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「物語のしかけパンフレット」をつくろう 平成
学 年 教科等 単元名 日 第3学年 国語科 「物語のしかけパンフレット」をつくろう 時 平成 27 年6月 29 日(月)5校時 「切磋琢磨する子どもを育成する国語科学習」を研究テーマに,発問と話合いの在り方について研究している。 本実践において,発問については,考えをもつ段階での物語のしかけを見付けるようにするための個に応じた 本実践の 主張 発問や,全体での話合いの中での「見付けた物語のしかけを仲間分けしよう。 」という自分たちの考えを見つめ直 すようにするための発問により,言葉を吟味する話合いにつなげるようにする。 話合いの在り方については,モデルの紹介や称賛により,根拠を基に互いの考えの共通点や相違点をとらえた り,考えを分類したりする話合いができるという,3年生段階でめざす話合いの姿に近付くようにする。 言葉を吟味する話合いや,考えの見つめ直しにつなげる発問の工夫 ① 美月は,どのような人 だったかな? 言葉を吟味する話合いに つなげる発問 全員が物語のしかけを見付け, 言葉を吟味する話合いができる ようにするために,考えをもつ 段階で個に応じた発問を行う。 ② 考えの見つめ直しに つなげる発問 どうして,「宇佐見」 なんだろうね。 物語のしかけをなかなか 見付けられない子ども (出来事をまとめた掲示物を 示して) 名前や容姿に関するしかけ を見付けた子ども 出来事の中には,しかけ はないかな。 物語のしかけを見付ける こつを考えるために,見付けた しかけを仲間分けしよう。 自分たちが見付けた物語の しかけを見つめ直して,しかけ を見付けるこつを考えること ができるような発問を行う。 「色白」と「ぽっちゃり」は 同じ仲間だと思うよ。なぜな ら,どちらとも,見た目を表し ているからね。 めざす話合いの姿の設定とその達成に向けた手立ての工夫 ① 根拠を基にして共通点 や相違点を明らかにする 話合いができるようにす るための手立て 3年生段階でめざす話合いの姿 根拠を基に互いの考えの共通点や相違点を とらえたり,考えを分類したりしながら話し 合う姿 根拠を基にして共通点や相違点を明らかにする 話し方をしている子どもをモデルとして紹介した り,称賛したりする。 ○○さんたちの話合い方を見てください。 「なぜなら~ です。 」ときちんと考えの理由を言って,同じ考えか違う 考えかを伝えることができていますね。 あのような話し方を すると分かりやすい な。私もやってみよう。 ② 考えを分類する話合い が徐々にできるようにし ていくための手立て。 物語のしかけを板書上で分類する活動を設定 し,仲間分けの理由を引き出しながら意見をつな ぐようにする。 なぜ, 「宇佐見」と「美月」を 同じ仲間にしたのですか? なぜなら,どちらとも 名前だからです。 授業をふりかえって… ○ 発問が子どもの実態や理解度に応じ切れていなかったため,考えを十分に高め合う ことができていなかった。言葉の吟味や考えの見つめ直しにつなげ,考えを高め合え るように発問を工夫し,子どもの姿を基にその有効性を検証していく必要がある。 ○ 互いの共通点や相違点についてより深く追究して考えを高め合うまでには,子ども の話し合う力を高められていないことが分かった。めざす話合いの姿に近付けるよう にするために,特に,考えの違いに着目して何がどのように違うかを吟味する話合い ができるように指導していく必要がある。 御意見・御質問はこちら(研究部アドレス) [email protected] 授業実践計画 ○ 指導計画(11 時間) ⑴ ⑵ 単元のゴールを基に単元のめあてを設定し,学習計画を立てる。 2時間【関・意・態】 出来事を確かめたり人物像を想像したりして,物語のしかけを見付ける。 6時間 ・ 物語の中の出来事( 「ゆうすげ村の小さな旅館」→自分で選んだ物語) ・・・2【読】【言】 ・ 登場人物の人物像( 「ゆうすげ村の小さな旅館」→自分で選んだ物語) ・・・2【読】 【言】 ・ 物語のしかけ(「ゆうすげ村の小さな旅館」→自分で選んだ物語) ・・・・・2(本時1/2)【読】 【言】 ⑶ 「物語のしかけパンフレット」をつくり,物語を紹介し合う。 3時間【関・意・態】【読】【言】 ○ 本時の目標 人物像や出来事を表す叙述を基に美月がウサギであることが分かるような物語のしかけを見付け,物語のしかけを見付け るための視点を明らかにすることができる。 ○ 指導過程 「◎」は研究内容にかかわる中心となる手立て 学習活動及び学習内容 1 本時学習について確認する。 ○ 単元のゴールと本時学習とのつながり ○ 本時のめあて 教師のかかわり ○ 教師自作の「物語のしかけパンフレット」を提示し,本時 に学習することを確認できるようにすることで,物語のしか けを見付けてそのこつを考えるという学習の必要性をもつ ことができるようにする。 「物語のしかけパンフレット」をつくるため に,物語のしかけを見つけるこつを考えよう。 2 本時学習の見通しをもつ。 ○ 学習の範囲 P56ℓ1~P66ℓ7 ○ 学習の視点 ・ 美月がウサギだと分かる言葉や文: 【たどる】 3 人物像や出来事を表す叙述を基に美月がウサギだと分 かる物語のしかけを探す。 ○ 美月がウサギだと分かる言葉や文とその理由 ・「宇佐見」「美月」という名前 →ウサギにつながる名前だから。 ・「色白」「ぽっちゃりとした」 →ウサギの見た目を表しているから。 ・ウサギダイコンを食べると耳がよくなる。 →ウサギは耳がよいから。 等 4 見付けたしかけを分類し,物語のしかけについてとら える。 ○ 見付けたしかけの分類 ・「宇佐見」「美月」…登場人物の名前 ・「色白の」「ぽっちゃりとした」…登場人物の特徴 ・「ウサギダイコン」…物語に出てくる物 ・「くるくると」「さっさと」…動作,行動 等 5 本時学習をふりかえる。 ○ 学習内容のまとめ 登場人物の名前や見た目,行動の様子,出てく る物,出来事に気をつけて読むと物語のしかけを 見つけることができる。 ○ ○ ○ 「そういうことだったの…。」(P65ℓ4)が指す内容を確認 することで,物語のしかけを見付けるために美月がウサギだ と分かる言葉をたどっていけばよいことを確かめ,学習の見 通しをもてるようにする。 ◎ 名前や容姿の特徴に関するしかけを見付けた子どもには, 人物像や出来事をまとめた掲示物を示して,他にはないかと 個別に発問することで,名前や容姿以外の叙述からも見付け られるようにする。 ◎ しかけをなかなか見付けられない子どもには, 「なぜ, 『宇 佐見』なんだろうね。」や「美月はどのような人だったかな。」 等,物語のしかけにつながる具体的な発問を個別に行い,見 付けられるようにする。 ◎ 「私もそれがしかけだと思う。なぜなら○○だから。」や 「それはしかけではないと思う。なぜなら○○だから。」と いった発言を称賛し,根拠を基に共通点や相違点を明らかに して話し合えるようにする。 ◎ 見付けたしかけを板書上で分類する活動を設定し,ペアで 話し合わせたり,仲間分けの理由を引き出しながら意見をつ ないだりすることで,考えを分類する話合いが少しずつでき ていくようにする。 ○ 「どのような言葉や文に気を付けて読めば物語のしかけを 見付けられるのだろう。」と発問することで,見付けたしか けを基にして着目すべき叙述について考えることができる ようにする。 ○ 板書を基に「物語のしかけ」を見付ける際の視点を確かめ るようにすることで,自分で選んだ物語を読むことに生かす ことができるようにする。 ことばの力を基にしたふりかえり 本時でめざす子どもの姿 美月がウサギだと分かるしかけは,名前や登場人物の見た目の他にも,物や登場人物の行動,出来事 にも隠されているんだね。自分で選んだ物語も,そのような言葉や文に気を付けながら読んで,物語の しかけを見付けよう。 【読むこと】