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High Mobility Group Box 1(HMGB1)

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High Mobility Group Box 1(HMGB1)
High Mobility Group Box 1(HMGB1)の
歯周炎惹起および遷延化のメカニズムに関する検討
岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 病態制御科学専攻
病態機構学講座 歯周病態学分野
吉原千暁
High Mobility Group Box 1(HMGB1)promotes the initiation
and prolongation of periodontal inflammation.
Department of Pathophysiology-Periodontal Science,
Okayama University Graduate School of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences
Chiaki YOSHIHARA
(平成 27 年 12 月 15 日受付)
1
緒言
High mobility group box 1(HMGB1)は,全ての真核細胞に存在し,A ボック
ス,B ボックス,C 末端領域の 3 つのドメインから構成される分子量 30 kDa の
非ヒストン DNA 結合タンパク質である 1)。そして,クロマチン構造変換因子と
して,nuclear factor-kappa B(NF-κB)等の様々な遺伝子の転写制御および DNA
の修復に関与する 2)。この分子のアミノ酸配列は,哺乳類間で約 99 %の相同性
で高度に保存されており 3),HMGB1 欠損マウスは,グルココルチコイド受容体
機能不全のために出生後 24 時間以内に低血糖となって死亡することから,
HMGB1 は個体生存に必須の分子と考えられる 4)。
当初には,HMGB1 は核内機能に特化した分子と考えられていたが,1999 年
の Wang らの報告 5)によって,敗血症における炎症の後期メディエ−ターとして
の機能が明らかとなった。すなわち,核内タンパク質でありながら細胞外へ分
泌されて炎症メディエーターとして機能するという特徴から,近年は炎症性疾
患の病態解明における重要な分子として注目されている 6)。現在では,HMGB1
は lipopolysaccharide(LPS)や tumor necrosis factor(TNF)-α などの炎症性刺激
2
によって活性化された細胞,または壊死細胞から細胞外へ放出され,Toll 様受
容体などの自然免疫受容体に結合することによって様々な機能を発揮すること
が知られている
5)
。その中でも特に,敗血症 7),外傷性脳傷害
8)
,虚血・再還
流障害 9)などの急性炎症性疾患のみならず,慢性関節リウマチ 10),動脈硬化 11)
などの慢性炎症性疾患についても多くの報告がなされている。特に,敗血症 12),
外傷性脳障害
8)
,虚血・再還流障害 13)および動脈硬化 14)では,抗 HMGB1 抗
体の治療応用が検討され始めており,症状の顕著な軽減が確認されたことから,
炎症性疾患における新たな治療標的として注目されている。
このことは,口腔細菌の感染によって発症して歯周組織破壊を伴う慢性炎症
性疾患である歯周炎の病態理解と治療に応用できると考えた。歯周炎は歯肉上
皮の歯周病原細菌への感染を初発とし,歯肉上皮から産生された interleukin
(IL)
-8 や monocyte chemotactic protein(MCP)-1 などのサイトカインおよびケモカイ
ンの作用によって免疫担当細胞が局所へ遊走する 17)。免疫担当細胞から産生さ
れる TNF-α,IL-1,IL-6 などのサイトカインが相互に作用しながら複雑なネット
ワークを形成し,炎症を浅在性の歯肉辺縁から深部の歯周結合組織へと波及さ
せ,歯周組織の破壊が生じる 15-17)。このような病態を呈して進行する歯周炎に
3
おいても,HMGB1 の関与がすでに示唆されている。これまで歯周炎患者の歯肉
溝浸出液中に HMGB1 が健常者と比較して高濃度に検出されること 18), また,
培養歯肉上皮細胞が,TNF-α や IL-1β そして歯周病原細菌の代謝産物である酪酸
の刺激によって,HMGB1 を分泌することが報告されてきた
18-20)
。しかし現在
のところ,分泌された HMGB1 が歯周組織においてどのように作用するか,詳
細なメカニズムは明らかになっていない。
そこで本研究では,自然免疫系の賦活化および制御に重要な役割をもつ
HMGB1 が,歯周組織中でサイトカイン産生を促進することによって,歯周炎の
惹起および遷延化に関与するという仮説をたてた。歯周病原細菌と最初に接触
して歯周炎の起点となる歯肉上皮細胞,さらに結合組織中での免疫応答の主体
となるマクロファージに着目し,これらの細胞が分泌した HMGB1 が歯周組織
に及ぼす影響を明らかにすることを目的に,抗 HMGB1 抗体を用いて in vitro と
in vivo での検討を行った。
4
材料と方法
試薬
リコンビナントヒト TNF-α(rhTNF-α)は,R&D Systems (Minneapolis,MN,
USA)のものを用いた。ラット由来 IgG2a の抗 HMGB1 モノクローナル抗体で
ある #4-1 と#10-22,およびラット由来 IgG2a のアイソタイプコントロールモノ
クローナル抗体は,医歯薬学総合研究科 生体制御科学専攻 生体薬物制御学講
座 薬理学分野 西堀正洋教授から供与を受けた。なお,抗 HMGB1 抗体 #4-1 は,
HMGB1 の中間に存在するサイトカイン誘導性を有する B ボックスを認識する
1, 21)
。この部位は,Toll 様受容体や終末糖化産物受容体(receptor for advanced
glycation end product;RAGE)との結合部位を含んでいる。一方,抗 HMGB1
抗体 #10-22 は,HMGB1 の酸性である C 末端を認識し,特異性が高いという特
徴を持つ 1, 21)。(図 1A)
細胞とその培養
歯 肉 上 皮 細 胞 は , Human Gingival Epithelium Progenitors , Pooled ( HGE )
(CELLnTEC advanced cell systems,Bern,Switzerland)を 5〜10 継代したものを
5
使用した。培養には CnT-Prime Epithelial Cell Culture Medium を用い,細胞の継代
時には Accutase Cell detachment solution を用いた(共に CELLnTEC)。マクロ
ファージ様細胞として,ヒト単球系細胞株 THP-1(ATCC,Manassas,VA,USA)
を用いた。培養は,56 ˚C で 30 分間非働化した 10 %ウシ胎児血清(fetal bovine
serum:FBS),1% L-グルタミン酸,1 mM ピルビン酸ナトリウム(すべて Invitrogen,
Carlsbad,CA,USA),そして 10 mM HEPES(Sigma Aldrich,St. Louis,MO,
USA)を含む RPMI 1640 培地(Invitrogen)を用いた。マクロファージ様細胞へ
の分化誘導は,Schwende らの方法 22)に基づき,最終濃度 100 nM となるように
Phorbol-12-Myristate-13-Acetate(PMA:Sigma)を添加し,48 時間後にウェル底
面に付着した細胞をマクロファージ様細胞として用いた。培養は 37 ˚C,5 % CO2,
100 %湿度下で行った。
細菌とその培養
細菌は,Porphyromonas gingivalis W83 株(ATCC,BAA-308)を,変法 GAM
ブイヨン(日水製薬株式会社,広島)を用いて 37 ˚C,5 % CO₂下で培養したも
のを使用した。また,嫌気的条件にするためにアネロパック・ケンキ(三菱ガ
ス科学,東京)を使用した。菌液を吸光度計(miniphoto518 R:タイテック,埼
6
玉)を用いて波長 660 nm(A660)での吸光度を測定し,A660 が 0.6〜0.8 を示した
菌液を遠心分離(12,000 rpm,15 分間)した後 phosphate buffer saline(PBS;
Technologies,Carlsbad,CA,USA)を用いて懸濁し,A660 が 0.6 の菌液を作製し
た。
細胞傷害性の検討
rhTNF-α および抗 HMGB1 抗体 #4-1 の HGE および THP-1 への細胞傷害性を,
CellTiter 96® AQueous Assay ( Promega , Madison , WI , USA ) を 用 い て ,
3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)-5-(3-carboxymethoxyphenyl)-2-(4-sulfophenyl)2H-tetrazolium(MTS)法によって調べた。HGE および THP-1 を 96 穴マルチプ
レート(Corning,New York,NY,USA)に 5.0 × 104 cells/cm2 で播種した。rhTNF-α
および抗 HMGB1 抗体 #4-1 をそれぞれの培地を用いて段階希釈し,0-100 ng/mL
および 0-50 µg/mL の濃度で添加した。添加 48 時間後に,MTS を最終濃度 0.5
mg/mL になるように添加し,4 時間後に生成されたホルマザン色素の吸光度を
マイクロプレートリーダー(Model 680:Bio-Rad Laboratories,Hercules,CA,
USA)を用いて 490 nm の波長で測定した。
遺伝子発現解析
7
HGE および THP-1 を培養して全 RNA を回収し,HMGB1 の遺伝子発現量をリ
アルタイム RT-PCR(reverse transcription polymerase chain reaction)法で定量解析
した。12 穴マルチプレート(Corning)にそれぞれの細胞を 5.0 × 104 cells/cm2 の
濃度で播種し,前述の記載(材料と方法 2 項)と同様に培養後,rhTNF-α を最終
濃度が 10 ng/mL となるよう添加し,添加後に 0,2,4,6,12 時間培養した。
1) 全 RNA の抽出:全 RNA は,シリカ膜への吸着を利用した RNeasy Mini Kit
(QIAGEN,Hilden,Germany)を用いて抽出した。RNA の濃度と純度は,
Nano Drop 2000(Thermo Fisher Scientific,Waltham,MA,USA)を用いて
260 nm と 280 nm の波長での吸光度とその比を用いて測定した。全ての
RNA の純度は,260 / 280 値が 1.8〜2.2 の間である事を確認した。また,
RNA 抽出過程で RNase-Free DNase Set(QIAGEN)を用いて混入した DNA
を除去した。
2) 逆転写反応:抽出した RNA 1 µg をテンプレートとして,50 µM oligo (dT)
12-18 Primer(Life
Technologies)と 10 mM dNTP Mix(Life Technologies)を 1:
1 混合した 13 µL の溶液を,65 ˚C で 5 分間熱処理後に氷上で 1 分間急冷反
応させた。そして,5 × First Standard Buffer,0.1 M dithiothreitol,SuperScript
8
III Reverse Transcriptase(すべて Life Technologies)及び RNase-free Water
(QIAGEN)を 4:1:1:1 で混合した 20 µL の溶液にて,50 ˚C で 1 時間
の逆転写反応を行って cDNA を合成した。その後,70 ˚C,15 分間で逆転
写酵素の不活化を行った。
3) リアルタイム RT-PCR 法:PCR 反応は,cDNA 合成後の反応液を 10 倍希釈
した溶液を,上記で作成したセンスならびにアンチセンス PCR プライマー
(10 µM),2 × Power SYBR Green PCR Master Mix(Life Technologies),お
よび RNase-free Water と混合し,95 ˚C で 10 分間の 2 本鎖 DNA の変性の後,
95 ˚C で 15 秒,60 ˚C で 1 分のステップでアニーリングと伸長反応を 40 サ
イ ク ル 行 っ た 。 こ の 反 応 は 7300 Fast Real-Time PCR System ( Life
Technologies)を用いて行い,その際に PCR 産物が発する蛍光量を SDS v1.X
with RQ Software(Life Technologies)にて測定した。なお,HMGB1 の mRNA
発現量は GAPDH の mRNA 量を内部対照として,比較 Ct 法 23)にて定量し,
相 対 発 現 量 と し て 示 し た 。 な お , プ ラ イ マ ー は , HMGB1 そ し て
glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase 遺伝子(GAPDH)の PCR プライ
マーをオンラインソフトウェアである Primer3(http://frodo.wi.mit.edu/)を
9
用いて,増幅サイズ 185〜200 bp,プライマーサイズ 20 塩基,GC 含有量
45〜55%,Tm 値 57〜58˚C の条件で合成し,オンラインソフトウェアであ
る NCBI primer-BLAST(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/tools/primer-blast/)を用
いて目的遺伝子の特異的な増幅を確認した表 1)。
タンパク質発現解析
HGE および THP-1 の培養時に産生される HMGB1 とサイトカインを,以下の
方法で検出や定量を行った。
1) HMGB1 産生量の測定
培養上清中の HMGB1 量は,サンドイッチ enzyme-linked immunosorbent
assay
(ELISA)を基本とした 96 ウェルプレートに固層化されたポリクロー
ナル捕捉抗体に,培養上清中のタンパク質を結合させた後,horseradish
peroxidase(HRP)標識モノクローナル抗体を加えて形成させた抗原抗体
複合体に,蛍光基質を反応させる Human HMGB1 ELISA kit Ⅱ(Shinotest,
東京)を用いて定量した。すなわち培養上清は,前述の記載(材料と方
法 4 項の 1)と同様に rhTNF-α を添加し,添加 2,4,6,12,24 および
10
48 時間後に回収した。付属の使用説明書に従って,96 ウェルプレートに
固層化されたポリクローナル捕捉抗体に,培養上清中のタンパク質を結
合させた後,horseradish peroxidase(HRP)標識モノクローナル抗体を加
えて形成させた抗原抗体複合体に,発色基質を反応させ,蛍光マイクロ
プレートリーダー(GeminiXPS;Molecular Devices,Sunnyvale,CA,USA)
を用いて 490 nm における吸光度を測定した。
2) サイトカイン産生量の測定
rhTNF-α(最終濃度 10 ng/mL)で刺激した培養細胞が抗 HMGB1 抗体(最
終濃度 10 µg/mL)存在下で産生したサイトカイン量を測定した。まずは
網羅的に産生されたサイトカインを網羅的に同定し,その後にその内の
幾つかのサイトカインの産生量を新たな培養上清から定量した。
サイトカインの網羅的な同定には,サンドイッチ ELISA 法を基本とし,
80 種 類 の サ イ ト カ イ ン を 蛍 光 検 出 す る Human Cytokine array G5
(Raybiotech,Norcross,CA,USA)を用いて半定量解析した。付属の使
用説明書に従って,
ガラススライドに固層化された 80 種類の捕捉抗体(表
2)に培養上清中の標的タンパク質を結合させた後,ビオチン標識抗体を
11
加えて形成させた抗原抗体複合体に,ストレプトアビジン蛍光色素を結
合させ,GenePix4000B(Molecular Devices,Sunnyvale,CA,USA)を用
いて,蛍光強度を 532 nm の波長で検出した。得られたデータは,対照サ
ンプルの陽性コントロールを基準に標準化し, その比が 0.6 以下あるい
は 1.5 以上をサイトカイン分泌量に変化があったものとした。
サイトカインの網羅的解析で検出されたもののうち,THP-1 培養上清中
の interleukin(IL)-1β,TNF-α,そして IL-6,および HGE の培養上清中
の granulocyte macrophage colony-stimulating factor (GM-CSF)を,サンド
イッチ ELISA 法を基本としたそれぞれのサイトカインに対する Human
Quantikine ELISA kit(R&D)を用いて測定した。すなわち,96 ウェルプ
レートに固層化されたモノクローナル捕捉抗体に,培養上清中のタンパ
ク質を結合させた後,HRP 標識ポリクローナル抗体を加えて形成させた
抗原抗体複合体に,発色基質を作用させ,蛍光マイクロプレートリーダー
(Gemini XPS;Molecular Devices)を用いて 490 nm の波長で吸光度を測
定した。
マウスと歯周炎モデル
12
Abe らの方法
24)
を一部改変し,歯周炎モデルマウスを作製した。すなわち,
10 週齢の C57BL/6 野生型雌性マウス(日本チャールズリバー,神奈川)の上顎
右側第 2 大臼歯頚部に 6-0 絹糸を結紮した。前述の P. gingivalis 菌液を 0.1 mL ず
つ 3 日毎に絹糸に浸透させながら 7 日間または 21 日間飼育したマウスを歯周炎
モデルマウスとし,以下の 4 群を作製した。① 無処置マウス,②コントロール
抗体 10 µg/匹を投与した歯周炎モデルマウス,③抗 HMGB1 抗体 #10-22 10 µg/
匹を投与した歯周炎モデルマウス,④抗 HMGB1 抗体 #10-22 25 µg/匹を投与し
た歯周炎モデルマウスとした。抗 HMGB1 抗体は,P. gingivalis 菌の絹糸への浸
透と同時,すなわち 3 日毎に腹腔投与した。(図 3A)なお,飼育は岡山大学歯
学部動物実験施設の基準に従って行い,実験は岡山大学動物実験管理委員会の
指針に従って,同委員会の承認(OKU-2015498)を得て行った。
ミエロペルオキシダーゼ活性の検出
マウスに,貪食細胞のミエロペルオキシダーゼ活性を発光検出する XenoLight
Rediject Inflammation Probe を 150 µL/匹 腹腔投与した約 10 分後に,ジエチルエー
テルを用いて安楽死させて上顎骨を摘出し,超高感度 CCD カメラを用いた 5 分
間の露光で発光画像を撮影した。なお,腹腔投与から画像撮影までは 20 分以内
13
で終了した。画像から IVIS® Spectrum を用いて発光強度を測定し,各個体にお
いて最大発光強度の 50 %以上の発光強度範囲における総発光量(photons/second)
および最大発光強度(photons/sec/cm2/steradian)を Living Image® 4.4 を用いて解
析した。(すべて住商ファーマインターナショナル,東京)
形態学的解析
発光画像を撮影した上顎骨を,4 %パラホルムアルデヒド(pH 7.4;和光工業)
50 mL 中で 24 時間浸漬固定した後,Sky SCAN 1174(Bruker Corporation,Billerica,
MA,USA)を用いてマイクロ CT 画像を撮影し,撮影した画像を付属の画像解
析ソフト(再構成ソフト:NRecon,三次元サーフェースレンダリングソフト:
CTVol,ともに Bruker)にて三次元構築し,頬側および口蓋側面観の観察を行っ
た。さらに,各個体の第 2 大臼歯の近遠心コンタクト間の連続した冠状断面 70
画像の頬側歯槽骨量を画像解析ソフト(数値解析ソフト:CTAn;Bruker)を用い
て測定した。各個体における対照側に対する被験側の歯槽骨量の割合を歯槽骨量
(%)とした。
組織学的解析
マイクロ CT 画像を撮影後に,上顎骨を 10 % ethylenediaminetetraacetic acid
(EDTA)
14
-2 ナトリウム溶液(片山化学,大阪)に 1 週間浸漬し,脱灰処理後に組
織包埋用パラフィンワックス(ティシュー・テックパラフィンワックス
Ⅱ60,サクラファインテックジャパン,東京)で包埋し,組織ブロック
を作製した。ミトクローム(HM335E,MICROM,横浜)にて作製した厚
さ 3 µm の歯周組織をコーティングアミノシランスライドガラス(松浪硝
子工業,東京)に載せ,脱パラフィン後に PBS で洗浄し,マイヤー・ヘ
マトキシリン(Abcam,Cambridge,United Kingdom)を滴下して 3 分間
反応させた後,PBS で洗浄した。さらに,超純水に溶解したエオジン Y
(和光工業)に酢酸(Sigma)を添加して作製した 10 %エオジン溶液に 1
分間浸漬して,ヘマトキシリン・エオジン染色(HE 染色)を行った。そ
の後,70%,90%,そして無水エタノール,さらにキシレンで脱水し,
O-Mount(GBI Labs,Bothell,USA)にて封入した。その後,光学顕微鏡
(DP70;OLYMPUS®)を用いて組織像を観察した。
蛍光免疫染色
免疫蛍光染色法は,特異的一次抗体と蛍光色素で標識した二次抗体を反応さ
せ,励起光を照射することによって検出した。すなわち,培養細胞は,8ウェル
15
チャンバースライド(Lab-Tek II Chamber Slide;Thermo Fisher Scientific
International Department,Rochester,NY,USA)上に播種し,4 %パラホルムア
ルデヒド(pH 7.4:和光工業,広島)で10分間浸漬固定した後,PBSで3回浸漬
洗浄した。歯周組織切片は,10 % Non-Immune Goat Serum(Invitrogen)にて30
分間ブロッキングを行った。0.5 M EDTA溶液(pH 8.0;Invitrogen)をPBSにて1 mM
に希釈した溶液に浸漬し,マイクロウェーブ(500 W,2450 Hz)を3分間照射し
抗原の賦活化を行った後,室温で徐冷した。
試料は,10 % Non-Immune Goat Serum(Invitrogen)にて 30 分間室温下にてブ
ロッキング後,一次抗体である抗ウシ HMGB1 ラビットポリクローナル抗体(1
mg/mL, pH 7.2;Shinotest)を PBS にて 1:100 の濃度に希釈して 4 ˚C で 24 時間反
応させた。次に,二次抗体である Alexa Fluor® 488 ゴート抗ラビット IgG 抗体(2
mg/mL, pH 7.5;Life Technologies)を polyoxyethylene (20) sorbitan monolaurate
(Tween 20;和光工業)添加 PBS にて 1:200 の濃度に希釈した後,室温で 30
分間反応させた。その後,VECTASHIELD® Mounting Medium with DAPI(Vector
Laboratories,Burlingame,CA,USA)を用いて核染色および封入し,蛍光顕微
鏡(DP70;OLYMPUS®,東京)を用いて局在を観察した。
16
統計処理
各実験系における統計解析は,3群間以上の差の検定にはone-way analysis of
variance(one-way ANOVA)を用い,さらに多重比較検定をTukey-Kramer testで
行った。2群間の差の検定には,Student's t-testを用いた。各々の統計処理には,
JMPソフトウェア(version 12.0,SAS,Cary,North Carolina,USA)を用いて検
定を行い,p<0.05を有意差ありと判定した。
17
結果
TNF-α および抗 HMGB1 抗体の細胞傷害性の検討
TNF-α は,今回用いたすべての濃度で,HGE に対する細胞傷害性を示さなかっ
た。しかし,THP-1 に対しては,
100 ng/mL の濃度で細胞傷害性を示した(p<0.05,
Student's t-test;図 1B)。
また,抗 HMGB1 抗体(#4-1)は,両細胞に対して 0〜50 µg/mL の濃度で細胞
傷害性を示さなかった。しかし,50 µg/mL では,非添加群に比較して HGE では
30 %,THP-1 では 20 %ほど吸光度が減少した。すなわち,細胞傷害性を示す傾
向があった(p<0.05,Student's t-test;図 1C)。
以上の結果から,TNF-α は 10 ng/mL を,抗 HMGB1 抗体は 10 µg/mL を,本
実験での使用濃度とした。
培養細胞における HMGB1 の動態
両細胞において,HMGB1 遺伝子は恒常的に発現しており,TNF-α 添加によ
り HGE では 2 時間後,THP-1 では 4 時間後に発現量が一過性に有意に増加し
18
た(p<0.05,Student's t-test;図 2 A)。分泌量は,TNF-α 添加後に経時的に増加
し,特に 24 時間および 48 時間後において,
両細胞とも有意に増加した(p<0.05,
Student's t-test;図 2 B)。なお,分泌量は HGE と比較して THP-1 の方が有意に
多かった。また,HMGB1 の局在は,TNF-α 無添加時には細胞質よりも核内に
存在し,TNF-α 添加により細胞質内の発現が強まった。(図 2 C)
歯周炎モデルマウスにおける抗 HMGB1 抗体の歯周炎抑制効果
歯周組織における HMGB1 局在は,健常群(healthy)の歯肉上皮の核内で
強く発現していたが,歯周炎群(control IgG)では核内の発現が著しく減弱し
ていた。歯周炎群でも抗 HMGB1 抗体投与群(mAb 10 μg および mAb 25 μg)
では,control IgG を投与した歯周炎群に比較して抗体濃度依存的に核内の発現
が強まる傾向があった(図 3B)。
歯周炎組織中のミエロペルオキシダーゼ活性を示す総発光量および最大発
光強度は,7 日目には上昇していたが 21 日目には約半減した。一方,抗 HMGB1
抗体投与群(mAb 10 μg および mAb 25 μg)でも,この傾向は同じであった。
ただし,control IgG を投与した歯周炎群に比べて減少しており,その効果は抗
19
体の濃度に依存的であった。(p<0.05,Tukey-Kramer test;図 4)。
歯槽骨量は,7 日目では 4 群間に歯槽骨量に差はなく,歯槽骨吸収は生じて
いなかった(データ未表示)。ところが 21 日目では,control IgG を投与した歯
周炎群で健常群(healthy)に比較して有意に歯槽骨量が減少した(p<0.01,
Tukey-Kramer test)。また,抗 HMGB1 抗体投与群(mAb 10 μg)でも同様に健
常群(healthy)よりも有意に歯槽骨量が減少したが(p<0.05,Tukey-Kramer test),
抗 HMGB1 抗体投与群では抗体濃度依存的に歯槽骨量が多い傾向を示し,抗
HMGB1 抗体投与群(mAb 25 μg)では control IgG を投与した歯周炎群に比べ
て歯槽骨量が有意に多かった(p<0.05,Tukey-Kramer test)(図 5)
。
培養細胞における抗 HMGB1 抗体によるサイトカイン産生抑制効果
抗体アレイを用いたサイトカインの網羅的半定量解析では,TNF-α 添加に
よって HGE では 26 種類,THP-1 では 19 種類のサイトカインの産生が促進され
た。そのうち,抗 HMGB1 抗体添加によって産生が抑制されたサイトカインは,
HGE では GM-CSF,tissue inhibitor of metalloproteinase(TIMP)-1,C-C motif ligand
(CCL)23,そして CCL24 であり,THP-1 では CCL1,Osteopontin,IL-1β,TNF-α,
20
そして IL-6 であった(図 6)。
これらのサイトカインのうち,歯周炎および骨吸収との関連 15-17,26-30)が報告
されている IL-1β,TNF-α,IL-6,そして GM-CSF について,細胞培養系での培
養上清中への産生量を測定した。HGE では,GM-CSF の産生量が TNF-α 添加に
よって有意に増加し,その増加は抗 HMGB1 抗体の添加によって有意に抑制さ
れた(図 7A)。一方 THP-1 では,IL-1β および TNF-α の産生量が TNF-α 添加に
よって有意に増加し,その増加は抗 HMGB1 抗体の添加によって有意に抑制さ
れた(図 7:B,C)。なお,IL-6 の産生量は抑制されなかった(図 7D)
。
21
考察
HMGB1 は,炎症メディエーターとしてサイトカインの産生を促進し,急性お
よび慢性の様々な炎症性疾患に関与する重要な分子である 3)。HMGB1 を阻害す
ることで炎症を制御できると考えられ,現在そのメカニズムの解明および治療
応用が多くの分野で検討されている 7-14)。本研究では,歯周炎における HMGB1
の役割を調べるために,抗 HMGB1 抗体の炎症抑制効果を in vitro および in vivo
において検討した。その結果,in vitro では複数のサイトカイン産生抑制効果が,
in vivo では炎症抑制効果が明らかとなった。
本研究では,炎症の初期メディエーターであり,HMGB1 誘導性を有する
TNF-α3 , 17 ) を培養細胞に対する炎症刺激とした。歯肉上皮細胞およびマクロ
ファージ様細胞に TNF-α を添加すると, HMGB1 の遺伝子が両細胞で一過性に
その発現量が増加した後,細胞質へ移行した(図 2:A,B)。そしてその後,細胞
外へ分泌された。また,分泌量は歯肉上皮細胞よりもマクロファージ様細胞の
方が多かった(図 2C)。さらに,歯周炎モデルマウスの歯肉上皮では健常組織
と比較して,HMGB1 の核内の局在が著しく減弱することが分かった(図 5)。
22
すなわち,免疫担当細胞に限らず様々な細胞が能動的に HMGB1 を分泌すると
いう近年の報告
3)
に一致して,歯周組織の炎症により歯肉上皮細胞およびマク
ロファージが HMGB1 を分泌することが分かった。
そこで,歯肉上皮細胞およびマクロファージから分泌された HMGB1 がサイ
トカインの産生を促進し歯周炎を惹起,遷延化させるという仮説のもと,歯周
炎モデルマウスに抗 HMGB1 抗体を投与し,歯周炎の抑制効果を調べた。モデ
ル作製開始から 7 日目の歯周組織では好中球などの貪食細胞が活性化し炎症が
生じたが,歯槽骨吸収は確認できなかった。21 日目では炎症は持続するものの
7 日目よりも減弱し,歯槽骨吸収が生じた。また抗 HMGB1 抗体を投与した歯周
炎モデルマウスでは,7 日目と 21 日目のいずれも抗体濃度依存的に炎症が抑制
された。さらに,21 日目のモデルマウスでは歯槽骨吸収が抑制された(図 3,4)。
この結果から,モデル作製開始から 7 日目では炎症が惹起され深部へ波及する
過程であり,21 日目では炎症が遷延化し歯周組織破壊が生じた状態と考えられ
る。また,HMGB1 は歯周炎の惹起および遷延化に関与し,歯槽骨吸収を促進す
ることが示唆された。歯周炎と同様に骨破壊を伴う慢性炎症性疾患である関節
リウマチでは,リウマチモデルマウスに核内 HMGB1 と強く結合する白金製剤
23
を投与し,HMGB1 の分泌を阻害すると骨破壊が抑制されることが報告されてい
る 25)。これは,HMGB1 阻害の機序は異なるものの,本研究で示唆された HMGB1
の骨吸収促進作用と一致する。
次に,炎症抑制のメカニズムを調べるために,再び培養細胞を用いてサイト
カイン産生量の変化を検討した。まず,TNF-α 添加により分泌されるサイトカ
インのうち,抗 HMGB1 抗体により産生が抑制されるサイトカインを網羅的に
解析した。そして,選出されたサイトカインのうち歯周炎 15-17)および骨吸収 26-30)
との関連が報告されている 4 種類のサイトカイン
(GM-CSF,IL-1β,TNF-α,IL-6)
の分泌量を ELISA 法にて定量した。その結果,歯肉上皮細胞では GM-CSF の産
生が抗 HMGB1 抗体により抑制された(図 7A)。GM-CSF は,顆粒球・マクロ
ファージの分化・活性化を促進するサイトカインであり,好中球減少症に対す
る GM-CSF 投与療法が臨床応用されていることから,特に顆粒球・マクロファー
ジ前駆細胞の好中球への分化・活性化に重要である
31)
。また,マクロファージ
様細胞では抗 HMGB1 抗体投与により IL-1β および TNF-α の産生が抑制された
(図 7:B-D)。IL-1β と TNF-α は Osteoclastogenic cytokines と呼ばれ,破骨細胞
の分化および活性化を促進する主要なサイトカインである 26)。TNF-α は破骨細
24
胞前駆細胞から破骨細胞への分化を促進し,IL-1β は破骨細胞前駆細胞から破骨
細胞への分化および破骨細胞を成熟破骨細胞へ活性化させることにより,骨芽
細胞の RANKL 発現を促進する 27-31)。この結果から,歯周組織の炎症により歯
肉上皮細胞およびマクロファージから分泌された HMGB1 はオートクリンとパ
ラクリンの両機序で作用し,それぞれの細胞によるサイトカイン産生を促進し,
炎症の亢進に作用すると考えられる。
さらに,抗 HMGB1 抗体を投与した歯周炎モデルマウスの歯周組織における
HMGB1 の局在を調べると,歯周炎群では歯肉上皮の核内に局在する HMGB1 が
減少した。抗 HMGB1 抗体投与群は,抗体濃度依存的に核内に局在する HMGB1
が増加し,健常に近い像を示した(図 5)。一方,HMGB1 が炎症刺激から 24 時
間以内に核内から細胞質へ移行し,細胞外に分泌されることが,in vitro での検
討から明らかとなった(図 2:A-C)。これらを合わせて考えると,21 日目の歯
周炎モデルマウスの歯周組織では,一旦炎症が惹起された後,炎症刺激により
生じる HMGB1 の核内から細胞質と細胞外への動態が維持されていると考えら
れる。しかし,分泌された HMGB1 を抗 HMGB1 抗体投与により阻害したマウ
スの歯周炎組織では,このような HMGB1 動態が維持されていなかった。すな
25
わち,炎症が惹起して 24 時間以内に分泌された HMGB1 がオートクリンとパラ
クリンの機序で作用し,さらなる HMGB1 の核内から核外,細胞外への移行を
促すことが示唆され,この作用により,HMGB1 は炎症を遷延化すると考えられ
る。
本研究から,HMGB1 は歯周炎の発症および進行に重要な炎症メディエーター
であり,オートクリンおよびパラクリンの機序でサイトカイン産生を促進する
ことによって,歯周炎の惹起と遷延化に関わることが分かった。すなわち,歯
周病原細菌が歯周組織に感染すると,細菌と最初に接する歯肉上皮から IL-8,
MCP-1 などのサイトカインが分泌され免疫応答が生じるが,これらのサイトカ
インに加え HMGB1 も免疫応答の一環として分泌される。歯肉上皮から分泌さ
れた HMGB1 は GM-CSF の産生を促進し,好中球をはじめとする免疫細胞を活
性化させ,歯周炎を惹起する。このような歯肉上皮の免疫反応を起点とした炎
症により,マクロファージが局所へ遊走し,様々なサイトカインを分泌して,
炎症を深部へ波及させる。また,マクロファージが分泌した HMGB1 は,IL-1β,
TNF-α の産生を促進し,破骨細胞の活性化を介して,歯槽骨吸収を促進すると
考えられる。さらに,この HMGB1 分泌の炎症サイクルの持続が,炎症の遷延
26
化に関与することが明らかとなった。
今後は,本研究で明らかとなった HMGB1 誘導性サイトカイン産生における
シグナル伝達経路を解明していく必要がある。また,サイトカイン産生に関す
る網羅的解析の結果から,抗 HMGB1 抗体は,本研究で着目したサイトカイン
以外にもいくつかのサイトカインとケモカインの産生を抑制あるいは促進する
可能性があった。すなわち,HMGB1 は複数のサイトカインとケモカインの産生
に関わることで,歯周炎の進行に対して多面的に作用する可能性がある。今後,
これらを明らかにすることで,複雑な自然免疫系制御機構を解明する一助とな
ると考える。
結論
HMGB1は,歯肉上皮細胞からGM-CSFの,マクロファージからのIL-1βおよび
TNF-αの分泌を促進し,歯周炎の惹起・遷延化に関与すると考えられる。
27
謝辞
稿を終えるにあたり,終始御懇篤なるご指導と御校閲を賜った岡山大学大学
院医歯薬学総合研究科病態制御科学専攻病態機構学講座歯周病態学分野の高柴
正悟教授に心から感謝致します。また,抗 HMGB1 抗体をご提供下さった岡山
大学大学院医歯薬学総合研究科生体制御科学専攻薬理学講座の西堀正洋教授,
in vivo 解析に関する御助言を賜りました岡山大学大学院医歯薬学総合研究科生
体制御科学専攻生体機能制御学講座分子医化学分野の大野充昭先生,様々な面
にわたり貴重な御助言と御協力を下さいました岡山大学病院歯周科の山本直史
講師,岡山大学大学院医歯薬学総合研究科病態制御科学専攻病態機構学講座歯
周病態学分野の山城圭介助教ならびに歯周病態学分野の諸先生に厚く御礼申し
上げます。
28
表題脚注
岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科 病態制御科学専攻 病態機構学講座
歯周病態学分野
(指導:高柴正悟教授)
本論文の一部は,以下の学会において発表した。

第 57 回日本歯周病学会秋季学術大会(2014 年 10 月,神戸)
29
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36
表 1.リアルタイム RT-PCR 法で用いたプライマー
標的遺伝子
GAPDH
HMGB1
プライマーの塩基配列
増幅産物(bp)
F:5’ -GAGTCAACGGATTTGGTCGT- 3’
185
R:5’ -GACAAGCTTCCCGTTCTCAG- 3’
F:5’ -ATATGGCAAAAGCGGACAAG - 3’
193
R:5’ -GCAACATCACCAATGGACAG- 3’
プライマー塩基配列および増幅産物を表に示す。F,Forward;R,Reverse
表 2.抗体アレイにスポットされた 80 種類のタンパク質
ENA-78
G-CSF
GM-CSF
CXCL1/2/3
CXCL1
CCL1
IL-1α
IL-1β
IL-2
IL-3
IL-4
IL-5
IL-6
IL-7
IL-8
IL-10
IL-12 p40/p70
IL-13
IL-15
INF-γ
MCP-1
MCP-2
MCP-3
CSF-1
MDC
MIG
MIP-1β
MIP-1δ
RANTES
SCF
SDF-1
TARC
TGF-β1
TNF-α
TNF-β
EGF
IGF-I
ANG
OSM
THPO
VEGF-A
PDGF-BB
LEPTIN
BDNF
BLC
CKβ8-1
CCL11
CCL24
CCL26
FGF4
FGF6
FGF7
FGF9
Flt-3LG
CX3CL1
GCP-2
GDNF
HGF
IGFPBP1
IGFBP2
IGFBP3
IGFBP4
IL-16
IP-10
LIF
LIGHT
MCP4
MIF
MIP-3α
NAP-2
NT-3
NT-4
OPN
OPG
PARC
PLGF
TGF-β2
TGF-β3
TIMP1
TIMP2
37
図の説明
図 1.TNF-α および抗 HMGB1 抗体の HGE および THP-1 への細胞傷害性
HMGB1 の構造と抗 HMGB1 抗体の結合部位を Kang. R ら 3)の報告を改変し
て示す(A)。HGE あるいは THP-1 の培養系に,TNF-α(B),抗 HMGB1 抗
体(C)をそれぞれ添加し,48 時間後の細胞傷害性を MTS 法によって測定
した。グラフは独立した 3 回の実験の平均値を示し,エラーバーは標準偏差
を示す。また,細胞傷害性の違いは,試薬無添加のものを基準にして,対応
のない 2 群間の Student's t-test を用いて検定した。*:p<0.05
図 2.TNF-α 刺激時の HGE および THP-1 における HMGB1 遺伝子とタンパク
質の発現
(A) HGE あるいは THP-1 の培養系に,TNF-α(10 ng/mL)を添加した後の
HMGB1 の mRNA 発現を real-time RT-PCR 法を用いて経時的に調べた。
(B) 上記条件下での各細胞による HMGB1 産生量の経時的な変化を ELISA 法
にて定量した。
38
(C) TNF-α 添加 6 時間後の HMGB1 の細胞内局在の変化を,蛍光免疫染色法
を用いて調べた。対照(上 2 段)と TNF-α 添加(下 2 段)において,そ
れぞれの上段は HMGB1(緑色),下段は HMGB1 と DAPI(青色)との
重ね合わせ像を示す。
(A)(B)のグラフは独立した 3 回の実験の平均値を示し,エラーバーは標準
偏差を示す。0 時間のものを基準にして,対応のない 2 群間の Student's t-test を
用いて検定した。*:p<0.05,**:p<0.01,スケールバー:10 µm,(C)の染色
像は,3 回の独立した培養−染色系の典型像を示す。
図 3.歯周炎モデルマウスの歯周組織における HMGB1 発現
(A) 歯周炎モデルマウス作製のプロトコルを示す。
Pg:P. gingivalis 菌液,mAb:抗 HMGB1 モノクローナル抗体 #10-22,
▼:マウスへの各試薬投与
(B)歯周炎モデル作製開始 21 日目のコントロール抗体投与マウス歯周組織の
H-E 像を示す。D:dentin,GE:gingival epithelium,CT:connective tissue,
A:alveolar bone,スケールバー:20 µm
39
(C)歯周炎モデルマウスの歯肉上皮(図 2B の GE)における HMGB1 の局在
を,蛍光免疫染色法を用いて調べた。各群の上段は HMGB1(緑色)
,下
段は HMGB1 と DAPI(青色)の重ね合わせ像の,3 回の独立した培養染色系の典型像を示す。mAb:抗 HMGB1 モノクローナル抗体#10-22
図 4.抗 HMGB1 抗体による歯周炎抑制効果の定量解析
歯周炎モデル作製開始 7 日目あるいは 21 日目の各抗体投与マウスに MPO 活
性を発光検出するプローブを投与し撮影した画像(A)の各群の典型像を示す。
撮影した画像から,総発光量(B),最大発光強度(C)を解析した。control IgG
投与群,抗 HMGB1 抗体 10 μg 投与群,抗 HMGB1 抗体 25 μg 投与群における
サンプル数は,7 日目のものはそれぞれ,4 匹,5 匹,4 匹であり,21 日目のも
のはすべて 4 匹である。エラーバーは標準偏差を示す。各群の炎症強度の違い
は,ANOVA / Tukey-Kramer test を用いて検定した。*:p<0.05
図 5.歯周炎モデルマウスにおける抗 HMGB1 抗体投与時の歯槽骨量の変化
歯周炎モデル作製開始 21 日目の健常群,control IgG,抗 HMGB1 抗体 10 μg お
40
よび抗 HMGB1 抗体 25 μg 投与歯周炎モデルマウスの上顎第 2 大臼歯頬側歯槽骨
をマイクロ CT にて撮影,解析ソフトを用いて測定した。各群のサンプル数はそ
れぞれ,3 匹,4 匹,3 匹,4 匹である。撮影画像は各群の典型像を示す(A)。
グラフは各群の歯槽骨量(%)の平均値を示し(B),エラーバーは標準偏差を
示す。各群の歯槽骨量の違いは,健常群の平均値を基準にして,ANOVA /
Tueky-Kramer test を用いて検定した。*:p<0.05,**:p<0.01
図 6.抗 HMGB1 抗体によって産生量が変化するサイトカインの網羅的解析
HGE あるいは THP-1 の培養系に,TNF-α および抗 HMGB1 抗体を添加し 48 時
間後の培養上清中のサイトカイン量を抗体アレイを用いて網羅的に調べた
(n=1)。control:無添加,TNF-α:TNF-α 添加,TNF-α + mAb:TNF-α および抗
HMGB1 抗体添加を示す。表は各サイトカインの蛍光強度(A)を,棒グラフは
抗 HMGB1 抗体添加によるサイトカイン産生量の変化率(B)を示す。
変化率(%)= (TNF-α + mAb / control)/( TNF-α / control)× 100
図 7.抗 HMGB1 抗体によって産生が抑制されるサイトカインの定量
41
網羅的解析において抗 HMGB1 抗体によって産生が抑制されたサイトカインを
ELISA 法にて定量した。HGE 培養上清中の GM-CSF(A),THP-1 培養上清中の
IL-1β(B),TNF-α(C),そして IL-6(D)のタンパク質量を示す。独立した 3
回の実験の平均値を示し,エラーバーは標準偏差を示し,各々のサイトカイン
産生量の違いは,ANOVA / Tukey-Kramer test を用いて検定した。*:p<0.05,**:
p<0.01
42
(A)
1
79
NH2
89
162
A box
B box
89
108
TLR binding domain
186
150
183
RAGE binding domain
149
160
mAb #4-1
binding domain
215
COOH
Acidic tail
198
215
mAb #10-22
binding domain
HGE
THP-1
2.0
2.0
1.5
1.5
MTS OD490
MTS OD490
(B)
1.0
0.5
0.0
0
0.1
1
10
*
1.0
0.5
0.0
100
0
0.1
HGE
1.5
1.5
図1 MTS OD490
MTS OD490
2.0
1.0
0.5
0
100
THP-1
2.0
0.0
10
TNF-α ( ng/ mL )
TNF-α ( ng/ mL )
(C)
1
1
5
10
抗HMGB1抗体 ( µg/ mL )
50
1.0
0.5
0.0
0
1
5
10
抗HMGB1抗体 ( µg/ mL )
50
HGE
Relative mRNA ratio
( HMGB1 / GAPDH )
*
2
*
*
*
1
1
0
120
3
3
2
(B)
THP-1
0h 2h 4h 6h 12h 24h
0
*
0h 2h
*
HMGB1 ( ng/mL )
(A)
4h 6h 12h 24h
**
HGEPp
80
**
60
40
**
** **
20
0
0h
2h
4h
6h 12h 24h 48h
THP-1
HGE
(C)
THP-1
100
TNF-α (10 ng/mL )
(-)
(+)
0h
図2 6h
0h
HMGB1 / DAPI
6h
(A)
Pg
mAb
Day 0
3
6
7
9
12
15
18
サンプル
回収
(B)
21
サンプル
回収
<観察部位>
GE
CT
D
healthy
HMGB1
Merge
図3 control IgG
A
mAb 10 μg
20μm
mAb 25 μg
control IgG
(A)
mAb 10 μg
mAb 25 μg
Day 7
Day 21
総発光量
(B)
1.50E+055
1.5×10
**
conrol IgG
mAb 10 μg
mAb 25 μg
*
Total Flux ( p/s )
*
1.00E+05
1.0×10
5
**
5.0×10
5.00E+04
4
0
0.00E+00
Day 7
Day 21
最大発光強度
(C)
*
図4 Max Radiance( p/s/cm2/sr )
3.00E+055
3.0×10
**
*
2.0×10
2.00E+05
**
5
*
1.0×10
1.00E+05
5
0
0.00E+00
Day 7
Day 21
(A)
healthy
control IgG
mAb 10 µg
mAb 25 µg 頬側
口蓋側
(B)
*
**
120
*
歯槽骨量(%)
(被験側 / 健常側 )
100
80
60
40
20
0
healthy
図5 control
IgG
mAb
10 µg
mAb
25 µg
HGE
(A)
タンパク質
Intensity
control
TNF-α
TNF-α+mAb
変化率
(%)
GM-CSF
441.5
2,938.1
1,354.4
- 53.9
TIMP1
294.0
838.7
468.6
- 44.1
CCL23
10.5
18.2
11.1
- 38.9
CCL24
9.0
19.9
12.9
- 35.3
IL-7
45.0
108.0
172.6
59.9
THP-1
タンパク質
CCL1
Intensity
control
TNF-α
4.0
209.4
9.3
- 95.5
Osteopontin
294.0
838.7
468.6
- 44.1
IL-1β
13.5
36.7
21.6
- 41.1
TNF-α
104.5
205.7
124.4
- 39.6
IL-6
94.5
159.9
103.7
- 35.1
GCP-2
- 0.5
10.6
29.0
173.0
4,778.5 13,282.9
25,555.8
92.4
CCL5
HGE
(B)
THP-1
200
150
150
100
100
50
50
0
0
-50
-50
-100
-100
-150
-150
変化率
%
200
図6 TNF-α+mAb
変化率
(%)
(A)
2
**
**
**
1
0.5
80
60
40
0
TNF-α
ー
ー
+
+
TNF-α
mAb
ー
+
ー
+
mAb
**
*
*
ー
ー
+
+
ー
+
ー
+
THP-1
(D)
THP-1
0.8
500
0.6
IL-6 ( ng/mL )
TNF-α ( ng/mL )
*
20
0
0.4
0.2
*
*
400
300
200
100
0
0
TNF-α
ー
ー
+
mAb
ー
+
ー
図7 **
100
1.5
(C)
THP-1
120
IL-1β ( pg/mL)
GM-CSF ( ng/mL )
(B)
HGE
+
TNF-α
ー
ー
+
+
+
mAb
ー
+
ー
+
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