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医療・介護・健康・子育てのニーズをビジネスに活かせるか

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医療・介護・健康・子育てのニーズをビジネスに活かせるか
資料5
第3回産業構造審議会産業競争力部会
医療・介護・健康・子育てのニーズをビジネスに活かせるか
∼グローバル化がもたらす国境を越えたビジネスモデル∼
2010年4月5日(月)
財団法人脳神経疾患研究所 南東北病院グループ
理事長 渡邉 一夫
渡邉一夫 略歴
昭和19年10月19日
昭和46年 3月
昭和46年 4月
昭和48年 6月
昭和52年 9月
昭和54年 4月
昭和55年 5月
昭和56年 1月
昭和56年12月
〃
昭和59年 1月
昭和61年12月
平成 3年5月
平成 3年 6月
平成 9年10月
平成10年 11月
平成14年 2月
平成14年 10月
平成16年 4月
平成17年 4月
平成18年 7月
平成18年10月
平成19年 3月
平成19年 4月
平成19年 7月
平成20年2月
平成21年4月1日現在
福島県須賀川市 生
福島県立医科大学医学部 卒業(医学士)
福島県立医科大学第2外科 医員(副手)
秋田大学医学部脳神経外科 文部教官助手
社団法人 脳神経外科学会 専門医
高知市 長尾病院 脳神経外科部長
秋田大学より医学博士の学位授与(医 第3号)
秋田県厚生連 雄勝中央病院 脳神経外科部長
南東北脳神経外科病院 院長
秋田大学医学部附属病院 臨床修練医認定書取得
財団法人 脳神経疾患研究所 理事長
同 南東北病院 院長
岩沼市 医療法人 南東北病院 理事長
秋田大学医学部脳神経外科 非常勤講師
北京大学 客員主任教授
社会福祉法人 南東北福祉事業団 理事長
日本脳神経外科学会 医療問題検討委員会 委員長
福島市 附属 南東北福島病院 理事長
日本神経疾患医療・福祉従事者協議会 理事長
福島県立医科大学 臨床教授
財団法人 脳神経疾患研究所 理事長・総長
医療法人 将道会 理事長
医療法人 将道会 東京クリニック 理事長
東京総合保健福祉センター 江古田の森 理事長
医療法人 健貢会 永田町クリニック 理事長
医療法人 将道会 東京クリニック丸の内オアゾmc 理事長
医療法人 謙昌会 総合リハビリ美保野病院 顧問
現在に至る
*主な研究領域
「脳血管障害の治療と病態の研究」
「脳血管攣縮の臨床的研究と治療」
「頭蓋底手術の開発」
*主な学会活動
(社) 日本脳神経外科学会 理事
アメリカ脳神経外科学会員
(財)日本脳神経財団評議員
日本脳卒中外科学会世話人
日本病院脳神経外科協会理事
日本脳ドック学会評議員
日本脳神経外科救急学会理事
国際Mt.BANDAI神経科学シンポジウム 事務局長
環太平洋脳神経外科学会 事務局長
日本脳卒中の外科学会運営委員
脳卒中学会評議員
日本老年脳神経外科学会運営委員
東北脳血管障害懇話会世話人
東北老年医学シンポジウム世話人
北日本脳神経外科連合会幹事
第1回国際脳動脈会議実行委員長
第3回日本病院脳神経外科学会会長
日本臨床医療福祉学会 理事長
日本脳ドック学会 理事長
1
自己紹介《総合南東北病院》
日本版 ゆりかごから墓場 (遺伝子を継ぐ)
陽子線(プロトン)センター
老人保健施設
PET・外来クリニック
センター
南東北温泉
全室個室病棟
病院本体
2
主な設備
○PET/PET-CT
○陽子線センター
○ガンマーナイフ・IMRT など
PETCT
陽子線
治療装置
大型回転ガントリー
治療室
シンクロトロン
加速器
東京病院
(旧慈生会病院
3
はじめに
アメリカの医療保険改革が 世界や日本の医療に与える影響
・ 医療の開放も時間の問題でしょう! ならば 打って出る!!
ITなどの通信技術の発達や、不労所得を増やす金融システムなど新しい考え方で産業革命以来の
大変化(栄枯盛衰)が全世界を襲っています。
そもそも人間はアナログであり、デジタル化が進めば進むほど、アナログである「人」は自然と「人」を求めるよ
うになります。それは『生(せい)』すなわち『命(いのち)』だからなのです。
高齢社会は世界共通の事で、「医療」「介護」「健康」「子育て」自然などは全ての人が関わる分野であり、
今後の世界的な成長産業と言えるでしょう。
今、世界はあらゆる分野でグローバル化が進み、すなわちボーダレスな世界に突入しています。規制で守ら
れてきた産業は国営であればあるほど存続できません。鎖国的仕組みの崩壊です。
超高齢・少子・借金大国の日本が、唯一世界におけるナンバーワンになれる分野は「医療」「介護」「健
康」「子育て」などの21世紀型の世界に通用する社会保障分野です。
その為には、必要なシステム開発やあらゆる規制の撤廃・緩和など、世界的な視点で捉え、世界に君臨す
るために産学官連携で横断的に臨むことが重要なポイントです。
4
《
提
言
》
“医療”→→→インターナショナルメディカルヘルスケア
“介護”→→→高齢者対応タウン構想
“健康”→→→健康・保健のグローバルスタンダードモデル
“子育て”→→→ファミリーサポート & スパ活用
5
医療分野におけるビジネスモデル 1
メディカルツーリズムの提案→→→予防・健診・治療・ケア・療養のトータルなシステム
∼インターナショナルトータルメディカルヘルスケア∼
○アジアの富裕層・一部欧米の中間所得層を呼び込む
治験病院
ネット国民の創設も検討(制度の創設)
○ノービザ or 医療ビザの発行
空港
温泉
○世界に通じる医療保険販売 (金融・保険・カード会社と連携)
( 国民皆保険の国際化 )
○空港に隣接した産学官治験病院(JCI 認定施設)の設置・・・特区
高度先進医療
健診
○各地の高度先進医療における検査・治療の提供
治験病院
○買い物・観光(免税店・ネット販売も活用)
高度先進医療
○ユニバーサル・メディカルスクールの開設・・・特区
海外含め医療従事者を育成する
ODA(PKO支援として)
健診
空港
高度先進医療
治験病院
健診
温泉
空港
6
医療分野におけるビジネスモデル 2
ビジネススキーム
薬・医療機器の輸出入
国際産学官治験
病院
海外からの医療
従事者と利用者
特区
空港
自家用機
チャーター機受入
薬・医療機器
医療に精通したコーディネーターの育成
利用客ツアー申込
・国内の医療機関等得意分野のまとめ
・関係事業者とツアー内容のコーディネイト
国内
コーディネーター
高度先進医療
健診
温泉
買い物・観光
7
医療分野におけるビジネスモデル 3
医療特区
∼産学官治験病院∼
○先進医療施設認定及び空港に隣接もしくは近い場所にJCI 認定施設として設置
(JCI=Joint Commission International )
○新技術・未承認薬・医療機器を利用できる (日本版メディコンバレーの創設と広域展開)
○薬・医療機器の海外輸出が可能(規制の緩和)・・・“医療の輸出”
日本版MDMの開催(メディカル・ディバイス・マニファクチャー)(部品の段階からの展示相談会)
○世界の医師の治療(規制緩和、メディカルスクールの国際化)
○世界一の個人情報管理
(これからの時代は個人情報の保護が最大)
∼医療産業特区∼
○病床規制の撤廃・・・1983年の保険局長と日本医師会の「医療は国は亡ぼす」という提言が医療崩壊へつながる。
( 自由に選択できる医療など、競争原理を働かせ、国民の選択により、より良い医療を提供する )
∼外国人専用医療施設∼
○中国やブラジル人などの海外から来た外国人専用の医療特区
∼海外日本人専用医療施設 ・・・“医療の輸出”強いては世界ネットワークの構築に繋げる。
○海外に日本人専用の高度先進医療、健診などを提供できる医療施設を(ODAとしてJICAの支援)作る
長期的視点に立ち 医療従事者の養成を世界から受け入れる。メディカルスクールの開設
8
介護分野におけるビジネスモデル 1
要介護高齢者を出さない街づくり・・・健院L-CUB(エルキューブ)の活用
街づくり
タウンモビリティ・バリアフリータウン
健院エルキューブ
車椅子でもショッピング
可能なモビリティタウンの
形成
健康回復
健康維持増進
医療介護対応住宅
海外からの移住
(ユニバーサルデザインハウス)
健康管理センター
薬局
レストラン
介護ショップ・サポートセンター
バリアフリータウン
地域の参加
9
介護分野におけるビジネスモデル 2
健院L-CUB(エルキューブ)とは
病気の前と後をカバーする 健康自立支援住宅
L-CUB(地域コミュニティユニットケア)
人生のプラットホーム
入院短縮
在宅復帰
自立支援
シームレスケア
一般病床
自宅など
B
自宅以外の
在宅復帰
病床削減・廃止
シームレスケア
療養病床
高専賃など
25%削減
メタボリック
シンドローム
運動
栄養
休養
健康増進
人間の自然、老若男女が
集う環境
シームレスケア
健康人
10
介護分野におけるビジネスモデル 3
ユビキタスハウジング
タウンモビリティ・バリアフリータウンの街づくり・・・特別な福祉施設がなくても福祉ができる街
ソーラー発電など環境に配慮した住宅の整備で 排出ガス25%削減に寄与
少子高齢社会での 孤立社会の解消
○医療・介護対応住宅(ユニバーサルデザインハウス)を設置基準とする
人間本来の共生、協同や慈愛、友愛の精神を育める 学べる環境の整備
○全国の大都市圏を中心にバリアフリータウンを設置・・・世界中の富裕層も購入可能
・世界中の富裕層(高齢者)に移住権を与える
→移住条件:健康である
ある程度以上の資産がある
→移住者用の健康・介護保険に加入してもらう(公的保険・民間保険両方)
医療介護状態になった場合、それまで通常の健康管理を実施していた場合は無料にする
福祉を一般化する政策で経済効果額 = 数 兆円
11
健康分野におけるビジネスモデル 1
生まれた時から最後までのデータ管理と健康パーソナル支援
「地域における健康支援」イメージ
融合
市町村
総合計画など
健康産業の創出
市民マラソン等
行政とのジョイント
運動
フィットネス
教育機関
医療機関
大学等
住民参加型の
健康増進
栄養
健康の要素
運動・栄養・休養・教養
連携
教養
健康診断
休養
12
健康分野におけるビジネスモデル 2
医・食・住・遊・休・学
○学校・企業・地域をネットで結び、大都市から農村部まで網羅する予防環境整備
○自然や住環境などを含め、地域全体で生活習慣病予防の取り組みを行う
○学校教育の中で、健康の意識を根付かせ、「品格」を高める
○日本全国の温泉や保養所をネットで結び、全世界の国や地域と温泉学会(スパサミット)を開催する
時代を変えるには 子供の教育からか?
健康産業としての経済効果額 =
数 兆円
13
子育て分野におけるビジネスモデル 1
海外にも開放する
子育て『産湯政策』・・・第二のふるさと構想
ビジットジャパンの実現
女性
365日温泉活用
ボランティア
NPO
毎年来たい
古里温泉
病院
温泉に行く
地産地消
温泉復興
24時間 周産期医療
健康管理
農業
補助金
行政
製品開発
滞在研修
イベント
商業
学校
旅館
子育てを地域で
支える
健やか親子教室
孫に会いに行く
綺麗な自然の場所で
里山づくり
環境保全で
記念植樹
経済効果額 = 数 兆円
14
子育て分野におけるビジネスモデル 2
子育て『産湯政策』・・・全国市町村連携
○出産を讃え女性に温泉でのくつろぎをプレゼント。(無料温泉療養券)
○産前のマタニティ教室を開催。
○子育て支援センターを整備(温泉街・医療機関)・・・ITでの情報発信
→素人の若夫婦などの子育てを支援
○出産後に『家族式』を行う。その後披露宴
○記念行事(植樹)等を行う
○全国の保育学科の学生が実習参加
○行政が補助(支援センター整備・温泉利用券)
○温泉が無い自治体との連携で里山づくり
○保育に関する製品開発、販売、お土産作り
○地元食材の自然食の提供(ネットで全世界に販売)
○企業や行政の社員教育の場に (補助金にて実施)
15
諸外国でのメディカルツーリズムの現状
添付資料1
国名
内容
JCI認証病院数
インド
06年の時点で既に年間約15万人の外国人患者が訪れた。早くから国をあげて力を入れてきた
結果だ。医師の数は約60万人、看護師は約100万人、歯科医師は約200万人。うち約5%が欧米
先進国での医療経験を積んでいる。大手のアポロ病院グループは38病院を運営し、
約4,000人の医師を抱える。心臓手術は55,000件、成功率は99.6%を誇る。
経済波及効果見込・・・2,000億円
13
(2009年9月)
シンガ
ポール
中国大陸からの来客が多く、 毎年30万人を超える中国人がメディカル・ツーリズムで シンガポールを訪れ
ている。 彼らの多くは年配の中国人。 英語が第一言語のシンガポールも中国系住民が7割であり、
かなり多くの人が中国語も話す
06年のシンガポールを医療施設利用を目的に訪れた人数は55.5万人であり、12年までに100万人達成
を目標にしている
経済波及効果見込・・・2,000億円
15
(2009年9月)
タイ
08年の外国人患者数が滞在中の外国人を含めて約170万人。今年は200万人に達する見込み。
有名なバンコク病院(420床)の外国人患者は年約15万人。患者数の上では日本人が39,000人と
最も多いが、医療費の比較では日本人は2位となり、1位のアラブ人とは5倍の開きがある。つまり、アラブの
富裕層がバンコク病院に積極的に医療を受けに来ている。
経済波及効果見込・・・6,000億円
7
(2009年9月)
中国
今、最も注目されているのが中国の燕達国際健康城。北京から30キロ、北京国際空港から25キロに
位置し、敷地面積50万平方メートル、3,000床(医療2,000床、リハビリ1,000床)というメガ病院である。
もちろんJCI認証を受けている。医療のみならず高齢者施設が12,000床あり、自立、半自立、非自立に
対応する。ここは中国人だけではなく、日本の高齢者の受け入れを意識している。
5
(2009年9月)
韓国
08年には37,000人の外国人患者を受け入れた。09年は40,000人を超える勢い。ソウル・金浦空港に
程近いウリドゥル病院は椎間板ヘルニア治療で世界最高水準を誇り、06年には19,651件の手術を行っ
た。08年には1,017人の外国人患者が訪れたが、特に日本人や在日韓国人をターゲットとして来院促進
に努めている。同院の国際患者センターは言葉の問題もなく、すべての手配をしてくれる。
2
(2009年9月)
日本のJCI認証病院は亀田総合病院の1軒のみ
16
JCI認証取得病院数
添付資料2
17
一例・・・盲腸手術入院の都市別費用
添付資料3
日本は約¥390,000
(入院4泊5日)
18
添付資料4
安心安全な日本の医療の国内での経済効果
2006年 受診を目的にアジアを訪れた外国人は 180万人 で
その経済効果は 6300億円と言われている。 (1人当り35万円)
2006年
国 名
シンガポール
インド
タイ
マレーシア
韓国
その他
内アメリカ人
2012年
経済効果
43万人 100万人
30万人
60万人
64万人 220万人
15万人
30万人
3万7千人 5万人 2025年には60万人以上を目指す
24.3万人
15万人
2012年には 市場規模として 10兆円になる。
(マッキンゼー・カンパニーが試算)
相乗効果はその数倍の規模になる。
メディカルツーリズムは 従来の 途上国 → 先進国 が
と安価な治療費を求めている。
先進国
→ 途上国
日本の 医療水準は 先進国の中でも 超一流である。
( MRIやCTが世界一の普及台数である、診断・手術から ITや画像診断 がん治療など 信頼がある )
日本は インフラや気候風土、セキュリティ 食べ物など 全ての面でブランド力がある。
長寿世界一 で 温泉や 観光など アジア地域でも 群を抜いている。
19
添付資料5
考えられる経済効果(予想)
安心・安全を求め安価な費用で 受診できるわが国は規制緩和でアジア諸国含めどの国よりも
受診者が訪れる可能性がある。
( 2006年の アジアでの平均 治療単価は
総額で134万円 1ドル100円換算)
35万円 高度な治療をするインドでの 一人当たりの経済効果
見込める費用
予想数字
疾病名
胃がん
子宮がん
肺がん
頭頸部がん
肝がん
大腸がん
前立腺がん
白内障
虫垂炎
<
日本人の治療費
200万円
200万円
200万円
200万円
200万円
100万円
100万円
10万円
39万円
医療分野 > 2020年の目標として
年間の来日受診者数
250万人
米国での治療費
800∼1000万円
800∼1000万円
800∼1000万円
1500∼2000万円
1500∼2000万円
500∼1000万円
500∼1000万円
200万円
200万円
保険外での収支予想(半額)
400∼500万円
400∼500万円
400∼500万円
750∼1000万円
750∼1000万円
250∼500万円
250∼500万円
100万円
100万円
(世界のメディカルツーリズム市場規模 約 15∼20兆円)
・ 受 診(健診含む) 200万人 一人当たり平均 40万円 = 8千億円
・ 高度先進治療
50万人
〃
200万円 = 1 兆 円
・ 滞在中の費用
250万人
〃
80万円 = 2 兆
円
(宿泊、買物・観光など)
・ その他 インフラ整備 (自由診療医療機関 200床規模 500施設、宿泊施設
コーディネーター、IT情報センター、旅行会社、空港利用促進、家族支援など)
考えられる効果は = 2兆円
経済効果 総額は
=
5兆8千億円
20
添付資料6
メディカルツーリズムの必須的条件
・ 海外からの投資促進
・ 税制優遇処置 (税金免除)
・ 先端科学の推進 (メディコンバレーの創設)
・ 地域活性化(経済特区) (産学官の協同事業)
・ 出入国管理制度の改善 (指定国のノービザの発給)
・ 外国語サービス支援 (行政の外国語での書類申請)
・ 為替取引の緩和 (送金の便宜拡大)
・ 国際化の教育システム (メディカルスクール開設)
・ 空港の利用促進と 使用料の軽減
21
韓国 済州ヘルスケアタウン開発計画
添付資料7
22
23
Fly UP