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表紙 - Morningstar

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表紙 - Morningstar
EDINET提出書類
ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー(E05915)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】
有価証券報告書
【根拠条文】
金融商品取引法第24条1項
【提出先】
関東財務局長
【提出日】
平成23年3月31日
【事業年度】
2010年度(自 2009年10月1日 至 2010年9月30日)
【会社名】
ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー
(Becton, Dickinson and Company)
【代表者の役職氏名】
執行副社長兼最高財務責任者デビッド・V・エルキンス
(David V. Elkins, Executive Vice President and Chief Financial
Officer)
【本店の所在の場所】
米国、07417-1880 ニュージャージー州、フランクリン・レイクス、ベクト
ン・ドライブ1
(1 Becton Drive, Franklin Lakes, NJ 07417-1880, USA)
【代理人の氏名又は名称】
法務部長 髙山一三
【代理人の住所又は所在地】東京都港区赤坂4丁目15番1号
日本ベクトン・ディッキンソン株式会社
【電話番号】
03-6234-5430
【事務連絡者氏名】
濱野有子
【連絡場所】
東京都港区赤坂4丁目15番1号
日本ベクトン・ディッキンソン株式会社
【電話番号】
03-6234-5430
【縦覧に供する場所】
該当事項なし
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ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー(E05915)
有価証券報告書
本有価証券報告書(以下、「本書」という。)において、「ベクトン・ディッキンソン」、「BD」、「会社」ま
たは「当社」とは、ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー、または、ベクトン・ディッキンソン・ア
ンド・カンパニー及びその子会社を集合的に指す。
本書において、「ドル」、「米ドル」、「US$」及び「$」は、米国の通貨をいい、「円」及び「¥」は、日本
の通貨をいう。
便宜上、本書において円で表示されている金額は、2011年1月31日現在の東京外国為替市場における対顧客電
信直物売買相場仲値、1米ドル=82.13円の為替レートで換算された金額である。
円または米ドルによる額が四捨五入されている場合には、本書中の表における合計額は、当該合計額を算出す
る欄の額の合計額と一致しない場合がある。
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第一部【企業情報】
第1【本国における法制等の概要】
1【会社制度等の概要】
(1)【提出会社の属する国・州等における会社制度】
ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー(以下「当社」という。)は、1906年11月13日付
で、ニュージャージー州の法律に基づき設立された法人である。
当社の内部運営については、ニュージャージー会社法(以下「会社法」という。)を主要準拠法と
する。
当社の事業及び金融業務並びに株主総会等に関する情報開示については、当社は、当社の発行済証
券がニューヨーク証券取引所に上場されている限りにおいて、アメリカ合衆国の証券取引委員会
(以下「証券取引委員会」という。)及びかかる証券取引所の規則に服する。また、当社の株式の譲
渡については、アメリカ合衆国の関連する州の現行の統一商法典の特定の規定が適用される。
以下に、当社に適用される当該会社法の特定の規定の概要を掲げる。当該会社法上、かかる規定の
一部の適用は、会社の基本定款又は付属定款の規定によって修正することができる。かかる事項が
当社に該当する限りにおいて、下記の(2)項(「提出会社の定款等に規定する制度」)において説
明が行われる。
会社業務の範囲
基本定款に別段の定めのない限り、会社法上、事業会社の存続期間は永久的であり、会社は通常、基
本定款に定める会社目的を促進するすべての適法な事業活動に従事することができる。
基本定款及び付属定款
a.基本定款
事業会社は、存続期間、会社目的並びに授権株式の数及び種別を含め、一定の基本的な事項につ
いて基本定款に定めることを義務づけられている。会社が選択した場合は、基本定款に他の多数
の事項を追加することができる。基本定款の改訂は通常、改訂部分のみを示した「改訂書」に
よって行われる。大幅な改訂については、ほとんどの場合、株主の承認を要する。ただし、取締役会
は、適宜、それまで別冊となっていた改訂書と基本定款を1冊の最新版に合体して「改訂定款」
とすることができる。
b.付属定款
会社は、基本定款の他に、付属定款の採択も義務づけられており、付属定款には会社の事業行為、
並びに株主、取締役及び役員の権利、権能、義務及び機能に関して所期の規定をすべて定めること
ができる。ただし、かかる規定は基本定款及び適用ある法律の規定に則していなければならない。
株主総会
a.定時総会及び臨時総会
定時株主総会は、毎年、付属定款に明示的に定める期日に開催しなければならない。また、臨時株
主総会は、社長若しくは取締役会又は基本定款若しくは付属定款に明示的に定める他の役員、取
締役又は株主により適宜開催することができる。株主総会は、ニュージャージー州に置かれてい
る会社の登記上の事務所、又は付属定款が規定し若しくは認めている他の場所のいずれかにおい
て開催することができる。会社は、総会開催前の10日乃至60日の期間内に開催通知をすべての株
主に送付しなければならない。株主総会に関する通知にはすべて、かかる総会の目的を記載しな
ければならない。
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b.議決権を行使することができる株主
所定の株主総会において議決権を行使することができる株主を決定する目的上、会社は、付属定
款において又は(かかる規定が存在しない場合には)取締役会の決議により、かかる総会の10日
乃至60日前の期間内で基準日を指定することができる。かかる基準日現在の株主名簿上の株主が
議決権を有する。かかる基準日が明示的に定められていない場合、株主総会の通知日直前の営業
日終了時点での株主名簿上の株主、又は通知が行われない場合には、株主総会の開催日の前々日
現在の株主名簿上の株主が議決権を有する。以下に詳細に言及するとおり、基本定款に別段の定
めのない限り、議決権付株式一株につき一議決権が付与される。
c.定足数
株主総会において過半数の議決権を有する株主が自ら出席し又は代理人により出席することを
もって法定の株主総会定足数とする。ただし、種類ごとの投票が要求される事項については、当該
各種類株につき過半数の議決権を有する株主の出席が必要となる。一定限度内であれば、定足数
の要件は、基本定款によって変更することができる。会社保有の株式は議決権を有しておらず、定
足数要件及び当該要件が満たされているか否かを判断する際には考慮されない。
d.議決権
基本定款に別段の定めのない限り、ニュージャージー州の法律は、各株主は保有株式と同数の議
決権を有する旨を定めている。
e.株主の承認を要する事項
以下の事項は、株主の議決による決定又は承認を要する。
(ⅰ)基本定款または付属定款に別段の定めがある場合を除き、取締役は、定足数を構成する株
主が投じる過半数票によって選任される。基本定款に明示的な定めのない限り累積投票は採
用されないため、かかる明示的な定めがない場合には、議決権付株式の50パーセント超の保
有者が、当該時点で立候補している会社の取締役全員を選任することが可能である。
(ⅱ)基本定款に別段の定めのない限り、1968年以前に設立された会社の場合、基本定款のほと
んどの改訂は、当該改訂につき議決権付きの発行済株式の3分の2の保有者の承認を必要と
する。
(ⅲ)基本定款又は付属定款によりより多くの票が必要とされる場合を除き、付属定款の改訂
は、取締役の選任に際して議決権を有し、かつ定足数を構成する株主が投じる過半数票によ
り承認される。また、基本定款に別段の定めがある場合を除き、取締役会によって付属定款が
作成、改訂、又は廃止される。ただし、そのようにして採択された付属定款は株主により改訂
又は廃止され得る。
(ⅳ)1968年以前に設立された会社が当事者となっている合併又は統合案件については、かかる
事項について議決権を有するすべての発行済株式の3分の2の保有者の承認を要する。当該
会社が合併又は統合の結果存続会社となる一定の場合には、株主の承認は必要とされない。
(ⅴ)会社の資産の全部又は実質的に全部の通常の業務外における売却、リースその他処分、及
び会社の任意解散については、合併の場合と同程度の株主の承認を要する。
(ⅵ)直接的又は間接的に事業利益の促進につながらないニュージャージー州法人による保証
については、総会に出席しているすべての株主の満場一致票によって承認された場合にのみ
行うことができる。
(ⅶ)会社による買収については、かかる取引の実行により議決権付株式又は配当を受ける権利
を有する株式の合計数が40%以上増加する場合には、ニュージャージー法は、合併に関する
上記の場合同様、かかる行為を承認する権利を存続会社の株主に付与している。
ニュージャージー州においては、3分の2の議決を要する上記の(ⅱ)項(ⅳ)項及び
(ⅴ)項に掲げる事例は、1969年以降に設立された会社については改訂されていることに留意
されたい。かかる会社については、過半数株式の保有者の賛成票があれば十分である。
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f.種類株議決
株主決議に関する前述の一般規則にもかかわらず、会社が複数の種類株を発行した場合であっ
て、基本定款に定めのあるときには、一つの種類株を除くすべての種類の議決権は制限され、事業
取引に関する決議に際してはいかなる種類の種類株も同列に議決権を認められる。基本定款の改
訂、合併若しくは統合案件、一定の状況下における株主による取締役解任、その他一定の行為につ
いて、それらの行為が一又は複数の種類株の権利を制限し、又は悪影響を及ぼし得る場合には、か
かる種類株決議が行われる旨が法令により定められている。
取締役及び取締役会
会社の取締役は、集合体として取締役会を構成する。取締役会は、上述の必要とされる株主の承認
に服することを前提として、会社の事業運営について指図する責任を負い、権限を有する。
a.員数
ニュージャージー事業会社の取締役会は、一又は複数の取締役で構成され、最低員数又は最大員
数については付属定款に定める。
b.選任
取締役は定時株主総会において選任される。基本定款には、複数の種類の株式に対して又、一定
の指定された事項が発生した場合には、いかなる種類の株式に対しても取締役選任の権利を配分
する旨を定めることができる。社債保有者の議決権についても、基本定款に定めることができる。
c.任期
取締役の任期は、選任が行われた株主総会から次の定時株主総会までとする。ただし、基本定款
に定めのある場合、取締役を複数のクラスに分割し、かかる各クラスの任期満了時期を同時にす
るのではなく、順次開催される定時株主総会ごととすることができる(「クラス別取締役
会」)。かかる場合、取締役の任期は1年乃至5年とする。
d.欠員
随時発生する取締役会の欠員は、ほとんどの場合、当該時点で在任している取締役の過半数票に
よる任命をもって補充することができる。ただし、基本定款又は付属定款により、株主による選任
が要求されることがある。
e.解任
取締役は、正当な事由がある場合、株主によって採択された基本定款又は付属定款に定めのある
場合には取締役会により、これを解任することができる。基本定款に別段の定めのない限り、クラ
ス別取締役会の場合を除き、取締役は、正当な事由なく、株主の議決によって(種類株議決要件が
ある場合にはこれを適切に適用した上で)解任することができる。
f.定足数
基本定款又は付属定款に異なる比率が定められていない限り、若しくはより大きな比率が定め
られていない限り、法令により、取締役会又は委員会全体の議決権の過半数を有する取締役を
もって取締役会又は委員会の定足数とし、取締役会又は委員会による決定は出席取締役の過半数
票により行う。基本定款又は付属定款により制限されていない限り、取締役会若しくは取締役会
の委員会によって行うことが要求され、又は認められている決定は、取締役会又は委員会のすべ
ての構成員がかかる決定を承認する決議の採択につき書面にて承諾した場合、会合を開催するこ
となく行うことができる。
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g.委員会
基本定款又は付属定款に定めのある場合、取締役会は、一又は複数の取締役で構成される執行委
員会その他の委員会にその権限を委任することができる。ただし、かかる委任には、事案を株主の
議決に付し、付属定款を作成し、改訂し若しくは廃止し、取締役を選任若しくは任命し、役員若し
くは取締役を解任し、又は一定の他の事項につき決議する権限は含まれないことがある。
h.会社と取締役の間の取引
会社と取締役会の構成員との間の取引、又は会社とかかる構成員が取締役を務めその他利害関
係を有する別の法人との間の取引はいずれも、以下の事項が該当する場合に限り無効ではなく、
また無効とすることはできない。(a)かかる取引が、許可された時点で会社にとり公正かつ妥当
であること、又は(b)かかる構成員の関係若しくは利害関係が関連する機関にすべて開示された
後に、取引が(1)取締役会若しくは当該委員会の利害関係のない構成員によって承認され、若し
くは(2)株主によって承認されること。
i.義務及び責任
職務遂行に当たっての会社に対する取締役の基本的、一般的な責務は、誠実であること、並びに
同様の立場にある通常慎重に行動する者が同様の状況において示すであろうと考えられる忠実
さ、慎重さ及び技術をもって行動することである。かかる責務に違反した場合、当該取締役はその
ために会社に生じた損害につき賠償責任を負うことがある。ただし、誠実に行動する取締役は、そ
の責務履行に当たり、会社の役員若しくは委員会、又は独立の会計士及び法律顧問によって提供
された一定の情報に依拠することができる。
法律で明示的に定められている一定の区分の取引を会社が締結することを決議し又は承認した
取締役は、前述の一般的責務と同時に、会社又はその債権者若しくは株主がかかる取引について
被った損害についても賠償責任を負う。かかる取引には、不適切な配当その他の分配(以下の説
明を参照のこと)の宣言、会社の自己株式の不適切な取得、解散若しくは清算の際の配分であっ
て、債権者の権利に悪影響を及ぼすもの又は費用に充当するに十分な額を用意せずに行われたも
の、及び取締役に対する貸付が含まれる。ただし、いかなる取締役も、状況に照らして会社に対す
る誠実及び忠実に関する一般的な義務を免除されると判断された場合には、ニュージャージー州
法上、責任を回避することができる。また、該当する事案の場合には、会社資産の不法な処分を防
止する差し止め命令による救済がなされることがある。
ニュージャージー法人の取締役は、以下の「責任の制限並びに取締役及び役員に対する会社の
補償」の項で説明する損害賠償責任及び補償に関する特別例外規定の適用を受けることができ
る。
役員
a.任命
会社法は、取締役会が社長、秘書役及び財務役、並びに付属定款に定める他の役員を任命する旨
を定めている。役員が取締役を兼任すべきとする規定はなく、一人の者が複数の役職を兼任する
ことができる。付属定款において、株主による役員選任について定めることができる。
b.解任
取締役会によって任命された役員は、正当な事由の有無にかかわらず、取締役会が随時解任する
ことができる。ただし、正当な事由なく役員を解任した場合であって、かかる解任が雇用契約に違
反し、又は雇用差別を禁じる適用ある法律に抵触するときは、当該役員に会社に対する損害賠償
の請求権が発生することがある。株主によって選任された役員の解任は、正当な事由の有無にか
かわらず、株主のみが行うことができる。ただし、正当な事由がある場合には、取締役会は当該役
員を停職処分に付すことができる。
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c.権限
役員は、会社に、第三者に対する義務を発生させる権限については、取締役会若しくは付属定款
によって実際に付与され、又は状況により黙示的に示され若しくは明らかな場合に限りこれを有
する。会社の内部事項については、役員は、取締役会又は付属定款によって実際に付与された権限
を有する。役員への権限の付与は、一般的であるか、又は特定の事項に限定されているかを問わな
い。
d.義務及び責任
役員は、取締役と同様の誠実及び忠実義務を当社に対して負うと共に、かかる義務に違反した場
合、又は会社の事業運営若しくは資産の処分に関する義務を怠り、これに不履行があり、若しくは
違反した場合にも、損害賠償責任を負う。役員はまた、以下に定める特別免責規定の適用を受ける
ことができる。かかる規定は、役員の損害賠償責任及び補償につき基本定款に含めることが認め
られている。
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責任の制限並びに取締役及び役員に対する会社の補償
ニュージャージー州法は、(1)忠実義務に違反し、(2)不誠実であり若しくは故意に法律に違反
し、又は(3)不適切に個人的便益を受領することになる、行為及び不作為による損害を除き、いかな
る義務違反に関する損害についても、会社若しくは株主に対する役員又は取締役の損害賠償責任を
制限又は免除する旨を基本定款に定めることを認めている。また、ニュージャージー州法は、会社
は、訴訟手続に伴う費用について、代理人が本案訴訟その他において成功を収めた場合には、かかる
代理人にこれを補償しなければならない旨を定めている。
一定の制限の下で、ニュージャージー州法はさらに、基本定款又は付属定款において、(1)かかる
代理人が誠実に、会社の最善の利益に資し、これと相反しないと合理的に判断される方法で活動し
ており、かつ(2)刑事事案については、かかる代理人が自己の行為が違法であると考える合理的な
事由を一切有さない場合に限って、代理人に対する補償についてより一層広範な補償規定を置くこ
とができる旨を定めている。
会社財務及び株式に関する事項
a.株式種別
会社は、基本定款によって許可されている範囲内において株式を発行することができる。基本定
款に定めがある場合、かかる授権株式は、各種類又はシリーズに分類することができる。かかる種
類又はシリーズには(1)額面及び無額面株式の種類、(2)優先株式、(3)償還株式、及び(4)転換
権付株式が含まれる。基本定款に別段の定めがある場合を除き、会社は株式に転換可能な社債も
発行することができる。
基本定款において株主に約束されていない限り、株式について受領される対価は取締役会の決
定によるものとし、株式について受領される対価の額に関する取締役会(又は場合に応じて株
主)の誠実な判断を最終的なものとする。
b.権利及びオプション
株式自体の発行の他に、ただし基本定款の条項に服することを前提として、会社は、明示的に定
められた条項及び条件に基づいて会社から株式を購入する権限が保有者に付与される権利又は
オプションを発行することができる。かかる権利の発行は、株式の発行に伴って、又はこれとは別
途行うことができる。基本定款に別段の規定のない限り、取締役会は、かかる権利又はオプション
の条項及び条件を定める権限を有するものとし、かかる権利又はオプションについて受領される
対価が十分なものか否かについては取締役会が誠実に判断したところを最終決定とする。
c.自己株式
会社の付属定款に別段の定めがある場合又は取締役会が別途定める場合を除き、償還株式の購
入又は償還によって会社が取得した会社株式は、金庫株として保有されるか又は消却され、定款
に別段の定めのある場合を除き、授権未発行株式の状態に戻される。
d.株券
ニュージャージー州法上、会社の株式は、株券によって表象することも、無株券とすることもで
きる。会社が複数の種類の株式を発行している場合、有株券株式には、かかる種類の指定、関連す
る権利、優先権及び制限内容を含む一定の事項の詳細を記載しなければならない。かかる情報は、
無株券株式の株主名簿上の保有者に対し、かかる株式の発行後合理的な期間内に書面にて通知さ
れなければならない。
e.財務諸表
ニューヨーク証券取引所に上場されている会社は、会計記録、並びに財務状況及び業績の定期報
告に関するニューヨーク証券取引所及び証券取引委員会の要件を遵守しなければならない。かか
る要件には、収益に関する未監査情報を四半期毎に証券取引委員会に提出すること、並びに独立
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の公認会計士によって証明された監査済年次報告書を株主及び証券取引委員会に提出すること
が含まれる。借り入れその他一定の取引については、証券取引委員会に別途報告書が提出される。
かかる財務諸表はすべて、財務会計基準審議会、その前身組織、公認会計士全米協会会計基準委員
会の見解に定められている、米国において一般に公正妥当と認められている会計原則その他証券
取引委員会によって承認された基準に従って作成されている。
個人株主又は少数株主の権利
a.配当
配当その他の分配(当社による金員その他の資産(自己株式を除く)の直接又は間接の譲渡、
又は会社が株主の利益のためにする株式に関する債務の引き受けが含まれる)は、取締役会が決
定した時期及び額にて支払われる。ただし、基本定款に定める制限、及び分配を行ったならば会社
が法律に定める支払不能要件のいずれかを満たすことになる場合には分配を行うことができな
いこととする。
所定の配当を受領する権利を有する株主を決定する目的上、ニュージャージー州法では、会社
は、付属定款において又は取締役会の決議により、配当の支払日までの60日以内の期間で基準日
を指定することができる。(ニューヨーク証券取引所の規則は、当社を含め、当該証券取引所に上
場している会社は、宣言日と基準日の間を最低10日以上開けることも要求している。)かかる基
準日現在の株主名簿上の株主は、配当を受領する権利を有する。かかる基準日が明示的に定めら
れていない場合には、配当を受領する権利を有する者は、取締役会が配当を宣言する決議を採択
した営業日の終了時現在の株主名簿上の株主とする。
b.新株引受権
1968年以前に設立された会社の株主は、株主によって採択された基本定款又は付属定款に新株
引受権が存在しない旨の明示的な規定が置かれていない限り、新規発行株式を引き受ける権利を
付与される。1969年1月1日以降に設立された会社の株主は、基本定款に別段の定めのない限り、
新株引受権を付与されない。
c.議決権契約及び信託
議決権行使の方法に関する株主間の書面による契約は、ニュージャージー州法上、効力及び執行
力を有する。書面の契約によって設定された議決権信託も、21年(更新可能)以内であれば、
ニュージャージー州法上、効力及び執行力を有する。ただし、株式がニューヨーク証券取引所に上
場されている会社は、取引所規則により、通常かかる取り決めを締結することを禁じられている。
d.株主代表訴訟
取締役会が会社を代表して訴訟を提起することを断り、又はそのつもりがないと思われる場合、
会社の株主又は議決権信託証書の保有者は、かかる訴訟を提起することができる。一定の状況の
場合を除き、株主又は議決権信託証書の保有者は、かかる訴訟の原因となった取引時に株主又は
議決権信託証書の保有者であったことが要求される。かかる訴訟が少数株式の保有者によって提
起された場合、かかる保有者は、会社及び会社に対して報酬及び費用請求権を有する訴訟の被告
の合理的な報酬及び費用(弁護士報酬を含む)額に見合った担保差し入れを要求されることが
ある。
e.意見を異にする株主の株式買取要求権
合併若しくは結合、又は通常の業務外での会社資産の全部若しくは実質的に全部の売却、リース
その他の処分が提案されたときにはほとんどの場合(かかる提案については上述のとおり株主
の承認を要する)、かかる提案に反対する株主は、所定の手続に従った上で、自己の株式を公正価
額で買い取ることを会社に要求することができる。ただし、基本定款に別段の定めのない限り、
(a)全米証券取引所に上場され、若しくは株主名簿上1,000人以上の保有者によって保有されて
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いる株式、又は(b)異議申立のあった取引に基づき、かかる株主が(1)現金、(2)全米証券取引所
に上場され、若しくは1,000以上の保有者によって保有されている証券、若しくは(3)前記の組み
合わせ、を引き替えに受領する場合、については、買取代金を要求するかかる権利は行使できな
い。
f.株主名簿等の閲覧権
6ヶ月以上株主名簿上の株主であった者、又は株主名簿上いかなる種類についても発行済株式
の合計5パーセント以上を保有する者は、当社に5日前に書面で通知した上で、適正な目的の為
に、会社の事務所において、会社の株主に関するすべての手続の議事録及び当社の株主名簿を閲
覧し、抜粋を作成する権利を有する。
g.財務諸表を受領する権利
いかなる株主も、前会計年度末現在の貸借対照表、並びに前会計年度の損益計算書及び剰余金計
算書の写しの提出を会社に随時要求することができる。
(2)【提出会社の定款等に規定する制度】
当社の運営は、(1)2009年2月3日付改訂基本定款(以下「基本定款」という。)、及び(2)2010
年2月2日付の改訂を含む当社の付属定款(以下「付属定款」という。)で構成されるその設立書
類に従って行われる。
基本定款
a.目的
当社は、基本定款に基づき、会社法上、会社が行うことが認められているいかなる活動も行う権
限を付与されている。
b.資本株式
基本定款により、額面1ドルの普通株式6億4千万株(以下「普通株式」という。)、及び同様
に額面1ドルの優先株式50万株の発行を授権されている。取締役会は、株式発行を承認し、株式の
シリーズ、権利、優先及び制限について決定する権限を付与されている。また、基本定款は、当社に
よる株式発行については、いかなる株主も新株引受権を有していない旨を定めている。
現在、基本定款は、普通株式の他に、二のシリーズの優先株式に関する権利及び優先権について
定めている。基本定款は、額面1ドルのシリーズA優先株式(以下「シリーズA優先株式」とい
う。)を取締役会が決定する合計数発行することについても定めている。シリーズA優先株式の
条件については、以下に掲げる「当社の優先株式購入権」の項に詳細に説明されている。基本定
款は、額面1ドルのシリーズB従業員持株制度転換優先株式(以下、「シリーズB優先株式」と
いう。)1,016,949株までについて、権利の区分及び優先権について定めている。シリーズB優先
株式の株主名簿上の保有者は、普通株式に転換される前までは、当社の貯蓄奨励プラン(以下
「貯蓄プラン」という。)の一環である従業員持株制度の受託者ステート・ストリート・バンク
・アンド・トラスト・カンパニー(以下「従業員持株制度受託者」という。)であった。
c.取締役会
2009年の定時株主総会において株主により基本定款の変更が承認され、取締役会のクラス分け
が廃止された。
基本定款は、取締役会を3名乃至21名の取締役とし、正確な員数は取締役会全体の過半数票によ
り決定される旨を定めている。現在、当社の取締役会は13名である。各取締役は1年任期で毎年改
選され、後任者が選任され、適格となるまで在任する。
基本定款は、正当な事由がある場合には取締役を解任し、正当な事由の有無を決定するまでの間
取締役を停職処分とする権限を取締役会に付与している。
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d.特別議決権
当社の基本定款は、当社及び当社の議決権付株式を10%以上保有する実質的所有者が当事者と
なっている一定の企業結合については、所定の「公正価格」その他の条件を満たすか、又は当社
の発行済議決権付株式の保有者の80%若しくは当社の「存続取締役」の3分の2の承認を得な
ければならない旨を定めている。本規定により、他の株主が当社の支配権を掌握する目論見を防
止し、当社の経営陣の解任をいっそう困難にすることができる。
e.責任の制限
会社法により認められ、上記に説明されているとおり、基本定款は、会社法によって引き続き認
められる限りにおいて、役員及び取締役は、(a)かかる者の忠実義務に違反し、(b)不誠実であり
若しくは故意に法律に違反し、又は(c)不適切な私的便益を得る結果となる、行為又は不作為を
除き、いかなる義務違反についても当社又は株主に対して個人的に責任を負わない。基本定款は、
取締役及び役員の責任をさらに制限する改訂が会社法に加えられた場合、当該規定はかかる責任
をさらに制限するべく自動的に修正される旨を定めている。
付属定款
a.株主総会
付属定款は、株主総会は、取締役会が指定する場所で開催される旨を定めている。臨時株主総会
は、取締役会、取締役会会長、最高経営責任者又は社長が招集することができ、当該時点で在任し
ている取締役の過半数の要請があった場合は、会長、最高経営責任者又は社長が、発行済株式の
25%超を保有する登録株主の要請があった場合は秘書役が、招集するものとする。(a)招集通知
に記載されなかった議事、(b)その他取締役会に適切に上程されなかった議事、又は(c)付属定
款に掲げる要件を満たしかつ付属定款に掲げる通知その他の手続を遵守した当社の株主により
株主総会に適切に上程されなかった議事、については定時株主総会で討議されない。
b.定足数
付属定款に基づき、株主総会で行使できる議決権の過半数を表象する株式の保有者をもって定
足数とする。
c.議決権
基本定款に別段の定めのある場合を除き、議決に付される事項(取締役の選任を除く。)は、株
主総会で行使される議決権の過半数をもって承認される。各株主は、議決権を有しかつ自己の名
義で登録されている各株式につき一議決権を行使することができる。基本定款又は付属定款のい
ずれも、累積投票については定めていない。
d.取締役
付属定款は、当社の取締役は、21歳以上でなければならない旨を定めている。当該時点で在任中
の取締役の過半数をもって取締役会の定足数とし、法律又は基本定款により高い比率が必要とさ
れる場合を除き、取締役会に上程された事項はすべて出席者の過半数票をもって決定される。
e.委員会
付属定款は、取締役会の五つの委員会を列挙しており、さらに委員会を設置する権限を取締役会
に付与している。委員会は、取締役会の決議によって付与されたすべての権限を行使することを
認められている。ただし、いかなる委員会も以下に掲げる行為(委員会に委任することが法律に
より禁じられている上述の行為が含まれる)は行うことは認められていない。(1)当社の付属定
款の作成、変更若しくは廃止、(2)取締役の選任、任命若しくは解任、若しくは会社役員の選任、任
命若しくは解任、(3)株主の承認を要する事項の株主への上程、(4)取締役会によって採択され
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た決議であって、取締役会のみが修正若しくは廃止することができる旨が付属定款により定めら
れているものの修正若しくは廃止、(5)取締役会によって任命された他の委員会に割り当てられ
た事項について行為すること、(6)授権未発行株式につき配当の宣言若しくは支払、若しくは追
加発行を行うこと、又は(7)取締役会によって任命された委員会についてこれを設置し、解散し、
若しくは欠員を補充すること。
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以下に当社の付属定款に定める委員会の概略及びかかる各委員会の責任分担の要約を掲げる。
委員会の名称
委員の数
責任分担
執行委員会
3名以上とする
取締役会会合が開催されていない期間の当社の
管理・運営。
監査委員会
3名以上とする
(1)財務諸表及び会計原則、独立の登録された
(1)現在6名
公認会計事務所(「独立監査人」)による年次
監査の範囲と結果、内部監査手続、財務報告に関
する社内管理の有効性について検討し、(2)独
立監査人への業務委託並びにその適格性、独立
性及び職務履行状況の審査を行い、(3)内部監
査機能の履行状況及び特定の法令規則要件の遵
守状況を監督する。
報酬及び年金委員会
3名以上とする
(1)最高経営責任者及び他の執行役員の報酬に
(2)現在6名
ついて監督し、(2)株式報酬制度の付与・管理
委員会としての役割を果たし、(3)一定の福利
厚生制度の運営を監督する。
会社学術業務委員会
3名以上とする
全般的な企業戦略を背景にした当社の技術革新
現在7名
戦略及び達成目標の検討・監視を行う。進行中
および計画中の新製品および新事業(外部との
協力やその他の投資を含む)に関する主要な研
究開発活動の進捗、成果及び有効性について検
討・監視を行う。
コーポレートガバナ
3名以上とする
(1)取締役候補者を取締役会に推薦し、(2)取
ンス及び指名委員会
現在6名
締役会及びその委員会の構成、組織、機構及び機
能、並びに経営に携わらない取締役の職務履行
状況及び報酬を査定し、(3)コーポレートガバ
ナンス慣行及び取締役会の慣行を監視する。
注記
(1)現従業員及び前従業員は監査委員会の委員を務めることを認められていない。
(2)各委員は、1934年証券取引法に基づくルール16b−3(b)(3)に定義する「非従業員取締役」でなければな
らない。
f.役員
また、付属定款は、当社の役員には、取締役会会長、社長、一又は複数の執行副社長、一又は複数の
上席副社長、一又は複数の副社長、監査役、財務役、秘書役その他取締役会が選任する役員が含ま
れる旨を定めている。取締役会は、社長、財務役及び秘書役を除き、これらすべての役職の欠員を
補充する義務を負わない。一の者が複数の役職を兼任することもできる。取締役会会長又は社長
兼最高経営責任者の任命には、取締役会の過半数を要する。
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各役員は、取締役会によって割り当てられた自己の義務を遂行する責任を負う。また、以下に当
社の付属定款に明示的に定める役員の責務の概要を掲げる。
役員
責務
最高経営責任者
当社の事業及び業務について責任を負い、取締役会に
すべて報告する。
取締役会会長
すべての取締役会会合及び株主総会の議長を務める。
社長
法律・付属定款が定め、または取締役会・最高経営責
任者が与える職責を担う。
財務役
当社の資金及び証券の管理並びに保管。銀行関係の維
持、並びに与信及び債権回収方針の実施。
秘書役
すべての取締役会会合及び株主総会に出席し、議事を
議事録に記録する。かかるすべての会合の開催通知の
送付、及び会社印の保管につき責任を負う。
g.資本株式
付属定款は、当社の株式をすべて有株券株式とする旨を定めている。
h.配当
法律によって課せられる制約及び制限に従うことを前提として、取締役会はその絶対的な裁量
にて決定し、指定した時期及び額で配当の宣言及び支払いを行うことができる。
i.署名
別段の定めのない限り、最高経営責任者、社長、又は執行副社長、上席副社長、ビジネス・セグメ
ントまたは地域の社長、副社長、監査役若しくは財務役のいずれも、当社を代表して契約に署名す
ることができる。ただし、通常の業務の範囲外の契約については、取締役会が包括的に又は個別に
権限を付与するものとする。
j.会計年度
当社の会計年度は毎年10月1日から翌年9月30日までとする。
k.利害関係を有する者との取引
当社は、取締役又は役員が利害関係を有する取引を行うことを認められている。ただし、(1)か
かる者が利害関係を有する事実が取締役会の過半数に開示され、又は認識されており、かつ(2)
かかる取引が利害関係を有さない取締役の少なくとも過半数の賛成票をもって承認されている
ことを条件とする。
l.免責
付属定款は、会社法により認められ又は許容される最大の範囲で当社が役員及び取締役を免責
することを規定している。
m.修正
すべての付属定款は、株主、又は取締役の過半数票により修正又は廃止することができる。ただ
し、株主は、付属定款を採択する決議の際に、かかる付属定款は、株主の決議によってのみ修正又
は廃止することができる旨を定めることができる。
2【外国為替管理制度】
米国には、日本の居住者による米国の会社の株式の購入、又は配当金若しくは残余財産分配金の日本への
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送金に影響する外国為替管理規制はない。
3【課税上の取り扱い】
(A)米国における課税上の取り扱い
本項は、当社の株式報酬制度に基づき付与されたストックオプションの行使による当社株式の購入並
びに当該株式の保有及び処分に伴う米国の所得税、贈与税、遺産税及び隔世譲渡税の取扱いについての
概要をまとめたものである。以下に示す情報は、現行規則に基づくものであり、適宜変更されることがあ
る。その場合、当社株式の購入、保有又は処分に関する課税上の取扱いは以下の説明と異なってくること
がある。本概要は以下の要件を満たす従業員にのみ該当する。①米国の市民又は居住者でない者(及び
以前米国の市民であった一定の者でない者又は長期間米国の居住者であった者でない者)(以下「非
米国市民」という。適用ある米国税法によって判断される。「米国居住者」の定義は、米国の所得税の目
的上と米国の贈与税、遺産税及び隔世譲渡税の目的上とでは異なる点に留意されたい。)で、かつ②米国
外で遂行された役務の報酬として、株式報酬制度に基づき権利を付与された者。本概要では、適用ある米
国の州若しくは地方の法律又は日本その他米国外の法域の法律が及ぼす影響については説明していな
い。
本項では、個々の従業員固有の状況に起因する米国の連邦税の取扱いについては取り上げていない。当
社の株式報酬制度に基づき付与されたオプションの行使により当社株式を購入することを検討してい
る従業員においては、米国の連邦所得税、贈与税、遺産税及び隔世譲渡税に関する法律が各自固有の状況
にどのように適用されるかについて、また他の外国又は米国の州若しくは地方の法律上の取扱いについ
て、自身の適格な米国の税務アドバイザーに相談することをおすすめする。
(1)米国における所得税の取扱い
ストックオプション行使時の所得税の取扱い
原則として、非米国市民は、米国を源泉とする一定の所得又は米国における営業若しくは事業の遂行
と実質的に関連を有する所得(以下「米国源泉所得」という。)についてのみ米国の連邦所得税を課
せられる。米国外で遂行された役務の報酬は、通常、国外源泉所得とみなされ、通常、米国の連邦所得税
の対象とならない。したがって、当社の株式報酬制度に基づき付与されたオプションの行使によって
当社株式を購入した従業員については、かかる購入が米国外で遂行された役務の報酬に該当する限り
において、基本的に米国の連邦所得税の対象とならない。
当社普通株式の配当に係る所得税の取扱い
米国の法人が日本に居住する非米国市民である株主に対して支払う配当には、通常30%の税率で米
国の連邦所得税が課せられるが、これは法人である支払者が源泉徴収を行うことによって徴収され
る。ただし、日米租税条約のもとでは、配当に係る源泉所得税率は通常10%に軽減される。このように
配当に係る源泉所得税について10%の軽減税率の適用を受ける権利を有することを示すためには、通
常、株主は、当社、支払代理人その他米国税法に定める源泉所得徴収代理人に所定の書式を提出するこ
とにより、非米国市民でありかつ日本の居住者であることを証明しなければならない。こうした規則
に基づき、従業員は、非米国市民でありかつ日本の居住者であることを示す所要の書類を提出するこ
とを前提として、当社の株式報酬制度に基づき付与されたオプションの行使により購入した当社株式
に係る配当について、源泉徴収により10%の税率で米国の連邦所得税を課せられる。
当社株式の売却その他の処分に係る収益の所得税の取扱い
通常、非米国市民でありかつ日本の居住者である従業員は当社の株式報酬制度に基づき付与された
オプションの行使によって購入した株式の売却、交換その他の処分に伴って実現した利益について
は、当該利益が米国における営業若しくは事業の遂行と実質的に関連を有する所得でない限り、米国
の連邦所得税は課せられない。
(2)米国における贈与税、遺産税及び隔世譲渡税の取扱い
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当社株式の生前贈与の贈与税の取扱い
当社の株式報酬制度に基づき付与されたオプションの行使によって従業員が購入した株式等の無形
資産の贈与は、非米国市民である従業員によるものについては米国の贈与税は課せられない。
当社株式の遺贈の贈与税の取扱い
一般的に、非米国市民である個人の遺産については、米国の連邦遺産税の対象となるのは米国内に所
在する資産のみである。当社は米国法人であるため、その普通株式は米国所在資産である。したがっ
て、従業員が当社の株式報酬制度に基づき付与されたオプションの行使により購入し、当該従業員に
より死亡時まで保有された株式は、当該従業員又はその相続人が非米国市民であっても、通常、米国の
遺産税の対象となる。
当社株式の譲渡の隔世譲渡税の取扱い
当社の株式報酬制度に基づき付与されたオプションの行使によって従業員が購入した当社株式の一
定の譲渡については、当該従業員よりも二世代以上後の者(孫、曾孫等)に対し直接又はかかる者を
受益者とする信託を通じて行われた場合、遺産税に加え、隔世譲渡税も課せられる。
(B)日本における課税上の取扱い
以下の当社株式の取得、保有、売却に係る日本における課税上の取扱いに関する記載は、平成22年9月
30日現在施行されている法令及び公布されている施行前の法令に基づくものである。当社株式の取得、
保有、売却に係る日本における課税上の取扱いは、同日後の法令の改正や確定判決により変更になる可
能性がある。実際の課税関係は、取引等の時期によりまた各人の事情によって異なる可能性があるため、
株主である当社日本子会社の従業員は、各自で税務の専門家に適宜相談することを強くお勧めする。
(1)当社株式の取得に関する課税関係
当社の日本子会社の従業員が、株式報酬制度に基づいて与えられた権利を行使することにより、時価
に比して有利な価額で当社の株式を取得する場合、当社株式の市場価格と有利な取得価額との差額に
相当する経済的利益の金額については、現在日本の課税庁は給与所得として区分し累進税率で課税し
ている。
外国法人からその子会社である日本法人の従業員に対して与えられたストックオプションの行使に
より生じた経済的利益の所得区分については、これまで地裁及び高裁レベルにおいて多数の争いがあ
り、その見解も統一されていなかったが、平成17年1月25日に初めて最高裁判所の判決が出され、外国
法人からその子会社である日本法人の従業員に対して与えられたストックオプションの権利行使に
より生じた経済的利益は給与所得に当たるとの判断がなされ、最高裁により課税庁の判断が支持され
た形となった。
(2)当社株式の配当に関する課税関係
日本居住者である個人株主が受取る当社株式の配当金は、日本の所得税法上、配当所得として区分さ
れる。配当所得は原則として総合課税の対象となり、日本居住者である個人株主は当該配当所得の金
額を他の所得と合算して確定申告し、所得税を納付する義務がある。なお、外国法人である当社株式の
配当金については、配当控除の規定の適用はない。当該配当金に対して課されたアメリカ合衆国の租
税がある場合には、一定の要件の下に、外国税額控除の適用が受けられる。
当社株式の配当金が日本国内における支払の取扱者を通じて支払われる場合には、国内における支
払の取扱者によって、国税・地方税合わせて20%の税率で所得税の源泉徴収が行われる。源泉徴収さ
れた所得税は、日本居住者である個人株主が確定申告により納付すべき所得税額から控除される。
上記にかかわらず、当社株式は金融商品取引法第2条第8項第3号ロに規定する外国証券市場にお
いて売買されている株式等に該当する。したがって、平成15年4月1日以降平成23年12月31日までの
間に、当社株式の配当が国内における支払の取扱者を通じて支払われる場合には、適用される源泉税
率が10%に軽減され、平成24年1月1日より20%が適用される。また、総合課税を別段選択しない限
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り、当社株式の配当について確定申告が不要となる。但し、確定申告をしなければ、当社株式について
課されたアメリカ合衆国の租税がある場合、当該アメリカ合衆国の租税について外国税額控除の適用
を受けることはできない。また、確定申告をしなかった場合には、日本で当社株式の配当に対して源泉
徴収された所得税を、他の所得について課される所得税から控除することもできない。
(3)当社株式の売却に関する課税関係
日本居住者である個人株主は、当社株式を売却したことにより生じた所得について、株式等に係る譲
渡所得等の金額として確定申告し所得税を納付する義務がある。株式等に係る譲渡所得等の金額は、
他の所得と区分して、国税・地方税合わせて20%の税率で課税される。当社株式を売却したことによ
り生じた損失については、その損失が生じた同一年度に生じた他の株式等に係る譲渡所得等の金額と
のみ相殺することができる。株式の譲渡損失は、株式等に係る譲渡所得等以外の他の所得との損益通
算は認められていない。
なお、当社株式は金融商品取引法第2条第8項第3号ロに規定する外国証券市場において売買され
ている株式等に該当する。したがって、国内の金融商品取引業者等への売委託による譲渡等一定の要
件を満たすときは、当社株式の譲渡所得について平成23年12月31日までの期間は国税・地方税合わせ
て10%の軽減税率が適用され、平成24年1月1日以降は20%となる。
上場株式等(外国証券市場において上場されている株式を含む)の譲渡については、譲渡損失の3
年間の繰り越し、一定期間一定の購入価格までの売却益の非課税、みなし取得価額の適用、特定口座の
利用による申告不要等、各種の課税上の優遇措置が現在実施されているが、これらの優遇措置の適用
を受けるためには、それぞれに所定の要件を満たす必要がある。
(4)相続税(贈与税含む)の取扱い
当社株式を相続、贈与又は遺贈により取得した日本の居住者たる個人には、日本の相続税(贈与税)
が課せられる。日本の居住者たる個人はアメリカ合衆国の贈与税及び遺産税について、一定の要件の
下に、外国税額控除の適用が受けられる。
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4【法律意見】
当社の副社長兼会社秘書役であるギャリー・デファツィオより以下の趣旨の法律意見書が提出されてい
る。
(1)当社は、アメリカ合衆国ニュージャージー州法に基づく法人として適法に設立され、有効に存続し
ている。
(2)本書の「会社制度等の概要」及び「外国為替管理制度」に記載されているアメリカ合衆国及び
ニュージャージー州の法律に関する記述は、重要な点においてすべて真実かつ正確である。
当社の税務担当副社長であるアントワネット・F・セグレトより以下の趣旨の税法に関する意見書が提
出されている。
本書の「課税上の取扱い」に記載されているアメリカ合衆国の連邦法に関する記述は、重要な点に
おいてすべて真実かつ正確である。
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第2【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
以下に記載の内容は、本書に掲載されている連結財務諸表及び注記事項と関連付けて読まれるものとす
る。
以下の表は過去5事業年度の主要な経営指標の推移を示している。
9月30日に終了する事業年度
単位:1株あたり利益を除き、百万ドル
2010
2009
2008
2007
2006
売上高
7,372.3
6,986.7
6,897.6
6,121.1
5,512.6
営業利益
1,676.8
1,589.7
1,488.1
1,151.0
1,091.3
純利益
1,317.6
1,231.6
1,127.0
890.0
752.3
純資産(株主資本)
5,434.6
5,142.7
4,935.6
4,362.0
3,836.2
資産合計
9,650.7
9,304.6
7,912.9
7,329.4
6,824.5
基本1株あたり利益
5.62
5.12
4.61
3.63
3.04
希薄化後1株あたり利益
5.49
4.99
4.46
3.49
2.93
普通株1株あたり配当金
1.48
1.32
1.14
.98
.86
自己資本比率(純資産/資産合計)
56.3%
55.3%
62.4%
59.5%
56.2%
自己資本利益率(純利益/純資産)
24.2%
23.9%
22.8%
20.4%
19.6%
ROE(a)
22.2%
23.2%
23.2%
19.9%
21.9 %
営業活動から生じる現金純額
1,659.0
1,658.5
1,617.8
1,229.9(b)
1,104.2(b)
投資活動に使用される現金純額
(700.0)
(1,067.1)
(776.9) (1,018.1)(b)
(783.9)(b)
財務活動に使用される現金純額
(1,222.7)
(79.7)
(585.8)
(726.0)(b)
(342.2)(b)
現金及び現金同等物期末残高
1,216.0
1,394.2
830.5
511.5
1,000.3
従業員数
28,800
29,100
28,300
28,000
27,000
(a)2006年から2010年の停止事業を含まない。
(b)停止事業に関して金額は訂正されていない。
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2【沿革】
ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニーの社史
1897
フェアレイ・ディッキンソンとヘンリー・ベクトンが体温計と注射器を販売する合弁事業の
経営を開始。
1898
ディッキンソンとベクトンはPhiladelphia Surgical Company(フィラデルフィア・サージカ
ル・カンパニー)及びWigmore Company(ウィグモア・カンパニー)を買収。
1906年11月13日
ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニーをニュージャージー州で設立。
1924
当社の初めてのインシュリン注入専用注射器を製造。
1950
無菌使い捨て採血セットを開発、アメリカ赤十字社へ販売。
1951
カナダのNorman S. Wright Co.(ノーマン・エス・ライト社)を買収。Becton Dickinson
Canada, Ltd.(ベクトン・ディッキンソン・カナダ・リミテッド)の設立と海外への進出開
始。
1952
メキシコ市場での注射器、注射針、体温計の製造のためメキシコ・シティーのMAPAAD S.A. de
C.V.(マパード・エス・エー・デ・シー・ヴィ)を買収。
1953
ブラジルのIndustrias Circugicas Ltda.(インダストリアス・シルクギカス・リミターダ)
を買収。
1955
Baltimore Biological Laboratories(ボルチモア・バイオロジカル・ラボラトリーズ)を買
収したことで、ヘルスケア事業の変革が進んだ。無菌・使い捨て用品と診断用薬品の登場であ
る。
1956
BARD−PARKER Company(バード・パーカー・カンパニー)を買収。
1959
Falcon Plastic Products(ファルコン・プラスチック・プロダクツ)を買収。
1962
1株25ドルにて株式公開完了。
1963
フランスのInstitute Merieux(アンスティテュ・メリュー)を買収。
1972
Hynson, Wescott & Dunning(ハイソン・ウェスコット・アンド・ダニング)を買収。
1973
Ace Bandage, Inc.(エース・バンデッジ社)を買収。
1976
Bauer & Black(バウアー・アンド・ブラック)の買収を完了。
1979
Johnston Laboratories Inc.(ジョンソン・ラボラトリーズ社)を買収。
1986
Deseret Medical, Inc.(デセレット・メディカル社)を買収。
1988
Rudolph Beaver, Inc.(ルドルフ・ビーバー社)の買収を完了。
1989
Marion Laboratories(マリオン・ラボラトリーズ)のSPD部門を買収。
1991
Collaborative Research Inc.(コラボレーティブ・リサーチ社)からの生物医学部門の買収
を完了。
1993
Hoffman−LaRoche Inc.(ホフマン・ラロシュ社)からロシュのマイクロバイオロジー事業を
買収。
1997
Difco Laboratories(ディフコ・ラボラトリーズ)、PharMingen and Visitec(ファーミン
ジェン・アンド・ビステック)の買収を完了。
1998
Ohmeda Inc.(オメダ・インク)及びTru−Fit Marketing Corporation(トゥルーフィット・
マーケティング社)の買収をはじめとする一連の買収活動を完了。
1999
上記に加え、Biometric Imaging, Inc.(バイオメトリック・イメージング社)やClontech
Laboratories, Inc.(クロンテック・ラボラトリーズ社)の買収を完了。
2001
Gentest Corporation(ゼンテスト・コーポレーション)の買収を完了。
2004
Atto Bioscience, Inc.(アトー・バイオサイエンス社)の買収を完了。
2005
Clontech Laboratories, Inc.(クロンテック・ラボラトリーズ)部門の売却及びFFW Weber
(エフエフダブリュ・ウェバー)の買収を完了。
2006
GeneOhm Sciences, Inc.(ジーノム・サイエンス社)およびTriPath Imaging, Inc.(トライ
パス・イメージング・インク)の買収並びに血糖モニター事業の売却を完了。
2007
Plasso Technology(プラッソ・テクノロジー)の買収を完了。
2008
Cytopeia Inc.(サイトペイア社)の買収を完了。
2009
HandyLab, Inc.(ハンディラブ・インク)の買収及び家庭用ヘルスケア製品ラインの売却を
完了。
2010
メディカル・セグメントに関する資産の一部の売却を完了。
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ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー(E05915)
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2011年2月4日
Accuri Cytometers, Inc.(アキュリ・サイトメーターズ・インク)の買収につき正式契約
を締結。2011年度第3四半期に完了予定。
日本における活動
1971
ベクトン・ディッキンソン・オーバーシーズ・インクを東京に設立。
1985
日本ベクトン・ディッキンソン株式会社(以下、「日本BD」という。)の設立
1987
福島県に診療用機器の製造工場を建設
1995
本社を東京都の赤坂に移転。
1999
日本BDの100%子会社として、ライフサイエンス・サポート・アンド・サービス株式会社
(Life Science Support & Service Company, Ltd.)を設立
1999
日本BDは、クロンテック社の買収に伴いクロンテック社の100%子会社であるClontech
Laboratories Japan, Ltd.(日本クロンテック・ラボラトリーズ株式会社)を間接的に所有
するに至った。
2001
日本BDが日本クロンテック・ラボラトリーズ株式会社を吸収合併。
2006
日本BDがライフサイエンスサポート・サービス株式会社を吸収合併。
3【事業の内容】
以下に記載の内容は、本書に掲載されている連結財務諸表及び注記事項と関連付けて読まれるものとす
る。
以下は、当社が米国証券取引委員会に提出した2010年9月30日終了事業年度に関するForm 10-Kの該当箇
所の翻訳である。
概要
ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー(「BD」としても知られている)は1897年に立ち上げ
られたニューヨーク州の事業会社の継承会社として、1906年11月にニュージャージー州の法律に基づき設立さ
れた。ニュージャージー州フランクリン・レイクス市ベクトン・ドライブ1に本社を置き、電話番号は
(201)847-6800である。文脈により「当社」又は「BD」とはベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー
及びその国内外の子会社をいう。
当社は、医療機関、生命科学研究者、臨床研究所、医療産業及び一般消費者向けに医療器具、医療器具システ
ム及び試薬を開発・製造・販売している世界的な医療技術会社である。
ビジネス・セグメント
BDの事業は、BDメディカル、BDダイアグノスティック、BDバイオサイエンスの3つの世界規模のビジネス・
セグメントで構成されている。ビジネス・セグメントに関する情報は、「第6経理の状況」中の連結財務書類注
記6に記載されている。
BDメディカル・セグメント
BDメディカルは、広範な医療現場で使用されている多様な医療器具を製造している。BDメディカルの主力
製品ラインには、薬剤デリバリー向けの注射針、注射器及び静脈カテーテル(安全機能付製品及び自動停止装
置を含む。)、薬剤充填済フラッシュ型IV注射器、インスリンその他糖尿病治療に使用される薬剤の自己注射向
けの注射器及びペンニードル、薬剤/器具の組合せ製品として医薬品会社に提供され、最終消費者に販売される
薬剤充填済注入システム、部分麻酔用注射針及びトレー、注射針廃棄容器が含まれる。BDメディカルの主な顧客
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は、病院及び診療所、個人医院、消費者及び小売薬局、認可及び非営利の公的保健機関、医薬品会社、並びに医療
従事者である。
BDダイアグノスティック・セグメント
BDダイアグノスティックは、診断用検体の採取と輸送を安全に行うための製品、並びに、医療関連感染
(HAI)及び癌等の広範な感染症疾患の検知に使用される医療器具システム及び試薬を提供している。BDダイ
アグノスティックの主力製品には、検体採取の統合システム、安全機能付採血製品及びシステム、自動血液培養
及び分子検査システム、性病及びHAIの分子検査システム、微生物同定及び薬剤感受性システム、子宮頸ガン検
査のための液状細胞診システム、急速診断分析、並びに生培地が含まれる。BDダイアグノスティックは、病院、研
究所及び診療所、レファレンス・ラボラトリー、血液銀行、医療従事者、公的保健機関、個人病院、並びに産業食
品微生物学研究所を対象としている。
BDバイオサイエンス・セグメント
BDバイオサイエンスは、細胞や細胞の成分の研究を推進し、正常な状態と病変をより良く把握するための
研究・臨床器具を製造している。こうした情報は、新たな薬剤やワクチンの発見と開発を支援し、病気の診断と
管理を向上させるために使用される。BDバイオサイエンスの主力製品ラインには、蛍光活性セルソーター及び
解析器、単クローン抗体及び細胞分析用キット、生命科学研究向けの試薬システム、セルイメージング・システ
ム、組織培養及び液体処理用実験用具、診断分析、並びに生物薬剤製造向けの細胞培養媒体サプリメントが含ま
れる。BDバイオサイエンスは、主として研究所及び臨床研究所、学術機関及び行政機関、医薬品会社及びバイオ
テクノロジー会社、病院及び血液銀行を対象としている。
買収
2009年11月19日、当社は、分子診断分析とオートメーション・プラットフォームの開発製造会社であるハ
ンディラブ・インク(HandyLab, Inc.)(以下「ハンディラブ」という。)の発行済み株式の100%を取得し
た。購入価格は現金で275百万ドルであった。ハンディラブは、特に医療関連感染症分野において、当社の分子診
断製品を補完する、分子診断実施向けの柔軟な自動プラットフォームを開発、商品化してきている。本件取引に
ついての詳細な情報は、「第6経理の状況」中の連結財務書類注記9を参照されたい。
事業分割
2010年度第4四半期、当社は、眼科システム部門、並びにメディカル・サージカル・システム部門の手術用
ナイフ、重大疾患用製品及び拡張ドウェルカテーテル製品プラットフォームを270百万ドルで売却した。本件取
引についての詳細な情報は、「第6経理の状況」中の連結財務書類注記10を参照されたい。
国際事業
当社の製品は世界各国で製造販売されている。報告のため、米国外では、ヨーロッパ(中東とアフリカを含
む)、日本、アジア太平洋(オーストラリアと、日本を除くアジア全域を含む)、ラテンアメリカ(メキシコと
ブラジルを含む)及びカナダにおいて事業運営している。米国以外で販売されている主要な製品は、注射針及
TM
び皮下注射器、インスリン注射器及びペンニードル、診断システム、BD Vacutainer ブランドの採血用器具、BD
TM
Hypak ブランドの薬剤充填済注射システム、点滴治療用製品、フローサイトメトリー機器及び試薬、並びに使い
捨て実験用品である。米国以外では、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、ハンガリー、インド、アイルラン
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ド、日本、メキシコ、パキスタン、シンガポール、韓国、スペイン、スウェーデン及び英国に工場がある。BDの事業
に関する地域別の情報は、「第6経理の状況」中の連結財務書類注記6の「事業地域に関する情報」の項目に記
載されている。
国外の経済環境や為替相場の変動によって、国外関連の収益は国内関連の収益よりも不安定になりやす
い。当社は、米国以外の一部の国における事業活動には本書記載の要因によって国内の事業活動よりも大きな
リスクが伴うと考えている。また、経済環境、現地での産業経済に関する政策や政情不安からも影響を受ける。
このリスクの詳細については「第3事業の状況 4事業等のリスク」中の「リスク要因」の項を参照されたい。
販売
当社の製品とサービスは、米国の内外で、独立した販売ルートを通じて販売されている他、当社と独立した
営業担当者により、最終消費者に直接販売されている。2010年度の売上高の10%以上を占める顧客はなかった。
一時的に品切れとなっている品目を除き、当社製品全体に関する受注と出荷がリアルタイムでなされている限
りにおいて、受注残は当社事業に大きな影響を及ぼさない。基本的に、当社の全世界売上には季節性はない。た
だし、インフルエンザ等の季節性疾患に関連する、BDメディカル・セグメントの一定の医療器具及びBDダイア
グノスティック・セグメントの呼吸器・流感診断製品についてはこの限りではない。
原材料
当社は多数の種類の異なる原材料を購入しており、これらにはプラスティック、ガラス、金属、繊維、紙製
品、農産物、電子・機械半製品、多様なバイオ、化学、石油化学製品等がある。複数の供給先から入手できない原
材料もある(主としてBDバイオサイエンス・セグメント関連の原材料)。複数の供給先から入手可能な主要な
原材料の一部については、様々な理由から(品質確保、費用対効果等)単一の供給先から購入している。また、
供給会社の資格に関する規制上の要件がある場合には、適時に別の供給先や代わりの供給先を確保できない場
合もある。当社は安定した供給の確保のため供給会社とは緊密な関係を保っているが、こうした供給源の限定
された原材料の供給が停止、減少又は中断された場合、一定の製品の製造販売能力に影響が及ぼされるおそれ
がある。
研究開発活動
当社の研究開発活動は、各事業部門やノースカロライナ州リサーチ・トライアングル・パークにあるBDテ
クノロジーにおいて行われている。当社の研究開発活動の大部分は米国内において行われている。米国外では、
当社の研究開発活動は、ダイアグノスティック・システム部門はカナダのケベック・シティにおいて、ファー
マシューティカル・システム部門はフランスのポン・ドゥ・クレックスにおいて、メディカル・サージカル・
システム部門はシンガポールのトゥアスにおいて、行われている。また特定の大学や医療センターその他の機
関との共同研究開発プログラムにも参加し、専門分野での試みを支援するための個別のコンサルタントを雇用
している。当社は、研究開発費として2010年、2009年及び2008年の9月30日終了年度にそれぞれ431百万ドル、405
百万ドル及び383百万ドルを投じた。
知的財産及び使用許諾
当社は多数の知的財産を所有しており、これらには米国の内外で登録された特許、出願中の特許、技術、企
業秘密、ノウハウ、著作権及び商標が含まれている。また、他社が米国の内外で保有する特許、出願中の特許、技
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術、企業秘密、ノウハウ、著作権及び商標の使用許諾を得ている。これらの知的財産及び使用許諾は総体として
当社の事業活動に極めて重要なものとなっている。しかしながら、特許、技術、商標等の知的財産又はそれらの
使用許諾のいずれかが単独で当社の事業全体又は事業部門にとって重要であるとは考えていない。
他社との競合
当社は、複雑さと困難さが増し、ダイナミクスが変化する医療技術市場で事業を行っている。技術の進歩と
科学的発見により医療技術の変化が加速し、医療製品の規制環境はより複雑かつ強化されてきており、経済情
勢は厳しい市場を招いている。様々な規模の企業が世界の医療技術分野で競合している。特定の市場では当社
よりも専門性の高い企業や、大きな資金力を持つ企業もある。この分野、特に分子診断、安全機能付器具及び生
命科学の分野には新しい企業が参入してきており、既存の企業も医療技術分野に事業を多角化している。医療
技術関連製品を販売していた企業が、医療器具や機器の製造も手がけるようになっている。競争上優位に立つ
ために企業が行った買収や提携も競合状況に影響を及ぼす。また、中国や他の低コスト製造地域に拠点を置く
製造会社の市場へ参入することは、特に発展途上市場において、価格圧力を高めている。競合他社の中には、コ
スト削減手段として、これらの国々に工場を置いたり、こうした拠点に所在する供給業者に委託したりしてい
る会社もある。とりわけこうした低コスト国から、新規参入者が出現する可能性がある。
この進化する市場における当社の競争には、価格、品質管理、革新、サービス、評価、販売、販売促進等の様々
な要因が関係している。こうした要因が当社の競争力に及ぼす影響は、多様な提供製品によって異なる。事業分
野の市場において競争力を維持するため、当社は、患者、医療従事者及び研究者により大きな便益をもたらす製
品に重点を置いて収益の増加をはかるという当社の中核戦力を支持して、研究開発、品質管理、品質改良、製品
開発及び生産性向上に引き続き資金を投下していく。
第三者による払戻し
通常、医療サービス提供者や提供機関は、政府機関(米国ではメディケア及びメディケイド、英国では国民
健康保険機構、ドイツでは合同連邦委員会、フランスでは医療製品・医療給付評価委員会、日本では厚生労働
省)、民間の保険会社及びマネージドケア機関が維持した多数の支払システムを通じてサービスの対価の払戻
しを受けている。払戻しの方式や水準は、いずれの場合も、ケアされた部位、行われた処置、患者が受けた最終的
な診断、使用された機器と薬剤、利用可能な予算、あるいはこれらの要素の組合せに左右される可能性があり、
対象範囲と支払いの水準は支払い側の裁量で決定される。これら第三者支払者の契約内容と払戻しの水準は、
購入する医療製品の選択やこうした製品について支払う用意のある価格に関する医療サービス提供者や提供
機関の決定に影響を及ぼすことがある。したがって、払戻しの水準や方式は、当社製品の売上に好影響を与える
ことも、悪影響を与えることもあり得る。
当社は、製品の価値を支払者と患者に積極的に売り込んでおり、この点について契約内容、コーディング及
び支払手続に好影響を及ぼすべく様々な努力と資源を費やしているが、当社製品に関する契約内容や支払い水
準についての支払者の決定については直接の影響力を持たない。また、多くの支払者は引き続きコスト抑制戦
略を模索すると見込まれ(相対的有効性解析、様々な公共・民間の支払者が実施するいわゆる「成果主義」プ
ログラム、患者に対して責任を持って治療を行う組織(ACOs)等の一括支払スキームの拡張)、これによって
現在又は将来の製品に関する契約内容や支払い水準に影響が及ぼされうる。
当社の提供製品は多くの医療環境にわたり多様であるため、受ける影響の程度は様々な支払システムに
よって異なる。従って、これらシステムの変更により、個々の国々、製品ライン又は製品区分に影響が及ぶ可能
性がある。特に、米国において近年成立した医療保険改革法(いわゆるPatient Protection and Affordable
Care Act (“PPACA”))では、医療費支払システムに関して多くの実質的な変更が定められているが、その大部
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分が未だ規則として制定されていない。今のところ、医療保険改革法に基づく規則の施行により当社製品に対
する支払に影響があるのか、またどのような影響があるのかは、不明確である。詳細については「第3事業の状
況 4事業等のリスク」中の「リスク要因」の項を参照されたい。
規制
当社の医療技術関連製品及び営業活動は、米国食品医薬品局(以下「FDA」という。)をはじめとする連邦
及び州の複数当局の規制を受けている。他国の政府機関についても同様である。こうした当局は、当社の医療製
品の開発、試験、製造、ラベル貼付、広告宣伝、マーケティング及び販売、並びに市場調査に適用される法律や規
制を執行している。特に当社が事業を行っているヨーロッパ、日本及びアジア太平洋地域におけるこれらの当
局の活動範囲は拡大している。
当社は、製品デザイン、製造及び販売プロセスに関する標準規格を策定するFDA/ISO品質システムを積極的
に維持している。当社は、製品のマーケティングや販売を行う前に、FDAやFDAに相当する米国外の規制当局の許
認可を取得しなければならない。製品の発売後、こうした当局は、当社の品質システム及び製品の性能、並びに
宣伝及び販売促進資料を定期的に審査する。こうした当局による規制並びにFDA指針の何らかの変更は、新製品
の開発、発売及び継続的な供給に伴う時間とコストに影響を及ぼす可能性がある。当社は、製品の開発や計画の
段階でこうした要素をできる限り予測するようにしている。
こうした当局は、製品のリコール、押収その他の民事・刑事制裁等、様々な行政・司法措置を当社に対して
講じる権限を有している。当社は自主リコール等の自主的な遵守措置もとっている。
当社はまた、医療の不正行為(虚偽請求取締法及び反リベート法を含む。)、世界的腐敗防止、輸送、安全衛
生、関税及び輸出に関して、多数の連邦法及び州法、並びに米国外の法律の適用対象である。これらの法律を執
行する機関の多くは、近年、医療機器製造会社に関する執行活動を増加してきている。これは、米国内外におけ
る規制及び執行活動が一般的に増加傾向にあることの一環であると思われる。
当社は、適用当局によって公表された適用法令を当社は重要な点において全て遵守しており(環境法令を
含むがこれに限定されるものではない)、かかる規制遵守により当社の事業や業績が著しく不利な影響を受け
たことはなく、今後もないものと考えている。「第3事業の状況 3対処すべき課題」中の「法的手続」を参照さ
れたい。
従業員の状況
当社は、2010年9月30日現在、28,803名の従業員を擁しており、このうち12,262名が米国内(プエルトリコ
を含む)で雇用されている。労使関係は良好であると考えている。
その他の問題
当社の子会社であるベクトン・ディッキンソン・フランスS.A.(以下「BDフランス」という。)は、国連
の石油・食糧交換計画(以下「交換計画」という。)に関連してイラク政府に不正な支払いが行われた疑いが
ある人道支援契約に関与していたとして国連の不正疑惑独立調査委員会(以下「IIC」という。)の2005年10
月27日付報告書に列挙されていた約2,200社の中に含まれていた。IICの報告書に関連して、当社のスイス子会
社であるベクトン・ディッキンソンAGは、国連調達サービスの供給者審査委員会(以下「VRC」という。)から
2005年11月22日付の質問状を受け取った。当該質問状には、BDフランスがIICの報告書に列挙されていることに
鑑み、VRCはベクトン・ディッキンソンAGの登録資格を審査中である旨、また当社が当該報告書記載の調査結果
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に関連して提供できる情報があればこれを提出するよう求める旨が記載されていた。当社は、内部調査を行っ
たが、当社又は当社の従業員が交換計画に関連してイラク政府に不適切な支払いを行い、これを承認又は承諾
したことを示す裏付けは得られなかった。当社がイラクにおいて利用している代理店もかかる支払いを行った
ことを明確に否定しており、当社は当該代理店がそのような支払いを行ったことを示す裏付けを得ることはで
きなかった。当社は、内部調査の結果をVRCに報告した。2008年5月、当社は、ベクトン・ディッキンソンAGが最低
6ヶ月間国連調達課事務局の業者名簿への登載を停止されている旨の国連からの公式文書を受け取った。当社
は、ベクトン・ティッキンソンAGが復帰させられること要望している。当社は、当該停止によって、当社が著し
く不利な影響を受けたことはなく、今後もないものと考えている。
2007年5月、フランス司法警察は2005年IIC報告書の対象となっている事項に関する捜索をBDフランスの事
務所で行なった。BDフランスは、IIC報告書に掲げられ、フランス司法警察による捜査対象となっている数社の
中に含まれているとの通知を受けた。2009年6月、当社の特定の個人を尋問し、プログラム上に作成された販売
関連書類の調査を行うため、ベルギー連邦警察から当社に連絡があった。当社は捜査に全面的に協力している。
提出会社の公開情報
当社は、www.bd.comにウェブサイトをもっている。また、10-K書式による年次報告書、10-Q書式による四半
期報告書、8-K書式による現状報告書(及びこれらの報告書の修正報告書)も、これらの報告書が証券取引委員
会(以下「SEC」という。)に電子形式で届出又は提出された後、実務上合理的に可能な限り速やかに閲覧でき
るようにしている。こうした報告書は、www.bd.com/investorsにて無料で入手、印刷することができる。監査委
員会、報酬及び年金委員会、会社学術業務委員会、コーポレートガバナンス及び指名委員会、取締役会の執行委
員会、当社のコーポレートガバナンス指針及び事業倫理規範・遵守ガイドの規約書は、当社のウェブサイト
(www.bd.com/investors/corporate_governance)において閲覧可能である。これらの資料、様式10-Kによる当
社の2010年度年次報告書及びSECに届出又は提出された当社の報告書の印刷版は、ニュージャージー州フラン
クリン・レイク市ベクトン・ドライブ1に所在するBDのコーポレート・セクレタリー(電話:
1-201-847-6800)に連絡すれば、無料で入手することができる。
当社はまた、投資家向けの重要な情報を定期的にウェブサイト(www.bd.com/investors)上に掲載してい
る。当社は、資料、非公開情報の開示、並びにSECが採択したレギュレーションFDに基づく開示義務遵守のための
方法として、本ウェブサイトを利用することができる。従って、投資家の方々には、当社のプレスリリース、SEC
への報告書、公開会議及びウェブ放送に加え、上記の当社ウェブサイト上の投資家向け広報活動欄を細かく
チェックして頂く必要があります。当社のウェブサイト並びにそこに掲載又はリンクされた情報は、本年次報
告書中に組み込まれたものとみなされるものではない。
将来に関する表明
当社及びその代表者は、SECへの届出及び株主に対する報告に含まれる表明等、公表された資料において将
来に関する一定の表明を、書面、口頭にかかわらず随時行うことがある。将来に関する表明についての詳細な情
報は、「第3事業の状況」中の「1業績等の概要」、「4事業等のリスク」及び「7財政状態、経営成績及びキャッ
シュ・フローの状況の分析」を参照されたい。
次へ
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4【関係会社の状況】
親会社
当社には親会社はない。
子会社等
当社には120社の子会社がある。これらの子会社又は関係会社で当社の財務上または業務上の政策に重要
な影響力をもつものはない。
5【従業員の状況】
当社は2010年9月30日現在で約28,803人の従業員を雇用しており、このうち約12,262 人が米国内で雇用
されている。労使関係は良好であると考えている。
米国内における総従業
米国内における従業員
米国内における平均勤
米国内における年間平
員数(米国内の連結子
の平均年齢(米国内の
続年数(米国内の連結
均給与(賞与額を含
会社従業員を含む)
連結子会社従業員を含
子会社従業員を含む)
む)(米国内の連結子
む)
12,262名
セグメントの名称
会社従業員を含む)
45歳
11年
75,948ドル
米国内におけるセグメント別従業員数(米国内の
連結子会社従業員を含む)
BDバイオサイエンセズ
2,227名
BDダイアグノスティクス
3,990名
BDメディカル
4,800名
会社業務及びその他共通の業務
1,245名
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第3【事業の状況】
1【業績等の概要】
以下に記載の内容は、本書に掲載されている連結財務諸表及び注記事項と関連付けて読まれるものとす
る。
以下は、当社の2010年度10Kの該当箇所の翻訳である。
会社の概要
当会社及びビジネスセグメントの内容
当社は、医療機関、生命科学研究者、臨床研究所、医療産業及び一般消費者向けに医療器具、医療器具システ
ム及び試薬を開発・製造・販売している世界的な医療技術会社である。当社の事業は世界規模の三つの事業部
門、BDメディカル(「メディカル」)、BDダイアグノスティック(「ダイアグノスティック」)、及びBDバイオ
サイエンス(「バイオサイエンス」)から成る。当社製品については、米国の内外において、独立した販売業者
の販売ルートを通じた販売、当社及び独立した販売代理店による最終消費者への直販が行われている。下記に
おける年度(年)とは、9月30日に終了する当社の事業年度をいう。
戦略目標
当社は、引続き、継続的な成長と株主価値の維持を実現することに重点をおき、将来のために適切な投資を
行っていく。当社の経営陣は、以下の中核戦略に即して事業運営を行っている。
・患者、医療従事者及び研究者により大きな便益をもたらす当社の主力製品に重点を置いて収益の増加を
はかること。
・プラットフォームの拡張及び斬新な新製品の研究開発に投資を増加すること。
・当社の新興市場の拡大に莫大な投資を行うこと。
・運営の効率化及び貸借対照表上の生産性強化を図ること。
・効率的な資本構成及び大きな株主利益を促進すること。
収益及び1株当たり利益の増加のための当社の取り組みは、医療及び生命科学分野の中の4つの特定の分野
に重点を置いている。
・より安全、より簡単、より効果的な非経口薬投与を可能にすること。
・新型、精密、高速の診断法によって、臨床治療成果を高めること。
・基礎科学、創薬、細胞療法を促進する研究団体に対し、器具及び技術を提供すること。
・糖尿病、女性の健康、癌及び感染対策において、疾病管理を強化すること。
当社は引続き、当社の資本構成の効率性を高めることに努め、これらの指針に従う。
・堅実な投資適格格付けを維持すること。
・戦略的好機に備え、債券市場の利用機会を確保すること。
・市場情勢に基づく資本コストを最適化すること。
こうした戦略の結果並びに財務状況及び業績の評価に当たり、経営陣は通常、四半期予測データ、実際の月
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次結果、セグメント別売上その他これらに類する情報を検討する。また、売上総利益、販売費及び一般管理費、研
究開発への投資、投資利益、キャッシュフロー等、一定の重要な財務データに関する動向も考慮する。
財務成績
2010年度の全世界売上高は前年比5.5%増の74億ドルとなったが、これは、販売量の約6%の増加、為替差損に
よる0.1%の減少、ヘッジ損失合計及び価格の引き下げによる0.4%の減少を反映したものである。売上高の増加
は、メディカル・セグメントの堅調な売上高、バイオサイエンス部門の継続的な売上高の増加、より程度は小さ
いもののダイアグノスティック・セグメントの売上高の増加によるものである。米国における売上高は5%増
加して33億ドルとなった。2010年度の米国における安全機能付器具の売上は、2009年度の10.6億ドルから5%増
加して11.1億ドルとなった。海外売上高は41億ドルで、前年度に比べ6%増加した。2010年度の安全機能付器具
の海外での売上高は前年度の568百万ドルから9.5%増加して622百万ドルとなったが、推定1.4%の為替差益、
ヘッジ損失純額を反映している。
2010年度の営業利益は5.5%増加して17億ドル、売上高の22.7%であったが、2009年度では16億ドル、売上高
の22.8%であった。営業利益の増加は、全体的な為替差損、ヘッジ損失純額、及び2009年度に計上された45百万ド
ルの訴訟費用がなくなったことが反映されている。2010年度の営業利益の増加に反映されたこれらの項目の純
減少分は、330ベーシスポイントであった。
2010年度に事業活動から生じたキャッシュフローは総額17億ドルにのぼり、当社の財務基盤は引続き堅調
である。2010年9月30日時点で、当社は現金及び現金同等物を12億ドル所有し、同日時点の当社の負債比率は
23.7%であり、2009年度末では26.8%であった。2010年、当社の買収に関する資金支出には、分子診断分析とオー
トメーション・プラットフォームの開発製造会社であるハンディラブ・インクの買収分、現金275百万ドルが
含まれていた。当社は、将来の成長を支えるために、当社のセグメント全体の能力に継続的に投資しているた
め、2010年度の設備投資は537百万ドルに上った。当社の堅調なキャッシュフローの生成によって、当社の株主
に対し株式買戻し及び配当という形で継続的に利益を還元することができる機動性ももたらされた。2010年度
中、当社は、普通株式10.1百万株を750百万ドルで買戻し、株主に対し総額346百万ドルの配当金を支払った。下
記に詳細を述べる通り、2010年11月、当社は、10年満期の額面金額700百万ドル金利3.25%及び30年満期の額面
金額300百万ドル金利5.00%の社債を発行した。
今後3年間の予測収益の増加は、世界中の全てのセグメント及び地域における事業の成長と拡大、患者、医
療従事者及び研究者により多くの便益をもたらす、各事業部門における新製品及びサービスの開発によっても
たらされるであろう。長期的な成長を維持できるかどうかは、主力事業の拡大(販売地域の拡大等)、事業セグ
メント全体にわたる売上総利益率の高い画期的新製品の開発、及び事業運営の能率と組織的な効率性の継続的
な向上をはかる能力を含むいくつかの要素に左右される。こうした目標を達成することができるかどうかに
は、米国内外の経済状況、競争の激化及び医療制度改革計画等いくつかの要素が影響することがある。例えば、
近年成立した米国医療保険改革法には、当社に影響を与える特定の課税規定が含まれている。最も重大な影響
は、2013年1月からの、医療機器の米国内売上高に2.3%の税金を課す医療機器消費税である。本税金が課せられ
ると予測される当社製品の売上高は、2010年度米国内売上高総額の約80%に相当した。また、新法には、メディケ
アパートD退職者向け薬剤補助金の雇用主控除を廃止する課税規定が含まれており、結果的に、2010年度第2四
半期中に当社は9百万ドルないし1株当たり4セントの費用を計上した。
当社は、毎報告年度、全世界での事業収益をかかる年度始めから変動した為替レートで米ドル換算するこ
とによって生じる通貨リスクにも直面している。時々において、当社は為替相場の不利な変動による影響の一
部をヘッジするために、先物契約及びオプションを購入している。金融派生商品の取引から生じる損益の大部
分は、ヘッジ対象の原取引から生じる損益により相殺されている。当社はトレーディングや投機を目的とした
金融派生商品取引は行っていない。2010年度、2009年度のレート比で、米ドルはほとんどの外国通貨に対して弱
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くなった。結果として全世界売上高にもたらされた利益は、当社のヘッジ活動からの損失によって相殺された。
詳細については、「第6経理の状況」中の連結財務書類注記12を参照されたい。
事業分割
2010年度第4四半期、当社は、眼科システム部門、並びにメディカル・サージカル・システム部門の手術用
ナイフ、重大疾患用製品及び拡張ドウェルカテーテル製品プラットフォームを売却した。売却後、前期の連結損
益計算書及びキャッシュフロー計算書が修正再表示され、眼科システム部門、手術用ナイフ、重大疾患用製品プ
ラットフォームの損益が停止事業として別途表示された。詳細については、「第6経理の状況」中の連結財務書
類注記10を参照されたい。拡張ドウェルカテーテル製品プラットフォームに関する営業成績は継続事業の中で
報告されているが、これは、本件資産グループの事業分割は停止事業基準を満たさなかったためである。
継続事業の業績
継続事業から生じた利益が2010年度と2009年度でこのように変化したのは、2010年度財務成績に反映され
ている次のような重要事項の影響を受けた結果である。
・2010年度第2四半期中、メディケアパートD払戻金に影響を及ぼす医療保険制度改革に関連して、非現金
費用9百万ドル、ないし継続事業からの希薄化後1株当たり利益4セントを計上した。
・2009年度第3四半期に、当社は、重複する税務管轄における複数の税清算に関連して、20百万ドルの税制
優遇、継続事業からの希薄化後1株当たり8セントの利益を計上した。
・2009年度第2四半期中、当社は、特定の反トラスト集団訴訟における未決の和解手続に伴い、税引き前費
用45百万ドル、ないし継続事業からの希薄化後1株当たり11セントの利益を計上した。
メディカル・セグメント
2010年度のメディカルの売上高は前年比239百万ドル増すなわち6.7%増の38億ドルであったが、これには
為替差益による推定0.5%の増加分、ヘッジ損失純額が反映されている。
部門別の売上高の概要は以下の通りとなっている。
(単位:百万ドル)
2010
2009
全体の変化率
外国為替の影響
(推定)
メディカル・サージカル・システム部門
$2,010
$1,889
6.4%
1.5%
786
715
9.9%
0.8%
1,001
952
5.1%
(1.3%)
$3,796
$3,557
6.7%
0.5%
ダイアビーティス・ケア部門
ファーマシューティカル・システム部門
売上高合計
*四捨五入のため合計額が異なることがある。
メディカル・サージカル・システム部門の売上高増加は、引続き、安全機能付製品とフラッシュ用薬剤充
填済注射器の売上によるものであった。安全機能付製品の売上高は米国で5%増加、海外で15%増加したが、これ
には推定3%の為替差益、ヘッジ損失純額が含まれていた。ダイアビーティス・ケア部門の売上高増加は、主にペ
ンニードルの世界全体での売上が引続き堅調であったこと及び米国内での共同マーケティング契約によりも
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たらされた。ファーマシューティカル・システム部門の売上高増加は、米国、日本及びアジア太平洋における売
上二桁増によるものであった。新型インフルエンザ(H1N1)の世界的流行に関連する2010年度の売上高は、メ
ディカル・サージカル・システム部門では15百万ドル増の45百万ドル、ファーマシューティカル・システム部
門では10百万ドル増の35百万ドルであった。
2010年度のメディカルの営業利益は同セグメントの売上高の29.5%に当たる11億ドルであった。前年度は
29.5%に当たる10億ドルであった好調な生産性向上は、為替差損、原材料費の小幅な値上げ、製造立上費用及び
製造設備再編費用の増加による売上総利益率の若干の低下により、大幅に相殺された。売上総利益率の詳細に
ついては後述を参照されたい。2010年度、メディカルの売上高に占める販売費及び一般管理費の比率は前年同
期の17.5%から17.3%に低下したが、これは継続中の入念な支出抑制によるものである。2010年度の研究開発費
は、8百万ドルすなわち7%の増加となったが、新しい製品とプラットフォームの開発に対する継続的な資本投下
を反映したものである。
ダイアグノスティック・セグメント
2010年度のメディカルの売上高は前年比93百万ドル増すなわち4.2%増の23億ドルであったが、これには為
替差益による推定0.2%の増加分、ヘッジ損失純額が反映されている。
ダイアグノスティック部門の売上高の概要は以下の通りとなっている。
(単位:百万ドル)
2010
2009
全体の変化率
外国為替の影響
(推定)
プレアナリティカル・システム部門
ダイアグノスティック・システム部門
売上高合計
$1,198
$1,143
4.8%
0.4%
1,121
1,083
3.5%
̶
$2,319
$2,226
4.2%
0.2%
プレアナリティカル・システム部門の増収は安全機能付製品の売上によるものである。安全機能付製品の
販売はBD Vacutainerプッシュボタン式採血セットの販売により米国で5%、海外では7%増加したが、これには推
TM
定1%の為替差益、ヘッジ損失純額が含まれていた。ダイアグノスティック・システム部門は、分子BD ProbeTec
TM
TM
、BD Viper 、BD Affirm システム等の自動診断プラットフォームの売上が世界全体で増加したと共に、BACTEC
TM
TM
血液培養及びTBシステム、BD Phoenix ID/ASTプラットフォームも好調な伸びを見せた。ダイアグノスティッ
ク・システム部門での、インフルエンザの大流行に関連する売上高は、2010年度は13百万ドルとなったが、前年
度では22百万ドルであった。
2010年度のダイアグノスティックの営業利益は同セグメントの売上高の26.2%に当たる607百万ドルで
あった。前年度は27.3%に当たる607百万ドルであった。ダイアグノスティック・セグメントでは、為替差損及び
買収に伴う立上費用を反映して、売上総利益率が低下した。かかる減少は、全体的な売上総利益率がより高い製
TM
TM
品、特に安全機能付製品並びに BD ProbeTec 及び BD Viper システムの売上高増加により一部相殺された。
売上総利益率の詳細については後述を参照されたい。2010年度、ダイアグノスティックの売上高に占める販売
費及び一般管理費の比率は同じく21.2%であったが、これは継続中の支出抑制によるものである。研究開発費は
前年度よりやや増加したが、当社の分子プラットフォームに重点を置いた新たな製品とプラットフォームの開
発に対する継続的の資本投下を反映したものである。
バイオサイエンス・セグメント
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2010年度のバイオサイエンスの売上高は前年比53百万ドル増すなわち4.4%増の13億ドルであったが、これ
にはヘッジ損失による推定2.4%の為替差損が反映されている。バイオサイエンスの売上高は当社のヘッジ損失
の大部分を反映しているが、これは米国製製品の海外売上のうち当該部門に相応する割当分に基づき当該セグ
メントに計上されている。
バイオサイエンス部門の売上高の概要は以下の通りとなっている。
(単位:百万ドル)
2010
2009
全体の変化率
外国為替の影響
(推定)
細胞分析部門
ディスカバリー・ラブウェア部門
売上高合計
$951
$905
5.2%
(2.6%)
306
299
2.2%
(1.4%)
$1,257
$1,204
4.4%
(2.4%)
細胞分析部門の売上高増加は、機器及び試薬の需要の増加を反映し、米国内研究向けの政府の経済刺激対
策及び日本の追加的財政支援により援助されたものである。ディスカバリー・ラブウェア部門の売上増加は、
主要な生物薬剤の顧客への販売が増加したことを反映しており、前年度比で自社ブランドの売上高が減少した
ことにより相殺された。
2010年度のバイオサイエンスの営業利益は同セグメントの売上高の28.2%に当たる354百万ドルであった
が、前年度は30.1%に当たる362百万ドルであった。対売上高比率での営業利益の減少は、ヘッジ損失のマイナス
影響による売上総利益の減少を反映しているが、為替差益により一部相殺された。販売費及び一般管理費は、
2009年度に21.6%であったのに対し2010年度は21.9%となり、これは新直接販売プログラム及びインフレ要因を
反映したものである。研究開発費は、新製品開発及び先進技術に係る支出を反映して、10百万ドルすなわち11%
増加した。
地域別売上高
2010年度、米国における売上高は5%増加して33億ドルとなった。全体的に、売上高の増加は、前年度の10.6
億ドルから5%増の11.1億ドルであった安全機能付製品の売上及びダイアビーティス・ケア部門の売上による
ものであった。売上高の増加は、免疫サイトメトリー機器及び試薬の売上も反映しており、これは米国内の政府
の経済刺激対策の援助を受けたものである。
2010年度の海外売上高は41億ドルで6%の増加となったが、これには為替取引純額の標準的な影響が反映さ
れている。売上高増加は、アジア太平洋、ラテン・アメリカ及び日本での二桁増の売上により導かれたものであ
る。2010年度の安全機能付器具の海外での売上高は前年度の568百万ドルから9.5%増加して622百万ドルとなっ
たが、推定1.4%の為替差益純額を反映している。西ヨーロッパの売上高増加は、引続くマクロ経済不況によるマ
イナス影響及び前年度比での不利な状況が悪影響となったが、これには2010年度に再発しなかったインフルエ
ンザ関連の売上が含まれていた。
売上総利益率
2010年度の売上総利益率は、前年度に52.6%であったのに対し、51.9%となった。2010年度の売上総利益率
には、主にヘッジ取引による推定90ベーシスポイントの減少分が反映された。これらの損失は、20ベーシスポイ
ントの業績向上(純額)により一部相殺された。業績は、売上総利益率がより高い製品の売上増加を反映した
ものであるが、製造立上・再編費用の増加、年金費用の増加及び特定の原材料費の増加により一部相殺された。
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営業費用
2010年度の販売費及び一般管理費は17億ドルないし売上高の23.3%であったが、17億ドルないし売上高の
24.1%であった前年度に比べ、41百万ドルないし2%の増加となった。かかる増加には、32百万ドルの為替差損
が反映されている。2010年度の支出増加には、コア支出18百万ドル、当社の事業情報システムのアップグレード
のための全社的なエンタープライズ・リソース・プランニング構想に関連する16百万ドル、及び年金費用15百
万ドルが含まれている。2009年度の費用総額には、前述の訴訟費用45百万ドルが反映されている。
2010年度の研究開発費は売上高の5.8%に当たる431百万ドルとなったが、前年度は売上高の5.8%に当たる
405百万ドルであった。前述のとおり、研究開発費の増加分には各セグメントの新製品及び新プラットフォーム
に係る支出が含まれる。
営業外費用及び利益
2010年度の支払利息は前年度の40百万ドルに対し51百万ドルとなった。かかる増加は、長期固定金利負債
の増加を反映したものであるが、変動金利負債の低金利及び資産計上利子の増加により一部相殺された。2010
年度の受取利息は前年度の33百万ドルに対し35百万ドルとなった。かかる増加は主により高い投資水準により
もたらされた。2010年度のその他の収入(支出)純額には、延長ドウェルカテーテル製品プラットフォームの
売上に評価された18百万ドルの利益及び14百万ドルの投資評価損が含まれている。
法人税
2010年度の実効税率は29.2%であり、前年度の26.1%に比べて高く、一定の臨時科目が不利に影響したこと
を反映している。2010年度の税率は、研究開発に係る税額控除の適用終了による0.6%、メディケアパートD返戻
金に影響を及ぼす医療保険制度改革に関連する非現金費用による0.5%のマイナス影響を受けている。また、
2009年度の税率には、重複する税務管轄における複数の税清算による1.2%の利得が反映されている。
継続事業からの利益及び希薄化後1株当たり利益
2010年度の継続事業からの利益及び希薄化後1株当たり利益は、それぞれ12億ドルと4.90ドルであった。医
療保険制度改革に関連する非現金費用により、2010年度の継続事業からの利益及び継続事業からの希薄化後1
株当たり利益はそれぞれ、9百万ドル及び4セント減少した。当期の利益はまた、26セントの為替変動による全体
的な減少分純額、ヘッジ損失を反映している。2009年度の継続事業からの利益及び希薄化後1株当たり利益は、
それぞれ12百万ドルと4.73ドルであった。前述の税制優遇措置により、2009年度の継続事業からの利益及び継
続事業からの希薄化後1株当たり利益はそれぞれ、20百万ドル及び8セント増加した。前述の訴訟費用により、
2009年度の継続事業からの利益及び継続事業からの希薄化後1株当たり利益はそれぞれ、28百万ドル及び11セ
ント減少した。
金融取引に伴う市場リスク
当社は、主に進行中の事業活動に関連する外国為替リスクと金利変動リスクという市場リスクを管理する
ために、金融商品を選択的に利用している。こういった契約の相手方となるのは、高格付けの金融機関である。
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当社はトレーディングや投機を目的とした金融取引は行っていない。
為替リスク
当社とその子会社は、ヨーロッパ、アジア太平洋、カナダ、日本及びラテンアメリカにおいて、様々な外国通
貨により取引を行っている。当社は、機能通貨以外の通貨建てで行われる取引に関連する負債と債権の変動為
替レートの差額による外国通貨リスクに直面している。これらの負債と債権は主に関連会社間取引において生
じている。当社はこうしたリスクのほとんどすべてを先物契約を利用することでヘッジしている。また、売上高
を含む全世界での事業収益を報告年度始めから変動した為替レートで米ドル換算することによって生じる通
貨リスクにも直面している。当社は、時々において、為替相場の不利な変動による影響に対する部分的対処とし
て、先物契約及びオプション契約を購入して外国通貨建ての先物売買を一部ヘッジしている。金融派生商品の
取引から生じる損益の大部分は、ヘッジ対象の原取引から生じる損益により相殺されている。
金融派生商品は、当社の貸借対照表に公正価額で計上されている。為替デリバティブ商品については、対米
ドル為替レートが変動した場合に、これが公正価額に与える影響を計算することにより市場リスクが決定され
る。公正価額は、観測可能な情報、特に同種の資産と負債に関する現物為替相場及び外国通貨価額に基づき評価
された。2010年9月末日現在未行使の金融派生商品については、一年間で米ドルが10%増価すると、税引き前利
益が30百万ドル減少することになる。逆に10%減価した場合には、税引き前利益は30百万ドル増加することに
なる。これに対して、2009年9月末現在未行使の金融派生商品については、一年間でドルが10%増価した場合、税
引き前利益は85百万ドル増加したはずであり、逆に10%減価した場合には、税引前利益は85百万ドル減少した
はずである。これらの計算には、金融派生商品による損失を実質的に相殺するはずの原取引に係る為替差益や
差損による影響は織り込まれていない。
金利変動リスク
当社が負う主な金利リスクは、米ドル短期金利の変動によるところが大きい。2010年9月末現在の債券及び
利付き投資の大半は米ドル建てである。したがって、このような商品に関する取引リスク及び換算リスクはわ
ずかなものである。金利リスクを管理する際、当社はできる限り固定金利の商品と変動金利の商品の均衡をと
ることをめざしている。この均衡を維持し、債券と利付き投資の管理を連携して行うため、金利スワップ取引を
行うことがある。こうした商品は金利リスクを相殺する効果を持つからである。金利デリバティブ商品につい
ては、公正価額は、これら協定の相手方である金融機関によって規定される。これらの商品の市場リスクは、あ
らゆる満期商品につき金利が変動した場合に、これが公正価額に与える影響を計算することにより決定され
る。短期債券と利付き投資の金利が変動すると利益及びキャッシュフローに影響を与えるが、これらの金融商
品の満期は定期であるために、公正価額には影響を与えない。長期債券の金利が変更された場合、固定金利であ
るために、負債の公正価額には影響を与えるが、利益やキャッシュフローには影響はないものと思われる。2010
年及び2009年9月末現在の当社全体の金利リスクから判断して、金利が10%変動しても、1年の期間では当社の
利益又はキャッシュフローに重大な影響を及ぼすことはないと思われる。金利が10%上昇した場合、2010年及び
2009年9月末現在の長期負債の公正価額はそれぞれ約56百万ドル、66百万ドル減少すると考えられる。金利が
10%低下した場合、2010年及び2009年9月末現在の長期債券及び金利スワップの公正価額はそれぞれ約59百万ド
ル、71百万ドル増加すると考えられる。
流動性及び資金源
継続事業活動からの正味キャッシュフロー
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2010年度の継続事業活動による純現金収入は17億ドルで、前年度と変わりなかった。事業用資産及び負債
における変動は、現金利用純額によるものであり、より高水準の売掛債権及び棚卸資産を反映したものである。
継続事業活動による純現金収入は、2010年度及び2009年度にそれぞれ、175百万ドル及び75百万ドルの米国年金
基金に対する任意現金拠出を行ったことにより減少した。
継続投資活動からの正味キャッシュフロー
設備投資
2010年度の設備投資は前年度の585百万ドルに対し537百万ドルとなった。2010年度のメディカル、ダイア
グノスティック及びバイオサイエンス・セグメントへの設備投資はそれぞれ369百万ドル、109百万ドル及び50
百万ドルであり、主に製造設備拡大に関連するものであった。
事業買収
2009年11月、当社は、分子診断分析とオートメーション・プラットフォームの開発製造会社であるハン
ディラブ・インクの発行済み株式の100%を取得し、現金払いで純額275百万ドルであった。詳細については、
「第6経理の状況」中の連結財務書類注記9を参照されたい。
事業分割
2010年7月30日、当社は、眼科システム部門及び手術用ナイフプラットフォームを売却した。重大疾患用製
品及び拡張ドウェルカテーテル製品プラットフォームの売却は2010年9月30日に完了した。これらの事業分割
によって2010年度第4四半期に得た現金収入は260百万ドルで、これは運転資本調整純額である。詳細について
は、「第6経理の状況」中の連結財務書類注記10を参照されたい。
継続財務活動からの正味キャッシュフロー
債券発行及び債務弁済
短期負債の変動は、2009年10月1日満期額面金額200百万ドル金利7.15%の社債の償還を反映したものであ
り、2009年5月の10年満期額面金額500百万ドル金利5.00%及び30年満期額面金額250百万ドル金利6.00%の社
債発行による収入を充てたものである。2010年度末の短期負債の負債総額に対する割合は2009年度末の21%か
ら12%に低下した。2010年度末の変動金利負債の負債総額に対する割合は24%であり、前年度末では32%であっ
た。2010年度末の加重平均コストの負債総額に対する割合は4.6%で、前年度末の4.9%から低下した。2010年9
月末の負債比率(負債総額、株主持分及び長期繰延税金負債の合計額に対する負債総額の比率)は前年度末の
26.8%に対し、23.7%であった。
2010年11月8日、当社は、10年満期額面金額700百万ドル金利3.25%及び30年満期額面金額300百万ドル金利
5.00%の社債を発行した。かかる発行による純利益は会社の一般利用目的のために利用される予定であり、運
転資金、設備投資、普通株式の買戻し及び買収等に充てられる可能性がある。
普通株式の買戻し
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当社は、2010年度に普通株式10.1百万株を750百万ドルで、2009年度には8.2百万株を550百万ドルで買戻し
た。2010年9月、当社の取締役会は更に21百万株の買戻しを承認した。2009年11月に取締役会により買戻しが承
認された残余の株式数と合算すると、2010年9月末時点で合計約29百万株の普通株式の買戻しが可能となる。当
社は、2011年に15億ドル、2012年に600百万ドルの株式買戻しを計画しているが、事業活動から生ずるキャッ
シュフロー及び社債発行により資金を賄う予定である。
信用取引
当社は運転資金等の短期の資金需要に利用できるコマーシャル・ペーパー借入プログラムを設定してい
る。2010年9月末現在、同プログラムに基づく借入残高は200百万ドルであった。当社は、コマーシャル・ペー
パー・プログラムを補完して一般的な事業目的に利用するため10億ドルのシンジケート与信枠を維持してい
る。この与信契約は2012年12月に終了し、直近の連続する4四半期について利払余力率(所得税引き前・減価償
却控除前利益の支払利息に対する比率)を5対1以上の比率に維持することを当社に要求する単一の融資約定
が含まれている。過去8回の基準日については、この比率は26対1から34対1となっている。2010年9月末時点でこ
の与信枠に基づく借入残高はない。また、米国外でもインフォーマルな与信枠を設定している。
資本へのアクセス及び信用格付
当社製品の需要の大幅な減少、当社の主要な財務比率若しくは信用格付けの悪化その他状況に相当程度に
不利な変化が生じた場合には、営業活動からのキャッシュフローの発生、起債、他の資金調達取り決めの締結及
び受け入れ可能な条件での長期的な投資の誘致を行う当社の能力は悪影響を受ける可能性がある。
2010年9月末時点の当社の信用格付は下記の通りである。
格付:
スタンダード・アンド・プアーズ
ムーディーズ
長期債券
AA−
A2
コマーシャル・ペーパー
A-1+
P-1
安定的
安定的
アウトルック
信用格付けの悪化により、既存の与信取り決めの維持及びこれに基づく借入に伴うコストは増加するが、
こうした格付けの低下は、かかる与信枠に基づき借入を行う当社の能力には影響せず、また未返済債務の返済
期限の繰り上がりを招くこともない。当社の債券格付け、当社の保守的な金融管理政策、当社のキャッシュフ
ローを生み出す能力、市況産業ではない当社の事業の地理的多様性を鑑み、必要が生じれば、当社は短期及び長
期資金に更にアクセスするものと考えている。
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契約債務
当社は、通常の事業活動において、将来支払義務が発生する契約や約定を交わすことがある。当社の重要な
契約債務及びこれらに関連して予定されている支払は以下の通りとなっている。
(単位:百万ドル)
合計
短期負債
2011年
2013年
2015年
2016年以降
$203
-
-
-
2,624
79
$362
$145
$2,038
197
45
63
46
43
521
318
188
15
-
-
-
-
-
-
$3,545
$645
$613
$206
$2,081
長期負債
オペレーティング・リース
(B)
購入債務
(C)
未認識税制優遇
合計
2014年から
$203
(A)
(D)
2012年から
(A)長期負債には、金利スワップ等予定されている元本及び利息の返済義務が含まれる。変動金利負債
及びスワップに係る契約債務額の算定には2010年9月末現在の金利先物カーブが使用された。
(B)購入債務は、通常の事業活動において営業上及び資金上の需要を満たすために行われた購入に係る
ものである。
(C)2010年9月末の90百万ドルの未承認税制優遇は事実上全て長期である。これらタックスポジション
の回復のタイミングが不確定のため、関連負債は表から除外されている。
(D)年金その他の退職給付プランに関して必要となる2011年度の資金拠出債務は多額にのぼらない見
込みである。
継続事業の業績2009年度と2008年度の比較
2009年度の全世界売上高は前年比1%増の70億ドルとなったが、これは、約5%の販売量増加及び1%未満の価
格引上げを反映しており、ヘッジ利益を計上後、4%の為替差損により一部相殺された。
継続事業から生じた利益が2009年度と2008年度でこのように変化したのは、財務成績に反映されている次
のような重要事項の影響を受けた結果である。
・2009年度第3四半期に、当社は、重複する税務管轄における複数の税清算に関連して、20百万ドルの税制
優遇、継続事業からの希薄化後1株当たり8セントの利益を計上した。
・2009年度第2四半期中、当社は、特定の反トラスト集団訴訟における未決の和解手続に伴い、税引き前費
用45百万ドル、ないし継続事業からの希薄化後1株当たり11セントの利益を計上した。
メディカル・セグメント
2009年度のメディカルの売上高は前年比14百万ドル増、すなわち0.4%増の36億ドルであったが、販売数の
増加は、推定5.5%の為替差損、ヘッジ利益純額によりほとんど相殺された。
部門別のメディカル部門の売上高の概要は以下の通りとなっている。
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(単位:百万ドル)
2009
2008
全体の変化率
外国為替の影響
(推定)
メディカル・サージカル・システム部門
$1,889
$1,906
(0.9%)
(5.6%)
ダイアビーティス・ケア部門
715
694
3.0%
(3.9%)
ファーマシューティカル・システム部門
952
942
1.1%
(6.3%)
$3,557
$3,543
0.4%
(5.5%)
売上高合計
*四捨五入のため合計額が異なることがある。
為替変動の影響を除けば、メディカル・サージカル・システム部門の売上高の増加は、引続き、安全機能付
製品とフラッシュ用薬剤充填済注射器の売上によるものであった。安全機能付製品の売上高は米国で2%増加、
海外で12%増加したが、これには推定11%の為替差損、ヘッジ利益純額が含まれていた。ダイアビーティス・ケア
部門の売上高増加は、主にペンニードルの世界全体での売上によりもたらされた。ファーマシューティカル・
システム部門の売上高増加は、ヨーロッパとアジア太平洋での伸びによるものであったが、前年比での米国内
の販売減少により相殺され、これには特定のジェネリック・へパリン製品を生産する会社に対する経常外販売
が含まれていた。新型インフルエンザ(H1N1)の世界的流行に関連する2009年度の売上高は、メディカル・
サージカル・システム部門では30百万ドル、ファーマシューティカル・システム部門では25百万ドルであっ
た。
2009年度のメディカルの営業利益は同セグメントの売上高の29.5%に当たる10億ドルであった。前年度は
28.4%に当たる10億ドルであった対売上高営業利益率は、ヘッジ利益を含む為替差益による総利益率の増加と
原材料費の低下によるわずかな利益を反映しているが、製造立上費用により一部相殺された。売上総利益率の
詳細については後述を参照されたい。2009年度、メディカルの売上高に占める販売費及び一般管理費の比率は
前年同期の17.9%から17.5%に低下したが、これは厳しい支出抑制によるものである。2009年度の研究開発費は、
新たな製品とプラットフォームの開発への資金投下が継続したことを反映して、16百万ドルすなわち15%増加
した。
ダイアグノスティック・セグメント
2009年度のダイアグノスティックの売上高は前年比66百万ドル増すなわち3%増の22億ドルであった。2009
年度の売上高には、ヘッジ利益純額の為替差損による推定約4%の減少分が反映されている。
部門別のダイアグノスティック部門の売上高の概要は以下の通りとなっている。
(単位:百万ドル)
2009
2008
全体の変化率
外国為替の影響
(推定)
プレアナリティカル・システム部門
ダイアグノスティック・システム部門
売上高合計
$1,143
$1,124
1.8%
(4.6%)
1,083
1,036
4.5%
(2.9%)
$2,226
$2,160
3.1%
(3.7%)
プレアナリティカル・システム部門の増収は安全機能付製品の売上によるものである。安全機能付製品の
TM
販売はBD Vacutainer プッシュボタン式採血セットの販売により米国で6%、海外では4%増加したが、これには
推定10%の為替差損、ヘッジ利益純額が含まれていた。ダイアグノスティック・システム部門は、分子BD
TM
TM
TM
ProbeTec 、BD Viper 、BD Affirm システム等の自動診断プラットフォームの売上が世界全体で増加したと共
TM
TM
に、BD BACTEC 血液培養及びTBシステム、BD Phoenix ID/ASTプラットフォームも好調な伸びを見せた。2009年
度のインフルエンザ関連製品の売上高は22百万ドルであった。また、2009年度は、トライパスの売上が11百万ド
ルから130百万ドルに、ジーノムの売上が9百万ドルから51百万ドルに増加した。
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2009年度のダイアグノスティックの営業利益は同セグメントの売上高の27.3%に当たる607百万ドルで
あった。前年度は24.3%に当たる526百万ドルであった。全体的に売上総利益率の高い製品、とりわけ安全機能付
TM
TM
製品とBD ProbeTec 、BD Viper システムの売上が増加した結果ダイアグノスティック・セグメントの売上総
利益率は改善された。これは、原材料費の増加と為替差損により一部相殺された。売上総利益率の詳細について
は後述を参照されたい。2009年度のダイアグノスティックの売上高に占める販売費及び一般管理費の比率は前
年度は22.0%であったのに対し21.2%となったが、これは主に支出の厳しい抑制によるものである。研究開発費
は、特に当社の分子プラットフォームに重点を置いた新たな製品とプラットフォームの開発への資金投下が継
続したことを反映して、10百万ドルすなわち7%増加した。
バイオサイエンス・セグメント
2009年度のバイオサイエンスの売上高は前年比9百万ドル増すなわち1%増の12億ドルであったが、これに
は為替差損による推定1%の減少分及びヘッジ利益純額が反映されている。
部門別のバイオサイエンス部門の売上高の概要は以下の通りとなっている。
(単位:百万ドル)
2009
2008
全体の変化率
外国為替の影響
(推定)
細胞分析部門
$905
$901
0.4%
(1.0%)
299
295
1.6%
(0.3%)
$1,204
$1,195
0.7%
(0.8%)
ディスカバリー・ラブウェア部門
売上高合計
*四捨五入のため合計額が異なることがある。
細胞分析部門の売上増加は、主に予算の制約と資本設備需要の低下を招いた米国の経済不況に起因した機
器及び研究試薬の需要の減少を反映している。当部門はまた、他の地域の研究費の減少にも影響を受けた。ディ
スカバリー・ラブウェア部門の売上増加には、前年度に比べ主要顧客への販売が減少したことがマイナス影響
を与えた。バイオサイエンスの売上高は当社のヘッジ利益の大部分を反映しているが、これは米国製製品の海
外売上のうち当該部門に相応する割当分に基づき当該セグメントに計上されている。
2009年度のバイオサイエンスの営業利益は同セグメントの売上高の30.1%に当たる362百万ドルであった
が、前年度は27.9%に当たる334百万ドルであった。対売上高営業利益の増加は、ヘッジ利益純額である為替差益
による総利益の増加を反映している。売上総利益率の詳細については後述を参照されたい。また、2009年度のバ
イオサイエンスの売上高に占める販売費及び一般管理費の比率は前年度は23.0%であったのに対し21.6%と下
落したが、これは主に支出の厳しい抑制によるものである。2009年度の研究開発費は前年度比で横ばいであっ
た。
地域別売上高
2009年度、米国における売上高は3%増加して31億ドルとなった。全体的に、売上高の増加は、4%増の11億ド
ルであった安全機能付製品の売上及びダイアビーティス・ケア部門の売上によるものであった。売上増加に
は、前述の通り、免疫サイトメトリー機器及び試薬、並びにファーマシューティカル・システム製品の低調な売
上が、マイナス影響を与えた。
2009年度の39億ドルの海外売上高は、前年度に比べ比較的横ばいとなったが、これは販売数の増加が、推定
7%の為替差損、ヘッジ利益純額により相殺されたためである。販売数の増加は、西ヨーロッパ、アジア太平洋及
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びラテンアメリカでの売上によるものであった。2009年度の安全機能付器具の海外での売上高は前年度の533
百万ドルから6.5%増加して568百万ドルとなったが、推定10%の為替差損、を反映している。
売上総利益率
2009年度における売上総利益率は、前年度の51.3%から52.6%に増加した。2009年度の売上総利益率は、為替
差益と特定の外国通貨のヘッジ利益により推定140ベーシスポイントの増加を反映した。約30ベーシスポイン
トの製造準備費の増加により、これらの利益は一部相殺された。
営業費用
販売費及び一般管理費は、2009年度には17億ドルないし売上高の24.1%であったが、前年度では17億ドル、
売上高の24.2%であった。費用総額には、前述の訴訟費用45百万ドル及び増加コア支出48百万ドルが反映されて
いる。これらの増加は、為替差益82百万ドルにより一部相殺された。
研究開発費は2009年度には405百万ドルないし売上高の5.8%であったが、2008年度では383百万ドルないし
売上高の5.5%であった。研究開発費の増加には、前述の通り、メディカル及びダイアグノスティック・セグメン
トの新しい製品及びプラットフォームに対する支出が含まれている。
営業利益
2009年度の営業利益率は売上高の22.8%となったが、前年度の同比率は21.6%であった。前記の訴訟費用に
より、2009年度の営業利益率は60ベーシスポイント減少した。
営業外費用及び利益
2009年度の支払利息は前年度の36百万ドルに対し40百万ドルとなった。この増加は、変動金利負債の低利
率により高い負債水準が一部相殺されたことを反映している。2009年度の受取利息は前年度の39百万ドルに対
し33百万ドルとなった。かかる減少は主に変動金利投資の低金利によるものであった。
法人税
2009年度の実効税率は前年度の27.7%に対し26.1%であったが、これには、重複する税務管轄における複
数の税清算に起因する1.2%の優遇措置が反映されている。
継続事業からの利益及び希薄化後1株当たり利益
2009年度の継続事業からの利益及び希薄化後1株当たり利益は、それぞれ12億ドルと4.73ドルであった。前
述の税制優遇措置により、2009年度の継続事業からの利益及び継続事業からの希薄化後1株当たり利益はそれ
ぞれ、20百万ドル及び8セント増加した。前述の訴訟費用により、2009年度の継続事業からの利益及び継続事業
からの希薄化後1株当たり利益はそれぞれ、28百万ドル及び11セント減少した。2008年度の継続事業からの利益
及び希薄化後1株当たり利益は、それぞれ11百万ドル及び4.27ドルであった。
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停止事業
2009年7月、当社は、メディカル・セグメントの家庭用ヘルスケア製品ラインの伸縮素材や体温計部品に
関連する特定の資産と負債を51百万ドルで売却した。詳細については、「第6経理の状況」中の連結財務書類注
記10を参照されたい。
流動性及び資金源
継続事業活動からの正味キャッシュフロー
継続事業活動からの現金収入は、2008年度の16億ドルに対して2009年度では17億ドルであった。非現金項
目(主として減価償却費、株式ベース報酬、繰延法人税)を除いた純利益は、営業活動によるキャッシュフロー
の主な資金源となった。事業用資産及び負債における変動は、現金利用純額であり、より高水準の売掛債権及び
棚卸資産を反映したものである。
継続投資活動からの正味キャッシュフロー
2009年度の継続投資活動に伴う純現金支出は11億ドルとなったが、前年度は777百万ドルであった。2009年
度の設備投資は前年度の596百万ドルに対し585百万ドルとなった。2009年度のメディカル、ダイアグノス
ティック及びバイオサイエンス・セグメントへの設備投資はそれぞれ408百万ドル、102百万ドル及び56百万ド
ルであり、主に製造設備拡大に関連するものであった。短期投資商品の購入に使用した現金の増加は、主に後述
の長期債券発行による収益の一時投資に関するものである。設備ソフトウェア投資に使用した現金の増加は、
主に我々の事業情報システムのアップグレードのための全社的なエンタープライズ・リソース・プランニン
グ構想に関連するものである。
継続財務活動からの正味キャッシュフロー
財務活動に伴う現金支出(純額)は、2008年度の586百万ドルに対して2009年度では80百万ドルとなった。
2009年5月、当社は、2009年10月の175百万ドルの任意年金拠出金への充当、会社の一般利用目的のために、10年
満期額面金額500百万ドル金利5.00%の社債及び30年満期額面金額250百万ドル金利6.00%の社債を発行した
が、この収益は2009年10月1日に満期額面金額200百万ドル金利7.15%の社債の償還に充てられた。2009年及び
前年の9月末日時点の負債総額はそれぞれ19億ドル及び12億ドルであった。2009年度末の短期負債の負債総額
に対する割合は2008年度末の17%から21%に上昇した。2009年度末現在の変動金利負債の負債総額に対する割合
は、前年同期が35%であったのに対し、32%であった。2009年度末時点の加重平均コストの負債総額に対する割合
は4.9%で、前年度と変わりなかった。2009年度末時点の負債比率は、主に社債発行のため、前年度の18.8%から
26.8%に上昇した。
2【生産、受注及び販売の状況】
上記「1.業績等の概要」を参照のこと。
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3【対処すべき課題】
以下に記載の内容は、本書に掲載されている連結財務諸表及び注記事項と関連付けて読まれるものとす
る。
以下は、当社が米国証券取引委員会に提出した2010年9月30日終了事業年度に関するForm10-Kの該当箇
所の翻訳である。
法的手続
当社は、当社製品の購入者である販売代理店及びその他の企業(以下「販売業者原告団」という。)を代
表して提起された以下の集団代表訴訟の被告となっている。当該訴訟では、当社が連邦反トラスト法に違反し
て、原告及び集団代表訴訟の原告であるとされている他の者に対し、BD製品につき高い価格を請求したとされ
ている。
事件
裁判所
提起日
Louisiana Wholesale Drug Company,
Inc.他対ベクトン・ディッキンソン・
アンド・カンパニー事件
SAJ Distributors, Inc.他対ベクトン
・ディッキンソン・アンド・カンパ
ニー事件
Dik Drug Company他対ベクトン・
ディッキンソン・アンド・カンパニー
事件
American Sales Company, Inc.他対ベ
クトン・ディッキンソン・アンド・カ
ンパニー事件
Park Surgical Co. Inc.他対ベクトン
・ディッキンソン・アンド・カンパ
ニー事件
ニュージャージー州ニューアーク連
邦地方裁判所
2005年3月25日
ペンシルバニア州東部地区連邦地方
裁判所
2005年9月6日
ニュージャージー州ニューアーク連
邦地方裁判所
2005年9月12日
ペンシルバニア州東部地区連邦地方
裁判所
2005年10月3日
ペンシルバニア州東部地区連邦地方
裁判所
2005年10月26日
これらの訴訟は、「皮下注入製品反トラスト訴訟」として併合されている。
当社はまた、病院等(以下「病院原告団」という。)の当社製品の購入者を代表して提起された以下の集
団代表訴訟の被告となっている。当該訴訟では、当社が連邦及び州の反トラスト法に違反して、原告及び集団代
表訴訟の原告であるとされている他の者に対し、BD製品につき高い価格を請求したとされている。
事件
裁判所
提起日
Jabo’s Pharmacy, Inc.他対ベクトン・
ディッキンソン・アンド・カンパニー事
件
Drug Mart Tallman, Inc.他対ベクトン
・ディッキンソン・アンド・カンパニー
事件
Medstar 対ベクトン・ディッキンソン事
件
The Hebrew Home for the Aged at
Riverdale対ベクトン・ディッキンソン
・アンド・カンパニー事件
テネシー州グリーンビル連邦地方裁
判所
2005年6月7日
ニュージャージー州ニューアーク連
邦地方裁判所
2006年1月17日
ニュージャージー州ニューアーク連
邦地方裁判所
ニューヨーク州南部地区の連邦地方
裁判所
2006年5月18日
2007年3月28日
原告は上記の反トラスト集団代表訴訟のいずれにおいても金銭的損害賠償を求めている。これらの反トラ
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スト集団代表訴訟はすべて、ニュージャージー州の連邦裁判所において広域統一法廷審理前手続制度で統合さ
れた。
2009年4月27日、当社は、これらの訴訟において、販売業者原告団との和解を締結した。和解契約では、特に、
連邦反トラスト法に基づき直接購入者の訴えの集団訴訟当事者に該当し得る者全員が、直接購入者の訴えに関
連するものに限り、訴状に列挙された製品と行為に関する権利放棄を行い、及び再訴不能な訴えの取下げを行
うことと引換えに、当社が45百万ドルの和解金を支払う旨を定められた。権利放棄は、和解から意図的に脱退す
る集団訴訟当事者に該当し得る者には及ばない。2010年9月30日、裁判所は、販売業者原告団に該当しない病院
原告団が、連邦反トラスト法に基づき、当社の特定の製品販売に関し損害を求める権利を有する直接購入者で
ある旨を定めた和解契約の承認を求める訴えを棄却した。契約終了規定に従うことを条件として、和解契約は
現在有効であり、販売業者原告団は裁判所の命令の再審理を求めている。
2007年6月、リトラクタブル・テクノロジー・インク(以下「リトラクタブル」という。)は、「リトラク
タブル・テクノロジー・インク対ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー事件」(テキサス州東部
地区の連邦地方裁判所 審理番号2:07-cv-250)として当社に対する訴えを提起した。リトラクタブルは、BD
Integra™注射器がリトラクタブルに独占的にライセンス供与されたもう一つの特許を侵害していると申立て
ている。リトラクタブルは、訴状において、当社が一定の安全機能付製品に関して虚偽の広告を行なったことは
ランハム法違反である旨、リトラクタブルを様々な製品市場から排除し、独占的契約等によってマーケット
シェアを維持しようとしたことは州・連邦反トラスト法違反である旨、並びに不正競争を行なった旨も申立て
ている。2008年1月、裁判所は特許に係る請求と特許以外の事項に係る請求を分離した。リトラクタブルは金銭
的損害賠償と差止命令による救済を求めている。2008年4月1日、リトラクタブルは、「リトラクタブル・テクノ
ロジー・インク及びトーマス・ジェイ・ショー対ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー事件」
(テキサス州東部地区の連邦地方裁判所 審理番号2:08:-cv-141)として当社に対する訴えを提起した。リト
ラクタブルは、BD Integra™注射器がリトラクタブルに独占的にライセンス供与された特許を侵害していると
申立てている。リトラクタブルは金銭的損害賠償と差止命令による救済を求めている。2008年8月29日、裁判所
は特許訴訟の併合を命じた。2009年11月9日、これら併合された訴訟の裁判において、陪審員は、侵害の訴えの一
つを除く他の全てにつきリトラクタブルの主張を認める評決を言い渡したが、意図的な侵害はみられなかった
とし、リトラクタブルに対する5百万ドルの賠償金の支払いを命じた。2010年5月19日、裁判所は、当社がリトラ
クタブルの現行形式で引続きBD Integra™製品を販売することに対し終局的差止を求めたリトラクタブルの
訴えを認めたが、12カ月又は上訴期間のいずれか長い期間、差止命令を延期した。同時に、裁判所は、第一審裁判
所での特許に係る請求の係属期間を対象に裁判所が課したリトラクタブルの特許以外の請求の延期を解除し
た。2010年6月16日、当社は連邦巡回控訴裁判所に対し控訴した。
2009年10月19日、ジーン・プローブ・インコーポレイティッド(Gen-Probe Incorporated)(以下「ジーン
・プローブ」という。)は、カリフォルニア州南部地区連邦地方裁判所に、当社に対する特許侵害訴訟を申し立
てた。原告は、BD Viper™ 及び BD Viper™ XTR™システム並びに BD ProbeTec™ 検体採取製品がジーン・プ
TM
ローブのいくつかの米国特許を侵害していると訴えている。2010年3月23日、ジーン・プローブはまた、BD Max
機器がジーン・プローブの特許を侵害しているとしてカリフォルニア州南部地区連邦地方裁判所に対し訴え
を提起した。本件機器についての詳細な情報は、「第6経理の状況」中の連結財務書類注記9を参照されたい。侵
害を受けていると主張された特許は、2009年10月の訴訟で当社に主張されたジーン・グローブの特許の一部で
ある。2010年6月8日、裁判所はこれらの事件を併合した。ジーン・プローブは金銭賠償及び差止命令による救済
を求めている。
当社は当社に対して係争中の上述の各訴訟について実体上の抗弁があると考えており、それぞれの事件で
抗弁を精力的に展開している。
当社は原告又は被告として、他にも通常の事業活動において生じた法的手続や請求に関与している。
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当社は、米国において、「スーパーファンド法」としても知られる包括的環境対策補償責任法及び類似の
州法に基づいた数件の連邦手続の当事者となっている。影響を受けた用地では開発が進んでいるが、開発の程
度はそれぞれ異なる。是正措置が完了したものがある一方で、環境調査が開始されたものもある。当社の全ての
事業用地について、他の当事者が当社と連帯して又は単独で浄化費用を負担することがある。
訴訟全般の不確実性に鑑み、当社が当事者となっている訴訟に敗訴した場合に生じうる損失の額や程度を
すべての事案について予測することは不可能である。米国で一般に公正妥当と認められている会計原則に従
い、発生することが見込まれる将来の損失につき予測可能な限り見越勘定を設定している(環境事案の場合に
は、他社が費用を負担する可能性を考慮していない)。後述の不確実性に鑑み、現在引き当てられている費用を
超える費用、及び損害賠償保険の付保が可能な場合には保険金額を超える費用が当社に発生することもあり得
る。経営陣は、そのような将来の費用は個別的にも全体としても、連結業績及び連結キャッシュフローに著しく
不利な影響を及ぼすおそれがあると考えている。
4【事業等のリスク】
以下は、当社が米国証券取引委員会に提出した2010年9月30日終了事業年度に関するForm 10-Kの該当箇
所の翻訳である。
リスク要因
当社への投資は様々なリスクと不確実性を伴う。事業、財務状態、業績又はキャッシュフローに悪影響を及
ぼすおそれのある重大なリスクの一部を以下に掲げる。
現在の経済情勢は当社の事業に不利に影響する可能性がある。
現在の経済情勢により、当社の製品・サービスの需要の減少、販売周期の長期化、新技術採用の遅れ、価格
競争の増大をもたらす可能性がある。2010年度中、米国内の臨床試験量及び受診数の減少、並びに西ヨーロッパ
でのマクロ経済要因が原因となり、当社製品の需要が低下した。ヨーロッパ又は医療費及び研究費を主に政府
が負担しているその他の地域において何らかの緊縮財政計画が実施されることも、当社製品の需要の低下を招
く可能性がある。また、現在の経済情勢により、今日まで当社の金融市場にアクセスする能力が弱められたとい
うことはないが、今後当社のかかる能力に悪影響がないとの保証はない。現在の経済情勢は当社のサプライ
ヤーに悪影響を及ぼす可能性もあり、今後当社に対する供給が中断されないとの保証はない。世界経済活動へ
の政府介入による金融危機中の公的債務の増加が、世界的な金融システム及び経済復興に新たなリスクをもた
らす。当社は、ギリシャ政府の流動性問題が原因となり、ギリシャでの債権回収が滞っている。当社は、流動性問
題を抱える他の地域においても同様に滞る可能性がある。景気回復力及びそのタイミングも不透明なままであ
り、経済不況が今後も引き続き当社の事業に影響しないという保証はない。
当社は為替リスクにさらされている。
2010年度の売上の過半は海外事業から生じたものである。米国外での売上は為替変動の悪影響を受ける可
能性がある。為替変動による財務上の影響及びこうした影響に対処するために当社が講ずる可能性がある措置
の詳細は、「第3事業の状況」中の「1業績等の概要」、「4事業等のリスク」及び「7財政状態、経営成績及び
キャッシュ・フローの状況の分析」を参照されたい。しかしながら当社が行う可能性のあるヘッジ取引は、為
替差損による財務上のマイナス影響の一部を相殺することができるだけである。これらのリスクを対処するこ
とができる為替変動を確実に予測することは不可能である。
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連邦政府医療保険改革法は当社の業績に不利に影響する可能性がある。
医療保険改革法は2010年3月に成立した。医療保険改革法に基づき、2013年から、当社のような医療機器製
造会社は、特定の医療機器の米国内売上高に対し2.3%の消費税を支払うことになる。本税金が課せられると予
測される当社製品の売上高は、2010年度米国内売上高総額の約80%に相当した。医療保険改革法が他にいかなる
影響を当社の事業に及ぼす可能性があるのか、確信を持って予測することはできない。医療保険改革法は、メ
ディケア及びメディケイドからの病院、医療機関及び医薬品会社に対する支払を減少するほか、医療処置の量
を縮小する可能性がある。これらの要因は、次には、当社製品需要の減少及び下向きの価格圧力の増大を招く可
能性がある。医療保険改革法が当社製品に対する払戻額の減少を招く可能性もある。医療保険改革法は、米国内
の保険未加入の人々に対する医療保険提供の拡大を目的としているが、医療保険の利用機会の全体的な拡大が
当社製品の販売に及ぼす影響については、現時点では未確定である。
第三者支払者の払戻慣行が変化した場合、当社製品の需要と販売価格に影響が及ぼされる可能性がある。
当社の売上高は、ヘルスケア提供者や提供機関が政府当局、民間保険会社その他の第三者支払者から当社
製品の購入コストについて受ける払戻しの水準に左右される側面がある。第三者支払者の契約内容と払戻しの
水準は、公的資金と民間資金とでは異なる可能性があるが、特定の区域では顧客が購入する医療製品の選択や
こうした製品について支払う用意のある価格に影響を及ぼすことがある。医療保険制度改革の一環である米国
内外の払戻制度に関する法律上又は行政上の改革により(例えばフランス、ドイツ、イタリア及び英国で審議
中の改革)、当社製品を利用した医療処置に係る払戻額が大幅な減額となり、又は当該製品に係る払戻拒否が
なされる可能性がある。「第2企業の概況 3事業の内容」中の「第三者による払戻し」の項を参照されたい。
価格変動は当社の事業関連費用に悪影響を及ぼすことがある。
当社の業績は、原材料、部品、輸送、エネルギーのコストにおける価格変動によりマイナス影響を受ける可
能性がある。特に、当社は一定の製品の製造に使用される石油由来の樹脂を調達している。樹脂の仕入費用が大
幅に増加した場合には、将来の業績に影響が及ぶ可能性がある。石油価格の上昇により、当社の梱包・輸送費用
も増大する可能性がある。気候変動の対応策として採択された新しい法律はまた、エネルギー費並びに特定の
原材料及び部品の費用の増大を招く可能性がある。これら費用の増加により当社の収益にマイナス影響が及ぼ
される可能性がある。
将来の成長は新製品の開発に左右されるが、そのような製品が開発される保証はない。
当社の戦略は、患者、医療従事者及び研究者により大きな便益をもたらす製品に重点を置いて収益の増加
をはかることを重視している。こうした製品の開発には、相当程度の研究開発、臨床治験、規制当局の許認可を
必要とする。製品開発活動の結果は、製品の刷新、新製品の開発・製造、臨床治験の完了、米国内外での監督官庁
の認可と払戻しの取得、又は市場での製品認知の獲得と維持を行う当社の能力等、いくつかの要因の影響を受
ける。また、他社が取得した特許によって当社の製品の商品化が妨げられたり、遅れたりすることもある。開発
中の製品又は将来開発をめざす製品が、技術的に実現可能であり、規制当局の認可を得られ、又は市場で認知さ
れる保証はない。
医療技術業界は極めて競争が激しい。
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医療技術業界は急速な技術的変化にさらされており、当社は製品ライン全体にわたり、また当社製品が販
売されている各市場において激しい競争に直面している。当社は、多様な企業とこのような競争に直面してい
る。競合他社には大手医療機器会社が含まれており、中には資金やマーケティング資源が当社を上回る企業も
ある。また、特定市場については当社よりも専門性の高い企業とも競合している。医療技術関連製品を販売して
いた企業が、医療器具や機器の製造も手がけるようになっている。いくつかの例では、医薬品会社等の競合他社
も、医療機器なしで行える疾患の代替治療を提供し、または開発を試みている。他社が新たな又は改良された製
品、工程、技術を開発した場合(無針注射技術等)、当社の製品や予定されている製品が陳腐化したり、競争力
を失う可能性がある。また、より多くの環境に優しい製品に対する顧客需要の高まりは、当社が競わなければな
らない新基準を作りだしている。中国や他の低コスト製造地域に拠点を置く製造会社の市場へ参入することは
また、特に発展途上市場において、価格圧力を高めている。競合他社の中には、コスト削減手段として、これらの
国々に工場を置いたり、こうした拠点に所在する供給業者に委託したりしている会社もある。とりわけこうし
た低コスト国から、新規参入者が出現する可能性がある。
一定の原材料及び部品の供給が減少したり、中断した場合、製造業務と関連する製品の売上に悪影響が及ぼさ
れる。
当社は、多数の各種原材料および部品を購入している。複数の供給先から入手できない原材料(主として
BDバイオサイエンス・セグメント関連の原材料)及び部品もある。また、品質確保、費用効率その他の理由か
ら、当社は一定の原材料及び部品については単一の供給先から購入する方法を採っている。これら材料の供給
は、前述のような現在の経済情勢等多くの原因により中断される可能性がある。供給の安定を図るため供給会
社に働きかけてはいるが、こうした努力が実を結ぶ保証はない。また、供給会社の資格に関する規制上の要件が
ある場合には、適時に別の供給先や代わりの供給先を確保できない場合もある。こうした供給源の限定された
原材料及び部品の供給が停止、減少又は中断された場合、一定の製品の製造販売能力に影響が及ぼされるおそ
れがある。
製造が中断された場合、将来の収益と営業利益に悪影響が及ぶことがある。
当社は世界中に製造拠点を持っている。また、一定の製品ラインの製造が一又は複数の工場に集中してい
る場合もある。その結果、天候、天災(世界的流行病等)、テロ、政変、特定の内部命令手続違反、機器の誤作動、
環境要因又は市又は複数の工場の損壊によって、製品の製造能力に悪影響がもたらされるおそれがある。
当社は係属中の訴訟数件の当事者となっている。
当社は、反トラスト法違反や製造物責任の申立を受けた集団代表訴訟等、係属中の訴訟数件の被告となっ
ており、今後もさらに訴訟を提起される可能性がある。こうした訴訟の詳細は「第3事業の状況 3対処すべき課
題」中の「法的手続」の項に記載されている。訴訟全般の不確実性に鑑み、当社が当事者となっている訴訟に
敗訴した場合に生じうる損失の額や程度をすべての事案において予測することは不可能である。こうした不確
実性に鑑み、現在引き当てられている費用を超える費用、及び損害賠償保険の付保が可能な場合には保険金額
を超える費用が発生することもあり得る。そのような将来の費用は個別的にも全体としても、連結業績及び連
結正味キャッシュフローに不利な影響を及ぼすおそれがある。
ヘルスケア業界における統合によって、将来の収益と営業利益に悪影響が及ぼされることがある。
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医療技術業界では相当数の統合が行われている。こうした統合の結果、顧客に対する製品・サービスの販
売競争が激しくなっている。また、集団購買組織や総合医療ネットワークは一部の顧客の購入注文をまとめる
役割を果たしているため、医療機器供給会社に対する価格圧力が高まっている。業界における統合が進んだ場
合、当社製品に対する価格圧力が高まる可能性がある。
製品の欠陥は業績に悪影響を及ぼすことがある。
医療機器の設計、製造及びマーケティングには一定の固有リスクが伴う製造上若しくは設計上の欠陥、当
社製品の想定外の使用、又は製品の使用に伴うリスクの開示不十分は、傷害その他の有害事象につながる可能
性がある。こうした事象は、当社製品のリコールや安全性への警鐘(自主的なものか、あるいはFDA又は他の国
のFDAに相当する当局から求められたものかを問わない)につながり、場合によっては製品を市場から引き上
げることになることがある。リコールは多額のコストが発生する他、マイナスの宣伝効果及び当社の評価に対
する損傷となって、当社製品の需要が低下する可能性がある。当社製品の使用に伴って人身被害が生じた場合
も、製造物責任訴訟が当社に対して提起される結果になるおそれがある。場合によっては、そのような有害事象
によって新製品の認可が遅れることもある。
当社のエンタープライズ・リソース・プランニング・システム実施困難に直面するおそれがある。
当社はエンタープライズ・リソース・プランニング(「ERP」)システムの更新プロジェクトに取り組ん
でいる。ERPシステムは、会計帳簿の整理、取引の記録、当社の経営にとって重要な情報の提供及び財務書類の作
成を正確に行う当社の能力に極めて重要である。新ERPシステムの設計・実行には、相当量の財源と人的資源の
投資が必要であったし、引続き必要となるであろう。新ERPシステムの実行に必要な総費用は、当社の現在の予
測を上回る可能性がある。また、困難に直面することなく新ERPシステムを成功裏に実行することができないか
もしれない。新ERPシステムの設計改良において中断、遅延、欠陥が生じた場合、当社の注文処理、製品発送、サー
ビスとカスタマーサポートの提供、請求書発行及び支払確認、契約上の義務の履行その他事業活動を行う当社
の能力に悪影響を及ぼすおそれがある。
当社は広範な規制を受けている。
当社は、連邦食品医薬品化粧品法に基づくFDAの規制、他国のFDAに相当する当局の規制、その他の規制当局
や政府組織から規制を広範に受けている。当社のほとんどの製品は、マーケティングや販売を行う前に、FDAや
FDAに相当する米国外の規制当局の許認可を取得しなければならない。販売の許認可の取得手続には相当期間
を要することがあり、多大な資源を費やす必要があるが、これらは増加しつつある。そのような手続において
は、製品に変更を加えることを求められたり、あるいは製品の適応用途が制限されたりすることもある。また、
政府当局は、既に市販されている製品の変更若しくは再登録のために必要な登録、ラベル貼付、禁制品に関して
新たな要件を課し、または当社製品の販売能力に他の影響を及ぼす可能性がある。また、製品の認可又は承認を
得た時点で、適用されるFDAその他の監督官庁の要件を確実に満たす義務が生じる。
製品の発売後、こうした当局は製造工程や製品性能の定期的な審査も行う。適用される適正製造規範、有害
事象の報告、臨床治験その他のこうした当局の要件の遵守を怠った場合、当社製品の製造、マーケティング又は
販売の遅延または阻止、罰金の賦課、規制当局の許認可の遅延又は停止、製造拠点の閉鎖、製品の押収又はリ
コール、当社の評価に対する損傷にいたる可能性がある。FDAその他当局の昨今の執行手続の変更は執行業務の
増加を招いたが、これは当社及び同業他社のコンプライアンスリスクを増大させるものである。
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当社の戦略的買収、投資又は提携が成功する保証はない。
売上増大戦略を牽引する主役は内部製品開発であるが、戦略的買収、投資及び提携によって成長を強化す
ることを目指す。こうした取引にはリスクが伴う。買収、投資又は提携の成功は、潜在的な事業機会を適切に査
定し評価する能力又はこれを当社の既存事業に首尾良く組み込む能力といったいくつかの要因に左右される。
過去又は将来の取引が成果をあげる保証はない。
当社は海外事業によって一定の事業リスクにさらされる可能性がある。
当社は、米国外での事業によって、為替の変動(上述の通り)、世界的景気後退の拡大、外国の規制要件の
変化、現地製品の優先傾向、海外事業の構築、人材配置、経営における困難、異なる労働規制、税法の改正、潜在的
な政情不安、貿易障壁、一部の国における知的所有権保護の弱体化、資本の国際移動規制等の一定のリスクにさ
らされる。米国外での事業の成功は、現地企業の買収又は現地企業との提携の構築・維持を行う能力、製造設
備、販売網等の必要なインフラ強化を行う能力に左右される側面がある。
顧客の研究予算や政府助成金の削減は、BDバイオサイエンス・セグメントに悪影響を及ぼす可能性がある。
BDバイオサイエンス・セグメントは、医薬品会社やバイオテクノロジー会社、学術機関、政府研究機関、民
間財団の研究者に製品を販売している。顧客の研究開発費は、支出の優先順位や経済情勢全般によって変動す
ることがある。こうした顧客の一部はまた、国立衛生研究所(以下「NIH」という。)等の米国政府機関や他国の
機関の助成金に資金調達を依存している。研究開発に対する政府助成金の水準は予測できない。NIHの助成金が
長期にわたり凍結され、その他利用不能となった事例もある。政府の研究開発助成金の供給力も引き続き現在
の経済不況の影響を受けていくであろう。政府助成金が削減又は延期された場合、顧客は当社製品の購入を延
期又は見送る可能性がある。
当社の事業は特許その他の知的所有財産に一部依存している。
当社の事業の多くは特許、商標その他の知的財産財産に依存している。特許その他の知的財産権のいずれ
か一つを失っても事業に重大な悪影響が及ぼされるとは考えていないが、こうした知的財産は総合的に見て事
業にとって極めて重要である。特許の失効、法的異議申立又は政府の措置により、こうした知的財産によって提
供される保護を失う可能性がある。とりわけ当社製品の特許が失効する一方で競合他社が特許を取得した場合
も当社の競争力に悪影響が及ぼされうる。知的財産ポートフォリオの相当部分を失った場合、収益、財務状態又
はキャッシュフローに悪影響が及ぼされることがある。また、競合他社が、当社製品が彼らの知的財産を侵害し
ていると主張してくる可能性もある。知的財産に係る請求の解決には、費用がかかり、多大な時間を必要とする
可能性がある。
天災、戦争その他の事象は、将来の収益と営業利益に悪影響を及ぼすおそれがある。
天災(世界的流行病等)、戦争、テロ、雇用崩壊及び国際紛争、並びに米国その他の国の政府がかかる事態
に際して講じる措置は、米国や当社が事業を行う米国外の地域において重大な経済破綻や政情・経済不安を引
き起こす可能性がある。こうした事態は、当社製品の需要を減少させ、製造・販売能力に悪影響を及ぼし、供給
会社からの原材料調達に関する費用を増加させ又は調達を中断するおそれがある。
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当社は、競争力のある主要な従業員を誘致し、保持する必要がある。
当社が効率的に競争する能力は、役員及び技術、マーケティング、販売及び研究職を含む他の主要な従業員
を誘致し保持していく当社の能力に依拠している。経験豊富な従業員、特に専門的能力のある人物に関する競
争は激しいものである。そのような優秀な人物を採用する当社の能力は、福利厚生、勤務地及び労働環境等の多
くの要因によって決まっていく。能力ある役員及び従業員を効率的に採用し保持していくことができない場合
は、当社の事業は悪影響を受けるおそれがある。
金融取引に伴う市場リスク
当社は、主に進行中の事業活動に関連する外国為替リスクと金利変動リスクという市場リスクを管理する
ために、金融商品を選択的に利用している。こういった契約の相手方となるのは、高格付けの金融機関である。
当社はトレーディングや投機を目的とした金融取引は行っていない。
為替リスク
当社とその子会社は、ヨーロッパ、アジア太平洋、カナダ、日本及びラテンアメリカにおいて、様々な外国通
貨により取引を行っている。当社は、機能通貨以外の通貨建てで行われる取引に関連する負債と債権の変動為
替レートの差額による外国通貨リスクに直面している。これらの負債と債権は主に関連会社間取引において生
じている。当社はこうしたリスクのほとんどすべてを先物契約を利用することでヘッジしている。また、売上高
を含む全世界での事業収益を報告年度始めから変動した為替レートで米ドル換算することによって生じる通
貨リスクにも直面している。当社は、時々において、為替相場の不利な変動による影響に対する部分的対処とし
て、先物契約及びオプション契約を購入して外国通貨建ての先物売買を一部ヘッジしている。金融派生商品の
取引から生じる損益の大部分は、ヘッジ対象の原取引から生じる損益により相殺されている。
金融派生商品は、当社の貸借対照表に公正価額で計上されている。為替デリバティブ商品については、対米
ドル為替レートが変動した場合に、これが公正価額に与える影響を計算することにより市場リスクが決定され
る。公正価額は、観測可能な情報、特に同種の資産と負債に関する現物為替相場及び外国通貨価額に基づき評価
された。2010年9月末時点で未行使の金融派生商品については、一年間で米ドルが10%増価すると、税引前利益
が30百万ドル減少することになる。逆に10%減価した場合には、税引前利益は30百万ドル増加することになる。
これに対して、2009年9月末時点で未行使の金融派生商品については、一年間でドルが10%増価した場合、税引
前利益は85百万ドル増加したはずであり、逆に10%減価した場合には、税引前利益は85百万ドル減少したはず
である。これらの計算には、金融派生商品による損失を実質的に相殺するはずの原取引に係る為替差益や差損
による影響は織り込まれていない。
金利変動リスク
当社が負う主な金利リスクは、米ドル短期金利の変動によるところが大きい。2010年9月末時点での債券及
び利付き投資の大半は米ドル建てである。したがって、このような商品に関する取引リスク及び換算リスクは
わずかなものである。金利リスクを管理する際、当社はできる限り固定金利の商品と変動金利の商品の均衡を
とることをめざしている。この均衡を維持し、債券と利付き投資の管理を連携して行うため、金利スワップ取引
を行うことがある。こうした商品は金利リスクを相殺する効果を持つからである。金利デリバティブ商品につ
いては、公正価額は、これら協定の相手方である金融機関によって規定される。これらの商品の市場リスクは、
あらゆる満期商品につき金利が変動した場合に、これが公正価額に与える影響を計算することにより決定され
る。短期債券と利付き投資の金利が変動すると利益及びキャッシュフローに影響を与えるが、これらの金融商
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品の満期は定期であるために、公正価額には影響を与えない。長期債券の金利が変更された場合、固定金利であ
るために、負債の公正価額には影響を与えるが、利益やキャッシュフローには影響はないものと思われる。2010
年及び2009年9月末時点の当社全体の金利リスクから判断して、金利が10%変動しても、1年の期間では当社の
利益又はキャッシュフローに重大な影響を及ぼすことはないと思われる。金利が10%上昇した場合、2010年及び
2009年9月末時点の長期債券の公正価額はそれぞれ約56百万ドル、66百万ドル減少すると考えられる。金利が
10%低下した場合、2010年及び2009年9月末時点の長期債券及び金利スワップの公正価額はそれぞれ約59百万ド
ル、71百万ドル増加すると考えられる。
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5【経営上の重要な契約等】
当社は多数の契約の当事者となっている。これらの契約は総体としては当社にとって実質的に重要であ
る。しかし、いずれかの契約が単独で当社の事業活動全般に実質的に関連しているとは当社は考えていな
い。
6【研究開発活動】
以下は、当社が米国証券取引委員会に提出した2010年9月30日終了事業年度に関するForm 10-Kの該当箇
所の翻訳である。
研究開発活動
当社の研究開発活動は、各事業部門やノースカロライナ州リサーチ・トライアングル・パークにあるBDテクノ
ロジーにおいて行われている。当社の研究開発活動の大部分は米国内において行われている。米国外では、当社
の研究開発活動は、ダイアグノスティック・システム部門はカナダのケベック・シティにおいて、ファーマ
シューティカル・システム部門はフランスのポン・ドゥ・クレックスにおいて、メディカル・サージカル・シ
ステム部門はシンガポールのトゥアスにおいて、行われている。また特定の大学や医療センターその他の機関
との共同研究開発プログラムにも参加し、専門分野での試みを支援するための個別のコンサルタントを雇用し
ている。当社は、研究開発費として2010年、2009年及び2008年の9月30日終了年度にそれぞれ431百万ドル、405百
万ドル及び383百万ドルを投じた。
7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
以下は、当社が米国証券取引委員会に提出した2010年9月30日終了事業年度に関するForm 10-Kの該当箇
所の翻訳である。本項に該当する内容としては、下記以外に「1.業績等の概要」、「4.事業等のリス
ク」も参照されたい。
重要な会計方針
連結財務諸表を作成する際、経営陣は報告された資産、債務、収益及び費用の額、並びに連結財務諸表の日
付における偶発資産及び負債の開示に影響を及ぼす推測や仮定を使用することを求められる場合がある。これ
らの判断の中には主観的で複雑なものもあり、その結果実際の業績はそれらの推定とは異なる可能性がある。
経営陣は、過去の経験及び状況に照らして合理的と考えられるその他の多様な要因に基づいて推定や判断を行
うが、その結果は、他の情報源からは容易に明らかにならない資産や負債の帳簿価額に関する判断を下す際の
基礎となる。経営陣によるいかなる推定又は仮定についても、他の者が同じ事実や状況について合理的に判断
した結果異なる推定を行なう可能性がある。実際の業績が経営陣の推定と異なる場合、連結財務諸表に悪影響
が及ぼされる可能性がある。経営陣は次に述べる重要な会計方針は、連結財務諸表作成に際して使用されるよ
り重要な判断及び推定を反映しているものと考えている。
収益の認識
通常、製品販売に係る収益は権原と危険負担が顧客に移転した時点で認識される。しかしながら当社は、バ
イオサイエンス・セグメントから販売された一部の器具については、顧客の所在地で設置された時点で収益を
認識している。これらの器具の設置は配送後の重要な義務であると考えているためである。また、主に米国にお
いて複数の製品引渡しを要する売買契約の場合は、各製品の引渡し、すなわち発送、設置及び指導等の完了時に
販売製品の収益と費用が認識される。これらの売買契約は会計処理が個々に分割されており、収益は、各製品・
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サービス等の提供の完了時に、提供された品目の相対的公正価額に基づき認識される。公正価額は通常第三者
に対する各製品・サービス等の売上高に基づいて決定される。
当社の国内事業では、主に販売代理店に製品が販売され、そこから最終消費者に製品が再販売される。当社
は、当社と最終消費者との間の契約に基づいて設定された価格で最終消費者に販売する販売代理店にリベート
を提供している。リベート引当金、並びに売上割引及び売上戻りは、収益が認識された時点で収益の減少分とし
て計上される。
資産の減損
営業権と資産価値の期間の定めのない無形資産については年1回以上又は減損の兆候が見られた時点で減
損査定が行われる。減損の見込みは、報告設備の公正価額とその帳簿価額を比較することによって特定される。
当社の2010年度年次営業権減損査定では減損判定には至らなかったが、これは各報告設備の公正価額が帳簿価
額を上回っていたからである。営業権と資産価値の期間の定めのない無形資産以外の無形資産及び他の長期性
資産については、年次で又は減損の兆候がある時に減損査定が行われる。減損査定は、将来のキャッシュフロー
の現在価値に基づくインカムアプローチに基づいて行われる。かかるアプローチには、将来の数量、収益及び費
用の増加率、運転資本利用の変化、適切な割引率その他の推定並びに仮定に関する経営陣の重要な判断が必要
である。用いられる推定及び仮定は、当社の事業計画に即したものである。他の推定及び仮定を使用した場合、
資産の見積公正価額が増減し、業績に及ぼされる影響が異なってくる可能性がある。実際の業績は経営陣の推
定と異なることがある。
法人税
繰延税金資産の全部又は一部が実現されない可能性が高い場合には、評価性引当金を維持する。評価性引
当金の変動額は、変化が生じた期間の納税引当金に含められる。経営陣は、評価性引当金の妥当性を判断するに
あたり、過去の収益結果、将来の期待利益、繰り戻しと繰越しの期間、繰延税金資産が実現する可能性を高めら
れる税務戦略等の要素を検討する。
当社は、多くの国で事業を行い納税申告をするが、現在多数の税管轄において税務監査が進行中である。多
数のタックス・ポジションに伴うリスク評価において、当社は、ポジション向け技術支援、類似の状況にあった
過去の監査経験、案件に関連する見込み利益及び罰金に基づく、不確実なタックス・ポジションのための準備
金を計上する。税務当局の決定に基づき、準備金が設定されたポジションにおいて当社が優位に立った場合、又
は設定された準備金を超える金額の支払を課せられた場合、当社の実効税率はいずれの一定期間においても影
響を受ける可能性がある。
偶発債務
当社は原告または被告として、通常の事業活動において生じた様々な法的手続に関与している。これらに
は製造物責任、反トラスト及び環境問題が含まれているが、これらに限定されない。詳細については、「第6経理
の状況」中の連結財務書類注記5に記述されている。当社はこうした事案について不利な判決又は結末が生じ
る可能性、及び損失が生じ得る範囲を見積もっている。当社は、発生することが見込まれる将来の損失につき予
測可能な限り見越勘定を設定している(環境問題の場合には、他社が費用を負担する可能性を考慮していな
い)。これらの偶発債務に関する見越勘定額の決定は、個々の問題を慎重に検討し、必要に応じて外部の法律顧
問と協議した上でなされる。見越勘定は、各事案の新たな進展状況又はこうした事案に対処する戦略の変更に
より将来変わる可能性がある。
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訴訟全般の不確実性に鑑み、当社が当事者となっている訴訟に敗訴した場合に生じうる損失の額や程度を
すべての事案において予測することは不可能である。こうした不確実性に鑑み、現在引き当てられている費用
を超える費用、及び損害賠償保険の付保が可能な場合には保険金額を超える費用が発生することもあり得る。
従って、経営陣は、そのような将来の費用は個別的にも全体としても、連結業績及び連結正味キャッシュフロー
に著しく不利な影響を及ぼす恐れがあると考えている。
福利厚生プラン
当社には数理的評価により算定された多額の年金及び他の退職給付費用が存在する。福利厚生費用には、
プラン資産に係る割引率と期待利益率に関する仮定が含まれる。他の退職後の福利厚生費用には、割引率とヘ
ルスケアコスト動向率に関する仮定が含まれる。これらの仮定は、計上された金額に重大な影響を及ぼす。下記
の分析に加え、「第6経理の状況」中の連結財務書類注記8を参照されたい。
割引率は、基準日(9月30日)現在の投資適格社債その他の要素に基づき、毎年選定される。米国年金基金
について、当社は2010年9月末時点の5.2%の割引率を使用したが、これは数理的に決定された当社特有のイール
ドカーブに基づいている。選定された割引率は、基準日現在の負債の評価や次年度の年金費用の算出に用いら
れる。年金資産の長期収益率の予測は、毎年見直されているものの、予測の長期性のためそれほど頻繁ではない
が変動する。当該予測は基準日現在の資産及び負債の評価に影響するものではなく、むしろ、年金費用の算定の
みに用いられるものである。プラン資産に係る期待長期利益率の決定に際しては、実際の結果に比較した過去
の予測、ベンチマーク・データ、様々なクラスのプラン資産に係る期待利益率、及び現在と将来の資産配分等、
多くの要因を考慮に入れる。2010年9月末時点で、当社は、米国年金基金に関して、年金資産の長期期待収益率予
測8.00%を使用した。当社は、上記の要因に基づいた当社の年金資産の割引率及び期待長期収益率予測は妥当な
ものだと考えている。
米国年金基金及び他の退職プランに関する重要な推定の変化に対する感応度は以下の通りである。
・割引率−プラス(マイナス)25ベーシスポイントの変動によって米国年金・退職給付プランの合計費
用に推定7百万ドルの増加(減少)が及ぼされると考えられる(ただし、他の推定事項は変化しないも
のとする)。
・プラン資産に係る期待利益率−プラス(マイナス)25ベーシスポイントの変動によって米国年金プラ
ンの費用に推定2百万ドルの増加(減少)が及ぼされると考えられる(ただし、他の推定事項は変化し
ないものとする)。
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株式ベースの報酬
株式ベースの支払取引に伴う報酬費用は、純収益を算定する際に公正価値測定法を用いてを認識される。
従業員ストック・オプションの付与を含む従業員に対する株式ベースの支払いは全て、報奨の行使権確定期間
全体にわたり、事業報告書において報酬費用(公正価額に基づき)として認識される。当社は、ラティス式バイ
ノミアル・オプション評価モデルを使用して一定の株式型報奨の公正価額の決定を行っているが、この評価モ
デルには、リスクフリーの金利、見込み変動、見込み配当利回り、オプションの見込み有効期限等の一定の推定
が組み込まれる。詳細については、「第6経理の状況」中の連結財務書類注記7を参照されたい。
将来に関する表明についての注意
当社及びその代表者は、米国証券取引委員会への届出、プレスリリース及び株主に対する報告に含まれる
表明等、公表された資料において将来に関する一定の表明を、書面、口頭にかかわらず随時行うことがある。将
来の見通しに関する表明に該当するかどうかは、「予定する」、「見込む」、「考える」、「意図する」、「つも
りである」、「期待する」「推定する」その他類似した意味を有する文言が、将来の事業運営及び財務成績、並
びに成長、製品開発、監督官庁の許認可、市場でのポジション及び支出に関する戦略についての説明などの際に
使用されているかどうかで判断できる。将来発生することが期待され若しくは見込まれる業績又は事項若しく
は展開に言及するすべての表明(販売数の増加、売上高及び1株当たり利益の増加、キャッシュフロー若しく
は用途に関する表明、並びに将来の業績に関する見解の表明等)は、将来の見通しに関する表明である。
将来の見通しに関する表明は将来の事項についての現時点での見込みに基づいている。将来の見通しに関
する表明は、将来の事項及び業績に関する経営陣のある時点での見解及び仮定に基づくものであって、その時
点での限定された状況を述べている。投資家は、基礎となる仮定が不正確であることが判明したり、又は不測の
リスク又は不確実要素が発生した場合、当社の見込み及び予測と実際の業績が大幅に異なってくる可能性があ
ることを認識されたい。したがって、投資家は将来の見通しに関する表明に過度に依拠しないようにされたい。
また当社は、適用法令に別段の定めがない限り、新たな情報、将来の事項及び展開その他いかなる事態が発生し
た場合でも、表明がなされた日以降に、将来の見通しに関する表明を更新し、又は修正する義務を負うものでは
ない。
以下に、実際の業績が将来の見通しに関する表明における見込みと異なる原因となり得る重要な要因をい
くつか掲げる。これら一定の要因の詳細については「第3事業の状況 4事業等のリスク」中の「リスク要因」
の項を参照されたい。
・ 世界経済及び金融市場の現在の情勢、当社並びに(又は)当社の顧客及びサプライヤーの流動性及び資金
源へのアクセス、当社の事業活動費用、当社の製品及びサービスの需要(特に医療費及び研究費を主に政
府が支出している国々において)、又は当社製品を生産する能力に対する潜在的な悪影響で、発展途上国
に対する影響を含む。また、世界経済活動への政府介入による金融危機中の公的債務の増加が、世界的な金
融システム及び経済復興に新たなリスクをもたらす。
・ 近年成立した米国医療保険改革法の結果。これにより、一定の医療機器の米国内売上に対し消費税の課税が
実施され、当社製品の需要の減少、価格圧力の増大を招き又は当社の事業に不利に影響を与える可能性が
ある。
・ 引続く医療サービス提供会社間の整理統合並びにマネージドケア及びヘルスケアの費用が抑制される傾向
にあること(第三者支払者による払戻慣行の変化を含む。)等、継続的に当社製品を利用した医療処置の
減少又は価格圧力の増大を招く、国内外の医療業界の慣行の変化。
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・ インフレ、デフレ、金利及び特に為替レートの変動、並びに当社の売上高、費用、売上総利益及び信用格付に
及ぼすことが見込まれる影響等、地域的、国内外の経済要因。
・ 通商及び金融財政政策、課税(多国籍企業に不利に影響する可能性がある税制改革を含む)、取引慣行、価
格管理、新製品及び市場流通後の段階にある製品に課される許可及び規制要件に関する法律等の、当社の
国内外の事業運営に影響を及ぼす法規制の新設若しくは改正、又は執行実務の変化。特に、米国及び他の
国々は、既に市販されている製品の再登録のために必要な登録、ラベル貼付、禁制品に関して新たな要件を
課し、または当社製品の販売能力に他の影響を及ぼす可能性がある。具体的には、環境法が特に温室効果ガ
スの排出について世界全体で規制を強化しているため、事業コストが増加し、当社若しくは当社のサプラ
イヤーの製造工場若しくは工程の変更を余儀なくされ、当社に法的責任をもたらす可能性がある。
・ 当社製品に関して製品の性能又は安全性に関する問題が発生し、とりわけFDAによる執行の増加等の現在の
規制環境に照らし、製品リコール、FDA(又はこれに相当する外国の当局)による規制措置の実施、売上不
振及び製造物責任訴訟に至ること。
・ 現在又は将来の競合他社による新製品の発売(新たな形態のドラッグデリバリー等)、競合他社の一部に
よるコスト削減手段としての低コスト製造拠点への工場の設置、かかる拠点に所在する供給業者への業務
委託等の、低コスト製造会社の影響による価格圧力の増大、競合他社による特許の取得(とりわけ当社製
品の特許が失効する一方で)、並びに当社の市場への新規参入者等の、当社の事業に悪影響を及ぼす可能
性のある競争要因。
・ 世界的流行病、地震、火災、暴風、その他の壊滅的な災害や、気候変動の影響等の自然災害が、製品製造能力
(とりわけ一つの製品ラインの製造が一つ又は複数の工場に集中している場合)、又はこうした製造に必
要な原料や構成部品を供給業者から調達する能力に及ぼす影響。
・ 石油樹脂その他の原材料、一定の部分組立品並びに完成品の価格及び入手可能性の変動並びに良好な供給
会社(特に単一の供給元である供給会社)との契約及び関係を維持する能力、並びにかかる品目の供給が
中断された場合に生じうる悪影響。
・ 技術革新の首尾良い継続、臨床治験の完了、米国内外での監督官庁の認可の取得、新製品に関する付保と十
分な補償の取得又は市場での製品認知の獲得と維持ができない可能性があるなどの製品開発に伴う困難
や、特許その他の知的所有権に関する侵害の申立が競合他社から提起されるおそれがあるが、これらすべ
てが製品の商品化を妨げ、又は遅延させる原因となり得ること。
・ 予算制約、整理統合又はその他の結果、医薬品会社の製品製造に使用され又は製品に付帯して販売される、
当社がかかる会社に販売する製品の需要の変動。
・ ライフサイエンスの研究に関する政府予算及び政策が米国及び世界全体で変化すること。
・ 見込まれた製品販売水準・構成を達成する能力。当社の予測収益は、収益性の異なる多種製品の見込み販売
数及び売上高に基づいて設定されている。
・ 当社の事業に悪影響を及ぼす可能性のあるアップグレードの設計・実施における遅延や欠陥の可能性があ
る中、進行中の当社エンタープライズ・リソース・プランニング・システムのアップグレードを実施する
能力。
・ 製造物責任、特許権侵害及び反トラストに関する請求を含む、当社に不利な訴訟その他の手続きで係争中の
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もの及び将来提起されるおそれのあるもの、並びに当該請求に係る保険加入又は保険金回収の可否。
・ 事業、活動に関するマイナスのメディア報道その他の発表の及ぼす影響で、当社の評価又は当社製品の需要
に対する影響を含む。
・ 集団購買組織の事業慣行に関して政府及びメディアが何らかの活動をした場合の影響。集団購買組織はそ
の会員である病院のために当社その他の納入業者と製品価格の交渉をする団体である。
・ 当社の年金プランの資産価値、保険数理利率及び資産収益の仮定に及ぼす市場変動の影響。これはプランへ
の追加拠出又は年金プラン費用の増加を招く可能性がある。
・ 内乱、テロ行為、国際資本移動の可否に関する政府方針の変更及び規制を含む、国際市場における政治情勢、
並びに政府による資産収用。
・ 発展途上市場及び新興市場に進出する当社の能力。これも、経済・政治情勢、並びに現地企業との戦略的事
業提携の成否、製造設備、販売網、販売機器及び技術に必要なインフラ強化の成否に左右される。
・ 当社が事業を営む国々において将来医療保険制度改革があった場合の効果で、公的価格決定及び払戻方針
又は他の費用抑制改革における変更を含む。
・ 買収した開発中の研究開発資産に関連する利益の変動を含む企業結合の影響並びに買収した事業がある場
合にそれをうまく統合する当社の能力。
・ 当社が今後実施する事業再編計画によって見込まれる便益がある場合にはこれを得る能力。
・ 財務会計基準審議会又は証券取引委員会による新規又は改訂会計基準の公布。
上記に掲げた事項は将来の見通しに関する表明において説明した業績を達成する能力に影響を及ぼし得る要
素の多くを示したものであるが、すべてを網羅しているわけではない。投資家においては、こうした要素すべて
について予測し、特定することは不可能であることを念頭に置いた上で、上記に列挙した事項が潜在的なリス
ク及び不確実要素をすべて網羅していると考えてはならないことを了解されたい。
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第4【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
連結財務諸表注記1.重要な会計方針の要約、及び9.企業買収を参照のこと。
2【主要な設備の状況】
以下は、当社が米国証券取引委員会に提出した2010年9月30日終了事業年度に関するForm 10-Kの該当箇
所の翻訳である。
当社の執行部門はニュージャージー州フランクリン・レイクス市にある。2010年11月1日現在、当社は184
もの製造、倉庫、管理及び研究設備を世界各国で所有し、またはリースで利用しており、その面積は合計約
16,348,578平方フィートとなっている。国内設備は、プエルトリコを含め、自社所有設備が約7,018,934平方
フィート、リース物件が約1,738,084平方フィートとなっている。米国外で所有している設備は約6,287,633平
方フィート、リース物件は約1,303,927平方フィートとなっている。上記の面積には営業所及び配送センターも
含まれており、それらもまた世界各国にある。
当社ではセグメントごとに国内及び海外で営業活動を行っている。特に国際市場では、設備は複数のセグ
メントで管理/販売、製造兼倉庫/配送といった複数の用途のために使用されることがある。当社は原則として
自社専用の製造設備を所有することをめざしているが、一部でリースも利用している。以下の表は各セグメン
トの設備保有状況の概略である。
コーポレート
バイオ
サイエンス
ダイアグノ
スティック
メディカル
多目的
(A)
合計
リース物件
2
11
12
70
35
130
所有物件
2
6
13
24
9
54
合計
4
17
25
94
44
184
面積
(平方フィート)
494,104
1,144,252
2,755,390
7,600,633
4,352,199
16,348,578
(A)2個以上のビジネス・セグメントにより使用される設備。
当社の設備は構造上適正で、物理的に良好な状態にあり、これらの設備で行われている事業内容に適合し
かつ十分であると考えている。また、多少の例外はあるものの全面的に利用され、通常の能力の範囲内で稼働し
ている。
米国内における主要な設備の所在地は次の通り:アリゾナ、カリフォルニア、コネチカット、フロリダ、
ジョージア、イリノイ、インディアナ、メリーランド、マサチューセッツ、ミシガン、ミネソタ、ネブラスカ、
ニュージャージー、ノースカロライナ、ペンシルベニア、サウスカロライナ、テネシー、テキサス、ユタ、ワシント
ンDC、ワシントン、ウィスコンシンの各州及びプエルトリコ。
海外における主要な設備の所在地は下記の通り:
−欧州では、オーストリア、ベルギー、デンマーク、イングランド、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリ
シャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ケニア、ノルウェー、ポーランド、ロシア、サウジアラビア、南アフリ
カ、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、アラブ首長国連邦の各国に設備を保有している。
−日本
−アジア太平洋では、オーストラリア、中国、インド、インドネシア、マレーシア、ニュージーランド、パキス
タン、フィリピン、シンガポール、韓国、台湾、タイ、ベトナムの各国に設備を保有している。
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−ラテンアメリカでは、アルゼンチン、ブラジル、チリ、コロンビア、コスタリカ、メキシコ、ペルー、ベネズ
エラの各国に設備を保有している。
−カナダ
3【設備の新設、除却等の計画】
連結財務諸表注記1.重要な会計方針の要約、及び9.企業買収を参照のこと。
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第5【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
2010年9月30日現在の当社の授権株数は以下の通りとなっている。
種類
授権株数(株)
普通株式
発行済株式総数(株)
640,000,000(注1)
シリーズA優先株式
229,816,551(注2)
500,000
未発行株式数(株)
10,780,276
0
500,000
注1:2010年9月30日現在の授権株数は、普通株式 640,000,000株であり、そのうち発行済株式数は
332,662,160株である。シリーズA優先株式の授権株数は500,000株であり、2010年9月30日現在で発
行済みのものはない。
注2:普通株式332,662,160株が発行され、このうち、普通株式102,845,609株を金庫株として保有している。
②【発行済株式】
2010年9月30日現在
記名・無記名の別及び額
面・無額面の別
種類
発行数(株)
上場金融商品取引
所名又は登録認可
金融商品取引業協
会名
記名式額面株式
(額面金額1.00米ドル)
普通株式
332,662,160
ニューヨーク証券
取引所
記名式額面株式
(額面金額1.00米ドル)
シリーズA
優先株式
計
−
0
−
332,662,160
−
内容
普通株式1株につき
議決権1個を有する
(注)
シリーズA優先株式
1株につき議決権
800個を有する
(注)
−
(注)普通株式と優先株式との間で議決権の数が異なるのは、シリーズA優先株式は、不適切な敵対的買収攻勢に対
する企業防衛策である当会社の株主権契約に関連してのみ発行を予定していたからである。株主権契約はその後失
効している。
(2)【発行済株式総数及び資本金の推移】
下記の表は最近事業年度間の各年度末時点の当社の発行済株式総数及び、配当、株式分割等につい
て述べている。
普通株式
年月日
資本金
2006年9月30日
発行済株式総数
増減数(株)
−2,745,689
発行済株式総数
増減額
残高
残高(株)
(単位:千ドル) (単位:千ドル)
244,590,791
+552,252
3,836,204
2007年9月30日
−753,697
243,837,094
+525,753
4,361,957
2008年9月30日
−759,720
243,077,374
+573,611
4,935,568
2009年9月30日
-5,995,184
237,082,190
+207,144
5,142,712
2010年9月30日
-7,265,639
229,816,551
+291,868
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5,434,580
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(3)【所有者別状況】
以下は2010年9月末時点における所有者別状況である。但し、金庫株および完全子会社に保有され
ている株は対象外とする。
所有株式数(株)
発行済株式総数に
対する割合(%)
8,772
4,783,215
1.663
事業法人等
109
880,630
0.375
預託機関等
1
229,867,462
97.962
その他
0
0
0
8,882
235,980,972
100.00
区分
個人
計(金庫株を除く普通株式)
株主数(名)
金庫株を含む発行済総株式数 (2010年9月30日現在) 332,662,160株
金庫株合計(2010年9月30日現在) 98,011,483株
発行済総株式数(2010年9月30日現在) 234,650,677株
(4)【大株主の状況】
以下の表は2010年9月30日現在の当社の発行済普通株式の1%超の受益的所有者上位10名に関す
る情報である。
所有株式数(株)
発行済株式
総数に対す
る所有株式
数の割合
氏名又は名称
住所
ステート・ストリート・グ
ローバル・アドバイザーズ
(米国)
米国02111マサチューセッツ州ボス
トン市リンカーン・ストリート1
12,661,867
5.5%
バンガード・グループ・イ
ンク
米国19355ペンシルベニア州マル
バーン市バンガード・ブルバード
100
9,208,958
4.0%
デイビス・セレクティド・
アドバイザーズL.P.
米国10017ニューヨーク州ニュー
ヨーク市フィフス・アベニュー609
8,172,588
3.6%
ブラック・ロック・インス
チチューショナル・トラス
ト・カンパニーN.A.
米国94105カリフォルニア州サンフ
ランシスコ市ハワード・ストリート
400
7,131,638
3.1%
エムエフエス・インベスト
メント・マネジメント
米国02116マサチューセッツ州ボス
トン市ボイルストン・ストリート
500
6,620,839
2.9%
マッケンジー・フィナン
シャル・コーポレーション
カナダM5V 3K1トロント、クイーン・
ストリート・ウェスト180
5,329,900
2.3%
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マニング・アンド・ネピア
・アドバイザーズ・インク
米国14450ニューヨーク州フェア
ポート市ウッドクリフ・ドライブ
290
5,120,205
2.2%
ウェリントン・マネジメン
ト・カンパニーLLP
米国02109マサチューセッツ州ボス
トン市ステート・ストリート75
3,504,238
1.5%
フランクリン・アドバイザ
リー・サービシズ
米国07024ニュージャージー州
フォートリー市ケルビー・ストリー
ト400、パーカー・プラザ1
3,069,954
1.3%
グリーンヘイブン・アソシ
エイツ・インク
米国10577ニューヨーク州パーチェ
ス市マンハッタンビル・ロード3
2,790,814
1.2%
2【配当政策】
毎年11月に財務及び投資委員会は当社の配当政策を見直し、取締役会に配当政策の修正が必要かどうか
申告する。財務及び投資委員会では、当社の財務状況、販売状況、資本組入れ状況等に基づいて配当金の増
額有無やその金額が適切かどうか検討される。
以下の表は2009年度及び2010年度の株価及び配当額を示している。(単位:米ドル)
普通株式の株価及び
配当
2009年
高値
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
2010年
安値
配当金
高値
安値
配当金
80.24
60.26
0.33
79.72
66.60
0.37
74.15
61.57
0.33
80.14
74.64
0.37
71.71
60.48
0.33
79.66
67.45
0.37
73.60
63.75
0.33
74.82
66.89
0.37
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3【株価の推移】
下記の表には、該当する年度のニューヨーク証券取引所で取引された当社普通株式の最高値及び最安値
が記載されている。
(1)【最近5年間の事業年度別最高・最低株価】
(単位:米ドル)
最近5年間の事業年度別最高・
最低株価
決算年月
2006年度
2007年度
2008年度
2009年度
2010年度
最高
$70.67
$82.61
$92.34
$80.24
$80.14
最低
$50.07
$68.18
$60.26
$60.26
$66.60
(2)【当該事業年度中最近6月間の月別最高・最低株価】
(単位:米ドル)
最近6箇月間の月別最高
・最低株価
月別 2010年4月 2010年5月 2010年6月 2010年7月 2010年8月 2010年9月
最高 $79.66 $76.22
$72.40
$70.28
$72.39
$74.82
最低
$70.66
$67.45
$66.89
$68.19
$69.52
$76.04
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4【役員の状況】
以下は、当社が米国証券取引委員会に提出した2010年9月30日終了事業年度に関するForm 10-Kの該当箇
所の翻訳である。
執行役員(2010年11月24日現在)
以下の表は当社の執行役員の一覧である。氏名、年齢及び過去五年間に就任した全役職が掲載されてい
る。執行役員や取締役の間には家族関係はない。
氏名
年齢
役職
エドワード・J・ルドウィグ
59
1999年から取締役。2002年2月から会長。2000年1月からCEO。1999
年5月から2009年1月まで社長。
ドンナ・M・ボールズ
57
2006年6月から人事担当上級副社長。2005年6月から2006年6月ま
で人事担当副社長。これ以前は2001年4月から2005年6月までBD
メディカル人事担当副社長。
スコット・P・ブルーダー
48
2007年9月から上級副社長兼テクノロジー最高責任者。2005年12
月から2007年8月までJohnson & Johnson Regenerative
Therapeutics, LLCの全世界副社長。2003年10月から2005年11月
までJohnson & Johnsonグループ企業であるDePuy, Inc.の一部
門DePuy Biologicsの全世界副社長。これ以前はDepuy, Inc.内
の事業会社であるOrthobiologics、DePuy Spine、DePuy
Orthopaedics及びDePuy Mitekの全世界副社長。
ゲーリー・M・コーエン
51
2006年6月から執行副社長。これ以前は1999年5月から2006年6月
までBDメディカル社長。
デビッド・T・デュラック
65
2006年6月から医療業務担当上級副社長。これ以前は2000年1月
から2006年6月まで医療業務担当副社長。
デビッド・V・エルキンス
42
2008年12月から執行副社長兼CFO。2006年4月から2008年12月ま
でAstraZeneca PLCの北米及びグローバルマーケティング担当
副社長兼CFO。これ以前は2004年1月から2006年1月まで
AstraZeneca PLCの英国CFO。
ビンセント・A・フォルレン
57
ツァ
2010年7月から最高執行責任者。2009年1月から社長。2006年6月
から2009年1月まで執行副社長。これ以前は2003年3月から2006
年6月までBDバイオサイエンス社長。
ウィリアム・A・コージー
58
2006年6月から執行副社長。これ以前は2003年11月から2006年6
月までBDダイアグノスティック社長。
ジェフリー・S・シャーマン
55
2006年6月から上級副社長。2004年1月からジェネラル・カウン
セル。2004年1月から2006年6月まで副社長。
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パトリシア・B・シュレー
ダー
60
2006年6月から規制・渉外業務担当上級副社長。2005年2月から
2006年6月まで規制・渉外業務担当副社長。これ以前は2004年3
月から2005年2月まで規制・公共政策・広報担当副社長。
取締役
以下は、2011年2月開催の株主総会に関するProxy Statement(株主議決権行使委任状)の該当箇所の翻
訳である。
ベージル・L・アンダーソン氏、65歳、2004年から取締役。2001年から2006年、オフィス製品のサプライヤー
であるStaples, Inc.の副会長を務めた。これ以前は、Campbell Soup Companyの財務担当執行副社長及び最高
財務責任者を務めた。アンダーソン氏はまた、Hasbro, Inc.、 Moody's Corporation 及び Staples, Inc.の取
締役でもある。2004年から2010年1月まで、CRA International, Inc. の取締役を務めた。アンダーソン氏は、一
流の多国籍公開会社の執行役員及び最高財務責任者として、豊富な事業及び財務経験がある。彼は、戦略、事業
及び財務の企画運営、国際経験、並びに異業界の多数の公開企業の取締役として従事した経験を持つ。
ヘンリー・P・ベクトン・ジュニア氏、67歳。1987年から取締役。 WGBH Educational Foundationの取締役
会副会長、公共テレビ及びラジオ番組並びに書籍及び教材の制作・放送責任者。1984年から2007年10月まで
WGBH Educational Foundationの社長を務めた。ベクトン氏は、Belo Corporation、Public Radio
International、 PBS Foundation及び公共テレビ放送局協会の取締役、並びに複数のDWSミューチュアル・ファ
ンドの理事を務めている。ベクトン氏は、様々な状況における専門及び役員関連経験を通して構築された、幅広
い経営、財務及びコーポレートガバナンスの経験を有する。かかる広範な経歴は、当社に関するベクトン氏の幅
広い知識と一体となり、彼に当社に対する独自の視点を与えている。
エドワード・F・デグラン氏、67歳。2003年から取締役。2006年、消費者製品の製造会社であるプロクター・
アンド・ギャンブル社のジレット社の副会長を退任。これ以前は、ジレット社の副会長であり、2000年7月から
2003年11月まで社長兼最高執行責任者を務めた。同氏は2000年10月から2001年2月までジレット社の最高経営
責任者代理を務めた。また、Amica Mutual Insurance Companyの取締役及びCenterview Partners, L.P.の上級
顧問でもある。デグラン氏は、強力な製造基盤のある消費財産業に、豊富な経営、製造及び役員経験を持ちこん
でくる。彼は、多国籍企業での長期在職期間中に培われたグローバルな視点により深められた、戦略、事業及び
財務の企画運営に関する広範な経歴を持つ。
クレア・M・フレイザー-リゲット博士、55歳、2006年から取締役。2007年から、ゲノムサイエンス協会
(Institute for Genome Sciences)理事、メリーランド州バルチモアのメリーランド医科大学教授。1998年か
ら2007年まで、ゲノムの解読及び分析に貢献する非営利センターであるゲノム研究所所長。フレイザー-リゲッ
ト博士は、今までにない新しい診断及びワクチンの開発を含む、感染症及び分子診断分野での豊富な経験を有
する著名な科学者である。彼女はまた、彼女の分野に多大なる経営管理経験を持ちこむ。
クリストファー・ジョーンズ氏、55歳、2010年7月26日付で取締役会で選任される。彼は、経営陣に含まれな
い取締役によって、取締役会に推薦された。ジョーンズ氏は、1995年に着任したJWT Worldwide(旧J. Walter
Thompson)の最高経営責任者を2001年に退任。2002年から、汎ヨーロッパの非公開企業であるCognetas LLPに
おいて、執行パートナー、社外取締役及び審判委員会委員を務める。2008年からCentral Trust PLCの取締役、
2002年からResults International Groupの非常勤会長。2001年から2006年までXenogen Corporationの取締役
を務めた。彼はまた、The Pavilion Clinicの取締役会会長、並びにジョーンズ・ホプキンス・ブルームバーグ
公衆衛生大学院の衛生諮問委員会委員でもある。ジョーンズ氏は、マーケティングリーダー及び世界的なマー
ケティング会社のトップとしての卓越した経験に基づく重要な国際的視野を提供してくれる。彼は、現場にお
ける幅広い活動から得られた、多大なマーケティング、戦略及び経営経験を提供してくれる。
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マーシャル・O・ラーセン氏、62歳、2007年から取締役。航空宇宙・防衛産業へのシステム及びサービス提
供会社であるGoodrich Corporationの会長、社長兼最高経営責任者である。ラーセン氏はまたLowe’s
Companies, Inc.の取締役及び経済協議会会員でもある。公開会社のベテラン最高経営責任者として、ラーセン
氏は、世界的製造会社の高度な経営リーダーシップ、財務及び戦略管理能力を有する貴重な個人的視点を提供
してくれる。かかる資質は、多大な国内外の事業及び財務経験を反映している。
エドワード・J・ルドウィグ氏、59歳。2002年及び2000年からそれぞれ会長及びCEO。1999年から2008年まで
社長。ルドウィグ氏は、Aetna Inc.の取締役、ホリークロス大学財団理事、(ニュージャージー州)ハッケン
サック大学医療センター理事会会長、ジョーンズ・ホプキンス・ブルームバーグ公衆衛生大学院の衛生諮問委
員会委員でもある。また、国際的な医療技術団体である先進医療技術工業会(AdvaMed)の前理事及び前会長で
もある。ルドウィグ氏は、豊富な重役クラスのリーダーシップ並びに事業・産業の専門知識を取締役会にもた
らす。上級執行役員、戦略、財務及び経営上の、全て当社における様々な役職での、医療技術分野の彼の幅広い経
験と不断のリーダーシップは、ルドウィグ氏に当社の戦略及び経営並びに医療技術産業に対する独自の視点を
もたらす。これは、彼の豊富な業界への関わりにより補われているが、そこで彼は長年指導的発言者であった。
アデル・A・F・マハムード医学博士、69歳。2006年から取締役。2006年、マハムード氏は、製薬会社である
Merck & Co. Inc.のワクチン伝染病部門の主席医療顧問及び経営委員会委員を退任した。1999年から2005年ま
で、Merck Vaccines社長兼経営委員会委員を務めた。2007年、同氏は、プリンストン大学分子生物学部教授及び
ウッドロー・ウィルソン国内・国際問題大学院教授となった。マハムード氏は、マラリアワクチン開発団体で
あるSanaria, Inc.の取締役でもある。マハムード博士は、感染症及びワクチン分野の幅広く奥深い知識を持つ
著名な科学者、医師及びビジネスリーダーである。彼は、一流の世界的医薬品会社の前上級執行役としての豊富
な技術、戦略及び経営経験、並びに豊富な学識経験をもたらしてくれる。
ゲーリー・A・メックレンブルグ氏、64歳、2004年から取締役。2006年、1986年に就任したノースウェスタン
・メモリアル病院の親会社であるノースウェスタン・メモリアル・ヘルスケアの社長兼最高経営責任者を退
任した。また、1985年から2002年まで、ノースウェスタン・メモリアル病院の院長を務めた。現在は非公開投資
会社であるWaud Capital Partners, L.L.C.のエグゼクティブ・パートナーである。メックレンブルグ氏の病
院管理での長きに渡る在職経験は、彼に、医療提供の多方面にわたる幅広い視野と医療の財務・管理の奥深い
知識をもたらしている。一流の教育病院の元リーダーとして、メックレンブルグ氏は、医療の場で適用される経
営管理、財務、戦略及び運営の豊富な知識を有している。
キャシー・E・マイナハン氏、63歳、2007年から取締役。2007年、1994年に就任したボストン連邦準備銀行の
総裁兼最高経営責任者を退任した。同氏はまた、1994年に退任するまで、連邦公開市場委員会に勤めていた。マ
イナハン氏は、Visa Inc.、MassMutual Financial Group及びMITRE Corporationの取締役でもある。また、マサ
チューセッツ総合病院理事会会長及びロチェスター大学理事でもあり、ボストンの複数の経済団体に努め、マ
サチューセッツ州知事経済諮問委員会の議長も務めている。マイナハン氏が財界で有名であることは、彼女の
多大な財務能力・見識を反映している。連邦準備制度での長期の在職経験は、彼女の多様な市民・ビジネスで
の指導的役割とともに、財務会計業務に関する独自の視点と深みを取締役会に与えてくれる。
ジェームズ・F・オール氏、65歳、2000年から当社の取締役。2007年、顧客管理、従業員管理及び請求・サー
ビスのアウトソーシング業務を行うConvergys Corporationの取締役会会長(2000年から在任した役職)を退
任した。これ以前、同氏は同社において、2007年に退任するまで1998年から最高経営責任者、1998年から2005年
までは社長も務めた。オール氏はまたOhio National Financial Services, Inc.の取締役でもある。オール氏
は、公開会社の元CEOの重要な洞察力を提供してくれる。彼の経歴は、サービス産業の観点を持つ豊富な経営、戦
略、運営及び財務経験を反映している。彼はまた、コーポレートガバナンス及び法人リスク管理の深い理解を有
している。
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ウィラード・J・オーバーロック・ジュニア氏、64歳。1999年から当社の取締役。1996年にGoldman, Sachs
& Co.のパートナーを退職。同社に在職中は執行委員会の委員を務め、現在はシニア・ディレクターの役職を保
持している。またParthenon Groupの顧問、Cue Ball Groupのスペシャルパートナー、ロックフェラー大学理事
及びアルバート・アンド・メリー・ラスカー財団理事でもある。オーバーロック氏は、財務及び投資銀行業務
分野の上層部での指導者的役割に基づく深く幅広い経験を有する。彼は、合併買収及び複雑な金融取引に、金融
及び取引の専門知識と洞察力をもたらしてくれる。
バートラム・L・スコット氏、59歳、2002年から取締役。スコット氏はCIGNA Corporation米国通商部の社長
であり、2010年6月に入社以来同職にある。これ以前は、2000年から2010年6月までTIAA-CREFの執行副社長、2000
年から2007年までTIAA-CREF Life Insurance Companyの社長兼最高経営責任者を務めた。スコット氏は、在職
中に務めた様々な幹部職から得られた豊富な戦略、運営及び財務経験を有している。彼は、コーポレートガバナ
ンス及びビジネスの専門知識を保健医療分野にもたらしてくれる。
アルフレッド・ソマー氏、医学博士、68歳、1998年から取締役。ジョーンズ・ホプキンス・ブルームバーグ
公衆衛生大学院及びジョーンズ・ホプキンス大学医学部において国際保健医療、伝染病学、眼科の教授(1986
年から在任)である。1990年から2005年学部長を務め、ブルームバーグ大学院の名誉学部長である。全米科学ア
カデミー及び医学研究所のメンバーである。同氏は、医学研究分野のアルバート・ラスカー賞の受賞者である。
ソマー氏は、T. Rowe Price Group, Inc.の取締役、アルバート・アンド・メリー・ラスカー財団の理事会会長
でもある。ソマー博士は、営利・非営利分野の貴重な役員経験のある、医療、学会及び公衆衛生分野での多くの
幅広い経験を有する名高い臨床医、研究者及び学会役員である。これらの特性により、彼は、世界的な医療問題
及び医療技術に対し深い見識を提供することができる。
所有株式
以下は、2011年2月開催の株主総会に関するProxy Statement(株主議決権行使委任状)の該当箇所
の翻訳である。
以下の表は、(i)取締役、(ii)「報酬の概要」に氏名の表示のある執行役員、および(iii)取締役および執行
役員全体での当社普通株式の実質保有状況に関する2010年11月30日現在の情報である。通常「受益的保有」に
は、取締役又は執行役員が議決権又は譲渡権を有する株式が含まれ、これらの株式には発行済株式報奨付与等
に基づいて当該期日の60日以内に取得可能な株式が含まれる。
当社発行済普通株式の1%超を保有する取締役または執行役員は存在しない。2010年11月30日現在、取締役
と執行役員を合わせると、当社の発行済普通株式の約1.1%を保有する。脚注に記載する場合を除き、各人は受
益的に保有する株式について単独の議決権および譲渡権を有する。
当社普通株式
受益的保有者が保有する株数
及び内容
氏名
直接および間
接に保有する
株式(1)
60日以内に取
得可能な株式
(2)
受益的保有
株式数合計
種類別の割合
5,857
12,856
18,713
*
267,626
22,629
290,255
*
89,584
98,238
187,822
*
エドワード・F・デグラン
8,942
16,460
25,402
*
デビッド・V・エルキンス
0
8,211
8,211
*
ベージル・L・アンダーソン
ヘンリー・P・ベクトン・ジュニア(3)
ゲーリー・M・コーエン
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70,359
225,834
296,193
*
0
7,371
7,371
*
264
1,147
1,411
*
ウィリアム・A・コージー
62,102
169,540
231,642
*
マーシャル・O・ラーセン
1,689
5,709
7,398
*
エドワード・J・ルドウィグ
254,539
758,015
1,012,554
*
アデル・A・F・マハムード
112
7,371
7,483
*
ゲーリー・A・メックレンブルグ
3,220
12,856
16,076
*
キャシー・E・マイナハン
4,000
5,709
9,709
*
11,645
16,460
28,105
*
38,794
21,568
60,362
8,404
19,241
27,645
*
12,655
16,460
29,115
*
901,728
1,664,894
2,566,622
ビンセント・A・フォルレンツァ
クレア・M・フレイザー−リゲット
クリストファー・ジョーンズ
ジェームズ・F・オール
ウィラード・J・オーバーロック・
ジュニア
バートラム・L・スコット
アルフレッド・ソマー
*
取締役および執行役員全体としての保
有数(23名)
1.1%
* 当社発行済普通株式の1%未満である。
(1)
直接に保有する株式と、執行役員については貯蓄奨励制度並びに繰延報酬制度に基づいて保有さ
れる当社普通株式に対する間接的な権利が含まれ、経営陣に含まれない取締役については取締役
繰延制度に基づく当社普通株式における間接的な権利が含まれる。
(2)
行使可能なまたは60日以内に行使可能となる発行済ストック・オプションまたは株式評価益権に
基づく株式が含まれる。また、退職資格のある執行役員(ルドウィグ氏、フォルレンツァ氏及び
コージー氏)については、(i)退職時付与となる未付与の株式評価益権、(ii)制限株式ユニットに
基づき退職時に発行可能な株式が含まれる(それぞれの目標支給額に含まれる業績連動型株式ユ
ニットを合わせている)。また、経営陣に含まれない取締役については、取締役退任時に制限株式
ユニットに基づき発行可能な株式が含まれる。
(3)
ベクトン氏が共同受託者となっている信託又はかかる信託のいずれかが所有している有限責任会
社が保有している236,594株が含まれる(信託保有分には共同投資・議決権が付されている)。ベ
クトン氏の配偶者が保有する37,166株、同氏の子供達のために設定された信託が保有する108,712
株は含まない。同氏はこれらのいずれの株式についても受益的所有権を放棄している。
報酬等
以下は、2011年2月開催の株主総会に関するProxy Statement(株主議決権行使委任状)の該当箇所の翻
訳である。
特定執行役員の報酬
以下の表は、特定執行役員各人への報酬を示している。
2010年度役員報酬の概要
単位:ドル
氏名及び主な役職
年度
給与(1)
ボーナス
株式報奨
(2)
68/176
オプション
報奨(2)
非株式イン
センティブ
・プラン報
酬(3)
年金額及び
非適格繰延
報奨利益の
変更(4)
その他の
報酬(5)
合計
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エドワード・J・ルドウィ
グ
会長兼最高経営責任者
デビッド・V・エルキンス
執行副社長兼最高財務責任
者
ビンセント・A・フォルレ
ンツァ
社長兼最高執行責任者
ウィリアム・A・コージー
執行副社長
ゲーリー・M・コーエン
執行副社長
2010
1,070,000
0
2,926,049
2,965,638
850,000
2,158,930
34,405
10,005,022
2009
1,070,000
0
2,928,188
1,599,932
1,500,000
2,918,894
33,055
10,050,069
2008
1,059,846
0
3,151,328
1,869,723
1,526,179
0
14,280
7,621,356
2010
500,000
250,000(6)
638,393
647,047
325,000
36,394
52,145
2,448,979
2009
413,462
220,000(7)
327,829
0
350,000
13,697
78,381
1,403,369
2010
650,000
0
1,064,038
1,078,417
510,000
1,019,476
36,352
4,358,283
2009
622,538
0
1,018,500
556,504
625,000
1,108,180
36,202
3,966,924
2008
538,654
0
762,596
452,472
625,000
0
39,587
2,418,309
2010
575,000
0
782,014
792,630
372,000
993,335
41,657
3,556,636
2009
567,154
0
705,313
385,383
470,000
1,213,906
35,446
3,377,202
2008
538,654
0
762,596
452,472
470,000
0
14,040
2,237,762
2010
570,000
0
782,014
792,630
319,000
586,216
34,022
3,083,882
2009
564,769
0
705,313
385,383
450,000
734,407
31,982
2,871,854
2008
545,685
0
762,596
452,472
440,000
0
10,674
2,211,427
(1)
給与
当社の事業年度は9月30日に終了する。給与欄に記載する額はある暦年の給与額に基づく3ヶ月
分の給与と翌暦年の給与額に基づく9ヶ月分をあらわす。
(2)
株式報奨及びオプション報奨
「株式報奨」欄(業績連動型及び行使権確定期限制限付株式ユニットを含む。)及び「オプショ
ン報奨」欄(株式評価益権を含む。)に記載された金額は、FASB(米国財務会計基準審議会)の
ASCトピック718(失権については考慮していない)に基づき、報酬の付与日公正価額を示してい
る。当該欄に記載する額を算定した方法とその前提条件の説明については、「第6経理の状況」中
の連結財務書類の注記を参照されたい。
2010年度の「株式報奨」欄に記載された金額は、業績ユニットの報奨を表しており、これは業績連動型制限株
式ユニットである。表示金額は、報酬の目標支給の付与日公正価額を示している。以下は、報奨の付与日公正価
額であり、推定最高支給額である(目標の200%)。
氏名
最高支給価額
エドワード・J・ルドウィグ
$
5,852,098
デビッド・V・エルキンス
1,276,786
ビンセント・A・フォルレンツァ
2,128,076
ウィリアム・A・コージー
1,564,028
ゲーリー・M・コーエン
1,564,028
(3) 非株式インセンティブ・プラン報酬当社の実績インセンティブ・プランに基づき得られた金額が
示されている。この金額は、特定役員が繰延を選択しない限り、当該金額が得られた年度の翌年度1
月に支給される。
(4) 年金額及び非適格繰延報奨利益の変更
年金−表示金額は、当社の確定給付年金制度(復興計画を含む)に基づく、累積給付の年金数理上の現在
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額における変更総額を示している。これらの額は、事業年度の初日現在及び末日現在の、通常の退職年齢におけ
る累積年金給付の現在価額の差額を表す。現在額における減少は上記の表において「0」と示されている。
繰延報奨−表示された事業年度の間、特定役員はいずれも非適格繰延報酬において市場を超えるまたは
優先利益を得ていないため、非適格繰延報酬における利益は本欄には記載されていない。
(5) その他全ての報酬 2010年度欄に記載される額には、以下の金額が含まれる。
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単位:ドル
エドワード・J・
ルドウィグ
デビッド・V・
エルキンス
ビンセント・A・
フォルレンツァ
ウィリアム・A・
コージー
ゲーリー・M・
コーエン
401(k)制度に基づく
マッチング付与
33,075
11,025
33,075
33,075
33,420
社用輸送手段の利用
200
−
−
−
−
税払戻し額
−
−
2,591
7,975
−
移住手当
−
41,120
−
−
−
定期保険
1,130
−
686
607
602
34,405
52,145
36,352
41,657
34,022
合計
以下はこれらの給付に関する記載である。
・401(k)制度に基づくマッチング付与−記載された額は当社が当社401(K)プラン及び繰延報酬プランに基
づき行うマッチング報酬の額である。
・社用輸送手段の利用−取締役会が採択した方針に基づき、ルドウィグ氏は社用機を個人的にかつ出張用に
使用することを奨励されている。同氏による社用機の個人的利用に伴う額は、同氏から払い戻されていな
いかかる個人的なフライトに関連し当社が負担した増加変動費により査定される。これらの変動費には、
燃料費、飛行に伴う保守、乗務員の移動費、機上ケータリング及び着陸・駐機料金が含まれる。ルドウィグ
氏が目的地で乗降する前に輸送機が無人である場合は、無人飛行費用は増加費用に含まれる。当社社用機
は主に業務目的で使用されているが、減価償却及びパイロットの給与等利用頻度によって変化しない定額
費用は含めていない。
当社とルドウィグ氏は、タイムシェアの取り決めを交わし、同氏は当社社有機を個人的に使用する場合にタイ
ムシェア料を支払うことになっている。支払額は、連邦航空局が認める最高額を上限として、また当社がチャー
ター・キャリアとしての規制を受けない範囲の額である。ルドウィグ氏はこの取り決めに基づき、社有機個人
使用に関して2010年度、236,028 ドルを当社へ支払ったが、これはこれらのフライトに伴い当社が負担した変
動費用総額であった。従って、「報酬の概要」中に彼の社有機個人使用に起因する金額はない。
また、同氏の通勤および業務用として運転手と当社専用車が提供されている。当該交通手段に関連し当社が負
担する増分費用は燃料費及びその他当該使用に関する変動費である。当社専用車は主に事業目的で利用される
ため、利用頻度によって変化しない、運転手の給与等の定額費用は含めていない。
ルドウィグ氏は、社用輸送手段を個人利用した結果、同氏に帰属する所得税についてその支払義務を負う。
・税払戻し額−ニュージャージー在住のコージー氏は、当社バイオサイエンス事業セグメントの監督に伴い
以前にカリフォルニア州で一定の時間を過ごしている。その結果、同期間中の同氏の所得の一部はカリ
フォルニア州税法上同州で発生したものとして取り扱われた。当社は同氏に対し、同氏がカリフォルニア
州で課税されることにより負担する州税の増加分を払い戻した。フォルレンツァ氏(ニュージャージー州
の居住者でもある。)がBDバイオサイエンス社長を務めた期間に関して、同氏についても同様の取扱がな
される。
・福利厚生プラン−エルキンス氏の当社への入社に伴い、当社は彼に対する特定の移住手当を延長した。こ
れには、月々の住宅手当及び旅費その他費用の払戻しが含まれる。当社はまた、移住手当に関し彼が払うべ
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きこととなる可能性のある関連税も支払う。2010年度、かかる移住手当に関連してエルキンス氏に支払わ
れた税払戻し額は19,020ドルであった。
・定期保険−当社は、当社のアソシエート全般に給付するものの他に、一部の特定役員に追加して定期保険
給付を提供する。当該欄に記載する額は、当社がかかる保険について負担した保険料のドル額を示してい
る。
(6) エルキンス氏が前雇用主から受領していた株式報酬の失権を補償するために、エルキンス氏との
雇用契約に基づき支払われた金額を示す。
(7) 2008年12月のエルキンス氏の雇用開始時に就職ボーナスとして支払われた金額を表す。
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5【コーポレート・ガバナンスの状況等】
以下は、2011年2月開催の株主総会に関するProxy Statement(株主議決権行使委任状)の該当箇所の翻
訳である。
(1)【コーポレート・ガバナンスの状況】
コーポレートガバナンス指針
適正なコーポレートガバナンスに関する取り組みはコーポレートガバナンス指針に示されている。コーポ
レートガバナンス指針は2001年に初めて導入されたが、いくつかのガバナンス事項に関する取締役会の見解が
示されており、コーポレートガバナンス・指名委員会は、進化する慣行に照らしてコーポレートガバナンス慣
行を継続的に見直している。コーポレートガバナンス指針は広範な分野を対象としており、取締役の選任、経営
に携わらない取締役を代表する主席取締役の指名、取締役候補者の選定、取締役と当社との関係、最高経営責任
者、取締役会、その委員会及び個々の取締役の年次評価、利益相反、並びに当社の執行役員及び取締役の関係会
社に対する慈善寄付が含まれるが、個々の説明は他の重要なガバナンス慣行と共に以下で行う。
取締役会リーダーシップ構造
コーポレートガバナンス指針に定められている通り、取締役会は、最高経営責任者が会長を兼任すること
が当社にとって最大の利益であると考えている。取締役会は、かかる構成により、明瞭かつ統一された戦略的ビ
ジョンが当社にもたらされ、これが取締役会と経営陣との整合性を確立し、当社に明確なリーダーシップを与
え、当社の事業に対する説明責任を確保する一助となると考えている。
取締役会は、当社の経営陣を効果的に監視するための最適モデルを実現することを目標としている。取締
役会は、取締役会のリーダーシップ発揮のための一般に受け入れられる単一の方法はなく、実行可能な各取締
役会リーダーシップ構造は、関係者個人及び会社に直面する特異な状況と関連づけて考慮されなければならな
いと考えている。従って、当社が身を置く活力に満ちた競争の激しい事業環境を考えると、正しい取締役会リー
ダーシップ構造は、状況に照らし、取締役会が適切とみなした時に当社に生じたように、変化する可能性があ
る。
取締役会は、最高経営責任者が会長を兼任することから成果を得る一方で、現在のリーダーシップ構造が
取締役会単独のリーダーシップ及び関与をもたらすものと考えている。彼は、当社の日常業務の運営に対する
主要責任を負い、当社に関する深い知識と理解を備えた個人として、重要な事業及び戦略問題の検討を行い取
締役会をリードする最良の位置にある。主席取締役を置くことで、リスクの監視等、経営陣の独立的な監督が可
能となり、同時に、取締役会の監督責任及び事業活動の日々の運営に関する混乱の危険性を避けるものとなる。
当社の強固なコーポレとガバナンス慣行は、会長と最高経営責任者の統合された役割に、均衡と説明責任
をもたらしている。これは、経営に携わらない取締役及び完全に独立取締役からなる重要な取締役会委員会を
代表して特定の責任を負う主席取締役等の、独立かつ経験豊富な経営に携わらない取締役の実質的過半数、並
びに強固かつ効果的なコーポレートガバナンス指針によって証明される。
コーポレートガバナンス指針は、会長が独立取締役でない場合には、独立取締役が主席取締役を指名する
ことを定めている。 取締役会は2002年から主席取締役を指名してきている。 指名は、コーポレートガバナンス
及び指名委員会の年次審査を条件とするが、主席取締役は数年間任務を務めることが予定されている。 現在、
当社の主席取締役はヘンリー・P・ベクトン・ジュニア氏である。 当社の主席取締役は、役職が創設されて以
来拡大されてきた広範な役割を務めており、以下の責任を負う。
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・経営に携わらない取締役による執行役員会議及び会長不在の取締役会の議長を務める。
・取締役会の議題及び会議日程の設定を進める。
・会長から経営に携わらない取締役に対する情報の流れの適合性を確保する。
・経営に携わらない取締役による最高経営責任者の評価をまとめる。
・経営に携わらない取締役と最高経営責任者間の連絡役を務める。
・当社の従業員、株主その他の構成員と経営に携わらない取締役との意思疎通の円滑化を図る連絡役を務め
る。
主席取締役は、会長及び最高経営責任者にとって、重要な取締役会及びコーポレートガバナンスの問題に関す
る非公式会談業務の一部として貴重な要員でもある。
取締役会のリスク監督
当社の経営陣は、当社の多様な事業、地域及び役割に係る広範なリスクの特定、集約、管理及び軽減のため、
並びに当社のリスク評価の整合及び当社の経営戦略に関する努力の緩和を確保するため、法人リスク管理(以
下「ERM」という。)といわれるプロセスに携わる。監査委員会は、取締役会から付与された権限に基づき、主に
取締役会のERM活動を監視する責任を負い、プロセスが目的通りに機能しているか、当社の事業及び戦略に合致
しているかを判断する。最低年に2回、上級経営陣は、リスク特定のために組織内で利用されたプロセス、当社が
直面する重要なリスク分類に対する経営陣の評価(前回の審査以降のかかる評価の変更を含む。)、経営陣の
潜在リスク軽減計画等の、ERM活動の結果を監査委員会と共に検証する。最低でも年次ベースで、当社のERM活動
により特定された重大なリスク及び関連する軽減計画は、取締役会全員により審査される。特別なリスクは、監
査委員会又は取締役会全員の次回会議で、徹底的に審査される。
ERMに携わることに加え、取締役会全員は当社の戦略計画に関連するリスクを審査し、当社の目的に照らし
た適切なリスク水準を審議する。これは、年次戦略計画プロセスにより行われるが、ERMが、経営戦略の不断の見
直しの一部として、またその他必要に応じて、年間を通して動的で周期的であるためである。取締役会全員はま
た、当社の資本構成、買収及び事業分割、当社の最高経営責任者及び他の上級経営陣メンバーの承継計画等の、
他の潜在リスク分野も定期的に監督する。
当社の多数の取締役会委員会はまた、各担当分野に関連するリスクの監視及び報告責任を負う。監査委員
会は、当社の会計・財務報告プロセス及び財務書類の完全性、法律遵守確保プロセス、ヘッジ活動及び保険制度
を監督する。報酬年金委員会は当社の報酬慣行・プログラムに関連するリスクを監督し、コーポレートガバナ
ンス及び指名委員会は、取締役の独立性、関係者取引及び利益相反等の、当社のコーポレートガバナンス慣行に
関連するリスクを監督する。かかる機能の実行に際し、各委員会は、当社の最高財務責任者、事業部門リーダー、
人事担当上級副社長、上級副社長兼ジェネラル・カウンセル、規制業務担当上級副社長、最高倫理責任者等の、
各担当分野のリスク管理に主に責任を負う経営陣メンバーと頻繁に会談を持つ。
報酬プログラムのリスク評価
当社の報酬制度及び慣行に関して、合理的に当社に重大な悪影響を及ぼす可能性のあるリスク発生の有無
を判断するため、当社の経営陣は制度及び慣行を審査する。 かかるリスク評価に関連して、当社は、報酬・年金
プログラム(特に業績連動型報酬プログラム)及び関連指針の設計、プログラムから生ずる可能性がある潜在
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リスク、一般的にリスク軽減の一助となる当社のプログラム及びコーポレートガバナンスの特性を見直した。
当社が要因として考慮したのは、当社経営陣に支払われる現金及び株式報奨の組合せ、一定及び可変の報奨、イ
ンセンティブ報酬の短期及び長期の均衡、性能指標、達成目標、当社インセンティブ報酬に関連する閾値動作要
件及び資金調達公式、プログラムが定式であるレベル又は支払金額決定権、支払上限額、当社の回収及び保有指
針、並びに当社の一般的なガバナンス構造である。経営陣は、かかる評価結果につき報酬・年金委員会とともに
検討、審議する。 かかる審査に基づき、当社の報酬制度及び慣行は合理的に当社に重大な悪影響を及ぼす可能
性のあるリスクを生み出すものではないと考えている。
取締役の任命手続
コーポレートガバナンス・指名委員会は、取締役会の選任候補者の技能、特性及び実績を審査し、取締役会
全体に対して取締役の被任命者の推薦を行い、その承認を得る。取締役会の全体的組成に関する査定には、多様
性、年齢、技能、国際的な経歴、当社にとって重要な分野での多大な実績と取締役間における卓越性に関する検
討が含まれる。 取締役会のニーズを考慮するにあたり、その時々において変化する可能性はあるが、取締役会
は、取締役の間に、視点、経験、経歴、知識、地理、民族性及び性別の多様性の実現を目指している。 コーポレート
ガバナンス・指名委員会は、取締役候補者個人を考慮するにあたり、他の取締役の経歴や特性との相乗効果で、
取締役会の実効性をさらに高める技能と実績の組合せを提供できる経歴と特性の持ち主を求める。コーポレー
トガバナンス・指名委員会は、取締役候補者の選定と審査を補助するため、役員人材発掘会社に委託する場合
もある。
コーポレートガバナンス・指名委員会は、すべての候補者は以下の最低限の要件を満たしていなければな
らないと考えている。
・候補者は、独立性、率直性、探求心、適正な判断力及び優れた分析力を持つ高潔な人物でなければならない。
・候補者は、会合への出席等(これに限定されない)の取締役会の責務に必要な時間を割く覚悟があること
を示さなければならない。
・候補者は、チーム重視の倫理規範を持っていなければならず、かつ特定の構成員ではなく、すべての株主の
利害を重視しなければならない。
コーポレートガバナンス・指名委員会は、現職の取締役が候補者になっているときには、その特性と成績
を上記の基準に照らして査定し、該当する場合には、当該取締役の前年中の主要な職業に変化があった場合の
影響を検討する。個々の取締役の査定手続完了後、コーポレートガバナンス・指名委員会は任命に関する結論
と提言を取締役会に報告する。
コーポレートガバナンス・指名委員会は、取締役会の他の構成員及び経営陣、並びに株主及び役員人材発
掘会社等の他の外部委託会社から推薦された取締役候補者についても検討する方針をとっている。コーポレー
トガバナンス・指名委員会は、推薦先にかかわらず、候補者の審査に同じ基準を適用している。
株主は、推薦する候補者を検討してもらうためには、氏名、住所を含め、当該候補者の資格について記載し
た推薦書をニュージャージー州フランクリン・レイク市ベクトン・ドライブ1に所在するBDのコーポレート・
セクレタリーに提出しなければならない。
重要なコーポレートガバナンス慣行
当社取締役会が定めた重要なコーポレートガバナンス慣行の一部を以下に掲げる。
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取締役の年次選任
2009年、株主の考え方の変化及び進化するコーポレートガバナンス慣行に対応するため、当社の改訂基本
定款は取締役の年次改選を規定する内容に変更された。かかる行為を進めるにあたり、取締役会は、多数の投資
家及び評論家が取締役の選任は株主がコーポレートガバナンス制度に影響を与え、かかる制度の実行に関する
経営責任を負うための、基本的手段であると考えていることを認識した。取締役会はまた、取締役の年次改選
は、新しいコーポレートガバナンス慣行と合致し、毎年取締役全体の業務遂行に株主の視点を反映する機会を
彼らに提供することに気付いた。
取締役の選任
取締役会は、コーポレートガバナンス指針を導入した。この指針は、改選に際して対立候補がいない場合
に、「賛成票」よりも「保留票」が多かった候補者に株主投票後に辞任の申出を求めるものである(取締役辞
任規定)。コーポレートガバナンス・指名委員会は、辞任の申出を検討し、受理するかどうかについて取締役会
に提言する。辞任の申出については取締役会が株主投票から90日以内にどのような措置をとるかを決定する。
取締役会の決定は、決定から4営業日以内にSECに対する様式8−Kによる届出において開示される。本規定に
従って辞任の申出を行なう取締役は、コーポレートガバナンス・指名委員会又は取締役会のいずれの審議にも
参加しない。取締役辞任規定に基づき個別にすべての関連要因を検討することで、取締役会に柔軟性がもたら
され、取締役会が好ましくない分裂的な統治となることを回避することができる。かかる構成により、取締役会
が、投票が取締役の業務遂行全体への不満に起因するのか、特別な問題に関する株主の考え方の結果なのか等、
投票理由の特定及び評価をする機会が認められる。このシステムにより、株主の不満に対する適切な対応を評
価すると同時に、経験と知識が豊富な取締役による安定した取締役会を維持できるものと、取締役会は考えて
いる。この方針の全規定はコーポレートガバナンス指針に盛り込まれている。
取締役会の査定
毎年、取締役会は、その責務履行状況と実効性を査定する。この手続の一環として、各取締役は、取締役会の
役割、組織及び会合の具体的事項に関して取締役会査定書式に記入する。次に、コーポレートガバナンス・指名
委員会の委員長が総体的なコメントを取締役会全体に提示する。取締役会は、査定の一環として、前年に改善対
象に指定された分野の進捗状況を評価し、取締役会の翌年の実効性向上のために行われるべき取り組みを構築
する。取締役会の査定は多くの分野を対象とする(詳細は当社のウェブサイトwww.bd.
com/investors/corporate_governance/で閲覧できる)。また、取締役会に属する各委員会は、同様の手続によ
り責務履行状況の年次自己査定を行う。
取締役による株式保有
取締役会は、取締役は当社株式を有意な比率で保有すべきであると考えている。これを受けて、経営に携わ
らない取締役の報酬体系では、経営に携わらない取締役報酬の大部分が取締役の任期満了まで分配不能な制限
付株式ユニット形式であることを定めた。取締役会は、かかる株式持分は、経営に携わらない取締役と株主の利
害一致をはかる一助となると考えている。取締役会の株式保有指針に基づき、経営に携わらない取締役はすべ
て、現金年俸額に就任年数を乗じた額の50%の価額の普通株式(制限付株式ユニットを含む)の保有を要求さ
れる。現在、経営に携わらない取締役のうち就任期間が1年以上の者はすべてこの指針に準じた額の株式を保有
している。
寄附金年次報告
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適正なガバナンス・開示慣行に関する取り組みを強化するため、コーポレートガバナンス指針では、当社
取締役、執行役員及びその家族が関係する組織に対して総額5万ドル以上(当社のマッチングギフトプログラ
ムに基づく寄附は含まれない)の寄附又は寄附の約束をする場合には、コーポレートガバナンス・指名委員会
の承認を要する旨が定められている。また、コーポレートガバナンス指針では、当社が前年度に行なった1万ド
ル以上の寄附及び寄附の約束をすべて掲げた寄附金に関する年次報告(以下「寄附金報告書」という。)を当
社のウェブサイトwww.bd.com/investors/corporate_governance/に掲載する義務が定められている。2002年以
降自主的に交付している寄附金報告書には、寄附に関する当社の考え方及び当社の慈善活動とこの考え方との
整合性、並びに各寄附又は寄附の約束に関する追加情報が含まれている。
報酬の取戻し
取締役会は、リーダーシップ・チームのメンバーの不正行為の結果、後に訂正報告された当社の財務成績
に基づき、当該メンバーに支払われた報奨型報酬を取戻すことができる旨を定めた政策を採択した。本政策は、
取締役会に、当該不正行為に関与していなかったリーダーシップ・チームのメンバーから、訂正報告の結果に
基づき本来支払われたであろう金額を超えた報奨型報酬支払金を取り戻すことができる権限をも付与した。報
酬取戻方針は、当社のウェブサイトwww.bd.com/investors/corporate_governance/で閲覧することができる。
株式付与の日付
報酬年金委員会は、付与発効の前倒しを効果的に防止している株式付与に関する既存の慣行を盛り込んだ
包括的な指針を採択し、公表時期が付与された株式の価額に影響を及ぼさないことの担保規定を追加した。株
式付与の日付に関する方針は、www.bd.com/investors/corporate_governance/で閲覧することができる。
法人遵守
監査委員会の監督の下、当社の法人遵守機能は、事業に影響する多くの法律、規則及び政策に対する違反の
防止と発見を効果的に行なうこと並びに適法で倫理規範に則した行動を継続的に促すことを目的とする(以
下「法人遵守」という。)。 2005年度に実施に移された法人遵守は、既存の様々な遵守・倫理機能を補完し、プ
ログラム設定と予防により、また遵守を企業文化とすることを推進することによって協調と実効性の強化をは
かることをめざすものである。上席経営陣から成る遵守委員会は、最高倫理責任者の業務を監督する。このプロ
グラムのもう一つの重要な役割は研修である。事業倫理規範・遵守ガイドに重点を置いたコンピュータベース
のグローバルな遵守研修プログラム、並びに反トラスト、贈賄防止、利益相反、財務整合性、業界規約及び情報セ
キュリティ等の多様な遵守テーマを対象とするその他のコースが提供されている。
取締役の独立性、関係者取引に関する指針
ニューヨーク証券取引所規則及び当社のコーポレートガバナンス指針第7号に基づき、取締役は、当社と直
接又は間接に重要な関係を有する場合には(ただし、取締役としての関係を除く)、独立していないとみなさ
れる。コーポレートガバナンス・指名委員会は、毎年すべての取締役の独立性について審査し、取締役会全体に
結果報告を行なう。この審査を補助するため、取締役会は、ニューヨーク証券取引所規則に基づく取締役の独立
性に関する指針(以下「独立性指針」という。)を導入した。当該指針は指針第7号に記載されている。ニュー
ヨーク証券取引所規則及び独立性指針には、当社及び取締役又はその直系の家族が現在又は過去に関連を有す
る組織(以下「取締役関連組織」という。)が過去3年間に行った取引で、取締役関連組織に対し、若しくはか
かる組織から、1百万ドルないし取締役関連組織のかかる期間中のいずれかの事業年度の連結総売上高の2%を
超える支払がなされた場合、取締役の独立性が認められない可能性があるとする、輝線定量試験が定められて
いる。独立性指針は、当社と取締役及びその直系の家族又はこれらの者が関連性を有する組織との一定の関係
のうち、取締役会が取締役の独立性を審査するためにその判断で重要性の有無を決定したものを掲げている。
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取締役と当社との関係が独立性指針に定められていないものである場合、独立取締役が当該関係の重要性につ
いて判断するため事実関係と状況を調査する。
取締役会は、独立性指針に照らして、ベイジル・L・アンダーソン氏、ヘンリー・P・ベクトン・ジュニア
氏、エドワード・F・デグラン氏、クリストファー・ジョーンズ氏、クレア・M・フレイザー-リゲット氏、マー
シャル・O・ラーセン氏、アデル・A・F・マハムード氏、ゲーリー・A・メックレンブルグ氏、キャシー・E・マ
イナハン氏、ジェームズ・F・オール氏、ウィラード・J・オーバーロック・ジュニア氏、バートラム・L・ス
コット氏、及びアルフレッド・ソマー氏は、独立性を有すると判断した。エドワード・J・ルドウィグ氏は、当社
の従業員であるため、ニューヨーク証券取引所規則及びコーポレートガバナンス指針に照らして独立性を有し
ない。
経営に携わらない各取締役の独立性を判断する際に、取締役会は、当社と取締役関連組織との通常の業務
における取引その他の関係を審査した。かかる関連性には、取締役又はその直系の家族が当該組織の役員、従業
員、非常勤講師又は理事会若しくは諮問委員会の構成員として提供する役務が含まれる。かかる見直しを行う
に際し、取締役会は、各場合において、取締役関連組織との関係の本質、取締役の関わり、及び関与の程度が、独
立性指針に基づく取締役の独立性を損なっていないことを判断する。また、ほとんどの場合、取締役は、取締役
関連組織と当社との関係において積極的な役割を果たしておらず、当該関係に関与していた部門とかかる取締
役が関与していた部門が異なる場合もあった。したがって、取締役会は、こうした関係はいずれも当社の利害に
とって重要ではなく、あるいは当社との利害の相反はなく、また、かかる取締役の独立性又は判断を損なうもの
ではなかったと判断した。
この点において取締役会が検討した取締役関連組織との取引の種類は、(アンダーソン氏、ベクトン氏、
ジョーンズ氏、ラーセン氏、メックレンブルグ氏、オール氏、オーバーロック氏、スコット氏、フレイザー-リゲッ
ト氏、マハムード氏、ソマー氏、マイナハン氏については)製品・役務の売買、知的所有権のライセンス供与そ
の他の活動と、(ジョーンズ氏、オーバーロック氏、ソマー氏については)寄附であった。 かかる取引にはま
た、2010年6月28日付でスコット氏がCIGNAの社長に就任した結果の、当社とCIGNA Corporation及びその関連会
社(以下総称して「CIGNA」という。)間の構築された関係が含まれる。 CIGNAは、当社の自家保険医療プラン
に基づく医療請求管理会社の一つであり、当社の社員のための医療請求の管理及び処理が含まれる。当社は
CIGNAに対し、かかる目的のために、当該会社のネットワーク、請求処理及び顧客相談サービスに対して管理手
数料を支払う。CIGNAはまた、当社の社員向けの一般任意事故プログラム及び出張事故保険プログラムの保険会
社も務めており、当社はかかる社員向け一般保険制度の保険料をCIGNAに支払っている。取締役会はまた、マイ
ナハン氏の夫が金融サービス会社であるゴールドマン・サックス・グループ・インク(The Goldman Sachs
Group, Inc)のマネージング・ディレクターの職にある点を検討したが、同社は他の関連会社と共に(以下総
称して「ゴールドマン・サックス」という。)、マイナハン氏の取締役選任以前より当社に対し投資銀行業務
及び特定の財務サービスを提供している。 マイナハン氏の夫は、ゴールドマン・サックスと当社の取引におい
て、いかなる時点でも関与していない。 2010年度、当社はゴールドマン・サックスに対し、かかる全てのサービ
スにつき約6.2百万ドル支払ったが、これは同社の直近事業年度の連結総売上高のほんの僅か(0.01%)を占
めたにすぎない。この数字は、前述の取締役の独立性の判断に適用された輝線定量試験をはるかに下回ってい
る。したがって、取締役会は、当社とゴールドマン・サックスとの関係は重要な関係ではなく、マイナハン氏は
独立性判断を行うまでもないと、結論付けた。
取締役会はまた、年間12万ドルを超える関係者取引で、当社株式を5%超保有する取締役、執行役員若しくは
株主(一定のパッシブ投資家を除く)又はその直系の家族が現在又は将来重要な利害を有するもの(当該取
引が取締役の独立性に影響を及ぼすかどうかを問わない)について取締役会の承認又は批准を受けなければ
ならないことを定めた方針(以下「方針書」という。)を策定した。方針書は、当社のウェブサイトwww.bd.
com/investors/corporate_governance/で閲覧可能である。方針書は、寄附、従業員全般の利用に供される取引、
一定の費用の補償及び貸付等の特定の取引を除外している。コーポレートガバナンス・指名委員会は、方針書
の対象となる取引の審査及び承認又は追認を行なう。コーポレートガバナンス・指名委員会は、事業上の判断
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として、当社にとって公正かつ合理的であり、当社と株主の最善の利益に資するものであり(又は最善の利益
に即さないものではなく)、かつ関連時の取締役の独立性に影響を及ぼさないと判断した取引のみを承認又は
追認する。
また2010年度には、当社普通株式を5%以上保有する株主1社(又は関連する事業部門)に様々な財務サー
ビスを委託したが、このため当社は12万ドル超の報酬を支払った。 当社は、ステート・ストリート・バンク・
アンド・トラスト・カンパニー受託会社(以下「ステート・ストリート」という。)に対し、様々な貯蓄報奨
プランファンドの銀行業務と投資運用業務につき621,500ドル支払った。ステート・ストリートは当社に対す
るパッシブ投資家とみなされるため、こうした取引は方針書上承認を要さない。
事業倫理規範・遵守ガイド
当社は事業倫理規範・遵守ガイド(以下「ガイド」という。)を維持しているが、このガイドは1995年に
取締役会によって導入された。当該ガイドは、最高経営責任者、最高財務責任者、経理担当役員その他の上席財
務役員を含むすべての取締役、役員及び従業員に適用される行動倫理規範である。当該ガイドには、いくつかの
事項に関する当社の方針と要求が掲げられている。これらの事項には、利害の相反、秘密保持、法律(インサイ
ダー取引に関する法律等)の遵守、会社資産の保全と利用、事業倫理が含まれる。当該ガイドには、取締役又は
執行役員が関与する、生じる可能性のある利害相反(又は利害相反と思われるもの)について通報し、処理す
るための手続、及び会計、内部管理及び監査事項に関する問題を秘密裏に通報し、処理するための手続も掲げら
れている。
また1995年以来、懸念を提起し又は助言を求める手段として社員向けのエシックス・ヘルプライン(以下
「ヘルプライン」という。)も維持している。ヘルプラインは、独立の委託業者によって運営されており、世界
各国の全社員が常時利用できる。社員は通訳サービスも利用できる。社員は匿名でヘルプラインを利用するこ
とができ、すべての問い合わせは、問い合わせ調査に関連して実行可能な限り、極秘扱いとされる。ヘルプライ
ンへの問い合わせはすべて当社の最高倫理責任者に転送され、調査される。ヘルプラインによるかあるいはそ
の他の手段によるかにかかわらず、最高倫理責任者に報告された、会計、内部管理、監査等に関する事項、又は経
営陣若しくは内部管理において重要な役割を果たしている者が関与する詐欺行為については、監査委員会に直
接報告される。
最高倫理責任者は、当社の倫理プログラムを運営する内部ユニット、エシックス・オフィスを率いる。ヘル
プラインに加え、倫理プログラムでは、当社のコアバリューの普及、ガイドとその要件に関する社員教育、倫理
研修セミナーが実施される。当社のコアバリューは以下のとおり。
・−正しいことを行うこと。
・−常に向上をめざすこと。
・−自ら責任を負うこと。
・−互いに尊重しあうこと。
執行役員及び取締役についてガイドの規定が免除される場合には、株主に速やかに開示される。また、ガイ
ドの修正、及び最高経営責任者、最高財務責任者又は経理担当役員に関するガイドの一定の規定の免除につい
ては、下記のウェブサイトに掲載される。
ガイドは、当社のウェブサイトwww.bd.com/investors/corporate_governance/で閲覧可能である。印刷版
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は、ニュージャージー州フランクリン・レイク市ベクトン・ドライブ1に所在するBDのコーポレート・セクレ
タリー(電話:1-201-847-6800)に連絡すれば、無料で入手することができる。
(2)【監査報酬の内容等】
①【外国監査公認会計士等に対する報酬の内容】
以下は、2010年度及び2009年度において、アーンスト・アンド・ヤング(以下「E&Y」という。)がサービス
の対価として当社に対して請求した報酬である。
(単位:米ドル)
2010年度
監査報酬(1)
2009年度
7,680,000
7,491,000
監査関連報酬(2)
119,000
1,039,000
税務報酬(3)
211,000
209,000
38,000
15,000
8,048,000
8,754,000
その他報酬(4)
合 計
9月30日に終了する2010年度及び2009年度における専門的サービス報酬の大部分は、米ドル以外の通貨建
てで支払われる。
(1)「監査報酬」は、当社の連結財務書類の年次監査、当社のForm 10−Qによる四半期報告書のレ
ビュー、外国規制機関に提出される登録届出書及び国際的に要求される法定監査に関する報酬を含
む。
(2)「監査関連報酬」は、監査の実施又は中間財務書類のレビューに合理的に関連する保証及び関連
サービスで、監査報酬として報告されないもので構成される。本カテゴリーで開示される報酬に係る
サービスには、福利厚生制度の監査及び経営陣が要望した他の監査業務が含まれており、財務書類の
監査の範囲に加えたものである。
(3)「税務報酬」には、税務コンプライアンス、税務監査支援、節税アドバイス及び税金対策が含まれて
いる。
(4)「その他報酬」には、様々な多岐にわたるその他のサービスが含まれる。
②【その他重要な報酬の内容】
上記①「外国監査公認会計士等に対する報酬の内容」を参照のこと。
③【外国監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容】
上記①「外国監査公認会計士等に対する報酬の内容」を参照のこと。
④【監査報酬の決定方針】
監査及び非監査業務の事前承認
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監査委員会は、当社の独立登録公認会計士事務所(以下「独立監査人」という。)を選任し、独立監
査人のサービスの契約条件を承認する責務を負う。監査委員会は、独立監査人から提供される全て
の監査業務及び許容可能な非監査業務の事前承認に関する方針を下記の通り定めている。
「監査業務」方針に基づき、監査委員会は、当社の独立監査人を毎事業年度ごとに選任し、提供され
る監査サービスに関して独立監査人の契約書を事前承認する。
「非監査業務」方針に従い、監査委員会は、監査委員会が設定した金額制限に従い独立監査人が事
業年度中に実施することのできる詳細な事前承認済み非監査業務カテゴリーを定めている。監査委
員会はまた、一定の金額制限を設け、個々のサービスを監査委員会全員に報告することを条件に、独
立監査人が実施する追加的非監査業務を承認する権限を監査委員会委員長に委任している。他の非
監査業務は全て、監査委員会全員の事前承認が必要となる。
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ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー(E05915)
有価証券報告書
第6【経理の状況】
(イ)本書記載のベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー(以下「当社」という)(Becton、Dickinson and Company)
の2010年および2009年9月30日現在ならびに2010年9月30日をもって終了した3年間の各事業年度の連結財務書類は、米国に
おいて一般に公正妥当と認められている会計原則および米国証券取引委員会(SEC)の規則S−Xに従って作成され、1934年の
証券取引法に従った米国証券取引委員会(SEC)の様式10−Kにより開示されている。原文は英文であるが、この有価証券報告
書に含まれている日本文はこれを翻訳したものである。
当社の連結財務書類は、「財務諸表等の用語、様式および作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号、以下「財務諸
表等規則」という)第129条第1項の規定に従って作成されている。
当社の採用した会計基準および表示方法と、日本において一般に公正妥当と認められる会計原則、会計手続および表示方法と
の間の主な相違点に関しては「財務諸表等規則」第130条および第131条に基づき「4.アメリカ合衆国と日本における会計
原則および会計慣行の相違」に説明されている。
(ロ)当社の2010年および2009年9月30日現在ならびに2010年9月30日をもって終了した3年間の各事業年度の原文の連結財務
書類は、米国における会計監査人アーンスト・アンド・ヤング・エル・エル・ピーの監査を受けており、以下にその同意書、お
よび監査報告書を記載している。この有価証券報告書に含められている日本文の会計監査人の同意書、および監査報告書は、そ
れぞれ英文を翻訳したものである。
前述の連結財務書類は、金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号)第35条の規定に基づく「財務諸表等の監査証明に関
する内閣府令」(昭和32年大蔵省令第12号)第1条の3の規定により、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく日
本の公認会計士又は監査法人による監査は受けていない。
(ハ)本書記載の当社の連結財務書類(原文)は、米ドルで表示されている。「円」で表示されている金額は、利用者の便宜のた
めに2011年1月31日現在の、東京外国為替市場における対顧客電信直物相場仲値、1米ドル=82.13円の為替レートで換算され
たものである。金額は百万円単位(四捨五入)で表示されている。従って、日本円の合計数値欄は、連結財務書類に記載されて
いる各数値を合計したものと必ずしも一致するわけではない。
(ニ)円換算額および「4.アメリカ合衆国と日本における会計原則および会計慣行の相違」に関する記載は、発行者の原文の
連結財務書類に含まれておらず、従って、上記(ロ)の会計監査の対象にもなっていない。
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ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー(E05915)
有価証券報告書
1【財務書類】
ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー
連結損益計算書
9月30日に終了する事業年度
2010年
(千米ドル)
2009年
(百万円)
(千米ドル)
2008年
(百万円)
(千米ドル)
(百万円)
営業活動
売上高
$7,372,333
605,490
$6,986,722
573,819
$6,897,619
566,501
売上原価
3,543,183
291,002
3,311,676
271,988
3,357,159
275,723
販売費および一般管理費
1,721,356
141,375
1,680,797
138,044
1,669,762
137,138
430,997
35,398
404,567
33,227
382,554
31,419
原価および経費計
5,695,536
467,774
5,397,040
443,259
5,409,475
444,280
営業利益
1,676,797
137,715
1,589,682
130,561
1,488,144
122,221
研究開発費
支払利息
(51,263)
(4,210)
(40,389)
(3,317)
(36,343)
(2,985)
受取利息
33,148
2,722
39,368
3,233
35,129
2,885
その他の収益(費用)−純額
497
41
継続事業に係る税引き前当
期純利益
1,661,160
136,431
1,578,591
129,650
1,489,685
122,348
484,820
39,818
411,246
33,776
411,931
33,832
1,176,340
96,613
1,167,345
95,874
1,077,754
88,516
141,270
11,603
64,258
5,278
49,242
4,044
$1,317,610
108,215
$1,231,603
101,152
$1,126,996
92,560
$5.02
412
$4.85
398
$4.41
362
非継続事業に係る当期利益
(損失)
0.60
49
0.27
22
0.20
16
基本1株当たり利益
5.62
462
5.12
421
4.61
379
継続事業に係る当期純利益
4.90
402
4.73
388
4.27
351
非継続事業に係る当期利益
(損失)
0.59
48
0.26
21
0.19
16
希薄化後1株当たり利益
5.49
451
4.99
410
4.46
366
法人所得税等
継続事業に係る当期純利益
(3,850)
(316)
(1,484)
(122)
非非継続事業に係る利益
法人所得税等引当(還付)
額40,703千米ドル、19,975
千米ドルおよび13,191千米
ドル控除後
当期純利益
1株当たり利益
基本1株当たり利益
継続事業に係る当期純利益
希薄化後1株当たり利益
(A) 合計額の数字を丸めたため、上段を加算した額と一致しないことがある。
添付の連結財務書類注記参照
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ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー(E05915)
有価証券報告書
ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー
連結包括損益計算書
9月30日に終了する事業年度
2010年
(千米ドル)
当期純利益
2009年
(百万円)
(千米ドル)
2008年
(百万円)
(千米ドル)
$1,317,610
108,215
$1,231,603
101,152
330
27
29,358
2,411
-
-
-
-
$1,126,996
(百万円)
92,560
その他の包括利益 (損失)
- 税引後
為替換算調整勘定
年金最小負債調整額
確定給付年金および退職
後給付
(130,461)
投資未実現利益:純額
(10,715)
(242,478)
(6,595)
-
(42,862)
(3,520)
(42)
(3)
-
キャッシュ・フロー・
ヘッジ未実現損失−純額
44,884
3,686
(82,073)
(6,741)
43,871
3,603
その他の包括利益 (損失)
- 税引後 合計
(85,247)
(7,001)
(295,152)
(24,241)
(79,338)
(6,516)
$936,451
76,911
$1,232,363
101,214
添付の連結財務書類注記参照
84/176
3
-
-
包括利益合計
41
(19,915)
(80,305)
$1,047,658
86,044
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ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー(E05915)
有価証券報告書
ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー
連結貸借対照表
9月30日現在
2010年
(千米ドル)
2009年
(百万円)
(千米ドル)
(百万円)
資産の部
流動資産
現金および現金同等物
$1,215,989
99,869
$1,394,244
114,509
528,206
43,382
551,561
45,300
売掛金(純額)
1,205,377
98,998
1,168,662
95,982
棚卸資産
前払費用、繰延税金資産および
その他
1,145,337
94,067
1,156,762
95,005
410,341
33,701
375,725
30,858
4,505,250
370,016
4,646,954
381,654
3,100,492
254,643
2,966,629
243,649
営業権
763,961
62,744
621,872
51,074
重要開発技術資産(純額)
310,783
25,525
309,990
25,459
その他無形固定資産(純額)
227,857
18,714
96,659
7,939
資産計上されたソフトウェア
254,761
20,924
197,224
16,198
その他資産
487,590
40,046
465,296
38,215
$9,650,694
792,611
$9,304,624
764,189
$202,758
16,653
$402,965
33,096
買掛金
325,402
26,725
264,181
21,697
未払費用
661,112
54,297
646,540
53,100
未払給料賃金および関連費用
453,605
37,255
459,742
37,759
未払法人所得税等
28,796
2,365
3,665
301
流動負債計
1,671,673
137,295
1,777,093
145,953
1,495,357
122,814
1,488,460
122,247
従業員退職給付債務
899,109
73,844
782,034
64,228
繰延税金負債その他
149,975
12,317
114,325
9,390
-
-
-
-
短期投資
流動資産計
有形固定資産(純額)
資産合計
負債の部
流動負債
短期債務
長期債務
保証債務および偶発債務
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ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー(E05915)
有価証券報告書
9月30日現在
2010年
2009年
(千米ドル)
(百万円)
(千米ドル)
(百万円)
資本の部
資 本
普通株式、額面価額1ド
ル:
授権資本株数−額面1株の
株式640,000,000株
発行済株式数−2010年度
および2009年度末現在
332,662,160株
資本剰余金
332,662
27,322
332,662
27,322
1,624,768
133,422
1,485,674
122,018
利益剰余金
8,724,228
716,521
7,752,831
636,740
17,164
1,410
17,906
1,471
株式に基づく繰延報酬
自己株式(原価)−2010
年度末現在102,845,609株
および2009年度末現在
95,579,970株
その他の包括利益(損失)
累計額
資本合計
(4,806,333)
(394,744)
(4,073,699)
(334,753)
(457,909)
(37,608)
(372,662)
(30,607)
5,434,580
446,342
5,142,712
422,371
負債および資本合計
$9,650,694
792,611
$9,304,624
764,189
添付の連結財務書類注記参照
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ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー(E05915)
有価証券報告書
ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー
連結キャッシュ・フロー計算書
9月30日に終了する事業年度
2010年
(千米ドル)
2009年
(百万円)
(千米ドル)
2008年
(百万円)
(千米ドル)
(百万円)
営業活動によるキャッシュ
・フロー
当期純利益
非継続事業に係る損失 (利
益)(純額)
継続事業に係る当期純利
益(純額)
$1,317,610
(141,270)
108,215
(11,603)
$1,231,603
(64,258)
101,152
(5,278)
$1,126,996
(49,242)
92,560
(4,044)
1,176,340
96,612
1,167,345
95,874
1,077,754
88,516
502,113
41,239
464,604
38,158
471,963
38,762
株式に基づく報酬
79,374
6,519
86,574
7,110
100,585
8,261
繰延税金
28,055
2,304
60,041
4,931
80,088
6,578
(73,933)
(6,072)
(81,530)
(6,696)
(4,610)
(379)
(116,500)
(9,568)
(91,462)
(7,512)
(49,362)
(4,054)
(34,340)
(2,820)
(22,059)
(1,812)
(32,245)
(2,648)
156,023
12,814
123,576
10,149
(15,657)
(1,286)
(102,967)
(8,457)
(68,574)
(5,632)
(56,083)
(4,606)
44,852
3,684
19,971
1,640
45,354
3,725
1,659,017
136,255
1,658,486
136,211
1,617,787
132,869
継続事業に係る当期純利益
から継続事業に係る営業活
動によるキャッシュ・フ
ローへの調整額(企業買収
分控除後):
減価償却費およびその他償
却費
営業資産の増減:
売掛金
棚卸資産
前払費用、繰延税金その
他
買掛金、未払法人所得税お
よびその他の債務
年金債務
その他(純額)
継続事業に係る営業活動に
よる純キャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ
・フロー
資本的支出
ソフトウェアの資産計上
短期投資の増減額
長期投資売却による収入
(購入による支出)
企業買収(被買収企業現金
残高を除く)
非継続事業からの収入
その他(純額)
継続事業に係る投資活動に
よる純キャッシュ・フロー
(537,306)
(44,129)
(585,196)
(48,062)
(595,811)
(48,934)
(95,159)
(7,815)
(109,588)
(9,000)
(49,306)
(4,050)
34,550
2,838
(338,228)
(27,779)
(46,321)
(3,804)
963
79
840
69
(5,666)
(465)
-
-
(41,259)
(3,389)
(281,367)
(23,109)
259,990
21,353
51,022
4,190
(81,636)
(6,705)
(85,900)
(7,055)
(38,491)
(3,161)
(699,965)
(57,488)
(1,067,050)
(87,637)
(776,854)
(63,803)
(200,193)
(16,442)
(5,938)
(488)
-
-
財務活動によるキャッシュ
・フロー
短期債務の増減
長期借入による収入
長期債務返済による支出
普通株の買い戻し
新株の発行
1,196
98
739,232
60,713
-
-
(76)
(6)
(311)
(26)
(1,114)
(91)
(750,000)
(61,598)
(550,006)
(45,172)
(450,001)
(36,959)
50,093
4,114
32,403
2,661
85,396
7,014
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-
-
EDINET提出書類
ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー(E05915)
有価証券報告書
ストックオプションの行使
に係る法人所得税等の増加
分
$ 23,202
1,906
$ 14,667
1,205
$64,335
5,284
配当金
(345,713)
(28,393)
(316,877)
(26,025)
(278,506)
(22,874)
継続事業に係る財務活動に
(1,222,687)
よる純キャッシュ・フロー
(100,419)
(79,696)
(6,545)
(585,828)
(48,114)
58,329
4,791
69,311
5,693
非継続事業関連:
営業活動による純キャッ
シュ・フロー
85,251
投資活動による純キャッ
シュ・フロー
(5,661)
非継続事業に係る純キャッ
シュ・フロー
79,590
6,537
現金および現金同等物に係
る換算差額
5,790
476
現金および現金同等物の増
加(減少)額
(465)
(5,912)
52,417
(390)
(486)
4,305
(32)
(6,169)
(507)
63,142
5,186
748
61
(14,640)
563,767
46,302
318,995
26,199
1,394,244
114,509
830,477
68,207
511,482
42,008
現金および現金同等物期末
$1,215,989
残高
99,869
$1,394,244
114,509
$830,477
68,207
現金および現金同等物期首
残高
(178,255)
7,002
添付の連結財務書類注記参照
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ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー(E05915)
有価証券報告書
ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー
連結財務書類注記
以降の単位は、1株当たり利益および株数を除き、千ドル。
注記1.重要な会計方針の要約
連結の基本方針
この連結財務書類はベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー(以下、「当社」)および当社が過
半数の議決権を有する子会社の諸勘定を含んでおり、連結会社間の勘定残高および取引は相殺消去してい
る。なお、当社は変動持分事業体に対して重要な変動持分を保有していない。
現金同等物
現金同等物は、取得日から3ヶ月以内に満期が到来する流動性の高い投資からなる。
短期投資
短期投資は、取得日から3ヶ月を超え1年未満の期間に満期が到来する預金証書からなる。
棚卸資産
棚卸資産は低価法によって評価し、その払出単価の算定には先入先出法を採用している。
有形固定資産
有形固定資産は取得価額から減価償却累計額を控除した価額で表示している。減価償却費は推定耐用年数
をもとに主として定額法によって計算している。各資産の耐用年数は建物については20∼45年、機械装置に
ついては4∼10年、建物付属設備については1∼20年となっている。2010年、2009年および2008年の各年度の減
価償却費はそれぞれ、347,402千ドル、312,321千ドル、および300,384千ドルである。
営業権およびその他の無形固定資産
営業権、重要開発技術資産および、進行中の研究開発に係る資産は企業買収に伴い計上されたものである。
当社は、これら営業権、重要開発技術資産および、進行中の研究開発に係る資産の減損を毎期見直している。
減損を検討する際には、損益法を用いて見積もられた部門(ユニット)の予測公正価値とその帳簿価額を比
較して減損を判定している。部門(ユニット)は、通常、事業部門(セグメント)の下に置かれている。2010
年度に実施された減損に関する年次検討の結果は、全部門の公正価値がその帳簿価額を超過していることを
示している。また、進行中の研究開発に係る資産および重要開発技術資産の価値の減損を検討する際には、損
益法を用いて見積もられた対象資産の予測公正価値とその帳簿価額が比較される。重要開発技術資産は定額
法により15∼20年にわたって償却される。
特許権を含む、一定の耐用年数を有するその他の無形固定資産は、定額法により主として1∼40年にわたっ
て償却される。当社は、重要開発技術を含むその他の無形固定資産の価値について、減損の兆候がある場合に
は将来事業からの割引前キャッシュ・フローによる回収可能性の観点より、定期的に見直しを行っている。
その結果、帳簿価額が公正価値を越える場合は、その差額を資産価値の減損分として営業損益に反映してい
る。その他の無形固定資産の中には、無期限にキャッシュ・フローを生み出すと想定されるため耐用年数が
ない商標権が含まれている。こうした商標権については、毎期その資産価値の減損を見直している。
資産計上されたソフトウェア
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内部利用目的のため開発また取得されたコンピュータ・ソフトウェアの費用を含む、資産計上されたソフ
トウェアは、取得価額から減価償却累計額を控除した価額で表示している。この資産は10年を超えない推定
耐用年数をもとに主として定額法によって減価償却されている。現在の残高には、主に、当社の事業情報シス
テムを更新するために必要な世界規模の基幹業務統合プログラムに関連したソフトウェア投資金額が含ま
れ、その償却費として、2010、2009および2008各年度に32,181千ドル、46,485千ドル、56,368千ドルがそれぞれ
計上されている。
外貨換算
海外取引による純資産は、一般に期末時の為替相場を用いて米国ドルに換算されている。こうした換算の結
果得られた米国ドル表示額と、関係会社間の長期投資残高に係る為替差益(差損)は、その他の累積包括利
益(損失)中の為替換算調整勘定に計上されている。
売上高の計上基準
製品販売に伴う売上は、製品の所有権と製品に係る損失リスクが顧客に移転された時点で計上している。
なお、バイオサイエンス部門の機械装置の売上は顧客元において据付が完了した時点で計上しているが、こ
れは当該機械装置の据付が重要な納入後の責務であると考えられるからである。また同部門においては、主
に米国での、分割納入を含む一定の販売取引に関して、出荷、据付および作業者の訓練といった各作業が完了
した時点で売上を計上している。これらの販売取引では、個々の取引自体がそれぞれ1つの売上単位となる。
この場合、売上および売上原価は、それぞれの分割納入取引が完了した都度、納入品の相対公正価値に基づい
て計上される。そうした公正価値は一般に、個々の納入が第三者に対して行われる場合の販売高を基準とし
て決定される
当社の国内事業ではその製品を主に再販業者である代理店向けに販売しており、そこからエンドユーザー
である顧客に当社製品が供給される。当社は、エンドユーザーとの契約に基づく取引価格で当社製品をエン
ドユーザーに販売する代理店に対し、リベートを提供している。当社は、こうしたリベートの支払予定額を見
積もり、製品の売上計上時点でこれを売上の控除として会計処理している。
発送費および取扱費
発送費および取扱費は、販売費および一般管理費に含めて表示されている。2010年、2009年、2008年の各年
度の発送費は、それぞれ255,765千ドル、250,941千ドル、263,504千ドルである。
金融派生商品
当社は全てのデリバティブ取引を公正価値で貸借対照表に計上するとともに、公正価値が変動した場合
は、特定のヘッジ要件を満たさない限り、時価の変動額を当期の損益として計上している。
当社は金融派生商品(デリバティブ取引)を、外国為替相場や金利の変動リスクをヘッジするために利用
している。外貨建の売上予測は、輸出販売から生じる外貨建て予測キャッシュ・フロー額の減少を防ぐため
に、先渡し契約およびオプション契約によってヘッジしている。また、当社は、定期的に金利スワップを利用
して固定金利取引と変動金利取引の均衡を保っている。当社は売買取引目的や投機目的では金融派生商品を
利用していない。
デリバティブ取引に係る繰延利益または損失は、ヘッジ対象である取引の損益が認識される期に同時に損
益として認識される。ヘッジ手段であるデリバティブ取引の満期前にヘッジ対象が売却された場合、消滅し
た場合あるいは満期を迎えた場合には、当該デリバティブ取引は解約され、それに伴う損益はその期の損益
として認識される。
法人所得税等
海外子会社の未配分利益は子会社により米国外で無期限に再投資されているので、実質的に全ての未配分
利益に対し米国法人所得税の計上を行っていない。なお、海外子会社の利益が無期限に投資されないと考え
られる場合は、繰延法人所得税が計上される。法人所得税および税額控除は貸借対照表日現在の税法の規定
に従って計算され計上されている。
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当社は様々な国で事業を推進し税務申告を行い、現在多くの国々で国税当局の税務調査を受けている。当
社は、様々な税務ポジションに伴う税負担を評価する中で、当該ポジションに関する税務技術上の根拠、過去
の類似した状況における税務監査の経験および、監査対象事項に適用される可能性がある金利と追徴税額に
基づき、税務ポジションの不確実性に備えるための引当を計上している。
当社は、繰延税金資産の全部または一部が実現されない可能性がある場合、評価引当金を計上している。評
価引当金の変動分は変動があった事業年度の法人所得税等に含めている。評価引当金が妥当に計上されてい
るかどうかを判断する際に、当社の経営者は、過去の収益、今後の収益見通し、繰越欠損金の繰戻および繰越
期間、また繰延税金資産の回収可能性を高めるような税務戦略といった諸要素を勘案している。
1株当たり利益
基本1株当たり利益は発行済普通株式の加重平均株式数に基づいて計算されている。希薄化後1株当たり利
益は、普通株式へ転換されうる、またはそれが発行される可能性のある証券または他の契約の行使により生
じる潜在的な希薄化を考慮して計算したものである。
見積りの使用
米国において一般に公正妥当と認められた会計原則に準拠した財務書類を作成する上で、経営者は見積り
および仮定を行う必要がある。これらの見積りおよび仮定は、連結財務書類に計上された資産、負債、収益お
よび費用に影響を及ぼしている。実際の数値はこれらの見積りと異なる可能性がある。
株式報酬制度
当社は、当期純利益において株式による報酬の公正価値を認識している。報酬の費用は、通常は権利確定期
間である必須勤務期間にわたり均等に損益に計上される。
注記2.会計方針の変更
2008年12月に、米国財務会計基準審議会(FASB) は、確定給付型退職年金および離職後給付に関連する制
度資産の主要な内訳と当該資産の測定方法をUSGAAP (一般に公正妥当と認められる会計原則)で定義さ
れる「公正価値の測定に関する枠組み」 に従って開示することを事業体に求める改訂指針を発表した。こ
の指針は、投資割当の決定方法に関する情報の開示も求めている。当社は本指針を2010年9月30日に採用し
たが、その結果は当社の連結財務諸表に実質的な影響を及ぼしていない。本指針に基づいて開示された情報
は注記8に含まれている。
当社は、2009年10月1日以降に発生した企業買収に関する「改訂企業結合規則」を採用した。この規則の下
では、買収に伴い取得した、進行中の研究開発に係る資産は、対象となる研究開発プロジェクトが完了する
か、中止されかつ買収関連コストが発生費用として計上されるまで、耐用年数が無期限の無形固定資産とし
て計上されることとなる。本規則に基づいて開示が求められている、2009年11月19日付の当社のHandyLab,
Inc.社買収に関連した情報は注記9に含まれている。
当社は、繰り返し測定することのない非金融資産および非金融負債の公正価値の測定に関する新たな指
針を2009年10月1日付で採用した。本指針は公正価値を定義し、GAAPに基づく公正価値の測定の枠組みを設
定し、公正価値の測定に関する開示情報の範囲を拡大するものである。本指針の対象となる資産および負債
には、(i) 減損評価のために公正価値が測定される営業権および耐用年数が無限の無形固定資産、(ii) 減
損の発生に伴って公正価値で評価される長期性資産ならびに、(iii) 企業結合の際に公正価値で評価され
る非金融資産/負債が主に含まれている。なお、本指針の採用は当社の連結財務書類に実質的な影響を及ぼ
していない。
2007年10月1日に、当社は現在または将来の税務申告における税務上のポジションを財務書類でどう認識
し測定すればよいかを示したFASB指針を採用した。本指針の実施に伴い、当社は不確実な税務上のポジショ
ンに関連して現存の税債務の増分5,084千ドルを認識する一方、同額を2007年10月1日現在の利益剰余金残
高から控除した。
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新たな会計基準の採用
2009年10月に、FASBは「ソフトウェアと一体化して機能する機器および複数の構成要素からなる製品に
関する会計処理」に影響を与える「改訂収益認識指針」を発表した。この改訂指針は、複数の構成要素から
なる製品に関する指針の適用範囲を、非ソフトウェア要素と、関連のソフトウェア要素を含む製品の売上計
上にまで拡大をするものである。また、この改訂指針は、複数の構成要素からなる1つの製品を別々の会計
単位として把握する方法に変更し、取引の対価を別々に把握される成果物に割り当てるように修正するこ
とを求めている。この改訂収益認識指針は2010年10月1日以降に当社が締結する新しい契約について有効と
なる。なお、こうした新たな条件が採用されたとしても、当社の連結財務書類には実質的な影響が及ばない
と想定される。
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注記3.資本の部
資本の部の増減明細は下表の通りである。
(単位:千米ドル)
項 目
2007年9月30日現在の残高
発行済
普通株式
332,662
資本
剰余金
利益
剰余金
1,125,368
5,995,787
当期純利益
繰延報酬
12,205
自己株式
株 数
(88,825,066)
価 額
(3,105,893)
1,126,996
現金配当額
普通株式(1.14ドル/株)
(279,110)
発行済普通株式
株式に基づく報酬(純額)
企業買収
株式に基づく報酬
132,372
4,649,160
25,866
1,206
16,327
118
100,585
信託中の普通株式
普通株式の買戻し
会計方針変更の累積効果(注
記2)
2008年9月30日現在の残高
2,489
(169,307)
(2,489)
(5,255,900)
(450,000)
(89,584,786)
(3,532,398)
(5,084)
332,662
1,359,531
6,838,589
当期純利益
14,694
1,231,603
現金配当額
普通株式(1.32ドル/株)
(317,361)
発行済普通株式
株式に基づく報酬(純額)
企業買収
株式に基づく報酬
38,919
2,283,887
11,608
1,330
24,110
309
86,519
信託中の普通株式
3,212
普通株式の買戻し
その他の増減
2009年9月30日現在の残高
(91,681)
(3,212)
(8,211,500)
(550,006)
(95,579,970)
(4,073,699)
(625)
332,662
1,485,674
当期純利益
7,752,831
17,906
1,317,610
現金配当額
普通株式(1.48ドル/株)
(346,213)
発行済普通株式
株式に基づく報酬(純額)
59,866
株式に基づく報酬
16,624
34,790
742
79,228
信託中の普通株式
(742)
普通株式の買戻し
2010年9月30日現在の残高
2,758,391
332,662
1,624,768
8,724,228
17,164
(10,058,820)
(750,000)
(102,845,609)
(4,806,333)
信託中の普通株式は、当社の従業員・役員の給与賞与等の繰延報酬に関連した信託財産である。
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その他の包括損失累計額の内訳は以下の通りである。
(単位:千米ドル)
項 目
為替換算調整勘定 (A)
年金最小負債調整額 (B)
2010
2009
186,777
186,447
(634,396)
(503,935)
(581)
(581)
(9,709)
(54,593)
(457,909)
(372,662)
投資未実現損失 (B)
キャッシュ・フロー・ヘッジに係る
未実現利益(損失)(B) (C)
計
(A)営業権に起因する2010年度および2009年度の為替換算調整額はそれぞれ、$2,044千ドルおよび
$(3,749)千ドルであった。
(B)税引き後金額
(C)2008年9月30日現在のキャッシュ・フローでの未実現損失は $27,480千ドル(税引き後)であった。
投資未実現利益に関連して、2010年度に0千ドル、2009年度に25千ドル、2008年度に (25)千ドルの法人所
得税引当(還付)額がそれぞれ計上されている。また、キャッシュ・フロー・ヘッジに関して2010年度に
27,509千ドル、2009年度に (50,302)千ドル、2008年度に 26,889千ドルの法人所得税引当(還付)額がそれ
ぞれ計上されている。また、2010年度、2009年度および2008年度に計上された確定型年金および離職後給付
に係る法人所得税還付額は、それぞれ67,829千ドル、146,554千ドル、3,439千ドルであった。なお、通常、為替
換算調整勘定については法人所得税の引当は行われない。
2010年度、2009年度および2008年度のその他の包括利益(損失)に含まれるキャッシュ・フロー・ヘッ
ジに係る未実現(損失)利益は、売上高に計上された税効果控除後の実現ヘッジ利益、それぞれ (19,512)
千ドル、65,012千ドルおよび(6,733)千ドルを組替修正した後の金額である。これらの金額は、過年度におい
て、その他の包括損失累計額に計上されていたものである。これらの組替修正に関連する2010年度、2009年
度および2008年度の税引当額(還付額)はそれぞれ、(11,959) 千ドル、39,846千ドルおよび (4,127)千ド
ルであった。
注記4.1株当たり利益
2010年、2009年および2008年9月30日に終了する各年度における、基本的および希薄化後 1株当たり利益
の計算を以下に示す。(注:株式数の単位は千株)
項 目
2010
平均発行済普通株式数
株式に基づく報酬からの希薄化株式等価物数
2009
2008
234,328
240,479
244,323
5,808
6,319
8,358
240,136
246,798
252,681
希薄化後の平均発行済普通株式数および
普通株式等価株式数
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注記5.契約債務および偶発債務
契約債務
全てのオペレーティング・リースに係るリース費用は、2010年度、2009年度および2008年度でそれぞれ、
65,000千ドル、64,500千ドルおよび68,200千ドルとなっている。解約不能なリースに関し将来支払う最低賃
借料は、2011年度−45,200千ドル、2012年度−36,500千ドル、2013年度−26,500千ドル、2014年度−24,400千
ドル、2015年度−21,100千ドルであり、以降の年度の合計額は43,400千ドルとなっている。
2010年9月30日現在で当社は総計約521,097千ドルの購買関連支出を契約済みであり、これは今後数年にわ
たって拠出される予定である。
偶発債務
訴訟に一般的な不確実性を考慮すると、当社が係争中の各訴訟から生じうる損失の金額または範囲を予
め想定することは困難である。当社は、一般に米国において公正妥当と認められている会計原則に従って、
将来発生すると思われる損失を(かかる損失が環境問題に関連して発生すると思われる場合は、他社の負
担分を考慮しないで)可能な限り見積もり、引当を行っている。しかしながら、訴訟に関する下述の不確実
性を考えれば、現在引当済みの金額を越える費用および可能な範囲の追加損害保険料を負担しなければな
らないことも考えられる。従って、経営者としては、そうした将来の費用が当社の連結損益計算書および連
結キャッシュ・フローに、個別に、または全体として、重要な影響を及ぼす可能性があると考えている。
当社は、販売代理業者などの当社製品の購入者(「原告販売代理業者」)に代わって提起された、集団代
表訴訟を目的とする下記の訴訟の被告となっている。これらの訴訟は、当社が連邦反トラスト法に違反して
おり、その結果、原告販売代理業者と集団代表訴訟に名を連ねた人々に本来価格以上の高い価格を課してい
ると主張している。
①「ルイジアナ・ホールセールドラッグ社ら対ベクトン・ディッキンソン事件」(ニュージャージー州
ニューアーク連邦地区裁判所−2005年3月25日受理)
②「SAJディストリビューター社対ベクトン・ディッキンソン事件」(ペンシルバニア州東部地区連邦地
区裁判所−2005年9月6日受理)
③「ディック・ドラッグ社ら対ベクトン・ディッキンソン事件」(ニュージャージー州ニューアーク連邦
地区裁判所−2005年9月12日受理)
④「アメリカン・セールス社ら対ベクトン・ディッキンソン事件」(ペンシルバニア州東部地区連邦地区
裁判所−2005年10月3日受理)
⑤「パーク・サージカル社ら対ベクトン・ディッキンソン事件」(ペンシルバニア州東部地区連邦地区裁
判所−2005年10月26日受理)
これらの集団訴訟は「皮下注射製品関連の反トラスト法訴訟」に統合された。
当社は、病院のような当社製品の購入者(「原告病院」)を代理して提起された、集団代表訴訟を目的と
する下記の訴訟の被告となっている。これらの訴訟は、当社が連邦および州政府の反トラスト法に違反して
おり、その結果、原告と集団代表訴訟に名を連ねた人々に本来価格以上の高い価格を課していると主張して
いる。
① 「ジャボ・ファーマシー社ら対ベクトン・ディッキンソン事件」(テネシー州グリーンズビル連邦地
区裁判所‐2005年6月7日受理)
② 「ドラッグマート・トールマン社ら」対ベクトン・ディッキンソン事件」(ニュージャージー州
ニューアーク連邦地区裁判所‐2006年1月17日受理)
③ 「メドスター社対ベクトン・ディッキンソン事件」(ニュージャージー州ニューアーク連邦地区裁判
所‐2006年5月18日受理)
④ 「リバデール・ヘブライ老人ホーム対ベクトン・ディッキンソン事件」(ニューヨーク州連邦南部地
区裁判所‐2007年3月28日受理)。
上記の各反トラスト法集団訴訟において、原告は金銭的賠償を求めている。なお、これらの集団代表訴訟
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はすべて、予審のためニュージャージー州連邦裁判所で審理される複数地区訴訟(MDL)に統合された。
2009年4月27日に、当社はこれらの訴訟における原告販売代理業者と和解契約を締結した。この和解契約
は、訴状に列挙された製品および行為に関連して直接購買者が連邦反トラスト法に基づき提示した賠償請
求を集団訴訟メンバー全員が解除し、かつ本件が棄却されることを条件に、当社が45,000千ドルを支払う旨
を定めている。ただし、上述の賠償請求の解除に合意しない集団訴訟メンバーにはこの解除の効果は及ばな
い。2010年9月30日に、裁判所は、BD製品の販売に関連した連邦反トラスト法に基づく損害賠償請求権を有す
る直接購買者とは原告販売業者ではなく、原告病院であると判断し、上述の和解契約を承認するための動議
を却下する旨の命令を出した。和解契約は現在、ある終了条項を条件として有効なままで残っており、原告
販売業者は法定命令の再審理を求めている。
2007年6月に、レトラクタブル・テクノロジー社(RTI)は、当社を相手取って民事訴訟を提起した(「レ
トラクタブル・テクノロジー対ベクトン・ディッキンソン事件」:民事訴訟番号2:07-CV-250:テキサス州
連邦東部地区裁判所受理)。RTIは、BD IntegraシリンジがRTIに独占的に許諾された特許に抵触していると
主張している。訴状の中でRTIは、安全機能付き製品に関しBDがLanham法に違反して虚偽の広告宣伝を行い、
連邦法および州法に違反して特に排他的契約を通じRTIを様々な製品市場から締め出して市場シェアを維
持したと主張しているほか、当社が不公正な競争を行っていると主張している。2008年1月に裁判所は、特許
に係る告発と特許に係りがない告発を切り離して審議することを決定した。RTIは金銭的賠償と差止命令に
よる救済を求めている。2008年4月1日に、RTIはBDに対して民事訴訟を提起した(「レトラクタブル・テク
ノロジーおよびトーマス・J・ショウ対ベクトン・ディッキンソン事件」:民事訴訟番号2:08-CV-141:テ
キサス州連邦東部地区裁判所受理)。本訴訟においてRTIは、BD IntegraシリンジがRTIに独占的に許諾され
た別の特許に抵触していると主張している。RTIは金銭的賠償と差止命令による救済を求めている。2008年8
月29日に、裁判所はこの2つの事件を統合して審理するよう命令した。2009年11月9日に、これらが統合され
た訴訟の裁判で、陪審員は1件の侵害を除く他のすべての侵害でRTIを支持する判決を下したが、それらは意
図的な侵害には当らないとして、当社がRTIに$5,000千ドルの損害賠償金を支払うことを命じた。2010年5月
19日に、裁判所は、当社がBD Integraシリンジを現行の形のままで継続販売することを永久に差し止める旨
のRTIの動議を認めたものの、12か月または当社による上訴の期間のいずれか長い方の期間中、当該差止め
を猶予するむね決定した。同時に、裁判所は、特許に係るRTIの賠償請求の予審裁判の期間中に下した、特許
に係りがない損害賠償請求の猶予を撤回するむね決定した。2010年6月16日に、当社は、連邦巡回区控訴裁判
所に本件を上訴した。
2009年10月19日に、Gen-Probe社(Gen-Probe)は、BDに対する特許侵害訴訟をカリフォルニア州南部地区
裁判所で提起した。この訴訟で、Gen-Probeは、BD ViperTMおよびBD ViperTM XTRTMシステムならびにBD
ProbeTecTM検体採取製品がGen-Probeの複数の特許を侵害していると主張している。2010年3月23日になっ
て、Gen-ProbeはBDに対する別の訴訟を上記の裁判所において新たに提起した。この訴訟で、Gen-Probeは、BD
Max TM装置がGen-Probeの特許を侵害していると主張している。本装置に係る追加の開示情報については注
記9を参照されたい。この訴訟でBDが侵害したとされる特許は、2009年10月に提起された訴訟で当社が侵害
したとされたGen-Probeの複数の特許が組み合わさったものである。2010年6月8日に裁判所はこの2件の訴
訟を統合して審理することとした。なお、Gen-Probeは 金銭的賠償と差止命令による救済を求めている。
当社は、当社に対して提起された係争中の上記の各訴訟で 実体的抗弁を行ったと考えており、当社の立
場を精力的に防禦している。
また当社は、通常の事業遂行過程で発生するその他の訴訟や損害賠償において、原告もしくは被告として
関与している。
当社は、いわゆる「スーパー基金」と呼ばれる連邦レベルの包括的環境対応・損害補償責任法に基づい
て進められる連邦政府の諸手続きおよび州法に基づく類似の諸手続きにおいて当事者となっている。なお、
対応の状況は対象となる当社の事業所ごとに異なり、改善措置が完了した事業所もあれば、環境調査が始
まったばかりのところもある。なお、当社の全ての事業所について、環境改善のための全費用を当社と連帯
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して負担する他社が存在する。
注記6.事業部(セグメント)情報
当社の組織は、3つの事業すなわち、メディカル事業部(以下、「メディカル」)、ダイアグノスティック
ス事業部(以下、「ダイアグノスティックス」)ならびにバイオサイエンス事業部(以下、「バイオサイエ
ンス」)から構成されている。
メディカル事業部の主要製品は、医薬品の投与に用いられる針、シリンジ、静脈留置カテーテル、プレフィ
ルドIVフラッシュ用シリンジ、糖尿病治療用のインスリンその他の薬剤の自己注射に使用されるシリンジ
およびペンニードル、医薬品製造業者に提供され最終的に薬剤・器材の一体製品としてエンドユーザーに
販売される薬剤充填用器材、局部麻酔用針およびシャープス廃棄容器である。
ダイアグノスティックス事業部の主要な製品・サービスは、採血管と一体化した検体採取システム、安全
設計が施された一連の検体・血液採取製品およびシステム、自動血液培養装置、性感染症関連および医療関
連感染の分子検査システム、微生物同定・薬剤感受性検査システム、子宮頸がん検査用の液状細胞診断およ
び迅速検査製品ならびに平板培地である。
バイオサイエンス事業部の主要製品には、蛍光標識細胞分取(ソーター)・解析装置、モノクローナル抗体
および細胞解析用キット、ライフサイエンス研究用試薬システム、細胞画像分析システム、組織培養および
液体取扱い用検査製品、細胞培養用培地および生体薬剤製造の補助ツールおよび様々な診断システムが含
まれる。
当社は営業利益に基づいて各部門の業績を評価している。各事業部(セグメント)の営業利益は、売上高
から売上原価と営業費用を除いた金額である。当社は、米国外で販売されているアメリカで製造された製品
の予測売り上げに対して為替ヘッジしている。外国為替ヘッジに関係した損益は、アメリカで製造された製
品のセグメントごとの海外売上比率に基づき、各セグメントの収益に含めて報告している。当社の製品は、
代理店を経由するかBDおよび独立した販売員が直接に、病院、検査業者または他の最終消費者へ納入されて
いる。また、各年度において、1社で当社の全売上高の10%以上を占める顧客は存在しない。
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事業部(セグメント)別の売上(A)
(単位:千米ドル)
事業部別売上高
2010
2009
2008
メディカル
3,796,432
3,556,694
3,542,712
ダイアグノスティックス
2,318,879
2,226,219
2,159,811
バイオサイエンス
1,257,022
1,203,809
1,195,096
売上高合計
7,372,333
6,986,722
6,897,619
事業部別営業利益
2010
2009
2008
1,118,319
1,049,236
1,004,671
ダイアグノスティックス
607,411
607,250
525,747
バイオサイエンス
354,229
362,344
333,662
2,079,959
2,018,830
1,864,080
メディカル
事業部別営業利益合計
未配賦費用 (B)
(418,799)
(C)
(440,239)
(374,395)
継続事業に係る税金等調整前当
期純利益
1,661,160
1,578,591
1,489,685
2010
2009
2008
メディカル
3,527,457
3,706,086
3,432,113
ダイアグノスティックス
2,301,586
1,998,490
1,887,261
バイオサイエンス
1,059,774
989,299
933,105
部門別資産合計
6,888,817
6,693,875
6,252,479
本社およびその他の部門 (E)
2,761,877
2,610,749
1,660,464
資産合計
9,650,694
9,304,624
7,912,943
事業部別資本的支出
2010
2009
2008
メディカル
368,857
407,884
372,616
ダイアグノスティックス
108,941
102,432
123,915
49,821
55,646
82,880
9,687
19,234
16,400
537,306
585,196
595,811
2010
2009
2008
メディカル
253,109
243,445
234,983
ダイアグノスティックス
163,392
136,690
150,202
バイオサイエンス
72,319
73,067
75,809
本社およびその他の部門
13,293
11,402
10,969
減価償却費合計
502,113
464,604
471,963
事業部別資産
バイオサイエンス
本社およびその他の部門
資本支出合計
事業部別償却費
(A)売上金額に影響を与えるような事業部間売上高はない。
(B)主に、支払利息(純額)、為替差損益および本社費および株式報酬費用を含む。
(C)独占禁止法の集団訴訟における直接購買者の原告(これには、BDの代理店も含まれる)との未決
事件に係る費用も含む。
(D)現金、出資金および本社資産を含む。
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部門(ユニット)別売上高
(単位:千米ドル)
項 目
2010
2009
2008
BDメディカル
メディカルサージカルシステム
2,010,009
1,889,314
1,906,224
785,759
714,937
694,352
ファーマスーティカル
1,000,664
952,443
942,136
小 計
3,796,432
3,556,694
3,542,712
プレアナリティカルシステム
1,197,807
1,143,431
1,123,528
ダイアグノスティックスシステム
1,121,072
1,082,788
1,036,283
小 計
2,318,879
2,226,219
2,159,811
細胞分析
951,238
904,517
900,511
ディスカバリーラブウエア
305,784
299,292
294,585
1,257,022
1,203,809
1,195,096
7,372,333
6,986,722
6,897,619
糖尿病ケア
BDダイアグノスティックス
BD バイオサイエンス
小 計
合 計
事業地域に関する情報
当社が売上を計上している事業地域は次のとおりである:(i) 米国(プエルトリコを含む)、(ii) ヨー
ロッパ、(iii) アジアパシフィックおよびその他の地域(ラテンアメリカ、カナダおよび日本を含む)。
関係会社以外の会社に対する売上は出荷地で計上している。有形固定資産を含む長期性資産は その所在
地において計上している。
(単位:千米ドル)
項目
2010
2009
2008
米国
3,286,565
3,130,165
3,046,506
ヨーロッパ
2,386,965
2,408,319
2,411,412
684,319
563,390
556,407
その他の地域
1,014,484
884,848
883,294
小計
7,372,333
6,986,722
6,897,619
米国
2,841,639
2,469,952
2,179,544
ヨーロッパ
1,145,043
1,150,655
1,135,379
アジアパシフィック
258,879
231,257
211,845
その他の地域
617,323
537,214
509,510
本社
282,560
268,592
261,990
合計
$5,145,444
$4,657,670
$4,298,268
売上高
アジアパシフィック
長期性資産
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注記7.株式報酬制度
当社は、2004年株式報酬プラン(「2004年プラン」)に基づいて、従業員・役員に対し株式による報酬を
付与している。これは彼らに長期的なインセンティブ報奨を提供するものであり、株式評価益権 (SARs)、ス
トック・オプション、業績に基づく制限的株式ユニット、受領権の確定期間制限付き株式ユニットおよびそ
の他の株式報奨からなっている。
これらの株式による支払に関連した報奨支出の金額および科目は、連結損益計算書に次のように計上され
ている。
(単位:千ドル)
項 目
売上原価
2010
2009
2008
15,128
16,846
19,338
54,423
58,920
68,677
研究開発費
9,823
10,808
12,570
合 計
79,374
86,574
100,585
販売費および
一般管理費
このプランに関連する各年度の税優遇金額は、それぞれ、28,532千ドル、31,307千ドルおよび36,236千ドル
であった。非継続事業に係る、株式による報奨の金額は、当社の財務諸表に重大な影響を与えるものではな
かった。
株式評価益権
SARsとは、付与された権利を行使すれば、行使日におけるBDの普通株式の市場価額と付与日における行使
価額の差額に等しい価値を有するBDの普通株式を受領することができる権利のことである。SARsはその受領
権の確定期間が4年、権利行使期間が10年となっている。その公正価値は、以下の想定加重平均率を用いた格
子二項オプション評価モデル (lattice-based binominal option value model) により、権付与日を基準日
として算定される。
2010
2009
2008
リスクフリー金利
2.60%
2.73%
3.83%
株価予想変動率
28.0%
28.0%
27.0%
予想配当利回り
1.96%
2.11%
1.35%
付与されたSARsの予想期間
6.5年
6.5年
6.5年
算定公正価値
$19.70
$16.11
$24.92
株価予想変動率は、当社普通株式の株価その他の要因による過去の株価変動率をベースにしている。また、
付与されたSARsの予想期間は、過去の受領権の行使と終結のパターンに基づいた想定権利行使率を用い上記
の評価モデルを使って計算した結果導き出されたもので、付与されたオプションの有効期間を示している。
用いられるリスクフリー金利は、同一償還期間をもつ債務証券に関する、SARsの権利付与時点で有効な公表
済み米国財務省イールドカーブ(金利曲線)に基づいている。配当利回りは権利付与日に直近の四半期の配
当に基づいている。2010年、2009年および2008年の各年度中に行使されたSARsの本源的価値は、それぞれ
2,831千ドル、406千ドルおよび2,122千ドルであった。また、行使されたSARsに対応して、当社は2010年度中に
26,730株のBD株式を発行した。SARの行使による税額控除で実際に受けた税優遇金額は、2010年、2009年およ
び2008年の各年度で、それぞれ1,031千ドル、154千ドルおよび808千ドルであった。受領権が確定したSARsの
公正価値の合計は、2010年、2009年および2008年の各年度で、それぞれ33,640千ドル、24,888千ドルおよび
16,429千ドルであった。
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2010年9月30日現在におけるSRAsの残高ならびに同日に終了した事業年度の増減は下表の通りである。
(単位:株、ただし価格はドル)
加 重 平 均
項 目
SARs
加重平均
残存契約
本源的価値
行使価格
期間 (年)
の平均
ドル
10月1日現在の残高
6,177,554
68.60
新規付与
1,988,075
75.63
行使済み
(226,806)
63.15
権利喪失、解約又は期限切れ
(279,668)
72.03
9月30日現在の残高
7,659,155
70.46
7.38
43,970
よび権利確定予想分
7,256,414
70.35
7.33
42,385
9月30日現在行使可能残高
3,631,747
68.37
6.34
28,119
9月30日現在の権利確定分 お
ストック・オプション
当社は2005年から、ストック・オプションを提供していない、提供されたストック・オプションはすべて
確定しており、10年間有効である。
2010年9月30日現在のストック・オプションの残高および同日に終了した事業年度の増減は下表のとおり
である。
(単位:株、ただし価格はドル)
加 重 平 均
項 目
オプション権
加重平均
残存契約
本源的価値
行使価格
期間 (年)
の平均
ドル
10月1日現在の残高
8,629,438
36.94
新規付与
-
行使済み
(2,170,608)
33.53
(25,682)
30.61
6,433,148
38.12
2.61
231,452
び権利確定予想分
6,433,148
38.12
2.61
231,452
9月30日現在使用可能残高
6,433,148
38.12
2.61
231,452
権利喪失、解約又は期限切れ
9月30日現在の残高
-
9月30日現在の権利確定分およ
2010年、2009年および2008年の各年度にストック・オプションの行使から得られた現金は、それぞれ
72,770千ドル、53,019千ドルおよび122,977千ドルであった。また各年度においてストック・オプションの行
使から得られた税額控除に関して実現した法人所得税等の額は、それぞれ28,660千ドル、16,931千ドルおよ
び62,230千ドルであった。2010年、2009年および2008年の各年度中に行使されたストック・オプションの本
源的価値の合計額は、それぞれ89,943千ドル、53,630千ドルおよび191,627千ドルであった。また、2010年、
2009年および2008年の各年度中に権利が確定したストック・オプションの合計公正価値は、それぞれ0千ド
ル、6,083千ドルおよび18,951千ドルであった。
業績に基づく制限的株式ユニット
業績に基づく制限的株式ユニットはその付与日から3年が経過した後に受領権が確定するもので、この3年
間におけるBDの連結売上高の年平均成長率や投下資本に対する平均収益率といった予め設定された諸目標
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に対する業績に連動している。当社の長期インセンティブ計画では、こうした株式ユニットによる従業員へ
の実際の報酬は、この3年間における当社の実際の業績に応じて目標支払額の0%∼200%が従業員に支払わ
れるというように、幅が生じる。こうした株式ユニットによる報酬の公正価値はその付与日における当社株
式の市場価格をベースとしている。当初に認識される報酬コストは、目標支払額の水準が達成されるとの前
提に基づいて決定され、受領権が確定する日までに生じると思われる、業績に関する諸条件の変化を織り込
んで調整される。
2010年9月30日現在の業績に基づく制限的株式ユニットの残高および同日に終了した事業年度の増減は下
表の通りである。
(単位:株、ただし価格はドル)
加重平均
項 目
株式ユニット数
行使価格
ドル
10月1日現在の残高
3,098,868
71.40
新規付与
1,021,860
75.63
行使済み
権利喪失、解約又は期限切れ
9月30日現在の残高 (A)
9月30日現在の権利確定予想分 (B)
(228,912)
71.72
(1,012,248)
71.64
2,879,568
72.79
557,621
74.81
(A) 目標支払い額を200%としている。
(B) 権利喪失が見込まれる株式ユニット209,606および、業績に基づく支払予想分を超えるユニット
2,112,341をそれぞれ控除している。
2009年および2008年の各年度に付与された業績に基づく制限的株式ユニットの、付与日における加重平均
公正価値は、それぞれ62.50ドルおよび84.33ドルである。2010年、2009年および2008年の各年度に受領権が確
定した、業績に基づく制限的株式ユニットの合計公正価値は、それぞれ、$24,357、$33,712および$49,387で
あった。2010年9月30日現在の業績に基づく制限的株式ユニットの加重平均残存契約期間は1.21年である。
受領権の確定期間制限付き株式ユニット
受領権の確定期間制限付き株式ユニットは、執行役員を含む当社の役員以外の従業員であれば、通常、その
付与日から3年が経過すると受領権が確定する。執行役員を含む役員の場合、退職後1年が経過すれば受領権
が確定する。こうした株式ユニットに関連する株式報酬費用は、必要な勤務期間にわたり(当社の役員の場
合は想定平均退職年齢に基づいて)計上される。全ての受領権の確定期間制限付き株式ユニットの公正価値
は、付与日における当社株式の市場価格に基づいて算定される。
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2010年9月30日現在の受領権の確定期間制限付き株式ユニットの残高および同日に終了した事業年度の増
減は下表の通りである。
(単位:株、ただし価格はドル)
加重平均
項 目
株式ユニット
行使価格
ドル
10月1日現在の残高
1,706,958
69.36
新規付与
633,195
75.58
行使済み
(343,648)
71.43
権利喪失、解約又は期限切れ
(188,210)
71.73
9月30日現在の残高
1,808,295
70.90
9月30日現在の権利確定予想分
1,627,466
70.90
2009年および2008年の各年度に付与された受領権の確定期間制限付き株式ユニットの、付与日における加
重平均公正価値は、それぞれ、62.96ドルおよび84.42ドルである。2010年度、2009年度および2008年度に受領
権が確定した受領権の確定期間制限付き株式ユニットの合計公正価値は、それぞれ$36,675、$29,535および
$26,674であった。2010年9月30日現在の受領権の確定期間制限付き株式ユニットの加重平均残存契約期間は
1.57年である。
2010年9月30日現在で権利が未確定の株式報酬に関連する未実現の株式報酬費用は 約91,201千ドルであ
るが、これは期限切れまでのおよそ2.09年間に加重平均によって損益に計上される。2010年9月30日現在、
「2004年プラン」に基づいて将来付与することが承認されている株数は10,421,478株である。
当社は、市場における自社株の購入または既保有自社株(金庫株) の充当のいずれかを通じて、株式に基づ
く報酬を実施する方針である。当社は、2010年9月30日現在、2011年度の株式報酬を十分に実施できるだけの
金庫株を保有していると考えている。
その他のストック・プラン
当社は、特定の重要な従業員を対象に株式報酬制度を設けて、普通株式のオプション権を付与している。こ
の制度に基づく各株式報酬の付与分のうちの25%以上が、前記の各従業員の選択により退職時か会社都合退
職時まで受領が繰り延べられている。なお、そうした繰延べ報酬は、退職時以降、5年間均等で受け取ることが
できる。また、残りの株主報酬は、一定条件が満たされれば、権利付与日以降5年間均等に受け取ることができ
る。なお、2004年2月に「2004年プラン」が採択されたことに伴い、本制度に基づく将来のオプション権の付
与は停止された。2010年および2009年9月30日現在の本制度に基づくオプション権の残高は、それぞれ、
106,293株および114.197株となっている。
当社は、使用人兼務ではない役員のために制限条件付きの株式報酬制度を設けており、これに基づいて当
社の普通株式300,000株が保留されている。なお、2010年度中には制限条件付の株式は発行されていない。
当社は役員を対象とする報酬繰延制度を設けており、役員報酬を現金または当社の普通株式の形で繰延べ
て受領することができる。当社はこの制度の規定に基づき、2010年9月30日現在、普通株92,835株を信託して
おり、このうち4,390株が上述の制度による2010年度の役員報酬であった。なお、この制度に対する積立は行
われておらず、役員に対して保証はしていない。
また当社は、(執行役員を含む)報酬が高い一部の従業員が給与、インセンティブ報酬および一定の株式
報酬を繰延できる報酬繰延制度も設けている。2010年9月30日現在、この制度の下で516,253株が発行可能で
ある。
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注記8.従業員退職年金制度
当社は、米国内のほぼ全従業員および若干の海外勤務者を対象とする確定給付型退職年金制度を設けてお
り、また米国内の退職者のうち適格者を対象に一定の退職後医療保険および生命保険制度も設定している。米
国外には、退職後医療保険および生命保険制度はない。当社の従業員退職年金制度で用いられている測定基準
日は9月30日である。
9月30日に終了する各年度における退職年金制度およびその他の退職給付制度に関する純年金費用の詳細
は以下の通りである。
(単位:千米ドル)
項 目
従業員退職年金制度
その他退職給付制度
2010
2009
2008
2010
2009
2008
勤務費用
$72,901
$55,004
$ 66,440
$ 5,007
$ 3,441
$4,648
利息費用
90,432
87,480
81,939
14,190
15,338
14,906
(99,199)
(86,819)
(97,218)
-
-
-
過去勤務費用の償却
(1,091)
(1,099)
(1,066)
4
(463)
(6,232)
損失の償却(収益)
41,812
17,235
8,256
3,408
(143)
3,962
退職年金制度およびその他
の退職給付制度の純年金費
用内訳:
制度資産の期待運用収益
純年金資産の償却
給付削減による収益
純年金費用計
(47)
(59)
(112)
-
-
-
-
-
602
-
-
-
$104,808
$ 71,742
$ 58,841
$ 22,609
$ 18,173
$ 17,284
上表に含まれる海外の純年金費用は、2010年度、2009年度および2008年度でそれぞれ、25,820千ドル、
24,971千ドルおよび20,072千ドルであった。
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当社の退職年金制度およびその他の退職給付制度に係る退職給付債務、制度資産の公正価値の変動、積立
状況および連結貸借対照表において認識された金額は以下の通りである。
(単位:千米ドル)
退職年金制度
項 目
2010年度
その他の退職給付制度
2009年度
2010年度
2009年度
$ 249,593
$ 201,246
退職給付債務の変動:
退職給付債務期首残高
$ 1,635,334 $ 1,272,456
勤務費用
72,901
55,004
5,007
3,441
利息費用
90,432
87,480
14,190
15,338
60
380
給付制度改定による影響額
給付額
(6,702)
-
(101,394)
(68,791)
(25,046)
(22,913)
数理計算上の差異
224,890
279,414
16,233
43,334
その他(為替換算差額を含む)
(10,928)
9,391
6,849
9,147
1,911,295
1,635,334
260,124
249,593
1,209,135
1,099,966
-
-
制度資産実際運用収益
109,310
32,217
-
-
事業主拠出
207,775
140,316
-
-
(101,394)
(68,791)
-
-
(10,978)
5,427
-
-
1,209,135
-
-
当年度末の退職給付債務額
制度資産の変動:
期首の公正価値残高
給付額
その他(為替換算差額を含む)
制度資産の公正価値期末残高
1,413,848
期末における積立状況:
未拠出の年金債務額
(497,447)
(426,199)
(260,124)
(249,593)
期末における連結貸借照表に含まれて
いる金額
その他
143
給料賃金および関連の項目
4,668
-
-
(6,492)
(4,967)
(17,875)
(19,597)
長期従業員給付債務
(491,098)
(425,900)
(242,249)
(229,996)
認識された金額 計(純額)
(497,447)
(426,199)
(260,124)
(249,593)
期末における その他の包括利益(損
失)累計額に含まれている金額
経過措置債務(純額) 513
745
-
(118)
過去勤務債権(債務)
6,530
7,447
6,699
(7)
数理計算上の損失(純額)
(843,284)
計上額(純額)
(673,734)
(67,009)
(54,133)
$ (836,241) $ (665,542)
$ (60,310)
$ (54,258)
上表に含まれる海外の制度資産の公正価値は2010年および2009年9月30日現在ではそれぞれ、402,298千ド
ルおよび375,468千ドルであった。また、2010年および2009年9月30日現在の海外の退職年金制度に係る予測
給付債務額はそれぞれ、560,640千ドルおよび461,321千ドルであった。
累積給付債務が制度資産を超過している退職年金制度ならびに予測給付債務が制度資産を超過している
退職年金制度に関する、累積給付債務および予測給付債務の公正価値は、9月30日現在で下表のとおりであ
る。
累積給付債務が制度資産を超 予測給付債務制度資産を超過
過している退職年金制度
2010
2009
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している退職年金制度
2010
2009
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予測給付債務
1,669,986
1,283,337
累積給付債務
1,410,029
1,092,101
制度資産の公正価値
1,224,095
885,210
1,903,939
1,473,574
1,406,349
1,042,707
次年度に償却されその他の包括利益(損失)累計額から年金純費用に振替えられる、年金給付に関連する
数理上の損失(純額)および過去勤務債権の見積額はそれぞれ、(55,467)千ドルおよび1,082千ドルである。
また、次年度に償却されその他の包括利益(損失)累計額からその他の退職後給付純費用に振替えられる、
退職後給付に関連する数理上の収益(純額)および過去勤務債権の見積額はそれぞれ、(4,463)千ドルおよ
び687千ドルである。
退職年金制度関連の情報の確定のために使用される、加重平均された前提は以下の通りである。
項 目
2010
2009
2008
5.90%
8.00%
6.35%
5.63%
6.03%
5.32%
米国内年金
8.00%
8.00%
8.00%
海外の年金
6.38%
6.45%
6.42%
米国内年金 (A)
4.50%
4.50%
4.50%
海外の年金
3.35%
3.56%
3.45%
5.20%
5.90%
8.00%
4.68%
5.63%
5.98%
米国内年金 (A)
4.50%
4.50%
4.50%
海外の年金
3.18%
3.35%
3.56%
純費用
割引率:
米国内年金
(A)
海外の年金
制度資産の期待収益率:
昇給率:
年金債務
割引率:
米国内年金
(A)
海外の年金
昇給率:
(A) その他の退職後給付関連の数値の確定のためにも用いられる。
退職後医療給付については、一人当たり医療費用の増加率が、2010年9月30日現在、65才未満および65歳以
上でいずれも7.8%、以後低下して2027年以降には最終的に4.5%になるとの前提で計算されている。また、上
記費用の増加率は、2009年9月30日現在、65歳未満および65歳以上で8%、2027年の初めに4.5%にまで低下す
ると想定されていた。なお、医療費用が1年間に1%増加すると2010年9月現在の累積給付債務額は12,157千ド
ル増加し、2010年度の勤務費用および利息費用の合計額は745千ドル上昇する。逆に、1%低下すると2010年9
月現在の累積給付債務額は10,890千ドル減少し、2010年度の勤務費用および利息費用の合計額は662千ドル
減少する。
制度資産の期待収益率
制度資産の期待収益率は、対象となる投資ポートフォリオを通じて達成が期待される、長期の平均収益率に
基づいている。こうした収益率を設定するにあたって、当社は、実際の結果と比較した過去の前提、基準とな
るデータ、様々な制度資産区分ごとの期待収益率ならびに現在および将来の制度資産の配分を含む、多くの
要素を考慮している。
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拠出予定
確定給付型退職年金制度に対する当社の拠出方針は、同制度の法的拠出条件を満たすに十分な金額およ
び、当社の経営者が同制度への積立状況、税負担、当社のキャッシュフローおよびその他の要素を考慮して適
切と認めた追加金額を拠出することである。なお、当社は2011年度に退職年金制度に対して重要な拠出はな
いと考えている。
確定給付型退職年金制度に関連する今後の当社給付予定額は以下の通りである。
(単位:千米ドル)
従業員
その他
年 度
退職年金制度
退職給付制度
2011
112,311
17,875
2012
83,600
18,390
2013
91,191
18,821
2014
97,859
19,302
2015
108,713
19,829
664,696
101,896
2016-2020
なお、「2003年 メディケア処方薬、改善および近代化に関する法律」に基づいて当社は以下の連邦補助金
を将来受領すると予想されるが、これらは上表のその他退職給付制度の数字には含まれていない: 2011年
度−2,410千ドル、2012年度−2,538千ドル、2013年度−2,661千ドル、2014年度−2,764千ドル、2015年度−
2,829千ドル、2016∼2020年度−14,622千ドル。
投 資
当社は、2010年9月30日に、退職年金および離職後給付に関する制度資産の主要区分ならびに、米国GAAPに
基づく公正価値測定の枠組みをベースとした当該制度資産の公正価値測定を求める、「退職年金および離職
後給付に関する制度資産に係る改訂情報開示規則」を採用した。新たに採用された本規則は、投資配分の決
定方法を開示することも求めている。
当社の主な目的は、将来の給付支払を賄うのに十分な投資収益をあげることである。当社は、制度資産を、
一方で固定収益をもたらすより安定した証券類に投資することでリスクを管理しながら他方で株式のよう
なより価格が変動しやすい証券類に投資することにより、上記の市場運用益をあげようと試みている。
米国内の退職年金制度
2010年9月30日現在の市場価額で計算した場合、当社の米国内の制度資産の投資額は制度資産全体の投資額
の71.1%を占めている。当社は総制度資産の65%を株式に、またその35%を固定収益が期待される証券類に
投資することを目標としている。この目標とする投資配分割合は、予測される給付支払額の分析と、長期の運
用益の見積り、制度資産区分ごとの市場変動および相関性に基づいて設定されたものである。この割合は、当
社が指名する制度運営の受託者によって定期的に見直され、上記の市場運用益を許容範囲内のリスクの下で
実現できるよう意図している。
設定された投資配分割合は、目標の投資配分割合に変動幅を取り入れ、通常の市場の変動に対応できるよ
うになっている。設定された投資配分の割合を目標とする投資配分割合に近づけるために日々のキャッシュ
・フローが活用され、許容範囲を超える動きがあれば、現行の市場条件と取引コストの評価に基づいて、手続
きを踏んで投資配分調整を行うべきか否かが示唆される。投資配分の割合をいったん設定された投資配分割
合とは別のものに変更する場合、当社が指名する制度運営の受託者の承認が必要となる。
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当社の米国内の退職年金制度は、固定収益のポートフォリオの範囲内で金利リスク、金融市場の変動、金利
設定条件の変化および市場セクターと通貨に係わるリスクを管理することを目的として、証券取引所で売買
されるデリバティブ取引(exchange traded derivative)または証券取引所で売買されないデリバティブ
取引(non-exchange traded derivative)のいずれのも実行できるようになっている。こうした取引におい
て、当社は取引相手に対する最低限の信用基準を設定している。
2010年9月30日現在の当社の米国内の制度資産の公正価値および、その測定方法ならびに公正価値の測定
に用いられたデータを下表に示す。
米国内退職
類似資産に
その他の重要な 重要だが観察が
年金制度の
対する
観察可能情報
不可能な情報
制度資産残高
市場相場価格
(レベル2)
(レベル3)
(レベル1)
固定収益:
抵当証券および資産担保証券
社 債
(A)
(B)
$160,189
-
$160,189
-
109,331
-
109,331
-
米国政府および政府機関債
(C)
41,175
21,416
19,759
-
外国政府および政府機関債
(D)
15,960
-
15,960
-
3,337
-
3,337
-
631,877
396,188
235,689
-
42,681
42,681
-
-
1,004,550
460,285
544,265
-
その他の証券類
株 式
(E)
(F)
現金および現金同等物 (G)
制度資産の公正価値合計
(A)価額は、観察可能な証券価格、独立した値付け業者の提示価格および適切な証券業者が提供する相場
価格の組み合わせをベースとしている。
(B)価額は、同等の利回りと格付けを有する、比較可能な証券の価格をベースとしている。
(C)レベル1に分類される証券等の価額は、当該証券等が取引されている主要な取引所における終値を
ベースとしている。レベル2に分類される証券等の価額は、価格情報が入手できるソースから得られた
市場相場価格をベースとしている。
(D)価額は、価格情報が入手できるソースから得られた市場相場価格をベースとしている。
(E)その他の証券類には様々な重要でない投資が含まれ、評価価格は投資の種類によって異なる。価額は、
主に、価格情報が入手できるソースから得られた市場相場価格をベースとしている。
(F)レベル1に分類される株式の価額は、当該株式が取引されている主要な取引所における終値をベース
としている。レベル2に分類される株式の価額は、ファンドの管理者が提供する純資産価額をベースと
している。この純資産価額は、ファンドが保有する対象資産の価額からファンドの債務分を差し引い
た残額を発行済み株式数で除した数値をベースとしている。
(G)価額は、市場相場価格または証券業者/ディーラーが提供する相場価格をベースとしている。
固定収益を目的とする制度資産投資については、米国内では、抵当証券、社債、政府および政府機関債なら
びに資産担保証券に投資されている。抵当証券は住宅抵当パススルー証券である。社債は様々な産業やセク
ターの企業債で、主に投資適格証券であるが、高利回りの債務証券も含まれている。米国政府および政府機関
債は、米国財務省とその関係機関が発行する債券である。
固定収益を目的とする制度資産投資に関して、米国外では主に先進国企業の社債に投資されているが、新
興国市場における債券投資も含んでいる。デリバティブ取引の価額は重要なものではなく、上表の「その他
の証券類」に含まれている。
制度資産投資に含まれる株式は米国内および米国外の上場企業の株式である。偏りのない株式投資を実現
するため、投資ポートフォリオが複数の資産管理者に割りあてられ、様々な種類の株式が多様な投資構成の
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もとで、多様な市場セクターと地域にわたって取得されている。
制度資産投資に関して、一部は、主に、取引の決済と年金給付債務の支払に際して必要な流動性を確保する
ため、現金および現金同等物から構成されている。
米国外の退職年金制度
2010年9月30日現在の市場価額で計算した場合、米国外の退職年金制度の制度資産投資額は、制度資産全体
の28.9%を占めている。米国外の退職年金制度には、制度資産の投資配分決定を含む投資方針の策定と監督
に責任を負う、地域の独立した受託管理委員会が設けられている。資産の投資配分を決定するにあたり、地域
の法規制、投資慣行およびファンド運営ルールが考慮される。
2010年9月30日現在の当社の米国外の制度資産の公正価値および、その測定方法ならびに公正価値の測定
に用いられたデータを下表に示す。
米国外退職
類似資産に
その他の重要な 重要だが観察が
年金制度の
対する
観察可能情報
不可能な情報
制度資産残高
市場相場価格
(レベル2)
(レベル3)
(レベル1)
固定収益:
社債
(A)
政府および政府機関債(B)
その他の証券類 (C)
株 式
(D)
現金および現金同等物
不動産
(E)
(F)
保険契約(G)
制度資産の公正価値合計
$36,541
-
$36,541
-
65,561
34,387
31,174
-
8,797
-
8,797
-
220,102
207,577
12,258
267
6,478
6,478
-
-
9,486
-
-
9,486
62,333
-
89
62,244
409,298
248,442
88,859
71,997
(A)価額は、同等の利回りと格付けを有する、比較可能な証券の価格をベースとしている。
(B)レベル1に分類される証券等の価額は、当該証券等が取引されている主要な取引所における終値を
ベースとしている。レベル2に分類される証券等の価額は、価格情報が入手できるソースから得られた
市場相場価格をベースとしている。
(C)価額は、価格情報が入手できるソースから得られた市場相場価格をベースとしている。
(D)レベル1に分類される株式の価額は、当該株式が取引されている主要な取引所における終値をベース
としている。レベル2に分類される株式の価額は、ファンドの管理者が提供する純資産価額をベースと
している。この純資産価額は、ファンドが保有する対象資産の価額からファンドの債務分を差し引い
た残額を発行済み株式数で除した数値をベースとしている。
(E)価額は、市場相場価格または証券業者/ディーラーが提供する相場価格をベースとしている。
(F)価額は、累積利益または損失を調整後の、対象案件への投資の公正価値に基づく予側公正価値を表す。
(G)価額は解約払戻金にほぼ等しい。
固定収益を目的とする制度資産投資には、社債および政府および政府機関債への投資が含まれている。米
国外の制度資産投資に含まれる株式は米国内および米国外の上場企業の株式である。不動産への投資は、不
動産への持分を有するファンドへの投資である。また、米国外の制度資産は、必要な流動性を確保するため、
一部を現金および現金同等物の形で保有している。
2010年9月30日に終了した年度中の、レベル3のデータを用いて測定された、米国外の制度資産の公正価値
の増減を下表に示す。
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株 式
2009年9月30日現在の残高
不動産
保険契約
制度資産計
$494
$8,987
$59,078
$68,559
-
558
2,075
2,633
(199)
185
-
(14)
取得、売却および決済 (純額)
7
122
-
129
他の分類からの(への)振替
(3)
-
4,866
4,863
(32)
(366)
(3,775)
267
9,486
62,244
制度資産の実際の投資収益
2010年9月30日現在で保有する資
産に関連する投資収益
2010年度中に売却された資産に
関連する投資収益
為替相場変動の影響
2010年9月30日現在の残高
(4,173)
71,997
離職後給付
当社は、離職後給付のほとんどに勤務期間に基づく方法を会計に適用している。この方法では、給付費用は
対象となる従業員の全勤務期間にわたって認識される。この方法は、想定が変化することから生じる数理上
の収益と損失の計上を遅らせるために選択したものである。
各年度末の離職後給付費用には、下表の要素が含まれている。
(単位:千ドル)
2010
2009
2008
勤務費用
11,409
9,944
11,276
利息費用
4,379
5,435
5,643
(1,697)
(1,697)
159
7,777
4,323
6,686
21,868
18,005
23,764
過去勤務費用の償却
損失の償却
計
離職後給付制度の積立状況については、2010年および2009年の各9月30日現在で、112,751千ドルおよび
102,311千ドルがそれぞれ未積立となっている。また、数理上の純損失については、2010年および2009年の各9
月30日現在、76,220千ドルおよび54,487千ドルがそれぞれ、その他の税引前包括利益(損失)に計上されて
いる。次年度にその他の税引前包括利益(損失)から離職後給付費用に振替えられる数理上の純損失額は
8,793千ドルと見積もられている。
貯蓄奨励制度
当社は、有資格の米国内従業員を対象とする任意の確定拠出型積立制度(貯蓄奨励制度)を設けている。
当社は、有資格従業員に係る当社の拠出額を、各従業員が受ける権利がある給与報酬の4.5%を限度として、
従業員拠出額の75%相当としている。2010年度、2009年度および2008年度の貯蓄奨励制度の費用はそれぞれ、
34,097千ドル、36,438千ドル、31,526千ドルとなっている。当社は従業員の、多様な金融商品で構成される貯
蓄奨励制度の固定所得基金に対する拠出を保証している。2010年9月30日現在における当社の保証額は
223,399千ドルとなっている。
注記9.企業買収
HandyLab社
2009年11月19日に、当社は、分子診断アッセイと自動診断装置を開発・製造するHandyLab, Inc. (
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「HandyLab社」) の発行済み株式をすべて取得した。買収日における、支払対価の公正価値は、取得した現金
を除いて277,610千ドルであり、その内訳は下表のとおりである。
項 目
金 額
現金買収の対価
$274,756
買収前のHandyLab社との取引関係の解消
(A)
計
2,854
277,610
(A)買収前のHandyLab社との取引に関連する
前払資産が有効に解消された。その詳細は下記のとおりである。
HandyLab社は分子診断用の柔軟性のある自動診断装置(「Jaguar Plus」)を開発し商品化した。本装置
は、とくに、医療関連感染分野における当社の分子診断メニューを補強するものである。当社は、BD GeneOhmTM
分子診断アッセイをHandyLab社の自動診断装置事業に加え、BD MaxTMシステムとして新たに販売することを
計画している。この買収を通じて、当社はBDの分子診断メニューをさらに拡充し、売上およびコスト面のシナ
ジー効果を達成しようとしている。
この買収は企業結合として会計上処理され、HandyLab社の業績は買収日付けでバイオサイエンス事業部の
業績に含まれることとなった。なお、この買収は当社の連結財務業績に実質的な影響を及ぼさないため、見積
り情報 (pro-forma information) は提示されていない。買収日における取得資産および継承した負債の見
積り公正価値は下表のとおりであるが、買収日に存在する事象や事情に関する詳細が利用可能になるなら
ば、公正価値は調整される可能性がある。
項 目
継続中の研究開発に係る資産
繰延税資産
その他
買収時点で識別可能な取得資産の総額
繰延税負債
その他
継承した負債の総額
金 額
169,000
23,000
8,843
200,843
(64,221)
(6,468)
(70,689)
買収時点で識別可能な取得資産の純額
130,154
営業権
147,456
取得資産の純額
277,610
上表中の継続中の研究開発に係る資産169,000千ドルは、買収日現在で継続中の2つのプロジェクト(装置
関連技術の開発; 26,000千ドルおよび Jaguar Plus関連技術の開発; 143,000千ドル)から成っている。装置
関連技術は、特定の検体について分子診断を実施する自動診断装置に採用されている。また、Jaguar Plus関連
技術は、装置関連技術および、アッセイ又は分子検査を実施するための追加的技術を統合することとなる。こ
れらのプロジェクトに係る資産の公正価値は、各プロジェクトの技術的・商業的リスクに応じて調整された
適切な割引率を用い損益法によって算出した想定キャッシュ・フローの現在価値に基づいて決定された。
上述の装置 関連技術の開発は2010年度の第3四半期に完了し、その結果、このプロジェクトに関連する
26,000千ドルの開発資産が 「その他の無形固定資産(純額)」から「重要開発技術(純額)」へと振り替
えられ、見積耐用年数(20年間)にわたって償却されることとなった。
また、営業権147,456千ドルがダイアグノスティックス事業部に配分された。営業権の主な源泉は、当社が
HandyLab社の柔軟性ある自動診断装置にアクセスし期待されるシナジー効果を発揮できることにある。この
営業権のいかなる部分も税務上の控除対象とはならない。当社は2010年度中に発生した買収関連費用2,500千
ドルを認識し、連結損益計算書の販売費および一般管理費に計上した。
当社は2009年5月に、有効期間が20年の製品開発・供給契約をHandyLab社と締結した。この契約はHandLab社
の独自技術に対するアクセスとその利用権を当社に提供するものである。本契約の締結に伴い、当社は12年間
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の独占販売権に対する前払金を計上した。買収日におけるこの前払金の未償却残高は2,854千ドルである。当
社によるHandyLab社の買収に伴って、同社との買収前の製品開発・供給契約が効果的に解消された。本契約の
条件は買収の時点で公正価値を示すよう設定されているため、当社は買収に起因する収益または損失を別途
に計上していない。
Cytopeia社
2008年5月12日に、当社は、先進的なフローサイトメトリー細胞解析装置を開発・販売する非公開会社
Cytopeia社の発行済み株式をすべて取得した。この企業買収は、細胞治療研究、幹細胞研究、新薬剤の発見・開
発およびマリン・バイオロジーといった急速に発展する細胞研究分野における当社の地位を高めるものであ
る。この買収は企業結合として会計上処理され、Cytopeia社の業績は買収日付けでバイオサイエンス事業部の
業績に含まれることとなった。なお、この買収は当社の連結財務業績に実質的な影響を及ぼさないため、見積
り情報 (pro-forma information) は提示されていない。買収対価は諸取引費用を含めて現金で42,914千ドル
であった。継承した現金は評価した日付で1,655千ドルであった。買収価格は、取得資産および継承した負債の
公正価額に基づき、下表のとおり、当社の資産および負債に割り当てられた。
項 目
金 額
重要開発技術
20,000
繰延税資産
3,832
その他
3,713
識別可能な取得資産の総額
繰延税負債
27,545
(7,904)
買収時点で識別可能な取得資産の純額
19,641
営業権
23,273
取得資産の純額
42,914
重要開発技術は推定使用年数(約15年)にわたって均等償却される。営業権の主な源泉は、当社が細胞治療
研究に関する新たな技術/能力を入手できることにある。この営業権のいかなる部分も税務上の控除対象とな
らない。
注記10.事業の整理
2010年5月に、当社は、眼科システムユニットならびに、メディカル・サージカルシステムユニットの外科用
ブレード、クリティカルケアおよび長期留置カテーテル器材を含む、メディカル部門の一部の事業を270,000
千ドルの対価で売却する契約に調印した。2010年7月30日に、当社は眼科システムユニットおよび外科用ブ
レードの売却を完了した。また、2010年9月30日に、当社はクリティカルケアおよび長期留置カテーテル装置の
売却を完了した。これらの事業整理を通じて、当社は139,167千ドルの税引き前利益を計上した。これらの事業
整理の結果、当社は、売却の対象となった資産の相対公正価値に基づいて配賦された10,941千ドルの営業権を
消去した。こうした事業整理を通じて、当社は、非経口的な薬剤投与に焦点を当てたメディカル事業部の戦略
にうまく整合する事業機会に会社の資源と経営上の関心を集中させることができると期待している。
眼科システムユニット、外科用ブレード事業およびクリティカルケア事業に関連する業績は、全期間につい
て、連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書および関連する開示において、非継続事業に計上されて
いる。事業の円滑な譲渡を促進するための経過的活動から生じる以降のキャッシュ・フローは重要な金額で
はない。非継続事業に計上された資産売却益は121,128千ドルであった。
当社は、長期留置カテーテル器材の売却後の一定期間、契約に基づく製造請負を実施するむね同意した。こ
の事業への重要な継続的関与のため、関連する業績は継続事業として計上される。長期留置カテーテル器材に
関連する資産売却益18,039千ドルはその他の収益(費用)に計上されている。上述の製造請負契約は、全体の
資産売却契約の一要素部分として締結された。従って、この要素部分の公正価値は7,000千ドルに設定され、当
社はこの金額を繰延資産売却益として計上している。この繰延資産売却益は当該製造請負契約の期間にわ
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たって償却され、収益に計上される。
2009年7月8日に、当社は、メディカル事業部のホームヘルスケア製品ラインのゴム部品および体温計部品に
関連する一定の資産と負債を51,022千ドルの対価で売却し、これに伴って、18,145千ドルの税引き前売却益を
計上した。この売却と並行して、当社はホームヘルスケア製品ラインの残りの事業から撤退した。各事業年度
のホームヘルスケア製品ラインの業績は、添付の要約連結損益計算書および要約連結キャッシュ・フロー計
算書ならびに、関連する開示情報の対象期間にわたって、非継続事業として計上されている。
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下表は、9月30日に終了した各年度における非継続事業の業績である。
(単位:千米ドル)
2010
2009
2008
売上高
167,720
230,022
260,878
非継続事業からの税引き前利益
181,973
84,233
62,433
40,703
19,975
13,191
141,270
64,258
49,242
未払法人所得税等(引当)
非継続事業からの純利益
注記11.その他の無形固定資産
2010年および2009年9月30日現在の無形固定資産の内訳は以下の通りである。
(単位:千米ドル)
2010年度
簿価総額
2009年度
償却累計額
簿価総額
償却累計額
償却対象の無形固定資産
重要開発技術資産
$580,709
$269,926
$539,674
$229,684
特許、商標権その他
301,883
219,735
312,430
218,531
$882,592
$489,661
$852,104
$448,215
計
償却対象でない無形固定資産
継続中の研究開発
商標権
計
143,000
-
2,709
2,760
145,709
2,760
2010年度、2009年度および2008年度の無形固定資産の償却費は、それぞれ、48,399千ドル、47,066千ドルお
よび54,217千ドルである。2011年9月30日から2015年9月30日までの無形固定資産の予定償却費総額は、以下
の通りである。
2011年度−53,800千ドル、2012年度−56,900千ドル、2013年度−56,000千ドル、
2014年度−54,800千ドル、2015年度−53,100千ドル
注記12.デリバティブ取引とヘッジ活動
当社は、一定のリスクを緩和するためにデリバティブ取引を活用している。こうした取引およびヘッジ対
象項目が当社の財務状況、業績およびキャッシュ・フローに及ぼす影響は、以下に説明するとおりである。
外貨リスクおよび関連する戦略
当社は、ヨーロッパ、アジアパシフィック(太平洋)地域、カナダ、日本およびラテンアメリカでの取引に関
連して外貨リスクを負っている。当社は予想される外貨建て輸出売上の一部を、通常は期間1年の為替先物予
約取引および通貨オプションを利用してヘッジしている。当社のヘッジプログラムは、各事業年度における
他の通貨に対する米ドル相場の変動の影響を緩和するために設定されている。当社は、米ドル相場の変動に
伴う将来の外貨建て売上高の現在価値の変動を、外貨建てのデリバティブ取引契約の公正価値の増加または
減少で相殺する戦略を実施している。当社は、為替先物予約契約を、2010年度と2009年度の予想売上高のヘッ
ジに利用している。また、当社は、2008年度の予想売上高をヘッジするために、通貨オプションを利用した。
2010年9月30日現在、当社は2011年度のキャッシュ・フローをヘッジする契約を締結していない。
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当社は、こうした外貨建て予想売上高をキャッシュ・フロー・ヘッジの形でヘッジするため為替先物予約
契約を締結している。キャッシュ・フロー・ヘッジ(将来見込まれるキャッシュ・フローの変動リスクの緩
和)に該当するとされる当該先物予約契約の有効部分に係る公正価値の変動額は、ヘッジ対象取引に係る損
益が確定するまでは、その他の包括利益(損失)に含まれる。こうした公正価値の変動は、デリバティブ取引
の満期の到来と、新たなデリバティブ取引の開始から生じる。この変動は 当社がデリバティブ取引契約を締
結した際の外国為替相場に対する年度末の外国為替相場の変動も反映している。いったんヘッジ対象取引が
実行されると、当該取引に係る利益・損失は、その他の包括利益(損失)累計額から売上高に振り替えられ
る。当社は、ヘッジの有効性評価に含まれる、為替先物予約契約に係るプレミアムや割引きを売上高に計上し
ている。
デリバティブ取引の対象となるこうした売上計上取引が今後発生しないと思われる場合、ヘッジ会計に基
づく当該商品の会計処理を中止しなければならない。そして、過去に その他の包括利益(損失)に計上され
た収益および損失は、その他の収益(費用)に振り替えられなければならない。また、デリバティブ取引の対
象となる売上計上取引の一部しか今後発生しないと思われる場合、かかる売上計上取引の一部に対応するデ
リバティブ取引部分はヘッジ会計の対象とはならない。
ハイパーインフレーションのない国々で通常、関係会社間取引として行われる機能通貨以外の通貨建て取
引に伴う取引通貨変動リスクは、主に為替先物予約契約および通貨オプション契約を通じて緩和される。主
に関係会社間の債権/債務に起因する外貨建て取引リスクのヘッジはヘッジには該当しない。従って、こうし
た取引から発生した損益はただちに利益(損失)に計上され、これをヘッジ対象項目に係る損益と相殺した
結果ならびにデリバティブ取引に係るヘッジコスト部分はその他の収益(費用)に計上される。
2010年9月30日および2009年9月30日現在の当社の外国為替関連契約の額面総額は、それぞれ、1,776,046千
ドルおよび2,601,109千ドルとなっている。
金利変動リスクおよび関連する戦略
当社の金利変動リスクは主に短期の米ドル金利の変動から生じる。当社は、固定金利債務と変動金利債務
の組み合わせにより金利コストを管理する方針である。金利変動リスクを管理するため、当社は金利スワッ
プを定期的に利用している。こうした金利スワップに基づき、当社は、予め計算された固定金利額と変動金利
額の差を、一定のインターバルで、合意済みの一定額面の元本と交換している。これらのスワップ契約は公正
価値のヘッジまたはキャッシュ・フロー・ヘッジとされる。
公正価値ヘッジ(資産または負債もしくはその一部の公正価値の変動リスクの緩和)とされる金利ス
ワップについては、当該スワップの公正価値の変動額は市場金利変動から生じる固定金利債務の公正価値の
変動額と相殺される。
キャッシュ・フロー・ヘッジ(将来見込まれるキャッシュ・フローの公正価値の変動リスクの緩和)と
される金利スワップに関しては、当該スワップの公正価値の変動額は、その他の包括利益(損失)計上額と
相殺される。キャッシュ・フロー・ヘッジとされる金利デリバティブが満期を迎えるか解約された場合、そ
の他の包括利益(損失)累計額のうちの当該デリバティブに係る残高部分は、ヘッジ対象の負債が償還期限
を迎えるまでの期間にわたって収益に振替られる。満期を迎えるか解約された金利スワップに関連して以降
の12ヶ月間に収益に振り替えられ、支払利息に計上される予定の額は税引き後で1,248千ドルである。
2010年9月30日および2009年9月30日現在、公正価値ヘッジとされる当社の金利スワップの総額面残高は、
それぞれ、200,000千ドルおよび400,000千ドルとなっている。当年度のスワップの残高は、2013年4月15日に
返済期限が到来する年利4.55%の手形借入200,000千ドルの金利を固定金利からLIBORに基づく変動金利に変
更するために締結したスワップ契約に関連するものである。2010年9月30日現在、キャッシュ・フロー・ヘッ
ジとされる金利スワップの残高はない。
商品価格変動リスクおよび関連する戦略
当社はまた、商品先物予約取引を利用することにより、予定する商品購買に係るリスクを緩和している。当
社は、製造工程で使用されるポリエチレンの購買に係る価格リスクを管理するため、エタンに関する商品先
物予約契約を締結している。この契約はキャッシュ・フロー・ヘッジとされ、ヘッジ対象の商品がいったん
購入されれば、当該先物予約契約に関連する損益はその他の包括利益(損失)累計額から売上品原価に振り
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替えられる。エタンに関する当該先物予約契約は2010年の第1四半期に満了し、2010年9月30日現在、その他
の包括利益(損失)累計額に計上された、当該契約に関連する未実現額はない。なお、2009年9月30日現在、当
該商品先物予約契約の対象は206,000ガロン相当のエタンであった。
ヘッジされないリスク
当社は、一定の製品の製造に用いられる石油ベース部品であるレジンを外部から購入している。当社は一方
でポリエチレンの購買に係るリスクをヘッジしてきたが、他のレジンに係るリスクを管理するためのヘッジ
を現在行っていない。世界の原油価格が将来高騰し、レジン購入コストの上昇に繋がれば、将来の当社の業績
に影響を及ぼす可能性がある。
連結貸借対照表への影響
連結貸借対照表におけるデリバティブ取引の公正価値の金額とその振替先は、下表のとおり、ヘッジ会計の
対象とされるヘッジ取引と対象とされないヘッジ取引に区分して記載されている。
(単位:千ドル)
摘 要
2010年9月30日
2009年9月30日
現在の公正価値
現在の公正価値
ヘッジ会計の対象となる資産関連のデリバティブ取引
為替先物予約契約
-
618
金利スワップ契約
8,609
1,971
8,609
2,589
32,392
12,575
41,001
15,164
為替先物予約契約
-
70,980
商品先物予約契約
-
6
-
70,986
21,265
18,490
21,265
89,476
小 計
ヘッジ会計の対象とならない資産関連のデリバティブ取引
為替先物予約契約
資産関連のデリバティブ取引 合 計(A)
ヘッジ会計の対象となる負債関連のデリバティブ取引
小 計
ヘッジ会計の対象とならない負債関連のデリバティブ取引
為替先物予約契約
負債関連のデリバティブ取引 合 計(B)
(A)資産関連のデリバティブ取引はすべて、前払費用、繰延税金資産およびその他に含まれる。
(B)負債関連のデリバティブ取引はすべて、未払費用に含まれる。
連結損益計算書への影響
キャッシュ・フロー・ヘッジ
9月30日に終了する各事業年度の連結損益計算書に振替計上された、ヘッジ会計の対象とされるデリバ
ティブ取引に係る利益(損失)の額とその振替先は、下表のとおりである。
(単位:千ドル)
キャッシュ・フロー・
ヘッジとされるデリバ
ティブ取引
為替先物予約契約
その他の包括利益に計上された、デ
リバティブ取引に係る税引後利益
(損失)
2010
2009
2008
43,624
(81,410)
37,786
その他の包括利益から
損益に振替えられた、
デリバティブ取引に係
る利益(損失)の振替先
売上高
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その他の包括利益から損益に振替
えられた、デリバティブ取引に係る
利益(損失)
2010
2009
(31,471)
104,858
2008
-
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通貨オプション契約
-
-
4,994
売上高
-
-
金利スワップ契約
1,238
(641)
1,091
支払利息
(1,996)
(1,846)
商品先物予約契約
22
(22)
-
売上原価
(35)
(231)
44,884
(82,073)
43,871
合 計
合 計
(33,502)
(10,860)
(1,760)
-
102,781
(12,620)
ヘッジ会計の対象とされる当社のデリバティブ取引は完全に有効である。従って、2010年、2009年および2008
年の各9月30日に終了する事業年度において、無効なヘッジ取引に関連して発生した収益や損失はなく、また
ヘッジの有効テストの結果としてヘッジ対象から除外され、ただちに損益に計上された金額はない。
公正価値のヘッジ
2010年、2009年および2008年の各9月30日に終了する事業年度における、市場金利の変動により発生した
ヘッジ対象の固定金利負債に係る利益または損失および、関連する金利スワップに係る相殺利益(損失)は
下表のとおりである。
(単位:千ドル)
損益計算書の区分
その他の収益(費用)(A)
金利スワップに係る利益(損失)
2010
6,638
2009
2008
(3,402)
(542)
借入債務に係る利益(損失)
2010
(6,638)
2009
3,402
2008
542
(A)上表の金利スワップの公正価値の変動は、市場金利の変動に伴う固定金利債務の公正価値の変動を相殺
した。なお、この金利スワップに係るヘッジは有効であった。
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ヘッジ会計の対象とされないヘッジ
9月30日に終了する各事業年度にヘッジ会計の対象とされなかったデリバティブ取引に関連して損益に計
上された、利益(損失)の額およびその振替先は、下表のとおりである。
(単位:千ドル)
ヘッジ会計の対象とされな
かったデリバティブ取引
為替先物予約契約 (B)
デリバティブ取引に関連して損
益に計上された利益(損失)の
振替先
デリバティブ取引に関連して損益に計上
された利益(損失)の額
その他の収益(費用)
2010
2009
(6,606)
2008
138
10,835
(B)関係会社間取引に係る為替変動リスクをヘッジするために締結された為替先物予約契約と通貨オプ
ション契約に関連する利益(損失)のほとんどは、その他の収益(費用)に計上された、ヘッジ対象取
引に関連する利益(損失)と相殺されている。
注記13.金融商品と公正価値の測定
当社は金融資産/負債に関して公表された公正価値測定規則を2008年10月1日に採用し、また非金融資産/
負債に関して公表された公正価値測定規則を2009年10月1日に採用した。これらの規則は、公正価値を、その
測定時点で市場参加者が秩序だった取引を通じて形成する金融資産の売却価格または金融負債の譲渡価格
とするむね定めている。この公正価値の測定規則は、公正価値で計上する金融資産/負債を、公正価値の測定
に使用される情報に基づいて3つのレベルに区分することを求めている。
2010年9月30日現在で、財務書類に公正価値で計上されていない金融資産/負債を含む当社の金融商品の公
正価値は、上述のレベル区分に基づいて下表のとおり提示されている。
(単位:千ドル)
公正価値の測定ベース
帳簿価額
類似資産に対する
その他の重要な
重要だが観察が
市場相場価格
観察可能情報
不可能な情報
(レベル1)
(レベル2)
(レベル3)
資 産
金融商品
為替先物予約契約
金利スワップ
資 産 計
277,424
277,424
-
-
32,392
-
32,392
-
8,609
-
8,609
-
318,425
277,424
41,001
-
21,265
-
21,265
-
1,495,357
-
1,790,137
-
1,516,622
-
1,811,402
-
負 債
為替先物予約契約
長期借入金
負 債 計
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2009年9月30日現在で、財務書類に公正価値で計上されていない金融資産/負債を含む当社の金融商品の公
正価値は、上述のレベル区分に基づいて下表のとおり提示されている。
(単位:千ドル)
公正価値の測定ベース
帳簿価額
類似資産に対する
その他の重要な
重要だが観察が
市場相場価格
観察可能情報
不可能な情報
(レベル1)
(レベル2)
(レベル3)
資 産
金融商品
617,220
617,220
-
-
13,193
-
13,193
-
1,971
-
1,971
-
632,384
617,220
15,164
-
為替先物予約契約
89,470
-
89,470
-
商品先物予約契約
6
-
6
-
為替先物予約契約
金利スワップ
資 産 計
負 債
長期借入金
負 債 計
1,488,460
1,610,314
1,577,936
-
1,699,790
-
当社の金融商品勘定は日次ベースの償還を可能にしており、こうした金融商品の公正価値は、それらを保有
する金融機関が提示する市場相場価格に基づいている。
2010年および2009年の各9月30日現在の当社の現金同等物の残高は、それぞれ、938,565千ドルおよび
777,024千ドルとなっている。短期投資は投資対象が満期を迎えるまで保持され、取得原価で計上されるが、
この取得原価は公正価値にほぼ等しい。現金同等物は満期が3カ月以下の流動性の高い投資から成り、短期投
資は満期が3カ月を越え1年未満の金融商品から成っている。当社は、為替先物予約契約および通貨オプショ
ンの公正価値を、特に直物為替相場、為替市場における先物相場および割引率といった重要な観察可能情報
を用いた、損益法によって測定している。金利スワップの公正価値は、これら取引契約の相手方当事者となる
金融機関によって提示される。長期借入金の公正価値は、類似の金融商品の市場相場価格に基づいている。
当社は、公正価値の測定レベルへの、またそうした測定レベルからの移行を、各年度の期首に会計上認識す
ることを方針としている。2010年および2009年の各9月30日現在で、レベル1、レベル2またはレベル3の測定
レベルへの、またそうしたレベルからの移行はなかった。
信用リスクの集中
当社は政府機関が提供する損害保険の限度を超える預託金を保有している。しかし、預託金融機関が当社
への支払を拒絶した場合、当該預託金について損失が発生するリスクがある。当社の実質的に全ての売掛金
は医療関連業種の公的企業及び民間企業に対して計上されている。当社の顧客の規模と多様性からみて、売
掛金に関する信用リスクの集中は限られている。当社は、通常、顧客に担保を要求していない。従って、取引銀
行が当社への支払を拒絶した場合は貸倒が生じるリスクがある。しかし、この損失は、取引相手先が金融商品
取引契約上負う債務が、当社が取引相手先に対して負う債務を超える金額に限定される。当社は取引銀行を
大手金融機関のグループにすることにより、こうした与信リスクを最小化すべく努めている。
当社の売掛金の残高には、国営の医療機関や国から支援を受けている医療機関向けの売掛金が含まれてい
る。これらの顧客は国が保有または支援する機関であるため、その国の信用格付けの低下や債務不履行が発
生すれば、当社に大きな影響が及ぶ可能性がある。当社は、関係する国々、とくにギリシャ、スペイン、イタリ
アおよびその他の西欧諸国の上述の医療機関向けの売掛金のすべてについて、当該国の政府資金援助および
医療費償還制度に関連する回収リスクを継続的に評価している。
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当社は、特にギリシャ政府による医療費償還の大幅な遅延を経験したが、これは同国に流動性問題が発生
し、それがギリシャの医療保険制度下にある医療品供給者への国からの医療費償還に影響を与えたためで
あった。2010年の第4四半期に、当社はギリシャ政府が提示した決済契約を受け入れたが、これは2005年以降
に発生した同国の公営病院の医療品納入業者向け負債の全てを同国政府が弁済するというものである。この
計画に基づき、納入業者は、2005∼2006年に発生した負債について現金弁済を受け、2007∼2009年に発生した
負債についてはゼロクーポン債を受領することとなる。2010年および2009年の各9月30日現在、当社がこのよ
うな販売に関連して計上した、貸倒引当金控除後の純売掛残高は、それぞれ、37,796千ドルおよび45,072千ド
ルとなっている。なお、この信用リスクの集中が当社の財務状況や流動性に重要な影響を及ぼすことはない
と予測される。
注記14.負 債
9月30日現在の短期債務の明細は以下の通りである。
(単位:千米ドル)
項 目
2010
2009
短期借入金
国内借入金
$200,000
$200,000
海外借入金
2,727
2,880
31
200,085
$202,758
$402,965
1年以内に返済予定の長期借入金
計
国内借入金はコマーシャル・ペーパーで、海外借入金は金融機関からの短期借入金である。加重平均利率
は、2010年および2009年9月30日現在でそれぞれ0.27%および3.68%となっている。
当社には借入期限が2012年12月のシンジケート借入枠が10億ドルある。この借入枠はコマーシャルペーパー
・プログラムを補強するためのものであるが、その他の一般的事業目的にも使用されうる。この借入枠には、
当社が2010年9月30日時点で順守すべき最低限のインタレストカバレッジ・レシオが貸付条件として付いて
いる。2010年9月30日現在、この借入枠は未使用である。また、海外金融機関と非公式に合意している短期借入
枠が2010年9月30日現在で約215,840千ドル設定されているが、その殆どは未使用である。
2009年5月に、当社は、年利5.00%、返済期間10年と年利6.00%、返済期間30年の条件で、それぞれ500,000千ド
ルおよび250,000千ドルの手形借入を行った。これらの手形借入は、2009年10月1日に期限を迎える年利7.15%
の手形借入200,000千ドルの返済に充当される。この年利7.15%の手形借入の金利を固定金利から変動金利に
変更するための額面200,000千ドルのスワップ契約もまた、当該借入の期限日に満期を迎えた。
2010年11月8日に、当社は年利3.25%、返済期間10年と年利5.00%、返済期間30年の条件で、それぞれ700,000
千ドルおよび300,000千ドルの手形借入を行った。この借入から得られた資金は、事業運営資金、設備投資、当
社の普通株式の買い戻しおよび事業買収を含む、当社の一般的支出に充当される予定である。
9月30日現在の長期債務の明細は以下の通りである。
(単位:千米ドル)
項 目
2010
2009
$ 8,058
$ 8,079
手形借入(利率:4.55%、返済期限:2013年4月15日)
207,992
201,128
手形借入(利率:4.90%、返済期限:2018年4月15日)
204,710
205,232
手形借入(利率:5.00%、返済期限:2019年5月15日)
494,196
493,678
米ドル建手形借入(年度末平均利率:2010年-1.0%、2009年
-2.1%、返済期限:2013年)
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手形借入(利率:6.00%、返済期限:2039年5月15日)
245,351
245,293
社債(利率:7.00%、返済期限:2027年8月1日)
168,000
168,000
社債(利率:6.70%、返済期限:2028年8月1日)
167,050
167,050
$1,495,357
$1,488,460
計
2010年および2009年の9月30日現在における長期債務残高は、連結財務諸表注記12において詳述の通り、公
正価値ヘッジとされる一定の金利スワップにより影響を受けている。
2012年から2015年の各9月30日に終了する事業年度中に期限が到来する長期債務の額は、2012年度−34千
ドル、2013年度−216,013千ドル、2014年度−2千ドル、2015年度−0千ドルである。
当社は建設仮勘定に関連する金利費用を資産に計上している。下表は、9月30日に終了する各年度中の金利
費用の内訳である。
(単位:千米ドル)
項 目
2010
2009
2008
費用計上分
51,263
40,389
36,343
資産計上分
36,436
29,360
29,862
金利費用 計
87,699
69,749
66,205
金利支払額(資産計上分を控除後)
58,401
25,544
36,222
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注記15.法人所得税等
9月30日に終了する各年度中の、継続事業に係る法人税引当額の内訳は以下の通りである。
(単位:千米ドル)
項 目
2010
2009
2008
当期分:
内国税
連邦税
$307,236
$ 153,030
$ 262,289
23,441
9,626
13,045
170,218
135,931
143,330
500,895
298,587
418,664
内国税
(32,762)
109,925
13,481
外国税
16,687
2,734
112,659
(20,214)
地方税(プエルトリコを含む)
外国税
小 計
繰延税金:
小 計
合 計
(16,075)
$484,820
$411,246
(6,733)
$411,931
9月30日に終了する各年度中の、継続事業に係る税引き前所得の内訳は以下の通りである。
(単位:千米ドル)
項 目
2010
2009
2008
内国所得(プエルトリコを含む)
889,254
890,934
802,073
外国所得
771,906
687,657
687,612
1,661,160
1,578,591
1,489,685
合 計
繰延税金資産および負債は、税の区分別に貸借対照表中に純額で表示されている。2010年および2009年 9
月30日現在、当期分の繰延税金資産(流動)217,865千ドルおよび169,505千ドルがそれぞれ、前払費用、繰延
税金およびその他に含まれ、当期分の繰延税金資産(非流動)152,334千ドルおよび156,288千ドルがそれぞ
れ、その他に含まれている。また、当期分の繰延税金負債(流動)2,587千ドルおよび3,665千ドルがそれぞ
れ、流動負債の未払法人所得税等に含まれ、当期分の繰延税金負債(非流動)21,558千ドルおよび18,191千
ドルがそれぞれ、繰延税金負債その他に含まれている。無期限に米国外で再投資された海外子会社の未分配
利益に関しては、繰延税金資産・負債を計上していない。2010年9月30日現在、そうした無期限に米国外で再
投資された海外子会社の未配分利益の累計額は33億ドルである。この海外利益が米国に送金された場合に発
生する税債務を算定するのは実際的でないため、仮にこの海外利益が無期限に再投資されないと想定した場
合の繰延税金負債額が計上されている。
下表は、税還付をめぐる係争が解消された結果としての税債務の減少や繰延税金資産・負債の増加に係わ
りなく、現状で未認識の税還付総額を要約したものである。 (単位:千ドル)
2007年9月30日現在
71,782
当年度の税率区分による増加
5,411
前年度の税率区分による増加
535
税務係争の解消と時効による減少
2008年9月30日現在
(8,030)
69,698
当年度の税率区分による増加
8,901
前年度の税率区分による増加
1,872
税務係争の解消と時効による減少
(29,924)
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2009年9月30日現在
50,547
当年度の税率区分による増加
27,662
前年度の税率区分による増加
25,837
前年度の税率区分による減少
(11,509)
税務係争の解消と時効による減少
(2,473)
2010年9月30日現在
90,064
未認識の税還付額が全て認識された場合、実効税率に好ましい影響を及ぼすと思われる。上表の合計欄に
は、およそ7,536千ドルの延滞金利と課徴金が含まれており、うち 約(1,372)千ドルは当年度の営業報告に反
映されている。当社は、未認識の税還付額に関連する延滞金利と課徴金を、連結損益計算書の法人税引当額の
一部として計上している。当社は、過去12カ月間の未認識の税還付額の増減と同様の、向こう12カ月間の未認
識の税還付額の増減を想定している。
当社は多くの国々で事業を実施し納税申告を行っており、現在、その租税管轄当局の税務監査を受けてい
る。米国歳入庁(IRS)は2005税務年度までの監査を終了した。また、当社が事業を実施している他の国々の
租税管轄当局の監査については、2004税務年度以降は概して確定していない.
9月30日現在における繰延税金残高は以下の通りである。
(単位:千米ドル)
項 目
給料賃金・その他給付
2010
資 産
2009
負 債
資 産
負 債
484,767
- 416,849
- -
318,640
-
227,347
損失および海外資産の繰越
116,478
-
153,036
-
その他
293,246
173,372
241,080
185,047
小 計
894,491
492,012
810,965
412,394
評価引当金
(56,425)
-
(94,634)
-
838,066
492,012
716,331
412,394
有形固定資産
繰延税金資産 (負債) 純額
評価引当金は、(i) 資本損失の繰越、(ii) 営業純損失および税額控除に関連する繰延州税資産(連邦税控
除後)および (iii) 税額控除の恩典が実現しないと当社が判断したその他の繰延税金資産に関連して計上
されている。2010年9月30日現在、当社は州税上の営業純損失および税額控除の繰越に係る繰延税金資産
46,882千ドルを保有しているが、これについては、対象となる州の税法規定に照らして2010年から2014年の
間に主な繰延州税資産の有効期間が満了する前にこの繰延税金資産を活用できるだけの課税対象所得を計
上できるかどうか確実でないため、27,999千ドルの評価引当金を計上している。
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米国連邦法定税率と当社の実効税率との調整は以下の通りとなる。
項 目
2010
米国連邦法定税率
連邦税額控除後州・地方税
2009
2008
35.0%
35.0%
35.0%
0.9
0.6
1.5
(5.3)
(7.4)
(8.4)
(1.6)
(2.7)
(0.9)
0.2
0.6
0.5
29.2%
26.1%
27.7%
外国所得(プエルトリコを含む)
および外国法人税額控除
研究開発費および国内生産活動
その他(純額)
合 計
当社が事業を営む海外各国における一定期間の減税措置による税負担軽減総額および希薄化後一株当り
軽減額は、2010年度で51,300千ドルおよび21セント、2009年度で44,800千ドルおよび18セント、2008年度で
42,000千ドルおよび17セントであった。これらの国々の減税措置期間は様々であり、最長で2023年まで継続
する。
2010年度、2009年度、2008年度の税額控除後の納税額はそれぞれ、391,965千ドル、368,724千ドル、330,709
千ドルなっている。
注記16.財務情報に関する補足説明
その他の費用(収益)− 純額
2010年度のその他の収益(費用)の純額は合計で497千ドルであった。この中には、長期留置カテーテル器
材事業の売却に伴い計上された売却益18,039千ドル、株式投資からの収益4,848千ドルおよびライセンス契
約その他の契約からの利益6,063千ドルが含まれているが、これは(ヘッジコストを含む)為替差損
(14,756)千ドルおよび投資に関連した評価損失(14,024)千ドルによって一部相殺されている。
2009年度のその他の収益(費用)の純額は合計で(3,850)千ドルであった。この中には、(ヘッジコスト
を含む)為替差損(14,973)千ドルが含まれているが、これは株式投資からの収益4,542千ドルおよびライ
センス契約その他の契約からの利益 6,378千ドルによって一部相殺されている。
2008年度のその他の収益(費用)の純額は合計で(1,484) 千ドルであった。この中には、(ヘッジコス
トを含む)為替差損(10,303)千ドルが含まれているが、これは株式投資からの収益4,642千ドルおよびラ
イセンス契約その他の契約からの利益 3,386千ドルによって一部相殺されている。
売掛金−純額
売掛金から控除した貸倒引当金および現金割引額は、2010年および2009年9月30日現在で、それぞれ46,318
千ドルおよび48,509千ドルとなっている。2010年、2009年および2008年の各年度中にこれらの評価性引当金
に関して計上された金額は、下表のとおりである。
(単位:千ドル)
現金割引
貸倒引当金
2007年9月30日現在の残高
10,412
39,650
5,405
50,055
55,460
(7,934)
(51,562)
(59,496)
26,709
8,905
35,614
18,321
48,025
66,346
(4,745)
(48,706)
(53,451)
(A)
2008年9月30日現在の残高
追加計上されたコスト/費用
控除その他
計
29,238
追加計上されたコスト/費用
控除その他
引当金
(A)
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2009年9月30日現在の残高
40,285
8,224
48,509
6,487
31,944
38,431
(6,373)
(34,249)
(40,622)
40,399
5,919
46,318
追加計上されたコスト/費用
控除その他
(A)
2010年9月30日現在の残高
(A)評価損失額
棚卸資産
9月30日現在の棚卸資産の明細は以下の通りである。
(単位:千米ドル)
項 目
2010
2009
原 材 料
169,268
171,449
仕 掛 品
225,878
223,094
完 成 品
750,191
762,219
1,145,337
1,156,762
計
有形固定資産
9月30日現在の有形固定資産の明細は以下の通りである。
(単位:千米ドル)
項 目
2010
2009
土 地
100,988
95,818
建 物
2,095,254
1,984,852
機械装置、備品
4,259,140
76,680
4,078,768
81,891
6,532,062
6,241,329
(3,431,570)
(3,274,700)
$3,100,492
$2,966,629
建物付属設備
小 計
(控除)減価償却累計額
計
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補足情報(監査対象外)
(単位:千ドル ただし1株当たり情報は、ドル)
2010年度
項 目
第1
第2
第3
第4
四半期
四半期
四半期
四半期
1,868,818
1,799,409
1,830,911
1,873,195
7,372,333
売上総利益
974,494
934,917
947,477
972,262
3,829,150
継続事業に係る当期純利益
304,093
285,034
294,160
293,053
1,176,340
継続事業に係る当期純利益
1.28
1.21
1.26
1.27
5.02
非継続事業に係る純利益
0.05
0.05
0.05
0.45
0.60
基本的1株当たり利益
1.33
1.26
1.32
1.71
5.62
継続事業に係る当期純利益
1.25
1.18
1.23
1.24
4.90
非継続事業に係る純利益
0.05
0.05
0.05
0.44
0.59
希薄化後1株当たり利益
1.30
1.24
1.29
1.68
5.49
売上高
年度 計
1株当たり利益 (A)
2009年度
項 目
売上高
第1
第2
第3
第4
四半期
四半期
四半期
四半期
年度 計
1,673,148
1,683,142
1,776,409
1,854,023
6,986,722
売上総利益
897,606
875,760
937,854
963,826
3,675,046
継続事業に係る当期純利益
296,607
248,866
327,445
294,427
1,167,345
継続事業に係る当期純利益
1.22
1.04
1.36
1.23
4.85
非継続事業に係る純利益
0.06
0.05
0.06
0.10
0.27
基本的1株当たり利益
1.29
1.09
1.42
1.33
5.12
継続事業に係る当期純利益
1.19
1.01
1.33
1.20
4.73
非継続事業に係る損失
0.06
0.05
0.06
0.09
0.26
希薄化後1株当たり利益
1.26
1.06
1.39
1.29
4.99
1株当たり利益 (A)
(A)1株当たり利益は合計額を丸めているため、上段の数値の合計と一致しない場合がある。
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2【主な資産および負債の内容】
連結財務書類の注記参照。
3【その他】
(1)後発事象
2010年9月30日以降、資産、負債、利益に重要な変更を与えるような事象は起こっていない。
(2)訴訟
「第3事業の状況 3対処すべき課題」中の法的手続を参照。
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4【アメリカ合衆国と日本における会計原則および会計慣行の相違】
当該有価証券報告書に含まれる連結財務書類はアメリカ合衆国で一般に公正妥当と認められる会計原則(米国会計基準)に準
拠して作成されている。従って同連結財務書類は、日本で一般に公正妥当と認められる会計原則(日本会計基準)に準拠して作
成された連結財務書類と比較して、会計原則、会計慣行および表示方法が異なっている。米国会計基準と日本会計基準の主な相違
点は次のとおりである。
(1)有給休暇に関する会計処理
有給休暇に関する会計処理については日本会計基準では言及しておらず、日本における一般的な会計慣行では関連する債務の
認識は行われない。
米国会計基準では、一定の条件が満たされた場合、将来の休暇に関する従業員の受給権に対して債務を認識することが要求され
る。
(2)利子費用の資産化
日本会計基準では、一定の特殊な業種を除き、利子費用は資産化されず、発生した期間の損益に計上される。
米国会計基準では、適格資産の建設中に生じた利子費用は取得原価の一部として資産化することが要求される。
(3)デリバティブ商品の評価およびヘッジ会計
日本会計基準では、デリバティブ商品は公正価値で資産又は負債として貸借対照表に計上し、評価差額は、ヘッジに係るものを
除き、当期の損益として処理する。
デリバティブ取引をヘッジ手段として用いるヘッジ取引については、日本会計基準では次のとおり会計処理される。
① 時価評価されているヘッジ手段に係る損益又は評価差額をヘッジ対象に係る損益が認識されるまで資産又は負債として繰り
延べる繰延ヘッジを原則とする。
② ヘッジ対象がその他有価証券である場合には、その他有価証券に係る相場変動等を損益に反映させることにより、その損益と
ヘッジ手段に係る損益とを同一の会計期間に認識する時価ヘッジも認められる。
③ 資産又は負債にかかる金利の受払条件を変換することを目的として利用されている金利スワップが、金利変換の対象となる
資産又は負債とヘッジ会計の要件を充たしており、かつ、その想定元本、利息の受払条件および契約期間が当該資産又は負債とほ
ぼ同一である場合には、金利スワップを時価評価せず、その金銭の受払の純額等を当該資産又は負債に係る利息に加減して処理
することができる。
米国会計基準では、ヘッジ関係の性質ごとに次のとおり会計処理される。
① 公正価値ヘッジは、デリバティブ手段の公正価値変動のうちヘッジの有効部分を、ヘッジ対象の資産、負債又は確定契約の公
正価値の変動に対して損益計上をすることを通して相殺する。
② キャッシュ・フロー・ヘッジは、デリバティブ手段の公正価値変動のうちヘッジの有効部分を、資本勘定の構成要素であるそ
の他の包括利益として計上し、ヘッジ取引が損益に影響する期間において又は当該期間にわたって損益に振り替える。
③ 海外事業の純投資ヘッジは、ヘッジ手段に係る損益のうちヘッジの有効部分を、為替換算調整勘定として資本勘定の構成要素
であるその他の包括利益に計上する。
なお、ヘッジが有効でない部分は、直ちに損益として認識する。
(4)販売促進費の会計処理
販売促進費に関する会計処理については、日本会計基準では特に言及されていないが、一般的に販売費および一般管理費として
計上される。
米国会計基準では、特定の販売促進費は次の会計処理が要求される。
① 売主が提供する販売時点で顧客が行使しうるクーポンやリベート等の特典は、収益の認識時点又は当該特典が提供された時
点のいずれか遅い時点で認識し、現金の支出を伴うものは売上の控除項目とし、製品の無償提供等現金の支出を伴わないものは
費用(売上原価等)とする。
② 顧客が販売者との取引においてある一定の水準を達成した場合又はある一定期間取引を継続した場合に、販売者により提供
される現金リベート等については、売上の控除項目とする。
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③ 売主の製品の再販売者に支払われる報償(売場確保のための権利金、広告宣伝援助金、値引販売に対する価格補償金等)のう
ち、一定の要件を満たすもの以外は、売上の控除項目とする。
(5)のれんその他無形資産の会計
米国においては、2001年12月15日以降開始する事業年度から、のれんおよび耐用年数を確定できないと判断された無形資産は償
却されないが、年次の減損テストの対象とされ、一方、その他の無形資産は、それらの耐用年数を通じて償却されることとなる。
日本では、のれんは20年以内の効果の及ぶ期間にわたって規則的に償却する。一方、その他の無形固定資産については、その効果
が及ぶ期間又は契約期間等にわたって償却される。また、2005年4月1日以降開始事業年度より、減損会計が適用されている。
(6)株式に基づく報酬の会計処理
日本では、平成17年12月に企業会計基準委員会より「ストック・オプション等に関する会計基準」が公表されており、これは会
社法(平成17年法律第86号)の施行日(平成18年5月1日)以後に付与されるストック・オプション等について適用される。こ
の会計基準のもとでは、ストック・オプションを付与し、これに応じて企業が従業員等から取得するサービスは、公正価値な評価
額に基づきその取得に応じて費用として計上し、対応する金額を、ストック・オプションの権利の行使又は失効が確定するまで
の間、貸借対照表の純資産の部に新株予約権として計上する。
米国会計基準では、株式に基づく報酬について次の2つの会計処理の選択が容認されている。
① 本源的価値法:権利付与日またはその他の測定日における市場取引価格が権利行使価格を超過している部分として測定され
た報酬費用を、必要勤務期間にわたり認識する。
② 公正価値法:権利付与日の報酬の価値を基礎として測定された報酬費用を、必要勤務期間にわたり認識する。
本源的価値方式を選択する場合は、公正価値方式を適用したと仮定した場合の情報の開示が要求されている。
2005年6月15日より後に開始する事業年度より、株式に基づく報酬は見積公正価値に基づいて測定され、通常は勤務確定期間で
ある必要勤務期間にわたって損益に定額法で計上するよう要求されている。
(7)企業結合
米国会計基準では、2001年7月1日以降完了したすべての企業結合はパーチェス法によって処理される。また、2001年7月1日
以降の買収に関連する営業権および明確な耐用年数のない購入無形資産の償却は行われず、かわりに少なくとも年一回、減損処
理の必要性を検討することが義務付けられている。明確な耐用年数を有する無形資産は各々の耐用年数にわたり引き続き償却さ
れる。
日本では、企業結合は「企業結合に係る会計基準」が2003年10月に公表され、2006年4月1日以降開始する事業年度から適用され
ており、支配の獲得を目的とする企業結合はパーチェス法によって会計処理を行う。また、一定の条件を満たす場合には持分プー
リング法によって処理される。のれんと購入無形資産は耐用年数にわたり(但し、のれんは20年以内)規則的に償却される。
なお、2008年12月において「企業結合に係る会計基準」は改正され(基準名も「企業結合に関する会計基準」に改正)、2010年
4月1日以降実施される企業結合より、持分プーリング法の適用が禁止される。また、2009年4月1日以降開始する事業年度において
最初に実施される企業結合から早期適用も認められている。
(8)リース会計
米国会計基準では、次の基準のいずれかを満たすリース資産はキャピタル・リースとして処理され、リース資産は借り手の貸借
対照表に計上される(もしくは貸し手による売却として処理される)。
① リース期間終了時までにリース資産の所有権が借り手に移転するリース
② 割安購入選択権条項のあるリース
③ リース期間がリース資産の見積経済耐用年数の75%以上であるリース
④ リース期間の開始時において、貸し手に支払うべき最低リース支払額の現在価値が、貸し手にとっての、リース開始時のリー
ス資産公正価額の90%以上であるリース
日本会計基準では、所有権移転外ファイナンス・リースについて、従来賃貸借処理が認められていたが、2008年4月1日以降開
始する事業年度より、原則として、所有権移転外ファイナンス・リースについては、通常の売買取引に係る会計処理がなされる。
(9)非継続事業
米国会計基準では、ある事業が非継続事業となったときは、基準書205-20により、その事業は開示されている財務書類の全ての
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期間にわたって非継続事業として表示される。
日本会計基準では、過年度の財務書類の修正再表示は認められていない。
(10)撤退・廃却活動に関するコスト
米国会計基準上では、撤退・廃却活動(契約解消、設備閉鎖・統合や従業員移転)にかかるコストは、債務の発生時に費用認識
され、公正価値で計上される。
日本会計基準では、撤退・廃却活動の会計処理は特に言及されていない。
(11)資産の除却債務
米国会計基準では、長期性資産に関する法的債務は、その債務の発生時点において、公正価値により測定された負債として認識
することを要求している。除却債務と同額の資産が、関連する長期性資産の一部として計上され、その資産の耐用年数にわたって
償却される。
日本会計基準では、2008年3月に「資産除去債務に関する会計基準」が公表され、2010年4月1日以降開始する事業年度から適用
される。ただし、2010年3月31日以前に開始する事業年度から早期適用することができる。現時点では、当該費用は通常発生時に計
上される。
(12)退職給付及び年金費用の会計処理
米国会計基準では、基準書715によれば、確定給付年金およびその他の退職後給付の制度における積立超過または積立不足の状
況を資産または負債として貸借対照表上認識し、積立状況に変化があればそれを当年度の包括利益として認識しなければならな
い。さらに、上記の年金制度の積立状況を年度末現在で測定する必要がある。
日本会計基準では、確定給付年金およびその他の退職後給付の制度における積立超過または積立不足の状況を資産または負債
として貸借対照表上に認識することは要請されていない。また、データ基準日は、一定の条件を満たせば貸借対照表の1年前まで
の一定の日とすることができる。
(13)法人所得税の不確実性に関する会計処理
米国会計基準では、企業の財務書類において認識される法人所得税の不確実性に関する会計処理を明確にしている。基準書740
は、所得税申告書で申告されている、または、申告される予定の不確実な課税ポジションの財務書類上での認識、測定、表示及び開
示に関する包括的モデルについて規定している。
日本会計基準では、不確実な課税ポジションに関する会計基準は定められていない。
(14)公正価値測定
米国会計基準では、公正価値を定義し、公正価値の測定方法を確立し、また公正価値測定に関して幅広い開示を要求している。公
正価値は、市場参加者間の秩序ある取引において、ある資産を売却することにより受け取るであろう価格又はある負債を譲渡す
ることにより支払うであろう価格(出口価格)であることを明確にしている。公正価値は、市場参加者が資産又は負債の価格を
決定する際に用いる仮定に基づいて決定される市場を基盤とする測定がなされる。
米国会計基準で要求される評価技法は、観察可能および観察不能なインプットを基礎とする。観察可能又は市場のインプットは
独立した情報源から得た市場データを反映させるが、観察不能なインプットは、入手可能な最善の情報に基づいた市場参加者の
仮定を反映させる。観察可能なインプットの方がより望ましい価値情報である。これら2種類のインプットにより、以下に記載す
る公正価値の階層が設定される。
レベル1
活発な市場における同一の資産および負債の公表価格(調整前)
レベル2
活発な市場における類似する資産および負債の公表価格、活発ではない市場における同一又は類似
する資産および負債の公表価格、全ての重要な仮定事項を市場で観察できるモデルに基づく評価技
法、あるいは当該資産又は負債のほぼ全期間を通して、全ての重要な仮定事項を観察可能な市場デー
タで確認できるモデルに基づく評価技法
レベル3
公正価値の測定にとって重要かつ、観察不能な経営陣の判断を必要とする価格又は評価
日本会計基準では、資産および負債の公正価値測定に対する包括的な会計基準はない。
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第7【外国為替相場の推移】
米ドルと日本円の為替レートに関する情報は通常複数の新聞報道等で入手できるので、本記載は省略
する。
第8【本邦における提出会社の株式事務等の概要】
本邦における株式の名義書換取扱場所に関する事項
当社は、日本国内には名義書換取扱場所を置かない。ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパ
ニー株式報奨制度に基づきストックオプションを付与された日本在住の従業員は、当該オプションの
行使によって株式を購入する場合、米国のモルガン・スタンレー・スミス・バーニー(Morgan
Stanley Smith Barney)を通じてこれを行う必要がある。従業員は、株式を購入した後は、当該株式を
モルガン・スタンレー・スミス・バーニー・インクの口座に引き続き預託しておくこともできるし、
その他の証券会社または預託会社(以下、総称して「カストディアン」という。)に預託することも
できる。また、従業員は、株券の現物を自己に提供するよう要求することもできる。
名義書換代理人に関する事項
当社は、日本国内には名義書換代理人を置かない。当社普通株式の名義書換代理人は、米国のコン
ピューターシェア社(Computershare)が務める。
株主に対する特典に関する事項
該当なし。
株式の譲渡制限に関する事項
該当なし。
株主の議決権の行使に関する手続き
日本における当社の株主は、カストディアンに指図することにより議決権を行使することができる。
請求等に関する手続き
各カストディアンは、当社から配当金の支払いを受けた時は、そこに口座を有する株主のそれぞれの
口座に配当金額を貸記し、又は株主の選択により、直接当該株主に当該配当金を支払う。株主が株券現
物を保有する場合には、配当金の支払いは、名義書換代理人において登録された住所宛てに行われる。
当社は、株主に対し、配当金の支払いに関する手数料を一切請求することはない。
株式の移転に関する手続き
当社の株式の譲渡は通常、口座振替又は当該株式を表象する株券の現物引渡しにより行われる。日本
における当社の株主は、自己の株式の預託先であるカストディアンに対して譲渡を指図することに
よって、又は場合によっては、米国の名義書換代理人による名義書換のために当該株券の現物を引き
渡すことによって、当社株式を譲渡することができる。
提出会社の未発行株式又は自己株式を他の株主に優先して買い取りまたは引き受ける権利の行使に
関する手続き
「第一部 第1 1.(2)提出会社の定款等に規定する制度」の「当社の優先株式購入権」の項を参
照。
配当等に関する課税上の取扱
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「第一部 第1 3.課税上の取扱い」を参照のこと。
その他株主の権利行使について必要な手続き
該当なし。
第9【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
該当なし
2【その他の参考情報】
平成21年10月1日から本書提出までの間に、次の書類を提出している。
提出年月日
1.有価証券報告書
平成22年3月31日
2.半期報告書
平成22年6月30日
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第二部【提出会社の保証会社等の情報】
第1【保証会社情報】
該当事項なし
第2【保証会社以外の会社の情報】
該当事項なし
第3【指数等の情報】
該当事項なし
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独立登録会計事務所の監査報告書
ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー
取締役会及び株主 御中
我々は、ここに添付する2010年及び2009年9月30日現在のベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパ
ニーの連結貸借対照表、並びに2010年9月30日をもって終了した3年間の各事業年度の連結損益計算書、
連結包括損益計算書及び連結キャッシュ・フロー計算書を監査した。これらの財務書類及び付表は、ベク
トン・ディッキンソン・アンド・カンパニーの経営者の責任のもとに作成されており、我々の責任は、監
査対象である財務書類及び付表に対して意見を表明することにある。
我々は、米国公開企業会計監視委員会の基準に準拠して監査を実施した。当基準において我々は、財務書
類に重要な虚偽記載が存在しないという合理的な保証を得るための監査を計画し遂行することが要求さ
れている。監査には、試査による財務書類における金額及び表示の妥当性の検証が含まれている。さらに
監査には、適用された会計原則及び経営者による重要な見積りの妥当性の評価、ならびに財務書類全体の
表示方法に対する評価が含まれる。我々は、監査により監査意見の合理的な基礎を得たと判断している。
我々の意見によれば、上記の連結財務書類が、全ての重要な点において、2010年及び2009年9月30日現在
のベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニーの連結財政状態、ならびに2010年9月30日をもって
終了した3年間の各事業年度の連結経営成績及び連結キャッシュ・フローの状況を、米国において一般
に公正妥当と認められた会計原則に準拠して、適正に表示しているものと認める。
アーンスト・アンド・ヤング・エル・エル・ピー
ニューヨーク州、ニューヨーク市
2010年11月24日
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Report of Independent Registered Public Accounting Firm
To the Shareholders and Board of Directors of Becton, Dickinson and Company
We have audited the accompanying consolidated balance sheets of Becton, Dickinson and
Company as of September 30, 2010 and 2009, and the related consolidated statements of
income, comprehensive income, and cash flows for each of the three years in the period ended
September 30, 2010. These financial statements are the responsibility of the Company's
management. Our responsibility is to express an opinion on these financial statements based
on our audits.
We conducted our audits in accordance with the standards of the Public Company Accounting
Oversight Board (United States).Those standards require that we plan and perform the audit
to obtain reasonable assurance about whether the financial statements are free of material
misstatement. An audit includes examining, on a test basis, evidence supporting the amounts
and disclosures in the financial statements. An audit also includes assessing the accounting
principles used and significant estimates made by management, as well as evaluating the
overall financial statement presentation. We believe that our audits provide a reasonable
basis for our opinion.
In our opinion, the financial statements referred to above present fairly, in all material
respects, the consolidated financial position of Becton, Dickinson and Company at September
30, 2010 and 2009, and the consolidated results of its operations and its cash flows for
each of the three years in the period ended September 30, 2010, in conformity with U.S.
generally accepted accounting principles.
ERNST & YOUNG LLP
New York, New York
November 24, 2010
※上記は独立登録会計事務所の監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本
は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管している。
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