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第628号 - 山形県医師会
Title:000-表紙HP.ec6 Page:1 Date: 2003/12/29 Mon 11:49:46 平成 15 年 12 月 10 日発行 昭和 27 年8月 21 日第3種郵便物認可〔山形県医師会会報〕 第628号 表 紙 写 真 『布 施 柿』 鶴 岡 市 斎 藤 寿 一 冠雪した鳥海山を遠望する柿畑で撮影しました。 「布施柿」とは柿の収穫に際し、その恵みに感謝しわずかな個数を取り残しておくものです。 昔からの農民のやさしさでしょうか。 生涯教育のお知らせ 開催日時及び場所 1月9日(金) 18:45 ∼ 20:30 山形市 主な演題及び講師 「網膜動脈硬化性変化の臨床的意義 ∼高血圧性網膜症は心血管系のリスク層別化に有用か?∼」 取得単位 日医生涯教育 会の名称及び主催者又は連絡先 第9回山形眼科先進医療研究会 3単位 藤沢薬品工業株式会社 メルボルン大学眼科助教授 Tien Yin Wong 023-641-8221 稲田 ホテルキャッスル 【参加費 5百円】 1月 16 日(金) 18:30 ∼ 20:30 山形市 オーヌマホテル 「SIRS から MOF へ(炎症から臓器障害へ)」 (ALI) 、 播種性血管内凝固症候群 (DIC) を中心に− −急性肺障害 日医生涯教育 消化器病セミナー in 山形 2004 3単位 小野薬品工業株式会社 産業医科大学第一外科講師 岡本 好司 023-624-4591 江崎 「急性膵炎 診療のあり方」 東北大学大学院医学系研究科外科病態学講座 消化器外科学分野教授 松野 正紀 1月 23 日(金) 18:30 ∼ 21:00 山形市 ホテルメトロポリタン山形 「小児呼吸器感染症の最近の知見とその対策」 弘前大学医学部附属病院小児科講師 田中 完 日医生涯教育 第 385 回山形地方小児科集談会 3単位 日本小児科学学会 認定医制度 2単位 アボットジャパン株式会社 023-641-0333 岸 開催日時及び場所 1月 24 日(土) 主な演題及び講師 取得単位 「塩酸アンブロキソール、肺サーファクタントの抗ウイルス効果 16:00 ∼ とインフルエンザ脳症発症感受性についての研究」 山形市 日医生涯教育 1月 27 日(火) 日本ベーリンガーインゲルハイム(株) 023-631-7549 沼里 酸素分子化学部門教授 木戸 博 「自賠責保険制度と治療費の請求について」 18:30 ∼ 20:30 損害保険料率算出機構 山形市 日医生涯教育 日医自賠責保険研修会 5単位 山形県医師会 山形自賠責損害調査事務所長 中嶋 慶昭 ホテルメトロポリタン山形 第二回蔵王呼吸器フォーラム 3単位 徳島大学分子酸素学研究センター 山形グランドホテル 会の名称及び主催者又は連絡先 023-631-4350 大泉 「骨折の治療について」(仮題) 山形市立病院済生館第二診療部 整形外科医長兼科長 増田 啓治 がんネットTVカンファレンス 開催日時及びテーマ(担当) 会 場 取得単位 1月 22 日(木) 16:30 ∼ 18:00 メディカルカンファレンス 緩和ケアに関する緩和ケアチームの役割と施設連携(中央) 山形県立がん・生活 1月 29 日(木) 16:30 ∼ 18:00 前立腺生検法の現状(山形) 会の名称及び申込先 習慣病センター 日医生涯教育 3単位 県立がん・生活習慣病センター 023-685-2626 内線 3328 3329 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 1 目 次 生涯教育のお知らせ がんネットTVカンファレンス お知らせ 「産業保健関係者に対するウイルス肝炎・エイズ対策講習会」のご案内…………………………… 2 皮膚真菌症予防について………………………………………………………………………………… 3 平成15年度東京都医師会産業医前期研修会…………………………………………………………… 4 予防接種(一類疾病)実施要領等の改正について…………………………………………………… 5 表 彰 文部科学大臣表彰 市村 恕 先生……………………………………………………………… 6 厚生労働大臣表彰 星 先生……………………………………………………………… 6 勤務医のページ 「一勤務医の医師会に対する要望とささやかな提言」……公立置賜南陽病院 院長 新澤 陽英… 7 郡市地区医師会コーナー 「寒河江西村山地域のゴルフ事情」 SNMG(寒河江・西村山メディカルゴルフ)の記録から知り得たこと …………………………………………寒河江市西村山郡医師会理事 佐藤 洋一… 9 寄 稿 カレンダー………………………………………………………………………山形市 武田 和夫… 12 山形百山(東黒森山) ………………………………………………………… 山形市 武田 昌孝… 13 久し振りのドイツ語……………………………………………………………白鷹町 新野 晃敏… 14 学 術 当院における腸管感染症の変遷−小児例を中心に− 第10報:ウイルス性腸炎−SRSV感染症の臨床像− ………………………………………鶴岡市立荘内病院小児科 長谷川博也 ほか… 16 筆 硯 狩猟解禁日に思うこと………………………………………山形県医師会常任理事 須藤 俊亮… 20 県医師会だより 第8回常任理事会………………………………………………………………………………………… 22 第8回全理事会…………………………………………………………………………………………… 30 地域保健医療委員会……………………………………………………………………………………… 37 知事と県医師会との懇談会……………………………………………………………………………… 39 第19回山形県医家美術展……………………………………………………………………………… 57 県医日誌…………………………………………………………………………………………………… 61 会員異動…………………………………………………………………………………………………… 63 編集後記…………………………………………………………………………………………………………… 64 〔ホームページ〕http://www.yamagata.med.or.jp/ 〔Eメール〕[email protected] 2 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 「産業保健関係者に対するウイルス肝炎・エイズ対策講習会」のご案内 「産 産業 業保 保健 健関 関係 係者 者に に対 対す する るウ ウイ イル ルス ス肝 肝炎 炎・ ・エ エイ イズ ズ対 対策 策講 講習 習会 会」 」の のご ご案 案内 内 「 (財)産業医学振興財団が主催し、産業医、 参加費 無料 保健師等の産業保健関係者、企業の衛生管理 なお、この講習会は日本医師会認定産業医 者及び人事労務担当者を対象に、 「産業保健関 係者に対するウイルス肝炎・エイズ対策講習 制度における指定研修会として申請中です (生涯研修(専門研修)3単位)。 会」が下記の通り開催されますので、お知ら せ致します。 対 象 申込方法等詳細については産業医学振興財 産業医・保健師等産業保健関係者及び企業 団または本会事務局にお問い合わせ下さい。 の衛生管理者・人事労務担当者等 開催日・会場 定 員 各会場100名程度 仙 台 会 場 平成16年3月11日(木) 三井アーバンホテル仙台 東 京 会 場 平成16年2月26日(木) 都市センターホテル 名古屋会場 平成16年2月12日(木) ホテルキャスルプラザ 大 阪 会 場 平成16年3月18日(木) 三井アーバンホテル大阪 福 岡 会 場 平成16年2月5日(木) ホテルニューオータニ博多 講習時間・内容(14:00∼17:20) ◎職場におけるウイルス肝炎対策 (−B型・C型肝炎の正しい理解と対処のために−) ◎職場におけるエイズ対策 (エイズ教育と産業医の役割・職場におけ るエイズ対策事例検討) お申込み・お問合せ先 財団法人 産業医学振興財団 〒107-0052 東京都港区赤坂2−5−1 東邦ビル3階 TEL 03-3584-5421 FAX 03-3584-5424 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 3 皮膚真菌 菌症 予 予防 に につ つい いて て 最 近 日 本 に お い て もTrichophyton 者が危険な感染源となります。本県では14年 tonsurans(トリコフィトン・トンズランス) 夏からの柔道部の生徒に感染し、皮膚科の治 という新しい白癬菌が、外国から持ち込まれ 療を受けております。 体部白癬、頭部白癬になる人が増えています。 県教育委員会では、感染力が強いことから、 この菌は感染力が強く、疥癬、ケジラミ、と 今後柔道部員のみならず、児童生徒に感染の びひ、ヘルペス、水イボなどと同じように家 恐れがあると考え、各小中高等学校への予防 族・友人にうつったり、一度感染すると治り の通知を出しました。 にくいので注意が必要です。特に頭に全く症 各学校での健康管理においては、下記の写 状がないのに、多数の菌が寄生している保菌 しを添付して周知しています 柔道選手の皮膚真菌症 ブラシ検査・治療・予防のガイドラインより抜粋 どんな病気なのですか? 水虫菌(白癬菌)は、ヒトの角質層(アカ) ・毛・爪などに含まれるケ ラチンという蛋白を食べて生活しています。足の皮膚に菌が寄生すると 水虫(足白癬)、爪に寄生すると爪水虫(爪白癬) 、からだの皮膚に付く とタムシ(体部白癬)、股の皮膚に付くとインキンタムシ(股部白癬)、 頭髪の毛の中に菌が入るとシラクモ(頭部白癬)になります。 この菌はT.tonsurans という水虫菌で、南北アメリカやヨーロッパでは 頭部白癬の主な原因菌です。日本では、最近まで本菌が分離されること はまれでしたが、2001年頃から全国の柔道部員やレスリング部員に白癬 の集団発生が見られるようになりました。 この菌は感染力が強く家族・友人にうつったり、一度感染すると非常 に治りにくいので注意が必要です。 この菌にはゼニタムシ(体部白癬)とシラクモ(頭部白癬)の2種類 あります。最初はあまり目立たず、見逃されていることが多いのですが、 次のような症状があります。 ① 体部白癬…発疹は、柔道着ですれる顔、首、上半身に単発あるい は複数認め、直径1∼2cmの小さなものが多く、かさかさしたピン ク色の斑で、よく見ると、中央部は治癒して環状になります。 ② 頭部白癬…ふけやかさぶたが少しできる程度の症状の軽いものが 多いのですが、ひどい場合は、頭皮が盛り上がり、膿みが出て、脱 毛を生じます。 治療せずに半年ほど放置すると、自然に症状が全くなくなりますが、 菌は毛穴の中に隠れて、保菌者になってしまいます。この場合は、治り 難く、部員間、家族間での感染源になります(無症候性キャリヤー) 。 特に②の頭部白癬はブラシ検査によって培養検査し、陽性の場合は専 門医の処方による内服治療が必要です。 この菌は人間の皮膚の角質層 (ア カ) 、毛、爪の中でしか生きることができません。病変部を治療すること が一番大切です。 治療はどのようにすればよいのですか? この菌は、一度、皮膚・毛に取り付くと、簡単には治らず、保菌者に なってしまうことがあります。根気よく検査と治療を受けてください。 …体部白癬(タムシ)の場合… 早期にきちんと治しておくことが大切です。放置すると、菌が頭髪の 中に入ってしまいます。 ■ 正しい診断を受けること 診察時には医師に「柔道をやっているので、タムシかどうか調べて 欲しい」と言ってください。症状が普通のタムシと違うので、専門医 でも誤診することが多いのです。誤診されてステロイド剤を処方され るとさらに重症化します。 ■ 市販薬を使用する場合 症状が間違いないと自分で考えられ、病院へ行く時間のない場合 は、以下の市販薬を使用してください。診断が間違っていなければ よく効きます。 ダマリンエース・クリーム(大正製薬) ブラナロック・クリーム(久光製薬) スコルバダッシュ・クリーム(武田薬品) ラマストンMX・クリーム(佐藤製薬) アトラントエース・クリーム(エスエス製薬) 1日2回、広めに薄くのばして、1カ月間塗ってください。1週 間くらいで症状は消失しますが、途中でやめないで1カ月間塗って ください。途中でやめると必ず再発します。薬の代金が高いので、 本当は病院での受診をお勧めします。 外用抗真菌剤は、1∼3%くらいの割合でかぶれの副作用がありま すので、外用して、かえって元の症状より悪化する場合は、医師の診 察を受けてください。 外用剤の効果が遅い、再発するなどの場合は、病院で受診して内 服薬を1週間処方してもらってください。患部は、石鹸でよく洗っ て清潔に保ってください。爪は短く切り、患部を掻かないようにし てください。 …頭部白癬の場合… ■ブラシ検査を受ける 最近ふけが増えた、頭がかゆい、部分的にかさぶたが出るという 人は、ヘアブラシによる検査が必要です。検査希望と記入して、申 込み用紙に記入して、ご郵送ください。 ■菌陽性の場合は、内服治療が必要 検査の結果により陽性の人はお近くの皮膚科で受診し、専門医の 指示に従ってください。 ① 菌の量の少ない人(ブラシ検査で4集落以下)は、抗真菌剤入 りのフルフルシャンプー(持田製薬・大きな薬局マツモトキヨシ などで市販、リンスは無効)を、1日おきくらいの頻度で、3カ 月間使用してください。 ② 菌の量の多い人(ブラシ検査で5集落以上)の人は、内服治 療を受けてください。 イトリゾールの場合 100mg/日を6週間、または 200mg/日を1週間飲んで3週間休薬して、5週目にも う一度1週間 ラミノール錠の場合 125mg/日を6週間、または 4錠(500mg)/日を1週間(朝食後2錠、夕食後2錠、 胃が荒れた時は、2∼3日休薬してください) 体重60∼70kgあたりのおおよその目安です。症状の程度に よって内服期間は変わります。パルス投与で2回内服すれば、 十分と考えます。菌が消えたかどうか数カ月後にブラシ検査を 受けましょう。 柔道部内では、全員で検査・治療しないと、意味がありません。 4 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 平成15年度東京都医師会産業医前期研修会 平 平成1 15 5年 年度東 東京都医 医師 師会 会産 産業 業医 医前 前期 期研 研修 修会 会 今般、東京都医師会より、下記のとおり産業医前期研修会の開催案内がありましたので、お知 らせいたします。 1.日 時 平 成16年3月13日(土) 13時00分 ∼19時20 分 3月14日(日)9時00分 ∼18時15 分 道府県医師会員 50名 非医師会員 50名 8.研修単位 基礎研修[前期研修14単位] (既に「認定産業医」として登録されている 医師は、この研修を受講しても研修単位と はなりません。) 2.会 場 日本医師会館・大講堂 文京区本駒込2-28-16 TEL03-3946-2121 9.受 講 料 東京都医師会員 1名 3.主 催 東京都医師会 10,000円(資料代を含む) 道府県医師会員 1名 4.受講資格 20,000円(資料代を含む) 産業医を希望する医師、 及び現在産業医とし 非医師会員 1名 て活動しているが産業医研修は未修了の医師。 30,000円(資料代を含む) (なお、受講料は当日欠席されても返金はい 5.受付期間 たしません。) 平成16年1月13日(火)から2月13日(金)まで 10.産業医学研修手帳 6.申込方法 受講票の提出により出欠の確認を行い、研 道府県医師会員及び非医師会員は、受付期 修会受講後に前期研修14単位の修了印を押 間内に東京都医師会へ、①研修会申込書・② 印しますので必ずご持参ください。 (産業医学 受講料[道府県医師会員2万円、非医師会員 研修手帳をお持ちでない方は、あらかじめ勤 3万円]・③返信用封筒(返信先を明記、80 務地の都道府県医師会へお問い合わせくださ 円切手添付)の3点を、現金書留にて送付ま い。この手帳により日本医師会「認定産業医」 たは直接持参にてお申込ください。後日、東 新規申請のための単位取得が記録されます。) 京都医師会より受講票をお送りいたしまので、 研修会当日は必ずご持参ください。 (受講票の送付は2月27日頃の予定です。 ) 11.申込先(問い合わせ先) 〒101-8328 東京都千代田区神田駿河台2-5 7.募集定員 440名 東京都医師会員 340名 東京都医師会 地域保健課 TEL 03-3294-8821 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 5 予 予防接種(一類疾病)実施要領等の改正について 予防接 接種(一 一類疾病) )実 実施 施要 要領 領等 等の の改 改正 正に につ つい いて て 予防接種(一類疾病)実施要領等が、平成 小委員会)」に基づき、麻しんの予防接種の標 16年1月1日より改正されることになった 準接種年齢を「生後12月から生後24カ月」と 旨、日本医師会を通じ連絡がありましたので していたところを「生後12月から生後15月」 お知らせいたします。主な変更点は下記のと に変更したこと。 おりです。 記 4.個別接種における保護者の同伴 平成11年7月にとりまとめられた「予防接 1.実施計画の策定について 種問題検討小委員会報告書」に基づき、小学 「1歳6カ月児健康診査、3歳児健康診査 生以下については、保護者の同伴が原則であ において接種歴を確認」としていたところを、 ることを明記した上で、中学生について、保 文部科学省と協議した結果、 「就学時健康診断 護者が同伴しない場合の個別接種を条件付き 等」を加えたこと。 で認めることとしたこと。 なお、保護者が同伴しない場合は、保護者 2.実施要領の名称変更 のサイン欄には、事前に保護者がサインをす インフルエンザについては、別途、インフ るとともに、予診後、被接種者本人のサイン ルエンザ予防接種実施要領が策定されている も併せて記入することとする。 ことから、「予防接種(一類疾病)実施要領」 と名称を変更したこと。 5.予診票の保管について 予診票の保存期間を5年間と設定したこと。 3.麻しんの予防接種の標準接種年齢 平成15年3月にとりまとめられた「今後の ポリオ及び麻しんの予防接種に関する提言 (ポリオ及び麻しんの予防接種に関する検討 6 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 表 彰 市村 恕 先生 文部科学大臣表彰に輝く 市村 恕先生(北村山地区医師会員)は、永年に亘る学 校保健活動並びに保健行政に貢献された功績が認められ、 去る11月6日、文部科学大臣より表彰されました。 まことにおめでとうございます。 星 先生 厚生労働大臣表彰に輝く 星 先生(山形市医師会員)は、永年に亘る生活保護 行政の運営に貢献された功績が認められ、去る11月11日、 厚生労働大臣より表彰されました。 まことにおめでとうございます。 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 7 一勤務医の医師会に対する要望とささやかな提言 公立置賜南陽病院 院長 新 澤 陽 英 以前に拙文を本欄に載せさせていただきま し、我々勤務医の大半は医師会費が個人負担 したが、この度、私の勤務する公立置賜南陽 であること、そして税控除を受けられません。 病院に執筆依頼があったため、小生が再び寄 さらに、開業の先生方は学会出張費や、書籍 稿致すこととなりました。 代そして自家用車など日常生活に私的に使う さて、過去の本欄への寄稿文をめくります ものまで診療に必要な経費として、税控除さ と、勤務医の医師会に対する要望とか近況報 れ得るのに対し、私ども勤務医はこのような 告的内容が多いように感じます。私も先例に 恩恵は受けられません。過去に医師会でこの 漏れず本稿では先ず勤務医としての医師会に ことを取り上げてくれるようにお願いしまし 対する要望を述べさせていただきます。 たが、実現しませんでした。医師会はこのこ 医師になる前は弁護士が全員弁護士会員で とについて強い関心を持っていただきたいと あるように、医師は必然的に医師会員なるも 思います。 のと思っておりました。ところが、医師免許 さて、今まで述べてきたこととは別に勤務 を取得して勤務医になってみると、周りに医 医にとってあるいは地域医療にとって重大な 師会に入るように勧める先輩はなく、また医 問題について述べさせていただきたいと思い 師会に入ならければならない必然性がなかっ ます。病院で相変わらず医師不足に悩んでい たことなどから、医師会に入りそびれてし ます。これは山形県に限ったことではありま まった次第です。その後国保の審査員を委嘱 せん。医師がしなければならない難易度の高 されたため、医師会入会の必然性が生じ入会 い検査手技や、高度な治療法が時代と共に多 致しました。 くなっております。医師不足のため勤務医一 医師会員になってみますと、勤務医がなぜ 人がこなさなければならないこれらの難易度 医師会に入会しないかを改めて認識した次第 の高い検査、治療が多くなり、かなりの負担 です。それは医師会員になっても勤務医に となっております。一歩間違うと医療ミスを とってメリットが少ないからであります。ま 起こしかねないものも多くあります。さらに た、勤務医と開業医との間にある税制の不平 最近は患者さんの医師特に勤務医を見る眼が 等さもあります。勤務医の医師会費は安く設 以前よりはるかに厳しい状況にあります。検 定されているとはいえ、開業の先生方は医師 査や治療を行う際に患者さん本人と患者さん 会費が経費で処理ないし税控除されるのに対 の家族に綿密な説明をした上で同意を取り、 8 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 その後の結果説明にもかなりの時間を費やさ これは医師会の存在を脅かす危険なものと思 なければならないため、医師の労働が過重を われます。マスコミは素晴らしい日本の医療 極めております。このことを象徴するように 制度にはふれず、また欧米の医療制度に大き 医師の過労死のニュースが報じられています。 な欠陥があることを無視し、アメリカの医療 医師会は勤務医不足を解消するために積極 を美化し、日本の医療に対する批判に狂奔し 的な行動をとっていただきたいと願ってお ているように感じられます。 ります。 このような時代にあって勤務医としてでな 医師会員の中で勤務医の占める割合は決し く、医師会員として医師会へ提言したいと思 て少なくありません。従って、医師会活動に います。医師会は公益的性格を持つ法人です おける勤務医会員の怠慢も責められるべきも から、郡市医師会レベルで市民公開講座など のと思われます。勤務医会員も自分達の生活 を主催し、地域住民に身近な医師会をアピー を良くし、日本の医療を良くするため医師会 ルしつつ、日本の医療制度の素晴らしさにつ に対し、創造的発言を積極的にしていくべき いての啓蒙活動を積極的に行っていってはど ものと考えます。 うでしょうか。そうすれば医師会は地域住民 政府は病院経営に株式会社の参入を図って のさらなる共感を得られ、社会における医師 いるとのことですが、これは私があえて述べ 会の発言権がもっと強固になるものと思われ るまでもなく、クリントン前大統領夫人がア ます。そしてこのような活動が、世界に冠た メリカに取り入れようとした日本の国民皆保 る日本の医療制度を守ることにつながってい 険をなし崩しにし、世界に誇るべき医療制度 くのではないでしょうか。 を破壊する象徴とも言えるでしょう。さらに 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 9 「寒河江西村山地域のゴルフ事情」 SNMG(寒河江・西村山メディカルゴルフ)の記録から知り得たこと 寒河江市西村山郡医師会理事 佐 藤 洋 一 9月末の当医師会理事会の席上、山形県医 西村山メディカルゴルフ)であった。私のデ 師会会報の郡市地区医師会コーナーへ投稿す ビュー戦は、8月8日、東蔵王GCでの第35回 るように言われた。順番では私のようで断れ SNMGコンペで、 ハンディ 15の自己申告で参 無い。締め切りは11月末日までにと言うこと 加し、あえなくブービー(16位)に終わった。 なので、了承はしたものの、困ったことに この時、寒河江市立病院院長の故石川誠先生 「ネタ」が無いのである。人に自慢できるよう と同じパーティーであった。残念ながら先生 な趣味がある訳ではないし、楽しみといえば のSNMGのコンペ参加は最初で最後となっ 診療後のテレビを見ながら酒を飲むぐらいの た。因みに、私が優勝するまで苦節(?)7 ものだ。特にグルメ番組や料理番組を見なが 年を要した。それまでに2回、1位タイが ら、さぞかし食べたら旨いのだろうとイメー あったが年齢順で準優勝となっていた。 ジしつつ、酒の種類を変えながら一人楽しん ところで、何故この様に当時のことが詳し でいる。平成3年7月、東京から生地の西川 く分かるかは、私の手元にある「SNMGコン 町の海味で開業してから、体重だけは順調 ペ記録」なる貴重な資料があるからだ。B5 (?)に増えた。最近、 これでは健康に悪いと、 版の用紙をファイルしたもので、第1回(昭 通販でコンビのエアロバイクを購入したが、 和51年8月)から第93回(平成15年11月) なかなか跨ろうとしない。今までにスキー、 までの記録がある。 野球、テニス等をやったが皆止めてしまい、 巻頭には以下のことが記載されている。 続いているのは25年来のゴルフだけである。 「寒河江・西村山メディカルゴルフは、昭和 大学病院の医局時代は関東一円あちこちと 51年に発足し13年になりました。その足跡は ゴルフに出かけ100以上のコースを回った。 菅野節夫先生のメモに始まる一冊の記録ノー 思い起こせば、ゴルフを始めて3年位の時、 トがあります。コンペの幹事が記録したノー 学会を一日サボっての名門、大利根CCでの トです。平成元年4月9日の第26回SNMGコ 38,40の78がいまだにベストスコアである。 ンペに優勝した小生が、この記録を興味深く しかし、最近では体重と同じくらいのスコア 読みかえし、この辺で1度整理してみたいと である。目標72kg。パー 72を目指し、車の 思いました。1冊目のノートもそろそろ終頁 ナンバープレートも72にしてみたのだが。 に来ていることもあります。出来るだけ記録 開業まもなく、地元医師会のゴルフ仲間に 通りに、また判り易くプリントしたつもりで 入るように誘われた。それがSNMG (寒河江・ す。さし込みのコンペの案内、領収書等は省 10 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 略し、コンペの日時、ゴルフ場、コンペの成 ンダーハンディで行う。最後のブラッサムGC 績を見易くしたつもりです。コンペ成績以外 はダブルペリアで行い、当日の夕方寒河江市 何の記録のない頁もありますので、特に思い 内で「球納会」を行っている。また、昭和63 出のある先生方が原稿をお書きになってより 年からは歯科医師会、薬剤師会との三師会ゴ 充実した小冊子に50回大会後にでも企画し ルフコンペも年1回開催されるようになった。 ては如何でしょうか。 また近年、県医師会のゴルフコンペが地元ブ 余白の多いプリントですが、そんな所に原 ラッサムGCで開催されているので多くの会 稿を戴ければ幸いと存じます。優勝の感激、 員の参加を呼びかけている。 宴会の思い出、二次会の楽しい語り合い、ま 初代会長には池田先生が就任し平成12年 た失敗談等々お知らせください。 まで続けられ、現在は秋葉知先生に代わられ コンペを重ねるに従っていろいろと約束事 た。幹事は優勝、準優賞者が次回幹事を務め があるようです。出来るだけ忠実に整理した るということになっていたが、慣れないと大 つもりです。もし、間違い、誤字その他お気 変だとの事から平成11年から私が常任幹事 づきの事もお知らせください。宜しくお願い として努めている。年間予約、 名簿・ハンディ します。平成元年7月 横山徹記 」 の管理、賞品の手配、会報の発行・整理、会 これは正に全文である。私には抜粋するこ 計等々殆ど一人でやっている。1回のコンペ とは出来なかった。なぜなら、2頁には発会 で、参加案内、組み合わせ案内、結果報告と 式の様子、3頁からは第1回から26回まで、 3回会報を送る。最近では、優勝カップ授与 SNMGのコンペの結果等に関して41頁に亘 のカラー写真を掲載したら好評である。会費 り実に几帳面に記載されているからだ。さら は月々 3,000円で銀行引き落とし。賞品は優 に、ハンディキャップの変遷、歴代優勝者、 勝から参加賞まで全て米沢牛で順位に従い肉 準優勝者の一覧表がB4版で付いているのだ。 のグラム数が減り、参加賞はおおよそ5,000 横山徹先生には大変な労力を費やしたであろ 円と決めている。コンペの夜はすき焼きか、 うと感服しました。 焼き肉ということになる。他にニアピン4ヶ、 第1回SNMGコンペは昭和51年8月29日 ドラコン2ヶ、セカンドニアピン、サードニ 天童CCで行われた。コンペ形式でゴルフを楽 アピン、Xニアピンのアトラクション。大波、 しむことを目的に、6名が参加し、初代優勝 水平、平和賞。それぞれ3,000円程度のお菓 者は武田雅身先生、準優勝は齊藤浩司先生、 子か食料品。ベスグロ賞、優勝カップレプリ 以下、北條昌知先生、渡辺徳夫先生、菅野節 カ等々、賞品の内容が濃いこともSNMGの自 夫先生、池田正敏先生と記載されている。 慢である。手に持ちきれないほどの賞品を頂 当初は年1,2回コンペを開催していたよう くこともあれば、参加賞のみで家族から「こ だが昭和61年からは年3回、ゲストとして、 れだけ?・・・」等とがっかりされることも。 プロパーやスナックのママさん等も参加して 現在の会員数は、先日寒河江市立病院の原 いたようだ。現在では年5回開催し、東蔵王 先生がお亡くなり29名で、最高齢は大正4年 GC、天童CC、山形GC、蔵王CCの順番でア 生まれ88歳の門間正治先生です。門間先生は 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 11 練習に励み、飛距離も十分である。ある先生 からはクラスを分けた方が良いのではないか との話もある程だ。この他にもシングルクラ スの実力者や「飛ばし屋」が多い。私が知る 限りホールインワン達成者は4名。前会長の 池田先生、現会長の秋葉先生、武田雅身先生 ,齋藤浩司先生、何れもゴルフに熱心な先生ば 03.11.9 93回SNMGコンペ。スタート前。 一番太いのが小生。ブラッサムGCにて。 かりだ。滅多にいないアルバトロスの達成者 本当に元気で、はつらつとしたプレーには心 くを見つめるあまり、やたらと道具にこだわ より敬服します。またSNMGの花は、板坂美 る方が多いです。今回、会員一人一人のプロ 代子先生です。毎日何かと忙しく大変で、今 フィールを書いても良いのですが、口煩い先 年の参加は一回のみでした。 生も少なからず居られますので別の機会にし 会員の所属するゴルフクラブは東蔵王GC たいと思います。 が15名、ブラッサムGCが14名、蔵王CCと山 コンペでの優勝も大きな目標ですが、親し 形GCが8名、天童CCが7名、最上川GPが5 い仲間と元気で楽しく、ゴルフを続けられた 名、スプリングスCC4名、さくらんぼCCが ら良いと誰しもが思う。まさに会員全員、門 3名、表蔵王が2名、その他となっている。 間先生が目標です。第100回記念コンペは盛 SNMGではルールは勿論、マナーにもうるさ 大にやるべく思案中である。また、他の医師 く、当然ノータッチである。年間で毎回参加 会との対抗戦なども考えています。その節は する方は5名程度、1、2回の参加や、魚釣 どうぞ宜しくお願いいたします。 は横山彰夫先生です。会員の中には、遙か遠 りに夢中でここのところぜんぜん参加してい ない方など色々です。しかし、会費はしっか り頂いています。コンペは毎回4、5組で 行っています。去年の最終コンペを11月10日 に予定したところ前夜からの降雪でクローズ ドになり「球納会」の席上、 順位はくじ引き、 ア トラクションの賞品はビンゴゲームでといっ たこともありました。全く幹事泣かせでした。 今期5回のコンペでの優勝は、平野順治先 生2勝(こ の 内1回 は35,37の72の パ ー プ レーでとうとうハンディキャップ0となっ た)、住谷豊先生は初優勝も含め2勝、武田隆 先生1勝であった。人数からして4年に1回 優勝できれば良いのだが、この方々は、日々 03.4.13 89回SNMGコンペ。賞品授与式。 左から渡辺医師会長、住谷先生(初優勝)、秋葉会長、 平野先生。 東蔵王GCにて 12 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 カ レ ン ダ ー 山形市 武 田 和 夫 11月半ばなのに気の早い出入りの業者は 航空会社や旅行社のカレンダーは、各地の カレンダーを持ってきた。 きれいな景色や珍しい風物が普通である。ま カレンダーを「日めくり」 「一枚もの」など た保険会社などでは国宝の仏様や茶道具の写 に形で分類することもできるが、数字だけで 真もある、電器やさんや自動車やさんの可愛 余白にメモが書き込める事務的なものと、暦 い動物や子供の写真も人気がある。これらの 機能から離れて美しい景色や、泰西名画など 「いやし系」のカレンダーは、くつろぎの自宅 の絵を楽しむものにも分類できよう。 居間用となる。勿論来月の予定などを書き込 毎日一枚ずつ捲るのには面倒だし、剥がし むことはない、ただチラリと見たりぼけーと 忘れた3日前の数字を目にすると、その人の 眺めているだである。 生活がだらしない様に思える。この 「日捲り」 しかしカレンダーというものは、気に入ら は普通の家庭では台所にもほとんど見られな れれば1年間見てもらえるが、一つの部屋に くなった。 二つも三つも要るものではない。壁に掛けて 一年分の暦を一枚に印刷したものは、銀行 もらえなかったものは、そのまま日の目をみ などが呉れる定番である。1月毎に剥がすも ない。余分なカレンダーを12月中旬に「ご自 のでは、月末に来月の確認をするには捲って 由にお持ちください」と段ボ−ル箱に入れ待 見なければならないが、一枚ものは1年通し 合室に出し患者さんに処分してもらう。カレ て12月までOKである。もっとも来月分を当 ンダーは結構値段が張るし、これをお得意に 月の上や下に小さく印刷したり、1枚を2ケ 配ることは、会社にしてみたら博打のような 月表示にし、ミシン目を付け1ケ月ごとに切 ものかも知れない。 り取り、来月分をいつも見られるようにした ここで上手くやっているなあと思うのは外 ものもある。 資系保険A社である、このカレンダーは12月 数字だけで適当に余白がありメモを書き込 に始まり11月で終わる、会社名を入れた表紙 めるカレンダーは、受付などの事務室で愛用 もない。きれいな景色なのに12月が無いから される。大きければ良いというものではなく、 一度場所を占めれば、他社より1月早く12月 メモも書き込め邪魔にならない大きさが求め 初めには掛け換えて貰える、しっかり場所を られる。大抵の会社はほぼ前年通りのカレン 確保する感じである。まさに「先んずれば人 ダーを採用するので、受付の女性たちはあの を制す」である。捨てられるか1年間見ても 会社のカレンダーはまだかしらと心待ちにし らえるか、カレンダーもこれから一週間が一 ている。 年間の勝負の正念場である。 ! " # $ % 14 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 久し振りのドイツ語 白鷹町 新 野 晃 敏 私どもの医師会の事務局がある長井市は約 留学していたし、その間は心臓血管外科グ 20年前に、スイスとの国境に位置するライン ループに所属し、スタッフの一人として毎日 河沿いのまち、独バード・ゼッキンゲン市 の様に病棟の回診、手術の手洗い、夜の当直、 (以下ゼ市)と姉妹都市の盟約を結び、それ以 症例検討会のプレゼンテーションなどを全て 来様々な交流を続けてきたが、8月下旬の或 ドイツ語でやっていたので、当時はそこそこ る日、このほど長井市の友好訪問団の一員と のドイツ語を話していたが、何しろ帰国して して現地を訪問された赤間寛先生(長井市西 から四半世紀以上経っている。従って私のド 置賜郡歯科医師会前会長、長井ゼ・クラブ名 イツ語はもうかなり錆び付いている筈だし、 誉会長、ゼ市名誉市民)から、突然「折り入っ なによりも最近は年のせい(?)か、今まで て相談したいことがあるのだが」 、 とのお電話 自家薬籠中の物にしていた日本語すらスムー をいただいた。 ズに出てこないことがある。そのために我が 数日後に直接お会いして聞いてみると何で 家では時々、 「おい、あれ頼むよ」 、「あれっ も、 「ゼ市の近くにあるベルナウと言うまちか て?」 、「あれだよ、あれ」、 「あー、あれね、 ら、シュトローマイアーと言う黒い森のス はい」等と書った代名詞会話をしている様な キー創始者ケッパー氏の孫にあたる人が長井 状態(ひょっとすると先生方のところでも同 に来て、中部ヨーロッパのスキーの歴史と祖 じ様な現象が起きているのでは?)なので、 父の業績について話をさせて欲しいと言って とても人様の前でドイツ語の通訳など出来る きている。彼とはドイツで何回か会ったこと はずがないと思い固辞すると、 赤間先生は 「専 があるがとてもいい人だし、日独の友好関係 門の通訳を頼むと費用がかかるし、第一もう をさらに深めるためにも、是非実現させたい 時間がない。ここはひとつ何とか承諾してく と思う。ついては本格的なスキーのシーズン れないか」 、と一歩も引かぬ構え。 にはいささか早いが彼の都合もあるので、い 結局日頃から兄事している赤間先生のたっ つも年末に行われている西置賜地区のスポー ての要請には逆らえず、通訳と言う大役を引 ツ振興懇談会を前倒しして10月下旬頃に開 き受けることになるのだが、正直に言ってそ 催し、その際彼に基調講演と言う形で話して れからが大変であった。約50枚ほどあるドイ もらうことを考えているのだが、君はどう思 ツ語の講演原稿は赤間先生を介して、講演の うか」とのこと。もとより否やはないので賛 一ケ月ほど前に入手出来たが、講演の内容が 意を表すると、赤間先生からはすかさず、 「実 スキーの歴史や技術に関する専門的なことば はその折り君に通訳をお願いしたいのだが」 、 かりで、ずぶの素人である私には理解出来な と言う有難い(?)おことば。 いことが多々あったので、その道の専門家で 確かに私は約30年前まだ30代の前半だっ あられる奥羽大学教授の池田弘一先生に翻訳 た頃、西ドイツのギーセン大学に足掛け3年 をお願いし、それを基にして講演会の準備を 山形県医師会会報 平15年12月 第628号 15 開始した。しかし講演会時の同時通訳と言う のは講演が始まってから終了するまでは、常 に瞬時の判断が求められるので、講演中一つ でも重要な単語の意味が理解出来なければ大 変なことになる。還暦を過ぎても聴衆の面前 で恥をかくのは嫌なので、それからの一ケ月 間は約50枚のドイツ語の原稿をしらみつぶ しに調べ、スキーに関する専門用語を出来る だけ覚える様に努力した。 写真2(長井スキー連盟副会長遠藤三雄氏提供) 講演会の3日前にシュトローマイアー氏が 長井市に到着されてからは、連日の様に打ち と言われてびっくり。なぜなら米沢市で翌日 合わせを行い、いよいよ当日10月25日(土)の もスポーツ関係者を対象に同じ様な講演会を その時が来た。平成15年度の西置賜地区ス 予定していることは承知していたが、通訳は ポーツ振興懇談会は長井市のタス・パークホ 他の方が担当されることになっていたので、 テルを会場に、彼の「中部ヨーロッパスキー 今日で解放されると実はほっとしていたので の発祥地・黒い森とその発展・経緯について」 あった。 と題する基調講演(写真1)と、ヨーロッパ しかし結局は彼の熱意に根負けしてしまい の体育史に詳しい池田弘一教授によるドイツ 翌日も米沢で一日中行動を共にすることに の社会体育とスポーツクラブについての研修 なったが、そのお陰で米沢市の多くのスポー があり、何とか盛会裏に終了することが出来 ツ関係者と交流出来たし、彼との絆を更に深 た。心配していた通訳としての出来ばえに関 めることも出来たので何よりであったと思っ しては第三者に判断していただくしかないが、 ている。 講演終了後、シュトローマイアー氏(写真2) 早いものでドイツ留学を終えて帰国してか が満面に笑みを浮かべ握手を求めて来たので、 らもう30年近い歳月が過ぎ去ってしまった。 まずまずの出来栄えだったのではないかとひ 帰省してからはドイツ語を話す機会が年々少 とりで納得し、快い達成感に浸りながら懇親 なくなり、このところ私のドイツ語は懐かし 会でビールを傾けていると、突然彼から「ド い青春時代の思い出の中で深い眠りについて クター・ニイノ、明日も宣しくお願いします」 いたが、今回のことは、はからずも私にドイ ツ語を復習する機会を与えてくれた。いま私 の長男は、ドイツ北部の都市ハノーファーか ら約70km離れたバードユウハウゼンと言う 人口6万人の町にあるボッフム大学付属バー ドユウハウゼン心臓病センターで、心臓外科 医としての研究を続けているが、もう一度ド イツ語を基礎からやり直して、息子たちがド イツに留学している間に、第二の故郷とも言 うべき懐かしいドイツ訪問を是非実現させた 写真1(長井スキー連盟副会長遠藤三雄氏提供) いと考えている。 16 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 当院における腸管感染症の変遷−小児例を中心に− 第10報:ウイルス性腸炎−SRSV感染症の臨床像− 鶴岡市立荘内病院 小児科 長谷川 博 也、鳥 越 司 同 飯 澤 正 史、原 田 和 佳 吉 田 宏、伊 藤 末 志 検査科 加 藤 春 夫、斎 藤 敏 <要 旨> 一般的にウイルス性腸炎は細菌性腸炎よりも 症例数は多いが、症状は軽く、入院適応となる 症例も少ない。筆者らは、20年間におけるウイ ルス性腸炎症例のうち、当科に入院を必要とし た1,917症例を対象として調査した。症例数は 年々増加傾向にあり、特に乳幼児において症例 数が多く、その中でもロタウイルスによるもの が多数を占めている。 また、近年PCR法によって小型球形ウイルス (small round structured virus、 以下SRSV)の 検出が可能となったことから、1年間における SRSV感染症の発症時期、臨床症状などについ て調査を行い、他のウイルス性腸炎との比較検 討を行った。冬から春にかけてロタウイルス感 染症はピークを迎えるが、SRSV感染症は秋か ら冬にかけてピークがみられていた。ウイルス 性腸炎全体においては発熱の頻度は40%以下 と低く、SRSV感染症では嘔吐の頻度が高く、 ロタウイルス感染症と腸管アデノウイルス感染 症では下痢の頻度が高い傾向が認められた。ま た、ロタウイルス感染症と腸管アデノウイルス 感染症では2歳未満の症例がほとんどであるの に対し、SRSV感染症は学童期にも平均して症 例が認められた。このことから、SRSVに対す る免疫獲得は、ロタウイルスに対するものより、 遅いことが示唆された。 <はじめに> 現在、臨床的意義が確立されている胃腸炎ウイ ルスはロタウイルス、 ノーウォークウイルス、 サッ ポロウイルス、腸管アデノウイルス、アストロウ イルスの5種類である。小型球形ウイルス(以下 SRSV)として検出されるのはノーウォークウイ ルスとサッポロウイルスである。これらウイルス による腸炎は一年を通じて経験されるが、特に寒 い時期に多い。一般にSRSV感染症は秋から冬に、 ロタウイルス腸炎は冬から春に多く、腸管アデノ ウイルス感染症には季節がない。 今回、1983年1月から2002年12月までの20年 間に当院小児科で入院治療を行ったウイルス性腸 炎例(診療録での診断名は感冒性嘔吐下痢症、感 冒性下痢症、ウイルス性胃腸炎、非細菌性急性胃 腸炎など)を対象に調査した 1)。また、2002年7 月から2003年6月の1年間におけるSRSV感染 症については外来、入院の別なく調査を行った。 <ウイルス性腸炎による入院症例の検討> 年次別、乳児・幼児・学童別症例数を図-1に示 す。20年間で入院治療を行った例は乳児が505例 (26.3%) 、幼児が1,171例(61.1%)、学童が241 例(12.6%)であった。年次毎に症例数および各 群の割合には変動がみられた。1990年頃までは 年々症例数は減少傾向にあり、学童の比率が低く、 乳児と幼児の比率がほぼ同じ傾向であったが、そ の後は学童の症例数が徐々に増加、幼児例数が急 増した。この間も乳児例数には大きな変動はみら れていない。近年、当地では核家族化の進行、母 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 図-1 ウイルス性腸炎の年次別、 乳児/幼児/学童別症例数 17 図-2 ウイルス性腸炎のⅠ期、Ⅱ期の月別症例数 および比率 親の就業率の高まりが加速している。そのため幼 児期早期からの託児が進み、児の感染の機会が増 加している。幼児の感染率の高まりと同時に、そ の同胞である学童への家族内感染が多くなってき ているのが、幼児および学童の症例数の増加につ ながっているものと推測する。 <ウイルス性腸炎の年次毎の変化> 次に5年毎4期に分けた月別症例数を図-2およ び図-3に示す。Ⅰ期では患者数は1月に増加し、 ピークは2月であった。Ⅱ期の患者数のピークは 3月であった。Ⅲ期は4月に患者数が最も多く、 図-3 ウイルス性腸炎のⅢ期、Ⅳ期の月別症例数 および比率 次が5月であった。Ⅳ期は1月から患者数は増加 乳幼児施設での非食中毒性の集団発生を契機に山 しているが2月に減少し、また3月に増加し4月 形県衛生研究所微生物部へSRSV検出のための検 にピークを示していた。 体を送付するようになった。その後は例年11月始 ウイルス性腸炎で入院が必要な例のほとんどは めから各保育所、幼稚園単位で流行が始まり翌年 ロタウイルス感染症である。本症は乳児冬季下痢 1月中旬頃まで続き、年によってはロタウイルス 症とも呼ばれ、また数年前までの感染症サーベイ 感染症と一部重複して流行がみられる場合もある。 ランスでは「乳児嘔吐下痢症」として報告されて いたものである。近年当地においてはその流行の <SRSV感染症と他のウイルス性腸炎との比較> ピークが冬季から春季へ移動してきている。気候 SRSV感 染 症 の 臨 床 像 を 明 ら か に す る た め、 の変化に影響をうけているものと思われる 2)3) が、 2002年7月から2003年6月までの1年間におい 現在までその原因は明らかになっていない。 て、SRSVが検出された症例と、他のウイルス性 腸炎の症例との臨床像の違いについて調査した。 <SRSV感染症とは> 山形県衛生研究所におけるPCR法によってSRSV SRSV感染症はロタウイルス感染症に比し症状 が検出されたのは計73例であり、その内訳は男児 は軽く、入院治療の対象になる例は少ないが、近 40例(54.8%)、女児33例(45.2%)、年齢は6ヵ 年PCR法により検出が可能になったことから、食 月から16歳までで平均3歳10 ヵ月であった。検体 中毒としてだけでなく、流行感染症として注目さ の送付数とSRSV検出例数との月別比率を表-1に 4) れている 。当科では1997年の年末からの、市内 示す。全検体中のSRSV検出率は61.9%であった。 18 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 表-1 検体送付数とSRSV検出例数の比率 7(月) 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 計 SRSV陽性例/検体送付数 0/ 2 0/ 1 0/ 0 0/ 1 24/31 23/35 3/ 8 6/13 12/19 3/ 5 0/ 0 2/ 3 73/118 SRSV検出率 0.0(%) 0.0 0.0 0.0 77.4 65.7 37.5 46.2 63.2 60.0 0.0 66.7 61.9 図-4 SRSV感染症の月別、性別症例数 月別症例数では図-4に示すように11月から12月 に流行のピークを迎え、4月までの6ヵ月間に症 例が集中していた。5月から10月の間では、6月 に2例を認めただけだった。また比較対象として、 当科においてロタウイルス感染症、腸管アデノウ 図-5 それぞれの胃腸炎の年齢分布 イルス感染症と診断した症例を抽出した(表-2) 。 年齢分布からもその傾向がうかがえる。 ロタウイルス感染症は2001年4月の1ヵ月間に それぞれのウイルス感染症における臨床症状を ラテックス凝集反応による迅速診断で、便からロ 表-3に示す。発熱の頻度はいずれも40%以下であ タウイルスが検出された症例であり、腸管アデノ り、ロタウイルス感染症においてやや高い傾向が ウイルス感染症は2001年1年間に、便から腸管ア あった。嘔吐・下痢の頻度はいずれも高く、特に デノウイルスが検出された症例である。 SRSV感染症における嘔吐の頻度は82.2%と高く、 それぞれのウイルス感染症の年齢分布を図-5に ロタウイルス感染症と腸管アデノウイルス感染症 示す。SRSV感染症は乳幼児期に平均して認め、 における下痢の頻度はそれぞれ95.3%、91.7%と 学童期にも症例を認めるが、ロタウイルス感染症 高値であった。 と腸管アデノウイルス感染症は2歳未満に多くみ られた。一般的にロタウイルスの初感染は生後 表-3 それぞれの胃腸炎の臨床症状の比較 6ヵ月から2歳までに認め、その後の重症感染を 5) 防ぐ免疫を得る 。対して、SRSVにおいては免疫 獲得がロタウイルスより遅れる 6) とされ、対象の 表-2 それぞれの胃腸炎の対象 症例数 性別 年齢 (名) (男:女) (平均年齢) SRSV感染症 73 40:33 6カ月∼16歳 (3歳10カ月) ロタウイルス 43 28:15 2カ月∼7歳6カ月 感染症 (2歳1カ月) 12 7: 5 3カ月∼7歳2カ月 アデノウイルス 感染症 (1歳10カ月) 発熱 SRSV感染症 嘔吐 下痢 20.5% 82.2% 61.6% (15/73) (60/73) (45/73) ロタウイルス 39.5% 74.4% 95.3% 感染症 (17/43) (32/43) (41/43) アデノウイルス 16.7% 58.3% 91.7% 感染症 ( 2/12) ( 7/12) (11/12) 表-4 それぞれの胃腸炎での検査値の比較 白血球(/μL) CRP (mg/dl) SRSV感染症 10,800±5,500 1.1±1.6 ロタウイルス感染症 9,700±3,700 0.9±1.5 アデノウイルス感染症 10,100±5,600 0.3±0.2 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 19 それぞれのウイルス感染症における検査結果を 引用文献 表-4に示す。SRSV感染症において白血球数、 CRP 1)伊藤末志、他:当院における腸管感染症の変 値の上昇がわずかに強い傾向であった。 遷−小児例を中心に−第一報:細菌性腸炎と また、SRSV感染症のうち、症状が強い、経口 ウイルス性腸炎、山形県医師会会報、619;50- 摂取不良などのため、入院治療が必要であったの は6名(8.2%)だが、いずれも輸液療法、整腸剤 内服などの対症療法で軽快した。 56,2003 2)伊藤末志、 :当院における腸管感染症の変遷、 新潟医学会雑誌、111;619-626,1997 3)星名 哲、他:ウイルス性腸炎の疫学的調査 <おわりに> 当院における過去20年間のウイルス性腸炎に 成績、鶴岡荘内病院医誌、9;28-34,1998 4)大塚岳人、他:SRSV感染症の流行状況と臨 よる入院症例の検討を行った。また、SRSV感染 床像について、日小医会報、23;145-148, 症と他のウイルス性腸炎との臨床像の違いについ 2002 ても比較検討した。一般的にウイルス性腸炎は細 5)中込とよ子、中込 治:ウイルス性胃腸炎− 菌性腸炎に比べて症状が軽く、回復も早い。治療 現在の問題点−、小児科診療・1997年・11 としても輸液療法や整腸剤内服による対症療法が 号1867-1872 中心となる 7)。また、その中でもSRSV感染症はロ 6)牛島廣治:小型球形ウイルス性下痢症、診断 タウイルス感染症よりも軽症であり、外来治療が と治療 Vol 87-No12 1999(93)2199-2203 主流となるが、流行状況を早期に把握するために 7)中田修二:ロタウイルス感染症・ノーウォー は、診断方法の簡便化が待たれる。 クウイルス(SRSV)感染症、小児科診療・ 2001年・7号1066-1071 20 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 狩猟解禁日に思うこと 山形県医師会常任理事 須 藤 俊 亮 11月1日は山形県に於ける狩猟解禁日である。 詳しく言えばカモ類だけであり、一般鳥獣は全国都府県と同じ11月15日からで、青森、秋田、 山形の3県だけがこの状況である。 北海道はまた別で、10月1日からである。 狩猟とは基本的には鳥獣を捕獲する行為である。 野性鳥獣は自然環境を構成する重要な要素であると共に学術、芸術、文化などの観点からも 人間にとって必要不可欠な存在である。狩猟はこれら野生鳥獣の営みに対する深い理解と感謝 の念があってこそ初めて成立するものであり、人間と野生鳥獣の持統的共存の実現に寄与する 行為として存続できるものであり、決して自然環境の保存に反する行為ではなく自然環境を保 護管理するための行為であると言える。 更に狩猟者は鳥獣法を含む狩猟関係法、銃刀法、火薬類取締法など遵守しなければならない など厳しい制限下にある行為であり何時でも、誰でも、何処でもというわけにはゆかない。 狩猟免許には、わな猟、銃器猟、空気銃猟があり、カモ類には散弾銃による銃器猟だけが合 法的である。 日本国内では20歳未満者は銃砲を所持することはできず(射撃競技選手18歳以上)他人名義 の銃を使用することもできない。銃器所持のためにはまず猟銃等講習会を受溝しなければなら ない。講習会は終日で、銃刀法、火薬類取締法、鳥獣法、武器等製造法など銃器について必要 な知識の説明があり最後に修了確認のための試験が行われる。これは20問4択式で70点以上が 合格で講習終了証明書が交付される。合格点に達しない場合、初めからやり直しである。 更にこの証明書をもとに、射撃場で教習射撃指導員による講習・実習を受け、射撃試験に合 格すると教習終了証明書が交付される。射撃試験は実射を含む8項国で80点以上が合格である。 ちなみに筆者は昭和59年より山形県公安委員会指定射撃指導員になり、平成2年より教習射 撃指導員をしているが、年間3∼6人の受講者がいる。この講習終了証明書と教習終了証明書 の交付を受けた後、銃砲店からの譲渡承諾書、医師診断書、住民票、経歴書、同居親族書を所 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 21 轄警察署に提出して所持許可申請を行い、交付後銃器の確認を受けてはじめて所持、使用が可 能となる。 しかしそれだけでは狩猟はできず、狩猟免許講習会を受講し必要な法令、鳥獣判別、銃器取 扱を通じて、適性、技能、知識についての試験に合格しなければならない。そして所轄都道府 県に狩猟者登録申請を行い、人猟税、登録税など納入し登録証と記章が交付されて初めて狩猟 ができるのである。 銃砲所持許可、狩猟免許共有効期限は3年で、更新時講習会受講が義務づけられている。 今年11月1日は土曜日であり通常診療日であったが午前中休診、午後診療として、早朝4時、 猟友2人とさる沼の周辺に作った小屋で目の出を待った。狩猟時間は目の出後、日没前となっ ており、11月1日の日の出時間は6時4分であった。湖沼での狩猟は一瞬の間で、再び獲物 あちら (ゲーム)が飛来するかどうかは全く彼方まかせであり必ずしも捕獲できるとは限らないが、人 数分だけは確保した。 曜日として11月1日は昨年、一昨年とも週日だったので来年は日曜日で休日と思い込んでい たが、平成16年日記帳が出回る時期になり、何気なく16年11月1日を見たら月曜なので一瞬 目を疑ったが、よくよく一年表をみてみると16年はうるう年で2月29日があり、曜日としては 一挙に2日とんで土曜から月曜になるという事で来年はどうしようかなどという考えが脳裏を よぎった。狩猟は俗に、一:犬、二:足、三:銃砲といわれ、いかにゲームを探し出すか、い かにゲームを求めて歩き廻れるかが問われるもので射撃の上手、下手は3番目であると言われ こんにちてき ているが、学生時代からの長年の積み上げである空手道七段も気力、体力ともすでに今日的で なく昭和40年代のクレー射撃国体選手も往年の感性がなく、日頃、聴診器とかペン以外持たず、 時折フィットネスクラブに通い、10月になれば狩猟時と同じ装備をして丘陵遊歩道を歩き廻り かろうじじて3番目に望みを託しているサンデーハンターではあっても出猟4回で尚、快心の あた 射りがないのは何とも不本意であり、目下イメージトレーニングを含めて再調整中である。 22 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 県医師会だより 第 8 回 常 任 理 事 会 日 時、平成15年11月12日(水) 午後3時30分∼ 会 場、県医師会館役員室 いしやま 出席者 なりまさ 会員氏名 石山 成正 先生(81歳) 【鶴岡地区医師会】 会 長 國井 一彦 死亡年月日 10月31日(金) 副 会 長 大友 尚、竹内 輝博、三須 良彦 告 別 式 11月5日(水) 常任理事 須藤 俊亮、有海 躬行、佐藤 泰司、 場 所 「セレモニーホール鶴岡」 三原 一郎、武田 憲夫 事 務 局 伊藤事務局長他事務局員 喪 主 石山 秀一 様(長男) 國井会長より、4名の会員が亡くなられた旨報 告があり、ご冥福を祈った。 〔Ⅰ〕報告事項 2.ITフェア ORCAセミナーについて 1.会員訃報について しゅく どう 会員氏名 祝 道 先生(82歳) 10月22日(水) 於、県医師会館 國井会長、佐藤・三原常任理事出席 【酒田地区医師会】 死亡年月日 10月24日(金) 10月29日(水) 於、酒田地区医師会館 告 別 式 10月26日(日) 竹内副会長、三原常任理事出席 場 所 「傅兵ェ会館」 喪 主 武島 美代 様(奥様) おかむら しゅんいち 会員氏名 岡村 俊一 先生(76歳) 【鶴岡地区医師会】 三原常任理事より次の通り報告。 22日は、米沢市立病院の成田先生から「地域 CATVイントラネットを活用した医療連携推進」、 私から「Net4Uの紹介」 、日医総研の永島研究員 死亡年月日 10月24日(金) から「ORCAについて」の講演、医師35名、医療 告 別 式 10月27日(月) 機関職員29名、ベンダー 28名の91名の参加者。 場 所 「六日町セレモニー」 29日は、本間先生から「インターネットを利用 喪 主 岡村 絢子 様(奥様) した酒田地区医師会の病診連携システム」 、 日医総 はら たかひろ 会員氏名 原 隆宏 先生(49歳) 【寒河江市西村山郡医師会】 死亡年月日 10月30日(木) お別れ会 11月8日(土) 場 所 「セレモニーホール山形」 喪 主 原 つぢ子 様(奥様) 研上野研究員の講演、医師23名、医療機関職員12 名、ベンダー 10名の45名の出席があり、両会場 とも盛会であった。 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 3.日医生涯教育講座並びに救急医療講習会に 23 6.第34回全国学校保健・学校医大会について 11月8日(土) 青森市・ホテル青森 ついて 10月23日(木) 東京第一ホテル鶴岡 國井会長、竹内・三須副会長、 竹内副会長、武田常任理事出席 須藤・有海・佐藤常任理事出席 10月28日(火) 東京第一ホテル米沢 出席役員より、 「たくましく生きるこどもたちの 三須副会長、武田常任理事出席 育成をめざして」をメインテーマに開催され、第 1分科会「からだ」 、第2分科会「こころ」 、第3 10月30日(木) ホテルメトロポリタン山形 國井会長、武田常任理事出席 分科会「耳鼻咽喉科」 、第4分科会「眼科」ごとの 発表があり、三須副会長が学校医として日本医師 会長賞を受賞した旨報告。 武田常任理事より、森野一真先生、川前金幸先 生から「最新の心肺蘇生法」についての講演、ダ 7.会議・行事等について ミー人形を使用しての実技研修を行い、10月23日 は36名、28日 は29名、30日 は47名 の 出 席 者 が あった旨報告。 医師国保組合理事会 10月23日(木) 県医師会館 國井会長、有海常任理事、松下理事、 徳永監事出席 4.平成15年度医療政策シンポジウムについて 10月25日(土) 日本医師会館 竹内副会長、有海・三原常任理事出席 有海常任理事より、 「わが国における医療のある べき姿−医療の質と安全を確保するために−」の テーマで開催された旨報告。 有海常任理事より報告。 平 成15年 度 東 北 医 師 会 連 合 会 事 務 職 員 研修会 10月23日(木) 秋田県医師会館 市村経理係長、栗原・長岡主事補出席 5.産業医研修会について 10月29日(水) 南陽市東置賜郡医師会館 市村経理係長より報告。 須藤常任理事出席 11月5日(水) 鶴岡地区医師会館 須藤常任理事、中里副議長出席 米沢市医師会館創立82周年記念式典・祝賀会 10月24日(金) 米沢市医師会館 國井会長出席報告。 須藤常任理事より、次の通り報告。 10月29日は、産業保健推進センターの河合相談 員から「化学物質のリスク管理」 、東谷慶昭先生か ら「職場のメンタルヘルス」について講演があり、 30名の参加者があった。 山形県介護支援専門員協議会第16回定例 理事会 10月25日(土) 山形市総合福祉センター 佐藤常任理事出席報告。 11月5日は、鶴岡労働基準監督署長から「過重 労働による健康障害を防ぐために」 、 山形市立病院 済生館有川 卓先生から「睡眠障害と産業衛生」 について講演があり、53名の参加者があった。 山形県衛生団体連合会理事会・総会 10月27日(月) ホテルメトロポリタン山形 國井会長、有海常任理事出席 有海常任理事より報告。 24 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 第4回民間被害者援助団体設立発起人会 ① 周知文書のメール配信を希望する会員は 約60%、配信専用のメルマガのようなシス 10月28日(火) 遊学館 テムを使って、一方通行の自動配信を行う。 伊藤事務局長出席報告。 ② 住民からの医療機関の開示要望があるの 酒田看護専門学校准看護科第9期生戴帽式 で、各医療機関のホームページを県医師会 10月29日(水) 酒田市・十全堂社 一般用ホームページにリンクを張り、対応 竹内副会長出席報告。 する。 ③ 日医FAXニュースの配信については前 山形地方社会保険医療協議会 からの懸案事項であるが、日医では末端の 10月31日(金) 山形グランドホテル 会員まで流して欲しいということで、この 大友・三須副会長、有海常任理事出席 大友副会長より報告 第56回日本医師会設立記念医学大会 11月1日(土) 日本医師会館 結果を各地区医師会へ連絡し、対応を依頼。 〔Ⅱ〕通知事項 1. 抗 イ ン フ ル エ ン ザ ウ イ ル ス 薬 の 供 給 等 に ついて 國井会長、竹内副会長出席 佐藤常任理事より、日本医師会常任理事から、 國井会長より報告。 必要以上のインフルエンザウイルス抗原検出キッ ト及び抗インフルエンザウイルス薬を購入しない 鶴岡准看護学院第45回生戴帽式 11月11日(火) 同学院 よう周知方依頼がある旨説明。 (本会会員用ホームページ「医師会ニュース」に掲載) 三原常任理事出席報告。 2.インフルエンザワクチン需要予測のための調 医師信用組合常務会 査について 11月12日(水) 県医師会館 國井会長、竹内副会長出席 佐藤常任理事より、日本医師会感染症危機管理 対策室長から、厚生労働省では、全国5,158の医 竹内副会長より報告。 療機関を対象に行なう、16年度のインフルエンザ ワクチン需要予測調査に対する協力依頼がある旨 8.医師連盟関係について 三市二町総合選対会議 10月25日(土) 山形国際ホテル 説明があり、協力了承。 3. 今 冬 の イ ン フ ル エ ン ザ 総 合 対 策 の 推 進 に ついて 松本次長出席報告。 佐藤常任理事より、日本医師会感染症危機管理 9.その他 対策室長から、今冬のインフルエンザ総合対策が まとめられ、その推進に対する協力依頼がある旨 IT利用調査結果について(情報広報部) 説明。 (本会会員用ホームページ「医師会ニュース」に掲載) 三原常任理事より、9月に行ったIT調査結果 報告があり、次の通り決定した。 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 4.インフルエンザ予防啓発ポスターの送付に ついて 25 8.特定医療法人制度の改正およびその証明書等 の様式の制定についてのご案内 佐藤常任理事より、県健康福祉部保健薬務課長 有海常任理事より、日本医師会常任理事から、 から、インフルエンザ予防啓発ポスターを作成し、 特定医療法人制度の改正およびその証明書等の様 各郡市地区医師会を通じ県内の医療機関へ配布し 式の制定について通知がある旨説明。 たとの通知がある旨説明。 9.社会保険委員功労者表彰式の開催について 5.予防接種法施行令の一部を改正する政令及び 11月14日(金) オーヌマホテル 予防接種法施行規則の一部を改正する省令の施 行について 有海常任理事より、山形社会保険事務所長から、 松本次長が社会保険委員功労者として表彰が決定 佐藤常任理事より、県健康福祉部保健薬務課長 したとの通知がある旨説明があり、表彰式に出席 から、予防接種法施行令の一部を改正する政令及 することと決定。 び予防接種法施行規則の一部を改正する省令の施 行について、改正の要点は、痘そうを予防接種法 で定める一類疾病としたこと、予防接種の対象者 の制限についての厚生労働大臣の指示との通知で 10.平成15年度山形県准看護師試験の実施に ついて 平成16年2月17日(火) 山形国際ホテル ある旨説明。 (本会会員用ホームページ「医師会ニュース」に掲載) 竹内副会長より、県健康福祉部長から、平成15 年度山形県准看護師試験の実施について通知があ 6. 「山形県がん実態調査登録資料等の利用及び提 供に関する取扱要項」の制定について 佐藤常任理事より、県健康福祉部長から、 「山形 県がん実態調査登録資料等の利用及び提供に関す るが、各看護師養成所長には直接通知されている 旨説明。 11.所得税青色申告決算書付表の様式の全国統一 に伴う会員への周知について る取扱要項」の制定に係る周知依頼がある旨説明。 (本会会員用ホームページ「医師会ニュース」に掲載) 竹内副会長より、日本医師会常任理事から、所 得税青色申告決算書付表の様式の全国統一に伴う 7.平成15年度乳幼児突然死症候群(SIDS)対策 強化月間について 11月1日(土) ∼30日(日) の一ヶ月 佐藤常任理事より、日本医師会長から、平成15 年度乳幼児突然死症候群(SIDS)対策強化月間に 会員への周知依頼がある旨説明があり、各郡市地 区医師会長宛通知することと決定。 (本会会員用ホームページ「医師会ニュース」に掲載) 12.平成16年4月診療報酬改定要望事項等(中医 協提出)の送付について ついての周知依頼がある旨説明。 (本会会員用ホームページ「医師会ニュース」に掲載) 大友副会長より、日本医師会副会長から、平成 16年4月診療報酬改定要望事項等(中医協提出) が送付されている旨説明。 26 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 13.院外処方せん発行状況等に関する調査結果に ついて 4. 「鶴岡市立荘内病院」開院記念式典並びに祝賀 会のご案内について 11月30日(日) 東京第一ホテル鶴岡 大友副会長より、県健康福祉部保健薬務課から、 院外処方せん発行状況等に関する調査結果が送付 有海常任理事より、鶴岡市長から、 「鶴岡市立荘 されている旨説明。 内病院」開院記念式典並びに祝賀会への出席案内 がある旨説明があり、竹内副会長出席と決定。 14.申請・届出等手続の電子化の実施について 5.山形県農作物有害動植物防除協議会の開催に 大友副会長より、日本医師会長から、申請・届 出等手続の電子化の実施について通知がある旨 ついて 11月18日(火) 農業技術研修センター 説明。 (本会会員用ホームページ「医師会ニュース」に掲載) 有海常任理事より、県農作物有害動植物防除協 議会長から、同協議会への出席案内がある旨説明 〔Ⅲ〕協議事項 1.平成15年度「地域福祉推進研究会議」の開催 について があり、事務局職員出席と決定。 6.山形県医療審議会の開催について 11月19日(水) 村山総合支庁 11月25日(火)、26日(水) 天童ホテル 有海常任理事より、県知事から、山形県医療審 有海常任理事より、県社会福祉協議会長から、 議会への出席案内がある旨説明があり、國井会長、 平成15年度「地域福祉推進研究会議」の開催案内 大友副会長、有海常任理事出席と決定。 がある旨説明があり、欠席と決定。 7.日本医師会「医療安全推進者養成講座」16年 2.2004年世界医師会(WMA)東京総会準備委 度実施要綱について 員会委員の委嘱について 有海常任理事より、日本医師会長から、日本医 師会「医療安全推進者養成講座」16年度実施要綱 有海常任理事より、日本医師会長から國井会長 の送付がある旨説明。 に対し、2004年世界医師会(WMA)東京総会準 備委員会委員の委嘱依頼がある旨説明があり、受 諾了承。 8.山形県衛生研究所調査研究評価委員の推薦依 頼並びに委員会の開催について 11月20日(木) 衛生研究所 3. 「犯罪被害者支援県民研修会2003」の開催に 有海常任理事より、県衛生研究所長から、山形 ついて 11月14日(金) 遊学館 県衛生研究所調査研究評価委員の推薦依頼並びに 委員会の開催案内がある旨説明があり、山形市医 有海常任理事より、県被害者支援連絡協議会長 から、「犯罪被害者支援県民研修会2003」への出 席案内がある旨説明があり、欠席と決定。 師会の横山新吉先生を推薦することと決定。 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 9.新春名刺交換会開催のご案内について 27 13.各種検診委員会委員の委嘱・辞退について 平成16年1月5日(月) 山形グランドホテル 山形市医師会 委 嘱 加藤 修一 呼吸器検診委員 有海常任理事より、山形商工会議所内名刺交換 会事務局から、新春名刺交換会への出席案内があ る旨説明があり、有海常任理事出席と決定。 10.産業医学専門講習会(東京会場)の開催に係 る協力依頼について 鶴岡地区医師会 委 嘱 犬塚 博 呼吸器検診委員 酒田地区医師会 辞 退 山本 尚人 乳がん検診委員 平成16年1月10日(土) ∼12日(月) 東京慈恵会医科大学 佐藤常任理事より、山形市・鶴岡地区・酒田地 区医師会長から、呼吸器検診委員会委員の委嘱並 須藤常任理事より、産業医学振興財団理事長か びに乳がん検診委員会委員の解職依頼がある旨説 ら、産業医学専門講習会(東京会場)の開催に係 明があり、それぞれ了承。 る、機関誌への掲載依頼がある旨説明。 (詳細については、本誌前月号に掲載済) 14.第9回日本医師会認定健康スポーツ医制度再 研修会の開催について 11.第38回優良従業員表彰式の御案内について 平成16年1月24日(土) 日本医師会館 11月28日(金) 山形市医師会健診センター 佐藤常任理事より、日本医師会長から、第9回 日本医師会認定健康スポーツ医制度再研修会の開 竹内副会長より、山形市医師会長から、第38回 催案内がある旨説明があり、各郡市地区医師会長 優良従業員表彰式への出席案内がある旨説明があ 宛通知することと決定。 り、國井会長出席と決定。 15.平成15年度乳幼児保健講習会の開催について 12.厚生労働省が実施するマスクの備蓄・調達予 平成16年2月15日(日) 日本医師会館 定数及び病院職員に対するインフルエンザ予防 接種の状況の実態調査について 佐藤常任理事より、日本医師会長から、平成15 年度乳幼児保健講習会の開催案内がある旨説明が 佐藤常任理事より、日本医師会感染症危機管理 あり、各郡市地区医師会長宛通知することとし、 対策室長から、厚生労働省が実施するマスクの備 本会役員の出席については、次回全理事会で検討 蓄・調達予定数及び病院職員に対するインフルエ することと決定。 ンザ予防接種の状況の実態調査に係る協力依頼が ある旨説明があり、協力了承。 28 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 16.社会保険医療担当者の個別指導について 2.國井一彦先生日本医師会最高優功賞受賞祝賀 会開催について 大友副会長より、山形社会保険事務局長から、 12月2日(火) ホテルシンフォニー 社会保険医療担当者の個別指導について通知があ る旨説明があり、立会い役員について協議の結果、 國井会長より、寒河江市西村山郡医師会長から、 次の通り決定。 私の日本医師会最高優功賞受賞祝賀会開催につい て通知があるが、 寒河江市西村山郡医師会が祝賀会 12月11日(木) あこや会館 大友副会長 を開催してくれることになった旨説明があり、大 12月12日(金) あこや会館 佐藤常任理事 友・竹内・三須副会長、伊藤事務局長出席と決定。 17. 「門前診療所」の把握についてのご協力お願い 3.第3回臨床研修・臨床実習「指導医のための 教育ワークショップ」の開催についてご案内 大友副会長より、日本医師会保険医療課から、 平成16年1月24日(土)、25日(日) 「門前診療所」の把握についての協力依頼があり、 東京都 晴海グランドホテル 郡市地区医師会へ照会しているが、本県には該当 する所はない旨説明。 武田常任理事より、日本医師会常任理事から、 第3回臨床研修・臨床実習「指導医のための教育 追 加 要 項 ワークショップ」への出席案内がある旨説明があ り、武田常任理事出席と決定。 〔Ⅰ〕通知事項 4.後援依頼について 1.山形大学医師会役員の選出について 12月6日(土) 山形県教育会館 有海常任理事より、山形大学医師会長から、山 武田常任理事より、県消化器治療内視鏡研究会 形大学医師会役員が選出され、10月1日付けで山 顧問から、第24回同研究会への後援依頼がある旨 下英俊先生が会長に就任した旨説明。 説明があり、後援了承。 2.任意の予防接種実施機関の調査について 5.合併に伴う集団扱(団体扱)契約書再締結の お願いについて 佐藤常任理事より、県健康福祉部長から、任意 の予防接種実施機関の調査を保健所を通じ行うと 竹内副会長より、明治生命保険相互株式会社、 の通知がある旨説明。 安田生命相互株式会社から、 合併に伴う集団扱 (団 体扱)契約書の再締結依頼がある旨説明があり、 〔Ⅱ〕協議事項 1.第1回2004年世界医師会(WMA)東京総会 準備委員会の開催について 11月18日(火) 日本医師会館 締結了承。 6.平成15年度乳がん自己検診法普及指導者研修 会の開催について 12月10日(水) 山形県看護協会館 有海常任理事より、日本医師会長から、第1回 佐藤常任理事より、県看護協会長から、平成15 2004年世界医師会東京総会準備委員会への出席 年度乳がん自己検診法普及指導者研修会の開催案 案内がある旨説明があり、國井会長出席と決定。 内がある旨説明。 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 7.地域医療活動について 佐藤常任理事より、上山市医師会長から、地域 医療活動として「禁煙推進教育」の申請がある旨 29 9.その他 第43回衆議院議員総選挙の結果と御礼に ついて 説明があり、本会地域保健医療委員会で検討する こととした。 有海常任理事より、日本医師連盟委員長から、 この度の総選挙の結果と御礼が送付されてきて 8.各種検診委員会委員の辞退について 南陽市東置賜郡医師会 辞 退 鈴木 紘治 乳がん検診委員 いる旨報告。 損保ジャパンの医師賠償責任保険の改定に ついて 〃 登坂 捷一 〃 〃 後藤 利昭 循環器検診委員 伊藤事務局長より、前回の第7回全理事会で 了承された医賠責保険の改定時期について、平 佐藤常任理事より、南陽市東置賜郡医師会長 成16年2月更新からではなく、平成16年4月以 から、乳がん・循環器検診委員会委員の解職依 降適用される旨説明。 頼がある旨説明があり、それぞれ了承。 自賠責研修会の開催について 平成16年1月27日(月) 伊藤事務局長より、隔年ごとに開催している 自賠責研修会を上記の通り開催予定したいとの 説明があり、実施了承。詳細については、県損 害保険医療協議会において検討することとした。 30 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 第 8 回 全 理 事 会 日 時、平成15年11月26日(水) 午後3時30分∼ 会 場、県医師会館役員室 出席者 長の基調講演に引き続いて、 中国における 会 長 國井 一彦 友好医院におけるSARSの治療経験、 中国にお 副 会 長 大友 尚、竹内 輝博、三須 良彦 けるSARSの看護管理の報告が行われた旨報告。 SARSの予防と治療に対する総括的管理、 中日 常任理事 須藤 俊亮、有海 躬行、佐藤 泰司 武田 憲夫 理 事 松下三郎、青柳 優、大沼 央 佐藤 紀嗣、鈴木 明朗、中條 明夫 監 事 徳永 正靱、出羽 和、栗谷 義樹 4.労災診療費算定実務研修会について 11月18日(火) ホテルメトロポリタン山 形 大友副会長、須藤常任理事出席 議 長 舟山 尚 副 議 長 中里 純 須藤常任理事より、4人の講師より講演してい ただき、150名の出席者で盛会であった旨報告。 事 務 局 伊藤事務局長他事務局員 5.都道府県医師会長協議会について 〔Ⅰ〕報告事項 11月18日(火) 日本医師会館 國井会長出席 1.第8回常任理事会について 11月12日(水) 県医師会館 國井会長より、坪井会長から、医療事故に対し てのしっかりしたアピール、提言をすべきとの事 三須副会長より報告があり、それぞれ了承。 から平成14年より会員の倫理向上委員会を設け て検討中だったが、緊急に医療事故防止緊急対策 2.診 療 に 関 す る 相 談 申 込 状 況(10月 分)に つい て 合同委員会を開催しており、その答申が年内には 出来る。診療報酬が来年改定されるが、現在はそ の財源確保について中医協に資料提出し、協議し 大友副会長より、10月分の診療に関する相談は、 ているとの挨拶があり、引き続き 保健所長の 県医師会での受付3件で、診療・病気に対する苦 医師要件の緩和[京都府] 、 次期会長選挙につ 情・相談であった旨報告。 いて要望[沖縄県]、 日医会長選挙のあり方 [石川県] 、 医療の信頼をどう作り上げるか [福 3.中国におけるSARSの予防と治療に関する報告 会について 11月5日(水) 日本医師会館 栗谷監事出席 栗谷監事より、坪井日医会長・森岡日中医学協 会理事長の挨拶、雪下日医感染症危機管理対策室 岡県]、 医療事故防止緊急対策合同委員会[日 医]についてそれぞれ協議され、担当理事より回 答が行われた旨報告。 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 6.2004年世界医師会東京準備委員会について 11月18日(火) 日本医師会館 國井会長出席 31 10.本会地域保健医療委員会について 11月21日(金) 県医師会館 國井会長ほか役員出席 國井会長より、2004年10月6日∼9日の日程 佐藤常任理事より、本会の地域医療活動につい で行われ、予算は8千万円から1億円の見込みで て、来年度上山市医師会が行う禁煙推進教育活動 ある。各都道府県医師会に50万円の協力要請があ と、今年度本会が山大医学部・深尾教授にお願い る旨報告。 して実施するペプシノゲン法を用いた胃がん検診 の有効性に関する研究が承認された旨報告があり、 7.産業医研修会について 了承された。 11月19日(水) 西置賜行政組合消防本部 松下理事出席 11.本会消化器検診研修会について 11月22日(土) 山形国際ホテル 松下理事より、事業所視察に引き続き、山形労 大友副会長、佐藤常任理事出席 働局主任地方労働衛生専門官より「過重労働によ る健康障害を防ぐために」 、 山形市立病院済生館の 大友副会長より、消化器検診中央委員会副委員 岩渕勝好先生より「睡眠障害と産業衛生」につい 長の松田 徹先生から「平成13年度の山形県胃集 て講演が行われ、参加者44名であった旨報告。 検・大腸がん集検成績のまとめ」の報告に引き続 き、福井県民健康センター所長 松田一夫先生よ 8.都道府県医師会医事紛争担当理事連絡協議会 について り「大腸がん検診のピットフォール」 、パブリック ヘルスリサーチセンター北海道支部札幌商工診療 11月20日(木) 日本医師会館 三須副会長出席 所院長 有末太郎先生より「胃がん検診のピット フォール」の特別講演が行われ、出席者は80名で あった旨報告。 三須副会長より、 日本医師会医師賠償責任 保険の運営に関する経過報告、 日医医賠責特 12.会議・行事等について 約保険、 都道府県医師会からの医療事故紛争 対策と活動状況の報告等が行われた旨報告。 山形県公衆衛生学会第1回運営委員会 11月13日(木) 山大医学部 9.厚生労働省並びに山形社会保険事務局及び山 伊藤事務局長出席報告。 形県による社会保険医療担当者の特定共同指導 荘内地区健康管理センター創立20周年記 について 11月20日(木)・21日(金) 病院 立会 大友副会長、有海常任理事、 鈴木理事 大友副会長より報告。 念祝賀会 11月14日(金) グランドエルサン 國井会長出席報告。 山形地区社会保険委員大会 11月14日(金) オーヌマホテル 松本次長出席 伊藤事務局長より報告。 32 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 いきいき人生「健康セミナー」 12.医師連盟関係について 11月15日(土) 山新ビルテレビホール 國井会長出席報告。 都道府県医師連盟委員長と日本医師連盟常 任執行委員との合同会議 山形大学医学部創立30周年記念式典 11月15日(土) 山形テルサ 11月18日(火) 日本医師会館 國井委員長出席 國井会長出席報告。 國井委員長より、第20回参議院選挙候補者 平 成15年 度 北 方 領 土 返 還 要 求 山 形 県 民 大会 西島英利候補予定者の全国遊説スケジュール、 後援会の設立、ビデオレター送付、 「西島英利君 11月17日(月) オーヌマホテル 市村経理係長出席報告。 山形県農作物有害動植物防除協議会 11月18日(火) 農業技術センター 鈴木業務係長出席報告。 山形県医療審議会 11月19日(水) 村山総合支庁 國井会長、大友副会長、有海常任理事、 を励ます会」への参加等について協議が行われ た旨報告。 自民党県連選対・支部長・幹事長合同会議 11月22日(土) 山形グランドホテル 鈴木業務係長出席 鈴木業務係長より、第43回衆議院議員総選挙 の結果報告の会合で、阿部正俊県連会長と当選 議員等からお礼の挨拶があった旨報告。 青柳理事、栗谷監事出席 西島英利君を励ます会 國井会長より報告。 11月24日(月) 東京・パレスホテル 國井委員長、 山形県医療審議会医療法人部会 竹内副委員長ほか選挙区責任者等出席 11月19日(水) 村山総合支庁 大友副会長、有海常任理事、 竹内副委員長より、次の通り報告。 青柳理事出席 全国から約900名の出席者であった。坪井日 医連委員長の挨拶の後、青木参議院幹事長から 大友副会長より報告。 「当選するには100万票必要である」との挨拶が あり、支援団体からの激励が行われ、西島候補 第59回国民体育大会冬季大会スキー競技 予定者から決意表明が行われた。 会山形県実行委員会第5回常任委員会 11月21日(金) 県庁 松本次長出席 医師信用組合理事会 11月26日(水) 県医師会館 國井会長ほか役員出席 伊藤事務局長より報告。 三須副会長より、 リレーションシップ・ バンキングの機能強化計画書、 業務方法書 の一部改正、 臨時休業、 金融庁検査等 について協議が行われた旨報告。 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 〔Ⅱ〕通知事項 33 6.ヘリコバクター・ピロリ感染の診断および治 療に関する取扱いの一部改正について 1.不妊治療費助成事業の実施について 大友副会長より、日本医師会副会長から、糞便 佐藤常任理事より、大分県福祉保健部長から、 中ヘリコバクター・ピロリ抗原検査が新たに保険 不妊治療費助成事業を平成15年11月から実施す 適用されたことに伴い、当該通知が一部改正され るとの通知である旨説明。 たとの通知である旨説明。 (本会会員用ホームページ「医師会ニュース」に掲載) 7.検査料の点数の取扱いについて 2.都道府県医師会における医師会館の禁煙状況 等の調査結果について 大友副会長より、日本医師会副会長から、糞便 中ヘリコバクター・ピロリ抗原検査が新たに保険 佐藤常任理事より、日本医師会常任理事から、 適用されたことに伴い、検査料の点数の適用につ 都道府県医師会における医師会館の禁煙状況等の いての通知である旨説明。 調査結果が送付されている旨説明。 〔Ⅲ〕協議事項 3.皮膚真菌症予防について 1.平成15年度産業医研修事業等の委託契約に 佐藤常任理事より、県教育庁スポーツ保健課長 ついて から、皮膚真菌症が本県でも散見されてきており、 その周知方依頼がある旨説明。 (本会会員用ホームページ「医師会ニュース」に掲載) 4.医療法第25条に基づく立入検査結果について 平成15年度産業医研修事業の委託契約に ついて 平成15年度地域における産業医活動促進 対策事業の委託契約について 有海常任理事より、日本医師会長から、医療法 第25条に基づく立入検査結果が送付されている 旨説明。 5.16年度診療報酬改定に係る財務省資料への反 論について 平成15年度産業医研修連絡協議会事業の 委託契約について 須藤常任理事より、産業医学振興財団理事長か ら、平成15年度産業医研修事業等の委託契約締結 依頼がある旨説明があり、締結了承と決定。 大友副会長より、日本医師会副会長から、16年 度診療報酬改定に係る財務省の暴論にたいして日 本医師会は断固反対するとの通知である旨説明。 (本会会員用ホームページ「医師会ニュース」に掲載) 34 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 2.平成16年度「心とからだの健康づくり指導者 養成専門研修受講のご案内」および平成15年度 6. 「インフルエンザによる患者数の迅速把握事 業」の協力医療機関の推薦について 下期「メンタルヘルス指針に基づくセミナーご 案内」の送付について 佐藤常任理事より、県保健薬務課長から、 「イン フルエンザによる患者数の迅速把握事業」への協 須藤常任理事より、日本医師会長から、平成16 力医療機関の推薦依頼がある旨説明があり、人選 年度「心とからだの健康づくり指導者養成専門研 について須藤・佐藤常任理事に一任と決定。 (後日、 修受講のご案内」および平成15年度下期「メンタ 入間田 潔先生、斎藤慶一先生、三條加奈子先生、 ルヘルス指針に基づくセミナーご案内」の開催案 中井伸一先生、渋谷 勉先生推薦と決定。 ) 内がある旨説明があり、各郡市地区医師会長宛通 知することと決定。 7. 「第5回介護保険推進全国サミットinおばなざ わ」の開催について 3.平成15年度乳幼児保健講習会の開催について 平成16年2月15日(日) 日本医師会館 佐藤常任理事より、尾花沢市長から、 「第5回介 護保険推進全国サミットinおばなざわ」の開催案 佐藤常任理事より、日本医師会長から、平成15 内がある旨説明があり、本会会報に掲載すること 年度乳幼児保健講習会への出席案内がある旨説明 と決定。 があり、須藤・佐藤常任理事出席と決定。 8.第9回都道府県医師会介護保険担当理事連絡 4.救急病院の認定に関する意見の聴取について 協議会の開催について 平成16年1月23日(金) 日本医師会館 佐藤常任理事より、県健康福祉部長から、天童 市立天童病院と公立置賜総合病院に係る救急病院 佐藤常任理事より、日本医師会長から、第9回 の認定に関する意見の聴取があるが、天童市東村 都道府県医師会介護保険担当理事連絡協議会への 山郡医師会・南陽市東置賜郡医師会・長井市西置 出席案内がある旨説明があり、三須副会長、佐藤 賜郡医師会・米沢市医師会では「同意する」との 常任理事出席と決定。 意見である旨説明があり、本会としてもそのよう に意見を申し述べることとした。 9.平成15年度忘年会のご案内について 12月12日(金) ベルナール酒田 5.平成15年度学校医講習会の開催について 平成16年2月14日(土) 日本医師会館 有海常任理事より、酒田地区医師会長から、平 成15年度忘年会への出席案内がある旨説明があ 佐藤常任理事より、日本医師会長から、平成15 り、竹内副会長出席と決定。 年度学校医講習会の開催案内がある旨説明があり、 各郡市地区医師会長宛通知すると共に、本会から 10.「在宅医療廃棄物の処理の在り方検討会」に 竹内・三須副会長、須藤・佐藤常任理事、中條理 係るアンケート調査の協力要請の依頼について 事出席と決定。 有海常任理事より、日本医師会長から、在宅か ら排出される医療関係の廃棄物の処理の在り方に 係るアンケート調査が山形市医師会に送付される 旨説明があり、山形市医師会に対応をお願いする こととした。 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 11.山形国際ホテルリニューアルオープン記念祝 賀会の御案内について 12月6日(土) 日本医師会館 35 2.ネイチャー誌に掲載された「ネコとフェレッ トにおけるSARSウイルス感染」に関する論文 (仮訳)の送付について 有海常任理事より、山形国際ホテルから、リ 佐藤常任理事より、日本医師会感染症危機管理 ニューアルオープン記念祝賀会への出席案内があ 対策室長から、資料No.22の通り、 「ネコとフェ る旨説明があり、欠席と決定。 レットにおけるSARSウイルス感染」に関する論 文の送付がある旨説明。 12.「平成15年度山形県産業安全衛生大会」の協 3.平成16年度診療報酬改定に関する諸指標に 賛金について ついて 三須副会長より、県産業安全衛生大会実行委員 会から、平成15年度山形県産業安全衛生大会への 大友副会長より、日本医師会副会長から、中医 協賛金依頼がある旨説明があり、支出了承。 協総会において次期診療報酬改定に向けて提出し た「平成16年度診療報酬改定に関する諸指標につ 追 加 要 項 いて」の送付がある旨説明。 (本会会員用ホームページ「医師会ニュース」に掲載) 〔Ⅰ〕報告事項 〔Ⅲ〕協議事項 1.会員訃報について 1.東北各県医師会長会議の開催について 会員氏名 松浦 昭一 先生(76歳) 12月6日(土) 仙台市「八百粂」 【元本会監事・元酒田地区医師会長】 死亡年月日 11月23日 (日) 有海常任理事より、東北医師会連合会長から、 通 夜 11月29日 (土) 東北各県医師会長会議への出席案内がある旨説明 告 別 式 11月30日 (日) があり、國井会長出席と決定。 場 所 「セレモニーホール酒田」 (酒田市) 喪 主 松浦 周 様(長男) 2.平成15年度山形県ナースセンター事業運営委 員会の開催について 竹内副会長より、元本会監事・元酒田地区医師 12月3日(水) 於、山形県看護協会会館 会長である松浦昭一先生が亡くなられたとの説明 があり、國井会長参列と決定。 竹内副会長より、県看護協会長から、平成15 年度山形県ナースセンター事業運営委員会への 〔Ⅱ〕通知事項 出席案内がある旨説明があり、伊藤事務局長出席 と決定。 1.厚生労働省「今冬のSARS対策」について 佐藤常任理事より、日本医師会感染症危機管理 対策室長から、 「今冬のSARS対策」に係る周知依 頼がある旨説明。 (本会会員用ホームページ「医師会ニュース」に掲載) 36 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 3.平成15年度高齢者インフルエンザ予防接種委 託契約書の締結について 4.「産業保健関係者に対するウイルス肝炎・エ イズ対策等講習会」の開催に係るご協力依頼に ついて 寒河江市 山辺町 須藤常任理事より、産業医学振興財団理事長か 白鷹町 ら、「産業保健関係者に対するウイルス肝炎・エイ ズ対策等講習会」の開催に係る周知依頼がある旨 佐藤常任理事より、寒河江市長、山辺町長、白 説明。 鷹町長から、平成15年度高齢者インフルエンザ予 (詳細については、本誌別掲) 防接種委託契約書の締結依頼がある旨説明があり、 締結了承と決定。 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 37 地 域 保 健 医 療 委 員 会 本会地域保健医療委員会は、去る11月21日(金) 授業の効果は得られたが、判定にはなお長期の観 午後3時30分より県医師会館と各地区医師会館 察が必要と思われた。なお、この事業は今年度で を結んでテレビ会議により開催された。 県医師会からの委託は終了するが寒河江市西村山 初めに國井会長より、 「本委員会はここ数年間単 郡医師会で引き続き継続することになる旨報告。 独で開催されていなかったが、本来は地域医療保 (詳細については、本誌第612号参照) 健において最も大事な委員会で、地域における保 健、医療、福祉の要であり、地域医療完結型の医 2.骨祖鬆症予防のための検診事業(米沢市医師会) 療を展開するうえで、医師会としての企画、対応 を司るべき委員会である。事業としては守備範囲 仁科委員より、当医師会では高校生の骨密度測 が広く検診、介護、福祉、更には産業保健、学校 定調査を平成13、14年度と実施、13年度の報告 保健も包含される。各地区医師会で色々な事情が は県医師会報、平成13年10月号(602号)に掲載 あると思うが、地域で今、何が求められているか 済みである。15年度も昨年と同様に実施する予定 医療担当者の視点から検討し、地域をリードする であり内容は高校生の骨密度測定を実施し、生活 ことが医師会と地域とがより密接になって行くこ 習慣との関連を調べ最大骨量の増加を目的に、標 とである。」との挨拶があり、続いて鈴木委員長の 準値及び指導区分のあり方を検討する。対象者は 司会で協議が進められた。 女子高校生で実施期間は平成16年1月から2月 主な協議内容は次の通りである。 として、実施方法は問診票を使用し基本情報及び 食生活、運動の内容等を記入しアロカ社製骨密度 ○出席者 測定機を用い超音波法による踵骨の測定を行う 会 長 國井 一彦 旨報告。 担当副会長 三須 良彦 担当理事 須藤 俊亮、佐藤 泰司、武田 憲夫 ○協 議 委 員 長 鈴木 伸男 副委員長 武田 雅身 委 員 深尾 彰、鈴木 清夫、㈹原田正夫、 1.ペプシノゲン法を用いた胃がん検診の有効性 に関する研究(県医師会) 小室 淳、吉田 勉、吉田 元、 新野 晃敏、仁科 盛之 深尾委員より、消化器検診中央委員会でペプシ ノゲン法を用いた大規模な無作為化、比較試験を ○報 告 行うことが提案され、それを開始する前にどれ位 のレスポンスがあるか予備的に調査する必要があ 1.管内小学校における禁煙・防煙活動の導入事 業(寒河江市西村山郡医師会) り、県医師会の事業として11月から平成16年3月 にかけて結核成人病予防協会の人間ドックの受診 者を対象に予備調査を行うこととしている旨説明 武田副委員長より、防煙授業と同時に行ったア ンケートの結果では、家族の高い喫煙率などの環 境の悪さから喫煙経験に至る危険性が示唆された。 アンケートの結果を防煙授業の前後で比較すると、 があり、了承された。 38 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 2.上山市小、中、高校、児童生徒に対する禁煙 推進教育(上山市医師会) 西村山郡医師会を参考にして準備をしているとこ ろであり、今年度は、東北中央病院の大竹先生、 村山保健所の山田先生に防煙教育の指導、講習会 原田先生(代理)より、上山市医師会では今年 をお願いし、禁煙教育を推進することとしている 度と16年度の継続事業として、児童生徒に対する 旨説明があり、了承された。 禁煙推進教育を実施することになった。寒河江市 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 39 知事と県医師会との懇談会 日 時、平成15年10月9日(木) 会 場、ホテルキャッスル 出 席 者 名 簿 【山形県】 【山形県医師会】 事 橋 和雄 会 長 國井 一彦 知 病院事業管理者 危機管理監 健康福祉部長 病院事業局長 健康福祉部次長 健康福祉部次長 病院事業局次長 教 育 次 長 消防防災課長 健康福祉企画課長 長寿社会課長 少子化対策・子育て支援主幹 障害福祉課長 保健薬務課長 県立病院課長 義務教育課長 スポーツ保健課長 横山 紘一 副 会 長 大友 尚 Ⅰ 開 会 司 会 (伊藤山形県医師会事務局長) ただいま 今井 眞哉 同 竹内 輝博 から知事と県医師会との懇談 佐藤 洋樹 同 三須 良彦 会を開催させていただきます。 加藤 淳二 常 任 理 事 真田 知彰 今年度は県医師会が担当なの 青山 永策 同 須藤 俊亮 早坂 晃一 同 有海 躬行 小松 幸勇 同 佐藤 泰司 事務局長の私伊藤が進めさせ 伊藤 和夫 同 三原 一郎 ていただきます。 藤野 敏明 同 武田 憲夫 早速ですがご挨拶をいただ 草苅 典美 理 事 松下三郎 きます。初めに山形県知事・橋和雄様お願いい 三浦 秋夫 同 青柳 優 たします。 小野クナ子 同 佐藤 紀嗣 後藤 泰洋 同 鈴木 明朗 松田 洋一 同 中條 明夫 結城 博史 事 務 局 長 伊藤 正明 後藤 恒裕 で、協議に入るまで県医師会 Ⅱ 挨 拶 橋山形県知事 医師会の皆さんには、常日ご ろ県政に対して大変お世話に 海和 章雄 なり心から御礼申し上げます。 少子高齢の時代で、高齢は高 齢なりに医療が非常に重要で すし、少子に対してもいろい ろな施策が必要になっていま す。いずれの面においても地 域の医療を担っておられる医師会の皆さんにお世 話になる以外にないので、行政としても医師会と 密接な連絡を取りながら、県内の医療を確保して いきたいと思っています。改革もいいけれども、 県民の医療確保という大スローガンを十分に果た していきたいと思っているので、医師会の先生方 からは、格別またご指導賜わるようお願い申し上 げます。 司 会 (伊藤事務局長) ありがとうございまし た。続きまして山形県医師会・國井会長より申し 上げます。 40 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 國井山形県医師会長 本日は恒例の意見交換の て説明申し上げます。 ための懇談会に知事さん初め、県行政の方々には まず、検討会議の設置です ご多忙の中、ご出席くださり感謝を申し上げます。 が、全国的に小児科医師の不 日ごろ県医師会事業について、行政の面からご示 足 が 叫 ば れ、な か な か 患 者 唆、ご指導、または助成をいただき御礼申し上げ ニーズに的確に対応できな ます。 い状況にあります。在宅当番 最近はイラク戦争、小泉内閣の構造改革、ある 医制、 休日夜間急患センター、 いはまたSARS等の新しい外来感染症対策など多 二次、三次救急医療機関における概ね14歳以下の くの問題が生じています。今日の協議事項は11題 小児救急患者の数が、ここ3年、大きく伸びてい にもなっており、会の進行が窮屈になるのではな ます。このようなことを受けて各二次医療圏単位 いかと心配しています。 に小児救急医療体制検討会議を設置して、それぞ 振り返ってみると、この1年は国内的に見て れの地域の実情を踏まえた小児救急医療体制の充 SARSや医療改革に振り回されてきたように思い 実に向けた検討を行っています。7月末までに各 ます。ご当局との話し合いだけで解決できない面 地域ごとの第1回目の検討会議を開催して、各地 や中央からの指示を得なければならないものも見 域の現状と課題等について意見交換を行いました。 られます。日医と厚生労働省との間で取り決めら 次回は今月末から来月の初めに第2回目を予定し れた事業助成なども、日医から情報が流れてきて ていますけれども、事務局で調査をした全国の先 も、具体化するのが難しかったりします。中央の 進事例などを報告し、各地域ごとの具体的な小児 考える事業が、地域に馴染まなかったりするから 救急医療体制の整備に向けた方向性について協議 だと思います。地域には地域に合った施策が必要 いただきたいと思っています。来年度の予算編成 に感じます。ご挨拶はこのくらいにして、早速協 までに第3回目の会議を終了して、来年度予算に 議に移らせていただきたいと思います。どうもあ 反映できるものについては反映させていきたいと りがとうございました。 考えています。また全県的な団体を構成メンバー とする小児救急医療に関する懇談会、県医師会を 司 会(伊藤事務局長) どうもありがとうござ はじめ山形大学医学部、県小児科医会、県病院協 いました。本日の出席者の紹介は、お手元の出席 議会、それから県の病院事業局、県健康福祉部と 者名簿をもって代えさせていただきます。 いったメンバーで県全体の課題について討議検討、 では協議の座長を県医師会の大友副会長にお願 助言をいただきたいと思っています。県医師会の いします。 先生方も、本県における小児救急医療体制の充実 に向けてご協力をよろしくお願い申し上げます。 Ⅲ 協 議 須藤常任理事 いまの話のほかに、県医師会と 1.県提出議題 しては9月19日、各郡市地区医師会救急医療担当 理事の連絡会議を開いています。山形県小児科医 座 長(大友副会長) 役割上今日の司会を仰せ 会では9月27日、臨時の理事会を開き出来るだけ つかったので、よろしくお願いします。初めに県 充実の方向に向くようにといろいろ検討しており、 側からのご説明をいただきます。 10月16日には小児科医会の会長が出席していろ いろ意見を述べると思います。 小児救急医療体制の充実について 県内の実情は4つの地区によって違いがあり、 草苅県健康福祉企画課長 昨年のこの懇談会で 一律にはできないだろうということです。体制の も、小児救急医療体制の整備について課題が提起 整備として現在国で設定した小児救急医療新事業 されましたが、今年度に入ってからの状況につい が3つありますが、山形県では現在は出来てない 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 41 というので、そういうことも か。核家族で共稼ぎ、それに 話し合いました。例えば時間 企業も非常に厳しい状況に を 区 切 っ て、夜 間、ど こ へ あって、母親が昼間子供を連 行っても小児科の先生に診 れて診療に行けないと言う てもらえるというところを ん で す ね。休 む と 首 に な っ 設定したとすれば、どういう ち ゃ う と。結 局、仕 事 か ら 形になるか。例えば山形市で 帰ってきて夜になると熱が そういうふうにする場合に、日曜祭日は別にして 出て、それで慌てて駆け込むというケースが非常 も300日ぐらい延べ必要なわけです。そうすると に多いと聞きました。小児救急とは言うが本当に 単純に300日と言わないまでも、延べから言うと 救急というのはそんなに多くないんだと。その辺 どのぐらいの頻度でなるか実際問題としてどうな の母親とかに、病気に対する教育について、行政 るかということを話しておきました。人数、それ 側から働きかける必要があるのではないかという から定点にするか、輪番にするか、場所の問題、 ようなことが話題になりました。 それから先生だけではできないんで、看護師さん とかも必要だということを話していましたが、そ 座 長 (大友副会長) この話題は前からしばし れについての予算とか、それから勤務医の小児科 ば言われていることでもあるので、教育の問題も 医師にどの程度協力いただけるか、山形大学から 含めて16日になさると思うのでよろしいですね。 どの程度か、米沢では山形大学で休祭日に派遣し では2番目に進ませていただきます。 ているということを聞いていますし、山形市は独 自に小児科の先生が休祭日を担当しているとか、 「子育てするなら山形県」推進本部について 酒田では最初、日本海病院でということだったが、 小野県少子化対策・子育て支援主幹 山形県の その後、いろいろな事情があって、酒田市内に定 出生数と合計特殊出生率の 点を構えて行いたいと聞いています。鶴岡地区で 推移は平成14年の出生数が は来年度から市立病院を中心にして休祭日に日中 10,489人、合計特殊出生率は 小児科医を常駐させるという話を聞いています。 1.54と、いずれも過去最低に 細かいことは16日の会議でいろいろ出ると思い なっています。全国の状況も ます。県医師会では救急担当の理事会を開いて小 同様で、過去最低です。そう 児救急を検討をしていますし、小児科医会でもそ いう中で去る7月に、もう一 ういう話をしているのが実情です。 段の子育て支援のためということで、次世代育成 支援対策推進法が成立しました。こうした背景の 座 長(大友副会長) 今のは確かにマンパワー もと、県としてもより総合的な対策を講ずる必要 の話でもあり仕組みをどうするのかというお話、 があるとの認識から、全庁的な組織として去る9 それで予算の話があるわけですが、16日にあるそ 月に知事を本部長とする 「子育てするなら山形県」 うだから、その席で県側とまた詳しく打ち合わせ 推進本部を設置しました。 なり討議するということでよろしいんですね。今 設置目的は次代の山形を担う子供を健やかに育 の段階で何か、加えて話したいようなこと、何か 成するとともに育成しようとする家庭を社会全体 ありますか。 で支援する環境づくりを、総合的かつ効果的に推 進すること、そして山形県として誇れる豊かな自 松下理事 長井市西置賜郡医師会で、救急医療 然環境や伝統文化、県民性を生かしながらNPOや のことで話題になったことを披露します。夜間救 ボランティア活動が盛んな、山形ならではの子育 急とかいう患者は増えていますけれども、それは て家庭を温かく支援する地域社会づくりを推進す いろいろな今の社会状況が影響してるんじゃない ることとしています。推進本部の役割としては4 42 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 つ掲げています。最初の2つ、社会全体で次代を 座 長(大友副会長) 真田先生、どうぞ。 担う子供の育成支援に取り組むため、県としての 中長期的な指針を策定し、それに沿って次世代育 真田常任理事 医師会の立場ではないが放課後 成支援対策推進法に基づく県の行動計画を策定す の、留守家庭児童の、いわゆる学童保育に関して ることとしています。 はどのような取り組みをなさるのか、ちょっとお 次世代育成支援対策推進法の行動計画は県のほ 聞きしたい。 かに市町村、それから常時雇用者が301人以上の 事業主は次世代育成支援に取り組むための目標値 小野県少子化対策・子育て支援主幹 放課後児 を定めた行動計画を平成16年度中に作成するこ 童クラブは、300人以上の学校については、殆ど ととなっており、平成17年の4月からはこの行動 90数%児童クラブが作られていますが、少人数の 計画が施行され、さらに平成18年度には施策の評 学校では、まだ達成率が30%弱ぐらいです。殆ど 価を行って県民に広く公表していくことになって の学校に1つはできるように県の方でも推進して います。この行動計画に盛り込むべき内容の指針 おります。 については、国の方から関係7大臣の連名による 行動計画策定指針として8月22日付で官報にお いて告示されています。 行動計画策定指針には7つの項目が示されてお 今冬に向けた重症急性呼吸器症候群(SARS) 対策について 松田県保健薬務課長 SARS対策については、 り、特に2番目、母性並びに乳児及び幼児等の健 今後の冬場対策について説 康の確保及び増進、7番目には要保護児童への対 明させていただきます。冬場 応などきめ細かな取り組みの推進ということで、 対策の必要性ですが、冬に再 母子保健、あるいは小児医療、それから児童虐待 度流行することが懸念され 等の対策も盛り込まれることになっています。 ていることと、ちょうど流行 今後、次代を担う子供の育成支援に取り組むた が11月ごろから徐々に始ま めの県の指針や、行動計画の策定に当たっては広 るインフルエンザと症状が く県民の方々のご意見や医師会をはじめ、関係団 似ているので、同時に流行した場合に医療現場で 体の皆様からご意見を伺い、ご指導ご協力をいた 混乱する恐れがあるということで、その必要性が だきながら作成していきたいと思っておりますの いろいろ指摘されています。 で、今後もよろしくお願いいたします。 私どもも8月末以降にいろいろと検討してきま した。対策として5項目を掲げています。 (ア)と 座 長(大友副会長) 少子化の問題は、話題と してインフルエンザ対策。これには一次予防、予 してはしょっちゅう言われるが具体的にスケ 防接種の勧奨とワクチン等の確保ということで考 ジュール内にそう簡単に仕上がるものじゃないよ えています。それで一次予防の中では予防接種も うにも思われるんだが、 何か要望でもありましたら。 含めた形での啓発ということでポスターもいま作 成中で、10月の半ば、あるいは下旬前ぐらいには 小野県少子化対策・子育て支援主幹 ひとこと 印刷して、各医療機関、施設等に配布する予定で だけ。県民の方々はじめ幅広くご意見をお聞きす す。その他、リーフレット、あるいは広報媒体等 る機会として、来年4月をめどにして地域協議会 を通じてインフルエンザの一次予防、予防接種を みたいなものを立ち上げたいと思っています。そ 呼びかけていきたいと考えています。 の時には医師会の皆様にも是非入っていただき (イ)としてはSARSの感染防止。これは春以来 たいと思っていますので、よろしくお願いいたし の取り組みの再確認ということで、各種研修を予 ます。 定していますし、実施済みもあります。それから、 診療マニュアルの作成普及。診療の手引きという 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 43 形でいま作成中で、10月中をめどに、県内の全医 ければ、何かあった時に大変になるということで、 療機関に配布するよう考えています。 非常に煩雑な事務的なことが強いられています。 (ウ)SARS医療体制の拡充。1番目が外来診療 最初、県と県医師会が契約すれば、それでいいだ 協力病院の拡大、2番目として現在入院病床とし ろうと考えていたが、実際には非常に複雑な経過 て14床を確保していますが、14床を超えて患者が を取りそうになっています。来週にも再度話し合 発生した場合についても現在部内でいろいろ検討 う予定なので、出来るだけ簡単にできるように指 していますし、ワーキンググループでの検討も予 導力を発揮していただきたい。お願いします。 定しています。 (エ)患者発生時行動体制の確認。1番目として 座 長(大友副会長) いかがですか。 は患者発生の想定訓練を県内の4ブロック単位で 10月下旬からスタートすべく、準備しています。 松田県保健薬務課長 市町村での事務の軽減と 当然、各地域の関係機関で連携体制もきっちり構 接種者の利便性という面もあるので、私どもも一 築しなければならないので各保健所を中心にそれ 緒になって出来るだけいい方法をつくれるように、 ぞれの地域で連絡会議等を開催する予定でいます。 事務的にいろいろと協議をさせていただきたいと (オ)県民に対して適切な情報を適時に提供して 思っています。 いくことも大事なので、医療機関受診の際の留意 点等も含む情報提供も掲げています。いずれにし 佐藤常任理事 それで今回は予防接種法に基づ ても、これまでの取り組みをベースに、さらに新 く高齢者のインフルエンザワクチンということな たな要素・課題を踏まえて、各段階での拡充、さ のだが、次の段階として、もう少し年齢を下げて らに点検確認しながらSARS対策に万全を期して いただきたい、あるいは子供たちの分でもいいと いきたいと思っていますので、よろしくご協力を 思うんだが何せお金が伴うことではあるけれども、 いただきたいと思います。 もう少し広い範囲で同じようにやれればいいなと 思うので、これから1年間、来年に向けてじっく 座 長(大友副会長) どうも。これ、今年また りと話し合うよう、よろしくお願いします。 冬場になると大変じゃないかという危機感を抱い ているわけですが、佐藤先生何か。 座 長 (大友副会長) その話し合いの機会とい うのは、最近としては? 佐藤常任理事 今年の冬はSARSがはやるかど うかは分からないが、インフ 佐藤常任理事 高齢者に関しては、今日もやっ ルエンザははやるだろうと てたんだけれども、来週の17日に再度、また保健 いうことで、まずインフルエ 薬務課の方と詰めを行い、さらに20日に今度は各 ンザのワクチンを出来るだ 郡市地区医師会長との話し合いというふうにスケ けたくさんの人にやっても ジュールが大分詰まっていて、本当に急がないと らいたいために、県医師会と うまくないというところまで来ています。 しては少なくとも高齢者に 対するインフルエンザワクチン接種は県民が県内 座 長(大友副会長) 切羽詰まった話なので、 どこの医療機関でも接種できるように。今までは 精力的にひとつ。 その住民の住んでいる市町村の医療機関でしかで きなかったのを、県内どこでもできるようにしよ 橋知事 どこでも診てもらえるというのであ うと、一生懸命保健薬務課の方とやってるんです れば、市町村ごとに補助金をもらえるように、山 が、実施主体が市町村なので、極端な話、各市町 形の人が隣の町に出掛けるようなことがあったと 村と実施する医療機関1人ひとりが契約を結ばな き、消費税みたいにどこで買っても精算になるよ 44 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 うにできないだろうか。松田課長、その辺はどう しいものがある。是非簡単にできるようにしても ですか? らいたいと思います。 松田県保健薬務課長 他の市町村で接種を受け 佐藤県健康福祉部長 あまり時間もないが智恵 る場合は、他の市町村の先生方と個別に契約して をしぼって工夫して、いい話なので前向きに対処 るような形、例えば同じ市内ですと地区の医師会 していきたい。 の方と契約してるんですが、市外については個別 の機関と契約してるような事例もあって、市町村 國井会長 もう一つSARSの問題。予防とか患 にとってはかなり事務が煩雑になっています。県 者さんに対する対応は非常によくできているが、 医師会の方で、そこに一緒に契約をして、医師会 問題なのは、患者さん自身が自覚しないというこ がそこに入って、市町村からすれば契約事務が1 と。感染したかどうか分からないままで一般の医 本か2本ぐらいで済むというようなシステムを作 療機関に風邪のつもりで行く。ところが発熱した れないかということで、今いろいろと相談してい 頃からはそろそろ感染能力が出てくるかと思うん るところです。 で、そこをどうするかということ。これが抜けて るんじゃないか。全国的に見てもそれをどうした 國井会長 これは主体が県でなく、各自治体が らいいかは難しいと思うんです。そのままにして やることになっているので、 おくと、各医療機関の受付の方は防備なしだから。 助成がその自治体の経済状 そういうことに対して厚生労働省と日本医師会と 況によってまちまちなのが の話し合いで、そのための助成、例えばマスクを 一つ。もう一つは予防接種に 買うとか、各医療機関にどれくらい要るかとかも よって事故が起きた場合の 含めはっきり分からない人をどう扱ったらいいか 対応。このために自治体と地 悩みです。 区の医師会が契約してるん ですが、それもそこの地区の医師会と自治体との 佐藤常任理事 SARSに関しては突然降ってく 契約で一律にいかないんで、問題が出てきてるん るわけではないので、思い当たるふしがあった場 です。県と県医師会がやるとなれば、簡単なんだ 合には、とにかく電話をしてから医療機関に来て ろうが、自治体の助成の問題が絡んでくるんで、 ほしいと。その一言をぜひ徹底させてもらいたい その辺のところ、もう少し考えてもらいたいと と、考えています。 思っているところです。 座 長 (大友副会長) いろいろ患者を取り扱う 橋知事 市町村から委託を県で受けて、いろ 現場でやってる方たちの方が悩みは大きいので、 いろなことが起きた際のことも県の方で医師会と 行政の人たちと協議する場合に、総体として動き 相談して統一してやれるようにしたらいかがなも やすいように、仕組みだけは是非つくってもらい のか。そして、あと精算の段階はあまり問題ない たい。 と思うがどうだろうか。 佐藤常任理事 SARSに関してはもう何回も講 佐藤常任理事 私たちは最初そういうふうに、 習会、会議、たくさんあって、情報もたくさん会 いくら煩雑でも県の医師会が各市町村と契約をす 員には流しています。とにかく電話をしてから来 ればそれでいいだろうぐらいに考えてたんです。 てくれということを徹底してもらいたい。 ところが、例えば値段ひとつ取っても、県の方で 持っているデータも各市町村から聞く時に公表す 橋知事 電話が来ても、別の病院に行ってく ると言って聞いたわけではないとか言われて、難 ださいなんて言いたくなりませんか。 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 45 佐藤常任理事 きちっと相談に応じるというこ よっていろいろあるけれども、そこら辺の詰めを と。それが最低限度必要ですよね。それをちらっ やらなければならない。 と聞いただけで、あ、それはうちじゃないと、まっ それからもう一つはスタッフが感染する恐れ すぐ県中に行ってくれと、これでは駄目ですよと。 がある。スタッフが感染すると家の人に感染させ とにかく話は聞きなさいと。でないと医師の応招 る恐れがあるので、そのスタッフを帰さないとい 義務違反になります。話だけは絶対聞かなければ うこともあり得る。そんなことで問題は考え出す いけないというふうに、会員には流してます。 ときりがないくらいいろいろなことが出てきま す。県の方でも詰めたいと思っているので、ご理 橋知事 話を聞かないといけないね。それは 解も是非お願いしたいということと、いろいろな そうだろう。 情報の共有も是非やっていただきたいと思って います。 横山県病院事業管理者 県立病院では中央病院、 日本海、新庄病院、それぞれ 救急業務の高度化の推進について 対応することになっていま メディカルコントロールについて(県医) す。何回も講習会やって、そ 藤野県消防防災課長 まずこれの趣旨は、救命 の都度知識は深まっている 士、救急隊員に対する指導助 んですが、その段階段階で認 言体制、事後検証体制、病院 識が非常に変わってきてい 実習を含めた研修の充実など、 るんですね。最初の5、6月 いわゆるメディカルコント ごろの認識と、最近の認識ではちょっと変わって ロール体制を構築して、救急 きている。もう一つは講師で来られる先生方も直 隊員の資質の向上、地域にお 接体験している先生は殆どいないので、講師に ける救急救命効果の向上を図 よって考え方がかなり変わるんですね。搬送の時 ることを目的とするものです。 には何も要らないという講師と、かたや搬送の時 本県における取り組みの1点目としては県レベ にはカプセルにちゃんと入れるようにという講師。 ルで救急業務高度化推進協議会を設置しています。 だから現場の人間は非常に当惑している。実際、 メンバーとしては県の医師会、学識経験者、救命 患者さんが来て、どこで診察するか。部屋の救急 救急センター、消防長会等で各地域の救急医療対 の部門の1部屋でよろしいというふうな認識を 策協議会の代表の方も入っています。役割は、メ 持っていたところが、ある講師はそれは駄目だと。 ディカルコントロール体制の充実強化策の検討と 全然別の、外のプレハブでもいいから、外の施設 か、県域レベルでの調整助言を行うことです。 でやれということでスタッフが非常に困惑するこ 次に各地域の協議会の状況は、従来からあった とがあって、その辺は県立病院全体でもう1回見 各地域の救急医療対策協議会をベースとして協議 直しをして、近々やるつもりですけど、非常に揺 の場として部会等を設置していただいて、メン れているところですね。 バーとしては各地域の医師会、救急医療機関、消 それからご理解いただきたいのは、実際に患者 防機関、県の保健所等で構成しています。その役 さんが入ってくると、恐らく病院はパニック状態 割は、実質的な調整の場として地域に係る体制整 に近くなると思うんです。そうするとその患者さ 備の推進を担うもので医療機関の調整とか、具体 んが入った病棟は全部閉鎖するとか、ひどくなる 的な3項目の整備促進を図ることで、村山、最上、 と病院全体を閉鎖するということになりかねない。 置賜、鶴岡、酒田の5地区の区割りで設置したと そうなると何百人の患者さんの診療をストップし ころです。 なければならない。そうなった時にどうするかと 関係医療機関は、メディカルコントロール担当 いう問題も当然起こってくる。それはレベルに の医療機関としては村山地域が山形大学医学部附 46 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 属病院はじめ10病院、置賜が6、最上4、鶴岡2、 佐藤常任理事 課長が言ってますように、まだ 酒田3の計25の医療機関です。検証医療機関とし 出来上がってる制度ではなく、これからも直しな ては県立救命救急センターを含めて各2・2・ がら、いいものを目指していくんだというのを是 4・2・3で13の医療機関。それから検証医は県 非行ってもらいたいと思います。と言うのは、地 立中央病院の森野先生をはじめ3・2・6・2・5 区協議会ごとに分けて行うという考え方だが実情 の18名です。 に合わせてということだから、それでよいんだろ 今後充実を図るべき事項は、まず救命士の教 うとは思うけれども、実情に合わせてということ 育訓練です。これは2年間で128時間の研修、教 は、地域の格差をそのまま認めてしまうことにな 育訓練を行うことで、これについては現在計画 るのではないか。極端な話、最上地区でそういう 中です。 事態に陥った場合と、山形市でなった場合とで、 2点目は常時指示体制ですが、これは医療サイ 予後が左右されてはいけない。非常に難しい、言 ドにお願いする部分が大変多く、365日、24時間 いにくい面もあるけれども、医療機関、医療とい 体制を目標にして充実強化を図っていきたいと考 う材だから、いろいろ積み重ねがあってなるわけ えています。 だけれども、県民はどこでどういう状態になって 3点目の事後検証については各地域での検証医 も同じように助けられる、同じようなことを受け による検証を行うとともに、その検証のレベルの られるということが、このメディカルコントロー 向上のために県域レべルでの検討も併せて行って ルの一番大事な点で、山の中ならしようがないけ いきたいと考えています。 れども、そうでなければどこの国道でけがをした 今後新たに取り組むべき課題は来年7月から気 としても、大体同じことができるようになるため 管挿管ができるようになるということで、これを には、やはり県全体としてということを是非考え 行うに当たっては62時間の講習を受けることに てもらいたい。特にそのためには1カ所にまっす なっており、消防学校で行うべく、テキスト等が ぐつながる、いわゆるオンラインシステム、場所 年内にもできるとの話もあるので、来年2月ぐら は県庁内の1カ所という意味ではなくて、病院の いから行うべく準備中です。 持ち回りでもいいと思うが、 とにかく1年、 365日、 もう1点、これが一番難しい問題なんですが、 どこかが24時間すべてそこに集まるというふうな インフォームドコンセント付で30症例の成功事 オンラインシステムが必要だろうと考えています。 例がないとできないという話があって、これにつ それで、作業部会をつくって毎月毎月検討して いても各病院の協力をお願いしたいと思います。 いくということが必要だと考えています。また30 いずれにしても、メディカルコントロール体制の 例の気管挿管の成功例が必要で、そのためにはイ 整備に当たっては、医療サイドと消防サイドの協 ンフォームドコンセントが必要だと。簡単に言う 力連携が大変重要ですので、形を作ればいいとい けれども、実際問題、自分の身内が全身麻酔で手 うものではなくて、運動体なんだろうと。その活 術を受けなければならないとなった時に、枕元に 動を進める中で一歩一歩地域の救急業務のことが 救急救命士が麻酔科の先生と一緒に来て、今まで 進むものだろうと、いろいろやりながら、おかし やったことないんだけど、やらせてくださいと、 い点は改善しながらやっていくというスタンスで とにかく1回しかやりません。駄目だったらやめ 臨みたいと思っていますので、よろしくお願いい るんですと言った時に、そう簡単にいいですよ、 たします。 試してみてくださいとはなかなか言いにくいだろ うと考えると、救急救命士が気管挿管ができると 座 長(大友副会長) それでは山形県医師会の いうことが救命率を上げることになるのだという 方の4番に挙がっていますメディカルコントロー ことを常日頃から県民に言っておかなければ、そ ルについても。 う簡単にはやらせてもらえない。是非メディカル コントロールの広報と情報公開、どういうことを 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 47 やって、 どのくらい救命率が上がるのかと。ある県 た通りです。 ではこっそりとやって、 すごく助かった助かったと 4点目の情報公開、PRについてと、5点目の病 いうデータを出したんだが、 後ほど検証してみたら 院実習の拡充については医務の方にお願いします。 どうもおかしいと。気管挿管をしたと言って、 ただ 費用の関係は、基本的には現在の医療制度からい それだけで血圧が180まで上がったとか、そういう くと原則として消防機関が負担することなんだろ ような不自然なデータが入ってるということがあ うと考えていまして、消防サイドにもいろいろ るので、是非包み隠さず情報公開が必要です。 言ってるんですが、市町村財政が大変厳しく、な 最後に一番大事なことは、 その救急救命士の意欲 かなか難しい状況にあるというのが実態です。た を高めることです。 そのためには病院内で医療に携 だ、そうも言っておられないので、今後予算化に わる人たちと一緒に仕事をすることが非常に意欲 ついて市町村にきちっと説明してお願いしていく を高めたという発表があるので、 ぜひ病院実習の拡 とともに、各地域のメディカルコントロール協議 充、特に任命前の病院実習と任命後の実習と、両方 会でも議論していただきたいと考えています。 にわたって考えていただきたいと思います。 その場 合、 救急救命士や病院の使命感に訴えるのではなく 座 長 (大友副会長) 医務課の方で加えることは。 て、 それプラス財政的な裏付けがどうしても必要だ と思うので、その辺も考えてお願いしたい。 草苅県健康福祉企画課長 いわゆる気管挿管実 習の前提として年間500例の全身麻酔の症例を 藤野県消防防災課長 地域格差、県民の平等性 扱ってることと、日本救急医学会の認定医、ある ということにどう取り組むのかにはいろいろな考 いは日本麻酔学会の認定専門医という、きちっと え方があります。例えば県一本化でやる方法もあ した専門医の指導のもとに実施されるということ りましょうが、本県としては地域の医療機関と消 で、その安全性が大前提になるということです。 防機関との連携をより強化していこうという視点 救急救命士の実習に当たっては、予め指導する麻 に立って、単に事後検証を医学的観点からの検証 酔科の先生から十分に患者さんに対する実習内容 だけではなくて、検証に基づいて救命士に対する を説明して、文書による同意を得ることを前提に、 指導助言とか、あるいは症例検討会を通じて医師 きちっとしたインフォームドコンセント体制をつ と救命士との連携の強化発展を図っていくといっ くっていきたいと思っています。現在、県として た視点に立つと、出来不出来の部分は多少あった は、県内で協力いただける病院のアンケート調査 としても、地域としてきっちりやってもらうこと を実施しています。明年度からの気管挿管の実習 が重要なんじゃないかと考えています。そのため に向けてメディカルコントロール協議会のいろい に各地域でも実施協議会を設置して事後検証を ろなご意見をいただきながら実施体制の充実に向 やっていただくという仕組みに現時点ではしてあ けて取り組んでいきたいと思っています。 ります。 それから平準化を図るために、地域での検証の 座 長(大友副会長) 確かにこのインフォーム ほかに、県の協議会レベルで、例えば作業部会み ドコンセントなりのところ たいなものをつくって、レベルの向上につなげて が非常に難しくなってくる いきたいと考えています。 わけだから、十分に吟味しな 次に2点目のオンラインシステムの関係では将 がら進めていってもらいた 来の課題として24時間体制、365日体制をどのよ いと思います。県の提出議題 うに構築していくかについて、病院も含めて関係 については、一応これで打ち 機関と議論を重ねて、いい方法を出来るだけ早く 切り、県医師会側で用意して 見出していきたいと考えています。 ある1番目の本県の公的病院のあり方に関して、 3点目の作業部会については、先ほど申し上げ 竹内先生、よろしくどうぞ。 48 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 2.県医師会提出議題 おいても、医療法人等において導入されている病 院会計準則と同様に、企業会計原則を基本とした 本県の公的病院のあり方に関して 会計基準の導入を推進すべきである。併せて現在 竹内副会長 昨年11月、自民党の医療基本問題 行われている病院会計準則の見直しと並行して、 調査会、公的病院のあり方に 公私間の施設整備費や税制などの相違について所 関する小委員会がいくつか 要の補正を行い、民間の病院と比較可能とした財 提言をしています。これを受 務分析、情報提供を推進する必要がある、として け て 厚 労 省 は 本 年4月 末 に いるが本県の実情及び将来の方針をお聞きしたい。 「医療提供体制の改革に関す 私は県内公的病院は、病院ごとの同一外部監査法 る検討チーム」によるまとめ 人による評価を受けて、財務内容と繰入金の年次 を公表。その中の質の高い効 的実態を正確に公開して、財政面からの地域医療 率的な医療提供体制の構築の項で、将来像のイ 計画の練り直しをすべきではないかと思っていま メージとして急性期医療は医療従事者の手厚い す。いかがでしょうか。非常に難しい問題ではあ サービスの重点集中化を通じて早期退院が可能と るが、時代の流れです。よろしくお願いします。 なり、平均在院日数が短縮され、病床数は必要な 数に集約されていくとあります。また親方日の丸 草苅県健康福祉企画課長 本県におきます公的 的な運営を廃し、民にできることは民にという考 病院の設置状況と役割についてまずお話申し上げ え方を基本に、それぞれの設立目的を念頭におき ます。本県の公的病院の設置数は、全病院の45% つつ、地域の問題として関係者間で十分な検討を を占め、病床数は56%を占めていて、全国平均の 行い、独立採算的な考え方のもとに運営し、病院 施設数20%、病床数32%の数字を大きく上回って ごとの機能、役割を踏まえた再編成、経営形態の おり、公的病院が本県の地域医療に果たしている 変更等の見直しを行うとしていますが、この点に 役割は非常に大きいと思っています。設置主体別 関して、山形県の考えをお聞きしたい。 に見ると、自治体病院の割合が非常に高いのが山 次に地域における医療機関の機能分担と連携の 形県の特徴だと思っています。施設全体として公 確保方策に触れているが、厚生労働省は公的病院 的病院の84%が自治体病院だし、病床数は77%を のあり方や民間医療機関との役割分担を検討する 占めています。こうした自治体病院を中心とした 協議会の設置を求める通知を各都道府県に出して 公的病院については、各地域の基幹病院として小 います。これによれば、二次医療圏などに公的病 児救急とか救急医療などの不採算部門になってい 院、民間医療機関、行政機関などの関係者の協議 る、あるいは三次医療、災害時における患者の受 の場を設置した上で医療計画において二次医療圏 け入れとか医療スタッフの派遣といった、山形県 における公的病院等の特定の役割や、関係機関相 の医療提供体制の中核を担っているということと、 互の連携方策を定め、地域の実情に即して公的病 一方で医療体制の不十分な地域においては、自治 院のあり方を根本的に見直し、必要に応じて病床 体立の地区病院が地域医療の第一線を担っており、 数を削減するとしています。協議の場の設置に関 本県の医療供給体制の他県と違う大きな特徴では しての考え方、及び病床数を削減するという方針 ないかと思っています。こうしたことから、山形 に対する山形県の考えをお聞きしたい。 県の場合、自民党の医療基本問題調査会の提言に 最後に、会計基準のあり方と経営の効率化の推 ある公的病院の再編成や経営形態の見直しという 進について触れているので取り上げます。コスト よりは、当面推進すべきテーマは、例えば、山形 低減を図り、経営を効率化していく上では病院の 県にはまだない地域医療支援病院の指定を推進す 経営成績や財政状態を的確に把握するとともに、 るなど、各医療機関の機能分担と連携を図ってい 他の病院、特に民間の病院との経営比較を可能と くことが重要ではないかと思っています。これま することが不可欠である。このため公的病院等に でも保健医療計画の策定の中心的な母体である保 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 49 健医療推進協議会などでも議論をいただいてきた で、それを待って適切に対応していきたいと思っ ところです。今後も議論を進めていきたいと思っ ています。 ています。 それから県の方から、いろいろな繰入金をいた また3点目にご指摘あった本県における公的病 だいていますが、そうしたことも含めた決算状況 院の会計基準の状況についてですが、国立病院に なり経営状況は、毎年当然のことながら議会の方 ついては、官公庁会計基準、自治体病院について に報告していますけれども、併せて県のホーム は地方公営企業会計基準、山形済生病院と東北中 ページの方に、会計決算が認定になる概ね12月ご 央病院では、病院会計準則を基準として行ってい ろの時期に前年度の会計決算の状況について県の ます。国においては医療の透明性を図る方策とし ホームページに載せて、県民の方にお知らせをし て、病院会計準則の見直しを今年度中に行うと聞 ています。その中にも県からの繰入金も入ってい いていますが、県としては、今後の国の指導等を ますが、より明確に、きちんと説明しなければな 見ながら対応していきたいと思っています。なお、 らないということは、私ども痛切に感じています。 県立病院における経営改善の状況については、病 ちょうど14年度決算については、今年12月ごろに 院事業局の方から説明をさせていただきます。 ホームページに載せる予定でいますので、その時 点までにより分かりやすくお示しできるように作 結城県立病院課長 県立病院における対応につ 業を進めたいと思っています。 いての1問目、病院ごとの機 能や役割を踏まえた再編成 竹内副会長 ありがとうございました。経営責 なり、経営形態の変更等の見 任の明確化と言われましたけれども、非常に抽象 直しという点ですが、経営形 的に聞こえました。少し話が飛ぶが独立行政法人 態の変更とまではいきませ 化の方向はありませんか。ホームページで収支状 んが、自民党からの報告書の 況等を示してくれるそうだけれども、税制のあり 中にもある通り、この4月か 方等、補正して民間の病院と比較できるようなと ら地方公営企業法の全部適用として、病院事業管 いうのがこれからの方向だと思うので、県独自の 理者を置いて、病院事業の経営責任の明確化を図 収支決算は、なかなかに分かりにくい。統一され りながら経営改善を進めていくことを始めたとこ た方法を望みたいと思っています。 ろです。 それから会計基準の関係ですが、私ども県立病 結城県立病院課長 私どもの県立病院事業の会 院については、適用されている会計基準が地方公 計は、法律で定められたやり方でやっていますが、 営企業法に基づくもので、所管が総務省になって 総務省の方でも、厚生労働省の方のいわゆる病院 います。現在、厚生労働省で策定しています病院 会計準則なんかを踏まえて、地方公営企業会計の 会計準則、これも考え方としては企業会計の考え 見直しも進めているところです。できるだけ同じ 方を盛り込んだものですけれども、中身について ようなスタンスで会計が処理できるように見直し いまわれわれが使っている地方公営企業法で定め 作業が進められていると聞いていますので、それ られている会計と若干違っているところもあって、 に合わせて私どもも対応していきたいと思ってい そのまま民間の病院の経営状況と照らし合わせる ます。それから先ほど抽象的に責任体制の明確化 とか、そういう部分は整合が取れない部分もあり ということを言いましたが、それについては、昨 ます。民間病院との比較はわれわれがこれから経 年までは、病院事業について地方公営企業法の一 営改善をしていく上で非常に大事ですし、私ども 部適用、いわゆる財務関係と言いますか、会計処 の経営状況を広く知らせていく上でも大事なので、 理の部分だけは独立していましたけれども、今回 恐らく今後、厚生労働省と総務省で、会計基準の 地方公営企業法の全部適用となり、財務関係だけ いろいろな整合性をとる作業も出てくると思うの でなくて、病院の組織体制をどうするかとか、人 50 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 員配置をどうしていくかというところまでも病院 と言うのは、やはり県内それぞれの地域でそれぞ 事業管理者が判断できるようになってきた。そう れの役割を担う必要性はかなりあると見えます。 いう意味で全体の経営責任というものも、より ただ、その中で必ずしも県立、あるいは公的病院 はっきりと明確になってくるという意味です。 でやらなくてもいい部門はどこかとか詰めがもう 少し必要だとは思っています。病院の方がなぜ経 竹内副会長 ありがとうございました。一つだ 営経営と言うかということの一つは、それぞれ県 け、多分、公立病院、特に県立病院は赤字を抱え 民、あるいは市民の税金でもって、かなり繰り入 ているだろうと思うが、その収支の改善に向けて れ等もありますので、少しでも県民の血税をいた さまざまな努力をしていると思います。私、参考 だかないような方向で考えなければならないとい に挙げておいたけれども、大阪府では府下の医療 う経営努力というのは当然必要だし、あともう一 機関全体の受診者数が減少傾向にある中で、府立 つは厚生労働省からの指導とか、今後の医療提供 の病院がひとり入院患者の増加による収益増を目 体制のあり方、 改革の方向性といったものが、 色々 標達成手段にしていることを指摘して、これが果 示されて来ます。その方向性に則って病院経営を たして自治体病院のあり方かと、大きな問題提起 やっていかないと病院そのものが存在できなくな をしております。この辺について考えを聞きたい。 るということで、なくなってしまえば、それは県 民市民にフィードバックできなくなるので、病院 結城県立病院課長 県立病院も地域医療との連 そのものをやはりがっちり保っていかなければな 携、あるいは病診連携ということで紹介率、ある らない。その中で経営も考えなければならない。 いは逆紹介の向上ということを一番の重点として 経営も考えないと、その方向性を出せない。要す やっています。患者さんを紹介だけしてもらって、 るに両方相まっていくわけなので、県立病院、あ 逆紹介をしないようなことであってはならないと るいは市立病院、町立病院もかなり経営というも 思っています。それぞれの病院に地域医療室、あ のを前面に出してきている。経営というのは単純 るいは地域医療部を設けて、そうした連携を進め に経済、金の問題だけではなくて、それが医療機 る体制づくり、具体的な取り組みを進めていると 械に跳ね返るし、スタッフの意欲に跳ね返るとい ころです。 うことで、いわゆる経営の正の循環を実現してい くためには、全体の経済を含めた経営は当然考え 竹内副会長 これも参考に書いておいたけれど なければならないと思っています。 も、 ちょうど1カ月前に病院協議会と県医師会との それから業務分担をどうするかということで、 懇談会があって、その時にある病院長さんが、県立 地域での検討をやるのかということですが、実際 病院設立趣旨にどうも反するような発言があった 集まってお前のところはどうするという検討は ように記憶しています。公的病院のあり方、 あるい やっていませんが、病院の機能的な配分の見直し は病診連携のあり方に関して、 若干問題があるので は県立病院の中でも少しずつ進めていきたいと考 はないかと思ったので、 これも参考に掲げておきま えています。いろいろな意味で民間も含めて大き した。もしご意見がいただければありがたい。 な意味で医療をどうするかという方向性は、医師 会とも大いに議論して考える必要があると思って 横山県病院事業管理者 先ほどから課長がお話 いるところです。 申し上げた通り、経営形態が変わり、地方公営企 業法の全適ということになって、病院事業局とな 橋知事 いま最後に管理者も言われたけれど り、県立病院5病院を中心に、いわゆる公的病院 も、医師会と協調して県立病院があるということ を眺めることになるわけですが山形県の状況は、 は望ましいと思います。県立病院が既にあります いわゆる民間病院が非常に多い他の県、あるいは ので、あると赤字にならないようにと当然なるこ 都会と違うんじゃないかという感じがしています。 とが、税金をどんどん入れる訳にもいかないし、 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 51 健全財政、あるいは採算性がとれるようにという 善されなければ宿日直許可の取消しもあり得るよ ことになるので、いま例に挙げられた大阪はいま という発言もあったそうです。 相当財政難ですから、何がなんでもとにかく頑張 4月になり、この指摘された22病院に適正化に れと、言われるかもしれないね。同じことで、山 係る改善計画を求められ提出しているようです。 形県だってそうなると思うので、竹内先生が心配 このような労働基準局の動きは、以前マスコミで されるように、地域の医療を壊すのではないかと、 報道された研修医の過労死の問題がその背景に そうなれば全く元も子もなくなるので、先ほど話 あったんだろうと推測しますが、どういうきっか があったように、医師会や医療機関と運営協議会 けでこういう動きが出てきたのか分かりません。 みたいなものをつくって、この辺が妥当であると ただ、山形県の中でも新庄、村山、米沢の各労働 か、あんまり頑張り過ぎるぞとか、いくら頑張っ 基準監督署も山形とほぼ同じような動きがあった てもいいのだけれども、地域医療とマッチしなく そうです。しかし、あくまでも9月9日の時点で なるぞというようなことを議論した方がいいよう すが、酒田、鶴岡の方には何の問い合わせもなく、 な気がします。県立病院があれば、限りなく採算 全く動いてないようです。全国的にはどうかと日 性というふうなものを追求するようになるから。 本医師会にも調べてもらったんですが、まちまち 図体は出来るだけ質素にして、簡素化していった だったということです。そんなことを受けて、病 方がいいと思いますね。 院協議会は基準監督署に対して次のように回答し たそうです。 座 長(大友副会長) よろしいですか。これ それは、医師、看護師の改善は、人員確保、人 は元論で大事なところですのでね。基本的なあり 件費等による経営の圧迫を理由にできかねると。 方、確かにプラスマイナスはあるわけだけれども、 なお事務員、コメディカルの改善については殆ど そのバランスですね。その評価をひとつ慎重にお の病院で指摘はなく、特に医師に対して厳しかっ 願いしたいと思います。 たようです。改善できなかった場合のペナルティ として、宿日直許可が取り消されるようなことが 宿日直勤務にかかる労働基準監督署の指摘に ついて もしあるとすれば、これは地域医療として、救急 告示病院の存続が非常に危機にさらされ、救急医 真田常任理事 これは労働基準法に関わる話題 療に及ぼす影響がきわめて深刻なことになりかね です。9月9日、県の病院協 ない。しかし、法は法ということもあるし、各病 議会と県医師会との懇談会 院、ジレンマで苦慮しているようです。 があった席上、この話題が報 県医師会に対しても、基準監督署の方に理解を 告されて、県医師会としても 求めるような話し合いを持ってもらいたいという 考えてくれということが 要請がありました。県医師会と労働基準監督署と あ っ た の で、こ の 席 で 県 の の懇談会は年に1回あるんですが、今年は終わっ 方々に説明して、ご意見を承 たので、何かの機会を求めて話を聞き、要請もし りたいと考えたところです。 たいと考えています。それで県行政の立場として まず経過として、去年の4月に山形労働基準監 のご意見を承りたいと思います。 督署から管内の各病院の宿日直勤務の調査があっ たそうです。その結果、さらに6月に各医療機関 座 長(大友副会長) この現状は分かっていた で自主点検して、その調査結果を報告しているよ だけますね。それに対してご意見をお願いしたい うです。今年の1月になって、その報告書の中で と思います。 改善を要すると基準局が認めた22病院の集まり があって、そこで改善に関わる説明が基準監督署 草苅県健康福祉企画課長 冒頭の小児救急医療 からあったそうです。その説明の中で、今後も改 のテーマの中で松下先生が話されたように、最近 52 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 の傾向として非常に共働き世帯が増えたとか、あ うことでわれわれの方も努めたいから、ちょっと るいはあたかもコンビニを利用するような感覚で 表現が悪いが、コンビニみたいに利用するなどと 休日・夜間に救急医療機関を受診する患者さんが 言うのは、それぐらい忙しいという意味だと思う 増えて、病院における本来の宿日直業務の範疇を のですが、患者の立場に立つとそれに応える必要 超えてしまう要因の一つになっているのではない がある。だからいつでもどうぞという心がけは持 かと思います。病院協議会の報告にあったように、 ちたいと思う。ただ、そのためにいろいろ条件が 各医療機関においては、通常でも医師、看護師の 悪化することがあれば、救急体制を整備すること 確保が非常に難しい状況に加えて、一層の経営改 で努力していくべきであって、死ぬほど稼がせる 善が求められている中で、今の宿日直勤務を交替 とか、問題が出てくるということは設置者の責任 制勤務体制に組み換えるということは、非常に難 だと思うので、出来るだけのことは努力して、医 しいと思います。私どもとしても、この度の労働 師確保であるとか、なんとかすべきことについて 基準監督署の対応には非常に苦慮しています。救 は指導していきたい。県立病院ではそういうふう 急医療の充実確保は県としても重要なテーマなの に心掛けているはずです。 で、例えば小児救急に関する電話相談、他県でモ デル的に実施している事例などの話を聞くと、緊 座 長 (大友副会長) 知事さんからそういう大 急に医療機関を受診しなくても大丈夫な患者が納 号令が発せられれば、これほど力強いことはない 得されるというケースもあるようなので、電話相 ので、今後ともどうぞよろしく。 談について検討するとか、県民の方々に対する意 識啓発などの対策を強化していく中で出来るだけ 橋知事 例えば研修医ね、いま山大医学部の の改善を図っていくべきだと思っています。 県内定着率も大分悪いという。前期研修、後期研 県内に6つの労働基準監督署がありますが、監 修などは県内全体の医師確保ということから、県 督署ごとにまちまちです。東北6県の状況も医務 立病院での研修については、枠を拡大するなどし サイドで情報収集しました限り、まちまちのよう て、少し行政も手伝いながら定着を図っていきた で、本県だけの問題ではないので、今後の労働基 い。そして1人でも多くのお医者さんが県内で活 準監督署の対応とか、他県の動きなども踏まえな 躍できるように努力していきたいと思っています。 がら対応を図っていきたいと思っています。 管理者と話をしながら詰めていきたいと思います。 座 長(大友副会長) これは、いま厚生労働省 座 長 (大友副会長) どうもありがとうござい になってるけれども、もともと厚生省と労働省別 ます。よろしくお願いします。時間も大分迫って だったでしょう?1本になってもさっぱり変わり いるので、3番目のこれからの検診の方向性につ ないのね。お互いやりたい放題やってるわけです いて。 よ。そういう国の仕組みに現場が振り回されてい るというのが現状なんですね。そういうことに対 これからの検診の方向性について して県なり何なりの立場から、基本的にこういう 武田常任理事 これからの検診の方向性につい 課題があるぞということで国に迫るという姿勢も て4つの提案と、要望をさせていただきます。山 われわれとしては望みたいところなのでよろしく 形県のがん検診受診率は全国と比較して概ね良好 どうぞ。 なレベルにありますが、がんによる死亡率は全国 的にみて高位にあります。がんは早期発見、早期 橋知事 患者の方から言えば、どんな状態で 治療が治療の基本であることは今も変わりなく、 も救急だと思うことがあるので、簡単に利用する 検診の意義は非常に大きく、最近の医療技術のさ なというのはこっちの方でそう思うだけの話で、 まざまな進歩を積極的に採り入れて、新しい検診 救急に対しては出来るだけきちんと対応するとい システムを適宜作成していく、バージョンアップ 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 53 が県民の健康、あるいは福祉 4つ目は肺がんに関して。これまで胸部間接撮 の増進に非常に大切だと思 影を中心に行われていますが、CTスキャンを行い います。 ますと肺がんでは、普通の単純写真では分からな 〔以下資料説明略〕 い小さながんが見つかることが少なくありません。 まずマンモグラフィー、い 今は体の中のがんを発見するのに全身のCTをし わゆる乳房X線検査の乳が ばしば撮ります。それを検診に導入することに協 ん検診への積極的な導入に 力をいただきたい。実際に検診委員会の方で県の ついてです。平成15年4月1日から山形県の健康 医療機関へのアンケート結果では、約80%近い施 診 査 実 施 要 項 の 一 部 を 改 正 し て、マ ン モ グ ラ 設から協力もやぶさかではないという回答を得て フィーが加えられましたが、実際に導入の状況を います。ただ、これに関しては、まだ画像の標準 各市町村で見ると、積極的に検診に採り入れてい 化とか、どの時点で撮るかという、詰めが十分に る所もあるが、中には人間ドックの受診者の中で されてない部分もありますが、今後、こういう方 希望者を対象に行っているというような所もあり 向に向かっていくと思います。 で、いわゆる検診として積極的に採り入れられて いるのとはやや遠い状況にあると思われます。こ 座 長(大友副会長) 要するに、新しい方策が れは先日、朝日新聞でもマンモグラフィーをやっ 取られてきていることにに対して積極的に支援を ていない所が問題だというような報道もあり山形 お願いしたいということです。一々の項目につい 県でぜひ積極的な導入に向けて、各市町村に働き て云々必要でございませんけど、全体としての姿 かけをお願いしたい。それから、検査技師あるい 勢だけについてお願いします。 は読影医師の養成等へのご配慮、ご支援もいただ きたい。 松田県保健薬務課長 検診についてはより効率 次に子宮がんに関して。今までの健康診断は40 のよい、より効果のある検診法を築いていくとい 歳で開始されるのが一般的だが、もともと若年者 うのが必要だろうと思っていますし、必要な見直 の女性から発症するということで30歳が検診開 し検討を適宜行いながら進めていくことが大事だ 始年齢となっています。しかし、最近のいろいろ と思っています。本県での検診の実施方法のしく な社会情勢の変化により、20代でも子宮がんが発 みとしては成人病検診管理指導協議会を設けてい 見されてきています。20歳からの検診を行うべき て、そこには医師会の先生方、山形大学、市町村 だと県医師会の検診委員会でも決議されました。 等の方々に参加いただいています。そこに6つの 20歳からの検診の推進にご協力とご指導をお願 部会があります。それで6つの部会にその検診項 いします。早期に発見し、早期に治療を受けるこ 目ごとの審議、ご検討をいただき、それを踏まえ とで子宮の機能も温存でき、それによって、少子 て健康診査実施要領の内容を定め、それを市町村、 化に対する底上げにも意味があると思います。 検診実施機関に示してきました。いわばガイドラ 次にペプシノゲン検診の導入。これは萎縮性胃 イン的な指針なので、その指針に沿って進めてほ 炎を診断する方法だそうですが、それが陽性であ しいという形でこれまで進めてきています。マン ると胃がんのハイリスク患者であることが分かる モグラフィーと子宮がんにつきましては、協議会 というものです。採血してチェックするもので、 で審議、検討をいただきながら対応していきたい 胃がんになる候補であるかどうかを判断して、早 と考えています。 めの胃の検診を行っていくことで利用されること ペプシノーゲンとヘリカルCT.につきましては、 になるそうです。ただ、これに関しては、山大の 若干これから整理検討すべき課題等もありますの 深尾教授を中心に、これからパイロット的な研究 で、私どもなりにいろいろ整理をさせていただき を予定しているので、また何か要望があったら積 ながら、協議会の部会の意見も聞きながら、今後 極的なご協力をいただきたい。 いろいろ検討したいと考えています。 54 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 座 長(大友副会長) では5番目に移ります。 このシステムについては、保健所や市町村にある 端末機から病院の診療情報の可否とか空き病床数 広域災害・救急医療情報システムの整備に ついて とか、要員の派遣などのいろいろな要請が伝達可 能となっていて、災害時にこういったシステムの 三原常任理事 この項目は前回、佐藤常任理事 活用で対応しようと思っていました。ただ、いわ からも出たものですが、内容 ゆる防災行政無線ネットワークと国が進めている がよく分からなかったとい 広域災害救急医療情報システムについては、それ うことで、再度提出の項目で ぞれ長所と短所があるのでないかと思っています。 す。先の阪神淡路大震災にお 国の方の広域災害救急医療情報システムは、公衆 ける教訓から構築された大 回線を使用しております。このため、いわゆる回 規模な災害における人命の 線切断の時にはシステムが使えないということが 救援救助には、まず情報を迅 1点あります。あといわゆる信頼性が100%ある 速かつ正確に把握することが必要です。そういう のかどうか、実は今年の9月1日に訓練を厚生労 システムでどんなことをやってるかというと、こ 働省で行ったのですが、サーバーがダウンして稼 のシステムに関しては日経新聞8月25日号に出て 働しなかったということもあったり、年間の維持 いて、大体のイメージはインターネットのホーム 経費として多額の費用が掛かるということもあり ページに被災地の病院の必要な医師数や医薬品な ます。また、県の防災行政通信ネットワークにつ どを打ち込み、 被災地外の病院は派遣可能な医師数 いても、端末機の設置が病院関係では県立病院な などを入力、 被災自治体は双方のデータを突き合わ ど5病院に限定されていること、それから国のシ せ、 都道府県を通じて応援を要請する仕組みだと書 ステムに比べて県外に派遣要請ができない、山形 いてあります。 なんとなく分かったようで分からな 県でクローズされているなど、国と県のシステム いように思いますが、 要するにインターネットを活 でそれぞれ長所と短所があると思われます。昨年 用して、この災害に活用しようというシステムで、 のこの懇談会でもこの問題について提起がありま 厚生労働省はこのシステムに早急に参加するよう した。県としては県の防災行政情報ネットワーク 都道府県に促してきたが、現在でも宮城県を含む8 を拡充するとか、端末機を設置する病院の数を増 県が参加していない−という報道があります。 どう やす、あるいはリアルタイムで病院が直接入力で も、 この8県の中に山形県も入っているようですけ きるようなシステムを検討するか、もしくは国が れども、県としては、このシステムに対してどのよ 進めている広域災害救急医療情報システムの導入 うな認識を持っているのか、 どうして参加しないの を図るべきかといったことについて、来年度の予 か、 それと災害時の医療体制をどのように考えてい 算編成の過程の中で十分検討していきたいと考え るのか、この3点をお聞きしたいと思います。 ています。 草苅県健康福祉企画課長 厚生労働省では広域 三原常任理事 はい、分かりました。今のとこ 災害救急医療情報システムの導入を推進していて、 ろ2つあるんだが、山形県は独自のシステムを 平成15年9月現在、39都道府県において整備され いま動かしているということですね。われわれ ていると聞いています。お話のように山形県もこ の方からは病院がこういうのに関わっていると のシステムには未加入というか、まだ導入にい いうのが全く見えないんですよ。病院が本当に たっていない状況です。県としては、昨年7月に 救急の時に、こういうシステムを使って機能す 消防防災課において防災行政通信ネットワークと るのかどうか。そもそもどういうシステムなの いう衛星回線を主体とした防災行政無線の新しい か全然分からない。もう少し情報公開してほし システムが稼働したので、それを活用した広域災 いと思います。 害の対応を図ろうという形で進めてきたものです。 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 55 座 長(大友副会長) ということです。これは が、115施設で約8割。敷地内全面禁煙及び施設 三原先生、お互いでやりとり出来ますよね。 内全面禁煙は18施設ほどありました。それでは実 際、設置している喫煙場所が健康増進法の25条で 三原常任理事 はい、いろいろまたお話させて いうところの受動喫煙の条件を満たしているかと いただければと思います。 いう次の問いについては残念ながら、約1割にと どまっていて、まだまだ進んでいない状況です。 座 長(大友副会長) それでは最後の方になり 次に職員に対する啓蒙等については、これまでも ますが、公共施設内外での喫煙対策について。 禁煙教室とか、いろいろやっていまして、職員自 身はたばこは駄目だというのは十分わかってるん 公共施設内外(県の管理下にある)での喫煙対 策について じゃないかと捉えています。利用上の理解、職員 の理解、設備改修に伴う経費の負担という課題も 中條理事 ここにあります通り、公共施設内外、 ありますが、私どもの立場としては引き続き関係 これは県の管理下にあえて 課、施設に対して対策の実現について強力にお願 限りましたが、喫煙対策につ いしていきたいと考えています。 いて伺います。ここに日本医 師会の「たばことがん」とい 橋知事 せっかく医師会でこういう大宣言を う小冊子、それから山形県医 されたわけだから、県庁もこういうふうな会合を 師会の「禁煙推進に関する山 やっているなら、守らなければいけないと思いま 形県医師会宣言」という2つ すが、ちなみに先生方、どれくらい喫煙してます を添付しました。この文章にも書いてある通り、 か(笑い)吸ってる方です。ああ、やっぱりわれわ たばこの害は皆さんもう当然ご承知のことで、そ れの方が遅れてるのかな(笑い)。県庁では私だけ れではどうするかというより具体的な方策につい かな。 てお伺いします。今般、5月に健康増進法が施行 されてそれぞれ実施されていますが、その第25条 佐藤県健康福祉部長 そんなことないです。 に受動喫煙対策の問題があります。それぞれの管 理者は受動喫煙させないように努めなければなら 橋知事 あ、そう? 手挙げないんだな、で ない、罰則義務はなく努力義務ということですが、 は。実はこの間、県庁の部長会議でどうです?と そういう法律ができた時点で県内外、県管理下に 話したところが、喫煙するのは私だけみたいだっ ある施設ではどういう対策をなさっているか具体 たんです。それでどうかなと思っていたんですが 的にお示しいただきたいと思います。 ね。医師会の宣言を受ければ、県庁もやらなけれ 第2点は今年の8月22日に、たばこ販売協議 ばいけないのでないかと言いたいと思います。で 会の関係者が県教育長に面会されて、学校内での きるだけ実現出来るようにいたします。 禁煙対策は困ると。喫煙するスペースを設けてほ しい云々の要請があったということを聞いてい 座 長(大友副会長) 最後になりますが、山形 ます。これに対して教育長側はどう対応なさった 県立保健医療大学大学院の設置について説明だけ のか、よろしければお聞かせいただきたいと思い お願いします。 ます。 草苅県健康福祉企画課長 保健医療大学は平成 松田県保健薬務課長 前の第1点について、実 12年4月に開学して、来年第1期の卒業生を送り は私の方で県が管理する施設、県立高校を除いて 出します。それに合わせて来年の4月に定員12名 ですが、6月に状況調査しました。全体で147施 の大学院の修士課程を設置すべく準備を進めてい 設。いわゆる空間分煙、喫煙場所を設けてる施設 るところです。11月末に認可をとり、学生募集、 56 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 選抜試験の実施などと進めていきたいと思ってい 佐藤常任理事 和歌山県では医師会、歯科医師 ます。教育の特色として、社会人の積極的な受け 会、薬剤師会に看護師協会、それに行政が足さっ 入れも大きな柱に掲げていますので、よろしくお てマスコミを通じて禁煙キャンペーンを行ってい 願いします。 るということが流れてきたし、山形県でも行政と 一緒に禁煙キャンペーンをやりたいので、ぜひ考 座 長(大友副会長) 時間が大幅に遅れていま えていただきたいと思います。 すが、ここで何か一言、これだけはというのがあ れば1分以内ぐらいで。 座 長 (大友副会長) 長時間お付き合いいただ き、しかも大変丁寧にいろいろ討議していただい 佐藤理事 禁煙の問題ですが、学校の禁煙対策 たこと、厚く御礼申し上げますとともに、大変時 として、本県ではトップダウ 間をオーバーしましたことをお詫び申し上げます。 ン方式では行わなかったん どうもありがとうございました。 ですね。と言うのは、それだ けの資質のある人を校長と 司 会 (伊藤事務局長) どうもありがとうござ して任命してるということ いました。以上をもちまして知事と県医師会との があったんじゃないかと思 懇談会を終了させていただきます。 うんですが実際問題として 学校では敷地内禁煙はもとより、校舎内禁煙も行 Ⅳ 懇 談 われていないのが現実です。上山市医師会では予 算を取って、学童のために禁煙教育を行うことに なったんですが、そういう教育に対して教育長か らぜひ協力要請してもらって、子供たちの禁煙教 育をさせてもらいたいとお願いしたいがいかがな ものですか。 伊藤教育次長 教育委員会でいま受動喫煙防止 はもちろん、喫煙防止教育を 積極的に進める上からも学 校敷地内禁煙の方向で講演 会や学校保健委員、各市町村 の教育長の会議とか、校長会 の場でもそれぞれに積極的 な働きかけをしていますの で、各学校の主体的な取り組みとして、少しずつ ですけれど実施率は伸びており、来年はもっと伸 びるだろうと期待しています。 Ⅴ 閉 会 〔文責 大友 尚〕 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 57 第19回山形県医家美術展 本会々員の作品を集めて毎年開催している山形県医家美術展を今年も去る10月28日(火) から11月3日 (月) までの7日間、例年通り山形市・大沼デパート5階ギャラリーにおいて開催しました。 今年の出展作品は絵画部門9点、写真部門18点、書道部門1点、俳句部門1点、工芸部門4点であり ました。 ここに今年の出展作品を掲載致しますのでご鑑賞下さい。 なお、掲載は紙面の関係で各部門一人1点とさせて頂きました。 蔵王火口 油彩 山形市 鈴木 清夫 初冠雪の蔵王連峰 油彩 山形市 中村 達夫 次年子の春 油彩 寒河江市 安孫子正平 流れゆう悠(最上川大淀) 油彩 上山市 江口 敬志 58 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 満 開 油彩 上山市 高野 良介 春の花1 油彩 酒田市 海野 泉 アンコールワット 山形市 小屋 一男 マスクメロン 山形市 中野 博 アシニボインam 山形市 徳永 正靱 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 59 情熱のステップ 山形市 森 和男 仲睦まじく(メジロ) 天童市 藤山 忠信 あじさい 上山市 青山 新吾 盛 夏 東根市 橋本 秀樹 木 蓮 鶴岡市 中目不三男 60 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 俳句 向日葵、秋天、蝿、海水着 山形市 土屋 春雄 書 齋藤茂吉のうた 鶴岡市 犬塚 信 仏面 如意輪観音 川西町 黒沢 真 切り折り紙 人魚姫 南陽市 川合 正和 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 11月 1日 第56回日本医師会設立記念医学 11月 13日 61 所得税青色申告決算書付表の様式 大会が日本医師会館で開催され、國井会長、 の全国統一について、各郡市地区医師会長宛 竹内副会長出席。 通知。 〃 5日 産業医研修会を鶴岡地区医師会館 〃 平成15年度乳幼児保健講習会の 開催について、各郡市地区医師会長宛通知。 で開催。 〃 中国におけるSARSの予防と治療 〃 14日 荘内地区健康管理センター創立 20周年記念祝賀会がグランドエルサンで開 栗谷監事出席。 催され、國井会長出席。 〃 に関する報告会が日本医師会館で開催され、 8日 第34回全国学校保健・学校医大 〃 山形地区社会保険委員大会がオー ヌマホテルで開催され、松本次長出席。 会が青森市・ホテル青森で開催され、國井会 長、竹内・三須副会長、須藤・有海・佐藤常 〃 15日 山新ビルテレビホールで開催され、國井会長 任理事出席。 〃 11日 〃 12日 〃 山形大学医学部創立30周年記念 式典が山形テルサで開催され、國井会長出席。 第8回常任理事会を県医師会館で 〃 開催。 〃 出席。 鶴岡准看護学院第45回生戴帽式 が同学院で開催され、三原常任理事出席。 17日 13日 山形県公衆衛生学会第1回運営委 村経理係長出席。 〃 IT調査の結果について、各郡市地 区医師会長宛通知。 員会が山大医学部で開催され、伊藤事務局長 〃 出席。 〃 18日 〃 第3回都道府県医師会長協議会が 日本医師会館で開催され、國井会長出席。 送付。 〃 労災診療費算定実務研修会をホテ ルメトロポリタン山形で開催。 医療安全を推進するためのポス ター、パンフレットを各郡市地区医師会長宛 平成15年度北方領土返還要求山 形県民大会がオーヌマホテルで開催され、市 医師信用組合常務会が県医師会館 で開催され、國井会長、竹内副会長出席。 〃 いきいき人生「健康セミナー」が 第9回日本医師会認定健康スポー 〃 2004年世界医師会東京総会準備 ツ医制度再研修会の開催について、各郡市地 委員会が日本医師会館で開催され、國井会長 区医師会長宛通知。 出席。 62 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 11月 18日 山形県農作物有害動植物防除協議 会が農業技術センターで開催され、鈴木業務 都道府県医師連盟委員長と日本医 師連盟常任執行委員との合同会議が日本医師 会館で開催され、國井委員長出席。 〃 19日 産業医研修会を西置賜行政組合消 防本部で開催。 〃 山形県医療審議会が村山総合支庁 で開催され、國井会長、大友副会長、有海常 任理事、青柳理事、栗谷監事出席。 〃 山形県医療審議会医療法人部会が 村山総合支庁で開催され、大友副会長、有海 常任理事、青柳理事出席。 〃 20日 都道府県医師会医事紛争担当理事 連絡協議会が日本医師会館で開催され、三須 副会長出席。 〃 21日 本会地域保健医療委員会を県医師 会館で開催。 〃 第59回国民体育大会冬季大会ス 第8回全理事会を県医師会館で 開催。 〃 係長出席。 〃 11月 26日 三師会役員懇談会をホテルメトロ ポリタン山形で開催。 〃 平成15年度第1回都道府県医師会 情報システム担当理事連絡協議会が日本医師 会館で開催され、三原常任理事出席。 〃 28日 平成15年度都道府県医師会勤務 医担当理事連絡協議会が日本医師会館で開催 され、武田常任理事出席。 〃 第38回優良従業員表彰式が山形 市医師会健診センターで開催され、國井会長 出席。 〃 平成16年度「心とからだの健康づ くり指導者養成研修」の開催について、各郡 市地区医師会長宛通知。 〃 パンフレット「さらなる食品の安 全性の確保に向けて」を各郡市地区医師会長 宛送付。 〃 厚生労働省・都道府県労働局作成 リーフレット「行動計画の策定準備を始めま 会が県庁で開催され、松本次長出席。 しょう!」を各郡市地区医師会長宛送付。 〃 キー競技会山形県実行委員会第5回常任委員 22日 本会消化器検診研修会を山形国際 ホテルで開催。 〃 自民党県連選対・支部長・幹事長 合同会議がグランドホテルで開催され、鈴木 業務係長出席。 〃 24日 西島英利君を励ます会が東京・パ レスホテルで開催され、國井委員長、竹内副 委員長ほか選挙区責任者等出席。 〃 パンフレット「難病情報センター のご案内」を各郡市地区医師会長宛送付。 〃 平成15年度学校医講習会の開催 について、各郡市地区医師会長宛通知。 〃 29日 医師会活動を考えるシンポジウム を山形国際ホテルで開催。 〃 30日 鶴岡市立荘内病院開院記念式典並 びに祝賀会が東京第一ホテル鶴岡で開催され、 竹内副会長出席。 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 63 会 員 異 動 11月31日現在会員数1,604名 A会員719名 B会員885名 ○ 会 員 訃 報 死 亡 年 月 日 氏 名 享 年 平成15年11月23日 松 浦 昭 一 76歳 ○ 入 住 所 酒田市東大町二丁目20−17 会 月 日 所属郡市 会員区分 氏 名 診療科目 11. 1 鶴 岡 B 佐 藤 智佳子 消 〃 米 沢 B 島 津 貴保子 内・胃 ○ 異 旧 勤 務 先 県立新庄病院 米沢市中央四丁目8−47 島津医院 林内科医院 動 月 日 所属郡市 会員区分 11. 1 新住所又は勤務先 鶴岡市 市立荘内病院 山 形 氏 名 新住所又は勤務先 B→A 沢 村 俊 宏 山形市東原町四丁目16−7 沢村クリニック 備 考 新規開業 〃 山 形 B→A 山形市五十鈴一丁目1−28 伊 藤 啓 一 〃 伊藤泌尿器科クリニック 〃 山 形 B→A 平 林 敬 之 〃 山 形 B 平 林 昌 子 〃 〃 〃 施設異動 〃 山 形 B 井 上 隆 山形市やよい二丁目10−14 開業準備 山形市蔵王西成沢124(32−2) 〃 平林耳鼻科皮膚科医院 〃 北 村 A 藤 田 信 輔 東根市六田一丁目1−35 藤田医院 施設所在地変更 11. 2 山 形 A 小 関 賢 一 山形市大字南館183−7(71−2−12) 現住所変更 11.25 北 村 B 金 村 應 文 東根市中央三丁目11−19 〃 〃 鶴 岡 B 佐 藤 純 郎 鶴岡市美原町12−18 〃 ○ 退 会 月 日 所属郡市 会員区分 氏 名 備 考(移転先) 11.30 山 形 B 工 藤 俊 県立中央病院 〃 米 沢 B 川 路 博 之 三友堂病院 → 山形大学医学部 64 山形県医師会会報 平成15年12月 第628号 編 集 後 記 いま、年金改革で揺れている。 我々の喫緊課題「診療報酬改定」については谷 垣財務相や額賀自民党政調会長に要望書を提出、 さらに四師会から意見を聴取と日医は大童である が、残念ながら先行きは暗い。 それよりも、国民的にも国会でも最重要関心事 の一つは年金改革のようだ。そもそも公的年金は 将来の経済社会がどのように変わろうとも、やが て必ず訪れる老後の収入確保を約束できる唯一の ものとされているのだが。 自分は既に国民年金を貰っているが、介護保険 料などを差し引かれて手取りは夫婦で僅か月13 万余。これでも、平均的に長生きすれば支払った 保険料総額よりも受給額のほうが大きい計算にな るそうだが、若年者だけでなく結構な年の人も保 険料未納者・未加入者が続出していると聞く。中 には全く関心を示さない者もいるが、制度に対す る不信感も手伝っているかも知れない。また、時 節柄払いたくとも払えない人も含まれている筈だ。 この間、ある県の社会保険事務局が納入推進広 告に「大泣きジジー」 「せびるマン」 「ぬけがけバ バアー」 「口だけ女」などと書き入れて問題となっ ていたが、これはいささか非常識すぎた。 国民・厚生・共済各年金など全てに共通する基 礎年金の国庫負担を現在の1/3から1/2に上げる ことが先ず決まった。その財源に2兆7千億円必 要というが、さて何処からそれを捻出するか。高 額の年金取得者への課税強化、年金控除の縮小だ けでは知れたものだ。141兆円の年金積立金を取 り崩す案もあるが、運用や各地につくった保養所 で積立金は大きな無駄を出している。もっとも、 これは誰も責任を取っていないが。 結局は消費税を上げざるを得まい。小泉首相は 任期中は上げないと明言し問題を先送りしている が、延命のための卑怯な策に思えてしまう。 厚生年金などは現役世代の平均賃金の50%以上を 確保することで政府は合意しているが、負担と給付 は表裏一体のもの。労使折半の保険料は現13.58%を 18.35%にアップすることでやっと決着した。 保険料は、貰うことになる側からすれば高くと も良いだろうが、同額を負担する事業主には限度 があり、抜け道を探すことにもなりかねない。 会員の老後の、あるいは遺族の生活安定に寄与 することを目的としている日医年金は公的年金と 異なり、自分が納めた金額に利息をつけて貰える 仕組みになっている。74才まで貰うのを伸ばすこ とができるが、自分は今年から受け取ることにし た。利息は5%から3%、そして現在は1.5%と下 がってしまったが、貯金よりは遙かに有利だった。 私には、年の瀬が迫ると自身の十大ニュースを 決める癖があり、今年はこの日医年金受給を記録 に残そうと思っている。 と こ ろ で、こ の 暮 れ に 日 本 及 び 世 界 の 重 大 ニュースとも言うべき自衛隊のイラク派遣と、続 いてフセイン元大統領拘束の報が飛び込んできた。 明けても波乱含みの年のようだ。 (竹内輝博) 発 山 形 県 医 師 会 会 報 第628号 〃 ¥ 500 本会会誌の誌代500円は、山形県医師 会会費賦課微収規程第2条別表に定め る会費の中に含まれる。 行 者 國 井 一 彦 平成15年12月5日 印刷 平成15年12月10日 発行 編 集 委 員 竹 内 輝 博 〃 〃 三 須 良 彦 佐 藤 泰 司 三 原 一 郎 発 行 所 社団法人 山形県医師会 〒990-2432 山形市荒楯町一丁目8番9号 TEL 023-631-4350 FAX 023-631-4352 印 刷 所 ㈱ 誠 文 堂 山形市本町一丁目7番50号 印 刷