...

EMC®VNX™ シリーズ VNX™ファイル重複排除と圧縮

by user

on
Category: Documents
12

views

Report

Comments

Transcript

EMC®VNX™ シリーズ VNX™ファイル重複排除と圧縮
EMC®VNX™ シリーズ
リリース 7.1
VNX™ファイル重複排除と圧縮機能の使用方法
P/N 300-013-512 Rev 01
EMCジャパン株式会社
〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-1-1新宿マインズタワー
http://japan.emc.com
お問い合わせは
http://japan.emc.com/contact
Copyright © 2009 - 2012 EMC Corporation.不許複製。
July 2012 発行
EMC Corporationは、この資料に記載される情報が、発行日時点で正確であるとみなしていま
す。この情報は予告なく変更されることがあります。
このドキュメントの情報は「現状のまま」提供されます。EMC Corporationは、このドキュメ
ントに記載されている情報についていかなる種類の表現または保証もいたしかねます。また、
特に、特定の目的のための、市販性または適合性の暗黙の保証を否定します。
この資料に記載される、いかなるEMCソフトウェアの使用、複製、頒布も、当該ソフトウェア
ライセンスが必要です。
製品ラインに関する最新版の安全規格情報については、EMC Powerlinkの[テクニカル ドキュ
メントおよびアドバイザリ]セクションを参照してください。
EMC製品名の最新のリストについては、EMC.comサイトの「EMC Corporation Trademarks」を
参照してください。
他のすべての名称ならびに製品についての商標は、それぞれの所有者の商標または登録商標
です。
2
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
目次
序文.....................................................................................................................................................5
第 1 章 : はじめに.........................................................................................................................7
概要..............................................................8
システム要件......................................................8
制限事項..........................................................9
ユーザー インタフェースの選択....................................11
関連情報.........................................................11
第 2 章 : 概念...............................................................................................................................13
概要.............................................................14
重複排除の状態...................................................15
重複ファイルの検出...............................................15
圧縮方法.........................................................16
容量削減型バックアップ...........................................17
CIFS圧縮ファイル属性.............................................17
外部トリガーによる重複除外.......................................18
クローン作成機能.................................................18
アプリケーション統合のプランニング...............................18
バックアップとリストア......................................19
VNX File System Migration ..................................20
VNX ファイル レベル保存期間設定 ............................20
VNX FileMoverのアーカイブ ..................................20
ファイル システムの領域使用状況.............................20
MPFS........................................................21
ファイル システムのポイント イン タイム ビュー..............21
クォータ....................................................22
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
3
目次
レプリケーション............................................23
リソースの自動管理...............................................23
第 3 章 : 構成...............................................................................................................................25
ファイル システム重複排除の有効化................................26
第 4 章 : 管理...............................................................................................................................27
重複排除の手動テスト.............................................29
重複除外が有効にされたファイル システムの表示....................32
重複排除が有効にされたファイル システムすべてのリスト............33
重複排除の圧縮方法の設定.........................................33
重複排除が有効にされたファイル システムでのクエリー設定..........35
ファイル システム重複排除の中断..................................37
ファイルシステム内のファイルの再重複.............................38
重複排除からのファイル拡張子の除外...............................40
重複排除からのパス名除外.........................................42
重複排除のアクセス タイムの設定..................................43
重複排除する最大ファイル サイズの設定............................44
重複排除する最小ファイル サイズの設定............................45
重複排除の最小スキャン間隔の設定.................................46
重複排除の変更時間の設定.........................................47
重複排除のための重複データ検出方法の設定.........................48
重複排除のバックアップ データ閾値の設定..........................50
重複排除へのCIFS圧縮の設定.......................................52
重複排除デフォルト設定のリセット.................................54
第 5 章 : トラブルシューティング...........................................................................................57
EMC E-Lab Interoperability Navigator.............................58
VNXユーザー カスタマイズ ドキュメント............................58
エラー メッセージ................................................58
既知の問題.......................................................59
EMCトレーニングおよびプロフェッショナル サービス.................61
用語集.............................................................................................................................................63
索引..................................................................................................................................................67
4
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
序文
製品ラインのパフォーマンスと機能を継続的に改善および強化するための努力の一環とし
て、EMCではハードウェアおよびソフトウェアの新規バージョンを定期的にリリースして
います。そのため、このドキュメントで説明されている機能の中には、現在お使いのソフ
トウェアまたはハードウェアのバージョンによっては、サポートされていないものもあり
ます。製品機能の最新情報については、お使いの製品のリリース ノートを参照してくだ
さい。
製品が正常に機能しない、またはこのマニュアルの説明どおりに動作しない場合には、EMC
の担当者にお問い合わせください。
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
5
序文
注意事項の表記法
EMCでは、特別な注意を要する事項に次の表記法を使用します。
注: 非常に重要である、または影響があるが、人体への危害や、事業的な損失、データの消失
にはつながらない内容を強調します。
事業的な損失、またはデータの消失につながる可能性を警告する内容を示します。
回避されなかった場合、軽微な、または中程度の怪我につながる可能性のある危険な
状況を示します。
回避されなかった場合、死亡、または重傷につながる可能性のある危険な状況を示し
ます。
回避されなかった場合、死亡、または重傷につながる危険な状況を示します。
情報の入手方法
EMCのサポート情報、製品情報、ライセンス情報は、次の場所で入手できます。
製品情報:ドキュメント、リリース ノート、ソフトウェアの更新、またはEMC製
品、ライセンス、サービスに関する情報については、http://Support.EMC.comにあ
るEMCオンライン サポート用Webサイトをご覧ください(登録が必要です)。
トラブルシューティング:EMCオンライン サポートのWebサイトにアクセスします。
ログインした後、該当する[Support by Product]ページを検索してください。
テクニカル サポート:テクニカルサポートおよびサービス リクエストについて
は、EMCオンライン サポートのWebサイトにあるEMCカスタマー サービスを参照し
てください。ログインした後、該当する[Support by Product]ページを検索し、
[ライブ チャット]または[サービス リクエストの作成]のいずれかを選択します。EMC
Online Supportを通してサービス要求を開始するには、有効なサポート契約が必要
です。有効なサポート契約の入手方法の詳細や、アカウントに関する質問について
は、EMC販売担当者にお問い合わせください。
注: お客様の個別のシステム問題に担当者がすでに割り当てられている場合を除き、特定のサ
ポート担当者へのお問い合わせはご遠慮ください。
ご意見
マニュアルの精度、構成および品質を向上するため、お客様のご意見をお待ちしてお
ります。
本書についてのご意見を以下のメール アドレスにお送りください。
[email protected]
6
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
第1章
はじめに
次のようなトピックが含まれています。
トピック :
●
●
●
●
●
概要(8ページ)
システム要件(8ページ)
制限事項(9ページ)
ユーザー インタフェースの選択(11ページ)
関連情報(11ページ)
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
7
はじめに
概要
EMC ®VNX™ファイル重複排除と圧縮機能は、ファイル システムに保存されたファイルから
冗長データを排除することでファイル ストレージの効率を向上させ、ストレージ領域と
コストを削減します。各ファイル システムで、ファイルレベルの重複排除では、Data
Moverがファイルを圧縮するために処理したり、データが同一である場合に限って同じイ
ンスタンスを共有したりすることができます。重複排除機能は、ファイル全体に対して操
作を行い、静的なファイル、またはほぼ静的なファイル(使用しているCelerraソフトウェ
アのバージョンに応じて、最後のアクセス時刻が15秒以上または30秒以上前)に対して適
用されます。
たとえば、重複除外可能なファイル システムに一意なファイルが50あるとすれば、50の
一意なファイルは存在し続けますが、データは圧縮され最大50%の領域が節約されます。1
ファイル システムに同一のプレゼンテーション ドキュメントが70ある場合、この70ファ
イルは存在し続けますがすべてのファイル間で同じファイルデータが共有されます。2番
目の例では、データ使用量が約70分の1になります。さらに、70ファイル間で共有される1
インスタンスのファイル データも圧縮されるため領域がさらに節約できます。
注: 重複排除オプションはCelerra VNX CLI fs_dedupeコマンド、またはEMC Unisphere™ソフトウェ
アのファイル システムの[重複排除の設定]タブを使用して設定します。
VNXファイル重複排除と圧縮機能は、メタデータではなくファイル データを処理します。
複数のファイルが同一のデータを保持していてファイル名が異なる場合には、ファイルは
重複除外されます。重複ファイルは、異なる権限とタイムスタンプを保持できます。
このドキュメントは、VNXのマニュアル セットの一部であり、重複排除が有効化された
ファイル システムの作成および管理を担当するシステム管理者を対象としています。
システム要件
表 1(8ページ)に、EMC VNX シリーズのソフトウェア、ハードウェア、ネットワーク、
ストレージの構成について説明します。
表 1. システム要件
8
ソフトウェア
VNXシリーズ バージョン7.1
ハードウェア
●
VNX Data Mover
●
NSシリーズ(NS600以外)
ネットワーク
固有のネットワーク要件なし
ストレージ
固有のストレージ要件なし
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
はじめに
制限事項
この情報について不明な点がある場合は、EMCカスタマー サポート担当者にお問い合わせ
ください。
●
重複排除を有効化してスキャンを開始するには、ファイルシステムに空きスペースが1
MB以上必要です。十分な空き領域がない場合、エラー メッセージが生成されてサーバ
ログが更新されます。
重複排除処理の実行中、ファイルシステムには、重複排除する元のファイル サイズ
に、保存されるファイルの圧縮サイズを加算したサイズに相当するだけの十分な空き
領域と、以下が必要になります。
•
追加でファイルシステム1%分の空きが必要です。
•
自動拡張が有効化されている場合は、追加で自動拡張閾値より1%低い分の空きが必
要です。
●
デフォルトでは、重複排除機能は24 KBより小さいファイルを処理しません。
●
VNX重複排除機能は、ファイルシステム間でのデータ重複排除を行いません。
●
VNXファイル重複排除と圧縮機能が有効化されたファイルシステムでは、VNX Replicator
を使用してレプリケーションを実行できます。すべての宛先ファイルシステムで、VNX
ファイル重複排除機能と圧縮機能をサポートしている必要があます。宛先ファイルシ
ステムは、ソース システムが実行しているバージョンと同じかそれ以降のソフトウェ
アを実行している必要がある。
●
バージョン7.1以降を使用するVNXシステムで作成されたファイルシステムの重複排除
を有効化する前に、バージョン7.1を実行しているファイルシステムのレプリケーショ
ン リレーションシップによって、すべてのVNXシステムが接続されるまで待機する。
VNXバージョン7.1以降で作成したファイルシステムの重複排除を有効化し、そのファ
イルシステムをバージョン7.0以前を実行するVNXシステムに複製する場合、VNXバー
ジョン7.0以前のシステムはVNXバージョン7.1システムで重複排除および圧縮された
ファイルを読み取ることはできません。
●
[ 重要:] 重複排除SavVol閾値オプションを0に設定してこの機能を無効にした場合、
SavVolは圧縮されたデータのサイズまで大きくなり、すべてのチェックポイントを削
除していない場合には再利用できないディスク領域を消費する可能性がある点に注意
してください。
●
重複排除できる最大ファイル サイズの制限はない。NFSのみの環境では、より多くの
領域の節約を実現するために、この値を高く設定できます。
●
重複排除で高負荷となるData Moverの使用を望まない場合があります。Data Moverの
負荷が非常に高い場合、重複排除スキャンと取り込みプロセスは、順応して自己抑制
を行います。したがって、高負荷状態が続くData Moverは、負荷の低いシステムと同
じ速さでファイルのスキャンや重複排除を行えません。また、重複排除されたファイ
ルへのアクセスは、通常ファイルへのアクセスより多くのシステム リソースを使用し
ます。すでにシステムの負荷が高い場合、重複排除アクセスによる追加負荷は、他の
クライアント アクセスに悪影響を及ぼすことがあります。
制限事項
9
はじめに
●
MPFS(マルチパス ファイルシステム)は、重複排除機能が有効化されたファイルシス
テムへのアクセスに使用できます。ただし、MPFSクライアントは、重複排除済みのファ
イルにアクセスする場合に、透過的に標準CIFSまたはNFSにフォール バックします。
●
重複排除機能が有効化されたファイルシステムでは、VNX NVB(NDMPボリューム バッ
クアップ)を使用してバックアップができ、FDR(上書きフル リストア)メソッドを
使用してフル リストアができます。しかし、重複排除ファイルのNVBバックアップか
らの単一ファイル リストアまたはファイルごとのリストアはサポートされていないた
め、システムによって拒否されます。単一ファイルのリストアまたはファイルごとの
リストアには、NVBバックアップを使用する代わりに、ローカルまたはリモートでレプ
リケーションされたEMC SnapSure™チェックポイントを使用します。
●
VNXシステムはNDMPcopyユーティリティをサポートします。デフォルトで有効化されて
いるNDMPcopyを使用すると、管理者はあるファイルシステムから別のファイルシステ
ムにファイルやディレクトリをコピーできます。この際、すべてのファイルやディレ
クトリのメタデータ(CIFSおよびNFSのセキュリティ属性など)、FileMoverスタブ
ファイル、重複排除されたファイルが保持されます。NDMPcopyのデータ フローは従来
のクライアント ベースのコピー処理より効率的です。データは、ソースからクライア
ント マシンを経由して宛先に移動するのではなく、ソースから宛先Data Moverに直接
移動します。NDMPcopyを使用して、バージョン5.6.46以前を実行しているシステムに
重複排除されたファイルをコピーすることはできません。
●
VNXシステムは、NDMPの容量削減型バックアップ機能をサポートします。デフォルトで
有効化されているこの機能では、ファイルを圧縮形式でテープに転送することで、高
速バックアップとテープ上の使用領域の削減が実現できます。バージョン5.6.47以降
が稼動するシステムで実行したNDMPバックアップから、バージョン5.6.46以前が稼動
するシステムに重複排除されたファイルをリストアするには、この機能を無効化する
必要があります。容量削減型バックアップ機能が無効の場合、重複排除されたファイ
ルはメモリ内で解凍され、以前のバージョンのシステムにリストアできる通常のオン
ライン ファイルとしてテープに書き込まれます。
●
PAX(Portable Archive Interchange)ベースのNDMPバックアップから容量を節約した
ファイルを現在重複排除が有効化されていないファイルシステムにリストアすると、
そのファイルシステムの重複排除状態が中断になります。
●
iSCSI LUNの存在するファイルシステムで重複排除機能が有効化された場合、iSCSI LUN
は重複排除されません。
●
VNX重複排除機能は、ファイルシステム内のファイルやディレクトリに関連づけられた
代替データ ストリーム(指定された属性とも呼ばれる)を処理したり、それらに影響
を及ぼすことはありません。
●
ファイルシステムは、 iSCSI LUNスナップショットとファイル クローンの両方を保持
することはできません。システムの制限により次のものは作成できません。
●
•
ファイルの高速クローンを含むファイルシステム内に iSCSI LUN。
•
iSCSI LUNを含むファイルシステム内にファイルの高速クローン。
高速クローンとベース イメージの制限事項
•
10
NDMP PAXバックアップでは、各高速クローンは完全バックアップされます。リスト
アでは、ファイルは高速クローンではありません。
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
はじめに
•
容量削減型バックアップは、圧縮されていないために高速クローンには適用されま
せん。
•
VM(仮想マシン)ディスク ファイルは、NDMP除外リスト機能を使用して、システム
バックアップから除外されます。これらのイメージは、VM仮想ディスク ファイルを
ホストするコンピュータによってバックアップされます。NDMP除外リスト機能の使
用は強制されません。これらのイメージは、NDMP PAXを使用して完全にバックアッ
プできます。
ユーザー インタフェースの選択
システムでは、サポート環境やインタフェース設定に応じてネットワーク ストレージを
柔軟に管理することができます。このドキュメントでは、 VNX CLI(コマンド ライン イ
ンタフェース)を使用して重複除外されたファイルと重複除外が有効化されたファイル
システムの構成方法について説明します。これらのタスクはすべて、Unisphereソフトウェ
アを使用しても実行できます。
Unisphereソフトウェアのオンライン ヘルプには、システム管理についての詳細情報が提
供されています。
Unisphereソフトウェアの起動手順については、 「VNX for File管理アプリケーションの
インストール」 を参照してください。
VNX の管理アプリケーションに関する最新の追加情報については、 「VNX Release Notes」
を参照してください。
関連情報
このドキュメントで解説されている機能に関連する具体的な情報については、次の資料を
参照してください。
●
「EMC VNX Command Line Interface Reference for File」
●
VNXのオンライン マニュアル ページ
●
「Parameters Guide for VNX for File」
EMCオンライン サポートWebサイト上のEMC VNXドキュメント
EMC VNXシリーズのカスタマー向け資料一式は、EMCオンライン サポートWebサイトか
ら入手できます。テクニカル ドキュメントを検索するには、http://Support.EMC.com
にアクセスします。Webサイトにログインした後、VNXの[Support by Product]ペー
ジをクリックし、必要な特定機能に関する情報を見つけます。
ユーザー インタフェースの選択
11
はじめに
VNXウィザード
Unisphereソフトウェアでは、セットアップ作業および構成作業を行うためのウィザー
ドが使用できます。ウィザードの詳細については、Unisphereのオンライン ヘルプを
参照してください。
12
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
第2章
概念
重複除外処理を理解するための概念とプランニングの考慮事項は、次の
とおりです。
トピック :
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
概要(14ページ)
重複排除の状態(15ページ)
重複ファイルの検出(15ページ)
圧縮方法(16ページ)
容量削減型バックアップ(17ページ)
CIFS圧縮ファイル属性(17ページ)
外部トリガーによる重複除外(18ページ)
クローン作成機能(18ページ)
アプリケーション統合のプランニング(18ページ)
リソースの自動管理(23ページ)
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
13
概念
概要
各ファイル システムに対して、ファイル レベルの重複排除を行うことで、Data Moverに
次の機能を提供します。
●
ファイルを圧縮するためにファイルを処理します。
●
データの同じインスタンスを、それらが同一の場合のみ共有します。
重複排除機能はすべてのファイルを対象とし、最終アクセス時刻が15日を超えるもの(デ
フォルト値)を使用する静的なファイル、または静的に近い状態のファイルに適用できま
す。
重複除外時は、Data Mover上の重複除外が有効な各ファイル システムで、特定の基準(最
終アクセス時刻や変更時刻が特定の日付よりも古いなど)に一致するファイルがあるかど
うかスキャンされます。条件に一致するファイルが発見されると、ファイル データが重
複除外され、必要に応じて圧縮されます。ファイルの個々のインスタンスは、異なる名
前、セキュリティ属性、タイムスタンプを持つことができます。重複除外の影響を受ける
メタデータはありません。ユーザーが重複除外されたファイルを読む取る場合、システム
がデータを取り出すため、NASクライアントはデータが重複除外されていることに気づき
ません。
読み取り処理では、メモリ内の要求されたファイルの部分をシステム稼働中に解凍しま
す。読み取り処理では、ディスク上でファイルの解凍は行われません。
重複除外されたファイルに書き込む場合、Data Moverは元のデータに加えて新しいデータ
または更新されたデータを、新しいデータまたは更新されたデータが元のデータ量または
現在の論理ファイル サイズに応じたしきい値を超えるまで保存します。
システムは、ファイル システムおよび定期的ファイル システム スキャン用に定義した
ファイル選択ポリシーを使用して重複除外するファイルを選択できます。これらのファイ
ルは、個々の変更されたブロック数と対応する重複除外されたファイルのブロック数が、
元のデータ量か現在の論理ファイル サイズのいずれか小さい方と同じまたは大きくなっ
た場合に、ディスク上に解凍されて再重複されます。これは、重複除外時にファイルが元
より小さくなるように切り詰められたときのためです。つまり、変更されている重複除外
されたファイルは、元の重複除外されていないときのファイルよりディスク上で大きくな
ることはいっさいありません。解凍されて再重複されたファイルは、次のスキャン処理中
に再び重複除外の対象となれます。
VMware ® vCenter™プラグインからFileMover APIを使用して、またはCIFS圧縮ファイル属
性を使用して重複排除用に明示的に選択されたファイルの場合、書き込まれたブロック数
が元のデータ量または現在の論理ファイル サイズの20%を超えたときに圧縮と重複排除の
処理が再度行われます。ファイルを切り詰めた結果、ファイル サイズが圧縮ファイル サ
イズの3%以下になった場合は再重複もスケジュールされます。実際は、システムがCIFS圧
縮ファイル属性またはvCenterプラグインをファイルのいかなる変更にもかかわりなくファ
イルを重複除外し続ける命令として使用してファイルの重複除外命令を解釈します。
ファイルを重複除外した後で再重複すると、元のファイルよりもバイト数が減少すること
があります。ファイル再重複のとき、システムはすべてゼロが含まれるブロックにはディ
スク領域を割り当てないために領域を節約できるのです。これらのファイル向けに報告さ
れるバイト サイズは、ファイル サイズよりも小さいです。
14
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
概念
重複排除の状態
重複排除では、次の3つの状態が可能です。オフ、オン、中断
●
オン:ファイル システムでの重複排除処理を有効化します。重複排除とは、冗長デー
タを圧縮してファイル システム上の領域を節約するために使用される処理です。状態
をオンに設定すると、ファイル システムが次にスキャンされるファイル システムと
してスケジュールされます。アクティブなスキャンがない場合は、すぐにスキャンを
開始します。
●
オフ:すべての重複排除処理を元に戻します。新たな領域削減は行われません。重複
排除されていたデータはすべて再重複になり、これは元のコンディションへと重複排
除されたファイルのリストアに使用されるプロセスです。このプロセスは時間がかか
ることがあります。システムが再重複データを保持するためにファイル システムが小
さすぎることを検出した場合など、再重複に失敗すると中断中の状態に移行します。
ファイル システムはコンシステント、使用可能な状態のままで、サーバのイベント
ログにエラー メッセージが送信されます。重複が成功すると、オフ状態のままになり
ます。
●
中断:ファイル システムでの重複排除処理を中断します。状態は、中断中状態に移行
します。スキャン処理では、新たな領域削減は行われません。ただし、CIFS圧縮は引
き続き可能であり、存在する領域削減されたファイルはそのまま残ります。システム
は、ファイル システムの重複排除統計情報を更新するために、定期的なファイル シ
ステム スキャンを実行し続けます。
重複ファイルの検出
同一のファイルを検出するために、ファイル レベルの重複排除では、次のいずれかが使
用されます。
●
SHA-1ハッシュ計算(デフォルト)。
●
SHA-1ハッシュ計算の後でハッシュ計算が一致した場合にはバイト単位のデータ比較。
バイト単位のデータ比較方法は、ファイルが重複か否かを判断するために行うファイルの
各バイト比較の追加チェックとして使用されます。SHA-1ハッシュのみより遅いですが、
SHA-1ハッシュ ベースの重複データ検出方法の使用を検討しているならこちらが推奨され
ます。
SHA-1ハッシュ計算またはバイト単位の比較を行いたくない場合は、重複検出方法を無効
化できます。無効化しても領域削減のためのファイル圧縮は行えます。重複検出方法設定
の変更については、 重複排除のための重複データ検出方法の設定(48ページ) を参照し
てください。
特定の重複排除ファイルの65,535を超える同一のコピーが同じファイル システムに存在
することが検出された場合、その特定のファイルはそれ以上重複排除されません。しか
し、この作業テキストに一致するすべての追加ファイルのデータ圧縮は続行されます。
重複排除の状態
15
概念
圧縮方法
このオプションが有効なのは、バージョン7.1以降を使用するVMXシステムです。この値
は、ファイルシステムのみに設定できます。これをData Moverのグローバル値として設定
することはできません。
圧縮方法には、高速またはディープを設定することができます。
●
圧縮方法のデフォルトは高速オプションで、容量の効率より速度向けに最適化されて
いる。
●
ディープ オプションは、速度より容量の効率向けに最適化されている圧縮方法であ
る。このオプションを使用すると、高速方法より最大30%の容量の削減が実現する。た
とえば、ファイルが50%圧縮できると、ディープ アルゴリズムにより同じファイルが
65%まで圧縮できる。ただし、このディープ オプションを使用する場合の圧縮時間と
圧縮解除時間は、高速オプションを使用する場合より長くなる。この結果、アクセス
が遅くなるという代償を払ってより多くのストレージ スペースが得られる。このディー
プ圧縮方法の選択は、既存の圧縮済みファイルにではなく、これから圧縮される新規
ファイルにのみ適用される。
ユーザーは、UnisphereソフトウェアとVNX CLI fs_dedupeコマンドのいずれかを使用し
て、ファイルシステムの圧縮方法を高速からディープへ、またはディープから高速へと簡
単に変更できます。
バージョン7.1以降を使用するVNXシステムで作成するファイルシステムの重複排除を有効
化する前に、バージョン7.1を実行しているファイルシステムのレプリケーションによっ
て、すべてのVNXシステムが接続されるまで待機します。VNXバージョン7.1以降で作成し
たファイルシステムの重複排除を有効化し、そのファイルシステムをバージョン7.0以前
を実行するVNXシステムに複製する場合、VNXバージョン7.0以前のシステムはVNXバージョ
ン7.1システムで重複排除および圧縮されたファイルを読み取ることはできません。
16
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
概念
容量削減型バックアップ
VNXファイル重複除外と圧縮機能 は、ファイル システムの領域節約に類似したPAXベース
のNDMPバックアップに領域の節約を伝播します。
●
NDMPではファイルの圧縮バージョンをバックアップできます。そのため、ファイルが
通常形式でバックアップされた場合より、テープの使用領域が少なくなります。ただ
し、ファイル レベルの重複除外は実行されません。
●
圧縮ファイルをテープにバックアップするのにかかる全体の時間は、通常の状態のファ
イルをバックアップする時間より短くなります。これは、ディスクから読み取ってテー
プに転送する必要がある物理データ量が少なくなるためです。
●
NDMPは、圧縮状態での圧縮ファイルもリストアします。
●
NDMPバックアップは、ファイル システムにチェックポイントを作成するオプションを
設定するように構成します。これにより、処理開始時に現存するすべてのデータがバッ
クアップされることになります。
圧縮ファイルのフル ファイル システム リストアでは、ターゲットからリカバリすると
きに、ソース ファイル システムのファイル システムより小さいサイズのファイル シス
テムを使用できます。圧縮ファイルのリストアでは、すべてのデータを元のファイル シ
ステムからより小さいサイズのファイル システムに転送するときに重複除外を行うこと
で、領域の解放を実現します。宛先ファイル システムのオーバーヘッド、リストア処理
のオーバーヘッド、テープにバックアップされた物理データ量が、ターゲット ファイル
システムがどれだけ小さくなるかを決定します。テープにバックアップされた物理データ
は、バックアップ アプリケーションによって報告されます。
CIFS圧縮ファイル属性
CIFS圧縮ファイル属性を使用することで 、Windows CIFSクライアントで、システムにあ
る個々のファイルの重複除外や再重複ができます。デフォルトでは、重複除外ファイルは
CIFS圧縮ファイル属性でマークされす。Windows Explorerはデフォルトで、CIFS圧縮ファ
イル属性でマークされたファイルの名前を別の色(デフォルトでは青)で表示します。必
要な場合は、Windows Explorerのファイル名カラー表示機能を無効化できます。Windows
Explorerのファイル名カラー表示機能の無効化については、 Microsoftサポート技術情報
の記事ID 307987 を参照してください。CIFS圧縮ファイル属性による重複除外ファイルの
マーク機能は無効化できます。本属性の無効化については、 重複排除へのCIFS圧縮の設
定(52ページ) を参照してください。
ディレクトリも重複除外または再重複としてCIFS圧縮ファイル属性でマークできます。
ファイルが重複除外された場合、ファイルに書き込みがされたとしてもシステムは重複除
外状態を保つよう試みます。重複除外処理中もファイル書き込みは可能です。重複除外が
オフとなった直後から、管理者が重複除外をオンにするまでCIFS圧縮は行えなくなりま
す。重複除外が中断された場合にもCIFS圧縮は行えます。
容量削減型バックアップ
17
概念
外部トリガーによる重複除外
VNX for File NFSデータ ストアに格納されているファイルが、 CIFS圧縮ファイル属性
またはFileMover APIを使用して手動で重複除外するようにマークされている場合、 そ
のファイルが変更されると、システムはそのファイルを重複除外のままにしようとしま
す。しかし、ファイルが変更されて、変更されたブロックのサイズと対応する重複除外さ
れたファイルのブロック数の合計が論理ファイル サイズより大きい場合、領域をできる
だけ節約するためにファイルは再度重複除外されます。これは、システム自体に自動的に
選択されて重複除外されるファイルとは異なります。これらのファイルは、しきい値を超
えた後で再重複されます。
クローン作成機能
フル クローンは、 ファイルの完全なコピーを作成します。高速クローンは、ファイル
の書き込み可能なスナップショットを作成する機能です。高速クローン は、シン クロー
ンとも呼ばれ、ソース ファイルと元のブロックを共有し、変更されたブロックのみ保存
します。
VMware環境では、フル クローンはVMのコピーを高速に作成することに使用され、高速ク
ローンはVMのスナップショット コピーを高速に作成することに使用されます。高速クロー
ンは、VDI(仮想デスクトップ イメージ)が基本的に同一であるVDIの実装にも活用でき
ます。仮想デスクトップを作成するために高速クローンを使用することは、デスクトップ
イメージをコピーするのと同じことで、VDIの実装に必要なストレージが大幅に削減され
ます。
VMware管理者は、vCenterプラグインを使用して、NFSデータストアをシステムからプロビ
ジョニングしてVMのフル クローンまたは高速クローンを作成できます。vCenterプラグイ
ンにアクセスするには、 EMCオンライン サポート 用Webサイト にアクセスします。ロ
グイン後、 [検索] または [製品ごとのサポート] をクリックして、vCenterプラグイン
の情報を見つけます。
アプリケーション統合のプランニング
VNXファイル重複除外と圧縮機能 との統合を確実に成功させるために使用されるアプリ
ケーションは次のとおりです。
18
●
バックアップとリストア(19ページ)
●
VNX File System Migration(20ページ)
●
VNX ファイル レベル保存期間設定(20ページ)
●
VNX FileMoverのアーカイブ(20ページ)
●
ファイル システムの領域使用状況(20ページ)
●
MPFS(21ページ)
●
ファイル システムのポイント イン タイム ビュー(21ページ)
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
概念
●
クォータ(22ページ)
●
レプリケーション(23ページ)
バックアップとリストア
このセクションでは、 VNX NVB(NDMPボリューム バックアップ)、LAN(ローカル エリ
ア ネットワーク)、 VNX NDMP(非NVB)バックアップについて説明します。
VNX NDMPボリューム バックアップ
VNXファイル重複除外と圧縮機能が有効になっている ファイル システムは、NVB(VBB
(ボリューム ベースのバックアップ)とも呼ばれる)を使用したバックアップ、およ
びFDR(上書きフル リストア)メソッドを使用したフル リストアができます。NVBで
は、バックアップするファイルの履歴を保存しながらブロック レベルで実行するた
め、重複除外されたファイル システムのバックアップではデータ再重複がいっさい行
われません。ファイル システムのデータは、低容量形式でバックアップされます。こ
れは、本番ファイル システムで、圧縮とファイル レベルの重複除外による省ディス
ク スペース型のストレージ使用効率のメリットをバックアップに至るまで享受できる
ということです。
しかし、重複除外ファイルのNVBバックアップからの単一ファイル リストアまたはファ
イルごとのリストアはサポートされていないため、システムによつて拒否されます。
重複除外されたファイル システムのNVBバックアップは戦略の一部として使用する必
要があり、単一ファイル リストアまたはファイルごとのリストアは [テープ] から
ではなく、ローカルまたはリモートでレプリケーションされたSnapSureチェックポイ
ントから実行します。
VBBファシリティのskipDedupFilesパラメータの設定は、重複除外されたファイル シ
ステムのVBBまたはNVBバックアップからのリストアに失敗するかどうか、あるいは重
複除外ファイルがスキップされるかどうかを管理します。
●
0(デフォルト設定)に設定すると、VBBファシリティのskipDedupFilesパラメータ
により、重複除外ファイルのリストア試行中に、重複除外されたファイル システ
ムのVBBまたはNVBバックアップからのリストアに失敗します。また、リストア プ
ロセス中には、重複除外されていないファイルのリストアにも失敗します。
●
1に設定すると、VBBファシリティのskipDedupFilesパラメータは、リストア プロ
セスに対してすべての重複除外ファイルのスキップを指示し、後続の重複除外され
ていないファイルのリストアをリストア プロセス中に実行します。
詳細については、 「VNXパラメータ ガイド」 を参照してください。
ネットワーク(LAN)と VNX NDMP(非NVB)バックアップ
CIFSまたはNFSのいずれかを使用してネットワーク経由でバックアップした場合、バッ
クアップ アプリケーションに転送されるため、低容量ファイルの容量が元のサイズま
で再重複されます。ただし、ディスク上ではデータ再重複されません。 重複除外ファ
イル システムのネットワーク ベースのバックアップ使用時には、本番ファイル シス
テムで、省ディスクスペース(型)ストレージの効率性のメリットをバックアップに
至るまで享受できません。
アプリケーション統合のプランニング
19
概念
一方で、PAXベースのNDMPでは、圧縮形式でファイルがバックアップされるため、通常
の形式でファイルがバックアップされる場合よりもテープの使用領域が少なくなりま
す。PAXベースのNDMPバックアップから圧縮状態でファイルのリストアも行います。リ
ストア処理ではファイルの再重複は行われず、 [ファイル システム フル] エラー
が発生する可能性は低くなります。
VNX File System Migration
VNX File System Migration(CDMSとも呼ばれる) では、重複除外を使用できません。
MGFS(移行ファイル システム)では、重複除外機能を有効化できません。 VNX File
System Migration を使用してファイル システムにデータを移行している間は、そのファ
イル システムからデータを移行するために重複除外を使用することはできません。デー
タの移行を完了し、ファイル システムをUxFS(Universal Extended File System)に変
換した後でのみ、そのファイル システムで重複除外を有効化できます。
移行を完了した後、初めて重複除外機能を有効化する前に、すべてのData Moverを再起動
します。
VNX ファイル レベル保存期間設定
VNXファイル重複除外と圧縮機能 は、ファイル システムの保持するデータの保護機能を
損なうことなく、 VNX FLR(ファイル レベル保存期間設定)ファイル システムのエン
タープライズ スタイルとコンプライアンス スタイルの両方で有効化できます。ロックさ
れたファイルも含め、FLRファイル システムの両スタイルにあるファイルは重複除外が可
能です。
VNX FileMoverのアーカイブ
VNXファイル重複除外と圧縮機能 は、 VNX FileMoverのアーカイブに対して透過的です。
この2つの機能を同時に使用すると、ファイル ストレージ ソリューションのストレージ
の効率性を最大限に高めることができます。 VNXファイル重複除外と圧縮機能 が有効化
されている ファイル システムからアーカイブされたファイルはすべて、アーカイブ シ
ステムから重複除外を元に戻した形式で読み取り/書き込み可能です。しかし、アーカイ
ブ システムはアーカイブされたデータを重複除外する可能性もあります。アーカイブ
データのリポジトリとして使用されている ファイル システムは、 VNXファイル重複除外
と圧縮機能 の対象として適しています。
ファイル システムの領域使用状況
ファイル システムが自動拡張に設定されている場合、設定された自動拡張しきい値から
1%(デフォルト値)を引いた値より使用領域が大きいと、重複排除処理は中断されます。
重複除外を中断することで、ファイル システムが予期せず自動拡張することがなくなり
20
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
概念
ます。たとえば、自動拡張HWM(High Watermark)値が90%に設定されている場合、重複排
除処理は、ファイル システムが使用率89%に達した後に中断します。
ファイル システムが自動拡張に設定されていない場合、ファイル システム使用率が99%
以上(デフォルト値)の場合、重複排除処理は中断されます。
前述の動作により、重複除外プロセスが実行される場所の空き領域が十分あるのが確実と
なり、ファイル システムの自動拡張の必要性が低くなります。
解決策については、既知の問題(59ページ)を参照してください。
MPFS
重複除外ファイルにアクセスする場合、MPFS(Multi-Path File System)クライアント
は、MPFSの高速化I/Oではなく、標準のCIFSかNFSのいずれかを使用します。
注: 移行されたファイルにアクセスする場合にパフォーマンスの低下が起こりやすくなる以外は、
MPFSクライアント上のアプリケーションに対する影響はありません。
ファイル システムのポイント イン タイム ビュー
重複除外プロセスは、本番ファイル システムの領域を即時に開放します。ただし、処理
中に、ブロックがSnapSureのセーブ ボリューム(SavVol)にコピーされることがありま
す。ファイルに関連づけてのデータの重複除外では、ファイル システム内でのデータ コ
ピーを伴うため、圧縮と重複除外が可能です。SnapSureチェックポイントは、変更された
ブロックをSavVol on First Writeにコピーするため、ファイル システムの過去のチェッ
クポイント ポイント イン タイム ビューを保存するために重複除外されたブロックを
SavVolにコピーする必要があります。これらのブロックは、対応するチェックポイントが
削除されるか更新されて他のチェックポイントによって再度使用できるようになると開放
されます。重複除外プロセス中、いくつのブロックがSavVolにコピーされる必要があるか
は、ファイル システムの使用率や変更率などに依存するために予測が困難です。デフォ
ルトでは、システムはファイル システムの重複除外をSavVolの拡張前に中断するように
設定されています。これにより、重複除外プロセスによりSavVolが拡張されるのを防ぎま
す。このようにして重複除外プロセスが中断された場合、何が起こったかを説明するア
ラートが生成されます。 システム の管理者は、SavVolを拡張するか、重複除外処理を次
のスケジュール時に再実行するかを選択できます。
SavVol High Watermark(しきい値)は、重複除外中に使用できる構成されたSavVol自動
拡張の割合を示すしきい値です。指定された量のSavVolが使用されると、指定されたファ
イル システムの重複除外が停止します。デフォルトでは、この値は90%に設定されており
SavVol自動拡張も90%に設定されています。このオプションはSavVol使用率が81%(90 *
90)になったときに適用されます。
アプリケーション統合のプランニング
21
概念
注: VNXファイル重複除外と圧縮機能 がSavVolがほぼ満杯の状態でファイル システム上で初めて
有効化された場合、初回の重複除外処理の実行では領域節約を最大限に実現できない可能性があり
ます。最大限の領域節約を実現するには、複数回重複除外プロセスを実行させる必要があります。
解決策については、 既知の問題(59ページ) を参照してください。
クォータ
ファイル システムのクォータを設定すると、それらのクォータは、そのシステム上のファ
イル システムの使用率を監視して制御します。
システムは、次の2種類のクォータ ポリシーのいずれかを使用して、ユーザー、グルー
プ、ツリー クォータをトラッキングできます。ブロックまたはファイル サイズ。デフォ
ルトでは、クォータ ポリシーはブロックに設定されています。ブロックのクォータ ポリ
シーを使用するように構成した場合、各ファイルが占有するディスク上のファイル シス
テム ブロック数を数えてクォータ使用量が計算されます。たとえば、1 KBのファイルは
ディスク上の8 KBのブロックを1ブロック消費するため、クォータではそのファイルは8
KBとしてカウントされます。
ファイルが重複除外されると、そのブロック数がファイルから適用されるクォータ分引か
れます。同様に、ファイルを再重複する場合、ブロック ベースのクォータ使用は増加し
ます。NFSからduコマンドを使用するかWindows Explorerのディスク フィールドの[サイ
ズ]を表示して、再重複除外ファイルに使用されたバイト数を表示する場合、ファイルの
圧縮されたサイズが報告されます。ただし、この圧縮サイズは、データが共有される可能
性があるためにユーザーのブロック クォータには計算されません。したがって、ブロッ
クのクォータ ポリシーが使用される場合、適用されるすべてのクォータでは重複除外さ
れたファイルは8 KBの1ブロックとしてのみ計算されます。
ファイル サイズのクォータ ポリシーを使用するように構成した場合、ファイルの論理サ
イズを計算してクォータ使用量が計算されます。重複除外処理はファイルの論理サイズに
は影響しないため、ファイル サイズのクォータ ポリシーには影響を及ぼしません。した
がって、ファイルが圧縮または共有されていても、ファイルの各インスタンスは、フル論
理サイズとして適用されるクォータで計算されます。
ファイル システムに必要なストレージを計算する場合は、クォータ ポリシーの設定に関
係なく、重複排除された各ファイルが最低1つのinodeを消費することを忘れないでくださ
い。
さらに、VNXシステムは、次の場合に追加のinodeをファイル システムに割り当てます。
●
ファイル システム内のファイルの重複除外中。
●
ファイルの内容の再重複中。
これらの一時的なinodeは、使用中のinodeベースのクォータとして計算されます。inode
クォータが重複除外されたファイルに対する再重複や書き込みを妨げる場合、サーバ ロ
グに、ハード クォータに達したかそれを超えた、またはクォータを超えたのでファイル
の再重複に失敗したことを示すメッセージが表示されます。重複除外関連アクティビティ
の停止を避けるために、システムが厳密なinodeクォータ制限に達しないようにしてくだ
さい。
22
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
概念
サーバ ログの出力例を以下に示します。
2012-04-30 14:56:46: UFS: 3: Inode hard quota exceeded (fs /fs1, uid 201)
2012-04-30 14:57:57: CFS: 6: Resuming fs 4800
2012-04-30 14:57:58: DEDUPE: 6: PE: Task 0 starting recall on fsid 4800
2012-04-30 14:57:58: DEDUPE: 4: PE: ProcessFile failed on file /fs1/test with error: QuotaExceeded
2012-04-30 14:57:58: DEDUPE: 6: 102: Deduplication scan for /fs1/test failed due to a lack of storage
resource
server_dfコマンドでは、ファイル システムで使用中のinodeとブロックが常に表示され
ます。
クォータの設定の詳細については、「VNXでのクォータの使用方法」を参照してください。
レプリケーション
VNX Replicatorを使用してレプリケーションを実行する前にファイル システムの内容の
重複除外を行うことによって、初回の基準コピー処理の一環としてネットワーク経由で送
信されるデータ量を大幅に削減できます。レプリケーションと重複除外を一度に実行した
場合、ネットワーク経由で転送されるデータ量に対する重複除外のインパクトは、レプリ
ケーション更新と重複除外の実行のタイミングによって異なります。極端な状況を除くす
べての状況において、レプリケーション更新は、重複除外のためのファイル システムの
スキャンより頻繁に行われます。ファイル システム内の新しいデータや変更データは、
ほとんどの場合、最初は非重複除外形式でレプリケーションされます。それらのデータの
その後の重複除外は、ファイル システム内の変更に従い、追加のレプリケーション トラ
フィックを促します。この作用は、データを事後処理し、データ セットのリモート レプ
リカの更新を重複除外プロセス実行中よりさらに頻繁に実行する重複除外ソリューション
のすべてに当てはまります。本番ファイル システムが実現した領域の節約は、宛先ファ
イル システムにも反映されます。
重複除外はプロセス中に、最大25 MB/秒のライト アクティビティを追加できます。低帯
域幅のネットワークを使用する場合、レプリケーションの帯域幅が追加の負荷に対応で
き、SLA(Service Level Agreement)に適合することを確認します。使用環境の VNX
Replicator SLAに影響がでる場合は、重複除外CPU使用のLow Watermarkを変更し、CPU使
用のHigh Watermark設定を0にして重複除外レートを約2 MB/秒に下げることができます。
レプリケーションの使用方法の詳細については、 「VNX Replicatorの使用方法」 を参照
してください。
リソースの自動管理
各Data Mover上のファイル システムでは、重複除外処理をするファイルを選択するシン
グル スレッド プロセスによって一度に1つのファイル システムのスキャンが実行されま
す。異なるData Moverを同時にスキャンできます。スキャン操作中、システムがData Mover
のCPU使用率を監視します。
●
Data MoverのCPU使用率が指定のCPU % High Watermarkしきい値を超えた場合、システ
ムはクライアント アクティビティに影響を与えないように重複除外処理をスロットル
アプリケーション統合のプランニング
23
概念
します。CPU % High Watermarkしきい値とは、スロー スロットル モードをトリガー
する前に重複除外処理中に使用できる平均CPU使用率です。
●
24
重複除外処理は、CPU使用率が指定のLow Watermarkしきい値未満になるまでスロット
ルのままです。CPU % Low Watermarkしきい値とは、フル スロットル モード再開時点
で重複除外処理中に使用できる平均CPU使用率です。これにより、空いているCPUを重
複除外処理が使用することができます。
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
第3章
構成
重複排除が有効にされたファイル システムを構成するためのタスクは次
のとおりです。
トピック :
●
ファイル システム重複排除の有効化(26ページ)
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
25
構成
ファイル システム重複排除の有効化
注: ファイル拡張子またはパス名を重複排除プロセスから除外する場合、初めて重複排除を実行す
る前にファイル拡張子除外リストまたはパス名除外リストを設定します。重複排除のファイル シス
テムでの実行後に除外を追加した場合、新規除外はその時点以降でのみ有効となり、それ以前のス
キャンで重複排除されたファイルには影響しません。ファイル拡張子とパス名の除外方法について
は、 重複排除からのパス名除外(42ページ) および 重複排除からのファイル拡張子の除外(40
ページ) を参照してください。
アクション
重複排除容量削減プロセスを有効化するには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ fs_dedupe -modify { <fs_name> | id= <fs_id> } -state on
ここで:
<fs_name> = ファイル システムの名前
<fs_id> = ファイル システムの識別子
(例:
重複排除容量削減プロセスをファイル システムfs_ufs1で有効化するには、次を入力します。
$ fs_dedupe -modify fs_ufs1 -state on
出力
Done
注
この機能はデフォルトで無効になっています。重複排除状態をオンに設定すると、たとえ状態がすでにオ
ンに設定されていたとしてもファイル システムの即時スキャンが促されます。Data Mover上で他のスキャ
ンが実行中の場合、これは中止されます。ファイル システムに最低1 MB以上の空き領域がないと、重複
排除を有効化できません。十分な空き領域がない場合、エラー メッセージが生成されてサーバ ログが更
新されます。
26
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
第4章
管理
注: 重複排除の設定は、特に明記していない限り、Data Moverおよびファイル
システムの両者に対して変更が可能です。特定のファイル システムに対する重
複排除の設定を変更すると、グローバルData Moverの重複排除の設定は無視され
ます。ファイル システム設定をクリアした場合は、グローバルData Mover設定
にリセットされます。
重複排除が有効になったファイル システムを管理する場合のタスクは、
次のとおりです。
トピック :
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
重複排除の手動テスト(29ページ)
重複除外が有効にされたファイル システムの表示(32ページ)
重複排除が有効にされたファイル システムすべてのリスト(33ペー
ジ)
重複排除の圧縮方法の設定(33ページ)
重複排除が有効にされたファイル システムでのクエリー設定(35
ページ)
ファイル システム重複排除の中断(37ページ)
ファイルシステム内のファイルの再重複(38ページ)
重複排除からのファイル拡張子の除外(40ページ)
重複排除からのパス名除外(42ページ)
重複排除のアクセス タイムの設定(43ページ)
重複排除する最大ファイル サイズの設定(44ページ)
重複排除する最小ファイル サイズの設定(45ページ)
重複排除の最小スキャン間隔の設定(46ページ)
重複排除の変更時間の設定(47ページ)
重複排除のための重複データ検出方法の設定(48ページ)
重複排除のバックアップ データ閾値の設定(50ページ)
重複排除へのCIFS圧縮の設定(52ページ)
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
27
管理
●
28
重複排除デフォルト設定のリセット(54ページ)
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
管理
重複排除の手動テスト
1. 小さいテスト ファイル システムを作成します。
2. ファイル システムの複数のディレクトリに同一のファイルをコピーします。
3. ファイル システムの使用済みおよび使用可能ディスク領域を確認するには、次のコマ
ンド シンタクスを使用する。
$ server_df<movername><fs_name>
ここで:
<movername>
<fs_name>
= Data Moverの名前
= ファイル システムの名前
例:
fs_ufs1ファイル システムの使用済みおよび使用可能ディスク領域を確認するには、
次のように入力します。
$ server_df server_2 fs_ufs1
出力:
server_2 :
Filesystem kbytes used avail capacity Mounted on
fs_ufs1 1007984 519792 488192 52% /fs_ufs1
4. ファイル システムにおける重複排除設定の現在の値を確認するには、次のコマンド
シンタクスを使用する。
$ fs_dedupe-info<fs_name>
ここで:
<fs_name>
= ファイル システムの名前
例:
ファイル システムfs_ufs1の重複排除設定の現在の値を確認するには、次のコマンド
シンタクスを使用する。
$ fs_dedupe -info fs_ufs1
出力:
重複排除の手動テスト
29
管理
Id = 22
Name = fs_ufs1
Deduplication = On
Status = Idle
As of the last file system scan (Thu Jan 5 18:20:41 EST 2012):
Files scanned = 1986265
Files deduped = 606472 (30% of total files)
File system capacity= 1032575 MB
Original data size = 875459 MB (84% of current file system capacity)
Space saved = 341622 MB (39% of original data size)
File system parameters:
Case Sensitive = yes
Duplicate Detection Method = sha1
Access Time = 15
Modification Time = 15
Minimum Size = 24 KB
Maximum Size = 8388608 MB
File Extension Exclude List = .jpg:.db:.pst
Minimum Scan Interval = 7
SavVol Threshold = 90
Backup Data Threshold = 90
Cifs Compression Enabled = yes
Pathname Exclude List = root;etc
Compression Method = fast
5. アクセス時間を無効にするには、次のコマンド シンタクスを使用する。
$ fs_dedupe-modify<fs_name>-access_time0
例:
fs_ufs1ファイル システムのアクセス時間を無効にするには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -modify fs_ufs1 -access_time 0
6. 更新時間を無効にするには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ fs_dedupe-modify<fs_name>-modification_time0
例:
fs_ufs1ファイル システムの変更時間を無効にするには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -modify fs_ufs1 -modification_time 0
7. 設定を確認するには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ fs_dedupe-info<fs_name>
例:
fs_ufs1ファイル システムの設定を確認するには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -info fs_ufs1
出力:
30
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
管理
Id = 401
Name = fs_ufs1
Deduplication= off
File system parameters:
Case Sensitive = no
Duplicate Detection Method = sha1
Access Time = 0
Modification Time = 0
Minimum Size = 24 KB
Maximum Size = 8388608 MB
File Extension Exclude List =
Minimum Scan Interval = 7
Savevol Threshold = 90
Backup Data Threshold = 90
Cifs Compression Enabled = yes
Pathname Exclude List =
Compression Method = fast
8. ファイル システムの重複排除を有効化するには、次のコマンド シンタクスを使用し
ます。
$ fs_dedupe-modify<fs_name>-stateon
例:
fs_ufs1ファイル システムの重複排除を有効化するには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -modify fs_ufs1 -state on
9. 重複排除完了後に、ファイル システムの使用済みおよび使用可能ディスク領域の量を
確認するには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ server_df<movername><fs_name>
例:
fs_ufs1ファイル システムの使用済みおよび使用可能ディスク領域を確認するには、
次のように入力します。
$ server_df server_2 fs_ufs1
出力:
server_2 :
Filesystem kbytes used avail capacity Mounted on
fs_ufs1 1007984 145176 862808 14% /fs_ufs1
10. アクセス時間と変更時間を手順4で確認された元の値にリセットするか、適切な値にリ
セットする。
重複排除の手動テスト
31
管理
重複除外が有効にされたファイル システムの表示
アクション
重複排除が有効にされたファイル システムを表示するには、次のコマンド シンタクスを使用する。
$ nas_fs-info [-size] {-all|<fs_name>|id=<fs_id>}
ここで:
<fs_name> = ファイル システムの名前
<fs_id> = ファイル システムの識別子
重複除外が有効にされたファイル システムfs_ufs1を表示するには、次を入力します。
$ nas_fs -info fs_ufs1
出力
id = 14
name = fs_ufs1
acl = 0
in_use = True
type = uxfs
worm = off
volume = v110
pool = clarsas_archive
member_of = root_avm_fs_group_32
rw_servers= server_2
ro_servers=
rw_vdms =
ro_vdms =
auto_ext = no,thin=no
deduplication = On
stor_devs = FNM00105000212-0001
disks = d8
disk=d8 stor_dev=FNM00105000212-0001 addr=c16t1l1 server=server_2
disk=d8 stor_dev=FNM00105000212-0001 addr=c0t1l1 server=server_2
32
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
管理
重複排除が有効にされたファイル システムすべてのリスト
アクション
重複排除が有効にされたファイル システムすべてを一覧表示するには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -list
出力
id name state status time_of_last_scan original_data_size
usage space_saved
401 fs_ufs1 On Idle Wed Jun 24 10:31:16 EST 2009 352 MB
119% 93 MB (26%)
重複排除の圧縮方法の設定
このオプションが有効なのは、バージョン7.1以降を使用するVMXシステムです。この値
は、ファイルシステムのみに設定できます。
圧縮方法の変更後にこれを表示するには、重複排除が有効にされたファイル システムで
のクエリー設定(35ページ)を参照してください。
アクション
ファイルシステムのVNXファイル重複排除機能と圧縮機能の圧縮方法を設定するには、次のコマンド シン
タクスを使用する。
$ fs_dedupe-modify {<fs_name>|id=<fs_id>} [-compression_method {fast|deep}]
ここで:
<fs_name> = ファイルシステムの名前。
<fs_id> = ファイルシステムの識別子。
(例:
fs_ufs1の圧縮方法を設定するには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -modify fs_ufs1 -compression_method deep
出力
Done
重複排除が有効にされたファイル システムすべてのリスト
33
管理
注記
34
●
圧縮方法のデフォルトは高速オプションで、容量の効率より速度向けに最適化されている。
●
ディープ オプションは、速度より容量の効率向けに最適化されている圧縮方法である。このオプション
を使用すると、高速方法より最大30%の容量の削減が実現する。たとえば、ファイルが50%圧縮できる
と、ディープ アルゴリズムにより同じファイルが65%まで圧縮できる。ただし、このディープ オプションを
使用する場合の圧縮時間と圧縮解除時間は、高速オプションを使用する場合より長くなる。この結果、
アクセスが遅くなるという代償を払ってより多くのストレージ スペースが得られる。このディープ圧縮方
法の選択は、既存の圧縮済みファイルにではなく、これから圧縮される新規ファイルにのみ適用され
る。
●
バージョン7.1以降を使用するVNXシステムで作成されたファイルシステムの重複排除を有効化する前
に、バージョン7.1を実行しているファイルシステムのレプリケーションによって、すべてのVNXシステム
が接続されるまで待機する。VNXバージョン7.1以降で作成したファイルシステムの重複排除を有効化
し、そのファイルシステムをバージョン7.0以前を実行するVNXシステムに複製する場合、VNXバージョ
ン7.0以前のシステムはVNXバージョン7.1システムで重複排除および圧縮されたファイルを読み取るこ
とはできない。
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
管理
重複排除が有効にされたファイル システムでのクエリー設定
アクション
重複排除が有効にされたファイル システムのData Mover設定をクエリーするには、次のコマンド シンタク
スを使用する。
$ fs_dedupe-default-info {<movername>|-all}
ここで:
<movername> = Data Moverの名前
例:
server_2の設定をクエリーするには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -default -info server_2
出力
Server parameters:
server_2
Case Sensitive = no
Duplicate Detection Method = sha1
Access Time = 15
Modification Time = 15
Minimum Size = 24 KB
Maximum Size = 8388608 MB
File Extension Exclude List = .jpg:.db:.pst
Minimum Scan Interval = 7
SavVol Threshold = 90
Backup Data Threshold = 90
CPU % Usage Low Water Mark = 40
CPU % Usage High Water Mark = 75
Cifs Compression Enabled = yes
アクション
重複排除が有効にされたファイル システムのファイル システム設定をクエリーするには、次のコマンド シ
ンタクスを使用する。
$ fs_dedupe-info {-all|<fs_name>|id=<fs_id>}
ここで:
<fs_name> = ファイル システムの名前
<fs_id> = ファイル システムの識別子
例:
fs_ufs1の設定をクエリーするには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -info fs_ufs1
重複排除が有効にされたファイル システムでのクエリー設定
35
管理
出力
Id = 22
Name = fs_ufs1
Deduplication = On
Status = Idle
As of the last file system scan (Thu Jan 5 18:20:41 EST 2012):
Files scanned = 1986265
Files deduped = 606472 (30% of total files)
File system capacity= 1032575 MB
Original data size = 875459 MB (84% of current file system capacity)
Space saved = 341622 MB (39% of original data size)
File system parameters:
Case Sensitive = yes
Duplicate Detection Method = sha1
Access Time = 15
Modification Time = 15
Minimum Size = 24 KB
Maximum Size = 8388608 MB
File Extension Exclude List = .jpg:.db:.pst
Minimum Scan Interval = 7
SavVol Threshold = 90
Backup Data Threshold = 90
Cifs Compression Enabled = yes
Pathname Exclude List = root;etc
Compression Method = fast
注
[ステータス]オプションには、[アイドル]、[スキャン]、[再重複]があります。
36
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
管理
ファイル システム重複排除の中断
重複排除状態を中断中に設定すると、ファイル システムの重複排除プロセスが止まりま
す。新たな領域削減は行われません。既存の容量を節約したファイルと圧縮ファイルはそ
のまま残ります。
アクション
重複排除の容量削減処理を中断するが、存在する容量を節約したファイルと圧縮ファイルをそのまま残す
場合には、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ fs_dedupe -modify { <fs_name> | id= <fs_id> } -state suspended
ここで:
<fs_name> = ファイル システムの名前
<fs_id> = ファイル システムの識別子
(例:
ファイル システムfs_ufs1の重複排除プロセスを中断するには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -modify fs_ufs1 -state suspended
出力
Done
ファイル システム重複排除の中断
37
管理
ファイルシステム内のファイルの再重複
再重複、つまり重複排除プロセスを取り消しても、新たな容量削減は行われません。重複
排除されていたデータはすべて再重複になり、これは元のコンディションへと重複排除さ
れたファイルのリストアに使用されるプロセスです。このプロセスは時間がかかることが
あります。
再重複を試行する前に、ファイルシステムのサイズが、再重複操作を実行するために十分
であることを確認してください。十分な容量がないと、次のようなエラーが発生します。
Error 12058: Additional space 13 MB needed on this file system to perform this operation
再重複が成功した場合、ファイルシステムはオフ状態のままになります。
再重複に失敗すると、次の状態が発生します。
●
状態が中断中状態に移行する。
●
ファイルシステムが、使用可能なコンシステント状態になる。
●
エラー メッセージはサーバのイベント ログに表示され、アラート メッセージが
Unisphereソフトウェアに送信されます。
たとえば、再重複操作が進行中にファイルシステムに十分なスペースがないために失
敗すると、エラー メッセージが次のようにサーバ ログに記録されます。
2012-04-30 15:22:37: CFS: 3: write failed, fsid = 4801, status = NoSpace
アラート メッセージが次のようにUnisphereに送信されます。
File system ID 4872 reduplication encountered 22failure(s), 19569672KB required, 184KB available, last
error: NoSpace, because rdeFsSpaceReservePct is set to1%
注: ファイルシステムが小さすぎる場合は、ファイルシステムを拡張してから再重複操作を再試行
してください。「AVMを使用したボリュームおよびファイルシステムの管理」に、ファイルシステム
を自動で拡張する操作手順の説明があります。ディスクを自動的に拡張する場合、少なくとも節約
されたスペースの容量と最大圧縮ファイルのサイズを合計したサイズが未使用であることを確認し
てください。節約されたスペースを確認するにはfs_dedupe -infoコマンドを実行します。「VNXを
使用したボリュームおよびファイルシステムの管理」に、ファイルシステムを手動で拡張する操作
手順の説明があります。
アクション
ファイルを再重複し、すべての容量を節約したデータを削除するには、次のコマンド シンタクスを使用する。
$ fs_dedupe-modify {<fs_name>|id=<fs_id>} -stateoff
ここで:
<fs_name> = ファイルシステムの名前
<fs_id> = ファイルシステムの識別子
アクション
(例:
38
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
管理
アクション
ファイルシステムfs_ufs1からすべての容量を節約したデータを削除するには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -modify fs_ufs1 -state off
出力
Done
ファイルシステム内のファイルの再重複
39
管理
重複排除からのファイル拡張子の除外
注: 特定のファイル拡張子を重複排除プロセスから除外する場合、初めて重複排除を実行する前に
ファイル拡張子除外リストを設定します。ファイル システムで重複排除を実行した後に除外を追加
した場合、新規除外はその時点以降に有効となり、それ以前のスキャンで重複排除されたファイル
には影響を及ぼしません。
アクション
Data Moverのファイル拡張子を重複排除プロセスから除外するには、次のコマンド シンタクスを使用しま
す。
$ fs_dedupe -default -set { <movername> | -all } -file_ext_exclude_list <ext_list>
ここで:
<movername> = Data Moverの名前。
<ext_list> = 重複排除の対象外にするファイル名拡張子のセミコロン区切りまたはコンマ区切りのリスト。ファ
イル名拡張子には、すべての有効な英数字を使用できます。すべての拡張子は先頭にドットを付ける必要
があります。ファイル名拡張子のリストは64バイト以下である必要があります。デフォルト値は「 」(空)です。
(例:
mp3ファイルとzipファイルをserver_2の重複排除処理から除外するには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -default -set server_2 -file_ext_exclude_list .mp3;.zip
出力
Done
アクション
ファイル システムのファイル拡張子を重複排除プロセスから除外するには、次のコマンド シンタクスを使
用します。
$ fs_dedupe -modify { <fs_name> | id= <fs_id> } -file_ext_exclude_list <ext_list>
ここで:
<fs_name> = ファイル システムの名前。
<fs_id> = ファイル システムの識別子。
<ext_list> = 重複排除の対象外にするファイル名拡張子のセミコロン区切りまたはコンマ区切りのリスト。ファ
イル名拡張子には、すべての有効な英数字を使用できます。すべての拡張子は先頭にドットを付ける必要
があります。ファイル名拡張子のリストは1,024バイト以下である必要があります。デフォルト値は「 」(空)で
す。
(例:
mp3ファイルとzipファイルをfs_ufs1の重複排除処理から除外するには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -modify fs_ufs1 -file_ext_exclude_list .mp3;.zip
40
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
管理
出力
Done
重複排除からのファイル拡張子の除外
41
管理
重複排除からのパス名除外
パス名の除外は、ファイル システムでのみ行えます。
注: 特定のパス名を重複排除プロセスから除外する場合、初めて重複排除を実行する前にパス名除
外リストを設定します。ファイル システムで重複排除を実行した後に除外を追加した場合、新規除
外はその時点以降に有効となり、それ以前のスキャンで重複排除されたファイルには影響を及ぼし
ません。
アクション
ファイル システム上の VNXファイル重複排除と圧縮機能 のパス名を除外するには、次のコマンド シンタ
クスを使用します。
$ fs_dedupe -modify { <fs_name> | id= <fs_id> } -pathname_exclude_list <path_list>
ここで:
<fs_name> = ファイル システムの名前。
<fs_id> = ファイル システムの識別子。
<path_list> = 重複排除の対象外にするUTF-8形式の相対パス名のセミコロン区切りのリスト。指定されたパ
ス名より下のディレクトリはすべて重複排除の対象外となります。最大10個のパス名を、それぞれ上限1024
バイトで指定することができます。このオプションでは、正規表現を使用できません。デフォルト値は「 」(空)
です。
(例:
fs_ufs1のuser1/dataパス名を重複排除プロセスから除外するには、次を入力します。
$ fs_dedupe -modify fs_ufs1 -pathname_exclude_list user1/data
出力
Done
注
42
●
リストに複数のパス名が含まれている場合、セミコロン(;)が区切り文字として使用されます。エスケー
プ文字はサポートされていないため、パス名の一部として使用することはできません。
●
セミコロンを区切り文字として使用する場合、パス名リストは、一重引用符か二重引用符のいずれかで
囲まれる必要があります。
●
スラッシュ(/)は、1つのパス名内ではいつでも有効なディレクトリ区切り文字です。
●
バックスラッシュ(\)は、1つのパス名内では無効なディレクトリ区切り文字です。
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
管理
重複排除のアクセス タイムの設定
アクション
Data Moverの VNXファイル重複排除と圧縮機能 のアクセス タイムを設定するには、次のコマンド シンタ
クスを使用します。
$ fs_dedupe -default -set { <movername> | -all } -access_time <days>
ここで:
<movername> = Data Moverの名前。
<days> = 読み取りアクセス タイムに基づき、日数で表わした最低限必要なファイルの古さ。指定された日
数以内に読み取りを行ったファイルは、重複排除になりません。この設定は、FLRロック状態のファイルに
は適用されません。この値を0に設定すると、無効になります。値の範囲は0~365で、デフォルト値は15日
です。
(例:
すべてのData Mover上でのアクセス タイムを20に設定するには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -default -set -all -access_time 20
出力
Done
アクション
ファイル システムの VNXファイル重複排除と圧縮機能 のアクセス タイムを設定するには、次のコマンド
シンタクスを使用します。
$ fs_dedupe -modify { <fs_name> | id= <fs_id> } -access_time <days>
ここで:
<fs_name> = ファイル システムの名前。
<fs_id> = ファイル システムの識別子。
<days> = 読み取りアクセス タイムに基づき、日数で表わした最低限必要なファイルの古さ。指定された日
数以内に読み取りを行ったファイルは、重複排除になりません。この設定は、FLRロック状態のファイルに
は適用されません。この値を0に設定すると、無効になります。値の範囲は0~365で、デフォルト値は15日
です。
(例:
fs_ufs1のアクセス タイムを20に設定するには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -modify fs_ufs1 -access_time 20
出力
Done
重複排除のアクセス タイムの設定
43
管理
重複排除する最大ファイル サイズの設定
アクション
Data Moverの VNXファイル重複排除と圧縮機能 の最大ファイル サイズを設定するには、次のコマンド シ
ンタクスを使用します。
$ fs_dedupe -default -set { <movername> | -all } -maximum_size <MB>
ここで:
<movername> = Data Moverの名前。
<MB> = 重複排除で処理されるファイルの最大サイズ(MB)。MB単位でこのサイズを超える大きさのファイ
ルは重複排除されません。最初の書き込み処理ではファイルが完全に複製されるため、この値に非常に
大きな値を設定すると、システムのライト パフォーマンスに影響を与えることがあります。この値を0に設定
すると、無効になります。値の範囲は0~8388608で、デフォルト値は8388608 MBです。
(例:
server_2の最大ファイル サイズを1,000,000 MBに設定するには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -default -set server_2 -maximum_size 1000000
出力
Done
アクション
ファイル システムの VNXファイル重複排除と圧縮機能 の最大ファイル サイズを設定するには、次のコマ
ンド シンタクスを使用します。
$ fs_dedupe -modify { <fs_name> | id= <fs_id> } -maximum_size <MB>
ここで:
<fs_name> = ファイル システムの名前。
<fs_id> = ファイル システムの識別子。
<MB> = 重複排除で処理されるファイルの最大サイズ(MB)。MB単位でこのサイズを超える大きさのファイ
ルは重複排除されません。最初の書き込み処理ではファイルが完全に複製されるため、この値に非常に
大きな値を設定すると、システムのライト パフォーマンスに影響を与えることがあります。この値を0に設定
すると、無効になります。値の範囲は0~8388608で、デフォルト値は8388608 MBです。
(例:
fs_ufs1の最大ファイル サイズを1,000,000 MBに設定するには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -modify fs_ufs1 -maximum_size 1000000
出力
Done
44
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
管理
重複排除する最小ファイル サイズの設定
アクション
Data Moverの VNXファイル重複排除と圧縮機能 の最小ファイル サイズを設定するには、次のコマンド シ
ンタクスを使用します。
$ fs_dedupe -default -set { <movername> | -all } -minimum_size <KB>
ここで:
<movername> = Data Moverの名前。
<KB> = 重複排除の制限ファイル サイズ(KB)。ファイル サイズがこの値以下の場合は重複排除されませ
ん。ファイル サイズがこの値を超えると、重複排除の対象になります。この値を0に設定すると、無効にな
ります。この値は24 KB以上に設定する必要があります。値の範囲は0~1000で、デフォルト値は24 KBで
す。
(例:
server_2の最小ファイル サイズを30 KBに設定するには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -default -set server_2 -minimum_size 30
出力
Done
アクション
ファイル システムの VNXファイル重複排除と圧縮機能 の最小ファイル サイズを設定するには、次のコマ
ンド シンタクスを使用します。
$ fs_dedupe -modify { <fs_name> | id= <fs_id> } -minimum_size <KB>
ここで:
<fs_name> = ファイル システムの名前。
<fs_id> = ファイル システムの識別子。
<KB> = 重複排除の制限ファイル サイズ(KB)。ファイル サイズがこの値以下の場合は重複排除されませ
ん。ファイル サイズがこの値を超えると、重複排除の対象になります。この値を0に設定すると、無効にな
ります。この値は24 KB以上に設定する必要があります。値の範囲は0~1000で、デフォルト値は24 KBで
す。
(例:
fs_ufs1の最小ファイル サイズを30 KBに設定するには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -modify fs_ufs1 -minimum_size 30
出力
Done
重複排除する最小ファイル サイズの設定
45
管理
重複排除の最小スキャン間隔の設定
アクション
Data Moverの VNXファイル重複排除と圧縮機能 の最小スキャン間隔を設定するには、次のコマンド シン
タクスを使用します。
$ fs_dedupe -default -set { <movername> | -all } -minimum_scan_interval <days>
ここで:
<movername> = Data Moverの名前。
<days> = ファイル システムのスキャン完了から、同じファイル システムを次にスキャンするまでの最小日
数。値の範囲は1~365で、デフォルト値は7日です。
(例:
server_2の最小スキャン間隔を14日に設定するには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -default -set server_2 -minimum_scan_interval 14
出力
Done
アクション
ファイル システムの VNXファイル重複排除と圧縮機能 の最小スキャン間隔を設定するには、次のコマン
ド シンタクスを使用します。
$ fs_dedupe -modify { <fs_name> | id= <fs_id> } -minimum_scan_interval <days>
ここで:
<fs_name> = ファイル システムの名前。
<fs_id> = ファイル システムの識別子。
<days> = ファイル システムのスキャン完了から、同じファイル システムを次にスキャンするまでの最小日
数。値の範囲は1~365で、デフォルト値は7日です。
(例:
fs_ufs1の最小スキャン間隔を14日に設定するには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -modify fs_ufs1 -minimum_scan_interval 14
出力
Done
46
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
管理
重複排除の変更時間の設定
アクション
Data Moverの VNXファイル重複排除と圧縮機能 の変更時間を設定するには、次のコマンド シンタクスを
使用します。
$ fs_dedupe -default -set { <movername> | -all } -modification_time <days>
ここで:
<movername> = Data Moverの名前。
<days> = 変更時間に基づき、日数で表わした最低限必要なファイルの古さ。指定された日数以内に更新
されたファイルは、重複排除になりません。この値を0に設定すると、無効になります。値の範囲は0~365
で、デフォルト値は15日です。
(例:
server_2の変更時間を30日に設定するには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -default -set server_2 -modification_time 30
出力
Done
アクション
ファイル システムの VNXファイル重複排除と圧縮機能 の変更時間を設定するには、次のコマンド シンタ
クスを使用します。
$ fs_dedupe -modify { <fs_name> | id= <fs_id> } -modification_time <days>
ここで:
<fs_name> = ファイル システムの名前。
<fs_id> = ファイル システムの識別子。
<days> = 変更時間に基づき、日数で表わした最低限必要なファイルの古さ。指定された日数以内に更新
されたファイルは、重複排除になりません。この値を0に設定すると、無効になります。値の範囲は0~365
で、デフォルト値は15日です。
(例:
fs_ufs1の変更時間を30日に設定するには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -modify fs_ufs1 -modification_time 30
出力
Done
重複排除の変更時間の設定
47
管理
重複排除のための重複データ検出方法の設定
注: 重複データ検出方法は、デフォルトでSHA-1に設定されています。重複データ検出方法機能を
変更するには、初めて重複排除を実行する前にこの設定を変更します。重複排除のファイル システ
ムでの実行後にこの設定を変更した場合、変更はその時点以降でのみ有効となり、それ以前のスキャ
ンで重複排除されたファイルには影響しません。どのオプションを設定したかに関係なく、圧縮は
有効化されたままです。
アクション
Data Moverの重複データ検出方法機能を設定するには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ fs_dedupe -default -set { <movername> | -all } -duplicate_detection_method { sha1 | byte | off }
ここで:
<movername> = Data Moverの名前
(例:
server_2の重複データ検出方法を無効化するには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -default -set server_2 -duplicate_detection_method off
出力
Done
注
●
sha1オプションは、SHA-1ハッシュが重複データ検出に使用されることを示します。これがデフォルトの
方法です。
●
byteオプションは、重複データ検出のためにSHA-1ハッシュ計算が使用され、ハッシュ計算でマッチし
た場合には続けてバイトごとの比較を行うことを示します。このbyteオプションは、特に大きなファイル
の場合に、かなりのオーバーヘッドがかかります。
●
offオプションは、重複検出方法を無効にすることを示します。この設定では、それぞれの重複ファイル
が一意であると見なされ、圧縮による省ディスク スペース処理だけが実行されます。
アクション
ファイル システムの重複データ検出方法機能を設定するには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ fs_dedupe -modify { <fs_name> | id= <fs_id> } -duplicate_detection_method { sha1 | byte | off }
ここで:
<fs_name> = ファイル システムの名前
<fs_id> = ファイル システムの識別子
(例:
fs_ufs1の重複データ検出方法を無効化するには、次のように入力します。
48
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
管理
アクション
$ fs_dedupe -default -set fs_ufs1 -duplicate_detection_method off
出力
Done
注
●
sha1オプションは、SHA-1ハッシュが重複データ検出に使用されることを示します。これがデフォルトの
方法です。
●
byteオプションは、重複データ検出のためにSHA-1ハッシュ計算が使用され、ハッシュ計算でマッチし
た場合には続けてバイトごとの比較を行うことを示します。このbyteオプションは、特に大きなファイル
の場合に、かなりのオーバーヘッドがかかります。
●
offオプションは、重複検出方法を無効にすることを示します。この設定では、それぞれの重複ファイル
が一意であると見なされ、圧縮による省ディスク スペース処理だけが実行されます。
重複排除のための重複データ検出方法の設定
49
管理
重複排除のバックアップ データ閾値の設定
アクション
Data Moverの VNXファイル重複排除と圧縮機能 のバックアップ データ閾値を設定するには、次のコマン
ド シンタクスを使用します。
$ fs_dedupe -default -set { <movername> | -all } -backup_data_threshold
<percent>
ここで:
<movername> = Data Moverの名前。
<percent> = 容量削減型のNDMPのバックアップをトリガーするために、重複排除済みファイルに許される使
用率の上限。たとえば、90に設定すると、ファイルの物理サイズ(圧縮済みファイルと変更されたブロック)
が論理サイズの90%を超える重複排除済みのファイルは、容量削減型のバックアップを試みることなく、全
ファイルデータがバックアップされます。物理サイズが論理サイズの90%未満の重複排除済みのすべての
ファイルには、容量削減型のバックアップが行われます。容量削減型バックアップを無効にするには、この
値を0に設定します。値の範囲は0~200で、デフォルト値は90%です。
(例:
server_2のバックアップ データ閾値を85%に設定するには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -default -set server_2 -backup_data_threshold 85
出力
Done
アクション
ファイル システムの VNXファイル重複排除と圧縮機能 のバックアップ データ閾値を設定するには、次の
コマンド シンタクスを使用します。
$ fs_dedupe -modify { <fs_name> | id= <fs_id> } -backup_data_threshold <percent>
ここで:
<fs_name> = ファイル システムの名前。
<fs_id> = ファイル システムの識別子。
<percent> = 容量削減型のNDMPのバックアップをトリガーするために、重複排除済みファイルに許される使
用率の上限。たとえば、90に設定すると、ファイルの物理サイズ(圧縮済みファイルと変更されたブロック)
が論理サイズの90%を超える重複排除済みのファイルは、容量削減型のバックアップを試みることなく、全
ファイルデータがバックアップされます。物理サイズが論理サイズの90%未満の重複排除済みのすべての
ファイルには、容量削減型のバックアップが行われます。容量削減型バックアップを無効にするには、この
値を0に設定します。値の範囲は0~200で、デフォルト値は90%です。
(例:
fs_ufs1のバックアップ データ閾値を85%に設定するには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -modify fs_ufs1 -backup_data_threshold 85
50
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
管理
出力
Done
重複排除のバックアップ データ閾値の設定
51
管理
重複排除へのCIFS圧縮の設定
アクション
Data Moverの VNXファイル重複排除と圧縮機能 のCIFS圧縮と表示の設定をするには、次のコマンド シン
タクスを使用します。
$ fs_dedupe -default -set { <movername> | -all } -cifs_compression_enabled { yes | no }
ここで:
<movername> = Data Moverの名前
(例:
server_2でCIFS圧縮を有効化するには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -default -set server_2 -cifs_compression_enabled yes
出力
Done
注
このCIFS圧縮オプションを使用すると、CIFS圧縮ファイル属性を設定または解除することで、CIFSクライア
ントがファイルの重複排除状態を管理できるようになります。デフォルトはyesで、CIFS圧縮は有効です。
yesに設定すると、ファイル システムの重複排除状態がオンまたは中断中の場合は、CIFS圧縮が許可さ
れます。重複排除状態がオフまたはオフへの切り替え中の場合、このオプションがyesに設定されていて
も、CIFS圧縮は許可されません。
アクション
ファイル システムの VNXファイル重複排除と圧縮機能 のCIFS圧縮と表示の設定をするには、次のコマン
ド シンタクスを使用します。
$ fs_dedupe -modify { <fs_name> | id= <fs_id> } -cifs_compression_enabled { yes | no }
ここで:
<fs_name> = ファイル システムの名前
<fs_id> = ファイル システムの識別子
(例:
fs_ufs1でCIFS圧縮を有効化するには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -modify fs_ufs1 -cifs_compression_enabled yes
出力
Done
52
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
管理
注
このCIFS圧縮オプションを使用すると、CIFS圧縮ファイル属性を設定または解除することで、CIFSクライア
ントがファイルの重複排除状態を管理できるようになります。デフォルトはyesで、CIFS圧縮は有効です。
yesに設定すると、ファイル システムの重複排除状態がオンまたは中断中の場合は、CIFS圧縮が許可さ
れます。重複排除状態がオフまたはオフへの切り替え中の場合、このオプションがyesに設定されていて
も、CIFS圧縮は許可されません。
重複排除へのCIFS圧縮の設定
53
管理
重複排除デフォルト設定のリセット
アクション
Data Mover上で、重複排除デフォルト設定をリセットするには、次のコマンド シンタクスを使用する。
$ fs_dedupe-default-clear {<movername>|-all} <param_name>
ここで:
<movername> = Data Moverの名前。
<param_name> = デフォルト値にリセットする重複排除設定。有効な設定は次のとおりです。-access_time;
-backup_data_threshold; -case_sensitive; -cifs_compression_enabled; -cpu_usage_high_watermark;
-cpu_usage_low_watermark; -duplicate_detection_method; -file_ext_exclude_list; -maximum_size; -minimum_scan_interval;
-minimum_size; -modification_time; and -savvol_threshold.
例:
server_2のCIFS圧縮オプションをリセットするには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -default -clear server_2 -cifs_compression_enabled
server_2のすべてのオプションをリセットするには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -default -clear server_2
出力
Done
注
-allオプションは、すべてのData Mover上の重複排除設定をデフォルト値にリセットします。
アクション
ファイル システムの重複排除デフォルト設定をリセットするには、次のコマンド シンタクスを使用します。
$ fs_dedupe-clear {<fs_name>|id=<fs_id>} <param_name>
ここで:
<fs_name> = ファイル システムの名前。
<fs_id> = ファイル システムの識別子。
<param_name> = デフォルト値にリセットする重複排除設定。有効な設定は次のとおりです。-access_time;
-backup_data_threshold; -case_sensitive; -cifs_compression_enabled; -compression_method; -duplicate_detection_method;
-file_ext_exclude_list; -maximum_size; -minimum_scan_interval; -minimum_size; -modification_time; -pathname_exclude_list;
and -savvol_threshold.
例:
fs_ufs1のCIFS圧縮オプションをリセットするには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -clear fs_ufs1 -cifs_compression_enabled
54
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
管理
アクション
fs_ufs1のすべてのオプションをリセットするには、次のように入力します。
$ fs_dedupe -clear fs_ufs1
出力
Done
注
ファイル システム設定をクリアすると、グローバルData Mover設定にリセットされます。
重複排除デフォルト設定のリセット
55
管理
56
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
第5章
トラブルシューティング
製品ラインのパフォーマンスと機能を継続的に改善および強化するため
の努力の一環として、EMCではハードウェアおよびソフトウェアの新規
バージョンを定期的にリリースしています。そのため、このドキュメン
トで説明されている機能の中には、現在お使いのソフトウェアまたはハー
ドウェアのバージョンによっては、サポートされていないものもありま
す。製品機能の最新情報については、お使いの製品のリリース ノートを
参照してください。
製品が正常に機能しない、またはこのドキュメントの説明どおりに動作
しない場合には、EMCカスタマー サポート担当者にお問い合わせくださ
い。
「VNXの問題解決ロードマップ」には、EMC Online Support Webサイトの
使用および問題の解決の詳細が記載されています。
次のようなトピックが含まれています。
トピック :
●
●
●
●
●
EMC E-Lab Interoperability Navigator(58ページ)
VNXユーザー カスタマイズ ドキュメント(58ページ)
エラー メッセージ(58ページ)
既知の問題(59ページ)
EMCトレーニングおよびプロフェッショナル サービス(61ページ)
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
57
トラブルシューティング
EMC E-Lab Interoperability Navigator
EMC E-Lab™ Interoperability Navigator は検索可能なWebベースのアプリケーションで
す。このアプリケーションから、EMC相互運用性サポート マトリックスにアクセスできま
す。これは、EMCオンライン サポートのWebサイト(http://Support.EMC.com)で入手で
きます。ログイン後、該当する[製品ごとのサポート]ページを探し、[ツール]を検索
して[E-Lab Interoperability Navigator]をクリックします。
VNXユーザー カスタマイズ ドキュメント
EMCでは、ご使用の環境に合わせた手順ごとの計画、インストール、保守手順を作成する
機能を利用できます。VNXユーザー カスタマイズ ドキュメントを作成するには、次のア
ドレスに進みます: https://mydocs.emc.com/VNX。
エラー メッセージ
すべてのイベント メッセージ、アラート メッセージ、ステータス メッセージには、問
題のトラブルシューティングに役立つ詳細情報と推奨されるアクションが提供されていま
す。
メッセージの詳細を表示するには、次のいずれかの方法を使用します。
●
Unisphereソフトウェア:
•
●
CLI:
•
●
このガイドで、それ以前のリリースのメッセージ形式でのメッセージに関する情報
を見つけます。
EMC Online Support Webサイト:
•
58
nas_message -info <MessageID>と入力します。<MessageID>は、メッセージのID番
号です。
「Celerra Error Messages Guide」:
•
●
イベント、アラート、ステータス メッセージを右クリックして選択し、[Event
Details]、[Alert Details]、[Status Details]を表示します。
EMCオンライン サポートのWebサイトで、エラー メッセージの概要説明のテキスト
またはメッセージIDを使用してナレッジベースを検索してください。EMCオンライン
サポートログインした後、適切な[製品ごとのサポート]ページにアクセスし、エラー
メッセージを見つけます。
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
トラブルシューティング
既知の問題
表 2(60ページ)では、重複排除を使用する場合に発生する可能性がある既知の問題につ
いて説明し、解決策を示します。
既知の問題
59
トラブルシューティング
表 2. 既知の問題と解決策
既知の問題
現象
回避策
SavVolしきい値に達したファ 領域不足により、重複除外プロセ 重複除外処理がSavVolの制限により中
イル システムで、重複除外 ス(スキャン)に失敗する。
止される場合、次の代替手段のいずれ
プロセスが中止される。
かを使用します。
●
重複除外を多く実行するために
SavVolからデータがパージされた可
能性があるため、重複除外を一週間
以内に(またはスケジュールどおり
に)再実行します。この方法には
SavVolが保存されるという利点があ
ります。しかし、重複除外レートが大
幅に低下する可能性があります。
●
最小スキャン間隔を短くして重複除
外の実行頻度を高くします。この方
法では、使用可能となったSavVolの
領域をより迅速に使用することにな
ります。
●
一番古いチェックポイントを削除して
ファイル システムの重複除外を再有
効化することで、重複除外を再実行
します。この方法では、SavVolの空
き領域が増え、重複除外がより多く
のデータを処理できるようになりま
す。
●
SavVolを手動で拡張し、すぐに重複
除外プロセスを再度開始します。こ
の方法では、SavVolをさらに使用す
ることになりますが、ユーザーが拡
張を管理できます。
●
[fs_dedupe]コマンドを使用して
SavVolしきい値設定を変更し、
SavVolを拡張します。このコマンドに
より、重複除外が完了しますが、
SavVolは圧縮されたデータのサイズ
分だけ大きくなります。これにより、
最大限の重複除外を実現できます。
ただし、再使用できないSavVolが拡
張する可能性が大きくなります。
注: ファイル システムの重
複除外と圧縮は有効のまま
です。しかし、SavVolに重複
除外プロセスを実行するため
に十分な領域ができるまでス
キャンを続行できません。
60
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
トラブルシューティング
表 2. 既知の問題と解決策 (続き)
既知の問題
現象
回避策
重複除外を実行するために
十分な領域がファイル シス
テムにない。
ファイル システムが自動拡張に
設定されている場合、設定された
自動拡張しきい値から1%(デフォ
ルト値)を引いた値より使用領域
が大きいと、重複排除処理は中断
される。
重複除外プロセスが実行できるように、
ファイル システムを手動で拡張するか、
ファイル システムから一時的に一部の
ファイルを移動します。領域が使用可能
となってから、移動したファイルを戻しま
す。
注: ファイル システムの重
複除外と圧縮は有効のまま
です。しかし、ファイル システ
ムに重複除外プロセスを実
行するために十分な領域が
できるまでスキャンを続行で
きません。
ファイル システムが自動拡張に プライマリ ファイル システムの領域を空
設定されていない場合、ファイル けるために、ファイルをセカンダリ スト
システム使用率が99%以上(デフォ レージにアーカイブすることも可能です。
ルト値)の場合、重複排除処理は
中断される。
EMCトレーニングおよびプロフェッショナル サービス
EMCカスタマー エデュケーション コースは、インフラストラクチャに対する投資全体の
効果を最大限に高めるために、自社の環境内でEMCストレージ製品群を連携させる方法に
ついて学ぶのに役立ちます。EMCカスタマー エデュケーションの利点は、世界各国に設置
された便利な最新のラボで、オンライン トレーニングや実地トレーニングを受けられる
ことです。EMCカスタマー トレーニング コースは、EMCのエキスパートによって開発およ
び提供されています。コースおよび登録の情報については、EMCオンライン サポート用Web
サイト(http://Support.EMC.com)をご覧ください。
EMCプロフェッショナル サービスは、システムの効率的な導入を支援します。コンサルタ
ントがお客様のビジネス、ITプロセス、およびテクノロジーを評価し、所有する情報を最
大限に活かせる手法をお勧めします。ビジネス プランから導入まで、ITスタッフを酷使
したり新たな人材を採用したりせずに、必要な各種サポートを受けることができます。詳
細についてはEMCカスタマー サービス担当者にお問い合わせください。
EMCトレーニングおよびプロフェッショナル サービス
61
トラブルシューティング
62
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
用語集
C
CIFS(Common Internet File System)
Microsoft SMB(Server Message Block)に基づいたファイル共有プロトコル。インターネッ
トおよびイントラネットを介してファイルシステムを共有できます。
D
Data MoverDataMover
VNX for Fileのキャビネット コンポーネント。ストレージ デバイスからデータを取得し、
そのデータをネットワーク上のクライアントが使用できるようにする独自のオペレーティン
グ システムを実行します。これは「ブレード」とも呼ばれます。
I
iSCSI LUN
ストレージ メディアに対する読み取り/書き込みなどのSCSIコマンドを処理する VNX for File
iSCSIソフトウェア機能。
M
Multi-Path File System(MPFS)
MPFSソフトウェアがインストールされたマルチ プラットフォームのサーバが、直接ファイバ
チャネルまたはiSCSIチャネルを介して、EMC Symmetrixまたは
ブロック ストレージ システム用のVNX 上に格納されている共有データに同時にアクセスで
きるようにする VNX for File 機能。MPFSは、FMP(File Mapping Protocol)と呼ばれる軽
量プロトコルを追加します。FMPはメタデータの操作を管理します。
N
NDMPボリューム バックアップ(NVB)
データ ブロックをファイル レベルではなくボリューム レベルでバックアップする、EMCに
固有のNDMPバックアップ メカニズムのタイプです。従来のファイル ベースのバックアップ
に使われていた方法と比較して、NVBは効率的にディスク データ ブロックのセットを読み取
ります。NVBは、EMC認定ベンダーのバックアップ ソフトウェアだけで動作します。NVBは、
一般にVBB(ボリューム ベースのバックアップ)として知られています。
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
63
用語集
Network Data Management Protocol(NDMP)
マルチ プラットフォームのネットワーク接続型ストレージを使用する、企業規模のバック
アップおよびリカバリ向けに設計されたオープン スタンダードのネットワーク プロトコル。
NFS(Network File System)
ローカル ディスクに接続されたネットワーク デバイスであるかのように簡単に、クライア
ント コンピュータからネットワーク経由でファイルにアクセスできるネットワーク ファイ
ル システム プロトコル。
P
Portable Archive Interchange(PAX)
標準のUNIXテープ形式に対応し、ファイル レベルでバックアップおよびリカバリ操作を行う
VNX for File アーカイブ プロトコルです。
Q
quota
ユーザーまたはユーザー グループが本番ファイル システムに作成できる、割り当てディス
ク領域の容量およびファイル(inode)数に対する制限。クォータは、ユーザーまたはユー
ザー グループが使用できる、ディスク領域の容量、ファイル数、もしくはその両方を制御し
ます。
S
Service Level Agreement(SLA)
期待される可用性、保守性、パフォーマンス、操作、その他のサービス属性のレベルとSLAに
違反した場合の罰則も正式に定義した契約または合意。SLAには、許容可能なダウンタイムや
災害復旧時間が含まれる場合があります。理論的には、SLAは正式な合意ですが、 実際には
非公式の合意であることが多く、このため、SLE(サービス レベルの期待)と呼ばれること
があります。
SnapSure
VNX for File で、ファイル システムの読み取り専用ポイント イン タイム コピーを提供す
る機能。このコピーは、チェックポイントとも呼ばれます。
あ
圧縮
元より小さいビット数でデータの反復パターンを表現し、データサイズを削減するデータ エ
ンコード処理。
い
インターネットSCSI(iSCSI)
TCP/IPネットワークを介してSCSIパケットを送信するためのプロトコル。
64
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
用語集
こ
高速クローン
ファイルの書き込み可能な仮想の(またはシンの)ポイント イン タイム コピー。ファイル
の高速クローンは、ファイル システム内で独立したファイルのように見えますが、クローン
元のソース ファイルと元のブロックを共有します。ソース ファイルまたはクローン ファイ
ルのいずれかに変更が行われれば、高速クローンで追加のブロックが作成されます。
さ
再重複
ファイルに対する の重複除外による効果を取り消す処理。ファイルが圧縮されている場合は
解凍されます。ファイル データの複数のインスタンスがある場合は、ファイルのインスタン
ス間でブロックが共有されないように、ファイル データのコピーが作成されます。この処理
では、ファイル システム内で追加の領域を使用します。したがって、この処理が完了するま
での間、元のファイルのコピーをもう1つ保持するため、ファイル システム内に十分な空き
領域が必要です。
ち
重複除外
冗長データの圧縮に使用されるプロセス。ファイル システム上の保存領域を確保します。同
一データを持つ複数のファイルがある場合、ファイル システムは、1個だけデータのコピー
を保存し、そのデータを複数のファイル間で共有します。ファイルの個々のインスタンスは、
異なる名前、セキュリティ属性、タイムスタンプを持つことができます。重複除外の影響を
受けるメタデータはありません。
な
内部のポリシー エンジン
ファイルを重複排除、または要求に応じて再重複するために定期スキャンを行う内部プロセ
ス。
ふ
プライマリ ストレージ
通常のファイル、またはアーカイブ ファイルを表すスタブ ファイルから、クライアントが
それらのファイルにアクセスできるようにする VNX for File 。 VNX for File には、すべ
てのスタブ ファイルが格納されています。
フル クローン
ソース ファイルの完全でブロックに依存しないコピー。
り
リンク統合
IEEE 802.3ad LACP(Link Aggregation Control Protocol)標準に基づく高可用性機能。同
じスイッチに接続する、似た特性を持ったEthernetポートを、単一のMACアドレスと潜在的に
複数のIPアドレスを持つ単一の仮想デバイスまたはリンクに結合できます。
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
65
用語集
66
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
索引
C
NDMPリストアの制限事項 10
CIFS圧縮、設定 52
CIFS圧縮ファイル属性 17
P
PAXベースのNDMPバックアップ 17
E
EMC E-Lab Navigator 58
S
SHA-1ハッシュ計算 15
F
FileMover API 18
FileMover統合 20
あ
iSCSI LUNの制限事項 10
空き領域の制限事項 9
アクセス タイム、設定 43
圧縮方法の設定 33
アプリケーション統合 18
アプリケーションの統合 18
L
え
LAN統合 19
エラー メッセージ 58
M
か
MPFSの制限事項 10
MPFSの統合 21
概念の概要 14
外部重複除外 18
書き込み処理 14
過剰使用の制限事項 9
I
N
NDMPcopyの制限事項 10
NDMP NVB制限事項 10
NDMP NVBの統合 19
NDMP非NVBの統合 19
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
67
索引
関連情報 11
き
既知の問題 59
く
クローン作成機能 18
こ
高速クローン 18
さ
最小サイズ ファイルの制限事項 9
最小スキャン間隔、設定 46
最小ファイル サイズ、設定 45
最大ファイル サイズ、設定 44
最大ファイル サイズの制限事項 9
し
システム要件 8
重複排除されたファイル システムの表示 32
重複排除設定のクエリー 35
重複排除の手動テスト 29
重複排除のテスト、手動 29
重複排除の取り消し 38
状態、重複排除 15
重複排除(続く)
最小スキャン間隔の設定 46
最小ファイル サイズの設定 45
最大ファイル サイズの設定 44
手動テスト 29
状態 15
中断 37
重複データ検出方法の設定 48
データ比較機能の変更 15
デフォルト設定のリセット 54
取り消し 38
パス名の除外 42
バックアップ データ閾値の設定 50
ファイル拡張子の除外 40
ファイル システムの表示 32
ファイル システムのリスト 33
変更時間の設定 47
有効化 26
重複排除の管理 27
重複排除の構成 25
重複排除の中断 37
重複排除の有効化 26
重複排除ファイル システムのリスト 33
て
データ比較機能の変更 15
データ比較機能、変更 15
デフォルト設定、リセット 54
と
トラブルシューティング 57
せ
制限 9
制限事項 9
た
は
バイト単位の計算 15
パス名の除外 26, 42
バックアップ、PAXベースのNDMP 17
バックアップ データ閾値、設定 50
代替データ ストリームの制限事項 10
ふ
ち
重複データ検出方法、設定 48
重複データ検出方法の設定 48
重複排除
CIFS圧縮の設定 52
アクセス タイムの設定 43
圧縮方法の設定 33
管理 27
クエリー設定 35
構成 25
68
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
ファイル拡張子の除外 26, 40
ファイル システム
重複排除の表示 32
重複排除の中断 37
重複排除のリスト 33
ファイルシステム
重複排除の取り消し 38
ファイル システム移行 20
ファイルシステムの重複排除制限事項 9
ファイル システムの領域使用状況の統合 21
索引
ファイル レベル保存期間設定の統合 20
フル クローン 18
へ
変更時間、設定 47
ほ
容量削減型バックアップ 17
容量を節約したファイルの制限事項 10
読み取り処理 14
れ
レプリケーションの制限事項 9
レプリケーションの統合 23
ポイント イン タイムのファイル システム ビュー
の統合 21
め
メッセージ、エラー 58
も
問題、既知 59
ゆ
ユーザー インタフェースの選択 11
よ
要件、システム 8
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
69
索引
70
VNXファイル重複排除と圧縮機能の使用方法7.1
Fly UP