Song 1991) ヒゲナガヤリグモ Argyrodes Rhomphaea sagana (Dönitz & Strand 1906) ヤリグモ Argyrodes ベリンダイソウロウグモ Rhomphaea t anikawai Yoshida 2001 タニカワヤリグモ Argyrodes Robert us kast oni Eskov 1987 ミヤマモリヒメグモ Robert us nipponicus Yoshida 1995 ミナミモリヒメグモ Robert us nojimai Yoshida 2002 ノジマモリヒメグモ Robert us ogatai Yoshida 1995 オガタモリヒメグモ Robert us sait oi Yoshida 1995 サイトウモリヒメグモ Robert us sibiricus Eskov 1987 キタモリヒメグモ Rugathodes nigrolimbatus (Yaginuma 1972) タカネヒメグモ Theridion Spheropistha melanosoma Yaginuma 1957 クロマルイソウロウグモ Argyrodes Spheropistha miyashit ai (Tanikawa 1998) ミヤシタイソウロウグモ Argyrodes St eat oda albomaculat a (De Geer 1778) ゴマダラヒメグモ St eat oda cingulat a (Thorell 1890) ハンゲツオスナキグモ コガネマル ツリガネヌサグモ syn. St eat oda cavernicola (Bösenberg & Strand 1906) Asagena albilunata Saito 1939 ツリガネグモ St eat oda erigonif ormis (O. P.-Cambridge 1872) ナナホシヒメグモ ナナホシヒコグモ syn. St eat oda sept emmaculata Keyserling 1884 St eat oda grossa (C. L. Koch 1838) 74 シロホシヒメグモ St eat oda t riangulosa (Walckenaer 1802) マダラヒメグモ St emmops nipponicus Yaginuma 1969 スネグロオチバヒメグモ Takayus chikunii (Yaginuma 1960) バラギヒメグモ Theridion Takayus fujisawai Yoshida 2002 フジサワヒメグモ Takayus lat if olius (Yaginuma 1960) ヒロハヒメグモ Theridion Takayus takayensis (S. Saito 1939) タカユヒメグモ Theridion Theridion bett eni Wiehle 1960 キヨサトヒメグモ Theridion makot oi Yoshida 2009 ヤンバルヒメグモ Theridion melanost ictum O.P.-Cambridge 1876 オガサワラヒメグモ syn. Theridion ogasawarense Yoshida 1993 Theridion nojimai Yoshida 1999 ノジマヒメグモ Theridion pict um (Walckenaer 1802) セアカヒメグモ Theridion pinast ri L. Koch 1872 ムネグロヒメグモ セオビヒメグモ ムナグロヒシガタグモ セスジヒメグモ Theridula gonygaster (Simon 1873) ホシヒメグモモドキ Theridula iriomot ensis Yoshida 2001 イリオモテヒメグモモドキ Theridula opulent a (Walckenaer 1842) ヒメグモモドキ オナガヒメグモモドキ Thymoit es chikunii (Yoshida 1988) アカササヒメグモ Dipoena アカミジングモ Thymoit es yaginumai Yoshida 1995 ヤギヌマササヒメグモ Yaginumena castrat a (Bösenberg & Strand 1906) ボカシミジングモ Dipoena ミジングモ syn. Dipoena unif orma Bösenberg & Strand 1906 ミジングモ Yaginumena maculosa (Yoshida & Ono 2000) マダラミジングモ Dipoena Yaginumena mut ilat a (Bösenberg & Strand 1906) コアカクロミジングモ Dipoena syn. Dipoena longisternum Bösenberg & Strand 1906 ムナボソミジングモ Yunohamella lyrica (Walckenaer 1842) Theridion Takayus Yunohamella subadulta (Bösenberg & Strand 1906) Theridion シモフリヒメグモ コケヒメグモ Takayus 75 Yunohamella yunohamensis (Bösenberg & Strand 1906) Theridion ユノハマヒメグモ Takayus Theridiosomatidae カラカラグモ科 Ogulnius pullus Bösenberg & Strand 1906 ヤマジグモ Theridiosoma epeiroides Bösenberg & Strand 1906 カラカラグモ Theridiosoma gemmosum (L.Koch 1877) クロカラカラグモ 八木沼 (1990)には収録されていない. Wendilgarda nipponica Shinkai 2009 ナルコグモ Symphytognathidae ユアギグモ科 Anapist ula ishikawai Ono 2002 ハチジョウウスイロユアギグモ Pat u kishidai Shinkai 2009 ユアギグモ Anapidae ヨリメグモ科 Comaroma hat sushibai Ono 2005 オオダイヨロイヒメグモ Comaroma maculosa Oi 1960 ヨロイヒメグモ Comaroma nakahirai (Yaginuma 1959) メナシヒメグモ Conculus lyugadinus Komatsu 1940 ヨリメグモ Pseudanapis aloha Forster 1959 タイヘイヨウスナツブグモ Mysmenidae コツブグモ科 Mysmenella ogat ai Ono 2007 ヤマトコツブグモ Mysmenella pseudojobi Lin & Li 2008 ナンブコツブグモ mis. Mysmenella jobi (Kraus 1967) Mysmena Pimoidae ピモサラグモ科 Weintrauboa chikunii (Oi 1979) チクニアシヨレグモ Weintrauboa cont ort ipes (Karsch 1881) アシヨレグモ Weintrauboa insularis (S.Saito 1935) エゾアシヨレグモ Lept hyphant es Labulla Linyphiidae サラグモ科 Agynet a lila (Dönitz & Strand 1906) コトヒザグモ Erigone Ainerigone sait oi (Ono 1991) サイトウヌカグモ サイトウコブヌカグモ Walckenaeria Allomengea dent iset is (Grube 1861) カナダサラグモ Aprif ront alia mascula (Karsch 1879) コサラグモ シシヌカグモ Araeoncus humilis (Blackwall 1841) 76 コサラグモモドキ コヌカグモ 八木沼 (1990)には収録されていない Arcuphant es ashif uensis (Oi 1960) アシュウヤミサラグモ Fusciphant es アシフヤミグモ アシフヤミサラグモ Arcuphant es awanus Ono & H.Saito 2001 アワヤミサラグモ Arcuphant es chikunii Oi 1979 チクニヤミサラグモ Arcuphant es concheus Ono & H.Saito 2001 ナガトヤミサラグモ Arcuphant es delicat us (Chikuni 1955) オツヌヤミサラグモ Otunus オツヌグモ ハイマツヒメグモ Arcuphant es digit at us H.Saito 1992 ロクショヤミサラグモ Arcuphant es elephant is Ono & H.Saito 2001 トクシマヤミサラグモ Arcuphant es f ujiensis Yaginuma 1972 フジヤミサラグモ Arcuphant es hamadai Oi 1979 ハマダヤミサラグモ Arcuphant es hast at us Ono & H.Saito 2001 イトイヤミサラグモ Arcuphant es hikosanensis H.Saito 1992 ヒコサンヤミサラグモ Arcuphant es hokkaidanus H.Saito 1992 エゾヤミサラグモ Arcuphant es iriei H.Saito 1992 イリエヤミサラグモ Arcuphant es kobayashii Oi 1979 コバヤシヤミサラグモ Lept hyphant es コバヤシヤセグモ コバヤシヤセサラグモ Arcuphant es longissimus H.Saito 1992 ブンゴホラヤミサラグモ Arcuphant es orbiculatus H.Saito 1992 イヨヤミサラグモ Arcuphant es osugiensis (Oi 1960) オオスギヤミサラグモ Fusciphant es オオスギヤミグモ Arcuphant es paiki H.Saito 1992 ハクヤミサラグモ Arcuphant es rostrat us Ono & H.Saito 2001 トゴウチヤミサラグモ Arcuphant es saragaminensis Ono & H.Saito 2001 サラガミネヤミサラグモ Arcuphant es t amaensis (Oi 1960) タマヤミサラグモ Fusciphant es タマヤミグモ Arcuphant es t roglodytarum (Oi 1960) ホラヤミサラグモ Fusciphant es ホラヤミグモ Arcuphant es t sushimanus Ono & H.Saito 2001 ツシマヤミサラグモ Arcuphant es uenoi H.Saito 1992 ウエノヤミサラグモ Arcuphant es yamakawai (Oi 1960) ヤマカワヤミサラグモ Fusciphant es ヤマカワヤミグモ Aspert horax borealis Ono & H.Saito 2001 キタザラアカムネグモ Aspert horax communis Oi 1960 ザラアカムネグモ 77 Ast henargus mat sudae Saito & Ono 2001 ヒメウスイロサラグモ Ast henargus niphonius Saito & Ono 2001 ニホンウスイロサラグモ Baryphymula kamakuraensis (Oi 1960) カマクラヌカグモ Wideria Walckenaer カマクラテングヌカグモ Bat hylinyphia major (Kulczyński 1885) ヤマトテナガグモ Bat hyphant es Bat hyphant es gracilis (Blackwall 1841) テナガグモ ダイセツテナガグモ syn. Bat hyphant es orient is Oi 1960 Bat hyphant es robust us Oi 1960 クロテナガグモ Bat hyphant es simillimus (L.Koch 1879) キタテナガグモ Bat hyphant es yodoensis Oi 1960 ヨドテナガグモ Bolyphant es alt iceps (Sundevall 1832) キテナガグモ mis. Bolyphant es lut eolus (Blackwall 1833) Callit richia formosana Oi 1977 タイワンコブヌカグモ Caracladus tsurusakii H. Saito 1988 ヤマトクビナガコサラグモ Caviphantes pseudosaxetorum Wunderlich 1979 キタホラヌカグモ Caviphantes samensis Oi 1960 ホラヌカグモ Cent romerus sylvat icus (Blackwall 1841) マルサラグモ Cent romerus t errigenus Yaginuma 1972 エゾマルサラグモ Cerat inella brevis (Wider 1834) チビクロマルハラカタグモ Cerat inella fumif era S. Saito 1939 ケムリハラカタグモ Cerat inella scabrosa (O. P.-Cambridge 1871) エゾハラカタグモ Cerat inella subulat a Bösenberg & Strand 1906 ハラカタグモ 初記録以来採集例がない Cerat inopsis set oensis (Oi 1960) イソヌカグモ Anacotyle Collinsia ezoensis (H. Saito 1986) エゾヤマコサラグモ Milleriana Collinsia japonicus (Oi 1964) ハクサンコサラグモ Scot argus mis. Collinsia inerrans (O. P.-Cambridge 1885) サロベツコサラグモ Collinsia sachalinensis Eskov 1990 オクエゾコサラグモ Cresmat oneta nipponensis H. Saito 1988 アリサラグモ mis. Cresmat oneta mut inensis (Canestrini 1868) Dicornua hikosanensis Oi 1960 ヒコサンヌカグモ Dicymbium salaput ium H. Saito 1986 ヒゲナガコサラグモ 78 シュジュコサラグモ Dicymbium yaginumai Eskov & Marusik 1994 ヤギヌマコサラグモ Diploce phaloides saganus (Bösenberg & Strand 1906) ハラジロムナキグモ Diploce phalus bicurvat us Bösenberg & Strand 1906 ムナキグモ Diploce phalus gravidus Strand in Bösenberg & Strand 1906 ハラビロムナキグモ Diploce phalus hispidulus Saito & Ono 2001 フサムナキグモ Doenitzius peniculus Oi 1960 デーニッツサラグモ Doenitzius pruvus Oi 1960 コデーニッツサラグモ Drapet isca socialis (Sundevall 1833) ムレサラグモ Eldonnia kayaensis (Paik 1965) オノツノサラグモ syn. Wubanoides onoi H.Saito 1992 Ent elecara dabudongensis Paik 1983 コウライホテイヌカグモ Ent elecara tanikawai Tazoe 1993 イリオモテヌカグモ Epibe llo wia sept entrionalis (Oi 1960) キタヤミサラグモ Fusciphant es Arcuphant es Wubanoides キタヤミグモ キタツノサラグモ Erigone at ra (Blackwall 1833) クロヒザグモ syn. Erigone hakusanensis Oi 1964 ハクサンノコギリグモ Erigone edent at a Saito & Ono 2001 マルムネヒザグモ Erigone himeshimensis Strand 1918 ヒメシマヒザグモ 初記録以来採集例がない Erigone korat ensis Strand 1918 カラツヒザグモ 初記録以来採集例がない Erigone koshiensis Oi 1960 カワリノコギリグモ Erigone longipalpis (Sundevall 1830) ヒゲナガヒザグモ Erigone pauperula (Bösenberg & Strand 1906) マエキグモ Caracladus 初記録以来採集例がない Erigone prominens Bösenberg & Strand 1906 ノコギリヒザグモ syn. Erigone doenit zi Strand 1918 デーニッツヒザグモ Erigone sagibia Strand 1918 サガヒザグモ 初記録以来採集例がない Erigone sagicola Dönitz & Strand 1906 アシアカヒザグモ 初記録以来採集例がない Est randia grandaeva (Keyserling 1886) ダイセツサラグモ mis. Linyphia tridens Schenkel 1930 Est randia nearct ica (Banks 1910) Evansia merens O. P.-Cambridge 1900 アリノスヌカグモ 79 Floronia exornat a (L.Koch 1878) ハナサラグモ シロサラグモ syn. Oecobius sapporensis Saito 1934 キタチリグモ mis. Floronia bucculent a (Clerk 1758) Fusciphant es hibanus (H.Saito 1992) ヒバヤミサラグモ Arcuphant es Fusciphant es iharai (H.Saito 1992) アキヤミサラグモ Arcuphant es Fusciphant es longiscapus Oi 1960 ナガエヤミサラグモ Arcuphant es ナガエヤミグモ Fusciphant es nojimai (Ihara 1995) ハリマヤミサラグモ Arcuphant es Fusciphant es okiensis (Ihara 1995) オキヤミサラグモ Arcuphant es Fusciphant es sait oi (Ihara 1995) イズモヤミサラグモ Arcuphant es Fusciphant es set ouchi (Ihara 1995) セトヤミサラグモ Arcuphant es Fusciphant es tsurusakii (Ihara 1995) ツルサキヤミサラグモ Arcuphant es Glyphesis cott onae (La Touche 1946) ミズゴケコサラグモ 誤同定との指摘がある( Eskov 1994) Gnat honarium dent atum (Wider 1834) ヤマアカムネグモ キタ(ダ)チアカムネグモ ヤマアカムネとニセアカムネは同種とされていた Gnat honarium exsiccat um (Bösenberg & Strand 1906) ニセアカムネグモ アカムネグモ Gnat honarium gibberum Oi 1960 セムシアカムネグモ Gonat ium arimaense Oi 1960 アリマケズネグモ Gonat ium japonicum Simon in Bösenberg & Strand 1906 ヤマトケズネグモ syn. Gonat ium opimum Oi 1960 ケズネグモ Gonat ium nipponicum Millidge 1981 オニノカナボウケズネグモ syn. Gonat ium rubens (Blackwall 1833) Gongylidiellum murcidum Simon 1884 シッチヌカグモ Gongylidioides communis Saito & Ono 2001 ナミズキンヌカグモ Gongylidioides cucullat us Oi 1960 ズキンヌカグモ Gongylidioides galeritus Saito & Ono 2001 チョンマゲズキンヌカグモ Gongylidioides kaihotsui Saito & Ono 2001 カイホツズキンヌカグモ 80 Gongylidioides monocornis Saito & Ono 2001 イッカクズキンヌカグモ Gongylidioides onoi Tazoe 1994 オノヌカグモ Herbiphant es cericeus (S. Saito 1934) キヌキリグモ Lept hyphant es Nest icus Menosira キヌキリヒメグモ キタキリヒメグモ キヌグモ キヌサラグモ Herbiphant es longivent ris Tanasevitch 1992 キノボリキヌキリグモ キハダキヌキリグモ mis. Drapet isca socialis (Sundevall 1832) ムレサラグモ 真の socialis も 生息している. Hilaira herniosa (Thorell 1875) カラスヌカグモ syn. Hilaira monedula H. Saito 1986 Himalaphantes azumiensis (Oi 1979) アズミヤセサラグモ Lept hyphant es Hylyphant es graminicola (Sundevall 1830) クロナンキングモ syn. Erigone hua Dönitz & Strand 1906 Erigonidium Hylyphant es t anikawai Ono & H.Saito 2001 イリオモテナンキングモ Hypomma aff ine Schenkel 1930 フタコブヌカグモ フタコブサラグモ フタコブコサラグモ Hypselist es asiat icus Bösenberg & Strand 1906 ツノタテグモ Hypselist es aust ralis Saito & Ono 2001 ミナミツノタテグモ Hypselist es semif lavus (L.Koch 1879) シベリアツノタテグモ Improphant es biconicus (Tanasevitch 1992) ツノウデヤセサラグモ Lept hyphant es Kaestneria pullat a (O.P.-Cambridge 1863) クロシッチサラグモ Kagurargus kikuyai Ono 2007 カグラゴマグモ Lept hyphant es concavus (Oi 1960) クボミケシグモ Meionet a Lept hyphant es japonicus Oi 1960 ヤセサラグモ ヤセグモ Lept hyphant es lut eipes (L. Koch 1879) キアシヤセサラグモ キアシヤセグモ Lept hyphant es serratus Oi 1960 ノコバヤセサラグモ ノコバヤセグモ syn. Lept hyphant es clarus Oi 1960 ハガタヤセグモ ハガタヤセサラグモ Lept hyphant es himuronis H.Saito 1992 ヒムロホソサラグモ 81 Lept orhoptrum robust um (Westring 1851) ミダガハラサラグモ ヤスダサラグモ syn. Robert us yasudai Yoshida 2001 ヤスダモリヒメグモ Linyphia hortensis (Sundevall 1830) アササラグモ Neriene 誤同定,正確な種名は不明のままである. Linyphia sagana Dönitz & Strand 1906 Neriene キバラサラグモ サガサラグモ 初記録以来採集例がない Maro laut us H. Saito 1984 ニッコウミヤマケシグモ Maro perpusillus H. Saito 1984 ミヤマケシグモ Maso sundevalli (Westring 1851) スンデファルコサラグモ サンディバルコサラグモ Mecopist hes t okumot oi Oi 1964 トクモトコサラグモ Meionet a boninensis H. Saito 1982 オガサワラケシグモ Meionet a f lavipes Ono 1991 キアシケシグモ Meionet a gulosa (L. Koch 1869) キタケシグモ Meionet a ignorat a H. Saito 1982 サダヨリケシグモ Meionet a insulana (Tanasevitch 2000) シマケシグモ Meionet a mollis (O.P.-Cambridge 1871) ヒメケシグモ Meionet a nigra Oi 1960 クロケシグモ Agynet a Meionet a t enuipes Ono 2007 アシボソケシグモ Mermessus naniwaensis (Oi 1960) ナニワナンキングモ Erigonidium Eperigone Hylyphant es Met opobact rus prominulus (O. P.-Cambridge 1872) タイリクトガリヌカグモ Micrargus apert us (O. P.-Cambridge 1871) キタゴマグモ Micrargus cavernicola Wunderlich 1995 ホラゴマグモ Micrargus herbigradus (Blackwall 1854) クサチゴマグモ Micrargus hokkaidoensis Wunderlich 1995 エゾゴマグモ Micrargus nibeovent ris (Komatsu 1942) アカシロカグラグモ Delorrhipis=Savignia Savignia 八木沼( 1990)には収録されていない. Microbat hyphant es aokii (H. Saito 1982) オガサワラテナガグモ Bat hyphant es アオキテナガグモ Microbat hyphant es tat eyamaensis (Oi 1960) Porrhomma Bat hyphant es タテヤマサラグモ syn. Porrhomma kisoensis キソサラグモ 82 タテヤマテナガグモ Microlinyphia pusilla (Sundevall 1830) オクチサラグモ ヒメサラグモ Microneta viaria (Blackwall 1841) コノハサラグモ Nemat ogmus rut ilis Oi 1960 コアカサナダグモ Nemat ogmus sanguinolent us (Walckenaer 1842) チビアカサラグモ Nemat ogmus stylit us (Bösenberg & Strand 1906) ズダカサラグモ ズダカグモ Neriene albolimbat a (Karsch 1879) ヤガスリサラグモ Lynyphia syn. Linyphia pennata Oi 1960 Neriene angulif era (Schenkel 1953) ハンモックサラグモ Linyphia Neolinyphia mis. Neolinyphia pelt at a (Wider 1834) Neriene brongersmai van Helsdingen 1969 チビサラグモ mis. Linyphia limbt inella Bösenberg & Strand 1906 Neriene clat hrata (Sundevall 1830) コウシサラグモ Linyphia Neriene emphana (Walckenaer 1842) タイリクサラグモ Linyphia Prolinyphia Neriene fusca (Oi 1960) クスミサラグモ Linyphia Neolinyphia Neriene herbosa (Oi 1960) シバサラグモ Neriene japonica (Oi 1960) ツリサラグモ Linyphia Neolinyphia Neriene jinjooensis Paik 1991 アミメサラグモ Neriene limbat inella (Bösenberg & Strand 1906) フタスジサラグモ Linyphia Prolinyphia syn. Prolinyphia bilineata Oi 1960 Neriene longipedella (Bösenberg & Strand 1906) アシナガサラグモ Linyphia Prolinyphia Neriene marginella (Oi 1960) コシロブチサラグモ Linyphia Prolinyphia Neriene montana (Clerck 1757) ヤマジサラグモ Linyphia mis. Prolinyphia marginata (C.L. Koch 1834) Neriene nigripect oris (Oi 1960) ムネグロサラグモ 83 Linyphia Neolinyphia ムナグロサラグモ Neriene oidedicata van Helsdingen 1969 ヘリジロサラグモ ワキグロサラグモ mis. Linyphia albolimbat a Karsch 1879 Neriene radiata (Walckenaer 1842) シロブチサラグモ Linyphia Prolinyphia サラグモ Neserigone basarukini Eskov 1992 ミヤマナンキングモ Neserigone nigriterminorum (Oi 1960) ハシグロナンキングモ Erigonidium Hylyphant es Neserigone t orquipalpis (Oi 1960) マダラナンキングモ Erigonidium Hylyphant es Nippononeta alpina Ono & H.Saito 2001 ミヤマニッポンケシグモ Nippononeta elongat a Ono & H.Saito 2001 ミチノクケシグモ Nippononeta kaiensis Ono & H.Saito 2001 カイケシグモ Nippononeta kant onis Ono & H.Saito 2001 カントウケシグモ Nippononeta kurilensis Eskov 1992 ニッポンケシグモ チシマケシグモ Nippononeta masatakana Ono & H.Saito 2001 イオウジマケシグモ Nippononeta masudai Ono & H.Saito 2001 ダイボサツケシグモ Nippononeta minuta (Oi 1960) コケシグモ Meionet a Nippononeta nodosa (Oi 1960) コブケシグモ Meionet a Nippononeta obliqua (Oi 1960) ナナメケシグモ Meionet a Nippononeta ogat ai Ono & H.Saito 2001 オガタニッポンケシグモ Nippononeta okumae Ono & H.Saito 2001 オオクマニッポンケシグモ Nippononeta pentagona (Oi 1960) ゴカクケシグモ Meionet a Nippononeta project a (Oi 1960) ツノケシグモ Meionet a Nippononeta silvicola Ono & H.Saito 2001 モリニッポンケシグモ Nippononeta subnigra Ono & H.Saito 2001 アマリケシグモ Nippononeta ungulata (Oi 1960) ツメケシグモ Meionet a Nippononeta xiphoidea Ono & H.Saito 2001 ホウライケシグモ Nipponot usukuru enzanensis Saito & Ono 2001 エンザンマジナイケシグモ 84 Nipponot usukuru spiniger Saito & Ono 2001 ザオウマジナイケシグモ Nispa barbat us Eskov 1993 アゴヒゲサラグモ Oedot horax japonicus Kishida 1910 ヤマトアカムネグモ アカムネグモ Oedot horax sexmaculatus Saito & Ono 2001 ムツボシミヤマアカムネグモ Oedot horax trilineatus S. Saito 1934 ミスジアカムネグモ Oia imadat ei (Oi 1964) イマダテテングヌカグモ Cornicularia Oilinyphia peculiaris Ono & H. Saito 1989 ケナガサラグモ Okhot igone sounkyoensis (H. Saito 1986) マルコブヌカグモ Walckenaeria Oreoneta t atrica (Kulczyński 1915) ミヤマカラスヌカグモ Hilaira Oreonet ides shimizui (Yaginuma 1972) シミズサラグモ Drepanotylus syn. Oreonet ides lingualis H.Saito 1978 シタガタサヤサラグモ Oreonet ides vaginatus (Thorell 1872) シタガタサヤサラグモ サヤサラグモ Orient opus yodoensis (Oi 1960) アバタムナキグモ Lophomma Ost earius melanopygius (O. P.-Cambridge 1879) スソグロサラグモ Oedot horax Paikin iana iriei (Ono 2007) キュウシュウツノヌカグモ Walckenaeria Paikin iana mira (Oi 1960) テングヌカグモ Cornicularia Walckenaeer Paikin iana vulgaris (Oi 1960) コテングヌカグモ Cornicularia Walckenaeer Parasisis amurensis Eskov 1984 タイリクコサラグモ Parat apinocyba kumadai H. Saito 1986 クマダヤマトコナグモ Parat apinocyba oiwa (H. Saito 1980) オオイワヤマトコナグモ Tapinocyba オオイワヤマジコナグモ Parhypomma naraense (Oi 1960) ナラヌカグモ Mit hoplast oides Dicornua Pelecops is mengei (Simon 1884) ズグロコブヌカグモ Pelecops is punct iseriat a (Bösenberg & Strand 1906) ウスチャズダカグモ 85 Lophocarenum 初記録以来採集例がない Pit yohyphant es phrygianus (C. L. Koch 1836) ワカレサラグモ Pocadicnemis pumila (Blackwall 1841) コロポックルコサラグモ Porrhomma mont anum Jackson 1913 エゾヤマサラグモ syn. Porrhomma hakusanense Oi 1964 Porrhomma hebescens L. Koch 1879 不使用による先取権の逆転 Porrhomma ohkawai H. Saito 1977 ホラアナサラグモ Porrhomma pygmaeum (Blackwall 1834) コガタヌマチサラグモ Porrhomma rakanum Yaginuma & H. Saito 1981 ラカンホラアナサラグモ Pseudomicrargus acuit egulatus (Oi 1960) ホソテゴマグモ Micrargus Praest igia kulczynskii Eskov 1979 グンバイヌカグモ Baryphyma Pseudomicrargus asakawaensis (Oi 1964) アサカワゴマグモ Micrargus Pseudomicrargus lat it egulat us (Oi 1960) ヒロテゴマグモ Micrargus Ryojius japonicus Saito & Ono 2001 ヤマトオオイヤマケシグモ Ryojius occident alis Saito & Ono 2001 カンサイオオイヤマケシグモ Saarist oa ebinoensis (Oi 1980) エビノマルサラグモ Lept hyphant es エビノヤセグモ エビノヤセサラグモ syn. Saarist oa higoensis (H. Saito 1984) ヒゴマルサラグモ Cent romerus Saarist oa nipponica (H. Saito 1984) ヤマトマルサラグモ Cent romerus Sachaliphant es sachalinensis (Tanasevitch 1988) カラフトヤセサラグモ Sait onia kawaguchikonis Saito & Ono 2001 カワグチココヌカグモ Sait onia longicephala (H. Saito 1988) ズナガコヌカグモ Araeoncus Sait onia muscus (H. Saito 1989) コケコヌカグモ Araeoncus Sait onia ojiroensis (H.Saito 1990) ミノブコヌカグモ Araeoncus Sait onia orientalis (Oi 1960) ズブトヌカグモ Araeoncus Savignia birost ra (Chamberlin & Ivie 1947) 86 ヒョウタンヌカグモ Savignia kawachiensis Oi 1960 ズナガヌカグモ Savignia yasudai (H. Saito 1986) ヤスダコブガシラヌカグモ Diploce phalus Scot inotylus eutypus (Chamberlin 1948) トドヌカグモ Silomet opus sachalinensis (Eskov & Marusik 1994) カラフトコサラグモ Silomet opoides Solenysa mellot eei Simon 1894 アリマネグモ Solenysa part ibilis Tu, Ono & Li 2007 カンサイアリマネグモ Solenysa ref lexilis Tu, Ono & Li 2007 キュウシュウアリマネグモ Strandella f luct imaculat a H. Saito 1982 サザナミサラグモ Strandella pargongensis (Paik 1965) コウライサラグモ Strandella quadrimaculat a (Uyemura 1937) ヨツボシサラグモ ヨツボシアカムネグモ Strandella yaginumai H. Saito 1982 ヒメヨツボシサラグモ Syedra oii H. Saito 1983 オオイオリヒメサラグモ Tallusia experta (O.P.-Cambridge 1871) サカズキサラグモ サカヅキサラグモ Tapinocyba silvicult rix H. Saito 1980 ヤマジコナグモ Tapinocyba suganamii Saito & Ono 2001 スガナミヤマジコナグモ Tapinopa guttat a Komatsu 1937 カナコキグモ mis. Tapinopa longidens (Wider 1834) ナガバカナコキグモ Taranucnus nishikii Yaginuma 1972 ニシキサラグモ Tenuiphant es nigrivent ris (L. Koch 1879) ハラクロヤセサラグモ ハラクロヤセグモ Lept hyphant es Thyreosthenius parasit icus (Westring 1851) ヤドリサラグモ Tibioploides eskovianus Saito & Ono 2001 エスコフクロサラグモ Tibioploides mont icola Saito & Ono 2001 ヤマクロサラグモ Tiso aest ivus (L. Koch 1872) ドヨウヌカグモ Tmet icus bipunct is (Bösenberg & Strand 1906) ヌカグモ Oedot horax syn. Tmet icus japonicus Oi 1960 フタホシアカムネグモ Tmet icus neserigonoides Saito & Ono 2001 ナンキンヌカグモ Tmet icus nigerrimus Saito & Ono 2001 ミヤマクロヌカグモ Tmet icus vulcanicus Saito & Ono 2001 ミヤケジマヌカグモ Tojinium japonicum Saito & Ono 2001 ヤマトトウジヌカグモ 87 Turinyphia yunohamensis (Bösenberg & Strand 1906) ユノハマサラグモ Prolinyohia Linyphia Ummeliat a angulit uberis (Oi 1960) コトガリアカムネグモ Oedot horax Ummeliat a erigonoides (Oi 1960) トガリアカムネグモ Oedot horax Ummeliat a f eminea (Bösenberg & Strand 1906) コブアカムネグモ アトグロアカムネグモ トウキョウアカムネグモ Oedot horax syn. Erigone t okyoensis Uyemura 1941 Ummeliat a insect iceps (Bösenberg & Strand 1906) セスジアカムネグモ Oedot horax Ummeliat a onoi Saito 1993 オノアカムネグモ Ummeliat a osakaensis (Oi 1960) オオサカアカムネグモ Oedot horax Ummeliat a sait oi Matsuda & Ono 2001 サイトウアカムネグモ Walckenaeria at rot ibialis (O.P.-Cambridge 1878) スネグロヌカグモ Walckenaeria chikunii Saito & Ono 2001 チクニコブヌカグモ Walckenaeria chiyokoae H. Saito 1988 オオクマコブヌカグモ Walckenaeria furcillat a (Menge 1869) フタマタヌカグモ Walckenaeria golovat chi Eskov & Mrusik 1994 チョビヒゲヌカグモ mis. Walckenaeria ant ica (Wider 1834) Wideria Walckenaeria ichifusaensis Saito & Ono 2001 イチフサチョビヒゲヌカグモ Walckenaeria karpinskii (O. P.-Cambridge 1873) ホッポウツノヌカグモ Walckenaeria keikoae H. Saito 1988 フタエツノヌカグモ Walckenaeria korobeinikovi Esyunin & Efimik 1996 シベリアツノヌカグモ mis. Walckenaeria clavicornis (Emerton 1882) ホッカイツノヌカグモ Walckenaeria nishikawai H. Saito 1986 ニシカワコブヌカグモ Walckenaeria nodosa O.P.-Cambridge 1873 マツダエボシヌカグモ syn. Walckenaeria mayumiae H. Saito 1986 Walckenaeria nudipalpis (Westring 1851) トリアシヌカグモ Walckenaeria orient alis (Oliger 1985) カントウヒゲヌカグモ syn. Walckenaeria kant onis H. Saito 1989 Walckenaeria uenoi Saito & Irie 1992 ウエノメナシコブヌカグモ Wubanoides f issus (Kulczyński 1926) タイリクツノサラグモ Tetragnathidae ア シナガグモ科 88 At elidea globosa Yamaguchi 1957 マルカネグモ Diphya okumae Tanikawa 1995 オオクマヒメドヨウグモ Dolichognatha umbrophila Tanikawa 1991 ズナガドヨウグモ Dyschiriognatha dentat a Zhu & Wen 1978 ミナミヨツボシヒメアシナガグ モ Leucauge blanda (L. Koch 1878) チュウガタシロカネグモ Leucauge celebesiana (Walckenaer 1842) オオシロカネグモ syn. Leucauge magnif ica Yaginuma 1954 Leucauge crucinota (Bösenberg & Strand 1906) チビシロカネグモ ケムリイソウロウグモ Leucauge decorata (Blackwall 1864) トガリシロカネグモ Leucauge subblanda Bösenberg & Strand 1906 コシロカネグモ Leucauge subgemmea Bösenberg & Strand 1906 キララシロカネグモ キララグモ ヤミシロガネグモ Menosira ornat a Chikuni 1955 キンヨウグモ アズミグモ Meta japonica Tanikawa 1993 サンロウドヨウグモ mis. Meta menardi (Latreille 1804) Meta nigridorsalis Tanikawa 1994 チビクロドヨウグモ Meta ret iculoides Yaginuma 1958 ヤマジドヨウグモ Met leucauge chikunii Tanikawa 1992 チクニドヨウグモ Met leucauge kompirensis (Bösenberg & Strand 1906) タニマノドヨウグモ コンピラドヨウグモ ズグロドヨウグモ syn. Meta vena Dönitz & Strand 1906 Met leucauge yaginumai Tanikawa 1992 キタドヨウグモ mis. Meta ret iculat a (Linné 1758) Meta segment ata (Clerck 1757) Met leucauge sp. Met leucauge yunohamensis (Bösenberg & Strand 1906) メガネドヨウグモ Meta タニガワドヨウグモ ユノハマドヨウグモ Okileucauge sasakii Tanikawa 2001 ササキグモ Pachygnatha clercki Sundevall 1823 アゴブトグモ Pachygnatha quadrimaculat a (Bösenberg & Strand 1906) ヨツボシヒメアシナガグモ Dyschiriognatha Pachygnatha rotunda S. Saito 1939 アシナガマルグモ Pachygnatha t enera Karsch 1879 ヒメアシナガグモ 89 Dyschiriognatha Tet ragnatha bituberculat a L. Koch 1867 チヨコアシナガグモ Tet ragnatha boninensis Okuma 1981 オガサワラアシナガグモ Tet ragnatha caudicula (Karsch 1879) トガリアシナガグモ Tet ragnatha ceylonica O. P.-Cambridge 1869 セイロンアシナガグモ Tet ragnatha chauliodus (Thorell 1890) ヒルギアシナガグモ Tet ragnatha exquist a S. Saito 1933 コアシナガグモ Tet ragnatha ext ensa (Linnaeus 1758) ハラビロアシナガグモ Tet ragnatha iriomot ensis Okuma 1991 イリオモテアシナガグモ Tet ragnatha javana (Thorell 1890) オナガアシナガグモ Tet ragnatha laqueata L. Koch 1872 トゲナガアシナガグモ Tet ragnatha laut a Yaginuma 1959 キヌアシナガグモ Tet ragnatha lea Bösenberg & Strand 1906 アズマアシナガグモ Tet ragnatha makiharai Okuma 1977 リュウキュウアシナガグモ Tet ragnatha mandibulat a Walckenaer 1842 オオアシナガグモ Tet ragnatha maxillosa Thorell 1895 ヤサガタアシナガグモ コアシナガグモ syn. Tet ragnatha japonica Bösenberg & Strand 1906 Tet ragnatha nepaef ormis Doleschall 1859 タイワンアシナガグモ Tet ragnatha nit ens (Audouin 1826) ヒカリアシナガグモ Tet ragnatha pinicola L. Koch 1870 ミドリアシナガグモ Tet ragnatha praedonia L. Koch 1878 アシナガグモ syn. Tet ragnatha nigrit a niccensis Strand 1906 ニッコウアシナガグモ Tet ragnatha shinanoensis Okuma & Chikuni 1978 シナノアシナガグモ Tet ragnatha squamat a Karsch 1879 ウロコアシナガグモ シンアシナガグモ Tet ragnatha tanigawai Okuma 1988 タニカワアシナガグモ Tet ragnatha vermif ormis Emerton 1884 シコクアシナガグモ syn. Tet ragnatha shikokiana Yaginuma 1960 Tet ragnatha yesoensis S. Saito 1934 エゾアシナガグモ Tylorida st riat a (Thorell 1877) キイロハラダカグモ syn. Tylorida magnivent er Bösenberg & Strand 1906 ハラダカグモ Tylorida ventralis (Thorell 1877) オオハラダカグモ Nephilidae ジョロウグモ科 Herennia mult ipunct a (Doleschall 1859) syn. Herennia ornat issima (Doleschall 1859) ケハイグモ 90 ケワイグモ Nephila clavat a L. Koch 1878 ジョロウグモ syn. Argiope maja Bosenberg & Strand 1906 ミゾコガネグモ Nephila pilipes (Fabricius 1793) オオジョロウグモ syn. Nephila maculat a (Fabricius 1793) Nephilengys malabarensis (Walckenaer 1842) マラバルジョロウグモモドキ 八木沼 (1977)からは収録されていない. Araneidae コガネグモ科 Aculepeira mat sudae Tanikawa 1994 マツダタカネオニグモ Acusilas coccineus Simon 1895 ハツリグモ Alenat ea f uscocolorata (Bösenberg & Strand 1906) ヤミイロオニグモ Neoscona Araneus Anepsion japonicum Yaginuma 1962 ヤマトジャノメグモ Arachnura logio Yaginuma 1956 キジロオヒキグモ Arachnura melanura Simon 1867 キオヒキグモ オヒキグモ Araneus acusisetus Zhu & Song 1994 オオクマヤミイロオニグモ Araneus alsine (Walckenaer 1802) コガネオニグモ Araneus amabilis Tanikawa 2001 チュラオニグモ Araneus borealis Tanikawa 2001 キタマメオニグモ Araneus boreus Uyemura & Yaginuma 1971 キタグニオニグモ Araneus diademat us Clerck 1757 ニワオニグモ ミカドオニグモ Araneus doenitzellus (Strand 1906) ハリゲオニグモ Araneus dof leini (Bösenberg & Strand 1906) ドフラインオニグモ Araneus ejusmodi Bösenberg & Strand 1906 ヌサオニグモ ヌサグモ ヌサカタオニグモ syn. Lit hyphant es dubius Dönitz & Strand 1906 Araneus lit hyphant if ormis Kishida Araneus hoshi Tanikawa 2001 ホシマメオニグモ Araneus iriomot ensis Tanikawa 2001 イリオモテオニグモ Araneus ishisawai Kishida 1920 イシサワオニグモ Araneus komi Tanikawa 2001 コミオニグモ Araneus macacus Uyemura 1961 ヤエンオニグモ Araneus mangarevoides (Bösenberg & Strand 1906) ソメワケオニグモ Araneus marmoreus Clerck 1757 キバナオニグモ Araneus mayumiae Tanikawa 2001 マユミオニグモ 91 Araneus mit if icus (Simon 1886) ビジョオニグモ Araneus nojimai Tanikawa 2001 マメオニグモ mis. Araneus t rigutt atus Fabricius 1775 Araneus nordmanni (Thorell 1870) ノルドマンオニグモ Araneus ogatai Tanikawa 2001 オガタオニグモ Araneus pent agrammicus (Karsch 1879) アオオニグモ Araneus pinguis (Karsch 1879) アカオニグモ ダイダイオニグモ mis. Araneus quadrat us Clerck 1757 Araneus rotundicornis Yaginuma 1972 マルコブオニグモ マルズノオニグモ mis. Araneus omoedus (Thorell 1870) コブオニグモ Araneus ryukyuanus Tanikawa 2001 リュウキュウオニグモ Araneus sagicola (Dönitz & Strand 1906) サガノオニグモ 初記録以来採集例がない Araneus semilunaris (Karsch 1879) マルヅメオニグモ Neoscona 属へ転属するという論文が発表されているが,筆者はこの扱いは間違いで あると判断しているのでここでは取り上げない. Araneus seminiger (L.Koch 1878) コケオニグモ フタスジオニグモ mis. Araneus t art aricus (Kroneberg 1875) Araneus mongolicus (Simon 1895) syn. Araneus miyashit ai Tanikawa 2001 Araneus st ella (Karsch 1879) ツノオニグモ ホシオニグモ syn. Araneus t suno Yaginuma 1972 Araneus t haddeus (Hentz 1847) ミヤマオニグモ Araneus t surusakii Tanikawa 2001 カラオニグモ mis. Araneus viperif er Schenkel 1963 Araneus uyemurai Yaginuma 1960 ヤマオニグモ Araneus variegat us Yaginuma 1960 ニシキオニグモ Araneus vent ricosus (L. Koch 1878) オニグモ Araneus viridivent ris Yaginuma 1969 ハラビロミドリオニグモ Araneus yasudai Tanikawa 2001 ヤスダヒメオニグモ Araniella displicat a (Hentz 1847) トガリハナオニグモ ムツボシオニグモ mis. Araniella cucurbit ina (Clerck 1757) ハナオニグモ 92 Araniella yaginumai Tanikawa 1995 ムツボシオニグモ mis. Araniella cucurbit ina (Clerck 1757) ハナオニグモ Argiope aemula (Walckenaer 1842) ナガマルコガネグモ Argiope aetheroides Yin et al. 1989 ムシバミコガネグモ mis. Argipe keyserlingi Karsch 1878 Argiope aetherea Walckenaer 1841 Argiope amoena L. Koch 1878 コガネグモ Argiope boesenbergi Levi 1983 チュウガタコガネグモ mis. Argiope aetherea Walckenaer 1841 Argiope bruennichi (Scopoli 1772) ナガコガネグモ Argiope lobat a (Pallas 1772) ウスイロコガネグモ syn. Argiope arcuat a Simon 1887 ナナイボコガネグモ Argiope minut a Karsch 1879 コガタコガネグモ Argiope ocula Fox 1938 オオスミコガネグモ syn. Argiope osumiensis Yaginuma 1967 Caerost ris mit ralis (Vinson 1863) ズダカグモ syn. Caerost ris paradoxa (Doleschall 1859) Chorizopes nipponicus Yaginuma 1963 ヤマトカナエグモ Cnodalia harpax Thorell 1890 ツメナガオニグモ Cyclosa alba Tanikawa 1992 シロゴミグモ Cyclosa angust a Tanikawa 1992 ヤセゴミグモ Cyclosa argent eoalba Bösenberg & Strand 1906 ギンメッキゴミグモ Cyclosa at rata Bösenberg & Strand 1906 カラスゴミグモ カラスグモ Cyclosa confusa Bösenberg & Strand 1906 ミナミノシマゴミグモ マガイゴミグモ Cyclosa conica (Pallas 1772) コゴミグモ 初記録以来採集例がない Cyclosa ginnaga Yaginuma 1959 ギンナガゴミグモ Cyclosa hamulata Tanikawa 1992 カギヅメカラスゴミグモ Cyclosa japonica Bösenberg & Strand 1906 ヤマトゴミグモ Cyclosa kumadai Tanikawa 1992 クマダギンナガゴミグモ Cyclosa lat icauda Bösenberg & Strand 1906 キジロゴミグモ Cyclosa marit ima Tanikawa 1992 ハマゴミグモ mis. Cyclosa camelodes (Thorell 1878) Cyclosa lit oralis (C. L. Koch 1867) 93 Cyclosa mont icola Bösenberg & Strand 1906 ヤマゴミグモ キジロミツデゴミグモ Cyclosa mulmeinensis (Thorell 1887) トゲゴミグモ Cyclosa norihisai Tanikawa 1992 オガサワラゴミグモ Cyclosa oct otuberculat a Karsch 1879 ゴミグモ Cyclosa okumae Tanikawa 1992 オオクマギンメッキゴミグモ Cyclosa omonaga Tanikawa 1992 シマゴミグモ mis. Cyclosa insulana (Costa 1834) ミツデゴミグモ Cyclosa onoi Tanikawa 1992 オノゴミグモ Cyclosa psylla (Thorell 1887) ヒメマルゴミグモ Cyclosa sachikoae Tanikawa 1992 ミツカドゴミグモ Cyclosa sedeculat a Karsch 1879 ヨツデゴミグモ ユノハマゴミグモ Cyclosa vallata Keyserling 1886 マルゴミグモ Cyrtarachne buf o (Bösenberg & Strand 1906) トリノフンダマシ Cyrtarachne cingulata Thorell 1895 セグロトリノフンダマシ Cyrtarachne inaequalis Thorell 1895 オオトリノフンダマシ Cyrtarachne nagasakiensis Strand 1918 シロオビトリノフンダマシ syn. Cyrtarachne nigra Yaginuma 1960 クロトリノフンダマシ Cyrtarachne yunoharuensis Strand 1918 アカイロトリノフンダマシ syn. Cyrtarachne induta Yaginuma 1960 ソメワケトリノフンダマシ Cyrtophora cit ricola (Forskal 1775) オワレスズミグモ Cyrtophora exant hemat ica (Doleschall 1859) キヌアミグモ キヌアミゴミグモ Cyrtophora moluccensis (Doleschall 1857) スズミグモ syn. Aranea ikomasanensis Bosenberg & Strand 1906 Cyrtophora unicolor (Doleschall 1857) ハラビロスズミグモ Eriophora ast ridae (Strand 1917) サガオニグモ カタダカオニグモ syn. Zilla sagana (Bösenberg & Strand 1906) Eriophora aurea (S. Saito 1934) キンカタハリオニグモ Argiope キンコガネグモ Zilla Eriophora sachalinensis (S. Saito 1934) カラフトオニグモ syn. Zilla f lavomaculat a Yaginuma 1955 キマダラオニグモ Zilla t okachiana (Saito 1934) トカチオニグモ Zilla 94 Eriophora yanbaruensis Tanikawa 2000 ヤンバルオニグモ Eriovixia pseudocent rodes (Bösenberg & Strand 1906) トガリオニグモ Araneus Eriovixia sakiedaorum Tanikawa 1999 サキエダオニグモ Gast eracantha kuhli C. L. Koch 1837 トゲグモ Gibbaranea abscissa (Karsch 1879) キザハシオニグモ Araneus ダンダラオニグモ Gibbaranea bituberculat a (Walckenaer 1802) ダンダラオニグモ Araneus フジノオニグモ Hypsosinga pygmaea (Sundevall 1831) ヨツボシショウジョウグモ Singa ウスキショウジョウグモ ヨツボシシンガ Hypsosinga sanguinea (C. L. Koch 1844) シロスジショウジョウグモ Singa syn. Theridion hilgendorf i Karsch 1879 ヤツデヒメグモ Larinia argiopif ormis Bösenberg & Strand 1906 コガネグモダマシ syn. Larinia punct if era Bösenberg & Strand 1906 ホシコガネグモダマシ Larinia 属を細分する論文が発表されているが,筆者はその必要はないと判断してい るので,ここには取り上げない. Larinia bonnet i Spassky 1939 ボネコガネグモダマシ Larinia f usif ormis (Thorell 1877) ネッタイコガネグモダマシ Larinia jeskovi Marusik 1987 キタコガネグモダマシ Larinia onoi Tanikawa 1989 ムネグロコガネグモダマシ Larinia pht hisica (L. Koch 1871) ミナミコガネグモダマシ Larinia sekiguchii Tanikawa 1989 セキグチコガネグモダマシ Larinioides cornutus (Clerck 1757) ナカムラオニグモ Araneus Larinioides patagiat us (Clerck 1757) コウモリオニグモ Araneus Larinioides sclopet arius (Clerck 1757) キタノオニグモ Araneus Mangora herbeoides (Bösenberg & Strand 1906) ゴマジロオニグモ Neoscona adiant a (Walckenaer 1802) ドヨウオニグモ ヒメオニグモ コシワグモ ドヨウグモ syn. Meta doenitzi Bösenberg & Strand 1906 ドヨウグモ Neoscona doenitzi (Bösenberg & Strand 1906) ドヨウオニグモ Neoscona amamiensis Tanikawa 1998 アマミオニグモ 95 Neoscona mellot eei (Simon 1895) キイロオニグモ ワキグロサツマノミダマシ キバラオニグモ Neoscona mult iplicans (Chamberlin 1924) ヤスダオニグモ syn. Neoscona minoriscylla Yin et al. 1990 Neoscona naut ica (L. Koch 1875) イエオニグモ Neoscona punct igera (Doleschall 1857) コゲチャオニグモ トスジ(ヂ)オニグモ ヤホシオニグモ syn. Araneus lugubris (Walckenaer 1841) Araneus punct iger vat ius Thorell 1877 Araneus opimus (L.Koch 1877) Neoscona scylla (Karsch 1879) ヤマシロオニグモ アトグロヤマシロオニグモ Neoscona scylloides (Bösenberg & Strand 1906) サツマノミダマシ Neoscona subpullata (Bösenberg & Strand 1906) ヘリジロオニグモ Araneus Neoscona t heisi (Walckenaer 1842) ホシスジオニグモ Neoscona vigilans (Blackwall 1865) アカアシオニグモ mis. Araneus decens (Thorell 1878) Araneus rumpf i Thorell 1878 syn. Araneus ruf of emorat us (Simon 1884) Ordgarius hobsoni (O. P.-Cambridge 1877) マメイタイセキグモ Ordgarius sexspinosus (Thorell 1894) ムツトゲイセキグモ イセキグモ Paraplect ana japonica Bösenberg & Strand 1906 トラマルグモ 初記録以来採集例がない Paraplect ana sakaguchii Uyemura 1938 サカグチトリノフンダマシ Paraplect ana t sushimensis Yamaguchi 1960 ツシマトリノフンダマシ Parawixia dehaani (Doleschall 1859) ミツカドオニグモ Araneus Parazygiella dispar (Kulczyński 1885) ヤマキレアミグモ Zygiella キ レアミグモ mis. Zygiella montat a (C. L. Koch 1839) Pasilobus hupingensis Yin, Bao & Kim 2001 ワクドツキジグモ Polt ys columnaris Thorell 1890 ツツゲホウグモ Polt ys illepidus C. L. Koch 1843 ゲホウグモ カタハリゲホウグモ Polt ys pannuceus Thorell 1895 96 ボロゲホウグモ Polt ys saosasus Uyemura 1934 サオサシゲホウグモ Pronoides brunneus Schenkel 1936 コオニグモモドキ syn. Pronous minut us (S. Saito 1939) Singa hamata (Clerck 1757) ナガテオニグモ Thelacant ha brevispina (Doleschall 1857) チブサトゲグモ フタホシトゲグモ mis. Gast eracantha mammosa C. L. Koch 1844 Yaginumia sia (Strand 1906) ズグロオニグモ Araneus Zygiella Zilla ズグロヒメ(ナ)オニグモ Zygiella x-notat a (Clerck 1757) タイリクキレアミグモ Lycosidae コモリグモ科 Alopecosa aculeata (Clerck 1757) アキヤマコモリグモ 以下全てコモリグモを昔はドクグモと称していた. Alopecosa cinnameopilosa (Schenkel 1963) ニセキクヅキコモリグモ Alopecosa hokkaidensis Tanaka 1985 アシマダラコモリグモ mis. Alopecosa st riat ipes (C.L. Koch 1837) Alopecosa moriut ii Tanaka 1985 ハタチコモリグモ Alopecosa nemurensis (Strand 1907) ネムロコモリグモ Pardosa 初記録以来採集例がない Alopecosa pulverulenta (Clerck 1757) チリコモリグモ syn. Pardosa cornut a S. Saito 1939 ヒシオオアシコモリグモ Alopecosa virgata (Kishida 1909) スジブトコモリグモ Alopecosa volubilis Yoo, Kim & Tanaka 2004 ノッポロコモリグモ Arct osa cinerea (Fabricius 1777) タイリクミズコモリグモ Arct osa daiset suzana (S. Saito 1934) ダイセツコモリグモ Arct osa depect inat a (Bösenberg & Strand 1906) カガリビコモリグモ コドクグモ Arct osa ebicha Yaginuma 1960 エビチャコモリグモ Arct osa f ujiii Tanaka 1985 フジイコモリグモ Arct osa hikosanensis Tanaka 1985 ヒコサンコモリグモ Arct osa ipsa (Karsch 1879) ヒノマルコモリグモ Tricca シロモンドクグモ セスジコモリグモ セスヂドクグモ syn. Tricca japonica Simon 1888 Arct osa kawabe Tanaka 1985 カワベコモリグモ Arct osa laminat a Yu & Song 1988 ネッタイコモリグモ 97 Arct osa niccensis (Strand 1907) ニッコウコモリグモ Lycosa Trochosa 初記録以来採集例がない Arct osa st igmosa (Thorell 1875) クロココモリグモ アゴアカドクグモ syn. Arct osa subamylacea (Bösenberg & Strand 1906) Arct osa kobayashii Yaginuma 1960 ミズタコモリグモ Arct osa yasudai (Tanaka 2000) ヤスダコモリグモ Tricca Hippasa babai Tanikawa 2007 ババコモリグモ Hygrolycosa umidicola Tanaka 1978 シッチコモリグモ Lycosa boninensis Tanaka 1989 オガサワラコモリグモ Lycosa coelest is L. Koch 1878 ハラクロコモリグモ シケジドクグモ セピアドクグモ チャイロドクグモ syn. Lycosa sepia (Dönitz & Strand 1906) セピアコモリグモ Lycosa ishikariana (S. Saito 1934) イソコモリグモ Ishicosa イシカリコモリグモ syn. Lycosa f ujitai Uyemura 1939 Lycosa mat usitai Nakatsudi 1943 マツシタコモリグモ Lycosa minae (Dönitz & Strand 1906) ミナコモリグモ Pardosa 初記録以来採集例がない Lycosa pia (Bösenberg & Strand 1906) ムナグロオオコモリグモ 初記録以来採集例がない Lycosa suzukii Yaginuma 1960 スズキコモリグモ Pardosa agraria Tanaka 1985 イナダハリゲコモリグモ ハリゲコモリグモの新参シノニムとする論文が発表されているが,筆者はこの扱い は誤りであると判断しているので,ここには取り上げない. Pardosa amamiensis (Nakatsudi 1943) アマミコモリグモ Lycosa Pardosa astrigera L. Koch 1878 ホシコモリグモ ホシドクグモ ウヅキコモリグモ ムツカイゾクドクグモ syn. Lycosa T-insignita Bösenberg & Strand 1906 コウヅキコモリグモ Tarent ula phila Dönitz & Strand 1906 ムナグロコモリグモ Lycosa cinereofusca Dönitz & Strand 1906 セアオコモリグモ Tarent ula sagibia Strand 1916 サガコモリグモ Pirat a aomorensis S.Saito 1939 ムツコモリグモ Lycosa phila Dönitz & Strand 1906 98 Pardosa at ropos (L. Koch 1878) キョクトウコモリグモ Lycosa Pardosa brevivulva Tanaka 1975 ヤマハリゲコモリグモ Pardosa daiset suensis Tanaka 2005 パルサコモリグモ Pardosa diversa Tanaka 1985 ハタハリゲコモリグモ ハリゲコモリグモの新参シノニムとする論文が発表されているが,筆者はこの扱い は誤りであると判断しているので,ここには取り上げなかった. Pardosa graminea Tanaka 1985 クサチコモリグモ Pardosa hedini Schenkel 1936 カラコモリグモ Pardosa herbosa Jo & Paik 1984 ヒメコモリグモ Syn. Pardosa umida Tanaka 1985 ヒメコモリグモ Pardosa hokkaido Tanaka & Suwa 1986 キタハリゲコモリグモ Pardosa hort ensis (Thorell 1872) シマコモリグモ syn. Lycosa annulat a Thorell 1872 Pardosa isago Tanaka 1977 イサゴコモリグモ Pardosa jambaruensis Tanaka 1990 ヤンバルコモリグモ Pardosa laevitarsis Tanaka & Suwa 1986 タテスジハリゲコモリグモ Pardosa laura Karsch 1879 ハリゲコモリグモ syn. Tarent ula palus Dönitz & Strand 1906 トウミョウコモリグモ Pirat a longipedis (S. Saito 1939) Pardosa lugubris (Walckenaer 1802) エゾコモリグモ Pardosa lyrivulva (Bösenberg & Strand 1906) コンピラコモリグモ 初記録以来採集例がない Pardosa nojimai Tanaka 1998 カコウコモリグモ Pardosa oriens (Chamberlin 1924) ヒガシコモリグモ Pardosa palust ris (Linnaeus 1758) おそらく日本には生息していない. syn. Lycosa t arsalis Thorell 1856 タイリクコモリグモ Pardosa paramushirensis (Nakatsudi 1937) タカネコモリグモ パラムシルコモリグモ mis. Pardosa f erruginea (L. Koch 1870) Pardosa plumipes (Thorell 1875) ヤマコモリグモ mis. Pardosa mont icola (Clerck 1757) Pardosa. pulumipedella (Strand 1907) ケアシコモリグモ Pardosa pseudoannulat a (Bösenberg & Strand 1906) キクヅキコモリグモ Lycosa デーニッツコモリグモ デーニッツドクグモ 99 syn. Lycosa innnominabilis Dönitz & Strand 1906 ツクシコモリグモ Lycosa subtarentula Dönitz & Strand 1906 ミツボシコモリグモ Pardosa riparia (C. L. Koch 1833) キシコモリグモ Pardosa suwai Tanaka 1985 ヌマチコモリグモ Pardosa t akahashii (S. Saito 1936) スナハラコモリグモ スナワラコモリグモ Pardosa yaginumai Tanaka 1977 キシベコモリグモ Pardosa yamanoi Tanaka & Suwa 1986 テジロハリゲコモリグモ Pirat a boreus Tanaka 1974 ハテコモリグモ Pirat a clercki (Bösenberg & Strand 1906) クラークコモリグモ クラークカイゾクドクグモ クレルクドクグモ シケヂドクグモ Pirat a hiroshii Tanaka 1986 マルヌマコモリグモ Pirat a hokkaidensis Tanaka 2003 ミズベコモリグモ Pirat a iriomot ensis Tanaka 1989 イリオモテコモリグモ Pirat a knorri (Scopoli 1763) クノールコモリグモ Pirat a meridionalis Tanaka 1974 ミナミコモリグモ Pirat a montanus Emerton 1885 ヤマジコモリグモ ヤマドクグモ Pirat a piratellus (Strand 1907) オトコモリグモ 初記録以来採集例がない Pirat a pirat icus (Clerck 1757) カイゾクコモリグモ Pirat a piratoides (Bösenberg & Strand 1906) イモコモリグモ ヒナドクグモ ヒメコモリグモ syn. Pirat a japonicus Tanaka 1974 ヤマトコモリグモ Pirat a procurvus (Bösenberg & Strand 1906) チビコモリグモ syn. Tarent ula sagaphila Strand 1916 ヒゼンコモリグモ Pirat a shibat ai Tanaka 1995 エゾカイゾクコモリグモ Pirat a subpirat icus (Bösenberg & Strand 1906) キバラコモリグモ Pirat a t anakai Brignoli 1983 コガタコモリグモ syn. Pirat a exiguus Tanaka 1974 Pirat a yaginumai Tanaka 1974 ナミコモリグモ Pirat a yesoensis Tanaka 1985 アシグロコモリグモ Schizocosa avida (Walckenaer 1837) アメリカコモリグモ Trochosa aquat ica Tanaka 1985 ナガズキンコモリグモ Trochosa joshidana (Kishida 1909) ウゼンコモリグモ Lycosa Trochosa robust a (Simon 1876) 100 タイリクコモリグモ Trochosa ruricola (De Geer 1778) アライトコモリグモ syn. Lycosa lacernat a Karsch 1879 ズキンコモリグモ Trochosa spinipalpis (F. O. P.-Cambridge 1895) トゲウデコモリグモ Trochosa t erricola Thorell 1856 カラフトコモリグモ Trochosa vulvella (Strand 1907) キタコモリグモ Wadicosa okinawensis (Tanaka 1985) リュウキュウコモリグモ Pardosa Xerolycosa nemoralis (Westring 1861) モリコモリグモ syn. Lycosa f lavit ibia (S. Saito 1934) キアシコモリグモ Trechaleidae サシアシグモ科 Shinobius orientalis (Yaginuma 1967) シノビグモ Cispius Pisauridae キシダグモ科 Dolomedes angust ivirgatus Kishida 1936 スジボソハシリグモ Dolomedes f ont us Tanikawa & Miyashita 2008 ババハシリグモ Dolomedes horishanus Kishida 1936 ヘリジロハシリグモ Dolomedes japonicus Bösenberg & Strand 1906 キクメハシリグモ ホシモノハシリグモ syn. Dolomedes st ellat us Kishida 1936 Dolomedes orion Tanikawa 2003 オオハシリグモ Dolomedes rapt or Bösenberg & Strand 1906 アオグロハシリグモ ハシリグモ Dolomedes saganus Bösenberg & Strand 1906 スジブトハシリグモ syn. Dolomedes pallit arsis Dönitz & Strand 1906 Dolomedes silvicola Tanikawa & Miyashita 2008 スジアカハシリグモ mis. Dolomedes saganus Bösenberg & Strand 1906 Dolomedes sulfureus L. Koch 1878 カヤクグリグモ イオウイロハシリグモ カリウドグモ syn. Dolomedes annulat us Kishida 1936 コハシリグモ Dolomedes f imbriatoides Bösenberg & Strand 1906 スジチャハシリグモ Dolomedes hercules Bösenberg & Strand 1906 スジボケハシリグモ Dolomedes hinoi Kayashima 1952 ヒノハシリグモ Dolomedes ohsujit ia Kishida 1936 オオスジチャハシリグモ Dolomedes yawat ai Ono 2002 イシガキアオグロハシリグモ Dolomedes zat sun Tanikawa 2003 ササキハシリグモ Hygropoda higenaga (Kishida 1936) ヒゲナガハシリグモ 101 Dolomedes Perenet his f ascigera (Bösenberg & Strand 1906) ハヤテグモ Tet ragonophthalma キシダグモモドキ Perenet his venusta L.Koch 1878 ミナミハヤテグモ mis. Perenet his unifasciata (Doleschall 1859) Pisaura anahit if ormis Kishida 1910 キシダグモ syn. Pisaura anahita Kishida 1914 キシダグモモドキ Pisaura bicornis Zhang & Song 1992 サイホウキシダグモ Pisaura lama Bösenberg & Strand 1906 アズマキシダグモ syn. Pisaura clarivittat a (Dönitz & Strand 1906) タテスジキシダグモ Pisaura f lavist riat a Yaginuma 1960 キスジキシダグモ Pisaura strandi Kishida 1914 ヤマジキシダグモ Oxyopidae ササグモ科 Oxyopes koreanus Paik 1969 コウライササグモ Oxyopes licent i Schenkel 1953 クリチャササグモ syn. O. badius Yaginuma 1967 Oxyopes macilent us L. Koch 1878 シマササグモ Oxyopes saganus Bösenberg & Strand 1906 コササグモ 初記録以来採集例がない Oxyopes sert atus L. Koch 1878 ササグモ Zoropsidae スオウグモ科 Takeoa nishimurai (Yaginuma 1963) ムロズミソレグモ Zoropsis Zoridae ミヤマシボグモ科 Zora nemoralis (Blackwall 1861) ミヤマシボグモモドキ ミヤマシボグモ Zora spinimana (Sundevall 1833) シボグモモドキ Ctenidae シボグモ科 Acantheis nipponicus Ono 2008 イオウシボグモ Anahita f auna Karsch 1879 シボグモ ドクグモモドキ Ct enus yaeyamensis Yoshida 1998 ヤエヤマシボグモ Agelenidae タナグモ科 Agelena babai Tanikawa 2005 アマミクサグモ Agelena labyrint hica (Clerck 1757) イナズマクサグモ syn. Agelena t ubicola Bösenberg & Strand 1906 Agelena silvat ica Oliger 1983 102 クサグモ mis. Agelena limbat a Thorell 1879 Allagelena donggukensis (Kim 1996) ヒメクサグモ Allagelena opulenta (L. Koch 1878) コクサグモ syn. Agelena japonica Karsch 1879 Tegenaria dia Dönitz & Strand 1906 キタタナグモ Tegenaria domest ica (Clerck 1757) イエタナグモ タナグモ Cybaeidae ナミハグモ科 Argyronet a aquat ica (Clerck 1757) ミズグモ syn. Argyronet a aquat ica japonica Ono 2002 Cedicus dubius Strand 1907 ストランドグモ 初記録以来採集例がない 以下,Cybaeus 属について細分する発表があるが,ここでは五原氏の見解に賛同して 現時点では全てを Cybaeus 属にまとめる Cybaeus aizuensis Kobayashi 2006 アイズナミハグモ Cybaeus akaanaensis (Komatsu 1968) アカアナナミハグモ Het erocybaeus アカアナキタグニグモ Cybaeus akiensis Ihara 2003 アキナミハグモ Cybaeus anaiwaensis (Komatsu 1968) アナイワナミハグモ Dolichocybaeus アナイワズナガグモ Cybaeus aokii Yaginuma 1972 エゾナミハグモ Cybaeus aquilonalis Yaginuma 1958 コナミハグモ キタナミハグモ Cybaeus asahi Kobayashi 2006 アサヒナミハグモ Cybaeus ashikit aensis (Komatsu 1968) アシキタナミハグモ Dolichocybaeus アシキタズナガグモ Cybaeus bit chuensis Ihara & Nojima 2005 ビッチュウナミハグモ Dolichocybaeus Cybaeus biwaensis Kobayashi 2006 ビワコガタナミハグモ ビワナミハグモ Cybaeus communis Yaginuma 1972 ザラナミハグモ Cybaeus daisen Ihara & Nojima 2005 ダイセンナミハグモ Dolichocybaeus Cybaeus echigo Kobayashi 2006 エチゴナミハグモ Cybaeus enshu Kobayashi 2006 エンシュウナミハグモ Cybaeus fujisanus Yaginuma 1972 フジナミハグモ 103 Cybaeus fuujinensis (Komatsu 1968) フウジンナミハグモ Dolichocybaeus フウシンズナガグモ Cybaeus gassan Kobayashi 2006 ガッサンナミハグモ Cybaeus gonokawa Ihara 1993 イワミコガタナミハグモ Cybaeus got oensis (Yamaguti & Yaginuma 1971) ゴトウナミハグモ Dolichocybaeus ゴトウズナガグモ Cybaeus hat sushibai Ihara 2005 オオダイガハラナミハグモ Cybaeus hibaensis Ihara 1994 ヒバナミハグモ Cybaeus higoensis Irie & Ono 2000 ヒゴナミハグモ Cybaeus hiroshimaensis Ihara 1993 アキコガタナミハグモ Cybaeus ikiensis Irie 2007 イキナミハグモ Cybaeus inagakii Ono 2008 オオミヤナミハグモ Cybaeus ishikawai (Kishida in Komatsu 1961) イシカワナミハグモ Dolichocybaeus イシカワズナガグモ ヅナガグモ Cybaeus it sukiensis Irie 1998 イツキメナシナミハグモ Cybaeus jaanaensis Komatsu 1968 ジャアナナミハグモ Cybaeus jaana Komatsu 1969: Yaginuma 1970 Cybaeus jinsekiensis Ihara 2006 ジンセキナミハグモ Cybaeus kawabensis Irie & Ono 2002 カワベナミハグモ Cybaeus kiiensis Kobayashi 2006 キイナミハグモ Cybaeus kirigaminensis Komatsu 1963 キリガミネナミハグモ Dolichocybaeus キリガミネズナガグモ タカネナミハグモ Cybaeus kiuchii Komatsu 1965 キウチナミハグモ Dolichocybaeus Cybaeus kokuraensis Ihara 2007 コクラナミハグモ Dolichocybaeus Cybaeus kompiraensis (Komatsu 1968) コンピラナミハグモ Dolichocybaeus コンピラズナガグモ Cybaeus kumaensis Irie & Ono 2001 クマナミハグモ Cybaeus kunashirensis Marusik & Logunov 1991 クナシリナミハグモ Cybaeus kunisakiensis Ihara 2003 クニサキヒメナミハグモ Cybaeus kuramot oi Yaginuma 1963 ナガトナミハグモ Dolichocybaeus ナガトズナガグモ Cybaeus maculosus Yaginuma 1972 クスミナミハグモ Cybaeus magnus Yaginuma 1958 オオナミハグモ Cybaeus melanoparvus Kobayashi 2006 クロコナミハグモ Cybaeus melloteei (Simon 1886) ムロテナミハグモ 104 ナミハグモ Cybaeus mimasaka Ihara & Nojima 2005 ミマサカナミハグモ Dolichocybaeus Cybaeus minoensis Kobayashi 2006 ミノナミハグモ Cybaeus miyagiensis Ihara 2004 ミヤギナミハグモ Cybaeus miyosii Yaginuma 1941 ヒメナミハグモ Cybaeus momot aro Ihara & Nojima 2005 ビゼンナミハグモ Dolichocybaeus Cybaeus mont icola Kobayashi 2006 ミヤマナミハグモ Cybaeus nagaiae Ihara 2009 タンゴコガタナミハグモ Cybaeus nagusa Ihara 2009 ナグサコガタナミハグモ Cybaeus nichikoensis (Komatsu 1968) ニチコウナミハグモ Dolichocybaeus ニチコズナガグモ ニチコナミハグモ Cybaeus nipponicus (Uyemura 1938) カチドキナミハグモ カチドキグモ Cybaeus nishikawai (Komatsu 1968) ニシカワナミハグモ Dolichocybaeus ニシカワズナガグモ Cybaeus nojimai Ihara 1993 ノジマコガタナミハグモ Cybaeus obedient iarius Komatsu 1963 ニッパラナミハグモ ニッパラヒナマシラグモ Cybaeus okafujii Yaginuma 1963 アキヨシナミハグモ Dolichocybaeus アキヨシズナガグモ Cybaeus okayamaensis Ihara 1993 キビコガタナミハグモ Cybaeus okumae Ihara 2009 ヒコサンコガタナミハグモ Cybaeus pet egarinus Yaginuma 1972 ペテガリナミハグモ Cybaeus rarispinosus Yaginuma 1970 チビナミハグモ Cybaeus ryunoiwayaensis Komatsu 1968 リュウノイワヤナミハグモ Cybaeus ryusenensis (Komatsu 1968) キタグニナミハグモ Het erocybaeus キタグニグモ Cybaeus sanct us (Komatsu 1942) ヒジリナミハグモ nud. Cybaeomyro Cybaeus sasakii Ihara 2004 ミチノクナミハグモ Cybaeus sasayamaensis Ihara 2009 ササヤマコガタナミハグモ Cybaeus senzokuensis (Komatsu 1968) センゾクナミハグモ Het erocybaeus センゾクキタグニグモ Cybaeus shingenni Komatsu 1968 シンゲンナミハグモ 105 Cybaeus shinkaii (Komatsu 1970) シンカイナミハグモ Dolichocybaeus シンカイズナガグモ Cybaeus striat ipes Bösenberg & Strand 1906 アシマダラナミハグモ Cybaeus tajimaensis Ihara & Nojima 2005 タジマナミハグモ Dolichocybaeus Cybaeus takasawaensis (Komatsu 1970) タカサワナミハグモ Dolichocybaeus タカサワズナガグモ Cybaeus taraensis Irie & Ono 2001 タラコガタナミハグモ タラナミハグモ Cybaeus t ott oriensis Ihara 1994 イナバナミハグモ Cybaeus t surugi Ihara 2003 ツルギヒメナミハグモ Cybaeus t surusakii Ihara 1993 イズモコガタナミハグモ Cybaeus uenoi (Yaginuma 1970) ツシマナミハグモ Dolichocybaeus ツシマズナガグモ Cybaeus urabandai Ihara 2004 ウラバンダイナミハグモ Cybaeus yoshiakii Yaginuma 1968 ヨシアキナミハグモ Cybaeus yoshidai Ihara 2004 ヤマガタナミハグモ Cybaeus yufuin Ihara 2007 ユフインナミハグモ Dolichocybaeus prob.syn.アソナミハグモ Cybaeus zenifukiensis (Komatsu 1968) ゼニフキナミハグモ Het erocybaeus ゼニフキキタグニグモ Desidae ウシオグモ科 Badumna insignis (L.Koch 1872) クロガケジグモ Amaurobius syn. Ixeut icus robustus (L. Koch 1872) Badumna longinqua (L.Koch 1867) ハルカガケジグモ Desis japonica Yaginuma 1956 ヤマトウシオグモ Parat heuma insulana (Banks 1902) シマイソタナグモ Parat heuma shirahamaensis (Oi 1960) イソタナグモ Lit isedes Hahniidae ハタケグモ科 Ant ist ea elegans (Blackwall 1841) クサチハタケグモ 初記録以来採集例がない Cryphoeca angularis S. Saito 1934 スミタナグモ Cryphoeca shingoi Ono 2007 オオダイスミタナグモ Cryphoeca shinkaii Ono 2007 ムサシスミタナグモ 106 Hahnia cort icicola Bösenberg & Strand 1906 ハタケグモ Hahnia mart ialis Bösenberg & Strand 1906 ミヤシロハタケグモ 初記録以来採集例がない Hahnia nava (Blackwall 1841) クロウヤマハタケグモ Hahnia pinicola Arita 1978 アカマツハタケグモ Neoant ist ea quelpartensis Paik 1958 ヤマハタケグモ Dictynidae ハグモ科 Adenodictyna kudoae Ono 2008 アマミハグモ Brommella punct osparsa (Oi 1957) ナシジカレハグモ Lathys Pagomys Scot olat hys Cicurina japonica (Simon 1886) Tet rilus ゾウシキグモ コタナグモ モグラグモ syn. Cicurina parvula Komatsu 1940 Moguracicurina honesta Komatsu 1947 Cicurina maculif era Yaginuma 1979 フイリコタナグモ Cicurina maculipes S. Saito 1934 シマコタナグモ Cicurina t roglodyt es Yaginuma 1972 ホラコタナグモ Dict yna arundinacea (Linnaeus 1758) アシハグモ Dict yna f elis Bösenberg & Strand 1906 ネコハグモ ハグモ ツクシハグモ mis. Dict yna maculosa (Karsch 1879) Dict yna f oliicola Bösenberg & Strand 1906 ハグモ ヒナハグモ ミドリハグモ Dict yna procerula Bösenberg & Strand 1906 チャボハグモ 初記録以来採集例がない Dict yna uncinat a Thorell 1856 カギハグモ Lathys annulata Bösenberg & Strand 1906 カレハグモ クロシロカレハグモ mis. Lathys humilis (Blackwall 1855) syn. Lathys novembris Dönitz & Strand 1906 ルリカレハグモ Lathys dihamat a Paik 1979 フタカギカレハグモ Lathys insulana Ono 2003 シマカレハグモ Lathys maculosa (Karsch 1879) ヤマトカレハグモ Dict yna キイロカレハグモ サガカレハグモ ツクシハグモ シモヅキカレハグモ ハグモ オトサガカレハグモ ルリカレハグモ 107 syn. Lathys ocellat a Bösenberg & Strand 1906 Lathys orientalis Bösenberg & Strand 1906 mis. Lathys put a (O. P.-Cambridge 1863) Lathys sexoculata Seo & Sohn 1984 ムツメカレハグモ Amaurobiidae ガケジグモ科 Allo clubionoides grandivulvus (Yaginuma 1969) オオアナヤチグモ Callobius hokkaido Leech 1971 エゾガケジグモ キハダヤミグモ mis. Callobius claust rarius (Hahn 1931) キハダガケジグモ Coelot es aguniensis Shimojana 2000 アグニヤチグモ Coelot es akakinaensis Shimojana 2000 アカキナヤチグモ Coelot es albimont anus Nishikawa 2009 ノウゴウクロヤチグモ Coelot es amamiensis Shimojana 1989 アマミヤチグモ Coelot es ant ri (Komatsu 1961) ホラズミヤチグモ Coelot es aritai Nishikawa 2009 アリタヤチグモ Coelot es bif urcat us Okumura & Ono 2006 フタマタヤチグモ Coelot es cornut us Nishikawa 2009 オウドウヤチグモ Coelot es decolor Nishikawa 1973 ウスイロヤチグモ Coelot es doii Nishikawa 2009 ノムギクロヤチグモ Coelot es dormans Nishikawa 2009 ガギュウクロヤチグモ Coelot es eharai Arita 1976 ダイセンヤチグモ Coelot es enasanus Nishikawa 2009 エナクロヤチグモ Coelot es exilis Nishikawa 2009 ホソテヤチグモ Coelot es exit ialis L. Koch 1878 クロヤチグモ ヤチグモ Coelot es gifuensis Nishikawa 2009 ギフヤチグモ Coelot es got oensis Okumura 2007 ゴトウヤチグモ Coelot es hachijoensis Ono 2008 ハチジョウヤチグモ Coelot es hamamurai Yaginuma 1967 フタバヤチグモ Coelot es hat aensis Nishikawa 2009 ハタヤチグモ Coelot es hexommatus (Komatsu 1957) ウロヤチグモ ウロタナグモ Coelot es hikonensis Nishikawa 2009 ヒコネクロヤチグモ Coelot es hiradoensis Okumura & Ono 2006 ヒラドヤチグモ Coelot es hirat sukai Arita 1976 コヤチグモ Coelot es hiruzenensis Nishikawa 2009 ヒルゼンクロヤチグモ Coelot es hiurai Nishikawa 2009 コンゴウヤチグモ 108 Coelot es ibukiensis Nishikawa 2009 イブキヤチグモ Coelot es iharai Okumura 2007 ミナミヒメヤチグモ Coelot es iheyaensis Shimojana 2000 イヘヤヤチグモ Coelot es ikiensis Nishikawa 2009 イキヤチグモ Coelot es inabaensis Arita 1974 イナバヤチグモ Coelot es insulanus Shimojana 2000 シマヤチグモ Coelot es iyoensis Nishikawa 2009 エヒメヤチグモ Coelot es izenaensis Shimojana 2000 イゼナヤチグモ Coelot es kagaensis Nishikawa 2009 カガクロヤチグモ Coelot es kakeromaensis Shimojana 2000 カケロマヤチグモ Coelot es kat surai Nishikawa 2009 エジマヤチグモ Coelot es keramaensis Shimojana 2000 ケラマヤチグモ Coelot es kintaroi Nishikawa 1983 マサカリヤチグモ Coelot es kit azawai Yaginuma 1972 アズマヤチグモ Coelot es kumejimanus Shimojana 2000 オオタケヤチグモ Coelot es kumensis Shimojana 1989 クメヤチグモ Coelot es lamellatus Nishikawa 2009 ウスマクヤチグモ Coelot es micado Strand 1907 ミカドヤチグモ mis. Coelot es spinivulva Simon 1880 Coelot es moelendorff ii Karsch 1881 Coelot es miyakoensis Shimojana 2000 ミヤコヤチグモ Coelot es minobusanus Nishikawa 2009 ミノブクロヤチグモ Coelot es minoensis Nishikawa 2009 ミノクロヤチグモ Coelot es mohrii Nishikawa 2009 イヨヤチグモ Coelot es mot obuensis Shimojana 2000 モトブヤチグモ Coelot es musashiensis Nishikawa 1989 ムサシヤチグモ Coelot es nagaraensis Nishikawa 2009 ナガラヤチグモ Coelot es nasensis Shimojana 2000 ナセヤチグモ Coelot es nazuna Nishikawa 2009 ナズナヤチグモ Coelot es notoensis Nishikawa 2009 ノトヤチグモ Coelot es obako Nishikawa 1983 オバコヤチグモ Coelot es ogatai Nishikawa 2009 ミカワヤチグモ Coelot es okinawensis Shimojana 1989 オキナワヤチグモ Coelot es osamui Nishikawa 2009 ヤクシマヤチグモ Coelot es oshimaensis Shimojana 2000 オオシマヤチグモ Coelot es personatus Nishikawa 1973 カメンヤチグモ 109 Coelot es plancyi Simon 1880 ペキンイオグモ Coras Coelot es robust ior Nishikawa 2009 イブキクロヤチグモ Coelot es sanoi Nishikawa 2009 トサノヤチグモ Coelot es sawadai Nishikawa 2009 ミクサヤチグモ Coelot es shimajiriensis Shimojana 2000 シマジリヤチグモ Coelot es suruga Nishikawa 2009 スルガクロヤチグモ Coelot es t akanawaensis Nishikawa 2009 タカナワヤチグモ Coelot es t arumii Arita 1976 ヒメヤチグモ Coelot es t aurus Nishikawa 2009 ミツイシヤチグモ Coelot es t ochigiensis Nishikawa 2009 トチギクロヤチグモ Coelot es t ojoi Nishikawa 2009 ミサトヤチグモ Coelot es t okaraensis Shimojana 2000 トカラヤチグモ Coelot es t okunoshimaensis Shimojana 2000 トクノシマヤチグモ Coelot es t ominagai Nishikawa 2009 アカボシヤチグモ Coelot es t onakiensis Shimojana 2000 トナキヤチグモ Coelot es t owaensis Nishikawa 2009 トウワヤチグモ Coelot es t roglocaecus Shimojana & Nishihira 2000 オキナワホラアナヤチグモ Coelot es uenoi Yamaguchi & Yaginuma 1971 ウエノヤチグモ Coelot es unicatus Yaginuma 1977 サイゴクヤチグモ Coelot es uozumii Nishikawa 2002 シガクロヤチグモ Coelot es yaginumai Nishikawa 1972 カミガタヤチグモ Coelot es yahagiensis Nishikawa 2009 ヤハギヤチグモ Coelot es yambaruensis Shimojana 2000 ヤンバルヤチグモ Coelot es yodoensis Nishikawa 1977 ヨドヤチグモ Coelot es zaoensis Nishikawa 2009 ザオウクロヤチグモ Cybaeopsis typica Strand 1907 ナミハガケジグモ ナミハグモモドキ(タナグモ科) Hypocoelot es tumidivulva (Nishikawa 1980) デベソヤチグモ Coelot es Iwogumoa acco (Nishikawa 1987) アッコヒメシモフリヤチグモ Coelot es Asiacoelot es Iwogumoa insidiosa (L. Koch 1878) Coelot es Coras シモフリヤチグモ Asiacoelot es イホ(ボ)グモ シモフリイオグモ syn. Coelot es plancyi Simon 1880 Coelot es curtus (Bösenberg & Strand 1906)クルマヤチグモ Iwogumoa int eruna (Nishikawa 1977) 110 ヒメシモフリヤチグモ Coelot es Asiacoelot es Iwogumoa nagasakiensis Okumura 2007 ナガサキシモフリヤチグモ Iwogumoa port a Nishikawa 2009 ミナトシモフリヤチグモ Iwogumoa yaeyamensis (Shimojana 1982) ヤエヤマヤチグモ Coelot es Asiacoelot es Longicoelot es senkakuensis (Shimojana 2000) センカクヤチグモ Coelot es Orumcekia sat oi (Nishikawa 2003) チュウブヤチグモ Coelot es Pireneit ega luct uosa (L. Koch 1878) Coelot es Coras Paracoelot es カキネグモ メガネヤチグモ イオ(ホ,ボ)グモ syn. Coelot es japonica Karsch 1879 Spiricoelot es urumensis (Shimojana 1989) ウルマヤチグモ Coelot es Spiricoelot es zonat us (Peng & Wang 1997) グラバーヤチグモ Taira f lavidorsalis (Yaginuma 1964) セスジガケジグモ Amaurobius Tegecoelot es corasides (Bösenberg & Strand 1906) Coelot es カキネグモ ヤマヤチグモ Tegenaria シモフリタナグモ カキネタナグモ mis. Coelot es modest us Simon 1880 Tegecoelot es dorsatus (Uyemura 1936) ケムリヤマヤチグモ ケムリタナグモ Tegecoelot es echigonis Nishikawa 2009 エチゴヤマヤチグモ Tegecoelot es ignot us (Bösenberg & Strand 1906) カタチガイヤチグモ Coelot es Agelena syn. Tegenaria muscicapa Bösenberg & Strand 1906 Tegecoelot es religiosus Nishikawa 2009 イナムラヤマヤチグモ Tegecoelot es michikoae (Nishikawa 1977) ヒメヤマヤチグモ Coelot es Tegecoelot es mizuyamae Ono 2008 ヒタチヤマヤチグモ Tegecoelot es ot omo Nishikawa 2009 ウエノヤマヤチグモ Tegecoelot es secundus (Paik 1971) アキタヤチグモ syn. Coelot es errat icus Nishikawa 1983 Tegecoelot es t at eyamaensis Nishikawa 2009 タテヤマヤマヤチグモ Tegecoelot es yogoensis Nishikawa 2009 ヨゴヤマヤチグモ 111 Titanoecidae ヤマトガケジグモ科 Nurscia albof asciat a (Strand 1907) ヤマトガケジグモ Tit anoeca ボロアミグモ syn. Tit anoeca nipponica Yaginuma 1959 Pandava laminata (Thorell 1878) ネッタイガケジグモ Tit anoeca syn. Tit anoeca fulmeki Reimoser 1927 ミナミガケジグモ Amaurobius yanonianus Nakatsudi 1943 Miturgidae ツチフクログモ科 Cheiracant hium errat icum (Walckenaer 1802) アカスジコマチグモ Cheiracant hium eut ittha Bösenberg & Strand 1906 アシナガコマチグモ Cheiracant hium japonicum Bösenberg & Strand 1906 カバキコマチグモ エドコマチグモ syn. Cheiracant hium kompiricola Dönitz & Strand 1906 ヒナコマチグモ コンピラコマチ コンピラコマチグモ Cheiracant hium lascivum Karsch 1879 コマチグモ ヤマトコマチグモ サチコマチグモ syn. Cheiracant hium grat iosum Saito 1939 Cheiracant hium digit ivorum Dönitz & Strand 1906 ムナアカコマチグモ Cheiracant hium pennyi O. P.-Cambridge 1873 ペニーコマチグモ Cheiracant hium submordax Zhang, Zhu & Hu 1993 ミナミコマチグモ Cheiracant hium unicum Bösenberg & Strand 1906 ヤサコマチグモ ウスキコマチグモ syn. Chiracant hium jokohamae Strand 1907 ハマコマチグモ Anyphaenidae イヅツグモ科 Anyphaena ayshides Yaginuma 1958 ナガイヅツグモ ナガイズツグモ Anyphaena kurilensis Peelle & S. Saito 1932 チシマヤブグモ Anyphaena pugil Karsch 1879 イヅツグモ イズツグモ Hibana gracilis (Hentz 1847) アメリカヤブグモ Liocranidae ウエムラグモ科 Agroeca brunnea (Blackwall 1833) エビチャタンボグモ Agroeca coreana Namkung 1989 コウライタンボグモ Agroeca kamurai Hayashi 1992 カムラタンボグモ Agroeca montana Hayashi 1986 ミヤマタンボグモ It atsina prat icola (Bösenberg & Strand 1906) イタチグモ 112 Clubionidae フクログモ科 Clubiona akagiensis Hayashi 1985 アカギフクログモ Clubiona amurensis Mikhailov 1990 キタフクログモ Clubiona bandoi Hayashi 1995 バンドウフクログモ mis. Clubiona kasanensis Paik 1990 Clubiona basarukini Mikhailov 1990 ダケカバフクログモ Clubiona brevipes Blackwall 1841 コアシフクログモ Clubiona caerulescens L. Koch 1867 カシワフクログモ Clubiona chikunii Hayashi 1986 チクニフクログモ Clubiona cirrosa Ono 1989 マキヒゲフクログモ Clubiona corrugata Bösenberg & Strand 1906 コフクログモ Clubiona delet rix O. P.-Cambridge 1885 マダラフクログモ syn. Clubiona reichlini Schenkel 1944 syn. Clubiona maculata Song & Chen 1979 Clubiona diversa O. P.-Cambridge 1862 ミチノクフクログモ Clubiona ezoensis Hayashi 1987 エゾフクログモ Clubiona f rutet orum L. Koch 1867 Clubiona glat iosa S. Saito 1934 フサフクログモ Clubiona haeinsensis Paik 1990 ヒイカワフクログモ Clubiona iharai Ono 1995 イハラフクログモ Clubiona ikedai Ono 1992 ハコネフクログモ Clubiona inaensis Hayashi 1989 イナフクログモ Clubiona insulana Ono 1989 シマフクログモ Clubiona japonica L. Koch 1878 ヤマトフクログモ フクログモ Agroeca キアシタンボグモ syn. Clubiona f lavipes (S. Saito 1939) キアシフクログモ Clubiona japonicola Bösenberg & Strand 1906 ハマキフクログモ ウスキフクログモ Clubiona jucunda (Karsch 1879) ヤハズフクログモ スヂアカフクログモ syn. Clubiona mant is Bösenberg & Strand 1906 Clubiona sakat ensis S. Saito 1939 サカタフクログモ Clubiona sulla Bösenberg & Strand 1906 アカキフクログモ Clubiona kulczynskii Lessert 1905 ホッポウフクログモ Clubiona kumadaorum Ono 1992 クマダフクログモ Clubiona kunashirensis Mikhailov 1990 クナシリフクログモ 113 syn. Clubiona sharkeyi Hayashi 1994 トヨヒラフクログモ Clubiona kurilensis Bösenberg & Strand 1906 ヒメフクログモ Clubiona kurosawai Ono 1986 クロサワフクログモ Clubiona lena Bösenberg & Strand 1906 トビイロフクログモ Clubiona lut escens Westring 1851 キフクログモ Clubiona mandschurica Schenkel 1953 ニシカゼフクログモ Clubiona maya Hayashi & Yoshida 1991 マヤフクログモ Clubiona mayumiae Ono 1993 マユミフクログモ mis. Clubiona. propinqua L.Koch 1879 Clubiona pseudogermanica Schenkel 1936 Clubiona mut ilat a Bösenberg & Strand 1906 ノミチフクログモ 初記録以来採集例がない Clubiona neglect oides Bösenberg & Strand 1906 ヨモギフクログモ Clubiona ogatai Ono 1995 オガタフクログモ Clubiona parvula (S.Saito 1933) ヌカアブラフクログモ St eat oda(ヒメグモ科)ヌカアブラグモ Clubiona phragmit is C. L. Koch 1843 ミギワフクログモ Clubiona pseudogermanica Schenkel 1936 カギフクログモ mis. Clubione propinqua L.Koch 1879 Clubiona hummeli Schenkel 1936 syn. Clubiona salict um Namkung & Kim 1987" Clubiona riparia L.Koch 1866 クリイロフクログモ syn. Clubiona badia Peelle & S. Saito 1932 Clubiona yagata Yaginuma 1972 ヤガタフクログモ Clubiona rostrata Paik 1985 マイコフクログモ syn. Clubiona maikoae Hayashi 1985 Clubiona ryukyuensis Ono 1989 リュウキュウフクログモ Clubiona sapporensis Hayashi 1986 サッポロフクログモ Clubiona subsult ans Thorell 1875 トゲバリフクログモ 初記録以来採集例がない Clubiona t anikawai Ono 1989 タニカワフクログモ Clubiona t at eyamensis Hayashi 1989 タテヤマフクログモ Clubiona t rivialis C. L. Koch 1843 キタカゼフクログモ Clubiona t surusakii Hayashi 1987 ツルサキフクログモ Clubiona uenoi Ono 1986 ウエノフクログモ Clubiona vigil Karsch 1879 ムナアカフクログモ フクログモ 114 Clubiona vigille lla Strand 1918 初記録以来採集例がない Clubiona viridula Ono 1989 クサイロフクログモ Clubiona yaginumai Hayashi 1989 ヤギヌマフクログモ Clubiona yasudai Ono 1991 ヤスダフクログモ Clubiona yoshidai Hayashi 1989 ヨシダフクログモ Clubiona zilla Dönitz & Strand 1906 ウコンフクログモ Pt eronet a ultramarina (Ono 1989) アオミフクログモ Clubiona Corinnidae ネコグモ科 Cast ianeira shaxianensis Gong 1983 オビジガバチグモ Creugas gulosus Thorell 1878 ハマカゼハチグモ Corinna Cycais gracilis Karsch 1879 シカイスグモ 初記録以来採集例がない Humua takeuchii Ono 1987 ヒメバチグモ Ort hobula crucif era Bösenberg & Strand 1906 オトヒメグモ Otacilia komurai (Yaginuma 1952) コムラウラシマグモ Phrurolithus Otacilia luna (Kamura 1994) ツキミノウラシマグモ Phrurolithus Otacilia lynx (Kamura 1994) ヤマネコウラシマグモ Phrurolithus Otacilia must ela Kamura 2008 アカガネウラシマグモ Otacilia st ella Kamura 2005 エラブウラシマグモ Otacilia t aiwanica (Hayashi & Yoshida 1993) タイワンウラシマグモ Phrurolithus Otacilia vulpes (Kamura 2001) コガネウラシマグモ Phrurolithus Phrurolithus claripes (Dönitz & Strand 1906) Micaria イナズマツヤグモ コツヤグモ イナズマウラシマグモ ツヤグモ Phrurolithus coreanus Paik 1991 キレオビウラシマグモ Phrurolithus f est ivus (C.L.Koch 1835) タイリクウラシマグモ Phrurolithus labialis Paik 1991 ウスイロウラシマグモ Phrurolithus nipponicus Kishida 1914 ウラシマグモ Phrurolithus pennat us Yaginuma 1967 ヤバネウラシマグモ 115 Phrurolithus sinicus Zhu & Mei 1982 コツブウラシマグモ Trachelas japonicus Bösenberg & Strand 1906 ネコグモ Zodariidae ホウシグモ科 Asceua japonica (Bösenberg & Strand 1906) ドウシグモ Hermippus Doosia Mallinella f ulvipes (Ono & Tanikawa 1990) ヒアシホウシグモ Langbiana Mallinella hoosi (Kishida 1935) ホウシグモ St orena Langbiana Mallinella okinawaensis Tanikawa 2005 オキナワホウシグモ Mallinella sadamot oi (Ono & Tanikawa 1990) アマミホウシグモ Langbiana Mallinella shimojanai (Ono & Tanikawa 1990) ヤエヤマホウシグモ Langbiana Trochanteriidae ヒトエグモ科 Plat or nipponicus (Kishida 1914) ヒトエグモ syn. Hit oegumoa nipponica Kishida 1914 Prodidomidae イヨグモ科 Lygrommatoides problemat ica Strand 1918 ムツメワシグモ 初記録以来採集例がない Prodidomus ruf us Hentz 1847 イヨグモ syn. Prodidomus imaidzumii Kishida 1914 Gnaphosidae ワシグモ科 Aphant aulax t rifasciat a (O.P.-Cambridge 1872) ヒメトンビグモ syn. Aphant aulax seminigra Simon 1878 Callilepis noct urna (Linnaeus 1758) マユミテオノグモ Callilepis schuszt eri (Herman 1879) フタホシテオノグモ syn. Callilepis bipunct at a Yaginuma 1960 Cladot hela auster Kamura 1997 ハエミノチャクロワシグモ Cladot hela boninensis Kishida 1928 エダイボグモ Cladot hela oculinotat a (Bösenberg & Strand 1906) チャクロワシグモ Drassodes Cladot hela parva Kamura 1991 ヒメチャワシグモ Cladot hela unciinsignit a (Bösenberg & Strand 1906) ムナキワシグモ Drassodes syn. Zelot es x-not atus (Bösenberg & Strand 1906) タスキケムリグモ Coreodrassus lancearius (Simon 1893) 116 テカギワシグモ Drassodes depilosus Dönitz & Strand 1906 アカクロワシグモ Drassodes lapidosus (Walckenaer 1802) イサゴワシグモ Drassodes nox Dönitz & Strand 1906 クロワシグモ Drassodes pubescens (Thorell 1856) ウブゲワシグモ Drassodes saganus Strand 1918 サガワシグモ 初記録以来採集例がない Drassodes serrat idens Schenkel 1963 トラフワシグモ Herpyllus トラフグモ syn. Scot ophaeus st riat us Kishida 1932 Drassyllus sanmenensis Platnick & Song 1986 エビチャヨリメケムリグモ mis. Zelot es praef icus L.Koch 1867 エビチャケムリグモ Drassyllus sasakawai Kamura 1987 ヤマヨリメケムリグモ Drassyllus shaanxiensis Platnick & Song 1986 チクニヨリメケムリグモ Drassyllus yaginumai Kamura 1987 ヒメヨリメケムリグモ Gnaphosa akagiensis Hayashi 1994 アカギメキリグモ Gnaphosa kamurai Ovtsharenko Platnick & Song 1992 カワラメキリグモ Gnaphosa kompirensis Bösenberg & Strand 1906 メキリグモ Gnaphosa pot anini Simon 1895 モリメキリグモ Gnaphosa primorica Ovtsharenko Platnick & Song 1992 アシハラメキリグモ Gnaphosa st icta Kulczyński 1908 シベリアメキリグモ Haplodrassus cognatus (Westring 1861) キタグニハイタカグモ Haplodrassus hatsushibai Kamura 2007 ムサシハイタカグモ mis. Haplodrassus mont anus Paik & Sohn 1974 ミヤマハイタカグモ Haplodrassus kanenoi Kamura 1995 カズサハイタカグモ Haplodrassus mayumiae Kamura 2007 トカチハイタカグモ Haplodrassus nojimai Kamura 2007 ホウキハイタカグモ Haplodrassus pugnans (Simon 1880) ハイタカグモ Hit obia asiat ica (Bösenberg & Strand 1906) シノノメトンビグモ Callilepis Berlandina Hit obia unifascigera (Bösenberg & Strand 1906) ヒトオビトンビグモ ツヤグモ Phrurolithus Micaria Poecilochroa Hit obia yasunosukei Kamura 1992 フタオビトンビグモ Kishidaia albimaculat a (S.Saito 1934) ヨツボシワシグモ Poecilo chroa シロブチワシグモ ヨシダグモ syn. Kishidaia quadrimaculata Yaginuma 1960 117 Micaria alpina L. Koch 1872 タカネツヤグモ Micaria dives (Lucas 1846) ヒゲナガツヤグモ Micaria japonica Hayashi 1985 ヤマトツヤグモ Micaria pulicaria (Sundevall 1831) チビツヤグモ Odont odrassus aphanes (Thorell 1897) ミナミフトバワシグモ syn. Odont odrassus javanus (Kulczyński 1911) Odont odrassus hondoensis (S. Saito 1939) ヤマトフトバワシグモ Iheringia ヤマトウデブトグモ Phaeocedus braccat us (L.Koch 1866) タソガレトンビグモ Pt erotricha saga (Dönitz & Strand 1906) クロテオノグモ Callilepis Berlandina 初記録以来採集例がない Sanit ubius anat olicus (Kamura 1989) ナミトンビグモ Herpyllus Sergiolus hosiziro (Yaginuma 1960) ホシジロトンビグモ Poecilo chroa Sernokorba pallidipat ellis (Bösenberg & Strand 1906) マエトビケムリグモ Zelot es Trachyzelot es jaxart ensis (Kroneberg 1875) タイリクケムリグモ syn. Zelot es cavaleriei Schenkel 1963 Trachyzelot es kulczynskii (Bösenberg 1902) ナンゴクケムリグモ Urozelot es rust icus (L. Koch 1872) カバキケムリグモ Zelot es syn. Drassodes rot undifoveatus Bösenberg & Strand 1906 ハイバラワシグモ Drassodes pater Bösenberg & Strand 1906 Zelot es asiat icus (Bösenberg & Strand 1906) クロチャケムリグモ Zelot es bifukaensis Kamura 2000 ビフカケムリグモ Zelot es donan Kamura 1999 ドナンケムリグモ Zelot es exiguus (Müller & Schenkel 1895) チビケムリグモ Zelot es f lexuosus Kamura 1999 ツヅラケムリグモ Zelot es gladius Kamura 1999 ミヤコケムリグモ Zelot es hayashii Kamura 1987 コブシケムリグモ Zelot es iriomot ensis Kamura 1994 イリオモテケムリグモ Zelot es kimwha Paik 1986 ミカドケムリグモ Zelot es pot anini Schenkel 1963 ヒロズケムリグモ Zelot es ryukyuensis Kamura 1999 リュウキュウケムリグモ Zelot es t ortuosus Kamura 1987 クロケムリグモ Zelot es zephyrus Kamura 1999 ニシカゼケムリグモ 118 Selenopidae アワセグモ科 Selenops bursarius Karsch 1879 アワセグモ Sparassidae アシダカグモ科 syn. Heteropodidae Het eropoda aulica (L. Koch 1878) ニノテアシダカグモ 初記録以来採集例がない Het eropoda simplex Jäger & Ono 2000 ホソミアシダカグモ Het eropoda t okarensis Yaginuma 1961 トカラアシダカグモ Het eropoda truncus (McCook 1878) Palyst es 初記録以来採集例がない Het eropoda venat oria (Linnaeus 1767) アシダカグモ syn. Het eropoda invicta (L. Koch 1878)ミユビアシダカグモ Isopeda villosa L. Koch 1875 ムクゲアシダカグモ Het eropoda 初記録以来採集例がない Micrommata virescens (Clerck 1757) ツユグモ syn. Micrommata roseum (Clerck 1757) Olios japonicus Jäger & Ono 2000 ニホンミナミアシダカグモ Pseudopoda kasariana Jäger & Ono 2002 アマミカワリアシダカグモ Pseudopoda spirembolus Jäger & Ono 2002 オキナワカワリアシダカグモ Sagellula oct omunit a (Dönitz & Strand 1906) タソガレグモ 初記録以来採集例がない Sinopoda albof asciat a Jäger & Ono 2002 シロスジコアシダカグモ Sinopoda derivat a Jäger & Ono 2002 シマコアシダカグモ Sinopoda f orcipat a (Karsch 1881) コアシダカグモ Het eropoda Sinopoda koreana (Paik 1968) トライコアシダカグモ Sinopoda ogatai Jäger & Ono 2002 オガタヒメアシダカグモ Sinopoda okinawana Jäger & Ono 2000 リュウキュウコアシダカグモ Sinopoda st ellat ops Jäger & Ono 2002 ヒメアシダカグモ mis. Sinopoda st ellat a (Schenkel 1963) Het eropoda Sinopoda t anikawai Jäger & Ono 2000 アマミコアシダカグモ Thelct icopis severa (L. Koch 1875) カマスグモ syn. Stasina japonica Strand in Bösenberg & Strand 1906 カブラヤグモ Stasina maculif era Dönitz & Strand 1906 ゴマフカブラヤグモ Philodromidae エビグモ科 119 Philodromus aureolus (Clerck 1757) コガネエビグモ Philodromus auricomus L. Koch 1878 キンイロエビグモ コノハエビグモ シロツバカニグモ syn. Philodromus roseus Kishida 1913 エビグモ Diaea subadult a Bösenberg & Strand 1906 シロツバカニグモ Philodromus cespit um (Walckenaer 1802) シロエビグモ syn. Philodromus reussi Bosenberg 1904 Philodromus emarginatus (Schrank 1803) キエビグモ syn. Philodromus f lavidus S. Saito 1934 Philodromus lanchowensis Schenkel 1936 ハモンエビグモ syn. Philodromus kimwhaensis Paik 1979 Philodromus margarit atus (Clerck 1757) ブチエビグモ ムツボシエビグモ Philodromus nigrostriat ipes Bösenberg & Strand 1906 フシグロエビグモ スジエビグモ Philodromus poecilus Thorell 1872 Philodromus ruf us Walckenaer 1826 キタエビグモ Philodromus spinit arsis Simon 1895 キハダエビグモ Philodromus subaureolus Bösenberg & Strand 1906 アサヒエビグモ アサヒカニグモ syn. Philodromus japonicola Bösenberg & Strand 1906 Thanatus arct icus Thorell 1872 ホッポウヤドカリグモ Thanatus bungei (Kulczyński 1908) タカネヤドカリグモ Thanatus miniaceus Simon 1880 ヤドカリグモ mis. Thanatus f ormicinus (Clerck 1757) Thanatus nipponicus Yaginuma 1969 ヤマトヤドカリグモ Thanatus roseof emoralis (Karsch 1879) アカアシヤドカリグモ Philodromus アカアシエビグモ Tibe llus f engi Efimik 1999 ヨシシャコグモ Tibe llus japonicus Efimik 1999 シャコグモ mis. Tibe llus t enellus (L. Koch 1876) エビグモモドキ Tibe llus oblongus (Walckenaer 1802) スジシャコグモ Thomisidae カニグモ科 Alcimocht hes limbat us Simon 1885 ズダカカニグモ Bassaniana decorat a (Karsch 1879) キハダカニグモ Ozypt ila 120 カケモノグモ タンゴカニグモ タンゴグモ syn. Coriarachne japonicus (Simon 1886) マカニグモ Xyst icus Bolis cus tuberculat us (Simon 1886) イボカニグモ Coriarachne f ulvipes (Karsch 1879) コカニグモ キアシコカニグモ コキハダカニグモ Cupa typica Bösenberg & Strand 1906 タルグモ 初記録以来採集例がない Diaea gyoja Ono 1985 ギョウジャグモ ナカブサカニグモ mis. Diaea dorsata (Fabricius 1777) Diaea subdola O. P.-Cambridge 1885 キバミハナグモ コハナグモ ユノハマハナグモ syn. Misumenopus japonicus (Bösenberg & Strand 1906) Misumenopus yunohamensis Bösenberg & Strand 1906 Ebeling ia kumadai (Ono 1985) クマダハナグモ Misumenops Mecaphesa Ebrecht ella t ricuspidat a (Fabricius 1775) ハナグモ Misumenops Heriaeus mellot eei Simon 1886 アシナガカニグモ Loxobat es dait oensis Ono 1988 ダイトウマルガタワカバグモ Lysit eles coronatus (Grube 1861) アマギエビスグモ syn. Synaema t akashimai (Uyemura 1937) Oxypt ila nigrif rons Saito 1934 クロハナグモモドキ Xyst icus sapporensis Saito 1934 エゾカニグモ Lysit eles maius Ono 1979 タカネエビスグモ Lysit eles miniat us Ono 1980 ダイダイエビスグモ Lysit eles okumae Ono 1980 オオクマエビスグモ Massuria watari Ono 2002 ワタリカニグモ Misumena vat ia (Clerck 1757) ヒメハナグモ syn. Misumena calycina Linné 1758 Monaeses aciculus (Simon 1903) ドウナガカニグモ Oxyt at e hoshizuna Ono 1978 ホシズナワカバグモ Oxyt at e st riat ipes L. Koch 1878 ワカバグモ クロゲワカバグモ syn. Oxyt at e set osa Karsch 1879 Diaea japonica Bösenberg & Strand 1906 121 Ozypt ila at omaria (Panzer 1801) アトムオチバカニグモ Ozypt ila fukushimai Ono 2002 マルオチバカニグモ Ozypt ila mat sumotoi Ono 1988 マツモトオチバカニグモ Ozypt ila nipponica Ono 1985 ニッポンオチバカニグモ Ozypt ila nongae Paik 1974 クロスジオチバカニグモ Ozypt ila sakhalinensis Ono, Marusik & Logunov 1990 カラフトオチバカニグモ Ozypt ila sincera Kulczyński 1926 キタオチバカニグモ Ozypt ila trux (Blackwall 1846) ノラオチバカニグモ Phrynarachne ceylonica (O. P.-Cambridge 1884) ヘリジロツケオグモ Phrynarachne kat oi Tikuni 1955 カトウツケオグモ トリノフンカニグモ Pist ius undulat us Karsch 1879 タンバカニグモ ガザミグモ タンバグモ mis. Pist ius truncat us (Pallas 1772) サザナミガザミグモ Runcinia acuminata (Thorell 1881) トガリシロスジグモ Runcinia aff inis Simon 1897 シロスジグモ syn. Runcinia albost riata Bösenberg & Strand 1906 Sanmenia zhengi (Ono & Song 1986) ミナミタルグモ Cupa Synema chikunii Ono 1983 チクニエビスグモ Synema globosum (Fabricius 1775) フノジグモ syn. Diaea nit ida L.Koch 1877 ツバカニグモ Synaema globosum japonicum Karsch 1879 Synema nangoku Ono 2002 ナンゴクフノジグモ Takachihoa t rucif ormis (Bösenberg & Strand 1906) コキハダカニグモ Ozypt ila Thomisus kit amurai Nakatsudi 1943 アマミアズチグモ Thomisus labefactus Karsch 1881 アズチグモ キリシマアズチグモ シロアズチグモ マユタテアズチグモ syn. Thomisus onust oides Bösenberg & Strand 1906 ウスジロアズチグモ Thomisus okinawensis Strand 1907 オキナワアズチグモ Tmarus horvat hi Kulczynski 1895 ハナナガトラフカニグモ syn. Tmarus hanrasanensis Paik 1973 Tmarus komi Ono 1996 コトラフカニグモ Tmarus makiharai Ono 1988 アマミセマルトラフカニグモ Tmarus piger (Walckenaer 1802) トラフカニグモ Tmarus rimosus Paik 1973 セマルトラフカニグモ 122 Tmarus shimojanai Ono 1997 ヤエヤマセマルトラフカニグモ Tmarus yaginumai Ono 1977 ヤギヌマノセマルトラフカニグモ Xyst icus at rimaculatus Bösenberg & Strand 1906 ホンクロボシカニグモ ヒラタカニグモ mis. Xyst icus dichot omus Paik 1973 ヤマヤミイロカニグモ =Xyst icus concretus Utochkin 1968 Xyst icus audax (Schrank 1803) カニグモ Xyst icus croceus Fox 1937 ヤミイロカニグモ Xyst icus daiset suzanus Ono 1988 ダイセツカニグモ Xyst icus ephippiat us Simon 1880 チュウカカニグモ カラカニグモ Xyst icus hedini Schenkel 1936 クロボシカニグモ syn. Xyst icus bif idus Paik 1973 mis. Xyst icus atrimaculatus Bösenberg & Strand 1906 Xyst icus insulicola Bösenberg & Strand 1906 アズマカニグモ Xyst icus kurilensis Strand 1907 チシマカニグモ Xyst icus rost rat us Ono 1988 シギカニグモ Xyst icus ryukyuensis Ono 2002 リュウキュウカニグモ Xyst icus saganus Bösenberg & Strand 1906 ゾウシキカニグモ オオヤミイロカニグモ syn. Xyst icus tunicat us Bösenberg & Strand 1906 Xyst icus transversomaculatus Bösenberg & Strand 1906 ヨコフカニグモ Xyst icus trizonatus Ono 1988 オビボソカニグモ オビホソカニグモ Xyst icus vachoni Schenkel 1963 タイリクカニグモ syn. Xyst icus jacut icus Utochkin 1968 Salticidae ハエトリグモ科 Aelurillus subf est ivus S. Saito 1934 キタノハエトリ キタハエトリ Asemonea tanikawai Ikeda 1996 タニカワヨリメハエトリ Asianellus f est ivus (L. Koch 1834) ヤマジハエトリ Aelurillus Ballus japonicus S. Saito 1939 クモガタハエトリ Bavia sexpunct ata (Doleschall 1859) ムツボシハエトリ Bianor orientalis (Dönitz & Strand 1906) ムネグロハエトリ Modunda 初記録以来採集例がない 123 Brist owia heterospinosa Reimoser 1934 マツモトハエトリ Burmatt us pococki (Thorell 1895) ツルギハエトリ Plexippus Carrhotus xant hogramma (Latreille 1819) キハダハエトリ ネコハエトリ クロチャハエトリ syn. Carrot hus detritus Bösenberg & Strand 1906 Carrot hus bicolor Walckenaer 1802 Dendryphent es rubrosquamulatus (Dönitz & Strand 1906) Hasarius crinit us Karsch 1879 ナガカミハエトリ Chalcoscirt us fulvus S. Saito 1939 コゲチャハエトリ Cosmophasis viridif asciat a (Doleschall 1859) クスミハエトリ Euophrys f ront alis (Walckenaer 1802) ウデグロカタオカハエトリ カタオカハエトリ Euophrys kat aokai Ikeda 1996 カタオカハエトリ mis. Euophrys f ront alis (Walkenaer 1802) Euophrys herbigrada (Simon 1871) カキイロハエトリ Evarcha albaria (L. Koch 1878) ナガサキハエトリ マミジロハエトリ マエシロハエトリ ランペルトハエトリ syn. Hasarius lampert i Bösenberg & Strand 1906 ランペルトハエトリ Evarcha albif rons (Kulczyński 1895) マエシロハエトリ Evarcha arcuat a (Clerck 1757) シッチハエトリ Evarcha f asciat a Seo 1992 マミクロハエトリ Evarcha f lavocinct a (C. L. Koch 1848) フィッシャーハエトリ ズアカハエトリ syn. Hyllus f ischeri Bösenberg & Strand 1906 Evarcha proszynskii Marusik & Logunov 1997 ホオジロハエトリ mis. Evarcha f lammat a (Clerck 1757) Hakka himeshimensis (Dönitz & Strand 1906) イソハエトリ Menemerus Pseudicius Harmochirus insulanus (Kishida 1914) ウデブトハエトリ mis. Harmochirus brachiat us (Thorell 1877) Hasarius adansoni (Audouin 1826) アダンソンハエトリ syn. Evarcha longipalpis Bösenberg & Strand 1906 ヒゲナガハエトリ Helicius chikunii (Logunov & Marusik 1999) チクニハエトリ Pseudicius Helicius cylindrat us (Karsch 1879) Telamonia 124 コジャバラハエトリ Helicius yaginumai Bohdanowicz & Prószyński 1987 ジャバラハエトリ Heliophanus lineiventris Simon 1868 タカノハエトリ Heliophanus ussuricus Kulczyński 1895 ウスリーハエトリ mis. Heliophanus aeneus (Hahn 1832) チビクロハエトリ ジョウネンハエトリ Icius daiset suzanus S. Saito 1934 エゾトビハエトリ Lauf eia aenea Simon 1889 エキスハエトリ ヨゴレハエトリ Lauf eia sasakii Ikeda 1998 トクノシマエキスハエトリ Marpissa milleri (Peckham & Peckham1894) オオハエトリ ヨシイヘハエトリ syn. Marpissa roemeri Strand 1906 Marpissa dybowskii ( Kulczyński 1895) Marpissa magna Kishida 1910 Maevia nigrif ront is S. Saito 1939 ズグロオオハエトリ Marpissa pomat ia (Walckenaer 1802) ヤバネハエトリ Marpissa pulla (Karsch 1879) ヨダンハエトリ Menemerus mis. Marpissa muscosa (Clerck 1757)コケハエトリ Mendoza canest rinii (Ninni in Canestrini & Pavesi 1868) オスクロハネグモ オスクロハエトリ クロハネグモ nom. dub. Marpissa magist er (Karsch 1879) Mendoza elongat a (Karsch 1879) ヤハズハエトリ Marpissa syn. Marpissa hiroseae (Nakatsudi 1942)ヒロセハエトリ Mendoza ibarakiensis (Bohdanowicz & Prószyński 1987) キタヤハズハエトリ Marpissa イバラキハエトリ Mendoza pulchra (Prószyński in Wesołowska 1981) シナノヤハズハエトリ Marpissa Mendoza ryukyuensis Baba 2006 ミナミヤハズハエトリ Menemerus bivitt atus (Dufour 1831) アゴグロハエトリ Menemerus fulvus (L. Koch 1878) シラヒゲハエトリ Hasarius ハエトリグモ syn. Menemerus brachygnathus (Thorell 1877) アゴブトハエトリ Menemerus conf usus Bösenberg & Strand 1906 異名キハエトリ 125 Myrmarachne elongat a Szombathy 1915 ヤガタアリグモ Myrmarachne formicaria (De Geer 1778) タイリクアリグモ syn. Myrmarachne joblot ii Scopoli 1763 Myrmarachne inermichelis Bösenberg & Strand 1906 ヤサアリグモ クロアリグモ Myrmarachne japonica (Karsch 1879) アリグモ アカアリグモ Myrmarachne kuwagata Yaginuma 1967 クワガタアリグモ Neon kiyot oi Ikeda 1995 キヨトネオンハエトリ Neon minut us Żabka 1985 コガタネオンハエトリ Neon ningyo Ikeda 1995 ニンギョウネオンハエトリ Neon nojimai Ikeda 1995 ノジマネオンハエトリ Neon ret iculatus (Blackwall 1853) ネオンハエトリ Onomastus kanoi Ono 1995 カノウハエトリ Ort hrus bicolor Simon 1900 ニシキリセイハエトリ Pancorius crassipes (Karsch 1881) アシブトハエトリ Plexippus Evarcha Pellenes nigrociliat us (Simon in L. Koch 1875) ホクオウハエトリ Philaeus chrysops (Poda 1761) タイリクハエトリ Phint ella abnormis (Bösenberg & Strand 1906) チャイロアサヒハエトリ Jot us Phint ella arenicolor (Grube 1861) ムロテハエトリ マガネアサヒハエトリ アサヒハエトリ ゴコウハエトリ syn. Jot us mellott ei (Simon 1888) Jot us diff icilis Bösenberg & Strand.1906 Sitt icus pallico lor Bösenberg & Strand.1906 Phint ella bif urcilinea (Bösenberg & Strand.1906) Telamonia キアシハエトリ ジウ(ジュウ)ノジハエトリ syn. Hasarius crucif er Dönitz & Strand 1906 Icius pupus (Karsch 1879) キハダハエトリ Phint ella t ypica Strand 1906 Phint ella cast riesiana (Grube 1861) ワカバネコハエトリ Icius Telamonia syn. Euophrys aninot ata Bösenberg & Strand.1906 Sitt icus bilineat us Saito 1939 フタスジコハエトリ Phint ella linea (Karsch 1879) Icius Jotus 126 メガネアサヒハエトリ Phint ella parva (Wesolowska 1981) アサヒハエトリ Phint ella versicolor (C. L. Koch 1846) メスジロハエトリ Chrysilla アサヒハエトリ クロスジ(ヂ)ハエトリ syn. Aelurillus dimorphus Bösenberg & Strand.1906 Jot us munitus Bösenberg & Strand.1906 Phlegra f asciat a (Hahn 1826) タテジマハエトリ Plexippoides annulipedis (S. Saito 1939) マダラスジハエトリ Plexippus Plexippoides doenit zi (Karsch 1879) デーニッツハエトリ Hasarius キガタハエトリ Plexippoides nishit akensis (Strand 1907) ニシタケハエトリ Plexippus niccensis Strand 1906 ニッコウハエトリ 初記録以来採集例がない Plexippus paykulli (Audouin 1826) チャスジハエトリ syn. Plexippus incognit us Dönitz & Strand 1906 Plexippus pet ersi Karsch 1878 Plexippus set ipes Karsch 1879 ミスジハエトリ Port ia f imbriat a (Doleschall 1859) ケアシハエトリ Linus Pseudeuophrys errat ica (Walckenaer 1826) ヤガタハエトリ Euophrys Pseudeuophrys iwat ensis (Bohdanowicz & Prószyński 1987) イワテハエトリ Euophrys Pseudicius koreanus (Wesołowska 1981) コウライハエトリ ホクセンハエトリ Pseudicius okinawaensis Prószyński 1992 オキナワハエトリ Pseudicius t okarensis (Bohdanowicz & Prószyński 1987) トカラハエトリ Pseudicius vulpes (Grube 1861) イナズマハエトリ キツネハエトリ クラオキネコハエトリ syn. Euophrys undulat ovitt ata Bösenberg & Strand.1906 Breda lambdasignat a Bösenberg & Strand 1906 Euophrys breviaculeis Bösenberg & Strand1906 クロカネハエトリ Rhene albigera (C.L.Koch 1848) ヒメカラスハエトリ Rhene atrata (Karsch 1881) カラスハエトリ Homallat us Dendryphant es Rhene set ipes Żabka 1985 ミナミカラスハエトリ 127 Sibianor aurocinct us (Ohlert 1865) キタツヤハエトリ Bianor mis. Bianor aenescens (Simon1868) Sibianor japonicus (Logunov, Ikeda & Ono 1997) ヤマトツヤハエトリ Bianor Sibianor kochiensis (Bohdanowicz & Prószyński 1987) ナカヒラハエトリ Harmochirus Sibianor nigriculus (Logunov & Wesołowska 1992) クロツヤハエトリ Harmochirus Sibianor pullus (Bösenberg & Strand 1906) キレワハエトリ Biano Harmochirusr syn. Harmochirus nigrum Kishida 1910 Siler cupreus Simon 1889 アカガネハエトリ アオオビハエトリ アカオビハエトリ ササノハハエトリ syn. Marpissa vitt at a Karsch 1879 Silerella barbat a Bösenberg & Strand 1906 メグロハエトリ Sitt icus avocator (O. P.-Cambridge 1885) ヒトリコゲチャハエトリ ヒトリハエトリ syn. Sitt icus viduus Kulczyński 1895 Sitt icus numeratus Bos. et Str1906 シロカネハエトリ Sitt icus f asciger (Simon 1880) モンシロコゲチャハエトリ Sitt icus f loricola (C. L. Koch 1837) マユミコゲチャハエトリ syn. Sitt icus f loricola orient alis Strand 1906 Sitt icus penicillat us (Simon 1875) シラホシコゲチャハエトリ syn. Sitt icus pat ellidens Bösenberg & Strand 1906 Sitt icus ranieri (Peckham & Peckham 1909) ヤスダコゲチャハエトリ hom. Sitt icus lineolatus (Grube 1861) Sitt icus saevus Dönitz & Strand 1906 ボケチャハエトリ 初記録以来採集例がない Sitt icus saganus Dönitz & Strand 1906 クロボケハエトリ 初記録以来採集例がない Sitt icus subadultus Dönitz & Strand 1906 オビジロハエトリ 初記録以来採集例がない Spart aeus bani (Ikeda 1995) アマミクチバハエトリ Mint onia St ert inius kumadai Logunov, Ikeda & Ono 1997 コミナミツヤハエトリ Synageles venat or (Lucas 1836) アリガタハエトリ 128 Synagelides agorif ormis Strand 1906 アメイロハエトリ Synagelides annae Bohdanowitz 1979 オオクマアメイロハエトリ Synagelides zhilcovae Prószyński 1979 キタアメイロハエトリ Talavera ikedai Logunov & Kronestedt 2003 ヒメスジハエトリ mis. Talavera trivitt at a Schenkel 1963 Euophrys Tasa davidi (Schenkel 1963) カラクニハエトリ Thianella Tasa nipponica Bohdanowicz & Prószyński 1987 トサハエトリ Telamonia vlijmi Proszynski 1984 タテスジハエトリ Vicir ia sp. Thyene imperialis (Rossi 1846) ミカドハエトリ Yaginumaella hyogoensis Bohdanowicz & Prószyński 1987 エビスハエトリ Yaginumaella striat ipes (Grube 1861) ウススジハエトリ Pellenes syn Plexippus incognit us Dönitz & Strand 1906 Yaginumaella ususudi (Yaginuma 1972) Yaginumanis sexdent atus (Yaginuma 1967) ムツバハエトリ Boet hus 129 東京蜘蛛談話会 運営委員 池田 博明・小野 展嗣・木村 知之・甲野 涼・新海 明・谷川 明男・仲條 竜太・萩 本 房枝・初芝 伸吾・安田 明雄・八幡 明彦 会 長:新海 栄一 185-0011 東京都国分寺市本多 1-6-6 本 部:小野 展嗣 169-0073 東京都新宿区百人町 3-23-1 国立科学博物館動物研究部 会誌編集:仲條 竜太 194-0041 東京都町田市玉川学園 7-7-10-103 E-mail: [email protected] (原稿送付先)池田 博明 258-0018 神奈川県足柄上郡大五町金手 1099 E-mail: [email protected] 通信編集:谷川 明男 247-0007 神奈川県横浜市栄区小菅ヶ谷 1-4-2-1416 E-mail: [email protected] 事 務 局:初芝 伸吾 186-0002 東京都国立市東 3-11-18-203(有)エコシス E-mail: [email protected] 会 計:安田 明雄 231-0861 神奈川県横浜市中区元町 5-219 E-mail: [email protected] 郵便振替:00170-8-74885 東京蜘蛛談話会(年会費:一般 3800 円/学生 2000 円) 会計監査:笠原喜久雄・梅林 力 KISHIDAIA No.98 2010 年 10 月 31 日 印刷 編集者 仲條竜太 2010 年 10 月 31 日 発行 発行者 新海栄一 発行所 東京蜘蛛談話会 東京都新宿区百人町 3-23-1 国立科学博物館動物研究部 小野展嗣方 印刷 株式会社オーエム大阪市東成区中道 4-5-14-101 130 KISHIDAIA Bulletin of Tokyo Spider Study Group No.98,Oct. 2010 ─ 目 次 ─ 新海 明・杉本雅志・谷川明男:ワクドツキジグモの網,日本でついに発見 ........... 1 貞元己良:女神の微笑み ...................................................................................... 4 西野真由子:産卵が早いと出のうも早い:葉に産卵されたジョロウグモの卵のう . 16 池田博明:ハエトリグモの学名の解説(2) アリグモ物語 ................................ 21 新海 明:津軽半島斜陽館から新潟へ イソコモリを求めて................................. 33 荘司康治郎:シロオビトリノフンダマシの卵のう寄生蜂...................................... 38 藤澤庸助:ヒメハナグモと出会いの記 ................................................................ 41 DRAGLINES 貞元己良:都内でクロガケジグモを採集した .................................................... 43 笹岡文雄:住宅地,屋内で採集されたヤマトヤギヌマグモ ................................ 43 笹岡文雄:ジョロウグモの共食い ..................................................................... 44 新海 明:スズミグモの網をあきる野市で発見................................................... 44 新海 明:アズチグモがクモを捕食 ................................................................... 45 馬場友希・吉武 啓:沖縄島で採集されたクモ................................................... 45 馬場友希・吉武 啓:茨城県南部で採集されたクモ II ......................................... 47 藤澤庸助:須坂市の高地におけるクモ類の採集記録 ............................................ 49 馬場友希:千葉県で採集されたクモ.................................................................... 54 谷川明男:日本産クモ類目録 ver. 2010R2 ........................................................ 59